以下において、本発明の実施形態に係る制御システムについて、図面を参照しながら説明する。なお、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。
ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なることに留意すべきである。従って、具体的な寸法などは以下の説明を参酌して判断すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
[実施形態の概要]
実施形態に係る制御装置は、系統電力の供給を受ける需要家に設けられる情報機器を、前記需要家に設けられるネットワークを介して制御する。制御装置は、前記情報機器の動作を指示する操作指示を他の装置から受信した場合に、前記操作指示の内容と、前記需要家における前記系統電力の使用量とに応じて、前記操作指示に応じた前記情報機器の制御を行うか否かを決定する制御部を備える。
実施形態では、制御装置が、遠隔操作装置から操作指示を受信した場合に、操作指示の内容と、需要家における系統電力の使用量とに応じて、操作指示に応じた情報機器の制御を行うか否かを決定する。従って、様々なニーズを勘案した情報機器の操作を行うことを可能とする制御システム、情報機器及び制御方法を提供することができる。
[第1実施形態]
(需要家)
以下において、第1実施形態に係る需要家について説明する。図1は、第1実施形態に係る需要家10を示す図である。
図1に示すように、需要家10は、分電盤110と、負荷120と、PVユニット130と、蓄電池ユニット140と、燃料電池ユニット150と、貯湯ユニット160と、スマートメータ170と、HEMS200とを有する。
需要家10は、配電線31を介して系統電力の供給を受ける単位である。需要家10に対する系統電力からの供給量(以下、電力供給量、すなわち電力購入量)には、電力事業者との契約に応じて上限値(以下、最大電力供給量)が設定されている。最大電力供給量は、例えば、電流値(契約アンペア値)によって示される。
分電盤110は、配電線31(系統)に接続されている。分電盤110は、電力線を介して、負荷120、PVユニット130、蓄電池ユニット140及び燃料電池ユニット150に接続されている。分電盤110の詳細構成については、後述する。
負荷120は、電力線を介して供給される電力を消費する装置である。例えば、負荷120は、冷蔵庫、照明、エアコン、テレビなどの装置を含む。負荷120は、単数の装置であってもよく、複数の装置を含んでもよい。
PVユニット130は、PV131と、PCS132とを有する。PV131は、分散電源の一例であり、太陽光の受光に応じて発電を行う装置である。PV131は、発電されたDC電力を出力する。PV131の発電量は、PV131に照射される日射量に応じて変化する。PCS132は、PV131から出力されたDC電力をAC電力に変換する装置(Power Conditioning System)である。PCS132は、電力線を介してAC電力を分電盤110に出力する。
第1実施形態において、PVユニット130は、PV131に照射される日射量を測定する日射計を有していてもよい。
PVユニット130は、MPPT(Maximum Power Point Tracking)法によって制御される。詳細には、PVユニット130は、PV131の動作点(動作点電圧値及び電力値によって定まる点、又は、動作点電圧値と電流値とによって定まる点)を最適化する。
蓄電池ユニット140は、蓄電池141と、PCS142とを有する。蓄電池141は、電力を蓄積する装置である。PCS142は、蓄電池141から出力されたDC電力をAC電力に変換する装置(Power Conditioning System)である。
燃料電池ユニット150は、燃料電池151と、PCS152とを有する。燃料電池151は、分散電源の一例であり、燃料ガスを利用して電力を生成する装置である。燃料電池151は、例えば、SOFC(Solid Oxide Fuel Cell)又はPEFC(Polymer Electrolyte Fuel Cell)等である。PCS152は、燃料電池151から出力されたDC電力をAC電力に変換する装置(Power Conditioning System)である。
燃料電池ユニット150は、負荷追従制御によって動作する。詳細には、燃料電池ユニット150は、燃料電池151から出力される電力が負荷120の消費電力に追従するように燃料電池151を制御する。
貯湯ユニット160は、電力を熱に変換して、熱を蓄積する蓄熱装置の一例である。具体的には、貯湯ユニット160は、貯湯槽を有しており、燃料電池151の運転(発電)によって生じる排熱によって、貯湯槽から供給される水を温める。詳細には、貯湯ユニット160は、貯湯槽から供給される水を温めて、温められた湯を貯湯槽に還流する。
HEMS200は、需要家10に設けられた情報機器(負荷、分散電源、蓄電装置又は蓄熱装置)を管理する制御装置である。
スマートメータ170は、電力供給量を計量する電力量計であり、電力事業者のサーバと通信を行う。
第1実施形態において、HEMS200は、PVユニット130、蓄電池ユニット140、燃料電池ユニット150及び貯湯ユニット160に信号線を介して接続されており、PVユニット130、蓄電池ユニット140、燃料電池ユニット150及び貯湯ユニット160を制御する。HEMS200は、信号線を介してスマートメータ170から電力供給量を示す情報(以下、電力供給量情報)を取得してもよい。HEMS200は、負荷120の動作モードを制御することによって、負荷120の消費電力を制御してもよい。HEMS200とこれらの機器とを接続する信号線は、無線であってもよく、有線であってもよい。
HEMS200は、広域ネットワーク60を介して各種サーバと接続される。後述する図2に示すように、広域ネットワーク60は、公衆通信回線の一例であり、例えば、インターネット、広域回線網、狭域回線網、携帯電話網等である。各種サーバは、例えば、系統から供給される電力の購入単価、系統から供給される電力の売却単価、燃料ガスの購入単価などの情報(以下、エネルギー料金情報)を格納する。
或いは、各種サーバは、例えば、負荷120の消費電力を予測するための情報を格納する。消費エネルギー予測情報は、例えば、過去の負荷120の消費電力の実績値に基づいて生成されてもよい。或いは、消費エネルギー予測情報は、負荷120の消費電力のモデルであってもよい。
或いは、各種サーバは、例えば、PV131の発電量を予測するための情報(以下、PV発電量予測情報)を格納する。PV発電予測情報は、PV131に照射される日射量の予測値であってもよい。或いは、PV発電予測情報は、天気予報、季節、日照時間などであってもよい。
(適用シーン)
以下において、第1実施形態に係る制御システムの適用シーンについて説明する。図2は、第1実施形態に係る制御システム100の適用シーンを示す図である。
図2に示すように、第1実施形態に係る制御システム100は、HEMS200、情報機器300、ルータ400、操作装置500及びサーバ600を有する。
HEMS200は、需要家10に設けられる情報機器300を管理する制御装置の一例である。HEMS200は、有線又は無線によってルータ400と接続されており、ルータ400を経由して、情報機器300、操作装置500及びサーバ600と通信を行う。
情報機器300は、負荷120、PVユニット130、蓄電池ユニット140、燃料電池ユニット150、貯湯ユニット160などのように、HEMS200によって制御される。
ルータ400は、需要家10に設けられた狭域ネットワーク70を構成する。ルータ400は、狭域ネットワーク70として、無線LANを構成してもよく、有線LANを構成してもよい。図2では、HEMS200とルータ400との間が有線で接続されており、情報機器300及び操作装置500とルータ400との間が無線で接続されるケースが例示されている。但し、HEMS200とルータ400との間が無線で接続されてもよく、情報機器300及び操作装置500とルータ400との間が有線で接続されてもよい。
操作装置500は、情報機器300の動作を指示する操作指示(以下、「操作指示」)を送信する操作装置である。操作装置500は、ルータ400又はHEMS200を経由せずに、情報機器300に対して直接的に操作を入力する操作装置(例えば、リモートコントローラ、或いは、情報機器300に設けられる操作ボタン)であってもよい。或いは、操作装置500は、狭域ネットワーク70に接続された操作装置(例えば、ルータ400に無線で接続された携帯端末、或いは、ルータ400に有線で接続されたパーソナルコンピュータ)であってもよい。狭域ネットワーク70に接続された操作装置は、ルータ400及びHEMS200を経由して、情報機器300に対して間接的に操作を入力する。或いは、操作装置500は、広域ネットワーク60に接続された操作装置(例えば、サーバ600にアクセス可能な携帯端末、或いは、サーバ600にアクセス可能なパーソナルコンとピュータ)であってもよい。広域ネットワーク60に接続された操作装置は、ユーザが所持する装置に限定されるものではなく、広域ネットワーク60上に設けられるサーバ(例えば、電力会社が管理するサーバ)であってもよい。このようなサーバから送信される操作指示としては、デマンドレスポンス等が考えられる。
図2においては、操作装置500として、情報機器300に対して直接的に操作を入力する操作装置500A、狭域ネットワーク70に接続された操作装置500B、広域ネットワーク60に接続された操作装置500Cが例示されている。操作指示がデマンドレスポンス等である場合には、操作装置500Cをサーバ600と同一視してもよいことに留意すべきである。
サーバ600は、広域ネットワーク60上に設けられており、広域ネットワーク60を介してHEMS200と接続する。サーバ600は、HEMS200下で管理される情報機器300に対する操作指示を生成し、HEMS200に送信する。あるいは、サーバ600は、広域ネットワーク60に接続された操作装置500Cから送信された操作指示を、HEMS200に中継する。
ここで、操作装置500Cがサーバ600に常時接続されているとは限らないことに留意すべきである。また、セキュリティの観点から、需要家10に設けられる狭域ネットワーク70に接続されたHEMS200とサーバ600とのセッションが常に維持されることは好ましくない。一般的には、狭域ネットワーク70に接続された装置を保護するために、広域ネットワーク60と狭域ネットワーク70との間にファイアウォールが設けられる。従って、サーバ600からHEMS200に対するアクセスを任意に行うことはできない。このような観点から、サーバ600は、HEMS200からサーバ600に対して定期的に実行される問合せに応じて、操作装置500Cから受信した操作指示をHEMS200に送信することが好ましい。
但し、実施形態は、これに限定されるものではない。例えば、ファイアウォールに対してポート解放等を行うことによって、サーバ600からHEMS200に対して、操作装置500Cから受け付ける操作指示を任意のタイミングで送信してもよい。
第1実施形態において、サーバ600は、操作装置500Cから送信された操作指示をHEMS200に中継する場合には、操作指示の送信元が操作装置500Cであることを示す情報を、操作指示とともにHEMS200に送信する。
(分電盤)
以下において、第1実施形態に係る分電盤について説明する。図3は、第1実施形態に係る分電盤110を示す図である。
図3に示すように、分電盤110は、サービスブレーカ111と、漏電ブレーカ112と、複数の分岐ブレーカ113とを備える。
サービスブレーカ111は、スマートメータ170と漏電ブレーカ112との間の電力線上に設けられる。サービスブレーカ111は、電力供給量が最大電力供給量を超えたことを検出すると、オン状態からオフ状態に切り替わる(トリップする)。
漏電ブレーカ112は、サービスブレーカ111と複数の分岐ブレーカ113との間の電力線上に設けられる。漏電ブレーカ112は、漏電を検出すると、オン状態からオフ状態に切り替わる。
複数の分岐ブレーカ113は、漏電ブレーカ112と複数の負荷120(情報機器300)との間で分岐した電力線上に設けられる。図3において、分岐ブレーカ113−1は、負荷120−1、負荷120−2、及び負荷120−3を含む負荷群の電力使用量が設定値(例えば、20A)を超えたことを検出すると、オン状態からオフ状態に切り替わる。同様に、分岐ブレーカ113−2及び分岐ブレーカ113−3も、接続された負荷120又は負荷群の電力使用量が設定値を超えたことを検出すると、オン状態からオフ状態に切り替わる。図3には、3つの分岐ブレーカ113が示されているが、分岐ブレーカ113の数は、これに限られないことは勿論である。
第1実施形態において、分電盤110は、センサ180をさらに備える。センサ180は、例えば電流計であり、サービスブレーカ111と複数の分岐ブレーカ113と間の電力線上に設けられる。
センサ180は、検出した電力値又は電流値に基づいて、需要家10における系統電力の使用量(以下、電力使用量)を計測する。ここで、センサ180は、電力使用量として、電力値(電力量値)又は電流値のいずれかを計測してもよく、あるいは、電力値及び電流値の両方を計測してもよい。センサ180は、PVユニット130、蓄電池ユニット140及び燃料電池ユニット150と接続される電力線よりも系統側に設けられているため、センサ180によって計測される電力使用量は、サービスブレーカ111によって検知される電力供給量(電流値)と等しい。
センサ180は、信号線を介してHEMS200と接続されており、電力使用量を示す情報(以下、電力使用量情報)を定期的にHEMS200に送信する。
(制御装置)
以下において、第1実施形態に係る制御装置について説明する。図4は、第1実施形態に係るHEMS200を示すブロック図である。
図4に示すように、HEMS200は、宅内通信部210と、宅外通信部220と、制御部230と、格納部240とを有する。
宅内通信部210は、例えばWiFiなどの近距離無線通信に対応し、狭域ネットワーク70を介して接続された装置と各種信号の送受信を行う。例えば、宅内通信部210は、PV131の発電量を示す情報をPVユニット130から受信する。宅内通信部210は、蓄電池141の蓄電量を示す情報を蓄電池ユニット140から受信する。宅内通信部210は、燃料電池151の発電量を示す情報を燃料電池ユニット150から受信する。宅内通信部210は、貯湯ユニット160の貯湯量を示す情報を貯湯ユニット160から受信する。また、宅外通信部220は、負荷120、PVユニット130、蓄電池ユニット140、燃料電池ユニット150及び貯湯ユニット160を制御するための信号を各装置に送信する。
第1実施形態において、宅内通信部210は、狭域ネットワーク70を介して、操作装置500Bから操作指示を受信する。
第1実施形態において、宅内通信部210は、狭域ネットワーク70を介して、情報機器300と、例えばECHONET Lite等の所定のプロトコルに準拠したコマンドの送受信を行う。宅内通信部210は、制御部230の制御下において、操作指示に対応する操作を設定するコマンドを、情報機器300に送信する。
第1実施形態において、宅内通信部210は、例えばセンサ180から、需要家10における系統電力の使用量を示す情報(以下、電力使用量情報)を定期的に受信する。電力使用量情報は、電力値(電力量値)又は電流値のいずれかの情報であってもよく、あるいは、電力値及び電流値の両方の情報であってもよい。
宅外通信部220は、例えばEthernet(登録商標)などの公衆通信方式に対応し、エネルギー料金情報、消費エネルギー予測情報及びPV発電量予測情報を、広域ネットワーク60を介して各種サーバから受信する。
宅外通信部220は、広域ネットワーク60を介して、例えばサーバ600と通信を行う。第1実施形態において、宅外通信部220は、広域ネットワーク60を介して、サーバ600から操作指示を受信する。サーバ600から受信した操作指示は、サーバ600が生成した操作指示、又は、操作装置500Cからサーバ600に送信され、サーバ600によって中継された操作指示である。
宅外通信部220は、操作装置500Cからサーバ600に送信され、サーバ600が保持する操作指示の問合せを、サーバ600に送信する。また、宅外通信部220は、サーバ600から受信した操作指示に対応する応答を、サーバ600に送信する。また、宅外通信部220は、後述するように、サーバ600から受信した操作指示に応じた制御を実行しなかった場合の指示拒否通知を、サーバ600に送信する。
制御部230は、HEMS200の動作を制御する。また、制御部230は、負荷120、PVユニット130、蓄電池ユニット140、燃料電池ユニット150及び貯湯ユニット160を制御する。
第1実施形態において、制御部230は、情報機器300の動作を制御する。HEMS200と情報機器300との間の通信がECHONET Lite方式で行われる場合には、制御部230は、ECHONET Lite方式に準拠したフォーマットで、操作指示に対応する操作を設定するコマンド(SETコマンド)を生成し、宅内通信部210を介して情報機器300に送信する。あるいは、制御部230は、操作指示の送信経路を示す送信経路特定情報をコマンドに含めてもよい。
第1実施形態において、制御部230は、以下のように、他の装置から送信された操作指示の送信経路を特定する。他の機器は、操作装置500B、サーバ600、又は操作装置500Cである。
操作装置500Bから送信された操作指示は、ルータ400を経由してHEMS200に送信される。一方で、操作装置500Cから送信された操作指示は、サーバ600及びルータ400を経由して、HEMS200に送信される。従って、制御部230は、操作指示の送信元IPアドレスを確認し、操作指示がサーバ600を経由していない場合には、操作指示の送信元が操作装置500Bであると特定する。
一方、操作指示がサーバ600を経由している場合には、制御部230は、操作指示と併せて受信した操作指示の送信元を示す情報を確認し、操作指示の送信元がサーバ600又は操作装置500Cのいずれであるかを特定する。
格納部240は、制御部230が、負荷120、PVユニット130、蓄電池ユニット140、燃料電池ユニット150及び貯湯ユニット160を制御するために必要な情報を格納する。
第1実施形態において、制御部230は、センサ180から、電力使用量情報を定期的に取得する。
第1実施形態において、制御部230は、操作装置500Cから操作指示を受信した場合に、操作指示の内容と、需要家10における系統電力の使用量とに応じて、操作指示に応じた情報機器300の制御を行うか否かを決定する。
詳細には、制御部230は、他の装置から操作指示を受信すると、操作指示の送信経路を特定する。操作指示が操作装置500C以外の装置(すわなち、操作装置500B又はサーバ600)から送信された場合には、制御部230は、操作指示に対応する操作を設定するコマンドを、情報機器300に送信する。一方、操作指示が操作装置500Cから送信された場合には、制御部230は、操作指示に応じて情報機器300を制御した場合における電力使用量の予測値(以下、予測使用量)を算出する。このとき、制御部230は、後述する格納部240に格納された情報機器300の消費電力を示す消費電力情報と、電力供給量情報とに基づいて、予測使用量を算出する。
第1実施形態において、制御部230は、予測使用量が閾値を上回る場合には、操作指示に応じた情報機器300の制御を行わないことを決定する。制御部230は、予測使用量が閾値を下回る場合には、操作指示に対応する操作を設定するコマンドを情報機器300に送信する。閾値は、例えば、最大電力供給量に基づいて設定される。
制御部230は、予測使用量が閾値を上回る場合に、操作指示の実行を拒否したことを、操作装置500Cに通知する。具体的には、制御部230は、操作指示の実行を拒否したことを示す指示拒否通知を、宅外通信部220を介してサーバ600に送信する。制御部230は、指示拒否通知と併せて、予測使用量の閾値に対する超過量を示す情報をサーバ600に送信してもよい。サーバ600は、指示拒否通知と超過量を示す情報とを、広域ネットワーク60を介して操作装置500Cに送信する。
格納部240は、情報機器300の制御及び管理に必要な情報を格納する。
第1実施形態において、格納部240は、情報機器300の消費電力を示す消費電力情報を格納する。情報機器300の消費電力は、例えば、出荷時に設定された定格消費電力であってもよく、又は、情報機器300の運転時に計測した消費電力であってもよい。
(制御方法)
以下において、第1実施形態に係る制御方法について説明する。図5〜図6は、第1実施形態に係る制御方法を示すシーケンス図である。図5〜図6は、HEMS200が操作装置500Cから操作指示を受信したケースについて例示する。また、図5〜図6は、HEMS200と情報機器300との通信がECHONET Liteに準拠した方式で行われるケースについて例示する。
図5に示すように、ステップS110において、HEMS200は、情報機器300の消費電力情報を格納する。例えば、HEMS200は、情報機器300が狭域ネットワーク70に接続される際に、情報機器300の機器ID等の情報と共に、消費電力情報を取得してもよい。あるいは、HEMS200は、情報機器300の運転時に計測された消費電力を、消費電力情報として格納してもよい。
ステップS120において、HEMS200は、センサ180から、電力使用量情報を取得する。HEMS200は、取得した電力使用量情報に基づいて、格納した電力使用量情報を更新する(ステップS130)。ステップS120及びステップS130の処理は、定期的に実行される。
ステップS140において、操作装置500Cは、操作指示をサーバ600に送信する。サーバ600は、受信した操作指示をHEMS200に送信する(ステップS141)。
ステップS150において、操作指示を受信したHEMS200は、操作指示の送信経路を特定する。具体的には、HEMS200は、操作指示に含まれる送信経路特定情報に基づいて、操作指示の送信経路を特定する。すなわち、図5に示すケースにおいて、HEMS200は、操作指示の送信経路が操作装置500Cを含むことを特定する。
ステップS160において、HEMS200は、受信した操作指示に応じて情報機器300を操作した場合における予測使用量を算出する。例えば、HEMS200が、エアコンの電源オンを指示する操作指示を受信した場合には、エアコンの消費電力情報と、電力使用量情報とに基づいて、エアコンの電源オンを実行した場合の予測使用量を算出する。HEMS200は、予測使用量と、例えば、最大電力供給量に基づいて設定された閾値とを対比する(ステップS170)。
図5は、予測使用量が閾値以下であるケースについて説明する。HEMS200は、操作指示に対応する操作を設定するコマンド(SETコマンド)を生成し、情報機器300に送信する(ステップS180)。SETコマンドを受信した情報機器300は、SETコマンドに対応する操作指示を実行する(ステップS190)。また、情報機器300は、SETコマンドに対するSET応答コマンドを、HEMS200に送信する(ステップS200)。HEMS200は、情報機器300が操作指示を実行した旨を通知する実行通知をサーバ600に送信し(ステップS201)、実行通知を受信したサーバ600は、操作装置500Cに実行通知を送信する(ステップS202)。
次に、図6を参照して、予測使用量が閾値を上回るケースについて説明する。図6において、ステップS110〜ステップS170の処理は、図5と共通である。
ステップS175において、HEMS200は、予測使用量の閾値に対する超過量を算出する。HEMS200は、操作指示の実行を拒否した旨と、予測使用量の閾値に対する超過量とを示す指示拒否通知をサーバ600に送信し(ステップS211)、指示拒否通知を受信したサーバ600は、操作装置500Cに指示拒否通知を送信する(ステップS212)。
以上説明したように、HEMS200は、操作装置500Cから操作指示を受信した場合、操作指示の内容と、電力使用量とに応じて、操作指示に応じた情報機器300の制御を実行するか否かを決定する。具体的には、HEMS200は、操作指示が操作装置500Cから送信された場合には、予測使用量の算出を行う。予測使用量が閾値を上回る場合には、HEMS200は、操作指示に応じた制御を行わないことを決定する。
操作指示が操作装置500Cから送信された場合、操作者は需要家10の外にいることが想定される。操作装置500Cから送信された操作指示によって、電力使用量(電力供給量、すなわち電力購入量)が最大電力供給量を超過すると、サービスブレーカ111がトリップし、需要家10に対する系統電力の供給が停止する。このようなケースにおいて、需要家10の外にいる操作者はサービスブレーカ111をオン状態に戻すことができず、需要家10に対する系統電力の供給を再開させることができない。そこで、HEMS200は、操作装置500Cから操作指示を受信した場合には、予測使用量が最大電力供給量を超えないことを確認した上で情報機器300の制御を行うことにより、サービスブレーカ111がトリップして系統電力の供給が停止することを防止することができる。
[その他の実施形態]
本発明は上述した実施形態によって説明したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、この発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
実施形態では、HEMS200が操作装置500Cから広域ネットワーク60を介して操作指示を受信する例を説明した。しかしながら、実施形態は、これに限定されるものではなく、HEMS200は、操作装置500Bから無線LANなどによって構築された需要家内で使用される狭域ネットワーク70を介して操作指示を受信した場合に、操作指示の内容と、需要家10における系統電力の使用量とに応じて、操作指示に応じた情報機器300の制御を行うか否かを決定してもよい。
実施形態では、HEMS200は、予測使用量と閾値とを比較する際に、電力値をベースに比較しているが、もちろん電流値をベースとして比較を行ってもよい。
実施形態では、所定の通信プロトコルとして、ECHONET Liteを例示した。しかしながら、実施形態は、これに限定されるものではなく、所定の通信プロトコルとして、ECHONET Lite以外の通信プロトコル(例えば、ZigBee(登録商標)又はKNX等)を用いてもよい。あるいは、所定の通信プロトコルとして、ECHONET Liteと他の通信プロトコルとを組み合わせて用いてもよい。
実施形態では、制御装置がHEMS200であるケースを例示した。しかしながら、実施形態は、これに限定されるものではない。制御装置は、CEMS(Cluster/Community Energy Management System)に設けられていてもよく、サーバ600に設けられていてもよい。或いは、制御装置は、BEMS(Building Energy Management System)に設けられていてもよく、FEMS(Factory Energy Management System)に設けられていてもよく、SEMS(Store Energy Management System)に設けられていてもよい。
実施形態では、需要家10は、負荷120、PVユニット130、蓄電池ユニット140、燃料電池ユニット150及び貯湯ユニット160を有する。しかしながら、需要家10は、情報機器300として、少なくとも負荷120を有していればよい。
実施形態では、HEMS200は、センサ180から電力使用量情報を取得する。しかしながら、実施形態は、これに限定されるものではない。HEMS200は、例えばスマートメータ170から電力供給量情報を取得し、予測使用量の算出に用いてもよい。
実施形態では、センサ180は、サービスブレーカ111と複数の分岐ブレーカ113との間の電力線上に設けられる。しかしながら、実施形態は、これに限定されるものではない。例えば、センサ180は、分岐ブレーカ113毎に分岐した電力線上に設けられてもよい。このようなケースにおいては、HEMS200は、分岐ブレーカ113をトリップさせないように、操作装置500Cから受信した操作指示に応じた情報機器300の制御を行うか否かを決定してもよい。
実施形態では、操作指示が操作装置500Cから送信された場合に、HEMS200が予測使用量の算出を行う。しかしながら、操作指示に応じた制御を行っても電力使用量が増加しないことが明らかである場合には(例えば、情報機器300の電源オフ指示又は状態参照要求指示)、HEMS200は、予測使用量の算出を行うことなく、操作指示に応じた情報機器300の制御を行うことを決定してもよい。