JP6969334B2 - 米粒搬送装置及び米粒搬送装置の製造方法 - Google Patents

米粒搬送装置及び米粒搬送装置の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6969334B2
JP6969334B2 JP2017233340A JP2017233340A JP6969334B2 JP 6969334 B2 JP6969334 B2 JP 6969334B2 JP 2017233340 A JP2017233340 A JP 2017233340A JP 2017233340 A JP2017233340 A JP 2017233340A JP 6969334 B2 JP6969334 B2 JP 6969334B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
iron
graphite
rice grain
compound layer
nitrogen compound
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2017233340A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2019098268A (ja
Inventor
孝昌 目崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Satake Corp
Original Assignee
Satake Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Satake Corp filed Critical Satake Corp
Priority to JP2017233340A priority Critical patent/JP6969334B2/ja
Publication of JP2019098268A publication Critical patent/JP2019098268A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6969334B2 publication Critical patent/JP6969334B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Adjustment And Processing Of Grains (AREA)
  • Solid-Phase Diffusion Into Metallic Material Surfaces (AREA)
  • ing And Chemical Polishing (AREA)
  • Chutes (AREA)
  • Screw Conveyors (AREA)

Description

本発明は、精米機で用いられる搬送スクリューや選別機で用いられる搬送シュート等の米粒搬送装置であって、糠付着防止効果を有する米粒搬送装置、及び該米粒搬送装置の製造方法に関する。
従来、精米機において米粒をスクリューにより精白室に搬送することや、選別機において米粒をシュートにより選別部に搬送することが知られている(特許文献1,2参照)。
精米機における前記スクリューや選別機における前記シュート等の米粒搬送装置は、米粒の搬送にともない搬送面に糠が付着、固結して塊状となり、搬送能力が著しく低下する問題がある。
そこで、前記米粒搬送装置の表面に亜鉛メッキやテフロンコートによる被覆層を形成することが試みられている。
一般に亜鉛メッキやテフロンコートは摩擦係数が小さく滑り性に優れるため、米粒搬送装置の表面に被覆層を形成すれば、糠付着防止効果を持たせることができる。
ところが、亜鉛メッキやテフロンコートによる被覆層は、軟らかく摩耗しやすいために、長期的な糠付着防止効果は得られない。
米粒搬送装置の表面に硬化層を形成すれば、耐摩耗性が向上し、長期にわたり表面特性を維持することが可能となるが、米粒に対する摩擦力が増大し、糠付着防止効果が低下する。
特開2011−136309号公報 特開2007−283204号公報
そこで、本発明は、精米機で用いられる搬送スクリューや選別機で用いられる搬送シュート等の米粒搬送装置であって、長期的な糠付着防止効果を有する米粒搬送装置、及び該米粒搬送装置の製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に係る発明の米粒搬送装置は、
米粒搬送装置の基材であって黒鉛を分散させた鉄基材と、
前記鉄基材の表面を被覆し米粒搬送装置の搬送面を構成する鉄−窒素化合物層と、を有し、
前記鉄−窒素化合物層には、前記鉄基材の表面に露出し前記鉄基材の表面から突出する黒鉛上に、先端が開口する突部が形成され、前記開口の内部で前記黒鉛が露出することを特徴とする。
請求項2に係る発明の米粒搬送装置は、請求項1に係る発明において、
前記鉄基材が、Si、Cr、Mo、V、Al又はTiから選択される1種以上の元素を含み、前記鉄−窒素化合物層の表面には、前記元素の窒化物による多数の微細突部が形成されるものである。
また、上記目的を達成するため、請求項3に係る発明の米粒搬送装置の製造方法は、
米粒搬送装置の基材であって黒鉛を分散させた鉄基材の表面に露出し前記表面から突出する黒鉛を含む前記鉄基材を窒化処理し、前記鉄基材の表面を被覆して米粒搬送装置の搬送面を構成する鉄−窒素化合物層を生成させるとともに、前記鉄−窒素化合物層の前記鉄基材の表面から突出する黒鉛上に突部を生成させる鉄−窒素化合物層生成工程と、
前記鉄−窒素化合物層の前記突部の先端を開口させて、前記開口の内部で前記黒鉛を露出させる黒鉛露出工程と、
を備えることを特徴とする。
請求項4に係る発明の米粒搬送装置の製造方法は、請求項3に係る発明において、
前記鉄基材が、Si、Cr、Mo、V、Al又はTiから選択される1種以上の元素を含み、前記鉄−窒素化合物層生成工程において前記鉄−窒素化合物層中に前記元素の窒化物を析出させてなり、
前記鉄−窒素化合物層中に前記元素の窒化物が析出した前記鉄基材を、水素を含む雰囲気中でプラズマ処理し、前記鉄−窒素化合物層の表面に前記元素の窒化物を露出させて多数の微細突部を生成させる微細突部生成工程と、をさらに備えるものである。
請求項5に係る発明の米粒搬送装置の製造方法は、請求項3又は4に係る発明において、
黒鉛を分散させた鉄基材を、水素を含む雰囲気中でプラズマ処理し、前記鉄基材の表面に露出する黒鉛を前記鉄基材の表面から突出させる黒鉛突出工程と、をさらに備え、
前記黒鉛突出工程において前記鉄基材の表面から突出させた黒鉛を含む前記鉄基材を、前記鉄−窒素化合物層生成工程において前記窒化処理するものである。
請求項6に係る発明の米粒搬送装置の製造方法は、請求項3乃至5のいずれかに係る発明において、
前記窒化処理が、窒素を含む雰囲気中でプラズマ処理するプラズマ窒化処理である。
請求項1に係る発明の米粒搬送装置は、鉄基材の表面を被覆し米粒搬送装置の搬送面を構成する鉄−窒素化合物層を有するので、耐摩耗性に優れ、長期にわたり表面特性を維持することが可能となる。
また、請求項1に係る発明の米粒搬送装置は、前記鉄−窒素化合物層に先端が開口する突部が形成されるので、米粒との接触面積が減少し、米粒に対する摩擦力が低下して、米粒の滑り性及び非粘着性が向上する。
さらに、請求項1に係る発明の米粒搬送装置は、前記突部の先端が開口し、前記開口の内部で黒鉛が露出するので、米粒の搬送初期の段階において、糠に含まれる米由来の油分が前記黒鉛に浸透・吸着され、その後の米粒の大量搬送による搬送面の加温により、前記油分が前記黒鉛から染み出して前記搬送面に油膜が生成されるため、米粒の滑り性がさらに向上し、前記搬送面への糠の固着力を弱めることができる。
また、請求項1に係る発明の米粒搬送装置は、搬送される米粒から常に油分が供給されるため、搬送面上において油切れを起こすことがない。
したがって、請求項1に係る発明によれば、長期的な糠付着防止効果を有する米粒搬送装置を提供することができる。
請求項2に係る発明の米粒搬送装置は、請求項1に係る発明において、前記鉄基材が、Si、Cr、Mo、V、Al又はTiから選択される1種以上の元素を含み、前記鉄−窒素化合物層の表面に、前記元素の窒化物による多数の微細突部が形成されるので、耐摩耗性に優れる表面特性を維持しつつ、米粒に対する摩擦力がさらに低下して、米粒の滑り性及び非粘着性がさらに向上する。
また、請求項2に係る発明の米粒搬送装置は、請求項1に係る発明において、前記鉄−窒素化合物層の表面に、多数の微細突部が形成されるので、搬送面上の保油性が向上し、前記搬送面に満遍なく油膜が生成されるとともに油膜切れを起こすことがないため、米粒の滑り性が各段に向上し、糠の固着力を一段と弱めることができる。
したがって、請求項2に係る発明によれば、長期的でより強力な糠付着防止効果を有する米粒搬送装置を提供することができる。
請求項3に係る発明の米粒搬送装置の製造方法は、米粒搬送装置の基材であって黒鉛を分散させた鉄基材の表面に露出し前記表面から突出する黒鉛を含む前記鉄基材を窒化処理し、前記鉄基材の表面を被覆して米粒搬送装置の搬送面を構成する鉄−窒素化合物層を生成させるとともに、前記鉄−窒素化合物層の前記鉄基材の表面から突出する黒鉛上に突部を生成させる鉄−窒素化合物層生成工程と、前記鉄−窒素化合物層の前記突部の先端を開口させて、前記開口の内部で前記黒鉛を露出させる黒鉛露出工程と、を備えるので、長期的な糠付着防止効果を有する請求項1に係る発明の米粒搬送装置を製造することができる。
請求項4に係る発明の米粒搬送装置の製造方法は、請求項3に係る発明において、前記鉄基材が、Si、Cr、Mo、V、Al又はTiから選択される1種以上の元素を含み、前記鉄−窒素化合物層生成工程において前記鉄−窒素化合物層中に前記元素の窒化物を析出させてなり、前記鉄−窒素化合物層中に前記元素の窒化物が析出した前記鉄基材を、水素を含む雰囲気中でプラズマ処理し、前記鉄−窒素化合物層の表面に前記元素の窒化物を露出させて多数の微細突部を生成させる微細突部生成工程と、をさらに備えるので、長期的でより強力な糠付着防止効果を有する請求項2に係る発明の米粒搬送装置を製造することができる。
請求項5に係る発明の米粒搬送装置の製造方法は、請求項3又は4に係る発明において、黒鉛を分散させた鉄基材を、水素を含む雰囲気中でプラズマ処理し、前記鉄基材の表面に露出する黒鉛を前記鉄基材の表面から突出させる黒鉛突出工程と、をさらに備え、前記黒鉛突出工程において前記鉄基材の表面から突出させた黒鉛を含む前記鉄基材を、前記鉄−窒素化合物層生成工程において前記窒化処理するので、長期的な糠付着防止効果を有する請求項1又は2に係る発明の米粒搬送装置を製造することができる。
請求項6に係る発明の米粒搬送装置の製造方法は、請求項3乃至5のいずれかに係る発明において、前記窒化処理が、窒素を含む雰囲気中でプラズマ処理するプラズマ窒化処理であるので、請求項1又は2に係る発明の米粒搬送装置を製造する際、黒鉛露出工程を除く一連の工程をプラズマ処理装置で連続して行うことができる。
米粒搬送装置の基材の説明図。 米粒搬送装置の製造方法における第1工程の説明図。 米粒搬送装置の製造方法における第2工程の説明図。 米粒搬送装置の製造方法における第3工程の説明図。 米粒搬送装置の製造方法における第4工程の説明図。 米粒搬送時における米粒搬送装置の搬送面の説明図。
本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
本発明の実施の形態における米粒搬送装置は、精米機において米粒を精白室に搬送する搬送スクリュー、選別機において米粒を選別部に搬送する搬送シュートの他、前記搬送スクリューが内部に配設されて当該内部を米粒が搬送される搬送ケース等、米粒の搬送に関連して糠が付着するすべての装置を含む。
図1は、米粒搬送装置の基材の説明図であって、黒鉛を分散させた鉄基材の説明図を示す。(a)は鉄基材表面の斜視図、(b)は(a)の表面部分の断面図を示す。
本発明の実施の形態における米粒搬送装置は、黒鉛2を分散した状態で含む球状黒鉛鋳鉄(FCD)やCV黒鉛鋳鉄等の鉄基材1を基材とする。図1に示すように、前記鉄基材1は表面に露出する黒鉛2を含む。また、前記鉄基材1はSiを1〜4%含有する。前記鉄基材1は、米粒搬送装置の製造に先立ちバフ仕上げされ脱脂処理されている。
図2乃至図5は、米粒搬送装置の製造工程の説明図を示す。図2乃至図5において(a)は表面側からみた斜視図、(b)は(a)の表面部分の断面図を示す。
本発明の実施の形態における米粒搬送装置の製造方法は、第1工程乃至第3工程において、真空容器内にガスを導入し真空に近い減圧下でプラズマを発生させる周知のプラズマ処理装置を利用する。
図2は、第1工程としての黒鉛突出工程の説明図を示す。
第1工程では、米粒搬送装置の基材としての前記鉄基材1を、真空容器内において水素を含む雰囲気中、400〜600℃、好ましくは450℃の温度条件下でプラズマ処理し、前記鉄基材1へ水素イオンを衝突させて鉄原子を叩き出すことで、前記鉄基材1の表面に露出する黒鉛2を含め前記表面付近に存在する黒鉛2を前記鉄基材1の表面から突出させる。
ここでは、前記プラズマ処理に際し放電を安定させるため、前記水素のほかに前記雰囲気中にアルゴンや窒素を加えることができる。
図3は、第2工程としての鉄−窒素化合物層生成工程の説明図を示す。
第2工程では、前記第1工程において表面から突出させた黒鉛2を含む前記鉄基材1を、真空容器内において窒素及び水素を含む雰囲気中、500〜580℃、好ましくは550℃の温度条件下でプラズマ窒化処理し、前記鉄基材1へ窒素イオンを衝突させて前記鉄基材1の表面を被覆する鉄−窒素化合物層3を生成させる。その際、前記鉄−窒素化合物層3の前記鉄基材1の表面から突出する黒鉛2上には山状の突部31が生成される。
ここでは、前記窒素及び水素のほかに、前記雰囲気中にメタンなどの炭素系ガスを加えることができる。
また、前記鉄基材1は、Siを1〜4%含有するので、当該第2工程では、前記鉄基材1の表面を被覆する鉄−窒素化合物層3を生成させると同時に、前記鉄−窒素化合物層3中に窒化物4(Si3N4)析出させることができる。
図4は、第3工程としての微細突部生成工程の説明図を示す。ここでは、(b)は(a)の表面部分の拡大断面図を示す。
第3工程では、前記第2工程において表面を被覆する鉄−窒素化合物層3が生成され、前記鉄−窒素化合物層3中に前記窒化物4(Si3N4)が析出した前記鉄基材1を、真空容器内において水素を含む雰囲気中、500〜650℃、好ましくは550℃の温度条件下でプラズマ処理し、前記鉄−窒素化合物層3へ水素イオンを衝突させて鉄原子を叩き出すことで、前記鉄−窒素化合物層3の表面に前記窒化物4を露出させて多数の微細突部41を生成させる。
ここでは、前記水素のほかに、前記雰囲気中にアルゴンを加えることができる。
図5は、第4工程としての黒鉛露出工程の説明図を示す。
第4工程では、前記第3工程において窒化物4による多数の微細突部41が生成された前記鉄−窒素化合物層3の表面に、ガラスビーズの微小球によるショットブラスト加工を施す。前記ショットブラストにより、前記鉄基材1の表面で相対的に軟らかい黒鉛2上に生成される山状の突部31の先端を開口32させて、前記開口32の内部で前記黒鉛2を露出させる。
その際、前記突部31は先端のみが開口32し、山の麓に相当する部分がリング状に残る形態に仕上げることができる。
本発明の実施の形態における製造方法によれば、前記第1乃至第4工程により、米粒搬送装置の基材表面を処理することによって、米粒搬送装置の基材であって黒鉛2を分散させた鉄基材1と、前記鉄基材1の表面を被覆し米粒搬送装置の搬送面を構成する鉄−窒素化合物層3と、を有し、前記鉄−窒素化合物層3には、前記鉄基材1の表面に露出し前記鉄基材1の表面から突出する黒鉛2上に、先端が開口32する突部31が形成され、前記開口32の内部で前記黒鉛2が露出する米粒搬送装置を製造することができる。
また、本発明の実施の形態における製造方法によれば、前記鉄基材1がSiを1〜4%含有するので、前記鉄−窒素化合物層3の表面に、窒化物4(Si3N4)による多数の微細突部41が形成される米粒搬送装置を製造することができる。
図6は、米粒搬送時における米粒搬送装置の搬送面の説明図を示す。(a)は米粒搬送装置表面の斜視図、(b)は(a)の表面部分の断面図を示す。
本発明の実施の形態における米粒搬送装置は、鉄基材1の表面を被覆し米粒搬送装置の搬送面を構成する鉄−窒素化合物層3を有するので、耐摩耗性に優れ、長期にわたり表面特性を維持することが可能となる。
また、前記米粒搬送装置は、前記鉄−窒素化合物層3に先端が開口32する突部31が形成されるので、米粒との接触面積が減少し、米粒に対する摩擦力が低下して、米粒の滑り性及び非粘着性が向上する。
さらに、前記米粒搬送装置によれば、米粒搬送時の摩擦によって糠に含まれる脂肪球が破壊されて液状となるが、前記突部31の先端が開口32し、前記開口32の内部で黒鉛2が露出するので、米粒の搬送初期の段階において、前記糠に含まれる米由来の油分が前記黒鉛2に浸透・吸着され、米粒の大量搬送時には、前記米粒搬送装置の搬送面が加温され、図6に示すように、前記油分が前記黒鉛2から染み出して前記搬送面に油膜5が生成されるため、米粒の滑り性がさらに向上し、前記搬送面への糠の固着力を弱めることができる。
また、前記米粒搬送装置は、搬送される米粒から常に油分が供給されるため、搬送面上において油切れを起こす心配がない。
したがって、本発明の実施の形態における米粒搬送装置は、長期的な糠付着防止効果を有するものである。
なお、前記米粒搬送装置において、前記突部31の先端の開口32から搬送面へ露出する黒鉛2への油分吸着は、事前に糠を強制的に擦り付ける等することで効果を高めることができる。
本発明の実施の形態における米粒搬送装置は、前記鉄−窒素化合物層3の表面に、窒化物4(Si3N4)による多数の微細突部41が形成されるので、耐摩耗性に優れる表面特性を維持しつつ、米粒に対する摩擦力がさらに低下して、米粒の滑り性及び非粘着性がさらに向上する。
また、前記米粒搬送装置は、図6に示すように、搬送面上の保油性が向上し、前記搬送面に満遍なく油膜5が生成されるとともに油膜切れを起こすことがないため、米粒の滑り性が各段に向上し、糠の固着力を一段と弱めることができる。
したがって、本発明の実施の形態における米粒搬送装置は、長期的でより強力な糠付着防止効果を有するものである。
なお、本発明の実施の形態における米粒搬送措置の製造方法は、前記第1乃至第3工程を、プラズマ処理装置を利用して行うので、第4工程を除く一連の工程を同一のプラズマ処理装置で連続して行うことができる。
ここで、本発明の実施の形態では、前記鉄基材1がSiを含有することとしたが、Si、Cr、Mo、V、Al又はTiから選択される1以上の元素を含むものとすることができる。
前記鉄基材1がSi、Cr、Mo、V、Al又はTiから選択される1以上の元素を含むものであれば、前記鉄−窒素化合物層3中にSi3N4、CrN、Cr2N、Mo2N、VN、AlN、又はTiN等、前記元素の窒化物4を析出させて、前記鉄−窒素化合物層3の表面に、前記元素の窒化物による多数の微細突部41を生成させることができる。
上記本発明の実施の形態では、前記第2工程においてプラズマ窒化処理を用いたが、前記鉄基材1の表面を被覆する鉄−窒素化合物層3を生成させ、前記鉄−窒素化合物層3中に窒化物を析出させることができるのであれば、ガス窒化処理などの他の窒化処理技術を採用することもできる。
上記本発明の実施の形態では、前記米粒搬送装置は、球状黒鉛鋳鉄(FCD)やCV黒鉛鋳鉄等の鉄基材1を基材としたが、鉄系素材の表面に微細な穴、又は窪みを形成、配列し、黒鉛粉末や黒鉛芯を充填、挿入して封じ込めたものを基材として用いることもできる。
本発明は、上記実施の形態に限るものでなく、発明の範囲を逸脱しない限りにおいてその構成を適宜変更できることはいうまでもない。
本発明の米粒搬送装置は、長期的な糠付着防止効果を有するため、米粒の搬送に関連して糠が付着するすべての装置に利用することができる。
1 鉄基材
2 黒鉛
3 鉄−窒素化合物層
31 突部
32 開口
4 窒化物
41 微細突部
5 油膜

Claims (6)

  1. 米粒搬送装置の基材であって黒鉛を分散させた鉄基材と、
    前記鉄基材の表面を被覆し米粒搬送装置の搬送面を構成する鉄−窒素化合物層と、を有し、
    前記鉄−窒素化合物層には、前記鉄基材の表面に露出し前記鉄基材の表面から突出する黒鉛上に、先端が開口する突部が形成され、前記開口の内部で前記黒鉛が露出することを特徴とする米粒搬送装置。
  2. 前記鉄基材は、Si、Cr、Mo、V、Al又はTiから選択される1種以上の元素を含み、前記鉄−窒素化合物層の表面には、前記元素の窒化物による多数の微細突部が形成される請求項1記載の米粒搬送装置。
  3. 米粒搬送装置の基材であって黒鉛を分散させた鉄基材の表面に露出し前記表面から突出する黒鉛を含む前記鉄基材を窒化処理し、前記鉄基材の表面を被覆して米粒搬送装置の搬送面を構成する鉄−窒素化合物層を生成させるとともに、前記鉄−窒素化合物層の前記鉄基材の表面から突出する黒鉛上に突部を生成させる鉄−窒素化合物層生成工程と、
    前記鉄−窒素化合物層の前記突部の先端を開口させて、前記開口の内部で前記黒鉛を露出させる黒鉛露出工程と、
    を備えることを特徴とする米粒搬送装置の製造方法。
  4. 前記鉄基材は、Si、Cr、Mo、V、Al又はTiから選択される1種以上の元素を含み、前記鉄−窒素化合物層生成工程において前記鉄−窒素化合物層中に前記元素の窒化物を析出させてなり、
    前記鉄−窒素化合物層中に前記元素の窒化物が析出した前記鉄基材を、水素を含む雰囲気中でプラズマ処理し、前記鉄−窒素化合物層の表面に前記元素の窒化物を露出させて多数の微細突部を生成させる微細突部生成工程と、をさらに備える請求項3記載の米粒搬送装置の製造方法。
  5. 黒鉛を分散させた鉄基材を、水素を含む雰囲気中でプラズマ処理し、前記鉄基材の表面に露出する黒鉛を前記鉄基材の表面から突出させる黒鉛突出工程と、をさらに備え、
    前記黒鉛突出工程において前記鉄基材の表面から突出させた黒鉛を含む前記鉄基材を、前記鉄−窒素化合物層生成工程において前記窒化処理する請求項3又は4記載の米粒搬送装置の製造方法。
  6. 前記窒化処理は、窒素を含む雰囲気中でプラズマ処理するプラズマ窒化処理である請求項3乃至5のいずれかに記載の米粒搬送装置の製造方法。
JP2017233340A 2017-12-05 2017-12-05 米粒搬送装置及び米粒搬送装置の製造方法 Active JP6969334B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017233340A JP6969334B2 (ja) 2017-12-05 2017-12-05 米粒搬送装置及び米粒搬送装置の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017233340A JP6969334B2 (ja) 2017-12-05 2017-12-05 米粒搬送装置及び米粒搬送装置の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019098268A JP2019098268A (ja) 2019-06-24
JP6969334B2 true JP6969334B2 (ja) 2021-11-24

Family

ID=66975031

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017233340A Active JP6969334B2 (ja) 2017-12-05 2017-12-05 米粒搬送装置及び米粒搬送装置の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6969334B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2021117417A1 (ja) * 2019-12-13 2021-06-17 株式会社クボタ 粒状体選別装置、および、色彩選別機

Family Cites Families (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5773188A (en) * 1980-10-24 1982-05-07 Mazda Motor Corp Surface treatment of graphite flake cast iron parts
JPS5950172A (ja) * 1982-09-16 1984-03-23 Mazda Motor Corp 窒化鋳鉄品及びその製造方法
JPH01141230A (ja) * 1987-11-27 1989-06-02 Hitachi Ltd 摺動部材の製造方法
JP3367092B2 (ja) * 1997-04-07 2003-01-14 株式会社サタケ 耐摩耗性を有する抗菌性ステンレス鋼の製造方法
JP3791135B2 (ja) * 1997-07-04 2006-06-28 株式会社サタケ スム−スロ−ルの梨地面形成方法及び該形成方法により梨地面が形成されたスム−スロ−ル
JP3047595U (ja) * 1997-09-30 1998-04-14 株式会社細川製作所 精米機
JP5616384B2 (ja) * 2012-03-08 2014-10-29 日立建機株式会社 斜軸式液圧回転機および斜軸式液圧回転機の製造方法
JP2014005110A (ja) * 2012-06-22 2014-01-16 Lns-Yoshida Co Ltd スクリュコンベヤ、及び乾燥炭化装置
DE112016003760T5 (de) * 2015-08-17 2018-05-03 Ntn Corporation Gleitelement und Verfahren zu seiner Herstellung
JP6864517B2 (ja) * 2016-03-31 2021-04-28 株式会社Nbcメッシュテック 粉体供給用部材およびその部材を用いた粉体供給装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2019098268A (ja) 2019-06-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6969334B2 (ja) 米粒搬送装置及び米粒搬送装置の製造方法
EP1412175A4 (en) INSULATING AND FUNCTIONAL FINE METAL-HOLDING PARTICLES WITH CONFORMS ULTRADÜNN FILMS
WO2020089180A3 (de) Beschichtungsvorrichtung, prozesskammer, sowie verfahren zum beschichten eines substrats und substrat beschichtet mit zumindest einer materialschicht
WO2009068832A3 (fr) Article culinaire comprenant un revetement antiadhesif resistant a la corrosion et a la rayure
JP6423062B2 (ja) 黒色硬質皮膜を有する装飾品
AR113001A1 (es) Artículo generador de aerosol con una envoltura más externa mejorada
EP1331282A3 (en) Method for making decorative articles
TW200712544A (en) Method for preparing photochromic film or plate
US20190335596A1 (en) Making a hydrophobic surface for an object
EP0969117A3 (en) Method of forming a thermal barrier coating system
AU2003290815A8 (en) Atomic layer deposition methods
TW200722544A (en) Method for depositing a vapour deposition material
MY201888A (en) Hard disk substrate and hard disk device including the hard disk substrate
TW201920023A (zh) 用於玻璃成型模具之塗層及包括該塗層之模具
EP1722405A4 (en) FILM PRODUCTION PROCESS
MX2021002411A (es) Sustratos recubiertos y metodos para prepararlos.
PL206124B1 (pl) Stopa żelazka do prasowania i sposób wytwarzania stopy żelazka do prasowania
DE10342743A1 (de) Bremsscheibe für ein Fahrzeug sowie Verfahren zu deren Herstellung
US510340A (en) Ornamenting metal
TW200609366A (en) Methods of treating deposition process components to form particle traps, and deposition process components having particle traps thereon
JP2020002462A (ja) 燃焼エンジン部品の耐久性及び低摩擦特性のためのコーティング用ターゲット、金属多成分系窒化物コーティング方法及びそれによる燃焼エンジン部品
US20230227955A1 (en) Hardened case-nitrided metal articles and methods of forming the same
JPH0452279A (ja) アルミ鋳造用鋳抜きピン
TW200714443A (en) Method for making ultra-thin film wrapping material having 3-dimensional patterns
JPH03254910A (ja) プラスチック成形用金型

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20201006

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210817

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210928

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20211011

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6969334

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150