A.第1実施形態
図1は、カードユニット800に接続された回胴式遊技機10の構成を示す正面図である。回胴式遊技機10は、遊技者が遊技媒体(メダル)に触れることなく遊技可能とするために、内部に封入された遊技媒体を循環させて遊技に利用する封入式の回胴式遊技機である。回胴式遊技機10は、カードユニット800と協働することによって、遊技媒体を用いた遊技を実現可能に構成されている。
カードユニット800は、記録媒体である記録カードに記録されている有価価値情報の読み取りおよび書き換えを行う記録ユニットである。回胴式遊技機10およびカードユニット800では、遊技者に対して実物の遊技媒体が貸し出されることはなく、遊技媒体の数を示す有価価値情報によって、遊技者に対する遊技媒体の貸し出しが仮想的に実施される。カードユニット800は、遊技者から受け取った紙幣、または、記録媒体である記録カードから読み取った有価価値情報に基づいて、回胴式遊技機10における遊技に使用可能な遊技媒体を貸し出し可能に構成されている。遊技者が遊技に使用可能な遊技媒体の数が残っている状態で遊技者が遊技を終了する際には、カードユニット800は、遊技媒体の数を示す有価価値情報を記録した記録カードを遊技者に提供する。
図2は、カードユニット800の構成を示す正面図である。カードユニット800は、紙幣挿入口812と、カード挿入口814と、ユーザインタフェース820とを備える。カードユニット800の紙幣挿入口812は、紙幣を遊技者から受け取り可能に構成されている。カードユニット800のカード挿入口814は、遊技者との間で記録カードのやり取りを実行可能に構成されている。カードユニット800のユーザインタフェース820は、遊技媒体の貸し出しに関する情報を遊技者とやり取りする。
図3は、カードユニット800のユーザインタフェース820の詳細構成を示す正面図である。本実施形態では、ユーザインタフェース820は、タッチパネルである。図2に示す例では、ユーザインタフェース820は、貸出ボタン822と、返却ボタン824と、残度数表示部826と、キャラクタ表示部828とを備える。貸出ボタン822は、遊技媒体を貸し出す操作指示を遊技者から受け付ける。返却ボタン824は、遊技媒体の残高を記録した記録カードを遊技者に返却する操作指示を遊技者から受け付ける。残度数表示部826は、紙幣および記録カードに基づいて遊技者に貸し出し可能な遊技媒体の残高を表示する。キャラクタ表示部828は、ユーザインタフェース820の操作方法を遊技者に案内するキャラクタを表示する。図2に示す例では、キャラクタ表示部828には、熊をモチーフとするキャラクタである「熊の達吉」が表示されている。
図4は、回胴式遊技機10の構成を示す正面図である。回胴式遊技機10は、縦長の箱状を成す。回胴式遊技機10の正面には、遊技者との間で各種のやり取りを実施する構成が設けられている。回胴式遊技機10の内部には、回胴式遊技機10の各部を制御する構成が設けられている。回胴式遊技機10は、回胴式遊技機10の正面を開閉する鍵を受け入れる鍵穴382を備える。
回胴式遊技機10は、左リール301と、中リール302と、右リール303と、ベットボタン311と、最大ベットボタン312と、始動レバー316と、左停止ボタン321と、中停止ボタン322と、右停止ボタン323と、第1ベットランプ331と、第2ベットランプ332と、第3ベットランプ333とを備える。回胴式遊技機10は、更に、スタートランプ342と、リプレイランプ344と、獲得枚数表示部346と、ボーナス枚数表示部348とを備える。
回胴式遊技機10の左リール301は、回胴式遊技機10に設けられた複数の回胴のうち左側に配置された回胴である。左リール301には、複数の図柄が配列されている。左リール301は、左リール301に配列された複数の図柄のうち3つの図柄を遊技者によって視認可能に構成されている。
回胴式遊技機10の中リール302は、回胴式遊技機10に設けられた複数の回胴のうち中央に配置された回胴である。中リール302には、複数の図柄が配列されている。中リール302は、中リール302に配列された複数の図柄のうち3つの図柄を遊技者によって視認可能に構成されている。
回胴式遊技機10の右リール303は、回胴式遊技機10に設けられた複数の回胴のうち右側に配置された回胴である。右リール303には、複数の図柄が配列されている。右リール303は、右リール303に配列された複数の図柄のうち3つの図柄を遊技者によって視認可能に構成されている。
回胴式遊技機10のベットボタン311は、左リール301、中リール302および右リール303の始動条件である回胴始動条件を成立させる操作入力を遊技者から受け付ける。ベットボタン311は、回胴始動条件を成立させるために必要な最小単位の遊技媒体を使用する操作入力を遊技者から受け付ける。本実施形態では、ベットボタン311は、遊技者からの1回の動作入力に応じて、1個の遊技媒体の使用を受け付ける。
回胴式遊技機10の最大ベットボタン312は、回胴始動条件を成立させるために必要な最大数の遊技媒体を使用する操作入力を遊技者から受け付けるベットボタンである。本実施形態では、最大ベットボタン312は、遊技者からの1回の動作入力に応じて、最大で3個の遊技媒体の使用を受け付ける。
回胴式遊技機10の始動レバー316は、左リール301、中リール302および右リール303を始動させる操作入力を遊技者から受け付ける。回胴始動条件が成立した場合、始動レバー316に対する操作入力が有効となる。始動レバー316に有効な操作入力が受け付けられた場合、左リール301、中リール302および右リール303は、それぞれ回転を開始する。
回胴式遊技機10の左停止ボタン321は、左リール301を停止させる操作入力を遊技者から受け付ける。左リール301、中リール302および右リール303が始動後に一定の回転速度になった場合、左停止ボタン321に対する操作入力が有効となる。左停止ボタン321に有効な操作入力が受け付けられた場合、左リール301は、回転を停止することによって、左リール301に配列された複数の図柄のうち3つの図柄を遊技者によって視認可能に表示する。
回胴式遊技機10の中停止ボタン322は、中リール302を停止させる操作入力を遊技者から受け付ける。左リール301、中リール302および右リール303が始動後に一定の回転速度になった場合、中停止ボタン322に対する操作入力が有効となる。中停止ボタン322に有効な操作入力が受け付けられた場合、中リール302は、回転を停止することによって、中リール302に配列された複数の図柄のうち3つの図柄を遊技者によって視認可能に表示する。
回胴式遊技機10の右停止ボタン323は、右リール303を停止させる操作入力を遊技者から受け付ける。左リール301、中リール302および右リール303が始動後に一定の回転速度になった場合、右停止ボタン323に対する操作入力が有効となる。右停止ボタン323に有効な操作入力が受け付けられた場合、右リール303は、回転を停止することによって、右リール303に配列された複数の図柄のうち3つの図柄を遊技者によって視認可能に表示する。
回胴式遊技機10の第1ベットランプ331は、最小単位以上の遊技媒体を使用した回胴始動条件が成立した旨を、発光によって遊技者に報知する。本実施形態では、第1ベットランプ331は、最小単位である1個以上の遊技媒体を使用した回胴始動条件が成立した場合に点灯する。
回胴式遊技機10の第2ベットランプ332は、2単位以上の遊技媒体を使用した回胴始動条件が成立した旨を、発光によって遊技者に報知する。本実施形態では、第2ベットランプ332は、2個以上の遊技媒体を使用した回胴始動条件が成立した場合に点灯する。
回胴式遊技機10の第3ベットランプ333は、最大単位の遊技媒体を使用した回胴始動条件が成立した旨を、発光によって遊技者に報知する。本実施形態では、第3ベットランプ333は、最大単位である3個の遊技媒体を使用した回胴始動条件が成立した場合に点灯する。
1個の遊技媒体を使用した回胴始動条件が成立した状態で始動レバー316によって遊技が開始された場合、「中段ライン」が有効入賞ラインに設定される。中段ラインは、左リール301において停止した中段の図柄と、中リール302において停止した中段の図柄と、右リール303において停止した中段の図柄とが並ぶラインである。
2個の遊技媒体を使用した回胴始動条件が成立した状態で始動レバー316によって遊技が開始された場合、「中段ライン」に加え、「上段ライン」および「下段ライン」が有効入賞ラインに設定される。上段ラインは、左リール301において停止した上段の図柄と、中リール302において停止した上段の図柄と、右リール303において停止した上段の図柄とが並ぶラインである。下段ラインは、左リール301において停止した下段の図柄と、中リール302において停止した下段の図柄と、右リール303において停止した下段の図柄とが並ぶラインである。
3個の遊技媒体を使用した回胴始動条件が成立した状態で始動レバー316によって遊技が開始された場合、「中段ライン」、「上段ライン」および「下段ライン」に加え、「右下斜めライン」および「右上斜めライン」が有効入賞ラインに設定される。右下斜めラインは、左リール301において停止した上段の図柄と、中リール302において停止した中段の図柄と、右リール303において停止した下段の図柄とが並ぶラインである。右上斜めラインは、左リール301において停止した下段の図柄と、中リール302において停止した中段の図柄と、右リール303において停止した上段の図柄とが並ぶラインである。
有効入賞ラインに並ぶ図柄の組合せに応じて、入賞か否か、並びに、入賞の種類が判断される。本実施形態では、入賞の種類は、「レギュラーボーナス(RB)役」と、「ビッグボーナス(BB)役」と、「スイカ役」と、「ベル役」と、「チェリー役」と、「リプレイ役」とを含む。
RB役は、2つの7図柄と1つのBAR図柄の組合せによる入賞役である。RB役は、通常遊技状態において抽選される入賞役である。通常遊技状態においてRB役に当選した場合、回胴式遊技機10は、次回の遊技から、通常遊技状態より遊技者に有利な特別遊技状態(レギュラーボーナス遊技状態)に移行する。回胴式遊技機10は、所定の条件に基づいて、レギュラーボーナス遊技状態から通常遊技状態に移行する。
BB役は、3つの7図柄の組合せ、および、3つのBAR図柄の組合せによる入賞役である。BB役は、通常遊技状態において抽選される入賞役である。通常遊技状態においてBB役に当選した場合、回胴式遊技機10は、次回の遊技から、通常遊技状態およびレギュラーボーナス遊技状態より遊技者に有利な特別遊技状態(ビッグボーナス遊技状態)に移行する。回胴式遊技機10は、所定の条件に基づいて、ビッグボーナス遊技状態から通常遊技状態に移行する。
スイカ役は、3つのスイカ図柄による組合せによる入賞役である。スイカ役に当選した場合、回胴式遊技機10は、遊技者が使用可能な遊技媒体の数に「12」を加算する。
ベル役は、3つのベル図柄の組合せによる入賞役である。ベル役に当選した場合、回胴式遊技機10は、遊技者が使用可能な遊技媒体の数に「8」を加算する。
チェリー役は、1つのチェリーと2つの他の図柄の組合せによる入賞役である。チェリー役に当選した場合、回胴式遊技機10は、遊技者が使用可能な遊技媒体の数に「2」を加算する。
リプレイ役は、3つのR図柄の組合せによる入賞役である。通常遊技状態においてリプレイ役に当選した場合、回胴式遊技機10は、ベットボタン311および最大ベットボタン312における操作入力なしで、先回の遊技と同じ個数の遊技媒体を使用した回胴始動条件を成立させ、リプレイ遊技状態として再遊技を実施可能にする。レギュラーボーナス遊技状態およびビッグボーナス遊技状態においてリプレイ役に当選した場合、回胴式遊技機10は、遊技者が使用可能な遊技媒体の数に「15」を加算する。
回胴式遊技機10のスタートランプ342は、始動レバー316に対する操作入力が有効である旨を、発光によって遊技者に報知する。スタートランプ342は、回胴始動条件が成立した場合に点灯する。その後、スタートランプ342は、始動レバー316に有効な操作入力が受け付けられた場合に消灯する。
回胴式遊技機10のリプレイランプ344は、通常遊技状態においてリプレイ役に当選した旨を、発光によって遊技者に報知する。リプレイランプ344は、リプレイ役に当選した場合に点灯する。その後、リプレイランプ344は、始動レバー316に有効な操作入力が受け付けられた場合に消灯する。
回胴式遊技機10の獲得枚数表示部346は、1回の遊技ごとに入賞に応じて加算される遊技媒体の数を表示する。ハズレの場合、獲得枚数表示部346は、「0」を表示する。
回胴式遊技機10のボーナス枚数表示部348は、1回のレギュラーボーナス遊技状態および1回のビッグボーナス遊技状態で遊技者が獲得した遊技媒体の数を表示する。各ボーナス遊技状態が実施されている間、ボーナス枚数表示部348は、遊技者が獲得した遊技媒体の数を積算して表示する。
回胴式遊技機10は、遊技に応じた演出に関する構成として、状態表示部352と、演出発光部354と、演出ボタン356と、演出表示装置362と、演出スピーカ364と、演出駆動装置366とを備える。状態表示部352は、回胴式遊技機10において実施されている遊技状態を、発光によって遊技者に報知する。演出発光部354は、遊技に応じた発光による演出を実行する。演出ボタン356は、遊技に応じた演出に対する遊技者の操作入力を受け付ける。演出表示装置362は、遊技に応じた画面表示による演出を実行する。演出スピーカ364は、遊技に応じた音による演出を実行する。演出駆動装置366は、遊技に応じた役物の駆動による演出を実行する。
回胴式遊技機10は、遊技媒体の貸し出しに関する構成として、遊技媒体数表示部372と、計数ボタン374とを備える。遊技媒体数表示部372は、回胴式遊技機10において管理している遊技媒体の数を表示する。計数ボタン374は、回胴式遊技機10で管理している遊技媒体の数に関する情報をカードユニット800の記録カードに移行させる遊技者の操作入力を受け付ける。
図5は、回胴式遊技機10の電気的構成を示すブロック図である。回胴式遊技機10は、各部を制御する制御装置として、主制御装置510と、リール制御装置520と、枠制御装置530と、サブ統合制御装置540と、演出制御装置550とを備える。これらの制御装置は、回胴式遊技機10の内部に設けられている。これらの制御装置は、CPU、ROM、RAMなどを備えるコンピュータであり、コンピュータプログラムに基づいて各種の制御処理を実行する。
回胴式遊技機10の主制御装置510は、左リール301、中リール302および右リール303の停止によって図柄の組み合わせを表示する遊技の進行を制御する。回胴式遊技機10のリール制御装置520は、左リール301、中リール302および右リール303を制御するリール制御を実行する。リール制御装置520は、主制御装置510からの片方向で主制御装置510と通信可能に構成されている。なお、不正防止の観点から、主制御装置510からの片方向通信とする構成に限らず、遊技の性能や結果に影響を与える情報(特定情報)の入力を主制御装置510が受け付けない構成であればよく、遊技の性能や結果に影響を与える虞のない情報であれば主制御装置510が受信可能な構成であってもよい。
回胴式遊技機10の枠制御装置530は、遊技者が遊技に使用可能な遊技媒体の数を管理する。枠制御装置530は、主制御装置510からの片方向で主制御装置510と通信可能に構成されている。枠制御装置530は、カードユニット800と双方向で通信可能に構成されている。枠制御装置530は、主制御装置510から受信される遊技に関する情報と、カードユニット800との間でやり取りされる有価価値情報とに基づいて、遊技媒体の数を管理する。カードユニット800は、回胴式遊技機10を管理するホールコンピュータ900と双方向で通信可能に構成されている。ホールコンピュータ900は、主制御装置510から枠制御装置530およびカードユニット800を介して、回胴式遊技機10における遊技に関する情報を受信可能に構成されている。
回胴式遊技機10のサブ統合制御装置540は、遊技の進行に応じた演出を制御する。サブ統合制御装置540は、主制御装置510からの片方向で主制御装置510と通信可能に構成されている。回胴式遊技機10の演出制御装置550は、サブ統合制御装置540からの指示に基づいて各演出機器を制御する。
回胴式遊技機10は、遊技に使用される遊技媒体に関する構成として、被検出体移動装置450と、被検出体検出センサ460とを備える。被検出体移動装置450は、枠制御装置530と電気的に接続され、所定領域へと被検出体を移動させる被検出体移動手段である。被検出体検出センサ460は、主制御装置510と電気的に接続され、所定領域における被検出体の通過を検出する検出手段である。被検出体移動装置450および被検出体検出センサ460は、回胴式遊技機10の内部に設けられている。
図6は、被検出体移動装置450および被検出体検出センサ460の構成を示す説明図である。図6(a)および図6(b)には、被検出体移動装置450および被検出体検出センサ460を上方から見た上面図が図示されている。図6(c)には、被検出体移動装置450および被検出体検出センサ460を側方から見た側面図が図示されている。図6(a)および図6(b)のXYZ軸は、図6(b)のXYZ軸に対応する。
被検出体移動装置450は、被検出体452と、保持部454と、回転軸456と、駆動部458とを備える。被検出体452は、実物の遊技媒体であるメダルである。本実施形態では、被検出体移動装置450は、2つの被検出体452を備える。被検出体移動装置450は、1つの被検出体452を備えてもよいし、3つ以上の被検出体452を備えてもよい。保持部454は、被検出体452を保持する。本実施形態では、保持部454は、透明な円板状を成し、その円周に沿って2つの被検出体452が等間隔に配置されている。回転軸456は、保持部454の中心に固定され、駆動部458の回転を保持部454に伝達する。駆動部458は、枠制御装置530からの制御信号に基づいて、回転軸456を介して保持部454を駆動するステッピングモータである。
被検出体検出センサ460は、所定領域SAに固定され、所定領域SAにおける被検出体452の通過を検出する。本実施形態では、被検出体検出センサ460は、光学式通過センサである。被検出体検出センサ460は、渦電流式センサであってもよい。
本実施形態では、被検出体452は、従来の回胴式遊技機で用いられるメダルを採用しているが、必ずしもメダルである必要はなく、被検出体検出センサ460が正確に検出できる対象物であればよい。
本実施形態のように被検出体452としてメダルを採用する場合、被検出体452であるメダルの動作を遊技者が視認可能に構成してもよい。これによって、遊技者が実際のメダルが移動して検出される様子を確認できるため、遊技媒体の数を数値表示のみで遊技者に提示する場合より、遊技者自身がメダルを投入する従来方式の回胴式遊技機に慣れ親しんだ遊技者に与える違和感を軽減できる。
また、被検出体452であるメダルの動作を遊技者が視認可能に構成した場合、役の当否に関する予告や演出として、被検出体452であるメダルを動作させてもよい。役の当否に関する予告や演出として被検出体452を動作させる場合、被検出体検出センサ460が検出しない所定領域SA以外の位置で動作させてもよい。これによって、被検出体452であるメダルが動作することは遊技媒体の増加を遊技者に連想させることから、利益を享受できることを遊技者に対して直感的に期待させることができる。
図6(a)には、待機状態における被検出体移動装置450が図示されている。図6(b)および図6(c)には、被検出体452が所定領域SAを通過している状態における被検出体移動装置450が図示されている。待機状態において、被検出体移動装置450は、被検出体452が所定領域SAから外れる回転位置、すなわち、被検出体検出センサ460が被検出体452を検出しない回転位置に保持部454を維持している(図6(a)を参照)。1個の遊技媒体の使用に対応する枠制御装置530からの制御信号に基づいて、被検出体移動装置450は、保持部454を回転させることによって(本実施形態では、待機状態から180°回転)、所定領域SAに1個の被検出体452を通過させる(図6(b)を参照)。これによって、被検出体検出センサ460は、所定領域SAにおける1個の被検出体452の通過を検出し、その旨を示す検出信号を主制御装置510に出力する。
図5の説明に戻り、枠制御装置530は、減算手段と、移動指示手段とを含む。枠制御装置530の減算手段は、ベットボタン311および最大ベットボタン312によって受け付けられた操作入力に基づいて、遊技者が遊技に使用可能な遊技媒体の数を減算する。枠制御装置530の移動指示手段は、ベットボタン311および最大ベットボタン312によって受け付けられた操作入力に基づいて、所定領域SAへの被検出体452の移動を被検出体移動装置450に指示する。
本実施形態では、ベットボタン311および最大ベットボタン312は、枠制御装置530と電気的に接続されている。枠制御装置530は、更に、入力信号受信手段を含む。枠制御装置530の入力信号受信手段は、始動条件を成立させる操作入力の受け付けを示す入力信号をベットボタン311および最大ベットボタン312から受信する。枠制御装置530の減算手段は、入力信号受信手段によって受信される入力信号に応じて、遊技者が遊技に使用可能な遊技媒体の数を減算する。枠制御装置530の移動指示手段は、入力信号受信手段によって受信される入力信号に応じて、所定領域SAへの被検出体452の移動を被検出体移動装置450に指示する。枠制御装置530の入力信号受信手段、減算手段および移動指示手段に関する処理の詳細は後述する。
主制御装置510は、検出信号受信手段と、遊技設定手段とを備える。主制御装置510の検出信号受信手段は、被検出体452の通過を示す検出信号を被検出体検出センサ460から受信する。主制御装置510の遊技設定手段は、検出信号受信手段によって受信される検出信号に応じて、始動条件を設定するとともに、始動レバー316による操作入力の受け付けを有効にする。主制御装置510の検出信号受信手段および遊技設定手段に関する処理の詳細は後述する。
主制御装置510は、始動レバー316と電気的に接続され、始動レバー316において受け付けられた遊技者からの操作入力を受信可能に構成されている。主制御装置510は、左停止ボタン321、中停止ボタン322および右停止ボタン323の各停止ボタンと電気的に接続され、これらの停止ボタンにおいて受け付けられた遊技者からの操作入力を受信可能に構成されている。
主制御装置510は、左停止ボタン321において遊技者から操作入力を受け付けている間、左停止ボタン321に設けられた第1ベットランプ331を点灯することによって、左停止ボタン321が有効である旨を遊技者に報知する。主制御装置510は、中停止ボタン322において遊技者から操作入力を受け付けている間、中停止ボタン322に設けられた第2ベットランプ332を点灯することによって、中停止ボタン322が有効である旨を遊技者に報知する。主制御装置510は、右停止ボタン323において遊技者から操作入力を受け付けている間、右停止ボタン323に設けられた第3ベットランプ333を点灯することによって、右停止ボタン323が有効である旨を遊技者に報知する。
主制御装置510は、スタートランプ342と電気的に接続され、スタートランプ342の点灯および消灯を制御する。主制御装置510は、リプレイランプ344と電気的に接続され、リプレイランプ344の点灯および消灯を制御する。主制御装置510は、獲得枚数表示部346と電気的に接続され、獲得枚数表示部346における表示を制御する。主制御装置510は、ボーナス枚数表示部348と電気的に接続され、ボーナス枚数表示部348における表示を制御する。
回胴式遊技機10は、遊技における入賞確率が異なる複数の確率設定を切替可能に構成されている。回胴式遊技機10は、確率設定の切り替えに関する構成として、設定切替スイッチ421と、設定切替装置422と、設定表示部423とを備える。設定切替スイッチ421は、回胴式遊技機10の内部に設けられ、回胴式遊技機10の管理者から確率設定を切り替える操作入力を受け付ける。設定切替装置422は、主制御装置510と電気的に接続され、設定切替スイッチ421おいて受け付けられた操作入力に応じた確率設定を主制御装置510に設定する。主制御装置510は、設定切替装置422による確率設定に従って遊技の進行を制御する。設定表示部423は、回胴式遊技機10の内部に設けられ、主制御装置510に設定されている確率設定を回胴式遊技機10の管理者によって視認可能に表示する。
回胴式遊技機10は、リール制御に関する構成として、左リールモータ411と、中リールモータ412と、右リールモータ413と、左リールセンサ414と、中リールセンサ415と、右リールセンサ416とを備える。左リールモータ411は、リール制御装置520からの制御信号に基づいて左リール301を駆動するステッピングモータである。中リールモータ412は、リール制御装置520からの制御信号に基づいて中リール302を駆動するステッピングモータである。右リールモータ413は、リール制御装置520からの制御信号に基づいて右リール303を駆動するステッピングモータである。左リールセンサ414は、左リール301の回転位置を検知し、その回転位置を示す信号をリール制御装置520に出力する。中リールセンサ415は、中リール302の回転位置を検知し、その回転位置を示す信号をリール制御装置520に出力する。右リールセンサ416は、右リール303の回転位置を検知し、その回転位置を示す信号をリール制御装置520に出力する。
枠制御装置530は、遊技媒体数表示部372と電気的に接続され、遊技媒体数表示部372における表示を制御する。枠制御装置530は、計数ボタン374と電気的に接続され、計数ボタン374において受け付けられた遊技者からの操作入力を受信可能に構成されている。
回胴式遊技機10は、枠制御装置530と電気的に接続された構成として、情報出力端子部432と、ドア開放センサ434と、エラー解除スイッチ436と、報知スピーカ438とを備える。情報出力端子部432は、枠制御装置530からの指示に基づいて、回胴式遊技機10における遊技に関する情報を、回胴式遊技機10の近傍に設置される情報端末(図示しない)に出力する。ドア開放センサ434は、回胴式遊技機10の前面が開放されている状態を検知し、その旨を示す検知信号を枠制御装置530に出力する。エラー解除スイッチ436は、枠制御装置530のエラー停止状態を解除するための操作入力を回胴式遊技機10の管理者から受け付ける。枠制御装置530のエラー停止状態は、エラー発生に起因して枠制御装置530が処理を停止している状態である。報知スピーカ438は、枠制御装置530からの指示に基づいて、エラーが発生した旨を音によって報知する。
回胴式遊技機10は、サブ統合制御装置540と電気的に接続された構成として、最大ベットランプ313と、左停止ランプ324と、中停止ランプ325と、右停止ランプ326と、バックライト417とを備える。最大ベットランプ313は、最大ベットボタン312に設けられ、サブ統合制御装置540からの指示に基づいて、最大ベットボタン312における操作入力が有効である旨を発光によって報知する。左停止ランプ324は、左停止ボタン321に設けられ、サブ統合制御装置540からの指示に基づいて、左停止ボタン321における操作入力が有効である旨を発光によって報知する。中停止ランプ325は、中停止ボタン322に設けられ、サブ統合制御装置540からの指示に基づいて、中停止ボタン322における操作入力が有効である旨を発光によって報知する。右停止ランプ326は、右停止ボタン323に設けられ、サブ統合制御装置540からの指示に基づいて、右停止ボタン323における操作入力が有効である旨を発光によって報知する。バックライト417は、左リール301、中リール302および右リール303に設けられ、サブ統合制御装置540からの指示に基づいて、各リールに光を照射する。
サブ統合制御装置540は、状態表示部352と電気的に接続され、遊技状態に応じて状態表示部352の点灯および消灯を制御する。サブ統合制御装置540は、演出発光部354と電気的に接続され、遊技状態に応じて演出発光部354の発光を制御する。サブ統合制御装置540は、演出ボタン356と電気的に接続され、演出ボタン356において受け付けられた遊技者からの操作入力を受信可能に構成されている。
演出制御装置550は、演出表示装置362と電気的に接続され、遊技状態に応じて演出表示装置362における表示を制御する。演出制御装置550は、演出スピーカ364と電気的に接続され、遊技状態に応じて演出スピーカ364から出力される音を制御する。演出制御装置550は、演出駆動装置366と電気的に接続され、遊技状態に応じて演出駆動装置366の動作を制御する。
図7は、主制御装置510が実行するメインルーチンを示すフローチャートである。主制御装置510は、電源投入後、図7のメインルーチンを開示する。
メインルーチンを開始した後、主制御装置510は、初期設定処理(ステップS110)を実行する。初期設定処理(ステップS110)において、主制御装置510は、遊技の制御に必要なメモリ領域を確保するとともに、先回の遊技内容に基づいて遊技状態を設定する。電源投入後における最初の初期設定処理(ステップS110)では、主制御装置510は、遊技状態として通常遊技状態を設定する。主制御装置510は、通常遊技状態のほか、先回の遊技内容に基づいて、レギュラーボーナス遊技状態、ビッグボーナス遊技状態およびリプレイ遊技状態などを設定する。
初期設定処理(ステップS110)を終えた後、主制御装置510は、遊技開始準備処理(ステップS120)を実行する。遊技開始準備処理(ステップS120)において、主制御装置510は、回胴始動条件の成立から始動レバー316における操作入力の受け付けまでの遊技の開始準備を実施する。遊技開始準備処理(ステップS120)の詳細については後述する。
遊技開始準備処理(ステップS120)を終えた後、主制御装置510は、内部抽選処理(ステップS130)を実行する。内部抽選処理(ステップS130)において、主制御装置510は、遊技ごとに抽出される乱数値を、予め設定された抽選テーブルに参照することによる抽選によって、今回の遊技において入賞を可能とするか否か、並びに、入賞を可能とする場合に入賞の種類(当選役)を決定する。
内部抽選処理(ステップS130)を終えた後、主制御装置510は、回胴始動処理(ステップS140)を実行する。回胴始動処理(ステップS140)において、主制御装置510は、左リール301、中リール302および右リール303をそれぞれ始動させる制御信号をリール制御装置520に送信する。これによって、左リール301、中リール302および右リール303は、それぞれ回転を開始する。
回胴始動処理(ステップS140)を終えた後、主制御装置510は、回胴停止処理(ステップS150)を実行する。回胴停止処理(ステップS150)において、主制御装置510は、左リール301、中リール302および右リール303をそれぞれ停止させる制御信号をリール制御装置520に送信する。これによって、左リール301、中リール302および右リール303は、それぞれ回転を停止する。左リール301、中リール302および右リール303の停止位置は、内部抽選処理(ステップS130)の抽選結果に基づいて調整される。主制御装置510は、左停止ボタン321における操作入力、または、左リール301の始動からの経過時間に基づいて、左リール301を停止させる制御信号をリール制御装置520に送信する。これによって、左リール301は回転を停止する。主制御装置510は、中停止ボタン322における操作入力、または、中リール302の始動からの経過時間に基づいて、中リール302を停止させる制御信号をリール制御装置520に送信する。これによって、中リール302は回転を停止する。主制御装置510は、右停止ボタン323における操作入力、または、右リール303の始動からの経過時間に基づいて、右リール303を停止させる制御信号をリール制御装置520に送信する。これによって、右リール303は回転を停止する。
回胴停止処理(ステップS150)を終えた後、主制御装置510は、入賞判定処理(ステップS160)を実行する。入賞判定処理(ステップS160)において、主制御装置510は、左リール301、中リール302および右リール303における有効入賞ラインに、当選役に対応する図柄の組合せが停止したか否かを判定する。有効入賞ラインに当選役が停止した場合、主制御装置510は、その当選役を入賞役に設定する。
入賞判定処理(ステップS160)を終えた後、主制御装置510は、入賞加算処理(ステップS170)を実行する。入賞加算処理(ステップS170)において、主制御装置510は、入賞判定処理(ステップS160)において設定された入賞役が遊技媒体の加算を伴う場合、入賞役に応じた遊技媒体の加算を枠制御装置530に指示する。これによって、枠制御装置530は、有効入賞ラインに停止した当選役に応じた数を、遊技者が遊技に使用可能な遊技媒体の数に加算する。
入賞加算処理(ステップS170)を終えた後、主制御装置510は、遊技状態移行処理(ステップS180)を実行する。遊技状態移行処理(ステップS180)において、主制御装置510は、今回の遊技内容に基づいて遊技状態の移行を実施する。例えば、主制御装置510は、通常遊技状態からビッグボーナス遊技状態への移行、ビッグボーナス遊技状態から通常遊技状態への移行、通常遊技状態からレギュラーボーナス遊技状態への移行、並びに、レギュラーボーナス遊技状態から通常遊技状態への移行などを実施する。
遊技状態移行処理(ステップS180)を終えた後、主制御装置510は、初期設定処理(ステップS110)からの処理を繰り返す。
図8、図9および図10は、主制御装置510が実行する遊技開始準備処理を示すフローチャートである。図8、図9および図10の遊技開始準備処理は、図7の遊技開始準備処理(ステップS120)に対応する。遊技開始準備処理を開始した後、主制御装置510は、先回の遊技における入賞役がリプレイ役であるか否かを判断する(ステップS202)。
先回の遊技における入賞役がリプレイ役でない場合(ステップS202:「NO」)、主制御装置510は、ベットボタン311および最大ベットボタン312の有効化を枠制御装置530に指示する(ステップS205)。これによって、枠制御装置530は、ベットボタン311および最大ベットボタン312における遊技者からの操作入力の受け付けを有効にする。
ベットボタン311および最大ベットボタン312の有効化を指示した後(ステップS205)、主制御装置510は、ベットボタン311および最大ベットボタン312に基づいて回胴始動条件を成立させるベット数が最大値であるか否かを判断する(ステップS210)。通常遊技状態では、ベット数の最大値は、3つの遊技媒体の使用に相当する値「3」である。レギュラーボーナス遊技状態およびビッグボーナス遊技状態では、ベット数の最大値は、1つの遊技媒体の使用に相当する値「1」である。
ベット数が最大値でない場合(ステップS210:「NO」)、主制御装置510は、所定領域SAにおける被検出体452の通過を示す検出信号を、被検出体検出センサ460から受信したか否かを判断する(ステップS220)。主制御装置510は、検出信号受信手段として動作することによって、被検出体452の通過を示す検出信号を被検出体検出センサ460から受信する。
被検出体検出センサ460から被検出体452の検出信号を受信した場合(ステップS220:「YES」)、主制御装置510は、遊技設定手段として動作することによって、1回の被検出体452の検出を1つのベット数と換算して回胴始動条件を設定する(ステップS240)。回胴始動条件を設定した後(ステップS240)、主制御装置510は、遊技設定手段として動作することによって、始動レバー316における遊技者からの操作入力の受け付けを有効にする(ステップS250)。
始動レバー316を有効化した後(ステップS250)、主制御装置510は、始動レバー316に遊技者からの操作入力があるか否かを判断する(ステップS260)。始動レバー316に操作入力がない場合(ステップS260:「NO」)、主制御装置510は、ベット数が最大値であるか否かの判断(ステップS210)からの処理を繰り返す。
始動レバー316に操作入力がある場合(ステップS260:「YES」)、主制御装置510は、ベットボタン311および最大ベットボタン312の無効化を枠制御装置530に指示する(ステップS265)。これによって、枠制御装置530は、ベットボタン311および最大ベットボタン312における遊技者からの操作入力の受け付けを無効にする。ベットボタン311および最大ベットボタン312の無効化を指示した後(ステップS265)、主制御装置510は、遊技開始準備処理を終了し、メインルーチンにリターンする。
被検出体検出センサ460から被検出体452の検出信号を受信していない場合(ステップS220:「NO」)、主制御装置510は、回胴始動条件が成立しているか否かを判断する(ステップS230)。回胴始動条件が成立している場合(ステップS230:「YES」)、主制御装置510は、始動レバー316に操作入力があるか否かの判断(ステップS260)からの処理を繰り返す。回胴始動条件が成立していない場合(ステップS230:「NO」)、主制御装置510は、ベット数が最大値であるか否かの判断(ステップS210)からの処理を繰り返す。
図9の説明に移り、ベット数が最大値である場合(ステップS210:「YES」)、主制御装置510は、ベットボタン311および最大ベットボタン312の無効化を枠制御装置530に指示する(ステップS270)。これによって、枠制御装置530は、ベットボタン311および最大ベットボタン312における遊技者からの操作入力の受け付けを無効にする。ベットボタン311および最大ベットボタン312の無効化を指示した後(ステップS270)、主制御装置510は、始動レバー316に遊技者からの操作入力があるか否かを判断する(ステップS275)。始動レバー316に操作入力がない場合(ステップS275:「NO」)、主制御装置510は、始動レバー316における操作入力を判断する処理(ステップS275)を繰り返す。始動レバー316に操作入力がある場合(ステップS275:「YES」)、主制御装置510は、遊技開始準備処理を終了し、メインルーチンにリターンする。
図10の説明に移り、先回の遊技における入賞役がリプレイ役である場合(ステップS202:「YES」)、主制御装置510は、先回の遊技と同じ個数の遊技媒体を使用した回胴始動条件を設定する(ステップS280)。回胴始動条件を設定した後(ステップS280)、主制御装置510は、始動レバー316における遊技者からの操作入力の受け付けを有効にする(ステップS290)。始動レバー316を有効化した後(ステップS290)、主制御装置510は、始動レバー316に遊技者からの操作入力があるか否かを判断する(ステップS295)。始動レバー316に操作入力がない場合(ステップS295:「NO」)、主制御装置510は、始動レバー316における操作入力を判断する処理(ステップS295)を繰り返す。始動レバー316に操作入力がある場合(ステップS295:「YES」)、主制御装置510は、遊技開始準備処理を終了し、メインルーチンにリターンする。
図11は、枠制御装置530が実行するベット入力処理を示すフローチャートである。枠制御装置530は、図11のベット入力処理を所定のタイミングで繰り返し実行する。ベット入力処理を開示した後、枠制御装置530は、主制御装置510からの指示に基づいて、ベットボタン311および最大ベットボタン312における遊技者からの操作入力の受け付けが有効化されているか否かを判断する(ステップS310)。ベットボタン311および最大ベットボタン312が有効でない場合(ステップS310:「NO」)、枠制御装置530は、ベット入力処理を終了する。
ベットボタン311および最大ベットボタン312が有効である場合(ステップS310:「YES」)、枠制御装置530は、ベットボタン311に遊技者からの操作入力があるか否かを判断する(ステップS320)。枠制御装置530は、入力信号受信手段として動作することによって、始動条件を成立させる操作入力の受け付けを示す入力信号をベットボタン311から受信する。
ベットボタン311に操作入力がある場合(ステップS320:「YES」)、枠制御装置530は、減算手段として動作することによって、枠制御装置530において管理している遊技媒体の数Nmから値「1」を減算する(ステップS330)。遊技媒体の数Nmを減算した後(ステップS330)、枠制御装置530は、移動指示手段として動作することによって、被検出体移動装置450に所定領域SAへの被検出体452の移動を指示する(ステップS340)。被検出体452の移動を指示した後(ステップS340)、枠制御装置530は、ベット入力処理を終了する。
ベットボタン311に操作入力がない場合(ステップS320:「NO」)、枠制御装置530は、最大ベットボタン312に遊技者からの操作入力があるか否かを判断する(ステップS350)。枠制御装置530は、入力信号受信手段として動作することによって、始動条件を成立させる操作入力の受け付けを示す入力信号を最大ベットボタン312から受信する。最大ベットボタン312に操作入力がない場合(ステップS350:「NO」)、枠制御装置530は、ベット入力処理を終了する。
最大ベットボタン312に操作入力がある場合(ステップS350:「YES」)、枠制御装置530は、減算手段として動作することによって、枠制御装置530において管理している遊技媒体の数Nmから値「1」を減算する(ステップS360)。遊技媒体の数Nmを減算した後(ステップS360)、枠制御装置530は、移動指示手段として動作することによって、被検出体移動装置450に所定領域SAへの被検出体452の移動を指示する(ステップS370)。
被検出体452の移動を指示した後(ステップS370)、枠制御装置530は、ベット数が最大値であるか否かを判断する(ステップS380)。通常遊技状態では、ベット数の最大値は、3つの遊技媒体の使用に相当する値「3」である。レギュラーボーナス遊技状態およびビッグボーナス遊技状態では、ベット数の最大値は、1つの遊技媒体の使用に相当する値「1」である。ベット数が最大値でない場合(ステップS380:「NO」)、枠制御装置530は、遊技媒体の数Nmに対する値「1」の減算(ステップS360)からの処理を繰り返す。ベット数が最大値である場合(ステップS380:「YES」)、枠制御装置530は、ベット入力処理を終了する。
以上説明した第1実施形態によれば、主制御装置510からの片方向通信を行う構成としながら、ベットボタン311および最大ベットボタン312によって受け付けられた操作入力を、被検出体452を介して主制御装置510および枠制御装置530の両方に反映させることができる。これによって、主制御装置510に対する不正行為を防止できる。また、主制御装置510の処理負担を軽減できる。
また、ベットボタン311および最大ベットボタン312が枠制御装置530と電気的に接続された構成において、ベットボタン311および最大ベットボタン312によって受け付けられた操作入力を、被検出体452を介して主制御装置510および枠制御装置530の両方に反映させることができる。
B.第2実施形態
図12は、第2実施形態における回胴式遊技機10の電気的構成を示すブロック図である。第2実施形態における回胴式遊技機10は、ベットボタン311および最大ベットボタン312が枠制御装置530に代えて主制御装置510と電気的に接続されている構成、並びに、その構成に伴い主制御装置510および枠制御装置530の動作が異なる点を除き、第1実施形態と同様である。
主制御装置510は、入力信号受信手段と、入力情報送信手段と、検出信号受信手段と、遊技設定手段とを備える。主制御装置510の入力信号受信手段は、始動条件を成立させる操作入力の受け付けを示す入力信号をベットボタン311および最大ベットボタン312から受信する。主制御装置510の入力情報送信手段は、入力信号受信手段によって受信される入力信号に応じて、ベットボタン311および最大ベットボタン312における操作入力の受け付けを示す入力情報を、枠制御装置530に送信する。主制御装置510の検出信号受信手段は、被検出体452の通過を示す検出信号を被検出体検出センサ460から受信する。主制御装置510の遊技設定手段は、検出信号受信手段によって受信される検出信号に応じて、始動条件を設定するとともに、始動レバー316による操作入力の受け付けを有効にする。主制御装置510の入力信号受信手段、入力情報送信手段、検出信号受信手段および遊技設定手段に関する処理の詳細は後述する。
枠制御装置530は、入力情報受信手段と、減算手段と、移動指示手段とを含む。枠制御装置530の入力情報受信手段は、主制御装置510から入力情報を受信する。枠制御装置530の減算手段は、入力情報受信手段によって受信される入力信号に応じて、遊技者が遊技に使用可能な遊技媒体の数を減算する。枠制御装置530の移動指示手段は、入力情報受信手段によって受信される入力信号に応じて、所定領域SAへの被検出体452の移動を被検出体移動装置450に指示する。枠制御装置530の入力情報受信手段、減算手段および移動指示手段に関する処理の詳細は後述する。
図13、図14および図15は、第2実施形態における主制御装置510が実行する遊技開始準備処理を示すフローチャートである。図13、図14および図15の遊技開始準備処理は、図7の遊技開始準備処理(ステップS120)に対応する。遊技開始準備処理を開始した後、主制御装置510は、先回の遊技における入賞役がリプレイ役であるか否かを判断する(ステップS402)。
先回の遊技における入賞役がリプレイ役でない場合(ステップS402:「NO」)、主制御装置510は、ベットボタン311および最大ベットボタン312における遊技者からの操作入力の受け付けを有効にする(ステップS405)。
図14の説明に移り、ベットボタン311および最大ベットボタン312を有効化した後(ステップS405)、主制御装置510は、ベットボタン311および最大ベットボタン312に基づいて回胴始動条件を成立させるベット数が最大値であるか否かを判断する(ステップS410)。通常遊技状態では、ベット数の最大値は、3つの遊技媒体の使用に相当する値「3」である。レギュラーボーナス遊技状態およびビッグボーナス遊技状態では、ベット数の最大値は、1つの遊技媒体の使用に相当する値「1」である。
ベット数が最大値でない場合(ステップS410:「NO」)、主制御装置510は、ベットボタン311および最大ベットボタン312の一方に遊技者からの操作入力があるか否かを判断する(ステップS415)。主制御装置510は、入力信号受信手段として動作することによって、始動条件を成立させる操作入力の受け付けを示す入力信号をベットボタン311および最大ベットボタン312から受信する。
ベットボタン311および最大ベットボタン312の一方に操作入力がある場合(ステップS415:「YES」)、主制御装置510は、入力情報送信手段として動作することによって、入力信号受信手段によって受信される入力信号に応じて、ベットボタン311および最大ベットボタン312における操作入力の受け付けを示す入力情報Nbを、枠制御装置530に送信する(ステップS417)。ベットボタン311の操作入力に基づく場合、入力情報Nbは、値「1」を示す。最大ベットボタン312の操作入力に基づく場合、入力情報Nbは、今回の遊技におけるベット数の最大値から現状のベット数を減算した値を示す。
入力情報Nbを枠制御装置530に送信した後(ステップS417)、または、ベットボタン311および最大ベットボタン312のいずれにも操作入力がない場合(ステップS415:「NO」)、主制御装置510は、所定領域SAにおける被検出体452の通過を示す検出信号を、被検出体検出センサ460から受信したか否かを判断する(ステップS420)。主制御装置510は、検出信号受信手段として動作することによって、被検出体452の通過を示す検出信号を被検出体検出センサ460から受信する。
被検出体検出センサ460から被検出体452の検出信号を受信した場合(ステップS420:「YES」)、主制御装置510は、遊技設定手段として動作することによって、1回の被検出体452の検出を1つのベット数と換算して回胴始動条件を設定する(ステップS440)。回胴始動条件を設定した後(ステップS440)、主制御装置510は、遊技設定手段として動作することによって、始動レバー316における遊技者からの操作入力の受け付けを有効にする(ステップS450)。
始動レバー316を有効化した後(ステップS450)、主制御装置510は、始動レバー316に遊技者からの操作入力があるか否かを判断する(ステップS460)。始動レバー316に操作入力がない場合(ステップS460:「NO」)、主制御装置510は、ベット数が最大値であるか否かの判断(ステップS410)からの処理を繰り返す。
始動レバー316に操作入力がある場合(ステップS460:「YES」)、主制御装置510は、ベットボタン311および最大ベットボタン312における遊技者からの操作入力の受け付けを無効にする(ステップS465)。ベットボタン311および最大ベットボタン312を無効化した後(ステップS465)、主制御装置510は、遊技開始準備処理を終了し、メインルーチンにリターンする。
被検出体検出センサ460から被検出体452の検出信号を受信していない場合(ステップS420:「NO」)、主制御装置510は、回胴始動条件が成立しているか否かを判断する(ステップS430)。回胴始動条件が成立している場合(ステップS430:「YES」)、主制御装置510は、始動レバー316に操作入力があるか否かの判断(ステップS460)からの処理を繰り返す。回胴始動条件が成立していない場合(ステップS430:「NO」)、主制御装置510は、ベット数が最大値であるか否かの判断(ステップS410)からの処理を繰り返す。
図15の説明に移り、ベット数が最大値である場合(ステップS410:「YES」)、主制御装置510は、ベットボタン311および最大ベットボタン312における遊技者からの操作入力の受け付けを無効にする(ステップS470)。ベットボタン311および最大ベットボタン312を無効化した後(ステップS470)、主制御装置510は、始動レバー316に遊技者からの操作入力があるか否かを判断する(ステップS475)。始動レバー316に操作入力がない場合(ステップS475:「NO」)、主制御装置510は、始動レバー316における操作入力を判断する処理(ステップS475)を繰り返す。始動レバー316に操作入力がある場合(ステップS475:「YES」)、主制御装置510は、遊技開始準備処理を終了し、メインルーチンにリターンする。
図13の説明に戻り、先回の遊技における入賞役がリプレイ役である場合(ステップS402:「YES」)、主制御装置510は、先回の遊技と同じ個数の遊技媒体を使用した回胴始動条件を設定する(ステップS480)。回胴始動条件を設定した後(ステップS480)、主制御装置510は、始動レバー316における遊技者からの操作入力の受け付けを有効にする(ステップS490)。始動レバー316を有効化した後(ステップS490)、主制御装置510は、始動レバー316に遊技者からの操作入力があるか否かを判断する(ステップS495)。始動レバー316に操作入力がない場合(ステップS495:「NO」)、主制御装置510は、始動レバー316における操作入力を判断する処理(ステップS495)を繰り返す。始動レバー316に操作入力がある場合(ステップS495:「YES」)、主制御装置510は、遊技開始準備処理を終了し、メインルーチンにリターンする。
図16は、第2実施形態における枠制御装置530が実行するベット入力処理を示すフローチャートである。枠制御装置530は、図16のベット入力処理を所定のタイミングで繰り返し実行する。ベット入力処理を開示した後、枠制御装置530は、主制御装置510から入力情報Nbを受信したか否かを判断する(ステップS510)。枠制御装置530は、入力情報受信手段として動作することによって、主制御装置510から入力情報Nbを受信する。主制御装置510から入力情報Nbを受信していない場合(ステップS510:「NO」)、枠制御装置530は、ベット入力処理を終了する。
主制御装置510から入力情報Nbを受信した場合(ステップS510:「YES」)、枠制御装置530は、減算手段として動作することによって、枠制御装置530において管理している遊技媒体の数Nmから値「1」を減算する(ステップS520)。遊技媒体の数Nmを減算した後(ステップS520)、枠制御装置530は、移動指示手段として動作することによって、被検出体移動装置450に所定領域SAへの被検出体452の移動を指示する(ステップS530)。被検出体452の移動を指示した後(ステップS530)、枠制御装置530は、入力情報Nbから値「1」を減算する(ステップS540)。
入力情報Nbから値「1」を減算した後(ステップS540)、枠制御装置530は、入力情報Nbが値「0」であるか否かを判断する(ステップS560)。入力情報Nbが値「0」でない場合(ステップS560:「NO」)、枠制御装置530は、遊技媒体の数Nmからの値「1」の減算(ステップS520)からの処理を繰り返す。入力情報Nbが値「0」である場合(ステップS560:「YES」)、枠制御装置530は、ベット入力処理を終了する。
以上説明した第2実施形態によれば、第1実施形態と同様に、主制御装置510からの片方向通信を行う構成としながら、ベットボタン311および最大ベットボタン312によって受け付けられた操作入力を、被検出体452を介して主制御装置510および枠制御装置530の両方に反映させることができる。これによって、主制御装置510に対する不正行為を防止できる。また、主制御装置510の処理負担を軽減できる。
また、ベットボタン311および最大ベットボタン312が主制御装置510と電気的に接続された構成において、ベットボタン311および最大ベットボタン312によって受け付けられた操作入力を、被検出体452を介して主制御装置510および枠制御装置530の両方に反映させることができる。
C.第3実施形態
図17は、第3実施形態における被検出体移動装置450Bおよび被検出体検出センサ460の構成を示す説明図である。第3実施形態における回胴式遊技機10は、第1実施形態の被検出体移動装置450に代えて被検出体移動装置450Bを備える点を除き、第1実施形態と同様である。第3実施形態の被検出体移動装置450Bは、第2実施形態の回胴式遊技機10にも適用できる。
図17(a)および図17(b)には、被検出体移動装置450Bおよび被検出体検出センサ460を上方から見た上面図が図示されている。図17(c)には、被検出体移動装置450Bおよび被検出体検出センサ460を側方から見た側面図が図示されている。図17(a)および図17(b)のXYZ軸は、図17(b)のXYZ軸に対応する。
第3実施形態における被検出体移動装置450Bは、被検出体452および保持部454に代えて被検出体452Bを備える点を除き、第1実施形態における被検出体移動装置450と同様である。被検出体移動装置450Bの被検出体452Bは、被検出体検出センサ460によって検出可能な物体である。本実施形態では、被検出体452Bは、棒状の金属体である。被検出体452Bは、実物の遊技媒体であるメダルより小型かつ軽量である。被検出体452Bの一端は、駆動部458に固定されている。
図17(a)には、待機状態における被検出体移動装置450Bが図示されている。図17(b)および図17(c)には、被検出体452Bが所定領域SAを通過している状態における被検出体移動装置450Bが図示されている。待機状態において、被検出体移動装置450Bは、被検出体452Bが所定領域SAから外れる回転位置、すなわち、被検出体検出センサ460が被検出体452Bを検出しない回転位置に被検出体452Bを維持している(図17(a)を参照)。1個の遊技媒体の使用に対応する枠制御装置530からの制御信号に基づいて、被検出体移動装置450Bは、被検出体452Bを回転させることによって(本実施形態では、待機状態から360°回転)、所定領域SAに被検出体452Bを1回通過させる(図17(b)を参照)。これによって、被検出体検出センサ460は、所定領域SAにおける被検出体452Bの通過を1回検出し、その旨を示す検出信号を主制御装置510に出力する。
以上説明した第3実施形態によれば、第1実施形態と同様に、主制御装置510からの片方向通信を行う構成としながら、ベットボタン311および最大ベットボタン312によって受け付けられた操作入力を、被検出体452を介して主制御装置510および枠制御装置530の両方に反映させることができる。これによって、主制御装置510に対する不正行為を防止できる。また、主制御装置510の処理負担を軽減できる。
また、被検出体452Bに実物の遊技媒体であるメダルを使用しないため、被検出体移動装置450Bおよび被検出体検出センサ460の小型化を図ることができる。
D.他の実施形態
本明細書に開示する技術は、上述した実施形態、実施例および変形例に限られず、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現できる。例えば、上述した実施形態、実施例および変形例における技術的特徴のうち、発明の概要の欄に記載した各形態における技術的特徴に対応するものは、上述の課題の一部または全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部または全部を達成するために、適宜、差し替えおよび組み合わせることができる。また、本明細書中に必須なものとして説明されていない技術的特徴については、適宜、削除できる。
回胴式遊技機10の出荷から廃棄までの運用履歴を管理することを目的として、管理センタとホールコンピュータ900とを広域ネットワークで接続することによって、管理センタにおいて回胴式遊技機10の運用履歴を管理してもよい。この場合、回胴式遊技機10と外部との間で通信する機会が増加することから、回胴式遊技機10において主制御装置510から他の制御装置に対する通信を片方向通信とする構成が不正行為を防止する対策として重要となる。
被検出体移動装置450および被検出体検出センサ460は、ベット入力処理に限らず、遊技媒体を増減させる他の処理において機能してもよい。例えば、役の当選に応じて遊技媒体の数を増加させる場合、増加させる遊技媒体の数に応じた被検出体452の移動および検出を介して、遊技媒体の数を増加させてもよい。これによって、機械的な動作を介して遊技媒体の数が増加するため、遊技媒体の数が数値表示のみで増加する場合より、機械的な動作を伴って遊技媒体を払い出す従来方式の回胴式遊技機に慣れ親しんだ遊技者に与える違和感を軽減できる。
また、カードユニット800の記録カードに記録されている遊技媒体の数を回胴式遊技機10に移行させる場合、カードユニット800から回胴式遊技機10に移行させる遊技媒体の数に応じた被検出体452の移動および検出を介して、遊技媒体の数を移行してもよい。これによって、機械的な動作を介して遊技媒体の数を移行するため、遊技媒体の数が数値表示のみで移行する場合より、機械的な動作を伴って遊技媒体が貸し出される従来方式の回胴式遊技機に慣れ親しんだ遊技者に与える違和感を軽減できる。この場合、多数の遊技媒体(例えば、2000枚)を一度の操作でカードユニット800から回胴式遊技機10へと移行することが可能となり、遊技者は、遊技媒体の移行操作を頻繁に実施することなく、遊技に専念することができる。
また、回胴式遊技機10で管理している遊技媒体の数をカードユニット800の記録カードに移行させる場合、回胴式遊技機10からカードユニット800に移行させる遊技媒体の数に応じた被検出体452の移動および検出を介して、遊技媒体の数を移行してもよい。これによって、機械的な動作を介して遊技媒体の数を移行するため、遊技媒体の数が数値表示のみで移行する場合より、機械的な動作を伴って遊技媒体を排出する従来方式の回胴式遊技機に慣れ親しんだ遊技者に与える違和感を軽減できる。