JP6958061B2 - 高分子材料の表面改質方法 - Google Patents

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Description

本発明は、高分子材料の表面改質方法に関する。
血球計数測定機器をはじめとした医療用臨床機器分野、および各種医療用機器分野では、血液フィルタ、チューブなど血液と接触する部材が数多く使用されている。このような高分子材料からなる部材では、血液に含まれる各血球成分の吸着により、流路の閉塞が問題となることがあった。この問題に対して、親水性・疎水性を有するミクロドメイン構造を有する表面が血球成分の吸着抑制に対して有効であることが知られていた。
しかしながら、このような表面構造を、製品表面に安定的に形成することは容易ではなかった。また、ヘパリンなどのコーティングも一般的に行われるが、動物由来であることから安全性の観点から代替することが望まれている(例えば、特許文献1)。さらに、2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンポリマーなどの生体適合性ポリマーを製品表面にコーティングする方法も提案されている。
特開2015−150251公報
ところが、上記のような生体適合性ポリマーを得るためには、重合、低分子量成分・重合開始剤などの精製などの複雑な工程を経る必要がある。しかしながら、このような工程は、一般に高価となるため、適用できる製品が極めて限定されるという課題があった。
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、低コストで、且つ簡易なプロセスで高分子材料の表面を改質することができる、高分子材料の表面改質方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するため、鋭意検討を行った結果、以下の発明に至った。
項1.生体適合性を有する機能性モノマーが溶解され、且つ重合開始剤を含んでいない溶液を、無酸素条件下で光重合し、機能性ポリマーまたは機能性オリゴマーを生成する第1工程と、
前記溶液に、表面改質の対象となる高分子材料を浸漬させ、前記機能性ポリマーまたは機能性オリゴマーを、前記高分子材料の表面に吸着させる第2工程と、
を備え、
前記機能性モノマーは、以下の一般式(1)に示す化合物を含む、高分子材料の表面改質方法。
Figure 0006958061
[一般式(1)中、R1は水素またはメチル基を示し、R2は炭素数1〜4のアルキレン基を示し、R3は炭素数1〜4のアルキル基を示す。]
項2.生体適合性を有する機能性モノマーが溶解され、且つ重合開始剤を含んでいない溶液に、高分子材料を浸漬させる第1工程と、
前記溶液において、無酸素条件下で、光重合により、機能性ポリマーまたは機能性オリゴマーを生成するとともに、当該機能性ポリマーまたは機能性オリゴマーを、前記高分子材料の表面に吸着させる第2工程と、
を備え、
前記機能性モノマーは、以下の一般式(1)に示す化合物を含む、高分子材料の表面改質方法。
Figure 0006958061
[一般式(1)中、R1は水素またはメチル基を示し、R2は炭素数1〜4のアルキレン基を示し、R3は炭素数1〜4のアルキル基を示す。]
項3.前記溶液に、300〜400nmの波長のUV光を照射することで前記光重合を行う、項1または2に記載の高分子材料の表面改質方法。
項4.前記UV光の照射時間が、30〜600秒である、項3に記載の高分子材料の表面改質方法。
項5.前記高分子材料を前記溶液に、30〜600秒間浸漬する、項1から4のいずれかに記載の高分子材料の表面改質方法。
項6.前記機能性モノマーが、アルコキシアルキル(メタ)アクリレートである、項1から5のいずれかに記載の高分子材料の表面改質方法。
本発明によれば、低コストで、且つ簡易なプロセスで高分子材料の表面を改質することができる。
以下、本発明に係る高分子材料の表面改質方法の一実施形態について説明する。本実施形態に係る表面改質方法では、高分子材料の表面に、生体適合性を有する機能性ポリマーをコーティングし、表面改質を行うためのものである。より詳細には、血液フィルター、チューブなど、血液と接触する高分子材料に対し、血液に含まれる各血球成分が吸着するのを防止するために表面改質が行われる。具体的には、以下の工程により、コーティングが行われる。
(1)生体適合性を有する機能性モノマーが溶解され、且つ重合開始剤を含んでいない溶液を、無酸素条件下で光重合し、機能性ポリマーまたは機能性オリゴマーを生成する(第1工程)。
(2)第1工程で生成した溶液に、表面改質の対象となる高分子材料を浸漬させ、機能性ポリマーまたは機能性オリゴマーを、高分子材料の表面に吸着させる(第2工程)。
以下、これらの工程について詳細に説明する。
<1.第1工程>
<1−1.表面改質を行う高分子材料>
本実施形態で表面改質を行う高分子材料は、特に制限はないが、熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマー、加硫ゴム、熱硬化性樹脂などから適宜選択することができる。具体的な用途としては、例えば、上述したように、血球計数測定機などの医療機器に用いられる血液フィルタ、チューブなどに対して、表面改質を行うことができる。
<1−2.機能性モノマー>
第1工程で用いられる機能性モノマーは、これらが重合して得られる機能性ポリマーまたは機能性オリゴマーが、血小板などの血球成分に対して吸着を抑制するものであれば特に限定されるものではないが、以下の一般式(1)で示される化合物が含まれるモノマーを用いることができる。
Figure 0006958061
一般式(1)中、R1は、水素原子またはメチル基であり、好ましくは水素原子である。
一般式(1)中、R2は、炭素数1〜4の環状、直鎖または分岐鎖のアルキレン基であり、炭素数1〜4の直鎖または分岐鎖のアルキレン基であることが好ましい。具体的には、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、プロピレン基、シクロプロピレン基、テトラメチレン基、シクロブチレン基などが挙げられる。これらのうち、抗血栓性の向上効果を考慮すると、炭素数1〜3の直鎖または分岐鎖のアルキレン基であることが好ましく、メチレン基またはエチレン基であることが特に好ましい。
一般式(1)中、R3は、炭素数1〜4の環状、直鎖または分岐鎖のアルキル基であり、炭素数1〜4の直鎖または分岐鎖のアルキル基であることが好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基などが挙げられる。これらのうち、抗血栓性の向上効果を考慮すると、炭素数1〜3の直鎖または分岐鎖のアルキル基であることが好ましく、メチル基またはエチル基であることがより好ましく、メチル基であることが特に好ましい。また、R3を、シクロプロピル基とすることもできる。
上記一般式(1)で示されるモノマーとしては、例えば、アルコキシアルキル(メタ)アクリレート、アクリル酸2−メトキシエチル等を用いることもできる。なお、「(メタ)アクリレート」とは、「アクリレート」および/または「メタアクリレート」を意味する。
<1−3.溶媒>
上記機能性モノマーが溶解される溶媒は、機能性モノマーを溶解できる限りは特には限定されないが、例えば、表面改質を行う高分子の耐溶剤性も考慮して、アルコール、アルコール/水混合溶媒、クロロホルム、アセトン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミドなどを用いることができる。また、この溶媒に対する上記機能性モノマーの溶解濃度は、例えば、5〜30Vol%とすることができる。なお、上記機能性モノマーを溶解した溶液中には、重合開始剤は含まれない。したがって、高分子材料にも、重合開始剤は含まれない。
<1−4.光重合>
本実施形態において、上記溶液に照射する光は、紫外線、電子線などを用いることができるが、紫外線であるUV光を用いることが好ましい。UV光の波長は、例えば、300〜400nmとすることができる。これは、波長が300nm未満であると、モノマー分子を切断する可能性がある一方、400nmより長い波長であると、モノマーの重合が進行しない可能性があることによる。UV光の照射光量は、重合時間・反応の均一性などを考慮して、適宜設定すればよく、特には限定されない。例えば、UV光の照射時間は、30〜600秒であることが好ましく60〜300秒であることがさらに好ましい。UV光の光源については、特に制限はないが、高圧水銀ランプ、メタルはライドランプ、LEDランプなどを使用することができる。
また、重合反応中においては、重合反応を促進するため、反応系内の酸素が除去されていることが望ましい。すなわち、無酸素条件下で光重合することが望ましい。そのためには、例えば、反応系内に窒素やアルゴンなどの不活性ガスを導入して、酸素などの活性ガスを反応系外に排出するなどの方法を取ることができる。但し、その他の方法で溶液を無酸素条件下にすることもできる。
上記のように溶液にUV光などを照射すると、溶解した機能性モノマーが光重合し、機能性ポリマーまたは機能性オリゴマーが生成される。
<2.第2工程>
第2工程では、第1工程で生成した溶液に、上記高分子材料を浸漬させる。これにより、高分子材料の表面に、機能性ポリマーまたは機能性オリゴマーがコーティングされる。高分子材料を浸漬させる時間は、特には限定されないが、例えば、30〜600秒であることが好ましく、60〜300秒であることがさらに好ましい。
なお、第1工程と第2工程とを同時に行うこともできる。すなわち、機能性モノマーが溶解した溶液に、高分子材料を浸漬させた上で、無酸素条件下で、UV光などの光を照射してもよい。これにより、機能性ポリマーまたは機能性オリゴマーが光重合されるとともに、高分子材料の表面にこれらがコーティングされる。
<3.特徴>
上記表面改質方法によれば、次の効果を得ることができる。すなわち、従来は、生体適合性ポリマーを得るために長時間を要していたが、本実施形態によれば、そのような生成のプロセスが不要であり、単に、溶液に高分子材料を浸漬させるだけで、短時間で表面改質を行うことができる。また、高分子材料が複雑な形状をしていても、溶液が接触すればよいため、例えば、UV光が透過しない管路の壁面に対しても表面改質を行うことができる。
以下、本発明の実施例について説明する。但し、本発明は、以下の実施例に限定されない。
以下では、基板に対し、実施例1〜16に係る表面改質方法と、比較例1〜12に係る表面改質方法を行った。そして、これらの方法で得られた基材に対し、以下の2つの評価試験を行った。
<評価試験1:基材の水中接触角の測定>
各実施例・比較例で得られた基材を純水に1時間浸漬し、その後、水中接触角を測定した。接触角は、Kruss社製、DSA25を用いて測定した。
<評価試験2:血小板の吸着の観察>
各実施例・比較例で得られた基材に吸着した血小板の数を計測した。まず、血液を遠心分離し、その上澄みをサンプリングすることで血小板溶液を得た。遠心分離は、久保田商事株式会社製 テーブルトップ遠心機 Model 4000を用いて、1600g、10minの条件で行った。そして、得られた血小板溶液100μLを基材上に滴下し、37℃でオーブンに1時間配置した。次に、この基材をリン酸緩衝生理食塩水で洗浄した後、1%グルタルアルデヒド水溶液に浸漬し、基材表面に吸着した血小板を固定した。その後、基材表面を加速電圧15kV、1000倍でSEM観察を行い、観察視野中の吸着血小板の数をカウントした。そして、観察視野中の血小板吸着数が5個以下であれば、抗血栓性良好、血小板吸着数が6個以上であれば、抗血栓性不良と判定した。
以下、実施例1〜16、及び比較例1〜12に係る表面改質方法、及び評価試験の結果を示す。
<実施例1>
機能性モノマーとして、東京化成工業株式会社製の2−Methoxyethyl Acrylate(MEA)を溶媒である50vol%エタノール水溶液に溶解させて、10vol%になるように調製した。この溶液をガラス容器に入れ、ゴム栓で蓋をした状態でアルゴンガスを導入して、120分間バブリングを行った。こうして、容器内部の酸素を追い出した。その後、LEDにより、365nmの波長のUV光をガラス容器の溶液に60秒照射を行った。その後、ガラス容器のゴム栓を開け、容器内に空気が導入された状態でポリカーボネート(PC)の基板(10mm×10mm)を溶液に60秒浸漬した。その後、基板を取り出し、50vol%エタノール水溶液に浸漬し、10分間超音波洗浄機にかけた。その作業を3回繰り返した後、基材を取り出し、30℃にて真空乾燥を行った。
得られた基材に対し、評価試験1を行ったところ、水中接触角は45.5°であった。また、評価試験2を行ったところ、基材に吸着している血小板数は、2個であった。
<実施例2>
実施例1において、基材の溶液への浸漬時間を30秒としたほかは、同じである。得られた基材に対し、評価試験1を行ったところ、水中接触角は48.2°であった。また、評価試験2を行ったところ、基材に吸着している血小板数は、3個であった。
<実施例3>
実施例1において、基材の溶液への浸漬時間を180秒としたほかは、同じである。得られた基材に対し、評価試験1を行ったところ、水中接触角は42.3°であった。また、評価試験2を行ったところ、基材に吸着している血小板数は、4個であった。
<実施例4>
実施例1において、基材の溶液への浸漬時間を600秒としたほかは、同じである。得られた基材に対し、評価試験1を行ったところ、水中接触角は43.7°であった。また、評価試験2を行ったところ、基材に吸着している血小板数は、1個であった。
<実施例5>
実施例1において、基板の溶液への浸漬時間を180秒としたほかは、同じである。得られた基材に対し、評価試験1を行ったところ、水中接触角は44.6°であった。また、評価試験2を行ったところ、基材に吸着している血小板数は、3個であった。
<実施例6>
実施例1において、基板の溶液への浸漬時間を600秒としたほかは、同じである。得られた基材に対し、評価試験1を行ったところ、水中接触角は44.2°であった。また、評価試験2を行ったところ、基材に吸着している血小板数は、2個であった。
<実施例7>
機能性モノマーとして、東京化成工業株式会社製の2−Methoxyethyl Acrylate(MEA)を溶媒である50vol%エタノール水溶液に溶解させて、10vol%になるように調製した。この溶液とポリカーボネート基板(10mm×10mm)をガラス容器に入れ、ゴム栓で蓋をした状態でアルゴンガスを導入して、120分間バブリングを行い、容器内部の酸素を追い出した。その後、365nmの波長のUV光をガラス容器の溶液中にある基材に60秒照射を行った。続いて、ガラス容器のゴム栓を開け、基板を取り出した後、50vol%エタノール水溶液に浸漬し、10分間超音波洗浄機にかけた。その作業を3回繰り返したのち、基材を取り出し、30℃にて真空乾燥を行った。すなわち、実施例7では、上述した第1工程と第2工程とを同時に行った。
得られた基材に対し、評価試験1を行ったところ、水中接触角は49.4°であった。また、評価試験2を行ったところ、基材に吸着している血小板数は、3個であった。
<実施例8>
実施例7において、UV照射時間を600秒としたほかは、同じである。得られた基材に対し、評価試験1を行ったところ、水中接触角は45.3°であった。また、評価試験2を行ったところ、基材に吸着している血小板数は、3個であった。
<実施例9>
実施例1において、使用する基板をポリメチルメタクリレート(PMMA)としたほかは、同じである。得られた基材に対し、評価試験1を行ったところ、水中接触角は43.1°であった。また、評価試験2を行ったところ、基材に吸着している血小板数は、4個であった。
<実施例10>
実施例7において、UV光の照射時間を600秒としたほかは、同じである。得られた基材に対し、評価試験1を行ったところ、水中接触角は42.6°であった。また、評価試験2を行ったところ、基材に吸着している血小板数は、2個であった。
<実施例11>
実施例7において、基板の溶液への浸漬時間を180秒としたほかは、同じである。
得られた基材に対し、評価試験1を行ったところ、水中接触角は42.8°であった。また、評価試験2を行ったところ、基材に吸着している血小板数は、3個であった。
<実施例12>
実施例7において、基材の溶液への浸漬時間を600秒としたほかは、同じである。得られた基材に対し、評価試験1を行ったところ、水中接触角は41.5°であった。また、評価試験2を行ったところ、基材に吸着している血小板数は、2個であった。
<実施例13>
実施例1において、使用する基板をEPDMゴムとした他は、同じである。得られた基材に対し、評価試験1を行ったところ、水中接触角は42.2°であった。また、評価試験2を行ったところ、基材に吸着している血小板数は、1個であった。
<実施例14>
実施例13において、UV光の照射時間を600秒としたほかは、同じである。得られた基材に対し、評価試験1を行ったところ、水中接触角は42.9°であった。また、評価試験2を行ったところ、基材に吸着している血小板数は、2個であった。
<実施例15>
実施例13において、基板の溶液への浸漬時間を180秒としたほかは、同じである。得られた基材に対し、評価試験1を行ったところ、水中接触角は43.6°であった。また、評価試験2を行ったところ、基材に吸着している血小板数は、2個であった。
<実施例16>
実施例13において、基板の溶液への浸漬時間を600秒としたほかは、同じである。得られた基材に対し、評価試験1を行ったところ、水中接触角は42.6°であった。また、評価試験2を行ったところ、基材に吸着している血小板数は、1個であった。
<比較例1>
ポリカーボネート(PC)基材(10mm×10mm)を特に溶液への浸漬などをせずに、上記評価試験1,2を行った。その結果、評価試験1では、水中接触角が82.2°であった。また、評価試験2では、基材に吸着している血小板数は28個であった。
<比較例2>
比較例1において、基材をポリメチルメタクリレート(PMMA)基材としたほかは、同じである。この基材に対し、評価試験1を行ったところ、水中接触角は65.3°であった。また、評価試験2を行ったところ、基材に吸着している血小板数は、19個であった。
<比較例3>
比較例1において、基材をEPDM加硫ゴムとした他は、同じである。この基材に対し、評価試験1を行ったところ、水中接触角は67.1°であった。また、評価試験2を行ったところ、基材に吸着している血小板数は、26個であった。
<比較例4>
実施例1において、UV光の照射時間を0秒としたほかは、同じである。すなわち、UV光を照射しなかった。得られた基材に対し、評価試験1を行ったところ、水中接角は81.6°であった。また、評価試験2を行ったところ、基材に吸着している血小板数は、30個であった。
<比較例5>
比較例4において、基材の溶液への浸漬時間を180秒としたほかは、同じである。この基材に対し、評価試験1を行ったところ、水中接触角は80.7°であった。また、評価試験2を行ったところ、基材に吸着している血小板数は、24個であった。
<比較例6>
比較例4において、基材の溶液への浸漬時間を600秒としたほかは、同じである。この基材に対し、評価試験1を行ったところ、水中接触角は81.3°であった。また、評価試験2を行ったところ、基材に吸着している血小板数は、35個であった。
<比較例7>
比較例4において、基材をポリメチルメタクリレート(PMMA)としたほかは、同じである。この基材に対し、評価試験1を行ったところ、水中接触角は66.1°であった。また、評価試験2を行ったところ、基材に吸着している血小板数は、22個であった。
<比較例8>
比較例7において、基材の溶液への浸漬時間を180秒としたほかは、同じである。この基材に対し、評価試験1を行ったところ、水中接触角は65.8°であった。また、評価試験2を行ったところ、基材に吸着している血小板数は、26個であった。
<比較例9>
比較例7において、基材の溶液への浸漬時間を600秒としたほかは、同じである。この基材に対し、評価試験1を行ったところ、水中接触角は65.3°であった。また、評価試験2を行ったところ、基材に吸着している血小板数は、18個であった。
<比較例10>
比較例4において、基材をEPMDゴムとしたほかは、同じである。この基材に対し、評価試験1を行ったところ、水中接触角は66.8°であった。また、評価試験2を行ったところ、基材に吸着している血小板数は、24個であった。
<比較例11>
比較例10において、基材の溶液への浸漬時間を180秒としたほかは、同じである。この基材に対し、評価試験1を行ったところ、水中接触角は67.6°であった。また、評価試験2を行ったところ、基材に吸着している血小板数は、29個であった。
<比較例12>
比較例10において、基材の溶液への浸漬時間を600秒としたほかは、同じである。この基材に対し、評価試験1を行ったところ、水中接触角は66.4°であった。また、評価試験2を行ったところ、基材に吸着している血小板数は、25個であった。
Figure 0006958061
<考察>
上記各実施例で得られる基材では、比較例に比べ、水中接触角が大幅に小さいことが分かった。また、各実施例では、基材に吸着した血小板の数が、比較例に比べ格段に小さいため、生体適合性の機能性ポリマーが適切にコーティングされ、血小板の付着を防止できることが分かった。
また、実施例の結果を参酌すると、UV光の照射時間や、溶液への浸漬時間の長短にかかわらず、評価試験の結果はほぼ同じであった。したがって、本発明によれば、UV光の照射時間、あるいは溶液への浸漬時間に関わらず、機能性ポリマーが適切にコーティングされることが分かった。

Claims (5)

  1. 生体適合性を有する機能性モノマーが溶解され、且つ重合開始剤を含んでいない溶液において、無酸素条件下で、光重合により、機能性ポリマーまたは機能性オリゴマーを生成する第1工程と、
    前記溶液に、表面改質の対象となる高分子材料を浸漬させ、前記機能性ポリマーまたは機能性オリゴマーを、前記高分子材料の表面に吸着させる第2工程と、
    を備え、
    前記機能性モノマーは、以下の一般式(1)に示す化合物を含む、高分子材料の表面改質方法。
    Figure 0006958061
    [一般式(1)中、R1は水素またはメチル基を示し、R2は炭素数1〜4のアルキレン基を示し、R3は炭素数1〜4のアルキル基を示す。]
  2. 前記溶液に、300〜400nmの波長のUV光を照射することで前記光重合を行う、請求項に記載の高分子材料の表面改質方法。
  3. 前記UV光の照射時間が、30〜600秒である、請求項1または2に記載の高分子材料の表面改質方法。
  4. 前記高分子材料を前記溶液に、30〜600秒間浸漬する、請求項1からのいずれかに記載の高分子材料の表面改質方法。
  5. 前記機能性モノマーが、アルコキシアルキル(メタ)アクリレートである、請求項1からのいずれかに記載の高分子材料の表面改質方法。
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