JP6970792B2 - 積層セラミックコンデンサおよびその製造方法 - Google Patents
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Description
まず、積層セラミックコンデンサについて説明する。図1は、積層セラミックコンデンサ100の部分断面斜視図である。図1で例示するように、積層セラミックコンデンサ100は、直方体形状を有する積層チップ10と、積層チップ10のいずれかの対向する両端面に設けられた外部電極20,30とを備える。
(Ni_Kα)のカウント数=I(Ni)
(Ba_Lα)のカウント数=I(Ba)
(Ti_Kα)のカウント数=I(Ti)
としたとき、Ni濃度={I(Ni)/k(Ni)}/{I(Ba)/k(Ba)+I(Ti)/k(Ti)}とする。なお、k(Ni)、k(Ba)、k(Ti)は規格化のための感度因子である。
まず、図5で例示するように、誘電体層11を形成するための原料粉末を用意する。誘電体層11に含まれるBaおよびTiは、通常はBaTiO3の粒子の焼結体の形で誘電体層11に含まれる。BaTiO3は、ペロブスカイト構造を有する正方晶化合物であって、高い誘電率を示す。このBaTiO3は、一般的に、二酸化チタンなどのチタン原料と炭酸バリウムなどのバリウム原料とを反応させてチタン酸バリウムを合成することで得ることができる。BaTiO3の合成方法としては、従来種々の方法が知られており、例えば固相法、ゾルゲル法、水熱法等が知られている。本実施形態においては、これらのいずれも採用することができる。
次に、得られたセラミック粉末に、ポリビニルブチラール(PVB)樹脂等のバインダと、エタノール、トルエン等の有機溶剤と、フタル酸ジオクチル(DOP)等の可塑剤とを加えて湿式混合する。得られたスラリーを使用して、例えばダイコータ法やドクターブレード法により、基材上に例えば厚み0.8μm以下の帯状の誘電体グリーンシートを塗工して乾燥させる。
このようにして得られた積層チップ10の成型体を、250〜500℃のN2雰囲気中で脱バインダ処理した後に、還元雰囲気(酸素分圧10−5Pa〜10−7Pa)中で1100〜1300℃で10分〜2時間焼成することで、誘電体グリーンシートを構成する各化合物が焼結して粒成長する。このようにして、内部に焼結体からなる誘電体層11と内部電極層12とが交互に積層されてなる積層チップ10と、積層方向上下の最外層として形成されるカバー層13とを有する積層セラミックコンデンサ100が得られる。
その後、内部電極層12中のNiを誘電体層11に拡散させるための熱処理として、2次焼成を行う。1次焼成温度よりも50℃〜100℃低い1000℃〜1200℃、酸素分圧10−3Pa〜10−6Paで2時間から4時間程度熱処理する。このように、1次焼成よりも高い酸素分圧で焼成することにより、Niの酸化が促進されて誘電体層11内に十分に拡散する。一方で、温度は1次焼成よりも低いため、誘電体層11における粒成長が抑制される。それにより、誘電体層11が、積層方向において均一のNi濃度を有するようになる。
その後、再酸化焼成として600℃〜1000℃で酸素分圧10−2Pa〜10Paで1時間程度の3次焼成(再酸化処理)を行なう。3次焼成工程では、酸素分圧が高いのでNiが酸化されるが、焼成温度域は2次焼成工程より低いため、誘電体層11内のNi濃度は変動しない。
上記実施形態に係る製造方法に従って、積層セラミックコンデンサ100を作製した。表1は、実施例1〜6に共通する構成を示す。なお、外部電極20,30は、積層チップ10の両端部にそれぞれ形成されており、Cu部(厚み22μm)と前記Cu部上にメッキで形成されたNi部(厚み2μ)と前記Ni部上にメッキで形成されたSn部(厚み6μm)の構造を有する。なお、イオンミリング法により積層セラミックコンデンサ100の中央部3を図2で例示した断面が露出するように切削し、その断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で撮影した写真に基づいて、誘電体層11および内部電極層12の厚み、すなわち積層方向の寸法を測定した。SEM写真の視野角が10〜30μm四方となるように撮影し、3μmおきに複数箇所の誘電体層11および内部電極層12の厚みを測定して、それらの平均値を誘電体層11および内部電極層12の厚みとした。異なる5視野からそれぞれ20箇所の測定をして100データを得て、平均値をそれぞれの厚みとした。
図6に、Ni濃度の均一・不均一を示す。図6に示すように、実施例1〜6については、積層セラミックコンデンサ100の積層方向における全体の誘電体層11のNi濃度が均一であった。比較例1〜3では、積層セラミックコンデンサ100の積層方向における誘電体層のNi濃度が均一とはならなかった。図6において、‘均一箇所数’欄に記載した数は、異なる5か所の誘電体層11を測定した中で均一と判定された箇所の数である。‘ズレが最も高い領域’欄に記載したのは、測定した中でNi濃度が平均値から最も大きく離れた測定領域の位置を図3にしたがって表したものである。なお、実施例6においては、Ni濃度が均一となったものについて記載した。‘平均値からのズレの割合’欄に記載したのは、測定した中でNi濃度が平均値から最も大きく離れたときのズレの割合である。なお、実施例1〜6においては、Ni濃度が均一となったものの中でNi濃度が平均値から最も大きく離れたときのズレの割合を記載した。
2 端部
3 中央部
10 積層チップ
11 誘電体層
12 内部電極層
13 カバー層
20,30 外部電極
100 積層セラミックコンデンサ
Claims (9)
- 1対の外部電極と、
卑金属を含み、前記外部電極の一方に接続された第1内部電極と、
前記第1内部電極上に積層され、セラミック材料と前記卑金属とを含む誘電体層と、
前記誘電体層上に積層され、前記卑金属を含み、前記外部電極の他方に接続された第2内部電極と、を備え、
前記第1内部電極と前記第2内部電極との間の前記積層の方向において、前記誘電体層の前記第1内部電極から50nm離れた位置から前記誘電体層の前記第2内部電極から50nm離れた位置までを積層方向に5つの領域に等分し、前記5つの各領域における前記卑金属のそれぞれの濃度が、前記5つの領域の前記卑金属の平均濃度の±20%以内であり、
前記誘電体層の前記第1内部電極から50nm離れた位置から前記誘電体層の前記第2内部電極から50nm離れた位置までの範囲に、前記セラミック材料の結晶粒と、前記結晶粒の結晶粒界とが含まれ、
前記5つの領域の幅は、前記誘電体層の厚みの1倍〜1.5倍であることを特徴とする積層セラミックコンデンサ。 - 前記5つの各領域における前記卑金属のそれぞれの濃度が、前記5つの領域の前記卑金属の平均濃度の±10%以内であることを特徴とする請求項1記載の積層セラミックコンデンサ。
- 前記5つの各領域における前記卑金属のそれぞれの濃度が、前記5つの領域の前記卑金属の平均濃度の±5%以内であることを特徴とする請求項1記載の積層セラミックコンデンサ。
- 前記誘電体層において、前記セラミック材料の少なくともいずれかの結晶粒における前記卑金属の濃度が、当該結晶粒に隣接する結晶粒界の前記卑金属の濃度の±20%以内に入ることを特徴とする請求項1〜3のいずれ一項に記載の積層セラミックコンデンサ。
- 前記セラミック材料は、BaTiO3であり、
前記卑金属は、Niであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の積層セラミックコンデンサ。 - 複数の誘電体層が内部電極を介して積層され、
前記複数の誘電体層のうち、80%以上が前記誘電体層であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の積層セラミックコンデンサ。 - 前記卑金属は、Niであり、
前記5つの領域のすべての領域に、Niが含まれていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の積層セラミックコンデンサ。 - 前記誘電体層における前記卑金属の濃度は、0.015から0.045であることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の積層セラミックコンデンサ。
- 平均粒子径が50nm〜150nmのセラミック粉末を含む誘電体グリーンシートに、卑金属の金属導電ペーストを配置し、その後に複数の前記誘電体グリーンシートを積層し、
酸素分圧10 −5 Pa〜10 −7 Paの雰囲気で1100〜1300℃で10分〜2時間焼成する1次焼成工程を行ない、
前記1次焼成工程後に、1000℃〜1200℃、酸素分圧10 −3 Pa〜10 −6 Paの雰囲気で2時間から4時間の2次焼成工程を行ない、
前記2次焼成工程後に、600℃〜1000℃で酸素分圧10 −2 Pa〜10Paの雰囲気で3次焼成工程を行なう、ことを特徴とする積層セラミックコンデンサの製造方法。
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