JP6974988B2 - 植物収量向上剤 - Google Patents
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Description
特許文献1には、部分的に腐植化された天然有機物によって特徴付けられる有機物質の農学的に許容される複合混合物を含むリグニン等の成分と接触した粒状形態物を含む肥料組成物が記載されている。
本発明の植物収量向上剤は、アルカリニトロベンゼン酸化によるアルデヒド収率が5質量%以上であり、重量平均分子量が300以上100,000以下であり、水に対する接触角が15°以上であるリグニン分解物(以下、本発明のリグニン分解物という場合もある)を有効成分とする。本発明は、本発明のリグニン分解物からなる植物収量向上剤を包含する。
本発明では、具体的には、以下の条件で測定したアルデヒド収率を、リグニン分解物のアルデヒド収率として採用する。
測定対象のリグニン分解物50〜200mg、2M水酸化ナトリウム水溶液6〜10mL、ニトロベンゼン0.4mLを20mLのバイアルに入れ、900rpmで撹拌しながら170℃で2.5時間加熱する。加熱終了後冷却し、5〜15mLのジエチルエーテルで3回抽出し、ニトロベンゼン還元物と余分なニトロベンゼンを除去する。残った水層側に濃塩酸を加えてpH3〜1に調整し、更に5〜15mLのジエチルエーテルで3回抽出する。このジエチルエーテル抽出液を減圧下で留去し、酸化混合物を得る。この酸化混合物をジクロロメタン20mLでメスアップする。そのうち2mLをミリポアHVHP膜(日本ミリポア株式会社製、孔径0.45μm)でろ過し、ガスクロマトグラフィ(GC)に供する。
ガスクロマトグラフィは、AgilentJ&WGCカラム DB−5(アジレント・テクノロジー株式会社製)を装着したGC装置(アジレント・テクノロジー株式会社製)を用いる。ガスクロマトグラフィの条件は、試料量は1.0μL、ヘリウム流速は10mL/分、抽入口温度200℃、スプリット比10:1とする。温度条件は、60℃で1分間保持した後、60〜250℃まで5℃/分で昇温し、250℃で10分保持する。定量は、バニリン、シリンガアルデヒド、パラヒドロキシベンズアルデヒドの3つのアルデヒドを試薬として用い、含有量に対するピーク面積で検量線を作成し、リグニン分解物中の前記3つのアルデヒド収量をそれぞれ求める。次式でアルデヒド収率(%)を算出する。
アルデヒド収率(%)=(3つのアルデヒド量を合算したアルデヒド収量/リグニン分解物質量)×100
〔リグニン分解物の重量平均分子量の測定方法〕
リグニン分解物の重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により下記操作及び条件で測定する。
〔GPC操作〕
リグニン分解物を含有する試料溶液(1mg/mL)を100μL注入して測定を行う。試料の分子量は、あらかじめ作成した検量線に基づき算出する。
〔GPC条件〕
機種:HLC−8120GPC(東ソー株式会社)
検出器:RI検出器
分離カラム:TSK−GEL α−M 2本(東ソー株式会社)
ガードカラム:TSKgel guardcolumn α(東ソー株式会社)
カラム温度:40℃
溶離液:60mmol/LのH3PO4と50mmol/LのLiBrを添加したN,N−ジメチルホムアミド溶液
溶離液流量:1mL/min
標準試料:単分散ポリスチレン混合溶液〔東ソー株式会社製のA−500(分子量5.0×102)、F−10(分子量9.64×104)、F−850(分子量8.42×106)、Pressure Chemical社製(分子量4.0×103、3.0×104、9.29×105)
測定対象のリグニン分解物が粉体で得られる場合は、その0.1〜0.3gを採取し、密度が1.3〜1.7g/cm3になるように圧力をかけて、平面を有する圧縮物、例えば、円柱、立方体、直方体のような形状を有する圧縮物としたものをサンプルとする。なお、測定対象のリグニン分解物の粒子が大きい場合や形状が不揃いの場合などは、粉砕して粒径や形状を調整した粉体とし、これを前記と同様に圧縮物としてサンプルとしてもよい。また、圧縮によりリグニン分解物の粉体が細粒化されてもよい。
サンプル、例えばリグニン分解物の圧縮物を、その平面が水平となるように設置し、前記平面に、20℃の純水を粒径5μmで滴下し、1秒後の接触角を測定する。接触角は、液滴の左右端点と頂点を結ぶ直線の固体表面に対する角度を求め、これを2倍することで求める(θ/2法)。測定は1つのサンプルにつき3回行い、その平均値として得た値を水接触角として採用する。
天然のリグニンの主要結合はβ−O−4結合であり、巨大高分子を形成している。リグニンは、植物系バイオマスから抽出される過程でβ−O−4結合の分解と、様々な縮合反応が進行し、リグニン中の結合の組成が変化する。アルカリニトロベンゼン酸化はリグニン中のβ−O−4結合を分解し、生成するアルデヒドモノマーからβ−O−4結合の量を定量する手法である。つまり、アルカリニトロベンゼン酸化によるアルデヒド収率は、リグニン変性の程度を示し、その値が高ければ高いほど変性の程度が低いことを示す。リグニンは低変性であるほど、脂肪族OH基やフェノール性OH基の含有量が高く、反応性が高い。本発明では、低変性リグニンを用いることで、植物収量が向上できると推測される。
本発明の植物収量向上剤組成物は、アルカリニトロベンゼン酸化によるアルデヒド収率が5質量%以上であり、重量平均分子量が300以上100,000以下であり、水に対する接触角が15°以上であるリグニン分解物、すなわち本発明のリグニン分解物を含有する。本発明の植物収量向上剤組成物が含有するリグニン分解物の好ましい態様は、本発明の植物収量向上剤と同じである。本発明の植物収量向上剤組成物を適用できる植物は、本発明の植物収量向上剤と同じである。また、本発明の植物収量向上剤組成物は、農作物用収量向上剤組成物であることが好ましい。
界面活性剤としては、非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤及び両性界面活性剤から選ばれる1種以上の界面活性剤が挙げられる。界面活性剤としては、非イオン界面活性剤が好ましい。
水溶性ポリマーとしては、天然、半合成及び合成ポリマーが何れも使用でき、その中でも多糖類系水溶性ポリマーが好ましい。多糖類系水溶性ポリマーの具体例としては、グアーガム、キサンタンガム、でんぷん、セルロース、タラガム、ローストビーンガム、カラギーナン、及びこれらの誘導体が挙げられる。グアーガム誘導体としては、例えば、ヒドロキシプロピルグアーガム、カルボキシメチルヒドロキシプロピルグアーガム、カチオン化グアーガム等が挙げられる。キサンタンガム誘導体としては、例えば、ヒドロキシプロピルキサンタンガム等が挙げられる。でんぷん誘導体としては、例えば、カルボキシメチル化でんぷん、ヒドロキシアルキル化でんぷん、ヒドロキシプロピル架橋でんぷん、クラフト化でんぷん、酢酸でんぷん等が挙げられる。セルロース誘導体としては、例えば、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等が挙げられる。多糖類系水溶性ポリマーとしては、ヒドキシプロピルメチルセルロースがより好ましい。
本発明の植物収量向上剤組成物が水溶性ポリマーを含有する場合、本発明のリグニン分解物100質量部に対し、水溶性ポリマーを好ましくは1質量部以上、より好ましくは10質量部以上、更に好ましくは50質量部以上、そして、好ましくは1,900質量部以下、より好ましくは600質量部以下、更に好ましくは300質量部以下含有する。
本発明の植物の育成方法では、アルカリニトロベンゼン酸化によるアルデヒド収率が5質量%以上であり、重量平均分子量が300以上100,000以下であり、水に対する接触角が15°以上であるリグニン分解物、すなわち本発明のリグニン分解物を植物に適用する。本発明の植物の育成方法に用いるリグニン分解物の好ましい態様は、本発明の植物収量向上剤と同じである。本発明の植物の育成方法を適用できる植物は、本発明の植物収量向上剤と同じである。また、本発明の植物の育成方法は、農作物の育成方法又は農作物の栽培方法であることが好ましい。
本発明の植物の育成方法では、本発明のリグニン分解物と水とを含有する処理液を、植物の地下部又は地上部に接触させることができる。
前記処理液は、植物収量向上剤組成物で述べたリグニン分解物以外の成分、例えば、界面活性剤、水溶性ポリマー、肥料成分などを含有することができる。
本発明では、固体の本発明のリグニン分解物を土壌と混合する、又は固体の本発明のリグニン分解物と水等の溶媒とを混合した液状物、例えば前記の処理液、を土壌と混合することが好ましい。本発明では、固体の本発明のリグニン分解物を土壌と混合することがより好ましい。本発明のリグニン分解物を固体で使用する場合は粉体が好ましい。
圃場において本発明のリグニン分解物を土壌に添加する具体的な方法としては、耕運機などに散布機を併用し、本発明のリグニン分解物、本発明の植物収量向上剤又は本発明の植物収量向上剤組成物を散布しながら耕す方法が挙げられる。
このように、本発明の植物の育成方法では、本発明のリグニン分解物を、好ましくは播種前に、植物を栽培する土壌に供給して植物に適用することができる。
本発明のリグニン分解物は、植物系バイオマスの分解により得ることができる。
本発明の植物収量向上剤を製造する方法として、下記工程1、及び工程2を有する植物収量向上剤の製造方法が挙げられる。この製造方法は、本発明の農作物用収量向上剤の製造方法であってよい。
工程1:植物系バイオマス、該植物系バイオマスの固形分100質量部に対し8質量部以上70質量部以下の塩基性化合物、及び前記植物系バイオマスの固形分100質量部に対し10質量部以上10,000質量部以下の水を混合し、H−ファクターが25,000以下の条件で処理して反応物を得る工程
工程2:工程1で得られた反応物から、アルカリニトロベンゼン酸化によるアルデヒド収率が5質量%以上であり、重量平均分子量が300以上100,000以下であり、水に対する接触角が15°以上であるリグニン分解物を抽出する工程
植物系バイオマスとしては、草本系バイオマス、木質系バイオマスが挙げられる。これらの中でも、好ましくは草本系バイオマスである。
イネ科の植物原料としては、例えばサトウキビバガス、ソルガムバガス等のバガス、スイッチグラス、エレファントグラス、コーンストーバー、コーンコブ、イナワラ、ムギワラ、オオムギ、ススキ、芝、ジョンソングラス、エリアンサス、ネピアグラスが挙げられる。アオイ科の植物原料としては、例えばケナフ、ワタが挙げられる。マメ科の植物原料としては、例えばアルファルファが挙げられる。ヤシ科の植物の非木質原料としては、例えばパームヤシ空果房が挙げられる。
これらの中でも、生産性及び取扱い性の観点から、好ましくはイネ科の植物原料であり、より好ましくはサトウキビバガス、コーンコブ、又はイナワラであり、更に好ましくはサトウキビバガスである。
これらの植物系バイオマスは、1種単独でも、又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
用いられる粉砕機に特に制限はなく、例えば、高圧圧縮ロールミルや、ロール回転ミル等のロールミル、リングローラーミル、ローラーレースミル又はボールレースミル等の竪型ローラーミル、転動ボールミル、振動ボールミル、振動ロッドミル、振動チューブミル、遊星ボールミル又は遠心流動化ミル等の容器駆動媒体ミル、塔式粉砕機、攪拌槽式ミル、流通槽式ミル又はアニュラー式ミル等の媒体攪拌式ミル、高速遠心ローラーミルやオングミル等の圧密せん断ミル、乳鉢、石臼、マスコロイダー、フレットミル、エッジランナーミル、ナイフミル、ピンミル、カッターミル等が挙げられる。
これらの中では、植物系バイオマスの粉砕効率、及び生産性の観点から、好ましくは、容器駆動式媒体ミル又は媒体攪拌式ミル、より好ましくは、容器駆動式媒体ミル、更に好ましくは、振動ボールミル、振動ロッドミル又は振動チューブミル等の振動ミル、更に好ましくは、振動ロッドミルである。
粉砕に用いる装置及び/又は媒体の材質としては、特に制限はなく、例えば、鉄、ステンレス、アルミナ、ジルコニア、炭化珪素、チッ化珪素、ガラス等が挙げられるが、セルロース含有原料の粉砕効率の観点から、鉄、ステンレス、ジルコニア、炭化珪素、窒化珪素が好ましく、更に工業的な利用の観点から、鉄又はステンレスがより好ましい。
媒体がロッドの場合には、ロッドの外径は、効率的な粉砕の観点から、好ましくは5mm以上、より好ましくは10mm以上、更に好ましくは20mm以上であり、そして、同様の観点から、好ましくは100mm以下、より好ましくは50mm以下、更に好ましくは40mm以下である。
媒体がボールの場合は、ボールの外径としては、効率的な粉砕の観点から、好ましくは0.1mm以上、より好ましくは1mm以上であり、そして、同様の観点から、好ましくは100mm以下、より好ましくは50mm以下である。
粉砕の時間は、用いる粉砕機や使用するエネルギー量等によって変わるが、植物系バイオマスの微細化の観点から、通常1分以上、好ましくは3分以上であり、そして、植物系バイオマスの微細化の観点及び経済性の観点から、通常12時間以下、好ましくは3時間以下、より好ましくは1時間以下、更に好ましくは12分以下である。
粉砕処理に用いられる塩基性化合物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムなどのアルカリ金属水酸化物、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウムなどのアルカリ土類金属水酸化物、酸化ナトリウム、酸化カリウムなどのアルカリ金属酸化物、酸化マグネシウム、酸化カルシウムなどのアルカリ土類金属酸化物、硫化ナトリウム、硫化カリウムなどのアルカリ金属硫化物、硫化マグネシウム、硫化カルシウムなどのアルカリ土類金属硫化物、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラブチルアンモニウムなどの水酸化四級アンモニウムなどが挙げられる。これらの中でも、酵素糖化率向上の観点から、好ましくは、アルカリ金属水酸化物又はアルカリ土類金属水酸化物であり、より好ましくは、アルカリ金属水酸化物、更に好ましくは、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムである。これらの塩基性化合物は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
粉砕処理時の水分量は、植物系バイオマスの乾燥質量に対する水分量を意味し、乾燥処理などにより植物系バイオマス、塩基性化合物に含まれる水分量を低減することや、粉砕処理時に水を添加して水分量を上げることなどにより、適宜調整することができる。
工程1の塩基性化合物の量は、本発明のリグニン分解物の回収率を高める観点から、植物系バイオマスの固形分100質量部に対し、好ましくは70質量部以下、より好ましくは60質量部以下、更に好ましくは55質量部以下、更に好ましくは50質量部以下、更に好ましくは40質量部以下、更に好ましくは30質量部以下、更に好ましくは20質量部以下であり、そして、好ましくは8質量部以上、より好ましくは10質量部以上である。
工程1の処理は温度が高いと反応が促進されるとともに時間も同時に関係するため、100℃の脱リグニン反応速度を1として、他の温度における相対速度をArrheniusの式より求め、その温度における時間との積であるHFによって算出される。
本発明においては、HFはバイオマスの塩基性化合物を用いた処理で反応系に与えられた熱の総量を表す指標であり、下記式(1)により表される。HFはバイオマスと、塩基性溶液(塩基性化合物及び水を含む水溶液)とが接触している時間tを積分することで算出する。
工程1の処理の温度及び時間は、本発明のリグニン分解物の回収率、及びサイクルタイムの短縮、経済性の観点から、設定されるのが好ましい。
工程1の処理の時間は、上記の処理の温度範囲内で維持した時間を表し、例えば、10℃以上180℃以下の温度範囲内で維持した時間、好ましくは70℃以上150℃以下の温度範囲内で維持した時間、より好ましくは80℃以上140℃以下の温度範囲内で維持した時間、更に好ましくは90℃以上130℃以下の温度範囲内で維持した時間、更に好ましくは95℃以上120℃以下の温度範囲内で維持した時間である。
工程1の処理の時間は、処理設備のスケールや昇降温速度の違いによって変化するので一概に言えないが、本発明のリグニン分解物の回収率を高める観点から、好ましくは0.1時間以上、より好ましくは0.5時間以上、更に好ましくは1時間以上、更に好ましくは1.5時間以上であり、そして、上限は特に限定されず、例えば1か月以下、好ましくは、1週間以下、本発明のリグニン分解物の回収率、サイクルタイムの短縮及び経済性の観点から、好ましくは50時間以下、より好ましくは28時間以下、更に好ましくは20時間以下、更に好ましくは15時間以下、更に好ましくは10時間以下、更に好ましくは8時間以下である。
当該水相は、例えば、工程1の塩基性化合物を用いた処理で得られた反応物の液部を分離することで取り出すことができる。
当該水相は、前記分離に加えて、分離した前記反応物の固形部中(固体相中)に存在するリグニン分解物を水で洗浄し、水中に溶解させて抽出し、取り出すことができる。
具体的には、工程1の反応物から回収した水相及び工程1の前記反応物の固形部から回収した水相に、溶媒、好ましくは炭素数1以上3以下のアルコールから選ばれる少なくとも1種を含む溶媒を混合し、該混合物中で不純物を析出させる工程、析出した不純物を取り除く工程、及び、前記混合物から有機溶媒を取り除く工程、リグニン分解物を析出させる、例えば酸の添加によりリグニン分解物を析出させる工程、により、本発明のリグニン分解物を得ることができる。更に、得られたリグニン分解物は、透析膜等により酸又は塩基性化合物を除いてもよい。
このようにして得られたリグニン分解物は、水やその他の溶剤と共に分散された状態でも良く、また、溶媒を蒸発させて、固体としても良い。
工程3:工程2で得られたリグニン分解物を加熱する工程
工程3は、無溶媒下で行うことが好ましい。
工程3での加熱温度は、好ましくは60℃以上、より好ましくは100℃以上、そして、好ましくは170℃以下、より好ましくは140℃以下である。
また、工程3での加熱時間は、好ましくは1分以上、より好ましくは3分以上、そして、好ましくは30分以下、より好ましくは10分以下である。
本発明は、アルカリニトロベンゼン酸化によるアルデヒド収率が5質量%以上であり、重量平均分子量が300以上100,000以下であり、水に対する接触角が15°以上であるリグニン分解物の、植物収量向上剤、好ましくは農作物用収量向上剤としての使用に関する。
また、本発明は、アルカリニトロベンゼン酸化によるアルデヒド収率が5質量%以上であり、重量平均分子量が300以上100,000以下であり、水に対する接触角が15°以上であるリグニン分解物を含有する組成物の、植物収量向上剤組成物、好ましくは農作物用収量向上剤組成物としての使用に関する。
本発明は、植物収量向上剤、好ましくは農作物用収量向上剤として使用される、アルカリニトロベンゼン酸化によるアルデヒド収率が5質量%以上であり、重量平均分子量が300以上100,000以下であり、水に対する接触角が15°以上であるリグニン分解物に関する。
また、本発明は、植物収量向上剤組成物、好ましくは農作物用収量向上剤組成物として使用される、アルカリニトロベンゼン酸化によるアルデヒド収率が5質量%以上であり、重量平均分子量が300以上100,000以下であり、水に対する接触角が15°以上であるリグニン分解物を含有する組成物に関する。
これらで用いるリグニン分解物は、本発明のリグニン分解物であり、その好ましい態様は、本発明の植物収量向上剤や植物収量向上剤組成物と同じである。
下記工程1、2aにより、植物収量向上剤となるリグニン分解物1を製造した。
(工程1)
草本系バイオマスとして、サトウキビバガスを、乾燥質量として30gガラス瓶に入れ、固形分含有量が10質量%になるように、1.6質量%水酸化ナトリウム水溶液を加えた。ガラス瓶をオートクレーブで、95℃、6時間加熱して反応物を得た。工程1でのHFは3.5であった。
工程1で得られた反応物を、400メッシュのSUSメッシュとヌッチェを用いて減圧濾過した。残渣を、90℃のイオン交換水300mLで洗浄した。ろ液と洗浄液を集め、1.0M 塩酸でpH4にしてリグニン分解物を含む懸濁液を得た。
工程1で得られた懸濁液を、遠心分離した。
遠心分離は、日立工機株式会社製「himac CR 20G III」を用いて、10,000rpm、20分の条件で行った。
遠心分離後、上澄みを除き、イオン交換水300mLを加え、撹拌した後、再度、前記と同じ条件で遠心分離し、水洗を行った。水洗を2回行い、得られた沈殿物を凍結乾燥し、粉体状のリグニン分解物1を得た。リグニン分解物1中の有効分含有率は78質量%であった。該有効分は、クラーソン・リグニン法によって求めた。すなわち、TAPPI公式分析法T222om−83に従って、酸不溶性リグニン率と酸可溶性リグニン率の和で全体のリグニン含有率を算出した。
リグニン分解物1は、アルカリニトロベンゼン酸化によるアルデヒド収率が21.9質量%、重量平均分子量が8,488、水接触角が38.2°であった。
製造例1と同様に、ただし、工程2aを下記工程2bに変更し、植物収量向上剤となるリグニン分解物2を製造した。
(工程2b)
工程1で得られた懸濁液を、遠心分離した。
遠心分離は、日立工機株式会社製「himac CR 20G III」を用いて、10,000rpm、20分の条件で行った。
遠心分離後、上澄みを除き、イオン交換水300mLを加え、撹拌した後、再度、前記と同じ条件で遠心分離し、水洗を行った。水洗を2回行い、得られた沈殿物に対し1.0M水酸化ナトリウム水溶液を加え、pH7とした。続いて透析処理を行い、中和塩を除去し、得られた水溶液を凍結乾燥し、粉体状のリグニン分解物2を得た。透析処理にはSpectrum Laboratories Inc.社製のSpectra/Por6標準RC湿潤処理済透析チューブ(MWCO;1kD)を用いた。
リグニン分解物2はアルカリニトロベンゼン酸化によるアルデヒド収率が24.6質量%、重量平均分子量が12,700、水接触角が39.8°であった。アルデヒド収率及び水接触角は以下の方法で測定した。重量平均分子量は前記の方法で測定した。
測定対象のリグニン分解物50mg、2M 水酸化ナトリウム水溶液7mL、ニトロベンゼン0.4mLを20mLのバイアルに入れ、900rpmで撹拌しながら170℃で2.5時間加熱した。加熱終了後冷却し、10mLのジエチルエーテルで3回抽出し、ニトロベンゼン還元物と余分なニトロベンゼンを除去した。残った水層側に濃塩酸を加えてpH1に調整し、更に10mLのジエチルエーテルで3回抽出した。このジエチルエーテル抽出液を減圧下で留去し、酸化混合物を得る。この酸化混合物をジクロロメタン20mLでメスアップした。そのうち2mLをミリポアHVHP膜(日本ミリポア株式会社製、孔径0.45μm)でろ過し、ガスクロマトグラフィ(GC)に供した。
ガスクロマトグラフィは、AgilentJ&W GCカラム DB−5(アジレント・テクノロジー株式会社製)を装着したGC装置(アジレント・テクノロジー株式会社製)を用いた。ガスクロマトグラフィの条件は、試料量は1.0μL、ヘリウム流速は10mL/分、抽入口温度200℃、スプリット比10:1とした。温度条件は、60℃で1分間保持した後、60〜250℃まで5℃/分で昇温し、250℃で10分保持した。定量は、バニリン、シリンガアルデヒド、パラヒドロキシベンズアルデヒドの3つのアルデヒドを試薬として用い、含有量に対するピーク面積で検量線を作成し、リグニン分解物中の前記3つのアルデヒド収量をそれぞれ求めた。次式でアルデヒド収率(%)を算出した。
アルデヒド収率(%)=(3つのアルデヒド量を合算したアルデヒド収量/リグニン分解物質量)×100
筒状スペーサー(株式会社八幡ねじ製:八幡ねじスペーサー、内径10.2mm×長さ30mm)内にダボピン(和気産業株式会社製:品番DB−003)の太い方(オンダボ面)を内側なるように設置した。次に、スペーサー内に、表1に示す粉体状のリグニン分解物を0.1〜0.3g程度添加した。別のダボピン(和気産業株式会社製:品番DB−003)を、その太い方(オンダボ面)がリグニン分解物と当接するようにスペーサー内に設置した。すなわち、スペーサー内でリグニン分解物を、2つのダボピンの太い方(オンダボ面)の面で挟む形に設置した。
次に、上記ダボピンの両端を回転式ベンチバイス(トラスコ中山株式会社製:品番BV−65SN)を用いて挟み、リグニン分解物が粒状となるまで、上下のダボピンに圧力を加えた。この操作で、リグニン分解物に、密度が約1.5g/cm3になるように圧力をかけてリグニン分解物を天面と底面が平らな粒状物とした。
得られたリグニン分解物の粒状物を平滑な基盤に載せ、前記粒状物の表面(天面)に20℃の純水を粒径5μmで滴下し、1秒後の接触角を測定した。接触角は、液滴の左右端点と頂点を結ぶ直線の固体表面に対する角度を求め、これを2倍することで求めた(θ/2法)。測定は1つのサンプルにつき3回行い、その平均値として得た値を水接触角として採用した。
本発明のリグニン分解物1を土壌に添加してダイズに適用した場合の、ダイズの生長促進効果について評価した。
土壌として、佐賀県の田土(沖積土)を採取したものを目開き2mmの篩に通し、粗大な粒子や石、礫を除いたものを使用した。
土壌を10L手動式ガーデンミキサーM40(清水工業)に投入し、リグニン分解物1を土壌に対して0.05質量%となるように投入した。更に土壌に対して30質量%となるように水を投入し、約5分間撹拌後、得られた混合物を土壌サンプルとした。土壌サンプルを育苗用ポリエチレン製ポット(直径18cm)に投入し、10aあたりN/P/K=6kg/6kg/6kgとなるように施肥を行い、ダイズ(品種タイカイミドリ、株式会社アサヒ農園)を播種した。播種から約1か月後にダイズ苗を取出し、地下部の乾燥質量、根粒数、根粒重を測定した。反復数は8個とし、その平均値を求めた。各平均値は、それぞれの対照の値を100とする相対値で表1に示した。なお、対照は、リグニン分解物を用いずに実施したものである(実施例2も同様)。表1の相対値が大きいことは、収穫までの生育性が良好であることを意味し、植物の収量増加が期待される。なお、表中、添加量は、土壌100質量部に対する質量部である(以下同様)。
本発明のリグニン分解物1を土壌に添加してダイズに適用した場合の、ダイズの収量向上効果について評価した。
実施例1で調製した土壌サンプルを育苗用ポリエチレン製ポット(直径18cm)に投入し、10aあたりN/P/K=6kg/6kg/6kgとなるように施肥を行い、ダイズ(品種タイカイミドリ、株式会社アサヒ農園)を播種した。播種後60日目と70日目に200倍希釈したハイポネックス(株式会社ハイポネックスジャパン)を100mLずつ土壌灌水し、播種から4か月後収穫し、分枝数、莢数、子実数、一粒の質量、収量を測定した。反復数は8個とし、その平均値を求めた。各平均値は、対照の値を100とする相対値で表2に示した。
本発明のリグニン分解物2を葉面散布してダイズに適用した場合の、ダイズの収量向上効果を評価した。
ダイズ(品種フクユタカ、岩倉種苗株式会社)を用い、ダイズ圃場(和歌山県和歌山市)に10aあたりN/P/K=3.5kg/6kg/6kgとなるように施肥を行って、播種し、栽培した。その後、分枝発現開始時期(第4〜6本葉展開期)に、100L/10aの散布量となるように均一に苗の10〜15cm上方から、非イオン界面活性剤(モノオレイン酸ポリオキシソルビタン(エチレンオキシド平均付加モル数20)、レオドールTW−O120、花王株式会社製)1,000ppm及びリグニン分解物2を表3の濃度で含有する処理液(残部は水)を、散布した。次いで、開花初期時期(第6〜9本葉展開期)に、前記処理液の2回目の散布を、着莢開始時期に、前記処理液の3回目の散布を、1回目の散布と同様に行った。3回目の散布処理後、栽培を継続し、播種から約4か月後に収穫し、分枝数、莢数、子実数、一粒の質量、収量を測定した。反復数は12とし、平均値を求めた。各平均値を、対照の値を100とする相対値で表3に示した。なお、対照は、リグニン分解物及び非イオン界面活性剤を用いずに実施したものである。
Claims (13)
- アルカリニトロベンゼン酸化によるアルデヒド収率が5質量%以上であり、重量平均分子量が300以上100,000以下であり、水に対する接触角が15°以上であるリグニン分解物を有効成分とする植物収量向上剤。
- 前記リグニン分解物のアルカリニトロベンゼン酸化によるアルデヒド収率が15質量%以上である、請求項1記載の植物収量向上剤。
- アルカリニトロベンゼン酸化によるアルデヒド収率が5質量%以上であり、重量平均分子量が300以上100,000以下であり、水に対する接触角が15°以上であるリグニン分解物を含有する植物収量向上剤組成物。
- 前記リグニン分解物のアルカリニトロベンゼン酸化によるアルデヒド収率が15質量%以上である、請求項3記載の植物収量向上剤組成物。
- アルカリニトロベンゼン酸化によるアルデヒド収率が5質量%以上であり、重量平均分子量が300以上100,000以下であり、水に対する接触角が15°以上であるリグニン分解物を植物に適用する、農作物の増収をはかるための、植物の育成方法。
- 前記リグニン分解物と水とを含有する処理液を植物に接触させる、請求項5に記載の植物の育成方法。
- 前記処理液中の前記リグニン分解物の含有量が1ppm以上5,000ppm以下である、請求項6に記載の植物の育成方法。
- 前記処理液を、養液栽培の培養液として用いて、前記リグニン分解物を植物に接触させる、請求項6又は7に記載の植物の育成方法。
- 前記処理液を、葉面散布して前記リグニン分解物を植物に接触させる、請求項6又は7に記載の植物の育成方法。
- 前記処理液が、請求項1もしくは2記載の植物収量向上剤又は請求項3もしくは4に記載の植物収量向上剤組成物と水とを混合して得られた処理液である、請求項5〜9の何れか1項に記載の植物の育成方法。
- 前記リグニン分解物を、植物を栽培する土壌に添加する、請求項5に記載の植物の育成方法。
- 前記リグニン分解物を、植物を栽培する土壌100質量部あたり、0.0001質量部以上10質量部以下添加する、請求項11に記載の植物の育成方法。
- 前記リグニン分解物を、植物を栽培する土壌10aあたり、0.2kg以上20,000kg以下添加する、請求項11又は12に記載の植物の育成方法。
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