JP6989898B2 - 管理装置、コンピュータに実行させるためのプログラムおよびそのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体 - Google Patents

管理装置、コンピュータに実行させるためのプログラムおよびそのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体 Download PDF

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本発明は、管理装置、コンピュータに実行させるためのプログラムおよびそのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関するものである。
第5世代移動通信システム(5G)にて期待されるコグニティブ無線技術の一つとして、データベース支援型周波数共用システム(非特許文献1,2)が知られている。
データベース支援型周波数共用システム においては、スペクトルデータベースが予め各地点における免許帯域について,1次利用者の利用情報を収集する。その後、そのデータベースが2次利用者向けに、2次利用者の無免許動作が1次利用者の動作を妨害しないように周波数共用条件を設定する。そして、最終的に、このデータベースに2次利用者が自局の位置情報を送って問い合わせることにより、2次利用者の送信局は、周波数共用条件により決定された免許帯を使用 する。
たとえ、2次利用者が、周波数共用条件に従って動作した場合でも、1次利用者が干渉による影響を受ける可能性がある。この問題の原因は、実世界の地理及び建物情報の変化によって生じた予期せぬ伝搬路である。1次利用者が干渉を受ける確率を減らすために、送信を禁止する2次利用者の数を増やすべく周波数共用条件を調整する必要があるが、その場合には、免許帯の空間的な再利用効率が著しく低下する。
非特許文献1,2では、1次利用者が干渉による影響を受けたという緊急情報を基に周波数共用条件を更新するというフレームワークが提案されている。非特許文献3,4では、周波数共用条件として,1次受信局を中心とする円形の1次利用者排他領域(PER:Primary Exclusive Region)(非特許文献5)を考えており、1次利用者排他領域内の2次送信局に送信禁止が通知される。
また、非特許文献6は、空間を扇形領域に分割し、1次利用者排他領域とする扇形領域の半径を最適化し ている。すなわち、非円形な1次利用者排他領域を設計している。
D. Gurney, G. Buchwald, L. Ecklund, S. Kuffner, and J. Grosspietsch, "Geo-location database techniques for incumbent protection in the TV white space," Proc. IEEE DySPAN 2008, pp.232-240, Aug. 2008. M. Barrie, S. Delaere, G. Sukareviciene, J. Gesquiere, and I. Moerman, "Geolocation database beyond TV white spaces Matching applications with database requirements," Proc. IEEE DySPAN 2012, pp.467-478, Oct. 2012. S. Yamashita, K. Yamamoto, T. Nishio, and M. Morikura, "Knowledge-based update of primary exclusive region for database-driven spectrum sharing towards 5G," Proc. IEEE WCNC-IWSS 2016, pp.473-476, April 2016. S. Yamashita, K. Yamamoto, T. Nishio, and M. Morikura, "Knowledge-based reestablishment of primary exclusive region in database-driven spectrum sharing," IEICE Trans. Commun., vol.E99-B, no.9, pp.2019-2027, Sept. 2016. M. Vu, N. Devroye, and V. Tarokh, "On the primary exclusive region of cognitive networks," IEEE Trans. Commun.,vol.8, no.7, pp.3380-3385, July 2009. S. Bhattarai, A. Ullah, J.M.J. Park, J.H. Reed, D. Gurney, and B. Gao, "Defining incumbent protection zones on the fly: Dynamic boundaries for spectrum sharing," Proc. IEEE DySPAN 2015, pp.251-262, Sept. 2015. M. Haenggi, Stochastic Geometry for Wireless Networks, Cambridge University Press, Nov. 2012. D.C. Schleher, "Generalized Gran-Charlier series with application to the sum of normal bariates," IEEE Trans. Inf. Theory, vol.23, no.2, pp.275-280, May 1977. K.L.Q. Read, "A lognormal approximation for the collector’s problem," Amer. Stat., vol.52, no.2, pp.175-180, May 1998. A. Ghasemi and E.S. Sousa, "Interference aggregation in spectrum-sensing cognitive wireless networks," IEEE J. Sel. Top. Signal Process., vol,2, no.1, pp.41-56, Feb. 2008. W.L. Stutzman and G.A. Thiele, Antenna Theory and Design, 3rd Edition, John Wiley & Sons, Inc., May 2012. M.K Simon and M.S Alouini, Digital Communication over Fading Channels, Johon Wiley & Sons, Inc., 2004. W.E. Hart, C. Laird, J.-P. Watson, and D.L. Woodruff, Pyomo Optimization Modeling in Python, vol.67, Springer Optimization and Its Applications, 2012. A. Wachter and L.T. Biegler, "On the Implementation of a Primal-Dual Interior Point Filter Line Search Algorithm for Large-Scale Nonlinear Programming," Math. Program., vol.106, no.1, pp.25-57, March 2006. The Information and Communication Council, "Technical requirements for Upgrading of use of radio waves for robots, etc.(in Japanese)," Mar. 2016. C. Zhang and W. Zhang, "Spectrum sharing for drone networks," IEEE J. Sel. Area Commun., vol.35, no.1, pp.136-144, Nov. 2016. S. Yamashita, K. Yamamoto, T. Nishio, and M. Morikura, "Optimization of primary exclusive region in spatial grid-based spectrum database using stochastic geometry," Proc. IEEE ICC2017,pp. 1-6, Paris, France, May 2017. K.W. Sung, M. Tercero, and J. Zander, "Aggregate interference in secondary access with interference protection," IEEE Commun. Lett., vol. 15, no. 6, pp.629-631, April 2011. M.K. Simon and M.-S. Alouini, Digital Communication over Fading Channels, John Wiley & Sons, Inc., 2004. W.E. Hart, C. Laird, J.-P, Watson, and D.L. Woodruff, Pyomo Optimization Modeling in Python, vol. 67, Springer Science & Business Media, 2012. A. Wachter and L.T. Biegler, "On the implementation of an interior-point filter line-search algorithm for large-scale nonlinear programming," Math. Program., vol. 106, no. 1, pp.25-27, Mar. 2006.
しかし、実際の1次利用者排他領域は、非円形、かつ、穴が空いている可能性があり、非特許文献6では、穴が空いた1次利用者排他領域を形成することが困難である。
この発明の実施の形態によれば、穴が空いた1次利用者の排他領域を形成可能な管理装置を提供する。
また、この発明の実施の形態によれば、穴が空いた1次利用者の排他領域の形成をコンピュータに実行させるためのプログラムを提供する。
更に、この発明の実施の形態によれば、穴が空いた1次利用者の排他領域の形成をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供する。
(構成1)
この発明の実施の形態によれば、管理装置は、演算手段と、決定手段と、作成手段とを備える。
演算手段は、干渉データの割合が一定値となる1次利用者の受信局を原点とした2次元領域または3次元領域を構成する複数の領域の各々における2次利用者の非均一なポアソン点過程に従って分布した送信局の送信電力、1次利用者の受信局におけるアンテナの指向性に関する定数、1次利用者の受信局と2次利用者の送信局との間のフェージング係数、2次利用者の送信局の位置と原点とのユークリッド距離、および電波減衰定数を用いて、1次利用者の受信局が2次利用者の送信する全ての送信局から受けるしきい値よりも大きい干渉電力を、複数の領域の各々における2次利用者の送信局の送信確率の関数である1次利用者の受信局への干渉確率として演算する。
決定手段は、演算された干渉確率が目標値以下になり、かつ、送信する2次利用者の送信局の平均数を最大化する2次利用者の送信局の送信確率を複数の領域の各々において決定する。
作成手段は、決定された複数の領域の各々における2次利用者の送信局の送信確率に基づいて、1次利用者のみが無線通信を行うことができる排他領域を作成する。
この発明の実施の形態による管理装置は、1次利用者の受信局を原点とした2次元領域を構成する複数の領域の各々において、2次利用者の送信局が1次利用者の受信局に与える干渉の干渉確率が目標値以下になり、かつ、送信する2次利用者の送信局の平均数を最大化する2次利用者の送信局の送信確率を複数の領域の各々において決定し、複数の領域のうち、送信確率が零である領域を1次利用者のみが無線通信を行うことができる排他領域とするので、2次元領域の全体においては、穴の空いた非円形の排他領域を作成することができる。
(構成2)
構成1において、複数の領域の各々は、原点から放射状に延びる複数の線と、原点を中心とする複数の同心円とによって形成される環状扇形の形状を有する。
複数の領域の各々は、環状扇形の形状を有するので、2次利用者の送信局が1次利用者の受信局に与える干渉確率を演算するときの演算量を少なくできる。
(構成3)
構成1または構成2において、演算手段は、複数の領域の各々における2次利用者の送信局の送信電力、1次利用者の受信局におけるアンテナの指向性と1次利用者の受信局および2次利用者の送信局におけるアンテナ高度とに影響する定数、1次利用者の受信局と2次利用者の送信局との間のフェージング係数、2次利用者の送信局の位置と原点とのユークリッド距離、および電波減衰定数を用いて、複数の領域の各々における2次利用者の送信局が1次利用者の受信局に与える第1の干渉電力を演算し、第1の干渉電力のモーメント母関数を用いて第1の干渉電力のn(nは正の整数)次キュムラントを2次利用者の送信局の送信確率の関数として演算し、その演算したn次キュムラントに基づいて、複数の領域における2次利用者の全ての送信局から1次利用者の受信局への干渉電力である第2の干渉電力のn次キュムラントを演算し、その演算した第2の干渉電力のn次キュムラントに基づいて、第2の干渉電力の確率密度関数を演算し、その確率密度関数のパラメータを用いて干渉確率を演算する。
第1の干渉電力のn次キュムラントは、複数の領域の各々における2次利用者の送信局の密度および送信電力分布、各領域と1次利用者との間のアンテナ利得、および想定する電波の伝搬モデルに依存する統計量である。そして、このn次キュムラントを求めることにより、より一般的な統計量を求めることができる。
また、このn次キュムラントは、第1の干渉電力の平均、第1の干渉電力の分散、第1の干渉電力の歪度および第1の干渉電力の尖度を含んでおり、第1の干渉電力の平均および分散等を求めることにより、第2の干渉電力の分布をシフト対数正規分布へ近似することができる。
その結果、1次利用者の受信局への干渉確率を容易に演算できる。
(構成4)
構成1から構成3のいずれかにおいて、決定手段は、複数の領域の各々における2次利用者の送信する送信局の平均数に2次利用者の送信局の送信確率を乗算した乗算結果を複数の領域について加算した加算結果を目的関数とし、演算された干渉確率から目標値を減算した減算結果が零以下である制約条件の下で、目的関数を最大化する2次利用者の送信局の送信確率を複数の領域の各々において求めることにより、送信する2次利用者の送信局の平均数を最大化する2次利用者の送信局の送信確率を決定する。
1次利用者への干渉確率を目標値以下にするとの制約条件の下で、目的関数を最大化する2次利用者の送信局の送信確率を求めることにより、その求めた2次利用者の送信局の送信確率が零であれば、送信確率が零である領域は、1次利用者の排他領域であることが保証され、送信確率が零でなければ、送信確率が零でない領域は、1次利用者の非排他領域であることが保証される。
従って、2次元領域において、1次利用者の排他領域を正確に作成できる。
(構成5)
構成1において、複数の領域の各々は、原点から放射状に延びる複数の線と、原点を中心とする複数の同心円と、原点から高さ方向に所定の間隔で配置され、かつ、複数の同心円を1組の同心円とする複数組の同心円とによって形成される形状を有する。
複数の領域の各々は、環状扇形の形状を有する平面形状を保持したまま高さ方向に延ばした立体的形状を有するので、円柱座標を用いて3次元空間を複数の領域に容易に分割できる。その結果、原点からの平面方向の距離に加え、原点からの高さ方向の距離も考慮して2次利用者の送信局の送信確率を決定できる。
(構成6)
構成1または構成5において、演算手段は、複数の領域の各々における2次利用者の送信局の送信電力、1次利用者の受信局におけるアンテナの指向性に関する定数、1次利用者の受信局と2次利用者の送信局との間のフェージング係数、2次利用者の送信局の位置と原点とのユークリッド距離、および電波減衰定数を用いて、複数の領域の各々における2次利用者の送信局が1次利用者の受信局に与える第1の干渉電力を演算し、第1の干渉電力のラプラス変換を用いて第1の干渉電力のn(nは正の整数)次キュムラントを2次利用者の送信局の送信確率の関数として演算し、その演算したn次キュムラントに基づいて、複数の領域における2次利用者の全ての送信局から1次利用者の受信局への干渉電力である第2の干渉電力のn次キュムラントを演算し、その演算した第2の干渉電力のn次キュムラントに基づいて、第2の干渉電力の確率密度関数を演算し、その確率密度関数のパラメータを用いて干渉確率を演算する。
第1の干渉電力のn次キュムラントは、複数の領域の各々における2次利用者の送信局の密度および送信電力分布、各領域と1次利用者との間のアンテナ利得、および想定する電波の伝搬モデルに依存する統計量である。そして、このn次キュムラントを求めることにより、より一般的な統計量を求めることができる。
また、このn次キュムラントは、第1の干渉電力の平均、第1の干渉電力の分散、第1の干渉電力の歪度および第1の干渉電力の尖度を含んでおり、第1の干渉電力の平均および分散等を求めることにより、第2の干渉電力の分布を対数正規分布へ近似することができる。その結果、1次利用者の受信局への干渉確率を容易に演算できる。
(構成7)
構成6において、演算手段は、第2の干渉電力の1次キュムラントからn次キュムラントまでの和を演算することによって第2の干渉電力のn次キュムラントを演算する。
第2の干渉電力のn次キュムラントは、第2の干渉電力の1次キュムラントおよび2次キュムラントによって表されるパラメータのQ関数であり、第2の干渉電力の1次キュムラントおよび2次キュムラントは、第2の干渉電力のn次キュムラントが各キュムラントの和であることを示す式(41)を用いて演算される。従って、3次元空間グリッドを全体的に考慮して送信確率によって排他領域を求めることができる。
(構成8)
構成5から構成7のいずれかにおいて、決定手段は、複数の領域の各々における2次利用者の送信する送信局の平均数に2次利用者の送信局が送信しない確率である非送信確率を乗算した乗算結果を複数の領域について加算した加算結果を目的関数とし、演算された干渉確率が目標値以下になる制約条件の下で、目的関数を最小化する2次利用者の送信局の送信確率を複数の領域の各々において求めることにより、送信する2次利用者の送信局の平均数を最大化する2次利用者の送信局の送信確率を決定する。
1次利用者への干渉確率を目標値以下にするとの制約条件の下で、目的関数を最小化する2次利用者の送信局の送信確率を求めることにより、その求めた2次利用者の送信局の送信確率が零であれば、送信確率が零である領域は、1次利用者の排他領域であることが保証され、送信確率が零でなければ、送信確率が零でない領域は、1次利用者の非排他領域であることが保証される。従って、2次元領域において、1次利用者の排他領域を正確に作成できる。
(構成9)
また、この発明の実施の形態によれば、コンピュータに実行させるためのプログラムは、
演算手段が、干渉データの割合が一定値となる1次利用者の受信局を原点とした2次元領域を構成する複数の領域の各々における2次利用者の非均一なポアソン点過程に従って分布した送信局の送信電力、1次利用者の受信局におけるアンテナの指向性と1次利用者の受信局または2次利用者の送信局におけるアンテナ高度とに影響する定数、1次利用者の受信局と前記2次利用者の送信局との間のフェージング係数、2次利用者の送信局の位置と前記原点とのユークリッド距離、および電波減衰定数を用いて、1次利用者の受信局が前記2次利用者の送信する全ての送信局から受けるしきい値よりも大きい干渉電力を、複数の領域の各々における2次利用者の送信局の送信確率の関数である1次利用者の受信局への干渉確率として演算する第1のステップと、
決定手段が、演算された干渉確率が目標値以下になり、かつ、送信する2次利用者の送信局の平均数を最大化する2次利用者の送信局の送信確率を複数の領域の各々において決定する第2のステップと、
作成手段が、決定された複数の領域の各々における2次利用者の送信局の送信確率に基づいて、1次利用者のみが無線通信を行うことができる1次利用者の排他領域を作成する第3のステップとをコンピュータに実行させるためのプログラムである。
この発明の実施の形態によるプログラムを実行することにより、1次利用者の受信局を原点とした2次元領域を構成する複数の領域の各々において、2次利用者の送信局が1次利用者の受信局に与える干渉の干渉確率が目標値以下になり、かつ、送信する2次利用者の送信局の平均数を最大化する2次利用者の送信局の送信確率が複数の領域の各々において決定され、複数の領域のうち、送信確率が零である領域を1次利用者のみが無線通信を行うことができる排他領域とするので、2次元領域の全体においては、穴の空いた非円形の排他領域を作成することができる。
(構成10)
構成9において、複数の領域の各々は、原点から放射状に延びる複数の線と、原点を中心とする複数の同心円とによって形成される環状扇形の形状を有する。
複数の領域の各々は、環状扇形の形状を有するので、2次利用者の送信局が1次利用者の受信局に与える干渉確率を演算するときの演算量を少なくできる。
(構成11)
構成9または構成10において、演算手段は、第1のステップにおいて、複数の領域の各々における2次利用者の送信局の送信電力、1次利用者の受信局におけるアンテナの指向性と1次利用者の受信局および2次利用者の送信局におけるアンテナ高度とに影響する定数、1次利用者の受信局と前記2次利用者の送信局との間のフェージング係数、2次利用者の送信局の位置と原点とのユークリッド距離、および電波減衰定数を用いて、複数の領域の各々における2次利用者の送信局が1次利用者の受信局に与える第1の干渉電力を演算し、第1の干渉電力のモーメント母関数を用いて第1の干渉電力のn(nは正の整数)次キュムラントを2次利用者の送信局の送信確率の関数として演算し、その演算したn次キュムラントに基づいて、複数の領域における2次利用者の全ての送信局から1次利用者の受信局への干渉電力である第2の干渉電力のn次キュムラントを演算し、その演算した第2の干渉電力のn次キュムラントに基づいて、第2の干渉電力の確率密度関数を演算し、その確率密度関数のパラメータを用いて干渉確率を演算する。
第1の干渉電力のn次キュムラントは、複数の領域の各々における2次利用者の送信局の密度および送信電力分布、各領域と1次利用者との間のアンテナ利得、および想定する電波の伝搬モデルに依存する統計量である。そして、このn次キュムラントを求めることにより、より一般的な統計量を求めることができる。
また、このn次キュムラントは、第1の干渉電力の平均、第1の干渉電力の分散、第1の干渉電力の歪度および第1の干渉電力の尖度を含んでおり、第1の干渉電力の平均および分散等を求めることにより、第2の干渉電力の分布をシフト対数正規分布へ近似することができる。
その結果、1次利用者の受信局への干渉確率を容易に演算できる。
(構成12)
構成9から構成11のいずれかにおいて、決定手段は、第2のステップにおいて、複数の領域の各々における2次利用者の送信する送信局の平均数に2次利用者の送信局の送信確率を乗算した乗算結果を複数の領域について加算した加算結果を目的関数とし、演算された干渉確率から目標値を減算した減算結果が零以下である制約条件の下で、目的関数を最大化する2次利用者の送信局の送信確率を複数の領域の各々において求めることにより、送信する2次利用者の送信局の平均数を最大化する2次利用者の送信局の送信確率を決定する。
1次利用者への干渉確率を目標値以下にするとの制約条件の下で、目的関数を最大化する2次利用者の送信局の送信確率を求めることにより、その求めた2次利用者の送信局の送信確率が零であれば、送信確率が零である領域は、1次利用者の排他領域であることが保証され、送信確率が零でなければ、送信確率が零でない領域は、1次利用者の非排他領域であることが保証される。
従って、2次元領域において、1次利用者の排他領域を正確に作成できる。
(構成13)
構成9において、複数の領域の各々は、原点から放射状に延びる複数の線と、原点を中心とする複数の同心円と、原点から高さ方向に所定の間隔で配置され、かつ、複数の同心円を1組の同心円とする複数組の同心円とによって形成される形状を有する。
複数の領域の各々は、環状扇形の形状を有する平面形状を保持したまま高さ方向に延ばした立体的形状を有するので、円柱座標を用いて3次元空間を複数の領域に容易に分割できる。その結果、原点からの平面方向の距離に加え、原点からの高さ方向の距離も考慮して2次利用者の送信局の送信確率を決定できる。
(構成14)
構成9または構成13において、演算手段は、第1のステップにおいて、複数の領域の各々における2次利用者の送信局の送信電力、1次利用者の受信局におけるアンテナの指向性に関する定数、1次利用者の受信局と2次利用者の送信局との間のフェージング係数、2次利用者の送信局の位置と原点とのユークリッド距離、および電波減衰定数を用いて、複数の領域の各々における2次利用者の送信局が1次利用者の受信局に与える第1の干渉電力を演算し、第1の干渉電力のラプラス変換を用いて第1の干渉電力のn(nは正の整数)次キュムラントを2次利用者の送信局の送信確率の関数として演算し、その演算したn次キュムラントに基づいて、複数の領域における2次利用者の全ての送信局から1次利用者の受信局への干渉電力である第2の干渉電力のn次キュムラントを演算し、その演算した第2の干渉電力のn次キュムラントに基づいて、第2の干渉電力の確率密度関数を演算し、その確率密度関数のパラメータを用いて干渉確率を演算する。
第1の干渉電力のn次キュムラントは、複数の領域の各々における2次利用者の送信局の密度および送信電力分布、各領域と1次利用者との間のアンテナ利得、および想定する電波の伝搬モデルに依存する統計量である。そして、このn次キュムラントを求めることにより、より一般的な統計量を求めることができる。
また、このn次キュムラントは、第1の干渉電力の平均、第1の干渉電力の分散、第1の干渉電力の歪度および第1の干渉電力の尖度を含んでおり、第1の干渉電力の平均および分散等を求めることにより、第2の干渉電力の分布を対数正規分布へ近似することができる。その結果、1次利用者の受信局への干渉確率を容易に演算できる。
(構成15)
構成14において、演算手段は、第1のステップにおいて、第2の干渉電力の1次キュムラントからn次キュムラントまでの和を演算することによって第2の干渉電力のn次キュムラントを演算する。
第2の干渉電力のn次キュムラントは、第2の干渉電力の1次キュムラントおよび2次キュムラントによって表されるパラメータのQ関数であり、第2の干渉電力の1次キュムラントおよび2次キュムラントは、第2の干渉電力のn次キュムラントが各キュムラントの和であることを示す式(41)を用いて演算される。従って、3次元空間グリッドを全体的に考慮して送信確率によって排他領域を求めることができる。
(構成16)
構成13から構成15のいずれかにおいて、決定手段は、第2のステップにおいて、複数の領域の各々における2次利用者の送信する送信局の平均数に2次利用者の送信局が送信しない確率である非送信確率を乗算した乗算結果を複数の領域について加算した加算結果を目的関数とし、演算された干渉確率が目標値以下になる制約条件の下で、目的関数を最小化する2次利用者の送信局の送信確率を複数の領域の各々において求めることにより、送信する2次利用者の送信局の平均数を最大化する2次利用者の送信局の送信確率を決定する。
1次利用者への干渉確率を目標値以下にするとの制約条件の下で、目的関数を最小化する2次利用者の送信局の送信確率を求めることにより、その求めた2次利用者の送信局の送信確率が零であれば、送信確率が零である領域は、1次利用者の排他領域であることが保証され、送信確率が零でなければ、送信確率が零でない領域は、1次利用者の非排他領域であることが保証される。従って、2次元領域において、1次利用者の排他領域を正確に作成できる。
更に、この発明の実施の形態によれば、プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、構成5から構成8のいずれかに記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
穴が空いた1次利用者の排他領域を形成できる。また、複雑な形状の排他領域を設計できる。
この発明の実施の形態における通信機器を示す概略図である。 実施の形態1における空間グリッドを有するシステムの一例を示す図である。 1つの環状扇形ASRを示す図である。 図1に示す管理装置の実施の形態1における構成図である。 図4に示す記憶手段における記憶方法を示す図である。 実施の形態1における排他領域PERの作成方法を説明するためのフローチャートである。 図6のステップS1の詳細な動作を説明するためのフローチャートである。 図6のステップS2の詳細な動作を説明するためのフローチャートである。 図6のステップS3の詳細な動作を説明するためのフローチャートである。 各Nθにおける{g}の設定値を示す図である。 シナリオ2におけるランダムに生成した{λij}または{Pij}の値を示す図である。 各Nθにおける送信確率aijの最適解を示す図である。 各Nθにおける総干渉電力IS2Pの相補累積分布関数(CCDF)を示す図である。 {λij}または{Pij}をランダムに生成した場合における送信確率aijの最適解を示す図である。 {λij}または{Pij}をランダムに生成した場合における総干渉電力IS2Pの相補累積分布関数(CCDF)を示す図である。 実施の形態2における空間グリッドを有するシステムの一例を示す図である。 図1に示す管理装置の実施の形態2における構成図である。 図17に示す記憶手段における記憶方法を示す図である。 実施の形態2における排他領域PERの作成方法を説明するためのフローチャートである。 図19に示すステップS1Aの詳細な動作を説明するためのフローチャートである。 図19のステップS2Aの詳細な動作を説明するためのフローチャートである。 図19のステップS3Aの詳細な動作を説明するためのフローチャートである。 各高度におけるアンテナゲインおよび最大送信確率の最適解を示す図である。 最適解の場合について、式(45)の相補累積分布関数(CCDF)を計算した結果を示す図である。
本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
図1は、この発明の実施の形態における通信機器を示す概略図である。図1を参照して、無線通信システムWLC1,WLC2が存在する。無線通信システムWLC1は、免許された無線通信システムであり、「1次利用者」と呼ばれる。無線通信システムWLC1は、無線局1と端末2,3とを備える。無線局1は、1次利用者の無線局であり、端末2,3は、1次利用者の端末である。そして、無線局1および端末2,3は、免許された周波数帯域で相互に無線通信を行う。
無線通信システムWLC2は、1次利用者の周波数帯域で無線通信を行う無線通信システムであり、「2次利用者」と呼ばれる。無線通信システムWLC2は、無線局11と、端末121~12s(sは、2以上の整数)とを備える。無線局11は、2次利用者の無線局であり、端末121~12sは、2次利用者の端末である。無線局11および端末121~12sは、1次利用者の周波数帯域で相互に無線通信を行う。
端末2,3の各々は、端末121~12sから無線信号を受信することもある。端末2,3の各々は、例えば、GPS(Global Positioning System)を用いて自己の位置を検出し、その検出した自己の位置を無線局1へ送信する。
無線局1は、端末2,3の位置を端末2,3から受信し、その受信した端末2,3の位置を無線局11へ送信する。
管理装置10は、無線局11に配置される。そして、管理装置10は、無線局1から端末2,3の位置を受信する。また、管理装置10は、端末121~12sの位置および送信電力を端末121~12sから受信する。
管理装置10は、端末2,3の位置、端末121~12sの位置および端末121~12sの送信電力を用いて、後述する方法によって、1次利用者のみが無線通信を行うことができる排他領域PER(Primary Exclusive Region)を作成する。
端末121~12sは、例えば、GPSを用いて自己の位置を検出し、その検出した自己の位置を管理装置10へ送信する。また、端末121~12sは、無線通信を行ったときの送信電力を検出し、その検出した送信電力を管理装置10へ送信する。
[実施の形態1]
図2は、実施の形態1における空間グリッドを有するシステムの一例を示す図である。図2を参照して、1次利用者の受信局PR(Primary Receiver)(端末2,3のいずれか)を原点Oとし(白四角で表される)、原点Oから広がる(Nθ+1)本の放射状の線と原点Oを中心とする(N+1)個の同心円とから構成される2次元空間グリッドを想定する。
(Nθ+1)本の放射状の線と(N+1)個の同心円とを表現するために極座標(r,θ)を用いる。
放射状の線は、θ=θ,j=0,・・・,Nθと表現される。ここで、θ=0,θNθ=2πであり、θ<・・・<θNθである。
同心円は、r=R,i=0,・・・,Nと表現される。ここで、R=0かつR<・・・<RNrである。
これらの放射状の線および同心円を用いて、空間をNθ個の環状扇形ASR(Annular Sector Region)に分割する。
図3は、1つの環状扇形ASRを示す図である。図3を参照して、各環状扇形ASRは、i=0,・・・,N-1およびj=0,・・・,Nθ-1について、Sij={(r,θ)|R≦r≦Ri+1,θ≦θ≦θj+1}として表現する。明らかに、{Sij}は、互いに素である。そして、各環状扇形ASR(Sij)の面積を|Sij|と表記する。
2次利用者の送信局ST(Secondary Transmitter)(黒三角で表され、1つの送信局STは、端末121~12sのいずれかからなる)は、2次元空間グリッドにランダムに配置されると想定する。
図4は、図1に示す管理装置10の実施の形態1における構成図である。図4を参照して、管理装置10は、受信手段101と、演算手段102と、記憶手段103と、決定手段104と、作成手段105とを含む。
受信手段101は、無線局1から端末2,3の位置を受信し、その受信した端末2,3の位置を演算手段102へ出力する。また、受信手段101は、端末121~12sの位置および送信電力を端末121~12sから受信し、その受信した端末121~12sの位置および送信電力を演算手段102へ出力する。
演算手段102は、端末2,3の位置、端末121~12sの位置および端末121~12sの送信電力を受信手段101から受ける。
演算手段102は、図2において説明した2次元空間グリッドおよび各環状扇形ASR(Sij)の面積|Sij|を予め保持している。
演算手段102は、端末2,3のいずれかを1次利用者の受信局PRとして2次元空間グリッドの原点Oに配置する。
また、演算手段102は、端末121~12sの位置に基づいて、各環状扇形ASRの領域Sijに存在する2次利用者の送信局STの密度λijを演算する。そして、演算手段102は、その演算した2次利用者の送信局STの密度λijを記憶手段103に記憶する。
領域Sij上に存在する2次利用者の送信局STの数は、次のようになる。
領域Sij上の2次利用者の送信局STは、非均一なポアソン点過程(PPP)に従って分布しているとする。このPPPおよびその密度関数を、それぞれ、ΦSijおよびΛij(r,θ)と表記する。
密度関数Λij(r,θ)は、次式によって表される。
Figure 0006989898000001
言い換えると、領域Sij上に存在する2次利用者の送信局STの数は、平均λij|Sij|のポアソン分布に従い、それらの2次利用者の送信局STは、領域Sij上に一様分布している。
更に、演算手段102は、端末121~12sの送信電力に基づいて、2次利用者の送信局STが用いる送信電力の確率密度関数fpij(PDF:Probability Density Function)を演算し、その演算した確率密度関数fpijを記憶手段103に記憶する。
更に、演算手段102は、後述する方法によって、複数の領域Sijの各々における2次利用者の送信局STの送信確率aijの関数である1次利用者の受信局PRへの干渉確率P(IS2P>Ith)を演算し、その演算した干渉確率P(IS2P>Ith)を決定手段104へ出力する。
記憶手段103は、2次利用者の送信局STの密度λijおよび確率密度関数fpijを演算手段102から受け、その受けた2次利用者の送信局STの密度λijおよび確率密度関数fpijを記憶する。
また、記憶手段103は、定数gijを予め記憶している。定数gijは、1次利用者の受信局PRのアンテナの指向性、および1次利用者の受信局PRまたは2次利用者の送信局STのアンテナ高度に影響する定数であり、各環状扇形ASRに固有の値である。
決定手段104は、干渉確率P(IS2P>Ith)を演算手段102から受ける。そして、決定手段104は、干渉確率P(IS2P>Ith)が目標値βtarget以下になり、送信する2次利用者の送信局STの平均数を最大化する2次利用者の送信局STの送信確率aij(0≦aij≦1)を複数の領域Sijの各々において決定する。そうすると、決定手段104は、各領域Sijにおける2次利用者の送信局STの送信確率aijを作成手段105へ出力する。
作成手段105は、各領域Sijにおける2次利用者の送信局STの送信確率aijを決定手段104から受ける。そして、作成手段105は、2次利用者の送信局STの送信確率aijが零である領域Sijを排他領域とし、2次利用者の送信局STの送信確率aijが零でない領域Sijを非排他領域として、2次元空間グリッド上に排他領域PERを作成する。
図5は、図4に示す記憶手段103における記憶方法を示す図である。図5を参照して、記憶手段103は、2次利用者の送信局STの密度λij、2次利用者の送信局STの位置x、送信電力pijの確率密度関数fpij、定数gij、電波減衰定数αおよびフェージング係数hを環状扇形の領域Sijに応付けて記憶する。
密度λijは、演算手段102によって、領域Sijに存在する2次利用者の送信局STの個数を領域Sijの面積|Sij|によって除算されることにより得られたものである。
2次利用者の送信局STの位置xは、極座標(r,θ)によって決定される。送信電力pijの確率密度関数fpijは、各領域Sijに存在する送信局STにおける送信電力pijを用いて演算手段102によって演算されたものである。
定数gijは、各領域Sijに固有の値である。
フェージング係数hは、2次利用者の送信局STの位置xに対応している。
2次利用者の送信局STの送信確率aijを複数の領域Sijの各々において決定する方法について説明する。
領域Sij上の送信する2次利用者の送信局STは、密度関数aijΛij(r,θ)の非均一なポアソン点過程(PPP)ΦSijに従って分布している。そのため、領域Sij上の送信する2次利用者の送信局STの数は、平均aijλij|Sij|のポアソン分布に従う。
1次利用者への干渉を、1次利用者の受信局PRにおける全ての送信する2次利用者の送信局STから受ける総干渉電力IS2Pがしきい値Ithを上回ることとする。しきい値Ithは、例えば、雑音電力よりも10dB低い値に設定される。このとき、1次利用者への干渉確率は、P(IS2P>Ith)と表現することができる。
ある環状扇形Sij上の送信する2次利用者の送信局STから受ける1次利用者における干渉電力をIijと表記すると、干渉電力Iijは、次式によって表される。
Figure 0006989898000002
式(2)において、hは、座標x∈ΦSijの2次利用者の送信局STと、1次利用者の受信局との間のフェージング係数であり、pij,xは、座標x∈ΦSijの2次利用者の送信局STの送信電力であり、||x||は、座標x∈ΦSijと原点Oとの間のユークリッド距離であり、αは、電波減衰定数(α>2)である。送信電力pij,xは、上述した確率密度関数fpijに従う確率変数である。全ての環状扇形領域における情報を基に、各領域Sijにおける送信電力が決定される。
キャンベルの定理(非特許文献7)を用いると、干渉電力Iijのモーメント母関数MIijは、次式によって表される。
Figure 0006989898000003
式(3)を用いると、干渉電力Iijのn(nは正の整数)次キュムラントκ(Iij)は、次式によって表される。
Figure 0006989898000004
式(4)のCn,ijは、次式によって表される。
Figure 0006989898000005
式(5)におけるE(h)およびE(pij )は、それぞれ、式(6),(7)によって表される。
Figure 0006989898000006
Figure 0006989898000007
式(5)におけるCn,ijは、分割された環状扇形ASRの領域Sij上の2次利用者の送信局STの密度及び送信電力の分布、領域Sijと1次利用者のアンテナ利得、および想定する伝搬モデルに依存する統計量であり、各領域Sij上の2次利用者の全ての送信局STから受ける干渉電力Iijのn次キュムラントと呼ばれる。
キュムラントを求めることにより、より一般的な統計量を求めることができ、具体的には、C1,ijは、干渉電力Iijの平均を意味し、C2,ijは、干渉電力Iijの分散を意味し、C3,ij/C2,ij 3/2は、干渉電力Iijの歪度を意味し、C4,ij/C2,ij は、干渉電力Iijの尖度を意味する。各干渉電力Iijに対するC1,ij,C2,ij,C3,ijを求めることにより、以降に使用される総干渉電力IS2Pの分布のシフト対数正規分布への近似が可能となる。
解析対象の総干渉電力IS2Pは、次式によって表される。
Figure 0006989898000008
ここで、{ΦSij}が互いに独立した非均一なポアソン点過程(PPP)であることから、{Iij}が互いに独立した確率変数であることを考慮すると、キュムラントの加法性より、総干渉電力IS2Pは、次式によって表される。
Figure 0006989898000009
キュムラントマッチング(非特許文献8)を用いて、総干渉電力IS2Pをシフト対数正規分布(非特許文献9,10)として近似すると、総干渉電力IS2Pの確率密度関数fIS2Pは、次式によって表される。
Figure 0006989898000010
式(10)におけるcSLNは、次式によって表される。
Figure 0006989898000011
また、式(10)におけるμSLNは、次式によって表される。
Figure 0006989898000012
式(10)および式(11)におけるσSLNは、次式によって表される。
Figure 0006989898000013
式(13)におけるWは、次式によって表される。
Figure 0006989898000014
SLN、μSLN、σSLN、およびWは、パラメータである。
更に、P(IS2P>Ith)は、次式によって表される。
Figure 0006989898000015
式(15)において、Q(・)は、Q関数であり、次式によって表される。
Figure 0006989898000016
なお、しきい値Ithに対する干渉確率P(IS2P>Ith)は、総干渉電力IS2Pの相補累積分布関数と同じである。
式(9),(11),(12),(13),(14)より、干渉確率P(IS2P>Ith)は、各領域Sijの2次利用者の送信局STの送信確率aijに依存していることが分かる。
次に、各領域Sijにおける2次利用者の送信局STの送信確率aijを決定するための最適化問題を定式化する。
目的関数を次式によって定義し、この目的関数を最大化するように最適化問題を設計する。
Figure 0006989898000017
式17のfobj(a)は、∪ijij上の送信する2次利用者の送信局STの平均数である。また、干渉確率P(IS2P>Ith)が目標値βtargetを下回るという制約条件を課す。この制約条件は、fcons(a)を次式によって定義すると、fcons(a)≦0と表すことができる。
Figure 0006989898000018
obj(a)およびfcons(a)を用いると、最適化問題は、次式(19)~(21)によって定式化することができる。
Figure 0006989898000019
Figure 0006989898000020
Figure 0006989898000021
この最適化問題は、制約条件付きの非線形最適化問題であり、これを解くことによって、干渉確率P(IS2P>Ith)が目標値βtargetを下回るという制約条件の下で、各領域Sijにおいて送信する2次利用者の送信局STの平均数を最大化するための送信確率aijを各領域Sijにおいて決定することができる。
図6は、実施の形態1における排他領域PERの作成方法を説明するためのフローチャートである。図6を参照して、排他領域PERを作成する動作が開始されると、管理装置10の演算手段102は、1次利用者の受信局PRを原点とした2次元空間グリッドを構成する複数の環状扇形の領域Sijの各々における2次利用者の非均一なポアソン点過程に従って分布した送信局STの送信電力、1次利用者の受信局PRにおけるアンテナの指向性と1次利用者の受信局および2次利用者の送信局STにおけるアンテナ高度とに影響する定数、1次利用者の受信局PRと2次利用者の送信局STとの間のフェージング係数、2次利用者の送信局STの位置と原点とのユークリッド距離、および電波減衰定数を用いて、1次利用者の受信局PRが2次利用者の送信する全ての送信局STから受けるしきい値よりも大きい干渉電力を、複数の環状扇形の領域Sijの各々における2次利用者の送信局STの送信確率aijの関数である1次利用者の受信局への干渉確率P(IS2P>Ith)として演算する(ステップS1)。
そして、演算手段102は、その演算した干渉確率P(IS2P>Ith)を決定手段104へ出力する。
決定手段104は、干渉確率P(IS2P>Ith)を演算手段102から受け、その受けた干渉確率P(IS2P>Ith)が目標値βtarget以下になり、かつ、送信する2次利用者の送信局STの平均数を最大化する2次利用者の送信局STの送信確率aijを複数の環状扇形の領域Sijの各々において決定する(ステップS2)。
そして、決定手段104は、複数の環状扇形の領域Sijの各々における2次利用者の送信局STの送信確率aijを作成手段105へ出力する。
作成手段105は、複数の環状扇形の領域Sijの各々における2次利用者の送信局STの送信確率aijを決定手段104から受ける。そして、作成手段105は、決定された複数の環状扇形の領域の各々における2次利用者の送信局STの送信確率aijに基づいて、1次利用者のみが無線通信を行うことができる排他領域PERを作成する(ステップS3)。
より具体的には、作成手段105は、送信確率aijが零である領域Sijを排他領域とし、送信確率aijが零でない領域Sijを非排他領域として、2次元空間グリッドを構成する複数の環状扇形の領域Sijの各々について、排他領域であるか非排他領域であるかを決定することによって、2次元空間グリッドにおいて排他領域PERを作成する。
これによって、排他領域を作成する動作が終了する。
図7は、図6のステップS1の詳細な動作を説明するためのフローチャートである。図7を参照して、排他領域PERを作成する動作が開始されると、演算手段102は、i=1,j=1を設定する(ステップS11)。
そして、演算手段102は、領域Sijにおける送信電力の確率密度関数fpijおよび2次利用者の送信局STの位置xを記憶手段103から読み出し、その読み出した2次利用者の送信局STの位置xを送信電力の確率密度関数fpijに代入して領域Sijにおける送信電力pijを演算する(ステップS12)。
その後、演算手段102は、2次利用者の送信局STの位置xと原点Oとのユークリッド距離Lを演算する(ステップS13)。
そうすると、演算手段102は、領域Sijにおける定数gij、フェージング係数h、および電波減衰定数αを記憶手段103から読み出し、送信電力pij、定数gij、フェージング係数h、ユークリッド距離Lおよび電波減衰定数αを式(2)に代入して干渉電力Iijを演算する(ステップS14)。
引き続いて、演算手段102は、式(4)~式(7)に従って、干渉電力Iijのモーメント母関数MIij(s)を用いて干渉電力Iijのn次キュムラントκ(Iij)を演算する(ステップS15)。
その後、演算手段102は、i=N-1であるか否かを判定する(ステップS16)。
ステップS16において、i=N-1でないと判定されたとき、演算手段102は、i=i+1を設定する(ステップS17)。
その後、一連の動作は、ステップS12へ戻り、ステップS16において、i=N-1であると判定されるまで、ステップS12~ステップS17が繰り返し実行される。
そして、ステップS16において、i=N-1であると判定されると、演算手段102は、j=Nθ-1であるか否かを更に判定する(ステップS18)。
ステップS18において、j=Nθ-1でないと判定されたとき、演算手段102は、j=j+1を設定する(ステップS19)。
その後、一連の動作は、ステップS12へ戻り、ステップS18において、j=Nθ-1であると判定されるまで、ステップS12~ステップS19が繰り返し実行される。
そして、ステップS18において、j=Nθ-1であると判定されると、演算手段102は、n次キュムラントκ(Iij)に基づいて、式(8),(9)に従って、複数の領域Sijにおける2次利用者の全ての送信局STから1次利用者の受信局PRへの干渉電力である総干渉電力IS2Pのn次キュムラントκ(IS2P)を演算する(ステップS20)。
その後、演算手段102は、n次キュムラントκ(IS2P)に基づいて、式(10)に従って総干渉電力IS2Pの確率密度関数を演算し、その演算した確率密度関数のパラメータcSLN,μSLN,σSLN(式(11)~式(14))を用いて式(15)に示す干渉確率P(IS2P>Ith)を演算する(ステップS21)。
そして、一連の動作は、図6のステップS2へ移行する。
図8は、図6のステップS2の詳細な動作を説明するためのフローチャートである。図6のステップS1(図7のステップS21)の後、演算手段102は、式(17)に従って、複数の領域Sijの各々における2次利用者の送信する送信局STの平均数λij|Sij|に2次利用者の送信局STの送信確率aijを乗算した乗算結果を複数の領域Sijについて加算した加算結果を目的関数fobj(a)として演算する(ステップS22)。そして、演算手段102は、干渉確率P(IS2P>Ith)および目的関数fobj(a)を決定手段104へ出力する。
決定手段104は、干渉確率P(IS2P>Ith)および目的関数fobj(a)を演算手段102から受ける。また、決定手段104は、干渉確率P(IS2P>Ith)の目標値βtargetを予め保持している。
そして、決定手段104は、fcons(a)=P(IS2P>Ith)-βtargetを演算し、fcons(a)≦0からなる制約条件を設定する(ステップS23)。
その後、決定手段104は、設定した制約条件の下で、目的関数fobj(a)を最大化する2次利用者の送信局STの送信確率aijを決定する(ステップS24)。この決定された送信確率aijは、各領域Sijにおける送信確率であり、”0”または”1”からなる。
そして、ステップS24の後、一連の動作は、図6のステップS3へ移行する。
図9は、図6のステップS3の詳細な動作を説明するためのフローチャートである。図9を参照して、図6のステップS2(図8のステップS24)の後、作成手段105は、送信確率aijを決定手段104から受け、i=1,j=1を設定する(ステップS31)。
そして、作成手段105は、送信確率aijが”0”であるか否かを判定する(ステップS32)。
ステップS32において、送信確率aijが”0”であると判定されたとき、作成手段105は、領域Sijを1次利用者のみが無線通信を行うことができる排他領域とする(ステップS33)。
一方、ステップS32において、送信確率aijが”0”でないと判定されたとき、作成手段105は、領域Sijを非排他領域とする(ステップS34)。送信確率aijは、”0”または”1”からなるので、送信確率aijが”0”でないと判定されたとき、送信確率aijは、”1”である。従って、領域Sijは、排他領域でないと判定できるので、領域Sijを非排他領域とすることにしたものである。
ステップS33またはステップS34の後、作成手段105は、i=N-1であるか否かを判定する(ステップS35)。
ステップS35において、i=N-1でないと判定されたとき、作成手段105は、i=i+1を設定する(ステップS36)。その後、一連の動作は、ステップS32へ移行し、ステップS35において、i=N-1であると判定されるまで、ステップS32~ステップS36が繰り返し実行される。
そして、ステップS35において、i=N-1であると判定されると、作成手段105は、j=Nθ-1であるか否かを更に判定する(ステップS37)。
ステップS37において、j=Nθ-1でないと判定されたとき、作成手段105は、j=j+1を設定する(ステップS38)。その後、一連の動作は、ステップS32へ移行し、ステップS37において、j=Nθ-1であると判定されるまで、ステップS32~ステップS38が繰り返し実行される。
そして、ステップS37において、j=Nθ-1であると判定されると、作成手段105は、排他領域とした領域Sijからなる1次利用者の排他領域PERを2次元空間グリッドに作成する(ステップS39)。
その後、一連の動作は、図6の”終了”へ移行する。
このように、管理装置10は、図6に示すフローチャート(図7から図9に示すフローチャートを含む)に従って複数の領域Sijの各々について排他領域であるか非排他領域であるかを決定し、排他領域とした領域Sijからなる1次利用者の排他領域PERを2次元空間グリッドに作成する。
従って、穴の空いた1次利用者の排他領域PERを作成することができる。
また、複数の領域Sijの各々は、環状扇形の形状を有するので、式(4)に示すように積分を外すことができ、計算を簡単化できる。
管理装置10は、上述した方法によって、1次利用者の排他領域PERを作成する。そして、管理装置10は、その作成した1次利用者の排他領域PERの外側に存在する2次利用者から通信可否の問合せがあった場合、通信可能であることを示す通知を2次利用者に送信するようにしてもよい。
制約条件の下で求めた最適解としての送信確率aijの数値評価について説明する。この数値評価においては、1次利用者のアンテナの指向性に依存する定数gijのみについて説明するために、以下のような仮定を置く。
まず、θおよびRを次式のように設定する。
Figure 0006989898000022
Figure 0006989898000023
この仮定により、全ての領域Sijは、同一の面積になる。即ち、全てのiおよびjに対して|Sij|=πR /Nθである。
次に、各領域Sij上の2次利用者の送信する送信局STは、その領域に対応する固定電力を使用するものとする。各領域Sijに対する固定電力をPijと表記する。この設定によって、各領域Sijに対するfpijは、式(24)によって表され、E(pij )は、式(25)によって表される。
Figure 0006989898000024
Figure 0006989898000025
最後に、全てのiについて、gij=gとする。すなわち、各領域Sijにおけるgijは、原点からの距離に依存せず、水平線からの角度に依存する。
以上の仮定の下、2つのシナリオについて数値評価を行う。
[シナリオ1]
シナリオ1では、3種類のNθ(Nθ=1,Nθ=6,Nθ=36)について評価を行う。加えて、全てのiおよびjに対してλij=λconstおよびPij=Pconstを仮定する。すなわち、2次利用者の送信局STは、密度λconstの均一ポアソン点過程(PPP)に従って分布しており、同じ固定電力Pconstで送信する。
このシナリオ1においては、式(5)を次式のように簡単化することができる。
Figure 0006989898000026
[シナリオ2]
シナリオ2では、Nθ=36とし、各領域Sijに対するλijまたはPijのいずれか一方を予めランダムに生成する。{λij}(λijの集合)をランダムに生成する場合には、全てのiおよびjに対してPij=Pconstとし、{Pij}(Pijの集合)をランダムに生成する場合には、全てのiおよびjに対してλij=λconstとする。
図10は、各Nθにおける{g}の設定値を示す図である。図10において、(a)は、Nθ=1である場合における{g}の設定値を示し、(b)は、Nθ=6である場合における{g}の設定値を示し、(c)は、Nθ=36である場合における{g}の設定値を示し、(d)は、参照関数g(θ)を示す。
各Nθにおける{g}は、次式(27),(28)を用いて生成されたものである。
Figure 0006989898000027
Figure 0006989898000028
式(28)において、g(θ)は、Narray素子の一様線形アレイ(非特許文献11)のアンテナファクターとしており、Narray=10、素子間距離を半波長、位相をゼロとしている。
表1に評価緒元を示す。
Figure 0006989898000029
表1において、Nは、ファストフェージングとして想定している仲上-mフェージングのパラメータであり、N=1のとき、レイリーフェージングであり、Nが無限大のとき、ファストフェージング無しとなる。また、σは、式(13)に示すσSLNである。
図11は、シナリオ2におけるランダムに生成した{λij}または{Pij}の値を示す図である。{λij}をランダムに生成した場合、および{Pij}をランダムに生成した場合のいずれにおいても、{λij}または{Pij}を2つの離散値から一様に生成している。
最適化問題(非特許文献12)を、モデリングフレームワークPyomo(非特許文献13)を用いてPythonに実装し、Interior Point Optimizerソルバ(非特許文献14)を用いて解く。仲上-mフェージングおよび対数正規シャドウイングの複合フェージング(非特許文献12)を使用する。この場合、E(h)は、E(h)=1を考慮すると、次式によって表される。
Figure 0006989898000030
式(29)において、Γ(・)は、Γ関数であり、mは、仲上-mフェージングのパラメータであり、σ,dは、対数正規シャドウイングのdB単位のパラメータであり、ξは、10/ln(10)である。
[評価結果]
シナリオ1の評価結果について説明する。図12は、各Nθにおける送信確率aijの最適解を示す図である。
図12において、(a)は、Nθ=1である場合における送信確率aijの最適解を示し、(b)は、Nθ=6である場合における送信確率aijの最適解を示し、(c)は、Nθ=36である場合における送信確率aijの最適解を示す。
また、各Nθにおけるfobj(a)を表2に示す。
Figure 0006989898000031
θの増加に伴って、排他領域の面積が減少しており(図12参照)、fobj(a)が増加している(表2参照)。すなわち、送信する送信局STの数がNθとともに増加している。
図13は、各Nθにおける総干渉電力IS2Pの相補累積分布関数(CCDF)を示す図である。図13において、縦軸は、相補累積分布関数(CCDF)を表し、横軸は、総干渉電力IS2Pを表す。
総干渉電力IS2Pに対する総干渉電力IS2Pの相補累積分布関数(CCDF)は、しきい値Ithに対する干渉確率P(IS2P>Ith)と同じである。
図13において、各破線は、5×10回のモンテカルロシミュレーションから得られたものであり、シミュレーション結果が回折結果(実線)と良く一致していることが分かる。
また、シミュレーションによって取得したfcons(a)の全てが負の値であり、制約条件(式(20),(21))が満たされていることがわかる(表2参照)。
次に、シナリオ2における評価について説明する。
図14は、{λij}または{Pij}をランダムに生成した場合における送信確率aijの最適解を示す図である。
図14において、(a)は、{λij}をランダムに生成した場合における送信確率aijの最適解を示し、(b)は、{Pij}をランダムに生成した場合における送信確率aijの最適解を示す。
図14に示すように、{λij}をランダムに生成した場合、および{Pij}をランダムに生成した場合のいずれにおいても、穴の空いた非円形の排他領域PERが得られていることが分かる。
図15は、{λij}または{Pij}をランダムに生成した場合における総干渉電力IS2Pの相補累積分布関数(CCDF)を示す図である。
図15において、縦軸は、総干渉電力IS2Pの相補累積分布関数(CCDF)を示し、横軸は、総干渉電力IS2Pを示す。
また、曲線k1は、{λij}をランダムに生成した場合におけるシミュレーション結果を示し、曲線k2は、{Pij}をランダムに生成した場合におけるシミュレーション結果を示し、曲線k3は、{λij}をランダムに生成した場合における解析結果を示し、曲線k4は、{Pij}をランダムに生成した場合における解析結果を示す。
なお、シミュレーション結果は、5×10回のモンテカルロシミュレーションによって得られたものである。
また、{λij}または{Pij}をランダムに生成した場合におけるfobj(a)を表3に示す。
Figure 0006989898000032
シミュレーション結果は、解析結果に良く一致していることが分かる(図15参照)。また、全てのfobj(a)が負の値であり、制約条件(式(20),(21))が満たされていることがわかる(表3参照)。
このように、シナリオ1,2のいずれにおいても、図6に示すフローチャート(図7から図9に示すフローチャートを含む)に従って排他領域を作成することによって、穴の空いた非円形の排他領域を作成することが実証された。
実施の形態1においては、管理装置10の動作は、ソフトウェアによって実行されてもよい。この場合、管理装置10は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)を備える。
そして、図6~図9に示すフローチャートからなるプログラムProg_AがROMに格納される。また、図5に示す2次利用者の送信局STの密度λij、2次利用者の送信局STの位置x、送信電力の確率密度関数fpij、定数gij、電波減衰定数αおよびフェージング係数hが領域Sijに対応付けられてROMに格納される。
CPUは、ROMからプログラムProg_Aを読み出し、その読み出したプログラムProg_Aを実行して、排他領域PERを作成する。
この場合、RAMは、干渉確率P(IS2P>Ith)の演算における途中の計算結果を記憶する。
従って、プログラムProg_Aは、排他領域PERの作成をコンピュータ(CPU)に実行させるためのプログラムである。
また、プログラムProg_Aは、CDおよびDVD等の記録媒体に記録されて流通されてもよい。この場合、コンピュータ(CPU)は、記録媒体からプログラムProg_Aを読み出して実行し、排他領域PERを作成する。従って、プログラムProg_Aを記録したCD,DVD等は、プログラムProg_Aを記録したコンピュータ(CPU)読み取り可能な記録媒体である。
上記においては、2次元空間グリッドを構成する複数の領域Sijの各々は、環状扇形の形状を有すると説明したが、この発明の実施の形態においては、これに限らず、2次元空間グリッドを構成する複数の領域Sijの各々は、正方形の形状を有していてもよい。この場合、式(4)において、数値計算を行い、積分を外す。
[実施の形態2]
実施の形態2においては、2利用者の送信局として、例えば、無人航空機(UAV:Unmanned Aerial Vehicle)を想定する。
UAVの利用が動画撮影および配達等の様々な分野において増加している。現在、UAVの通信は、アンライセンス周波数帯である2.4GHz帯及び5GHz帯を利用しているが、より高速・大容量な通信のために他の周波数帯を利用することが検討されている(非特許文献15)。
具体的には、現在、レーダの通信に割り当てられている5.7GHz帯をメイン回線として利用し、メイン回線が利用できない際のバックアップ回線として169MHz帯を利用することが検討されている。
しかし、5.7GHz帯は、1次利用者であるレーダとの周波数共用が必要であり、UAVの通信がレーダに干渉を与えてはならない。
そのため、干渉を解析し、その解析結果に基づいて、適切なUAVの周波数チャネルの割当を設計する必要がある。
無線通信における1次利用者への干渉を回避する手段として、1次利用者排他領域PER(非特許文献5)の設計がある。
非特許文献16では、UAVが1次利用者に与える干渉電力を解析し、半球状の排他領域PERを設計している。
また、非特許文献17では、2次元空間において空間グリッドを導入し、地理情報およびアンテナの指向性に基づいて複雑な形状の排他領域PERを設計している。
これらの干渉電力の解析には、点過程を扱う確率幾何学が用いられている(非特許文献7)。
そこで、実施の形態2においては、3次元空間において複雑な形状の排他領域PERの設計を目的として、3次元の空間グリッドを導入し、確率幾何学的な解析を示す。
図16は、実施の形態2における空間グリッドを有するシステムの一例を示す図である。
図16を参照して、1次利用者の受信局PR(端末2,3のいずれか)を原点Oとし(白四角で表される)、原点Oからの円柱座標(r,θ,z)において、r方向に配置されたN+1個の同心円と、θ方向に配置されたNθ本の放射状の線と、z方向に配置されたN+1本の線とから構成される3次元空間グリッドを想定する。
(Nθ+1)本の放射状の線と(N+1)個の同心円とN+1本の線とを表現するために円柱座標(r,θ,z)を用いる。
放射状の線は、θ=θ,j=0,・・・,Nθと表現される。ここで、θ=0,θNθ=2πであり、θ<・・・<θNθである。
同心円は、r=R,i=0,・・・,Nと表現される。ここで、R=0かつR<・・・<RNrである。
z方向の線は、z=z,k=0,・・・,Nと表現される。ここで、z=0かつz<・・・<zNzである。
これらの放射状の線、同心円およびz方向の線を用いて、空間をNθ個の領域に分割する。
各領域は、i=0,・・・,N-1、j=0,・・・,Nθ-1およびk=0,・・・,N-1についてVijk={(r,θ,z)|R≦r≦Ri+1,θ≦θ≦θj+1,z≦z≦zk+1}として表現する。明らかに、{Vijk}は、互いに素である。また、領域Vijkの体積を|{Vijk|と表記する。
このように、各領域Vijkは、原点Oから放射状に延びる複数の線と、原点Oを中心とする複数の同心円と、原点Oから高さ方向に所定の間隔で配置され、かつ、複数の同心円を1組の同心円とする複数組の同心円とによって形成される形状を有する。
図17は、図1に示す管理装置10の実施の形態2における構成図である。図17を参照して、管理装置10Aは、図4に示す管理装置10の演算手段102を演算手段102Aに代えたものであり、その他は、管理装置10と同じである。
演算手段102Aは、図16において説明した3次元空間グリッドおよび領域Vijkの面積|{Vijk|を予め保持している。
演算手段102Aは、端末2,3のいずれかを1次利用者の受信局PRとして3次元空間グリッドの原点Oに配置する。
また、演算手段102Aは、端末121~12sの位置に基づいて、各領域Vijkに存在する2次利用者の送信局STの密度λijkを演算する。そして、演算手段102Aは、その演算した2次利用者の送信局STの密度λijkを記憶手段103に記憶する。
領域Vijk上に存在する2次利用者の送信局STの数は、次のようになる。領域VijkにおけるUAVの密度をλijkとし、レーザの指向性に関する定数をgijkとする。また、領域Vijkでメイン回線を利用しているUAVの分布は、次式の密度関数Λijk(r,θ,z)を持つ非均一ポアソン点過程(PPP)ΦVijkに従うとする。
Figure 0006989898000033
即ち、領域Vijk上のUAVの数は、平均λijk|Vijk|のポアソン分布に従い、それらのUAVは、領域Vijk上に一様分布している。
全ての領域における情報を基に、各領域におけるUAVの最大送信確率を決定する。領域Vijk上のUAVの最大送信確率をaijkと表記する(aijkは、0≦aijk≦1を満たす)。
このとき、領域Vijk上で送信するUAVは、密度関数aijkΛijk(r,θ,z)の非均一なPPPΦVijkに従って分布している。そのため、領域Vijk上で送信するUAVの数は、平均aijkλijk|Vijk|のポアソン分布に従う。集合{aijk}をaと表記する。
更に、演算手段102Aは、端末121~12sの送信電力に基づいて、2次利用者の送信局STが用いる送信電力の確率密度関数fpijkを演算し、その演算した確率密度関数fpijkを記憶手段103に記憶する。
更に、演算手段102Aは、後述する方法によって、複数の領域Vijkの各々における2次利用者の送信局STの送信確率aijkの関数である1次利用者の受信局PRへの干渉確率P(Itotal>Ith)を演算し、その演算した干渉確率P(Itotal>Ith)を決定手段104へ出力する。
記憶手段103は、2次利用者の送信局STの密度λijkおよび確率密度関数fpijkを演算手段102Aから受け、その受けた2次利用者の送信局STの密度λijkおよび確率密度関数fpijkを記憶する。また、記憶手段103は、定数gijkを予め記憶している。
決定手段104は、干渉確率P(Itotal>Ith)を演算手段102Aから受ける。そして、決定手段104は、干渉確率P(Itotal>Ith)が目標値βtarget以下になり、メイン回線の利用を禁止される2次利用者の送信局ST(=UAV)の数を最小化する2次利用者の送信局STの送信確率aijkを複数の領域Vijkの各々において決定する。そうすると、決定手段104は、各領域Vijkにおける2次利用者の送信局STの送信確率aijkを作成手段105へ出力する。
作成手段105は、各領域Vijkにおける2次利用者の送信局STの送信確率aijkを決定手段104から受ける。そして、作成手段105は、2次利用者の送信局STの送信確率aijkが零である領域Vijkを排他領域とし、2次利用者の送信局STの送信確率aijkが零でない領域Vijkを非排他領域として、3次元空間グリッド上に排他領域PERを作成する。
図18は、図17に示す記憶手段103における記憶方法を示す図である。図18を参照して、記憶手段103は、2次利用者の送信局STの密度λijk、2次利用者の送信局STの位置x、送信電力pijkの確率密度関数fpijk、定数gijk、電波減衰定数αおよびフェージング係数hを領域Vijkに応付けて記憶する。
密度λijkは、演算手段102Aによって、領域Vijkに存在する2次利用者の送信局STの個数を領域Vijkの体積|Vijk|によって除算されることにより得られたものである。
2次利用者の送信局STの位置xは、円柱座標(r,θ,z)によって決定される。送信電力pijkの確率密度関数fpijkは、各領域Vijkに存在する送信局STにおける送信電力pijkを用いて演算手段102Aによって演算されたものである。フェージング係数hは、2次利用者の送信局STの位置xに対応している。
2次利用者の送信局STの送信確率aijkを複数の領域Vijkの各々において決定する方法について説明する。
レーダにおける干渉を、レーダがメイン回線を利用するUAVから受ける総干渉電力Itotalがあるしきい値Ithを上回ることと定義する。この場合、レーダの干渉確率は、P(Itotal>Ith)と表現することができる。
ある分割領域Vijk上のメイン回線を利用するUAVから受けるレーダにおける総干渉電力を計算する。この総干渉電力をIijkと表記すると、総干渉電力Iijkは、次式によって表される。
Figure 0006989898000034
式(31)において、hは、座標x∈ΦVijkのUAVとレーダとの間のフェージング係数(平均1)であり、pijkは、座標x∈ΦVijkのUAVの送信電力であり、||x||は、座標x∈Rと原点Oとの間のユークリッド距離であり、αは、電波減衰定数(α>2)である。送信電力pijkは、上述した確率密度関数fpijkに従う確率変数である。全ての領域Vijkにおける情報を基に、各領域Vijkにおける送信電力が決定される。
式(31)の総干渉電力のラプラス変換は、キャンベルの定理(非特許文献7)を用いると次式のように計算される。
Figure 0006989898000035
式(32)を用いると、Iijkのn次キュムラントκ(Iijk)は、n=1,2,・・・について、式(33)~式(35)のように表すことができる。
Figure 0006989898000036
Figure 0006989898000037
Figure 0006989898000038
以降、簡単のために、α=3とすると、式(35)のA(S)は、式(36)~式(39)のように計算できる。
Figure 0006989898000039
Figure 0006989898000040
Figure 0006989898000041
Figure 0006989898000042
解析対象の総干渉電力Itotalは、次式で表される。
Figure 0006989898000043
ここで、{ΦVijk}は、互いに独立した非均一なポアソン点過程(PPP)であるため、{Iijk}は、互いに独立な確率変数である。従って、キュムラントの加法性より、Itotalのn次キュムラントは、各キュムラントの和として、次式のように表される。
Figure 0006989898000044
キュムラントマッチング(非特許文献8)を用いて、Itotalの分布を対数正規分布(非特許文献18)として近似すると、Itotalの確率密度関数fItotalは、式(42)~式(44)によって表される。
Figure 0006989898000045
Figure 0006989898000046
Figure 0006989898000047
ここで、μおよびσ は、それぞれ、対数正規分布の分布パラメータである。そして、干渉確率P(Itotal>Ith)は、次式によって表される。なお、式(43),(44)におけるκ(Itotalは、1次キュムラントκ(Itotal)の2乗を意味する。
Figure 0006989898000048
式(45)において、Q(・)は、Q関数であり、上述した式(16)によって表される。なお、Ithに対するP(Itotal>Ith)は、Itotalの相補累積分布関数(CCDF)と同じである。
式(45)のしきい値Ithは、既知であり、式(45)のμは、式(43)によって表され、式(45)のσは、式(44)によって表され、式(43),(44)のκ(Itotal)およびκ(Itotal)は、それぞれ式(36)および式(37)を式(41)に代入して計算され得るので、P(Itotal>Ith)は、送信確率aijkの関数であることが分かる。
そこで、可能な限り多くのUAVがメイン回線を利用したいという要求のために、メイン回線の利用を禁止されるUAVの数を目的関数とし、この目的関数を最小化するように最適化問題を設計する。次に、レーダへの干渉を避けるため、P(Itotal>Ith)が許容値βtargetを下回るという制約条件を課する。以上より、最適化問題を次式のように定式化する。
Figure 0006989898000049
Figure 0006989898000050
式(46)および式(47)は、式(47)の制約条件の下に、全てのi,j,kについての(1-aijk)λijk|Vijk|の和が最小となる送信確率aijkを決定することを表す。即ち、式(46)および式(47)は、複数の領域Vijkの各々における2次利用者の送信する送信局の平均数(=λijk|Vijk|)に2次利用者の送信局が送信しない確率である非送信確率(=(1-aijk))を乗算した乗算結果を複数の領域Vijkについて加算した加算結果を目的関数とし、演算された干渉確率P(Itotal>Ith)が目標値βtarget以下になる制約条件の下で、目的関数を最小化する2次利用者の送信局の送信確率を複数の領域Vijkの各々において決定することを表す。
なお、メイン回線の利用を禁止されるUAVの数を最小化することは、メイン回線の利用を許容されるUAVの数を最大化することに相当する。
上述したように、P(Itotal>Ith)は、干渉電力Itotalの1次キュムラントおよび2次キュムラントによって表されるパラメータμ,σ(式(43),(44)参照)のQ関数であり、干渉電力Itotalの1次キュムラントおよび2次キュムラントは、干渉電力Itotalのn次キュムラントが各キュムラントの和であることを示す式(41)を用いて演算される。従って、3次元空間グリッド(図16参照)を全体的に考慮して送信確率aijkによって排他領域PERを求めることができる。
図19は、実施の形態2における排他領域PERの作成方法を説明するためのフローチャートである。図19を参照して、排他領域PERを作成する動作が開始されると、管理装置10の演算手段102Aは、1次利用者の受信局PRを原点とした3次元空間グリッドを構成する複数の領域Vijkの各々における2次利用者の非均一なポアソン点過程に従って分布した送信局STの送信電力、1次利用者の受信局PRにおけるアンテナの指向性に関する定数、1次利用者の受信局PRと2次利用者の送信局STとの間のフェージング係数、2次利用者の送信局STの位置と原点とのユークリッド距離、および電波減衰定数を用いて、1次利用者の受信局PRが2次利用者の送信する全ての送信局STから受けるしきい値よりも大きい干渉電力を、複数の領域Vijkの各々における2次利用者の送信局STの送信確率aijkの関数である1次利用者の受信局への干渉確率P(Itotal>Ith)として演算する(ステップS1A)。
そして、演算手段102Aは、その演算した干渉確率P(Itotal>Ith)を決定手段104へ出力する。
決定手段104は、干渉確率P(Itotal>Ith)を演算手段102Aから受け、その受けた干渉確率P(Itotal>Ith)が目標値βtarget以下になり、かつ、メイン回線の利用が禁止される2次利用者の送信局STの数を最小化する2次利用者の送信局STの送信確率aijkを複数の領域Vijkの各々において決定する(ステップS2A)。
そして、決定手段104は、複数の領域Vijkの各々における2次利用者の送信局STの送信確率aijkを作成手段105へ出力する。
作成手段105は、複数の領域Vijkの各々における2次利用者の送信局STの送信確率aijkを決定手段104から受ける。そして、作成手段105は、決定された複数の領域Vijkの各々における2次利用者の送信局STの送信確率aijkに基づいて、1次利用者のみが無線通信を行うことができる排他領域PERを作成する(ステップS3A)。
より具体的には、作成手段105は、送信確率aijkが零である領域Vijkを排他領域とし、送信確率aijkが零でない領域Vijkを非排他領域として、3次元空間グリッドを構成する複数の領域Vijkの各々について、排他領域であるか非排他領域であるかを決定することによって、3次元空間グリッドにおいて排他領域PERを作成する。これによって、排他領域を作成する動作が終了する。
図20は、図19に示すステップS1Aの詳細な動作を説明するためのフローチャートである。
図20を参照して、排他領域PERを作成する動作が開始されると、演算手段102Aは、i=1,j=1,k=1を設定する(ステップS41)。
そして、演算手段102Aは、領域Vijkにおける送信電力の確率密度関数fpijkおよび2次利用者の送信局STの位置xを記憶手段103から読み出し、その読み出した2次利用者の送信局STの位置xを送信電力の確率密度関数fpijkに代入して領域Vijkにおける送信電力pijkを演算する(ステップS42)。
その後、演算手段102Aは、2次利用者の送信局STの位置xと原点Oとのユークリッド距離Lを演算する(ステップS43)。
そうすると、演算手段102Aは、領域Sijkにおける定数gijk、フェージング係数h、および電波減衰定数αを記憶手段103から読み出し、送信電力pijk、定数gijk、フェージング係数h、ユークリッド距離Lおよび電波減衰定数αを式(31)に代入して干渉電力Iijkを演算する(ステップS44)。
引き続いて、演算手段102Aは、式(32)~式(35)に従って、干渉電力Iijkのラプラス変換Lijkを用いて干渉電力Iijkのn次キュムラントκ(Iijk)を演算する(ステップS45)。
その後、演算手段102Aは、i=N-1であるか否かを判定する(ステップS46)。
ステップS46において、i=N-1でないと判定されたとき、演算手段102Aは、i=i+1を設定する(ステップS47)。
その後、一連の動作は、ステップS42へ戻り、ステップS46において、i=N-1であると判定されるまで、ステップS42~ステップS47が繰り返し実行される。
そして、ステップS46において、i=N-1であると判定されると、演算手段102Aは、j=Nθ-1であるか否かを更に判定する(ステップS48)。
ステップS48において、j=Nθ-1でないと判定されたとき、演算手段102Aは、j=j+1を設定する(ステップS49)。
その後、一連の動作は、ステップS42へ戻り、ステップS48において、j=Nθ-1であると判定されるまで、ステップS42~ステップS49が繰り返し実行される。
そして、ステップS48において、j=Nθ-1であると判定されると、演算手段102Aは、k=N-1であるか否かを更に判定する(ステップS50)。
ステップS50において、k=N-1でないと判定されたとき、演算手段102Aは、k=k+1を設定する(ステップS51)。
その後、一連の動作は、ステップS42へ戻り、ステップS50において、k=N-1であると判定されるまで、ステップS42~ステップS51が繰り返し実行される。
そして、ステップS50において、k=N-1であると判定されると、演算手段102Aは、n次キュムラントκ(Iijk)に基づいて、式(36)~式(41)に従って、複数の領域Vijkにおける2次利用者の全ての送信局STから1次利用者の受信局PRへの干渉電力である総干渉電力Itotalのn次キュムラントκ(Itotal)を演算する(ステップS52)。
その後、演算手段102Aは、n次キュムラントκ(Itotal)に基づいて、式(42)に従って総干渉電力Itotalの確率密度関数を演算し、その演算した確率密度関数のパラメータμ,σ(式(43),式(44))を用いて式(45)に示す干渉確率P(Itotal>Ith)を演算する(ステップS53)。そして、一連の動作は、図19のステップS2Aへ移行する。
図21は、図19のステップS2Aの詳細な動作を説明するためのフローチャートである。図19のステップS1A(図20のステップS53)の後、演算手段102Aは、式(46)に従って、複数の領域Vijkの各々における2次利用者の送信する送信局STの平均数λijk|Sijk|に、メイン回線の利用を禁止される2次利用者の送信局STの確率(1-aijk)を乗算した乗算結果を複数の領域Vijkについて加算した加算結果を目的関数として演算する(ステップS61)。そして、演算手段102Aは、干渉確率P(Itotal>Ith)および目的関数を決定手段104へ出力する。
決定手段104は、干渉確率P(Itotal>Ith)および目的関数を演算手段102Aから受ける。また、決定手段104は、干渉確率P(Itotal>Ith)の目標値βtargetを予め保持している。
そして、決定手段104は、式(47)に示す制約条件を設定する(ステップS62)。
その後、決定手段104は、設定した制約条件の下で、目的関数を最小化する2次利用者の送信局STの送信確率aijkを決定する(ステップS63)。この決定された送信確率aijkは、各領域Vijkにおける送信確率であり、”0”または”1”からなる。そして、ステップS63の後、一連の動作は、図19のステップS3Aへ移行する。
図22は、図19のステップS3Aの詳細な動作を説明するためのフローチャートである。図22を参照して、図19のステップS2A(図21のステップS63)の後、作成手段105は、送信確率aijkを決定手段104から受け、i=1,j=1,k=1を設定する(ステップS71)。
そして、作成手段105は、送信確率aijkが”0”であるか否かを判定する(ステップS72)。
ステップS72において、送信確率aijkが”0”であると判定されたとき、作成手段105は、領域Vijkを1次利用者のみが無線通信を行うことができる排他領域とする(ステップS73)。
一方、ステップS72において、送信確率aijkが”0”でないと判定されたとき、作成手段105は、領域Vijkを非排他領域とする(ステップS74)。送信確率aijkは、”0”または”1”からなるので、送信確率aijkが”0”でないと判定されたとき、送信確率aijkは、”1”である。従って、領域Vijkは、排他領域でないと判定できるので、領域Vijkを非排他領域とすることにしたものである。
ステップS73またはステップS74の後、作成手段105は、i=N-1であるか否かを判定する(ステップS75)。
ステップS75において、i=N-1でないと判定されたとき、作成手段105は、i=i+1を設定する(ステップS76)。その後、一連の動作は、ステップS72へ移行し、ステップS75において、i=N-1であると判定されるまで、ステップS72~ステップS76が繰り返し実行される。
そして、ステップS75において、i=N-1であると判定されると、作成手段105は、j=Nθ-1であるか否かを更に判定する(ステップS77)。
ステップS77において、j=Nθ-1でないと判定されたとき、作成手段105は、j=j+1を設定する(ステップS78)。その後、一連の動作は、ステップS72へ移行し、ステップS77において、j=Nθ-1であると判定されるまで、ステップS72~ステップS78が繰り返し実行される。
そして、ステップS77において、j=Nθ-1であると判定されると、作成手段105は、k=N-1であるか否かを更に判定する(ステップS79)。
ステップS79において、k=N-1でないと判定されたとき、作成手段105は、k=k+1を設定する(ステップS80)。その後、一連の動作は、ステップS72へ移行し、ステップS79において、k=N-1であると判定されるまで、ステップS72~ステップS80を繰り返し実行する。
そして、ステップS79において、k=N-1であると判定されると、作成手段105は、排他領域とした領域Vijkからなる1次利用者の排他領域PERを3次元空間グリッドに作成する(ステップS81)。その後、一連の動作は、図19の”終了”へ移行する。
このように、管理装置10Aは、図19に示すフローチャート(図20から図22に示すフローチャートを含む)に従って複数の領域Vijkの各々について排他領域であるか非排他領域であるかを決定し、排他領域とした領域Vijkからなる1次利用者の排他領域PERを3次元空間グリッドに作成する。従って、複雑な形状の1次利用者の排他領域PERを作成することができる。
管理装置10Aは、上述した方法によって、1次利用者の排他領域PERを作成する。そして、管理装置10Aは、その作成した1次利用者の排他領域PERの外側に存在する2次利用者から通信可否の問合せがあった場合、通信可能であることを示す通知を2次利用者に送信するようにしてもよい。
また、2次利用者は、管理装置10Aから通信不可の通知を受信したとき、バックアップ回線を利用して通信してもよい。
制約条件の下で求めた最適解としての送信確率aijkの数値評価について説明する。また、設計した排他領域PERについて、レーダの干渉確率をモンテカルロシミュレーションにより評価する。
分割領域Vijkの堆積|Vijk|が全て一定となるように、境界を式(48)~式(50)のように設定する。
Figure 0006989898000051
Figure 0006989898000052
Figure 0006989898000053
ここで、Lは、制限高度であり、全てのUAVの高度は、L以下であるとする。この場合、各領域Vijkの体積|Vijk|は、|Vijk|=πR L/Nθとなる。次に、簡単のために、全てのUAVは、単位電力で送信するとし、全ての分割領域Vijkについて、UAVの密度は、一定値λであるとする。また、レーダのアンテナゲインgijkについては、簡単なモデルとして、特定の角度方向には、0dB、それ以外の方向には、-30dBのゲインを有するものとする。表4に評価諸元を示す。
Figure 0006989898000054
フェージングとして仲上mフェージングおよび対数正規シャドウイングの複合フェージング(非特許文献19)を想定する。このとき、E(h)は、E(h)=1を考慮すると、次式によって表される。
Figure 0006989898000055
ここで、Γ(・)は、ガンマ関数であり、mは、仲上mフェージングのパラメータであり、σS,dBは、対数正規シャドウイングのdB単位のパラメータであり、ξ=10/ln(10)である。また、式(46)に示す最適化問題をモデリングフレームワークPyomo(非特許文献20)を用いてPythonに実装し、Interior Point Optimizer(IPOPT)ソルバ(非特許文献21)を用いて解く。
次に、評価結果について説明する。図23は、各高度におけるアンテナゲインおよび最大送信確率の最適解を示す図である。図24は、最適解の場合について、式(45)の相補累積分布関数(CCDF)を計算した結果を示す図である。
図23においては、(a)は、高度が3.5km~4kmの範囲におけるアンテナゲインgijkを示し、(b)は、高度が3.5km~4kmの範囲における最大送信確率の最適解aijkを示す。また、(c)は、高度が2km~2.5kmの範囲におけるアンテナゲインgijkを示し、(d)は、高度が2km~2.5kmの範囲における最大送信確率の最適解aijkを示す。更に、(e)は、高度が0.5km~1kmの範囲におけるアンテナゲインgijkを示し、(f)は、高度が0.5km~1kmの範囲における最大送信確率の最適解aijkを示す。
図24において、横軸は、レーダの受ける干渉電力Itotalを表し、縦軸は、干渉電力Itotalの相補累積分布関数(CCDF)を表す。また、曲線k5は、分析結果を示し、直線k6は、しきい値βtargetを示す。
図23を参照して、排他領域PERは、レーダからの距離とアンテナパターンに対応した形状で設計されていることが分かる。
図24を参照して、レーダが受ける干渉電力Itotalがしきい値βtargetよりも小さくなることを確認できた。
図23に示したように、管理装置10Aは、複雑な形状の排他領域PERを設計できることが分かった。
実施の形態2においては、管理装置10Aの動作は、ソフトウェアによって実行されてもよい。この場合、管理装置10Aは、CPU、ROMおよびRAMを備える。
そして、図19~図22に示すフローチャートからなるプログラムProg_BがROMに格納される。また、図18に示す2次利用者の送信局STの密度λijk、2次利用者の送信局STの位置x、送信電力の確率密度関数fpijk、定数gijk、電波減衰定数αおよびフェージング係数hが領域Vijkに対応付けられてROMに格納される。
CPUは、ROMからプログラムProg_Bを読み出し、その読み出したプログラムProg_Bを実行して、排他領域PERを作成する。
この場合、RAMは、干渉確率P(Itotal>Ith)の演算における途中の計算結果を記憶する。
従って、プログラムProg_Bは、排他領域PERの作成をコンピュータ(CPU)に実行させるためのプログラムである。
また、プログラムProg_Bは、CDおよびDVD等の記録媒体に記録されて流通されてもよい。この場合、コンピュータ(CPU)は、記録媒体からプログラムProg_Bを読み出して実行し、排他領域PERを作成する。従って、プログラムProg_Bを記録したCD,DVD等は、プログラムProg_Bを記録したコンピュータ(CPU)読み取り可能な記録媒体である。
実施の形態2におけるその他の説明は、実施の形態1における説明と同じである。
上記においては、管理装置10,10Aは、無線局11に配置されると説明したが、この発明の実施の形態においては、これに限らず、管理装置10,10Aは、無線局11と異なるところに配置されてもよく、単独で配置されてもよい。
また、上記においては、1次利用者は、免許された無線通信システムであると説明したが、この発明の実施の形態においては、これに限らず、1次利用者は、排他領域外における干渉を示すデータの割合が一定値となる無線通信システムであればよい。
この発明の実施の形態によれば、管理装置10は、以下の構成を有していればよい。
(構成1)
管理装置は、演算手段と、決定手段と、作成手段とを備える。
演算手段は、干渉データの割合が一定値となる1次利用者の受信局を原点とした2次元領域または3次元領域を構成する複数の領域の各々における2次利用者の非均一なポアソン点過程に従って分布した送信局の送信電力、1次利用者の受信局におけるアンテナの指向性に関する定数、1次利用者の受信局と2次利用者の送信局との間のフェージング係数、2次利用者の送信局の位置と原点とのユークリッド距離、および電波減衰定数を用いて、1次利用者の受信局が2次利用者の送信する全ての送信局から受けるしきい値よりも大きい干渉電力を、複数の領域の各々における2次利用者の送信局の送信確率の関数である1次利用者の受信局への干渉確率として演算する。
決定手段は、演算された干渉確率が目標値以下になり、かつ、送信する2次利用者の送信局の平均数を最大化する2次利用者の送信局の送信確率を複数の領域の各々において決定する。
作成手段は、決定された複数の領域の各々における2次利用者の送信局の送信確率に基づいて、1次利用者のみが無線通信を行うことができる排他領域を作成する。
(構成2)
構成1において、複数の領域の各々は、原点から放射状に延びる複数の線と、原点を中心とする複数の同心円とによって形成される環状扇形の形状を有する。
(構成3)
構成1または構成2において、演算手段は、複数の領域の各々における2次利用者の送信局の送信電力、1次利用者の受信局におけるアンテナの指向性と1次利用者の受信局および2次利用者の送信局におけるアンテナ高度とに影響する定数、1次利用者の受信局と2次利用者の送信局との間のフェージング係数、2次利用者の送信局の位置と原点とのユークリッド距離、および電波減衰定数を用いて、複数の領域の各々における2次利用者の送信局が1次利用者の受信局に与える第1の干渉電力を演算し、第1の干渉電力のモーメント母関数を用いて第1の干渉電力のn(nは正の整数)次キュムラントを2次利用者の送信局の送信確率の関数として演算し、その演算したn次キュムラントに基づいて、複数の領域における2次利用者の全ての送信局から1次利用者の受信局への干渉電力である第2の干渉電力のn次キュムラントを演算し、その演算した第2の干渉電力のn次キュムラントに基づいて、第2の干渉電力の確率密度関数を演算し、その確率密度関数のパラメータを用いて干渉確率を演算する。
(構成4)
構成1から構成3のいずれかにおいて、決定手段は、複数の領域の各々における2次利用者の送信する送信局の平均数に2次利用者の送信局の送信確率を乗算した乗算結果を複数の領域について加算した加算結果を目的関数とし、演算された干渉確率から目標値を減算した減算結果が零以下である制約条件の下で、目的関数を最大化する2次利用者の送信局の送信確率を複数の領域の各々において求めることにより、送信する2次利用者の送信局の平均数を最大化する2次利用者の送信局の送信確率を決定する。
(構成5)
構成1において、複数の領域の各々は、原点から放射状に延びる複数の線と、原点を中心とする複数の同心円と、原点から高さ方向に所定の間隔で配置され、かつ、複数の同心円を1組の同心円とする複数組の同心円とによって形成される形状を有する。
(構成6)
構成1または構成5において、演算手段は、複数の領域の各々における2次利用者の送信局の送信電力、1次利用者の受信局におけるアンテナの指向性に関する定数、1次利用者の受信局と2次利用者の送信局との間のフェージング係数、2次利用者の送信局の位置と原点とのユークリッド距離、および電波減衰定数を用いて、複数の領域の各々における2次利用者の送信局が1次利用者の受信局に与える第1の干渉電力を演算し、第1の干渉電力のラプラス変換を用いて第1の干渉電力のn(nは正の整数)次キュムラントを2次利用者の送信局の送信確率の関数として演算し、その演算したn次キュムラントに基づいて、複数の領域における2次利用者の全ての送信局から1次利用者の受信局への干渉電力である第2の干渉電力のn次キュムラントを演算し、その演算した第2の干渉電力のn次キュムラントに基づいて、第2の干渉電力の確率密度関数を演算し、その確率密度関数のパラメータを用いて干渉確率を演算する。
(構成7)
構成6において、演算手段は、第2の干渉電力の1次キュムラントからn次キュムラントまでの和を演算することによって第2の干渉電力のn次キュムラントを演算する。
(構成8)
構成5から構成7のいずれかにおいて、決定手段は、複数の領域の各々における2次利用者の送信する送信局の平均数に2次利用者の送信局が送信しない確率である非送信確率を乗算した乗算結果を複数の領域について加算した加算結果を目的関数とし、演算された干渉確率が目標値以下になる制約条件の下で、目的関数を最小化する2次利用者の送信局の送信確率を複数の領域の各々において求めることにより、送信する2次利用者の送信局の平均数を最大化する2次利用者の送信局の送信確率を決定する。
また、この発明の実施の形態によれば、コンピュータに実行させるためのプログラムは、以下の構成を有していればよい。
(構成9)
コンピュータに実行させるためのプログラムは、
演算手段が、干渉データの割合が一定値となる1次利用者の受信局を原点とした2次元領域または3次元領域を構成する複数の領域の各々における2次利用者の非均一なポアソン点過程に従って分布した送信局の送信電力、1次利用者の受信局におけるアンテナの指向性に関する定数、1次利用者の受信局と前記2次利用者の送信局との間のフェージング係数、2次利用者の送信局の位置と前記原点とのユークリッド距離、および電波減衰定数を用いて、1次利用者の受信局が前記2次利用者の送信する全ての送信局から受けるしきい値よりも大きい干渉電力を、複数の領域の各々における2次利用者の送信局の送信確率の関数である1次利用者の受信局への干渉確率として演算する第1のステップと、
決定手段が、演算された干渉確率が目標値以下になり、かつ、送信する2次利用者の送信局の平均数を最大化する2次利用者の送信局の送信確率を複数の領域の各々において決定する第2のステップと、
作成手段が、決定された複数の領域の各々における2次利用者の送信局の送信確率に基づいて、1次利用者のみが無線通信を行うことができる1次利用者の排他領域を作成する第3のステップとをコンピュータに実行させるためのプログラムである。
(構成10)
構成9において、複数の領域の各々は、原点から放射状に延びる複数の線と、原点を中心とする複数の同心円とによって形成される環状扇形の形状を有する。
(構成11)
構成9または構成10において、演算手段は、第1のステップにおいて、複数の領域の各々における2次利用者の送信局の送信電力、1次利用者の受信局におけるアンテナの指向性と1次利用者の受信局および2次利用者の送信局におけるアンテナ高度とに影響する定数、1次利用者の受信局と前記2次利用者の送信局との間のフェージング係数、2次利用者の送信局の位置と原点とのユークリッド距離、および電波減衰定数を用いて、複数の領域の各々における2次利用者の送信局が1次利用者の受信局に与える第1の干渉電力を演算し、第1の干渉電力のモーメント母関数を用いて第1の干渉電力のn(nは正の整数)次キュムラントを2次利用者の送信局の送信確率の関数として演算し、その演算したn次キュムラントに基づいて、複数の領域における2次利用者の全ての送信局から1次利用者の受信局への干渉電力である第2の干渉電力のn次キュムラントを演算し、その演算した第2の干渉電力のn次キュムラントに基づいて、第2の干渉電力の確率密度関数を演算し、その確率密度関数のパラメータを用いて干渉確率を演算する。
(構成12)
構成9から構成11のいずれかにおいて、決定手段は、第2のステップにおいて、複数の領域の各々における2次利用者の送信する送信局の平均数に2次利用者の送信局の送信確率を乗算した乗算結果を複数の領域について加算した加算結果を目的関数とし、演算された干渉確率から目標値を減算した減算結果が零以下である制約条件の下で、目的関数を最大化する2次利用者の送信局の送信確率を複数の領域の各々において求めることにより、送信する2次利用者の送信局の平均数を最大化する2次利用者の送信局の送信確率を決定する。
(構成13)
構成9において、複数の領域の各々は、原点から放射状に延びる複数の線と、原点を中心とする複数の同心円と、原点から高さ方向に所定の間隔で配置され、かつ、複数の同心円を1組の同心円とする複数組の同心円とによって形成される形状を有する。
(構成14)
構成9または構成13において、演算手段は、第1のステップにおいて、複数の領域の各々における2次利用者の送信局の送信電力、1次利用者の受信局におけるアンテナの指向性に関する定数、1次利用者の受信局と2次利用者の送信局との間のフェージング係数、2次利用者の送信局の位置と原点とのユークリッド距離、および電波減衰定数を用いて、複数の領域の各々における2次利用者の送信局が1次利用者の受信局に与える第1の干渉電力を演算し、第1の干渉電力のラプラス変換を用いて第1の干渉電力のn(nは正の整数)次キュムラントを2次利用者の送信局の送信確率の関数として演算し、その演算したn次キュムラントに基づいて、複数の領域における2次利用者の全ての送信局から1次利用者の受信局への干渉電力である第2の干渉電力のn次キュムラントを演算し、その演算した第2の干渉電力のn次キュムラントに基づいて、第2の干渉電力の確率密度関数を演算し、その確率密度関数のパラメータを用いて干渉確率を演算する。
(構成15)
構成14において、演算手段は、第1のステップにおいて、第2の干渉電力の1次キュムラントからn次キュムラントまでの和を演算することによって第2の干渉電力のn次キュムラントを演算する。
(構成16)
構成13から構成15のいずれかにおいて、決定手段は、第2のステップにおいて、複数の領域の各々における2次利用者の送信する送信局の平均数に2次利用者の送信局が送信しない確率である非送信確率を乗算した乗算結果を複数の領域について加算した加算結果を目的関数とし、演算された干渉確率が目標値以下になる制約条件の下で、目的関数を最小化する2次利用者の送信局の送信確率を複数の領域の各々において求めることにより、送信する2次利用者の送信局の平均数を最大化する2次利用者の送信局の送信確率を決定する。
(構成17)
更に、この発明の実施の形態によれば、プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、構成9から構成16のいずれかに記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
この発明は、管理装置、コンピュータに実行させるためのプログラムおよびそのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体に適用される。
1,11 無線局、2,3,121~12s 端末、10,10A 管理装置、101 受信手段、102,102A 演算手段、103 記憶手段、104 決定手段、105 作成手段。

Claims (17)

  1. 干渉データの割合が一定値となる1次利用者の受信局を原点とした2次元領域または3次元領域を構成する複数の領域の各々における2次利用者の非均一なポアソン点過程に従って分布した送信局の送信電力、前記1次利用者の受信局におけるアンテナの指向性に関する定数、前記1次利用者の受信局と前記2次利用者の送信局との間のフェージング係数、前記2次利用者の送信局の位置と前記原点とのユークリッド距離、および電波減衰定数を用いて、前記1次利用者の受信局が前記2次利用者の送信する全ての送信局から受けるしきい値よりも大きい干渉電力を、前記複数の領域の各々における前記2次利用者の送信局の送信確率の関数である前記1次利用者の受信局への干渉確率として演算する演算手段と、
    前記演算された干渉確率が目標値以下になり、かつ、送信する2次利用者の送信局の平均数を最大化する前記2次利用者の送信局の送信確率を前記複数の領域の各々において決定する決定手段と、
    前記決定された前記複数の領域の各々における前記2次利用者の送信局の送信確率に基づいて、前記1次利用者のみが無線通信を行うことができる排他領域を作成する作成手段とを備える管理装置。
  2. 前記複数の領域の各々は、前記原点から放射状に延びる複数の線と、前記原点を中心とする複数の同心円とによって形成される環状扇形の形状を有する、請求項1に記載の管理装置。
  3. 前記演算手段は、前記複数の領域の各々における2次利用者の送信局の送信電力、前記1次利用者の受信局におけるアンテナの指向性と前記1次利用者の受信局および前記2次利用者の送信局におけるアンテナ高度とに影響する定数、前記1次利用者の受信局と前記2次利用者の送信局との間のフェージング係数、前記2次利用者の送信局の位置と前記原点とのユークリッド距離、および電波減衰定数を用いて、前記複数の領域の各々における前記2次利用者の送信局が前記1次利用者の受信局に与える第1の干渉電力を演算し、前記第1の干渉電力のモーメント母関数を用いて前記第1の干渉電力のn(nは正の整数)次キュムラントを前記2次利用者の送信局の送信確率の関数として演算し、その演算したn次キュムラントに基づいて、前記複数の領域における前記2次利用者の全ての送信局から前記1次利用者の受信局への干渉電力である第2の干渉電力のn次キュムラントを演算し、その演算した第2の干渉電力のn次キュムラントに基づいて、前記第2の干渉電力の確率密度関数を演算し、その確率密度関数のパラメータを用いて前記干渉確率を演算する、請求項1または請求項2に記載の管理装置。
  4. 前記決定手段は、前記複数の領域の各々における前記2次利用者の送信する送信局の平均数に前記2次利用者の送信局の送信確率を乗算した乗算結果を前記複数の領域について加算した加算結果を目的関数とし、前記演算された干渉確率から前記目標値を減算した減算結果が零以下である制約条件の下で、前記目的関数を最大化する前記2次利用者の送信局の送信確率を複数の領域の各々において求めることにより、前記送信する2次利用者の送信局の平均数を最大化する前記2次利用者の送信局の送信確率を決定する、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の管理装置。
  5. 前記複数の領域の各々は、前記原点から放射状に延びる複数の線と、前記原点を中心とする複数の同心円と、前記原点から高さ方向に所定の間隔で配置され、かつ、前記複数の同心円を1組の同心円とする複数組の同心円とによって形成される形状を有する、請求項1に記載の管理装置。
  6. 前記演算手段は、前記複数の領域の各々における2次利用者の送信局の送信電力、前記1次利用者の受信局におけるアンテナの指向性に関する定数、前記1次利用者の受信局と前記2次利用者の送信局との間のフェージング係数、前記2次利用者の送信局の位置と前記原点とのユークリッド距離、および電波減衰定数を用いて、前記複数の領域の各々における前記2次利用者の送信局が前記1次利用者の受信局に与える第1の干渉電力を演算し、前記第1の干渉電力のラプラス変換を用いて前記第1の干渉電力のn(nは正の整数)次キュムラントを前記2次利用者の送信局の送信確率の関数として演算し、その演算したn次キュムラントに基づいて、前記複数の領域における前記2次利用者の全ての送信局から前記1次利用者の受信局への干渉電力である第2の干渉電力のn次キュムラントを演算し、その演算した第2の干渉電力のn次キュムラントに基づいて、前記第2の干渉電力の確率密度関数を演算し、その確率密度関数のパラメータを用いて前記干渉確率を演算する、請求項1または請求項5に記載の管理装置。
  7. 前記演算手段は、前記第2の干渉電力の1次キュムラントからn次キュムラントまでの和を演算することによって前記第2の干渉電力のn次キュムラントを演算する、請求項6に記載の管理装置。
  8. 前記決定手段は、前記複数の領域の各々における前記2次利用者の送信する送信局の平均数に前記2次利用者の送信局が送信しない確率である非送信確率を乗算した乗算結果を前記複数の領域について加算した加算結果を目的関数とし、前記演算された干渉確率が前記目標値以下になる制約条件の下で、前記目的関数を最小化する前記2次利用者の送信局の送信確率を複数の領域の各々において求めることにより、前記送信する2次利用者の送信局の平均数を最大化する前記2次利用者の送信局の送信確率を決定する、請求項5から請求項7のいずれか1項に記載の管理装置。
  9. 演算手段が、干渉データの割合が一定値となる1次利用者の受信局を原点とした2次元領域または3次元領域を構成する複数の領域の各々における2次利用者の非均一なポアソン点過程に従って分布した送信局の送信電力、前記1次利用者の受信局におけるアンテナの指向性に関する定数、前記1次利用者の受信局と前記2次利用者の送信局との間のフェージング係数、前記2次利用者の送信局の位置と前記原点とのユークリッド距離、および電波減衰定数を用いて、前記1次利用者の受信局が前記2次利用者の送信する全ての送信局から受けるしきい値よりも大きい干渉電力を、前記複数の領域の各々における前記2次利用者の送信局の送信確率の関数である前記1次利用者の受信局への干渉確率として演算する第1のステップと、
    決定手段が、前記演算された干渉確率が目標値以下になり、かつ、送信する2次利用者の送信局の平均数を最大化する前記2次利用者の送信局の送信確率を前記複数の領域の各々において決定する第2のステップと、
    作成手段が、前記決定された前記複数の領域の各々における前記2次利用者の送信局の送信確率に基づいて、前記1次利用者のみが無線通信を行うことができる1次利用者の排他領域を作成する第3のステップとをコンピュータに実行させるためのプログラム。
  10. 前記複数の領域の各々は、前記原点から放射状に延びる複数の線と、前記原点を中心とする複数の同心円とによって形成される環状扇形の形状を有する、請求項9に記載のコンピュータに実行させるためのプログラム。
  11. 前記演算手段は、前記第1のステップにおいて、前記複数の領域の各々における2次利用者の送信局の送信電力、前記1次利用者の受信局におけるアンテナの指向性と前記1次利用者の受信局および前記2次利用者の送信局におけるアンテナ高度とに影響する定数、前記1次利用者の受信局と前記2次利用者の送信局との間のフェージング係数、前記2次利用者の送信局の位置と前記原点とのユークリッド距離、および電波減衰定数を用いて、前記複数の領域の各々における前記2次利用者の送信局が前記1次利用者の受信局に与える第1の干渉電力を演算し、前記第1の干渉電力のモーメント母関数を用いて前記第1の干渉電力のn(nは正の整数)次キュムラントを前記2次利用者の送信局の送信確率の関数として演算し、その演算したn次キュムラントに基づいて、前記複数の領域における前記2次利用者の全ての送信局から前記1次利用者の受信局への干渉電力である第2の干渉電力のn次キュムラントを演算し、その演算した第2の干渉電力のn次キュムラントに基づいて、前記第2の干渉電力の確率密度関数を演算し、その確率密度関数のパラメータを用いて前記干渉確率を演算する、請求項9または請求項10に記載のコンピュータに実行させるためのプログラム。
  12. 前記決定手段は、前記第2のステップにおいて、前記複数の領域の各々における前記2次利用者の送信する送信局の平均数に前記2次利用者の送信局の送信確率を乗算した乗算結果を前記複数の領域について加算した加算結果を目的関数とし、前記演算された干渉確率から前記目標値を減算した減算結果が零以下である制約条件の下で、前記目的関数を最大化する前記2次利用者の送信局の送信確率を複数の領域の各々において求めることにより、前記送信する2次利用者の送信局の平均数を最大化する前記2次利用者の送信局の送信確率を決定する、請求項9から請求項11のいずれか1項に記載のコンピュータに実行させるためのプログラム。
  13. 前記複数の領域の各々は、前記原点から放射状に延びる複数の線と、前記原点を中心とする複数の同心円と、前記原点から高さ方向に所定の間隔で配置され、かつ、前記複数の同心円を1組の同心円とする複数組の同心円とによって形成される形状を有する、請求項9に記載のコンピュータに実行させるためのプログラム。
  14. 前記演算手段は、前記第1のステップにおいて、前記複数の領域の各々における2次利用者の送信局の送信電力、前記1次利用者の受信局におけるアンテナの指向性に関する定数、前記1次利用者の受信局と前記2次利用者の送信局との間のフェージング係数、前記2次利用者の送信局の位置と前記原点とのユークリッド距離、および電波減衰定数を用いて、前記複数の領域の各々における前記2次利用者の送信局が前記1次利用者の受信局に与える第1の干渉電力を演算し、前記第1の干渉電力のラプラス変換を用いて前記第1の干渉電力のn(nは正の整数)次キュムラントを前記2次利用者の送信局の送信確率の関数として演算し、その演算したn次キュムラントに基づいて、前記複数の領域における前記2次利用者の全ての送信局から前記1次利用者の受信局への干渉電力である第2の干渉電力のn次キュムラントを演算し、その演算した第2の干渉電力のn次キュムラントに基づいて、前記第2の干渉電力の確率密度関数を演算し、その確率密度関数のパラメータを用いて前記干渉確率を演算する、請求項9または請求項13に記載のコンピュータに実行させるためのプログラム。
  15. 前記演算手段は、前記第1のステップにおいて、前記第2の干渉電力の1次キュムラントからn次キュムラントまでの和を演算することによって前記第2の干渉電力のn次キュムラントを演算する、請求項14に記載のコンピュータに実行させるためのプログラム。
  16. 前記決定手段は、前記第2のステップにおいて、前記複数の領域の各々における前記2次利用者の送信する送信局の平均数に前記2次利用者の送信局が送信しない確率である非送信確率を乗算した乗算結果を前記複数の領域について加算した加算結果を目的関数とし、前記演算された干渉確率が前記目標値以下になる制約条件の下で、前記目的関数を最小化する前記2次利用者の送信局の送信確率を複数の領域の各々において求めることにより、前記送信する2次利用者の送信局の平均数を最大化する前記2次利用者の送信局の送信確率を決定する、請求項13から請求項15のいずれか1項に記載のコンピュータに実行させるためのプログラム。
  17. 請求項9から請求項16のいずれか1項に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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