JP6994216B2 - 水蒸気透過度及び質量変化測定装置並びにその測定方法 - Google Patents

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Description

本発明は、主としてカップ法で測定可能な試料に対して自動秤量を可能とした水蒸気透過度及び質量変化測定装置並びにその測定方法に関する。
衣服や医療用テープ等の透湿性能、食品包装フィルムの防湿性能、エレクトロニクス部品の防湿皮膜の水蒸気バリア性能等、薄膜材料の性能を決定する上で水蒸気透過度は重要なパラメータである。水蒸気透過度(透湿度)とは、フィルムを透過する水蒸気の量をそのフィルム1平方メートル当たり、24時間当たりに換算してg/(m・24h)の単位で表したものである。
例えば、特許文献1には、バリアフィルム中の微細な欠陥による水蒸気透過をその位置と分布について高解像度で測定する方法が記載されている。
また、特許文献2及び特許文献3には、カルシウム腐食法による試験片の水蒸気透過度測定装置が記載されている。
更に、特許文献4には、露点温度に基づいて水蒸気透過度を測定する水蒸気透過度測定装置が記載されている。
また、特許文献5及び特許文献6には、圧力変化に基づいて水蒸気透過度を測定する水蒸気透過度測定装置が記載されている。
更に、特許文献7には、感湿膜を用いた水蒸気透過度測定器が記載されている。
これらの方法は、いずれも水蒸気透過度1g/(m・24h)以下のハイバリア材料を対象とした水蒸気透過度測定装置である。
また、非特許文献1に示されたカップ法は最も基本的、且つ、安価な水蒸気透過度測定方法であり、測定範囲は水蒸気透過度1g~1,000g/(m・24h)と上記測定方法に対してローバリア材料の評価に適したものとされている。
非特許文献2及び非特許文献3には、カップ法を自動化した水蒸気透過度測定装置が記載されている。
また、特許文献8には、内部に試料を収容しうる空間が形成され、且つ、天井に内部の空間と外部とを通じる貫通孔が形成され、内部の雰囲気が定めた温湿度に保たれる恒温槽と、前記恒温槽の上に支持される天秤と、前記天秤の計量皿支持部から吊り下げられて前記恒温槽の前記貫通孔にその内周面に接触せずに挿通され、前記恒温槽の内部で前記試料を保持する計測治具と、側面に空気の流入口と流出口が形成され、前記計測治具の前記恒温槽と前記天秤との間の部分を、前記計測治具が前記計量皿支持部から吊り下げられた状態で接触せずにその内部に収容する被覆箱と、前記流入口から前記被覆箱に規定の湿度以下の乾燥空気を流入させる乾燥空気供給部と、を備える湿度依存質量測定装置が提案されている。
特開2011-047680号公報 特開2006-250816号公報 特開2005-283561号公報 再表2009-041632 特開2005-345342号公報 特開2012-154838号公報 特開2010-197218号公報 特許第5944612号公報(図3参照)
JIS-Z-0208防湿包装材料の透湿度試験方法(カップ法) TEXTEST社-FX3180透湿度試験機(http://www.takayamareed.co.jp/equipment/shinsitu/) Lab-think社-PERME-W3/062カップ法透湿度試験装置(http://www.ivicres.com/line_up/p7.html)
上記した特許文献1~7の方法は、いずれも水蒸気透過度1g/(m・24h)以上のローバリア材料の評価に適していない水蒸気透過度測定装置である。
また、非特許文献1に示されたカップ法の課題として、カップの秤量作業が手作業で行われることと、測定に1週間~1ヶ月程度の長時間を要する。このことから産業現場での品質管理においてはカップ法による測定の自動化が求められている。
更に、特許文献8は、図3に示すように、試料を吊るすため、風や振動により該試料が揺れる等の不具合を生じてしまう欠点がある。
また、上記した非特許文献2及び非特許文献3は、装置が高価で大型のため、産業現場への導入が躊躇される大きな原因となっている。
そこで、本発明は叙上のような従来存した諸事情に鑑み創出されたもので、安価で、且つ、小型な装置でありながらカップ法による水蒸気透過度測定の自動化を達成した水蒸気透過度及び質量変化測定装置並びにその測定方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するために、本発明に係る水蒸気透過度及び質量変化測定装置にあっては、
試料重量を秤量皿に載置した脚長設置皿によって測定する天秤部と、
該天秤部上に支え台を介して設置された恒温恒湿室と、
該恒温恒湿室内の湿度を調整する湿潤空気発生装置と、
該天秤部で計測した吸放湿状態による試料重量の変化を記録し水蒸気透過度を自動計算する記録解析部と、
から構成され、
該脚長設置皿は、該恒温恒湿室の底板に開けた貫通穴を貫通して該天秤部の該秤量皿に置かれる脚部と、
該脚部を介して該恒温恒湿室内部に配置されるよう該脚部の上端に配置された試料台と、
を備え、
該恒温恒湿室内の該試料台に載せられた試料重量を、該湿潤空気発生装置による該恒温恒湿室内の湿度調整下で該恒温恒湿室の外部の該天秤部によって連続的に測定し、該記録解析部にて記録することを特徴とする。
上記恒温恒湿室は、脚長設置皿の下方或いは側方に配置したアクチュエータと、
貫通穴の下方位置で該脚長設置皿の脚部に嵌着された位置決めキャップと、
秤量皿に設けられて該脚部が離脱可能に支持される位置決め溝と、
を備え、
該アクチュエータは、該脚長設置皿が持ち上がる際に該脚部が位置決め溝から離脱し、該位置決めキャップは、該貫通穴を塞いで該恒温恒湿室内からの湿潤空気の漏れを防止し、該位置決めキャップ及び該位置決め溝は、該アクチュエータを元に戻した際に該脚長設置皿を該秤量皿上の所定の位置へ導くことを特徴とする。
上記湿潤空気発生装置は、恒温恒湿室内に設置された湿度センサの計測値をフィードバック制御し、湿潤空気の導入量を増加又は減少させることで該恒温恒湿室内の相対湿度を一定にする湿度制御部を該湿度センサと該湿潤空気発生装置との間に備えたことを特徴とする。
上記恒温恒湿室又は支え台のいずれか又はその両方は、小孔状、スリット状、若しくは多孔性材料による通気性を有する排出口を備え、該排出口から自然的或いは強制的に該恒温恒湿室内の湿潤空気を排出することを特徴とする。
上記恒温恒湿室は、その底部に内容量2cm以上の恒温室を設け、脚長設置皿の脚部は、該恒温室の上板と底板に開穿した貫通穴を通して天秤部の秤量皿に置かれてなることを特徴とする。
また、本発明に係る水蒸気透過度及び質量変化の測定方法にあっては、
恒温恒湿室内の試料台に載せられた試料重量を、湿潤空気発生装置による該恒温恒湿室内の湿度調整下で該恒温恒湿室の外部の天秤部によって連続的に測定し、記録解析部にて記録する水蒸気透過度測定方法であって、
該記録解析部は、吸湿剤を詰め試料膜で封じた容器の重量変化を所定の時間間隔で少なくとも3点以上取得し、2つの連続する秤量でそれぞれ単位時間当たりの重量増加を、
単位時間当たりの重量増加(mg/h)=(m2-m1)/(t2-t1)、
ここにm2-m1:所定時間あたりの重量変化量(mg)
t2-t1:所定時間
によって求め、それが所定範囲内(例えば、5%以内)で一定となったことを判断し、その傾きから水蒸気透過度を、
水蒸気透過度(g/(m・24h))=240×m/(t・s)、
ここにs:透過面積(cm)、t:試験を行った最後の2つの秤量間隔の時間の合計(h)、m:試験を行った最後の2つの秤量間隔の増加重量の合計(mg)
によって算出することを特徴とする。
本発明によれば、各種材料の水蒸気透過度或いは質量変化を簡易、且つ、自動的に測定でき、従来の装置で生じる風や結露の問題を回避することが可能となった。
また、本発明の水蒸気透過度及び質量変化測定装置は、コンパクトで安価な装置とすることができるため、複数台の設置によって複数の試料を同時に測定でき、従来手作業で行っていた試験の自動化を行うために最適な水蒸気透過度及び質量変化測定装置並びにその測定方法を容易に得ることが可能となった。
本発明を実施するための一形態を示す水蒸気透過度及び質量変化測定装置の概略を示す構成図である。 図2中、(a)及び(b)は、アクチュエータの設置例の概略を示す構成図である。 湿度制御部の配置例の概略を示す構成図である。 恒温恒湿室の排出口の配置例の概略を示す構成図である。 恒温恒湿室の恒温室の配置例の概略を示す構成図である。 恒温恒湿セル内の経過時間による温湿度変化の測定結果を示す図である。 恒温恒湿セル内の経過時間による脚長秤量皿の質量変化の測定結果を示す図である。 PIを組み付けたカップの経過時間による質量変化の測定結果を示す図である。 開発法とJIS法の測定値の関係を示す図である。 JIS-Z-0208法及び本発明の装置におけるカップ秤量間隔の概略を示す図である。 恒温恒湿セル内での合板の吸放湿の特性を示す図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
本発明に係る水蒸気透過度及び質量変化測定装置(以下、本装置と略称する)は、例えば、衣服や医療用テープ、食品包装フィルム、エレクトロニクス部品用防湿皮膜等の薄膜材料で封じた吸湿剤入り容器の重量を測定する。例えば、電子天秤等の天秤部1と、天秤部1上に設置された恒温恒湿室2と、恒温恒湿室2を支える支え台3と、恒温恒湿室2内の湿度を調整する湿潤空気発生装置4と、天秤部1で計測した吸放湿状態による試料重量の変化を記録し水蒸気透過度を自動計算する記録解析部5と、から構成される。
また、本装置は、測定試料を設置する脚長設置皿6の試料台6Aが恒温恒湿室2内部に配置され、試料台6Aに複数本(例えば、3本)の脚部6Bを恒温恒湿室2の底板に開けた貫通穴7(例えば、3個)に通して天秤部1の秤量皿1Aに置かれ、恒温恒湿室2内の測定試料の重量を恒温恒湿室2の外部から連続的に測定し、前記記録解析部5にて記録することができるようにしてある。
更に、恒温恒湿室2の上部は開閉可能であり、試料は上部から脚長設置皿6の試料台6Aに置かれる。湿潤空気発生装置4の導入口は恒温恒湿室2に繋がれている。恒温恒湿室2内部には温度センサ・湿度センサ・ファン等(図示省略)が備え付けられている。設置位置は特定しないが、温度センサ・湿度センサは恒温恒湿室2のセル内側面に、ファンはセル内上面に備え付けられることが望ましい。
また、恒温恒湿室2及び後述の恒温室15の外壁にはヒーターが取り付けられ、室内を一定温度に保つものとする。室内温度を管理するために、恒温恒湿室2、後述の恒温室15、或いはその両方に温度センサを設けてもよい。ヒーターの種類は指定しないが、屈曲可能なフィルムヒータやラバーヒーター等が望ましい。
湿潤空気発生装置4は、市販されている一定湿度発生装置を用いることが最も望ましいが、温度及び湿度が変動する簡易的な湿潤空気発生装置(図示せず)を用いても、ポンプ等による導入量の制御によって恒温恒湿室2のセル内を目的の温湿度条件とすることができる。なお、湿潤空気発生装置4は恒温恒湿室2内に設けても良い。
天秤部1(電子天秤)の種類は、ロードセル式、音叉式、電磁力平衡式、又は、その他の方式のいずれでもよい。測定感度の指定は無いが、0.1mgの測定が行えることが望ましい。天秤部1の校正を行うために、後述のアクチュエータ10,11等により脚長設置皿6を上下させる機構を設けてもよい。天秤部1の校正作業は測定前後、或いは測定中に任意の間隔で行ってもよい。アクチュエータ10,11を取り付ける際は、後述の位置決めキャップ9及び位置決め溝8を設けることが望ましい。
恒温恒湿室2には、前記脚長設置皿6の下方或いは側方に位置するアクチュエータ10,11と、前記貫通穴7の下方位置で脚長設置皿6の脚部6Bに嵌着された位置決めキャップ9と、前記秤量皿1Aに設けられて前記脚部6Bが離脱可能に支持される位置決め溝8とを更に備えている。
脚長設置皿6の下方側に設置されたアクチュエータ10、或いは脚長設置皿6の左右対向位置に設置されたアクチュエータ11は、脚長設置皿6Aを持ち上げて秤量皿1Aから切り離し、位置決めキャップ9は、脚長設置皿6が持ち上がる際に貫通穴7を塞いで恒温恒湿室2内からの湿潤空気の漏れを防止し、位置決めキャップ9及び位置決め溝8は、アクチュエータ10,11を元に戻した際に脚長設置皿6を秤量皿1A上の所定の位置へ導くものとしている。
湿潤空気発生装置4は、恒温恒湿室2内に設置された湿度センサ13の計測値をフィードバック制御し、湿潤空気の導入量を増加又は減少させることで恒温恒湿室2内の相対湿度を一定にする湿度制御部12を前記湿度センサ13と湿潤空気発生装置4との間に備えている。この構成により湿潤空気発生装置4は、恒温恒湿室2内に設置された湿度センサ13の計測値を湿度制御部12によってフィードバック制御し、湿潤空気の導入量を増加又は減少させることで恒温恒湿室2内の相対湿度を一定にする。
恒温恒湿室2又は支え台3のいずれか又はその両方に、小孔状、スリット状、若しくは多孔性材料による通気性を有する排出口14を備え、該排出口14から自然的、或いは強制的に恒温恒湿室2内の湿潤空気を排出するようにしている。
恒温恒湿室2の底部に内容量が2cm以上の恒温室15を設け、前記脚長設置皿6の脚部6Bは、恒温室15の上板と底板に開穿した貫通穴7A,7Bを通して天秤部1の秤量皿1Aに置かれ、前記恒温室15内の絶対湿度が恒温恒湿室2内よりも小さくしている。
次に、以上のように構成された形態についての使用、動作の一例について説明する。
本実施形態における水蒸気透過度及び質量変化の測定方法としては、上記した本装置を使い、恒温恒湿室2内の試料台6Aに載せられた試料重量を、湿潤空気発生装置4による恒温恒湿室2内の湿度調整下で恒温恒湿室2の外部の天秤部1(例えば電子天秤等)によって連続的に測定し、記録解析部5にて記録する。
前記記録解析部5は、吸湿剤を詰め試料膜で封じた容器の重量変化を所定の時間間隔で少なくとも3点以上取得し、2つの連続する秤量でそれぞれ単位時間当たりの重量増加を、単位時間当たりの重量増加(mg/h)=(m2-m1)/(t2-t1)、(ここにm2-m1:所定時間当たりの重量変化量(mg)、t2-t1:所定時間)によって求め、それが所定範囲内(例えば、5%以内)で一定となったことを判断し、その傾きから水蒸気透過度を、水蒸気透過度(g/(m・24h))=240×m/(t・s)(ここにs:透過面積(cm)、t:試験を行った最後の2つの秤量間隔の時間の合計(h)、m:試験を行った最後の2つの秤量間隔の増加重量の合計(mg))によって算出する。
恒温恒湿室2のセル内の温湿度測定結果を図6に示す。セル内は40±0.2℃、90±2%RHで一定となり、一定温度・湿度が維持できることが確認された。
40℃、90%RHに保たれた恒温恒湿室2のセル内に設置された脚長設置皿6の質量経時変化を図7に示す。脚長設置皿6の吸湿及び天秤部1である分析用電子天秤のドリフト等によって測定値は変化したが、その値は±0.0020gの範囲内に収まり、ゼロ点における安定性が確認された。
樹脂フィルムとして、ポリエチレンナフタレート(PEN、テオネックス(登録商標)Q51、膜厚25μm、帝人デュポンフィルム製)、ポリエチレンテレフタレート(PET、ルミラー(登録商標)T60、膜厚25μm、東レ製)、ポリイミド(PI、カプトン(登録商標)50H、膜厚12.5μm、東レ・デュポン製)、三酢酸セルロース(CTA、高品質アセテートフィルム、膜厚80μm、ホルベイン画材製)及び粘着剤付きポリウレタン(PU、エアウォール(登録商標)、共和製)をそのまま用いた。
試料を装着した吸湿剤入りネジ式カップ(JIS-L-1099)を40℃、90%RHの本装置に設置し、所定の時間間隔でカップ質量を測定し、その質量変化から水蒸気透過度を求めた。比較として、JIS-Z-0208に基づいた手作業による秤量から水蒸気透過度を求めた。
本装置でPI(ポリイミド)を測定した際のカップ質量と経過時間の関係を図8に示す。前処理は1.4時間、本測定の秤量間隔は1.5時間であり、測定開始から5.9時間で水蒸気透過度が決定できた。
5種類の試験片について、本装置及びJIS-Z-0208法で得られた水蒸気透過度及び測定に要した時間を表1に示す。また、本装置及びJIS-Z-0208法による測定値の関係(開発法とJIS法の測定値の関係)を図9に示す。
本装置により、水蒸気透過度6.6~3,700g/(m・24h)の試料に対してJIS-Z-0208法と同等の結果が得られた。また、本装置の測定時間は、いずれの試料に対してもJIS-Z-0208法の1/4以下となった。
Figure 0006994216000001
JIS-Z-0208法及び本装置におけるカップ秤量間隔の概略図を図10に示す。JIS-Z-0208法のカップ秤量は、「カップを恒温恒湿室から取り出し、室温まで冷却し、秤量し、槽内へ戻す」ため、一連の作業に15分程度を要する。この間にカップ周辺の温度及び湿度が変動して測定誤差に繋がるため、この誤差が無視できるように透過時間を24時間(≒1500分)以上とすることがASTM-E96に定められており、JIS-Z-0208もこれに準拠している。
一方、本装置のカップ秤量は15秒程度と極めて短く、秤量中も環境中の温度及び湿度はほぼ変動しないため、JIS-Z-0208法のような長期の透過時間を必要としない。従って、試験片の水蒸気透過度に合わせて秤量間隔を調整することができ、質量変化が計測できる範囲で測定時間の短縮が可能になった。
合板(50mm×50mm×5mm)を試料とし、この試験片を温度40℃、相対湿度50%条件に設定された本装置の恒温恒湿セル内に移し、10分毎に試験片の秤量を行った。続いて、本装置の恒温恒湿セル内を温度40℃、相対湿度90%に再設定し、10分毎に試験片の秤量を行った。更に、恒温恒湿セル内を再び温度40℃、相対湿度50%に戻し、10分毎に試験片の秤量を行った。以上の操作により、図11の通り合板の吸放湿特性を表すことができた。
1 天秤部
1A 秤量皿
2 恒温恒湿室
3 支え台
4 湿潤空気発生装置
5 記録解析部
6 脚長設置皿
6A 試料台
6B 脚部
7,7A,7B 貫通穴
8 位置決め溝
9 位置決めキャップ
10,11 アクチュエータ
12 湿度制御部
13 湿度センサ
14 排出口
15 恒温室

Claims (6)

  1. 試料重量を秤量皿に載置した脚長設置皿によって測定する天秤部と、
    該天秤部上に支え台を介して設置された恒温恒湿室と、
    該恒温恒湿室内の湿度を調整する湿潤空気発生装置と、
    該天秤部で計測した吸放湿状態による試料重量の変化を記録し水蒸気透過度を自動計算する記録解析部と、
    から構成され、
    該脚長設置皿は、該恒温恒湿室の底板に開けた貫通穴を貫通して該天秤部の該秤量皿に置かれる脚部と、
    該脚部を介して該恒温恒湿室内部に配置されるよう該脚部の上端に配置された試料台と、
    を備え、
    該恒温恒湿室内の該試料台に載せられた試料重量を、該湿潤空気発生装置による該恒温恒湿室内の湿度調整下で該恒温恒湿室の外部の該天秤部によって連続的に測定し、該記録解析部にて記録することを特徴とする水蒸気透過度及び質量変化測定装置。
  2. 恒温恒湿室は、脚長設置皿の下方或いは側方に配置したアクチュエータと、
    貫通穴の下方位置で該脚長設置皿の脚部に嵌着された位置決めキャップと、
    秤量皿に設けられて該脚部が離脱可能に支持される位置決め溝と、
    を備え、
    該アクチュエータは、該脚長設置皿が持ち上がる際に該脚部が位置決め溝から離脱し、該位置決めキャップは、該貫通穴を塞いで該恒温恒湿室内からの湿潤空気の漏れを防止し、該位置決めキャップ及び該位置決め溝は、該アクチュエータを元に戻した際に該脚長設置皿を該秤量皿上の所定の位置へ導くことを特徴とする請求項1記載の水蒸気透過度及び質量変化測定装置。
  3. 湿潤空気発生装置は、恒温恒湿室内に設置された湿度センサの計測値をフィードバック制御し、湿潤空気の導入量を増加又は減少させることで該恒温恒湿室内の相対湿度を一定にする湿度制御部を該湿度センサと該湿潤空気発生装置との間に備えたことを特徴とする請求項1又は2記載の水蒸気透過度及び質量変化測定装置。
  4. 恒温恒湿室又は支え台のいずれか又はその両方は、小孔状、スリット状、若しくは多孔性材料による通気性を有する排出口を備え、該排出口から自然的或いは強制的に該恒温恒湿室内の湿潤空気を排出することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか記載の水蒸気透過度及び質量変化測定装置。
  5. 恒温恒湿室は、その底部に内容量2cm以上の恒温室を設け、脚長設置皿の脚部は、該恒温室の上板と底板に開穿した貫通穴を通して天秤部の秤量皿に置かれてなることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか記載の水蒸気透過度及び質量変化測定装置。
  6. 請求項1乃至5のいずれか記載の水蒸気透過度及び質量変化測定装置を用いて、恒温恒湿室内の試料台に載せられた試料重量を、湿潤空気発生装置による該恒温恒湿室内の湿度調整下で該恒温恒湿室の外部の天秤部によって連続的に測定し、記録解析部にて記録する水蒸気透過度測定方法であって、
    該記録解析部は、吸湿剤を詰め試料膜で封じた容器の重量変化を所定の時間間隔で少なくとも3点以上取得し、2つの連続する秤量でそれぞれ単位時間当たりの重量増加を、
    単位時間当たりの重量増加(mg/h)=(m2-m1)/(t2-t1)、
    ここにm2-m1:所定時間あたりの重量変化量(mg)
    t2-t1:所定時間
    によって求め、それが所定範囲内で一定となったことを判断し、その傾きから水蒸気透過度を、
    水蒸気透過度(g/(m・24h))=240×m/(t・s)、
    ここにs:透過面積(cm)、t:試験を行った最後の2つの秤量間隔の時間の合計(h)、m:試験を行った最後の2つの秤量間隔の増加重量の合計(mg)
    によって算出することを特徴とする水蒸気透過度及び質量変化の測定方法。
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