以下において、本発明の実施形態に係る制御システム及び制御方法について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。
ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なることに留意すべきである。従って、具体的な寸法などは以下の説明を参酌して判断すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
[実施形態の概要]
実施形態に係る制御装置は、需要家内に設けられる情報機器を制御する。制御装置は、前記情報機器に対して、前記情報機器に対する操作指示を送信する送信部と、前記操作指示の経路種別を判定する判定部を備える。前記判定部は、前記操作指示が前記需要家外に設けられるサーバを経由するか否かにより、前記経路種別を判定する。
実施形態では、制御装置は、操作指示が需要家外に設けられるサーバを経由するか否かにより、操作指示の経路種別を判定する。これによって、制御装置は、情報機器に対する操作指示がどのような経路で行われたのかを把握して、情報機器を制御することが可能である。従って、安全面等の問題を配慮しながら、情報機器の遠隔操作を行うことができる。
[第1実施形態]
(エネルギー管理システム)
以下において、第1実施形態に係るエネルギー管理システムについて説明する。図1は、第1実施形態に係るエネルギー管理システム100を示す図である。
図1に示すように、エネルギー管理システム100は、需要家10と、CEMS20と、変電所30と、スマートサーバ40と、発電所50とを有する。需要家10、CEMS20、変電所30及びスマートサーバ40は、広域ネットワーク60によって接続されている。
需要家10は、分散電源、蓄電装置、蓄熱装置及び負荷の少なくともいずれか1つを有する需要家の一例である。分散電源、蓄電装置、蓄熱装置及び負荷は、制御装置によって制御される情報機器の一例である。
分散電源は、例えば、太陽電池などのように、太陽光、風力、地熱などの自然エネルギーを利用して電力を生成する装置である。或いは、分散電源は、例えば、燃料電池のように、燃料ガスを利用して電力を生成する装置である。蓄電装置は、例えば、二次電池などのように、電力を蓄積する装置である。蓄熱装置は、例えば、給湯器などのように、電力を熱に変換して、熱を蓄積する装置である。負荷は、冷蔵庫、照明、エアコン、テレビなどである。
需要家10は、例えば、一戸建ての住宅であってもよく、マンションなどの集合住宅であってもよく、ビルなどの商用施設であってもよく、工場であってもよく、店舗であってもよい。
第1実施形態では、複数の需要家10によって、需要家群10A及び需要家群10Bが構成されている。需要家群10A及び需要家群10Bは、例えば、地理的な地域によって分類される。
CEMS20は、複数の需要家10と電力系統との間の連系を制御する。CEMS20は、複数の需要家10を管理するため、CEMS(Cluster Energy Management System)と称されることもある。具体的には、CEMS20は、停電時などにおいて、複数の需要家10と電力系統との間を解列する。一方で、CEMS20は、復電時などにおいて、複数の需要家10と電力系統との間を連系する。
第1実施形態では、CEMS20A及びCEMS20Bが設けられている。CEMS20Aは、例えば、需要家群10Aに含まれる需要家10と電力系統との間の連系を制御する。CEMS20Bは、例えば、需要家群10Bに含まれる需要家10と電力系統との間の連系を制御する。
変電所30は、複数の需要家10に対して、配電線31を介して電力を供給する。具体的には、変電所30は、発電所50から供給される電圧を降圧する。
第1実施形態では、変電所30A及び変電所30Bが設けられている。変電所30Aは、例えば、需要家群10Aに含まれる需要家10に対して、配電線31Aを介して電力を供給する。変電所30Bは、例えば、需要家群10Bに含まれる需要家10に対して、配電線31Bを介して電力を供給する。
スマートサーバ40は、複数のCEMS20(ここでは、CEMS20A及びCEMS20B)を管理する。スマートサーバ40は、複数の変電所30(ここでは、変電所30A及び変電所30B)を管理する。言い換えると、スマートサーバ40は、需要家群10A及び需要家群10Bに含まれる需要家10を統括的に管理する。スマートサーバ40は、例えば、需要家群10Aに供給すべき電力と需要家群10Bに供給すべき電力とのバランスを取る機能を有する。
発電所50は、火力、風力、水力、原子力などによって発電を行う。発電所50は、複数の変電所30(ここでは、変電所30A及び変電所30B)に対して、送電線51を介して電力を供給する。
広域ネットワーク60は、信号線を介して各装置に接続される。広域ネットワーク60は、例えば、インターネット、携帯電話網などである。
(需要家)
以下において、第1実施形態に係る需要家について説明する。図2は、第1実施形態に係る需要家10の詳細を示す図である。
図2に示すように、需要家10は、分電盤110と、負荷120と、PVユニット130と、蓄電池ユニット140と、燃料電池ユニット150と、貯湯ユニット160と、HEMS200とを有する。
分電盤110は、配電線31(系統)に接続されている。分電盤110は、電力線を介して、負荷120、PVユニット130、蓄電池ユニット140及び燃料電池ユニット150に接続されている。
分電盤110は、配電線31(系統)から供給される電力を計測する計測部を有していてもよい。計測部は、負荷120の消費電力を計測してもよい。
負荷120は、電力線を介して供給される電力を消費する装置である。例えば、負荷120は、冷蔵庫、照明、エアコン、テレビなどの装置を含む。負荷120は、単数の装置であってもよく、複数の装置を含んでもよい。
PVユニット130は、PV131と、PCS132とを有する。PV131は、分散電源の一例であり、太陽光の受光に応じて発電を行う装置である。PV131は、発電されたDC電力を出力する。PV131の発電量は、PV131に照射される日射量に応じて変化する。PCS132は、PV131から出力されたDC電力をAC電力に変換する装置(Power Conditioning System)である。PCS132は、電力線を介してAC電力を分電盤110に出力する。
PVユニット130は、PV131に照射される日射量を測定する日射計を有していてもよい。
PVユニット130は、MPPT(Maximum Power Point Tracking)法によって制御される。詳細には、PVユニット130は、PV131の動作点(動作点電圧値及び電力値によって定まる点、又は、動作点電圧値と電流値とによって定まる点)を最適化する。
蓄電池ユニット140は、蓄電池141と、PCS142とを有する。蓄電池141は、電力を蓄積する装置である。PCS142は、蓄電池141から出力されたDC電力をAC電力に変換する装置(Power Conditioning System)である。
燃料電池ユニット150は、燃料電池151と、PCS152とを有する。燃料電池151は、分散電源の一例であり、燃料ガスを利用して電力を生成する装置である。PCS152は、燃料電池151から出力されたDC電力をAC電力に変換する装置(Power Conditioning System)である。
燃料電池ユニット150は、負荷追従制御によって動作する。詳細には、燃料電池ユニット150は、燃料電池151から出力される電力が負荷120の消費電力に追従するように燃料電池151を制御する。
貯湯ユニット160は、電力を熱に変換して、熱を蓄積する蓄熱装置の一例である。具体的には、貯湯ユニット160は、貯湯槽を有しており、燃料電池151の運転(発電)によって生じる排熱によって、貯湯槽から供給される水を温める。詳細には、貯湯ユニット160は、貯湯槽から供給される水を温めて、温められた湯を貯湯槽に還流する。
HEMS200は、需要家10に設けられた情報機器(負荷、分散電源、蓄電装置又は蓄熱装置)を管理する制御装置である。
第1実施形態では、HEMS200は、負荷120、PVユニット130、蓄電池ユニット140、燃料電池ユニット150及び貯湯ユニット160に信号線を介して接続されており、負荷120、PVユニット130、蓄電池ユニット140、燃料電池ユニット150及び貯湯ユニット160を制御する。HEMS200は、負荷120の動作モードを制御することによって、負荷120の消費電力を制御してもよい。HEMS200と情報機器とを接続する信号線は、無線であってもよく、有線であってもよい。
HEMS200は、広域ネットワーク60を介して各種サーバと接続される。各種サーバは、例えば、系統から供給される電力の購入単価、系統から供給される電力の売却単価、燃料ガスの購入単価などの情報(以下、エネルギー料金情報)を格納する。
或いは、各種サーバは、例えば、負荷120の消費電力を予測するための情報(以下、消費エネルギー予測情報)を格納する。消費エネルギー予測情報は、例えば、過去の負荷120の消費電力の実績値に基づいて生成されてもよい。或いは、消費エネルギー予測情報は、負荷120の消費電力のモデルであってもよい。
或いは、各種サーバは、例えば、PV131の発電量を予測するための情報(以下、PV発電量予測情報)を格納する。PV発電予測情報は、PV131に照射される日射量の予測値であってもよい。或いは、PV発電予測情報は、天気予報、季節、日照時間などであってもよい。
(適用シーン)
以下において、第1実施形態の適用シーンについて説明する。図3は、第1実施形態の適用シーンを示す図である。
図3に示すように、第1実施形態の適用シーンに係るシステムは、HEMS200、情報機器300、ルータ400、操作装置500及びサーバ600を有する。
HEMS200は、需要家10に設けられる情報機器300を管理する制御装置の一例である。HEMS200は、有線又は無線によってルータ400と接続されており、ルータ400を経由して、情報機器300、操作装置500及びサーバ600と通信を行う。
情報機器300は、負荷120、PVユニット130、蓄電池ユニット140、燃料電池ユニット150、貯湯ユニット160などのように、HEMS200によって制御される。
ルータ400は、需要家10に設けられた狭域ネットワーク70を構成する。ルータ400は、狭域ネットワーク70として、無線LANを構成してもよく、有線LANを構成してもよい。図3では、HEMS200とルータ400との間が有線で接続されており、情報機器300及び操作装置500とルータ400との間が無線で接続されるケースが例示されている。但し、HEMS200とルータ400との間が無線で接続されてもよく、情報機器300及び操作装置500とルータ400との間が有線で接続されてもよい。
操作装置500は、情報機器300に対する操作指示を送信する操作装置である。操作装置500は、ルータ400又はHEMS200を経由せずに、情報機器300に対して直接的に操作を入力する操作装置(例えば、リモートコントローラ、或いは、情報機器300に設けられる操作ボタン)であってもよい。或いは、操作装置500は、狭域ネットワーク70に接続された操作装置(例えば、ルータ400に無線で接続された携帯端末、或いは、ルータ400に有線で接続されたパーソナルコンピュータ)であってもよい。狭域ネットワーク70に接続された操作装置は、ルータ400及びHEMS200を経由して、情報機器300に対して間接的に操作を入力する。或いは、操作装置500は、狭域ネットワーク70とは異なる広域ネットワーク60に接続された操作装置(例えば、サーバ600にアクセス可能な携帯端末、或いは、サーバ600にアクセス可能なパーソナルコンピュータ)であってもよい。広域ネットワーク60に接続された操作装置は、ユーザが所持する装置に限定されるものではなく、広域ネットワーク60上に設けられるサーバ(例えば、電力会社が管理するサーバ)であってもよい。このようなサーバから送信される操作指示としては、デマンドレスポンス等が考えられる。
図3においては、操作装置500として、情報機器300に対して直接的に操作を入力する操作装置500A、狭域ネットワーク70に接続された操作装置500B、広域ネットワーク60に接続された操作装置500Cが例示されている。操作指示がデマンドレスポンス等である場合には、操作装置500Cをサーバ600と同一視してもよいことに留意すべきである。例えば、サーバ600が上述したスマートサーバ40であり、スマートサーバ40から発行されるデマンドレスポンスが操作指示であってもよい。
サーバ600は、広域ネットワーク60上に設けられており、広域ネットワーク60に接続された操作装置500Cから、情報機器300に対する操作指示を受け付けるサーバである。但し、操作装置500Cがサーバ600に常時接続されているとは限らないことに留意すべきである。
ここで、セキュリティの観点から、需要家10に設けられる狭域ネットワーク70に接続されたHEMS200とサーバ600とのセッションが常に維持されることは好ましくない。一般的には、狭域ネットワーク70に接続された装置を保護するために、広域ネットワーク60と狭域ネットワーク70との間にファイアウォールが設けられる。従って、サーバ600からHEMS200に対するアクセスを任意に行うことはできない。このような観点から、サーバ600は、HEMS200からサーバ600に対して定期的に実行される問合せに応じて、操作装置500Cから受け付ける操作指示をHEMS200に送信することが好ましい。
但し、実施形態は、これに限定されるものではない。例えば、ファイアウォールに対して意図的にポート解放等を行わせることによって、サーバ600からHEMS200に対して、操作装置500Cから受け付ける操作指示を任意のタイミングで送信してもよい。
(制御装置)
以下において、第1実施形態に係る制御装置について説明する。図4は、第1実施形態に係るHEMS200について説明する。
図4に示すように、HEMS200は、受信部210と、送信部220と、制御部230とを有する。
受信部210は、信号線(無線又は有線)を介して接続された装置から各種信号を受信する。例えば、受信部210は、PV131の発電量を示す情報をPVユニット130から受信する。受信部210は、蓄電池141の蓄電量を示す情報を蓄電池ユニット140から受信する。受信部210は、燃料電池151の発電量を示す情報を燃料電池ユニット150から受信する。受信部210は、貯湯ユニット160の貯湯量を示す情報を貯湯ユニット160から受信する。
HEMS200と情報機器300との間の通信がECHONET Lite(登録商標。以下同じ)方式で行われる場合には、受信部210は、ECHONET Lite方式に準拠するメッセージ(SET応答コマンド、GET応答コマンド、INFOコマンド)を各装置から受信する。SET応答コマンドは、情報機器300に対する操作指示を含む設定コマンド(SETコマンド)に対する応答コマンドであり、設定結果を示す設定応答を含む(後述する図8を参照)。GET応答コマンドは、情報機器300の状態を示す情報の送信を要求する要求コマンド(GETコマンド)に対する応答コマンドであり、要求された情報(要求応答)を含む(後述する図9を参照)。INFOコマンドは、HEMS200から情報機器300に対するコマンドに依存せずに、情報機器300から自律的に送信されるコマンドであり、情報機器300の状態を示す状態情報を含む(後述する図10を参照)。
ここで、受信部210は、エネルギー料金情報、消費エネルギー予測情報及びPV発電量予測情報を、広域ネットワーク60を介して各種サーバから受信してもよい。但し、エネルギー料金情報、消費エネルギー予測情報及びPV発電量予測情報は、予めHEMS200に記憶されていてもよい。
第1実施形態において、受信部210は、操作指示(需要家内操作)を操作装置500Bから受信する。受信部210は、操作装置500Cから受け付ける操作指示(需要家外操作)をサーバ600から受信する。
送信部220は、信号線を介して接続された装置に各種信号を送信する。例えば、送信部220は、負荷120、PVユニット130、蓄電池ユニット140、燃料電池ユニット150及び貯湯ユニット160を制御するための信号を各装置に送信する。
HEMS200と情報機器300との間の通信がECHONET Lite方式で行われる場合には、送信部220は、ECHONET Lite方式に準拠するメッセージ(SETコマンド、GETコマンド)を各装置に送信する。SETコマンドは、情報機器300に対する操作指示を含む設定コマンドである(後述する図6又は図7を参照)。GETコマンドは、情報機器300の状態を示す情報の送信を要求する要求コマンドである。
第1実施形態において、送信部220は、操作装置500Cから受け付ける操作指示の問合せをサーバ600に送信する。
第1実施形態では、送信部220は、情報機器300に対して、情報機器300に対する操作指示を送信する送信部を構成する。情報機器300に対する操作指示の経路種別は、狭域ネットワーク70に接続された操作装置500Bから情報機器300に対して操作を入力する需要家内操作、広域ネットワーク60に接続された操作装置500Cから情報機器300に対して操作を入力する需要家外操作を含む。
ここで、送信部220は、経路種別が需要家内操作である場合に、第1フォーマットで操作指示を送信する。一方で、送信部220は、経路種別が需要家外操作である場合に、第1フォーマットとは異なる第2フォーマットで操作指示を送信する。
HEMS200と情報機器300との間の通信がECHONET Lite方式で行われる場合には、図6に示すように、第1フォーマットの操作指示としては、ECHONET Lite方式における既存のメッセージ(SETコマンド)を用いることができる。一方で、第2フォーマットの操作指示としては、ECHONET Lite方式における既存のメッセージとは別に新たに定義されるメッセージ(特別なSETコマンド)である。例えば、SETコマンド(第2フォーマット)は、経路種別が需要家外操作であることを示す操作経路特定情報を含む。図6に示す例において、SETコマンド(第1フォーマット)は、操作経路特定情報を含まない既存のメッセージである。
或いは、図7に示すように、第1フォーマット及び第2フォーマットは、経路種別を示す操作経路特定情報(例えば、1bitフラグ)によって区別されてもよい。SETコマンド(第1フォーマット)は、経路種別が需要家内操作であることを示す操作経路特定情報を含み、SETコマンド(第2フォーマット)は、経路種別が需要家外操作であることを示す操作経路特定情報を含む。
図5に戻って、制御部230は、HEMS200の動作を制御する。制御部230は、負荷120、PVユニット130、蓄電池ユニット140、燃料電池ユニット150及び貯湯ユニット160を制御する。
第1実施形態において、制御部230は、情報機器300に対する操作指示の経路種別を判定する判定部を構成する。詳細には、制御部230は、広域ネットワーク60上に設けられるサーバ600を操作指示が経由しない場合に、経路種別が需要家内操作であると判定する。一方で、制御部230は、広域ネットワーク60上に設けられるサーバ600を操作指示が経由する場合に、経路種別が需要家外操作であると判定する。
上述したように、経路種別が需要家内操作である場合には、操作装置500BからHEMS200に対してルータ400を経由して操作指示が送信される。従って、制御部230は、操作指示の送信元IPアドレスを確認すれば、サーバ600を操作指示が経由していないと判定することができる。一方で、経路種別が需要家外操作である場合には、操作装置500Cからサーバ600が受け付けた操作指示がサーバ600からHEMS200に送信される。従って、制御部230は、操作指示の送信元IPアドレスを確認すれば、サーバ600を操作指示が経由していると判定することができる。
つまり、制御部230は、操作指示が広域ネットワーク60を経由した指示に基づいているか否かにより、操作指示の経路種別を判定しているとも考えられる。制御部230は、操作指示が広域ネットワーク60を経由した指示に基づいている場合には、経路種別が需要家外操作であると判定し、操作指示が広域ネットワーク60を経由した指示に基づいていない場合には、経路種別が需要家内操作であると判定する。
ここで、広域ネットワーク60を経由した指示は、操作装置500Cから直接的にHEMS200に送信される指示であってもよく、操作装置500Cからサーバ600を経由してHEMS200に送信される指示であってもよい。或いは、広域ネットワーク60を経由した指示は、上述したスマートサーバ40からHEMS200に送信される指示であってもよい。制御部230は、広域ネットワーク60を経由した指示に応じて、適切な操作指示を情報機器300に送信することは勿論である。
上述したように、送信部220は、経路種別が需要家内操作である場合に、第1フォーマットで操作指示を送信し、経路種別が需要家外操作である場合に、第2フォーマットで操作指示を送信する。上述した制御部230の判定方法を考慮すると、送信部220は、操作指示が需要家10外に設けられるサーバ600を経由するか否かにより、それぞれ異なるフォーマットで操作指示を送信すると考えてもよい。或いは、送信部220は、操作指示が広域ネットワーク60を経由した指示に基づいているか否かにより、それぞれ異なるフォーマットで操作指示を送信すると考えてもよい。
(情報機器)
以下において、第1実施形態に係る情報機器について説明する。図5は、第1実施形態に係る情報機器300について説明する。
図5に示すように、情報機器300は、受信部310と、送信部320と、格納部330と、制御部340とを有する。
受信部310は、信号線(無線又は有線)を介して接続された装置から各種信号を受信する。具体的には、受信部310は、操作装置500A、操作装置500B及び操作装置500Cから操作指示を受信する。
HEMS200と情報機器300との間の通信がECHONET Lite方式で行われる場合には、受信部310は、ECHONET Lite方式に準拠するメッセージ(SETコマンド、GETコマンド)をHEMS200から受信する。
第1実施形態において、受信部310は、経路種別が需要家内操作である場合に、第1フォーマットの操作指示をHEMS200から受信する。一方で、受信部310は、経路種別が需要家外操作である場合に、第1フォーマットとは異なる第2フォーマットの操作指示をHEMS200から受信する。
送信部320は、信号線(無線又は有線)を介して接続された装置に各種信号を送信する。
HEMS200と情報機器300との間の通信がECHONET Lite方式で行われる場合には、送信部320は、ECHONET Lite方式に準拠するメッセージ(SET応答コマンド、GET応答コマンド、INFOコマンド)をHEMS200に送信する。
第1実施形態において、送信部320は、情報機器に対する操作指示の経路種別を示す操作指示をHEMS200に通知する通知部を構成する。
詳細には、送信部320は、情報機器300に対する操作指示を含む設定コマンドの受信に応じて、設定コマンドに含まれる操作指示の経路種別を示す操作経路識別子をHEMS200に通知する。例えば、送信部320は、図8に示すように、SETコマンドの受信に応じて、SETコマンドに含まれる操作指示の経路種別を示す操作経路識別子を含むSET応答コマンドをHEMS200に送信する。
或いは、送信部320は、情報機器300の状態を示す情報の送信を要求する要求コマンドの受信に応じて、要求コマンドの受信前に受け付けた操作指示の経路種別を示す操作経路識別子をHEMS200に通知する。例えば、送信部320は、図9に示すように、GETコマンドの受信に応じて、GETコマンドの受信前に受け付けた操作指示の経路種別を示す操作経路識別子を含むGET応答コマンドをHEMS200に送信する。すなわち、送信部320は、現在の動作がどのような操作経路で指示されたかを示す操作経路識別子を含むGET応答コマンドをHEMS200に送信する。
或いは、送信部320は、格納部330に格納された変数が変更された場合に、変更後の変数を示す操作経路識別子をHEMS200に通知する。例えば、送信部320は、図10に示すように、変更後の変数を示す操作経路識別子を含むINFOコマンドをHEMS200に送信する。
格納部330は、情報機器300に対する操作指示の経路種別を示す変数を格納する。上述したように、情報機器300に対する操作指示の経路種別を示す変数は、需要家10に設けられた狭域ネットワーク70に接続された操作装置500Bから情報機器300に対して操作を入力する需要家内操作を示す変数、狭域ネットワーク70とは異なる広域ネットワーク60に接続された操作装置500Cから情報機器300に対して操作を入力する需要家外操作を示す変数を含む。
さらに、需要家内操作を示す変数は、他の機器(例えば、HEMS200又はルータ400)を経由せずに情報機器300に対して直接的に操作を入力する直接操作を示す変数、及び、他の機器(例えば、HEMS200又はルータ400)を経由して情報機器300に対して間接的に操作を入力する間接操作を示す変数を含んでもよい。
直接操作は、情報機器300に設けられた操作ボタンの操作であってもよく、情報機器300に付随するリモートコントローラを用いる操作であってもよい。間接操作は、需要家10に設けられる狭域ネットワーク70に接続された操作装置500Bを用いる操作である。
制御部340は、情報機器300の動作を制御する。具体的には、制御部340は、操作指示に応じて、情報機器300の動作を制御する。
第1実施形態において、制御部340は、操作指示の経路種別を判定する。制御部340は、操作指示を含むメッセージのフォーマットの違いに応じて、需要家内操作及び需要家外操作を特定することが可能である。また、制御部340は、直接操作を特定することが可能であるため、直接操作以外の操作を特定することが可能である。これによって、制御部340は、需要家内操作が直接操作であることを特定可能であり、かつ、需要家内操作が間接操作であることも特定可能である。
(制御方法)
以下において、第1実施形態に係る制御方法について説明する。図11〜図13は、第1実施形態に係る制御方法を示すシーケンス図である。図11〜図13では、HEMS200と情報機器300との間の通信がECHONET Lite方式で行われるケースについて例示する。
第1に、操作装置500Aから情報機器300に操作指示が送信されるケース(直接操作)について、図11を参照しながら説明する。
図11に示すように、ステップ10において、操作装置500Aは、情報機器300に対する操作指示を情報機器300に送信する。
ステップ20において、情報機器300は、情報機器300に対する操作指示の経路種別を示す変数(すなわち、直接操作を示す変数)をセットする。すなわち、情報機器300は、格納部330に格納された変数を変更する。情報機器300は、操作指示に対応する動作を実行する。
ステップ30において、情報機器300は、変更後の変数を示す操作経路識別子を含むINFOコマンドをHEMS200に送信する(図10を参照)。
第2に、操作装置500Bから情報機器300に操作指示が送信されるケース(需要家内操作/間接操作)について、図12を参照しながら説明する。
図12に示すように、ステップ110及びステップ120において、操作装置500Bは、ルータ400を経由して、情報機器300に対する操作指示をHEMS200に送信する。
ステップ130において、HEMS200は、情報機器300に対する操作指示の経路種別を判定する。具体的には、HEMS200は、サーバ600を操作指示が経由していないため、経路種別が需要家内操作であると判定する。
ステップ140及びステップ150において、HEMS200は、ルータ400を経由して、情報機器300に対する操作指示を情報機器300に送信する。具体的には、HEMS200は、情報機器300に対する操作指示を含むSETコマンド(第1フォーマット)を情報機器300に送信する(図6又は図7を参照)。
ステップ160において、情報機器300は、情報機器300に対する操作指示の経路種別を示す変数(すなわち、需要家内操作を示す変数)をセットする。すなわち、情報機器300は、格納部330に格納された変数を変更する。情報機器300は、操作指示に対応する動作を実行する。
ステップ170において、情報機器300は、SETコマンド(第1フォーマット)に含まれる操作指示の経路種別を示す操作経路識別子を含むSET応答コマンドをHEMS200に送信する(図8を参照)。
第3に、操作装置500Cから情報機器300に操作指示が送信されるケース(需要家外操作)について、図13を参照しながら説明する。
図13に示すように、ステップ210A及びステップ210Bにおいて、HEMS200は、ルータ400を経由して、操作指示などの問合せをサーバ600に送信する。HEMS200は、操作指示などの問合せ定期的に実行することに留意すべきである。
ステップ220において、操作装置500Cは、情報機器300に対する操作指示をサーバ600に送信する。
ステップ230及びステップ240において、サーバ600は、HEMS200から受信する問合せに応じて、ルータ400を経由して、情報機器300に対する操作指示をHEMS200に送信する。
ステップ250において、HEMS200は、情報機器300に対する操作指示の経路種別を判定する。具体的には、HEMS200は、サーバ600を操作指示が経由しているため、経路種別が需要家外操作であると判定する。
ステップ260及びステップ270において、HEMS200は、ルータ400を経由して、情報機器300に対する操作指示を情報機器300に送信する。具体的には、HEMS200は、情報機器300に対する操作指示を含むSETコマンド(第2フォーマット)を情報機器300に送信する(図6又は図7を参照)。
ステップ280において、情報機器300は、情報機器300に対する操作指示の経路種別を示す変数(すなわち、需要家外操作を示す変数)をセットする。すなわち、情報機器300は、格納部330に格納された変数を変更する。情報機器300は、操作指示に対応する動作を実行する。
ステップ290において、情報機器300は、SETコマンド(第2フォーマット)に含まれる操作指示の経路種別を示す操作経路識別子を含むSET応答コマンドをHEMS200に送信する(図8を参照)。
ここで、図11〜図13に示すシーケンス図では説明していないが、情報機器300は、GETコマンドの受信に応じて、GETコマンドの受信前に受け付けた操作指示の経路種別を示す操作経路識別子を含むGET応答コマンドをHEMS200に送信してもよい(図9を参照)。
以上説明したように、HEMS200は、操作指示が需要家10外に設けられるサーバ600を経由するか否かにより、操作指示の経路種別を判定する。これによって、HEMS200は、情報機器300に対する操作指示がどのような経路で行われたのかを把握して、情報機器300を制御することが可能である。従って、安全面等の問題を配慮しながら、情報機器300の遠隔操作を行うことができる。
[その他の実施形態]
本発明は上述した実施形態によって説明したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、この発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
実施形態では、HEMS200と情報機器300との間の通信がECHONET Lite方式で行われるケースについて主として説明した。しかしながら、実施形態は、これに限定されるものではない。HEMS200と情報機器300との間の通信は、他の通信プロトコルに準拠していてもよい。
実施形態では、操作指示の経路種別として、需要家内操作(直接操作)、需要家内操作(間接操作)、需要家外操作の3種類を例示した。しかしながら、実施形態は、これに限定されるものではない。操作指示の経路種別は、需要家内操作及び需要家外操作の2種類であってもよい。或いは、操作指示の経路種別は、直接操作及び直接操作以外の操作であってもよい。
実施形態では、情報機器300は、操作指示を含むメッセージのフィーマットの違いに応じて、需要家内操作及び需要家外操作を特定する。しかしながら、実施形態は、これに限定されるものではない。情報機器300は、送信元IPアドレスの確認等によって、需要家内操作及び需要家外操作を特定してもよい。
実施形態では、情報機器300に対する操作指示の経路種別を示す情報の名称として、「操作経路特定情報」及び「操作経路識別子」を用いたが、実施形態は、これに限定されるものではない。例えば、SETコマンド、SET応答コマンド、GET応答コマンド、INFOコマンドは、情報機器300に対する操作指示の経路種別を示す情報を含んでいればよく、各メッセージに含まれる情報(経路種別を示す情報)のフォーマットは互いに異なっていてもよい。
実施形態では、制御装置がHEMS200であるケースを例示した。しかしながら、実施形態は、これに限定されるものではない。制御装置は、CEMS20に設けられていてもよく、スマートサーバ40に設けられていてもよい。或いは、制御装置は、BEMS(Building Energy Management System)に設けられていてもよく、FEMS(Factory Energy Management System)に設けられていてもよく、SEMS(Store Energy Management System)に設けられていてもよい。
実施形態では、需要家10は、負荷120、PVユニット130、蓄電池ユニット140、燃料電池ユニット150及び貯湯ユニット160を有する。しかしながら、需要家10は、負荷120、PVユニット130、蓄電池ユニット140、燃料電池ユニット150及び貯湯ユニット160のいずれかを有していればよい。