JP6991693B2 - 遊技機 - Google Patents

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本発明は、回胴式遊技機(一般的に「スロットマシン」とも称する)等の遊技機に関するものである。
従来、スロットマシン等の遊技機では、あらかじめ規定枚数のメダルが払い出されるボーナスゲーム以外の有利遊技ゲームとして、ARTゲームを搭載している遊技機が既に公知である。
しかし、ARTゲームは、あらかじめ特定の役に当選することにより上乗せ抽選が行なわれるため、結局は何に当選するかによって決まってしまうため遊技が単調になってしまう。
そこで近年、ARTゲーム中の演出として「7図柄を揃えろ」などを指示し、単調さを軽減させる遊技機が提案されている。
特開2010-268920号公報
しかしながら、遊技の単調さを抑制する演出の工夫にはまだまだ改善の余地がある
本発明は、このような課題に着目してなされたものであり、遊技の単調さを抑制しつつ、興趣の低下を抑制可能な遊技機を提供することを目的とする。
当りに関する抽選を行う抽選手段と、遊技者が操作可能な操作手段と、前記操作手段が操作されると前記抽選の結果が示唆される結果示唆手段と、動作可能な可動体と、前記抽選手段による抽選の結果が示されて所定条件を満たした場合には、遊技者にとって有利な有利遊技状態が開始される有利遊技状態制御手段と、を備えた遊技機であって、前記抽選手段による抽選によって前記有利遊技状態に制御することが決定されたゲームが終了して前記所定条件を満たした場合には前記有利遊技状態に必ず制御するようになされており、前記抽選手段による抽選の結果が示されるよりも前のタイミングで前記有利遊技状態に制御されることを認識可能にし、前記有利遊技状態に制御されることが認識可能にされているなかで前記操作手段に対しての操作指示表示が前記抽選手段による抽選によって前記有利遊技状態に制御することが決定されたゲームの途中で表示されることを可能とし、前記有利遊技状態に制御されることを報知する報知演出を実行可能とし、前記有利遊技状態に制御されることを報知する前記報知演出は、前記抽選手段による抽選の結果が示されるよりも前のタイミングで前記有利遊技状態に制御されることを認識可能にしているものの、当該タイミングでは前記報知演出を実行せず、前記抽選手段による抽選によって前記有利遊技状態に制御することが決定されたゲームの抽選の結果が示されてから当該ゲームの次のゲームが開始するよりも前に必ず実行される演出であり、前記抽選手段による抽選によって前記有利遊技状態に制御することが決定されたゲームでは、当該ゲームの途中で表示される前記操作指示表示が表示されるよりも前に所定の液晶表示装置に表示される装飾図柄によってリーチ態様を遊技者に示すことを可能とし、該リーチ態様は、当該ゲームの途中で表示される前記操作指示表示が表示されたあとも継続して表示され、前記抽選手段による抽選によって前記有利遊技状態に制御することが決定されたゲームが開始されたときに前記可動体を動作させることを可能とすることを特徴とする遊技機。
本発明によれば、技の単調さを抑制しつつ、興趣の低下を抑制することができる。
本発明の一実施形態であるスロットマシンにおいて透明部分を不透明として表した正面図である。 図1の状態でスロットマシンを前から見た斜視図である。 スロットマシンを後ろから見た斜視図である。 図1のスロットマシンにおいて透明部分の後方を表した正面図である。 図4の状態でスロットマシンを前から見た斜視図である。 スロットマシンを主な構成毎に分解して前から見た分解斜視図である。 スロットマシンを主な構成毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。 スロットマシンを左右方向中央で切断して右側から見た右側面断面図である。 (a)はスロットマシンにおけるドアユニットを前から見た斜視図であり、(b)はドアユニットを後ろから見た斜視図である。 ドアユニットを主な構成毎に分解して前から見た分解斜視図である。 ドアユニットを主な構成毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。 ドアユニットにおけるトップカバーユニットを左右方向中央で切断して右側から見た右側面断面図である。 トップカバーユニットにおける導光板を発光させた状態で示す正面図である。 (a)はドアユニットにおける前可動演出ユニットの正面図であり、(b)は(a)の状態から前可動装飾体を下降させた状態で示す前可動演出ユニットの正面図である。 (a)はスロットマシンらおける中ユニットの正面図であり、(b)は中ユニットの背面図である。 中ユニットを前から見た斜視図である。 中ユニットを右後ろから見た斜視図である。 中ユニットを左後ろから見た斜視図である。 中ユニットを主な構成毎に分解して前から見た分解斜視図である。 中ユニットを主な構成毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。 中ユニットにおける中ユニットベースに横部可動演出ユニット及び状態表示器を取付けた状態で前から見た斜視図である。 中ユニットにおける中ユニットベースに横部可動演出ユニット及び状態表示器を取付けた状態で後ろから見た斜視図である。 (a)は中ユニットにおける中央可動演出ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は中央可動演出ユニットを後ろから見た斜視図である。 中央可動演出ユニットを分解して前から見た分解斜視図である。 中央可動演出ユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。 (a)は中央可動演出ユニットにおける進退ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は中央可動演出ユニットにおける進退ユニットを後ろから見た斜視図である。 進退ユニットに配線部材を保持させた状態で前から見た斜視図である。 進退ユニットを分解して前から見た分解斜視図である。 進退ユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。 (a)は進退ユニットの断面図であり、(b)は(a)の一部を拡大して示す断面図である。 (a)は中央可動演出ユニットの通常の状態における概略構成を示す正面図であり、(b)は中央可動演出ユニットにおける進退ユニットを誘導する誘導部を示す正面図である。 中央可動演出ユニットにおいて進退ユニットを前進させた状態での概略構成を示す正面図である。 中央可動演出ユニットの第二実施形態を概略で示す正面図である。 中ユニットにおける上部可動演出ユニットを前から見た斜視図である。 上部可動演出ユニットを後ろから見た斜視図である。 上部可動演出ユニットにおける上横可動演出ユニットの動きを示す上部可動演出ユニットの正面図である。 上部可動演出ユニットにおける上中可動演出ユニットを概略構成で示す正面図である。 (a)は退避状態の上中可動演出ユニットを正面から概略で示す説明図であり、(b)は(a)の状態から途中まで出現した状態の上中可動演出ユニットを正面から概略で示す説明図であり、(c)は出現状態の上中可動演出ユニットを正面から概略で示す説明図である。 上横可動演出ユニットの上横可動装飾体を中央側へ移動させると共に上中可動演出ユニットの上中可動装飾体を出現位置へ移動させた状態で示す上部可動演出ユニットの正面図である。 前可動演出ユニットの前可動装飾体を下降端に位置させた状態で示すスロットマシンの正面図である。 中央可動演出ユニットの中央可動装飾体ユニットを上昇端に位置させた状態で示すスロットマシンの正面図である。 図41の状態から上部可動演出ユニットの上中左装飾体及び上中右装飾体を出現位置に移動させた状態で示すスロットマシンの正面図である。 図42の状態から上部可動演出ユニットの一対の上横可動装飾体612を中央側へ移動させた状態で示すスロットマシンの正面図である。 図43の状態から横部可動演出ユニットのサブ左液晶表示装置及びサブ右液晶表示装置を直立させた状態で示すスロットマシンの正面図である。 横部可動演出ユニットのサブ左液晶表示装置及びサブ右液晶表示装置を水平に延びたまま図柄表示領域の前方側へ下降させた状態で示すスロットマシンの正面図である。 横部可動演出ユニットのサブ左液晶表示装置及びサブ右液晶表示装置を直立させてメイン液晶表示装置の左右両側に位置させた状態で示すスロットマシンの正面図である。 図46の状態から横部可動演出ユニットのサブ左液晶表示装置及びサブ右液晶表示装置を下降させて図柄表示領域の左右両側に位置させた状態で示すスロットマシンの正面図である。 トップカバーユニットの導光板を発光装飾させた状態で示すスロットマシンの正面図である。 スロットマシンに装備されている各種の機構要素や電子機器類、操作部材等の構成を概略的に示す概略図である。 スロットマシンにおける各リールの外周面に備えられている図柄列を展開して示す説明図である。 当たり値判定テーブルである。 スロットマシンにおける基本的な1ゲームの処理手順を示すフローチャートである。 始動処理の処理手順を示すフローチャートである。 遊技状態の移行を示すブロック図の一例である。 指示機能処理の大まかな処理の流れを説明するための図である。 リール停止処理の処理手順を示すフローチャートである。 昇格演出の演出例を示す説明図である。 判定処理の処理手順を示すフローチャートである。 ボーナスゲーム開始処理の処理手順を示すフローチャートである。 ボーナスゲーム終了判定処理の処理手順を示すフローチャートである。 ARTゲーム判定処理の処理手順を示すフローチャートである。 チャンスメーター抽選テーブルを示す図である。 通常状態処理の処理手順を示すフローチャートである。 チャンスゾーン、ART抽選テーブルを示す図である。 チャンスゾーン処理の処理手順を示すフローチャートである。 チャンスモードアップ抽選テーブルを示す図である。 モード別のチャンスゾーン中のARTゲームの上乗せ確率を示した図である。 モード0における図柄揃いゲームを示す図である。 モード1における図柄揃いゲームを示す図である。 モード2における図柄揃いゲームを示す図である。 モード0における図柄揃いゲームを示す図である。 モード1における図柄揃いゲームを示す図である。 モード2における図柄揃いゲームを示す図である。 モード0における図柄揃いゲームを示す図である。 モード1における図柄揃いゲームを示す図である。 モード2における図柄揃いゲームを示す図である。 モード0における図柄揃いゲームを示す図である。 モード1における図柄揃いゲームを示す図である。 モード2における図柄揃いゲームを示す図である。 モード0における図柄揃いゲームを示す図である。 モード1における図柄揃いゲームを示す図である。 モード2における図柄揃いゲームを示す図である。 モード1における図柄揃いゲームを示す図である。 モード2における図柄揃いゲームを示す図である。
[1.スロットマシンの全体構成]
以下、図面を参照して本発明の遊技機における好適な実施形態について、スロットマシン1を例に図面を参照して説明する。まず、図1乃至図8を参照して本実施形態のスロットマシン1の全体構成について説明する。図1は本発明の一実施形態であるスロットマシンにおいて透明部分を不透明として表した正面図であり、図2は図1の状態でスロットマシンを前から見た斜視図であり、図3はスロットマシンを後ろから見た斜視図である。また、図4は図1のスロットマシンにおいて透明部分の後方を表した正面図であり、図5は図4の状態でスロットマシンを前から見た斜視図である。更に、図6はスロットマシンを主な構成毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図7はスロットマシンを主な構成毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。また、図8は、スロットマシンを左右方向中央で切断して右側から見た右側面断面図である。
本実施形態のスロットマシン1は、遊技ホール等に設置され前面が開口している箱状の筐体ユニット2と、筐体ユニット2内に収容されている遊技ユニット3と、遊技ユニット3が前方から視認可能となるように筐体ユニット2の前面の開口を開閉可能に閉鎖しているドアユニット4と、ドアユニット4の後側に取付けられている中ユニット5と、を主に備えている。
筐体ユニット2は、詳細は後述するが、箱状の筐体本体10と、遊技を制御するための主制御ユニット20と、遊技媒体としてのメダルの貯留及び払出しをするための払出ユニット30と、主制御ユニット20や払出ユニット30等に電源を供給するための電源ユニット50と、電源に入切や遊技内容に設定を行うためのスイッチユニット60と、を備えている。主制御ユニット20、払出ユニット30、電源ユニット50、及びスイッチユニット60は、筐体本体10内に取付けられている。
遊技ユニット3は、詳細は後述するが、外周面に複数の図柄から図柄列を夫々有し左右に並んだ三つのリール70と、三つのリール70を夫々独立して回転させるリール駆動機構80と、三つのリール70及びリール駆動機構80を筐体ユニット2内に取付けるためのユニットベース90と、を備えている。
ドアユニット4は、詳細は後述するが、筐体ユニット2の前面開口を開閉するドア本体ユニット100と、ドア本体ユニット100の上部に取付けられるトップカバーユニット200と、トップカバーユニット200の後側に取付けられる前可動演出ユニット300と、を備えている。ドア本体ユニット100は、遊技ユニット3の三つのリール70を回転させたり停止させたりして遊技を行うために遊技者が操作する操作ユニット120と、払出ユニット30から払出されたメダルを貯留するための皿ユニット150と、を備えている。
中ユニット5は、詳細は後述するが、ドアユニット4に取付けられる中ユニットベース400と、演出画像を表示可能なメイン液晶表示装置450と、演出を制御するための周辺制御ユニット470と、中央可動演出ユニット500と、上部可動演出ユニット600と、横部可動演出ユニット700と、遊技状態を表示するための状態表示器800と、を備えている。
[2.筐体ユニットの全体構成]
続いて、本実施形態のスロットマシン1における筐体ユニット2の全体構成について、主に図6乃至図8を参照して詳細に説明する。筐体ユニット2は、前面が開口した箱状で、内部に遊技ユニット3が収容されると共に、前面の開口がドアユニット4により開閉可能に閉鎖されるものである。この筐体ユニット2は、前面が開口した箱状の筐体本体10と、筐体本体10内の上部に取付けられており遊技内容を制御する主制御ユニット20と、筐体本体10内の下部中央に取付けられており遊技媒体として投入されたメダルを受けると共に遊技結果に応じてメダルを払出す払出ユニット30と、筐体本体10内における払出ユニット30の正面視右側に取付けられており払出ユニット30から溢れたメダルを収納する収納箱40と、筐体本体10内における払出ユニット30の正面視左側に取付けられており電源を制御するため電源ユニット50と、筐体本体10内における電源ユニット50の前側に取付けられているスイッチユニット60と、を備えている。
[2-1.筐体本体]
筐体ユニット2の筐体本体10は、前面が開口し上下に延び箱状に形成されている。筐体本体10は、図示するように、底部を形成する平板状の底板11と、底板11の左右両端辺から夫々上方に立上っている平板状の一対の側板12と、一対の側板12の上端辺同士を連結しており天部を形成している平板状の天板13と、天板13、一対の側板12、及び底板11により形成された正面視長方形状の後端開口を閉鎖している平板状の背板14と、内部を上下に仕切る仕切板15と、を備えており、前面が開口している箱状に形成されている。この筐体本体10は、左右両側に配置された一対の側板の前端辺が、下端よりも上端が後方に位置するように傾斜している。筐体本体10内における仕切板15上に、遊技ユニット3が取付けられる。
また、筐体本体10は、一対の側板12における上下方向の略中央に、前後方向に延びていると共に外側から内側に向かって窪んでいる取っ手16を備えている。また、筐体本体10は、正面視左側の側板12の前端に取付けられておりドアユニット4をヒンジ回転可能に取付けるためのヒンジ金具17と、正面視右側の側板12の前端内側に取付けられておりドアユニット4における施錠ユニット180の施錠フック182が係止される係止片(図示は省略)と、を備えている。
更に、筐体本体10は、図8に示すように、背板14における左右方向中央で後述する払出ユニット30におけるホッパ32の上端よりも若干高い位置で、前後に貫通している補給孔14aを開閉可能に閉鎖している補給蓋18を備えている。補給蓋18は、背板14の補給孔14aに着脱可能に取付けられる枠状の取付枠部18aと、取付枠部18a内の上辺縁に沿って回動可能に取付けられており取付枠部18a内を閉鎖可能な平板状の扉部18bと、を備えている。この補給蓋18は、合成樹脂によって取付枠部18aと扉部18bとが一体に形成されており、合成樹脂の塑性変形によって扉部18bが取付枠部18aに対して開閉可能に可動することができる。
この補給蓋18の作用について説明すると、本実施形態のスロットマシン1を、メダルの自動補給装置を備えた島設備に設置する場合、補給蓋18の扉部18bを筐体本体10内側へ回動させて、取付枠部18aの枠内を開口させた状態とし、開口している取付枠部18aの枠内を通して自動補給装置の補給ダクトを筐体本体10内に挿入する。これにより、補給ダクトを介して自動補給装置からのメダルをホッパ32内に補給させることができる。一方、自動補給装置を備えていない島設備に本実施形態のスロットマシン1を設置する場合は、取付枠部18aの枠内が扉部18bによって閉じられたままの状態で使用し、取付枠部18aの枠内を通して筐体本体10内に埃やゴミ等の侵入を防止することができる。なお、自動補給装置を備えていない島設備では、ホッパ32へのメダルを補給する場合、ドアユニット4を開いて筐体本体10の前方から行う。
この補給蓋18によれば、自動補給装置の補給ダクトを挿通させる際に、筐体本体10から補給蓋18を取外さなくても、扉部18bを開けることで補給ダクトを筐体本体10内に挿入することができ、スロットマシン1の使用中において取外した補給蓋を保管する手間を無くすことができると共に、補給蓋の取外しによる補給蓋の紛失の虞を無くすことができる。
なお、本実施形態では、補給蓋18として、開閉可能な扉部18bを備えたものを示したが、取付枠部18aの枠内が埋められて開閉可能な扉部18bを備えていない補給蓋としても良い。この場合は、補給蓋を筐体本体10から取外して補給孔14aを開口させ、補給孔14aに補給ダクトを通すことで自動補給装置を備えた島設備に対応することができる。
[2-2.主制御ユニット]
筐体ユニット2の主制御ユニット20は、図8に示すように、筐体本体10内において、背板14の前面上部に取付けられている。この主制御ユニット20は、遊技内容の制御と遊技媒体としてのメダルの払出しを制御するための主制御基板21と、主制御基板21を収容している主制御基板ボックス22と、主制御基板21での制御に用いられるプログラムやデータ等を予め記憶した制御ROMを備えているサブ主制御基板23と、サブ主制御基板23を収容しているサブ主制御基板ボックス24と、主制御基板ボックス22及びサブ主制御基板ボックス24が取付けられ、筐体本体10の背板14に取付けられる板状の取付ベース25と、主制御基板ボックス22とサブ主制御基板ボックス24とに跨って取付ベース25に取付けられるボックスカバー26と、を備えている。
詳細な図示は省略するが、主制御基板21は、正面視の形状が左右に延びた長方形に形成されており、前面の下端付近に入出力に用いられる複数のコネクタが取付けられている。主制御基板ボックス22は、主制御基板21の入出力用のコネクタが前方に臨むように、主制御基板21を収容している。また、主制御基板ボックス22は、前後に分割可能に形成されていると共に、分割(開閉)した痕跡が残るように形成されている。この主制御基板ボックス22は、取付ベース25の前面上部に、脱着可能に取付けられる。主制御基板ボックス22と取付ベース25とは、取付け取外しの痕跡が残るように夫々が形成されている。
サブ主制御基板23は、正面視の形状が左右に延びた長方形に形成されており、前面の上端付近に入出力用に用いられる複数のコネクタが取付けられている。サブ主制御基板ボックス24は、サブ主制御基板23の入出力用のコネクタが前方に臨むように、サブ主制御基板23を収容している。また、サブ主制御基板ボックス24は、前後に分割可能に形成されていると共に、開閉した痕跡が残るように形成されている。このサブ主制御基板ボックス24は、主制御基板ボックス22の下側となる取付ベース25の前面下部に、脱着可能に取付けられる。サブ主制御基板ボックス24と取付ベース25とは、取付け取外しの痕跡が残るように夫々が形成されている。
主制御基板ボックス22及びサブ主制御基板ボックス24は、取付ベース25の前面において、上下に並んで取付けられている。ボックスカバー26は、主制御基板ボックス22から前方に臨んでいる主制御基板21の複数のコネクタと、サブ主制御基板ボックス24から前方に臨んでいるサブ主制御基板23の複数のコネクタとを覆うように、取付ベース25に着脱可能に取付けられている。ボックスカバー26と取付ベース25とは、取付け取外しの痕跡が残るように形成されている。
[2-3.払出ユニット]
筐体ユニット2の払出ユニット30は、図6及び図8に示すように、筐体本体10内における左右方向の略中央で、底板11の上面に取付けられており、ドアユニット4の投入口123に投入されてメダルセレクタ170により振分けられた遊技媒体としてのメダルを貯留すると共に、貯留しているメダルをドアユニット4の受皿151に払出すものである。払出ユニット30は、底板11の上面に取付けられるユニット本体31と、ユニット本体31の上部に取付けられており、上方に開放されていると共に下部が下方に向かうに従って窄まっておりメダルを受けることが可能なホッパ32と、ホッパ32内の下端部でユニット本体31に回転可能に取付けられており、周方向に等間隔でメダルの外径よりも若干大きい直径で貫通している複数の収容部33aを有した円盤状の払出回転体33と、払出回転体33を回転駆動させユニット本体31に取付けられている払出モータ34と、払出モータ34の駆動により払出回転体33が回転させられることで収容部33aに収容されたメダルを払出しユニット本体31の前面に開口している払出口35と、を備えている。
払出ユニット30は、ドアユニット4の投入口に投入された後に、セレクタにより振分けられたメダルを、ホッパ32により受けると共に、ホッパ32内に貯留することができる。なお、ホッパ32内がメダルで一杯になった場合、溢れたメダルがホッパ32の排出口(図示は省略)から収納箱40内に排出される。また、払出ユニット30は、ホッパ32内に貯留されたメダルを、主制御基板21からの払出コマンドに応じて、払出モータ34により払出回転体33を回転させて、払出口35からメダルを払出す。排出口35から払出されたメダルは、ドアユニット4の放出口112を通って受皿151内に供給される(払出される)。この払出ユニット30は、払出モータ34の駆動によりメダルを一つずつ払出すことができる。
払出ユニット30のホッパ32から溢れたメダルが排出される収納箱40は、上方が開放された箱状に形成されている。この収納箱40内には、上下に離間した一対の検知棒(図示は省略)が挿入されている。一対の検知棒は、夫々主制御基板21に接続されており、一対の検知棒の間を埋めるように収納箱40内にメダルが貯留されることで、一対の検知棒の間で接触している複数のメダルを通して、一対の検知棒の間で通電が可能となると、主制御基板21において収納箱40内がメダルで満杯になったと判断し、その旨を遊技者や遊技ホール側に報知する。
[2-4.電源ユニット]
筐体ユニット2の電源ユニット50は、主制御ユニット20、払出ユニット30、ドアユニット4や中ユニット5等のスロットマシン1内に備えられている各種電気部品に対して電源を供給するためのものである。この電源ユニット50は、筐体本体10内における正面視左側の側板12の下部に取付けられている。電源ユニット50は、電源を供給するための電源基板(図示は省略)と、電源基板を覆い筐体本体10内の側板12に取付けられる電源基板ボックス52と、を備えている。電源基板は、電源基板ボックス52によって全体が覆われている。
[2-5.スイッチユニット]
筐体ユニット2のスイッチユニット60は、筐体本体10内における電源ユニット50の前方で、正面視左側の側板12の内側下部に取付けられている。このスイッチユニット60は、スロットマシン1の電源スイッチ61と、遊技内容を設定するための設定スイッチ62と、を備えている。電源スイッチ61及び設定スイッチ62は、開閉可能なカバーにより覆われている。
スイッチユニット60の設定スイッチ62は、詳細な図示は省略するが、キースイッチとボタンスイッチとで構成されており、キースイッチに特定のキーを差し込んで回すことにより、OFFからONにすることで、ボタンスイッチの操作が受付可能となる。設定スイッチ62を操作することで、スロットマシン1をリセットしたり、遊技モードを変更したりすることができる。設定スイッチ62により設定された遊技モードは、中ユニット5の状態表示器800の設定表示器810に、アラビア数字で表示される。
[3.遊技ユニット]
続いて、本実施形態のスロットマシン1における遊技ユニット3について、主に図6及び図8を参照して説明する。円筒状の三つのリール70と、各リール70を回転駆動可能に取付けているリール駆動機構80と、各リール70が同軸上となるように三つのリール駆動機構80を支持しており筐体本体10内における仕切板15の上面に取付けられるユニットベース90と、を備えている。遊技ユニット3は、左右方向に並んだ三つのリール70を備えており、正面視左から左リール70L、中リール70M、右リール70L、と称する。
遊技ユニット3のリール70は、詳細な図示は省略するが、円盤状のハブから放射状に延びた複数(本例では5本)のスポークの先端同士を円環状のリムで連結しているリールメインフレーム71と、リールメインフレーム71から軸方向に離間していると共に同軸上に配置されておりリムと外径が同径の円環状のリールサブフレーム(図示は省略)と、リールサブフレームとリールメインフレーム71のリムとを連結しており透光性を有した円筒状のリールシリンダ73と、を備えている。リールメインフレーム71は、複数のスポークのうちの一つからリールサブフレーム側に突出している平板状の検知片を備えている。リール70におけるリールシリンダ73の外周面に、複数の図柄を列状に配列した図柄列(図50を参照)を印刷した透光性を有する図柄シート(図示は省略)が貼付けられている。
遊技ユニット3のリール駆動機構80は、ユニットベース90に取付けられる板状の駆動ベース81と、駆動ベース81の一方の面から直角に突出しておりリール70におけるリールメインフレーム71のハブを回転可能に支持する円柱状の軸部82と、駆動ベース81における軸部82が突出している側と同じ面側に回転軸が突出するように駆動ベース81に取付けられているリールモータ83と、リールモータ83の回転軸に取付けられている駆動ギア(図示は省略)と、駆動ギアと噛合しておりリール70におけるリールメインフレーム71のハブに取付けられる従動ギア85と、駆動ベース81における軸部82が突出している側の面に取付けられておりリール70におけるリールメインフレーム71の検知片を検知可能なリール回転検知センサ86と、を備えている。
また、リール駆動機構80は、駆動ベース81における軸部82が突出している側の面に取付けられており組立てた状態で前面側が開放されている箱状のリフレクタ87と、リフレクタ87の後側に取付けられており前面に複数のLEDが実装されているリール装飾基板88と、を備えている。リフレクタ87は、開放されている前面側が、リール7における円筒状のリールシリンダ73の内周面に沿うように湾曲状に形成されている。また、リフレクタ87は、リールシリンダ73の内周面の周方向に対して三つに等分割されている。リール装飾基板88は、リフレクタ87の三つに分割された部位の夫々に対するようにLEDが実装されている。
このリール駆動機構80は、駆動ベース81がリール70の軸方向におけるリールサブフレーム側の外方に位置するように組立てられる。また、組立てた状態では、リフレクタ87が、リール70におけるリールメインフレーム71とリールサブフレームとの間で、リールシリンダ73の内側に位置している。これにより、リール装飾基板88のLEDを発光させると、リールシリンダ73(図柄シート)の一部を内側から発光装飾させることができる。
遊技ユニット3のユニットベース90は、前面が開放された箱状に形成されており、側面視における内周形状が、リール駆動機構80における駆動ベース81の外周形状と略一致している。このユニットベース90は、内部に、夫々にリール70が回転駆動可能に取付けられている三つのリール駆動機構80を、各リール70が左右方向に延びた軸線に対して同軸上に取付けることができる。また、ユニットベース90は、内部にリール駆動機構80を介してリール70を取付けた状態で、リール70における外周面の約1/3が前方に露出するように形成されている。
遊技ユニット3における三つのリール70には、図柄の配列が異なった図柄シートが夫々取付けられている(図50を参照)。遊技ユニット3は、リールモータ83がステッピングモータとされており、リールメインフレーム71の検知片をリール回転検知センサ86により検知することで、主制御基板21によりリール70の回転角度を正確に制御することができ、リール70(図柄シートに施された図柄)を所望の回転角度で回転停止させることができる。
遊技ユニット3は、左右に並んだ三つのリール70を、リール駆動機構80のリールモータ83により回転させることで、三つのリール70による三つの図柄列を変動表示させることができる。詳述する土、遊技ユニット3は、左右に並んだ三つのリール70を、夫々リールモータ83により正面視において外周面に備えられた複数の図柄(図柄列)が上から下へ移動するように回転させることで、図柄を変動表示させる。また、遊技ユニット3は、各リール70内に配置されているリフレクタ87及びリール装飾基板88により、周方向(上下方向)に並んだ三つ分の図柄を発光装飾させることができ、三つのリール装飾基板88により、左右に三つ並んだ上下三段の合計九つの図柄を発光装飾させることができる。この三つのリール装飾基板88により発光装飾させることが可能な領域が、三つのリール70による図柄表示領域Aとなっている(図4を参照)。
[4.ドアユニットの全体構成]
次に、本実施形態のスロットマシン1におけるドアユニット4の全体構成について、主に図9乃至図11を参照して説明する。図9(a)はスロットマシンにおけるドアユニットを前から見た斜視図であり、(b)はドアユニットを後ろから見た斜視図である。また、図10はドアユニットを主な構成毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図11はドアユニットを主な構成毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。
スロットマシン1のドアユニット4は、箱状に形成された筐体ユニット2の前面の開口を開閉可能に閉鎖するものである。ドアユニット4は、筐体ユニット2の前面に対して開閉可能に取付けられるドア本体ユニット100と、ドア本体ユニット100の上部前面に取付けられるトップカバーユニット200と、トップカバーユニット200とドア本体ユニット100との間に取付けられる前可動演出ユニット300と、を備えている。前可動演出ユニット300は、トップカバーユニット200を通して遊技者側(前側)から視認可能に取付けられている。
[4-1.ドア本体ユニット]
ドアユニット4におけるドア本体ユニット100について、主に図9乃至図10を参照して詳細に説明する。ドア本体ユニット100は、筐体ユニット2における筐体本体10の前面開口を閉鎖可能な大きさのドアベース110と、ドアベース110の前面に取付けられる操作ユニット120と、操作ユニット120の下側でドアベース110の前面に取付けられている前下装飾ユニット140と、前下装飾ユニット140の下側でドアベース110の前面に取付けられている受皿ユニット150と、を備えている。
また、ドア本体ユニット100は、ドアベース110の後面に取付けられている補強ユニット160と、ドアベース110の後面に取付けられているメダルセレクタ170と、ドアベース110の後面にて取付けられている施錠ユニット180と、ドアベース110の後面に取付けられている低音用スピーカ190と、を備えている。低音用スピーカ190は、ドアベース110の前面における前下装飾ユニット140と受皿ユニット150との間で前方に音を放射(出力)するように取付けられている。
[4-1a.ドアベース]
ドア本体ユニット4のドアベース110は、筐体ユニット2における筐体本体10の前面開口を閉鎖可能な大きさに形成されており、正面視の外形形状が上下に延びた長方形に形成されている。ドアベース110は、上下方向中央よりもやや下寄りの位置から上側に、周縁が細く残るように四角形状で前後に貫通した開口部111を有している。また、ドアベース110は、開口部111よりも下方で正面視左右方向の略中央に、四角形状で前後に貫通している放出口112を更に有している。ドアベース110は、合成樹脂によって一体成型されている。
[4-1b.操作ユニット]
ドア本体ユニット4の操作ユニット120は、ドアベース110の前面における開口部111の下側に取付けられている。操作ユニット120は、ドアベース110の開口部111の下辺から前端側が僅かに低くなるように延出している棚部121と、棚部121の前端から下方に垂下している垂下部122と、を備えており、ドアベース110の前面から前方に膨出している。
また、操作ユニット120は、棚部121における正面視右端付近に遊技媒体としてのメダルを投入するための投入口123と、投入口123の左側で棚部121における正面視左右方向中央に配置されている演出ボタン124と、演出ボタン124の左側で棚部121の前端付近に配置されているMAXベットボタン125と、MAXベットボタン125の後方でやや左寄りに配置されている1ベットボタン126と、1ベットボタン126及びMAXベットボタン125の左側で棚部の左端付近に配置されている十字キー127と、を備えている。
更に、操作ユニット120は、垂下部122における正面視左右方向中央に左右に列設された三つの停止ボタン128と、停止ボタン128の正面視左側に配置され垂下部122から前方に突出している始動レバー129と、始動レバー129の左側で垂下部122の左端付近に配置されている清算ボタン130と、停止ボタン128の正面視右側に配置されている返却ボタン131と、を備えている。
操作ユニット120の投入口123は、円盤状のメダルを、裏表面を前後方向に向けた向きで一つずつ投入することができるように形成されている。投入口123に投入したメダルは、後述するメダルセレクタにより払出ユニット30側に振分けられてホッパ32内に貯留される。また、投入口123に投入されたメダルは、メダルセレクタ170内において検知され、その検知信号が主制御基板21に送られることで、主制御基板21において投入されたメダルの数が計数されて記憶される。
演出ボタン124は、平面視の形状が横長の楕円形に形成されている。この演出ボタン124は、通常の状態では、上面が棚部121の上面から若干上方に突出しており、遊技状態に応じて棚部121の上面よりも高く突出して遊技者が押圧可能な状態となる。演出ボタン124は、遊技状態に応じて行われる演出の際に、遊技者が使用するためのものである。また、演出ボタン124は、図示は省略するが、内部に複数のLEDを備えており、LEDの発光により発光装飾させることができる。
MAXベットボタン125は、平面視の形状が円形で演出ボタン124よりは小さく形成されていると共に、常時押圧可能とされている。MAXベットボタン125は、主制御基板21において投入口123に投入されることで記憶されたメダルの数が三つ以上の時に、押圧操作が受付けられる。MAXベットボタン125の押圧操作が受付けられると、主制御基板21に記憶されている投入されたメダルの数から、1回の遊技に使用するメダルの数として最大である三枚を差し引いて遊技を開始できるようになる。MAXベットボタン125は、内部にLEDを備えており、LEDの発光により発光装飾させることができる。
1ベットボタン126は、平面視の形状が円形で、MAXベットボタン125よりも小さく形成されている。この1ベットボタン126は、受付可能な時に押圧操作をすると、主制御基板21において記憶されているメダルの数から、1回の遊技に使用するメダルの数として1枚を差し引いて遊技を開始できるようになる。
十字キー127は、詳細な図示は省略するが、中央に配置された円形の中ボタン、中ボタンの上側(後側)及び下側(前側)に夫々配置された扇状の上ボタン及び下ボタン、中ボタンの左側及び右側に配置された扇状の左ボタン及び右ボタン、の合計五つのボタンを備えている。この十字キー127は、遊技状態に応じて行われる演出の際に、遊技者が使用するためのものである。
停止ボタン128は、左右に三つ並んでおり、左側から、左停止ボタン128L、中停止ボタン128M、右停止ボタン128Rとされている。これら三つの停止ボタン128は、遊技ユニット3における左右に並んだ三つのリール70(左リール70L、中リール70M、右リール70R)に夫々対応しており、リール70が回転中に押圧操作を行うことで、対応しているリール70の回転を停止させることができる。各停止ボタン128は、夫々LEDを備えており、LEDの発光により発光装飾させることができる。
始動レバー129は、投入口123にメダルを投入した後に、MAXベットボタン125又は1ベットボタン126を操作して遊技を開始することができる状態の時に操作すると、主制御基板21からの制御コマンドに基づいて、遊技ユニット3の三つのリール70を回転させて遊技を開始させるものである。三つのリール70が回転することで、各リール70の外周面に施されている図柄が変動表示されることとなる。
清算ボタン130は、投入口123に投入して主制御基板21に記憶されているメダルの数と同じ数のメダルを、払出ユニット30から受皿151内に払出すと共に、主制御基板21に記憶されているメダルの数を「0」とするものである。返却ボタン131は、メダルセレクタ170内に貯留されているメダルを、受皿に返却するためのものである。
この操作ユニット120は、返却ボタン131の正面視右側に、施錠ユニット180の鍵穴185が臨んでいる。
[4-1c.前下装飾ユニット]
ドア本体ユニット100の前下装飾ユニット140は、操作ユニット120の下側で、操作ユニット120と同様にドアベース110の前面から前方に膨出している。前下装飾ユニット140は、操作ユニット120の垂下部122の下端から下方に延出した透光性を有する前下装飾部141と、前下装飾部141の左右両側に夫々配置されているスピーカ142と、を備えている。
前下装飾ユニット140は、図示は省略するが、前下装飾部141の後側に配置されスロットマシン1のコンセプトに沿った装飾が印刷された透光性を有する装飾パネルと、装飾パネルの後側に配置されており前面に複数のLEDが実装された前下装飾基板と、を備えている。前下装飾基板のLEDを適宜発光させることで、前下装飾部141を発光装飾させることができる。
二つのスピーカ142は、周辺制御基板からの音信号によりステレオでサウンドを出力することができる。また、スピーカ142は、前面にパンチングメタルからなるスピーカカバーにより覆われている。
[4-1d.受皿ユニット]
ドア本体ユニット100の受皿ユニット150は、前下装飾ユニット140の下面から下方に間隔を開けてドアベース110の前面下端に取付けられている。受皿ユニット150は、ドアベース110の前面から前方に膨出していると共に、上方に開放されている皿状の受皿151と、受皿151の正面視左側に配置されている灰皿152と、を備えている。ドアベース110における受皿151の後壁を形成している部位に、放出口112が配置されており、払出ユニット30から払出されたメダルが、放出口112を通って受皿151内に放出される。
[4-1e.補強ユニット]
ドア本体ユニット100の補強ユニット160は、金属板により形成されており、ドアベース110を後側から補強している。補強ユニット160は、ドアベース110の後面における正面視左辺に沿って取付けられており筐体ユニット2における筐体本体10のヒンジ金具17に対してヒンジ回転可能に取付けられる棒状の左補強金具161と、ドアベース110の後面において上辺に沿って取付けられる棒状の上補強金具162と、ドアベース110の後面において開口部111の下辺に沿って取付けられる棒状の中補強金具163と、ドアベース110の後面の前下装飾ユニット140よりも下側となる部位に取付けられる平板状の下部補強板164と、を備えている。
補強ユニット160における左補強金具161、上補強金具162、及び中補強金具163は、帯板状の金属板を屈曲して形成されている。補強ユニット160の上補強金具161及び中補強金具163に、後述する中ユニット5が取付けられる。
[4-1f.メダルセレクタ]
ドア本体ユニット100のメダルセレクタ170は、ドアベース110の後面における開口部111よりも下側で操作ユニット120の投入口123の後方に相当する部位に取付けられている。メダルセレクタ170は、通常の状態では、操作ユニット120の投入口123にメダルが投入されると、投入されたメダルを払出ユニット30側に誘導して検知した上で、払出ユニット30のホッパ32に放出する。
メダルセレクタ170は、操作ユニット120の返却ボタン131を押圧している状態では、メダルセレクタ170内に貯留されているメダル、及び、新たに投入口123に投入されたメダルを、受皿151側に振分けて、ドアベース110放出口112から受皿151内に放出させる。つまり、メダルセレクタ170は、通常の状態では、投入口123に投入されたメダルを、払出ユニット30側に振分けている。
[4-1g.施錠ユニット]
ドア本体ユニット100の施錠ユニット180は、ドアベース110の後面における正面視右辺に沿って取付けられている。施錠ユニット170は、ドアベース110の正面視右辺の長さよりも若干短く形成されておりドアベース110の後面に取付けられる施錠本体181と、施錠本体181の上端と下端付近に夫々左右方向に延びた軸周りに回動可能に取付けられており筐体本体10の係止片(図示は省略)に係止可能な一対の施錠フック182と、一対の施錠フック182を夫々回動させ、施錠本体181にスライド可能に取付けられているスライド棹183と、前後に延びた軸周りに回動することでスライド棹183を施錠本体181に沿ってスライドさせる施錠カム184と、前端に開口している鍵穴185に鍵を差し込むことで施錠カム184を回動可能とすると共に、差し込んだ鍵を回動させることで施錠カム184が回動する施錠シリンダ(図示は省略)と、を備えている。
施錠ユニット180は、筐体ユニット2の開口している前面をドアユニット4により閉鎖すると、一対の施錠フック182が筐体ユニット2の図示しない係止片に夫々係止され、筐体ユニット2に対してドアユニット4が開放不能な状態となる。この状態で、施錠ユニット180の鍵穴185に対応している鍵を差し込んで回動させると、一対の施錠フック182が夫々回動して、係止片との係止が解除され、筐体ユニット2に対してドアユニット4を開放させることができる。
この施錠ユニット180は、施錠本体181等が金属板により形成されており、ドアベース110の後面に取付けることで、補強ユニット160と共にドアベース110を補強している。
[4-2.トップカバーユニット]
続いて、ドアユニット4のトップカバーユニット200について、主に図10乃至図13を参照して詳細に説明する。図12は、ドアユニットにおけるトップカバーユニットを左右方向中央で切断して右側から見た右側面断面図である。図13は、トップカバーユニットにおける導光板を発光させた状態で示す正面図である。トップカバーユニット200は、ドアベース110の開口部111を閉鎖するように、ドア本体ユニット100の上部前面に取付けられる。
トップカバーユニット200は、ドア本体ユニット100におけるドアベース110の開口部111を閉鎖可能とされ、後方が開放された浅い箱状のトップカバー201と、トップカバー201内に配置されている透明で平板状の導光板202と、導光板202の上端辺をトップカバー201に取付けている上押え部材203と、導光板202の下端辺をトップカバー201に取付けている下押え部材204と、上押え部材203に取付けられており、上側から導光板202の上面に向かって光を照射する複数のLEDが実装された導光板上装飾基板205と、下押え部材204に取付けられており、下側から導光板202の下面に向かって光を照射する複数のLEDが実装された導光板下装飾基板206と、を備えている。
トップカバー201は、四隅を除いた略全体が透明に形成されている。このトップカバー201は、スロットマシン1に組立てた時に略垂直に立上り、ドアベース110の開口部111と略同じ大きさの平面状の窓部201aを有している。
導光板202は、トップカバー201の窓部201aと略同じ大きさに形成されていると共に、上押え部材203及び下押え部材204により、窓部201aと平行にトップカバー201に取付けられている。導光板202は、詳細な図示は省略するが、一方の面(後面)に微小で透明な複数のドットを有した装飾層を備えている。この導光板201は、導光板上装飾基板205及び導光板下装飾基板206の各LEDが発光していない通常の状態では、遊技者側から装飾層のドットを視認することはできず、後方側がそのまま見える透明な状態となっている。導光板202における装飾層のドットは、印刷技術によって形成されている。
導光板202は、導光板上装飾基板205及び導光板下装飾基板206の各LEDによって上面及び下面から内部に光を照射することで、導光板202内部を通る光が装飾層のドットにより前方に反射し、各ドットを光らせることができ、複数のドットにより表される絵柄等を発光装飾させることができる(図13を参照)。なお、図13及び図48において、絵柄を表している微小な黒点が、実際には点で光っており、白色の部分を通して後方のものが見えるようになっている。導光板202は、装飾層において、下辺から所定高さで左右に延びた範囲内にドットを全く有していない非装飾領域202aを有している(図13を参照)。従って、導光板202の装飾層を発光装飾させた時に、少なくとも非装飾領域202a内が全く発光しないため、非装飾領域202aの後方に配置されているものを良好に視認することができる。
導光板202の非装飾領域202aは、遊技ユニット3の左右に並んだ三つのリール70(図柄列)により表示される上下三段の図柄表示領域Aにおける下段の領域と対応している。つまり、導光板202の装飾層の装飾(絵柄)を発光装飾させた時に、非装飾領域202aを通して、三つのリール70により表示される複数の図柄のうち、下段に位置する図柄のみが遊技者側から良好に視認することができる(図48を参照)。本実施形態のスロットマシン1では、詳細は後述するが、左右三列で上下三段からなる図柄表示領域Aにおいて、下段(下段ライン)のみが有効ラインとされており、導光板202の絵柄を発光装飾させると、有効ライン上に位置する図柄のみを良好に視認させることができ、下段(有効ライン)で左右に並んで停止表示された図柄の組合せに応じて後述する特典が付与される。
また、導光板202は、図示は省略するが、左右両側面に反射層を有している。この反射層により、導光板上装飾基板205及び導光板下装飾基板206の各LEDによって上面及び下面から内部に照射された光が、左右両側面から外部に漏れるのを防止して導光板202の内側へ反射させることができ、装飾層の絵柄をより明るく発光装飾させることができると共に、絵柄の全体をより均一に発光装飾させることができる。
導光板上装飾基板205及び導光板下装飾基板206は、図示は省略するが、夫々下面及び上面に、複数のLEDが左右方向へ一列に実装されている。導光板上装飾基板205及び導光板下装飾基板206に夫々実装されているLEDは、高輝度のカラーLED又は、単色で有色(白色を除く)の高輝度LEDとされており、発光させることで、導光板202の装飾層の絵柄を、虹色のように部分的に異なる色で全体を発光装飾させたり、赤色や青色等の単色で全体を発光装飾させたりすることができる。
なお、本実施形態では、一つの装飾層を有する導光板202を示したが、例えば、一つの導光板に、互いに絵柄の異なる複数の装飾層を有するようにしたり、絵柄の異なる装飾層を有した導光板を複数備えるようにしたりして、導光板上装飾基板や導光板下装飾基板に、各装飾層を独立して発光装飾させることができるような構成としても良い。これにより、遊技状態に応じて発光装飾させる装飾層を異ならせることで、遊技状態に応じて異なる絵柄を表示させることができ、より多彩な演出を遊技者に提示して遊技者を飽き難くすることができる。また、異なる絵柄として、連続した動画の異なるコマの絵柄として、順次発光装飾させるようにした場合、リール70の前方でトップカバーユニットにおいて短い動画を表示させることができるため、遊技者を驚かせることができ、遊技者を楽しませて遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
[4-3.前可動演出ユニット]
ドアユニット4における前可動演出ユニット300について、主に図10、図11、及び図14を参照して詳細に説明する。図14(a)はドアユニットにおける前可動演出ユニットの正面図であり、(b)は(a)の状態から前可動装飾体を下降させた状態で示す前可動演出ユニットの正面図である。前可動演出ユニット300は、トップカバーユニット200の後側で、ドア本体ユニット100のドアベース110における開口部111の形成されている前面に取付けられるものである。
前可動演出ユニット300は、正面視の形状が略四角形で枠状に形成されているユニットベース301と、ユニットベースの後側に配置されており、少なくとも前面に装飾が施された前可動装飾体310と、前可動装飾体310を遊技状態に応じて昇降させる昇降駆動機構320と、を備えている。
前可動演出ユニット300のユニットベース301は、ドア本体ユニット100におけるドアベース110の開口部111が形成されている上部前面に取付けられる。このユニットベース301は、ドアベース110の開口部111の内周形状よりもやや大きく形成されている。枠状のユニットベース301は、上辺を形成している部位が、他の辺を形成している部位と比較して、幅(上下の寸法)が大きく形成されている。このユニットベース301は、透明に形成されている。
前可動装飾体310は、上下方向が略一定の寸法に形成されていると共に、左右方向がユニットベース301の左右の寸法よりも若干短く形成されており、左右に長く延びている。前可動装飾体310は、上下方向の寸法が、ユニットベース301における上辺を形成している部位の上下方向の寸法と、略同じである。前可動装飾体310は、正面視において、下辺における左端付近が下方に突出した外形形状に形成されている。この前可動装飾体310は、スロットマシン1のコンセプトに沿ったアイテムとして、正面視左側を先端側とするナタ(鉈鎌)を模した形状に形成されている。また、前可動装飾体310は、図示は省略するが、前面に複数のLEDが実装された前可動装飾体装飾基板を備えており、複数のLEDの発光により発光装飾させることができる。
昇降駆動機構320は、枠状のユニットベース310における左右両辺を形成している部位の夫々後側に上下両端が取付けられていると共に、前可動装飾体310の左右両端部を昇降可能に取付けている円柱状のスライドシャフト321と、左右のスライドシャフト321の夫々の上下両端付近で前後に延びた軸周りに回転可能に夫々ユニットベース310に取付けられている上下に離間した一対のプーリ322と、上下に離間している一対のプーリ322に巻き掛けられていると共に、一部が前可動装飾体310の左端部又は右端部に夫々取付けられている駆動ベルト323と、左右のスライドシャフト321の夫々の上端部付近でユニットベース310に取付けられており上下に離間しているプーリ322のうちの上側のプーリ322を夫々回転駆動させる前左駆動モータ324及び前右駆動モータ325と、を備えている。
前可動演出ユニット300における前可動装飾体310の図示しない前可動装飾体装飾基板や、昇降駆動機構320の前左駆動モータ324及び前右駆動モータ325等は、周辺制御基板471によって制御される。
また、前可動演出ユニット300は、枠状のユニットベース301の前面の左右両側に取付けられており、立体的な装飾を有した前サイド装飾部材330を備えている。前サイド装飾部材330は、ユニットベース301の略全高に亘って上下に延びている。また、前サイド装飾部材330は、表面に金属光沢を有するメッキ層が形成されている。左右の前サイド装飾部材330は、ドアユニット4に組立てた状態で、トップカバーユニット200におけるトップカバー201の窓部201aよりも左右両外側に位置しており、窓部201aの左右両側を装飾している。
この前可動演出ユニット300は、トップカバーユニット200の導光板202と遊技ユニット3及び中ユニット5との間に配置されており、遊技ユニット3の三つのリール70、中ユニット4の後述する二つのサブ左液晶表示装置710L及びサブ右液晶表示装置710Rよりも前方に配置されている。前可動演出ユニット300は、通常の状態では、図14(a)に示すように、前可動装飾体310が上昇端に位置している。この状態では、前可動装飾体310の下端が、ユニットベース301における上辺を形成している部位の下辺よりも若干下方に位置している。なお、図示は省略するが、前可動装飾体310は、この状態でも、透明なユニットベース301を通して前方(遊技者側)から視認することができる。
前可動演出ユニット300は、遊技状態に応じて昇降駆動機構320の前左駆動モータ324及び前右駆動モータ325を回転駆動させることで、上昇端に位置している前可動装飾体310を下降端の位置まで下降させることができる(図14(b)を参照)。前可動装飾体310が下降端に位置している状態では、図示するように、前可動装飾体310の下辺における下方に延出した正面視左端付近の部位が、枠状のユニットベース301の下辺を形成している部位の位置まで下降していることから、前可動装飾体310における下辺の殆どの部位は、ユニットベース301の下辺よりも上方に離間している。つまり、前可動装飾体310を下降端に位置させた時に、前可動装飾体310の下辺の下側に、後方が視認可能な左右に延びた略四角形の後方視認可能領域302が形成される。
前可動演出ユニット300における前可動装飾体310の下降により形成される後方視認可能領域302は、遊技ユニット3の左右に並んだ三つのリール70(図柄列)により表示される上下三段の図柄表示領域Aにおける下段の領域と対応している。つまり、前可動装飾体310を下降端に位置させた時に、後方視認可能領域302を通して、三つのリール70により表示される複数の図柄のうち、下段に位置する図柄のみが遊技者側から良好に視認することができる(図40を参照)。本実施形態のスロットマシン1では、詳細は後述するが、左右三列で上下三段からなる図柄表示領域Aにおいて、下段(下段ライン)のみが有効ラインとされており、前可動装飾体310を下降端に位置させると、有効ライン上に位置する図柄のみが良好に視認できる状態となる。
また、前可動演出ユニット300は、周辺制御基板により前左駆動モータ324及び前右駆動モータ325を適宜制御することで、前可動装飾体310を、上昇端と下降端との間の任意の位置で停止させることができる。従って、様々な昇降位置で前可動装飾体310を停止させたり、様々なパターンで前可動装飾体310を昇降させたりすることができるため、多彩な演出を遊技者に提示することができ、遊技者を飽きさせ難くして遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
[5.中ユニットの全体構成]
次に、本実施形態のスロットマシン1における中ユニット5の全体構成について、主に図15乃至図20を参照して説明する。図15(a)はスロットマシンらおける中ユニットの正面図であり、(b)は中ユニットの背面図である。また、図16は中ユニットを前から見た斜視図であり、図17は中ユニットを右後ろから見た斜視図であり、図18は中ユニットを左後ろから見た斜視図である。更に、図19は中ユニットを主な構成毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図20は中ユニットを主な構成毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。中ユニット5は、ドアユニット4のドア本体ユニット100におけるドアベース110の開口部111が形成されている部位の後側に取付けられ、トップカバー201の窓部201aを通して遊技者に演出画像や可動演出等を提示するものである。
中ユニット5は、ドアベース110の後側に取付けられる枠状の中ユニットベース400と、中ユニットベース400の後面上部に着脱可能に取付けられており演出画像を表示可能なメイン液晶表示装置450と、メイン液晶表示装置450の後面に取付けられている周辺制御ユニット470と、中ユニットベース400からのメイン液晶表示装置450の取外しを阻止している防犯部材490と、中ユニットベース400の前面で上下方向の略中央に取付けられる中央可動演出ユニット500と、中ユニットベース400の後面上部でメイン液晶表示装置450の前側に取付けられる上部可動演出ユニット600と、中ユニットベース400の前面の左右両側に取付けられている横部可動演出ユニット700と、中ユニットベース400の前面下端部に取付けられている状態表示器800と、中ユニットベース400の後面にメイン液晶表示装置450を後側から覆うように着脱可能に取付けられている装飾駆動基板ユニット900と、を備えている。
[5-1.中ユニットベース]
中ユニット5の中ユニットベース400について、主に図15乃至図22を参照して詳細に説明する。図21は中ユニットにおける中ユニットベースに横部可動演出ユニット及び状態表示器を取付けた状態で前から見た斜視図であり、図22は中ユニットにおける中ユニットベースに横部可動演出ユニット及び状態表示器を取付けた状態で後ろから見た斜視図である。中ユニットベース400は、ドアユニット4のドア本体ユニット100におけるドアベース110の開口部111の後方で、補強ユニット160の上補強金具162及び中補強金具163の後面に取付けられるものである。
中ユニットベース400は、左右に離間しており前後方向が略一定で上下方向に長く延びた平板状の一対の側部401と、一対の側部401の上端同士を連結している上連結部402と、一対の側部401の上下方向略中央同士を連結している中連結部403と、一対の側部401の下端同士を連結している下連結部404と、を備えている。上連結部402は、棒状に形成されており、一対の側部401の上端における後部同士を連結している。中連結部403は、一対の側部401の上下方向において、中央から下寄りで、前後方向の後部側の部位同士を連結している。この中連結部403は、一対の側部401の前後方向中央より前寄りの位置から後方へ水平に延びた上で、その後端から上方へ延びた形態に形成されており、中連結部403は、側面断面形状が、略L字状に形成されている。下連結部404は、一対の側部401の下端における前部同士を連結している。この中ユニットベース400は、正面視の形状が、略「日」の字形の枠状に形成されている。
中ユニットベース400は、上連結部402の左右両端部付近の上面から前方に突出している一対の係止片405と、下連結部404の左右両端の前端から夫々下方に突出している一対の下取付部406と、を備えている。一対の係止片405は、ドアユニット4の補強ユニット160における上補強金具162の上面に係止されるものであり、上補強金具162に係止することで、ドアユニット4に中ユニット5を取付ける際に、ドアユニット4に対して中ユニット5の高さ方向の位置決めを行うことができると共に、中ユニット5を吊下げることができ、取付作業を容易にできるようにしている。この中ユニットベース400は、上連結部402と、一対の下取付部406とが、図示しないネジ(ビス)により補強ユニット160の上補強金具162と中補強金具163とに取付けられる。
また、中ユニットベース400は、図22に示すように、正面視左側の側部401の後側で、上連結部402と中連結部403との間の部位に、メイン液晶表示装置450及び装飾駆動基板ユニット900をヒンジ回転可能に取付けるための複数の軸受部407が上下に複数(ここでは四つ)列設されている。これら四つの軸受部407は、夫々上端が開口している。上下に並んだ四つの軸受部407のうち、上から1番目と3番目の軸受部407が装飾駆動基板ユニット900をヒンジ回転可能に取付けるためのものであり、上から2番目と4番面の軸受部407がメイン液晶表示装置450をヒンジ回転可能に取付けるためのものである。
中ユニットベース400は、正面視右側の側部401の後側に、メイン液晶表示装置450の突出片452を着脱可能に取付けるためのロック機構410を備えている。ロック機構410は、上下にスライドし上部に後方へ向かって開口している開口部411aを有するロックレバー411を備えている。このロック機構410は、ロックレバー411を下方にスライドさせた状態で、正面視左端側を軸受部407によりヒンジ回転可能に取付けられたメイン液晶表示装置450を、その表示画面が正面を向くように(中ユニットベース400における上連結部402と中連結部403との間の開口を閉鎖するように)ヒンジ回転させると、メイン液晶表示装置450の正面視右辺から外方に突出している突出片452が、ロックレバー411の開口部411a内に挿入された状態となる。そして、この状態でロックレバー411を上方にスライドさせると、メイン液晶表示装置450の突出片452の後方への移動が規制された状態となり、中ユニットベース400に対してメイン液晶表示装置450がロックされた状態で取付けられることとなる。
また、中ユニットベース400は、正面視右側の側部401の後側でロック機構410の上側に、装飾駆動基板ユニット900を着脱可能に取付けるための係止溝415と、を備えている。この係止溝415は、後面から前方に向かって窪んだ溝状に形成されており、装飾駆動基板ユニット900の係止部が弾性係止される。
更に、中ユニットベース400は、正面視左側の側部401の後側で、上下に並んだ四つの軸受部407のうち、上から3番目の軸受部407の下側に、つまり、上から3番目の軸受部407と4番目の軸受部407との間に、後面から前方に向かって窪んだ取付凹部420を備えている。この取付凹部420には、防犯部材490が取付けられる。
[5-2.メイン液晶表示装置]
中ユニット5のメイン液晶表示装置450について、主に図19及び図20を参照して説明する。メイン液晶表示装置450は、中ユニットベース400の後面上部に取付けられ、前面に演出画像を表示する表示画面が備えられている。メイン液晶表示装置450は、中ユニットベース400における左右一対の側部401、上連結部402、及び中連結部403により形成される正面視略矩形状の開口を閉鎖可能な、正面視左右に長い長方形状に形成されている。
メイン液晶表示装置450は、正面視左辺に、上下に離間しており、外方に突出した上で下方に向かって円柱状に延びた一対のヒンジ軸部451を備えている。一対のヒンジ軸部451は、中ユニットベース400における四つの軸受部407のうち、上から2番目と4番目の軸受部407に挿入されるものである。また、メイン液晶表示装置450は、正面視右辺に、上下方向略中央から外方に突出している平板状の突出片452を備えている。この突出片452は、中ユニットベース400のロック機構410により中ユニットベース400の後面に取付けられるものである。
メイン液晶表示装置450は、一対のヒンジ軸部451を、中ユニットベース400の軸受部407に挿入することで、中ユニットベース400に対して後方側へ開閉するようにヒンジ回転可能に取付けられる。
[5-3.周辺制御ユニット]
中ユニット5の周辺制御ユニット470について、主に図8、図15、図17、及び図20等を参照して説明する。周辺制御ユニット470は、メイン液晶表示装置450の後面に脱着可能に取付けられている。周辺制御ユニット470は、主制御ユニット20の主制御基板21及びサブ主制御基板23からの制御コマンドに基づいて遊技内容や演出内容等を制御する周辺制御基板471と、周辺制御基板471の後側に取付けられており、周辺制御基板471、主制御基板21及びサブ制御基板23において実行される制御プログラム、演出画像、演出サウンド、等が予め記憶されたROMを有しているROM基板472と、周辺制御基板471の後側に取付けられており、周辺制御基板471からの制御コマンドに応じてメイン液晶表示装置450、横部可動演出ユニット700のサブ左液晶表示装置710L及びサブ右液晶表示装置710Rに表示される演出画像を制御する表示制御基板473と、周辺制御基板471、ROM基板472、及び表示制御基板473を収容している周辺制御基板ボックス474と、を備えている。
周辺制御基板471は、正面視の形状が左右に長い長方形に形成されており、後面における下部に、下辺に沿って複数の入出力用のコネクタが取付けられている。また、周辺制御基板471は、複数の入出力用のコネクタの間から後方に突出しており、音量を調節するためのボリューム471aを備えている(図15(b)を参照)。
周辺制御基板ボックス474は、周辺制御基板471の入出力用のコネクタ、及びボリューム471aが後方に臨むように形成されている。この周辺制御基板ボックス474は、前後に分割可能に形成されていると共に、分割(開閉)した痕跡が残るように形成されている。この周辺制御基板ボックス474は、メイン液晶表示装置450の後面に対して、詳細は後述する防犯部材490と同じ構成の部材によって取外しの痕跡が残るように取付けられている。
[5-4.防犯部材]
中ユニット5の防犯部材490について、主に図15、図18乃至図20を参照して説明する。防犯部材490は、中ユニットベース400の取付凹部420に取付けることで、中ユニットベース400に取付けられているメイン液晶表示装置450の取外しを防止するためのものである。防犯部材490は、有底角筒状の台座部491と、台座部491の開口している側を閉鎖するキャップ492と、を備えている。防犯部材490の台座部491は、詳細な図示は省略するが、底部にビスが通過可能な貫通孔と、内周面の互いに対面している部位に、窪んだ一対の凹部と、を備えている。
防犯部材490のキャップ492は、台座部491内に挿入可能な有底筒状に形成されている。このキャップ492は、詳細な図示は省略するが、開口している端部付近の外周面において、互いに背向している部位に、突出した一対の突起を備えている。このキャップ492は、開口している側を台座部491側に向けて台座部491内に挿入させると、一対の突起が、弾性変形した後に、台座部491の一対の凹部内に夫々突出した状態となり、突起と凹部とが互いに係合することで、台座部491内にキャップ492を取付けることができる。
この防犯部材490は、中ユニットベース400の軸受部407に、メイン液晶表示装置450のヒンジ軸部451を挿入して、メイン液晶表示装置450を中ユニットベース400に対してヒンジ回転可能に取付けた状態で、防犯部材490の台座部491のみを、その有底側の端部を中ユニットベース400の取付凹部420に向けて、取付凹部420内に挿入し、台座部491の開口している側から挿入したビス(図示は省略)を底部の貫通孔を介して中ユニットベース400に捩じ込み、取付凹部420に台座部491を取付ける。これにより、上から4番目の軸受部407に上側から挿入されているヒンジ軸部451の上側において、角筒状の台座部491が取付凹部420から後方に突出した状態となるため、ヒンジ軸部451の上方への移動が台座部491により阻止された状態となる。これにより、ヒンジ軸部451が軸受部407から抜けなくなるため、中ユニットベース400からメイン液晶表示装置450を取外すことができなくなる。
その後、台座部491内にキャップ492を挿入し、台座部491の凹部にキャップ492の突起を係止させる。このキャップ492を台座部491に取付けることで、台座部491を取付凹部420に取付けているビスを覆うことができ、後側からビスを取外すことができなくなる。台座部491を取付けているビスを取外すためには、台座部491に挿入されているキャップ492を破壊して台座部491から抜く必要がある。
ところで、本実施形態のスロットマシン1では、メイン液晶表示装置450に取付けられている周辺制御ユニット470において、遊技に関わる制御機能やROMを備えていることから、メイン液晶表示装置450を中ユニットベース400から取外して、不正な基板やROMに取替えられた不正なメイン液晶表示装置と交換するような不正行為が行われる恐れがある。これに対して、本実施形態では、中ユニットベース400にメイン液晶表示装置450を取付けた状態で、防犯部材490を取付凹部420に取付けることで、まずは中ユニットベース400からメイン液晶表示装置450を取外し難くすることができるため、メイン液晶表示装置450を取外すような不正行為を躊躇させることができ、不正行為を行い難くすることができる。
また、喩えメイン液晶表示装置450が取外された場合でも、メイン液晶表示装置450を取外すためには、防犯部材490のキャップ492を破壊して台座部491を取外す必要があることから、中ユニットベース400からのメイン液晶表示装置450の取外しの痕跡が残るため、メイン液晶表示装置450(周辺制御ユニット470)の交換と言う不正行為が行われたのを発見することができる。従って、不正行為に対する抑止力を高めることができ、不正行為が行われるのを可及的に防止することができる。
[5-5.中央可動演出ユニットの全体構成]
中ユニット5における中央可動演出ユニット500について、主に図23乃至図32を参照して詳細に説明する。図23(a)は中ユニットにおける中央可動演出ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は中央可動演出ユニットを後ろから見た斜視図である。また、図24は中央可動演出ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図25は中央可動演出ユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。また、図26(a)は中央可動演出ユニットにおける進退ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は中央可動演出ユニットにおける進退ユニットを後ろから見た斜視図である。更に、図27は、進退ユニットに配線部材を保持させた状態で前から見た斜視図である。また、図28は進退ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図29は進退ユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。図30(a)は進退ユニットの断面図であり、(b)は(a)の一部を拡大して示す断面図である。また、図31(a)は中央可動演出ユニットの通常の状態における概略構成を示す正面図であり、(b)は中央可動演出ユニットにおける進退ユニットを誘導する誘導部を示す正面図であり、図32は中央可動演出ユニットにおいて進退ユニットを前進させた状態での概略構成を示す正面図である。
中央可動演出ユニット500は、中ユニットベース400における中連結部403の上面(L字内)に取付けられるものである。中央可動演出ユニット500は、中ユニットベース400に取付けられ、左右に長く延びたベースユニット510と、ベースユニット510に左右方向へ摺動可能且つ先端が上方に突出可能に取付けられている進退ユニット530と、進退ユニット530の先端に取付けられており少なくとも前面に装飾が施されている中央可動装飾体ユニット550と、ベースユニット510に取付けられており進退ユニット530を摺動させる進退駆動機構570と、を備えている。
また、中央可動演出ユニット500は、進退駆動機構570により駆動される進退ユニット530により上下に移動する中央可動装飾体ユニット550の昇降を支援する昇降支援機構590を備えている。
[5-5a.ベースユニット]
中央可動演出ユニット500のベースユニット510について、主に図24及び図25を参照して説明する。ベースユニット510は、内部に進退ユニット530を収容可能な左右に延びた浅い箱状に形成されており、左右方向中央の上面に進退ユニット530が上方へ突出可能な開口510aを有している。ベースユニット510内に進退ユニット530が摺動可能に取付けられている。このベースユニット510は、左右に延びた前ベース511と、前ベース511の後側に取付けられている後ベース512と、を備えている。
また、ベースユニット510は、前ベース511の後面及び後ベース512の前面に夫々形成されており、進退ユニット530を摺動可能に誘導する誘導部513を備えている。誘導部513は、前ベース511の後面及び後ベース512の前面から夫々突出しており、進退ユニット530のローラ536を収容可能且つ転動可能な溝状に形成されている。誘導部513は、ベースユニット510の左右方向中央を境に略左右対称に形成されている(図31(b)等を参照)。この誘導部513は、ベースユニット510の左右両端から左右方向中央へ向かって水平に夫々延びている一対の水平部513aと、一対の水平部513aの中央に近い側の端部から中央付近に向かって斜め上方に延びている一対の第一立上部513bと、一対の第一立上部513bの中央に近い側の端部から中央に向かって更に斜め上方に延びている一対の第二立上部513cと、を備えている。
誘導部513における水平部513aは、左右方向の長さが、誘導部513全体の半分の長さ(左右方向中央から端部までの長さ)の約4/5の長さとされている。第一立上部513bは、水平に対して30度の角度で傾斜しており、左右方向の長さが、水平部513aの中央に近い側の端部から中央までの長さの約7/8の長さとされている。第二立上部513cは、水平に対して60度の角度で傾斜している。
誘導部513は、進退ユニット530を摺動可能に収容することができる。また、誘導部513は、水平部513aにより進退ユニット530を水平方向に摺動(移動)させることができると共に、第一立上部513b及び第二立上部513cにより進退ユニット530を水平方向から垂直方向に摺動させることができる。これにより、誘導部513は、左右に夫々収容した進退ユニットを左右方向中央側へ移動させると、左右方向の中央で互いに接触した状態で進退ユニット530の先端側がベースユニット510の開口510aから上方へ突出するように誘導することができる。
ベースユニット510は、前ベース511及び後ベース512において、誘導部513における水平部513aの上下方向略中央で前後に貫通しており、水平部513aの全長に亘って延びている長孔状のスリット514を備えている。また、ベースユニット510は、前ベース511の前面において、スリット514の上下両側で夫々前ベース511の左右方向の略全長に亘って延びており、後方に向かって窪んだ一対のガイド溝515を備えている。これら一対のガイド溝515は、後述する進退駆動機構570における下スライダ575の下本体575a及び上スライダ576の上本体576aを夫々左右方向に案内するためのものである。
また、ベースユニット510は、前ベース511の前面に取付けられており透光性を有する平板状のベースカバー520と、前ベース511と後ベース512との間で前ベース511の後面に取付けられており前面に複数のLEDが実装されている中央左装飾基板521及び中央右装飾基板522と、前ベース511及び後ベース512の下端部に挟持されており左右に延びていると共に下面に複数のLEDが実装されているリール照明基板523と、を備えている。
ベースカバー520は、正面視の形状が、左右に長く延びた四角形で、左右方向中央に上辺から上下方向中央付近まで四角形に切欠いた開口部520aを有している。ベースカバー520は、左右方向の寸法が、前ベース511及び後ベース512の左右方向の寸法と略一致している。また、ベースカバー520は、上下方向の寸法が、前ベース511及び後ベース512の上下方向の寸法よりも若干大きい。ベースカバー520の開口部520aは、ベースユニット510の開口510aと略一致している。図示は省略するが、このベースカバー520の前面には、スロットマシン1のコンセプトに沿った装飾が施されている。
中央左装飾基板521は、前ベース511の後面におけるスリット514よりも上側で正面視左右方向の左部に取付けられている。中央右装飾基板522は、前ベース511の後面におけるスリット514よりも上側で正面視左右方向の右部に取付けられている。中央右装飾基板522は、配線部材525(図27を参照)を介して中央可動装飾体ユニット550の中央回転駆動モータ554や中央可動装飾体装飾基板(図示は省略)と接続されている。
リール照明基板523は、左右方向の長さが、前ベース511及び後ベース512の左右方向の長さよりも若干短く形成されている。リール照明基板523は、前端側が後端側よりも高くなるように前後に傾斜した状態で前ベース511及び後ベース512の間に取付けられている。このリール照明基板523は、下面に実装されたLEDを発光させることで、遊技ユニット3における三つのリール70を前方から直接的及び間接的に照らすことができる。なお、間接的に照らすとは、リール照明基板523のLEDからは、斜め下前方に光を照射することができるため、LEDからの光が、ドアユニット4におけるトップカバーユニット200の透明なトップカバー201や導光板202を後方から照射することとなり、その光がトップカバー201や導光板202で後方に反射して三つのリール70を前方側から間接的に照らすことができる。
[5-5b.進退ユニット]
中央可動演出ユニット500の進退ユニット530について、主に図26乃至図30を参照して詳細に説明する。進退ユニット530は、ベースユニット510内に収容可能とされていると共に、ベースユニット510の上面における左右方向中央の開口510aから上方へ突出可能(進退可能)とされている。進退ユニット530は、左右方向中央より左側に配置される左ユニット530Lと、左右方向中央より右側に配置される右ユニット530Rと、で構成されている。進退ユニット530は、左ユニット530L及び右ユニット530Rが、図示するように、夫々ローラチェーン状に形成されている。
進退ユニット530は、図28及び図29等に示すように、間隔を開けて対向配置されている外側第一プレート531及び外側第二プレート532と、外側第一プレート531及び外側第二プレート532の内側に夫々接するように配置されている内側第一プレート533及び内側第二プレート534と、外側第一プレート531の両端部付近から外側第二プレート532側へ突出しており、内側第一プレート533及び内側第二プレート534と外側第一プレート531及び外側第二プレート532とを交互に回転可能に連結している連結ピン535と、を備えている。換言すると、進退ユニット530の左ユニット530L及び右ユニット530Rは、外側第一プレート351と外側第二部レート352とで構成されるコマと、内側第一プレート533と内側第二プレート534で構成されるコマとが、連結ピン535により交互に連結されており、連結ピン535の軸直角方向に対して曲がることができる(可撓性を有している)。
また、進退ユニット530は、外側第一プレート531及び外側第二プレート532の夫々外側で連結ピン535と同軸上に回転可能に取付けられているローラ536と、ローラ536を外側第一プレート531や連結ピン535の先端に回転可能に取付けているビス537と、外側第一プレート531及び内側第一プレート533に夫々取付けられている磁石538と、を備えている。また、進退ユニット530は、左ユニット530L及び右ユニット530Rにおける複数の連結ピン535のうちの最も基端側の連結ピン535と同軸上で、外側第一プレート531から外方に夫々突出しており後述する進退駆動機構570の下スライダ575の駆動孔575dや上スライダ576の駆動孔576dに取付けられる円柱状の駆動軸539を備えている。
進退ユニット530の外側第一プレート531は、正面視の形状が横長のトラック状に形成されている。外側第一プレート531は、長手方向中央の上辺から後方に延出している平板状の係止片531aと、係止片531aよりも下側から下辺までに亘って後方に膨出している膨出部531bと、膨出部531bの後面から前方に向かって窪んでおり磁石538を収納する収納凹部531cと、膨出部531bから両側の連結ピン535に向かって突出している規制突起531cと、を備えている。外側第一プレート531の収納凹部531cは、外側第一プレート531の上下方向中央よりも下側に形成されている。
また、外側第一プレート531は、連結ピン535と同軸上で前面から前方に短く突出しておりローラ536を回転可能に取付けるための円盤状のボス部531eを備えている。なお、ボス部531eは、左ユニット530L及び右ユニット530Rにおける最も基端側の連結ピン535と同軸上の部位には備えられておらず、当該部位には、駆動軸539の後端が挿入される軸受孔531fが備えられている。
外側第二プレート532は、外側第一プレート531と同じ長さに形成されている両端部付近に連結ピン535の先端が挿入される取付孔532aを備えている。また、外側第二プレート532は、外側第一プレート531の係止片の下側へ前面から前方に延出している挟持部532bを備えている。外側第二プレート532の挟持部532bは、左ユニット530L及び右ユニット530Rにおける最も基端側の外側第二プレート532では上面が平坦で前方に膨出した形態とされており、その他の外側第二プレート532では左右に離間した一対の棒状の形態とされている。
内側第一プレート533は、半円状の両端部付近で前後に貫通し連結ピン535が夫々挿通される一対の挿通孔533aと、半円状の両端の外周縁に沿って扇状に夫々切欠かれている規制凹部533bと、長手方向中央において下辺から上辺付近までに亘って後方に膨出している膨出部533cと、膨出部533cの後面から前方に向かって窪んでおり磁石538を収納する収納凹部533dと、を備えている。内側第一プレート533の収納凹部533dは、内側第一プレート533の上下方向中央より下側に形成されている。
内側第二プレート534は、半円状の両端部付近で前後に貫通し連結ピン535が夫々挿通される一対の挿通孔534aと、長手方向中央の上辺から上下に隙間を空けて夫々前方に延出している係止片534bと、を備えている。
連結ピン535は、円柱状で先端に段が形成されており、先端の段となった小径の部分によりローラ536が回転可能に取付けられる。また、連結ピン535は、円柱状の外周面に、外方に突出していると共に軸方向に延びており、円周方向へ等間隔に配置された複数(ここでは四つ)の突条を有している。これら複数の突条は、連結ピン535の先端の段よりも基端寄りの位置まで延びており、突条の先端と段との間に外側第二プレート532の取付孔532aが嵌め込まれる。また、複数の突条は、内側第一プレート533の挿通孔533a及び内側第二プレート534の挿通孔534aの内周面に当接するように形成されている。なお、複数の連結ピン535のうち、右ユニット530Rにおける最も基端側(正面視において最も右端側)の連結ピン535には、後端から円柱状の後方へ突出している取付ボス535aを備えている。この取付ボス535aには、後述する昇降支援機構590のアシスト弾性体596の端部が取付けられる。
本実施形態の進退ユニット530は、左ユニット530L及び右ユニット530Rが、三組の外側第一プレート351及び外側第二プレート352と、二組の内側第一プレー533及び内側第二プレート534によって、夫々構成されている。つまり、左ユニット530L及び右ユニット530Rは、一組の外側第一プレート531と外側第二プレート532により構成された三つのコマと、一組の内側第一プレート533と内側第二プレート534により構成された二つのコマとの、合計五つのコマで構成されている。なお、左ユニット530L及び右ユニット530Rは、夫々の長さが、ベースユニット510の高さよりも長く形成されている(ベースカバー520の高さの約2倍の長さに形成されている)。
次に、本実施形態における進退ユニット530の組立てについて、詳述すると、三つの外側第一プレート351を、左右方向に等間隔で列設した状態で、互いに近接している端部同士の後面から後方に夫々突出している連結ピン535を、内側第一プレート533の両端の挿通孔533aに挿通させて、三つの外側第一プレート531を二つの内側第一プレート533で連結する。
なお、左ユニット530L及び右ユニット530Rにおいて、最も先端側(正面視左右方向の中央側)の連結ピン535は、後述する中央可動装飾体ユニット550における連結ベース551の一対の連結孔551aに夫々挿通させる。
この状態で、外側第一プレート531の収納凹部531cと内側第一プレート533の収納凹部533dに、夫々円柱状の磁石538を収納する。磁石538を収納する際には、左ユニット530L及び右ユニット530Rにおいて、一つのユニットでは同じ極が下方を向くように収納すると共に、ユニット同士の間では異なる極が下方を向くように収納する。つまり、例えば、左ユニット530LではN極が下方を向くように収納し、右ユニット530RではS極が下方を向くように収納する。
続いて、各内側第一プレート533の真後ろに内側第二プレート534を位置させ、内側第一プレート533の一対の挿通孔533aを夫々貫通している連結ピン535を、内側第二プレート534の一対の挿通孔534aに挿通する。そして、内側第一プレート533の膨出部533cの後面に、内側第二プレート534の前面を当接させて、磁石535が収納されている収納凹部533dの後端開口を内側第二プレート534により閉鎖すると共に、図示しない小ネジを用いて内側第二プレート534を内側第一プレート533に取付ける。
その後、各外側第一プレート531の真後ろに外側第二プレート532を位置させ、内側第二プレート534の後面よりも後方に突出している連結ピン535の後端を、外側第二プレート532の取付孔532aに挿通する。そして、外側第一プレート531の膨出部531bの後面に外側第二プレート532の前面を当接させて、磁石535が収納されている収納凹部531cの後端開口を外側第二プレート532により閉鎖すると共に、図示しない小ネジを用いて外側第二プレート532を外側第一プレート531に取付ける。
この状態で、外側第一プレート531の前面から突出しているボス部531eにローラ536を嵌めた上で、前方からボス部531eの前面にビス537を捩じ込むことで、外側第一プレート531の前側にローラ536が回転可能に取付けられる。また、外側第二プレート532の取付孔532aから後方に突出している連結ピン535の先端(後端)にローラ536を嵌めた上で、その後方から連結ピン535の先端面にビス537を捩じ込むことで、外側第二プレート532の後側にローラ536が回転可能に取付けられる。
その後、左ユニット530L及び右ユニット530Rの夫々最も基端側の前面に開口している外側第一プレート531の軸受孔531fに、駆動軸539を夫々挿入(圧入)して取付ける。これにより、進退ユニット530の組立てが完了する。
進退ユニット530は、外側第一プレート531、外側第二プレート532、内側第一プレート533、内側第二プレート534、連結ピン535、及びローラ536が、夫々合成樹脂により形成されている。これにより、外側第一プレート531の収納凹部531c及び内側第一プレート533の収納凹部533dに夫々収納された磁石538の磁力を、外側第一プレート531及び内側第一プレート533の外部に作用させることができる。また、外側第一プレート531と連結ピン535は、一体に形成されている。
この進退ユニット530は、組立てた状態では、図30に示すように、外側第一プレート531の収納凹部531c及び内側第一プレート533の収納凹部533dにより、磁石538が夫々の下辺付近に配置(収納)されている。
また、進退ユニット530は、組立てた状態では、外側第一プレート531の規制突起531dが、内側第一プレート533の規制凹部533b内に位置している。規制突起531dと規制凹部533bとの関係は、外側第一プレート531と内側第一プレート533とが直線状に延びている状態では、規制突起531dが規制凹部533bの一方の端部(磁石538が配置されている下辺に近い側の端部)に当接しており、規制突起531dと規制凹部533bの反対側の端部との間には、規制突起531dが約60度回動可能な空間が形成されている。従って、進退ユニット530は、規制突起531dと規制凹部533bとによって、直線状に延びている状態から、磁石538が配置されている下辺側へ曲がることができず、上辺側へは各連結ピン535において約60度の角度ずつ曲がることができる。つまり、上辺側へのみ曲がるように形成されている。
この進退ユニット530は、左ユニット530Lと右ユニット530Rの下辺同士を互いに接近させると、夫々に備えられた磁石538が互いに引き合うこととなり、互いが接触した状態で磁力により密着した状態となる。そして、上述した規制突起531dと規制凹部533bとの関係から、磁石538による磁力の範囲内では、互いに密着している左ユニット530Lと右ユニット530Rが曲がることなく、真っ直ぐに延びた状態に維持される。
また、進退ユニット530は、外側第一プレート531及び外側第二プレート532の夫々外側に取付けられている複数のローラ536が、ベースユニット510の誘導部513により誘導される。
更に、進退ユニット530は、左ユニット530L及び右ユニット530Rの駆動軸539が、ベースユニット510における前ベース511のスリット514を後側から貫通して前方に突出する。また、左ユニット530Rの取付ボス535aが、ベースユニット510における後ベース512のスリット514を前側から貫通して後方に突出する。
また、進退ユニット530は、外側第一プレート531の係止片531aと外側第二プレート532挟持部532bとの間の隙間と、内側第二プレート534の一対の係止片534bの間の隙間に、フラットケーブルからなる配線部材525を挿入することで、進退ユニット530(左ユニット530L及び右ユニット530R)に沿って配線部材525を保持することができる(図27を参照)。
詳述すると、進退ユニット530において、外側第一プレート531及び外側第二プレート532で構成されているコマでは前側の外側第一プレート531から後方へ突出している係止片531aの下側を、内側第一プレート533及び内側第二プレート534で構成されているコマでは後側の内側第二プレート534から前方へ突出している係止片534bの下側を通るように、配線部材525を保持させている。つまり、帯状に連結されている各コマ毎に前後方向から交互に延びた係止片531a,534bに対して、配線部材525を保持させることで、進退ユニット530が曲がる方向(連結ピン535が延びている方向に対して直角方向)へ配線部材525が外れるのを防止するだけでなく、連結ピン535が延びている方向(前後方向)へ配線部材525が外れるのも防止することができ、進退ユニット530に対して配線部材525をより良好な状態で保持することができる。
また、外側第一プレート531及び外側第二プレート532で構成されているコマでは外側第一プレート531の一つの係止片531aと外側第二プレート532の挟持部532bとの間に配線部材525を保持させると共に、内側第一プレート533及び内側第二プレート534で構成されているコマでは内側第二プレート534の上下に離間した一対の係止片534bの間に配線部材525を保持させことで、配線部材525が進退ユニット530の内外方向へ移動するのを確実に防止することができる。
また、帯状で可撓性を有する進退ユニット530に対して、配線部材525を複数の第一外側プレート531の係止片531a、第二外側プレート532の挟持部532b、及び内側第二プレート534の係止片534bに保持させて進退ユニット530に沿って延びるようにしているため、進退ユニット530に保持されている配線部材525の折れ曲がりを防止することができ、折れ曲がりによる配線部材525の断線を防止することができると共に、配線部材525の断線により中央可動装飾体553を演出駆動させることができなくなって遊技者に不快感を与えてしまうのを回避させることができ、中央可動装飾体533による演出を確実に楽しませて遊技者の興趣の低下を抑制させることができる。
[5-5c.中央可動装飾体ユニット]
中央可動演出ユニット500の中央可動装飾体ユニット550について、主に図23乃至図25を参照して詳細に説明する。中央可動装飾体ユニット550は、進退ユニット530(左ユニット530L及び右ユニット530R)の先端に取付けられている。中央可動装飾体ユニット550は、進退ユニット530の左ユニット530L及び右ユニット530Rの先端同士を回転可能に連結している連結ベース551と、連結ベース551の前面に取付けられる装飾体ベース552と、装飾体ベース552の前面に回転可能に取付けられている中央可動装飾体553と、装飾体ベース552の後面に取付けられている中央回転駆動モータ554と、中央回転駆動モータ554の回転軸に取付けられている平歯車状の駆動ギア(図示は省略)と、駆動ギアと噛合しており中央可動装飾体と一体回転する従動ギア(図示は省略)と、装飾体ベース552と中央可動装飾体553との間で装飾体ベース552の前面に取付けられており前面に複数のLEDが実装されている中央可動装飾体装飾基板(図示は省略)と、を備えている。
中央可動装飾体ユニット550の連結ベース551は、前後に貫通しており左右に離間している一対の連結孔551aが下端に形成されている。連結ベース551の連結孔551aには、進退ユニット530における左ユニット530L及び右ユニット530Rの最も先端側にある連結ピン535が挿入される。この一対の連結孔551aにより、左ユニット530Lと右ユニット530Rの先端同士を連結することができる。
中央可動装飾体553は、正面視の形状が略円形で、前面側を底とした短い有底筒状に形成されている。中央可動装飾体553は、円形に形成された前面の中央を中心として回転するように、装飾体ベース552に取付けられている。この中央可動装飾体553は、透光性を有している。
中央回転駆動モータ554と中央可動装飾体装飾基板とは、フレキシブルフラットケーブルからなる配線部材525を介して、中央右装飾基板522と接続されている。
この中央可動装飾体ユニット550は、中央回転駆動モータ554を回転駆動させることで、中央可動装飾体553を前後方向に延びた軸線周りに回転させることができる。また、中央可動装飾体ユニット550は、中央可動装飾体装飾基板の前面の複数のLEDを発光させることで、中央可動装飾体553を発光装飾させることができる。
この中央可動装飾体ユニット550は、組立てた状態で、中央回転駆動モータ554により回転する中央可動装飾体553が、一対の進退ユニット530(左ユニット530L及び右ユニット530R)よりも前方に位置している。
[5-5d.進退駆動機構]
中央可動演出ユニット500の進退駆動機構570について、主に図24及び図25を参照して詳細に説明する。進退駆動機構570は、進退ユニット530を駆動して中央可動装飾体ユニット550を昇降させるための機構である。進退駆動機構570は、ベースユニット510における前ベース511の後面に回転軸が前ベース511とベースカバー520との間に突出するように取付けられる中央昇降駆動モータ571と、中央昇降駆動モータ571の回転軸に取付けられている駆動ギア572と、駆動ギア572と噛合しており前ベース511の前面に回転可能に取付けられている伝達ギア573と、伝達ギア573と噛合しており前ベース511の前面に回転可能に取付けられている作動ギア574と、を備えている。
また、進退駆動機構570は、作動ギア574に下側から噛合して左右方向にスライドすると共に進退ユニット530の左ユニット530Lの駆動軸539を左右方向に移動させる下スライダ575と、作動ギア574に上側から噛合して左右方向にスライドすると共に進退ユニット530の右ユニット530Rの駆動軸539を左右方向に移動させる上スライダ576と、前ベース511に取付けられており上スライダ576のスライド位置を検知する昇降検知センサ577と、を備えている。下スライダ575及び上スライダ576は、ベースユニット510における前ベース511とベースカバー520との間に取付けられている。
下スライダ575は、作動ギア574よりも下側で前ベース511の前面に左右方向へスライド可能に取付けられる下本体575aと、下本体575aの上面に形成されており作動ギア574に下方から噛合している左右に延びた下ラックギア575bと、下本体575aの正面視左端から上方に延出している平板状の延出片575cと、延出片575cを前後に貫通しており進退ユニット530における左ユニット350Lの駆動軸539が挿入される駆動孔575dと、を備えている。下スライダ575の下本体575aは、前ベース511における下側のガイド溝515により、左右方向へスライド可能に支持されている。
上スライダ576は、作動ギア574よりも上側で前ベース511の前面に左右方向へスライド可能に取付けられる上本体576aと、上本体576aの下面に形成されており作動ギア574に上方から噛合している左右に延びた上ラックギア576bと、上本体576aの正面視右端から下方に延出している平板状の延出片576cと、延出片576cを前後に貫通しており進退ユニット530における右ユニット350Rの駆動軸539が挿入される駆動孔576dと、上本体576aの正面視右端から上方に延出しており昇降検知センサ577により検知可能な平板状の検知片576eと、を備えている。上スライダ576の上本体576aは、前ベース511における上側のガイド溝515により、左右方向へスライド可能に支持されている。
進退駆動機構570は、通常の状態(中央可動装飾体ユニット550が下降端に位置している状態)では、下スライダ575の駆動孔575dと上スライダ576の駆動孔576dとが、正面視ベースユニット510の左端付近と右端付近とに夫々位置しており、互いに最も離反した状態となっている。この状態で中央昇降駆動モータ571により作動ギア574を正面視反時計回りの方向に回転させると、下スライダ575を右方に上スライダ576を左方に夫々同じ速度でスライドさせることができる。
[5-5e.昇降支援機構]
中央可動演出ユニット500の昇降支援機構590について、主に図23乃至図25を参照して詳細に説明する。昇降支援機構590は、ベースユニット511(後ベース512)の後側に取付けられており、中央可動装飾体ユニット550の昇降を支援するための機構である。昇降支援機構590は、後ベース512の後面における左右方向の中で上下方向にスライド可能に支持されている平板状の第一昇降ガイド591と、第一昇降ガイド591と後ベース512との間で第一昇降ガイド591により上下方向へスライド可能に支持されていると共に上端が中央可動装飾体ユニット550の連結ベース551に取付けられている第二昇降ガイド592と、第一昇降ガイド591の後面の一部を支持し後ベース512に取付けられているガイドカバー593と、を備えている。
第一昇降ガイド591は、後ベース512の上端から上方へ突出する方向へのみ上下にスライド可能に取付けられている。第二昇降ガイド592は、第一昇降ガイド591の上端から上方へ突出する方向へのみ上下にスライド可能に取付けられている。昇降支援機構590の第一昇降ガイド591及び第二昇降ガイド592は、第二昇降ガイド592の上端に取付けられている中央可動装飾体ユニット550の連結ベース551が、正面視左右方向に曲がらずに真っ直ぐ昇降するように支援(アシスト)している。
また、昇降支援機構590は、後ベース512の後面における正面視左右方向の右部において、夫々回転可能に左右に離間して取付けられている一対のガイドブッシュ595と、一端が後ベース512に取付けられていると共に反対側の他端が進退ユニット530における右ユニット530Rの取付ボス535aの後端に取付けられており、一対のガイドブッシュに巻き掛けられている伸縮可能な紐状のアシスト弾性体596と、を備えている。アシスト弾性体596は、長尺のコイルスプリングであり、他端がビス597により取付ボス535aに取付けられている。取付ボス535aは、ブッシュ598を介して後ベース512のスリット514内を摺動可能に貫通している。
昇降支援機構590の一対のガイドブッシュ595は、後ベース512における正面視右部で左右に延びているスリット514の左右両端付近に相当する部位に夫々取付けられている。そして、アシスト弾性体596は、一端が一対のガイドブッシュ595の間で後ベース512の左右方向中央に近い側で、後ベース512に取付けられた上で、後ベース512の端部付近に取付けられているガイドブッシュ595に対して下側から巻き掛けられた後に、後ベース512の中央側へ折り返し、中央に近い側のガイドブッシュ595に対して上側から巻き掛けられて取付ボス535aの後端に他端が取付けられている。
このアシスト弾性体596は、伸長された状態で一対のガイドブッシュ595に巻き掛けられていると共に、両端が後ベース512と取付ボス535aに夫々取付けられている。これにより、アシスト弾性体596は、進退ユニット530における右ユニット530Rの取付ボス535aに対して、常に正面視左方向に付勢している。つまり、アシスト弾性体596により中央可動装飾体ユニット550の上昇を支援(アシスト)している。
[5-5f.中央可動演出ユニットの動作]
次に、中央可動演出ユニット500の動作について、主に図31及び図33を参照して詳細に説明する。中央可動演出ユニット500は、通常の状態では、図31(a)に示すように、左右方向中央を境にして左右対称に配置されている進退ユニット530の左ユニット530L及び右ユニット530Rが、ベースユニット510内(前ベース511と後ベース512との間)に収容されている。この状態では、左ユニット530L及び右ユニット530Rの夫々の基端(正面視において左ユニット530Lの左端、及び、右ユニット530Rの右端)が、ベースユニット510の左右両端付近に位置しており、左ユニット530L及び右ユニット530Rの先端が、ベースユニット510の略中央に位置している。
詳述すると、進退ユニット530における左ユニット530Lと右ユニット530Rは、全体がベースユニット510の誘導部513上に位置しており、左ユニット530L及び右ユニット530Rの全てのローラ536が誘導部513と当接している。更に詳述すると、左ユニット530L及び右ユニット530Rにおける最も先端側にある一組の外側第一プレート531と外側第二プレート532とにより構成されている一つのコマが、誘導部513の第一立上部513bに位置しており、左ユニット530L及び右ユニット530Rの残りの四つのコマが誘導部513の水平部513aに位置している。
この通常の状態では、左ユニット530L及び右ユニット530Rの夫々の先端を連結するように取付けられている中央可動装飾体ユニット550が、最も下降した下降端の位置の状態となっており、中央可動装飾体553がベースユニット510のベースカバー520の真正面に位置している。つまり、中央可動装飾体ユニット550が、ベースユニット510よりも上方に突出(上昇)していない状態となっている。
また、通常の状態では、左ユニット530L及び右ユニット530Rの夫々の基端が、ベースユニット510の左右両端付近に位置していることから、左ユニット530L及び右ユニット530Rの夫々基端の駆動軸539が挿入されている下スライダ575の駆動孔575d及び上スライダ576の駆動孔576dにより、下スライダ575及び上スライダ576が、ベースユニット510のガイド溝515による左右方向の左方の移動端及び右方の移動端に夫々位置している。また、通常の状態では、上スライダ576の検知片576eが、昇降検知センサ577により検知されている。
更に、通常の状態では、昇降支援機構590の第一昇降ガイド591及び第二昇降ガイド592が、ベースユニット510における後ベース512の真後ろに位置している(図23(b)を参照)。また、通常の状態では、昇降支援機構590のアシスト弾性体596が、右ユニット530Lの取付ボス535aを介して右ユニット530Lが正面視左方へ移動するように付勢している。
この通常の状態で、中央昇降駆動モータ571により駆動ギア572及び伝達ギア573を介して作動ギア574が正面視反時計回りの方向に回転するように回転駆動させると、作動ギア574に下から噛合している下ラックギア575bにより下スライダ575が正面視右方へスライドすると共に、作動ギア574に上から噛合している上ラックギア576bにより上スライダ576が正面視左方へスライドする。下スライダ575と上スライダ576は、互いに反する方向に同じ速度でスライドする。
下スライダ575及び上スライダ576が、夫々右方及び左方にスライドすることで、下スライダ575の駆動孔575d及び上スライダ576の駆動孔576dに夫々挿入されている左ユニット530Lの駆動軸539及び右ユニット530Rの駆動軸539により、左ユニット530Lの基端が正面視右方に、右ユニット530Rの基端が正面視左方に、夫々押圧される。つまり、左ユニット530L及び右ユニット530Rの夫々の基端が、ベースユニット510の左右方向中央側へ押圧される。
左ユニット530L及び右ユニット530Rの夫々の基端が中央側へ押圧されることで、左ユニット530L及び右ユニット530Rの最も先端に位置しているローラ536が、誘導部513の第二立上部513cに移動して更に上方へ移動するように誘導されることとなり、左ユニット530L及び右ユニット530Rの先端同士を連結している連結ベース551を介して中央可動装飾体ユニット550が上昇を開始することとなる。なお、図示は省略するが、中央可動装飾体ユニット550が上昇することで、連結ベース551の後面に取付けられている第二昇降ガイド592が、第一昇降ガイド591に案内された状態で第一昇降ガイド591の上端から上方へ延出し、中央可動装飾体ユニット550が正面視左右方向に曲がることなく真っ直ぐに上昇するように支援(アシスト)している。
そして、左ユニット530L及び右ユニット530Rの夫々の基端が中央側へ押圧されることで、左ユニット530L及び右ユニット530Rの先端が上方に移動すると、左ユニット530L及び右ユニット530Rにおける先端から二番目のローラ536が誘導部513の第一立上部513bを中央側へ向かって夫々転動することとなり、左ユニット530L及び右ユニット530Rにおける最も先端側のコマが、夫々の下辺が互いに接近するように立上ることとなる。これにより、左ユニット530L及び右ユニット530Rの先端(中央可動装飾体ユニット550)が更に上方に移動する。この際に、左ユニット530L及び右ユニット530Rは、夫々の基端が中央側へ移動していることから、夫々における先端から二番目のコマが、誘導部513の第一立上部513bに位置している。
左ユニット530L及び右ユニット530Rの最も先端側のコマの下辺同士が互いに接近すると、夫々に備えられている磁石538の磁力により互いが引付け合い、そのコマの基端側のローラ536が、誘導部513の第二立上部513cから上方へ離れると、磁石538の磁力により左ユニット530L及び右ユニット530Rの最も先端側のコマ同士が互いに接触して密着することとなる。左ユニット530L及び右ユニット530Rの先端のコマ同士が磁石538の磁力により密着することで、左ユニット530L及び右ユニット530Rの剛性が高くなり、先端に取付けられている中央可動装飾体ユニット550を落下せることなく支持することができる。
左ユニット530L及び右ユニット530Rの夫々の基端が、中央へ向かって移動することで、左ユニット530L及び右ユニット530Rを構成している各コマが、誘導部513の第一立上部513b及び第二立上部513cにより順次、上方へ移動するように誘導され、左ユニット530L及び右ユニット530Rの先端が、ベースユニット510の開口510aを通って上方へ突出すると共に、左ユニット530L及び右ユニット530Rの先端に取付けられている中央可動装飾体ユニット550が更に上昇することとなる。
ベースユニット510の誘導部513により上方へ誘導された左ユニット530L及び右ユニット530Rの各コマは、夫々のコマに取付けられている磁石538の磁力により互いの下辺が接触するように密着し、各コマ同士が真直ぐに上方へ延びた状態となる。この状態では、上下に並んだコマ同士の間において、各コマの一方を構成している外側第一プレート531の規制突起531dが、他方を構成している内側第一プレート533の規制凹部533bにおける下辺側の端部に当接しており、コマ同士を連結している連結ピン535を中心にして下辺側(ベースユニット510の左右方向中央側)へ曲がるのが阻止されている。従って、規制突起531d及び規制凹部533bによっても、左ユニット530L及び右ユニット530Rにおけるベースユニット510から上方へ突出した部位が正面視左右方向に曲がることなく上方へ真直ぐ延びるようにアシストしている。
そして、左ユニット530L及び右ユニット530Rの夫々の基端のローラ536が、誘導部513の水平部513aにおける中央に近い端部付近に到達すると、中央昇降駆動モータ571の駆動が停止し、左ユニット530L及び右ユニット530Rの移動が停止する。この状態では、左ユニット530L及び右ユニット530Rにおける最も基端側のコマのみが、誘導部513(第一立上部513b)に位置して誘導されており残りの四つのコマが、上下方向に立上った状態となっている(図32を参照)。つまり、左ユニット530L及び右ユニット530Rの夫々の先端がベースユニット510から上方へ最も突出した状態となっており、それらの先端に取付けられている中央可動装飾体ユニット550が、最も上昇した上昇端に位置している。
中央可動装飾体ユニット550を上昇端に位置させた状態では、下スライダ575及び上スライダ576が、夫々右方及び左方の移動端に位置している。また、中央可動装飾体ユニット550を上昇端に位置させた状態では、中央可動装飾体ユニット550が、ベースユニット510(ベースカバー520)の上下方向の寸法よりも高く上方に突出している。この状態では、中央可動装飾体ユニット550が、メイン液晶表示装置450の前面の略中央に位置している(図41を参照)。
中央可動装飾体ユニット550を上昇端の位置から、通常の下降端の位置に戻すには、中央昇降駆動モータ571により作動ギア574を上記とは逆の正面視時計回りの方向に回転駆動させることで、上記とは逆の動作をさせて、中央可動装飾体ユニット550を通常の状態の位置に復帰させることができる。この際に、磁石538の磁力により密着している左ユニット530Lと右ユニット530Rに対して、誘導部513の一対の第二立上部513cが、楔の作用を発揮し、密着している左ユニット530Lと右ユニット530Rのコマ同士をスムーズに離反させることができる。
本実施形態の中央可動演出ユニット500は、中央昇降駆動モータ571を適宜制御することで、中央可動装飾体ユニット550を、下降端と上昇端との間の何れの位置でも停止させることができる。また、中央可動演出ユニット500は、中央可動装飾体ユニット550が下降端の位置でも、上昇端の位置でも、下降端と上昇端の間の位置でも、中央回転駆動モータ554の駆動により、中央可動装飾体553を回転させることができる。更に、中央可動演出ユニット500は、中央左装飾基板521及び中央右装飾基板523のLEDを適宜発光させることで、ベースカバー520を発光装飾させることができ、中央可動装飾体ユニット550の図示しない中央可動装飾体装飾基板のLEDを適宜発光させることで中央可動装飾体553を発光装飾させることができる。
このように、本実施形態の中央可動演出ユニット500によれば、中央可動装飾体ユニット550を、ベースユニット510の上下方向の寸法よりも、高く上昇させることができるため、遊技者を不思議がらせて強いインパクトを与えることができ、遊技者の関心を中央可動装飾体550に強く引き付けさせることができる。
また、夫々チェーンで構成された帯状で可撓性を有する左ユニット530Lと右ユニット530Rとを、磁石538の磁力によって互いに密着させているため、左ユニット530Lや右ユニット530R、単体よりは剛性が高くなり、互いに密着した左ユニット530L及び右ユニット530Rにより中央可動装飾体ユニット550を十分に支持することができ、中央可動装飾体ユニット550をベースユニット510から問題なく突出(上昇)させることができる。
また、中央可動装飾体ユニット550の連結ベース551において、左ユニット530L及び右ユニット530Rの夫々の先端を、夫々回転可能に取付けていることから、左ユニット530Lや右ユニット530Rの夫々の先端を連結ベース551に対して相対的に回転(回動)させることで、中央可動装飾体ユニット550から左ユニット530Lや右ユニット530Rの延びる方向を様々に変更することができる。従って、進退駆動機構570により左ユニット530L及び右ユニット530Rを後退させた時に、左ユニット530L及び右ユニット530Rがベースユニット510から外方へ突出する方向に対して、可及的に直交する方向(ベースユニット510の長辺と平行な方向)に中央可動装飾体ユニット550の連結ベース551から左ユニット530L及び右ユニット530Rが延びるようにすることができるため、左ユニット530L及び右ユニット530Rを介して中央可動装飾体ユニット550を、ベースユニット510へ可及的に後退させることができ、進退駆動機構570により中央可動装飾体ユニット550を最も後退させた位置から最も前進させた位置までの距離をより長くすることが可能となり、中央可動装飾体ユニット550をより大きく移動させることができる。
[5-5g.中央可動演出ユニットの第二実施形態]
次に、中央可動演出ユニット500とは構成の異なる中央可動演出ユニット500Aについて、図33を参照して説明する。図33は中央可動演出ユニットの第二実施形態を概略で示す正面図である。この中央可動演出ユニット500Aは、図示は省略するが、進退ユニット530において、外側第一プレート531の規制突起531dと、内側第一プレート533の規制凹部533bとが、省略されている。また、進退駆動機構570では、進退ユニット530の左ユニット530Lと右ユニット530Rとを、夫々別々に駆動させることができるように構成されている。
この中央可動演出ユニット500Aは、左ユニット530Lと右ユニット530Rとを、同時に同じ速度で中央側へ移動させると、中央可動演出ユニット500と同様に、中央可動装飾体ユニット550を、真直ぐに昇降させることができる。
また、中央可動演出ユニット500Aは、例えば、中央可動装飾体ユニット550を下降端の位置から上昇させる際に、左ユニット530Lよりも右ユニット530Rを早く中央側へ移動させると、左ユニット530Lよりも右ユニット530Rの方が、ベースユニット510の開口510aから外方に多く突出する(繰出される)と共に、左ユニット530L及び右ユニット530Rの夫々のコマに備えられている磁石538の磁力により左ユニット530Lと右ユニット530Rの下辺同士が引合って、互いに接触した状態となり、左ユニット530L側を内側として進退ユニット530が弧を描くように曲がった状態でベースユニット510から外方へ延びることとなる(図33を参照)。つまり、中央可動装飾体ユニット550を、正面視中央よりも左側へ弧を描くように昇降(進退)させることができる。
この際に、左ユニット530Lと右ユニット530Rとを磁石538の磁力により密着させるようにしているため、左ユニット530Lの下辺と右ユニット530Rの下辺とが部分的に接触し、全体的に接触していなくても密着させることができ、左ユニット530L及び右ユニット530Rによる剛性を高めて中央可動装飾体ユニット550を充分に支持することができる。
一方、図示は省略するが、中央可動装飾体ユニット550を下降端の位置から上昇させる際に、上記とは逆に、左ユニット530Lを右ユニット530Rよりも早く中央側へ移動させると、中央可動装飾体ユニット550を、正面視中央より右側へ弧を描くように昇降させることができる。
更に、図示は省略するが、左ユニット530Lと右ユニット530Rとを、同時に同じ速度で中央側へ移動させることで、中央可動装飾体ユニット550を真直ぐに上昇させて上昇端に位置させた状態で、左ユニット530L又は右ユニット530Rのみをベースユニット510側(基端側)へ後退させると、互いに接触している下辺同士が摺動し、後退させた方のベースユニット510から中央可動装飾体ユニット550までの長さが短くなることから、密着している左ユニット530L及び右ユニット530Rが、後退させた側を内側として曲がることとなり、左右方向の一方に首を振るように中央可動装飾体ユニット550を移動させることができる。この際に、左ユニット530Lと右ユニット530Rの夫々の下辺同士が、磁石538の磁力により密着していることから、一方のみを後退させた時に、接触している左ユニット530Lと右ユニット530Rとの下辺同士の間で摺動することができ、左右方向の一方側に容易に曲がることができる。
このように、中央可動演出ユニット500Aによれば、進退駆動機構570による進退ユニット530の左ユニット530L及び右ユニット530Rの移動速度(送り速度)や移動方向(送り方向)を夫々適宜選択することで、ベースユニット510から上方に突出する中央可動装飾体ユニット550の移動方向を様々に異ならせることができるため、中央可動装飾体ユニット550に多彩な動きをさせることができ、より遊技者を楽しませることができると共に、遊技者を飽き難くさせることができ、遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
また、磁石538の磁力により左ユニット530Lと右ユニット530Rとを密着させていることから、左ユニット530Lと右ユニット530Rとを接近させると、互いが接触していなくても引き合うため、互いに引き寄せ合って接触した状態で密着させることができる。また、磁石538の磁力により密着させていることから、面ファスナや粘着材により密着させる場合と比較して、左ユニット530Lと右ユニット530Rとが互いに接触している面に沿った方向に相対的にスライドし易くなるため、進退駆動機構570により左ユニット530Lと右ユニット530Rの送り速度を異ならせるようにした時に、ベースユニット510から外方に突出する一対の左ユニット530L及右ユニット530Rが、送り速度の遅い側を内側として曲がり易くすることができる。従って、上述したように、進退駆動機構570による左ユニット530L及び右ユニット530Rの送り速度を夫々適宜選択することで、ベースユニット510から外方に突出する中央可動装飾体ユニット550の移動方向を様々に異ならせることができるため、中央可動装飾体ユニット550に多彩な動きをさせることができ、より遊技者を楽しませることができると共に、遊技者を飽き難くさせることができ、遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
[5-6.上部可動演出ユニットの全体構成]
続いて、中ユニット5の上部可動演出ユニット600について、主に図34乃至図39を参照して詳細に説明する。図34は中ユニットにおける上部可動演出ユニットを前から見た斜視図であり、図35は上部可動演出ユニットを後ろから見た斜視図であり、図36は上部可動演出ユニットにおける上横可動演出ユニットの動きを示す上部可動演出ユニットの正面図である。また、図37は上部可動演出ユニットにおける上中可動演出ユニットを概略構成で示す正面図である。図38(a)は退避状態の上中可動演出ユニットを正面から概略で示す説明図であり、(b)は(a)の状態から途中まで出現した状態の上中可動演出ユニットを正面から概略で示す説明図であり、(c)は出現状態の上中可動演出ユニットを正面から概略で示す説明図である。また、図39は、上横可動演出ユニットの上横可動装飾体を中央側へ移動させると共に上中可動演出ユニットの上中可動装飾体を出現位置へ移動させた状態で示す上部可動演出ユニットの正面図である。
本実施形態の上部可動演出ユニット600は、中ユニットベース400における一対の側部401、上連結部402、及び中連結部403により囲まれた部位に、後側から取付けられる。上部可動演出ユニット600は、中ユニットベース400に取付けられる正面視枠状のユニットベース601と、ユニットベース601に取付けられている上横可動演出ユニット610と、上横可動演出ユニット610の上部前面に取付けられている上中可動演出ユニット650と、を備えている。
上横可動演出ユニット610は、正面視においてユニットベース601の枠内に配置され遊技者側から常時視認可能な一対の上横可動装飾体612を備えている。一対の上横可動装飾体612は、ユニットベース601の枠内の左右両端と、左右方向の中央付近との間で夫々左右方向へ移動可能とされている。また、上中可動演出ユニット600は、通常の状態では正面視においてユニットベース601の枠外(枠内よりも上方)に配置されて遊技者側から視認不能な半円環状の一対の上中左装飾体661及び上中右装飾体671を備えている。一対の上中左装飾体661及び上中右装飾体671は、遊技状態に応じてユニットベース601の正面視枠内に移動して一つの大きな円環状に合体すると共に、遊技者側から視認可能となる。
上部可動演出ユニット600のユニットベース601は、正面視の形状が、左右に延びた四角い枠状に形成されている。このユニットベース601は、左右の両辺が前後方向に所定幅で上下に延びた帯板状に形成されており、上辺が左右両辺の後端よりも後方に延出した平板状に形成されていると共に、下辺が左右両辺の前端よりも前方に延出した平板状に形成されている。ユニットベース601は、下辺の上面における後端付近に、左右両端から中央へ向かって夫々延びており上方に向かって開口している溝状の一対の下ガイド602が形成されている。この下ガイド602は、後述する上横可動演出ユニット610における一対の上横可動装飾体612の下ガイドピン612aを摺動可能に案内するものである。
[5-6a.上横可動演出ユニット]
上部可動演出ユニット600の上横可動演出ユニット610について、主に図34乃至図36を参照して説明する。上横可動演出ユニット610は、ユニットベース601の上辺の上面に取付けられる上横ベース611と、上横ベース611の前端付近で夫々左右方向に離間していると共に左右方向に移動可能に吊下げられており上下に延びている一対の上横可動装飾体612と、一対の上横可動装飾体612の上端の一部を夫々支持していると共に上横ベース611の上面おいて左右方向にスライド可能に夫々取付けられている一対のスライダ(図示は省略)と、一対のスライダに夫々取付けられておりスライダを左右方向に移動させる一対の上横駆動モータ(図示は省略)と、一対の上横駆動モータ及びスライダを上方から覆うように上横ベース611の上側に取付けられている上部カバー615と、を備えている。
上横ベース611は、図示は省略するが、前端付近で且つ左右両端付近に、上下に貫通していると共に左右に延びており上横可動装飾体612を上下に延びた軸周りに回転可能且つ左右方向へ移動可能に吊下げるための一対の誘導スリットと、一対の誘導スリットの後方で夫々上下に貫通していると共に左右方向に真直ぐ延びている案内スリットと、案内スリットの後側に夫々形成されており左右に延びた一対のラックギアと、を備えている。
誘導スリットは、上横ベース611の左右両端に近い側の端部が、その端部に近付くほど案内スリットから離れるように前方に曲がっており、上横ベース611の左右方向中央に近い側の端部が、案内スリットよりも中央から遠ざかっている。上横ベース611の案内スリットは、上横可動装飾体612から上方に延びている駆動ピンが上方へ突出するように挿通される。
一対の上横可動装飾体612は、枠状のユニットベース601の枠内の高さと略同じ高さで表面が立体的に形成されており、透光性を有している。この上横可動装飾体612は、図示は省略するが、内部に配置され複数のLEDが実装された上横装飾基板と、下端から下方に突出しておりユニットベース601の下ガイド602内に摺動可能に挿入される下ガイドピン612a(図36を参照)と、上端から上方に突出しており上横ベース611の誘導スリットに摺動可能且つ回転可能に吊下げられる吊下げ部と、吊下げ部とは異なる位置から上方に突出しており上横ベース611の案内スリットに挿通される駆動ピンと、を備えている。
図示は省略するが、上横可動装飾体612は、上横装飾基板のLEDを適宜発光させることで、発光装飾することができる。上横可動装飾体612の駆動ピンは、上横ベース611の上面に左右方向へスライド可能に取付けられるスライダに、回転可能な状態で取付けられる。
図示は省略するが、上横駆動モータは、スライダの上面に取付けられており、スライダを貫通している回転軸に上横ベース611のラックギアと噛合する駆動ギアが取付けられている。これにより、上横駆動モータによって駆動ギアを回転駆動させると、スライダが左右方向にスライドする。
次に、上横可動演出ユニット600の動作について説明する。この上横可動演出ユニット600は、通常の状態では、一対の上横可動装飾体612が、左右方向に最も離間した離遠位置に位置しており、ユニットベース601の左右両辺付近に夫々位置している(図36等を参照)。この通常の状態では、中ユニット5に組立てた状態で、一対の上横可動装飾体612が正面視において夫々メイン液晶表示装置450の左右両端に位置しており、メイン液晶表示装置450の左右両辺を装飾している。
この通常の状態では、上横可動装飾体612の吊下げ部と駆動ピンとが、上横ベース611の誘導スリットと案内スリットとによって前後に並ぶように位置した状態となることから、上横可動装飾体612の前面が、真正面に対して約63度傾いている。つまり、通常の状態では、左右の上横可動装飾体612が、その前面が夫々ユニットベース601の枠内の中央を向くように傾斜している。
通常の状態で、図示しない一対の上横駆動モータの駆動により左右のスライダを夫々上横ベース611の左右方向中央側へスライドさせると、夫々のスライダに支持されている上横可動装飾体612の駆動ピンが、上横ベース611の案内スリットに沿って左右方向中央側へ移動することとなり、駆動ピンの移動に伴って上横可動装飾体612の吊下げ部も上横ベース611の誘導スリットに沿って左右方向中央側へ移動することとなる。この際に、上横ベース611の誘導スリットは、中央側へ向かうに従って案内スリットに接近するように後方へ円弧状に曲がった後に案内スリットと平行に延びるように形成されているため、上横可動装飾体612の吊下げ部と駆動ピンとが左右方向に相対的に離れると共に前後方向に接近することとなり、上横可動装飾体612が吊下げ部を中心に回動することとなる。これにより、上横可動装飾体612は、前面が正面を向くように回動しながら上横ベース611の中央側へ移動する。
そして、一対のスライダが左右方向中央側への移動端に到達すると、一対の上横駆動モータの駆動が停止して、一対のスライダの移動が停止する。この状態では、一対の上横可動装飾体612が、その前面を真正面に向けていると共に、ユニットベース601の枠内を左右方向へ三つに分割するように互いに離間した離近位置に位置している(図39を参照)。また、一対の上横可動装飾体612を中央側へ移動させた状態では、一対の上横可動装飾体612がメイン液晶表示装置450の前面に位置している。
[5-6b.上中可動演出ユニット]
次に、上部可動演出ユニット600の上中可動演出ユニット650について、主に図34乃至図38を参照して詳細に説明する。上中可動演出ユニット650は、上横可動演出ユニット610における一対の上横可動装飾体612よりも上側の前面に取付けられている。上中可動演出ユニット650は、上横可動演出ユニット610の前面上部に取付けられる上中ベース651と、上中ベース651の前面に取付けられており前面に装飾が施されている前カバー652と、を備えている。
また、上中可動演出ユニット650は、前カバー652と上中ベース651との間で上中ベース651に左右方向中央よりも右側に回動中心を有するように回動可能に取付けられている半環状の上中左可動装飾体ユニット660と、上中ベース651の後側に左右方向中央よりも左側に回動中心を有するように回動可能に取付けられている半環状の上中右可動装飾体ユニット670と、上中ベース651の左右方向中央で上下にスライド可能に取付けられており、上中左可動装飾体ユニット660の回動を伝達して上中右可動装飾体ユニット670を回動させる伝達スライダ680と、上中ベース651に取付けられており上中左可動装飾体ユニット660を回動させる回動駆動機構690と、を備えている。
上中可動演出ユニット650の上中ベース651は、正面視の形状が左右に延びた略四角形に形成されている。上中ベース651は、全体が略平板状に形成されており、正面視左右方向中央より左側の部位に対して右側の部位が前方に位置し、左側の部位の右端と右側の部位の左端とが連結された平面視クランク状に形成されている。この上中ベース651の左右方向中央より左側の部位の前方に上中左可動装飾体ユニット660の上中左装飾体661が配置されると共に、中央より右側の部位の後方に上中右可動装飾体ユニット670の上中右装飾体671が配置される。また、上中ベース651により、上中左可動装飾体ユニット660の上中左装飾体661と上中右可動装飾体ユニット670の上中右装飾体671とが、前後方向に対して同じ位置に配置される。
この上中ベース651は、正面視左右方向中央より右側の部位の前面から前方に突出しており上中左可動装飾体ユニット660を回動可能に取付けるための左用軸部651aと、正面視左右方向中央より左側の部位の後面から後方に突出しており上中右可動装飾体ユニット670を回動可能に取付けるための右用軸部651bと、正面視左右方向中央より右側の部位の左端付近で上下に延びていると共に前後に貫通しており伝達スライダ680を上下にスライド可能に取付けるためのガイド溝(図示は省略)と、を備えている。上中ベース651の左用軸部651aと右用軸部651bは、上中ベース651の左右方向中央を境にして左右対称の位置に備えられている。
上中左可動装飾体ユニット660は、半円環状で前面に装飾が施されており透光性を有する上中左装飾体661と、上中左装飾体661を後側から取付けている左装飾体ベース662と、左装飾体ベース662と上中左装飾体661との間に取付けられており前面に複数のLEDが実装されている上中左装飾基板(図示は省略)と、を備えている。上中左装飾体661は、上中左装飾基板のLEDを適宜発光させることで発光装飾することができる。半円環状の上中左装飾体661は、内周側の半径が中央可動演出ユニット500における中央可動装飾体553の半径よりも若干大きく形成されており、外周側の半径が枠状のユニットベース601における枠内の高さよりも若干小さく形成されている。
左装飾体ベース662は、前面に上中左装飾体661が取付けられる半円環状の装飾体取付部662aと、装飾体取付部662aの一方の端部から外方に延出している平板状の基板部662bと、基板部662bの先端において上中ベース651の左用軸部651aに回動可能に取付けられる回動軸受部662cと、基板部662bにおける回動軸受部662cと装飾体取付部662aとの間で前後に貫通している長孔状の左伝達スリット662dと、基板部662bにおける回動軸受部662cから左伝達スリット662dの方向に対して略直交する方向に離間した位置で前後に貫通している作用軸受部662eと、作用軸受部662eから回動軸受部662cとは反対方向に延出している平板状の検知片662fと、を備えている。
左装飾体ベース662は、半円環状の装飾体取付部662aの一方の端部において、円弧側とは反対側で半円環の中心から遠ざかる方向に基板部662bが延出している。左装飾体ベース662の基板部662bは、装飾体取付部662aから延出している部位が、一旦前方に延出してから装飾体取付部662aの前面と平行に延びており、平面視の形状がクランク状に形成されている。左装飾体ベース662の左伝達スリット662dには、伝達スライダ680の左伝達ピン681が摺動可能に挿入される。左装飾体ベース662の作用軸受部662eには、回動伝達機構690におけるリンクロッド694の作用ピン694bが回転可能に挿入される。更に、左装飾体ベース662の検知片662fは、上中ベース651に取付けられている回動検知センサ653により検知される。
この上中左可動装飾体ユニット660は、上中左装飾体661と左装飾体ベース662の装飾体取付部662aが、上中ベース651の左右方向中央より左側の部位の前方で右側の部位よりも後方に位置し、左装飾体ベース662の基板部662bが、上中ベース651の左右方向中央より右側の部位の前面に位置している。また、上中左装飾体ユニット660は、半円環状の上中左装飾体661の円弧側が、上中ベース651の左用軸部651aを中心に正面視において時計回りの方向に向くように取付けられる。
また、上中左可動装飾体ユニット660は、半円環状の上中左装飾体661の前面が、中央可動演出ユニット500の中央可動装飾体ユニット550における中央可動装飾体553の前面と、前後方向の位置が略一致するように形成されている。また、左装飾体ベース662の装飾体取付部662aが、中央可動演出ユニット500の進退ユニット530よりも前方に位置するように形成されている。
上中右可動装飾体ユニット670は、半円環状で前面に装飾が施されており透光性を有する上中右装飾体671と、上中右装飾体671を後側から取付けている右装飾体ベース672と、右装飾体ベース672と上中右装飾体671との間に取付けられており前面に複数のLEDが実装されている上中右装飾基板(図示は省略)と、を備えている。上中右装飾体671は、上中右装飾基板のLEDを適宜発光させることで発光装飾することができる。半円環状の上中右装飾体671は、内周側の半径が中央可動演出ユニット500における中央可動装飾体553の半径よりも若干大きく形成されており、外周側の半径が枠状のユニットベース601における枠内の高さよりも若干小さく形成されている。
右装飾体ベース672は、前面に上中右装飾体671が取付けられる半円環状の装飾体取付部672aと、装飾体取付部672aの一方の端部から外方に延出している平板状の基板部672bと、基板部672bの先端において上中ベース651の右用軸部651bに回動可能に取付けられる回動軸受部672cと、基板部672bにおける回動軸受部672cと装飾体取付部672aとの間で前後に貫通している長孔状の右伝達スリット672dと、を備えている。
右装飾体ベース672は、半円環状の装飾体取付部672aの一方の端部において、円弧側とは反対側で半円環の中心から遠ざかる方向に基板部672bが延出している。右装飾体ベース672の基板部672bは、装飾体取付部672aから延出している部位が、一旦前後方に延出してから装飾体取付部672aの前面と平行に延びており、平面視の形状がクランク状に形成されている。右装飾体ベース672の右伝達スリット672dには、伝達スライダ680の左伝達ピン682が摺動可能に挿入される。
この上中右可動装飾体ユニット670は、上中右装飾体671と右装飾体ベース672の装飾体取付部672aが、上中ベース651の左右方向中央より右側の部位の後方で左側の部位よりも前方に位置し、右装飾体ベース672の基板部672bが、上中ベース651の左右方向中央より左側の部位の後面に位置している。また、上中右装飾体ユニット670は、半円環状の上中右装飾体671の円弧側が、上中ベース651の右用軸部651bを中心に正面視において反時計回りの方向に向くように取付けられる。
また、上中右可動装飾体ユニット670は、半円環状の上中右装飾体671の前面が、中央可動演出ユニット500の中央可動装飾体ユニット550における中央可動装飾体553の前面と、前後方向の位置が略一致するように形成されている。また、右装飾体ベース672の装飾体取付部672aが、中央可動演出ユニット500の進退ユニット530よりも前方に位置するように形成されている。
上中可動演出ニット650の伝達スライダ680は、上中ベース651の図示しないガイド溝により上下にスライド可能に取付けられている。この伝達スライダ680は、左装飾体ベース662の左伝達スリット662d内に摺動可能に挿入される左伝達ピン681と、左伝達ピン681の直下で右装飾体ベース672の右伝達スリット672d内に摺動可能に挿入される右伝達ピン682と、を備えている。
伝達スライダ680の左伝達ピン681及び右伝達ピン682は、伝達スライダ680を上中ベース651にスライド可能に取付けた状態で、左用軸部651aと右用軸部651bとの間の中央を通る軸線上に位置するように形成されている。
上中可動演出ユニット650の回動駆動機構690は、上中ベース651における正面視右上隅の後面に回転軸が貫通して前方に突出するように取付けられる上中駆動モータ691と、上中駆動モータ691の回転軸に取付けられる平歯車状の駆動ギア692と、駆動ギア692と噛合する平歯車状の従動ギア部693a、従動ギア部693aから外方へ延出している延出部693b、及び延出部693bの先端で前後方向に貫通している駆動軸受部693cを有しており、前カバー652の後面に回転可能に取付けられるカム部材693と、棒状で一方の端部にカム部材693の駆動軸受部693c内に回転可能に挿入される駆動ピン694aを有すると共に、他方の端部に左装飾体ベース662の作用軸受部662e内に回転可能に挿入される作用ピン694bを有するリンクロッド694と、を備えている。
回動駆動機構690のカム部材693は、従動ギア部693aと同芯上で回転可能に前カバー652に取付けられている。これにより、カム部材693を回転させると、延出部693bの先端の駆動軸受部693cが所定の半径で公転する。
次に、上中可動演出ユニット650の動作について説明する。この上中可動演出ユニット650は、通常の状態では、上中左可動装飾体ユニット660及び上中右可動装飾体ユニット670の全体が前カバー652の真後ろに位置しており、遊技者側から視認不能な状態(退避位置の状態)となっている。この退避位置の状態では、図37に示すように、上中ベース651の左用軸部651aに回動可能に取付けられている上中左可動装飾体ユニット660が、左用軸部651a(回動軸受部662c)から正面視斜め左上に左装飾体ベース662の左伝達スリット662dが位置しており、半円環状の先端側(自由端側)が左用軸部651aよりもやや下方に位置している。また、左装飾体ベース662では、回動軸受部662cの正面視斜め右上でカム部材693の回転中心と略同じ高さに作用軸受部662eが位置している。また、左装飾体ベース662の検知片662fは、回動検知センサ653により検知されている。
左装飾体ベース662の作用軸受部662eに作用ピン694bが回転可能に取付けられているリンクロッド694は、作用軸受部662eから正面視右方へカム部材693の後方でその回転中心を跨ぐように略水平に延びており、作用ピン694bとは反対側の端部の駆動ピン694aが、カム部材693の回転中心の正面視右方に位置してカム部材693の駆動軸受部693cに回転可能に取付けられている。これにより、カム部材693の延出部693bが、従動ギア部693aから正面視右方へ略水平に延びている。
また、退避位置の状態では、上中ベース651の右用軸部651bに回動可能に取付けられている上中右可動装飾体ユニット670が、右用軸部651b(回動軸受部672c)から正面視斜め右上に右装飾体ベース672の右伝達スリット672dが位置しており、半円環状の先端側(自由端側)が右用軸部651bよりもやや下方に位置している。右装飾体ベース672の右伝達スリット672dは、左装飾体ベース662の左伝達スリット662dの下側に位置している。左伝達スリット662d及び右伝達スリット672dには、伝達スライダ680における上下に配置された左伝達ピン681及び右伝達ピン682が夫々摺動可能に挿入されている。
この退避位置の状態(通常の状態)で、遊技状態に応じて上中駆動モータ691によりカム部材693が正面視時計回りの方向に回転するように駆動させると、カム部材693の回転中心に対して偏芯している駆動軸受部693cが、正面視左方且つ下方へ移動するように公転する。この駆動軸受部693cが公転することで、駆動軸受部693cに取付けられているリンクロッド694の駆動ピン694aにより、リンクロッド694が全体的に左方へ移動しようとし、リンクロッド694の作用ピン694bを介して左装飾体ベース662の作用軸受部662eが正面視左方へ押圧される。
リンクロッド694により作用軸受部662eが正面視左方へ押圧されると、左装飾体ベース662が左用軸部651aを中心に正面視反時計回りの方向に回動することとなり、左装飾体ベース662の半円環状の装飾体取付部662aの先端側が下方へ移動することとなる。そして、左装飾体ベース662が左用軸部651aを中心にして反時計回りの方向に回動すると、基板部662bに形成されている左伝達スリット662dが下方へ移動するように公転することとなる。この左伝達スリット662dが正面視下方へ移動するように公転すると、左伝達スリット662d内に挿入されている左伝達ピン681が左伝達スリット662dの内周面により下方へ押圧され、左伝達ピン681を介して伝達スライダ680が下方へ真直ぐにスライドすることとなる。
伝達スライダ680が下方へスライドすると、左伝達ピン681の直下に配置されている右伝達ピン682も下方へ移動するため、左伝達ピン682の下方への移動により、左伝達ピン682が挿入されている右装飾体ベース672の右伝達スリット672dが下方へ押圧されることとなる。この右伝達スリット672dが右伝達ピン682により下方へ押圧されると、右装飾体ベース672が、右用軸部651bを中心にして正面視時計回りの方向へ回動することとなり、右装飾体ベース672における半円環状の装飾体取付部672aの先端側が下方へ移動することとなる。
このように、上中駆動モータ691によりカム部材693を正面視時計周りの方向に回動させると、上中左可動装飾体ユニット660及び上中右可動装飾体ユニット670が、反時計周りの方向及び時計回りの方向に夫々回動し、半円環状の上中左装飾体661及び上中右装飾体671が回動しながら下方へ移動することとなる(図38(b)を参照)。上中左装飾体661及び上中右装飾体671が回動しながら下方へ移動すると、上中左装飾体661及び上中右装飾体671が夫々先端側から正面視において前カバー652よりも下方(正面視において枠状のユニットベース601の枠内)へ順次移動することとなり、前カバー652よりも下方に位置している部位が遊技者側から視認可能となる(出現する)。
そして、上中駆動モータ691によりカム部材693を更に正面視時計回りの方向に回動させると、半円環状の上中左装飾体661及び上中右装飾体671の先端同士が互いに当接し、上中左可動装飾体ユニット660及び上中右可動装飾体ユニット670の回動が停止すると共に、上中駆動モータ691の回転駆動が停止する。これにより、上中左装飾体661及び上中右装飾体671の全体が前カバー652よりも下方に位置し、遊技者側から視認可能となると共に、前カバー652の下方で上中左装飾体661と上中右装飾体671とにより一つの大きな円環状の装飾体が形成された状態(出現位置の状態)となる(図37(c)を参照)。
[5-6c.上部可動演出ユニットの動作]
次に、上部可動演出ユニット600の動作について、主に図36及び図39を参照して詳細に説明する。上部可動演出ユニット600は、通常の状態では、上横可動演出ユニット610の一対の上横可動装飾体612がユニットベース601の枠内の左右両辺付近に夫々位置していると共に、上中可動演出ユニット650の一対の上中左装飾体661及び上中右装飾体671がユニットベース601の枠内よりも上方に夫々位置している。この通常の状態では、遊技者側からは一対の上横可動装飾体612のみが視認可能となっており、正面視において一対の上横可動装飾体612によりメイン液晶表示装置450の左右両側を装飾している(図15(a)等を参照)。なお、通常の状態では、一対の上横可動装飾体612が、上下に延びた軸周りに対して所定角度回動しており、夫々前面がユニットベース601の枠内の中央側を向いている。
この通常の状態で、上横可動演出ユニット610の図示しない一対の上横駆動モータを駆動させることで、ユニットベース601の枠内の左右両端に位置している一対の上横可動装飾体612を、正面視左右方向中央寄りの位置へ移動させることができる。この際に、一対の上横可動装飾体612は、夫々上下に延びた軸周りに回動し、前面が真正面を向いた状態となる。一対の上横可動装飾体612を中央側へ移動させることで、メイン液晶表示装置450の表示画面を左右方向へ三つに分割することができる。なお、一対の上横可動装飾体612は、夫々独立して左右方向に移動させることができ、両方を同時に移動させたり、一方のみを移動させたりすることで多彩な可動演出を遊技者に提示することができる。
また、通常の状態で、上中可動演出ユニット650の上中駆動モータ691を駆動させることで、ユニットベース601の枠内よりも上方に位置している半円環状の一対の上中左装飾体661及び上中右装飾体671を夫々回動させつつ下降させて、夫々の端部同士を当接させ合体させることができ、正面視においてユニットベース601の枠内に一つの大きな円環状の装飾体を遊技者側から視認可能に出現させることができる(図39を参照)。一対の上中左装飾体661及び上中右装飾体671を出現させた状態では、上中左装飾体661及び上中右装飾体671により形成された円環状の装飾体が、ユニットベース601の枠内の中央に位置しており、遊技者側から目立った状態となる。
この上部可動演出ユニット600は、上横可動演出ユニット610の一対の上横可動装飾体612と、上中可動演出ユニット650の一対の上中左装飾体661及び上中右装飾体671とが、夫々前後方向の異なる位置に配置されているため、例えば、一対の上横可動装飾体612を中央側へ移動させた後に一対の上中左装飾体661及び上中右装飾体671を出現位置に移動させたり、一対の上中左装飾体661及び上中右装飾体671を出現位置に移動させた後に一対の上横可動装飾体612を中央側へ移動させたり、一対の上横可動装飾体612と一対の上中左装飾体661及び上中右装飾体671とを中央側へ移動させたりすることができ、多彩な可動パターンの演出を遊技者に提示して遊技者を飽きさせ難くすることができる。
また、上部可動演出ユニット600は、上中可動演出ユニット650の一対の上中左装飾体661及び上中右装飾体671を出現位置に移動させた時に形成される円環状の装飾体の中心が、中央可動演出ユニット500における中央可動装飾体ユニット550を上昇端に位置させた時の中央可動装飾体553の中心と略一致している。従って、正面視において、一対の上中左装飾体661及び上中右装飾体671により、上昇端に位置した中央可動装飾体553の外周を囲むように装飾することができる(図42を参照)。
更に、上部可動演出ユニット600は、上中可動演出ユニット650の一対の上中左装飾体661及び上中右装飾体671の夫々の前面が、中央可動装飾体553の前面と、前後方向の位置が略一致しているため、中央可動装飾体553を上昇端に位置させた状態で、一対の上中左装飾体661及び上中右装飾体671を出現位置に移動させて中央可動装飾体553の外周を囲む(合体させる)と、中央可動装飾体553と、一対の上中左装飾体661及び上中右装飾体671とで、一つの大きな円盤状の装飾体を形成することができ、遊技者側から目立たせて遊技者に強いインパクトを与えることができる。
この際に、一対の上中左装飾体661及び上中右装飾体671の内周によって、中央可動装飾体553の外周をガイドすることができるため、中央可動装飾体553の外周を一対の上中左装飾体661及び上中右装飾体671で囲った(合体させた)状態で中央可動装飾体553を回転させると、回転による中央可動装飾体553の左右のブレを一対の上中左装飾体661及び上中右装飾体671によって抑制することができ、中央可動装飾体553を良好な状態で回転させることができる。従って、中央可動装飾体553と一対の上中左装飾体661及び上中右装飾体671とが合体して形成された一つの大きな円盤状の装飾体の中央(中央可動装飾体553)が回転する演出を遊技者に見せることができるため、遊技者に対して更に強いインパクトを与えることができ、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
[5-7.横部可動演出ユニット]
中ユニット5の横部可動演出ユニット700について、主に図21及び図22を参照して説明する。横部可動演出ユニット700は、中ユニットベース400における左右側部401の内側に夫々取付けられている。横部可動演出ユニット700は、左右に離間して配置され正面視の形状が略長方形で所定の演出画像を表示可能な一対のサブ左液晶表示装置710L及びサブ右液晶表示装置710Rと、サブ左液晶表示装置710L及びサブ右液晶表示装置710Rを夫々前後に延びた軸周りに回動させる左回動駆動機構730L及び右回動駆動機構730Rと、左回動駆動機構730L及び右回動駆動機構730Rを夫々上下に移動させ中ユニットベース400に夫々取付けられる左昇降駆動機構750L及び右昇降駆動機構750Rと、左昇降駆動機構750L及び右昇降駆動機構750Rに沿うように中ユニットベース400内に取付けられている横部左装飾部材770L及び横部右装飾部材770Rと、を備えている。
横部可動演出ユニット700のサブ左液晶表示装置710L及びサブ右液晶表示装置710Rは、互いに対称形状に形成されている。サブ左液晶表示装置710L及びサブ右液晶表示装置710Rは、正面視の外形形状が略長方形に形成されており、長辺の長さが、中ユニットベース400における一対の側部401の内面同士の間隔の寸法に対して約2/5の長さとされていると共に、短辺の長さが、中央可動演出ユニット500におけるベースカバー520の高さよりも若干長い。
サブ左液晶表示装置710L及びサブ右液晶表示装置710Rは、演出画像が表示される長方形状の表示画面711と、表示画面の外周を装飾しており透光性を有する枠状の装飾枠部材712と、装飾枠部材712及び表示画面711の後側に配置されており前面に複数のLEDが実装されているサブ液晶装飾基板713と、サブ液晶装飾基板713の後面を覆うように装飾枠部材712の後側に取付けられているサブ液晶ベース714と、サブ液晶ベース714の後面に取付けられる平板状の錘714と、を夫々備えている。
装飾枠部材712は、二つの短辺を構成している部位に爪を模した立体的な装飾が形成されている。サブ液晶装飾基板713は、長方形の表示画面711の短辺よりも短い幅で、表示画面711の長辺よりも長く延びており、正面視において表示画面711の二つの短辺から外方に延出する部位を有するように組立てられると共に、表示画面711の二つの短辺から外方に延出する部位に複数のLEDが実装されている。これにより、サブ液晶装飾基板713のLEDを発光させることで、装飾枠部材712における爪の装飾が形成されている部位を発光装飾させることができる。
サブ液晶ベース714は、図示は省略するが、後面における四隅のうちの一つから後方へ円柱状に突出した回動軸を有している。サブ左液晶表示装置710L及びサブ右液晶表示装置710Rは、サブ液晶ベース714の回動軸が、左回動駆動機構730L及び右回動駆動機構730Rにおける図示しない回動駆動ベースの軸受部に夫々取付けられることで、前後に延びた軸周りに回動することができる。錘715は、鉄板等の金属板により形成されており、サブ液晶ベース714の後面における二つの長辺のうちの回動軸に近い側の長辺に沿うように取付けられている。
左回動駆動機構730L及び右回動駆動機構730Rは、図示は省略するが、サブ液晶ベース714の回動軸が回転可能に挿通される軸受部、及び左昇降駆動機構750L又は右昇降駆動機構750Rにおける図示しない昇降駆動シャフトが挿通されるナット孔を有する回動駆動ベースと、回動駆動ベースの後側で軸受部を貫通したサブ液晶ベース714の回動軸の先端(後端)に取付けられ回動軸から偏芯した位置に作動ピンを有する作動回転部材と、回動駆動ベースの前面に回転軸が後方に突出するように取付けられる横部回動駆動モータと、横部回動駆動モータの回転軸に取付けられ回転中心から偏芯した位置に駆動ピンを有する駆動回転部材と、駆動回転部材の駆動ピンに一端側が回転可能に取付けられると共に、作動回転部材の作動ピンに他端側が回転可能に取付けられる連結ロッドと、回動駆動ベースの後側に取付けられており左昇降駆動機構750L又は右昇降駆動機構750Rのガイドベース751に昇降可能に取付けられる昇降スライダと、を備えている。
また、左回動駆動機構730L及び右回動駆動機構730Rは、回動駆動ベースの前面に横部回動駆動モータの前側を覆うように取付けられるカバーと、回動駆動ベースに上下方向へスライド可能に取付けられており、作動回転部材の回転に伴って上下方向にスライドするアシストスライダと、アシストスライダを上昇させる方向に付勢しているアシストバネと、を備えている。
回動駆動ベースのナット孔は、内部に複数の突起を有しており、それら突起が左昇降駆動機構750L及び右昇降駆動機構750Rにおける昇降駆動シャフトの螺旋溝に挿入されることで、昇降駆動シャフトに対してネジ結合することができる。
作動回転部材は、回動軸を中心にした扇状のギア部を有しており、このギア部がアシストスライダのラックギアに噛合することで、作動回転部材の回転によりアシストスライダを上下方向にスライドさせることができる。また、作動回転部材は、外方に突出した規制片を有しており、規制片の端部が回動駆動ベースの所定位置に当接することで、作動回転部材の回動範囲が規制されている。
左回動駆動機構730L及び右回動駆動機構730Rは、組立てた状態で、作動回転部材の作動ピンがその回転中心(回動軸の中心)に対して左右方向の外側に位置していると共に、アシストスライダが作動回転部材の回転中心よりも左右方向内側に配置されている。
この左回動駆動機構730L及び右回動駆動機構730Rは、サブ左液晶表示装置710L及びサブ右液晶表示装置730Lを、夫々前後方向に延びた軸周りに対して90度回動させることができる。詳しくは、左回動駆動機構730L及び右回動駆動機構730Rは、外形が長方形のサブ左液晶表示装置710L及びサブ右液晶表示装置730Lを、サブ液晶ベース714の回動軸を中心にして水平に延びた状態と、上方へ垂直に延びた(立上った)状態との間で回動させることができる。
左回動駆動機構730L及び右回動駆動機構730Rは、サブ左液晶表示装置710L及びサブ右液晶表示装置730Lの回動範囲を規制する回動規制機構を備えている。この回動規制機構により、サブ左液晶表示装置710L及びサブ右液晶表示装置730Lを、立上げた時には先端(上端)が反対側へ回動する(倒れる)のを阻止することができると共に、水平にした時には先端が下方へ更に回動するのを阻止することができる。
アシストバネは、アシストスライダを介してサブ左液晶表示装置710L及びサブ右液晶表示装置730Lが立上る方向へ回動するように付勢しており、水平な状態から立上げる時に横部回動駆動モータに作用する負荷を軽減させている。
左昇降駆動機構750L及び右昇降駆動機構750Rは、中ユニットベース400の側部401の略全高に亘って延びており中ユニットベース400の枠内の左右両端付近に夫々取付けられるガイドベース751と、ガイドベース751の上端に取付けられる上部ベース752と、ガイドベース751の下端に取付けられる下部ベース753と、上部ベース752及び下部ベース753に上端及び下端が夫々回転可能に取付けられ外周に螺旋溝が形成された昇降駆動シャフト(図示は省略)と、昇降駆動シャフトの上端に取付けられている平歯車状のシャフトギア(図示は省略)と、シャフトギアと噛合している平歯車状の駆動ギア(図示は省略)と、駆動ギアが回転軸に取付けられており上部ベース752に取付けられている横部昇降駆動モータ757(757L,757R)と、を備えている。
ガイドレール751は、上下に延びた帯板の左右両端が夫々前方に屈曲された形態に形成されている。ガイドベース751は、左回動駆動機構730L又は右回動駆動機構730Rの昇降スライダが前方から挿入される。これにより、ガイドベース751により昇降スライダを上下方向にのみガイドすることができる。
左昇降駆動機構750L及び右昇降駆動機構750Rは、昇降駆動シャフトを左回動駆動機構730L及び右回動駆動機構730Lにおける回動駆動ベースのナット孔に挿通することで、外周に形成された螺旋溝によりナット孔とネジ結合することができる。左昇降駆動機構750L及び右昇降駆動機構750Rは、ぞれぞれ、横部昇降駆動モータ757L及び横部昇降駆動モータ757Rを駆動させることで昇降駆動シャフトを回転させることができる。
横部左装飾部材770L及び横部右装飾部材770Rは、枠状の中ユニットベース400における上連結部402と中連結部403との間の左右両側に配置される横部上装飾体771と、横部上装飾体771の下端から中ユニットベース400の下連結部404まで延びており透光性を有する横部下装飾体772と、横部下装飾体772の後側に配置され前面に複数のLEDが実装されている横部下装飾基板(図示は省略)と、を夫々備えている。
横部左装飾部材770L及び横部右装飾部材770Rは、左昇降駆動機構750L及び右昇降駆動機構750Rにおける昇降駆動シャフトの前方を被覆するように配置されている。
横部上装飾体771は、前面における左右方向の略中央において、中ユニットベース400の中央に近い側が、後方へ向くように屈曲している。横部下装飾体772は、前面が正面を向いた平板状に形成されている。横部下装飾体772は、横部下装飾基板のLEDを適宜発光させることで、発光装飾することができる。
[5-7a.横部可動演出ユニットの動作]
次に、横部可動演出ユニット700の動作について説明する。横部可動演出ユニット700は、一対のサブ左液晶表示装置710L及びサブ右液晶表示装置710Rが、前可動演出ユニット300の前可動装飾体310と、遊技ユニット3(三つのリール70)との間に配置されており、リール70(図柄表示領域A)の前方へ移動可能とされている。この横部可動演出ユニット700は、通常の状態では、一対のサブ左液晶表示装置710L及びサブ右液晶表示装置710Rが、夫々水平方向に延びた状態で、中央可動演出ユニット500と同じ高さに位置している。従って、中央可動演出ユニット500の中央可動装飾体ユニット550が下降端に位置している時には、一対のサブ左液晶表示装置710L及びサブ右液晶表示装置710Rが、中央回転装飾体553の左右両側に夫々位置している(図15(a)等を参照)。
この通常の状態では、左回動駆動機構730L及び右回動駆動機構730Rにおける作動回転部材の規制片が回動駆動ベースの所定位置に当接しており、サブ左液晶表示装置710L及びサブ右液晶表示装置710Rの夫々の先端側が下方へ移動するようにこれ以上回動するのが阻止されている。
通常の状態で、左回動駆動機構730L及び右回動駆動機構730Rの夫々の横部回動駆動モータの駆動により作動回転部材を正面視で反時計周りの方向及び時計回りの方向に夫々回転させると、水平に延びていたサブ左液晶表示装置710L及びサブ右液晶表示装置710Rの夫々の先端側が上昇するように回動し、サブ左液晶表示装置710L及びサブ右液晶表示装置710Rが、夫々上下に延びた直立した状態となる。この際に、左回動駆動機構730L及び右回動駆動機構730Rの夫々のアシストバネが、夫々の作動回転部材に対して正面視反時計回りの方向及び時計回りの方向へ回動するようにアシスト(付勢)している。
左回動駆動機構730L及び右回動駆動機構730Rにより、サブ左液晶表示装置710L及びサブ右液晶表示装置710Rを直立させた状態では、作動回転部材の規制片が回動駆動ベースの所定位置に当接しており、サブ左液晶表示装置710L及びサブ右液晶表示装置710Rが、夫々の先端側(上端側)が中ユニットベース400の左右方向外側へ移動するように回動するのを阻止している。また、サブ左液晶表示装置710L及びサブ右液晶表示装置710Rでは、夫々に備えられている錘715が、サブ液晶ベース714の回動軸よりも中ユニットベース400における左右方向の外側に位置している。これにより、錘715によってサブ左液晶表示装置710L及びサブ右液晶表示装置710Rには、回動軸に対して、夫々正面視反時計回りの方向及び時計回りの方向に夫々回転モーメントが作用することとなる。従って、夫々に作用する回転モーメントにより、サブ左液晶表示装置710L及びサブ右液晶表示装置710Rが、夫々の先端側(上端側)が中ユニットベース400の左右方向外側へ移動するように回動するのを抑制している。
また、通常の状態で、左昇降駆動機構750Lに対応する横部昇降駆動モータ757Lを駆動して昇降駆動シャフトを回転させると、昇降駆動シャフトの回転方向に応じて、左回動駆動機構730Lを介してサブ左液晶表示装置710Lを昇降させることができる。同様に、右昇降駆動機構750Rに対応する横部昇降駆動モータ757Rを駆動して昇降駆動シャフトを回転させると、昇降駆動シャフトの回転方向に応じて、右回動駆動機構730Rを介してサブ右液晶表示装置710Rを昇降させることができる。横部昇降駆動モータ757L及び横部昇降駆動モータ757Rの両方を駆動させると、サブ左液晶表示装置710L及びサブ左液晶表示装置710Rの両方を昇降させることができる。本実施形態では、昇降駆動シャフトを、平面視で反時計回りの方向へ回転させると上昇させることができ、平面視で時計周りの方向へ回転させると下降させることができる。
サブ左液晶表示装置710L及びサブ右液晶表示装置710Rを直立させた状態では、サブ左液晶表示装置710L及びサブ右液晶表示装置710Rが夫々メイン液晶表示装置450や遊技ユニット3における三つのリール70の左右両外側に位置している(図46及び図47等を参照)。この状態では、サブ左液晶表示装置710L及びサブ右液晶表示装置710Rの高さに関わらず、三つのリール70やメイン液晶表示装置450を遊技者側から良好な状態で視認させることができる。
また、サブ左液晶表示装置710L及びサブ右液晶表示装置710Rを水平に延びた状態で上下に昇降させることもできる。なお、サブ左液晶表示装置710L及びサブ右液晶表示装置710Rを水平にした状態で中央可動演出ユニット500よりも下方に移動させると、サブ左液晶表示装置710L及びサブ右液晶表示装置710Rが、リール70の前面側に移動することとなり、サブ左液晶表示装置710L及びサブ右液晶表示装置710Rによって三つのリール70のうちの左右両側の左リール70L及び右リール70Rの夫々二つ分の図柄を遊技者側から視認不能に隠すことができる(図45を参照)。
本実施形態の横部可動演出ユニット700は、サブ左液晶表示装置710L及びサブ右液晶表示装置710Rを直立させたまま最も下方(下降端)へ移動させた状態では、サブ左液晶表示装置710L及びサブ右液晶表示装置710Rを、水平に延びた状態に回動させることができないようになっている。また、サブ左液晶表示装置710L及びサブ右液晶表示装置710Rが水平に延びた状態では、正面視において図柄表示領域A内の中段の図柄よりも下方へ移動できないようになっている。つまり、横部可動演出ユニット700は、サブ左液晶表示装置710L及びサブ右液晶表示装置710Rが、下段(有効ライン)の前方に位置しないように構成(制御)されており、遊技者側から有効ライン上の図柄が必ず視認できるように形成されている。
このように、本実施形態の横部可動演出ユニット700によれば、一対のサブ左液晶表示装置710L及びサブ右液晶表示装置710Rを、遊技状態に応じて回動させたり、昇降させたりすることができ、多彩な可動演出を行うことができると共に、サブ左液晶表示装置710L及びサブ右液晶表示装置710Rにより多彩な演出画像を表示させることができ、遊技者をより楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
[5-8.状態表示器]
次に、中ユニット5における状態表示器800について、主に図15乃至図17を参照して説明する。状態表示器800は、左右に長く延びており、中ユニットベース400における下連結部404の左右方向中で上面前端付近に取付けられている。状態表示器800は、投入口123に投入されて遊技に使用可能なメダルの貯留数を表示する貯留表示器801と、三つのリール70の停止により表示された図柄の組合せに応じて払出されるメダルの払出数を表示する払出表示器802と、一回の遊技に使用するメダルの数(ベット数)を表示するベット表示器803と、三つのリール70の停止により表示された図柄の組合せが「リプレイ」であることを表示する再遊技表示器804と、遊技の開始(スタート)可能を表示する開始表示器805と、貯留表示器801に表示されたメダルの貯留数が「0」になると点灯する投入表示器806と、を前面に備えている。
貯留表示器801は、左右に並んだ二つの7セグメントLEDにより構成されており、アラビア数字によってメダルの貯留数を表示する。払出表示器802は、左右に並んだ二つの7セグメントLEDにより構成されており、アラビア数字によってメダルの払出数を表示する。ベット表示器803は左右に並んだ三つのLEDにより構成されており、左側から1ベット、2ベット、3ベット(MAXベット)を点灯することで表示する。
再遊技表示器804は、一つのLEDにより構成されており、点灯することで再遊技が可能であることを表示する。開始表示器805は、一つのLEDにより構成されており、点灯することで始動レバー129の操作が受付可能(リール70の回転を開始させることが可能)であることを表示する。投入表示器806は、一つのLEDにより構成されており、点灯することでメダルの貯留数が「0」であることを表示すると同時に投入口123へのメダルの投入を促す。
状態表示器800は、貯留表示器801及び払出表示器802が正面視左端付近に配置されており、ベット表示器803、再遊技表示器804、開始表示器805、及び投入表示器806が正面視右端付近に配置されている。
この状態表示器800は、左右方向の長さが、遊技ユニット3おける左右に並んだ三つのリール70の横幅と略同じ長さに形成されている。状態表示器800は、スロットマシン1に組立てた状態で、遊技ユニット3の三つのリール70よりも前側で、下段の有効ラインの直下に配置されている(図4等を参照)。これにより、状態表示器800を、リール70を回転により複数の図柄を変動表示させる遊技領域に対して可及的に近い位置に配置していることから、リール70が回転している遊技中において、僅かな視線移動でリール70(変動図柄)から状態表示器800を視認することができるため、図柄の変動表示を見逃すことなく現状を認識することができ、遊技し易いスロットマシン1とすることができる。
また、状態表示器800は、図8に示すように、前面が前上方を向くように傾斜している。詳述すると、状態表示器800の前面から前方に延びた垂直線が、図柄表示領域Aの前面から水平に前方へ延びた線と交差するように、状態表示器800の前面が傾斜している。これにより、スロットマシン1の正面に位置した遊技者に向かって状態表示器800の前面が向けられた状態となり、遊技者側から状態表示器800がより見え易くなっている。
また、状態表示器800は、図15(b)に示すように、後面に設定表示器810を備えている。設定表示器810は、一つの7セグメントLEDにより構成されている。この設定表示器810は、筐体ユニット2のスイッチユニット60において、設定スイッチ62を操作することで設定される遊技モードの番号を、アラビア数字によって表示する。
これら状態表示器800及び設定表示器810は、主制御ユニット20の主制御基板21と接続されており、主制御基板21によって遊技状態や遊技モード(設定状態)が表示されるようになっている。
本実施形態のスロットマシン1は、遊技モードの設定表示器810を、中ユニット5における状態表示器800の後面、つまり、ドアユニット4の後側に取付けられる中ユニット5の後面に配置しているため、設定モードを変更する際に、筐体ユニット2からドアユニット4を開いた状態とすると、筐体ユニット2に取付けられた設定スイッチ62と、ドアユニット4(中ユニット5)に取付けられた設定表示器810とが、作業者から見易い位置となり、遊技モードの設定作業が行い易くなる。
[5-9.装飾駆動基板ユニット]
次に、中ユニット5における装飾駆動基板ユニット900について、主に図17乃至図20を参照して説明する。装飾駆動基板ユニット900は、中ユニットベース400の後面でメイン液晶表示装置450(周辺制御ユニット470)の後側を覆うように取付けられている。装飾駆動基板ユニット900は、左右に延びた長方形で平板状の装飾駆動基板901と、装飾駆動基板901の前面側が取付けられると共に中ユニットベース400の後面に取付けられる基板ベース902と、基板ベース902の後側に装飾駆動基板901の後面を覆うように取付けられる基板カバー903と、を備えている。
装飾駆動基板901は、周辺制御基板471及び表示制御基板473からの制御コマンドに応じて、中央可動演出ユニット500、上部可動演出ユニット600、及び横部可動演出ユニット700の駆動モータや装飾基板、サブ左液晶表示装置710L及びサブ右液晶表示装置710R等を制御する。
基板ベース902は、装飾駆動基板901よりもひとまわり大きい平板状の基板取付部902aと、基板取付部902aの正面視左辺から突出しており中ユニットベース400の後面にヒンジ回転可能に取付けられるヒンジ部902bと、基板取付部902aの正面視右辺の上部から左方に延出しており中ユニットベース400の後面に着脱可能に取付けられる係止部902cと、を備えている。
基板ベース903は、基板ベース902における基板取付部902aの後側に取付けられており、装飾駆動基板901後面に備えられている複数のコネクタが後方に臨むように、装飾駆動基板901の後側を被覆している。
[6.可動演出及び発光演出]
次に、本実施形態のスロットマシン1において、ドアユニット4のトップカバーユニット200、前可動演出ユニット300、中ユニット5の中央可動演出ユニット500、上部可動演出ユニット600、及び横部可動演出ユニット700を用いた可動演出及び発光演出について、主に図4、図40乃至図48を参照して詳細に説明する。図40は、前可動演出ユニットの前可動装飾体を下降端に位置させた状態で示すスロットマシンの正面図である。図41は中央可動演出ユニットの中央可動装飾体ユニットを上昇端に位置させた状態で示すスロットマシンの正面図であり、図42は図41の状態から上部可動演出ユニットの上中左装飾体及び上中右装飾体を出現位置に移動させた状態で示すスロットマシンの正面図であり、図43は図42の状態から上部可動演出ユニットの一対の上横可動装飾体612を中央側へ移動させた状態で示すスロットマシンの正面図であり、図44は図43の状態から横部可動演出ユニットのサブ左液晶表示装置及びサブ右液晶表示装置を直立させた状態で示すスロットマシンの正面図である。
図45は、横部可動演出ユニットのサブ左液晶表示装置及びサブ右液晶表示装置を水平に延びたまま図柄表示領域の前方側へ下降させた状態で示すスロットマシンの正面図である。また、図46は横部可動演出ユニットのサブ左液晶表示装置及びサブ右液晶表示装置を直立させてメイン液晶表示装置の左右両側に位置させた状態で示すスロットマシンの正面図であり、図47は図46の状態から横部可動演出ユニットのサブ左液晶表示装置及びサブ右液晶表示装置を下降させて図柄表示領域の左右両側に位置させた状態で示すスロットマシンの正面図である。更に、図48は、トップカバーユニットの導光板を発光装飾させた状態で示すスロットマシンの正面図である。なお、図47では、横部可動演出ユニットのサブ左液晶表示装置710L及びサブ右液晶表示装置710Rの両方を下降させて図柄表示領域の左右両側に位置させているが、本実施形態のスロットマシン1では、サブ左液晶表示装置710L又はサブ右液晶表示装置710Rのみを下降させて図柄表示領域の左側又は右側に位置させることも行われる。
本実施形態のスロットマシン1は、通常の状態では、図4に示すように、前可動演出ユニット300の前可動装飾体310が上昇端に位置しており、正面視においてメイン液晶表示装置450よりも上側に位置している。また、通常の状態では、中ユニット5における中央可動演出ユニット500の中央可動装飾体ユニット550が、下降端に位置しており、正面視において遊技ユニット3における三つのリール70からなる図柄表示領域Aとメイン液晶表示装置450との間に位置している。
また、通常の状態では、中ユニット5における上部可動演出ユニット600の一対の上横可動装飾体612が、互いに最も離れた離遠位置に位置しており、正面視においてメイン液晶表示装置450の左右両側に夫々位置している。また、通常の状態では、上部可動演出ユニット600の上中左装飾体661及び上中右装飾体671が夫々退避位置に位置しており、正面視においてメイン液晶表示装置450の上方で前カバー652の後側に位置している。この通常の状態では、上部可動演出ユニット600の上中左装飾体661及び上中右装飾体671が、遊技者側から視認不能となっている。
更に、通常の状態では、横部可動演出ユニット700の一対のサブ左液晶表示装置710L及びサブ右液晶表示装置710Rが、水平に延びた状態で上下方向の略中央に位置しており、正面視において、中央可動演出ユニット500のベースカバー520の前面を被覆するように中央可動装飾体ユニット550の左右両側に夫々位置している。
この通常の状態では、トップカバーユニット200の導光板202が発光装飾されておらず、透明なトップカバー201の窓部201aを通して、後側に配置された遊技ユニット3の三つのリール70により図柄組合せが表示される図柄表示領域A、メイン液晶表示装置450、サブ左液晶表示装置710L及びサブ右液晶表示装置710R等を、遊技者側から良好に視認することができる。
本実施形態のスロットマシン1は、通常の状態では、正面視上下方向の略中央より上側を占める窓部201a内に、下から、三つのリール70を用いて図柄を表示させる図柄表示領域A、一対のサブ左液晶表示装置710L及びサブ右液晶表示装置710Rを用いて演出画像を表示させるサブ演出表示領域B、メイン液晶表示装置450を用いて演出画像を表示させるメイン演出表示領域C、前可動装飾体310を用いたロゴ表示領域D、の四つの領域を有している。
この通常の状態で、遊技状態に応じて前可動演出ユニット300の前左駆動モータ324及び前右駆動モータ325を回転駆動させると、上昇端に位置した前可動装飾体310が、図柄表示領域Aの一部を隠すように三つのリール70の前側で下降端の位置まで一気に下降する(図40を参照)。これにより、遊技者の目の前で左右に延びた大きな前可動装飾体310が落下するように下降することで、遊技者を驚かせることができる。前可動装飾体310を下降端に位置させた状態では、図40に示すように、前可動装飾体310の下辺の殆どが窓部201aの下端よりも上方に位置しているため、前可動装飾体310の下側に、図柄表示領域Aにおける下段(有効ライン)の図柄のみが良好に視認できる。
この前可動装飾体310の下降端への移動を、図柄の変動中(三つのリール70の少なくとも一つが回転中)に行う場合、図柄表示領域A内における下段(有効ライン)に位置する図柄しか良好に視認することができなくなるため、所望の図柄が停止表示されるように停止ボタン128を操作する「目押し」の難易度が高くなる。これにより、遊技者に対してチャレンジ精神を喚起させることが可能となり、「目押し」に集中させて遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
一方、全ての図柄の変動が停止すると同時に、前可動装飾体310を下降端に移動させるようにした場合、前可動装飾体310により図柄表示領域Aの下段(有効ライン)に位置した図柄のみが見える状態となるため、遊技者に対して有効ライン上で停止した図柄を即座に認識させることができ、特典の付与される組合せとなっているか否かを簡単に知ることができる。
また、通常の状態で、遊技状態に応じて中央可動演出ユニット500の中央回転駆動モータ554を回転駆動させると、中央可動装飾体553が一対のサブ左液晶表示装置710Lとサブ右液晶表示装置710Rとの間でクルクルと回転する。これにより、遊技者の関心を中央可動装飾体553に引付けることができる。
また、通常の状態で、遊技状態に応じて中央可動演出ユニット500の中央昇降駆動モータ571を回転駆動させると、正面視窓部201aの略中央に位置していた中央可動装飾体ユニット550が上昇端の位置に上昇し、正面視メイン液晶表示装置450の中央に位置する(図41を参照)。これにより、メイン液晶表示装置450の前面中央に中央可動装飾体ユニット550が位置することで、中央可動装飾体ユニット550が目立った状態となり、遊技者を中央可動装飾体ユニット550に注目させることができる。この中央可動装飾体ユニット550が上昇することで、遊技者に対して何か良いことがあるのではないかと思わせることができ、遊技者の遊技に対する期待感を高めさせることができる。なお、中央可動装飾体ユニット550を上昇端に位置させた状態で、中央回転駆動モータ554により中央可動装飾体553をクルクルと回転させるようにしても良い。
中央可動装飾体ユニット550を上昇端に位置させた状態で、上部可動演出ユニット600における上中可動演出ユニット650の上中駆動モータ691を回転させると、正面視メイン液晶表示装置450の上方の退避位置に位置していた半円環状の一対の上中左装飾体661及び上中右装飾体671が回動しながら下方へ移動し、中央可動装飾体ユニット550の中央可動装飾体553の外周を囲んだ状態となる(図42を参照)。この状態では、一対の上中左装飾体661及び上中右装飾体671が、中央可動装飾体ユニット550を支えている進退ユニット530(左ユニット530L及び右ユニット530R)よりも前側に位置していると共に、一対の上中左装飾体661及び上中右装飾体671の夫々の前面が、中央可動装飾体553の前面と略一致しており、中央可動装飾体553と一対の上中左装飾体661及び上中右装飾体671とが合体して一つの大きな円盤状の装飾体となる。これにより、メイン液晶表示装置450の前面に、大きな円盤状の装飾体が出現することとなり、遊技者に強いインパクトを与えることができると共に、何か良いことがあるのではないかと強く思わせることができ、遊技に対する期待感を高めさせることができる。
また、中央可動装飾体553と一対の上中左装飾体661及び上中右装飾体671とを合体させた状態では、中央可動装飾体553(中央可動装飾体ユニット550)を支えている一対の左ユニット530L及び右ユニット530Rの前面の一部を、一対の上中左装飾体661及び上中右装飾体671の夫々の前端側で隠すことができ、全体的な見栄えを良くすることができる。
この図42の状態で、中央回転駆動モータ554により中央可動装飾体553を回転させると、中央可動装飾体553の外周が一対の上中左装飾体661及び上中右装飾体671の内周によってガイドされた状態で回転することとなり、回転による中央可動装飾体553の左右のブレを一対の上中左装飾体661及び上中右装飾体671によって抑制され、中央可動装飾体553が左右にブレることなく良好な状態で回転する。従って、中央可動装飾体553と一対の上中左装飾体661及び上中右装飾体671とが合体して形成された一つの大きな円盤状の装飾体の中央(中央可動装飾体553)が回転する演出を遊技者に見せることができるため、遊技者に対して更に強いインパクトを与えることができ、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、一対の上中左装飾体661及び上中右装飾体671を退避位置から出現位置へ移動させる際に、中央可動装飾体553の左右両側から、左右に分離した上中左装飾体661と上中右装飾体671とが中央可動装飾体553を挟むように合体するため、正面視においてメイン液晶表示装置450の表示画面の前面全体を使った大きな動きにより遊技者を楽しませることができる。
中央可動装飾体533の外周を囲むように一対の上中左装飾体661及び上中右装飾体671を出現位置に移動させた状態で、上部可動演出ユニット600における上横可動演出ユニット610の図示しない上横駆動モータを回転させると、正面視メイン液晶表示装置450の左右両端に位置した一対の上横可動装飾体612が、中央可動装飾体553、上中左装飾体661及び上中右装飾体671よりも後方でメイン液晶表示装置450の中央側へ移動する(図43を参照)。図43に示すように、一対の上横可動装飾体612を離遠位置から近遠位置に移動させた状態では、一対の上横可動装飾体612が、正面視において、夫々上中左装飾体661及び上中右装飾体671の外周縁を装飾するように位置しており、中央可動装飾体553、上中左装飾体661及び上中右装飾体671により形成された大きな円盤状の装飾体の左右両側を、一対の上横可動装飾体612により装飾している。この状態では、中央可動装飾体553、上中左装飾体661、上中右装飾体671、及び一対の上横可動装飾体612により、メイン液晶表示装置450の表示画面を左右に分割するように全体の略半分を覆っており、遊技者側から極めて目立った状態となり、遊技者の関心を強く引き付けることができる。
中央可動装飾体553、上中左装飾体661、上中右装飾体671、及び一対の上横可動装飾体612を、正面視メイン液晶表示装置450の前面中央に位置させた状態で、横部可動演出ユニット700の図示しない横部回動駆動モータを回転させると、水平に延びている一対のサブ左液晶表示装置710L及びサブ右液晶表示装置710Rが、夫々の四隅のうちの左右外側上部の隅付近を中心にして、左右中央に近い先端が上方へ移動するように夫々回動して直立した状態となる(図44を参照)。この状態では、正面視において、一対のサブ左液晶表示装置710Lとサブ右液晶表示装置710Rとが、夫々メイン液晶表示装置450の左右両側に位置している。図44に示すように、この状態で、一対のサブ左液晶表示装置710Lとサブ右液晶表示装置710Rに、メイン液晶表示装置450に表示される演出画像と連続するように演出画像を表示させることで、遊技者に対して恰もメイン液晶表示装置450の表示画面が左右に広がったように錯覚させることができ、遊技者を楽しませることができる。
また、通常の状態で、横部可動演出ユニット700の一対の横部昇降駆動モータ757を所定方向に回転させると、水平に延びた一対のサブ左液晶表示装置710Lとサブ右液晶表示装置710Rが、中央可動演出ユニット500の中央可動装飾体ユニット550の左右両側の位置(ベースカバー520の前面の位置)から下方に移動し、図柄表示領域Aの一部を覆った状態となる(図45を参照)。図45に示すように、この状態では、一対のサブ左液晶表示装置710L及びサブ右液晶表示装置710Rが、左右に並んだ三つのリール70のうち、左リール70Lと右リール70Rの上段と中段の前面を覆っており、図柄表示領域Aの下段の三つの図柄と中リール70Mのみが良好に視認することができる。
水平に延びた一対のサブ左液晶表示装置710Lとサブ右液晶表示装置710Rとを下方(図柄表示領域Aの前方)へ移動させる演出のパターンとしては、例えば、全ての図柄が変動表示中(三つのリール70が回転中)に、一対のサブ左液晶表示装置710Lとサブ右液晶表示装置710Rとを下降させて図45の状態とすることで、左リール70Lと右リール70Rでは「目押し」を行い難くし、中リール70Mでは「目押し」を行い易くすることができ、停止ボタン128の操作にメリハリを付けて遊技者を楽しませることができる。なお、リール70の上段と中段とを被覆しているサブ左液晶表示装置710L及びサブ右液晶表示装置710Rに、リール70の回転による図柄の変動表示と似たような変動する図柄の演出画像を表示させるようにしても良く、リール70の回転による図柄の変動表示と演出画像による図柄の変動表示とを、同時に見せて遊技者を楽しませることができる。
或いは、回転している三つのリール70のうち、左リール70Lと右リール70Rを停止させて、下段(有効ライン)で停止している図柄が、特典を付与する図柄の組合せを充足させることが可能な組合せ(所謂「リーチ」)の時に、一対のサブ左液晶表示装置710Lとサブ右液晶表示装置710Rとを下降させて図45の状態としても良く、最後まで回転している中リール70Mに対して「目押し」を楽しませることができる。
なお、図示は省略するが、一対のサブ左液晶表示装置710L及びサブ右液晶表示装置710Rのうち、一方のみを下方へ移動させて三つのリール70のうちの左リール70L又は右リール70Rの一つのリール70のみを上段と中段とを隠すようにしても良く、遊技者に対してより多彩な遊技を楽しませることができ、遊技者を飽きさせ難くすることができる。
また、通常の状態で、横部可動演出ユニット700の図示しない横部回動駆動モータを回転させると、水平に延びている一対のサブ左液晶表示装置710L及びサブ右液晶表示装置710Rが、夫々の四隅のうちの左右外側上部の隅付近を中心にして、左右中央に近い先端が上方へ移動するように夫々回動して直立した状態となる(図46を参照)。この状態では、一対のサブ左液晶表示装置710Lとサブ右液晶表示装置710Rが、正面視において夫々メイン液晶表示装置450の左右両側にある上横可動装飾体612の外側に位置していると共に、中央可動演出ユニット500のベースカバー520の前面が遊技者側から視認可能な状態となる。この図46の状態では、左右に並んだ三つのリール70の外周を、平板状のベースカバー520と一対の横部下装飾体772とで囲っていることから、三つのリール70(図柄表示領域A)を目立たせることができ、遊技者に対して停止ボタン128の操作(「目押し」)を楽しませることができる。
一対のサブ左液晶表示装置710Lとサブ右液晶表示装置710Rとを直立させた状態で、横部昇降駆動モータ757を所定方向に回転させると、一対のサブ左液晶表示装置710L及びサブ右液晶表示装置710Rが夫々下降して左右に並んだ三つのリール70の左右両側に位置する(図47を参照)。図47に示す状態で、サブ左液晶表示装置710Lとサブ右液晶表示装置710Rとに、リール70の回転による図柄の変動表示と似たような変動する図柄の演出画像を表示させるようにしても良く、これにより、三つのリール70と合わせて左右に並んだ五つの図柄列を変動表示させることができるため、遊技者を楽しませることができ、興趣の低下を抑制させることができる。
更に、通常の状態で、トップカバーユニット200の導光板上装飾基板205及び導光板下装飾基板206のLEDを発光させると、導光板202に備えられている絵柄を発光装飾させることができる(図48を参照)。図48に示すように、導光板202を発光装飾させると、トップカバー201の窓部201aの略全体に、本スロットマシン1のコンセプトに沿ったキャラクタの絵柄が表示される。この状態では、導光板202に表示される絵柄が光っており、導光板202の後方に配置された遊技ユニット3の三つのリール70(図柄表示領域A)の一部、メイン液晶表示装置450、サブ左液晶表示装置710L及びサブ右液晶表示装置710R等が、遊技者側から見辛くなっている。導光板202は、下部に絵柄が表示(発光装飾)されない非装飾領域202aを有しており、この非装飾領域202aが、正面視において図柄表示領域の下段(有効ライン)と対応している。従って、導光板202を発光装飾させた状態でも、下段(有効ライン)に位置する図柄を良好に視認させることができる。
そして、例えば、三つのリール70を回転させた状態で、図48に示すように、導光板202を発光装飾させと、図柄表示領域における下段を除いた上段と中段に位置する図柄が見辛くなるため、「目押し」が難しくなり、難易度が高くなることで遊技者のチャレンジ精神を向上させて楽しませることができると共に、「目押し」の難易度が高くなったように見えることから遊技者に対して、この状態で図柄を揃えると良いことがあるに違いないと確信させることができ、遊技に対する期待感を高めさせることができる。
このように、本実施形態によれば、多彩な演出を伴った遊技を遊技者に提示することができるため、遊技者を飽きさせ難くすることができ、遊技者を楽しませて遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
[7.スロットマシンの内部構成]
図49は、スロットマシン1に装備されている各種の機構要素や電子機器類、操作部材等の構成を概略的に示している。スロットマシン1は遊技の進行を統括的に制御するためのメイン基板409を有しており、このメイン基板409にはCPU1110をはじめROM1112、RAM1114、入出力インタフェース1116等が実装されている。メイン基板409は、遊技の結果(遊技用価値の獲得)に影響を与える機能、具体的には例えば、当選役、ボーナス、ART初当り等の抽選や、それらの抽選結果に基づく遊技状態の制御、指示機能による指示の決定、さらには入賞役に基づく払出等を管理する。
また、スロットマシン1は、図49では図示が省略された構成の一例として、扉形前面部材200の開放状態を検知する扉開放検知スイッチ、貯留解除スイッチ131(貯留メダル清算スイッチ、返却ボタン)、メダルセレクタ207内に設けられたメダルセレクタ内レバー検出センサ、及び、リール停止ボタン128L、128M、128Rのそれぞれの周囲で点灯可能な停止ボタンLED(停止ボタンLED_1,停止ボタンLED_2,停止ボタンLED_3)等を備える。これらの構成は、メイン基板409によって制御される。
前述した1枚投入ボタン130や始動レバー129、リール停止ボタン128L、128M、128R、貯留解除スイッチ131等はいずれもメイン基板409に接続されており、これら操作ボタン類は図示しないセンサを用いて遊技者による操作を検出し、検出された操作信号をメイン基板409に出力することができる。具体的には、始動レバー129が操作されると前述した図柄変動表示装置(図柄が変動する所定の箇所)を始動させる(70L、70M、70Rの回転を開始させる)操作信号がメイン基板409に出力され、リール停止ボタン128L、128M、128Rが操作されると、リール70L、70M、70Rをそれぞれ停止させる操作信号がメイン基板409に出力される。
なお、以下では必要に応じて、リール70L、70M、70Rをそれぞれ左リール70L,中リール70M,右リール70Rと呼ぶ。そして、これに対応するそれぞれのリール停止ボタン128L、128M、128Rを左リール停止ボタン128L,中リール停止ボタン128M,右リール停止ボタン128Rと呼ぶ。
またスロットマシン1にはメイン基板409とともにその他の機器類が収容されており、これら機器類からメイン基板409に各種の信号が入力されている。機器類には、図柄変動表示装置のほか、メダル放出装置110等がある。
図柄変動表示装置はリール70L、70M、70Rをそれぞれ回転させるためのリール駆動モータ341a,341b,341cを備えている(左リール駆動モータ341a、中リール駆動モータ341b、右リール駆動モータ341c)。このリール駆動モータはステッピングモータからなり、それぞれのリール70L、70M、70Rは独立して回転、停止することができ、その回転時には図柄表示窓401にて複数種類の図柄が上から下へ連続的に変化しつつ表示される。
また各リール70L、70M、70Rの回転に関する基準位置を検出するための位置センサ331a,331b,331cを有しており、各リール70L、70M、70Rにはそれぞれ位置センサ331a,331b,331cがリール内に対応して設けられている(左リール位置センサ331a、中リール位置センサ331b、右リール位置センサ331c)。これら位置センサからの検出信号(インデックス信号)がメイン基板409に入力されることで、メイン基板409では各リールの停止位置情報を得ることができる。
メダルセレクタ207内には、前述したソレノイド207aや投入センサ207bが設置されている。投入センサ207bは、メダル投入口123から投入されたメダルを検出し、メダルの検出信号をメイン基板409に出力する。ソレノイド207aがOFFの状態のとき、投入されたメダルは投入センサ207bで検出される。逆にソレノイド207aがONの状態のときは、メダルセレクタ207内で投入センサ207bに到達する通路がロックアウトされてメダルの投入が受け付けられなくなり、遊技者がメダルを投入しても、メダルセレクタ207を通って返却樋213に流れたメダルはメダル用受皿201に戻る。このとき合わせて投入センサ207bの機能が無効化されるので、メダル投入によるベットまたはメダルの貯留のいずれも行われなくなる。
メダル放出装置110は、払い出されたメダルを1枚ずつ検出する払出センサ110eを放出口110c内に有しており、この払出センサ110eからメダル1枚ごとの払出メダル信号がメイン基板409に入力されている。また、遊技メダル用補助収納箱111にはメダル満タンセンサ111aが設けられており、内部に貯留されたメダルの貯留数が所定数量を超えた場合、メダルが所定数量を超えた検出信号をメイン基板409に出力する。このとき液晶表示装置450、特別表示LED612、エラーランプ604等によりメダル貯留の異常を知らせるエラー表示が行われ、遊技者やホール従業員等に異常が発生したことが報知される(「補助収納庫満タンエラー」に相当)。
一方、メイン基板409からは、図柄変動表示装置やメダル放出装置110に対して制御信号が出力される。すなわち、前述した各リール駆動モータ341a,341b,341cの起動及び停止を制御するための駆動パルス信号がメイン基板409から出力される。またメダル放出装置110には、有効ライン上に停止した図柄の組合せの種類に応じてメイン基板409から駆動信号が入力され、これを受けてメダル放出装置110はメダルの払い出し動作を行う。このときメダル放出装置110内に払い出しに必要な枚数のメダルが不足しているか、あるいはメダルが全く無い状態であった場合、払出センサ110eによる枚数検出が滞ることとなる。そして所定時間(例えば1.5秒間)が経過すると、払出センサ110eより払い出しメダルの異常信号がメイン基板409へ出力され、これを受けてメイン基板409は、メダルの払い出しに異常が発生したことを知らせる内容をエラーランプ604、特別表示LED612、液晶表示装置450等に表示させて遊技者やホール従業員等に異常が発生したことを報知する(後述の図80に示す「払出メダルエンプティエラー」に相当)。なお、メイン基板409と各種表示器(エラーランプ604、スタートランプ608、特別表示LED612、貯留枚数表示LED613等)とは例えばハーネスで接続され、メイン基板409は対応ポートを介してこれらの各表示器における点灯や表示を操作することができる。
スロットマシン1は、メイン基板409とは異なる周辺基板としてサブ基板510を備えており、このサブ基板510にはCPU1118やROM1120、RAM1122、入出力インタフェース1130、VDP(Video Display Processor)1124、AMP(オーディオアンプ)1126、音源IC1128等が実装されている。サブ基板510はメイン基板409から各種の指令信号を受け、液晶表示装置450の表示や照明装置等の発光(または点灯、点滅、消灯等)及びスピーカ142の作動を制御している。
さらに、メイン基板409に外部中継端子板131を設けた場合には、スロットマシン1はこの外部中継端子板131を介して遊技場のホールコンピュータ1200に接続される。外部中継端子板131はメイン基板409から送信される各種信号(投入メダル信号や払出メダル信号、遊技ステータス等)をホールコンピュータ1200に中継する役割を担っている。なお、図49における接続構成は本実施形態のスロットマシン1における一例に過ぎない。例えばその他の接続構成として、メイン基板409だけでなく、メイン基板409以外の周辺基板(例えばサブ基板510)も外部中継端子板131に接続可能にするようにしてもよく、このような場合、外部中継端子板131に接続された各種の基板から、様々な信号を外部中継端子板131に送信し、外部中継端子板131を介してホールコンピュータ1200に出力することができる。具体的には、サブ基板510が管理する遊技上の諸情報や、サブ基板510が管理可能な緊急情報(例えば、スロットマシン1の構成部品等の誤作動や不具合を通知するエラー情報)をホールコンピュータ1200に出力することができるようになる。
その他、電源装置112には、設定キースイッチ112tやリセットスイッチ112u、電源スイッチ112v等が付属している。これらスイッチ類はいずれもスロットマシン1の外側に露出しておらず、扉形前面部材200を開けることではじめて操作可能となる。このうち電源スイッチ112vは、スロットマシン1への電力供給をON-OFFするためのものであり、設定キースイッチ112tはスロットマシン1の設定(例えば設定1~6)を変更するためのものである。またリセットスイッチ112uはスロットマシン1で発生したエラーを解除するためのものであり、更には設定キースイッチ112tとともに設定を変更する際にも操作される。なお、上述したこれらのスイッチは、メイン基板409上に設置されてもよい。
以上がスロットマシン1の内部構成例である。スロットマシン1によるゲームは、遊技者がメダルの賭け数を決定した状態で始動レバー129を操作すると各リール70L、70M、70Rが回転し、この後、遊技者がリール停止ボタン128L、128M、128Rを操作すると、対応する各リール70L、70M、70Rが停止制御され、そして、全てのリール70L、70M、70Rが停止すると、有効ライン上での図柄の組合せ態様からゲーム結果を判断し、必要に応じて該当する当選役に対応する規定数のメダルが付与される。
[7.リールの図柄]
次に、本実施形態のスロットマシン1における遊技ユニット3の三つのリール70の外周面に夫々備えられる図柄列について、図50を参照して説明する。図50は、スロットマシンにおける各リールの外周面に備えられている図柄列を展開して示す説明図である。遊技ユニット3における三つのリール70の外周面には、図50に示すように、夫々配列の異なった複数の図柄からなる図柄列が備えられている。また、本実施形態では、一つの図柄列が21個の図柄によって構成されている。
図柄列に用いられる図柄は、赤色で数字の7の字が描かれた「赤7」図柄、鉈が描かれた「白7」図柄、外形が横長長方形状に描かれた黒色の「BAR」図柄、さくらんぼ(チェリー)が描かれた「チェリー」図柄、外形が横長楕円形状に描かれた「リプレイ」図柄、二つのベル(鐘)が描かれた「ベル」図柄、スイカが描かれた「スイカ」図柄、及び複数の結晶が描かれた「ブランク」図柄、がある。各図柄列では、同じ図柄が上下に隣接しないように列設されている。
これらの図柄の中で、「赤7」図柄、「白7」図柄、「BAR」図柄は他の図柄に比べて目立ち易く、識別し易い図柄となっている。ここでいう識別のし易さとは、リール70の回転中や、リール70が停止した状態を含めて遊技者が容易に図柄を識別することができる度合いの高さのことを言う。また「赤7」図柄は、三つのリール70において、配列番号4番に夫々一つのみ備えられている。この「赤7」図柄は、各リール70L,70M,70Rに1つしかなく、加えて色彩(赤色)も他の図柄に比べて視認しやすい。「白7」図柄は、中リール70Mの配列番号17番に一つだけ備えられており、左リール70L及び右リール70Rには備えられていない。「BAR」図柄は、左リール70Lの配列番号11番と、中リール70Mの配列番号6番と、右リール70Rの配列番号17番と、に夫々一つしかなく、加えて色彩(黒色)も他の図柄に比べて視認しやすいものである。これらの図柄はリールの回転中もその色彩や図柄の大きさから、遊技者が目標の図柄にすることが容易である。これらの図柄はそれだけでは象徴的な図柄(図柄1つだけでは当選役に対応しない)に過ぎないものであるが、所定の組み合わせとなることにより当選役に対応する図柄の組み合わせとなるものである。つまり、所定の遊技特典が付与される。
「チェリー」図柄は、左リール70Lに一つ、中リール70Mと右リール70Rとに夫々四つずつ備えられている。「リプレイ」図柄は、三つのリール70において夫々五つずつ備えられている。「ベル」図柄は、左リール70Lと右リール70Rとに夫々六つずつ備えられており、中リール70Mには五つ備えられている。
「スイカ」図柄は、左リール70Lに六つ、中リール70Mと右リール70Rとに夫々三つ備えられている。「ブランク」図柄は、三つのリール70において夫々一つずつ備えられている。
スロットマシン1では、図柄表示領域内における有効ライン上で停止した図柄の組合せが、「赤7」-「赤7」-「赤7」の図柄又は「スイカ」-「スイカ」-「ブランク」の図柄(BB役図柄)の時には、特典としてビッグボーナス(BB)を付与し、BBゲームにより300枚のメダルを払出す。また、有効ライン上に停止した図柄の組合せが、全て「BAR」図柄(RB役図柄)の時には、特典としてレギュラーボーナス(RB)を付与し、RBゲームにより20枚のメダルを払出す。更に、有効ライン上に停止した図柄の組合せが、左から「リプレイ」-「BAR」-「リプレイ、ベル、スイカ、及びチェリーのうちのいずれか」の図柄、「チェリー」-「BAR」-「リプレイ、ベル、スイカ、及びチェリーのうちのいずれか」の図柄、「リプレイ」-「ベル」-「リプレイ、ベル、スイカ、及びチェリーのうちのいずれか」の図柄、及び「チェリー」-「ベル」-「リプレイ又はベル」の図柄、のいずれか(チェリー役図柄)の時には、特典として1枚(弱チェリー役)又は9枚(強チェリー役)のメダルを払出す。
また、有効ライン上に停止した図柄の組合せが、左から「ベル」-「赤7」-「スイカ又はチェリー」の図柄、「ベル」-「チェリー」-「スイカ又はチェリー」の図柄、「ベル」-「ブランク」-「スイカ又はチェリー」の図柄、「ベル」-「白7」-「スイカ又はチェリー」の図柄、「BAR又はスイカ」-「ベル又はスイカ」-「赤7、BAR、及びベルのいずれか」の図柄、「BAR又はスイカ」-「赤7、チェリー、ブランク、及び白7のいずれか」-「リプレイ」の図柄、「ベル」-「赤7、リプレイ、チェリー、ブランク、及び白7のいずれか」-「リプレイ」の図柄、「BAR又はスイカ」-「リプレイ」-「スイカ又はチェリー」の図柄、「ベル」-「ベル」-「リプレイ又はチェリー」の図柄、「リプレイ」-「赤7、チェリー、ブランク、及び白7のいずれか」-「リプレイ又は白7」の図柄、「リプレイ」-「リプレイ又はスイカ」-「リプレイ又はチェリー」の図柄、「ベル」-「スイカ」-「BAR、ベル、及び白7のいずれか」の図柄、のいずれか(リプレイ役図柄)の時には、特典としてリプレイを付与する。
また、有効ライン上に停止した図柄の組合せが、左から「BAR」-「リプレイ」-「リプレイ」の図柄、「スイカ」-「リプレイ」-「リプレイ」の図柄、及び「ベル」-「ベル」-「ベル」の図柄、のいずれか(ベル役図柄)の時には、特典として9枚(ベル役、正解ベル役)のメダルを払出す。また、有効ライン上に停止した図柄の組合せが、左から「BAR又はスイカ」-「赤7又はブランク」-「スイカ又はチェリー」の図柄、又は「BAR又はスイカ」-「チェリー又は白7」-「スイカ又はチェリー」の図柄(不正解ベル役図柄)の時には、特典として1枚(不正解ベル役)のメダルを払出す。
なお、ベル役には、押し順ベル役(左正解ベル、中正解ベル、右正解ベル)と、ALL役(共通ベル)とがある。押し順ベル役とは各々に決められた適正な押し順で停止ボタン128L,128M,128Rが操作された場合(正解ベル役)と、各々に決められた適正な押し順で停止ボタン128L,128M,128Rが操作されなかった場合(不正解ベル役)とで、払い出されるメダル枚数が異なるものである。
具体的には、ベル役の押し順ベル役には、適正な押し順が、「左リール70L→中リール70M→右リール70R」および「左リール70L→右リール70R→中リール70M」の左正解ベル、「中リール70M→左リール70L→右リール70R」および「中リール70M→右リール70R→左リール70L」の中正解ベル、「右リール70R→左リール70L→中リール70M」および「右リール70R→中リール70M→左リール70L」の右正解ベルがある。そして、この適正な押し順で停止ボタン128L,128M,128Rが操作された場合には、ベル役図柄が有効ラインに揃うように制御され、これに基づいて9枚のメダルが払い出される。なお、ベル役図柄を構成するベル図柄は、リールの引き込み制御を実行可能な範囲内に配置されているので、適正な押し順で停止ボタン128L,128M,128Rが操作される限り必ずベル役図柄が有効ラインに揃うように制御される。
一方、ベル役の押し順ベル役では不適正な押し順で停止ボタン128L,128M,128Rが操作された場合には、有効ラインにベル役図柄は揃わないように制御され、不正解ベル役図柄が有効ラインに揃うように制御される。
また、有効ライン上に停止した図柄の組合せが、左から「ベル」-「BAR又はチェリー」-「スイカ」の図柄(スイカ役図柄)の時には、特典として3枚(弱スイカ役)又は9枚(強スイカ役)のメダルを払出す。更に、有効ライン上に停止した図柄の組合せが、上記以外の組合せの時には、「ハズレ」として特典を付与しない。
このように、本実施形態のスロットマシン1は、図柄表示領域内の有効ライン上で、特定の組合せで図柄を停止させると、停止した図柄の組合せに応じた特典が付与されるため、遊技者に対して所望の組合せで有効ライン上に図柄が停止するように、三つの停止ボタン128を操作させることができ、所望の図柄の組合せで図柄を有効ライン上に停止させることができるか否かによって遊技者を楽しませることができる。
[8.当選役と図柄の組み合わせ]
次に、スロットマシン1の当選役(入賞役と呼ばれるものを含む)と、それに対応する図柄の組み合わせについて説明する。図51は、後述するフラグ処理にて当選役に該当するかの判定に用いる当たり値判定テーブルである。
前述したとおり、各リール70L,70M,70Rには、それぞれ多数の図柄が付されている。リールごとに図柄の順番や図柄の種類等はそれぞれ異なっている。
そして、全てのリール70L,70M,70Rを停止させた際に有効ラインに表示される表示内容(図柄の組み合わせ態様)から所定の当選役に対応する図柄の組み合わせ態様が表示されたか否かが判断される。具体的には、図柄表示領域A内で前述の有効ラインに所定の当選役に対応する図柄の組み合わせ態様が表示されているか否かが判断される。
以下では、所定の当選役に対応する図柄の組み合わせ態様が有効ライン上に表示された場合のことを、(所定の)当選役に対応する図柄(これを当選役図柄という)の組み合わせが揃う、あるいは当選役図柄が揃った、という。
[8-1.ボーナス役]
ボーナス役とは、レギュラーボーナスゲームが実行されたときに遊技者に利益が付与されるものであり、赤7図柄の組み合わせ態様とBAR図柄の組み合わせ態様がボーナス役に対応する図柄の組み合わせ態様である。図51に示すように本例では65536分の256の確率でビッグボーナス役(BB)に当選し、65536分の16の確率でレギュラーボーナス役(RB)に当選する。
そして、ボーナス役に当選するとボーナス役(BBボーナス役、RBボーナス役)に対応する図柄の組み合わせ態様(以下、BBボーナス役図柄、RBボーナス役図柄という)が有効ライン上に表示されることが許容され、BBボーナス役に対応する図柄の組み合わせ態様が有効ラインに揃うと、ビッグボーナスゲーム(以下、BBゲームという)という遊技特典が付与され、RBボーナス役に対応する図柄の組み合わせ態様が有効ラインに揃うと、レギュラーボーナスゲーム(以下、RBゲームという)という遊技特典が付与される。このBBゲーム及びRBゲームでは、メダルの獲得が容易な複数回にわたるゲームが集中して行われ、規定回数のゲームが実行されるまで又は規定枚数のメダルが払い出されるまで継続して実行される。払い出されたメダルが規定枚数分に到達すると(あるいは規定枚数を超えた場合としてもよい)、BBゲーム及びRBゲームは終了となる。
なお、ボーナス役図柄(BBボーナス役図柄、RBボーナス役図柄)が揃った場合であっても、当該ゲームではメダルの付与はされず、ボーナスゲームへ移行する契機としての役割のみとなっている。
また、上記のボーナス役といったリアルボーナス役に代えて、ARTゲームといった遊技者に有利となるゲームをボーナスゲームにみたててもよい。
[8-2.リプレイ]
リプレイ役に対応する図柄(リプレイ役図柄)の組み合わせ態様として、「ベル」-「赤7」-「スイカ又はチェリー」の図柄、「ベル」-「チェリー」-「スイカ又はチェリー」の図柄、「ベル」-「ブランク」-「スイカ又はチェリー」の図柄、「ベル」-「白7」-「スイカ又はチェリー」の図柄、「BAR又はスイカ」-「ベル又はスイカ」-「赤7、BAR、及びベルのいずれか」の図柄、「BAR又はスイカ」-「赤7、チェリー、ブランク、及び白7のいずれか」-「リプレイ」の図柄、「ベル」-「赤7、リプレイ、チェリー、ブランク、及び白7のいずれか」-「リプレイ」の図柄、「BAR又はスイカ」-「リプレイ」-「スイカ又はチェリー」の図柄、「ベル」-「ベル」-「リプレイ又はチェリー」の図柄、「リプレイ」-「赤7、チェリー、ブランク、及び白7のいずれか」-「リプレイ又は白7」の図柄、「リプレイ」-「リプレイ又はスイカ」-「リプレイ又はチェリー」の図柄、「ベル」-「スイカ」-「BAR、ベル、及び白7のいずれか」の図柄、が予め決められている。また、図51に示すように本例ではリプレイ役として、(通常)リプレイ、鉈リプレイ、及び鉈転落リプレイの3種類を備えている。「鉈リプレイ」とはARTゲーム中にのみ当選され得るリプレイ役であり、ARTゲームよりもさらに有利度の高いスーパーARTゲーム(SARTゲーム)への昇格の起因となる当選役である。また、「鉈転落リプレイ」とはSARTにのみ当選され得るリプレイ役であり、SARTゲームからARTゲームへの転落の起因となる当選役である。
上記リプレイ役図柄のうちいずれかの組み合わせ態様が有効ラインに揃うと、リプレイゲームという遊技特典が付与される。このリプレイゲームでは、改めてメダルを投入もしくはベット操作をすることなく、次回のゲームとして行うゲームを再遊技として実行できる。
また、上記リプレイ役図柄が有効ラインに揃った際にもメダルは付与されず、リプレイゲームへ移行する契機としての役割を持たせている。このリプレイゲームの遊技特典の特徴は、メダルの払出しを行わない代わりに次回のゲームで新たにメダルを消費する(新たにメダルを掛ける)必要がないことである。またリプレイはメダルの払い出しを伴わない当選役であるため、例えばその当選確率を高くすることにより、当選頻度が高くなったとしてもホールにとって不利益となることは非常に少ないといえる。従って、スロットマシン1では、概ね7回に1回程度は当選する確率としている。これにより、遊技者が消費するメダルの量(一定時間当たりにつき消費するメダル数)をある程度一定の範囲に保つことが可能となる。つまり、リプレイという当選役にゲーム進行における過剰なメダルの消費を抑える役割を持たせることができるということになる。
また、各リール70L,70M,70Rには、停止ボタン128L,128M,128Rが停止操作されてから実際に停止するまでのリール70L,70M,70Rの滑り範囲(例えば4図柄以内)でリプレイ役図柄の組み合わせ態様を表示し得るようにリプレイ役図柄の組み合わせ態様を構成する図柄がそれぞれ満遍なく配置されており(例えば、各リール70L,70M,70Rにおいてリプレイ図柄からリプレイ図柄までの間に配置する他の図柄(リプレイ図柄以外の図柄)が2個から最大でも4個までとされており)、これにより、リプレイ役図柄を目押しの必要なく揃えることができるようになっている。
[8-3.ベル]
ベル役に対応する図柄(ベル役図柄)の組み合わせ態様は、「BAR」-「リプレイ」-「リプレイ」の図柄、「スイカ」-「リプレイ」-「リプレイ」の図柄、「ベル」-「ベル」-「ベル」の図柄、「BAR又はスイカ」-「赤7又はブランク」-「スイカ又はチェリー」の図柄、及び「BAR又はスイカ」-「チェリー又は白7」-「スイカ又はチェリー」が予め決められている。
ベル役図柄が有効ラインに揃うと、規定枚数(例えば、9枚)のメダルの払い出しが行われる。このときのメダルの払い出しは当該ゲームにて行われる。つまり、ベル図柄が揃うと9枚のメダルの払出しという遊技特典が付与される。従って、ベルはゲームを進めるうえでメダルの増加を期待できたり、メダルの消費を抑えることが期待できたりする当選役であるといえる。ただし、通常遊技状態におけるベルの当選確率は、リプレイに比べて低く抑えられている。ベル図柄についても、前述のリプレイ役図柄と同様、各リール70L,70M,70Rに満遍なく配置して目押しの必要なく揃えられるようになっている。
なお、押し順ベル役では適正な押し順で停止ボタン128L,128M,128Rが操作される限り必ず正解ベル役図柄が有効ラインに揃うように制御される。ただし、不適正な押し順で停止ボタン128L,128M,128Rが操作された場合には、正解ベル役図柄は有効ラインに揃わないように制御され、不正解ベル役図柄が有効ラインに揃うことを許容する。そのため、ベル役の押し順ベル役に当選した場合に適正な押し順で停止ボタン128L,128M,128Rを操作することで9枚のメダルを獲得できるようになる一方、不適正な押し順で停止ボタン128L,128M,128Rが操作されると、1枚しかメダルが払い出されない図柄組合せ(1枚ベルこぼし目)又は1枚もメダルが払い出されないハズレの図柄組合せ(0枚ベルこぼし目)が有効ラインに表示される。
ベル役のALL役(共通ベル)とは、いかなる押し順で停止ボタン128L,128M,128Rが操作された場合であっても、正解ベル役図柄が有効ラインに揃うように制御され、これに基づいて9枚のメダルが払い出されるものである。上記したとおり、正解ベル役図柄を構成するベル図柄は、リールの引き込み制御を実行可能な範囲内に配置されているので、ベル役のALL役(共通ベル)では必ず正解ベル役図柄が有効ラインに揃うように制御される。なお本例では高い確率(約6.5分の1の確率)で押し順ベル役に当選するように後述する当たり値判定テーブルが構成され、通常状態(ボーナスゲーム及びARTゲームが実行されていない状態)では押し順ベル役に当選していてもメダルを獲得できる理論上の確率は6分の1であるのに対し、ARTゲームでは押し順ベル役(左正解ベル、中正解ベル、右正解ベル)に当選すると事前に遊技者に停止ボタン128L,128M,128Rの適正な押し順を通知(ナビゲート)することでメダルを100%の確率で獲得できるため、通常状態に比べて多量のメダルを獲得可能(この例ではARTゲームにおける1ゲーム当りのメダルの純増枚数は約2.7枚)な遊技者にとって有利な状態となる。
なお、上記BBゲーム中の当たり値判定テーブルにはベル役のALL役が当選役として設定され、本例では正解ベル役図柄が33回揃った場合、即ち297枚を超えるメダルの払い出しが行われた場合にBBゲームが終了する。また、RBゲーム中に当たり値判定テーブルにもベル役のALL役が当選役として設定されており、本例では正解ベル役図柄が3回揃った場合、即ち27枚を超えるメダルの払い出しが行われた場合にRBゲームが終了する。このように、ボーナスゲーム中はこの正解ベル役図柄を揃いやすくすることにより、メダルの獲得が容易な複数回にわたるゲームを集中して実行することができる。なお、ボーナスゲーム中の各ゲームを開始するためには3枚のメダルを投入するか3ベットが必要であり、各ゲームでは必ず正解ベル役図柄が揃うため、BBゲームでの純増枚数は198枚であり、RBゲームでの純増枚数は18枚である。
[8-4.スイカ]
スイカ役に対応する図柄(スイカ役図柄)の組み合わせ態様として、「ベル」-「BAR又はチェリー」-「スイカ」の図柄が予め決められている。また、図51に示すように本例ではスイカ役として、弱スイカ及び強スイカの2種類を備えている。
上記2種類のスイカ役のうち弱スイカは弱スイカ役図柄として「ベル」-「BAR」-「スイカ」の組み合わせ態様が有効ライン上に表示されることを許容するものであり、強スイカは強スイカ役図柄として「ベル」-「チェリー」-「スイカ」の組み合わせ態様が有効ライン上に表示されることを許容するものである。なお、弱スイカ役図柄と強スイカ役図柄とのいずれかが有効ライン上に表示された際には有効ライン以外のラインに「スイカ図柄-スイカ図柄-スイカ図柄」の組み合わせ態様が表示されるようになっている。
弱スイカ役図柄が有効ラインに揃うと、規定枚数(本例では3枚)のメダルの払い出しが行われ、強スイカ役図柄が有効ラインに揃うと、規定枚数(本例では9枚)のメダルの払い出しが行われる。このときのメダルの払い出しは当該ゲームにて行われる。つまり、弱スイカ図柄が揃うと3枚のメダルの払出しという遊技特典が付与され、強スイカ図柄が揃うと9枚のメダルの払出しという遊技特典が付与される。従って、スイカはゲームを進めるうえでメダルの増加を期待できたり、メダルの消費を抑えることが期待できたりする当選役であるといえる。また、通常遊技状態におけるスイカの当選確率は、リプレイやベルに比べて低く抑えられている。なお、スイカ図柄については、前述のリプレイ役図柄やベル役図柄とは異なり、各リール70L,70M,70Rにおいて停止ボタン128L,128M,128Rが停止操作されてから実際に停止するまでのリール70L,70M,70Rの滑り範囲(例えば4図柄以内)以外にも配置され、スイカ役図柄を揃えるためには目押しが必要であり、目押しが不十分である場合には取りこぼしの可能性がある。
[8-5.チェリー]
チェリー役に対応する図柄(チェリー図柄)については、図柄表示領域内に停止した図柄の組合せが、「チェリー図柄-ANY図柄-ANY図柄」というように、チェリー図柄が1つ(この例では、左リール70Lのみ)あればそれだけでチェリー図柄が揃ったとみなされる。ここでいう「ANY図柄」とはいずれの図柄でもよいことを示す。また、図51に示すように本例ではチェリー役として、弱チェリー及び強チェリーの2種類を備えている。
上記2種類のチェリー役のうち弱チェリーは弱チェリー役図柄として、「リプレイ」-「BAR」-「リプレイ、ベル、スイカ、及びチェリーのうちのいずれか」の図柄、及び「チェリー」-「BAR」-「リプレイ、ベル、スイカ、及びチェリーのうちのいずれか」の図柄の組み合わせ態様が有効ライン上に表示されることを許容するものであり、強チェリーは強チェリー役図柄として「リプレイ」-「ベル」-「リプレイ、ベル、スイカ、及びチェリーのうちのいずれか」の図柄、及び「チェリー」-「ベル」-「リプレイ又はベル」の図柄の組み合わせ態様が有効ライン上に表示されることを許容するものである。なお、弱チェリー役図柄が有効ライン上に表示された際には有効ライン又は有効ライン以外のラインに「チェリー図柄-チェリー図柄を除くANY図柄-チェリー図柄を含むANY図柄」の組み合わせ態様が表示され、強チェリー役図柄が有効ライン上に表示された際には有効ライン又は有効ライン以外のラインに「チェリー図柄-チェリー図柄-チェリー図柄を含むANY図柄」の組み合わせ態様が有効ライン上に表示される。
そして、弱チェリー図柄が揃うと、当該ゲームにて規定枚数(この例では1枚)のメダルの払い出しが行われ、強チェリー図柄が揃うと、当該ゲームにて規定枚数(この例では9枚)のメダルの払い出しが行われる。つまり、弱チェリー図柄が揃うと1枚のメダルの払い出しという遊技特典が付与され、強チェリー図柄が揃うと9枚のメダルの払い出しという遊技特典が付与される。
従って、チェリー図柄は、全てのリールが停止した状態における図柄の組み合わせ態様により揃ったと判定されるのではなく、少なくとも1つのリールについてのみ、当該リールが停止した状態において有効ライン上に表示された図柄により揃ったと判定されるものであるといえる。ただし、メダルの払い出しは全てのリール停止後に行われる。チェリー図柄については、左リール70Lには1つしか配置されていないため、チェリー図柄を引き込み可能な範囲で停止ボタン128Lが停止操作されなければ(目押ししなければ)揃えられないようになっている。
上記のベル、スイカ及びチェリーは、いずれもメダルの払い出しという遊技特典に対応した当選役であることから、以下では、必要に応じてこれらをまとめて「小役」と呼ぶ。
なお、上記ではベル、スイカ及びチェリーの3つを小役として説明したが、これらの他にさらに小役を設けることもできる。例えば、ベル図柄、スイカ図柄及びチェリー図柄とは異なる種類の図柄(例えばプラム図柄)を設けて、これに対応するメダルの払い出し枚数(規定枚数)を異ならせて上記の小役と区別したり、あるいは各リール70L,70M,70Rの図柄の配置数を少なくして、目押しの必要な当選役図柄として難易度をつけたりすることも可能である。
[8-7.ハズレ]
有効ラインに停止表示された図柄の組み合わせ態様がいずれの当選役に対応する図柄組み合わせ態様にも該当しない場合は、ハズレとなる。そして、ハズレとなった当該ゲームではメダルの付与は行われない。なお、小役といったボーナス役以外の当選役については、当選した当該ゲームにおいて揃わなければ、ゲーム結果はハズレとなる。つまり、目押ししなければ揃えられない小役(例えばスイカ)に当選していたにもかかわらず、当該小役に対応する図柄組み合わせ態様が有効ラインに表示されなかった場合にはハズレとなり、次ゲーム以降に当選結果が持ち越されることはない。ただし、ボーナス役に当選した場合には、当選した当該ゲームにおいて揃わなくても、次ゲーム以降に当選結果が持ち越される(次ゲーム以降にボーナス図柄を揃えることができる)。
以上がスロットマシン1におけるそれぞれの当選役と、それぞれの当選役に対応する図柄の組み合わせ態様である。なお、各当選役に対応する図柄組み合わせ態様を異種図柄組み合わせ態様とすることで、有効ラインには異種図柄組み合わせ態様(いわゆるバラケ目)が表示されるものの、有効ライン以外のラインに同種図柄組み合わせ態様が表示されるようにして、当選役を外観で把握しやすいようにしてもよい。
[9.ゲーム処理]
次に、スロットマシン1におけるゲーム処理の流れについて説明する。以下のゲーム処理は、主制御基板21(主にCPU等)にて実行される制御プログラム上の処理手順に沿って進行する。なお、主制御基板21(CPU)は、電源遮断時(停電や瞬停が発生した場合も含む。)において、遊技の進行(ゲーム処理の進行)に関する情報をバックアップデータとして記憶保持する。
図52は、スロットマシン1における基本的な1ゲームの処理手順を一通り示している。先ずステップS1では、ゲームスタートに備えるための初期設定を実行する。特に電源の立ち上げ時等においては、前述した各種装置の接続及び作動状況を確認するとともに、バックアップデータの有無を確認し、バックアップデータが存在する場合には、電源断前の状態に復帰させる処理を実行する。バックアップデータが存在しない場合には、所定の初期値を設定する等、予め定められた処理を実行する。
次のステップS2では、投入口123から投入されたメダルの枚数により、あるいはすでに貯留されているメダルがある場合にはMAX投入ボタン125(あるいは1枚投入ボタン130)の押下操作により賭け数が決定され、始動レバー129の操作待ちの状態となる。すなわち、1回のゲームの賭け数が決定され、始動レバー129の操作が可能な状態となるまでがBET処理にて実行される。なお、スロットマシン1を、3枚のメダルを投入することによってゲームの実行が可能となる3枚掛け専用機とする場合には、1枚投入ボタン130が備えられなくてもよい。
ステップS3では、ステップS2において操作待ちの状態となった始動レバー129の操作によりゲームをスタートさせるとともに、いずれかの当選役を内部抽選の結果とするか否かを決定するための内部抽選処理を実行する。この内部抽選処理とは、以降のステップS4にて回転を開始する全てのリール70L、70M、70Rが停止状態(遊技者の停止操作により停止状態となること)となる前の段階において、いずれかの当選役を当該ゲームの抽選結果とするかを決定するために実行されるものである。すなわち、この抽選の抽選結果がいずれかの当選役に該当する場合に限り、リール70L、70M、70Rの停止操作が行われたときに、該当する当選役に対応する図柄組合せが有効ライン上に停止することが許容されるのである。
次いで、ステップS31では、ARTの指示機能(所謂、ARTナビ)に関する処理として指示機能処理を行う。指示機能処理では、ARTゲームの当選及びその開始等が決定されるだけでなく、ARTゲーム中であれば押し順等を遊技者に教示するARTナビが実行される。指示機能処理の詳細については、図55等を参照しながら後述する。
本例の指示機能処理では、ART機能に関する中心的な制御(ART初当り抽選、ARTゲーム数の決定、ARTゲームの実行、遊技状態の遷移、指示機能の表示等)を全てメイン基板409が管理する。一方、ART機能に関する補助的な制御(液晶表示装置450におけるナビ表示等)はサブ基板510が管理するものとするが、このような場合でも、サブ基板510が液晶表示装置450等に表示させるナビ表示の表示内容は、メイン基板409による指示機能の決定結果に従ったもの(指示機能表示と相違ない内容)に制限される。なお、スロットマシン1において、指示機能による指示内容(指示機能表示の表示内容と読み替えてもよい)は、メイン基板409が当該ゲームにおける当選役に基づいて決定する。また、メイン基板409に制御されて特別表示LED612に表示される指示機能表示の表示内容と、サブ基板510に制御されて液晶表示装置450等に表示されるナビ表示の表示内容とは、1対1の対応関係に限定されず、1対n(複数パターン)の対応関係であってもよい。すなわち、メイン基板409によって特別表示LED612で何らかの指示機能表示が行われるとき、サブ基板510は、液晶表示装置450等におけるナビ表示について、当該指示機能表示に対応する表示態様でナビ表示を実行させるものの、ナビ表示の具体的な表示態様は1種に限定される必要はなく、当該指示機能表示に対応する複数種類の表示態様のうちの何れかの表示態様でナビ表示を行うようにさせてもよい。このような場合、何れの表示態様によるナビ表示を行うかは、サブ基板510が決定してもよいし、メイン基板409が指定してもよい。また、スロットマシン1は上記構成に限定されるものではなく、例えば、指示機能処理に関する全ての処理をメイン基板409が行うようにしてもよい。
また、本例に示すステップS31の指示機能処理では、ステップS3における内部抽選処理の結果に基づいて、ARTの指示機能に関する処理内容を決定するものとする。ここで、内部抽選処理はゲームが実行される都度行われるものであるから、内部抽選処理の結果にもとづいて行われるART初当り抽選についてもゲームが実行される都度行われることとなる。また、指示機能処理は、次段で説明するステップS4のリール回転処理が開始されるよりも前に終了することが好ましい。
次にステップS4では、ステップS3の内部抽選処理の終了に伴い全てのリール70L、70M、70Rの回転を開始させるリール回転処理を実行する。このリール回転処理においては、全てのリール70L、70M、70Rの回転が開始された時点でリール停止ボタン128L、128M、128Rの押下操作を有効とし、リール停止ボタン128L、128M、128Rが有効になったことを知らせる操作有効ランプ(図示しない)を点灯させるとともに、次回のリール回転処理が実行されるまでのタイマカウントを開始する。なお、操作有効ランプは各リール停止ボタン128L、128M、128Rにそれぞれ内蔵されるランプである。
ステップS5では、遊技者によるリール停止ボタン128L、128M、128Rの押下操作が受け付けられて、その受け付け順に操作有効ランプを消灯させるとともに、対応するリール70L、70M、70Rの回転を停止させるリール停止処理を実行する。
次のステップS6では、ステップS5において全てのライン301a~301cが停止状態になったと判定した時点で、「有効ライン」上に当選役図柄が揃っているか(いずれかの当選役に該当する図柄の組合せ態様が表示されているか)に基づいて、当選役の判定を行う判定処理を実行する。具体的には、「有効ライン上に表示された表示内容(図柄の組合せ態様)」と「当選役に対応して有効ライン上に停止することが許容される図柄組合せ」とを照合することによって当選役を判定する。また、ステップS6の判定処理は、「有効ライン上に表示された表示内容(図柄の組合せ態様)」のみに基づいて判定するようにしてもよい。なお、本実施形態のスロットマシン1では、上述したとおり、下段(下段ライン)のみを有効ラインとしているが、有効ラインの位置や数はこれに限られない。なお、ARTゲームの初当り抽選や上乗せ抽選については、リール70上のみで示される図柄組合せだけで当否が決定されるわけではなく、サブ液晶表示装置711に表示される図柄様の表示(後述する)とリール70が停止したときに表示される図柄とで構成される図柄組合せによっても決定されうる。
ステップS7では、ステップ6において判定された当選役に対応する遊技特典の内容に基づくメダルの払出処理を実行する。また、ステップS6で判定された当選役が2種BBのように遊技状態の変更を伴う当選役である場合には、それぞれ遊技状態の変更や再遊技等による各種遊技特典の付与を実行する。
以上が、スロットマシン1の基本的な1ゲームの処理手順である。ここで、ステップS2(BET処理)~ステップS4(リール回転処理)は、遊技者によって行われる一連の外部操作(始動操作)を契機として内部処理が行われるものである。従って、これらの処理(ステップS2、ステップS3、ステップS31、ステップS4)をまとめて始動処理と呼ぶ。以下ではこの始動処理の具体的な説明をする。
[9-1.始動処理]
図53は、始動処理で行われる各処理を具体的に示したものである。
始動処理では、まずステップS101にてメダルの投入またはベットボタン125,126の操作が待ち受けられる。ベットボタン操作またはメダル投入があると、ステップS101の判定が満たされ、ステップS102に移る。
次のステップS102では、受付処理として、ベット数(この例ではMAXベットのみ)を決定するとともに、有効ラインランプを点灯させる。
ステップS103では、始動レバー129の操作を有効化する。始動レバー129の操作が有効化されると、この始動レバー129の操作が受け付けられるまで操作待ちの状態となり、次のステップS104に移る。
次のステップS104では、始動レバー129の操作が有効化されているか、またその場合は始動レバー129の操作が受け付けられたかを判定する。先のステップS103にて始動レバー129の操作が有効化されている場合、遊技者による始動レバー129の操作が受け付けられると、この判定が満たされ、次のステップS105へ移る。
また、上記のステップS101にて遊技者がベット操作またはメダル投入をしない、あるいはMAXベットに至らないうちはステップS101の判定が満たされず、ステップS104に移る。このときはステップS104の判定も満たされず、ステップS101に戻り、以降の処理を繰り返す。
また、リプレイゲームでは、新たにメダルのベットを必要としない。これは、後述するリプレイゲーム処理にてMAXベットコマンドがRAM1114に格納されている場合、自動的にMAXベット状態にする。これにより、ステップS101の判定が満たされることになる。
ステップS105では、ステップS104での始動レバー129の操作を受けて、始動レバー129の操作を無効化する。
次にステップS106では、始動レバー129の操作があると、これを契機として乱数の抽出を行う。乱数の抽出を行った後、次のステップS107に移る。なお、このときの乱数を抽出するタイミングについては、始動レバー129の操作後直ぐに行っても所定時間(例えば0.5秒後など)後に行うなど、プログラミングの過程で適切な抽出タイミングを設定することができる。
ステップS107では、フラグ処理として、抽出された乱数値(以下では、抽出乱数値という)からいずれの当選役に該当するかを判定(乱数値の照合)する。この判定では、当たり値判定テーブルにて抽出乱数値を照合する。ここで行われる乱数値の照合とは、予め決められた当選役の乱数値に、抽出乱数値が該当(合致、一致)するか否かを判定することである。このとき抽出乱数値がいずれかの当選役に該当すると判定された場合、該当する当選役に応じたフラグをON(=1)にする。そして、このときON(=1)となった当該当選役に対応するフラグのことを当該当選役当選フラグという。
そして、フラグ処理では、当該ゲームにて抽出乱数値の照合を行う際に、判定の基準となる当たり値判定テーブルを決定する場合、上記RBゲーム中であることを示すRBゲーム中フラグやBBゲーム中であることを示すBBゲーム中フラグなどのゲーム状態フラグを参照して当該ゲームにおける当たり値判定テーブルを決定する。つまり、当該ゲームにてON(=1)状態となっているゲーム状態フラグに対応する当たり値判定テーブルをセットして抽出乱数値の照合を行う。ゲーム状態フラグには、RBゲーム中フラグやBBゲーム中フラグのほか、通常ゲーム中フラグがある。そして、RBゲーム中フラグとBBゲーム中フラグとがいずれもOFF(=0)状態となっている場合には、常に通常ゲーム中フラグをON(=1)状態とする。
一方、ステップS107にて、抽出乱数値がいずれの当選役にも該当しないと判定された場合、いずれの当選役にも該当しない「ハズレ」となり、ハズレフラグをONにする。ここで、当選フラグまたはハズレフラグ(これらを総称して成立フラグという)とは、該当する成立フラグがONになっているときに限り、その成立フラグに該当した当選役図柄を揃えることが可能となるものである。従って、ハズレフラグが成立フラグに該当する場合は、いずれの当選役図柄も揃えることができないことになる。上記のステップS106及びステップS107はスロットマシン1の内部にて乱数抽選を行っているということもでき、以下ではこれらのステップのことを、まとめて内部抽選、あるいは内部抽選を行う等という。なお、この乱数の抽出からフラグ処理までは内部抽選(前述の図52のステップS3)に相当する。
次のステップS108では、前回の始動処理(具体的には当該ゲームの1回前のゲーム)にてスタートさせたウェイトタイマがタイムアップ(例えば4.1秒経過)したか否かを判定する。なお、このウェイトタイマと呼ばれるタイマは、当該ゲームにおいてリールの回転が開始されたときから次回のゲームでリールの回転が開始されるまでの所定時間(例えば、4.1秒)の経過を計測するものである。ここで、ウェイトタイマがタイムアップ(既に4.1秒経過した)となった場合にはこの判定が満たされ、次のステップS109に移る。また、この判定はウェイトタイマがタイムアップするまでループする。
ステップS109では、全てのリール70L,70M,70Rの回転を開始させる。そして全てのリール70L,70M,70Rの回転の速さが一定となると、それぞれの停止ボタン128L,128M,128Rの操作有効ランプを点灯させる。この点灯により、遊技者は停止ボタン128L,128M,128Rの押下操作が有効になったことを知ることとなる。
なお、スロットマシン1では、回転を開始したリールは遊技者による停止操作(停止ボタン128L,128M,128Rの押下操作)が受け付けられるまで上記の一定の速さで回転を維持し続けるものである。
次にステップS110では、ウェイトタイマをリセットするとともに、次回の始動処理までウェイトタイマをスタートさせ始動処理は終了となる。
[9-2.遊技状態移行制御処理]
図54は、遊技状態の移行を示すブロック図の一例である。なお、遊技状態の移行制御はメイン基板409に搭載されたCPU1110により実行される。
メイン基板409に搭載されたRAM1114におけるデータ値がクリア(RAMクリア)されると、一般状態(非RT)となる。一般状態におけるリプレイ合成確率(維持リプレイ役、上げリプレイ役1、上げリプレイ役2、下げリプレイ役、7揃いリプレイ役及び7揃いフェイクリプレイ役の合成確率)は、約7.3分の1である。このような一般状態では、一定期間にわたってゲームを実行したときに、この一定期間内に、ゲームの結果として払い出されるメダル枚数よりも遊技者がゲームを実行するために賭けるメダル枚数の方が多くなる。すなわち、一般状態は、遊技者がゲームを実行すると、それに伴ってメダル枚数が減少していく遊技状態である。なお、図54では、リプレイ合成確率をRP合成確率と表記している。
一般状態において、内部抽選にて「押し順ベル1」~「押し順ベル6」のいずれかが選び出されたにもかかわらず適正な順序でリール停止ボタン211が停止操作されずに0枚ベル零し目が有効ラインに表示されると、CPU1110は、一般状態からRT1に遊技状態が移行されるよう制御する。RT1におけるリプレイ合成確率は、非RT約7.3分の1である。このようなRT1では、一定期間にわたってゲームを実行したときに、この一定期間内に、一般状態と同様、ゲームの結果として払い出されるメダル枚数よりも遊技者がゲームを実行するために賭けるメダル枚数の方が多くなる。
RT1において、内部抽選にて「上げリプ1+維持リプ」が選び出されて上げリプ1の当選役に対応する図柄組合せが有効ラインに表示されると、CPU1110は、RT1からRT2に遊技状態が移行されるよう制御する。遊技状態がRT1からRT2に移行されると、基本ARTゲームが開始され、基本ART中となる。この明細書において、基本ART中、後述する特化ゾーン中及び特化ゾーン準備中におけるゲームの総称をARTゲームと称する。ただし、ART初当り抽選に当選していない状態でRT1からRT2に移行した場合は、基本ARTゲーム中とはならず、後述する指示機能表示やARTゲーム数上乗せ抽選が行われることはない。
ARTゲーム中は、ART機能によるARTゲームが実行される。具体的には、内部抽選にて「押し順ベル1」~「押し順ベル6」のいずれかが選び出されると、CPU1110は、後述する指示機能表示が行われるよう制御する。また、メイン基板409によって決定された指示機能の指示内容に沿った表示が行われるようサブ基板510によっても制御される。また、RT2におけるリプレイ合成確率は、約1.6分の1である。このようなRT2では、一定期間にわたってゲームを実行したときに、この一定期間内に、遊技者がゲームを実行するために賭けるメダル枚数よりもゲームの結果として払い出されるメダル枚数の方が多くなる。すなわち、指示機能表示が行われるRT2では、遊技者がゲームを実行すると、それに伴ってメダル枚数が増加していく遊技状態である。ただし、ARTゲームは、後述するARTゲーム数上乗せ抽選に当選しない限り100ゲームで終了する。具体的には、ARTゲーム数上乗せ抽選に当選しなかった場合、基本ARTゲームが開始されてから100ゲーム消化されるまでは後述する指示機能表示が行われるが、100ゲーム消化されると、指示機能表示が終了する。また、あわせて、メイン基板409によって決定された指示機能の指示内容に沿ったサブ基板510による表示も終了する。すなわち、内部抽選にて「押し順ベル1」~「押し順ベル6」のいずれかが選び出されたとしても、リール停止ボタン211の適正な停止操作順序が明示されない。そして、ベル零し目が有効ラインに表示されると、CPU1110は、RT2からRT1に遊技状態が移行されるよう制御する。なお、基本ARTゲームが終了したとしてもベル零し目が有効ラインに表示されるまではRT2が維持されるため、リプレイゲームを実行する権利は高い頻度で与えられるものの、指示機能表示が行われないこととなる。
なお、本例では、100ゲームといった規定ゲーム数が消化されるまでARTゲームが継続するゲーム数管理を行っているが、これに代えて、例えば純増100枚といった規定枚数のメダルが純増されるまでARTゲームが継続する枚数管理を行うようにしてもよい。
なお、基本ART中は、内部抽選にて「押し順ベル1」~「押し順ベル6」のいずれかが選び出されるとリール停止ボタン128の適正な停止操作順序が指示機能表示によって明示されるため、この指示機能表示にしたがってリール停止ボタン128を操作する限り、遊技状態はRT2に維持される(ただし上げリプ2に対応する図柄組合せが表示されるとRT3に移行する)。しかし、内部抽選にて「押し順ベル1」~「押し順ベル6」のいずれかが選び出されてリール停止ボタン128の適正な停止操作順序が指示機能表示によって明示されたにもかかわらず、この指示機能表示にしたがってリール停止ボタン128を操作しなかった場合にはベル零し目が有効ラインに表示されて、メイン基板409のCPU1110の制御によってRT2からRT1に遊技状態が移行される。
RT2において、内部抽選にて「上げリプ2+維持リプ」が選び出されて上げリプレイ役2に対応する図柄組合せが有効ラインに表示されると、RT3に遊技状態が移行されるよう制御する。遊技状態がRT2からRT3に移行されると、特化ゾーン中となり、高い確率でARTゲームの上乗せが行われることとなる(詳細は後述する)。このRT3においても、メイン基板409に搭載されたCPU1110は、内部抽選にて「押し順ベル1」~「押し順ベル6」のいずれかが選び出されたときに、後述する指示機能表示が行われるよう制御する。また、メイン基板409によって決定された指示機能の指示内容に沿った表示が行われるようサブ基板510によっても制御される。
なお、特化ゾーンは5ゲームで終了する。具体的には、内部抽選にて「下げリプ+維持リプ」が選びされたときに、特化ゾーン中であれば(5ゲーム消化されていなければ)、維持リプレイ役に対応する図柄組合せが表示されるように、後述する指示機能表示が行われるよう制御する。一方、内部抽選にて「下げリプ+維持リプ」が選びされたときに、特化ゾーンが開始されてから5ゲーム消化されていれば、下げリプレイ役に対応する図柄組合せが表示されるように、後述する指示機能表示が行われるよう制御する。そして、下げリプレイ役に対応する図柄組合せが表示されると、CPU1110は、RT3からRT2に遊技状態が移行されるよう制御する。また、RT3においてベル零し目が有効ラインに表示されたときには、CPU1110は、RT3からRT1に遊技状態が移行されるよう制御する。RT3におけるリプレイ合成確率は、約1.6分の1である。なお、特化ゾーンが開始されてから5ゲーム消化されたものの未だ下げリプレイ役に対応する図柄組合せが表示されていないときは、RT3の遊技状態下で基本ARTゲームに制御される。このときのART中抽選状態は高確率状態である。したがって、特化ゾーン中や特化ゾーン準備中においても、基本ART中と同様に、内部抽選にて「押し順ベル1」~「押し順ベル6」のいずれかが選び出されるとリール停止ボタン128の適正な停止操作順序が指示機能表示によって明示され、この指示機能表示にしたがってリール停止ボタン128を操作する限り遊技状態はRT3に維持されることとなるが、指示機能表示にしたがわずにリール停止ボタン128を操作してベル零し目が有効ラインに表示されたときはRT1に移行されることとなる。
一般状態、RT1、RT2及びRT3のいずれにおいても、内部抽選においてボーナス役(BB1、BB2)に当選してボーナス役に対応する条件装置が作動すると(ボーナス成立すると)、ボーナス内部中となる。ボーナス内部中とは、ボーナスフラグが成立しているものの未だボーナスゲームが開始されていない状態である。すなわち、内部抽選においてボーナス役に当選すると、ボーナス役に対応する条件装置が作動するが、このボーナス役に対応する条件装置は、内部抽選に当選したゲームにおいてボーナス役に対応する図柄組合せが有効ラインに表示されなかったとしても、次ゲーム以降において、ボーナス役に対応する図柄組合せが有効ラインに表示されるまで継続して作動する。ボーナス内部中におけるリプレイ合成確率は、約7.3分の1である。そして、ボーナス内部中においてボーナス図柄に対応する図柄組合せが有効ラインに表示されると(ボーナス入賞すると)、ボーナスゲームが開始されて、ボーナス中となる。このようなボーナス中は、一定期間にわたってゲームを実行したときに、この一定期間内に、遊技者がゲームを実行するために賭けるメダル枚数よりもゲームの結果として払い出されるメダル枚数の方が多くなる。そして、ボーナスゲームが終了すると一般状態に戻る。
このように、本実施形態のスロットマシン1では、メイン基板409によって、一般状態(非RT状態)、RT1状態、RT2状態、RT3状態、ボーナス内部状態及びボーナス状態のうち何れかの遊技状態に制御される。一方、前述したように、本実施形態のスロットマシン1はART機能を備えており、ART機能によるARTゲームの実行は、基本的には、このような遊技状態の制御とは別系統で制御される。このようなART機能によるARTゲームは、上述したとおり、RT2やRT3において主として実行されるが、ARTゲームの実行条件が成立すれば(例えばART初当り抽選に当選するなど)、何れの遊技状態においても、ARTゲームを実行することができる。但し、規則等の制限に抵触する場合はその限りではなく、例えば、ボーナス状態ではARTゲームを実行できないとする。
[9-3.リール停止処理]
始動処理が終了すると、一定速度で回転を続けているリールを停止させるための操作(停止操作、つまり停止ボタン128L,128M,128Rの押下操作)待ちの状態となる。図56では、一例として「テーブル方式」によるリール停止処理の内容を示している。以下では、リール停止制御の処理の流れを説明する。
リール停止処理では、まずステップS201で、当該ゲームでの内部抽選の結果を示す内部抽選フラグにしたがってリール停止制御テーブルを選択する。このリール停止制御テーブルは予め全ての内部抽選フラグについてパターンが用意されており、これらは読み出し専用のテーブルデータとして主制御基板21での制御に用いられるプログラムやデータ等を予め記憶した制御ROMに格納されている。
上記のステップS201にて内部抽選フラグに基づいてリール停止制御テーブルが選択された状態になると、各停止ボタン128L,128M,128Rの押下操作が受け付けられるまで待ち受け状態となる(ステップS202,S210,S217)。これらの待ち受け状態で、左リール70L、中リール70M、右リール70Rの各リールがすでに停止しているか否か、あるいは第1リール停止フラグがONとなっていない状態(F=0、つまりOFFの状態)であるか否かを判定するとともに、あわせて停止ボタン128L,128M,128Rのいずれかが押下されたかについても判定する。全ての停止ボタン128L,128M,128Rの押下操作が受け付けられるまでは、ステップS209の判定が満たされず、ステップS202以降の処理を繰り返す。
ここで、停止ボタン128L,128M,128Rの押下操作の受け付けられた順番(停止操作手順)を、それぞれ「順押し」、「逆押し」、「中押し」と呼ばれる停止操作手順(または押し順ともいう)に分ける。
上記の「順押し」の停止操作手順とは、左リール70Laを第1番目に停止させる操作手順(つまり、左停止ボタン128Lを第1番目に押下操作する手順)のことをいい、第2番目以降に停止させるリールの操作順番より、〔 左リール→中リール→右リール 〕、あるいは、〔 左リール→右リール→中リール 〕となる2つの停止操作手順にさらに分けられる。これら2つをまとめて「順押し」と呼ぶ。なお、後者の停止操作手順は特に「順はさみ押し」とも呼ばれる場合もある。
上記の「逆押し」の停止操作手順とは、「順押し」と反対に右リール70Rを第1番目に停止させる操作手順(つまり、右停止ボタン128Rを第1番目に押下操作する手順)のことをいい、第2番目以降に停止させるリールの操作順番より、〔 右リール→中リール→左リール 〕、あるいは、〔 右リール→左リール→中リール 〕となる2つの停止操作手順にさらに分けられる。これら2つをまとめて「逆押し」と呼ぶ。なお、後者の停止操作手順は特に「逆はさみ押し」とも呼ばれる場合もある。
上記の「中押し」の停止操作手順とは、中リール70Mを第1番目に停止させる操作手順(つまり、中停止ボタン128Mを第1番目に押下操作する手順)のことをいい、第2番目以降に停止させるリールの操作順番より、〔 中リール→左リール→右リール 〕、あるいは、〔 中リール→右リール→左リール 〕となる2つの停止操作手順にさらに分けられる。これら2つをまとめて「中押し」と呼ぶ。
ステップS202では、左リール70Lが停止状態となったことを示すフラグ(左リール停止フラグLF)がOFF(LF=0)であり、なおかつ、左停止ボタン128Lの押下操作が受け付けられたかを判定する。ステップS201で、停止ボタン128L,128M,128Rの押下操作の待ち受け状態から「順押し」の停止操作手順に沿って最初(第1番目)に左停止ボタン128Lが押下されたとすると、ステップS202の判定が満たされ、ステップS203に移る。
ステップS203では、第1リール停止フラグがOFF(F=0)であるか判定する。ここでいう「第1リール」とは第1番目に停止操作が受け付けられる、あるいは第1番目に停止するリールのことをいう。この例(「順押し」)では、左リール70Lの停止操作が第1番目に受け付けられるので、第1リール停止フラグがOFFの状態(F=0)となっている。従って、ステップS203の判定は満たされ、次のステップS204に移る。
次のステップS204では、左リール70Lについて第1リール停止処理が行われる。この第1リール停止処理では、内部抽選フラグに対応するリール停止制御テーブルに基づいて内部抽選フラグに対応する当選役図柄の停止位置の制御を実行する。
ステップS206では、残りの中リール70M、右リール70Rのリール停止制御テーブルを決定する。前述のとおり、スロットマシン1の有効ラインは1ラインのみであるため、この時点で残りのリール(中リール70M、右リール70R)の停止制御テーブルは1つに決定することができる。つまり、第1停止リール(この場合は左リール70L)における有効ライン上の図柄が当選役図柄となる可能性のある図柄であった場合、有効ライン上に残りのリール(中リール70M、右リール70R)の該当当選役図柄を揃えることの可能なリール停止制御テーブルを選択することになる。これにより、BB図柄、RB図柄以外の当選役図柄については目押しの必要なく揃えることができることになる。
ステップS207では、第1リール停止フラグをON(F=1)として、次のステップS208に移る。
次いでステップS208では、左リール停止フラグLFをON(LF=1)として、ステップS209に移る。
そして、ステップS209では、全てのリール70L,70M,70Rが停止状態となったかを判定する。この例では、まだ左リール停止フラグLFがONとなっただけであり、中リール70M及び右リール70Rはまだ回転中であることから、この判定が満たされず、ステップS202に戻り以降の処理を繰り返し実行する。
そして、再びステップS202以降の処理が実行される場合、すでに左リール70Lは停止状態となっているのでステップS202の判定は満たされず、ステップS210に移る。
ステップS210では、中リール70Mが停止状態となったことを示すフラグ(中リール停止フラグMF)がOFF(MF=0)であり、なおかつ、中停止ボタン128Mの押下操作が受け付けられたかを判定する。ここでは「順押し」の停止操作手順に沿うため、中停止ボタン128Mの押下操作が受け付けられることとなる。従って、ステップS210の判定が満たされ、次のステップS211に移る。
ステップS211では、上記のステップS203と同様に第1リール停止フラグがOFF(F=0)であるか判定する。そして、この時点ではすでに第1リール停止フラグはON(F=1)となっているため、この判定が満たされず、ステップS213に移る。
ステップS213では、中リール停止処理として、内部抽選フラグに対応するリール制御テーブル(この場合は上記のステップS206で決定したリール停止制御テーブル)に基づいて該当当選役図柄の停止位置の制御を実行する。そして、このとき中リール70Mは第2番目に停止するリール(第2リール)となり、ステップS212,S214,S215は全て迂回され、ステップS216に移り、中リール停止フラグMFをON(MF=1)としてステップS209に移る。
そして、再度ステップS209では、左リール70L及び中リール70Mが停止状態となっただけであり、まだ右リール70Rは回転中で停止状態(右リール停止フラグRFがOFFとなっている)となっていないので、この判定が満たされず、ステップS202に戻り、再度以降の処理を繰り返し実行する。
さらに、3度目のステップS202以降の処理では、先ずステップS217で右リール停止フラグMFがOFF(MF=0)であり、なおかつ、右停止ボタン128Rの押下操作が受け付けられたかを判定していくことになるが、以降のステップS218,S220等の処理は、上記のステップS210以降の処理(ステップS211,S213)と同様であるため詳細な説明は省略する。
そして、ステップS223にて、右リール停止フラグRFをON(MF=1)として、ステップS209に移る。
最後にステップS209では、この時点において、全てのリール70L,70M,70Rが停止状態となっていることから、この判定が満たされ、リール停止処理が終了する。
なお、「中押し」の停止操作手順の場合も上記と同様の説明ができるため詳細は省略する。ただし、「逆押し」の停止操作手順の場合は上記の説明と一部異なる点があるため、以下に説明する。
「逆押し」の停止操作手順で、上記の「順押し」あるいは「中押し」の停止操作手順と異なる点は、ステップS221(第1リール停止処理の後に残りのリール停止制御テーブルの決定)についてである。つまり、「逆押し」の停止操作手順では、右リール70Rのみが停止状態となる。従って、ステップS221の段階では、いずれの有効ラインにも該当当選役図柄を揃えることのできるリール停止制御テーブルを複数用意しておき、いずれかを選び出すものとすればよい。
なお、本実施形態のスロットマシン1では、1ゲームの抽選結果として複数の条件装置が作動した場合には、これら複数の条件装置のうち、停止ボタン128L,128M,128Rの操作態様(停止操作されたタイミング及び停止操作された順序)毎に予め定められた条件装置にかかる図柄組み合わせが有効ラインに引き込まれるようにリール停止制御が行われる。つまり、成立した条件装置が同じであれば、停止ボタン128L,128M,128Rの操作態様が同じである限り、同じ図柄組み合わせが有効ラインに停止されることとなる。また、1ゲームの抽選結果がハズレの場合には、停止ボタン128L,128M,128Rの操作態様毎に予め定められたハズレ図柄の組み合わせが有効ラインに引き込まれるようにリール停止制御が行われる。つまり、抽選結果がハズレであれば、停止ボタン128L,128M,128Rの操作態様が同じである限り、同じハズレ図柄組み合わせが有効ラインに停止されることとなる。
最後にステップS209では、この時点において、全てのリール70L,70M,70Rが停止状態となっていることから、この判定が満たされ、リール停止処理が終了する。
[9-4.リール停止制御]
上記のリール停止処理では、成立フラグに対応した当選役図柄(該当当選役図柄)を極力有効ラインに引き込むリール停止制御を行う(いわゆる、引き込み制御といわれる)。具体的には、遊技者によるリールの停止操作が受け付けられた時点で、有効ラインに停止させることが可能な範囲(該当当選役図柄を引き込むことが可能な範囲、例えば、図柄4個分)を予め決めておき、その範囲内に該当当選役図柄がある場合、これを有効ラインに引き込んでリールを停止させる制御を実行する。なお、ここでいう「引き込むことが可能な範囲」とは、リールの停止操作が受け付けられてから当該リールが停止するまでに、リールの回転方向にみて移動が可能な図柄の最大数のことをいう。例えば、引き込み可能な範囲を最大で図柄4個分とすれば、当該リールの停止操作が受け付けられた場合、その位置を基点にしてさらに図柄4個分までリールの回転移動が可能となる。
従って、このようなリール停止制御によれば、リールの停止操作が受け付けられた時点で、有効ライン上に該当当選役図柄がなかったとしても、該当当選役図柄が引き込み可能な範囲内にあれば、その該当当選役図柄を有効ラインにまで移動させたうえで停止させることが可能となる。また、この引き込み制御を行うことにより、遊技者は該当当選役図柄の目押しのタイミングが多少早かったとしても、引き込み可能範囲内に当該当選役図柄があれば、その当該当選役図柄を有効ラインに引き込んで停止させることができる。従って、取りこぼし(当該当選役図柄を揃えることができずに当該当選役に対応する遊技特典を獲得できずにその遊技特典が消滅してしまうこと)が生じることを極力抑えることができる。
具体的には、当選役に応じてリール停止制御データテーブルが設けられ、このリール停止制御データテーブルには左リール70L、中リール70M、右リール70Rの夫々の配列番号とこの配列番号に対応するスベリ数(引き込み制御する図柄数)とが設定されている。そして、主制御基板21は停止ボタン128が操作されたときに、この停止操作されたリール70(左リール70Lと中リール70Mと右リール70Rのうち操作された停止ボタン128に対応するリール70)と当選役とに対応するテーブルを参照して、停止操作されたリール70の有効ライン上にある図柄(配列番号)と対応付けされているスベリ数でこのリール70を停止させる制御を行う。
以上がテーブル方式によるリール停止処理の一例である。これとは別にコントロール方式によるリール停止処理があるが、これについても公知の処理を適用可能であるため、ここでは具体的な説明を省略する。また、本実施形態においてコントロール方式またはテーブル方式のいずれのリール停止処理を実行してもよく、どの方式を採用するかは制御プログラムを構築するにあたって適宜決定すればよい。
そして、リール停止処理が終了すると、有効ライン上に当選役図柄が揃っているか(いずれかの当選役に該当する図柄の組み合わせ態様が表示されているか)否かについて判定を行う。有効ライン上に当選役図柄が揃っている場合には、払出ユニット30より規定枚数のメダルが払い出されるとともに、メダルの払出枚数が中ユニット5の図示しない払出表示器に表示される。
[10.ARTゲームからSARTゲームへの昇格演出]
上記したように本例のスロットマシン1では、ARTゲーム中に当選役が鉈リプレイとなると、ARTゲームよりもさらに有利なスーパーARTゲーム(SARTゲーム)に移行制御させる。また、このときには特殊な昇格演出が実行されるようになっている。この昇格演出について図57を参照して説明する。図57は、横部可動演出ユニット700のサブ左液晶表示装置710L及びサブ右液晶表示装置710Rを水平に延びたまま図柄表示領域Aの前方側へ下降させた状態で示すスロットマシン1の正面図である。
ARTゲーム中に始動レバー129が操作されたことに基づいてフラグ処理(ステップS107)が実行された場合に、図51に示すARTゲーム中の当たり値判定テーブルと抽出した当たり値判定乱数とを比較することにより当選役が「鉈リプレイ」となると、リール70の回転を開始させるとともに、横部可動演出ユニット700の一対の横部昇降駆動モータ757を所定方向に回転させて、水平に延びた一対のサブ左液晶表示装置710Lとサブ右液晶表示装置710Rとを、中央可動演出ユニット500の中央可動装飾体ユニット550の左右両側の位置(ベースカバー520の前面の位置)から下方に移動させる。
図57に示すように、一対のサブ左液晶表示装置710L及びサブ右液晶表示装置710Rが、左右に並んだ三つのリール70のうち、左リール70Lと右リール70Rの上段と中段の前面を覆う最下位置まで移動し、この状態では図柄表示領域Aの下段の三つの図柄と中リール70Mのみが良好に視認することができるようになっている。
また、一対のサブ左液晶表示装置710L及びサブ右液晶表示装置710Rがリール79の前面側の最下位置に移動すると一対のサブ左液晶表示装置710L及びサブ右液晶表示装置710Rの移動を停止して、一対のサブ左液晶表示装置710L及びサブ右液晶表示装置710Rに夫々「白7」図柄を表示させるとともに右リール70Rを停止させるべく遊技者に右停止ボタン128Rの操作を指示する表示等(「右!」の音声出力や、メイン液晶表示装置450にて右停止ボタン128Rの操作を指示する表示等)を行う。
また、一対のサブ左液晶表示装置710L及びサブ右液晶表示装置710Rに夫々表示される「白7」図柄は、左右のリール70R,70Lの中段に対応するように表示され、見かけ上は中段ラインの左右リール70R,70Lに「白7」図柄が停止したリーチとなっている。
そして、遊技者が右停止ボタン128Rを操作したことに基づいて右リール70Rを停止させると、次に中リール70Mを停止させるべく遊技者に中停止ボタン128Mの操作を指示する表示等(「中!」の音声出力や、メイン液晶表示装置450にて中停止ボタン128Mの操作を指示する表示等)を行う。またこのとき、中リール70Mの中段に「白7」図柄を狙わせるべく遊技者に中停止ボタン128Mの操作を指示する表示等(「中!」の音声出力や、メイン液晶表示装置450にて中停止ボタン128Mの操作を指示する表示等)を行い、中リール70Mの中段に「白7」図柄が停止されると、中リール70Mに備えられている「白7」図柄と、一対のサブ左液晶表示装置710L及びサブ右液晶表示装置710Rに夫々表示される「白7」図柄と、によって中段ラインに「白7」図柄のゾロ目が形成されるようになる。
また、遊技者が中停止ボタン128Mを操作したことに基づいて中リール70Mを停止させると、次に左リール70Lを停止させるべく遊技者に左停止ボタン128Lの操作を指示する表示等(「左!」の音声出力や、メイン液晶表示装置450にて左停止ボタン128Lの操作を指示する表示等)を行う。
そして、全ての停止ボタン128が操作されたことに基づいて全てのリールが停止した場合に中段ラインに「白7」図柄のゾロ目が形成されていれば、「白7」図柄が揃ったことを通知するとともにARTゲームからスーパーARTゲーム(SARTゲーム)に昇格させることを通知する表示等を行う。本例では全ての停止ボタン128が操作されたことに基づいて全てのリールが停止した場合に中段ラインに「白7」図柄のゾロ目が形成されていないときにもARTゲームからスーパーARTゲーム(SARTゲーム)に昇格させるため、この場合にもARTゲームからスーパーARTゲーム(SARTゲーム)に昇格させることを通知する表示等を行う。なお、全ての停止ボタン128が操作されたことに基づいて全てのリールが停止した場合に中段ラインに「白7」図柄のゾロ目が形成されていないときには一旦ARTゲームからスーパーARTゲーム(SARTゲーム)に昇格させないことを通知した後、復活演出等によりARTゲームからスーパーARTゲーム(SARTゲーム)に昇格させることを通知してもよい。
また、ARTゲーム中に当選役が鉈リプレイとなった場合に、全ての停止ボタン128が操作されたことに基づいて全てのリールが停止したときには、有効ラインである下段ラインには「鉈リプレイ」の当選役に対応するリプレイ役図柄の組合せ態様が揃った状態となっている。
また、一対のサブ左液晶表示装置710L及びサブ右液晶表示装置710Rは、左右に並んだ三つのリール70のうち、左リール70Lと右リール70Rの上段と中段の前面を覆う最下位置で「白7」図柄を表示するため、左リール70Lにおいてはサブ左液晶表示装置710Lに表示される画像(この例では「白7」図柄)と左リール70Lに備えられている図柄のうち停止状態で下段に表示されている図柄とによって左リール70L(左リール70Lの図柄列)が構成され、右リール70Rにおいてはサブ右液晶表示装置710Rに表示される画像(この例では「白7」図柄)と右リール70Rに備えられている図柄のうち停止状態で下段に表示されている図柄とによって右リール70R(右リール70Rの図柄列)が構成されるようになっている。
また、ARTゲームからスーパーARTゲーム(SARTゲーム)に昇格させることを通知した後、スーパーARTゲーム(SARTゲーム)が開始されて始動レバー129が操作されると、横部可動演出ユニット700の一対の横部昇降駆動モータ757を反対の方向に回転させて、水平に延びた一対のサブ左液晶表示装置710Lとサブ右液晶表示装置710Rとを、中央可動演出ユニット500の中央可動装飾体ユニット550の左右両側の位置(ベースカバー520の前面の位置)まで移動させる。
なお、上記した例ではARTゲーム中に当選役が鉈リプレイとなった場合に遊技者に逆押し(右リール70R→中リール70M→左リール70Lの順)の停止操作手順でリール70を停止させるように構成したが、これに限られるものではなく、他の停止操作手順でリール70を停止させるようにしてもよい。本例では中リール70Mの中段に「白7」図柄を狙わせる演出を実行するため、中リール70M以外のリール(右リール70R又は左リール70L)を最初に停止させるようにすることで、中停止ボタン128Mの操作が指示されたときに「白7」図柄を狙うことなく反射的に中停止ボタン128Mを操作して中リール70Mを停止させてしまうことが回避されるようになり、本来の演出を実行して遊技者を楽しませることができるようになっている。
このように、本例のスロットマシン1では、ARTゲーム中に、中リール70Mに一つだけ備えられて左リール70L及び右リール70Rには備えられていない「白7」図柄を用いて昇格演出を実行する。換言すると、ARTゲームが実行されていない通常中には、いずれの当選役にも当該当選役に応じた図柄組み合わせとして使用されない「白7」図柄を用いて昇格演出を実行する。また、この昇格演出では一対のサブ左液晶表示装置710L及びサブ右液晶表示装置710Rに夫々「白7」図柄が表示され、所定のライン(本例では中段ライン)に「白7」図柄が揃うように中リール70Mを停止させるべく中停止ボタン128Mを操作させて、「白7」図柄が揃ったことによってARTゲームよりも有利度の高いスーパーARTゲーム(SARTゲーム)に昇格されたかのように見せる昇格演出を実行する。即ち、実際には「白7」図柄が揃っていなくてもARTゲームからスーパーARTゲーム(SARTゲーム)に昇格されるものであるが、「白7」図柄が揃ったことでスーパーARTゲーム(SARTゲーム)に昇格されたように遊技者に思い込ませることで昇格演出が実行されたときに「白7」図柄を狙う中リール70Mの操作に集中させることができ、「白7」図柄が揃ったときに遊技者の興趣を向上させることができる。
なお、上記した例ではARTゲーム中に当選役が鉈リプレイとなった場合に一対のサブ左液晶表示装置710Lとサブ右液晶表示装置710Rとの夫々に「白7」図柄を表示するとともに中リール70Mに「白7」図柄を停止させて所定のライン(本例では中段ライン)「白7」図柄が揃うようにしたが、一対のサブ左液晶表示装置710L及びサブ右液晶表示装置710Rに表示される画像と、中リール70Mに備えられている絵柄(図柄に限らず何らかの形態を表すものであればよい)と、によって所定のライン(本例では中段ライン)に何らかの形態(形状、模様、色彩)を形成するもの(例えばサブ左液晶表示装置710L及びサブ右液晶表示装置710Rに表示される画像と、中リール70Mに備えられている絵柄と、で一のキャラクタを形成するもの)や、観念が統一するような絵柄の組み合わせを形成するもの(例えばサブ左液晶表示装置710Lに表示される松の画像と、サブ右液晶表示装置710Rに表示される梅の画像と、中リール70Mに備えられる竹の絵柄と、によって「松竹梅」という観念の統一する組み合わせを形成するもの)であってもよい。
また、上記した例ではARTゲームが実行されていない通常中には、いずれの当選役にも当該当選役に応じた図柄組み合わせとして使用されない「白7」図柄を用いて昇格演出を実行するものを示したが、ARTゲームが実行されていない通常中にいずれの当選役にも当該当選役に応じた図柄組み合わせとして使用されない図柄を用いるものであれば「白7」図柄に限られるものではなく、例えば「ブランク」図柄等を用いるようにしてもよい。
また、上記した例では昇格演出を実行するときに、一対のサブ左液晶表示装置710L及びサブ右液晶表示装置710Rが、左右に並んだ三つのリール70のうち、左リール70Lと右リール70Rの上段と中段の前面を覆う最下位置まで移動し、図柄表示領域Aの下段の三つの図柄と中リール70Mのみが良好に視認することができるように構成したが、三つのリール70のうち少なくとも一のリール70の前面を覆うものであってもよいし、またリール70の前面を覆う箇所も複数段(本例では上段と中段)に亘るものに限らず少なくとも一段(上段と中段と下段のうちいずれか(有効ラインを構成する箇所は覆わないようにしてもよい))を多い隠すものであってもよいし上中下段の全ての前面を覆うものであってもよい。即ち、一対のサブ左液晶表示装置710L及びサブ右液晶表示装置710Rによって一のリール70(サブ左液晶表示装置710Lに対応する左リール70L、サブ右液晶表示装置710Rに対応する右リール70R)のうち半分以上の領域を覆うものであってもよいし、一のリール70(サブ左液晶表示装置710Lに対応する左リール70L、サブ右液晶表示装置710Rに対応する右リール70R)のうち半分未満の一部の領域を覆うものであってもよい。
また、この例では一対のサブ左液晶表示装置710L及びサブ右液晶表示装置710Rに夫々「白7」図柄を表示させた状態で遊技者に停止ボタン128の操作を指示するように構成したが、一対のサブ左液晶表示装置710L及びサブ右液晶表示装置710Rに「白7」図柄を表示させることなく、停止ボタン128の操作を指示する表示等を行って、遊技者が右停止ボタン128Rを操作したことに基づいてサブ右液晶表示装置710Rに「白7」図柄を表示させ、遊技者が左停止ボタン128Lを操作したことに基づいてサブ左液晶表示装置710Lに「白7」図柄を表示させるようにしてもよい。また、この場合に遊技者が停止ボタン128を操作するまでサブ左液晶表示装置710L及びサブ右液晶表示装置710Rの夫々に図柄をスクロール表示し、遊技者が停止ボタン128を操作したことに基づいてスクロール表示を停止させて「白7」図柄を表示するようにしてもよい。なお、スクロール表示とは上下または左右に動かしながら表示することを意味し、例えば回転表示が相当する。また、本実施形態のスロットマシン1では、リール70と一対のサブ左液晶表示装置710L及びサブ右液晶表示装置710Rとのいずれもスクロール表示可能である。
このように、遊技者がドアユニット4の操作ユニット120を操作することで、窓部201aの一部から臨む遊技ユニット3の図柄表示領域A内において左右に並んだ三つのリール70の外周面に備えられた複数の図柄が、リール70が回転することで変動表示された後に停止表示され、下段の有効ライン(特定領域)において停止表示された図柄の組合せに応じて特典が付与されることから、操作ユニット120での操作によって、有効ライン上において特典が付与される図柄の組合せで図柄を停止表示させることができるか否かでハラハラ・ドキドキできる遊技を遊技者に行わせることができる。そして、図柄表示領域A内で遊技が行われることにより変化する遊技状態によって、正面視において図柄表示領域Aよりも外側(上側)に位置していた横部可動演出ユニット700のサブ左液晶表示装置710L及びサブ右液晶表示装置710Rや前可動演出ユニット300の前可動装飾体710の可動部材が、有効ラインを遮ることなく図柄表示領域A側へ移動し、図柄表示領域Aの一部を覆った状態となるため、遊技者が遊技に集中することで図柄表示領域A内(変動表示中や停止表示中の図柄)を注視(凝視)していても、図柄表示領域A内の一部が可動部材により遮られることから、遊技者に対して可動部材の可動を確実に気付かせることができ、遊技者を可動部材に注目させて可動部材による演出を楽しませることができる。また、遊技状態に応じて可動部材が図柄表示領域Aの前面側に移動することから、可動部材によって図柄表示領域A内を見辛くすることができるため、これまでのスロットマシンにおける可動部材とは全く異なる印象の可動演出を遊技者に提示することが可能となり、遊技者に対して強いインパクトを与えることができ、遊技者の関心を可動部材に強く引付けさせることができると共に、可動部材が図柄表示領域Aの一部を遮ることで遊技者に対して何か良いことがあるのではないかと思わせることができ、遊技者の遊技に対する期待感を高めさせて興趣の低下を抑制させることができる。この際に、可動部材が図柄表示領域Aの前面側へ移動しても、正面視において少なくとも有効ラインの部位は可動部材により覆われることはないため、有効ライン上において所望の図柄が停止するか否かを明確に視認することができ、遊技を楽しませることができると共に、可動部材により有効ライン上に表示される図柄が見えなくなることはないため、遊技者に対して不信感を与えてしまうのを回避させることができ、遊技者が安心して遊技を行うことが可能となり遊技者の遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
また、図柄表示領域A内において複数の図柄列を変動表示させている遊技状態で、可動部材を正面視図柄表示領域Aよりも上側から図柄表示領域Aの前面側へ移動させると、図柄表示領域A内における有効ライン上に位置する図柄は見えるもののその他の部位に位置する図柄は可動部材に遮られて視認することができないため、有効ライン上において見える図柄から次に有効ライン上に来る図柄を予測したり、図柄表示領域A内における有効ライン上以外の視認できる部位に目を凝らして有効ライン上に来る図柄を見るようにしたりしなければならず、変動表示されている図柄列の複数の図柄のうち所望の図柄が有効ライン上に位置するタイミングが判り難くなり、有効ライン上において所望の図柄を停止表示させ難くなる。つまり、有効ライン上において所望の図柄を停止表示させる遊技の難易度が高くなるため、遊技者に対してやる気を喚起させることができ、遊技を楽しませることができると共に、遊技の難易度が高くなることで遊技者に対して付与される特典が特別なものであると思わせることができ、遊技者を遊技に集中させて興趣の低下を抑制させることができる。
更に、図柄表示領域Aの前側へ移動する可動部材として、有効ライン上を除いた図柄表示領域Aの一部を被覆可能なサブ左液晶表示装置710L及びサブ右液晶表示装置710Rと、図柄表示領域Aから有効ライン上を除いた部位を被覆可能な前可動装飾体310と、を備えるようにしているため、遊技状態に応じて図柄表示領域Aの前面側へ移動させる可動部材を選択することにより、異なる可動演出を遊技者に提示することができ、多彩な演出により遊技者を飽き難くさせて興趣の低下を抑制させることができる。
また、サブ左液晶表示装置710L及びサブ右液晶表示装置710Rと前可動装飾体310とでは、正面視において図柄表示領域Aを覆う範囲が異なっているため、図柄表示領域Aの前面側へ移動する可動部材によって、図柄表示領域Aの見え方を異ならせることができ、図柄表示領域A内での遊技に多様性を付与させて遊技者をより楽しませることができる。具体的には、サブ左液晶表示装置710L及びサブ右液晶表示装置710Rを図柄表示領域Aの前面側へ移動させると、図柄表示領域A内において有効ライン上と有効ライン上を除いた図柄表示領域A内の一部とが視認できるため、遊技者に対して有効ライン上と図柄表示領域Aの一部との見える範囲で図柄を推定させることとなり、遊技の難易度を高くすることができ、遊技者のやる気を喚起させて興趣の低下を抑制させることができる。一方、前可動装飾体310を図柄表示領域Aの前面側へ移動させると、図柄表示領域A内の有効ライン上のみが視認できるため、遊技の難易度を更に高くすることができ、付与される特典が特別なものであると思わせることが可能となり、遊技者を遊技に集中させて興趣の低下を抑制させることができる。
また、サブ左液晶表示装置710L及びサブ右液晶表示装置710Rの前側に前可動装飾体310を配置していることから、初めにサブ左液晶表示装置710L及びサブ右液晶表示装置710Rを図柄表示領域Aの前面側へ移動させた後に、前可動装飾体310を図柄表示領域Aの前面側へ移動させると、サブ左液晶表示装置710L及びサブ右液晶表示装置710Rを前可動装飾体310によって覆うことができると共に、図柄表示領域A内の遊技者側から視認できる部位を有効ライン上のみとするように狭くすることができるため、多段階に亘った遊技や演出を遊技者に提示することができ、遊技者に遊技をより楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
更に、サブ左液晶表示装置710L及びサブ右液晶表示装置710Rを図柄表示領域Aの前面側に移動させると、有効ライン上の図柄に加えて、左右に並んだ三つの図柄列(リール70)のうちの少なくとも一つの図柄列では複数の図柄を視認することができるようにしていると共に、サブ左液晶表示装置710L及びサブ右液晶表示装置710Rを左右に離間させるようにしていることから、左右に離間した一対のサブ左液晶表示装置710L及びサブ右液晶表示装置710Rのうちの一方のみを図柄表示領域Aの前方側へ移動させると、有効ライン上を除いた図柄表示領域Aの左右一方側(左リール70L又は右リール70R)のみを被覆することができ、一対のサブ左液晶表示装置710L及びサブ右液晶表示装置710R一緒に図柄表示領域Aの前方側へ移動させると、有効ライン上と一対のサブ左液晶表示装置710L及びサブ右液晶表示装置710Rの間となる中央側(中リール70M)とを除いた図柄表示領域Aの左右両側(左リール70L及び右リール70R)を被覆することができるため、サブ左液晶表示装置710L及びサブ右液晶表示装置710Rにより遮られずに視認可能とされた図柄列(リール70)に対して遊技者を注目させることができ、遊技者を当該図柄列に集中させることができると共に、サブ左液晶表示装置710L及びサブ右液晶表示装置710Rによる図柄表示領域Aの被覆範囲をより多様にすることができるため、多彩な演出により遊技者を飽きさせ難くすることができ、遊技者を楽しませて遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。従って、例えば、操作ユニット120の操作によって複数の図柄列を変動表示させた後に左右の図柄列を順次停止表示させ、停止表示されている図柄列における有効ライン上の図柄が、特典を付与する所定条件(図柄の組合せ)を充足可能な図柄の時(所謂、リーチの時)に、既に停止表示されている図柄列(左リール70L及び右リール70R)の前面側にサブ左液晶表示装置710L及びサブ右液晶表示装置710Rを移動させるようにすることで、まだ停止表示されていない変動表示されている図柄列(中リール70M)のみが良好に視認できるようにすることができ、その変動表示されている図柄列を強調することができる。これにより、サブ左液晶表示装置710L及びサブ右液晶表示装置710Rにより遮られずに視認可能とされている変動中の図柄列に対し、遊技者の視線を注目させてその図柄列に意識を集中させることができるため、所望の図柄が有効ライン上で停止するように操作ユニット120(停止ボタン128)を操作する遊技を積極的に行わせることができ、遊技者を遊技に楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、サブ左液晶表示装置710L及びサブ右液晶表示装置710Rでは演出画像を表示させることができることから、サブ左液晶表示装置710L及びサブ右液晶表示装置710Rや前可動装飾体310の動きに加えてサブ左液晶表示装置710L及びサブ右液晶表示装置710Rによる演出画像の表示によっても遊技者を楽しませることができ、多彩な演出を遊技者に提示して遊技者を飽きさせ難くすることができると共に、遊技状態に応じて図柄表示領域Aの前面側にサブ左液晶表示装置710L及びサブ右液晶表示装置710Rを移動させた状態で、サブ左液晶表示装置710L及びサブ右液晶表示装置710Rに図柄表示領域A内と同じ演出画像を表示させると、遊技者に対して、恰もサブ左液晶表示装置710L及びサブ右液晶表示装置710Rを通して後側の変動表示中や停止表示中の図柄が見えるように錯覚させることができ、遊技者を楽しませて遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
更に、本実施形態のスロットマシン1によると、遊技者がドアユニット4の操作ユニット120を操作することで、窓部201aの一部から臨む遊技ユニット3の図柄表示領域A内において複数の図柄が変動表示された後に停止表示され、下段の有効ライン(特定領域)において停止表示された図柄の組合せに応じて特典が付与されることから、操作ユニット120での操作によって、有効ライン上において特典が付与される図柄の組合せで図柄を停止表示させることができるか否かでハラハラ・ドキドキできる遊技を遊技者に行わせることができる。この図柄表示領域Aが臨む窓部201aの後側には導光板202が取付けられており、導光板202により正面視において有効ライン(非装飾領域202a)を除いた窓部201aの略全体に演出画像を表示させることができる。詳述すると、窓部201aと略同じ大きさの導光板202の一方の面に複数の微小レンズ(透明なドット)を有した装飾層(拡散シート)を備えていると共に、導光板202の上下に対向している一対の外周面に対して光を照射可能なLEDが実装された導光板上装飾基板205及び導光板下装飾基板206を備えており、導光板上装飾基板205及び導光板下装飾基板206のLEDからの光が導光板202の上下の外周面から導光板202内に進入し、導光板202の表面と裏面とを交互に反射して導光板202に沿って導光される。そして、導光板202内を導光されている光が微小レンズに到達すると、その光が微小レンズによって前方側へ反射され、前方(遊技者側)から微小レンズが光って見えることとなるため、複数の微小レンズにより点描された演出画像が発光して表示されることとなる。従って、図柄表示領域A内において遊技が行われることで変化する遊技状態に応じて導光板202により演出画像を表示させると、図柄表示領域Aよりも前方で一部に図柄表示領域Aが臨んでいるドアユニット4の窓部201aの略全体に演出画像が表示されるため、遊技者を驚かせて強いインパクトを与えることができ、遊技者に対する訴求力を高めることができると共に、窓部201aの略全体に亘って大きな演出画像が表示されることで遊技者に対して何か良いことがあるのではないかと思わせることができ、遊技者の遊技に対する期待感を高めさせて興趣の低下を抑制させることができる。この導光板202により演出画像を表示させる際に、正面視において図柄表示領域A内における有効ライン(非装飾領域202a)を除いた窓部201aの略全体に亘って演出画像を表示させていることから、有効ラインが演出画像によって遮られることがなく、遊技者側から図柄表示領域A内の有効ライン上を良好に視認することができるため、遊技における決定的な部位(有効ライン)が見えなくなることで遊技者に対して不信感を与えてしまうのを回避させることができ、遊技者が安心して遊技を行うことが可能となり遊技者の遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
また、遊技者の操作によって遊技が行われる三つのリール70による図柄表示領域Aよりも前方に配置されている導光板202により演出画像を表示させるようにしていることから、図柄表示領域Aを小さくしなくても大きな演出画像を表示させることができるため、正面視窓部201a内において図柄表示領域Aを大きくして目立つようにすることができ、遊技者に対する訴求力を高めて遊技するスロットマシンとして本スロットマシン1を選択させ易くすることができる。
また、遊技ユニット3において三つのリール70により三つの図柄列を変動表示させている状態で、導光板202によって演出画像を表示させると、図柄表示領域A内における有効ライン(非装飾領域202a)に位置する図柄は見えるもののその他の部位に位置する図柄は演出画像に遮られて良好に視認することができないため、非装飾領域202aにおいて見える図柄から次に非装飾領域202aに来る図柄を予測したり、図柄表示領域A内における非装飾領域202a以外の部位に目を凝らして非装飾領域202aに来る図柄を見るようにしたりしなければならず、変動表示されている図柄列の複数の図柄のうち所望の図柄が非装飾領域202a(有効ライン)に位置するタイミングが判り難くなり、有効ライン上において所望の図柄を停止表示させ難くなる。つまり、有効ライン上において所望の図柄を停止表示させる遊技の難易度が高くなるため、遊技者に対してやる気を喚起させることができ、遊技を楽しませることができると共に、遊技の難易度が高くなることで遊技者に対して付与される特典が特別なものであると思わせることができ、遊技者を遊技に集中させて興趣の低下を抑制させることができる。
更に、窓部201aの略全体に亘って演出画像を表示させるものとして、複数の微小レンズ(透明なドット)を有した導光板202の外周面から光を照射すると演出画像を表示させることができるものとしているため、液晶パネルを用いた場合と比較して、演出画像の表示にかかるコストを低減させることができると共に、表示する演出画像の外周に配置される構成を小さくすることが可能となり、相対的に導光板202を大きくしてより大きな演出画像を表示させることができ、遊技者に対してより強いインパクトを与えることができる。
また、導光板202における演出画像を表示する部位を、シート状の装飾層としていることから、導光板202の装飾層に複数の微小レンズを備えても導光板の透明度の低下を抑制させることができ、演出画像を表示していない時に後側に配置された図柄表示領域Aや他の部材等を良好に視認させることができる。
また、導光板202の外周面において、導光板上装飾基板205及び導光板下装飾基板206のLEDから光が照射されない左右両側面の外周面に、反射層(反射部材)を備えるようにしているため、反射層により導光板202の外周面から光が外方へ漏れるのを防止して内方へ反射させるようにしているため、導光板202の全体に光を導くことができ、演出画像の全体を均一に発光させることができると共に、導光板202内の光量を多くすることができるため、演出画像をより明るく発光させてより見易くすることができ、遊技者に演出画像を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
更に、本実施形態のスロットマシン1によると、電子部品としての中ユニット5のメイン液晶表示装置450の後側に、遊技状態に応じて特典を付与する周辺制御基板471を有した周辺制御ユニット470が取付けられており、メイン液晶表示装置450に備えられている複数(二つ)のヒンジ軸部451の円柱状に延びている部位が、筐体本体10内に配置されている中ユニット5の中ユニットベース400における複数(二つ)の軸受部407に対して上方向から夫々挿入保持されて、メイン液晶表示装置450が中ユニットベース400に対して回動可能に取付けられている。そして、中ユニットベース400において、複数の軸受部407のうちの一つの軸受部407におけるヒンジ軸部451が挿入されている上側に前方へ窪んだ取付凹部420が形成されており、この取付凹部420に、ヒンジ軸部451が軸受部407から外れる方向(上方向)への移動を阻止する防犯部材490が取付けられている。従って、メイン液晶表示装置450及び周辺制御ユニット470を中ユニットベース400から取外す場合、防犯部材490を中ユニットベース400から取外さないと、メイン液晶表示装置450のヒンジ軸部451を、中ユニットベース400の軸受部407から外してメイン液晶表示装置450を取外すことができないことから、メイン液晶表示装置450及び周辺制御ユニット470の取外しに手間がかかるため、メイン液晶表示装置450を持ち去ろうとしたり周辺制御ユニット470の周辺制御基板471に不正行為を加えようとしたりする者を焦らせることができ、メイン液晶表示装置450及び周辺制御ユニット470の持ち去りや不正行為を躊躇させて盗難や不正行為等の発生を抑制させるこができる。
また、中ユニットベース400に取付けられている防犯部材490を取外すためには、台座部491内に挿入されているキャップ492を取外した上で、台座部491を取付けている図示しないビスを取外す必要があるため、中ユニットベース400からのメイン液晶表示装置450及び周辺制御ユニット470の取外しに手間がかかることとなり、メイン液晶表示装置450及び周辺制御ユニット470の持ち去りや不正な改造による不正行為を躊躇させて盗難や不正行為等の発生を抑制させるこができる。
また、防犯部材490において、有底筒状の台座部491内にキャップ492を嵌入させるようにしていると共に、キャップ492の図示しない突起を台座部491の図示しない凹部に突出させて互いに係止させるようにしているため、台座部491からキャップ492を取外し難くすることができ、盗難や不正行為等に対する抑止力をより高めることができる。なお、台座部491とキャップ492との間に挿入可能な一対の先端部を有し、一対の先端部を互いに接近させてキャップ492を挟持可能な特殊工具により、台座部491からキャップ492を簡単に取外せるようにすることが望ましい。具体的には、この特殊工具の先端を、台座部491の凹部内にキャップ492の突起が突出している部位に挿入すると、特殊工具の先端によって突起を弾性変形させて突起と凹部との係止を解除させることができ、台座部491からキャップ492を簡単に取外すことができる。そして、スロットマシン1のメンテナンスを行う者のみがこの特殊工具を所持できるようにすることで、メイン液晶表示装置450及び周辺制御ユニット470に対する盗難や不正行為等の抑止力を発揮させつつ、メイン液晶表示装置450及び周辺制御ユニット470に対するメンテナンスの作業性を向上させることができ、本スロットマシン1を設置する遊技ホール側の負担を軽減させることができる。
更に、中ユニットベース400における後側の表面から所定深さで窪んだ取付凹部420内に、台座部491の一部を挿入して防犯部材490が取付けられていることから、マイナスドライバーのような先端が平らで尖った工具の先端を、中ユニットベース400の表面に沿って防犯部材490側へ移動させても、その先端が防犯部材490(台座部491)の側面に当接するだけで、中ユニットベース400と台座部491との間に侵入することはないため、マイナスドライバーのような工具を用いても防犯部材490を容易に取外すことができず、不正行為等を行うものに対しては十分な抑止力を発揮させることができ、メイン液晶表示装置450及び周辺制御ユニット470の持ち去りや不正な改造を行う不正行為を躊躇させて盗難や不正行為等の発生を抑制させることができる。
また、中ユニットベース400に取付けられているメイン液晶表示装置450を、複数のヒンジ軸部451を中心にして中ユニットベース400に対してヒンジ回転させることができるため、メイン液晶表示装置450よりも中ユニットベース400側に配置されている部材をメンテナンスしたり、メイン液晶表示装置450を中ユニットベース400と対面する側からメンテナンスしたりする時に、中ユニットベース400からメイン液晶表示装置450を取外さなくてもメンテナンスすることができ、メンテナンスにかかる手間を簡略化して遊技ホール側の負荷を軽減させることができる。
更に、上述したように、防犯部材490によって中ユニットベース400からメイン液晶表示装置450が不正に取外されるのを防止することができるため、メイン液晶表示装置450の後側に遊技状態に応じて特典を付与する周辺制御基板471を有した周辺制御ユニット470を取付けても、周辺制御ユニット470がメイン液晶表示装置450ごと中ユニットベース400から取外されて周辺制御ユニット470の周辺制御基板471に対して不正な改造が行われるのを防止することができ、特典を付与する周辺制御基板471に不正行為が行われることで遊技ホール側の負担の増加を回避させることができる。
また、遊技にかかる制御のうち、特典の付与にかかる制御を行う周辺制御基板471を、メイン液晶表示装置450の後側に取付けていることから、その他の制御を行う主制御基板21を他の部位(筐体本体10内)に取付けるようにしているため、遊技にかかる制御を複数の基板で分担しており、過負荷の発生を防止することが可能となり、過負荷による遊技の中断により遊技者に苛立ちを与えるのを回避させることができ、遊技者の遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
更に、本実施形態のスロットマシン1によると、ドアユニット4のトップカバーユニット200におけるトップカバー201の窓部201aを通して視認可能な遊技ユニット3の図柄表示領域A(遊技領域)内において上から下へ向かって図柄列の図柄が変動する遊技に対して、その遊技状態を表示する状態表示器800を、正面視において図柄表示領域Aの下辺と接するように配置すると共に、図柄表示領域Aの下辺の長さよりも短い帯状に形成しているため、図柄表示領域A内と状態表示器800との間の視線移動の距離が可及的に短くなり、図柄表示領域Aに注目している遊技者の視界に状態表示器800を入り易くすることができ、状態表示器800に表示される遊技状態等を確実に認識させることができると共に、視線移動が小さくなることで早期に眼球が疲労するのを低減させることができ、眼球疲労によって遊技者の遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。また、図柄表示領域Aと状態表示器800との間の視線移動が小さくなるため、状態表示器800をより見易くして遊技者に対して遊技状態等の情報を的確に認識させることができ、遊技をより楽しませて遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
また、状態表示器800の前面から前方に延びた垂直線が正面視における図柄表示領域Aの前面から前方に延びた垂直線と交差するように、状態表示器800の前面を前上方を向くように傾斜させていることから、スロットマシン1の正面に位置した遊技者に向かって状態表示器800の前面を向けさせることができるため、状態表示器800をより見え易くすることができ、上述した作用効果を確実に奏することができる。
更に、上から下へ向かって図柄列の図柄が変動する遊技が行われる図柄表示領域Aの正面視において下辺と接する位置に状態表示器800を配置していることから、図柄表示領域A内で行われている遊技に遊技者が注目すると、図柄の変動に合わせて遊技者の視線が上から下へ向かって移動することとなり、図柄表示領域Aの下側に位置した状態表示器800に視線が移動し易くなるため、状態表示器800をより見易くすることができ、状態表示器800に表示される投入口123に投入されて遊技に使用可能なメダルの貯留数、メダルの払出数、一回の遊技に使用するメダルの数(ベット数)、再遊技(リプレイ)、等の遊技状態等を確実に認識させることができる。
また、ドアユニット4の正面視において最も目立つ位置に配置されている図柄表示領域Aの下辺と接するように状態表示器800を取付けていることから、状態表示器800もまた目立つ位置に配置されているため、ドアユニット4の後側においても目立つ位置に状態表示器800の後面が位置することとなる。そして、この状態表示器800の後側に設定表示器810を取付けていると共に、スイッチユニット60の設定スイッチ62を筐体本体10内部の前端付近に取付けているため、スロットマシン1の設定を変更するために筐体本体10(筐体ユニット2)からドアユニット4を開くと、ドアユニット4の後側と筐体本体10内部とが一緒に視認できる状態となり、ドアユニット4の後側に取付けられた設定表示器810を見ながら筐体本体10内部の前端付近に取付けられた設定スイッチ62を操作することができ、遊技内容の設定作業を行い易くすることができる。この設定スイッチ62を操作して設定を変更する際に、設定表示器810がドアユニット4の後側における目立つ位置(状態表示器800の後側)に取付けられているため、設定表示器810を探さなくても容易に見つけることができる。
また、ドアユニット4に取付けられている状態表示器800及び設定表示器810に対して、筐体本体10内に取付けられている主制御ユニット20により遊技状態や設定状態を表示させるようにしており、状態表示器800及び設定表示器810と主制御ユニット20とを接続するための配線部材を、部分的に共用したり一緒に束ねたりすることが可能となるため、スロットマシン1の組立てにかかる手間を簡略化したり構成部品を少なくしたりすることができ、スロットマシン1にかかるコストの増加を抑制させることができる。
更に、本実施形態のスロットマシン1によると、中ユニット5の上部可動演出ユニット600における上中可動演出ユニット650の回動駆動機構690によって、上中左可動装飾体ユニット660を、上中ベース651の左用軸部651aを中心に回動させると、上中左可動装飾体ユニット660における左装飾体ベース662に形成されている長孔状の左伝達スリット662dが左用軸部651a(回動軸受部662c)を中心にして公転することとなる。この左伝達スリット662d内には伝達スライダ680の左伝達ピン681が摺動可能に挿入されていることから、左伝達スリット662dの公転に伴って左伝達スリット662d内を左伝達ピン681が摺動すると共に、左伝達ピン681が公転する左伝達スリット662dに押圧されて伝達スライダ680が上下方向へスライドすることとなる。詳述すると、例えば、回動駆動機構690によって、左伝達スリット662dが左用軸部651aと右用軸部651bとを結んだ軸線から遠ざかる方向へ上中左可動装飾体ユニット660を回動させた時には、左伝達スリット662d内に摺動可能に挿入されている左伝達ピン681を介して伝達スライダ680が、左用軸部651aと右用軸部651bとを結んだ軸線から遠ざかるように同じ方向へ移動することとなる。この伝達スライダ680には、上中右可動装飾体ユニット670の右伝達スリット672d内に摺動可能に挿入されている右伝達ピン682を備えていることから、上中左可動装飾体ユニット660の回動に伴って伝達スライダ680が上下方向の一方へスライドすると、右伝達ピン682も一緒に同じ方向へ移動するため、移動する右伝達ピン682によって右伝達スリット672dが上下方向の一方へ押圧され、右伝達ピン682が右伝達スリット672d内を摺動すると共に右伝達スリット672dが右用軸部651bを中心にして公転するように、上中右可動装飾体ユニット670が右用軸部651bを中心に回動することとなる。
この際に、左伝達スリット662dと右伝達スリット672dは、夫々左用軸部651a(回動軸受部662c)及び右用軸部651b(回動軸受部672c)から特定距離(左用軸部651aと右用軸部651bとの離間距離)の範囲内に夫々形成されていると共に、伝達スライダ680の左伝達ピン681及び右伝達ピン682が正面視において左用軸部651aと右用軸部651bとの間となる部位に配置されているため、右伝達ピン682の押圧により右伝達スリット672dが、左伝達スリット662dとは反対方向に公転することとなる。つまり、回動駆動機構690により上中左可動装飾体ユニット660を所定方向へ回動させると、伝達スライダ680を介して上中右可動装飾体ユニット670が、上中左可動装飾体ユニット660とは反対方向に回動することとなるため、正面視において、上中左可動装飾体ユニット660及び上中右可動装飾体ユニット670の先端側同士を最も遠ざけて離反させた状態としたり、上中左可動装飾体ユニット660及び上中右可動装飾体ユニット670の先端同士を互いに当接(合体)させて一つの大きな円環状の装飾体の状態としたりすることができる。そして、上中左可動装飾体ユニット660及び上中右可動装飾体ユニット670の先端同士を最も離反させた状態とすると、上中左可動装飾体ユニット660及び上中右可動装飾体ユニット670が前カバー652の後方に位置して、遊技者側から視認不能な状態となる。
従って、上中可動演出ユニット650の回動駆動機構690により上中左可動装飾体ユニット660を適宜方向へ回動させると、上中左可動装飾体ユニット660と上中右可動装飾体ユニット670とを合体させて大きな装飾体を出現させたり、上中左可動装飾体ユニット660及び上中右可動装飾体ユニット670を隠したりすることができるため、上中左可動装飾体ユニット660及び上中右可動装飾体ユニット670の出現により遊技者に対して強いインパクトを与えることができ、遊技者の関心を上中左可動装飾体ユニット660及び上中右可動装飾体ユニット670に強く引付けさせることができると共に、上中左可動装飾体ユニット660及び上中右可動装飾体ユニット670の出現により遊技者に対して何か良いことがあるのではないかと思わせることができ、遊技者の遊技に対する期待感を高めさせて興趣の低下を抑制させることができる。
また、本実施形態のスロットマシン1では、上中左可動装飾体ユニット660及び上中右可動装飾体ユニット670を上中ベース651の左用軸部651a及び右用軸部651bに回動可能に取付けると共に、上中ベース651にスライド可能に取付けられている伝達スライダ680の左伝達ピン681及び右伝達ピン682を上中左可動装飾体ユニット660の左伝達スリット662d内及び上中右可動装飾体ユニット670の右伝達スリット672d内に摺動可能に取付けるだけで、一対の装飾体(上中左可動装飾体ユニット660及び上中右可動装飾体ユニット670)を互いに相反する方向に回動させる上中可動演出ユニット650を確実に組立てることができるため、組間違いを防止して組立にかかる手間を低減させることができ、スロットマシン1にかかるコストの増加を抑制させることができる。
更に、左用軸部651a及び右用軸部651bを上中ベース651の前面側及び後面側に夫々取付けるようにしており、蓋然的に、上中ベース651の前面側及び後面側に上中左可動装飾体ユニット660及び上中右可動装飾体ユニット670が取付けられることとなり、上中左可動装飾体ユニット660と上中右可動装飾体ユニット670の前後方向に位置が異なることとなるため、正面視において、上中左可動装飾体ユニット660及び上中右可動装飾体ユニット670を、夫々の先端側が左用軸部651a及び右用軸部651bから、右用軸部651b及び左用軸部651aを通り越して反対側へ延びるように形成することができる。つまり、左用軸部651aと右用軸部651bとの間の中央を、中ユニット5(スロットマシン1)の左右方向の中央と一致させた状態で、上中左可動装飾体ユニット660及び上中右可動装飾体ユニット670の先端側を、左用軸部651a(回動軸受部662c)及び右用軸部651b(回動軸受部672c)から、右用軸部651b及び左用軸部651aを通り越して中ユニット5の左右方向の端部付近まで延出させることができるため、上中左可動装飾体ユニット660及び上中右可動装飾体ユニット670の長さを、中ユニット5の左右方向の長さの半分よりも長くすることができ、上中左可動装飾体ユニット660及び上中右可動装飾体ユニット670を従来よりも可及的に長く(大きく)することができる。従って、上中左可動装飾体ユニット660及び上中右可動装飾体ユニット670を、より大型化することができるため、大型の一対の上中左可動装飾体ユニット660及び上中右可動装飾体ユニット670が合体することでより大型の装飾体を遊技者に見せることができ、遊技者に対して強いインパクトを与えることができると共に、遊技者の関心を強く引付けることができ、一対の上中左可動装飾体ユニット660及び上中右可動装飾体ユニット670の動き等を楽しませて遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
また、回動駆動機構690により上中左可動装飾体ユニット660を回動させると、伝達スライダ680を介して上中右可動装飾体ユニット670を相反する方向へ回動させることができるため、上中左可動装飾体ユニット660と上中右可動装飾体ユニット670とを別々の駆動源(例えば、駆動モータ、駆動ソレノイド、等)により回動させるようにした場合と比較して、回動駆動機構690にかかる構成を簡略化することができ、回動駆動機構690に必要なスペースを小さくすることができると共に、回動駆動機構690が小さくなることで相対的に空きスペースを確保し易くすることができ、空きスペースの確保によって上中左可動装飾体ユニット660及び上中右可動装飾体ユニット670をより大型化することができる。
更に、本実施形態のスロットマシン1によると、正面視において、中ユニット5の中央可動演出ユニット500における略長方形状のベースユニット510の下側の長辺が遊技領域としての図柄表示領域Aと隣接していると共に、ベースユニット510の上側の長辺がメイン液晶表示装置450と隣接しており、ベースユニット510内において長辺方向(左右方向)の中央を境にして対称に一対の進退ユニット530(左ユニット530L及び右ユニット530R)が収容されている。この状態で、図柄表示領域A内で行われる遊技により変化する遊技状態に応じて進退駆動機構570の中央昇降駆動モータ571が駆動されると、一対の進退ユニット530の夫々の後端が押圧され、一対の進退ユニット530の先端側が、夫々ベースユニット510の誘導部513に誘導されてベースユニット510におけるメイン液晶表示装置450側(上側)の長辺の中央から互いに当接した状態で真っ直ぐに外方(上方)へ突出することとなり、一対の進退ユニット530の先端同士を連結している連結ベース551を介して透光性を有した中央可動装飾体553が、メイン液晶表示装置450の前面側でベースユニット510から遠ざかるように移動することとなる。この連結ベース551には、中央可動装飾体553の後側に中央可動装飾体装飾基板と中央回転駆動モータ554とからなる電装演出部材が取付けられており、中央可動装飾体装飾基板によって中央可動装飾体553を発光装飾させたり、中央回転駆動モータ554により中央可動装飾体553を回転させたりして演出駆動させることができるため、進退駆動機構570による中央可動装飾体553の移動(昇降)と合わせてより多彩な演出を遊技者に提示することができ、遊技者を飽きさせ難くすることができると共に、多彩な演出により中央可動装飾体553による演出効果のインパクトをより高めることができ、遊技者を楽しませて遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。そして、中央回転駆動モータ554等の電装演出部材に電気等を供給するための配線部材525が、進退ユニット530の複数の保持片(第一外側プレート531の係止片531a、第二外側プレート532の挟持部532b、及び内側第二プレート534の係止片534b)に保持させていることから、配線部材525が帯状の進退ユニット530に沿って延びた状態となっているため、遊技者側からは配線部材525が一対の進退ユニット530と一体に見え、全体的な見栄えを向上させることが可能となり、ベースユニット510から突出する中央可動装飾体553の装飾や動き等による演出効果を十分に発揮させることができ、遊技者を楽しませて遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
また、可撓性を有した一対の進退ユニット530をベースユニット510から外方へ突出させる際に、一対の進退ユニット530が、複数の第一コマ(外側第一プレート531)及び第二コマ(内側第一プレート533)に備えられている磁石538の磁力によって互いに吸引し合い、複数の第一コマ及び第二コマが直線状に延びた状態で互いに当接すると共に、直線状に延びた外側第一プレート531及び内側第一プレート533が、回動規制機構を構成している規制突起531dと規制凹部533bとの当接により、互いに当接している側への回動が規制されているため、一対の進退ユニット530が互いに当接している方向に対して一方側へ曲がろうとしても、外周側となる進退ユニット530が回動規制機構によってこれ以上曲がることができず、一対の進退ユニット530が直線状に延びた状態で維持される。従って、一対の進退ユニット530におけるベースユニット510から外方に突出している部位の剛性が更に高くなるため、一対の進退ユニット530の先端に取付けられている中央可動装飾体553や中央回転駆動モータ554等の電装演出部材等をより十分に支持することができることから、一対の進退ユニット530の先端側に取付けられる中央可動装飾体553を大きくしたり複雑な演出駆動が可能な電装演出部材を備えるようにしたりすることができるため、より演出効果の高い中央可動装飾体553を備えることができ、中央可動装飾体553による演出をより楽しませて遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
更に、進退ユニット530の複数の保持片(第一外側プレート531の係止片531a、第二外側プレート532の挟持部532b、及び内側第二プレート534の係止片534b)を、進退駆動機構570により互いに当接させられる側とは反対側に備えているため、複数の保持片(第一外側プレート531の係止片531a、第二外側プレート532の挟持部532b、及び内側第二プレート534の係止片534b)に配線部材525を保持させた状態で一対の進退ユニット530を互いに当接させても、配線部材525が一対の進退ユニット530によって挟まれることはなく、配線部材525が挟まれることで摩耗して漏電や断線等の不具合の発生を防止することができ、中央回転駆動モータ554等の電装演出部材を確実に駆動させて上述した作用効果を確実に発揮させることができる。また、一対の進退ユニット530が互いに当接する側とは反対側で配線部材525を保持しているため、夫々の進退ユニット530に備えられている磁石538により互いを引寄せ合って磁着させる際に配線部材525により磁力が弱められることはなく、一対の進退ユニット530同士を、夫々の磁石538によって良好に互いを磁着させることができ、ベースユニット510から突出している一対の進退ユニット530の剛性を高めさせて先端側に取付けられている中央可動装飾体553や中央回転駆動モータ554等の電装演出部材等を十分に支持することができる。
また、一対の進退ユニット530をベースユニット510から外方へ突出させる時には、一対の進退ユニット530の後端を夫々押圧し、外方へ突出している一対の進退ユニット530をベースユニット510内に後退させる時には、一対の進退ユニット530の後端を夫々牽引するようにしていることから、複数の保持片(第一外側プレート531の係止片531a、第二外側プレート532の挟持部532b、及び内側第二プレート534の係止片534b)により進退ユニット530に沿って保持されている配線部材525が、進退駆動機構570における進退ユニット530を移動させための部材に接触することはなく、配線部材525に不具合が発生するのを防止することができる。
また、一対の進退ユニット530を、ベースユニット510内において誘導部513により誘導させるようにしていることから、進退駆動機構570により帯状の進退ユニット530の後端を押圧した時に、進退ユニット530がベースユニット510内で波打つように屈曲してしまうのを防止することができ、誘導部513により進退ユニット530をその移動方向(誘導部513の延びている方向)へ向かって真直ぐに誘導させることができるため、進退駆動機構570により押圧された分だけ進退ユニット530の先端側を確実に移動させることができ、一対の進退ユニット530の先端側をベースユニット510の外方へ問題なく突出させることが可能となり、上述した作用効果を確実に奏するスロットマシン1を具現化することができる。
更に、進退ユニット530に取付けられている複数のローラ536を、誘導部513において転動させることにより進退ユニット530を誘導するようにしているため、進退ユニット530を摺動させて誘導するようにした場合と比較して、進退ユニット530を誘導する時に作用する抵抗を小さくすることができ、進退ユニット530をスムーズに誘導させることができる。
また、進退ユニットを形成している第一コマ及び第二コマを、夫々外側第一プレート531と外側第二プレート532、及び、内側第一プレート533と内側第二プレート534、によって夫々構成するようにしているため、帯板状の外側第一プレート531と外側第二プレート532、及び、内側第一プレート533と内側第二プレート534、の両端が夫々連結ピン535により連結されることで第一コマ及び第二コマが夫々四角い枠状となり、各第一コマ及び第二コマの剛性を高くすることができ、進退駆動機構570によってベースユニット510から一対の進退ユニット530を外方へ突出させた時に、先端に取付けられた中央可動装飾体553(中央可動装飾体ユニット550)を良好な状態で支持することができる。
また、ベースユニット510の短辺を進退ユニット530(左ユニット530L及び右ユニット530R)よりも短くし、ベースユニット510の長辺から一対の進退ユニット530を上方へ突出させるようにしているため、進退駆動機構570により一対の進退ユニット530を上方へ突出させると、一対の進退ユニット530の先端がベースユニット510の短辺よりも長く上方へ突出することとなり、中央可動装飾体ユニット550をベースユニット510の短辺よりも長く移動させることができる。従って、ベースユニット510の長辺から上方へ移動する中央可動装飾体ユニット550が、ベースユニット510の短辺よりも長く移動させることができるため、遊技者を不思議がらせることができ、遊技者の関心を中央可動装飾体ユニット550に強く引き付けることができると共に、大きく移動する中央可動装飾体ユニット550により遊技者を大いに驚かせることができ、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
更に、正面視図柄表示領域Aに隣接して配置されたベースユニット510から図柄表示領域Aとは反対側となる上方へ中央可動装飾体ユニット550(中央可動装飾体553)を突出(上昇)させるようにしているため、中央可動装飾体ユニット550を上方へ突出させても中央可動装飾体ユニット550により図柄表示領域A内が遮られることはなく、遊技者に対して図柄表示領域A内の図柄を良好に視認させることができ、図柄表示領域A内での遊技を確実に楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、ベースユニット510(中央可動装飾体ユニット550)を、正面視において図柄表示領域Aと隣接するように配置していることから、遊技者が図柄表示領域A内を視認すると中央可動装飾体ユニット550が視界に入り易くなるため、進退駆動機構570や中央回転駆動モータ554により中央可動装飾体ユニット550を可動(移動)させた際に、遊技者に対して中央可動装飾体ユニット550の可動に気付かせ易くすることができ、可動する中央可動装飾体ユニット550に視線を移させて中央可動装飾体ユニット550(中央可動装飾体553)の可動を確実に見せることができると共に、中央可動装飾体ユニット550の可動を楽しませることができ、遊技者の遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
また、中央可動装飾体553(中央可動装飾体ユニット550)をベースユニット510から突出させると、中央可動装飾体553がメイン液晶表示装置450に表示されている演出画像の一部を遮るため、遊技者に対して中央可動装飾体553の突出(移動)に気付かせ易くすることができ、遊技者の関心を中央可動装飾体553に引付けることができると共に、遊技者を中央可動装飾体553に注目させることで中央可動装飾体553による演出を遊技者に楽しませることができ、遊技者の遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
[10-1.判定処理]
リール停止処理が終了すると、メイン基板409は、図柄表示窓401内にていずれかの有効ライン上に当選役図柄が揃っているか(いずれかの当選役に該当する図柄の組合せ態様が表示されているか)否かについて判定を行う。図58では、この判定処理の内容を具体的に説明する。
リール停止処理により全てのリール70L、70M、70Rが停止した状態となると、図柄表示窓401内の停止目の態様から、いずれかの有効ライン上に当選役図柄が揃っているか(当選役に対応する図柄の組合せ態様が表示されているか)否かを判定する。なお、特に全てのリール70が停止状態となった場合の停止目は停止出目と呼ばれる。
まず、ステップS301では、ボーナスゲーム中であるかを判定する。これは、所定のゲーム状態フラグ(例えばボーナスゲーム中フラグ)のON状態、OFF状態を判定することである。ボーナスゲーム中フラグがONとなっていると、ステップS301の判定が満たされるので、ステップS302の処理に移行する。また、ボーナスゲーム中フラグがOFFとなっていると、ステップS301の判定が満たされず、ステップS312の処理に移行する。
ステップS302では、有効ライン上に停止した図柄組合せがボーナス図柄(ボーナス役に対応する図柄組合せ)であるか否かを判定する。図柄組合せの判定を具体例で説明すると、ボーナスをBB1とすれば、BB1に対応する図柄組合せとは、有効ライン上に「赤7」の図柄並びであり、何れかの斜めライン上にこのような図柄並びが停止しているときに、2種BB図柄(ボーナス図柄)が停止したと判定できる。このようにして、ボーナス図柄の図柄組合せが有効ライン上に停止したと判定した場合は(ステップS302のYES)、ボーナスゲームの開始に関するボーナスゲーム開始処理を行い(ステップS303)、その後、処理を終了する。ボーナスゲーム開始処理については、図59を参照して後述する。一方、ステップS302において有効ライン上に停止した図柄組合せがボーナス図柄ではないと判定した場合は(ステップS302のNO)、ステップS304の処理に移行する。
ステップS304では、有効ライン上に停止した図柄組合せがリプレイ図柄(リプレイ役に対応する図柄組合せ)であるか否かを判定し、リプレイ図柄であると判定した場合は、リプレイゲーム処理を実行する(ステップS305)。このリプレイゲーム処理では、当該ゲームでのベット数と同じベット数(この例ではMAXベット)にて次回のゲームを開始させるために、MAXベットコマンドをRAM1114に一旦記憶させる。このコマンドに基づき、次回のゲームを再遊技として開始させることができる。ステップS305の処理後は、リプレイ当選フラグをOFFにして(ステップS306)、処理を終了する。
ステップS304において有効ライン上に停止した図柄組合せがリプレイ図柄ではないと判定した場合は(ステップS304のNO)、次なる判定処理として、当該図柄組合せが小役図柄(小役の入賞を示す図柄組合せ)であるか否かを判定する(ステップS308)。ステップS308で小役図柄であると判定した場合は、ステップS309の処理として、揃っている小役図柄に応じた規定枚数のメダルの払い出しを実行する(メダル放出装置110より規定枚数のメダルを払い出す)。そして、メダルの払出枚数を表示する(払出枚数表示LED612に表示する)。これにより、遊技者には当該小役に対応した規定枚数のメダルが払い出されたことが報知(告知、表示)される。そして、ステップS309の処理が終了した後は、該当する小役当選フラグをOFFにして(ステップS310)、処理を終了する。
ステップS308において有効ライン上に停止した図柄組合せが小役図柄ではないと判定した場合(ステップS308のNO)、上記のステップS302,S304,S308のいずれの判定も満たされず、有効ライン上にはいずれの当選役図柄も揃っていない。なお、このときの出目は「ハズレ目(バラバラな図柄の組合せ態様)」とも呼ばれる。このような場合には、ハズレ処理を実行する(ステップS311)。ハズレ処理では、この時点でON状態となっている当選フラグがボーナスを除く他の当選フラグの場合、当該当選フラグをOFFにする。また、いずれの当選フラグもONとなっていない場合(このときはハズレフラグがONとなっている)には、ハズレフラグをOFFにする。ステップS311のハズレ処理の後は、判定処理を終了する。
上記のステップS302からステップS311までの処理は、遊技状態が一般状態又はボーナス内部状態に制御されている場合に実行する処理となる。次に、ステップS301の判定が満たされなかった場合に行われるステップS312以降の処理について説明する。ここでの処理は、遊技状態がボーナス状態に制御されたボーナスゲーム(BBゲーム)中に実行する処理である。
ステップS312では、有効ライン上にボーナスゲーム時払出図柄が揃っているかを判定する。ここでいう「ボーナスゲーム時払出図柄」とは、ボーナスゲーム中に揃うことでメダルの払出が行われる図柄組合せの総称を意味し、具体的には、ボーナスゲーム時払出役(本例では、一般状態又は内部状態において払出が規定された小役と同じとしているが、特別なボーナス専用役を用意してもよい)に対応する図柄組合せである。ステップS312で肯定判定が得られた場合は、揃っているボーナスゲーム時払出図柄に応じた規定枚数のメダルの払出処理を実行する(ステップS313)。メダルの払出処理では、メダル放出装置110より規定枚数のメダルを払い出すとともに、メダルの払出枚数を払出枚数表示LED612に表示する。このようなメダルの払出処理によって、遊技者には当該ボーナスゲーム時払出役に対応した規定枚数のメダルが払い出されたことが報知(告知、表示)される。
ステップS313に次いで、ステップS314では、当該ボーナスゲームを終了させるか否かを判定するボーナスゲーム終了判定処理を実行し(詳細は図60を参照して後述する)、その後、判定処理を終了する。
ステップS312においてボーナスゲーム時払出図柄が停止していないと判定した場合は(ステップS312のNO)、当該成立フラグをOFFにして(ステップS315)、処理を終了する。ステップS312でNOとなるパターンとしては、ボーナスゲーム時払出役に当選したが取り零した場合、及び、ボーナスゲーム時払出役に当選しなかった場合が考えられる。ステップS315の処理において、前者の場合は、ボーナスゲーム時払出役の成立フラグをOFFにし、後者の場合は、ハズレフラグをOFFにする。なお、ボーナスゲーム中に必ず当選するようなボーナス専用役が用意され、さらに、そのボーナス専用役の当選時には取り零しなく当該役の入賞を可能とするような場合には、ステップS315の処理を省略してもよい。
以上のステップS301~S315の処理が、メイン基板409(特にCPU1110)によって行われる遊技状態の判定処理であるが、その後、ステップS320でARTゲーム判定処理を行う。
本実施形態のスロットマシン1は、前述したようにART機能を備えているため、1回の遊技ごとに、ARTゲームの継続、終了、及びゲーム数管理等に関する判定処理(ARTゲーム判定処理)を行う必要がある。ARTゲーム判定処理は、指示の発生に影響を及ぼす性能の処理に相当するため、メイン基板409が実行する。
なお、ARTゲーム判定処理が行われるタイミングは、図58に示す判定処理のうちの適当なタイミングであれば良いが、ここでは、一例として、ステップS306,S310,S311,S314,S315の各処理の後に、ステップS320のARTゲーム判定処理が行われるとする。ARTゲーム判定処理の詳細については、図61を参照しながら後述する。
[10-1-1.ボーナスゲーム開始処理]
前述の図58のステップS302の判定が満たされた場合、ボーナスゲーム開始処理を実行する。このボーナスゲーム開始処理について図59を用いて説明する。
まず、ステップS401では、ボーナスフラグ(例えば、BBフラグ)がONとなっているかを判定する。ステップS401の判定が満たされると、ステップS404に移る。ステップS404では、ボーナスゲーム中フラグをONにするとともに、ボーナスフラグをOFFにする。次いでステップS406にて、ボーナスゲーム中の累計払出枚数カウントをクリアする。これにより、次のゲームから累計払出枚数の累算が実行される。そして、次ゲームからは、ボーナスゲームの規定数(本例ではBBゲームの規定数は2枚)のベット数でボーナスゲームが開始される。
また、ステップS401の判定が満たされない場合、ステップS402に移り、エラー処理を実行する。このような場合となるのは、ボーナスフラグがOFFであるにも関わらず、ボーナス図柄が揃ってしまうような場合が該当する。すなわち、何らかの不正な手段(例えば、ゴト行為)が行われたか、あるいはスロットマシン1に故障が生じたか、いずれかの場合に起こり得るものである。従って、エラー処理では、エラーランプ604の点灯や、その他前述のLED等にエラー発生を知らせる表示を行う。
[10-1-2.ボーナスゲーム終了判定処理]
続いて、前述の図58のステップS314のボーナスゲーム終了判定処理について図60を用いて説明する。
まず、ステップS451では、前述の図58のステップS313にてメダルの払い出しがあったことを受けて、ボーナスゲーム中の累計払出枚数に当該ゲームの払出枚数を加算する。
次にステップS452では、累計払出枚数がボーナスごとに規定された総払出枚数(例えば200枚)を超えたか否かを判定する。このステップS452の判定が満たされない場合、ステップS454に移り、ボーナスゲーム中の累計払出枚数を表示する(払出枚数表示LED612等に表示する。なお、累計払出枚数は表示用のLED等を別途設けてこれに表示するものとしてもよい)。
一方、ステップS452の判定が満たされなかった場合は、ボーナスゲーム中フラグをOFFにし(ステップS460)、処理を終了する。
[10-1-3.ARTゲーム判定処理]
図61は、ARTゲーム判定処理の処理手順を示すフローチャートである。ARTゲームは、ART抽選でARTに当選したことに基づいて実行されるゲームであり、ARTゲームが実行されているときに押し順小役(押し順ベル)の当選役に当選すると、「適正な押し順」等の指示情報が特別表示LED612に表示される(指示機能表示)とともに、当該指示機能表示に沿った教示演出(ナビ表示)が液晶表示装置450等に表示される。ARTゲーム判定処理は、このようなARTゲームの開始、継続、並びに終了等に関する判定処理であり、ARTの制御主体であるメイン基板409(特にCPU1110)によって実行される。以下では、図61を参照してARTゲーム判定処理の一例を説明する。
まず、ARTゲームの概要を説明する。ARTゲームは、ARTゲームの開始条件が成立した場合に開始され、ARTの終了条件が成立するまでの間、以降のゲーム期間で継続して実行されるARTゲームの開始条件が満たされた場合には、所定の内部フラグ(ARTフラグ)がONにされてARTゲームが開始され、ARTゲームの終了時にはARTフラグはOFFにされる。なお、ARTフラグのようなARTゲームに関する内部フラグや後述するARTゲーム数等の情報は、ARTゲームを制御するメイン基板409内のメモリ(例えば、RAM1114)で保持されるが、サブ基板510内のメモリ(例えば,RAM1122)でも同様の情報が保持されるようにしてもよい。
ARTゲームが開始される条件(ARTフラグがONになる条件)については、簡単に言えば、ART初当り抽選でARTに当選することである。
図61のステップS501では、ARTゲーム判定処理の最初の処理として、現在のARTフラグを前ゲームのARTゲーム判定処理におけるARTフラグと比較して、ARTフラグがONになったか否かを判定する。すなわち、ステップS501では、前ゲームから現ゲームにかけて、ARTフラグがOFFからONになったか否かを判定する。前ゲームのARTゲーム判定処理におけるARTフラグの値は、別途記憶されているとする。ARTフラグがONになったと判定された場合は(ステップS501のYES)、ART開始時のARTゲーム数をセットし(ステップS502)、処理を終了する。ART開始時のARTゲーム数(所謂、初期ゲーム数)は、固定ゲーム数が予め設定されるようにしてもよいし、ART当選時にゲーム数が抽選されてもよいし、その他の方法によって決定されてもよいが、ここでは一例として、前述の指示機能処理で決定済みの初期ゲーム数がART開始時のARTゲーム数としてセットされるとする。
このようなステップS502の処理が行われることで、次ゲームからARTゲームが開始される。なお、ARTゲームの開始時には、ARTゲームの開始、及びARTゲーム数を遊技者に明示する演出が行われる(例えば、ART開始画面の表示)。
一方、ステップS501でARTフラグがONになったとは判定されなかった場合、すなわち、ARTフラグがOFFであるか、ARTフラグが前ゲームからONである場合は(ステップS501のNO)、ARTフラグがONであるか否かを判定し(ステップS505)、ARTフラグがONであれば(ステップS505のYES)、特化ゾーン中でないか否かを判定する(ステップS506)。ここで、ARTフラグがONであると判定され且つ特化ゾーン中でないと判定された場合は(ステップS505のYES且つステップS506のNO)、ARTゲーム中の1ゲームが行われたということであるから、ARTゲーム数の値を「1」減算する処理を行う(ステップS507)。ステップS506において特化ゾーン中であると判定された場合は(ステップS506のYES)、ARTゲーム数の減算は行われないので、ステップS507をスキップし、ステップS508に進む。ステップS505においてARTフラグがONではないと判定された場合は(ステップS505のNO)、ARTゲーム中ではないので、そのまま処理を終了する。
ここで、本実施形態のスロットマシン1では、ARTゲーム開始時に決定された開始時ゲーム数とは別に、ARTゲーム中に所定の条件を満たしたことに基づいて、ARTゲーム数を追加する上乗せ機能を有しているとする。ARTゲーム数の上乗せが行われる際は、所定の内部フラグ(上乗せフラグ)がONにされるとともに、追加されるARTゲーム数(上乗せゲーム数)が決定される。なお、上乗せが決定される条件は特に限定せず、役抽選における特定の当選役の当選であってもよいし、別の何らかの抽選結果に基づいて決定される等してもよい。また、上乗せゲーム数の決定方法についても、特段の方法に限定しない。そして、以下のステップS508~S510の処理は、ARTゲーム数の上乗せ機能を有する場合に行われる処理である。
まず、ステップS508では、上乗せフラグがONであるか否かを判定する。上乗せフラグがONであった場合は(ステップS508のYES)、現在のARTゲーム数に上乗せゲーム数を加算する処理を行い(ステップS509)、上乗せフラグをOFFにする(ステップS510)。この結果、残りのARTゲーム数が上乗せ分だけ増加することになり、遊技者にとって有利なARTゲームの継続期間が延長される。
ステップS510の処理後(上乗せ機能を有しない場合は、ステップS506の処理後)、現在のARTゲーム数が「0」であるか否かを判定し(ステップS511)、「0」であった場合は、ARTゲームの終了条件を満たすことになるので、ARTフラグをOFFにして(ステップS512)、処理を終了する。なお、このとき、ARTゲームの終了を遊技者に明示するだけでなく、一連のARTゲームに関する情報(例えば、当該ARTゲームにおける払出メダルの総数やARTゲーム継続数等)も遊技者に明示するようにしてよい。
ステップS511の判定で、現在のARTゲーム数が「0」ではなかった場合は(ステップS511のNO)、ARTゲームの終了条件を満たしていないため、ARTフラグを変更せずに処理を終了する。その結果、以降のゲームでもARTゲームが継続される。
なお、図61で説明したARTゲーム判定処理は、ARTゲーム用の遊技状態に制御されるゲーム期間(ARTゲーム期間)が、1ゲームごと1カウント減算される方式である場合の処理例であるが、ARTゲーム期間が他の減算方式(例えば、ARTナビの出現回数によってARTゲーム期間が定められる方式)によって管理される場合は、当該減算方式に応じた適切なARTゲーム判定処理を行うことが望ましい。
また、本実施形態のスロットマシン1では、ARTゲーム判定処理のために、ARTゲームの開始を示す内部フラグ(例えばART開始フラグ)をARTフラグとは別に用意してもよい。ART開始フラグは、ART初当り抽選に当選してARTゲームの開始条件が満たされたときにONにされる内部フラグとする。このような場合、ARTゲーム判定処理による一連の処理において、ステップS501でART開始フラグがONであるか否かを判定し、ART開始フラグがONであった場合は、ステップS502でARTの初期ゲーム数をセットした後に、ARTフラグをONにするとともにART開始フラグをOFFにするような処理を行えばよく、ステップS501でART開始フラグがOFFであった場合は、ステップS505以降の処理を行うようにすればよい。
[10-2.演出動作の制御]
以上は、主にメイン基板409による制御の例であるが、スロットマシン1では、ゲームの進行にあわせてサブ基板510により各種演出動作の制御を実行する。これはメイン基板409から出力される各種コマンド(情報コマンド、出力信号)に基づいて、サブ基板510(主にCPU1118等)にて実行するものである。前述の通りメイン基板449から出力された各種コマンドは、一旦、RAM1122に記憶される。そして、当該コマンドに基づき、予め用意された演出態様を選択し、実行するものである。このような演出態様は、演出態様データテーブル(図示しない)としてROM1120内に格納されており、当該コマンドに対応する演出態様が複数用意されている。
例えば、演出態様としては、当該ゲームのみで完結するもの(以下、単発演出態様という)や、複数のゲームにわたって行われるもの(以下、連続演出態様という)などが含まれる。このうち、単発演出態様には、当該当選フラグを示唆する演出(示唆演出、告知演出、詳細は後述)、メダルの払い出しを知らせる演出(払出演出、なお、払い出し枚数までを知らせる態様でもよい)などがある。
示唆演出は、遊技者に当該当選フラグを直接的に知らせる演出(告知演出)とは異なり、当該当選フラグを間接的に知らせる演出のことをいう、例えば、当該当選フラグに該当する当選役の形、色などを表現した表示等を行うといったことである。また、示唆演出は、当該当選フラグがない場合(つまり、ハズレの場合)にも行われる。この場合には、ハズレであることを気付きにくい内容の演出とする(例えば、いずれの当選役とも取れるような曖昧な内容)。これにより、当該ゲームがハズレであることを遊技者に気付きにくくすることができる。
告知演出は、例えば、当該当選フラグがボーナス役であった場合やART初当り抽選で当選した場合等に、「ボーナス確定!」や「ART当選!」等、遊技に関する結果を遊技者に明確に知らせることのできるものである。この演出は、特にボーナスやARTなど遊技者にとって喜ばしい当選役(メダルを大量に獲得できる可能性があるため)について実行させるとより効果的である。すなわち、遊技者がART初当り等に当選した際に、そのことを祝福する意味合いを持たせることができるからである。
なお、以上に述べた各種の演出態様は、液晶表示装置450による画像の表示や、スピーカ142等による効果音の発生、LED装飾等による発光や点灯等、として実行させることができる。このような演出態様は、遊技者が長い時間ゲームを続けている場合など、退屈な印象を与えづらくすることができるものである。なお、演出態様は、液晶表示装置450、スピーカ142、LED装飾等で実行されることに限られるものではない。例えば、液晶表示装置450に代えて、ELディスプレイ(Electroluminescence Display)や、ドットLEDを用いてもよい。さらに、キャラクタを模した人形や、可動可能な模型等や、サイドリール(例えば、各リールとは別の位置に配され、演出の一環として遊技者の操作に因らずにその始動と停止を実行するもの)や、あるいは、ランプなどの照明(例えば、回転灯に代表される回転可能なライト等)を設けて各種演出を実行させるものとしてもよい。このような方法をとれば、液晶表示等を用いずとも遊技者を十分に楽しませることが可能である。
[10-3.異常状態発生時の処理]
本実施形態のスロットマシン1において異常状態が発生した際に行われる処理について詳しく説明する。
スロットマシン1では、遊技中に異常状態が発生すると、検出されたエラーの種別に応じてエラーの告知が行われる。特に、メイン基板409が検出可能なエラーの場合は、エラーランプ604が点灯(又は点滅)するとともに、特別表示LED612で当該エラーの種別を示すエラー表示を行うことができる。なお、特別表示LED612では、通常は指示機能表示及び払出枚数表示が行われる。また、エラー検出されない場合もあるが、急な電源断も異常状態に含まれる。
上記のような異常状態が発生した場合、通常のゲーム状態に復帰させるためには、エラー解除を行う必要がある(電源断の場合は、電源復帰後にエラー表示が残らなければよい)。エラー解除の方法は発生したエラーによって異なるが、電源断(OFF/ON)を必要とする場合も多い。
[11.本実施形態の特徴的な作用効果]
本実施例のスロットマシンのゲーム性について以下説明する。本実施例のスロットマシンの通常状態の遊技において遊技者は、「チャンスメーター」なる所定のメーターを満タンにするべく遊技を行なう。このチャンスメーターは役物として設置されていてもよいし、メイン液晶表示装置450に表示されるものであってもよい。
チャンスメーターを満タンにするとは具体的には、所定の小役に当選することによって所定の得点がチャンスメーターに蓄積される等が挙げられる。所定の得点が蓄積されたことを示す表示態様は数字であってもよいし、色のグラデーションやランプの数に応じたものであってもよく、遊技者に視認または音で確認できる態様等であるとよい。
所定の小役とは主にベル、スイカ、チェリー等が挙げられ、どの小役に当選するかによって、チャンスメーターに蓄積される得点の度合い(数値、色、ランプ数)が異なる。ここで、通常の遊技状態における各ステージによって、対応する小役に当選すれば、蓄積される得点が高くなり、対応しない小役に当選した場合には、対応する小役に当選した場合よりも蓄積される得点は低いものとなる場合がある。
本実施例におけるチャンスメーターの得点蓄積に影響を与える役のうち、メーターに蓄積される度合いの低いものを弱役といい、例えば、弱チャンス目、弱スイカ、弱チェリー(表示は省略)が挙げられる。また、メーターに蓄積される度合いの高いものを強役といい、例えば、強チャンス目、強スイカ、強チェリー(表示は省略)が挙げられる。
通常状態の各ステージにおいて、弱役に対応しているステージを対応弱ステージ、強役に対応しているステージを対応強ステージ、弱役に対応していないステージを非対応弱ステージ、強役に対応していないステージを非対応強ステージと称する。なお、当選役に関わらず、便宜上、単に対応ステージ、非対応ステージと称することもある。
チャンスメーターに蓄積される得点(チャンスメーター抽選)について、図62を用いて説明する。チャンスメーターに蓄積される得点は、例えば0点から4点まであり、各対応ステージにおいて、対応する小役(弱役および強役のいずれの場合も)に当選した場合には、0点となる可能性はなく、少なくとも1点以上の得点が付与される。ここで、対応弱ステージにおいては1点が付与される確率が最も高く、対応強ステージにおいては2点が付与される確率が最も高い。一方、非対応ステージにおいては、非対応弱ステージ、非対応強ステージともに0点に振分けられる確率が最も高く、1点~3点が付与される確率は0となっている。
チャンスメーターに蓄積された得点が満タンになると、ART抽選(チャンスメーターMAX時振分抽選)が行なわれる。ART抽選により、チャンスゾーンに突入するか、ARTゲームがストックされるかが振り分けられる。通常遊技状態中にチャンスメーターが加算され、ART抽選により、チャンスゾーンに突入するか、ARTゲームがストックされるかが振り分けられるフローについて、図63の通常状態処理を示すフローチャートを用いて説明する。
図63のステップS601において、レア小役、つまり強役や弱役に該当する小役に当選した場合、チャンスメーター加算抽選が行なわれる。このとき、通常の遊技状態のステージが対応弱ステージまたは対応強ステージの場合には、チャンスメーター加算抽選Aが行なわれる(ステップS603)、一方、通常の遊技状態のステージが非対応弱ステージまたは非対応強ステージの場合には、チャンスメーター加算抽選Bが行なわれる(ステップS604)。
チャンスメーター加算抽選Aは図62で説明したとおり、対応弱、対応強のことを示し、チャンスメーター加算抽選Bは非対応弱、非対応強のことを示す。チャンスメーター加算抽選Aまたはチャンスメーター加算抽選Bが行なわれると、当該抽選に当選しているか否かが判断される(図63のステップS605)。当該抽選に当選すると(ステップS605におけるYES)、当選に対応する得点がチャンスメーターに加算される(ステップS607)。
チャンスメーターに得点が加算されると、得点が加算されたことによりチャンスメーターの上限値に達したかどうかが判断される。そして、チャンスメーターの上限値に達していると判断されると(ステップS609におけるYES)、チャンスメーターの値(カウント)を0にリセットし(ステップS611)、ART抽選が行なわれる(ステップS613)。
ステップS613においてART抽選に当選すると(ステップS615におけるYES)、ARTゲームがストックされ(ステップS617)、ART抽選に当選しなかった場合は(ステップS615におけるNO)、チャンスゾーンがストックされる(ステップS618)。ARTゲームが開始されるか否かについては、ARTゲーム判定処理において説明している(図61を参照)。チャンスゾーンがストックされると、チャンスゾーンゲームが開始される。
チャンスメーターが満タンになった際の振り分けについて、図64を用いて説明する。ART抽選が行なわれるに際し、メイン液晶表示装置450に表示されるキャラクタによって、チャンスゾーンに当選しやすいのか、ARTゲームのストックがされやすいのかが異なる。一般的に、ARTゲームのストックよりもチャンスゾーンに当選する確率の方が高いことを基準として、ARTストックの期待度に着目すれば、キャラ2<キャラ3<キャラ1の順に高くなる。なお、チャンスゾーンが開始されるまでに、いわゆる前兆ゲームといわれるチャンスゾーンに移行するためのゲームが行なわれるが、この前兆ゲーム中のゲームにおいても、モードアップ抽選を行なってよい。
図65はチャンスゾーン中の処理を示すフローチャートである。チャンスゾーンとは、ART抽選が行なわれる可能性が高いゾーンである。また、ART抽選が行なわれるモードによって、その後のARTゲームへの期待(ARTゲームのセット数や1セットのゲーム数等)が変わる。従って、いかに良いモードでART抽選できるかが遊技者にとっての遊技中の楽しみとなる。モードは例えば0、1、2の三種あるが、三種以上でも三種以下であってもよい。モードは0<1<2の順に、ARTゲームの上乗せ抽選確率等の期待が高くなる。
図65のチャンスゾーン処理ではまず、ART初当たり抽選が行なわれる(ステップS701)。本実施例においては、チャンスゾーン滞在中に「押し順ベル」に当選(ベル図柄が揃う)した場合にART抽選が行なわれる仕様を例に説明する。ステップS701にてART初当たり抽選が行なわれ、その結果が当選であった場合、つまり、ART抽選に当選した場合(ステップS702におけるYES)、ARTフラグがONにされ(ステップS704)、チャンスゾーンフラグがOFFにされ(ステップS706)、ベルカウントがゼロにされ(ステップS708)、モードがゼロにされる(ステップS710)。つまり、チャンスゾーン中にART抽選に当選したと判明されたときは、ただちにARTゲームに突入するため、チャンスゾーンの滞在は終了となる。
ART抽選に外れた場合(ステップS702におけるNO)には、抽選によって得られた当選役がベルか否かについて判定される(ステップS712)。当該当選役がベルであった場合(ステップS712におけるYES)、モードがゼロにされ(ステップS714)、ベルカウントが+1にされる(ステップS716)。そして、ベルカウントが1増加することにより、ベルカウントが最大になったか否かが判定される(ステップS718)。
ベルカウントが最大であった場合(ステップS718におけるYES)、チャンスゾーンフラグがOFFにされ(ステップS720)、ベルカウントがゼロにされる(ステップS722)。つまり、所定数のベル図柄が揃うまでチャンスゾーンを継続させることが可能であるが、所定数のベル図柄が揃うことにより、チャンスゾーンの滞在は終了する。
ステップS712において、当選役がベルではない場合、当該モードが最大か否かが判断される(ステップS724)。ここでいう当選役がベルではない場合とは、弱チャンス目、弱スイカ、弱チェリー(表示は省略)や、強チャンス目、強スイカ、強チェリー(表示は省略)が挙げられる。
当該モードが最大であると判断されると(ステップS724におけるNO)、モードUP抽選が行なわれる(ステップS726)。ここで、モードアップの確率は、前述の「チャンスメーター」に得点が蓄積される場合と同様、チャンスゾーンにて小役が当選したステージが、各小役の対応ステージか非対応ステージかによって異なる。換言すると、対応ステージの小役であればモードアップしやすく、非対応ステージの小役ではモードアップしにくい。
当該モードがモード0およびモード1の場合のモードアップ抽選について図66を用いて説明する。当該モードがモード0の場合、モードアップ抽選で現状のままであるモード0か、モード1かモード2かが抽選される。図66によると、対応弱の場合のみならず、非対応弱、非対応強の小役に当選した場合には、モード1またはモード2のいずれかに移行することが分かる(図66(A)を参照)。なお、対応強の場合は、100パーセントの確率でモード2に移行するというようにしてもよい。
当該モードがモード1の場合のモードアップ抽選についてみる(図66(B)を参照)と、ハズレ、リプレイの場合にはほとんどの場合モード0に転落してしまう。さらには、非対応弱の小役に当選した場合には、モード0に転落する場合とモード2に移行する場合とが五分五分である。一方、非対応強の小役に当選した場合には、100パーセントの確率でモード2に移行することが分かる。
モードアップ抽選に当選すると(図65のステップS728におけるYES)、当選したモードに応じて、モード+1または+2される(ステップS730)。本実施例においては、上述の通り三種類のモードを用意しているが、種類についてはこの限りではない。チャンスゾーンはモードアップした時点で終了させてもよいし、所定回数の小役に当選することを条件としてもよい。
モードアップ抽選における各モードにおけるリール、サブリール(サブ左液晶表示装置710L、サブ右液晶表示装置710R)の態様について図47、図67~図84を用いて説明する。図47は本実施例のスロットマシンにおけるサブリール(サブ左液晶表示装置710L、サブ右液晶表示装置710R)の動作態様を表している。
例えば、モードアップ抽選においてモード2に当選した場合には、サブ左液晶表示装置710L、サブ右液晶表示装置710Rが図47に示すように、リール(左リール70L、中リール70M、右リール70R)の横(サブ左液晶表示装置710Lは左リール70Lの横、サブ右液晶表示装置710Rは右リール70R)に降下してくる。モード1に当選した場合は、サブ左液晶表示装置710Lとサブ右液晶表示装置710Rのうちいずれか一方がリール横に降下してくる。この場合遊技者は、いずれか一方のサブ液晶表示装置が降下してきたときよりも、2つのサブ液晶表示装置が降下してきたときの方がより期待を持つことができる。
一方、モード0(モードアップ抽選において、モード1や2に移行しなかった)の場合には、上記モード2やモード1のときのように、サブ左液晶表示装置710Lやサブ右液晶表示装置710Rが降下してくることはない。したがって、遊技者は自身がモード0で遊技を行なっていることを認識することができる。ただし、遊技者に対するフェイントとして、例えば、モード2であるにも関わらず、リール70の回転が開始されるまでにサブ左液晶表示装置710Lやサブ右液晶表示装置710Rが降下しないなどの演出は行ってもよい。しかしながら、遅くとも、リール70の3つのリール(左リール70L、中リール70M、右リールR)のうちいずれか1つの回転が停止される前に降下していなければならない。これは、リール70の停止図柄を確認する前に、サブ液晶で図柄様の表示を確認すること(詳細説明は後述する)で、リール70の停止図柄に期待を持ちつつ遊技を行なうことができるという目的を達成するためである。
図67は、モード別のチャンスゾーン中のARTゲームの上乗せ確率を示した図である。図67(A)は、モード0におけるチャンスゾーン中のARTゲームの上乗せ確率を示す。左端の「0」と「1」の数字は、ARTゲームのストック(上乗せ)がなされるか、なされないかの違いであり、「0」はARTゲームのストックがなされないことを示し、「1」はストックがなされることを示す。ARTストックがなされる条件としては、本実施例においては「ベル図柄が揃う」ことを条件としているが、図柄はベルに限られず、スイカやチェリーなどであっても良い。
ここで、「ベル揃い」とは、ベル図柄が揃っていることを示し、「こぼし1枚」とは、ベル図柄は取りこぼすが、メダルが一枚払い出される出目のことを示し、一枚役という場合もある。「こぼし」とは、図柄が揃わず、メダルの払い出しもないことを示し、「バラケ目」や「ハズレ目」ともいう。対応弱、対応強、非対応弱、非対応強については既に説明したとおりである。これらの事項は、モード1やモード2の場合も同様である。
モード0においては、ベル図柄が揃った場合、対応弱の小役に当選した場合、対応強の小役に当選した場合にARTゲームがストックされる可能性がある。対応強の小役に当選した場合には、100パーセントの確率でARTゲームがストックされる。
モード1についてみると(図67(B)を参照)、ベル図柄が揃った場合、対応弱の小役に当選した場合、対応強の小役に当選した場合だけでなく、こぼし1枚の場合やこぼしの場合にもARTゲームがストックされる場合がある。本来ならば、ベル図柄が揃わなければ、ARTストックがなされないところ、リール70上でベル図柄をこぼした場合でもARTゲームがストックされるのである。これは、詳細は図68~図84で説明するが、ARTゲームの上乗せ抽選については、リール70上にベル図柄が揃わなくとも、リール70の隣に降下してくるサブ左液晶表示装置710Lやサブ右液晶表示装置710Rに示された図柄様の表示と、リール70に表示された図柄とでベル図柄が揃った場合にも、ベル図柄が揃ったとして抽選されるからである。
モード2についてみると(図67(C)を参照)、モード1の場合と同様、こぼし1枚の場合やこぼしの場合にもARTゲームがストックされるだけでなく、ベル揃い、こぼし1枚の場合および対応弱、対応強、非対応弱、非対応強のいずれの小役に当選した場合にも、100パーセントの確率でARTゲームがストックされる。モード2の場合には、リール70の両隣にサブ左液晶表示装置710Lとサブ右液晶表示装置710Rが降下してくるため、それらサブ液晶表示装置710に表示される出目様の表示とリール70の出目とでベル図柄が揃いやすいといえる。
図67にて説明した内容を、リール70、サブ左液晶表示装置710Lおよびサブ右液晶表示装置710Rの態様を踏まえて図68~図84を用いて説明する。図68は、モード0の状態において、左リール70、右リール70、中リール70を停止操作(いわゆるハサミ打ち)を行なった場合を示す。モード0においては、リール70の隣にサブ左液晶表示装置710Lおよびサブ右液晶表示装置710Rのいずれも降下してこないため、遊技者は自分が今モード0で遊技していることを理解することができる。その場合遊技者は、リール70に現される出目のみを頼りにARTゲームの上乗せを願うことになる(サブ液晶表示装置710の表示で期待感を募らせることができない)。
図68(b)は最初に左リール70Lを停止させ、次に右リール70M(図68(c))、最後に中リール70Rが停止(図68(d))させたことを示す。この状態で確認できる出目は、「こぼし」(つまりハズレ目)であり、メダルの払い出しはなく、また、ベル図柄が揃っていないので、ARTゲームの上乗せ抽選も行なわれない。
図69は、モード1の状態において、左リール70、右リール70、中リール70を停止操作(ハサミ打ち)を行なった場合を示す。モード1においては、リール70の隣にサブ左液晶表示装置710Lおよびサブ右液晶表示装置710Rのいずれか降下してくる。遊技者は、いずれかのサブ左液晶表示装置710が降下してきたことで、自身がモード1で遊技していることを知った上で遊技することができる。
モード1の場合には、まず、始動レバー129を押下操作した際など、リール70の停止操作が行なわれる前に、サブ左液晶表示装置710Lおよびサブ右液晶表示装置710Rのうちいずれかがリール70の隣に降下してくる。本実施例においては、サブ左液晶表示装置710Lが左リール70Lの隣に降下したパターンについて説明する(図69(a))。降下してきたサブ左液晶表示装置710Lの表示画面711(左表示画面711L)には、停止したリールの出目様の表示がなされる(図69の(a)参照)。出目様の表示をする前の演出として、リール70のようにリールが回転中の態様を表示させてもよい。ここでポイントは、リール70が停止する前にサブ液晶表示装置の出目様の表示がなされることである。ただし、フェイントとして、リール70の停止後にサブ液晶表示装置710の表示画面を表示させるようにしても差し支えない。
リール70の出目の表示に先駆けてサブ液晶表示装置の出目様の表示がなされることで、当該表示が期待の持てるもの(ベルが停止している表示等)であると、遊技者はリール70を停止させる前から、例えばサブ液晶表示装置710とリール70との間で図柄が揃うことに期待を持ってリール70の停止操作を行なうことができる。本実施例においては、表示画面711Lに「ベル-任意-ベル」が表示されているので、遊技者は、左リール70Lの上段、中段、下段のどの位置にベルが停止してもベル図柄のテンパイ(中リール70Mの上段または下段にベルが停止すればベル図柄が揃う状態)となるので、左リール70Lの停止図柄に期待を持ちながら遊技を行なうことができる。
左リール70Lに「リプレイ-ベル-Bar(鉈)」が停止したことで、遊技者は、表示画面711Lの上段ベルまたは下段ベルと左リール70Lの中段ベルとでベル図柄がテンパイし(図69(b))、中リール70Mの上段または下段にベルが揃うことを期待して遊技を行なうことができる。右リール70Rには特に期待される図柄はないため、停止操作したのち(図69(c))、中リール70Mの停止図柄に期待しながら遊技を進める。中リール70Mの停止図柄は「リプレイ-チェリー-ベル」であるので、表示画面711Lの上段ベル、左リール70Lの中段ベル、中リール70Mの下段ベルとでベル図柄を構成していることになる。そうすると、リール70に表示された出目は、「こぼし」つまりハズレ目であるにもかかわらず、サブ液晶表示装置710に表された出目様の表示とで構成されたベル図柄揃いにより、ARTゲームの上乗せ抽選が行なわれる。このように、遊技者は、たとえリールの出目による報酬が得られなくとも、上記のようないわゆる「ベル揃いゲーム」を楽しむことができるので、これにより興趣の低下を抑制することができる。
モード2の場合には、始動レバー129を押下操作した際など、リール70の停止操作が行なわれる前に、サブ左液晶表示装置710Lおよびサブ右液晶表示装置710Rの両方がリール70の隣に降下してくる(図70(a))。これにより遊技者からすると、現在のモードがモード2であることが明確に理解できることになる。降下してきたサブ左液晶表示装置710Lの表示画面711(表示画面711Lと表示画面711R)には、出目様の表示として、ともに「ベル-任意-ベル」が表示されている。そうすると遊技者は、左リール70Lの上段、中段、下段のどの位置にベルが停止してもベル図柄のテンパイ(中リール70Mの上段または下段にベルが停止すればベル図柄が揃う)となるので、左リール70Lの停止図柄に期待を持ちながら遊技を行なうことができる。
左リール70Lに「リプレイ-ベル-Bar(鉈)」が停止したことで、遊技者は、表示画面711Lの上段ベルまたは下段ベルと左リール70Lの中段ベルとでベル図柄がテンパイし(図70(b))、中リール70Mの上段または下段にベルが揃うことを期待して遊技を行なうことができる。モード1の場合とは異なり、モード2では右リール70Rに表示される図柄にも期待を持つことができる。例えば、中リール70Mの図柄がまだ表示されていない状況においては(図70(c))、サブ右液晶表示装置710Rの表示画面711(表示画面711R)の上段ベルと右リール70Rのベルとでテンパイしているので、仮に中リール70Mの上段にベルが停止した場合には、表示画面711Lの下段ベル、左リール70Lの中段ベル、中リール70Mの下段ベルとでベル図柄を構成するだけでなく、表示画面711Rの上段ベル、右リール70Rの上段ベル、中リール70Mの上段ベルとでベル図柄を構成することができる。図70(d)にあるように、本実施例においてはリール70上もサブリールを含めてもベル揃いには至っていないが、上記の期待を持ちながら遊技者は遊技を進めることができる。
図71~図73は、最初に停止操作を行なうリールとして中リール70Mを選択した場合(押し順ナビに従った場合も含む)の態様を示す。モード0の場合には、リール70の隣にサブ左液晶表示装置710Lおよびサブ右液晶表示装置710Rのいずれも降下してこないため、遊技者はリール70に現される出目を頼りに、ARTゲームの上乗せを願う。
モード1の場合(図72を参照)には、先ほどの左リール70Lを最初に停止させた場合とは異なる効果がいえる。具体的には、左液晶表示装置710Lの表示画面711(左表示画面711L)には、停止したリールの出目様の表示として「ベル-任意-ベル」が表示されている。ここで、中リール70を最初に停止操作させることで、どの位置にベルが揃うかまたは全く揃わないのかを確定させることができるのである。図72(b)において、中リール70Mに「ベル-リプレイ-チェリー」が停止しているので、遊技者は左リール70Lに上段ベルまたは中段ベルが停止することを願いながら遊技を進めることができる。
モード2の場合(図73を参照)においても、中リール70Mを最初に停止させることで、左リール70Lの上段ベルまたは中段ベルが停止することを期待しつつ、右リール70Rの上段ベルまたは中段ベルが停止することを期待しつつ遊技を行なうことができる。具体的には、中リール70Mを最初に停止させた段階で、中リール70Mには「ベル-リプレイ-チェリー」が表示されており(図73(b)を参照)、形式的には、左表示画面711Lのベルと右表示画面711Rのベルとがテンパイしている(左リール70Lに上段ベルもしくは中段ベルが停止すればベル図柄が揃う状態、右リール70Rに上段ベルもしくは中段ベルが停止すればベルの図柄が揃うという状態)。この状態において遊技者は、左リール70Lに上段ベルもしくは中段ベルが停止することを願いながら左停止ボタン128Lの停止操作を行なう。
図73の(c)は、左リール70Lに中段ベルが停止した状態を示す。遊技者は右リール70Rの停止に際し、上段ベルまたは中段ベルが停止することを願いながら停止操作をすることができる。そうすると、出目の期待を早期に確定させつつ、1回のゲームにおいて、複数回、ベル図柄が揃うかもしれないという期待を持って遊技を行なうことができる。
リール70に表示される出目が「ハズレ目」の場合における、各モードの態様を図74~図76を用いて説明する。図74はモード0の場合を示す。上記と共通する事項についての記載は省略する。中リール70Mを停止すると「チェリー-ベル-リプレイ」が表示されており(図74(b)を参照)、この段階では、左リール70Lには上段ベル、中段ベル、下段ベルのいずれにも期待を持ちながら遊技を行なうことができる。
左リールL70の停止図柄は「リプレイ-ベル-Bar(鉈)」であるため(図74(c)を参照)、遊技者は右リール70Rに中段ベルが揃うことを期待しつつ遊技を進めるが、結局、ハズレ目であったことを示す(図74(d))。
モード1の場合(図75を参照)には、中リール70Mの停止の段階で、既に左リール70Lに期待できる図柄パターンがないことが分かる。このように、押し順ナビによる誘導がなく、停止順によるペナルティが付与されない遊技機においては、遊技者の判断でARTゲームの上乗せ抽選の結果をいち早く表示させることで過度の期待を持たせることを抑制させることができる。本実施例の「ハズレ目」については、モード2の場合(図76を参照)の結果も同様であるので説明を省略する。
次に、リール70に表示される出目が「こぼし1枚」(ベル図柄は取りこぼすが、メダルが一枚払い出される出目)の場合における、各モードの態様を図77~図79を用いて説明する。図77はモード0の場合を示す。上記と共通する事項についての記載は省略する。左リール70Lを停止すると「リプレイ-ベル-Bar」が表示されており(図77(b)を参照)、この段階では、中リール70Mと右リール70Rのいずれにも中段ベルが揃うことを期待しながら遊技を行なうことができる。中リールM70の停止図柄は「ベル-リプレイ-チェリー」であるため(図77(c)を参照)、遊技者は右リール70Rにはベル図柄の成立に対して期待が持てない出目であることを示す(図74(d))。
モード1の場合(図78を参照)には、左リール70Lが停止した段階で、中リール70Mに上段ベルが停止することを期待して遊技を進めることができる。図78(c)に示すように、中リール70Mに上段ベルが停止したことで、サブ左液晶表示装置710Lの表示画面711(左表示画面711L)の下段ベル、左リール70Lの中段ベルおよび中リール70Mの上段ベルでベル図柄を構成することになり、ARTゲームの上乗せ抽選が行なわれることが遊技者も理解できる。つまり、リール70に表示されている出目は「こぼし1枚」(ベル図柄を取りこぼすが、メダルが一枚払い出される出目)であるので、メダルが1枚払い出されつつ、ARTゲームの上乗せ抽選も行なわれるのである。
モード2の場合(図79を参照)は上記モード1の状況に加えてさらにサブ右液晶表示装置710Rの表示画面711(右表示画面711R)に表示された上段ベルと中リール70Mとがテンパイしているため、右リール70Rの上段ベルが成立することを期待しつつ遊技を進めることができる。そして、図79(d)に示すように、サブ左液晶表示装置710Lの表示画面711(左表示画面711L)の下段ベル、左リール70Lの中段ベルおよび中リール70Mの上段ベルでベル図柄を構成するとともに、中リール70Mの上段ベル、右リール70Rの上段ベルおよびサブ右液晶表示装置710Rの表示画面711(右表示画面711R)に表示された上段ベルとでもベル図柄を構成することで、ARTゲームの上乗せ抽選が行なわれる。このように、複数個のベル図柄が揃うことを遊技者に認識させることで、ARTゲームの上乗せ抽選で上乗せされる確率が高いことを示唆することができる。
ここで、図79は順押しで本発明の図柄揃いゲームの例を示すが、順押しでゲームを進めた場合、左リール70L、中リール70Mを停止させた段階で一回目の図柄揃いゲームを行なわせることができ、さらに右リール70Rを停止させることで2度目の図柄揃いゲームを行なわせることができる。ここで、遊技者が仮にハサミ打ちを行なった場合には、中リール70Mの図柄が表示されていない状況においては、ベル図柄がダブルテンパイしている状態であり、中リール70Mを停止させることによって同時に2つの図柄揃いゲームの結果を一度に得ることができる。スロットマシンにおいては、当選した役を必ず引き込まないといけないという制約によって、出目のワンパターン化といった問題があるが、本実施例のように遊技者の意思によって出目による段階的な期待を得るか、一度に複数回の図柄ゲームの結果を得るかを選択できる点で、ゲームの面白さの幅をもたせたといえる。
また、図79では、サブ左液晶表示装置710Lとリール70とで図柄揃いを実現することができている態様であるが、仮に中リール70Mの上段ではなく、下段にベル図柄が停止した場合には、一回目のベル図柄揃いゲームではベル図柄が揃わなかったことになる。しかし、このような場合でも、リール70とサブ右液晶表示装置710Rとでベル図柄を構成する可能性は残されており、遊技者はリール70とサブ右液晶表示装置710Rとでベル図柄が揃うことを期待しながら遊技を継続することができる。本実施例においては図示していないが、中リール70Mの下段にベル図柄が表示されたと仮定した場合、遊技者は右リール70Rの中段か下段にベル図柄が揃うことを期待して遊技を行なうことができるのである。
図80~図82を用いて、リール70にベル図柄が成立している場合における本実施例における遊技機の態様を説明する。モード0においては、図80(d)に示すとおり、リール70の下段にベル図柄が成立しているので、内部抽選におけるベルの当選と、ARTゲームの上乗せ抽選の両方の利益を得ることができる。モード1の場合には、図81(d)に示すように、サブ左液晶表示装置710Lの表示画面711(左表示画面711L)の下段ベルとで4連ベルの表示を実現させることができ、モード2の場合には、図82(d)に示すように、サブ右液晶表示装置710Rの表示画面711(右表示画面711R)に表示された下段ベルとで5連ベルの表示を実現させることができる。
4連ベルや5連ベルの表示を有効にする場合には、1回目にベル図柄が揃った(ベル揃いゲームでベル図柄が表示された)ときに、更なる有利な得点が得られるようにしてもよく(3連ベルよりも4連ベルが、4連ベルよりも5連ベルの方がART期待度が高まる等)、これにより遊技者の期待感を持続させることができる。
図83および図84は、別例として、一のリール70が停止された後に、サブ液晶表示装置の出目様の図柄が変更するパターンを示す。図83(c)および図84(c)に示すように、左リール70Lが停止した後にサブ液晶表示装置の出目様の図柄が「ベル-任意-ベル」から「任意-ベル-任意」と変化している様子を示す。サプライズとして、全てのリールが停止した後に変化させてもよい。
上記のように、少なくとも一のリールに図柄が表示されてからサブ液晶表示装置の出目様の図柄を変更させる仕様というのは、特にチャンスゾーンにおける遊技において、リール70の停止に際し、いわゆる「押し順ナビ」で停止するべきリールが指示されているにも関わらず、遊技者が誤って押し順ナビにて指示されたリールとは異なるリールの停止操作をしてしまった(つまり、リール上では押し順ナビで示唆される順番でリール70を停止操作することができず、結果として図柄をそろえることができなかった)場合に効果がある。
つまり、押し順ナビで示唆された順番でリール70の停止操作を行なった場合、リール70上にベル図柄が揃い、9枚のメダルが払い出される(遊技者が利益を得ることができる)はずであったが、押し順ナビに従わなかったがために、ベル図柄を揃わせることができず、メダルが払い出されない(一枚役が成立し、一枚のメダルが払い出されるとしてもよい)。しかし、リール70の図柄の停止後にサブ液晶表示装置の出目様の表示を変更することにより、ベル図柄揃いを実現することができ、ARTゲームの上乗せ抽選を行なうことが可能となる。
換言すると、押し順ナビに反した停止操作でリール70の停止操作を行なったとしても、ARTゲームの上乗せ抽選を行なわせることができるのである。この場合、押し順ナビに従ってベル図柄揃いを実現させた場合と、押し順ナビに反してベル図柄揃いとなった場合とで、ARTゲームの上乗せ抽選の確率を異ならせてもよいが、同一の確率でもよい。
このように、本実施例におけるスロットマシンにおいては、サブ左液晶表示装置710Lやサブ右液晶表示装置710Rの表示画面711に表示された出目についても、リール70(左リール70L、中リール70M、右リール70R)に表示された出目と同様に図柄が揃ったとして取り扱うことが可能である(内部抽選の結果として「役が成立した」場合とは異なる)。そうすると、遊技者はリール70の停止が完了するまでに、サブ左液晶表示装置710Lやサブ右液晶表示装置710Rの表示画面711に表示された出目様の表示を確認することで、該当する図柄が揃うのを期待しつつリール70の停止操作を行なうことができる。サブ液晶表示装置710を含んでベル図柄が揃った場合には、リール70でベルが揃った場合のようにメダルの利益を得ることこそできない(内部抽選の結果ではないため)が、ARTの上乗せ抽選が行なわれたり、モード抽選が行なわれるといった面で遊技者に有利な利益を与えることができる。
上記で説明したとおり、本実施例のスロットマシンは、サブ液晶表示装置(いわゆるサブリール)を用いて出目様の表示を行なうだけでなく、リールに表示された出目とともに図柄揃いゲームを構成することができ、図柄が揃った場合に遊技者は、図柄に応じた利益を得ることができる。図柄に応じた利益とは、ART抽選の上乗せだけでなく、ARTの突入契機、モードアップ抽選等も挙げられる。また、サブ液晶表示装置がリール横に降下してくることにより、単に役物の作動による期待だけではなく、確実にどのモードでの遊技であるかを確認でき、さらに、サブ液晶表示装置の表示画面に現された出目様の表示に基づいて、実際に何らかの図柄が揃い得るであろうことをほぼ確実的に実感(高い期待を持って)遊技を継続することがでることから、興趣の低下を抑制することができる。
さらに、サブ液晶表示装置710に表示された出目様の表示に基づいて、中リール70Mが停止した際に表示される出目の期待感を示唆するようにしても良い。例えば、左リール70Lの中段ベルであれば期待度を低く、左リール70L下段にベルであれば期待度を高くする等が挙げられる。
ところで、チャンスゾーンは所定数のベル図柄が揃うことで終了させることができることは上記で説明したとおりである。ここで、本実施例の特徴としては、サブ液晶表示装置710に表示された出目様の表示によって、リール70に現された図柄とは別に、ベルの図柄が揃い得ることにある。リール70に現されたベル図柄とは別に揃ったベル図柄も「所定数のベル図柄が揃った」状態に該当し、対応する利益(ARTの上乗せ、ARTの突入契機、モードアップ抽選等)を得ることができるほか、チャンスゾーンの終了契機にもなり得る。そうすると例えば、ベルの図柄が3回揃ったらチャンスゾーンを終了させるという条件において本実施例のスロットマシンは、1回の図柄揃いゲームで、複数回のベル図柄が揃う可能性があるため、少ないゲーム数でチャンスゾーンを終了させることが可能となる。言い換えると、遊技の進行が遅延されないという効果がある。
上記の特徴を踏まえ、例えば、1回のゲームで複数の図柄揃いが可能であるとしながらも、遊技者の意思によって複数の図柄揃いをさせないようにすることもできる。これは、押し順ナビに指示に従わずにリール70の停止操作を行なった場合等に制御することができる。
本実施例においては、「ベル」が揃うパターンを例に挙げて本願発明を説明したが、「スイカ」や「チェリー」の場合でも実現可能である。このような仕様にすることで、例えば左リール70Lの停止時にベルの図柄がスベり、スイカが表示された場合には、スイカの期待度が高い等、リールの停止時に揃う図柄の有利性(または不利性)を示唆することも可能である。
なお、本実施形態のスロットマシン1は、以下の技術思想としてあらわすことができる。
[技術思想]
本実施形態に記載されたスロットマシンに代表される遊技機は、多数の図柄が付されるとともに回転される複数の図柄列と、回転される前記図柄列の停止操作が可能な停止操作手段と、前記停止操作手段が操作されたことに基づいて、回転されている前記図柄列を停止させる制御を実行可能な停止制御手段と、前記複数の図柄列が停止されたときに、図柄の組合せが表示される表示領域と、を備え、前記表示領域に表示された図柄の組合せによりゲーム結果が示される遊技機であって、前記遊技機はさらに、絵柄を可変表示可能に構成されてなり、当該複数の図柄列の回転が停止されるよりも前に、図柄様の表示が可能な可動表示手段と、前記停止制御手段により前記複数の図柄列の回転が停止させられることでゲーム結果が示される図柄揃いゲームを提供するゲーム提供手段と、を備え、前記ゲーム提供手段は、前記可動表示手段に表示される図柄様の表示と、前記図柄列に表示される図柄とで構成される図柄組合せによってゲーム結果が示される図柄揃いゲームを提供する特殊ゲーム提供手段と、を有し、前記特殊ゲーム提供手段により提供される前記図柄揃いゲームにおいて前記複数の図柄列のうちの少なくとも一のリールが停止したときの停止型により、当該図柄揃いゲームにおける、有利者にとっての有利または不利が示唆されることを特徴とするものである。
上記技術思想に記載の遊技機によると、複数の図柄列(リール70)が停止されると、リール毎に、複数の図柄が表示される表示領域(図柄表示領域A)を備える。すなわち、複数の図柄列が停止されると、表示領域には、図柄列毎に、例えば上段、中段、下段の各段に1図柄ずつ(1つの図柄列に3図柄)表示される。そして、所定条件が成立すると、少なくとも一つの図柄列(実施形態では左リール70L及び右リール70R)の隣接する位置に、絵柄を可動表示可能な可動表示手段(サブ左液晶表示装置710L及びサブ右液晶表示装置710R)が降下してくる。また、これら可動表示手段には、リール70に表示される図柄と同様の図柄(図柄様の表示)を表示することが可能であり、さらにリール70の回転が停止される前に、何らかの図柄様の表示が行なわれる。
遊技者は、リール70の回転の停止操作よりも前に、可動表示手段の図柄様の表示を視認することで、リール70の停止図柄に期待を持ちながら停止操作を行なうことができる。そして、可動表示手段(サブ左液晶表示装置710L及びサブ右液晶表示装置710R)に表示された図柄様の表示と、リール70(左リール70L、中リール70M、右リール70R)に停止表示された図柄列とでまたがって図柄組合せが構成された場合には、遊技者に対して有利な特典(ARTゲームの上乗せ抽選、ARTゲームの突入契機、チャンスゾーン抽選等)が付与される。遊技者は、可動表示手段がリール70の隣に降下してくることで特典への期待を持つだけでなく、可動表示手段表示された素柄様の表示をリール70の停止前に確認することで、より停止図柄(の組合せ)に期待を抱きつつ遊技を継続することができ、ひいては興趣の低下を抑制することができる。
ここで、通常ゲーム提供手段は、リール70(左リール70L、中リール70M、右リール70R)の図柄列で構成される図柄組合せの成立を目的とするゲームであり、内部抽選の結果、9枚のメダルが払いだされるベル図柄、ベル図柄は外れるものの、一枚のメダルが払い出されるベルこぼし目(一枚役)のように、メダルの払い出しに関連するベル図柄が成立する場合のゲームを示す。つまり、通常ゲーム提供手段によって提供されるゲームは、上記の可動表示手段(サブ左液晶表示装置710L及びサブ右液晶表示装置710R)に表示される図柄列との組合せについては考慮されないゲームである。
一方、特殊ゲーム提供手段によって提供されるゲームは、リール70の図柄列の図柄組合せと、可動表示手段(サブ左液晶表示装置710L及びサブ右液晶表示装置710R)に表示される図柄列とでまたがって構成される図柄組合せによってゲーム結果が示されるゲームであり、リール70の図柄組合せと、可動表示手段に表示された図柄様の表示と組み合わせてベル図柄が揃っていた場合には、遊技者にとって有利な特典を付与する。遊技者にとって有利な特典とは、メダルの払い出しに関連するものではなく、ARTゲームの上乗せ抽選、ARTゲームの突入契機、チャンスゾーン抽選等である。
また、リール70(特に、左リール70L)の停止操作によりリールが停止され、停止された図柄によって、特殊ゲーム提供手段の図柄揃いゲームにおいて、所定の図柄(本実施例についてはベル図柄)が揃うか否かについての有利・不利の示唆を行なうことができる。これにより、最初に停止させるリールによって、全てのリールの回転が停止する前に、図柄揃いゲームの有利不利を楽しみながら遊技することができ、興趣の低下を抑制することができる。
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
すなわち、上記実施形態では、遊技機としてスロットマシン1(パチスロ機)に適用したものを示したが、これに限定するものではなく、パチンコ機や、パチンコ機とパチスロ機とを融合させてなる遊技機に、適用しても良く、この場合でも、上記と同様の作用効果を奏することができる。
A 図柄表示領域(遊技領域)
1 スロットマシン
2 筐体ユニット
3 遊技ユニット
4 ドアユニット
5 中ユニット
10 筐体本体(筐体)
70 リール
70L 左リール
70M 中リール
70R 右リール
120 操作ユニット(操作部)
200 トップカバーユニット
201 トップカバー
201a 窓部
300 前可動演出ユニット
302 後方視認可能領域(特定領域)
310 前可動装飾体(第二可動部材、可動部材)
700 横部可動演出ユニット
710L サブ左液晶表示装置(第一可動部材、可動部材)
710R サブ右液晶表示装置(第一可動部材、可動部材)
711 表示画面

Claims (1)

  1. 当りに関する抽選を行う抽選手段と、
    遊技者が操作可能な操作手段と、
    前記操作手段が操作されると前記抽選の結果が示唆される結果示唆手段と、
    動作可能な可動体と、
    前記抽選手段による抽選の結果が示されて所定条件を満たした場合には、遊技者にとって有利な有利遊技状態が開始される有利遊技状態制御手段と、を備えた遊技機であって、
    前記抽選手段による抽選によって前記有利遊技状態に制御することが決定されたゲームが終了して前記所定条件を満たした場合には前記有利遊技状態に必ず制御するようになされており、
    前記抽選手段による抽選の結果が示されるよりも前のタイミングで前記有利遊技状態に制御されることを認識可能にし、
    前記有利遊技状態に制御されることが認識可能にされているなかで前記操作手段に対しての操作指示表示が前記抽選手段による抽選によって前記有利遊技状態に制御することが決定されたゲームの途中で表示されることを可能とし、
    前記有利遊技状態に制御されることを報知する報知演出を実行可能とし、
    前記有利遊技状態に制御されることを報知する前記報知演出は、
    前記抽選手段による抽選の結果が示されるよりも前のタイミングで前記有利遊技状態に制御されることを認識可能にしているものの、当該タイミングでは前記報知演出を実行せず、前記抽選手段による抽選によって前記有利遊技状態に制御することが決定されたゲームの抽選の結果が示されてから当該ゲームの次のゲームが開始するよりも前に必ず実行される演出であり、
    前記抽選手段による抽選によって前記有利遊技状態に制御することが決定されたゲームでは、当該ゲームの途中で表示される前記操作指示表示が表示されるよりも前に所定の液晶表示装置に表示される装飾図柄によってリーチ態様を遊技者に示すことを可能とし、該リーチ態様は、当該ゲームの途中で表示される前記操作指示表示が表示されたあとも継続して表示され、
    前記抽選手段による抽選によって前記有利遊技状態に制御することが決定されたゲームが開始されたときに前記可動体を動作させることを可能とする
    ことを特徴とする遊技機。
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