JP6981950B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は、所定の遊技を実行可能なパチンコ機やスロット機等の遊技機に関する。
遊技機として、遊技媒体である遊技球を発射装置によって遊技領域に発射し、遊技領域に設けられている入賞口などの入賞領域に遊技球が入賞すると、所定個の賞球が遊技者に払い出されるものがある。さらに、識別情報を可変表示(「変動」ともいう。)可能な可変表示領域が設けられ、可変表示領域において識別情報の可変表示の表示結果が特定表示結果となった場合に、遊技状態(遊技機の状態。よって、具体的には、遊技機が制御されている状態。)を変更して、所定の遊技価値を遊技者に与えるように構成されたものがある(いわゆるパチンコ機)。
また、所定の遊技媒体を1ゲームに対して所定数の賭数を設定した後、遊技者がスタートレバーを操作することにより可変表示領域による識別情報の可変表示を開始し、遊技者が各可変表示領域に対応して設けられた停止ボタンを操作することにより、その操作タイミングから予め定められた最大遅延時間の範囲内で識別情報の可変表示を停止し、全ての可変表示領域の可変表示を停止したときに導出された表示結果に従って入賞が発生し、入賞に応じて予め定められた所定の遊技媒体が払い出され、特定入賞が発生した場合に、遊技状態を所定の遊技価値を遊技者に与える状態にするように構成されたものがある(いわゆるスロット機)。
なお、遊技価値とは、賞球の払い出しや、遊技機の遊技領域に設けられた可変入賞球装置の状態が打球が入賞しやすい遊技者にとって有利な状態になることや、遊技者にとって有利な状態になるための権利を発生させたりすることや、賞球払出の条件が成立しやすくなる状態になることである。
パチンコ遊技機では、始動入賞口に遊技球が入賞したことにもとづいて可変表示領域において開始される演出図柄(識別情報)の可変表示の表示結果として、あらかじめ定められた特定の表示態様が導出表示された場合に、「大当り」が発生する。なお、導出表示とは、図柄(最終停止図柄)を最終的に停止表示させることである。大当りが発生すると、例えば、大入賞口が所定回数開放して打球が入賞しやすい大当り遊技状態に移行する。そして、各開放期間において、所定個(例えば、10個)の大入賞口への入賞があると大入賞口は閉成する。そして、大入賞口の開放回数は、所定回数(例えば、15ラウンド)に固定されている。なお、各開放について開放時間(例えば、29秒)が決められ、入賞数が所定個に達しなくても開放時間が経過すると大入賞口は閉成する。以下、各々の大入賞口の開放期間をラウンドということがある。また、ラウンドにおける遊技をラウンド遊技ということがある。
また、可変表示領域において、最終停止図柄(例えば、左中右図柄のうち中図柄)となる図柄以外の図柄が、所定時間継続して、特定の表示結果と一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の図柄が同一図柄で同期して変動したり、表示図柄の位置が入れ替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態(以下、これらの状態をリーチ状態という。)において行われる演出をリーチ演出という。また、リーチ状態やその様子をリーチ態様という。さらに、リーチ演出を含む可変表示をリーチ可変表示という。そして、可変表示領域に変動表示される図柄の表示結果が特定の表示結果でない場合には「はずれ」となり、変動表示状態は終了する。遊技者は、大当りをいかにして発生させるかを楽しみつつ遊技を行う。
また、大当り遊技状態が終了してから実行した可変表示の回数にもとづいて可変表示のパターンが変化するものがあり、可変表示のパターンが変化するタイミングが大当り種別によって異なるものがあった(例えば、特許文献1参照。)。
特開2012−115588号公報(図24)
そういった遊技機においては、可変表示のパターンの変化に改善の余地があった。
そこで、本発明は、可変表示のパターンの変化を好適に行うことができる遊技機を提供することを目的とする。
(手段A) 所定の遊技を実行可能な遊技機であって、可変表示を実行可能な可変表示実行手段と、遊技者にとって有利な大当り状態と該大当り状態とは異なる小当り状態とに制御可能な状態制御手段と、低ベース状態よりも可変表示の実行頻度が高い高ベース状態に制御可能な高ベース状態制御手段と、前記高ベース状態における可変表示の実行回数に関する可変表示回数カウンタと、前記高ベース状態における前記小当り状態の制御回数に関する小当り回数カウンタとを更新可能な更新手段と、前記高ベース状態において所定回の可変表示が行われて前記可変表示回数カウンタの値が所定値となった場合、および前記高ベース状態において前記小当り状態に1回制御されて前記小当り回数カウンタの値が特定値となった場合、前記高ベース状態を終了して前記低ベース状態に制御する高ベース状態終了手段と、可変表示の実行中に演出を実行する演出実行手段と、価値を付与可能な価値付与手段と、を備え、前記可変表示実行手段は、前記高ベース状態における可変表示の残余回数が1回になったことにもとづいて所定の可変表示を実行可能であり、前記高ベース状態において前記小当り状態に1回制御されることにもとづいて前記低ベース状態における特定の可変表示を実行可能であり、前記演出実行手段は、前記所定の可変表示の実行中に、前記高ベース状態を終了することを報知する終了報知演出を実行し、前記小当り回数カウンタが特定値となり前記高ベース状態から前記低ベース状態となったときに実行される前記特定の可変表示において該高ベース状態中に付与された価値の大きさを報知する価値報知演出を実行し、前記更新手段は、前記高ベース状態における前記小当り状態に制御する可変表示の発生に伴い、前記可変表示回数カウンタの値を前記所定値に更新するとともに前記小当り回数カウンタの値を前記特定値に更新可能であり、前記可変表示回数カウンタと前記小当り回数カウンタとをそれぞれ異なる頻度にて更新する。
(手段1)他の遊技機は、所定の遊技を実行可能な遊技機であって、可変表示を実行可能な可変表示実行手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100における、ステップS111〜S113を実行する部分)と、遊技者にとって有利な有利状態(例えば、大当り遊技状態)と該有利状態とは異なる所定状態(例えば、小当り遊技状態)とに制御可能な状態制御手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100における、ステップS114〜S120を実行する部分)とを備え、可変表示実行手段は、可変表示の実行回数に関する第1条件(例えば、時短状態において、6回の第2特別図柄の変動を行うこと。第1カウンタの値が1になること)が成立したことにもとづいて所定の可変表示(例えば、時短状態の最終変動における変動パターンがPt15である第2特別図柄の変動)を実行可能であり、所定状態の制御回数に関する第2条件(例えば、時短状態において小当り遊技状態に1回制御すること。第2カウンタの値が0になること)が成立したことにもとづいて特定の可変表示(例えば、時短状態から通常状態へ移行した直後における変動パターンがPt16である第2特別図柄の変動)を実行可能であり、可変表示の実行回数に関する第1数値情報(例えば、第1カウンタ)と、所定状態の制御回数に関する第2数値情報(例えば、第2カウンタ)とを更新可能な更新手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100における、ステップ069IWS133Cを実行することにより第1カウンタを更新し、ステップ069IWS139Bを実行することにより第2カウンタを更新する部分)をさらに備え、更新手段は、一の可変表示の実行に伴い第1数値情報を更新するとともに第2数値情報を更新可能である(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、ステップ069IWS133C,S139Bを1回の変動において実行可能である)ことを特徴とする。そのような構成によれば、可変表示の実行回数とは異なる第2条件が成立したことにもとづいて可変表示のパターンが変化するので、好適に制御することが可能である。
(手段2)手段1において、更新手段は、第1数値情報と第2数値情報とをそれぞれ異なる頻度にて更新する(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、時短状態において第2特別図柄の変動を行う毎に第1カウンタを更新する一方、小当り遊技状態に制御することが決定されること(小当り確率:1/7.35)にもとづいて第2カウンタを更新する)こととしてもよい。そのような構成によれば、可変表示のパターンが変化するまでの期間の長さにランダム性を生じさせ、興趣を向上させることができる。
(手段3)手段1または手段2において、可変表示実行手段は、第1条件と第2条件とが同時期に成立した場合、いずれか一方の条件に対応した可変表示を優先して行う(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、ステップ069IWS139CのYである場合にステップ069IWS139Eを実行することにより、時短状態において、6回の第2特別図柄の変動を行う第1条件と、小当り遊技状態に1回制御する第2条件とが同じ変動にて成立した場合、つまり時短状態における6回目の変動が小当り変動である場合、第2条件の成立に対応した変動(変動パターンがPt16である第2特別図柄の変動)を優先して実行可能である。)こととしてもよい。そのような構成によれば、好適に制御を行うことができる。
(手段4)手段1から手段3のいずれかにおいて、状態制御手段は、通常状態とは異なる特別状態(例えば、時短状態)に制御可能であり、更新手段は、特別状態においてのみ第1数値情報および第2数値情報を更新可能である(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、ステップ069IWS133A,S139Aを実行することにより、時短状態においてのみ第1カウンタおよび第2カウンタを更新可能である)こととしてもよい。そのような構成によれば、好適に制御を行うことができる。
(手段5)手段1から手段4のいずれかにおいて、更新手段は、第1所定値(例えば、7)から第1特定値(例えば、0)まで第1数値情報を更新可能であり、第2所定値(例えば、1)から第2特定値(例えば、0)まで第2数値情報を更新可能であり、第1数値情報を第1特定値に更新した場合、第2数値情報を第2特定値に更新し(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、ステップ069IWS142AのYの場合、ステップ069IWS142Bを実行する)、第2数値情報を第2特定値に更新した場合、第1数値情報を第1特定値に更新する(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、ステップ069IWS139CのYの場合、ステップ069IWS139Dを実行する)こととしてもよい。そのような構成によれば、意図しない可変表示のパターンの変化が突然発生するような不具合を防止することができる。
(手段6)手段1から手段5のいずれかにおいて、更新手段は、第1所定値(例えば、7)から第1特定値(例えば、0)まで第1数値情報を更新可能であり、第2所定値(例えば、1)から第2特定値(例えば、0)まで第2数値情報を更新可能であり、状態制御手段は、通常状態とは異なる特別状態(例えば、時短状態)において、第1数値情報が第1特定値に更新された場合、または第2数値情報が第2特定値に更新された場合、通常状態に制御し(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、ステップ069IWS139CのYの場合、ステップ069IWS139Eを実行し、ステップ069IWS142AのYの場合、ステップ069IWS142Cを実行する)、更新手段は、通常状態に制御された場合に第3数値情報(例えば、第3カウンタ)を更新可能である(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、ステップ069IWS139G,S142E,S133Eを実行する)こととしてもよい。そのような構成によれば、通常状態においても好適に処理を行うことができる。
(手段7)手段1から手段6のいずれかにおいて、可変表示手段は、第1識別情報の可変表示(例えば、第1特別図柄の変動)と第2識別情報の可変表示(例えば、第1特別図柄の変動)とを実行可能であり、状態制御手段は、通常状態とは異なる特別状態(例えば、時短状態)に制御可能であり、更新手段は、特別状態においては、第1識別情報の可変表示にもとづいて第1数値情報を更新せず(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、ステップ069IWS133B,133Cを行うことにより、時短状態において、第2特別図柄の変動にもとづいてのみ第1カウンタを更新する)、第1識別情報の可変表示にもとづいて第2数値情報を更新しない(例えば、第1特別図柄の変動にもとづいては小当り遊技状態に制御されないことから、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、時短状態において、第2特別図柄の変動にもとづいてのみ第2カウンタを更新する)こととしてもよい。そのような構成によれば、好適に制御することができる。
この実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図である。 パチンコ遊技機に搭載された各種の制御基板などを示す構成図である。 遊技制御メイン処理の一例を示すフローチャートである。 遊技制御用タイマ割込み処理の一例を示すフローチャートである。 特別図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。 演出制御メイン処理の一例を示すフローチャートである。 演出制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。 特徴部069IWにおけるパチンコ遊技機を正面からみた正面図である。 当り種別表を示す図である。 主基板(遊技制御基板)における回路構成の一例を示すブロック図である。 各乱数を示す説明図である。 当り判定テーブルおよび大当り種別判定テーブルを示す説明図である。 特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理を示すフローチャートである。 第1変動パターン判定テーブル〜第7変動パターン判定テーブルを示す説明図である。 第1変動パターン判定テーブル〜第7変動パターン判定テーブルを示す説明図である。 特別図柄停止処理を示すフローチャートである。 特別図柄停止処理を示すフローチャートである。 大当り終了処理を示すフローチャートである。 特徴部069IWにおける画像表示装置の表示例を示す説明図である。 変形例におけるパチンコ遊技機1の正面図である。 特徴部069IWにおける遊技状態の遷移の仕方を説明するための説明図である。 特徴部069IWの変形例における画像表示装置の表示例を示す説明図である。
(基本説明)
まず、パチンコ遊技機1の基本的な構成及び制御(一般的なパチンコ遊技機の構成及び制御でもある。)について説明する。
(パチンコ遊技機1の構成等)
図1は、パチンコ遊技機1の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、遊技領域が形成され、この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の右側方)には、複数種類の特別識別情報としての特別図柄(特図ともいう)の可変表示(特図ゲームともいう)を行う第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bが設けられている。これらは、それぞれ、7セグメントのLEDなどからなる。特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」などの点灯パターンなどにより表される。特別図柄には、LEDを全て消灯したパターンが含まれてもよい。
なお、特別図柄の「可変表示」とは、例えば、複数種類の特別図柄を変動可能に表示することである(後述の他の図柄についても同じ)。変動としては、複数の図柄の更新表示、複数の図柄のスクロール表示、1以上の図柄の変形、1以上の図柄の拡大/縮小などがある。特別図柄や後述の普通図柄の変動では、複数種類の特別図柄又は普通図柄が更新表示される。後述の飾り図柄の変動では、複数種類の飾り図柄がスクロール表示又は更新表示されたり、1以上の飾り図柄が変形や拡大/縮小されたりする。なお、変動には、ある図柄を点滅表示する態様も含まれる。可変表示の最後には、表示結果として所定の特別図柄が停止表示(導出又は導出表示などともいう)される(後述の他の図柄の可変表示についても同じ)。なお、可変表示を変動表示、変動と表現する場合がある。
なお、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。また、第1特図を用いた特図ゲームを「第1特図ゲーム」といい、第2特図を用いた特図ゲームを「第2特図ゲーム」ともいう。なお、特別図柄の可変表示を行う特別図柄表示装置は1種類であってもよい。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)や有機EL(Electro Luminescence)等から構成され、各種の演出画像を表示する。画像表示装置5は、プロジェクタ及びスクリーンから構成されていてもよい。画像表示装置5には、各種の演出画像が表示される。
例えば、画像表示装置5の画面上では、第1特図ゲームや第2特図ゲームと同期して、特別図柄とは異なる複数種類の装飾識別情報としての飾り図柄(数字などを示す図柄など)の可変表示が行われる。ここでは、第1特図ゲーム又は第2特図ゲームに同期して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄が可変表示(例えば上下方向のスクロール表示や更新表示)される。なお、同期して実行される特図ゲーム及び飾り図柄の可変表示を総称して単に可変表示ともいう。
画像表示装置5の画面上には、実行が保留されている可変表示に対応する保留表示や、実行中の可変表示に対応するアクティブ表示を表示するための表示エリアが設けられていてもよい。保留表示及びアクティブ表示を総称して可変表示に対応する可変表示対応表示ともいう。
保留されている可変表示の数は保留記憶数ともいう。第1特図ゲームに対応する保留記憶数を第1保留記憶数、第2特図ゲームに対応する保留記憶数を第2保留記憶数ともいう。また、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計を合計保留記憶数ともいう。
また、遊技盤2の所定位置には、複数のLEDを含んで構成された第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられ、第1保留表示器25Aは、LEDの点灯個数によって、第1保留記憶数を表示し、第2保留表示器25Bは、LEDの点灯個数によって、第2保留記憶数を表示する。
画像表示装置5の下方には、入賞球装置6Aと、可変入賞球装置6Bとが設けられている。
入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に遊技球が進入可能な一定の開放状態に保たれる第1始動入賞口を形成する。第1始動入賞口に遊技球が進入したときには、所定個(例えば3個)の賞球が払い出されるとともに、第1特図ゲームが開始され得る。
可変入賞球装置6B(普通電動役物)は、ソレノイド81(図2参照)によって閉鎖状態と開放状態とに変化する第2始動入賞口を形成する。可変入賞球装置6Bは、例えば、一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物を備え、ソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、当該可動翼片の先端が入賞球装置6Aに近接し、第2始動入賞口に遊技球が進入しない閉鎖状態になる(第2始動入賞口が閉鎖状態になるともいう。)。その一方で、可変入賞球装置6Bは、ソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となることにより、第2始動入賞口に遊技球が進入できる開放状態になる(第2始動入賞口が開放状態になるともいう。)。第2始動入賞口に遊技球が進入したときには、所定個(例えば3個)の賞球が払い出されるとともに、第2特図ゲームが開始され得る。なお、可変入賞球装置6Bは、閉鎖状態と開放状態とに変化するものであればよく、電動チューリップ型役物を備えるものに限定されない。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左右下方4箇所)には、所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる一般入賞口10が設けられる。この場合には、一般入賞口10のいずれかに進入したときには、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出される。
入賞球装置6Aと可変入賞球装置6Bの下方には、大入賞口を有する特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、ソレノイド82(図2参照)によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用(特別電動役物用)のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口に進入(通過)できなくなる。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口に進入しやすくなる。
大入賞口に遊技球が進入したときには、所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。大入賞口に遊技球が進入したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口及び一般入賞口10に遊技球が進入したときよりも多くの賞球が払い出される。
一般入賞口10を含む各入賞口に遊技球が進入することを「入賞」ともいう。特に、始動口(第1始動入賞口、第2始動入賞口始動口)への入賞を始動入賞ともいう。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、7セグメントのLEDなどからなり、特別図柄とは異なる複数種類の普通識別情報としての普通図柄の可変表示を行う。普通図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」などの点灯パターンなどにより表される。普通図柄には、LEDを全て消灯したパターンが含まれてもよい。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲームともいう。
画像表示装置5の左方には、遊技球が通過可能な通過ゲート41が設けられている。遊技球が通過ゲート41を通過したことに基づき、普図ゲームが実行される。
普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、実行が保留されている普図ゲームの数である普図保留記憶数をLEDの点灯個数により表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果用の遊技効果ランプ9が設けられている。遊技効果ランプ9は、LEDを含んで構成されている。
遊技盤2の所定位置(図1では図示略)には、演出に応じて動作する可動体32が設けられている。
遊技機用枠3の右下部位置には、遊技球を打球発射装置により遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)30が設けられている。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する打球供給皿(上皿)が設けられている。上皿の下方には、上皿満タン時に賞球が払い出される打球供給皿(下皿)が設けられている。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aが取り付けられている。スティックコントローラ31Aには、遊技者が押下操作可能なトリガボタンが設けられている。スティックコントローラ31Aに対する操作は、コントローラセンサユニット35A(図2参照)により検出される。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン31Bが設けられている。プッシュボタン31Bに対する操作は、プッシュセンサ35B(図2参照)により検出される。
パチンコ遊技機1では、遊技者の動作(操作等)を検出する検出手段として、スティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bが設けられるが、これら以外の検出手段が設けられていてもよい。
(遊技の進行の概略)
パチンコ遊技機1が備える打球操作ハンドル30への遊技者による回転操作により、遊技球が遊技領域に向けて発射される。遊技球が通過ゲート41を通過すると、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。なお、前回の普図ゲームの実行中の期間等に遊技球が通過ゲート41を通過した場合(遊技球が通過ゲート41を通過したが当該通過に基づく普図ゲームを直ちに実行できない場合)には、当該通過に基づく普図ゲームは所定の上限数(例えば4)まで保留される。
この普図ゲームでは、特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として、普図当り図柄以外の普通図柄(普図ハズレ図柄)が停止表示されれば、普通図柄の表示結果が「普図ハズレ」となる。「普図当り」となると、可変入賞球装置6Bを所定期間開放状態とする開放制御が行われる(第2始動入賞口が開放状態になる)。
入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口に遊技球が進入すると、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図ゲームが開始される。
可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口に遊技球が進入すると、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図ゲームが開始される。
なお、特図ゲームの実行中の期間や、後述する大当り遊技状態や小当り遊技状態に制御されている期間に、遊技球が始動入賞口へ進入(入賞)した場合(始動入賞が発生したが当該始動入賞に基づく特図ゲームを直ちに実行できない場合)には、当該進入に基づく特図ゲームは所定の上限数(例えば4)までその実行が保留される。
特図ゲームにおいて、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄、例えば「7」、後述の大当り種別に応じて実際の図柄は異なる。)が停止表示されれば、「大当り」となり、大当り図柄とは異なる所定の特別図柄(小当り図柄、例えば「2」)が停止表示されれば、「小当り」となる。また、大当り図柄や小当り図柄とは異なる特別図柄(ハズレ図柄、例えば「−」)が停止表示されれば「ハズレ」となる。
特図ゲームでの表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利な有利状態として大当り遊技状態に制御される。特図ゲームでの表示結果が「小当り」になった後には、小当り遊技状態に制御される。
大当り遊技状態では、特別可変入賞球装置7により形成される大入賞口が所定の態様で開放状態となる。当該開放状態は、所定期間(例えば29秒間や1.8秒間)の経過タイミングと、大入賞口に進入した遊技球の数が所定個数(例えば9個)に達するまでのタイミングと、のうちのいずれか早いタイミングまで継続される。所定期間は、1ラウンドにおいて大入賞口を開放することができる上限期間であり、以下、開放上限期間ともいう。このように大入賞口が開放状態となる1のサイクルをラウンド(ラウンド遊技)という。大当り遊技状態では、当該ラウンドが所定の上限回数(15回や2回)に達するまで繰り返し実行可能となっている。
大当り遊技状態においては、遊技者は、遊技球を大入賞口に進入させることで、賞球を得ることができる。従って、大当り遊技状態は、遊技者にとって有利な状態である。大当り遊技状態におけるラウンド数が多い程、また、開放上限期間が長い程遊技者にとって有利となる。
なお、「大当り」には、大当り種別が設定されている。例えば、大入賞口の開放態様(ラウンド数や開放上限期間)や、大当り遊技状態後の遊技状態(後述の、通常状態、時短状態、確変状態など)を複数種類用意し、これらに応じて大当り種別が設定されている。大当り種別として、多くの賞球を得ることができる大当り種別や、賞球の少ない又はほとんど賞球を得ることができない大当り種別が設けられていてもよい。
小当り遊技状態では、特別可変入賞球装置7により形成される大入賞口が所定の開放態様で開放状態となる。例えば、小当り遊技状態では、一部の大当り種別のときの大当り遊技状態と同様の開放態様(大入賞口の開放回数が上記ラウンド数と同じであり、かつ、大入賞口の閉鎖タイミングも同じ等)で大入賞口が開放状態となる。なお、大当り種別と同様に、「小当り」にも小当り種別を設けてもよい。
大当り遊技状態が終了した後は、上記大当り種別に応じて、時短状態や確変状態に制御されることがある。
時短状態では、平均的な特図変動時間(特図を変動させる期間)を通常状態よりも短縮させる制御(時短制御)が実行される。時短状態では、平均的な普図変動時間(普図を変動させる期間)を通常状態よりも短縮させたり、普図ゲームで「普図当り」となる確率を通常状態よりも向上させる等により、第2始動入賞口に遊技球が進入しやすくなる制御(高開放制御、高ベース制御)も実行される。時短状態は、特別図柄(特に第2特別図柄)の変動効率が向上する状態であるので、遊技者にとって有利な状態である。
確変状態(確率変動状態)では、時短制御に加えて、表示結果が「大当り」となる確率が通常状態よりも高くなる確変制御が実行される。確変状態は、特別図柄の変動効率が向上することに加えて「大当り」となりやすい状態であるので、遊技者にとってさらに有利な状態である。
時短状態や確変状態は、所定回数の特図ゲームが実行されたことと、次回の大当り遊技状態が開始されたこと等といった、いずれか1つの終了条件が先に成立するまで継続する。所定回数の特図ゲームが実行されたことが終了条件となるものを、回数切り(回数切り時短、回数切り確変等)ともいう。
通常状態とは、遊技者にとって有利な大当り遊技状態等の有利状態、時短状態、確変状態等の特別状態以外の遊技状態のことであり、普図ゲームにおける表示結果が「普図当り」となる確率及び特図ゲームにおける表示結果が「大当り」となる確率などのパチンコ遊技機1が、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に所定の復帰処理を実行しなかったとき)と同一に制御される状態である。
確変制御が実行されている状態を高確状態、確変制御が実行されていない状態を低確状態ともいう。時短制御が実行されている状態を高ベース状態、時短制御が実行されていない状態を低ベース状態ともいう。これらを組み合わせて、時短状態は低確高ベース状態、確変状態は高確高ベース状態、通常状態は低確低ベース状態などともいわれる。高確状態かつ低ベース状態は高確低ベース状態ともいう。
小当り遊技状態が終了した後は、遊技状態の変更が行われず、特図ゲームの表示結果が「小当り」となる以前の遊技状態に継続して制御される(但し、「小当り」発生時の特図ゲームが、上記回数切りにおける上記所定回数目の特図ゲームである場合には、当然遊技状態が変更される)。なお、特図ゲームの表示結果として「小当り」がなくてもよい。
なお、遊技状態は、大当り遊技状態中に遊技球が特定領域(例えば、大入賞口内の特定領域)を通過したことに基づいて、変化してもよい。例えば、遊技球が特定領域を通過したとき、その大当り遊技状態後に確変状態に制御してもよい。
(演出の進行など)
パチンコ遊技機1では、遊技の進行に応じて種々の演出(遊技の進行状況を報知したり、遊技を盛り上げたりする演出)が実行される。当該演出について以下説明する。なお、当該演出は、画像表示装置5に各種の演出画像を表示することによって行われるが、当該表示に加えて又は代えて、スピーカ8L、8Rからの音声出力、及び/又は、遊技効果ランプ9の点等/消灯、可動体32の動作等により行われてもよい。
遊技の進行に応じて実行される演出として、画像表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、第1特図ゲーム又は第2特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示が開始される。第1特図ゲームや第2特図ゲームにおいて表示結果(確定特別図柄ともいう。)が停止表示されるタイミングでは、飾り図柄の可変表示の表示結果となる確定飾り図柄(3つの飾り図柄の組合せ)も停止表示(導出)される。
飾り図柄の可変表示が開始されてから終了するまでの期間では、飾り図柄の可変表示の態様が所定のリーチ態様となる(リーチが成立する)ことがある。ここで、リーチ態様とは、画像表示装置5の画面上にて停止表示された飾り図柄が後述の大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄については可変表示が継続している態様などのことである。
また、飾り図柄の可変表示中に上記リーチ態様となったことに対応してリーチ演出が実行される。パチンコ遊技機1では、演出態様に応じて表示結果(特図ゲームの表示結果や飾り図柄の可変表示の表示結果)が「大当り」となる割合(大当り信頼度、大当り期待度とも呼ばれる。)が異なる複数種類のリーチ演出が実行される。リーチ演出には、例えば、ノーマルリーチと、ノーマルリーチよりも大当り信頼度の高いスーパーリーチと、がある。
特図ゲームの表示結果が「大当り」となるときには、画像表示装置5の画面上において、飾り図柄の可変表示の表示結果として、予め定められた大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「大当り」となる)。一例として、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける所定の有効ライン上に同一の飾り図柄(例えば、「7」等)が揃って停止表示される。
大当り遊技状態の終了後に確変状態に制御される「確変大当り」である場合には、奇数の飾り図柄(例えば、「7」等)が揃って停止表示され、大当り遊技状態の終了後に確変状態に制御されない「非確変大当り(通常大当り)」である場合には、偶数の飾り図柄(例えば、「6」等)が揃って停止表示されるようにしてもよい。この場合、奇数の飾り図柄を確変図柄、偶数の飾り図柄を非確変図柄(通常図柄)ともいう。非確変図柄でリーチ態様となった後に、最終的に「確変大当り」となる昇格演出を実行するようにしてもよい。
特図ゲームの表示結果が「小当り」となるときには、画像表示装置5の画面上において、飾り図柄の可変表示の表示結果として、予め定められた小当り組合せとなる確定飾り図柄(例えば、「1 3 5」等)が導出される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「小当り」となる)。一例として、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける所定の有効ライン上にチャンス目を構成する飾り図柄が停止表示される。なお、特図ゲームの表示結果が、一部の大当り種別(小当り遊技状態と同様の態様の大当り遊技状態の大当り種別)の「大当り」となるときと、「小当り」となるときとで、共通の確定飾り図柄が導出表示されてもよい。
特図ゲームの表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示の態様がリーチ態様とならずに、飾り図柄の可変表示の表示結果として、非リーチ組合せの確定飾り図柄(「非リーチハズレ」ともいう。)が停止表示される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「非リーチハズレ」となる)ことがある。また、表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示の態様がリーチ態様となった後に、飾り図柄の可変表示の表示結果として、大当り組合せでない所定のリーチ組合せ(「リーチハズレ」ともいう)の確定飾り図柄が停止表示される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「リーチハズレ」となる)こともある。
パチンコ遊技機1が実行可能な演出には、上記の可変表示対応表示(保留表示やアクティブ表示)を表示することも含まれる。また、他の演出として、例えば、大当り信頼度を予告する予告演出等が飾り図柄の可変表示中に実行される。予告演出には、実行中の可変表示における大当り信頼度を予告する予告演出や、実行前の可変表示(実行が保留されている可変表示)における大当り信頼度を予告する先読み予告演出がある。先読み予告演出として、可変表示対応表示(保留表示やアクティブ表示)の表示態様を通常とは異なる態様に変化させる演出が実行されるようにしてもよい。
また、画像表示装置5において、飾り図柄の可変表示中に飾り図柄を一旦仮停止させた後に可変表示を再開させることで、1回の可変表示を擬似的に複数回の可変表示のように見せる擬似連演出を実行するようにしてもよい。
大当り遊技状態中にも、大当り遊技状態を報知する大当り中演出が実行される。大当り中演出としては、ラウンド数を報知する演出や、大当り遊技状態の価値が向上することを示す昇格演出が実行されてもよい。また、小当り遊技状態中にも、小当り遊技状態を報知する小当り中演出が実行される。なお、小当り遊技状態中と、一部の大当り種別(小当り遊技状態と同様の態様の大当り遊技状態の大当り種別で、例えばその後の遊技状態を高確状態とする大当り種別)での大当り遊技状態とで、共通の演出を実行することで、現在が小当り遊技状態中であるか、大当り遊技状態中であるかを遊技者に分からないようにしてもよい。そのような場合であれば、小当り遊技状態の終了後と大当り遊技状態の終了後とで共通の演出を実行することで、高確状態であるか低確状態であるかを識別できないようにしてもよい。
また、例えば特図ゲーム等が実行されていないときには、画像表示装置5にデモ(デモンストレーション)画像が表示される(客待ちデモ演出が実行される)。
(基板構成)
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14、中継基板15などが搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1の背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、電源基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における上記遊技の進行(特図ゲームの実行(保留の管理を含む)、普図ゲームの実行(保留の管理を含む)、大当り遊技状態、小当り遊技状態、遊技状態など)を制御する機能を有する。主基板11は、遊技制御用マイクロコンピュータ100、スイッチ回路110、ソレノイド回路111などを有する。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、ROM(Read Only Memory)101と、RAM(Random Access Memory)102と、CPU(Central Processing Unit)103と、乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備える。
CPU103は、ROM101に記憶されたプログラムを実行することにより、遊技の進行を制御する処理(主基板11の機能を実現する処理)を行う。このとき、ROM101が記憶する各種データ(後述の変動パターン、後述の演出制御コマンド、後述の各種決定を行う際に参照される各種テーブルなどのデータ)が用いられ、RAM102がメインメモリとして使用される。RAM102は、その一部または全部がパチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても、所定期間記憶内容が保存されるバックアップRAMとなっている。なお、ROM101に記憶されたプログラムの全部又は一部をRAM102に展開して、RAM102上で実行するようにしてもよい。
乱数回路104は、遊技の進行を制御するときに使用される各種の乱数値(遊技用乱数)を示す数値データを更新可能にカウントする。遊技用乱数は、CPU103が所定のコンピュータプログラムを実行することで更新されるもの(ソフトウェアで更新されるもの)であってもよい。
I/O105は、例えば各種信号(後述の検出信号)が入力される入力ポートと、各種信号(第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどを制御(駆動)する信号、ソレノイド駆動信号)を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。
スイッチ回路110は、遊技球検出用の各種スイッチ(ゲートスイッチ21、始動口スイッチ(第1始動口スイッチ22Aおよび第2始動口スイッチ22B)、カウントスイッチ23)からの検出信号(遊技球が通過又は進入してスイッチがオンになったことを示す検出信号など)を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送する。検出信号の伝送により、遊技球の通過又は進入が検出されたことになる。
ソレノイド回路111は、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号(例えば、ソレノイド81やソレノイド82をオンする信号など)を、普通電動役物用のソレノイド81や大入賞口扉用のソレノイド82に伝送する。
主基板11(遊技制御用マイクロコンピュータ100)は、遊技の進行の制御の一部として、遊技の進行に応じて演出制御コマンド(遊技の進行状況等を指定(通知)するコマンド)を演出制御基板12に供給する。主基板11から出力された演出制御コマンドは、中継基板15により中継され、演出制御基板12に供給される。当該演出制御コマンドには、例えば主基板11における各種の決定結果(例えば、特図ゲームの表示結果(大当り種別を含む。)、特図ゲームを実行する際に使用される変動パターン(詳しくは後述))、遊技の状況(例えば、可変表示の開始や終了、大入賞口の開放状況、入賞の発生、保留記憶数、遊技状態)、エラーの発生等を指定するコマンド等が含まれる。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、演出制御コマンドを受信し、受信した演出制御コマンドに基づいて演出(遊技の進行に応じた種々の演出であり、可動体32の駆動、エラー報知、電断復旧の報知等の各種報知を含む)を実行する機能を有する。
演出制御基板12には、演出制御用CPU120と、ROM121と、RAM122と、表示制御部123と、乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
演出制御用CPU120は、ROM121に記憶されたプログラムを実行することにより、表示制御部123とともに演出を実行するための処理(演出制御基板12の上記機能を実現するための処理であり、実行する演出の決定等を含む)を行う。このとき、ROM121が記憶する各種データ(各種テーブルなどのデータ)が用いられ、RAM122がメインメモリとして使用される。
演出制御用CPU120は、コントローラセンサユニット35Aやプッシュセンサ35Bからの検出信号(遊技者による操作を検出したときに出力される信号であり、操作内容を適宜示す信号)に基づいて演出の実行を表示制御部123に指示することもある。
表示制御部123は、VDP(Video Display Processor)、CGROM(Character Generator ROM)、VRAM(Video RAM)などを備え、演出制御用CPU120からの演出の実行指示に基づき、演出を実行する。
表示制御部123は、演出制御用CPU120からの演出の実行指示に基づき、実行する演出に応じた映像信号を画像表示装置5に供給することで、演出画像を画像表示装置5に表示させる。表示制御部123は、さらに、演出画像の表示に同期した音声出力や、遊技効果ランプ9の点灯/消灯を行うため、音指定信号(出力する音声を指定する信号)を音声制御基板13に供給したり、ランプ信号(ランプの点灯/消灯態様を指定する信号)をランプ制御基板14に供給したりする。また、表示制御部123は、可動体32を動作させる信号を当該可動体32又は当該可動体32を駆動する駆動回路に供給する。
音声制御基板13は、スピーカ8L、8Rを駆動する各種回路を搭載しており、当該音指定信号に基づきスピーカ8L、8Rを駆動し、当該音指定信号が指定する音声をスピーカ8L、8Rから出力させる。
ランプ制御基板14は、遊技効果ランプ9を駆動する各種回路を搭載しており、当該ランプ信号に基づき遊技効果ランプ9を駆動し、当該ランプ信号が指定する態様で遊技効果ランプ9を点灯/消灯する。このようにして、表示制御部123は、音声出力、ランプの点灯/消灯を制御する。
なお、音声出力、ランプの点灯/消灯の制御(音指定信号やランプ信号の供給等)、可動体32の制御(可動体32を動作させる信号の供給等)は、演出制御用CPU120が実行するようにしてもよい。
乱数回路124は、各種演出を実行するために使用される各種の乱数値(演出用乱数)を示す数値データを更新可能にカウントする。演出用乱数は、演出制御用CPU120が所定のコンピュータプログラムを実行することで更新されるもの(ソフトウェアで更新されるもの)であってもよい。
演出制御基板12に搭載されたI/O125は、例えば主基板11などから伝送された演出制御コマンドを取り込むための入力ポートと、各種信号(映像信号、音指定信号、ランプ信号)を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。
演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、主基板11以外の基板をサブ基板ともいう。パチンコ遊技機1のようにサブ基板が機能別に複数設けられていてもよいし、1のサブ基板が複数の機能を有するように構成してもよい。
(動作)
次に、パチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。
(主基板11の主要な動作)
まず、主基板11における主要な動作を説明する。パチンコ遊技機1に対して電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理が実行される。図3は、主基板11におけるCPU103が実行する遊技制御メイン処理を示すフローチャートである。
図3に示す遊技制御メイン処理では、CPU103は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。続いて、必要な初期設定を行う(ステップS2)。初期設定には、スタックポインタの設定、内蔵デバイス(CTC(カウンタ/タイマ回路)、パラレル入出力ポート等)のレジスタ設定、RAM102をアクセス可能状態にする設定等が含まれる。
次いで、クリアスイッチからの出力信号がオンであるか否かを判定する(ステップS3)。クリアスイッチは、例えば電源基板に搭載されている。クリアスイッチがオンの状態で電源が投入されると、出力信号(クリア信号)が入力ポートを介して遊技制御用マイクロコンピュータ100に入力される。クリアスイッチからの出力信号がオンである場合(ステップS3;Yes)、初期化処理(ステップS8)を実行する。初期化処理では、CPU103は、RAM102に記憶されるフラグ、カウンタ、バッファをクリアするRAMクリア処理を行い、作業領域に初期値を設定する。
また、CPU103は、初期化を指示する演出制御コマンドを演出制御基板12に送信する(ステップS9)。演出制御用CPU120は、当該演出制御コマンドを受信すると、例えば画像表示装置5において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示を行う。
クリアスイッチからの出力信号がオンでない場合には(ステップS3;No)、RAM102(バックアップRAM)にバックアップデータが保存されているか否かを判定する(ステップS4)。不測の停電等(電断)によりパチンコ遊技機1への電力供給が停止したときには、CPU103は、当該電力供給の停止によって動作できなくなる直前に、電源供給停止時処理を実行する。この電源供給停止時処理では、RAM102にデータをバックアップすることを示すバックアップフラグをオンする処理、RAM102のデータ保護処理等が実行される。データ保護処理には、誤り検出符号(チェックサム、パリティビット等)の付加、各種データをバックアップする処理が含まれる。バックアップされるデータには、遊技を進行するための各種データ(各種フラグ、各種タイマの状態等を含む)の他、バックアップフラグの状態や誤り検出符号も含まれる。ステップS4では、バックアップフラグがオンであるか否かを判定する。バックアップフラグがオフでRAM102にバックアップデータが記憶されていない場合(ステップS4;No)、初期化処理(ステップS8)を実行する。
RAM102にバックアップデータが記憶されている場合(ステップS4;Yes)、CPU103は、バックアップしたデータのデータチェックを行い(誤り検出符号を用いて行われる)、データが正常か否かを判定する(ステップS5)。ステップS5では、例えば、パリティビットやチェックサムにより、RAM102のデータが、電力供給停止時のデータと一致するか否かを判定する。これらが一致すると判定された場合、RAM102のデータが正常であると判定する。
RAM102のデータが正常でないと判定された場合(ステップS5;No)、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、初期化処理(ステップS8)を実行する。
RAM102のデータが正常であると判定された場合(ステップS5;Yes)、CPU103は、主基板11の内部状態を電力供給停止時の状態に戻すための復旧処理(ステップS6)を行う。復旧処理では、CPU103は、RAM102の記憶内容(バックアップしたデータの内容)に基づいて作業領域の設定を行う。これにより、電力供給停止時の遊技状態に復旧し、特別図柄の変動中であった場合には、後述の遊技制御用タイマ割込み処理の実行によって、復旧前の状態から特別図柄の変動が再開されることになる。
そして、CPU103は、電断からの復旧を指示する演出制御コマンドを演出制御基板12に送信する(ステップS7)。これに合わせて、バックアップされている電断前の遊技状態を指定する演出制御コマンドや、特図ゲームの実行中であった場合には当該実行中の特図ゲームの表示結果を指定する演出制御コマンドを送信するようにしてもよい。これらコマンドは、後述の特別図柄プロセス処理で送信設定されるコマンドと同じコマンドを使用できる。演出制御用CPU120は、電断からの復旧時を特定する演出制御コマンドを受信すると、例えば画像表示装置5において、電断からの復旧がなされたこと又は電断からの復旧中であることを報知するための画面表示を行う。演出制御用CPU120は、演出制御コマンドに基づいて、適宜の画面表示を行うようにしてもよい。
復旧処理または初期化処理を終了して演出制御基板12に演出制御コマンドを送信した後には、CPU103は、乱数回路104を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(ステップS10)。そして、所定時間(例えば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行い(ステップS11)、割込みを許可する(ステップS12)。その後、ループ処理に入る。以後、所定時間(例えば2ms)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。
こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、図4のフローチャートに示す遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。図4に示す遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU103は、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチからの検出信号の受信の有無を判定する(ステップS21)。続いて、所定のメイン側エラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする(ステップS22)。この後、所定の情報出力処理を実行することにより、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報(大当りの発生回数等を示す情報)、始動情報(始動入賞の回数等を示す情報)、確率変動情報(確変状態となった回数等を示す情報)などのデータを出力する(ステップS23)。
情報出力処理に続いて、主基板11の側で用いられる遊技用乱数の少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための遊技用乱数更新処理を実行する(ステップS24)。この後、CPU103は、特別図柄プロセス処理を実行する(ステップS25)。CPU103がタイマ割込み毎に特別図柄プロセス処理を実行することにより、特図ゲームの実行及び保留の管理や、大当り遊技状態や小当り遊技状態の制御、遊技状態の制御などが実現される(詳しくは後述)。
特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄プロセス処理が実行される(ステップS26)。CPU103がタイマ割込み毎に普通図柄プロセス処理を実行することにより、ゲートスイッチ21からの検出信号に基づく(通過ゲート41に遊技球が通過したことに基づく)普図ゲームの実行及び保留の管理や、「普図当り」に基づく可変入賞球装置6Bの開放制御などを可能にする。普図ゲームの実行は、普通図柄表示器20を駆動することにより行われ、普図保留表示器25Cを点灯させることにより普図保留数を表示する。
普通図柄プロセス処理を実行した後、遊技制御用タイマ割込み処理の一部として、電断が発生したときの処理、賞球を払い出すための処理等などが行われてもよい。その後、CPU103は、コマンド制御処理を実行する(ステップS27)。CPU103は、上記各処理にて演出制御コマンドを送信設定することがある。ステップS27のコマンド制御処理では、送信設定された演出制御コマンドを演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して伝送させる処理が行われる。コマンド制御処理を実行した後には、割込みを許可してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図5は、特別図柄プロセス処理として、図4に示すステップS25にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS101)。
始動入賞判定処理では、始動入賞の発生を検出し、RAM102の所定領域に保留情報を格納し保留記憶数を更新する処理が実行される。始動入賞が発生すると、表示結果(大当り種別を含む)や変動パターンを決定するための乱数値が抽出され、保留情報として記憶される。また、抽出した乱数値に基づいて、表示結果や変動パターンを先読み判定する処理が実行されてもよい。保留情報や保留記憶数を記憶した後には、演出制御基板12に始動入賞の発生、保留記憶数、先読み判定等の判定結果を指定するための演出制御コマンドを送信するための送信設定が行われる。こうして送信設定された始動入賞時の演出制御コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、図4に示すステップS27のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
S101にて始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、RAM102に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS110〜S120の処理のいずれかを選択して実行する。なお、特別図柄プロセス処理の各処理(ステップS110〜S120)では、各処理に対応した演出制御コマンドを演出制御基板12に送信するための送信設定が行われる。
ステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”(初期値)のときに実行される。この特別図柄通常処理では、保留情報の有無などに基づいて、第1特図ゲーム又は第2特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、表示結果決定用の乱数値に基づき、特別図柄や飾り図柄の表示結果を「大当り」または「小当り」とするか否かや「大当り」とする場合の大当り種別を、その表示結果が導出表示される以前に決定(事前決定)する。さらに、特別図柄通常処理では、決定された表示結果に対応して、特図ゲームにおいて停止表示させる確定特別図柄(大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄のいずれか)が設定される。その後、特図プロセスフラグの値が“1”に更新され、特別図柄通常処理は終了する。なお、第2特図を用いた特図ゲームが第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行されるようにしてもよい(特図2優先消化ともいう)。また、第1始動入賞口及び第2始動入賞口への遊技球の入賞順序を記憶し、入賞順に特図ゲームの開始条件を成立させるようにしてもよい(入賞順消化ともいう)。
乱数値に基づき各種の決定を行う場合には、ROM101に格納されている各種のテーブル(乱数値と比較される決定値が決定結果に割り当てられているテーブル)が参照される。主基板11における他の決定、演出制御基板12における各種の決定についても同じである。演出制御基板12においては、各種のテーブルがROM121に格納されている。
ステップS111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、表示結果を「大当り」または「小当り」とするか否かの事前決定結果等に基づき、変動パターン決定用の乱数値を用いて変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。変動パターン設定処理では、変動パターンを決定したときに、特図プロセスフラグの値が“2”に更新され、変動パターン設定処理は終了する。
変動パターンは、特図ゲームの実行時間(特図変動時間)(飾り図柄の可変表示の実行時間でもある)や、飾り図柄の可変表示の態様(リーチの有無等)、飾り図柄の可変表示中の演出内容(リーチ演出の種類等)を指定するものであり、可変表示パターンとも呼ばれる。
ステップS112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。また、計測された経過時間が変動パターンに対応する特図変動時間に達したか否かの判定も行われる。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値が“3”に更新され、特別図柄変動処理は終了する。
ステップS113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の表示結果となる確定特別図柄を停止表示(導出)させるための設定を行う処理が含まれている。そして、表示結果が「大当り」である場合には特図プロセスフラグの値が“4”に更新される。その一方で、大当りフラグがオフであり、表示結果が「小当り」である場合には、特図プロセスフラグの値が“8”に更新される。また、表示結果が「ハズレ」である場合には、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。表示結果が「小当り」又は「ハズレ」である場合、時短状態や確変状態に制御されているときであって、回数切りの終了成立する場合には、遊技状態も更新される。特図プロセスフラグの値が更新されると、特別図柄停止処理は終了する。
ステップS114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理には、表示結果が「大当り」となったことなどに基づき、大当り遊技状態においてラウンドの実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。大入賞口を開放状態とするときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対してソレノイド駆動信号を供給する処理が実行される。このときには、例えば大当り種別がいずれであるかに対応して、大入賞口を開放状態とする開放上限期間や、ラウンドの上限実行回数を設定する。これらの設定が終了すると、特図プロセスフラグの値が“5”に更新され、大当り開放前処理は終了する。
ステップS115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対するソレノイド駆動信号の供給を停止させる処理などを実行した後、特図プロセスフラグの値が“6”に更新し、大当り開放中処理を終了する。
ステップS116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンドの実行回数が設定された上限実行回数に達したか否かを判定する処理や、上限実行回数に達した場合に大当り遊技状態を終了させるための設定を行う処理などが含まれている。そして、ラウンドの実行回数が上限実行回数に達していないときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される一方、ラウンドの実行回数が上限実行回数に達したときには、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。特図プロセスフラグの値が更新されると、大当り解放後処理は終了する。
ステップS117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、大当り遊技状態の終了に対応して確変制御や時短制御を開始するための各種の設定を行う処理などが含まれている。こうした設定が行われたときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新され、大当り終了処理は終了する。
ステップS118の小当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“8”のときに実行される。この小当り開放前処理には、表示結果が「小当り」となったことに基づき、小当り遊技状態において大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。このときには、特図プロセスフラグの値が“9”に更新され、小当り開放前処理は終了する。
ステップS119の小当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“9”のときに実行される。この小当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。大入賞口を閉鎖状態に戻して小当り遊技状態の終了タイミングとなったときには、特図プロセスフラグの値が“10”に更新され、小当り開放中処理は終了する。
ステップS120の小当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“10”のときに実行される。この小当り終了処理には、小当り遊技状態の終了を報知する演出動作が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理などが含まれている。ここで、小当り遊技状態が終了するときには、小当り遊技状態となる以前のパチンコ遊技機1における遊技状態を継続させる。小当り遊技状態の終了時における待ち時間が経過したときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新され、小当り終了処理は終了する。
(演出制御基板12の主要な動作)
次に、演出制御基板12における主要な動作を説明する。演出制御基板12では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU120が起動して、図6のフローチャートに示すような演出制御メイン処理を実行する。図6に示す演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、所定の初期化処理を実行して(ステップS71)、RAM122のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板12に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。また、初期動作制御処理を実行する(ステップS72)。初期動作制御処理では、可動体32を駆動して初期位置に戻す制御、所定の動作確認を行う制御といった可動体32の初期動作を行う制御が実行される。
その後、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う(ステップS73)。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフであれば(ステップS73;No)、ステップS73の処理を繰り返し実行して待機する。
また、演出制御基板12の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板11からの演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。演出制御用CPU120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、I/O125に含まれる入力ポートのうちで、中継基板15を介して主基板11から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドを取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えばRAM122に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU120は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
ステップS73にてタイマ割込みフラグがオンである場合には(ステップS73;Yes)、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS74)、コマンド解析処理を実行する(ステップS75)。コマンド解析処理では、例えば主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御などが行われる。例えば、どの演出制御コマンドを受信したかや演出制御コマンドが特定する内容等を演出制御プロセス処理等で確認できるように、読み出された演出制御コマンドをRAM122の所定領域に格納したり、RAM122に設けられた受信フラグをオンしたりする。また、演出制御コマンドが遊技状態を特定する場合、遊技状態に応じた背景の表示を表示制御部123に指示してもよい。
ステップS75にてコマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する(ステップS76)。演出制御プロセス処理では、例えば画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9及び装飾用LEDといった装飾発光体における点灯動作、可動体32の駆動動作といった、各種の演出装置を動作させる制御が行われる。また、各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定などが行われる。
ステップS76の演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理が実行され(ステップS77)、演出制御基板12の側で用いられる演出用乱数の少なくとも一部がソフトウェアにより更新される。その後、ステップS73の処理に戻る。ステップS73の処理に戻る前に、他の処理が実行されてもよい。
図7は、演出制御プロセス処理として、図6のステップS76にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図7に示す演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU120は、まず、先読予告設定処理を実行する(ステップS161)。先読予告設定処理では、例えば、主基板11から送信された始動入賞時の演出制御コマンドに基づいて、先読み予告演出を実行するための判定や決定、設定などが行われる。また、当該演出制御コマンドから特定される保留記憶数に基づき保留表示を表示するための処理が実行される。
ステップS161の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、例えばRAM122に設けられた演出プロセスフラグの値に応じて、以下のようなステップS170〜S177の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”(初期値)のときに実行される処理である。この可変表示開始待ち処理は、主基板11から可変表示の開始を指定するコマンドなどを受信したか否かに基づき、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始すると判定された場合、演出プロセスフラグの値を“1”に更新し、可変表示開始待ち処理を終了する。
ステップS171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。この可変表示開始設定処理では、演出制御コマンドにより特定される表示結果や変動パターンに基づいて、飾り図柄の可変表示の表示結果(確定飾り図柄)、飾り図柄の可変表示の態様、リーチ演出や各種予告演出などの各種演出の実行の有無やその態様や実行開始タイミングなどを決定する。そして、その決定結果等を反映した演出制御パターン(表示制御部123に演出の実行を指示するための制御データの集まり)を設定する。その後、設定した演出制御パターンに基づいて、飾り図柄の可変表示の実行開始を表示制御部123に指示し、演出プロセスフラグの値を“2”に更新し、可変表示開始設定処理を終了する。表示制御部123は、飾り図柄の可変表示の実行開始の指示により、画像表示装置5において、飾り図柄の可変表示を開始させる。
ステップS172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。この可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、表示制御部123を指示することで、ステップS171にて設定された演出制御パターンに基づく演出画像を画像表示装置5の表示画面に表示させることや、可動体32を駆動させること、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、飾り図柄の可変表示中における各種の演出制御を実行する。こうした演出制御を行った後、例えば演出制御パターンから飾り図柄の可変表示終了を示す終了コードが読み出されたこと、あるいは、主基板11から確定飾り図柄を停止表示させることを指定するコマンドを受信したことなどに対応して、飾り図柄の表示結果となる確定飾り図柄を停止表示させる。確定飾り図柄を停止表示したときには、演出プロセスフラグの値が“3”に更新され、可変表示中演出処理は終了する。
ステップS173の特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。この特図当り待ち処理において、演出制御用CPU120は、主基板11から大当り遊技状態又は小当り遊技状態を開始することを指定する演出制御コマンドの受信があったか否かを判定する。そして、大当り遊技状態又は小当り遊技状態を開始することを指定する演出制御コマンドを受信したきに、そのコマンドが大当り遊技状態の開始を指定するものであれば、演出プロセスフラグの値を“6”に更新する。これに対して、そのコマンドが小当り遊技状態の開始を指定するものであれば、演出プロセスフラグの値を小当り中演出処理に対応した値である“4”に更新する。また、大当り遊技状態又は小当り遊技状態を開始することを指定するコマンドを受信せずに、当該コマンドの受信待ち時間が経過したときには、特図ゲームにおける表示結果が「ハズレ」であったと判定して、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。演出プロセスフラグの値を更新すると、特図当り待ち処理を終了する。
ステップS174の小当り中演出処理は、演出制御プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この小当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば小当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく小当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、小当り中演出処理では、例えば主基板11から小当り遊技状態を終了することを指定するコマンドを受信したことに対応して、演出プロセスフラグの値を小当り終了演出に対応した値である“5”に更新し、小当り中演出処理を終了する。
ステップS175の小当り終了演出処理は、演出制御プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。この小当り終了演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば小当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく小当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新し、小当り終了演出処理を終了する。
ステップS176の大当り中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“6”のときに実行される処理である。この大当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく大当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、大当り中演出処理では、例えば主基板11から大当り遊技状態を終了することを指定するコマンドを受信したことに対応して、演出制御プロセスフラグの値をエンディング演出処理に対応した値である“7”に更新し、大当り中演出処理を終了する。
ステップS177のエンディング演出処理は、演出プロセスフラグの値が“7”のときに実行される処理である。このエンディング演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく大当り遊技状態の終了時におけるエンディング演出の各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新し、エンディング演出処理を終了する。
(基本説明の変形例)
この発明は、上記基本説明で説明したパチンコ遊技機1に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、様々な変形及び応用が可能である。
上記基本説明のパチンコ遊技機1は、入賞の発生に基づいて所定数の遊技媒体を景品として払い出す払出式遊技機であったが、遊技媒体を封入し入賞の発生に基づいて得点を付与する封入式遊技機であってもよい。
特別図柄の可変表示中に表示されるものは1種類の図柄(例えば、「−」を示す記号)だけで、当該図柄の表示と消灯とを繰り返すことによって可変表示を行うようにしてもよい。さらに可変表示中に当該図柄が表示されるものも、可変表示の停止時には、当該図柄が表示されなくてもよい(表示結果としては「−」を示す記号が表示されなくてもよい)。
上記基本説明では、遊技機としてパチンコ遊技機1を示したが、メダルが投入されて所定の賭け数が設定され、遊技者による操作レバーの操作に応じて複数種類の図柄を回転させ、遊技者によるストップボタンの操作に応じて図柄を停止させたときに停止図柄の組合せが特定の図柄の組み合わせになると、所定数のメダルが遊技者に払い出されるゲームを実行可能なスロット機(例えば、ビッグボーナス、レギュラーボーナス、RT、AT、ART、CZ(以下、ボーナス等)のうち1以上を搭載するスロット機)にも本発明を適用可能である。
本発明を実現するためのプログラム及びデータは、パチンコ遊技機1に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
なお、本明細書において、演出の実行割合などの各種割合の比較の表現(「高い」、「低い」、「異ならせる」などの表現)は、一方が「0%」の割合であることを含んでもよい。例えば、一方が「0%」の割合で、他方が「100%」の割合又は「100%」未満の割合であることも含む。
(特徴部069IWに関する説明)
次に、特徴部069IWについて説明する。
図8−1は特徴部069IWにおけるパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。特徴部069IWにおけるパチンコ遊技機1では、遊技領域においては、遊技球が流下する流下経路のうちの第1経路が、正面から見て画像表示装置5よりも左側の領域に主に設けられ、遊技球が流下する流下経路のうち第1経路とは異なる第2経路が、正面から見て画像表示装置5よりも右側の領域に主に設けられている。
第1経路に遊技球を流下させるために画像表示装置5の左側領域(左側遊技領域)に遊技球を打込むことが左打ちと呼ばれる。第2経路に遊技球を流下させるために画像表示装置5の右側領域(右側遊技領域)に遊技球を打込むことが右打ちと呼ばれる。第1経路は、遊技領域の左側に遊技球を打ち込むことにより遊技球が流下可能となる経路であるので、左打ち経路と呼ばれてもよい。また、第2経路は、遊技領域の右側に遊技球を打ち込むことにより遊技球が流下可能となる経路であるので、右打ち経路と呼ばれてもよい。
なお、第1経路と第2経路とは、別の経路により構成されてもよく、一部が共有化された経路であってもよい。左遊技領域と右遊技領域とは、たとえば、遊技領域内における画像表示装置5の端面や遊技釘の配列等により区分けされていればよい。
打球操作ハンドル30の操作に応じて打球発射装置から発射されて遊技領域に打込まれた遊技球は、左遊技領域へと誘導された場合に、たとえば遊技釘の配列に沿って誘導されることにより、右遊技領域へは誘導不可能または誘導困難となる。また、遊技球は、右遊技領域へと誘導された場合に、たとえば遊技釘の配列に沿って誘導されることにより、左遊技領域へは誘導不可能または誘導困難となる。
遊技領域のうちの左遊技領域に打分けられた遊技球が進入可能な構造物として、入賞球装置6Aが設けられている。
遊技領域のうちの右遊技領域に打分けられた遊技球が進入可能な構造物として、通過ゲート41、可変入賞球装置6B、および、V判定入賞装置069IW01が設けられている。V判定入賞装置069IW01の内部にはV入賞スイッチ069IW01a、V判定入賞スイッチ069IW15aおよびV判定排出スイッチ069IW15bが、それぞれ設けられている。
左遊技領域では、入賞口構造物のうち入賞球装置6Aに遊技球が誘導されてくるように遊技釘が植設されている。このため、入賞球装置6Aに遊技球を進入させることを狙うときに、遊技者は、遊技球を左打ちすればよい。また、右遊技領域では、入賞口構造物のうち可変入賞球装置6B、および通過ゲート41に遊技球が誘導されてくるように遊技釘が植設されている。このため、可変入賞球装置6B、および通過ゲート41に遊技球を進入させることを狙うときに、遊技者は、遊技球を右打ちすればよい。
なお、右遊技領域に打分けられた遊技球が入賞球装置6Aに進入する可能性があるようにしてもよいが、遊技性の観点から、その可能性は左遊技領域に打分けられた遊技球がそれらに進入する可能性に比べて極端に低くすることが望ましい。逆に、左遊技領域に打分けられた遊技球が通過ゲート41、および、可変入賞球装置6Bに進入する可能性があるようにしてもよいが、遊技性の観点から、その可能性は右遊技領域に打分けられた遊技球がそれらに進入する可能性に比べて極端に低くすることが望ましい。
V判定入賞装置069IW01は、小当りが発生したときに大当りを発生させるための条件となる遊技球のV入賞を判定するための装置である。
V判定入賞装置069IW01は、透明の部材で形成され、内部を遊技球が通過する様子が視認可能である。V判定入賞装置069IW01は、上部に、前後方向に遊技球が通過可能な幅が設けられ、右から左に向かって傾斜し左右方向に延在した通路の両側(手前側と奥側)に壁部が設けられ、その通路に沿って遊技球が誘導される誘導路が形成されている。導路の中央部には、小当りとなったときに所定期間(たとえば、0.1秒間×10回の開放期間+1秒間の閉鎖期間(インターバル期間)×9回+終了期間1秒間)に亘り開放と閉鎖とが繰返されることにより、開放されている所定期間内に合計約10個数以上の遊技球が入賞可能な開口部としての作動口が形成されている。V判定入賞装置069IW01における遊技球の通路には、誘導される遊技球を減速させるための減速手段としての突起が壁部の両側に交互に複数突出する態様で設けられることにより、右打ち時において、V判定入賞装置069IW01上部の作動口上の通路に遊技球がゆっくりと流れるような構造(以下減速構造という)が形成されている。
小当り遊技状態においては、V判定入賞装置069IW01内への10個の遊技球の進入が検出されるまで、または、所定期間が経過するまでの比較的長期間に亘り、V判定入賞装置069IW01の開放制御が実行される。V判定入賞装置069IW01において、誘導路における作動口が形成されていない部分は、固定部とよばれる固定された通路をなす。作動口を開閉可能な位置には、作動口上を前後方向に進退移動可能な可動部が設けられている。
可動部は、ソレノイド069IW22により駆動され、作動口を開閉するための進退動作が可能である。可動部の状態により作動口が閉鎖された状態においては、遊技球が可動部および固定部の上面を誘導路として通過可能となり、当該誘導路上を右端から左端に誘導されて左端から落下する。可動部の動作状態により作動口が開放された状態においては、誘導路において作動口が開口するので、誘導路に誘導される遊技球が作動口からV判定入賞装置069IW01の内部に落下可能となる。
V判定入賞装置069IW01(作動口)の内部においては、作動口から進入した遊技球が入賞可能な入賞領域として、特定領域としてのV入賞領域069IW02がV判定入賞装置069IW01の底部における左右方向の中央部に設けられ、さらに、作動口から進入した遊技球のすべてを傾斜した経路によりV入賞領域069IW02上に誘導する傾斜路871が設けられている。V入賞領域069IW02は、遊技球が進入可能なV入賞口を有し、V入賞口から進入した遊技球を下方へ誘導可能である。
V入賞領域069IW02の入賞口(V入賞口)最上端には、V入賞領域069IW02を開放状態と閉鎖状態とのいずれかの状態に切替え可能な板状態の開閉部材(図示省略)が設けられている。開閉部材は、ソレノイド069IW24により駆動され、V入賞口を開閉するための進退動作が可能である。開閉部材の状態によりV入賞口が開放された状態においては、V入賞領域069IW02上に誘導された遊技球がV入賞領域069IW02内に落下可能な状態となる。一方、開閉部材の状態によりV入賞口が閉鎖された状態においては、V入賞領域069IW02上に誘導された遊技球が開閉部材上を通過して、V入賞領域069IW02の下流側近傍に開口する態様で設けられ、遊技を下方へ誘導可能な入賞球領域(図示省略)内に落下可能な状態となる。
具体的に、V判定入賞装置069IW01のV入賞領域069IW02は、基本的に開放状態とされており、V判定入賞装置069IW01の作動口が開放される小当り遊技状態において、1個の遊技球がV入賞領域069IW02内に進入して入賞すると、その遊技球がV入賞領域069IW02に設けられたV判定入賞スイッチ069IW15aにより検出される。小当り遊技状態において、1個の遊技球がV判定入賞スイッチ069IW15aにより検出されると、開閉部材が閉鎖状態に制御され、以降にV入賞領域069IW02上に誘導された遊技球は、入賞球領域内に進入することとなる。入賞球領域内に進入した遊技球は、入賞球領域に設けられたV判定排出スイッチ069IW15bにより検出される。これにより、V判定入賞装置069IW01内に進入した遊技球は、1個の遊技球がV判定入賞スイッチ069IW15aにより検出され、その後の遊技球がV判定排出スイッチ069IW15bにより検出される。
小当り遊技状態において開放されたV判定入賞装置069IW01は、V判定入賞スイッチ069IW15aおよびV判定排出スイッチ069IW15bにより検出された球の合計個数が10個に達すると、作動口が閉鎖され、遊技球が進入不可能な状態とされる。V入賞領域069IW02と入賞球領域とは、下方において合流する構成とされており、その合流された排出通路を通り、V判定入賞装置069IW01内に進入した遊技球は、遊技盤6内部の所定の排出路に排出される。
小当りが発生してV判定入賞装置069IW01の作動口が開放されたときにおいて、V入賞領域069IW02に遊技球が入賞して所定の有効期間中にV入賞スイッチ069IW01aで遊技球が検出されると、大当りの発生条件が成立し、大当り遊技状態に制御される。このようなV入賞領域069IW02への遊技球の入賞がV入賞と呼ばれる。パチンコ遊技機1では、前述のように小当りが発生してV判定入賞装置069IW01の作動口が開放される期間中においては、特殊な操作を要することなく平均的に合計10個程度の遊技球がV判定入賞装置069IW01内に進入可能なように構造設計および制御設計がされており、さらに、V判定入賞装置069IW01内に遊技球が進入すると、遊技球が必ず(100%)V入賞領域069IW02に進入するように構造設計がされている。また、パチンコ遊技機1では、小当りが発生したときに、遊技者が容易に遊技球をV判定入賞装置069IW01に打込むことができるように、右打ちを指示する右打ち促進報知が実行される。
したがって、小当りが発生したときには、V判定入賞装置069IW01の作動口の開放期間中に、遊技者が遊技球を発射しない場合、および、遊技者が左打ちをする場合を除き、右打ちをすれば、必ず(100%)遊技球がV入賞領域069IW02に進入して大当りが発生することとなる。
なお、この実施の形態では、V判定入賞装置069IW01に遊技球の減速構造を設けた例を示した。しかし、このような減速構造を設けず、V判定入賞装置069IW01における遊技球の誘導路のうちの一部に遊技球を落下させることが可能となる作動口を設け、小当り遊技状態の期間中に10個程度の遊技球をV入賞領域069IW02に進入させるために、作動口を10回開放させる構成を用いてもよい。
右遊技領域では、可変入賞球装置6BおよびV判定入賞装置069IW01に遊技球が誘導されてくるように遊技釘が植設されている。このため、これら可変入賞球装置6BおよびV判定入賞装置069IW01に遊技球を進入させることを狙うときに、遊技者は、遊技球を右打ちすればよい。
なお、左遊技領域に打分けられた遊技球が可変入賞球装置6B、および、V判定入賞装置069IW01のいずれかに進入する可能性があるようにしてもよいが、遊技性の観点から、その可能性は右遊技領域に打分けられた遊技球がそれらに進入する可能性に比べて極端に低くすることが望ましい。
遊技領域の下方には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、右打ちされた遊技球が、右遊技領域に植設された遊技釘によって誘導される。また、特別可変入賞球装置7は、遊技釘の植設状態により、左遊技領域からは遊技球が進入しないように構成されている。
入賞球装置6A、可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置7、および、V判定入賞装置069IW01のいずれかに遊技球が入賞すると、それぞれに応じて予め定められた数の賞球が払出される。なお、通過ゲート41を遊技球が通過した場合にも賞球を払出すようにしてもよい。また、入賞球装置6A、および、可変入賞球装置6Bのうちの少なくともいずれかについては、遊技球が入賞しても賞球が払出されないようにしてもよい。
大当りは、小当り遊技状態となることによってV判定入賞装置069IW01の作動口が開放しているときに進入した遊技球が、V入賞領域069IW02に進入した場合にも発生する。以下、遊技球がV入賞領域069IW02に進入してV入賞スイッチ069IW01aで検出されることをV入賞と呼ぶ。小当りとは、所定の価値付与として、V判定入賞装置069IW01の作動口が開放する当りであり、V入賞を条件として大当りが発生可能となる。V判定入賞装置069IW01において、作動口が開放する遊技状態を「小当り遊技状態」と呼ぶ。そして、小当り遊技状態において、遊技球がV入賞したことに基づいて発生する大当りを、「小当り経由の大当り」と呼ぶ。これに対し、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bによる特別図柄の変動表示の表示結果に基づいて大当り遊技状態となることを、「特別図柄による大当り」と称する。
パチンコ遊技機1においては、遊技状況に応じて、遊技者が左遊技領域を狙う「左打ち」と右遊技領域を狙う「右打ち」とを使い分けるように遊技球を発射することにより、変化に富んだ遊技を楽しむことができるように遊技状態および演出状態が制御される。以下に、遊技者がパチンコ遊技機1において遊技を開始してからの遊技の流れについて説明する。
遊技者は、パチンコ遊技機1に着席して最初に遊技を開始するときに、まず左打ちによって入賞球装置6Aに遊技球が入賞するように遊技を行う。そして、第1特別図柄の変動表示が実行され、表示結果が大当り(特別図柄による大当り)となれば、左打ちから右打ちに切替えて、開放される特別可変入賞球装置7を狙い遊技を行う。大当り遊技状態が終了した後は、画像表示装置5の画面上で遊技者に右打ちによって遊技を行うことを促す右打ち促進報知が行われる。具体的には、画像表示装置5の画面上で「右を狙え」等の表示が行われる。
大当り遊技状態中は、開口した特別可変入賞球装置7を右打ちにより狙う遊技を行う。大当り遊技状態中は、右打ち促進報知が行われる。大当り遊技状態の終了後は、時短状態となれば、引き続き右打ちにより遊技を行う。大当り遊技終了後、時短状態となっていれば時短状態が開始されることを報知する時短報知が画像表示装置5の画面上で行われる。また、時短状態中には、右打ち促進報知も行われる。大当り遊技状態の終了後に時短状態とならなければ、大当り遊技状態中に実行される右打ち促進報知が終了することにより、右打ちから左打ちに切替えて入賞球装置6Aに遊技球が入賞するように遊技を行う。なお、時短状態とならなかった場合には、画像表示装置5の画面上で遊技者に左打ちに戻して遊技を行うことを促す左打ち促進報知(左打ち報知とも呼ばれる)が行われるようにしてもよい。
大当り遊技終了後の時短状態中は、右打ちにより可変入賞球装置6Bを狙い遊技を行う。可変入賞球装置6Bに遊技球が入賞し、表示結果が大当り(特別図柄による大当り)となれば、右打ちのまま特別可変入賞球装置7を狙い遊技を行う。また、可変入賞球装置6Bに遊技球が入賞し、表示結果が小当り表示結果となれば、小当り遊技状態においてV判定入賞装置069IW01の作動口が開放されるので、右打ちのままV判定入賞装置069IW01を狙い遊技を行う。小当り遊技状態の開始時には、画像表示装置5の画面上で小当り遊技状態が開始されることを報知する小当り開始報知が行われる。また、小当り遊技状態に制御されるときには、特定のタイミング(遊技状況に応じて、小当りに応じてV判定入賞装置069IW01の作動口が開放される前に実行される小当り表示の開始タイミング、または、小当り表示が実行されるよりも前の所定のタイミング。)で、右打ち促進報知も行われる。
小当り遊技状態によりV判定入賞装置069IW01の作動口が開状態のときに、遊技球が、作動口からV判定入賞装置069IW01の内部に落下し、V入賞領域069IW02に進入して検出されて、V入賞が発生した場合に、小当り経由の大当りが発生する。V入賞が発生したときには、画像表示装置5の画面上でV入賞が発生したことを報知するV入賞報知が行われる。また、小当り遊技状態の終了時は、画像表示装置5の画面上で小当り遊技状態が終了したことを報知する小当り終了報知が行われる。そして、小当り終了後に、大当り遊技状態となって特別可変入賞球装置7が開放されるので、遊技者は、右打ちのまま特別可変入賞球装置7を狙い遊技を行う。
また、小当り遊技状態においてV判定入賞装置069IW01を狙い遊技を行ったときに、遊技球がV入賞領域069IW02に進入せず、V入賞領域069IW02以外の非特定領域に進入した場合には、大当りが発生しない。このように小当り遊技状態中にV入賞が発生しなかったときには、画像表示装置5の画面上でV入賞に失敗したことを報知するV入賞失敗報知が行われる。また、小当り遊技状態の終了時には、画像表示装置5の画面上で小当り遊技状態が終了したことを報知する小当り終了報知が行われる。そして、小当り遊技状態の終了後、時短状態が継続しているときに、遊技者は、引続き右打ちのまま可変入賞球装置6Bを狙い遊技を行う。時短状態が終了した場合は、右打ちから左打ちに切替えて入賞球装置6Aに遊技球が入賞するように遊技を行う。時短状態の終了時には、画像表示装置5の画面上で時短が終了したことを報知する時短終了報知と、遊技者に左打ちに戻して遊技を行うことを促す左打ち促進報知とが行われる。
図8−2は、当り種別表を示す図である。当り種別表には、当りの種別ごとに、大当り発生条件、大当り後の制御状態(遊技状態)、大当りにおける開放回数(ラウンド数)、および、大当りにおける各ラウンドの開放時間が示されている。この実施の形態では、大当り種別として、図柄15R時短大当り、図柄4R時短大当り、小当り経由16(15)R時短大当り、小当り経由9(8)R時短大当り、および、小当り経由5(4)R時短大当りが設けられている。小当り経由の大当りの括弧内は、特別可変入賞球装置7が開放する回数を示している。
小当りは、可変入賞球装置6Bに遊技球が入賞し、第2特別図柄の表示結果が小当り図柄になった場合に発生する。特別図柄の表示結果を小当り図柄にするか否かの判定は、乱数抽選によって事前に行われる(特別図柄の小当り判定)。小当りが発生すると、小当り遊技状態となり、開放回数が10回で開放時間が0.1秒という開放パターンでV判定入賞装置069IW01の作動口が開放する。小当りにおいては、小当り遊技状態中にV判定入賞装置069IW01内のV入賞領域069IW02に入賞した遊技球に対して賞球が払出される。小当り遊技状態中には、約10個の入賞球が生じる得ることが設定されており、その入賞球に応じて、約30個の賞球が払出され得ることが設定されている。
V判定入賞装置069IW01の作動口が開放中に、作動口へ遊技球を入賞させ、遊技球がV判定入賞装置069IW01の内部のV入賞領域069IW02に進入(V入賞)した場合は、大当りが発生する。このような小当りを経由した大当りは、小当り経由大当りと呼ばれる。小当り経由大当りには、大当りでのラウンド数が異なる小当り経由16(15)R時短大当り、小当り経由9(8)R時短大当り、および、小当り経由5(4)R時短大当りが含まれる。16(15)R時短大当りとなり得るように紐付けられた小当りは、第1小当りと呼ばれる。9(8)R時短大当りとなり得るように紐付けられた小当りは、第2小当りと呼ばれる。5(4)R時短大当りとなり得るように紐付けられた小当りは、第3小当りと呼ばれる。
一方、小当りを経由せずに、特別図柄の変動表示により直接的に発生する大当りは、図柄大当りと呼ばれる。図柄大当りとしては、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示に基づいて直接発生する図柄15R時短大当り、および、図柄4R時短大当りがある。
このように、大当りとしては、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示に基づいて直接発生する図柄大当りと、第2特別図柄の変動表示に基づく小当りを経由してV入賞により発生する小当り経由大当りとが含まれる。図柄大当りおよび小当り経由大当りの各大当りは、大当り遊技状態の終了後に時短状態に制御される大当りであり、時短大当りという名称が付けられている。本実施形態における遊技者にとって有利な有利状態には、特別可変入賞球装置7が開放することも含まれる。
ここで、時短状態を説明する。時短状態は、遊技者にとって有利な特別遊技状態(有利状態)の一例である。時短状態は、特別図柄(演出図柄)の変動時間(変動表示期間)が非時短状態(通常状態)よりも短縮される制御状態である。このように、時短状態に移行することによって、特別図柄や演出図柄の変動時間が短縮されるので、時短状態となったときには、有効な始動入賞が発生しやすくなり大当り遊技が行われる可能性が高まる。
なお、時短状態では、可変入賞球装置6Bが開状態になる頻度を高くすることにより可変入賞球装置6Bに遊技球が進入する頻度を高くして可変入賞球装置6Bへの入賞を容易化(高進入化、高頻度化)する高ベース状態に制御される。
ここで、「ベース」とは、発射球数に対して入賞に応じて賞球として払出される遊技球数の割合である。この割合を高める積極的な制御が行われる状態が「高ベース状態」である。一方、このような制御が行われない状態が「低ベース状態」である。このような制御は、たとえば、特別図柄の変動開始の契機となる始動入賞の発生を高める制御として実現される。このため、本実施の形態でいえば、可変入賞球装置6B(いわゆる電動チューリップであり、略して電チューとも呼ばれる)の開放頻度や開放回数を増加させ、あるいは1回の開放時間を長くすることによって、電チューである可変入賞球装置6Bへの入賞を容易化する制御として実現できる。このような制御は、「電チューサポート制御」とも呼ばれる。つまり、高ベース状態とは、特別図柄の変動契機となる可変入賞球装置6Bが開状態になる頻度を高くすることにより、その可変入賞球装置6Bに遊技球が進入する頻度を高くして可変入賞球装置6Bへの入賞が容易化(高進入化、高頻度化)される制御状態である。「電チューサポート制御」は、「電サポ」という略語で一般的に呼ばれており、本実施形態でも「電サポ」という略語を用いる場合がある。
さらに、高ベース制御(電チューサポート制御)について詳述する。高ベース制御(電チューサポート制御)としては、普通図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)を短縮して早期に表示結果を導出表示させる制御(普通図柄短縮制御)、普通図柄の停止図柄が当り図柄になる確率を高める制御(普通図柄確変制御)、可変入賞球装置6B(普通電動役物)の開放時間を長くする制御(開放時間延長制御)、および、特別図柄の変動契機となる可変入賞球装置の開放回数を増加させる制御(開放回数増加制御)が行われる。このような制御が行われると、当該制御が行われていないときと比べて、特別図柄の変動契機となる可変入賞球装置が開状態となっている時間比率が高くなるので、遊技球が始動入賞しやすくなる(特別図柄表示装置4A,4Bや画像表示装置5における変動表示の実行条件が成立しやすくなる)。
また、図柄15R時短大当りは、大入賞口が15回(15R)開放される大当りである。図柄4R時短大当りは、大入賞口が4回(4R)開放される大当りである。小当り経由16(15)R時短大当りは、V判定入賞装置069IW01が1回(0.1秒×10回)開放された後、V入賞を条件として大入賞口が15回(15R)開放される大当りであり、16ラウンド分入賞装置が開放するが、実質的に大入賞口の開放回数は、15回であり、遊技者は、大入賞口の開放に関して、図柄15R時短大当りと同様の大当り種別と感じる。小当り経由9(8)R時短大当りは、V判定入賞装置069IW01が(0.1秒×10回)開放された後、V入賞を条件として大入賞口が8回(8R)開放される大当りである。小当り経由5(4)R時短大当りは、V判定入賞装置069IW01が1回(0.1秒×10回)開放された後、V入賞を条件として大入賞口が4回(4R)開放される大当りであり、5ラウンド分入賞装置が開放するが、実質的に大入賞口の開放回数は、4回であり、遊技者は、大入賞口の開放に関して、図柄4R時短大当りと同様の大当り種別と感じる。
大当り後は、第2特別図柄の変動表示回数が7回という終了条件と、小当り遊技状態の制御回数が1回という終了条件との2つの終了状態が設定されている。このような、時短状態の終了条件の7回という回数は、V判定入賞装置069IW01に進入した遊技球が100%の割合でV入賞領域069IW02に進入することを考慮して設定されている。第2特別図柄の変動表示では、約1/7という割合で小当りが発生する。
なお、小当り遊技状態に1回制御されると時短状態が終了するよう制御するものであるが、該小当り遊技状態においてV入賞領域069IW02に進入した場合には大当り遊技状態に制御されるものであるから、該大当り遊技状態の終了後に再び時短状態に制御されるようになっている。従って、時短状態において第2特別図柄のはずれ変動が7回行われた場合、または時短状態において発生した小当り遊技状態においてV入賞が発生しなかった場合、通常状態による遊技が行われることとなる。
この実施の形態においては、通常状態である低ベース状態においては、入賞球装置6Aが第1経路から入賞可能に設けられているので、第1経路を遊技球が流下した方が、第2経路を遊技球が流下するよりも、始動入賞の点で遊技者にとって有利である。一方、大当り遊技状態のような有利状態では、開放される特別可変入賞球装置7が第2経路から入賞可能に設けられているので、第2経路を遊技球が流下した方が、第1経路を遊技球が流下するよりも、大当り時入賞の点で遊技者にとって有利である。また、小当り遊技状態のような特定状態では、開放されるV判定入賞装置069IW01が第2経路から入賞可能に設けられているので、第2経路を遊技球が流下した方が、第1経路を遊技球が流下するよりも、大当り発生の点で遊技者にとって有利である。
なお、このような有利さの比較に限らず、たとえば、その他の入賞口(たとえば、別の可変入賞口(始動入賞用であっても、非始動入賞用であってもよい)が第1経路と第2経路とに設けられており、通常状態としての低ベース状態では第1経路の方が第2経路よりも当該可変入賞口に入賞しやすく、高ベース状態、大当り遊技状態、および、小当り遊技状態のようなその他の状態では、第2経路の方が第1経路よりも当該可変入賞口に入賞しやすいというような、その他の観点から、通常状態においては第1経路を遊技媒体が流下した方が遊技者にとって有利であり、その他の遊技状態では第2経路を遊技媒体が流下した方が遊技者にとって有利である構成を採用してもよい。
図8−3は、特徴部069IWにおけるパチンコ遊技機1に搭載された各種の制御基板などを示す構成図である。
ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、V入賞スイッチ069IW01a、V判定入賞スイッチ069IW15a、および、V判定排出スイッチ069IW15bのそれぞれからの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ100に与えるスイッチ回路110も主基板11に搭載されている。また、可変入賞球装置6Bを開閉するソレノイド81、特別可変入賞球装置7を開閉するソレノイド82、V判定入賞装置069IW01(可動部)を開閉するソレノイド069IW22、および、V判定入賞装置069IW01を開閉するソレノイド069IW22、V入賞領域069IW02(開閉部材)を開閉するソレノイド069IW24、および、遊技制御用マイクロコンピュータ100からの指令にしたがって駆動するソレノイド回路111も主基板11に搭載されている。
図8−4は、各乱数を示す説明図である。図8−4においては、乱数の種別、更新範囲、用途、および、加算条件が示されている。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダムR:大当りにするか否か、および、小当りにするか否かを判定する当り判定用のランダムカウンタである。ランダムRは、10MHzで1ずつ更新され、0から加算更新されてその上限である65535まで加算更新された後再度0から加算更新される。(2)ランダム1:大当りの種類(種別、図柄15R時短大当り、図柄4R時短大当り、小当り経由16(15)R時短大当り、小当り経由9(8)R時短大当り、および、小当り経由5(4)R時短大当りのいずれかの種別)および大当り図柄を決定する(大当り種別判定用、大当り図柄決定用)。(4)ランダム3:変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)。(5)ランダム4:普通図柄に基づく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)。(6)ランダム5:ランダム4の初期値を決定する(ランダム4初期値決定用)。
この実施の形態では、特定遊技状態である大当りとして、図柄15R時短大当り、図柄4R時短大当り、小当り経由16(15)R時短大当り、小当り経由9(8)R時短大当り、および、小当り経由5(4)R時短大当りという複数の種別が含まれている。したがって、当り判定用乱数(ランダムR)の値に基づいて、大当りとする決定がされたとき、または、小当りとする決定がされたときには、大当り種別判定用乱数(ランダム1)の値に基づいて、大当りの種別が、これらいずれかの大当り種別に決定される。ただし、小当り経由の大当りの場合は、V入賞が発生しなければ、決定された大当りは無効となる。さらに、大当りの種別が決定されるときに、同時に大当り種別判定用乱数(ランダム1)の値に基づいて、大当り図柄も決定される。したがって、ランダム1は、大当り図柄決定用乱数でもある。
また、小当りの種別とすることが決定されるときに、同時に小当り図柄が決定される。したがって、ランダム1は、小当り図柄決定用乱数でもある。
また、変動パターンは、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を用いて、いずれかの変動パターンに決定する。
図8−5は、第1特図当り判定テーブル、第2特図当り判定テーブル、および、各種大当り種別判定テーブルを示す説明図である。これらテーブルは、ROM101に記憶されている。
図8−5(A)は、第1特図当り判定テーブルを示す説明図である。第1特図当り判定テーブルは、第1特別図柄について大当り判定をするためのデータテーブルであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。図8−5(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。
図8−5(B)は、第2特図当り判定テーブルを示す説明図である。第2特図当り判定テーブルは、第2特別図柄について大当り判定および小当り判定をするためのデータテーブルであって、ランダムRと比較される大当り判定値、および、小当り判定値が設定されているテーブルである。図8−5(B)における上段が大当り判定テーブル部であり、図8−5(B)における下段が、小当り判定テーブル部である。図8−5(B)上段に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す、図8−5(B)下段に示す「確率」は、小当りになる確率(割合)を示す。
CPU103は、入賞球装置6Aへの始動入賞(第1始動入賞)、または、可変入賞球装置6Bへの始動入賞(第2始動入賞)が検出されると、所定のタイミングで、乱数回路104のカウント値(ランダムR)を抽出する。第1始動入賞については、抽出値を第1特図当り判定テーブルに設定された大当り判定値と比較し、抽出値がいずれかの大当り判定値と一致すると、第1特別図柄に関して大当りにすることに決定する。第2始動入賞については、抽出値を第2特図当り判定テーブルに設定された大当り判定値と比較し、抽出値がいずれかの大当り判定値と一致すると、第2特別図柄に関して大当りにすることに決定する。そして、抽出値がいずれかの大当り判定値と一致しないときは、抽出値を第2特図当り判定テーブルに設定された小当り判定値と比較し、抽出値がいずれかの小当り判定値と一致すると、第2特別図柄に関して小当りにすることに決定する。小当りにすることに決定することは、小当り経由の大当りにすることに仮決定(小当り中にV入賞が生じなければ大当りに制御されないため、仮決定と記載する)することも意味する。
なお、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示による停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。また、小当りにするか否か決定するということは、小当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第2特別図柄の変動表示による停止図柄を小当り図柄にするか否か決定するということでもある。
なお、第1特別図柄については、小当りとする判定がされないように設定されているが、第1特別図柄について、所定の確率で小当りとする判定がされるように設定してもよい。
図8−5(C),(D),(E)は、ROM101に記憶されている大当り種別判定テーブルを示す説明図である。図8−5(C)は、第1特別図柄により大当りと判定されたときの図柄大当りの大当り種別を決定するために用いる第1特図大当り種別判定テーブルである。図8−5(D)は、第2特別図柄により大当りと判定されたときの図柄大当りの大当り種別を決定するために用いる第2特図大当り種別判定テーブルである。
図8−5(C)の第1特図大当り種別判定テーブルには、大当り種別判定用のランダム1の値と比較される数値であって、「図柄15R時短大当り」と「図柄4R時短大当り」とのそれぞれに対応した大当り判定値が設定されている。図8−5(D)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルには、ランダム1の値と比較される数値であって、「図柄15R時短大当り」に対応した大当り判定値が設定されている。
また、図8−5(C),(D)に示すように、大当り種別判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄を決定する判定値(大当り図柄判定値)としても用いられる。たとえば、「8R時短大当り」に対応した判定値は、大当り図柄の「3」に対応した判定値としても設定されている。「15R時短大当り」に対応した判定値は、大当り図柄の「7」に対応した判定値としても設定されている。
このような各種の大当り種別判定テーブルを用いて、CPU103は、大当り種別として、ランダム1の値が一致した大当り種別判定値に対応する種別を決定するともに、大当り図柄として、ランダム1の値が一致した大当り図柄を決定する。これにより、大当り種別と、大当り種別に対応する大当り図柄とが同時に決定される。
図8−5(E)の小当り経由大当り種別判定テーブルには、大当り種別判定用のランダム1の値と比較される数値であって、「小当り経由16(15)R時短大当り」と「小当り経由9(8)R時短大当り」と「小当り経由5(4)R時短大当り」とのそれぞれに対応した大当り判定値が設定されている。ただし、小当り経由大当り種別判定テーブルで決定される大当り種別は、第1小当り(16(15)R時短大当りとなるもの)、第2小当り(9(8)R時短大当りとなるもの)、第3小当り(5(4)R時短大当りとなるもの)のそれぞれに紐付けられた仮の大当り種別であり、小当り遊技状態においてV入賞が発生しなければ無効となる。
図8−6は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(ステップS111)を示すフローチャートである。変動パターン設定処理において、CPU103は、時短状態であることを示す時短フラグがセットされているか否か確認する(ステップ069IWS001)。時短フラグがセットされていない場合(通常状態である場合)には、CPU103は、第3カウンタの値が0であるか否かを判定する(ステップ069IWS002)。
ここで、CPU103が制御に用いる第1カウンタ〜第3カウンタについて簡単に説明する。
第1カウンタは、時短状態における第2特別図柄の残余変動回数を示すカウンタである。具体的に、第1カウンタは、時短状態に制御されたときに「7」がセットされ、第2特別図柄の変動が行われる度に1ずつ減算される。そして、第1カウンタの値が0になったことにもとづいて時短状態が終了するようになっている。また、第1カウンタの値が1になったことにもとづいて、変動時間が他の変動パターンよりも長い変動パターン(後述するPt15)にて変動を行うようになっている。
第2カウンタは、時短状態における小当り遊技状態の残余制御回数を示すカウンタである。具体的に、第2カウンタは、時短状態に制御されたときに「1」がセットされ、小当り遊技状態に制御される度に1ずつ減算される。そして第2カウンタの値が0になったことにもとづいて時短状態が終了するようになっている。
第3カウンタは、特殊モードにおける残余変動回数を示すカウンタである。特殊モードとは、通常状態において制御される演出モードであって、特殊モードでない場合と比較してリーチの発生頻度が高い演出モードである。特徴部069IWでは、時短状態から通常状態へ移行してから変動が20回行われるまでの間、特殊モードに制御されるようになっている。具体的に、第3カウンタは、時短状態が終了して通常状態に制御されたときに「20」がセットされ、変動が行われる度に1ずつ減算される。そして第3カウンタの値が0になったことにもとづいて特殊モードが終了するようになっている。なお、通常状態において特殊モードに制御していない状態(第3カウンタの値が0である状態)を非特殊モードということがある。
ステップ069IWS002において、第3カウンタの値が0である場合、すなわち通常状態における変動が既に20回以上行われており、特殊モードではない場合、合算保留記憶数が3以上であるか否かを判定する(ステップ069IWS003)。合算保留記憶数が3未満である場合、第1変動パターン判定テーブルを選択する(ステップ069IWS004)一方、合算保留記憶数が3以上である場合、第2変動パターン判定テーブルを選択する(ステップ069IWS005)。
ここで、変動パターン設定処理において用いられる変動パターン判定テーブルについて説明する。特徴部069IWでは、変動パターン判定テーブルとして、図8−7および図8−8に示す第1変動パターン判定テーブル〜第7変動パターン判定テーブルが設けられている。各変動パターン判定テーブルでは、可変表示結果(はずれ、大当り、小当り)毎に変動パターンの選択割合が示されている。また、各変動パターン判定テーブルでは、各変動パターンに対応する演出内容と変動時間とが示されている。
特徴部069IWでは、可変表示結果がはずれである場合に選択され得る変動パターンとしてPt11〜Pt16が、可変表示結果が大当りである場合に選択され得る変動パターンとしてPt21〜Pt22が、可変表示結果が小当りはずれである場合に選択され得る変動パターンとしてPt31〜Pt32が、それぞれ設けられている。
Pt11は、変動時間が5秒であって演出内容がリーチ演出を伴わないはずれ(非リーチはずれ)の変動パターンである。Pt12は、変動時間が15秒であって演出内容がノーマルリーチ演出を伴うはずれ(ノーマルリーチはずれ)の変動パターンである。Pt13は、変動時間が30秒であって演出内容がスーパーリーチ演出を伴うはずれ(スーパーリーチはずれ)の変動パターンである。Pt14は、変動時間が2秒であって演出内容がリーチ演出を伴わないはずれ(非リーチはずれ)の変動パターン(Pt11と比較して短い変動であることから、短縮変動ということがある)である。Pt15は、変動時間が60秒であって演出内容が発射促進演出(可変入賞球装置6Bを狙った遊技球の打ち出しを遊技者に促す演出)を伴うはずれの変動パターンである。Pt16は、変動時間が2秒であって演出内容が賞球数報知演出(連荘中に払い出した賞球数、大当り回数、小当り回数などを表示する演出)を伴うはずれの変動パターンである。
Pt21は、変動時間が15秒であって演出内容がノーマルリーチ大当りの変動パターンである。Pt22は、変動時間が30秒であって演出内容がスーパーリーチ大当りの変動パターンである。
Pt31は、変動時間が15秒であって演出内容が通常演出小当りの変動パターンである。Pt32は、変動時間が30秒であって演出内容が特殊演出小当りの変動パターンである。
図8−7(1)に示す第1変動パターン判定テーブルは、通常状態であって、第3カウンタの値が0であって(非特殊モード)、合算保留記憶数が3未満である場合に用いられる変動パターン判定テーブルである。例えば、第1変動パターン判定テーブルが用いられた場合、可変表示結果がはずれであれば、70%の割合でPt11が、20%の割合でPt12が、10%の割合でPt13が選択される。可変表示結果が大当りであれば、30%の割合でPt21が、70%の割合でPt22が選択される。可変表示結果が小当りであれば、80%の割合でPt31が、20%の割合でPt32が選択される。
図8−7(2)に示す第2変動パターン判定テーブルは、通常状態であって、第3カウンタの値が0であって(非特殊モード)、合算保留記憶数が3以上である場合に用いられる変動パターン判定テーブルである。例えば、第2変動パターン判定テーブルが用いられた場合、可変表示結果がはずれであれば、70%の割合でPt14が、20%の割合でPt12が、10%の割合でPt13が選択される。可変表示結果が大当りであれば、30%の割合でPt21が、70%の割合でPt22が選択される。可変表示結果が小当りであれば、80%の割合でPt31が、20%の割合でPt32が選択される。
このように、第2変動パターン判定テーブルは、第1変動パターン判定テーブルと比較して、短縮変動であるPt14の変動パターンが選択されやすくなっている。
図8−7(3)に示す第3変動パターン判定テーブルは、通常状態であって、第3カウンタの値が0より大きく(特殊モード)、第1特別図柄変動であって、合算保留記憶数が3未満である場合に用いられる変動パターン判定テーブルである。例えば、第3変動パターン判定テーブルが用いられた場合、可変表示結果がはずれであれば、50%の割合でPt11が、30%の割合でPt12が、20%の割合でPt13が選択される。可変表示結果が大当りであれば、40%の割合でPt21が、60%の割合でPt22が選択される。可変表示結果が小当りであれば、80%の割合でPt31が、20%の割合でPt32が選択される。
このように、第3変動パターン判定テーブルは、第1変動パターン判定テーブルと比較して、リーチ演出を伴う変動パターンが選択されやすくなっており、すなわち、特殊モードでは非特殊モードよりもリーチ演出の発生頻度が高くなっている。
図8−7(4)に示す第4変動パターン判定テーブルは、通常状態であって、第3カウンタの値が0より大きく(特殊モード)、第1特別図柄変動であって、合算保留記憶数が3以上である場合に用いられる変動パターン判定テーブルである。例えば、第4変動パターン判定テーブルが用いられた場合、可変表示結果がはずれであれば、50%の割合でPt14が、30%の割合でPt12が、20%の割合でPt13が選択される。可変表示結果が大当りであれば、40%の割合でPt21が、60%の割合でPt22が選択される。可変表示結果が小当りであれば、80%の割合でPt31が、20%の割合でPt32が選択される。
このように、第4変動パターン判定テーブルは、第2変動パターン判定テーブルと比較して、リーチ演出を伴う変動パターンが選択されやすくなっており、すなわち、特殊モードでは非特殊モードよりもリーチ演出の発生頻度が高くなっている。
図8−7(5)に示す第5変動パターン判定テーブルは、通常状態であって、第3カウンタの値が0より大きく(特殊モード)、第2特別図柄変動である場合に用いられる変動パターン判定テーブルである。例えば、第5変動パターン判定テーブルが用いられた場合、可変表示結果がはずれであれば、100%の割合でPt16が選択される。可変表示結果が大当りであれば、40%の割合でPt21が、60%の割合でPt22が選択される。可変表示結果が小当りであれば、80%の割合でPt31が、20%の割合でPt32が選択される。
このように、第5変動パターン判定テーブルが用いられる場合、はずれ変動である場合には必ずPt16が選択されるようになっている。第5変動パターン判定テーブルが用いられる場合とは、時短状態中に発生した第2保留記憶に対する変動を、該時短状態が終了して通常状態へ移行した直後に行う第1の場合と、通常状態であるにもかかわらず右打ちをして通過ゲート41を遊技球が通過し、普図ゲームが当りとなることで可変入賞球装置6Bが開放し、開放した可変入賞球装置6Bへ遊技球が入賞することに応じて第2特別図柄の変動を行う第2の場合とのいずれかであるが、ここでは第1の場合を想定して必ずPt16が選択される(賞球数報知演出が実行される)こととしている。第2の場合においてPt16の変動パターンが選択された場合には、賞球数報知演出とは異なる通常のはずれ演出(例えば、Pt14と同様の非リーチはずれ演出)を行うこととしてもよい。
図8−8(1)に示す第6変動パターン判定テーブルは、時短状態であって、第1カウンタの値が0より大きく、すなわち時短状態における最終変動よりも前の変動である場合に用いられる変動パターン判定テーブルである。例えば、第6変動パターン判定テーブルが用いられた場合、可変表示結果がはずれであれば、70%の割合でPt14が、20%の割合でPt12が、10%の割合でPt13が選択される。可変表示結果が大当りであれば、30%の割合でPt21が、70%の割合でPt22が選択される。可変表示結果が小当りであれば、80%の割合でPt31が、20%の割合でPt32が選択される。
図8−8(2)に示す第7変動パターン判定テーブルは、時短状態であって、第1カウンタの値が1であり、すなわち時短状態における最終変動である場合に用いられる変動パターン判定テーブルである。例えば、第7変動パターン判定テーブルが用いられた場合、可変表示結果がはずれであれば、100%の割合でPt15が選択される。可変表示結果が大当りであれば、30%の割合でPt21が、70%の割合でPt22が選択される。可変表示結果が小当りであれば、80%の割合でPt31が、20%の割合でPt32が選択される。
このように、第7変動パターン判定テーブルが用いられた場合、すなわち時短状態における最終変動である場合、可変表示結果がはずれであれば100%の割合でPt15が選択され、発射促進演出が行われるようになっている。
ステップ069IWS002において、第3カウンタの値が1以上である場合、すなわち通常状態における変動回数が20回未満であり、特殊モードである場合、第1特別図柄の変動であるか否かを判定する(ステップ069IWS006)。第1特別図柄の変動である場合、合算保留記憶数が3以上であるか否かを判定する(ステップ069IWS007)。合算保留記憶数が3未満である場合、第3変動パターン判定テーブルを選択する(ステップ069IWS008)一方、合算保留記憶数が3以上である場合、第4変動パターン判定テーブルを選択する(ステップ069IWS009)。また、ステップ069IWS006において、第2特別図柄の変動である場合、第5変動パターン判定テーブルを選択する(ステップ069IWS010)。
ステップ069IWS001において時短フラグがセットされている場合、第1特別図柄の変動であるか(ステップ069IWS011のY)、または第2特別図柄の変動であって第1カウンタの値が1以外である場合(ステップ069IWS012のN)、第6変動パターン判定テーブルを選択する(ステップ069IWS013)。また、第2特別図柄の変動であって第1カウンタの値が1である場合、すなわち時短状態の最終変動である場合(ステップ069IWS012のY)、第7変動パターン判定テーブルを選択する(ステップ069IWS014)。
次いで、CPU103は、乱数バッファ領域(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からランダム3(変動パターン判定用乱数)を読み出し、ステップ069IWS004,S005,S008,S009,S010,S013,S014の処理で選択した変動パターン判定テーブルを参照することによって、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定する(ステップ069IWS050)。
次いで、CPU103は、特別図柄ポインタが示す方の図柄変動指定コマンドを、演出制御基板12に送信する制御を行う(ステップ069IWS051)。具体的には、CPU103は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1図柄変動指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU103は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2図柄変動指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU103は、決定した変動パターンに対応する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)を、演出制御基板12に送信する制御を行う(ステップ069IWS052)。
次に、CPU103は、RAM102に形成されている変動時間タイマに、選択された変動パターンに対応した変動時間に応じた値を設定する(ステップ069IWS053)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄変動処理(ステップS112)に対応した値に更新する(ステップ069IWS054)。
図8−9および図8−10は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(S113)を示すフローチャートである。
特別図柄停止処理において、CPU103は、特図確定表示中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップ069IWS130)。特図確定表示中フラグは、特別図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)の変動表示の表示結果となる図柄が導出表示されているがまだ表示結果として確定していない特図確定表示中の状態であるときにセットされるフラグであり、変動表示の表示結果となる図柄が導出表示されたことに対応して、後述のステップ069IWS132Dの処理によりオン状態にセットされる。
ステップ069IWS130で特図確定表示中フラグがセットされていないとき、すなわち、後述する特図確定表示時間が終了したとき、CPU103は、特別図柄の変動表示を終了させ、第1特別図柄表示装置4Aまたは第2特別図柄表示装置4Bに停止図柄を導出表示する制御を行う(ステップ069IWS131)。特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されている場合には第1特別図柄表示装置4Aでの第1特別図柄の変動を終了させ、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータが設定されている場合には第2特別図柄表示装置4Bでの第2特別図柄の変動を終了させる。また、演出制御基板12に送信する図柄確定指定コマンドをセットする(ステップ069IWS132)。これにより、図柄確定指定コマンドが図4のS27において、演出制御基板12に送信される。
次に、CPU103は、時短状態による時短状態であることを示す時短フラグがセットされているか否かを確認する(ステップ069IWS132A)。ステップ069IWS132Aで時短フラグがセットされているときは、時短状態(高ベース状態)であり、特図確定表示時間として0.5秒を設定し(ステップ069IWS132B)、ステップ069IWS132Dに進む。ステップ069IWS132Bでは、特図確定表示時間0.5秒に対応して予め定められたタイマ初期値が、遊技制御プロセスタイマにセットされ、特図確定表示時間の計時が開始される。特図確定表示時間は、特図確定表示の状態を継続させる制御時間であり、設定された時間に亘り特図確定表示の状態を継続させる制御が行われる。遊技制御プロセスタイマは、そのタイマ値が「0」以外の値であるときに、タイマ割込みの発生に基づき遊技制御のタイマ割込処理が実行されるごとに、1減算更新される。
一方、ステップ069IWS132Aで時短フラグがセットされていないときは、時短状態(高ベース状態)ではなく、特図確定表示時間として0.6秒を設定し(ステップ069IWS132C)、ステップ069IWS132Dに進む。ステップ069IWS132Cでは、特図確定表示時間0.6秒に対応して予め定められたタイマ初期値が、遊技制御プロセスタイマにセットされ、特図確定表示時間の計時が開始される。
このように、時短制御が行われるときには、時短制御が行われないときよりも、特図確定表示時間が短くなるため、変動効率を高くすることができる。その一方で、時短制御が行われないときには、変動効率が低くなるため、特別図柄の変動表示が行われていない時間が発生してしまうことを防止することができる。
ステップ069IWS132Dでは、特図確定表示中フラグがセットされ、処理を終了する(ステップ069IWS132D)。これにより、特図確定表示中であることが特定可能となる。このように、変動表示が終了する前においては、特図確定表示時間が計時されている間は、特図確定表示中フラグがセットされ、特図確定表示中の状態に制御される。
ステップ069IWS130で特図確定表示中フラグがセットされているとき、すなわち、特図確定表示時間が終了していないときは、特図確定表示時間の計時値を確認して、特図確定表示時間が経過(終了)しているか否かを判定する(ステップ069IWS132E)。ステップ069IWS132Eで特図確定表示時間が経過していないときは、処理を終了する。一方、ステップ069IWS132Eで特図確定表示時間が経過しているときは、特図確定表示時間が終了したときであるので、特図確定表示中フラグをリセットする(ステップ069IWS132F)。
次いで、CPU103は、時短フラグがセットされているとともに第2特別図柄の変動である場合(ステップ069IWS133AのY,S133BのY)、第1カウンタの値を1減算する(ステップ069IWS133C)。このように、時短状態にて第2特別図柄の変動が終了する度に第1カウンタを更新するよう構成されている。
また、CPU103は、時短フラグがセットされていないとともに第3カウンタの値が0より大きい場合(ステップ069IWS133AのN,S133DのY)、つまり特殊モードである場合、第3カウンタの値を1減算する(ステップ069IWS133E)。このように、特殊モードにおいて変動が終了する度に第3カウンタを更新するよう構成されている。
次に、大当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップ069IWS133)。ステップ069IWS133で大当りフラグがセットされていない場合には、ステップ069IWS139に移行する。一方、図柄15R時短大当りまたは図柄4R時短大当りとすることが決定されたときのように、ステップ069IWS133で大当りフラグがセットされている場合、CPU103は、時短状態に制御されるときにセットされるフラグである時短フラグがセットされているときには、その時短フラグをリセットし(ステップ069IWS134)、演出制御基板12に、決定された大当りの種別に応じて、大当り開始1指定コマンド、または、大当り開始2指定コマンドのいずれかのコマンド(大当り開始指定コマンド)を送信するための処理をする(ステップ069IWS135)。
これにより、セットされた大当り開始指定コマンドが図4のS27において、演出制御基板12に送信される。具体的には、大当りの種別が図柄4R時短大当りである場合には、大当り開始1指定コマンドを送信する。大当りの種別が図柄15R時短大当りである場合には大当り開始2指定コマンドを送信する。大当りの種別がいずれの種別に該当するかは、RAM102に記憶されている大当り種別を示すデータ(大当り種別バッファに記憶されているデータ)に基づいて判定される。
また、大入賞口制御タイマに、大当り表示時間(大当りが発生したことをたとえば、画像表示装置5において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップ069IWS136)。以降、大入賞口開放前処理において、大入賞口制御タイマが1減算されて、0になると大入賞口が開放されてラウンドが開始される。
また、RAM102に記憶されている大当り種別を示すデータにより特定される大当りの種別に応じて、前述したROM101に記憶されている大当り種類別の開放パターンデータを参照し、開放回数(たとえば、15回、または、4回)、開放時間(たとえば、29秒)、ラウンド間のインターバル時間(たとえば、5秒)等の開放態様を示すデータを所定の記憶領域にセット(設定)する(ステップ069IWS137)。このようなデータのうち、開放回数のデータは、開放回数を計数するための開放回数カウンタにセットされる。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大当り開放前処理(ステップS114)に対応した値に更新し(ステップ069IWS138)、処理を終了する。これにより、特別図柄プロセスは、大当り開放前処理に移行する。
また、前述のステップ069IWS133で大当りフラグがセットされていない場合に、CPU103は、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップ069IWS139)。ステップ069IWS139で小当りフラグがセットされているときは、時短フラグがセットされている場合、第2カウンタの値を1減算する(ステップ069IWS139AのY,S139B)。このように、時短状態にて小当りが発生する度に第2カウンタを更新するよう構成されている。
次いで、CPU103は、第2カウンタの値が0であるか否かを判定する(ステップ069IWS139C)。第2カウンタの値が0である場合、第1カウンタの値を0にセットし(ステップ069IWS139D)、時短フラグをリセットする(ステップ069IWS139E)。すなわち、時短状態を終了する。そして、通常状態に制御することを示す通常状態指定コマンドを送信し(ステップ069IWS139F)、第3カウンタに20をセットする(ステップ069IWS139G)。すなわち、特殊モードに制御する。
次いで、ROM101に記憶されている小当りの開放パターンデータを参照し、小当りの開放制御に用いる小当り開放制御タイマの設定を含む開放回数(たとえば、10回)、開放時間(たとえば、0.1秒)、および、開放間のインターバル時間等の開放態様を示すデータを特定の記憶領域にセット(設定)する(ステップ069IWS140)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を小当り開放前処理(ステップS118)に対応した値に更新し(ステップ069IWS141)、処理を終了する。これにより、特別図柄プロセスは、小当り開放前処理に移行する。
一方、ステップ069IWS139で小当りフラグがセットされていないときは、時短状態であることを示す時短フラグがセットされているか否かを確認する(ステップ069IWS142)。ステップ069IWS142で、時短フラグがセットされていないときは、時短状態ではないので、後述するステップ069IWS152に進む。一方、ステップ069IWS142で、時短フラグがセットされているときは、時短状態であるので、第1カウンタの値が0であるか否かを判定し(ステップ069IWS142A)、0である場合には第2カウンタの値を0にセットし(ステップ069IWS142B)、時短フラグをリセットする(ステップ069IWS142C)。すなわち、時短状態を終了する。そして、通常状態に制御することを示す通常状態指定コマンドを送信し(ステップ069IWS142D)、第3カウンタに20をセットする(ステップ069IWS142E)。すなわち、特殊モードに制御する。
ステップ069IWS152では、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS110)に対応した値に更新し(ステップ069IWS152)、処理を終了する。これにより、特別図柄プロセスは、特別図柄通常処理に移行する。
図8−11は、特別図柄プロセス処理における大当り終了処理を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU103は、大当り終了処理が実行される前にセットされた大入賞口制御タイマの値を1減算する(ステップ069IWS161)。そして、CPU103は、大入賞口制御タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了時間が経過したか否か確認する(ステップ069IWS162)。経過していなければ処理を終了する。一方、経過していれば、第1カウンタの値に7をセットするとともに第2カウンタの値に1をセットし(ステップ069IWS163,S164)、第2時短状態指定コマンドを演出制御基板12に送信するための処理を行い(ステップ069IWS169)、ステップ069IWS170に進む。
ステップ069IWS170では、時短フラグをセットする(ステップ069IWS170)。そして、大当り遊技状態の終了に応じて、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS110)に対応した値に更新し(ステップ069IWS171)、処理を終了する。これにより、特別図柄プロセスは、特別図柄通常処理に移行する。
以下に、CPU103が行う小当りに関する処理(小当り開放前処理、小当り開放中処理および小当り終了処理)について簡単に説明する。ステップS118の小当り開放前処理において、CPU103は、図8−10のステップ069IWS140で設定された小当りの開放態様に基づき、ソレノイド069IW22を制御することで可動部を開放状態に動作させ、V判定入賞装置069IW01の作動口の開放動作を開始させる。そして、CPU103は、特別図柄プロセスフラグの値を、小当り開放中処理(ステップS119)に対応した値に更新する。
また、ステップS119の小当り開放中処理において、CPU103は、小当りの開放態様に基づいて可動部を開放状態に動作させ、V判定入賞装置069IW01の作動口を開閉させるための処理を行なうとともに、V入賞が検出されたことにもとづいて、V入賞領域069IW01のV入賞口を開放状態から閉鎖状態に変化させる。そして、10個のV入賞球を計数するか、小当り開放制御タイマがタイムアウト(タイマ値=0)したときは、可動部を閉鎖状態に動作させ、V判定入賞装置069IW01の作動口を閉鎖する。そして、CPU103は、特別図柄プロセスフラグの値を、小当り終了処理(ステップS120)に対応した値に更新し、処理を終了する。
また、ステップS120の小当り終了処理において、CPU103は、V入賞が検出された場合には大当り遊技状態に制御するための処理(上述したステップ069IWS134〜ステップ069IWS138と同様の処理)を行う一方、V入賞が検出されなかった場合には、特別図柄プロセスフラグの値を、特別図柄通常処理(ステップS110)に対応した値に更新し、処理を終了する。
特徴部069IWの演出制御用CPU120における演出制御について説明する。ここでは特に時短状態に制御する場合の演出制御について詳細に説明する。
演出制御用CPU120は、遊技状態が移行制御される際に、その旨を報知する遊技状態制御報知演出を行うものである。具体的に、大当り遊技状態が終了する際に遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信される時短状態指定コマンドを受信した場合、例えばエンディング演出として、画像表示装置5にて「時短突入!」といった文字表示を行うことにより遊技状態制御報知演出を行う(図8−12(1)参照)。
また、演出制御用CPU120は、時短状態において、右打ちを遊技者に促す右打ち促進演出(「右打ち」といった文字表示)を行うものである。具体的に、上述した時短状態指定コマンドを受信して遊技状態制御報知演出を行った後、例えばエンディング期間が終了したときから右打ち報知演出を行う(図8−12(2)参照)。大当り遊技状態や小当り遊技状態においても、同様の右打ち促進演出を行うものである。なお、特定の演出(例えば、リーチ演出)が行われている間は右打ち報知演出を非表示とすることにより、該特定の演出の妨げとなることを防止してもよい。
また、演出制御用CPU120は、時短状態における第2特別図柄変動の残余回数を報知する残余回数報知演出を行うこととしてもよい。例えば、第1カウンタの値を示すコマンドを遊技制御用マイクロコンピュータ100から受信し、該コマンドに応じて、例えば、第1カウンタの値が「3」であれば画像表示装置5に「残り3回」といった文字表示を行う残余回数報知演出を行うこととしてもよい(図8−12(2)参照)。または、演出制御用CPU120側においても時短状態の残余回数を計測し、計測結果を用いて残余回数報知演出を行うこととしてもよい。例えば、時短状態指定コマンドを受信した際に演出用時短回数カウンタに7をセットし、第2特別図柄の変動開始を示すコマンドを受信する度に該演出用時短回数カウンタの値を1ずつ減算することにより時短状態の残余回数を計測することとしてもよい。なお、特定の演出(例えば、リーチ演出)が行われている間は残余回数報知演出を非表示とすることにより、該特定の演出の妨げとなることを防止してもよい。
また、演出制御用CPU120は、受信した変動パターンコマンドに応じた変動演出を行う。例えば、受信した変動パターンコマンドがPt15を示す変動パターンコマンドである場合、画像表示装置5に「保留を溜めろ!」といった文字表示を行う発射促進演出を実行する(図8−12(3)参照)。
また、演出制御用CPU120は、未だ開始されていない変動を予告対象とした先読み予告演出を実行可能である。例えば、時短状態の最終変動(Pt15の変動)を開始する際に、時短中第2保留記憶(時短状態における始動入賞に対応する第2保留記憶であって、通常状態へ移行した後に行う変動に対応する第2保留記憶)が記憶されているか否かを判定し、記憶されている場合には該最終変動から時短中第2保留記憶まで一連の連続演出を実行することとしてもよい。
具体的に、時短中第2保留記憶が全てはずれ保留である場合、発射促進演出を行った後に、はずれとなることで時短状態が終了することを示すはずれ連続演出を、最終変動から時短中第2保留記憶に対応する変動までの期間で実行することとしてもよい。その際、はずれ連続演出としては、連荘中に払い出した賞球数、大当り回数、小当り回数などを表示する賞球数報知演出を行う(図8−12(4)参照)。このとき、飾り図柄を消去して小図柄のみを変動表示させることにより、一見すると変動が行われていないかのように見せることができる。なお、連荘中に払い出した賞球数、大当り回数、小当り回数に関する情報は、遊技制御用マイクロコンピュータ100が計測するとともに該計測結果を示すコマンドを受信することにより演出制御用CPU120が特定可能であることとしてもよいし、演出制御用CPU120が各コマンド(大当り開始指定コマンド、小当り開始指定コマンドなど)を受信することにもとづいて計測することにより特定可能であることとしてもよい。
また、時短中第2保留記憶に大当り保留が含まれる場合、発射促進演出を行った後に、大当りまたは小当りとなることを示唆する煽り演出を行い(図8−12(5)参照)、大当りとなることを示す大当り連続演出を、最終変動から保留記憶に対応する変動までの期間で実行する(図8−12(6)参照)こととしてもよい。
また、時短中第2保留記憶に小当り保留が含まれる場合、発射促進演出を行った後に、煽り演出を行い(図8−12(5)参照)、小当りとなることを示す小当り連続演出を、最終変動から保留記憶に対応する変動までの期間で実行することとしてもよい(図8−12(7)参照)。
なお、図8−12(5)に図示する例ではプッシュボタン31Bへの操作を促す煽り演出を行うものであるが、このときに操作を受け付けたか否かにもとづいて大当り連続演出/小当り連続演出の演出態様は同じであってもよいし、異なるものであってもよい。例えば、有利度の異なる複数の大当り/小当り種別が設けられているものであれば、操作を受け付けた場合には有利度の高い種別の大当り/小当りであることを示す揃い図柄(例えば、7図柄)を停止表示する一方、操作を受け付けなかった場合には有利度の低い種別の大当り/小当りであることを示す揃い図柄(例えば、偶数図柄)を停止表示するものであってもよい。有利度の高い大当り/小当りに制御するにもかかわらず操作を受け付けなかった場合には、に有利度の低い種別の大当り/小当りであることを示す揃い図柄(例えば、偶数図柄)を停止表示した後に、有利度の高い種別の大当り/小当りであることを改めて報知する演出(いわゆる昇格演出)を行うこととしてもよい。また、時短中第2保留記憶が全てはずれ保留である場合にも煽り演出を実行可能としてもよく、例えば、煽り演出を実行した後にはずれ図柄を停止表示するものであってもよい。
また、上述した例では、連続演出の実行の有無および実行する場合の演出内容については最終変動の変動開始時に決定するものであるが、最終変動を開始してから終了するまでの間に新たに時短中第2保留記憶が記憶される場合が想定される。はずれ連続演出を実行した後に該新たな時短中第2保留記憶に対応する追加変動を行う場合、該追加変動が大当り変動または小当り変動であれば、該追加変動にて復活演出を行うこととしてもよい。例えば、はずれ連続演出にて時短状態が終了することを報知し、飾り図柄を消去して小図柄のみを変動表示させることにより、一見すると変動が行われていないかのように見せておきながら、突如として大当りまたは小当りが発生することを報知する復活演出を行うこととしてもよい。例えば、図8−12(3)、(4)に示すはずれ連続演出を行った後の追加変動で図8−12(5)〜(7)に示す表示を行うこととしてもよいし、可変表示結果を示す表示(図8−12(6)、(7)に示す表示)のみを行うこととしてもよい。
以上に説明したように、本特徴部069IWによれば、所定の遊技を実行可能な遊技機であって、可変表示を実行可能な可変表示実行手段(本例では、遊技制御用マイクロコンピュータ100における、ステップS111〜S113を実行する部分)と、遊技者にとって有利な有利状態(本例では、大当り遊技状態)と該有利状態とは異なる所定状態(本例では、小当り遊技状態)とに制御可能な状態制御手段(本例では、遊技制御用マイクロコンピュータ100における、ステップS114〜S120を実行する部分)とを備え、可変表示実行手段は、可変表示の実行回数に関する第1条件(本例では、時短状態において、6回の第2特別図柄の変動を行うこと。第1カウンタの値が1になること)が成立したことにもとづいて所定の可変表示(本例では、時短状態の最終変動における変動パターンがPt15である第2特別図柄の変動)を実行可能であり、所定状態の制御回数に関する第2条件(本例では、時短状態において小当り遊技状態に1回制御すること。第2カウンタの値が0になること)が成立したことにもとづいて特定の可変表示(本例では、時短状態から通常状態へ移行した直後における変動パターンがPt16である第2特別図柄の変動)を実行可能であり、可変表示の実行回数に関する第1数値情報(本例では、第1カウンタ)と、所定状態の制御回数に関する第2数値情報(本例では、第2カウンタ)とを更新可能な更新手段(本例では、遊技制御用マイクロコンピュータ100における、ステップ069IWS133Cを実行することにより第1カウンタを更新し、ステップ069IWS139Bを実行することにより第2カウンタを更新する部分)をさらに備え、更新手段は、一の可変表示の実行に伴い第1数値情報を更新するとともに第2数値情報を更新可能である(本例では、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、ステップ069IWS133C,S139Bを1回の変動において実行可能である)こととした。これにより、可変表示の実行回数とは異なる第2条件が成立したことにもとづいて可変表示のパターンが変化するので、好適に制御することが可能である。
従来、小当り経由の大当りが設けられた遊技機では、大当り遊技状態の終了後に制御される遊技状態(例えば、高ベース状態に制御するか否か)が該小当りの種別によって異なるものがあり、V入賞が発生することなく小当り遊技状態が終了した場合には該小当り遊技状態に移行する前と遊技状態を変化させずにそのまま遊技が進行するものがあった。そういった遊技機では、遊技者が特別図柄の停止図柄によって小当りの種別を認識し、高ベース状態に制御しない種別の小当りであればV入賞させず、高ベース状態に制御する種別の小当りであればV入賞させることができてしまい、結果的に製作者が想定しているよりも多くの価値を遊技者に付与すること(多くの賞球を払い出すこと)となっていた。そこで、小当り遊技状態に制御することを条件として時短状態を終了する構成とすることで、この不具合を防止しているものである。
また、時短状態中の特定のタイミングで特定の変動パターンを選択し、小当り遊技状態の制御回数にもとづいて時短状態を終了する構成の遊技機においては、該特定のタイミングに至るよりも前に小当り遊技状態に制御し、該小当り遊技状態においてV入賞が発生しなかった場合、例えば時短状態を終了して通常状態に移行した後の特定のタイミングで特定の変動パターンが選択されてしまうなど、イレギュラーな状況に対応できないことが想定される。そこで、本特徴部069IWのように構成することで、好適に制御することが可能である。
なお、本特徴部069IWでは、第1数値情報としての第1カウンタと、第2数値情報としての第2カウンタとのいずれも所定条件が成立したときにデクリメント(1ずつ減算)し、0になったことにもとづいて時短状態を終了することとしたが、これに限るものではなく、所定条件が成立したときにインクリメント(1ずつ増加)し、所定値になったことにもとづいて時短状態を終了することとしてもよい。
また、本特徴部069IWでは、1回の変動中の処理として、第1数値情報としての第1カウンタを更新した後に第2数値情報としての第2カウンタを更新することとしたが、更新する順序についてはこれに限るものではなく、第2カウンタを更新した後に第1カウンタを更新することとしてもよい。
また、本特徴部069IWによれば、更新手段は、第1数値情報と第2数値情報とをそれぞれ異なる頻度にて更新する(本例では、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、時短状態において第2特別図柄の変動を行う毎に第1カウンタを更新する一方、小当り遊技状態に制御することが決定されること(小当り確率:1/7.35)にもとづいて第2カウンタを更新する)こととした。これにより、可変表示のパターンが変化するまでの期間の長さにランダム性を生じさせ、興趣を向上させることができる。
また、第1数値情報と第2数値情報とをそれぞれ異なる頻度にて更新するとともに、第1数値情報および第2数値情報の減算値が同じ値の1であり、第1数値情報および第2数値情報の最終値が同じ値の0であこととしたため、第1数値情報と第2数値情報との初期値がそれぞれ異なる値(第1カウンタの初期値:7、第2カウンタの初期値:1)になっている。
また、本特徴部069IWによれば、可変表示実行手段は、第1条件と第2条件とが同時期に成立した場合、いずれか一方の条件に対応した可変表示を優先して行う(本例では、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、ステップ069IWS139CのYである場合にステップ069IWS139Eを実行することにより、時短状態において、6回の第2特別図柄の変動を行う第1条件と、小当り遊技状態に1回制御する第2条件とが同じ変動にて成立した場合、つまり時短状態における6回目の変動が小当り変動である場合、第2条件の成立に対応した変動(変動パターンがPt16である第2特別図柄の変動)を優先して実行可能である。)こととした。これにより、好適に制御を行うことができる。
なお、本特徴部069IWでは、第1条件と第2条件とが同時期に成立した場合に、第2条件の成立にもとづいた所定の可変表示を優先的に行うこととしたが、逆に、第1条件の成立にもとづいた特定の可変表示を優先的に行うこととしてもよい。例えば、時短状態において、6回の第2特別図柄の変動を行う第1条件と、小当り遊技状態に1回制御する第2条件とが同じ変動にて成立した場合、時短状態を終了することなく、変動パターンがPt15である第2特別図柄の変動を行うこととしてもよい。
また、本特徴部069IWによれば、状態制御手段は、通常状態とは異なる特別状態(本例では、時短状態)に制御可能であり、更新手段は、特別状態においてのみ第1数値情報および第2数値情報を更新可能である(本例では、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、ステップ069IWS133A,S139Aを実行することにより、時短状態においてのみ第1カウンタおよび第2カウンタを更新可能である)こととした。これにより、好適に制御を行うことができる。
具体的に、特別状態では、各数値情報を更新することにより可変表示のパターンに変化をもたせることができ、興趣を向上させることができるとともに、通常状態では、数値情報を更新制御を行わないことにより処理負担の増加を防止することができる。
また、本特徴部069IWによれば、更新手段は、第1所定値(本例では、7)から第1特定値(本例では、0)まで第1数値情報を更新可能であり、第2所定値(本例では、1)から第2特定値(本例では、0)まで第2数値情報を更新可能であり、第1数値情報を第1特定値に更新した場合、第2数値情報を第2特定値に更新し(本例では、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、ステップ069IWS142AのYの場合、ステップ069IWS142Bを実行する)、第2数値情報を第2特定値に更新した場合、第1数値情報を第1特定値に更新する(本例では、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、ステップ069IWS139CのYの場合、ステップ069IWS139Dを実行する)こととした。これにより、意図しない可変表示のパターンの変化が突然発生するような不具合を防止することができる。
また、本特徴部069IWによれば、更新手段は、第1所定値(本例では、7)から第1特定値(本例では、0)まで第1数値情報を更新可能であり、第2所定値(本例では、1)から第2特定値(本例では、0)まで第2数値情報を更新可能であり、状態制御手段は、通常状態とは異なる特別状態(本例では、時短状態)において、第1数値情報が第1特定値に更新された場合、または第2数値情報が第2特定値に更新された場合、通常状態に制御し(本例では、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、ステップ069IWS139CのYの場合、ステップ069IWS139Eを実行し、ステップ069IWS142AのYの場合、ステップ069IWS142Cを実行する)、更新手段は、通常状態に制御された場合に第3数値情報(本例では、第3カウンタ)を更新可能である(本例では、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、ステップ069IWS139G,S142E,S133Eを実行する)こととした。これにより、通常状態においても好適に処理を行うことができる。
なお、特徴部069IWでは、通常状態の特殊モードにおいて第3カウンタの値にもとづいて変動パターンを選択することにより、非特殊モードである場合よりもリーチが発生しやすいこととしたが、第3カウンタの値にもとづいた制御としてはこれに限るものではない。例えば、通常状態の特殊モードにおいて第3カウンタの値にもとづいて変動パターンを選択することにより、該特殊モードにおいて発生するリーチの信頼度が非特殊モードにおいて発生するリーチの信頼度よりも高いこととしてもよい。具体的に、特殊モードでは非特殊モードである場合よりも、リーチはずれの選択割合を低くすることにより、相対的にリーチの有する信頼度を高くすることとしてもよい。
また、本特徴部069IWでは、可変表示手段は、第1識別情報の可変表示(本例では、第1特別図柄の変動)と第2識別情報の可変表示(本例では、第1特別図柄の変動)とを実行可能であり、状態制御手段は、通常状態とは異なる特別状態(本例では、時短状態)に制御可能であり、更新手段は、特別状態においては、第1識別情報の可変表示にもとづいて第1数値情報を更新せず(本例では、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、ステップ069IWS133B,133Cを行うことにより、時短状態において、第2特別図柄の変動にもとづいてのみ第1カウンタを更新する)、第1識別情報の可変表示にもとづいて第2数値情報を更新しない(本例では、第1特別図柄の変動にもとづいては小当り遊技状態に制御されないことから、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、時短状態において、第2特別図柄の変動にもとづいてのみ第2カウンタを更新する)こととした。これにより、好適に制御することができる。
なお、特徴部069IWでは、第1特別図柄の変動にもとづいて小当り遊技状態に制御されることがない構成としたが、第1特別図柄の変動にもとづいて小当り遊技状態に制御され得る構成としてもよい。その場合にも、第1特別図柄の変動にもとづいて第1カウンタを更新しないとともに、第1特別図柄の変動にもとづいて小当り遊技状態に制御されても第2カウンタを更新しないこととしてもよい。
また、第1特別図柄の変動回数と第2特別図柄の変動回数の合算変動回数を計測するためのカウンタにもとづいて時短状態を終了するものであってもよい。例えば、第2特別図柄の変動回数を計測するためのカウンタAと、第1特別図柄の変動回数と第2特別図柄の変動回数の合算変動回数を計測するためのカウンタBとを設け、カウンタAの初期値として任意の数Xを、カウンタBの初期値としてY=X+4をセットし、時短状態において、第1特別図柄の変動を行う毎にカウンタBの値を1減算し、第2特別図柄の変動を行う毎にカウンタAおよびカウンタBの値をそれぞれ1減算し、カウンタAおよびカウンタBのいずれか一方の値が0になったことにもとづいて時短状態を終了することとしてもよい。ここで、カウンタBの初期値であるYがカウンタAの初期値であるXよりも4だけ大きい値としたのは、通常状態において記憶された上限4個の第1保留記憶が時短状態に制御されてから消化されることを考慮したためである。
また、時短状態において第1特別図柄の変動が行われるパターンとしては、通常状態において記憶された第1保留記憶が消化される第1のパターンと、時短状態であるにもかかわらず第1始動入賞口への始動入賞が発生し、該始動入賞に対する第1特別図柄の変動を行う第2のパターンとが想定されるが、第1特別図柄の特別図柄の変動を5回以上行った場合には第2のパターンが少なくとも1回以上発生していることとなるため、第2始動入賞口への遊技球の打ち出しを遊技者に促す演出を行うこととしてもよい。
また、上述したカウンタAおよびカウンタBに加え、小当り遊技状態の制御回数を計測するためのカウンタCを設け、カウンタCの初期値として所定数(例えば、1)をセットし、小当り遊技状態に制御される毎にカウンタCの値を1減算し、カウンタA、カウンタBおよびカウンタCのいずれか一方の値が0になったことにもとづいて時短状態を終了することとしてもよい。
なお、特徴部069IWでは、小当り遊技状態の制御回数が1回である場合に時短状態を終了することとしたが、小当り遊技状態の制御回数にもとづいて時短状態を終了するものであればよく、小当り遊技状態の制御回数が2回以上の所定回である場合に時短状態を終了することとしてもよい。
また、特徴部069IWでは、第2カウンタに値をセットするとともに小当り遊技状態に制御する場合に第2カウンタの値を1減算し、第2カウンタの値が0になった際に時短状態を終了することとしたが、上述したように小当り遊技状態に1回制御した場合に時短状態を終了する構成であれば、第2カウンタを用いずに時短状態を終了する制御を行うこととしてもよい。例えば、ステップ069IWS164,S139B,S139Cの処理を行わないもの(ステップ069IWS139AのYであればS139D以降の処理へ移行するもの)であってもよい。
なお、特徴部069IWでは、第1特別図柄の変動にもとづいては小当り遊技状態に制御しない構成としたが、これに限るものではない。例えば、第1特別図柄の変動および第2特別図柄の変動の両方にもとづいて小当り遊技状態に制御可能な構成であってもよい。
第1特別図柄の変動および第2特別図柄の変動の両方にもとづいて小当り遊技状態に制御可能な構成とした場合、いずれの特別図柄の変動にもとづく小当り遊技状態であるかによって、V判定入賞装置069IW01内に進入した遊技球がV入賞領域069IW02に進入する割合が異なることにより、V判定入賞装置069IW01内に進入した遊技球がV入賞領域069IW02に進入する割合が、例えば10%以上に調整されているものであってもよい。例えば、第1特別図柄の変動にもとづく小当り遊技状態においてはV判定入賞装置069IW01内に進入した遊技球の10%がV入賞領域069IW02に進入し、第2特別図柄の変動にもとづく小当り遊技状態においてはV判定入賞装置069IW01内に進入した遊技球の90%がV入賞領域069IW02に進入することとしてもよい。また、第1特別図柄の変動にもとづく小当り遊技状態においてはV判定入賞装置069IW01内に進入した遊技球はV入賞領域069IW02に一切進入せず、第2特別図柄の変動にもとづく小当り遊技状態においてはV判定入賞装置069IW01内に進入した遊技球の100%がV入賞領域069IW02に進入することとしてもよい。
また、遊技盤上に設けられた部材のレイアウトについては上述したものに限られるものではない。具体的には、以下の変形例を用いて説明する。なお、上述した実施の形態と同じ箇所については、説明を省略する。
(パチンコ遊技機1の構成等)
図8−13は、変形例におけるパチンコ遊技機1の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。
変形例におけるパチンコ遊技機1では、第1始動入賞口の右方には、釘の列069IW19が設けられており、遊技領域の右方から流下した遊技球が第1始動入賞口が設けられた領域に進入しないように構成されている。このように、遊技領域の右方から流下した遊技球が進入することを防止する釘の列069IW19が設けられていることによって、遊技領域の左方を狙って遊技球を発射操作(いわゆる左打ち操作)した場合にのみ第1始動入賞口に遊技球が入賞可能に構成されている。
なお、本例では、釘の列069IW19が設けられていることにより左打ち操作した場合にのみ第1始動入賞口に遊技球が入賞可能に構成される場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、第1始動入賞口が遊技領域の左方に設けられていることによって左打ち操作した場合にのみ第1始動入賞口に遊技球が入賞可能に構成してもよいし、第1始動入賞口が遊技領域の左方に設けられているとともに釘の列069IW19も設けることによって左打ち操作した場合にのみ第1始動入賞口に遊技球が入賞可能に構成してもよい。
画像表示装置5の右方には、通過ゲート41が設けられている。通過ゲート41の下方には、大入賞口を形成する特別可変入賞球装置069IW7が設けられている。特別可変入賞球装置069IW7は、やや傾斜した状態で左右方向に延在し、遊技球が流下する流路の底面として形成される板状の底面部材を、前後方向に進退移動させることにより、底面部材の下方に位置する大入賞口に遊技球が入賞可能な開状態(開放状態ともいう)と遊技球が入賞不能な閉状態(閉鎖状態ともいう)とに変化させる。特別可変入賞球装置069IW7は、第1特別図柄表示装置4Aまたは第2特別図柄表示装置4Bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する大当り遊技状態において、底面部材を前方に向けて前進移動させた閉状態から底面部材を後方に向けて後退移動させ、入賞領域となる大入賞口を開状態とする開放制御を実行する。
本特徴部069IWでは、大当り遊技に制御されると、その大当り遊技中に遊技球がV領域(特別可変入賞球装置069IW7の内部における特定の領域。不図示。)に進入し、該V領域への遊技球の進入が検出されたことを条件として、その大当り遊技の終了後に高確率状態に制御される。V領域は、確変大当りにおいてのみ遊技球が進入可能なように開閉部が設けられている。
特別可変入賞球装置069IW7の下方には、小当り用の特殊入賞口を形成する特殊可変入賞球装置069IW17と、第2始動入賞口を有する可変入賞球装置069IW6Bとが設けられており、図8−13に示すように、左側に特殊可変入賞球装置069IW17が配置され、その右側に隣り合うように可変入賞球装置069IW6Bが配置されている。これら特殊可変入賞球装置069IW17および可変入賞球装置069IW6Bは、やや傾斜した状態で左右方向に延在し、遊技球が流下する流路の底面として形成される板状の底面部材を、前後方向に進退移動させることにより、底面部材の下方に位置する特殊入賞口や第2始動入賞口に遊技球が入賞可能な開状態(開放状態ともいう)と遊技球が入賞不能な閉状態(閉鎖状態ともいう)とに変化させる。特殊可変入賞球装置069IW17は、第1特別図柄表示装置4Aまたは第2特別図柄表示装置4Bに所定表示結果(小当り図柄)が導出表示されたときに生起する小当り遊技状態において、底面部材を前方に向けて前進移動させた閉状態から底面部材を後方に向けて後退移動させ、入賞領域となる特殊入賞口を開状態とする開放制御を実行する。また、可変入賞球装置069IW6Bは、普通図柄表示器20に当り図柄が導出表示されたときに、底面部材を前方に向けて前進移動させた閉状態から底面部材を後方に向けて後退移動させ、入賞領域となる第2始動入賞口を開状態とする開放制御を実行する。
なお、本例では、特別可変入賞球装置069IW7と特殊可変入賞球装置069IW17と可変入賞球装置069IW6Bとは、同様の構造を有するように形成されている。また、図8−13に示すように、特別可変入賞球装置069IW7は底面部材が左上から右下に向けてやや傾斜する態様で形成されているので、特別可変入賞球装置069IW7上に落下した遊技球は、特別可変入賞球装置069IW7が閉状態であれば特別可変入賞球装置069IW7上を左上から右下に向けて移動して行き、その下の可変入賞球装置069IW6B上に落下する。
また、本例では、可変入賞球装置069IW6Bと比較して特殊可変入賞球装置069IW17の方が若干大きい。また、図8−13に示すように、特殊可変入賞球装置069IW17および可変入賞球装置069IW6Bは底面部材が右上から左下に向けてやや傾斜する態様で形成されているので、特殊可変入賞球装置069IW17や可変入賞球装置069IW6B上の遊技球は、特殊可変入賞球装置069IW17や可変入賞球装置069IW6Bが閉状態であれば特殊可変入賞球装置069IW17や可変入賞球装置069IW6B上を右上から左下に向けて移動して行く。また、図8−13に示すように、特殊可変入賞球装置069IW17と可変入賞球装置069IW6Bとは隣り合うように配置されているので、特別可変入賞球装置069IW7に入賞することなく可変入賞球装置069IW6B上に落下した遊技球は、可変入賞球装置069IW6Bの底面部材が後退移動されて第2始動入賞口が開状態となっていれば、遊技球は第2始動入賞口に入賞し、特殊可変入賞球装置069IW17の方には遊技球は流れて行かない。一方、第2始動入賞口が開状態となっていなければ、遊技球は可変入賞球装置069IW6Bの底面部材の上を移動して特殊可変入賞球装置069IW17の方に導かれる。この際に特殊可変入賞球装置069IW17の底面部材が後退移動されて特殊入賞口が開状態となっていれば、遊技球は特殊入賞口に入賞する。さらに、特殊入賞口も開状態となっていなければ、遊技球は特殊可変入賞球装置069IW17の底面部材の上を移動して、そのままアウト口の方へ落下することになる。
また、本例では、特別可変入賞球装置069IW7、特殊可変入賞球装置069IW17および可変入賞球装置069IW6Bには、底面部材上を流下する遊技球の流下速度を低下させる複数の規制片が形成されている。本例では、特別可変入賞球装置069IW7、特殊可変入賞球装置069IW17および可変入賞球装置069IW6Bにおいて規制片が設けられていることによって、左上から右下方向または右上から左下方向に向けて流下する遊技球を前後方向成分の動きをもって蛇行するように、遊技球の流下方向を変更させて、その流下にかかる時間を、規制片がない場合よりも遅延させる。
なお、本例では、図8−13に示すように、特殊可変入賞球装置069IW17が左側に配置され、可変入賞球装置069IW6Bが右側に配置されているのであるが、特殊可変入賞球装置069IW17および可変入賞球装置069IW6Bの底面部材が右上方から左下方に緩やかに傾斜するように形成され、底面部材が後退しておらず閉状態である場合には可変入賞球装置069IW6Bの方から特殊可変入賞球装置069IW17の方に向かって遊技球が流れるように構成されているので、この意味で、可変入賞球装置069IW6Bの方が上流側に設けられ、特殊可変入賞球装置069IW17の方が下流側に設けられているといえる。
大入賞口内には、大入賞口内に入賞した遊技球を検出可能なスイッチが設けられている。該スイッチによって遊技球が検出された場合には、この検出情報に基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。従って、特別可変入賞球装置069IW7が開放制御されて大入賞口が開状態となれば、遊技者にとって有利な状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置069IW7が閉鎖制御されて大入賞口が閉状態となれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることができないため、遊技者にとって不利な状態となる。
特殊入賞口内には、特殊入賞口内に入賞した遊技球を検出可能なスイッチが設けられている。該スイッチによって遊技球が検出された場合には、この検出情報に基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出される。ここで、特殊可変入賞球装置069IW17において開状態となった特殊入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、大入賞口に遊技球が入賞したときと比較すると賞球の数が少ないものの、例えば第1始動入賞口1や第2始動入賞口といった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出されるようになっている。従って、特殊可変入賞球装置069IW17が開放制御されて特殊入賞口が開状態となれば、遊技者にとって有利な状態となる。その一方で、特殊可変入賞球装置069IW17が閉鎖制御されて特殊入賞口が閉状態となれば、特殊入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることができないため、遊技者にとって不利な状態となる。
なお、このパチンコ遊技機1では、通過ゲート41、特別可変入賞球装置069IW7(大入賞口)、可変入賞球装置069IW6B(第2始動入賞口)、および特殊可変入賞球装置069IW17(特殊入賞口)が遊技領域の右方に設けられているので、大当り遊技中やKT状態(いわゆる小当りタイム)中である場合には、遊技者は遊技領域の右方を狙って発射操作(いわゆる右打ち操作)を行う。
(遊技の進行の概略)
このパチンコ遊技機1では、遊技状態が通常状態である場合には、遊技者は遊技領域の左方を狙って発射操作(いわゆる左打ち操作)を行うのが有利である。パチンコ遊技機1が備える打球操作ハンドル30への遊技者による回転操作により、左打ち操作を行い、入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口に遊技球が進入すると、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図ゲームが開始される。
第1特図ゲームにおいて、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄、例えば「7」、後述の大当り種別に応じて実際の図柄は異なる。)が停止表示されれば、「大当り」となる。また、大当り図柄とは異なる特別図柄(ハズレ図柄、例えば「−」)が停止表示されれば「ハズレ」となる。なお、第1特図ゲームであっても、極低い割合で小当り図柄が停止表示され、「小当り」となる場合があるように構成してもよい。
第1特図ゲームでの表示結果が「大当り」になった後には、遊技球が通過ゲート41を通過したことを条件として、遊技者にとって有利な有利状態として大当り遊技状態に制御される。
大当り遊技状態では、特別可変入賞球装置069IW7により形成される大入賞口が所定の態様で開放状態となる。当該開放状態は、所定期間(例えば29秒間や1.8秒間)の経過タイミングと、大入賞口に進入した遊技球の数が所定個数(例えば9個)に達するまでのタイミングと、のうちのいずれか早いタイミングまで継続される。前記所定期間は、1ラウンドにおいて大入賞口を開放することができる上限期間であり、以下、開放上限期間ともいう。このように大入賞口が開放状態となる1のサイクルをラウンド(ラウンド遊技)という。大当り遊技状態では、当該ラウンドが所定の上限回数(15回や2回)に達するまで繰り返し実行可能となっている。
大当り遊技状態においては、遊技者は、遊技球を大入賞口に進入させることで、賞球を得ることができる。従って、大当り遊技状態は、遊技者にとって有利な状態である。大当り遊技状態におけるラウンド数が多い程、また、開放上限期間が長い程遊技者にとって有利となる。
なお、「大当り」には、大当り種別が設定されている。例えば、大入賞口の開放態様(ラウンド数や開放上限期間)や、大当り遊技状態後の遊技状態(通常状態、確変状態(高確率状態)、KT状態、高ベース状態など)を複数種類用意し、これらに応じて大当り種別が設定されている。大当り種別として、多くの賞球を得ることができる大当り種別や、賞球の少ない又はほとんど賞球を得ることができない大当り種別が設けられていてもよい。
大当り遊技状態が終了した後は、上記大当り種別に応じて、確変状態やKT状態、高ベース状態に制御されることがある。
確変状態(確率変動状態)では、表示結果が「大当り」となる確率が通常状態よりも高くなる確変制御が実行される。確変状態は、特別図柄の変動効率が向上することに加えて「大当り」となりやすい状態であるので、遊技者にとってさらに有利な状態である。
KT状態では、通常状態よりも小当りになりやすいKT制御が実行される。このパチンコ遊技機1では、小当り遊技状態でもある程度の賞球を得ることができるので、大当り遊技状態と比べると得られる賞球が少ないが遊技者にとって有利な状態である。
高ベース状態では、平均的な特図変動時間(特図を変動させる期間)を通常状態よりも短縮させる制御(時短制御)が実行され(時短状態)、普図ゲームで「普図当り」となる確率を通常状態よりも向上させる等により、第2始動入賞口に遊技球が進入しやすくなる制御(高開放制御、高ベース制御)も実行される。高ベース状態は、特別図柄(特に第2特別図柄)の変動効率が向上する状態であるので、遊技者にとって有利な状態である。
確変状態やKT状態、高ベース状態は、所定回数の特図ゲームが実行されたことと、次回の大当り遊技状態が開始されたこと等といった、いずれか1つの終了条件が先に成立するまで継続する。所定回数の特図ゲームが実行されたことが終了条件となるものを、回数切り(回数切り確変等)ともいう。
通常状態とは、遊技者にとって有利な大当り遊技状態等の有利状態、確変状態、KT状態、高ベース状態等の特別状態以外の遊技状態のことであり、特図ゲームにおける表示結果が「大当り」となる確率などのパチンコ遊技機1が、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に所定の復帰処理を実行しなかったとき)と同一に制御される状態である。
大当り遊技を終了し、遊技状態が確変状態やKT状態、高ベース状態に制御されると、遊技者は遊技領域の右方を狙って発射操作(右打ち操作)を行うのが有利である。パチンコ遊技機1が備える打球操作ハンドル30への遊技者による回転操作により、右打ち操作を行い、遊技球が通過ゲート41を通過すると、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。なお、前回の普図ゲームの実行中の期間等に遊技球が通過ゲート41を通過した場合(遊技球が通過ゲート41を通過したが当該通過に基づく普図ゲームを直ちに実行できない場合)には、当該通過に基づく普図ゲームは所定の上限数(例えば4)まで保留される。
この普図ゲームでは、特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として、普図当り図柄以外の普通図柄(普図ハズレ図柄)が停止表示されれば、普通図柄の表示結果が「普図ハズレ」となる。「普図当り」となると、可変入賞球装置069IW6Bを所定期間開放状態とする開放制御が行われる(第2始動入賞口が開放状態になる)。
可変入賞球装置069IW6Bに形成された第2始動入賞口に遊技球が進入すると、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図ゲームが開始される。
第2特図ゲームにおいて、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄、例えば「7」、後述の大当り種別に応じて実際の図柄は異なる。)が停止表示されれば、「大当り」となり、大当り図柄とは異なる所定の特別図柄(小当り図柄、例えば「2」)が停止表示されれば、「小当り」となる。また、大当り図柄や小当り図柄とは異なる特別図柄(ハズレ図柄、例えば「−」)が停止表示されれば「ハズレ」となる。
第2特図ゲームでの表示結果が「大当り」になった後には、遊技球が通過ゲート41を通過したことを条件として、遊技者にとって有利な有利状態として大当り遊技状態に制御される。第2特図ゲームでの表示結果が「小当り」になった後には、小当り遊技状態に制御される。
小当り遊技状態では、特殊可変入賞球装置069IW17により形成される特殊入賞口が所定の開放態様で開放状態となる。なお、大当り種別と同様に、「小当り」にも小当り種別を設けてもよい。
小当り遊技状態が終了した後は、遊技状態の変更が行われず、特図ゲームの表示結果が「小当り」となる以前の遊技状態に継続して制御される(但し、「小当り」発生時の特図ゲームが、上記回数切りにおける上記所定回数目の特図ゲームである場合には、当然遊技状態が変更される)。
なお、遊技状態は、大当り遊技状態中に遊技球が特定領域(例えば、大入賞口内の特定領域)を通過したことに基づいて、変化してもよい。例えば、遊技球が特定領域を通過したとき、その大当り遊技状態後に確変状態に制御してもよい。
この特徴部069IWでは、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とを並行して実行することが可能である。具体的に、第1特別図柄の変動表示の実行中に第2特別図柄の変動開始条件(大当り遊技状態または小当り遊技状態に制御されておらず、第2特別図柄の変動中でなく、第2保留記憶が記憶されていること)が成立した場合には第1特別図柄の変動表示の終了を待たずに第2特別図柄の変動表示を開始するものである。同様に、第2特別図柄の変動表示の実行中に第1特別図柄の変動開始条件(大当り遊技状態または小当り遊技状態に制御されておらず、第1特別図柄の変動中でなく、第1保留記憶が記憶されていること)が成立した場合には第2特別図柄の変動表示の終了を待たずに第1特別図柄の変動表示を開始するものである。
なお、演出制御用CPU120側では、第1特別図柄および第2特別図柄のうち遊技状態に応じた特別図柄に対応する飾り図柄を変動表示させるものである。例えば、通常状態では第1特別図柄に対応する飾り図柄を変動表示させ、KT状態では第2特別図柄に対応する飾り図柄を変動表示させる。
この特徴部069IWでは、第1特別図柄の変動表示の実行中に第2特別図柄の変動表示が大当りとなった場合や、小当りとなった場合であって通常大当り(本例では、6R通常大当り)となる第1特別図柄の変動表示の実行中である場合に、第1特別図柄の変動表示は強制的に停止され、第1特別図柄と第2特別図柄とで同時に大当りや小当りが発生する事態が生じないようにしている。なお、この場合、演出制御用CPU120側では、第1特別図柄の変動表示が強制はずれとされた場合には、飾り図柄の変動表示結果として強制的にはずれ図柄を停止表示するように制御する。
この特徴部069IWでは、第2特別図柄の変動表示の実行中に第1特別図柄の変動表示が大当りとなった場合や、小当りとなった場合であって通常大当り(本例では、2R通常大当り)となる第2特別図柄の変動表示の実行中である場合に、第2特別図柄の変動表示は強制的に停止され、第1特別図柄と第2特別図柄とで同時に大当りや小当りが発生する事態が生じないようにしている。なお、この場合、演出制御用CPU120側では、第2特別図柄の変動表示が強制はずれとされた場合には、飾り図柄の変動表示結果として強制的にはずれ図柄を停止表示するように制御する。
本特徴部069IWにおける遊技状態には、通常状態(低確率/非KT状態)と、通常状態よりも小当りになりやすいKT状態(いわゆる小当りタイム)とがある。さらに、KT状態には第1KT状態と第2KT状態との2種類があり、この特徴部069IWでは、遊技状態には、低確率状態且つ非KT状態(低確率/非KT状態:通常状態)に制御されている場合と、低確率且つ第1KT状態(低確率/第1KT状態)に制御されている場合と、高確率且つ第1KT状態(高確率/第1KT状態)に制御されている場合と、高確率且つ第2KT状態(高確率/第2KT状態)に制御されている場合とがある。
KT状態のうち第1KT状態は、小当りが発生しやすく特殊可変入賞球装置069IW17が開状態となりやすいものの、上流側の可変入賞球装置069IW6Bの開放時間が極めて長く、小当りが発生しても下流側の特殊可変入賞球装置069IW17に遊技球が入賞するケースは極めて少ない(例えば、100変動するごとに1球程度)。具体的には、第1KT状態では、小当りが発生しやすい状態に制御されるとともに高ベース状態に制御されて可変入賞球装置069IW6Bの開放時間が長くなるように制御される。また、KT状態のうち第2KT状態は、上流側の可変入賞球装置069IW6Bの開放時間が短く、小当りが発生した場合に下流側の特殊可変入賞球装置069IW17に遊技球が入賞しやすい。具体的には、第2KT状態では、小当りが発生しやすい状態に制御されるとともに低ベース状態に制御されて可変入賞球装置069IW6Bの開放時間が短くなるように制御される。
また、KT状態は、通常状態(低確率/非KT状態)よりも小当りになりやすい遊技状態である。具体的には、この特徴部069IWでは、普図当りとなって可変入賞球装置069IW6Bが開状態となる確率はKT状態の方が通常状態より高くなっている。そして、第1特別図柄の変動時には小当りと決定される割合が低いのに対して、第2特別図柄の変動時には小当りと決定される割合が高くなるよう構成されている(ただし、後述する強制はずれの場合を除く)ため、KT状態を、通常状態よりも小当りになりやすい遊技状態としている。これにより、KT状態では、主に第2特別図柄の変動を行わせることにより小当りを頻繁に発生させ、遊技者に有利な遊技状態となっている。
なお、KT状態を、通常状態よりも小当りになりやすい遊技状態とするための構成としては、これに限るものではない。例えば、KT状態であっても普図当りとなって可変入賞球装置069IW6Bが開状態となる確率は通常状態と同じ(例えば、10%または100%)であるが、第2特別図柄の変動時に選択する変動パターンの有する変動時間が、KT状態の方が通常状態よりも短く構成することにより、KT状態の方が通常状態よりも一定時間に対する変動回数の割合が高くなり、KT状態を通常状態よりも小当りになりやすい遊技状態とするものであってもよい。
なお、この特徴部069IWでは、KT状態中に第1特別図柄の変動表示で大当りとなった場合には、変動時間が10秒の変動パターンを決定するように構成されている。これは、第2KT状態に移行した直後に第1特別図柄の変動表示で直ちに大当りが発生してしまったようなケースで、第1特別図柄の大当り変動の変動時間を長い変動時間としてしまうと、該第1特別図柄の大当り変動中に実行される第2特別図柄の変動は強制はずれとされる構成であるため、第2KT状態であるにもかかわらず強制はずれが頻発して遊技者が小当りによる利益を一切受けられないこととなる。そのため、この特徴部069IWでは、第1特別図柄の大当り変動の変動時間を短い変動時間とすることにより、強制はずれが頻発する前に第1特別図柄の変動にもとづく大当り遊技状態に移行するように構成されている。
なお、本特徴部069IWとは異なり、第1特別図柄の大当り変動中に第2特別図柄の変動を開始した場合にも、該第2特別図柄の変動を強制はずれとしない構成(例えば、第1特別図柄の大当り図柄停止時に第2特別図柄の変動中であるときは、第2特別図柄を強制はずれとする構成)の遊技機であれば、KT状態中の第1特別図柄の大当りの変動時間を長い変動時間(例えば、1分)としてもよい。これは、第2KT状態に移行した直後に第1特別図柄の変動表示で直ちに大当りが発生してしまったようなケースで、大当りの変動時間をはずれと同じ短い変動時間としてしまうと、遊技者が小当りによる利益を一切受けられなくなる。そのため、KT状態中の第1特別図柄の大当りの変動時間を長い変動時間(例えば、1分)とすれば、そのようなケースであっても、少なくとも複数回小当りが発生可能な十分な時間(例えば、1分)が確保されるように構成される。
ここで、この特徴部069IWにおける遊技状態の遷移について説明する。図8−14は、この特徴部069IWにおける遊技状態の遷移の仕方を説明するための説明図である。まず、この特徴部069IWでは、低確率/低ベース状態(通常状態(非KT状態))では、遊技者は遊技領域の左方を狙って遊技球の発射操作(左打ち)を行う。そのため、通常状態では、主として第1始動入賞口への始動入賞が発生し、主として第1特別図柄の変動表示が実行される。また、主として第1特別図柄の変動表示が実行されることから、低確率/低ベース状態において大当りが発生した場合には、主として10R確変大当り、6R確変大当り、または6R通常大当りが発生する。
図8−14に示すように、低確率/低ベース状態において10R確変大当りが発生した場合には、大当り遊技中にV領域に遊技球が進入すれば、その大当り遊技の終了後に高確率/低ベース状態(高確率/第2KT状態)に移行し、次の大当りが発生するまで高確率/低ベース状態が維持される。ただし、大当り遊技中にV領域に遊技球が進入しなければ、高確率状態には制御されない場合もある。また、低確率/低ベース状態において6R確変大当りが発生した場合には、大当り遊技中にV領域に遊技球が進入すれば、その大当り遊技の終了後に高確率/高ベース状態(高確率/第1KT状態)に移行し、後述する所定の条件が成立するまで高確率/高ベース状態が維持される。ただし、大当り遊技中にV領域に遊技球が進入しなければ、高確率状態には制御されない場合もある。また、低確率/低ベース状態において6R通常大当りが発生した場合には、その大当り遊技の終了後に低確率/高ベース状態(低確率/第1KT状態)に移行し、次の大当りが発生するか50回の変動表示を終了するまで低確率/高ベース状態が維持される。
KT状態(高確率/高ベース状態、低確率/高ベース状態、高確率/低ベース状態)に移行した後である場合には、この特徴部069IWでは、遊技者は遊技領域の右方を狙って遊技球の発射操作(右打ち)を行う。そのため、KT状態では、主として第2始動入賞口への始動入賞が発生し、主として第2特別図柄の変動表示が実行される。また、主として第2特別図柄の変動表示が実行されることから、KT状態において大当りが発生した場合には、主として10R確変大当り、6R確変大当り、2R確変大当り、または2R通常大当りが発生する。
図8−14に示すように、高確率/高ベース状態(高確率/第1KT状態)において所定の条件(10R確変大当りまたは2R確変大当りが発生し、大当り遊技中にV領域に遊技球が進入すること、50回の第2特別図柄の変動表示を行うこと、または小当り遊技状態に40回制御すること)が成立すれば、高確率/低ベース状態(高確率/第2KT状態)に移行し、次の大当りが発生するまで高確率/低ベース状態が維持される。ただし、大当り遊技中にV領域に遊技球が進入しなければ、高確率状態には制御されない場合もある。また、高確率/高ベース状態(高確率/第1KT状態)において6R確変大当りが発生した場合には、大当り遊技中にV領域に遊技球が進入すれば、その大当り遊技の終了後に高確率/高ベース状態(高確率/第1KT状態)に移行し、次の大当りが発生するまで高確率/高ベース状態が維持される。ただし、大当り遊技中にV領域に遊技球が進入しなければ、高確率状態には制御されない場合もある。なお、この特徴部069IWでは、第2特別図柄の変動表示が実行される場合には、6R確変大当りとなる確率が合計で50%であるので(図10−5参照)、一旦高確率/高ベース状態となると50%の割合で高確率/高ベース状態がループすることになる。また、高確率/高ベース状態(高確率/第1KT状態)において2R通常大当りが発生した場合には、その大当り遊技の終了後に低確率/高ベース状態(低確率/第1KT状態)に移行し、次の大当りが発生するか50回の変動表示を終了するまで低確率/高ベース状態が維持される。
図8−14に示すように、低確率/高ベース状態(低確率/第1KT状態)において10R確変大当りまたは2R確変大当りが発生した場合には、大当り遊技中にV領域に遊技球が進入すれば、その大当り遊技の終了後に高確率/低ベース状態(高確率/第2KT状態)に移行し、次の大当りが発生するまで高確率/低ベース状態が維持される。ただし、大当り遊技中にV領域に遊技球が進入しなければ、高確率状態には制御されない場合もある。また、低確率/高ベース状態(低確率/第1KT状態)において6R確変大当りが発生した場合には、大当り遊技中にV領域に遊技球が進入すれば、その大当り遊技の終了後に高確率/高ベース状態(高確率/第1KT状態)に移行し、上記の所定の条件が成立するまで高確率/高ベース状態が維持される。ただし、大当り遊技中にV領域に遊技球が進入しなければ、高確率状態には制御されない場合もある。また、低確率/高ベース状態(低確率/第1KT状態)において2R通常大当りが発生した場合には、その大当り遊技の終了後に低確率/高ベース状態(低確率/第1KT状態)に移行し、次の大当りが発生するか50回の変動表示を終了するまで低確率/高ベース状態が維持される。なお、この特徴部069IWでは、第2特別図柄の変動表示が実行される場合には、2R通常大当りとなる確率が35%であるので(図10−5(D),(E)参照)、一旦低確率/高ベース状態となると35%の割合で低確率/高ベース状態がループすることになる。なお、6R通常大当りや2R通常大当りが発生して低確率/高ベース状態となった後、次の大当りが発生することなく、50回の変動表示が終了した場合には、図8−14に示すように、低確率/低ベース状態(通常状態(非KT状態))に移行する。
図8−14に示すように、高確率/低ベース状態(高確率/第2KT状態)において10R確変大当りまたは2R確変大当りが発生した場合には、大当り遊技中にV領域に遊技球が進入すれば、その大当り遊技の終了後に高確率/低ベース状態(高確率/第2KT状態)に移行し、次の大当りが発生するまで高確率/低ベース状態が維持される。ただし、大当り遊技中にV領域に遊技球が進入しなければ、高確率状態には制御されない場合もある。なお、この特徴部069IWでは、第2特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2特別図柄の変動表示が実行される場合には、10R確変大当りまたは2R確変大当りとなる確率が15%であるので(図10−5(D),(E)参照)、一旦高確率/低ベース状態となると15%の割合で高確率/低ベース状態がループすることになる。また、高確率/低ベース状態(高確率/第2KT状態)において6R確変大当りが発生した場合には、大当り遊技中にV領域に遊技球が進入すれば、その大当り遊技の終了後に高確率/高ベース状態(高確率/第1KT状態)に移行し、上記の所定の条件が成立するまで高確率/高ベース状態が維持される。ただし、大当り遊技中にV領域に遊技球が進入しなければ、高確率状態には制御されない場合もある。また、高確率/低ベース状態(高確率/第2KT状態)において2R通常大当りが発生した場合には、その大当り遊技の終了後に低確率/高ベース状態(低確率/第1KT状態)に移行し、次の大当りが発生するか50回の変動表示を終了するまで低確率/高ベース状態が維持される。
なお、図8−14では、低確率/低ベース状態(通常状態(非KT状態))では第1特別図柄の変動表示が実行される場合について説明したが、低い割合で第2特別図柄の変動表示が実行される可能性もありうる。この場合、10R確変大当りまたは2R確変大当りが発生した場合には、大当り遊技中にV領域に遊技球が進入すれば、高確率/低ベース状態(高確率/第2KT状態)に移行することになる。また、6R確変大当りが発生した場合には、大当り遊技中にV領域に遊技球が進入すれば、高確率/高ベース状態(高確率/第1KT状態)に移行することになる。また、2R通常大当りが発生した場合には、低確率/高ベース状態(低確率/第1KT状態)に移行し、次の大当りが発生するか50回の変動表示を終了するまで低確率/高ベース状態が維持されることになる。
また、図8−14では、高確率/高ベース状態(高確率/第1KT状態)では第2特別図柄の変動表示が実行される場合について説明したが、低い割合で第1特別図柄の変動表示が実行される可能性もありうる。この場合、10R確変大当りが発生した場合には、大当り遊技中にV領域に遊技球が進入すれば、高確率/低ベース状態(高確率/第2KT状態)に移行することになる。また、6R確変大当りが発生した場合には、大当り遊技中にV領域に遊技球が進入すれば、高確率/高ベース状態(高確率/第1KT状態)に移行することになる。また、6R通常大当りが発生した場合には、低確率/高ベース状態(低確率/第1KT状態)に移行し、次の大当りが発生するか50回の変動表示を終了するまで低確率/高ベース状態が維持されることになる。
また、図8−14では、低確率/高ベース状態(低確率/第1KT状態)では第2特別図柄の変動表示が実行される場合について説明したが、低い割合で第1特別図柄の変動表示が実行される可能性もありうる。この場合、10R確変大当りが発生した場合には、大当り遊技中にV領域に遊技球が進入すれば、高確率/低ベース状態(高確率/第2KT状態)に移行することになる。また、6R確変大当りが発生した場合には、大当り遊技中にV領域に遊技球が進入すれば、高確率/高ベース状態(高確率/第1KT状態)に移行することになる。また、6R通常大当りが発生した場合には、低確率/高ベース状態(低確率/第1KT状態)に移行し、次の大当りが発生するか50回の変動表示を終了するまで低確率/高ベース状態が維持されることになる。
また、図8−14では、高確率/低ベース状態(高確率/第2KT状態)では第2特別図柄の変動表示が実行される場合について説明したが、低い割合で第1特別図柄の変動表示が実行される可能性もありうる。この場合、10R確変大当りが発生した場合には、大当り遊技中にV領域に遊技球が進入すれば、高確率/低ベース状態(高確率/第2KT状態)に移行することになる。また、6R確変大当りが発生した場合には、大当り遊技中にV領域に遊技球が進入すれば、高確率/高ベース状態(高確率/第1KT状態)に移行することになる。また、6R通常大当りが発生した場合には、低確率/高ベース状態(低確率/第1KT状態)に移行し、次の大当りが発生するか50回の変動表示を終了するまで低確率/高ベース状態が維持されることになる。
ここで、高確率/高ベース状態(高確率/第1KT状態)におけるCPU103の制御について説明する。CPU103は、高確率/高ベース状態(高確率/第1KT状態)において、第2特別図柄の変動回数を計測するための変動回数カウンタと、小当り遊技状態の制御回数を計測するための小当り回数カウンタとを用いることにより、高確率/低ベース状態(高確率/第2KT状態)に移行するための条件が成立したか否かを判定するものである。
具体的に、CPU103は、高確率/高ベース状態(高確率/第1KT状態)に制御された際(6R確変大当りの大当り終了時)に、変動回数カウンタの値として50をセットし、小当り回数カウンタの値として40をセットする。そして、第2特別図柄の変動が終了する度に、いずれの可変表示結果であるかにかかわらず変動回数カウンタの値を1減算するとともに、小当り変動であった場合には小当り回数カウンタの値を1減算する。すなわち、小当り変動であった場合には変動回数カウンタの値と小当り回数カウンタの値との両方を更新するものである。
そして、CPU103は、変動回数カウンタの値が0になったとき、または小当り回数カウンタの値が0になったときに高確率/高ベース状態(高確率/第1KT状態)から高確率/低ベース状態(高確率/第2KT状態)に移行制御する。高確率/低ベース状態(高確率/第2KT状態)においては特定の変動パターン(例えば、高確率/低ベース状態(高確率/第2KT状態)においてのみ選択可能な特殊な変動パターン)の変動を実行可能である。このように、第2条件としての小当り回数カウンタの値が0になったことにもとづいて特定の変動パターンの変動を実行可能である。
また、CPU103は、変動回数カウンタの値が1であるときに開始する第2特別図柄の変動(高確率/高ベース状態(高確率/第1KT状態)における最終変動)では、所定の変動パターン(例えば、高確率/高ベース状態(高確率/第1KT状態)の最終変動においてのみ選択可能な特殊な変動パターン)を選択して変動を行う。このように、第1条件としての変動回数カウンタの値が1になったことにもとづいて所定の変動パターンの変動を実行可能である。例えば、第1KT状態が終了して第2KT状態に制御することを報知する演出を行うための所定の変動パターンを選択することとしてもよい。なお、所定の変動パターンとは、例えば、変動回数カウンタの値が1であるとき以外の変動では選択されない変動パターンであり、他の変動パターンよりも長い変動時間を有する変動パターンである。所定の変動パターンの変動が行われる場合、例えば、高確率/高ベース状態(高確率/第1KT状態)から高確率/低ベース状態(高確率/第2KT状態)へ移行する旨を示す変動演出を行うこととしてもよい。
変形例の演出制御用CPU120における演出制御について説明する。ここでは特に高確率/高ベース状態(高確率/第1KT状態)に制御する場合の演出制御について詳細に説明する。
変形例における演出制御用CPU120は、遊技状態が移行制御される際に、その旨を報知する遊技状態制御報知演出を行うものである。具体的に、6R確変大当りの大当り遊技状態が終了する際に遊技制御用マイクロコンピュータ100から高確率/高ベース状態(高確率/第1KT状態)に制御することを示すコマンドを受信した場合、例えばエンディング演出として、画像表示装置5にて「高確率/高ベース状態突入!」といった文字表示を行うことにより遊技状態制御報知演出を行う(図8−15(1)参照)。
また、演出制御用CPU120は、高確率/高ベース状態(高確率/第1KT状態)において、右打ちを遊技者に促す右打ち促進演出(「右打ち」といった文字表示)を行うものである。具体的に、上述した遊技状態制御報知演出を行った後、例えばエンディング期間が終了したときに右打ち報知演出を行う(図8−15(2)参照)。大当り遊技状態や小当り遊技状態においても、同様の右打ち促進演出を行うものである。なお、特定の演出(例えば、リーチ演出)が行われている間は右打ち報知演出を非表示とすることにより、該特定の演出の妨げとなることを防止してもよい。
また、演出制御用CPU120は、高確率/高ベース状態(高確率/第1KT状態)における第2特別図柄変動の残余回数を報知する残余回数報知演出を行うこととしてもよい。例えば、変動回数カウンタの値を示すコマンドを遊技制御用マイクロコンピュータ100から受信し、該コマンドに応じて、例えば、変動回数カウンタの値が「30」であれば画像表示装置5に「残り30回」といった文字表示を行う残余回数報知演出を行うこととしてもよい(図8−15(2)参照)。または、演出制御用CPU120側においても高確率/高ベース状態(高確率/第1KT状態)の残余回数を計測し、計測結果を用いて残余回数報知演出を行うこととしてもよい。例えば、高確率/高ベース状態(高確率/第1KT状態)に制御することを示すコマンドを受信した際に演出用変動回数カウンタに50をセットし、第2特別図柄の変動開始を示すコマンドを受信する度に該演出用変動回数カウンタの値を1ずつ減算することにより高確率/高ベース状態(高確率/第1KT状態)の残余回数を計測することとしてもよい。なお、特定の演出(例えば、リーチ演出)が行われている間は残余回数報知演出を非表示とすることにより、該特定の演出の妨げとなることを防止してもよい。
また、演出制御用CPU120は、受信した変動パターンコマンドに応じた変動演出を行う。例えば、受信した変動パターンコマンドが特定の変動パターンコマンド(変動回数カウンタの値が1であるときに送信される変動パターンコマンド)である場合、画像表示装置5に「まもなく小当りRUSH突入!!」といった文字表示を行う特定演出を実行する(図8−15(3)参照)。
なお、変動回数カウンタの値が0になった場合と小当り回数カウンタが0になった場合に高確率/高ベース状態(高確率/第1KT状態)から高確率/低ベース状態(高確率/第2KT状態)へ移行するものであり、変動回数カウンタの値が1である変動(高確率/高ベース状態(高確率/第1KT状態)の最終変動)では所定の変動パターンを選択することとしたが、小当り回数カウンタが0になる変動(高確率/高ベース状態(高確率/第1KT状態)における最終小当り変動)においても、高確率/高ベース状態(高確率/第1KT状態)における最終小当り変動以外の小当り変動においては選択されない変動パターンを選択可能であることとしてもよい。すなわち、小当り回数カウンタの値に応じてそれぞれ異なる変動パターンを選択可能であることとしてもよい。例えば、変動回数カウンタの値が1である変動(高確率/高ベース状態(高確率/第1KT状態)の最終変動)で選択される所定の変動パターンを選択可能であることとしてもよい。
また、第1特別図柄の変動表示にもとづく小当り確率は、非確変状態(低確率状態)と確変状態(高確率状態)とのいずれであるかに関係なく、小当り確率が「6298/65536」と一定である。また、第2特別図柄の変動表示にもとづく小当り確率は、非確変状態(低確率状態)と確変状態(高確率状態)とのいずれであるかに関係なく、小当り確率が「62986/65536」と一定である。従って、高確率/高ベース状態(高確率/第1KT状態)において、変動回数カウンタについては第2特別図柄の変動が行われる毎に更新される一方で、小当り回数カウンタについては第2特別図柄の変動が行われる62986/65536の頻度で更新されるようになっている。これにより、特定の変動パターンの変動が行われるまでの期間と所定の変動パターンの変動が行われるまでの期間の長さにランダム性を生じさせ、興趣を向上させることができる。
また、第1条件としての変動回数カウンタの値が1になったことと、第2条件としての小当り回数カウンタの値が0になったこととが同じ変動中に成立した場合、高確率/低ベース状態(高確率/第2KT状態)に制御されることから、第2条件の成立を優先して特定の変動パターンの変動を実行するものである。これにより、好適に制御を行うことができる。
また、通常状態とは異なる高確率/高ベース状態(高確率/第1KT状態)においてのみ変動回数カウンタおよび小当り回数カウンタを更新可能である。これにより、好適に制御を行うことができる。
また、変動回数カウンタを50から0までの範囲で更新可能であるとともに、小当り回数カウンタを40から0までの範囲で更新可能であって、変動回数カウンタの値を0に更新した場合には小当り回数カウンタの値も0に更新し、小当り回数カウンタの値を0に更新した場合には変動回数カウンタの値も0に更新するものである。これにより、意図しない変動パターンの変化が突然発生するような不具合を防止することができる。
また、高確率/高ベース状態(高確率/第1KT状態)において小当り回数カウンタの値を0に更新するか、または変動回数カウンタの値を0に更新した場合、高確率/低ベース状態(高確率/第2KT状態)に制御するとともに何らかの数値情報を更新可能であることとしてもよい。例えば、高確率/低ベース状態(高確率/第2KT状態)では、該数値情報にもとづいて変動パターンを選択することとしてもよい。これにより、高確率/低ベース状態(高確率/第2KT状態)においても好適に処理を行うことができる。
また、第1特別図柄の変動にもとづいて変動回数カウンタを更新せず、第1特別図柄の変動にもとづいて小当りに制御されても小当り回数カウンタを更新しないこととしてもよい。これにより、好適に制御を行うことができる。
1 … パチンコ遊技機
2 … 遊技盤
3 … 遊技機用枠
4A、4B … 特別図柄表示装置
5 … 画像表示装置
6A … 入賞球装置
6B … 可変入賞球装置
7 … 特別可変入賞球装置
8L、8R … スピーカ
9 … 遊技効果ランプ
10 … 一般入賞口
11 … 主基板
12 … 演出制御基板
13 … 音声制御基板
14 … ランプ制御基板
15 … 中継基板
20 … 普通図柄表示器
21 … ゲートスイッチ
22A、22B … 始動口スイッチ
23 … カウントスイッチ
30 … 打球操作ハンドル
31A … スティックコントローラ
31B … プッシュボタン
32 … 可動体
100 … 遊技制御用マイクロコンピュータ
101、121 … ROM
102、122 … RAM
103 … CPU
104、124 … 乱数回路
105、125 … I/O
120 … 演出制御用CPU
123 … 表示制御部

Claims (1)

  1. 所定の遊技を実行可能な遊技機であって、
    可変表示を実行可能な可変表示実行手段と、
    遊技者にとって有利な大当り状態と該大当り状態とは異なる小当り状態とに制御可能な状態制御手段と、
    低ベース状態よりも可変表示の実行頻度が高い高ベース状態に制御可能な高ベース状態制御手段と、
    前記高ベース状態における可変表示の実行回数に関する可変表示回数カウンタと、前記高ベース状態における前記小当り状態の制御回数に関する小当り回数カウンタとを更新可能な更新手段と、
    前記高ベース状態において所定回の可変表示が行われて前記可変表示回数カウンタの値が所定値となった場合、および前記高ベース状態において前記小当り状態に1回制御されて前記小当り回数カウンタの値が特定値となった場合、前記高ベース状態を終了して前記低ベース状態に制御する高ベース状態終了手段と、
    可変表示の実行中に演出を実行する演出実行手段と、
    価値を付与可能な価値付与手段と、を備え、
    前記可変表示実行手段は、前記高ベース状態における可変表示の残余回数が1回になったことにもとづいて所定の可変表示を実行可能であり、前記高ベース状態において前記小当り状態に1回制御されることにもとづいて前記低ベース状態における特定の可変表示を実行可能であり、
    前記演出実行手段は、
    前記所定の可変表示の実行中に、前記高ベース状態を終了することを報知する終了報知演出を実行し、
    前記小当り回数カウンタが特定値となり前記高ベース状態から前記低ベース状態となったときに実行される前記特定の可変表示において該高ベース状態中に付与された価値の大きさを報知する価値報知演出を実行し、
    前記更新手段は、
    前記高ベース状態における前記小当り状態に制御する可変表示の発生に伴い、前記可変表示回数カウンタの値を前記所定値に更新するとともに前記小当り回数カウンタの値を前記特定値に更新可能であり、
    前記可変表示回数カウンタと前記小当り回数カウンタとをそれぞれ異なる頻度にて更新する
    ことを特徴とする遊技機。
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