(第1実施形態)
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付すものとし、適宜重複した説明は省略する。図1は、本実施形態における灯具ユニット100を示す分解斜視図である。灯具ユニット100は、レンズ10と、レンズホルダ20と、リフレクタ30と、光源モジュール40と、ヒートシンク50と、冷却ファン60とを備え、各部材が相互に位置決めされて図示しない固定手段で固定されている。
レンズ10は、透光性材料で構成されて光源モジュール40からの光を所定の配光分布となるように前方に照射するための部材であり、本発明における投影レンズに相当している。レンズホルダ20は、レンズ10と光源モジュール40およびリフレクタ30との相対的位置関係を維持した状態で保持するための部材である。リフレクタ30は、光源モジュール40の前方に配置されて光源モジュール40からの光を前方に反射する部材であり、本発明における光学部材に相当している。
光源モジュール40は、灯具ユニット100の外部から供給される電力および信号に応じて発光する部材であり、詳細は後述する。ヒートシンク50は、光源モジュール40の背面で光源モジュール40に接触して配置された熱伝導性の良好な部材であり、背面側に放熱フィンが形成されている冷却ファン60は、ヒートシンク50の背面側に配置されて、電力が供給されることで空気の流れを生じさせる部材である。
灯具ユニット100では、外部から電力および信号が供給されると、光源モジュール40が電力と信号に応じて発光し、リフレクタ30で前方に反射された光がレンズホルダ20内およびレンズ10を介して前方に照射される。また、光源モジュール40の発光に伴う熱はヒートシンク50を介して空気中に放熱され、冷却ファン60からの送風によって冷却される。
図2は、本実施形態における光源モジュール40を示す模式斜視図である。光源モジュール40は、搭載基板41と、配線パターン42と、サブマウント43と、給電コネクタ44a,44bと、金属ワイヤ45aと、光吸収性樹脂部45と、レジスト層46とを備え、搭載基板41には光学部材搭載領域47が形成されており、光学部材搭載領域47内には光学部材固定部48が形成されている。
搭載基板41は、熱伝導性が良好な材料で形成された略平板状の部材であり、一方の表面に配線パターン42が形成されるとともに、複数のサブマウント43と給電コネクタ44a,44bが搭載されている。また配線パターン42を覆うようにレジスト層46が形成されている。搭載基板41を構成する材料は限定されないが、銅やアルミニウム等の熱伝導性が良好な金属を用いることが好ましい。
また、搭載基板41として導電性の基板上に絶縁性の基板を貼り合わせた複合基板を用いるとしてもよく、例えば金属基板上にガラスエポキシ樹脂層を貼り付けたものが挙げられる。搭載基板41を金属基板で構成する場合には、金属材料の酸化による熱伝導率低下を防止するために、搭載基板41の裏面側に酸化防止膜を形成することが好ましい。酸化防止膜の形成方法としてはプリフラックス処理やAuメッキ処理が挙げられるが、放熱性向上という観点からAuメッキ処理が好ましい。
配線パターン42は、搭載基板41の表面に形成された導電性パターンであり、給電コネクタ44a,44bの端子からサブマウント43への電気的接続を確保するためのものである。
サブマウント43は、搭載基板41の表面に搭載されるとともに金属ワイヤ45aにより配線パターン42に電気的に接続され、金属ワイヤ45aを介して電力が供給されることにより電力に応じた発光を行う部材である。サブマウント43の詳細な構造については後述する。
給電コネクタ44a,44bは、搭載基板41の表面に搭載された外部との電気的接続を確保するための部材であり、複数の端子が配線パターン42に電気的に接続され、本発明のコネクタ部に相当している。給電コネクタ44a,44bの形状として図2では略直方体のものを示しているが、公知のケーブルハーネスに対応して接続可能なものであれば外形や端子形状等は限定されない。
レンズホルダ20は、ヒートシンク50に対して複数の固定部で固定され、第2実施形態で詳細を後述するように、給電コネクタ44a,44bに対応する位置に誤組付防止部が形成されている(図1,2では図示を省略する)。これにより、給電コネクタ44a,44bと誤組付防止部との干渉で左右の誤組み付けを防止でき、LEDを搭載する搭載基板41の形状によらず、簡便な構成で誤組み付けを防止することが可能となる。
また、リフレクタ30には、第3実施形態で詳細を後述するように、搭載基板41の表面視において給電コネクタ44a,44bと重なる位置にまで延在して、給電コネクタ44a,44bの少なくとも一部を覆うコネクタ隠蔽部が形成されている(図1,2では図示を省略する)。これにより、部品レイアウトの自由度を向上させるとともに、樹脂で構成された部材への太陽光の集光の影響を抑制することが可能となる。
金属ワイヤ45aは、サブマウント43に設けられた端子と搭載基板41上に形成された配線パターン42とを接続するための部材であり、公知のワイヤボンディング技術で実現できる金属製の導電性部材である。金属ワイヤ45aを構成する材料は限定されず、金、銅、アルミニウム等を用いることができるが、金を用いることが好ましい。
光吸収性樹脂部45は、ベース樹脂に無機フィラーと光吸収性材料を混入した樹脂部材であり、金属ワイヤ45aを覆って封止し、本発明におけるワイヤ保護樹脂部に相当している。光吸収性樹脂部45による金属ワイヤ45aの封止は、金属ワイヤ45aを個別に1本ずつ封止するとしてもよいが、複数の金属ワイヤ45aを一括して封止することが好ましい。光吸収性樹脂部45のベース樹脂としては、高い耐熱性、耐光性、透光性を有したハンドリングの良い硬化性樹脂組成物が好ましく、エポキシ樹脂やシリコーン樹脂等の公知の封止材料が挙げられる。特に、熱による光吸収性樹脂部45の膨張や収縮で金属ワイヤ45aに応力が加わり変形や破断することを防止するためには、ベース樹脂として硬化後の弾性率が低いシリコーン樹脂を用いることが好ましい。ベース樹脂に混入する光吸収性材料としては、カーボンフィラー等が挙げられる。
本実施形態の光源モジュール40では、金属ワイヤ45aを光吸収性樹脂部45で覆って封止することで、金属ワイヤ45aに導電性異物が付着してショートすることを防止できる。また、光吸収性樹脂部45は光吸収性材料を混入しているため、サブマウント43からの光が金属ワイヤ45aに到達して反射され、迷光として灯具ユニット100の外部に照射されることを防止できる。特に、ADB技術を用いてサブマウント43に含まれる発光素子を選択的に点灯させる場合には、金属ワイヤ45aにより反射された迷光が非照射領域に到達することを防止でき、高密度に発光素子を実装しながらもグレアの発生を抑制することが可能となる。
光吸収性樹脂部45を形成する際には、無機フィラーと光吸収性材料を混練したベース樹脂をディスペンサー等で金属ワイヤ45a上に供給した後に硬化する。光吸収性材料を混練した後の粘度およびチクソ性は、塗布後の成型性や給電ワイヤへの応力を考慮して、ベース樹脂の材料選定や無機フィラーの添加量を調整することで任意に調整可能である。チクソ性はディスペンサーの射出性/塗布後の成型性より、E型粘度計における23℃、回転数0.5rpmの粘度、および回転数5rpmの粘度において、(0.5rpmの粘度)/(5rpmの粘度)が2.0以上3.5以下であることがハンドリングの観点から好ましい。チクソ性をこの範囲に設定するとベース樹脂の流動性が適度に保たれ、サブマウント43の周囲をダム部材等で囲まなくとも、樹脂が流出して金属ワイヤ45aが露出することや、金属ワイヤ45a同士の間隙や下部に空隙が生じることを防止できる。
リフレクタ30の搭載基板41と対向する面には、第4実施形態で詳細を後述するように、平面視においてワイヤ保護樹脂部である光吸収性樹脂部45と重なる位置に凹部が形成されている。これにより、反射面を発光素子に近接させてもリフレクタ30と光吸収性樹脂部45との干渉を防止できる。
レジスト層46は、搭載基板41の表面側に配線パターン42を覆うように形成された絶縁性の膜状部材である。レジスト層46を構成する材料は限定されないが、搭載基板41の表面と配線パターン42での光反射が異なることによる迷光を抑制するために、レジスト層46を形成した領域内の光反射率を均一化するように光反射性材料または光吸収性材料を用いることが好ましい。
光学部材搭載領域47は、光学部材であるリフレクタ30を搭載するための搭載基板41表面における領域であり、レジスト層46が形成されず搭載基板41の表面が露出している領域である。光学部材搭載領域47は、サブマウント43を搭載している領域を挟んで搭載基板41の両側に位置しており、光学部材搭載領域47にリフレクタ30を当接させて固定することで、サブマウント43を跨いでリフレクタ30を配置することができる。
光学部材固定部48は、光学部材搭載領域47内に設けられた貫通孔である。光学部材搭載領域47にリフレクタ30を当接させ、光学部材固定部48に搭載基板41の表面側からネジ等の固定部材を挿入して搭載基板41およびリフレクタ30をヒートシンク50に固定する。光学部材固定部48の形成位置についても詳細を後述するが、2つの光学部材固定部48の間にサブマウント43が配列されている。
図3は、本実施形態における搭載基板41を示す模式平面図である。図2で示したように、搭載基板41上には配線パターン42が形成されており、配線パターン42を覆ってレジスト層46が形成されている。図3に示すように、光学部材搭載領域47と、サブマウント43を搭載する発光部搭載領域49と、金属ワイヤ45aをボンディングする部分と、給電コネクタ44a,44bを搭載する給電コネクタ搭載部44a1,44b1と、給電コネクタ44a,44bの端子を接続する部分を除いた領域にはレジスト層46が形成されている。
発光部搭載領域49は、前述したように複数のサブマウント43を搭載する領域であり、図中左右方向を長手方向としてサブマウント43を二列配列できるように形成されている。また、光学部材固定部48の中心を結ぶ線L1は、発光部搭載領域49の略中央を長手方向に沿って横断するような位置関係とされている。
図4は、本実施形態における搭載基板41の構造を詳細に説明する図であり、図4(a)は分解斜視図であり、図4(b)は模式断面図である。図4(a)に示すように、搭載基板41は、金属板41aと接着シート41bとガラスエポキシ樹脂層41cの積層構造で構成されている。接着シート41bとガラスエポキシ樹脂層41cには、それぞれに発光部搭載領域49に対応した形状の開口部49b,49cが形成されており、開口部49b,49cの位置が一致している。接着シート41bとガラスエポキシ樹脂層41cの所定領域に開口部49b,49cを予め形成しておき位置合わせして貼り付けるとしてもよく、金属板41aとガラスエポキシ樹脂層41cを接着シート41bで貼り付けた後に切削加工等により開口部49b,49cを一括して形成するとしてもよい。
図4(b)に示すように、発光部搭載領域49の周囲では接着シート41bとガラスエポキシ樹脂層41cが積層され、ガラスエポキシ樹脂層41c上には配線パターン42およびレジスト層46が形成されている。発光部搭載領域49の内部では、開口部49b,49cに対応した領域で金属板41aの表面が一部露出している。また、前述したように光学部材搭載領域47にはレジスト層46が形成されていないため、光学部材搭載領域47ではガラスエポキシ樹脂層41cが露出している。
本実施形態の光源モジュール40では、光学部材搭載領域47にはレジスト層46が形成されておらず、光学部材であるリフレクタ30をガラスエポキシ樹脂層41cに直接搭載して固定する。これにより、レジスト層46の膜厚のばらつきによって生じるリフレクタ30とサブマウント43との位置ズレを抑制し、光学部材と発光素子43cの相対的位置関係を精密に位置合わせして良好な配光特性で光照射することが可能となる。また、金属板41aに接着シート41bを用いてガラスエポキシ樹脂層41cを貼り付けることで、金属板41a上に高熱伝導性フィラーを含有した絶縁層を形成する必要がなくなり、製造工程及び製造コストの低減を図ることが可能となる。
図5は、搭載基板41上に各部材を搭載した状態の光源モジュール40を示す模式平面図である。図4で示した搭載基板41の給電コネクタ搭載部44a1,44b1と端子接続部分にハンダを塗布し、表面実装型の給電コネクタ44a,44bをハンダリフローにより実装する。また、サブマウント43の裏面と発光部搭載領域49内で露出する金属板41aとを接着剤で固定し、長手方向に沿って複数のサブマウント43を二列配列した後に、ワイヤボンディングにより金属ワイヤ45aでサブマウント43と配線パターン42とを電気的に接続する。最後に、複数の金属ワイヤ45aに対してディスペンサーで光吸収性樹脂部45を塗布して硬化する。前述したように、光学部材固定部48の中心を結んだ線L1は、二列に配列したサブマウント43の長手方向に沿って略中央に位置している。
図6は、サブマウント43を拡大して示す拡大斜視図である。サブマウント43は、サブマウント基板43a上に複数のサブマウント配線43bが形成され、サブマウント配線43b上に複数の発光素子43cが搭載され、複数の発光素子43cの側面を一括して光反射性樹脂部43dが封止している。また、サブマウント基板43a上の一部には光反射性樹脂部43dが形成されず、サブマウント基板43aの表面及びサブマウント配線43bが露出している。発光素子43cは、光反射性樹脂部43dの内部において、隣り合うサブマウント配線43b間に跨ってフリップチップ実装されている。
サブマウント基板43aは、絶縁性で熱伝導性が良好な材質で形成された略矩形の平板状部材であり、例えばSiやAlN等で構成されている。サブマウント配線43bは、サブマウント基板43aの一方の表面上に形成された導電性パターンであり、発光素子43cと電気的に接続されるとともに金属ワイヤ45aがワイヤボンドされる。
発光素子43cは、2本の金属ワイヤ45aに電気的に接続されて、金属ワイヤ45a間に電圧が印加されると発光する部材であり、LEDチップと蛍光体材料との組み合わせによって構成されている。LEDチップとしては青色や紫色、紫外光の波長を一次光として出射するGaN系などの公知の化合物半導体材料を用いることができる。蛍光体材料としては、一次光により励起されて所望の二次光を照射する公知の材料を用いることができ、LEDチップからの一次光と混色により白色を得るものや、複数の蛍光体材料を用いて複数の二次光の混色により白色を得るものを用いることができる。
光反射性樹脂部43dは、ベース樹脂に光反射性微粒子を混入した部材であり、例えば酸化チタン等の微粒子を混入した白色樹脂が挙げられ、発光素子43cで出射した光を良好に反射する。また光反射性樹脂部43dは、発光素子43cを囲んで側面を封止して充填されており、発光素子43cの側面から照射される光を発光素子43c内部方向に反射する。これにより、発光素子43cでの発光は発光素子43c側面から側方に漏れ出すことがなく、発光素子43cの上面から良好に外部に照射される。
図6に示すように、サブマウント43の長手方向に沿って配列された複数の発光素子43cは、隣接する発光素子43c同士の側面間距離はd1であり、発光素子43c同士の中心間距離はd2となっている。図2に示したように、複数のサブマウント43が上下二列に配列されて光源部を構成しており、長手方向に延伸してサブマウント基板43aが複数隣接して配置されて一列目を構成するとともに、一列目に隣接して二列目のサブマウント基板43aが配置されている。
図7は、発光部搭載領域49にサブマウント43を搭載した状態を示す部分拡大断面図である。発光部搭載領域49で露出した金属板41a上に接着剤でサブマウント基板43aが固定され、サブマウント基板43a上の発光素子43cの側面は光反射性樹脂部43dで封止されている。サブマウント基板43a上の光反射性樹脂部43dが形成されていない領域には、金属ワイヤ45aの一端がワイヤボンドされている。
本実施形態の光源モジュール40では、複数の発光素子43cをサブマウント基板43a上に搭載し、サブマウント基板43a表面に形成されたサブマウント配線43bに対して金属ワイヤ45aをワイヤボンドして電力を供給する。これにより、ハンダを用いて発光素子43cを配線パターン42上に直接搭載するよりも、融点の高い金属ワイヤ45aで大電流を供給することができ、光源モジュール40の光度を高めることが可能となる。また、サブマウント基板43aを発光部搭載領域49内で露出した金属板41aに対して搭載し、耐熱温度が高い接着剤を用いて固定することにより、ハンダを用いた発光素子43cの実装よりも耐熱温度を高く設定でき、さらに大電流供給と高光度化を図ることができる。
図7に示すように、ガラスエポキシ樹脂層41c上に形成された配線パターン42はレジスト層46で覆われているが、金属ワイヤ45aの他端をワイヤボンドする位置にはレジスト層46が形成されていない。金属ワイヤ45a全体は光吸収性樹脂部45で封止されており、金属ワイヤ45aの両端におけるワイヤボンド位置と金属ワイヤ45aの上部および下部に充填されている。光吸収性樹脂部45は、サブマウント基板43aのワイヤボンド位置において光反射性樹脂部43dに隣接して形成されている。図7では接着シート41bの図示は省略している。
上述したように、サブマウント43は発光部搭載領域49内でガラスエポキシ樹脂層41cを介さず金属板41aに搭載されており、サブマウント43における発光素子の高さ寸法は、ガラスエポキシ樹脂層41cの厚さ寸法より大きい。ここでサブマウント43における発光素子の高さ寸法とは、サブマウント基板43aの底面から発光素子43cの上面までの距離であり、例えば1.3mm程度である。
本実施形態の光源モジュール40では、サブマウント43の高さが接着シート41bと配線パターン42とレジスト46の厚みの合計よりも大きいため、サブマウント43の光取り出し面である発光素子43c上面がガラスエポキシ樹脂層41cよりも上方に位置する。これにより、サブマウント43から照射される光がガラスエポキシ樹脂層41cの側面に入射して遮られることを防止でき、良好に光を取り出して所望の配光特性で光照射することができる。
本実施形態の光源モジュール40では、金属板41aとガラスエポキシ樹脂層41cを接着シート41bで貼り合わせた後に、搭載基板41の裏面側から抜き打ち加工で光学部材固定部48を形成する。ガラスエポキシ樹脂層41cの厚さ寸法を0.05mm〜0.2mm、好ましくは0.075mm〜0.15mmとすると、抜き打ち加工時に金属板41aに生じるバリがガラスエポキシ樹脂層41cによって抑制され、光学部材であるリフレクタ30を精密に位置合わせして固定することが可能となる。
図8は、発光部搭載領域49周辺を拡大して示す拡大平面図である。図8に示すように光吸収性樹脂部45は、複数の金属ワイヤ45aを一括して封止しており、配線パターン42のワイヤボンド位置からサブマウント43のワイヤボンド位置まで覆い、光反射性樹脂部43dに隣接する位置にまで形成されている。また、サブマウント43は左右方向に沿って複数配列されるとともに、上下方向に二列が隣接して配置されて本発明の光源部を構成している。
上下二列にサブマウント43が配列された光源部では、発光素子43cも二列に配列されており、図8に示す線L2は二列の発光素子43cの中間位置を示す発光中心線である。この発光中心線L2は、図5で示した光学部材固定部48の中心を結んだ線L1と略一致しており、複数の発光素子43cの発光中心線L2の延長線上において、光学部材であるリフレクタ30が固定される。
本実施形態の光源モジュール40では、光学部材固定部48の中心を結んだ線L1と、サブマウント43の発光中心線L2とが略一致しているため、搭載基板41に反りが生じている場合などにも、発光中心線L2上でリフレクタ30を締結することで反りを低減し、光源部と光学部材との位置関係を適切に設定することができる。また、ヒートシンク50を含めて一括して搭載基板41とリフレクタ30を締結すると、発光部搭載領域49の裏面側をヒートシンクに対して密着させることができ、反りの無い搭載基板41と同様の放熱特性を得ることが可能となる。
配線パターン42のワイヤボンド位置は、発光部搭載領域49の図中上下辺に沿って設けられており、図中上列のサブマウント43に対しては図中上方から金属ワイヤ45aがワイヤボンディングされ、図中下列のサブマウント43に対しては図中下方から金属ワイヤ45aがワイヤボンディングされている。したがって、第一列および第二列の発光素子43cは、第一列に接続される金属ワイヤ45aと、第二列に接続される金属ワイヤ45aとの間に位置している。
本発明の灯具ユニット100を用いた車両用灯具では、給電コネクタ44a,44b、配線パターン42、金属ワイヤ45a、サブマウント配線43bを介して、外部から発光素子43cに対して選択的に電力が供給され、発光素子43cが点灯する。光源部を構成する複数のサブマウント43のうち、選択された発光素子43cが点灯することで光源部全体での配光分布が決定され、リフレクタ30およびレンズ10を介してADB技術により灯具ユニット100前方に二次元的な配光パターンを照射する。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について図9〜図12を用いて説明する。第1実施形態と重複する内容は説明を省略する。図9は、本実施形態におけるレンズホルダ20を模式的に示す斜視図である。図9では、レンズホルダ20のうちヒートシンク50に搭載する側から見た図を示している。図9に示すようにレンズホルダ20は、ホルダ側壁部201と、固定部202a〜202cと、位置決めピン203と、側方延出部204と、半嵌合防止部205a,205bと、誤組付防止部206a,206bを有している。
図10は、本実施形態におけるヒートシンク50とレンズホルダ20との位置合わせを模式的に示す分解斜視図である。図10に示すようにヒートシンク50の搭載面には、固定用孔502a〜502cおよび位置決め用孔503が形成されるとともに、光源モジュール40とリフレクタ30とが位置決めして搭載されている。
ホルダ側壁部201は、レンズホルダ20の本体を構成する略筒状の部分であり、一方の端部でレンズ10の光入射面側を保持し、他方の端部がヒートシンク50に対向して配置される。ヒートシンク50側のホルダ側壁部201には、複数の固定部202a〜202cと位置決めピン203、側方延出部204および誤組付防止部206a,206bが一体に形成されている。また、ホルダ側壁部201のレンズ10側には、レンズ10を位置決めして固定するための構造が形成されている(図示省略)。
固定部202a〜202cは、ホルダ側壁部201から円筒形上の外側方向およびヒートシンク50方向に突出して形成された螺子孔であり、ヒートシンク50に設けられた固定用孔502a〜502cに対応する位置に形成されている。固定部202a〜202cがヒートシンク50側に突出して設けられていることで、ホルダ側壁部201とヒートシンク50との距離が確保され、光源モジュール40とホルダ側壁部201との距離も確保される。
位置決めピン203は、固定部202a〜202cの近傍に形成された、ヒートシンク50方向に突出したピン形状の部分であり、ヒートシンク50に設けられた位置決め用孔503に対応する位置に形成されている。
側方延出部204は、ホルダ側壁部201から円筒形上の外側方向に突出して形成された平板状の部分であり、光源モジュール40の給電コネクタ44a,44bに略対応した位置に形成されている。側方延出部204のヒートシンク50側には、半嵌合防止部205a,205bおよび誤組付防止部206a,206bが形成されている。
半嵌合防止部205a,205bは、側方延出部204のヒートシンク側に立設されたリブであり、ホルダ側壁部201の外周から所定の間隔となる位置に、ホルダ側壁部201の外周に並行して形成されている。半嵌合防止部205a,205bのヒートシンク側への突出高さは、レンズホルダ20がヒートシンク50に固定された際に、給電コネクタ44a,44bに接続されたハーネス側コネクタのハウジングに干渉しうる程度の高さである。また、半嵌合防止部205aと半嵌合防止部205bの形成位置は、それぞれホルダ側壁部201の外周からの間隔が異なっている。
誤組付防止部206a,206bは、側方延出部204のヒートシンク側に立設されたリブであり、ホルダ側壁部201の外周から半嵌合防止部205a,205bに向かって延伸して形成されている。誤組付防止部206a,206bのヒートシンク側への突出高さは、半嵌合防止部205a,205bと同程度とされている。また、誤組付防止部206a,206bは、それぞれ、給電コネクタ44a,44bのハウジングに沿った位置および形状で形成されている。
図2に示した例では、給電コネクタ44a,44bはそれぞれ異なる数の端子を備え、互いに幅が異なっており、搭載基板41上における給電コネクタ44a,44bの配置は左右均等ではなく非対称となっている。したがって、給電コネクタ44a,44bは、レンズホルダ20をヒートシンク50に固定するための複数の固定部202a〜202cの配置に対しても非対称の位置であり、誤組付防止部206a,206bも固定部202a〜202cの配置に対して非対称に設けられている。ここで、固定部202a〜202cの配置に対して非対称とは、誤組付防止部206a,206bに対して、固定部202a〜202cのうち少なくとも二つが対称位置にないことを意味している。
図9,図10に示したように本実施形態のレンズホルダ20では、ホルダ側壁部201と固定部202a〜202cの高さにより、レンズ10とヒートシンク50との距離が確保され、レンズ10と光源モジュール40との距離が確保される。また、固定部202a〜202cによってホルダ側壁部201とヒートシンク50との距離が確保され、光源モジュール40とリフレクタ30はホルダ側壁部201とは干渉せずに互いに位置合わせして保持される。
次に、半嵌合防止部205a,205bと誤組付防止部206a,206bの機能について、図11および図12を用いて説明する。図11は、ヒートシンク50上に光源モジュール40を搭載し、レンズホルダ20およびレンズ10を固定した状態をレンズ10側から見た正面図である。図12は、ヒートシンク50上に光源モジュール40とリフレクタ30を搭載し、レンズホルダ20およびレンズ10を固定した状態を模式的に示す図であり、図12(a)は側方延出部204側から見た側面図であり、図12(b)は固定部202c側から見た側面図である。
図11,図12に示したように、位置決めピン203をヒートシンク50の位置決め用孔503に挿嵌し、固定部202a〜202cと固定用孔502a〜502cを位置合わせし、ネジで螺合してレンズホルダ20がヒートシンク50に固定されている。また、給電コネクタ44a,44bには、それぞれ対応するハーネス側コネクタ400a,400bが挿嵌されている。ここではハーネス側コネクタ400a,440bのハウジング部分のみを図示し、ハーネス側コネクタ400a,400bから外部に接続するための配線は図示を省略している。
このときレンズホルダ20のホルダ側壁部201は、固定部202a〜202cによってヒートシンク50から所定の間隔を保持されているため、搭載基板41、給電コネクタ44a,44bおよびハーネス側コネクタ400a,400bは、一部がホルダ側壁部201よりも外側に位置することができる。また、図11に示したように側方延出部204は、平面視において給電コネクタ44a,44bおよびハーネス側コネクタ400a,400bの間を覆う位置となっている。上述したように給電コネクタ44a,44bは各々で端子数および横幅が異なっており、ハーネス側コネクタ400a,400bもそれに対応して端子数と横幅が異なっている。また、ハーネス側コネクタ400a,400bのハウジング部分の奥行も異なっており、ホルダ側壁部201から外側への突出量も異なっている。
図12(b)に示したように、ハーネス側コネクタ400a,400bがそれぞれ給電コネクタ44a,44bに十分に挿嵌された嵌合状態では、半嵌合防止部205a,205bはハーネス側コネクタ400a,400bのハウジング部分よりもさらにホルダ側壁部201から外側に位置しており、半嵌合防止部205a,205bとハーネス側コネクタ400a,400bの外側端部とが所定距離隔てられている。
一方、ハーネス側コネクタ400a,400bがそれぞれ給電コネクタ44a,44bに十分に挿嵌されていない半嵌合状態では、ハーネス側コネクタ400a,400bの外側端部が半嵌合防止部205a,205bよりも外側に位置するため、レンズホルダ20をヒートシンク50に組付ける際に半嵌合防止部205a,205bとハーネス側コネクタ400a,400bのハウジング部分とが干渉し、レンズホルダ20の組付け作業を実施できない。
このように本実施形態の灯具ユニット100では、レンズホルダ20をヒートシンク50に組付ける作業において、半嵌合防止部205a,205bとハーネス側コネクタ400a,400bとの干渉の有無によってハーネス側コネクタ400a,400bの半嵌合状態をチェックすることができる。半嵌合防止部205a,205bとハーネス側コネクタ400a,400bのハウジング部分とが干渉している場合には、干渉しているハーネス側コネクタ400a,400bを給電コネクタ44a,44bに押し込み、十分に挿嵌して嵌合状態とする。
これにより、ハーネス側コネクタ400a,400bが半嵌合状態のまま灯具ユニット100が組み立てられて、使用時に振動等によってハーネス側コネクタ400a,400bが給電コネクタ44a,44bから脱落することを防止できる。また図12(a)(b)に示したように、半嵌合防止部205a,205bはハーネス側コネクタ400a,400bよりも外側に位置し、その先端がハーネス側コネクタ400a,400bよりもヒートシンク50側に突出している。これにより、灯具ユニット100の使用時の振動等によって嵌合状態が緩み、半嵌合状態を経て脱落することも防止できる。
図11および図12(a)(b)に示すように、誤組付防止部206a,206bは、それぞれ給電コネクタ44a,44bの間に位置し、その先端がハーネス側コネクタ400a,400bよりもヒートシンク50側に突出するように設けられている。したがって、光源モジュール40の左右を正しくヒートシンク50に搭載した場合には、誤組付防止部206a,206bは給電コネクタ44a,44bと干渉せず、両者の間に挿入される。このとき、誤組付防止部206a,206bの側面が給電コネクタ44a,44bと接触するとしてもよく、所定の間隔を確保されるとしてもよい。
一方、光源モジュール40の左右を誤ってヒートシンク50に搭載した場合には、給電コネクタ44a,44bの位置が正しい取り付け位置と異なっているため、誤組付防止部206a,206bは給電コネクタ44a,44bと干渉し、レンズホルダ20の組付け作業を実施できない。これは、給電コネクタ44a,44bが搭載基板41および固定部202a〜202cに対して非対称の位置に設けられおり、誤組付防止部206a,206bもその非対称な位置に対応して設けられているからである。
このように本実施形態の灯具ユニット100では、レンズホルダ20をヒートシンク50に組付ける作業において、誤組付防止部206a,206bと給電コネクタ44a,44bとの干渉の有無によって、光源モジュール40の左右が正しくヒートシンク50に搭載されているかをチェックすることができる。誤組付防止部206a,206bと給電コネクタ44a,44bとが干渉している場合には、光源モジュール40の左右が誤っているため、光源モジュール40を取り外して正しいものと交換する。これにより、搭載基板41の形状によらず、簡便な構成で光源モジュール40の誤組み付けを防止することが可能となる。
図1〜図12では、コネクタ部として給電コネクタ44a,44bの二つを設けた例を示したが、コネクタ部の形状は限定されず、単数であっても三つ以上であってもよい。コネクタ部として給電コネクタ44a,44bを複数設ける場合には、給電コネクタ44aを単数設ける場合よりも一つのコネクタ部あたりの端子数を減少させ、コネクタ部のハウジングサイズを小さくすることができる。これにより、ハーネス側コネクタを挿嵌するために必要な力が小さくてすむため、灯具ユニット100の組み立て工程での作業を容易にすることが可能である。
また、搭載基板41上にコネクタ部として給電コネクタ44aを単数設ける場合には、給電コネクタ44aが搭載基板41および固定部202a〜202cに対して非対称に設けられていることが重要である。このように単数の給電コネクタ44aを設けた場合でも、レンズホルダ20の対応する位置に誤組付防止部206aを設けることで、固定部202a〜202cに対して給電コネクタ44aが非対称であり、給電コネクタ44aと誤組付防止部206aとの干渉で左右の誤組み付けを防止できる。
また、給電コネクタ44a,44bのそれぞれに対応する半嵌合防止部205a,205bとして、ホルダ側壁部201の側面からの距離が異ならせることで、給電コネクタ44a,44bに嵌合されるハーネス側コネクタ400a,400bのサイズに応じて半嵌合状態をチェックすることができる。また、光源モジュール40の左右を誤って取り付けている場合には、半嵌合防止部205a,205bがハーネス側コネクタ400a,400bに干渉することとなり、半嵌合防止部205a,205bによっても光源モジュール40の誤組み付けをチェックすることができる。
このように本実施形態の灯具ユニット100およびこれを用いた車両用灯具では、レンズホルダ20には、搭載基板41に搭載された給電コネクタ44a,44bと対応する位置に誤組付防止部206a,206bが形成されているため、給電コネクタ44a,44bと誤組付防止部206a,206bとの干渉で左右の誤組み付けを防止でき、LEDを搭載する基板の形状によらず、簡便な構成で誤組み付けを防止することが可能となる。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について図13〜図15を用いて説明する。第1実施形態と重複する内容は説明を省略する。図13は、本実施形態におけるリフレクタ30の構造例を模式的に示す斜視図であり、図13(a)は光取出し方向から見た斜視図であり、図13(b)は搭載基板41と対向する側から見た斜視図である。図14は、本実施形態におけるリフレクタ30の構造例を模式的に示す図であり、図14(a)は光取出し方向から見た正面図であり、図14(b)は図14(a)中のA−Aで示した一点鎖線での断面図である。
図13,図14に示すように、本実施形態のリフレクタ30は、両側に二つの基板当接部301を備え、基板当接部301には位置決め孔302a,302bおよび固定用孔303が開口されている。また、二つの基板当接部301の間には第1反射部304と、第2反射部305と、第3反射部306が一体に形成されており、第3反射部306の上端が延伸されてコネクタ隠蔽部307が形成されている。
また、第1反射部304と第2反射部305との間には光取出用開口部308が形成されており、第2反射部305と第3反射部306との間には光取出用開口部309が形成されている。さらに、第1反射部304の搭載基板41と対向する側には凹部304aが形成されており、第3反射部306の搭載基板41と対向する側には凹部306aが形成されている。
基板当接部301は、リフレクタ30の幅方向の両端に位置する薄板状部分であり、搭載基板41上の光学部材搭載領域47の位置および形状に対応して形成されている。また、左右の基板当接部301の間には、第1反射部304、第2反射部305、第3反射部306が橋渡しして一体に形成されている。基板当接部301の搭載基板41と対向する面は平坦であり、光学部材搭載領域47とは略全域で面的に接触する。
位置決め孔302a,302bは、基板当接部301に形成された貫通孔であり、ヒートシンク50に設けられた光学部材用の位置決めピンの位置および形状に対応して形成されている。光学部材用の位置決めピンが、光源モジュール40に設けられた貫通孔と位置決め孔302a,302bに挿嵌されることで、光源モジュール40およびリフレクタ30が位置決めされる。位置決め孔302aの形状は略長円形とされ、位置決めピンが挿入された際に多少の遊びをもっている。位置決め孔302bの形状は略円形とされ、位置決めピンが挿入された際にピンが精密に嵌合する形状となっている。
固定用孔303は、基板当接部301に形成された貫通孔であり、ヒートシンク50に設けられたネジ孔および光源モジュール40の光学部材固定部48の位置および形状に対応して形成されている。光学部材搭載領域47にリフレクタ30を当接させ、固定用孔303に搭載基板41の表面側からネジ等の固定部材を挿入することで、リフレクタ30および搭載基板41はヒートシンク50に固定される。
第1反射部304は、左右二つの基板当接部301の間を橋渡すように第2反射部305および第3反射部306と略平行に形成されており、光取出用開口部308側がテーパー形状の反射面とされた部材である。また、第1反射部304の搭載基板41と対向する面には、凹部304aが形成されている。第1反射部304の位置は、搭載基板41上の光吸収性樹脂部45の位置に対応しており、光吸収性樹脂部45全体を覆う長さと幅を有している。
第2反射部305は、左右二つの基板当接部301の間を橋渡すように第1反射部304および第3反射部306と略平行に形成されており、光取出用開口部308側および光取出用開口部309側がテーパー形状の反射面とされた部材である。
第3反射部306は、左右二つの基板当接部301の間を橋渡すように第1反射部304および第2反射部305と略平行に形成されており、光取出用開口部309側がテーパー形状の反射面とされた部材である。第3反射部の反射面はレンズ10方向に延長されており、その先端部にはコネクタ隠蔽部307が延伸して一体に形成されている。また、第3反射部306の搭載基板41と対向する面には、凹部306aが形成されている。第3反射部306の位置は、少なくとも搭載基板41上の光吸収性樹脂部45の位置に対応しており、光吸収性樹脂部45全体を覆う長さと幅を有している。
コネクタ隠蔽部307は、第3反射部306の反射面の先端部が搭載基板41と略平行方向に延伸して形成された部分であり、基板当接部301よりもレンズ10方向に位置している。コネクタ隠蔽部307の搭載基板41表面からの距離は、少なくとも給電コネクタ44a,44bのハウジング高さよりも大きくされている。また、コネクタ隠蔽部307の幅は、少なくとも給電コネクタ44a,44bの一部を覆う程度とされている。
光取出用開口部308は、第1反射部304と第2反射部305の間に形成された開口部であり、光源モジュール40上に搭載された複数の発光素子43cの位置および形状に対応している。光取出用開口部309は、第2反射部305と第3反射部306の間に形成された開口部であり、光源モジュール40上に搭載された複数の発光素子43cの位置および形状に対応している。
凹部304aは、第1反射部304の搭載基板41と対向する面に、第1反射部304の長さ方向の略全域にわたって設けられた凹部であり、光取出用開口部308から所定距離を空けた位置から、光取出用開口部308とは反対側まで形成されている。凹部306aは、第3反射部306の搭載基板41と対向する面に、第3反射部306の長さ方向の略全域にわたって設けられた凹部であり、光取出用開口部309から所定距離を空けた位置から、光取出用開口部308とは反対側まで形成されている。
図15は、光源モジュール40にリフレクタ30を搭載した状態を模式的に示す図であり、図15(a)は光取り出し側から見た正面図であり、図15(b)は、斜視図である。ヒートシンク50上に光源モジュール40およびリフレクタ30を配置し、位置決め孔302a,302bにヒートシンク50の位置決めピンを挿入し、固定用孔303にネジを螺合して光源モジュール40およびリフレクタ30を固定する。
図15(a)(b)に示すように、搭載基板41を平面視したときに、第1反射部304および第3反射部306はそれぞれ搭載基板41上の光吸収性樹脂部45を覆い、光取出用開口部308,309からは複数の発光素子43cが露出している。また、コネクタ隠蔽部307は、給電コネクタ44a,44bの一部と重なる位置にまで延在して、給電コネクタ44a,44bを構成する樹脂の少なくとも一部を覆っている。ここでは、コネクタ隠蔽部307が給電コネクタ44a,44bの一部を覆って一部が露出した例を示したが、給電コネクタ44a,44bの全体を覆う構成としてもよい。
本実施形態の灯具ユニット100は、図1に示したと同様に投影レンズとしてレンズ10を備えており、レンズ10の後方焦点近傍に複数の発光素子43cが配置されている。給電コネクタ44a,44bを介して電力が供給されると、光源モジュール40は供給された電力に応じて点灯し、発光した光が光取出用開口部308,309を介して取り出される。発光素子43cからの光は、発光素子43cの近傍に配置された第1反射部304、第2反射部305、第3反射部306の反射面により反射され、レンズホルダ20内およびレンズ10を通過し、前方に所望の配光分布で照射される。
本実施形態でも、図1に示したと同様に搭載基板41は鉛直方向に配置され、給電コネクタ44a,44bはレンズ10の光軸よりも下方に配置されている。このように給電コネクタ44a,44bのハーネス接続側が下方を向いているため、灯具ユニット100内で水滴が生じたとしても、給電コネクタ44a,44b内部に水滴が溜まることが無くなる。また、コネクタ隠蔽部307が少なくとも給電コネクタ44a,44bの一部を覆っているため、レンズ10から入射した太陽光はコネクタ隠蔽部307によって遮られ、給電コネクタ44a,44bに太陽光が集光して溶損することを防止できる。
また、第1反射部304および第3反射部306は、ワイヤ保護樹脂部である光吸収性樹脂部45を備え、光吸収性樹脂部45と重なる位置にまで延在して一部を覆っており、本発明における保護樹脂隠蔽部としての機能も有している。したがって、レンズ10から入射した太陽光は第1反射部304および第3反射部306によって遮られ、光吸収性樹脂部45に太陽光が集光して溶損することを防止できる。
このように本実施形態の灯具ユニット100およびこれを用いた車両用灯具では、リフレクタ30に、給電コネクタ44a,44bと重なる位置にまで延在して少なくとも一部を覆うコネクタ隠蔽部307が形成されていることで、部品レイアウトの自由度を向上させるとともに、樹脂で構成された部材への太陽光の集光の影響を抑制することが可能となる。
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態について図16および図17を用いて説明する。第3実施形態と重複する内容は説明を省略する。図16は、本実施形態における光源モジュール40とリフレクタ30の関係を模式的に示す部分拡大断面図である。
図16に示したように、搭載基板41上には複数のサブマウント43が搭載されており、サブマウント43に隣接して光吸収性樹脂部45が形成されている。ここで、サブマウント43の構成は第1実施形態で図6を用いて示したものと同様であり、光吸収性樹脂部45は第1実施形態で図8を用いて示したものと同様に金属ワイヤ45aを封止している。また、光吸収性樹脂部45は金属ワイヤ45a全体を封止するため、サブマウント43の発光面よりも高くまで、例えば0.3mm程度高くなるように形成されている。
本実施形態でも第3実施形態と同様に、リフレクタ30の第1反射部304および第3反射部306は光吸収性樹脂部45を覆って配置されている。また、第1反射部304および第3反射部306の搭載基板41と対向する面には、平面視において光吸収性樹脂部45と重なる位置に凹部304a,306aが形成されている。凹部304a,306aの深さは、例えば0.2〜0.5mm程度とする。
本実施形態では、リフレクタ30の光吸収性樹脂部45と重なる位置に凹部304a,306aが形成されていることで、凹部304a,306aの上端面と光吸収性樹脂部45との間のマージンを確保することができる。したがって、光吸収性樹脂部45を形成する際に製造誤差によって高さに例えば0.2mm程度のバラツキが生じたとしても、リフレクタ30と光吸収性樹脂部45との干渉を防止でき、リフレクタ30の反射面を発光素子43cの発光面に近づけることが可能である。
また図16に示したように、第1反射部304および第3反射部306の反射面下端には、それぞれ凹部304a,306aよりも低い位置まで反射面下部304b,306bが形成されており、リフレクタ30の反射面下端より、凹部304a,306aの上端面が上方に位置している。これにより、凹部304a,306aよりも反射面下部304b,306bをサブマウント43の発光面に例えば0.3〜0.4mm程度まで近づけることができ、発光素子43cに対してリフレクタ30の反射面をより一層近接させて光のロスを減少させつつ、リフレクタ30と光吸収性樹脂部45との干渉を防止できる。
さらに図16に示すように、平面視においてサブマウント43の端部と凹部304a,306aの端部が略一致しており、凹部304a,306aを必要以上に広く形成することを防止している。これにより、凹部304a,306aから下方に突出した反射面下部304b,306bの幅を確保でき、反射面下部304b,306bの強度を確保することができる。
図17は本実施形態のリフレクタ30の変形例を模式的に示す部分拡大断面図であり、図17(a)は凹部304aにテーパーが形成されている例であり、図17(b)は凹部304aが垂直に形成されている例であり、図17(c)は凹部304a全体が曲面で形成されている例である。 図17(a)〜(c)に示した凹部304aの形状は一例であり、形状は限定されない。また、第3反射部306の搭載基板41と対向する面に形成された凹部306aについても同様である。どのような凹部304a,306aの形状であっても、反射面下部304b,306bよりも凹部304a,306aの上端面が搭載基板41から遠くなるため、光吸収性樹脂部45との干渉を防止できる。
上述したように、本実施形態の灯具ユニット100およびこれを用いた車両用灯具では、リフレクタ30の光吸収性樹脂部45と重なる位置に凹部304a,306aを形成することで、反射面を発光素子に近接させてもリフレクタ30と光吸収性樹脂部45との干渉を防止できる。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。