JP6995037B2 - フィンガプレート取り付け装置および外段取り装置 - Google Patents

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Description

本発明はフィンガプレート取り付け装置およびそれを用いた外段取り装置に関する。
ムービングボルスタを備えたトランスファプレスの場合、ムービングボルスタでプレスから金型を搬出するとき、外段取りのため、フィードバーもムービングボルスタに設けたフィードバー載置台に乗せて一緒に搬出する。フィードバーのうち、搬出する際にプレスのコラムなどと干渉する部位は、搬出する部位から切り離してプレス内に残す。そして残したフィードバー(持ち残しフィードバー)に取り付けていたフィンガは、複数のフィンガを取り付けたフィンガプレートごと取り外してムービングボルスタに設けたプレート保持部に保持させ、一緒に搬出するようにしている(特許文献1、2参照)。
特許文献1の装置では、フィンガプレートを持ち残しフィードバー(固定トランスファバー)の上面に載置した状態で固定するため、フィードバーの上面に、エアシリンダでフィードバーの長手方向に押し引き駆動される一対の係合片を設けると共に、フィンガプレートの上面に係合片と係合する係合部を設けている(特許文献1の図3、図4、段落[0024]参照)。また、フィンガプレートは、フィードバー上のエアシリンダや係合片からなる係合手段をかわすため、両端の角部が切り欠かれてT字形状にされている。
他方、特許文献1の装置では、フィンガプレートの上面の中央部には、プレート保持部に吊り下げ嵌合させるための断面T字状の嵌合部が突出している。特許文献2の装置においても、特許文献1と同様の装置が開示されている。
特開2002-219535号公報 特開2001-321861号公報
特許文献1のフィンガプレートは角部が切り欠かれたT字形状であるので、両端近辺では幅が狭い。そのためフィンガホルダを配置するスペースが狭く、配置の自由度が制限される。さらに特許文献1のフィンガプレートは、中央部の上面に嵌合部が突出しているため、これによってもフィンガホルダを配置するスペースが制限される。本発明は従来の装置の問題を解消し、フィンガプレートの上面の空きスペースが広く、フィンガの配置の自由度が高いフィンガプレート取り付け装置およびフィンガプレートの外段取り装置を提供することを技術課題としている。
本発明のフィンガプレート取り付け装置1は、フィードバー15(持ち残しフィードバー15a)と、そのフィードバー15の上面に着脱自在に取り付けられるフィンガプレート18と、フィンガプレート18をフィードバー15の上面に係合する係合装置20とを備え、前記係合装置20が、フィードバー15の上面に設けられる第1係合部21と、フィンガプレート18の下面に設けられ、前記第1係合部21の上下方向の移動によって前記第1係合部21との係合および分離を行う第2係合部22と、第1係合部21に設けられ、第1係合部21と第2係合部22との結合および結合解除を行うロック機構(ボール30、係合段部37、エアシリンダ33)とを有することを特徴としている。なお、本発明における係合部の係合とは、後述する第1係合部21および第2係合部22の係合突起28と係合凹部36が互いに嵌入されただけの状態を示す。また、係合部の結合とは、係合突起28と係合凹部36が互いに嵌入された状態において、外力の作用によって係合部21、22同士が分離しないように固定された状態を示す。
このようなフィンガプレート取り付け装置1においては、前記第1係合部21および第2係合部22のいずれか一方が係合突起28を有すると共に他方がその係合突起28と係合する係合凹部36を有し、前記ロック機構が、係合突起28または係合凹部36のいずれか一方に形成された係合段部37と、他方に出没自在に設けられたロック部材(ボール30)と、ロック部材の引っ込みを許さない結合状態と引っ込みを許す結合解除状態とを切り替える切り替え機構(押し部材32、エアシリンダ33)とを有するものが好ましい。
さらに前記係合突起28および係合凹部36が円柱状であり、前記第1係合部21または第2係合部22のいずれか一方に、回転方向の角度を定めるための位置決めピン40が設けられ、他方にその位置決めピン40と嵌合する位置決め穴41が形成されているものが好ましい。
本発明の外段取り装置2は、ムービングボルスタ14を備えたトランスファプレス10の外段取り装置2であって、前記いずれかのフィンガプレート取り付け装置1と、ムービングボルスタ14に設けられるプレート受け台19とからなり、前記フィードバー15がトランスファプレス10の持ち残しフィードバー15aであり、前記プレート受け台19の上面に第1嵌合部(嵌合ピン24)が設けられ、前記フィンガプレート18の下面に、プレート受け台19の第1嵌合部(嵌合ピン24)と上下方向の移動で嵌合および離脱を行う第2嵌合部(嵌合孔23)が設けられ、前記第1係合部21と第2係合部22が係合したとき、フィンガプレート18と持ち残しフィードバー15aの間に、前記プレート受け台19と、第1嵌合部(嵌合ピン24)および第2嵌合部(嵌合孔23)のうち突出しているもの(嵌合ピン24)とを通す隙間Gが形成されることを特徴としている。
このような外段取り装置2においては、前記第2嵌合部23がフィンガプレート18の長手方向に間隔をあけた2か所に設けられ、前記第2係合部22が平面視でそれらの第2嵌合部23の間の1か所に設けられているものが好ましい。
さらに、前記プレート受け台19の上面にマグネット27が設けられ、前記マグネット27の吸着面が前記プレート受け台19の上面の一部を構成しており、前記フィンガプレートの下面の少なくとも前記マグネットと対応する部位が磁性材料からなるものが好ましい。
本発明のフィンガプレート取り付け装置は、フィンガプレートの上面に第2係合部を設けず、下面に設けている。そのため、フィンガプレートの上面にフィンガを取り付けるスペースを広くとることができる。さらにフィンガの取り付け位置の自由度が高いので、フィンガを取り付けるネジ穴などを多数形成しておくだけでよく、必ずしもフィンガホルダを用いる必要がない。また、フィンガプレートの幅をフィードバーと同程度にできるので、中央フィードバーのフィンガとの共用化をはかることができる。
また、第1係合部と第2係合部は、上下方向の移動で係合および分離をすることができ、ロック機構により結合および結合解除ができるので、三次元トランスファ装置のリフト・ダウン機能を利用してフィンガプレートの着脱操作を行うことができる。
前記第1係合部および第2係合部のいずれか一方が係合突起を有すると共に他方がその係合突起と係合する係合凹部を有し、前記ロック部材が、係合突起または係合凹部のいずれか一方に形成された係合段部と、他方に出没自在に設けられたロック部材と、ロック部材の引っ込みを許さない結合状態と引っ込みを許す結合解除状態とを切り替える切り替え機構とからなる場合は、係合と結合を1カ所で行うことができ、結合および結合解除の確実性が向上する。
前記係合突起および係合凹部が円柱状であり、前記第1係合部または第2係合部のいずれか一方に、回転方向の角度を定めるための位置決めピンが設けられ、他方にその位置決めピンと嵌合する位置決め穴が形成されている場合は、角度方向の位置決めについては、位置決めピンと位置決め穴によって行うことができるので、円柱状の係合突起と係合凹部を使用することができ、位置合わせが容易である。
本発明の外段取り装置は、第1係合部と第2係合部が係合したとき、フィンガプレートとフィードバーの間に、前記プレート受け台および突出している嵌合部を通す隙間が形成されるので、フィードバーのアンクランプ動作により、フィンガプレートとフィードバーをプレート受け台側に移動させてプレート受け台とフィードバーの位置を合わせることができる。そしてその状態でフィードバーを下降させることにより、フィードバー上のフィンガプレートをプレート受け台に載せ替えることができる。
他方、フィードバーとプレート受け台の位置合わせの状態からフィードバーを上昇させてプレート受け台のフィンガプレートをフィードバーに載せ替えた後、クランプ動作によってフィードバーとフィンガプレートをプレート受け台と干渉しない位置に移動させることができる。
前記第2嵌合部がフィンガプレートの長手方向に間隔をあけた2か所に設けられ、前記第2係合部が平面視でそれらの第2嵌合部の間の1か所に設けられている場合は、フィンガプレートの載せ替え操作を安定して行うことができる。また、第2係合部が2か所であれば、それぞれのフィンガプレートの第2係合部間のピッチに正確さが求められるが、1か所とすることにより、ピッチの精度が不要であり、管理しやすい。
フィンガプレートは、プレート受け台に対し前記第1嵌合部(嵌合ピン)と前記第2嵌合部(嵌合孔)の嵌合によって、位置決めおよび保持が行われる。ここで、フィンガプレートにはフィンガの質量および、その配置によってアンバランス力が作用する。このため、フィンガプレート18には嵌合部(嵌合ピンと嵌合孔)の隙間に応じて僅かに傾きが生じる場合がある。この際、前記プレート受け台の上面にマグネットが設けられ、前記マグネットの吸着面がプレート受け台の上面の一部を構成しており、前記フィンガプレートの下面の少なくとも前記マグネットと対応する部位が磁性体からなる場合は、マグネットの吸着力によってフィンガプレートの傾きを抑止することができる。
図1A、図1Bおよび図1Cは本発明の外段取り装置を備えたトランスファプレスの一実施形態を示す要部平面図、要部正面図および要部側面図である。 図2Aおよび図2Bは本発明の外段取り装置の要部拡大平面図および要部拡大正面図である。 図3Aおよび図3Bは本発明のフィンガプレート取り付け装置の一実施形態を示す平面図および正面図である。 図4Aおよび図4Bは図3Aのフィンガプレート取り付け装置の要部正面図および要部側面図である。 図3Aのフィンガプレート取り付け装置の概略斜視図である。 図6Aは本発明のフィンガプレート取り付け装置に用いる係合装置の一実施形態を示す断面図、図6Bはその係合状態を示す断面図である。 図7A、図7Bは図2Aの外段取り装置の作動工程を示す工程図である。 図2Aの外段取り装置におけるフィンガプレートの載せ替え手順を示す工程図である。 図9Aは係合装置の他の実施形態を示す断面図、図9Bはその分離状態を示す断面図、図9Cは係合装置のさらに他の実施形態を示す断面図である。
最初に図1A~Cを参照して、本発明のフィンガプレート取り付け装置および外段取り装置が用いられるムービングボルスタを備えたトランスファプレスを説明する。図1A~Cのトランスファプレス10は基本的には従来技術で説明した特許文献1のトランスファプレスと同様であり、ベッド11と、そのベッドの4隅から立ち上がるコラム12と、コラムの上端に載置されるクラウン(図示省略)と、クラウンからコンロッドなどで吊り下げられるスライド13(図1C参照)と、ベッド11の上に配置される2基またはそれ以上のムービングボルスタ14からなる。ムービングボルスタ14はモータ駆動の車輪14aを備え、金型交換や保守点検などのため、左右のコラム12の間から前後に引き出すことができる。フィードバー15は、フィンガ16の交換や位置を調整するなどの外段取りのため、フィードバー載置台17に載せて一緒に運び出す。
フィードバー15は、成形前のワークや成形後のワークを搬送するため、図1Aのように前後のコラム12の間まで延びている。そのため、ムービングボルスタ14でフィードバー15を持ち出すとき、コラム12の間の持ち残しフィードバー15a、cと、中央フィードバー15bとに分割し、中央フィードバー15bのみ持ち出して、持ち残しフィードバー15a、cはトランスファプレス10の中に残す。持ち残しフィードバー15aに取り付けられる複数のフィンガ16は、図2A、図2Bのように一枚のフィンガプレート18上に装着され、フィンガプレート18ごと持ち残しフィードバー15aから取り外し、ムービングボルスタ14に設けたプレート受け台19に保持させるようにしている。
そして次の製品のプレス加工を行うため、トランスファプレス10内のムービングボルスタ14を搬出し、次の製品の金型をあらかじめ載置したムービングボルスタ14をトランスファプレス10に搬入し、プレート受け台19上のフィンガプレート18を持ち残しフィードバー15aに装着する。フィンガプレート18と持ち残しフィードバー15aとを着脱自在に係合するため、たとえば図3A、図3Bに示す係合装置20を用いることができる。係合装置20は持ち残しフィードバー15aの上面に取り付ける第1係合部21と、フィンガプレート18の下面に取り付ける第2係合部22とからなる。この実施形態では係合装置20は1個である。上記のフィードバー15(持ち残しフィードバー15a)、フィンガプレート18および係合装置20は本発明のフィンガプレート取り付け装置1を構成し、これらとプレート受け台19とが外段取り装置2を構成する。
持ち残しフィードバー15a、cは角柱状で、金属パイプなどから構成される(図4B参照)。持ち残しフィードバー15a、cはトランスファプレスのトランスファ装置によって支持され、プレス加工のときにクランプ/アンクランプ、アドバンス/リターン、リフト/ダウンの動作を行う。持ち残しフィードバー15a、cのプレス中央側の端部には、中央フィードバー15bを支持し、連結するための連結部15dが設けられている。係合装置20の第1係合部21は、持ち残しフィードバー15aの上面に固定され、図示していないエア配管や電気配線が接続される。
フィンガプレート18は、図3Aに示すように、この実施形態では持ち残しフィードバー15aと同一の幅で、持ち残しフィードバーの長手方向に延びる矩形の板材であり、上面に複数(実施形態では2個)のフィンガ16を着脱自在に取り付けている。フィンガプレート18は鋼などの金属板から形成する。フィンガ16は直接フィンガプレート18に取り付けてもよく、フィンガ16を位置調節可能に保持するフィンガホルダを介して取り付けてもよい。前述の第2係合部22は、フィンガプレート18の下面に固定されている。
この実施形態では第2係合部22は1個であり、フィンガプレート18の略中央に配置されている。さらに図4A、図4Bに示すように、フィンガプレート18の第2係合部22を挟む2カ所に、嵌合孔23が形成されている。嵌合孔23は、プレート受け台19に設けた嵌合ピン24と嵌合して、フィンガプレート18の位置決めおよび保持を行うものである。
この実施形態では、第1係合部21および第2係合部22はそれぞれ円柱状であり(図5参照)、平面視ではフィンガプレート18に隠れる大きさである。また、両者を係合させた状態では相当の厚さを有し、持ち残しフィードバー15aとフィンガプレート18の間に係合装置20の厚さに対応する隙間Gができる(図4B参照)。
図1B、図1Cに示すように、プレート受け台19は、フィードバー載置台17から立ち上がる脚部25の上に取り付けられた板であり、図5に示すように、内側に突出する2本の受け片26、26を備え、平面視は略C字状を呈している。この実施形態では、さらに受け片26の各々の上面にフィンガプレート18の嵌合孔23と嵌合する嵌合ピン24が突出すると共に、マグネット27が埋め込まれ、マグネット27の吸着面が受け片26の上面の一部を構成している。嵌合ピン24と嵌合孔23の嵌合は、フィンガプレート18の位置決めおよび保持を行うもので、着脱が容易な程度とするのが好ましい。前述とは逆に、受け片26側に嵌合孔を形成し、フィンガプレート18側に嵌合ピンを設けてもよい。
ここで、フィンガプレート18には、フィンガ16の質量および、その配置によってアンバランス力が作用するため、前記嵌合部の隙間に応じて僅かに傾きが生じる場合があるが、この傾きは前記マグネット27の吸着力によって抑止することができる。フィンガプレート18の少なくともマグネット27と対応する部位あるいは全体は、マグネット27に吸着される、鉄、鋼などの磁性材料としている。
プレート受け台19の2本の受け片26、26の間には、係合装置20が自由に入ることができる間隔(内法)Bが設けられている(図3A参照)。さらに受け片26の厚さtと嵌合ピン24の高さhを加えた寸法(t+h)は、第1係合部21と第2係合部22を係合させた状態(図4Bの想像線参照)の高さ、すなわち持ち残しフィードバー15aの上面とフィンガプレート18の下面の間の隙間Gより小さくする。それにより、持ち残しフィードバー15aにフィンガプレート18を載せ替えた後、プレート受け台19と干渉させることなく持ち残しフィードバー15aをクランプ方向に移動させることができる。
前述の係合装置20としては、たとえば図6Aに示すような、ロボットのアームにツールを着脱自在に取り付けるための市販のクイックチェンジャ(ビー・エル・オートテック株式会社製のQC-20Dなど)を採用することができる。この係合装置20は円柱状の第1係合部(マスタプレート)21と、略リング状の第2係合部(ツールプレート)22とからなる。第1係合部21の上面には薄肉円筒状の係合突起28が突出している。そして係合突起28を半径方向に貫通するように、複数個のボール保持孔29が形成されており、それらのボール保持孔29にそれぞれボール(ロック部材)30が半径方向移動自在に収容されている。
係合突起28の内面と連続するように、深い円柱状の凹所31が形成されており、その内部に円板状の押し部材32が軸方向移動自在に、かつ、抜け落ちないように収容されている。第1係合部21の下方にはエアシリンダ33が設けられ、そのエアシリンダ33のピストン34の軸35が前記押し部材32と連結されている。そしてピストン34が上昇したとき、押し部材32がボール30を外向きに押して係合突起28の外周面から突出させ、ピストン34が下降したとき、ボール30の移動が自由になるように構成されている。すなわち、エアシリンダ33と押し部材32とは、ボール30(ロック部材)の引っ込みを許さない結合状態と引っ込みを許す結合解除状態とを切り替える切り替え機構を構成している。
前記第2係合部22は、下面側に第1係合部21の係合突起28と嵌合する係合凹部36が設けられており、その開口側(下側)の内周にボール30と係合する環状の係合段部37が半径方向内向きに突出している。係合段部としては、ボールを係止できる壁であればよく、たとえば環状の係合溝を採用することもできる。
第1係合部21の上面で係合突起28を囲む部位には、第2係合部22の下面38と当接する当接面39が設けられている。そしてその当接面39から回転方向の角度を定めるための位置決めピン40が突出している。他方、第2係合部22の下面38は、第1係合部21の当接面39と当接する当接面とされており、その当接面(下面38)に位置決めピン40と嵌合する位置決め穴41が形成されている。位置決めピン40および位置決め穴41は、この実施形態では各係合部21、22の中心を挟んで2カ所に設けられている。ただし1カ所でもよく、3カ所以上でもよい。
上記のごとく構成される第1係合部21と第2係合部22を結合するには、図6Bに示すように、中心を合わせ、位置決めピン40と位置決め穴41を位置合わせしながら係合突起28を係合凹部36内に嵌入し、エアシリンダ33の下室33aにエアを導入する。それによりピストン34と押し部材32が上昇し、ボール30の一部がボール保持孔29から半径方向外向きに突出する。そして突出したボール30が係合段部37と係合して結合作用が奏される。それにより、持ち残しフィードバー15aとフィンガプレート18とを連結することができる。よってプレス加工のときに持ち残しフィードバー15aのフィンガ16でワークを搬送することができる。
上記とは逆に、エアシリンダ33の上室33bにエアを導入すると、ピストン34が下降し、ボール30の移動が自由になる(結合解除状態)。それにより第2係合部22を第1係合部21から自由に外すことができる。そしてフィンガプレート18と持ち残しフィードバー15aの連結を外すことができる。
上記のように構成されるフィンガプレート取り付け装置1およびそれを用いた外段取り装置2では、第2係合部22がフィンガプレート18の下面に取り付けられているので、従来の装置のようにフィンガプレート18の上面側に持ち残しフィードバー15aとの係合装置を設ける必要がない。そのためフィンガプレート18の上面を広く使うことができ、フィンガ16やフィンガホルダを取り付けるスペースを広く取ることができる。
また、上記のように構成される外段取り装置2では、フィンガプレート18の下面側をプレート受け台19に載置するようにしている。そのためフィンガプレート18の上面に、フィンガプレートを吊るための嵌合部などの突出部を設ける必要がなく、フィンガ16やフィンガホルダの取り付け位置の選定が一層自由になる。
また、フィンガプレート18をプレート受け台19に対して保持するためのエア等の動力を必要しない。さらに、第2係合部22と第1係合部21の結合作用、結合解除作用には第1係合部21側のみにエアを使用し、第2係合部22側ではエアは使用しない。そのため、ムービングボルスタにエアホース等を接続する必要がなく、構成がシンプルでムービングボルスタの移動の邪魔にならない。
つぎに図7A、図7Bおよび図8を参照して、持ち残しフィードバー15aとプレート受け台19の間でフィンガプレート18を受け渡す手順を説明する。図7Aおよび図7Bは対応する工程の平面図と正面図である。図7A、図7BのステップS1は、前のプレス加工が終了し、これから使用する金型およびフィードバーをセットしたムービングボルスタがトランスファプレス内に搬入され、着床した状態である。着床により、持ち残しフィードバー15a、cと中央フィードバー15bは連結されている。
フィンガプレート18はまだプレート受け台19に載置されている。フィードバー15はアンクランプ位置、ダウン位置、アドバンスとリターンの中間位置にある。この状態から、まず、フィードバー15がアドバンス位置に移動すると(矢印P1)、フィンガプレート18と持ち残しフィードバー15aの第1係合部材21が上下に並ぶ(ステップS2)。この状態からフィードバー15がリフトし(矢印P2)、第1係合部21がプレート受け台19上のフィンガプレート18の第2係合部22と連結させられる。このとき結合操作が行なわれる(ステップS3)。また、フィンガプレート18がプレート受け台19から少し持ち上げられ、嵌合孔23から嵌合ピン24が抜ける。
ついでフィードバー15がクランプ動作する(P3)。それにより、持ち残しフィードバー15aとそれに結合されたフィンガプレート18がプレスの中央側に移動する(ステップS4)。持ち残しフィードバー15aとフィンガプレート18との間に隙間Gがあるので、プレート受け台19とは干渉しない。ついでフィードバー15がダウンし(矢印P4)、リターン位置に戻され(矢印P5)、新たな金型による加工の準備が完了する(ステップS5)。
一連の加工が収容し、金型を搬出する場合は、上記とは逆の順で進行する。すなわちフィードバー15が中間位置まで前進し(ステップS4)、フィードバー15がリフトし(ステップS3)、アンクランプ動作を行なってフィンガプレート18をプレート受け台19の上に配置し(ステップS2)、係合装置の結合を解除し、フィードバー15が下降する(ステップS1)。それにより、フィンガプレート18がプレート受け台19の側に移される。
以上で本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されることなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更することができる。たとえば前記実施形態では、持ち残しフィードバー15aとフィンガプレート18を連結する係合装置を1セットだけ用いており、プレート受け台には、係合装置の両側に配置される2個の受け片を設けているが、係合装置20を2個採用し、プレート受け台19には、係合装置20の間に配置される1個の受け片26を設けることができる。係合装置20の外側にも受け片26を配置して3個の受け片26としてもよい。この場合、1個の受け片26に対し必ずしも1個の嵌合ピン24と1個のマグネット27を設ける必要は無く、嵌合ピン24は適宜2ヶ所以上、マグネット27は適宜1ヶ所以上に設ければよい。
また、前記実施形態の係合装置20では、ピストン34の上下移動にそれぞれエアを導入するようにしているが、一方をスプリングで戻すようにすることもできる。そのような係合装置として、たとえば図9A、図9B、図9Cに示すような、結合作用をスプリング42の付勢力で行わせ、エアにより結合解除作用を行わせるキャッチシリンダ43、44を使用することができる。なお、図9Cのキャッチシリンダ44のように、持ち残しフィードバーに設ける第1係合部21に係合凹部36を形成し、フィンガプレートに設ける第2係合部22に係合突起28を設けることもできる。また、電磁石の吸着作用で結合作用を行わせたり、手動操作で結合解除を行わせるようにしてもよい。
1 フィンガプレート取り付け装置
2 外段取り装置
10 トランスファプレス
11 ベッド
12 コラム
13 スライド
14 ムービングボルスタ
14a 車輪
15 フィードバー
15a 持ち残しフィードバー
15b 中央フィードバー
15c 持ち残しフィードバー
15d 連結部
16 フィンガ
17 フィードバー載置台
18 フィンガプレート
19 プレート受け台
20 係合装置
21 第1係合部(係合装置の下側)
22 第2係合部(係合装置の上側)
23 嵌合孔(フィンガプレートの孔)
24 嵌合ピン(プレート受け台のピン)
25 脚部
26 受け片
27 マグネット
B 受け片の間の間隔
t 受け片の厚さ
h 嵌合ピンの高さ
G 隙間
28 係合突起
29 ボール保持孔
30 ボール
31 凹所
32 押し部材
33 エアシリンダ
33a 上室
33b 下室
34 ピストン
35 軸
36 係合凹部
37 係合段部
38 (第2係合部の)下面
39 (第1係合部の)当接面
40 位置決めピン
41 位置決め穴
42 スプリング
43、44 キャッチシリンダ

Claims (8)

  1. フィードバーと、そのフィードバーの上面に着脱自在に取り付けられる矩形のフィンガプレートと、フィンガプレートをフィードバーの上面に係合する係合装置とを備え、
    前記係合装置が、フィードバーの上面に設けられる1個の第1係合部と、
    フィンガプレートの略中央の下面に設けられ、前記第1係合部の上下方向の移動によって前記第1係合部との係合および分離を行う1個の第2係合部と、
    第1係合部に設けられ、第1係合部と第2係合部の結合および結合解除を行うロック機構とを有する、
    フィンガプレート取り付け装置。
  2. 前記第1係合部および第2係合部のいずれか一方が係合突起を有すると共に他方がその係合突起と係合する係合凹部を有し、
    前記ロック機構が、係合突起または係合凹部のいずれか一方に形成された係合段部と、他方に出没自在に設けられたロック部材と、ロック部材の引っ込みを許さない結合状態と引っ込みを許す結合解除状態とを切り替える切り替え機構とを有する、
    請求項1記載のフィンガプレート取り付け装置。
  3. 前記係合突起および係合凹部が円柱状であり、
    前記第1係合部または第2係合部のいずれか一方に、回転方向の角度を定めるための位置決めピンが設けられ、他方にその位置決めピンと嵌合する位置決め穴が形成されている請求項2記載のフィンガプレート取り付け装置。
  4. ムービングボルスタを備えたトランスファプレスの外段取り装置であって
    ィンガプレート取り付け装置と、
    ムービングボルスタに設けられるプレート受け台とからなり、
    前記フィンガプレート取り付け装置が、フィードバーと、そのフィードバーの上面に着脱自在に取り付けられるフィンガプレートと、フィンガプレートをフィードバーの上面に係合する係合装置とを備え、
    前記フィードバーがトランスファプレスの持ち残しフィードバーであり、
    前記係合装置が、持ち残しフィードバーの上面に設けられる第1係合部と、
    フィンガプレートの下面に設けられ、前記第1係合部の上下方向の移動によって前記第1係合部との係合および分離を行う第2係合部と、
    第1係合部に設けられ、第1係合部と第2係合部の結合および結合解除を行うロック機構とを有し、
    前記プレート受け台の上面に第1嵌合部が設けられ、
    前記フィンガプレートの下面に、第1嵌合部と上下方向の移動で嵌合および離脱を行う第2嵌合部が設けられ、
    前記第1係合部と第2係合部が係合したとき、フィンガプレートと持ち残しフィードバーの間に、前記プレート受け台と、第1嵌合部および第2嵌合部のうち突出しているものを通す隙間が形成される外段取り装置。
  5. 前記第1係合部および第2係合部のいずれか一方が係合突起を有すると共に他方がその係合突起と係合する係合凹部を有し、
    前記ロック機構が、係合突起または係合凹部のいずれか一方に形成された係合段部と、他方に出没自在に設けられたロック部材と、ロック部材の引っ込みを許さない結合状態と引っ込みを許す結合解除状態とを切り替える切り替え機構とを有する、
    請求項4記載の外段取り装置
  6. 前記係合突起および係合凹部が円柱状であり、
    前記第1係合部または第2係合部のいずれか一方に、回転方向の角度を定めるための位置決めピンが設けられ、他方にその位置決めピンと嵌合する位置決め穴が形成されている請求項5記載の外段取り装置
  7. 前記第2嵌合部がフィンガプレートの長手方向に間隔をあけた2か所に設けられ、
    前記第2係合部が、平面視でそれらの第2嵌合部の間の1か所に設けられている請求項4記載の外段取り装置。
  8. 前記プレート受け台の上面にマグネットが設けられ、
    前記マグネットの吸着面が前記プレート受け台の上面の一部を構成しており、
    前記フィンガプレートの下面の少なくとも前記マグネットと対応する部位が磁性材料からなる請求項4記載の外段取り装置。
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