ここで、添付の図面に示される本発明の例示的実施形態および方法を詳細に参照する。図面中、同じ参照文字は同じまたは対応する部分を示す。しかしながら、そのより広い観点における本発明は、特定の詳細、代表的な装置および方法、ならびに例示的実施形態および方法に関連して示され説明された例示的実施形態に限定されないことに留意されたい。
例示的実施形態のこの説明は、添付の図面に関連して読まれることを意図されており、これらの図面は、明細書全体の一部と見なされるべきである。本明細書では、「水平」、「垂直」、「前」、「後」、「上」、「下」、「頂点」、および「底点」などの相対的用語、ならびにそれらの派生語(例えば、「水平に」) 「下向きに」、「上向きに」などの用語は、そのとき記載されている向き、または考察中の図面に示されている向き、および車体に対する向きを指すと解釈されるべきである。これらの相対的用語は説明の便宜のためのものであり、通常特定の方向を必要とすることを意図するものではない。 特に明記しない限り、「接続された」および「相互接続された」などの取り付け、結合などに関する用語は、構造が直接的または間接的に介在構造を介して互いに固定または取り付けられている関係、ならびに可動または固定の両方の取り付けまたは関係を指す。「動作的に関係して」という用語は、関連する構造がその関係によって意図されたように動作することを可能にするそのような取り付け、結合または接続である。さらに、特許請求の範囲で使用される「1つの(a)」および/または「1つの(an)」という用語は、「少なくとも1つ」を意味する。
要約すると、本明細書に開示されている例示的実施形態は、2つの排気バルブのうちの1つを作動させるエンジンロッカーアームによりまたはそれに組み込まれたリセット機構を利用する。開示された排気バルブリセット装置は、不均衡な排気バルブブリッジの開放を排除し、さらに吸気行程の開始近くの排気/吸気バルブのオーバーラップを最小にすることができる。2つの排気バルブのうちの1つを作動させると、動弁機構の負荷が軽減され、排気バルブの開放を遅らせることができ、その結果、ブレーキ性能が向上する。バルブオーバーラップが減少すると、吸気マニホールドに逆流する排気マニホールド空気質量が減少することによって排気マニホールド背圧が増加する。増加した排気行程圧力は、排気行程中にエンジンブレーキによる更なるエンジン仕事を創出する。
ブレーキ動作中、リセット装置内のリセットチェックバルブは、圧縮行程中のシリンダ圧力の増加により液圧的にロックされる。シリンダ圧力が圧縮行程の上死点後に低下するにつれて、リセットチェックバルブに加えられた液圧がそれに対応して低下し始める。最終的には、液圧が十分に低下してリセットチェックバルブに加えられた付勢力が液圧力を克服してリセットチェックバルブが開き、エンジンオイルが流れ、排気バルブをリセットし、排気行程中に両方の排気バルブが動くようになる 。
図36は、本明細書に記載の実施形態のロッカーアーム圧縮解放エンジンブレーキシステムと共に使用することができる内燃(I/C)エンジン10を示している。エンジン10は典型的には4ストロークディーゼルエンジンであり、複数のシリンダ11’を含むシリンダブロック11を備える。簡単にするために、図1には1つのシリンダ11’のみが示されている。他のシリンダはシリンダ11’と同一である。各シリンダ11’には、ピストン13が往復動自在に設けられている。各シリンダ11’にはまた、それぞれ復帰スプリングを備えた2つの吸気バルブ(共に参照符号1で示す)と2つの排気バルブ31、32が設けられている。
図36にはそれぞれ2つずつ示されているが、各シリンダ11’には1または複数の吸気バルブおよび1または複数の排気バルブを設けることができることは理解されるであろう。エンジンはまた、両方ともシリンダ11’と流体連通する吸気マニホルドIMおよび排気マニホルドEMを含む。ICエンジン10は、正動力動作(通常エンジンサイクル)とエンジンブレーキ動作(エンジンブレーキサイクル)とを実行可能である。圧縮解放ブレーキシステムは、エンジンブレーキ動作中は圧縮ブレーキモードで動作し、正動力動作中は圧縮ブレーキ停止モードで動作する。エンジンブレーキモードにあるとき、周知のように、燃料はシリンダに供給されない。
図1〜図12は、一般的に参照符号10で示される、内燃機関の動弁機構アセンブリの第1の例示的実施形態を示している。動弁機構アセンブリ10は、内燃(IC)エンジン用に設けられた、本発明の第1の例示的実施形態によるロッカーアーム圧縮解放エンジンブレーキシステム12を含む。好ましくは、ICエンジンは、複数のシリンダを含むシリンダブロックを備える4ストロークディーゼルエンジンである。しかしながら、図1には、簡単にするために、1つのシリンダのみのための動弁機構アセンブリ10が示されている。各シリンダはその中で往復運動するピストンを備えている。各シリンダには、少なくとも1つの吸気バルブと少なくとも1つの排気バルブとがさらに設けられ、各吸気バルブと各排気バルブを上昇および閉鎖させるために設けられた復帰スプリングと動弁機構とをそれぞれ設けられている。ICエンジンは、正動力動作(通常エンジンサイクル)とエンジンブレーキ動作(エンジン圧縮解放ブレーキサイクル)を行うことができる。圧縮解放ブレーキシステム12は、圧縮ブレーキモードすなわちブレーキオンモード(エンジン圧縮ブレーキ動作中)および圧縮ブレーキ停止モードすなわちブレーキオフモード(正動力動作中)で動作する。車室内のスイッチは、通常、モード間でシフトさせるために、そしてモードに応じてシリンダへの燃料の流れを制御するために使用される。
本発明の例示的実施形態によるロッカーアーム圧縮解放エンジンブレーキシステム12は、ロストモーションエンジンブレーキシステムである。 図2に最もよく示されるように、通常の(従来の)エンジン排気カムプロフィール6を有する排気カム2と、エンジンブレーキ動作中の圧縮解放エンジンブレーキ事象用のエンジンブレーキリフトプロフィール7と、プリチャージリフトプロフィール8とを組み込んでいる。カムリフトプロフィール7および8は説明の目的のために模式化されている。通常のエンジン動作モード(すなわち通常のエンジンサイクル)は、通常の正動力エンジン動作中に追加のカムリフトプロフィール7および8を排除するのに十分なクリアランスを排気動弁機構内に組み込んでいる。
本発明の第1の例示的実施形態によるロッカーアーム圧縮解放エンジンブレーキシステム12は、2つの吸気バルブ1を作動させるための従来の吸気ロッカーアセンブリ(図示せず)と、第1および第2の排気バルブ31および32を作動させるための排気ロッカーアセンブリ16とを含む。本発明の第1実施形態に係る排気ロッカーアセンブリ16は、自動液圧調整及び再設定機能を備えたロストモーションタイプのものである。排気ロッカーアセンブリ16は、ロッカーシャフト20の周りに旋回可能に取り付けられ、排気バルブブリッジ24を介して第1および第2の排気バルブ31および32を開くように設けられた排気ロッカーアーム22を含む。ロッカーシャフト20は、ロッカーアーム支持部(またはロッカーアーム台座)25によって支持され、(図1、図3および図5Bに最もよく示されるように)排気ロッカーアーム22に形成されたロッカーアーム孔33を通って延びている。ロッカーアーム台座25は台座支持体27に取り付けられている。
図3に最もよく示されるように、排気ロッカーアーム22は、2つの端部を有しており、エンジン排気バルブ31、32を制御する駆動端(第1の遠位端)22aと、(図2に最もよく示されるように)回転排気カムシャフト4に取り付けられ、排気カム2に接触するように適合された従動端(第2の遠位端)22bとを有する。排気カム2には、排気リフトプロフィール6、エンジンブレーキリフトプロフィール7、およびプリチャージリフトプロフィール8が設けられている。
図2に最もよく示されるように、排気ロッカーアーム22の従動端22bは排気カムローブフォロア21を含む。排気カムローブフォロア21は、排気カム2の排気リフトプロフィール6、エンジンブレーキリフトプロフィール7、およびプリチャージリフトプロフィール8と接触するようになっている。
さらに、排気ロッカーアーム22はまた、排気ロッカーアーム22の駆動端22aにおける実質的に円筒形のねじ山付き孔23a(図3)に、例えばスプリングねじ込み式に調整可能に取り付けられた、ロッカーアーム調整ねじアセンブリ68(図1、図3および図4に最もよく示される)を含む。図1、図3及び図4に最もよく示されるように、ロッカーアーム調整ねじアセンブリ68は、排気バルブ31及び32を同時に開くために排気バルブブリッジ24と係合するように設けられている。ロッカーアーム調整ねじアセンブリ68は、排気ロッカーアーム22の駆動端22aにおける実質的に円筒形のねじ山付き孔23aに、例えばスプリングねじ込み式に調整可能に取り付けられた調整ねじ70と、排気バルブブリッジ24に隣接する調整ねじ70の一端に旋回可能に取り付けられ接触足部(いわゆる「象足部」)72とを含む。
排気ロッカーローラフォロア21が排気カム2上の下部ベース円6と接触するとき、すなわち排気カム2が排気ロッカーアーム22に作用(押圧)しないとき、調整ねじアセンブリ68の接触足部72と排気バルブブリッジ24との間の予め既定されたバルブラッシュ(すなわちクリアランス)δを設定するために、調整ねじ70は、排気ロッカーアーム22に上方からアクセス可能な六角形ソケット71を設けられている。予め設定されたバルブラッシュδは、エンジン動作温度にて動弁機構要素の伸長のためのクリアランスを具備する正動力動作中に、通常の排気バルブ運動を行うように設定される。エンジンブレーキ動作では、(所定のバルブラッシュδを除く)全てのラッシュが動弁機構から取り除かれ、ブレーキカムプロフィールが排気バルブの開放タイミング、プロフィールおよびリフトを決定する。
ロストモーションエンジンブレーキのロッカーアームアセンブリ16は、内燃(IC)機関のために設けられたロッカーアーム圧縮解放エンジンブレーキシステム12の一部である。図1〜図3に最もよく示されるように、(予め既定されたバルブラッシュδを除いて)動弁機構ラッシュを除去するために、エンジンオイル等の加圧液圧流体が、高圧液圧回路を通して高圧下で排気ロッカーアーム22に供給される。図4に最もよく示されるように、高圧液圧回路は、連続的な供給導管(または通路)26と、高圧導管28と、ブレーキオン供給導管30とを含む。ブレーキオン供給導管30は、例えばエンジンオイル等の加圧液圧流体をブレーキオン供給導管30に供給するために選択的に動作する図示しない電磁弁により制御される。ここで説明した実施形態全体において、図示された回路は、図示されたよりも、より少ないまたはより多い導管を含むことができると理解されたい。例えば、2またはそれ以上の導管の機能を単一の導管に組み合わせることができる。
排気ロッカーアーム22はさらに、(図5Aおよび図5Bに最もよく示されるように)作動ピストン62をその中にスライド可能に受容するために排気ロッカーアーム22の駆動端22aにおいて(図3および図4に最もよく示されるように)実質的に円筒形の作動ピストン孔64を含む。作動ピストン62は、作動ピストン孔64に対して後退位置と伸長位置との間で移動可能であり、(図5A、図5Bおよび図6Bに最もよく示されるように)単一バルブ作動ピン76の上端面76aに接触するように適応されている。単一バルブ作動ピン76は、(図6Aに最もよく示されるように)排気バルブブリッジ24の開口25を通って排気バルブブリッジ24に対してスライド可能に移動可能である。
作動ピストン62は、排気ロッカーアーム22の作動ピストン孔64内に作動(またはリセット)ピストンキャビティ65を画定する(図5Aおよび図5Bに最もよく示されている)。図7に詳細に示されている作動ピストン62は、単一バルブ作動ピン76と係合するために設けられた半球底面63aと、作動ピストン孔64の閉鎖端と接触するために設けられた後方延長部63bとを含み、それにより作動ピストン孔64内での作動ピストン62の後方移動を制限し、作動ピストン62が、作動ピストンキャビティ65を高圧導管28と流体連通させる作動ピストン孔64を覆うことを防止する。伸長位置では、作動ピストン62の後方延長部63bは、0.15インチなどのピストンクリアランスk1(図5Cおよび図14に示す)だけ作動ピストン孔64の閉鎖端から離間している。
さらに、排気ロッカーアーム22の作動ピストン62の、排気バルブブリッジ24に対向する半球底面63aは、単一バルブ作動ピン76の上端面76aと接触するようになっている。単一バルブ作動ピン76の第1の面76aに対し軸方向に反対側の下端面76bは、第1の排気バルブ31の近位端と係合する。排気単一バルブ作動ピン76は、圧縮解放エンジンブレーキ動作中(すなわちブレーキオンモード)、作動ピストン62が第1の排気バルブ31に対して十分な押圧力を印加して第1の排気バルブ31(2つの排気バルブ3の1つのみ)を開放できるようにする。言い換えるならば、第1排気バルブ31を第2排気バルブ32および排気バルブブリッジ24に対して移動可能にするために、単一バルブ作動ピン76が排気バルブブリッジ24に対して往復移動可能である。その結果、単一バルブ作動ピン76のブリッジ面76c(図6Bに最もよく示されている)は、エンジン圧縮ブレーキ動作の圧縮解放エンジンブレーキ事象中、0.05インチのような作動ピンクリアランスk2(図5Cおよび図14に最もよく示されている)だけ排気バルブブリッジ24から離間している。
ロッカーアーム圧縮解放ブレーキシステム12はさらに、排気ロッカーアーム22内に配置された排気バルブリセット装置32を含む。本発明の第1の例示的実施形態によるリセット装置32(図8〜図9Bに詳細に示す)は、実質的に円筒形の中空カートリッジの形態であり、連続供給導管26と流体連通された環状供給溝36と、ブレーキオン供給導管30と流体連通された環状ブレーキオン溝38と、高圧導管28と流体連通された環状ピストン溝40とを備えた実質的に円筒形のカートリッジ本体34を備える。図1、図4、図5Aおよび図5Bに最もよく示されるように、リセット装置32の円筒形のカートリッジ本体34は、排気ロッカーアーム22の従動端(第2の遠位端)22bにおいて調整ねじアセンブリ68の外側に配置されている。それに替えて図10に示すように、リセット装置32のカートリッジが、調整ねじアセンブリ68の内側に配置されている。排気バルブブリッジ241は、トリガ接触用のブリッジ延長部2412を有する。さらに図10に示すように、リセットトリガ50が伸長位置にあるとき、リセットトリガ50の細長い遠位端52は、排気バルブブリッジ241のブリッジ延長部2412からわずかに離れている。したがって、リセット装置32のカートリッジは、ロッカー支持体に対する固定カムプロフィールによりロッカーシャフトの内側及び外側の両方にまたは平行に配置することができる。
供給溝36、ブレーキオン溝38、およびピストン溝40は、それぞれカートリッジ本体34の外周円筒面に形成され、互いに軸方向に離間している。また、供給溝36にはカートリッジ本体34を貫通する少なくとも1つの連続供給ポート37が設けられ、ブレーキオン溝38にはカートリッジ本体34を貫通する少なくとも1つのブレーキオン供給ポート39が設けられ、そしてピストン溝40にはカートリッジ本体34を貫通する少なくとも1つのピストン供給ポート41が設けられている。円筒形のカートリッジ本体34は、排気ロッカーアーム22内の実質的に円筒形のリセット孔23b内に移動不能に配置されている。したがって、高圧導管28は、作動ピストン孔64(ピストンキャビティ65)を、リセット装置32のカートリッジ本体34のピストン溝40と流体連通させる。円筒形のカートリッジ本体34内の内部キャビティ42は、上部カートリッジプラグ35aと下部カートリッジプラグ35bとの間に囲まれている。言い換えれば、環状溝36、38および40は、1または複数のポート(すなわち穿孔)37、39および41を介してカートリッジ本体34の内部キャビティ42に流体連通されている。図4〜図5Bに示すように、カートリッジ本体34は、排気バルブブリッジ24から軸方向に離間している。
図9Aおよび図9Bに示すように、リセット装置32はさらに、ボールバルブ部材44と、チェックバルブシート45と、ボールバルブ部材44と上部カートリッジプラグ35aとの間に配置されたボールチェックスプリング46とを含む。ボールバルブ部材44は、ボールチェックスプリング46の付勢力によりボールチェックシート45の方に付勢されている。ボールバルブ部材44がチェックバルブシート45に着座すると、カートリッジ本体34の連通ポート48が閉じられる。開放時には、連通ポート48は、カートリッジ本体34の連続供給ポート37とピストン供給ポート41とを流体連通させる。ボールバルブ部材44、ボールチェックシート45、およびボールチェックスプリング46は、ボールチェックスプリング46によって通常は閉じて付勢されているリセットチェックバルブ43を規定する。リセットチェックバルブ43は、連続供給導管26と作動ピストンキャビティ65との間に配置され、そして連続供給導管26と高圧導管28との間に選択的な流体連通を提供する。当然のことながら、任意の適切な種類の逆止弁は本発明の範囲内にある。
排気バルブリセット装置32は、カートリッジ本体34内で軸方向にスライド可能なリセットトリガ50をさらに備える。リセットトリガ50は、カートリッジ本体34から下部カートリッジプラグ35bの孔35cを通って少なくとも部分的に延びるように、後退位置および伸長位置で示される細長い遠位端52を有する。後退位置では、遠位端52をカートリッジ本体34内に収容することができる。リセットトリガ50は、図5Aおよび図9Aに示す伸長位置と、図5Bおよび図9Bに示す後退位置との間でカートリッジ本体34に対して移動可能である。リセットトリガ50は、通常、リセットトリガ50の近位端(その遠位端52の軸方向において反対側)と下部カートリッジプラグ35bとの間に配置されたトリガ復帰スプリング56によって後退位置の方に付勢されている。リセットトリガ50は、トリガ復帰スプリング56の弾性的な付勢作用によりアップセットピン58を上昇させるように構成されている。アップセットピン58は、非エンジンブレーキ動作中、ボールバルブ部材44に接触し、持ち上げかつボールチェックシート45から離して保持している。アップセットピン58の上端は、ボールバルブ部材44に隣接して配置される一方、アップセットピン58の下端は、リセットトリガの遠位端52とスプリングリテーナ55との間で、スプリングリテーナ55およびリセットリテーナ55の内側に配置されたリセット圧力スプリング57を介してリセットトリガ50に係合する。
リセットトリガ50が(図5Bおよび図9Bに最もよく示されるように)トリガ後退位置にあるとき、リセット圧力スプリング57は、アップセットピン58を介してボールバルブ部材44に対して上向きの付勢力を印加する。上方への付勢力がボールバルブ部材44を開位置に動かすのに十分であるかどうかは、以下にさらに説明するように、ボールバルブ部材44における圧力差に依存する。一方、(図5Aおよび図9Aに示される)リセットトリガ50の伸長位置において、リセット圧力スプリング57の上向き付勢力が、ボールバルブ部材44からアップセットピン58を離すことによりボールバルブ部材44から取り除かれる。ボールバルブ部材44における圧力差に応じて、ボールバルブ部材44は、ボールチェックスプリング46の付勢力により閉位置に戻ってボールチェックシート45に保持されることができ、それによって、カートリッジ本体34内の連通ポート48を閉鎖し、よってカートリッジ本体34の連続供給ポート37およびピストン供給ポート41を流体的に切り離す。
さらに図5Aに示すように、リセットトリガ50がその伸長位置にあるとき、リセットトリガ50の細長い遠位端52は排気バルブブリッジ24と接触している。さらに、リセットトリガ50が伸張位置にあるとき、リセットトリガ50は下部カートリッジプラグ35bと係合し、これはリセットトリガ50の軸方向外側への移動を排気バルブブリッジ24に向かう方向に制限する。しかし、リセットトリガ50がその後退位置にあるとき(図5B)、リセットトリガ50の細長い遠位端52は、図5Bに最もよく示されるように、排気バルブブリッジ24から軸方向に離間している。
トリガ復帰スプリング56は、リセットトリガ50をカートリッジ本体34内のカウンタ孔止め35dまで上方に付勢する。エンジンブレーキオンモード中のみ使用されるリセット圧力スプリング57は、円錐ボールチェックスプリング46よりも高いスプリング力を有しており、アップセットピン58がボールバルブ部材44をボールチェックシート45から離して保持できるようにし、したがってオイルが連続供給導管26から制限されずに作動ピストンキャビティ65に対して流入および流出できることにより、正動力エンジン動作中の作動ピストンラッシュを除去して動弁機構のばたつきをなくす。
図9Aおよび図9Bに最もよく示されるように、アップセットピン58は、アップセットピン58の往復直線運動を支持しかつガイドするガイドピンスリーブ60を通って延在する。図9Aおよび図9Bにさらに示されるように、カートリッジ本体34の内部キャビティ42は、ガイドピンスリーブ60によりチェックバルブキャビティ421とリセットキャビティ422に分割されている。本発明の第1の例示的実施形態によれば、リセットキャビティ422は、ブレーキオン溝38を通してブレーキオンオイル供給導管30と、そしてブレーキオン供給ポート39と流体連通している。リセットチェックバルブ43は、連続供給導管26と高圧導管28との間の、すなわち連続供給導管26と作動ピストンキャビティ65との間の流体連通を選択的に付与する。
図5Cは、ロッカーアーム圧縮解放エンジンブレーキシステム122の代替的な実施形態を示す。ロッカーアーム圧縮解放エンジンブレーキシステム122は、構造的かつ機能的に、第1の例示的実施形態の圧縮解放エンジンブレーキシステム12と実質的に類似しており、リセット装置322において基本的に異なる。代替のリセット装置322は、第1の例示的実施形態によるリセット装置32と構造的に実質的に同様である。これら2つのリセット装置の違いは、第1の例示的実施形態によるリセット装置32とは異なり、代替のリセット装置322は、排気ロッカーアーム22における円筒形のリセット孔23b内に配置されるリセット装置32の円筒形のカートリッジ本体34を含まない。代わりに、リセット装置322は、図5Cに示すように、ロッカーアーム222に直接、機械加工されている。言い換えれば、排気ロッカーアーム222の円筒形のリセット孔23bは、リセット装置32のカートリッジ本体34を模倣するように機械加工されている。代替のリセット装置322は、第1の例示的実施形態によるリセット装置32と実質的に同様に動作する。
さらに図5Dに示すように、リセット装置322のリセットトリガ50は、カップ状のスプリングリテーナ552に対向する環状の内部停止部50aを有する。言い換えると、スプリングリテーナ552は、リセットトリガ50の内部停止部50aに対向する環状停止部5521を有する。リセットトリガ50の停止部50aおよびスプリングリテーナ552の停止部5521は、リセットトリガ50の内部の加圧バネ57の故障から保護するために設けられたリセットフェイルセーフ機構を形成し、その結果、単一エンジンブレーキ排気バルブ31は、排気バルブブリッジの不均衡およびエンジン損傷となりうる通常の排気動作の前にはリセットされない。
具体的には、スプリングリテーナ552の停止部5521は、リセットトリガ50の通常の最大ストロークよりもさらに上方へのリセットトリガ50のストロークを超えることによって作動される機械的停止を規定する。リセットトリガ50のこの追加のストロークは、圧力スプリング57が機能しなくなり、ボールバルブ部材44をそのシート45から押し出さず、平衡ブリッジによる通常の排気バルブリフトの前に単一エンジンブレーキ排気バルブ31がリセットしない場合に発生する。排気バルブブリッジ242の中心を押す象足部722の追加のストロークは、通常の排気バルブ運動中のロッカー回転から生じるトリガストロークの追加がスプリングリテーナ552の停止部5521をリセットトリガ50の内部停止部50aと接触させるまで、排気バルブブリッジ242の小さな不均衡をもたらす。次に、アップセットピン58を介したリセットトリガ50が、排気バルブストロークの開始中にボールバルブ部材44をリセットチェックバルブ43のシート45から機械的に離す。通常の排気リフトプロフィールの開始時にボールバルブ部材44をそのシート45から機械的に押し出すことは、エンジンブレーキ動作まで続く。
図11Aおよび図11Bに示された本発明の実施形態によるロッカーシャフト20は、その中の実質的に円筒形のアキュムレータ孔20aと、ロッカーシャフトアキュムレータ77とを含む。ロッカーシャフトアキュムレータ77は、アキュムレータ孔20a内でスライド移動可能な略円筒形のアキュムレータピストン78と、アキュムレータボールチェックバルブ92と、アキュムレータピストン78とアキュムレータボールチェックバルブ92との間に画定されたアキュムレータキャビティ94とを含む。アキュムレータピストン78は、アキュムレータボールチェックバルブ92に向かって付勢されるように、アキュムレータスプリング79によってばね付勢されている。アキュムレータボールチェックバルブ92は、液圧流体がアキュムレータキャビティ94内にのみ入ることを可能にするように方向付けられているが、アキュムレータキャビティ94からアキュムレータボールチェックバルブ92を通る液圧流体の流れを阻止している。言い換えれば、アキュムレータボールチェックバルブ92は、オイルがオイル供給部に逆流するのを阻止する。アキュムレータボールチェックバルブ92は、ボールチェックスプリングによって閉位置に付勢されている。ロッカーシャフトアキュムレータ77は、次のエンジン排気カム運動のために作動ピストンキャビティ65の次の再充填を行うべく、加圧下で戻り液圧流体を貯留する。
さらに図11A〜図11Dに示すように、加圧液圧流体は、1つ以上のロッカーアーム支持部25に(好ましくは、ロッカーアーム支持部25の押さえボルトに)形成された液圧流体供給通路93を通して供給される。液圧流体供給通路93は、アキュムレータ孔20aに連通する。ロッカーシャフト20はさらに、接続ポート96を介してアキュムレータキャビティ94に流体連通された接続通路97を含む。接続通路97には、排気ロッカーアーム22の連続供給導管26に流体連通された少なくとも1つの供給ポート95が設けられている。
動作中、加圧液圧流体は、供給通路93およびアキュムレータボールチェックバルブ92を介してアキュムレータキャビティ94に供給される。そして、加圧された液圧流体は、アキュムレータキャビティ94から接続ポート96、接続通路97及び供給ポート95を通って排気ロッカーアーム22の連続供給管路26に流れる。エンジンブレーキのリセット動作中、加圧液圧流体は、ロッカーシャフトアキュムレータキャビティ94内に戻される。アキュムレータボールチェックバルブ92は、液圧流体が液圧流体供給通路93に逆流するのを防止する。
ロッカーアーム圧縮解放ブレーキシステム12はさらに、図11Bおよび図11Dに示す開閉電磁弁98を含む。これにより、図11Bおよび図11Cに最もよく示されるように、ブレーキオン加圧液圧流体が、一方のロッカーアーム台座25に装着された開閉電磁弁98の作動によりブレーキオン供給導管30、および、排気ロッカーアーム22内に形成されかつブレーキオン供給導管30に流体連通されたブレーキオンオイル供給通路99に選択的に供給される。さらに 図11Dに示すように、エンジンオイル等の加圧液圧流体は、流体ポンプ83によりブレーキ供給通路82aを介してサンプ80から開閉電磁弁98に供給され、そしてブレーキオフダンプ通路82bを介してサンプ80に戻される(またはダンプされる)。
エンジンの正動力動作は以下の通りである。正動力動作中、すなわちエンジンブレーキが作動していないとき、液圧流体連続供給導管26は、連続供給溝36および連続供給ポート37を通ってチェックバルブキャビティ421にモータオイルなどの液圧流体の連続流を供給する。さらに、正電力動作中、リセットトリガ50は、トリガ復帰スプリング56の付勢力により後退位置にある。この位置では、リセットトリガ50によってボールバルブ部材44がボールチェックシート45から(リセットチェックバルブ43の開位置に)持ち上げられる。具体的には、全ての非エンジンブレーキ動作において、リセットトリガ50は、トリガ復帰スプリング56の弾性的な付勢作用によってアップセットピン58がボールバルブ部材44に接触し、ボールバルブ部材44をボールチェックシート45から離すように持ち上げて保持する。リセットチェックバルブ43が開くと、加圧液圧流体はチェックバルブキャビティ421からピストン供給ポート41を通って高圧導管28へとチェックバルブ43を通過して流れる。その後、加圧液圧流体は高圧導管28を通って作動ピストン孔64内に流れる。加圧された液圧流体は、作動ピストンキャビティ65を完全に満たすので、作動ピストンラッシュすなわち作動ピストン62と単一バルブ作動ピン76との間のラッシュなどの動弁機構ラッシュ(所定のバルブラッシュδを除く)を排除する。作動ピストンキャビティ65における液圧流体の体積増加はまた、排気ロッカーローラフォロア21が排気カムシャフトブレーキリフトプロフィール7との接触を維持できるようにして作動ピストン62により生成される追加の変位を可能とし、ブレーキリフトを排除し、図12に排気バルブリフトプロフィール85、すなわちブレーキオフバルブリフトとしてマークされた排気行程のための通常の排気バルブプロフィールを付与する。
エンジンブレーキオフモードでは、(所定のバルブラッシュδを除いて)動弁機構のラッシュが除去された状態で、排気ロッカーアーム22は排気カム2上の下部ベース円6からエンジンブレーキリフトプロフィール7へ進む。エンジンブレーキリフトプロフィール7が排気ロッカーアーム22の従動端22bに作用して排気ロッカーアーム22を旋回的に回転させると、作動ピストン62の遠位端が単一バルブ作動ピン76を押圧して、次に排気バルブ31の排気バルブステムのみを押圧する。続いて、作動ピストン62は、排気バルブ31を開くことなく作動ピストンキャビティ65の容量を減少させるように上方に動かされる。これにより、(図19に示す)排気バルブスプリング91の力、慣性力およびシリンダ圧力によって生じる作動ピストンキャビティ65内の圧力が増大する。作動ピストン62のこの上方への走行(移動)は、作動ピストンキャビティ65から開放チェックバルブ43を通って連続供給導管26内へと液圧流体を移動させる。作動ピストンキャビティ65の下方の液圧流体容量は、連続供給導管26を通ってロッカーシャフト20内のアキュムレータキャビティ94に戻る。さらに、所定のバルブラッシュδのために、調整ねじアセンブリ68は排気バルブブリッジ24を押圧しない。したがって、エンジンの正動力動作中、排気バルブ31および32は圧縮行程を通して閉じたままである。
正動力作動の排気行程中に、排気カムプロフィール6が排気ロッカーアーム22の従動端22bに作用して排気ロッカーアーム22を旋回させると、単一バルブ作動ピン76が作動ピストン62を押圧する。続いて、作動ピストン62は、作動ピストンキャビティ65の容量を減少させるように上方に動かされる。これにより、排気バルブ31の(図19に示す)排気バルブスプリング91の力、慣性力およびシリンダ圧力によって生じる作動ピストンキャビティ65内の圧力が増大する。やはり、作動ピストン62の上方への走行(移動)は、作動ピストンキャビティ65から開放チェックバルブ43を通って連続供給導管26内へ戻るように液圧流体を移動させる。作動ピストンキャビティ65の下方の液圧流体容量は、連続供給導管26を通ってアキュムレータキャビティ94に戻る。そして、所定のバルブラッシュδが吸収されてロッカーアーム調整ねじアセンブリ68が排気バルブブリッジ24を押圧すると、図12に排気バルブリフトプロフィール85として示される従来のエンジン排気行程のように、排気バルブブリッジ24が排気バルブ31、32を押圧して開く。具体的には、ロッカーアーム調整ねじアセンブリ68が排気バルブブリッジ24を押圧すると、排気バルブブリッジ24は単一バルブ作動ピン76のブリッジ面76cに直接第2の排気バルブ32を押圧し、それが次に、第1排気バルブ31を押して開く。
エンジンブレーキが作動されず(ブレーキオフモード)かつ排気カムが下部ベース円6上にあるとき、作動ピストン62は、排気ロッカーアーム22の作動ピストン孔64内に延びて、(所定のバルブラッシュδ以外の)全ての動弁機構ラッシュを排除する。リセットチェックバルブ43はアップセットピン58によって開放状態に保持されているので、排気カム2のエンジンブレーキプロフィール7は、圧縮解放ブレーキのために排気バルブ31を開くことができない。液圧流体は、作動ピストンキャビティ65から出て、(図11Aおよび図11Bに示されるように)ロッカーシャフト20に配置されたロッカーシャフトアキュムレータ77に流れる。この追加された液圧流体は、動弁機構アセンブリ内の全ての動弁機構のクリアランスを除去する。液圧流体によるこのクリアランスの除去は、動弁機構騒音および動弁機構損傷の可能性を排除する。
ブレーキオンモード中、電磁弁98が駆動され、ブレーキオン加圧液圧流体をブレーキオン供給導管30に供給することを可能にする。ブレーキオン供給導管30からの加圧液圧流体は、排気バルブリセット装置32のカートリッジ本体34内のリセットキャビティ422に入る。リセットキャビティ422内の加圧液圧流体は、トリガ復帰スプリング56の付勢力を克服し、リセットトリガ50を伸長位置に移動させる。この位置では、図5Aおよび図9Aに最もよく示されるように、リセットトリガ50の細長い遠位端52が排気バルブブリッジ24と係合する。また、リセットトリガ50の伸長位置(図5Aおよび図9A参照)では、ボールバルブ部材44は閉位置に戻され、ボールチェックスプリング46の付勢力によりボールチェックシート45に保持されることによって、カートリッジ本体34の連通ポート48を閉じ、カートリッジ本体34の連続供給ポート37とピストン供給ポート41とを流体的に切り離す。ここで、加圧液圧流体が作動ピストンキャビティ65を満たし、連続供給導管26および高圧導管28を通ってチェックバルブキャビティ421に入ることによって、そしてリセットチェックバルブ43により連続供給管路26内の液圧が作動ピストンキャビティ65内の液圧よりも高いときボールチェックスプリング46の付勢力を克服することによって、排気動弁機構のクリアランスのすべてを除去する。しかしながら、連続供給導管26内の液圧が作動ピストンキャビティ65内の液圧よりも低いときには、液圧流体は高圧液圧回路内でチェックされ、エンジンブレーキカムプロフィールおよびエンジンブレーキサイクルが作動される。
エンジンブレーキ動作は後述される。
加圧液圧流体を供給するロッカーシャフト20は、加圧液圧流体をエンジンブレーキロッカーアームアセンブリ16の連続供給導管26およびブレーキオン供給導管30にそれぞれ供給するための2つの通路97および99を有するように設計されている。ブレーキオン供給導管30は、加圧液圧流体をブレーキオン供給導管30に供給する電磁弁98によって制御され、これはリセットトリガ50を下方に変位させてリセットチェックバルブ43を着座させ(すなわち閉じた状態にし)、高圧導管28および作動ピストンキャビティ65内の液圧流体をロックするためのチェックバルブとして機能する。作動ピストンキャビティ65内の液圧は、(所定のバルブラッシュδを除いて)動弁機構アセンブリから全てのラッシュ(作動ピストンラッシュを含む)が取り除かれ、排気ロッカーアーム22の排気ロッカーローラーフォロア21が排気カム2と接触して保持されることを確保する。
エンジンブレーキオンモードを開始するには、電磁弁98を作動させてブレーキオンオイル供給導管30を介してリセットキャビティ422にオイルを流し、リセットトリガ50を下方に付勢してボールバルブ部材44とアップセットピン58との間に間隙を設けることによって、ボールチェックスプリング46がボールバルブ部材44をボールチェックシート45に対して付勢することを可能にする。加圧されたエンジンオイルは、リセットチェックバルブ43および高圧導管28を通ってロッカーアーム連続供給ポート37に供給されて作動ピストンキャビティ65内に供給され、単一バルブ作動ピン76と作動ピストン62との間、および、カムフォロア21と排気カム2のローブとの間の全ての動弁機構ラッシュを取り除く。
(所定のバルブラッシュδを除いて)全ての動弁機構ラッシュが除去され、液圧流体が作動ピストンキャビティ65内にロックされると、ローラフォロア21は、排気カム2の下部ベース円6からエンジンブレーキリフトプロフィール7へと進み、圧縮行程の上死点(TDC)の直前に単一バルブ作動ピン76を介して排気バルブ31のみを開き、圧縮行程から生じるシリンダ内の高度に圧縮された空気を排出する。エンジンブレーキリフトプロフィール7が排気ロッカーアーム22の従動端22bに作用して排気ロッカーアーム22を旋回させると、作動ピストン62の遠位端が単一バルブ作動ピン76を押圧し、続いて第1排気バルブ31の排気バルブステムのみを押圧する。圧縮解放エンジンブレーキ事象中の圧縮行程のTDCの直前に作動ピストン62が単一バルブ作動ピン76を第1の排気バルブ31に向かって押すと、作動ピストンキャビティ65内の流体圧力は、チェックバルブキャビティ421内の流体圧力よりも高くなる。これにより、チェックバルブ43のボールバルブ部材44をボールチェックシート45に着座させ、それにより作動ピストンキャビティ65内のエンジンオイル(液圧流体)を液圧的にロックする。
全ての動弁機構ラッシュ(所定のバルブラッシュδを除く)が除去され液圧的にロックされた状態では、排気カム部材2のブレーキリフトプロフィール7は、圧縮解放中の圧縮行程のTDCの直前に第1排気バルブ31のみを開く。これは図12に排気バルブリフトプロフィール85の一部881によって示されている。所定のバルブラッシュδに起因して、調整ねじアセンブリ68は排気バルブブリッジ24を押圧しない。従って、第2排気バルブ32は、エンジン圧縮ブレーキ動作の圧縮解放エンジンブレーキ事象中、閉じたままである。
単一バルブ作動ピン76により第1排気バルブ31を開いている間、シリンダ圧力は上昇しており、TDC圧縮の直前に急速にピークシリンダ圧力に達し、次いでTDC圧縮の直後にシリンダ圧力は急速に低下する。TDC付近での圧縮解放およびエンジンシリンダ内で下方に移動するシリンダ内のエンジンピストンのために、シリンダ圧力は急速に低下し、作動ピストンキャビティ65内の圧力も低下し、その結果、ボールバルブ部材44をボールチェックシート45に対して付勢する圧力が低くなる。
ブレーキモードの動力行程、すなわち圧縮行程中の圧縮解放エンジンブレーキ事象の間、排気バルブ31をリセットすることは、リセットトリガ50の細長い遠位端52が排気バルブブリッジ24の上面24aと接触することによって達成される。それは、排気バルブブリッジ24が所定のバルブラッシュδのために圧縮解放ブレーキ動作中はロッカーシャフト20に対して可動ではないので予め設定されたストップ部材として作用する。
リセットトリガ50の細長い遠位端52が排気バルブブリッジ24と接触すると、排気ロッカアーム22の駆動端22aが排気カム部材2のブレーキリフトプロフィール7の作用によって下方に回転するので、ブレーキオン供給導管30の流体圧力によって下方に付勢されているリセットトリガ50が、排気バルブブリッジ24により(リセットキャビティ422内の加圧液圧流体の付勢力に抗して)カートリッジ本体34に対して上方にリセットチェックバルブ43の方に力を受ける。その結果、リセット圧力スプリング57が圧縮され、アップセットピン58が着座位置でボールバルブ部材44に接触する。圧縮状態にあるリセット圧力スプリング57は、ボールバルブ部材44に上向きの力を発生させ、作動ピストンキャビティ65内の液圧はボールバルブ部材44を着座位置に付勢する。リセット圧力スプリング57の付勢力が作動ピストンキャビティ65内の圧力減少によって生じる力を超えると、ボールバルブ部材44はそのシート45から押し出され、それによってアプセットピン58によるボールチェックスプリング46の付勢力に抗してチェックバルブ43のボールバルブ部材44を着座解除する(すなわちボールバルブ部材44を開位置に移動させる)。
言い換えれば、排気ロッカーアーム22の回転によってリセットトリガ50が上方に押されてリセット圧力スプリング57が圧縮され、チェックバルブ43のボールバルブ部材44に大きな力を加えると、リセットが生じる。シリンダ圧力および作動ピストンキャビティ65内の圧力が、リセット圧力スプリング57がボールバルブ部材44をそのシート45から押し出す点まで低下するまで、ボールバルブ部材44は最初はボールをそのシート45から移動させることができない。これは、シリンダ圧力が低いときに膨張行程89の終わりに向かって起こる。
チェックバルブ43を開くと、作動ピストンキャビティ65から液圧流体の一部が解放され、すなわち作動ピストンキャビティ65内の加圧液圧流体が排気ロッカーアーム22内の連続供給導管26に戻ることが可能になる。これにより、作動ピストン62および単一バルブ作動ピン76が上方に移動し、したがって第1排気バルブ31がリセットされ、第1排気バルブ31をそのバルブシートに戻すことが可能になる。
排気バルブリセット装置32を備えていないエンジンのエンジンブレーキ動作中、(所定のバルブラッシュδを除いて)全ての動弁機構ラッシュが除去された状態で、通常の排気バルブリフトプロフィール14は、図12に示すようにリフト15で増大し、持続する。排気バルブリフト15の増大は、バルブリセット装置なしでTDC排気/吸気における起こり得る排気バルブとエンジンピストンとの接触を排除するために、増大したピストン/バルブ間隙を必要とする。バルブラッシュδが除去された状態では、排気バルブ増大リフト15は、図12に示すように、TDCで吸気バルブと排気バルブのオーバラップ部分17を延ばすであろう。延長されたバルブオーバーラップ17は、排気マニホールド内の高圧排気ガスがエンジンシリンダ内へ、そして次に吸気マニホールド内へと流れることを可能にする。これにより、吸気口の騒音、吸気口の空気部品の損傷、およびエンジンブレーキの減速力が低下することがある。上記の理由から、エンジンブレーキロッカーアームロストモーションシステムには、排気バルブリセット装置が望ましい。排気バルブリフトプロフィール14の部分87は、(図12に示すように)排気カム部材2のプリチャージリフトプロフィール8の作用によって生じる最適なプリチャージ事象を示す。通常の吸気バルブリフトプロフィール84も図12に示されている。
(図12の88で示すように)排気バルブリセット装置32を用いたエンジンのエンジンブレーキ動作中、リセットトリガ50は、(図12の882に示すように)圧縮解放エンジンブレーキ事象の約50%で、作動ピストンキャビティ65内に位置する液圧流体を高圧導管28およびロッカーシャフトアキュムレータ77内に放出し戻し始めるように位置決めされる。結果として、第1排気バルブ31が閉じられ、それにより第1排気バルブ31を閉位置にリセットする。これは図12の排気バルブブレーキリフトプロフィール88の部分883によって示される。これにより、通常の正動力排気バルブリフトプロフィール(図12の85)が再開され、図12の90に示すように、TDCにおける延長された排気バルブリフトおよび延長されたオーバーラップが排除される。ここで、両方の排気バルブ31および32は、排気カムプロフィール6により、および、排気ブリッジ24に接触するロッカーアーム調整ねじアセンブリ68により開かれることになる。
図12に示すように、排気バルブリセット装置32を有する圧縮解放エンジンブレーキシステム12の動作中、TDCにおける排気/吸気バルブオーバラップ90は、実質的に、本発明の例示的実施形態による排気バルブリセット装置32をもたない圧縮解放エンジンブレーキシステムの動作中の吸気および排気バルブオーバーラップ17よりも小さい。言い換えるならば、加圧液圧流体が作動ピストンキャビティ65から解放されるので、排気バルブ31および32が、通常の正動力排気バルブリフトプロフィール85を再開することとなり、延長された排気バルブリフト(図12の15)および延長されたオーバーラップ(図12の17)を排除する。したがって、排気バルブ31および32を閉位置に戻しリセットすること(すなわち圧縮解放エンジンブレーキ事象中に作動ピストンキャビティ65から加圧液圧流体を解放すること)は、排気マニホールド背圧を低下させエンジンブレーキ減速力を低下させることになる、延長された吸気/排気バルブオーバーラップを排除する。
リセット液圧流体を補修するための補給液圧流体は、本発明の例示的実施形態によれば、ロッカーアームシャフト20内に配置されているロッカーシャフトアキュムレータ77から供給される。あるいは、ロッカーシャフトアキュムレータ77をロッカーアームシャフト支持体内に配置することができる。この蓄積された液圧流体は、次のプリチャージリフトプロフィール8またはエンジンブレーキ排気リフトプロフィール7のために、作動ピストンキャビティ65および高圧導管28を完全に充填するのを助けるべく、ロッカシャフトアキュムレータ77にごく近接してより高い圧力で蓄えられる。排気カムローブ2のプリチャージリフトプロフィール8は、吸気行程の終わり近くで第1排気バルブ31を開く。これにより、排気行程の開始時に高圧のエアチャージおよび排気マニホールドからシリンダへの追加のブーストが追加され、圧縮行程中および潜在的に排気行程中の空気に対して、より多くの作業を行うことができ、高いマニホールド背圧に応じて、エンジンブレーキの排気音レベルを低下させることができる。
したがって、本発明の第1の例示的実施形態によるロストモーションロッカーアーム圧縮解放エンジンブレーキシステムは、エンジン圧縮解放事象中に2つの排気バルブのうちの1つのみを開き、通常の排気行程バルブ動作の前にその1つの排気バルブをリセットする。本発明の第1の例示的実施形態では、エンジン圧縮解放単一排気バルブリフト開口は約0.100インチであり、リフトはTDC圧縮行程の直前に始まる。
現代のディーゼルエンジンは通常、排気バルブブリッジと2つの排気バルブを備えている。本発明の例示的実施形態によるリセット装置は、通常の排気行程中に両方の排気バルブを開く前に単一ブレーキ排気バルブを閉じることが望ましいので、排気バルブブリッジは不均衡な状態にはならない。不均衡状態は、単一バルブ作動ピンが単一ブレーキ排気バルブを着座位置に戻しておらず、通常の排気バルブ開放中にブリッジに不均衡な力を生じさせることである。
リセット装置32は、本発明の第1の例示的実施形態によれば、排気バルブブリッジ24および調整ねじアセンブリ68の中心よりも排気ロッカーアーム22(またはロッカーアームシャフト20)の回転中心から離れて配置されており、それによってリセットトリガ50がカートリッジ本体34内で上方に移動してボールバルブ部材44とアップセットピン58との間のラッシュを取り除く最大のトリガ運動を提供するとともに、リセット圧力スプリング57を圧縮することができる。圧縮解放シリンダ圧力は、高い液圧回路圧力によって閉鎖されたリセットチェックバルブ43を付勢することとなる。膨張行程の開始中、シリンダ圧力は急速に低下して、圧縮されつつあるリセット圧力スプリング57がボールバルブ部材44をそのシート45から持ち上げることができるような値になる。
ボールバルブ部材44がそのシート45から押し出された時点で、作動ピストンキャビティ65内の液圧流体が解放され、それによって単一エンジンブレーキ排気バルブ31をリセットする。リセット機能は通常の排気行程の前に生じ、その結果、両方の排気バルブ31および32が着座し、排気バルブブリッジ24が平衡状態にあるときに排気ロッカーアーム22によって排気バルブブリッジ24を開くことができる。
現在のロストモーションロッカーブレーキは、リセットすることなく市販されており、不均衡なブリッジ負荷の問題を解決するために強度の高いブリッジガイドピンを組み込むことによって実現されている。先行技術のアプローチは、より多く費用がかかり、そして延長された吸気/排気バルブのオーバーラップ状態のために、遅延性能がより小さくなる。吸排気バルブのオーバーラップが長くなると、排気マニホールドの空気質量が失われ、シリンダーと吸気マニホールドに戻る圧力が減少する。排気マニホールド圧力の損失は、エンジンブレーキの減速性能を低下させる。
本発明の例示的実施形態による、リセットを伴う単一バルブロッカーアームロストモーション圧縮解放エンジンブレーキシステムは、従来のエンジンブレーキシステムまたはさらに専用のカムブレーキのコストさえも低減する。本発明の例示的実施形態のロッカーアーム圧縮解放エンジンブレーキシステムは、排気カム駆動ブレーキまたはインジェクタ駆動ブレーキよりも優れた性能を提供する。ほとんどの状況において、専用カムエンジンブレーキと比較しても、本発明の例示的実施形態の単一バルブロッカーアーム圧縮解放エンジンブレーキシステムの性能は近いであろう。他のエンジンブレーキ構成と比較して、本発明の例示的実施形態のリセットを有する単一バルブロッカーアームロストモーション圧縮解放エンジンブレーキシステムは、重量、開発コスト、既存のエンジンに対する基本的な変更を行うための要件、エンジンの高さおよびエンジンあたりの製造コストにおいて優れている。
図13〜図15Bは、概して参照符号110で示される内燃機関の動弁機構アセンブリの第2の例示的実施形態を示す。本発明の第1の例示的実施形態と変わらない構成要素は、同じ参照符号を付けられている。図1〜図12に示した本発明の第1の例示的実施形態と同じように機能する構成要素は、2つの実施形態における対応する部分同士の間の類似性が読者によって容易に理解されるので、時には詳細に説明されることなく、いくつかについては同じ参照番号に100を加えたもので示されている。
動弁機構アセンブリ110は、内燃(IC)エンジン用に設けられた、本発明の第2の例示的実施形態によるロッカーアーム圧縮解放エンジンブレーキシステム112を含む。好ましくは、ICエンジンは4ストロークディーゼルエンジンである。
図13に示すように、本発明の第2の実施形態によるロッカーアーム圧縮解放エンジンブレーキシステム112は、2つの吸気バルブ1を作動させる従来の吸気ロッカーアセンブリ115と、1または複数の排気バルブを作動させるロストモーション排気ロッカーアセンブリ116とを含む。本発明の第2の例示的実施形態による圧縮解放ブレーキシステム112は、図13に示すように、排気ロッカーアセンブリ116を作動させかつ排気カム2によって駆動されるプッシュロッド9を含む。
本発明の第2の例示的実施形態による排気ロッカーアセンブリ116は、本明細書に開示されるように自動液圧調整およびリセット機能を備えたロストモーションタイプである。排気ロッカーアセンブリ116は、ロッカーシャフト20の周りに旋回可能に取り付けられ、排気バルブブリッジ24を介してそれぞれ第1および第2の排気バルブ31および32を開くように設けられた排気ロッカーアーム122を含む。ロッカーシャフト20は、ロッカーアーム支持部(またはロッカーアーム台座)25によって支持され、排気ロッカーアーム122に形成されたロッカーアーム孔133を通って延びる(図13〜図15Bに示す)。
ロッカーアーム圧縮解放ブレーキシステム112はさらに、排気ロッカーアーム122内に配置された排気バルブリセット装置132を含む。本発明の第2の例示的実施形態による排気バルブリセット装置132は、(図8〜図9Bに示される)本発明の第1の例示的実施形態の排気バルブリセット装置32と実質的に構造的および機能的に同一であり、そして実質的に円筒形のカートリッジの形態であり、連続供給導管26と流体連通する環状供給溝136を備えた実質的に円筒形のカートリッジ本体134と、ブレーキオン供給導管30と流体連通する環状ブレーキオン溝38と、高圧導管28と流体連通する環状ピストン溝140とを有する。円筒形のカートリッジ本体134は、排気ロッカーアーム122内の実質的に円筒形のリセット孔内にねじ式にかつ調整可能に配置されている。さらに、カートリッジ本体134には、排気バルブブリッジ24に隣接するカートリッジ本体134の遠位端に旋回可能に取り付けられた接触足部72が設けられている。図14および図15Bに示すように、リセットトリガ150は、カートリッジ本体134および接触足部72から接触足部72の開口部を通って延びている。
図14に最もよく示されるように、供給溝136、ブレーキオン溝138およびピストン溝140は、カートリッジ本体134の外周円筒面に軸方向に互いに間隔を隔てて形成されている。排気ロッカーローラフォロアが排気カム2の下部ベース円6と接触しているとき、すなわち、排気カム2が排気ロッカーアーム122に作用していない(押圧している)とき、円筒形のカートリッジ本体134が、接触足部72と排気バルブブリッジ24との間に所定のバルブラッシュ(またはクリアランス)δを設定するように、排気ロッカーアーム122の実質的に円筒形のリセット孔内に配置される。所定のバルブラッシュδ(例えば、0.05インチ)は、エンジン作動温度での動弁機構の構成要素の伸びのためのクリアランスを伴って、正動力動作中に通常の排気バルブ運動を提供するように設定される。エンジンブレーキ作動中、(所定のバルブラッシュδを除く)全てのラッシュが動弁機構から取り除かれ、ブレーキカムプロフィールが排気バルブの開放タイミング、プロフィールおよびリフトを決定する。
代替的に、参照符号132 ’で全体的に示される排気バルブリセット装置の代替実施形態のカートリッジ本体134’の外周円筒面149は、図15Aおよび図15Bに最もよく示されるように全体的にまたは少なくとも部分的にねじが切られている。供給溝136、ブレーキオン溝138、およびピストン溝140のそれぞれは、カートリッジ本体134 ’のねじ付き外周円筒面149に形成され、互いに軸方向に離間している。排気ロッカーローラフォロアが排気カム2の下部ベース円6と接触しているとき、すなわち、排気カム2が排気ロッカーアーム122に作用していない(押圧している)とき、ねじ付き円筒形のカートリッジ本体134’は、接触足部72と排気バルブブリッジ24との間に所定のバルブラッシュ(またはクリアランス)δを設定するために排気ロッカーアーム122内の実質的に円筒形のねじ付きリセット孔123a内に調節可能に配置される。
上部カートリッジプラグ135aは、カートリッジ本体134 ’に移動不能に固定(すなわち固定)されており、所定のバルブラッシュδを設定するために排気ロッカーアーム122の上方からアクセス可能な六角形ソケット171を備えている。調整ねじ付き円筒形のカートリッジ本体134 ’にはロックナット151が設けられている。所定のバルブラッシュδは、エンジン動作温度での動弁機構の構成要素の伸びのためのクリアランスを伴って、正動力作動中に通常の排気バルブ運動を提供するように設定される。エンジンブレーキ動作中は、(所定のバルブラッシュδを除く)全てのラッシュが動弁機構から取り除かれ、ブレーキカムプロフィールが排気バルブの開放タイミング、プロフィールおよびリフトを決定する。言い換えれば、リセット装置132は、ロッカーアーム調整ねじアセンブリの機能とチェックバルブおよびリセット装置の機能とを組み合わせたものである。排気バルブリセット装置のこのような配置は、オーバーヘッドカムシャフトを有するICエンジンにとって特に有益である。
図16〜図18Bは、全体的に参照符号310によって示される、ICエンジンの動弁機構アセンブリの第3の例示的実施形態を示す。本発明の第1の例示的実施形態と変わらない構成要素は、同じ参照符号を付されている。図1〜図12に示した本発明の第1の例示的実施形態と同じように機能する構成要素は、2つの実施形態における対応する部分同士の間の類似性が読者によって容易に理解されるので、時には詳細に説明されることなく、いくつかは300を加えた同じ参照符号によって示される。
動弁機構アセンブリ310は、ロッカーアーム圧縮解放エンジンブレーキシステム312を含む。好ましくは、ICエンジンは、複数のシリンダを含むシリンダブロックを備える4ストロークディーゼルエンジンである。ロッカーアーム圧縮解放エンジンブレーキシステム312は、2つの吸気バルブ1を動作させるための従来の吸気ロッカーアセンブリ(図示せず)と、第1および第2の排気バルブ31および32を作動させるためのロストモーション排気ロッカーアセンブリ316とを含む。本発明の第3の例示的実施形態による排気ロッカーアセンブリ316は、自動液圧調整およびリセット機能を備えたロストモーションタイプのものである。排気ロッカーアセンブリ316は、ロッカーシャフト20の周りに旋回可能に取り付けられ、排気バルブブリッジ24を介して第1および第2の排気バルブ31および32をそれぞれ開くように設けられた排気ロッカーアーム322を含む。ロッカーシャフト20は、ロッカーアーム支持部(またはロッカーアーム台座)によって支持され、排気ロッカーアーム322(図16に示される)に形成されたロッカーアーム孔333を通って延びている。
ロッカーアーム圧縮解放ブレーキシステム312はさらに、排気ロッカーアーム322内に排気バルブ31および32と実質的に平行な方向に配置された排気バルブリセット装置332を含む。本発明の第3の例示的実施形態による排気バルブリセット装置(またはスプールカートリッジ)332は、図18Aおよび図18Bに最もよく示されているように、圧縮解放スプールカートリッジアセンブリの形態であり、そして連続液圧供給導管26と連通する連続圧力供給ポート337を備えた略円筒状のカートリッジ本体334と、高圧導管28を介して作動ピストンキャビティ65と流体連通するピストン供給ポート341とを有する。連続圧力供給ポート337とピストン供給ポート341とは軸方向に互いに離間している。円筒形のカートリッジ本体334は、排気ロッカーアーム322内の実質的に円筒形のリセット孔内に移動不能に配置されている。本発明の第3の例示的実施形態では、円筒形のカートリッジ本体334は、排気ロッカーアーム322の実質的に円筒形のリセット孔内にねじ込み式に調整可能に配置される。すなわち、リセット装置332は所定の排気バルブラッシュδに対して調整可能である。さらに、カートリッジ本体334には、摺動ボール足部374に旋回可能に取り付けられた接触足部(または象足部)372が設けられ、次に、接触足部372は、排気バルブブリッジ24に隣接するカートリッジ本体334の遠位端に取り付けられる。つまり、本発明の第3実施形態に係るリセット装置332は、ロッカーアーム調整ネジアセンブリと排気バルブリセット装置の機能を兼ね備えている。
リセット装置332は、円筒形のカートリッジ本体334内に軸方向にスライド可能に配置された実質的に円筒形のリセットスプール340をさらに含む。リセットスプール340は、カートリッジ本体334内で、図17A及び図18Aに示す後退位置と図17Bおよび図18Bに示す延伸位置との間でカートリッジ本体334に対して相対移動可能である。
さらに図18Aおよび図18Bに示されるように、リセットスプール340はその中に内部キャビティを有し、これは分離壁360によってチェックバルブキャビティ3421とリセットキャビティ3422とに分割される。リセットスプール340内のチェックバルブキャビティ3421は、上部カートリッジプラグ335と分離壁360との間に囲まれている。リセットスプール340にはさらに、カートリッジ本体334の内周面335とリセットスプール340の外周面347との間に第1の環状スプール凹部351が形成されている。第1の環状凹部351は、下部スプールキャビティを画定し、カートリッジ本体334内の連続圧力供給ポート337と一定の直接流体連通状態にある。次に、下部スプールキャビティ351は、リセットスプール340内の少なくとも1つの第1の連通ポート353を介してチェックバルブキャビティ3421と流体連通している。下部スプールキャビティ351は、リセットスプール340の軸方向位置に応じて、ピストン供給ポート341に選択的に流体連通される。例えば、図18Aに示すように、リセットスプール340の後退位置では、下部スプールキャビティ351は、ピストン供給ポート341に流体連通されており、一方、図18Bに示すように、リセットスプール340の伸張位置にある間は、下部スプールキャビティ351は、ピストン供給ポート341から流体的に遮断されている。
リセットスプール340にはさらに、カートリッジ本体334の内周面335とリセットスプール340の外周面347との間に第2の環状スプール凹部354が形成されている。第2の環状凹部354は上部スプールキャビティを画定し、リセットスプール340内の少なくとも1つの第2の連通ポート355を介してチェックバルブキャビティ3421と流体連通する。図18Aおよび図18Bに最もよく示されているように、下部スプールキャビティ351は、環状フランジ358によって上部スプールキャビティ354から流体的に分離され、環状フランジ358は、カートリッジ本体334の内周面335と滑り接触している。言い換えれば、少なくとも1つの第2の連通ポート355は、少なくとも1つの第1の連通ポート353から軸方向に離間している。第2の連通ポート355は、リセットスプール340の軸方向位置に応じてチェックバルブキャビティ3421とピストン供給ポート341とを選択的に流体連通させるために設けられている。
リセット装置332は、ボールバルブ部材344と、ボールバルブ部材344と上部カートリッジプラグ335との間に配置されたボールチェックスプリング346とをさらに含む。ボールバルブ部材344はボールチェックスプリング346の付勢スプリング力によってボールチェックシート345上に保持されることにより、リセットスプール340内の連通ポート348を閉じ、これがカートリッジ本体334の連続圧力供給ポート337とリセットスプール340のチェックバルブキャビティ3421とを流体連通させる。ボールバルブ部材344、ボールチェックシート345およびボールチェックスプリング346は、リセットチェックバルブ343を画定する。チェックバルブ343は、第2の連通ポート355を介して、連続供給導管26と高圧導管28との間(すなわち、連続供給導管26と作動ピストンキャビティ65との間)に選択的な流体連通を提供する。当然のことながら、任意の適切な種類の逆止弁が本発明の範囲内にある。
連続圧力供給ポート337とピストン供給ポート341とは、カートリッジ本体334の外周円筒面に軸方向に間隔を隔てて形成されている。ねじ付き円筒形のカートリッジ本体334は、排気ロッカーアーム322内の実質的に円筒形のリセット孔内に調整可能に配置されている。
排気バルブリセット装置332は、リセットスプール340のリセットキャビティ3422内で軸方向にスライド可能なリセットトリガ350をさらに備える。リセットトリガ350は、カートリッジ本体334から少なくとも部分的に延びる半球状の遠位端352を有する。リセットトリガ350は、カートリッジ本体334に対して、図17Aおよび図18Aに示す後退位置と、図17Bおよび図18Bに示す伸張位置との間で移動可能である。リセットスプール340は、通常、カートリッジ本体334内でリセットスプール340の外側に配置されたトリガ復帰スプリング356によって後退位置に付勢されている。リセットトリガ350はまた、通常、カートリッジ本体334内でリセットスプール340のリセットキャビティ3422内に配置されたリセット圧力スプリング357によってリセットスプール340内の伸長位置に付勢されている。リセットトリガ350は、ブレーキ動作をリセットするためにリセット圧力スプリング357の弾性付勢作用によってリセットスプール340を持ち上げるために設けられている。
本発明の第3の例示的実施形態による動弁機構アセンブリ310は、リセットスプール340を図17Aおよび図18Aに示す後退位置と図17Bおよび図18Bに示す伸長位置の間で選択的に移動させるために設けられた圧縮解放アクチュエータ376をさらに含む。図17Aおよび17Bに示す圧縮解放アクチュエータ376は、(空気圧または液圧などの)流体アクチュエータの形態である。あるいは、圧縮解放アクチュエータ376は電磁アクチュエータの形態とすることができる。流体圧縮解放アクチュエータ376は、ロッカーシャフト20に対して移動不能なケーシング378と、ケーシング378内で往復運動するブレーキオンピストン380とを備える。ブレーキオンピストン380は、ケーシング378内に作動(またはブレーキオン)ピストンキャビティ381を画定する(図17Aおよび図17Bに最もよく示されている)。ケーシング378は、作動ピストンキャビティ381に開口しかつブレーキオン供給導管のような加圧流体源(空気又は液体)と接続された流体ポート382を含む。ケーシング378には、ブレーキオンピストン380の上下方向の直線運動を制限するピストンストローク制限ピン384が設けられている。具体的には、ブレーキオンピストン380は、その中にピストンストローク制限ピン384を受容する軸方向に延びる溝385を備える。
圧縮解放ブレーキシステム312は、圧縮ブレーキモード、またはブレーキオンモード(エンジン圧縮ブレーキ動作中)および圧縮ブレーキ停止モード、またはブレーキオフモード(正動力動作中)で動作する。
本発明の第3の例示的実施形態によるリセット装置332を有するロッカーアーム圧縮解放エンジンブレーキシステム312を有するICエンジンの動作において、ブレーキオフモード中、 図16および図17Aに示すように、圧縮解放アクチュエータ376は作動停止され、ブレーキオンピストン380は後退位置にあるので、ブレーキオンピストン380はリセット装置332のリセットスプール340から軸方向に離間されている。その結果、リセットスプール340は、図18Aに最もよく示されているように、トリガ復帰スプリング356によって後退位置に付勢されている。この位置では、リセットトリガ350は象足部372から延びていない。ブレーキオフモードでは、エンジンオイルなどの加圧液圧流体が連続圧力供給ポート337に連続的に供給され、エンジンオイルを下部スプールキャビティ351を通ってピストン供給ポート341に行き来させる。この継続的なオイルの流れは、正動力動作中に動弁機構内の機械的クリアランス(所定のバルブラッシュδを除く)を取り除き、動弁機構のがたつきを排除し、排気カムプロフィールとローラフォロアとの間の連続的な接触を維持する。
したがって、ブレーキオフモードの間、図16、図17Aおよび図18Aに示すように、加圧流体は、連続供給導管26から、下部スプールキャビティ351およびリセット装置332のピストン供給ポート341、ならびに高圧通路28を通って作動ピストンキャビティ65に連続的に供給される。
ブレーキオンモード中のエンジンブレーキ動作は次の通りである。
エンジンブレーキを作動させるためには、図17Bに最もよく示されるように、圧縮解放アクチュエータ376が作動され、ブレーキオンピストン380が伸長位置へ移動する。続いて、ブレーキオンピストン380がリセットスプール340を押し下げ、ピストン供給ポート341を下部スプールキャビティ351からシールする。作動ピストンキャビティ65は、連続圧力供給ポート337からチェックバルブ343、チェックバルブキャビティ3421、リセットスプール340内の少なくとも1つの第2の連通ポート355、上部スプールキャビティ354、およびピストン供給ポート341を介して加圧液圧流体で満たされ続ける。同時に、チェックバルブ343は、ブレーキオン作動ピストン62が完全に下方に伸びたときに作動ピストンキャビティ65を液圧でロックする。排気ロッカーアーム322は、排気カム2の下部ベース円6上に配置されると、単一排気バルブ31を開き始め、関連するエンジンシリンダから圧縮空気を放出する。約0.050インチの排気バルブリフトの間、リセットトリガ350の半球状の遠位端352が排気ブリッジ24に接触し、その結果、リセット圧力スプリング357が、リセットスプール340に対する上向きに移動するための増大する付勢力を生み出す。
エンジン圧縮行程の間、圧縮解放アクチュエータ376のブレーキオンピストン380の付勢力および上部スプールキャビティ354内の液圧がリセットスプール340を伸長位置に付勢する。一方、リセット圧力スプリング357およびトリガ復帰スプリング356は、リセットスプール340を後退位置に付勢する。シリンダ圧力が上昇し続けると、上部スプールキャビティ354内の液圧もまた上昇し、リセットスプール340を下方の伸長位置に維持するためのより大きな付勢力を生み出し、そして単一バルブ作動ピストン62の上方の作動ピストンキャビティ65内に液圧流体をロックし続ける。 。
エンジン行程が圧縮行程から膨張行程に変化すると、シリンダ圧力は急速にほぼ大気圧まで低下する。ピストン供給ポート341および上部スプールキャビティ354内の圧力が約250psiの圧力まで低下すると、リセットスプール340にかかる大きな液圧付勢力が排除され、その結果、リセット圧力スプリング357の上方への付勢力が、圧縮解放アクチュエータ376の下方への付勢力を超える。その結果、リセットスプール340は上方に移行してピストン供給ポート341を下部スプールキャビティ351に開放し、よって作動ピストン62のロックを解除し、すなわち作動ピストンキャビティ65からの液圧流体が連続圧力供給口337を通って連続オイル供給導管126に逆流することを可能にする。連続圧力供給ポート337を通るこのオイルの流れは、単一排気バルブ31を再着座させることを可能にし、単一バルブのリセット機能を完了させる。リセット圧力スプリング357は、ブレーキ排気バルブ31のバルブスプリング91からの約100ポンドの力を克服するのに適応した力を発生させるための十分なスプリング力を有し、これは、単一排気バルブ31をリセットするために、膨張行程の終わりにリセットチェックバルブ443のリセットボールバルブ部材444に跨がる圧力差を生じさせる。
図19および図20は、全体的に参照符号410で示した、ICエンジンの動弁機構アセンブリの第4の例示的実施形態を示す。本発明の第1の例示的実施形態と変わらない構成要素は、同じ参照符号を付されている。図16〜図18Bに示した本発明の第1の例示的実施形態と同じように機能する構成要素は、2つの実施形態における対応する部分の間の類似性が読者によって容易に理解されるので、同じ参照符号で示され、そのうちのいくつかには100が追加された同じ参照符号が付され、時には詳細に説明されない。
動弁機構アセンブリ410は、ロッカーアーム圧縮解放エンジンブレーキシステム412を含む。好ましくは、ICエンジンは、複数のシリンダを含むシリンダブロックを備える4ストロークディーゼルエンジンである。ロッカーアーム圧縮解放エンジンブレーキシステム412は、2つの吸気バルブ1を作動させるための従来の吸気ロッカーアセンブリ(図示せず)と、第1(またはブレーキ)および第2の排気バルブ31および32を作動させるためのロストモーション排気ロッカーアセンブリ416とをそれぞれ含む。本発明の第4の例示的実施形態による排気ロッカーアセンブリ416は、本明細書に開示されるような自動液圧調整およびリセット機能を備えたロストモーションタイプである。排気ロッカーアセンブリ416は、ロッカーシャフト20の周りに旋回可能に取り付けられ、排気バルブブリッジ24を介して第1および第2の排気バルブ31および32をそれぞれ開くように設けられた排気ロッカーアーム422を含む。ロッカーシャフト20は、ロッカーアーム支持部(またはロッカーアーム台座)によって支持され、(図19に示す)排気ロッカーアーム422に形成されたロッカーアーム孔433を通って延びる。
本発明の第4の例示的実施形態による圧縮解放ブレーキシステム412を組み込んだICエンジンは、排気ロッカーアセンブリ416を作動させかつ排気カム2(図13に示す)によって駆動されるプッシュロッド(図13に示す)を含む。排気ロッカーアーム422は、エンジン排気バルブ31および32を制御するためにエンジン排気バルブ31および32と動作可能に係合するように設けられた駆動端(第1の遠位端)422aと、プッシュロッドに隣接して位置する従動端(第2の遠位端)22bとを有する。
ロッカーアームブレーキシステム412はまた、(図20に最もよく示されるように)排気ロッカーアーム422内に作動ピストン462をスライド可能に受容するために形成された実質的に円筒形の作動ピストン孔464を含む。作動ピストン462は、(図20に最もよく示されるように)リセットピストン孔464に対して後退位置と伸長位置との間で排気バルブ31および32と実質的に平行な方向に移動可能であり、単一バルブ作動ピン76の上端面76aに接触するように構成される。単一バルブ作動ピン76は、排気バルブブリッジ24に対してスライド可能に動くことができる。作動ピストン462は、(図20に最もよく示されるように)排気ロッカーアーム422内のリセットピストン孔464内にリセットピストンキャビティ465を画定する。排気単一バルブ作動ピン76は、圧縮解放エンジンブレーキ動作中(すなわちブレーキオンモードで)、作動ピストン462が第1の排気バルブ31を押圧して第1の排気バルブ31(すなわち2つの排気バルブのうちの1つのみ)を開くことを可能にする。言い換えれば、単一バルブ作動ピン76は、第1の排気バルブ31を第2の排気バルブ32および排気バルブブリッジ24に対して相対的に移動可能にするために、排気バルブブリッジ24に対して往復移動可能である。
ロッカーアームブレーキシステム412は、排気ロッカーアーム422内に配置された排気バルブリセット装置432をさらに備える。排気バルブリセット装置432は、図19および図20に示すように、作動ピストン462内に配置されたリセットチェックバルブを含む。本発明の例示的実施形態では、リセットチェックバルブはボールチェックバルブ443の形態であり、ボールチェックバルブ443は通常は付勢されて開いている。ボールチェックバルブ以外の任意の適切な種類の逆止弁も本発明の範囲内であることが理解されよう。リセットチェックバルブ443は、ボールバルブ部材444と、ボールチェックシート445と、リセットボールバルブ部材444をリセットチェックバルブ443の開位置まで上方に付勢する付勢(またはリセット)スプリング446とを含む。
ボールバルブ部材444が開くように付勢され、すなわちリセットスプリング446の付勢するスプリング力によってボールチェックシート445から離れて保持されることによって、作動ピストン462内の連通ポート448を開く。連通ポート448は、リセットピストンキャビティ465を、作動ピストン462を貫通して形成された連通導管453と流体連通させる。次に、作動ピストン462内の連通導管453は連続供給導管426に直接流体連通されている。言い換えれば、リセットチェックバルブ443が開いているとき、連続供給導管426はリセットピストンキャビティ465に流体連通されている。
ロッカーアームブレーキシステム412の排気バルブリセット装置432は、排気ロッカーアーム422にも配置されたロッカーチェックバルブ450をさらに含む。本発明の例示的実施形態では、ロッカーチェックバルブ450はボールチェックバルブの形をしており、ボールチェックバルブは通常は付勢されて閉じている。ボールチェックバルブ以外の任意の適切な種類の逆止弁も本発明の範囲内であることが理解されよう。ロッカーチェックバルブ450は、ロッカーシャフト20を受けるロッカーアーム孔433に対して実質的に垂直に排気ロッカーアーム422に形成されたチェックバルブ孔434内に配置される。孔434はプラグ435によって閉じられる。ロッカーチェックバルブ450は、チェックバルブ孔434内に配置されたボールバルブ部材440と、ボールバルブ部材440をその閉位置に付勢するボールチェックスプリング442とを含む。言い換えれば、ボールバルブ部材440は、ボールチェックスプリング442の付勢するスプリング力によってボールチェックシート上に保持され、ロッカーチェックバルブ450を介して連通開口452を閉じる。ロッカーチェックバルブ450は、リセット導管428を介して連続供給導管426とリセットピストンキャビティ465とを流体連通させる。
本発明の第4の例示的実施形態によるロッカーアームブレーキシステム412は、排気バルブリセット装置432を選択的に制御するために設けられた圧縮解放アクチュエータ476をさらに備える。図19および図20に示されるように、圧縮解放アクチュエータ476は、(空気圧または液圧などの)流体アクチュエータの形態である。あるいは、圧縮解放アクチュエータ476は電磁アクチュエータの形態でもよい。流体圧縮解放アクチュエータ476は、ロッカーシャフト20に対して移動不能なケーシング478と、ケーシング478内で往復運動するブレーキオンピストン480とを備える。ブレーキオンピストン480は、ケーシング478内にブレーキオンピストンキャビティ481を画定する(図20に最もよく示されている)。ケーシング478は、ブレーキオンピストンキャビティ481に開口し、加圧流体(空気または液体)の供給源に接続されたブレーキオン流体供給ポート482を含む。ケーシング478には、ピストンストローク制限ピン484が設けられている。ピストンストローク制限ピン484は、ブレーキオンピストン480の上方および下方への直線運動を制限する調整可能なポジティブストップである。具体的には、ブレーキオンピストン480は、その中にピストンストローク制限ピン484を受容する軸方向に延びる溝485を備える。
本発明の第4の例示的実施形態によるロッカーアームブレーキシステム412は、ブレーキオンピストン480とリセットチェックバルブ443のリセットボールバルブ部材444との間に延びるリセットピン458をさらに含む。
さらに、排気ロッカーアーム422は、排気ロッカーアーム422の従動端422bに調節可能に取り付けられたロッカーアーム調節ねじアセンブリ468(図1に最もよく示されている)を含み、調節ねじアセンブリ468は、エンジンのカムシャフト側の排気バルブ駆動機構内に配置され、そしてプッシュロッドに作動的に連結されている。調整ねじアセンブリ468は、排気ロッカーアーム422とプッシュロッドとの間の排気バルブ駆動機構内に配置された調整可能なリンク機構を画定する。
図19に最もよく示されるように、ロッカーアーム調整ねじアセンブリ468は、排気バルブ31および32を開くためにプッシュロッドと係合するように設けられている。調整ねじアセンブリ468は、排気ロッカーアーム422の従動端422bに調整可能に、例えばねじ込み式で取り付けられた調整ねじ470を含む。
ねじアセンブリ468は、プッシュロッドの上端部に結合されたソケット(図示せず)内に受容されるためのボール状の端部471を有する調整ねじ470を含む。調整ねじ470は、排気ロッカーアーム422の従動端422bにねじ込み式などで調整可能に取り付けられ、ロックナット473によって適所に固定される。
圧縮解放ブレーキシステム412は、圧縮ブレーキモード、またはブレーキオンモード(エンジン圧縮ブレーキ動作中)、および、圧縮ブレーキ停止モード、またはブレーキオフモード(正動力動作中)で動作する。
ブレーキオンモード中のエンジンブレーキ動作は次の通りである。
エンジンブレーキを作動させるために、圧縮解放アクチュエータ476が作動され、加圧流体がブレーキオン流体供給ポート482を通ってブレーキオンピストンキャビティ481に入る。ブレーキオンピストンキャビティ481に供給されるエンジンオイルのような空気圧または液圧流体は、ブレーキオンピストン480を下方に押す。続いて、図19に示すように、ブレーキオンピストン480が伸長位置に移動して、ピストンストローク制限ピン484と係合して下方に移動する。ブレーキオン流体供給ポート482は、ボールバルブ部材444を閉じるためにブレーキオンピストン480を下方に付勢する約16ポンドの連続力を維持するために一定の供給圧力を維持するように調整される。あるいは、圧縮解放アクチュエータ476のブレーキオンピストン480は、電子ソレノイドまたは電磁石によって作動させることができる。ブレーキオンピストン480の下方への直線移動は、リセットピン458を下方に付勢し、リセットチェックバルブ443を閉じる。リセットチェックバルブ443がリセットピン458を介してブレーキオンピストン480によって閉じられると、作動ピストン462はリセットピストン孔464内に後退しない。なぜなら、液圧流体は閉じたリセットチェックバルブ443およびロッカーチェックバルブ450によってリセットピストン孔464内にロックされるからである。
第4の実施形態による圧縮解放エンジンブレーキシステム412の動作は、動弁機構の最大動弁機構負荷仕様を超えないように、2つの排気バルブ31、32のうちの一方のみを開くことを必要とする。ブレーキ排気バルブ31の開放は、約0.100インチの単一バルブブレーキリフトを組み込んでいる。圧縮解放エンジンブレーキシステム412は、ブレーキオンピストン480がリセットピン458を介してリセットチェックバルブ443のボールバルブ部材444に実質的に下方への付勢力を与えることを必要とする。それにより初期バルブ開度に対するブレーキ排気バルブ31の典型的な0.100インチリフトの約50%においてリセットチェックバルブ443をシールする(すなわち閉じる)。言い換えれば、ボールバルブ部材444は、単一バルブブレーキリフトの最初の0.050インチの間、付勢されて機械的に閉じている。
ブレーキ排気バルブ31のリフトがその全エンジンブレーキのブレーキリフトの約50%(すなわち0.050インチ)にあるとき、ブレーキオンピストン480は調整可能なピストンストローク制限ピン(すなわちポジティブストップ)484と係合する。その瞬間から、ブレーキオンピストン480の下方への直線移動は阻止される。その後、排気ロッカーアーム422が排気ブリッジ24を下方に移動させ続けると、ブレーキオンピストン480はリセットピン458を下方に押すのを止める。
シリンダ圧力、したがって作動ピストン462に対するバルブ力は、ブレーキ排気バルブ31の運動の後半の間、上昇し続ける。増加する液圧は、リセットボールバルブ部材444をそのシート445上にしっかりと保持し、リセットピン458との接触は、最後の(すなわち第2の)50%の運動のためにもはや必要とされない。言い換えれば、排気ロッカーアーム422がブレーキ排気バルブ31を開き続けるので、ボールバルブ部材444に対するリセットピン458の下方への付勢力は、ブレーキオンピストン480と調整可能なポジティブストップ484との接触から生じるブレーキ排気バルブ31の開口の約50%で除去される。シリンダ圧力は圧縮行程の間増加し続け、それによりブレーキ排気バルブ31を上方に付勢し、そしてリセットピストンキャビティ465内のオイルの圧力を増加させる。その結果、リセットボールバルブ部材444に作用する下向きの付勢力が付与される。リセットピストンキャビティ465内の高圧は、リセットボールバルブ部材444に跨がる高い圧力差を生じさせ、着座しているリセットボールバルブ部材444を付勢し続ける、すなわちリセットチェックバルブ443の閉位置へと付勢し続ける。言い換えれば、作動ピストンキャビティ465内の圧力は、リセットチェックバルブ443を液圧で付勢して、単一バルブブレーキリフトを第2のそして最後の半分(すなわち、0.050インチリフト)の間、閉じる。
上述のように、作動ピストン462の内部にはリセットスプリング446があり、それは、13ポンドの力のリセットスプリング446のほぼ初期力でリセットボールバルブ部材444をリセットチェックバルブ443の開位置へと上方に付勢する。膨張行程89の間、シリンダ圧力89Pは、TDC圧縮行程近くのエンジンブレーキの圧縮解放事象中にシリンダから空気が放出されることにより急速に減少するであろう。
ブレーキ排気バルブ31の開口部を通ってエンジンの排気マニホルド内に放出されるシリンダ空気質量は、膨張行程の終わり近くで非常に低いシリンダ圧力をもたらす。ブレーキ排気バルブ31は約0.100インチのリフトで開いたままであるので、ブレーキ排気バルブ31のバルブスプリング91は、作動ピストン462に約100ポンド力(1bf)の上方への付勢力を生じさせる。
膨張行程89の終わりに近づき、シリンダ圧力が大気圧に近くなりかつブレーキ排気バルブ31のバルブスプリング91からの小さな付勢力が加えられるとき、リセットスプリング446からのより高い付勢力は、リセットボールバルブ部材444をシート445から持ち上げ、その結果、リセットピストンキャビティ465からエンジンオイル供給源等の連続供給導管426および液圧流体供給通路93へと液圧流体が戻る。戻っていく液圧流体の流れにより、ブレーキ排気バルブ31のバルブスプリング91が作動ピストン462を上方に押してリセットピン458とブレーキオンピストン480との間を接触させ始める。
ブレーキ排気バルブ31のバルブスプリング91の弾性付勢力は約100ポンド力(lbf)であり、リセットピストンキャビティ465内に約220psiの圧力を発生させて液圧流体を液圧流体供給通路93に押し戻し、作動ピストン462を上方に移動させる。ブレーキ排気バルブ31が着座位置から0.050インチに近づくと、リセットピン458がブレーキオンピストン480と接触し、リセットボールバルブ部材444が着座する、すなわちリセットチェックバルブ443が閉じられる。
ブレーキ排気バルブ31のバルブスプリング91の付勢力は約100ポンドであり、ブレーキオンピストン480の約12ポンドの下向きの付勢力を上回り、ブレーキオンピストン480を強制的に上方へと向かわせ、そして調整可能なポジティブストップ484の上方約0.050インチに位置させる。これにより、作動ピストン462および単一バルブ作動ピン76が上方に移動し、したがって単一排気バルブ31をリセットして第1の排気バルブ31をそのバルブシートに戻すことができる。換言すれば、単一排気ブレーキバルブ31をリセットすることは、膨張行程中に作動ピストンキャビティ465内の減少するシリンダ圧力および対応する液圧を感知してボールバルブ部材444を着座解除し、作動ピストンキャビティ465から液圧流体を解放することによって達成され、通常の排気バルブリフトの前に不均衡な排気ブリッジを排除するために単一排気バルブ31を閉じるかリセットする。
液圧流体供給路93は、ロッカーチェックバルブ450を介してリセットピストンキャビティ465に必要な最終補給オイルを追加する。
ロッカーチェックバルブ450は、リセットピストンキャビティ465に液圧流体を供給するために連続供給導管426に流体接続されている。ロッカーチェックバルブ450は、圧縮ブレーキストロークの開始前にリセットピストンキャビティ465を完全に満たすことを可能にする。ブレーキオンピストン480の作動は、開放911および閉鎖912の両方の排気リフトプロフィール中、ブレーキ排気バルブ31の約0.050インチのリフトの間、着座しているリセットチェックバルブ443を付勢する。
作動ピストンキャビティ465の再充填中、通路453は、単一バルブブレーキリフト(またはロストモーション)の最後の0.050インチとなる前にブレーキオンピストン480およびリセットピン458がリセットチェックバルブ443のリセットボールバルブ部材444を付勢するまでの間のみ供給オイルを追加する。リセットボールバルブ部材444は、単一ブレーキリフトの最初の0.050インチの間にリセットチェックバルブ443をシールするので、単一ブレーキリフトの最後の0.050インチの間に補充リセット供給オイルを追加することはできない。このことから、ロッカーチェックバルブ450が設けられている。
リセットチェックバルブ443は、圧縮解放エンジンブレーキ動作中、排気カムプロフィールリフト88の開口部881の最初の0.050インチの間、ブレーキオンピストン480によって(リセットピン458を介して)付勢され閉じられており、それによって、連続供給導管426が通常の給油圧力で補充油を追加することを阻止する。ロッカーチェックバルブ450の円錐形の付勢スプリング442は、小さい付勢力を有し、連続供給導管426から補充オイルを与えることによって、リセットピストンキャビティ465を完全に満たしそして次の圧縮解放エンジンブレーキ事象88(図12に示す)の前に全ての排気動弁機構クリアランスを除去する。
膨張行程89の間、リセットピストンキャビティ465からの液圧流体は、連続供給導管426内に逆流し、ブレーキ排気バルブ31の閉位置への着座(変位)を可能にする。ブレーキ排気バルブ31が着座させられる(または閉じられる)と、通常の排気サイクルが両方の排気バルブ31および32が閉じられた状態で作動を開始し、これは、閉じた外側排気バルブ32と部分的に開いたブレーキ排気バルブ31とからなる不均衡な排気バルブブリッジ24の開放を排除する。
エンジン圧縮動作中、エンジンシリンダ内のピークシリンダ圧力は1000psiにもなり得るので、リセットピストンキャビティ465内には約4000psiの圧力が生じる。リセットピン458は、リセットピン458の遠位端同士の間に一体的に(すなわち、移動不可能にまたは固定的に)形成されかつリセットピストンキャビティ465内に配置された、円筒形等の拡大部(または停止部)458aを備える。リセットピン458の停止部458aは、リセットピストンキャビティ465内のリセットピン458の上方ストップを制御し、リセットピストンキャビティ465内の液圧に起因する上方付勢力を制御するように構成される。停止部458aの断面積(または直径)は、円筒部458aの外側のリセットピン458の断面積(または直径)よりも大きい。リセットピン458の差動面積は、リセットピストンキャビティ465内のリセットピン458の内部表面積を最小にして、着座および着座解除の機能中のリセットボールバルブ部材444の望ましくない付勢を低減または排除する。さらに、停止部458aの上側ピン停止面458bは、排気ロッカーアーム422のリセット停止面459に対向し、選択的に係合してリセットピン458の上方への動きを制限するように構成される。
ブレーキオフモード中のエンジン動作は以下の通りである。
本発明の第4の例示的実施形態によるロッカーアーム圧縮解放エンジンブレーキシステム412および排気バルブリセット装置432を有するエンジンの動作において、ブレーキオフモード中に、圧縮解放アクチュエータ476は作動停止され、そしてブレーキオンピストン480は後退位置にある。その結果、リセットチェックバルブ443はリセットスプリング446によって開方向に付勢される。
この位置では、リセットピン458はリセットチェックバルブ443を閉じるように付勢しない。ブレーキオフモードでは、エンジンオイルなどの加圧液圧流体が、連続供給導管426から連通導管453、連通ポート448および開放されたリセットチェックバルブ443を通ってリセットピストンキャビティ465に連続的に供給される。さらに、開放されたリセットチェックバルブ443は、加圧された液圧流体が、連通導管453および連通ポート448を通って連続供給導管426へとリセットピストンキャビティ465に流入および流出することを可能にする。この継続的なオイルの流れは、正動力エンジン動作中に動弁機構内の機械的クリアランス(図20に最もよく示される所定のバルブラッシュδを除く)を取り除き、動弁機構のがたつきを排除し、排気カムプロフィールとローラフォロアとの間の連続接触を維持する。
ブレーキオン流体供給ポート482を介するブレーキオンピストンキャビティ481へのブレーキオン流体の供給が遮断されると、リセットピン458が、リセットスプリング446と停止部458aの下側ピン停止面458cに作用する液圧とによって排気ロッカーアーム422のリセット停止面459に向かって上方に付勢される。それによって、リセットボールバルブ部材444を開放位置まで上方に付勢して、リセットピストンキャビティ465内の制限されていない流体の流れが連続供給導管426からリセットピストンキャビティ465にエンジンオイルを自由に流入および流出するようにし、かつ全ての動弁機構ラッシュを除去することにより、正動力エンジン動作中の動弁機構の衝撃と機械的な騒音を低減する。
圧縮行程86の間、全ての動弁列のラッシュは、連続供給導管426を介してリセットピストンキャビティ465に加圧液圧流体を追加することによって取り除かれ、それによってリセットピストン462がブレーキ排気バルブ31と係合する。圧縮行程86の終わり近くで、排気カム2のエンジンブレーキリフトプロフィール7は、排気ロッカーアーム422の回転を生じさせる。排気ロッカーアーム422がブレーキ排気バルブ31に向かって旋回移動すると、リセットピストン462はブレーキ排気バルブ31のバルブスプリング91の弾性付勢力を克服することができず、リセットピストン孔464内に変位する。それによって、加圧された液圧流体が、リセットピストンキャビティ465から、リセットスプリング446によりそのシート445から着座解除されている開いたリセットチェックバルブ443を通って連続供給導管426内に流れる。
(図12に示すように)排気リフトプロフィール88が完了した後、加圧液圧流体は、連続供給導管426から、リセットスプリング446によってシート445から離れるように付勢されている開いたリセットチェックバルブ443を通ってリセットピストンキャビティ465内に戻り、リセットピストン462をブレーキ排気バルブ31に向かって下方に付勢して動弁機構ラッシュを取り除く。
その後、排気ロッカーアーム422は、通常の排気カムリフトプロフィール85を継続する準備が整った状態で、排気カム2の排気カムプロフィール(または上側ベース円)6上にある。リセットスプリング446がリセットボールバルブ部材444をそのシート445から離れるように連続的に保持し、それによってリセットピストンキャビティ465内のエンジンオイルの無制限の流れを可能にし、エンジンの正動力動作中に動弁機構ラッシュが解消される。
したがって、本明細書に開示されるような液圧式ラッシュアジャスタおよび排気バルブリセット装置をロストモーションロッカーアームブレーキに組み込むことは、初期設置時および使用時にブレーキバルブのラッシュを調整する必要がなく、動弁機構の摩耗に適応しかつ動弁機構の機械的騒音レベルを低減する自動的な動弁機構調整を有するという利点がある。さらに、本発明の例示的実施形態によるロッカーアーム圧縮解放エンジンブレーキシステムは、従来の圧縮解放エンジンブレーキシステムよりも軽量であり、より低いバルブカバー高さおよびコストの低減を提供する。
図21〜図31Bは、全体として参照符号512で示される圧縮解放ブレーキシステムの第5の例示的実施形態を示す。上述の実施形態と変わらない構成要素は、同じ参照符号を付されている。第1の実施形態の構成要素に対応するシステム512の構成要素は、図1および図2で使用されたものと同じ参照符号によって示されるが、500系列のものである。
圧縮解放ブレーキシステム512は、図36に全体的に示されるように、4ストロークディーゼルエンジンのようなICエンジンに特に有用である。ディーゼルエンジンは、シリンダブロック11と複数のシリンダ11’とを備える。各エンジンシリンダ11’は、少なくとも1つの吸気バルブ1と、少なくとも1つの排気バルブ31/32と、排気バルブ31/32を着座状態とするのに十分な閉鎖力を排気バルブ31/32に及ぼす少なくとも1つの排気バルブリターンスプリング91/92と、周知の方法で吸気行程、圧縮行程、膨張行程、および排気行程を含むエンジンピストンサイクルの一部としてエンジンシリンダ内で往復運動をするように構成されたエンジンピストン13とに関連付けられる。
上述したシステムと同様に、第5の例示的実施形態の圧縮解放ブレーキシステム512は、正動力動作(ブレーキオフモード)およびエンジンブレーキ動作(ブレーキオンモード)で選択的に動作可能である。例えば、運転手の運転室にスイッチを設けて、圧縮解放ブレーキシステム512を作動および停止させることができる。
主に図21を参照すると、圧縮解放ブレーキシステム512は、排気バルブ31および32を作動させるための参照符号516で全体的に示されるロストモーション排気ロッカーアセンブリを含む。吸気バルブを有する吸気ロッカーアセンブリは、図21には示されていないが、図1に示すように従来型のものでもよい。排気ロッカーアセンブリ516は、ロッカーシャフト520に旋回可能に装着された排気ロッカーアーム522を含む。排気カムローブフォロア21、排気カムシャフト4、および排気カム2は、図2に関連して上述したように設けることができる
排気ロッカーアセンブリ516は、開口部525を有する排気バルブブリッジ524の形態の停止部材をさらに含む。ロッカーシャフト520は、(図1の参照符号25によって示されるような)ロッカーアーム支持部によって支持することができ、そして上述され図11A−図11Cに示されたようなアキュムレータと、上述され図11Dに示されるような電磁弁を備えている。排気ロッカーアーム522の駆動端は、第1および第2の排気バルブ31および32と動作可能に関連付けられ、排気ロッカーアーム522の駆動端は、排気カムに接触するように適合された排気ローブフォロア21(図2)を有する。排気カムは、例えば上述され図2に示された排気カムプロフィール6と、エンジンリフトプロフィール7と、プリチャージリフトプロフィール8とを有する排気カム2である。
排気ロッカーアーム522は、連続供給導管(または通路)526と接続導管(または通路)528および529とを含む二重供給油圧回路を特徴とする。エンジンオイルなどの加圧液圧流体が液圧回路を介して供給され、(所定のバルブラッシュδを除いて)動弁機構ラッシュを除去する。排気ロッカーアーム522はさらに、例えば図24〜図30に示すように、別個のブレーキオン供給導管(または通路)530を含む。ブレーキオン供給導管530を通る作動流体(例えば、エンジンオイルのような液圧流体)の流れは、図11Dに関連して上述したように、電磁弁によって制御され得る。
排気ロッカーアーム522は、排気ロッカーアーム522の駆動端に作動ピストン562をスライド可能に受容するための実質的に円筒形の作動ピストンポケットまたは孔564を含む。作動ピストン562は、ピストン後退位置とピストン伸長位置との間でピストンポケット564内で往復運動可能である。作動ピストン562は、図21においてピストン伸長位置に示されている。ピストン後退位置では、作動ピストン562は、図5Bに示すピストン62と同様に位置している。可変容量ピストンキャビティ565は、ピストンポケット564内、特にポケット564の上端と作動ピストン562の上端面との間に画定される。作動ピストン562がピストン伸長位置とピストン後退位置との間で往復運動するにつれて、ピストンキャビティ565の容量は変化する。
単一バルブ作動ピン576が、作動ピストン562と第1の排気バルブ31との間に配置されている。単一バルブ作動ピン576は、開口525を通って排気バルブブリッジ524に対してスライド可能である。作動ピストン562の半球形の底部562bは、単一バルブ作動ピン576の頂部576tと係合する。単一バルブ作動ピン576の底部は、第1の排気バルブ31と動作的に係合する。作動ピストン562は作動ピン576を介して排気バルブ31と動作的に関係することによって、第2の排気バルブ32を着座解除することなく、TDCまたはその近傍にて圧縮解放エンジンブレーキ動作中に着座状態から第1の排気バルブ31を着座解除する(開く)ことを可能にする。
第5の例示的実施形態を含む本明細書に記載の例示的実施形態は、第2の排気バルブ32を作動させずに維持しながら第1の排気バルブ31を作動させるためのピン576などの作動ピンを利用するが、 第1排気バルブ31の作動は他の操作によっても達成され得ることを理解すべきである。例えば、ブリッジ524は、第1のバルブ31を作動させるが第2の排気バルブ32を作動させないように作動ピストン562によって旋回移動可能とすることができる。
図31Aおよび図31Bに最もよく示されるように、 作動ピストン562は作動ピストン本体563を有する。作動ピストン本体563の内部には、内部作動ピストンチェックバルブ580があり、これは、スプリング負荷作動ピストンボールバルブ部材581、作動ピストンチェックバルブシート582、作動ピストンボールバルブチェックスプリング583、および作動ピストン本体563に固定されたストッパ584を含む。ストッパ584は、ボールバルブチェックスプリング583を上方から定位置に保持し、その長手方向軸に沿ってストッパ通路589を含む。
作動ピストン本体563はまた、ボールバルブ部材581およびボールバルブチェックスプリング583を含む作動ピストンチェックバルブキャビティ585と、作動ピストンチェックバルブシート582によって囲まれた作動ピストン連通ポート586と、連通ポート586の下方の垂直通路に供給する作動ピストン供給導管587と、連通ポート586の上方にある作動ピストン出口導管588とを画定する。図示の実施形態は、互いに90°離間した4つの供給導管587と、互いに円周方向に90°離間した4つの出口導管588とを含む。作動ピストン562は、異なる数の導管587および588、したがって異なる角度間隔を含み得ることを理解されたい。
作動ピストンチェックバルブ580は、開位置と閉位置との間で移動可能である。図31Bに示される開位置において、作動ピストンボールバルブ部材581は作動ピストンチェックバルブシート582から離間されて作動ピストン連通ポート586を開き、そして(供給導管526からの液圧流体を受け取る)供給導管587および連通ポート586からの液圧流体(例えばエンジンオイル)の流れ、すなわち上に向かって出口導管588およびストッパ通路589を通ってピストンキャビティ565内に入る液圧流体の流れを可能とする。図31Aに示す閉位置では、作動ピストンボールバルブ部材581は作動ピストンチェックバルブシート582に着座して連通ポート586を閉じる。作動ピストンボールバルブチェックスプリング583が作動ピストンボールバルブ部材581をチェックバルブシート582および閉位置に向けて付勢することによって、作動ピストンチェックバルブ580が一方向バルブとして動作し、ピストンキャビティ565から出口導管588およびストッパ通路589を介して連通ポート586を通る液圧流体の逆流を防止する。後述するように、適切なときに、作動ピストン562を通る液圧流体の上向きの流れは、ボールバルブチェックスプリング583の下向きの付勢力を克服して、ボールバルブ部材581をチェックバルブシート582から持ち上げ、作動ピストンチェックバルブ580を開くことで、ピストンキャビティ565への液圧流体の流れを補う。
例示的実施形態に示される作動ピストンチェックバルブ580は、他の適切なチェックバルブによって置き換えられてもよく、そのような修正は本発明の範囲内であることを理解されたい。
図22および図23に最もよく示されるように、圧縮解放ブレーキシステム512は、排気ロッカーアーム522内に配置された排気バルブリセット装置(またはリセット装置)532をさらに含む。リセット装置532は、図9Aおよび図9Bに示すリセット装置32と構造および動作が類似しているが、以下にいくつかの相違点を指摘する。
図22および図23に最もよく示されるように、リセット装置532は、アップセットピン558によって互いに動作可能に接続された下部サブアセンブリおよび上部サブアセンブリを有する。リセット装置532の下部サブアセンブリは、実質的に円筒形の中空カートリッジ本体534を含む。旋回可能な足部(または「象足部」)572が、適切なスイベル固定具を使用してカートリッジ本体534の下端に旋回可能に取り付けられている。スイベル固定具は当該技術分野において知られている。足部572は底部開口572oを有する。足部572は、上述した足部72および足部372と同様に動作する。足部572をリセット装置532に組み込むことによって、ロッカーアーム調整ねじアセンブリおよび排気バルブリセット装置の機能を同じユニット532に組み合わせることが可能になる。
カートリッジ本体534は、リセットトリガ550、リセットピストン554、リセットトリガ復帰スプリング556、およびリセット圧力制御スプリング557を含むリセット装置キャビティ535を有する。リセットトリガ550は、トリガ後退位置とトリガ伸長位置との間でカートリッジ本体534内でかつカートリッジ本体534に対して軸方向にスライド可能である。リセットトリガ550の遠位端552は、カートリッジ本体534の底部開口(符号なし)を通って延びる。リセットトリガ550がトリガ伸長位置にあるとき、遠位端552は足部572の底部開口572oを通って突出し、ロッカーアーム522の旋回位置に応じて、以下でさらに論じるように排気バルブブリッジ524と接触する。
リセットトリガ550は、カートリッジ本体534の肩部534sとリセットトリガ550のフランジ部550fとの間でリセット装置キャビティ535内に配置されたリセットトリガ復帰スプリング556によってトリガ後退位置に向かって上方に付勢されている。図23に最もよく示されるように、ピストンストローク制限ピン555は、リセットトリガ550をリセットピストン554に接続し、それらの間の相対的な長手方向の移動を可能にする。ピストンストローク制限ピン555は、リセットピストン554の水平方向の孔内にしっかりと固定されており、リセットトリガ550のスロット550sの高さに沿って移動するように構成されている。リセットトリガ550にストローク制限ピンを設け、リセットピストン554にストローク制限ピンを受け入れるスロットを設けてもよいことを理解されたい。リセットピストン554は、リセット装置キャビティ535をシールするためにカートリッジ本体534の内壁と接合する上部フランジ部(またはランディング)554fを有する。アップセットピン558は、リセットピストン554の上面554tに固定的に接続され、任意選択的にリセットピストン554と一体的に形成されてもよい。
リセット装置キャビティ535はまた、リセットトリガフランジ部550f(リセットトリガ復帰スプリング556とは反対側)とリセットピストン554のフランジ部554fとの間に位置するリセット圧力制御スプリング557を含む。リセット圧力制御スプリング557は、リセットピストン554(およびリセットピストン554に着座したアップセットピン558)を上方に付勢する。
作動キャビティ539は、リセットピストン554の上面554tの上方に配置されて、アップセットピン558の下端を囲む。作動キャビティ539は、例えば図24〜図30に示すように、ブレーキオン供給導管530と連通する。加圧された作動(例えば、液圧)流体が作動キャビティ539に入ると、リセットピストン554が下方に駆動されてカートリッジ本体534内の上面554tの上に調整可能なキャビティ539a(図23)を生成し作動流体を受け取る。
上述のように、リセット装置532は、下部サブアセンブリ(上述)および上部サブアセンブリ(後述)を含む。アップセットピン558は、2つのサブアセンブリを接続するために排気ロッカーアーム522の穴または孔を通って延びる。適切なスリーブまたは他の構成要素をアップセットピン558の周りに設けてシールを提供し、それによって液圧または他の流体が作動キャビティ539または後述するリセットチェックバルブキャビティ542から逃げるのを防ぐことができる。
図22に示すように、リセット装置532の上部サブアセンブリはリセットチェックバルブ543を含み、それは、リセットチェックバルブキャビティ542内に収容され、かつ排気ロッカーアーム522の液圧回路によって画定されるリセットチェックバルブシート545に対して移動可能である。リセットチェックバルブキャビティ542の上方の排気ロッカーアーム522の開口部に取り付けられた保持プラグ547には、リセットボールバルブチェックスプリング546が設けられており、リセットボールバルブ部材544の上部と常に接触している。リセットボールバルブチェックスプリング546は、リセットボールバルブ部材544がリセットチェックバルブシート545に着座する閉位置へ向けてリセットボールバルブ部材544を付勢するために、下方向への付勢力をリセットボールバルブ部材544に加え、リセット連通ポート548を閉じる。リセットボールバルブ部材544は、図27および図28において閉位置に示されている。図21、22、24〜26、29、および30は、開位置にあるリセットボールバルブ部材544を示しており、この位置では、アップセットピン558がリセットボールバルブ部材544をリセットチェックバルブシート545から機械的に持ち上げてリセット連通ポート548を開く。保持プラグ547は、リセットボールバルブ部材544が開位置にあるときにリセットボールバルブ部材544の上方への移動を制限するための移動停止面547sを有する。この例示的実施形態に示されているリセットチェックバルブ543は、他の適切なチェックバルブと置き換えられてもよく、そのような修正は本発明の範囲内であることを理解されたい。
液圧回路についてさらに詳細に説明する。液圧回路の様々な導管は、図面に示されたもの以外の場所に配置されてもよい。
液圧流体は、図11A〜図11Cに関連して上述したようなアキュムレータから供給され、供給導管526を通って作動ピストン562に至る。作動ピストン本体563は、その外面の周りに環状溝527を含む。環状溝527は、供給導管526の高さよりも大きい高さを有する。図21に示すピストン伸長位置では、環状溝527の上部が、供給導管526と会合してそこから液圧流体を受け取る。ピストン後退位置では(作動ピストン本体563が図21に対して上方に移動した状態で)、環状溝527の下部が供給導管526と会合し、そこから液圧流体を受け取る。
図31Aおよび図31Bに最もよく示されるように、環状溝527によって受け取られた液圧流体は、作動ピストン供給導管587に供給される。そこから、液圧流体は作動ピストンチェックバルブキャビティ585に向かって上向きに流れる。以下により詳細に説明するように、作動中のある時点で、ピストンキャビティ565を満たすのに液圧流体が必要とされるとき、作動ピストンボールバルブ部材581に跨がる圧力差により、液圧流体が作動ピストンボールバルブ部材581をチェックバルブシート582から持ち上げ、液圧流体が作動ピストン出口導管588およびストッパ通路589を通ってピストンキャビティ565内に流入することを可能とする。
環状溝527はまた、本明細書では、時に第1の接続導管と呼ばれる接続導管529に接続されている。図21に最もよく示されるように、第1の接続導管529は、供給導管526から受け取った液圧流体をリセットチェックバルブキャビティ542(図22)に供給する。供給導管526および環状溝527に関して上述したのと同じ方法で、第1の接続導管529は、作動ピストン562がピストン伸長位置またはピストン後退位置のいずれにあるかに関わらず、環状溝527と常に流体連通している。
本明細書では時に第2の接続導管と呼ばれる接続導管528は、リセットチェックバルブキャビティ542をピストンキャビティ565に接続する。 図27および図28に示すように、リセットチェックバルブ543が閉位置にあるときは、リセットボールバルブ部材544がリセットチェックバルブシート545に着座する。一方、リセットチェックバルブ543が開位置にあるとき、リセットボールバルブ部材544はリセットチェックバルブシート545から離れており、液圧流体が第1の接続導管529からリセット連通ポート548を通って第2の接続導管528に流れてピストンキャビティ565内に供給されることを可能とする。したがって、開放されたリセットチェックバルブ543は、供給導管526が接続導管528および529並びにリセット連通ポート548を介してピストンキャビティ565に接続することを可能にする。
次に、ICエンジンの正動力動作(ブレーキオフモード)について、図24〜図26を参照して説明する。正電力動作の間、リセットトリガ550は、作動キャビティ539内の液圧流体圧力を低減または除去することにより図24〜図26に示すトリガ後退位置に維持される。その結果、リセットトリガ復帰スプリング556およびリセット圧力制御スプリング557の付勢力はそれぞれ、作動キャビティ539内の液圧流体によってリセットピストン554の頂面554tに及ぼされる力(もしあるならば)を超える。例えば、ブレーキオン供給導管530を通って作動キャビティ539への作動流体の流れを制御する電磁弁を非作動にすることができる。図24〜図26に示すトリガ後退位置では、リセットピストン554は完全に上昇した位置にある。リセットピストン554の頂面554tに取り付けられたアップセットピン558も同様に、その完全に上昇した位置にあるので、アップセットピン558の上端は、ブレーキオフモードの全体にわたって、リセットボールバルブ部材544をリセットチェックバルブシート545の上方に持ち上げて開位置に維持する。リセットチェックバルブ543が開いているので、リセット連通ポート548は、供給導管526が第1および第2の接続導管529および528を介してピストンキャビティ565と流体連通状態に維持されることを可能にする。エンジンオイルなどの液圧流体は、開いたリセットチェックバルブ543によって比較的妨げられることなく、ピストンキャビティ565と供給導管526との間を行き来することができる。液圧流体は作動ピストンキャビティ565を満たし、作動ピストン562をそのピストン伸長位置に動かし、足部572と排気バルブブリッジ524との間に設定された所定のバルブラッシュδを除いて動弁機構ラッシュを排除する。液圧流体はまた、作動ピストンチェックバルブ580を開き、作動ピストン連通ポート586を通ってピストンキャビティ565内に供給することができる。
図24は、排気カム2の(図2のエンジンブレーキリフトプロフィール7に対応する)上部ベース円上の排気ロッカーアーム522の従動端22b(図2)の排気カムローブフォロア21を有するブレーキオフモードにおける圧縮解放エンジンブレーキシステム512の図である。エンジンブレーキリフトプロフィール7は、排気ロッカーアーム522の従動端22bと係合して排気ロッカーアーム522を旋回回転させ、それによって作動ピストン562の遠位端が単一バルブ作動ピン576を押圧するようにする。押圧力は、作動ピストン562を単一バルブ作動ピン576と接触させたままにするが、第1の排気バルブ31を着座させるには不十分である。押圧力は作動ピストン562を上方に移動させて液圧流体をピストンキャビティ565から接続導管528および529並びに供給導管526を通してロッカーシャフト20のアキュムレータキャビティ94内に移動させることができる。所定のバルブラッシュδのために、リセット装置532の足部572は、排気バルブブリッジ524から離間している。その結果、両方の排気バルブ31、32は閉じた状態で着座したままである。
図25は、ブレーキオフモードにある圧縮解放エンジンブレーキシステム512の図であり、排気ロッカーアーム522の従動端22b(図2)の排気カムローブフォロア21を有し、それが、排気行程を実行するための排気カムプロフィール6(図2)と作動可能に関連付けられている。排気カムプロフィール6は、排気ロッカーアーム522を旋回させ、バルブラッシュδを排除し、作動ピストン562を単一バルブ作動ピン576と接触状態に維持する。作動ピストン562は後退して作動ピン576と接触したままであるが、排気バルブブリッジ524に対する意図された動作を妨害しない。作動ピストン562の上方への移動は、液圧流体を作動ピストンキャビティ565から接続導管528および529並びに供給導管526を介してアキュムレータキャビティ94へと移動させる。排気ロッカーアーム522の旋回移動は、排気バルブブリッジ524上の足部572を押す。排気バルブブリッジ524に対する足部572の押圧力は、排気バルブブリッジ524を下方に移動させて、排気行程中にバランスよく排気バルブ31および32を同時に開く。
図26は、排気ロッカーアーム522の従動端22b(図2)の排気カムローブフォロア21が下部ベース円6上に位置決めされた(図2)、ブレーキオフモードにある圧縮解放エンジンブレーキシステム512の図である。作動ピストン562は、単一バルブ作動ピン576と接触したままで作動ピストンキャビティ565に伸長する。作動ピストン562がピストン伸長位置に移動すると、液圧流体がアキュムレータキャビティ94から供給導管526、接続導管528および529、並びに開放リセットチェックバルブ543を通ってピストンキャビティ565に供給される。液圧流体はまた、作動ピストンチェックバルブ580を開いて作動ピストン連通ポート586および出口導管588を通って流れることによってピストンキャビティ565内に入り、それによって液圧流体のピストンキャビティ565への流れを補充し、ピストンキャビティ565を含む油圧回路が充填されるように維持する。
ブレーキオンモードの圧縮解放ブレーキシステム512について、図27〜および図30を参照して説明する。
図27は、ブレーキオンモードにある圧縮解放エンジンブレーキシステム512の図であり、排気ロッカーアーム522の従動端22b(図2)の排気カムローブフォロア21は、排気カム2の下部ベース円6上に位置決めされている。第1の実施形態および図11Dを参照して上述した電磁弁98のような作動装置が、加圧された液圧流体(例えば、エンジンオイル)をブレーキオン供給導管530を介して作動キャビティ539内に供給するために作動される。ブレーキオン供給導管530を供給導管526から分離して、マルチソース(例えばデュアルソース)システムを提供することができる。しかしながら、システムは、第7の例示的実施形態で後述されるように、単一ソースシステムとして動作することができる。
加圧された液圧流体は作動キャビティ539内に蓄積し、リセットピストン554の上面554tに下向きの力を加える。この下向きの力は、リセットトリガ復帰スプリング556によって及ぼされる付勢力を克服して、トリガ復帰スプリング556を圧縮し、リセットトリガ550をトリガ後退位置から下方へ駆動する。これは、図27に示すトリガ伸長位置へのブレーキオフモードに関して上述した。リセットピストン554が下方に駆動されると、加圧された液圧流体が調整可能なキャビティ539aを満たす。
リセットトリガ復帰スプリング556は、リセット圧力制御スプリング557よりも低いばね定数を備えていてもよいので、この作動段階でのリセットピストン554の下方への移動は、リセット圧力制御スプリング557ではなくリセットトリガ復帰スプリング556を主に圧縮する。リセット圧力制御スプリング557のより高いばね定数のために、リセット圧力制御スプリング557の高さは、ピストンストローク制限ピン555に固定されたままであり、すなわち、このときピストンストローク制限ピン555はリセットトリガ550の溝550sに沿って下方にスライドしない。図27に示すトリガ伸長位置では、リセットトリガ550の突出部550jは、カートリッジ本体534の肩部534sに当接してリセットトリガ550の下方への移動を制限する。リセットトリガ550の遠位端552は、足部572の開口572oを通って突出している。
リセットトリガ550をトリガ伸長位置に移動させることに加えて、リセットピストン554の下方への移動は、リセットピストン554の上面554tに接続されたアップセットピン558を下方に並進させる。これにより、アップセットピン558の上端がリセット連通ポート548より下に降下する。リセットボールバルブチェックスプリング546によってリセットボールバルブ部材544に及ぼされる付勢力は、リセットボールバルブ部材544をリセットチェックバルブシート545に押し付け、リセットチェックバルブ543を閉じる。
図27に示すように、液圧流体がピストンキャビティ565に流れ込んで作動ピストン562をピストン伸長位置に伸ばして作動ピン576との接触を維持し、排気ロッカーアーム522を排気バルブブリッジ524から離れるように駆動した後、リセットチェックバルブ543が閉じる。単一バルブ作動ピン576と作動ピストン562との間、およびカムフォロア21と排気カム2のローブとの間のすべての動弁機構ラッシュが排除される。この閉位置では、リセットチェックバルブ543は、ピストンキャビティ565および第2の接続導管528からリセット連通ポート548を通って第1の接続導管529および供給導管526に戻る液圧流体の逆流を防止する。
次に、排気ロッカーアーム522の従動端22b(図2)のカムフォロア21は、図27に関して上述した排気カム2上の下部ベース円6から上部ベース円(すなわち、図2のブレーキリフトプロフィール7)に向かって進む。図28は、ブレーキオンモードの圧縮解放ブレーキシステム512を示し、排気ロッカーアーム522は、排気カム2(図2)の上部ベース円7上に位置決めされている。
排気ロッカーアーム522が下部ベース円6から上部ベース円7に向かって移動すると、排気ロッカーアーム522の駆動端の下方への動きが作動ピストン562を単一バルブ作動ピン576に抗して駆動する。最初は、下方に動く作動ピン576は、排気バルブ31を開くのに十分な力を欠いている。作動ピストン562がピストン伸長位置にあり、ピストンキャビティ565および第2の接続導管528が液圧流体で満たされていると、ピストンキャビティ565および接続導管528内の液圧流体は、リセットボールバルブ部材544に作用して、リセットボールバルブ部材544がリセットチェックバルブシート545に保持された状態で、リセットチェックバルブ543を閉位置に液圧ロックして、逆流を防止する。
図28も、トリガ伸長位置にあるリセットトリガ550の遠位端552が排気バルブブリッジ524と接触していることを示している。(ブレーキリフトプロフィール7がロッカーシャフト520の周りで排気ロッカーアーム522を旋回させるときの)排気ロッカーアーム522の駆動端の下向きの動きは、遠位端552を排気バルブブリッジ524内に駆動し、リセットトリガ550をカートリッジ本体534に対して上方に動かす。リセットトリガ550の上方への動きは、リセットトリガ550の突出部550jをリセットピストン534の肩部534sから持ち上げる。排気ロッカーアーム522を排気バルブブリッジ524に向かってさらに下方に移動させるために排気ロッカーアーム522が上部ベース円7に向かい続けると、リセットトリガ550はカートリッジ本体534に対して上方に移動し続けてトリガ後退位置になる。リセットピストン554の上方への移動は、リセットボールバルブ部材544の底部に接触するアップセットピン558によって阻止され、リセットボールバルブ部材544は、第2の接続導管528およびピストンキャビティ565内の高い液圧によって閉位置に油圧ロックされる。リセットトリガ550がリセットピストン554に対して上方に移動すると、リセットトリガ550のスロット550sがリセットピストン554のピストンストローク制限ピン555によって案内される。リセット圧力制御スプリング557は、リセットトリガフランジ部550fとリセットピストン554のフランジ部554fとの間で圧縮し、リセット圧力制御スプリング557内に位置エネルギーを構築する。
排気ロッカーアーム522が上部ベース円7に向かって移動するときの排気ロッカーアーム522の遠位端の連続的な下方への回転運動は、作動ピストン562をそのピストン伸長位置にさせることにより単一バルブ作動ピン576を下方に駆動して、圧縮解放エンジンのブレーキ動作中の圧縮行程のTDCまたはその直前に第1の排気バルブ31を開く。所定のバルブラッシュδ(図28)に起因して、足部572は排気バルブブリッジ524を下方に押圧せず、その結果ブリッジ524は静止したままであり、第2の排気バルブ32は閉じたままである。TDC圧縮またはその付近での第1排気バルブ31の開放は、エンジンシリンダ圧力をTDC後に降下させ、それによって(作動ピン574を介して)作動ピストン562に作用する上向きの力を軽減し、ピストンキャビティ565および第2の接続導管528内の液圧を減少させる。
圧縮されたリセット圧力制御スプリング557によって加えられる付勢力が、リセットボールバルブ部材544の上方の減少する液圧によって加えられる力(リセットボールバルブチェックスプリング546によって加えられる力は無視できる)を超えるとき、圧縮されたリセット圧力制御スプリング557内の位置エネルギーによって及ぼされる上向きの力は、リセットピストン554およびアップセットピン558を上向きに駆動し、それによってリセットチェックバルブシート545からリセットボールバルブ部材544を離脱させ、膨張行程の開始時にリセットチェックバルブ543を開く。図29は、膨張行程中にリセットチェックバルブ543が開かれたことを示している。ピストンキャビティ565および第2の接続導管528内の液圧流体の一部は、開放リセット連通ポート548および導管529および526を通ってアキュムレータキャビティ94に放出され、そこで液圧流体は次のブレーキ事象のために貯蔵される。膨張行程の終わりまでに、つまり排気行程の前に、排気バルブ復帰スプリング91の閉鎖力が排気バルブ31を着座状態にリセットすると、ピストンキャビティ565からの液圧流体の解放が作動ピストン562をピストン後退位置に移動させる。排気行程が始まる前に両方の排気バルブ31および32が着座しているので、排気ロッカーアーム522は、両方の排気バルブ31および32が最初に着座した状態で排気バルブブリッジ524に作用し、排気行程中に排気バルブ31および32を同時にバランス状態で開くことができる。
図30は、ブレーキオンモードの圧縮解放ブレーキシステム512を示し、排気ロッカーアーム522の従動端22b(図2)の排気カムローブフォロア21は、排気行程を実行するために排気カム2の排気カムプロフィール6上に位置決めされている。図30の圧縮解放ブレーキシステム512の状態は、実質的に図25に示したものとほぼ同じである。所定のバルブラッシュδが吸収され、排気ロッカーアーム522の旋回運動により、排気行程中に足部572が排気バルブブリッジ524を下方に押圧して排気バルブ31および32を同時に開く。作動ピストン562は、作動ピン576と接触し続けるように伸縮するが、意図された排気バルブの動きを妨げることはない。リセットボールバルブ部材544は、図30に示すように、アップセットピン558によって着座していない開位置に留まる。作動キャビティ539は、リセットピストン554がその最高位置にあり、リセットトリガ550がトリガ後退位置にある状態で液圧流体で満たされたままである。
図21、図31A、および図31Bに戻ると、作動ピストン562を通る液圧流体通路は、ブレーキオンモード中、常に液圧流体で満たされた液圧回路、特にピストンキャビティ565および第2の接続導管528を維持するのを助ける(ブレーキオフモード中も同様)。ピストンキャビティ565または第2の接続導管528がリセット装置543に関連する液圧流体通路を介して完全に満たされていない場合、液圧流体は作動ピストン562に関連する液圧流体通路を通ってピストンキャビティ565に入ることができる。供給導管587内でボールバルブ部材581の下方の液圧流体は、作動ピストンボールバルブチェックスプリング583とピストンキャビティ565内の液圧流体とによって加えられる組み合わさった下向きの力(ボールバルブ部材581にストッパ通路589を介して作用する)を超える上向きの力を及ぼし、これによりボールバルブ部材581をチェックバルブシート582から着座解除させ、それにより連通ポート586を開放する。液圧流体は、供給導管587から開放連通ポート586および出口導管588(およびストッパ通路589)を通ってピストンキャビティ565に流れ込み、ピストンキャビティ565の充填を補う。リセットバルブ580を介してピストンキャビティ565を満たすことは、例えば、ピストンキャビティ565内に液圧流体が必要とされるときはいつでも起こり得るが、排気ロッカーアーム522の排気カムローブフォロア21が排気カム2の上部ベース円7から下部ベース円6に降下するときに特に起こりやすい。
液圧流体で満たされたピストンキャビティ565を維持することは、単一バルブ作動ピン576を作動ピストン562および排気バルブ31の両方との連続的/非連続的接触、ならびに排気カムローブフォロア21間の連続的/不断的な接触、並びに排気カムローブフォロワ21と排気カム2との間の連続的/不断的な接触を維持するのに役立つ。その結果、排気バルブ31の開閉が、不要なラッシュによって意図されずに遅れることがなくなり、エンジンブレーキ性能が向上する。
第5の実施形態の圧縮解放ブレーキシステム512には、上記の圧縮解放ブレーキシステム12に関連する図12の説明が適用される。リセット装置532は、ブレーキオンモードのTDCにおいて排気/吸気バルブオーバーラップ90を下げるかまたはなくす。「補給」液圧流体を供給するためのアキュムレータは、ロッカーアームシャフト20および/またはロッカーアーム支持部25に設けることができる。圧縮解放ブレーキシステム512は、エンジンの圧縮解放事象中に2つの排気バルブ31のうちの1つを開き、通常の排気行程バルブ運動の前に、すなわち膨張行程の終わりまでに排気バルブ31をリセットする。エンジン圧縮解放単一排気バルブリフト開口は、圧縮行程のTDCの直前にリフトが開始する状態で約0.100インチとすることができる。
第5の例示的実施形態の圧縮解放エンジンブレーキシステム512は、従来のロストモーションロッカーブレーキと比較して低コストおよび向上した性能を含む様々な利点を提供することができる。
リセット装置532および/または作動ピストン562は、上述の実施形態に置き換えることができる。例えば、作動ピストン562は、第1の例示的実施形態の作動ピストン62に置き換えてもよい。
図32は、第5の実施形態の変形例を示し、図21〜図31Bのリセット装置532が変更されている。変更されているが、機能的または構造的に図21〜図31Bの第5の実施形態の構成要素と同様の構成要素は、末尾に大文字「A」を追加した同じ符号を付されている。例えば、図32のリセット装置は、符号532Aで全体が示され、カートリッジ本体、リセットトリガ、リセットトリガスロット、リセットピストン、ピストンストローク制限ピン、リセットトリガ復帰スプリング、リセット圧力制御スプリング、およびアップセットピンは、 符号534A、550A、550As、554A、555A、556A、557A、および558Aによってそれぞれ示される。リセットトリガ復帰スプリング556Aは、リセット圧力制御スプリング557Aの周囲に同心円状に設けられている。リセットトリガ550Aは、リセットトリガ復帰スプリング556Aとリセット圧力制御スプリング557Aとを分離するフランジ部分(図22および図23の550f)を含まない。リセットトリガ復帰スプリング556Aは、カートリッジ本体534Aの肩部534Asに着座している。リセットピストン550Aの設計は、図21〜図31Bのものと比較して単純化されている。その他の点では、図32に示す第5の実施形態の変形例は、第5の実施形態と同一ではないにしても実質的に同一であり同様に動作する。特に、第5の実施形態のこの変形例、特にスプリング556Aと557Aの同心円状の重なりは、リセット装置532Aの全長をより短いすることができる。
図33A〜図33Cは、図21〜図31Bの作動ピストン562がアキュムレータを含むように変更された第6の例示的実施形態を示す。図21〜図31Bに示す第5実施形態の構成要素に対応する図33A〜図33Cに示す実施形態6の構成要素は、同じ符号であるが600番台を付されている。例えば、作動ピストンおよび作動ピストン本体は、それぞれ符号662および663で示されている。内部作動ピストンチェックバルブ680、スプリング負荷作動ピストンボールバルブ部材681、作動ピストンチェックバルブシート682、作動ピストンボールバルブチェックスプリング683、ストッパー684、作動ピストンチェックバルブキャビティ685、作動ピストン連通ポート 686、作動ピストン供給導管687、作動ピストン出口導管688、およびストッパー通路689はそれぞれ、構成および動作において構成要素580〜589に対応し、したがって、作動ピストン662の追加の構成要素を説明するのに必要または有用である場合を除いて、以下でさらに説明されない。作動ピストン本体663の外面は、第5の例示的実施形態の環状溝527に関連して上述したように設計され動作する環状溝627を含む。内部供給導管687は、環状溝627で終端する半径方向外側端部を有することにより、供給導管から液圧流体を受け取って液圧流体を第1の接続導管(図33A〜図33Cには図示せず)に供給する。
作動ピストン662は、一方向作動ピストンチェックバルブ680の下の作動ピストン本体663の下部ポケットまたは孔691内に収容されたアキュムレータ690を含む。内部供給導管687は、図21、図31A、および図31Bに示す第5の実施形態の供給導管587の傾斜角度ではなく、作動ピストン本体663の長手方向軸に対して半径方向かつ垂直に延びることにより、下部ポケット691にとって利用可能な容量を増加させる。
アキュムレータ690は、スプリング負荷アキュムレータピストン692と、アキュムレータチャージ圧力制御スプリング693と、アキュムレータプラグ694と、可変容量アキュムレータキャビティ695と、アキュムレータポート696と、突起697とを含む。アキュムレータポート696は、内部供給導管687とアキュムレータキャビティ695との間に流体通路を提供する。アキュムレータキャビティ695は、アキュムレータピストン692の上面によって画定された底部を有する。アキュムレータピストン692は、アキュムレータキャビティ695の容量を変化させるために作動ピストン662の下部ポケット691内に受容されかつこれに対して往復スライド可能である。アキュムレータピストン692の半径方向外縁は、下部ポケット691を画定する作動ピストン本体663の内壁とのシールを設けることができる。アキュムレータプラグ694は作動ピストン本体663の底部に固定されている。アキュムレータチャージ圧力制御スプリング693は、アキュムレータプラグ694に着座し、アキュムレータピストン692に下方から係合することによりアキュムレータピストン692をアキュムレータポート696および作動ピストンチェックバルブ680に向かって上方に付勢する。アキュムレータピストン692の上面は、第1の例示的実施形態に関連して上述した後部延長部63bと同様の1または複数の突出部または突出リング697を含むことができる。
図33Aは、最上位置にあるアキュムレータピストン692を示しており、アキュムレータキャビティ695が最小容量を有し、そして作動ピストンチェックバルブ680が閉状態にある。図33Bは、最下位置にあるアキュムレータピストン692を示しており、アキュムレータキャビティ695がその最大容量を有し、そして作動ピストンチェックバルブ680が閉状態にある。図33Cは、アキュムレータキャビティ695が約半分いっぱいになり、そして作動ピストンチェックバルブ680が開いた状態で示している。アキュムレータポート696は、液圧流体がアキュムレータキャビティ695に出入りするのを可能にする。アキュムレータポート696を通ってアキュムレータキャビティ695から流れ出る液圧流体は、作動ピストンボールバルブ部材681を持ち上げ、それによって作動ピストン連通ポート686を開くことができる。連通ポート686を通って流れる液圧流体は、出口導管688またはストッパ通路689を通ってピストンキャビティ内に移動することができる。
図33A〜図33Cに示された第6の例示的実施形態の作動ピストン662は、図21〜図31Bに示された。本発明の第5の実施形態の圧縮解放エンジンブレーキシステム512において作動ピストン562を作動させるために置き換えることができる。アキュムレータ690は、 必要に応じて液圧流体を貯蔵および放出するために、上述されかつ図11A〜図11Cに示されたアキュムレータと同様に動作する。始動時には、液圧流体が供給導管526からアキュムレータポート696を通ってアキュムレータキャビティ695に供給されて、アキュムレータピストン692を図33Aに示す上昇位置から図33Bに示す降下位置へと移動させる。液圧流体は、アキュムレータチャージ圧力制御スプリング693の付勢力を克服して、アキュムレータピストン692を下方に移動させてアキュムレータキャビティ695を満たす。アキュムレータキャビティ695は、アキュムレータ690が完全に充填されたときにアキュムレータキャビティ695内に捕捉された液圧流体の量が、作動ピストン662をピストン後退位置からピストン伸長位置に移動させるのに必要な液圧流体の量と等しくなるように設計され得る。
作動中、接続導管528および529を介したピストンキャビティ565の充填の遅れなどにより、液圧流体がピストンキャビティ565内で必要とされるとき、作動ピストンボールバルブ部材681に跨がる圧力差が、図33Cに示すように、ボールバルブ部材681を開くことによって液圧流体をアキュムレータキャビティ695からアキュムレータポート696および作動ピストン連通ポート686を通って上方に移動させる。液圧流体は、次に出口導管688およびストッパー通路689を通ってピストンキャビティ565内に流れる。アキュムレータキャビティ695から作動ピストン連通ポート686を通ってピストンキャビティ565への液圧流体のこのような流れは、例えば、排気カムローブフォロア21が排気カム2の下部ベース円6に移動するときに起こり得る。この二次流路を通ってピストンキャビティ565に液圧流体を供給することは、接続導管528および529を通る液圧流体の流れを補足する。作動ピストン連通ポート686を通るこの追加の流路は、液圧回路、特にピストンキャビティ565がエンジンブレーキ事象の前に確実に満杯になるようにする。エンジンブレーキのリセット動作中、加圧された液圧流体は、接続導管528、529および開放リセットチェックバルブ543を通過することによって、例えば膨張行程中にアキュムレータキャビティ695に戻される。作動ピストンチェックバルブ680は閉じて、連通ポート686を通る液圧流体の逆流を防ぐ。
有利には、アキュムレータ690がピストンキャビティ565に近接していることにより、アキュムレータがロッカーシャフト20内に配置されているときよりも速く液圧流体をピストンキャビティ565に充填し、ピストンキャビティ565から戻すことができ、それによりシステム全体の動作を向上させる。
図34および図35は、第7の例示的実施形態の圧縮解放ブレーキシステム712を示しており、液圧回路は、リセット装置を作動させるために単一供給源(または共通供給源)からの液圧流体がピストンキャビティと作動キャビティの両方に供給される、単一供給源(または共通供給源)液圧回路に変更されている。上述した実施形態から変更されていない図34および図35の構成要素は、同一の符号を付している。図21〜図31Bの第5の実施形態および図33A〜図33Cの第6の実施形態の上述の構成要素に対応する図34および図35の構成要素は、700番台であるが同じ符号を付されている。
第7の例示的実施形態の圧縮解放ブレーキシステム712は、第5の実施形態の排気バルブリセット装置532と構造および動作が同様である排気バルブリセット装置732を含む。
リセット装置732は、取り付けられた旋回可能な足部(または「象足部」)772を有する実質的に円筒形の中空カートリッジ本体734を含む。リセットトリガ750およびリセットピストン754は、カートリッジ本体734内に受容され、それに対して往復スライド可能である。リセットトリガ750は、カートリッジ本体734の底部開口を通して突出する遠位端752を有する。カートリッジ本体734内のリセットトリガ復帰スプリング756は、リセットトリガ750をトリガ後退位置に向けて付勢する。ピストンストローク制限ピン755は、リセットトリガ750をリセットピストン754に接続し、それらの間の相対移動を可能にする。リセットピストン754と一体的に形成されたアップセットピン758は、リセットピストン754の環状フランジ部分754fの上方に位置する作動キャビティ739を通って上方に延びる。カートリッジ本体734内のリセット圧力制御スプリング757がリセットピストン754(およびアップセットピン758)を上方に付勢する。作動キャビティ739は接続導管729と連通して液圧流体を受けてリセット装置732を作動させる。
アップセットピン758の上方で、リセット装置732はまた、排気ロッカーアーム722の内壁によって画定されたリセットチェックバルブシート745を有するリセットチェックバルブキャビティ742に収容されるリセットボールバルブ部材744を含むように具体化されたリセットチェックバルブ743を含む。リセットボールバルブ部材744は、開位置(図34に示す)と閉位置との間でリセットチェックバルブシート745に対して移動可能である。開位置では、リセットボールバルブ部材744は、アップセットピン758によってリセットチェックバルブシート745の上方に持ち上げられて、第5の実施形態のリセットチェックバルブ543に関連して上述した方法と同じ方法でリセット連通ポート748を開く。閉位置では、アップセットピン758は、リセットボールバルブ部材744がリセットチェックバルブシート745に着座してリセット連通ポート748を通る液圧流体の逆流を防ぐことができるように、下方に位置決めされる。リセットチェックバルブキャビティ742の上方の排気ロッカーアーム722の開口に取り付けられた保持プラグ747には、リセットボールバルブチェックスプリング746が設けられており、それはリセットボールバルブ部材744の上部と常に接触している。リセットボールバルブチェックスプリング746は、リセットボールバルブ部材744を閉位置に向けて付勢するためにリセットボールバルブ部材744に下向きの付勢力を及ぼす。リセットボールバルブ部材744はリセットチェックバルブシート745に着座してリセット連通ポート748を閉じる。
リセットトリガ750は、トリガ後退位置とトリガ伸長位置との間でカートリッジ本体734内でかつカートリッジ本体734に対して軸方向にスライド可能である。 図34に示すトリガ後退位置では、アップセットピン758はリセットボールバルブ部材744の底部と接触し、リセットボールバルブ部材744をリセットチェックバルブシート745から持ち上げる。トリガ伸長位置では、リセットトリガ750の遠位端752はさらに下方へ伸長されて足部772の底部開口を通って突き出し、そしてロッカーアーム722の旋回位置に応じて排気バルブブリッジ724と接触する。
この例示的実施形態に示されているリセットチェックバルブ743は、他の適切なチェックバルブと置き換えられてもよく、そのような変更は本発明の範囲内であることを理解されたい。
液圧回路についてさらに詳細に説明する。液圧回路の様々な導管は、図面に示された場所以外の場所に配置されてもよい。
液圧回路は、液圧流体を排気アーム722に供給する供給導管726(図34)を含む。供給導管726は、スイッチを介するなどして車両運転室から制御される、電磁弁制御(図34および図35には図示せず)などによるオン/オフ機能を有することができる。供給導管726は、第1の接続導管729とアキュムレータ供給導管799とに分岐している。第1の接続導管729は、供給導管726と作動キャビティ739との間で液圧流体を交換するための流体経路を提供する。作動キャビティ739の上方の鉛直流路は、リセットチェックバルブ743が開いているときに作動キャビティ739とリセットチェックバルブキャビティ742との間の液圧流体の交換を可能にする。図35に最もよく示されるように、第2の接続導管728は、リセットチェックバルブキャビティ742とピストンキャビティ765との間で液圧流体を交換するための流体経路を提供する。第2の接続管路728は、第5の実施形態の第2の接続管路528と同様に位置決めされ動作する。
アキュムレータ供給導管799は、供給導管726を作動ピストン762の作動ピストン本体763内の環状溝727と接続している。作動ピストン本体762は、構造的には図33A〜図33Cに示す第6の例示的実施形態の作動ピストン662と同じである。構成要素780〜796は、以下に別段の指定がない限り、それぞれ構成要素680〜688および690〜696と同じ構造および動作を有する。
第7の実施形態のICエンジンの正電力動作(ブレーキオフモード)は、以下の例外を除いて、図24〜図26に関連して上述した第5の実施形態およびブレーキオフモード動作と同様である。第5の例示的実施形態の二重供給液圧回路では、供給導管526および接続導管528および529は、ブレーキオフモードおよびブレーキオンモードの両方で液圧流体を供給され、一方、別個のブレーキオン供給導管530は、 ブレーキオンモードでは液圧流体が供給されますが、ブレーキオフモードでは供給されない。上述したように、両方のモードにおいて、供給導管526を介して供給される液圧流体は作動ピストンキャビティ565を満たし、作動ピストン562をそのピストン伸長位置に動かし、足部572と排気バルブブリッジ524との間に設定された所定のバルブラッシュδを除いて、カムフォロワ21と排気カム2のローブとの間を含む動弁機構ラッシュを排除する。第7の実施形態の単一供給液圧回路では、供給導管726が作動キャビティ739に供給するので、液圧流体は、リセットトリガ750の意図しない作動を回避するために、ブレーキオフモード中に供給導管726を通して供給されないことが好ましい。ブレーキオフモードにおいてカムフォロア21と排気カム2のローブとの間のバルブラッシュを排除するために、1つ以上のスプリングが排気ロッカーアーム722の従動端上に設けられることにより、カムフォロア21を排気カムのローブ2に下方に強制的に接触係合させる。ロッカーシャフトに固定された打ち抜き加工された金属バーがスプリングを上から支え、ストッパー部材として機能する。
正動力動作中、リセットトリガ750は、作動キャビティ739内の液圧流体圧力を減少または除去することによって図34に示すトリガ後退位置に維持され、それによって リセットトリガー復帰スプリング756およびリセット圧力制御スプリング757の付勢力が、リセットピストン754の上方の作動キャビティ739内の液圧流体によって加えられる力(もしあれば)を超える。図34にトリガ後退位置では、リセットピストン754は完全に上昇した位置にあるので、アップセットピン758の上端は、ブレーキオフモードの全体にわたってリセットボールバルブ部材744を開位置に持ち上げ維持する。リセットチェックバルブ743が開位置にあるとき、開放リセット連通ポート748は、供給導管726を、第1および第2の接続導管729および728を介してピストンキャビティ765と常に開放連通状態に維持する。液圧流体(例えば、モーターオイル)は作動ピストンキャビティ765を満たし、作動ピストン762をそのピストン伸長位置に動かし、そして足部772と排気バルブブリッジ724との間に設定された所定のバルブラッシュδを除いて、(排気ロッカーアーム722の従動端上に設けられたスプリングと共に)動弁機構ラッシュを排除する。
ブレーキオンモードにおける第7の例示的実施形態の動作は、図27〜図30に示す動作と同様である。排気ロッカーアーム722の従動端22b(図2)の排気カムローブフォロア21は、排気カム2の下部ベース円6上に位置決めされている。圧縮解放ブレーキシステム712は、追加の液圧流体を供給導管726を通して、既に充填されている液圧回路に供給する。第1の接続導管729を通って流れる液圧流体は作動キャビティ739を加圧してリセットピストン754の上面に下向きの力を加える。リセットトリガ復帰スプリング756によって及ぼされる付勢力は、トリガ復帰スプリング756を圧縮してリセットトリガ750をトリガ後退位置からトリガ伸長位置まで下方に駆動するために克服される。リセットトリガー復帰スプリング756は、リセット圧力制御スプリングね757よりも低いばね定数を有することができ、それによりリセットピストン754の下方への移動は、リセット圧力制御スプリング757ではなくリセットトリガー復帰スプリング756を主に圧縮する。リセット圧力制御スプリング757のより高いばね定数のために、リセット圧力制御スプリング757の高さはピストンストローク制限ピン755に固定されたままであり、すなわち、ピストンストローク制限ピン755は、このときリセットトリガ750のスロット750s内でスライドしない。トリガー伸長位置では、リセットトリガ750の突出部がカートリッジ本体734の下部肩部分に当接してリセットトリガ750の下方への移動を制限する。
リセットピストン754の下方への移動がアップセットピン758をリセット連通ポート748の下に下げることによって、リセットボールバルブチェックスプリング746によって下方に付勢されているリセットボールバルブ部材744がリセットボールチェックシート745の上に着座することができ、リセットチェックバルブ743を閉じることを可能にする。液圧流体がピストンキャビティ765を加圧して作動ピストン762をピストン伸長位置に伸長させて作動ピン776との接触を維持した後、リセットチェックバルブ743が閉じる。リセット連通ポート748を通って供給される液圧流体は、ピストン伸長位置にある作動ピストン762を用いて接続導管728およびピストンキャビティ765を満たす。単一バルブ作動ピン776と作動ピストン762との間、およびカムフォロア21と排気カム2のローブとの間のすべての動弁機構ラッシュが排除される。この閉位置では、リセットチェックバルブ743は、ピストンキャビティ765からリセット連通ポート748を通って第1の接続導管729および供給導管726に戻る液圧流体の逆流を防止する。
同時に、液圧流体は、アキュムレータキャビティ795からアキュムレータポート796および作動ピストン連通ポート786を通り、一方向作動ピストンチェックバルブ780の作動ピストン付勢部材783の付勢力を克服して、上向きにピストンキャビティ765へと移動することにより、ピストンキャビティ765への油圧流体の供給を補完し、エンジンブレーキ事象の前に液圧回路が液圧流体で満たされることを確保する。ピストンキャビティ765の充填は、作動ピストン762をピストン伸長位置に移動させる。
次に、排気ロッカーアーム722の従動端22b(図2)のカムフォロア21が排気カム2上の下部ベース円6から上部ベース円(すなわち図2のブレーキリフトプロフィール7)に向かって進む。排気ロッカーアーム722の下方への動きは、作動ピストン762を単一バルブ作動ピン776に抗して駆動し、作動ピストン762に上向きの力を加える。作動ピストン762がピストン伸長位置にあり、ピストンキャビティ765および第2の接続導管728が液圧流体で満たされていると、液圧流体はリセットボールバルブ部材744に作用してリセットチェックバルブ743を閉位置に液圧でロックし、リセットボールバルブ部材744はリセットチェックバルブシート745上に保持されている。同時に、トリガ伸長位置にあるリセットトリガ750の遠位端752は、排気バルブブリッジ724と接触するようになる。排気ロッカーアーム722の下方への動きは、遠位端752を排気バルブブリッジ724内に駆動し、リセットトリガ750をカートリッジ本体734に対して上方に移動させる。
排気ロッカーアーム722が排気ロッカーアーム522を排気バルブブリッジ724に向かってさらに下方に移動させるために上部ベース円7に向かって移動し続けると、リセットトリガ750がトリガ後退位置になるまで、リセットトリガ750はカートリッジ本体734に対して上方に移動し続ける。
リセットピストン754の上方への移動は、リセットボールバルブ部材744の底部に接触するアップセットピン758によって阻止され、リセットボールバルブ部材744は、第2の接続導管728およびピストンキャビティ765内の高圧によって閉位置に液圧でロックされる。リセットトリガ750がリセットピストン754に対して上方に移動すると、リセットトリガ750のスロット750sがリセットピストン754のピストンストローク制限ピン755によって案内される。リセット圧力制御スプリング757は、リセットトリガ750のフランジ部分750fとリセットピストン754のフランジ部分との間で圧縮し、リセット圧力制御スプリング757内に位置エネルギーを生成する。
排気ロッカーアーム722が上部ベース円7に向かって移動するときの排気ロッカーアーム722の遠位端の下方への継続的な回転運動は、作動ピストン762をそのピストン伸張位置とすることにより、圧縮解放エンジンブレーキ事象中の圧縮行程のTDCまたはその直前に、単一バルブ作動ピン776を下方に駆動して第1の排気バルブ31を開く。所定のバルブラッシュδに起因して、足部772は排気バルブブリッジ724を下方に押圧せず、したがってブリッジ724は静止したままであり、第2の排気バルブ32は閉じたままである。TDC圧縮またはその付近での第1の排気バルブ31の開放は、エンジンシリンダ圧力を急速に低下させ、それによって作動ピン774を介して作動ピストン762に作用する上向きの力を軽減し、ピストンキャビティ765およびピストンキャビティ765に接続された第2の接続導管728内の圧力を低下させる。
圧縮されたリセット圧力制御スプリング757によって加えられる付勢力が、リセットボールバルブ部材744の上方の減少する液圧によって及ぼされる力を超えるとき(リセットボールバルブチェックスプリング746の無視できる力は無視され得る)、圧縮されたリセット圧力制御スプリング757は、リセットピストン754およびアップセットピン758を上方に駆動し、それによってリセットボールバルブ部材744をリセットチェックバルブシート745から離脱させ、リセットチェックバルブ743を膨張ストロークの開始時または開始近くで開く。
ピストンキャビティ765および第2の接続導管728内の液圧流体の一部は、リセット連通ポート748および導管729および799を通ってアキュムレータキャビティ795に放出され、そこで液圧流体は次のブレーキング事象のために貯蔵される。ピストンキャビティ765からの液圧流体の解放は、膨張行程の終わりまでにすなわち排気行程の前に排気バルブ復帰スプリング91の閉鎖力が排気バルブ31を着座状態にリセットするにつれて、作動ピストン762をピストン後退位置に移動させる。両方の排気バルブ31および32が排気行程の前に着座しているので、排気ロッカーアーム722は排気バルブブリッジ724に作用して排気行程中にバランスのとれた状態で排気バルブ31および32を同時に開くことができる。
作動ピストン762を通る液圧流体通路は、ブレーキオンモード(およびブレーキオフモード)中、常に液圧流体で満たされた液圧回路、特にピストンキャビティ765および第2の接続導管728を維持するのを助ける。ピストンキャビティ765または第2の接続導管728がリセット装置743に関連する液圧流体通路を介して完全に満たされていない場合、液圧流体は作動ピストン762に関連する液圧流体通路を通ってピストンキャビティ765に入ることができる。供給導管787内でボールバルブ部材781の下方の液圧流体は、作動ピストンボールバルブチェックスプリング783とピストンキャビティ765内の液圧流体とによって加えられる組み合わさった下向きの力を超える上向きの力を及ぼす。この流体がストッパ通路789を介してボールバルブ部材781に作用してボールバルブ部材781がチェックバルブシート782から離脱することにより連通ポート786を開く。液圧流体は、供給導管787から開放連通ポート786、出口導管788、およびストッパー通路789を通ってピストンキャビティ765内に流れ込み、ピストンキャビティ765の充填を補う。リセットバルブ780を介してピストンキャビティ765を満たすことは、例えば、ピストンキャビティ765内に液圧流体が必要とされるときはいつでも起こり得るが、排気ロッカーアーム722の排気カムローブフォロア21が上方ベース円7から排気カム2の下部ベース円6まで下がるときに特に起こりやすい。
上述の圧縮解放ブレーキシステム12と関連する図12の説明は、第7の例示的実施形態の圧縮解放ブレーキシステム712に適用可能である。リセット装置732は、ブレーキオンモードのTDCにおいて排気/吸気バルブオーバーラップ90を低減するかまたは排除する。「補給用」液圧流体を供給するためのアキュムレータは、作動ピストン762、ロッカーアームシャフト20、および/またはロッカーアーム支持部25に設けることができる。圧縮解放ブレーキシステム712は、エンジンの圧縮解放事象中に2つの排気バルブ31のうちの一方を開き、通常の排気行程バルブ運動の前に、すなわち膨張行程の終わりまでに排気バルブ31をリセットする。エンジン圧縮解放単一排気バルブリフト開口は、圧縮行程のTDCの直前にリフトが開始する状態で、約0.100インチとすることができる。
第7の例示的実施形態の圧縮解放エンジンブレーキシステム712は、従来のロストモーションロッカーブレーキと比較して低コストおよび向上した性能を含む様々な利点を提供することができる。
図34および図35の実施形態は、第5の例示的実施形態の作動ピストン562をアキュムレータ具備作動ピストン762に替えて使用するように変更することができる。図34および図35の実施形態もまた、図11A〜図11Cに関連して上述したロッカーシャフト20および/またはロッカーアーム支持部25および図11Dの電磁弁システムなどにおいて追加のまたは代替のアキュムレータを含むように変更することができる。
上述の実施形態の様々な構成要素および特徴は、任意の組み合わせで互いに置き換えることができる。任意の一実施形態の1つまたは複数の構成要素および特徴を任意の他の実施形態に組み込むために必要または望ましい変更を加えることは本発明の範囲内である。
本発明の例示的実施形態の上記の説明は、特許法の規定に従って例示の目的で提示されている。網羅的であること、または本発明を開示された正確な形態に限定することは意図されていない。以上に開示された実施形態は、本明細書に記載の原理に従う限り、本発明の原理およびその実際的な応用を最もよく説明するために選択され、それによって当業者が特定の用途に適した様々な修正と共に様々な実施形態において本発明を最も利用できるようにすることを意図している。したがって、本発明の意図および範囲から逸脱することなく、上述の発明に変更を加えることができる。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によって定義されることも意図されている。