JP6144916B2 - 生体組織画像のノイズ低減処理方法及び装置 - Google Patents

生体組織画像のノイズ低減処理方法及び装置 Download PDF

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Description

本発明は、生体組織画像のノイズ低減処理方法および装置に関し、とりわけ生体組織の測定スペクトルデータからノイズ成分の低減された生体組織画像を再構成する方法および装置に関するものである。また、本発明は、そうして取得した生体組織画像を用いて病理診断の際に疾患部位を明示的に表示する画像表示装置に関するものである。
従来より、病理診断、すなわち生体組織を対象に顕微鏡等で観察を行い、病変の有無や病変の種類について診断することが行われている。病理診断においては、観察対象である生体組織に関連付けられる構成物質や含有物質の可視化が求められる。これまでのところ、病理診断においては、免疫染色法(免染)を用いて特異抗原タンパク質を染色する手法が主に用いられている。乳がんを例に挙げれば、ホルモン療法の判断基準となるER(ホルモン依存性腫瘍に発現するエストロゲンレセプター)や、ハーセプチン投与の判断基準となるHER2(進行の速い悪性がんに見られる膜タンパク質)が免染により可視化される。しかしながら免染には、抗体の持つ不安定性や、抗原抗体反応効率の制御の難しさに起因する再現性不良の問題がある。また今後、このような機能診断のニーズが高まった場合、例えば数十種以上の構成物質や含有物質を検出する必要が生じた場合、現在の免染では対応できなくなるという問題がある。
また、前記構成物質や含有物質の可視化は組織レベルではなく細胞レベルで求められる場合がある。たとえば、がん幹細胞に関する研究においては、腫瘍組織の一部の分画のみが免疫不全マウスへの異種移植後に腫瘍を形成することが明らかになったことから、腫瘍組織の成長が腫瘍幹細胞の分化や自己再生の能力に依存していると理解されつつある。このような検討においては、組織全体ではなく、組織中における個々の細胞において、構成物質や含有物質の発現分布を観察することが必要となる。
以上のように、病理診断においては、腫瘍組織などに関連付けられる構成物質や含有物質を、細胞レベルで網羅的に可視化することが求められるが、そのための方法としては、飛行時間型二次イオン質量分析法(TOF−SIMS)をはじめとする二次イオン質量分析法(SIMS)やラマン分光法が候補として挙げられている。SIMSやラマン分光法による測定では、空間内の各点(領域)における情報を高い空間分解能で得ることができる。すなわち、測定対象に関連付けられる測定スペクトルの各ピーク値の空間分布情報が得られることから、当該測定スペクトルに関連付けられる生体組織中の物質についての空間分布を求めることができる。
SIMSは、試料に一次イオンビームを照射し、試料から分離された二次イオンを検出することにより、試料上の各点の質量スペクトルを得る方法である。例えば、TOF−SIMSにおいては、二次イオンの飛行時間が、イオンの質量mと電荷zに依存していることを利用して、当該二次イオンを同定し、それにより試料上の各点の質量スペクトルを得ることができる。
ラマン分光法は、光源として単色光であるレーザー光を物質に照射して、発生したラマン散乱光を分光器、もしくは干渉計で検出することでラマンスペクトルを取得する。ラマン散乱光の振動数と入射光の振動数の差(ラマンシフト)は物質の構造に特有の値をとることから、測定対象物固有のラマンスペクトルを取得することができる。
なお、上記の「細胞レベル」とは、少なくとも一つ一つの細胞を識別できるレベルを意味する。細胞の径は概ね10μmから20μmの範囲(ただし神経細胞などの大きなものは約50μm)にある。したがって、細胞レベルの二次元分布像を取得するには空間分解能が10μm以下であることが必要であり、好ましくは5μm以下、より好ましくは2μm以下、さらに好ましくは1μm以下であるべきである。空間分解能は、例えばナイフエッジの試料の線分析結果から決定することができる。すなわち、空間分解能は「試料の境界付近における当該物質に起因する信号強度がそれぞれ20%、80%となる二点間の距離」という一般的な定義に基づいて決定される。
上記測定スペクトルから生体情報を取得するためには、例えば、予め機械学習により識別器を生成し、これを試料の測定スペクトルデータに適用する必要があるが(特許文献2)、信号強度が低い場合には、ノイズ成分が該識別処理に及ぼす影響が無視できないことから、生体組織本来の信号との相関が低いノイズ成分を適切に低減する必要がある。なお、ここで機械学習とは、以前に取得されたデータを経験的に学習し、新たに取得したデータについて学習結果を基に解釈する手法である。また、識別器とは、以前に取得されたデータと生体情報との関係を経験的に学習することにより生成される判断基準情報である。
ノイズ低減手法にも各種あるが、特許文献1においては、ウェーブレット(wavelet)解析を用いて、2枚以上の二次元画像を解析し、両者の相関を考えることによって効果的にノイズ低減を行う手法が提案されている。また、非特許文献1においては、SIMS画像に対して二次元のウェーブレット解析を用いる、確率過程(ガウスまたはポアソン過程)を考慮したノイズ低減手法が提案されている。
特開2007−209755号公報 特開2010−71953号公報 特開2010−85219号公報
S.G.Nikolov et al., "De−noising of SIMS images via wavelet shrinkage", Chemometrics and Intelligent Laboratory Systems, vol.34(1996), p.263−273
従来、フーリエ(Fourier)解析やウェーブレット解析を適用したノイズ低減処理においては、基底関数を指定した上で、閾値以下の成分を除去し、逆変換を行うことによって、ノイズの低減された画像を得ていた。しかしながら、スペクトルデータはピーク値を多数持つ離散的な分布を有するため、フーリエ解析の様に三角関数を用いた場合には、本来の信号成分が除去される可能性がある。またウェーブレット解析を用いた場合においても、適切な基底関数を選択しないと、ノイズ成分が適切に除去されないという問題があった。
そこで本発明では、例えば生体組織の測定を行う場合には、測定対象に固有なスペクトルの総和によるスペクトルデータの情報が得られることを利用する。すなわち、測定により得られたスペクトルデータは、測定対象に固有な代表的スペクトルの和を用いて表現すれば、測定対象に特徴的なスペクトルの和と、それ以外のノイズ成分とに分解することができる(以下これを代表的固有スペクトルと呼ぶ)。従って、このノイズ成分を除去した上で、生体組織に由来する代表的固有スペクトルを用いてスペクトル信号を再構成すれば、ノイズの低減された画像を取得することができる(以下、この手続きを画像再構成と呼ぶ)。
本発明によれば、空間内に組成分布を持つ測定対象を測定して得られた、該空間内の複数の座標にそれぞれ対応する複数の測定スペクトルデータを用いて、該測定対象の該空間内における組成分布を表す画像データを取得する画像取得方法において、以前に取得した経験的データを利用して生成した識別器を用い、前記複数の測定スペクトルデータのそれぞれについて、全スペクトルを前記測定対象に特徴的な代表的固有スペクトルに分解し、該代表的固有スペクトルから画像データを取得することでノイズ低減を行う方法が提供される。
また、本発明によれば、試料を載置する基板と、該基板上に載置した試料の複数の位置に一次ビームを照射する手段と、一次ビームの照射により該試料の複数の位置から発生する二次ビームを検出して検出信号を発生する検出器と、該検出器が発生した検出信号から生成した該複数の位置のそれぞれに対応する測定スペクトルデータを処理して画像データを取得する信号処理手段と、該信号処理手段が取得した画像データに基づいて画像を画面に表示する画像表示手段とを含む画像取得装置であって、前記信号処理手段が、上記本発明の方法を用いて該測定スペクトルデータを処理することにより該画像データを取得するように構成されている装置が提供される。
本発明によれば、スペクトルデータの離散的なデータ特性に起因する情報のロスを伴うことなく、スペクトルデータのノイズ低減処理を行うことが可能になる。それによって、従来に比べ高精度な生体組織の識別が可能となるため、病理診断等への応用に有用である。
本発明を搭載した装置の模式図である。 二次元平面内で強度分布を有するスペクトル信号の模式図である。 本発明のフローチャートである。 測定信号の各固有スペクトルへの分解を模式的に示したものである。 ノイズ成分を除去した信号の再構成を模式的に示したものである。 全スペクトルを代表的固有スペクトルに分解する過程のフローチャートである。 決定木アルゴリズムの模式図である。 本発明の一連のプロセスを模式的に示したものである。 固有スペクトルの出現頻度カウントを模式的に示したものである。 Fisherの線形判別法を適用するプロセスを模式的に示したものである。 本発明の実施例1の適用効果を示す図である。 本発明の実施例1の適用効果を示す図(拡大図)である。 本発明の実施例2の適用効果を示す図である。
本発明では、生体組織の空間分布を有するスペクトルを測定し、該測定スペクトルからノイズの低減された生体組織画像を再構成する際に、測定スペクトルデータのリファレンスデータを用いてノイズ低減を行うことを特徴とする。本発明では、経験的データを利用してリファレンスデータを生成することが好ましい。また、本発明では、前記の経験的データを利用して識別器を生成し、それを用いて全スペクトルを代表的固有スペクトルに分解した後に、生体組織由来の代表的固有スペクトルから画像再構成を行うことによってノイズ低減を行うことが好ましい。
上記測定されるスペクトルとしては、紫外、可視、赤外域の分光スペクトル、ラマン分光スペクトル、及び質量スペクトル等を挙げることができる。
本発明の一実施形態では、イオン、電子、中性粒子、およびレーザー光からなる群から選択される一次プローブを用いる質量分析法により生体組織切片の二次元質量スペクトルを測定し、該二次元質量スペクトルから生体組織画像を取得する際に、質量スペクトルのリファレンスデータを用いてノイズ低減を行う。
以下、本発明の実施の形態について、フローチャートと図面とを参照しながら具体的に説明する。なお、以下の具体例は本発明にかかる最良の実施形態の一例ではあるが、本発明はかかる具体的形態に限定されるものではない。本発明は、空間内に組成分布を持つ試料について測定を行うものであり、該空間内の各点(領域)の位置情報及び各点の位置に対応する測定スペクトル情報を得るものであれば、いかなる測定方法によって得た結果にも適用可能である。なお、前記空間としては、生体組織中の物質等が挙げられる。
図2に示すのは、空間上の各点において測定した測定スペクトルの模式図である。例えば、信号を取得する空間として、二次元平面を考えると、情報は三次元のデータとなる。この三次元データを生成する際の三次元空間の各点を座標(X、Y、Z)で表現すると、成分X及びYは測定スペクトル信号を得た二次元空間(XY平面)上の座標であって図2の(a)に対応し、成分ZはXY平面上の各点における測定スペクトル信号であって図2の(b)に対応している。従って、成分X及びYには、信号を測定した点のX座標及びY座標が格納されており、Zには各ピーク成分の強度に対応する測定信号の値が格納されていることになる。
図3に示すのは、本発明におけるノイズ低減処理のフローチャートである。以下においては、このフローチャートの順に、図面を参照しながら説明する。
図3の工程S101においては、測定された測定スペクトルデータを、代表的固有スペクトルに分解する(式1)。ここで、代表的固有スペクトルとは、全スペクトルを構成する各成分に固有のスペクトルである。代表的固有スペクトルを求めるには、例えば、あらかじめ用意した各スペクトル成分と、測定された測定スペクトルデータとの相関(内積)を計算すればよい。また、代表的固有スペクトルの決定には、経験的なデータ等を利用することができる。図4は、この測定信号の各スペクトル成分への分解を模式的に示したものである。なお、ここで経験的データとは、新規なデータを取得する以前に取得されたデータのことを意味している。
測定データ=a×固有スペクトルA+b×固有スペクトルB+C×固有スペクトルC+…+a×共通ピークA+b×共通ピークB+…+n×ノイズ成分 …式(1)
図3の工程S102においては、生体組織に由来する代表的固有スペクトル成分以外の成分を0に設定する。次に、工程S103においては、生体組織に由来する代表的固有スペクトル成分を用いて信号を再構成し、ノイズの低減された生体組織画像を取得する(式2)。図5は、この信号の再構成を模式的に示したものである。
測定データ=a×固有スペクトルA+b×固有スペクトルB+c×固有スペクトルC+…+a×共通ピークA+b×共通ピークB+ …式(2)
図6に示すのは、経験的データを用いて代表的固有スペクトルを決定するためのフローチャートの一例である。以下においては、このフローチャートの順に、図面を参照しながら説明する。
図6の工程S201においては、代表的固有スペクトルの決定に用いるピークを選定する。次に、工程S202においては、データの規格化・デジタル化を行う。工程S203においては、規格化・デジタル化したデータから、例えば機械学習によって代表的固有スペクトルへの分解を行う。そのためには、例えば出現頻度をカウントしたり、特徴空間内を各固有スペクトルの領域に分割すればよい。ここで特徴空間とは、データの属性を識別するために特徴量を射影する空間であり、特徴量とは、元のデータから生成される識別に適した量である。この場合の特徴量としては、規格化されたピーク強度等を考えることができる。機械学習の手法としては、Fisherの線形判別法や、SVM(Support Vector Machine)や、決定木もしくはそのアンサンブル平均を考えたランダムフォレスト法等を用いることができる。以下では、教師付き機械学習の一例として、決定木を用いた場合とFisherの線形判別法を用いた場合とについて説明する。
図7は、決定木アルゴリズムによって、代表的固有スペクトルの出現頻度をカウントしていくプロセスを示している。あるピーク成分の有無は、0と1で表現することができるため、複数のピーク成分の有無は、二分木を階層化した、決定木で表現することができる(この場合、使用するピーク数=階層数となる)。ここで、二分木とは、データを分岐構造で表現したものである。学習対象となる各スペクトルには、教師データとして、例えば、ガン組織は1、正常組織は0という様に、生体組織の識別番号(ラベル)が付随する。測定スペクトルデータを決定木で表現する際には、どのピーク成分から開始していくかということが問題になる(図7の(a))。しかし、この場合には、同じラベル同士に効率よく分類することが目的であるため、再帰的にエントロピーを評価し、最も効率よくエントロピーを小さくすることができる様な決定木を最終的に決定する(図7の(b))。ここで、エントロピーは、式(3)で定義され、エントロピーが減少するということは、異なるラベルが付随したデータが混合した集合を、同じラベルが付随したデータの集合同士に分類するということに対応する。式(3)においては、iは決定木の枝部分のノード番号を、pは分配確率(各ノードにおいて、それぞれのラベルが占める割合)を意味する。
図8は、図3及び6のフローチャートで示した、一連のプロセスを模式的に示している。図8の(a)においては、機械学習により代表的な固有スペクトルの出現頻度をカウントし、図8の(b)においては、それをもとに、測定された信号を、各代表的な固有スペクトルに分解する。なお、ここで各代表的固有スペクトルに共通にピーク成分が存在する場合には、それを別途共通ピークとして扱う。また、各代表的固有スペクトルと共通ピークは、ノルム(内積)が1となる様に規格化を行う。また、図9は、この出現頻度順に従った固有スペクトルへの分解を模式的に示している。この様に経験的データから出現頻度をカウントし、代表的固有スペクトルを決定することにより、それをリファレンスデータとして利用することが可能である。
図10は、Fisherの線形判別法によって、全測定スペクトルデータから代表的固有スペクトルを分離するプロセスを示している。図10の(a)の白枠は、学習データとして使用する測定スペクトルデータを取得する領域を表している。図10(b)は、使用する測定スペクトルデータの模式図である。学習対象となる各スペクトルには、教師データとして、例えば、ガン組織は1、正常組織は0、ノイズ成分は2という様に、測定スペクトルデータの識別番号(ラベル)が付随する。図10(c)は、Fisherの線形判別法によって、測定スペクトルデータから取得した特徴量を特徴空間(識別空間)に射影し、最適な境界線を決定する様子を模式的に示している。この場合の特徴量としては、規格化されたピーク強度等を考えることができる。Fisherの線形判別は、その軸への射影成分の群間分散と群内分散の比を最大化する様な軸を決定するものであり、その様な軸は、例えば群1と群2という二つの群を考えた場合、式(4)で与えられる。式(4)において、xは特徴空間内の座標であり、H(x)の符号が変化する位置が両群を区別する境界となる。式(4)において、ベクトルx1x2は各群の標本平均ベクトル(式(6))を、式(5)の行列S1S2は各群の標本分散共分散行列(式(7))を意味している(それぞれ、特徴空間が二次元の場合の表式である)。n1n2は、各群のデータの数である。

なお、図10(c)において、識別軸1はノイズ成分と生体組織1を、識別軸2は生体組織1と生体組織2を分離する軸である。この識別軸1により、生体組織に固有のスペクトルとノイズ成分とを分離することができる。
この、代表的固有スペクトル及び共通スペクトルへの分解により、本来の生体組織成分以外のノイズを好適に低減するだけでなく、情報の圧縮を行うことも可能である。この場合、ある頻度以下のスペクトルや特徴空間内で、ある体積以下のスペクトルの寄与を0とすることによって、出現頻度の高いスペクトル成分のみを保持する。この情報の圧縮処理は、大量の測定スペクトルデータを保存する際に特に有効となる。
本発明は、上記の具体的形態を実行する装置によって実現することができる。図1は、本発明を搭載した装置全体の構成を示している。1は基板上の試料を、2は信号の検出器を示している。また、3は取得した信号に対して上記の処理を行なう信号処理装置を、4は信号処理結果を画面に表示する画像表示装置を示している。
以下、本発明の実施例1について説明する。本実施例においては、ION−TOF社製TOF−SIMS5型装置(商品名)を用い、トリプシン消化処理を施したHER2タンパク質の発現レベル2+の組織切片(Pantomics社製)に対して、以下の条件でSIMS測定を行った。
一次イオン:25kV Bi、0.6pA(パルス電流値)、マクロラスター・スキャンモード
一次イオンのパルス周波数:5kHz(200μs/ショット)
一次イオンパルス幅:約0.8ns
一次イオンビーム直径:約0.8μm
測定範囲:4mm × 4mm
二次イオンの測定画素数:256×256
積算時間:1画素512shots, 1回スキャン(約150分)
二次イオンの検出モード:正イオン
得られたSIMSデータには、測定画素ごとに位置を示すXY座標情報と、1ショットにおける質量スペクトルが記録されている。例えば、測定画素ごとに、HER2タンパク質の消化断片の一つにナトリウム原子が1つ吸着した質量数に該当するピーク(m/z=720.35)や、各生体組織に起因するピーク成分の情報が測定スペクトルデータとして含まれている。
図11の(a)は、HER2タンパク質の発現レベル2+の組織切片(Pantomics社製)に対して、HER2タンパク質の免疫染色を行い、これを光学顕微鏡で観察したものである。図11の(a)では、HER2タンパク質の発現が多いところほど白く表示されている。また、SIMS測定に供した試料と、免疫染色を行った試料は、同一病変組織(パラフィンブロック)から切出した隣接切片であり、同一ではない。
図11の(b)は、本発明の手法を適用する前のピーク分布画像(m/z=720.35)を、図11の(c)は、適用後のピーク分布画像を示している。リファレンスデータの作成には、決定木を使用した機械学習を用いている。その際の学習データのラベル決定には、前述した図11の(a)の画像データを用いており、学習データとしては、4096個のデータを使用している。また、代表的固有スペクトル生成に使用したピーク数は合計6個であり、対応するm/zの値は、それぞれ、692.35、720.35、932.63、1101.5、1128.6、1326.4 であり、このうちの3個は、消化断片の理論値と対応する。
図12は、図11の(b)と(c)の一部を拡大したものである。図12の(a)は、本手法の適用前の画像を、図12の(b)は適用後の画像を示している。本手法の適用により、ノイズが低減され、画像のコントラストが向上し、輪郭がより明確になっていることがわかる。
以下、本発明の実施例2について説明する。本実施例の装置条件及び実験条件は実施例1の場合と同じであるが、機械学習の手法として、Fisherの線形判別法を用いた。
図13は、機械学習の手法として、Fisherの線形判別法を用い、本発明の手法を適用した場合の効果を示す図である。図13(a)は、本発明の手法を適用する前のピーク分布画像(m/z=720.35)を、図13(b)は、適用後のピーク分布画像を示している。学習データとしては、256個のデータを使用している。また、機械学習に使用したピーク数は合計2個であり、対応するm/zの値は、それぞれ、692.35と1101.5である。本手法の適用により、ノイズが低減され、画像のコントラストが向上し、輪郭がより明確になっていることがわかる。
本発明は、測定スペクトルデータのノイズ低減をより効果的に行う手法として利用することができる。

Claims (4)

  1. 空間内に組成分布を持つ測定対象を測定して得られた、該空間内の複数の座標にそれぞれ対応する複数の測定スペクトルデータを用いて、該測定対象の該空間内における組成分布を表す画像データ取得する画像取得方法において
    以前に取得した経験的データを利用して生成した識別器を用い、前記複数の測定スペクトルデータのそれぞれについて、全スペクトルを前記測定対象に特徴的な代表的固有スペクトルに分解し、該代表的固有スペクトルから画像データを取得することでノイズ低減を行うことを特徴とする方法。
  2. Fisherの線形判別法、SVM(Support Vector Machine)、決定木またはランダムフォレスト法を用いて前記識別器を生成する、請求項1記載の方法。
  3. 前記測定スペクトルが、紫外、可視、赤外域の分光スペクトル、ラマン分光スペクトル、及び質量スペクトルのいずれかである請求項1または2に記載の方法。
  4. 試料を載置する基板と、該基板上に載置した試料の複数の位置に一次ビームを照射する手段と、一次ビームの照射により該試料の複数の位置から発生する二次ビームを検出して検出信号を発生する検出器と、該検出器が発生した検出信号から生成した該複数の位置のそれぞれに対応する測定スペクトルデータを処理して画像データを取得する信号処理手段と、該信号処理手段が取得した画像データに基づいて画像を画面に表示する画像表示手段とを含む画像取得装置であって、前記信号処理手段が、請求項1乃至のいずれか一項に記載の方法を用いて該測定スペクトルデータを処理することにより該画像データを取得するように構成されていることを特徴とする装置。
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