JP6958447B2 - Control device for continuously variable transmission - Google Patents
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Description
本発明は、無段変速機の制御装置に関する。 The present invention relates to a control device for a continuously variable transmission.
特許文献1には、変速比をフィードバック制御するベルト式の無段変速機の制御装置において、フィードバック制御の積分ゲインを、目標変速比と実変速比との変速比誤差が所定値を超えた場合、超えた量に応じて減少することで、変速比誤差が大きい場合にフィードバック積分項が増大するのを防止できることが開示されている。 Patent Document 1 describes a case where a gear ratio error between a target gear ratio and an actual gear ratio exceeds a predetermined value in an integrated gain of feedback control in a control device of a belt-type stepless transmission that feedback-controls a gear ratio. It is disclosed that the feedback integration term can be prevented from increasing when the gear ratio error is large by decreasing the amount according to the excess amount.
変速過渡時などで変速比偏差が大きい場合にフィードバック積分項が増大すると、変速追従性が悪化するため、積分ゲインを減少させることが考えられる。しかしながら、プライマリ圧やセカンダリ圧を決める油圧系のフェール発生時などで変速比偏差が大きい場合にも積分ゲインが減少されてしまうため、故障判定が遅れてしまうおそれがある。 If the feedback integral term increases when the gear ratio deviation is large, such as during a shift transient, the shift followability deteriorates, so it is conceivable to reduce the integrated gain. However, even when the gear ratio deviation is large when a failure of the hydraulic system that determines the primary pressure or the secondary pressure occurs, the integrated gain is reduced, so that the failure determination may be delayed.
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、変速追従性向上を実現することができる無段変速機の制御装置を提供することである。 The present invention has been made in view of the above problems, and an object of the present invention is to provide a control device for a continuously variable transmission capable of improving shift followability.
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る無段変速機の制御装置は、変速比をフィードバック制御するベルト式の無段変速機の制御装置において、積分ゲインは、回転数パラメータの軸と、シーブ位置偏差の軸と、から算出され、前記回転数パラメータの軸では、回転数が大きくなるにつれて前記積分ゲインが小さく設定され、前記シーブ位置偏差の軸では、前記シーブ位置偏差が大きくなるにつれて前記積分ゲインが小さく、且つ、積分項変化量が0より大きい所定値で飽和するように設定されることを特徴とするものである。 In order to solve the above-mentioned problems and achieve the object, the continuously variable transmission control device according to the present invention is a belt-type continuously variable transmission control device that feedback-controls the gear ratio, and the integrated gain is rotated. Calculated from the axis of the number parameter and the axis of the sheave position deviation, the integral gain is set smaller as the rotation speed increases on the axis of the rotation number parameter, and the sheave position on the axis of the sheave position deviation. It is characterized in that the integral gain becomes smaller as the deviation becomes larger, and the amount of change in the integral term is set to saturate at a predetermined value larger than 0.
本発明に係る無段変速機の制御装置は、積分ゲインを、回転数パラメータと、シーブ位置偏差と、の2軸で持たせ、回転数パラメータの軸では、回転数が大きくなるにつれて積分ゲインが小さく設定され、シーブ位置偏差の軸では、シーブ位置偏差が大きくなるにつれて積分ゲインが小さく設定されるため、フィードバック積分項が増大し過ぎることを防止でき、変速過渡時の変速追従性向上を実現することができる。これとともに、シーブ位置偏差軸では、積分項変化量(=シーブ位置偏差×積分ゲイン)が0より大きい所定値で飽和するように設定されるため、油圧系のフェール発生時などはフィードバック積分項を適切に増大させることができ、フェール発生時の変速追従性向上も実現することができるという効果を奏する。 The control device for the stepless transmission according to the present invention has an integrated gain on two axes, a rotation speed parameter and a sheave position deviation, and on the rotation speed parameter axis, the integrated gain increases as the rotation speed increases. It is set small, and on the axis of the sheave position deviation, the integration gain is set small as the sheave position deviation increases, so it is possible to prevent the feedback integration term from increasing too much and improve the shift followability during shift transition. be able to. At the same time, on the sheave position deviation axis, the amount of change in the integration term (= sheave position deviation x integration gain) is set to saturate at a predetermined value larger than 0. It has the effect that it can be increased appropriately and the shift followability at the time of failure can be improved.
以下に、本発明に係る無段変速機の制御装置の一実施形態について説明する。なお、本実施形態により本発明が限定されるものではない。 Hereinafter, an embodiment of the continuously variable transmission control device according to the present invention will be described. The present invention is not limited to the present embodiment.
図1は、実施形態に係る動力伝達装置100を備えた車両Veの一例を示すスケルトン図である。図1に示すように、車両Veは、動力源としてエンジン1と動力伝達装置100とを備える。エンジン1はエンジン回転数Neに応じて所定の動力を出力する。エンジン1から出力された動力は、動力伝達装置100を構成する、トルクコンバータ2、入力軸3、前後進切替機構4、ベルト式の無段変速機5またはギヤ機構6、出力軸7、カウンタギヤ機構8、デファレンシャルギヤ9、及び、駆動軸10を介して、駆動輪11に伝達される。無段変速機5の下流側には、エンジン1を駆動輪11から切り離すためのクラッチとしてクラッチC2が設けられている。クラッチC2を解放させることによって、無段変速機5と出力軸7との間がトルク伝達不能に遮断され、エンジン1に加え無段変速機5が駆動輪11から切り離される。
FIG. 1 is a skeleton diagram showing an example of a vehicle Ve provided with the
具体的にトルクコンバータ2は、エンジン1に連結されたポンプインペラ2a、ポンプインペラ2aに対向して配置されたタービンランナ2b、及び、ポンプインペラ2aとタービンランナ2bとの間に配置されたステータ2cを備える。トルクコンバータ2の内部は作動流体としてのオイルで満たされている。ポンプインペラ2aはエンジン1のクランクシャフト1aと一体回転する。タービンランナ2bには、入力軸3が一体回転するように連結されている。トルクコンバータ2はロックアップクラッチを備え、その係合状態ではポンプインペラ2aとタービンランナ2bとが一体回転し、その解放状態ではエンジン1から出力された動力が作動流体を介してタービンランナ2bに伝達される。なお、ステータ2cは、一方向クラッチを介してケースなどの固定部に保持されている。
Specifically, the torque converter 2 includes a
また、ポンプインペラ2aには、ベルト機構などの伝動機構を介して、オイルポンプ41が連結されている。オイルポンプ41は、ポンプインペラ2aを介してクランクシャフト1aに連結され、エンジン1によって駆動される。なお、オイルポンプ41とポンプインペラ2aとが一体回転するように構成されてもよい。
Further, an
入力軸3は、前後進切替機構4に連結されている。前後進切替機構4は、エンジントルクを駆動輪11へ伝達する際、駆動輪11に作用するトルクの方向を前進方向と後進方向との間で切り替える。前後進切替機構4は、差動機構からなり、図1に示す例ではダブルピニオン型の遊星歯車機構によって構成されている。その前後進切替機構4は、サンギヤ4Sと、サンギヤ4Sに対して同心円上に配置されたリングギヤ4Rと、サンギヤ4Sに噛み合っている第1ピニオンギヤ4P1と、第1ピニオンギヤ4P1及びリングギヤ4Rに噛み合っている第2ピニオンギヤ4P2と、第1ピニオンギヤ4P1及び第2ピニオンギヤ4P2を自転可能かつ公転可能に保持しているキャリヤ4Cとを備えている。サンギヤ4Sには、ギヤ機構6の駆動ギヤ61が一体回転するように連結されている。キャリヤ4Cには、入力軸3が一体回転するように連結されている。
The
また、サンギヤ4Sとキャリヤ4Cとを選択的に一体回転させる第1クラッチであるクラッチC1が設けられている。クラッチC1を係合させることによって、前後進切替機構4全体が一体回転する。さらに、リングギヤ4Rを選択的に回転不能に固定するブレーキB1が設けられている。クラッチC1及びブレーキB1は、油圧式である。
Further, a clutch C1 which is a first clutch for selectively integrally rotating the
例えば、クラッチC1を係合させ、かつブレーキB1を解放させると、サンギヤ4Sとキャリヤ4Cとが一体回転する。すなわち、入力軸3と駆動ギヤ61とが一体回転する。また、クラッチC1を解放させ、かつブレーキB1を係合させると、サンギヤ4Sとキャリヤ4Cとが逆方向に回転する。すなわち、入力軸3と駆動ギヤ61とは逆方向に回転する。
For example, when the clutch C1 is engaged and the brake B1 is released, the
車両Veにおいては、無段変速機5と有段変速部であるギヤ機構6とが並列に設けられている。入力軸3と出力軸7との間の動力伝達経路として、ギヤ機構6を介する第1動力伝達経路と、無段変速機5を介する第2動力伝達経路とが、並列に形成されている。
In the vehicle Ve, the continuously
無段変速機5は、入力軸3と入力軸回転速度Ninで一体回転するプライマリプーリ51、セカンダリシャフト54と一体回転するセカンダリプーリ52、プライマリプーリ51及びセカンダリプーリ52に形成されたV溝に巻き掛けられたベルト53を備える。入力軸3はプライマリシャフトとなる。プライマリプーリ51及びセカンダリプーリ52のV溝幅を変化させることによってベルト53の巻き掛け径が変化するので、無段変速機5の変速比γを連続的に変化させることができる。無段変速機5の変速比γは、最大変速比γmax(ギヤが最Low)から最小変速比γmin(ギヤが最High)の範囲内で連続的に変化する。
The continuously
プライマリプーリ51は、入力軸3と一体化された固定シーブ51a、入力軸3上で軸線方向に移動可能な可動シーブ51b、及び、可動シーブ51bに推力を付与するプライマリ圧シリンダ51cを備える。固定シーブ51aのシーブ面と可動シーブ51bのシーブ面とが対向して、プライマリプーリ51のV溝を形成する。プライマリ圧シリンダ51cは、可動シーブ51bの背面側に配置されている。プライマリ圧シリンダ51cへ供給されるプライマリ圧Pinによって、可動シーブ51bを固定シーブ51a側へ移動させる推力が発生し、プライマリプーリ51に巻き掛けられたベルト53に対して挟持圧力を発生させる。
The
セカンダリプーリ52は、セカンダリシャフト54と一体化された固定シーブ52a、セカンダリシャフト54上で軸線方向に移動可能な可動シーブ52b、及び可動シーブ52bに推力を付与するセカンダリ圧シリンダ52cを備える。固定シーブ52aのシーブ面と可動シーブ52bのシーブ面とが対向して、セカンダリプーリ52のV溝を形成する。セカンダリ圧シリンダ52cは、可動シーブ52bの背面側に配置されている。セカンダリ圧シリンダ52cに供給されるセカンダリ圧Poutによって、可動シーブ52bを固定シーブ52a側へ移動させる推力が発生し、セカンダリプーリ52に巻き掛けられたベルト53に対して挟持圧力を発生させる。
The
第2クラッチであるクラッチC2は、セカンダリシャフト54と出力軸7との間に設けられており、出力軸7から無段変速機5を選択的に切り離すことができる。例えば、クラッチC2を係合させると、無段変速機5と出力軸7との間が動力伝達可能に接続され、セカンダリシャフト54と出力軸7とが一体回転する。一方、クラッチC2を解放させると、セカンダリシャフト54と出力軸7との間がトルク伝達不能に遮断され、エンジン1及び無段変速機5が駆動輪11から切り離される。
The second clutch, the clutch C2, is provided between the
クラッチC2は油圧式である。油圧アクチュエータによってクラッチC2の係合要素同士が摩擦係合するように構成されている。そのため、クラッチC2の係合要素同士を半係合状態として摩擦係合させると、クラッチC2をスリップ状態にできる。この場合、無段変速機5と出力軸7との間を伝達するトルクが比較的小さくなる。
The clutch C2 is a hydraulic type. The engaging elements of the clutch C2 are frictionally engaged with each other by a hydraulic actuator. Therefore, when the engaging elements of the clutch C2 are frictionally engaged with each other in a semi-engaged state, the clutch C2 can be put into a slip state. In this case, the torque transmitted between the continuously
出力軸7には、出力ギヤ7aと従動ギヤ63とが一体回転するように取り付けられている。出力ギヤ7aは、減速機構であるカウンタギヤ機構8のカウンタドリブンギヤ8aと噛み合っている。カウンタギヤ機構8のカウンタドライブギヤ8bは、デファレンシャルギヤ9のリングギヤ9aと噛み合っている。デファレンシャルギヤ9には、左右の駆動軸10を介して左右の駆動輪11が連結されている。
The
ギヤ機構6は、前後進切替機構4のサンギヤ4Sと一体回転する駆動ギヤ61と、カウンタギヤ機構62と、出力軸7と一体回転する従動ギヤ63とを含む。ギヤ機構6は減速機構であって、ギヤ機構6の変速比(ギヤ比)は、無段変速機5の最大変速比γmaxよりも大きい所定値に設定されている。車両Veにおいては、発進時にエンジン1からギヤ機構6を介して駆動輪11にトルクを伝達可能に構成されている。ギヤ機構6は例えば発進ギヤとして機能する。
The
駆動ギヤ61は、カウンタギヤ機構62のカウンタドリブンギヤ62aと噛み合っている。カウンタギヤ機構62は、カウンタドリブンギヤ62aと、カウンタシャフト62bと、従動ギヤ63に噛み合っているカウンタドライブギヤ62cとを含む。カウンタシャフト62bには、カウンタドリブンギヤ62aが一体回転するように取り付けられている。カウンタシャフト62bは入力軸3及び出力軸7と平行に配置されている。カウンタドライブギヤ62cは、カウンタシャフト62bに対して相対回転可能に構成されている。
The
また、カウンタシャフト62bとカウンタドライブギヤ62cとを選択的に一体回転させる噛合式の係合装置であるドグクラッチS1が設けられている。ドグクラッチS1は、噛合式の第1係合要素64a及び第2係合要素64bと、軸線方向に移動可能なスリーブ64cとを備える。第1係合要素64aは、カウンタシャフト62bにスプライン嵌合されたハブである。第1係合要素64aとカウンタシャフト62bとは一体回転する。第2係合要素64bは、カウンタドライブギヤ62cと一体回転するように連結されている。すなわち、第2係合要素64bはカウンタシャフト62bに対して相対回転する。スリーブ64cの内周面に形成されたスプライン歯が、第1係合要素64a及び第2係合要素64bの外周面に形成されたスプライン歯と噛み合うことによって、ドグクラッチS1は係合状態となる。ドグクラッチS1を係合させることによって、駆動ギヤ61と従動ギヤ63との間がトルク伝達可能に接続される。第2係合要素64bとスリーブ64cとの噛み合いが解除されることによって、ドグクラッチS1は解放状態となる。ドグクラッチS1を解放させることによって、駆動ギヤ61と従動ギヤ63との間はトルク伝達不能に遮断される。また、ドグクラッチS1は、油圧式であり、油圧アクチュエータによってスリーブ64cが軸線方向に移動する。
Further, a dog clutch S1 which is a meshing type engaging device for selectively and integrally rotating the
このように構成される車両Veでは、電子制御装置110(図2参照)によって制御されて、クラッチC1を係合状態とし、クラッチC2を解放状態とすることにより、入力軸3の動力がギヤ機構6を介して出力軸7に伝達され、無段変速機5は動力伝達を行わない。この状態をギヤ走行モードと呼ぶ。一方、電子制御装置110によって制御されて、クラッチC2を係合状態とし、クラッチC1を解放状態とすることにより、入力軸3の動力が無段変速機5を介して出力軸7に伝達され、ギヤ機構6には動力伝達を行わない。この状態をベルト走行モードと呼ぶ。また、ギヤ走行モードからベルト走行モードへ切り替える場合には、クラッチC1を解放してクラッチC2を係合するようにクラッチを掛け替える変速制御であるクラッチトゥクラッチ制御(以下、CtoC制御という)が実行される。
In the vehicle Ve configured as described above, the power of the
また、無段変速機5は、複数の動力伝達状態を電気制御によって切り換えることができるものであり、複数の動力伝達状態として、動力伝達を遮断するN(ニュートラル)レンジ、前進走行が可能なD(ドライブ)レンジ、前進走行時に手動操作で変速比(ギヤ段など)を段階的に変化させることができるM(マニュアル)レンジ、後進走行が可能なR(リバース)レンジを成立させることができる。Dレンジでは、例えばアクセル操作量等の要求出力及び車速等に基づいて変速比(ギヤ段など)が自動的に変更される(自動変速モード)。一方、Mレンジでは、図示しないシフトレバーやパドルシフトなどによるドライバーの手動操作に従って変速比(ギヤ段など)が段階的に変化させられる(マニュアル変速モード)。また、車両Veにおいては、ギヤ機構6から無段変速機5へのCtoC制御によって1速から2速にアップシフトされる。そして、例えば、Mレンジでは、ドライバーの手動操作により、無段変速機5の最大変速比γmaxからのアップシフトで2速から3速へ、次いで、3速から4速へと順次アップシフトされる。
Further, the continuously
図2は、エンジン1や無段変速機5などを制御するために車両Veに設けられた制御系統の要部を説明するブロック線図である。図2において、車両Veには、例えば無段変速機5の変速制御などに関連する変速機の制御装置としての機能を有する電子制御装置110が備えられている。電子制御装置110は、例えばCPU、RAM、ROM、入出力インターフェース等を備えた所謂マイクロコンピュータを含んで構成されており、CPUはRAMの一時記憶機能を利用しつつ予めROMに記憶されたプログラムに従って信号処理を行うことにより車両Veの各種制御を実行する。例えば、電子制御装置110は、エンジン1の出力制御や無段変速機5の変速制御やベルト挟圧力制御などを実行するようになっている。
FIG. 2 is a block diagram illustrating a main part of a control system provided in a vehicle Ve for controlling an engine 1, a continuously
電子制御装置110には、エンジン回転速度センサ120により検出されたクランクシャフト1aの回転角度(位置)ACR及びエンジン1の回転速度(エンジン回転速度)NEを表す信号、タービン回転速度センサ121により検出された入力軸3(タービン軸)の回転速度(タービン回転速度)NTを表す信号、入力軸回転速度センサ122により検出された無段変速機5の入力回転速度である入力軸回転速度Ninを表す信号、出力軸回転速度センサ123により検出された車速Vに対応する無段変速機5の出力回転速度である出力軸回転速度Noutを表す信号、スロットルセンサ124により検出された電子スロットル弁のスロットル弁開度θTHを表す信号、アクセル開度センサ125により検出されたドライバーの加速要求量としてのアクセルペダルの操作量であるアクセル開度ACCを表す信号、フットブレーキスイッチ126により検出された常用ブレーキであるフットブレーキが操作された状態を示すブレーキオンBONを表す信号、シフトポジションセンサ127により検出されたシフトレバーまたはパドルシフトのシフトポジション(操作位置)PSHを表す信号、セカンダリ圧センサ128により検出されたセカンダリプーリ52への供給油圧であるセカンダリ圧Poutを表す信号などが、それぞれ供給される。
The
なお、電子制御装置110は、例えば、出力軸回転速度Noutと入力軸回転速度Ninとに基づいて無段変速機5の実変速比γ(=Nin/Nout)を逐次算出する。また、電子制御装置110は、クラッチC2への供給油圧の指示値であるクラッチ指示圧からクラッチトルク容量を算出する。
The
また、電子制御装置110からは、エンジン1の出力制御のためのエンジン出力制御指令信号SEや、無段変速機5の変速に関する油圧制御のための油圧制御指令信号SCVTなどが、それぞれ出力される。具体的には、エンジン出力制御指令信号SEとして、スロットルアクチュエータ130を駆動して電子スロットル弁の開閉を制御するためのスロットル信号や、燃料噴射装置131から噴射される燃料の量を制御するための噴射信号や、点火装置132によるエンジン1の点火時期を制御するための点火時期信号などが出力される。また、油圧制御指令信号SCVTとしては、プライマリ圧Pinを調圧するリニアソレノイド弁SLP(図1参照)を駆動するための指令信号や、セカンダリ圧Poutを調圧するリニアソレノイド弁SLS(図1参照)を駆動するための指令信号などが、油圧制御回路140へ出力される。
Further, the
油圧制御回路140において、例えばリニアソレノイド弁SLPにより調圧されるプライマリ圧Pin及びリニアソレノイド弁SLSにより調圧されるセカンダリ圧Poutは、ベルト滑りを発生させず且つ不必要に大きくならないベルト挟圧力を、プライマリプーリ51及びセカンダリプーリ52に発生させるように制御される。また、プライマリ圧Pinとセカンダリ圧Poutとの相互関係で、プライマリプーリ51及びセカンダリプーリ52の推力比τ(=Wout/Win)が変更されることにより無段変速機5の変速比γが変更される。例えば、その推力比τが大きくされるほど変速比γが大きくされる(すなわち無段変速機5はダウンシフトされる)。
In the
図3は、セカンダリプーリ52側にのみセカンダリ圧センサ128が備えられている場合に、必要最小限の推力で目標の変速とベルト滑り防止とを両立するための制御構造を示すブロック図である。図3において、目標変速比γ*及び無段変速機5の入力トルクTinが、電子制御装置110により逐次算出される。
FIG. 3 is a block diagram showing a control structure for achieving both target shifting and belt slip prevention with the minimum necessary thrust when the secondary pressure sensor 128 is provided only on the
図3のブロックB1及びブロックB2において、電子制御装置110は、例えば実変速比γと無段変速機5の入力トルクTinとに基づいて滑り限界推力Wlmtを算出する。具体的には、電子制御装置110は、下記(1)式及び下記(2)式からプライマリプーリ51の入力トルクとしての無段変速機5の入力トルクTin、セカンダリプーリ52の入力トルクとしての無段変速機5の出力トルクTout、プライマリプーリ51及びセカンダリプーリ52のシーブ角α、プライマリプーリ51側の所定のエレメント・プーリ間摩擦係数μin、セカンダリプーリ52側の所定のエレメント・プーリ間摩擦係数μout、実変速比γから一意的に算出されるプライマリプーリ51側のベルト掛かり径Rin、実変速比γから一意的に算出されるセカンダリプーリ52側のベルト掛かり径Routに基づいて、セカンダリプーリ側滑り限界推力Woutlmt及びプライマリプーリ側滑り限界推力Winlmtをそれぞれ算出する。なお、Tout=γ×Tin=(Rout/Rin)×Tinとしている。
In the blocks B1 and B2 of FIG. 3, the
Woutlmt=(Tout×cosα)/(2×μout×Rout)
=(Tin×cosα)/(2×μout×Rin) ・・・(1)
Woutlmt = (Tout × cosα) / (2 × μout × Rout)
= (Tin × cosα) / (2 × μ out × Rin) ・ ・ ・ (1)
Winlmt=(Tin×cosα)/(2×μin×Rin) ・・・(2) Winlmt = (Tin × cosα) / (2 × μin × Rin) ・ ・ ・ (2)
図3のブロックB3及びブロックB6において、電子制御装置110は、例えばプライマリプーリ側滑り限界推力Winlmtに対応するセカンダリバランス推力Woutbl、及び目標セカンダリ推力Wout*に対応するプライマリバランス推力Winblをそれぞれ算出する。
In the blocks B3 and B6 of FIG. 3, the
具体的には、電子制御装置110は、目標変速比γ*をパラメータとして、プライマリ側安全率SFin(=Win/Winlmt)の逆数SFin−1(=Winlmt/Win)と、プライマリプーリ51側に対応するセカンダリプーリ52側の推力を算出するときの推力比τinと、の予め実験的に求められて記憶された関係(推力比マップ)から、逐次算出される目標変速比γ*及びプライマリ側安全率の逆数SFin−1に基づいて推力比τinを算出する。
Specifically, the
そして、電子制御装置110は、下記(3)式からプライマリプーリ側滑り限界推力Winlmt及び推力比τinに基づいて、セカンダリバランス推力Woutblを算出する。
Then, the
Woutbl=Winlmt×τin ・・・(3) Woutbl = Winlmt × τin ・ ・ ・ (3)
また、電子制御装置110は、目標変速比γ*をパラメータとして、セカンダリ側安全率SFout(=Wout/Woutlmt)の逆数SFout−1(=Woutlmt/Wout)と、セカンダリプーリ52側に対応するプライマリプーリ51側の推力を算出するときの推力比τoutと、の予め実験的に求められて記憶された関係(推力比マップ)から、逐次算出される目標変速比γ*及びセカンダリ側安全率の逆数SFout−1に基づいて推力比τoutを算出する。
Further, the
そして、電子制御装置110は、下記(4)式から目標セカンダリ推力Wout*及び推力比τoutに基づいて、プライマリバランス推力Winblを算出する。
Then, the
Winbl=Wout*/τout ・・・(4) Winbl = Wout * / τout ・ ・ ・ (4)
なお、被駆動時には入力トルクTinや出力トルクToutが負の値となることから、各安全率の逆数SFin−1,SFout−1も被駆動時には負の値となる。また、この逆数SFin−1,SFout−1は、逐次算出されても良いが、安全率SFin,SFoutに所定値を各々設定するならばその逆数を設定しても良い。 Since the input torque Tin and the output torque Tout have negative values when driven, the reciprocals SFin -1 and SFout -1 of each safety factor also have negative values when driven. The reciprocals SFin -1 and SFout -1 may be calculated sequentially, but the reciprocals may be set if predetermined values are set for the safety factors SFin and SFout, respectively.
図3のブロックB4及びブロックB7において、電子制御装置110は、例えばセカンダリプーリ52側にて目標の変速を実現する場合のセカンダリプーリ側換算の差推力ΔWとしてのセカンダリ変速差推力ΔWout、及びプライマリプーリ51側にて目標の変速を実現する場合のプライマリプーリ側換算の差推力ΔWとしてのプライマリ変速差推力ΔWinを算出する。
In the blocks B4 and B7 of FIG. 3, the
具体的には、電子制御装置110は、セカンダリ側目標変速速度(dXout/dNelmout)とセカンダリ変速差推力ΔWoutとの予め実験的に求められて記憶された関係(差推力マップ)から、逐次算出されるセカンダリ側目標変速速度(dXout/dNelmout)に基づいてセカンダリ変速差推力ΔWoutを算出する。また、電子制御装置110は、プライマリ側目標変速速度(dXin/dNelmin)とプライマリ変速差推力ΔWinとの予め実験的に求められて記憶された関係(差推力マップ)から、逐次算出されるプライマリ側目標変速速度(dXin/dNelmin)に基づいてプライマリ変速差推力ΔWinを算出する。
Specifically, the
ここで、ブロックB3及びブロックB4における演算では、推力比マップや差推力マップなどの予め実験的に求められて設定された物理特性図を用いる。そのため、油圧制御回路140等の個体差によりセカンダリバランス推力Woutblやセカンダリ変速差推力ΔWoutの算出結果には、物理特性に対するばらつきが存在する。そこで、このような物理特性に対するばらつきを考慮する場合、電子制御装置110は、例えばプライマリプーリ側滑り限界推力Winlmtに基づくセカンダリプーリ52側の推力(セカンダリバランス推力Woutblやセカンダリ変速差推力ΔWout)の算出に関わる物理特性に対するばらつき分に対応する所定推力である制御マージンWmgnを、セカンダリプーリ52側の推力の算出に先立って、プライマリプーリ側滑り限界推力Winlmtに加算する。したがって、上記物理特性に対するばらつきを考慮する場合、ブロックB3において電子制御装置110は、例えば上記(3)式に替えて、下記(3)’式から制御マージンWmgnが加算されたプライマリプーリ側滑り限界推力Winlmt及び推力比τinに基づいて、セカンダリバランス推力Woutblを算出する。
Here, in the calculation in the blocks B3 and the block B4, a physical characteristic diagram which is experimentally obtained and set in advance such as a thrust ratio map and a difference thrust map is used. Therefore, there are variations in the physical characteristics in the calculation results of the secondary balance thrust Woutbl and the secondary shift difference thrust ΔWout due to individual differences in the
Woutbl=(Winlmt+Wmgn)×τin ・・・(3)’ Woutbl = (Winlmt + Wmgn) x τin ... (3)'
なお、制御マージンWmgnは、例えば予め実験的に求められて設定された一定値(設計値)であるが、定常状態(変速比一定状態)よりも過渡状態(変速中)の方がばらつき要因(推力比マップや差推力マップなどの物理特性図)を多く用いるので、大きい値に設定されている。また、上記算出に関わる物理特性に対するばらつき分は、例えば各リニアソレノイド弁SLP,SLSへの各制御電流に対する制御油圧のばらつき、その制御電流を出力する駆動回路のばらつき、制御油圧に対するプライマリ圧Pinやセカンダリ圧Poutのばらつきなどのプーリ圧の油圧指令値に対する実油圧のずれ分(油圧ばらつき分、油圧制御上のばらつき分)とは異なるものである。 The control margin Wmgn is, for example, a constant value (design value) experimentally obtained and set in advance, but the transient state (during shifting) is a variation factor (during shifting) rather than the steady state (constant gear ratio state). Since many physical characteristic diagrams such as thrust ratio maps and differential thrust maps) are used, they are set to large values. The variations in the physical characteristics related to the above calculation include, for example, variations in the control oil pressure for each control current to each linear solenoid valve SLP and SLS, variations in the drive circuit that outputs the control current, primary pressure Pin for the control oil pressure, and the like. It is different from the deviation of the actual oil pressure with respect to the hydraulic command value of the pulley pressure such as the variation of the secondary pressure Pout (the variation of the hydraulic pressure and the variation of the hydraulic control).
この油圧ばらつき分は、油圧制御回路140などのハードユニットによっては比較的大きな値となるが、上記算出に関わる物理特性に対するばらつき分は、上記油圧ばらつき分と比べて極めて小さな値である。そのため、制御マージンWmgnをプライマリプーリ側滑り限界推力Winlmtに加算することは、プーリ圧の油圧指令値に対して実プーリ圧がどんなにばらついても目標のプーリ圧が得られるように、その油圧指令値に制御上のばらつき分を上乗せすることに比べ、燃費の悪化が抑制される。また、ブロックB6及びB7における演算では、目標セカンダリ推力Wout*を基にするので、ここでは演算に先立って制御マージンWmgnを目標セカンダリ推力Wout*に加算することについては実行しない。
This hydraulic variation is a relatively large value depending on the hard unit such as the
また、電子制御装置110は、例えばプライマリプーリ51側のベルト滑りを防止するために必要なセカンダリ推力として、セカンダリバランス推力Woutblにセカンダリ変速差推力ΔWoutを加算したセカンダリプーリ側変速制御推力Woutsh(=Woutbl+ΔWout)を算出する。そして、図3のブロックB5において、電子制御装置110は、セカンダリプーリ側滑り限界推力Woutlmtとセカンダリプーリ側変速制御推力Woutshとのうちの大きい方を、目標セカンダリ推力Wout*として選択する。
Further, in the
また、電子制御装置110は、例えばプライマリバランス推力Winblにプライマリ変速差推力ΔWinを加算してプライマリプーリ側変速制御推力Winsh(=Winbl+ΔWin)を算出する。
Further, the
また、図3のブロックB8において、電子制御装置110は、例えば下記(5)式に示すような予め求められて設定されたフィードバック制御式を用いて、実変速比γを目標変速比γ*と一致させるためのフィードバック制御量(FB制御補正量)Winfbを算出する。なお、下記(5)式において、Δγは目標変速比γ*と実変速比γとの変速比偏差(=γ*−γ)、KPは所定の比例定数(比例ゲイン)、KIは所定の積分定数(積分ゲイン)である。
Further, in the block B8 of FIG. 3, the
Winfb=KP×Δγ+KI×(∫Δγdt) ・・・・(5) Winfb = KP × Δγ + KI × (∫Δγdt) ・ ・ ・ ・ (5)
そして、電子制御装置110は、例えばプライマリプーリ側変速制御推力Winshに対して、変速比偏差Δγに基づいたフィードバック制御により補正した値(=Winsh+Winfb)を目標プライマリ推力Win*として設定する。
Then, the
なお、図3のブロックB8においては、上記(5)式に示すようなフィードバック制御式に替えて、下記(6)式に示すようなフィードバック制御式を用いて、目標シーブ位置を実シーブ位置と一致させるためのフィードバック制御量(FB制御補正量)Winfbを算出してもよい。なお、下記(6)式において、KPは所定の比例定数(比例ゲイン)、KIは所定の積分定数(積分ゲイン)である。 In the block B8 of FIG. 3, the target sheave position is set as the actual sheave position by using the feedback control equation as shown in the following equation (6) instead of the feedback control equation as shown in the above equation (5). The feedback control amount (FB control correction amount) Winfb for matching may be calculated. In the following equation (6), KP is a predetermined proportionality constant (proportional gain), and KI is a predetermined integration constant (integration gain).
Winfb=KP×(目標シーブ位置−実シーブ位置)+KI×∫(目標シーブ位置−実シーブ位置)dt ・・・・(6) Winfb = KP × (target sheave position-actual sheave position) + KI × ∫ (target sheave position-actual sheave position) dt ・ ・ ・ ・ (6)
このように、図3のブロックB1〜B5は、目標セカンダリ推力Wout*を設定するセカンダリ側目標推力演算部150として機能する。また、図3のブロックB6〜B8は、目標プライマリ推力Win*を設定するプライマリ側目標推力演算部152として機能する。
As described above, the blocks B1 to B5 of FIG. 3 function as the secondary side target thrust
図3のブロックB9及びブロックB10において、電子制御装置110は、例えば目標推力を目標プーリ圧に変換する。具体的には、電子制御装置110は、目標セカンダリ推力Wout*及び目標プライマリ推力Win*を、セカンダリ圧シリンダ52c及びプライマリ圧シリンダ51cの各受圧面積に基づいて目標セカンダリ圧Pout*(=Wout*/セカンダリ圧シリンダ52cの受圧面積)及び目標プライマリ圧Pin*(=Win*/プライマリ圧シリンダ51cの受圧面積)に各々変換し、セカンダリ指示圧Pouttgt及びプライマリ指示圧Pintgtを設定する。
In the blocks B9 and B10 of FIG. 3, the
電子制御装置110は、例えば目標プライマリ圧Pin*及び目標セカンダリ圧Pout*が得られるように、油圧制御指令信号SCVTとしてプライマリ指示圧Pintgt及びセカンダリ指示圧Pouttgtを油圧制御回路140へ出力する。油圧制御回路140は、その油圧制御指令信号SCVTに従って、リニアソレノイド弁SLPを作動させてプライマリ圧Pinを調圧するとともに、リニアソレノイド弁SLSを作動させてセカンダリ圧Poutを調圧する。
The
図4は、積分ゲインの値を示したグラフである。図5は、積分項変化量の値を示したグラフである。 FIG. 4 is a graph showing the value of the integrated gain. FIG. 5 is a graph showing the value of the amount of change in the integral term.
実施形態に係る電子制御装置110においては、図4に示すように、積分ゲインを、回転数パラメータと、シーブ位置偏差と、の2軸で持たせ、回転数パラメータの軸では、プライマリプーリ51の回転数が大きくなるにつれて積分ゲインが小さく設定され、シーブ位置偏差の軸では、シーブ位置偏差が大きくなるにつれて積分ゲインが小さく設定される。そのため、フィードバック積分項が増大し過ぎることを防止でき、変速過渡時の変速追従性向上を実現することができる。これとともに、実施形態に係る電子制御装置110においては、図5に示すように、シーブ位置偏差軸では、積分項変化量(=シーブ位置偏差×積分ゲイン)が0より大きい所定値で飽和するように設定される。そのため、油圧系のフェール発生時などは、フィードバック積分項を適切に増大させることができ、フェール発生時の変速追従性向上も実現することができる。
In the
5 無段変速機
51 プライマリプーリ
52 セカンダリプーリ
110 電子制御装置
5 Continuously
Claims (1)
積分ゲインは、回転数パラメータの軸と、シーブ位置偏差の軸と、から算出され、
前記回転数パラメータの軸では、回転数が大きくなるにつれて前記積分ゲインが小さく設定され、
前記シーブ位置偏差の軸では、前記シーブ位置偏差が大きくなるにつれて前記積分ゲインが小さく、且つ、積分項変化量が0より大きい所定値で飽和するように設定されることを特徴とする無段変速機の制御装置。 In the control device of a belt-type continuously variable transmission that feedback-controls the gear ratio,
The integrated gain is calculated from the axis of the rotation speed parameter and the axis of the sheave position deviation.
On the axis of the rotation speed parameter, the integral gain is set smaller as the rotation speed increases.
On the axis of the sheave position deviation, the integrated gain becomes smaller as the sheave position deviation becomes larger, and the amount of change in the integral term is set to saturate at a predetermined value larger than 0. Machine control device.
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