JP7000249B2 - 通信装置及びキュー管理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、通信装置及びキュー管理方法に関する。
受動光ネットワーク(PON:Passive Optical Network)では、光加入者線終端装置(OLT:Optical Line Terminal)と光加入者線ネットワーク装置(ONU:Optical Network Unit)とが、光ファイバ分配網(ODN:Optical Distribution Network)を介してポイントツーポイント又はポイントツーマルチポイントで通信する。以下、ONUからOLTに向かう方向を「上り」、OLTからONUに向かう方向を「下り」という。
時分割多重(TDM:Time division multiplexing)を用いるPONでは、OLTに収容されるONUに、ODNを介して下り光信号が到着する。OLTは、この下り信号に、取得対象を識別する識別子であるONU-ID、Alloc-ID、又は、LLID(Logical Link ID)を付与してもよいし、下り信号を符号化し、復号できるか否かにより取得対象を示してもよい。ONUは、取得対象の識別子以外が付与されている又は正常に復号できない下り光信号を、必要に応じて破棄してもよい。
OLTは、複数のONUから時分割多重で時間的に分離して到着すべき上り光信号が時間的に重なって到着(衝突)した場合、それら上り光信号を正しく復号することができない。このため、時分割多重を用いるPONでは、動的帯域割当(DBA:Dynamic Bandwidth Assignment)の手順に従って、各ONUの上り光信号の送信タイミングをスケジューリングする。動的帯域割当には、OLTが、ONUからOLTへの申告であるDBRu(Dynamic Bandwidth Report upstream)等のREPORTメッセージ等に従って、送信許可を示すGATEメッセージ等をONUへ送信する方法がある。
上り光信号の輻輳を回避する方法として、バックプレッシャによるユーザ機器からの送信抑止や、ONU又はONUにおける優先キューでのTail Dropping等のAQM(Active Queue Management)がある。Tail Droppingには、EPD(Early Packet Discard)やPPD(Partial Packet Discard)等がある。Tail Droppingは、優先キューが満たされている場合に、優先キューに入力される前等に、キュー溢れによりフレームを廃棄する輻輳回避方法である。AQMには、他にRED(Random Early Detection)やWRED(Weighted RED)等もある。REDやWREDは、輻輳発生以前に予め廃棄を起こす輻輳回避方法である。REDやWREDは、Tail Droppingと比べて時間的に先に到着するフレームを廃棄するので、トランスポート層伝送制御プロトコル(TCP:Transmission Control Protocol)等の輻輳中にトラフィックを減速させるトラフィック輻輳制御と親和性が高く、効果的である。
岩田敏行、中西泰彦、前田洋一、「PON型アーキテクチャアクセスにおけるトラヒック制御方式の提案」、社団法人電子情報通信学会、電子情報通信学会論文誌 B、2006年、Vol.J89-B、No.5、p.705-719
しかしながら、ONUの上りキューに、自装置の上りキューのみをトリガーに動作する単純なAQMを適用した場合、自装置におけるキュー情報のみに基づいてデータ廃棄を行うため、不必要な廃棄によりPONシステム全体の帯域利用効率が低下することがあるという課題があった。
上記事情に鑑み、本発明は、通信システム全体の帯域利用効率を低下させないようにキューを管理することができる通信装置及びキュー管理方法を提供することを目的としている。
本発明の一態様は、1以上の通信装置が上位通信装置と通信する通信システムにおける前記通信装置であって、前記上位通信装置へ伝送する上りデータを受信する受信部と、前記受信部が受信した前記上りデータを保持するキューと、前記上位通信装置から割当帯域の情報を受信する割当帯域受信部と、前記上りデータのデータ量に基づいて、前記上りデータを廃棄する割合である廃棄率又は前記上りデータの廃棄量を計算する計算部と、前記データ量と前記上位通信装置からの前記割当帯域の情報とを用いて判断した前記通信システムの輻輳状態に基づいて、上りデータの一部廃棄の要否と、前記計算部が計算する前記廃棄率又は前記廃棄量の増減とのうち少なくとも一方を決定する調整部と、前記調整部の決定に従って、前記受信部が受信した上りデータの一部を前記キューに保持せずに廃棄する処理と、廃棄されずに前記キューに保持された前記上りデータを前記割当帯域に従って前記上位通信装置に送信する処理とを行う上り信号処理部と、を備える。
本発明の一態様は、上述の通信装置であって、前記調整部は、前記通信システムが輻輳していると判断した時間又は回数が所定条件を満たした場合、上りデータの一部廃棄が必要であると判断した時間又は回数が所定条件を満たした場合、あるいは、前記データ量が所定よりも多い場合に、前記計算部が計算する前記廃棄率又は前記廃棄量を増加させる。
本発明の一態様は、上述の通信装置であって、前記調整部は、所定時間が経過した場合、前記通信システムが輻輳していないと判断した時間又は回数が所定条件を満たした場合、上りデータの一部廃棄が不要であると判断した時間又は回数が所定条件を満たした場合、あるいは、前記データ量が所定よりも少ない場合に、増加させていた、前記計算部が計算する前記廃棄率又は前記廃棄量を減少させる。
本発明の一態様は、上述の通信装置であって、前記調整部は、前記通信システムが輻輳していないと判断した時間又は回数が所定条件を満たした場合、又は、前記データ量が所定よりも少ない場合に、前記計算部が計算する前記廃棄率又は前記廃棄量を減少させる。
本発明の一態様は、上述の通信装置であって、前記調整部は、所定時間が経過した場合、前記通信システムが輻輳していると判断した時間又は回数が所定条件を満たした場合、上りデータの一部廃棄を行うと判断した時間又は回数が所定条件を満たした場合、あるいは、前記データ量が所定よりも多い場合に、減少させていた、前記計算部が計算する前記廃棄率又は前記廃棄量を増加させる。
本発明の一態様は、上述の通信装置であって、前記調整部は、複数回判断した前記輻輳状態の統計に基づいて、上りデータの一部廃棄の要否と、前記計算部が計算する前記廃棄率又は前記廃棄量の増減とのうち少なくとも一方を決定する。
本発明の一態様は、上述の通信装置であって、前記調整部は、前記データ量の統計と前記上位通信装置からの前記割当帯域の統計とを用いて前記通信システムの輻輳状態を判断する。
本発明の一態様は、1以上の通信装置が上位通信装置と通信する通信システムにおける前記通信装置のキュー管理方法であって、前記上位通信装置へ伝送する上りデータを受信する受信ステップと、前記受信ステップにおいて受信した前記上りデータをキューに一時的に保持するキューイングステップと、前記上位通信装置から割当帯域の情報を受信する割当帯域受信ステップと、前記上りデータのデータ量に基づいて、前記上りデータを廃棄する割合である廃棄率又は前記上りデータの廃棄量を計算する計算ステップと、前記データ量と前記上位通信装置からの前記割当帯域の情報とを用いて判断した前記通信システムの輻輳状態に基づいて、上りデータの一部廃棄の要否と、前記計算ステップにおいて計算された前記廃棄率又は前記廃棄量の増減とのうち少なくとも一方を決定する調整ステップと、前記調整ステップにおける決定に従って、前記受信ステップにおいて受信した上りデータの一部を前記キューに保持せずに廃棄する廃棄ステップと、廃棄されずに前記キューに保持された前記上りデータを前記割当帯域に従って前記上位通信装置に送信する送信ステップと、を有する。
本発明により、通信システム全体の帯域利用効率を低下させないように通信システムのキューを管理することが可能となる。
本発明の実施形態による光通信システムの構成図である。 本実施形態によるONUの機能ブロック図である。 第1の実施形態による廃棄率の増加方法を示す図である。 本実施形態に関連するONUの機能ブロック図である。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態による光通信システム1の構成図である。本実施形態では、光通信システム1がPON(Passive Optical Network;受動光ネットワーク)である場合を例に説明する。光通信システム1は、ONU100と、OLT200と、ODN300とを備える。
ONU100は、光信号によって通信する光ネットワーク終端装置である。ONU100は、ユーザ装置400などの下位の装置から入力された上りデータをキューに一時的に保持し、OLT200からの送信許可に応じて、上り光信号としてODN300を介してOLT200に出力する。また、ONU100は、ODN300を介してOLT200から下り光信号を受信し、下りデータとしてユーザ装置400などの下位の装置に出力する。ONU100は、FTTB(Fiber to the building)等の装置の一部でもよい。
OLT200は、光回線終端装置である。OLT200は、ODN300を介して1台以上のONU100からの上り光信号を受信し、上り光信号に含まれる上りデータを図示しない上位装置に出力する。また、OLT200は、図示しない上位装置から入力された下りデータを、下り光信号としてODN300を介してONU100に送信する。
ODN300は、上り光信号と下り光信号とを伝送する。ODN300中に光スプリッタを備える場合、光スプリッタは1台以上のONU100それぞれから送信される上り光信号を合流してOLT200に送信し、OLT200から受信した下り光信号を分岐して各ONU100に送信する。例えば、光スプリッタは、複数のONU100から送信される上り信号を、TDMA(時分割多重アクセス)方式により多重してOLT200に送信する。
ONU100は、上りデータのキュー又は優先キューに対するAQM機能を具備する。AQM機能は、キュー長などの輻輳回避パラメータの情報に基づいて、データ廃棄率、例えば、イーサネット(登録商標)フレーム単位での廃棄率や廃棄閾値等(以降、総称して「廃棄率」と記載する)を決定し、その廃棄率に従ってデータを廃棄することによって輻輳を回避する。
ここで、本実施形態に関連するONUについて説明する。図4は、本実施形態に関連するONU900の構成を示す機能ブロック図である。ONU900は、例えば、図1に示すONU100に代えて用いられる。ONU900は、自装置内のキュー情報のみに基づいてAQMにより輻輳回避を行う。
上り信号処理部931は、UNI(User-Network Interface)ポート910から出力された上り信号のフレームを、キュー932に保持(キューイング)する。上り信号処理部931は、キュー932にキューイングされているフレームの長さを示すキュー長情報をMPCP部934及びAQM部940に出力する。AQM部940の廃棄率計算部941は、キュー長情報に基づいて決定した廃棄率を示す廃棄率情報を上り信号処理部931に出力する。上り信号処理部931は、廃棄率情報に基づいて、UNIポート910から出力された上りフレームデータの一部をキューイングせずに廃棄する。
MPCP(Multi-Point Control Protocol)部934は、SR(Status Reporting) DBAを行うSRモードでは、上りデータのデータ量(以下、「上りデータ量」とも記載する。)を表すキュー長情報に基づいて帯域割当を要求するデータ量を決定し、REPORTメッセージの帯域要求情報に設定する。帯域割当とは、ONUへ帯域の割当てを行う処理である。帯域割当によりONUへ割り当てられた帯域を割当帯域と記載する。また、帯域割当を要求することを帯域要求と記載し、割当を要求する帯域を要求帯域と記載する。帯域要求情報は、要求帯域を示す情報である。REPORTメッセージは、上り信号処理部931からPON-IF(Interface)ポート920に出力され、PON-IFポート920において光信号に変換されてOLT200に送信される。OLT200は、REPORTメッセージの受信、各ONU900の割当帯域の使用量又は使用率の履歴等のトラフィックモニタの結果、あるいは、他の装置からの通知等に対応してGATEメッセージを送信する。OLT200から送信されたGATEメッセージは、PON-IFポート920において光信号から電気信号に変換され、下り信号処理部933からMPCP部934に出力される。MPCP部934は、GATEメッセージから帯域割当情報を取得し、上り信号処理部931に出力する。帯域割当情報は、ONUへの割当帯域を示す情報である。上り信号処理部931は、帯域割当情報が示す当該ONU900の割当帯域に従って、キュー932にキューイングされている上り信号のフレームを読み出してPONフレームに変換し、PON-IFポート920は、PONフレームを光信号によりOLT200に送信する。
上述のように、ONU900は、PONの輻輳状態にかかわらず、当該ONU900のキュー情報のみに基づいて上りデータ廃棄を行うため、PONが輻輳していない場合にはPON全体の効率が低下する場合がある。そこで、本実施形態のONU100は、当該ONU100からOLT200へ送信するREPORTメッセージ等に含まれる帯域要求情報又は当該ONU100における上りデータのデータ量と、OLT200から当該ONU100へ送信されたGATEメッセージ等に含まれる帯域割当情報とに基づいて、PON(光通信システム1)全体の上り輻輳状態を推定する。ONU100は、この推定結果をAQMの実行又は停止の制御や、上りデータの廃棄の実行又は停止の制御や、キューの廃棄率の決定に反映することで、非輻輳時の廃棄を軽減し、PON全体の帯域利用効率を向上させる。
なお、DBAには、ONUがREPORTメッセージ等により必要な帯域をOLTに通知するSR DBAのほか、NSR(Non Status Reporting) DBAやTM(Traffic monitoring) DBAがある。TM DBA等では、OLTがONUから受信する上りデータをモニタすることにより各ONUの上りデータ量を把握する。PONがSRモードの場合、ONU100は、PON全体の上り輻輳状態の推定にREPORTメッセージ等に含まれる帯域要求情報を用いることができるが、TM DBAを行うTMモード(NSRモード)等であって、OLT200に通知するREPORTメッセージ等を生成しない場合は、当該ONU100における上りデータ量を用いる。また、SRモード等でOLT200に通知するREPORTメッセージ等を生成する場合でも、ONU100は、当該ONU100における上りデータ量を用いてもよい。
ONU100が、PON全体の上り輻輳状態の推定に当該ONU100における上りデータ量を用いる場合、帯域要求情報を生成するまで待つ必要がないので、処理を速くできる。また、ONU100から帯域要求を行うSR DBA以外でも利用が可能であるという利点がある。なお、ONU100は、推定に用いる上りデータ量として、帯域割当時点の値を用いてもよいが、SR DBAであれば、帯域割当に対応する時点の値を用いることが望ましい。また、TM DBA等であれば、割当帯域の決定に用いられた過去の上りデータ量の履歴や統計値を用いた方が良い。
また、帯域要求情報を用いる場合は、要求帯域と割当帯域が概ね対応するならば、対応するものを用いれば簡便である。なお、帯域要求情報を用いる場合でも、帯域割当にTM DBAを併用する場合や、上りデータ量の履歴や統計値を用いる場合は、それに応じた値を用いることがPONの輻輳状態の推定の精度を上げる観点から望ましい。
図2は、本実施形態によるONU100の構成を示す機能ブロック図であり、本実施形態と関係する機能ブロックのみを抽出して示してある。ONU100は、下位通信部110、上位通信部120、PON信号処理部130及びキュー管理部140を備える。
下位通信部110は、ユーザ装置400などの下位の通信装置との間でデータを送受信する。下位通信部110は、例えば、図4に示すUNIポート910である。下位通信部110は、ユーザ装置400から受信した上り信号をPON信号処理部130に出力する。また、下位通信部110は、PON信号処理部130が出力した下り信号をユーザ装置400へ送信する。
上位通信部120は、ODN300を介してOLT200と光信号を送受信する。上位通信部120は、例えば、図4に示すPON-IFポート920である。上位通信部120は、PON信号処理部130が出力した上り信号を電気信号から光信号に変換し、ODN300を介してOLT200へ送信する。また、上位通信部120は、ODN300を介して受信した下り光信号を電気信号に変換してPON信号処理部130に出力する。
PON信号処理部130は、上り信号処理部131、下り信号処理部133及びMPCP部134を備える。上り信号処理部131は、上り信号のフレームを一時的に保持する(キューイング)するキュー132を備える。上り信号処理部131は、優先度に応じた複数のキュー132を備えてもよい。なお、PON信号処理部130は、キュー132を上り信号処理部131の外部に備えてもよい。上り信号処理部131は、キュー132にキューイングされているフレームの長さ、すなわち、キューイングされている上りデータのデータ量を示すキュー長情報をMPCP部134及びキュー管理部140に出力する。キュー管理部140が、上りデータのデータ量の情報として、MPCP部134から出力される帯域要求情報を流用する場合、上り信号処理部131はキュー管理部140にキュー長情報の出力を行わなくてもよい。上り信号処理部131は、MPCP部134が出力したREPORTメッセージなどの制御信号を、上り信号のフレームに設定して上位通信部120に出力する。また、上り信号処理部131は、後述するキュー管理部140の調整部142から指示された最終廃棄率情報に従って、下位通信部110から出力された上り信号のフレームの一部を廃棄する。上り信号処理部131は、キュー132にキューイングされているフレームを、MPCP部134から通知された帯域割当情報が示す当該ONU100の割当帯域に従って読み出し、PONフレームに変換して上位通信部120に出力する。
下り信号処理部133は、図4に示す下り信号処理部933と同様の機能を有する。下り信号処理部133は、OLT200が送信した下り信号を上位通信部120から受信し、下り信号に付与されているAlloc-ID等の識別情報や下り信号を復号できるか等に基づいて、自ONU100宛ての下り信号を取得する。下り信号処理部133は、取得した下り信号に設定されている制御信号のGATEメッセージ等をMPCP部134に出力する。なお、ITU系のATM(Automatic Teller Machine)-PON、ブロードバンドPON(BPON)、ギガビット・パッシブ・オプティカル・ネットワーク(G-PON)、XG(10Gigabit Capable)-PON、XGS(10Gigabit-capable Symmetric)-PON、NG(Next Generation)-PON2等では、ONU毎のフレームを受けない。また、後者の4方式の場合、帯域割当情報はBWMapに設定される。また、下り信号処理部133は、ユーザ装置400宛ての下り信号を、下位の装置との間のフレームに変換し、下位通信部110に出力する。
MPCP部134は、ONU側のMPCP機能を有する。MPCP部134は、帯域要求する場合は、上り信号処理部131から受信したキュー長情報に基づいて、OLT200へ帯域割当を要求するデータ量を決定する。データ量は、通信速度を用いて要求帯域量に変換可能であり、データ量をONU100からの要求帯域、すなわち、ONU100が割当を要求する帯域とみなすことができる。MPCP部134は、決定したデータ量を示す帯域要求情報をREPORTメッセージに設定し、上り信号処理部131に出力する。なお、GPON、XG-PON、XGS-PON、NG-PON2等では、帯域要求情報はDBRuに設定される。また、MPCP部134は、制御信号のGATEメッセージ等を下り信号処理部133から受信する。MPCP部134は、OTL200が当該ONU100に割当した帯域を示す帯域割当情報をGATEメッセージ等から取得し、上り信号処理部131に出力する。さらに、MPCP部134は、REPORTメッセージ等に設定した帯域要求情報と、そのREPORTメッセージ等に対応して受信したGATEメッセージ等から取得した帯域割当情報を、後述するキュー管理部140の調整部142に出力する。
キュー管理部140は、所定のタイミングごとにPON全体の輻輳状態を判断し、判断結果に基づいてキュー132を管理する。所定のタイミングは、例えば、所定周期でもよく、1以上の所定回のGATEメッセージの受信でもよい。キュー管理部140は、廃棄率計算部141及び調整部142を備える。
廃棄率計算部141は、上り信号処理部131から受信したキュー長情報等を用いて、RED等のAQMにより廃棄率を計算する。例えば、廃棄率計算部141は、図4に示す廃棄率計算部941と同様に廃棄率を計算する。廃棄率計算部141は、計算した廃棄率を示す廃棄率情報を調整部142に出力する。
調整部142は、PON全体の輻輳の有無に基づいて、AQMの実行の要否と、AQMに廃棄の実行の要否、廃棄率計算部141が計算した廃棄率又は廃棄量の増減との少なくともいずれかを決定する。調整部142は、廃棄率計算部141が計算した廃棄率情報と、MPCP部134(IEEE802.3準拠の場合、ITU-T準拠の場合は対応する機能部)からの帯域割当情報とを基にこれらの処理を行ってもよいし、MPCP部134(IEEE802.3準拠の場合、ITU-T準拠の場合は対応する機能部)からの帯域割当情報と帯域要求情報とを基に処理してもよい。MPCP部134からの帯域割当情報と帯域要求情報とを用いる場合は、特にPON全体の輻輳状態に基づくAQM実行の要否の判断に好適である。
調整部142は、AQMの実行要と判断した場合、キュー132に対するAQMを実行する。AQM実行時、調整部142は、廃棄率計算部141が計算した廃棄率に対して増減を行った結果を示す最終廃棄率情報を上り信号処理部131に出力し、上りフレームの廃棄を実行させる。なお、廃棄率の増減を行わない場合、調整部142は、廃棄率計算部141が計算した廃棄率情報をそのまま最終廃棄率情報として上り信号処理部131に出力する。また、調整部142は、AQMの実行不要と判断した場合、キュー132に対するAQMを停止する。また、調整部142は、AQMによる廃棄の実行不要と判断した場合、キュー132に対するAQMによる廃棄を停止する。
なお、調整部142は、AQMを停止する場合、廃棄率計算部141におけるAQM自体を停止してもよく(AQM自体のOFF)、廃棄率計算部141におけるAQM自体は実行させたまま、上り信号処理部131への最終廃棄率の出力を停止することにより、廃棄処理を停止してもよい(AQMの廃棄処理のOFF)。また、調整部142は、AQMを実行する場合、廃棄率計算部141が停止していたAQM自体の実行を開始してもよく(AQM自体のON)、廃棄率計算部141がAQM自体を実行していたものの、上り信号処理部131への最終廃棄率情報の出力を停止していた状態を解除し、上り信号処理部131に最終廃棄率情報を出力して廃棄処理を実行させてもよい(AQMの廃棄処理のON)。
調整部142は、当該ONU100における輻輳状態を表す情報をさらに用いてAQMの実行の要否を判断してもよい。例えば、調整部142は、PON全体は輻輳していない場合でも、当該ONU100に輻輳が発生している場合はAQMの実行要と判断してもよい。調整部142は、当該ONU100の輻輳状態を表す情報として、例えば、廃棄率計算部141から取得した廃棄率情報を用いてもよく、キュー長情報を用いてもよい。
上記構成により、ONU100は、以下のように動作する。上り信号処理部131は、下位通信部110から出力された上り信号のフレームを、キュー132に保持(キューイング)する。上り信号処理部131は、キュー長情報をMPCP部134及び廃棄率計算部141に出力する。廃棄率計算部141は、キュー長情報に基づいてフレームの廃棄率を決定し、決定した廃棄率情報を示す廃棄率情報を調整部142に出力する。
MPCP部134は、帯域割当を要求するデータ量をキュー長情報に基づいて決定し、決定したデータ量を示す帯域要求情報をREPORTメッセージに設定して上り信号処理部131に出力する。上り信号処理部131は、REPORTメッセージを上位通信部120に出力する。上位通信部120は、REPORTメッセージを光信号によりOLT200に送信する。
上位通信部120は、REPORTメッセージに対応してOLT200からGATEメッセージを受信し、光信号から電気信号に変換して下り信号処理部133に出力する。下り信号処理部133は、自ONU100宛てのGATEメッセージを取得し、MPCP部134に出力する。MPCP部134は、GATEメッセージに設定されている帯域割当情報を取得する。MPCP部134は、帯域割当情報を上り信号処理部131に出力し、帯域要求情報及び帯域割当情報を調整部142に出力する。
調整部142は、帯域要求情報及び帯域割当情報から得られるPON全体の輻輳の有無に基づいてAQMを実行するか否かを判断する。調整部142は、判断結果に従ってAQM自体のON/OFF又はAQMによる廃棄処理のON/OFFを行う。調整部142は、AQMを実行する場合、廃棄率計算部141が計算した廃棄率をPON全体の輻輳の有無に基づいて増減し、増減後の廃棄率を示す最終廃棄率情報を上り信号処理部131に出力する。あるいは、調整部142は、廃棄率計算部141が計算した廃棄率をそのまま最終廃棄率情報としてもよい。また、調整部142は、AQMの実行有無を判断せず、PON全体の輻輳の有無に基づいて、廃棄率計算部141が計算した廃棄率の増減を行ってもよい。
上り信号処理部131は、最終廃棄率情報に従って、下位通信部110から入力した上り信号のフレームの一部をキュー132にキューイングせずに廃棄し、廃棄しなかったフレームをキュー132にキューイングする。上り信号処理部131は、帯域割当情報が示す当該ONU100の割当帯域に従って、キュー132にキューイングされている上り信号のフレームを読み出してPONフレームに変換し、上位通信部120に出力する。上位通信部120は、PONフレームを光信号によりOLT200に送信する。
以下に、キュー管理部140による具体的なキュー管理方法について説明する。
(第1の実施形態)
本実施形態は、廃棄率の増加とAQM停止を組み合わせたキュー管理である。
ONU100の調整部142は、当該ONU100が送信した帯域要求情報に設定した又は上り信号処理部131から通知された当該ONU100の上りデータ量と、当該ONU100に割当てられた割当帯域とに基づいて、PON全体の要求帯域を推定する。調整部142は、推定されたPON全体の要求帯域がONU100に割当可能な上り帯域の合計を上回った場合にPON全体が輻輳していると判断し、廃棄率計算部141がAQMにより計算した廃棄率を増加させて上り信号処理部131に指示する。調整部142は、PON全体の要求帯域が、各ONU100に割当可能な上り帯域の合計以下であればAQMの実行は不要と判断し、AQMを停止する。
例えば、ONU100に割当可能な上り帯域の合計が10Gbit/s(ギガビット毎秒)であり、10台のONU100がOLT200に接続されている場合を考える。ONU100の要求帯域が1Gbit/sであり、OLT200から当該ONU100に割当てられた割当帯域が500Mbit/sであったとする。また、OLT200のDBAメカニズムが各ONU100の要求帯域に応じた比例配分であったとする。この場合、調整部142では、要求帯域である1Gbit/sがPON全体の要求帯域の(500Mbit/s)÷(10Gbit/s)=1/20であったことが分かり、PON全体の要求帯域は20Gbit/sであったと推定できる。調整部142は、PON全体の要求帯域が、ONU100に割当可能な上り帯域の合計10Gbit/sを超えているために、PON全体が輻輳している状態であることが分かり、AQMの実行要と判断して、廃棄率を増加させる。
なお、REPORTメッセージには要求帯域を示す帯域要求情報にデータ量を設定し、GATEメッセージにはONU100が通信可能な時間(例えば、割当てるタイムスロット)を帯域割当情報として設定する。ONU100がODN300を介して送信する上り光信号の速度は予め決められているため、上記では、データ量及び通信可能な時間を、単位時間におけるデータ量に換算している。以下の実施形態でも同様である。
図3は、廃棄率の増加方法を示す図である。図3(a)~(d)において、L1は廃棄率計算部141が計算した廃棄率であり、L2は調整部142における増加後の廃棄率である。同図の例では、廃棄率計算部141は、廃棄率が上限値に達するまでは、キュー長が長くなるほど高い廃棄率とする。
調整部142は、図3(a)及び図3(b)に示すように、キュー長変化に対する廃棄率の増分を、キュー長が長くなるほど増分が大きくなるように増加させてもよい。また、調整部142は、図3(c)及び図3(d)に示すように、キュー長に対する廃棄率増加の傾きを保ったまま、廃棄率を一定量増加するようにシフトしてもよい。また、調整部142は、廃棄率の上限を、図3(b)及び図3(d)に示すように廃棄率増加前の上限と同じに設定してもよく、図3(a)及び図3(c)に示すように、廃棄率増加前の上限よりも高く設定してもよい。ただし、廃棄率は0から1の範囲とする。
また、調整部142は、以下の(1a)~(8a)のいずれかの条件を満たす場合に、増加させた廃棄率を所定の値、例えば増加させる前の値に戻してもよいし、減じてもよい。すなわち、(1a)所定の時間が経過した、(2a)輻輳ではないと判断した、(3a)所定時間又は所定回数連続して輻輳ではないと判断した、(4a)過去の所定時間の判断であらかじめ定めた時間以上、又は、過去の所定回数の判断で予め定めた回数以上輻輳ではないと判断した、(5a)AQMの実行不要と判断した、(6a)所定時間又は所定の回数連続してAQMの実行不要と判断した、(7a)過去の所定時間の判断であらかじめ定めた時間以上、又は、過去の所定回数の判断で予め定めた回数以上AQMの実行不要と判断した、(8a)当該ONU100における上りデータ量が所定よりも多い、という条件である。
(第2の実施形態)
本実施形態は、廃棄率の減少とAQM開始を組み合わせたキュー管理である。
ONU100の調整部142は、当該ONU100が送信した帯域要求情報に設定した要求帯域と、帯域割当情報が示す当該ONU100の割当帯域とに基づいて、PON全体の要求帯域を推定する。調整部142は、推定されたPON全体の要求帯域がONU100に割当可能な上り帯域の合計を上回った場合に輻輳と判断し、RED等によるAQMを実行する。調整部142は、廃棄率計算部141がAQMにより計算した廃棄率をそのまま上り信号処理部131に指示する廃棄率とする。調整部142は、推定されたPON全体の要求帯域がONU100に割当可能な上り帯域の合計以下であれば、廃棄率計算部141がAQMにより計算した廃棄率を減少させて上り信号処理部131に指示する。
例えば、ONU100に割当可能な上り帯域の合計が10Gbit/sであり、10台のONU100がOLT200に接続されている場合を考える。ONU100の要求帯域が1Gbit/sであり、OLT200から当該ONU100に割当てられた割当帯域が2Gbit/sであったとする。また、OLT200のDBAメカニズムが各ONU100の要求帯域に応じた比例配分であったとする。この場合、調整部142では、要求帯域である1Gbit/sがPON全体の要求帯域の(2Gbit/s)÷(10Gbit/s)=1/5であったことが分かり、PON全体の要求帯域は5Gbit/sであったと推定できる。調整部142は、PON全体の要求帯域がONU100に割当可能な上り帯域の合計10Gbit/s以下であるために、PON全体が輻輳している状態ではないことが分かる。この場合、調整部142は、廃棄率計算部141がAQMにより計算した廃棄率に、任意の値を減算して最終的に上り信号処理部131に実施を指示する廃棄率とする。例えば、廃棄率計算部141がキュー長に基づいて計算した廃棄率が0.2であったとすると、調整部142は、0.1だけ減少させて最終的な廃棄率を0.1とすることができる。ただし、廃棄率は0から1の範囲とする。また、調整部142は、当該ONU100の要求帯域と割当帯域の比、又は、当該ONU100の要求帯域とPON全体の要求帯域の比に応じて廃棄率の減少分を決定することができる。
図3を用いて、廃棄率の減少の方法を説明する。廃棄率を減少する場合、L2が廃棄率計算部141において計算した廃棄率であり、L1が調整部142において減少させた廃棄率である。調整部142は、図3(a)及び図3(b)に示すように、キュー長変化に対する廃棄率の増分を、キュー長が長くなるほど減少させてもよい。また、調整部142は、図3(c)及び図3(d)に示すように、キュー長に対する廃棄率増加の傾きを保ったまま、廃棄率を一定量減少させるようにシフトしてもよい。また、調整部142は、減少後の廃棄率の上限を、図3(b)及び図3(d)に示すように廃棄率減少前の上限と同じに設定してもよく、図3(a)及び図3(c)に示すように、廃棄率減少前の上限よりも低く設定してもよい。
また、調整部142は、以下の(1b)~(8b)のいずれかの条件を満たす場合に、減少させた廃棄率を所定の値、例えば減少する前の値に戻してもよいし、増加させてもよい。すなわち、(1b)所定の時間が経過した、(2b)輻輳と判断した、(3b)所定時間以上又は所定回数連続して輻輳と判断した、(4b)過去の所定時間の判断であらかじめ定めた時間以上、又は、過去の所定回数の判断で予め定めた回数以上輻輳と判断した、(5b)AQMの実行要と判断した、(6b)所定時間以上又は所定の回数連続してAQMの実行要と判断した、(7b)過去の所定時間の判断であらかじめ定めた時間以上、又は、過去の所定回数の判断で予め定めた回数以上AQMの実行要と判断した、(8b)当該ONU100における上りデータ量が所定よりも多い、という条件である。
(第3の実施形態)
本実施形態は、AQMの実行及び停止を行うキュー管理である。
ONU100の調整部142は、当該ONU100が送信した帯域要求情報に設定した要求帯域と、帯域割当情報が示す当該ONU100の割当帯域とを比較する。調整部142は、要求帯域が割当帯域を上回っていればPON全体が輻輳していると判断してRED等によるAQMを実行する。調整部142は、廃棄率計算部141がAQMにより計算した廃棄率をそのまま上り信号処理部131に指示する廃棄率とする。また、調整部142は、要求帯域が割当帯域以下であればPON全体が輻輳していないため、AQMの実行が不要と判断し、AQMを停止する。
例えば、ONU100に割当可能な上り帯域の合計が10Gbit/sであり、10台のONU100がOLT200に接続されている場合を考える。ONU100の要求帯域が1Gbit/sであり、OLT200から当該ONU100に割当てられた割当帯域が500Mbit/sであったとする。この場合、調整部142は、要求帯域が割当帯域を上回っているので、PON全体が輻輳している状態と判断してAQMを実行する。一方、ONU100の要求帯域が1Gbit/sであり、OLT200から割当てられた割当帯域が2Gbit/sであったとする。この場合、調整部142は、要求帯域が割当帯域以下であるので、PON全体が輻輳している状態ではないと判断してAQMを停止する。
(第4の実施形態)
本実施形態は、廃棄率の増加と減少を行うキュー管理である。
ONU100の調整部142は、当該ONU100が送信した帯域要求情報に設定した要求帯域と、帯域割当情報が示す当該ONU100の割当帯域とを比較する。調整部142は、要求帯域が割当帯域を上回っていればPON全体が輻輳していると判断し、廃棄率計算部141がRED等のAQMにより計算した廃棄率を増加させる。調整部142は、要求帯域が割当帯域以下であれば、PON全体は輻輳していないと判断し、廃棄率計算部141がAQMにより計算した廃棄率を減少させる。
例えば、ONU100に割当可能な上り帯域の合計が10Gbit/sであり、10台のONU100がOLT200に接続されている場合を考える。ONU100の要求帯域が1Gbit/sであり、OLT200から当該ONU100に割当てられた割当帯域が500Mbit/sであったとする。調整部142は、要求帯域が割当帯域を上回っているので、PON全体が輻輳している状態とわかる。この場合、調整部142は、廃棄率計算部141がAQMにより計算した廃棄率に、任意の値を加えて最終的に上り信号処理部131に実施を指示する廃棄率とする。例えば、廃棄率計算部141がキュー長に基づいて計算した廃棄率が0.1であったとすると、調整部142は、0.1だけ増加させて0.2とすることができる。あるいは、ONU100の要求帯域が1Gbit/sであり、OLT200から割当てられた割当帯域が2Gbit/sであったとする。この場合、調整部142は、要求帯域が割当帯域以下であるので、PON全体が輻輳している状態ではないとわかる。この場合、調整部142は、廃棄率計算部141がAQMにより計算した廃棄率に、任意の値を減算して最終的に上り信号処理部131に実施を指示する廃棄率とする。ただし、廃棄率は0から1の範囲とする。また、当該ONU100の要求帯域と割当帯域の比、または当該ONU100の要求帯域とPON全体の要求帯域の比に応じて廃棄率の増分又は減少分を決定してもよい。
なお、調整部142は、廃棄率を増減する際には、キュー長変化に対する廃棄率の増分を増減させてもよく、キュー長に対する廃棄率増加の傾きを保ったままシフトして増減してもよく、また、廃棄率の上限や下限を設定してもよい。例えば、調整部142は、第1の実施形態のように増加後の廃棄率を決定してもよく、第2の実施形態のように減少後の廃棄率を決定してもよい。
調整部142は、第1の実施形態と同様に条件(1a)~(8a)のいずれかを満たす場合に、増加した廃棄率を所定の値、例えば増加させる前の値に戻してもよいし、減じてもよい。また、調整部142は、第2の実施形態と同様に条件(1b)~(8b)のいずれかを満たす場合に、減少させた廃棄率を所定の値、例えば減少させる前の値に戻してもよいし、増加させてもよい。
(第5の実施形態)
本実施形態では、上述した第1の実施形態から第4の実施形態における判断に、平均等の統計処理を加える。具体的には、調整部142は、過去一定時間内又は直近の複数回の判断において要求に対する割当の多寡が予め定めた所定時間又は所定回数以上の場合に、AQMの実行又は停止の処理や、廃棄率の増減を行う。また、調整部142は、第1~第4の実施形態における要求帯域及び割当帯域の代わりに、要求帯域の統計値及び割当帯域の統計処理値を用いる。統計値には、例えば、移動平均や指数平均等を用いることができる。なお、要求帯域の統計値及び割当帯域の統計値は、データ量に換算してもよく、単位時間当たりのデータ量に換算してもよい。また、回数で比較する場合も、予め定めた回数の値の和で判断する移動平均を用いてもよく、過去になるほど小さな重みで加算する指数平均の和を用いてもよい。
なお、上述したいずれかの実施形態において、要求帯域及び割当帯域それぞれにビットレート単位を用いたが、バイト単位又はビット単位でもよく、イーサネット(登録商標)フレーム単位又はパケット単位など任意のデータ単位でもよい。また、調整部142は、AQMの実行要否および廃棄率の増減を、優先キュー毎に判断することができる。また、ある時間区間のビット単位やバイト単位の要求帯域や割当帯域をビットレート等に換算することができる。
上述した実施形態を適用するPONは、イーサネット(登録商標)PON(EPON)、であってもよく、他のPON、例えば、ATM-PON、BPON、G-PON、NG-PON2、XG-PON、又は、XGS-PONであってもよい。なお、MPCP部等のEPONに即した機能部は、他のPONにおいて同様の機能を備える機能部とすればよい。また、上述した実施形態では、1つまたは複数のONUを例に説明したが、PONのための他のネットワーク終端装置、例えばONT(Optical Network Unit)を使用することができる。さらに本実施形態は、REDを例にして説明したが、他の輻輳回避スキームを使用してもよい。ONU100が1つのAlloc-IDを備える例で説明したが、複数備えてもよい。また、帯域要求情報や帯域割当情報等、ONU100内の各機能部間で送受信される各情報やメッセージ内に設定されるときの各情報の形式は適宜変更可能である。
以上説明した実施形態によれば、通信システムでは1以上の通信装置が上位通信装置と通信する。例えば、通信システムは光通信システム1であり、上位通信装置はOLT200であり、通信装置はONU100である。通信装置は、受信部と、キューと、割当帯域受信部と、計算部と、調整部と、上り信号処理部とを有する。受信部は、上位通信装置へ伝送する上りデータを受信する。受信部は、例えば、下位通信部110である。キューは、受信部が受信した上りデータを保持する。割当帯域受信部は、上位通信装置から割当帯域の情報を受信する。割当帯域受信部は、例えば、MPCP部134である。計算部は、キューに保持されている上りデータのデータ量に基づいて、上りデータを廃棄する割合である廃棄率又は上りデータの廃棄量(例えば、廃棄閾値)を計算する。調整部は、上りデータのデータ量と上位通信装置からの割当帯域の情報とを用いて判断した通信システムの輻輳状態に基づいて、上りデータの一部廃棄の要否と、計算部が計算する廃棄率又は廃棄量の増減とのうち少なくとも一方を決定する。上り信号処理部は、調整部の決定に従って、受信部が受信した上りデータの一部をキューに保持せずに廃棄する。また、上り信号処理部は、廃棄されずにキューに保持された上りデータを割当帯域に従って上位通信装置に送信する。
調整部は、通信システムが輻輳していると判断した時間又は回数が所定条件を満たした場合、上りデータの一部廃棄が必要であると判断した時間又は回数が所定条件を満たした場合、あるいは、上りデータのデータ量が所定よりも多い場合に、計算部が計算する廃棄率又は廃棄量を増加させる。例えば、調整部は、計算部が計算した廃棄率又は廃棄量を一定量増加させてもよく、キューイングされているデータ量が多いほど増加量が多くなるように増加させてもよい。調整部は、廃棄率を増加させてから所定時間が経過した場合、通信システムが輻輳していないと判断した時間又は回数が所定条件を満たした場合、上りデータの一部廃棄が不要であると判断した時間又は回数が所定条件を満たした場合、あるいは、上りデータのデータ量が所定よりも少ない場合に、増加させていた、計算部が計算する廃棄率又は廃棄量を減少させる。
また、調整部は、通信システムが輻輳していないと判断した時間又は回数が所定条件を満たした場合、又は、上りデータのデータ量が所定よりも少ない場合に、計算部が計算する廃棄率又は廃棄量を減少させる。例えば、調整部は、廃棄率又は廃棄量を一定量減少させてもよく、キューイングされているデータ量が多いほど減少量が多くなるように減少させてもよい。調整部は、廃棄率を減少させてから所定時間が経過した場合、通信システムが輻輳していると判断した時間又は回数が所定条件を満たした場合、上りデータの一部廃棄を行うと判断した時間又は回数が所定条件を満たした場合、あるいは、上りデータのデータ量が所定よりも多く場合に、減少させていた、計算部が計算する廃棄率又は廃棄量を増加させる。回数の所定条件は、例えば、1回、複数回連続、又は、複数回の判断のうちの所定回以上である。
また、調整部は、複数回判断した通信システムの輻輳状態の統計に基づいて、上りデータの一部廃棄の要否と、計算部が計算する廃棄率又は廃棄量の増減とのうち少なくとも一方を決定してもよい。また、調整部は、上りデータのデータ量の統計と上位通信装置からの割当帯域の統計とを用いて通信システムの輻輳状態を判断してもよい。
本実施形態により、REPORTメッセージやGATEメッセージなどの制御メッセージの改変を行わずに、PONシステム全体の帯域利用効率を改善することができる。
ONU100のPON信号処理部130及びキュー管理部140の各機能の全て又は一部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やPLD(Programmable Logic Device)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアを用いて実現される。ONU100は、バスで接続されたCPU(Central Processing Unit)やメモリや補助記憶装置などを備え、プログラムを実行することによってPON信号処理部130及びキュー管理部140の一部の機能を実現してもよい。この場合、プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されても良い。コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置である。プログラムは、電気通信回線を介して送信されても良い。
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
1対多で通信する通信システムに利用可能である。
1…光通信システム, 100…ONU, 110…下位通信部, 120…上位通信部, 130…PON信号処理部, 131…上り信号処理部, 132…キュー, 133…下り信号処理部, 134…MPCP部, 140…キュー管理部, 141…廃棄率計算部, 142…調整部, 200…OLT, 300…ODN

Claims (8)

  1. 1以上の通信装置が上位通信装置と通信する通信システムにおける前記通信装置であって、
    前記上位通信装置へ伝送する上りデータを受信する受信部と、
    前記受信部が受信した前記上りデータを保持するキューと、
    前記上位通信装置から割当帯域の情報を受信する割当帯域受信部と、
    前記上りデータのデータ量に基づいて、前記上りデータを廃棄する割合である廃棄率又は前記上りデータの廃棄量を計算する計算部と、
    前記データ量と前記上位通信装置からの前記割当帯域の情報とを用いて判断した前記通信システムの輻輳状態に基づいて、上りデータの一部廃棄の要否と、前記計算部が計算する前記廃棄率又は前記廃棄量の増減とのうち少なくとも一方を決定する調整部と、
    前記調整部の決定に従って、前記受信部が受信した上りデータの一部を前記キューに保持せずに廃棄する処理と、廃棄されずに前記キューに保持された前記上りデータを前記割当帯域に従って前記上位通信装置に送信する処理とを行う上り信号処理部と、
    を備える通信装置。
  2. 前記調整部は、前記通信システムが輻輳していると判断した時間又は回数が所定条件を満たした場合、上りデータの一部廃棄が必要であると判断した時間又は回数が所定条件を満たした場合、あるいは、前記データ量が所定よりも多い場合に、前記計算部が計算する前記廃棄率又は前記廃棄量を増加させる、
    請求項1に記載の通信装置。
  3. 前記調整部は、所定時間が経過した場合、前記通信システムが輻輳していないと判断した時間又は回数が所定条件を満たした場合、上りデータの一部廃棄が不要であると判断した時間又は回数が所定条件を満たした場合、あるいは、前記データ量が所定よりも少ない場合に、増加させていた、前記計算部が計算する前記廃棄率又は前記廃棄量を減少させる、
    請求項2に記載の通信装置。
  4. 前記調整部は、前記通信システムが輻輳していないと判断した時間又は回数が所定条件を満たした場合、又は、前記データ量が所定よりも少ない場合に、前記計算部が計算する前記廃棄率又は前記廃棄量を減少させる、
    請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の通信装置。
  5. 前記調整部は、所定時間が経過した場合、前記通信システムが輻輳していると判断した時間又は回数が所定条件を満たした場合、上りデータの一部廃棄を行うと判断した時間又は回数が所定条件を満たした場合、あるいは、前記データ量が所定よりも多い場合に、減少させていた、前記計算部が計算する前記廃棄率又は前記廃棄量を増加させる、
    請求項4に記載の通信装置。
  6. 前記調整部は、複数回判断した前記輻輳状態の統計に基づいて、上りデータの一部廃棄の要否と、前記計算部が計算する前記廃棄率又は前記廃棄量の増減とのうち少なくとも一方を決定する、
    請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の通信装置。
  7. 前記調整部は、前記データ量の統計と前記上位通信装置からの前記割当帯域の統計とを用いて前記通信システムの輻輳状態を判断する、
    請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の通信装置。
  8. 1以上の通信装置が上位通信装置と通信する通信システムにおける前記通信装置のキュー管理方法であって、
    前記上位通信装置へ伝送する上りデータを受信する受信ステップと、
    前記受信ステップにおいて受信した前記上りデータをキューに一時的に保持するキューイングステップと、
    前記上位通信装置から割当帯域の情報を受信する割当帯域受信ステップと、
    前記上りデータのデータ量に基づいて、前記上りデータを廃棄する割合である廃棄率又は前記上りデータの廃棄量を計算する計算ステップと、
    前記データ量と前記上位通信装置からの前記割当帯域の情報とを用いて判断した前記通信システムの輻輳状態に基づいて、上りデータの一部廃棄の要否と、前記計算ステップにおいて計算された前記廃棄率又は前記廃棄量の増減とのうち少なくとも一方を決定する調整ステップと、
    前記調整ステップにおける決定に従って、前記受信ステップにおいて受信した上りデータの一部を前記キューに保持せずに廃棄する廃棄ステップと、
    廃棄されずに前記キューに保持された前記上りデータを前記割当帯域に従って前記上位通信装置に送信する送信ステップと、
    を有するキュー管理方法。
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