JP6992291B2 - 状態識別方法、状態識別装置及び状態識別プログラム - Google Patents

状態識別方法、状態識別装置及び状態識別プログラム Download PDF

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Description

本発明は、状態識別技術に関する。
多次元時系列データに基づき対象の状態を識別することが行われている。
例えばインバリアント分析においては、センサ等により収集された多次元時系列データから普遍的関係性(インバリアントと呼ばれる)が抽出され、抽出された普遍的関係性に基づいて異常状態の発生が検知される。
また、部分空間法においては、多次元時系列データから、特徴を低次元で表現する部分空間の直交基底が状態毎に生成され、直交基底と入力された多次元時系列データとの類似度に基づき、入力された多次元時系列データが示す状態が識別される。
上述した、インバリアント分析および部分空間法について、簡単に補足する。
インバリアント分析は、多次元時系列データの時間相関を監視し、一部の時系列に変化が現れたことを相関の変化として検知する手法である。例えば、平常時において図1に示すような相関関係が得られているとする。そして、何らかの要因により変数zの値に変化が現れた場合、入力された多次元時系列データから図2に示すような相関関係が得られ、変数yと変数zとの相関関係の変化から変化検知が行われる。
インバリアント分析は容易に実施することが可能である。一方、全変数が同時に同方向に変化した場合には、インバリアント分析による変化検知は困難である。例えば、全変数が同時に同方向に変化した場合には図3に示すような相関関係が得られることがあり、この場合には図1に示した相関関係との差異が有意ではないため変化は検知されない。
部分空間法は、一次元時系列データから時間遅れの手法により部分時系列を生成し、部分時系列が規定する部分空間上の直交基底の向きや大きさの変化から、空間全体の状態変化を検知する手法である。図4及び図5は、部分空間法について説明するための図である。図4及び図5において、ハッチングされた楕円の図形はサンプル点が属する空間を表す。図4においては、サンプル点が属する空間のZ1の方向の大きさはσ1であり、Z2の方向の大きさはσ2であり、Z3の方向の大きさはσ3である。そして、サンプル点が属する空間が図5に示すように変化したとする。図5においては、サンプル点が属する空間のY1方向の大きさはρ1であり、Y2方向の大きさはρ2であり、Y3方向の大きさはρ3である。このような直交基底の向きや大きさの変化から、時系列データにおける変化を検知することができる。
部分空間法は線形分析法であるため、線形性および周期性が強い時系列に適している。また、部分空間の密度変化を検知することも可能である。一方、非線形の時系列(例えばカオス時系列)の場合、局所的に直交基底が異なり、空間全体として安定した直交基底の決定が困難である。従って、非線形の時系列は部分空間法による変化検知に適していない。
さて、上記の分析方法に適していない多次元時系列データも存在する。このような多次元時系列データに対して上記の分析方法で分析を行うと誤った状態識別が行われることがある。適切な分析方法を選択するために予め多次元時系列データの性質を調べることも考えられるが、性質が判明したとしても適切な分析方法が見つからない場合があり、また性質を調べる作業は必ずしも容易ではない。
国際公開第2013/145493号
本発明の目的は、1つの側面では、多次元時系列データに基づく状態識別の精度を向上させる技術を提供することである。
一態様に係る状態識別方法は、複数の時系列データそれぞれの値を座標とする点を複数含むアトラクタを生成し、アトラクタに対するパーシステントホモロジ処理により、ベッチ数の系列データを生成し、ベッチ数の系列データに基づき、複数の時系列データが示す状態を識別する処理を含む。
1つの側面では、多次元時系列データに基づく状態識別の精度を向上させることができる。
図1は、インバリアント分析について説明するための図である。 図2は、インバリアント分析について説明するための図である。 図3は、インバリアント分析について説明するための図である。 図4は、部分空間法について説明するための図である。 図5は、部分空間法について説明するための図である。 図6は、情報処理装置の機能ブロック図である。 図7は、時系列データ格納部に格納される多次元時系列データのグラフの一例を示す図である。 図8は、第1の実施の形態の情報処理装置が実行する処理の処理フローを示す図である。 図9は、アトラクタの一例を示す図である。 図10は、バーコード図の一例を示す図である。 図11は、バーコードデータの一例を示す図である。 図12は、バーコードデータと生成されるベッチ数系列との関係について説明するための図である。 図13は、バーコードデータの一例を示す図である。 図14は、ベッチ数データ格納部に格納されるデータの一例を示す図である。 図15は、距離データ格納部に格納されるデータの一例を示す図である。 図16は、第1の実施の形態における検知データ格納部に格納されるデータの一例を示す図である。 図17は、多次元時系列データの一例を示す図である。 図18は、多次元時系列データのうち変更前の期間のデータから生成されたアトラクタの一例を示す図である。 図19は、多次元時系列データのうち変更後の期間のデータから生成されたアトラクタの一例を示す図である。 図20は、変更前の期間のデータから生成されたアトラクタと変更後の期間のデータから生成されたアトラクタとが重ねられた図である。 図21は、変更前の期間のアトラクタから生成されたベッチ数系列および変更後の期間のアトラクタから生成されたベッチ数系列を示す図である。 図22は、半径が特定の値である時のベッチ数を示す図である。 図23は、インバリアント分析の実行結果を示す図である。 図24は、インバリアント分析の実行結果を示す図である。 図25は、インバリアント分析の実行結果を示す図である。 図26は、部分空間法の実行結果を示す図である。 図27は、多次元時系列データの一例を示す図である。 図28は、多次元時系列データのうち変更前の期間のデータから生成されたアトラクタの一例を示す図である。 図29は、多次元時系列データのうち変更前の期間のデータから生成されたアトラクタの一例を示す図である。 図30は、多次元時系列データのうち変更後の期間のデータから生成されたアトラクタの一例を示す図である。 図31は、多次元時系列データのうち変更後の期間のデータから生成されたアトラクタの一例を示す図である。 図32は、変更前の期間のデータから生成されたアトラクタと変更後の期間のデータから生成されたアトラクタとが重ねられた図である。 図33は、変更前の期間のアトラクタから生成されたベッチ数系列および変更後の期間のアトラクタから生成されたベッチ数系列を示す図である。 図34は、半径が特定の値である時のベッチ数を示す図である。 図35は、インバリアント分析の実行結果を示す図である。 図36は、部分空間法の実行結果を示す図である。 図37は、第2の実施の形態の情報処理装置が実行する処理の処理フローを示す図である。 図38は、第2の実施の形態における検知データ格納部に格納されるデータの一例を示す図である。 図39は、コンピュータの機能ブロック図である。
[実施の形態1]
図6は、本実施の形態の情報処理装置1の機能ブロック図である。情報処理装置1は、第1生成部101と、第2生成部103と、検知部105と、出力部107と、時系列データ格納部111と、アトラクタ格納部113と、バーコードデータ格納部115と、ベッチ数データ格納部117と、距離データ格納部119と、検知データ格納部121とを含む。
第1生成部101、第2生成部103、検知部105及び出力部107は、例えば、図39におけるメモリ2501にロードされたプログラムが図39におけるCPU(Central Processing Unit)2503により実行されることで実現される。時系列データ格納部111、アトラクタ格納部113、バーコードデータ格納部115、ベッチ数データ格納部117、距離データ格納部119及び検知データ格納部121は、例えば、メモリ2501又は図39におけるHDD(Hard Disk Drive)2505に設けられる。
第1生成部101は、時系列データ格納部111に格納されている多次元時系列データに基づき処理を実行し、処理結果をアトラクタ格納部113に格納する。第2生成部103は、アトラクタ格納部113に格納されているデータに基づき処理を実行し、処理結果をバーコードデータ格納部115に格納する。第2生成部103は、バーコードデータ格納部115に格納されているデータに基づき処理を実行し、処理結果をベッチ数データ格納部117に格納する。第2生成部103は、ベッチ数データ格納部117に格納されているデータに基づき処理を実行し、処理結果を距離データ格納部119に格納する。検知部105は、距離データ格納部119に格納されているデータに基づき処理を実行し、処理結果を検知データ格納部121に格納する。出力部107は、検知データ格納部121に格納されているデータに基づき生成した表示データを表示装置(例えばモニタ等)に表示する。なお、本実施の形態における多次元時系列データとは、複数の項目についての時系列データのことである。
図7は、時系列データ格納部111に格納される多次元時系列データのグラフの一例を示す図である。図7においては、三次元の時系列データの各項目について時刻と値に関するグラフが示されており、時刻iにおける項目xの値はxiであり、時刻iにおける項目yの値はyiであり、時刻iにおける項目zの値はziである。時系列データは、例えば、生体データ(心拍数、脳波、脈拍或いは体温などの時系列データ)、センサにより計測されたデータ(ジャイロセンサ、加速度センサ或いは地磁気センサなどの時系列データ)、金融データ(金利、物価、国際収支或いは株価などの時系列データ)、自然環境のデータ(気温、湿度或いは二酸化炭素濃度などの時系列データ)、又は社会データ(労働統計或いは人口統計などのデータ)等である。
本実施の形態においては、図7に示したような多次元時系列データが扱われ、多次元時系列データが示す状態の識別が行われる。なお、図7の例においては次元の数は3であるが、次元の数は2又は4以上であってもよい。
次に、第1の実施の形態における情報処理装置1が実行する処理について説明する。図8は、第1の実施の形態における情報処理装置1が実行する処理の処理フローを示す図である。
第1生成部101は、スライド窓の設定を行う(図8:ステップS1)。スライド窓とは、処理対象の多次元時系列データが抽出される期間のことであり、ステップS1においては初期のスライド窓の開始時刻及び期間の長さが設定される。
第1生成部101は、各項目について、スライド窓の期間における多次元時系列データを時系列データ格納部111から読み出す(ステップS3)。
第1生成部101は、ステップS3において読み出された各項目の時系列データから、スライド窓の期間における(xi,yi,zi)の集合であるアトラクタを生成する(ステップS5)。そして、第1生成部101は、生成したアトラクタをアトラクタ格納部113に格納する。ステップS5において生成される有限個の点集合は厳密には「アトラクタ」ではなく疑似的なアトラクタであるが、本明細書ではステップS5において生成される点集合を「アトラクタ」と呼ぶ。なお、各項目の時系列データが離散時間で取得されている場合には、スライド窓の期間における全(xi,yi,zi)の集合ではなく、n個(n=1,2,3,・・・)おきの(xi,yi,zi)を含む集合からアトラクタを生成してもよい。
図9は、アトラクタの一例を示す図である。図9の例においては、アトラクタが三次元空間上に示されている。アトラクタには、元の多次元時系列データの特徴が反映され、アトラクタ間の類似関係は、元の多次元時系列データ間の類似関係と等価である。アトラクタと別のアトラクタとが似ていることは、元の多次元時系列データの特徴が類似していることを意味する。特徴が同じであるが現象(見た目)が異なる多次元時系列データからは、互いに類似したアトラクタが生成される。特徴が異なるが現象が似ている多次元時系列データからは、異なるアトラクタが生成される。
図8の説明に戻り、第2生成部103は、ステップS5において生成されたアトラクタに対するパーシステントホモロジ(Persistent Homology)処理によって、各穴次元のバーコードデータを生成する(ステップS7)。第2生成部103は、生成したバーコードデータをバーコードデータ格納部115に格納する。なお、ステップS7においては各穴次元のバーコードデータが生成されるが、所定の穴次元(例えば0次元)のみについてバーコードデータが生成されてもよい。
ここで、「ホモロジ」とは、対象の特徴をm(m≧0)次元の穴の数によって表現する手法である。ここで言う「穴」とはホモロジ群の元のことであり、0次元の穴は連結成分であり、1次元の穴は穴(トンネル)であり、2次元の穴は空洞である。各次元の穴の数はベッチ数と呼ばれる。
「パーシステントホモロジ」とは、対象(ここでは、点の集合)におけるm次元の穴の遷移を特徴付けるための手法であり、パーシステントホモロジによって点の配置に関する特徴を調べることができる。この手法においては、対象における各点が球状に徐々に膨らまされ、その過程において各穴が発生した時点(発生時の球の半径で表される)と消滅した時点(消滅時の球の半径で表される)とが特定される。なお、パーシステントホモロジにおける穴の発生した「時点」、消滅した「時点」と、パーシステントホモロジ処理の対象となるアトラクタの生成元である多次元時系列データにおける「時刻」とは、関連するものではない。
穴の発生半径と消滅半径とを用いて、図10に示すようなバーコード図を生成することができる。図10において、横軸の値は半径を表し、各線分は1つの穴に対応する。線分の左端に対応する半径は穴の発生半径であり、線分の右端に対応する半径は穴の消滅半径である。線分はパーシステント区間と呼ばれる。このようなバーコード図から、例えば半径が0.18である時には2つの穴が存在するということがわかる。
図11は、バーコード図を生成するためのデータ(以下、バーコードデータと呼ぶ)の一例を示す図である。図11の例では、穴次元を表す数値と、穴の発生半径と、穴の消滅半径とが含まれる。ステップS7において、バーコードデータは各穴次元について生成される。
以上のような処理を実行すれば、或るアトラクタから生成されるバーコードデータと他のアトラクタから生成されるバーコードデータとの類似関係は、アトラクタ間の類似関係と等価である。よって、アトラクタが同じである場合、生成されるバーコードデータは同じであり、アトラクタが同じではない場合、アトラクタ間の差が僅かである場合を除きバーコードデータにも差が表れる。
なお、パーシステントホモロジの詳細については、例えば「平岡裕章、『タンパク質構造とトポロジー パーシステントホモロジー群入門』、共立出版」を参照されたい。
図8の説明に戻り、第2生成部103は、ステップS7において生成されたバーコードデータをバーコードデータ格納部115から読み出し、読み出されたバーコードデータからベッチ数系列を生成する(ステップS9)。そして、第2生成部103は、生成したベッチ数系列をベッチ数データ格納部117に格納する。
ステップS9において生成されるベッチ数系列は、パーシステントホモロジにおける球の半径(すなわち穴の発生した時点と消滅した時点との間隔)とベッチ数との関係を示すデータである。図12を用いて、バーコードデータと生成されるベッチ数系列との関係について説明する。図12は0次元の穴についてバーコードデータとベッチ数系列との関係を示す図である。図12において、上段のグラフはバーコードデータから生成されるグラフであり、横軸の値が半径を表す。下段のグラフはベッチ数系列から生成されるグラフであり、縦軸の値はベッチ数を表し、横軸の値は半径を表す。ベッチ数は穴の数を表すので、例えば図12に示すように、上段のグラフにおいて破線に対応する半径の時には存在している穴の数が10であるので、下段のグラフにおいては破線に対応するベッチ数も10である。
基本的には、同じバーコードデータからは同じベッチ数系列が得られる。すなわち、元のアトラクタが同じであれば同じベッチ数系列が得られる。但し、異なるバーコードから同じベッチ数系列が得られるケースが極めて稀に発生する。
例えば図13に示すようなバーコードデータを考える。図13(a)のケースにおいては、パーシステント区間p1が時点t1で開始し且つ時点t2で終了し、パーシステント区間p2が時点t2で開始し且つ時点t3で終了する。一方、図13(b)のケースにおいては、パーシステント区間p4が時点t1で開始し且つ時点t3で終了する。両ケースにおけるパーシステント区間p3は全く同じであるとする。
このような場合、両ケースにおけるバーコードデータからは全く同じベッチ数系列が得られるので、ベッチ数系列によっては両ケースを区別することができない。しかし、このような現象が発生する可能性は極めて低い。
従って、或るバーコードデータから生成されるベッチ数系列と、別のバーコードデータから生成されるベッチ数系列との類似関係は、上で述べた稀なケースが発生しなければ、バーコードデータ間の類似関係と等価である。以上から、データ間の距離の定義は変わるものの、バーコードデータから生成されるベッチ数系列間の類似関係は、元の多次元時系列データ間の類似関係とほぼ等価である。
図14は、ベッチ数データ格納部117に格納されるデータの一例を示す図である。図14の例では、各スライド窓について、次元と、半径と、ベッチ数とを含むデータが格納されており、各穴次元のベッチ数系列が連結されている。但し、ステップS7において所定の穴次元のみについてバーコードデータが生成された場合には、各スライド窓について、所定の穴次元についてのベッチ数系列が格納される。
このように、パーシステントホモロジ処理を実行することで、アトラクタが表す、元の多次元時系列データの特徴を、ベッチ数系列に反映することができる。ベッチ数系列は、各スライド窓について生成されてベッチ数データ格納部117に格納される。
パーシステントホモロジの計算は、位相幾何学の手法であり、点の集合で表される静的な対象(例えば、タンパク質、分子の結晶、センサネットワークなど)の構造の解析等に利用されてきた。これに対し本実施の形態においては、時間の経過に伴って連続的に変化するデータの特徴を表す点集合(すなわちアトラクタ)を計算の対象としている。本実施の形態の場合、点集合の構造自体を解析することは目的ではないので、一般的なパーシステントホモロジの計算とは対象及び目的が全く異なる。
図8の説明に戻り、第2生成部103は、ステップS9において生成されたベッチ数系列をベッチ数データ格納部117から読み出す。そして、第2生成部103は、読み出されたベッチ数系列と、基準のベッチ数系列(ここでは、所定時刻前のスライド窓について生成されたベッチ数系列)との距離を計算する(ステップS11)。所定時刻前のスライド窓とは、ステップS9においてベッチ数系列が生成されたスライド窓の開始時刻より所定時刻前を開始時刻とするスライド窓(例えば1つ前のスライド窓)である。所定時刻前のスライド窓についてのベッチ数系列が無い場合(例えば、初めてステップS11の処理が実行される場合)、予め生成されたベッチ数系列との距離が計算されるか、或いは、ステップS11は省略される。距離とは、例えば、ユークリッド距離(或いはノルム)およびコサイン類似度等である。
第2生成部103は、ステップS9においてベッチ数系列が生成されたスライド窓の情報に対応付けて、ステップS11において計算された距離を距離データ格納部119に保存する(ステップS13)。
図15(a)及び図15(b)は、距離データ格納部119に格納されるデータの一例を示す図である。図15(a)の例では、スライド窓の開始時刻と、スライド窓の終了時刻と、基準のベッチ数系列との距離とが格納される。図15(b)の例では、スライド窓の開始時刻と、基準のベッチ数系列との距離とが格納される。
第2生成部103は、スライド窓が終点に到達した(すなわち、ステップS1又はS17において設定されたスライド窓の期間の終了時刻が多次元時系列データの終了時刻に到達した)か判定する(ステップS15)。
スライド窓が終点に到達していない場合(ステップS15:Noルート)、第2生成部103は、次のスライド窓を設定する(ステップS17)。例えば、ステップS1又は前回のステップS17において設定されたスライド窓の期間の開始時刻の所定時間後が開始時刻になるように次のスライド窓が設定される。但し、連続するスライド窓が重複する期間を有するように設定をしてもよい。そして処理はステップS3に戻る。
一方、スライド窓が終点に到達した場合(ステップS15:Yesルート)、検知部105は、ステップS11において計算された距離が所定値以上であるスライド窓の時刻(例えば、開始時刻、中間の時刻又は終了時刻等)の情報を検知データ格納部121に格納する。そして、出力部107は、検知データ格納部121に格納された時刻の情報に基づき表示データを生成し、生成した表示データを表示装置に表示する(ステップS19)。そして処理は終了する。なお、ステップS19の処理を実行するか否かは任意であるため、図8においてステップS19のブロックは破線で示されている。
図16は、第1の実施の形態における検知データ格納部121に格納されるデータの一例を示す図である。本実施の形態においては距離によって変化を検知することができるため、検知データ格納部121に格納される時刻の情報は変化が検知された時刻を表す。
本実施の形態の変化検知は、背景技術の欄に挙げた従来技術(例えばインバリアント分析や部分空間法)のように適用可能な多次元時系列データが限定されるわけではなく、より多くのタイプの多次元時系列データに対して適用可能である。すなわち、従来技術を利用する場合には誤検知が発生する可能性がある多次元時系列データについても適切に変化検知を行えるので、変化検知の精度が向上する。
この点について、以下で具体例を用いて説明する。ここでは、図17に示す多次元時系列データを例とする。図17において、横軸の値は時刻を表し、縦軸の値は時系列データの値を表す。図17の例では、項目xの時系列データと、項目yの時系列データと、項目zの時系列データとが示されており、いずれの項目の時系列データも正弦波のデータであるが、それぞれの位相は所定幅ずれている。時刻500において、振幅が1から2に変更され且つ周波数が増加するように変更されている。
図18は、図17に示した多次元時系列データのうち変更前の期間のデータから生成されたアトラクタの一例を示す図である。図18の例においては、三次元空間上に各時刻における値を座標とする点が示されている。
図19は、図17に示した多次元時系列データのうち変更後の期間のデータから生成されたアトラクタの一例を示す図である。図18と同様、三次元空間上に各時刻における値を座標とする点が示されている。
図20は、変更前の期間のデータから生成されたアトラクタと変更後の期間のデータから生成されたアトラクタとが重ねられた図である。図20から明らかなように、変化の前後においてアトラクタの形状は同じであるが、アトラクタのサイズが変化している。また、周波数を変更したことにより点の分布が疎になっている。
図21は、変更前の期間のアトラクタから生成されたベッチ数系列および変更後の期間のアトラクタから生成されたベッチ数系列を示す図である。図21において、ハッチングされたプロットは変更前の期間のアトラクタから生成されたベッチ数系列を表し、ハッチングされていないプロットは変更後の期間のアトラクタから生成されたベッチ数系列を表す。このように、アトラクタのサイズが変化したことによって、ベッチ数系列の形状が変化している。
図22は、図21における矢印が示す半径の時のベッチ数を示す図である。時刻500において、ベッチ数が1から16に変化している。このように、多次元時系列データに変化がある時刻においては、ベッチ数にも明らかな変化が現れる。
図23乃至図25は、図17に示した多次元時系列データに対するインバリアント分析の実行結果を示す。図23において、横軸の値は時刻を表し、縦軸の値は項目xと項目yとの相互相関係数を表す。図24において、横軸の値は時刻を表し、縦軸の値は項目yと項目zとの相互相関係数を表す。図25において、横軸の値は時刻を表し、縦軸の値は項目zと項目xとの相互相関係数を表す。図23乃至図25に示すように、いずれの組合せにおいても相互相関係数は概ね1で推移しているため、時刻500における変化を検知することはできない。
図26は、図17に示した多次元時系列データに対する部分空間法の実行結果を示す図である。図26において、横軸の値は時刻を表す。縦軸の値は各部分空間の位置や大きさに相当する量である。具体的には、各部分空間上の状態点の基準点からの距離を表す。基準点としては例えば分布中心を用いることができる。図26において、太い実線は項目xの値を表し、細い実線は項目yの値を表し、破線は項目zの値を表す。ここではそれぞれの項目の値の変化を確認し易くなるようにバイアスが加えられている。図26に示すように、変更後においては縦軸の値が変更前よりも大きな値を持つようになっている。これは、周波数が増加することによってアトラクタ上の点の間隔が広がり、同じ数の状態点で部分時系列を作ると部分空間が広がるためである。このように、時刻500の前後において値が変化することによって、状態の変化を検知することが可能である。
さらに、別の具体例を用いて、本実施の形態の方法を用いた場合の結果と従来技術を用いた場合の結果との違いについて説明する。ここでは、図27に示す多次元の時系列データを例とする。図27において、横軸の値は時刻を表し、縦軸の値は時系列データの値を表す。図27の例では、項目xの時系列データと、項目yの時系列データと、項目zの時系列データとが示されており、x、y及びzはカオス時系列の支配方程式に含まれる3変数に相当する。時刻500において、支配方程式の制御パラメータの値が変更されている。但し、変化の前後においてダブルスクロールカオスの状態はほぼ保存されている。
図28及び図29は、図27に示した多次元時系列データのうち変更前の期間のデータから生成されたアトラクタの一例を示す図である。図28の例においては、三次元空間上に各時刻における値を座標とする点が示されている。図29の例においては、xy平面上に各時刻における値を座標とする点が示されている。
図30及び図31は、図27に示した多次元時系列データのうち変更後の期間のデータから生成されたアトラクタの一例を示す図である。図30の例においては、三次元空間上に各時刻における値を座標とする点が示されている。図31の例においては、xy平面上に各時刻における値を座標とする点が示されている。
図32は、変更前の期間のデータから生成されたアトラクタと変更後の期間のデータから生成されたアトラクタとが重ねられた図である。図32から明らかなように、変化の前後においてダブルスクロールの形状であることは共通しているものの、細部の形状は異なっている。
図33は、変更前の期間のアトラクタから生成されたベッチ数系列および変更後の期間のアトラクタから生成されたベッチ数系列を示す図である。図33において、ハッチングされたプロットは変更前の期間のアトラクタから生成されたベッチ数系列を表し、ハッチングされていないプロットは変更後の期間のアトラクタから生成されたベッチ数系列を表す。このように、アトラクタの形状が変化したことによって、ベッチ数系列の形状が変化している。
図34は、図33における矢印が示す半径の時のベッチ数を示す図である。時刻500においてベッチ数の変化が大きく、制御パラメータの値の変更前後においてはベッチ数の大きさ及び推移の様子が異なる。このように、多次元時系列データに変化がある時刻においては、ベッチ数にも明らかな変化が現れる。
図35は、図27に示した多次元時系列データに対するインバリアント分析の実行結果を示す。図35において、横軸の値は時刻を表し、縦軸の値は変数の組合せのうちいずれかの組合せについての相互相関係数を表す。図35に示すように、制御パラメータの変更後においては、制御パラメータの変更前と比べると、相互相関係数の値は0になる期間が長くなっている。このように、制御パラメータの変更前後における相互相関係数の値の相違から、状態の変化を検知することが可能である。
図36は、図27に示した多次元時系列データに対する部分空間法の実行結果を示す図である。図36において、横軸の値は時刻を表す。縦軸の値は各部分空間の位置や大きさに相当する量である。具体的には、各部分空間上の状態点の基準点からの距離を表す。基準点としては例えば分布中心を用いることができる。図36において、太い実線は項目xの値を表し、細い実線は項目yの値を表し、破線は項目zの値を表す。ここではそれぞれの項目の値の変化を確認し易くなるようにバイアスが加えられている。図36に示すように、変更前後における値の変化は小さく、また、そもそも時系列データが非線形であるので、安定した直交基底の抽出は困難である。なお、部分空間の変化に敏感な手法である為、局所的には細かい部分の変化が有るように見えるものの、明瞭な変化検知は困難である。以上から、部分空間法は図27に示した多次元時系列データには適していない。
従って、上で述べたように、本実施の形態の変化検知は、背景技術の欄に挙げた従来技術のように適用可能な多次元時系列データが限定されるわけではなく、より多くのタイプの多次元時系列データに対して適用可能である。
[実施の形態2]
第1の実施の形態においては状態識別の一態様として変化検知が実行されるが、第2の実施の形態においては状態識別の他の態様として異常検知が実行される。
以下では、第2の実施の形態における情報処理装置1が実行する処理について説明する。図37は、第2の実施の形態における情報処理装置1が実行する処理の処理フローを示す図である。
第1生成部101は、スライド窓の設定を行う(図37:ステップS21)。スライド窓とは、処理対象の多次元時系列データが抽出される期間のことであり、ステップS21においては初期のスライド窓の開始時刻及び期間の長さが設定される。
第1生成部101は、各項目について、スライド窓の期間における多次元時系列データを時系列データ格納部111から読み出す(ステップS23)。
第1生成部101は、ステップS23において読み出された各項目の時系列データから、スライド窓の期間における(xi,yi,zi)の集合であるアトラクタを生成する(ステップS25)。そして、第1生成部101は、生成したアトラクタをアトラクタ格納部113に格納する。
第2生成部103は、ステップS25において生成されたアトラクタに対するパーシステントホモロジ(Persistent Homology)処理によって、各穴次元のバーコードデータを生成する(ステップS27)。第2生成部103は、生成したバーコードデータをバーコードデータ格納部115に格納する。なお、ステップS27においては各穴次元のバーコードデータが生成されるが、所定の穴次元(例えば0次元)のみについてバーコードデータが生成されてもよい。
第2生成部103は、ステップS27において生成されたバーコードデータをバーコードデータ格納部115から読み出し、読み出されたバーコードデータからベッチ数系列を生成する(ステップS29)。そして、第2生成部103は、生成したベッチ数系列をベッチ数データ格納部117に格納する。
第2生成部103は、ステップS29において生成されたベッチ数系列をベッチ数データ格納部117から読み出す。そして、第2生成部103は、読み出されたベッチ数系列と、基準のベッチ数系列(ここでは、正常状態時のスライド窓について生成されたベッチ数系列)との距離を計算する(ステップS31)。正常状態時のスライド窓についてのベッチ数系列は、予め生成される。距離とは、例えば、ユークリッド距離(或いはノルム)およびコサイン類似度等である。
第2生成部103は、ステップS29においてベッチ数系列が生成されたスライド窓の情報に対応付けて、ステップS31において計算された距離を距離データ格納部119に保存する(ステップS33)。
第2生成部103は、スライド窓が終点に到達した(すなわち、ステップS21又はS37において設定されたスライド窓の期間の終了時刻が多次元時系列データの終了時刻に到達した)か判定する(ステップS35)。
スライド窓が終点に到達していない場合(ステップS35:Noルート)、第2生成部103は、次のスライド窓を設定する(ステップS37)。例えば、ステップS21又は前回のステップS37において設定されたスライド窓の期間の開始時刻の所定時間後が開始時刻になるように次のスライド窓が設定される。但し、連続するスライド窓が重複する期間を有するように設定をしてもよい。そして処理はステップS23に戻る。
一方、スライド窓が終点に到達した場合(ステップS35:Yesルート)、検知部105は、ステップS31において計算された距離が所定値以上であるスライド窓の時刻(例えば、開始時刻、中間の時刻又は終了時刻等)の情報等を検知データ格納部121に格納する。そして、出力部107は、検知データ格納部121に格納された時刻の情報に基づき表示データを生成し、生成した表示データを表示装置に表示する(ステップS39)。そして処理は終了する。なお、ステップS39の処理を実行するか否かは任意であるため、図37においてステップS39のブロックは破線で示されている。
図38は、第2の実施の形態における検知データ格納部121に格納されるデータの一例を示す図である。本実施の形態においては距離によって基準の状態との相違を検知することができるため、検知データ格納部121に格納される時刻の情報は基準の状態との相違が検知された時刻を表す。図38の例では、基準の状態である正常状態との相違が検知されたため、異常状態が発生したことを示す情報が格納されている。
本実施の形態の変化検知は、背景技術の欄に挙げた従来技術(例えばインバリアント分析や部分空間法)のように適用可能な多次元時系列データが限定されるわけではなく、より多くのタイプの多次元時系列データに対して適用可能である。すなわち、従来技術を利用する場合には誤検知が発生する可能性がある多次元時系列データについても適切に変化検知を行えるので、変化検知の精度が向上する。
以上本発明の一実施の形態を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、上で説明した情報処理装置1の機能ブロック構成は実際のプログラムモジュール構成に一致しない場合もある。
また、上で説明した各テーブルの構成は一例であって、上記のような構成でなければならないわけではない。さらに、処理フローにおいても、処理結果が変わらなければ処理の順番を入れ替えることも可能である。さらに、並列に実行させるようにしても良い。
また、本実施の形態の処理を複数台の情報処理装置に実行させることで処理を高速化してもよい。
なお、上で述べた情報処理装置1は、コンピュータ装置であって、図39に示すように、メモリ2501とCPU2503とHDD2505と表示装置2509に接続される表示制御部2507とリムーバブル・ディスク2511用のドライブ装置2513と入力装置2515とネットワークに接続するための通信制御部2517とがバス2519で接続されている。オペレーティング・システム(OS:Operating System)及び本実施例における処理を実施するためのアプリケーション・プログラムは、HDD2505に格納されており、CPU2503により実行される際にはHDD2505からメモリ2501に読み出される。CPU2503は、アプリケーション・プログラムの処理内容に応じて表示制御部2507、通信制御部2517、ドライブ装置2513を制御して、所定の動作を行わせる。また、処理途中のデータについては、主としてメモリ2501に格納されるが、HDD2505に格納されるようにしてもよい。本発明の実施例では、上で述べた処理を実施するためのアプリケーション・プログラムはコンピュータ読み取り可能なリムーバブル・ディスク2511に格納されて頒布され、ドライブ装置2513からHDD2505にインストールされる。インターネットなどのネットワーク及び通信制御部2517を経由して、HDD2505にインストールされる場合もある。このようなコンピュータ装置は、上で述べたCPU2503、メモリ2501などのハードウエアとOS及びアプリケーション・プログラムなどのプログラムとが有機的に協働することにより、上で述べたような各種機能を実現する。
以上述べた本発明の実施の形態をまとめると、以下のようになる。
本実施の形態の第1の態様に係る状態識別方法は、(A)複数の時系列データそれぞれの値を座標とする点を複数含むアトラクタを生成し、(B)アトラクタに対するパーシステントホモロジ処理により、ベッチ数の系列データを生成し、(C)ベッチ数の系列データに基づき、複数の時系列データが示す状態を識別する処理を含む。
上記のような方法で生成されたベッチ数の系列データには元の複数の時系列データの特徴が適切に反映されるので、状態識別の精度を向上させることができるようになる。
また、パーシステントホモロジ処理は、アトラクタに含まれる各点を中心とする球の半径を時間の経過に従って拡大した場合におけるベッチ数を計数する処理であってもよい。
球の半径を拡大することで穴の数が変化するが、アトラクタに含まれる点の分布によって穴の数の変化の様子は異なる。従って、上記のようにしてベッチ数を計数すれば、ベッチ数の系列データにアトラクタの特徴が適切に反映されるようになる。
また、複数の時系列データが示す状態を識別する処理において、(c1)生成されたベッチ数の系列データと、所定時刻前の複数の時系列データについて生成されたベッチ数の系列データとの比較に基づき、複数の時系列データが示す状態の変化を検知してもよい。
変化検知を適切に実行できるようになる。
また、複数の時系列データが示す状態を識別する処理において、(c2)生成されたベッチ数の系列データと、複数の時系列データが示す状態が正常である場合におけるベッチ数の系列データとの比較に基づき、複数の時系列データが示す状態が異常であることを検知してもよい。
なお、異常である場合におけるベッチ数との比較に基づき、複数の時系列データが示す状態が正常であることを検知してもよい。
また、本状態識別方法は、(D)識別された複数の時系列データが示す状態に関する情報を出力する処理をさらに含んでもよい。
コンピュータの操作者等が状態を確認することができるようになる。
また、アトラクタを生成する処理において、(a2)各時刻について、複数の時系列データそれぞれから抽出された値を座標とする点を生成し、生成された複数の点を含むアトラクタを生成してもよい。
本実施の形態の第2の態様に係る状態識別装置は、(E)複数の時系列データそれぞれの値を座標とする点を複数含むアトラクタを生成する第1生成部(実施の形態における第1生成部101は上記第1生成部の一例である)と、(F)アトラクタに対するパーシステントホモロジ処理により、ベッチ数の系列データを生成する第2生成部(実施の形態における第2生成部103は上記第2生成部の一例である)と、(G)ベッチ数の系列データに基づき、複数の時系列データが示す状態を識別する識別部(実施の形態における検知部105は上記識別部の一例である)とを有する。
なお、上記方法による処理をプロセッサに行わせるためのプログラムを作成することができ、当該プログラムは、例えばフレキシブルディスク、CD-ROM、光磁気ディスク、半導体メモリ、ハードディスク等のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体又は記憶装置に格納される。尚、中間的な処理結果はメインメモリ等の記憶装置に一時保管される。
以上の実施例を含む実施形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)
コンピュータに、
複数の時系列データそれぞれの値を座標とする点を複数含むアトラクタを生成し、
前記アトラクタに対するパーシステントホモロジ処理により、ベッチ数の系列データを生成し、
前記ベッチ数の系列データに基づき、前記複数の時系列データが示す状態を識別する、
処理を実行させる状態識別プログラム。
(付記2)
前記パーシステントホモロジ処理は、前記アトラクタに含まれる各点を中心とする球の半径を時間の経過に従って拡大した場合におけるベッチ数を計数する処理である、
付記1記載の状態識別プログラム。
(付記3)
前記複数の時系列データが示す状態を識別する処理において、
生成された前記ベッチ数の系列データと、所定時刻前の前記複数の時系列データについて生成されたベッチ数の系列データとの比較に基づき、前記複数の時系列データが示す状態の変化を検知する、
付記1又は2記載の状態識別プログラム。
(付記4)
前記複数の時系列データが示す状態を識別する処理において、
生成された前記ベッチ数の系列データと、前記複数の時系列データが示す状態が正常である場合におけるベッチ数の系列データとの比較に基づき、前記複数の時系列データが示す状態が異常であることを検知する、
付記1又は2記載の状態識別プログラム。
(付記5)
前記コンピュータに、
識別された前記複数の時系列データが示す状態に関する情報を出力する、
処理をさらに実行させる付記1乃至4のいずれか1つ記載の状態識別プログラム。
(付記6)
前記アトラクタを生成する処理において、
各時刻について、前記複数の時系列データそれぞれから抽出された値を座標とする点を生成し、生成された複数の点を含む前記アトラクタを生成する、
付記1記載の状態識別プログラム。
(付記7)
コンピュータが、
複数の時系列データそれぞれの値を座標とする点を複数含むアトラクタを生成し、
前記アトラクタに対するパーシステントホモロジ処理により、ベッチ数の系列データを生成し、
前記ベッチ数の系列データに基づき、前記複数の時系列データが示す状態を識別する、
処理を実行する状態識別方法。
(付記8)
複数の時系列データそれぞれの値を座標とする点を複数含むアトラクタを生成する第1生成部と、
前記アトラクタに対するパーシステントホモロジ処理により、ベッチ数の系列データを生成する第2生成部と、
前記ベッチ数の系列データに基づき、前記複数の時系列データが示す状態を識別する識別部と、
を有する状態識別装置。
1 情報処理装置 101 第1生成部
103 第2生成部 105 検知部
107 出力部 111 時系列データ格納部
113 アトラクタ格納部 115 バーコードデータ格納部
117 ベッチ数データ格納部 119 距離データ格納部
121 検知データ格納部

Claims (7)

  1. コンピュータに、
    N(Nは2以上の整数)の時系列データそれぞれの同じ時点の値を座標とするN次元の点を複数含むアトラクタを生成し、
    前記アトラクタに対するパーシステントホモロジ処理により、ベッチ数の系列データを生成し、
    前記ベッチ数の系列データに基づき、前記の時系列データが示す状態を識別する、
    処理を実行させる状態識別プログラム。
  2. 前記パーシステントホモロジ処理は、前記アトラクタに含まれる各点を中心とする球の半径を時間の経過に従って拡大した場合におけるベッチ数を計数する処理である、
    請求項1記載の状態識別プログラム。
  3. 前記の時系列データが示す状態を識別する処理において、
    生成された前記ベッチ数の系列データと、所定時刻前の前記の時系列データについて生成されたベッチ数の系列データとの比較に基づき、前記の時系列データが示す状態の変化を検知する、
    請求項1又は2記載の状態識別プログラム。
  4. 前記の時系列データが示す状態を識別する処理において、
    生成された前記ベッチ数の系列データと、前記の時系列データが示す状態が正常である場合におけるベッチ数の系列データとの比較に基づき、前記の時系列データが示す状態が異常であることを検知する、
    請求項1又は2記載の状態識別プログラム。
  5. 前記コンピュータに、
    識別された前記の時系列データが示す状態に関する情報を出力する、
    処理をさらに実行させる請求項1乃至4のいずれか1つ記載の状態識別プログラム。
  6. コンピュータが、
    N(Nは2以上の整数)の時系列データそれぞれの同じ時点の値を座標とするN次元の点を複数含むアトラクタを生成し、
    前記アトラクタに対するパーシステントホモロジ処理により、ベッチ数の系列データを生成し、
    前記ベッチ数の系列データに基づき、前記の時系列データが示す状態を識別する、
    処理を実行する状態識別方法。
  7. N(Nは2以上の整数)の時系列データそれぞれの同じ時点の値を座標とするN次元の点を複数含むアトラクタを生成する第1生成部と、
    前記アトラクタに対するパーシステントホモロジ処理により、ベッチ数の系列データを生成する第2生成部と、
    前記ベッチ数の系列データに基づき、前記の時系列データが示す状態を識別する識別部と、
    を有する状態識別装置。
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