JP6958206B2 - 熱硬化性樹脂組成物の成形品の製造方法 - Google Patents
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熱可塑性樹脂を含有する組成物(熱可塑性樹脂組成物)を利用して成形する場合、熱可塑性樹脂組成物に熱を加えて液状になったものを金型に流し込み、これを冷却して固めることにより、所定形状の成形品が得られる。
熱硬化性樹脂を含有する組成物(熱硬化性樹脂組成物)を利用して成形する場合、熱硬化性樹脂組成物を金型内に投入した後、熱硬化性樹脂組成物に熱を加えて、一時溶融した液状とし、その後さらに加熱して化学反応で硬化させることにより、所定形状の成形品が得られる。
また、熱硬化性樹脂組成物を利用して成形する方法には、例えば圧縮成形、トランスファー成形、射出成形が一般的に適用される。
例えば、特許文献1には、成形材料としてフェノール樹脂組成物を利用し、射出成形によりボビン(寸法50mm×30mm×60mm)を成形する技術が開示されている。
(1) 成形材料である熱硬化性樹脂組成物が供給される材料供給部1つ以上と、前記材料供給部に供給された熱硬化性樹脂組成物が流入するキャビティと、前記材料供給部に供給された熱硬化性樹脂組成物の前記キャビティへの流入口であるゲート1つ以上と、を備えた成形装置を用いて、熱硬化性樹脂組成物を硬化させることにより成形品を成形する製造方法であって、前記成形装置は、キャビティの容量(mm3)/1つ以上のゲートのキャビティへの開口面積の総和(mm2)≧2500(mm)の関係を満たし、前記材料供給部に供給された熱硬化性樹脂組成物を前記キャビティへ流入させる際、前記キャビティへ流入する熱硬化性樹脂組成物の流速を30000〜100000(mm3/秒)の範囲内に制御することを特徴とする、熱硬化性樹脂組成物の成形品の製造方法。
本実施形態の、熱硬化性樹脂組成物の大型成形品の製造方法(以下単に「大型成形品の製造方法」又は「製造方法」ともいう。)においては、特定の成形装置を用い、熱硬化性樹脂組成物(成形材料)の流速を特定範囲に制御して、当該成形材料をキャビティへ流入させる。
成形材料である熱硬化性樹脂組成物としては、特に制限されず、樹脂成分として熱硬化性樹脂を含有するものが挙げられる。
熱硬化性樹脂としては、例えばレゾール型フェノール樹脂、ノボラック型フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ビスマレイド樹脂、ユリア(尿素)樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、シアネートエステル樹脂、シリコーン樹脂、オキセタン樹脂、(メタ)アクリレート樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ポリイミド樹脂、ベンゾオキサジン樹脂等が挙げられ、これらのうちの1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
硬化助剤を用いる場合には、熱硬化性樹脂組成物における硬化助剤の含有率は、熱硬化性樹脂組成物の総量(100質量%)のうちの1.0質量%以下が好ましく、0.9質量%以下がより好ましく、0.3〜0.8質量%がさらに好ましい。硬化助剤の含有率を前記の好ましい範囲とすることにより、熱硬化性樹脂組成物の流動性をより高められる。
充填材としては、無機充填材、有機充填材等が挙げられる。無機充填材としては、例えば、ガラス繊維、炭素繊維、炭酸カルシウム、クレー、シリカ、マイカ、タルク、ワラストナイト、ガラスビーズ、ミルドカーボン、グラファイト等が挙げられ、これらのうちの1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。有機充填材としては、例えば、ポリアミド繊維、アラミド繊維、ポリビニルブチラール、アクリロニトリルブタジエンゴム、パルプ、木粉等が挙げられ、これらのうちの1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
離型剤としては、例えばステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等が挙げられる。
成形材料として、粉体状の熱硬化性樹脂組成物を調製する際、溶融時の流動性を高められやすいことから、熱硬化性樹脂組成物の粒子径は0.2〜3mm程度のものが好ましい。
ラボプラストミルによる試験で得られる、トルク値(縦軸)と混練時間(横軸)との関係を示すグラフにおいて、最低トルク値(t0)が10N・m以下であり、かつ、トルク値が前記最低トルク値(t0)に対して10%上昇した前記グラフ上の点Pと、トルク値が前記最低トルク値(t0)に対して400%上昇した前記グラフ上の点Qと、を結ぶ直線の傾きが0.05〜0.5の範囲内となる成形材料。
例えば、ラボプラストミル(株式会社東洋精機製作所製、4C150)を用い、容量30cm3のチャンバー内に、15cm3×密度(g/cm3)の成形材料を投入し、温度130℃にて、ブレード(ミキサータイプR30)の回転数30rpmで2軸混練し、その際の混練抵抗を、軸に受けるトルクとして測定する。
図3中、t0は最低トルク値;点Pは、トルク値が最低トルク値(t0)に対して10%上昇したグラフ上の点;点Qは、トルク値が最低トルク値(t0)に対して400%上昇したグラフ上の点である。
本実施形態では、直線PQの傾きが0.05〜0.5の範囲内となる成形材料を用いることが好ましく、直線PQの傾きが0.1〜0.3の範囲内となる成形材料を用いることがより好ましい。
図1は、本実施形態に使用可能な成形装置の一実施形態を示す断面図である。
成形装置100は、少なくとも、成形金型10と、その上方中央部に設けられたトランスファーユニット20とを備える。
第1プレート12は、その上面が固定側取付板32に取り付けられている。トランスファーユニット20は、固定側取付板32に囲まれて固定され、第1プレート12に接続している。
第2プレート14は、その下面が可動側取付板34に取り付けられている。
シリンダ22とプランジャ24と第1プレート12とで囲まれる空間は、材料供給部21(トランスファーポット)となる。材料供給部21には、成形材料である熱硬化性樹脂組成物が供給される。
スプル13は、材料供給部21とキャビティ11とを接続し、材料供給部21に供給された熱硬化性樹脂組成物がキャビティ11へ通流する通路となる。
図1において、スプル13は、材料供給部21からキャビティ11へ向かって先細り形状とされている。そして、熱硬化性樹脂組成物のキャビティ11への流入口(スプル13のキャビティ11への開口部)をゲート15としている。
成形装置100では、材料供給部21及びゲート15がキャビティ11の中央付近の上方に設けられている。
成形装置100としては、キャビティ11の容量(mm3)/1つ以上のゲート15のキャビティ11への開口面積の総和(mm2)が、例えば4000〜120000(mm)の範囲にある装置が好ましく用いられ、より好ましくは10000〜60000(mm)の範囲にある装置が用いられ、さらに好ましくは20000〜60000(mm)の範囲にある装置が用いられる。
1つ以上のゲート15のキャビティ11への開口面積の総和(mm2)は、例えば10〜600mm2であり、好ましくは50〜500mm2、より好ましくは100〜300mm2である。
1つ以上の材料供給部の投影面積の総和と、1つ以上のゲートのキャビティへの開口面積の総和との比を、前記の好ましい範囲内に設定することで、熱硬化性樹脂組成物のキャビティへの充填不良が生じにくくなり、熱硬化性樹脂組成物の大型成形品をより安定に成形できる。
成形金型10の分割面(第1プレート12の下面及び/又は第2プレート14の上面)には、キャビティ11内の空気、又は熱硬化性樹脂組成物から発生するガスを排気するためのエアーベント(ガスベント)(不図示)を設けることができる。
≪第1実施形態の大型成形品の製造方法≫
第1実施形態の製造方法では、成形装置100を用いて、熱硬化性樹脂組成物(成形材料)を硬化させることにより大型成形品を成形する。具体的には、熱硬化性樹脂組成物を材料供給部21からキャビティ11へ、その流速を特定範囲に制御して流入させながら加熱する。
成形材料としての熱硬化性樹脂組成物は、粉体状物を用いてもよく、成形体を用いてもよい。これらの中でも、熱が均一に伝わりやすく、取扱い性が良いことから、成形体を用いることが好ましい。成形体の形状は、特に制限されず、例えばプランジャ24によりキャビティ11への押出しが容易なことから、タブレット形状が好ましい。
この際、熱硬化性樹脂組成物に対する予熱温度は、80℃以上とすることが好ましく、90〜120℃とすることがより好ましい。
第1実施形態の製造方法においては、キャビティ11へ流入する熱硬化性樹脂組成物の流速を、30000〜100000(mm3/秒)の範囲内に制御し、この範囲の中でも、40000〜80000(mm3/秒)の範囲内に制御することが好ましい。
キャビティ11へ流入する熱硬化性樹脂組成物の流速を、前記の下限値以上とすることで、熱硬化性樹脂組成物の硬化が進行する前にキャビティ11への充填が完了することで、熱硬化性樹脂組成物のキャビティ11への充填不良を生じにくくなる。一方、前記の上限値以下とすることで、ゲート15通過による発熱を抑えられ、熱硬化性樹脂組成物の硬化が抑制される。
このように、第1実施形態の製造方法では、熱硬化性樹脂組成物の流速を特定の範囲内に制御しつつ、一定時間継続して、熱硬化性樹脂組成物をキャビティ11へ流入させることで、熱硬化性樹脂組成物のキャビティ11への充填不良をより生じにくくなる。
熱硬化性樹脂組成物の硬化は、熱硬化性樹脂組成物をキャビティ11へ流入させながら加熱することにより行う他、熱硬化性樹脂組成物の全量をキャビティ11へ流入させた後に再度加熱することにより行ってもよい。
以上の工程により、熱硬化性樹脂組成物の大型成形品を製造することができる。
かかる2セット以上の形態である場合、複数の材料供給部21の配置は、目的とする成形品の形状などに応じて適宜設定され、例えば成形金型10を上方から平面視した際、縦方向に2箇所以上かつ横方向に2箇所以上とする配置が挙げられる。
成形材料である熱硬化性樹脂組成物が複数のゲートを通過してキャビティへ流入する形態の場合、キャビティの容量(mm3)/複数のゲートのキャビティへの開口面積の総和(mm2)≧2500(mm)の関係を満たす成形装置を用いる。
複数のゲートが設けられる場合、そのゲートの数は、成形材料の種類又はキャビティの容量等を考慮して適宜設定され、例えば2〜10個とされ、好ましくは4〜8個とされる。
複数のゲートが設けられる場合、ゲート1個当たりのキャビティへの開口面積(mm2)は、例えば10mm2以上であり、好ましくは10〜300mm2であり、より好ましくは10〜100mm2である。かかる場合、ゲート1個当たりのゲート径G1(mm)は、例えば4mm以上であり、好ましくは4〜20mm、より好ましくは4〜10mmである。
また、同一の材料供給部21がランナを介して複数のスプル13と接続され、熱硬化性樹脂組成物がこれら複数のスプル13を通流してキャビティ11へ流入する形態としてもよい。
図2は、本実施形態に使用可能な成形装置の他の実施形態を示す断面図である。
成形装置200は、少なくとも、成形金型40と、その上方に設けられた射出ユニット50とを備える。
第1プレート42は、その上面が固定側取付板62に取り付けられている。射出ユニット50は、固定側取付板62を介して第1プレート42に接続している。
第3プレート46は、その下面が可動側取付板66に取り付けられている。
第2プレート44に設けられている第2スプル47及びランナ49は、射出ユニット50に連通する第1スプル43とキャビティ41とを接続し、射出ユニット50から送り出される熱硬化性樹脂組成物がキャビティ41へ通流する通路となる。
図2において、第1スプル43は、ランナ49から射出ユニット50へ向かって先細り形状とされている。第2スプル47は、ランナ49からキャビティ41へ向かって先細り形状とされている。そして、熱硬化性樹脂組成物のキャビティ41への流入口(第2スプル47のキャビティ41への開口部)をゲート45としている。
成形装置200では、ゲート45がキャビティ41の中央付近の上方に設けられている。
このキャビティ41の容量と、1つ以上のゲート45のキャビティ41への開口面積の総和と、の関係は、従来に比べて、成形材料の使用量が非常に多く、製造される成形品が大型サイズとなることを意味する。
成形装置200において、ゲート45のゲート径G2(mm)は、例えば4mm以上であり、好ましくは4〜20mmである。
成形装置200における、ゲート45から最も遠いキャビティ41端部までの距離は、所望とする成形品の形状等によるが、例えば60cm以上であり、好ましくは40〜60cmである。
成形装置200には、キャビティ41内の空気、又は熱硬化性樹脂組成物から発生するガスを排気するためのエアーベント(ガスベント)(不図示)がキャビティ41上方に設けられている。
第2実施形態の製造方法では、成形装置200を用いて、熱硬化性樹脂組成物(成形材料)を硬化させることにより大型成形品を成形する。具体的には、熱硬化性樹脂組成物を射出ユニット50からキャビティ41へ、その流速を特定範囲に制御して流入させながら加熱する。
計量された熱硬化性樹脂組成物は、シリンダ52とスクリュ54との間の空間を通過する際、加熱されて溶融する。また、計量された熱硬化性樹脂組成物は、スクリュ54の回転により、せん断力が加えられて溶融混合物となっている。
この溶融混合物は、シリンダ52内をノズル56方向へ前進するスクリュ54により、射出ユニット50から押し出されて第1スプル43を通流し、ランナ49へ流れ込む。そして、ランナ49へ流れ込んだ溶融混合物(熱硬化性樹脂組成物)は、第2スプル47を通流し、最後にゲート45を通過してキャビティ41へ流入する。
熱硬化性樹脂組成物の硬化は、熱硬化性樹脂組成物をキャビティ41へ流入させながら加熱することにより行う、又は熱硬化性樹脂組成物の全量をキャビティ41へ流入させた後に再度加熱することにより行う。
以上のようにして、第2実施形態の製造方法により、熱硬化性樹脂組成物の大型成形品を製造することができる。
成形材料である熱硬化性樹脂組成物が複数のゲートを通過してキャビティへ流入する形態の場合、キャビティの容量(mm3)/複数のゲートのキャビティへの開口面積の総和(mm2)≧2500(mm)の関係を満たす成形装置を用いる。
成形材料として、以下に示す粉体状の熱硬化性樹脂組成物(Ts1)と熱硬化性樹脂組成物(Ts2)とをそれぞれ用いた。
樹脂成分としてレゾール型フェノール樹脂30質量%及びノボラック型フェノール樹脂(重量平均分子量5000)7質量%;硬化助剤として消石灰1質量%;充填材としてガラス繊維50質量%及び焼成クレー5質量%;離型剤としてステアリン酸2質量%;その他添加剤5質量%
熱硬化性樹脂組成物(Ts1)の密度:1.78g/cm3
樹脂成分としてレゾール型フェノール樹脂27質量%及びノボラック型フェノール樹脂(重量平均分子量1200)10質量%;硬化助剤として消石灰0.5質量%;充填材としてガラス繊維45質量%、焼成クレー5質量%及び溶融シリカ5質量%;離型剤としてステアリン酸2質量%;その他添加剤5.5質量%
熱硬化性樹脂組成物(Ts2)の密度:1.78g/cm3
熱硬化性樹脂組成物(Ts1)の篩分に用いたフルイの目開き2.0mm
熱硬化性樹脂組成物(Ts2)の篩分に用いたフルイの目開き1.4mm
ラボプラストミル(株式会社東洋精機製作所製、4C150)を用い、容量30cm3のチャンバー内に、15cm3×密度(g/cm3)の成形材料を投入し、温度130℃にて、ブレード(ミキサータイプR30)の回転数30rpmで2軸混練し、その際の混練抵抗を、軸に受けるトルクとして測定した。かかる測定について、図3で示すように、トルク値(縦軸)と混練時間(横軸)との関係を示すグラフを得た。そして、得られたグラフより、所定の直線PQの傾きを求めた。
熱硬化性樹脂組成物(Ts1)における直線の傾き0.27
熱硬化性樹脂組成物(Ts2)における直線の傾き0.10
図1に示す成形装置100と同様に、成形金型10と、その上方に設けられたトランスファーユニット20と、を備えた成形装置を用いて、成形材料を硬化させることにより大型成形品を成形した。
使用した成形装置においては、表1中のゲートの数が4個である場合、スプル13及びゲート15の配置は、成形金型10を上方から平面視した際、縦方向に2箇所かつ横方向に2箇所(2×2)とされている。表1中のゲートの数が8個である場合、スプル13及びゲート15の配置は、成形金型10を上方から平面視した際、縦方向に4箇所かつ横方向に2箇所(4×2)とされている。
熱硬化性樹脂組成物(Ts1)2000gを材料供給部に供給し、温度100℃に予熱した。次いで、予熱状態の熱硬化性樹脂組成物(Ts1)を、プランジャにより押圧して、材料供給部からキャビティへ流入させながら160℃に加熱することで成形品を得た。
熱硬化性樹脂組成物(Ts1)をキャビティへ流入させる操作は、キャビティへ流入する熱硬化性樹脂組成物(Ts1)の流速を30367(mm3/秒)に制御しつつ、37秒間継続して行った。
表1に示す通りに、成形材料、成形装置並びに製造条件(流速及び流入操作の継続時間)を変更した他は、実施例1と同様にして、成形材料を材料供給部からキャビティへ流入させながら160℃に加熱することで成形を行った。
上述した各例の製造方法について、成形材料のキャビティへの充填性、及び、成形品の品質を評価した。
以下に示す評価基準に従い、成形材料のキャビティへの充填性を評価した。この結果を表1に示した。
評価基準
A:充填不良を生じることなく、成形材料の使用量の全量をキャビティへ流入させることができた。
B:充填不良を生じることなく、成形材料の使用量の全量をキャビティへ流入させることができたが、熱硬化性樹脂組成物の硬化が進行して時間を要した、又は強制的に流速を上げて充填させた。
C:成形材料をキャビティへ流入させる操作の途中で、熱硬化性樹脂組成物が硬化して流動性を失い、その全量をキャビティへ流入させることができなかった。
以下に示す評価基準に従い、得られた成形品の外観を目視観察することにより、成形品の品質を評価した。この結果を表1に示した。
評価基準
A:金型転写性が良好であり、欠肉等の外観表面状の不具合は観察されない。
B:未充填部は確認されないが、金型への転写性が部分的に劣る箇所が観察される。
C:部分的に未充填部又は形状欠落部が確認される。
したがって、本発明を適用することによって、大容量のキャビティへの充填途中に、熱硬化性樹脂組成物が加熱により硬化してキャビティへの充填不良を生じることが無く、熱硬化性樹脂組成物の大型成形品を安定に成形できること、が分かる。
Claims (2)
- 成形材料である熱硬化性樹脂組成物が供給される材料供給部1つ以上と、
前記材料供給部に供給された熱硬化性樹脂組成物が流入するキャビティと、
前記材料供給部に供給された熱硬化性樹脂組成物の前記キャビティへの流入口であるゲート1つ以上と、
を備えた成形装置を用いて、熱硬化性樹脂組成物を硬化させることにより成形品を成形する製造方法であって、
前記成形装置は、キャビティの容量(mm3)/1つ以上のゲートのキャビティへの開口面積の総和(mm2)≧2500(mm)の関係を満たし、
前記材料供給部に供給された熱硬化性樹脂組成物を前記キャビティへ流入させる際、前記キャビティへ流入する熱硬化性樹脂組成物の流速を30000〜100000(mm3/秒)の範囲内に制御し、熱硬化性樹脂組成物の加熱温度を150〜180℃の範囲内に制御し、
前記キャビティの容量は、500000mm3以上6000000m 3 以下であり、
前記熱硬化性樹脂組成物はフェノール樹脂を含み、且つラボプラストミルによる試験で得られる、トルク値(縦軸)と混練時間(横軸)との関係を示すグラフにおいて、最低トルク値(t0)が10N・m以下であり、かつ、トルク値が前記最低トルク値(t0)に対して10%上昇した前記グラフ上の点Pと、トルク値が前記最低トルク値(t0)に対して400%上昇した前記グラフ上の点Qと、を結ぶ直線の傾きが0.05〜0.5(N・m/秒)の範囲内であることを特徴とする、熱硬化性樹脂組成物の成形品の製造方法。 - 前記材料供給部に供給された熱硬化性樹脂組成物を前記キャビティへ流入させる操作を、前記キャビティへ流入する熱硬化性樹脂組成物の流速を30000〜100000(mm3/秒)の範囲内に制御しつつ30秒間以上継続して行うことを特徴とする、請求項1に記載の熱硬化性樹脂組成物の成形品の製造方法。
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