JP6965936B2 - 単層カーボンナノチューブ混合物の分離方法、単層カーボンナノチューブ分散液 - Google Patents

単層カーボンナノチューブ混合物の分離方法、単層カーボンナノチューブ分散液 Download PDF

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Description

本発明は、単層カーボンナノチューブ混合物の分離方法および単層カーボンナノチューブ分散液に関する。
近年、ナノメートル領域における炭素材料、いわゆるナノカーボン材料は、それらが有する機械的特性、電気的特性、化学的特性により様々な新規材料として利用することが期待されている。ナノカーボン材料の1つとしては、カーボンナノチューブが挙げられる。カーボンナノチューブは、炭素原子からなる円筒状の物質である。カーボンナノチューブのなかでも、円筒形の層が1層のものは特に単層カーボンナノチューブと言われている。
単層カーボンナノチューブは、優れた電気的特性を有するナノカーボン材料であり、次世代の電子材料として期待されている。この単層カーボンナノチューブは、チューブの直径や巻き具合によって金属性と半導体性という2つの異なる性質に分類されることが知られている。すなわち、公知の製造方法を用いて単層カーボンナノチューブを合成すると、金属的な性質を有する単層カーボンナノチューブ(以下、「金属型単層カーボンナノチューブ」と言う。)と半導体的な性質を有するカーボンナノチューブ(以下、「半導体型単層カーボンナノチューブ」と言う。)が統計的におよそ1:2の割合で含まれる単層カーボンナノチューブの混合物が得られる。
半導体装置の分野では、半導体膜としてアモルファスまたは多結晶のシリコンを用いた薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)が知られている。TFTは、アクティブマトリックス液晶ディスプレイ等のスイッチング素子として実用化されている。
近年、TFT用の半導体膜の材料として、単層カーボンナノチューブの利用が検討されている。そのようなTFTとしては、例えば、単層カーボンナノチューブを含む薄膜を有するものが挙げられる。このような単層カーボンナノチューブを用いたTFTは、アモルファスまたは多結晶のシリコンを用いたTFTに比べて、低温で製造することができるという利点を有する。そのため、単層カーボンナノチューブを用いた場合、プラスチック基板上への回路の形成が可能となる。その結果、半導体装置を軽量化したり、半導体装置の製造コストを低減したりすることができると期待されている。
上述のように、単層カーボンナノチューブは、金属型単層カーボンナノチューブと半導体型単層カーボンナノチューブをおよそ1:2の割合で含んでいる。したがって、単層カーボンナノチューブの混合物を電子材料として用いた場合、電気的な特性の低下等の問題が生じることがある。例えば、TFT用の半導体膜の材料として、単層カーボンナノチューブを用いた場合、金属型単層カーボンナノチューブによって、短絡や、On/Off性能の低下といった性能の低下が生じる。
このような性能が低下する課題を解決するために、これまでに、限りなく100%に近い分離効率を目指して、金属型単層カーボンナノチューブと半導体型単層カーボンナノチューブの分離方法が提案されている。分離方法の1つとしては、例えば、非イオン性界面活性剤を含む溶液に単層カーボンナノチューブを分散させ、その分散液中にて、鉛直方向に直流電圧を印加して、2群以上の異なる性質を有する単層カーボンナノチューブ分散液層を形成する方法が挙げられる(例えば、特許文献1参照)。この方法によれば、TFTの作製時に、その性質を劣化させる可能性があるナトリウム等のイオン種を含まない、良質な半導体性の単層カーボンナノチューブ分散液が得られる。
特許第5717233号公報
しかしながら、特許文献1の分離方法で単層カーボンナノチューブの混合物を分離した場合、金属型単層カーボンナノチューブまたは半導体型単層カーボンナノチューブのいずれにも分離しにくい単層カーボンナノチューブが存在する。
本発明は、単層カーボンナノチューブの混合物を分離しやすい単層カーボンナノチューブ混合物の分離方法および単層カーボンナノチューブ分散液を提供することを目的とする。
本発明の単層カーボンナノチューブ混合物の分離方法は、単層カーボンナノチューブ混合物の分離方法であって、前記単層カーボンナノチューブ混合物と界面活性剤を含む分散液を作製する工程と、前記分散液に含まれる前記単層カーボンナノチューブ混合物を分離する工程と、を有し、前記単層カーボンナノチューブ混合物を分離する工程において、前記分散液の物性量が所定の範囲内にある分散液を使用する。
本発明の単層カーボンナノチューブ分散液は、単層カーボンナノチューブ混合物と、界面活性剤とを含み、平均ゼータ電位が−15mV以上0mV以下である。
本発明によれば、単層カーボンナノチューブの混合物を分離しやすい単層カーボンナノチューブ混合物の分離方法および単層カーボンナノチューブ分散液を提供することができる。
本発明の単層カーボンナノチューブ混合物の分離方法を示すフローチャートである。 実施例1、実施例2および比較例1における平均ゼータ電位を示す図である。 実施例1における分離終了時の層の形成状態を示す写真である。 実施例1における光吸収分析の結果を示す図である。 実施例1におけるラマン分光分析の結果を示す図である。 比較例1における光吸収分析の結果を示す図である。 実施例2における分離終了時の層の形成状態を示す写真である。 実施例2における光吸収分析の結果を示す図である。 比較例1におけるラマン分光分析の結果を示す図である。
本発明の単層カーボンナノチューブ混合物の分離方法および単層カーボンナノチューブ分散液の実施の形態について説明する。
なお、本実施の形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
[単層カーボンナノチューブ混合物の分離方法]
単層カーボンナノチューブ材料として用いられる材料は、触媒金属除去等を目的とした酸処理等が行われていることがある。そのため、単層カーボンナノチューブ材料の中には、その表面等に、カルボキシル基やカルボニル基等の官能基が多く修飾されたものがある。そのような単層カーボンナノチューブ材料は、修飾された官能基の影響により、溶液中では、修飾されていない場合に比べて異なる電荷を帯びている。その結果、修飾された単層カーボンナノチューブ材料は、単層カーボンナノチューブ本来の性質とは異なる表面の電気的状態をなしている。したがって、修飾された単層カーボンナノチューブ材料を、金属型単層カーボンナノチューブと半導体型単層カーボンナノチューブに分離することが難しくなる。
本発明等は、上述した課題について検討を重ねた結果、ゼータ電位等の物性量が所定の範囲内に調整された単層カーボンナノチューブ分散液は、その単層カーボンナノチューブ分散液中にて、鉛直方向に直流電圧を印加して、2群以上の異なる性質を有する単層カーボンナノチューブ分散液層を形成することにより、高純度の金属型単層カーボンナノチューブ分散液と半導体型単層カーボンナノチューブ分散液が得られることを見出した。
以下、本実施形態の単層カーボンナノチューブ混合物の分離方法について、詳細に説明する。
図1は、本実施形態の単層カーボンナノチューブ混合物の分離方法を示すフローチャートである。
本実施形態の単層カーボンナノチューブ混合物の分離方法は、単層カーボンナノチューブ混合物の分離方法であって、単層カーボンナノチューブ混合物の清浄化処理を有し、単層カーボンナノチューブ混合物と界面活性剤を含む分散液を作製する工程(以下、「工程A」と言う。)と、前記分散液に含まれる単層カーボンナノチューブ混合物を分離する工程(以下、「工程B」と言う。)と、を有する。また、工程Aにおいて、分散液の物性量を所定の範囲内に調整するための操作を有する。
本実施形態の単層カーボンナノチューブ混合物の分離方法では、まず、単層カーボンナノチューブ混合物を準備する。
本実施形態の単層カーボンナノチューブ混合物の分離方法における単層カーボンナノチューブは、純炭素から構成されているものであってもよく、単層カーボンナノチューブを水系の溶媒に対する可溶性を発現させるために任意の適切な官能基で置換されたものであってもよい。また、本実施形態の単層カーボンナノチューブ混合物の分離方法における単層カーボンナノチューブは、一重の壁を有する筒状の炭素材料である。
単層カーボンナノチューブ混合物は、金属型単層カーボンナノチューブと半導体型単層カーボンナノチューブを含むものであれば特に限定されない。すなわち、単層カーボンナノチューブ混合物は、公知の単層カーボンナノチューブの合成方法により合成されたものであってもよく、市販のものであってもよい。
工程Aでは、単層カーボンナノチューブ混合物を界面活性剤および分散媒を含む溶液に分散させる前に、単層カーボンナノチューブ混合物に対して、清浄化処理を行う。清浄化処理は、単層カーボンナノチューブの表面に付加された官能基により生じた不要な電荷を除去するために行われる。
清浄化処理の方法は、単層カーボンナノチューブの表面に存在する官能基を除去することができる方法であれば特に限定されない。清浄化処理の方法としては、例えば、真空中または窒素やアルゴン等の不活性雰囲気下、若しくは、水素等を用いた還元雰囲気下にて単層カーボンナノチューブ混合物を加熱するアニール処理法、ヒドラジン処理法、還流法、オートクレーブ法等が挙げられる。これらの方法の中でも、真空中にて単層カーボンナノチューブ混合物を500℃以上に加熱し、その温度で所定時間保持する真空アニール処理法が特に好ましい。
次に、清浄化処理を行った単層カーボンナノチューブ混合物を、界面活性剤および分散媒を含む溶液に分散させて、単層カーボンナノチューブ混合物と界面活性剤を含む分散液(以下、「単層カーボンナノチューブ分散液」と言う。)を作製する。
工程Aでは、清浄化処理を行った単層カーボンナノチューブ混合物を、界面活性剤および分散媒を含む溶液に分散させることにより、単層カーボンナノチューブ分散液の物性量を所定の範囲内に調整する。本実施形態の単層カーボンナノチューブ混合物の分離方法では、単層カーボンナノチューブ分散液の物性量は、単層カーボンナノチューブ分散液の平均ゼータ電位、単層カーボンナノチューブ分散液のpHまたは単層カーボンナノチューブ分散液の導電率である。
分散媒としては、単層カーボンナノチューブ混合物を分散させることができるものであれば特に限定されない。分散媒としては、例えば、水、重水、有機溶媒、イオン液体等が挙げられる。これらの分散媒の中でも、単層カーボンナノチューブが変質しないことから、水または重水が好適に用いられる。
界面活性剤としては、非イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤等が用いられる。単層カーボンナノチューブにナトリウムイオン等のイオン性の不純物が混入することを防ぐためには、非イオン性界面活性剤を用いることが好ましい。
非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル系に代表されるポリエチレングリコール構造を有する非イオン性界面活性剤や、アルキルグルコシド系非イオン性界面活性剤等のイオン化しない親水性部位とアルキル鎖等の疎水性部位で構成されている非イオン性界面活性剤を、1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。このような非イオン性界面活性剤としては、下記式(1)で表わされるポリオキシエチレンアルキルエーテルが好適に用いられる。
2n(OCHCHOH (1)
(但し、n=12〜18、m=20〜100である。)
上記式(1)で表わされるポリオキシエチレンアルキルエーテルとしては、例えば、ポリオキシエチレン(23)ラウリルエーテル(商品名:Brij L23、シグマアルドリッチ社製)、ポリオキシエチレン(20)セチルエーテル(商品名:Brij C20、シグマアルドリッチ社製)、ポリオキシエチレン(20)ステアリルエーテル(商品名:Brij S20、シグマアルドリッチ社製)、ポリオキシエチレン(20)オレイルエーテル(商品名:Brij O20、シグマアルドリッチ社製)、ポリオキシエチレン(100)ステアリルエーテル(商品名:Brij S100、シグマアルドリッチ社製)等が挙げられる。
単層カーボンナノチューブ分散液を作製する方法としては、特に限定されず、公知の方法が用いられる。例えば、単層カーボンナノチューブ混合物と界面活性剤を含む分散媒の混合液を超音波処理して、分散媒に、単層カーボンナノチューブ混合物を分散させる方法が挙げられる。超音波処理の代わりに、機械的な剪断力により、分散媒に単層カーボンナノチューブ混合物を分散させる方法を用いてもよい。単層カーボンナノチューブ分散液において、単層カーボンナノチューブ混合物に含まれる金属型単層カーボンナノチューブや半導体型単層カーボンナノチューブは凝集することなく、独立して分散していることが好ましい。そのため、超音波処理等により分散しなかった金属型単層カーボンナノチューブと半導体型単層カーボンナノチューブは、超遠心分離により分離、除去することが好ましい。
単層カーボンナノチューブ分散液における界面活性剤の含有量は、単層カーボンナノチューブ混合物を分散媒に分散できる範囲であれば特に限定されない。単層カーボンナノチューブ分散液における界面活性剤の含有量は、例えば、臨界ミセル濃度以上、10wt%以下である。
単層カーボンナノチューブ分散液における単層カーボンナノチューブ混合物の含有量は、分散液内部において当該処理時間において分散浮遊しておればいかなる濃度でもよいが、0.001μg/mL以上1g/mL以下であることが好ましく、0.1μg/mL以上100mg/mL以下であることがより好ましい。
単層カーボンナノチューブ分散液における単層カーボンナノチューブ混合物の含有量が上記の範囲であれば、単層カーボンナノチューブ混合物に含まれる2群以上の異なる性質を有する単層カーボンナノチューブを、それぞれの性質別の単層カーボンナノチューブに分離することができる。
このようにして作製された単層カーボンナノチューブ分散液は、平均ゼータ電位、pHまたは導電率を評価すると、これらの値が所定の範囲内にある。
単層カーボンナノチューブ分散液の物性量を評価する場合、単層カーボンナノチューブ分散液としては、上述のようにして調製したものを直接用いてもよく、水を用いて、単層カーボンナノチューブ分散液における非イオン性界面活性剤の含有量を臨界ミセル濃度まで希釈したものを直接用いてもよく、透析法、あるいは、動的な透析法であるクロスフロー濾過方法等を用いて、単層カーボンナノチューブ分散液に含まれる非イオン性界面活性剤を除去し、非イオン性界面活性剤の含有量を低下させたものを用いてよい。これらの中でも、単層カーボンナノチューブ分散液に含まれる非イオン性界面活性剤を除去し、非イオン性界面活性剤の含有量を臨界ミセル濃度近傍まで低下させたものを用いることが特に好ましい。
単層カーボンナノチューブ分散液における平均ゼータ電位は、動的または静的な電気移動度から導出することができる。一般的には、レーザードップラー法と呼ばれる方法を用いることができる。レーザードップラー法は、交流電場を印加した溶液中において、粒子の移動する速度をレーザー光による光散乱による周波数シフト(ドップラーシフト)から求める方法である。このドップラーシフトの量は、粒子の移動速度に比例するため、粒子の泳動速度を求めることができる。この泳動速度(V)と、印加された電場の強さ(E)から、電気移動度(U=V/E)を容易に求めることができる。その結果、溶液中における粒子の電気移動度が定まる。この電気移動度を、例えば、Smoluchowskiの式(ゼータ電位(Z)=4*π*溶媒の粘度(η)*電気移動度(U)/溶媒の誘電率(ε))により求めることができる。
このような電気移動度の計測装置としては、例えば、大塚電子社製のELSZ−2Plus等が挙げられる。
単層カーボンナノチューブ分散液における、好ましい平均ゼータ電位の範囲は、標準試料として官能基除去を行った単層カーボンナノチューブの分散溶液を作製し、そのゼータ電位を求めることにより決定することができる。例えば、界面活性剤として、ポリオキシエチレン(100)ステアリルエーテルを用いた場合、官能基が含まれない1mgの単層カーボンナノチューブを1wt%の界面活性剤溶液中へ注入し、超音波分散並びに超遠心処理を行い、単分散溶液を作製する。その単分散溶液をゼータ電位測定装置により詳細に評価することにより、平均ゼータ電位の範囲を求めることができる。
本実施形態の単層カーボンナノチューブ混合物の分離方法において、単層カーボンナノチューブ分散液の平均ゼータ電位を−15mV以上に調整することが好ましく、−13mV以上に調整することがより好ましい。
単層カーボンナノチューブ分散液の平均ゼータ電位を−15mV以上とすれば、単層カーボンナノチューブ分散液に含まれる2群以上の異なる性質を有する単層カーボンナノチューブを、それぞれの性質別の単層カーボンナノチューブに分離することができる。
本実施形態の単層カーボンナノチューブ混合物の分離方法において、単層カーボンナノチューブ分散液の平均ゼータ電位を0mV以下に調整することが好ましく、−7mV以下に調整することがより好ましい。
単層カーボンナノチューブ分散液の平均ゼータ電位を0mV以下とすれば、単層カーボンナノチューブ分散液に含まれる2群以上の異なる性質を有する単層カーボンナノチューブを、それぞれの性質別の単層カーボンナノチューブに分離することができる。
単層カーボンナノチューブ分散液のpHを評価(測定)する方法は、溶液中のpHを測定できる方法であれば、いかなる方法を用いてもよい。例えば、pH測定方法としては、中和滴定法、指示薬法、金属電極法、ガラス電極法、半導体センサ法等を用いることができる。特に、pHの測定方法としては、中和滴定法や半導体センサ法、ガラス電極法による測定が簡便であり、好適である。
単層カーボンナノチューブ分散液における、好ましいpHの範囲は、標準試料として官能基除去を行った単層カーボンナノチューブの分散溶液を調整し,そのpHを求めることにより統計的に決定することができる。例えば、界面活性剤として,ポリオキシエチレン(100)ステアリルエーテルを用いた場合、官能基が含まれない1mgの単層カーボンナノチューブを1wt%の界面活性剤溶液中へ注入し、超音波分散並びに超遠心処理を行い、単分散溶液を作製する。その単分散溶液のpHを厳密に測定することにより、pHの範囲を求めることができる。一般には、官能基が存しない炭素表面は疎水性であり、さらに表面のカルボキシル基の影響がなくなることによって、pHのシフトは小さいものとなる。したがって、単層カーボンナノチューブ分散液のpHは、主に分散剤(界面活性剤)のpHと同じものとなる。ポリオキシエチレン(100)ステアリルエーテルを例とした場合、その分散溶液と同様のpH領域(6.0〜7.5の領域内において濃度に依存する)となることが望ましい。
本実施形態の単層カーボンナノチューブ混合物の分離方法において、単層カーボンナノチューブ分散液のpHを6.0以上7.5以下に調整することが好ましく、6.5以上7.2以下に調整することがより好ましい。
単層カーボンナノチューブ分散液のpHを上記の範囲内とすれば、単層カーボンナノチューブ分散液に含まれる2群以上の異なる性質を有する単層カーボンナノチューブを、それぞれの性質別の単層カーボンナノチューブに分離することができる。
単層カーボンナノチューブ分散液の導電率を評価(測定)する方法としては、例えば、交流二電極法、電磁誘導法等を用いることができる。
単層カーボンナノチューブ分散液における、好ましい導電率の範囲は、標準試料を用いて決定される。
このようにして単層カーボンナノチューブ分散液の物性量を評価し、得られた物性量が所定の範囲内にあれる場合には、その単層カーボンナノチューブ分散液に分離処理を施して、単層カーボンナノチューブ分散液に含まれる2群以上の異なる性質を有する単層カーボンナノチューブを、それぞれの性質別の単層カーボンナノチューブに分離する。分離処理によって得られる単層カーボンナノチューブは、不純物が少なく、高純度のものである。
次に、工程Bでは、工程Aで作製した単層カーボンナノチューブ分散液を、例えば、カーボンナノチューブ分離装置の分離槽に注入し、分離槽内の上部に設けられた第1の電極と分離槽内の下部に設けられた第2の電極に直流電圧を印加し、分離槽内の単層カーボンナノチューブ分散液に含まれる金属型単層カーボンナノチューブと半導体型単層カーボンナノチューブを分離する。
第1の電極と第2の電極に、所定時間(例えば、1時間〜24時間)、直流電圧を印加すると、単層カーボンナノチューブ分散液に含まれる単層カーボンナノチューブ混合物が、金属型単層カーボンナノチューブと半導体型単層カーボンナノチューブとに分離される。
非イオン性界面活性剤を含む単層カーボンナノチューブ分散液中では、金属型単層カーボンナノチューブが正電荷を有し、半導体型単層カーボンナノチューブが極めて弱い負電荷を有する。
したがって、第1の電極と第2の電極に直流電圧を印加すると、単層カーボンナノチューブ分散液に含まれる単層カーボンナノチューブ混合物のうち、金属型単層カーボンナノチューブが第1の電極(陰極)側に移動し、半導体型単層カーボンナノチューブが第2の電極(陽極)側に移動する。その結果として、単層カーボンナノチューブ分散液は、相対的に金属型単層カーボンナノチューブの含有量が多い分散液相(以下、「分散液相A」という。)と、相対的に半導体型単層カーボンナノチューブの含有量が多い分散液相(以下、「分散液相B」という。)と、分散液相Aと分散液相Bの間に形成され、相対的に金属型単層カーボンナノチューブおよび半導体型単層カーボンナノチューブの含有量が少ない分散液相(以下、「分散液相C」という。)との3相に相分離する。
第1の電極と第2の電極に印加する直流電圧は、特に限定されず、第1の電極と第2の電極との間の距離や単層カーボンナノチューブ分散液における単層カーボンナノチューブ混合物の含有量等に応じて適宜調整される。
単層カーボンナノチューブ分散液の分散媒として、水または重水を用いた場合、第1の電極と第2の電極に印加する直流電圧を、0Vより大きく、1000V以下の間の任意の値とする。
また、第1の電極と第2の電極に直流電圧を印加したとき、第1の電極と第2の電極の間の電界は、0.5V/cm以上15V/cm以下であることが好ましく、1V/cm以上10V/cm以下であることがより好ましい。
次いで、分離した分散液相Aと分散液相Bとをそれぞれ回収(分取)する。
回収の方法は、特に限定されず、分散液相Aと分散液相Bが拡散混合しない方法であればいかなる方法であってもよい。
回収の方法としては、例えば、第1の電極と第2の電極への直流電圧の印加を止め、それぞれの相から、ピペットにより静かに少量ずつ吸い出す方法が挙げられる。
回収した分散液の分離効率は、顕微Raman分光分析法(Radial Breathing Mode(RBM)領域のRamanスペクトルの変化、Breit−Wigner−Fano(BWF)領域のRamanスペクトル形状の変化)、および紫外可視近赤外吸光光度分析法(吸収スペクトルのピーク形状の変化)等の手法により評価することができる。また、単層カーボンナノチューブの電気的特性について評価することによっても、分散液の分離効率を評価することができる。例えば、電界効果トランジスタを作製して、そのトランジスタ特性を測定することによって、分散液の分離効率を評価することができる。
本実施形態の単層カーボンナノチューブ混合物の分離方法によれば、単層カーボンナノチューブ分散液を作製する工程において、単層カーボンナノチューブ混合物を清浄化処理し、その清浄化処理後の単層カーボンナノチューブ混合物を用いて、単層カーボンナノチューブ分散液の物性量を所定の範囲内に調整して、その分散液に含まれる単層カーボンナノチューブ混合物を分離するため、2群以上の異なる性質を有する単層カーボンナノチューブの混合物を、それぞれの性質別の単層カーボンナノチューブに分離することができる。
[単層カーボンナノチューブ分散液]
本実施形態の単層カーボンナノチューブ分散液は、単層カーボンナノチューブ混合物と、界面活性剤とを含み、平均ゼータ電位が−15mV以上0mV以下である。
本実施形態の単層カーボンナノチューブ分散液は、本実施形態の単層カーボンナノチューブ混合物の分離方法における分散液を作製する工程において作製されたものである。
本実施形態の単層カーボンナノチューブ分散液は、上述のように、物性量が所定の範囲内に調整されたものである。本実施形態の単層カーボンナノチューブ分散液の物性量は、単層カーボンナノチューブ分散液の平均ゼータ電位、単層カーボンナノチューブ分散液のpHまたは単層カーボンナノチューブ分散液の導電率である。
本実施形態の単層カーボンナノチューブ分散液によれば、本実施形態の単層カーボンナノチューブ混合物の分離方法における分散液を作製する工程において作製されたものであるため、2群以上の異なる性質を有する単層カーボンナノチューブの混合物を、それぞれの性質別の単層カーボンナノチューブに分離することができる。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
「単層カーボンナノチューブ混合物の分散液の調製操作」
平均直径1nmの単層カーボンナノチューブ混合物を、真空中で、800℃にて2時間加熱した。
水に、非イオン性界面活性剤であるポリオキシエチレン(100)ステアリルエーテル(商品名:Brij S100、シグマアルドリッチ社製)を1.0wt%溶解した溶液Aを調製した。
単層カーボンナノチューブ混合物の分散液における含有量が0.3μg/mLとなるように、単層カーボンナノチューブ混合物を秤量した。
次に、溶液Aに対して、単層カーボンナノチューブ混合物を投入した。
単層カーボンナノチューブ混合物を投入した溶液Aに対して、ホーン型超音波破砕機(商品名:Digital Sonifier 450、ブランソン社製)により、出力25Wで120分間、超音波分散処理を行った。その後、超遠心機(商品名:CS100GX、日立工機社製)により、250000×g、10℃にて50分間、超遠心分離操作を行った。そして、上澄み80%を、単層カーボンナノチューブ混合物の分散液を得た。
得られた単層カーボンナノチューブ混合物の分散液の一部を、例えば、透析法を用いて、単層カーボンナノチューブ混合物の分散液に含まれる非イオン性界面活性剤を除去し、非イオン性界面活性剤の含有量を1/10まで低下させた。
「単層カーボンナノチューブ混合物の分散液の平均ゼータ電位の評価」
非イオン性界面活性剤の含有量を1/10まで低下させた単層カーボンナノチューブ混合物の分散液について、平均ゼータ電位を測定した。
測定には、ゼータ電位測定装置(商品名:ELSZ−2Plus、大塚電子社製)を用いた。結果を図2に示す。
測定の結果、単層カーボンナノチューブ混合物の分散液の平均ゼータ電位は、−10.2mV近傍にあることが確認された。
「単層カーボンナノチューブ混合物の分散液の分離操作」
まず、単層カーボンナノチューブ混合物の分散液35mLを、1wt%ポリオキシエチレン(100)ステアリルエーテル水溶液35mLにより希釈し、総量を70mLとし、単層カーボンナノチューブ分散液(Pristine分散液)を作製した。
次に、分離槽の下部に設けられた注入口より、水7mL、単層カーボンナノチューブ混合物の分散液70mL、2wt%ポリオキシエチレン(100)ステアリルエーテル水溶液15mLを順番に静かに注入した。その結果、分離槽内に、上から、水、単層カーボンナノチューブ混合物の分散液、2wt%ポリオキシエチレン(100)ステアリルエーテル水溶液の層構造が形成された。
また、水からなる層の上端に白金の陰極、2wt%ポリオキシエチレン(100)ステアリルエーテル水溶液からなる層の下端に、白金の陽極を配置し、電極間距離を約20cmとした。
次に、陰極と陽極の間に、200Vの電圧を72時間継続して印加した。
図3は、電圧印加前(0hr)と電圧印加から72時間後(72hr)の分離槽内における単層カーボンナノチューブ分散液の状態を示す光学写真である。電圧印加前の写真と電圧印加から72時間後の写真を比較すると、72時間後には、分離槽内の溶液が3層に分離していることが分かった。
「単層カーボンナノチューブ混合物の分散液の分光分析」
72時間後の単層カーボンナノチューブの分散液を約7mLずつ分画し、最下部のF1と下から11番目のF11層から分離操作後の単層カーボンナノチューブの分散液を回収した。分光光度計(商品名:紫外可視近赤外分光光度計 UV−3600、島津製作所社製)を用いて、それぞれの分離操作後の単層カーボンナノチューブの分散液と、分離操作前のPristine分散液の光吸収スペクトルの測定を行った。結果を図4に示す。さらに、ラマン分光分析を行った。結果を図5に示す。
図4に示す光吸収分析の結果から、金属由来のピーク領域(M11の矩形領域内)において、分離操作前のPristine分散液に比べて、分離後のF1層の単層カーボンナノチューブの分散液(Semiconducting)では吸光度の減少が見られ、分離後のF11層の単層カーボンナノチューブの分散液(Metallic)では吸光度の増加が明瞭に示されていることが確認された。
図5は、波長532nmのレーザー励起によるラマン分光分析の結果であって、Radial Breathing Mode(RBM)と呼ばれる波数100cm−1〜400cm−1の領域におけるスペクトルを示す図である。図5に示すスペクトルにおいて、波数150cm−1〜200cm−1の領域におけるピークは半導体型単層カーボンナノチューブに由来し、波数200cm−1〜300cm−1の領域におけるピークは金属型単層カーボンナノチューブに由来する。
図5に示すラマン分光分析の結果から、分離操作前(Pristine)の単層カーボンナノチューブ混合物の分散液における半導体型単層カーボンナノチューブの含有比率を67%と仮定して、分離後の単層カーボンナノチューブ分散液における半導体型単層カーボンナノチューブと金属型単層カーボンナノチューブの含有比率を求めると、分離後のF1層の単層カーボンナノチューブ分散液(Semiconducting)には半導体型単層カーボンナノチューブが98%以上含まれ、分離後のF11層の単層カーボンナノチューブの分散液(Metallic)には金属型単層カーボンナノチューブが79%含まれることが分かった。
[比較例1]
「単層カーボンナノチューブ混合物の分散液の調製操作」
水に、非イオン性界面活性剤であるポリオキシエチレン(100)ステアリルエーテル(商品名:Brij S100、シグマアルドリッチ社製)を1.0wt%溶解した溶液Bを調製した。
単層カーボンナノチューブ混合物の分散液における含有量が0.3μg/mLとなるように、平均直径1nmの単層カーボンナノチューブ混合物を秤量した。なお、この秤量した単層カーボンナノチューブ混合物は、実施例1とは異なり、真空アニール処理は施していない。
次に、実施例1と同様に、溶液Bに対して、単層カーボンナノチューブ混合物を分散させ、単層カーボンナノチューブ混合物の分散液(Pristine分散液)を得た。
得られた単層カーボンナノチューブ混合物の分散液の一部を、透析法などにより、単層カーボンナノチューブ混合物の分散液に含まれる非イオン性界面活性剤を除去し、非イオン性界面活性剤の含有量を1/10まで低下させた。
「単層カーボンナノチューブ混合物の分散液の平均ゼータ電位の評価」
単層カーボンナノチューブ混合物の分散液について、実施例1と同様にして、平均ゼータ電位を測定した。結果を図2に示す。
測定の結果、単層カーボンナノチューブ混合物の分散液の平均ゼータ電位は、−16.5mV近傍にあることが確認された。
「単層カーボンナノチューブ混合物の分散液の分離操作」
実施例1と同様にして、単層カーボンナノチューブの混合物の分散液等を分離層内へ注入し、分離操作を行った。
「単層カーボンナノチューブ混合物の分散液の分光分析」
72時間後の単層カーボンナノチューブ混合物の分散液を7mLずつ分画し、最下部のF1層と下から11番目のF11層から、分離操作後の単層カーボンナノチューブ混合物の分散液を回収した。分光光度計(商品名:紫外可視近赤外分光光度計 UV−3600、島津製作所社製)を用いて、それぞれの分離操作後の単層カーボンナノチューブの分散液と、分離操作前のPristine分散液の光吸収スペクトルを測定した。
結果を図6に示す。
図6に示す光吸収スペクトルの結果から、金属由来のピーク領域(M11の矩形領域内)において、分離操作前(Pristine)の単層カーボンナノチューブ混合物の分散液の吸光度と、分離操作後のF1層の単層カーボンナノチューブの分散液(Semiconducting)の吸光度とはほとんど差異がないことが確認された。このように、平均ゼータ電位が−16.5mV近傍にある単層カーボンナノチューブの混合物の分散液は、分離できないことが分かった。
実施例1と比較例1の実験結果を比較すると、単層カーボンナノチューブの混合物に真空アニール処理を施すことで、その後の分離操作が可能となり、高純度の半導体型単層カーボンナノチューブと、金属型単層カーボンナノチューブが得られていた。前述の真空アニール処理で大きく変化している物性量は、平均ゼータ電位である。したがって、本発明の単層カーボンナノチューブ混合物の分離方法において、単層カーボンナノチューブの混合物の分散液の物性量、特に平均ゼータ電位を所定の値にしておくことが極めて重要であることが明らかになった。また、平均ゼータ電位を所定の値にするために、真空アニール処理が有効であることが明らかになった。
[実施例2]
「単層カーボンナノチューブ混合物の分散液の調製操作」
水に、非イオン性界面活性剤であるポリオキシエチレン(100)ステアリルエーテル(商品名:Brij S100、シグマアルドリッチ社製)を1.0wt%溶解した溶液Bを調製した。
単層カーボンナノチューブ混合物の分散液における含有量が0.3μg/mLとなるように、eDIPS法で合成した平均直径1nmの単層カーボンナノチューブ混合物を秤量した。なお、この秤量した単層カーボンナノチューブ混合物は、実施例1とは異なり、真空アニール処理は施していない。
次に、実施例1と同様に、溶液Bに対して、単層カーボンナノチューブ混合物を分散させ、単層カーボンナノチューブ混合物の分散液を得た。
得られた単層カーボンナノチューブ混合物の分散液の一部を、例えば、透析法等により、単層カーボンナノチューブ混合物の分散液に含まれる非イオン性界面活性剤を除去し、非イオン性界面活性剤の含有量を1/10まで低下させた。
「単層カーボンナノチューブ混合物の分散液の平均ゼータ電位の評価」
非イオン性界面活性剤の含有量を1/10まで低下させた単層カーボンナノチューブ混合物の分散液について、実施例1と同様にして、平均ゼータ電位を測定した。結果を図2に示す。
測定の結果、単層カーボンナノチューブ混合物の分散液の平均ゼータ電位は、−11.8mV近傍にあることが確認された。
「単層カーボンナノチューブ混合物の分散液の分離操作」
実施例1と同様にして、単層カーボンナノチューブ混合物の分散液等を分離槽内へ注入し、分離操作を行った。
図7は、電圧印加前(0hr)と電圧印加から72時間後(72hr)の分離槽内における単層カーボンナノチューブ混合物の分散液の状態を示す光学写真である。電圧印加前の写真と電圧印加から72時間後の写真を比較すると、72時間後には、分離槽内の溶液は3層に分離していることが分かった。
「単層カーボンナノチューブ混合物の分散液の分光分析」
72時間後の単層カーボンナノチューブ混合物の分散液を7mLずつ分画し、最下部のF1(図7)と下から11番目のF11から単層カーボンナノチューブの分散液を回収した。それぞれの分離操作後の単層カーボンナノチューブの分散液と、分離操作前のPristine分散液の分光分析を行った。
分光分析としては、光吸収分析とラマン分光分析を行った。結果を図8と図9に示す。
図8に示す光吸収分析の結果から、金属由来のピーク領域(M11の矩形領域内)において、分離操作前(Pristine)の単層カーボンナノチューブ混合物の分散液に比べて、分離後のF1の単層カーボンナノチューブの分散液(Semiconducting)では吸光度の減少が見られ、分離後のF11の単層カーボンナノチューブの分散液(Metallic)では吸光度の増加が明瞭に示されていることが確認された。
図9は、波長532nmのレーザー励起によるラマン分光分析の結果であって、Radial Breathing Mode(RBM)と呼ばれる波数100cm−1〜400cm−1の領域におけるスペクトルを示す図である。図4に示すスペクトルにおいて、波数150cm−1〜200cm−1の領域におけるピークは半導体型単層カーボンナノチューブに由来し、波数200cm−1〜300cm−1の領域におけるピークは金属型単層カーボンナノチューブに由来する。
図9に示すラマン分光分析の結果から、分離操作前(Pristine)の単層カーボンナノチューブ混合物の分散液における半導体型単層カーボンナノチューブの含有比率を67%と仮定して、分離後の単層カーボンナノチューブ分散液における半導体型単層カーボンナノチューブと金属型単層カーボンナノチューブの含有比率を求めると、分離後のF1層の単層カーボンナノチューブの分散液(Semiconducting)には半導体型単層カーボンナノチューブが93%以上含まれ、分離後のF11層の単層カーボンナノチューブの分散液(Metallic)には金属型単層カーボンナノチューブが55%含まれることが分かった。
実施例1と実施例2の実験結果を比較すると、高純度の半導体型単層カーボンナノチューブと、金属型単層カーボンナノチューブとを得るために、本質的なのは、単層カーボンナノチューブの混合物の分散液の物性量、特に平均ゼータ電位を所定の値にしておくことが極めて重要であることが確認された。真空アニール処理を施さなくても、平均ゼータ電位が所定の値である時には、その後の分離操作が可能となり、高純度の半導体型単層カーボンナノチューブと、金属型単層カーボンナノチューブが得られている。一方で、単層カーボンナノチューブ混合物の初期状態によらず、平均ゼータ電位が所定の値にするためには、真空アニール処理などの処理が有効である。
本発明によれば、高純度な分離が困難な単層カーボンナノチューブ混合物を分離操作前に見極めることが可能になる。分離操作前に、使用する単層カーボンナノチューブ混合物分散液をスクリーニングできることは、その後に続く分離操作の歩留まりと作業効率を高める。この結果、分離操作により純度が高められた単層カーボンナノチューブを低コストで提供することができる。
また、本発明によれば、単層カーボンナノチューブの混合物の初期状態によらず、単層カーボンナノチューブ混合物を高純度に分離することができる。従来は分離できなく、産業的に利用できなかった単層カーボンナノチューブ混合物に対して、適切な清浄化処理を施して、物性量を所望の範囲に収めれば、高純度に分離精製できる。この結果、分離操作により高純度に分離精製された単層カーボンナノチューブを低コストで提供することができる。
以上のように、本発明によれば、単層カーボンナノチューブ混合物を安定に、高純度に分離精製することが可能で、産業的な意義は極めて大きい。
上記の実施形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)単層カーボンナノチューブ混合物の分離方法であって、前記単層カーボンナノチューブ混合物と界面活性剤を含む分散液を作製する工程と、前記分散液に含まれる前記単層カーボンナノチューブ混合物を分離する工程と、を有し、前記単層カーボンナノチューブ混合物を分離する工程において、前記分散液の物性量が所定の範囲内にある分散液を使用する単層カーボンナノチューブ混合物の分離方法。
(付記2)前記分散液の物性量は、平均ゼータ電位である付記1に記載の単層カーボンナノチューブ混合物の分離方法。
(付記3)前記平均ゼータ電位を−15mV以上に調整する付記2に記載の単層カーボンナノチューブ混合物の分離方法。
(付記4)前記平均ゼータ電位を0mV以下に調整する付記2または付記3に記載の単層カーボンナノチューブ混合物の分離方法。
(付記5)前記物性量は、前記分散液のpHである付記1に記載の単層カーボンナノチューブ混合物の分離方法。
(付記6)前記物性量は、前記分散液の導電率である付記1に記載の単層カーボンナノチューブ混合物の分離方法。
(付記7)前記単層カーボンナノチューブ混合物と界面活性剤を含む分散液を作製する工程において、前記物性量を所定の範囲内に調整するために、前記単層カーボンナノチューブ混合物を清浄化する処理を施す付記1〜6のいずれか1項に記載の単層カーボンナノチューブ混合物の分離方法。
(付記8)前記単層カーボンナノチューブ混合物を清浄化する処理は、前記単層カーボンナノチューブ混合物の電荷を除去する処理である付記7に記載の単層カーボンナノチューブ混合物の分離方法。
(付記9)前記単層カーボンナノチューブ混合物を清浄化する処理は、前記単層カーボンナノチューブ混合物をアニールする工程が含まれる付記7に記載の単層カーボンナノチューブ混合物の分離方法。
(付記10)前記分散液を作製する工程において、前記界面活性剤として、下記式(1)で表わされるポリオキシエチレンアルキルエーテルを用いる付記1〜9のいずれか1項に記載の単層カーボンナノチューブ混合物の分離方法。
2n(OCHCHOH (1)
(但し、n=12〜18、m=20〜100である。)
(付記11)前記単層カーボンナノチューブ混合物を分離する工程において、前記分散液に直流電圧を印加し、前記分散液に含まれる金属型単層カーボンナノチューブを陰極側へ移動させ、前記分散液に含まれる半導体型単層カーボンナノチューブを陽極側へ移動させて、前記単層カーボンナノチューブ混合物を前記金属型単層カーボンナノチューブと前記半導体型単層カーボンナノチューブに分離する付記1〜9のいずれか1項に記載の単層カーボンナノチューブ混合物の分離方法。
(付記12)単層カーボンナノチューブ混合物と、界面活性剤とを含み、平均ゼータ電位が−15mV以上0mV以下であることを特徴とする単層カーボンナノチューブ分散液。

Claims (9)

  1. 単層カーボンナノチューブ混合物の分離方法であって、
    前記単層カーボンナノチューブ混合物と界面活性剤を含む分散液を作製する工程と、
    前記分散液に含まれる前記単層カーボンナノチューブ混合物を分離する工程と、
    を有し、
    前記単層カーボンナノチューブ混合物を分離する工程において、前記分散液の物性量が所定の範囲内にある分散液を使用し、
    前記分散液の物性量は、平均ゼータ電位であり、
    前記平均ゼータ電位を−15mV以上に調整する単層カーボンナノチューブ混合物の分離方法。
  2. 前記平均ゼータ電位を0mV以下に調整することを特徴とする請求項に記載の単層カーボンナノチューブ混合物の分離方法。
  3. 前記単層カーボンナノチューブ混合物と界面活性剤を含む分散液を作製する工程において、
    前記物性量を所定の範囲内に調整するために、前記単層カーボンナノチューブ混合物を清浄化する処理を施すことを特徴とする請求項1または2に記載の単層カーボンナノチューブ混合物の分離方法。
  4. 前記単層カーボンナノチューブ混合物を清浄化する処理は、前記単層カーボンナノチューブ混合物の電荷を除去する処理であることを特徴とする請求項に記載の単層カーボンナノチューブ混合物の分離方法。
  5. 前記単層カーボンナノチューブ混合物を清浄化する処理は、前記単層カーボンナノチューブ混合物をアニールする工程が含まれることを特徴とする請求項に記載の単層カーボンナノチューブ混合物の分離方法。
  6. 単層カーボンナノチューブ混合物の分離方法であって、
    前記単層カーボンナノチューブ混合物と界面活性剤を含む分散液を作製する工程と、
    前記分散液に含まれる前記単層カーボンナノチューブ混合物を分離する工程と、
    を有し、
    前記単層カーボンナノチューブ混合物を分離する工程において、前記分散液の物性量が所定の範囲内にある分散液を使用し、
    前記分散液の物性量は、平均ゼータ電位であり、
    前記平均ゼータ電位が−15mV以上である単層カーボンナノチューブ混合物の分離方法。
  7. 前記平均ゼータ電位が0mV以下である請求項6に記載の単層カーボンナノチューブ混合物の分離方法。
  8. 前記分散液を作製する工程において、前記界面活性剤として、下記式(1)で表わされるポリオキシエチレンアルキルエーテルを用いることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の単層カーボンナノチューブ混合物の分離方法。
    2n(OCHCHOH (1)
    (但し、n=12〜18、m=20〜100である。)
  9. 単層カーボンナノチューブ混合物と、
    界面活性剤とを含み、
    平均ゼータ電位が−10.2mV以上0mV以下であることを特徴とする単層カーボンナノチューブ分散液。
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