JP6989986B1 - 装具靴用ヒール、装具靴、装具靴用金具、装具靴の製造方法 - Google Patents

装具靴用ヒール、装具靴、装具靴用金具、装具靴の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】装具靴の軽量化、製造容易化及び低コスト化を図った装具靴用ヒール等を提供する。【解決手段】装具靴1は、下肢装具2と、靴本体3と、装具靴用ヒール4とからなる。靴本体の本底12の下面に取り付けられるヒール本体14、15を有し、ヒール本体の少なくとも一方の側面に、下肢装具のアーム7を配置するための上下方向へ延在した溝14aを有し、装具靴用ヒールの溝に下肢装具のアームを嵌め込み、ネジ16をアームの貫通穴を通してインサートナットに取り付けることで、装具靴用ヒールへの下肢装具の取り付けがなされる。【選択図】図1

Description

本発明は、装具靴用ヒール、装具靴、装具靴用金具、装具靴の製造方法に関する。
従来の装具靴は、U字型に曲げられたアームを備えた金属板からなる鐙(あぶみ)が、アッパー及び中底と本底との間に組み込まれた構造をしている(例えば、特許文献1を参照。)。中底の裏側からアッパーに沿って曲げられたあぶみのアームは下肢装具の支柱と結合される。ここで、装具靴以外の一般的な靴には、靴の背骨となる芯材であるシャンクが中底の裏側に組み込まれている。即ち、装具靴におけるあぶみの形状と機能は、シャンクとアームを結合させるという考えから成り立っていると言える。
特開2002-291823号公報
現代の製靴法において、シャンクは鉄製から木製さらに樹脂製へと軽量化が進んでいる。一方、従来の装具靴のあぶみは、シャンクとアームが一体の金属板で構成されているので重く、歩行をサポートするためのものでありながら歩行の負担になってしまうという問題があった。
また、従来の装具靴においてあぶみの固定作業は、靴の製作途中詳しくは本底をアッパー及び中底に圧着又は縫合する底付け工程前に行う必要があるため、健常者向けの靴の製作に比してその後の底付け工程等が著しく困難となりコストの増加を招くことになってしまうという問題もあった。
そこで本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、装具靴の軽量化、製造容易化及び低コスト化を図った装具靴用ヒール、装具靴、装具靴用金具、装具靴の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明は、
靴本体の本底の下面に取り付けられるヒール本体を有し、
前記ヒール本体の少なくとも一方の側面に、下肢装具のアームを配置するための上下方向へ延在した溝を有し、
前記ヒール本体は、前記アームを前記ヒール本体に固定するための固定手段を前記溝内に有し、
前記ヒール本体には左右方向へ延びた穴部が前記溝内に形成されており、
前記固定手段は、前記穴部に挿入された柱状部材からなり、
前記柱状部材には、前記アームを前記ヒール本体にネジで固定するためのネジ溝が形成されており、
前記固定手段は、前記穴部に嵌合した筒状部材を有し、
前記柱状部材は、前記筒状部材に嵌合することを特徴とする装具靴用ヒールを提供する。
また本発明は、
靴本体の本底の下面に取り付けられるヒール本体を有し、
前記ヒール本体の少なくとも一方の側面に、下肢装具のアームを配置するための上下方向へ延在した溝を有し、
前記ヒール本体は、前記アームを前記ヒール本体に固定するための固定手段を前記溝内に有し、
前記ヒール本体には左右方向へ延びた穴部が前記溝内に形成されており、
前記固定手段は、前記穴部に挿入された柱状部材からなり、
前記柱状部材には、前記アームを前記ヒール本体にネジで固定するためのネジ溝が形成されており、
前記靴本体、前記ヒール本体及び前記柱状部材に上下方向へ連通する貫通穴がそれぞれ形成されており、
前記靴本体、前記ヒール本体及び前記柱状部材の前記貫通穴に軸部材が挿入されていることを特徴とする装具靴用ヒールを提供する。
また本発明は、
前記靴本体と、上記装具靴用ヒールとを有することを特徴とする装具靴を提供する。
また本発明は、
前記下肢装具と、前記靴本体と、上記装具靴用ヒールとを有することを特徴とする装具靴を提供する。
また本発明は、
下肢装具の支柱に連結されるアームと、
ヒール本体の少なくとも一方の側面に形成されている上下方向へ延在した溝内において前記ヒール本体に設けられた左右方向へ延びる穴部に挿入するための柱状部材と、前記ヒール本体の前記穴部に嵌合する筒状部材とを有し、
前記柱状部材には、前記ヒール本体の前記溝に配置された前記アームを前記ヒール本体にネジで固定するためのネジ溝が形成されており、
前記柱状部材は、前記筒状部材に嵌合することを特徴とする装具靴用金具を提供する。
また本発明は、
下肢装具の支柱に連結されるアームと、
ヒール本体の少なくとも一方の側面に形成されている上下方向へ延在した溝内において前記ヒール本体に設けられた左右方向へ延びる穴部に挿入するための柱状部材と、を有し、
前記柱状部材には、前記ヒール本体の前記溝に配置された前記アームを前記ヒール本体にネジで固定するためのネジ溝が形成されており、
前記靴本体及び前記ヒール本体にそれぞれ形成されている上下方向へ延びた貫通穴と連通する貫通穴が前記柱状部材に形成されており、
前記靴本体及び前記ヒール本体の前記貫通穴と前記柱状部材の前記貫通穴に軸部材が挿入されることを特徴とする装具靴用金具を提供する。
本発明によれば、装具靴の軽量化、製造容易化及び低コスト化を図った装具靴用ヒール、装具靴、装具靴用金具、装具靴の製造方法を提供することができる。
図1は本発明の第1実施形態に係る装具靴を示す図である。 図2は第1実施形態に係る装具靴の構成を示す分解図である。 図3は第1実施形態における装具靴用ヒールの構成を示す分解図である。 図4(a)、図4(b)、図4(c)、図4(d)及び図4(e)は第1実施形態における装具靴用ヒールのジョイント層及びトップリフトの構成を示す正面図、側面図、上面図、A-A’断面図及びB-B’断面図である。 図5(a)は従来の装具靴に使用者の足の荷重がかかる様子を示す図であり、図5(b)は第1実施形態に係る装具靴に使用者の足の荷重がかかる様子を示す図である。 図6(a)は従来の装具靴において靴本体にあぶみを組み込みヒールを取り付ける様子を示す図であり、図6(b)は第1実施形態に係る装具靴において靴本体に装具靴用ヒールを取り付ける様子を示す図であり、図6(c)は一般の靴において靴本体にヒールを取り付ける様子を示す図である。 図7(a)は従来の装具靴においてあぶみのアームに使用者の足の荷重がかかる様子を示す図であり、図7(b)は第1実施形態に係る装具靴においてアームに使用者の足の荷重がかかる様子を示す図であり、図7(c)は第2実施形態に係る装具靴においてアームに使用者の足の荷重がかかる様子を示す図である。 図8は歩行時の底屈によりアーム7にかかる負荷を第1実施形態における装具靴用ヒールの溝壁面が受ける様子を示す図であり、(a)は当該溝が地面に対して垂直である場合を示し、(b)は当該溝が地面に対して傾斜している場合を示している。 図9は第1実施形態における装具靴用ヒールの溝の深さを薄板部材を用いて調整する様子を示す図である。 図10(a)は第1実施形態における装具靴用ヒールのジョイント層を肉厚にして補助ビスを追加した様子を示す側面図であり、図10(b)は第1実施形態における装具靴用ヒールをロッキングヒールとした様子を示す側面図であり、図10(c)は第1実施形態における装具靴用ヒールにアウトシャンクを追加した様子を示す側面図であり、図10(d)は図10(c)の上面図である。 図11は本発明の第2実施形態に係る装具靴を示す図である。 図12は第2実施形態における装具靴用ヒールの構成を示す分解図である。 図13(a)、図13(b)、図13(c)、図13(d)及び図13(e)は第2実施形態における装具靴用ヒールのジョイント層及びトップリフトの構成を示す正面図、側面図、上面図、A-A’断面図及びB-B’断面図である。 図14(a)及び図14(b)は第2実施形態の第1変形例としてカートリッジ式のアウトシャンクを備えた装具靴用ヒールの構成を示す上面図及び側面図である。 図15(a)、図15(b)、図15(c)及び図15(d)は第2実施形態の第2変形例として靴本体、装具靴用ヒール、スルーナット及びカートリッジ式のアウトシャンクをボルトとナットで固定する様子を示すジョイント層及びトップリフトの側面図、上面図、A-A’断面図及び靴本体と装具靴用ヒールの側面図である。
本発明の各実施形態に係る装具靴を添付図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
図1に示す第1実施形態に係る装具靴1は、下肢装具2と、靴本体3と、装具靴用ヒール4とからなる。本明細書では装具靴1のつま先側を前、かかと側を後ろとして前後左右方向を定義する。
下肢装具2は、両側支柱型の短下肢装具であって、脚受部5と、脚受部5に固定された支柱6、6と、各支柱6、6に連結されたアーム7、7とからなる。
脚受部5は、使用者の下腿部に固定されるものであり樹脂製の円筒状部材5aからなる。円筒状部材5aは、使用者のふくらはぎの太さに合わせてベルト5bで径を調整可能である。
支柱6、6は、金属製の細長い板状部材からなり、上端部分が脚受部5の円筒状部材5aに固定されており、下端部分にはアーム7、7を連結するための不図示の貫通穴が形成されている。支柱6、6及び脚受部5は、一般的な下肢装具の支柱及び脚受部と同様の構成をしており、形態はこれらに限られない。
アーム7、7は、支柱6、6と装具靴用ヒール4とを連結するものであり、金属製で細長い板状部材からなる。図3に示すようにアーム7の上端部分には貫通穴7aが形成されており、貫通穴7a及び支柱6の貫通穴にネジ8を通して固定することでアーム7は支柱6に対して使用者に好適な角度で固定されている。アーム7の下端部分には、アーム7を装具靴用ヒール4の後述するジョイント層14に固定するネジ(ボルト)16を挿入するための貫通穴7bが形成されている。なお、図7(b)に示すようにアーム7には後述するアッパー9に沿って緩やかに湾曲する湾曲部7cを設けることが好ましい。アーム7、7と支柱6、6の長さは互いの連結位置が使用者のくるぶしの高さに合うように設計されている。特にアーム7、7は長さの異なるものを複数種類準備し、使用者の年齢や体格等に合わせて好適な長さのものを選択するようにすることがより好ましい。
靴本体3は、一般的な革靴の本体部分と同様の構成をしており、図1及び図2に示すように甲革や裏革等を縫い合わせてなる革製のアッパー9と、革製の中底10と、樹脂製のシャンク11と、革製の本底12とからなり、中底10と本底12でシャンク11とアッパー9の端部を挟み込むように接着剤で貼り合わせ、縫合されている。
装具靴用ヒール4は、図3に示すように凡そ蒲鉾形状をしており、上方から順に加工層13と、肉厚のジョイント層14と、トップリフト15とを接着剤で貼り合わせてなる。加工層13、ジョイント層14及びトップリフト15を併せてヒール本体と称する。
加工層13は、靴本体3の本底12の下面に貼り付けられる革製の層である。加工層13は上面を削り加工することで上面の傾斜や厚み即ち装具靴用ヒール4の高さを微調整したり、本底12との接合面の形状を合致調整することが可能である。なお、加工層13の素材は革に限られない。
トップリフト15は、装具靴1の使用時に地面に直接触れるゴム製の交換可能なグリップ層である。
ジョイント層14は、モールド成型によって作製された樹脂製部材である。ジョイント層14の一方の側面には上下方向へ延びる溝14aが形成されている。溝14aは後方へ向かって傾斜しており、溝14aの幅は下肢装具2のアーム7が嵌まる大きさに設計されている。溝14aは、アーム7を収納しつつ装具靴用ヒール4に対するアーム7の取り付け角度を規定し、アーム7がネジ16を中心に回動することを禁止する機能を果たすものであり、これによって後述するインサートナット17自体の回転や弛みも防止することができる。なお、溝14aの傾斜角度は使用者の好みに合わせて設定してもよく、0度即ち溝14aが地面に対して垂直となるようにとしてもよい。図4(c)に示すように溝14aの底には取付穴14bが形成されており、取付穴14bにはネジ16を固定するためのインサートナット17が熱圧入により取り付けられている。
斯かる構成の溝14a、取付穴14b及びインサートナット17は、ジョイント層14の他方の側面にも対向するように備えられている。なお、加工層13及び靴本体3の本底12の両側面には、ジョイント層14の溝14a、14aを上方へ延長するように溝が形成されている。
ジョイント層14は樹脂製に限られずその他の素材、例えばゴム等で構成してもよい。ジョイント層14はモールド成型に限られず例えば3Dプリンタ等で作製してもよい。インサートナット17はジョイント層14の成型後に圧入することに限られず成型加工時に埋め込んでもよい。
装具靴1において、靴本体3の本底12の下面に装具靴用ヒール4の加工層13の上面を接着剤で貼り付け、さらに靴本体3内から中底10と本底12を順に貫いて装具靴用ヒール4まで達するように中打ち釘18を打ち込んで固定することで、靴本体3への装具靴用ヒール4の取り付けがなされている(図2参照)。また、装具靴用ヒール4の溝14a、14aに下肢装具2のアーム7、7を嵌め込み、ネジ16、16をアーム7、7の貫通穴7b、7bを通してインサートナット17、17に取り付けることで、装具靴用ヒール4への下肢装具2の取り付けがなされている(図3参照)。したがって、装具靴用ヒール4及びアーム7、7を用いることにより、健常者向けの一般的な靴の製造工程の最後において前述の2つの工程を実施することで装具靴1を完成することができる。なお、靴本体3への装具靴用ヒール4の取り付けは、安全性を考慮して装具靴用ヒール4に過度の負荷がかかった場合に靴本体3から外れる程度の強さで固定することが望ましい。
使用者は以上に述べた構成の装具靴1を履き、下肢装具2の脚受部5を下腿部に固定することにより、下腿部に対して足の裏の角度を一定に保持することができ、足の爪先が垂れ下がることを抑えながら歩行することが可能になる。
本実施形態に係る装具靴1は、従来のあぶみのシャンク部分とアーム部分の機能を分割して捉え、装具靴用ヒール4に下肢装具5のアーム7、7を留める構成とした、即ち装具靴用ヒール4とアーム7、7とを取り外し可能に一体化したことにより、軽量化、製造容易化及び低コスト化を図っている。斯かる装具靴1の効果について以下に詳述する。
使用者が従来のあぶみ詳しくはアームとシャンクが一体となった金属製のあぶみを備えた装具靴を履いて歩行する場合、図5(a)に示すように使用者の足から荷重Wがあぶみ100にかかると、てこの原理によってあぶみ100の後方を支点Fとしてあぶみ100の前方部分即ちシャンク部分が作用点Lとなり、あぶみ100の前方部分が中底110を持ち上げてしまい、使用者に一歩毎に足の裏に不快感を与えることになってしまう。
これに対して本実施形態に係る装具靴1は、従来の金属製のあぶみを採用せずに、アーム7、7を装具靴用ヒール4に固定する構成としている。したがって、図5(b)に示すように使用者の足から荷重Wが装具靴用ヒール4に加わってもシャンク11に影響がなく、またアーム7、7に加わった負荷を装具靴用ヒール4が支えたときにもシャンク11に影響がないため、前述のように歩行時に中底10が持ち上げられて足の裏に不快感が生じることがない。また、従来のあぶみ100のように厚く重いシャンク部を必要とせず、一般的な革靴と同様に薄く軽量なシャンク11を採用することができる。このため、ヒール高さの調整を一般的な革靴と同様に行うことができ、使用者の立位の安定化を図りながら歩行時の推進力を確保し、軽量で歩行の負担にならない装具靴1を実現することができる。
従来の装具靴101は、図6(a)に示すように金属鋲118等であぶみ100が中底110に対して半永久的に固定される。即ち、装具靴101から下肢装具を取り外すことができないため、装具靴101を例えば下駄箱に収納する際にも持ち運ぶ際にも利便性を欠いてしまう。また、使用者が歩行中に例えば階段から転落する等して使用者に過度の負荷がかかった場合でもあぶみ100が中底110に固定されたままであり、使用者は装具靴101で足が固定されたままとなってしまうため危険である。
これに対して本実施形態に係る装具靴1は、上述のようにアーム7、7はネジ16、16で装具靴用ヒール4に固定されている。即ち、ネジ16、16を外すことで装具靴1から下肢装具2を取り外すことができるため、靴本体3及び装具靴用ヒール4と下肢装具2との双方をそれぞれ容易に修理、部品交換、メンテナンスすることができ、収納や持ち運びの利便性もとても高い。また、装具靴1に過度の負荷がかかった場合には、装具靴用ヒール4からアーム7、7が外れる、或いは装具靴用ヒール4が靴本体3から外れることが可能であるため、前述のような危険を回避することができる。また、上述のように3層からなる装具靴用ヒール4は、層毎に素材を選択可能で層同士は接着剤で結合される。このため、安全性を考慮して適度なクッション性を有する素材を採用したり、適度な剥離強度の接着剤を選択して装具靴1に過度の負荷がかかった場合に装具靴用ヒール4が分解するようにしてもよい。
従来の装具靴101において、あぶみ100は通常ステンレス製で3mm程度の厚さを有しているため、使用者の足の体温を奪い冬場には足を冷やしてしまう。
これに対して本実施形態に係る装具靴1は、一般的な靴と同様、シャンク11に木や樹脂等の素材を選択できるため、使用者が足を冷やすことなく快適に使用することができる。
従来の装具靴101は、図6(a)及び図7(a)に示すように柔らかい中底110に対してあぶみ100が鋲留めされ、あぶみ100と中底110の間には柔らかいアッパー109の端部が挟み込まれる構成であるため、あぶみ100が安定せずにぐらついてしまう。
これに対して本実施形態に係る装具靴1は、図6(b)及び図7(b)に示すように靴の中で最も強固な即ち剛性及び耐久性の大きな素材からなる装具靴用ヒール4によってアーム7、7をぶれなく保持することができる。
従来の装具靴101では、図7(a)に示すようにあぶみ100のアーム100a、100aはT字型の金属板を略90度折り曲げて作られているために変形しやすい。そして、使用者の体重による荷重Wは下肢装具の支柱を介してアーム100a、100aを外側に押し広げるように働いてしまう。このため、アーム100a、100aの変形や破損を防ぐためにあぶみ100を構成する金属板の厚みを増すことになり、重量の増加や加工難を招いてしまう。
これに対して本実施形態に係る装具靴1は、図7(b)に示すようにアーム7、7が使用者の体重による荷重Wを略真直ぐに受けることができる。このため、アーム7、7を構成する金属板は、従来のあぶみ100のアーム100a、100aに比して薄く、軽くすることができる。アーム7、7を構成する金属板をチタンやカーボン等の新素材に変更してもアーム7、7以外のパーツや製造工程に影響がないため、アーム7、7の素材と厚みの組み合わせの自由度も大きい。
下肢障害者の多くは杖を使って歩いたり立った状態を維持するため、その姿勢は前かがみでかかとが浮いた状態となる。しかしながら従来のあぶみ100を備えた装具靴101はヒールの高さ調整が容易でないため、あぶみ100で使用者の体重を支えるためにあぶみ100のシャンク100bを厚く大きくしなければならず重量化してしまう。また、使用者の足には靴本体の中で必然的に静止状態でも斜め前方へ滑る力が働いてしまい不安定である。
これに対して本実施形態に係る装具靴1において装具靴用ヒール4は、一般の製靴工程と同様、完成した靴本体3に取り付けられる。このため、使用者に好適な高さの装具靴用ヒール4を自由に選択して靴本体3に取り付けることができ、杖の使用により前かがみの姿勢になることを考慮した軽量で快適な装具靴1を実現することができる。
従来の装具靴101において、あぶみ100の固定作業は本底112をアッパー109及び中底110に圧着又は縫合する底付け工程前に行う必要がある(図6(a)参照)。このため、あぶみ100は装具靴101に組み込まれると取り外しが容易でなく、簡単な故障や消耗であっても修理が困難であり、靴本体も下肢装具も破棄されてしまうことが多い。また、健常者向けの一般的な靴の製作に比してその後の底付け工程等が著しく困難となりコストの増加を招くとともに、装具靴101の外観を大きく損なう要因にもなっている。
これに対して本実施形態に係る装具靴1では、一般的な製靴手順と同様、最終工程で装具靴用ヒール4が接着剤と数本の中打ち釘18によって靴本体3に固定される(図6(b)及び図6(c)を参照)。したがって、一般的な靴と部品点数が同じで製靴手順も同様であるため、従来の装具靴101のように底付け工程が困難となることもなく製造コストの増加を招くこともない。そして、一般的な靴と同様に外観の良好な靴本体3を採用することができる。また、装具靴用ヒール4に故障等が生じた場合には靴本体3や下肢装具2を廃棄することなく装具靴用ヒール4のみを交換することができる。
一般的な靴の製靴法は、セメンテッド製法やグッドイヤー製法等、底付けの方法によって分類され、靴の強度、TPO及びデザイン性等の顧客ニーズに対応して選択することが可能である。しかしながら従来の装具靴101はこのような選択肢もあぶみ100の存在によって狭められている。
これに対して本実施形態に係る装具靴1は、一般の靴と同様に靴本体3と装具靴用ヒール4とを分けて加工できるため、スニーカーからドレスシューズにいたるまで所望の製靴法を選択することが可能で顧客ニーズに柔軟に応じることができる。また、本実施形態の装具靴用ヒール4は、多くの既製靴の靴本体に適用することもできる。
従来の装具靴101においてあぶみ100は義肢装具士の指導の下で扱う必要がある。このため、一般の靴メーカーは装具靴市場へ参入しておらず、装具靴は百貨店はおろか一般の靴小売店で販売されることもない状況である。したがって、装具靴市場は価格を含めて競争の極めて少ない閉鎖的な市場となっており、患者は治療を終えリハビリを終了しても自分の好みや用途、価格に合わせた装具靴を選択することができない状況にある。
本実施形態に係る装具靴1は、靴メーカーが単独で装具靴用ヒール4付きの靴を製作することが可能である。そして、義肢装具士が装具靴用ヒール4にアーム7、7を含む下肢装具2を調整して取り付けるだけで完成することができる。したがって、本実施形態に係る装具靴1は一般の靴メーカーの市場参入を促し競争を活性化させ、ひいては好みや用途、価格に合わせた様々な装具靴を使用者に提供することが期待できる。
本実施形態に係る装具靴1は、装具靴用ヒール4のジョイント層14の両側面に形成した溝14a、14a及び加工層13及び靴本体3の本底12の両側面に形成した溝にアーム7、7を収納する構成である。したがって、装具靴用ヒール4の両側面においてアーム7、7が外側へ出っ張っていないため、デザイン性が向上するだけでなく、歩行時にアーム7、7同士が接触したり、道路の縁石等にアーム7、7が引っ掛かって転倒してしまう等の危険を防ぐこともできる。
従来の装具靴101において、あぶみ100の側方から見たアーム100aの角度は図6(a)に示すように地面に対して垂直が基本であるが、歩行時の底屈(つま先を下げる動き)の負荷によって後傾してしまうことが殆どである。
これに対して本実施形態に係る装具靴1は、上述のように装具靴用ヒール4のジョイント層14に後方へ向かって傾斜した溝14aにアーム7が嵌合する構成である。このため、図8(b)に示すように歩行時の底屈によりアーム7が受ける後傾方向の負荷を溝14aの壁面で略垂直に受けることができ、アーム7の安定性とジョイント層14の耐久性をより向上することができる。
本実施形態に係る装具靴1は、図9に点線で示すように、靴本体3の大きさ等に応じて装具靴用ヒール4の前側面、後側面、左右側面に削り加工を施すことにより装具靴用ヒール4のサイズ調整を行うこともできる。また、ジョイント層14の両側面に形成した溝14a(及び加工層13、靴本体3の本底12の両側面に形成した溝)に削り加工を施してこれらの溝の深さを調整することもできる。さらに、これらの溝に嵌合する形状の薄板部材20を用意して溝内に配置することでアーム7、7の厚み等に応じて溝の深さを調整することもできる。なお、溝の深さはアーム7を固定するネジ16の頭部まで収納できることがより好ましい。
また、装具靴用ヒール4のジョイント層14は、図4(c)に示すように溝14a、14aを埋めるキャップ14c、14cを備えている。キャップ14c、14cには貫通穴が形成されており、ネジ16を通してインサートナット17に固定することが可能になっている。したがって、本実施形態に係る装具靴1は装具靴用ヒール4から下肢装具2を外してキャップ14c、14cを溝14a、14aに取り付けることで、外観を損なうことなく一般的な靴と同様に使用することもできる。なお、キャップ14c、14cはジョイント層14と同じ素材からなることが好ましく、溝14a、14aを上方へ延長するように加工層13及び靴本体3の本底12の両側面に形成された溝を埋める形状であることがより好ましい。
本実施形態に係る装具靴1は、アーム7を装具靴用ヒール4のジョイント層14に対して1つのネジ16で取り付けている。しかしこれに限られず、アーム7の下端部分に貫通孔を追加し、図10(a)に示すように補助ネジとしてタッピングネジ19を、当該貫通孔を通してジョイント層14へねじ込む構成としてもよい。これにより、アーム7をジョイント層14に対してよりしっかりと固定することができ、アーム7の位置を固定してアーム7がネジ16を中心に回動することを効果的に防止することができる。またこれにより、インサートナット17自体の回転や弛みも効果的に防止することができる。
また、装具靴用ヒール4のジョイント層14において、溝14a内のインサートナット17の数は1つに限られない。例えば、インサートナット17を溝14a内に水平方向へ2つ並んで配置し、これに対応してアーム7の下端部分の貫通孔7bを2つにし、それぞれの貫通孔7bにネジ16を通してインサートナット17に取り付ける構成としてもよい。これにより、前述したタッピングネジ19と同様の効果を奏することができる。
装具靴用ヒール4のジョイント層14をヒール高さの調整のため図10(a)に示すようにさらに肉厚にしてもよい。装具靴用ヒール4は図10(b)に示すようにジョイント層14とトップリフト15の形状を変更してロッキングヒールとすることもできる。
(第2実施形態)
図11に示す第2実施形態に係る装具靴21は、下肢装具22と、靴本体3と、装具靴用ヒール24とからなる。なお、本実施形態に係る装具靴21について、上記第1実施形態と同様の構成については同じ符号を付して説明を省略し異なる構成について詳述する。
装具靴用ヒール24は、図12に示すように凡そ蒲鉾形状をしており、上方から順に加工層13と、肉厚のジョイント層25と、トップリフト15とを接着剤で貼り合わせてなる。なお、図12においてジョイント層25は水平方向へスライスされた状態を示している。
図12に示すジョイント層25は、革製の薄板部材を複数枚貼り合わせてなる層である。ジョイント層25の両側面には上下方向へ延びる溝25a、25aが対向するように形成されている。なお、溝25a、25aは地面に対して垂直に延びており、上記第1実施形態における溝14a、14aと同様の役割を果たすものである。ジョイント層25には、一方の溝25aの底から他方の溝25aの底まで水平に貫通する矩形穴26が形成されている。矩形穴26には樹脂製(具体的にはナイロン樹脂製)の筒部材27が嵌合して取り付けられている。筒部材27は両端が開放された角筒形状をしており、角柱形状のスルーナット28が挿嵌されている。ジョイント層25は革製に限られずその他の素材、例えば樹脂やゴム等で構成してもよい。ジョイント層25は前述のように複数枚の薄板部材に限られず1枚の厚板部材で構成してもよい。
ジョイント層25の前側面の上部には樹脂製のアウトシャンク29が一体的に形成されている。アウトシャンク29は、薄い板状部材であって先端へ向かって厚み及び幅が小さくなった略舌形状をしている。アウトシャンク29は靴本体3の本底12の下面に貼り付けられてシャンク11の機能を補う、即ち使用者の体重が掛かっても靴本体3が歪まないように靴本体3のアーチ部分をシャンク11とともに支えることができる。
スルーナット28は、後述するアーム31、31を固定するためのものであり、金属製の細長い角柱形状部材であって長手方向へ貫通する2つの貫通穴30、30が横並びに形成されている。図13に示すように貫通穴30、30の内周面の両端部分にはネジ溝(雌ネジ)30a、30a、30a、30aが形成されている。なお、スルーナット28は装具靴21に過度の負荷がかかった際の安全性の観点からチタン等の硬過ぎる素材よりもアルミ等の柔らかい素材で構成することが好ましい。
上述のようにジョイント層25に筒部材27を備えたことにより、スルーナット28を筒部材27に対してスムーズに挿脱することができる。筒部材27により、ジョイント層25を加工層13及びトップリフト15と圧着する際に矩形穴26に変形が生じることを防ぐこともできる。筒部材27によってスルーナット28を保護することもでき、スルーナット28のメンテナンスを容易に行うこともできる。なお、スルーナット28をよりスムーズに挿脱するために、筒部材27の内側表面に鏡面加工が施すことが望ましい。
下肢装具22のアーム31、31は、アーム31、31をジョイント層25のスルーナット28に固定するネジ32、32を挿入するための2つの貫通穴31b、31bが下端部分に形成されており、その他の構成は上記第1実施形態におけるアーム7、7と同様である。
本実施形態に係る装具靴21において、靴本体3の本底12の下面に装具靴用ヒール24の加工層13の上面及びアウトシャンク29の上面を接着剤で貼り付け、さらに靴本体3内から中底10と本底12を順に貫いて装具靴用ヒール24まで達するように中打ち釘18を打ち込んで固定し、アウトシャンク29の下面から本底12へ達するように図13(d)に示す鋲33を打ち込んで固定することで、靴本体3への装具靴用ヒール24の取り付けがなされている。また、装具靴用ヒール24の溝25aに下肢装具22の一方のアーム31を嵌め込み、2つのネジ32、32をアーム31の貫通穴31b、31bを通してスルーナット28のネジ溝30a、30aに取り付け、他方のアーム31も同様とすることで、装具靴用ヒール24への下肢装具22の取り付けがなされている。したがって、上記第1実施形態と同様、装具靴用ヒール24及びアーム31、31を用いることにより、健常者向けの一般的な靴の製造工程の最後において前述の2つの工程を実施することで装具靴21を完成することができる。
本実施形態に係る装具靴21は、上記第1実施形態に係る装具靴1と同様の効果を奏することができる。特に、本実施形態における装具靴用ヒール24は、アウトシャンク29でシャンク11の機能を補うことができる。アーム31、31がスルーナット28に対してそれぞれ2つのネジ32、32で固定されるため、アーム31、31が装具靴用ヒール24に対して回動してしまうことがない。スルーナット28でアーム31、31をよりしっかりと支持することができ、加工も容易であるという利点がある。これに対して、上記第1実施形態の装具靴用ヒール4は、既製のインサートナットが充実しており、生産性が高くより低コスト化できるという利点がある。
本実施形態における装具靴用ヒール24において、ジョイント層25の筒部材27は必須のものでなく省略することも可能である。
本実施形態における装具靴用ヒール24において、アウトシャンク29はジョイント層25に一体的に設けられているが、これに限られず加工層13に一体的に設ける構成としてもよい。第1実施形態における装具靴用ヒール4のジョイント層25又は加工層13にアウトシャンクを一体的に設けてもよい(図10(c)及び図10(d)参照)。なお、装具靴用ヒール24においてアウトシャンク29は必須のものでなく、使用者の障害の程度に応じて省略することも可能である。
本実施形態における装具靴用ヒール24において、上述のようにスルーナット28には2つの貫通穴30、30が形成されているが貫通穴30の数はこれに限られない。例えば、スルーナット28の貫通穴30を1つ、これに対応してアーム31の貫通孔31bを1つとし、1つのネジ32を貫通孔31bを通して貫通穴30に取り付ける構成としてもよい。
本実施形態における装具靴用ヒール24において、上述のようにスルーナット28は細長い角柱形状部材であるが、これに限られず例えば断面が楕円形や角丸長方形の柱状部材としてもよい。
本実施形態における装具靴用ヒール24において、スルーナット28は2つの貫通穴30、30の内周面の両端部分にネジ溝30a、30a、30a、30aが形成されているがこれに限られない。貫通穴30、30の代わりにスルーナット28の左右両側面にネジ穴を2つずつ設けてもよい。この左右両側面にネジ穴を2つずつ設けたスルーナット28の中央部分をカットして左右一対の部材としてもよい。この場合、ジョイント層14を貫通する矩形穴26の代わりに、ジョイント層25の左右両側面に矩形で有底の挿入穴を1つずつ設け、この矩形の挿入穴に当該左右一対の部材を挿嵌する構成とすればよい。
(第2実施形態の第1変形例)
本実施形態における装具靴用ヒール24は、筒部材27を排除しスルーナット28がジョイント層25の矩形穴26に嵌合するようにし、アウトシャンク29の代わりに図14(a)及び図14(b)に示すように交換可能なカートリッジ式のアウトシャンク34を有する構成としてもよい。アウトシャンク34は、樹脂製の薄い板状部材であって、先端へ向かって厚みと幅が小さくなった舌状部34aと舌状部34aに一体的に形成された厚みと幅が一定の四角部34bとからなる。装具靴用ヒール24のジョイント層25には前側(つま先側)へ向かって開放された細長い隙間であるスロット35が形成されており、アウトシャンク34を挿嵌することが可能である。スルーナット28の上面には、前後方向へ延びる底の浅い溝28aが形成されている。スロット35及び溝28aの左右方向における幅はそれぞれアウトシャンク34の四角部34bが嵌合可能な大きさに設計されている。スロット35と矩形穴26とはジョイント層25内部で直交して連通しており、矩形穴26にスルーナット28を挿入することで、スルーナット28の溝28aがスロット35の一部を構成することができる。なお、本変形例におけるスルーナット28には貫通穴30、30の代わりにスルーナット28の左右両側面にネジ32を螺合可能なネジ穴30bを2つずつ設けたものを採用している。
斯かる構成の下、靴本体3に装具靴用ヒール24を取り付けた後、アウトシャンク34をスロット35に挿入し舌状部34aの下面から本底12へ達するように鋲33を打ち込むことで、アウトシャンク34を靴本体3及びジョイント層25へ固定することができる。スロット35に挿入されたアウトシャンク34は、スルーナット28の溝28aにより四角部34bの左右方向における位置が拘束されるため、横揺れすることがない。アウトシャンク34をカートリッジ式とすることにより、使用者の足の疾患の程度に合った剛性、反発性の素材(例えば、プラスチック、ステンレス、カーボン等)でできたアウトシャンク34を適宜選択して用いることが可能になる。
(第2実施形態の第2変形例)
本実施形態における装具靴用ヒール24は、前述の第1変形例において、図15(a)~図15(d)に示すように靴本体3の中板10と本底12、アウトシャンク34、装具靴用ヒール24の加工層13とジョイント層25及びスルーナット28に上下方向へ連通するように同心で円形の貫通穴をそれぞれ形成してもよい。中板10と本底12の貫通穴及びジョイント層25下端の貫通穴を他の部分の貫通穴よりも大径とし、中板10と本底12の貫通穴に埋め込みナット36を配置し、ジョイント層25の下側からボルト37を挿入して埋め込みナット36と螺合させる。これにより、靴本体3に対して装具靴用ヒール24をしっかりと固定できるとともに、装具靴用ヒール24に対してアウトシャンク34とスルーナット28の左右方向位置を拘束することができ、アウトシャンク34とスルーナット28の横揺れを防止することができる。なお、ジョイント層25のスロット35と矩形穴26はジョイント層25内部で連通しないように形成し、スルーナット28の溝28aは排除する。トップリフト15は、ボルト37を埋め込みナット36に固定した後でジョイント層25に貼り付けられる。スロット35はジョイント層25と加工層13との境界部分に形成されている。ボルト37と埋め込みナット36に限られず、中板10、本底12、アウトシャンク34、加工層13、ジョイント層25及びスルーナット28の貫通穴に軸状部材を嵌合する構成としてもよい。また、トップリフト15は、予めジョイント層25に貼り付けられており、上述のジョイント層25下端の貫通穴と連通する同径の貫通穴が形成されており、当該貫通穴に嵌合するキャップ部材をさらに備える構成としてもよい。これにより、ボルト37を埋め込みナット36に固定した後、トップリフト15をジョイント層25に貼り付ける必要がなくなり、トップリフト15の貫通穴にキャップ部材を取り付けるだけでよいため、靴本体3に対する装具靴用ヒール24の取り付け作業がより簡単になるとともにメンテナンスもしやすくなる。キャップ部材はトップリフト15の裁断片からなることが好ましい。
本実施形態における下肢装具22のアーム31、31は、既存の下肢装具における支柱のジョイント部と連結することを考慮し、上端部分を図14(b)に示す汎用性の大きな既存の形状としてもよい。
上記各実施形態によれば、装具靴の軽量化、製造容易化及び低コスト化を図った装具靴用ヒール、装具靴、装具靴用金具、装具靴の製造方法を実現することができる。
なお、上記各実施形態は革靴の例を示しているが、本発明はスニーカーやサンダル等その他の履物にも適用することができる。
上記各実施形態では両側支柱型の下肢装具の例を示しているが、本発明は片側支柱型の下肢装具に適用することもできる。
上記各実施形態では下肢装具として短下肢装具の例を示しているが、本発明は長下肢装具に適用することもできる。
1、21 装具靴
2、22 下肢装具
3 靴本体
4、24 装具靴用ヒール
5 脚受部
6 支柱
7、31 アーム
9 アッパー
10 中底
11 シャンク
12 本底
13 加工層
14、25 ジョイント層
14a、25a 溝
15 トップリフト
17 インサートナット
27 筒部材
28 スルーナット
29、34 アウトシャンク
36 埋め込みナット
37 ボルト

Claims (10)

  1. 靴本体の本底の下面に取り付けられるヒール本体を有し、
    前記ヒール本体の少なくとも一方の側面に、下肢装具のアームを配置するための上下方向へ延在した溝を有し、
    前記ヒール本体は、前記アームを前記ヒール本体に固定するための固定手段を前記溝内に有し、
    前記ヒール本体には左右方向へ延びた穴部が前記溝内に形成されており、
    前記固定手段は、前記穴部に挿入された柱状部材からなり、
    前記柱状部材には、前記アームを前記ヒール本体にネジで固定するためのネジ溝が形成されており、
    前記固定手段は、前記穴部に嵌合した筒状部材を有し、
    前記柱状部材は、前記筒状部材に嵌合することを特徴とする装具靴用ヒール。
  2. 靴本体の本底の下面に取り付けられるヒール本体を有し、
    前記ヒール本体の少なくとも一方の側面に、下肢装具のアームを配置するための上下方向へ延在した溝を有し、
    前記ヒール本体は、前記アームを前記ヒール本体に固定するための固定手段を前記溝内に有し、
    前記ヒール本体には左右方向へ延びた穴部が前記溝内に形成されており、
    前記固定手段は、前記穴部に挿入された柱状部材からなり、
    前記柱状部材には、前記アームを前記ヒール本体にネジで固定するためのネジ溝が形成されており、
    前記靴本体、前記ヒール本体及び前記柱状部材に上下方向へ連通する貫通穴がそれぞれ形成されており、
    前記靴本体、前記ヒール本体及び前記柱状部材の前記貫通穴に軸部材が挿入されていることを特徴とする装具靴用ヒール。
  3. 前記軸部材は、前記靴本体、前記ヒール本体及び前記柱状部材を上下方向に締め付けるボルトとナットからなることを特徴とする請求項に記載の装具靴用ヒール。
  4. 前記ヒール本体は、前記靴本体の前記本底を下側から支持するために前方へ延在した板状部材を有することを特徴とする請求項1から請求項のいずれか一項に記載の装具靴用ヒール。
  5. 前記板状部材は前記ヒール本体と別体であり、
    前記ヒール本体には、前記板状部材の後方部分を挿入するためのスロットが形成されていることを特徴とする請求項に記載の装具靴用ヒール。
  6. 前記ヒール本体は、前記溝及び前記固定手段を前記ヒール本体の両側面に有することを特徴とする請求項1から請求項のいずれか一項に記載の装具靴用ヒール。
  7. 前記靴本体と、請求項1から請求項のいずれか一項に記載の装具靴用ヒールとを有することを特徴とする装具靴。
  8. 前記下肢装具と、前記靴本体と、請求項1から請求項のいずれか一項に記載の装具靴用ヒールとを有することを特徴とする装具靴。
  9. 下肢装具の支柱に連結されるアームと、
    ヒール本体の少なくとも一方の側面に形成されている上下方向へ延在した溝内において前記ヒール本体に設けられた左右方向へ延びる穴部に挿入するための柱状部材と、前記ヒール本体の前記穴部に嵌合する筒状部材とを有し、
    前記柱状部材には、前記ヒール本体の前記溝に配置された前記アームを前記ヒール本体にネジで固定するためのネジ溝が形成されており、
    前記柱状部材は、前記筒状部材に嵌合することを特徴とする装具靴用金具。
  10. 下肢装具の支柱に連結されるアームと、
    ヒール本体の少なくとも一方の側面に形成されている上下方向へ延在した溝内において前記ヒール本体に設けられた左右方向へ延びる穴部に挿入するための柱状部材と、を有し、
    前記柱状部材には、前記ヒール本体の前記溝に配置された前記アームを前記ヒール本体にネジで固定するためのネジ溝が形成されており、
    前記靴本体及び前記ヒール本体にそれぞれ形成されている上下方向へ延びた貫通穴と連通する貫通穴が前記柱状部材に形成されており、
    前記靴本体及び前記ヒール本体の前記貫通穴と前記柱状部材の前記貫通穴に軸部材が挿入されることを特徴とする装具靴用金具。
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JPH0537105U (ja) * 1991-10-23 1993-05-21 アキレス株式会社 靴底部材及び型成形靴底
CN207979097U (zh) * 2018-02-07 2018-10-19 许海艳 一种下肢畸形外固定手术康复用可调式锻炼鞋

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