JP6971364B1 - 熱源システムの制御方法及び制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】熱源システム全体の消費電力を抑制し、省エネルギー化を図った熱源システムの制御方法を提供する。【解決手段】ヒートポンプ11とヒーティングタワー12との間にブラインを循環させ、ヒートポンプ11で冷却されたブラインをヒーティングタワー12で外気と熱交換させて加熱する熱源システム10を最適に制御するための制御方法において、ヒーティングタワー12のブライン出口温度が外気乾球温度の一次式で表される設定値となるように、ヒーティングタワー12のファン31をインバータ制御する。【選択図】図1
Description
本発明は、ヒートポンプとヒーティングタワーを備えた空調用の熱源システムを最適に制御するための熱源システムの制御方法及び制御装置に関する。
地域冷暖房プラントや個別熱源プラント等では、ヒートポンプとヒーティングタワーとの間にブラインを循環させ、ヒートポンプで冷却されたブラインをヒーティングタワーで外気と熱交換させて加熱する熱源システムが利用されている。
従来、この種の熱源システムにおいて、ヒーティングタワーで外気と接触して希釈した不凍液を濃縮する際に、外気乾球温度の予測値と外気絶対湿度の予測値を用いて不凍液濃度が設定範囲となるように濃縮運転操作を制御する方法(例えば、特許文献1参照)や、水冷式ヒートポンプシステムのヒーティングタワーの除霜を簡便に行う方法(例えば、特許文献2参照)等が提案されている。
しかしながら、上記した特許文献1に記載の方法では、不凍液の濃縮方法について最適に制御し、熱源システムを円滑に運転するための方法であり、ヒートポンプとヒーティングタワーの合計動力を最小化する制御が行われていない。
また、上記した特許文献2に記載の方法では、デフロスト運転を簡便に行い、熱源システムを円滑に運転するための方法であり、ヒートポンプとヒーティングタワーの合計動力を最小化する制御は行われていない。
したがって、特許文献1及び2に記載の方法では、熱源システム全体の消費電力を抑制することができないという問題がある。
本発明は、上記した課題を解決すべくなされたものであり、ヒートポンプとヒーティングタワーの合計動力を最小化する制御を行い、熱源システム全体の消費電力を抑制し、省エネルギー化を図ることのできる熱源システムの制御方法及び制御装置を提供することを目的とする。
上記した目的を達成するため、本発明は、ヒートポンプとヒーティングタワーとの間にブラインを循環させ、該ヒートポンプで冷却されたブラインを該ヒーティングタワーで外気と熱交換させて加熱する熱源システムを最適に制御するための制御方法において、前記ヒーティングタワーのブライン出口温度が外気乾球温度の一次式で表される設定値となるように、該ヒーティングタワーのファンをインバータ制御することを特徴とする。
本発明の実施の形態に係る熱源システムの制御方法において、外気露点温度が0℃未満の時は前記ブライン出口温度が該外気露点温度を超え、該外気露点温度が0℃以上の時は該ブライン出口温度が0℃を超えるように、前記ヒーティングタワーのファンをインバータ制御することを特徴とする。
本発明の実施の形態に係る熱源システムの制御方法において、前記一次式は、前記ブライン出口温度をTB1、外気乾球温度をTDB、a及びbを定数とした場合に、TB1=a×TDB+bで表されることを特徴とする。
本発明は、ヒートポンプとヒーティングタワーとの間にブラインを循環させ、該ヒートポンプで冷却されたブラインを該ヒーティングタワーで外気と熱交換させて加熱する熱源システムを最適に制御するための制御装置において、前記ヒーティングタワーのブライン出口温度が外気乾球温度の一次式で表される設定値となるように、該ヒーティングタワーのファンをインバータ制御することを特徴とする。
本発明の実施の形態に係る熱源システムの制御装置において、外気露点温度が0℃未満の時は前記ブライン出口温度が該外気露点温度を超え、該外気露点温度が0℃以上の時は該ブライン出口温度が0℃を超えるように、前記ヒーティングタワーのファンをインバータ制御することを特徴とする。
本発明の実施の形態に係る熱源システムの制御装置において、前記一次式は、前記ブライン出口温度をTB1、外気乾球温度をTDB、a及びbを定数とした場合に、TB1=a×TDB+bで表されることを特徴とする。
本発明によれば、熱源システム全体の消費電力を抑制し、省エネルギー化を図ることができる等、種々の優れた効果を得ることができる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。
(熱源システム10の概要)
まず、図1を参照しつつ、本発明の実施の形態に係る熱源システム10について説明する。ここで、図1は熱源システム10を示す模式図である。
(熱源システム10の概要)
まず、図1を参照しつつ、本発明の実施の形態に係る熱源システム10について説明する。ここで、図1は熱源システム10を示す模式図である。
本発明の実施の形態に係る熱源システム10は、ヒートポンプ11とヒーティングタワー12との間にブラインを循環させ、ヒートポンプ11で冷却されたブラインをヒーティングタワー12で外気と熱交換させて加熱するシステムである。
ヒートポンプ11は、凝縮器13、蒸発器14、圧縮機15、及び膨張弁16を備えている。ヒートポンプ11の凝縮器13側には温水の循環路17が形成され、温水の循環路17に温水循環ポンプ18が設けられている。
ヒートポンプ11の蒸発器14側とヒーティングタワー12との間には、不凍液であるブラインの循環路19が形成されており、ブラインの循環路19には、循環ポンプ20と膨張タンク21が取り付けられている。また、ヒーティングタワー12への入口近傍のブラインの循環路19には、第1切替弁22が取り付けられている。なお、図1は、第1切替弁22が開放されている状態を示している。ヒーティングタワー12からの出口近傍のブラインの循環路19には、温度センサ23が取り付けられており、この温度センサ23によってヒーティングタワー12から流出するブラインの出口温度が計測される。
ヒーティングタワー12には、デフロスト運転を行うためのデフロスト設備24が設けられている。デフロスト設備24には、デフロスト循環路25が形成されており、デフロスト循環路25には、ヒータ26、循環ポンプ27、及び第2切替弁28、が設けられている。なお、図1は、第2切替弁28が閉鎖されている状態を示している。
熱源システム10には、コントローラ30が設けられている。コントローラ30には、ヒーティングタワー12のファン31の回転数を制御するインバータ32と、屋外に設置される外気温度センサ33及び外気湿度センサ34と、前記温度センサ23とが接続されている。
コントローラ30は、熱源システム10における制御装置として機能し、熱源システム10全体の動力を最小化する制御やデフロスト運転の時間を最適化する制御などを実行する。
(熱源システム10全体の動力を最小化する制御)
次に、図2〜図5を参照して、本発明の実施の形態に係る熱源システム10全体の動力を最小化する制御の方法について説明する。ここで、図2は、ヒーティングタワーの異なるブライン出口設定温度に対して、ヒートポンプとヒーティングタワーの合計消費電力を試算した結果を示す図、図3は、様々な外気乾球温度とブライン出口設定温度とに対してヒートポンプ11とヒーティングタワー12の合計消費電力を求めた結果を示す図、図4は、本発明の実施の形態に係る熱源システムの制御方法において、ヒートポンプとヒーティングタワーの合計消費電力が最小となる外気乾球温度とブライン出口設定温度との関係性を示す図、図5は、本発明の実施の形態に係る熱源システムの制御方法において、ヒートポンプとヒーティングタワーの合計消費電力が最小となる外気乾球温度とブライン出口設定温度との関係性をヒートポンプの負荷率別に示す図である。
次に、図2〜図5を参照して、本発明の実施の形態に係る熱源システム10全体の動力を最小化する制御の方法について説明する。ここで、図2は、ヒーティングタワーの異なるブライン出口設定温度に対して、ヒートポンプとヒーティングタワーの合計消費電力を試算した結果を示す図、図3は、様々な外気乾球温度とブライン出口設定温度とに対してヒートポンプ11とヒーティングタワー12の合計消費電力を求めた結果を示す図、図4は、本発明の実施の形態に係る熱源システムの制御方法において、ヒートポンプとヒーティングタワーの合計消費電力が最小となる外気乾球温度とブライン出口設定温度との関係性を示す図、図5は、本発明の実施の形態に係る熱源システムの制御方法において、ヒートポンプとヒーティングタワーの合計消費電力が最小となる外気乾球温度とブライン出口設定温度との関係性をヒートポンプの負荷率別に示す図である。
従来制御では、ヒーティングタワー12のファン31を最大周波数にして、できる限りブラインの温度を上げるように制御していたため、ヒーティングタワー12のブライン出口温度は成り行きとなっていた。
そこで、以下の試算条件に基づき、ブライン出口設定温度を変更した時のヒートポンプ11とヒーティングタワー12の合計消費電力をエネルギーシミュレーションによって求めた。
[試算条件]
1.機器仕様(外気乾球温度 0℃の時)
(1)ヒートポンプ
・加熱能力:1,445kW
・定格消費電力:511.8kW
・温水出口温度:48℃
・温水入口温度:41.2℃
・ブライン入口温度:−7.6℃
・ブライン出口温度:−10.4
(2)ヒーティングタワー
・定格消費電力:11kW ×12台
・ブライン出口温度:−8.5℃
・ブライン入口温度:−11.0℃
2.ヒートポンプの負荷率:100%
3.外気乾球温度:10℃(中間期の3月、11月頃を想定)
1.機器仕様(外気乾球温度 0℃の時)
(1)ヒートポンプ
・加熱能力:1,445kW
・定格消費電力:511.8kW
・温水出口温度:48℃
・温水入口温度:41.2℃
・ブライン入口温度:−7.6℃
・ブライン出口温度:−10.4
(2)ヒーティングタワー
・定格消費電力:11kW ×12台
・ブライン出口温度:−8.5℃
・ブライン入口温度:−11.0℃
2.ヒートポンプの負荷率:100%
3.外気乾球温度:10℃(中間期の3月、11月頃を想定)
上記試算条件に基づくエネルギーシミュレーションの結果、図2に示すように、前記従来制御では、ブライン出口温度が約5.2℃となり、ヒートポンプ11とヒーティングタワー12の合計消費電力は460kWとなった。また、 ヒーティングタワー12のファン31の動力とヒートポンプ11の消費電力にはブライン設定温度によるトレードオフの関係があり、ブライン設定温度が3℃の時にヒートポンプ11とヒーティングタワー12の合計消費電力が最小となることが分かった。
したがって、前記従来制御のようにヒーティングタワー12のファン31を常に最大周波数で運転するのではなく、ヒーティングタワー12の最適なブライン出口設定温度で制御することによって、エネルギー削減効果を得ることができることが分かった。
そこで、上記試算条件と同じ条件で、外気乾球温度及びブライン出口設定温度を変えてヒートポンプ11とヒーティングタワー12の合計消費電力をエネルギーシミュレーションによって求めた。その結果、図3に示すように、各外気乾球温度においてヒートポンプ11とヒーティングタワー12の合計消費電力が最小となるブライン出口設定温度は、外気乾球温度が高いほど高くなる傾向が見られた。なお、図3において、各外気乾球温度における最小の消費電力を矩形太枠で囲って示している。
図4は、上記エネルギーシミュレーションの結果により得られたヒートポンプ11とヒーティングタワー12の合計消費電力が最小となる外気乾球温度とブライン出口設定温度との関係性を示している。なお、図4では、上記エネルギーシミュレーションに使用したヒートポンプ11のブライン温度の受入れ上下限値が−10℃から+15℃であったため、最適なブライン温度幅は余裕を見て、−9℃から14℃とした。
図4によれば、ヒートポンプ11とヒーティングタワー12の合計消費電力が最小となる外気乾球温度とブライン出口設定温度との関係性は、
y=1.207X−8.442
の一次式の形で表されることが分かった。
y=1.207X−8.442
の一次式の形で表されることが分かった。
図5は、ヒートポンプ11の負荷率を30%から100%の間で変化させて実施したエネルギーシミュレーションによって得られた、ヒートポンプ11とヒーティングタワー12の合計消費電力が最小となる外気乾球温度とブライン出口設定温度との関係性を示す図である。図5によれば、負荷率が小さいほど、同じ外気乾球温度に対する最適なブライン出口設定温度は高くなるが、いずれの負荷率においても、最適なブライン出口設定温度は外気乾球温度の一次式で表されることが分かった。
これにより、最適なブライン出口設定温度は、次式(1)の一次式で表され、このブライン出口設定温度になるようにヒーティングタワー12のファン31をインバータ制御することにより、ヒートポンプ11とヒーティングタワー12の合計消費電力を最小にすることができることを見いだした。
[式(1)]
TB1=aTDB+b
TB1:ブライン出口設定温度
TDB:外気乾球温度
a,b:定数
TB1=aTDB+b
TB1:ブライン出口設定温度
TDB:外気乾球温度
a,b:定数
なお、上式(1)内の定数a,b は、ヒートポンプ11の負荷率や熱源システム10の構成(ヒートポンプ11の種類や数)によって変わるため、ヒートポンプ11の負荷率や熱源システム10が異なる場合には、それぞれの定数a,bを求める。
(デフロスト運転の時間を最適化する制御)
次に、図6及び図7を参照して、本発明の実施の形態に係る熱源システム10のデフロスト運転の時間を最適化する制御の方法について説明する。ここで、図6は本発明の実施の形態に係る熱源システムにおけるデフロスト運転例を示す模式図、図7は、本発明の実施の形態に係る熱源システムにおけるデフロスト運転の有無と外気露点温度及びブライン出口温度との関係性を示す図である。
次に、図6及び図7を参照して、本発明の実施の形態に係る熱源システム10のデフロスト運転の時間を最適化する制御の方法について説明する。ここで、図6は本発明の実施の形態に係る熱源システムにおけるデフロスト運転例を示す模式図、図7は、本発明の実施の形態に係る熱源システムにおけるデフロスト運転の有無と外気露点温度及びブライン出口温度との関係性を示す図である。
一般的に、本発明の実施の形態に係る熱源システム10のような熱源システムでは、外気条件によってヒーティングタワー12の熱交換部に霜が付着して外気の流れが阻害されることで熱交換量が減少すると、デフロスト(除霜)運転が必要になる。そして、ヒーティングタワー12の熱交換部に霜が付着すると、熱交換部における差圧が大きくなるため、計測した差圧が予め設定した閾値を超えた時に、デフロスト運転を開始するようになっている。
図6は、4台のヒーティングタワー12が並列に配置されている本発明の実施の形態に係る熱源システム10において、最も右側の1台のヒーティングタワー12のみがデフロスト運転している例を示している。したがって、最も右側の1台のヒーティングタワー12では、第1切替弁22が閉鎖され、第2切替弁28が開放されているが、他の3台のヒーティングタワー12では、第1切替弁22が開放され、第2切替弁28が閉鎖されている。この運転例では、計測した差圧に基づきデフロスト運転が必要であると判断されると、それぞれのヒーティングタワー12で7分ずつ順番に第1切替弁22及び第2切替弁28が切り替えられてデフロスト運転が行われ、合計28分(7分×4台)でデフロスト運転が完了する。
このように4台中1台のヒーティングタワー12がデフロスト運転を行っていると、残りの3台のヒーティングタワー12でヒートポンプ11へ送るブラインの温度を上げなければならないため、デフロスト運転が行われていない時に比べてヒートポンプの効率が低下して消費電力が大きくなる。さらに、デフロスト運転時にはデフロスト用のヒータ26と循環ポンプ27を使用するため、ヒーティングタワー12も余分な電力を消費する。
ヒーティングタワー12のファン31を最大周波数で運転してブライン出口温度をできる限り高くする従来制御と比較して、本発明の実施の形態に係る熱源システム10の制御では、ヒーティングタワー12のブライン出口設定温度を、上式(1)の一次式で表されるブライン出口設定温度となるようにヒーティングタワー12のファン31をインバータ制御するため、ブライン出口温度が低くなる。そのため、着霜する頻度が増えて、ヒーティングタワー12のデフロスト運転の時間が長くなる分、消費電力が増加する可能性がある。
そこで、ヒーティングタワー12のデフロスト運転の時間をできるだけ短くするため、本発明の実施の形態に係る熱源システム10において、デフロスト運転の有無と、その時の外気条件やシステムの運用状況を調査分析した。その結果、図7に示すように、外気露点温度とブライン出口温度とによって、ヒーティングタワー12のデフロスト運転の有無を判別できることが分かった。
図7は、本発明の実施の形態に係る熱源システム10におけるデフロスト運転の有無と外気露点温度及びブライン出口温度との関係性を示しており、1時間のうち1分でもいずれかのヒーティングタワー12がデフロスト運転をしている場合はデフロスト運転(図中の黒丸)とし、デフロスト運転をまったく行っていない時間は通常運転(図中の白丸)とした。図7によれば、外気露点温度が0℃未満の場合には、ヒーティングタワー12のブライン出口温度が外気露点温度より低くなるとデフロスト運転となり、外気露点温度が0℃以上の場合には、ブライン出口温度が0℃以下でデフロスト運転となる傾向が見られた(図7中の補助線Lより下方部分)。これにより、デフロスト運転の有無と外気露点温度及びブライン出口温度との関係性は、次式(2)で表されることを見いだした。
[式(2)]
TB2=TDP+c (TDP<0)
TB2=c (TDP≧0)
TB2:ブライン出口設定温度
TDP:外気露点温度
c:任意の定数(具体的な設定例として、c=1)
なお、上式(2)内の定数cは安全側になるように追加している。
TB2=TDP+c (TDP<0)
TB2=c (TDP≧0)
TB2:ブライン出口設定温度
TDP:外気露点温度
c:任意の定数(具体的な設定例として、c=1)
なお、上式(2)内の定数cは安全側になるように追加している。
そして、ヒーティングタワー12のブライン出口設定温度が上式(2)で表される外気露点温度以上となるようにヒーティングタワー12を運転することにより、デフロスト運転の時間を前記従来制御と同等にすることができることが分かった。
(本発明の最適な制御方法)
上記したように、ヒーティングタワー12のブライン出口温度設定温度を、上式(1)のように外気乾球温度の一次式で表される設定値にすることで、ヒーティングタワー12とヒートポンプ11の合計の消費電力を最小にすることができる。
上記したように、ヒーティングタワー12のブライン出口温度設定温度を、上式(1)のように外気乾球温度の一次式で表される設定値にすることで、ヒーティングタワー12とヒートポンプ11の合計の消費電力を最小にすることができる。
一方、ヒーティングタワー12のブライン出口温度設定温度を上式(1)で求めた設定値にすると、デフロスト運転の頻度が増加することから、デフロスト運転を前記従来制御と同程度に抑えるために、ブライン出口温度設定値を上式(2)で表される外気露点温度以上にする制御を加えることで、デフロスト運転の時間を削減できることが分かった。
すなわち、本発明の最適な制御方法は、ヒーティングタワー12のブライン出口温度設定温度を、上式(1)と(2)の制御を加えた次式(3)で表される設定値で制御することであることを見いだした。
[式(3)]
TB3=max(TB1,TB2)
TB3:ブライン出口設定温度
TB3=max(TB1,TB2)
TB3:ブライン出口設定温度
なお、実際に本発明の上記制御を導入する際には、ヒートポンプ11のブラインの出入口温度条件に合わせて上下限値を設けるのが良い。例えば、上限値、下限値がそれぞれ、15℃、−10℃の場合には、上式(3)によって求められた設定温度が15℃を超える時は15℃とし、−10℃未満の時は−10℃とする。
(効果)
上記した熱源システム10の制御方法及び制御装置を実際のシステムに導入した場合に、ヒーティングタワー12のファン31を最大周波数で運転してブライン出口温度をできる限り高くする前記従来制御と比較して、本発明の実施の形態に係る熱源システム10の制御がどの程度の効果があるかについて、以下の試算条件に基づき、試算した。
上記した熱源システム10の制御方法及び制御装置を実際のシステムに導入した場合に、ヒーティングタワー12のファン31を最大周波数で運転してブライン出口温度をできる限り高くする前記従来制御と比較して、本発明の実施の形態に係る熱源システム10の制御がどの程度の効果があるかについて、以下の試算条件に基づき、試算した。
[試算条件]
1.機器仕様
(1)ヒートポンプ
・加熱能力:3,517kW
・定格消費電力:1,087kW
ヒートポンプ
・加熱能力:2,890kW
・定格消費電力:1023.6kW
ヒートポンプ
・加熱能力:1,445kW
・定格消費電力:511.8kW
ヒートポンプ
・加熱能力:1,445kW
・定格消費電力:511.8kW
(2)ヒーティングタワー
・定格消費電力:11kW ×26台
2.外気条件
・負荷条件:11月〜3月の5か月間(3,624h)の実測データを使用
1.機器仕様
(1)ヒートポンプ
・加熱能力:3,517kW
・定格消費電力:1,087kW
ヒートポンプ
・加熱能力:2,890kW
・定格消費電力:1023.6kW
ヒートポンプ
・加熱能力:1,445kW
・定格消費電力:511.8kW
ヒートポンプ
・加熱能力:1,445kW
・定格消費電力:511.8kW
(2)ヒーティングタワー
・定格消費電力:11kW ×26台
2.外気条件
・負荷条件:11月〜3月の5か月間(3,624h)の実測データを使用
図8は、本発明の実施の形態に係る熱源システム10におけるヒートポンプ11とヒーティングタワー12の合計消費電力量の試算結果を、前記従来制御におけるヒートポンプ11とヒーティングタワー12の合計消費電力量と比較して示している。なお、図8中、本発明の制御(1)は、上式(1)で求められるブライン出口設定温度を設定値として熱源システム10を制御するケースであり、本発明の制御(3)は、上式(3)で求められるブライン出口設定温度を設定値として熱源システム10を制御するケースである。
この時、従来制御、本発明の制御(1)、本発明の制御(3)の3つのケースのデフロスト運転の予想時間を、ブライン出口設定温度の計算値が上式(2)の条件を下回る時間として求めた結果、従来制御の場合が217h、本発明の制御(1)の場合が457h、本発明の制御(3)の場合が214hとなった。そこで、このデフロスト運転の予想時間を基に、上記した3つのケースについて、デフロストに要する消費電力量を求め、図8中に、デフロスト運転による増加分(図8中のハッチング部分)として示した。
図8によれば、デフロスト運転に伴う消費電力量を考慮しない場合、本発明の制御(1)に比べて本発明の制御(3)の方が、消費電力量が大きくなり、従来制御に対する電力消費量の削減率は、本発明の制御(1)のケースで9.2%、本発明の制御(3)のケースで7.7%であった。
一方、デフロスト運転に伴う消費電力量を考慮した場合、本発明の制御(1)に比べて本発明の制御(3)の方が、消費電力量が小さくなり、従来制御に対する電力消費量の削減率は、本発明の制御(1)のケースで6.3%、本発明の制御(3)のケースで7.6%であった。これにより、本発明の制御(3)のケースにおいて、ブライン出口温度を最適に制御できることが確認された。
上記したように本発明の実施の形態に係る熱源システム10の制御方法及び制御装置によれば、ヒーティングタワー12の動力とヒートポンプ11の動力のトレードオフの関係を考慮した制御を行うことで、熱源システム10の運用を効率化する最適制御方法を提供することができ、従来制御に比べて大幅に消費電力を抑えることができる。
なお、上記した本発明の実施の形態の説明は、本発明に係る熱源システム10の制御方法及び制御装置における好適な実施の形態を説明しているため、技術的に好ましい種々の限定を付している場合もあるが、本発明の技術範囲は、特に本発明を限定する記載がない限り、これらの態様に限定されるものではない。
10 熱源システム
11 ヒートポンプ
12 ヒーティングタワー
31 ファン
11 ヒートポンプ
12 ヒーティングタワー
31 ファン
Claims (6)
- ヒートポンプとヒーティングタワーとの間にブラインを循環させ、該ヒートポンプで冷却されたブラインを該ヒーティングタワーで外気と熱交換させて加熱する熱源システムを最適に制御するための制御方法において、
前記ヒーティングタワーのブライン出口温度が外気乾球温度の一次式で表される設定値となるように、該ヒーティングタワーのファンをインバータ制御することを特徴とする熱源システムの制御方法。 - 外気露点温度が0℃未満の時は前記ブライン出口温度が該外気露点温度を超え、該外気露点温度が0℃以上の時は該ブライン出口温度が0℃を超えるように、前記ヒーティングタワーのファンをインバータ制御することを特徴とする請求項1に記載の熱源システムの制御方法。
- 前記一次式は、前記ブライン出口温度をTB1、外気乾球温度をTDB、a及びbを定数とした場合に、TB1=a×TDB+bで表されることを特徴とする請求項1又は2に記載の熱源システムの制御方法。
- ヒートポンプとヒーティングタワーとの間にブラインを循環させ、該ヒートポンプで冷却されたブラインを該ヒーティングタワーで外気と熱交換させて加熱する熱源システムを最適に制御するための制御装置において、
前記ヒーティングタワーのブライン出口温度が外気乾球温度の一次式で表される設定値となるように、該ヒーティングタワーのファンをインバータ制御することを特徴とする熱源システムの制御装置。 - 外気露点温度が0℃未満の時は前記ブライン出口温度が該外気露点温度を超え、該外気露点温度が0℃以上の時は該ブライン出口温度が0℃を超えるように、前記ヒーティングタワーのファンをインバータ制御することを特徴とする請求項4に記載の熱源システムの制御装置。
- 前記一次式は、前記ブライン出口温度をTB1、外気乾球温度をTDB、a及びbを定数とした場合に、TB1=a×TDB+bで表されることを特徴とする請求項4又は5に記載の熱源システムの制御装置。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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Publications (2)
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