JP6994729B1 - 変形性関節症又は靭帯若しくは腱の治療製剤、及びその製造方法。 - Google Patents

変形性関節症又は靭帯若しくは腱の治療製剤、及びその製造方法。 Download PDF

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Abstract

変形性関節症の進行を抑制できる変形性関節症の治療製剤、又は靭帯若しくは腱付着部損傷の治療に効果を有する治療製剤及びその製造方法を提供する。本発明の変形性関節症又は靭帯若しくは腱の治療製剤は、脂肪組織由来幹細胞破砕液の濾液を有効成分として含有する。

Description

本発明は、変形性関節症又は靭帯若しくは腱の治療製剤及びその製造方法に関する。
変形性関節症は、関節にある軟骨が変性及び摩耗し、最終的には骨が変形してしまう病気である。変形性関節症に最もなりやすい部位が膝であり、変形性膝関節症は加齢とともに発生頻度が高くなる病気である。そして、2010年時点において、日本国内における変形性膝関節症の患者は推定数800万人にもおよぶ(ROAD(Research on Osteoarthritis Against Disability)プロジェクト調べ)。また靭帯や腱は、骨に結合している組織であるが、これらもスポーツをする際などに強い力が働くと、損傷し、時には断裂することがある。靭帯や腱が断絶されると、骨が安定しないため、結果的に徐々に軟骨をすり減らして変形性関節症になることもある。これらの炎症に対しては、リハビリテーションで知られる運動療法、ヒアルロン酸注射をして痛みを軽くする薬物療法(例えば、非特許文献1参照)が臨床で一般的に行われている。
一方、関節炎などの疾患においては、滑膜由来間葉系幹細胞を移植して軟骨組織を再生させる方法(例えば、特許文献1参照)、有効量の幹細胞を含む医薬組成物(例えば、特許文献2参照)、間葉系細胞、ヒアルロン酸及び医薬上許容される担体を含む医薬組成物(例えば、特許文献3参照)、ヒアルロン酸を含有する細胞スフェロイド(例えば、特許文献4参照)が提案されている。
特表2010-501547号公報 特表2011-523934号公報 特開2016-74648号公報 特開2020-94044号公報
川口 浩著、「変形性関節症治療の国内外のガイドライン」、日本関節病学会誌、35巻、1号、第1~9頁、2016年。
しかしながら、運動療法や薬物療法は、症状や痛みを軽減させるのが目的であり、病気そのものを治すための治療法ではない。また重度の損傷を負った場合には運動療法や薬物療法では効果がない。前記治療法で効果がない場合は人工関節を体内に入れる手術療法という手段もあるが、人工関節の耐用年数は15年程度であり、寿命が来たら再手術が必要になるなどの課題があった。
また、特許文献1~4には間葉系幹細胞や細胞スフェロイドなどを用いた治療方法や医薬組成物が開示されているが、いずれも細胞を移植する、あるいは細胞そのものを患部に注射しているため、生きた細胞を注射することによる有害事象の発生や、細胞のガン化リスクが懸念された。さらに、細胞を投与する場合は、治療に必要な数まで細胞を増やす必要があるため、生体から大量に、あるいは複数回細胞を採取したり、培養に数ヶ月の時間を要する場合があり、簡便性に欠けた。
上記課題を解決すべく、本発明者らは成体幹細胞(組織幹細胞、体性幹細胞とも呼ばれる)に着眼し、その有効性を詳細に検討した。その結果、脂肪組織由来幹細胞破砕液の濾液に、変形性関節症又は靭帯若しくは腱の損傷を治癒する効果があることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下の構成を有する。
[1]凍結融解処理によって破砕した、脂肪組織由来幹細胞破砕液の濾液を有効成分として含有する、変形性関節症又は靭帯若しくは腱損傷の治療製剤。
[2]前記濾液がHMGB1、Annexin A6及びHSP70からなる群から選ばれる少なくとも1種のタンパク質を含む、[1]に記載の変形性関節症又は靭帯若しくは腱損傷の治療製剤。
[3]さらに脂肪組織由来幹細胞を含有する、[1]又は[2]に記載の変形性関節症又は靭帯若しくは腱損傷の治療製剤。
[4]変形性関節症が変形性膝関節症である、[1]~[3]のいずれか1項に記載の変形性関節症又は靭帯若しくは腱損傷の治療製剤。
[5]以下の工程を含む、変形性関節症又は靭帯若しくは腱損傷の治療製剤の製造方法。
(1)脂肪組織由来幹細胞を凍結融解処理によって破砕する工程。
(2)工程(1)で得られた破砕液、又は前記破砕液を遠心処理して得られた上清をフィルター処理し、濾液を得る工程。
(3)工程(2)で得られた濾液を製剤化する工程。
本発明の治療製剤によれば、変形性関節症、又は靭帯若しくは腱の損傷を治癒することができる。また、濾液を用いるため、細胞投与による有害事象を回避できる。例えば、一般的に細胞投与をする場合、投与する細胞は生きているため、病原体が混ざっていても不活性化や除去がほとんどできず感染リスクがある。また、幹細胞には「自己複製能」と「分化能」の2つの機能が備わっているとされるが、幹細胞を注入することにより、体内で細胞が増殖しすぎたり、ガン細胞に分化しやすいといったガン化リスクや、腫瘍化リスクも懸念されている。
さらに、細胞投与をする場合、培養した細胞を凍結し、患者のスケジュールに合わせて後日解凍して患部に注入するといった方法は一般的には行わない。凍結融解により、細胞の活性が落ちたり、細胞が死んでしまうためである。そのため、細胞投与をする場合は、使用するタイミングを見計らって細胞培養を行う必要がある。一方、本発明の治療製剤は細胞を含まない液体であるため、凍結保存による保存が可能であり、必要なときに融解することで治療に用いることができる。したがって、使用するタイミングを見計らって細胞培養を行う必要も、治療に必要な数まで細胞を増やす必要もないため、調製や取扱が容易であり、臨床上の利点が極めて大きい。
正常時のラットの膝の図 半月板損傷ラットの膝の図 半月板損傷ラットのCT画像解析時における、断面位置の設定図 半月板損傷ラットのCT画像解析時における関心領域 ADRC濾液及び培養上清中に含まれるHMGB1の定量値 ADRC濾液及び培養上清中に含まれるAnnexin A6の定量値 ADRC濾液及び培養上清中に含まれるHSP70の定量値 ADRC濾液をADRCに滴下した際の8つの細胞シグナルの増加量 正常時のラット膝の病理写真 PBS注入後の半月板損傷ラットの膝の病理写真 ADRC注入後の半月板損傷ラットの膝の病理写真 ADRC濾液注入後の半月板損傷ラットの膝の病理写真 ADRC濾液+ADRC注入後の半月板損傷ラットの膝の病理写真
本発明は、変形性関節症又は靭帯若しくは腱の治療製剤(以下、「変形性関節症等治療製剤」とも言う)に関する。より具体的には、本発明の治療製剤は、脂肪組織由来幹細胞の破砕液の濾液を有効成分として含有する。なお、本明細書において「有効成分として含有する」とは、治療をする上で有効量の脂肪組織由来幹細胞の破砕液の濾液を含有することを意味する。
<変形性関節症、靭帯又は腱損傷>
変形性関節症は、関節を構成する骨の間にある軟骨が劣化により関節に痛みや腫れが生じ、最終的には関節の変形をきたす変形性疾患であり、全身のあらゆる関節で起こり得る。特に体重の負荷が大きい関節で起こりやすく、具体的には、頸部、腰、足の親指、股関節、膝関節などで変形性関節症が起こりやすい。なお、本発明の治療製剤は、特に変形性膝関節症に対して好適に用いられる。
膝関節では、大腿骨と脛骨を靭帯で繋いで安定化させ、換骨と半月板によって衝撃を和らげている。変形性膝関節症の病態の初期は関節の軟骨のみが摩耗する。進行期には、半月板断裂や靭帯の傷害や関節炎が発生し、関節液が留まる。末期には、大腿骨と脛骨が直接摩擦することで激しい痛みが生じ、歩行困難となる。
また、変形性関節症は、その原因によって、一次性関節症と二次性関節症とに分けられる。一次性関節症は、原因が特定されてはいないが、加齢や、肥満などの慢性的な刺激により発病すると考えられている。変形性膝関節症の多くは、一次性関節症である。一方、二次性関節症は、原因が特定されているものをいい、代謝性疾患や、外傷等が原因で発症する。代謝性疾患には、関節リウマチ、痛風などがあり、外傷には骨折、靭帯や半月板の損傷等が挙げられる。変形性股関節症の多くは、二次性関節症である。なお、本発明の治療剤は、一次性関節症に対して特に好適に用いられる。
靭帯や腱は関節を守る重要な組織であるため、靭帯や腱を損傷した場合も適切な処理をしないと、変形性関節症になるリスクがある。本発明の治療製剤は、靭帯損傷や腱損傷に対して用いられる。
<脂肪組織由来幹細胞>
「幹細胞」とは、自己複製能及び多分化能を有する未熟な細胞を意味する。幹細胞には、分化能力に応じて、体性幹細胞、胚性幹細胞、多能性幹細胞が挙げられる。
間葉系幹細胞である、脂肪組織由来幹細胞(Adipose-derived stem cells: ASC、Adipose-derived regeneration cells: ADRC、Adipose-derived mesenchymal stem cells: AT-MSC, AD-MSCなどと呼ばれる。以下、単に「ADRC」ということがある。)は、体性幹細胞の一種であり、脂肪組織に含まれる幹細胞である。脂肪組織由来幹細胞も、自己複製能及び多分化能を有しており、脂肪だけではなく、骨、軟骨、神経、筋肉、心筋、血管、肝細胞、膵島細胞など、多様な細胞に分化することが可能であることが知られている。
本発明の発明者らは、脂肪組織由来幹細胞それ自体ではなく、前記幹細胞の破砕液の濾液に、変形性関節症、又は靭帯若しくは腱の損傷を治癒する効果があることを見出した。
なお、本発明における脂肪組織とは、脂肪細胞により構成される生体組織の一種である。脂肪組織の生物由来は特に限定されず、ヒトのほかヒト以外の哺乳動物(ペット動物、家畜、実験動物を含む。具体的には例えばサル、ブタ、ウシ、ウマ、ヤギ、ヒツジ、イヌ、ネコ、マウス、ラット、モルモット、ハムスター等)を含む。
<脂肪組織由来幹細胞の調製方法>
本発明において「脂肪組織由来幹細胞(ADRC)」は、多能性を維持している限りにおいて、当該体性幹細胞の培養(継代培養を含む)により得られる細胞も「脂肪組織由来幹細胞(ADRC)」に該当するものとする。通常、ADRCは、生体から分離された脂肪組織を出発材料とし、細胞集団(脂肪組織に由来する、ADRC以外の細胞を含む)を構成する細胞として「単離された状態」に調製される。ここでの「単離された状態」とは、その本来の環境(即ち生体の一部を構成した状態)から取り出された状態、即ち人為的操作によって本来の存在状態と異なる状態で存在していることを意味する。
なお、本発明におけるADRCは、公的な細胞バンクから分譲された細胞や市販の細胞などを用いることにしてもよい。以下、細胞の調製方法の例として、脂肪組織由来幹細胞の調製法(一例)を説明する。
ADRCは、脂肪基質からの幹細胞の分離、洗浄、濃縮、培養等の工程を経て調製される。ADRCの調製法は特に限定されない。例えば公知の方法(Fraser JK et al.(2006), Fat tissue: an under appreciated source of stem cells for biotechnology. Trends in Biotechnology; Apr; 24(4): 150-4. Epub 2006 Feb 20. Review.; Zuk PA et al.(2002), Human adipose tissue is a source of multipotent stem cells. Molecular Biology of the Cell; Dec;13(12):4279-95.; Zuk PA et al.(2001), Multilineage cells from human adipose tissue: implications for cell-based therapies. Tissue Engineering; Apr; 7(2): 211-28.等が参考になる)に従ってADRCを調製することができる。また、脂肪組織からADRCを調製するための装置(例えば、Celution(登録商標)装置(サイトリ・セラピューティクス社、米国、サンディエゴ))も市販されており、当該装置を利用してADRCを調製することにしてもよい。当該装置を利用すると、脂肪組織より、ADRCを含む細胞集団を分離できる(K. Lin. Et al. Cytotherapy(2008)Vol. 10, No.4, 417-426)。以下、ADRCの調製法の具体例を示す。
(1)脂肪組織からの細胞集団の調製
脂肪組織は美容整形の際の脂肪吸引手術により吸引される組織片や、外科手術などの際に生体から切除される組織に含まれる切除脂肪組織から調製することができる。脂肪組織由来幹細胞は太い血管の周囲に存在するため脂肪吸引液よりも切除脂肪組織から多く得ることができる。一方、脂肪吸引液から幹細胞を調製したほうが、手術跡が小さく済みドナーの負担が小さい。
脂肪組織の生物由来は特に限定されず、前述したヒトのほかヒト以外の哺乳動物を含む。また、生物の年齢、性別は特に限定されない。免疫拒絶の問題を回避するため、患者(レシピエント)から脂肪組織(自己脂肪組織)を採取することが好ましい。但し、同種の動物の脂肪組織(他家)又は異種動物の脂肪組織の使用を妨げるものではない。
脂肪組織として皮下脂肪、内臓脂肪、筋肉内脂肪、筋肉間脂肪を例示できる。この中でも皮下脂肪は局所麻酔下で非常に簡単に採取できるため、採取の際のドナーへの負担が少なく、好ましい細胞源といえる。通常は一種類の脂肪組織を用いるが、二種類以上の脂肪組織を併用することも可能である。また、複数回に分けて採取した脂肪組織(同種の脂肪組織でなくてもよい)を混合し、以降の操作に使用してもよい。
脂肪組織の採取量は、ドナーの種類や組織の種類、或いは必要とされるADRCの量を考慮して定めることができ、例えば0.5~500g程度である。但し、ドナーへの負担を考慮して一度に採取する量を約10~20g以下にすることが好ましい。採取した脂肪組織は、必要に応じてそれに付着した血液成分の除去及び細片化を経た後、以下の酵素処理に供される。なお、脂肪組織を適当な緩衝液や培養液中で洗浄することによって血液成分を除去することができる。
酵素処理は、脂肪組織をコラゲナーゼ、トリプシン、ディスパーゼ等の酵素によって消化することにより行う。このような酵素処理は当業者に既知の手法及び条件により実施すればよい(例えば、R. I. Freshney, Culture of Animal Cells: A Manual of Basic Technique, 4th Edition, A John Wiley & Sones Inc., Publication参照)。以上の酵素処理によって得られた細胞集団は、多能性幹細胞、内皮細胞、間質細胞、血球系細胞、及び/又はこれらの前駆細胞等を含む。細胞集団を構成する細胞の種類や比率などは、使用した脂肪組織の由来や種類に依存する。
(2)沈降細胞集団(SVF画分:stromal vascular fractions)の取得
細胞集団は続いて遠心処理に供される。遠心処理による沈渣を沈降細胞集団(本明細書では「SVF画分」とも言う)として回収する。遠心処理の条件は、細胞の種類や量によって異なるが、例えば1~10分間、800~1500rpmが好ましい。なお、遠心処理に先立ち、酵素処理後の細胞集団を濾過等に供し、その中に含まれる酵素未消化組織等を除去しておくことがより好ましい。
ここで得られた「SVF画分」はADRCを含む。なお、SVF画分を構成する細胞の種類や比率などは、使用した脂肪組織の由来や種類、酵素処理の条件などに依存する。また、国際公開第2006/006692A1号パンフレットにはSVF画分の特徴が示されている。
(3)接着性細胞(ADRC)の選択培養及び細胞の回収
SVF画分にはADRCの他、他の細胞成分(内皮細胞、間質細胞、血球系細胞、これらの前駆細胞等)が含まれるため、以下の選択培養を行い、SVF画分から不要な細胞成分を除去し、得られた細胞をADRCとして本発明に用いることが好ましい。
まず、SVF画分を適当な培地に懸濁した後、培養皿に播種し、一晩培養する。培地交換によって浮遊細胞(非接着性細胞)を除去する。その後、適宜培地交換(例えば2~4日に一度)をしながら培養を継続する。必要に応じて継代培養を行う。継代数は特に限定されないが、多能性と増殖能力の維持の観点からは過度に継代を繰り返すことは好ましくない(5継代程度までに留めておくことが好ましい)。なお、培養用の培地には、通常の動物細胞培養用の培地を使用することができる。例えば、Dulbecco's modified Eagle's Medium(DMEM)(日水製薬株式会社等)、α-MEM(大日本製薬株式会社等)、DMEM:Ham'sF12混合培地(1:1)(大日本製薬株式会社等)、Ham'sF12medium(大日本製薬株式会社等)、MCDB201培地(機能性ペプチド研究所)等を使用することができる。血清(ウシ胎仔血清、ヒト血清、羊血清など)又は血清代替物(Knockout serum replacement(KSR)など)を添加した培地を使用することにしてもよい。血清又は血清代替物の添加量は例えば5%(v/v)~30%(v/v)の範囲内で設定可能である。
以上の操作によって接着性細胞が選択的に生存・増殖する。続いて、増殖した細胞を回収する。回収操作は常法に従えばよく、例えば酵素処理(トリプシンやディスパーゼ処理)後の細胞をセルスクレイパーやピペットなどで剥離することによって容易に回収することができる。また、市販の温度感受性培養皿などを用いてシート培養した場合は、酵素処理をせずにそのままシート状に細胞を回収することも可能である。このようにして回収した細胞(ADRC)を用いることにより、ADRCを高純度で含有する細胞集団を調製することができる。
(4)低血清培養(低血清培地での選択的培養)及び細胞の回収
本発明においては、上記(3)の操作の代わりに又は上記(3)の操作の後に以下の低血清培養を行い、得られた細胞をADRCとして本発明に用いてもよい。
低血清培養では、SVF画分((3)の後にこの工程を実施する場合には(3)で回収した細胞を用いる)を低血清条件下で培養し、目的の多能性幹細胞(即ちADRC)を選択的に増殖させる。低血清培養法では用いる血清が少量で済むことから、本発明の方法で得られたADRCを治療目的に使用する場合、対象(患者)自身の血清を使用することが可能となる。即ち、自己血清を用いた培養が可能となる。ここでの「低血清条件下」とは5%以下の血清を培地中に含む条件である。好ましくは2%(V/V)以下の血清を含む培養液中で細胞培養する。更に好ましくは、2%(V/V)以下の血清と1~100ng/mlの線維芽細胞増殖因子-2(bFGF)を含有する培養液中で細胞培養する。
血清は、ヒトの治療に使用する場合には、ヒト血清が好ましく、治療対象の血清(即ち自己血清)を用いることが更に好ましい。
培地は、使用の際に含有する血清量が低いことを条件として、通常の動物細胞培養用の培地を使用することができる。例えば、Dulbecco's modified Eagle's Medium(DMEM)(日水製薬株式会社等)、α-MEM(大日本製薬株式会社等)、DMEM: Ham's F12混合培地(1:1)(大日本製薬株式会社等)、Ham's F12 medium(大日本製薬株式会社等)、MCDB201培地(機能性ペプチド研究所)等を使用することができる。
以上の方法で培養することによって、脂肪組織由来幹細胞(ADRC)を選択的に増殖させることができる。また、上記の培養条件で増殖するADRCは高い増殖活性を持つので、継代培養によって、本発明に必要とされる数の細胞を容易に調製することができる。なお、国際公開第2006/006692A1号パンフレットには、SVF画分を低血清培養することによって選択的に増殖する細胞の特徴が示されている。
続いて、上記の低血清培養によって選択的に増殖した細胞を回収する。回収操作は上記(3)の場合と同様に行えばよい。回収した細胞(ADRC)を用いることにより、ADRCを高純度で含有する細胞集団を得ることができる。
以上の方法では、SVF画分を低血清培養して増殖した細胞が利用に供されることになるが、脂肪組織から得た細胞集団を直接(SVF画分を得るための遠心処理を介することなく)低血清培養することによって増殖した細胞をADRCとして用いることにしてもよい。即ち本発明においては、脂肪組織から得た細胞集団を低血清培養したときに増殖した細胞をADRCとして用いてもよい。また、選択的培養(上記(3)及び(4))によって得られる多能性幹細胞ではなく、SVF画分(脂肪組織由来間葉系幹細胞を含有する)をそのまま用いることにしてもよい。なお、ここでの「そのまま用いて」とは、選択的培養を経ることなく本発明に用いること、を意味する。
<脂肪組織由来幹細胞破砕液の濾液の調製方法>
本発明の治療製剤は、脂肪組織由来幹細胞を破砕処理した破砕液を濾過して得られた濾液(ADRC濾液と言うこともある)を有効成分として含有する。
ADRCの破砕は、一般的な細胞破砕方法を用いることができる。例えば、凍結融解(凍結した後融解する処理)、超音波、フレンチプレス、乳鉢、ホモジナイザー、ガラスビーズ等を用いた処理方法を利用することができる。また、破砕処理に供する細胞として、生細胞に限らず、死細胞や障害を受けた細胞を用いることにしてもよい。上記破砕処理の中でも凍結融解処理及び超音波処理が好ましい。特に凍結融解処理は簡便であり、また、機械と細胞の接触による汚染を回避でき、衛生的である点から特に好ましい。凍結融解にて破砕する場合は、後述する好ましい条件を用いることができる。超音波処理にて破砕する場合は、凍結していない細胞を用いて破砕処理することが好ましいが、機器から発せられる熱の影響により、しばしばタンパク質の変性や凝集が引き起こされるため、細胞懸濁液を氷中で冷却しながら短時間の処理を繰り返し行うことが好ましい。具体的には、200W~300Wの出力で5~15秒間の破砕と、10~30秒間の休止を複数回繰り返すことが好ましい。
なお、凍結融解は、凍結過程で細胞が膨張し氷晶が形成され、その氷晶が細胞を破壊することで解凍時に溶解されるため、十分に溶解させるためには繰り返し行うことが好ましい。具体的には、凍結融解処理を1回~5回繰り返すことが好ましい。凍結融解処理における凍結の条件は特に限定されないが、例えば、-20℃~-196℃で凍結することが好ましい。融解の条件も特に限定されない。例えば、5℃以下の冷蔵庫にて一晩おくことでの融解、湯煎(例えば35℃~40℃)での融解、室温での融解等を採用することができる。
破砕に用いる細胞懸濁液濃度は、1×104個/ml~1×107個/mlが好ましい。作業しやすい濃度であり、1回の作業で十分量の濾液を取ることができる。
本発明の治療薬は前記細胞破砕液をフィルター濾過し、得られた濾液を用いる。フィルター濾過によって不要成分を除去することができる。また、適切な孔径のフィルターを使用すれば、不要成分の除去と滅菌濾過を同時に行うことができる。フィルター処理に使用するフィルターの材質は特に限定されないが、タンパク質が吸着しにくいセルロースアセテート、金属製のフィルターが好ましい。特にセルロースアセテートが好ましい。フィルター孔径は0.1μm~0.45μmが好ましい。0.15μm~0.3μmが更に好ましい。滅菌濾過も同時に行う場合は0.2μmの孔径が好ましい。
なお、破砕液を事前に遠心処理して、得られた上清をフィルター処理してもよい。破砕液をフィルター処理前に遠心処理することにより、核などが取り除かれ、フィルターの目詰まりを防ぐことができるため、効率良くフィルター処理をすることが可能となる。事前に遠心処理する場合は、ADRC破砕後、100~400×gで3~10分することが好ましい。また、遠心分離時の温度は特に限定されない。
濾液をすぐに治療に使わない場合は、使用時まで凍結保存することができる。-100℃~-60℃で保存することが好ましい。一般的に、細胞の凍結融解を繰り返すと、細胞の活性が落ちたり、死細胞が増える傾向にあるが、本発明の治療製剤は、濾液であり、幹細胞を含まないため、冷凍保存と融解を何度繰り返してもその品質は変わらない。
<脂肪組織由来幹細胞の破砕液の濾液の特性>
本発明の発明者らは、脂肪組織由来幹細胞それ自体ではなく、前記幹細胞の破砕処理後の濾液に、変形性関節症、又は靭帯若しくは腱の損傷を治癒する効果があることを見出した。
なお、前記幹細胞を培養した上清(培養上清とも言う)には、前記幹細胞が増殖する過程で分泌するタンパク質である様々な成長因子(サイトカイン)が含まれていることが知られている。そのため培養上清は医療や美容の分野で注目を集めているが、本発明の発明者らは細胞膜や核、細胞質などに存在するタンパク質に着目し、それらが損傷部の炎症を治めると共に、損傷部位の修復や再生を促したり、関節軟骨の変性を抑える効果を有することを見出した。
より具体的には、本発明のADRC濾液は、HMGB1、Annexin A6及びHSP70からなる群から選ばれる少なくとも1種のタンパク質を含む。本発明の発明者らは、ADRCの主に核内に蓄積されているHMGB1と、ADRC内に存在するAnnexinA6及びHSP70が損傷部の鎮痛緩和と軟骨保護を促すことを見出した。それぞれの特性について以下に推測する。
HMGB1やAnnexinA6はADRC内に存在するが、ADRCを破砕することにより細胞外に放出される。「HMGB1」(high mobility group box-1 protein)は、遺伝子発現や遺伝子修復を促進する自然免疫を強化し、また、前駆細胞、幹細胞の遊走と増殖を誘導して、修復反応を促進する機能を有する物質として知られる。ADRCを破砕することにより放出されたHMGB1は、周囲の細胞に作用し、幹細胞の遊走と増殖を誘導して、損傷部位の修復を促進すると考えられる。
「AnnexinA6」は、シグナル伝達に関与するタンパク質である。AnnexinA6が欠損すると、機械刺激に対する感受性が高くなり、逆に、AnnexinA6の過剰発現は、感覚ニューロンにおける速順応性電流を抑制する。このことから、ADRCを破砕することにより放出されたAnnexinA6は、鎮痛作用を奏すると考えられる。
「HSP70」(Heat Shock Protein70)はアポトーシスの誘導を抑制することが知られている。 そのため、ADRCを破砕することにより放出されたHSP70は変形性関節症の病態進行に重要である関節軟骨細胞のアポトーシスを抑制し軟骨保護作用を奏すると考えられる。
HMGB1、AnnexinA6及びHSP70は細胞から分泌される成長因子(サイトカイン)ではなく、細胞内に存在するタンパク質であるため、ADRCを破砕処理し、フィルター濾過することにより、その濾液に効率よく抽出される。
さらに本発明の脂肪組織由来幹細胞破砕液の濾液をADRCに添加すると,次の8つの細胞シグナルの分泌が促進されると考えられる。8つの細胞シグナルは,(Akt(セリン/スレオニンキナーゼ)、NF-κB(Nuclear factor kappa-light-chain-enhancer of activated B cells)、ERK1/2(Extracellular signal-regulated kinase 1/2)、p70S6 kinase、CREB(cAMP response element binding protein)、STAT3(signal transducer and activator of transcription 3)、STAT5、JNK(Jun amino terminal kinase))である。特に、Aktは毛細血管の血流を増加させるとされる。上記8つの細胞シグナルが亢進することにより、抗炎症作用やADRC細胞増殖を促進すると考えられる。
なお、本発明の治療製剤に含まれるHMGB1は、投与されると周辺の幹細胞の遊走と増殖を誘導すると考えられるが、投与箇所によってはその周辺に幹細胞が少ない場合がある。たとえば、膝周辺にはADRCが少ないため、本発明の治療製剤の効果をより発揮させるためには、濾液及びADRCを併用投与することが好ましい。あるいは、本発明の治療製剤が濾液及びADRCを含むことが好ましい。
また、前述した8つの細胞シグナルはADRCの活性又は増殖を促進すると考えられるため、本発明の治療製剤の効果をより発揮させるためにも、本発明の濾液とADRCを併用投与すること、あるいは本発明の治療製剤が濾液及びADRCを含むことが好ましい。
<変形性関節症等治療製剤の製造方法>
本発明における治療製剤は、以下の工程により製造することができる。ADRCの培養方法、破砕処理方法、フィルター濾過方法は前述した。
(1)脂肪組織由来幹細胞を破砕する工程。
(2)工程(1)で得られた破砕液、又は前記破砕液を遠心処理して得られた上清をフィルター処理し、濾液を得る工程。
(3)工程(2)で得られた濾液を製剤化する工程。
本発明においては、前記濾液が、下記(a)~(c)からなる群より選ばれる少なくとも1種を含有して本発明の治療製剤を構成してもよい。
(a)脂肪組織由来幹細胞
(b)脂肪組織由来幹細胞を破砕処理して得られた破砕液
(c)(b)の破砕液を遠心処理して得られた上清
前記(a)~(c)は、それぞれ単離後に本発明の濾液と混合してもよいし、本発明の濾液と同時に投与してもよい。
本発明における濾液と併用投与するADRC、あるいは本発明の治療製剤に含めてもよいADRCは、前述の方法により培養したADRCを用いてもよい。濾液を調製する際に用いたADRCであれば再培養の手間が省けるので好ましい。
本発明の治療製剤には、その有効性を失わない範囲において、製剤上許容される他の成分、例えば、担体、賦形剤、崩壊剤、緩衝剤、乳化剤、懸濁剤、無痛化剤、安定剤、保存剤、防腐剤、生理食塩水などを含有させてもよい。
<変形性関節症等治療製剤の投与量及び投与方法>
本発明の治療製剤の投与量は、使用目的、対象疾患、適用対象(レシピエント)の性別、年齢、体重、患部の状態等を考慮して適宜調製することができる。単回投与のときは2週間、連続的又は定期的に複数回投与することにしてもよい。複数回投与する際の投与間隔は特に限定されず、例えば1週間~2週間である。また、投与回数も特に限定されない。投与回数としては2回~10回が好ましい。
投与量(注入量)は、例えば10μl~1ml、好ましくは30μl~80μlである。なお、本発明の治療製剤は、1×104個~1×106個分のADRCを破砕し、濾過した濾液を用いることが好ましい。濾液の濃度としては、1×104個/ml~1×107個/mlに調製することが好ましい。濾液とADRCを併用投与する場合、あるいは治療製剤中にADRCを含む場合、ADRCは1×104個~1×106個投与することが好ましい。
投与方法としては、患部への関節内局所投与、皮内投与、筋肉内投与、静脈内投与等が挙げられる。患部への局所注入により投与されることが好ましい。1回の注射で全量を投与するのではなく、注入箇所をずらし、複数回に分けて投与するとよい。
以下に実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではない。実験に用いたADRC濾液の調製方法、モデル及び測定方法を以下に記載する。
(1)ADRC濾液(凍結融解)の調製
ヒト脂肪幹細胞(ロンザ社)を用いて、本明細書で述べた方法により濾液を調製した。具体的には、前記ヒト脂肪幹細胞を用いてメッセンプロRS培地で培養しADRCを増殖させた。なお、用いた培地の上清を培養上清とした。PBSを用いて濃度調製後(1×106個/ml)、-30℃で一晩おき,凍結させた。凍結した細胞液を4℃の冷蔵庫に一晩おき、融解させた。このようにして細胞を破砕後、遠心分離(290×g、5分)し、上清を回収した。次に、上清をセルロースアセテート膜のフィルター(ポアサイズ0.2μm)で濾過し、ADRC濾液(凍結融解)とした。凍結融解処理は、同じ方法で3回行い、その都度、後述する方法により各成分を計測した。
(2)ADRC濾液(超音波破砕)の調製
(1)で濃度調製 (1×106個/ml)したADRCを超音波処理(250W出力、10秒間の破砕と20秒間の休止を10分間繰り返す)(コスモバイオ社のBIORUPTOR(UCD-250)を使用)した後、遠心処理(290×g、5分)した。遠心処理後の上清をセルロースアセテート膜のフィルター(ポアサイズ0.2μm)で濾過し、ADRC濾液(超音波破砕)とした。
(3)ADRC濾液中の成分の定量方法
ADRC濾液は前述する方法で調製した、1×106個/mlのものを使用した。
(3.1)HMGB1の定量方法
HMGB1 ELISA Kit ARG81351(Arigo Biolaboratories Corporation)(以下この項において「Kit」という。)を使用して濾液中の含有量を計測した。
(1)Kit内のマイクロプレートにStandard、zero controlと濾液を1well当たり50μl 入れた。
(2)(1)にAssay Bufferを1well当たり50μlずつ入れ、シールをして4℃で1晩置いた。
(3)well内の液を捨て、冷やした350μl の1×Wash Bufferをwellに入れ、3回洗浄した。
(4)100μlの1×HRP-antibody conjugateをwellに入れ、シールをして37℃で1時間置いた。
(5)(3)を繰り返した。
(6)100μlの1×TMB substrate をwellに入れ、室温で10分置いた。
(7)50μlの1×Stop solution をwellに入れた。
(8)マイクロプレートリーダーで450nmの波長で吸光度を測定した。
(9)Standardの測定結果より、検量線を引き、検量線の数式に濾液の吸光度値を代入し、濃度を求めた。
(3.2)AnnexinA6の定量方法
Human Annexin A6 (ANXA6) ELISA Kit EK12650(Signalway Antibody)(以下この項において「Kit」という。)を使用して濾液中の含有量を計測した。
(1)Kit内のマイクロプレートにStandardと濾液を1well当たり100μl 入れた。
(2)シールをして37℃で2時間置いた。
(3)well内の液を捨てた。
(4)100μlのDetection Reagent A working solutionをwellに入れ、シールをして37℃で1時間置いた。
(5)well内の液を捨て、300μl の1×Wash Solutionをwellに入れ、3回洗った。
(6)100μlのDetection Reagent B working solutionをwellに入れ、シールをして37℃で1時間置いた。
(7)(5)の操作を5回繰り返した。
(8)90μlのSubstrate Solutionをwellに入れ、37℃で15~25分置いた。
(9)50μlのStop Solution をwellに入れた。
(10)マイクロプレートリーダーで450nmの波長で吸光度を測定した。
(11)Standardの測定結果より、検量線を引き、検量線の数式に濾液の吸光度値を代入し、濃度を求めた。
(3.3)HSP70の定量方法
Human HSP70 ELISA Kit BMS2087(invitrogen)(以下この項において「Kit」という。)を使用して濾液中の含有量を計測した。
(1)Kit内のマイクロプレートに50μlのSample Diluentと50μlの濾液をwellに入れた。Standard dilutionはKitに添付の説明書に従い調製した。
(2)粘着フィルムで覆い、室温で2時間置いた。
(3)well内の液を捨て、400μlのWash Bufferをwellに入れ、6回洗った。
(4)100μlのBiotin-Conjugateを加え、粘着フィルムで覆い室温で1時間置いた。
(5)well内の液を捨て400μlのWash Bufferをwellに入れ、6回洗った。
(6)100μlのStreptavidin-HRPをwellに入れ、粘着フィルムで覆い室温に30分置いた。
(7)well内の液を捨て400μlのWash Bufferをwellに入れ、6回洗った。
(8)100μlのTMB Substrate Solutionをwellに入れ、室温で30分置いた。
(9)100μlのStop Solution をwellに入れた。
(10)マイクロプレートリーダーで450nmの波長で吸光度を測定した。
(11)Standardの測定結果より、検量線を引き、検量線の数式に濾液の吸光度値を代入し、濃度を求めた。
(4)ADRC濾液によるADRC活性の変化
ADRC濾液を添加することによるADRC活性の効果を検討した。
(1)6ウェルプレート(BD Falcon社)にヒトADRCs(ロンザ社)を播種し((1.5~2.0 x 105細胞/ウェル)、CO2 5%、37℃で培養した。培地にはMesenPRO(Thermo Fisher)を使用した。
(2)コンフルになったことを確認し(2日後)、上清を除去した。
(3)2ウェルに50%生食を添加した培地、2ウェルに50%のADRC濾液(凍結融解)(1×106個/mL濃度の濾液を使用)を添加した培地を入れ、培養を継続し、24h後に上清を除去した。
(4)冷やしたPBSをウェルに入れ、洗い、PBSを除去した。
(5)Lysis Buffer5mLにprotease inhibitor 50μL添加したものを準備した。
(6)冷やした(5)を0.2mL /well入れた。
(7)スクレーパーを使い、ウルトラフリー(Merck)に回収し、4℃で10~15分置いた。
(8)遠心器(1200g 4min)にかけ、測定液を回収した。
(9)MILLIPLEX MAP Multi-Pathway Magnetic Bead 9-Plex - Cell Signaling Multiplex Assay(Merck)を使用し、測定液中のシグナル(median fluorescent intensity (MFI))を測定した。
(5)半月板及び靭帯損傷モデルの作成
Isoflurane 麻酔下 SLc:SD 雄性ラット(7 週齢)の右膝関節内側側副靭帯及び内側半月板を切除した(MMT)(以下、半月板損傷モデルともいう)。
(6)モデル動物左右の膝荷重差試験
本発明のADRC濾液(凍結融解)を所定量含む治療製剤の投与後一定期間経過した、半月板損傷モデルの左右の足にかかる体重を、Incapacitance Analogesia Meter(Model:57210)を用いて測定し、その差を計算した。具体的には、ホルダーにモデル動物を入れ、2枚のセンサープレートの上に置いた。モデル動物は痛みのある肢に体重がかからないような体勢をとる。動物が左右の後肢にかけている体重を2枚のセンサーで別々に測定することで、痛みのある肢をかばっている状態を数値化する。正常モデル動物であれば、片方の肢をかばう必要がないので、両方の後肢に均等に体重がかかるため、左右の荷重差は0である。ラットの一方の後肢の組織を傷つけると、センサーにかかる体重配分に変化が生じ、損傷した後肢にかかる重量が小さくなるため、左右の荷重差は大きくなる。
本試験においては、荷重差を試験に用いたモデル動物の体重で割って減少率で評価した。減少率が大きいモデル動物ほど、損傷が改善したことを示す。
(7)モデル動物のCT画像解析
本発明のADRC濾液(凍結融解)を所定量含む治療製剤の投与後一定期間経過した、半月板損傷モデルの膝骨のCT画像を3D画像解析ソフトAZE(キヤノンメディカルシステムズ)によって断面画像を切り出し、骨硬化度を確認した。
図1及び2により、骨硬化度の測定手順を説明する。膝が正常であれば、脛骨1の関節軟骨2を支える骨である軟骨下骨3は硬化しない。しかし、変形性膝関節症が進行すると、骨梁が病的に肥厚した状態である骨硬化部4が起こる。そこで、AZEにCT画像を取り込み、矢状面から見て脛骨の中央付近に断面位置5を設定(図3参照)し、断面画像にて関心領域:(膝関節の内外側方向0.5mm×上下方向6.0mm(3mm2))(上脛骨骨端部のエッジと軟骨下骨化硬化部分を含めた領域6)で囲んだ(図4参照)。さらに骨硬化を反映するCTのグレースケールの閾値を1000以上で設定し、抽出された部分の面積を測定した。変形性膝関節症が進行すると、骨硬化が起こりやすいため、骨硬化部分の面積が広くなる。
(8)病理組織学的検査
本発明のADRC濾液(凍結融解)を所定量含む治療製剤の投与後一定期間経過した、半月板損傷モデルの右膝を含めた大腿骨、脛骨を摘出して下記手順で病理組織を作成した。
1.ミクロトームを用いて厚さ4μmのパラフィン切片を作製した。
2.パラフィン切片を以下の手順によりHE染色した。
(1)脱パラフィン後水洗した。
(2)ヘマトキシリン液につけて、5分置いた。
(3)20分間水洗した。
(4)エオジンアルコールにつけて、3分置いた。
(5)脱水、透徹し、封入した。
(試験1)
凍結融解破砕をしたADRC濾液、超音波破砕をしたADRC濾液と、ADRCを培養した上清(培養上清)中のHMGB1、AnnexinA6及びHSP70の含有量を前述した定量法に従い定量した。結果を図5~7に示す。損傷部位の修復促進や軟骨保護に寄与すると考えられているHMGB1及びHSP70と、炎症緩和に寄与すると考えられているAnnexinA6が、培養上清に比べ、ADRC破砕後の濾液中に大量に含まれていることが分かった。また、超音波破砕したADRC濾液に、凍結融解破砕をしたADRC濾液よりも多量のAnnexinA6が含まれていた。なお、濾液又は培養上清1ml当たりのHMGB1、AnnexinA6及びHSP70の含有量は、濾液又は培養上清1ml当たりのタンパク質の量で除して、厳密な比較を可能にした。
(試験2)
前述した方法に従い、ADRC濾液添加によるADRC活性の効果を検討した結果を図8に示す。ADRCに、ADRC濾液を添加することにより、8つの細胞シグナルの分泌が促進された。これらの物質が、毛細血管の血流増加、抗炎症作用の向上、及びADRC細胞の活性化又は増殖を促進すると考えられるため、これら効果を高める手段として、本発明の濾液とADRCを接触する状態を形成させることが有効であることが示唆された。より具体的には、本発明の治療製剤を投与する際には、ADRCの併用投与、あるいは本発明の治療製剤中にADRCを含むと、より効果的に膝組織損傷部位の修復を行うことができると考えられる。
(試験3)
右膝半月板損傷モデルを用い、右膝に下記試料を50μl注入した。注入後2週間での左右の膝荷重差試験を行った(各n=4)。
コントロール注入群:PBS
ADRC注入群:5×104個のADRC
濾液(凍結融解)注入群:5×104個相当のADRCの濾液(1×106個/mlの濃度の濾液を使用)
濾液(凍結融解)+ADRC注入群:5×104個相当のADRCの濾液(1×106個/mlの濃度の濾液を使用)と5×104個のADRC
Figure 0006994729000001
表1に結果を示す。濾液注入群及び濾液+ADRC注入群の2週間経過後の左右荷重差の減少率が大きく、損傷改善効果が見られた。
(試験4)
右膝半月板損傷モデルを用い、試験3と同様に右膝に試料を50μl注入した。注入後2週間での、モデル動物の膝骨のCT画像を3D画像解析した(n=1)。
Figure 0006994729000002
右膝半月板損傷モデルのCT画像解析結果を表2に示す。濾液注入群、濾液+ADRC注入群において骨硬化が抑制されていることが確認できた。
(試験5)
右膝半月板損傷モデルを用い、試験3と同様に右膝に試料を50μl注入した。注入後2週間での、モデル動物右膝半月板損傷モデルの右膝について、先述した方法にて染色して病理組織学的検査を行った(n=1)。
染色結果を図9~13に示す。右膝を損傷していないモデルの標本を「正常」とした。図9Bに示すように、正常モデルは内側側部靭帯が断裂していないのに対し、コントロールでは内側側部靭帯が重度に断裂している。(図10B参照)。加えてコントロールでは、軟骨の剥離が進み、軟骨下骨が露出している箇所8が散見された。なお、遊離した軟骨片(軟骨遊離体7)(図10C、D参照)は、関節に嵌頓すると激しい痛みを引き起こすことが知られている。ADRCを注入したサンプルでは亀裂を数カ所認め、結果軽度の内側側部靭帯断裂が見られた(図11B参照)。また、関節内に軟骨遊離体7が見られたが、軟骨下骨の露出は改善されていた(図11C、D参照)。一方本発明の濾液を注入したサンプル、及び濾液とADRCを注入したサンプルでは、靭帯部分が非常に滑らかにつながっており、また白い筋も見られなかった。また、軟骨遊離体は認められず軟骨下骨の露出は改善されていた(図12、13参照)。このことから、濾液、又は濾液及びADRCを注入することにより、内側側副靭帯の損傷が回復していることが明らかとなった。
以上の結果より、本発明の治療製剤は、変形性関節症又は靭帯若しくは腱損傷の治療に有効であることが示された。ADRCを破砕した濾液にはHMGB1、AnnexinA6およびHSP70のうち少なくとも1種のタンパク質が含まれており、それらが損傷部の鎮痛緩和と軟骨保護を促すと考えられた。鎮痛作用を奏するAnnexinA6は、凍結融解破砕したADRC濾液よりも、超音波破砕したADRC濾液中に多量に含まれていることが判明したが、調製や取扱容易の観点から凍結融解破砕したADRC濾液の方が使い勝手がよい。さらに、ADRC濾液とADRCとの併用によりADRCの活性や増殖を促進すると考えられる細胞シグナルが増加することが分かった。また、本発明の治療製剤であるADRC濾液、又は前記濾液とADRCを併用投与したモデル動物の膝損傷が改善していたことから、変形性関節症又は靭帯若しくは腱損傷に対して、本発明の治療製剤であるADRC濾液が有効な治療法であることが示された。
従来、変形性関節症又は靭帯若しくは腱損傷に対して行われてきた運動療法や、薬物療法などは、病気の根本的な治療ではなく対症療法であるため継続的な治療が必要であった。一方本発明の治療製剤によれば、これまでの対症療法とはことなり関節自体の再生が可能になると考えられるため、これまでの治療では効果が見られなかった患者に対しても治療効果を発揮することを期待できる。
本発明の治療製剤によれば、変形性関節症、又は靭帯若しくは腱の損傷を治癒することができる。本発明の治療製剤は、脂肪組織由来幹細胞破砕液の濾液を有効成分として含有するため、調製や取扱が容易であり、臨床上の利点が極めて大きい。
1 脛骨
2 関節軟骨
3 軟骨下骨
4 骨硬化部
5 矢状面から見た脛骨の中央付近に断面位置
6 上脛骨骨端部のエッジと軟骨下骨化硬化部分を含めた領域
7 軟骨遊離体
8 軟骨が露出している箇所

Claims (5)

  1. 凍結融解処理によって破砕した、脂肪組織由来幹細胞破砕液の濾液を有効成分として含有する、変形性関節症又は靭帯若しくは腱損傷の治療製剤。
  2. 前記濾液がHMGB1、Annexin A6及びHSP70からなる群から選ばれる少なくとも1種のタンパク質を含む、請求項1に記載の変形性関節症又は靭帯若しくは腱損傷の治療製剤。
  3. さらに脂肪組織由来幹細胞を含有する、請求項1又は2に記載の変形性関節症又は靭帯若しくは腱損傷の治療製剤。
  4. 変形性関節症が変形性膝関節症である、請求項1~3のいずれか1項に記載の変形性関節症又は靭帯若しくは腱損傷の治療製剤。
  5. 以下の工程を含む、変形性関節症又は靭帯若しくは腱損傷の治療製剤の製造方法。
    (1)脂肪組織由来幹細胞を凍結融解処理によって破砕する工程。
    (2)工程(1)で得られた破砕液、又は前記破砕液を遠心処理して得られた上清をフィルター処理し、濾液を得る工程。
    (3)工程(2)で得られた濾液を製剤化する工程。
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日本消化器病学会雑誌, Vol.115臨時増刊号, 2018, p.A711(Abstract Number: 消P-87)
日本消化器病学会雑誌, VOL.115臨時増刊号, 2018, P.A711(ABSTRACT NUMBER: 消P-87), JPN6021033147, ISSN: 0004619925 *
日本消化器病学会雑誌, Vol.116臨時増刊号, 2019, p.A87 Abstract Number: PD1-10
日本消化器病学会雑誌, VOL.116臨時増刊号, 2019, P.A87 ABSTRACT NUMBER: PD1-10, JPN6021033151, ISSN: 0004619926 *
日本関節病学会誌, Vol.32 No.3, 2013, p.290(Abstract Number: 1-D-9)
日本関節病学会誌, VOL.32 NO.3, 2013, P.290(ABSTRACT NUMBER: 1-D-9), JPN7021003380, ISSN: 0004619924 *

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2024005133A1 (ja) * 2022-06-30 2024-01-04 国立大学法人大阪大学 半月板の治療薬

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