別段の定義がない限り、本明細書で用いる全ての技術用語及び科学用語は、一般に、本発明が属する当業者によって理解されるのと同じ意味を有する。
ウイルス様粒子(VLP):本明細書で使用する用語「ウイルス様粒子(VLP)」は、非複製性若しくは非感染性、好ましくは、非複製性及び非感染性のウイルス粒子を指すか、又は非複製性若しくは非感染性、好ましくは、非複製性及び非感染性のウイルス粒子に似た構造体、好ましくは、ウイルスのキャプシドを指す。本明細書で使用する用語「非複製性」は、VLPによって含まれるゲノムを複製することができないことを指す。本明細書で使用する用語「非感染性」は、宿主細胞に入ることができないことを指す。ウイルスゲノム又はゲノム機能の全部又は一部を欠いているので、本発明によるウイルス様粒子は非複製性及び非感染性である。本発明によるウイルス様粒子は、それらのゲノムと異なる核酸を含有することができる。組換え生成ウイルス様粒子は、典型的には、宿主細胞由来のRNAを含有する。本発明によるウイルス様粒子の典型的かつ好ましい実施形態は、本発明のポリペプチドで構成されるウイルスキャプシドである。ウイルス様粒子は、典型的には、ウイルス様粒子あたり60、120、180、240、300、360、又は360超のタンパク質サブユニットを含む、典型的にはウイルスコートタンパク質で構成される巨大分子集合体である。典型的かつ好ましくは、これらのサブユニットの相互作用は、固有の反復組織を有するウイルスキャプシド又はウイルスキャプシド様構造の形成をもたらす。ウイルス様粒子の1つの特徴は、そのサブユニットのその非常に規則正しい反復配列である。
RNAバクテリオファージのウイルス様粒子:本明細書で使用する用語「RNAバクテリオファージのウイルス様粒子」は、RNAバクテリオファージのコートタンパク質、変異体又はその断片を含むか、又は好ましくは本質的にそれからなるか、又はそれからなるウイルス様粒子を指す。加えて、RNAバクテリオファージのウイルス様粒子は、RNAバクテリオファージの構造に似ており、非複製性及び/又は非感染性であり、かつ少なくともRNAバクテリオファージの複製機構をコードする遺伝子若しくは複数の遺伝子を欠き、かつ典型的には、宿主へのウイルス接着若しくは宿主への侵入に関与するタンパク質若しくは複数のタンパク質をコードする遺伝子又は複数の遺伝子も欠いている。前述の遺伝子又は複数の遺伝子は依然として存在するが不活性であり、したがって、RNAバクテリオファージの非複製性及び/又は非感染性ウイルス様粒子をもたらすRNAバクテリオファージのウイルス様粒子も含まれる。RNAバクテリオファージに由来する好ましいVLPは、正二十面体対称を示し、180個のサブユニット(モノマー)からなる。RNAバクテリオファージのウイルス様粒子を非複製性及び/又は非感染性にさせる好ましい方法は、UV照射、ホルムアルデヒド処理などの物理化学的不活性化、典型的かつ好ましくは、遺伝子操作によるものである。
CMVのウイルス様粒子:用語「CMVのウイルス様粒子」又はCMV VLPは、少なくとも1つのCMVポリペプチドを含むか、又は好ましくは本質的にそれからなるか、又は好ましくはそれからなるウイルス様粒子を指す。好ましくは、CMVのウイルス様粒子は、主として、さらにより好ましくは、キャプシド構造の唯一のタンパク質成分として前記CMVポリペプチドを含む。典型的かつ好ましくは、CMVのウイルス様粒子は、CMVのキャプシド構造に似ている。CMVのウイルス様粒子は、非複製性及び/又は非感染性であり、少なくともCMVの複製機構をコードする遺伝子又は複数の遺伝子を欠いており、典型的には、宿主へのウイルス接着若しくは宿主への侵入に関与するタンパク質若しくは複数のタンパク質をコードする遺伝子又は複数の遺伝子も欠いている。この定義はまた、前述の遺伝子又は複数の遺伝子は依然として存在するが不活性であるウイルス様粒子も含む。CMVのウイルス様粒子を非複製性及び/又は非感染性にさせる好ましい方法は、UV照射、ホルムアルデヒド処理などの物理化学的不活性化によるものである。好ましくは、CMVのVLPは、CMVの複製機構をコードする遺伝子又は複数の遺伝子を欠き、宿主へのウイルス接着若しくは宿主への侵入に関与するタンパク質若しくは複数のタンパク質をコードする遺伝子又は複数の遺伝子も欠いている。再び、より好ましくは、非複製性及び/又は非感染性ウイルス様粒子は、組換え遺伝子技術によって得られる。本発明によるCMVの組換え生成ウイルス様粒子は、典型的かつ好ましくは、ウイルスゲノムを含まない。モザイクVLPと呼ばれる場合が多いポリペプチドの2種以上を含むウイルス様粒子も、本発明に包含される。したがって、一実施形態において、本発明によるウイルス様粒子は、少なくとも2つの異なるポリペプチド種を含み、前記ポリペプチド種の少なくとも1つがCMVポリペプチドである。好ましくは、CMVのVLPは、典型的には、VLPあたり180個のコートタンパク質サブユニットを含むCMVコートタンパク質で構成される巨大分子集合体である。典型的かつ好ましくは、本明細書で使用するCMVのVLPは、(i)CMVのコートタンパク質のアミノ酸配列;又は(ii)変異アミノ酸配列を含むか、若しくは好ましくはそれからなる少なくとも1つのCMVポリペプチドを含むか、本質的にそれからなるか、あるいはそれからなり、変異されるアミノ酸配列は、CMVのコートタンパク質のアミノ酸配列であり、前記変異アミノ酸配列及び前記変異されるアミノ酸配列は、少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、さらに好ましくは少なくとも98%及び再びより好ましくは少なくとも99%の配列同一性を示す。
抗原:本明細書で使用する用語「抗原」は、MHC分子によって提示される場合、抗体又はT細胞受容体(TCR)が結合することが可能な分子を指す。本明細書で使用する用語「抗原」はまた、T細胞エピトープを指す。抗原は、さらに免疫系によって認識されることが可能であり、かつ/又はBリンパ球及び/若しくはTリンパ球の活性化をもたらす体液性免疫応答並びに/又は細胞性免疫応答を誘導することが可能である。しかしながら、これは、少なくとも特定の場合において、抗原がTh細胞エピトープを含有するか、又はTh細胞エピトープに結合され、かつ/又はアジュバントで与えられることが必要である場合がある。抗原は、1以上のエピトープ(Bエピトープ及びTエピトープ)を有し得る。上記で言及した特異的反応は、抗原が、好ましくは、その対応する抗体又はTCRと、典型的には高度に選択的な様式で反応し、他の抗原によって誘発され得る多数の他の抗体又はTCRと反応しないことを示すことを意味する。特に示さない場合、本明細書で使用する用語「抗原」は、本発明の組成物、免疫原性組成物若しくはワクチン組成物及び/又は医薬組成物に含有されるコア粒子又はウイルス様粒子を指すものではない。
コートタンパク質:用語「コートタンパク質」は、ウイルスタンパク質、好ましくは、ウイルス、好ましくはRNAバクテリオファージ又は植物ウイルスの天然キャプシドのサブユニットを指し、ウイルスキャプシド又はVLPに組み込まれることが可能である。用語コートタンパク質は、天然のコートタンパク質、並びに組換え発現コートタンパク質を包含する。さらに、コートタンパク質の変異体及び断片が包含され、前記変異体及び断片はVLPを形成する能力を保持する。
ポリペプチド:本明細書で使用する用語「ポリペプチド」は、ペプチド結合(アミド結合としても知られる)によって直鎖状に結合されているアミノ酸モノマーで構成されたポリマーを指す。用語ポリペプチドは、アミノ酸の連続鎖を指し、生成物の特定の長さを指すものではない。したがって、ペプチド、及びタンパク質は、ポリペプチドの定義内に含まれる。
キュウリモザイクウイルス(CMV)ポリペプチド:本明細書で使用する用語「キュウリモザイクウイルス(CMV)ポリペプチド」は、(i)キュウリモザイクウイルス(CMV)のコートタンパク質のアミノ酸配列、又は(ii)変異アミノ酸配列を含むか、又は好ましくはそれからなるポリペプチドを指し、変異されるアミノ酸配列は、CMVのコートタンパク質のアミノ酸配列であり、前記変異アミノ酸配列及び前記変異されるアミノ酸配列、すなわちCMVの前記コートタンパク質は、少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、さらに好ましくは少なくとも98%及び再びより好ましくは少なくとも99%の配列同一性を示す。典型的かつ好ましくは、該CMVポリペプチドは、発現時に、自己集合によってCMVのウイルス様粒子を形成することができる。
キュウリモザイクウイルス(CMV)のコートタンパク質(CP):本明細書で使用する用語「キュウリモザイクウイルス(CMV)のコートタンパク質(CP)」は、天然に存在するキュウリモザイクウイルスのコートタンパク質を指す。キュウリモザイクウイルスの非常に広い宿主範囲により、CMVの多くの異なる株及び単離株が知られており、また、前記株及び単離株のコートタンパク質の配列は、決定され、したがって、当業者に知られている。CMVの前記コートタンパク質(CP)の配列は、GenBank、www.dpvweb.net、又はwww.ncbi.nlm.nih.gov/protein/などの既知のデータベースに記載されており、そこから検索可能である。例は、欧州特許出願第14189897.3に記載されている。CMVコートタンパク質のさらなる例は、配列番号15〜17に提供されている。これらの株及び単離株が、コートタンパク質のN末端を含む異なるタンパク質ドメインに非常に類似したコートタンパク質配列を有することは注目に値する。特に、全て完全に配列決定されたCMV単離株の98.1%は、それらのコートタンパク質配列の最初の28個のアミノ酸内に85%超の配列同一性を共有し、さらに、全て完全に配列決定されたCMV単離株の79.5%は、それらのコートタンパク質配列の最初の28個のアミノ酸内に90%超の配列同一性を共有している。
典型的かつ好ましくは、本発明に使用されるCMVのコートタンパク質は、発現時に、自己集合によってCMVのウイルス様粒子を形成することができる。好ましくは、本発明に使用されるCMVのコートタンパク質は、大腸菌における発現時に、自己集合によってCMVのウイルス様粒子を形成することができる。
キュウリモザイクウイルス(CMV)の改変されたウイルス様粒子(VLP):本明細書で使用する用語「キュウリモザイクウイルス(CMV)の改変されたウイルス様粒子(VLP)」は、少なくとも1つの改変CMVポリペプチドを含むか、又は好ましくは本質的にそれからなるか、又は好ましくはそれからなるように改変されたものであるCMVのVLPを指し、前記改変CMVポリペプチドは、CMVポリペプチド、及びTヘルパー細胞エピトープを含むか、又は好ましくはそれからなる。典型的かつ好ましくは、前記Tヘルパー細胞エピトープは、(i)前記CMVポリペプチドのN末端と融合するか、(ii)前記CMVポリペプチドのC末端と融合するか、(iii)前記CMVポリペプチドの連続したアミノ酸の領域と置換し、前記CMVポリペプチドの連続したアミノ酸の前記置換領域とTヘルパー細胞エピトープとの間の配列同一性が、少なくとも15%、好ましくは少なくとも20%であるか、又は(iv)前記CMVポリペプチドのN末端領域と置換し、前記CMVポリペプチドの前記置換されたN末端領域は、5〜15個の連続したアミノ酸からなる。好ましくは、前記Tヘルパー細胞エピトープは、前記CMVポリペプチドのN末端領域と置換し、前記CMVポリペプチドの前記置換されたN末端領域は、5〜15個の連続アミノ酸、好ましくは9〜14個の連続アミノ酸、より好ましくは、11〜13個の連続アミノ酸、及び最も好ましくは11、12又は13個の連続アミノ酸からなる。好ましくは、本発明のCMVの前記改変されたVLPは、CMVの組み換え改変されたVLPである。
改変CMVポリペプチド:本明細書で使用する用語「改変CMVポリペプチド」は、本明細書で定義されるように改変されたCMVポリペプチドを指し、前記改変CMVポリペプチドは、CMVポリペプチド及びTヘルパー細胞エピトープを含むか、又は好ましくは、それらからなる。典型的には、改変CMVポリペプチドは、発現時に、自己集合によってCMVのウイルス様粒子を形成することができる。好ましくは、改変CMVポリペプチドは、組換え改変CMVポリペプチドであり、大腸菌における発現時に自己集合によってCMVのウイルス様粒子を形成することができる。
CMVポリペプチドのN末端領域:本明細書で使用する用語「CMVポリペプチドのN末端領域」は、前記CMVポリペプチドのN末端、特に、CMVのコートタンパク質のN末端、又は前記CMVポリペプチドのN末端の領域、又はCMVの前記コートタンパク質のいずれかを指すが、前記CMVポリペプチド又は前記コートタンパク質がN末端メチオニン残基を含む場合、前記CMVポリペプチド又はCMVの前記コートタンパク質のN末端の第2のアミノ酸から始まる。好ましくは、前記CMVポリペプチド又は前記コートタンパク質が、N末端メチオニン残基を含む場合、実用的な観点から、開始コドンコードメチオニンは、通常、削除され、Th細胞エピトープのN末端に付加される。さらに好ましくは、1個、2個又は3個の追加のアミノ酸、好ましくは1個のアミノ酸は、任意に、クローニング目的のために、開始メチオニンとTh細胞エピトープの間に挿入することができる。本明細書で使用する用語「CMVポリペプチド又はCMVコートタンパク質の変異アミノ酸配列のN末端領域」は、前記CMVポリペプチド若しくはCMVの前記コートタンパク質の前記変異アミノ酸配列のN末端、又は前記CMVポリペプチド若しくはCMVの前記コートタンパク質の前記変異アミノ酸配列のN末端領域のいずれかを指すが、前記変異アミノ酸配列がN末端メチオニン残基を含む場合、前記CMVポリペプチド若しくはCMVの前記コートタンパク質の前記変異アミノ酸配列のN末端の2番目のアミノ酸から始まる。好ましくは、前記CMVポリペプチド又は前記コートタンパク質がN末端メチオニン残基を含む場合、実用的な観点から、開始コドンコードメチオニンは、通常、削除され、Th細胞エピトープのN末端に付加される。さらに好ましくは、1個、2個又は3個の追加のアミノ酸、好ましくは、1個のアミノ酸は、任意に、クローニング目的のために、開始メチオニンとTh細胞エピトープの間に挿入することができる。
組換えポリペプチド:本発明の文脈において、用語「組換えポリペプチド」は、組換えDNA技術の少なくとも1工程を含む方法により得られるポリペプチドを指す。典型的かつ好ましくは、組換えポリペプチドは、原核生物発現系で生成される。大腸菌などの原核生物発現系で発現される組換え生成ポリペプチドは、N末端メチオニン残基を含むことができることは、当業者には明らかである。N末端メチオニン残基は、典型的には、組換えポリペプチドの成熟中に、発現宿主における組換えポリペプチドから切断される。しかしながら、N末端メチオニンの切断は、不完全であってもよい。したがって、組換えポリペプチドの調製物は、N末端メチオニン残基の有無にかかわらず、他の点では同一のポリペプチドの混合物を含んでよい。典型的かつ好ましくは、組換えポリペプチドの調製物は、N末端メチオニン残基を有する10%未満、より好ましくは5%未満、及びさらにより好ましくは1%未満の組換えポリペプチドを含む。
組換えCMVポリペプチド:用語「組換えCMVポリペプチド」は、組換えDNA技術の少なくとも1工程を含む方法によって得られる、上記で定義したCMVポリペプチドを指す。典型的かつ好ましくは、組換えCMVポリペプチドの調製物は、N末端メチオニン残基を有する10%未満、より好ましくは5%未満、及びさらにより好ましくは1%未満の組換えCMVポリペプチドを含む。その結果、本発明の組換えウイルス様粒子は、N末端メチオニン残基の有無にかかわらず、他の点では同一の組換えポリペプチドを含んでよい。
組換え改変CMVポリペプチド:用語「組換え改変CMVポリペプチド」は、組換えDNA技術の少なくとも1工程を含む方法によって得られる、上記で定義された改変CMVポリペプチドを指す。典型的かつ好ましくは、組換え改変CMVポリペプチドの調製物は、N末端メチオニン残基を有する10%未満、より好ましくは5%未満、及びさらにより好ましくは1%未満の組み換え改変CMVポリペプチドを含む。その結果、本発明の組換えウイルス様粒子は、N末端メチオニン残基の有無にかかわらず、他の点では同一の組換えポリペプチドを含んでよい。
組換えウイルス様粒子:本発明の文脈において、用語「組換えウイルス様粒子」は、組換えDNA技術の少なくとも1工程を含む方法により得られるウイルス様粒子(VLP)を指す。典型的かつ好ましくは、組換えVLPは、宿主、好ましくは、細菌細胞における組換えウイルスコートタンパク質の発現により得られる。典型的かつ好ましくは、組換えウイルス様粒子は、少なくとも1つの組換えポリペプチド、好ましくは組換えCMVポリペプチド又は組換え改変CMVポリペプチドを含む。最も好ましくは、組換えウイルス様粒子は、組換えCMVポリペプチド又は組換え改変CMVポリペプチドで構成されるか、又はそれからなる。結果として、本発明の文脈において、本発明の組換えVLPの定義が、N末端メチオニン残基を含む特定のアミノ酸配列を参照して行われる場合には、これらの本発明の組換えVLPの範囲は、前記N末端メチオニン残基を含まない前記特定のアミノ酸配列によって形成されるVLPを包含するが、同様に、本明細書に示されているように、典型的には少量ではあるが、前記N末端メチオニンを有する前記特定のアミノ酸配列によって形成されるVLPを包含する。さらに、本発明の組換えVLPの定義が、N末端メチオニン残基を含む特定のアミノ酸配列を参照して行われる場合、依然として前記N末端メチオニン残基を含むアミノ酸配列とN末端メチオニン残基を欠くアミノ酸配列の両方を含むVLPが包含されることは本発明の範囲内である。
変異アミノ酸配列:用語「変異アミノ酸配列」は、変異されるアミノ酸配列に定義されたセットの変異を導入することによって得られるアミノ酸配列を指す。本発明の文脈において、前記変異されるアミノ酸配列は、典型的かつ好ましくは、CMVのコートタンパク質のアミノ酸配列である。したがって、変異アミノ酸配列は、少なくとも1つのアミノ酸残基がCMVのコートタンパク質のアミノ酸配列とは異なり、前記変異アミノ酸配列及び前記変異されるアミノ酸配列は、少なくとも90%の配列同一性を示す。典型的かつ好ましくは、前記変異アミノ酸配列及び前記変異されるアミノ酸配列は、少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%の配列同一性を示す。好ましくは、前記変異アミノ酸配列及び前記変異されるアミノ酸配列は、最大で11、10、9、8、7、6、4、3、2、又は1個のアミノ酸残基が異なり、さらに好ましくは、前記違いは、挿入、欠失及びアミノ酸交換から選択される。好ましくは、該変異アミノ酸配列は、少なくとも1個のアミノ酸がCMVのコートタンパク質のアミノ酸配列と異なり、好ましくは、前記違いはアミノ酸交換である。
…残基に対応する位置:別のアミノ酸配列の所与の残基に対応するアミノ酸配列上の位置は、配列アライメントによって、典型的かつ好ましくはBLASTPアルゴリズムを用いることによって、最も好ましくは、標準的な設定を用いて特定することができる。典型的かつ好ましい標準設定は、期待閾値:10;ワードサイズ:3;クエリ範囲の最大一致:0;マトリックス:BLOSUM62;ギャップコスト:存在11、伸長1;組成調整:条件付き組成スコアマトリックス調整である。
配列同一性:2つの所定のアミノ酸配列の配列同一性は、両方の配列のアラインメントに基づいて決定される。配列同一性の決定のためのアルゴリズムは、当業者に利用可能である。好ましくは、2つのアミノ酸配列の配列同一性は、「BLAST」プログラム(http://blast.ncbi.nlm.nih.gov/Blast.cgi)又は「CLUSTALW」(http://www.genome.jp/tools/clustalw/)などの公に利用可能なコンピューター相同性プログラムを用いて、かつ本明細書では、好ましくは、http://blast.ncbi.nlm.nih.gov/Blast.cgi)のNCBIのホームページ上で提供される「BLAST」プログラムにより、その中で設けられたデフォルト設定を使用して決定される。典型的かつ好ましい標準設定は、期待閾値:10;ワードサイズ:3;クエリ範囲の最大一致:0;マトリックス:BLOSUM62;ギャップコスト:存在11、伸長1;組成調整:条件付き組成スコアマトリックス調整である。
アミノ酸交換:用語アミノ酸交換は、異なる化学構造を有する任意の他のアミノ酸残基による、好ましくは、別のタンパク質を構成するアミノ酸残基による、アミノ酸配列中の所定のアミノ酸残基の交換を指す。したがって、アミノ酸の挿入又は欠失とは対照的に、アミノ酸交換では、前記アミノ酸配列のアミノ酸の総数は変化しない。前記変異されるアミノ酸配列のアミノ酸残基とリジン残基又はシステイン残基との交換が、本発明の文脈において非常に好ましい。
エピトープ:用語エピトープは、抗原、好ましくはポリペプチドの連続又は不連続部分を指し、前記部分は、抗体によって、又はMHC分子の文脈中ではT細胞受容体によって特異的に結合させることができる。抗体に関しては、特異的結合は、非特異的結合を排除するが、必ずしも交差反応性を排除するものではない。エピトープは、典型的には、抗原部位に固有の空間的立体構造に5〜20個のアミノ酸を含む。
Tヘルパー(Th)細胞エピトープ:本明細書で使用する用語「Tヘルパー(Th)細胞エピトープ」は、ヘルパーTh細胞によって認識することが可能であるエピトープを指す。別の好ましい実施形態において、前記Tヘルパー細胞エピトープは、ユニバーサルTヘルパー細胞エピトープである。
ユニバーサルTh細胞エピトープ:本明細書で使用する用語「ユニバーサルTh細胞エピトープ」は、少なくとも1つ、好ましくは2以上のMHCクラスII分子に結合することができるTh細胞エピトープを指す。ペプチド配列が、ユニバーサルTh細胞エピトープであるかどうかを判断する最も簡単な方法は、個々のMHCクラスII分子に結合するペプチドの能力を測定することである。これは、MHCクラスII分子への公知のTh細胞エピトープペプチドの結合と競合するペプチドの能力によって測定することができる。HLA−DR分子の代表的な選択は、例えば、Alexander Jら,Immunity(1994)1:751−761に記載されている。MHCクラスII分子に対するTh細胞エピトープの親和性は、少なくとも10−5Mであるべきである。Th細胞エピトープの「普遍性」を決定する別のより面倒ではなく、より関連性の高い方法により、大部分の人々(>30%)において、免疫化及びIFAに製剤化されたTh細胞エピトープを含有するタンパク質による1ヶ月後の追加免疫の際に、測定可能なT細胞応答が生じることが実証されている。異なる個体中に存在するMHCクラスII分子の代表的なコレクションは、Panina−Bordignon Pら,Eur J Immunol(1989)19:2237−2242の中で与えられている。結果として、本明細書で使用する用語「ユニバーサルTh細胞エピトープ」は、好ましくは、Panina−Bordignon Pら,Eur J Immunol(1989)19:2237−2242に記載のように、選択された個体のグループの30%超において、免疫化及び(IFAに製剤化されたTh細胞エピトープを含有するタンパク質による1ヶ月後の)追加免疫の際に測定可能なT細胞応答をもたらすTh細胞エピトープを指す。また、及び再びさらに好ましくは、本明細書で使用する用語「ユニバーサルTh細胞エピトープ」は、DR1、DR2w2b、DR3、DR4w4、DR4w14、DR5、DR7、DR52a、DRw53、DR2w2aから選択され、かつ好ましくは、DR1、DR2w2b、DR4w4、DR4w14、DR5、DR7、DRw53、DR2w2aから選択される少なくとも1つ、好ましくは少なくとも2つ、さらにより好ましくは少なくとも3つのDR対立遺伝子に、少なくとも500nMの親和性で結合することができるTh細胞エピトープを好ましくは指し(Alexander Jら,Immunity(1994)1:751−761及び本明細書で引用される参考文献に記載のように)、前記親和性を評価するための好ましい結合アッセイは、Sette Aら,J Immunol(1989)142:35−40に記載のものである。さらに再びより好ましい方法では、本明細書で使用する用語「ユニバーサルTh細胞エピトープ」は、DR1、DR2w2b、DR4w4、DR4w14、DR5、DR7、DRw53、DR2w2aから選択される少なくとも1つ、好ましくは少なくとも2つ、及びさらにより好ましくは少なくとも3つのDR対立遺伝子に、少なくとも500nMの親和性で結合することができるTh細胞エピトープを指し(Alexander Jら,Immunity(1994)1:751−761及び本明細書で引用される参考文献に記載のように)、前記親和性を評価するための好ましい結合アッセイは、Sette Aら,J Immunol(1989)142:35−40に記載のものである。
ユニバーサルTh細胞エピトープは、Alexander Jら,Immunity(1994)1:751−761,Panina−Bordignon Pら,Eur J Immunol(1989)19:2237−2242,Calvo−Calle JMら,J Immunol(1997)159:1362−1373、及びValmori Dら,J Immunol(1992)149:717−721などによって記載されており、当業者に公知である。
アジュバント:本明細書で使用する用語「アジュバント」は、宿主において免疫応答の非特異的刺激因子又はデポーが生じるのを可能にする物質を指し、本発明のワクチン及び医薬組成物のそれぞれと組み合わせた時に、さらに増強された免疫応答を提供することができる。好ましいアジュバントは、完全及び不完全フロイントアジュバント、アルミニウム含有アジュバント、好ましくは水酸化アルミニウム、及び改変ムラミルジペプチドである。さらに好ましいアジュバントは、水酸化アルミニウムなどのミネラルゲル、リゾレシチンなどの界面活性物質、プルロニックポリオール、ポリアニオン、ペプチド、油乳剤、キーホールリンペットヘモシアニン、ジニトロフェノール、並びにBCG(カルメット・ゲラン桿菌)及びコリネバクテリウムパルブムなどのヒトアジュバントである。そのようなアジュバントも当技術分野で知られている。本発明の組成物と共に投与され得るさらなるアジュバントには、モノホスホリル脂質免疫調節物質、AdjuVax 100a、QS−21、QS−18、CRL1005、アルミニウム塩(ミョウバン)、MF−59、OM−174、OM−197、OM−294、及びビロソームアジュバント技術が含まれるが、これらに限定されない。アジュバントはまた、これらの物質の混合物を含んでよい。ウイルス様粒子は、一般的にアジュバントとして記載されている。しかし、本出願の文脈内で使用する用語「アジュバント」は、本発明のウイルス様粒子ではないアジュバントを指す。むしろ、「アジュバント」は、本発明の組成物、ワクチン組成物又は医薬組成物の追加の別個の成分に関連する。
有効量:本明細書で使用する用語「有効量」は、所望の生物学的効果を実現するのに必要又は十分な量を指す。組成物の有効量、あるいは医薬組成物は、この選択された結果を達成する量であり、そのような量は当業者によって日常的な事柄として決定することができる。好ましくは、本明細書で使用する用語「有効量」は、少なくとも1つのIBHパラメータ又は症状を低減するのに有効である必要又は十分な量を指し、好ましくは前記少なくとも1つのIBHパラメータ又は症状が、皮膚病変レベル又は重症度グレードであり、さらに好ましくは、前記皮膚病変レベル又は重症度グレードの前記低下は、症状病変スコアリング試験によって決定される。有効量は、投与される特定の組成物及び対象のサイズに応じて変化し得る。当業者は、過度の実験を必要とせずに、本発明の特定の組成物の有効量を経験的に決定することができる。
治療:本明細書で使用する用語「治療」、「治療する」、「治療される」又は「治療すること」は、予防及び/又は療法を指す。一実施形態において、用語「治療」、「治療する」、「治療される」又は「治療すること」は、治療的処置を指す。別の実施形態において、用語「治療」、「治療する」、「治療される」又は「治療すること」は、予防的処置を指す。
第1の付着部位:本明細書で使用する語句「第1の付着部位」は、ウイルス様粒子と共に天然に生じるか、又はウイルス様粒子に人工的に付加され、かつ第2の付着部位が結合することができる要素を指す。第1の付着部位は、好ましくは、タンパク質、ポリペプチド、アミノ酸、ペプチド、糖、ポリヌクレオチド、天然又は合成ポリマー、二次代謝産物又は化合物(ビオチン、フルオレセイン、レチノール、ジゴキシゲニン、金属イオン、フェニルメチルスルホニルフルオリド)、又はアミノ基、カルボキシル基、スルフヒドリル基、ヒドロキシル基、グアニジニル基、ヒスチジニル基、若しくはこれらの組み合わせなどの化学反応基である。第1の付着部位である化学反応基の好ましい実施形態は、アミノ酸残基、好ましくはリジン残基のアミノ基である。第1の付着部位は、典型的には、表面上、好ましくはVLPの外表面上に位置する。複数の第1の付着部位が、表面上、好ましくはVLPの外表面上、典型的には反復形状で存在する。好ましい実施形態において、第1の付着部位は、少なくとも1つの共有結合を介して、好ましくは少なくとも1つのペプチド結合を介してVLPと結合する。さらに好ましい実施形態において、第1の付着部位は、VLPと共に天然に存在する。あるいは、好ましい実施形態において、第1の付着部位は、人工的にVLPに付加される。非常に好ましい実施形態において、前記第1の付着部位は、前記VLPポリペプチドのアミノ酸配列のリジン残基のアミノ基である。
第2の付着部位:本明細書で使用する語句「第2の付着部位」は、抗原と共に天然に生じるか、又は抗原に人工的に付加され、かつ第1の付着部位が結合することができる要素を指す。好ましくは、抗原の第2の付着部位は、タンパク質、ポリペプチド、ペプチド、アミノ酸、糖、ポリヌクレオチド、天然又は合成ポリマー、二次代謝産物又は化合物(ビオチン、フルオレセイン、レチノール、ジゴキシゲニン、金属イオン、フェニルメチルスルホニルフルオリド)、又はアミノ基、カルボキシル基、スルフヒドリル基、ヒドロキシル基、グアニジニル基、ヒスチジニル基、若しくはこれらの組み合わせなどの化学反応基である。第2の付着部位である化学反応基の好ましい実施形態は、スルフヒドリル基、好ましくは、アミノ酸システインのスルフヒドリル基、最も好ましくは、システイン残基のスルフヒドリル基である。用語「少なくとも1つの第2の付着部位を有する抗原」は、したがって、抗原及び少なくとも1つの第2の付着部位を含む構築物を指す。しかしながら、特に、抗原内に天然に存在しない第2の付着部位については、そのような構築物は、典型的かつ好ましくは、さらに「リンカー」を含む。別の好ましい実施形態において、第2の付着部位は、少なくとも1つの共有結合を介して、好ましくは少なくとも1つのペプチド結合を介して抗原と結合する。さらなる実施形態において、第2の付着部位は、抗原内に天然に存在する。別のさらに好ましい実施形態において、第2の付着部位は、リンカーを介して抗原に人工的に付加され、前記リンカーはシステインを含むか、あるいはシステインからなる。好ましくは、該リンカーは、ペプチド結合によって抗原に融合される。
結合する:本明細書で使用する用語「結合する」又は「結合」は、少なくとも1つの第1の付着部位及び少なくとも1つの第2の付着部位が互いに結合することによる全ての可能な方法、好ましくは化学的相互作用を指す。化学的相互作用は、共有結合性及び非共有結合性相互作用を含む。非共有結合性相互作用の典型例は、イオン相互作用、疎水性相互作用又は水素結合であるが、共有結合性相互作用は、例えば、エステル、エーテル、リン酸エステル、炭素−リン結合、チオエーテルなどの炭素−硫黄結合又はイミド結合などの共有結合に基づく。特定の好ましい実施形態において、第1の付着部位及び第2の付着部位は、少なくとも1つの共有結合を介して、好ましくは少なくとも1つの非ペプチド結合を介して、さらにより好ましくは排他的に非ペプチド結合(複数可)を介して結合する。本明細書で使用する用語「結合する」は、しかしながら、少なくとも1つの第1の付着部位と少なくとも1つの第2の付着部位の直接的な結合を指すだけでなく、代替的かつ好ましくは、中間体分子(複数可)を介して、典型的かつ好ましくは、本明細書では、少なくとも1つの、好ましくは、1つのヘテロ二官能性架橋剤を使用することによる、少なくとも1つの第1の付着部位と少なくとも1つの第2の付着部位の間接的な結合も指す。他の好ましい実施形態において、第1の付着部位と第2の付着部位は、少なくとも1つの共有結合を介して、好ましくは少なくとも1つのペプチド結合を介して、さらにより好ましくは排他的にペプチド結合(複数可)を介して結合する。
リンカー:本明細書で使用する「リンカー」は、抗原と第2の付着部位を結合するか、又は既に第2の付着部位を含むか、本質的にそれからなる、若しくはそれからなる。好ましくは、本明細書で使用する「リンカー」は、既に第2の付着部位を、典型的かつ好ましくは、必ずしもそうではないが、1個のアミノ酸残基として、好ましくはシステイン残基として含む。好ましいリンカーは、アミノ酸リンカー、すなわち、少なくとも1個のアミノ酸残基を含有するリンカーである。用語アミノ酸リンカーは、そのようなリンカーがもっぱらアミノ酸残基からなることを意味するものではない。しかしながら、もっぱらアミノ酸残基からなるリンカーは、本発明の好ましい実施形態である。リンカーのアミノ酸残基は、好ましくは、天然に存在するアミノ酸又は当技術分野で公知の非天然アミノ酸、全てL又は全てD又はそれらの混合物で構成されている。本発明によるリンカーのさらなる好ましい実施形態は、スルフヒドリル基又はシステイン残基を含む分子であり、したがって、そのような分子も本発明に包含される。抗原とリンカーの結合は、好ましくは、少なくとも1つの共有結合により、より好ましくは少なくとも1つのペプチド結合によるものである。
馬科の哺乳動物:本明細書で使用する「馬科の哺乳動物」は、馬、ポニー、ロバ(ass)(ロバ(donkey))、及びシマ馬を含む馬科に含まれる哺乳動物である。好ましくは、本明細書で使用する用語「馬科の哺乳動物」は、馬、ポニー、ロバ(ass)(ロバ(donkey))、及びシマ馬を指す。再びより好ましくは、本明細書で使用する用語「馬科の哺乳動物」は馬を指す。
したがって、第1の態様において、本発明は、(a)少なくとも1つの第1の付着部位を有するコア粒子;及び(b)少なくとも1つの第2の付着部位を有する少なくとも1つの抗原を含む組成物を提供し、前記少なくとも1つの抗原が、(i)配列番号1から選択されるアミノ酸配列を有するタンパク質、若しくは配列番号1と少なくとも90%、好ましくは少なくとも92%、さらに好ましくは少なくとも95%、及び再びさらに好ましくは少なくとも98%のアミノ酸配列同一性のアミノ酸配列を有するタンパク質を含むか、又は好ましくはそのようなタンパク質である馬科のインターロイキン−5抗原(eIL−5抗原)であるか;又は(ii)配列番号6から選択されるアミノ酸配列を有するタンパク質、若しくは配列番号6と少なくとも90%、好ましくは少なくとも92%、さらに好ましくは少なくとも95%、及び再びさらに好ましくは少なくとも98%のアミノ酸配列同一性のアミノ酸配列を有するタンパク質を含むか、又は好ましくはそのようなタンパク質である馬科のエオタキシン抗原(eエオタキシン抗原)であるか;(iii)配列番号12から選択されるアミノ酸配列を有するタンパク質、若しくは配列番号12と少なくとも90%、好ましくは少なくとも92%、さらに好ましくは少なくとも95%、及び再びさらに好ましくは少なくとも98%のアミノ酸配列同一性のアミノ酸配列を有するタンパク質を含むか、又は好ましくはそのようなタンパク質である馬科のインターロイキン−31抗原(eIL−31抗原)であり;
(a)及び(b)は、少なくとも1つの非ペプチド共有結合により前記少なくとも1つの第1の付着部位及び前記少なくとも1つの第2の付着部位を介して結合している。
一実施形態において、前記少なくとも1つの抗原は、馬科のインターロイキン−5抗原(eIL−5抗原)であり、前記eIL−5抗原は、配列番号1から選択されるアミノ酸配列を有するタンパク質、若しくは配列番号1と少なくとも90%、好ましくは少なくとも92%、さらに好ましくは少なくとも95%、及び再びさらに好ましくは少なくとも98%のアミノ酸配列同一性のアミノ酸配列を有するタンパク質を含むか、又は好ましくはそのようなタンパク質である。本発明の再び非常に好ましい実施形態において、前記少なくとも1つの抗原は、馬科のインターロイキン−5抗原(eIL−5抗原)であり、前記eIL−5抗原は、配列番号1から選択されるアミノ酸配列を有するタンパク質、若しくは配列番号1と少なくとも95%、及び好ましくは少なくとも98%のアミノ酸配列同一性のアミノ酸配列を有するタンパク質を含むか、又は好ましくはそのようなタンパク質である。本発明の再び非常に好ましい実施形態において、前記少なくとも1つの抗原は、馬科のインターロイキン−5抗原(eIL−5抗原)であり、前記eIL−5抗原は、配列番号1から選択されるアミノ酸配列を有するタンパク質、若しくは配列番号1と少なくとも98%のアミノ酸配列同一性のアミノ酸配列を有するタンパク質を含むか、又は好ましくはそのようなタンパク質である。
好ましい実施形態において、前記少なくとも1つの抗原は、馬科のインターロイキン−5抗原(eIL−5抗原)であり、前記eIL−5抗原は、配列番号1、配列番号2、配列番号5、配列番号35、配列番号36、配列番号37及び配列番号38から選択されるアミノ酸配列を有するタンパク質を含むか、又は好ましくはそのようなタンパク質である。さらに好ましい実施形態において、前記少なくとも1つの抗原は、馬科のインターロイキン−5抗原(eIL−5抗原)であり、前記eIL−5抗原は、配列番号1、配列番号2及び配列番号5から選択されるアミノ酸配列を有するタンパク質を含むか、又は好ましくはそのようなタンパク質である。さらに好ましい実施形態において、前記少なくとも1つの抗原は、馬科のインターロイキン−5抗原(eIL−5抗原)であり、前記eIL−5抗原は、配列番号35、配列番号36及び配列番号38から選択されるアミノ酸配列を有するタンパク質を含むか、又は好ましくはそのようなタンパク質である。さらに好ましい実施形態において、前記少なくとも1つの抗原は、馬科のインターロイキン−5抗原(eIL−5抗原)であり、前記eIL−5抗原は、配列番号1のアミノ酸配列を有するタンパク質を含むか、又は好ましくはそのようなタンパク質である。さらなる好ましい実施形態において、前記少なくとも1つの抗原は、馬科のインターロイキン−5抗原(eIL−5抗原)であり、前記eIL−5抗原は、配列番号2のアミノ酸配列を有するタンパク質を含むか、又は好ましくはそのようなタンパク質である。さらに好ましい実施形態において、前記少なくとも1つの抗原は、馬科のインターロイキン−5抗原(eIL−5抗原)であり、前記eIL−5抗原は、配列番号5のアミノ酸配列を有するタンパク質を含むか、又は好ましくはそのようなタンパク質である。さらに好ましい実施形態において、前記少なくとも1つの抗原は、馬科のインターロイキン−5抗原(eIL−5抗原)であり、前記eIL−5抗原は、配列番号35のアミノ酸配列を有するタンパク質を含むか、又は好ましくはそのようなタンパク質である。非常にさらに好ましい実施形態において、前記少なくとも1つの抗原は、馬科のインターロイキン−5抗原(eIL−5抗原)であり、前記eIL−5抗原は、配列番号36のアミノ酸配列を有するタンパク質を含むか、又は好ましくはそのようなタンパク質である。さらに好ましい実施形態において、前記少なくとも1つの抗原は、馬科のインターロイキン−5抗原(eIL−5抗原)であり、前記eIL−5抗原は、配列番号37のアミノ酸配列を有するタンパク質を含むか、又は好ましくはそのようなタンパク質である。さらに非常に好ましい実施形態において、前記少なくとも1つの抗原は、馬科のインターロイキン−5抗原(eIL−5抗原)であり、前記eIL−5抗原は、配列番号38のアミノ酸配列を有するタンパク質を含むか、又は好ましくはそのようなタンパク質である。
一実施形態において、前記少なくとも1つの抗原は、馬科のエオタキシン抗原(eエオタキシン抗原)であり、前記eエオタキシン抗原は、配列番号6から選択されるアミノ酸配列を有するタンパク質、若しくは配列番号6と少なくとも90%、好ましくは少なくとも92%、さらに好ましくは少なくとも95%、及び再びさらに好ましくは少なくとも98%のアミノ酸配列同一性のアミノ酸配列を有するタンパク質を含むか、又は好ましくはそのようなタンパク質である。
好ましい実施形態において、前記少なくとも1つの抗原は、馬科のエオタキシン抗原(eエオタキシン抗原)であり、前記eエオタキシン抗原は、配列番号6、配列番号7、配列番号10、配列番号39、配列番号40、配列番号41及び配列番号42から選択されるアミノ酸配列を有するタンパク質を含むか、又は好ましくはそのようなタンパク質である。さらに好ましい実施形態において、前記少なくとも1つの抗原は、馬科のエオタキシン抗原(eエオタキシン抗原)であり、前記eエオタキシン抗原は、配列番号6、配列番号7及び配列番号10から選択されるアミノ酸配列を有するタンパク質を含むか、又は好ましくはそのようなタンパク質である。
一実施形態において、前記少なくとも1つの抗原は、馬科のインターロイキン−31抗原(eIL−31抗原)であり、前記eIL−31抗原は、配列番号12から選択されるアミノ酸配列を有するタンパク質、若しくは配列番号12と少なくとも90%、好ましくは少なくとも92%、さらに好ましくは少なくとも95%、及び再びさらに好ましくは少なくとも98%のアミノ酸配列同一性のアミノ酸配列を有するタンパク質を含むか、又は好ましくはそのようなタンパク質である。
好ましい実施形態において、前記少なくとも1つの抗原は、馬科のインターロイキン−31抗原(eIL−31抗原)であり、前記eIL−31抗原は、配列番号12、配列番号14、配列番号43、配列番号44、配列番号45、配列番号46から選択されるアミノ酸配列を有するタンパク質を含むか、又は好ましくはそのようなタンパク質である。さらに好ましい実施形態において、前記少なくとも1つの抗原は、馬科のインターロイキン−31抗原(eIL−31抗原)であり、前記eIL−31抗原は、配列番号12及び配列番号14から選択されるアミノ酸配列を有するタンパク質を含むか、又は好ましくはそのようなタンパク質である。
さらに好ましい実施形態において、前記コア粒子は、ウイルス様粒子(VLP)、好ましくは組換えVLPである。再びさらに好ましい実施形態において、前記VLPは、植物ウイルス又はバクテリオファージに由来し、好ましくは、前記バクテリオファージはRNAバクテリオファージである。
したがって、さらに好ましい実施形態において、前記コア粒子は、ウイルス様粒子(VLP)であり、前記VLPはRNAバクテリオファージに由来する。
本発明のコア粒子としてRNAバクテリオファージの組換えVLPがさらに好ましい。さらに好ましい実施形態において、前記VLPは、RNAバクテリオファージの組換えコートタンパク質を含むか、本質的にそれからなるか、あるいはそれからなり、好ましくは、前記VLPは、RNAバクテリオファージQβ又はRNAバクテリオファージAP205の組換えコートタンパク質を含むか、本質的にそれからなるか、あるいはそれからなり、さらに好ましくは、前記VLPは、RNAバクテリオファージQβの組換えコートタンパク質を含むか、本質的にそれからなるか、あるいはそれからなる。
さらに好ましい実施形態において、前記VLPは、(a)配列番号31;(b)配列番号31と配列番号32の混合物:又は(c)配列番号33から選択されるアミノ酸配列を含むか、又は好ましくはそれらからなる組換えコートタンパク質を含むか、本質的にそれからなるか、あるいはそれからなる。非常にさらに好ましい実施形態において、前記VLPは、RNAバクテリオファージQβのVLPである。さらに好ましい実施形態において、前記VLPは、RNAバクテリオファージQβの組換えコートタンパク質を含むか、本質的にそれからなるか、あるいはそれからなる。再びさらに好ましい実施形態において、前記VLPは、配列番号31を含むか、又は好ましくはそれからなる組換えコートタンパク質を含むか、本質的にそれからなるか、あるいはそれからなる。
別の好ましい実施形態において、前記コア粒子はウイルス様粒子(VLP)であり、前記VLPはRNAバクテリオファージQβのVLPであり、前記VLPは、RNAバクテリオファージQβの組換えコートタンパク質を含むか、本質的にそれからなるか、あるいはそれからなり、前記組換えコートタンパク質は、配列番号31を含むか、又は好ましくはそれからなる。
一実施形態において、前記VLPは、RNAバクテリオファージのVLPではなく、好ましくは、前記VLPは、RNAバクテリオファージの組換えVLPではない。一実施形態において、前記ウイルス様粒子は、RNAバクテリオファージQβのウイルス様粒子ではない。
さらに好ましい実施形態において、前記コア粒子は、ウイルス様粒子(VLP)であり、前記VLPは、植物ウイルスに由来する。別の好ましい実施形態において、前記VLPは組換えVLPであり、好ましくは前記組換えVLPは、植物ウイルスに由来する。別の好ましい実施形態において、前記VLPは、キュウリモザイクウイルス(CMV)のVLPである。
好ましい実施形態において、前記VLPは、少なくとも1つの改変VLPポリペプチドを含むか、本質的にそれからなるか、あるいはそれからなる改変VLPであり、前記改変VLPポリペプチドが、(a)VLPポリペプチド及び(b)Tヘルパー細胞エピトープを含むか、又は好ましくはそれからなり、前記VLPポリペプチドが、(i)ウイルスのコートタンパク質のアミノ酸配列、好ましくは、植物ウイルスのコートタンパク質のアミノ酸配列、若しくは(ii)変異アミノ酸配列を含むか、又は好ましくはそれからなり、変異されるアミノ酸配列は、ウイルスの前記コートタンパク質のアミノ酸配列であり、前記変異アミノ酸配列及びウイルスの前記コートタンパク質は、少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、さらに好ましくは少なくとも98%及び再びより好ましくは少なくとも99%の配列同一性を示す。
好ましい実施形態において、前記VLPは、キュウリモザイクウイルス(CMV)の改変VLPであり、CMVの前記改変VLPは、少なくとも1つの改変CMVポリペプチドを含むか、本質的にそれからなるか、あるいはそれからなり、前記改変CMVポリペプチドは、(a)CMVポリペプチド、及び(b)Tヘルパー細胞エピトープを含むか、又は好ましくはそれらからなり、前記CMVポリペプチドは、(i)CMVのコートタンパク質のアミノ酸配列;又は(ii)変異アミノ酸配列を含むか、又は好ましくはそれからなり、変異されるアミノ酸配列は、CMVのコートタンパク質のアミノ酸配列であり、前記変異アミノ酸配列及びCMVの前記コートタンパク質は、少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、さらに好ましくは少なくとも98%、再びより好ましくは少なくとも99%の配列同一性を示す。
好ましい実施形態において、前記CMVポリペプチドは、CMVのコートタンパク質のアミノ酸配列を含み、好ましくはそれからなる。別の好ましい実施形態において、前記CMVポリペプチドは、変異アミノ酸配列を含み、好ましくはそれからなり、変異されるアミノ酸配列は、CMVのコートタンパク質のアミノ酸配列であり、前記変異アミノ酸配列及びCMVの前記コートタンパク質は、少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、さらに好ましくは少なくとも98%及び再びより好ましくは少なくとも99%の配列同一性を示す。典型的かつ好ましくは、前記変異アミノ酸配列及び前記変異されるアミノ酸配列は、少なくとも1個、最大で11、10、9、8、7、6、5、4、3、又は2個のアミノ酸残基が異なり、好ましくは、これらの違いは、(i)挿入、(ii)欠失、(iii)アミノ酸交換、及び(iv)(i)〜(iii)の任意の組み合わせから選択される。
別の好ましい実施形態において、前記CMVポリペプチドは、(i)(a)配列番号15を含むか、若しくは好ましくはそれからなるCMVのコートタンパク質のアミノ酸配列、又は(b)配列番号15と少なくとも75%、好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも85%、再びさらに好ましくは少なくとも90%、再びより好ましくは少なくとも95%、さらに好ましくは少なくとも98%、再びさらにより好ましくは少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列;又は(ii)前記変異されるアミノ酸配列が、この項の(i)で定義されるような前記アミノ酸配列であり、前記変異アミノ酸配列及び前記変異されるアミノ酸配列は、少なくとも95%、好ましくは少なくとも98%、及びより好ましくは少なくとも99%の配列同一性を示す変異アミノ酸配列を含むか、又は好ましくはそれらからなる。
別の好ましい実施形態において、前記CMVポリペプチドは、(a)配列番号15を含むか、若しくは好ましくはそれからなるCMVのコートタンパク質のアミノ酸配列、又は(b)配列番号15と少なくとも75%、好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも85%、再びさらに好ましくは少なくとも90%、再びより好ましくは少なくとも95%、さらに好ましくは少なくとも98%、再びさらにより好ましくは少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むか、又は好ましくはそれからなる。
別の好ましい実施形態において、前記CMVポリペプチドは、(i)(a)配列番号34を含むCMVのコートタンパク質のアミノ酸配列、又は(b)配列番号34と少なくとも75%、好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも85%、再びさらに好ましくは少なくとも90%、再びより好ましくは少なくとも95%、さらに好ましくは少なくとも98%、再びさらにより好ましくは少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列領域を含むCMVのコートタンパク質のアミノ酸配列;又は(ii)前記変異されるアミノ酸配列が、この項の(i)で定義されるような前記アミノ酸配列であり、前記変異アミノ酸配列及び前記変異されるアミノ酸配列は、少なくとも95%、好ましくは少なくとも98%、及びより好ましくは少なくとも99%の配列同一性を示す変異アミノ酸配列を含むか、又は好ましくはそれらからなる。
さらに好ましい実施形態において、前記CMVポリペプチドは、(a)配列番号34を含むCMVのコートタンパク質のアミノ酸配列、又は(b)配列番号34と少なくとも75%、好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも85%、再びさらに好ましくは少なくとも90%、再びより好ましくは少なくとも95%、さらに好ましくは少なくとも98%及び再びさらにより好ましくは少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列領域を含むCMVのコートタンパク質のアミノ酸配列を含むか、又は好ましくはそれからなる。
別の好ましい実施形態において、前記CMVポリペプチドは、(i)(a)配列番号15を含むか、若しくは好ましくはそれからなるCMVのコートタンパク質のアミノ酸配列、又は(b)配列番号15と少なくとも75%、好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも85%、再びさらに好ましくは少なくとも90%、再びより好ましくは少なくとも95%、さらに好ましくは少なくとも98%及び再びさらにより好ましくは少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列(この項の(a)又は(b)で定義されるような前記アミノ酸配列は配列番号34を含むか、又は(a)又は(b)で定義されるような前記アミノ酸配列は、配列番号34と少なくとも75%、好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも85%、再びさらに好ましくは少なくとも90%、再びより好ましくは少なくとも95%、さらに好ましくは少なくとも98%及び再びさらにより好ましくは少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列領域を含む);又は(ii)前記変異されるアミノ酸配列が、この項の(i)で定義されるような前記アミノ酸配列であり、前記変異アミノ酸配列及び前記変異されるアミノ酸配列は、少なくとも98%、好ましくは少なくとも99%の配列同一性を示す変異アミノ酸配列を含むか、又は好ましくはそれらからなる。
別の好ましい実施形態において、前記CMVポリペプチドは、(a)配列番号15を含むか、若しくは好ましくはそれからなるCMVのコートタンパク質のアミノ酸配列、又は(b)配列番号15と少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列(この項の(a)又は(b)で定義されるような前記アミノ酸配列は配列番号34を含むか、若しくは(a)又は(b)で定義されるような前記アミノ酸配列は、配列番号34と少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列領域を含む)を含むか、又は好ましくはそれからなる。
別の好ましい実施形態において、前記Tヘルパー細胞エピトープは、前記CMVポリペプチドのN末端領域を置換する。別の好ましい実施形態において、前記置換されるN末端領域のアミノ酸の数は、前記Tヘルパー細胞エピトープがなるアミノ酸の数と等しいか、又はそれより少ない。
さらに非常に好ましい実施形態において、前記Tヘルパー細胞エピトープは、前記CMVポリペプチドのN末端領域を置換し、前記置換されるN末端領域のアミノ酸の数は、前記Tヘルパー細胞エピトープがなるアミノ酸の数と等しいか、又はそれより少ない。典型的かつ好ましくは、前記CMVポリペプチドの前記置換されるN末端領域は、5〜15個の連続アミノ酸、好ましくは9〜14個の連続アミノ酸、より好ましくは11〜13個の連続アミノ酸からなる。
さらに非常に好ましい実施形態において、前記CMVポリペプチドの前記N末端領域は、配列番号15のアミノ酸2〜12に対応する。
別の非常に好ましい実施形態において、前記Tヘルパー細胞エピトープは、ユニバーサルTヘルパー細胞エピトープである。別の好ましい実施形態において、前記Tヘルパー細胞エピトープは、最大で20個のアミノ酸からなる。
非常に好ましい実施形態において、前記Th細胞エピトープは、PADRE配列である。さらに非常に好ましい実施形態において、前記Th細胞エピトープは、配列番号19のアミノ酸配列を含み、好ましくはそれからなる。別の非常に好ましい実施形態において、前記Th細胞エピトープは、PADRE配列であり、前記Th細胞エピトープは、配列番号19のアミノ酸配列を含み、好ましくはそれからなる。
別の好ましい実施形態において、前記Tヘルパー細胞エピトープは、ヒトワクチンに由来する。非常に好ましい実施形態において、前記Th細胞エピトープは、破傷風毒素に由来する。さらに非常に好ましい実施形態において、前記Th細胞エピトープは、配列番号18のアミノ酸配列を有し、好ましくはそれからなる。別の非常に好ましい実施形態において、前記Th細胞エピトープは、破傷風毒素に由来し、前記Th細胞エピトープは、配列番号18のアミノ酸配列を有し、好ましくはそれからなる。
非常に好ましい実施形態において、前記Th細胞エピトープは、PADRE配列であり、前記Th細胞エピトープは、配列番号19のアミノ酸配列を含み、好ましくはそれからなるか、又は前記Th細胞エピトープは、破傷風毒素に由来し、前記Th細胞エピトープは、配列番号18のアミノ酸配列を有し、好ましくはそれからなる。
非常に好ましい実施形態において、前記CMVポリペプチドは、CMVのコートタンパク質のアミノ酸配列を含むか、又は好ましくはそれからなり、前記アミノ酸配列は、配列番号15若しくは配列番号15と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むか、又は好ましくはそれからなり、前記アミノ酸配列は配列番号34を含み、前記Tヘルパー細胞エピトープは、前記CMVポリペプチドのN末端領域を置換し、前記CMVポリペプチドの前記置換されたN末端領域は、11〜13個の連続したアミノ酸、好ましくは11個の連続したアミノ酸からなり、さらに好ましくは、前記CMVポリペプチドの前記N末端領域は、配列番号15のアミノ酸2〜12に対応する。
別の非常に好ましい実施形態において、前記改変CMVポリペプチドは、配列番号20のアミノ酸配列を含み、好ましくはそれからなる。別の非常に好ましい実施形態において、前記改変CMVポリペプチドは、配列番号21のアミノ酸配列を含み、好ましくはそれからなる。
非常に好ましい実施形態において、前記第1の付着部位及び前記第2の付着部位は、少なくとも1つの共有の非ペプチド結合を介して結合する。別の非常に好ましい実施形態において、前記第1の付着部位は、アミノ基、好ましくは、リジンのアミノ基を含むか、又は好ましくはそのようなアミノ基である。さらに非常に好ましい実施形態において、前記第2の付着部位は、スルフヒドリル基、好ましくはシステインのスルフヒドリル基を含むか、又は好ましくはそのようなスルフヒドリル基である。
非常に好ましい実施形態において、少なくとも1つの第1の付着部位は、アミノ基、好ましくはリジン残基のアミノ基であり、少なくとも1つの第2の付着部位は、スルフヒドリル基、好ましくはシステイン残基のスルフヒドリル基、又は本発明の少なくとも1つの抗原に化学的に結合されているスルフヒドリル基である。さらに好ましい実施形態において、前記第2の付着部位のうちの1つのみが、少なくとも1つの非ペプチド共有結合を介して前記第1の付着部位と結合すると、前記改変されたウイルス様粒子への前記抗原の結合の単一かつ均一な形をもたらし、前記第1の付着部位と結合する前記1つのみの第2の付着部位がスルフヒドリル基であり、前記抗原及び前記改変ウイルス様粒子は、前記結合を介して相互作用し、規則的で反復性の抗原アレイを形成する。
本発明の好ましい一実施形態において、該抗原は、化学的架橋により、典型的かつ好ましくは、ヘテロ二官能性架橋剤を用いて改変VLPに結合する。好ましい実施形態において、該ヘテロ二官能性架橋剤は、改変VLPの好ましい第1の付着部位と、好ましくはアミノ基と、より好ましく、リジン残基(複数可)のアミノ基と反応することができる官能基を含有し、好ましい第2の付着部位と、すなわち、好ましくは、該抗原に固有の又は該抗原に人工的に付加され、必要に応じて、還元による反応にも利用できるようにされたシステイン(複数可)残基のスルフヒドリル基と反応することができるさらなる官能基を含有する。いくつかのヘテロ二官能性架橋剤は、当技術分野で公知である。これらには、好ましい架橋剤SMPH(Pierce)、スルホ−MBS、スルホ−EMCS、スルホ−GMBS、スルホ−SIAB、スルホ−SMPB、スルホ−SMCC、スルホ−KMUS SVSB、SIA、並びに、例えば、Pierce Chemical社から利用可能で、アミノ基に対して反応性のある1つの官能基及びスルフヒドリル基に対して反応性のある1つの官能基を有する他の架橋剤が含まれる。上述した架橋剤の全ては、アミノ基との反応及びスルフヒドリル基とのチオエーテル結合後にアミド結合を形成する。本発明の実施に適する別のクラスの架橋剤は、カップリングの際に、該抗原と改変VLPの間にジスルフィド結合を導入することによって特徴付けられる。このクラスに属する好ましい架橋剤には、例えば、SPDP及びスルホ−LC−SPDP(Pierce)が含まれる。
上記の好ましい方法に従ってヘテロ二官能性架橋剤を用いて、改変VLPに抗原を結合すると、配向様式で改変VLPへの抗原のカップリングが可能になる。改変VLPへの抗原の結合の他の方法には、該抗原が、カルボジイミドEDC、及びNHSを用いて改変VLPに架橋される方法が含まれる。該抗原はまた、例えば、SATA、SATP又はイミノチオランとの反応を経て、最初にチオール化されてもよい。次いで、該抗原は、必要であれば脱保護の後に、以下のように改変VLPにカップリングさせてよい。過剰なチオール化試薬の分離後に、該抗原は、システイン反応性部分を含むヘテロ二官能性架橋剤で事前に活性化させた改変VLPと反応し、したがって、上記のように、チオール化抗原が反応することができるシステイン残基に対して反応性のある少なくとも1つ又はいくつかの官能基を提示する。必要に応じて、少量の還元剤が反応混合物に含まれる。さらなる方法において、該抗原は、グルタルアルデヒド、DSG、BM[PEO]4、BS3(Pierce)などのホモ二官能性架橋剤又は改変VLPのアミノ基若しくはカルボキシル基に対して反応性のある官能基を有する他の公知のホモ二官能性架橋剤を用いて改変VLPに取り付けられる。
本発明の非常に好ましい実施形態において、該抗原は、改変ウイルス様粒子のリジン残基に、抗原のN末端若しくはC末端のいずれかに付加されるシステイン残基、又は抗原内の天然システイン残基を介して結合する。好ましい実施形態において、本発明の組成物はさらにリンカーを含み、前記リンカーは、前記抗原と前記第2の付着部位を結合させ、好ましくは、前記リンカーは前記第2の付着部位を含むか、あるいはそれからなる。
本発明のさらに非常に好ましい実施形態において、前記コア粒子は、ウイルス様粒子(VLP)、好ましくは組換えVLPであり、前記少なくとも1つの抗原は馬科のインターロイキン−5抗原(eIL−5抗原)であり、前記eIL−5抗原は、配列番号1から選択されるアミノ酸配列を有するタンパク質、若しくは配列番号1と少なくとも90%、好ましくは少なくとも92%、さらに好ましくは少なくとも95%、及び再びさらに好ましくは少なくとも98%のアミノ酸配列同一性のアミノ酸配列を有するタンパク質を含むか、又は好ましくはそのようなタンパク質である。本発明の再び非常に好ましい実施形態において、前記少なくとも1つの抗原は、馬科のインターロイキン−5抗原(eIL−5抗原)であり、前記eIL−5抗原は、配列番号1から選択されるアミノ酸配列を有するタンパク質、若しくは配列番号1と少なくとも95%、及び好ましくは少なくとも98%のアミノ酸配列同一性のアミノ酸配列を有するタンパク質を含むか、又は好ましくはそのようなタンパク質である。本発明の再び非常に好ましい実施形態において、前記改変CMVポリペプチドは、配列番号20のアミノ酸配列を含み、好ましくはそれからなり、前記少なくとも1つの抗原は馬科のインターロイキン−5抗原(eIL−5抗原)であり、前記eIL−5抗原は、配列番号1、配列番号2、配列番号5、配列番号35、配列番号36、配列番号37及び配列番号38から選択されるアミノ酸配列を有するタンパク質を含むか、又は好ましくはそのようなタンパク質である。本発明の再び非常に好ましい実施形態において、前記改変CMVポリペプチドは、配列番号20のアミノ酸配列を含み、好ましくはそれからなり、前記少なくとも1つの抗原は、馬科のインターロイキン−5抗原(eIL−5抗原)であり、前記eIL−5抗原は、配列番号35、配列番号36及び配列番号38から選択されるアミノ酸配列を有するタンパク質を含むか、又は好ましくはそのようなタンパク質である。本発明の再び非常に好ましい実施形態において、前記改変CMVポリペプチドは、配列番号20のアミノ酸配列を含み、好ましくはそれからなり、前記少なくとも1つの抗原は、馬科のインターロイキン−5抗原(eIL−5抗原)であり、前記eIL−5抗原は、配列番号36のアミノ酸配列を有するタンパク質を含むか、又は好ましくはそのようなタンパク質である。本発明の再び非常に好ましい実施形態において、前記改変CMVポリペプチドは、配列番号20のアミノ酸配列を含み、好ましくはそれからなり、前記少なくとも1つの抗原は、馬科のインターロイキン−5抗原(eIL−5抗原)であり、前記eIL−5抗原は、配列番号38のアミノ酸配列を有するタンパク質を含むか、又は好ましくはそのようなタンパク質である。
本発明のさらに非常に好ましい実施形態において、前記コア粒子は、本発明に従って改変されたVLP、好ましくは組換え改変されたVLPであり、前記少なくとも1つの抗原は、馬科のインターロイキン−5抗原(eIL−5抗原)であり、前記eIL−5抗原は、配列番号1から選択されるアミノ酸配列を有するタンパク質、若しくは配列番号1と少なくとも90%、好ましくは少なくとも92%、さらに好ましくは少なくとも95%、及び再びさらに好ましくは少なくとも98%のアミノ酸配列同一性のアミノ酸配列を有するタンパク質を含むか、又は好ましくはそのようなタンパク質である。本発明の再び非常に好ましい実施形態において、前記少なくとも1つの抗原は馬科のインターロイキン−5抗原(eIL−5抗原)であり、前記eIL−5抗原は、配列番号1から選択されるアミノ酸配列を有するタンパク質、若しくは配列番号1と少なくとも95%、及び好ましくは少なくとも98%のアミノ酸配列同一性のアミノ酸配列を有するタンパク質を含むか、又は好ましくはそのようなタンパク質である。本発明の再び非常に好ましい実施形態において、前記改変CMVポリペプチドは、配列番号20のアミノ酸配列を含み、好ましくはそれからなり、前記少なくとも1つの抗原は、馬科のインターロイキン−5抗原(eIL−5抗原)であり、前記eIL−5抗原は、配列番号1、配列番号2、配列番号5、配列番号35、配列番号36、配列番号37及び配列番号38から選択されるアミノ酸配列を有するタンパク質を含むか、又は好ましくはそのようなタンパク質である。本発明の再び非常に好ましい実施形態において、前記改変CMVポリペプチドは、配列番号20のアミノ酸配列を含み、好ましくはそれからなり、前記少なくとも1つの抗原は、馬科のインターロイキン−5抗原(eIL−5抗原)であり、前記eIL−5抗原は、配列番号35、配列番号36及び配列番号38から選択されるアミノ酸配列を有するタンパク質を含むか、又は好ましくはそのようなタンパク質である。本発明の再び非常に好ましい実施形態において、前記改変CMVポリペプチドは、配列番号20のアミノ酸配列を含み、好ましくはそれからなり、前記少なくとも1つの抗原は、馬科のインターロイキン−5抗原(eIL−5抗原)であり、前記eIL−5抗原は、配列番号36のアミノ酸配列を有するタンパク質を含むか、又は好ましくはそのようなタンパク質である。本発明の再び非常に好ましい実施形態において、前記改変CMVポリペプチドは、配列番号20のアミノ酸配列を含み、好ましくはそれからなり、前記少なくとも1つの抗原は、馬科のインターロイキン−5抗原(eIL−5抗原)であり、前記eIL−5抗原は、配列番号38のアミノ酸配列を有するタンパク質を含むか、又は好ましくはそのようなタンパク質である。
本発明のさらに非常に好ましい実施形態において、前記コア粒子は、VLP、好ましくは組換えVLPであり、前記VLPは、キュウリモザイクウイルス(CMV)の改変VLPであり、CMVの前記改変VLPは、少なくとも1つの改変CMVポリペプチドを含むか、本質的にそれからなるか、あるいはそれからなり、前記改変CMVポリペプチドは、(a)CMVポリペプチド、及び(b)Tヘルパー細胞エピトープを含むか、又は好ましくはそれらからなり、前記CMVポリペプチドは、(i)CMVのコートタンパク質のアミノ酸配列;又は(ii)変異アミノ酸配列を含むか、又は好ましくはそれからなり、変異されるアミノ酸配列は、CMVのコートタンパク質のアミノ酸配列であり、前記変異アミノ酸配列及びCMVの前記コートタンパク質は、少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、さらに好ましくは少なくとも98%及び再びより好ましくは少なくとも99%の配列同一性を示し、前記少なくとも1つの抗原は、馬科のインターロイキン−5抗原(eIL−5抗原)であり、前記eIL−5抗原は、配列番号1から選択されるアミノ酸配列を有するタンパク質、若しくは配列番号1と少なくとも90%、好ましくは少なくとも92%、さらに好ましくは少なくとも95%、及び再びさらに好ましくは少なくとも98%のアミノ酸配列同一性のアミノ酸配列を有するタンパク質を含むか、又は好ましくはそのようなタンパク質である。本発明の再び非常に好ましい実施形態において、前記少なくとも1つの抗原は馬科のインターロイキン−5抗原(eIL−5抗原)であり、前記eIL−5抗原は、配列番号1から選択されるアミノ酸配列を有するタンパク質、若しくは配列番号1と少なくとも95%、及び好ましくは少なくとも98%のアミノ酸配列同一性のアミノ酸配列を有するタンパク質を含むか、又は好ましくはそのようなタンパク質である。本発明の再び非常に好ましい実施形態において、前記改変CMVポリペプチドは、配列番号20のアミノ酸配列を含み、好ましくはそれからなり、前記少なくとも1つの抗原は、馬科のインターロイキン−5抗原(eIL−5抗原)であり、前記eIL−5抗原は、配列番号1、配列番号2、配列番号5、配列番号35、配列番号36、配列番号37及び配列番号38から選択されるアミノ酸配列を有するタンパク質を含むか、又は好ましくはそのようなタンパク質である。本発明の再び非常に好ましい実施形態において、前記改変CMVポリペプチドは、配列番号20のアミノ酸配列を含み、好ましくはそれからなり、前記少なくとも1つの抗原は、馬科のインターロイキン−5抗原(eIL−5抗原)であり、前記eIL−5抗原は、配列番号35、配列番号36及び配列番号38から選択されるアミノ酸配列を有するタンパク質を含むか、又は好ましくはそのようなタンパク質である。本発明の再び非常に好ましい実施形態において、前記改変CMVポリペプチドは、配列番号20のアミノ酸配列を含み、好ましくはそれからなり、前記少なくとも1つの抗原は、馬科のインターロイキン−5抗原(eIL−5抗原)であり、前記eIL−5抗原は、配列番号36のアミノ酸配列を有するタンパク質を含むか、又は好ましくはそのようなタンパク質である。本発明の再び非常に好ましい実施形態において、前記改変CMVポリペプチドは、配列番号20のアミノ酸配列を含み、好ましくはそれからなり、前記少なくとも1つの抗原は、馬科のインターロイキン−5抗原(eIL−5抗原)であり、前記eIL−5抗原は、配列番号38のアミノ酸配列を有するタンパク質を含むか、又は好ましくはそのようなタンパク質である。
本発明のさらに非常に好ましい実施形態において、前記コア粒子は、VLP、好ましくは組換えVLPであり、前記VLPは、キュウリモザイクウイルス(CMV)の改変VLPであり、CMVの前記改変VLPは、少なくとも1つの改変CMVポリペプチドを含むか、本質的にそれからなるか、あるいはそれからなり、前記改変CMVポリペプチドは、配列番号20のアミノ酸配列を含み、好ましくはそれからなり、前記少なくとも1つの抗原は、馬科のインターロイキン−5抗原(eIL−5抗原)であり、前記eIL−5抗原は、配列番号1から選択されるアミノ酸配列を有するタンパク質、若しくは配列番号1と少なくとも90%、好ましくは少なくとも92%、さらに好ましくは少なくとも95%、及び再びさらに好ましくは少なくとも98%のアミノ酸配列同一性のアミノ酸配列を有するタンパク質を含むか、又は好ましくはそのようなタンパク質である。本発明の再び非常に好ましい実施形態において、前記少なくとも1つの抗原は馬科のインターロイキン−5抗原(eIL−5抗原)であり、前記eIL−5抗原は、配列番号1から選択されるアミノ酸配列を有するタンパク質、若しくは配列番号1と少なくとも95%、及び好ましくは少なくとも98%のアミノ酸配列同一性のアミノ酸配列を有するタンパク質を含むか、又は好ましくはそのようなタンパク質である。本発明の再び非常に好ましい実施形態において、前記改変CMVポリペプチドは、配列番号20のアミノ酸配列を含み、好ましくはそれからなり、前記少なくとも1つの抗原は、馬科のインターロイキン−5抗原(eIL−5抗原)であり、前記eIL−5抗原は、配列番号1、配列番号2、配列番号5、配列番号35、配列番号36、配列番号37及び配列番号38から選択されるアミノ酸配列を有するタンパク質を含むか、又は好ましくはそのようなタンパク質である。本発明の再び非常に好ましい実施形態において、前記改変CMVポリペプチドは、配列番号20のアミノ酸配列を含み、好ましくはそれからなり、前記少なくとも1つの抗原は、馬科のインターロイキン−5抗原(eIL−5抗原)であり、前記eIL−5抗原は、配列番号35、配列番号36及び配列番号38から選択されるアミノ酸配列を有するタンパク質を含むか、又は好ましくはそのようなタンパク質である。本発明の再び非常に好ましい実施形態において、前記改変CMVポリペプチドは、配列番号20のアミノ酸配列を含み、好ましくはそれからなり、前記少なくとも1つの抗原は、馬科のインターロイキン−5抗原(eIL−5抗原)であり、前記eIL−5抗原は、配列番号36のアミノ酸配列を有するタンパク質を含むか、又は好ましくはそのようなタンパク質である。本発明の再び非常に好ましい実施形態において、前記改変CMVポリペプチドは、配列番号20のアミノ酸配列を含み、好ましくはそれからなり、前記少なくとも1つの抗原は、馬科のインターロイキン−5抗原(eIL−5抗原)であり、前記eIL−5抗原は、配列番号38のアミノ酸配列を有するタンパク質を含むか、又は好ましくはそのようなタンパク質である。
前記コア粒子は、VLP、好ましくは組換えVLPであり、前記VLPは、キュウリモザイクウイルス(CMV)の改変VLPであり、CMVの前記改変VLPは、少なくとも1つの改変CMVポリペプチドを含むか、本質的にそれからなるか、あるいはそれからなり、前記改変CMVポリペプチドは、配列番号21のアミノ酸配列を含み、好ましくはそれからなり、前記少なくとも1つの抗原は、馬科のインターロイキン−5抗原(eIL−5抗原)であり、前記eIL−5抗原は、配列番号1から選択されるアミノ酸配列を有するタンパク質、若しくは配列番号1と少なくとも90%、好ましくは少なくとも92%、さらに好ましくは少なくとも95%、及び再びさらに好ましくは少なくとも98%のアミノ酸配列同一性のアミノ酸配列を有するタンパク質を含むか、又は好ましくはそのようなタンパク質である。
さらなる態様において、本発明は、有効量の本発明の組成物を含む免疫原性組成物又はワクチン組成物を提供し、必要に応じて、前記免疫原性組成物又はワクチン組成物は、さらにアジュバントを含む。
さらなる態様において、本発明は、(a)本発明の組成物又は本発明の免疫原性組成物若しくはワクチン組成物、及び(b)薬学的に許容される担体を含む医薬組成物を提供する。
さらなる態様において、本発明は、免疫の方法であって、馬科の哺乳動物、好ましくは馬に本発明の組成物、本発明の免疫原性組成物若しくはワクチン組成物又は本発明の医薬組成物を投与することを含む方法を提供する。
さらなる態様において、本発明は、薬剤として使用するための本発明の組成物、本発明の免疫原性組成物若しくはワクチン組成物、又は本発明の医薬組成物を提供する。
さらなる態様において、本発明は、馬科の哺乳動物、好ましくは、馬の虫刺され過敏症の予防又は治療の方法における使用のための、本発明の組成物、本発明の免疫原性組成物若しくはワクチン組成物、又は本発明の医薬組成物を提供し、有効量の前記本発明の組成物、前記本発明の免疫原性組成物若しくはワクチン組成物、又は前記本発明の医薬組成物は、前記馬科の哺乳動物、好ましくは、前記馬に投与される。好ましくは、前記本発明の組成物、前記本発明の免疫原性組成物若しくはワクチン組成物、又は前記本発明の医薬組成物の前記投与は、前記投与前の前記少なくとも1つのIBHパラメータ又は症状と比較して、少なくとも1つのIBHパラメータ又は症状を低減し、好ましくは、前記少なくとも1つのIBHパラメータ又は症状は、皮膚病変のレベル又は重症度グレードであり、さらに好ましくは、皮膚病変の前記レベル又は重症度グレードの前記低下は、典型的かつ好ましくは、実施例13に記載のように、症状病変スコアリング試験によって決定される。好ましい実施形態において、前記馬科の哺乳動物、好ましくは前記馬の皮膚病変のレベル又は重症度の前記低下は、より低い陽性症状病変スコアリング試験(less positive symptom lesion scoring test)によって表され、典型的かつ好ましくは、前記症状病変スコアリング試験は、実施例13に記載したように行われる。
さらなる態様において、本発明の方法は、馬科の哺乳動物、好ましくは、馬の虫刺され過敏症の治療の方法における使用のための、本発明の組成物、本発明の免疫原性組成物若しくはワクチン組成物、又は本発明の医薬組成物を提供し、有効量の前記本発明の組成物、前記本発明の免疫原性組成物若しくはワクチン組成物、又は前記本発明の医薬組成物は、前記馬科の哺乳動物、好ましくは、前記馬に投与される。好ましくは、前記本発明の組成物、前記本発明の免疫原性組成物若しくはワクチン組成物、又は前記本発明の医薬組成物の前記投与は、前記投与前の前記少なくとも1つのIBHパラメータ又は症状と比較して、少なくとも1つのIBHパラメータ又は症状を低減し、好ましくは、前記少なくとも1つのIBHパラメータ又は症状は、皮膚病変のレベル又は重症度グレードであり、さらに好ましくは、皮膚病変の前記レベル又は重症度グレードの前記低下は、典型的かつ好ましくは、実施例13に記載のように、症状病変スコアリング試験によって決定される。好ましい実施形態において、前記馬科の哺乳動物、好ましくは前記馬の皮膚病変のレベル又は重症度の前記低下は、より低い陽性症状病変スコアリング試験によって表され、典型的かつ好ましくは、前記症状病変スコアリング試験は、実施例13に記載したように行われる。
さらなる態様において、本発明は、馬の虫刺され過敏症の治療の方法における使用のための、本発明の組成物、本発明の免疫原性組成物若しくはワクチン組成物、又は本発明の医薬組成物を提供し、有効量の前記本発明の組成物、前記本発明の免疫原性組成物若しくはワクチン組成物、又は前記本発明の医薬組成物は、前記馬に投与され、前記コア粒子は、VLP、好ましくは組換えVLPであり、前記VLPは、キュウリモザイクウイルス(CMV)の改変VLPであり、CMVの前記改変VLPは、少なくとも1つの改変CMVポリペプチドを含むか、本質的にそれからなるか、あるいはそれからなり、前記改変CMVポリペプチドは、配列番号20のアミノ酸配列を含み、好ましくはそれからなり、前記少なくとも1つの抗原は、馬科のインターロイキン−5抗原(eIL−5抗原)であり、前記eIL−5抗原は、配列番号1から選択されるアミノ酸配列を有するタンパク質、若しくは配列番号1と少なくとも90%、好ましくは少なくとも92%、さらに好ましくは少なくとも95%、及び再びさらに好ましくは少なくとも98%のアミノ酸配列同一性のアミノ酸配列を有するタンパク質を含むか、又は好ましくはそのようなタンパク質である。本発明の再び非常に好ましい実施形態において、前記少なくとも1つの抗原は馬科のインターロイキン−5抗原(eIL−5抗原)であり、前記eIL−5抗原は、配列番号1から選択されるアミノ酸配列を有するタンパク質、若しくは配列番号1と少なくとも95%、及び好ましくは少なくとも98%のアミノ酸配列同一性のアミノ酸配列を有するタンパク質を含むか、又は好ましくはそのようなタンパク質である。本発明の再び非常に好ましい実施形態において、前記改変CMVポリペプチドは、配列番号20のアミノ酸配列を含み、好ましくはそれからなり、前記少なくとも1つの抗原は、馬科のインターロイキン−5抗原(eIL−5抗原)であり、前記eIL−5抗原は、配列番号1、配列番号2、配列番号5、配列番号35、配列番号36、配列番号37及び配列番号38から選択されるアミノ酸配列を有するタンパク質を含むか、又は好ましくはそのようなタンパク質である。本発明の再び非常に好ましい実施形態において、前記改変CMVポリペプチドは、配列番号20のアミノ酸配列を含み、好ましくはそれからなり、前記少なくとも1つの抗原は、馬科のインターロイキン−5抗原(eIL−5抗原)であり、前記eIL−5抗原は、配列番号35、配列番号36及び配列番号38から選択されるアミノ酸配列を有するタンパク質を含むか、又は好ましくはそのようなタンパク質である。本発明の再び非常に好ましい実施形態において、前記改変CMVポリペプチドは、配列番号20のアミノ酸配列を含み、好ましくはそれからなり、前記少なくとも1つの抗原は、馬科のインターロイキン−5抗原(eIL−5抗原)であり、前記eIL−5抗原は、配列番号36のアミノ酸配列を有するタンパク質を含むか、又は好ましくはそのようなタンパク質である。本発明の再び非常に好ましい実施形態において、前記改変CMVポリペプチドは、配列番号20のアミノ酸配列を含み、好ましくはそれからなり、前記少なくとも1つの抗原は、馬科のインターロイキン−5抗原(eIL−5抗原)であり、前記eIL−5抗原は、配列番号38のアミノ酸配列を有するタンパク質を含むか、又は好ましくはそのようなタンパク質である。別の非常に好ましい実施形態において、前記改変CMVポリペプチドは、配列番号21のアミノ酸配列を含み、好ましくはそれからなり、前記少なくとも1つの抗原は、馬科のインターロイキン−5抗原(eIL−5抗原)であり、前記eIL−5抗原は、配列番号1から選択されるアミノ酸配列を有するタンパク質、若しくは配列番号1と少なくとも90%、好ましくは少なくとも92%、さらに好ましくは少なくとも95%、及び再びさらに好ましくは少なくとも98%のアミノ酸配列同一性のアミノ酸配列を有するタンパク質を含むか、又は好ましくはそのようなタンパク質である。
さらなる態様において、本発明の方法は、虫刺され過敏症の予防又は治療の方法であって、馬科の哺乳動物、好ましくは、馬に有効量の前記本発明の組成物、前記本発明の免疫原性組成物若しくはワクチン組成物、又は前記本発明の医薬組成物を投与することを含む方法を提供する。
さらなる態様において、本発明は、虫刺され過敏症の治療の方法であって、馬科の哺乳動物、好ましくは、馬に有効量の前記本発明の組成物、前記本発明の免疫原性組成物若しくはワクチン組成物、又は前記本発明の医薬組成物を投与することを含む方法を提供する。
さらなる態様において、本発明は、有効量の第1の組成物及び有効量の第2の組成物を含む免疫原性組成物又はワクチン組成物を提供し、前記第1の組成物は、(a)少なくとも1つの第1の付着部位を有する第1のコア粒子;及び(b)少なくとも1つの第2の付着部位を有する少なくとも1つの第1の抗原を含み、前記少なくとも1つの第1の抗原は馬科のインターロイキン−5抗原(eIL−5抗原)であり、前記eIL−5抗原は、配列番号1から選択されるアミノ酸配列を有するタンパク質、若しくは配列番号1と少なくとも90%、好ましくは少なくとも92%、さらに好ましくは少なくとも95%、再びさらに好ましくは少なくとも98%のアミノ酸配列同一性のアミノ酸配列を有するタンパク質を含むか、又は好ましくはそのようなタンパク質であり;前記第2の組成物は、(c)少なくとも1つの第1の付着部位を有する第2のコア粒子;及び(d)少なくとも1つの第2の付着部位を有する少なくとも1つの第2の抗原を含み、前記少なくとも1つの第2の抗原は、馬科のエオタキシン抗原(eエオタキシン抗原)であり、前記eエオタキシン抗原は、配列番号6から選択されるアミノ酸配列を有するタンパク質、若しくは配列番号6と少なくとも90%、好ましくは少なくとも92%、さらに好ましくは少なくとも95%、及び再びさらに好ましくは少なくとも98%のアミノ酸配列同一性のアミノ酸配列を有するタンパク質を含むか、又は好ましくはそのようなタンパク質であり;(a)及び(b)は、少なくとも1つの非ペプチド共有結合により前記少なくとも1つの第1の付着部位及び前記少なくとも1つの第2の付着部位を介して結合しており、(c)及び(d)は、少なくとも1つの非ペプチド共有結合により前記少なくとも1つの第1の付着部位及び前記少なくとも1つの第2の付着部位を介して結合しており;必要に応じて、前記免疫原性組成物又はワクチン組成物は、さらにアジュバントを含む。
好ましい実施形態において、前記免疫原性組成物又はワクチン組成物は、さらに第3の組成物を含み、前記第3の組成物は、(e)少なくとも1つの第1の付着部位を有する第3コア粒子、及び(f)前記少なくとも1つの第2の付着部位を有する少なくとも1つの第3の抗原を含み、前記少なくとも1つの第3の抗原は馬科のインターロイキン−31抗原(eIL−31抗原)であり、前記eIL−31抗原は、配列番号12から選択されるアミノ酸配列を有するタンパク質、若しくは配列番号12と少なくとも90%、好ましくは少なくとも92%、さらに好ましくは少なくとも95%、及び再びさらに好ましくは少なくとも98%のアミノ酸配列同一性のアミノ酸配列を有するタンパク質を含むか、又は好ましくはそのようなタンパク質であり、(e)及び(f)は、少なくとも1つの非ペプチド共有結合により前記少なくとも1つの第1の付着部位及び前記少なくとも1つの第2の付着部位を介して結合している。
さらなる態様において、本発明は、馬科の哺乳動物、好ましくは、馬の虫刺され過敏症の予防又は治療の方法における使用のための、本発明の免疫原性組成物又はワクチン組成物を提供し、有効量の前記組成物は、前記馬科の哺乳動物、好ましくは、前記馬に投与される。好ましい実施形態において、前記本発明の免疫原性組成物又はワクチン組成物の前記投与は、前記投与前の前記少なくとも1つのIBHパラメータ又は症状と比較して、少なくとも1つのIBHパラメータ又は症状を低減し、好ましくは、前記少なくとも1つのIBHパラメータ又は症状は、皮膚病変のレベル又は重症度グレードであり、さらに好ましくは、皮膚病変の前記レベル又は重症度グレードの前記低下は、症状病変スコアリング試験によって決定される。
さらなる態様において、本発明は、本発明の組成物、本発明の免疫原性組成物若しくはワクチン組成物、又は本発明の医薬組成物を含む、虫刺され過敏症の予防又は治療のためのキット、並びに前記キットの使用のための取り扱い説明書を提供する。
さらなる態様において、本発明は、IBHの治療の方法であって、馬科の哺乳動物、好ましくは馬に有効量の本発明の組成物、又は免疫原性組成物若しくはワクチン組成物、又は医薬組成物を投与することを含み、該有効量がIBHの症状のうちの1以上を改善するのに十分である方法を提供する。
実施例
実施例1
馬科のインターロイキン−5(eIL−5)のクローニング、発現及び精製
A.eIL−5−C−Hisのクローニング及び大腸菌における封入体としての発現
成熟eIL−5(成熟インターロイキン−5、エクウス・カバルス;UniProt O02699)をコードするDNA配列及びその断片を、遺伝子合成により作製した。配列番号1、配列番号2及び配列番号3を作製した。配列番号1は、配列番号2に対応するが、配列番号2の最初のアミノ酸Lを欠き、配列番号3は、UniProt O02699として同定された全長eIL−5配列に対応する。
加えて、リンカー(GGC)をC末端に加えた。このインサートは5’NdeI及び3’XhoIに隣接しており、これを、インフレームで8個のHis−タグ(精製を容易にする)及び終止コドンを含有するpET42b(+)に組み込んだ。この構築物を、pET42b−eIL−5(配列番号4)と名付けた。クローニング手順の忠実度を、DNA配列決定により確認した。構築物pET42b−eIL−5(配列番号4)を大腸菌株BL21−DE3に形質転換した。大腸菌で発現させた組換えタンパク質をeIL−5−C−His(配列番号5)と呼ぶ。同様に、配列番号35、配列番号36及び配列番号37を調製し、これらの全てはシステイン残基を含むリンカー及びHisタグを含み、配列番号35及び配列番号36は、C末端にリンカー(GGC)及びHisタグを含む。配列番号5、配列番号35、配列番号36及び配列番号37は、本明細書では交換可能に「eIL−5−C−His」と命名する。さらに、この実施例の節及び記載する図の中でeIL−5−C−Hisについて言及する場合、これらのeIL−5−C−His組換えタンパク質のうちの1つを様々な実施例で使用し、さらに2以上又は全てを繰り返し実験に使用した。配列番号5、配列番号35及び配列番号36は、非常に好ましく使用されるeIL−5−C−Hisである。BL21−DE3細胞内でクローンpET42b−eIL5−C−HisからeIL−5−C−Hisの大規模発現を行った。この目的のために、pET42b−eIL−5−C−Hisを保有するクローンBL21−DE3細胞を、50mg/Lのカナマイシンを含有する180mlのLB中で一晩増殖させた。この培養液を、50mg/Lのカナマイシンを含有する10LのLBに接種した。この培養液を0.7の光学密度OD600nmまで増殖させ、イソプロピルβ−D−チオガラクトピラノシド(IPTG)の1.0Mストックを10ml添加することによって4時間発現を誘導した。組換えeIL−5−C−Hisを、不溶性形態で発現させ、誘導細胞の封入体画分に位置づけた。eIL−5−C−Hisの発現を流動的に確認した。培養液を誘導後4時間の時点で採取し、4℃、4200×gで10分間遠心分離した。ペレットを、ultraturex(800rpm)を用いて、再懸濁緩衝液(4℃で100mMのトリス/HCl、pH8.0、1mMのEDTA)に再懸濁した(3ml/gの細胞)。再懸濁した細胞をファルコンチューブに収集し、液体窒素でショック凍結し、−20℃で一晩保存した。再懸濁した細胞を室温で解凍し、細胞クラッカー又はダウンスホモジナイザー及び超音波処理器により細胞に穴をあけた(ゲル分析のための50μl試料:試料A=可溶化液、50μl)。冷トリトン緩衝液(60mMのEDTA、1.5MのNaCl、NaOHでpH7.0に調整し、次いで6%(v/v)のトリトン−X−100を添加した)の0.5容量を添加し、4℃で30分間撹拌した。その後、可溶化液を4800×gで、4℃で30分間遠心分離した(ゲル分析のための50μl試料:試料B=可溶性画分、50ml)。封入体をultraturraxで洗浄緩衝液(4℃で100mMのトリス/HCl pH8.0、20mMのEDTA)に再懸濁し、48000×gで10分間、4℃で遠心分離した。この洗浄工程を4回繰り返し、トリトン−x 100を除去し、最後に封入体を−20℃で保存した。封入体は、室温で解凍し、ultraturexを使用して可溶化緩衝液(6MのGdmCl、20mMのイミダゾール、室温でpH8の100mMのトリス−HCl)に再懸濁し、室温で1〜2時間撹拌することにより可溶化した(20ml/gの封入体)。可溶化した封入体を、平均で100000×g、20℃で20分間、超遠心分離した(ゲル分析のための50μl試料:試料C=可溶化IB、50μl)。
B.eIL−5−C−Hisの精製及びリフォールディング
該タンパク質を、結合緩衝液Aとして可溶化緩衝液を用い、溶出には緩衝液B(6MのGdmCl、100mMのNaH2PO4、10mMのトリスHCl、pH4.5)により、Ni−NTA樹脂(Ni−NTAセファロース6ファストフロー、Amersham、カタログ番号17−5318−01又はNi−NTAセファローススーパーフロー(SUperflow)、Quiagen、カタログ番号1018142)カラムによってHisタグを介して精製した(ゲル分析のための50μl試料:試料D=フロースルー NiNTA;50μl、試料E=ピーク NiNTA 50μl)。精製をSDS−PAGEによって分析した。eIL−5−C−Hisを含有する溶出工程からの画分をプールし、6MのGdmCl、100mMのNaH2PO4、10mMのトリス、pH8.0に対して、10kDaのカットオフ膜を用いて室温で2時間透析した。
不溶性eIL−5−C−Hisを、界面活性剤で洗浄した封入体から6Mのグアニジン塩酸塩で抽出した。異なる洗浄工程を、SDS−PAGEによって分析した(図1):可溶化液(図1、レーン1)、可溶性画分(図1、レーン2)、可溶化封入体(図1、レーン3)。可溶化タンパク質を金属キレートアフィニティークロマトグラフィーにより精製し、SDS−PAGEによって分析した(図1、レーン4、フロースルー、レーン5、プールした溶出液の画分)。組換えeIL−5−C−Hisは、この手順によって高度に濃縮されることが分かった。天然タンパク質を、非還元条件下(SDSあり、DTTなし、試料の加熱なし)で行うSDS−PAGE(図2)によって評価し(図2、レーン1)、主にモノマータンパク質が見つかった。変性タンパク質を、以下に記載のリフォールディング手順に供し、必要に応じてさらにサイズ排除クロマトグラフィーによって精製した。
eIL−5−C−Hisをリフォールディングするために、該タンパク質を、以下の緩衝液により順次透析した:緩衝液1(2Mの尿素、50mMのNaH2PO4、5mMの還元グルタチオン、0.5mMの酸化グルタチオン、0.5Mのアルギニン、10%グリセロール)、緩衝液2(50mMのNaH2PO4、5mMの還元グルタチオン、0.5mMの酸化グルタチオン、0.5Mのアルギニン、10%グリセロール)、緩衝液3(50mMのNaH2PO4、10%グリセロール)、緩衝液4(PBS)。必要に応じて、リフォールディングしたタンパク質を、遠心フィルター(Amicon、Ultrafree−15 Millipore、10kDaカットオフ)によって濃縮し、PBS緩衝液を用いてHiLoad26/60スーパーデックス75プレップグレード(GE Healthcare、カタログ番号28−9893−34)上で精製した。溶出画分をプールし、非還元SDS−PAGEにより分析した。タンパク質濃度を、UV−VIS又はブラッドフォードアッセイによって測定した。
生物学的に活性のある天然のIL−5はジスルフィド結合ホモダイマーであり、精製した組換えeIL−5−C−Hisがリフォールディング後にダイマーを形成する能力を、非還元条件下で行うSDS−PAGEによって評価した(図2、レーン2)。約28kDaの分子量によって判断されるように、eIL−5−C−Hisは、実質的にダイマーであることが実証され、天然の三次構造の保存が示された。
C.組換えホモダイマーに富むeIL−5−C−Hisの構造
正しい二次構造を確認するために、α−ヘリックス及びβ−シートを示す遠UVによるCD分光法により測定した(図3A)。
タンパク質の二次構造の他に、一次、三次及び四次構造を確認するために、質量分析(消化したeIL−5−C−HisのMALDI/MS/MS、続いてHPLC)を行った。典型的には、IL−5モノマーは、2つの分子間ジスルフィド結合によりホモダイマーとして結合し、2つのモノマーがヘッドトゥーテールで位置する。
組換えeIL−5−C−Hisへの市販の抗体結合能を、ELISAによって試験した(図3B)。マキシソープ96ウェルELISAプレート(Nunc)を、0.5mg/Lの抗His抗体50μlで一晩コーティングした。プレートをPBS−Tween 0.1%(v/v)(PBST)で3回洗浄し、次いで37℃で1時間、スーパーブロック(Thermo Scientific)でブロッキングした。プレートをPBSTで2回洗浄し、精製した組換えeIL−5−C−His(10mg/L)を添加し、1時間インキュベートした。次いで、プレートをPBSTで3回洗浄し、抗eIL−5抗体(馬科IL−5アフィニティー精製ポリクローナル抗体、R&D Systems、UK、カタログ番号AF2470)を1/3希釈で4μg/mlからダウンタイトレーションし、室温で2時間インキュベートした。これらのプレートを、その後、PBSTで3回洗浄し、HRP(希釈1:2000)と結合させた二次抗ヤギIgGと、室温で30分間インキュベートした。プレートを再びPBSで3回洗浄し、50μl/ウェルの現像液(TMB)を添加した。室温での反応の2分後に、ウェルあたり25μlの5%H2SO4でELISAを停止させた。吸光度をテカンM200分光光度計(Tecan、オーストリア)で、450nmで測定した。
組換えeIL−5−C−Hisの適切なリフォールディングを円偏光二色性(CD)分光法によって測定し、予想されるように、大部分はαヘリックスであるがβシートも見出し得た(図3A)。2つの分子間ジスルフィド架橋による2つのモノマーの結合を、さらにMALDI/MS/MSによって確認した。質量2505、2633、及び2761m/zのMSMS画分は、典型的なジスルフィドフラグメントパターン32/2/32を示す。Cys44は、Cys86に分子間結合するので(スペクトルは図示せず)、2つのモノマーは2つのジスルフィド架橋を介して結合する。さらに、リフォールディングした馬科IL−5−C−Hisは、ELISAで市販の抗馬科IL−5抗体によって検出可能であった(図3B)。
実施例2
馬科のエオタキシン(eエオタキシン)のクローニング、発現及び精製
A.eエオタキシン−C−Hisのクローニング及び大腸菌内での封入体としての発現
成熟eエオタキシンをコードするDNA配列(成熟エオタキシン、エクウス・カバルス;UniProt Q9TTQ4)及びその断片を、遺伝子合成により作製した。配列番号6、配列番号7及び配列番号8を作製した。配列番号6は配列番号7に対応するが、配列番号7の最初のアミノ酸Qを欠き、配列番号8は、UniProt Q9TTQ4として同定された全長eエオタキシン配列に対応する。
加えて、リンカー(GGC)をC末端に加えた。このインサートは、5’NdeI及び3’XhoIに隣接しており、これを、インフレームで8個のHis−タグ(精製を容易にする)及び終止コドンを含有するpET42b(+)に組み込んだ。この構築物を、pET42b−eエオタキシン(配列番号9)と名付けた。クローニング手順の忠実度を、DNA配列決定により確認した。構築物pET42b−eエオタキシン(配列番号9)を大腸菌株BL21−DE3に形質転換した。大腸菌で発現させた組換えタンパク質をeエオタキシン−C−His(配列番号10)と呼ぶ。
BL21−DE3細胞内でクローンpET42b−eエオタキシン−C−Hisからeエオタキシン−C−Hisの大規模発現を行った。この目的のために、pET42b−eエオタキシン−C−Hisを保有するクローンBL21−DE3細胞を、50mg/Lのカナマイシンを含有する180mlのLB中で一晩増殖させた。この培養液を、50mg/Lのカナマイシンを含有する10LのLBに接種した。この培養液を0.7の光学密度OD600nmまで増殖させ、イソプロピルβ−D−チオガラクトピラノシド(IPTG)の1.0Mストックを10ml添加することによって4時間発現を誘導した。組換えeエオタキシン−C−Hisを、不溶性形態で発現させ、誘導細胞の封入体画分に位置づけた。eエオタキシン−C−Hisの発現を流動的に確認した。培養液を誘導後4時間の時点で採取し、4℃、4200×gで10分間遠心分離した。ペレットを、ultraturex(800rpm)を用いて、再懸濁緩衝液(4℃で100mMのトリス/HCl、pH8.0、1mMのEDTA)に再懸濁した(3ml/gの細胞)。再懸濁した細胞をファルコンチューブに収集し、液体窒素でショック凍結し、−20℃で一晩保存した。再懸濁した細胞を室温で解凍し、細胞クラッカー又はダウンスホモジナイザー及び超音波処理器により細胞に穴をあけた(ゲル分析のための50μl試料:試料A=可溶化液、50μl)。冷トリトン緩衝液の0.5容量(60mMのEDTA、1.5MのNaCl、NaOHでpH7.0に調整し、次いで6%(v/v)のトリトン−X−100を添加した)を添加し、4℃で30分間撹拌した。その後、可溶化液を4800×gで、4℃で30分間遠心分離した(ゲル分析のための50μl試料:試料B=可溶性画分、50ml)。封入体をultraturraxで洗浄緩衝液(4℃の100mMのトリス/HCl pH8.0、20mMのEDTA)に再懸濁し、48000×gで10分間、4℃で遠心分離した。この洗浄工程を4回繰り返し、トリトン−x 100を除去し、最後に封入体を−20℃で保存した。封入体は、室温で解凍し、ultraturexを使用して可溶化緩衝液(6MのGdmCl、20mMのイミダゾール、室温でpH8の100mMのトリス−HCl)に再懸濁し、室温で1〜2時間撹拌することにより可溶化した(20ml/gの封入体)。可溶化した封入体を、平均で100000×g、20℃で20分間、超遠心分離した(ゲル分析のための50μl試料:試料C=可溶化IB、50μl)。
B.eエオタキシン−C−Hisの精製及びリフォールディング
該タンパク質を、結合緩衝液Aとして可溶化緩衝液を用い、溶出には緩衝液B(6MのGdmCl、100mMのNaH2PO4、10mMのトリスHCl、pH4.5)により、Ni−NTA樹脂(Ni−NTAセファロース6ファストフロー、Amersham、カタログ番号17−5318−01又はNi−NTAセファローススーパーフロー、Quiagen、カタログ番号1018142)カラムによってHisタグを介して精製した(ゲル分析のための50μl試料:試料D=フロースルー NiNTA;50μl、試料E=ピーク NiNTA 50μl)。精製をSDS−PAGEによって分析した。eエオタキシン−C−Hisを含有する溶出工程からの画分をプールし、6MのGdmCl、100mMのNaH2PO4、10mMのトリス、pH8.0に対して、10kDaのカットオフ膜を用いて室温で2時間透析した。タンパク質を、50μg/mlのリフォールディング緩衝液(0.1MのトリスHCl、4℃でpH8.0、1mMの酸化グルタチオン、0.1mMの還元グルタチオン)で、4℃で12時間、急速希釈によってリフォールディングした。リフォールディングしたタンパク質を、さらにクロスフローを用いて濃縮し、緩衝液をPBSに交換した(Sartorius、VivaFlow 200、5kDaカットオフ)。必要に応じて、リフォールディングしたタンパク質を遠心フィルター(Amicon、Ultrafree−15 Millipore、3kDaカットオフ)によって濃縮し、PBS緩衝液で、HiLoad 26/60スーパーデックス75プレップグレード(GE Healthcare、カタログ番号28−9893−34)上で精製した。タンパク質濃度を、UV−VIS又はブラッドフォードアッセイによって測定した。
不溶性eエオタキシン−C−Hisを、界面活性剤で洗浄した封入体から6Mのグアニジン塩酸塩で抽出した。異なる洗浄工程を、SDS−PAGEによって分析した(図4):可溶化液(図4、レーン1)、可溶性画分(図4、レーン2)。封入体から可溶化タンパク質を金属キレートアフィニティークロマトグラフィーにより精製し、リフォールディングして、SDS−PAGEによって分析した(図4、レーン3、フロースルー、レーン4、リフォールディングしたカラム溶出液のプールした画分)。組換えeエオタキシン−C−Hisは、この手順によって高度に濃縮されることが分かり、主にモノマー形態が見つかった。必要に応じて、さらにサイズ排除クロマトグラフィーによって精製した。
C.リフォールディングした組換え馬科のエオタキシンの構造
組換えeエオタキシン−C−Hisへの市販の抗体結合能を、ELISAによって試験した(図5)。試験ウェル:マキシソープ96ウェルELISAプレート(Nunc)を、10mg/Lのeエオタキシン−C−His又は市販の馬科CCL−11タンパク質(組換え馬科CCL−11、Kingfisher Biotech社、カタログ番号RP0066E)50μlで一晩コーティングした。プレートをPBS−Tween 0.1%(v/v)(PBST)で3回洗浄し、次いで、室温で2時間、スーパーブロック(Thermo Scientific)でブロッキングした。プレートをPBSTで3回洗浄し、抗CCL−11抗体(馬科CCL−11に対する反応性を有する抗CCL−11ポリクローナル抗体、Aviva、カタログ番号ARP30865_P050)を1/3希釈で4μg/mlからダウンタイトレーションし、室温で2時間インキュベートした。これらのプレートを、その後、PBSTで3回洗浄し、HRP(希釈1:2000)と結合させた二次抗ウサギIgGと、室温で30分間インキュベートした。プレートを再びPBSで3回洗浄し、50μl/ウェルの現像液(TMB)を添加した。室温での反応の2分後に、ウェルあたり25μlの5%H2SO4でELISAを停止させた。吸光度をテカンM200分光光度計(Tecan、オーストリア)で、450nmで測定した。eエオタキシンの適切なリフォールディングを、ELISAにより確認した。リフォールディングした馬科のeエオタキシン−C−Hisは、馬科CCL11に反応性を有する市販の抗CCL−11抗体により検出可能であった(図5)。
実施例3
馬科IL−31(eIL−31)のクローニング、発現及び精製
A.eIL−31−C−Hisのクローニング及び大腸菌内での封入体としての発現
成熟eIL−31(成熟エオタキシン、エクウス・カバルス;UniProt F7AHG9)(配列番号11)及びその断片(配列番号12)をコードするDNA配列を、遺伝子合成により作製した。
加えて、リンカー(GGC)をC末端に加えた。このインサートは、5’NdeI及び3’XhoIに隣接しており、これを、インフレームで8個のHis−タグ(精製を容易にする)及び終止コドンを含有するpET42b(+)に組み込んだ。この構築物を、pET42b−eIL−31(配列番号13)と名付けた。クローニング手順の忠実度を、DNA配列決定により確認した。構築物pET42b−eIL−31(配列番号13)を大腸菌株BL21−DE3に形質転換した。大腸菌で発現させた組換えタンパク質をeIL−31−C−His(配列番号14)と呼ぶ。
BL21−DE3細胞内でクローンpET42b−eIL31−C−HisからeIL−31−C−Hisの大規模発現を行った。この目的のために、pET42b−eIL31−C−Hisを保有するクローンBL21−DE3細胞を、50mg/Lのカナマイシンを含有する180mlのLB中で一晩増殖させた。この培養液を、50mg/Lのカナマイシンを含有する10LのLBに接種した。この培養液を0.7の光学密度OD600nmまで増殖させ、イソプロピルβ−D−チオガラクトピラノシド(IPTG)の1.0Mストックを10ml添加することによって4時間発現を誘導した。組換えeIL−31−C−Hisを、不溶性形態で発現させ、誘導細胞の封入体画分に位置づけた。eIL−31−C−Hisの発現を流動的に確認した。培養液を誘導後4時間の時点で採取し、4℃、4200×gで10分間遠心分離した。ペレットを、ultraturex(800rpm)を用いて、再懸濁緩衝液(4℃で100mMのトリス/HCl、pH8.0、1mMのEDTA)に再懸濁した(3ml/gの細胞)。再懸濁した細胞をファルコンチューブに収集し、液体窒素でショック凍結し、−20℃で一晩保存した。再懸濁した細胞を室温で解凍し、細胞クラッカー又はダウンスホモジナイザー及び超音波処理器により細胞に穴をあけた(ゲル分析のための50μl試料:試料A=可溶化液、50μl)。冷トリトン緩衝液の0.5容量(60mMのEDTA、1.5MのNaCl、NaOHでpH7.0に調整し、次いで6%(v/v)のトリトン−X−100を添加した)を添加し、4℃で30分間撹拌した。その後、可溶化液を4800×gで、4℃で30分間遠心分離した(ゲル分析のための50μl試料:試料B=可溶性画分、50ml)。封入体をultraturraxで洗浄緩衝液(4℃で100mMのトリス/HCl pH8.0、20mMのEDTA)に再懸濁し、48000×gで10分間、4℃で遠心分離した。この洗浄工程を4回繰り返し、トリトン−x 100を除去し、最後に封入体を−20℃で保存した。封入体は、室温で解凍し、ultraturexを使用して可溶化緩衝液(6MのGdmCl、20mMのイミダゾール、室温でpH8の100mMのトリス−HCl)に再懸濁し、室温で1〜2時間撹拌することにより可溶化した(20ml/gの封入体)。可溶化した封入体を、平均で100000×g、20℃で20分間、超遠心分離した(ゲル分析のための50μl試料:試料C=可溶化IB、50μl)。
B.eIL−31−C−Hisの精製及びリフォールディング
該タンパク質を、結合緩衝液Aとして可溶化緩衝液を用い、溶出には緩衝液B(6MのGdmCl、100mMのNaH2PO4、10mMのトリスHCl、pH4.5)により、Ni−NTA樹脂(Ni−NTAセファロース6ファストフロー、Amersham、カタログ番号17−5318−01又はNi−NTAセファローススーパーフロー、Quiagen、カタログ番号1018142)カラムによってHisタグを介して精製した(ゲル分析のための50μl試料:試料D=フロースルー NiNTA;50μl、試料E=ピーク NiNTA 50μl)。精製をSDS−PAGEによって分析した。eIL−31−C−Hisを含有する溶出工程からの画分をプールし、6MのGdmCl、100mMのNaH2PO4、10mMのトリス、pH8.0に対して、8kDaのカットオフ膜を用いて室温で2時間透析した。
不溶性eIL−31−C−Hisを、界面活性剤で洗浄した封入体から6Mのグアニジン塩酸塩で抽出した。異なる洗浄工程を、SDS−PAGEによって分析した(図6):可溶化液(図6、レーン1)、可溶性画分(図6、レーン2)、可溶化封入体(図6、レーン3)。可溶化タンパク質を金属キレートアフィニティークロマトグラフィーにより精製し、SDS−PAGEによって分析した(図6、レーン4、プールした溶出液の画分)。組換えeIL−31−C−Hisは、この手順によって高度に濃縮されることが分かった。天然タンパク質を、非還元条件下で行うSDS−PAGEによって評価し(図7、レーン1)、主にモノマータンパク質が見つかった。変性タンパク質を、以下に記載のリフォールディング手順に供し、必要に応じてさらにサイズ排除クロマトグラフィーによって精製した。
eIL−31−C−Hisをリフォールディングするために、該タンパク質を、以下の緩衝液により順次透析した:緩衝液1(2Mの尿素、50mMのNaH2PO4、5mMの還元グルタチオン、0.5mMの酸化グルタチオン、0.5Mのアルギニン、10%グリセロール)、緩衝液2(50mMのNaH2PO4、5mMの還元グルタチオン、0.5mMの酸化グルタチオン、0.5Mのアルギニン、10%グリセロール)、緩衝液3(50mMのNaH2PO4、10%グリセロール)、緩衝液4(PBS)。必要に応じて、リフォールディングしたタンパク質を、遠心フィルター(Amicon、Ultrafree−15 Millipore、10kDaカットオフ)によって濃縮し、PBS緩衝液を用いてHiLoad26/60スーパーデックス75プレップグレード(GE Healthcare、カタログ番号28−9893−34)上で精製した。溶出画分をプールし、非還元SDS−PAGE(SDSあり、DTTなし、試料の加熱なし)により分析した。タンパク質濃度を、UV−VIS又はブラッドフォードアッセイによって測定した。
精製した組換えeIL−31−C−Hisがリフォールディング後にダイマーを形成する能力を、非還元条件下で行うSDS−PAGEによって評価した(図7、レーン2)。約33kDaの分子量によって判断されるように、eIL−31−C−Hisは、部分的にダイマー構造で存在することが実証された。
C.リフォールディングした組換え馬科eIL−31−C−Hisの生物学的活性
eIL−31−C−Hisを馬の首に皮下注射した。かゆみを、注射部位(首)における5秒以上のかゆみとして定義した。毎時スクラッチ/かゆみの数を、注射の1時間後から開始して合計5時間計数した。eIL−31−C−Hisの注射後のかゆみを、eIL−5−C−His対照の注射と比較した。eIL−31−C−Hisについて、対照よりも増加したかゆみの数を記録した(図8)。
実施例4
キュウリモザイクウイルス(CMV)のコートタンパク質(CP)の単離及びクローニング
CMVが感染したユリの葉から総RNAを、メーカーの指示に従ってTRI試薬(Sigma、セントルイス、米国)を用いて単離した。cDNA合成のために、ワン工程RT−PCRキット(Qiagen、ヴェンロー、オランダ)を使用した。CMV CP遺伝子の増幅のために、プライマー配列を、GenBankからのCMV配列の分析後に選択した:CMcpF(CACCATGGACAAATCTGAATCAACCAGTGCTGGT)(配列番号22)及びCMcpR(CAAAGCTTATCAAACTGGGAGCACCCCAGATGTGGGA(配列番号23);NcoI及びHindIII部位に下線を引いている。対応するPCR産物を、pTZ57R/Tベクター(Fermentas、ビリニュス、リトアニア)にクローニングした。大腸菌XL1−Blue細胞を、クローニング及びプラスミド増幅のための宿主として使用した。PCRエラーを含有するクローンの選択を回避するために、いくつかのCP遺伝子含有pTZ57プラスミドクローンをBigDyeサイクルシーケンシングキット及びABIプリズム3100ジェネティックアナライザー(Applied Biosystems、カールズバッド、米国)を用いて配列決定した。次いで、配列決定後に、配列エラーのない、配列番号15のCMVコートタンパク質をコードするCMV CP遺伝子のcDNA(配列番号24)を、pET28a(+)発現ベクター(Novagen、サンディエゴ、米国)のNcoI/HindIII部位にサブクローニングして、発現プラスミドpET−CMVwtを得た(図9)。
実施例5
CMVのVLPをもたらす大腸菌内での配列番号15のCPの発現
CMV VLPを取得するために、大腸菌C2566細胞(New England Biolabs、イプスウィッチ、米国)を、CMV CP遺伝子含有プラスミドpET−CMVwtで形質転換した。標的タンパク質の発現レベルが最も高いクローンを選択した後、大腸菌培養液を、30℃でロータリーシェーカー(200回転/分;Infors、ボットミンゲン、スイス)で、カナマイシン(25mg/l)を含有する2×TY培地中で、0.8〜1.0のOD600まで増殖させた。次いで、細胞を0.2mMのIPTGで誘導し、培地に5mMのMgCl2を補充した。インキュベーションを、18時間20℃で、ロータリーシェーカー上で継続した。得られたバイオマスを、低速遠心分離によって収集し、−20℃で凍結した。氷上で解凍した後、細胞を、50mMのクエン酸ナトリウム、5mMのホウ酸ナトリウム、5mMのEDTA、5mMのメルカプトエタノールを含有する緩衝液(pH9.0、緩衝液A)に懸濁し、超音波処理により破砕した。不溶性タンパク質及び細胞破片を遠心分離(13,000rpm、5℃で30分間)により除去した。清澄化可溶化液中の可溶性CMV CPタンパク質を、飽和硫酸アンモニウム(1:1、容量/容量)を用いて+4℃で一晩ペレット化した。沈殿したタンパク質を、+4℃で4時間、同じ緩衝液A(メルカプトエタノールを含まない)で可溶化した。不溶性タンパク質を、低速遠心分離(13,000rpm、4℃で15分間)によって除去した。可溶性CMV CP含有タンパク質溶液を、ショ糖勾配(メルカプトエタノールを含まず、0.5%のTriton X−100を補った緩衝液A中20〜60%のショ糖)で超遠心分離(SW28ローター、Beckman、パロアルト、米国;25,000rpm、6時間、5℃)により細胞タンパク質から分離した。勾配の底部から始めて、勾配を6画分に分割し、それらの画分をSDS−PAGEにより分析した(データは示さず)。組換えCMV CPを含有する画分2及び画分3を合わせ、緩衝液(5mMのホウ酸ナトリウム、2mMのEDTA、pH9.0)の200容量に対して透析し、ショ糖及びTriton X−100を除去した。透析後、CMV CP溶液を0.2μのフィルターを通して濾過滅菌した。次に、CMV CPを、無菌条件下で20%ショ糖「クッション」を介してタイプ70ローター(Beckman、パロアルト、米国)超遠心分離(50,000rpm、4時間、+5℃)を用いて濃縮した。精製CMVwtの濃度を、製造業者(Invitrogen、ユージーン、米国)の推奨に従って、QuBit蛍光光度計を用いて推定した。濃縮したVLP溶液(約3mg/ml)を5mMのホウ酸ナトリウム、2mMのEDTA、緩衝液(pH9.0)中で、+4℃で保存した。VLPの発現及び精製に関わる全ての工程を、12.5%のゲルを用いてSDS−PAGEにより監視した。
CMVコートタンパク質は、首尾よく大腸菌細胞内で発現させることができ、得られた主要部分は、可溶性画分内に存在し得た。また、これらのタンパク質は、ショ糖勾配分析(図10A)、動的光散乱及び電子顕微鏡分析(図10B)によって実証されるように、大腸菌細胞抽出物中で等尺VLPの形態で直接見られる。
実施例6
破傷風トキソイドエピトープを含有するCMVの改変コートタンパク質のクローニング(CMV−Ntt830)
破傷風トキソイドエピトープコード配列と配列番号15のCMV CPのN末端の元のアミノ酸を置換するために、pET−CMVwtプラスミドをPCR増幅及び変異誘発のために使用した。CMVwt遺伝子(図9)内に位置するSalI部位は、対応するPCR産物をクローニングするために使用した。
CMVwt遺伝子に破傷風トキソイドエピトープコード配列を導入するために、2段階PCR変異誘発を使用した。第1段階の増幅については、以下のプライマーを使用した:pET−220(配列番号25)−ポリリンカーから上流、増幅領域は(BglII部位)及びCMV−tt83−1R(配列番号26)を含む。第2ラウンドについては、第1の増幅からのPCR産物を1:50希釈し、プライマーpET−220(配列番号25)及びCMV−tt83Sal−R2(配列番号27)で再増幅した。得られたPCR産物(配列番号20のCMV−Ntt830をコードする配列番号28のcDNA)を、pET−CMVwtのBglII/SaLI部位にサブクローニングした。正しいクローンを配列決定により同定し、pET−CMV−Ntt830と命名した。
実施例7
CMVの改変VLPをもたらす大腸菌内でのCMV−Ntt830の発現
CMV−Ntt830 VLPを得るために、大腸菌C2566細胞(New England Biolabs、イプスウィッチ、米国)をCMV−Ntt830遺伝子含有プラスミドpET−CMV−Ntt830で形質転換した。最も高い発現レベルの標的タンパク質を有するクローンを選択した後、30℃で、0.8〜1.0のOD600まで、大腸菌培養液をロータリーシェーカー(200回転/分;Infors、ボットミンゲン、スイス)で、カナマイシン(25mg/l)含有2×TY培地中で増殖させた。次に、細胞を0.2mMのIPTGで誘導し、培地に5mMのMgCl2を補った。インキュベーションを、20℃で18時間、ロータリーシェーカー上で継続した。得られたバイオマスを低速遠心分離によって収集し、−20℃で凍結した。氷上で解凍した後、細胞を、50mMのクエン酸ナトリウム、5mMのホウ酸ナトリウム、5mMのEDTA、5mMのメルカプトエタノール(pH9.0、緩衝液A)を含有する緩衝液に懸濁し、超音波処理により破砕した。不溶性タンパク質及び細胞破片を遠心分離(13,000rpm、5℃で30分間)により除去した。清澄化可溶化液中の可溶性CMV−Ntt830タンパク質を、飽和硫酸アンモニウム(1:1、容量/容量)を用いて+4℃で一晩ペレット化した。沈殿したタンパク質を、+4℃で4時間、(メルカプトエタノールを含まない)緩衝液A中で可溶化した。不溶性タンパク質を、低速遠心分離(13,000rpm、4℃で15分間)によって除去した。可溶性CMV−Ntt830含有タンパク質溶液を、ショ糖勾配(メルカプトエタノールを含まず、0.5%のTriton X−100を補った緩衝液A中20〜60%のショ糖)で、超遠心分離(SW28ローター、Beckman、パロアルト、米国;25,000rpm、6時間、5℃)により細胞タンパク質から分離した。勾配は、勾配の底部から始めて、6分画に分けた。組換えCMV−Ntt830を含有する画分を合わせ、ショ糖及びTriton X−100を除去するために、5mMのホウ酸ナトリウム、2mMのEDTA(pH9.0)の200容量に対して透析した。透析後、CMV−Ntt830溶液を0.2μフィルターで濾過滅菌した。次に、CMV−Ntt830を、無菌条件下で20%ショ糖「クッション」を介してタイプ70ローター(Beckman、パロアルト、米国)超遠心分離(50,000rpm、4時間、+5℃)を用いて濃縮した。精製されたCMV−Ntt830の濃度を、製造業者(Invitrogen、ユージーン、米国)の推奨に従って、QuBit蛍光光度計を用いて推定した。濃縮VLP溶液(約3mg/ml)を、5mMのホウ酸ナトリウム、2mMのEDTA、緩衝液(pH9.0)中で+4℃で保存した。VLPの発現及び精製に関わる全ての工程を、12.5%のゲルを用いてSDS−PAGEにより監視した。CMV VLPにおける破傷風トキソイドエピトープの存在を実証するために、精製したCMV−Ntt830 VLPの質量分析を用いた。図11Cに示すように、得られた主要なピークは、大腸菌細胞内でのタンパク質合成の間に生じる最初のメチオニンが除去された場合の、タンパク質の理論分子質量に対応する。動的光散乱及び電子顕微鏡により、CMVwt VLPに似た等尺粒子形態が確認された(図12A及び12B)。
実施例8
PADREエピトープを含有するCMVの改変コートタンパク質のクローニング(CMV−Npadr)
CMVwt遺伝子にPADREエピトープコード配列を導入するために、pET−CMVwtプラスミドの増幅及びサブクローニングのための鋳型として用いてPCR変異誘発を行った(実施例5及び6も参照されたい)。増幅のために以下のプライマーを使用した:pET−220(配列番号25)及びCMV−padrSal−R(配列番号29)。得られたPCR産物(配列番号21のCMV−Npadrをコードする配列番号30のcDNA)を、再びpET−CMVwtのBglII/SalI部位にサブクローニングした。正しいクローンを配列決定により同定し、pET−CMV−Npadrと命名した。
実施例9
CMVの改変VLPをもたらす大腸菌内でのCMV−Npadrの発現
CMV−Npadrの発現及び精製のための手順は、基本的にCMV−Ntt830と同じであり、実施例7に記載されている。CMV VLPにおけるPADREエピトープの存在を実証するために、精製したCMV−Npadr VLPの質量分析を用いた。図11Bに示すように、得られた主要なピークは、最初のメチオニンが除去された場合の、大腸菌細胞内でのタンパク質合成中に生じるタンパク質の理論分子質量に対応する。動的光散乱及び電子顕微鏡分析により、等尺粒子形態が確認された(図13A及び13B)。
実施例10
異なるVLPに対するeIL−5抗原のカップリング、馬の免疫化及びIBHにかかりやすい馬における有効性の実証
A.QβのVLPへのeIL5−C−Hisのカップリング
配列番号31のコートタンパク質を含むQβ VLPを、WO 02/056905に記載のように生成し、10倍モル過剰のヘテロ二官能性架橋剤スクシンイミジル−6(β−マレイミドプロピオンアミド)ヘキサノエート(SMPH)(Pierce)と反応させた。未反応の架橋剤を、PD−10脱塩カラム(GE Healthcare)に通すことによって除去した。精製し、リフォールディングさせた組換えeIL−5−C−Hisを、リンカーに含まれるシステイン残基を還元するために、等モル過剰量のPBS中トリ(2−カルボキシエチル)ホスフィン塩酸塩(TCEP)pH8.0で1時間還元した。次いで、還元したeIL−5−C−Hisを、1:2のQβモノマー:eIL−5−C−Hisタンパク質のモル比で、誘導体化Qβ VLPと混合し、22℃で4時間、同時インキュベートして、架橋させた。必要に応じて、この反応を、300kDaのカットオフ透析膜を使用してPBS pH7.4に対して12時間透析するか、又はカップリングしていない遊離eIL−5−C−Hisを100kDaのMWCOを使用して接線流濾過により除去した。
分析:SDS−PAGEのクーマシー染色(図14A):Qβ、eIL5−C−His及びeIL5−C−His−Qβ VLPを、SDS−PAGEにより分離した。その後、ゲルをクーマシー−ブルー(0.025%クーマシーブリリアントブルーR−250、40%メタノール、10%酢酸)で染色し、脱染剤(40%メタノール、10%酢酸)で脱色した。
抗His抗体を用いたウエスタンブロット染色(図14B):Qβ、eIL5−C−His及びIL5−C−His−Qβワクチンを、SDS−PAGEにより分離し、ニトロセルロース膜上にエレクトロブロットした。膜を、PBST中5%(w/v)のBSA粉末を用いて1時間ブロッキングし、次いで、PBST中1%BSA(w/v)粉末中の1:800希釈した抗His抗体(8個のHis抗体、BSA不含、マウスモノクローナルIgG1、カタログ番号34660)10mlとインキュベートした。膜を15分間PBSTで洗浄し、次いで、1:10,000希釈で、西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)結合抗マウスIgG抗体(PBST中1%(w/v)BSA)10mlと1時間インキュベートした。膜をPBSで15分間洗浄し、ECL(Amersham Pharmacia、スウェーデン)を用いて発色させ、写真フィルムに感光した。
ウイルス様粒子QβへのeIL5−C−Hisの共有化学カップリングを、SDS−PAGE及びウエスタンブロット分析により評価した。カップリング反応のクーマシーブルー染色ゲルにより、Qβと共有結合した馬科IL5−C−Hisについて予想されるものに対応する分子量バンドの出現が実証された(図14A)。さらに、抗His抗体で染色した場合に、ウエスタンブロット分析により、これらのバンドの共局在化が示された(図14B)。
B.CMV−Npadr VLP及びCMV−Ntt830 VLPへのeIL5−C−Hisのカップリング
CMV−Npadr VLP及びCMV−Ntt830 VLPを、上述のように生成し、10倍モル過剰のヘテロ二官能性架橋剤スクシンイミジル−6(β−マレイミドプロピオンアミド)−ヘキサノエート(SMPH)(Pierce)と反応させた。未反応の架橋剤を、PD−10脱塩カラム(GE Healthcare)に通すことによって除去した。精製し、リフォールディングさせた組換えeIL−5−C−Hisを、リンカーに含まれるシステイン残基を還元するために、等モル過剰量のPBS中トリ(2−カルボキシエチル)ホスフィン塩酸塩(TCEP)pH8.0で1時間還元した。次いで、還元したeIL−5−C−Hisを、1:2のVLPモノマー:eIL−5−C−Hisタンパク質のモル比で、誘導体化CMV−Npadr又はCMV−Ntt830 VLPと混合し、22℃で4時間、同時インキュベートして、架橋させた。必要に応じて、この反応を、300kDaのカットオフ透析膜を使用して、PBS pH7.4に対して12時間透析するか、又はカップリングしていない遊離eIL−5−C−Hisを100kDaのMWCOを使用して接線流濾過により除去した。
分析:SDS−PAGEのクーマシー染色(図15A):CMV−Npadr及びCMV−Ntt830、eIL5−C−His、eIL5−C−His−CMV−Npadr VLP及びeIL5−C−His−CMV−Ntt830 VLPを、SDS−PAGEにより分離した。その後、ゲルをクーマシー−ブルー(0.025%クーマシーブリリアントブルーR−250、40%メタノール、10%酢酸)で染色し、脱染剤(40%メタノール、10%酢酸)で脱染した。
抗His抗体を用いたウエスタンブロット染色(図15B):CMV−Npadr及びCMV−Ntt830、eIL5−C−His、eIL5−C−His−CMV−Npadr VLP及びeIL5−C−His−CMV−Ntt830 VLPを、SDS−PAGEにより分離し、ニトロセルロース膜上にエレクトロブロットした。膜を、PBST中5%(w/v)のBSA粉末を用いて1時間ブロッキングし、次いで、PBST中1%BSA(w/v)粉末中の1:1000希釈した抗His抗体(モノクローナル抗His Tag抗体HRPOコンジュゲート、Novagen、カタログ番号71840)10mlとインキュベートした。膜を15分間PBSTで洗浄し、次いで、ECL(Amersham Pharmacia、スウェーデン)を用いて発色させ、写真フィルムに感光した。
CMV−Npadr VLP及びCMV−Ntt830 VLPへのeIL5−C−Hisの共有化学カップリングを、SDS−PAGE及びウエスタンブロット分析により評価した。カップリング反応のクーマシーブルー染色ゲルにより、それぞれCMV−Npadr及びCMV−tt830と共有結合した馬科IL5−C−Hisについて予想されるものに対応する分子量バンドの出現が実証された(図15A)。さらに、抗His抗体で染色した場合に、ウエスタンブロット分析により、これらのバンドの共局在化が示された(図15B)。
C.免疫化プロトコル
マウス。マウスにおける馬科IL−5に対する抗体を作製するために、C57BL/6又はBALB/cマウスに、100μlのPBS中25μgのeIL5−C−His−Qβ VLPを、皮下又は静脈内に0日目及び14日目に注射した。マウスから、免疫前及び免疫化プロトコルの21日目に採血した。血清を、ELISAにより分析した。
馬(eIL−5−C−His−Qβ VLP)。馬科IL−5に対する自己反応性抗体を作製するために、注射の30分前に300μlのミョウバンと混合した1000μlのPBS中300μgのeIL5−C−His−Qβ VLPを0、21及び42日目に馬に皮下注射した。示した場合には、ブースターを124日目に与えた。あるいは、アジュバントを含めず、1000μlのPBS中300μgのeIL5−C−His−Qβ VLPを0、28、56、及び84日目に馬に皮下注射した。2年目の治療の経過観察のために、アジュバントを含めず、1000μlのPBS中300μgのeIL5−C−His−Qβ VLPを、4週間隔で2回、馬に皮下追加免疫した。免疫前、免疫化プロトコルの少なくとも42日目、56日目、及び56日後の様々な追加の時点で馬から採血した。血清をELISAによって分析した。血清をELISAにより分析した。
馬(eIL−5−C−His−CMVtt830)。馬科IL−5に対する自己反応性抗体を作製するために、1000μlのPBS中300μg又は400μgのeIL5−C−His−CMVtt830 VLPを0、33、53日目又は、0、28、56日目及び84日目のいずれかに馬に皮下注射した。免疫前、及び免疫化プロトコルの少なくとも16、51、67、又は56、84日目のいずれか、並びに84日後の様々な追加の時点で馬から採血した。血清をELISAによって分析した。血清をELISAにより分析した。
D.ELISAによる血清分析
マキシソープ96ウェルELISAプレート(Nunc)を50μlの精製eIL−5−C−His、Qβ又は精製CMV−Ntt830(10μg/ml)で一晩コーティングした。プレートをPBSTで3回洗浄し、室温で2時間、PBS中2%BSAでブロッキングした。次いで、プレートをPBSTで3回洗浄し、マウス又は馬の血清の3倍希釈物をPBS中2%BSAに添加し、室温で2時間インキュベートした。これらのプレートを、その後、PBSTで3回洗浄し、HRPと結合した抗マウスIgG又は抗馬科IgG(希釈1:2000)と室温で30分間インキュベートした。プレートを再びPBSで4回洗浄し、50μl/ウェルの現像液(TMB)を加えた。室温での反応の約2分後に、ELISAをウェルあたり25μlの5%H2SO4で停止させた。吸光度をテカンM200分光光度計(Tecan、オーストリア)で、450nmで測定した。
マウスの免疫前の血清及びeIL5−C−His−Qβ VLPでワクチン接種したマウスからの21日目の血清(図16A)並びに馬の免疫前の血清及びeIL5−C−His−Qβ VLPでワクチン接種した馬からの56日目の血清(図16B)を収集し、eIL−5−C−Hisに対する抗体についてELISAによって分析した。単一馬の免疫前及びeIL−5−C−His−CMV−Ntt830の1回目、2回目、及び3回目のワクチン接種後の血清を収集し、血清をeIL−5−C−His(図16C)及びCMV−Ntt830(図16D)に対する抗体について分析した。加えて、馬の免疫前の血清及びeIL−5−C−His−CMVtt830 VLPワクチン接種馬からの84日目の血清を、eIL−5−C−His抗体について分析した(図16E)。全ての馬の血清を、試料血清のODから未処理血清のODを差し引くことにより、各希釈について計算したデルタOD(ΔOD)値としてブロットした。馬でのワクチン接種の結果は、自己抗原IL−5に対する免疫寛容が克服されたことを示している。反応のピーク時の最大の半分の力価は1:1,000〜1:50,000の範囲であった。
E.インビボでの有効性
馬。血液及びIBH疾患症状の好酸球レベルの相関
12頭のIBH罹患アイスランド馬からEDTA血液を採取し、好酸球レベルを分析した。さらに、疾患症状スコアリングを、シーズン中、つまり、4月〜10月の間に評価した。血中の好酸球レベルを、病変症状スコアリングによる平均疾患症状尺度と相関した。病変症状スコアリングは、実施例13に従って行った。実際に、病気の馬の血中好酸球数とIBH病変強度スコアの間に正の相関が見出され(R2=0.9227、p<0.0001、n=12)(図17A)、IBH罹患馬を免疫化する方法における本発明の組成物及びそれらの使用がIBHの治療に有益であることが示された。合計48頭のIBH罹患馬(図17B)からのシーズン中の血液好酸球(%)対平均病変重症度のさらなる相関により(R2=0.3115、p<0.0001、n=48)、疾患の重症度と血中好酸球の百分率との間の関係が確かめられる。
ケーススタディ:疾患症状及び血中好酸球増加症に対するワクチン接種の効果を評価するために、IBH罹患アイスランド馬にeIL−5−C−His−Qβを皮下にワクチン接種した。最初の馬に、eIL−5−C−His−Qβを使用して3回皮下にワクチン接種した。ワクチン接種ごとに、1mlのPBS中300μgのeIL−5−C−His−Qβを注射した。最初の2回の注射液はミョウバンを含まず、3回目の注射液を、新たに(注射の約30分前に)0.3mlのミョウバン(Imject Alum、Thermo Scientific、カタログ番号77161)と事前に混合した。1.3mlの最終容量を皮下注射した。馬に、4日目、32日目及び59日目に注射した。示した時点でのワクチン接種の直前及び直後に、血液を採取し、前記血中の好酸球数、特に、eIL−5に対する抗体価を分析し、さらにIBH媒介性皮膚病変を、症状のスコアリングによって分類した。
この実験では、eIL−5−C−His−Qβでのワクチン接種によって作製された抗eIL5抗体の、内因性eIL−5のインビボ作用を下方制御する能力を試験した。eIL−5−C−His−Qβで免疫すると、馬において抗馬科IL−5抗体価が誘発された(図18A)。抗eIL−5抗体価の確立に伴い、血中の好酸球レベルは低下した(図18B)。さらに、IBHの影響を受けた病変は、抗体価が確立され、好酸球細胞数が減少した時に治癒し始めた。病変の治癒を、実施例13の病変スコアに従って、尾及びたてがみにおけるIBH病変症状スコアリングによって定量した(図18C)。したがって、IBHの影響を受けた病変の疾患症状は、ワクチン接種の際に消失した。本明細書に拘束されないが、好酸球の減少は、非常に規則正しい免疫アレイとして提供されるeIL−5−C−His−Qβでの免疫化によって作製される自己抗体が、内因性標的分子を認識し、それによって、IBH罹患馬の疾患症状スコアを低減するという証拠であると思われる。好酸球レベルが、抗体価(R2=0.8098)(図18D)と相関し得ることは、抗体価の増加が好酸球の減少と相関することを示す。
さらなるケーススタディにおいて、疾患症状及び血中好酸球増加症に対するワクチン接種の効果を評価するために、IBH罹患馬にeIL5−C−His−CMV−Ntt830 VLPを皮下にワクチン接種する。馬に、eIL5−C−His−CMV−Ntt830 VLPを用いて3回皮下にワクチン接種する。ワクチン接種ごとに、1mlのPBS中300μgのeIL5−C−His−CMV−Ntt830 VLPを注射する。最初の注射を、新たに(注射の約30分前に)0.3mlのミョウバン(Imject Alum、Thermo Scientific、カタログ番号77161)と事前に混合してミョウバンの存在下で行い、以後2回の注射はミョウバンを含めずに行った。1.3mlの最終容量を皮下に注射した。馬に、0日目、33日目及び53日目に注射した。示した時点でのワクチン接種の直前及び直後に、血液を採取し、前記血中の好酸球数、特に、eIL−5に対する抗体価を分析し、さらにIBH媒介性皮膚病変を、症状のスコアリングによって分類した。
eIL−5−C−His−CMVtt830でのワクチン接種時に、馬におけるeIL−5及びCMVtt830に対する抗体価を確立した(図18E)。好酸球レベル及び病変重症度を、経時的に調べた(図18F)。eIL−5に対する抗体価が確立されるとすぐに、血中の好酸球レベルが低下し、遅れて、病変重症度レベルもそれに応じて減少した。
IL−5−C−His−Qβの二重盲検プラセボ対照無作為化試験
疾患症状及び血中好酸球増加症に対するワクチン接種の効果を評価するために、10頭のIBH罹患アイスランド馬を二重盲検プラセボ対照無作為化試験に含めた。ワクチン接種前のIBHシーズン(4月〜10月)中に、隔週で症状スコアリングを全馬について評価し、血中好酸球増加を8月の初めに定量化した。次のIBHシーズンが開始する前の0、21及び42日目(2月/3月)に、6頭のアイスランド馬に300μgのeIL−5−C−His−Qβで免疫し、4頭のアイスランド馬にプラセボを与えた。ワクチンを1mlのPBSで投与した。全ての注射を、0.3mlのミョウバン(Imject Alum、Thermo Scientific、カタログ番号77161)を用いて、新たに(注射の約30分前に)事前に混合したミョウバンの存在下で行った。全馬に、124日目に追加ワクチン接種を行い、抗体価及び好酸球数を、3月〜10月まで毎月測定した。さらに、病変分類を隔週で評価した。また、馬の健康状態だけでなく、寄生状況を3月及び10月に分析した。
Qβ(図18G)及びeIL−5(図18H)に対する抗体価のタイムラインを、全シーズンにわたって追った。馬に、2月から始めて、3週間間隔で3回注射によるワクチン接種を行い、その後、最後の注射後約2ヶ月の時点で追加免疫を行った。しかし、開始時にかなり程度が異なっていた活性馬におけるeIL−5に対する確立された抗体価は、追加免疫後に上記の有効力価の点であまり変動がなかった(図18H)。力価のほとんどは、追加免疫前に低下し、シーズンの中間では実質的にゼロであった。シーズンの中間で抗体価が低下したにもかかわらず、ワクチン接種馬は、全体的に、治療前の2014年(図18I)と比較して、治療の年の2015年(図18J)に平均病変重症度を向上させることができた。差は統計的に有意ではなかったが、馬の頭数の低さ、シーズン中の抗体価の低下及び評価前の2014年における平均病変重症度がプラセボ群よりも活性群においてすでにより高かったことを考慮すると、効果はまだ顕著であった。プラセボ馬の平均病変重症度は、安定であるか、又は最も可能性が高い2015年の早期の長く暖かい春、夏及び秋が原因で、2015年に2例(50%)においてさらに悪化した。まとめると、シーズンを通して、様々な抗体価であっても、ワクチン群の全馬は治療の年に改善したが、プラセボ群の全ての馬は、安定であるか、又は前年と比較してさらに悪化した(10%の差の増加又は減少は、季節変動の範囲内であると決定し、安定と判断した)(図18K及び図18L)。6頭中6頭の治療馬が改善し、4頭中4頭のプラセボ馬が安定であるか、又は悪化し、統計的に有意な治療効果をもたらした(図18L)。
IL−5−C−His−Qβの経過観察研究
IL−5−C−His−Qβを用いた二重盲検プラセボ対照無作為化試験の10頭の馬を、次のシーズン2016年に経過観察した。前の6頭の活性馬に、4週間間隔で2月及び3月に300μgのeIL−5−C−His−Qβを2回追加免疫した。前の4頭のプラセボ馬に、0、28、56、及び84日目に、300μgのeIL−5−C−His−Qβでの能動免疫化を受けた。全馬のワクチンに、アジュバントを含まない1mlのPBSで投与した。抗体価及び好酸球数を、1月及び3月から6月まで毎月測定し、10月まで経過観察した。さらに、病変分類を2週〜毎月評価した、かつ評価する。また、馬の健康状態だけでなく、寄生状況も1月及び10月に分析した、かつ分析する。病変重症度を4月から6月まで経過観察し、15頭の新しいプラセボ馬の病変重症度と比較した。病変重症度を10月まで経過観察する。
この研究は継続中であるが、「IL−5−His−CMVtt830の二重盲検プラセボ対照無作為化試験」からのこれらの10頭の経過観察馬と15頭のプラセボ馬の4月から6月までの病変重症度値を比較する中間解析(図18M)から、プラセボと比較して、免疫化馬における病変重症度が統計的に有意であることが示される。
IL−5−C−His−CMVtt830の二重盲検プラセボ対照無作為化試験
疾患症状及び血中好酸球増加症に対するワクチン接種の効果を評価するために、33頭のIBH罹患アイスランド馬を二重盲検プラセボ対照無作為化試験に含めた。ワクチン接種前のIBHシーズン(2015年の4月〜10月)中に、毎月、症状スコアリングを全馬について評価し、血中好酸球増加をシーズン中の1時点で定量化した。次のIBHシーズンが開始する前の0、28、56及び84日目(1月〜4月)に、18頭のアイスランド馬に400μgのeIL−5−C−His−CMVtt830で免疫し、15頭のアイスランド馬にプラセボを与えた。ワクチンを、アジュバントを含まない1mlのPBSで投与した。全馬に、126日目に追加ワクチン接種を行い、抗体価及び好酸球数を、1月及び3月から6月まで毎月測定し、10月まで経過観察する。また、馬の健康状態だけでなく、寄生状況を1月及び10月に分析した、かつ分析する。病変重症度を4月から6月まで経過観察した。病変重症度を10月まで経過観察する。
この研究は継続中であるが、2015年(図18N)及び2016年(図18O)の4月から6月までの病変重症度値を比較する中間解析から、以前の未治療シーズン2015及びプラセボと比較して、治療の2016年の活性ワクチン群における病変重症度が低下したことが示されている。活性ワクチン群及びプラセボ群の2015年の4月から6月までの病変重症度を差し引いた2016年4月から6月までの病変重症度の差分は、活性ワクチン群においてより高い陽性(改善)値をもたらしたが、プラセボ群ではほとんど差はなかった(図18P)。したがって、IL−5−C−His−CMVtt830ワクチンは、病変重症度に対して有益な効果を有し、従って、疾患症状を治療的に改善した。
実施例11
VLPへのeエオタキシン抗原のカップリング、馬の免疫化及びIBHにかかりやすい馬における有効性の実証
A.QβのVLPへの馬科のエオタキシン−C−Hisのカップリング
配列番号31のコートタンパク質を含むQβ VLPを、WO 02/056905に記載のように生成し、2.3倍モル過剰のヘテロ二官能性架橋剤スクシンイミジル−6(β−マレイミドプロピオンアミド)ヘキサノエート(SMPH)(Pierce)と反応させた。未反応の架橋剤を、PD−10脱塩カラム(GE Healthcare)に通すことによって除去した。精製し、リフォールディングさせた組換えeエオタキシン−C−Hisを、リンカーに含まれるシステイン残基を還元するために、等モル過剰量のPBS中トリ(2−カルボキシエチル)ホスフィン塩酸塩(TCEP)pH8.0で1時間還元した。次いで、還元したeエオタキシン−C−Hisを、2.4:2のQβモノマー:eエオタキシン−C−Hisタンパク質のモル比で、誘導体化Qβ VLPと混合し、22℃で4時間、同時インキュベートして、架橋させた。必要に応じて、この反応を、300kDaのカットオフ透析膜を使用してPBS pH7.4に対して12時間透析するか、又はカップリングしていない遊離eIL−5−C−Hisを100kDaのMWCOを使用して接線流濾過により除去した。
分析:SDS−PAGEのクーマシー染色(図19A):Qβ、eエオタキシン−C−His及びeエオタキシン−C−His−Qβ VLPを、SDS−PAGEにより分離した。その後、ゲルをクーマシー−ブルー(0.025%クーマシーブリリアントブルーR−250、40%メタノール、10%酢酸)で染色し、脱染剤(40%メタノール、10%酢酸)で脱染した。
抗His抗体を用いたウエスタンブロット染色(図19B):Qβ、eエオタキシン−C−His及びeエオタキシン−C−His−Qβ VLPを、SDS−PAGEにより分離し、ニトロセルロース膜上にエレクトロブロットした。膜を、PBST中5%(w/v)のBSA粉末を用いて1時間ブロッキングし、次いで、PBST中1%BSA(w/v)粉末中の1:800希釈した抗His抗体(8個のHis抗体、BSA不含、マウスモノクローナルIgG1、カタログ番号34660)10mlとインキュベートした。膜を、15分間PBSTで洗浄し、次いで、1:10,000希釈で、西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)結合抗マウスIgG抗体(PBST中1%(w/v)BSA)10mlと1時間インキュベートした。膜をPBSで15分間洗浄し、ECL(Amersham Pharmacia、スウェーデン)を用いて発色させ、写真フィルムに感光した。
ウイルス様粒子Qβへのeエオタキシン−C−Hisの共有化学カップリングを、SDS−PAGE及びウエスタンブロット分析により評価した。カップリング反応のクーマシーブルー染色ゲルにより、Qβと共有結合した馬科のエオタキシン−C−Hisについて予想されるものに対応する分子量バンドの出現が実証された(図19A)。また、抗His抗体で染色した場合に、ウエスタンブロット分析により、これらのバンドの共局在化が示された(図19B)。
B.CMV−Ntt830 VLPへのeエオタキシン−C−Hisのカップリング
CMV−Ntt830 VLPを、上記のように生成し、2.3倍モル過剰のヘテロ二官能性架橋剤スクシンイミジル−6(β−マレイミドプロピオンアミド)−ヘキサノエート(SMPH)(Pierce)と反応させた。未反応の架橋剤を、PD−10脱塩カラム(GE Healthcare)に通すことによって除去した。精製し、リフォールディングさせた組換えeエオタキシン−C−Hisを、リンカーに含まれるシステイン残基を還元するために、等モル過剰量のPBS中トリ(2−カルボキシエチル)ホスフィン塩酸塩(TCEP)pH8.0で1時間還元した。次いで、還元したeエオタキシン−C−Hisを、2.4:2のVLPモノマー:eエオタキシン−C−Hisタンパク質のモル比で、誘導体化CMV−Ntt830 VLPと混合し、22℃で1時間、同時インキュベートして、架橋させた。必要に応じて、この反応を、300kDaのカットオフ透析膜を使用してPBS pH7.4に対して12時間透析するか、又はカップリングしていない遊離eIL−5−C−Hisを100kDaのMWCOを使用して接線流濾過により除去した。
分析:SDS−PAGEのクーマシー染色:eエオタキシン−C−His、CMV−Ntt830、及びeエオタキシン−C−His−CMV−Ntt830 VLPを、SDS−PAGEにより分離した。その後、ゲルをクーマシー−ブルー(0.025%クーマシーブリリアントブルーR−250、40%メタノール、10%酢酸)で染色し、脱染剤(40%メタノール、10%酢酸)で脱染した。
抗His抗体を用いたウエスタンブロット染色:eエオタキシン−C−His、CMV−Ntt830、及びeエオタキシン−C−His−CMV−Ntt830 VLPを、SDS−PAGEにより分離し、ニトロセルロース膜上にエレクトロブロットした。膜を、PBST中5%(w/v)のBSA粉末を用いて1時間ブロッキングし、次いで、PBST中1%BSA(w/v)粉末中の1:1000希釈した抗His抗体(モノクローナル抗His Tag抗体HRPOコンジュゲート、Novagen、カタログ番号71840)10mlとインキュベートした。膜を15分間PBSTで洗浄し、次いで、ECL(Amersham Pharmacia、スウェーデン)を用いて発色させ、写真フィルムに感光した。
B.免疫化プロトコル
マウス。マウスにおける馬科のエオタキシンに対する抗体を作製するために、C57BL/6又はBALB/cマウスに、100μlのPBS中25μgの馬科のエオタキシン−C−His−Qβワクチンを、皮下又は静脈内に0日目及び14日目に注射する。マウスから、免疫前及び免疫化プロトコルの21日目に採血する。血清を、ELISAにより分析する。
馬。馬科IL−5及び馬科のエオタキシンに対する自己反応性抗体を作製するために、注射の30分前に300μlのミョウバンと混合した1000μlのPBS中300μgの各eIL5−C−His−Qβ/eエオタキシン−C−His−Qβワクチンを0、21及び42日目に馬に皮下注射する。免疫前、免疫化プロトコルの少なくとも42日目、56日目、及び56日後の様々な追加の時点で馬から採血する。血清をELISAによって分析する。
C.ELISAによる血清分析
マキシソープ96ウェルELISAプレート(Nunc)を50μlの精製eエオタキシン−C−His(10μg/ml)で一晩コーティングする。プレートをPBSTで3回洗浄し、室温で1.5時間、PBS中2%BSAでブロッキングする。次いで、プレートをPBSTで3回洗浄し、マウス又は馬の血清の3倍希釈物をPBS中2%BSAに添加し、室温で2時間インキュベートする。これらのプレートを、その後、PBSTで3回洗浄し、HRPと結合した抗マウスIgG又は抗馬科IgG(希釈1:2000)と室温で30分間インキュベートする。プレートを再びPBSで4回洗浄し、50μl/ウェルの現像液(TMB)を加える。室温での反応の約2分後に、ELISAをウェルあたり25μlの5%H2SO4で停止させる。吸光度をテカンM200分光光度計(Tecan)で、450nmで測定する。
マウスの免疫前の血清及びeエオタキシン−C−His−Qβでワクチン接種したマウスからの21日目の血清並びに馬の免疫前の血清及びeエオタキシン−C−His−Qβでワクチン接種した馬からの示した時点の血清を収集し、ELISAによって分析する。
D.インビボでの有効性
馬。ケーススタディ。疾患症状及び血中好酸球増加症に対するワクチン接種の効果を評価するために、IBH罹患アイスランド馬にeIL−5−C−His−Qβ及びeエオタキシン−C−His−Qβからなる混合ワクチンでワクチン接種する。最初の馬に、eIL−5−C−His−Qβ/eエオタキシン−C−His−Qβ混合ワクチンを使用して3回皮下にワクチン接種する。ミョウバンを含むワクチン接種日ごとに、総容量1mlのPBS中300μgの各ワクチンを注射する。ミョウバンを、0.3mlのミョウバン(Imject Alum、Thermo Scientific、カタログ番号77161)との事前の混合で、新たに添加する(注射の約30分前に)。1.3mlの最終容量を皮下注射する。馬に、0日目、21日目及び42日目に注射する。ワクチン接種の前後に、血中の好酸球数を分析し、IBH媒介性皮膚病変を、実施例13に記載のものに従って、症状のスコアによって分類する。
実施例12
VLPへのeIL−31抗原のカップリング、馬の免疫化及びIBHにかかりやすい馬における有効性の実証
A.QβのVLPへの馬科IL−31−C−Hisのカップリング
配列番号31のコートタンパク質を含むQβ VLPを、WO 02/056905に記載のように生成し、7.5倍モル過剰のヘテロ二官能性架橋剤スクシンイミジル−6(β−マレイミドプロピオンアミド)ヘキサノエート(SMPH)(Pierce)と反応させた。未反応の架橋剤を、PD−10脱塩カラム(GE Healthcare)に通すことによって除去した。精製し、リフォールディングさせた組換えeIL−31−C−Hisを、リンカーに含まれるシステイン残基を還元するために、等モル過剰量のPBS中トリ(2−カルボキシエチル)ホスフィン塩酸塩(TCEP)pH8.0で1時間還元した。次いで、還元したeIL−31−C−Hisを、1:1のQβモノマー:eIL−31−C−Hisタンパク質のモル比で、誘導体化Qβ VLPと混合し、22℃で4時間、同時インキュベートして、架橋させた。必要に応じて、この反応を、300kDaのカットオフ透析膜を使用してPBS pH7.4に対して12時間透析するか、又はカップリングしていない遊離eIL−5−C−Hisを100kDaのMWCOを使用して接線流濾過により除去した。
分析:SDS−PAGEのクーマシー染色(図20A):Qβ、eIL−31−C−His及びeIL−31−C−His−Qβ VLPを、SDS−PAGEにより分離した。その後、ゲルをクーマシー−ブルー(0.025%クーマシーブリリアントブルーR−250、40%メタノール、10%酢酸)で染色し、脱染剤(40%メタノール、10%酢酸)で脱染した。
抗His抗体を用いたウエスタンブロット染色(図20B):Qβ、eIL−31−C−His及びeIL−31−C−His−Qβ VLPを、SDS−PAGEにより分離し、ニトロセルロース膜上にエレクトロブロットした。膜を、PBST中5%(w/v)のBSA粉末を用いて1時間ブロッキングし、次いで、PBST中1%BSA(w/v)粉末中の1:800希釈した抗His抗体(8個のHis抗体、BSA不含、マウスモノクローナルIgG1、カタログ番号34660)10mlとインキュベートした。膜を15分間PBSTで洗浄し、次いで、1:10,000希釈で、西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)結合抗マウスIgG抗体(PBST中1%(w/v)BSA)10mlと1時間インキュベートした。膜をPBSで15分間洗浄し、ECL(Amersham Pharmacia、スウェーデン)を用いて発色させ、写真フィルムに感光した。
ウイルス様粒子QβへのeIL−31−C−Hisの共有化学カップリングを、SDS−PAGE及びウエスタンブロット分析により評価した。カップリング反応のクーマシーブルー染色ゲルにより、Qβと共有結合した馬科eIL−31−C−Hisについて予想されるものに対応する分子量バンドの出現が実証された(図20A)。さらに、抗His抗体で染色した場合に、ウエスタンブロット分析により、これらのバンドの共局在化が示された(図20B)。
B.CMV−Ntt830 VLPへのeIL31−C−Hisのカップリング
CMV−Ntt830 VLPを、上記のように生成し、10倍モル過剰のヘテロ二官能性架橋剤スクシンイミジル−6(β−マレイミドプロピオンアミド)−ヘキサノエート(SMPH)(Pierce)と反応させた。未反応の架橋剤を、PD−10脱塩カラム(GE Healthcare)に通すことによって除去した。精製し、リフォールディングさせた組換えeIL−31−C−Hisを、リンカーに含まれるシステイン残基を還元するために、等モル過剰量のPBS中トリ(2−カルボキシエチル)ホスフィン塩酸塩(TCEP)pH8.0で1時間還元した。次いで、還元したeIL−31−C−Hisを、1:2のVLPモノマー:eIL−31−C−Hisタンパク質のモル比で、誘導体化CMV−Ntt830 VLPと混合し、22℃で4時間、同時インキュベートして、架橋させた。必要に応じて、この反応を、300kDaのカットオフ透析膜を使用してPBS pH7.4に対して12時間透析するか、又はカップリングしていない遊離eIL−5−C−Hisを100kDaのMWCOを使用して接線流濾過により除去した。
分析:SDS−PAGEのクーマシー染色(図20C):eIL−31−C−His、CMV−Ntt830、及びeIL31−C−His−CMV−Ntt830 VLPを、SDS−PAGEにより分離した。その後、ゲルをクーマシー−ブルー(0.025%クーマシーブリリアントブルーR−250、40%メタノール、10%酢酸)で染色し、脱染剤(40%メタノール、10%酢酸)で脱染した。
抗His抗体を用いたウエスタンブロット染色(図20D):eIL−31−C−His、CMV−Ntt830、及びeIL31−C−His−CMV−Ntt830 VLPを、SDS−PAGEにより分離し、ニトロセルロース膜上にエレクトロブロットした。膜を、PBST中5%(w/v)のBSA粉末を用いて1時間ブロッキングし、次いで、PBST中1%BSA(w/v)粉末中の1:1000希釈した抗His抗体(モノクローナル抗His Tag抗体HRPOコンジュゲート、Novagen、カタログ番号71840)10mlとインキュベートした。膜を15分間PBSTで洗浄し、次いで、ECL(Amersham Pharmacia、スウェーデン)を用いて発色させ、写真フィルムに感光した。
CMV−Ntt830 VLPへのeIL5−C−Hisの共有化学カップリングを、SDS−PAGE及びウエスタンブロット分析により評価した。カップリング反応のクーマシーブルー染色ゲルにより、CMV−tt830と共有結合した馬科IL31−C−Hisについて予想されるものそれぞれに対応する分子量バンドの出現が実証された(図20C)。さらに、抗His抗体で染色した場合に、ウエスタンブロット分析により、これらのバンドの共局在化が示された(図20D)。
B.免疫化プロトコル
マウス。マウスにおける馬科IL−31に対する抗体を作製するために、C57BL/6又はBALB/cマウスに、100μlのPBS中25μgの馬科IL−31−C−His−Qβワクチンを、皮下又は静脈内に0日目及び14日目に注射する。マウスから、免疫前及び免疫化プロトコルの21日目に採血する。血清を、ELISAにより分析する。
馬。馬科IL−5及び馬科IL−31に対する自己反応性抗体を作製するために、注射の30分前に300μlのミョウバンと混合した1000μlのPBS中300μgの各eIL5−C−His−Qβ/eIL−31−C−His−Qβワクチンを0、21及び42日目に馬に皮下注射する。免疫前、免疫化プロトコルの少なくとも42日目、56日目、及び56日後の様々な追加の時点で馬から採血する。血清をELISAによって分析する。
C.ELISAによる血清分析
マキシソープ96ウェルELISAプレート(Nunc)を50μlの精製eIL−31−C−His(10μg/ml)で一晩コーティングした。プレートをPBSTで3回洗浄し、室温で1.5時間、PBS中2%BSAでブロッキングした。次いで、プレートをPBSTで3回洗浄し、マウス又は馬の血清の3倍希釈物をPBS中2%BSAに添加し、室温で2時間インキュベートした。これらのプレートを、その後、PBSTで3回洗浄し、HRPと結合した抗マウスIgG又は抗馬科IgG(希釈1:2000)と室温で30分間インキュベートした。プレートを再びPBSで4回洗浄し、50μl/ウェルの現像液(TMB)を加えた。室温での反応の約2分後に、ELISAをウェルあたり25μlの5%H2SO4で停止させた。吸光度をテカンM200分光光度計(Tecan、オーストリア)で、450nmで測定した。
マウスの免疫前の血清及びeIL−31−C−His−Qβでワクチン接種したマウスからの21日目の血清並びに馬の免疫前の血清及びeIL−31−C−His−Qβでワクチン接種した馬からの示した時点の血清を収集し、ELISAによって分析する。
D.インビボでの有効性
ケーススタディ。疾患症状及び血中好酸球増加症に対するワクチン接種の効果を評価するために、IBH罹患アイスランド馬にeIL−5−C−His−Qβ及びeIL−31−C−His−Qβからなる混合ワクチンでワクチン接種する。
最初の馬に、eIL−5−C−His−Qβ/eIL−31−C−His−Qβ混合ワクチンを使用して3回皮下にワクチン接種する。ミョウバンを含むワクチン接種日ごとに、総容量1mlのPBS中300μgの各ワクチンを注射する。ミョウバンを、0.3mlのミョウバン(Imject Alum、Thermo Scientific、カタログ番号77161)との事前の混合で、新たに添加する(注射の約30分前に)。1.3mlの最終容量を皮下注射する。馬に、0日目、21日目及び42日目に注射する。ワクチン接種の前後に、血中の好酸球数を分析し、IBH媒介性皮膚病変を、実施例13に記載の症状のスコアによって分類する。
実施例13
IBH症状病変スコアリング
IBH症状スコアリングのために、IBH病変が生じる場所(尾、たてがみ、腹、脇腹、顔、耳、足など)を記録する。各位置を、上、中央、下の3つの部分に分割する。さらに病変の数に応じて、各位置を軽度及び重度に分類する。罹患部位の数(上/中/下)及び見出された位置ごとの病変の数(軽度/重度)に応じて、1〜4点にスコア化することができる(1ポイント=罹患部位が1つ、軽度の病変;4点=罹患部位が全3つ、重度の病変)。
また、これらの位置を、6つのさらなる特性:サイズ(直径)、血液、脱毛、規模、痂皮、及び苔癬化/腫れについて分類する。全てのこれらの特性についても、1〜4点にスコア化することができる。サイズを、<0.5cm(1点)、0.5≧x>1cm(2点)、1≧x>2cm(3点)、及び≧2cm(4点)に分ける。血液を、無傷の表皮(1点)、軽度(2点)、中程度(3点)、及び重度(4点)に分類する。脱毛を、軽度(1点)、中等度(2点)、重度(3点)、及び無毛(4点)に分類する。規模を、なし(1点)、小さい、少数(2点)、中程度、中型(3点)、及び多数、大きい(4点)に分類する。痂皮を、なし(1点)、小さい(2点)、半分(3点)、及び全体(4点)に分類する。苔癬化及び/又は腫れを、なし(1点)、軽度(2点)、軽度(3点)、及び重度(4点)に分類する。
さらに、シース又は乳房が肥大した場合、最小5又は最大20点でスコア化することができる:グレード1(5点)、グレード2(10ポイント)、グレード3(15点)、及びグレード4(20点)。
最後に、全てのポイントを加算すると、IBH症状スコアになる。