以下、図面を参照して、実施形態に係る認識システム、情報処理装置、及びプログラムについて詳細に説明する。以下に説明する実施形態は、認識システム、情報処理装置、及びプログラムの一実施形態であって、その構成や仕様等を限定するものではない。本実施形態は、スーパーマーケット等の店舗に導入されたチェックアウトシステムへの適用例である。
図1は、実施形態に係るチェックアウトシステム1の一例を示す斜視図である。チェックアウトシステム1は、商品に関する情報を読み取る商品読取装置101と、一取引に係る商品の登録、精算を行うPOS(Point Of Sales)端末11とを備える。以下、POS端末11を本実施形態に係る情報処理装置として適用した例について説明する。また、一般物体認識の対象物品を商品とした例について説明するが、対象物品は商品以外の物品であってもよい。
POS端末11は、チェックアウト台41上のドロワ21上面に載置される。ドロワ21は、POS端末11により開放動作が制御される。POS端末11は、上面に操作者(店員)によって操作されるキーボード22を備える。POS端末11は、キーボード22を操作する操作者から見てキーボード22よりも奥側に、操作者に向けて各種情報を表示する第1表示部23を備える。第1表示部23は、各種操作を受け付けるタッチパネル26を備える。POS端末11は、第1表示部23よりも更に奥側に、回転可能に立設した第2表示部24を備える。図1に示す第2表示部24は、図1中手前側に向いているが、図1中奥側に向くように回転させることにより、顧客に各種情報を表示する。
横長テーブル状のカウンタ台151は、POS端末11が載置されているチェックアウト台41とL字を形成するよう配置される。カウンタ台151には、商品を収納する買物カゴ153が載置される。なお、買物カゴ153は、いわゆるカゴ形状のものに限るものではなく、トレー等であってもよい。または、買物カゴ153は、箱状や袋状等であってもよい。買物カゴ153には、顧客が持ち込む第1の買物カゴ154と、第1の買物カゴ154から商品読取装置101を挟んだ位置に載置される第2の買物カゴ155とがある。
カウンタ台151には、POS端末11とデータ送受信可能に接続された商品読取装置101が設置される。商品読取装置101は、薄型矩形形状のハウジング102に内蔵される。ハウジング102は、正面に読取窓103を備える。ハウジング102は、上部に表示操作部104が取り付けられる。
表示操作部104は、タッチパネル105が表面に積層された第1表示部106を備える。商品読取装置101は、第1表示部106の右隣にキーボード107を備える。商品読取装置101は、キーボード107の右隣には、カードリーダ111(図2参照)のカード読取溝108を備える。商品読取装置101は、操作者から見て表示操作部104の裏面左奥側には、顧客に向けて情報を提供する第2表示部109を備える。
商品読取装置101は、ハウジング102の内部に商品読取部110(図2参照)を備える。商品読取部110は、読取窓103の奥側に撮像部164(図2参照)を備える。
第1の買物カゴ154には、一取引に係る商品が収納されている。商品読取装置101を操作する操作者は、第1の買物カゴ154内の商品を第2の買物カゴ155に移動する。操作者は、この移動過程において、商品を商品読取装置101の読取窓103にかざす。この際、読取窓103内に配置された撮像部164(図2参照)は、商品を撮像する。
図2は、POS端末11及び商品読取装置101のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。POS端末11は、CPU(Central Processing Unit)61と、ROM(Read Only Memory)62と、RAM(Random Access Memory)63と、記憶部64と、通信インタフェース65と、キーボード22と、第1表示部23と、タッチパネル26と、第2表示部24と、接続インタフェース66と、ドロワ21と、プリンタ67とを備える。CPU61と、ROM62と、RAM63と、記憶部64と、通信インタフェース65と、キーボード22と、第1表示部23と、タッチパネル26と、第2表示部24と、接続インタフェース66と、ドロワ21と、プリンタ67とは、バスを介して接続されている。
CPU61は、POS端末11の動作を統括的に制御する。ROM62は、各種プログラムやデータを記憶する。RAM63は、各種プログラムを一時的に記憶するとともに、各種データを書き換え自在に記憶する。また、RAM63は、後述する画像データテーブル72を記憶する。なお、画像データテーブル72は、RAM63に限らず、記憶部64等の他の記憶媒体に記憶されていてもよいし、ストアサーバ等の他の機器に記憶されていてもよい。
キーボード22は、POS端末11を操作する各種キーを備える。
記憶部64は、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等の不揮発性の記憶装置である。記憶部64は、制御プログラム70と、PLUファイル71とを記憶する。なお、PLUファイル71は、記憶部64に限らず、他の記憶媒体に記憶されていてもよいし、ストアサーバ等の他の機器に記憶されていてもよい。
制御プログラム70は、オペレーティングシステムや、POS端末11が備えている機能を実現させるためのプログラムである。制御プログラム70には、本実施形態に係る特徴的な機能を実現させるためのプログラムが含まれる。
PLUファイル71は、店舗で販売される各種商品の各々について、商品の売上登録に係る情報を格納する商品ファイルである。ここで、図3は、PLUファイル71のデータ構成の一例を示す説明図である。PLUファイル71は、商品ごとに、商品コードと、商品情報と、イラスト画像と、照合用特徴量と、認識分類とを関連付けて記憶する。商品コードは、商品を識別可能な識別情報である。商品情報は、商品が属する商品分類、商品名、単価等の情報を含む。イラスト画像は、その商品を表した画像データである。照合用特徴量は、商品の標準的な形状、表面の色合い、模様、凹凸状況等の外観の特徴をパラメータ化したものである。尚、照合用特徴量は、後述する類似度の判定に用いられる照合用のデータである。認識分類は、その商品の認識に用いる認識方法を指示するための情報である。認識方法には、一般物体認識又はコードシンボル認識が設定される。一般物体認識は、一般物体認識により商品を認識する方法である。コードシンボル認識は、バーコードや2次元コード等のコードシンボルが示している商品コードを読み取ることにより商品を認識する方法である。すなわち、認識方法は、コードシンボルが付されているか否かが示された設定である。従って、コードシンボル認識は、コードシンボルが付されている商品に対して設定される。一方、一般物体認識は、コードシンボルが付されていない商品に対して設定される。なお、照合用特徴量と、認識分類とは、PLUファイル71とは異なるファイルに記憶されていてもよい。
図2に戻り、POS端末11のCPU61には、通信インタフェース65が接続される。通信インタフェース65は、ネットワークを介して、ストアコンピュータ等の外部機器と通信するためのインタフェースである。
接続インタフェース66は、商品読取装置101と接続するためのインタフェースである。プリンタ67は、一取引における取引内容をレシート用紙に印字する。
商品読取装置101の商品読取部110は、CPU161と、ROM162と、RAM163と、撮像部164と、音声出力部165と、接続インタフェース175とを備える。CPU161と、ROM162と、RAM163と、撮像部164と、音声出力部165と、接続インタフェース175とは、バスを介して接続されている。
CPU161は、商品読取装置101の動作を統括的に制御する。ROM162は、各種プログラムやデータを記憶する。RAM163は、各種プログラムを一時的に記憶するとともに、各種データを書き換え自在に記憶する。
ROM162は、制御プログラム166を記憶する。制御プログラム166は、オペレーティングシステムや、商品読取装置101が備えている機能を実現させるためのプログラムである。制御プログラム166には、本実施形態に係る特徴的な機能を実現させるプログラムが含まれる。
撮像部164は、カラーCCDイメージセンサやカラーCMOSイメージセンサ等のイメージセンサ(不図示)とLEDなどの光源(不図示)とを備える。そして、撮像部164は、CPU161の制御の下で読取窓103の内部から撮像を行う。例えば撮像部164は、30fps(Frame Per Second)等のフレームレートで画像データを撮像する。撮像部164は、順次撮像した画像データをRAM163に保存する。
音声出力部165は、予め設定された警告音等を発生するための音声回路とスピーカ等である。音声出力部165は、CPU161の制御の下で警告音や音声による報知を行う。
接続インタフェース175は、POS端末11及び表示操作部104と接続するためのインタフェースである。
商品読取装置101の表示操作部104は、接続インタフェース176と、キーボード107と、第1表示部106と、タッチパネル105と、第2表示部109と、カードリーダ111とを備える。接続インタフェース176と、キーボード107と、第1表示部106と、タッチパネル105と、第2表示部109と、カードリーダ111とは、バスを介して接続されている。
接続インタフェース176は、POS端末11及び商品読取部110と接続するためのインタフェースである。
カードリーダ111は、クレジットカード等の決済に用いるカードの記憶媒体が記憶する情報の読み取りを実行する装置である。カードリーダ111は、カード読取溝108に挿入されたカードの記憶媒体が記憶する情報の読み取りを実行する。
表示操作部104は、商品読取部110のCPU161、又はPOS端末11のCPU61によって動作が制御される。
次に、チェックアウトシステム1の各装置が有する特徴的な機能について説明する。ここで、図4は、チェックアウトシステム1の各装置が有する特徴的な機能構成を示すブロック図である。
商品読取装置101のCPU161は、ROM162の制御プログラム166をRAM163に展開し、制御プログラム166に従って動作することで、図4に示す各機能部をRAM163に生成する。具体的には、CPU161は、機能部として、接続制御部1611と、撮像制御部1612と、コードシンボル検出部1613と、コードシンボル読取部1614と、表示制御部1615と、操作制御部1616とを備える。
接続制御部1611は、接続インタフェース175及び接続インタフェース176を制御して、POS端末11と通信する。
撮像制御部1612は、撮像部164を制御して、画像データを撮像させる。撮像制御部1612は、接続制御部1611が撮像要求を受け付けたことを条件に、撮像部164に撮像動作を開始させる。撮像制御部1612は、撮像部164が順次撮像した画像データをRAM163に記憶させる。また、撮像制御部1612は、撮像部164が順次撮像した画像データを接続制御部1611に出力させる。
第2検出手段であるコードシンボル検出部1613は、撮像部164が撮像した画像データがRAM163に記憶されたことを条件に、RAM163に記憶された画像データを読み取る。そして、コードシンボル検出部1613は、画像データに含まれたコードシンボルを検出する。
コードシンボル読取部1614は、コードシンボル検出部1613がコードシンボルを検出したことを条件に、コードシンボルが示している商品コードを読み取る。コードシンボル読取部1614は、読み取った商品コードをPOS端末11に出力する。
表示制御部1615は、第1表示部106、及び第2表示部109の全部又は一部を制御して、各種画面を表示させる。
操作制御部1616は、タッチパネル105、及びキーボード107の全部又は一部を制御して、各種操作を受け付ける。
POS端末11のCPU61は、記憶部64の制御プログラム70をRAM63に展開し、制御プログラム70に従って動作することで、図4に示す各機能部をRAM63に生成する。具体的には、CPU61は、機能部として、接続制御部611と、画像取込部612と、商品検出部613と、特徴量抽出部614と、類似度算出部615と、登録制御部616と、商品認識部617と、商品登録部618と、学習制御部619とを備える。
接続制御部611は、接続インタフェース66を制御して、商品読取装置101と通信する。
画像取込部612は、撮像部164の撮像動作の開始を要求する撮像要求を接続制御部611に出力させる。そして、画像取込部612は、撮像部164が撮像した画像データの入力を順次受け付ける。
第1検出手段である商品検出部613は、画像取込部612が受け付けた画像データに含まれている商品を検出する。例えば、商品検出部613は、画像データに含まれる商品の全部または一部を、パターンマッチング技術等を用いて検出する。具体的には、商品検出部613は、画像データを2値化した画像から輪郭線等を抽出する。商品検出部613は、予め用意した画像データから抽出した輪郭線と、検出対象の画像データから抽出した輪郭線との差分に基づいて、商品を検出する。ここで、予め用意した画像データは、商品等が含まれていない背景を撮像部164が撮像した画像データである。よって、商品検出部613は、検出対象の画像データに商品が含まれていることを条件に、予め用意した画像データから抽出した輪郭線にはない輪郭線を、検出対象の画像データから抽出した輪郭線から検出することができる。そして、商品検出部613は、予め用意した画像データから抽出した輪郭線にはない輪郭線に基づいて商品を検出する。
抽出手段である特徴量抽出部614は、撮像部164が撮像した画像データから商品検出部613が検出した商品の色合いや表面の凹凸状況等の表面の状態を特徴量として抽出する。
算出手段である類似度算出部615は、PLUファイル71に登録された商品の照合用特徴量と、特徴量抽出部614が抽出した商品の特徴量とを比較することで、PLUファイル71に登録された商品の各々との類似度を算出する。ここで、類似度は、PLUファイル71に記憶されている商品の照合用特徴量を100%=「類似度:1.0」とした場合に、商品の全部または一部がどの程度類似しているかを示すものである。なお、類似度算出部615は、例えば、色合いと表面の凹凸状況とでは、重み付けを変えて類似度を算出してもよい。
このように画像中に含まれる物体を認識することは一般物体認識(generic object recognition)と呼ばれている。このような一般物体認識については、下記の文献において各種認識技術が解説されている。
柳井 啓司,“一般物体認識の現状と今後”,情報処理学会論文誌,Vol.48,No.SIG16 [平成28年4月29日検索],インターネット<URL: http://mm.cs.uec.ac.jp/IPSJ-TCVIM-Yanai.pdf >
また、画像をオブジェクトごとに領域分割することによって一般物体認識を行う技術が、下記の文献において解説されている。
Jamie Shottonら,“Semantic Texton Forests for Image Categorization and Segmentation”,[平成28年4月29日検索],インターネット<URL: http://citeseerx.ist.psu.edu/viewdoc/download?doi=10.1.1.145.3036&rep=rep1&type=pdf >
なお、PLUファイル71に登録された各種商品の照合用特徴量と、特徴量抽出部614が抽出した商品の特徴量との類似度の算出方法は特に問わないものとする。例えば、類似度算出部615は、PLUファイル71に登録された商品の照合用特徴量と、特徴量抽出部614が抽出した商品の特徴量との類似度を絶対評価として算出してもよいし、相対評価として算出してもよい。
また、類似度算出部615は、PLUファイル71の認識分類に関わらず類似度を算出する。すなわち、類似度算出部615は、特徴量抽出部614が抽出した特徴量と、認識分類がバーコード認識の商品の照合用特徴量との類似度も算出する。
登録制御部616は、撮像部164が撮像した画像データ等を画像データテーブル72に記憶させる。ここで、図5は、画像データテーブル72のデータ構成の一例を示す説明図である。画像データテーブル72は、識別番号と、画像データと、特徴量と、類似度と、商品コードと、認識分類とを関連付けて記憶する。識別番号は、画像データテーブル72に記憶された情報を識別可能な識別情報である。画像データは、画像取込部612が受け付けた画像データである。すなわち、画像データは、画像データに含まれる商品の一般物体認識に使用された画像データである。特徴量は、関連付けられた画像データに含まれる商品について特徴量抽出部614が抽出した特徴量である。類似度は、関連付けられた画像データに含まれる商品の特徴量と、PLUファイル71に登録された各種商品の照合用特徴量との類似度のうち最も高い類似度である。商品コードは、類似度が最も高かった商品の商品コードである。認識分類は、類似度が最も高かった商品の認識分類である。登録制御部616は、一の商品について画像データが取り込まれる毎に、その画像データや特徴量、類似度等を画像データテーブル72に順次記憶していく。そして、登録制御部616は、商品が売上登録されたことを条件に、画像データテーブル72に記憶させた画像データ等を削除する。なお、登録制御部616は、画像データと、特徴量と、類似度と、商品コードとを同一のデータテーブルに限らず、それぞれ異なったデータテーブルに記憶させてもよい。
図4に戻り、認識手段である商品認識部617は、画像データテーブル72に記憶された類似度に基づいて、画像データに含まれる商品がPLUファイル71に記憶された商品の何れに該当するかを認識する。そして、商品認識部617は、該当する商品をPLUファイル71から選択する。商品認識部617は、画像データテーブル72に記憶された類似度に応じて、確定商品と、商品候補と、認識不可との段階に分けて選択する。なお、類似度に応じた分類分けは、一例であって、他の方法による分類分けであってもよい。
但し、選択手段である商品認識部617は、認識した商品の認識分類が一般物体認識であることを条件に、撮像部164が撮像した商品として商品認識部617が認識した商品を選択する。すなわち、商品認識部617は、PLUファイル71において認識分類がコードシンボル認識の商品を、選択候補から除外する。商品認識部617は、認識分類がコードシンボル認識である商品を選択しないことにより、コードシンボル認識により認識されるべき商品が誤って一般物体認識により認識されてしまうことを防止する。
商品認識部617は、第1条件として、画像データテーブル72において、認識分類が一般物体認識に設定された同一の商品について第1閾値以上の類似度が所定個数以上登録されているか否かを判定する。商品認識部617は、第1条件を満たしていることを条件に、撮像部164が撮像した商品に該当する商品をPLUファイル71から確定商品として選択する。確定商品とは、操作者による確認操作によらずに、画像データテーブル72に記憶された類似度に基づいて、自動登録可能な商品であることを示している。自動登録とは、操作者による確認操作を求めずに確定商品を販売対象の商品として売上登録する処理である。そして、商品認識部617は、確定商品の商品コードを商品登録部618に出力する。なお、商品認識部617は、認識分類がコードシンボル認識である商品については、第1条件を満たしていても確定商品として選択しない。
また、商品認識部617は、第1条件を満たしていないことを条件に第2条件として、画像データテーブル72において、認識分類が一般物体認識に設定された同一の商品について第2閾値以上の類似度が所定個数以上登録されているか否かを判定する。なお、第2閾値は、第1閾値よりも低いものとする。商品認識部617は、第2条件を満たしていることを条件に、商品検出部613が検出した商品に該当する一又は複数の商品をPLUファイル71から商品候補として選択する。商品候補とは、画像データテーブル72に記憶された類似度に基づいて、撮像部164が撮像した商品に該当する商品の候補であることを示している。すなわち、商品候補は、撮像部164が撮像した商品の候補であることを示している。そして、商品候補は、一又は複数の商品候補から該当する商品を選択させる等の操作者の確認操作により販売対象の商品として売上登録される。そして、商品認識部617は、商品候補から選択された商品の商品コードを商品登録部618に出力する。なお、商品認識部617は、認識分類がコードシンボル認識である商品については、第2条件を満たしていても商品候補として選択しない。
また、商品認識部617は、第2条件を満たしていないことを条件に、認識不可と判定する。商品認識部617は、認識不可と判定したことを条件に、PLUファイル71から商品情報を選択しない。
商品認識部617は、上述のように認識分類がコードシンボル認識であっても、コードシンボル認識の何れの商品に該当するかを認識する。これにより、商品認識部617は、コードシンボル認識の商品を、一般物体認識の商品と誤認してしまうことを低下させることができる。以下にて一例を挙げて説明する。コードシンボル認識の商品Aが、一般物体認識の商品Bと類似している場合について説明する。仮に、認識分類がコードシンボル認識の商品の特徴量がPLUファイル71に記憶されていない場合、商品Aは商品Bと類似しているため、類似度算出部615は、商品Bと類似していると判定する。この時、類似度算出部615は、類似している商品が商品Bだけであるため、高い類似度を算出してしまう場合がある。よって、商品認識部617は、商品Bが確定商品又は商品候補であると誤認してしまう。一方、認識分類がコードシンボル認識と一般物体認識とがPLUファイル71に記憶されている場合、類似度算出部615は、商品A又は商品Bと類似していると判定する。この時、類似度算出部615は、類似している商品が商品Aと商品Bとがあるため、商品Bだけの場合と比較して低い類似度を算出する。よって、商品認識部617は、商品Bが確定商品又は商品候補であると誤認されづらくなる。
そして、確定商品又は商品候補が選択されない場合やコードシンボル認識の商品を認識した場合、POS端末11は、撮像部164が新たに撮像した画像データを用いて一般物体認識を実行する。一方、商品読取装置101は、撮像部164が新たに撮像した画像データを用いてコードシンボルを検出する処理を実行する。すなわち、コードシンボル検出部1613は、商品認識部617が認識した商品が、コードシンボル認識の商品であることを条件に、新たに撮像した画像データに対して、コードシンボルを検出する処理を実行する。コードシンボル読取部1614は、コードシンボル検出部1613がコードシンボルを検出したことを条件に、コードシンボルを読み取る。従って、商品認識部617は、コードシンボル認識の商品と認識したことを条件に確定商品又は商品候補を選出しないことにより、次の画像データにおいてコードシンボルで商品を認識することが可能となる。
なお、接続制御部611は、商品認識部617がコードシンボル認識の商品を認識したことを条件に、コードシンボル認識の商品であることを商品読取装置101に通知してもよい。この場合に、商品読取装置101の表示制御部1615は、コードシンボル認識の商品を認識したことを第1表示部106等に表示させる。これにより、表示制御部1615は、コードシンボルが付されている箇所を撮像部164に向けて撮像させることを促すことができる。
商品登録部618は、指定された商品を販売対象の商品として売上登録する。すなわち、商品登録部618は、販売対象の商品の商品情報をPLUファイル71から読み出して登録する。例えば、商品登録部618は、商品認識部617から出力された商品コードにより特定される商品を販売対象の商品として売上登録する。または、商品登録部618は、コードシンボル読取部1614から出力された商品コードの商品を販売対象の商品として売上登録する。
記憶制御手段である学習制御部619は、画像データテーブル72に記憶された認識分類がコードシンボル認識の商品について、学習処理を実行する。ここで、学習処理とは、画像データテーブル72に記憶された認識分類がコードシンボル認識の商品の特徴量等をPLUファイル71の該当する商品の照合用特徴量として記憶させる処理である。または、学習処理とは、PLUファイル71の該当する商品の照合用特徴量として記憶させるために、画像データテーブル72に記憶された認識分類がコードシンボル認識の商品の特徴量等を記憶部64等に記憶させる処理である。なお、PLUファイル71に記憶させる情報は、特徴量に限らない。例えば、PLUファイル71に記憶させる情報には、画像データ等が含まれていてもよい。
学習制御部619は、学習処理の対象について、条件を課してもよい。例えば、学習制御部619は、条件として、画像データテーブル72に記憶された認識分類がコードシンボル認識の商品の類似度が第3閾値以上であることを課してもよい。この場合には、学習制御部619は、画像データテーブル72に記憶された認識分類がコードシンボル認識の商品のうち、類似度が第3閾値以上の特徴量等をPLUファイル71に記憶させる。学習制御部619は、学習処理の対象について条件を課すことにより、一般物体認識の商品の特徴量を誤ってコードシンボル認識の商品として記憶させてしまったり、参考にならない特徴量等を記憶させてしまったりすることを防止する。
次に、チェックアウトシステム1の各装置が協働で実行する商品登録処理について説明する。ここで、図6は、本実施形態のチェックアウトシステム1の各装置が協働で実行する商品登録処理の一例を示すフローチャート図である。
まず、商品読取装置101の撮像制御部1612は、撮像部164に撮像させる(ステップS1)。次いで、商品読取装置101のコードシンボル検出部1613は、撮像部164が撮像した画像データからコードシンボルを検出することができるか否かを判定する(ステップS2)。
画像データからコードシンボルを検出することができないことを条件に(ステップS2;No)、POS端末11の商品検出部613は、撮像部164が撮像した画像データから商品を検出することができるか否かを判定する(ステップS3)。画像データから商品を検出することができないことを条件に(ステップS3;No)、チェックアウトシステム1は、ステップS1に移行する。
画像データから商品を検出することができたことを条件に(ステップS3;Yes)、POS端末11の特徴量抽出部614は、撮像部164が撮像した画像データから検出した商品の特徴量を抽出する(ステップS4)。
次いで、POS端末11の類似度算出部615は、抽出した特徴量と、PLUファイル71に記憶された照合用の特徴量の各々とを比較して、各商品の類似度を算出する(ステップS5)。
次いで、POS端末11の登録制御部616は、類似度が最も高かった商品の画像データと、特徴量と、商品コードと、その商品の認識分類とを画像データテーブル72に記憶させる(ステップS6)。
次いで、POS端末11の商品認識部617は、画像データに含まれている商品に該当する商品を確定商品として、PLUファイル71から選択することができるか否かを判定する(ステップS7)。
確定商品として選択することができることを条件に(ステップS7;Yes)、POS端末11の商品登録部618は、選択した確定商品を販売対象の商品として売上登録する(ステップS8)。そして、チェックアウトシステム1は、商品登録処理を終了する。
一方、確定商品として選択することができないことを条件に(ステップS7;No)、POS端末11の商品認識部617は、画像データに含まれている商品に該当する商品を、PLUファイル71から商品候補として選択することができるか否かを判定する(ステップS9)。商品候補として選択することができないことを条件に(ステップS9;No)、チェックアウトシステム1は、ステップS1に移行する。
一方、商品候補として選択することができることを条件に(ステップS9;Yes)、商品読取装置101の表示制御部1615は、選択した商品候補を売上登録する商品登録ボタンを商品登録画面に表示する(ステップS10)。
次いで、POS端末11の商品登録部618は、商品登録ボタンが押下されたか否かを判定する(ステップS11)。商品登録ボタンが押下されないことを条件に(ステップS11;No)、チェックアウトシステム1は、ステップS1に移行する。
一方、商品登録ボタンが押下されたことを条件に(ステップS11;Yes)、POS端末11の商品登録部618は、商品登録ボタンに関連付けられた商品を販売対象の商品として売上登録する(ステップS12)。そして、チェックアウトシステム1は、商品登録処理を終了する。
ステップS2において、画像データからコードシンボルを検出することができたことを条件に(ステップS2;Yes)、商品読取装置101のコードシンボル読取部1614は、検出したコードシンボルから商品コードを読み取る(ステップS13)。
次いで、POS端末11の商品登録部618は、読み取った商品コードにより特定される商品を売上登録する(ステップS14)。
次いで、POS端末11の学習制御部619は、画像データテーブル72にコードシンボル認識の商品、つまりステップS14で特定された商品が記憶されているか否かを判定する(ステップS15)。コードシンボル認識の商品が記憶されていないことを条件に(ステップS15;No)、チェックアウトシステム1は、商品登録処理を終了する。
一方、コードシンボル認識の商品が記憶されていることを条件に(ステップS15;Yes)、POS端末11の学習制御部619は、コードシンボル認識の商品の類似度が閾値以上であるか否かを判定する(ステップS16)。類似度が閾値未満であることを条件に(ステップS16;No)、チェックアウトシステム1は、商品登録処理を終了する。
一方、類似度が閾値以上であることを条件に(ステップS16;Yes)、POS端末11の学習制御部619は、画像データテーブル72において類似度が閾値以上のコードシンボル認識の商品の特徴量等をPLUファイル71に追加する(ステップS17)。
以上により、POS端末11は、商品登録処理を終了する。
以上のように、本実施形態に係るチェックアウトシステム1によれば、PLUファイル71は、商品ごとに、認識分類を関連付けて記憶している。そして、類似度算出部615は、認識分類に関わらずに類似度を算出する。従って、類似度算出部615は、認識分類がバーコード認識の商品を撮像部164が撮像した場合に、撮像部164が撮像した認識分類がバーコード認識の商品に対して高い類似度を算出する。すなわち、類似度算出部615は、認識分類がバーコード認識の商品がPLUファイル71に登録されていない場合と比較して、認識分類が一般物体認識の商品に対して更に低い類似度を算出する。これにより、商品認識部617は、誤った商品に対する類似度が相対的に低くなるため、確定商品や商品候補として選択しにくくなる。よって、本実施形態に係るチェックアウトシステム1は、対象物品を適切に認識することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
上述の実施形態は、情報処理装置としてPOS端末11に適用した場合を例に説明した。しかしながら、情報処理装置は、商品読取装置101に適用してもよい。また、POS端末11が有する各機能(接続制御部611、画像取込部612、商品検出部613、特徴量抽出部614、類似度算出部615、登録制御部616、商品認識部617、商品登録部618、及び学習制御部619)と、商品読取装置101が有する各機能(接続制御部1611、撮像制御部1612、コードシンボル検出部1613、コードシンボル読取部1614、表示制御部1615、及び操作制御部1616)とは、POS端末11と商品読取装置101との何れか一方がまとめて有していてもよい。または、POS端末11が有する各機能と、商品読取装置101が有する各機能とは、上述した実施形態には表れていない装置と分散して有していてもよい。さらに、POS端末11が有する各機能は、商品読取装置101が有していてもよいし、商品読取装置101が有する各機能は、POS端末11が有していてもよい。
また、上記実施形態では、照合用データを特徴量として説明したが、照合用データは、撮像された商品画像(基準画像)としてもよい。
また、上記実施形態では、POS端末11と商品読取装置101とを備えるチェックアウトシステム1に適用した。しかし、これに限るものではなく、POS端末11及び商品読取装置101の機能を備えた1台構成の装置に適用するようにしてもよい。POS端末11及び商品読取装置101の機能を備えた1台構成の装置としては、スーパーマーケット等の店舗に設置されて用いられるセルフチェックアウト装置(以降、単にセルフPOSと称する)が挙げられる。
ここで、図7は、セルフPOS200の構成の一例を示す斜視図である。図8は、セルフPOS200のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。尚、以下では、図1および図2に示される同様の構成については同一の符号を付して示し、その重複する説明を省略する。図9および図10に示すように、セルフPOS200の本体202は、タッチパネル105が表面に配設された第1表示部106や、商品の種別等を認識(検出)するために商品画像を読み取る商品読取部110を備える。
第1表示部106は、例えば液晶表示器である。第1表示部106は、顧客にセルフPOS200の操作方法を知らせるための案内画面や、各種の入力画面や、商品読取部110で読み込んだ商品情報を表示する登録画面を表示する。または、第1表示部106は、商品の合計金額や預かり金額、釣銭額等を表示し、支払い方法の選択をする精算画面等を表示する。
商品読取部110は、顧客が商品に付されたコードシンボルを商品読取部110の読取窓103にかざすことで商品画像を撮像部164により読み取る。
また、セルフPOS200は、本体202の右側に、かごに入った未精算の商品を置くための商品載置台203を備える。セルフPOS200は、本体202の左側に、精算済みの商品を置くための商品載置台204を備える。商品載置台204は、精算済みの商品を入れるための袋を掛ける袋掛けフック205や、精算済みの商品を袋に入れる前に一時的に置いておくための一時置き台206を備える。商品載置台203、204は、計量器207、208がそれぞれ備えられており、精算の前後で商品の重量が同じであることを確認する機能を有する。
また、セルフPOS200の本体202は、精算用の紙幣の入金や釣り紙幣の受け取りを行うための釣り銭器201を備える。
このような構成のセルフPOS200をチェックアウトシステム1に適用した場合、セルフPOS200が情報処理装置として機能することになる。
上記実施形態や変形例の各装置で実行されるプログラムは、各装置が備える記憶媒体(ROM又は記憶部)に予め組み込んで提供するものとするが、これに限らないものとする。例えば、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。さらに、記憶媒体は、コンピュータ或いは組み込みシステムと独立した媒体に限らず、LANやインターネット等により伝達されたプログラムをダウンロードして記憶又は一時記憶した記憶媒体も含まれる。
また、上記実施形態や変形例の各装置で実行されるプログラムをインターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよいし、インターネット等のネットワーク経由で提供又は配布するように構成してもよい。