JP6997906B1 - 災害時用充電システム - Google Patents
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Abstract
【課題】災害により停電が発生したときでも、多くの利用者への安否確認を可能とし、人道支援の向上を図ることができる災害時用充電システムを提供する。【解決手段】図2の災害時用充電システム1は、ガソリンスタンド2に設けられた太陽電池モジュール12と、太陽電池モジュール12により発電された電力を蓄電する蓄電池23と、災害発生により商用電源からの電力供給が停止した災害停電時に、蓄電池23に蓄えられた電力を用いて充電対象機器に充電を行う充電器30と、充電対象機器として、所定対象条件を満たす少なくとも1つの携帯端末50に対し、あらかじめ定められた所定充電条件に基づく充電を行うように、充電器30の充電機能を制限するコントローラ21と、を有する。【選択図】図2
Description
本発明は、災害時用充電システムに関する。
従来、災害時において利用されるシステムとして、携帯端末(情報処理端末)2からの通信結果に応じて、予め定められた特定の被災者(従業員)の安否確認(無事、軽傷、重症)を行うことができる安否確認装置1を含む通信システムが特許文献1において知られている(特に、図1、図7、段落[0076]等)。
特許文献1のシステムは、携帯端末が利用できることを前提に、構築されたものである。しかしながら、特許文献1のシステムは、災害時に停電が発生したときについては全く配慮されていない。すなわち、災害停電時には、多くの人が、災害により容量逼迫になった通信環境において携帯端末による通話やデータ通信を何度も試みる結果、充電済みであるはずの携帯端末の内部電池の起電力が弱まる。そして、気が付いた時には起電力不足により通話もデータ通信も不可能となるおそれがある。
本発明の目的は、災害により停電が発生したときでも、多くの利用者への安否確認を可能とし、人道支援の向上を図ることができる災害時用充電システムを提供することにある。
上記目的を達成するために、本願発明の災害時用充電システムは、車両用エネルギー補充設備に設けられた太陽光発電手段と、前記太陽光発電手段により発電された電力を蓄電する蓄電手段と、災害発生により商用電源からの電力供給が停止した災害停電時に、前記蓄電手段に蓄えられた電力を用いて充電対象機器に充電を行う充電手段と、前記充電対象機器として、所定対象条件を満たす少なくとも1つの携帯端末に対し、あらかじめ定められた所定充電条件に基づく充電を行うように、前記充電手段の充電機能を制限する制限制御手段と、を有する。
本願発明の災害時用充電システムは、固定施設として安定的かつ固い地盤に通常造られる車両用エネルギー補充設備を利用して配置される。災害時用充電システムは、災害のない平常時において、太陽光発電手段で発電された電力を蓄電手段に蓄電しておく。そして、災害停電時になったら、蓄電手段に蓄えられた電力を用いて、充電対象機器である携帯端末への充電を行うことができる。
但し、このときの充電を無制限に行ってしまうと、最初のほうに充電のために訪れた数少ない利用者が独占的に自己の携帯端末をフル充電し、通話もデータ通信も可能となる一方で、あとから訪れた残りの多数の利用者が全く充電できないという不公平が生じるおそれがある。
そこで本願発明は、充電手段による充電機能を制限する制限制御手段を備え、充電対象機器となる携帯端末を、予め定めた所定対象条件を満たすものだけに限定しつつ、充電手段の充電機能をあらかじめ定められた所定充電条件に限定した、その条件に基づく充電だけを行うように制限する。このような限定、制限を実行することにより、前述のような不公平の弊害を回避し、なるべく多くの利用者の携帯端末に対して、いわば薄く広く充電を行うようにすることができる。この結果、多くの利用者が前述の安否確認に応じることができ、災害時の人道支援の向上を図ることができる。
本発明の災害時用充電システムによれば、災害により停電が発生したときでも、多くの利用者への安否確認を可能とし、人道支援の向上を図ることができる。
以下、本発明の災害時用充電システムの一実施形態を図面を参照して説明する。
<概略的なシステム構成について>
まず、図1及び図2を参照しつつ、本実施形態に係る災害時用充電システムの概略的なシステム構成について説明する。
まず、図1及び図2を参照しつつ、本実施形態に係る災害時用充電システムの概略的なシステム構成について説明する。
図1は、本実施形態の災害時用充電システム1を備えるガソリンスタンド2を説明する図である。
図2は、本実施形態の災害時用充電システム1の機能ブロック図である。
図1の災害時用充電システム1は、携帯電話機、スマートフォン、タブレット等の主に通信機能を備えた携帯端末50を対象とする、災害時に電力を供給する充電システムである。災害時用充電システム1は、ガソリンスタンド2内に設けられており、給油設備11(車両用エネルギー補充設備)と、太陽電池モジュール12(太陽光発電手段)と、コントロールユニット20と、充電器30(充電手段)と、を有している。
給油設備11は、地下に設置された図示しない埋設タンクから、注油管で吸引されたガソリンを車に給油する。埋設タンクは地表から所定の深さに埋設され、埋設タンク上にはコンクリートが施設されていることから、ガソリンスタンド2は、引火性に留意する観点から強い耐震性で設計されている。このため、本実施形態の災害時用充電システム1を配置するのに好適である。
太陽電池モジュール12は、給油設備11の屋根部16に設置されており、太陽光により発電する。
コントロールユニット20は、事務所17内やガソリンスタンド2敷地内に配置され、所定対象条件を満たす充電対象器機にあらかじめ定められた所定充電条件に基づく充電を行うように、充電器30の充電機能を制限する。充電対象器機は、所定対象を満たす少なくとも1つの携帯端末50であり、所定対象条件及び所定充電条件の詳細は後述する。コントロールユニット20は、コントローラ21と、太陽電池モジュール12と接続されたDC/DCコントローラ22と、蓄電池23(蓄電手段)と、DC/DCコンバータ24と、データ処理部25と、インターネット等の適宜のネットワーク40と通信可能な通信装置26と、を有している。
コントローラ21(制限制御手段、通知送信手段)は、蓄電池23の充放電動作の制御、インターネットを介して通信可能な通信装置26の制御や、様々なデータ処理を行うデータ処理部25の制御を行う。
太陽電池モジュール12から出力された電力は、DC/DCコントローラ22に提供される。DC/DCコントローラ22は、太陽電池モジュール12から出力される直流電力に対して過電流防止、逆流防止、過充電防止等の制御を行い、蓄電池23に電流を提供する。蓄電池23は、事務所17内やガソリンスタンド2敷地内に配置され、太陽電池モジュール12により発電された電力を蓄電する、ニッケル-水素蓄電池やリチウムイオン二次電池等の蓄電池である。DC/DCコンバータ24は、蓄電池23に接続され、蓄電池23から出力される電圧を、適宜の電圧の直流にして充電器30に供給する。
データ処理部25は、当ガソリンスタンド2の全利用会員(カード会員及び現金会員等)のID、氏名、住所、メールアドレス等の会員情報を収納した会員データベースを有しており、後述する携帯端末50の所有者が会員であるか否かの認証を行う。ここで、図3は、会員データベースの記録内容を模式的に表す図である。また、データ処理部25は、ネットワーク40を介し、例えば自治体やその他のサービス機関等にアクセスし、それらが提供する災害情報を含む、データ処理部25における処理に必要な各種情報を取得する。
充電器30は、事務所17内やガソリンスタンド2敷地内に配置され、蓄電池23に蓄電された電力を接続コネクタ31に接続された携帯端末50のうち、充電対象器機に充電する。充電器30は、公知の携帯端末50用の充電器であり、本実施形態では特に、災害発生により商用電源からの電力供給が停止した災害停電時に、蓄電池23に蓄えられた電力を用いて充電対象機器に充電を行う。また、コントローラ21は、充電器30を介して携帯端末50と所要のデータの送受信を行うデータ通信も行う。送受信されたデータは、主にデータ処理部25で処理される。さらに、充電器30は、充電エラーや充電完了等の情報を携帯端末50の所有者に向けて通知するために、ディスプレイやスピーカ、ランプ等の通知手段を有している。
<処理フローについて>
次に、災害時用充電システム1において実行される各処理でのフローを、説明する。まず、災害発生により商用電源からの電力供給が停止した災害停電時に実行される案内通知処理を図4を参照しつつ説明する。
次に、災害時用充電システム1において実行される各処理でのフローを、説明する。まず、災害発生により商用電源からの電力供給が停止した災害停電時に実行される案内通知処理を図4を参照しつつ説明する。
ステップS1において、コントローラ21は、停電が発生したか否かを判定する。コントローラ21は、例えば商用電源から電力供給がなされているか否かや、データ処理部25がネットワーク40を介して取得した災害情報に基づいて、判断する。コントローラ21は、停電が発生していないと判定した場合(ステップS1のNO)、ステップS1を繰り返す。
コントローラ21は、停電が発生したと判定した場合(ステップS1のYES)、ステップS2において、会員データベースからガソリンスタンド2の利用会員に関する情報を読み出す。なお、停電が発生しているため、コントローラ21は、蓄電池23に蓄えられた電力やガソリンスタンド2を運営するために用意された他の非常用電源から供給される電力に基づいて、以降の処理を実行する。
ステップS3において、コントローラ21は、ガソリンスタンド2の蓄電池23に蓄えられた電力を用いて携帯端末50の充電サービスを実施すること(充電器30による充電が可能であること)を通知する充電案内通知を一斉送信する。充電案内通知は、例えば、会員情報のメールアドレスを利用したメールによる送信や、携帯電話番号を利用したショートメッセージサービス、ソーシャルネットワークサービスを利用したメッセージの送信等、公知の種々の送信方法で送信される。
コントローラ21は、所定対象条件を満たす携帯端末50(の所有者)を充電案内通知の送信対象とする。この所定対象条件は、災害時用充電システム1の充電対象器機であると判断するための条件であり、言い換えると、充電器30による充電対象となる携帯端末50を制限するために定められた条件である。図4においては、所定対象条件の一例として、当ガソリンスタンド2の全利用会員(カード会員及び現金会員等)が保有している携帯端末50であること、を適用して説明されている。コントローラ21は、以上で案内通知処理を終了する。
次に、案内通知を受領した会員等が充電器30を介して充電を行う際に実行される制限制御処理を図5を参照しつつ説明する。
ステップS11において、コントローラ21は、接続コネクタ31に携帯端末50が接続されたか否かを判定する。コントローラ21は、携帯端末50が接続されていないと判定した場合(ステップS11のNO)、携帯端末50が接続されるまでステップS11を繰り返す。一方、コントローラ21は、携帯端末50が接続されたと判定した場合(ステップS11のYES)、ステップS12において、データ処理部25を介して、携帯端末50の所有者の認証処理を行う。一例として、データ処理部25は、接続コネクタ31に接続された携帯端末50の電話番号やメールアドレスが、データベース内の利用会員のものと一致するか否かを照合することにより認証する。
ステップS13において、コントローラ21は、接続された携帯端末50について、あらかじめ定められた所定対象条件が成立しているか否かを判定する。具体的には、コントローラ21は、ステップS12の認証処理の結果に基づいて、携帯端末50の所有者が、当ガソリンスタンド2の利用会員であるかの判定を行う。
コントローラ21は、携帯端末50の所有者が利用会員でなく所定対象条件が成立していないと判定した場合(ステップS13のNO)、ステップS14において、接続された携帯端末50が充電を行うことができない旨の通知である、エラー通知を充電器30に行わせる。コントローラ21は、このような限定、制限を実行することにより、適切な利用者に充電を行うようにしている。
ステップS15において、コントローラ21は、携帯端末50が接続コネクタ31から外されたか否かを判定する。コントローラ21は、携帯端末50が接続コネクタ31からいまだ外されていないと判定した場合(ステップS15のNO)、携帯端末50が接続コネクタ31から取り外されたと判定するまで、ステップS14及びS15を繰り返す。
一方、コントローラ21は携帯端末50が接続コネクタ31から外されたと判定した場合(ステップS15のYES)、エラー通知を終了し、制限制御処理を終了する。
一方、コントローラ21は、携帯端末50の所有者が利用会員であり所定対象条件が成立していると判定した場合(ステップS13のYES)、ステップS16において、携帯端末50に対する充電処理を実行する。このとき、コントローラ21は、ランプ点灯等により、携帯端末50の所有者に携帯端末50が充電中である旨を通知する。
ステップS17において、コントローラ21は、あらかじめ定められた所定充電条件が成立しているか否かを判定する。この所定充電条件は、コントローラ21が接続された携帯端末50に対する充電を継続して行うか否かを判定するために定められる条件であり、言い換えると充電器30による充電機能を制限するために定められた条件である。コントローラ21は、このような限定、制限を実行することにより、なるべく多くの利用者の携帯端末50に対して、いわば薄く広く充電を行うようにしている。
具体的には、コントローラ21は、携帯端末50用の所定のアプリケーションプログラム(以下単に「アプリ」といういう場合がある)が起動可能となる電圧(起動電圧)まで充電が完了したか、アプリの起動及びアプリにおける所要の機能の実行が可能となる電圧まで充電が完了したか、等を所定充電条件として判定する。例えば、コントローラ21は、アプリの起動電圧等を事前に決定しておき、充電により携帯端末50の内部電池がその起動電圧相当に達していなければ所定充電条件を満たさず、達した後は所定充電条件を満たしている、と判定する。アプリの所要の機能は、例えば、携帯端末50が一又は複数の相手とメッセージを送受信するメッセージアプリにおいて、アプリを起動し、ユーザが受信したメッセージに関して、メッセージが既読であることを表す既読情報をメッセージ送信者へ送信する機能(いわゆる既読機能)が該当する。
または、コントローラ21は、あらかじめわかっている充電器30の性能(例えば充電速度等)に応じて、充電開始後に上記起動電圧相当に達するであろうあらかじめ定められた所定時間まで充電したこと、を所定充電条件として用いてもよい。
コントローラ21は、所定充電条件が成立していないと判定した場合(ステップS17のNO)、所定充電条件が成立するまで、ステップS16及びS17を繰り返す。一方、コントローラ21は、所定充電条件が成立したと判定した場合(ステップS17のYES)、ステップS18において充電を終了する。また、ステップS19において、コントローラ21は、ランプ消灯等により、携帯端末50の所有者に充電が完了した旨を通知する。
ステップS20において、コントローラ21は、接続コネクタ31から携帯端末50が外されたか否かの判定を行う。コントローラ21は、携帯端末50が外されていないと判定した場合(ステップS20のNO)、外されるまでステップS19及びS20を繰り返す。一方、コントローラ21は、携帯端末50が外されたと判定した場合(ステップS20のYES)、制限制御処理を終了する。
なお、ステップS18においてコントローラ21は自動的に充電(給電)を終了したが、ステップS18を省略し、ステップS19において充電の完了(所定充電条件が成立したこと)に伴い、接続コネクタ31から携帯端末50を外し充電を終了することを促す通知(例えば表示や音声)を行うことで、所有者の手動で充電を終了させてもよい。
<本実施形態による効果>
災害停電時には、多くの人が、災害により容量逼迫になった通信環境において携帯端末50による通話やデータ通信を何度も試みる結果、充電済みであるはずの携帯端末50の内部電池の起電力が弱まる。そして、気が付いた時には起電力不足により通話もデータ通信も不可能となり、家族や友人たちからの安否確認にも応じられず、心配をかけてしまう。
災害停電時には、多くの人が、災害により容量逼迫になった通信環境において携帯端末50による通話やデータ通信を何度も試みる結果、充電済みであるはずの携帯端末50の内部電池の起電力が弱まる。そして、気が付いた時には起電力不足により通話もデータ通信も不可能となり、家族や友人たちからの安否確認にも応じられず、心配をかけてしまう。
このような状況に備えて、本実施形態における災害時用充電システム1は、固定施設として安定的かつ固い地盤に通常造られるガソリンスタンド2を利用して配置される。災害時用充電システム1は、災害のない平常時において、太陽電池モジュール12で発電された電力を蓄電池23に蓄電しておく。そして、災害停電時になったら、蓄電池23に蓄えられた電力を用いて、充電対象機器である携帯端末50への充電を行うことができる。
但し、このときの充電を無制限に行ってしまうと、最初のほうに充電のために訪れた数少ない利用者が独占的に自己の携帯端末50をフル充電し、通話もデータ通信も可能となる一方で、あとから訪れた残りの多数の利用者が全く充電できないという不公平が生じるおそれがある。
そこで本実施形態における災害時用充電システム1は、充電器30による充電機能を制限するため、コントローラ21により制限制御処理を行う。制限制御処理は、充電対象機器となる携帯端末50を、予め定めた所定対象条件を満たすものだけに限定しつつ、充電器30の充電機能をあらかじめ定められた所定充電条件に限定した、その条件に基づく充電だけを行うように制限する。このような限定、制限を実行することにより、前述のような不公平の弊害を回避し、なるべく多くの利用者の携帯端末50に対して、いわば薄く広く充電を行うようにすることができる。この結果、多くの利用者が前述の安否確認に応じることができ、災害時の人道支援の向上を図ることができる。
また、本実施形態では特に、コントローラ21が、携帯端末50用の所定のアプリが起動可能となる電圧まで充電を行うように、充電器30を制御する。これにより、携帯端末50の所有者は、少なくとも、携帯端末50において所定のアプリを起動し、必要最低限の機能を実行することができる。例えば、災害時には音楽や動画のストリーミングサービスを利用するためのアプリの起動は必須ではないのに対し、音声通話を行うためのアプリを待機し、必要に応じて起動、通話するための電圧は必要であるといえる。このため、音声通話を行うためのアプリを起動可能となる電圧まで充電できれば、災害時に必要と考えられる機能は実行できると同時に、限られた蓄電池23の電力を多くの人に提供することができる。
また、本実施形態においては特に、所定充電条件を、起動した携帯端末50用のメッセージアプリにおいて、メッセージ送信者からのメッセージの既読を表す既読情報を当該メッセージ送信者へ送信可能な電圧までの充電であること、とする。例えば、メッセージアプリにおける既読機能について、このアプリが起動し、メッセージを閲覧することが可能となる電圧まで充電されていれば、携帯端末50の所有者はメッセージを確認できる可能性が高く、その結果、既読情報を送信元へ伝えることができる。携帯端末50の所有者は、メッセージを送信した家族や友人たちに対し、無事であることを確実に伝えることができ、災害時において有用である。
また、本実施形態においては特に、蓄電池23に蓄電済みの電力という限られたエネルギー源を有効活用しての災害時人道支援という観点からは、充電できる利用者を無制限とすることは好ましくないため、所定対象条件を、携帯端末50が、当ガソリンスタンド2の利用会員に保有されている携帯端末50であること、とした。これにより、本来真っ先に救済されるべき当該設備の利用者が充電できない不合理を回避することができる。
また、災害停電が生じたその時点では、ほとんどの携帯端末50において内部電池の起電力は残存しており、その後の通話やデータ通信の試行の繰り返しによって起電力が消失する場合がほとんどである。これに対応するため、本実施形態においては特に、通知送信手段としてのコントローラ21が、災害停電時において、蓄電池23に蓄えられた電力を用いて、所定対象条件を満たす(少なくとも1つの)携帯端末50に対し、充電器30による充電が可能であることを通知する充電案内通知を送信する。これにより、当該充電案内通知を受信した携帯端末50の保有者は、当該通知によって、ガソリンスタンド2に赴けば自己の携帯端末50に充電を行えることを確実に知ることができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、その趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。以下、そのような変形例を順を追って説明する。
(1)本発明の車両用エネルギー補充設備の一例として、上記実施形態においてはガソリンスタンド2を用いて説明したが、これに代えて、電気自動車充電スタンドや、LPG車ガス充填スタンド等の、固定施設として安定的かつ固い地盤に通常造られる車両用エネルギー補充設備であってもよい。例えば図6は、災害時用充電システムを備える車両用エネルギー補充設備が電気自動車充電スタンド60である例を示す図である。この電気自動車充電スタンド60に設けられる災害時用充電システム1は、給油設備11が電気自動車に充電を行う直流充電スタンド61に代わる以外は、図1の災害時用充電システム1とほぼ同様に構成される。
<本変形例の効果>
本変形例においても、ガソリンスタンド2に災害時用充電システム1を設ける場合と同様の、災害により停電が発生したときでも、多くの利用者への安否確認を可能とし、人道支援の向上を図ることができるという効果を得ることができる。
本変形例においても、ガソリンスタンド2に災害時用充電システム1を設ける場合と同様の、災害により停電が発生したときでも、多くの利用者への安否確認を可能とし、人道支援の向上を図ることができるという効果を得ることができる。
(2)上述したとおり、所定対象条件を、携帯端末50が、当ガソリンスタンド2の利用会員に保有されている携帯端末50であること、とすることにより、充電対象器機を本来真っ先に救済されるべき当該設備の利用者の端末に制限したが、これに代えて、携帯端末が、車両用エネルギー補充設備から所定距離範囲内(例えば、半径1km等)の居住者に保有されている端末であること、としてもよい。その際には、その所定距離範囲内の居住者であることの認証時において、グーグルマップやヤフーマップ等のインターネット上のリンクや、既存のロケーション検索ソフト等を併せて利用することも可能である。
<本変形例の効果>
本変形例においても同様に、充電対象器機を保有者の居住エリアで制限をかけることにより、本来真っ先に救済されるべき近場の利用者が充電できない不合理を回避することができる。
本変形例においても同様に、充電対象器機を保有者の居住エリアで制限をかけることにより、本来真っ先に救済されるべき近場の利用者が充電できない不合理を回避することができる。
以上の説明において、外観上の寸法や大きさが「同一」「等しい」「異なる」等の記載がある場合は、当該記載は厳密な意味ではない。すなわち、それら「同一」「等しい」「異なる」とは、設計上、製造上の公差、誤差が許容され、「実質的に同一」「実質的に等しい」「実質的に異なる」という意味である。
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用してもよい。
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
1 災害時用充電システム
2 ガソリンスタンド
12 太陽電池モジュール
20 コントロールユニット
21 コントローラ
22 DC/DCコントローラ
23 蓄電池
24 DC/DCコンバータ
25 データ処理部
26 通信装置
30 充電器
31 接続コネクタ
40 ネットワーク
50 携帯端末
2 ガソリンスタンド
12 太陽電池モジュール
20 コントロールユニット
21 コントローラ
22 DC/DCコントローラ
23 蓄電池
24 DC/DCコンバータ
25 データ処理部
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30 充電器
31 接続コネクタ
40 ネットワーク
50 携帯端末
Claims (6)
- 車両用エネルギー補充設備に設けられた太陽光発電手段と、
前記太陽光発電手段により発電された電力を蓄電する蓄電手段と、
災害発生により商用電源からの電力供給が停止した災害停電時に、前記蓄電手段に蓄えられた電力を用いて充電対象機器に充電を行う充電手段と、
前記充電対象機器として、所定対象条件を満たす少なくとも1つの携帯端末に対し、あらかじめ定められた所定充電条件に基づく充電を行うように、前記充電手段の充電機能を制限する制限制御手段と、
を有する災害時用充電システム。 - 請求項1記載の災害時用充電システムにおいて、
前記所定充電条件は、
少なくとも、前記携帯端末用の所定のアプリケーションプログラムが起動可能となる電圧までの充電である
ことを特徴とする災害時用充電システム。 - 請求項2記載の災害時用充電システムにおいて、
前記所定充電条件は、
起動した前記携帯端末用のメッセージアプリケーションプログラムにおいて、メッセージ送信者からのメッセージの既読を表す既読情報を当該メッセージ送信者へ送信可能な電圧までの充電である
ことを特徴とする災害時用充電システム。 - 請求項3記載の災害時用充電システムにおいて、
前記所定対象条件は、
前記携帯端末が、前記車両用エネルギー補充設備の利用会員に保有されている端末である
ことを特徴とする災害時用充電システム。 - 請求項3記載の災害時用充電システムにおいて、
前記所定対象条件は、
前記携帯端末が、前記車両用エネルギー補充設備から所定距離範囲内の居住者に保有されている端末である
ことを特徴とする災害時用充電システム。 - 請求項3乃至請求項5のいずれか1項記載の災害時用充電システムにおいて、
前記災害停電時において、前記蓄電手段に蓄えられた電力を用いて、前記所定対象条件を満たす前記少なくとも1つの携帯端末に対し、前記充電手段による充電が可能であることを通知する充電案内通知を送信する通知送信手段をさらに有する
ことを特徴とする災害時用充電システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2021144917A JP6997906B1 (ja) | 2021-09-06 | 2021-09-06 | 災害時用充電システム |
Applications Claiming Priority (1)
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