JP6964311B2 - 摩擦攪拌接合装置 - Google Patents

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Description

本発明は、手動操作により被接合材の接合作業を行えるようにした摩擦攪拌接合装置に関する。
摩擦攪拌接合は、被接合材の接合部に回転ツールを押し付けた際に発生する摩擦熱により接合部を軟化させるとともに回転力により攪拌させることにより被接合材を接合する技術である(特許文献1など)。従来、摩擦撹拌接合装置では、回転ツールを被接合材に対して相対的に移動させる等の動作は、NCプログラムを用いた自動制御により行われている。
特表平9−508073号公報 特開2015−182133号公報 特開2001−287054号公報
摩擦攪拌接合を上手く行うためには、回転ツールの回転数や被接合材への挿入位置等の他に回転ツールの移動速度や移動位置等といった接合条件の設定が極めて重要である。従来の摩擦攪拌接合装置では、これら接合条件を設定したNCプログラムを用いて接合動作を全自動で行っている。このような装置は、量産品の製造には適しているが、1個又は数個程度の少量品を接合する場合は、製品毎にNCプログラムを作成する作業が非常に煩雑となるという問題が生じる。そのため、少量品に対しては、生産性が悪く、生産コストも高く付く。また、予め設定したNCプログラムでは、装置への被接合材のセット状態や材料ロット等の変動に対して柔軟に適応できず、接合作業を合理的に行えなかった。
本発明は、以上の事情に鑑みてなされたものであり、NCプログラムに従った自動制御によらずに主な接合動作を簡単な手動操作にて行えるようにし、少量品の接合作業でも容易に対応できる摩擦攪拌接合装置を提供することを目的とする。
なお、特許文献2(特開2015−182133号公報)には、ツールの進行方向を手動で制御することが開示されているが、手動操作の手段、その方法等を具体的に示したものではない。特許文献3(特開2001−287054号公報)にも、手動ハンドルでツールを移動させることが開示されているが、直線方向の移動のみであり、色々な接合形状に対応して移動方向を自由に変更できるようなものではない。
本発明に係る摩擦攪拌接合装置は、
回転ツールを被接合材に押し付けて回転ツール又は被接合材を相対的に移動させて被接合材を摩擦攪拌接合する摩擦攪拌接合装置において、
回転ツール又は被接合材を移動させるための駆動手段と、
手動操作で傾動され、回転ツール又は被接合材の移動を手動操作するためのハンドルレバーと、
ハンドルレバーの倒れた方向と傾斜角度に基づく操作量に応じてハンドルレバーの手動操作と連動して回転ツール又は被接合材を移動させるように駆動手段を動作制御する制御手段とを備えるものである。
これにより、回転ツール又は被接合材を移動させたい方向へハンドルレバーを倒し、移動速度はハンドルレバーの倒す角度(水平側に倒すにつれて速度が速くなる。)によって増減することができる。このようなハンドルレバーを倒すだけの簡単な手動操作により、作業者の意志に従って摩擦攪拌接合の作業を行うことができる。従って、回転ツール又は被接合材を移動させるためのNCプログラムの作成や設定という煩雑な作業が不要となる。特に、少量品の接合作業にあっては、NCプログラム無しに接合作業を直ちに且つ簡単に行えるので、生産性を向上することができ、生産コストも低くすることができる。
また、作業者の意志に従って接合作業が行えるから、被接合材のセット状態等の変動を確認しながら適切に接合作業を行うことができ、また、色々な接合形状等にも柔軟に対応して接合作業を行うことができる。よって、装置の汎用性が一段と高くなる。
以上のように、本発明に係る摩擦攪拌接合装置によれば、NCプログラムに従った自動制御によらずに主な接合動作を簡単な手動操作により行うことができ、少量品の接合作業でも容易に対応することができる。
実施形態の摩擦攪拌接合装置を示す上面図である。 実施形態の摩擦攪拌接合装置を示す正面図である。 実施形態の摩擦攪拌節後装置を示す側面図である。 接合捜査の手動操作例(例1)を示す模式図である。 接合捜査の手動操作例(例2)を示す模式図である。 回転ツールの進行方向前方に予熱機構を設けた例を示す上面図である。 回転ツールの進行方向前方にポインタを表示させる例を示す上面図である。
以下に、本発明の実施形態について添付図面を参照しながら説明する。
実施形態の摩擦攪拌接合装置1は、接合動作の一部を手動により行えるようにしたものである。図1〜図3に示すように、摩擦攪拌接合装置1の主な構成として、被接合材2を摩擦攪拌接合する回転ツール3と、被接合材2を配置するワークセットベース4と、ワークセットベース4の移動を手動操作するためのハンドルレバー5と、ハンドルレバー5の手動操作と連動してワークセットベース4を移動させるように動作制御する制御部(不図示)とを備えている。なお、本実施形態では、手動による接合動作は、回転ツール3を定位置に保持して被接合材2側を移動させるものとするが、被接合材2を定位置に保持して回転ツール3側を移動させるものでもよい。また、本実施形態の摩擦攪拌接合装置1では、2枚の被接合材2の端部同士を突き合わせた突き合わせ部分21の摩擦攪拌接合を行うものとするが、2枚の被接合材2の各端部を重ね合わせた重ね合わせ部分の摩擦攪拌接合を行うこともできる。被接合材2としては、アルミニウム、鉄等の金属板が用いられる他に、プラスチック板等を用いることができる。なお、本明細書において、XYθ、前後左右の方向、位置の関係は、図1に示している。
回転ツール3は、被接合材2の表裏面にそれぞれ当接される上部ショルダ部31と下部ショルダ部32とを備えるボビン型ツールが使用される。上部ショルダ部31は、円柱状に形成され、被接合材2表面と接触する当接面の中央部には被接合材2中に侵入するプローブ33が形成され、このプローブ33には撹拌軸34が一体に形成されている。下部ショルダ部32は、円筒状に形成され、中央部の貫通孔35には被接合材2裏面と接触する当接面側から上部ショルダ部31の撹拌軸34が挿通され、外周面にはフランジ36が張り出し形成されている。上部ショルダ部31の撹拌軸34と下部ショルダ部32のフランジ36とには、それぞれ別個のスピンドル(不図示)が接続され、各スピンドルの回転駆動により上部ショルダ部31と下部ショルダ部32とを独立して回転させることができる。従って、このボビン型ツールでは、上部ショルダ部31と下部ショルダ部32とを同方向に回転させたり逆方向に回転させたりすることができる。回転ツール3やスピンドルは、保持機構に設けられている。従って、この保持機構を停止させておくことで回転ツール3を所定位置に保持させることができ、また、保持機構に駆動装置を設けて移動させることもできる。なお、ボビン型ツールは、上記構成に限らず、上部ショルダ部31と下部ショルダ部32とを撹拌軸34に一体に形成したもの等、様々な構成のものを使用することができる。また、回転ツール3として、ボビン型ツールに限らず、被接合材2の表面側にのみ当接される円柱状のショルダ部を有するツールを使用することもできる。回転ツール3の素材は、公知の種々の金属材、超硬合金、セラミックス材等を用いることができ、例えば、機械的特性や加工性等を考慮すると、SKD等の工具鋼を用いることが好ましい。
ワークセットベース4は、円板状に形成され、被接合材2の接合作業空間となる中央孔41が設けられている。このワークセットベース4の左右位置(図1中のX軸方向の両端側の位置)において、中央孔41に張り出すようにワークセット部6が左右一対に設けられている。
ワークセット部6は、被接合材2を載置する載置台61と、載置台61上に間隔をあけてボルトB1で保持されて載置台61上の被接合材2を固定する固定爪部62と、載置台61上にボルトB2で固定されて被接合材2の厚さに応じて固定爪部62の高さ位置を調節する高さ調節部材63とを有する。ワークセット部6は、載置台61をワークセットベース4にボルトB2で固定して取り付けられている。左右のワークセット部6に固定爪部62により保持された各被接合材2は、ワークセットベース4の中央孔41上に接合端部を突き合わせて配置される。高さ調節部材63は、一つのブロック体や複数枚の板材の積層体等で構成することができる。高さ調節部材63を積層体で構成する場合は、板材の積層枚数により高さを簡単に調節できる。載置台61と固定爪部62との対向面、すなわち、被接合材2の挟持面には、被接合材2から熱が伝わらないように断熱材64,65が設けられている。この断熱材64,65としては、硬質の樹脂やセラミック等のように断熱性を有し且つ被接合材2を安定して固定できる硬い素材を用いることが好ましい。
また、ワークセットベース4には、サーボモータ等の駆動装置(不図示)が設けられている。駆動装置は、ワークセットベース4をX軸方向へ移動させるX軸駆動部と、ワークセットベース4をY軸方向へ移動させるY軸駆動部とを有する。X軸駆動部とY軸駆動部とは、ガイド部(不図示)を介してワークセットベース4に取り付けられている。このガイド部は、ワークセットベース4をX軸方向とY軸方向への移動を案内するXY案内機構と、ワークセットベース4をXY平面におけるθ回転(時計回りや反時計回りの回転)を案内する回転案内機構とを有する。
ハンドルレバー5は、ジョイスティックレバー等で構成され、被接合材2の移動を手動操作するための操縦桿となるものである。このハンドルレバー5は、横長板状の操作台51における左右端部にそれぞれ立設されて、左右一対に有している。ハンドルレバー5と操作台51とがこの摩擦攪拌接合装置1における手動操作の操作部50となる。操作台51は、ワークセットベース4の前側端部上面に取り付けられている。
ハンドルレバー5は、未操作時では操作台51に対して垂直状態に立設されるように付勢手段(不図示)により付勢支持されており、作業者の手動操作によりこの垂直状態から十文字のXY各方向となる4方向に傾動させることができる。すなわち、ハンドルレバー5は、垂直状態から、2枚の被接合材2が対向する方向であるX軸方向(左右方向)か、2枚の被接合材2の対向方向と直交する方向であるY軸方向(前後方向)のいずれかの方向へと倒すようにして傾けることができる。傾けた状態のハンドルレバー5から手を離すと、ハンドルレバー5は、付勢手段の付勢力によりニユートラル位置である垂直状態へと起立するように復帰移動する。
また、操作台51の中央部の下面には、ハンドル負荷センサ52が設けられている。ハンドル負荷センサ52は、操作部50とワークセットベース4との間に設けられ、ハンドルレバー5の傾動に基づいた負荷の方向と大きさを検知する。すなわち、ハンドル負荷センサ52は、ハンドルレバー5を手動操作すると、ハンドルレバー5の傾動に対応する負荷の方向と大きさを検知して、この検知した値を手動操作によるハンドルレバー5の操作量として制御部に出力する。例えば、ハンドルレバー5をX軸方向へ所定角度に倒すと、ハンドル負荷センサ52は、ハンドルレバー5を倒したX軸方向に、ハンドルレバー5を倒した角度に対応した大きさの負荷を検知する。また、ハンドルレバー5をY軸方向へ所定角度に倒すと、ハンドル負荷センサ52は、ハンドルレバー5を倒したY軸方向に、ハンドルレバー5を倒した角度に対応した大きさの負荷を検知する。
ここで、ハンドル負荷センサ52が検知する負荷の大きさは、ハンドルレバー5を垂直位置から水平側へ倒した傾斜角度が大きくなるに従って大きい負荷値として検知される。また、左右のハンドルレバー5をともにX又はYの同じ軸方向側へ倒した場合、ハンドル負荷センサ52は、各ハンドルレバー5を倒した軸方向に、各ハンドルレバー5を倒した角度に対応した負荷の大きさの合計値として検知する。例えば、左右のハンドルレバー5をともにX軸方向側へ倒した場合、ハンドル負荷センサ52が検知する所定量の負荷は、ハンドルレバー5をX軸方向プラス側(例えば、右側)へ倒した場合はプラスの負荷値、X軸方向マイナス側(例えば、左側)に倒した場合はマイナスの負荷値として合算した負荷の大きさが検知される。両ハンドルレバー5をY軸方向側へ倒した場合もY軸方向のプラス側(例えば、後側)、マイナス側(例えば、前側)として同様に検知される。一方、左右のハンドルレバー5をそれぞれ異なるX又はYの軸方向側へ倒した場合、ハンドル負荷センサ52は、ハンドルレバー5毎にそれぞれの負荷の方向と大きさを検知する。例えば、一方のハンドルレバー5をX軸方向へ倒し、他方のハンドルレバー5をY軸方向へ倒した場合、ハンドル負荷センサ52が検知する所定量の負荷は、一方のハンドルレバー5を倒したX軸方向にその倒した角度に対応した大きさの負荷と、他方のハンドルレバー5を倒したY軸方向にその倒した角度に対応した大きさの負荷とがそれぞれ検知される。
制御部は、ハンドル負荷センサ52が検知した負荷の軸方向と大きさに対応して駆動装置へ駆動指令信号を出力することにより駆動装置を駆動させてワークセットベース4が移動するように動作制御する。これにより、作業者によるハンドルレバー5の手動操作と対応して、ワークセットベース4上のワークセット部6に保持する被接合材2が移動することとなる。従って、ハンドルレバー5の手動操作により、被接合材2をX軸方向(左右方向)へ移動させる場合は、左右のハンドルレバー5の両方ともX軸方向へ傾けるか、あるいは一方のハンドルレバー5はニュートラルの垂直位置のままとし他方のハンドルレバー5だけをX軸方向へ傾ける。これにて駆動装置のX軸駆動部が駆動してワークセットベース4がX軸方向へ移動することにより、被接合材2がX軸方向へ移動する。被接合材2をY軸方向(前後方向)へ移動させる場合は、左右のハンドルレバー5の両方ともY軸方向へ傾けるか、あるいは一方のハンドルレバー5はニュートラルの垂直位置のままとし他方のハンドルレバー5だけをY軸方向へ傾ける。これにて駆動装置のY軸駆動部が駆動してワークセットベース4がY軸方向へ移動することにより、被接合材2がY軸方向へ移動する。また、被接合材2をXY平面でθ回転させる場合は、右のハンドルレバー5をX軸方向へ傾け、左のハンドルレバー5をY軸方向へ傾ける等のように、左右のハンドルレバー5をそれぞれ異なる軸方向へ傾ける。これにて各ハンドルレバー5それぞれの軸方向への傾きに対応して、X軸駆動部とY軸駆動部とがともに駆動してワークセットベース4がθ回転することにより、被接合材2がθ回転する。ワークセットベース4の移動速度、すなわち、被接合材2の移動速度は、ハンドルレバー5の傾斜角度(ハンドル負荷センサ52が検知する負荷の大きさ)によって調節される。
上述のとおり、作業者のハンドルレバー5の手動操作により被接合材2の移動速度が決まるが、接合時に回転ツール3と被接合材2との接触に伴う負荷は、ハンドルレバー5を介して作業者に伝わることはない。そのため、被接合材2の軟化の程度等の接合状況によっては回転ツール3への負荷が過大となった場合に回転ツール3を破損させてしまうおそれがある。
そこで、その対策として、本実施形態では、各ワークセット部6の下面にワーク負荷センサ66が設けられている。ワーク負荷センサ66は、ワークセット部6とワークセットベース4との間に設けられ、被接合材2にかかる負荷の大きさを検知する。すなわち、ワーク負荷センサ66は、手動操作による接合作業中において回転ツール3と被接合材2とが接触して移動するときに被接合材2が受ける負荷の大きさを検知して、この検知した値を制御部に出力する。制御部は、このワーク負荷センサ66が検知する負荷が大きくなるにつれて手動操作による被接合材2の移動速度を遅くするように設定する。
このように、ワーク負荷センサ66によって被接合材2の接合状況を監視し、接合状況に応じて作業者のハンドルレバー5の操作に基づく移動速度が調節される。すなわち、被接合材2にかかる負荷が大きくなるにつれて移動速度を遅くするように設定される。従って、回転ツール3に大きな負荷がかかって回転ツール3を破損させたり接合不良を生じさせたりすることを未然に防ぐことができる。また、被接合材2の移動速度について作業者の判断を軽減することができ、手動操作を簡易に行なうことができる。
なお、上記例では、ワークセットベース4と駆動装置との間に設けるガイド部として、XY案内機構と、回転案内機構とを備える構成とし、ワークセットベース4をXY軸方向とθ回転の移動を可能とするが、XY案内機構だけ有する構成とし、ワークセットベース4をXY軸方向とXY軸間の斜め方向の移動を可能としたものでもよい。すなわち、左右のハンドルレバー5を異なる軸方向へ傾けると、ワークセットベース4は、そのままの姿勢を保って、X軸方向成分とY軸方向成分とを合成した斜め方向へと移動する。また、ハンドルレバー5を1本だけ設けてワークセットベース4をXY軸方向のみ移動可能とする構成でもよい。
次に、接合作業の手動操作例を説明する。
以下の例では、接合作業として、2枚の被接合材2を突き合わせた突き合わせ部分21が「く」の字状に折れ曲がった接合線に沿って摩擦攪拌接合する場合とする。この場合、回転ツール3は、昇降可能ではあるが、前後左右には移動せず所定位置に固定されており、ハンドルレバー5の手動操作で被接合材2を取り付けたワークセットベース4を移動させる場合とする。また、ワークセットベース4の移動は、XY軸方向の移動及びθ回転が可能な場合(例1)、XY軸方向の移動及び斜め方向の移動が可能な場合(例2)をそれぞれ説明する。すなわち、ワークセットベース4と駆動装置との間に介在するガイド部として、例1の場合は、XY軸案内機構と回転案内機構とを備え、例2の場合は、XY案内機構だけ備えるものである。
(例1)
図4を参照して、まず、被接合材2において、「く」の字の接合線における回転ツール3に近い方に配置された一方の直線部分21aがY軸方向にまっすぐ向くように、一方のハンドルレバー5をX軸方向へ傾けるとともに他方のハンドルレバー5をY軸方向へ傾けて、ワークセットベース4を反時計方向へθ回転させる(図4(a)(b))。
「く」の字の接合線の一方の直線部分21aがY軸方向にまっすぐ向いて、この一方の直線部分21aの端末が回転ツール3と対向する位置まで、両方のハンドルレバー5をX軸方向へ傾けて、ワークセットベース4をX軸方向へ移動させる(図4(b))。
そして、両方のハンドルレバー5をY軸方向のプラス側(装置の後側)へ傾けて、ワークセットベース4をY軸方向へ移動させて、回転ツール3により被接合材2における「く」の字の接合線の一方の直線部分21aを摩擦攪拌接合する(図4(c)(d))。
続いて、被接合材2における「く」の字の接合線の他方の直線部分21bがY軸方向にまっすぐ向くように、他方のハンドルレバー5をX軸方向へ傾けるとともに一方のハンドルレバー5をY軸方向へ傾けて、ワークセットベース4を時計方向へθ回転させる(図4(e))。
そして、両方のハンドルレバー5をY軸方向のプラス側へ傾けて、ワークセットベース4をY軸方向へ移動させて、回転ツール3により被接合材2における「く」の字の接合線の他方の直線部分21bも摩擦攪拌接合する(図4(f))。以上にて接合作業が完了する。
(例2)
図5を参照して、まず、被接合材2において、「く」の字の接合線における回転ツール3に近い方に配置された一方の直線部分21aの末端が回転ツール3と対向する位置まで、両方のハンドルレバー5をX軸方向とY軸方向との同一方向側へ傾けて、ワークセットベース4をX軸方向とY軸方向とに移動させる(図5(a)(b))。
そして、回転ツール3に沿って、被接合材2における「く」の字の接合線の一方の直線部分21aが移動するように、一方のハンドルレバー5をX軸方向へ傾けるとともに他方のハンドルレバー5をY軸方向へ傾けて、ワークセットベース4を斜め方向へ移動させて、回転ツール3により被接合材2における「く」の字の接合線の一方の直線部分21aを摩擦攪拌接合する(図5(c))。
続いて、回転ツール3に沿って、被接合材2における「く」の字の接合線の他方の直線部分21bが移動するように、他方のハンドルレバー5をX軸方向へ傾けるとともに一方のハンドルレバー5をY軸方向へ傾けて、ワークセットベース4を斜め方向へ移動させて、回転ツール3により被接合材2における「く」の字の接合線の他方の直線部分21bを摩擦攪拌接合する(図5(d))。以上にて接合作業が完了する。
以上のように、実施形態による摩擦攪拌接合装置1によれば、被接合材2を移動させたい方向へハンドルレバー5を倒し、移動速度はハンドルレバー5の倒す角度(水平側に倒すにつれて速度が速くなる。)によって増減することができる。このようなハンドルレバー5を倒すだけの簡単な手動操作により、作業者の意志に従って摩擦攪拌接合の作業を行うことができる。従って、回転ツール3又は被接合材2を移動させるためのNCプログラムの作成や設定という煩雑な作業が不要となる。特に、少量品の接合作業にあっては、NCプログラム無しに接合作業を直ちに且つ簡単に行えるので、生産性を向上することができ、生産コストも低くすることができる。また、作業者の意志に従って接合作業が行えるから、被接合材2のセット状態等の変動を確認しながら適切に接合作業を行うことができ、また、色々な接合形状等にも柔軟に対応して接合作業を行うことができる。よって、装置の汎用性が一段と高くなる。
また、ワークセット部6は、載置台61と固定爪部62とにおける被接合材2の挟持面に断熱材64,65が設けられ、摩擦攪拌接合時の被接合材2から熱が伝わらないように被接合材2を保持する構成としている。これにより、回転ツール3による摩擦熱が被接合材2から逃げないようにすることができ、接合部に対して熱を効率よく蓄熱させることができる。従って、接合品質を向上することができる。また、ワーク負荷センサ66やハンドル負荷センサ52への伝熱も阻止されるから、これらセンサ66,52の熱影響による動作不良も防止することができる。さらに、ハンドルレバー5への伝熱も阻止されるから、作業者は、ハンドルレバー5が熱くなって不快な思いをすることも防止することができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されず、特許請求の範囲内で適宜に変更を施すことができる。
例えば、摩擦攪拌接合装置1は、駆動装置における特定の軸方向の移動を不可とする移動制限手段を備えるようにしてもよい。移動制限手段としては、例えば、操作部50に設けたボタンを作業者が押操作することによりX軸駆動部又はY軸駆動部を駆動させないように、制御部からX軸又はY軸の駆動指令信号を出力させないようにしたり、制御部からのX軸又はY軸の駆動指令信号を断絶したり、X軸駆動部又はY軸駆動部が駆動指令信号を受け付けないようにしたりする等の構成とすることができる。この移動制限手段によれば、例えば、被接合材2のX軸方向への移動位置が決まると、移動制限手段によりX軸方向への移動を不可とし、Y軸方向への移動のみ可能とする。これにより、被接合材2のX軸の位置が固定されるから、被接合材2の移動位置がX軸方向へずれることなくY軸方向への移動をハンドルレバー5の手動操作により安定して行うことができる。従って、手動操作の際、被接合材2の接合位置に沿って回転ツール3が正しく位置するように被接合材2を移動させることができる。よって、被接合材2の移動が安定することから、手動操作をより簡単に行うことができ、また、接合品質を向上することができる。
また、図6に示すように、摩擦攪拌接合装置1は、被接合材2を予熱するための予熱機構7を回転ツール3の進行方向前方、つまり回転ツール3による接合予定箇所に設けるようにしてもよい。予熱機構7としては、例えば、通電加熱、レーザ照射の加熱、高周波加熱、マイクロアークの加熱、熱風の加熱、摩擦熱の加熱など、様々な加熱機構を使用することができる。予熱機構7は、摩擦攪拌接合装置1に組み込むことが好ましいが、摩擦攪拌接合装置1とは別に設けてもよい。この予熱機構7によって、変形抵抗が十分に低下する程度にまで被接合材2の温度を上昇させることが好ましい。この予熱機構7によれば、被接合材2の接合箇所が予熱で軟化されるので、回転ツール3の進入方向を誘導することができる。従って、手動操作をより簡単に行うことができ、また、接合品質を向上することができる。
また、図7に示すように、摩擦攪拌接合装置1は、回転ツール3の移動先を示すポインタ8を被接合材2上における回転ツール3の進行方向前方に存在させるようにしてもよい。ポインタ8は、例えば、レーザーポインタ8により点や矢印等の形状に照射したレーザ光の像とすることができ、また、上記予熱機構7がポインタ8となるように構成してもよい。レーザーポインタ等のようなポインタ形成手段は、回転ツール3の保持機構に取り付けて回転ツール3との位置関係を固定させることが好ましいが、摩擦攪拌接合装置1とは別に設けるようにしてもよい。このポインタ8によれば、作業者は、回転ツール3の移動先を一目で確認することができ、これから移動する回転ツール3の位置を直感的に知ることができる。従って、手動操作により回転ツール3が被接合材2の正しい接合位置へ向かうように簡単に移動させることができる。よって、手動操作をより簡単に行うことができ、また、接合品質を向上することができる。
1 摩擦攪拌接合装置
2 被接合材
3 回転ツール
4 ワークセットベース
5 ハンドルレバー
6 ワークセット部
7 予熱機構
8 ポインタ
21 突き合わせ部分
21a 一方の直線部分
21b 他方の直線部分
31 上部ショルダ部
32 下部ショルダ部
33 プローブ
34 撹拌軸
35 貫通孔
36 フランジ
41 中央孔
50 操作部
51 操作台
52 ハンドル負荷センサ
61 載置台
62 固定爪部
63 高さ調節部材
64,65 断熱材
66 ワーク負荷センサ
B1 ボルト
B2 ボルト

Claims (6)

  1. 回転ツールを被接合材に押し付けて回転ツール又は被接合材を相対的に移動させて被接合材を摩擦攪拌接合する摩擦攪拌接合装置において、
    回転ツール又は被接合材を移動させるための駆動手段と、
    手動操作で傾動され、回転ツール又は被接合材の移動を手動操作するためのハンドルレバーと、
    ハンドルレバーの倒れた方向と傾斜角度に基づく操作量に応じてハンドルレバーの手動操作と連動して回転ツール又は被接合材を移動させるように駆動手段を動作制御する制御手段とを備える摩擦攪拌接合装置。
  2. 請求項1に記載の摩擦攪拌接合装置において、
    駆動手段により移動されるワークセットベースと、
    ワークセットベースに設けられ、被接合材を保持するワークセット部と、
    ワークセットベースに設けられ、上記ハンドルレバーを設けた操作部と、
    ワークセットベースとワークセット部との間に設けられ、回転ツールとの接触により被接合材にかかる負荷を検知するワーク負荷センサと、
    ワークセットベースと操作部との間に設けられ、ハンドルレバーの傾動に基づいた負荷の方向と大きさを検知するハンドル負荷センサとを備え、
    上記制御手段は、ハンドル負荷センサで検知する負荷の方向と大きさに応じて上記操作量となる回転ツール又は被接合材の移動方向と移動速度に従って上記駆動手段を動作制御するが、ワーク負荷センサで検知する負荷に対応して上記移動速度を制限する構成とする摩擦攪拌接合装置。
  3. 請求項2に記載の摩擦攪拌接合装置において、
    ワークセット部は、被接合材から熱が伝わらないように断熱材を介在させて被接合材を取り付ける構成とする摩擦攪拌接合装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の摩擦攪拌接合装置において、
    駆動手段は、XYの2軸方向又はXYの2軸とθ回転の3軸方向に移動可能とする構成とし、
    また、駆動手段における特定の軸方向の移動を不可とする移動制限手段を備える摩擦攪拌接合装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の摩擦攪拌接合装置において、
    被接合材を予熱するための予熱機構が回転ツールの進行方向前方に設けられている摩擦攪拌接合装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の摩擦攪拌接合装置において、
    回転ツールの移動先を示すポインタが回転ツールの進行方向前方に存在している摩擦攪拌接合装置。
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