JP6992518B2 - タイヤ騒音低減装置 - Google Patents
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Description
本第2発明は、前記第1発明において、前記検知部はカメラを具備し、前記路面信号として前記カメラにより得られる路面画像を取得することを要旨とする。
本第3発明は、前記第1発明又は第2発明において、予め所定の路面状態において取得された路面信号を基準路面信号として記憶すると共に、前記所定の路面状態において生成され前記基準路面信号に関連付けられた打消信号を基準打消信号として記憶する記憶部を備え、前記制御部は、前記基準路面信号に基づいて路面状態を判別すると共に、前記基準路面信号と対応する前記基準打消信号に基づいて前記打消信号を生成することを要旨とする。
本第4発明は、前記第1発明乃至第3発明のいずれかにおいて、前記制御部は、前記車両の車速及び操舵角により前記騒音の予測を行うと共に前記打消信号を調整することを要旨とする。
本第5発明は、前記第1発明乃至第4発明のいずれかにおいて、前記タイヤと路面との間に発生する騒音を検出する騒音検知部を更に備え、前記制御部は、検出された前記騒音により前記打消信号を補正することを要旨とする。
本第6発明は、前記第1発明乃至第5発明のいずれかにおいて、前記検知部は発光器及び受光器を具備し、前記路面信号として路面により反射された前記発光器の光信号を前記受光器により取得することを要旨とする。
予め所定の路面状態において取得された路面信号を基準路面信号として記憶すると共に、前記所定の路面状態において生成され基準路面信号に関連付けられた打消信号を基準打消信号として記憶する記憶部を備え、制御部は、基準路面信号に基づいて路面状態を判別すると共に、基準路面信号と対応する基準打消信号に基づいて打消信号を生成する場合は、取得された路面信号の特徴と基準路面信号の特徴とを対比することによって現在の路面状態を判別することができ、その路面状態に応じた打消信号として基準打消信号を適用することができるため、制御をより簡単且つ高速にすることが可能になる。
制御部は、車両の車速及び操舵角により騒音の予測を行うと共に打消信号を調整する場合は、判別された路面状態の位置の路面にタイヤ面が接地するまでの遅延時間、即ち対応する打消音波を発生させるまでの時間を車速に応じて調整すると共に、車速及び操舵角に応じて基準打消信号を変更したり打消信号を補正したりすることにより、遅延なく適切な打消音波を発生させることができる。
タイヤと路面との間に発生する騒音を検出して騒音信号を取得する騒音検知部を更に備え、制御部は、検出された騒音により打消信号を補正する場合は、検出された騒音により打消信号の強さ・位相等のずれを補正することにより、実際に発生する騒音に対してより効果的な打消音波とすることができる。
検知部は発光器及び受光器を具備し、路面信号として路面により反射された発光器の光信号を受光器により取得する場合には、より簡単な構成により、路面信号を取得し路面状態を判別することができる。
ここで示される事項は例示的なもの及び本発明の実施形態を例示的に説明するためのものであり、本発明の原理と概念的な特徴とを最も有効に且つ難なく理解できる説明であると思われるものを提供する目的で述べたものである。この点で、本発明の根本的な理解のために必要である程度以上に本発明の構造的な詳細を示すことを意図してはおらず、図面と合わせた説明によって本発明の幾つかの形態が実際にどのように具現化されるかを当業者に明らかにするものである。
図1及び2は、本実施形態に係るタイヤ騒音低減装置(1)の構成を表している。
タイヤ騒音低減装置(1)は、自動車等の車両(8)のタイヤ(83)のトレッドパターンである溝(84、図7を参照。)に起因し、走行する車両(8)のタイヤ(83)と路面(9)との間に発生する騒音(パターンノイズ)を低減させる装置である。
また、タイヤ騒音低減装置(1)は、記憶部(5)及び騒音検知部(6)を更に備えることができる。
検知部(2)は、そのような路面状態により変化する信号を、路面信号として取得するように構成される。路面により生じる信号を得る方法は特に問わず、例えば、光(赤外光等)、音波、電波等を用いることができる。
図示されるように、車両(8)において、カメラ(21)はタイヤ(83)よりも前(車両の進行方向Mにおける前方)の位置に配設されているため、検知部(2)はタイヤ(83)面が接地することになる路面状態を事前に取得することができる。
上記打消信号は、スピーカ(3)に出力することによって打消音波を発したとき騒音を打ち消すように作用する信号であり、騒音と合成したときに音圧が低減される信号とすることができる。通常、打消信号は騒音の波形とは逆位相となる信号である。
具体的には、タイヤ騒音低減装置(1)に、予め、所定の路面状態において取得された路面信号を基準路面信号として記憶すると共に、前記所定の路面状態において生成され、基準路面信号と対応付けされた最適な打消信号を基準打消信号として記憶する記憶部(5)を備えることができる。基準路面信号及び基準打消信号は、それぞれの信号の特徴を表すデータであってもよい。このように構成すれば、制御部(4)は、記憶部(5)を参照することにより、例えば、取得された路面信号(又はその特徴値)と最も相関度の高い基準路面信号(又はその特徴データ)に基づいて現在の路面状態を判別すると共に、その基準路面信号と対応する基準打消信号(又はその特徴データ)に基づいて、打消信号を生成することができる。
車速や操舵角は、車両(8)に設けられているECU(86)等から取得することができる。また、検出される路面信号の時間的変化から求めてもよい。
その他、タイヤ(83)と路面(9)の接触状態を検知する手段(例えば、タイヤ(83)の振動や圧力の検出手段等)を備え、その接触状態により打消信号を補正するようにすることもできる。
以下、図面を参照しつつ、より具体的にタイヤ騒音低減装置1について説明する。
図1に示すように、車両8に備えられるタイヤ騒音低減装置1は、タイヤ83よりも前方(進行方向M側)の位置に配設され、路面9により生じる信号を路面信号として取得する検知部2と、タイヤ83と路面9との接触部91に向けて音波を発するスピーカ3と、検知部2により取得された路面信号により路面状態を判別し、路面状態に応じた打消信号を生成してスピーカ3から打消音波を発生させる制御部4と、を備える。
また、タイヤ騒音低減装置1は、各種の路面状態を判別する基準となる基準路面信号と、路面状態に対応して最適に生成された基準打消信号とを関連付けたデータベースである記憶部5を備えることができる。更に、タイヤ騒音低減装置1は、マイクロホン61によりタイヤ83と路面9との間に発生する騒音を検出する騒音検知部6を備えることができる。
図2に示すように、スピーカ3は全てのタイヤ(83a~83d)に対してそれぞれ備えることができる。この場合、制御部4は、前輪(83a、83b)と後輪(83c、83d)とに、それぞれ対応する打消信号を生成することができる。また、マイクロホン61(騒音検知部6)を各輪にそれぞれ対応するように設け、タイヤ毎に生じる騒音を検出して打消信号(打消音波)を補正することができる。
そして、判別された路面状態、車速等に応じて、その路面を前輪(83a、83b)及び後輪(83c、83d)が通過する際に生じるパターンノイズを予測し、各輪に生じるパターンノイズを打ち消すための打消信号を生成する。制御部4は、生成した打消信号が、各タイヤ83面が接地するタイミングに合うようにスピーカ3に出力する。
打消信号は、路面状態、車速等に応じて、予め振幅、周波数、位相、波形等を定めておくことができる。生成された打消信号は、車速等に応じて、実際に前輪(83a、83b)及び後輪(83c、83d)がそれぞれ通過するタイミングで、スピーカ3から打消音波として出力される。これによって、各輪において生じるパターンノイズを抑制することができる。
また、記憶部5には、前記所定の路面状態に対応する最適な打消信号を基準打消信号として記憶しておくことができる。制御部4は、判別した路面状態に対応する基準打消信号を選択し、それを打消信号として用いることができる。
その他、路面状態を検出するために音信号、電波信号等が用いられてもよい。音信号は、任意の周波数の超音波を路面に向けて送出し、路面で反射した反響音を受信することによって得られる。また、電波信号は、マイクロ波等の直進性が強い電波を路面に向けて送出し、路面で反射した電波を受信することによって得られる。
制御部4は、1箇所の検知部2eにより得た路面信号に基づき、左右前輪(83a、83b)に対する打消信号、及び左右後輪(83c、83d)に対する打消信号を生成することができる。各打消信号は各スピーカ3a~3dに出力される。スピーカ3a~3dは、タイヤ83a~83dのそれぞれの接地部に向けて打消音波を出力し、タイヤ毎に生じるパターンノイズを低減させる。
また、マイクロホン61a~61dを設ければ、タイヤ83a~83d毎に接地部で発生する騒音を取得することにより、タイヤ83a~83d毎に打消音波を補正することができる。
検知部2を2箇所に設けることにより、右側の前後のタイヤ(83a、83c)及び左側の前後のタイヤ(83b、83d)が接触する路面の路面信号をそれぞれ取得することができる。そして、右側の検知部2aにより得た路面信号に基づき、右側前輪83aに対する打消信号及び右側後輪83cに対する打消信号を生成することができる。また、左側の検知部2bにより得た路面信号に基づき、左側前輪83bに対する打消信号及び左側後輪83dに対する打消信号を生成することができる。それぞれの打消信号は各スピーカ3a~3dに出力される。スピーカ3a~3dは、タイヤ83a~83dのそれぞれの接地部に向けて打消音波を出力し、タイヤ毎に生じるパターンノイズを低減させる。
また、マイクロホン61a~61dを設ければ、タイヤ83a~83d毎に接地部で発生する騒音を取得することにより、タイヤ83a~83d毎に打消音波を補正することができる。
以上のように、検知部2の数及び配設位置は適宜とすることができる。また、制御部4の数や検知部2との対応も任意であり、検知部2の数に関わらず1つの制御部4により全体を制御するように構成することができる。また、複数の検知部2のそれぞれに対応して制御部4が備えられてもよいし、タイヤ83のそれぞれに対応して、又は前輪(83a、83b)と後輪(83c、83d)に対応して制御部4が備えられてもよい。
以上は、乗用車を例として説明したが、本タイヤ騒音低減装置は乗用車に限られず、貨物車、バス等、各種車両に適用することが可能である。
Claims (6)
- タイヤの溝に起因し、走行する車両の前記タイヤと路面との間に発生する騒音を低減させるタイヤ騒音低減装置であって、
前記タイヤよりも前の位置に配設され、前記位置の下方の路面により生じる信号を路面信号として取得する検知部と、
タイヤハウス又は前記タイヤのシャフト付近に設けられ、前記タイヤと路面との接触部に向けて音波を発するスピーカと、
前記検知部により取得された前記路面信号により路面状態を判別し、路面状態に応じた打消信号を生成して前記スピーカから打消音波を発生させる制御部と、
を備え、
前記制御部は、車速及び前記検知部と前記接触部との距離に基づいて、前記タイヤが前記判別した路面状態の位置に接するときの騒音の予測を行うことにより前記打消信号を生成することを特徴とするタイヤ騒音低減装置。 - 前記検知部はカメラを具備し、前記路面信号として前記カメラにより得られる路面画像を取得する請求項1記載のタイヤ騒音低減装置。
- 予め所定の路面状態において取得された路面信号を基準路面信号として記憶すると共に、前記所定の路面状態において生成され前記基準路面信号に関連付けられた打消信号を基準打消信号として記憶する記憶部を備え、
前記制御部は、前記基準路面信号に基づいて路面状態を判別すると共に、前記基準路面信号と対応する前記基準打消信号に基づいて前記打消信号を生成する請求項1又は2に記載のタイヤ騒音低減装置。 - 前記制御部は、前記車両の車速及び操舵角により前記騒音の予測を行うと共に前記打消信号を調整する請求項1乃至3のいずれかに記載のタイヤ騒音低減装置。
- 前記タイヤと路面との間に発生する騒音を検出する騒音検知部を更に備え、
前記制御部は、検出された前記騒音により前記打消信号を補正する請求項1乃至4のいずれかに記載のタイヤ騒音低減装置。 - 前記検知部は発光器及び受光器を具備し、前記路面信号として路面により反射された前記発光器の光信号を前記受光器により取得する請求項1乃至5のいずれかに記載のタイヤ騒音低減装置。
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