JP6993587B2 - フロン管理システム、管理者ノード及びフロン管理方法 - Google Patents

フロン管理システム、管理者ノード及びフロン管理方法 Download PDF

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Description

本開示は、フロン管理技術に関する。
現状のフロン管理について、空調機の管理者は、フロン充填回収業者に取扱を依頼し、依頼したフロン充填回収業者からフロン回収量又はフロン充填量の報告を受ける。空調機の管理者は、報告されたフロン回収量又はフロン充填量に基づき、フロンの算定漏洩量を当局に報告する。
フロンを管理する既存のシステムとして、日本冷媒・環境保全機構（ＪＲＥＣＯ）の冷媒管理システムがある。ＪＲＥＣＯの冷媒管理システムでは、空調機の管理者が空調機を冷媒管理システムに登録し、フロン充填回収業者が空調機の点検・整備記録を登録する。
https://www.jreco.or.jp/freon_system.html
本開示では、フロン管理システムにおけるデータ真正性を向上させるための技術を提案する。
本開示の一態様は、
ノード群と、
前記ノード群を接続するブロックチェーンネットワークと、
を有するフロン管理システムであって、
所定のフロン関連イベントの発生に応答して、前記フロン関連イベントに関連する発生元ノードが、前記フロン関連イベントに関連するトランザクションを生成し、前記ブロックチェーンネットワークに前記生成したトランザクションを送信し、
前記トランザクションを受信したノードが、前記受信したトランザクションを検証し、
前記ノード群が、承認されたトランザクションから構成されたブロックをブロックチェーンに追加するフロン管理システムが提供される。
本態様によると、各フロン関連イベントに関するデータの真正性を向上させることができる。
一実施例では、前記フロン関連イベントは、フロン生成、フロン破壊、フロン再生、フロン充填、フロン回収、フロン取扱者変更及びフロン使用機器の移動の１つ以上を含んでもよい。
一実施例では、前記トランザクションは、日付、フロン取扱者名、フロン使用機器の識別情報、フロン移動量、フロン種別、フロン取扱状態、取扱者種別、フロン生産者名及びフロン管理者識別情報の１つ以上を含んでもよい。
一実施例では、前記フロン管理者識別情報は、前記ブロックチェーンと異なるデータベースにおいてフロン管理者名と関連付けされてもよい。本実施例によると、フロン流通量は分散台帳において管理され、フロン管理者は別のデータベースで管理されるため、フロン流通量の記録に影響を与えることなく、フロン管理者を変更することができる。
一実施例では、フロン処分費用は、フロン処分に関係するノード間に設定されたマルチシグネチャアドレスを介し受け渡しされてもよい。本実施例によると、フロン処分に関する適正な実施を確保することができる。
一実施例では、前記ノード群は、当該フロン管理システムの管理者ノードを含んでもよい。本実施例によると、特定のノードを管理者ノードとして指定し、フロン管理ステムをプライベート型ブロックチェーンネットワークとして実現することができる。
一実施例では、前記管理者ノードは、前記ブロックチェーンネットワークへのノードの加入を許可し、前記ブロックチェーンネットワークから加入済みノードを離脱させてもよい。
一実施例では、前記管理者ノードが、前記ブロックを構成するためのマイニングを実行したノードに報酬を与えてもよい。本実施例によると、管理者ノード以外のノードがマイニングを実行する動機付けを与えることができる。
一実施例では、前記管理者ノードが、前記ブロックを構成するためのマイニングを実行してもよい。本実施例によると、相対的に計算リソースの高い管理者ノードにマイニングを実行させることができる。
本開示の他の態様は、
ノード群と、前記ノード群を接続するブロックチェーンネットワークとを有するフロン管理システムの管理者ノードであって、
前記ブロックチェーンネットワークに対してノードを加入及び離脱し、前記ノード群のノード情報を管理するノード管理部と、
フロン関連イベントに関連するトランザクションに基づき、前記フロン管理システムにおけるフロン流通状態を監視するトランザクション処理部と、
を有する管理者ノードが提供される。
本態様によると、フロン管理システムにおける真正なデータに基づき、フロン流通量などのフロン流通状態を把握することができる。
本開示の他の態様は、
ブロックチェーンに基づくフロン管理方法であって、
所定のフロン関連イベントの発生に応答して、前記フロン関連イベントに関連する発生元ノードが、前記フロン関連イベントに関連するトランザクションを生成し、ブロックチェーンネットワークに前記生成したトランザクションを送信するステップと、
前記トランザクションを受信したノードが、前記受信したトランザクションを検証するステップと、
前記ブロックチェーンネットワークに接続するノード群が、承認されたトランザクションから構成されたブロックをブロックチェーンに追加するステップと、
を有するフロン管理方法が提供される。
本態様によると、各フロン関連イベントに関するデータの真正性を向上させることができる。
本開示の一実施例によるフロン流通フローを示す概略図である。 本開示の一実施例によるフロン管理システムを示すブロック図である。 本開示の一実施例による管理者ノードの機能構成を示すブロック図である。 本開示の一実施例による加入処理を示す概略図である。 本開示の一実施例によるブロックチェーンを示す概略図である。 本開示の一実施例によるノードの機能構成を示すブロック図である。 本開示の一実施例によるトランザクションにおけるデータ項目を示す図である。 本開示の一実施例によるフロン管理処理を示すフローチャートである。 本開示の一実施例によるマルチシグネチャアドレスの利用例を示す概略図である。 本開示の一実施例による管理者ノード及びノードのハードウェア構成を示すブロック図である。
以下、実施形態を説明する。
以下の実施例では、フロン関連イベントに関するデータを管理するフロン管理システムが開示される。
［本開示の概略］
本開示によるフロン管理システムでは、フロンの生成、充填、回収、再生から破壊までの各フロン関連イベントにおいて記録されるフロン量、フロン使用機器、当該機器の管理者などのフロン関連データをブロックチェーンによって管理する。
空調機に関するフロン関連イベントは、例えば、図１に示されるようなフローになっており、製造業者がまず空調機にフロンを充填すると、充填したフロン量及び空調機がフロン管理システムに記録される。次に、施工業者が当該空調機を建物等に取り付けると、建物の管理者に空調機が移転されたことがフロン管理システムに記録される。その後、空調機にフロンが充填されたり、空調機からフロンが回収された場合、充填又は回収されたフロン量及び充填回収業者がフロン管理システムに記録される。また、空調機が処分等される場合、再生又は破壊されたフロン量が再生業者又は破壊業者と共にフロン管理システムに記録される。これらフロン管理システムに記録されるフロン関連データが、ブロックチェーンネットワークの各ノードの分散台帳上で管理される。
ブロックチェーン形式により保存されたデータは改ざん困難であり、フロン管理システムの管理者は、例えば、アプリケーションサーバを介し分散台帳上で管理される信頼できるデータから、現在のフロン総量や、建物の管理者ごとの管理しているフロン量、不正取引などを把握することができる。
［フロン管理システム］
まず、図２を参照して、本開示の一実施例によるフロン管理システムの構成を説明する。本実施例によるフロン管理システムは、限定することなく、プライベート型ブロックチェーンネットワークとして実現され、管理者ノードなどの信頼される一部のノードによって検証及び承認されたトランザクションから構成されたブロックが、ブロックチェーンとしてノード間に分散管理される。図２は、本開示の一実施例によるフロン管理システムの構成を示すブロック図である。
図２に示されるように、フロン管理システム１０は、管理者ノード５０及びノード１００を有し、管理者ノード５０及びノード１００は、例えば、インターネットなどのネットワークを介し通信接続される。管理者ノード５０は、例えば、フロン管理システム１０の運営主体によって運用されるサーバなどの計算装置であってもよく、各ノード１００は、例えば、空調機などのフロン使用機器の製造業者及び施工業者、フロンを充填及び／又は回収する充填回収業者、回収したフロンを再生する再生業者、回収したフロンを破壊する破壊業者などのフロン関連処理を実行する各業者のＰＣ（Ｐｅｒｓｏｎａｌ Ｃｏｍｐｕｔｅｒ）などのユーザ端末であってもよい。
管理者ノード５０は、フロン管理システム１０のノードであり、エージェントサーバとして機能する。管理者ノード５０は、プライベート型ブロックチェーンネットワークとして実現されるフロン管理システム１０を運営する。図示された実施例では、１つの管理者ノード５０しか示されていないが、本開示はこれに限定されず、複数の管理者ノード５０が配置されてもよい。
［管理者ノード］
次に、図３～５を参照して、本開示の一実施例による管理者ノード５０を説明する。図３は、本開示の一実施例による管理者ノード５０の機能構成を示すブロック図である。
図３に示されるように、管理者ノード５０は、ノード管理部５１及びトランザクション処理部５２を有する。
ノード管理部５１は、ブロックチェーンネットワークに対するノード１００の加入及び離脱を実行すると共に、ノード群１００のノード情報を管理する。具体的には、ノード管理部５１は、フロン管理システム１０に対するノード１００の所属の可否を決定し、すなわち、ブロックチェーンネットワークへのノード１００の加入を許可すると共に、ブロックチェーンネットワークから加入済みノード１００を離脱させうる。また、ノード管理部５１は、加入済みの各ノード１００の識別情報、公開鍵などのノード情報を保持する。
例えば、ある業者がフロン管理システム１０への加入を所望する場合、図４に示されるように、当該業者はまず、ステップＳ１０１において、自らのユーザ端末などを介し管理者ノード５０にアクセスし、必要な情報と共に加入リクエストを管理者ノード５０に送信する。
業者のユーザ端末から加入リクエストを受信すると、管理者ノード５０は、受信した情報に基づき当該業者の加入可否を判定し、加入を認める場合、ノード管理部５１は、ステップＳ１０２において、フロン管理システム１０のノード１００として機能するためのノード用ツール又はアプリケーションを業者のユーザ端末に配布する。例えば、当該加入可否は、業者から受信した情報に基づき自動的に行われてもよいし、あるいは、業者から受信した情報に基づき管理者によって審査された審査結果に基づき行われてもよい。
加入が承認されて、ノード用ツール又はアプリケーションを受信すると、業者は、ステップＳ１０３において、ユーザ端末上に受信したノード用ツール又はアプリケーションをインストールする。例えば、当該インストール処理では、業者は、ブロックチェーンネットワークにアクセスするための識別情報及びパスワードを設定すると共に、ブロックチェーンネットワークにおいて用いる秘密鍵及び公開鍵を作成する。
ノード用ツール又はアプリケーションのインストール処理が完了した後、業者は、ステップＳ１０４において、作成した秘密鍵をユーザ端末内に保持する一方、作成した公開鍵を管理者ノード５０に送信することによって、フロン管理システム１０に参加する。ノード管理部５１は、このようにして業者から受信した公開鍵を、当該業者の識別情報と共に保持する。
また、フロン管理に違反があったり、フロン管理システム１０の規約に違反した業者については、ノード管理部５１は、当該業者のノード１００によるフロン管理システム１０へのアクセスを不可とし、ブロックチェーンネットワークから離脱させてもよい。
トランザクション処理部５２は、フロン関連イベントに関連するトランザクションに基づき、フロン管理システム１０におけるフロン関連イベントを監視する。例えば、フロン関連イベントは、フロン生成、フロン破壊、フロン再生、フロン充填、フロン回収、フロン取扱者変更及びフロン使用機器（例えば、空調機、冷蔵庫、ボンベなど）の移動の１つ以上を含むものであってもよく、トランザクションは、日付、フロン取扱者名、フロン使用機器の識別情報、フロン移動量、フロン種別、フロン取扱状態、取扱者種別、フロン生産者名及びフロン管理者識別情報の１つ以上を含むものであってもよい。具体的には、フロン管理システム１０に加入しているノード１００が、これらのフロン関連イベントを実行すると、ノード１００は、当該フロン関連イベントに関連するトランザクションを生成し、ブロックチェーンネットワークの管理者ノード５０に生成したトランザクションを送信する。ここで、トランザクションは、実行されたフロン関連イベントに関する取引情報のハッシュ値と、当該ハッシュ値をノード１００の秘密鍵によって符号化したデータとを含んでもよい。
このようにして生成されたトランザクションをノード１００から受信すると、トランザクション処理部５２は、受信したトランザクションを検証し、承認されたトランザクションからブロックを構成する。例えば、トランザクションを検証するため、トランザクション処理部５２は、ノード管理部５１に保持されているノード１００の公開鍵によって符号化されているデータを復号化し、復号化されたデータとトランザクションに含まれるハッシュ値とを比較する。復号化されたデータとハッシュ値とが一致する場合、トランザクション処理部５２は、当該トランザクションを承認及び保持する。
ノード群１００から受信したトランザクションを検証した後、所定のブロック生成条件を充足すると、トランザクション処理部５２は、図５に示されるように、保持している承認済みのトランザクションからブロックを構成し、構成したブロックをブロックチェーンネットワークの各ノード１００に配信する。例えば、ブロックｉは、直前のブロックｉ－１の生成後に承認されたトランザクションと、ブロックｉ－１をマイニングすることによって生成されたハッシュ値とから構成され、ブロック０からブロックｉ－１まで繋がるブロックチェーンに追加される。
一例では、トランザクション処理部５２は、以前に構成されたブロックに対してマイニングを実行し、当該マイニングによって生成されたハッシュ値と承認済みのトランザクションからブロックを構成し、当該ブロックをノード１００群に分散管理されるブロックチェーンに追加してもよい。
他の例では、トランザクション処理部５２は、他のノード１００がマイニングを実行することによって生成されたハッシュ値と、承認済みのトランザクションからブロックを構成し、当該ブロックをノード１００群に分散管理されるブロックチェーンに追加してもよい。この場合、トランザクション処理部５２は、ブロックを構成するためのマイニングを実行したノード１００に報酬を与えてもよい。これにより、計算負荷の大きなマイニングを管理者ノード５０のみに実行させることなく、ノード１００群に負荷分散させるインセンティブを与えることが可能になる。
一実施例では、トランザクション処理部５２は、ブロックチェーンに記録されているフロン関連イベントのデータに基づきフロンの流通量を監視してもよい。具体的には、フロンの生成、破壊、再生、充填及び回収などの対象となるフロン量をブロックチェーンに記録することによって、現在流通しているフロン総量、何れの量のフロンが何れの業者の管理下にあるか、などのフロン流通状態を把握することが可能である。例えば、トランザクション処理部５２は、あるノード１００に関係するトランザクションを監視し、当該ノード１００に対するフロンの流入量と流出量との間に有意な不一致がある場合、当該業者においてフロンが不正に廃棄されている可能性があると判断できる。
例えば、当該監視は、管理者がフロンの算定漏洩量の報告書を作成するとき、管理者が特定の空調機のフロンの状態を確認するとき、管理者が自ら関係するフロンの状態を確認するときなどに起動されてもよい。管理者がフロンの算定漏洩量の報告書を作成するとき、トランザクション処理部５２は、分散台帳に記録されているトランザクションにおけるフロンの生成量、回収量、充填量及び破壊量からフロンの算定漏洩量を算出してもよい。また、管理者が特定の空調機のフロンの状態を確認するとき、トランザクション処理部５２は、分散台帳に記録されているトランザクションにおける当該空調機に関連するフロン取扱状態、取扱状態毎のフロン量及び取扱者名などを出力してもよい。また、管理者が自ら関係するフロンの状態を確認するとき、トランザクション処理部５２は、分散台帳に記録されているトランザクションにおける当該管理者が関係した全てのフロン取扱状態、取扱状態毎のフロン量及び取扱者名などを出力してもよい。
［ノード］
次に、図６及び７を参照して、本開示の一実施例によるノード１００を説明する。ノード１００は、例えば、各業者のパーソナルコンピュータなどの計算装置として実現され、当該計算装置には、フロン管理システム１０にアクセスするために管理者ノード５０から提供されたツール又はアプリケーションなどがインストールされる。図６は、本開示の一実施例によるノード１００の機能構成を示すブロック図である。
図６に示されるように、ノード１００は、トランザクション処理部１１０及び分散台帳管理部１２０を有する。
トランザクション処理部１１０は、フロン関連イベントの発生に応答して、当該フロン関連イベントに関連するトランザクションを生成し、ブロックチェーンネットワークに生成したトランザクションを送信する。例えば、フロン関連イベントは、フロン生成、フロン破壊、フロン再生、フロン充填、フロン回収、フロン取扱者変更及びフロン使用機器（例えば、空調機、冷蔵庫、ボンベなど）の移動の１つ以上を含むものであってもよく、トランザクションは、日付、フロン取扱者名、フロン使用機器の識別情報、フロン移動量、フロン種別、フロン取扱状態、取扱者種別、フロン生産者名及びフロン管理者識別情報の１つ以上を含むものであってもよい。
例えば、トランザクション処理部５２は、フロン関連イベントの発生に応答して、図７に示されるようなデータ項目を含むトランザクションを生成してもよい。
データ項目"取引年月日"には、当該トランザクションが発生した年月日が示される。
データ項目"Ｆｒｏｍ（前の取扱者）"には、フロンの移動前のフロン取扱者が示され、データ項目"Ｔｏ（次の取扱者）"には、フロンの移動後のフロン取扱者が示される。例えば、当該フロン関連イベントがフロン使用機器の移動である場合、移動前のフロン使用機器の取扱者が"Ｆｒｏｍ（前の取扱者）"に示され、移動後のフロン使用機器の取扱者が"Ｔｏ（次の取扱者）"に示される。
データ項目"空調機ＩＤ"には、フロンが充填されている空調機のＩＤが示される。当該"空調機ＩＤ"によって、当該空調機にひも付けされるフロンを検索することができる。
データ項目"フロン移動量"には、トランザクションで移動するフロン量が示される。例えば、当該フロン関連イベントがフロン充填である場合、"フロン移動量"には、充填されたフロン量が示される。
データ項目"フロン種類"には、トランザクションでやりとりされたフロンの種類が示される。
データ項目"フロン取扱い状態"には、トランザクションで扱われたフロンの状態（例えば、再生待ち、破壊待ち、回収済みなど）が示される。例えば、当該フロン関連イベントがフロン破壊である場合、"フロン取扱い状態"には"破壊待ち"が示される。
データ項目"取扱者種類"には、フロン取扱者の種類（例えば、生産・製造業者、充填回収業者、再生業者、破壊業者など）が示される。
データ項目"フロン取扱者名"には、フロン取扱者の名称が示される。
データ項目"フロン管理者ＩＤ"には、フロン管理者の識別情報（ＩＤ）が示される。ここで、"フロン管理者ＩＤ"は、ブロックチェーンのための分散台帳と異なるデータベースにおいてフロン管理者名と関連付けされてもよい。すなわち、フロンの移動に関するデータは分散台帳で管理され、管理者に関する情報は別のデータベースで管理される。これにより、管理者側の組織変更などがフロンの分散台帳に影響を与えず、組織体制の変更に柔軟に対応可能となる。
なお、上述したデータ項目は単なる一例であり、他のデータ項目が含まれてもよいし、あるいは、上述したデータ項目の一部は省略されてもよい。
また、フロン関連イベントの種別に応じて、異なるデータ項目が利用されてもよい。
例えば、フロン生成では、"取引年月日"、"フロン生成量"、"フロン種類"、"フロン生産者名"及び"フロン取扱い状態（例えば、生成）"のデータ項目にデータが当該フロン生産者によって入力され、トランザクションが生成されてもよい。
また、フロン破壊では、"取引年月日"、"フロン破壊量"、"フロン種類"、"フロン破壊業者名"及び"フロン取扱い状態（例えば、破壊済み）"のデータ項目にデータが当該フロン破壊業者によって入力され、トランザクションが生成されてもよい。
また、フロン再生では、"取引年月日"、"フロン再生量"、"フロン種類"、"フロン再生業者名"及び"フロン取扱い状態（例えば、再生済み）"のデータ項目にデータが当該フロン再生業者によって入力され、トランザクションが生成されてもよい。
また、フロン充填・回収では、"取引年月日"、"フロン充填・回収量"、"フロン種類"、"空調機ＩＤ"、"充填回収業者名"及び"フロン取扱い状態（例えば、充填回収済み、再生待ち／済み、破壊待ち／済み）"のデータ項目にデータが当該フロン充填回収業者によって入力され、トランザクションが生成されてもよい。
また、フロン取扱者変更では、"取引年月日"、"フロン取扱者名（例えば、変更前後のフロン取扱者名）"、"フロン量"、"フロン種類"及び"フロン取扱い状態（例えば、回収待ち／済み、再生待ち／済み、破壊待ち／済み）"のデータ項目にデータが当該フロン取扱者によって入力され、トランザクションが生成されてもよい。
また、フロン使用機器の移動では、"取引年月日"、"空調機ＩＤ"及び"空調機の移動前後の場所"のデータ項目にデータが当該機器移動業者によって入力され、トランザクションが生成されてもよい。
分散台帳管理部１２０は、管理者ノード５０から配信されたブロックを分散台帳に格納する。承認済みのトランザクションからブロックが生成されると、生成されたブロックはブロックチェーンネットワークのノード群１００に配信される。各ノード１００の分散台帳管理部１２０は、受信したブロックを保持しているブロックチェーンに追加して格納する。このようにして、承認されたトランザクションを格納したブロックがブロックチェーン形式で各ノード１００に記録され、実質的にデータが改ざんされることを不可能にする。
［フロン管理処理］
次に、図８～１０を参照して、本開示の一実施例によるフロン管理処理を説明する。当該フロン管理処理は、上述したフロン管理システム１０における管理者ノード５０及びノード１００によって実現され、例えば、管理者ノード５０及びノード１００のプロセッサがプログラム又は命令を実行することによって実現されてもよい。図８は、本開示の一実施例によるフロン管理処理を示すフローチャートである。
図８に示されるように、ステップＳ２０１において、管理者ノード５０は、ノード１００からトランザクションを受信する。具体的には、フロン生成、フロン破壊、フロン再生、フロン充填、フロン回収、フロン取扱者変更、又はフロン使用機器の移動などのフロン関連イベントが行われると、当該フロン関連イベントに関連するノード１００は、当該フロン関連イベントに関連するトランザクションを生成し、ブロックチェーンネットワークの管理者ノード５０に生成したトランザクションを送信する。
例えば、ノード１００は、日付、フロン取扱者名、フロン使用機器の識別情報、フロン移動量、フロン種別、フロン取扱状態、取扱者種別、フロン生産者名及びフロン管理者識別情報などのデータからトランザクションを生成するため、当該データのハッシュ値を算出し、算出したハッシュ値を当該ノード１００の秘密鍵によって符号化した署名を、算出したハッシュ値と共にトランザクションに含めてもよい。
なお、本実施例では、フロン管理システム１０は、管理者ノード５０がトランザクションを検証し、承認されたトランザクションからブロックを生成するプライベート型ブロックチェーンネットワークとして実現されるが、本開示によるブロックチェーンネットワークは必ずしもこれに限定されるものでない。例えば、管理者ノード５０はノードの加入及び離脱とフロン管理システム１０にアクセスするためのツール又はアプリケーションの配布とを主として担当し、トランザクションの検証及び／又はブロックの生成は、管理者ノード５０だけでなくノード１００も行う形態のブロックチェーンネットワークであってもよい。この場合、ノード１００によって生成されたトランザクションは、例えば、管理者ノード５０及び／又は他のノード１００に配信され、管理者ノード５０及び／又は他のノード１００によって検証されてもよい。検証されたトランザクションは、承認済みトランザクションとして管理者ノード５０に保持されてもよい。
ステップＳ２０２において、管理者ノード５０は、受信したトランザクションを検証する。具体的には、管理者ノード５０は、送信元ノード１００の公開鍵によってトランザクションの署名を復号化し、復号化結果とトランザクションのハッシュ値とを比較する。復号化結果とトランザクションのハッシュ値とが一致する場合、管理者ノード５０は、受信したトランザクションを承認し、承認済みトランザクションとして保持する。他方、復号化結果とトランザクションのハッシュ値とが一致しない場合、管理者ノード５０は、受信したトランザクションを承認しない。
ステップＳ２０３において、管理者ノード５０は、ブロック生成条件が充足されたか判断する。ブロック生成条件は、例えば、１０分間などの所定のブロック生成間隔が経過したことであってもよい。
ブロック生成条件が充足されていない場合（Ｓ２０４：ＮＯ）、管理者ノード５０は、ステップＳ２０１に戻り、次のトランザクションを受信する。他方、ブロック生成条件が充足されている場合（Ｓ２０４：ＹＥＳ）、管理者ノード５０は、ステップＳ２０４において、承認済みトランザクションからブロックを構成する。具体的には、管理者ノード５０は、自らマイニングを実行することによって、あるいは、他のノード１００にマイニングを実行させることによって取得したハッシュ値と、承認済みトランザクションとからブロックを生成する。
ステップＳ２０５において、管理者ノード５０は、新たに構成したブロックを自らの分散台帳に保持しているブロックチェーンに追加すると共に、ブロックチェーンネットワークのノード群１００に配信する。管理者ノード５０からブロックを受信すると、各ノード１００は、受信したブロックを自らの分散台帳に保持しているブロックチェーンに追加する。そして、管理者ノード５０は、ステップＳ２０１に戻って、次のブロックのためのトランザクションを受信する。
一実施例では、フロン処分費用は、フロン処分に関係するノード１００間に設定されたマルチシグネチャアドレスを介し受け渡しされてもよい。
例えば、図９に示されるように、ステップＳ３０１において、空調機の管理者（例えば、ビルオーナー）が管理者ノード５０を介し回収業者に当該空調機の処分を依頼する。例えば、管理者は、管理者ノード５０から提供される回収業者のリストから回収業者を指定して、空調機の処分を依頼してもよい。
ステップＳ３０２において、回収業者は破壊業者（又は再生業者）の登録を管理者ノード５０に依頼する。
ステップＳ３０３において、管理者ノード５０は、管理者ノード５０、回収業者のノード１００及び破壊業者のノード１００の間の２－ｏｆ－３マルチシグネチャアドレスを生成する。
ステップＳ３０４において、管理者ノード５０は、空調機の管理者からフロン処分費用を受け取ると、フロン処分費用を示すトランザクションをマルチシグネチャアドレスに送信する。フロン処分費用は、当該管理者のウォレットなどから自動的に引き落とされてもよい。
ステップＳ３０５において、回収業者は、依頼された空調機からフロンを回収する。
ステップＳ３０６において、回収業者のノード１００は、フロン回収に係った費用をリクエストする署名付きのトランザクションをマルチシグネチャアドレスに送信する。
ステップＳ３０７において、回収業者は、回収したフロンを破壊業者に引き渡す。
ステップＳ３０８において、破壊業者のノード１００は、フロン破壊に係った費用をリクエストする署名付きのトランザクションをマルチシグネチャアドレスに送信する。
ステップＳ３０９において、回収業者のノード１００及び破壊業者のノード１００からの署名を受け取ったため、回収費用及び破壊費用が、マルチシグネチャアドレスから回収業者のノード１００及び破壊業者のノード１００のそれぞれに送金される。
本実施例によると、２－ｏｆ－３マルチシグネチャアドレスを利用することによって、確実なフロン処分及び費用の受け渡しが可能となり、フロン処分に係る不正を防止することができる。
［ノードのハードウェア構成］
管理者ノード５０及びノード１００は、例えば、図１０に示されるようなハードウェア構成を有してもよい。すなわち、管理者ノード５０及びノード１００は、バスＢを介し相互接続されるドライブ装置１０１、補助記憶装置１０２、メモリ装置１０３、ＣＰＵ（Ｃｅｎｔｒａｌ Ｐｒｏｃｅｓｓｉｎｇ Ｕｎｉｔ）１０４、インタフェース装置１０５及び通信装置１０６を有する。
管理者ノード５０及びノード１００における上述した各種機能及び処理を実現するプログラムを含む各種コンピュータプログラムは、ＣＤ－ＲＯＭ（Ｃｏｍｐａｃｔ Ｄｉｓｋ－Ｒｅａｄ Ｏｎｌｙ Ｍｅｍｏｒｙ）などの記録媒体１０７によって提供されてもよい。プログラムを記憶した記録媒体１０７がドライブ装置１０１にセットされると、プログラムが記録媒体１０７からドライブ装置１０１を介して補助記憶装置１０２にインストールされる。但し、プログラムは必ずしも記録媒体１０７からインストールされる必要はなく、ネットワークなどを介し何れかの外部装置からダウンロードするようにしてもよい。補助記憶装置１０２は、インストールされたプログラムを格納すると共に、必要なファイルやデータなどを格納する。メモリ装置１０３は、プログラムの起動指示があった場合に、補助記憶装置１０２からプログラムやデータを読み出して格納する。プロセッサとして機能するＣＰＵ１０４は、メモリ装置１０３に格納されたプログラムやプログラムを実行するのに必要なパラメータなどの各種データに従って、上述した管理者ノード５０及びノード１００の各種機能及び処理を実行する。インタフェース装置１０５は、ネットワーク又は外部装置に接続するための通信インタフェースとして用いられる。通信装置１０６は、外部装置と通信するための各種通信処理を実行する。
しかしながら、管理者ノード５０及びノード１００は、上述したハードウェア構成に限定されるものでなく、他の何れか適切なハードウェア構成により実現されてもよい。
以上、実施形態を説明したが、特許請求の範囲の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多用な変更が可能なことが理解されるであろう。
１０ フロン管理システム
５０ 管理者ノード
５１ ノード管理部
５２ トランザクション処理部
１００ ノード
１１０ トランザクション処理部
１２０ 分散台帳管理部

Claims (9)

  1. ノード群と、
    前記ノード群を接続するブロックチェーンネットワークと、
    を有するフロン管理システムであって、
    所定のフロン関連イベントの発生に応答して、前記フロン関連イベントに関連する発生元ノードが、前記フロン関連イベントに関連するトランザクションを生成し、前記ブロックチェーンネットワークに前記生成したトランザクションを送信し、
    前記トランザクションを受信したノードが、前記受信したトランザクションを検証し、
    前記ノード群が、承認されたトランザクションから構成されたブロックをブロックチェーンに追加し、
    前記トランザクションは、フロン管理者識別情報を含み、
    前記フロン管理者識別情報は、前記ブロックチェーンと異なるデータベースにおいてフロン管理者名と関連付けされる、フロン管理システム。
  2. 前記フロン関連イベントは、フロン生成、フロン破壊、フロン再生、フロン充填、フロン回収、フロン取扱者変更及びフロン使用機器の移動の１つ以上を含む、請求項１記載のフロン管理システム。
  3. 前記トランザクションは、日付、フロン取扱者名、フロン使用機器の識別情報、フロン移動量、フロン種別、フロン取扱状態、取扱者種別及びフロン生産者名の１つ以上を含む、請求項１又は２記載のフロン管理システム。
  4. フロン処分費用は、フロン処分に関係するノード間に設定されたマルチシグネチャアドレスを介し受け渡しされる、請求項１乃至３何れか一項記載のフロン管理システム。
  5. 前記ノード群は、当該フロン管理システムの管理者ノードを含む、請求項１乃至４何れか一項記載のフロン管理システム。
  6. 前記管理者ノードは、前記ブロックチェーンネットワークへのノードの加入を許可し、前記ブロックチェーンネットワークから加入済みノードを離脱させる、請求項５記載のフロン管理システム。
  7. 前記管理者ノードが、前記ブロックを構成するためのマイニングを実行したノードに報酬を与える、請求項５又は６記載のフロン管理システム。
  8. 前記管理者ノードが、前記ブロックを構成するためのマイニングを実行する、請求項５乃至７何れか一項記載のフロン管理システム。
  9. ブロックチェーンに基づくフロン管理方法であって、
    所定のフロン関連イベントの発生に応答して、前記フロン関連イベントに関連する発生元ノードが、前記フロン関連イベントに関連するトランザクションを生成し、ブロックチェーンネットワークに前記生成したトランザクションを送信するステップと、
    前記トランザクションを受信したノードが、前記受信したトランザクションを検証するステップと、
    前記ブロックチェーンネットワークに接続するノード群が、承認されたトランザクションから構成されたブロックをブロックチェーンに追加するステップと、
    を有し、
    前記トランザクションは、フロン管理者識別情報を含み、
    前記フロン管理者識別情報は、前記ブロックチェーンと異なるデータベースにおいてフロン管理者名と関連付けされる、フロン管理方法。
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