本明細書中にあって持玉とは、遊技客が遊技において獲得した遊技媒体又は当該遊技媒体数を示すデータであって、その当日中(閉店より前の時間)のみ遊技に再度供することができるものを言う。貯玉とは、遊技客が遊技において獲得した遊技媒体又は当該遊技媒体数を示すデータであって、翌日以降(閉店より後の時間)も遊技に再度供することができるものを言う。持玉は、一般遊技客及び会員遊技客の双方が使用可能であり、遊技に用いる遊技機の変更(いわゆる台移動)を行った場合などに使用する。貯玉は通常、会員遊技客のみが使用可能であり、獲得した遊技媒体を翌日以降の遊技に用いる場合に使用する。貯玉の使用には所定の手数料を課すこととしてもよい。
まず、本実施例1に係る遊技管理システムの概念について説明する。図1は、本実施例1に係る遊技管理システムの概念の説明図である。遊技店には複数の遊技機20が設置されており、各遊技機20には各台装置である台間カード処理機10が併設される。また、遊技店には、管理装置40が設けられており、各台間カード処理機10は管理装置40と通信可能に接続される。
台間カード処理機10は、遊技客から入金を受け付けた場合に、入金の金額に対応するプリペイド価値を自装置の内部に収納したカードの識別情報(カードID)に関連付ける。このプリペイド価値は、遊技玉の貸出に使用することができる。また、台間カード処理機10は、プリペイド価値や持玉、貯玉等が関連付けられたカードの挿入を受け付けることができる。そして、遊技終了時には、プリペイド価値や持玉、貯玉等が関連付けられたカードを排出して遊技客に返却する。
台間カード処理機10は、入金、カード挿入、カード排出などの処理の履歴を管理装置40に送信する。管理装置40は、入金、カード挿入、カード排出などの台間カード処理機10による処理の履歴を蓄積し、処理の履歴から同一の遊技客に対応する処理を識別して遊技客毎の遊技の履歴を示す遊技履歴データ45gを生成する。
詳細については後述するが、管理装置40は、同一のカードを使用した処理は、同一の遊技客に対応する処理であると識別し、同一の顧客IDを付与する。また、遊技が連続している状態で複数のカードが使用された場合には、複数のカードを紐付けて同一の遊技客に対応する処理であると識別し、同一の顧客IDを付与する。さらに、処理の履歴に基づいて、台間カード処理機10ごとの遊技の開始と終了を識別する。
図1に示した遊技履歴データ45gでは、装置ID「3001」である台間カード処理機10において、カードID「1033」であるカードを用い、開始時間「11:10:00」から終了時間「14:15:33」まで遊技が行われた状態を示している。カードIDは、会員遊技客に予め付与された会員カードと、一般遊技客でも使用可能な一般カードとを識別可能となっており、カードID「1033」が一般カードのカードIDであるため顧客種別は「一般」としている。また、このカードID「1033」を用いて遊技を行った遊技客に対し、顧客ID「U001」を付与している。
また、図1に示した遊技履歴データ45gでは、装置ID「3015」である台間カード処理機10において、カードID「1033」であるカードを用い、開始時間「14:20:00」から遊技が開始された状態を示している。この遊技は終了しておらず、終了時間は未登録となっている。また、カードID「1033」であるカードが用いられているため、顧客IDは「U001」、顧客種別は「一般」となっている。
管理装置40は、店員からの操作を受け付けて遊技履歴データ45gを参照し、遊技客の現在位置を判定することができる。具体的には、時刻及び装置IDの指定を受け付けた場合には、まず、指定された時刻に指定された装置IDの台間カード処理機10を使用していた遊技客の顧客IDを特定し、当該顧客IDについて遊技中の遊技履歴、すなわち、開始時間が登録され、終了時間が未登録の遊技履歴が存在するか否かを判定する。その結果、遊技中の遊技履歴が存在するならば、該遊技履歴に示された台間カード処理機10の位置を遊技客の現在位置と判定する。一方、遊技中の遊技履歴が存在しなければ、遊技客が店内を移動中又は退店済と判定する。
また、台間カード処理機10の指定を受け付け、指定された台間カード処理機10を最後に使用した遊技客の顧客IDを特定し、遊技客の現在位置を判定することもできる。さらに、会員カードのカードIDなどの指定を受け付け、対応する遊技客の現在位置を判定することも可能である。
このように、本実施例1に係る遊技管理システムでは、台間カード処理機10により行われた処理と、カードIDと、処理の時刻とを関連付けて処理履歴として管理し、処理履歴から同一の遊技客に対応する処理を識別して遊技客毎の遊技の履歴を示す遊技履歴データ45gを生成し、遊技履歴データ45gに基づいて特定の遊技客の現在位置を判定することができる。
次に、遊技店のシステム構成について説明する。図2は、遊技店のシステム構成を示す図である。図2に示すように、遊技店には、複数の遊技機20と、各遊技機20にそれぞれ対応して設けられた台間カード処理機10が設置される。台間カード処理機10は、島コントローラ30を介して店内のネットワークである通信回線と接続する。通信回線には、島コントローラ30と、管理装置40と、賞品管理装置60と、精算機80とが接続される。遊技機20は、ホールコンピュータ90と通信線で接続されている。また、ホールコンピュータ90は、管理装置40と通信可能に接続される。
遊技機20は、遊技玉を遊技盤面に打ち込んで遊技を行う装置である。この遊技機20の遊技盤面には、複数の入賞領域(入賞口)が設けられており、当該入賞領域を遊技玉が通過したことに基づいて所定個数の遊技玉を賞玉として付与するようになっている。また、遊技盤面には、所定個数の始動領域(始動口)が設けられており、当該始動領域を遊技玉が通過したことに基づいて所定の抽選を行うこととなっている。当該抽選が大当りとなれば、所定の可動部材等の作動により、前述の入賞領域あるいは他の始動領域への遊技玉の通過確率を向上する等、遊技上有利となる作動が行われる。始動口への玉の通過による抽選の結果は、抽選の結果を表示する特別図柄表示装置にて表示される。この特別図柄表示装置の抽選結果の表示は、所定時間の変動表示後、確定表示を行う態様で行なわれる。また、遊技盤面には、抽選の結果に基づいて所定の数字等の装飾図柄を可変表示する装飾図柄表示装置が設けられており、抽選の結果が大当りとなった場合に、例えば(7,7、7)などの揃い図柄を表示して報知を行なう。なお、始動領域と入賞領域を兼ねた領域を設けることもできる。
上記入賞領域には、当該入賞領域への遊技玉の通過を検出するための入賞センサが設けられており、この入賞センサにより入賞領域へ打ち込まれた遊技玉の通過(入賞)を検知するようになっている。また、遊技機20の制御部は、入賞領域ごとに賞玉として付与する遊技玉の個数を記憶する賞玉メモリを有している。
したがって、打ち込んだ遊技玉の特定の入賞領域への通過が入賞センサにより検知されると、遊技機20は、賞玉メモリの記憶内容と、入賞領域を通過した遊技玉数とから、付与すべき賞玉数を決定し、決定した賞玉数の払出処理を行うことができる。また、打ち込んだ遊技玉は、入賞領域を通過したか否かにかかわらず、最終的に遊技盤面裏側から遊技機外部に排出される。遊技機外部に排出された遊技玉は、遊技機ごとに付設されたアウト玉検出装置によって検出されるようになっている。
また、遊技機20は、遊技機20の稼働状態を管理するための信号をホールコンピュータ90等に向けて出力する外部出力部を備えている。外部出力部からは、所定個数の賞玉を払い出す度にセーフパルスがホールコンピュータ90に送信される。さらに、遊技機20において遊技により大当りなどの特別の状態が発生した場合には、外部出力部からかかる状態の発生を示す特賞パルスがホールコンピュータ90に送信される。また、遊技機20において始動口への玉の通過による抽選の結果に基づいて特別図柄表示装置の変動表示が開始された場合には、外部出力部から変動表示の開始を示すスタートパルスがホールコンピュータ90に送信される。さらに、アウト玉検出装置からは、遊技機20に打ち込んだ玉数(遊技盤面から排出された玉数)を示すアウトパルスがホールコンピュータ90に送信される。
台間カード処理機10は、入金の受付、遊技玉の貸し出し、管理装置40との通信を行う。台間カード処理機10は、遊技客により投入された紙幣を受け付けたならば、この紙幣の金額を含む入金通知データを管理装置40に送信し、管理装置40が管理するプリペイド価値に金額に応じた数を加算させる。そして、所定の玉貸操作がなされたならば、玉貸要求を管理装置40に送信し、管理装置40が管理するプリペイド価値を減算させて、減算されたプリペイド価値に対応する数の遊技玉の払出処理を行う。
また、台間カード処理機10は、カードの挿入を受け付けたならば、管理装置40にカード挿入通知データを送信する。また、台間カード処理機10は、管理装置40からプリペイド価値、持玉数、貯玉数を含むデータを受信したならば、受信したプリペイド価値、持玉数、貯玉数を記憶する。そして、持玉数を記憶したならば、台間カード処理機10は、管理装置40に対して持玉減算要求データを送信することで、管理装置40が管理する持玉数をゼロにクリアする。
また、台間カード処理機10は、持玉再プレイ操作を受け付けると、自装置に記憶した持玉数から所定数を減算し、減算した持玉数に対応する数の遊技玉の払出処理を行う。また、台間カード処理機10は、貯玉再プレイ操作を受け付けると、管理装置40に対して貯玉再プレイ要求データを送信することで、管理装置40が管理する貯玉数から所定数を減算させ、減算させた貯玉数に対応する数の遊技玉の払出処理を行う。
また、台間カード処理機10は、カード返却操作を受け付けたならば、自装置が管理する持玉数を含む持玉加算要求データを管理装置40に送信し、管理装置40に持玉数を加算させた後、カード排出通知データを管理装置40に送信し、カードを排出制御する。
島コントローラ30は、遊技島に設けられた一群の遊技機20及び台間カード処理機10を束ねる中継装置である。
管理装置40は、カードのプリペイド価値及び持玉数等をカードデータとして管理する装置である。管理装置40は、台間カード処理機10からカード挿入通知データを受信したならば、挿入されたカードのカードIDと台間カード処理機10の装置IDとを関連づけて管理し、該カードIDに関連づけられたプリペイド価値及び持玉数を台間カード処理機10に送信する。また、カード挿入通知データに示されたカードIDが会員カードのカードIDである場合には、貯玉再プレイデータを台間カード処理機10に送信する。
また、管理装置40は、台間カード処理機10から持玉減算要求データを受信した場合には、持玉数をゼロクリアする。また、管理装置40は、台間カード処理機10から持玉加算要求データを受信した場合には、持玉加算要求データに含まれる持玉数を管理装置40が管理する持玉数に加算する。
また、管理装置40は、台間カード処理機10から玉貸要求データを受信したならば、カードIDに関連付けられたプリペイド価値を所定値減算し、玉貸許可データを台間カード処理機10に送信する。
また、管理装置40は、賞品管理装置60からカードIDを受信したならば、このカードIDに関連付けられた持玉数を賞品管理装置60に対して通知する。さらに、精算機80からカードIDを受信したならば、このカードIDに関連付けられたプリペイド価値を精算機80に対して通知する。
また、管理装置40は、台間カード処理機10、賞品管理装置60、精算機80などの処理履歴を管理し、処理履歴から同一の遊技客に対応する処理を識別して遊技客毎の遊技の履歴を示す遊技履歴データ45gを生成する。管理装置40は、遊技履歴データ45gを用い、特定の遊技客の現在位置を判定する処理などを行う。遊技履歴データ45gの生成と、遊技履歴データ45gを用いる処理の詳細については後述する。
さらに、管理装置40は、遊技店に会員登録された会員の会員管理データを管理する会員管理装置としての機能を有する。具体的には、会員に対して発行した会員カードIDに関連付けて、貯玉数、ポイント数、暗証番号及び氏名等を管理する。
管理装置40は、台間カード処理機10からカード挿入通知データを受信したならば、カード挿入通知データに示されたカードIDに関連付けられた貯玉数及び暗証番号を含む貯玉再プレイデータを台間カード処理機10に送信する。また、管理装置40は、台間カード処理機10から貯玉再プレイ要求データを受信したならば、貯玉再プレイ要求データに示されたカードIDに関連づけられた貯玉数から所定数を減算し、減算後の貯玉数を含む貯玉再プレイデータを台間カード処理機10に送信する。
また、管理装置40は、賞品管理装置60から貯玉数の問い合わせを受けたならば、指定されたカードIDに対応する貯玉数を賞品管理装置60に通知する。
賞品管理装置60は、遊技店内の賞品交換カウンタに併設された賞品交換用の端末装置であり、獲得玉、貯玉数及び持玉数を賞品に交換する賞品交換処理を行う。この賞品管理装置60には、カードからカードIDを読み取るカードリーダ及び賞品を払い出す賞品払出装置が接続されている。賞品管理装置60は、一般カード又会員カードからカードIDを読み出した場合(若しくは、携帯端末等からカードIDに対応する識別データを読み出した場合)には、カードIDを管理装置40に送信して、該カードIDの持玉数を要求する。また、貯玉数を賞品交換する場合は、管理装置40に対して貯玉数を要求する。
精算機80は、プリペイド価値が関連付けられたカードが挿入されると、このカードのカードIDを管理装置40に送信し、その応答データを受信することにより、カードに関連付けられたプリペイド価値を取得し、取得したプリペイド価値に応じて貨幣を払い出す。
ホールコンピュータ90は、各遊技機20からアウトパルス、セーフパルス及び特賞パルスを受信して蓄積することで、遊技機20の動作の履歴を管理する。ホールコンピュータ90は、各遊技機20の状態(「特賞中」、「空き台」、「遊技中」など)を管理しており、各遊技機のこれらの状態についてホール内をマップ表示した画面で表示することもできる。
次に、図2に示した遊技システムの玉貸処理について説明する。遊技客が台間カード処理機10に対して玉貸操作を行うと、台間カード処理機10は、管理装置40に玉貸要求データを送信する。この玉貸要求データは、台間カード処理機10に挿入されているカードのカードIDと、送信元である台間カード処理機10を特定するアドレス若しくは任意の識別データを含む。
管理装置40は、玉貸要求データを受信すると、玉貸要求データのカードIDに関連付けられたプリペイド価値から所定値を減算する。そして、管理装置40は玉貸許可データを送信元の台間カード処理機10に送信する。玉貸許可データを受信した台間カード処理機10は、減算したプリペイド価値に対応する遊技玉数の払出処理を行う。
次に、図2に示した遊技システムで持玉の再プレイを行う場合の持玉再プレイ処理について説明する。台間カード処理機10は、一般カードあるいは会員カードの挿入を受け付けたならば、管理装置40にカード挿入通知データを送信する。このカード挿入通知データは、台間カード処理機10に挿入されているカードのカードIDと、送信元である台間カード処理機10を特定するアドレス若しくは任意の識別データと、台間カード処理機10のレートを特定するためのデータとを含む。
管理装置40は、台間カード処理機10からカード挿入通知データを受信したならば、該カード挿入通知データ内のカードIDに関連付けられた各レートの持玉数を台間カード処理機10に通知する。
台間カード処理機10は、管理装置40から受信した持玉数を記憶する。そして、カードID、レートを特定するデータ及び持玉数をゼロクリアする旨を示す持玉減算要求データを管理装置40に送信する。管理装置40は、持玉減算要求データを受信したならば、カードIDにより特定される各レートの持玉数をゼロクリアする。また、台間カード処理機10は、持玉再プレイ操作を受け付けて持玉再プレイを行う場合には、記憶した持玉数から所定数を減算し、対応する遊技玉数の払出処理を行う。払出処理を行う場合、遊技機が払出可能な単位(例えば25玉)の倍数については、遊技機に払出指示を送信することにより払出処理を行い、残り(例えば25玉未満)については自機のノズルユニット18aから払出すことにより払出処理を行う。遊技機に払出指示を送信することによる払出処理と、ノズルユニット18aによる払出処理は、いずれかを先行して行ってもよいが、同時並行的に行ってもよい。同時並行的に行う場合は、払出処理を迅速に終えることが可能になる。
台間カード処理機10は、カード返却操作を受け付けたならば、管理装置40に対して持玉加算要求データを送信する。この持玉加算要求データは、カード返却の対象となるカードのカードIDと、送信元である台間カード処理機10を特定するアドレス若しくは任意の識別データと、各レートの持玉数とを含む。
管理装置40は、持玉加算要求データを受け付けたならば、カードIDに関連付けられた各レートの持玉数に持玉加算要求データに含まれる持玉数を加算する。その後、台間カード処理機10は、管理装置40にカード排出通知データを送信し、カードを排出制御する。
次に、図2に示した遊技システムでの貯玉再プレイ処理について説明する。台間カード処理機10は、会員カード又は会員カードとして使用可能な携帯端末からカードIDを読み取ったならば、管理装置40にカード挿入通知データを送信する。このカード挿入通知データは、台間カード処理機10に挿入されているカードのカードIDと、送信元である台間カード処理機10を特定するアドレス若しくは任意の識別データと、台間カード処理機10のレートを特定するためのデータとを含む。
管理装置40は、カード挿入通知データを受信したならば、該カード挿入通知データ内のカードIDに関連付けられた暗証番号と、貯玉のうち、該カード挿入通知データにより特定されたレートの貯玉数と、貯玉再プレイの可能数を含む貯玉再プレイデータを台間カード処理機10に送信する。貯玉再プレイの可能数は、貯玉再プレイを行うことのできる玉数を示す。この貯玉再プレイの可能数は、貯玉再プレイにおける遊技玉の払出単位数の倍数である。貯玉再プレイに上限が設定されていれば、貯玉数と上限の範囲内で最大の値が貯玉再プレイの可能数となる。なお、貯玉再プレイの可能数の代わりに貯玉再プレイが可能な回数を貯玉再プレイ度数として用いてもよい。貯玉再プレイ度数は、貯玉再プレイにおける遊技玉の払出単位数で貯玉数を除算した商にあたる。ただし、貯玉再プレイに上限が設定されている場合には、この上限により貯玉再プレイ度数は制限される。
台間カード処理機10は、受信した貯玉再プレイデータを記憶し、貯玉再プレイデータに示された貯玉再プレイの可能数が1以上である場合には貯玉再プレイ操作を受け付け可能とする。
台間カード処理機10は、貯玉再プレイデータの記憶後、最初に貯玉再プレイ操作を受け付けた場合に、遊技客に対して暗証番号の入力を求め、入力された暗証番号が貯玉再プレイデータに示された暗証番号と一致するか否かを判定する。
台間カード処理機10は、暗証番号が一致した場合に、管理装置40に貯玉再プレイ要求データを送信する。この貯玉再プレイ要求データは、台間カード処理機10に挿入されているカードのカードIDと、送信元である台間カード処理機10を特定するアドレス若しくは任意の識別データと、台間カード処理機10のレートを特定するためのデータとを含む。
管理装置40は、貯玉再プレイ要求データを受信したならば、該貯玉再プレイ要求データ内のカードIDに関連付けられた貯玉のうち、該電文により特定されたレートの貯玉の残高を所定値減算し、貯玉再プレイの可能数を再計算する。そして、減算後の残高と貯玉再プレイの可能数とを含む貯玉再プレイデータを台間カード処理機10に送信する。
台間カード処理機10は、記憶する貯玉数を更新し、貯玉再プレイの払出単位数分の遊技玉数の払出処理を行う。また、更新後の貯玉再プレイの可能数が1以上であるかを判定する。貯玉再プレイの可能数が0であれば、貯玉再プレイ操作を受付不可とする。更新後の貯玉再プレイの可能数が1以上であれば、再度貯玉再プレイ操作を受付可能とする。2回目以降の貯玉再プレイでは、暗証番号の確認は不要である。なお、暗証番号の確認を毎回行うようにしてもよい。また、ここでは管理装置40が貯玉の残高を減算した後、台間カード処理機10が遊技玉の払出処理を行う場合を例示したが、貯玉再プレイ要求に基づいて遊技玉の払出処理を行った後に、貯玉の残高を減算してもよい。貯玉再プレイ要求前の貯玉再プレイデータに、貯玉再プレイの可能数が示されており、貯玉再プレイ要求を受け付けた後に残高不足が判明する事態とはならないためである。
次に、閉店処理における持玉からの貯玉への移行について説明する。管理装置40は、閉店処理時にカード管理データの持玉数を確認し、ゼロより大きい持玉数が関連付けられたレコードが存在する場合には、カードID及びレートにより特定される貯玉数に持玉数を加算する。その後、管理装置40は、該持玉数をゼロクリアする。
次に、図2に示した台間カード処理機10の外観について説明する。図3は、台間カード処理機10の外観を示す図である。なお、図3には、遊技機20に接続された台間カード処理機10の外観を台間カード処理機10として示している。また、併設される遊技機20は、破線で図示している。また、図3では、紙幣のみを受け付ける台間カード処理機10を図示したが、硬貨受付用のユニットを設けることもできる。
図3に示すように台間カード処理機10は、状態表示部11、紙幣挿入口12a、表示操作部13、カード挿入口14a、かざし部14b、ノズルユニット18a及び計数ユニット18bを有する。
状態表示部11は、例えば多色LED等で構成され、台間カード処理機10の装置の状態を所定色のランプの点灯あるいは点滅で表示する。紙幣挿入口12aは、遊技玉の貸出に必要な各種紙幣の挿入口である。表示操作部13は、例えばフルカラーのタッチパネル式の液晶ディスプレイ等で構成され、操作ボタンの表示や操作ボタンによる入力操作を受け付けるデバイスである。また、表示操作部13には、会員の遊技履歴(会員が台移動をした情報等)をもとに、隣接する遊技機の機種を遊技した遊技客が、他のどのような機種を遊技したかを示す「おすすめ機種情報」についても表示される。このおすすめ機種情報は、管理装置40にて管理されている情報に基づいて、複数機種が表示される。
カード挿入口14aは、遊技客の所持するカードの挿入口である。かざし部14bは、会員登録に用いられた携帯端末をかざす部位であり、かざし部14bに携帯端末がかざされると、携帯端末から携帯端末の固有ID(例えばIDm)等のデータが読み取られる。ノズルユニット18aは、遊技玉を遊技機20に投出する機構である。計数ユニット18bは、遊技機20の下皿から落下させた遊技玉を計数する機構である。
次に、図2に示した台間カード処理機10の構成について説明する。図4は、図2に示した台間カード処理機10の構成を示す機能ブロック図である。図4に示すように、台間カード処理機10は、紙幣搬送部12と、表示操作部13と、リーダライタ14と、かざし部14bと、通信部15と、カメラ15aと、記憶部16と、制御部17と、ノズルユニット18aと、計数ユニット18bとを有する。
紙幣搬送部12は、紙幣挿入口12aから挿入された紙幣の金種及び真偽を判別しつつ図示しない紙幣収納部に搬送する搬送部である。表示操作部13は、玉貸に使用可能なプリペイド価値、持玉数、貯玉数等の各種情報の表示と、玉貸操作等の各種操作の受付を行なうタッチパネル式の液晶ディスプレイ等の入出力装置である。
リーダライタ14は、カード挿入口14aに挿入されたカードからカードIDを読み取る装置である。なお、カード挿入口14aに挿入されたカードは、このリーダライタ14を経て図示しないカード収納部に収納される。かざし部14bは、携帯端末等がかざされた場合に、近距離無線通信により携帯端末の固有ID(例えばIDm)等の各種情報を読み取るインタフェース部である。また、リーダライタ14は、遊技客の返却操作に応じて、カード収納部に収納されたカードにカードデータ16bに示される持玉やプリペイド価値等の価値データを関連付けて新たなカードとして発行する機能も有している。ただし、カードデータ16bに示されるプリペイド価値が0であって、持玉数が一定数(最低保持個数)に満たない場合には、返却操作があってもカードを返却しないように制御する。これは、少量の持玉を関連付けたカードが破棄されることにより、遊技店に損失が生じるのを抑止するための制御である。一定数としては、例えば持玉数に玉1個あたりの貸出単価を乗算した値がカードの価額あるいは遊技店内の最低価格の賞品となるように設定することができるが、これに限らず、遊技店の方針によって自由に設定できる。また、返却操作があってもカードを返却しないように制御する場合に、記憶している持玉を払出処理することもできるが、カードが返却できない旨と持玉の再プレイを促す表示を行ってもよい。
通信部15は、遊技機20及び島コントローラ30との間のデータ通信を行なうためのインタフェース部である。カメラ15aは、遊技客の画像を撮像する撮像ユニットである。ノズルユニット18aは、玉貸又は再プレイにより遊技玉を払い出す際に、その一部又は全ての払い出しに使用される。計数ユニット18bは、遊技玉を計数するユニットである。
記憶部16は、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等からなる記憶デバイスである。記憶部16は、自装置状態データ16a及びカードデータ16bを記憶する。
自装置状態データ16aは、台間カード処理機10の状態を示すデータである。この自装置状態データ16aには、台間カード処理機の装置IDと、遊技設定とを含む。台間カード処理機の装置IDは、台間カード処理機10を遊技店内で一意に識別するための識別データである。遊技設定は、台間カード処理機10に設定された遊技種等を示すデータである。遊技店内で複数のレートの遊技玉を扱う場合には、4円レートの遊技玉に「玉1」、2円レートの遊技玉に「玉2」、1円レートの遊技玉に「玉3」というように、レート毎に遊技種名を設定して管理する。台間カード処理機10は、これらの遊技種から遊技に使用するレートを選択して、遊技設定として記憶する。
カードデータ16bは、遊技客が使用中のカードに係るデータである。カードデータ16bは、カードID、プリペイド価値、持玉、貯玉、貯玉再プレイの可能数等を含む。持玉、貯玉については、遊技種(レート)ごとにデータが存在する。カードIDは、リーダライタ14により読み取られたカードIDである。図示しないカード収納部からカード挿入口14aにカードが搬送され、該カードが排出される場合には、この搬送途中でリーダライタ14により読み取られたカードIDによってカードデータ16bが更新される。また、カード挿入口14aから図示しないカード収納部にカードが搬送される場合にも、この搬送途中でリーダライタ14により読み取られたカードIDによってカードデータ16bが更新される。
制御部17は、台間カード処理機10の全体を制御する制御部であり、データ管理部17a、計数処理部17b、撮像処理部17c及びロック処理部17dを有する。
データ管理部17aは、カードが挿入された場合に、自装置状態データ16aの装置IDと、カードデータ16bのカードIDとを含むカード挿入通知データを管理装置40に送信する。また、データ管理部17aは、管理装置40から価値データ(プリペイド価値、持玉数及び貯玉数の少なくともいずれか)を含むデータを受信した場合に、受信した価値データによりカードデータ16bを更新する。データ管理部17aは、カードデータ16bに示されたプリペイド価値、持玉数及び貯玉数を適宜表示操作部13に表示制御する。
また、データ管理部17aは、紙幣挿入口12aに紙幣が挿入されると、挿入された紙幣の金額、カードID及び台間カード処理機IDを含む入金通知データを管理装置40に送信する。
また、データ管理部17aは、遊技客により玉貸操作が行なわれた場合に、カードID及び装置IDを含む玉貸要求データを管理装置40に送信する。この玉貸要求データへの応答として玉貸許可データを受信したならば、データ管理部17aは、所定数の遊技玉の払出処理を行う。
また、データ管理部17aは、遊技客により持玉再プレイ操作が行なわれた場合に、カードデータ16bに示された持玉数から所定数を減算し、対応する数の遊技玉の払出処理を行う。
また、データ管理部17aは、カードデータ16bに示された貯玉再プレイの可能数が1以上である場合には、表示操作部13に貯玉再プレイボタンを表示し、貯玉再プレイ操作を受付可能とする。データ管理部17aは、遊技客により貯玉再プレイ操作が行なわれた場合に、カードID及び台間カード処理機IDを含む貯玉再プレイ要求データを管理装置40に送信する。この貯玉再プレイ要求データへの応答として貯玉再プレイデータを受信したならば、カードデータ16bの貯玉数を更新し、貯玉再プレイの払出単位数の遊技玉の払出処理を行う。なお、初回の貯玉再プレイ操作時には、暗証番号の入力を求め、カードデータ16bに示された暗証番号と一致することを条件に貯玉再プレイ要求データを送信する。
また、データ管理部17aは、遊技客によりカード返却操作が行なわれた場合に、カードID、装置ID並びに持玉数を含む持玉加算要求データを管理装置40に送信して、カードデータ16bの持玉数をゼロにクリアした後、カード排出通知データを管理装置40に送信し、カードを排出する。
また、データ管理部17aは、一般カードの持玉とプリペイド価値が0になった場合には、カードデータ16bのカードIDを含む一般カード使切データを管理装置40に送信する。
また、データ管理部17aは、ワゴン賞品交換が行われた場合には、賞品に対応する持玉数をカードデータ16bに示された持玉数から減算する。そして、カードデータ16bのカードIDを含むワゴン賞品交換データを管理装置40に送信することで、ワゴン賞品交換を行った旨を通知する。ここで、ワゴン賞品交換とは、遊技店員が飲み物やタバコ等の賞品を携行して遊技店内を回り、遊技客が遊技を継続しながら賞品と持玉とを交換できるようにするサービスである。
また、データ管理部17aは、持玉分割が行われた場合には、カードデータ16bに示された持玉数の2枚のカードに分割して対応付け、一方のカードを排出する処理を行う。そして、2枚のカードのカードIDを含む持玉分割通知データを管理装置40に送信することで、持玉分割を行った旨を通知する。
持玉分割を行う場合には、データ管理部17aは、表示操作部13に持玉分割用のボタンを表示可能とし、持玉分割用のボタンが操作された場合には、新たにカードの挿入を受け付けるとともに、分割玉数の入力を受け付ける。新たに挿入されたカードは、分割先のカードとなり、それまでに使用していたカードは分割元のカードとなる。データ管理部17aは、分割元のカードの持玉数であるカードデータ16bの持玉数から分割玉数を減算し、分割先カードに分割玉数分の持玉数を対応付けて、分割先のカードを排出する。
持玉分割を行った場合には、分割先のカードと分割元のカードを同一の遊技客が使用したと識別する。また、分割先のカードと分割元のカードとを異なる遊技客が使用したと識別するよう設定してもよい。
また、データ管理部17aは、持玉やプリペイド価値の全てを他のカードに移行させることができる。会員カードを有する会員遊技客であっても、入金から遊技を始めた場合には一般カードにプリペイド価値や持玉を関連付けて遊技することとなるが、遊技により持玉を得たならば、持玉や残りのプリペイド価値を会員カードに移したいと考えるケースがある。このようなケースで、持玉やプリペイド価値の全てを他のカードに移行させる価値移行の処理が用いられる。なお、持玉分割は、持玉の一部を他のカードに移行させる処理であるため、価値移行の処理の一種となる。
データ管理部17aは、価値移行の処理を行った場合には、移行元のカードIDと、移行先のカードIDとを含む価値移行通知データを管理装置40に送信することで、価値移行を行った旨を通知する。
価値移行を行った場合には、移行先のカードと移行元のカードを同一の遊技客が使用したと識別する。ここで、一般カードが会員カードと同一の遊技客により使用されたと判別された場合、管理装置40は、当該一般カードに対応する遊技履歴を会員カードの遊技履歴と統合して管理する。統合された遊技履歴は、例えば、会員の勝敗情報の管理に用いることができる。また、統合された遊技履歴を用いて、お勧め機種情報(この台を遊技した人はこのような台も遊技していますという情報)を台間カード処理機10に表示させることも可能である。
撮像処理部17cは、台間カード処理機10が所定の処理を行った場合にカメラ15aに遊技客を撮像させ、撮像により得られた遊技客の画像データを管理装置40に送信する処理を行う。具体的には、台間カード処理機10が入金の受付、カード挿入の受付、カード排出処理、一般カードの価値の使い切り検知、持玉分割処理、持玉移行処理、プリペイド価値移行処理などを行った場合に遊技客を撮像し、画像データを管理装置40に送信する。
ロック処理部17dは、カードの使用を制限する処理部である。具体的には、管理装置40から制限対象のカードIDの指定を受け付け、制限対象のカードについては使用と排出を禁止し、禁止された処理に対応する操作が行われた場合にはエラーの報知を行う。
さらに、ロック処理部17dは、遊技店員による操作に基づいて、カードのロックを要求することができる。例えば、台間カード処理機10において最後に使用されたカードをロックする操作が行われると、ロック処理部17dは自装置の装置IDを含むロック要求を管理装置40に送信する。
管理装置40は、ロック要求に示された装置IDに基づいて該当する台間カード処理機10で最後に使用されたカードのカードIDを特定し、特定したカードIDからの価値移行が行われた否かを判定する。価値移行が行われていなければ、特定したカードIDが制限対象となる。価値移行が行われているならば、移行先のカードIDを制限対象とすることができる。管理装置40は、制限対象を特定した場合には、対象のカードが使用されている装置に対してカードIDを制限対象に指定する旨を通知することで、当該カードの使用と排出を禁止させる。また、管理装置40は、ロック要求を送信した台間カード処理機10に対して、ロック要求の結果を通知する。この通知には、最後に使用されたカードのカードID、価値移行の有無、価値移行が行われている場合は移行先のカードID、制限対象に指定したカードIDとその所在が含まれる。これらの情報は、ロック要求の結果として表示操作部13に表示される。
次に、台間カード処理機10の記憶部16に記憶されるデータの一例について説明する。図5は、台間カード処理機10の記憶部16に記憶されるデータの一例を説明するための説明図である。
図5(a)に示す自装置状態データ16aは、台間カード処理機10のIDが「3001」であり、台間カード処理機10の遊技種として「玉1」が設定された状態を示している。
図5(b)に示すカードデータ16bは、台間カード処理機10に挿入されたカードのIDが「2002」である状態を示している。なお、ここでは、カードIDの上1桁がカードの種別を示しており、上1桁が「1」のカードが一般カード、上1桁が「2」のカードが会員カードである。また、カードデータ16bは、プリペイド価値が「2000度数」である状態を示している。なお、ここではプリペイド価値の度数とは1度数が1円相当である。また、カードデータ16bは、玉1の持玉数が「375玉」であり、玉2の持玉数が「500玉」であり、玉3の持玉数が「2000玉」である状態を示している。
また、カードデータ16bは、貯玉再プレイ用の暗証番号が「7777」であり、貯玉再プレイの可能数が「250玉」であり、玉1の貯玉数が「250玉」であり、玉2の貯玉数が「1000玉」であり、玉3の貯玉数が「4000玉」である状態を示している。なお、ここでは再プレイが可能な玉数を再プレイの可能数として格納する構成を示したが、再プレイの可能な回数を再プレイ度数として格納してもよい。また、図示していないが、管理装置40では、カードIDに対応付けて、持玉、貯玉、プリペイド価値以外にカードの有効/無効を示す「ロック」フラグのON/OFFも記憶しており、カードの盗難が発覚した場合に従業員操作によってONにされる。これらのデータもカードデータ16bに含まれて記憶されている。さらに、この「ロック」フラグは機能(「貯玉使用」、「乗入」等)別にも設定できるようになっており、例えば遊技客の要望により「乗入」の機能だけを「ロック」の対象として、誤操作を防ぐことに用いることもできる。
次に、図2に示した管理装置40の構成について説明する。図6は、図2に示した管理装置40の構成を示す機能ブロック図である。図6に示すように、管理装置40は、表示部41、入力部42、外部ネットワーク通信部43、店舗ネットワーク通信部44、記憶部45及び制御部46を有する。
表示部41は、液晶ディスプレイ装置等の表示デバイスである。入力部42は、キーボードやマウス等の入力デバイスである。外部ネットワーク通信部43は、遊技店外のネットワークを介してデータ通信するためのインタフェース部である。店舗ネットワーク通信部44は、遊技店内において通信回線を介して島コントローラ30、賞品管理装置60及び精算機80とデータ通信するためのインタフェース部である。
記憶部45は、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等の記憶デバイスであり、遊技種設定データ45a、装置管理データ45b、賞品マスタ45c、カード管理データ45d、会員管理データ45e、処理履歴データ45f及び遊技履歴データ45gを記憶する。
遊技種設定データ45aは、貸出レート及び表示名を遊技種に関連付けたデータである。装置管理データ45bは、遊技店に配置された装置に関するデータである。この装置管理データ45bは、台間カード処理機の装置ID、台間カード処理機10のアドレス、設置場所、併設された遊技機の遊技機ID及び機種データを含む。
賞品マスタ45cは、遊技玉を賞品に交換する際に使用するデータである。カード管理データ45dは、プリペイド価値と、各遊戯種の持玉数と、該カードが挿入されている台間カード処理機10の装置IDを示す使用先装置IDとをカードIDに関連付けたデータである。会員管理データ45eは、会員に対して発行した会員カードのカードIDに対し、氏名、貯玉、携帯IDm、住所、電話番号等を関連付けたデータである。
処理履歴データ45fは、台間カード処理機10、賞品管理装置60及び精算機80の処理の履歴を示すデータである。遊技履歴データ45gは、遊技客毎の遊技の履歴を示すデータである。
制御部46は、管理装置40の全体を制御する制御部であり、遊技店設定管理部46a、カード管理部46b、会員管理部46c、処理履歴管理部46d、遊技履歴生成部46e、現在位置判定部46f、複数カード使用判定部46g及びロック制御部46hを有する。実際には、これらの機能部に対応するプログラムを図示しないROMや不揮発性メモリに記憶しておき、これらのプログラムをCPU(Central Processing Unit)にロードして実行することにより、遊技店設定管理部46a、カード管理部46b、会員管理部46c、処理履歴管理部46d、遊技履歴生成部46e、現在位置判定部46f、複数カード使用判定部46g及びロック制御部46hにそれぞれ対応するプロセスを実行させることになる。
遊技店設定管理部46aは、遊技種設定データ45a、装置管理データ45b及び賞品マスタ45cを管理する処理部である。具体的には、遊技店設定管理部46aは、遊技店において使用される遊技種と、レートと、表示名とを対応付けて遊技種設定データ45aとして記憶部45に格納する。
また、遊技店設定管理部46aは、台間カード処理機10から取得した装置ID、台間カード処理機10のアドレス、設置場所及び遊技機IDに基づいて、装置管理データ45bの生成と更新とを行う。
さらに、遊技店設定管理部46aは、賞品マスタ45cの更新が行われたならば、遊技店内の賞品管理装置60に賞品マスタ45cを配布する。
カード管理部46bは、カード管理データ45dの管理を行う処理部である。具体的には、カード管理部46bは、台間カード処理機10からカード挿入通知データを受信した場合には、カード挿入通知データに示されたカードIDの使用先装置IDを、同じくカード挿入通知データに示された装置IDとする。また、カード挿入通知データに示されたカードIDに関連付けられたプリペイド価値と各レートの持玉数とを価値データとして台間カード処理機10に通知する。カード管理部46bは、台間カード処理機10から持玉減算要求データを受信した場合に、持玉減算要求データに示されたレートの持玉数をゼロにクリアする。
また、カード管理部46bは、台間カード処理機10からカードIDを含む玉貸要求データを受信した場合に、該カードIDに関連付けられたプリペイド価値が所定値以上であるか否かを判定する。プリペイド価値が所定値以上である場合には、カード管理部46bは、カード管理データ45dに記憶されるプリペイド価値から所定値を減算して、台間カード処理機10に更新後のプリペイド価値を含む玉貸許可データを送信する。一方、プリペイド価値が所定値未満である場合には、カード管理部46bは、台間カード処理機10に玉貸不可データを通知する。
また、カード管理部46bは、台間カード処理機10から投入された貨幣の金額、カードID及び装置IDを含む入金通知データを受信したならば、該カードIDに関連付けられたプリペイド価値に入金通知に示された金額分のプリペイド価値を加算する。
また、カード管理部46bは、台間カード処理機10から貯玉再プレイ要求データを受信した場合には、該貯玉再プレイ要求データ内のカードIDに関連付けられた貯玉のうち、払出先のレートの貯玉の残高を払出単位数だけ引落し、貯玉再プレイの可能数を再計算する。そして、減算後の残高と貯玉再プレイの可能数とを含む貯玉再プレイデータを台間カード処理機10に送信する。
また、カード管理部46bは、持玉加算要求データを受信したならば、該当するレートの持玉数に持玉加算要求データに含まれる持玉数を加算する。また、カード管理部46bは、カード排出通知データを受信したならば、該カードIDの使用先装置IDを消去する。
また、カード管理部46bは、賞品管理装置60からカードIDを受信したならば、このカードIDに対応づけられた各レートの持玉数及び貯玉を賞品管理装置60に対して通知する。また、カード管理部46bは、精算機80からカードIDを受信したならば、このカードIDに対応づけられたプリペイド価値を精算機80に対して通知する。
会員管理部46cは、会員管理データ45eの管理を行う処理部である。会員管理部46cは、会員登録要求を受け付けた場合には、会員管理データ55aに会員を追加する更新を行う。
処理履歴管理部46dは、台間カード処理機10、賞品管理装置60及び精算機80の処理の履歴を取得し、処理履歴データ45fとして蓄積する処理部である。具体的には、台間カード処理機10については、入金、カード挿入、カード排出、一般カードの価値の使い切り、持玉分割、持玉移行、プリペイド価値移行などの処理の履歴を蓄積することになる。また、台間カード処理機10では、これらの処理時に遊技客を撮像した画像データを生成しているので、この画像データも処理に対応付けて蓄積する。同様に、賞品管理装置60については賞品交換の処理の履歴を蓄積し、精算機80についてはプリペイド価値の精算処理の履歴を蓄積することになる。
遊技履歴生成部46eは、処理履歴データ45fから同一の遊技客に対応する処理を識別して遊技客毎の遊技の履歴を示す遊技履歴データ45gを生成する処理部である。
遊技履歴生成部46eは、同一のカードを使用した処理は、同一の遊技客に対応する処理であると識別し、同一の顧客IDを付与する。また、遊技が連続している状態で複数のカードが使用された場合には、複数のカードを紐付けて同一の遊技客に対応する処理であると識別し、同一の顧客IDを付与する。具体的には、持玉分割、持玉移行、プリペイド価値のために2枚目のカードが挿入された場合に、同一の顧客IDを付与する。また、カードを排出してから所定時間以内に次のカードが挿入された場合にも、同一の顧客IDを付与する。ここで、一般カードが会員カードと同一の遊技客により使用されたと判別された場合、遊技履歴生成部46eは、当該一般カードに対応する遊技履歴を会員カードの遊技履歴と統合して管理する。統合された遊技履歴は、例えば、会員の勝敗情報の管理に用いることができる。また、統合された遊技履歴を用いて、お勧め機種情報(この台を遊技した人はこのような台も遊技していますという情報)を台間カード処理機10に表示させることも可能である。
さらに、遊技履歴生成部46eは、台間カード処理機10ごとの遊技の開始と終了を識別する。具体的には、入金やカードの挿入は、遊技の開始を示す処理として用いることができる。また、カード排出や一般カードの使い切りは、遊技の開始を示す処理として用いることができる。
現在位置判定部46fは、特定の遊技客の現在位置を判定する処理部である。現在位置判定部46fは、時刻及び装置IDの指定を受け付けた場合には、まず、指定された時刻に指定された装置IDの台間カード処理機10を使用していた遊技客の顧客IDを特定し、当該顧客IDについて遊技中の遊技履歴が存在するか否かを判定する。その結果、遊技中の遊技履歴が存在するならば、該遊技履歴に示された台間カード処理機10の位置を遊技客の現在位置と判定する。一方、遊技中の遊技履歴が存在しなければ、遊技客が店内を移動中又は退店済と判定する。
また、現在位置判定部46fは、台間カード処理機10の指定を受け付け、指定された台間カード処理機10を最後に使用した遊技客の顧客IDを特定し、遊技客の現在位置を判定することもできる。さらに、会員カードのカードIDなどの指定を受け付け、対応する遊技客の現在位置を判定することも可能である。
複数カード使用判定部46gは、遊技客が賞品管理装置60における賞品交換や精算機80における精算を行う際に、遊技履歴データ45gを参照し、該遊技客が複数のカードを使用していたか否かを判定する処理を行う。
遊技客が複数のカードを使用していた場合には、複数カード使用判定部46gは遊技客に対して他のカードを使用していたことを報知する。かかる報知により、遊技客が複数のカードの一部のみを賞品交換や精算に用い、他のカードの使用を失念する事態を防止することができる。なお、この報知は、他のカードにプリペイド価値あるいは持玉が残っているときだけ報知してもよい。また、他のカードが会員カードであるときは報知しないこととしてもよい。
さらに、複数カード使用判定部46gは、同一の顧客IDが関連付けられた遊技時間に重複が存在するか否かを判定し、遊技時間に重複が存在する場合には遊技店員に対して報知を行う。同一の遊技客が複数のカードを適正に使用していれば遊技時間は重複しないため、遊技時間の重複の発生は何らかの不正の可能性を示唆するからである。ここで、顧客IDに関連付けられた各処理の履歴を画像データとともに表示し、遊技店員に確認させても良い。各処理の時点で操作を行った人物の画像を見比べることで、関与した人物の確かめることが可能となる。
ロック制御部46hは、カードの使用を制限する処理部である。遊技店員により制限対象のカードを特定する情報が入力されると、ロック制御部46hは、該カードのカードIDを制限対象カードIDとし、台間カード処理機10及び精算機80に通知する。ここで、ロック制御部46hは、制限対象カードIDを移行元とする価値移行(分割を含む)の履歴が処理履歴データ45fに存在する場合には、移行先のカードIDを制限対象カードIDとする。このとき、移行元のカードIDは制限対象から外しても良いし、制限対象のままとしてもよい。また、全数の価値移行については移行先のみを制限対象とし、一部の価値移行(分割)については移行元と移行先の双方を制限対象としてもよい。
移行元のカードIDを制限対象から外す場合、複数回の価値移行が行われたケースでは、最終の移行先のカードIDが制限対象となる。移行元のカードIDを制限対象のままとする場合、複数回の価値移行が行われたケースでは、価値移行に関与した全てのカードが制限対象となる。
また、ロック制御部46hは、台間カード処理機10からロック要求を受信したならば、ロック要求に示された装置IDに基づいて該当する台間カード処理機10で最後に使用されたカードのカードIDを特定し、特定したカードIDを制限対象カードIDとする。また、制限対象カードIDからの価値移行が行われた否かを判定し、価値移行が行われているならば、移行先のカードIDを制限対象カードIDとする。ロック制御部46hは、制限対象カードIDを決定した場合には、対象のカードが使用されている装置に対してカードIDを制限対象に指定する旨を通知することで、当該カードの使用と排出を禁止させる。また、ロック制御部46hは、ロック要求を送信した台間カード処理機10に対して、ロック要求の結果を通知する。この通知には、最後に使用されたカードのカードID、価値移行の有無、価値移行が行われている場合は移行先のカードID、制限対象カードIDとその所在が含まれる。
次に、図6に示した管理装置40の記憶部45が記憶するデータの一例について説明する。図7〜図10は、管理装置40の記憶部45に記憶されるデータの一例を説明するための説明図である。
図7(a)に示す遊技種設定データ45aは、遊技種名「玉1」に対し、レート「4円」及び表示名「4パチ」を関連付けている。また、遊技種設定データ45aは、遊技種名「玉2」に対し、レート「2円」及び表示名「2パチ」を関連付けている。また、遊技種設定データ45aは、遊技種名「玉3」に対し、レート「1円」及び表示名「1パチ」を関連付けている。
図7(b)に示す装置管理データ45bは、ID「3001」の台間カード処理機10のネットワーク上のアドレスが「AB.CD.EF.GH」であり、設置場所が「島1−1」であり、接続された遊技機20のIDが「P001」であり、遊技種が「玉3」であり、接続された遊技機20の機種が「EV01」である状態を示している。また、この遊技機20が使用中であることも示している。
図7(c)に示す賞品マスタ45cは、賞品を一意に識別する賞品コードに対し、賞品名、群コード、賞品価値及び交換玉数を関連付けたデータである。ここで、群コードは賞品を分類して管理する為の識別情報である。群コード「01」は、一定の手続きを経て所定の価値で譲渡可能な交換賞品を示す。群コード「02」以降は、交換賞品以外の日用品などを含む一般賞品である。
賞品マスタ45cは、賞品コード「0001」に対し、賞品名「大賞品」、群コード「01」、賞品価値「1000」、玉1の交換玉数「250」、玉2の交換玉数「500」、玉3の交換玉数「1000」を関連付けている。
また、賞品マスタ45cは、賞品コード「0002」に対し、賞品名「小賞品」、群コード「01」、賞品価値「500」、玉1の交換玉数「125」、玉2の交換玉数「250」、玉3の交換玉数「500」を関連付けている。
また、賞品マスタ45cは、賞品コード「0100」に対し、賞品名「Mセブン」、群コード「02」、賞品価値「400」、玉1の交換玉数「100」、玉2の交換玉数「200」、玉3の交換玉数「400」を関連付けている。
また、賞品マスタ45cは、賞品コード「0101」に対し、賞品名「ラック」、群コード「02」、賞品価値「420」、玉1の交換玉数「105」、玉2の交換玉数「210」、玉3の交換玉数「420」を関連付けている。
また、賞品マスタ45cは、賞品コード「0600」に対し、賞品名「端玉 飴」、群コード「04」、賞品価値「12」、玉1の交換玉数「3」、玉2の交換玉数「6」、玉3の交換玉数「12」を関連付けている。
図8(d)に示すカード管理データ45dでは、カードID「1001」にプリペイド価値「2500」と、玉1の持玉数「1500」と、玉2の持玉数「2300」と、玉3の持玉数「0」とが関連付けられている。すなわち、カードID「1001」のカードは、台間カード処理機10に挿入されておらず、持玉の管理が管理装置40により行われている。
また、図8(d)に示すカード管理データ45dでは、カードID「1002」にプリペイド価値「500」、各レートの持玉数「0」、使用先装置ID「3004」が関連付けられている。すなわち、カードID「1002」のカードは、装置ID「3004」の台間カード処理機10に挿入されており、持玉数については台間カード処理機10に管理が移っている。このため、各レートの持玉数はゼロである。
また、図8(d)に示すカード管理データ45dでは、カードID「2002」にプリペイド価値「2000」、各レートの持玉数「0」、使用先装置ID「3001」が関連付けられている。すなわち、カードID「2002」のカードは、装置ID「3001」の台間カード処理機10に挿入されており、持玉については台間カード処理機10に管理が移っている。このため、各レートの持玉数はゼロである。
図8(e)に示す会員管理データ45eは、カードID「2002」に対して、氏名「B C」、各遊技種の貯玉の残高、携帯IDm「IDmX1」等が対応づけられた状態を示している。なお、図示は省略したが会員管理データ55aは、ポイント、来店回数、遊技履歴、暗証番号等をカードIDに対応付けることができる。また、携帯IDmは、携帯電話等の携帯端末を特定可能な識別データであり、携帯端末を会員カードとして使用する際に用いられる。
また、図8(e)では、貯玉は、「玉1」、「玉2」及び「玉3」の5つの遊技種について設けられている。例えば、カードID「2002」の「玉1」の貯玉の残高は「250」、「玉2」の貯玉の残高は「1000」、「玉3」の貯玉の残高は「4000」である。
図9(f)に示す処理履歴データ45fは、処理の時刻、装置ID、カードID及び画像データを対応付けたデータである。具体的には、時刻「11:10:00」、装置ID「3001」、カードID「1033」、処理内容「入金」、画像データ「G0001.jpg」を関連付けている。また、時刻「12:35:30」、装置ID「3023」、カードID「1050」、処理内容「カード挿入」、画像データ「G0022.jpg」を関連付けている。また、時刻「14:15:33」、装置ID「3001」、カードID「1033」、処理内容「カード排出」、画像データ「G0034.jpg」を関連付けている。
さらに、時刻「14:20:44」、装置ID「3015」、カードID「1033」、処理内容「カード挿入」、画像データ「G0108.jpg」を関連付けている。また、時刻「14:27:44」、装置ID「3023」、カードID「2005」、処理内容「カード挿入」、画像データ「G0111.jpg」を関連付けている。また、時刻「14:27:44」、装置ID「3023」、カードID「2005」、処理内容「持玉移行(移行元;1050)」、画像データ「G0112.jpg」を関連付けている。
また、時刻「14:40:00」、装置ID「3001」、カードID「2005」、処理内容「カード排出」、画像データ「G0119.jpg」を関連付けている。また、時刻「15:03:03」、装置ID「6001」、カードID「2005」、処理内容「賞品交換」、画像データ「G0125.jpg」を関連付けている。
図10(g)に示す遊技履歴データ45gは、開始時間、終了時間、装置ID、顧客ID、顧客種別、カードID及び処理履歴を関連付けたデータである。具体的には、開始時間「11:10:00」、終了時間「14:15:33」、装置ID「3001」、顧客ID「U001」、顧客種別「一般」、カードID「1033」を1つの遊技として登録している。また、この遊技に含まれる処理の履歴として、時刻「11:10:00」の処理内容「入金」と画像データ「G0001.jpg」や時刻「14:15:33」の処理内容「カード排出」と画像データ「G0034.jpg」などを関連付けている。
同様に、開始時間「14:20:44」、終了時間「未登録」、装置ID「3015」、顧客ID「U001」、顧客種別「一般」、カードID「1033」を1つの遊技として登録している。また、この遊技に含まれる処理の履歴として、時刻「14:20:44」の処理内容「カード挿入」と画像データ「G0108.jpg」などを関連付けている。
同様に、開始時間「12:35:30」、終了時間「14:27:44」、装置ID「3023」、顧客ID「U022」、顧客種別「一般」、カードID「1050」を1つの遊技として登録している。また、この遊技に含まれる処理の履歴として、時刻「12:35:30」の処理内容「カード挿入」と画像データ「G0022.jpg」や、時刻「14:27:44」の処理内容「持玉移行」と画像データ「G0112.jpg」などを関連付けている。
同様に、開始時間「14:27:44」、終了時間「14:27:44」、装置ID「3023」、顧客ID「U022」、顧客種別「会員」、カードID「2005」を1つの遊技として登録している。また、この遊技に含まれる処理の履歴として、時刻「14:27:44」の処理内容「カード挿入」と画像データ「G0111.jpg」や、時刻「14:40:00」の処理内容「カード排出」と画像データ「G0119.jpg」などを関連付けている。
さらに、開始時間「15:03:03」、終了時間「15:03:03」、装置ID「6001」、顧客ID「U022」、顧客種別「会員」、カードID「2005」を1つの処理として登録している。この処理は、時刻「15:03:03」に賞品管理装置60による賞品交換が行われたことを示している。また、賞品交換時の画像データ「G0125.jpg」が関連付けられている。
次に、遊技管理システムの処理手順について説明する。図11は、遊技管理システムの処理手順を示すフローチャートである。この処理手順は、遊技店の営業中に繰り返し実行される。この処理手順では、まず、台間カード処理機10、賞品管理装置60、精算機80などが遊技客による処理操作を受け付けると(ステップS101)、遊技客を撮像して(ステップS102)、処理を実行する(ステップS103)。管理装置40は、実行された処理の履歴を処理履歴データ45fに登録する(ステップS104)。さらに、管理装置40は、登録した処理について遊技客の識別を行って顧客IDを設定し(ステップS105)、遊技履歴データ45gへの登録を行う(ステップS106)。
また、管理装置40は、遊技店員から遊技客の位置判定の要求を受け付けたならば(ステップS107;Yes)、判定対象の遊技客の顧客IDを特定し、当該顧客IDについて遊技履歴データ45gを参照することで現在位置を判定し(ステップS110)、判定結果を出力して(ステップS111)、処理を終了する。
管理装置40は、位置判定の要求を受け付けず(ステップS107;No)、カードの使用制限要求を受け付けたならば(ステップS108;Yes)、制限対象のカードIDを特定し(ステップS112)、特定したカードIDを台間カード処理機10などに送信することでカードの使用を制限するロック制御を行って(ステップS113)、処理を終了する。
管理装置40は、カードの使用制限要求を受け付けず(ステップS108;No)、賞品交換又は精算が発生したならば(ステップS109;Yes)、遊技履歴データ45gを参照し、遊技客が複数のカードを使用していたか否かを判定する(ステップS114)。遊技客が複数のカードを使用していなければ(ステップS114;No)、そのまま処理を終了する。一方、遊技客が複数のカードを使用していたならば(ステップS114;Yes)、カード忘れ防止のための遊技客への報知や、遊技時間重複判定の結果に係る遊技店員への報知を行って(ステップS115)、処理を終了する。なお、賞品交換や精算が発生していなければ(ステップS109;No)、そのまま処理を終了する。
次に、遊技客の位置判定の具体例について説明する。図12は、遊技客の位置判定の具体例についての説明図である。図12で(a)は、遊技店員は装置ID「3001」の台間カード処理機10の近傍で忘れ物を発見した後、カウンタに移動し、カウンタの端末を操作することで装置ID「3001」の台間カード処理機10を使用していた遊技客の現在位置を検索している。遊技店員が装置IDと時刻を入力すると、管理装置40は、遊技履歴データ45gから対応する顧客IDを検索し、その遊技客の現在位置を判定する。
図12(a)では、検索条件として入力された装置ID「3001」及び時刻「14:00」と、検索結果である遊技客の現在位置「装置ID3015で遊技中。会員情報なし」とが端末の表示部に表示制御されている。遊技履歴データ45gにおいて遊技客が会員であることが示されているならば、会員管理データ45eを参照することで会員の氏名などをあわせて表示することができる。また、現在位置については、台間カード処理機10の装置IDに限らず、例えば装置管理データ45bに示された設置場所などを表示することとしてもよい。
遊技客の現在位置を特定した遊技店員は、特定された場所に赴き、遊技客に接触することができる。図12(a)の例では、装置ID「3001」の台間カード処理機10を使用している遊技客に、忘れ物がないかを確認することになる。
また、検索条件として、会員カードのカードIDなどを用いることもできる。この場合には、遊技店員がカウンタの端末を操作し、会員カードのカードIDを条件として入力すれば、検索結果としてその遊技客の現在位置が表示されることになる。会員遊技客が一般カードで遊技をしている場合であっても、一般カードと会員カードの関連付けが行われていれば、会員カードのカードIDを指定した検索で現在位置を特定することができる。
また、図12(b)に示すように、カウンタの端末や管理装置40などで会員一覧画面を表示する際に、会員の現在位置を含めて表示してもよい。さらに会員を指定して会員詳細画面に移行した場合には、会員カードのカードID、氏名、入会日、住所、電話番号、当日の処理履歴などを表示することができる。なお、会員一覧画面及び会員詳細画面における表示項目は任意に設定可能であり、会員一覧画面では現在位置を表示せず,会員詳細画面で現在位置を表示することとしてもよい。
また、遊技店員に限らず、遊技客が知人を検索可能としてもよい。この場合には、例えば遊技客が台間カード処理機10を操作し、知人の会員カードのカードID等を入力して検索すると、入力された会員カードのカードIDに対応する人物の現在位置が表示操作部13に表示されることになる。
次に、カードの使用制限の具体例について説明する。図13は、カードの使用制限の具体例についての説明図である。図13に示した例では、遊技店員は、装置ID「3031」の台間カード処理機10に対してロック要求の操作を行っている。係る操作は、例えば遊技店員用の携帯端末を用いて行われる。台間カード処理機10は、遊技店員による操作に基づいて、自装置の装置IDを含むロック要求を管理装置40に送信する(1)。
管理装置40は、ロック要求を受信すると、ロック要求に示された装置IDに基づいて該当する台間カード処理機10で最後に使用されたカードのカードIDを特定し、特定した対象カードの状態を判定する(3)。この判定では、対象カードのカードIDが台間カード処理機10に挿入されている「遊技中」であるか否かと、持玉及びプリペイド価値に残高があるか否かが判定される。なお、「遊技中」であれば、管理装置40が管理する持玉の残高は「0」となっている。
状態の判定後、管理装置40は、ロック制御を実行する(3)。このロック制御では、状態が「遊技中」である場合と、「非遊技中かつ残高有り」である場合にロックが実行される。一方、応対が「非遊技中かつ残高無し」であればロックは失敗し、表示操作部13には、「精算済。ロックできませんでした。」などのロックできなかった旨の表示とともに、精算された時刻などを表示する。ロック実行は、制限対象のカードIDを全ての台間カード処理機10及び精算機80に通知することで行う(4)。
ここで、管理装置40は、対象カードの状態を判定する際に、関連するカードがあるかどうかの判定をさらに行う。具体的には、制限対象カードIDからの価値移行が行われた否かを判定し、価値移行が行われているならば、移行先のカードIDを制限対象カードIDに含める。持玉やプリペイド価値の全てを他のカードに移行させる価値移行によりカードが統合された場合には、移行先のカードIDを制限対象カードIDとすればよく、移行元のカードは持玉及びプリペイド価値がゼロとなるため制限対象カードIDとする必要は無い。持玉やプリペイド価値の一部を他のカードに移行させる価値移行によりカードが分割された場合には、移行元と移行先の双方を制限対象カードIDとすることが望ましい。また、分割が複数回行われた場合には、複数回の分割に係る複数のカードIDが制限対象カードIDとなる。複数のカードIDを制限対象カードIDとする場合には、各カードIDについて状態の判定を行い、ロック制御行うことになる。
なお、ここではプリペイド価値と持玉の双方が「0」である場合にロックを行わない構成を例示したが、所定数の「使い切り基準値」(例えば持玉25玉、プリペイド価値100円相当分など)を設け、「使い切り基準値」を下回る場合にカードが「使い切られた」と見なしロックを行わない、つまりロックを行わず表示操作部13に使い切り済である旨を表示するよう構成してもよい。この場合、「使い切り基準値」は、管理装置40における操作にて、任意に設定できるようになっている。さらに、ロック要求は、最後に使用したカードに限らず、履歴から選択可能としてもよい。この場合、表示操作部13において台間カード処理機10から排出されたカードの履歴を過去数枚分表示し、この中から指定できるようにすることが好ましい。この場合、履歴には排出されたときの残高がカードIDと併せて表示される。また、この場合の表示に用いられる履歴は、台間カード処理機10の記憶部にて保持していてもよいし、従業員操作を受け付けたときに管理装置40から取得して表示してもよい。
また、管理装置40は、ロック要求を送信した台間カード処理機10に対して、ロック要求の結果を通知する(6)。この通知には、最後に使用されたカードのカードID、価値移行の有無、価値移行が行われている場合は移行先のカードID、制限対象に指定したカードIDとその所在が含まれる。これらの情報は、ロック要求の結果として表示操作部13に表示される。図13では、直前に使用されたカードに係るロックを行ったこと、最後に使用されたカードのカードIDが「1044」であること、カードID「1070」へのプリペイド価値の価値移行が行われたこと、ロックが完了したこと、カードID「1070」のカードが装置ID「3041」の台間カード処理機10で使用中であることを示す表示が行われている。
なお、上述の実施例においては、ロック要求の対象となったカードが「遊技中」(つまり使用中)であるかをまず判断し、その後に残高についての条件(「0」か否か、「使い切り基準値」を下回ったか否かなど)を判断しているが、これに代えて、残高についての条件をまず判断し、残高があり(「0」でない、「使い切り基準値」を下回ってないなど)の状態のカードを対象としてロックを行う構成としてもよい。この場合、遊技中か否かの判断をその後行ってもよいし、行わなくてもよい。また、ロック要求が行われたカードが台間カード処理機10から排出された後、一旦使い切られた(残高が「0」となる、「使い切り基準値」を下回る場合など)かどうかを判断できる履歴を管理装置40にて管理し、一旦使い切られたことを判断した場合には、ロックを行わない構成としてもよい。このようにすれば、一旦使い切られ、新たなカードとして発行されたカードに入金を行って使用している善意の遊技客に対してロック処理が行われることを防止できる。
なお、上述の実施例においては、台間カード処理機10から管理装置40に対象のカードIDを通知してロックを行う例を示しているが、台間カード処理機10から管理装置40に送信する情報は、ロック対象を特定できる情報であれば特に限定されない。例えば、管理装置40において特定のカードIDのカードがどの装置IDの台間カード処理機10からどの時刻に排出されたか、という履歴情報を保持している場合には、台間カード処理機10からは、自装置のIDと排出時刻をロック対象を特定するための情報として管理装置40に通知し、管理装置はこれらの情報からロック対象のカードIDを割り出してロックを行うことも可能である。
なお、上述の実施例においては、ロック対象のカードの価値が無い場合に、カードが使い切られたと判断し、ロックを行わないあるいは制限するように制御しているが、精算機80において精算された場合には、精算において出金された紙幣の記番号(紙幣が発行される場合に紙幣を個別に識別するために紙幣に付される通し番号であって、例えば6桁の英数字からなる)を記憶しておき、当該紙幣の遊技場内での使用を制限するようにしてもよい。
例えば、台間カード処理機10と精算機80には、紙幣の記番号を識別できる紙幣識別機を搭載しておく。精算機80においては、カードの精算を行った場合に、出金に用いた紙幣の記番号を記憶する機能を備える。そして、直前に使用したカードのロックを行った場合に、精算機80にて精算済であった場合には、精算機80が記憶している記番号のうち、当該カードに対応する記番号を管理装置40に通知し、管理装置40は全台の台間カード処理機10に対して、当該記番号を制限の対象として通知する。台間カード処理機10は、当該記番号の紙幣を受け付けたことを紙幣識別機で認識した場合、エラーダウン等の制限処理を行う。ただし、台間カード処理機10への記番号識別機能を有する紙幣識別機の搭載は必須ではなく、島端等に設けられたカード販売・入金機のみにこの機能を有するようにしてもよい。この場合、直前に使用したカードのロックが行われた場合には島端等に設けられたカード販売・入金機のみでのカード発行・入金が可能であり、台間カード処理機10での発行・入金は禁止される。
上述してきたように、本実施例1に係る遊技管理システムは、台間カード処理機10、賞品管理装置60及び精算機80により行われた処理と、カードIDと、処理の時刻とを関連付けて処理履歴データ45fを生成し、処理履歴データ45fから同一の遊技客に対応する処理を識別して遊技客毎の遊技の履歴を示す遊技履歴データ45gを生成し、遊技履歴データ45gに基づいて特定の遊技客の現在位置を判定することができる。
具体的には、時刻及び遊技機の指定などに基づいて現在位置の判定対象となる遊技客を特定して遊技履歴データ45gを参照し、特定した遊技客について遊技中の履歴が存在するならば、該遊技中の遊技機を現在位置として判定し、遊技中の履歴が存在しなければ、店内を移動中又は退店済と判定する。
また、複数のカードが同一の装置で連続して使用された場合に、該複数のカードを同一の遊技客に対応付けることで、遊技客が複数のカードを使用した場合にも、現在位置の判定が可能である。
また、商品交換時や精算時に、遊技客が複数のカードを使用していたか否かを判定し、複数のカードを使用していた場合には、遊技客に報知を行うので、遊技客が複数のカードの一部のみを賞品交換や精算に用い、他のカードの使用を失念する事態を防止することができる。
さらに、同一の顧客IDが関連付けられた遊技時間に重複が存在するか否かを判定し、遊技時間に重複が存在する場合には遊技店員に対して報知を行うことで、不正の可能性を検知することができる。
また、持玉やプリペイド価値の一部又は全てを他のカードに移行させる価値移行が行われた場合には、カードの使用制限の対象として移行先のカードを指定することができるので、カードの使用制限を効果的に行うことができる。
さらに、各種処理のタイミングで撮像した遊技客の画像データを一括表示、もしくは順次表示することで、同一の遊技客による使用であるか否かを簡易に確認することができる。なお、本実施例では、複数のカードを使用していた遊技客について画像データの表示を行う場合を例示したが、単一のカードを使用していた遊技客について画像データを表示することも可能であり、また、画像データの表示は遊技店員の操作に基づいて任意のタイミングで行うことができる。