JP6971840B2 - 回転翼及びそれを用いた無人航空機 - Google Patents

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Description

本発明は、炭素繊維を含む表皮の内側に発泡体を含むコア部を有する回転翼及びそれを用いた無人航空機に関する。
特許文献1に示されるようなバッテリー駆動の無人航空機において、機体の軽量化は、電池寿命に関わる深刻な問題である。機体の軽量化にあたって、飛行を駆動する駆動源に取り付けられるロータ(プロペラとも言う)の回転翼を、特許文献2に示されるような独立気泡構造の発泡体を炭素繊維で覆った構造にすることが提案されている。このような回転翼は、所望の形状に削り出した発泡体の表面に、熱プレス成形やオートクレーブを用いた成形により炭素繊維プリプレグを積層して製造される。
特表2013−510614号公報([0024]) 特表2016−535689号公報([0050]〜[0051])
ところで、上述した回転翼が、ロータの全複数の羽根が一体成形され、かつ、その中心部に回転中心を有する一体翼である場合、回転中心から回転半径方向の端部にかけてのそれぞれの羽根の密度分布がアンバランスであると、ロータの回転にブレが生じ、揚力の低下につながるという問題が生じる。また、上述した回転翼が、ロータの1枚の羽根を構成する片側翼である場合、製品個体間、個々の片側翼の重量のばらつきが生じると、同じ回転軸に複数の回転翼が取り付けられたときに、ロータの回転にブレが生じ、揚力の低下につながるという問題が生じる。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、ロータの回転のブレを抑制可能な回転翼及びそれを用いた無人航空機の提供を目的とする。
上記目的を達成するためになされた請求項1の発明は、炭素繊維に熱硬化性樹脂が含浸してなる表皮の内側に発泡体を含むコア部を有する回転翼であって、前記表皮は、2軸以上の炭素繊維織物に熱硬化性樹脂が含浸してなり、前記回転翼の外表面を形成する外側表皮層を有し、前記コア部は、前記発泡体に熱硬化性樹脂が含浸してなる、回転翼である。
請求項2の発明は、前記2軸以上の炭素繊維織物はフィラメント数が3000以上の炭素繊維束で構成される綾織であって、該炭素繊維束が前記回転翼の回転半径方向に対して±45度ずれた2方向に配列された、請求項1に記載の回転翼である。
請求項3の発明は、前記表皮は、前記回転翼の回転半径方向に配列された炭素繊維に熱硬化性樹脂が含浸してなり、前記外側表皮層と前記コア部との間に配置される内側表皮層を有する、請求項1又は2に記載の回転翼である。
請求項4の発明は、前記表皮は、前記外側表皮層に前記内側表皮層を複数積層してなる、請求項3に記載の回転翼である。
請求項5の発明は、前記外側表皮層と前記内側表皮層が前記コア部の表側と裏側で対称に積層された、請求項4に記載の回転翼である。
請求項6の発明は、請求項1乃至5のうち何れか1の請求項に記載の回転翼を用いた無人航空機であって、前記回転翼を備えたロータを有し、時計方向に回転することで揚力を生じる第1の前記ロータと反時計方向に回転することで揚力を生じる第2の前記ロータとからなる組が2組以上設けられている、回転翼を用いた無人航空機である。
請求項7の発明は、請求項1乃至5のうち何れか1の請求項に記載の回転翼を用いた無人航空機であって、前記回転翼を備えたロータを複数備え、前記ロータのティルト角を変化させることで、該ロータを、機体上方へ揚力を発生する回転翼機モードと機体前方への推力を発生する固定翼機モードに切り替える、回転翼を用いた無人航空機である。
本発明の回転翼では、表皮の内側に配置されるコア部が発泡体に熱硬化性樹脂を含浸させてなるので、半硬化状態の熱硬化性樹脂を発泡体に含浸させてなる材料を熱プレスしてコア部を成形することが可能となる。これにより、削り出した発泡体を内包する従来の回転翼と比較して、左右のアンバランス及び重量のバラつきが抑制される。また、表皮とコア部は共に熱硬化性樹脂が含浸してなるので、熱プレスの際に熱硬化性樹脂の均一化が図られ、回転翼の左右のアンバランス及び重量のバラつきが抑制される。これらにより、ロータの回転のブレが抑制される。しかも、回転翼の外表面は、2軸以上の炭素繊維織物に熱硬化性樹脂が含浸してなる外側表皮層で構成されるので、回転翼に求められる曲げ強度、引張強度及びねじり強度を達成可能となる。
炭素繊維に含浸する熱硬化性樹脂は、特に限定されないが、回転翼の剛性を高めるためには、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂とフェノール樹脂の混合物などが好ましい。また、回転翼に難燃性が求められる場合には、良好な難燃性を有するフェノール樹脂が好ましい。
コア部の発泡体は、連続気泡構造を有することが好ましい。発泡体が連続気泡構造を有することで、熱硬化性樹脂が含浸でき、高い圧縮率での成形が可能となる。発泡体は、例えば、ウレタン樹脂発泡体、メラミン樹脂発泡体、ポリオレフィン樹脂発泡体、ポリアミド樹脂発泡体などから選択可能であって、好ましくは、メラミン樹脂発泡体又はポリアミド樹脂発泡体である。回転翼に難燃性が求められる場合には、発泡体は、良好な難燃性を有するメラミン樹脂発泡体が好ましい。
発泡体に含浸する熱硬化性樹脂は、特に限定されないが、回転翼の剛性を高めるためには、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂とフェノール樹脂の混合物などが好ましい。回転翼に難燃性が求められる場合には、良好な難燃性を有するフェノール樹脂が好ましい。なお、発泡体に含浸する熱硬化性樹脂と炭素繊維に含浸する熱硬化性樹脂とは、同じものであることが好ましい。これらの熱硬化性樹脂が同じであると、層間剥離が抑制される。
外側表皮層の炭素繊維織物としては、2方向の糸で構成される平織、綾織及び朱子織や3方向の糸で構成される3軸織などが挙げられる。2方向の糸で構成される場合には、炭素繊維束が回転翼の回転半径方向に対して±45度ずれた2方向に配列されることが好ましい。これにより、回転翼の曲げ強度、引張強度及びねじり強度の向上が図られる。なお、炭素繊維織物が綾織である場合、炭素繊維束のフィラメント数は3000以上であることが好ましく(請求項2の発明)、さらには、3000〜12000であることがより好ましい。なお、炭素繊維織物が平織の場合も、炭素繊維束のフィラメント数は3000以上であることが好ましく、さらには、3000〜12000であることがより好ましい。
また、表皮は、ロータの回転半径方向に配列された炭素繊維に熱硬化性樹脂が含浸した内側表皮層を有することが好ましい(請求項3の発明)。この構成によれば、回転翼の回転半径方向での曲げ強度及び引張強度の向上が図られる。なお、表皮は、外側表皮層に内側表皮層を複数積層してなることがより好ましい(請求項4の発明)。
外側表皮層と内側表皮層は、コア部の表側と裏側で対称に積層されることが好ましい(請求項5の発明)。この構成によれば、回転翼の表側と裏側の両方においてコア部より外側に配置される層の厚みを同じにすることが可能となる。
本発明の回転翼は、時計方向に回転することで揚力を生じる第1のロータと反時計方向に回転することで揚力を生じる第2のロータとからなる組が2組以上設けられている回転翼を用いた無人航空機における第1と第2のロータに用いられてもよいし(請求項6の発明)、ロータのティルト角を変化させることで、該ロータを、機体上方へ揚力を発生する回転翼機モードと機体前方への推力を発生する固定翼機モードに切り替える回転翼を用いた無人航空機のロータに用いられてもよい(請求項7の発明)。
なお、本発明の回転翼は、種々の無人航空機(UAV)に採用できる。特に、本発明の回転翼は、個体内での左右のアンバランス及び個体間の重量のバラつきが抑えられることから、複数のロータを備えるUAVに採用できる。このようなUAVの例としては、複数のロータによって推力を発生させる回転翼型UAV、メインロータと複数のティルトロータを装備するVTOL(Vertical Take−Off and Landing)型UAV等が挙げられる。本発明の回転翼がVTOL型UAVに用いられる場合には、ティルトロータやティルトウィングに組み付けられるロータに用いることができる。さらに、本発明の回転翼は、航空機に限らず、無線による遠隔操作を行う無人船舶や無人潜水艇等にも応用できる。
本発明の一実施形態に係る回転翼の斜視図 回転翼の断面図 回転翼の一部破断斜視図 回転翼の製造工程を示す断面図 回転翼の製造工程を示す断面図 回転翼の別の例を示す斜視図 (A)図1に示す回転翼の長手方向のアンバランスを示すグラフ、(B)図6に示す回転翼の重量のバラつきを示すグラフ 回転翼のアンバランスの測定方法を説明するための図 無人航空機の一例を示す斜視図 無人航空機の別の例を示す斜視図
図1に示されるように、本実施形態に係る回転翼10は、図9に示される無人航空機50のロータ51として使用される。ロータ51は、モータ53の回転軸に取り付けられて回転駆動され、モータ53の回転軸の回りに複数の羽根52を備えた構造になっている。回転翼10は、ロータ51の全ての羽根52を一体成形してなり、回転翼10の中心部には、モータ53の回転軸が挿通される中心孔11が形成されている。そして、回転翼10は、この中心孔11を中心に点対称な形状に形成されている。また、回転翼10は、回転翼10をモータ53に対して位置決めするための位置決め孔12を中心孔11の近傍に有している。なお、本実施形態では、ロータ51は2枚羽根構造になっていて、回転翼10は直線状に形成されている。そして、回転翼10において中心孔11より長手方向の一方側と他方側に配置される部分は、それぞれ左翼部10Lと右翼部10Rを構成する。なお、左翼部10L及び右翼部10Rの上面と下面は、回転翼10を長手方向から見たときに、上側に凸となるようになだらかに湾曲している。また、左翼部10L及び右翼部10Rは、回転方向の前端側(例えば、時計回りに回転する場合は、時計回り方向側)が後端側よりも厚肉になっている。
図2には、回転翼10の断面構造が示されている。回転翼10は、コア部27の外側を表皮20で覆ってなる。表皮20は、炭素繊維に熱硬化性樹脂が含浸してなる。コア部27は、発泡体に熱硬化性樹脂が含浸してなる。発泡体は、連続気泡構造を有し、具体的には、メラミン樹脂発泡体(株式会社イノアックコーポレーション製「バソテクトG+」)である。炭素繊維に含浸した熱硬化性樹脂と発泡体に含浸した熱硬化性樹脂は同じであって、具体的には、フェノール樹脂(住友ベークライト株式会社製「スミライトレジンPR−55791B」)である。
表皮20は、回転翼10の外表面を構成する外側表皮層21の内側に内側表皮層25を積層してなる。コア部27に対して表側に配置される表皮20の積層構造と裏側に配置される表皮20の積層構造は同じになっている。なお、本実施形態では、内側表皮層25が2層積層されている。
図3に示される外側表皮層21は、炭素繊維織物22に熱硬化性樹脂が含浸してなる。炭素繊維織物22は、炭素繊維束23の綾織であって、炭素繊維束23のフィラメント数は3000である。炭素繊維束23は、回転翼10の長手方向(即ち、回転翼10の回転半径方向)に対して±45度ずれた2方向に配列されている。また、内側表皮層25は、回転翼10の長手方向に配列された炭素繊維群26に熱硬化性樹脂が含浸してなる。
回転翼10を製造するには、まず、図4に示されるように、炭素繊維織物22に熱硬化性樹脂が含浸した2枚の織物プリプレグ31と、一方向に配列された炭素繊維群26に熱硬化性樹脂が含浸した4枚の配列プリプレグ35と、発泡体に熱硬化性樹脂が含浸した1枚の発泡体プリプレグ37と、が準備される。プリプレグ31,35,37の熱硬化性樹脂は、半硬化状態である。なお、プリプレグ31,35,37の平面視形状はほぼ同じである。織物プリプレグ31の厚みは250μmであって、配列プリプレグ35の厚みは250μmである。
次いで、上側成形型41と下側成形型42の間に、プリプレグ31,35,37が積層される。このとき、織物プリプレグ31及び配列プリプレグ35は、発泡体プリプレグ37の表側と裏側で同じ枚数となるように配置される。即ち、発泡体プリプレグ37の表側と裏側に、2枚の配列プリプレグ35と1枚の織物プリプレグ31が順番に積層される。上側成形型41と下側成形型42は、電熱ヒーター等によって熱硬化性樹脂が硬化可能な温度に加熱されている。
次いで、図5に示されるように、上側成形型41と下側成形型42が近づき、型締めされて、積層状態のプリプレグ31,35,37が加圧されると共に加熱される。すると、上側成形型41及び下側成形型42に押圧された織物プリプレグ31及び配列プリプレグ35が上側成形型41及び下側成形型42の成形面41M,42Mに応じた形状に成形されると共に、発泡体プリプレグ37が上側成形型41と下側成形型42の間に形成されるキャビティの形状に圧縮され、その状態で、各プリプレグ31,35,37に含浸している熱硬化性樹脂が硬化する。このとき、上記プリプレグ31,35,37に含浸した熱硬化性樹脂の一部は、パーティングラインを通過してバリとなり、金型外へ浸みだす。結果、織物プリプレグ31、配列プリプレグ35及び発泡体プリプレグ37が一体成形される。その後、得られた成形品を金型から脱型して、上記バリを切削加工により不要部分として除去する。そうすることで、回転翼10が得られる。なお、織物プリプレグ31は外側表皮層21となり、配列プリプレグ35は内側表皮層25となり、発泡体プリプレグ37はコア部27となる。
図6には、本実施形態に係る回転翼の別の例が示されている。同図に示される回転翼10Vは、ロータ51の1つの羽根52を構成する(図6の例では、ロータ51が、2枚の回転翼10Vで構成されている)。回転翼10Vの回転中心側の端部には、モータ53に回転翼10Vを取り付けるための複数の取付孔13が形成されている。なお、回転翼10Vは、回転翼10と同じ断面構造を有し、回転翼10Vと同様にして製造される。また、回転翼10Vは、下面が略平坦となっている。
本実施形態の回転翼10,10Vでは、コア部27が発泡体に熱硬化性樹脂を含浸させてなるので、半硬化状態の熱硬化性樹脂を発泡体に含浸させてなる発泡体プリプレグ37を熱プレスしてコア部27を成形することが可能となる。これにより、削り出した発泡体を内包する従来の回転翼と比較して、左右のアンバランス及び重量のバラつきが抑制される。また、表皮20とコア部27は共に熱硬化性樹脂が含浸してなるので、熱プレスの際に、上側成形型41と下側成形型42が密閉空間を形成し、表皮20とコア部27が存在していても、液状の熱硬化性樹脂が流動することで、その密閉空間内に均一充填され、熱硬化性樹脂の含浸量が適正に調整されるため、回転翼10,10Vの左右のアンバランス及び重量のバラつきが抑制される。これらにより、回転翼10,10Vを羽根52として備えるロータ51の回転のブレが抑制される。
図7(A)には、複数の回転翼10の左右アンバランス量ΔUの測定結果が示されている。左右アンバランス量ΔUは、時計方向回転用の回転翼10と反時計方向回転用の回転翼10のそれぞれについて26個ずつ測定された。図8には、左右アンバランス量ΔUの測定方法が示されている。同図に示されるように、この測定方法では、水平な支軸を中心孔11に挿通させて回転翼10を支持する。左翼部10Lと右翼部10Rに作用する力のモーメントの差が大きい場合には、モーメントが大きい方の翼部が下となるように回転翼10が回転する。すると、該翼部が回転翼10の下方で待ち受けている重量計45に当接する。このとき、重量計45で測定される重さが、左翼部10Lと右翼部10Rのモーメントの差に比例する左右アンバランス量ΔUとなる。なお、左翼部10Lが下となるように回転したときの左右アンバランス量ΔUをマイナスとし、右翼部10Rが下となるように回転したときの左右アンバランス量ΔUをプラスとした。
図7(A)に示されるように、時計方向回転用の回転翼10(重量61g、全長66cm)では、0.1g<ΔU≦0.1gのものが26個中13個あり、−0.2g<ΔU≦0.2gのものが26個中22個であった。また、反時計方向回転用の回転翼10では、0.1g<ΔU≦0.1gのものが26個中17個あり、26個全てが−0.2g<ΔU≦0.2gの範囲内であった。
また、図7(B)には、回転翼10Vの重量のバラつきΔWの測定結果が示されている。重量のバラつきΔWは、回転翼10Vの実測重量から設計重量(61g)を差し引いて求めた。重量のバラつきΔWは、時計方向回転用の回転翼10Vと反時計方向回転用の回転翼10Vのそれぞれについて26個ずつ測定された。
図7(B)に示されるように、時計方向回転用の回転翼10Vでは、−0.5g<ΔW≦0.5gのものが26個中23個あり、26個すべてが−1.0g<ΔW≦1.0gの範囲内であった。また、反時計方向回転用の回転翼10Vでは、−0.5g<ΔW≦0.5gのものが26個中22個あり、26個すべてが−1.0g<ΔW≦1.0gの範囲内であった。
図7(A)及び図7(B)の結果から、本実施形態の回転翼10,10Vでは、左右アンバランス量ΔU及び重量のバラつきΔWが小さくなっていることが確認された。
上述したように、本実施形態の回転翼10,10Vは、図9に例示する無人航空機50のロータ51に用いられる。無人航空機50は、複数のロータ51を有するマルチコプターであって、ボディ55から複数の支持アーム56が放射状に張り出した構造を有し、各支持アーム56の先端部に、鉛直な回転軸を有するモータ53を備えている。そして、各モータ53にロータ51が取り付けられている。なお、各支持アーム56の先端部からは、脚部57が垂下している。
複数のロータ51には、時計方向に回転することで揚力を生じる第1のロータ51Aと、反時計方向に回転することで揚力を生じる第2のロータ51Bと、の2種類のロータ51が備えられている。具体的には、複数のロータ51は、同じ数の第1のロータ51Aと第2のロータ51Bで構成される。第1のロータ51Aと第2のロータ51Bは、ボディ55の周方向で互いに隣り合うように配置されている。即ち、第1のロータ51Aの両隣には、第2のロータ51Bが配置され、第2のロータ51Bの両隣には、第1のロータ51Aが配置される。
図10(A)及び図10(B)には、回転翼10,10Vからなるロータ51を備えた無人航空機の別の例として、無人航空機50Vが示されている。無人航空機50Vは、ロータ51のティルト角を変更可能なVTOL型UVAである。無人航空機50Vでは、ロータ51の回転軸が鉛直方向を向くようにティルト角が設定されると、ロータ51が機体上方へ揚力を発生する回転翼機モード(図10(A)に示す状態)となり、ロータ51の回転軸が水平方向を向くようにティルト角が設定されると、ロータ51が機体前方への推力を発生する固定翼機モード(図10(B)に示す状態)となる。なお、無人航空機50Vには、ロータ51とは別に、機体上方へ揚力を発生させるようにティルト角が固定されたロータ(図示せず)が設けられている。これにより、ロータ51のティルト角が変更される際にも、安定して無人航空機50Vが飛行することができる。
なお、回転翼10,10Vは、上述した無人航空機のロータに限らず、有人航空機、船舶及び潜水艦等のプロペラ又はロータ、送風機のタービンや、攪拌機のブレードなどに用いることができる。
[他の実施形態]
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に説明するような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)上記実施形態では、炭素繊維束23が配列される2方向の、回転翼10の長手方向に対してずれる角度が、±45度であったが、どのような角度であってもよく、例えば、+30度と−60度であってもよい。また、炭素繊維束23が配列される2方向が、回転翼10の長手方向に対して平行な方向と垂直な方向であってもよい。
(2)上記実施形態では、表皮20において、内側表皮層25の積層数が2層であったが、1層でもよいし、3層以上であってもよい。内側表皮層25が積層されなくてもよい。このとき、表皮20は外側表皮層21のみからなる。
(3)内側表皮層25の炭素繊維群26は、回転翼10の長手方向に配列されていたが、回転翼10の長手方向に対して交差する方向に配列されていてもよい。また、内側表皮層25は、炭素繊維からなる不織布に熱硬化性樹脂が含浸した構成であってもよい。
(4)上記実施形態では、表皮20において、外側表皮層21の積層数が1層であったが、2層以上であってもよい。このとき、複数の外側表皮層21の炭素繊維織物は、それぞれ平織、綾織及び朱子織や3軸織から任意に選択される。なお、複数の外側表皮層21の炭素繊維織物が全て綾織である場合、炭素繊維束23の配列される2方向は、複数の外側表皮層21の間で同じであってもよいし、ずれていてもよい。
(5)上記実施形態では、コア部27に対して表側に配置される表皮20の積層構造と裏側に配置される表皮20の積層構造が同じとなっていたが、異なっていてもよい。このとき、表皮20における外側表皮層21と内側表皮層25のうち、一方のみの積層数が異なっていてもよいし、両方の積層数が異なっていてもよい。
(6)上記実施形態では、コア部27を形成する発泡体プリプレグ37の枚数が1枚であったが、2枚以上であってもよい。このとき、複数の発泡体プリプレグ37の間で、発泡体の密度が互いに異なっていてもよい。
(7)上記実施形態では、回転翼10が、2枚の羽根52が一体となった構造であったが、3枚以上の羽根52が一体となった構造であってもよい。
(8)上記実施形態では、無人航空機50Vの一部のロータ(図示せず)のティルト角が固定されていたが、全てのロータのティルト角が変更可能であってもよい。このとき、任意のロータを回転翼機モードから固定翼機モードへと変更させ、残りのロータを回転翼機モードのままにすれば、任意のロータのティルト角が変更される際にも無人航空機50Vが安定して飛行することができる。
(9)無人航空機50Vが、支持アーム56の代わりに、ボディ55から張り出す翼状のアームを備え、この翼状のアームによって機体上方に揚力が発生する構造であってもよい。このとき、翼状のアームの先端部にロータ51が取り付けられる。また、この場合において、無人航空機50Vをティルトウィングタイプとして、翼状のアームとロータ51とが一体となって姿勢を変えることで回転翼機モードと固定翼機モードが変更されてもよい。
10,10V 回転翼
20 表皮
21 外側表皮層
22 炭素繊維織物
25 内側表皮層
27 コア部
50,50V 無人航空機
51 ロータ

Claims (7)

  1. 炭素繊維に熱硬化性樹脂が含浸してなる表皮の内側に発泡体を含むコア部を有する回転翼であって、
    前記表皮は、2軸以上の炭素繊維織物に熱硬化性樹脂が含浸してなり、前記回転翼の外表面を形成する外側表皮層を有し、
    前記コア部は、前記発泡体に熱硬化性樹脂が含浸してなる、回転翼。
  2. 前記2軸以上の炭素繊維織物はフィラメント数が3000以上の炭素繊維束で構成される綾織であって、該炭素繊維束が前記回転翼の回転半径方向に対して±45度ずれた2方向に配列された、請求項1に記載の回転翼。
  3. 前記表皮は、前記回転翼の回転半径方向に配列された炭素繊維に熱硬化性樹脂が含浸してなり、前記外側表皮層と前記コア部の間に配置される内側表皮層を有する、請求項1又は2に記載の回転翼。
  4. 前記表皮は、前記外側表皮層に前記内側表皮層を複数積層してなる、請求項3に記載の回転翼。
  5. 前記外側表皮層と前記内側表皮層が前記コア部の表側と裏側で対称に積層された、請求項4に記載の回転翼。
  6. 請求項1乃至5のうち何れか1の請求項に記載の回転翼を用いた無人航空機であって、
    前記回転翼を備えたロータを有し、
    時計方向に回転することで揚力を生じる第1の前記ロータと反時計方向に回転することで揚力を生じる第2の前記ロータとからなる組が2組以上設けられている、回転翼を用いた無人航空機。
  7. 請求項1乃至5のうち何れか1の請求項に記載の回転翼を用いた無人航空機であって、
    前記回転翼を備えたロータを複数備え、
    前記ロータのティルト角を変化させることで、該ロータを、機体上方へ揚力を発生する回転翼機モードと機体前方への推力を発生する固定翼機モードに切り替える、回転翼を用いた無人航空機。
JP2017252434A 2017-12-27 2017-12-27 回転翼及びそれを用いた無人航空機 Active JP6971840B2 (ja)

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