JP6995025B2 - 太陽熱集熱管 - Google Patents

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Description

本発明は、太陽熱集熱管に関する。
太陽光を熱に変換し、その熱を利用して発電を行う太陽熱発電装置が知られている。この装置では、集光手段によって太陽光を集光し、その集光した太陽光によって太陽熱集熱管内の熱媒体を加熱した後、その加熱した熱媒体の熱エネルギーを発電機で利用することによって発電が行なわれる。そのため、この装置では、内部を熱媒体が流通可能な管の外側表面に、太陽光を熱に効率良く変換するための様々な層が形成された太陽熱集熱管が用いられている。例えば、内部を熱媒体が流通可能な管の外側表面上には、熱媒体及び管からの熱輻射を反射する赤外線反射層、太陽光を熱に変換する太陽光-熱変換層、及び太陽光の反射を防止する反射防止層が形成されている。
このような太陽熱集熱管において、内部を熱媒体が流通可能な管の材料としてステンレスを用いることが知られている(例えば、特許文献1)。
特開2015-166637号公報
太陽熱集熱管は、内部を流通する熱媒が高温になると、熱媒体が流通する管や管の外側表面が約550℃~約700℃の高温になり、これらは高温に曝される。
管の材質がシリコンの場合、750℃に加熱しても太陽光-熱変換層の安定性に影響を与えることはなかったが、ステンレスなどの鉄系材料製管を用いて太陽熱集熱管を製造した場合、太陽光-熱変換層の高温安定性に悪影響を及ぼすことがわかった。
また、太陽光-熱変換層の熱安定性を向上させるために太陽光-熱変換層と鉄系材料製管との間に金属窒化物を含む拡散防止層を設けても十分な高温安定性が得られず、一方で、太陽光-熱変換層と鉄系材料製管との間に酸化物を含む拡散防止層を設けても、十分な高温安定性が得られなかった。
従って、本発明は鉄系材料製管を用いた太陽熱集熱管に関し、高温に曝されても太陽光-熱変換層の安定性が優れる太陽熱集熱管を提供することを目的とする。
上記の状況を踏まえ、発明者らは鋭意検討を重ねた結果、太陽光-熱変換層と熱媒体が流通する鉄系材料製管との間に特定の酸化物から形成される第1の拡散防止層及び特定の金属窒化物から形成される第2の拡散防止層を同時に設けることで太陽光-熱変換層の高温安定性を確保できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は具体的に以下のように示される。
(1)内部を熱媒体が流通可能な鉄系材料製管の外側表面上に、内側から、少なくとも第1の拡散防止層、第2の拡散防止層、赤外線反射層、太陽光-熱変換層及び反射防止層をこの順で含み、
前記第1の拡散防止層は、酸化ケイ素、酸化アルミニウム及び酸化クロムからなる群から選択される少なくとも1種を含み、
前記第2の拡散防止層は、タンタル窒化物、タンタル酸窒化物、チタン窒化物、チタン酸窒化物、ニオブ窒化物及びニオブ酸窒化物からなる群から選択される少なくとも1種を含
前記赤外線反射層と第2の拡散防止層の間に金属保護層をさらに含む、太陽熱集熱管。
(2)前記太陽光-熱変換層が、ケイ化鉄、ケイ化マンガン及びケイ化クロムからなる群から選択されるケイ化物を少なくとも1種含む、(1)に記載の太陽熱集熱管。
(3)前記赤外線反射層が90at%以上のAgを含む、(1)又は(2)に記載の太陽熱集熱管。
(4)前記赤外線反射層と太陽光-熱変換層の間に金属保護層をさらに含む、(1)~(3)のいずれかに記載の太陽熱集熱管。
(5)前記赤外線反射層が2つの金属保護層の間に挟持されている、(1)~()のいずれかに記載の太陽熱集熱管。
)前記金属保護層がAgよりも高い融点の材料を含む、(4)又は5)に記載の太陽熱集熱管。
)前記金属保護層と前記太陽光-熱変換層の間に酸素バリア層をさらに含む、(4)~()のいずれかに記載の太陽熱集熱管。
)前記太陽光-熱変換層が、内側から第1の太陽光-熱変換層と第2の太陽光-熱変換層で形成され、
第1の太陽光-熱変換層がケイ化鉄、ケイ化マンガン及びケイ化クロムからなる群から選択されるケイ化物の1種を少なくとも80at%で含み、
第2の太陽光-熱変換層は太陽光-熱変換層ケイ化鉄、ケイ化マンガン及びケイ化クロムからなる群から選択されるケイ化物の少なくとも1種と、無機材料の少なくとも1種を含む複合材料からなる、(1)~()のいずれかに記載の太陽熱集熱管。
太陽熱集熱管において、太陽光-熱変換層と熱媒体が流通する鉄系材料製管との間に特定の酸化物から形成される第1の拡散防止層と特定の金属窒化物から形成される第2の拡散防止層を設けることで、太陽光-熱変換層の高温安定性が確保でき、延いては、太陽熱集熱管の優れた耐久性をもたらすことができる。
実施の形態1の太陽熱集熱管の部分断面図である。 実施の形態2の太陽熱集熱管の部分断面図である。 実施の形態3の太陽熱集熱管の部分断面図である。 実施の形態4の太陽熱集熱管の部分断面図である。 実施の形態5の太陽熱集熱管の部分断面図である。 図6は、SUS310Sに、第1の拡散防止層3(100nmのSiO層)、第2の拡散防止層4(100nmのTaN層)、3at%のTaを分散させた赤外線反射層5(250nmのAg層)、金属保護層11(11nmのTaN)、酸素バリア層12(12nmのSi層)、第1の太陽光-熱変換層13(15nmのβ-FeSi層)、第2の太陽光-熱変換層14(60nmのβ-FeSi+SiO層)、反射防止層8(70nmのSiO層)を順に積層させた積層体を示す。 図7は、SUS310Sに、第1の拡散防止層3(100nmのSiO層)、第2の拡散防止層4(100nmのTaN層)、3at%のTaを分散させた赤外線反射層5(250nmのAg層)、金属保護層11(11nmのTaN)、酸素バリア層12(12nmのSi層)、第1の太陽光-熱変換層13(12nmのCrSi層)、第2の太陽光-熱変換層14(65nmのCrSi+SiO層)、反射防止層8(90nmのSiO層)を順に積層させた積層体を示す。 実施の形態5の太陽熱集熱管の部分断面図である。 実施の形態6の太陽熱集熱管の部分断面図である。 試験例1で用いたサンプルとして用いた積層体の構成を示した図である。 図11は、試験例1において、750℃で1時間、11時間、21時間、31時間、41時間及び51時間加熱した積層体のX線回析のチャートである。 試験例2で用いたサンプルとして用いた積層体の構成を示した図である。 図13は、試験例2において、750℃で1時間加熱した積層体のX線回析のチャートである。 試験例3で用いたサンプルとして用いた積層体の構成を示した図である。 図15は、試験例3において、750℃で1時間及び11時間加熱した積層体のX線回析のチャートである。 試験例4で用いたサンプルとして用いた積層体の構成を示した図である。 図17は、試験例4において、750℃で1時間、11時間、21時間、31時間、41時間及び51時間加熱した積層体のX線回析のチャートである。 試験例5で用いたサンプルとして用いた積層体の構成を示した図である。 図19は、試験例5において、750℃で1時間、11時間、21時間、31時間、41時間、51時間、61時間、71時間及び81時間加熱した積層体のX線回析のチャートである。 試験例6で用いたサンプルとして用いた積層体の構成を示した図である。 図21は、試験例6において、700℃で1時間加熱した積層体のX線回析のチャートである。 試験例7で用いたサンプルとして用いた積層体の構成を示した図である。 図23は、試験例7において、700℃で1時間、750℃で1時間、30時間及び50時間加熱した積層体のX線回析のチャートである。 試験例8で用いたサンプルとして用いた積層体の構成を示した図である。 図25は、試験例8において、700℃で1時間、750℃で1時間、30時間及び50時間加熱した積層体のX線回析のチャートである。 試験例9で用いたサンプルとして用いた積層体の構成を示した図である。 図27は、試験例9において、750℃で1時間、30時間及び50時間加熱した積層体のX線回析のチャートである。 図28は、SUS310S上に、SiO層(130nm)、TaN層(100nm)、TaSi層(40nm)、Ta及びSiを含むAg層(200nm、Ta 7at%、Si 3at%含む)、TaSi層(15nm)、SiO(10nm)、β-FeSi層(15nm)、SiOを含むβ-FeSi層(60nm、SiO 60vol%含む)及びSiO(65nm)をこの順で積層した実施例1の積層体を示す。 図29は、SUS310S上に、TaN層(100nm)、TaSi層(40nm)、Ta及びSiを含むAg層(200nm、Ta 7at%、Si 3at%含む)、TaSi層(15nm)、SiO(10nm)、β-FeSi層(15nm)、SiOを含むβ-FeSi層(60nm、SiO 60vol%含む)及びSiO(65nm)をこの順で積層した比較例1の積層体を示す。 図30は、実施例1の積層体を750℃で、1時間、21時間、41時間、61時間、81時間、101時間、121時間、141時間、161時間及び201時間加熱した後、その反射特性を測定した結果を示す。 図31は、比較例1の積層体を750℃で、1時間、11時間、21時間及び31時間加熱した後、その反射特性を測定した結果を示す。 図32は、750℃で、1時間、21時間、41時間、61時間、81時間、101時間、121時間、141時間、161時間及び201時間加熱した実施例1のX線回析のチャートである。 図31は、750℃で、1時間、11時間及び31時間加熱した比較例1のX線回析のチャートである。
以下、本発明の太陽熱集熱管の好適な実施の形態につき図面を用いて説明する。
図1は、本実施の形態の太陽熱集熱管の部分断面図である。
図1において、本実施の形態の太陽熱集熱管1は、内部を熱媒体が流通可能な鉄系材料製管2(以下、「管2」とも称する)と、管2の外側表面上に形成された第1の拡散防止層3と、第1の拡散防止層3上に形成された第2の拡散防止層4と、第2の拡散防止層4上に形成された赤外線反射層5と、赤外線反射層に分散された金属6と、赤外線反射層5上に形成された太陽光-熱変換層7と、太陽光-熱変換層7上に形成された反射防止層8とを有する。
内部を熱媒体が流通可能な鉄系材料製管2としては、特に限定されず、当該技術分野において公知のものを用いることができる。一般的に、鉄系材料として、例えば、ステンレス鋼、耐熱鋼、合金鋼、炭素鋼を用いることができる。これらの中でも、使用環境(例えば、管2の加熱温度)を考慮すると、ステンレス鋼又は耐熱鋼製の管2であることが好ましく、オーステナイト系ステンレス鋼製の管2であることがさらに好ましい。
本発明では、公知のオーステナイト系ステンレス鋼を使用することができ、例えば、SUS310S,SUS316L,SUS321,SUS347が挙げられる。
管2の内部を流通する熱媒体としては、特に限定されず、当該技術分野において公知のものを用いることができる。熱媒体の例としては、水、油、二酸化炭素、溶融塩(例えば、溶融ナトリウム)等が挙げられる。
管2と赤外線反射層5との間に設けられる第1の拡散防止層3と第2の拡散防止層4は、約550℃~約700℃の高温条件下で管2を形成するための材料である鉄系材料に含まれるFe、Cr、Niが太陽光-熱変換層7まで熱拡散されることを防止するために設けられる。
第1の拡散防止層3は、酸化ケイ素(SiO)、酸化アルミニウム(Al)及び酸化クロム(Cr)からなる群から選択される少なくとも1種の酸化物を含む。第1の拡散防止層3は、上記酸化物以外の化合物を含んでもよいが、上記酸化物を少なくとも80at%含むことが好ましく、少なくとも90at%含むことがより好ましく、100at%、つまり第1の拡散防止層3は上記酸化物からなることが最も好ましい。
第1の拡散防止層3は、管2に含まれるFe、Ni、Crなどの原子が高温時に太陽光-熱変換層7まで熱拡散することを防止するために設けられる。また、窒化物を含む拡散防止層4を、第1の拡散防止層3が存在しない状態で管2と接触させて設けた場合、高温時に窒化物の窒素が管2の鉄系材料由来の成分と反応してしまい、当該層の十分な高温安定性を得ることができなかった。つまり、第1の拡散防止層3は、管2と第2の拡散防止層4との反応を防止するための機能も有する。
第1の拡散防止層3の厚さは、管2のFe、Cr、Niなどの原子の熱拡散を防止し、かつ、管2と第2の拡散防止層4との反応を防止し得る範囲であれば、特に限定されないが、一般に1nm~1000nm、好ましくは3nm~500nm、より好ましくは5nm~200nmである。
第1の拡散防止層3の形成方法としては、特に限定されず、当該技術分野において公知の方法を用いることができる。例えば、化学的蒸着、物理的蒸着(スパッタリング、真空蒸着、イオンプレーティング)を用いて形成することができる。特にスパッタリングの場合は、酸化物の構成元素である金属又は半金属をターゲットとして使用し、アルゴンガスなどの不活性ガスに酸素ガスを加えた条件下で、スパッタさせた金属又は半金属を酸素ガスと反応させながら形成してもよい。
第2の拡散防止層4は、管2を構成するFe、Cr、Niなどの成分が太陽光-熱変換層7に熱拡散することを防止するために設けられる。第1の拡散防止層3のみでは、管2の成分の熱拡散を十分に防止することができないが、第1の拡散防止層3の外側表面上に第2の拡散防止層4を形成することにより、太陽光-熱変換層7の高温安定性を保ち、その機能低下を防ぐことができる。
第2の拡散防止層は、タンタル窒化物、タンタル酸窒化物、チタン窒化物、チタン酸窒化物、ニオブ窒化物及びニオブ酸窒化物からなる群から選択される少なくとも1種の窒化物を含む。第2の拡散防止層4は、上記窒化物以外の化合物を含んでもよいが、上記酸化物を少なくとも80at%含むことが好ましく、少なくとも90at%含むことがより好ましく、100at%、つまり第2の拡散防止層4は上記窒化物からなることが最も好ましい。
第2の拡散防止層4の厚さは、管2の成分が上層に拡散することを防止し得る範囲であれば特に限定されないが、一般に1nm~1000nm、好ましくは3nm~500nm、より好ましくは5nm~200nmである。
第2の拡散防止層4の形成方法としては、特に限定されず、当該技術分野において公知の方法を用いることができる。例えば、化学的蒸着、物理的蒸着(スパッタリング、真空蒸着、イオンプレーティング)を用いて形成することができる。特にスパッタリングの場合、金属単体の状態のタンタル、チタン、ニオブのターゲットを用意し、アルゴンガスなどの不活性ガスに窒素ガスを加えた条件下で、スパッタさせた金属を窒素ガスと反応させながら形成させてもよい。このときの不活性ガスと窒素ガスのモル比は特に限定されないが、6:4から8:2の間が好ましい。この際に、アルゴンガスや窒素ガスに混入される微量の酸素ガスによって窒化物の代わりに酸窒化物が形成されてもよい。
第2の拡散防止層4の外側表面上に形成された赤外線反射層5は、熱媒体及び管2からの熱輻射(熱放射)を反射する機能を有する。太陽熱集熱管1に用いられる熱媒体及び管2などの材料は、約550℃~約700℃の高温に加熱されることがあるが、その際に放射される電磁波のほとんどは赤外線となる。そのため、赤外線反射層5は、この赤外線を反射する機能を主に有している。すなわち、赤外線反射層5は、熱媒体及び管2に与えられた熱エネルギーが、熱輻射によって管2の外部に放出されるのを抑制している。
本発明の太陽熱集熱管の赤外線反射層5はAgを90at%以上で含む。ある実施態様では、赤外線反射層5はAgからなる層であり得るが、高温条件下でのAgの凝集及び昇華を防止するために、10at%未満でAg以外の金属6を分散させて含有させることが好ましい。当該Agに分散させる金属6として、Mo、W、Ta、Nb及びAlが挙げられる。また、上記金属が2種以上で用いられてもよい。上記金属を赤外線反射層5に分散させることでAgの凝集や昇華を防止し、赤外線反射層5の機能低下を防ぐことができる。Agに分散させる金属6としては、Taが好ましい。
赤外線反射層5に分散させる金属6の量は、特に限定されないが、10at%未満、好ましくは0.1at%~7at%、より好ましくは0.3at%~5at%、さらに好ましくは0.5at%~3at%である。
なお、Agに分散させる金属6(例えば、Mo、W、Ta、Nb及びAl)が高温条件下で、下記に説明する金属保護層と反応してしまう場合がある。これを防ぐために、Siを赤外線反射層5に添加してもよい。Siを赤外線反射層5に分散させることで、前記分散された金属が高温条件下でケイ化物となり、前記金属が金属保護層と反応することを防ぐことができる。
ここで、赤外線反射層5にSiを分散させる場合、その量は、特に限定されないが、通常、0.1at%~7at%、好ましくは0.3at%~5at%、より好ましくは0.5at%~3at%である。
赤外線反射層5の厚さは、特に限定されないが、好ましくは10nm~500nm、より好ましくは30nm~400nm、さらに好ましくは50nm~300nmである。
赤外線反射層5がAgからなる場合、Agをターゲットとして用い、アルゴンガスを含むガスの存在下でスパッタリングを行うことによって形成することができる。スパッタリングの際の条件は、使用する装置に応じて適宜調整すればよく特に限定されない。
赤外線反射層5が金属6を分散させたAg層である場合、金属6を分散させたAg層は、Ag並びに金属6(例えば、Mo、W、Ta、Nb及びAlからなる群から選択される少なくとも1種)をターゲットとして用い、アルゴンガスなどの不活性ガスの存在下でスパッタリングを行うことによって形成することができる。スパッタリングの際の条件は、使用する装置に応じて適宜調整すればよく特に限定されない。また、ターゲットは、Ag及び金属6を個別のターゲットとしてもよいし、Agと金属6との混合物を1つのターゲットとしてもよい。
赤外線反射層5が、ケイ素及び金属6を分散させたAg層である場合、ケイ素及び金属6を分散させたAg層7は、Ag、ケイ素並びに金属6(例えば、Mo、W、Ta、Nb及びAlからなる群から選択される少なくとも1種)をターゲットとして用い、窒素ガス、アルゴンガスなどの不活性ガスの存在下でスパッタリングを行うことによって形成することができる。スパッタリングの際の条件は、使用する装置に応じて適宜調整すればよく特に限定されない。また、ターゲットは、Ag、ケイ素及び金属6を個別のターゲットとしてもよいし、Ag、ケイ素、金属6との混合物を1つのターゲットとしてもよい。
赤外線反射層5上に形成された太陽光-熱変換層7は、熱輻射による放熱を抑えつつ、太陽光を効率良く吸収する機能を有する。太陽光-熱変換層7は、光選択吸収層とも称される。
太陽光-熱変換層7としては、特に限定されず、当該技術分野において公知のものを用いることができる。太陽光-熱変換層7の例としては、黒色クロムめっき層、黒色ニッケルめっき層、無電解ニッケル黒化処理層、四三酸化鉄皮層、サーメット層(セラミックと金属とを複合させた材料からなる層)、ケイ化鉄層、ケイ化マンガン層、ケイ化クロム層、ケイ化鉄、ケイ化マンガン又はケイ化クロムなどの金属ケイ化物と透明誘電体(例えば、SiO2、Al23、AlNなど)との複合材料からなる層などが挙げられる。また、これらの層は、単層であっても2種以上の複数層であってもよい。
また、光吸収特性を考慮すると、太陽光-熱変換層7としてβ-FeSi又はCrSiを使用することが好ましい。
太陽光-熱変換層7の厚さは、特に限定されないが、好ましくは1nm~100nm、より好ましくは5nm~30nmである。
太陽光-熱変換層7の形成方法としては、特に限定されず、当該技術分野において公知の方法を用いることができる。例えば、化学的蒸着、物理的蒸着(スパッタリング、真空蒸着、イオンプレーティングなど)、めっき法などを用いて形成することができる。
太陽光-熱変換層7上に形成された反射防止層8は、太陽光の反射を防止する機能を有する。
反射防止層8としては、特に限定されず、当該技術分野において公知のものを用いることができる。反射防止層8の例としては、SiO2層、Al23層、AlN層、Cr23層等の透明誘電体層が挙げられる。
反射防止層8の厚さは、特に限定されないが、好ましくは10nm~500nmである。
反射防止層8の形成方法としては、特に限定されず、当該技術分野において公知の方法を用いることができる。例えば、化学的蒸着、物理的蒸着(スパッタリング、真空蒸着、イオンプレーティング)を用いて形成することができる。特にスパッタリングの場合は、透明誘電体の構成元素である金属又は半金属をターゲットとして使用し、アルゴンガスなどの不活性ガスに酸素ガス又は窒素ガスを加えた条件下で、スパッタさせた金属又は半金属を酸素ガス又は窒素ガスと反応させながら形成してもよい。
上記のような特徴を有する本実施の形態1の太陽熱集熱管1によれば、第1の拡散防止層3と第2の拡散防止層4により鉄系材料製の管2からFe、Cr、Niなどが高温条件下で熱拡散することを防ぎ、太陽光-熱変換層7を長期にわたり安定的に機能させることができる。
実施の形態2
図2は、本実施の形態の太陽熱集熱管の部分断面図である。
図2において、本実施の形態の太陽熱集熱管10は、赤外線反射層5と太陽光-熱変換層7の間に金属保護層11が設けられている点で、実施の形態1の太陽熱集熱管1と異なる。なお、この点以外の特徴については、実施の形態1の太陽熱集熱管1と同じであるため、説明を省略する。
金属保護層11は、赤外線反射層5中のAgを昇華し難くする機能を有し、それゆえ、赤外線反射層5の機能が低下し難くなる。
金属保護層11としては、赤外線反射層5中のAgの拡散を防止し得る機能を有するものであれば特に限定されず、一般に、Ag(融点961.8℃)よりも融点が高い材料から形成される。Agよりも融点が高い材料としては、Nb(融点2469℃)、Mo(融点2623℃)、W(融点3422℃)、Cu(融点1085℃)、Ni(融点1455℃)、Fe(融点1538℃)、Cr(融点1907℃)、Ta(融点3020℃)などが挙げられる。
また、金属保護層11は、赤外線反射層5に分散された金属6(例えば、Mo、W、Ta、Nb及びAlからなる群から選択される少なくとも1種)を含む材料から形成されていてもよい。このような材料としては、Mo、W、Ta、Nb及びAlからなる群から選択される少なくとも1種の金属6と、ケイ素又は窒素との化合物を用いることができる。このような化合物の例としては、TaSi2(融点2200℃)、MoSi2(融点2020℃)、Mo5Si3(融点2180℃)、WSi2(融点2160℃)、TaN(融点3083℃)、NbSi2(融点1930℃)、NbN(融点2300℃)などが挙げられる。
赤外線反射層5と太陽光-熱変換層7の間に設けられる金属保護層11の厚さは、使用する材料の種類などに応じて適宜設定すればよく特に限定されないが、熱輻射を抑える観点から、赤外線反射層5の厚さよりも小さいことが好ましい。
また、赤外線反射層5及び金属保護層11に用いる材料の光学定数を用いて多層膜近似し、その結果を基に輻射率を計算することにより、赤外線反射層5と太陽光-熱変換層7の間に設けられる金属保護層11の適切な厚さを求めてもよい。
金属保護層11の形成方法としては、特に限定されず、当該技術分野において公知の方法を用いることができる。例えば、化学的蒸着、物理的蒸着(スパッタリング、真空蒸着、イオンプレーティング)を用いて形成することができる。
上記のような特徴を有する本実施の形態の太陽熱集熱管10によれば、実施の形態1の太陽熱集熱管1の効果に加えて、赤外線反射層5中のAgの拡散を防止する金属保護層11を設けることにより、Agの凝集及び昇華を抑制することができ、太陽光を熱に変換する効率が低下し難い。
実施の形態3
図3は、本実施の形態の太陽熱集熱管の部分断面図である。
図3において、本実施の形態の太陽熱集熱管20は、赤外線反射層5と第2の拡散防止層4の間に金属保護層11が設けられている、つまり、赤外線反射層5が金属保護層11に挟持されている点で、実施の形態2の太陽熱集熱管2と異なる。なお、この点以外の特徴については、実施の形態2の太陽熱集熱管20と同じであるため、説明を省略する。
赤外線反射層5と第2の拡散防止層4の間に設けられた金属保護層11も、同様に赤外線反射層5中のAgを昇華し難くする機能を有し、赤外線反射層5の機能が低下し難くなる。また、赤外線反射層5と第2の拡散防止層4の間に設けられた金属保護層11は、赤外線反射層5の下地としての機能も有し、赤外線反射層5が均一に形成され、赤外線反射層5の機能を安定して得ることができる。
赤外線反射層5と第2の拡散防止層4の間に設けられる金属保護層11の材料は上記実施の態様2で列挙した、赤外線反射層5と太陽光-熱変換層7の間に形成される金属保護層11と同じ材料を用いることができる。赤外線反射層5と第2の拡散防止層4の間に設けられる金属保護層11の材料は、赤外線反射層5と太陽光-熱変換層7の間に設けられる金属保護層11の材料と同一でもよく、異なっていてもよいが、生産の効率性を考慮すると、両者は同一の材料であることが好ましい。
赤外線反射層5と第2の拡散防止層4の間に設けられる金属保護層11の厚さは、使用する材料の種類などに応じて適宜設定すればよく特に限定されないが、一般に1nm~500nm、好ましくは3nm~200nm、より好ましくは5nm~100nmである。
赤外線反射層5と第2の拡散防止層4の間に設けられる金属保護層11の形成方法としては、特に限定されず、当該技術分野において公知の方法を用いることができる。例えば、化学的蒸着、物理的蒸着(スパッタリング、真空蒸着、イオンプレーティング)を用いて形成することができる。
上記のような特徴を有する本実施の形態の太陽熱集熱管20によれば、実施の形態1の太陽熱集熱管1又は実施の形態2の太陽熱集熱管10の効果に加えて、赤外線反射層5の機能をより安定して得ることができる。
実施の形態4
図4は、本実施の形態の太陽熱集熱管の部分断面図である。
図4において、本実施の形態の太陽熱集熱管30は、金属保護層11と太陽光-熱変換層7との間に酸素バリア層12が設けられている点で、実施の形態2の太陽熱集熱管10と異なる。なお、この点以外の特徴については、実施の形態2の太陽熱集熱管10と同じであるため、説明を省略する。また、本実施の形態の特徴は、実施の形態3の太陽熱集熱管20にも適用することができる。
酸素バリア層12は、金属保護層11の酸化が起こる原因となる酸素の透過を防止するために設けられる。そのため、金属保護層11と太陽光-熱変換層7との間に酸素バリア層12を形成することにより、金属保護層11の酸化を防止することができるため、金属保護層11の機能が低下し難くなる。
酸素バリア層12としては、酸素を透過し難いものであれば特に限定されず、例えば、誘電体層を用いることができる。誘電体層の例としては、SiO2層、Al23層、AlN層、Cr23層、Si34層などの透明誘電体層が挙げられる。
酸素バリア層12の厚さは、酸素を透過させない範囲であれば特に限定されないが、一般に1nm~100nm、好ましくは3nm~50nm、より好ましくは5nm~30nmである。
酸素バリア層12の形成方法としては、特に限定されず、当該技術分野において公知の方法を用いることができる。例えば、化学的蒸着、物理的蒸着(スパッタリング、真空蒸着、イオンプレーティング)を用いて形成することができる。特にスパッタリングの場合は、透明誘電体の構成元素である金属又は半金属をターゲットとして使用し、アルゴンガスなどの不活性ガスに酸素ガス又は窒素ガスを加えた条件下で、スパッタさせた金属又は半金属を酸素ガス又は窒素ガスと反応させながら形成してもよい。
上記のような特徴を有する本実施の形態の太陽熱集熱管30によれば、実施の形態2の太陽熱集熱管10の効果に加えて、金属保護層11の機能の低下を防止することができる。
実施の形態5
図5は、本実施の形態の太陽熱集熱管の部分断面図である。
図5において、本実施の形態の太陽熱集熱管40は、太陽光-熱変換層が第1の太陽光-熱変換層13と第2の太陽光-熱変換層14との2層構造になっている点で、実施の形態4の太陽熱集熱管30と異なる。なお、この点以外の特徴については、実施の形態4の太陽熱集熱管30と同じであるため、説明を省略する。また、本実施の形態の特徴は、実施の形態1の太陽熱集熱管1、実施の形態2の太陽熱集熱管10、及び実施の形態3の太陽熱集熱管20にも適用することができる。
反射防止層8と第1の太陽光-熱変換層13の間に第2の太陽光-熱変換層14を設けることで、反射防止層と太陽光-熱変換層の層間の屈折率の差を少なくすることができ、太陽光を効率的に吸収して熱に変換することが可能になる。
例えば、太陽光-熱変換層として、ケイ化鉄、ケイ化マンガン及びケイ化クロムからなる群から選択されるケイ化物の少なくとも1種からなる層を用いた場合、反射防止層との屈折率の差が大きくなるため、前記ケイ化物に無機材料を含む複合材料からなる層を反射防止層と太陽光-熱変換層の間に設けることで、これらの層間の屈折率の差を少なくし、太陽光を効率良く吸収することが可能になる。
第1の太陽光-熱変換層13は、ケイ化鉄、ケイ化マンガン及びケイ化クロムからなる群から選択されるケイ化物の1種を少なくとも80at%含む層であり、好ましくは90at%含む層であり、より好ましくは95at%含む層である。あるいは、第1の太陽光-熱変換層13は、前記ケイ化物からなる層であってもよい。前記ケイ化物としては、光吸収特性を考慮すると、β-FeSi又はCrSiであることが好ましい。前記ケイ化物以外に第1の太陽光-熱変換層13に含まれる材料は特に限定されず、例えばシリコン,酸化ケイ素が挙げられる。
第1の太陽光-熱変換層13の厚さは、特に限定されないが、好ましくは1nm~100nm、より好ましくは5nm~30nmである。
第1の太陽光-熱変換層13の形成方法としては、特に限定されず、当該技術分野において公知の方法を用いることができる。例えば、化学的蒸着、物理的蒸着(スパッタリング、真空蒸着、イオンプレーティングなど)、めっき法などを用いて形成することができる。
第1の太陽光-熱変換層13と反射防止層8の間に第2の太陽光-熱変換層14が形成される。第2の太陽光-熱変換層14はケイ化鉄、ケイ化マンガン及びケイ化クロムからなる群から選択されるケイ化物の少なくとも1種と、無機材料の少なくとも1種を含む複合材料からなる。前記ケイ化物としては、光吸収特性を考慮すると、β-FeSi及びCrSiを選択することが好ましい。
前記無機材料として、金属又は半金属の酸化物、窒化物、炭化物、酸窒化物、酸炭化物又は酸炭窒化物を用いることができる。好ましくは、反射防止層8を形成するときに用いられる、SiO2、Al23、AlN、Cr23等を用いることができる。
当該複合材料中に、前記無機材料は通常40vol%~80vol%、好ましくは50vol%~70vol%で配合する。
第2の太陽光-熱変換層14の厚さは、特に限定されないが、好ましくは10nm~200nm、より好ましくは30nm~100nmである。
第2の太陽光-熱変換層14は、前記ケイ化物及び前記無機材料をターゲットとして用い、アルゴンガスなどの不活性ガスの存在下でスパッタリングを行うことによって形成することができる。スパッタリングの際の条件は、使用する装置に応じて適宜調整すればよく特に限定されない。また、ターゲットは、前記ケイ化物及び無機材料を個別のターゲットとしてもよいし、前記ケイ化物と無機材料との混合物を1つのターゲットとしてもよい。また、無機材料のターゲットの代わりに構成元素である金属又は半金属をターゲットとして使用してもよい。この場合、アルゴンガスなどの不活性ガスに酸素ガス又は窒素ガスを加えた条件下で、前記ケイ化物と上記金属又は半金属を同時にスパッタさせ、上記金属又は半金属が優先的に酸素ガス又は窒素ガスと反応することで第2の太陽光-熱変換層14を形成してもよい。
実施の形態5の具体例として、鉄系材料製管2としてSUS310Sを用い、この上に、第1の拡散防止層3(100nmのSiO層)、第2の拡散防止層4(100nmのTaN層)、3at%のTaを分散させた赤外線反射層5(250nmのAg層)、金属保護層11(11nmのTaN)、酸素バリア層12(12nmのSi層)、第1の太陽光-熱変換層13(15nmのβ-FeSi層)、第2の太陽光-熱変換層14(60nmのβ-FeSi+SiO層:SiOを60vol%含む)、反射防止層8(70nmのSiO層)を順に積層させた積層体を作成した(図6)。
実施の形態5の別の具体例として、鉄系材料製管2としてSUS310Sを用い、この上に、第1の拡散防止層3(100nmのSiO層)、第2の拡散防止層4(100nmのTaN層)、3at%のTaを分散させた赤外線反射層5(250nmのAg層)、金属保護層11(11nmのTaN)、酸素バリア層12(12nmのSi層)、第1の太陽光-熱変換層13(12nmのCrSi層)、第2の太陽光-熱変換層14(65nmのCrSi+SiO層:SiOを60vol%含む)、反射防止層8(90nmのSiO層)を順に積層させた積層体もまた作成した(図7)。
上記のような特徴を有する本実施の形態の太陽熱集熱管40によれば、実施の形態1の太陽熱集熱管1、実施の形態2の太陽熱集熱管10、実施の形態3の太陽熱集熱管20又は実施の形態4の太陽熱集熱管30の効果に加えて、太陽光-熱変換層において太陽光を効率良く吸収することができ、太陽熱集熱管としての機能を向上させることができる。
実施の形態6
図8は、本実施の形態の太陽熱集熱管の部分断面図である。
図8において、本実施の形態の太陽熱集熱管50は、太陽光-熱変換層が第1の太陽光-熱変換層13と第2の太陽光-熱変換層14との2層構造になっている点で、実施の形態3の太陽熱集熱管20と異なる。なお、この点以外の特徴については、実施の形態3の太陽熱集熱管20と同じであるため、説明を省略する。
反射防止層8と第1の太陽光-熱変換層13の間に第2の太陽光-熱変換層14を設けることで、反射防止層と太陽光-熱変換層の層間の屈折率の差を少なくすることができ、太陽光を効率的に吸収して熱に変換することが可能になる。
例えば、太陽光-熱変換層として、ケイ化鉄、ケイ化マンガン及びケイ化クロムからなる群から選択されるケイ化物の少なくとも1種からなる層を用いた場合、反射防止層との屈折率の差が大きくなるため、前記ケイ化物に無機材料を含む複合材料からなる層を反射防止層と太陽光-熱変換層の間に設けることで、これらの層間の屈折率の差を少なくし、太陽光を効率良く吸収することが可能になる。
太陽熱集熱管50における第1の太陽光-熱変換層13及び第2の太陽光-熱変換層14についての特徴は、上記実施の態様5の太陽熱集熱管40における第1の太陽光-熱変換層13及び第2の太陽光-熱変換層14と同じであるため、太陽光熱集熱管40での説明をそのまま適用する。つまり、太陽熱集熱管50における第1の太陽光-熱変換層13及び第2の太陽光-熱変換層14を形成する物質、層の厚さ、層の形成方法等は太陽光熱集熱管40のものと同一である。
上記のような特徴を有する本実施の形態の太陽熱集熱管50によれば、実施の形態3の太陽熱集熱管20の効果に加えて、太陽光-熱変換層において太陽光を効率良く吸収することができ、太陽熱集熱管としての機能を向上させることができる。
実施の形態7
図9は、本実施の形態の太陽熱集熱管の部分断面図である。
図9において、本実施の形態の太陽熱集熱管60は、赤外線反射層5と第2の拡散防止層4の間に金属保護層11が設けられている、つまり、赤外線反射層5が金属保護層11に挟持されている点で、実施の形態5の太陽熱集熱管40と異なる。なお、この点以外の特徴については、実施の形態5の太陽熱集熱管40と同じであるため、説明を省略する。
赤外線反射層5と第2の拡散防止層4の間に設けられた金属保護層11は、赤外線反射層5中のAgを昇華し難くする機能を有し、赤外線反射層5の機能が低下し難くなる。また、赤外線反射層5と第2の拡散防止層4の間に設けられた金属保護層11は、赤外線反射層5の下地としての機能も有し、赤外線反射層5が均一に形成され、赤外線反射層5の機能を安定して得ることができる。
太陽熱集熱管60における赤外線反射層5と第2の拡散防止層4の間に設けられる金属保護層11の特徴は、上記実施の態様3の太陽熱集熱管20における赤外線反射層5と第2の拡散防止層4の間に設けられる金属保護層11と同じであるため、太陽光熱集熱管20での説明をそのまま適用する。つまり、太陽熱集熱管60における赤外線反射層5と第2の拡散防止層4の間に設けられる金属保護層11を形成する物質、層の厚さ、層の形成方法等は太陽光熱集熱管20のものと同一である。
上記のような特徴を有する本実施の形態の太陽熱集熱管60によれば、実施の形態5の太陽熱集熱管40の効果に加えて、赤外線反射層5の機能をより安定して得ることができる。
<試験例1>
(i)シリコン基板にスパッタリング法により、β-FeSi層(25nm)及びSiO層(70nm)の積層体を作成した(図10)。β-FeSi層はβ-FeSiのターゲットを用い、アルゴンガスの存在下で作成した。SiO層はシリコンのターゲットを用い、アルゴンガス:酸素ガス=10:1.8(モル比)の条件下で、スパッタしたシリコンを酸素ガスと反応させながら作成した。
(ii)この積層体を、750℃で1時間、11時間、21時間、31時間、41時間及び51時間加熱した後、X線回析装置(PANalytical社製 Empyrean)を用いてX線回析を行いその成分組成を回析した(図11)。
(iii)図11の結果から、750℃で51時間加熱した場合であっても、チャートからは積層体内の成分の変化は認められなかった。
以上より、シリコン基板を熱媒体が流通する管として用いた場合、β-FeSi層は高熱常温下でも安定である。
<試験例2>
(i)SUS310Sを基板として、スパッタリング法により、β-FeSi層(25nm)及びSiO層(70nm)の積層体を作成した(図12)。作成条件は試験例1と同じである。
(ii)この積層体を750℃で1時間加熱した後、X線回析装置を用いてX線回析を行いその成分組成を回析した(図13)。
(iii)図13の結果から、この積層体中に、FeSi、FeSi、CrNiSiなどが検出され、β-FeSiがSUS310Sから析出してきたFe、Cr、Niなどの成分と反応し、β-FeSi層中の成分の構成が変化していることが分かる。よって、高温条件下で、基板として鉄系材料を用いると太陽光-熱変換層の安定性に悪影響を及ぼすことが分かった。
<試験例3>
(i)SUS310Sを基板として、スパッタリング法により、TaN層(100nm)、β-FeSi層(25nm)及びSiO層(70nm)の積層体を作成した(図14)。TaN層はタンタルのターゲットを用い、アルゴンガスに窒素ガスを加えた条件下で、スパッタさせたタンタルを窒素ガスと反応させながら作成した。それ以外の層は試験例2と同じである。
(ii)この積層体を750℃で1時間及び11時間加熱した後、X線回析装置を用いてX線回析を行いその成分組成を回析した(図15)。
(iii)図15の結果から、750℃で11時間加熱すると、この積層体中に、FeSi、FeSi、NiSiなどが検出され、β-FeSiがSUS310Sから析出してきたFe、Cr、Niなどの成分と反応し、β-FeSi層中の成分の構成が変化していることが分かる。よって、拡散防止層としてTaN層を設けても、高温条件下で基板として鉄系材料を用いると、太陽光-熱変換層の安定性を十分に確保できないことが分かる。
<試験例4>
(i)SUS310Sを基板として、スパッタリング法により、SiO層(100nm)、β-FeSi層(25nm)及びSiO層(80nm)の積層体を作成した(図16)。各層の作成方法は試験例1と同じである(2つのSiO層は同じ作成方法である)。
(ii)この積層体を750℃で1時間、11時間、21時間、31時間、41時間及び51時間加熱した後、X線回析装置を用いてX線回析を行いその成分組成を回析した(図15)。
(iii)図17の結果から、この積層体中に、FeSiが検出され、β-FeSiがSUS310Sから析出してきた成分と反応し、β-FeSi層中の成分の構成が変化していることが分かる。よって、拡散防止層としてSiOのみを設けても、高温条件下で、太陽光-熱変換層の安定性は十分には保てないことが分かった。
<試験例5>
(i)SUS310Sを基板として、スパッタリング法により、SiO層(130nm)、TaN層(100nm)、β-FeSi層(25nm)及びSiO層(70nm)の積層体を作成した(図18)。各層の作成方法は試験例3と同じである(2つのSiO層は同じ作成方法である)。
(ii)この積層体を750℃で1時間、11時間、21時間、31時間、41時間、51時間、61時間、71時間及び81時間加熱した後、X線回析装置を用いてX線回析を行い、その成分組成を解析した(図19)。
(iii)図19の結果から、各加熱時間でのチャートの形状の変化はほぼ認められない。つまり、β-FeSi層が高温条件下で長時間安定であり、SUS310S中のFe、Cr、Niなどの成分の拡散が抑えられていることが分かる。従って、第1の拡散防止層及び第2の拡散防止層を設けることで、鉄系材料からの成分の熱拡散を抑制できることが分かった。
<試験例6>
(i)SUS310Sを基板として、スパッタリング法により、CrSi層(25nm)及びSiO層(75nm)の積層体を作成した(図20)。CrSi層はCrSiのターゲットを用い、アルゴンガスの存在下で作成した。SiO層の作成方法は試験例1と同じである。
(ii)この積層体を700℃で1時間加熱した後、X線回析装置を用いてX線回析を行いその成分組成を回析した(図21)。
(iii)図21の結果から、この積層体中に、CrFe、FeNiSi、CrSiなどが検出され、CrSiがSUS310Sから析出してきたFe、Cr、Niなどの成分と反応し、CrSi層中の成分の構成が変化していることが分かる。よって、高温条件下で、鉄系材料を用いると太陽光-熱変換層の安定性に悪影響を及ぼすことがわかった。
<試験例7>
(i)SUS310Sを基板として、スパッタリング法により、TaN層(100nm)、CrSi層(25nm)及びSiO層(75nm)の積層体を作成した(図22)。TaN層の作成方法は試験例3と同じである。それ以外の層は試験例6と同じである。
(ii)この積層体を700℃で1時間、750度で1時間、30時間及び50時間加熱した後、X線回析装置を用いてX線回析を行いその成分組成を回析した(図23)。
(iii)図23の結果から、750℃で長時間加熱すると、この積層体中に、CrSi、CrSiなどが検出され、CrSiがSUS310Sから析出してきたFe、Cr、Niなどの成分と反応し、CrSi層中の成分の構成が変化していることが分かる。よって、拡散防止層としてTaN層を一層のみ設けても、高温条件下で鉄系材料を用いると、太陽光-熱変換層の安定性を十分に確保できないことが分かる。
<試験例8>
(i)SUS310Sを基板として、スパッタリング法により、SiO(130nm)、CrSi層(25nm)及びSiO層(75nm)の積層体を作成した(図24)。各層の作成方法は試験例6と同じである(2つのSiO層は同じ作成方法である)。
(ii)この積層体を700℃で1時間、750℃で1時間、10時間、20時間及び50時間加熱した後、X線回析装置を用いてX線回析を行いその成分組成を回析した(図25)。
(iii)図25の結果から、この積層体中に、高温条件下で、CrSiやCrSiが検出され、CrSiがSUS310Sから析出してきた成分と反応し、CrSi層中の成分の構成が変化していることが分かった。よって、拡散防止層としてSiOのみを設けても、高温条件下で、太陽光-熱変換層の安定性は十分には保てないことが分かった。
<試験例9>
(i)SUS310Sを基板として、スパッタリング法により、SiO層(150nm)、TaN層(100nm)、CrSi層(25nm)及びSiO層(75nm)の積層体を作成した(図26)。各層の作成方法は試験例7と同じである(2つのSiO層は同じ作成方法である)。
(ii)この積層体を750℃で1時間、10時間、20時間、30時間、40時間及び50時間時間加熱した後、X線回析装置を用いてX線回析を行い、その成分組成を回析した(図27)。
(iii)図27の結果から、各加熱時間でのチャートの形状の変化はほぼ認められない。つまり、CrSi層が高温条件下で長時間安定であり、SUS310S中のFe、Cr、Niなどの成分の拡散が抑えられていることが分かる。従って、第1の拡散防止層及び第2の拡散防止層を設けることで、鉄系材料からの成分の熱拡散を抑制できることが分かった。
実施例1
SUS310Sを基板として、スパッタリング法により、SiO層(130nm)、TaN層(100nm)、TaSi層(40nm)、Ta及びSiを含むAg層(200nm、Ta 7at%、Si 3at%含む)、TaSi層(15nm)、SiO(10nm)、β-FeSi層(15nm)、SiOを含むβ-FeSi層(60nm、SiO 60vol%含む)及びSiO(65nm)をこの順で積層した積層体を作成した(図28)。
Ta及びSiを含むAg層は、Agのターゲットとタンタルのターゲットとシリコンのターゲットを用意し、アルゴンガスの存在下で、Ag側がDC電源で60Wの出力で、タンタル側がDC電源で2Wの出力で、シリコン側がRF電源で80Wの出力で同時にスパッタすることで作成した。TaSi層は、タンタルのターゲットとシリコンのターゲットを用い、アルゴンガスの存在下で、タンタル側はDC電源で23Wの出力で、シリコン側はRF電源で200Wの出力で同時にスパッタし、基板上でタンタルとシリコンを反応させることで作成した。SiOを含むβ-FeSi層は、β-FeSiのターゲットとシリコンのターゲットを用い、アルゴンガス:酸素ガス=10:1.8(モル比)の条件下で、β-FeSi側はDC電源で35Wの出力で、シリコン側はRF電源で200Wの出力で同時にスパッタし、シリコンが優先的に酸素ガスと反応することによって作成した。それ以外の層の作成方法は試験例3と同じである。
この実施例1では、基板側から、第1の拡散防止層としてSiO層、第2の拡散防止層としてTaN層、赤外線反射層と第2の反射防止層の間に設けられる金属保護層としてTaSi層、赤外線反射層としてTa及びSiを含むAg層、赤外線反射層と太陽光-熱変換層の間に設けられる金属保護層としてTaSi層、酸素バリア層としてSiO層、第1の太陽光-熱変換層としてβ-FeSi層、及び第2の太陽光-熱変換層としてSiOを含むβ-FeSi層及び反射防止層としてSiO層から構成される。
比較例1
SUS310Sを基板として、スパッタリング法により、TaN層(100nm)、TaSi層(40nm)、Ta及びSiを含むAg層(200nm、Ta 7at%、Si 3at%含む)、TaSi層(15nm)、SiO(10nm)、β-FeSi層(15nm)、SiOを含むβ-FeSi層(60nm、SiO2 60vol%含む)及びSiO(65nm)をこの順で積層した積層体を作成した(図29)。各層の作成方法は実施例1と同じである。
この比較例1は、第1の拡散防止層であるSiOを含まない点で実施例1と異なる。
実施例1のサンプルを750℃で1時間、21時間、41時間、61時間、81時間、101時間、121時間、141時間、161時間及び201時間加熱した。一方、比較例1のサンプルを750℃で1時間、21時間及び31時間加熱した。
これらの条件で加熱した実施例1及び比較例1のサンプルを分光光度計(PerkinElmer社製 Lambda950)を用いて、白板反射板の反射率を100%としたときの反射率を、波長190nm~2500nmの範囲にわたって5nm間隔で測定した。結果を図30及び図31に示す。
図30の結果から、実施例1では高温で長時間加熱しても反射特性の変化が少なく、高温安定性が高いことが分かる。一方で、図31の結果から、比較例1では高温条件下で経時的に反射特性の変化が大きく、高温安定性が低いことが分かる。
さらに、実施例1のサンプルを750℃で1時間、11時間、21時間、31時間、41時間、51時間及び61時間加熱した。一方、比較例1のサンプルを、750℃で1時間、11時間及び31時間加熱した。実施例1及び比較例1のこれらのサンプルについて、X線回析を行った。その結果を図32及び図33に示す。
図33のX線回析のチャートから、比較例1ではFeSiのピークが認められ、FeSiが生じていることが認められた。一方で、図32より、実施例1では201時間加熱してもFeSiのピークは認められず、高温で長時間安定であることが示された。
上記試験例1~9、実施例1及び比較例1の実験結果から、第1の拡散防止層及び第2の拡散防止層を設けることにより、太陽熱集熱管の管を構成するステンレス鋼などの鉄系材料に由来する成分の熱拡散が防止され、高熱安定性に優れる太陽熱集熱管を得ることが可能であることが証明された。
1、10、20、30、40、50,60 太陽熱集熱管、2 管、3 第1の拡散防止層、4 第2の拡散防止層、5 赤外線反射層、6 赤外線反射層に分散された金属、7 太陽光-熱変換層、8 反射防止層、11 金属保護層、12 酸素バリア層、13 第1の太陽光-熱変換層、14 第2の太陽光-熱変換層。

Claims (8)

  1. 内部を熱媒体が流通可能な鉄系材料製管の外側表面上に、内側から、少なくとも第1の拡散防止層、第2の拡散防止層、赤外線反射層、太陽光-熱変換層及び反射防止層をこの順で含み、
    前記第1の拡散防止層は、酸化ケイ素、酸化アルミニウム及び酸化クロムからなる群から選択される少なくとも1種を含み、
    前記第2の拡散防止層は、タンタル窒化物、タンタル酸窒化物、チタン窒化物、チタン酸窒化物、ニオブ窒化物及びニオブ酸窒化物からなる群から選択される少なくとも1種を含
    前記赤外線反射層と第2の拡散防止層の間に金属保護層をさらに含む、太陽熱集熱管。
  2. 前記太陽光-熱変換層が、ケイ化鉄、ケイ化マンガン及びケイ化クロムからなる群から選択されるケイ化物の少なくとも1種を含む、請求項1に記載の太陽熱集熱管。
  3. 前記赤外線反射層が90at%以上のAgを含む、請求項1又は2に記載の太陽熱集熱管。
  4. 前記赤外線反射層と太陽光-熱変換層の間に金属保護層をさらに含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の太陽熱集熱管。
  5. 前記赤外線反射層が2つの金属保護層の間に挟持されている、請求項1~のいずれか1項に記載の太陽熱集熱管。
  6. 前記金属保護層がAgよりも高い融点の材料を含む、請求項4又は5に記載の太陽熱集熱管。
  7. 前記金属保護層と前記太陽光-熱変換層の間に酸素バリア層をさらに含む、請求項4~のいずれか1項に記載の太陽熱集熱管。
  8. 前記太陽光-熱変換層が、内側から第1の太陽光-熱変換層と第2の太陽光-熱変換層で形成され、
    第1の太陽光-熱変換層がケイ化鉄、ケイ化マンガン及びケイ化クロムからなる群から選択されるケイ化物の1種を少なくとも80at%で含み、
    第2の太陽光-熱変換層はケイ化鉄、ケイ化マンガン及びケイ化クロムからなる群から選択されるケイ化物の少なくとも1種と、無機材料の少なくとも1種を含む複合材料からなる、請求項1~のいずれか1項に記載の太陽熱集熱管。
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