JP6974955B2 - クロスバー構造および最適化問題解探索システム - Google Patents
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Description
(1)固体電解質電極と二つの金属電極AおよびBとの間のナノメートルオーダーの間隙において、金属電極に電圧を印加すると固体電解質電極表面から金属原子が析出し金属フィラメントが成長することを利用する原子スイッチであり;
該原子スイッチでは、固体電解質電極内に含まれる金属原子数を一定の値に制限し、電極A側に成長したフィラメントを構成する原子数と電極B側に成長したフィラメントを構成する原子数の総和を一定にすることで、固体電解質電極に対して、金属電極A側または金属電極B側への電圧の印加により、一方の金属電極側に新たな金属フィラメントが成長する場合、他方の金属フィラメントは収縮するという綱引き型の動作をする原子スイッチであり;
該綱引き型原子スイッチは複数の金属電極Aが並行に並べられた層と複数の金属電極Bが並行に並べられた層の間に複数の固体電解質電極が並行に並べられた層が挟まれてなるクロスバー構造の結節点において構成されることを特徴とするクロスバー構造。
該原子スイッチは、金属電極Eの金属電極C側またはD側表面で金属フィラメントが形成された状態にあり、他方の金属電極D側またはC側表面で金属フィラメントが形成されていない状態のときに、金属フィラメントを構成する原子がその総数をおおむね保存するように制限することにより、金属電極D側またはC側への電圧の印加による新たな金属フィラメントの成長が、金属電極C側またはD側に成長した金属フィラメントの収縮を引き起こす綱引き型原子スイッチであり;
該綱引き型原子スイッチは複数の金属電極Cが並行に並べられた層と複数の金属電極Dが並行に並べられた層の間に複数の固体電解質および金属電極Eが並行に並べられた層が挟まれてなるクロスバー構造の結節点において構成されることを特徴とするクロスバー構造。
該原子スイッチでは、固体電解質内に含まれる金属原子数を一定の値に制限し、電極G1に成長したフィラメントを構成する原子数と電極G2に成長したフィラメントを構成する原子数の総和を一定にすることで、電極Eに対して、金属電極G1側またはG2側への電圧の印加により、一方の金属電極側に新たな金属フィラメントが成長する場合、他方の金属フィラメントではフィラメントが収縮するという綱引き型の動作をする原子スイッチであり;
該綱引き型原子スイッチは複数の金属電極G1が並行に並べられた層と複数の金属電極G1およびG2が並行に並べられた層の間に複数の固体電解質が並行に並べられた層が挟まれてなるクロスバー構造の結節点において構成されることを特徴とするクロスバー構造。
金属電極に電圧を印加した際には、固体電解質電極表面、あるいは金属表面で金属フィラメントが成長するが、原子スケールの揺らぎにより金属フィラメントの成長の仕方は確率的なばらつきを持ち、その確率を適切な値に調節可能にすることを前提として;
すべてのクロスバー結節点の綱引き型原子スイッチの金属フィラメント成長状態に応じて、所定の規則に従い、個々の金属フィラメントの成長と収縮を誘導する電圧の印加状態を決定する処理を行い、この処理を反復して適用することにより、確率的な挙動により状態空間の探索が行われ;
最終的に金属フィラメント成長状態が変化しないような平衡状態に達したときに最適化問題の解が得られることを特徴とする最適化問題の解探索システム。
各論理変数の真の値(xi=1)と偽の値(xi=0)を、クロスバー結節点の各綱引き型原子スイッチにおいて、それぞれ固体電解質電極の金属電極A側もしくはB側表面、金属電極Eの金属電極C側もしくはD側表面、または金属電極G1もしくはG2表面で金属フィラメントが成長した状態に対応させ;
金属電極に電圧を印加した際には、固体電解質電極表面、あるいは金属表面で金属フィラメントが成長するが、原子スケールの揺らぎにより金属フィラメントの成長の仕方は確率的なばらつきを持ち、その確率を適切な値に調節可能にすることを前提として;
各論理的制約条件に対し、それに関与する論理変数の現時点での真偽値の割り当てによってはその論理的制約条件を充足できないときは、対応する各綱引き型原子スイッチにおいて固体電解質電極の金属電極A側もしくはB側表面、金属電極Eの金属電極C側もしくはD側表面、または金属電極G1もしくはG2表面に形成された金属フィラメントが収縮するように金属電極B側もしくはA側、金属電極D側もしくはC側、または金属電極G2もしくはG1に電圧を印加する処理を行い、この処理を反復して適用することにより、確率的な挙動により状態空間の探索が行われ;
最終的に金属フィラメント成長状態が変化しないような平衡状態に達したときに最適化問題の解が得られることを特徴とする最適化問題の解探索システム。
第k層にニューロンがN個あり、第k±1層にニューロンがM個ある二層のオートエンコーダーにおいて、第k層のニューロンは第k±1層のすべてのニューロンに結合されており、このとき結合部の数はN×Mになり、各結合部の正の重み係数Xi,j,+と負の重み係数Xi,j,-を、クロスバー結節点の各綱引き型原子スイッチにおいてそれぞれ金属電極A側またはB側で成長した金属フィラメントの成長高さによって決まるコンダクタンスに対応させ、ここで綱引き型原子スイッチの排他的性質から、各結合部が正の重み係数と負の重み係数を同時にとることはない;
第k層に2値の教師データ(U’1,U’2, …U’N)が与えられており、第k±1層に2値の教師データ(U’N+1,U’N+2,..U’ N+M)が与えられている場合に、オートエンコーダーは、第k層のあるデータが与えられたときに、それらの重み付け線形和に閾値関数fを適用して得られる第k±1層のデータが、第k±1層の教師データと一致するような重み係数行列(X1,N+1,+, X1,N+1,-,…XN,M,+, XN,M,-)を解として求める処理を行い;
金属電極に電圧を印加した際には、固体電解質電極表面、あるいは金属表面で金属フィラメントが成長するが、原子スケールの揺らぎにより金属フィラメントの成長の仕方は確率的なばらつきを持ち、その確率を適切な値に調節可能にすることを前提として;第k±1層のニューロンjに対し、それと結合されている第k層のすべてのニューロンiに対する状態値(U1,…Ui,…UN)の重み付け線形和に閾値関数f(x)を適用して得られる値(0または1)
Uj=f(ΣiXi,j,+Ui+Xi,j,−Ui)
ここで、f(x)=1 (x>θ(閾値)のとき);0(それ以外のとき)
が、教師データU’jと一致しないときは、クロスバー結節点の対応する各綱引き型原子スイッチにおいて固体電解質電極の金属電極A側もしくはB側表面、金属電極Eの金属電極C側もしくはD側表面、または金属電極G1もしくはG2表面で成長した金属フィラメントが収縮するように金属電極B側もしくはA側、金属電極D側もしくはC側、または金属電極G2もしくはG1に電圧を印加することを第k±1層のすべてのニューロンについて反復して適用することにより、確率的な挙動により状態空間の探索が行われ;
最終的に、第k±1層のニューロンのベクトル(UN+1,UN+2,..UN+M)と教師データ(U’N+1,U’N+2,…U’ N+M)がすべて一致するような、重み係数行列(X1,N+1,+, X1,N+1,-,… XN,M,+, XN,M,-)が解として得られることを特徴とする最適化問題の解探索システム。
本発明のクロスバー構造は、1つの実施態様において、固体電解質電極と二つの金属電極AおよびBとの間のナノメートルオーダー、たとえば50nm程度以下、好ましくは10nm以下、の間隙において、金属電極に電圧を印加すると固体電解質電極表面から金属原子が析出し金属フィラメントが成長することを利用する原子スイッチからなる。
本発明のクロスバー構造は、既存の微細加工技術を組み合わせて用いて作製し得る。
本発明のクロスバー構造は、さらなる1つの実施態様において、金属電極F(たとえばPt)とこれに対向する2つの金属電極G1(たとえばPt)およびG2(たとえばPt)との間のナノメートルオーダーの間隙が固体電解質で充填され、金属電極に電圧を印加すると固体電解質電極表面から金属原子が析出し金属フィラメントが成長することを利用する原子スイッチを含む。金属電極G1およびG2は、好適には間隔をおいて並置される。ここで、固体電解質、金属電極は、前記と同様である。
本発明の一つの実施態様において、本発明のクロスバー構造を用いて、最適化問題の解を探索するシステムが提供される。最適化問題としては、学習(誤差最小化問題)、充足可能性問題(SAT: Satisfiability Problem)(充足制約最大化問題;組合せ最適化問題)および意思決定問題(報酬獲得最大化問題)が知られている。
(a)所定の規則に従い、個々の金属フィラメントの成長と収縮を誘導する電圧の印加状態を決定する処理を行い、クロスバー結節点の対応する各綱引き型原子スイッチにおいて、固体電解質電極の金属電極A側もしくはB側表面、金属電極Eの金属電極C側もしくはD側表面、または金属電極G1もしくはG2表面で成長した金属フィラメントが収縮するように金属電極B側もしくはA側、金属電極D側もしくはC側、または金属電極G2もしくはG1に電圧を印加する処理を行う。
(b)(a)の処理をすべての(M個の)ニューロンについて実行する(同時並行的に実行されることが望ましい)。
(c)(b)の処理を平衡状態に達するまでT回反復する。
(a)各制約条件sについて、それに関与する論理変数の現時点での真偽値の割り当てによってはその論理的制約条件sを充足できないときは、対応する各綱引き型原子スイッチにおいて固体電解質電極の金属電極A側もしくはB側表面、金属電極Eの金属電極C側もしくはD側表面、または金属電極G1もしくはG2表面に形成された金属フィラメントが収縮するように金属電極B側もしくはA側、金属電極D側もしくはC側、または金属電極G2もしくはG1に電圧を印加する処理を行う。
(b)(a)の処理を、S個のすべての制約条件について実行する(同時並行的に実行されることが望ましい)。
(c)(b)の処理を、平衡状態に達するまでT回反復する。
φ=(x1∨¬x2) ∧(¬x2∨x3∨¬x4) ∧(x1∨x3) ∧(x2∨¬x3) ∧(x3∨¬x4) ∧(¬x1∨x4)という6個の節の論理積によって構成される論理式は、φ=1を実現できる唯一の解(x1,x2,x3,x4)=(1,1,1,1)を有する。ここで、システムがx1=0という割り当てを試みたとすると、φの第1の節(x1∨¬x2)を1とするには「x2が1であってはいけない」。なぜなら、x2=1のとき、第1の節は偽(0)となり、論理式全体を充足できない(φ=0)からである。同様に、第3の節(x1∨x3)を1とするには、「x3が0であってはいけない」。このように、論理式から各変数に応じたバウンスバックルールに基づく制御を繰り返し適用して解探索する。
Uj=f(ΣiXi,j,+Ui+Xi,j,−Ui)
ここで、f(x)=1 (x>θ(閾値)のとき);0(それ以外のとき)
が、教師データU’jと一致しないときは、クロスバー結節点の対応する各綱引き型原子スイッチにおいて固体電解質電極の金属電極A側もしくはB側表面、金属電極Eの金属電極C側もしくはD側表面、または金属電極G1もしくはG2表面で成長した金属フィラメントが収縮するように金属電極B側もしくはA側、金属電極D側もしくはC側、または金属電極G2もしくはG1に電圧を印加することを第k±1層のすべてのニューロンについて反復して適用することにより、確率的な挙動により状態空間の探索を行う。
(a)第k±1層のニューロンjに対し、それと結合されている第k層のすべてのニューロンiに対する状態値(U1, …Ui, …UN)の重み付け線形和に閾値関数f(x)を適用して得られる値(0または1)が、教師データU’jと一致しないときは、クロスバー結節点の対応する各綱引き型原子スイッチにおいて、固体電解質電極の金属電極A側もしくはB側表面、金属電極Eの金属電極C側もしくはD側表面、または金属電極G1もしくはG2表面で成長した金属フィラメントが収縮するように金属電極B側もしくはA側、金属電極D側もしくはC側、または金属電極G2もしくはG1に電圧を印加する処理を行う。
(b)(a)の処理を第k±1層のすべての(M個の)ニューロンについて実行する(同時並行的に実行されることが望ましい)。
(c)(b)の処理を平衡状態に達するまでT回反復する。
実施例1
クロスバー構造を用いて、ニューラルネットによる学習を綱引き型原子スイッチによるオートエンコーダーで下記のように実装した例を図2に示す。ただし、簡略化のために、k層にニューロンがN=4個あり、k+1層にニューロンがM=3個あるような二層のオートエンコーダーを示す。
Uj=f(ΣiXi,j,+Ui+Xi,j,−Ui)
ここで、f(x)=1 (x>θ(閾値)のとき);0(それ以外のとき)
が、教師データU’jと一致しないときは、クロスバー結節点の対応する各綱引き型原子スイッチにおいて固体電解質電極の金属電極A側もしくはB側表面で成長した金属フィラメントが収縮するように金属電極B側もしくはA側に電圧を印加することを第k±1層のすべてのニューロンについて行った。この処理を平衡状態に達するまでT回反復した。このように反復して適用することにより、確率的な挙動により状態空間の探索を行った。
Claims (8)
- 所定のクロスバー構造を用いて、複数の論理変数(x1〜xN)からなる論理式で記述された複数の論理的制約条件をすべて充足できるような論理変数に対する真偽値の割り当てを解とする組合せ最適化問題を最適化問題として解く最適化問題の解探索システムであって、
前記所定のクロスバー構造が、
固体電解質電極と二つの金属電極AおよびBとの間のナノメートルオーダーの間隙において、金属電極に電圧を印加すると固体電解質電極表面から金属原子が析出し金属フィラメントが成長することを利用する原子スイッチを備え;
該原子スイッチでは、固体電解質電極内に含まれる金属原子数を一定の値に制限し、電極A側に成長したフィラメントを構成する原子数と電極B側に成長したフィラメントを構成する原子数の総和を一定にすることで、固体電解質電極に対して、金属電極A側または金属電極B側への電圧の印加により、一方の金属電極側に新たな金属フィラメントが成長する場合、他方の金属フィラメントは収縮するという綱引き型の動作をする原子スイッチであり;
該綱引き型原子スイッチは、複数の金属電極Aが並行に並べられた層と複数の金属電極Bが並行に並べられた層の間に複数の固体電解質電極が並行に並べられた層が挟まれてなるクロスバー構造の結節点において構成されたクロスバー構造であり、
前記組合せ最適化問題を最適化問題として解く際に;
各論理変数の真の値(xi=1)と偽の値(xi=0)を、クロスバー結節点の各綱引き型原子スイッチにおいて、それぞれ固体電解質電極の金属電極A側もしくはB側表面で金属フィラメントが成長した状態に対応させ;
金属電極に電圧を印加した際には、固体電解質電極表面、あるいは金属表面で金属フィラメントが成長するが、原子スケールの揺らぎにより金属フィラメントの成長の仕方は確率的なばらつきを持ち、その確率を適切な値に調節可能にすることを前提として;
各論理的制約条件に対し、それに関与する論理変数の現時点での真偽値の割り当てによってはその論理的制約条件を充足できないときは、対応する各綱引き型原子スイッチにおいて固体電解質電極の金属電極A側もしくはB側表面に形成された金属フィラメントが収縮するように金属電極B側もしくはA側に電圧を印加する処理を行い、この処理を反復して適用することにより、確率的な挙動により状態空間の探索が行われ;
最終的に金属フィラメント成長状態が変化しないような平衡状態に達したときに最適化問題の解が得られることを特徴とする最適化問題の解探索システム。 - 所定のクロスバー構造を用いて、多層のニューラルネットによる学習を行う最適化問題の解探索システムであって、
前記所定のクロスバー構造が、
固体電解質電極と二つの金属電極AおよびBとの間のナノメートルオーダーの間隙において、金属電極に電圧を印加すると固体電解質電極表面から金属原子が析出し金属フィラメントが成長することを利用する原子スイッチを備え;
該原子スイッチでは、固体電解質電極内に含まれる金属原子数を一定の値に制限し、電極A側に成長したフィラメントを構成する原子数と電極B側に成長したフィラメントを構成する原子数の総和を一定にすることで、固体電解質電極に対して、金属電極A側または金属電極B側への電圧の印加により、一方の金属電極側に新たな金属フィラメントが成長する場合、他方の金属フィラメントは収縮するという綱引き型の動作をする原子スイッチであり;
該綱引き型原子スイッチは、複数の金属電極Aが並行に並べられた層と複数の金属電極Bが並行に並べられた層の間に複数の固体電解質電極が並行に並べられた層が挟まれてなるクロスバー構造の結節点において構成されたクロスバー構造であり、
前記学習を行う際に;
第k層にニューロンがN個あり、第k±1層にニューロンがM個ある二層のオートエンコーダーにおいて、第k層のニューロンは第k±1層のすべてのニューロンに結合されており、このとき結合部の数はN×Mになり、各結合部の正の重み係数Xi,j,+と負の重み係数Xi,j,-を、クロスバー結節点の各綱引き型原子スイッチにおいてそれぞれ金属電極A側またはB側で成長した金属フィラメントの成長高さによって決まるコンダクタンスに対応させ、ここで綱引き型原子スイッチの排他的性質から、各結合部が正の重み係数と負の重み係数を同時にとることはない;
第k層に2値の教師データ(U’1,U’2, …U’N)が与えられており、第k±1層に2値の教師データ(U’N+1,U’N+2,…U’ N+M)が与えられている場合に、オートエンコーダーは、第k層のあるデータが与えられたときに、それらの重み付け線形和に閾値関数fを適用して得られる第k±1層のデータが、第k±1層の教師データと一致するような重み係数行列(X1,N+1,+, X1,N+1,-,…. XN,M,+, XN,M,-)を解として求める処理を行い;
金属電極に電圧を印加した際には、固体電解質電極表面、あるいは金属表面で金属フィラメントが成長するが、原子スケールの揺らぎにより金属フィラメントの成長の仕方は確率的なばらつきを持ち、その確率を適切な値に調節可能にすることを前提として;
第k±1層のニューロンjに対し、それと結合されている第k層のすべてのニューロンiに対する状態値(U1, …Ui, …UN)の重み付け線形和に閾値関数f(x)を適用して得られる値(0または1)
Uj=f(ΣiXi,j,+Ui+Xi,j,−Ui)
ここで、f(x)=1 (x>θ(閾値)のとき);0(それ以外のとき)
が、教師データU’jと一致しないときは、クロスバー結節点の対応する各綱引き型原子スイッチにおいて固体電解質電極の金属電極A側もしくはB側表面で成長した金属フィラメントが収縮するように金属電極B側もしくはA側に電圧を印加することを第k±1層のすべてのニューロンについて反復して適用することにより、確率的な挙動により状態空間の探索が行われ;
最終的に、第k±1層のニューロンのベクトル(UN+1,UN+2, …UN+M)と教師データ(U’N+1,U’N+2, …U’ N+M)がすべて一致するような、重み係数行列(X1,N+1,+, X1,N+1,-,…. XN,M,+, XN,M,-)が解として得られることを特徴とする最適化問題の解探索システム。 - 所定のクロスバー構造を用いて、複数の論理変数(x1〜xN)からなる論理式で記述された複数の論理的制約条件をすべて充足できるような論理変数に対する真偽値の割り当てを解とする組合せ最適化問題を最適化問題として解く最適化問題の解探索システムであって、
前記所定のクロスバー構造が、
対向する金属電極CおよびDの間のナノメートルオーダーの間隙が固体電解質で充填され、さらに固体電解質中に金属電極Eが設けられ、これらの金属電極に電圧を印加すると固体電解質から金属原子が析出して金属フィラメントが成長することを利用する原子スイッチを備え;
該原子スイッチでは、電極Eを取り囲む固体電解質内に含まれる金属原子数を一定の値に制限し、電極Cに成長したフィラメントを構成する原子数と電極Dに成長したフィラメントを構成する原子数の総和を一定にすることで、電極Eに対して、金属電極Cまたは金属電極Dへの電圧の印加により、前記金属電極C及び金属電極Dの一方の金属電極側に新たな金属フィラメントが成長する場合、他方の金属フィラメントは収縮するという綱引き型の動作をする原子スイッチであり;
該綱引き型原子スイッチは複数の金属電極Cが並行に並べられた層と複数の金属電極Dが並行に並べられた層の間に複数の固体電解質および金属電極Eが並行に並べられた層が挟まれてなるクロスバー構造の結節点において構成されるクロスバー構造であり、
前記組合せ最適化問題を最適化問題として解く際に;
各論理変数の真の値(xi=1)と偽の値(xi=0)を、クロスバー結節点の各綱引き型原子スイッチにおいて、それぞれ金属電極Eの金属電極C側もしくはD側表面で金属フィラメントが成長した状態に対応させ;
金属電極に電圧を印加した際には、固体電解質電極表面、あるいは金属表面で金属フィラメントが成長するが、原子スケールの揺らぎにより金属フィラメントの成長の仕方は確率的なばらつきを持ち、その確率を適切な値に調節可能にすることを前提として;
各論理的制約条件に対し、それに関与する論理変数の現時点での真偽値の割り当てによってはその論理的制約条件を充足できないときは、対応する各綱引き型原子スイッチにおいて金属電極Eの金属電極C側もしくはD側表面に形成された金属フィラメントが収縮するように金属電極D側もしくはC側に電圧を印加する処理を行い、この処理を反復して適用することにより、確率的な挙動により状態空間の探索が行われ;
最終的に金属フィラメント成長状態が変化しないような平衡状態に達したときに最適化問題の解が得られることを特徴とする最適化問題の解探索システム。 - 所定のクロスバー構造を用いて、多層のニューラルネットによる学習を行う最適化問題の解探索システムであって、
前記所定のクロスバー構造が、
対向する金属電極CおよびDの間のナノメートルオーダーの間隙が固体電解質で充填され、さらに固体電解質中に金属電極Eが設けられ、これらの金属電極に電圧を印加すると固体電解質から金属原子が析出して金属フィラメントが成長することを利用する原子スイッチを備え;
該原子スイッチでは、電極Eを取り囲む固体電解質内に含まれる金属原子数を一定の値に制限し、電極Cに成長したフィラメントを構成する原子数と電極Dに成長したフィラメントを構成する原子数の総和を一定にすることで、電極Eに対して、金属電極Cまたは金属電極Dへの電圧の印加により、前記金属電極C及び金属電極Dの一方の金属電極側に新たな金属フィラメントが成長する場合、他方の金属フィラメントは収縮するという綱引き型の動作をする原子スイッチであり;
該綱引き型原子スイッチは複数の金属電極Cが並行に並べられた層と複数の金属電極Dが並行に並べられた層の間に複数の固体電解質および金属電極Eが並行に並べられた層が挟まれてなるクロスバー構造の結節点において構成されるクロスバー構造であり、
前記学習を行う際に;
第k層にニューロンがN個あり、第k±1層にニューロンがM個ある二層のオートエンコーダーにおいて、第k層のニューロンは第k±1層のすべてのニューロンに結合されており、このとき結合部の数はN×Mになり、各結合部の正の重み係数Xi,j,+と負の重み係数Xi,j,-を、クロスバー結節点の各綱引き型原子スイッチにおいてそれぞれ金属電極C側またはD側で成長した金属フィラメントの成長高さによって決まるコンダクタンスに対応させ、ここで綱引き型原子スイッチの排他的性質から、各結合部が正の重み係数と負の重み係数を同時にとることはない;
第k層に2値の教師データ(U’1,U’2, …U’N)が与えられており、第k±1層に2値の教師データ(U’N+1,U’N+2,…U’ N+M)が与えられている場合に、オートエンコーダーは、第k層のあるデータが与えられたときに、それらの重み付け線形和に閾値関数fを適用して得られる第k±1層のデータが、第k±1層の教師データと一致するような重み係数行列(X1,N+1,+, X1,N+1,-,…. XN,M,+, XN,M,-)を解として求める処理を行い;
金属電極に電圧を印加した際には、固体電解質電極表面、あるいは金属表面で金属フィラメントが成長するが、原子スケールの揺らぎにより金属フィラメントの成長の仕方は確率的なばらつきを持ち、その確率を適切な値に調節可能にすることを前提として;
第k±1層のニューロンjに対し、それと結合されている第k層のすべてのニューロンiに対する状態値(U1, …Ui, …UN)の重み付け線形和に閾値関数f(x)を適用して得られる値(0または1)
Uj=f(ΣiXi,j,+Ui+Xi,j,−Ui)
ここで、f(x)=1 (x>θ(閾値)のとき);0(それ以外のとき)
が、教師データU’jと一致しないときは、クロスバー結節点の対応する各綱引き型原子スイッチにおいて金属電極Eの金属電極C側もしくはD側表面で成長した金属フィラメントが収縮するように金属電極D側もしくはC側に電圧を印加することを第k±1層のすべてのニューロンについて反復して適用することにより、確率的な挙動により状態空間の探索が行われ;
最終的に、第k±1層のニューロンのベクトル(UN+1,UN+2, …UN+M)と教師データ(U’N+1,U’N+2, …U’ N+M)がすべて一致するような、重み係数行列(X1,N+1,+, X1,N+1,-,…. XN,M,+, XN,M,-)が解として得られることを特徴とする最適化問題の解探索システム。 - 所定のクロスバー構造を用いて、複数の論理変数(x1〜xN)からなる論理式で記述された複数の論理的制約条件をすべて充足できるような論理変数に対する真偽値の割り当てを解とする組合せ最適化問題を最適化問題として解く最適化問題の解探索システムであって、
前記所定のクロスバー構造が、
金属電極Fとこれに対向する2つの金属電極G1およびG2との間のナノメートルオーダーの間隙が固体電解質で充填され、金属電極に電圧を印加すると固体電解質電極表面から金属原子が析出し金属フィラメントが成長することを利用する原子スイッチを備え;
該原子スイッチでは、固体電解質内に含まれる金属原子数を一定の値に制限し、金属電極G1に成長したフィラメントを構成する原子数と金属電極G2に成長したフィラメントを構成する原子数の総和を一定にすることで、前記金属電極Fに対して、前記金属電極G1側またはG2側への電圧の印加により、前記金属電極G1または金属電極G2の一方の金属電極側に新たな金属フィラメントが成長する場合、他方の金属フィラメントではフィラメントが収縮するという綱引き型の動作をする原子スイッチであり;
該綱引き型原子スイッチは複数の金属電極G1が並行に並べられた層と複数の金属電極G1およびG2が並行に並べられた層の間に複数の固体電解質が並行に並べられた層が挟まれてなるクロスバー構造の結節点において構成されるクロスバー構造であり、
前記組合せ最適化問題を最適化問題として解く際に;
各論理変数の真の値(xi=1)と偽の値(xi=0)を、クロスバー結節点の各綱引き型原子スイッチにおいて、それぞれ金属電極G1もしくはG2表面で金属フィラメントが成長した状態に対応させ;
金属電極に電圧を印加した際には、固体電解質電極表面、あるいは金属表面で金属フィラメントが成長するが、原子スケールの揺らぎにより金属フィラメントの成長の仕方は確率的なばらつきを持ち、その確率を適切な値に調節可能にすることを前提として;
各論理的制約条件に対し、それに関与する論理変数の現時点での真偽値の割り当てによってはその論理的制約条件を充足できないときは、対応する各綱引き型原子スイッチにおいて金属電極G1もしくはG2表面に形成された金属フィラメントが収縮するように金属電極G2もしくはG1に電圧を印加する処理を行い、この処理を反復して適用することにより、確率的な挙動により状態空間の探索が行われ;
最終的に金属フィラメント成長状態が変化しないような平衡状態に達したときに最適化問題の解が得られることを特徴とする最適化問題の解探索システム。 - 所定のクロスバー構造を用いて、多層のニューラルネットによる学習を行う最適化問題の解探索システムであって、
前記所定のクロスバー構造が、
金属電極Fとこれに対向する2つの金属電極G1およびG2との間のナノメートルオーダーの間隙が固体電解質で充填され、金属電極に電圧を印加すると固体電解質電極表面から金属原子が析出し金属フィラメントが成長することを利用する原子スイッチを備え;
該原子スイッチでは、固体電解質内に含まれる金属原子数を一定の値に制限し、金属電極G1に成長したフィラメントを構成する原子数と金属電極G2に成長したフィラメントを構成する原子数の総和を一定にすることで、前記金属電極Fに対して、前記金属電極G1側またはG2側への電圧の印加により、前記金属電極G1または金属電極G2の一方の金属電極側に新たな金属フィラメントが成長する場合、他方の金属フィラメントではフィラメントが収縮するという綱引き型の動作をする原子スイッチであり;
該綱引き型原子スイッチは複数の金属電極G1が並行に並べられた層と複数の金属電極G1およびG2が並行に並べられた層の間に複数の固体電解質が並行に並べられた層が挟まれてなるクロスバー構造の結節点において構成されるクロスバー構造であり、
前記学習を行う際に;
第k層にニューロンがN個あり、第k±1層にニューロンがM個ある二層のオートエンコーダーにおいて、第k層のニューロンは第k±1層のすべてのニューロンに結合されており、このとき結合部の数はN×Mになり、各結合部の正の重み係数Xi,j,+と負の重み係数Xi,j,-を、クロスバー結節点の各綱引き型原子スイッチにおいてそれぞれ金属電極G1またはG2で成長した金属フィラメントの成長高さによって決まるコンダクタンスに対応させ、ここで綱引き型原子スイッチの排他的性質から、各結合部が正の重み係数と負の重み係数を同時にとることはない;
第k層に2値の教師データ(U’1,U’2, …U’N)が与えられており、第k±1層に2値の教師データ(U’N+1,U’N+2,…U’ N+M)が与えられている場合に、オートエンコーダーは、第k層のあるデータが与えられたときに、それらの重み付け線形和に閾値関数fを適用して得られる第k±1層のデータが、第k±1層の教師データと一致するような重み係数行列(X1,N+1,+, X1,N+1,-,…. XN,M,+, XN,M,-)を解として求める処理を行い;
金属電極に電圧を印加した際には、固体電解質電極表面、あるいは金属表面で金属フィラメントが成長するが、原子スケールの揺らぎにより金属フィラメントの成長の仕方は確率的なばらつきを持ち、その確率を適切な値に調節可能にすることを前提として;
第k±1層のニューロンjに対し、それと結合されている第k層のすべてのニューロンiに対する状態値(U1, …Ui, …UN)の重み付け線形和に閾値関数f(x)を適用して得られる値(0または1)
Uj=f(ΣiXi,j,+Ui+Xi,j,−Ui)
ここで、f(x)=1 (x>θ(閾値)のとき);0(それ以外のとき)
が、教師データU’jと一致しないときは、クロスバー結節点の対応する各綱引き型原子スイッチにおいて金属電極G1もしくはG2表面で成長した金属フィラメントが収縮するように金属電極G2もしくはG1に電圧を印加することを第k±1層のすべてのニューロンについて反復して適用することにより、確率的な挙動により状態空間の探索が行われ;
最終的に、第k±1層のニューロンのベクトル(UN+1,UN+2, …UN+M)と教師データ(U’N+1,U’N+2, …U’ N+M)がすべて一致するような、重み係数行列(X1,N+1,+, X1,N+1,-,…. XN,M,+, XN,M,-)が解として得られることを特徴とする最適化問題の解探索システム。 - 請求項1から6のいずれか1項に記載の最適化問題の解探索システムであって、
前記固体電解質電極または固体電解質が硫化物系材料、酸化物系材料または高分子系材料である最適化問題の解探索システム。 - 請求項1から7のいずれか1項に記載の最適化問題の解探索システムであって、
前記金属電極がPt、Cu,Au,TiまたはAgである最適化問題の解探索システム。
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