以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を説明する。本実施形態は本発明を実現するための一例に過ぎず、本発明の技術的範囲を限定するものではないことに注意すべきである。
<第一の実施例>
本発明の第一実施例は、利用者からのリクエストに応じて、1以上の作業実績データと、作業者の位置データと、敷地内空間、作業者、又は機器に設置されたカメラから取得された画像データと、から、作業者の様子を表す可視化画面を生成する処理を実行するシステムを説明する。これにより、散在している物品をある場所に収集したり、ある場所に置かれていた物品を様々な場所へ配布したりするなどの作業を把握するに必要十分な画像を含む可視化画面を、本実施例のシステムは生成できる。
なお、本実施例において、作業を行う主体は作業者として説明するが、複数種類の作業を行う機械(例えば、ロボット)でもよい。また、作業は、倉庫で行われるピッキング作業や、工場で行われる製造作業を主とするが、オフィスで行われる事務作業でもよい。
図1Aは、第一の実施例のシステムの構成例を示すブロック図である。第一の実施例のシステムは、情報管理サーバ110、計算処理サーバ120、センサ130、カメラ140、及び計算機150を含む。また、情報管理サーバ110、計算処理サーバ120、センサ130、カメラ140、及び計算機150は、例えばネットワーク160によって互いに接続されている。なお、情報管理サーバ110と計算処理サーバ120と計算機150の少なくとも2つが1つの計算機によって構成されてもよい。
計算処理サーバ120は、例えば、実績なし時間抽出部121、立ち寄り場所抽出部122、立ち寄り場所特徴生成部123、作業単位生成部124、及び可視化生成部125を含む。計算処理サーバ120は、図1Bで後述するように、プログラムを実行するプロセッサ1を有し、プロセッサが所定のプログラムを実行することによって各部が機能する。
実績なし時間抽出部121は、作業者の作業実績が記録されていない時間帯を抽出する。立ち寄り場所抽出部122は、作業実績が記録されていない時間帯において、作業者が立ち寄った領域及び当該領域に立ち寄った時間を抽出する。立ち寄り場所特徴生成部123は、作業実績が記録されていない時間帯において、作業者が立ち寄った場所の特徴を抽出する。作業単位生成部124は、当該特徴を用いて、作業実績が記録されていない時間帯において作業者が作業を行っていた可能性がある時間帯を特定する。可視化生成部125は、各部の処理結果を可視化するための可視化画面を生成する。
情報管理サーバ110は、作業実績データベース111、センサデータベース112、カメラ画像データベース113、及びマスタデータベース114を有する。情報管理サーバ110は、図1Bで後述するように、補助記憶装置3を有し、各データベースを補助記憶装置3に格納する。情報管理サーバ110が格納するデータは、計算機150から入力されたものでも、他のシステムから取得したものでもよい。
作業実績データベース111は、工場や倉庫等における作業実績データを格納する。センサデータベース112は、センサ130による計測情報を格納する。カメラ画像データベース113は、カメラ140が撮影した画像の情報を格納する。マスタデータベース114は、カメラ140が撮影可能な捕捉範囲等の様々な定義情報を格納する。
なお、本実施形態において、システムが使用する情報は、データ構造に依存せずどのようなデータ構造で表現されていてもよい。例えば、テーブル、リスト、データベース又はキューから適切に選択したデータ構造体が、情報を格納することができる。情報記憶システムが使用する情報は、データ記憶装置における対応するデータ記憶領域に格納される。
センサ130は、作業者の位置情報を取得するセンサを含む。位置情報を取得するセンサ130は、例えば、作業者が作業時に携帯する、GPS機能を有する端末に備えられている。また、当該携帯端末が電波を発信する機能を有し、予め敷地内に設置され、かつ設置場所が登録されている受信機に備えられたセンサ130が、当該電波を感知することで位置を判定してもよい。
カメラ140は、敷地内に三脚又は治具等を用いて設置されたカメラを含む。また、カメラ140は、作業者に取り付け可能なウェアラブル式のカメラ、及び台車、カート、又はフォークリフトなどの可動機器に取り付け可能なカメラを含んでもよい。カメラ140は、静止画を撮影するカメラであってもよいし、動画を撮影可能なカメラであってもよい。
計算機150は、利用者からのデータ処理リクエストなどの入力を受け付けたり、可視化生成部125から出力された可視化画面を表示したり、印刷用のデータを出力したりする。計算機150は、プログラムを実行するプロセッサ(CPU)、プログラムやデータを格納する記憶装置、ユーザインタフェース(キーボード、マウス、タッチパネル、ディスプレイ装置、プリンタなど)及び通信インタフェースを有する計算機によって構成される。計算機150では、ユーザインタフェースを提供するウェブブラウザが動作しても、専用プログラムが動作してもよい。
図1Bは、第一の実施例のシステムを構成するサーバの物理構成例を示すブロック図である。なお、図1Bでは、計算処理サーバ120について説明するが、情報管理サーバ110も同じ構成でよい。本実施例の計算処理サーバ120は、プロセッサ(CPU)1、メモリ2、補助記憶装置3及び通信インタフェース4を有する計算機によって構成される。
プロセッサ1は、メモリ2に格納されたプログラムを実行する。メモリ2は、不揮発性の記憶デバイスであるROM及び揮発性の記憶デバイスであるRAMを含む。ROMは、不変のプログラム(例えば、BIOS)などを格納する。RAMは、DRAM(Dynamic Random Access Memory)のような高速かつ揮発性の記憶デバイスであり、プロセッサ1が実行するプログラム及びプログラムの実行時に使用されるデータを一時的に格納する。
補助記憶装置3は、例えば、磁気記憶装置(HDD)、フラッシュメモリ(SSD)等の大容量かつ不揮発性の記憶デバイスによって構成され、プロセッサ1が実行するプログラム及びプログラムの実行時に使用されるデータを格納する。すなわち、プログラムは、補助記憶装置3から読み出されて、メモリ2にロードされて、プロセッサ1によって実行される。
通信インタフェース4は、所定のプロトコルに従って、他の装置(計算機150など)との通信を制御するネットワークインタフェース装置である。
プログラムはプロセッサ1によって実行されることで、定められた処理をメモリ2、補助記憶装置3、及び通信インタフェース4を用いながら行う。従って、本実施形態においてプログラムを主語とする説明は、プロセッサ1を主語とした説明でもよい。若しくは、プログラムが実行する処理は、そのプログラムが動作する計算機及び計算機システムが行う処理である。
プロセッサ1は、プログラムに従って動作することによって、所定の機能を実現する機能部(手段)として動作する。例えば、プロセッサ1は、実績なし時間抽出プログラムに従って動作することで実績なし時間抽出部121(実績なし時間抽出手段)として機能し、立ち寄り場所抽出プログラムに従って動作することで立ち寄り場所抽出部122(立ち寄り場所抽出手段)として機能する。他のプログラムについても同様である。さらに、プロセッサ1は、各プログラムが実行する複数の処理のそれぞれを実現する機能部(手段)としても動作する。計算機及び計算機システムは、これらの機能部(手段)を含む装置及びシステムである。
計算処理サーバ120は、入力インタフェース5及び出力インタフェース8を有してもよい。入力インタフェース5は、キーボード6やマウス7などが接続され、管理者からの入力を受けるインタフェースである。出力インタフェース8は、ディスプレイ装置9やプリンタなどが接続され、計算処理サーバ120の状態やプログラムの実行結果を管理者が視認可能な形式で出力するインタフェースである。
プロセッサ1が実行するプログラムは、リムーバブルメディア(CD-ROM、フラッシュメモリなど)又はネットワーク160を介して、計算処理サーバ120に提供され、非一時的記憶媒体である不揮発性の補助記憶装置3に格納される。このため、計算処理サーバ120は、リムーバブルメディアからデータを読み込むインタフェースを有するとよい。
計算処理サーバ120は、物理的に一つの計算機上で、又は、論理的又は物理的に構成された複数の計算機上で構成される計算機システムであり、複数の物理的計算機資源上に構築された仮想計算機上で動作してもよい。また、計算処理サーバ120上で実行されるプログラムは、同一の計算機上で別個のスレッドで動作してもよい。
また、計算処理サーバ120において、プログラムによって実装される機能部の全部又は一部は、物理的な集積回路(例えば、Field-Programmable Gate Array)等によって構成されてもよい。
図2は、作業実績データベース111の構成例を示す図である。作業実績データベース111が格納する作業実績データは、例えば、作業を担当した作業者、作業完了時刻、及び作業内容を示す情報を格納する。作業実績データは、作業開始時刻を示す情報をさらに格納してもよい。
作業実績データは、例えば、作業における取扱物(例えば、工場であれば製造品、倉庫であれば入荷品又は出荷品)が適切に工程を経たことを管理する目的で作成され、ある取扱物がある処理済工程を終えるごとに作業実績がデータとして記録される。また、作業実績データは、各作業者の始業時刻と終業時刻とを示す情報をさらに保持する。
図3は、センサデータベース112の構成例を示す図である。センサデータベース112が格納するセンサデータは、例えば、センサ130が計測した、計測対象、計測対象のセンサ値、及び計測時刻を示す情報を含む。図3の例において、センサデータは、センサ130が計測した計測対象である作業者の位置を示す座標を格納する。
図4は、カメラ画像データベース113の構成例を示す図である。カメラ画像データベース113が格納するカメラ画像データは、例えば、画像データと、画像データに関連する情報を含む。画像データに関連する情報は、例えば、画像を取得したカメラを示す情報、及び画像が撮影された時刻を示す情報等を含む。なお、画像データにおける画像とは、静止画であってもよいし、所定時間の動画であってもよい。
図5は、マスタデータベース114の構成例を示す図である。マスタデータベース114が格納するマスタデータは、例えば、各カメラ140の撮影により捕捉できる領域を定義する。図5の例において、マスタデータは、各カメラ140の捕捉領域を矩形領域で定義し、当該矩形領域の対角の2点の座標を示す。なお、マスタデータは、例えば、当該矩形領域の4点のうち基準となる1点の座標と互いに直交する2辺の長さを示すことにより、当該矩形領域を示してもよい。
また、カメラ140が、360度撮影できるカメラ又は広角カメラ等である場合、カメラ140は、自身が設置されている位置を中心、所定距離を半径とする円又は扇形の領域を捕捉可能である。この場合、マスタデータは、中心座標、半径、基準方向からみた開始角度、及び開始角度からの角度幅によって、円又は扇形の領域を特定する。また、敷地内の空間領域が予めグリッド状に区切られている場合には、マスタデータは各グリッドを捕捉するカメラを示してもよい。
図6は、第一の実施例の処理手順の一例を示すフローチャートである。まず、実績なし時間抽出部121は、計算機150から、分析リクエストを受信する(601)。分析リクエストは、利用者によって計算機150に入力されてもよいし、例えば所定の時刻に計算機150によって自動で生成されてもよい。また、分析リクエストは、分析対象を指定する情報(例えば、作業者、作業内容、期間等)を含む。なお、分析リクエストにおいて、分析対象として全データが指定されてもよい。
続いて、実績なし時間抽出部121は、分析リクエストが示す分析対象に応じた作業実績情報を、作業実績データベース111から取得し、図7に示す立ち寄り場所抽出対象データを生成する(602)。
立ち寄り場所抽出対象データは、分析対象の作業者の、分析対象の時間において作業実績が記録されていない時間帯を示す。作業実績が記録されていない時間帯に作業者はどこかに立ち寄って、別の作業を行っていたり、作業をしていなかったりする可能性がある。実績なし時間抽出部121は、作業実績が記録されていない時間帯を特定するために、立ち寄り場所抽出対象データを生成する。
以下、ステップ602における立ち寄り場所抽出対象データ生成処理の詳細を説明する。実績なし時間抽出部121は、作業実績データにおける、分析対象の各作業の作業実施時間を特定する。実績なし時間抽出部121は、作業実績データにおいて作業開始時刻と作業終了時刻の両方が示されている作業については、作業開始時刻から作業終了時刻までの時間を作業実施時間として特定する。
また、実績なし時間抽出部121は、作業実績データにおいて作業終了時刻のみが示されている作業については、作業終了時刻から所定時間遡った時刻から、作業終了時刻までの時間を作業実施時間として特定する。また、作業に要する標準的な時間(標準時間)が、作業内容ごとに予め定義されている場合、実績なし時間抽出部121は、当該作業の標準時間を、当該所定時間として用いてもよい。
実績なし時間抽出部121は、例えば、各作業者について、当該作業者の作業実施時間と就業時間(始業時刻から終業時刻までの時間)とから、就業時間における作業実績がない時間を特定する。実績なし時間抽出部121は、当該作業者を示す情報と、特定した作業実績なし時間の開始時刻と終了時刻を示す情報と、を後述する立ち寄り場所抽出対象データに格納する。
また、実績なし時間抽出部121は、以下のようにして、立ち寄り場所抽出対象データを生成してもよい。実績なし時間抽出部121は、例えば、各作業者について、一定間隔の時刻ごとに、当該作業者が当該時刻に作業をしていることを示す作業実績を作業実績データから検索し、当該作業実績が存在しない場合は、当該時刻における作業実績がないと判定する。実績なし時間抽出部121は、各作業者の一定間隔の各時刻における作業実績の有無から、作業実績なし時間を特定する。
図7は、立ち寄り場所抽出対象データの構成例を示す図である。立ち寄り場所抽出対象データは、前述したように、各レコードを一意に識別する識別子(立ち寄り場所抽出対象データID)と、作業者を示す情報と、当該作業者の作業実績なし時間を示す情報(図7の例では作業実績なし時間の開始時刻と終了時刻)と、を格納する。
なお、立ち寄り場所抽出対象データのような計算処理サーバ120が生成したデータは、例えば、計算処理サーバ120のメモリ2又は補助記憶装置3に格納される。なお、上述の例では、実績なし時間抽出部121は、実績なし時間に関する情報を立ち寄り場所抽出対象データに格納したが、作業実績がある作業時間に関する情報をさらに立ち寄り場所抽出対象データに格納してもよい。
図6の説明に戻る。続いて、立ち寄り場所抽出部122は、立ち寄り場所抽出対象データを用いて、図9A及び図9Bに示す立ち寄り場所データを生成する、立ち寄り場所抽出処理を実行する(603)。
ある作業者の立ち寄り場所は、当該作業者が立ち寄った立ち寄り領域と、当該作業者が立ち寄り領域に立ち寄った時間帯と、によって定義される。なお、当該時間帯は、立ち寄り場所抽出対象データに含まれる開始時刻と終了時刻によって定義される。以下、図8を用いて、立ち寄り場所抽出処理の詳細を説明する。
図8は、立ち寄り場所抽出処理の一例を示すフローチャートである。立ち寄り場所抽出部122は、立ち寄り場所抽出対象データの未選択のレコードを1つ選択し、選択したレコードが示す作業者の、選択したレコードが示す実績なし時間における位置データを、センサデータベース112のセンサデータから取得する(801)。
立ち寄り場所抽出部122は、取得した位置データを用いて、一定間隔の時刻間における当該作業者の移動距離を算出し、算出した移動距離を用いて各時刻間の当該作業者の移動速度を算出する(802)。なお、センサ130が作業者の速度を計測する速度センサを含む場合、立ち寄り場所抽出部122は速度センサの値をそのまま利用してもよい。立ち寄り場所抽出部122は、当該作業者が所定の閾値以下の移動速度で移動していた時間を立ち寄り時間に決定する(803)。
続いて、立ち寄り場所抽出部122は、ステップ803で決定された立ち寄り時間から、未選択の立ち寄り時間を1つ選択し、当該立ち寄り時間における当該作業者の位置データを用いて立ち寄り領域を算出する(804)。立ち寄り領域は、作業者が立ち寄り時間において滞在していた領域である。
立ち寄り場所抽出部122は、例えば、位置データが示す当該作業者の立ち寄り時間における各座標を中心とした所定の半径を有する円の集合を立ち寄り領域に決定してもよい。また、立ち寄り場所抽出部122は、位置データが示す立ち寄り時間における当該作業者の各座標、を線で繋いで生成される軌跡、を所定の幅で拡張した領域を立ち寄り領域に決定してもよい。
また、立ち寄り場所抽出部122は、例えば、位置データが示す当該作業者の立ち寄り時間における全ての座標を含む領域であって、自身の外縁と各座標との距離が所定値以下である所定形状(例えば円、楕円、矩形、又は正方形等)の領域、を立ち寄り領域に決定してもよい。
また、立ち寄り場所抽出部122は、例えば、立ち寄り時間において最も移動速度が低かった座標を含む所定の領域(例えば当該座標を中心とした所定半径の円)を立ち寄り領域に決定してもよい。また、立ち寄り場所抽出部122は、予め空間がグリッド状に区切られている場合、前述のいずれかの領域と、一部又は全てが重複するグリッドからなる集合を、立ち寄り領域に決定してもよい。
続いて、立ち寄り場所抽出部122は、図9A及び図9Bに示す立ち寄り場所データを生成する(805)。具体的には、立ち寄り場所抽出部122は、例えば、立ち寄り場所抽出対象データIDと、作業者を示す情報と、立ち寄り時間を示す情報と、立ち寄り領域を示す情報と、を対応付けて、立ち寄り場所データに格納する。
なお、上述したように、グリッドの集合を用いて立ち寄り領域を決定した場合、立ち寄り場所抽出部122は、グリッドと立ち寄り領域との対応を示す情報を立ち寄り場所データに格納する。また、立ち寄り場所抽出部122は、立ち寄り時間における、位置データを取得するセンサ以外のセンサ値の変化値を、立ち寄り場所データに格納してもよい。
続いて、立ち寄り場所抽出部122は、全ての立ち寄り時間を選択済みであるか否か、即ちステップ803で抽出された全ての立ち寄り時間に対して、ステップ804~805の処理が実行されたか否かを判定する(806)。立ち寄り場所抽出部122は、未選択の立ち寄り時間があると判定した場合(806:no)、ステップ804に戻る。
立ち寄り場所抽出部122は、全ての立ち寄り時間を選択済みであると判定した場合(806:yes)、立ち寄り場所抽出対象データの全てのレコードを選択済みであるか否かを判定する(807)。立ち寄り場所抽出部122は、立ち寄り場所抽出対象データの未選択のレコードがあると判定した場合(807:no)。ステップ801に戻る。立ち寄り場所抽出部122は、立ち寄り場所抽出対象データの全てのレコードを選択済みであると判定した場合(807:yes)、立ち寄り場所抽出処理を終了する。
図9A及び図9Bは、立ち寄り場所データの構成例を示す図である。図9Aの例では、立ち寄り場所データは、各レコードを一意に識別する識別子(立ち寄り場所データID)と、立ち寄り場所抽出対象データIDと、立ち寄り時間を示す情報(図9Aの例では立ち寄り時間の開始時刻と終了時刻)と、当該立ち寄り時間に対応する作業者を示す情報と、立ち寄り時間における位置データを取得するセンサ以外のセンサ値の変化値と、を格納する。
また、図9Bの立ち寄り場所データは、矩形のグリッドの識別子と、グリッドの頂点の座標と、当該グリッドを含む立ち寄り領域に対応する立ち寄り場所データIDと、を格納する。
図6の説明に戻る、続いて、立ち寄り場所特徴生成部123は、立ち寄り場所データに基づいて、後述する図11に示す立ち寄り場所特徴データを生成する、立ち寄り場所特徴生成処理を実行する(604)。以下、図10を用いて、立ち寄り場所特徴生成処理の詳細を説明する。
図10は、立ち寄り場所特徴生成処理の一例を示すフローチャートである。まず、立ち寄り場所特徴生成部123は、立ち寄り場所抽出対象データの未選択のレコードを1つ選択し、選択したレコードの立ち寄り場所抽出対象データIDに対応する全てのレコードを立ち寄り場所データから取得する(1001)。
つまり、立ち寄り場所特徴生成部123は、選択した立ち寄り場所抽出対象データに対応する立ち寄り領域と、立ち寄り時間(開始時刻と終了時刻)と、の組み合わせを全て取得する。以下、立ち寄り領域と立ち寄り時間とを含む概念を立ち寄り場所とも呼ぶ。
続いて、立ち寄り場所特徴生成部123は、取得した立ち寄り場所を1以上の集合に分類する(1002)。具体的には、例えば、立ち寄り場所特徴生成部123は、一部又は全部が重複する立ち寄り領域、に対応する立ち寄り場所は同じ集合に属すると決定する。例えば、立ち寄り領域Aの一部と立ち寄り領域Bの一部が重複し、かつ立ち寄り領域Bの一部と立ち寄り領域Cの一部が重複する場合、立ち寄り場所特徴生成部123は、立ち寄り領域A、B、及びCに対応する立ち寄り場所が全て同じ集合に属すると決定する。
また、例えば、立ち寄り領域Cの一部と立ち寄り領域Dの一部が重複し、かつ立ち寄り領域C及びDが、立ち寄り領域A、B、及びCのいずれにも重複しない場合、立ち寄り場所特徴生成部123は、立ち寄り領域C及びDに対応する立ち寄り場所が同じ集合に属すると決定する。当該集合は、立ち寄り領域A、B、及びCに対応する立ち寄り場所が属する集合とは異なる。
続いて、立ち寄り場所特徴生成部123は、生成した集合に属する立ち寄り場所から、代表立ち寄り場所及び関連立ち寄り場所を特定し、さらに特定した代表立ち寄り場所及び関連立ち寄り場所をグループ分けする(1003)。当該グループは、作業実績が記録されていないが、何らかの作業が行われている可能性が高い立ち寄り場所を示すグループであり、代表立ち寄り場所は当該作業の特徴又は重要な段階を示す可能性が高い。以下、ステップ1003の処理の詳細を説明する。
立ち寄り場所特徴生成部123は、各集合について、所定の区切り基準を用いて当該集合を区切り、1以上の小集合を生成する。以下、小集合の生成方法について説明する。立ち寄り場所特徴生成部123は、各集合について、当該集合に属する各立ち寄り場所を、例えば、各立ち寄り場所の基準時刻順に時間軸上に並べる。なお、立ち寄り場所の基準時刻とは、当該立ち寄り場所の開始時刻であってもよいし、当該立ち寄り場所の終了時刻であってもよいし、当該立ち寄り場所の開始時刻と終了時刻の中点であってもよい。
立ち寄り場所特徴生成部123は、例えば、集合Aから小集合を生成する場合、集合Aの時間軸上で隣接する立ち寄り場所の組み合わせそれぞれについて、時間軸上の時刻の差と、時間軸上において当該組み合わせの間に存在する他の集合の立ち寄り場所の数と、を変数とする関数を用いて評価値を算出する。なお、時間軸上の時刻の差が大きいほど、時間軸上において当該組み合わせの間に存在する他の集合の立ち寄り場所の数が多いほど、評価値が高くなるように、当該関数は予め定められている。
立ち寄り場所特徴生成部123は、評価値が所定値以上である集合Aの立ち寄り場所の組み合わせが存在すると判定した場合、当該組み合わせそれぞれの間で集合Aを区切ることにより、小集合を生成する。立ち寄り場所特徴生成部123は、評価値が所定値以上である集合Aの組み合わせが存在しないと判定した場合、集合Aを区切ることなく、集合Aそのものを小集合として扱う。
例えば、集合Aが立ち寄り場所a1、a2、a3、a4、及びa5からなり、時間軸上においてa1、a2、a3、a4、a5の順で早いとする。組み合わせ(a1,a2)及び(a3,a4)における評価値が所定値以上、かつ組み合わせ(a2,a3)及び(a4,a5)における評価値が所定未満である場合、立ち寄り場所特徴生成部123は、集合Aを、a1からなる集合A1、a2及びa3からなる集合A2、並びにa4及びa5からなる集合A3に区切ることにより、小集合A1、A2、及びA3を生成する。
続いて、立ち寄り場所特徴生成部123は、各小集合について、他の小集合と時間軸上で重複しているか否かを判定する。具体的には、例えば、立ち寄り場所特徴生成部123は、各小集合について、立ち寄り場所の最も早い開始時刻を開始時刻とし、立ち寄り場所の最も遅い終了時刻を終了時刻とする時間帯を定義する。2つの小集合の当該時間帯の少なくとも一部が重複する場合、2つの小集合が時間軸上で重複しているものとする。また例えば、第1の小集合と第2の小集合の当該時間帯に重複がない場合であっても、第1の小集合と第3の小集合の当該時間帯の少なくとも一部が重複し、第2の小集合と第3の小集合の当該時間帯の少なくとも一部が重複する場合には、第1の小集合と第2の小集合についても時間軸上で重複するものとみなされる。
立ち寄り場所特徴生成部123は、他の小集合と時間軸上で重複する小集合について、例えば、重複する小集合において優先度が最大の集合に属する立ち寄り場所を代表立ち寄り場所に決定する。なお、例えば、小集合の立ち寄り場所の最も早い開始時刻を開始時刻とし、当該小集合の立ち寄り場所の最も遅い終了時刻を終了時刻とする時間帯の時間幅が大きいほど、当該小集合の優先度が大きいものとする。
また、立ち寄り場所特徴生成部123は、他の全ての小集合と時間軸上で重複していない小集合に属する立ち寄り場所を代表立ち寄り場所に決定する。つまり、当該小集合の優先度は、重複する他の小集合がないため、最大であると考えることもできる。
なお、立ち寄り場所特徴生成部123は、時間軸上で他の小集合で重複する優先度が最大でない小集合が所定の条件を満たすと判定した場合には、当該小集合を、当該小集合に重複する優先度が最大である小集合に統合する。即ち、立ち寄り場所特徴生成部123は、統合された小集合に属する立ち寄り場所についても代表立ち寄り場所に決定する。
例えば、小集合Bと小集合Cが時間軸上で重複し、小集合Bの優先度が最大であり、小集合Cの優先度は最大でないものとする。立ち寄り場所特徴生成部123は、例えば、小集合Cの基準時刻(例えば、当該集合に属する立ち寄り場所の基準時刻の中央値又は平均値等)と、小集合Bの基準時刻と、の差が所定値以下である場合、小集合Cが当該所定の条件を満たすと判定し、小集合Cを小集合Bに統合する。なお、統合された小集合は、以下のグループ分けの処理において1つの小集合とみなされる。
立ち寄り場所特徴生成部123は、例えば、代表立ち寄り場所からなる小集合Aについて、小集合Aに属する代表立ち寄り場所の最も早い基準時刻を開始時刻とし、最も遅い基準時刻を終了時刻とする時間帯、に存在する、代表立ち寄り場所でない立ち寄り場所を関連立ち寄り場所に決定する。立ち寄り場所特徴生成部123は、小集合Aに含まれる代表立ち寄り場所と、当該決定した関連立ち寄り場所と、を同じグループに決定する。立ち寄り場所特徴生成部123は、代表立ち寄り場所からなる全ての小集合ついて、当該処理を実行する。
続いて、立ち寄り場所特徴生成部123は立ち寄り場所抽出対象データの全てのレコードについてステップ1001~ステップ1003の処理を実行したか否かを判定する(1004)。立ち寄り場所特徴生成部123は、ステップ1001~ステップ1003の処理が実行されていない立ち寄り場所抽出対象データのレコードが存在すると判定した場合(1004:no)、ステップ1001に戻る。
立ち寄り場所特徴生成部123は立ち寄り場所抽出対象データの全てのレコードについてステップ1001~ステップ1003の処理を実行したと判定した場合(1004:yes)、後述する図11に示す立ち寄り場所特徴データを生成し(1005)、立ち寄り場所特徴生成処理を終了する。
図11は、立ち寄り場所特徴データの構成例を示す図である。立ち寄り場所特徴データは、例えば、代表立ち寄り場所又は関連立ち寄り場所であると判定された立ち寄り場所の立ち寄り場所データIDと、当該立ち寄り場所が代表立ち寄り場所であるか関連立ち寄り場所であるかを示す情報と、当該立ち寄り場所が属するグループの識別子と、の対応を格納する。
図6の説明に戻る。続いて、作業単位生成部124は、立ち寄り場所特徴データと立ち寄り場所データとを用いて後述する図13の作業単位データを生成する(605)。以下、図12を用いて、作業単位生成処理の詳細を説明する。
図12は、作業単位生成処理の一例を示すフローチャートである。作業単位生成部124は、立ち寄り場所特徴データから未選択のグループを1つ選択し、選択したグループに対応する全ての立ち寄り場所データIDに対応する立ち寄り場所の情報を立ち寄り場所データから取得する(1201)。
続いて、作業単位生成部124は、取得した立ち寄り場所の情報が示す開始時刻と終了時刻から最も早い時刻と最も遅い時刻を抽出する(1202)。作業単位生成部124は、当該最も早い時刻と当該最も遅い時刻を、それぞれグループの開始時刻と終了時刻に決定し、開始時刻と終了時刻と作業者とグループとの対応を示す作業単位を、作業単位データに格納する(1203)。
つまり、作業単位は、作業実績が記録されていないものの、何らかの作業が実行されていた可能性が高い時間帯を示す。また、特に、作業単位のグループにおける代表立ち寄り場所は、当該時間帯において何らかの作業が実行されていた場合の当該作業における重要な拠点である可能性が高い。
なお、ステップ1203において、作業単位生成部124は、取得した立ち寄り場所の情報と、図14A及び図14Bに示す作業定義ルールデータと、を比較して、当該グループにおいて実行されていた作業を推定し、推定した作業を作業単位データに格納してもよい。
続いて、作業単位生成部124は、立ち寄り場所特徴データの全てのグループにおいてステップ1201~1203の処理が実行されたか否かを判定する(1204)。作業単位生成部124は、ステップ1201~1203の処理が実行されていない立ち寄り場所特徴データのグループがあると判定した場合(1204:no)、ステップ1201に戻る。作業単位生成部124は、立ち寄り場所特徴データの全てのグループにおいてステップ1201~1203の処理が実行されたと判定した場合(1204:yes)、作業単位生成処理を終了する。
図13は、作業単位データの構成例を示す図である。作業単位データは、例えば、作業単位の識別子である作業単位IDと、グループと、グループの開始時刻及び終了時刻と、当該グループの作業者と、を対応付けて格納する。
図14A及び図14Bは、作業定義ルールデータの構成例を示す図である。作業定義ルールデータは、例えば、計算処理サーバ120又は情報管理サーバ110の補助記憶装置3に予め格納されている。なお、作業定義ルールデータはマスタデータベース114に格納されていてもよい。
図14Aの例では、作業定義ルールデータは、ルールの識別子であるルールIDとルールとの対応を格納する。図14Aの例では、作業定義ルールデータは、グループの開始時刻と終了時刻についてのルール、及びグループに含まれる立ち寄り場所の立ち寄り領域についてのルールを含む。
図14Bの例では、作業定義ルールデータは、推定作業と、当該推定作業に対応する条件文と、優先度と、の対応を格納する。条件文は、例えば、図14Aの作業ルールデータにおけるルールの論理式等で表現される。あるグループが、ある条件文を満たす場合、当該グループにおいて、当該条件文に対応する推定作業が実行されていたと推定される。なお、あるグループが複数の条件文が示す条件を満たす場合、当該複数の条件文に対応する推定作業のうち最も優先度が高い推定作業が、当該グループにおいて実行されていたと推定される。
図6の説明に戻る。続いて、可視化生成部125は、情報管理サーバ110に格納されているデータ、作業単位データ、立ち寄り場所特徴データ、及び立ち寄り場所データを用いて、図15、図16、及び図17に示す可視化画面を生成し、計算機150に送信する(606)。
計算機150は、例えば、ディスプレイ装置9に可視化画面を表示し、可視化画面に対する利用者からの入力操作を受け付けるために待機する(607)。計算機150は、例えば可視化画面表示から所定時間経過しても、利用者からの入力操作を受け付けない場合(607:no)、図6の処理を終了する。計算機150は、利用者からの入力操作を受け付けた場合(607:yes)、当該入力操作に応じた処理を、必要に応じて計算処理サーバ120も用いて、実行して(608)、図6の処理を終了する。
図15は、可視化画面の一例を示す図である。可視化画面1500は、作業者ごとの各時間帯における作業状態を表示する。具体的には、ドットで塗りつぶされた領域が示す時間帯は、作業実績データにおける作業実績が存在する時間帯を示す。その他のパターンで塗りつぶされた領域は、作業単位データが示すグループに対応する時間帯であり、例えば、グループごとに異なるパターンで塗りつぶされている。図16は、可視化画面の一例を示す図である。可視化画面1600は、例えば、可視化画面1500において、ある作業者の時間帯が利用者によって選択されることにより、又は予め定めたルールにより自動で選択された作業者と時間帯との組み合わせが指定されることにより、遷移する画面である。
可視化画面1600は、例えば、地図表示領域1601、カメラ画像表示領域1602~1604、及び文字情報表示領域1605を含む。地図表示領域1601は、例えば、当該時間帯において作業者が移動した経路、並びに当該作業者の当該時間帯におけるグループの代表立ち寄り場所及び関連立ち寄り場所を地図上に表示する。
なお、可視化生成部125は、当該時間帯の座標値をセンサデータベース112から取得して、作業者が移動した経路を特定する。また、例えば、敷地内の地図情報は、情報管理サーバ110の補助記憶装置3に予め格納されている。地図情報は、敷地内の座標、及び敷地内の棚等の設備が配置されている座標等を保持していることが望ましい。
カメラ画像表示領域1602~1604は、当該作業者の当該時間帯における立ち寄り領域を捕捉するカメラ画像を表示する。可視化生成部125は、マスタデータベース114を参照して、当該作業者の当該時間帯における立ち寄り領域を特定し、特定したカメラの当該時間帯における画像データをカメラ画像データベース113から取得して、カメラ画像表示領域1602~1604に表示する。
なお、図16の例では、地図表示領域1601に立ち寄り領域を示す星印が表示され、例えば、当該星印を選択すると、カメラ画像表示領域1602~1604が表示される。なお、可視化生成部125は、例えば、特に代表立ち寄り場所については、画像の時間変化を表示するために、当該代表立ち寄り場所が属するグループの前半の時間(例えば開始時刻から所定時間経過後)における代表立ち寄り場所の画像を表示するカメラ画像表示領域1602、及び後半の時間(例えば終了時刻の所定時間前)における代表立ち寄り場所の画像を表示するカメラ画像表示領域1604を生成する。
なお、図16の例では、可視化生成部125は、代表立ち寄り場所の画像を表示するカメラ画像表示領域を2つ生成しているが、一定時間間隔の代表立ち寄り場所の画像を表示するカメラ画像表示領域を3つ以上生成してもよい。また、可視化生成部125は、関連立ち寄り場所等の、代表立ち寄り場所以外の立ち寄り領域についても、複数のカメラ画像表示領域を生成してもよい。
また、可視化生成部125は、カメラ画像表示領域に静止画像を表示してもよいし、動画を表示してもよい。また、例えば、可視化生成部125は、可視化画面1600の起動時には、カメラ画像表示領域に静止画像が表示されるようにし、カメラ画像表示領域に含まれる再生ボタン等が選択された場合に動画が再生させるようにしてもよい。また、可視化生成部125は、カメラ画像表示領域に含まれる左右ボタンが選択された場合に、当該静止画像の所定時間前又は所定時間後の画像を、カメラ画像表示領域に表示してもよい。これらの内容は、後述する他の実施例におけるカメラ画像表示領域についても同様である。
文字情報表示領域1605は、例えば、選択された作業者の氏名、選択された時間帯、当該時間帯における当該作業者の滞在場所の名称、及び当該作業者の当該時間帯において実施された作業又は推定作業等を表示する。
図17は、ルール入力画面の一例を示す図である。可視化画面の一例であるルール入力画面1700は、作業定義ルールデータベースに格納されるルールを入力するための画面である。ルール入力画面1700は、例えば、対象入力領域1701、条件文入力領域1702、論理演算子選択領域1703、推定作業入力領域1704、及び登録ボタン1705を含む。
対象入力領域1701は、条件を規定する対象(作業者、立ち寄り領域、立ち寄り時間等)の入力を受け付けるための領域である。条件文入力領域1702は、当該対象についての条件文を入力するための領域である。論理演算子選択領域1703は、「AND」や「OR」等の論理演算子を選択するための領域である。
推定作業入力領域1704は、対象入力領域1701、条件文入力領域1702、及び論理演算子選択領域1703に入力されたルールを満たす場合の推定作業を入力するための領域である。登録ボタン1705は、対象入力領域1701、条件文入力領域1702、論理演算子選択領域1703、及び推定作業入力領域1704に入力された内容を作業定義ルールデータベースに登録するためのボタンである。なお、ルール入力画面1700は、推定作業の優先度を入力するための領域をさらに含んでもよい。
本実施例の計算処理サーバ120は、作業者の作業実績が記録されていない時間帯における立ち寄り場所を抽出し、立ち寄り場所から代表立ち寄り場所及び関連立ち寄り場所を特定してグループ分けをする。計算処理サーバ120は、当該処理を実行することにより、作業者の作業実績が記録されていないものの、当該作業者が何らかの作業を実行している可能性が高い時間帯及び場所を特定することができる。また、計算処理サーバ120は、ある作業者について、他の作業者のデータ(作業実績データ及びセンサデータ等)を使うことなく、当該作業者のデータのみを使って、当該時間帯及び当該場所を特定することができる。
また、計算処理サーバ120が、当該作業者の当該時間帯の当該場所における画像を表示することにより、利用者は、大量の画像を参照することなく、作業実績が記録されていない時間帯における作業者の作業を効率的に把握することができ、ひいては作業管理の質が向上する。
<第二の実施例>
本実施例の計算処理サーバ120は、台車やカートやフォークリフト等の運搬機器が搭載している重量を計測するセンサ値をさらに用いて、作業者の様子を表す可視化画面を生成する。これにより、本実施例の計算処理サーバ120は、作業者の作業実績が記録されていない時間帯においても、廃材回収等のような、棚等を巡回しながら物品を回収又は配布する作業が実行されている様子を示す画像を含む可視化画面を生成できる。
以下、第一の実施例との相違点を説明する。センサ130は、作業者の位置を計測するセンサに加え、台車やカートやフォークリフトなどの運搬機器が搭載している物の重量を計測するためのセンサを含む。本実施例の情報管理サーバ110は、図3に示した位置情報のデータを格納するセンサデータベース112に加え、図18に示すセンサデータベース112を有する。
図18は、センサデータベース112の構成例を示す図である。図18のセンサデータベース112は、例えば、台車やカートやフォークリフト等の運搬機器の識別子と、センサ130が計測した当該運搬機器が搭載している物の重量を示す情報と、計測時刻と、の対応を保持する。
第二の実施例における全体の処理は図6に示す第一の実施例の処理手順と同様である。但し、ステップ603、ステップ604、及びステップ605の詳細な処理が異なる。以下、本実施例におけるこれらの処理について説明する。
図19は、本実施例のステップ603における立ち寄り場所抽出処理の一例を示すフローチャートである。立ち寄り場所抽出部122は、立ち寄り場所抽出対象データの未選択のレコードを1つ選択し、選択したレコードが示す作業者の、選択したレコードが示す実績なし時間における位置データを、センサデータベース112のセンサデータから取得する(1901)。
続いて、立ち寄り場所抽出部122は、当該作業者の実績なし時間において、当該作業者に同伴する運搬機器の情報を取得する(1902)。立ち寄り場所抽出部122は、ステップ1902において、例えば、図20に示すマスタデータベース114を参照する。
図20は、マスタデータベース114の構成例を示す図である。本実施例のマスタデータベース114は、図5に示したカメラの捕捉範囲を格納するマスタデータに加え、運搬機器の使用状況を示す情報を格納する図20に示すマスタデータを格納する。
図20のマスタデータベース114が格納するマスタデータは、運搬機器と、作業者と、当該作業者が当該運搬機器を利用した開始時刻及び終了時刻と、の対応を示す情報を格納する。つまり、当該マスタデータは、例えば、電装されたカートのログイン及びログアウト情報等によって生成された情報である。
立ち寄り場所抽出部122は、ステップ1902において、図20のマスタデータベース114を参照して、当該作業者に対応する運搬機器であって、開始時刻及び終了開始時刻までの時間帯の少なくとも一部が当該作業者の実績なし時間に含まれる運搬機器を特定する。なお、各運搬機器に対して使用者が一意に定められていてもよいし、各使用者に対して運搬機器が一意に定められていてもよい。
各運搬機器に位置を計測するセンサ130が取り付けられている場合には、立ち寄り場所抽出部122は、ステップ1902において、図3のセンサデータベース112を参照して、当該作業者の実績なし時間帯の位置情報と、各運搬機器の当該時間帯の位置情報と、を照合して、当該作業者の実績なし時間帯に同伴していた運搬機器を特定してもよい。
続いて、立ち寄り場所抽出部122は、作業者に同伴していた運搬機器の実績なし時間帯における重量センサのデータを、センサデータベース112から取得し、センサ値変化時刻とセンサ変化値とを取得する(1903)。図18の例では、センサデータベース112は、一定時間間隔の重量センサの値を格納している。なおセンサデータベース112に格納されている重量センサデータは、事前にアナログフィルタやデジタルフィルタ処理によりノイズが除去され、運搬機器からの物品の取り出しや取り込みなどが行われるタイミングでの値の変化が判別できるデータである。
立ち寄り場所抽出部122は、ステップ1903において、この変化によるセンサ値の差分の絶対値(以下、センサ変化値とも呼ぶ)が閾値以上である時刻(以下、センサ値変化時刻とも呼ぶ)と、当該センサ変化値と、を取得する。
続いて、立ち寄り場所抽出部122は、ステップ1903で取得したセンサ値変化時刻から1つセンサ値変化時刻を選択し、選択したセンサ値変化時刻における当該作業者又は運搬機器の位置をセンサデータベース112から取得し、取得した位置データに基づいて、立ち寄り領域を決定する(1904)。具体的には、立ち寄り場所抽出部122は、例えば、取得した位置データが示す座標を中心とした所定半径の円を、当該センサ値変化時刻に対応する立ち寄り領域に決定する。
また、立ち寄り場所抽出部122は、例えば、当該センサ変化時刻を含む所定幅の時間における、作業者又は運搬機器の位置を時系列順に線で繋いだ経路を含む所定形状の領域を、当該センサ値変化時刻に対応する立ち寄り領域に決定してもよい。所定幅を持つ当該経路は、当該所定形状の領域の一例である。
また、立ち寄り場所抽出部122は、予め空間をグリッド状に区切っておき、前述のいずれかの領域と、一部又は全てが重複するグリッドの集合を、当該センサ値変化時刻における立ち寄り領域に決定してもよい。
続いて、立ち寄り場所抽出部122は、作業者と、当該センサ値変化時刻を含む所定幅(当該所定幅は0以上)の時間の開始時刻及び終了時刻と、当該センサ値変化時刻におけるセンサ変化値と、立ち寄り領域と、を対応づけて立ち寄り場所データに格納する(1905)。
続いて、立ち寄り場所抽出部122は、全てのセンサ値変化時刻を選択済みであるか否か、即ちステップ1903で取得した全てのセンサ値変化時刻に対して、ステップ1904~1905の処理が実行されたか否かを判定する(1906)。立ち寄り場所抽出部122は、未選択のセンサ値変化時刻があると判定した場合(1906:no)、ステップ1904に戻る。
立ち寄り場所抽出部122は、全てのセンサ値変化時刻を選択済みであると判定した場合(1906:yes)、立ち寄り場所抽出対象データの全てのレコードを選択済みであるか否かを判定する(1907)。立ち寄り場所抽出部122は、立ち寄り場所抽出対象データの未選択のレコードがあると判定した場合(1907:no)。ステップ1901に戻る。立ち寄り場所抽出部122は、立ち寄り場所抽出対象データの全てのレコードを選択済みであると判定した場合(1907:yes)、立ち寄り場所抽出処理を終了する。
図21は、本実施例のステップ604における立ち寄り場所特徴生成処理の一例を示すフローチャートである。まず、立ち寄り場所特徴生成部123は、立ち寄り場所抽出対象データの未選択のレコードを1つ選択する(2101)。続いて、立ち寄り場所特徴生成部123は、ステップ2101で選択したレコードの立ち寄り場所抽出対象データIDに対応する全てのレコードを立ち寄り場所データから取得し、取得したレコードから1つの未選択のレコードを選択する(2102)。
立ち寄り場所特徴生成部123は、選択したレコードが示す立ち寄り場所(以下、対象立ち寄り場所とも呼ぶ)の立ち寄り時間において、重量センサのセンサ値が減少したか増加したかを判定する(2103)。まず、ステップ2103において、立ち寄り場所特徴生成部123が重量センサのセンサ値が減少したと判定した場合におけるステップ2104~2106の処理について説明する。
立ち寄り場所特徴生成部123は、対象立ち寄り場所の立ち寄り時間の開始時刻を終了時刻とする所定幅の時間範囲に立ち寄り時間の少なくとも一部が含まれる全ての立ち寄り場所を、ステップ2101で取得した立ち寄り場所データのレコードに対応する立ち寄り場所から、抽出する(2104)。
続いて、立ち寄り場所特徴生成部123は、ステップ2104で抽出した立ち寄り場所が所定の条件を満たすか否かを判定する(2105)。ステップ2103において重量センサのセンサ値が減少した場合における当該所定の条件は、ステップ2104で抽出した立ち寄り場所における重量センサのセンサ値が増加傾向にあることである。ステップ2104で抽出した立ち寄り場所における重量センサのセンサ値が増加傾向にあるとは、具体的には、例えば、当該立ち寄り場所のうち、重量センサのセンサ値が増加した立ち寄り場所の割合が所定値以上であること等を示す。
立ち寄り場所特徴生成部123は、ステップ2104で抽出した立ち寄り場所が当該所定の条件を満たすと判定した場合(2105:yes)、作業単位候補時間帯を生成する(2106)。
具体的には、立ち寄り場所特徴生成部123は、ステップ2101で取得した立ち寄り場所データのレコードに対応する立ち寄り場所から、重量センサが示すセンサ値と、対象立ち寄り場所における重量センサの変化後(減少後)のセンサ値と、の差が所定値以下であり、かつ対象立ち寄り場所の立ち寄り時間の開始時刻以前の時刻を立ち寄り時間に含む立ち寄り場所のうち、立ち寄り時間(の開始時刻又は終了時刻)が最も遅い立ち寄り場所を特定する。立ち寄り場所特徴生成部123は、特定した立ち寄り場所の立ち寄り時間の開始時刻から対象立ち寄り場所の立ち寄り時間の終了時刻までの時間帯を作業単位候補時間帯に決定する。
立ち寄り場所特徴生成部123は、ステップ2104で抽出した立ち寄り場所が当該所定の条件を満たさないと判定した場合(2105:no)、ステップ2107に遷移する。
以下、ステップ2103において、立ち寄り場所特徴生成部123が重量センサのセンサ値が増加したと判定した場合におけるステップ2104~2106の処理について説明する。
立ち寄り場所特徴生成部123は、対象立ち寄り場所の立ち寄り時間の終了時刻を開始時刻とする所定幅の時間範囲に立ち寄り時間の少なくとも一部が含まれる全ての立ち寄り場所を、ステップ2101で取得した立ち寄り場所データのレコードに対応する立ち寄り場所から、抽出する(2104)。
続いて、立ち寄り場所特徴生成部123は、ステップ2104で抽出した立ち寄り場所が所定の条件を満たすか否かを判定する(2105)。ステップ2103において重量センサのセンサ値が増加した場合における当該所定の条件は、ステップ2104で抽出した立ち寄り場所における重量センサのセンサ値が減少傾向にあることである。ステップ2104で抽出した立ち寄り場所における重量センサのセンサ値が減少傾向にあるとは、具体的には、例えば、当該立ち寄り場所のうち、重量センサのセンサ値が減少した立ち寄り場所の割合が所定値以上であること等を示す。
立ち寄り場所特徴生成部123は、ステップ2103で抽出した立ち寄り場所が当該所定の条件を満たすと判定した場合(2105:yes)、作業単位候補時間帯を生成する(2106)。
具体的には、立ち寄り場所特徴生成部123は、ステップ2101で取得した立ち寄り場所データのレコードに対応する立ち寄り場所から、重量センサが示すセンサ値と、対象立ち寄り場所における重量センサの変化後(増加後)のセンサ値と、の差が所定値以下であり、かつ対象立ち寄り場所の立ち寄り時間の終了時刻以降の時刻を立ち寄り時間に含む立ち寄り場所のうち、立ち寄り時間(の開始時刻又は終了時刻)が最も早い立ち寄り場所を特定する。立ち寄り場所特徴生成部123は、対象立ち寄り場所の立ち寄り時間の開始時刻から特定した立ち寄り場所の立ち寄り時間の終了時刻までの時間帯を作業単位候補時間帯に決定する。
立ち寄り場所特徴生成部123は、ステップ2104で抽出した立ち寄り場所が当該所定の条件を満たさないと判定した場合(2105:no)、ステップ2107に遷移する。
続いて、立ち寄り場所特徴生成部123は、全ての立ち寄り場所を評価したか否か、即ち、ステップ2102で取得した全てのレコードが選択済みであるか否かを判定する(2107)。立ち寄り場所特徴生成部123は、未評価の立ち寄り場所が存在すると判定した場合(2107:no)、ステップ2102に戻る。
立ち寄り場所特徴生成部123は、全ての立ち寄り場所を評価したと判定した場合(ステップ2107:yes)、代表立ち寄り場所を生成する(2108)。具体的には、例えば、立ち寄り場所特徴生成部123は、ステップ2106で生成した作業単位候補時間帯を比較して、他の全ての作業単位候補時間帯と重複しない作業単位候補時間帯に対応する対象立ち寄り場所を代表立ち寄り場所に決定する。
また、立ち寄り場所特徴生成部123は、他の作業候補時間帯と重複する作業候補時間帯については、当該作業候補時間帯のうち最も長い作業単位候補時間帯に対応する対象立ち寄り場所を代表立ち寄り場所に決定する。なお、例えば、作業候補時間帯の少なくとも一部が重複している場合に、作業候補時間帯が重複するものとみなされる。また、例えば、第1の作業単位候補時間帯と第2の作業単位候補時間帯に重複がない場合であっても、第1の作業単位候補時間帯と第3の作業単位候補時間帯の少なくとも一部が重複し、第2の作業単位候補時間帯と第3の作業単位候補時間帯の少なくとも一部が重複する場合には、第1の作業単位候補時間帯と第2の作業単位候補時間帯についても重複するものとみなされる。
続いて、立ち寄り場所特徴生成部123は、関連立ち寄り場所を生成する(2109)。具体的には、例えば、立ち寄り場所特徴生成部123は、各代表立ち寄り場所について、ステップ2101で取得した立ち寄り場所データのレコードに対応する立ち寄り場所のうち、当該代表立ち寄り場所に対応する作業候補時間帯に立ち寄り時間の少なくとも一部が含まれる立ち寄り場所を、当該代表立ち寄り場所と同じグループに属する関連立ち寄り場所に決定する。
続いて、立ち寄り場所特徴生成部123は、ステップ2101において立ち寄り場所抽出対象データの全てのレコードを選択済みであるか否かを判定する(2110)。立ち寄り場所特徴生成部123は、立ち寄り場所抽出対象データの未選択のレコードが存在すると判定した場合(2110:no)、ステップ2101に戻る。立ち寄り場所特徴生成部123は、ステップ2101において立ち寄り場所抽出対象データの全てのレコードを選択済みであると判定した場合(S2110:yes)、立ち寄り場所特徴データを生成し(1005)、立ち寄り場所特徴生成処理を終了する。
図22は、可視化画面の一例を示す図である。図16との相違点について説明する。図16の例では作業者が繰り返し訪れる場所を拠点とする作業が可視化されていたが、図22の例では作業者が棚等を巡回して物品を配布又は回収する作業において、配布物の取り込み又は回収物の取り出し場所を拠点とする作業が可視化されている。
可視化画面2200は、例えば、地図表示領域1601、カメラ画像表示領域2202~2204、文字情報表示領域1605、及び重量センサ値時系列表示領域2206を含む。カメラ画像表示領域2202~2204には、図16のカメラ画像表示領域1602~1604に表示される情報に加えて、例えば、カメラ画像に対応する時刻における、当該作業者に同伴する運搬機器の重量センサのセンサ値が表示される。重量センサ値時系列表示領域2206は、当該作業者に同伴する運搬機器の重量センサのセンサ値の指定された時間帯における時系列変化を表示する。
本実施例の計算処理サーバ120は、作業者に同伴する運搬機器の重量センサのセンサ値を用いて、立ち寄り場所から代表立ち寄り場所及び関連立ち寄り場所を特定してグループ分けをする。計算処理サーバ120は、当該処理を実行することにより、作業者が運搬機器を用いる場合において、作業者の作業実績が記録されていないものの、当該作業者が何らかの作業を実行している可能性が高い時間帯及び場所を高精度に特定することができる。
<第三の実施例>
第一の実施例との相違点を説明する。本実施例の計算処理サーバ120は、ステップ602において、立ち寄り場所抽出対象データ生成処理を実行せず、図23に示す可視化対象設定画面を計算機150に表示し、可視化対象設定画面を介して利用者から立ち寄り場所抽出対象データの各セルに格納される値の入力を受け付ける。
図23は、可視化対象設定画面の一例である。可視化対象設定画面2300は、例えば、倉庫入力領域2301、作業者入力領域2302、開始時刻入力領域2303、及び終了時刻入力領域2304を含む。倉庫入力領域2301は、例えば、敷地内において分析対象とする倉庫を制限する場合に、当該倉庫を特定する情報を入力するための領域である。
作業者入力領域2302は、立ち寄り場所抽出対象データにおける、作業者ID又は作業者名等の作業者を特定する情報を入力するための領域である。開始時刻入力領域2303は、立ち寄り場所抽出対象データにおける、開始時刻を特定する情報を入力するための領域である。終了時刻入力領域2304は、立ち寄り場所抽出対象データにおける、終了時刻を特定する情報を入力するための領域である。
<第四の実施例>
第一の実施例との相違点を説明する。本実施例の計算処理サーバ120は、ステップ601のリクエストを受信せずとも、例えば、作業実績データにレコードが格納されるたびに自動的にステップ602の処理を実行する。
実績なし時間抽出部121は、作業者の作業実績がない時間帯を発見し次第、計算機150にアラートを送信し、さらに可視化生成部125は、当該作業者についての当該時間帯における可視化画面を計算機150に出力する。なお、この場合、可視化生成部125は、可視化画面1500を出力することなく可視化画面1600や可視化画面2200を出力することが望ましい。本実施例の計算処理サーバ120が、当該処理を実行することにより、利用者は、作業実績のない作業者を迅速に把握し、作業者に対して迅速なフォローを行うことができる。
なお、計算処理サーバ120は、ステップ603以降における処理対象の立ち寄り場所抽出対象データのレコードを、特に注意すべき作業者及び注意すべき時間帯に対応するレコードに限定してもよい。例えば、実績なし時間抽出部121は、立ち寄り場所抽出対象データを参照して、過去に作業実績なし時間の割合が所定値以下である作業者に作業実績なし時間が発生した場合、当該作業者及び当該作業実績なし時間を特に注意すべき作業者及び特に注意すべき時間帯に決定する。
また、実績なし時間抽出部121は、例えば、ある作業者において所定時間以上の作業実績なし時間が発生している場合、当該作業者及び当該作業実績なし時間を特に注意すべき作業者及び特に注意すべき時間帯に決定する。
なお、計算処理サーバ120がアラートを計算機150に出力するタイミングは、特に注意すべき作業者と時間帯に対応する、立ち寄り場所抽出対象データのレコードが生成されたタイミングであってもよいし、可視化生成処理が実行されたタイミングであってもよい。
<第五の実施例>
本実施例の計算処理サーバ120は、立ち寄り場所を捕捉するカメラの存在の有無を判定し、各作業者、各領域、及び各機器等にカメラを取り付けた場合における効果を評価する。以下、第一の実施例との相違点を説明する。
図24は、第五の実施例のシステムの構成例を示すブロック図である。計算処理サーバ120は、推奨計測方法生成部126をさらに含み、後述する推奨計測方法生成処理を実行する。
図25は、第五の実施例の処理手順の一例を示すフローチャートである。ステップ605の処理が実行された後、推奨計測方法生成部126は推奨計測方法を生成し(2501)、ステップ606に遷移する。以下、ステップ2501の推奨計測方法生成処理について説明する。
図26は、推奨計測方法生成処理の一例を示すフローチャートである。推奨計測方法生成部126は、未選択の立ち寄り場所を選択、即ち未選択の立ち寄り場所データIDを選択し、選択した立ち寄り場所データIDに対応するレコードを立ち寄り場所データから取得する(2601)。
続いて、推奨計測方法生成部126は、マスタデータベース114を参照して、ステップ2601で取得したレコードに対応する立ち寄り場所の立ち寄り時間における立ち寄り領域を捕捉するカメラが存在するか判定する(2602)。
推奨計測方法生成部126は、ステップ2601において全ての立ち寄り場所を選択済みであるか否かを判定する(2603)。推奨計測方法生成部126は、未選択の立ち寄り場所が存在すると判定した場合(2603:no)、ステップ2601に戻る。推奨計測方法生成部126は、全ての立ち寄り場所を選択済みであると判定した場合(2603:yes)、作業者ごと、空間領域ごと(例えばグリッドごと)、及び運搬機器ごとに、カメラで捕捉できなかった時間についての集計を実行する(2604)。
具体的には、例えば、推奨計測方法生成部126は、ステップ2602における判定結果を用いて、空間領域、運搬機器をごとに捕捉評価値を算出する。推奨計測方法生成部126は、例えば、ある作業者の立ち寄り場所の立ち寄り時間の合計に対する、当該作業者の立ち寄り領域をカメラで捕捉できなかった立ち寄り時間の合計の割合を、当該作業者についての捕捉評価値として算出する。
また、推奨計測方法生成部126は、例えば、ある作業者の代表立ち寄り場所の立ち寄り時間の合計に対する、当該作業者をカメラで捕捉できなかった代表立ち寄り場所の立ち寄り時間の合計の割合を、当該作業者についての捕捉評価値として算出してもよい。これにより、推奨計測方法生成部126は、代表立ち寄り場所を重視した評価値を算出することができる。また、推奨計測方法生成部126は、ある作業者の立ち寄り領域をカメラで捕捉できなかった立ち寄り時間の合計そのものを、当該作業者についての捕捉評価値として算出してもよい。
推奨計測方法生成部126は、例えば、ある領域を含む立ち寄り領域に対応する立ち寄り場所の立ち寄り時間の合計に対する、当該領域をカメラで捕捉できなかった立ち寄り時間の合計の割合を、当該領域についての捕捉評価値として算出する。
また、推奨計測方法生成部126は、例えば、ある領域を含む立ち寄り領域に対応する代表立ち寄り場所の立ち寄り時間の合計に対する、当該領域をカメラで捕捉できなかった代表立ち寄り場所の立ち寄り時間の合計の割合を、当該領域についての捕捉評価値として算出してもよい。また、推奨計測方法生成部126は、ある領域をカメラで捕捉できなかった立ち寄り時間の合計そのものを、当該領域についての捕捉評価値として算出してもよい。
推奨計測方法生成部126は、例えば、ある運搬機器が訪れた立ち寄り領域を含む立ち寄り場所の立ち寄り時間の合計に対する、当該立ち寄り領域をカメラで捕捉できなかった立ち寄り時間の合計の割合を、当該運搬機器についての捕捉評価値として算出する。
また、推奨計測方法生成部126は、例えば、ある運搬機器が訪れた立ち寄り領域を含む代表立ち寄り場所の立ち寄り時間の合計に対する、当該立ち寄り領域をカメラで捕捉できなかった代表立ち寄り場所の立ち寄り時間の合計の割合を、当該運搬機器についての捕捉評価値として算出してもよい。また、推奨計測方法生成部126は、ある運搬機器が訪れた立ち寄り領域をカメラで捕捉できなかった立ち寄り時間の合計そのものを、当該運搬機器についての捕捉評価値として算出してもよい。
続いて、推奨計測方法生成部126は、例えば、図27に示す推奨計測方法データを生成し(2605)、推奨計測方法生成処理を終了する。
図27は、推奨計測方法データの構成例を示す図である。推奨計測方法データは、例えば、対象、形式、及び捕捉可時間との対応を示す。例えば、推奨計測方法データの1行目のレコードは、位置「A001」に、空間固定カメラを設置することにより、分析対象の立ち寄り場所データに含まれる立ち寄り領域の画像をさらに31.1時間分捕捉できるようになることを示す。
同様に、推奨計測方法データの2行目のレコードは、作業者「W0001」に、ウェアラブルカメラを装着することにより、分析対象の立ち寄り場所データに含まれる立ち寄り領域の画像をさらに4.5時間分捕捉できるようになることを示す。同様に、推奨計測方法データの3行目のレコードは、機材「M01」に、機材固定カメラを装着することにより、分析対象の立ち寄り場所データに含まれる立ち寄り領域の画像をさらに3.8時間分捕捉できるようになることを示す。捕捉可時間は、上述した捕捉評価値の一例である。
図28は、可視化画面の一例を示す図である。本実施例の可視化生成部125は、ステップ606の可視化画面生成処理において、例えば、可視化画面2800をさらに生成する。可視化画面2800は、例えば、推奨計測方法表示領域2801、地図情報表示領域2803、及び文字情報表示領域2804を含む。
推奨計測方法表示領域2801は、例えば、推奨計測方法データを一覧表示する。地図情報表示領域2803は、推奨計測方法表示領域2801において選択されたレコードに対応する地図情報を表示する。図28の例では、推奨計測方法表示領域2801のレコード2802が選択されており、地図情報表示領域2803において、立ち寄り場所が表示され、ささらに対象「A001」の位置が推奨カメラ位置として地図内に表示されている。
また、地図情報表示領域2803において、推奨カメラ位置を示す星印と線で結ばれている星印が示す立ち寄り場所は、推奨カメラ位置に空間固定カメラを設置した場合に、新たに捕捉可能となる立ち寄り場所である。
文字情報表示領域2804は、例えば、推奨計測方法表示領域2801において選択されたレコードに対応する文字情報を表示する。図28の例では、推奨計測方法表示領域2801のレコード2802が選択されており、文字情報表示領域2804において、空間固定カメラの情報、対象「A001」の情報、及び捕捉可時が表示されている。
本実施例の計算処理サーバ120は、上述した処理によって、立ち寄り場所を捕捉するカメラ140が存在しないために立ち寄り場所の画面を出力できない状況の発生を削減すべく、今後設置すべきカメラ140の種類や設置方法を出力することができる。
<第六の実施例>
本実施例の計算処理サーバ120は、作業者間の作業単位の類似度を評価する。以下、第一の実施例との相違点について説明する。
図29は、第六の実施例の処理手順の一例を示すフローチャートである。ステップ601の分析リクエストには分析対象作業者が少なくとも含まれ、比較対象作業者がさらに含まれてもよい。ステップ602~605において、分析リクエストに含まれる作業者について、立ち寄り場所抽出対象データ、立ち寄り場所データ、立ち寄り場所特徴データ、及び作業単位データが生成される。
ステップ605の処理が実行された後、作業単位生成部124は、比較作業単位抽出処理を実行し(2901)、ステップ606に遷移する。以下、ステップ2901の比較作業単位抽出処理について説明する。
図30は、比較作業単位抽出処理の一例を示すフローチャートである。まず、作業単位生成部124は、分析対象作業者の作業単位データのレコードを抽出する(3001)。続いて、作業単位生成部124は、取得した作業単位データのレコードから未選択のレコードを1つ選択する(3002)。
続いて、作業単位生成部124は、分析リクエストに比較対象作業者が含まれる場合、比較対象作業者の作業単位データのレコードを抽出し、分析リクエストに比較対象作業者が含まれない場合、分析対象作業者以外の全ての作業者を比較対象作業者として、比較対象作業者の作業単位データのレコードを抽出する。作業単位生成部124は、ステップ3002で選択した分析対象作業者の作業単位と、比較対象作業者の作業単位それぞれと、の類似度を評価する(3003)。
作業単位生成部124は、例えば、2つの作業単位それぞれが示す立ち寄り場所の立ち寄り領域の重複度合いを変数とする当該変数の増加関数を用いて、類似度を算出する。立ち寄り領域の重複度合いは、例えば、重複する立ち寄り領域の個数が多いほど、大きな値となる。なお、「2つの立ち寄り領域が重複する」とは、当該2つの立ち寄り領域の少なくとも一部が重複することを意味してもよいし、一方の立ち寄り領域と他方の立ち寄り領域との距離が所定値以下であることを意味してもよい。また、立ち寄り領域の重複度合いは、例えば、重複する立ち寄り領域の面積が大きいほど、大きな値であってもよい。
また、作業単位生成部124は、例えば、2つの作業単位それぞれが示す立ち寄り場所の立ち寄り領域及び立ち寄り時間の組み合わせの重複度合いを変数とする当該変数の増加関数を用いて、類似度を算出してもよい。当該組み合わせの重複度合いは、例えば、重複する組み合わせの組数が多いほど、大きな値となる。なお、「2組の組み合わせが重複する」とは、当該2組の組み合わせにおける立ち寄り領域が重複し、かつ当該2組の組み合わせにおける立ち寄り時間が重複することを意味する。また、「2つの立ち寄り時間が重複する」とは、当該2つの立ち寄り時間の少なくとも一部が重複することを意味してもよいし、2つの立ち寄り時間の終了時刻のうち早い時刻と、2つの立ち寄り時間の開始時刻のうち遅い開始時刻と、の差が所定値以下であることを意味してもよい。
続いて、作業単位生成部124は、分析対象者の全ての作業単位について処理を行ったか、即ちステップ3001において取得された作業単位データの全てのレコードを選択したかを判定する(3004)。作業単位生成部124は、未処理の分析対象者の作業単位が存在すると判定した場合(3004:no)、ステップ3002に戻る。
作業単位生成部124は、分析対象者の全ての作業単位についてデータの処理を行ったかと判定した場合(3004:yes)、例えば、図31に示す比較作業単位データを生成し(3005)、比較作業単位抽出処理を終了する。なお、分析対象作業者と比較対象作業者と異なる例を説明したが、例えば、作業単位生成部124は、同一の分析作業対象者の異なる日の作業単位を比較してもよい。
図31は、比較作業単位データの構成例を示す図である。比較作業単位データは、分析対象作業者の作業単位IDと、比較対象作業者の作業単位IDと、類似度と、の対応を示す。作業単位生成部124は、例えば、ステップ3003において算出した類似度が所定値以上である作業単位の組み合わせについて、比較作業単位データへのレコードの追加を実施する。
図32は、可視化画面の一例を示す図である。本実施例の可視化生成部125は、ステップ606の可視化画面生成処理において、例えば、可視化画面3200をさらに生成する。可視化画面3200は、例えば、分析対象作業者情報表示領域3201、類似作業単位情報表示領域3203、地図情報表示領域3206、文字情報表示領域3207、及びカメラ画像表示領域3205、及びカメラ画像表示領域3208を含む。
分析対象作業者情報表示領域3201は、分析対象作業者の作業単位、並びに当該作業単位に属する立ち寄り場所の立ち寄り領域及び立ち寄り時間を示す情報を表示する。類似作業単位情報表示領域3203は、分析対象作業者情報表示領域3201において選択された作業単位との間の類似度が所定値以上である作業単位(即ち比較作業単位データから特定される作業単位)の作業者、並びに当該作業単位に属する立ち寄り場所の立ち寄り領域及び立ち寄り時間を示す一覧情報を表示する。
図32の例では、分析対象作業者情報表示領域3201においてレコード3202が選択され、レコード3202が示す作業単位「00001」との間の類似度が所定値以上である作業単位の情報が、類似作業単位情報表示領域3203に表示されている。
カメラ画像表示領域3208は、分析対象作業者情報表示領域3201において選択された作業単位における画像(例えば、当該作業単位に属する代表立ち寄り場所が示す立ち寄り領域の立ち寄り時間における画像)を表示する。図32の例では、分析対象作業者情報表示領域3201においてレコード3202が選択され、レコード3202が示す作業単位「00001」の代表立ち寄り場所が示す立ち寄り領域の立ち寄り時間における画像が、カメラ画像表示領域3208に表示されている。
カメラ画像表示領域3205は、類似作業単位情報表示領域3203において選択された作業単位における画像(例えば、当該作業単位に属する代表立ち寄り場所が示す立ち寄り領域の立ち寄り時間における画像)を表示する。図32の例では、類似作業単位情報表示領域3203においてレコード3204が選択され、レコード3204が示す作業単位「00002」の代表立ち寄り場所が示す立ち寄り領域の立ち寄り時間における画像が、カメラ画像表示領域3205に表示されている。
地図情報表示領域3206は、例えば、分析対象作業者情報表示領域3201において選択された作業単位における立ち寄り点及び作業者の移動経路、並びに類似作業単位情報表示領域3203において選択された作業単位に属する立ち寄り点及び作業者の移動経路等を、地図上に表示する。
文字情報表示領域3207は、例えば、分析対象作業者情報表示領域3201において選択された作業単位及び類似作業単位情報表示領域3203において選択された作業単位の所要時間(開始時刻から終了時刻までの時間)、並びに分析対象作業者情報表示領域3201において選択された作業単位及び類似作業単位情報表示領域3203において選択された作業単位の推定作業等を表示する。
本実施例の計算処理サーバ120は、上述した処理により、作業実績が記録されていない時間帯において類似した作業を行っている作業者を抽出することができる。これにより、利用者は、当該類似した作業を行っている作業の画像を比較することができ、ひいては作業者教育のための課題を抽出したり、可視化画面を作業者の教育指導資料として活用したりすることができる。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることも可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリや、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記録装置、または、ICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に置くことができる。
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。