JP6991622B1 - 生体の複数の神経から電気信号を取得するための方法、システム、および電極構造、ならびにその電極構造の製造方法 - Google Patents

生体の複数の神経から電気信号を取得するための方法、システム、および電極構造、ならびにその電極構造の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】複数の導線を伝播する複数の電気信号を区別可能な態様で取得するための方法等を提供すること【解決手段】本発明の複数の導線から電気信号を取得するための方法は、電極構造を用いて前記複数の導線から複数の電気信号を検出することであって、前記電極構造は、相互に離間して配置された複数の電極層を備え、前記複数の電極層の各々は、前記複数の導線が通過可能な寸法を有する複数の孔を有し、前記複数の孔の各孔は、通過する導線を伝播する電気信号を前記電極構造の外部に伝導する導体に接続されている、ことと、前記検出された複数の電気信号を区別することとを含む。【選択図】図7

Description

本開示は、複数の導線から電気信号を取得するための方法、システム、および電極構造、ならびにその電極構造の製造方法に関する。より具体的には、生体の複数の神経から電気信号を取得するための方法等に関する。
ブレイン・マシン・インタフェース(BMI)という技術が開発途上にある。BMIとは、生体の脳(ブレイン)と機械(マシン)とを直接つなぐ技術のことをいう。
BMIにより脳から直接取得される情報は、種々の用途に利用可能である。例えば、脳から直接取得される情報に基づいて物体を動かしたり、物体から取得された情報を脳に入力したりすることにより、その物体は、あたかも自分の身体のように動かされることになるし、新たな感覚器を得ることもできる。物体は、外部機器、自身の身体、他者の身体等であり得る。外部機器は、例えば、義手、義足等の身体補助装置であってもよいし、遠隔操作可能なロボットであってもよい。他者の身体は、例えば、他者の脳であり、他者の脳は、同様なBMIに接続され得る。
国際公開第2018/147407号
本発明は、複数の導線を伝播する複数の電気信号を区別可能な態様で取得するための方法等を提供することを目的とする。より具体的には、本発明は、生体の複数の神経を伝播する複数の電気信号を区別可能な態様で取得するための方法等を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、例えば、以下の項目を提供する。
(項目1)
複数の導線から電気信号を取得するための方法であって、
電極構造を用いて前記複数の導線から複数の電気信号を検出することであって、前記電極構造は、相互に離間して配置された複数の電極層を備え、前記複数の電極層の各々は、前記複数の導線が通過可能な寸法を有する複数の孔を有し、前記複数の孔の各孔は、通過する導線を伝播する電気信号を前記電極構造の外部に伝導する導体に接続されている、ことと、
前記検出された複数の電気信号を区別することと
を含む方法。
(項目2)
前記区別することは、電気信号の伝播速度と、前記複数の電極層間の距離と、電気信号が検出された孔の位置および時刻とに基づいて、前記複数の電気信号を区別することを含む、項目1に記載の方法。
(項目3)
前記複数の孔は、第1の寸法を有する第1の孔と、前記第1の寸法とは異なる第2の寸法を有する第2の孔とを有する、項目1または項目2に記載の方法。
(項目4)
前記複数の電極層は、少なくとも、第1の電極層と、前記第1の電極層に隣接して配置された第2の電極層を備え、
前記第1の電極層における前記複数の孔の少なくとも1つの中心軸が、前記第2の電極層における前記複数の孔の少なくとも1つの中心軸からずれている、項目1~3のいずれか一項に記載の方法。
(項目5)
前記複数の電極層は、少なくとも、第1の電極層と、前記第1の電極層に隣接して配置された第2の電極層を備え、
前記第1の電極層における前記複数の孔のそれぞれの中心軸が、前記第2の電極層における前記複数の孔のそれぞれの中心軸からずれている、項目4に記載の方法。
(項目6)
前記複数の電極層は、前記第2の電極層に隣接して配置された第3の電極層をさらに備え、前記第2の電極層は、前記第1の電極層と前記第3の電極層との間に配置され、前記第3の電極層は、前記第1の電極層と略同一の孔配列を有する、項目4または項目5に記載の方法。
(項目7)
前記複数の電極層は、前記第3の電極層に隣接して配置された第4の電極層をさらに備え、前記第3の電極層は、前記第2の電極層と前記第4の電極層との間に配置され、前記第4の電極層は、前記第2の電極層と略同一の孔配列を有する、項目6に記載の方法。
(項目8)
前記複数の電極層の数は、3以上であるか、または、前記複数の孔の数は、7以上である、項目1~7のいずれか一項に記載の方法。
(項目9)
前記複数の導線は、生体の複数の神経である、項目1~8のいずれか一項に記載の方法。
(項目10)
複数の導線から電気信号を取得するための電極構造であって、前記電極構造は、相互に離間して配置された複数の電極層を備え、前記複数の電極層の各々は、前記複数の導線が通過可能な寸法を有する複数の孔を有し、前記複数の孔の各孔は、通過する導線を伝播する電気信号を前記電極構造の外部に伝導する導体に接続されている、電極構造。
(項目11)
複数の導線から電気信号を取得するためのシステムであって、
項目10に記載の電極構造と、
前記電極構造から複数の電気信号を受信する受信手段と、
前記複数の電気信号を区別する区別手段と
を備えるシステム。
(項目12)
前記区別手段は、前記電気信号の伝播速度と、前記複数の電極層間の距離と、電気信号が検出された孔の位置および時刻とに基づいて、前記複数の電気信号を区別するように構成されている、項目11に記載のシステム。
(項目13)
複数の導線から電気信号を取得するための電極構造の製造方法であって、
複数の電極層を準備するステップであって、前記複数の電極層の各々は、前記複数の導線が通過可能な寸法を有する複数の孔を有し、前記複数の孔の各孔は、通過する導線を伝播する電気信号を前記電極構造の外部に伝導する導体に接続されている、ステップと
前記複数の電極層を相互に離間して配置するステップと
を含む製造方法。
(項目14)
前記複数の導線は、生体の複数の神経であり、
複数の電極層を準備するステップは、神経の成長過程で前記神経が取り得る軌道の場合の数が前記複数の神経の数よりも多くなるように、前記複数の電極層の数および前記複数の孔の数を決定するステップを含む、項目13に記載の製造方法。
本発明によれば、複数の導線を伝播する複数の電気信号を区別可能な態様で取得することができる。これにより、複数の導線を伝播する複数の電気信号から情報を抽出することができる。本発明は、例えば、BMIにおいて利用することができ、これにより、生体の複数の神経を伝播する複数の電気信号を区別可能な態様で取得することができる。
本発明の一実施形態に従った電極層110の一例を示す図 本発明の一実施形態に従った電極構造100の一例を示す図 本発明の一実施形態に従った電極構造100における2つの電極層の配置の一例を示す斜視図 本発明の一実施形態に従った電極構造100における2つの電極層の具体例を示す図 本発明の一実施形態に従った電極構造100内を複数の神経が成長する様子の一例を示す図 本発明の一実施形態に従った電極構造100内を複数の神経が成長する様子の一例を示す図 本発明の一実施形態に従った電極構造100内を複数の神経が成長する様子の一例を示す図 本発明の一実施形態に従った電極構造100内を複数の神経が成長する様子の一例を示す図 本発明の一実施形態に従った、複数の導線から電気信号を取得するためのシステム1000の構成の一例を示す図 複数の導線から電気信号を取得するための手順700の一例を示すフローチャート 複数の導線から電気信号を取得するための電極構造100を製造するための手順800の一例を示すフローチャート 本発明の一実施形態に従った複数の導線から電気信号を取得するためのシステム1000をBMIに用いる場合の一例を概念的に示す図
以下、本発明を説明する。本明細書において使用される用語は、特に言及しない限り、当該分野で通常用いられる意味で用いられることが理解されるべきである。したがって、他に定義されない限り、本明細書中で使用される全ての専門用語および科学技術用語は、本発明の属する分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。矛盾する場合、本明細書(定義を含めて)が優先する。
(用語の定義)
本明細書において、「導線」とは、電気信号を伝達可能な線状の要素のことをいう。ここで、「線状」とは、線のように細長い形状のことをいい、より具体的には、長さ寸法が横断寸法よりも大きい(例えば、約5倍以上大きい、約10倍以上大きい、約50倍以上大きい、約100倍以上大きい)形状のことをいう。「導線」は、例えば、導電性を有する部材(例えば、銅線、ワイヤ、ケーブル等)であってもよいし、化学イオンにより電気信号を伝達可能な組織(例えば、生体の神経等)であってもよい。
本明細書において、「生体」とは、生きている生物のことをいう。生体は、人間に限られず、例えば、動物、植物等を含む。
本明細書において、「約」とは、後に続く数値の±10%を意味する。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の一実施形態に従った電極層110の一例を示す。図1(a)は、電極層110の平面図を示し。図1(b)は、図1(a)のA-A線に沿った、電極層110のA-A断面図を示す。
電極層110は、基板111と、複数の孔112と、導体113、114とを備えている。電極層110は、さらに、出力端子115を備え得る。
基板111は、電極層110のベースとなる部材である。図1に示される例では、基板111は、略円形の板として図示されているが、基板111の形状はこれに限定されない。基板111は、任意の平面形状を有し得る。基板111は、略円形、略楕円形、略卵形、略三角形、略四角形、略多角形等の平面形状を有し得る。
基板111は、平面視において任意の寸法を有することができる。基板111の寸法は、その用途に応じた寸法であり得る。例えば、生体の神経から電気信号を取得するための基板111は、一辺が約100,000μmの正方形内に収まる寸法、約50,000μmの正方形内に収まる寸法、約10,000μmの正方形内に収まる寸法、一辺が約5,000μmの正方形内に収まる寸法、一辺が約3,000μmの正方形内収まる寸法等であり得る。より具体的には、例えば、基板111の平面形状が略円形の場合、基板111は、約10,000μm以下の直径、約5,000μm以下の直径、約3,000μm以下の直径を有し得る。好ましくは、基板111は、約500μmの直径を有し得る。
基板111は、任意の厚さを有することができる。基板111の厚さは、その用途に応じた厚さであり得る。例えば、生体の神経から電気信号を取得するための基板111は、約100μm以下の厚さ、約50μm以下の厚さ、約30μm以下の厚さ、約10μm以下の厚さ等であり得る。好ましくは、基板111の厚さは、約20μmであり得る。
基板111は、非導電性の任意の材料から形成され得る。基板111を形成する材料は、例えば、ポリイミドを含むが、これらに限定されない。好ましくは、基板111を形成する材料は、生体適合性材料によりコーティングされていてもよい。基板111が生体適合性材料であることにより、電極層110または電極層110から構成される電極構造を生体内に埋め込むことができるようになり、電極層110または電極構造を用いることにより、生体の神経を伝播する電気信号を取得することができるようになる。生体適合性材料は、例えば、MPCポリマーを含むが、これに限定されない。
複数の孔112は、基板111を貫通するように形成されている。図1に示される例では、複数の孔112は、略円形の孔として図示されているが、複数の孔112の形状はこれに限定されない。複数の孔112は、任意の平面形状を有し得る。複数の孔112は、略円形、略楕円形、略卵形、略三角形、略四角形、略多角形等の平面形状を有し得る。複数の孔112の各々は、例えば、相互に同一の形状を有していてもよいし、複数の孔112のうちの少なくとも1つは、複数の孔112のうちの他の孔と異なる形状を有していてもよい。
複数の孔112は、平面視において任意の寸法を有することができる。複数の孔112の寸法は、電気信号を取得する対象の導線の寸法に応じた寸法である。すなわち、複数の孔112の寸法は、電気信号を取得する対象の導線が通過可能な寸法であり得る。これにより、電極層110は、孔を通過する導線から電気信号を取得することができるようになる。例えば、生体の神経から電気信号を取得するための複数の孔112の各々は、一辺が約1,000μmの正方形内に収まる寸法、一辺が約500μmの正方形内に収まる寸法、一辺が約300μmの正方形内収まる寸法、一辺が約120μmの正方形内に収まる寸法等であり得る。より具体的には、例えば、複数の孔112の平面形状が略円形の場合、複数の孔112は、約1000μm以下の直径、約500μm以下の直径、約300μm以下の直径、約120μm以下の直径を有し得る。好ましくは、複数の孔112は、約120μmの直径を有し得る。複数の孔112の各々は、例えば、相互に同一の寸法を有していてもよいし、複数の孔112のうちの少なくとも1つは、複数の孔112のうちの他の孔と異なる寸法を有していてもよい。好ましい実施形態では、複数の孔112は、第1の孔と、第1の孔とは異なる寸法を有する第2の孔とを有し得る。
複数の孔112の数は、2以上の任意の数である。複数の孔112の数は、例えば、10個以上である。好ましくは、複数の孔112の数は、電気信号を取得する対象の複数の導線の数に従って決定される。例えば、生体の神経から電気信号を取得するための複数の孔112の数は、後述するように、神経の成長過程で神経が取り得る軌道の場合の数に基づいて、電極構造100における複数の電極層110の数と共に決定され得る。
複数の孔112の間隔は、任意の値であり得る。複数の孔112の間隔は、電気信号を取得する対象の導線の寸法に応じた間隔である。例えば、生体の神経から電気信号を取得するための複数の孔112の間隔は、最も近接する2つの孔間で、約10μm以下、約50μm以下、約100μm以下、約300μm以下、約600μm以下、約1,000μm以下、約1,200μm以下、約1,500μm以下等であり得る。好ましくは、2つの孔112間の間隔は、約600μmまたは約1200μmであり得る。
導体113、114は、複数の孔112を通過する導線を伝播する電気信号を電極層の外部に伝導するように構成されている。導体は、複数の孔112の周縁に配置された第1の導体113と、第1の導体113と出力端子115とを接続する第2の導体114とを含む。
第1の導体113は、複数の孔112の周縁のみならず、複数の孔112の内面にも配置され得る(図1(b)を参照)。これにより、孔を通過する導線が第1の導体113に接触する確率を高めることができる。第1の導体113は、孔の内面の一部に配置されてもよいし、孔の内面の全部に配置されてもよい。導体113は、いわゆるアニュラリングであり得る。
図1に示される例では、第1の導体113は、略円形の形状で基板111上に配置されているが、第1の導体113は、任意の形状で基板111上に配置されることができる。第1の導体113は、例えば、略円形、略楕円形、略卵形、略三角形、略四角形、略多角形等の形状で基板111上に配置されることができる。
第2の導体114は、第1の導体113と出力端子115とを接続するように基板111上に配線されている。第2の導体114は、他の第1の導体113および他の第2の導体114から電気的に絶縁されるように、配線される。すなわち、或る孔を通過する導線からの電気信号は、その孔の第1の導体113から出力端子まで、他の孔を通過する導線からの電気信号と混ざることなく伝導されることができる。これにより。出力端子115から取り出される電気信号は、どの孔で取得された電気信号であるかを区別可能となる。
第2の導体114は、他の第1の導体113および他の第2の導体114と電気的に絶縁される限り、任意の経路で第1の導体113と出力端子115とを接続する。
導体113、114は、電気信号を伝達可能な任意の材料から形成され得る。導体113、114を形成する材料は、例えば、ステンレスを含むが、これらに限定されない。好ましくは、導体113、114を形成する材料は、生体適合性材料である。導体113、114が生体適合性材料であることにより、電極層110または電極層110から構成される電極構造の生体内への埋め込みが促進され得る。生体適合性材料は、例えば、プラチナを含むが、これに限定されない。
出力端子115は、電極層110から電気信号を出力可能なように構成されている。出力端子115を介して、電極層110の外部に電気信号を出力することができる。
なお、出力端子115は、電気信号を出力するのみならず、外部からの電気信号を受信し、受信された電気信号を対応する孔に伝達するようにしてもよい。これにより、孔を通過する導線に電気信号を伝導する(例えば、導線が神経の場合には、神経を刺激する)ことが可能である。
図2は、本発明の一実施形態に従った電極構造100の一例を示す。図2(a)は、電極構造100の平面図を示し。図2(b)は、図2(a)のA-A線に沿った、電極構造100のA-A断面図を示す。
図2に示される例では、図示の簡単のために、電極層110が備え得る導体113、114が省略して図示されている。電極構造100が備える各電極層110は、図1を参照して説明した導体113、114を備えるものとして理解される。
電極構造100は、複数の電極層110を備えている。
図2に示される例では、電極構造100は、5つの電極層110を備えるが、電極構造100は、2以上の任意の数の電極層110を備えることができる。例えば、電極層110の数は、5以上である。好ましくは、複数の電極層110の数は、電気信号を取得する対象の複数の導線の数に従って決定される。後述するように、複数の導線の各々は、複数の導線の各々に一意の経路で、電極構造を通過することが好ましいため、複数の電極層110の数および各電極層110の複数の孔112の数は、複数の導線の各々が一意の経路を辿ることができるような数であることが好ましい。例えば、生体の神経から電気信号を取得するための複数の電極層110の数は、神経の成長過程で神経が取り得る軌道の場合の数に基づいて、各電極層110の複数の孔112の数と共に決定され得る。
例えば、複数の電極層110の数mおよび各電極層の複数の孔112の数nは、以下のように決定されることができる。
第一に、第kの層における孔を通過した神経が、次の第k+1の層で通過する可能性のある孔の数fkは、
Figure 0006991622000002
と表され、ここで、
Figure 0006991622000003
であり、θは、神経が成長する際に曲がる軌道の最大値であり、r’は、孔の半径であり、lは、電極構造100の長さであり、mは、層の数であり、dは、導体113(アニュラリング)の幅、dtraceは、基板上で導体113、114を離間させなければならない最小距離、fc(ratio)は、直径=ratioの円の中に直径1の円(単位円)を敷き詰めたときに重複することなく敷き詰めることができる円の数を示す関数である。
第二に、m個の層をすべて通過した後の場合の数は、
Figure 0006991622000004
となる。ここで、第1の電極層の孔の数をnとしている。
第三に、計算の簡単のためにすべての層でfを同一の値とすると、上記(1)は、
Figure 0006991622000005
と表され得る。
この場合の数が、対象の複数の神経の数Nを上回ればよいので、
Figure 0006991622000006
を満たすように、m、nが選択され得る。ここで、αは、安全率である。
例えば、ラットの坐骨神経約2800本、安全率3、θ=60の条件で計算すると、n=7を代入したときに、m=5となり得る。その近傍で、現実的に製造しうる範囲である程度値を探索すると、例えば(m,n)=(5,7)、(3,21)、などが得られ得る。
電極構造100では、複数の電極層110は、間隔hで離間されて配置されている。間隔hは、任意の値であり得る。間隔hは、電気信号を取得する対象の導線の寸法に応じた値であることができる。間隔hは、例えば、複数の孔間の間隔の倍数(例えば、約√2倍、約√3倍、約2倍、約3倍等)であり得る。例えば、生体の神経から電気信号を取得するための電極構造100の場合、間隔hは、約500μm以下、約1,000μm以下、約1,500μm以下、約2,000μm以下等であり得る。好ましくは、間隔hは、約1,250μmであり得る。
図2に示される例では、複数の電極層110は、電極構造100が備え得る接続部120によって相互に接続されている。電極構造100では、複数の電極層110が図2に示されるように別部材によって相互に接続されていてもよいし、複数の電極層110が一体化されていてもよい。
電極構造100を用いて複数の導線から電気信号を取得する場合、複数の導線は、電極構造100を通過した状態にある。このとき、複数の導線は、各電極層の1つの孔を通過している。複数の導線の各々は、複数の導線の各々に一意の経路で、電極構造を通過していることが好ましい。すなわち、複数の導線の本数と同数の経路が存在することが好ましい。複数の導線の各々が一意の経路を有することにより、電極構造100を用いて複数の導線から電気信号を取得するときに、取得された電気信号が複数の導線のうちのどの導線から取得された電気信号であるかを識別することができるようになるからである。すなわち、検出された電気信号が、各電極層の出力端子115の複数の導体114のうちのどの導体114から取得されたかを特定することで、どの孔から検出された電気信号であるかを特定することができ、一意の経路、ひいては、その経路に対応する導線を特定することができる。
例えば、複数の導線に同時に電気信号が伝播する場合であっても、取得された電気信号が複数の導線のうちのどの導線から取得された電気信号であるかを識別することができる。これは、例えば、導線を伝播する電気信号の伝播速度と、電極層間距離と、電気信号が検出された孔の位置と、電気信号が検出された時刻とから、複数の電気信号またはノイズを識別することができる。これは、電気信号の伝播速度と電極層間距離とから電気信号が各孔に到達し得る時刻を算出することができ、算出された時刻に合致する時刻に電気信号が検出された孔を、その電気信号が通過した孔であると特定することができるからである。
例えば、電極構造100を用いて複数の神経から電気信号を取得する場合、複数の神経は、成長することにより、電極構造100を通過し得る。例えば、生体の既存の神経を切断し、切断された神経間に電極構造100を挿入した後、切断された神経を成長させることにより、複数の神経は、電極構造100の各電極層の孔を通過することになる。このとき、孔が小さすぎると、神経の成長自体が阻害され、神経がうまく成長できない場合があり、孔が少なすぎると、複数の神経の各々に一意の経路を確保することができない場合がり、孔が大きすぎると、基板上に導体を配線することが困難になり、かつ/または、基板の大きさが大きくなりすぎる場合があることを本発明の発明者は見出した。本発明の発明者は、孔構成(例えば、孔の大きさ、数、配置)を適切に設定することにより、複数の神経の成長を阻害することなく複数の神経が孔を通過する確率を高めつつ、基板上に導体を配置可能な面積を確保可能な孔構成を見出した。
なお、切断された神経を成長させることにより複数の神経に電極構造100を通過させる場合、神経を伝導する電気信号は、本来の信号経路と、電極構造100から外部への信号経路との2つの経路を有することになる。例えば、本来の信号経路の先に本来制御されるべき手足が現存した場合、神経を伝導する電気信号により、外部機器と共に、自身の手足が動いてしまうことになり得る。例えば、自分の手は動かすことなく外部機器(例えば、ロボット)の手だけ動かすという制御ができない場合がある。これを防ぐために、例えば、ダイナミッククランプ等を用いることにより、本来の信号経路における活動電位をブロックするようにしてもよい。
図3は、本発明の一実施形態に従った電極構造100における2つの電極層の配置の一例を示す斜視図である。2つの電極層は、電極構造100が備える電極層の一部であってもよいし、全部であってもよい。
図3に示される例では、図示の簡単のために、第1の電極層110および第2の電極層110が備え得る導体113、114および出力端子115が省略して図示されている。第1の電極層110および第2の電極層110は、図1を参照して説明した導体113、114および出力端子115を備えるものとして理解される。さらに、図3に示される例では、図示の簡単のため、第1の電極層110および第2の電極層110を接続する接続部120が省略して図示されている。
第1の電極層110および第2の電極層110は、間隔hで離間されて配置されている。第1の電極層110および第2の電極層110の各々は、第1の直径を有する第1の孔と、第1の直径よりも小さい第2の孔とを有している。
第1の電極層110および第2の電極層110は、直径が異なる複数の孔を有していることにより、複数の導線が孔を通過する確率を高めつつ、基板111上に導体113および/または導体114を配置可能な面積を確保することができる。
さらに、第1の電極層110および第2の電極層110は、第1の電極層110の複数の孔のうちの少なくとも1つの中心軸が、第2の電極層110の複数の孔のうちの少なくとも1つの中心軸からずれるように配置されている。
例えば、第1の電極層110が有する第1の孔11211は第1の中心軸Cを有しており、第1の中心軸Cは、第2の電極層110が有する複数の孔のいずれの中心軸とも一致していない。すなわち、第1の中心軸Cは、第2の電極層110の複数の孔のそれぞれの中心軸からずれている。このように、第1の電極層110の孔の中心軸が第2の電極層110の孔の中心軸とずれていることにより、第1の電極層110の孔を通過する導線は、第2の電極層110の孔を通過するために、中心軸C方向から逸らされることになる。逸らされる方向はランダムであり得、従って、これは、導線が取り得る経路のランダム化、ひいては、導線の一意の経路につながり得る。
他方で、第1の電極層110が有する第2の孔11212は第2の中心軸Cを有しており、第2の中心軸Cは、第2の電極層110が有する第1の孔11221の中心軸と一致している。
図3に示される例では、第1の電極層110が有する孔の一部が第2の電極層110が有する孔の一部と中心軸を共有することを説明したが、本発明はこれに限定されない。好ましい実施形態では、第1の電極層110および第2の電極層110は、第1の電極層110の複数の孔のうちのそれぞれの中心軸が、第2の電極層110の複数の孔のうちのそれぞれの中心軸からずれるように配置されていてもよい。これにより、複数の導線が取り得る経路のランダム化を促進することができる。
図3に示される電極層が複数の導線から電気信号を取得するための電極構造を形成する場合、例えば、第1の電極層110と略同一の孔配列を有する電極層と第2の電極層110と略同一の孔配列を有する電極層とが交互に配置され得る。例えば、第1の電極層110に隣接して第2の電極層110が配置され、第2の電極層110に隣接して、第1の電極層110と略同一の孔配列を有する第3の電極層が配置され得る。これにより、第2の電極層が第1の電極層と第3の電極層との間に配置されることになる。さらに、第3の電極層に隣接して、第2の電極層110と略同一の孔配列を有する第4の電極層が配置されることもできる。これにより、第3の電極層が第2の電極層と第4の電極層との間に配置されることになる。これらの電極構造では、隣接する任意の電極層において、一方の電極層の複数の孔のうちの少なくとも1つの中心軸が、他方の電極層の複数の孔のうちの少なくとも1つの中心軸からずれることになる。
図4は、本発明の一実施形態に従った電極構造100における2つの電極層の具体例を示す。
第1の電極層110’は、略円形の基板111を有し、基板111上に複数の孔112と、第1の導体113と、第2の導体114と、出力端子115とを有する。
本例では、基板111は、約5,000μmの直径を有しており、出力端子115側には、第2の導体114を配線するための延在部を有している。延在部は、約980μmの寸法を有している。
複数の孔112は、第1の直径を有する第1の孔と、第1の直径よりも小さい直径を有する第2の孔とを有している。第1の孔は、約500μmの直径を有しており、第1の孔の周囲には、約800μmの直径で第1の導体113が配置されている。第1の孔同士の間隔は、約1,200μmである。第2の孔は、約120μmの直径を有しており、第2の孔の周囲には、約270μmの直径で第1の導体113が配置されている。第2の孔同士の間隔は、約600μmである。
第2の電極層110’は、略円形の基板111を有し、基板111上に複数の孔112と、第1の導体113と、第2の導体114と、出力端子115とを有する。
本例では、基板111は、約5,000μmの直径を有しており、出力端子115側には、第2の導体114を配線するための延在部を有している。延在部は、約1,000μmの寸法を有している。
複数の孔112は、第1の直径を有する第1の孔と、第1の直径よりも小さい直径を有する第2の孔とを有している。第1の孔は、約500μmの直径を有しており、第1の孔の周囲には、約800μmの直径で第1の導体113が配置されている。第1の孔同士の間隔は、約1,200μmである。第2の孔は、約120μmの直径を有しており、第2の孔の周囲には、約270μmの直径で第1の導体113が配置されている。第2の孔同士の間隔は、約300μmである。
第1の電極層110’と第2の電極層110’とを上下に重ねて配置すると、第1の電極層110’が有する複数の孔のそれぞれの中心軸が、第2の電極層110’が有する複数の孔のそれぞれの中心軸からずれるようになっている。これは、上述したように、複数の導線が取り得る経路のランダム化を促進することができる点で好ましい。
また、第1の電極層110’および第2の電極層110’は、直径が異なる複数の孔を有していることにより、複数の導線が孔を通過する確率を高めつつ、基板111上に導体113および/または導体114を配置可能な面積を確保している。
図4に示される電極層は、生体の複数の神経から電気信号を取得するための電極構造のために好適である。図4に示される電極層が相互に離間して配置されることにより電極構造を形成することができる。この電極構造では、例えば、第1の電極層110’と略同一の孔配列を有する電極層と第2の電極層110’と略同一の孔配列を有する電極層とが交互に配置され得る。例えば、第1の電極層110’に隣接して第2の電極層110’が配置され、第2の電極層110’に隣接して、第1の電極層110’と略同一の孔配列を有する第3の電極層が配置され得る。これにより、第2の電極層が第1の電極層と第3の電極層との間に配置されることになる。さらに、第3の電極層に隣接して、第2の電極層110’と略同一の孔配列を有する第4の電極層が配置されることもできる。これにより、第3の電極層が第2の電極層と第4の電極層との間に配置されることになる。これらの電極構造では、隣接する任意の電極層において、一方の電極層の複数の孔のそれぞれの中心軸が、他方の電極層の複数の孔のそれぞれの中心軸からずれることになる。
上述したように、電極構造100を用いて複数の導線から電気信号を取得する場合、複数の導線は、電極構造100を通過した状態にある。複数の導線が銅線、ワイヤ、ケーブル等の導電性を有する複数の部材である場合、複数の部材は、例えば、手動で各電極層の孔をランダムに通過させられ得る。複数の導線が生体の複数の神経である場合、複数の神経は、例えば、神経の成長過程を介して各電極層の孔をランダムに通過させられ得る。
図5A~図5Dは、本発明の一実施形態に従った電極構造100内を複数の神経が成長する様子の一例を示す。
図5A~図5Dでは、説明の簡単のために、4つの神経N1~N4を用いて説明する。複数の神経の数はこれに限定されず、任意の数の神経が電極構造100と共に用いられることができる。
図5A~図5Dでは、電極構造100は、その断面が示されている。本例では、電極構造100は5つの電極層を有する。以下の説明では、紙面上から順に、第1の電極層、第2の電極層、第3の電極層、第4の電極層、第5の電極層と称する。各電極層は複数の孔を有している。以下の説明では、各電極層において、紙面左から順に、第1の孔、第2の孔、第3の孔・・・と称する。第nの電極層の第mの孔を、孔nmと称する。第1の電極層と第3の電極層と第5の電極層は、略同一の電極配列を有し、第2の電極層と第4の電極層は、略同一の電極配列を有している。これにより、隣接する電極層において、一方の電極層の複数の孔のそれぞれの中心軸は、他方の電極層の複数の孔のそれぞれの中心軸からずれている。
図5Aに示されるように、4つの神経N1~N4は、電極構造100の上方から成長する。
4つの神経N1~N4は、成長すると、図5Bに示されるように、第1の電極層の孔を通過することになる。例えば、第1の神経N1の成長方向(紙面上下方向)には孔12があり、第1の神経N1は当該成長方向に成長し続けることができる一方で、第2の神経N2の成長方向(紙面上下方向)には孔がない。従って、第2の神経N2は、孔を通過することができるように、その成長方向を変更して成長することになる。このとき、神経がどの方向に成長方向を変更するかは、例えば、神経の行動ポリシーに従って決定される。神経の行動ポリシーは、例えば、他神経や構造体に倣おうとする等のポリシーを含む。
図5Bに示される例では、第1の神経N1が第1の電極層の第2の孔12を通過し、第2の神経N2が第1の電極層の第3の孔13を通過し、第3の神経N3が第1の電極層の第3の孔13を通過し、第4の神経N4が第1の電極層の第4の孔14を通過する。
4つの神経N1~N4は、さらに成長すると、図5Cに示されるように、第2の電極層の孔を通過することになる。各神経は、孔を通過することができるように、その成長方向を変更して成長することになる。
4つの神経N1~N4は、さらに成長すると、図5Dに示されるように、第3の電極層ないし第4の電極層の孔を通過することになる。
このようにして、4つの神経N1~N4は電極構造100を通過することができる。第1の神経N1は、孔12-孔21-孔31-孔41-孔51を通過する経路を有する。第2の神経N2は、孔13-孔22-孔32-孔41-孔51を通過する経路を有する。第3の神経N3は、孔13-孔23-孔34-孔43-孔53を通過する経路を有する。第4の神経N4は、孔14-孔24-孔34-孔44-孔55を通過する経路を有する。このように、各神経が辿る経路は一意となる。
図5Dに示されるように複数の神経が電極構造100を通過した状態で、複数の神経から電気信号を取得することができる。例えば、孔12、孔21、孔31、孔41、孔51から電気信号が検出された場合、その電気信号は、孔12-孔21-孔31-孔41-孔51を通過する経路を有する第1の神経N1を伝播する電気信号であると識別することができる。例えば、孔14、孔24、孔34、孔44、孔55から電気信号が検出された場合、その電気信号は、孔14-孔24-孔34-孔44-孔55を通過する経路を有する第4の神経N4を伝播する電気信号であると識別することができる。
例えば、神経を伝播する電気信号の伝播速度と、電極層間距離と、電気信号が検出された孔の位置と、電気信号が検出された時刻とから、神経を伝播する電気信号とノイズとを区別することができる。電気信号が検出された時刻が、神経を伝播する電気信号の伝播速度と、電極層間距離と、孔位置とから、或る経路を有する神経について想定される時刻よりも有意に早いまたは遅い場合に、その電気信号をノイズであると判定することができる。一例において、孔13、孔23、孔33、孔34、孔43、孔53から電気信号が検出された場合、孔33において電気信号が検出された時刻が、神経を伝播する電気信号の伝播速度と、電極層間距離と、孔位置とから孔13および孔23を通過する神経について想定される時刻よりも有意に早いまたは遅い場合に、孔33から検出された電気信号をノイズであると判定することができる。そして、孔13、孔23、孔34、孔43、孔53から検出された電気信号を、孔13-孔23-孔34-孔43-孔53を通過する経路を有する第2の神経N2を伝播する電気信号であると識別することができる。
例えば、神経を伝播する電気信号の伝播速度と、電極層間距離と、電気信号が検出された孔の位置と、電気信号が検出された時刻とから、複数の電気信号を区別することができる。電気信号が検出された時刻が、神経を伝播する電気信号の伝播速度と、電極層間距離と、孔位置とから、或る経路を有する神経について想定される時刻よりも有意に早いまたは遅い場合に、その電気信号をその神経由来のものではないと判定することができる。一例において、孔13、孔14、孔23、孔24、孔34、孔43、孔44、孔53、孔55から電気信号が検出された場合、孔53において電気信号が検出された時刻が、神経を伝播する電気信号の伝播速度と、電極層間距離と、孔位置とから、孔44を通過する神経について想定される時刻よりも有意に早いまたは遅い場合に、孔44から検出された電気信号と孔53から検出された電気信号とは異なる経路にあると判定することができる。また、この例において、孔24において電気信号が検出された時刻が、孔13を通過する神経について想定される時刻よりも有意に早いまたは遅い場合に、孔24から検出された電気信号と孔13から検出された電気信号とは異なる経路にあると判定することができる。すると、孔13、孔14、孔23、孔24、孔34、孔43、孔44、孔53、孔55のうちのあり得る組み合わせとして、孔13、孔23、孔34、孔43、孔53から検出された電気信号を、孔13-孔23-孔34-孔43-孔53を通過する経路を有する第2の神経N2を伝播する電気信号であると識別し、孔14、孔24、孔34、孔44、孔55から検出された電気信号を、孔14-孔24-孔34-孔44-孔55を通過する経路を有する第4の神経N4を伝播する電気信号であると識別することができる。例えば、電気信号が検出された孔を通過する経路に該当する経路が存在しない場合には、その孔から検出された電気信号をノイズであると判定することもできる。
例えば、或る時刻において複数の電気信号を区別できない場合には、タイミングがずれた電気信号が検出されるまで、別の電気信号を待つことができる。それでもなお、タイミングがずれた電気信号が検出されない場合には、それらの電気信号は、冗長な複数の神経によるものであると考えられる。このとき、これらの電気信号は、分離しなくてもよい。すなわち、電極構造100を用いて複数の電気信号を区別することは、神経の一本一本を分離するために行われるというよりは、神経の制御自由度を分離するために行われる。
複数の電気信号を区別することは、例えば、1回のサンプリングで検出された電気信号のみに基づくよりも、複数回のサンプリングで検出された電気信号に基づくことが好ましい。例えば、電極の問題またはサンプリングの問題により、計測できない層または孔が存在し得るからである。計測できない層または孔が存在した場合であっても、複数のサンプリングを総じて、大部分の電気信号が整合している場合には、その電気信号を有効なものとして他の電気信号から分離することができる。
例えば、一実施形態において、電極構造100が、外部からの電気信号を受信し、受信された電気信号を電極構造内の孔に伝達することができる構成を有する場合、孔を通過する神経に刺激を与えることができる。このとき、或る孔に刺激を与え、その刺激の伝播を各層の孔で検出することにより、当該神経が通過する経路を識別することができる。これは、例えば、上述したしたようなタイミングがずれた電気信号が検出されない場合であっても、神経が通過する経路、ひいてはその経路を通過する神経を伝播する電気信号を他の電気信号と区別することを可能にする。
このようにして、複数の導線(例えば、複数の神経)に電極構造100を通過させることによって、複数の導線から複数の電気信号を取得することができる。
複数の導線から複数の電気信号を取得することは、例えば、後述するシステム1000によって実現されることができる。
図6は、本発明の一実施形態に従った、複数の導線から電気信号を取得するためのシステム1000の構成の一例を示す。
システム1000は、電極構造100と、コントローラ200とを備える。
電極構造100は、上述した電極構造100と同一の構成を有し、説明を省略する。図6に示される例では、1つの電極構造100が示されているが、システム1000が備える電極構造100の数はこれに限定されない。システム1000は、少なくとも1つの電極構造100を備えることができる。
例えば、複数の電極構造100が生体に埋め込まれて生体の複数の神経から複数の電気信号を取得するために用いられる場合、例えば、複数の電極構造100は、同一の生体内に埋め込まれるようにしてもよいし、別の生体内に埋め込まれるようにしてもよい。複数の電極構造100が同一の生体内に埋め込まれる場合には、例えば、複数の電極構造100は、同一の部位に埋め込まれるようにしてもよい、別の部位に埋め込まれるようにしてもよい。
コントローラ200は、インタフェース部210と、プロセッサ部220と、メモリ部230とを備える。
インタフェース部210は、コントローラ200の外部と情報のやり取りを行う。コントローラ200のプロセッサ部220は、インタフェース部210を介して、コントローラ200の外部から情報を受信することが可能であり、コントローラ200の外部に情報を送信することが可能である。インタフェース部210は、任意の形式で情報のやり取りを行うことができる。
インタフェース部210は、例えば、電極構造100から電気信号を受信することができる。すなわち、インタフェース部210は、電極構造100から電気信号を受信する受信手段として機能する。インタフェース部210は、受信した信号を増幅するようにしてもよいし、増幅された信号を受信するようにしてもよい。
インタフェース部210は、電極構造100から受信された電気信号に基づく任意の出力をコントローラ200から外部に送信することができる。出力は任意の用途に利用されることができる。例えば、出力は、信号線を切断することなく、信号線内を流れる信号を解析するために利用されることができる。インタフェース部210は、電気信号を電極構造100に送信することもできる。これにより、インタフェース部210は、電極構造100と双方向通信をすることができる。
インタフェース部210は、コントローラ200が接続された物体に制御信号を送信することできる。ここで、制御信号は、電極構造100から受信された電気信号に基づいてプロセッサ部220において生成され得る。
物体は、例えば、外部機器または生体組織であり得る。外部機器は、例えば、外部機器は、例えば、義手、義足等の身体補助装置であってもよいし、遠隔操作可能なロボット等であってもよい。生体組織は、電極構造100が埋め込まれた生体の組織であってもよいし、電極構造100が埋め込まれた生体とは別の生体の組織であってもよい。別の生体には、電極構造100と同様の電極構造が埋め込まれ得る。生体組織に制御信号を送信することにより、生体組織を制御することができる。例えば、電極構造100によって検出された歩行意図に基づく制御信号を麻痺した脚に送信することにより、麻痺した脚を動かすように制御することができる。
プロセッサ部220は、コントローラ200の処理を実行し、かつ、コントローラ200全体の動作を制御する。プロセッサ部220は、メモリ部230に格納されているプログラムを読み出し、そのプログラムを実行する。これにより、コントローラ200を所望のステップを実行するシステムとして機能させることが可能である。プロセッサ部220は、単一のプロセッサによって実装されてもよいし、複数のプロセッサによって実装されてもよい。
プロセッサ部220は、例えば、インタフェース部210を介して受信された複数の電気信号を区別するように構成され得る。すなわち、プロセッサ部220は、複数の電気信号を区別するための区別手段として機能し得る。
プロセッサ部220は、例えば、複数の電気信号のうちの1つが、電極構造100の各電極層のどの孔から検出されたかを特定することによって、複数の電気信号のうちの上記1つが、複数の導線のうちのどの導線を伝播する電気信号かを識別することができる。これにより、プロセッサ部220は、複数の電気信号のうちの上記1つを、複数の電気信号のうちの他の電気信号から区別することができる。
プロセッサ部220は、例えば、導線を伝播する電気信号の伝播速度と、電極層間距離と、電気信号が検出された孔の位置と、電気信号が検出された時刻とに基づいて、複数の電気信号および/またはノイズを区別することができる。
プロセッサ部220は、例えば、電気信号が検出された時刻が、導線を伝播する電気信号の伝播速度と、電極層間距離と、電気信号が検出された孔の位置と、或る経路を有する導線について想定される時刻よりも有意に早いまたは遅い(例えば、想定される時刻の約1.1倍以上早いまたは遅い、約1.2倍以上早いまたは遅い、約1.5倍以上早いまたは遅い、約2倍以上早いまたは遅い等)場合に、その電気信号をその経路の電気信号ではない(例えば、別の経路の電気信号またはノイズである)と判定することができる。
プロセッサ部220は、例えば、或る時刻において複数の電気信号を区別できない場合には、タイミングがずれた電気信号が検出されるまで、別の電気信号を待ち、タイミングがずれた電気信号を用いて、複数の電気信号を区別することができる。
複数の電気信号を区別することは、例えば、1回のサンプリングで検出された電気信号のみに基づくよりも、複数回のサンプリングで検出された電気信号に基づくことが好ましい。例えば、電極の問題またはサンプリングの問題により、計測できない層または孔が存在し得るからである。計測できない層または孔が存在した場合であっても、複数のサンプリングを総じて、大部分の電気信号が整合している場合には、プロセッサ部220は、その電気信号を有効なものとして他の電気信号から分離することができる。
例えば、一実施形態において、プロセッサ部220は、インタフェース部210を介して或る孔を通過する導線に電気信号を送信し、その電気信号の伝播を各層の孔で検出することにより、当該導線が通過する経路を識別することができる。これは、例えば、タイミングがずれた電気信号が検出されない場合であっても、導線が通過する経路、ひいてはその経路を伝播する電気信号を他の電気信号と区別することを可能にする。
例えば、一実施形態において、プロセッサ部220は、電極構造100全体から検出された信号のパターンをパターンマッチングすることにより、複数の電気信号を区別するようにしてもよい。例えば、プロセッサ部220は、複数の導線を伝播する複数の電気信号の各々について、電極構造100を通過するときの電気信号検出パターンを予め学習しておき、運用時に得られた電気信号検出パターンが学習された電気信号検出パターンのいずれと合致するかを判定することにより、複数の電気信号を区別することができる。
メモリ部230は、コントローラ200の処理を実行するために必要とされるプログラムやそのプログラムの実行に必要とされるデータ等を格納する。メモリ部230は、複数の電気信号を区別する処理ためのプログラムを格納してもよい。ここで、プログラムをどのようにしてメモリ部230に格納するかは問わない。例えば、プログラムは、メモリ部230にプリインストールされていてもよい。あるいは、プログラムは、インタフェース部210を介して接続され得るネットワークを経由してダウンロードされることによってメモリ部230にインストールされるようにしてもよい。この場合、ネットワークの種類は問わない。メモリ部230は、任意の記憶手段によって実装され得る。
図6に示される例では、コントローラ200の各構成要素がコントローラ200内に設けられているが、本発明はこれに限定されない。コントローラ200の各構成要素のいずれかがコントローラ200の外部に設けられることも可能である。例えば、プロセッサ部220、メモリ部230のそれぞれが別々のハードウェア部品で構成されている場合には、各ハードウェア部品が任意のネットワークを介して接続されてもよい。このとき、ネットワークの種類は問わない。各ハードウェア部品は、例えば、LANを介して接続されてもよいし、無線接続されてもよいし、有線接続されてもよい。コントローラ200は、特定のハードウェア構成には限定されない。プロセッサ部220をデジタル回路ではなくアナログ回路によって構成することも本発明の範囲内である。コントローラ200の構成は、その機能を実現できる限りにおいて上述したものに限定されない。
図7は、複数の導線から電気信号を取得するための手順700の一例を示す。手順700は、例えば、上述したシステム1000を用いて行われる。
ステップS701では、システム1000の電極構造100を用いて、複数の導線から複数の電気信号を検出する。
電極構造100は、上述したように、相互に離間して配置された複数の電極層を備え、複数の電極層の各々は、複数の導線が通過可能な寸法を有する複数の孔を有している。複数の孔の各孔は、通過する導線を伝播する電気信号を前記電極構造の外部に伝導する導体に接続されている。
ステップS701は、複数の導体が電極構造100を通過した状態で行われる。このとき、複数の導体が電極構造100内で辿る経路は、複数の導体の各々に一意の経路である。従って、電極構造100は、複数の導体の各々の一意の経路を可能にするために、複数の導体の数よりも有意に多い数の経路を形成可能な電極層の数および/または各電極層内の孔の数を有するべきである。
ステップS702では、システム1000のコントローラ200が、ステップS701で検出された複数の電気信号を区別する。
ステップS702では、まず、コントローラ200のインタフェース部210が、電極構造100から複数の電気信号を受信する。インタフェース部210は、例えば、電極構造100の出力端子115から複数の電気信号を受信することができる。次いで、コントローラ200のプロセッサ部220が、受信された複数の電極を区別する。
プロセッサ部220は、例えば、複数の電気信号のうちの1つが、電極構造100の各電極層のどの孔から検出されたかを特定することによって、複数の電気信号のうちの上記1つが、複数の導線のうちのどの導線を伝播する電気信号かを識別することができる。これにより、プロセッサ部220は、複数の電気信号のうちの上記1つを、複数の電気信号のうちの他の電気信号から区別することができる。
プロセッサ部220は、例えば、導線を伝播する電気信号の伝播速度と、電極層間距離と、電気信号が検出された孔の位置と、電気信号が検出された時刻とに基づいて、複数の電気信号および/またはノイズを区別することができる。
プロセッサ部220は、例えば、電気信号が検出された時刻が、導線を伝播する電気信号の伝播速度と、電極層間距離と、電気信号が検出された孔の位置と、或る経路を有する導線について想定される時刻よりも有意に早いまたは遅い(例えば、想定される時刻の約1.1倍以上早いまたは遅い、約1.2倍以上早いまたは遅い、約1.5倍以上早いまたは遅い、約2倍以上早いまたは遅い等)場合に、その電気信号をその経路の電気信号ではない(例えば、別の経路の電気信号またはノイズである)と判定することができる。
プロセッサ部220は、例えば、或る時刻において複数の電気信号を区別できない場合には、タイミングがずれた電気信号が検出されるまで、別の電気信号を待ち、タイミングがずれた電気信号を用いて、複数の電気信号を区別することができる。
複数の電気信号を区別することは、例えば、1回のサンプリングで検出された電気信号のみに基づくよりも、複数回のサンプリングで検出された電気信号に基づくことが好ましい。例えば、電極の問題またはサンプリングの問題により、計測できない層または孔が存在し得るからである。計測できない層または孔が存在した場合であっても、複数のサンプリングを総じて、大部分の電気信号が整合している場合には、プロセッサ部220は、その電気信号を有効なものとして他の電気信号から分離することができる。
例えば、一実施形態において、プロセッサ部220は、インタフェース部210を介して或る孔を通過する導線に電気信号を送信し、その電気信号の伝播を各層の孔で検出することにより、当該導線が通過する経路を識別することができる。これは、例えば、タイミングがずれた電気信号が検出されない場合であっても、導線が通過する経路、ひいてはその経路を伝播する電気信号を他の電気信号と区別することを可能にする。
例えば、一実施形態において、プロセッサ部220は、電極構造100全体から検出された信号のパターンをパターンマッチングすることにより、複数の電気信号を区別するようにしてもよい。例えば、プロセッサ部220は、複数の導線を伝播する複数の電気信号の各々について、電極構造100を通過するときの電気信号検出パターンを予め学習しておき、運用時に得られた電気信号検出パターンが学習された電気信号検出パターンのいずれと合致するかを判定することにより、複数の電気信号を区別することができる。
手順700により、複数の導体から複数の電気信号を区別可能な態様で取得することができる。取得された電気信号は、任意の用途に利用されることができる。例えば、電気信号に基づいて、物体(例えば、外部機器、生体組織)を制御するための制御信号を生成することができる。また、複数の導体を区別することも可能であるため、所望の導体に所定の電気信号を伝導することもできる。これは、例えば、所望の神経に所定の電気信号を送信する(例えば、脚の運動を司る神経に、麻痺している脚を動かすように制御するための電気刺激を与える)ことを可能にする。
図8は、複数の導線から電気信号を取得するための電極構造100を製造するための手順800の一例を示す。
ステップS801では、複数の電極層110が準備される。
複数の電極層110の各々は、上述したように、複数の導線が通過可能な寸法を有する複数の孔を有する。複数の孔の各孔は、通過する導線を伝播する電気信号を電極構造の外部に伝導する導体に接続されている。
複数の電極層110は、例えば、一般的な電子基板と同様に、エッチングによって製造されることができる。それを、フレキシブル基板と同様にポリイミドなどのフィルムで挟み込み、必要に応じ露出電極部をメッキなどすることで、電極層110を作ることができる。
ステップS802では、ステップS801で準備された複数の電極層110を相互に離間して配置する。
複数の電極層110は、例えば、相互に離間して配置され、接続部120によって共に接続されて、電極構造100を形成する。
複数の電極層110は、例えば、一体的に形成されて電極構造100を形成することもできる。この場合、ステップS801とステップS802とは同時に行われ得る。
手順800により、電極構造100が製造される。電極構造100および電極構造100を備えるシステム1000は、上述したように、任意の用途に利用されることができる。電極構造100および電極構造100を備えるシステム1000は、例えばBMIにおいて利用されることができる。
図9は、本発明の一実施形態に従った複数の導線から電気信号を取得するためのシステム1000をBMIに用いる場合の一例を概念的に示す。
本例では、電極構造100によって対象10の脳から直接取得された電気信号を用いて、ロボット30を駆動することを例に説明する。
電極構造100は、対象10の体内に埋め込まれている。電極構造100は、例えば、対象10の脊髄またはそこから伸びる末梢へと至る神経に埋め込まれることができる。電極構造100が埋め込まれた後、脳から延びる神経が電極構造100内に成長させられる。これにより、電極構造100を介して脳から神経内を伝播する信号が電極構造100内に伝播することになる。
電極構造100は、ケーブル21を介してコントローラ200に接続されている。そして、コントローラ200は、ケーブル22を介してロボット30に接続されている。図9に示される例では、電極構造とコントローラ200との接続、および、コントローラ200とロボット30との接続が有線接続として示されているが、有線接続の代わりに、無線接続を使用することも可能である。
(学習段階)
対象10は、ロボット30を操作することをイメージする。例えば、ロボット30に歩行させること、ロボット30に物をつかませること、ロボット30につかんだ物を離させること等をイメージする。対象10がロボット30を操作することをイメージすることで、対象10の脳からは、対応する電気信号が発せられる。
対象10がロボット30の各操作をイメージしたときに対象10の脳から発せられた電気信号を、電極100を介して取得する。取得された電気信号は、ケーブル21を介してコントローラ200に入力される。対象10は、何の操作をイメージしたかをコントローラ200に入力することができる。これにより、対象が意図する各操作と、発せられた電気信号とが関連付けられて学習されることになる。
(運用段階)
対象10は、ロボット30を操作することをイメージする。例えば、ロボット30に歩行させること、ロボット30に物をつかませること、ロボット30につかんだ物を離させること等をイメージする。対象10がロボット30を操作することをイメージすることで、対象10の脳からは、対応する電気信号が発せられる。
対象10がロボット30の各操作をイメージしたときに対象10の脳から発せられた電気信号を、電極100を介して取得する。取得された電気信号は、ケーブル21を介してコントローラ200に入力される。コントローラ200は、学習された情報を参照し、入力された電気信号が何の操作を意図したときに発せられる電気信号であるかを判定する。これにより、コントローラ200は、取得された電気信号から対象10の意図を認識し、その意図どおりに動作するようにロボット30に制御信号を送信する。
ロボット30は、受信された制御信号に従って、動作する。
このようにして、対象10は、ロボット30を操作することをイメージするだけで、ロボット30を操作することができる。ロボット30は、あたかも対象10自身の身体のように動作させられることができる。
上述したBMIにおける応用は一例であり、他の用途においても、複数の導線から電気信号を取得するためのシステム1000を利用することができる。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明は、特許請求の範囲によってのみその範囲が解釈されるべきであることが理解される。当業者は、本発明の具体的な好ましい実施形態の記載から、本発明の記載および技術常識に基づいて等価な範囲を実施することができることが理解される。
本発明は、複数の導線を伝播する複数の電気信号を区別可能な態様で取得するための方法等を提供するものとして有用である。
100 電極構造
110 電極層
111 基板
112 孔
113、114 導体
115 出力端子
120 接続部
200 コントローラ
1000 システム

Claims (15)

  1. 生体の複数の神経から電気信号を取得するための方法であって、前記方法は、プロセッサ部において実行され、前記方法は、
    前記プロセッサ部が、電極構造を用いて前記複数の神経から検出された複数の電気信号を受信することであって、前記電極構造は、複数の電極層を備え、前記複数の電極層は、前記複数の電極層が重なる方向に相互に離間して配置され前記複数の電極層の各々は、前記複数の神経が通過可能な寸法を有する複数の孔を有し、前記複数の孔の各孔は、通過する神経を伝播する電気信号を前記電極構造の外部に伝導する導体に接続されている、ことと、
    前記プロセッサ部が、前記複数の孔のうちの前記複数の電気信号が検出された孔の位置に基づいて、前記検出された複数の電気信号のうちの1つを前記検出された複数の電気信号のうちの他の1つから区別することと
    を含む方法。
  2. 前記区別することは、電気信号の伝播速度と、前記複数の電極層間の距離とから電気信号が各孔に到達し得る時刻を算出することと、前記算出された時刻に合致する時刻に前記複数の電気信号のうちの前記1つおよび前記他の1つが検出されたそれぞれのを通過するそれぞれの神経を特定することと、前記複数の電気信号のうちの前記1つおよび前記他の1つが前記特定されたそれぞれの神経から取得された電気信号であることを識別することによって、前記複数の電気信号のうちの前記1つを前記他の1つから区別することを含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記複数の孔は、第1の寸法を有する第1の孔と、前記第1の寸法とは異なる第2の寸法を有する第2の孔とを有する、請求項1または請求項2に記載の方法。
  4. 前記複数の電極層は、少なくとも、第1の電極層と、前記第1の電極層に隣接して配置された第2の電極層を備え、
    前記第1の電極層における前記複数の孔の少なくとも1つの中心軸が、前記第2の電極層における前記複数の孔の少なくとも1つの中心軸からずれている、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記複数の電極層は、少なくとも、第1の電極層と、前記第1の電極層に隣接して配置された第2の電極層を備え、
    前記第1の電極層における前記複数の孔のそれぞれの中心軸が、前記第2の電極層における前記複数の孔のそれぞれの中心軸からずれている、請求項4に記載の方法。
  6. 前記複数の電極層は、前記第2の電極層に隣接して配置された第3の電極層をさらに備え、前記第2の電極層は、前記第1の電極層と前記第3の電極層との間に配置され、前記第3の電極層は、前記第1の電極層と略同一の孔配列を有する、請求項4または請求項5に記載の方法。
  7. 前記複数の電極層は、前記第3の電極層に隣接して配置された第4の電極層をさらに備え、前記第3の電極層は、前記第2の電極層と前記第4の電極層との間に配置され、前記第4の電極層は、前記第2の電極層と略同一の孔配列を有する、請求項6に記載の方法。
  8. 前記複数の電極層の数は、3以上であるか、または、前記複数の孔の数は、7以上である、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 生体の複数の神経から電気信号を取得するための電極構造であって、前記電極構造は、複数の電極層を備え、前記複数の電極層は、前記複数の電極層が重なる方向に相互に離間して配置され前記複数の電極層の各々は、前記複数の神経が通過可能な寸法を有する複数の孔を有し、前記複数の孔の各孔は、通過する神経を伝播する電気信号を前記電極構造の外部に伝導する導体に接続されている、電極構造。
  10. 生体の複数の神経から電気信号を取得するためのシステムであって、
    請求項に記載の電極構造と、
    前記電極構造から複数の電気信号を受信する受信手段と、
    前記複数の孔のうちの前記複数の電気信号が検出された孔の位置に基づいて、前記複数の電気信号のうちの1つを前記検出された複数の電気信号のうちの他の1つから区別する区別手段と
    を備えるシステム。
  11. 前記区別手段は、前記電気信号の伝播速度と、前記複数の電極層間の距離とから電気信号が各孔に到達し得る時刻を算出することと、前記算出された時刻に合致する時刻に前記複数の電気信号のうちの前記1つおよび前記他の1つが検出されたそれぞれのを通過するそれぞれの神経を特定することと、前記複数の電気信号のうちの前記1つおよび前記他の1つが前記特定されたそれぞれの神経から取得された電気信号であることを識別することによって、前記複数の電気信号のうちの前記1つを前記他の1つから区別するように構成されている、請求項10に記載のシステム。
  12. ブレイン・マシン・インタフェース(BMI)における使用のための、請求項10または11に記載のシステム。
  13. 前記電極構造は、対象の身体内に埋め込まれ、
    前記受信手段は、前記対象の身体内に埋め込まれた前記電極構造を介して、前記対象の脳から発せられた複数の電気信号を受信する、請求項12に記載のシステム。
  14. 生体の複数の神経から電気信号を取得するための電極構造の製造方法であって、
    複数の電極層を準備するステップであって、前記複数の電極層の各々は、前記複数の神経が通過可能な寸法を有する複数の孔を有し、前記複数の孔の各孔は、通過する神経を伝播する電気信号を前記電極構造の外部に伝導する導体に接続されている、ステップと
    前記複数の電極層が重なる方向に前記複数の電極層を相互に離間して配置するステップと
    を含む製造方法。
  15. 数の電極層を準備するステップは、神経の成長過程で前記神経が取り得る軌道の場合の数が前記複数の神経の数よりも多くなるように、前記複数の電極層の数および前記複数の孔の数を決定するステップを含む、請求項1に記載の製造方法。
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吉田充宏, 廣瀬義人, 浮田芳昭, 満渕邦彦, 内海裕一: "多層配線可能な神経再生型電極の作製", エレクトロニクス実装学術講演大会講演論文集, vol. 2011年25巻10C-13, JPN6021028571, 17 July 2014 (2014-07-17), JP, pages 345 - 346, ISSN: 0004556045 *

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