JP6984131B2 - 銅粒子含有インク、銅粒子含有インクの製造方法、導電性印刷物の印刷方法、及び導電性配線の形成方法 - Google Patents

銅粒子含有インク、銅粒子含有インクの製造方法、導電性印刷物の印刷方法、及び導電性配線の形成方法 Download PDF

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Description

本発明は、銅粒子含有インク、銅粒子含有インクの製造方法、導電性印刷物の印刷方法、及び導電性配線の形成方法に関する。
従来、基材上に配線、アンテナ等の導電性パターンを形成する方法として、フォトリソグラフィー、エッチング等が主に利用されているが、プロセスの工程数、材料の使用効率等の点で問題があり、また、製造コストも高い。
そこで、インクジェット印刷法等の印刷法を用いて、導電性パターンを形成する方法が知られている。
前記導電性パターンを形成する方法は、インクジェット法を用いて、基板上にインクを印刷した後、乾燥・焼成する方法である。前記インクとしては、一次粒径がnmオーダーの金属粒子が分散媒中に分散しているナノメタルインクが知られている。
また、導電層を形成する方法として、基板の表面上に複数の銅ナノ粒子を含有するフィルムを堆積させる段階と、前記フィルムの少なくとも一部を露光して、露光部分を導電性にする段階とを備えた導電層を形成する方法(光焼成プロセス)が提案されている(特許文献1参照)。
本発明は、銅粒子を高濃度にしても粘度が上がりにくく、1回の塗布で塗れる銅粒子量が多い銅粒子含有インクを提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としての本発明の銅粒子含有インクは、溶媒、及び銅粒子を含有する銅粒子含有インクであって、前記銅粒子が、表面に樹脂を有する樹脂被覆銅粒子である。
本発明によると、銅粒子を高濃度にしても粘度が上がりにくく、1回の塗布で塗れる銅粒子量が多い銅粒子含有インクを提供することができる。
図1は、シリアル型画像形成装置の一例を示す斜視説明図である。 図2は、図1の装置のメインタンクの一例を示す斜視説明図である。
(銅粒子含有インク)
本発明の銅粒子含有インク(以下、「インク」とも称することがある)は、溶媒、及び銅粒子を含有する銅粒子含有インクであって、前記銅粒子が、表面に樹脂を有する樹脂被覆銅粒子であり、更に必要に応じてその他の成分を含有する。
本発明の銅粒子含有インクは、従来の導電層を形成する方法に用いられるナノ粒子を含む溶液では、ナノ粒子、分散剤、溶媒などからなるが、従来分散剤は粒子への吸着平衡により粒子に付着しているため、粒子の分散機能を実現するためには相当量を溶媒に加える必要がある。この時、特に高分子分散剤を使用する場合には、分散剤量が多くなると、インクの粘度が上昇するため、特にインクジェットのように適正なインク粘度が規定される場合にはナノ粒子の濃度を上げることができず、所定量の粒子を基材に付与するためには多数回重ね塗りしなければならないといった問題があるという知見に基づくものである。
<銅粒子>
前記銅粒子とは、銅単体の粒子、酸化銅単体の粒子、銅及び酸化銅を有する粒子、銅粒子と酸化銅粒子の混合物などを含む意味である。
前記銅粒子の体積平均粒径としては、5nm以上150nm以下が好ましく、23nm以上60nm以下がより好ましい。前記体積平均粒径は、例えば、動的光散乱法を用いて測定することができる。
前記銅粒子としては、市販品を使用することができる。前記市販品としては、前記銅単体の粒子として、例えば、QuantumSphere社製のQSI−Nano Copper Powder、前記酸化銅単体の粒子として、例えば、日清エンジニアリング株式会社製ナノ粒子(受託加工品)などが挙げられる。
前記銅粒子の含有量としては、銅粒子含有インク全量に対して、10質量%以上50質量%以下が好ましい。
<樹脂>
前記樹脂は、前記銅粒子を樹脂被覆銅粒子とするために表面に存在するものである。
前記樹脂が、前記銅粒子の表面に存在することにより、分散剤を使用しなくても、銅粒子が単独で溶媒中に安定分散することができる。
なお、溶媒中で分散状態を維持できれば、完全被覆でもよく、部分被覆でもよい。
前記樹脂としては、単独では溶媒に不溶であり、銅粒子に吸着する銅粒子吸着性官能基と、溶媒と親和性がある溶媒親和性官能基と、溶媒に不溶性を示す溶媒不溶性官能基と、を有することが好ましい。
前記銅粒子吸着性官能基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、カルボキシル基、アミド基、シアノ基、アミノ基、ヒドロキシル基、等の極性基などが挙げられる。
前記樹脂としては、銅粒子に吸着する銅粒子吸着性官能基を有するモノマー、溶媒と親和性がある溶媒親和性官能基を有するモノマー、単独重合体が溶媒に不溶である溶媒不溶性官能基を有するモノマーを重合した共重合体を用いることができる。
前記銅粒子に吸着する銅粒子吸着性官能基を有するモノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2,3−ジヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−プロピル(メタ)アクリレート、2−クロロエチル(メタ)アクリレート、2,3−ジブロモプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロニトリル、イソブチル−2−シアノ(メタ)アクリレート、2−シアノエチル(メタ)アクリレート、エチル−2−シアノ(メタ)アクリレート、メタクリルアセトン、ビニルピロリドン、N−アクリロイルモルホリン、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、トリフロロエチルメタクリレート、p−ニトロスチレン、アクリルアミド、メタクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、N,N−ジブチルメタクリルアミド、酸性基を有するモノマー、塩基性基を有するモノマーなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記酸性基を有するモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、フマル酸、桂皮酸、クロトン酸、ビニル安息香酸、2−(メタ)アクリロキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリロキシエチルマレイン酸、2−(メタ)アクリロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2−(メタ)アクリロキシエチルトリメリット酸、ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、スチレンスルホン酸、2−スルホエチル(メタ)アクリレート、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、3−クロロアミドホスホキシプロピルメタクリレート、2−(メタ)アクリロキシエチルアシッドホスフェート、ヒドロキシスチレンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記塩基性基を有するモノマーとしては、例えば、N−メチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−エチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート((メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル)、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジ−tert−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−フェニルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジフェニルアミノエチル(メタ)アクリレート、アミノスチレン、ジメチルアミノスチレン、N−メチルアミノエチルスチレン、ジメチルアミノエトキシスチレン、ジフェニルアミノエチルスチレン、N−フェニルアミノエチルスチレン、2−N−ピペリジルエチル(メタ)アクリレート、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、2−ビニル−6−メチルピリジンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、メタクリル酸ジメチルアミノエチルが好ましい。
前記溶媒と親和性がある溶媒親和性官能基を有するモノマーとしては、前記溶媒がパラフィン系炭化水素の場合には、例えば、ポリシロキサン構造乃至(メタ)アクリル酸のアルキルエステル又はアリールエステルなどが挙げられる。
前記ポリシロキサン構造を有するモノマーとしては、例えば、下記一般式(1)で表されるシリコーン系マクロマーなどが挙げられる。
Figure 0006984131
ただし、前記一般式(1)中、Rは、水素原子又はメチル基を表す。Rは、水素原子又はアルキル基を表す。nは1以上の自然数を表す。xは1〜3の整数を表す。
前記一般式(1)中のRは、水素原子又はアルキル基を表し、炭素数1〜4のアルキル基が好ましい。前記炭素数1〜4のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基などが挙げられる。
前記一般式(1)中のnは、1以上の自然数を表し、2以上200以下が好ましく、5以上100以下がより好ましい。
前記(メタ)アクリル酸のアルキルエステルとしては、例えば、炭素数8以上の(メタ)アクリル酸アルキルエステル構造を有するモノマーが好ましい。前記炭素数が、7以下であると、非極性溶媒との親和性が低くなり、粒子が安定分散できなくなる傾向にある。
前記炭素数8以上の(メタ)アクリル酸のアルキルエステル構造を有するモノマーとしては、例えば、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート((メタ)アクリル酸ドデシル)、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、メタクリル酸ドデシルが好ましい。
前記(メタ)アクリル酸のアリールエステルとしては、例えば、3−フェニル(メタ)アクリル酸、ナフチル(メタ)アクリル酸、ジメチルベンジルフェニル(メタ)アクリル酸、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記単独重合体が溶媒に不溶である溶媒不溶性官能基を有するモノマーとしては、例えば、前記溶媒がパラフィン系炭化水素の場合では、例えば、メチル(メタ)アクリレート((メタ)アクリル酸メチル)、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、スチレン、ビニルトルエン、ビニルアセテート、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールトリ(メタ)アクリレート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールヘキサントリ(メタ)アクリレート、ぺンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、1,3−ジブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、メタクリル酸メチルが好ましい。
前記樹脂被覆銅粒子の体積平均粒径としては、10nm以上200nm以下が好ましい。前記体積平均粒径が、10nm以上であると、粒子界面が多すぎて焼成による導電性発現がしにくくなることはなく、200nm以下であると、沈降速度が大きくて自己分散による樹脂被覆銅粒子の安定分散が困難となることがない。なお、前記体積平均粒径は、例えば、動的光散乱法を用いて測定することができる。
前記樹脂被覆銅粒子の含有量としては、銅粒子含有インク全量に対して、20質量%以上が好ましく、銅粒子が安定分散可能な点から、20質量%以上50質量%以下がより好ましい。
また、前記銅粒子含有インクの25℃における粘度としては、15mPa・s以下が好ましく、インクジェット吐出が可能な点から、5mPa・s以上がより好ましく、9.2mPa・s以上10.5mPa・s以下が特に好ましい。前記粘度は、例えば、回転式粘度計(東機産業社製RE−80L)を使用することができる。測定条件としては、25℃で、標準コーンローター(1°34’×R24)、サンプル液量1.2mL、回転数50rpm、3分間で測定することができる。
前記銅粒子含有インク全量に対する樹脂被覆銅粒子の含有量が20質量%以上、かつ前記銅粒子含有インクの25℃における粘度が15mPa・s以下であると、インクジェット法でも1回の塗布にて多量の銅粒子を吐出することが可能になり、厚い膜厚の銅粒子塗布膜を得ることができる。
本発明の銅粒子含有インクは、樹脂被覆銅粒子の分散媒中での分散安定性を補助するために、粘度が上がり過ぎない範囲において最小限の分散剤を添加してもよい。前記分散剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、公知のものを使用することができる。
前記分散剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、分散媒100質量部に対して、0.1質量部以上5質量部以下が好ましい。
[質量比(銅粒子:樹脂)]
銅粒子の含有量(質量%)と、樹脂の含有量(質量%)との質量比(銅粒子:樹脂)としては、安定的に自己分散することができ、また、インクの粘度上昇を好適に抑制できるという点から、99:1以上2:1以下が好ましく、81.3:18.7以上76.2:23.8以下がより好ましい。前記質量比(銅粒子:樹脂)は、樹脂被覆銅粒子を空気中で500℃程度まで加熱した時の質量変化から求めることができる。即ち、前記温度では高分子鎖は熱分解し、銅ナノ粒子は酸化銅(II)に変化するため質量比を算出することができる。
<溶媒>
前記溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、パラフィン系炭化水素などが挙げられる。
前記パラフィン系炭化水素としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、テトラデカン、オクタデカン、ノナデカン、ウンデカン、ドデカンなどが挙げられる。
前記溶媒の含有量としては、銅粒子含有インク全量に対して、10質量%以上80質量%以下が好ましく、20質量%以上70質量%以下がより好ましい。
本発明の銅粒子含有インクは、溶媒に溶解している分散剤の含有量を低減させることが可能であり、インクの粘度が上がりにくく、同じ粘度で比較した場合により多くの銅粒子を分散させることが可能になる。
[銅粒子含有インクの製造]
前記銅粒子含有インクは、前記樹脂被覆銅粒子を、分散媒(溶媒)に分散して得ることができる。
前記分散媒としては、樹脂被覆銅粒子の製造時に使用した前記非極性溶媒などが挙げられる。
前記樹脂被覆銅粒子を分散媒中に分散させる際に用いる分散機としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ホモジナイザー、ボールミル、サンドミル、アトライターなどが挙げられる。
(銅粒子含有インクの製造方法、及び銅粒子含有インクの製造装置)
本発明の銅粒子含有インクの製造方法は、溶媒中に共重合体を析出させる析出工程と、前記共重合体を銅粒子表面に付着させる付着工程と、を含み、本発明の銅粒子含有インクを製造し、更に必要に応じて、粒子分散工程、その他の工程を含む。
前記銅粒子含有インクの製造装置は、溶媒中に共重合体を析出させる析出手段と、前記共重合体を銅粒子表面に付着させる付着手段と、を有し、本発明の銅粒子含有インクを製造し、更に必要に応じて、粒子分散手段、その他の手段を有する。
前記銅粒子含有インクの製造方法は、銅粒子含有インクの製造装置により好適に実施することができる。
<粒子分散工程、及び粒子分散手段>
前記粒子分散工程は、銅粒子吸着性官能基と、溶媒親和性官能基とを有する粒子分散剤を用いて銅粒子を非極性溶媒中に分散させて分散液を得る工程である。
前記粒子分散手段は、銅粒子吸着性官能基と、溶媒親和性官能基とを有する粒子分散剤を用いて銅粒子を非極性溶媒中に分散させて分散液を得る手段である。
前記粒子分散工程は、前記粒子分散手段により好適に実施することができる。
−粒子分散剤−
前記粒子分散剤としては、銅粒子吸着性官能基と、溶媒親和性官能基とを有し、更に必要に応じてその他の官能基を有する。
前記銅粒子吸着性官能基、及び前記溶媒親和性官能基としては、前記樹脂における銅粒子吸着性官能基、及び溶媒親和性官能基と同様のものを用いることができる。
前記粒子分散剤は、粒子分散液において溶媒に対して溶解し、粒子存在時には前記粒子に吸着性がある化合物であり、静電反発又は分散剤分子の立体効果により粒子同士の凝集を防ぐことができる。前記粒子分散剤を用いることにより、非水溶媒中で粒子が安定に分散し、分散性が良好な粒子分散液を得ることができる。
前記粒子分散剤としては、公知の粒子分散剤として使用される界面活性剤のうち、非極性溶媒に可溶なものなどが使用でき、高分子系の分散剤が好ましい。これは、特に非極性有機溶媒系での粒子の分散安定性は高分子化合物の持つ立体効果によるところが大きいためである。
前記高分子系の分散剤としては、例えば、酸性基を有する高分子系の分散剤、塩基性基を有する高分子系の分散剤などが挙げられる。
前記酸性基を有する高分子系の分散剤としては、例えば、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、フマル酸、桂皮酸、クロトン酸、ビニル安息香酸、2−メタクリロキシエチルコハク酸、2−メタクリロキシエチルマレイン酸、2−メタクリロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2−メタクリロキシエチルトリメリット酸、ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、スチレンスルホン酸、2−スルホエチルメタクリレート、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、3−クロロアミドホスホキシプロピルメタクリレート、2−メタクリロキシエチルアシッドホスフェート、ヒドロキシスチレン等の酸性基を有するモノマーの少なくとも1種と、前記(メタ)アクリル酸のアルキルエステル又はアリールエステルの少なくとも1種とから得られる重合体などが挙げられる。
なお、これらは、組み合わせるモノマーの種類、重合時の配合比を適宜調整することにより、非極性有機溶媒に可溶な樹脂を合成することができる。
前記塩基性基を有する高分子系の分散剤としては、例えば、N−メチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−エチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジブチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジ−tert−ブチルアミノエチルアクリレート、N−フェニルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジフェニルアミノエチルメタクリレート、アミノスチレン、ジメチルアミノスチレン、N−メチルアミノエチルスチレン、ジメチルアミノエトキシスチレン、ジフェニルアミノエチルスチレン、N−フェニルアミノエチルスチレン、2−N−ピペリジルエチル(メタ)アクリレート、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、2−ビニル−6−メチルピリジン等の塩基性基を有するモノマーの少なくとも1種と、前記(メタ)アクリル酸のアルキルエステル又はアリールエステルの少なくとも1種とから得られる重合体などが挙げられる。
なお、これらは、組み合わせるモノマーの種類、重合時の配合比を適宜調整することにより、非極性有機溶媒に可溶な樹脂を合成することができる。
−非極性溶媒−
前記非極性溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ドデカン等のパラフィン系炭化水素;イソヘキサン、イソオクタン、イソドデカン等のイソパラフィン系炭化水素;流動パラフィン等のアルキルナフテン系炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン、アルキルベンゼン、ソルベントナフサ等の芳香族炭化水素;シリコーンオイルなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記シリコーンオイルとしては、例えば、ジメチルシリコーンオイル等のジアルキルシリコーンオイル;環状ジアルキルシリコーンオイル;アルキルフェニルシリコーンオイル;環状アルキルフェニルシリコーンオイル;アルキルアラルキルシリコーンオイルなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記アルキルフェニルシリコーンオイルとしては、例えば、メチルフェニルシリコーンオイル、エチルフェニルシリコーンオイル、プロピルフェニルシリコーンオイル、ブチルフェニルシリコーンオイル、ヘキシルフェニルシリコーンオイル、オクチルフェニルシリコーンオイル、ラウリルフェニルシリコーンオイル、ステアリルフェニルシリコーンオイルなどが挙げられる。
前記環状アルキルフェニルシリコーンオイルとしては、例えば、環状ポリメチルフェニルシロキサン、環状ポリエチルフェニルシロキサン、環状ポリブチルフェニルシロキサン、環状ポリヘキシルフェニルシロキサン、環状ポリメチルクロロフェニルシロキサン、環状ポリメチルブロムフェニルシロキサンなどが挙げられる。
<析出工程、及び析出手段>
前記析出工程は、溶媒中に共重合体を析出させる工程であり、銅粒子吸着性官能基を有するモノマーと、溶媒親和性官能基を有するモノマーと、溶媒不溶性官能基を有するモノマーと、を反応させて反応溶媒中に共重合体を析出させることが好ましい。
前記析出手段は、溶媒中に共重合体を析出させる手段である。
前記析出工程は、前記析出手段により好適に実施することができる。
前記銅粒子吸着性官能基を有するモノマー、前記溶媒親和性官能基を有するモノマー、及び前記溶媒不溶性官能基を有するモノマーとしては、前記銅粒子含有インクの樹脂における銅粒子吸着性官能基を有するモノマー、溶媒親和性官能基を有するモノマー、及び溶媒不溶性官能基を有するモノマーと同様のものを用いることができる。
前記樹脂被覆銅粒子の製造方法において、前記銅粒子に吸着する銅粒子吸着性官能基と同種の官能基を有するモノマーを使用することにより、樹脂が良好に銅粒子に吸着し、また、粒子分散剤と樹脂被覆銅粒子の樹脂が同種の官能基を有することにより両者の相互作用は小さく、粒子分散剤が樹脂被覆銅粒子の樹脂の凝集剤として作用することがないため、非極性溶媒中で良好に分散する樹脂被覆銅粒子を得ることができる。
<付着工程、及び付着手段>
前記付着工程は、前記共重合体を銅粒子表面に付着させる工程である。
前記付着手段は、前記共重合体を銅粒子表面に付着させる手段である。
前記付着工程は、前記付着手段により好適に実施することができる。
前記付着工程は、前記共重合体を前記銅粒子表面にヘテロ凝集させて、樹脂被覆銅粒子を製造することができる。
前記共重合体を銅粒子表面に付着させる方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、撹拌機、温度計、及び還流冷却器を備えた反応容器内に樹脂溶液、及び銅粒子を合わせてホモジナイザーで分散した粒子分散液を入れて60℃等に加熱、撹拌して反応させる方法などが挙げられる。
(導電性印刷物の印刷方法、及び導電性配線の形成方法)
本発明の導電性印刷物の印刷方法は、印刷媒体(基材)にインクを付与し、焼成する導電性印刷物の印刷方法において、前記インクが、本発明の銅粒子含有インクであり、更に必要に応じて、乾燥工程、その他の工程を含む。
本発明の導電性配線の形成方法は、印刷媒体(基材)にインクを付与する工程と、付与したインクを乾燥する工程と、インクを付与した印刷媒体を焼成する工程と、を含む導電性配線の形成方法において、前記インクが、本発明の銅粒子含有インクであり、更に必要に応じてその他の工程を含む。
<インク付与工程>
前記インク付与工程は、印刷媒体にインクを付与する工程である。
前記インク付与工程は、前記本発明のインクに、刺激を印加し、前記インクを付与する。
前記刺激としては、例えば、前記刺激発生手段により発生させることができ、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、熱(温度)、圧力、振動、光などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、熱、圧力が好適に挙げられる。
前記刺激発生手段としては、例えば、加熱装置、加圧装置、圧電素子、振動発生装置、超音波発振器、ライトなどが挙げられ、具体的には、例えば、圧電素子等の圧電アクチュエータ、発熱抵抗体等の電気熱変換素子を用いて液体の膜沸騰による相変化を利用するサーマルアクチュエータ、温度変化による金属相変化を用いる形状記憶合金アクチュエータ、静電力を用いる静電アクチュエータなどが挙げられる。
前記インクの付与の態様としては、特に制限はなく、前記刺激の種類等に応じて異なり、例えば、前記刺激が「熱」の場合、記録ヘッド内の前記インクに対し、記録信号に対応した熱エネルギーを、例えば、サーマルヘッド等を用いて付与し、前記熱エネルギーにより前記インクに気泡を発生させ、前記気泡の圧力により、前記記録ヘッドのノズル孔から前記インクを液滴として吐出噴射させる方法などが挙げられる。また、前記刺激が「圧力」の場合、例えば、記録ヘッド内のインク流路内にある圧力室と呼ばれる位置に接着された圧電素子に電圧を印加することにより、圧電素子が撓み、圧力室の容積が縮小して、前記記録ヘッドのノズル孔から前記インクを液滴として吐出噴射させる方法などが挙げられる。
前記付与させる前記インクの液滴は、その大きさとしては、例えば、3pL以上40pL以下が好ましく、その吐出噴射の速さとしては、5m/s以上20m/s以下が好ましく、その駆動周波数としては、1kHz以上とすることが好ましく、その解像度としては、300dpi以上が好ましい。
なお、インクの使用方法としては、インクジェット記録方法に制限されず、広く使用することが可能である。インクジェット記録方法以外にも、例えば、ブレードコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ディップコート法、カーテンコート法、スライドコート法、ダイコート法、スプレーコート法などが挙げられる。
<乾燥工程>
前記乾燥工程は、前記インク付与工程により付与したインクを乾燥する工程である。
前記乾燥工程は、乾燥手段により好適に実施することができる。
前記乾燥手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜、公知の装置を選択することができる。
<焼成工程>
前記焼成工程は、インクを付与した印刷媒体を焼成する工程である。
前記焼成工程により、インクを付与した印刷媒体を焼成すると、金属粒子同士が融合することにより金属粒子間の界面を消失させることができる。
前記焼成方法は、銅粒子同士を融合させることができれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、熱焼成、プラズマ焼成、光焼成などが挙げられる。これらの中でも、基材のダメージを抑制できる点から、光焼成が好ましい。
前記光焼成に用いる光源としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、キセノンランプなどが挙げられる。なお、基材上に付与されたインクを焼成する前に、加熱乾燥させることが好ましい。
前記基材の上には必要に応じて表面エネルギーを変化させる層を設けてもよい。基材の表面エネルギーを変えることによりインクの濡れ広がりを制御することが可能になるため、描画パターンが崩れることがなくなる。
その形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ディッピング、スロットダイコーティングなどが挙げられる。
本発明の銅粒子含有インクは、インクジェット記録方式による各種記録装置、例えば、プリンタ、ファクシミリ装置、複写装置、プリンタ/ファックス/コピア複合機、立体造形装置などに好適に使用することができる。
本発明において、記録装置、記録方法とは、記録媒体に対してインクを吐出することが可能な装置、当該装置を用いて印刷を行う方法である。基材とは、銅粒子含有インクが一時的にでも付着可能なものを意味する。
この記録装置には、インクを吐出するヘッド部分だけでなく、記録媒体の給送、搬送、排紙に係わる手段を有することができる。
記録装置、記録方法は、加熱工程に用いる加熱手段、乾燥工程に用いる乾燥手段を有してもよい。加熱手段、乾燥手段には、例えば、記録媒体の印字面や裏面を加熱、乾燥する手段が含まれる。加熱手段、乾燥手段としては、特に限定されないが、例えば、温風ヒーター、赤外線ヒーターを用いることができる。加熱、乾燥は、印刷前、印刷中、印刷後などに行うことができる。
また、記録装置には、特に限定しない限り、吐出ヘッドを移動させるシリアル型装置、吐出ヘッドを移動させないライン型装置のいずれも含まれる。
更に、この記録装置には、卓上型だけでなく、A0サイズの記録媒体への印刷も可能とする広幅の記録装置や、例えばロール状に巻き取られた連続用紙を記録媒体として用いることが可能な連帳プリンタも含まれる。
記録装置の一例について図1乃至図2を参照して説明する。図1は同装置の斜視説明図である。図2はメインタンクの斜視説明図である。記録装置の一例としての画像形成装置400は、シリアル型画像形成装置である。画像形成装置400の外装401内に機構部420が設けられている。ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色用のメインタンク410(410k、410c、410m、410y)の各インク収容部411は、例えばアルミニウムラミネートフィルム等の包装部材により形成されている。インク収容部411は、例えば、プラスチックス製の収容容器ケース414内に収容される。これによりメインタンク410は、各色のインクカートリッジとして用いられる。
一方、装置本体のカバー401cを開いたときの開口の奥側にはカートリッジホルダ404が設けられている。カートリッジホルダ404には、メインタンク410が着脱自在に装着される。これにより、各色用の供給チューブ436を介して、メインタンク410の各インク排出口413と各色用の吐出ヘッド434とが連通し、吐出ヘッド434から記録媒体へインクを吐出可能となる。ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)について説明したが、インク収容部に、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)のインクに代えて、銅粒子含有インクを用いることで、本発明の印刷装置とすることが可能である。
前記印刷媒体(基材)としては、普通紙、光沢紙、特殊紙、布などを用いることもできるが、非浸透性基材を用いることが好ましい。
前記非浸透性基材とは、水透過性、吸収性が低い表面を有する基材であり、内部に多数の空洞があっても外部に開口していない材質も含まれ、より定量的には、ブリストー(Bristow)法において接触開始から30msec1/2までの水吸収量が10mL/m以下である基材をいう。
前記非浸透性基材としては、例えば、塩化ビニル樹脂フィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリカーボネートフィルムなどのプラスチックフィルムを、好適に使用することができる。
また、本発明の用語における、画像形成、記録、印字、印刷等は、いずれも同義語とする。
以下、実施例を示して本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例により限定されるものではない。
なお、「質量比(銅粒子:樹脂)」、「粘度」、並びに銅粒子、及び銅粒子含有インクの「体積平均粒径」は、以下のようにして求めた。
(質量比(銅粒子:樹脂))
前記質量比(銅粒子:樹脂)は、樹脂被覆銅粒子を空気中で500℃程度まで加熱し、その時の質量変化を基に算出した。
(粘度)
粘度は、回転式粘度計(東機産業社製RE−80L)を使用し、測定条件としては、25℃で、標準コーンローター(1°34’×R24)、サンプル液量1.2mL、回転数50rpm、3分間で測定した。
(体積平均粒径)
銅粒子、及び銅粒子含有インクの前記体積平均粒径は、例えば、動的光散乱法を用いて測定した。
(樹脂被覆銅粒子の合成例1)
<樹脂被覆銅粒子Aの合成>
撹拌機、温度計、及び還流冷却器を備えた反応容器内にヘキサン200質量部を収容し、60℃に加熱した。これにメタクリル酸ドデシル19質量部、メタクリル酸ジメチルアミノエチル1質量部、及びアゾビスジメチルバレロニトリル0.1質量部よりなる溶液を滴下した。60℃にて4時間撹拌し、反応を終了して、均一で透明なアミノ基含有樹脂溶液を得た。
次に、撹拌機、温度計、及び還流冷却器を備えた反応容器内に前記アミノ基含有樹脂溶液20質量部、ヘキサン75質量部、及び銅粒子(QuantumSphere社製、QSI−Nano Copper Powder、体積平均粒径:23nm)5質量部を合わせてホモジナイザーで分散した粒子分散液を入れて60℃に加熱した。これにメタクリル酸メチル8質量部、メタクリル酸ドデシル1質量部、メタクリル酸ジメチルアミノエチル1質量部、及びアゾビスジメチルバレロニトリル0.1質量部よりなる溶液を滴下した。次いで、60℃にて4時間撹拌して反応を終了し、固体成分のみを回収、乾燥することにより樹脂被覆銅粒子Aを合成した。なお、樹脂被覆銅粒子A中の銅粒子と樹脂との質量比(銅粒子:樹脂)は76.2:23.8であった。
(樹脂被覆銅粒子の合成例2)
<樹脂被覆銅粒子Bの合成>
撹拌機、温度計、及び還流冷却器を備えた反応容器内にジメチルシリコーンオイル(商品名:KF96L−1cs、信越化学工業株式会社製)200質量部を収容し、60℃に加熱した。これにシリコーン系マクロマー(商品名:FM−0711、JNC株式会社製)19質量部、メタクリル酸1質量部、及びアゾビスジメチルバレロニトリル0.1質量部よりなる溶液を滴下した。60℃にて4時間撹拌し反応を終了したところ、均一で透明なカルボキシル基含有樹脂溶液を得た。
次に、撹拌機、温度計、及び還流冷却器を備えた反応容器内に前記カルボキシル基含有樹脂溶液20質量部、ジメチルシリコーンオイル(商品名:KF96L−1cs、信越化学工業株式会社製)75質量部、及び酸化銅(II)ナノ粒子(CuOナノ粒子、日清エンジニアリング株式会社製、体積平均粒径:60nm)5質量部を合わせてホモジナイザーで分散した粒子分散液を入れて60℃に加熱した。これにメタクリル酸エチル8質量部、シリコーン系マクロマー(商品名:FM−0721、JNC株式会社製)1質量部、メタクリル酸1質量部、及びアゾビスジメチルバレロニトリル0.1質量部よりなる溶液を滴下した。次いで、60℃にて4時間撹拌して反応を終了し、固体成分のみを回収、乾燥することにより樹脂被覆酸化銅粒子Bを合成した。なお、前記樹脂被覆酸化銅粒子B中の銅粒子(酸化銅粒子)と樹脂との質量比(銅粒子:樹脂)は81.3:18.7であった。
(実施例1)
樹脂被覆銅粒子A50質量部と、溶媒のテトラデカン100質量部を、10分間超音波分散させた後、高速ミキサーのフィルミックス(プライミクス株式会社製)を用いて10分間分散させた。次に、平均孔径が1μmのフィルター(商品名:GD/X、GEヘルスケアジャパン株式会社製)を用いて粗大粒子を除去し、25℃における粘度が9.2mPa・s、体積平均粒径が68nmである、樹脂被覆銅粒子Aを含む銅粒子含有インク1を得た。
(実施例2)
実施例1において、樹脂被覆銅粒子A50質量部を樹脂被覆銅粒子B50質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして、25℃における粘度が10.5mPa・s、体積平均粒径が105nmである、樹脂被覆銅粒子Bを含む銅粒子含有インク2を得た。
(比較例1)
実施例1において、樹脂被覆銅粒子A50質量部を樹脂被覆銅粒子の合成例1で使用した銅粒子(商品名:QSI−Nano Copper Powder、QuantumSphere社製、体積平均粒径23nm)50質量部に変更し、予め分散剤(商品名:Solsperse17000、日本ルブリゾール株式会社製)10質量部をテトラデカン100質量部に溶解したものを、10分間超音波分散させた後、高速ミキサーのフィルミックス(プライミクス株式会社製)を用いて10分間分散させた以外は、実施例1と同様にして、25℃における粘度が21.7mPa・s、体積平均粒径が72nmである、樹脂により被覆されていない銅粒子を含む銅粒子含有インク3を得た。
(比較例2)
実施例2において、樹脂被覆銅粒子B50質量部を樹脂被覆銅粒子の合成例2で使用した酸化銅(II)ナノ粒子(CuOナノ粒子、日清エンジニアリング株式会社製、体積平均粒径:60nm)に変更した以外は、実施例2と同様にして、樹脂により被覆されていない銅粒子を含む銅粒子含有インク4を調製したが、粒子が直ぐに凝集沈降してしまった。
得られた銅粒子含有インクを用いて、以下のようにして、「保存安定性」、及び「膜厚」を評価した。結果を下記表1に示す。
(保存安定性)
得られた銅粒子含有インクを20mL容量の試験管(商品名:試験管、アズワン社製)に入れて密栓し、静置し、7日経過後に目視にて観察し、下記評価基準に基づいて、「保存安定性」を評価した。
−評価基準−
○:上澄みは発生しない
×:上澄みが発生する
(膜厚)
得られた銅粒子含有インクを用いてインクジェット装置(商品名:IJ−DESK、株式会社ピーエムティー製)により受容層付きPETフィルム(商品名:グラフィックアーツ透明フィルム、株式会社ピクトリコ製)に2回塗布することにより、パターン描画し、装置名:定温乾燥機(ヤマト科学株式会社製)を用いて、80℃、15分間乾燥後、キセノンパルス光焼成装置(XENON社製)を用いて、15J/cmの光を照射して焼成した。その後、装置名:FIB−SEM(ZEISS社製)を用いてインクの膜厚を測定した。なお、比較例1の銅粒子含有インクは、粘度が高すぎるため吐出できなかった。また、比較例2の銅粒子含有インクは、調製後、粒子が直ぐに凝集沈降してしまい、パターン描画を得ることができなかった。
Figure 0006984131
本発明の態様としては、例えば、以下のとおりである。
<1> 溶媒、及び銅粒子を含有する銅粒子含有インクであって、
前記銅粒子が、表面に樹脂を有する樹脂被覆銅粒子であることを特徴とする銅粒子含有インクである。
<2> 前記銅粒子の体積平均粒径が、23nm以上60nm以下である前記<1>に記載の銅粒子含有インクである。
<3> 25℃における粘度が、9.2mPa・s以上10.5mPa・s以下である前記<1>から<2>のいずれかに記載の銅粒子含有インクである。
<4> 前記樹脂が、銅粒子吸着性官能基と、溶媒親和性官能基と、溶媒不溶性官能基と、を有する樹脂である前記<1>から<3>のいずれかに記載の銅粒子含有インクである。
<5> 銅粒子の含有量(質量%)と、樹脂の含有量(質量%)との質量比(銅粒子:樹脂)が、99:1以上2:1以下である前記<1>から<4>のいずれかに記載の銅粒子含有インクである。
<6> 銅粒子の含有量(質量%)と、樹脂の含有量(質量%)との質量比(銅粒子:樹脂)が、81.3:18.7以上76.2:23.8以下である前記<5>に記載の銅粒子含有インクである。
<7> 前記溶媒が、パラフィン系炭化水素である前記<1>から<6>のいずれかに記載の銅粒子含有インクである。
<8> 前記パラフィン系炭化水素が、テトラデカンである前記<7>に記載の銅粒子含有インクである。
<9> 前記溶媒の含有量が、10質量%以上80質量%以下である前記<1>から<8>のいずれかに記載の銅粒子含有インクである。
<10> 前記溶媒の含有量が、20質量%以上70質量%以下である前記<9>に記載の銅粒子含有インクである。
<11> 溶媒中に共重合体を析出させる析出工程と、
前記共重合体を銅粒子表面に付着させる付着工程と、を含み、
前記<1>から<10>のいずれかに記載の銅粒子含有インクを製造することを特徴とする銅粒子含有インクの製造方法である。
<12> 銅粒子吸着性官能基と、溶媒親和性官能基と、を有する粒子分散剤を用いて銅粒子を非極性溶媒中に分散させて分散液を得る粒子分散工程をさらに含む前記<11>に記載の銅粒子含有インクの製造方法である。
<13> 前記粒子分散剤が、高分子系の分散剤である前記<12>に記載の銅粒子含有インクの製造方法である。
<14> 前記析出工程が、銅粒子吸着性官能基を有するモノマーと、溶媒親和性官能基を有するモノマーと、溶媒不溶性官能基を有するモノマーと、を反応させて反応溶媒中に共重合体を析出させる工程である前記<11>から<13>のいずれかに記載の銅粒子含有インクの製造方法である。
<15> 前記銅粒子吸着性官能基を有するモノマーが、メタクリル酸、及びメタクリル酸ジメチルアミノエチルの少なくともいずれかである前記<14>に記載の銅粒子含有インクの製造方法である。
<16> 前記溶媒親和性官能基を有するモノマーが、シリコーン系マクロマー、及びメタクリル酸ドデシルの少なくともいずれかである前記<14>から<15>のいずれかに記載の銅粒子含有インクの製造方法である。
<17> 前記溶媒不溶性官能基を有するモノマーが、メタクリル酸メチル、及びメタクリル酸エチルの少なくともいずれかである前記<14>から<16>のいずれかに記載の銅粒子含有インクの製造方法である。
<18> 印刷媒体にインクを付与し、焼成する導電性印刷物の印刷方法において、
前記インクが、前記<1>から<10>のいずれかに記載の銅粒子含有インクであることを特徴とする導電性印刷物の印刷方法である。
<19> 前記焼成が、光焼成である前記<18>に記載の導電性印刷物の印刷方法である。
<20> 印刷媒体にインクを付与する工程と、付与したインクを乾燥する工程と、インクを付与した印刷媒体を焼成する工程と、を含む導電性配線の形成方法において、
前記インクが、前記<1>から<10>のいずれかに記載の銅粒子含有インクであることを特徴とする導電性配線の形成方法である。
前記<1>から<10>のいずれかに記載の銅粒子含有インク、前記<11>から<17>のいずれかに記載の銅粒子含有インクの製造方法、前記<18>から<19>のいずれかに記載の導電性印刷物の印刷方法、及び前記<20>に記載の導電性配線の形成方法は、従来における前記諸問題を解決し、前記本発明の目的を達成することができる。
特表2010−528428号公報
400 画像形成装置
401 画像形成装置の外装
401c 装置本体のカバー
404 カートリッジホルダ
410 メインタンク
410k、410c、410m、410y ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色用のメインタンク
411 インク収容部
413 インク排出口
414 収容容器ケース
420 機構部
434 吐出ヘッド

Claims (8)

  1. パラフィン系炭化水素溶媒、及び銅粒子を含有する銅粒子含有インクであって、
    前記銅粒子が、表面に樹脂が被覆されており、
    前記樹脂が、
    カルボキシル基、アミド基、シアノ基、アミノ基、及びヒドロキシル基の少なくともいずれかを有するモノマーと、ポリシロキサン構造、及び(メタ)アクリル酸のアルキルエステル又はアリールエステル構造、の少なくともいずれかを有するモノマーと、パラフィン系炭化水素溶媒不溶性官能基を有するモノマーと、の共重合体であり、
    前記銅粒子含有インク全量に対して表面に樹脂が被覆されている前記銅粒子の含有量が20質量%以上である、
    ことを特徴とする銅粒子含有インク。
  2. 前記銅粒子の体積平均粒径が、23nm以上60nm以下である請求項1に記載の銅粒子含有インク。
  3. 25℃における粘度が、9.2mPa・s以上10.5mPa・s以下である請求項1から2のいずれかに記載の銅粒子含有インク。
  4. パラフィン系炭化水素溶媒中に共重合体を析出させる析出工程と、
    前記共重合体を銅粒子表面に付着させる付着工程と、を含み、
    請求項1から3のいずれかに記載の銅粒子含有インクを製造することを特徴とする銅粒子含有インクの製造方法。
  5. 前記析出工程が、カルボキシル基、アミド基、シアノ基、アミノ基、及びヒドロキシル基の少なくともいずれかを有するモノマーと、ポリシロキサン構造、及び(メタ)アクリル酸のアルキルエステル又はアリールエステル構造、の少なくともいずれかを有するモノマーと、パラフィン系炭化水素溶媒不溶性官能基を有するモノマーと、を反応させて反応溶媒中に共重合体を析出させる工程である請求項4に記載の銅粒子含有インクの製造方法。
  6. カルボキシル基、アミド基、シアノ基、アミノ基、及びヒドロキシル基の少なくともいずれかと、ポリシロキサン構造、及び(メタ)アクリル酸のアルキルエステル又はアリールエステル構造、の少なくともいずれかと、を有する粒子分散剤を用いて銅粒子を非極性溶媒中に分散させて分散液を得る粒子分散工程をさらに含む請求項4から5のいずれかに記載の銅粒子含有インクの製造方法。
  7. 印刷媒体にインクを付与し、焼成する導電性印刷物の印刷方法において、
    前記インクが、請求項1から3のいずれかに記載の銅粒子含有インクであることを特徴とする導電性印刷物の印刷方法。
  8. 印刷媒体にインクを付与する工程と、付与したインクを乾燥する工程と、インクを付与した印刷媒体を焼成する工程と、を含む導電性配線の形成方法において、
    前記インクが、請求項1から3のいずれかに記載の銅粒子含有インクであることを特徴とする導電性配線の形成方法。
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