JP6970112B2 - 概観画像をセグメント化することにより分散オブジェクトを検査するための方法 - Google Patents

概観画像をセグメント化することにより分散オブジェクトを検査するための方法 Download PDF

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Description

本発明は、領域に統計的に分散されるオブジェクトを検査するための方法に関するものである。
生体サンプルの検査において、個々の細胞の特性を研究することは本質的である。そのようなサンプルは、典型的に、基材上の細胞の統計的分布を含む。細胞を検査することができる前に、最初に、細胞を基材上に配置する必要がある。
これまで、細胞は視覚的に局所化されてきており、ラマン分光法などの単一の細胞の局所的な検査が手作業で始められてきた。これは非常に時間がかかり、少数の細胞のみが検査できるという事実を引き起こした。多くの細胞が検査されればされる程、結果のより良い統計的性質が得られることになる。
(R. Ali, M. Gooding, T. Szilgyi, B. Vojnovic, M. Christlieb, M. Brady,「明視野顕微鏡画像からの接着細胞の境界と核の自動セグメント化"Automatic segmentation of adherent biological cell boundaries and nuclei from brightfield microscopy images"」, Machine Vision and Applications 23 (4 ), 607-621, doi: 10.1007 / s00138-011-0337-9 (2011))、(F. Buggenthin, C. Marr, M. Schwarzfischer, P. S. Hoppe, O. Hilsenbeck, T. Schroeder, F. J. Theis,「ハイスループット顕微鏡からの明視野画像におけるロバストな高速の細胞撮像のための自動化方法"An automatic method for robust and fast cell imaging in bright field images from high-throughput microscopy"」, BMC Bioinformatics 14, 297-308 (2013)) 、及び、(C. Zhang, J. Yarkony, FA Hamprecht,「相関クラスタリングを用いる細胞の検出とセグメント化、医療画像計算とコンピューター支援の介入"Cell Detection and Segmentation Using Correlation Clustering, Medical Image Computing and Computer Assisted Intervention" - MICCAI 2014, Lecutre Notes in Computer Science 8673, 9-16 (2014) )から、基材上の細胞の局所化のための様々なアプローチが知られている。
本発明の目的は、前述のアプローチをさらに発展させるためであり、それにより、複数の分散されるオブジェクトの検査を向上することである。この目的は、独立請求項の発明による方法により、及び、従属請求項によるコンピュータプログラムプロダクトにより、達成される。さらなる有利な実施形態は、従属請求項から明らかであろう。
本発明の範囲内で、オブジェクトが分散される領域の概観画像を用いて、複数の分散オブジェクトを検査するための方法が開発されてきている。
領域は、例えば、その上にオブジェクトを当てられる材の上に配置することができる。オブジェクトは、例えば、生体細胞、特に、真核細胞とすることができ、生体細胞は、例えば、溶液の中の、又は、溶媒の中の浮遊として、材に当てられる。そのようにすることにおいて、細胞は、材に付着することができ、すなわち、材に結合することができ、又は、材からの分離群のままでいることができ、分離群は、弱い物理的力によってのみ、基材の上に適所に保たれる。選択的に、細胞を材に接着する方法は、また、材にコーティングを施すことにより、調整することができる。例えば、ポリ-L-リシン又はポリ-D-リシンのコーティングは、細胞に材を接着させないようにすることができ、及び/又は、細胞を材に接着させないけれども、細胞に材上の特定の位置にとどまらせることができる。
他方、オブジェクトは、必ずしも、生体的性質を有するわけではない。オブジェクトは、例えば、フィルタで収集したちり粒子、又は、例えば、接着フィルムとすることもできる。
概観画像は、有利なことに、オブジェクトが分散される全領域が、並行して、撮像され表示される、画像である。特に、概観画像は、領域の顕微鏡の明視野画像とすることができる。そのような画像は、直ちに使用でき、撮像は、オブジェクト自体、又は、領域内のその位置に影響しない。原則として、しかしながら、概観画像は、例えば、蛍光顕微鏡検査法又は走査プローブ顕微鏡検査法による任意の他の方法によっても得ることができる。動作パラメータは、次いで、オブジェクトが、本質的に変化しないままで、領域内のその位置が変化しないように、当然選択される。
特に、概観画像は、各ピクセルが正確に1つの強度値を割り当てられるグレースケール画像とすることができる。概観画像は、しかしながら、例えば、カラー画像ともすることができる。カラー画像は、多数のチャンネルの集合として理解することができ、各チャンネルにおいて、グレースケール画像に類似して、特有の性質がピクセルからピクセルへ変化する。例えば、カラー画像は、RGBカラー画像の赤、緑及び青、又は、CMYKカラー画像のシアン、マゼンタ、イエロー及びブラック、などのベースカラーに各々が関連する複数の副画像のオーバレイとすることができる。HSV色空間に3つの副画像があり、3つの副画像は、グレースケール画像に類似して、色相、彩度及び明度の3つの特性の空間分布を表す。さらなる検査のために、これらの副画像の内の単一の副画像は、又は、いくつか若しくは全ての副画像のグレースケール画像への計算は、各ケースにおいて、今や、用いることができる。一般性を失うことなく、以下、グレースケール画像であると仮定する。
オブジェクトは、任意の集中度の領域に分散することができる。意味をなす集中度は、特定のアプリケーションに依存する。生体細胞における可能な病理学的変化の検査において、例えば、細胞を個々に検査することは重要である。細胞の集中度は、領域の少なくとも細胞の大部分が、互いに、なお明確に区別できるほどに大きいだけである場合、意味をなす。他方、例えば、アスベストをサーチするために、チリ粒子を検査する場合、粒子の集合が生じる場合、重要性はより少ない。
特に、オブジェクトの分布は、統計的になり得る。しかしながら、分布は自己組織化することもでき、例えば、すなわち、前に材の上に応じて組み立てられた材の上の規定の位置に、例えば、全体的に又は部分的に、オブジェクトを配置することもできる。
本発明により、前記概観画像のピクセルの強度値を、該強度値が所定の閾値を超えない側にあるか、又は、所定の閾値を超える側にあるかどうか、に関して、分類することにより、前記概観画像を二値画像に最初に変換する。二値画像は、したがって、ピクセルが属する2つのクラス「超えない側」又は「超える側」のどちらかに依存して、2つの可能な各値0又は1を各ピクセルに割り当てる。例えば、一般性を制限することなく、「超えない側」は「閾値以下である」を意味することができ、値0を割り当てることができ、「超える側」は「閾値より大きい」を意味することができ、値1を割り当てることができる。
二値画像は、オブジェクトがどこにあるかについて、最初の手掛かりである。例えば、オブジェクトの輪郭、及び、したがって、例えば、関連する中心を決定するために、二値画像は十分ではない。したがって、2つのクラスのみへの離散化により、二値画像から直接とられる輪郭は、通常、ギャップを有する。これらのギャップは、「閉じる」と呼ばれる、形態的に閉じる数学的動作で閉じる。これにより、二値オブジェクトマスクを創生し、該二値オブジェクトマスクは、前記概観画像に描かれた前記領域のどの位置がオブジェクトに属するかを示し、前記領域のどの位置がどのオブジェクトにも属していないかを示すが、代わりに、空の材の表面を割り当てることができる。
しかしながら、実際の概観画像は、通常、例えば、ノイズに基づくエラー又はアーチファクトがなくならない。そのようなエラー及びアーチファクトは、オブジェクトより小さい構造を創生する。形態的に閉じることをこれらの構造に適用する場合、それらは、求めるオブジェクトのサイズに匹敵するサイズに成長することができる。二値オブジェクトマスクのエラー及びアーチファクトは、もはや、実際のオブジェクトから区別することができない。
これを避けるために、本発明により、二値画像は、オブジェクトより小さい構造をクリーンアップし、それ故に、クリーンアップ画像となる。このクリーンアップ画像のみが、さらに処理されて二値オブジェクトマスクになる。したがって、二値画像の生成後に、これらのオブジェクトをエラー及びアーチファクトから区別するために、求めるオブジェクトは、少なくとも、どのサイズを有するかについての追加の情報を利用する。プロセスにおける現時点でのそのような追加の情報の考慮は、最も効果的であり、特に信頼できる区別を可能にする。結果として、得られた二値オブジェクトマスクは、概観画像においてマッピングされた領域のどの位置がオブジェクトに属するかの、特に信頼できるインジケーターである。
例えば、ラマンスペクトルをどの位置でとるかを決定するために、二値オブジェクトマスクを用いるときに、クリーニングは特に重要である。クリーンアップ前の擾乱及びアーチファクトの数は、通常、検査すべきオブジェクトの数より、多数である。これらの擾乱及びアーチファクトがオブジェクトとして誤って認識される場合、複数の関係のないラマンスペクトルが記録され得る。これは、不必要な時間がかかるだけでなく、スペクトルの統計的分析も複雑にし、この分析を不可能にさえする。
すでに二値オブジェクトマスクから、オブジェクトについての多くの情報を導くことができる。例えば、オブジェクトの正確なサイズ及び形状は、二値オブジェクトマスクから見ることができる。また、オブジェクトに属する位置(ピクセル)の割合から、領域内のオブジェクトの集中度は明らかになる。しかしながら、二値オブジェクトマスクは、さらなる検査が実施されるそれらの位置を決定するための、予備のプロダクトとしても、用いることができる。
所定の閾値を画定するために、発明者の実験において、3つの方法が、特に有益で信頼できることが見出された。全ての3つの方法は、概観画像のピクセルの強度値に対するヒストグラムの評価に基づく。これらの強度値は、例えば、8ビットの解像度で0から255の整数値、及び、16ビットの解像度で0から65535の整数値である、可能な特定の数値に、典型的に離散化される。
第1の方法により、前記閾値は、前記閾値より下の前記概観画像のピクセル(201a)の全ての強度値の第1の平均値m0と、前記閾値より上の前記概観画像のピクセルの全ての強度値の第2の平均値m1との間の中央にあるように、前記閾値を設定する。平均値m0及びm1は、次々に、閾値に依存するため、これは、閾値のための自己矛盾のない条件として、理解することができる。照明条件は、最終的に得られる二値オブジェクトマスクに対して、特に低いインパクトを有する点において、この方法概観画像としての顕微鏡の明視野画像のコンテキストにある。
例えば、閾値の全ての可能な離散値に対して、どのように良く自己矛盾のない条件を満たすかをテストすることにより、正しい閾値を決定することができる。その条件を最も良く満たす閾値を選択する。可能な強度値があるだけの数の閾値が可能であるため、これに必要な計算時間は、概観画像の強度値が、いかに細かく離散化されているかに依存する。強度値が、非常に細かく離散化されている場合、品質の評価基準として自己矛盾のない条件の達成を用いる最適化アルゴリズムは、全ての可能な値をテストするための代替としても用いることができる。
第2の方法により、前記強度値の数で重み付けられた、前記閾値より下の前記概観画像のピクセルの全ての強度値の第1の分散と、前記強度値の数で重み付けられた、前記閾値より上の前記概観画像のピクセルの全ての強度値の第2の分散との和を最小にするように、前記閾値を設定する。
Figure 0006970112
が、ピクセルの強度値がクラス0又は1に属し、閾値sに依存する確率であり、
Figure 0006970112
が、また、閾値sに依存し、これらのクラ内のピクセルの分散である場合、重み付きの和である
Figure 0006970112
の式で与えられる。
どの強度値が閾値より上か、又は、下かは、各ケースにおいて、再び、閾値に依存するため、この重み付きの和を最小にすることでさえ、自己矛盾のない条件である。この条件において、実験的に決定される概観画像の典型的な形状により動機付けをされる、以下の仮定は、概観画像において、一方のオブジェクトと他方のオブジェクトのない領域との間で最大のコントラストを確立することであり、一方、各々が別個にとられる、測定されるオブジェクトだけでなく、オブジェクトのない領域も、比較的、均質であることに対しては測定される。したがって、クラス間の分散を最小にすることは、概観画像のピクセルにより表される、概観画像の位置が、有用に、「オブジェクト」と「オブジェクトなし」の2つのクラスに分割されることの、もっともらしいインジケーターである。
一方では、前記閾値より下の前記強度値と、他方では、前記閾値より上の前記強度値との間のクラス間の分散を最大にするという事実に対して、大津(Otsu)の研究により、この条件は等しい。クラス間の分散
Figure 0006970112
の式で与えられる。ここで、第1の方法に類似して、m0(s)及びm1(s)は、再び、閾値sに依存するクラスの平均値である。クラス間の分散は、両方のクラス間の分散の和よりも少ない計算量で決定することができる。
第3の方法により、前記二値画像の少なくとも1つの統計学的モーメントが、前記概観画像の対応する統計学的モーメントに最大限に一致するように、前記閾値を設定する。例えば、この統計学的モーメントは平均又は分散とすることができる。第2の方法に類似して、この方法は、オブジェクトとオブジェクトのない領域との間で概観画像のコントラストは、本来、見えるべきであり、一方、オブジェクトのない領域だけでなく、オブジェクト自体も、それぞれ、相対的に均質であるべきである、という基本的仮定に基づく。最良の概観画像は、したがって、二値オブジェクトマスクとして直接、用いることができる、ほぼ二値画像であるべきである。実際の概観画像は、画像処理により、ぼやかされた(不鮮明にされた)この最良の二値概観画像であると考えられ、ぼやかしは、統計学的モーメントには影響がない。したがって、保存量として、統計学的モーメントを選択することにより、オブジェクトとオブジェクトのない領域との間の区別に対する情報内容は、変えられず、より明確にされるだけである。それ故に、第3の方法は、概観画像が低コントラストのみを有する場合、特に、有利である。
すべての3つの方法は組み合わせて用いることもでき、及び/又は、閾値用の決定値sは、二値画像に適用される1つの全体の値に、互いに対して、オフセットするために、用いることができる。
本発明の特に有利な実施形態において、背景の評価は、本質的にオブジェクトを除去する、強度をぼやかすことにより、前記概観画像から得られ、前記概観画像は、前記二値画像に変換する前に、前記背景の評価に対する差異により、置き換えられる。このように、最終的に得られた二値オブジェクトマスクへの一様でない照明の影響は、さらに抑制される。したがって、差異の画像が形成された後に、全てのさらなる動作は、次いで、もはや、元の概観画像からではなく、この差異の画像からのみ、進める。
代替的に、又は、組み合わせて、背景の評価は、オブジェクトのない第2の概観画像を記録することにより、得ることができる。前記背景の評価は、次いで、背景画像として利用できる。この背景画像の各ピクセルは、次いで、例えば、背景画像の最大強度に正規化することができる。前記概観画像は、次いで、正規化した背景の評価により、前記二値画像に変換する前に、点ごとに分割することができる。
本発明のさらに特に有利な実施形態において、前記二値オブジェクトマスクにおいて、隣接するオブジェクトの少なくとも1つの共通の境界は、第1のオブジェクトの第1の境界、及び、第2のオブジェクトの第2の境界に分割される。このように、たとえ、概観画像において画像化された領域のオブジェクトの集中度が非常に高いので、オブジェクトが塊になる場合でさえ、オブジェクトは、分離して認識し、調査することができる。このために、例えば、流域変換を用いることができ、流域変換は、二値オブジェクトマスクのピクセル値0及び1を高さの情報として解釈し、連続する「フラッディング」において、隣接するオブジェクト間の流域を詳しく述べる。
有利なことに、少なくとも1つのオブジェクトの中心点は、前記二値オブジェクトマスクから評価される。この点は、オブジェクトの多くの更なる検査のために、重要である。
本発明のさらに特に有利な実施形態において、前記二値オブジェクトマスクにより、オブジェクトが配置される領域の中の少なくとも1つの位置が、光ビームに照射され、照射に対する前記オブジェクトの応答が評価される。この場合、光ビームは、特に、レーザビームであってもよい。光ビームを用いての検査は、非侵襲性であり、用いる光ビームの回折限界に至るまで高空間解像度で実施することができる。必要であれば、回折限界は、近視野の光の使用により、避けることができる。
逆に、全体のオブジェクトが照明されるように、光ビームも広げることができる。ここで、オブジェクトの中心を光ビームの位置の中心として選択する場合は、特に、有利である。エッジ効果を防ぐために、光ビームの強度分布は、例えば、いくつかのモードを重ね合わせる(「モードスクランブリング」)ことにより、均質にすることができる。代替的に、又は、組み合わせて、オブジェクトを照明するビームプロファイルのその部分が、ほぼ、均質になるように、光ビームをさらに広げることができる。これは、次に、強度を犠牲にすることになる。
本発明のさらに特に有利な実施形態において、前記二値オブジェクトマスクにより、前記オブジェクトに対して前記光ビームでスキャンする。スキャニングは、レーザビームをオブジェクトに対して動かすことにより、オブジェクトをレーザビームに対して動かすことにより、又は、レーザビーム及びオブジェクトの両方を動かすことにより、実施することができる。
前記光ビームの空間強度分布を考慮して、スキャニングのタイミングプログラムは、全受光線量の空間分布が、前記オブジェクトに対して、均質化されるように、選択される。例えば、レーザビームは、第1近似において、ビームの断面を横切るガウス分布のビームプロファイルを有する。このビームがオブジェクトの中心にある場合、オブジェクトは、不均質な強度で照明される。オブジェクトが均質に構成されていないが、例えば、エッジにおいてより、中心において、異なる材料の組成を有する場合、オブジェクトにより受ける照明に対する応答において、この材料のコントラストは、不均質な照明の強度による、アーチファクトで重ね合わせられる。これは、核が細胞の残りの部分とは異なる材料から成るオブジェクトとしての、真核生体細胞において、特に、生じる。そのようなアーチファクトは、オブジェクトが受けた光線量を均質にするタイミングプログラムにより、有利に最小化される。
本発明の特に有利な実施形態において、前記オブジェクトの少なくとも1つのラマンスペクトルは、前記照射に対する前記応答から評価される。ラマン散乱において、光子は分子の上で非弾性的に散乱され、したがって、エネルギーは、光子と分子の励起状態との間で交換される。これらの励起状態は、各分子の特性であるため、ラマン散乱は、照明された領域の分子特有の「指紋」を提供する。ここで、がんにより引き起こされ得るものなどの、特に、生体サンプルの細胞において、病理学的変化を見せることができる。
ラマン分光法の二値オブジェクトマスクの抽出との組合せにより、生体サンプルの様々な細胞の上へのラマンスクリーニングを自動化することを可能にする。これまで、次の興味のある細胞において、次のラマンスペクトルが記録される前に、ラマンスペクトルが記録されなければならず、次いで、サンプルが励起レーザの焦点に対して手動で動かされねばならないことが、繰り返されるので、そのような検査は、わずかなサンプルの細胞にのみ、実施することができただけである。典型的に、そのような調査において、100個の細胞より、はるかに少なく検査されていた。概観画像において見ることができる全ての細胞を連続して検査することを実施できるようにさせることにより、検査は、100,000以上の細胞を実施することができる。
検査の結果は、ひいては、統計的に、もっと良く弾力的であり、検査は、低減したスタッフの数のため、より安価である。いくつかの検査は、このように増大したスループットで、可能でさえある。例えば、細胞が、統計的方法を用いて、異なるクラスに分割される場合、多くの細胞を検査することができればできるほど、分類はもっと信頼できるようになる。特に、統計的分類方法の信頼性は、方法の訓練段階において、いかに多くの細胞が検査されたかに、大きく依存する。例えば、細胞のタイプ、又は、健康な細胞か、もしくは、腫瘍の細胞かどうかにより、細胞を分類することができる。例えば、白血細胞のヘモグラムも作ることができる。
例えば、1,000個又は10,000個の細胞につき、1つの細胞でのみ生じる稀な変化を検出すべき場合、生体サンプルにおいて具体的な変化があるかどうかの信頼できる発表をするために、本発明により増大したスループットも必須である。
さらに、タンパク質の相対的含有量、核酸及び脂質、又は、細胞周期の現在の状態でさえ、などの他の情報を細胞から得ることができる。
同時に、1つの細胞から次の細胞への変化率は、人間の応答時間により制限されないため、迅速な臨床試験が可能である。本方法を実施するために配置される本発明による分析装置は、手作業による画像の検査又はパラメータの設定をせずに、完全に自動で作業し続けることができ、したがって、予備知識のないスタッフにより、臨床分野において、動作させることができる。細胞のみを適切なスライドの上に置かねばならず、スライドは装置へ運ばなければならない。
材としてのスライド自体は、以前の検査から変更する必要はない。例えば、スライドはガラス、石英又はCaF2から作ることができる。
もちろん、一旦、二値オブジェクトマスクで同定された全てのオブジェクトが検査されたならば、プロセスは、新しい領域で、自動的に繰り返すことができる。例えば、概観画像用の空間対象領域のサイズに対応する、より大きい生体サンプルの上の領域を、連続して検査することができる。概観画像から、二値オブジェクトマスクは、上記の方法で、各ケースにおいて、得ることができ、この二値オブジェクトマスクで同定される全てのオブジェクト(細胞)は、励起レーザの焦点の中へ自動的に導くことができ、順次、検査することができる。
ラマンスペクトルを受けるために、代替的に、又は、組み合わせて、例えば、材料サンプルは、レーザビームにより、オブジェクトから蒸発することもでき、質量分光計へ送ることができる。このように、オブジェクトの材料は、要素に特定して分析することができる。さらに特に有利な本発明の実施形態において、材の上の細胞は、影響にさらされ、光ビームに繰り返し照明される。各ケースにおいて、細胞の照明に対する応答が評価される。
例えば、化学物質の影響下の細胞の発達、分子振動モードへの影響を有する同位体又は他の物質の組み込み、しかし、電離放射線又は栄養物の低減、又は、材の上にある様々な細胞のタイプ間の相互作用を調査することができる。しかしながら、例えば、成長及び増殖プロセスなどの自然な過程は、細胞の培養基、周囲温度又は高培養温度の影響下で調査することができる。さらに、培養ガスの組成により誘導される、細胞の変化を調査することができる。
材の上に分散された細胞を自動方法で分析するために、本発明により供給された機能により、測定の不確かさを非常に低減するため、照射に対する応答からの細胞への影響の効果を、十分な統計的有意性を持って、決定することができる。従来の技術において、分散した細胞は、各測定に対して、手作業で配置しなければならず、次いで、局所の照射は各細胞に対して、手作業で動作させなければならなかった。他方、これは、非常にたくさんの人手を要し、したがって、検査の統計的基礎に含まれる細胞の数は、手始めから、制限されていた。今では、常に、統計的に有意な数の細胞を検査すること、例えば、白血細胞、又は、非常に多くの数の集団の他の細胞の中の少数の細胞の検査における、存在する細胞の集団の検出などの様々な検査が、初めて、可能になっている。さらに、上述のアプローチは、プロセスが非常に迅速に行われる細胞処理の迅速分析を可能にし、したがって、測定に対して、非常に短時間のウィンドウのみが使用できる。他方、手作業で実施する検査が繰り返しできることには制限がある。比較的ゆっくりとも進む多くの生体プロセスがあるので、異なる線量の影響にさらされた後に、材の上で実施された2つの検査の間に、数時間又は数日があり得る。従来技術においては、手作業で実施された測定の実験の変動は、通常、細胞への影響による照射に対する応答の変化より大きい。シフト稼働で作業し、オペレータが個々の測定間で変わるとき、変動は、より大きくさえなる。他方、これまで、ユーザが、手作業で、そのような長期間にわたって多くの数の細胞を追跡し、そのような長期間にわたって同じ細胞を視察することは不可能であるため、数日又は数週間でさえ、などの非常に長時間スケールにわたって、何の実験も実施することができない。
今では、細胞を自動的に再配置し検査することができるので、例えば、常に同じ実験条件下で、所定の時間間隔で絶え間なく検査を繰り返すことができる。
本発明のさらに特に有利な実施形態において、同様に適用され、複数の材の上の細胞は、光ビームに照射され、前記細胞の前記照射に対する応答は、材間で結合される。ここで、例えば、新しい材の取り付け後の、毎回、顕微鏡を少し異なってクリーンアップするため、テスト手続きを手作業で実施するとき、さらなる不確実さが加わる。
本発明のさらに特に有利な実施形態において、作用する影響の下で、及び/又は、1つの材から別の材へ、統計的に有意な方法で、細胞のどの特性が変化するかについて、多変数解析を用いて、応答の全体を評価する。特に、ハイパースペクトルの大きさをここで決定することができ、すなわち、細胞のどの特性が相関方法で変わるかを自動的に決定することができる。多変数解析を、特に先験的な前提なしで(「監視なしで」)、実施することができる。
多変数解析において、最終的に部分的結果を融合するために、部分的結果は、各材の上で個々に、決して決定されない。むしろ、全ての材の上の細胞から得られた全ての応答の1つの動作において、解析が実施される。解析の結果が希釈されないために、全ての解答が同じ実験条件下で得られたことが重要である。したがって、本発明により可能にした様々な細胞の検査の機械化は、まず、第一に、多変数解析を有意義にさせる。
そのような解析の結果は、例えば、細胞が、薬理的物質の継続作用下で、特定の測定可能な変化を受けたことであり得て、これらの変化は時間と共に線形に又は非線形に進むが、速ければ速いほど、薬理的物質の濃度は高くなる。逆に、次いで、例えば、そのような相関方法で変わる細胞の特徴は、アポトーシス又はネクローシスの開始のための早期のマーカーとして、認識することができる。しかしながら、異なる濃度にある物質を細胞に組み入れることを考慮し、これらの物質の力学的特性及び細胞動態についての結論を出すこともできる。これらは、同位体で標識された分子、又は、脂肪酸及びタンパク質などの他の生化学物質であり得る。変化は、細胞の取り込み速度についての結論に導くことができる。
有利なことに、主成分分析(PCA)が多変数解析として選択される。ここで、例えば、切除モデルにおける照明に対する応答において得られたラマンスペクトルは、各々が異なる寄与(「ローディング」)に起因する、いくつかの部分スペクトルの重み付きの重ね合わせと見なすことができる。PCAは、最後に、元のデータを、その次元が線形に独立な主要コンポーネントへ低減される座標系に変換する。代替的に、又は、これと組み合わせて、純粋成分のスペクトルは、最小二乗適合を用いて、測定したスペクトルに適合することができる。
. 本発明のさらに特に有利な実施形態において、さらなる材の上の細胞で受けた照射に対する応答を、前記材に適用する少なくとも1つの特性の値に割り当てる、分類器を多変数解析から評価する。
例えば、細胞の除去後に患者がどれだけ長く生きたかの情報と共に、異なるがん患者からの細胞が付いた様々な材を検査することにより、この生存時間は、病気の重症度の指標として見ることができる。多変数解析から、次いで、例えば、最初に、がんがあるか又はないかどうかの属性を、特定の確率で、さらなる材上の細胞に割り当てる分類器を評価することができ、恐らく、例えば、1から5のスケールのクラスの重症度を割り当てる。しかしながら、血における細胞のタイプの比率の変化だけでなく、血の組成も、この方法で解析することができる。さらに、異なる薬理的物質の患者の細胞への影響を決定するために、例えば、患者のオーダーメード医療という意味の、正しい治療を決定するために、この方法を用いることができる。薬理的物質の細胞への影響の解析に関しては、それより上では、物質が細胞に有毒作用を有する濃度を決定することもできる。このように、物質の有効性のための閾値を特定することができる。しかしながら、アプローチ案は、また、外部から加えた物質、又は、行われる生体プロセスで生じる物質、の蓄積を解析することを、可能にする。方法案は、さらに、温度、細胞の培養基の組成等などの異なる影響因子下の細胞における物質の蓄積を検出することを可能にする。
前記分類器は、例えば、線形判別分析(LDA)又はサポートベクターマシン(SVM)により、評価することができる。多変数回帰研究も実施することができる。さらに、以前に明確に画定した1つ以上の物質の存在又は変更も、最小二乗適合を用いて、材の上に決定することができる。
各ケースにおいて、有機的な方法で、結果を、細胞に作用された影響と相関することができる。
本発明はコンピュータ可読プログラムを有するコンピュータプログラムプロダクトにも関する。コンピュータ可読プログラムがコンピュータにより実施されるときに、前記コンピュータ及び前記コンピュータに接続された任意の測定装置に、本発明による方法を実施させる。以前は、測定ステーションの上で、概観画像が手作業で評価され、個々の細胞のラマンスペクトルの記録が、その後、手作業で動作させられていたが、本コンピュータプログラムプロダクトは、既存の測定ステーションを自動化するために、特に、用いることができる。それにより、この測定ステーションのスループットは、手作業の処理では幻影の、数桁に増大することができる。
本発明の主題を図面を参照して以下に説明するが、それにより、本発明の主題は限定されない。
本発明による方法の実施形態を示す。 閾208の自動決定のための例示的実施形態を示す。 隣接するオブジェクト1a及び1bの共通の境界1cの分割240のスケッチを示す。 レーザ光4によるオブジェクト1の照射160、及び、ラマンスペクトル6に対する応答5の評価170を示す。 そのビームプロファイル4aに基づくタイミングプログラムによる、レーザビーム4のスキャニング165により、オブジェクト1により受けた全光線量の均質化を示す。 異なる材10〜12の上にあるオブジェクト1の照射160に対する応答5の材間の融合190を示す。 相関特性21〜22を決定するための多変数解析192、分類器30の評価194、及び、この分類器30の適用195を示す。
図1は、本発明による方法の実施形態のシーケンスの概要を示す。複数の細胞が、オブジェクト1として、基材10の上に付けられる。明確にするために、これらのオブジェクト1の図的記述は、また、以下に、同じ参照符号1により指定される。
方法は、オブジェクト1が分散される領域2の概観画像200から始める。概観画像200は、各々が強度値202を割り当てられるピクセル201に分割される。概観画像200において、オブジェクト1は背景3の上に見える。この概観画像200から、背景3の評価205が、ぼやかすことによる最初のステップ105において、最初に得られる。評価205は、オブジェクト1のない第2の概観画像200aから、代替的に、又は、組み合わせで、得ることができる。元の概観画像200は、次のステップ106において、背景3の評価205と共に、減算により、又は、点ごとの分割により、オフセットされる。
オブジェクト1のコントラストが顕著に増大された結果から、次のステップ110において、二値画像210が得られる。この二値画像210において、強度の階調はもはやなく、2つの値0及び1のみである。この離散化により、最初に、オブジェクト1の表現のギャップ218が、二値画像210の中に現れるという結果を有する。さらに、オブジェクト1より小さい構造219も、画像記録のエラー又はアーチファクトから生成される。
さらなる処理において、構造219が、成長しないために、かつ、追加のオブジェクト1として誤って解釈されるように、共に成長しないために、二値画像210からは、次のステップ120において、構造219を削除する。クリーンアップ画像220が生成される。
このクリーンアップ画像220は、次のステップ130において、形態的には閉じる。その結果の二値オブジェクトマスク230において、オブジェクト1は、ベタ領域として見える。そのような表面が互いに隣接し合う場合、さらなるオプションのステップ140において、互いに分離することができる。さらなるオプションのステップ150において、オブジェクトの中心点も評価することができる。
図2は、例として、概観画像200のピクセル201の強度値202のヒストグラムの評価を示す。強度値iを持つ概観画像200のピクセル201の発生の頻度h(i)を、各可能な強度値iの上にプロットする。ピクセル201を「オブジェクト1に属する」と「オブジェクト1に属しない」との2つのクラスに分離する閾208の閾値sは、閾値sより下の強度値202aの第1の平均値m0と、閾値sより上の強度値202bの第2の平均値m1との間の中央にある。両方の平均値m0及びm1は、次々に、閾208の閾値sに依存する。例えば、可能な強度値202の最小と最大との間の全ての可能な離散値をテストすることにより、及び/又は、品質の測定としての自己矛盾のない条件の達成を用いる最適化アルゴリズムを用いることにより、閾値sを、それ故に、自己矛盾なく決定する。
図3は、二値オブジェクトマスク230の2つの隣接するオブジェクト1a及び1bが互いに分離される、ステップ240を例示する。明確性の理由のために、図3のオブジェクト1a及び1bは、ベタ領域として描かれず、それらの輪郭のみが示される。さらに、オプションのステップ250において決定される中心点250a及び250bがプロットされる。
オブジェクト1a及び1bは、線1cに沿って、互いに隣接する。共通の境界1cは、第1のオブジェクト1aの第1の境界1d、及び、第1の境界1dに相隔たる第2のオブジェクト1bの第2の境界1eに分割される。このように適合させる二値オブジェクトマスク230において、オブジェクト1a及び1bの輪郭は、もはや接触せず、少なくとも1ピクセルのギャップがある。二値オブジェクトマスク230のさらなる使用において、2つのオブジェクト1a及び1bは、したがって、分離オブジェクト11として、正しく認識される。
図4は、オブジェクト1が分散される領域2における二値オブジェクトマスク230を介して配置されたオブジェクト1の更なる検査を示す。第1のステップ160において、オブジェクト1はレーザビーム4に照射される。対物レンズ41から現れるレーザビーム4が、前に同定したオブジェクト1にぶつかるように、オブジェクト1がその上に分散された基材10が、結び付いた位置決めテーブル160aと共に、X−Y位置制御により動かされることにおける、図4に示す例示的実施形態において、それが実現される。
そのように実施することにおいて、対物レンズ41又は材10が動かされるかどうかについては、多くのアプリケーションに対して、違いは生じない。オブジェクト1にラマン散乱を検査すべき場合、しかしながら、そうでなければ、色収差(「空間応答」)が測定結果を偽り得るため、レーザビーム4は、光軸上でできるだけ正確に、対物レンズから現れるべきである。その結果、レーザビーム4を、対物レンズ41の光軸に対して、正確にクリーンアップに保ち、代わりに材10を動かすことは、有利である。原則として、レーザ及び対物レンズ41を、共に、ユニットとして、動かすことも可能であり、したがって、レーザビーム4は、対物レンズ41の光軸から離れない。しかしながら、特に、より高出力のレーザは、材10よりも、大幅により強く、もっと多量のため、これは、もっと複雑である。
この場合はラマン散乱光である、オブジェクト1の応答5は、第2のステップ170において、評価される。結果は、オブジェクト1の分子特有のラマンスペクトル6である。波数kについての強度Iがプロットされる。
オプションとして、ステップ180により、影響20をオブジェクト1に与えることができる。例えば、オブジェクト1が細胞の場合、細胞は、例えば、物質、温度、照射又は栄養素の欠乏にさらされ得る。例えば、比較的にゆっくりと作用する影響20は、作用し続けることができ、その間に、材10上のオブジェクト1は、ステップ160及び170により、繰り返し、検査することができる。より速く作用する影響20の作用は、例えば、ステップ160及び170による検査と交互に行うことができる。
図5は、レーザビーム4の強度分布4aに基づくタイミングプログラムによる、レーザビーム4のスキャニング165を例示する。本例示のオブジェクト1は、材10上の細長く広がった構造である。図4に類似して、材10が位置決めテーブル165aの上で動かされることで、スキャニング165は、再び、行われる。対物レンズ41から現れるレーザビーム4は、第1近似でガウス分布のビームプロファイル4aを有する。対物レンズ41、及び、したがって、レーザビーム4も、一か所にとどまる場合、全体のオブジェクト1は、照射されないことになる。たとえ、焦点が、オブジェクト1を完全に捕えるのに十分に広いとしても、オブジェクト1の個々の領域は、非常に異なって照射されるであろう。材料と共に、オブジェクト1内のコントラストは、オブジェクト1の検査において、アーチファクトを引き起こし得る。スキャニング165は、ビームプロファイル4aの効果を補償し、したがって、アーチファクトを避ける。
原則として、レーザビーム4のビームプロファイル4aは、レーザビーム4を広げることにより、及び/又は、いくつかのモードを重ね合わせる(「モードスクランブリング」)ことにより、また、均質にすることができる。ガウス分布の使用により、しかしながら、共焦点画像化技術を使って作業すること、及び、特に、オブジェクト1の深さプロファイルも創生すること、が可能になるという、優位性が提供される。
図6は、複数の材10〜12で得られる情報の組合わせを図式的に示す。図6aは、それぞれ、オブジェクト1の異なる分布を含む3つの材10、11及び12を示し、オブジェクト1は、例えば、異なる血液のサンプルから取られ、又は、異なる物質にさらされている。
図6bにより、第1の材10上のオブジェクト1は、ステップ160の後に、最初に、光4で照射され、ステップ170の後に、照射160に対する応答5が評価される。ステップ190において、全てのオブジェクト1から得られる応答5は、融合される。
図6cにより、第2の材11上のオブジェクト1は、類似の方法で今や検査され、得られた応答5は、ステップ190において、前に得られた応答5に結合され、図6bに比較して、図6cにおいて、応答5の増大したレベルにより示される。
図6dにより、第3の材12上のオブジェクト1は、今やまた検査され、得られた応答5は、ステップ190において、これまでに得られた応答5の全てに結合される。図6cに比較して、図6dは、再度、応答5の増大したレベルでこれを例示する。
図7は、全ての3つの材10〜12の上のオブジェクト1からステップ190の繰り返しの実施により収集された応答5のさらなる評価を図式的に示す。
ステップ192において、応答5は、多変数解析により評価される。この解析の結果は、その内、2つの特性が例として図7にスケッチされている、多くの特性は、材10〜12の上で作用する影響20に相関し、さもなければ、材10〜12の内の1つに、それぞれ検査されるオブジェクト1の結び付きに相関することである。
ステップ192で得られた多変数解析を、ステップ194により、さらに評価することにより、分類器30が得られる。分類器30を利用して、さらなる材13上のオブジェクト1を分析することができる。図6bから6dに類似して得られた照射160に対するこれらのオブジェクト1の応答5は、材13上のオブジェクト1の特性21の値がxに等しいという、図7に示す例の分類器30からの提示を与える。同様に、例えば、材13上のオブジェクト1は、材10上のオブジェクト1に最も類似しているが、材11上のオブジェクト1に最も類似していないという、提示を与えることができる。
1、1a、1b オブジェクト
1c 隣接するオブジェクト1a、1b間の境界
1d オブジェクト1aの新しい境界
1e オブジェクト1bの新しい境界
2 オブジェクト1が分散される領域
3 背景
4 光ビーム
4a 光ビーム4の強度分布
5 光ビームに対するオブジェクト1の応答
6 ラマンスペクトル
10〜13
20 影響
30 分類器
41 対物レンズ
105 背景3の評価205を得る
106 評価205の計算及び
108 閾値208の定義
110 二値画像210の生成
120 二値画像210のクリーニング
130 形態上の閉鎖
140 共通の境界1cを、境界1d、1eに分割する
150 中心点250a、250bを評価する
160 光ビーム4でのオブジェクト1の照射
160a 照射160のための位置決めテーブル
165 光ビーム4でスキャンする
170 光ビーム4に対するオブジェクト1の応答5の評価
180 影響20のオブジェクト1への作用
190 応答5の材間融合
192 多変数解析
195 分類器30による特性の割り当て
200 領域2の概観画像
200a オブジェクト1のない領域2の第2の概観画像
201 ピクセル200の概観画像
202 ピクセル201の強度値
202a 閾208の側の強度値202
202b 閾208を超える強度値202
205 背景3の評価
208 閾
210 二値画像
218 二値画像210の中のオブジェクト1の輪郭のギャップ
219 二値画像210のオブジェクト1より小さい構造
220 クリーンアップ画像
230 二値オブジェクトマスク
250a、250b オブジェクト1a、1bの中心点
h(i) ピクセル201の中の強度値iの頻度
i 強度値
I 強度
k 波数
m0 強度値202aの第1の平均値
m1 強度値202bの第2の平均値
s 閾208の閾値

Claims (16)

  1. オブジェクト(1)が分散される領域(2)の概観画像(200)を用いて、複数の分散オブジェクト(1)を検査するための方法であって、該方法は、
    前記概観画像(200)のピクセル(201)の強度値(202)を、該強度値(202)が所定の閾値(208)以下であるか、又は、所定の閾値(208)より大きいかどうか、に関して、分類された強度値(202a、202b)とすることにより、前記概観画像(200)を二値画像(210)に変換するステップ(110)と、
    前記オブジェクト(1)より小さい構造(219)を二値画像(210)からクリーンアップするステップ(120)であって、そのため、クリーンアップ画像(220)を生じる、ステップと、
    前記クリーンアップ画像(220)を形態的に閉じ、二値オブジェクトマスク(230)を形成するステップ(130)であって、該二値オブジェクトマスク(230)は、前記領域(2)のどの位置が前記オブジェクト(1)に属するか、前記領域(2)のどの位置が前記オブジェクト(1)に属していないかを示す、ステップと、を有し、
    前記二値オブジェクトマスク(230)により、前記オブジェクト(1)が配置される領域(2)の中の少なくとも1つの位置が、望ましくはレーザビームである光ビーム(4)に照射され(160)、照射(160)に対する前記オブジェクト(1)の応答(5)が評価され(170)、
    基材(10)の上に分散される生体細胞、望ましくは、真核細胞、は、前記オブジェクト(1)として選択され、
    数個の基材(10〜12)の上の細胞(1)は、前記光ビーム(4)に照射され(160)、各ケースにおいて、前記細胞(1)の前記照射(160)に対する前記応答(5)は、前記数個の基材(10〜12)間で融合される(190)ことを特徴とする、方法。
  2. 前記閾値(208)は、前記閾値(208)より下の前記概観画像(200)のピクセル(201a)の全ての強度値(202a)の第1の平均値m0と、前記閾値(208)より上の前記概観画像(200)のピクセル(201b)の全ての強度値(202b)の第2の平均値m1との間の中央にあるように、前記閾値(208)を設定する(108)ことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 前記二値画像(210)の少なくとも1つの統計学的モーメントが、前記概観画像(200)の対応する統計学的モーメントに最大限に一致するように、前記閾値(208)を設定する(108)ことを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の方法。
  4. 焦点がぼけた、前記領域(2)の顕微鏡の明視野画像を概観画像(200)として選択することを特徴とする、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 前記概観画像(200)から、実質的にオブジェクト(1)を除去し、強度をぼやかすことにより、背景の評価(205)を得る、ステップ(105)と、
    前記概観画像(200)を前記二値画像(210)に変換するステップ(110)の前に、前記概観画像(200)は、前記背景の評価(205)の減算により、置き換えられる、ステップ(106)と、を有することを特徴とする、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 背景の評価(205)は、オブジェクト(1)のない第2の概観画像(200a)を記録することにより、得られ(105)、前記概観画像(200)は、前記変換するステップ(110)の前に、前記背景の評価(205)により、点ごとに、前記二値画像(210)に分割される(106)ことを特徴とする、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 前記二値オブジェクトマスク(230)において、隣接するオブジェクト(1a、1b)の少なくとも1つの共通の境界(1c)は、第1のオブジェクト(1a)の第1の境界(1d)、及び、該第1の境界(1d)から相隔たる第2のオブジェクト(1b)の第2の境界(1e)に、特に、流域変換により、分割される(140)ことを特徴とする、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 少なくとも1つのオブジェクト(1)の中心点(250a、250b)は、前記二値オブジェクトマスク(230)から評価される(150)ことを特徴とする、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 前記二値オブジェクトマスク(230)に基づいて、前記オブジェクト(1)に対して前記光ビーム(4)でスキャンし(165)、前記光ビーム(4)の空間強度分布(4a)を考慮するスキャニングのタイミングプログラムは、全受光線量の空間分布が、前記オブジェクト(1)に対して、均質化されるように、選択されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  10. 前記オブジェクト(1)の少なくとも1つのラマンスペクトル(6)は、前記照射(160)に対する前記応答(5)から評価される(170)ことを特徴とする、請求項1又は請求項9に記載の方法。
  11. 基材(10)の上の細胞(1)は、影響(20)にさらされ(180)、前記細胞(1)は、光ビーム(4)に繰り返し照射され(160)、各ケースにおいて、前記細胞(1)の前記照射(160)に対する応答(5)は、評価される(170)ことを特徴とする、求項9又は請求項10に記載の方法。
  12. 応答(5)の全体から、影響(20)の下で、及び/又は、1つの基材(10〜12)から別の基材(10〜12)へ、統計的に有意な方法で、細胞(1)のどの特性(21〜22)が変化するかを評価する(192)ために、多変数解析が用いられることを特徴とする、請求項1又は請求項11に記載の方法。
  13. 主成分分析(PCA)が多変数解析として選択され、及び/又は、純粋成分のスペクトルは、最小二乗適合により、測定したスペクトルに適合することを特徴とする、請求項12に記載の方法。
  14. 多変数解析(192)から、さらなる基材(13)の上の細胞(1)で得られた照射(160)に対する応答(5)を、前記基材(13)に適用できる少なくとも1つの特性(21〜22)の値に割り当てる(195)、分類器(30)を評価する(194)ことを特徴とする、請求項12又は請求項13に記載の方法。
  15. 前記分類器(30)は、線形判別分析(LDA)又はサポートベクターマシン(SVM)により、評価される(194)ことを特徴とする、請求項14に記載の方法。
  16. コンピュータ可読プログラムがコンピュータにより実施されるときに、前記コンピュータ及び前記コンピュータに接続された任意の測定装置に、請求項1から請求項15のいずれか1項に記載の方法を実施させる命令を有する、コンピュータ可読プログラムを備える、コンピュータプログラムプロダクト。
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