JP6991397B2 - 乱気流検出装置及び乱気流検出方法 - Google Patents
乱気流検出装置及び乱気流検出方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6991397B2 JP6991397B2 JP2021530334A JP2021530334A JP6991397B2 JP 6991397 B2 JP6991397 B2 JP 6991397B2 JP 2021530334 A JP2021530334 A JP 2021530334A JP 2021530334 A JP2021530334 A JP 2021530334A JP 6991397 B2 JP6991397 B2 JP 6991397B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- wind speed
- wind direction
- blast
- wind
- value
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Classifications
-
- G—PHYSICS
- G01—MEASURING; TESTING
- G01S—RADIO DIRECTION-FINDING; RADIO NAVIGATION; DETERMINING DISTANCE OR VELOCITY BY USE OF RADIO WAVES; LOCATING OR PRESENCE-DETECTING BY USE OF THE REFLECTION OR RERADIATION OF RADIO WAVES; ANALOGOUS ARRANGEMENTS USING OTHER WAVES
- G01S17/00—Systems using the reflection or reradiation of electromagnetic waves other than radio waves, e.g. lidar systems
- G01S17/88—Lidar systems specially adapted for specific applications
Landscapes
- Physics & Mathematics (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Computer Networks & Wireless Communication (AREA)
- Electromagnetism (AREA)
- General Physics & Mathematics (AREA)
- Radar, Positioning & Navigation (AREA)
- Remote Sensing (AREA)
- Radar Systems Or Details Thereof (AREA)
- Optical Radar Systems And Details Thereof (AREA)
Description
ブラストの影響範囲(以下「ブラスト領域」という。)を検出する技術として、例えば、特許文献1には、航空機の位置、移動情報、又は機体情報に基づいてブラスト領域を算出する空港面誘導支援システムが開示されている。
特許文献1に開示されている技術に代表される、従来のブラスト領域を検出する技術では、背景風の影響が考慮されておらず、実際のブラスト領域を検出できない場合があるという課題があった。
実施の形態1.
近年、航空機利用者の増大により、特に大都市に近接する空港では、空港における交通容量(以下「空港交通容量」という。)の増加が望まれている。空港交通容量を増加させるための一方策としては、滑走路の利用率を上げ、離着陸数を増加させることが考えられる。なお、空港交通容量を増加させるため、滑走路を増設することも一方策ではあるが、滑走路の増設は、一般に、容易なことではない。
しかし、例えば、交差滑走路を有する空港では、一方の滑走路から離陸する航空機のブラストが他方の滑走路に着陸する航空機に対し急激な風速変化として影響を及ぼすことが懸念されている。したがって、交差滑走路を有する空港では、航空機の離着陸間隔の設定について、ブラストの影響を回避するのに十分な時間の確保も考慮した、より複雑な運用がなされる必要がある。
なお、ブラストは、高温高圧の排気であり、当該ブラストの影響範囲は、航空機のエンジン後方数100メートルに及ぶ。従って、交差滑走路だけでなく、近接平行滑走路、さらには、滑走路以外の誘導路又は駐機場等においてもブラストの影響が及び、トーイングトラクター、タグ車、又は、バス等の運用にも影響を及ぼす可能性がある。このように、交差滑走路を有する空港に限らず、あらゆる空港の空港面において、航空機のブラストが他の航空機等に対して影響を及ぼすことが想定され、ブラストを考慮して空港面での航空機の離着陸間隔が確保されなければならない。
滑走路の利用率を上げるには、時々刻々のブラスト領域の正確な把握が必要であるのに対し、従来の、上述したようなブラスト領域の予測方法では、背景風の影響を受けたブラスト領域を正確に把握することが困難であった。
実施の形態1に係る乱気流検出装置は、ドップラライダ装置が空港面内の観測領域を観測するためにビームを送受信した結果得られた受信信号を用いて、観測領域内におけるブラスト領域を検出する。
乱気流検出装置1は、ドップラライダ装置2がビーム走査する観測領域において、ブラスト領域を検出する。
図1では、乱気流検出装置1は、交差滑走路を有する空港の空港面に設定された観測領域において、ブラスト領域を検出するものとしている。
なお、図1では一例として、乱気流検出装置1は、交差滑走路を有する空港にて、ブラスト領域を検出するものとしたが、これは一例に過ぎない。
乱気流検出装置1は、あらゆる空港の空港面において、ブラスト領域を検出することができる。
乱気流検出装置1が搭載されたドップラライダ装置2は、滑走路A及び滑走路Bを含むように設定された観測領域を、所定の高度で水平にビーム走査する。所定の高度とは、例えば、滑走路上の航空機のエンジンが存在し得る高度(以下「エンジン高度」という。)である。なお、図1では、ドップラライダ装置2がビーム走査する観測領域は、扇形であらわされるものとしている。
ドップラライダ装置2は、予め設定された周期で上記ビーム走査を行う。乱気流検出装置1は、ドップラライダ装置2が観測領域をビーム走査した結果に基づき、ブラスト領域の検出を行う。
図1において、方位方向を1002の矢印、レンジ方向を1003の矢印で示している。なお、レンジ方向は、視線方向ともいう。
図2に示すように、ドップラライダ装置2は乱気流検出装置1を搭載し、電磁波放射部21及び送受信部22を備える。
電磁波放射部21が観測領域へ放射した送信光は、大気中の微粒子で反射される。その際、反射位置の風速に応じてドップラ効果が生じるため、大気による反射光の周波数はドップラ効果による偏移を受ける。
電磁波放射部21は、観測領域へ放射した送信光の、大気による反射光を受信し電気信号に変換した後、当該電気信号を受信信号として、送受信部22に伝送する。
乱気流検出装置1は、ブラスト領域を検出した結果として、ブラスト領域及びブラスト強度に関する情報を出力する。実施の形態1において、ブラスト強度とは、ブラストの風速値をいう。なお、ブラストの風速は、絶対風速である。
乱気流検出装置1は、モーメント算出部101、風向風速推定部102、風速判定部103、風向判定部104、及び、ブラスト検出部105を備える。ブラスト検出部105は、第1ブラスト検出部1051を備える。
モーメント算出部101は、算出したモーメント情報を各レンジセルに付与して、受信信号を、風向風速推定部102に出力する。モーメント算出部101がモーメント情報を付与して風向風速推定部102に出力する受信信号を、「モーメント付与後受信信号」ともいう。
このとき、風向風速推定部102は、所定の小方位角範囲に含まれる少なくとも2本以上のビームに基づいて得られたドップラ速度を用いて、風向値及び風速値を推定する。風向風速推定部102は、風向値及び風速値を、上記小方位角範囲内の風向及び風速が一様であると仮定して推定する。なお、所定の小方位角範囲の設定方法としては、0°~10°、10°~20°、・・・というように、小方位角範囲を実質的に重複なく設定する方法が挙げられる。これは一例に過ぎず、例えば、0°~10°、5°~15°、・・・というように、小方位角範囲を重複させながら、当該小方位範囲を設定するようにしてもよい。
風向風速推定部102は、推定した風向値及び風速値を、モーメント付与後受信信号の各レンジセルに付与して、風速判定部103及び風向判定部104に出力する。風向風速推定部102が風向及び風速を付与して風速判定部103及び風向判定部104に出力するモーメント付与後受信信号を、「ベクトル付与後受信信号」ともいう。なお、ベクトル付与後受信信号の各レンジセルには、風向値及び風速値の他、モーメント情報も付与されている。
風速判定部103は、風速ブラスト候補セルに風速ブラスト候補セルフラグを付与したベクトル付与後受信信号を、第1ブラスト検出部1051に出力する。風速判定部103が風速ブラスト候補セルフラグを付与して第1ブラスト検出部1051に出力するベクトル付与後受信信号を、「風速判定後受信信号」ともいう。風速判定後受信信号において、風速ブラスト候補セルには風速ブラスト候補セルフラグが付与されている他、風速判定後受信信号の各レンジセルには、モーメント情報、風向値及び風速値も付与されている。なお、ここでは、風速判定後受信信号において、風速ブラスト候補セルには風速ブラスト候補セルフラグが付与され、各レンジセルには、モーメント情報、風向値及び風速値が付与されているものとするが、これは一例に過ぎず、風速判定後受信信号の各レンジセルには、少なくとも、レンジセルが風速ブラスト候補セルである場合の風速ブラスト候補セルフラグと、風速値が付与されていればよい。
一方、滑走路上の航空機の機体の向きは、滑走路の向きと略平行と推定される。そのため、風向が滑走路の向きに対して直角である場合、当該風向は航空機の機体の向きに対して直角であると言える。
そこで、実施の形態1では、風向判定部104は、滑走路の向きと、レンジセルに付与されている風向値とがなす角によって、航空機の脅威となるブラストセルである可能性があるレンジセルを風向ブラスト候補セルと判定するものとする。そして、風向判定用基準値には、レンジセルの風向が、航空機にとって脅威となるブラストの風向を示す、滑走路の向きと風向とのなす角度が設定されているものとする。実施の形態1では、一例として、風向判定用基準値には、「90°」が設定されているものとする。また、風向判定用範囲には、風向判定用基準値90°を基準として、「±45°」が設定されているものとする。
風向判定部104は、風向ブラスト候補セルに風向ブラスト候補セルフラグを付与したベクトル付与後受信信号を、第1ブラスト検出部1051に出力する。風向判定部104が風向ブラスト候補セルフラグを付与して第1ブラスト検出部1051に出力するベクトル付与後受信信号を、「風向判定後受信信号」ともいう。風向判定後受信信号において、風向ブラスト候補セルには風向ブラスト候補セルフラグが付与されている他、風向判定後受信信号の各レンジセルには、モーメント情報、風向値及び風速値も付与されている。なお、ここでは、風向判定後受信信号において、風向ブラスト候補セルには風向ブラスト候補セルフラグが付与され、各レンジセルには、モーメント情報、風向値及び風速値が付与されているものとするが、これは一例に過ぎず、風向判定後受信信号の各レンジセルには、少なくとも、レンジセルが風向ブラスト候補セルである場合の風向ブラスト候補セルフラグと、風向値が付与されていればよい。
具体的には、ブラスト検出部105の第1ブラスト検出部1051は、風速判定部103から出力された風速判定後受信信号と、風向判定部104から出力された風向判定後受信信号に基づき、ブラスト領域を検出する。第1ブラスト検出部1051は、風速判定後受信信号における風速ブラスト候補セルと、風向判定後受信信号における風向ブラスト候補セルの論理積を取り、風速ブラスト候補セルであり、かつ、風向ブラスト候補セルであるレンジセルを、ブラストセルとして検出する。風速ブラスト候補セルであり、かつ、風向ブラスト候補セルであるブラストセルは、風速及び風向がともにブラストの特徴を有しているレンジセルである。すなわち、第1ブラスト検出部1051は、風速及び風向がともにブラストの特徴を有しているレンジセルを、ブラストセルとして検出する。
なお、第1ブラスト検出部1051は、風速ブラスト候補セル又は風向ブラスト候補セルを、風速ブラスト候補セルフラグ又は風向ブラスト候補セルフラグによって判断すればよい。
図4では、風速判定部103が判定した風速ブラスト候補セル(図4の401aで示す)と、風向判定部104が判定した風向ブラスト候補セル(図4の402aで示す)から、第1ブラスト検出部1051が、風速ブラスト候補セル401aであり、かつ、風向ブラスト候補セル402aであるレンジセルを、ブラストセル(図4の403aで示す)として検出したイメージを示している。ブラストセル403aは、風速においても風向においても、ともに、ブラストの特徴を有するレンジセルである。ブラストセルを含む領域が、ブラスト領域である。
このように、第1ブラスト検出部1051は、ブラスト領域を検出した結果として、ブラスト領域及びブラスト強度に関する情報を出力する。
図5は、実施の形態1に係る乱気流検出装置1の動作の概要について説明するためのフローチャートである。
モーメント算出部101は、ドップラライダ装置2の送受信部22から出力された受信信号を取得し、取得した受信信号のスペクトルから、レンジセル毎の、モーメント情報を算出する(ステップST501)。
風向風速推定部102は、ステップST501にてモーメント算出部101から出力されたモーメント付与後受信信号について、モーメント算出部101が算出したドップラ速度を用いて、レンジセル毎の、風向値及び風速値を推定する(ステップST502)。
ブラスト検出部105は、ステップST502にて風向風速推定部102が推定した、レンジセル毎の風向値及び風速値に基づき、観測領域におけるブラスト領域を検出する(ステップST503)。
なお、図6のステップST601~ステップST602の具体的な動作は、図5のステップST501~ステップST502の具体的な動作と同様であるため、重複した説明を省略する。
風速判定部103は、ステップST602にて風向風速推定部102から出力されたベクトル付与後受信信号に付与されている風速値に基づき、レンジセル毎に、当該レンジセルがブラストセルの候補となる風速ブラスト候補セルであるか否かを判定する(ステップST603)。具体的には、風速判定部103は、レンジセル毎に、当該レンジセルの風速値が風速判定用閾値を超えているか否かを判定する。風速判定部103は、レンジセルの風速値が風速判定用閾値を超えている場合、当該レンジセルは風速ブラスト候補セルであるとし、風速ブラスト候補セルに、風速ブラスト候補セルフラグを付与する。
風速判定部103は、風速ブラスト候補セルに風速ブラスト候補セルフラグを付与した風速判定後受信信号を、第1ブラスト検出部1051に出力する。
風向判定部104は、風向ブラスト候補セルに風向ブラスト候補セルフラグを付与した風向判定後受信信号を、第1ブラスト検出部1051に出力する。
具体的には、第1ブラスト検出部1051は、風速判定後受信信号における風速ブラスト候補セルと、風向判定後受信信号における風向ブラスト候補セルの論理積を取り、風速ブラスト候補セルであり、かつ、風向ブラスト候補セルであるレンジセルを、ブラストセルとして検出する。
第1ブラスト検出部1051は、検出したブラスト領域に関する情報を、ブラスト検出結果として、出力する。
例えば、風向風速推定部102による風向値及び風速値の推定精度、風速判定部103による風速ブラスト候補セルの判定精度、又は、風向判定部104による風向ブラスト候補セルの判定精度が悪く、風速ブラスト候補セル又は風向ブラスト候補セルの見逃し等が多く発生すると予想される場合もある。このような場合に、第1ブラスト検出部1051が、風速値又は風向値の一方でもブラストの特徴を有しているレンジセルをブラストセルと判定することで、乱気流検出装置1は、上述したような判定精度が悪いことを考慮した、ブラスト領域の検出を行うことができる。
このように、実施の形態1に係る乱気流検出装置1は、風速及び風向に対しブラストの特徴を有するレンジセルを判定した後、それぞれ補正した後に、論理積もしくは論理和として最終的なブラスト領域を判定するようにしてもよい。これにより、風向値及び風速値推定の過程で発生する精度の劣化を抑えることができ、補正を行うことなくブラスト領域を検出する場合に比べ、より精度の高いブラスト領域の検出が可能である。
実施の形態1では、乱気流検出装置1は、風向及び風速の絶対的な値によりブラスト領域を判定していた。
一方、滑走路上の航空機にとっては、滑走路上で風向及び風速が急激に変化することも、脅威となる。そこで、実施の形態2では、風向及び風速の時間変化も広義のブラストとして、ブラスト領域を検出する実施の形態について説明する。
乱気流検出装置1aを搭載したドップラライダ装置2の構成例は、実施の形態1において、図2を用いて説明したドップラライダ装置2の構成例と同様であるため、重複した説明を省略する。
乱気流検出装置1aは、ブラスト領域を検出した結果として、ブラスト領域及びブラスト強度に関する情報を出力する。実施の形態2において、ブラスト強度とは、ブラストの風速の時間変化をいう。
図7において、実施の形態1にて図3を用いて説明した乱気流検出装置1の構成と同様の構成については、同じ符号を付して重複した説明を省略する。
実施の形態2に係る乱気流検出装置1aは、実施の形態1に係る乱気流検出装置1とは、風向風速格納部106、風速時間差算出部107、風向時間差算出部108、風速時間差判定部109、風向時間差判定部110を備える点が異なる。また、実施の形態2に係る乱気流検出装置1aは、実施の形態1に係る乱気流検出装置1とは、ブラスト検出部105aが第2ブラスト検出部1052を備える点が異なる。また、実施の形態2に係る乱気流検出装置1aは、実施の形態1に係る乱気流検出装置1が備えていた、風速判定部103、風向判定部104、及び、第1ブラスト検出部1051をいずれも備えない。
実施の形態2では、風向風速推定部102は、ベクトル付与後受信信号を、風向風速格納部106に格納する。また、風向風速推定部102は、ベクトル付与後受信信号を、風速時間差算出部107、及び、風向時間差算出部108に出力する。
なお、ここでは、図7に示すように、風向風速格納部106は、乱気流検出装置1aに備えられるものとするが、これは一例に過ぎない。風向風速格納部106は、乱気流検出装置1aの外部の、乱気流検出装置1aが参照可能な場所に備えられるようになっていてもよい。
風速時間差算出部107は、風向風速推定部102から出力されたベクトル付与後受信信号の一走査前のベクトル付与後受信信号を、風向風速格納部106から取得する。例えば、ベクトル付与後受信信号には、ドップラライダ装置2において受信信号を取得した日時が付与されているものとし、風速時間差算出部107は、当該日時から、一走査前のベクトル付与後受信信号を判断するようにすればよい。
なお、風速時間差算出部107は、一走査前のベクトル付与後受信信号を取得不可能な場合、予め設定された所定の時間範囲内で、最も近接するビーム走査時に取得されたベクトル付与後受信信号を、一走査前のベクトル付与後受信信号とすればよい。
風速時間差算出部107は、算出した風速時間差の情報を、風向風速推定部102から出力されたベクトル付与後受信信号の各レンジセルに付与して、当該ベクトル付与後受信信号を、風速時間差判定部109に出力する。風速時間差算出部107が風速時間差を付与して風速時間差判定部109に出力するベクトル付与後受信信号を、「風速時間差付与後受信信号」ともいう。なお、風速時間差付与後受信信号の各レンジセルには、風速時間差の他、風向値、風速値、及び、モーメント情報も付与されている。
風向時間差算出部108は、風速時間差算出部107と同様の方法で、風向風速推定部102から出力されたベクトル付与後受信信号の一走査前のベクトル付与後受信信号を、取得すればよい。
風向時間差算出部108は、算出した風向時間差の情報を、風向風速推定部102から出力されたベクトル付与後受信信号の各レンジセルに付与して、当該ベクトル付与後受信信号を、風向時間差判定部110に出力する。風向時間差算出部108が風向時間差を付与して風向時間差判定部110に出力するベクトル付与後受信信号を、「風向時間差付与後受信信号」ともいう。なお、風向時間差付与後受信信号の各レンジセルには、風向時間差の他、風向値、風速値、及び、モーメント情報も付与されている。
風速時間差判定部109は、風速時間差ブラスト候補セルに、風速時間差ブラスト候補セルフラグを付与した風速時間差付与後受信信号を、第2ブラスト検出部1052に出力する。風速時間差判定部109が風速時間差ブラスト候補セルフラグを付与して第2ブラスト検出部1052に出力する風速時間差付与後受信信号を、「風速時間差判定後受信信号」ともいう。風速時間差判定後受信信号において、風速時間差ブラスト候補セルには風速時間差ブラスト候補セルフラグが付与されている他、風速時間差判定後受信信号の各レンジセルには、モーメント情報、風速時間差の情報、風向値及び風速値も付与されている。なお、ここでは、風速時間差判定後受信信号において、風速時間差ブラスト候補セルには風速時間差ブラスト候補セルフラグが付与され、各レンジセルには、モーメント情報、風速時間差の情報、風向値及び風速値が付与されているものとするが、これは一例に過ぎず、風速時間差判定後受信信号の各レンジセルには、少なくとも、レンジセルが風速時間差ブラスト候補セルである場合の風速時間差ブラスト候補セルフラグと、風速時間差の情報が付与されていればよい。
風向時間差判定部110は、風向時間差ブラスト候補セルに風向時間差ブラスト候補セルフラグを付与した風向時間差付与後受信信号を、第2ブラスト検出部1052に出力する。風向時間差判定部110が風向時間差ブラスト候補セルフラグを付与して第2ブラスト検出部1052に出力する風向時間差付与後受信信号を、「風向時間差判定後受信信号」ともいう。風向時間差判定後受信信号において、風向時間差ブラスト候補セルには風向時間差ブラスト候補セルフラグが付与されている他、風向時間差判定後受信信号の各レンジセルには、モーメント情報、風向時間差の情報、風向値及び風速値も付与されている。なお、ここでは、風向時間差判定後受信信号において、風向時間差ブラスト候補セルには風向時間差ブラスト候補セルフラグが付与され、各レンジセルには、モーメント情報、風向時間差、風向値及び風速値が付与されているものとするが、これは一例に過ぎず、風向時間差判定後受信信号の各レンジセルには、少なくとも、レンジセルが風向時間差ブラスト候補セルである場合の風向時間差ブラスト候補セルフラグと、風向時間差の情報が付与されていればよい。
具体的には、ブラスト検出部105aの第2ブラスト検出部1052は、風速時間差判定部109から出力された風速時間差判定後受信信号と、風向時間差判定部110から出力された風向時間差判定後受信信号に基づき、ブラスト領域を検出する。第2ブラスト検出部1052は、風速時間差判定後受信信号における風速時間差ブラスト候補セルと、風向時間差判定後受信信号における風向時間差ブラスト候補セルの論理積を取り、風速時間差ブラスト候補セルであり、かつ、風向時間差ブラスト候補セルであるレンジセルを、ブラストセルとして検出する。風速時間差ブラスト候補セルであり、かつ、風向時間差ブラスト候補セルであるブラストセルは、風速及び風向がともにブラストの特徴を有しているレンジセルである。
なお、第2ブラスト検出部1052は、風速時間差ブラスト候補セル又は風向時間差ブラスト候補セルを、風速時間差ブラスト候補セルフラグ又は風向時間差ブラスト候補セルフラグによって判断すればよい。
例えば、図4において、風速判定結果を風速時間差判定結果とし、風向判定結果を風向時間差判定結果として、風速ブラスト候補セル401aを風速時間差ブラスト候補セル、風向ブラスト候補セル402aを風向時間差ブラスト候補セルと読み替えれば、第2ブラスト検出部1052がブラストセルを検出する流れのイメージとなる。
このように、第2ブラスト検出部1052は、ブラスト領域を検出した結果として、ブラスト領域及びブラスト強度に関する情報を出力する。
実施の形態2に係る乱気流検出装置1aの動作の概要は、実施の形態1において図5を用いて説明した、実施の形態1に係る乱気流検出装置1の動作の概要と同様であるため、重複した説明を省略する。
図8は、実施の形態2に係る乱気流検出装置1aの、より具体的な動作について説明するためのフローチャートである。
なお、図8のステップST801~ステップST802の具体的な動作は、実施の形態1で説明した、図6のステップST601~ステップST602の具体的な動作と同様であるため、重複した説明を省略する。
風速時間差算出部107は、ステップST802にて風向風速推定部102から出力されたベクトル付与後受信信号に付与されている風速値に基づき、各レンジセルについて、レンジセルの風速値と、当該ベクトル付与後受信信号の一走査前のベクトル付与後受信信号に基づくレンジセルの風速値との風速時間差を算出する(ステップST804)。
風速時間差算出部107は、算出した風速時間差の情報を、風向風速推定部102から出力されたベクトル付与後受信信号の各レンジセルに付与した風速時間差付与後受信信号を、風速時間差判定部109に出力する。
風速時間差判定部109は、風速時間差ブラスト候補セルに、風速時間差ブラスト候補セルフラグを付与した風速時間差判定後受信信号を、第2ブラスト検出部1052に出力する。
風向時間差算出部108は、算出した風向時間差の情報を、風向風速推定部102から出力されたベクトル付与後受信信号の各レンジセルに付与した風向時間差付与後受信信号を、風向時間差判定部110に出力する。
風向時間差判定部110は、風向時間差ブラスト候補セルに風向時間差ブラスト候補セルフラグを付与した風向時間差判定後受信信号を、第2ブラスト検出部1052に出力する。
具体的には、第2ブラスト検出部1052は、風速時間差判定後受信信号における風速時間差ブラスト候補セルと、風向時間差判定後受信信号における風向時間差ブラスト候補セルの論理積を取り、風速時間差ブラスト候補セルであり、かつ、風向時間差ブラスト候補セルであるレンジセルを、ブラストセルとして検出する。
第2ブラスト検出部1052は、検出したブラスト領域に関する情報を、ブラスト検出結果として、出力する。具体的には、第2ブラスト検出部1052は、各レンジセルに、少なくとも、ブラストセルであるか否かの情報と、当該レンジセルがブラストセルの場合には風速時間差及び風向時間差の情報を付与した受信信号を、出力する。
また、風向時間差判定部110は、風向時間差ブラスト候補セルを判定した後、当該風向時間差ブラスト候補セルに、画像処理的な補正を行うようにしてもよい。風向時間差判定部110は、実施の形態1にて説明した、風向判定部104が画像処理的な補正を行う方法と同様の方法で、画像処理的な補正を行えばよい。
風速時間差判定部109又は風向時間差判定部110が補正を行うようにすることで、風向値及び風速値推定の過程で発生する精度の劣化を抑えることができ、風速時間差ブラスト候補セル又は風向時間差ブラスト候補セルの見逃し等の発生を考慮した、ブラスト領域の検出が可能である。
実施の形態1では、乱気流検出装置1は、風向及び風速の絶対的な値によりブラスト領域を判定していた。
ブラスト領域は、ブラストセルと、ブラストセル以外のレンジセルとの境界を抽出することでも、推定できる。そこで、実施の形態3では、風向及び風速の空間変化も広義のブラストとし、風向及び風速の空間変化によってブラストセルとブラストセル以外のレンジセルとの境界を抽出することで、ブラスト領域を検出する実施の形態について説明する。
乱気流検出装置1bを搭載したドップラライダ装置2の構成例は、実施の形態1において、図2を用いて説明したドップラライダ装置2の構成例と同様であるため、重複した説明を省略する。
乱気流検出装置1bは、ブラスト領域を検出した結果として、ブラスト領域及びブラスト強度に関する情報を出力する。実施の形態3において、ブラスト強度とは、ブラストの風速の空間的変化をいう。
図9において、実施の形態1にて図3を用いて説明した乱気流検出装置1の構成と同様の構成については、同じ符号を付して重複した説明を省略する。
実施の形態3に係る乱気流検出装置1bは、実施の形態1に係る乱気流検出装置1とは、風速空間差算出部111、風向空間差算出部112、風速空間差判定部113、及び、風向空間差判定部114を備える点が異なる。また、実施の形態3に係る乱気流検出装置1bは、実施の形態1に係る乱気流検出装置1とは、ブラスト検出部105bが第3ブラスト検出部1053を備える点が異なる。また、実施の形態3に係る乱気流検出装置1bは、実施の形態1に係る乱気流検出装置1が備えていた、風速判定部103、風向判定部104、及び、第1ブラスト検出部1051をいずれも備えない。
図10は、実施の形態3において、周辺レンジセルを注目セルに隣接する8レンジセルとした場合の、注目レンジセル及び周辺レンジセルのイメージを説明する図である。
また、ここでは、具体例として、風速空間差算出部111が、周辺レンジセルを、注目レンジセルに隣接する8レンジセルとする例を挙げたが、これは一例に過ぎない。例えば、風速空間差算出部111は、周辺レンジセルを、注目レンジセルに隣接する4レンジセルとしてもよいし、風速空間差算出部111は、ガードセルを設け、注目レンジセルから1レンジセル分離れたレンジセルの平均値又は中央値との差を、風速空間差として算出するようにしてもよい。風速空間差算出部111がどのレンジセルを周辺レンジセルとするかは、適宜設定可能である。
また、ここでは、具体例として、風向空間差算出部112が、周辺レンジセルを、注目レンジセルに隣接する8レンジセルとする例を挙げたが、これは一例に過ぎない。例えば、風向空間差算出部112は、周辺レンジセルを、注目レンジセルに隣接する4レンジセルとしてもよいし、風向空間差算出部112は、ガードセルを設け、注目レンジセルから1レンジセル分離れたレンジセルの平均値又は中央値との差を、風向空間差として算出するようにしてもよい。風向空間差算出部112がどのレンジセルを周辺レンジセルとするかは、適宜設定可能である。
ブラスト検出部105bの第3ブラスト検出部1053は、風速空間差判定部113から出力された風速空間差判定後受信信号と、風向空間差判定部114から出力された風向空間差判定後受信信号に基づき、ブラスト領域を検出する。
具体的には、第3ブラスト検出部1053は、風速空間差判定後受信信号における風速空間差ブラスト候補セルと、風向空間差判定後受信信号における風向空間差ブラスト候補セルの論理積を取り、風速空間差ブラスト候補セルであり、かつ、風向空間差ブラスト候補セルであるレンジセルを、ブラストセルとして検出する。風速空間差ブラスト候補セルであり、かつ、風向空間差ブラスト候補セルであるブラストセルは、風速及び風向がともにブラストの特徴を有しているレンジセルである。
なお、第3ブラスト検出部1053は、風速空間差ブラスト候補セル又は風向空間差ブラスト候補セルを、風速空間差ブラスト候補セルフラグ又は風向空間差ブラスト候補セルフラグによって判断すればよい。
例えば、図4において、風速判定結果を風速空間差判定結果とし、風向判定結果を風向空間差判定結果として、風速ブラスト候補セル401aを風速空間差ブラスト候補セル、風向ブラスト候補セル402aを風向空間差ブラスト候補セルと読み替えれば、第3ブラスト検出部1053がブラストセルを検出する流れのイメージとなる。
このように、第3ブラスト検出部1053は、ブラスト領域を検出した結果として、ブラスト領域及びブラスト強度に関する情報を出力する。
実施の形態3に係る乱気流検出装置1bの動作の概要は、実施の形態1において図5を用いて説明した、実施の形態1に係る乱気流検出装置1の動作の概要と同様であるため、重複した説明を省略する。
なお、図11のステップST1101~ステップST1102の具体的な動作は、実施の形態1で説明した、図6のステップST601~ステップST602の具体的な動作と同様であるため、重複した説明を省略する。
風速空間差算出部111は、ステップST1102にて風向風速推定部102から出力されたベクトル付与後受信信号に付与されている風速値に基づき、各レンジセルについて、注目レンジセルの風速値と、当該注目レンジセルの周辺レンジセルの風速値との風速空間差を算出する(ステップST1103)。
風速空間差算出部111は、算出した風速空間差の情報を、風向風速推定部102から出力されたベクトル付与後受信信号の各レンジセル、言い換えれば、各注目レンジセルに付与した風速空間差付与後受信信号を、風速空間差判定部113に出力する。
風速空間差判定部113は、風速空間差ブラスト候補セルに、風速空間差ブラスト候補セルフラグを付与した風速空間差判定後受信信号を、第3ブラスト検出部1053に出力する。
風向空間差算出部112は、算出した風向空間差の情報を、風向風速推定部102から出力されたベクトル付与後受信信号の各レンジセル、言い換えれば、各注目レンジセルに付与した風向空間差付与後受信信号を、風向空間差判定部114に出力する。
風向空間差判定部114は、風向空間差ブラスト候補セルに風向空間差ブラスト候補セルフラグを付与した風向空間差判定後受信信号を、第3ブラスト検出部1053に出力する。
具体的には、第3ブラスト検出部1053は、風速空間差判定後受信信号における風速空間差ブラスト候補セルと、風向空間差判定後受信信号における風向空間差ブラスト候補セルの論理積を取り、風速空間差ブラスト候補セルであり、かつ、風向空間差ブラスト候補セルであるレンジセルを、ブラストセルとして検出する。
第3ブラスト検出部1053は、検出したブラスト領域に関する情報を、ブラスト検出結果として、出力する。具体的には、第3ブラスト検出部1053は、各レンジセルに、少なくとも、ブラストセルであるか否かの情報を付与した受信信号を出力する。実施の形態3では、第3ブラスト検出部1053は、各レンジセルに、ブラストセルであるか否かの情報に加え、当該レンジセルがブラストセルの場合には風速空間差の情報及び風向空間差の情報を付与した受信信号を、出力するものとする。
また、風向空間差判定部114は、風向空間差ブラスト候補セルを判定した後、当該風向空間差ブラスト候補セルに、画像処理的な補正を行うようにしてもよい。風向空間差判定部114は、実施の形態1にて説明した、風向判定部104が画像処理的な補正を行う方法と同様の方法で、画像処理的な補正を行えばよい。
風速空間差判定部113又は風向空間差判定部114が補正を行なうようにすることで、風向値及び風速値推定の過程で発生する精度の劣化を抑えることができ、風速空間差ブラスト候補セル又は風向空間差ブラスト候補セルの見逃し等の発生を考慮した、ブラスト領域の検出が可能である。
そこで、風向風速推定部102が、風向値及び風速値の推定に不要な物体からの応答が混入しているレンジセルを除去した上で、風向値及び風速値を推定する構成とするようにしてもよい。以下、風向値及び風速値の推定に不要な物体を、単に「不要な物体」という。
なお、図12では、説明の簡単のため、風向風速推定部102a以外の、乱気流検出装置1,1a,1bの構成部の記載は省略している。
風向風速推定部102aは、不要セル抑圧部1021を備える。
不要セル抑圧部1021は、モーメント算出部101から出力されたモーメント付与後受信信号について、モーメント算出部101が算出したモーメント情報を用いて、不要なレンジセルの判定を行い、不要と判定したレンジセルを抑圧した結果を出力する。
風向風速推定部102aは、不要セル抑圧部1021が不要なレンジセルを抑圧した後の各レンジセルについて、モーメント算出部101が算出したドップラ速度を用いて、レンジセル毎の風向値及び風速値を推定する。
なお、図13は、ある一視線のデータのイメージを示しており、図13において、上段は信号強度、下段はドップラ速度を模式的にあらわしている。信号強度の図及びドップラ速度の図において、横軸は、レンジ方向をあらわす。上述したような、風向値及び風速値を推定する際に不要となる物体は、信号強度の値の増加となってあらわれる。
不要な物体が、空間的な広がりの小さい物体である場合、当該物体は、比較的低い強度値を有することが多い。そこで、不要セル抑圧部1021は、空間的な広がりが小さい、不要な物体を、低反射物を抽出するための、予め設定された閾値(以下「低反射物抽出用閾値」という。)を用いて、検出する。
一方、不要な物体が、航空機機体等、空間的な広がりの大きい物体である場合、当該物体は、比較的高い強度値を有することが多い。そこで、不要セル抑圧部1021は、空間的な広がりが大きい、不要な物体を、高反射物を抽出するための、予め設定された閾値(以下「高反射物抽出用閾値」という。)を用いて、検出する。
そこで、不要セル抑圧部1021は、レンジセルの信号強度が、高反射物抽出用閾値を超える場合(図13のB参照)、当該レンジセル及び当該レンジセル以遠のレンジセルのドップラ速度の値を全て無効値化する。このとき、不要セル抑圧部1021は、信号強度が高反射物抽出用閾値を超えるレンジセルの周囲に有効レンジセルが存在する場合は、信号強度が高反射物抽出用閾値を超えるレンジセルのドップラ速度の値を補間する。不要セル抑圧部1021は、信号強度が高反射物抽出用閾値を超えるレンジセルのドップラ速度の値の補間を、上述した、信号強度が低反射物抽出用閾値のみを超えるレンジセルのドップラ速度の値の補間と同様の方法で、行えばよい。不要セル抑圧部1021は、信号強度が高反射物抽出用閾値を超えるレンジセルの周囲に有効レンジセルが存在しない場合は、不要セル抑圧部1021は、信号強度が高反射物抽出用閾値を超えるレンジセルのドップラ速度の値を無効値とする。
風向風速推定部102aは、不要セル抑圧部1021がドップラ速度の値を無効値としたレンジセルは、風向値及び風速値の推定処理の対象外とする。
具体例を挙げると、例えば、乱気流検出装置1において、ブラスト検出部105は、第1ブラスト検出部1051及び第2ブラスト検出部1052を備えるようにすることができる。ブラスト検出部105は、さらに、第3ブラスト検出部1053も備えるようにしてもよい。
但し、乱気流検出装置1,1a,1bにおいて、ブラスト検出部105,105a,105bが、第1ブラスト検出部1051を備えるようにする場合、乱気流検出装置1,1a,1bは、実施の形態1にて説明した、風速判定部103及び風向判定部104の機能も備えるようにする。また、乱気流検出装置1,1a,1bにおいて、ブラスト検出部105,105a,105bが、第2ブラスト検出部1052を備えるようにする場合、乱気流検出装置1,1a,1bは、実施の形態2にて説明した、風速時間差算出部107、風向時間差算出部108、風速時間差判定部109及び風向時間差判定部110の機能も備えるようにする。また、乱気流検出装置1,1a,1bにおいて、ブラスト検出部105,105a,105bが、第3ブラスト検出部1053を備えるようにする場合、乱気流検出装置1,1a,1bは、実施の形態3にて説明した、風速空間差算出部111、風向空間差算出部112、風速空間差判定部113及び風向空間差判定部114の機能も備えるようにする。
実施の形態1~実施の形態3において、モーメント算出部101と、風向風速推定部102,102aと、風速判定部103と、風向判定部104と、ブラスト検出部105,105a,105bと、風速時間差算出部107と、風向時間差算出部108と、風速時間差判定部109と、風向時間差判定部110と、風速空間差算出部111と、風向空間差算出部112と、風速空間差判定部113と、風向空間差判定部114の機能は、処理回路1401により実現される。すなわち、乱気流検出装置1,1a,1bは、ドップラライダ装置2が空港面内の観測領域を観測するためにビームを送受信した結果得られた受信信号を用いて、観測領域内におけるブラスト領域を検出する制御を行うための処理回路1401を備える。
処理回路1401は、図14Aに示すように専用のハードウェアであっても、図14Bに示すようにメモリ1406に格納されるプログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)1405であってもよい。
また、風向風速格納部106は、メモリ1406を使用する。なお、これは一例であって、風向風速格納部106は、HDD1402、SSD(Solid State Drive)、又は、DVD等によって構成されるものであってもよい。
また、乱気流検出装置1,1a,1bは、ドップラライダ装置2等の外部の装置との通信を行う、入力インタフェース装置1403、及び、出力インタフェース装置1404を有する。
Claims (8)
- 観測領域に放射され当該観測領域の大気で反射された波動に基づく受信信号に基づいて、当該観測領域の、レンジ方向及び方位方向に区分けされたレンジセル毎のドップラ速度を算出するモーメント算出部と、
前記モーメント算出部が算出したドップラ速度に基づき、前記レンジセル毎の風向値及び風速値を推定する風向風速推定部と、
前記風向風速推定部が推定した、前記レンジセル毎の風向値及び風速値に基づき、前記観測領域におけるブラスト領域を検出するブラスト検出部と、
前記風向風速推定部が推定した前記レンジセル毎の風速値に基づき、前記レンジセル毎に、当該レンジセルの風速値が風速判定用閾値を超えている風速ブラスト候補セルであるか否かを判定する風速判定部と、
前記風向風速推定部が推定した前記レンジセル毎の風向値に基づき、前記レンジセル毎に、当該レンジセルの風向値と風向判定用基準値との差が風向判定用範囲内である風向ブラスト候補セルであるか否かを判定する風向判定部とを備え、
前記ブラスト検出部は、
前記風速判定部が判定した風速ブラスト候補セルと、前記風向判定部が判定した風向ブラスト候補セルから、前記ブラスト領域を検出する第1ブラスト検出部を備えた
ことを特徴とする乱気流検出装置。 - 観測領域に放射され当該観測領域の大気で反射された波動に基づく受信信号に基づいて、当該観測領域の、レンジ方向及び方位方向に区分けされたレンジセル毎のドップラ速度を算出するモーメント算出部と、
前記モーメント算出部が算出したドップラ速度に基づき、前記レンジセル毎の風向値及び風速値を推定する風向風速推定部と、
前記風向風速推定部が推定した、前記レンジセル毎の風向値及び風速値に基づき、前記観測領域におけるブラスト領域を検出するブラスト検出部と、
前記波動は波動放射周期単位で放射され、
前記風向風速推定部が推定した前記レンジセル毎の風速値に基づき、前記レンジセル毎に、当該レンジセルの風速値と、一走査前の前記受信信号に基づく前記レンジセルの風速値との風速時間差を算出する風速時間差算出部と、
前記風向風速推定部が推定した前記レンジセル毎の風向値に基づき、前記レンジセル毎に、当該レンジセルの風向値と、一走査前の前記受信信号に基づく前記レンジセルの風向値との風向時間差を算出する風向時間差算出部と、
前記レンジセル毎に、前記風速時間差算出部が算出した風速時間差が風速時間差判定用閾値を超えている風速時間差ブラスト候補セルであるか否かを判定する風速時間差判定部と、
前記レンジセル毎に、前記風向時間差算出部が算出した風向時間差が風向時間差判定用閾値を超えている風向時間差ブラスト候補セルであるか否かを判定する風向時間差判定部とを備え、
前記ブラスト検出部は、
前記風速時間差判定部が判定した風速時間差ブラスト候補セルと、前記風向時間差判定部が判定した風向時間差ブラスト候補セルから、前記ブラスト領域を検出する第2ブラスト検出部を備えた
ことを特徴とする乱気流検出装置。 - 観測領域に放射され当該観測領域の大気で反射された波動に基づく受信信号に基づいて、当該観測領域の、レンジ方向及び方位方向に区分けされたレンジセル毎のドップラ速度を算出するモーメント算出部と、
前記モーメント算出部が算出したドップラ速度に基づき、前記レンジセル毎の風向値及び風速値を推定する風向風速推定部と、
前記風向風速推定部が推定した、前記レンジセル毎の風向値及び風速値に基づき、前記観測領域におけるブラスト領域を検出するブラスト検出部と、
前記風向風速推定部が測定した前記レンジセル毎の風速値に基づき、前記レンジセル毎に、当該レンジセルの風速値と、当該レンジセルの周辺のレンジセルの風速値との風速空間差を算出する風速空間差算出部と、
前記風向風速推定部が推定した前記レンジセル毎の風向値に基づき、前記レンジセル毎に、当該レンジセルの風向値と、当該レンジセルの周辺のレンジセルの風向値との風向空間差を算出する風向空間差算出部と、
前記レンジセル毎に、前記風速空間差算出部が算出した風速空間差が風速空間差判定用閾値を超えている風速空間差ブラスト候補セルであるか否かを判定する風速空間差判定部と、
前記レンジセル毎に、前記風向空間差算出部が算出した風向空間差が風向空間差判定用閾値を超えている風向空間差ブラスト候補セルであるか否かを判定する風向空間差判定部とを備え、
前記ブラスト検出部は、
前記風速空間差判定部が判定した風速空間差ブラスト候補セルと、前記風向空間差判定部が判定した風向空間差ブラスト候補セルから、前記ブラスト領域を検出する第3ブラスト検出部を備えた
ことを特徴とする乱気流検出装置。 - 観測領域に放射され当該観測領域の大気で反射された波動に基づく受信信号に基づいて、当該観測領域の、レンジ方向及び方位方向に区分けされたレンジセル毎のドップラ速度を算出するモーメント算出部と、
前記モーメント算出部が算出したドップラ速度に基づき、前記レンジセル毎の風向値及び風速値を推定する風向風速推定部と、
前記風向風速推定部が推定した、前記レンジセル毎の風向値及び風速値に基づき、前記観測領域におけるブラスト領域を検出するブラスト検出部を備え、
前記波動は波動放射周期単位で放射され、
前記ブラスト検出部は、
前記風向風速推定部が推定した前記レンジセル毎の風速値に基づき、風速値が風速判定用閾値を超えていると判定された風速ブラスト候補セルと、前記風向風速推定部が推定した前記レンジセル毎の風向値に基づき、風向値と風向判定用基準値との差が風向判定用範囲内であると判定された風向ブラスト候補セルから、前記ブラスト領域を検出する第1ブラスト検出部、
又は、
前記風向風速推定部が推定した前記レンジセル毎の風速値に基づき、風速値と、一走査前の受信信号に基づくレンジセルの風速値との風速時間差が風速時間差判定用閾値を超えていると判定された風速時間差ブラスト候補セルと、前記風向風速推定部が推定した前記レンジセル毎の風向値に基づき、風向値と一走査前の受信信号に基づくレンジセルの風向値との風向時間差が風向時間差判定用閾値を超えていると判定された風向時間差ブラスト候補セルから、前記ブラスト領域を検出する第2ブラスト検出部
又は、
前記風向風速推定部が測定した前記レンジセル毎の風速値に基づき、風速値と、周辺のレンジセルの風速値との風速空間差が風速空間差判定用閾値を超えると判定された風速空間差ブラスト候補セルと、前記風向風速推定部が推定した前記レンジセル毎の風速値に基づき、風向値と周辺のレンジセルの風向値との風向空間差が風向空間差判定用閾値を超えていると判定された風向空間差ブラスト候補セルから、前記ブラスト領域を検出する第3ブラスト検出部
のうち、少なくとも2つを備える
ことを特徴とする乱気流検出装置。 - 観測領域に放射され当該観測領域の大気で反射された波動に基づく受信信号に基づいて、当該観測領域の、レンジ方向及び方位方向に区分けされたレンジセル毎のドップラ速度を算出するモーメント算出部と、
前記モーメント算出部が算出したドップラ速度に基づき、前記レンジセル毎の風向値及び風速値を推定する風向風速推定部と、
前記風向風速推定部が推定した、前記レンジセル毎の風向値及び風速値に基づき、前記観測領域におけるブラスト領域を検出するブラスト検出部を備え、
前記風向風速推定部は、
前記レンジセル毎に、信号強度と低反射物判定用閾値との比較、及び、信号強度と高反射物判定用閾値との比較を行い、
信号強度が、前記低反射物判定用閾値を超えており、かつ、前記高反射物判定用閾値を超えていないレンジセルである場合、当該レンジセルのドップラ速度の値を無効値化する不要セル抑圧部を備えた
ことを特徴とする乱気流検出装置。 - 観測領域に放射され当該観測領域の大気で反射された波動に基づく受信信号に基づいて、当該観測領域の、レンジ方向及び方位方向に区分けされたレンジセル毎のドップラ速度を算出するモーメント算出部と、
前記モーメント算出部が算出したドップラ速度に基づき、前記レンジセル毎の風向値及び風速値を推定する風向風速推定部と、
前記風向風速推定部が推定した、前記レンジセル毎の風向値及び風速値に基づき、前記観測領域におけるブラスト領域を検出するブラスト検出部を備え、
前記風向風速推定部は、
前記レンジセル毎に、信号強度と低反射物抽出用閾値との比較、及び、信号強度と高反射物抽出用閾値との比較を行い、
信号強度が、前記低反射物抽出用閾値を超えており、かつ、前記高反射物抽出用閾値を超えているレンジセルである場合、当該レンジセルのドップラ速度の値、又は、当該レンジセル以遠のレンジセルのドップラ速度の値を無効値化する不要セル抑圧部を備えた
ことを特徴とする乱気流検出装置。 - 前記不要セル抑圧部は、ドップラ速度の値を無効値化したレンジセルについて、当該ドップラ速度の値を無効値化したレンジセルの周囲に有効レンジセルが存在する場合、当該ドップラ速度の値を無効値化したレンジセルのドップラ速度の値を、前記有効レンジセルのドップラ速度の値に基づき補間する
ことを特徴とする請求項5又は請求項6記載の乱気流検出装置。 - モーメント算出部が、観測領域に放射され当該観測領域の大気で反射された波動に基づく受信信号に基づいて、当該観測領域の、レンジ方向及び方位方向に区分けされたレンジセル毎のドップラ速度を算出するステップと、
風向風速推定部が、前記モーメント算出部が算出したドップラ速度に基づき、前記レンジセル毎の風向値及び風速値を推定するステップと、
ブラスト検出部が、前記風向風速推定部が推定した、前記レンジセル毎の風向値及び風速値に基づき、前記観測領域におけるブラスト領域を検出するステップと、
風速判定部が、前記風向風速推定部が推定した前記レンジセル毎の風速値に基づき、前記レンジセル毎に、当該レンジセルの風速値が風速判定用閾値を超えている風速ブラスト候補セルであるか否かを判定するステップと、
風向判定部が、前記風向風速推定部が推定した前記レンジセル毎の風向値に基づき、前記レンジセル毎に、当該レンジセルの風向値と風向判定用基準値との差が風向判定用範囲内である風向ブラスト候補セルであるか否かを判定するステップとを備え、
前記ブラスト検出部において、
第1ブラスト検出部が、前記風速判定部が判定した風速ブラスト候補セルと、前記風向判定部が判定した風向ブラスト候補セルから、前記ブラスト領域を検出するステップを備えた
ことを特徴とする乱気流検出方法。
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
PCT/JP2019/026776 WO2021005634A1 (ja) | 2019-07-05 | 2019-07-05 | 乱気流検出装置及び乱気流検出方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPWO2021005634A1 JPWO2021005634A1 (ja) | 2021-11-25 |
JP6991397B2 true JP6991397B2 (ja) | 2022-01-12 |
Family
ID=74113915
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2021530334A Active JP6991397B2 (ja) | 2019-07-05 | 2019-07-05 | 乱気流検出装置及び乱気流検出方法 |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6991397B2 (ja) |
WO (1) | WO2021005634A1 (ja) |
Citations (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US4712108A (en) | 1985-10-21 | 1987-12-08 | Isc Cardion Electronics, Inc. | Method and apparatus for detecting microbursts |
JP2002267753A (ja) | 2001-03-14 | 2002-09-18 | Mitsubishi Electric Corp | ウインドシア検出装置 |
JP2014066548A (ja) | 2012-09-25 | 2014-04-17 | Mitsubishi Electric Corp | レーザレーダ装置 |
US20140278109A1 (en) | 2013-03-12 | 2014-09-18 | LogLinear Group, LLC | Single beam fmcw radar wind speed and direction determination |
WO2017208375A1 (ja) | 2016-05-31 | 2017-12-07 | 淳一 古本 | ドップラーシフト解析装置 |
JP2018517091A (ja) | 2015-05-19 | 2018-06-28 | オフィル コーポレイション | 風力事象の到着を予測するためのシステムおよび方法 |
-
2019
- 2019-07-05 WO PCT/JP2019/026776 patent/WO2021005634A1/ja active Application Filing
- 2019-07-05 JP JP2021530334A patent/JP6991397B2/ja active Active
Patent Citations (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US4712108A (en) | 1985-10-21 | 1987-12-08 | Isc Cardion Electronics, Inc. | Method and apparatus for detecting microbursts |
JP2002267753A (ja) | 2001-03-14 | 2002-09-18 | Mitsubishi Electric Corp | ウインドシア検出装置 |
JP2014066548A (ja) | 2012-09-25 | 2014-04-17 | Mitsubishi Electric Corp | レーザレーダ装置 |
US20140278109A1 (en) | 2013-03-12 | 2014-09-18 | LogLinear Group, LLC | Single beam fmcw radar wind speed and direction determination |
JP2018517091A (ja) | 2015-05-19 | 2018-06-28 | オフィル コーポレイション | 風力事象の到着を予測するためのシステムおよび方法 |
WO2017208375A1 (ja) | 2016-05-31 | 2017-12-07 | 淳一 古本 | ドップラーシフト解析装置 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
WO2021005634A1 (ja) | 2021-01-14 |
JPWO2021005634A1 (ja) | 2021-11-25 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CN108802743B (zh) | 光检测和测距lidar冰检测系统 | |
US11971507B2 (en) | Systems and methods for mitigating optical crosstalk in a light ranging and detection system | |
US10775504B2 (en) | Laser air data sensor mounting and operation for eye safety | |
US7576680B1 (en) | Pulse pattern for weather phenomenon and incursion detection system and method | |
TWI712998B (zh) | 飛行器停靠系統 | |
US20200117881A1 (en) | Target detection method and device, unmanned aerial vehicle, and agricultural unmanned aerial vehicle | |
CN112513679B (zh) | 一种目标识别的方法和装置 | |
CN103577697A (zh) | 基于道路表面点云数据的fod检测方法 | |
JPWO2007094064A1 (ja) | レーダ装置 | |
JP2021514457A (ja) | 自律車両のための雨フィルタリング技法 | |
JP6991397B2 (ja) | 乱気流検出装置及び乱気流検出方法 | |
JP4541101B2 (ja) | 他車両検出機および他車両検出方法 | |
KR101970222B1 (ko) | 이중 항적 탐지 방지 장치 | |
WO2019188509A1 (ja) | レーダ画像処理装置、レーダ画像処理方法、および記憶媒体 | |
JP5511196B2 (ja) | 後方乱気流検出装置 | |
JP5648417B2 (ja) | 目標物管理装置および目標物管理方法 | |
US20200049625A1 (en) | Apparatus and method for laser particle sensor eye safety | |
JP5892215B2 (ja) | 目標物管理装置および目標物管理方法 | |
Penkin et al. | Detection of the aircraft vortex wake with the aid of a coherent Doppler lidar | |
JP2003172778A (ja) | 乱気流検出装置および乱気流検出方法 | |
De Ceglie et al. | SASS: a bi-spectral panoramic IRST-results from measurement campaigns with the Italian Navy | |
CN102495432B (zh) | 一种近平整区域内物体的光学成像扫描方法 | |
JP3638862B2 (ja) | 乱気流検出装置及び乱気流検出方法 | |
JP5626823B2 (ja) | 物体検出システム、該物体検出システムに用いられる物体検出方法及び物体検出制御プログラム | |
JP2011185719A (ja) | 追尾レーダ装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20210824 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20210824 |
|
A871 | Explanation of circumstances concerning accelerated examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871 Effective date: 20210824 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20211109 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20211207 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6991397 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |