JP6974963B2 - 液晶表示素子 - Google Patents

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Description

本発明は、液晶表示素子に関する。
液晶表示素子の駆動方式として、TN(Twisted Nematic)、IPS(In−Plane Switching)、 FFS(Fringe−Field Switching)、VA(Vertical Arignment)、 FLC(Ferroelectric Liquid Crystal)等の方式がある。
このうち、IPS方式やFFS方式は、2枚の基板間に充填された液晶分子に対し、基板表面に平行な方向(横方向)の電場を印加することで、液晶分子の配向方向を変化させ、表示を行っている。このようなIPS方式やFFS方式の液晶表示素子は、視覚特性に優れ、携帯電話、テレビジョン等をはじめとする幅広い機器に適用されている。
既存の液晶表示素子では、液晶分子は、電場を印加しない状態において、所定の方向に沿って配列されるよう、液晶分子の配向方向が強制されている。
液晶分子の配向方向を強制する方法として、基板上にポリイミドなどからなる配向膜を形成し、レーヨンや綿などの布により配向膜の表面を所定の方向に擦る方法(ラビング法)や、偏光紫外線を照射してポリイミド膜表面に異方性を発生させる手法(光配向法)などが採用されている。これらの処理により、液晶分子は基板表面に強く束縛され、一定方向に配向する。
一方、IPSやFFSは、電極上では印加時も電場が弱く液晶分子が動きにくいため、透過率が低い(図1上部)。これに対し、一方の基板の液晶配向規制力を弱くする(弱アンカリングにする)ことにより、電場が弱い電極上でも液晶分子を動きやすくし、電極上の透過率を上げることで、全体の透過率を向上させる技術がある(図1下部、特許文献1)。
特開2016−170389号公報
既存の液晶表示素子では、液晶層の液晶分子は、電場の付与を停止させると、電場により変位した液晶分子の配向方向が元に戻る。
このとき、ラビング法や光配向法により形成された配向膜で液晶分子に強い拘束力を付与することによって、液晶分子を一定方向に配向した構成では、電場の付与を停止させると、液晶分子は、配向膜の強い拘束力によって、変位した液晶分子の配向方向が迅速に元に戻る。しかしながら凹凸構造があると、液晶分子の配向方向が様々な方向になり、液晶表示素子が黒表示する際に凹凸構造周辺では黒表示時に光が抜けて(黒輝度が高くなり)コントラストが低下する。この対策として、基板間の距離を一定に保つ柱部分は、一般的に遮光パターンが配置されているが、開口率低下により透過率が低くなる課題が生じる。特許文献1に記載される構成に置いても、同様の課題が生じる。
本発明は上記の課題を解決するため、凹凸構造の少なくとも側面に弱アンカリング膜を形成した液晶表示素子を提供する。これにより、特許文献1で開示されている液晶表示素子よりも、配向乱れの範囲を小さくし、さらに透過率を向上させることができる。
さらに上記液晶表示素子は、光を発する光源と、第一の配向膜が形成された第一の基板と、前記第一の配向膜との間に間隔を空けて対向配置される第一の配向膜よりアンカリング力が強い第二の配向膜が形成された第二の基板と、前記第一の配向膜と前記第二の配向膜との間に配置され、液晶分子が駆動されることによって前記光を透過又は遮断する液晶層と、前記第一の基板および前記第二の基板のいずれか一方に設けられ、前記液晶分子に前記第一の基板および前記第二の基板に沿った方向の電場を印加する駆動電極層とを備え、前記液晶層は、前記電場を印加した状態で、前記第二の配向膜側では、前記液晶分子が予め設定された初期配向方向に配向された状態を維持し、前記第一の配向膜側では、第二の配向膜より弱いアンカリング力の膜を有し、前記液晶分子の配向方向が、前記第二の基板の表面に平行な面内で、前記初期配向方向から前記電場に応じた方向に変化することによって、前記第二の配向膜側から前記第一の配向膜側に向かって、前記液晶分子が捩れた状態で配列され、第一または第二の基板に形成される一つ以上の凹凸物に対し、少なくとも側面が初期配向を維持する配向膜より弱いアンカリング力の膜が形成されていてもよい。
また、上記液晶表示素子は、前記第一の基板側に設けられた第一の偏光板と、前記第二の基板側に設けられた第二の偏光板と、をさらに備え、前記第一の偏光板の透過軸方向と前記第二の偏光板の透過軸方向とが互いに直交し、前記第一の偏光板の透過軸方向と予め設定された前記液晶分子の初期配向方向とが一致し、前記駆動電界を印加した状態では、前記光源から発せられて前記第一の偏光板を通過した前記光が、前記液晶層における前記液晶分子の配列により旋光や複屈折し、前記第二の偏光板に向かうようにしてもよい。
また、上記液晶表示素子は、前記第一の基板側に設けられた第一の偏光板と、前記第二の基板側に設けられた第二の偏光板と、をさらに備え、前記第一の偏光板の透過軸方向と前記第二の偏光板の透過軸方向とが互いに直交し、前記第一の偏光板の透過軸方向と予め設定された前記液晶分子の初期配向方向とが直交関係にあり、前記駆動電界を印加した状態では、前記光源から発せられて前記第一の偏光板を通過した前記光が、前記液晶層における前記液晶分子の配列に沿って偏光面を変化させ、前記第二の偏光板に向かうようにしてもよい。
また、前記第二の配向膜は、前記駆動電界を非印加の状態、および前記駆動電界を印加した状態の双方において、前記液晶分子を、前記初期配向方向に維持し、前記第一の配向膜は、前記駆動電界を印加したときに、前記液晶分子の配向方向が前記第二の基板の表面に平行な面内で前記駆動電界に応じた方向に変位可能とされているようにしてもよい。
前記電場を印加した状態で、前記第二の配向膜側から前記第一の配向膜側に向けて、前記液晶層の前記液晶分子の配向方向の変位角度が漸次大きくなるようにしてもよい。
また、前記第一の配向膜側に位置する前記液晶分子と、前記第二の配向膜側に位置する前記液晶分子とで、所定電圧を印加することによって生成される前記電場による前記液晶分子の配向方向の変位角度の差が、0°以上90°以下であるようにしてもよい。
また、前記第一の配向膜として、前記第一の基板にポリマーブラシが形成されているようにしてもよい。
また、前記駆動電極層が、前記第一の基板または前記第二の基板面に配置された複数の電極線からなり、前記電場の非印加時において、前記液晶分子の配向方向が、前記電極線が連続する方向に平行または直交しているようにしてもよい。
また、前記駆動電極層が、前記第一の基板または前記第二の基板に配置された複数の電極線からなり、前記電場の非印加時において、前記液晶分子の配向方向が、前記電極線が連続する方向に対して傾斜しているようにしてもよい。
また、前記液晶分子の誘電率異方性が負であるようにしてもよい。
また、前記液晶分子の誘電率異方性が正であるようにしてもよい。
本発明によれば、次のような効果を得ることができる。
すなわち、柱などの凹凸構造による液晶配向の乱れを小さくし、高い開口率を有しつつ、よりコントラストの高い表示を行うことが可能となる。
また、柱などの凹凸構造による液晶配向の乱れを小さくし、高い開口率を有しつつ、よりコントラストの高い表示を行うことが可能な液晶表示素子を、簡便、かつ、低コストで製造することが可能となる。
従来のIPSと本技術の一例を示す図である。 本発明の液晶表示素子の一実施形態を示す図である。 本発明の液晶表示素子の一実施形態を示す図である。 本発明の液晶表示素子の一実施形態を示す図である。 本発明の液晶表示素子の一実施形態を示す図である。 本発明の液晶表示素子のメカニズムを示す図である。 本発明の液晶表示素子の開口率増加例を示す図である。 本発明の実施例で用いられた、本発明の液晶表示素子の一実施形態を示す図である。 本発明の比較例で用いられた、本発明の液晶表示素子の一実施形態を示す図である。 本発明の実施例・比較例で得られたデータを示す図である。
以下、本発明について図面を参照して詳細に説明する。
液晶には、誘電率異方性が正であるポジティブ型と、誘電率異方性が負であるネガティブ型とが存在する。ポジティブ型の液晶は、誘電的性質が液晶分子の長軸方向に大きく、長軸方向に直交する方向に小さい。ネガティブ型は、誘電的性質が液晶分子の長軸方向に小さく、長軸方向に直交する方向に大きい。本実施形態では、ポジティブ型の液晶を用いた事例について説明する。
また、液晶分子の配向方向を制御するための配向膜として、液晶分子の配向方向を拘束する力が強い強アンカリング配向膜と、液晶分子の配向方向を拘束する力が弱い弱アンカリング配向膜と、がある。本発明は、互いに対向する配向膜の一方に強アンカリング配向膜を採用し、他方に弱アンカリング配向膜を採用した、片面弱アンカリング形式を対象とする。以下においては、片面弱アンカリング形式を用いた実施形態について説明する。
図2〜4は、本発明の液晶表示素子の実施形態を示す図である。図5は、凹凸物の例を追加した本発明の液晶表示素子の一実施形態を示す図である。
図2に示すように、本発明の液晶表示素子の一実施形態では、液晶層の片側をPI(polyimide)配向膜(強アンカリング膜)、他方の側を弱アンカリング膜とした本技術構造において、柱などの凹凸構造が弱アンカリング膜で覆われている。本例では凹凸物全体が弱アンカリング膜で覆われているが、少なくとも側面に形成されていればよく、以下の他の実施形態でも同様である。これにより、柱周りの液晶の配向が乱れることを抑制することが可能である。なお、液晶の配向が乱れることを抑制するメカニズムについては後述する。
図3は、本発明の液晶表示素子の他の実施形態を示している。柱などの凹凸構造が弱アンカリング膜で覆われていることには変わりはないが、そのような凹凸構造は上下どちらの基板にあってもよいことを示している。
図4は、本発明の液晶表示素子のさらなる他の実施形態を示している。この実施形態においては、柱などの凹凸構造が上部の基板が有しているが、凹凸構造の部分は弱アンカリング膜で覆われていることには変わりはない。この実施形態においては、強アンカリング膜と弱アンカリング膜を塗り分けることにより液晶表示素子の上部の基板を製造することが可能である。塗り分ける方法には、たとえば印刷による塗り分け、インクジェットによる塗り分け、露光/現像による塗り分けなどがある。また、強アンカリング膜(PI配向膜など)の上に弱アンカリング膜を塗ることも可能である。
図5は、凹凸物の例を示した本発明の液晶表示素子の一実施形態を示している。この実施形態においては、凹凸構造(突起物)の例として、柱だけではなく、浮き柱(Push pole)、信号線や電極の段差などが示されている。これらの凹凸構造についても、弱アンカリング膜で覆われていることによる、液晶分子の配向乱れが防止される本発明の効果については、同様である。また、電極などでは遮光がないが、コントラストの低下を防ぐ効果が見込まれる。
図6は、本発明の液晶表示素子のメカニズム、すなわち、液晶分子と柱などの凹凸構造と、遮光範囲のイメージを示している。本発明によれば、凹凸構造を弱アンカリング膜で覆うことにより、液晶配向が乱れる部分が減少するため、配向が乱れる領域を小さくでき、遮光範囲を小さくすることが可能である。遮光範囲を小さくし、開口率を広げられるため、液晶パネルの輝度を向上させることが可能である。また、これにより、凹凸構造による光漏れが低下し、コントラストが上昇する効果も見込める。
図7は、本発明の液晶表示素子の開口率の増加例を示している。画素のサイズや、信号線の設計により、開口率は異なるため開口率増加効果も異なってくる。
また、本発明の液晶表示素子を有する液晶ディスプレイは、液晶パネルと、液晶パネルに光を提供するバックライトユニットとを備えている。
バックライトユニットは、液晶パネルの裏面に設けられた光源から入力される光を、液晶パネルの裏面側から表面側に向けて均一に照射する。バックライトユニットは、例えば、その一側端部に設けられた光源から入力される光を、液晶パネルの表面と平行な方向に伝搬するとともに、伝搬した光を液晶パネルの裏面側から表面側に向けて照射する、いわゆるエッジライト型のものを用いることができる。また、バックライトユニットは、液晶パネルの裏面側に設けられた光源から入力される光を液晶パネルの裏面側から表面側に向けて照射する、いわゆる直下型のものを用いることもできる。
液晶パネルは、第一の基板、第二の基板と、二枚の偏光板と、電極層と、強アンカリング配向膜(強アンカリング膜、第二の配向膜)と、弱アンカリング配向膜(弱アンカリング膜、第一の配向膜)と、液晶層とを備えている。
二枚の基板は、それぞれガラス、あるいは樹脂などの基板からなり、所定の間隔を空けて互いに平行に配置されている。
一方の偏光板は、バックライトユニット側に配置された基板において、バックライトユニットに対向する側、もしくはバックライトユニットとは反対側に設けられている。
他方の偏光板は、バックライトユニットから離間した側に配置された基板において、バックライトユニットとは反対側、もしくは、バックライトユニットに対向する側に設けられている。
これらの偏光板は、その透過軸方向が、互いに直交している。例えば、一方の偏光板の透過軸方向は、一方の基板に平行な方向に設定され、他方の偏光板の透過軸方向は、他方の基板に平行な方向とは直交する方向に設定されている。
電極層は、二枚の基板のいずれか一方に設けられている。ある実施形態では、電極層は、バックライトユニット側の基板において、バックライトユニットから離間した側に設けられている。例えば、電極層は、基板の表面に沿って、複数本の電極線が一定間隔ごとに並設されることで形成されている。
このような電極層においては、電極層の各電極線に予め設定した電圧が印加されると、互いに隣接する電極線間で、これら互いに隣接する電極線どうしを結ぶ方向、すなわちこの実施形態では基板に平行な方向の電場が生成される。
強アンカリング配向膜は、基板のいずれか一方に設けられている。ある実施形態では、強アンカリング配向膜は、バックライトユニット側の基板において、バックライトユニットから離間した側に形成されている。
弱アンカリング配向膜は、基板のいずれかに設けられている。ある実施形態では、弱アンカリング配向膜は、バックライトユニットから離間した側の基板において、バックライトユニットに対向する側に形成されている。
液晶層は、強アンカリング配向膜と弱アンカリング配向膜との間に、多数の液晶分子が充填されることで形成されている。液晶層は、電極層を構成する各電極線に電圧が印加されることによって生じる電場により、液晶分子の配向方向が変化して駆動される。このようにして液晶分子の配向が変化することによって、液晶層は、バックライトユニットから供給される光を部分的に透過したり遮断したりすることで、表示画像を生成する。
ここで、強アンカリング配向膜と弱アンカリング配向膜とは、液晶分子の配向方向を拘束する配向拘束力が、互いに異なる。
すなわち、強アンカリング配向膜は、電圧が印加されて電場が生成されても、液晶層において強アンカリング配向膜側の液晶分子が、その長軸方向を基板の表面に平行な面内の配向方向にほぼ一致させた初期配向状態、すなわち、強アンカリング配向膜の配向処理方向に沿った初期配向状態を維持する。
これに対し、弱アンカリング配向膜では、電圧が印加されることで電場Eが生成されたときに、印加電圧が閾値電圧以上となると、液晶層の弱アンカリング配向膜側において、液晶分子が弱アンカリング配向膜の拘束から離脱する。そして、液晶分子の配向方向は、印加電圧の大きさに応じ、基板の表面に平行な面内で、初期配向方向から変化する。
このように、強アンカリング配向膜と弱アンカリング配向膜とでは、電場が印加されたときに、液晶層の強アンカリング配向膜側では、液晶分子が強アンカリング配向膜による配向強制力を受けたまま、その配向方向を維持するのに対し、弱アンカリング配向膜側では、弱アンカリング配向膜による配向強制力を脱して液晶分子の配向方向が変化する。
その結果、液晶層においては、強アンカリング配向膜側と弱アンカリング配向膜側とでは、閾値以上の電場を印加したときの液晶分子の配向方向が異なる。これにより、液晶分子は、強アンカリング配向膜側から弱アンカリング配向膜側に向けて、初期配向方向に対する配向角度の変位量が漸次大きくなり、捩れた配向状態に転移し、電場強度がある一定値に達すると弱アンカリング配向膜近傍の液晶分子は、電場の方向に平行な方向に配向する。すなわち、強アンカリング配向膜側から弱アンカリング配向膜側に向けて、たとえば85°ツイストした配向状態になる。
ところで、上記したような強アンカリング配向膜としては、例えば、以下のようにして形成する。まず、基板上にポリイミドなどからなる配向膜を形成する。その後、レーヨンや綿などからなる布を巻いたローラーを、回転数及びローラーと基板との距離を一定に保った状態で回転させ、配向膜の表面を所定の方向に擦る(ラビング法)、あるいは、偏光紫外線を照射してポリイミドからなる配向膜の表面に異方性を発生させる(光配向法)。これらラビング法、光配向法等により配向方向が設定された、強アンカリング配向膜は、液晶分子に対し、弱アンカリング配向膜よりも強い配向強制力を付与する。
弱アンカリング配向膜としては、例えば、ポリマーブラシで形成したものを用いることができる。ポリマーブラシは、一端が基板表面に固定され、他端が基板の表面から離間する方向に延びたグラフトポリマー鎖により形成される。このようなグラフトポリマー鎖は、基板側から延伸させるようにして生成してもよいし、予め所定長を有したポリマー鎖を、基板に付着させてもよい。
以下に、ポリマーブラシの具体的な一例を示す。
ポリマーブラシは、例えば、次の一般式(1)で表される。
Figure 0006974963


一般式(1)において、XはH又はCHであり、mは正の整数であって、ポリマーブラシのTg(ガラス転移温度)が−5℃以下であるものである。
弱アンカリング配向膜として基板に形成したポリマーブラシについて説明する。液晶分子は、基板上に形成されたポリマーブラシの表層部分に浸透しており、液晶分子と接したポリマーブラシの表層部分は膨潤している。
本明細書においては、液晶分子が浸透したポリマーブラシの部分を共存部として表し、液晶分子が浸透していないポリマーブラシの部分をポリマーブラシ層として表す。なお、実際には、共存部とポリマーブラシ層との境界を区別することは難しい。
上記したようなポリマーブラシを用いることにより、共存部のTg(ガラス転移温度)が、常温よりもかなり低い温度になるので、常温において、共存部の形状を自由に変動させることができる。そのため、共存部と液晶分子との界面において共存部の状態が変化し、基板に対して水平方向に液晶分子を配向強制しつつ、面内ではいずれの方向にも配向強制力をもたない状態(ゼロ面アンカリング状態)を実現することができる。
共存部のTgは、使用するポリマーブラシ及び液晶分子の種類によって異なるため、一義的に定義することはできないが、一般に、ポリマーブラシ単独のTgに比べて低くなる。また、共存部のTgは、ポリマーブラシに対する液晶分子の浸透の程度(すなわち、ポリマーブラシと液晶分子との割合)によっても変化する。具体的には、共存部において、液晶分子の割合が多い液晶分子側の共存部はTgが低く、液晶分子の割合が少ないポリマーブラシ層側の共存部はTgが高くなる。
しかしながら、ポリマーブラシとして、上記一般式(1)で表され、一般式(1)において、XはH又はCHであり、mは正の整数であって、ポリマーブラシのTgが−5℃以下であるものを用いることにより、共存部のTgを、常温よりも十分低い温度にすることができるので、常温において、基板の表面に対して水平な面内に液晶分子を配向強制しつつ、面内ではいずれの方向にも配向強制力をもたない状態(ゼロ面アンカリング状態)を実現することができる。
基板の表面は必要に応じて、平坦化処理を行っても良い。平坦化処理としては、特に限定されず、当該技術分野において公知の方法を用いて行うことができる。平坦化処理の例としては、基板の表面に平坦化膜を形成する方法が挙げられ、例えば、UV硬化性の透明樹脂などを基板の表面に塗布してUV硬化すればよい。
基板の例としては、アレイ基板及び対向基板が挙げられる。
アレイ基板の例としては、アクティブマトリックスアレイ基板が挙げられる。このアクティブマトリックスアレイ基板は、一般的に、ガラス基板上にゲート配線及びソース配線がマトリックス状に配置されており、その交点部分に、薄層トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)などのアクティブ素子が形成され、このアクティブ素子に画素電極が接続されたものである。
また、対向基板の例としては、カラーフィルタ基板が挙げられる。このカラーフィルタ基板は、一般的に、ガラス基板上に、不要な光の漏れを防止するためにブラックマトリックスを形成した後、R(赤)、G(緑)、B(青)の着色層をパターン形成し、必要に応じて保護膜を形成したものである。これらの基板を用いる場合、基板の表面に透明樹脂を塗布して硬化し、平坦化膜を形成してもよい。
基板上に形成されるポリマーブラシとしては、上記一般式(1)で表され、一般式(1)において、XはH又はCHであり、mは正の整数であって、ポリマーブラシのTgが−5℃以下であるものを用いることができる。ここで、ポリマーブラシは、多数のグラフトポリマー鎖が高密度で基板表面に対して垂直方向に伸張した構造を有するのが好ましい。
一般的に、一端が基板表面に固定されたグラフトポリマー鎖は、グラフト密度が低いと、糸まり状の縮んだ構造をとるが、ポリマーブラシは、グラフト密度が高いため、隣接したグラフトポリマー鎖の相互作用(立体反発)により、基板表面に対して垂直方向に伸張した構造をとる。
本明細書において「高密度」とは、隣接するグラフトポリマー鎖間で立体反発が生じる程度に密集したグラフトポリマー鎖の密度を意味し、一般的に0.1本/nm以上、好ましくは0.1〜1.2本/nmの密度である。また、本明細書において「グラフトポリマー鎖の密度」とは、単位面積(nm)あたりの基板表面上に形成されたグラフトポリマー鎖の本数を意味する。
なお、ポリマーブラシは、多数のグラフトポリマー鎖が上記に示した「高密度」よりも低い密度で設けられたものであってもよい。
ポリマーブラシは、基板の表面上でポリマーブラシの層を形成する。このポリマーブラシの層の厚さは、特に限定されないが、一般に数十nm、具体的には1nm以上100nm未満、好ましくは10nm〜80nmである。また、このポリマーブラシの層にはサイズ排除効果があり、一定の大きさの物質はポリマーブラシの層を通過することはできない。そのため、ポリマーブラシの層の厚さを薄くしても、下地から液晶分子への不純物の侵入を防止することができる。
ポリマーブラシの形成方法としては、特に限定されず、当該技術分野において公知の方法を用いて行うことができる。具体的には、ポリマーブラシは、ラジカル重合性モノマーをリビングラジカル重合させることにより形成することができる。ここで、本明細書において「リビングラジカル重合」とは、ラジカル重合反応において、連鎖移動反応及び停止反応が実質的に起こらず、ラジカル重合性モノマーが反応し尽くした後も連鎖成長末端が活性を保持する重合反応のことを意味する。
この重合反応では、重合反応終了後でも生成重合体の末端に重合活性を保持しており、ラジカル重合性モノマーを加えると再び重合反応を開始させることができる。また、リビングラジカル重合は、ラジカル重合性モノマーと重合開始剤との濃度比を調節することによって任意の平均分子量をもつ重合体の合成ができ、そして、生成する重合体の分子量分布が極めて狭いなどの特徴がある。
リビングラジカル重合の代表例は、原子移動ラジカル重合(ATRP:Atom Transfer Radical Polymerization)である。例えば、重合開始剤の存在下で、ハロゲン化銅/リガンド錯体を用いてラジカル重合性モノマーの原子移動リビングラジカル重合を行う。高分子末端ハロゲンをハロゲン化銅/リガンド錯体が引き抜くことにより可逆的に成長する成長ラジカルにラジカル重合性モノマーが付加して進行し、十分な頻度での可逆的活性化・不活性化により分子量分布が規制される。
リビングラジカル重合に用いられるラジカル重合性モノマーは、有機ラジカルの存在下でラジカル重合を行うことが可能な不飽和結合を有するものであり、例えば、t−ブチルメタクリレート、ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ノニルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、n−オクチルメタクリレートなどのメタクリレート系モノマー;t−ブチルアクリレート、ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ノニルアクリレート、ベンジルアクリレート、ラウリルアクリレート、n−オクチルアクリレートなどのアクリレート系モノマー;スチレン、スチレン誘導体(例えば、o−、m−、p−メトキシスチレン、o−、m−、p−t−ブトキシスチレン、o−、m−、p−クロロメチルスチレンなど)、ビニルエステル類(例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、酢酸ビニルなど)、ビニルケトン類(例えば、ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、メチルイソプロペニルケトンなど)、N−ビニル化合物(例えば、N−ビニルピロリドン、N−ビニルピロール、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドールなど)、(メタ)アクリル酸誘導体(例えば、アクリロニトリル、メタアクリロニトリル、アクリルアミド、イソプロピルアクリルアミド、メタクリルアミドなど)、ハロゲン化ビニル類(例えば、塩化ビニル、塩化ビニリデン、テトラクロロエチレン、ヘキサクロロプレン、フッ化ビニルなど)などのビニルモノマーが挙げられる。これらの各種ラジカル重合性モノマーは、単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
重合開始剤としては、特に限定されず、リビングラジカル重合で一般的に公知のものを使用することができる。重合開始剤の例としては、p−クロロメチルスチレン、α−ジクロロキシレン、α,α−ジクロロキシレン、α,α−ジブロモキシレン、ヘキサキス(α−ブロモメチル)ベンゼン、塩化ベンジル、臭化ベンジル、1−ブロモ−1−フェニルエタン、1−クロロ−1−フェニルエタンなどのベンジルハロゲン化物;プロピル−2−ブロモプロピオネート、メチル−2−クロロプロピオネート、エチル−2−クロロプロピオネート、メチル−2−ブロモプロピオネート、エチル−2−ブロモイソブチレート(EBIB)などのα位がハロゲン化されたカルボン酸;p−トルエンスルホニルクロリド(TsCl)などのトシルハロゲン化物;テトラクロロメタン、トリブロモメタン、1−ビニルエチルクロリド、1−ビニルエチルブロミドなどのアルキルハロゲン化物;ジメチルリン酸クロリドなどのリン酸エステルのハロゲン誘導体が挙げられる。これらの各種重合開始剤は、単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
ハロゲン化銅/リガンド錯体を与えるハロゲン化銅としては、特に限定されず、リビングラジカル重合で一般的に公知のものを使用することができる。ハロゲン化銅の例としては、CuBr、CuCl、CuIなどが挙げられる。これらの各種ハロゲン化銅は、単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
ハロゲン化銅/リガンド錯体を与えるリガンド化合物としては、特に限定されず、リビングラジカル重合で一般的に公知のものを使用することができる。リガンド化合物の例としては、トリフェニルホスファン、4,4’−ジノニル−2,2’−ジピリジン(dNbipy)、N,N,N’,N’N”−ペンタメチルジエチレントリアミン、1,1,4,7,10,10−ヘキサメチルトリエチレンテトラアミンなどが挙げられる。これらの各種リガンド化合物は、単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
ラジカル重合性モノマー、重合開始剤、ハロゲン化銅及びリガンド化合物の量は、使用する原料の種類に応じて適宜調節すればよいが、一般的に、重合開始剤1molに対して、ラジカル重合性モノマーが5〜10,000mol、好ましくは50〜5,000mol、ハロゲン化銅が0.1〜100mol、好ましくは0.5〜100mol、リガンド化合物が0.2〜200mol、好ましくは1.0〜200molである。
リビングラジカル重合は、通常、無溶媒で行うが、リビングラジカル重合で一般的に使用される溶媒を使用してもよい。使用可能な溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、アセトン、クロロホルム、四塩化炭素、テトラヒドロフラン(THF)、酢酸エチル、トリフルオロメチルベンゼンなどの有機溶媒;水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、1−メトキシ−2−プロパノールなどの水性溶媒が挙げられる。これらの各種溶媒は、単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。また、溶媒の量は、使用する原料の種類に応じて適宜調節すればよいが、一般的にラジカル重合性モノマー1gに対して、溶媒が0.01〜100mL、好ましくは0.05〜10mLである。
リビングラジカル重合は、上記の原料を含むポリマーブラシ形成用溶液中に基板を浸漬、または基板に上記の原料を含むポリマーブラシ形成用溶液を塗布し、加熱することによって行うことができる。加熱条件は、特に限定されることはなく、使用する原料などに応じて適宜調節すればよいが、一般的に、加熱温度は60〜150℃、加熱時間は0.1〜10時間である。この重合反応は、一般的に常圧で行われるが、加圧又は減圧しても構わない。なお、基板は、必要に応じて、ポリマーブラシの形成前に洗浄を行ってもよい。
リビングラジカル重合により形成されるポリマーブラシの分子量は、反応温度、反応時間や使用する原料の種類や量によって調整可能であるが、一般的に数平均分子量が500〜1,000,000、好ましくは1,000〜500,000のポリマーブラシを形成することができる。また、ポリマーブラシの分子量分布(Mw/Mn)は、1.05〜1.60の間に制御することができる。
ポリマーブラシは、基板とポリマーブラシとの間の固着性を高める観点から、必要に応じて、固定化膜を介して基板の表面上に形成してもよい。固定化膜としては、基板及びポリマーブラシとの固着性に優れたものであれば特に限定されることはなく、リビングラジカル重合で一般的に公知のものを使用することができる。固定化膜の例としては、次の一般式(2)で表されるアルコキシシラン化合物から形成される膜が挙げられる。
Figure 0006974963


一般式(2)において、Rはそれぞれ独立してC1〜C3のアルキル基、好ましくはメチル基又はエチル基であり、Rはそれぞれ独立してメチル基又はエチル基であり、Xはハロゲン原子、好ましくはBrであり、nは3〜10の整数、より好ましくは4〜8の整数である。
固定化膜には、ポリマーブラシが共有結合していることが好ましい。固定化膜とポリマーブラシとが結合力の強い共有結合で結ばれていれば、ポリマーブラシの剥がれを十分に防止することができる。その結果、液晶パネルの特性が低下する可能性が低くなり、液晶パネルの信頼性が向上する。
固定化膜の形成方法は、特に限定されず、使用する材料に応じて適宜設定すればよい。例えば、固定化膜形成用溶液に基板を浸漬させたり、あるいは、基板に上記の固定化膜形成用溶液を塗布後、乾燥させることによって固定化膜を形成することができる。ここで、所定の部分に固定化膜を形成させるために、固定化膜を形成させない部分にマスキングを施してもよい。また、基板は、必要に応じて、固定化膜の形成前に洗浄を行ってもよい。
基板と、ポリマーブラシを形成した基板との間に液晶分子を注入する方法としては、特に限定されず、毛細管現象を利用した真空注入法、液晶滴下注入法(ODF:One Drop Filling)などの公知の方法を用いることができる。例えば、毛細管現象を利用した真空注入法を用いる場合には、次のようにして行えばよい。
まず、一方の基板上に公知の方法によって電極層を形成する。他方の基板上には、 フォトリソグラフィーなどの公知の方法によってスペーサーを形成した後、固定化膜(必要な場合)及びポリマーブラシを形成する。ここで、必要に応じて、基板上(スペーサー部以外)に平坦化膜などを形成することによって平坦化し、その上に固定化膜(必要な場合)及びポリマーブラシを形成してもよい。
次に、一方の基板を洗浄して乾燥させた後、シール材を塗布し、他方の基板と重ね合わせ、加熱又はUV照射などによってシール材を硬化させて接着する。ここで、シール材の一部には、液晶分子を注入するための注入口を開けておく必要がある。次に、注入口から真空注入法によって二枚の基板の間に液晶分子を注入した後、注入口を封止する。または、ODF(One Drop Fill)手法を用いてシール描画および滴下注入してもよい。
本発明において用いられる液晶分子としては、特に限定されず、当該技術分野において公知のものを用いることができる。その中でも、液晶分子としては、液晶分子のNI点(N相からI相への相転移温度)が共存部のTgよりも高いものが好ましい。
上述したように、液晶パネルは、バックライトユニットと、弱アンカリング配向膜が形成された基板と、弱アンカリング配向膜との間に間隔を空けて対向配置される強アンカリング配向膜が形成された基板と、弱アンカリング配向膜と強アンカリング配向膜との間に配置され、液晶分子が駆動されることによって光を透過又は遮断する液晶層と、二枚の基板のいずれか一方に設けられ、液晶分子に電場を印加する駆動電極層を備えている。
更に、弱アンカリング配向膜は、電場を印加したときの液晶分子の配向方向を拘束する拘束力が、強アンカリング配向膜よりも小さい。
そして、電場を印加した状態で、強アンカリング配向膜側から弱アンカリング配向膜側に向けて、液晶層の液晶分子の配向方向の変位角度が漸次大きくなる。
これにより、弱アンカリング配向膜側の液晶分子の配向方向を変化させるのに十分な所定の電圧を印加すれば、液晶パネルの液晶層が駆動され、表示を行うことができる。したがって、低電圧で液晶分子を駆動することも出来る。
また、上記構成によれば、液晶分子の複屈折および旋光性を利用し光が透過できるよう、液晶分子を駆動している。このような構成によれば、電極上も液晶分子が動くことができ 光が透過しやすくなるため、透過率の高い表示を行うことが可能となる。
以上、本発明の好ましい実施の形態について詳細に説明したが、当該技術分野における通常の知識を有する者であればこれから様々な変形及び均等な実施の形態が可能である。
よって、本発明の権利範囲はこれに限定されるものではなく、特許請求の範囲で定義される本発明の基本概念を用いた当業者の様々な変形や改良形態も本発明に含まれる。
例えば、上記実施形態では、強アンカリング配向膜、弱アンカリング配向膜について、それぞれ具体的な形成方法を例示したが、これに限らない。すなわち、強アンカリング配向膜と弱アンカリング配向膜とで、電場Eを印加したときの、液晶分子の配向方向を強制する配向強制力が互いに異なるのであれば、強アンカリング配向膜、弱アンカリング配向膜は、それぞれ、他のいかなる方法、材料で形成してもよい。
また、上記実施形態では、強アンカリング配向膜をバックライトユニット側に配置し、弱アンカリング配向膜をバックライトユニットから離間した側に配置したが、これに限らない。強アンカリング配向膜をバックライトユニットから離間した側に配置し、弱アンカリング配向膜をバックライトユニット側に配置してもよい。
駆動電極層についても、バックライトユニット側に限らず、その反対側に配置してもよい。
また、上記の実施形態においては、偏光板と偏光板をクロスニコルに配置し、一方の偏光板の透過軸方向が、電場を非印加の状態での液晶分子の配向方向を規制するための強アンカリング配向膜に対する配向処理方向と、一致する場合の例を示したが、その偏光板の透過軸方向を、電場を非印加の状態での液晶分子の配向方向を規制するための強アンカリング配向膜に対する配向処理方向と、直交させても良い。
さらに、上記の実施形態において、液晶分子は、電場を印加した状態で、強アンカリング配向膜側から弱アンカリング配向膜側に向けて、初期配向方向に対する配向角度の変位量が漸次大きくなり、捩れた配向状態となる。ここで、液晶分子は、強アンカリング配向膜と弱アンカリング配向膜との中間部において、液晶分子の配向角度の変位量が最大となり、その部分よりも弱アンカリング配向膜にわたって、液晶分子の配向角度の変位量が一様(最大状態)であってもよい。言い換えると、液晶分子は、電場を印加した状態で、強アンカリング配向膜側から、強アンカリング配向膜と弱アンカリング配向膜との中間部までの領域で捩れた状態で配列し、強アンカリング配向膜と弱アンカリング配向膜との中間部から弱アンカリング配向膜側までの領域では、一様に配列されていてもよい。
さらには、上記の実施形態では、電圧非印加時に表示が暗く、電圧印加時に明るくなる、いわゆる、ノーマリーブラック型の液晶パネルについて説明を行ったが、これに限らない。液晶パネルを、電圧非印加時に表示が明るく、電圧印加時に暗くなる、いわゆる、ノーマリーホワイト型の構成としてもよい。
以下に実施例を示して本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
[アンカリング膜]
強アンカリング膜としては、アンカリングエネルギーが3.3 x 10-4 J/m2であり、プレチルト角度が1.5°である、ポリイミド膜を用いた。
弱アンカリング膜としては、アンカリングエネルギーが3.0 x 10-6 J/m2であり、プレチルト角度が0°である、膜を用いた。
[透過率の測定]
透過率の測定は、有限要素法によるシミュレーションで行った。
(実施例1)
図8に示す、柱を弱アンカリング膜で覆った液晶表示素子を用い、黒表示の透過率の測定を行った。その結果を図10に示す。図10に示す通り、黒表示の透過率は、最大でも0.003%と、非常に優れた性能を有していた。
(比較例1)
図9に示す、柱を強アンカリング膜で覆った液晶表示素子を用い、黒表示の透過率の測定を行った。その結果を図10に示す。図10に示す通り、黒表示の透過率は、最大でも0.018%であり、実施例1の最大透過率の6倍という、劣った性能を示していた。

Claims (7)

  1. 光を発する光源と
    一の基板と、
    前記第一の基板の少なくとも一方の表面全体に形成された第一の配向膜と、
    前記第一の基板と対向する第二の基板と、
    前記第二の基板上に形成されており、前記第一の配向膜との間に間隔を空けて対向するように配置され、かつ前記第一の配向膜よりも強いアンカリング力を有する第二の配向膜と、
    前記第一の配向膜と前記第二の配向膜との間に配置され、液晶分子が駆動されることによって前記光を透過又は遮断する液晶層と、
    前記第二の基板上に形成された1つ以上の凹凸物と
    前記液晶分子の初期配向を維持する前記第二の配向膜よりも弱いアンカリング力を有し、前記1つ以上の凹凸物を覆っている膜と、
    前記第一の基板および前記第二の基板のいずれか一方に設けられ、前記液晶分子に前記第一の基板および前記第二の基板に沿った方向の電場を印加する駆動電極層と、を備え、
    前記液晶層は、
    前記電場を印加した状態で、前記第二の配向膜側では、前記液晶分子が予め設定された初期配向方向に配向された状態を維持し、前記第一の配向膜側では、前記第二の配向膜より弱いアンカリング力の膜を有し、前記液晶分子の配向方向が、前記第二の基板の表面に平行な面内で、前記初期配向方向から前記電場に応じた方向に変化することによって、前記第二の配向膜側から前記第一の配向膜側に向かって、前記液晶分子が捩れた状態で配列する、液晶表示素子。
  2. 前記電場を印加した状態で、前記第二の配向膜側から前記第一の配向膜側に向けて、前記液晶層の前記液晶分子の配向方向の変位角度が漸次大きくなる、請求項1に記載の液晶表示素子。
  3. 前記第一の配向膜側に位置する前記液晶分子と、前記第二の配向膜側に位置する前記液晶分子とで、所定電圧を印加することによって生成される前記電場による前記液晶分子の配向方向の変位角度の差が、0°以上90°以下である、請求項2に記載の液晶表示素子。
  4. 前記第一の配向膜、前記第一の基板にポリマーブラシにより形成されている、請求項1から3のいずれか一項に記載の液晶表示素子。
  5. 前記駆動電極層が、前記第一の基板または前記第二の基板に配置された複数の電極線からなり、
    前記電場の非印加時において、前記液晶分子の配向方向が、前記電極線が連続する方向に対して傾斜している、請求項1から4のいずれか一項に記載の液晶表示素子。
  6. 前記液晶分子の誘電率異方性が負である、請求項1から5のいずれか一項に記載の液晶表示素子。
  7. 前記液晶分子の誘電率異方性が正である、請求項1から5のいずれか一項に記載の液晶表示素子。
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