JP6975019B2 - 極低温システム - Google Patents

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Description

本発明は、極低温システムに関する。
従来から、種々の被冷却物を所望の極低温に冷却するために極低温冷却装置が利用されている。極低温冷却装置には、GM冷凍機、スターリング冷凍機、パルス管冷凍機等の機械式冷凍機で被冷却物を直接冷却する方式や、こうした機械式冷凍機で冷媒を冷却し、冷媒で被冷却物を冷却する方式などがある。
特開2016−211795号公報
冷媒冷却方式のある極低温冷却装置においては、相互間の冷媒流通を不能とする個別的な複数の冷媒循環経路が形成されている。極低温冷却装置は複数の機械式冷凍機を有し、個々の冷媒循環経路を循環する冷媒を冷却するために、冷媒循環経路ごとに冷凍機が設置される。いずれかの冷凍機の故障、またはその他の事由により、ある冷媒循環経路の冷却機能が失われたとすると、その冷媒循環経路が担当すべき冷却能力は喪失される。加えて、冷凍機は高温部(例えば室温部)と低温部(例えば被冷却物)を接続する構造物であるので、故障等により停止した冷凍機は、高温部から低温部への伝熱経路を形成し、そのため被冷却物への熱侵入が増加する原因になる。その場合、極低温冷却装置は、所望の極低温冷却を継続することが不能または困難となりうる。
本発明のある態様の例示的な目的のひとつは、極低温システムにおける冷却運転の継続性向上を図ることにある。
本発明のある態様によると、極低温システムは、極低温冷却部と、前記極低温冷却部と冷媒との熱交換により前記極低温冷却部を冷却するよう構成された複数の冷媒循環ループであって、各冷媒循環ループが、前記冷媒を循環させる循環ポンプと、前記冷媒を冷却する機械式冷凍機と、を備える複数の冷媒循環ループと、前記冷媒を流通可能に前記複数の冷媒循環ループを相互連結する連結ラインと、を備える。前記連結ラインは、非連結状態から連結状態に切替可能に構成され、前記非連結状態では各冷媒循環ループの循環ポンプが当該冷媒循環ループについて前記冷媒を循環させるように前記複数の冷媒循環ループを相互に切り離し、前記連結状態では少なくとも1つの冷媒循環ループの循環ポンプが他の少なくとも1つの冷媒循環ループについても前記冷媒を循環させるように前記複数の冷媒循環ループを連結する。
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせや本発明の構成要素や表現を、方法、装置、システムなどの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明によれば、極低温システムにおける冷却運転の継続性向上を図ることができる。
実施の形態に係る極低温システムを概略的に示す図である。 実施の形態に係る極低温システムの故障モードと連結ラインの状態との関係を説明する表である。 実施の形態に係る極低温システムを概略的に示す図である。 実施の形態に係る極低温システムの他の例を概略的に示す図である。 図4に示される極低温システムの故障モードと連結ラインの状態との関係を説明する表である。 実施の形態に係る極低温システムの他の例を概略的に示す図である。 図6に示される極低温システムの故障モードと連結ラインの状態との関係を説明する表である。
以下、図面を参照しながら、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。説明および図面において同一または同等の構成要素、部材、処理には同一の符号を付し、重複する説明は適宜省略する。図示される各部の縮尺や形状は、説明を容易にするために便宜的に設定されており、特に言及がない限り限定的に解釈されるものではない。実施の形態は例示であり、本発明の範囲を何ら限定するものではない。実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
図1は、実施の形態に係る極低温システム10を概略的に示す図である。極低温システム10は、複数の冷媒循環ループ12、連結ライン14、真空容器16、および、被冷却物18を冷却する極低温冷却部20を備える。なお、真空容器16内には、被冷却物18および極低温冷却部20への輻射熱の入射を抑制するための輻射シールドが通例設置されるが、簡明化のために図示を省略している。
冷媒循環ループ12は、極低温冷却部20と冷媒との熱交換により極低温冷却部20を冷却するよう構成されている。冷媒は、例えば冷媒ガス(例えばヘリウム)である。複数の冷媒循環ループ12の各々が冷媒を循環させる。連結ライン14は、冷媒を流通可能に複数の冷媒循環ループ12を相互連結する。冷媒循環ループ12と連結ライン14の例示的な構成は後述する。
真空容器16は、クライオスタットなどの極低温真空容器であり、極低温システム10を常温部22と低温部24に区分けする。すなわち、極低温システム10の常温部22は真空容器16の外に配置され、極低温システム10の低温部24は真空容器16の中に配置される。常温部22は、例えば室温または約300K程度の温度をとりうる。
一例として、被冷却物18は、赤外線、サブミリ波、X線、またはその他の電磁波を検出する検出素子であり、こうした検出素子は、天文観測に使用される観測装置の構成要素である。被冷却物18は、極低温冷却部20と物理的に接触して熱的に結合し、または、伝熱部材を介して極低温冷却部20と熱的に結合している。
極低温冷却部20は、冷却ステージとも呼ばれる。図示されるように、極低温システム10は、極低温冷却部20として、ひとつの共通の冷却ステージを有してもよい。あるいは、極低温冷却部20は、複数の冷却ステージを有してもよい。その場合、冷媒循環ループ12ごとに冷却ステージが設けられてもよい(例えば、図4参照)。
極低温システム10は、被冷却物18とともに、例えば人工衛星などの宇宙機に搭載可能とされている。極低温システム10は、被冷却物18を備える地上設備に搭載されてもよい。極低温システム10は、極低温環境が望まれる例えば超伝導装置またはその他の被冷却物18とともに宇宙機または地上設備に搭載されてもよい。
冷媒循環ループ12は、第1冷媒循環ループ12aおよび第2冷媒循環ループ12bを含む。これらの冷媒循環ループ12は同様の構成を有するので、以下では第1冷媒循環ループ12aの構成を主として説明し、第2冷媒循環ループ12bについては説明を適宜省略する。
第1冷媒循環ループ12aは、冷媒を循環させる循環ポンプ26と、冷媒を冷却する機械式冷凍機(以下では、単に冷凍機ともいう)28と、を備える。
循環ポンプ26は例えば、低温部24から回収された冷媒ガスを例えば大気圧程度または数気圧程度に昇圧するように構成されている。循環ポンプ26は、冷媒循環ループ12において冷媒に生じる圧力損失を回復することができる。循環ポンプ26は、後述の圧縮機30に比べて低出力(例えば数W程度)のポンプであってもよい。循環ポンプ26は、極低温システム10の常温部22に配置されている。
一例として、冷凍機28は、二段スターリング冷凍機である。冷凍機28は、圧縮機30と、膨張機としての二段コールドヘッド32と、圧縮機30を二段コールドヘッド32と接続する接続管34と、を備える。接続管34は、圧縮機30と二段コールドヘッド32との間で冷媒ガス(例えばヘリウムガス)を流通させるガス流路を提供する。二段コールドヘッド32は、一段冷凍機ステージ36と二段冷凍機ステージ38とを備える。極低温システム10の常温部22は、圧縮機30、二段コールドヘッド32の室温部、および接続管34を含み、極低温システム10の低温部24は、一段冷凍機ステージ36および二段冷凍機ステージ38を含む。
圧縮機30は、冷媒ガスの圧力振動を生成するよう構成されている。生成された圧力振動は接続管34を通じて二段コールドヘッド32に伝達される。二段コールドヘッド32は、圧縮機30から伝達された圧力振動が二段コールドヘッド32内に当該圧力振動と同一の周波数で位相差を有する圧力振動を誘起するよう構成されている。それにより、圧縮機30と二段コールドヘッド32との間に冷凍サイクル(具体的には、逆スターリングサイクル)が形成される。
このようにして、冷凍機28の一段冷凍機ステージ36は、一段冷却温度に冷却され、二段冷凍機ステージ38は、二段冷却温度に冷却される。冷凍機28の一段冷却温度は、例えば、50K以上150K以下の温度範囲から選択される。一段冷却温度は、例えば80K以上120K以下の温度範囲にあってもよい。二段冷却温度は一段冷却温度より低い。二段冷却温度は、例えば、4K以上25K以下の温度範囲から選択される。二段冷却温度は、例えば10K以上20K以下の温度範囲にあってもよい。二段冷却温度は、4K未満(例えば1K〜4K)であってもよい。
第1冷媒循環ループ12aは、第1熱交換器40、一段冷却部42、第2熱交換器44、二段冷却部46、および冷却ステージ熱交換器48をさらに備える。第1熱交換器40、一段冷却部42、第2熱交換器44、二段冷却部46、および冷却ステージ熱交換器48は、真空容器16の中に、すなわち極低温システム10の低温部24に配置されている。
また、これら構成要素を接続するために、第1冷媒循環ループ12aは、冷媒供給ライン50および冷媒回収ライン52をさらに備える。冷媒供給ライン50は、循環ポンプ26の吐出側を冷却ステージ熱交換器48の供給側に接続し、冷媒回収ライン52は、冷却ステージ熱交換器48の回収側を循環ポンプ26の吸入側に接続する。よって、冷媒供給ライン50および冷媒回収ライン52それぞれの一部は常温部22に配置され、残りの部分は低温部24に配置されている。
冷媒供給ライン50は供給側冷媒管51を低温部24に有し、冷媒回収ライン52は回収側冷媒管53を低温部24に有する(例えば、図1において破線で囲まれる配管)。供給側冷媒管51は、二段冷却部46を冷却ステージ熱交換器48に接続し、回収側冷媒管53は、冷却ステージ熱交換器48を第2熱交換器44の回収側流路に接続する。供給側冷媒管51を通じて二段冷却部46から冷却ステージ熱交換器48に冷媒が供給され、回収側冷媒管53を通じて冷却ステージ熱交換器48から第2熱交換器44に冷媒が回収される。
第1熱交換器40は、循環ポンプ26から真空容器16内に流入する高温(例えば常温、例えば約300K)の冷媒ガスを冷却する。第2熱交換器44は、第1熱交換器40および一段冷却部42により冷却された冷媒をさらに冷却する。
第1熱交換器40および第2熱交換器44は、対向流熱交換器である。冷媒供給ライン50が、第1熱交換器40および第2熱交換器44それぞれの供給側流路を有し、冷媒回収ライン52が、第1熱交換器40および第2熱交換器44それぞれの回収側流路を有する。各熱交換器において供給側流路と回収側流路との熱交換により、供給側流路を流れる冷媒を冷却することができる。
一段冷却部42は、一段冷凍機ステージ36に熱的に結合されている。一段冷却部42を流れる冷媒は、一段冷凍機ステージ36との熱交換により冷却される。冷媒供給ライン50において一段冷却部42は、第1熱交換器40と第2熱交換器44との間に配置されている。
二段冷却部46は、二段冷凍機ステージ38に熱的に結合されている。二段冷却部46を流れる冷媒は、二段冷凍機ステージ38により冷却される。冷媒供給ライン50において二段冷却部46は、第2熱交換器44と冷却ステージ熱交換器48との間に配置されている。
冷却ステージ熱交換器48は、極低温冷却部20に熱的に結合されている。冷却ステージ熱交換器48を流れる冷媒は、極低温冷却部20を冷却する。
同様に、第2冷媒循環ループ12bは、循環ポンプ26および冷凍機28を備える。冷凍機28は、圧縮機30、二段コールドヘッド32、接続管34を備える。二段コールドヘッド32は、一段冷凍機ステージ36および二段冷凍機ステージ38を備える。また、第2冷媒循環ループ12bは、第1熱交換器40、一段冷却部42、第2熱交換器44、二段冷却部46、冷却ステージ熱交換器48、冷媒供給ライン50、および冷媒回収ライン52を備える。
第1冷媒循環ループ12aは、逆流防止部54を備える。逆流防止部54は、一組の逆流防止用開閉弁(V1,V2)を備える。一方の逆流防止用開閉弁V1が冷媒回収ライン52に設けられ、他方の逆流防止用開閉弁V2が冷媒供給ライン50に設けられている。逆流防止用開閉弁(V1,V2)は、連結ライン14の非連結状態では開放される。逆流防止用開閉弁(V1,V2)は、連結ライン14の連結状態では閉鎖されうる。連結ライン14の非連結状態および連結状態の詳細は後述する。
図示される例では、2つの逆流防止用開閉弁(V1,V2)が循環ポンプ26の上流側と下流側にそれぞれ設けられているが、逆流防止用開閉弁は1つだけであってもよく、その場合、逆流防止用開閉弁(V1,V2)のいずれか一方のみが設けられてもよい。
同様に、第2冷媒循環ループ12bも、逆流防止部54を備える。第2冷媒循環ループ12bの逆流防止用開閉弁は、第1冷媒循環ループ12aの逆流防止用開閉弁(V1,V2)との区別のために便宜上、V5,V6と表記する。第2冷媒循環ループ12bにおいても、逆流防止用開閉弁は1つだけであってもよく、その場合、逆流防止用開閉弁(V5,V6)のいずれか一方のみが設けられてもよい。
逆流防止用開閉弁(V1,V2,V5,V6)の閉鎖という比較的簡単な構成によって各冷媒循環ループ12における冷媒の逆流循環を防止することができる。
逆流防止部54は、極低温システム10の常温部22に配置されている。そのため、逆流防止部54として、常温下で動作信頼性が保証された汎用の部品を採用することができる。そうした汎用部品は極低温環境での信頼性が保証された部品に比べて安価に入手することができる。なお、可能とされる場合には、逆流防止部54は、極低温システム10の低温部24に配置されてもよい。
連結ライン14は、非連結状態から連結状態に切替可能に構成されている。連結ライン14は、非連結状態では各冷媒循環ループ12の循環ポンプ26が当該冷媒循環ループ12について冷媒を循環させるように複数の冷媒循環ループ12を相互に切り離す。一方、連結ライン14は、連結状態では少なくとも1つの冷媒循環ループ12の循環ポンプ26が他の少なくとも1つの冷媒循環ループ12についても冷媒を循環させるように複数の冷媒循環ループ12を連結する。連結ライン14は、連結状態から非連結状態に戻すこともできる。
連結ライン14は、2つの冷媒循環ループ12をつなぐ連結流路と、連結流路に設けられ、非連結状態では閉鎖され連結状態では開放される連結用開閉弁(V3,V4)を備える。連結用開閉弁(V3,V4)の開閉という比較的簡単な構成によって、連結ライン14の連結状態と非連結状態を切り替えることができる。
より具体的には、連結ライン14は、2つの冷媒循環ループ12の冷媒供給ライン50どうしをつなぐ供給側連結流路56と、供給側連結流路56に設けられた供給側連結用開閉弁V3と、を備える。また、連結ライン14は、2つの冷媒循環ループ12の冷媒回収ライン52どうしをつなぐ回収側連結流路58と、回収側連結流路58に設けられた回収側連結用開閉弁V4と、を備える。供給側連結用開閉弁V3および回収側連結用開閉弁V4はともに、非連結状態では閉鎖され連結状態では開放される。
冷媒供給ライン50と供給側連結流路56の供給側合流点60は、逆流防止用開閉弁V2と第1熱交換器40の供給側流路との間に配置されている。よって、逆流防止用開閉弁V2は循環ポンプ26の吐出側と供給側合流点60との間に配置されている。また、冷媒回収ライン52と回収側連結流路58の回収側合流点62は、逆流防止用開閉弁V1と第1熱交換器40の回収側流路との間に配置されている。よって、逆流防止用開閉弁V1は循環ポンプ26の吸入側と回収側合流点62との間に配置されている。
連結ライン14は、極低温システム10の常温部22に配置されている。よって、連結用開閉弁(V3,V4)またはその他の連結ライン14の構成要素として、常温下で動作信頼性が保証された汎用の部品を採用することができる。そうした汎用部品は極低温環境での信頼性が保証された部品に比べて安価に入手することができる。なお、可能とされる場合には、連結ライン14は、極低温システム10の低温部24に配置されてもよい。
冷媒循環ループ12および連結ライン14に設けられた各開閉弁(V1〜V6)は、開放されているとき当該開閉弁を冷媒が流れることができるが、閉鎖されているときは当該開閉弁を冷媒が流れることができない。各開閉弁(V1〜V6)は、電磁式、機械式、手動またはその他の駆動方式の開閉弁であってもよい。
図2は、実施の形態に係る極低温システム10の故障モードと連結ライン14の状態との関係を説明する表である。連結ライン14の各開閉弁(V1〜V6)の開閉状態が、いくつかの故障モードそれぞれに対応して示されている。表において「open」は開閉弁が開いていることを表し、「close」は開閉弁が閉じていることを表す。
図2には、極低温システム10の正常運転と、4つの故障モードが例示されている。「正常運転」は、極低温システム10に設けられたどの循環ポンプ26および冷凍機28にも故障がなく正常に運転していることを表す。「ST1故障」は、第1冷媒循環ループ12aの冷凍機28が故障していることを表し、「ST2故障」は、第2冷媒循環ループ12bの冷凍機28が故障していることを表す。「P1故障」は、第1冷媒循環ループ12aの循環ポンプ26が故障していることを表し、「P2故障」は、第2冷媒循環ループ12bの循環ポンプ26が故障していることを表す。
一段冷凍機ステージ36と二段冷凍機ステージ38の少なくとも一方には通例、冷凍機ステージの温度を測定する温度センサ64が設置されているので、温度センサ64の測定結果から冷凍機28が故障しているか否かを判別することができる。冷媒循環ループ12には冷媒の圧力を測定する圧力センサ(及び/または冷媒の流量を測定する流量センサ)などの冷媒センサ66が通例設置されているので、冷媒センサ66の測定結果から循環ポンプ26が故障しているか否かを判別することができる。
図2において「正常運転」の欄に示されるように、故障や異常なく極低温システム10が正常に運転している場合には、逆流防止用開閉弁(V1,V2,V5,V6)はすべて開放され、供給側連結用開閉弁V3および回収側連結用開閉弁V4はともに閉鎖されている。これが、連結ライン14の非連結状態である。非連結状態においては、供給側連結用開閉弁V3および回収側連結用開閉弁V4が閉鎖される。
したがって、連結ライン14の非連結状態においては、図1に矢印で示されるように、第1冷媒循環ループ12aの循環ポンプ26が第1冷媒循環ループ12aにおいて冷媒を循環させ、第2冷媒循環ループ12bの循環ポンプ26が第2冷媒循環ループ12bにおいて冷媒を循環させる。連結ライン14には冷媒が流れず、第1冷媒循環ループ12aと第2冷媒循環ループ12bとの間で冷媒は相互に流通しない。このようにして、複数の冷媒循環ループ12は相互に独立して運転される。
極低温システム10の正常運転においては、各冷媒循環ループ12の循環ポンプ26から冷媒供給ライン50に送出された冷媒は、真空容器16内へと流入し、最初に第1熱交換器40の供給側流路に供給される。第1熱交換器40の供給側流路を流れる冷媒は、第1熱交換器40の回収側流路を流れる戻りの冷媒と熱交換して冷却される。第1熱交換器40で冷却された冷媒は冷媒供給ライン50を通じて一段冷却部42に流入する。
冷媒は一段冷却部42において一段冷凍機ステージ36によって冷却され、第2熱交換器44の供給側流路へ送り込まれる。第2熱交換器44の供給側流路を流れる冷媒は、第2熱交換器44の回収側流路を流れる戻りの冷媒と熱交換して冷却される。第2熱交換器44で冷却された冷媒は冷媒供給ライン50を通じて二段冷却部46に流入する。
冷媒は二段冷却部46において二段冷凍機ステージ38によって冷却され、冷却ステージ熱交換器48に供給される。冷却ステージ熱交換器48を流れる冷媒と極低温冷却部20との熱交換により極低温冷却部20が冷却される。極低温冷却部20は、例えば冷凍機28の二段冷却温度に冷却され、よって被冷却物18を当該温度域に冷却することができる。
冷媒は冷却ステージ熱交換器48から冷媒回収ライン52に流れる。冷媒は、冷媒回収ライン52を、第2熱交換器44、第1熱交換器40の順に流れる。戻りの冷媒は上述のように、各熱交換器(44,40)にて、冷媒供給ライン50を流れる冷媒を冷却しながら昇温される。こうして常温に戻った冷媒は真空容器16を出て循環ポンプ26に回収され、再び送出される。このようにして、正常運転時には各冷媒循環ループ12が個別に動作し、極低温システム10は極低温冷却部20および被冷却物18を冷却することができる。
図2に示されるように、ST1故障、ST2故障の場合にも連結ライン14は非連結状態をとる。ただし、これらの場合には、正常運転とは異なり、故障した冷凍機28が属する冷媒循環ループ12では冷媒を循環させる必要が無い。よって、ST1故障の場合には、第1冷媒循環ループ12aの循環ポンプ26が運転停止され、ST2故障の場合には、第2冷媒循環ループ12bの循環ポンプ26が運転停止される。このように、故障した冷凍機28が属する冷媒循環ループ12の循環ポンプ26が停止され、他の冷媒循環ループ12については循環ポンプ26が運転継続される。
ST1故障、ST2故障の場合、冷凍機28はもはや冷却をすることができない。冷凍機28は、常温部22から冷凍機ステージへの伝熱経路となる。故障した冷凍機28は、熱侵入源であるとも言える。常温部22から冷凍機28の構造部材(例えばシリンダ、ディスプレーサなど)を通じて一段冷凍機ステージ36および二段冷凍機ステージ38へと熱伝導により熱が侵入する。その結果、一段冷凍機ステージ36および二段冷凍機ステージ38の温度は常温へと徐々に高まっていく。仮に、極低温冷却部20が冷凍機ステージに直接取り付けられていたとすると、冷凍機28の故障に起因して、冷凍機ステージとともに極低温冷却部20も昇温してしまう。極低温システム10の冷却能力が低下し、被冷却物18の冷却維持も困難となりうる。
ところが、本実施の形態においては、ST1故障およびST2故障の場合における冷凍機ステージから極低温冷却部20への伝熱経路が供給側冷媒管51および回収側冷媒管53に限定されている。供給側冷媒管51および回収側冷媒管53は比較的長く、薄肉の細い管である。一段冷凍機ステージ36および二段冷凍機ステージ38から極低温冷却部20へと供給側冷媒管51および回収側冷媒管53を熱伝導により伝わる熱量は限定的である。そのため、たとえ冷凍機28が故障しても、極低温冷却部20の昇温を遅らせ、被冷却物18の冷却をある程度続けることができる。
好ましくは、供給側冷媒管51および回収側冷媒管53は、冷凍機28の故障に起因する冷凍機ステージ(例えば二段冷凍機ステージ38)から極低温冷却部20への熱伝導による侵入熱を限定し、または実質的に無視できるように設計されている。このような低温部冷媒管の設計と循環ポンプ26の運転停止の組み合わせによって、冷凍機28と極低温冷却部20との熱接続が制限される。また、冷凍機28の正常時には、冷凍機28が冷却する冷媒が循環ポンプ26の運転により極低温冷却部20に供給され、冷凍機28と極低温冷却部20との熱接続が維持される。このようにして、低温部冷媒管と循環ポンプ26は、いわば熱スイッチとして働く。
一般に知られる機械式の熱スイッチを極低温システム10に適用するには様々な課題がある。機械式熱スイッチを極低温環境に配置する場合には極低温での動作信頼性や駆動部の発熱が問題となりうる。機械式熱スイッチの駆動部を常温下に配置する場合には、駆動部から伝達部材を介してスイッチ駆動を伝えることになるが、この伝達部材が伝熱経路となってしまう。よって、本実施の形態では機械式の熱スイッチは使用されない。また、極低温環境に適するガスギャップ式の熱スイッチも既知であるが、この熱スイッチは4K以下の極低温領域でのみ動作可能であり、4Kより高い極低温領域では使用できない。
これに対して、上述の低温部冷媒管と循環ポンプ26の組み合わせは、既存の熱スイッチに付随する不利益がまったくないか、ほとんどない。この組み合わせを利用することにより、故障した冷凍機28を極低温システム10から容易に熱的に切り離すことができる。
少なくとも1つの冷媒循環ループ12は、極低温システム10の低温部24に配置された低温部冷媒管(供給側冷媒管51及び/または回収側冷媒管53)を備える。冷凍機28が機能しない場合に想定される極低温システム10の常温部22から冷凍機28の冷凍機ステージへの熱伝導による単位時間あたり熱量が、冷凍機ステージから低温部冷媒管を通じた極低温冷却部20への熱伝導による単位時間あたり熱量の1/100〜1/1000(例えば、1/400〜1/500)であってもよい。ここで、冷凍機28が機能しない場合とは、故障等により冷凍機28が運転停止し、冷凍機28が冷却仕事を発生しない状態をいう。このようにすれば、冷凍機28の故障に起因する冷凍機ステージから極低温冷却部20への熱伝導による侵入熱を実質的に無視できる。
低温部冷媒管の設計の一例として、低温部冷媒管の材料、長さ、および断面積は、冷凍機が機能しない場合に想定される常温部22から冷凍機28の冷凍機ステージへの熱伝導による単位時間あたり熱量が、冷凍機ステージから低温部冷媒管を通じた極低温冷却部20への熱伝導による単位時間あたり熱量の1/100〜1/1000(例えば、1/400〜1/500)となるように、設計されてもよい。このようにすれば、冷凍機28の故障に起因する冷凍機ステージから極低温冷却部20への熱伝導による侵入熱を実質的に無視できる。
供給側冷媒管51および回収側冷媒管53は、例えば、冷凍機ステージの材料の熱伝導率より低い熱伝導率を有する材料で形成される。冷凍機ステージは通例、銅で形成されるので、供給側冷媒管51および回収側冷媒管53は、例えばステンレス製の配管であってもよい。供給側冷媒管51および回収側冷媒管53は、フレキシブル管であってもよく、その場合、冷凍機28から極低温冷却部20への振動伝達を抑制することができる。
供給側冷媒管51および回収側冷媒管53は、それぞれ比較的長く、例えば、冷凍機28の軸方向長さより長い。供給側冷媒管51および回収側冷媒管53の長さは、冷凍機28の軸方向長さの2倍以上、5倍以上、または10倍以上であってもよい。ここで、冷凍機28の軸方向長さは、冷凍機28が取り付けられた真空容器16の壁面から冷凍機ステージ(例えば二段冷凍機ステージ38)までの距離(言い換えれば、常温部22から冷凍機ステージまでの距離)としてもよい。冷凍機28の軸方向は、コールドヘッド(例えば二段コールドヘッド32)がディスプレーサなどの往復動部材を有する場合には、往復動部材の往復動方向にあたる。供給側冷媒管51および回収側冷媒管53の長さは、冷凍機28の軸方向長さの100倍以下であってもよい。
また、供給側冷媒管51および回収側冷媒管53の断面積は、それぞれ比較的小さく、例えば、冷凍機28の断面積より小さい。供給側冷媒管51および回収側冷媒管53の断面積は、冷凍機28の断面積の1/2以下、1/5以下、または1/10以下であってもよい。ここで、冷媒管の断面積は、管軸方向に垂直な断面積をいい、冷媒管の内径および外径から求められる。冷凍機28の断面積は、冷凍機28の軸方向に垂直な断面積をいう。冷凍機28の断面積は、例えば、コールドヘッド(例えば二段コールドヘッド32)のシリンダ部材の断面積としてもよい。シリンダ部材の断面積は、シリンダ部材の内径および外径から求められる。供給側冷媒管51および回収側冷媒管53は、シリンダ部材に比べて薄肉の管であってもよい。供給側冷媒管51および回収側冷媒管53の断面積は、冷凍機28の断面積の1/100以上であってもよい。
図2に示されるように、P1故障の場合には、故障している循環ポンプ26が属する第1冷媒循環ループ12aの逆流防止用開閉弁(V1,V2)が閉鎖され、供給側連結用開閉弁V3および回収側連結用開閉弁V4はともに開放されている。正常な循環ポンプ26が属する第2冷媒循環ループ12bの逆流防止用開閉弁(V5,V6)は開放されている。また、P2故障の場合には、故障している循環ポンプ26が属する第2冷媒循環ループ12bの逆流防止用開閉弁(V5,V6)が閉鎖され、供給側連結用開閉弁V3および回収側連結用開閉弁V4はともに開放されている。正常な循環ポンプ26が属する第1冷媒循環ループ12aの逆流防止用開閉弁(V1,V2)は開放されている。これらが連結ライン14の連結状態にあたる。連結状態においては、供給側連結用開閉弁V3および回収側連結用開閉弁V4が開放される。
図3には、連結ライン14の連結状態における冷媒の流れを矢印で示す。一例として、P2故障、すなわち第2冷媒循環ループ12bの循環ポンプ26が故障している場合が示される。よって、第1冷媒循環ループ12aの循環ポンプ26は正常に運転しているが、第2冷媒循環ループ12bの循環ポンプ26は運転していない。図示されるように、第1冷媒循環ループ12aの循環ポンプ26が、第1冷媒循環ループ12aと第2冷媒循環ループ12bの両方において冷媒を循環させる。第1冷媒循環ループ12aについては正常時と同様に冷媒が循環する。
第2冷媒循環ループ12bについては、第1冷媒循環ループ12aの冷媒供給ライン50から第2冷媒循環ループ12bの冷媒供給ライン50へと供給側連結流路56を通じて冷媒が供給される。冷媒は熱交換器(40,44)および冷凍機ステージ(36,38)により冷却され冷却ステージ熱交換器48に供給され、冷媒回収ライン52へと流出する。第2冷媒循環ループ12bの冷媒回収ライン52から第1冷媒循環ループ12aの冷媒回収ライン52へと回収側連結流路58を通じて冷媒は戻り、第1冷媒循環ループ12aの循環ポンプ26に回収される。第2冷媒循環ループ12bの逆流防止用開閉弁(V5,V6)が閉鎖されているので、連結ライン14の連結状態における第2冷媒循環ループ12bでの逆流循環が防止される。
P1故障の場合には、第2冷媒循環ループ12bの循環ポンプ26が、第1冷媒循環ループ12aと第2冷媒循環ループ12bの両方において冷媒を循環させることができる。
このようにして、ある冷媒循環ループ12の循環ポンプ26の故障時に、別の冷媒循環ループ12の正常な循環ポンプ26を使ってそれら複数の冷媒循環ループ12を動作させ、極低温システム10は、極低温冷却部20を冷却することができる。いずれかの循環ポンプ26が故障しても、極低温システム10の冷却運転を継続することができる。
以上説明したように、本実施の形態に係る極低温システム10は、第1冷媒循環ループ12aおよび第2冷媒循環ループ12bと、これら2つの冷媒循環ループ12を相互連結する連結ライン14と、を備える。連結ライン14は、非連結状態から連結状態に切替可能に構成されている。
非連結状態では、第1冷媒循環ループ12aと第2冷媒循環ループ12bが相互に切り離され、第1冷媒循環ループ12aの循環ポンプ26が第1冷媒循環ループ12aについて冷媒を循環させ、第2冷媒循環ループ12bの循環ポンプ26が第2冷媒循環ループ12bについて冷媒を循環させる。連結状態では、第1冷媒循環ループ12aと第2冷媒循環ループ12bが連結ライン14を通じて連結され、第1冷媒循環ループ12aから第2冷媒循環ループ12bへと、または、第1冷媒循環ループ12aから第2冷媒循環ループ12bへと冷媒を相互に供給することができる。
いずれかの循環ポンプ26の故障時には連結ライン14の連結状態が選択され、正常な他の循環ポンプ26により極低温システム10の冷却を継続することができる。こうして、より長時間の安定した冷却性能を有する複数台の冷凍機28を使用した極低温システム10を実現することができる。
なお、冷凍機28は二段スターリング冷凍機には限らず、二段GM冷凍機、二段パルス管冷凍機などその他の二段の機械式冷凍機であってもよい。また、冷凍機28は、単段スターリング冷凍機、単段GM冷凍機、単段パルス管冷凍機など単段の機械式冷凍機であってもよい。
極低温システム10は、種々の拡張が可能である。上述の実施の形態では極低温システム10は2台の冷凍機28を備えるが、極低温システム10は、3台以上の冷凍機28を備えてもよい。
また、上述の実施の形態では、各冷媒循環ループ12に循環ポンプ26と冷凍機28が1つずつ設けられているが、これに限られない。少なくとも1つの冷媒循環ループは、各々が機械式冷凍機を備える複数の冷媒循環サブループを備えてもよい。当該冷媒循環ループには、複数の冷媒循環サブループに共有される少なくとも1つの循環ポンプが設けられている。複数の冷媒循環サブループは、個別に循環ポンプから切り離し可能であってもよい。
図4は、実施の形態に係る極低温システム10の他の例を概略的に示す図である。図5は、図4に示される極低温システム10の故障モードと連結ライン14の状態との関係を説明する表である。
図4および図5に例示される実施の形態に係る極低温システム10は、各冷媒循環ループ12が複数の冷媒循環サブループ70を備えることを除いて、図1から図3に例示される極低温システム10と共通する。以下、それら実施の形態に係る極低温システム10について相違する構成を中心に説明し、共通する構成については簡単に説明するか、あるいは説明を省略する。
極低温システム10は、第1冷媒循環ループ12aと第2冷媒循環ループ12bを備える。連結ライン14は、第1冷媒循環ループ12aと第2冷媒循環ループ12bを相互連結する。各冷媒循環ループ12は、複数の冷媒循環サブループ70、すなわち第1冷媒循環サブループ70aと第2冷媒循環サブループ70bを備える。各冷媒循環ループ12の循環ポンプ26は、複数の冷媒循環サブループ70に共有され、この共通の循環ポンプ26から第1冷媒循環サブループ70aと第2冷媒循環サブループ70bの両方に冷媒が供給される。また、共通の循環ポンプ26は、第1冷媒循環サブループ70aと第2冷媒循環サブループ70bの両方から冷媒を回収する。
極低温システム10は、合計4台の冷凍機28を備える。冷凍機28は、単段スターリング冷凍機である。極低温冷却部20は複数の冷却ステージからなり、各冷却ステージが対応する冷媒循環サブループ70によって冷却される。冷凍機28は、一段冷凍機ステージ36を備える。各冷媒循環サブループ70は、第1熱交換器40、一段冷却部42、冷却ステージ熱交換器48、冷媒供給ライン50、および冷媒回収ライン52を備える。
極低温システム10は、8個の開閉弁(V11〜V18)を備える。各故障モードにおける開閉弁(V11〜V18)の開閉状態は図5に記載されるとおりである。開閉弁(V14,V15)が連結用開閉弁であり、開閉弁(V11,V16)が逆流防止用開閉弁である。
残りの開閉弁(V12,V13,V17,V18)は、冷媒循環ループ12から冷媒循環サブループ70を個別に切り離すために設けられている。開閉弁(V12,V13,V17,V18)は、循環ポンプ26と第1熱交換器40の供給側流路との間に配置されている。
開閉弁V12は第1冷媒循環ループ12aの第1冷媒循環サブループ70aに設けられ、第1冷媒循環サブループ70aの冷凍機28の故障時に閉鎖される(図5の「ST1故障」)。この場合、第1冷媒循環ループ12aにおける他の開閉弁(V11,V13)は開放されているので、第1冷媒循環ループ12aの循環ポンプ26は、第1冷媒循環ループ12aの第2冷媒循環サブループ70bに冷媒を循環させることができる。
同様に、開閉弁V13は第1冷媒循環ループ12aの第2冷媒循環サブループ70bに設けられ、第2冷媒循環サブループ70bの冷凍機28の故障時に閉鎖される(図5の「ST2故障」)。開閉弁V17は第2冷媒循環ループ12bの第1冷媒循環サブループ70aに設けられ、第1冷媒循環サブループ70aの冷凍機28の故障時に閉鎖される(図5の「ST3故障」)。開閉弁V18は第2冷媒循環ループ12bの第2冷媒循環サブループ70bに設けられ、第2冷媒循環サブループ70bの冷凍機28の故障時に閉鎖される(図5の「ST4故障」)。
図4および図5に示される極低温システム10によっても、いずれかの循環ポンプ26の故障時には連結ライン14の連結状態が選択され、正常な他の循環ポンプ26により極低温システム10の冷却を継続することができる。
また、いずれかの冷凍機28の故障時には対応する開閉弁(V12,V13,V17,V18)を閉じることにより、当該冷凍機28が属する冷媒循環サブループ70を極低温システム10から切り離すことができる。
供給側冷媒管51および回収側冷媒管53は、冷凍機28の故障に起因する冷凍機ステージ(例えば一段冷凍機ステージ36)から極低温冷却部20への熱伝導による侵入熱を実質的に無視できるように設計されている。このような低温部冷媒管の設計と開閉弁(V12,V13,V17,V18)の組み合わせによって、故障している冷凍機28と極低温冷却部20との熱接続が制限される。故障している冷凍機28から極低温冷却部20への熱侵入を抑制することができる。
図6は、実施の形態に係る極低温システム10の他の例を概略的に示す図である。図7は、図6に示される極低温システム10の故障モードと連結ライン14の状態との関係を説明する表である。図7には、各冷媒循環ループ12の循環ポンプ26(P1〜P4)の状態も示されている。
図6および図7に例示される実施の形態に係る極低温システム10は、4つの冷媒循環ループ12を備えることを除いて、図1から図3に例示される極低温システム10と共通する。以下、それら実施の形態に係る極低温システム10について相違する構成を中心に説明し、共通する構成については簡単に説明するか、あるいは説明を省略する。
極低温システム10は、第1冷媒循環ループ12a、第2冷媒循環ループ12b、第3冷媒循環ループ12c、および第4冷媒循環ループ12dを備える。各冷媒循環ループ12には循環ポンプ26と冷凍機28が1つずつ設けられている。冷凍機28は単段スターリング冷凍機である。極低温システム10は、第1冷媒循環ループ12aと第2冷媒循環ループ12bを相互連結する第1連結ライン14aと、第2冷媒循環ループ12bと第3冷媒循環ループ12cを相互連結する第2連結ライン14bと、第3冷媒循環ループ12cと第4冷媒循環ループ12dを相互連結する第3連結ライン14cと、を備える。
極低温システム10は、10個の開閉弁(V21〜V30)を備える。第1連結ライン14aには連結用開閉弁(V22,V23)が設けられ、第2連結ライン14bには連結用開閉弁(V25,V26)が設けられ、第3連結ライン14cには連結用開閉弁(V28,V29)が設けられている。残りの4個の開閉弁(V21,V24,V27,V30)はそれぞれ、第1冷媒循環ループ12a、第2冷媒循環ループ12b、第3冷媒循環ループ12c、および第4冷媒循環ループ12dの逆流防止用開閉弁である。各故障モードにおける開閉弁(V21〜V30)の開閉状態は図7に記載されるとおりである。
図6および図7に示される極低温システム10によっても、いずれかの循環ポンプ26の故障時には連結ライン14の連結状態が選択され、正常な他の循環ポンプ26により極低温システム10の冷却を継続することができる。例えば、P1故障時には、第1連結ライン14aが連結状態とされ(すなわち連結用開閉弁(V22,V23)が開放され)、第2冷媒循環ループ12bから第1冷媒循環ループ12aに冷媒を循環させることができる。P2故障時には、第1連結ライン14aが連結状態とされ(すなわち連結用開閉弁(V22,V23)が開放され)、第1冷媒循環ループ12aから第2冷媒循環ループ12bに冷媒を循環させることができる。あるいは、P2故障時には、第2連結ライン14bが連結状態とされ(すなわち連結用開閉弁(V25,V26)が開放され)、第3冷媒循環ループ12cから第2冷媒循環ループ12bに冷媒を循環させることもできる。
図6および図7に示される極低温システム10によっても、いずれかの循環ポンプ26の故障時には連結ライン14の連結状態が選択され、正常な他の循環ポンプ26により極低温システム10の冷却を継続することができる。また、低温部冷媒管と循環ポンプ26の組み合わせにより、故障した冷凍機28を極低温システム10から熱的に切り離し、故障した冷凍機28から極低温冷却部20への熱侵入を抑制することができる。
以上、本発明を実施例にもとづいて説明した。本発明は上記実施形態に限定されず、種々の設計変更が可能であり、様々な変形例が可能であること、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは、当業者に理解されるところである。
10 極低温システム、 12 冷媒循環ループ、 12a 第1冷媒循環ループ、 12b 第2冷媒循環ループ、 14 連結ライン、 20 極低温冷却部、 22 常温部、 24 低温部、 26 循環ポンプ、 28 冷凍機、 54 逆流防止部、 56 供給側連結流路、 58 回収側連結流路、 70 冷媒循環サブループ、 70a 第1冷媒循環サブループ、 70b 第2冷媒循環サブループ。

Claims (6)

  1. 極低温冷却部と、
    前記極低温冷却部と冷媒との熱交換により前記極低温冷却部を冷却するよう構成された複数の冷媒循環ループであって、各冷媒循環ループが、前記冷媒を循環させる循環ポンプと、前記冷媒を冷却する機械式冷凍機と、を備える複数の冷媒循環ループと、
    前記冷媒を流通可能に前記複数の冷媒循環ループを相互連結する連結ラインと、を備え、
    前記連結ラインは、非連結状態から連結状態に切替可能に構成され、前記非連結状態では各冷媒循環ループの循環ポンプが当該冷媒循環ループについて前記冷媒を循環させるように前記複数の冷媒循環ループを相互に切り離し、前記連結状態では少なくとも1つの冷媒循環ループの循環ポンプが他の少なくとも1つの冷媒循環ループについても前記冷媒を循環させるように前記複数の冷媒循環ループを連結し、
    前記複数の冷媒循環ループの各々は、一方が前記循環ポンプの上流側に設けられ、他方が前記循環ポンプの下流側に設けられ、前記非連結状態では開放され前記連結状態では閉鎖される一組の逆流防止用開閉弁を備えることを特徴とする極低温システム。
  2. 前記連結ラインは、2つの冷媒循環ループをつなぐ連結流路と、前記連結流路に設けられ、前記非連結状態では閉鎖され前記連結状態では開放される連結用開閉弁を備えることを特徴とする請求項1に記載の極低温システム。
  3. 前記連結ラインは、前記極低温システムの常温部に配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の極低温システム。
  4. 前記一組の逆流防止用開閉弁は、前記極低温システムの常温部に配置されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の極低温システム。
  5. 少なくとも1つの冷媒循環ループは、各々が前記機械式冷凍機を備え、前記循環ポンプが前記冷媒を循環させる複数の冷媒循環サブループを備え、
    前記複数の冷媒循環サブループは、個別に前記循環ポンプから切り離し可能であることを特徴とする請求項1からのいずれかに記載の極低温システム。
  6. 少なくとも1つの冷媒循環ループは、前記極低温システムの低温部に配置された低温部冷媒管を備え、
    前記機械式冷凍機が機能しない場合に想定される前記極低温システムの常温部から前記機械式冷凍機の冷凍機ステージへの熱伝導による単位時間あたり熱量が、前記冷凍機ステージから前記低温部冷媒管を通じた前記極低温冷却部への熱伝導による単位時間あたり熱量の1/100〜1/1000であることを特徴とする請求項1からのいずれかに記載の極低温システム。
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