JP6992518B2 - タイヤ騒音低減装置 - Google Patents

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本発明は、車両の走行時におけるタイヤの溝に起因する騒音を車室内外において低減させるタイヤ騒音低減装置に関し、詳しくは、路面状態に応じてパターンノイズの低減を図るタイヤ騒音低減装置に関する。
従来、車両の走行に伴って生じる騒音を能動的に低減することができる車両用騒音低減装置が知られている(例えば、特許文献1を参照。)。特許文献1に記載された車両用騒音低減装置は、転動するタイヤが路面と接触することにより発生する接触音(ロードノイズ)や、エンジンノイズ等を低減する装置であり、車室内の騒音検出部により車室内の騒音を検出し、その音に対応する打消音を、乗員の受聴点近傍に配置されたスピーカから発生することにより、騒音を低減している。更に、路面から車室内への各種ノイズとなる振動の伝達経路中に介設された弾性部材に設けられた歪センサによって前記振動による歪みを検出し、その歪みを考慮して適応フィルタの係数を制御する。これにより、弾性部材の歪みによって変化した鋼性によって伝達特性が変化しても(例えば、鋼性の上昇より高域の減衰が減少しても)、打消音の高域の低減率を高めて騒音低減性能を保つことができるとされている。
特開2015-166857号公報
車両のタイヤが発生する騒音として、タイヤが路面と接することにより生じる振動が車内に伝播するロードノイズと、タイヤに刻まれた溝(トレッドパターン)に起因してタイヤと路面との間で発生するパターンノイズが挙げられる。通常、パターンノイズはロードノイズよりも周波数が高く、乗員に不快感を与える。特許文献1に開示されている能動型振動制御装置は、路面から車室内までの伝達経路中に歪センサを設けることにより打消音の調節を行っており、ロードノイズを低減させることができるものと考えられる。しかし、タイヤのトレッドパターンに起因するタイヤが路面と接することにより生じる振動が車内に伝播するパターンノイズの低減については検討されていない。タイヤは、トレッドパターンによって特有のパターンノイズを生じる。また、路面がアスファルト舗装であるかコンクリート舗装であるか、路面が濡れているか乾いているか等、路面状態によって騒音は大きく変化する。
本発明は、上記現状に鑑みてなされたもので、車両の走行時において路面状態によって変化するパターンノイズの低減を図るタイヤ騒音低減装置を提供することを目的とする。
前記問題点を解決するために、本第1発明は、タイヤの溝に起因し、走行する車両の前記タイヤと路面との間に発生する騒音を低減させるタイヤ騒音低減装置であって、前記タイヤよりも前の位置に配設され、前記位置の下方の路面により生じる信号を路面信号として取得する検知部と、タイヤハウス又は前記タイヤのシャフト付近に設けられ、前記タイヤと路面との接触部に向けて音波を発するスピーカと、前記検知部により取得された前記路面信号により路面状態を判別し、路面状態に応じた打消信号を生成して前記スピーカから打消音波を発生させる制御部と、を備え、前記制御部は、車速及び前記検知部と前記接触部との距離に基づいて、前記車両の進行に伴って前記タイヤが前記判別した路面状態の位置に接するときの騒音の予測を行うことにより前記打消信号を生成することを要旨とする。
本第2発明は、前記第1発明において、前記検知部はカメラを具備し、前記路面信号として前記カメラにより得られる路面画像を取得することを要旨とする。
本第3発明は、前記第1発明又は第2発明において、予め所定の路面状態において取得された路面信号を基準路面信号として記憶すると共に、前記所定の路面状態において生成され前記基準路面信号に関連付けられた打消信号を基準打消信号として記憶する記憶部を備え、前記制御部は、前記基準路面信号に基づいて路面状態を判別すると共に、前記基準路面信号と対応する前記基準打消信号に基づいて前記打消信号を生成することを要旨とする。
本第4発明は、前記第1発明乃至第3発明のいずれかにおいて、前記制御部は、前記車両の車速及び操舵角により前記騒音の予測を行うと共に前記打消信号を調整することを要旨とする。
本第5発明は、前記第1発明乃至第4発明のいずれかにおいて、前記タイヤと路面との間に発生する騒音を検出する騒音検知部を更に備え、前記制御部は、検出された前記騒音により前記打消信号を補正することを要旨とする。
本第6発明は、前記第1発明乃至第5発明のいずれかにおいて、前記検知部は発光器及び受光器を具備し、前記路面信号として路面により反射された前記発光器の光信号を前記受光器により取得することを要旨とする。
本第1発明によれば、タイヤの溝に起因し、走行する車両のタイヤと路面との間に発生する騒音を低減させるタイヤ騒音低減装置であって、タイヤよりも前の位置に配設され、路面により生じる信号を路面信号として取得する検知部と、タイヤと路面との接触部に向けて音波を発するスピーカと、検知部により取得された路面信号により路面状態を判別し、路面状態に応じた打消信号を生成してスピーカから打消音波を発生させる制御部と、を備え、制御部は、車両の進行に伴ってタイヤが判別した路面状態の位置に接するときの騒音の予測を行うことにより前記打消信号を生成するため、走行する路面状態に応じてパターンノイズを効果的に低減することができる。また、タイヤ面が接地する前に接地する路面状態が判別されるため、発生した騒音を検出することにより打消信号を生成する場合に生じる時間遅れがなく、騒音に対して最適なタイミングで打消音波を出力することができる。
検知部はカメラを具備し、路面信号としてカメラにより得られる路面画像を取得する場合には、路面状態について多様な情報を取得可能であり、その路面画像の特徴から路面状態を判断することができる。
予め所定の路面状態において取得された路面信号を基準路面信号として記憶すると共に、前記所定の路面状態において生成され基準路面信号に関連付けられた打消信号を基準打消信号として記憶する記憶部を備え、制御部は、基準路面信号に基づいて路面状態を判別すると共に、基準路面信号と対応する基準打消信号に基づいて打消信号を生成する場合は、取得された路面信号の特徴と基準路面信号の特徴とを対比することによって現在の路面状態を判別することができ、その路面状態に応じた打消信号として基準打消信号を適用することができるため、制御をより簡単且つ高速にすることが可能になる。
制御部は、車両の車速及び操舵角により騒音の予測を行うと共に打消信号を調整する場合は、判別された路面状態の位置の路面にタイヤ面が接地するまでの遅延時間、即ち対応する打消音波を発生させるまでの時間を車速に応じて調整すると共に、車速及び操舵角に応じて基準打消信号を変更したり打消信号を補正したりすることにより、遅延なく適切な打消音波を発生させることができる。
タイヤと路面との間に発生する騒音を検出して騒音信号を取得する騒音検知部を更に備え、制御部は、検出された騒音により打消信号を補正する場合は、検出された騒音により打消信号の強さ・位相等のずれを補正することにより、実際に発生する騒音に対してより効果的な打消音波とすることができる。
検知部は発光器及び受光器を具備し、路面信号として路面により反射された発光器の光信号を受光器により取得する場合には、より簡単な構成により、路面信号を取得し路面状態を判別することができる。
本発明について、本発明による典型的な実施形態の非限定的な例を挙げ、言及された複数の図面を参照しつつ以下の詳細な記述によって更に説明するが、同様の参照符号は図面のいくつかの図を通して同様の部品を示す。
タイヤ騒音低減装置の構成を説明するためのブロック図である。 タイヤ騒音低減装置の構成を説明するための模式図である。 発光器及び受光器を具備する検知部の例を説明するための模式図である。 マイクロホン及びスピーカを車両に配設する例を説明するための模式図である。 マイクロホン及びスピーカを車両に配設する例を説明するための模式図である。 マイクロホン及びスピーカを車両に配設する例を説明するための模式図である。 タイヤのトレッドパターンの例を示す模式斜視図である。
以下、図を参照しながら、本発明を詳しく説明する。
ここで示される事項は例示的なもの及び本発明の実施形態を例示的に説明するためのものであり、本発明の原理と概念的な特徴とを最も有効に且つ難なく理解できる説明であると思われるものを提供する目的で述べたものである。この点で、本発明の根本的な理解のために必要である程度以上に本発明の構造的な詳細を示すことを意図してはおらず、図面と合わせた説明によって本発明の幾つかの形態が実際にどのように具現化されるかを当業者に明らかにするものである。
1.タイヤ騒音低減装置の構成
図1及び2は、本実施形態に係るタイヤ騒音低減装置(1)の構成を表している。
タイヤ騒音低減装置(1)は、自動車等の車両(8)のタイヤ(83)のトレッドパターンである溝(84、図7を参照。)に起因し、走行する車両(8)のタイヤ(83)と路面(9)との間に発生する騒音(パターンノイズ)を低減させる装置である。
タイヤ騒音低減装置(1)は、タイヤ(83)よりも前(進行方向M側)の位置に配設され、路面(9)により生じる信号を路面信号として取得する検知部(2)と、タイヤ(83)と路面(9)との接触部(91)に向けて音波を発するスピーカ(3)と、検知部(2)により取得された路面信号により路面状態を判別し、路面状態に応じた打消信号を生成してスピーカ(3)から打消音波を発生させる制御部(4)と、を備える。
また、タイヤ騒音低減装置(1)は、記憶部(5)及び騒音検知部(6)を更に備えることができる。
検知部(2)は、タイヤ(83)面が接触することとなる路面(9)の状態を検知するためのセンサである。パターンノイズは、路面状態により大きさ、周波数、波形等が変化する。路面状態としては、例えば、路面の舗装(アスファルト、コンクリート等)、表面の凹凸・粗度、濡れ、砂、石、砂利等の状態が挙げられる。
検知部(2)は、そのような路面状態により変化する信号を、路面信号として取得するように構成される。路面により生じる信号を得る方法は特に問わず、例えば、光(赤外光等)、音波、電波等を用いることができる。
図1及び2においては、検知部(2)としてカメラ(21)を備える例を示している。この場合、路面信号としてカメラ(21)により撮像される路面(9)の画像(路面画像)を取得することができる。
図示されるように、車両(8)において、カメラ(21)はタイヤ(83)よりも前(車両の進行方向Mにおける前方)の位置に配設されているため、検知部(2)はタイヤ(83)面が接地することになる路面状態を事前に取得することができる。
検知部(2)により取得された路面信号は、制御部(4)に送られる。制御部(4)は、取得された路面信号により路面状態を判別し、路面状態に応じた打消信号を生成してスピーカ(3)から打消音波を発生させるように構成されている。路面状態の判別方法は特に問わず、路面信号として路面画像が取得される場合、必要な画像処理を行い、例えば、その画像の輝度分布、空間周波数等の特徴を抽出することにより路面状態を判別するように構成することができる。
そして、制御部(4)は、判別された現在の路面状態を基に、車両(8)の進行に伴ってタイヤ(83)面が路面(9)に接する時点における騒音の予測を行い、予測される騒音に対する打消信号を生成するように構成される。ここで「騒音の予測」とは、検知部(2)により路面状態が検出された時から、検出された位置の路面に実際にタイヤ(83)面が接地するまでには遅延時間があるため、その遅延時間を算出して、実際にタイヤ(83)面が接地する時に生じる騒音を予測することを意図している。制御部(4)は、その予測される騒音に対する打消信号を生成する。上記遅延時間は、検知部(2)とタイヤ(83)の接地面との距離、及び車速によって求めることができる。遅延時間を算出するため、制御部(4)は、検出される路面信号の時間的変化から車速を求めるように構成することができる。また、車速は、車両(8)に設けられているECU(86)等から取得するように構成することもできる。
上記打消信号は、スピーカ(3)に出力することによって打消音波を発したとき騒音を打ち消すように作用する信号であり、騒音と合成したときに音圧が低減される信号とすることができる。通常、打消信号は騒音の波形とは逆位相となる信号である。
打消信号は、予め、使用される種類のタイヤについて、各種の路面状態において取得された路面信号、及びその路面状態における騒音信号又は最適な打消信号に基づいて生成するようにすることができる。所定の路面状態における路面信号及び騒音信号(打消信号)は、種々の車速において取得し、それらを関連付けてデータベースとしておくことができる。
具体的には、タイヤ騒音低減装置(1)に、予め、所定の路面状態において取得された路面信号を基準路面信号として記憶すると共に、前記所定の路面状態において生成され、基準路面信号と対応付けされた最適な打消信号を基準打消信号として記憶する記憶部(5)を備えることができる。基準路面信号及び基準打消信号は、それぞれの信号の特徴を表すデータであってもよい。このように構成すれば、制御部(4)は、記憶部(5)を参照することにより、例えば、取得された路面信号(又はその特徴値)と最も相関度の高い基準路面信号(又はその特徴データ)に基づいて現在の路面状態を判別すると共に、その基準路面信号と対応する基準打消信号(又はその特徴データ)に基づいて、打消信号を生成することができる。
制御部(4)は、車両(8)の車速及び操舵角の情報を取得し、得られた車速及び操舵角により、騒音の予測を行うと共に、打消信号を調整するように構成することができる。車速によって、判別された路面状態の位置の路面にタイヤ(83)面が接地するまでの遅延時間、即ち対応する打消音波を発生させるまでの時間を調整することができる。また、車速及び操舵角により騒音は変化するため、それに応じて適用する基準打消信号を変更したり打消信号を補正したりすることができる。
車速や操舵角は、車両(8)に設けられているECU(86)等から取得することができる。また、検出される路面信号の時間的変化から求めてもよい。
タイヤ騒音低減装置(1)は、更に、タイヤ(83)と路面(9)との間に発生する騒音をマイクロホン(61)により検出する騒音検知部(6)を備え、制御部(4)は、検出された騒音(N)の信号によりスピーカ(3)に出力する打消信号を補正するように構成することができる。前記のとおり、打消信号は、実際にタイヤ面が接地する前に取得された路面信号に基づき、予測により生成されている。騒音検知部(6)は、実際にタイヤ(83)と路面(9)との間に発生する騒音(N)を検出し、その騒音(N)の信号を制御部(4)に出力するように構成される。これにより、制御部(4)は、予測により生成された打消信号を、実際に得られた騒音(N)により補正し、各タイヤ(83)に対する打消音波の強度、位相等を補正することができる。マイクロホン(61)は、タイヤ(83)と路面(9)の接触部(91)の音が検出できるように、タイヤハウスやタイヤのシャフト付近のフレーム等に配設することができる。
その他、タイヤ(83)と路面(9)の接触状態を検知する手段(例えば、タイヤ(83)の振動や圧力の検出手段等)を備え、その接触状態により打消信号を補正するようにすることもできる。
スピーカ(3)は、タイヤ(83)と路面(9)との接触部(91)に向けて音波を発するように配設されている。スピーカ(3)は、対象とする騒音の周波数範囲をカバーし、任意の強さの音波を発生することができるものであればよく、その種類、大きさ等は適宜選択されればよい。
前記制御部(4)は、ハードウェア、ソフトウェアのいずれによって実現されてもよく、例えば、図示しないCPU、メモリ(ROM、RAM等)、入出力回路等を備えるマイクロコントローラ(マイクロコンピュータ)を中心に、入出力インターフェース等周辺回路を備えることにより構成することができる。また、プログラム可能な論理回路、ゲートアレーその他の論理回路を用いて構成されてもよい。
2.実施例
以下、図面を参照しつつ、より具体的にタイヤ騒音低減装置1について説明する。
図1に示すように、車両8に備えられるタイヤ騒音低減装置1は、タイヤ83よりも前方(進行方向M側)の位置に配設され、路面9により生じる信号を路面信号として取得する検知部2と、タイヤ83と路面9との接触部91に向けて音波を発するスピーカ3と、検知部2により取得された路面信号により路面状態を判別し、路面状態に応じた打消信号を生成してスピーカ3から打消音波を発生させる制御部4と、を備える。
また、タイヤ騒音低減装置1は、各種の路面状態を判別する基準となる基準路面信号と、路面状態に対応して最適に生成された基準打消信号とを関連付けたデータベースである記憶部5を備えることができる。更に、タイヤ騒音低減装置1は、マイクロホン61によりタイヤ83と路面9との間に発生する騒音を検出する騒音検知部6を備えることができる。
図2に示すように、スピーカ3は全てのタイヤ(83a~83d)に対してそれぞれ備えることができる。この場合、制御部4は、前輪(83a、83b)と後輪(83c、83d)とに、それぞれ対応する打消信号を生成することができる。また、マイクロホン61(騒音検知部6)を各輪にそれぞれ対応するように設け、タイヤ毎に生じる騒音を検出して打消信号(打消音波)を補正することができる。
図1及び2に示す例においては、検知部2はカメラ21を備えており、路面信号として路面9の画像(路面画像)を取得する。取得された路面画像は制御部4に送られ、制御部4は画像処理によりその特徴を抽出し、路面の舗装、表面粗度、濡れ等の路面状態を判別する。例えば、画像の空間周波数のスペクトルを求め、スペクトルにおいて低周波成分が大きい程、路面の粗い箇所が多いと判断することができる。
そして、判別された路面状態、車速等に応じて、その路面を前輪(83a、83b)及び後輪(83c、83d)が通過する際に生じるパターンノイズを予測し、各輪に生じるパターンノイズを打ち消すための打消信号を生成する。制御部4は、生成した打消信号が、各タイヤ83面が接地するタイミングに合うようにスピーカ3に出力する。
打消信号は、路面状態、車速等に応じて、予め振幅、周波数、位相、波形等を定めておくことができる。生成された打消信号は、車速等に応じて、実際に前輪(83a、83b)及び後輪(83c、83d)がそれぞれ通過するタイミングで、スピーカ3から打消音波として出力される。これによって、各輪において生じるパターンノイズを抑制することができる。
路面状態は、記憶部5に記憶されている基準路面信号と対比することによって判断するようにすることができる。基準路面信号は、予め使用されるタイヤについて所定の路面状態において取得された路面画像又はその特徴データである。例えば、検知部2によって取得された路面画像の特徴値を算出し、所定の各種路面状態における基準路面信号の特徴データと対比することにより、現在の路面状態を判別することができる。
また、記憶部5には、前記所定の路面状態に対応する最適な打消信号を基準打消信号として記憶しておくことができる。制御部4は、判別した路面状態に対応する基準打消信号を選択し、それを打消信号として用いることができる。
図3は、検知部2として、発光器22及び受光器23を備える場合を表している。これにより、路面信号として、路面9により反射された発光器22の光信号を受光器23により検知することができる。反射光の光量や時間的変化等から、路面の濡れ、表面の粗度等を判断することが可能である。発光器22から発せられる光の波長は適宜選択することができ、例えば、赤外光、可視光等を用いることができる。また、光信号を変調することにより自然光と区別することができる。
その他、路面状態を検出するために音信号、電波信号等が用いられてもよい。音信号は、任意の周波数の超音波を路面に向けて送出し、路面で反射した反響音を受信することによって得られる。また、電波信号は、マイクロ波等の直進性が強い電波を路面に向けて送出し、路面で反射した電波を受信することによって得られる。
図4は、車両8の前輪83a、83bの前方(進行方向M側)に1つの検知部2eを備える例を示す図である。検知部2e(カメラ21e)は、左右の前輪側タイヤ83a、83bの前方に位置するボディ底面に、直下の路面状態の情報を取得できるように配設されている。また、本例では、前・後輪となるタイヤ83a~83dを収めているタイヤハウス82a~82dの後方側に、それぞれスピーカ3a~3d及びマイクロホン61a~61dが設けられている。検知部2eは、前輪側のタイヤ83a、83bよりも前の位置に設けられればよく、例えば、車両8の底面の左右方向の中心付近に設けることができる。
制御部4は、1箇所の検知部2eにより得た路面信号に基づき、左右前輪(83a、83b)に対する打消信号、及び左右後輪(83c、83d)に対する打消信号を生成することができる。各打消信号は各スピーカ3a~3dに出力される。スピーカ3a~3dは、タイヤ83a~83dのそれぞれの接地部に向けて打消音波を出力し、タイヤ毎に生じるパターンノイズを低減させる。
また、マイクロホン61a~61dを設ければ、タイヤ83a~83d毎に接地部で発生する騒音を取得することにより、タイヤ83a~83d毎に打消音波を補正することができる。
図5は、車両8の前輪83a、83bの前方に、それぞれ検知部2a、2bを備える例を示す図である。左右の前輪側タイヤ83a、83bの前方に位置するボディ底面には、それぞれ検知部2a、2b(カメラ21a、21b)が直下の路面状態の情報を取得できるように配設されている。また、本例では、前後輪となるタイヤ83a~83dを収めているタイヤハウス82a~82dの後方側に、それぞれスピーカ3a~3d及びマイクロホン61a~61dが設けられている。
検知部2を2箇所に設けることにより、右側の前後のタイヤ(83a、83c)及び左側の前後のタイヤ(83b、83d)が接触する路面の路面信号をそれぞれ取得することができる。そして、右側の検知部2aにより得た路面信号に基づき、右側前輪83aに対する打消信号及び右側後輪83cに対する打消信号を生成することができる。また、左側の検知部2bにより得た路面信号に基づき、左側前輪83bに対する打消信号及び左側後輪83dに対する打消信号を生成することができる。それぞれの打消信号は各スピーカ3a~3dに出力される。スピーカ3a~3dは、タイヤ83a~83dのそれぞれの接地部に向けて打消音波を出力し、タイヤ毎に生じるパターンノイズを低減させる。
また、マイクロホン61a~61dを設ければ、タイヤ83a~83d毎に接地部で発生する騒音を取得することにより、タイヤ83a~83d毎に打消音波を補正することができる。
また、図6に示すように、車両8の前・後輪83a~83dの前方に、それぞれ検知部2a~2dを備えてもよい。
以上のように、検知部2の数及び配設位置は適宜とすることができる。また、制御部4の数や検知部2との対応も任意であり、検知部2の数に関わらず1つの制御部4により全体を制御するように構成することができる。また、複数の検知部2のそれぞれに対応して制御部4が備えられてもよいし、タイヤ83のそれぞれに対応して、又は前輪(83a、83b)と後輪(83c、83d)に対応して制御部4が備えられてもよい。
以上は、乗用車を例として説明したが、本タイヤ騒音低減装置は乗用車に限られず、貨物車、バス等、各種車両に適用することが可能である。
尚、本発明においては、以上に示した実施形態に限られず、目的、用途に応じて本発明の範囲内で種々変更した態様とすることができる。
1;タイヤ騒音低減装置、2、2a~2e;検知部、21、21a~21e;カメラ、22;発光器、23;受光器、3、3a~3d;スピーカ、4;制御部、5;記憶部、6;騒音検知部、61、61a~61d;マイクロホン、8;車両、82a~82d;タイヤハウス、83、83a~83d;タイヤ、9;路面。

Claims (6)

  1. タイヤの溝に起因し、走行する車両の前記タイヤと路面との間に発生する騒音を低減させるタイヤ騒音低減装置であって、
    前記タイヤよりも前の位置に配設され、前記位置の下方の路面により生じる信号を路面信号として取得する検知部と、
    タイヤハウス又は前記タイヤのシャフト付近に設けられ、前記タイヤと路面との接触部に向けて音波を発するスピーカと、
    前記検知部により取得された前記路面信号により路面状態を判別し、路面状態に応じた打消信号を生成して前記スピーカから打消音波を発生させる制御部と、
    を備え、
    前記制御部は、車速及び前記検知部と前記接触部との距離に基づいて、前記タイヤが前記判別した路面状態の位置に接するときの騒音の予測を行うことにより前記打消信号を生成することを特徴とするタイヤ騒音低減装置。
  2. 前記検知部はカメラを具備し、前記路面信号として前記カメラにより得られる路面画像を取得する請求項1記載のタイヤ騒音低減装置。
  3. 予め所定の路面状態において取得された路面信号を基準路面信号として記憶すると共に、前記所定の路面状態において生成され前記基準路面信号に関連付けられた打消信号を基準打消信号として記憶する記憶部を備え、
    前記制御部は、前記基準路面信号に基づいて路面状態を判別すると共に、前記基準路面信号と対応する前記基準打消信号に基づいて前記打消信号を生成する請求項1又は2に記載のタイヤ騒音低減装置。
  4. 前記制御部は、前記車両の車速及び操舵角により前記騒音の予測を行うと共に前記打消信号を調整する請求項1乃至3のいずれかに記載のタイヤ騒音低減装置。
  5. 前記タイヤと路面との間に発生する騒音を検出する騒音検知部を更に備え、
    前記制御部は、検出された前記騒音により前記打消信号を補正する請求項1乃至4のいずれかに記載のタイヤ騒音低減装置。
  6. 前記検知部は発光器及び受光器を具備し、前記路面信号として路面により反射された前記発光器の光信号を前記受光器により取得する請求項1乃至5のいずれかに記載のタイヤ騒音低減装置。
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