JP6954213B2 - 充填部材、組電池及び熱伝達の制御方法 - Google Patents
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Description
組電池を構成する単電池のうちのいずれか一つを第1の単電池とした場合に、前記第1の単電池から発せられる熱が前記充填部材及び前記冷却部材を介して前記第1の単電池に隣接する第2の単電池へ移動する場合の前記充填部材の熱移動感度Sが以下の式1により定義され、
前記充填部材の熱移動感度S[W/K]=
前記充填部材の熱伝導率k[W/m・K]×前記充填部材と前記第1及び第2の単電池との接触面積A[m2]/前記充填部材の厚みd[m]・・・(式1)
前記第1の単電池の温度が異常発熱状態の温度以上となった場合における熱移動感度が以下の式2を満たす、
0.5 ≦ S ≦ 4.0 ・・・(式2)
ことを特徴とする充填部材。
組電池を構成する単電池のうちのいずれか一つを第1の単電池とした場合に、第1の単電池から発せられる熱が充填部材及び冷却部材を介して第1の単電池に隣接する第2の単電池へ移動する場合の充填部材の熱移動感度Sが以下の式1により定義され、
充填部材の熱移動感度S[W/K]=
充填部材の熱伝導率k[W/m・K]×充填部材と第1及び第2の単電池との接触面積A[m2]/充填部材の厚みd[m]・・・(式1)
第1の単電池の温度が異常発熱状態の温度以上となった場合における熱移動感度Sが以下の式2を満たす、
0.5 ≦ S ≦ 4.0 ・・・(式2)
ことを特徴とする。
図1は、本発明の実施の形態に係る充填部材及び冷却部材の構成を説明するとともに、充填部材の熱移動感度を説明する図である。図1を用いて、充填部材10の熱移動感度Sを説明する。熱移動感度Sとは、組電池100を構成する第1の単電池200a(セル#1ともいう)と第1の単電池200aと異なる第2の単電池200b(セル#2ともいう)とが充填部材10と接触しており、第1の単電池200aから発せられた熱が第2の単電池200bに移動する際に、充填部材10と第1の単電池200a及び第2の単電池200bとの接触部分を経由して移動する熱量の程度を示す尺度である。
q1 = k(T1−T2)/d [W/m2] ・・・(3)
q2 = k(T3−T4)/d [W/m2] ・・・(4)
q2 ≒ k(T2−T4)/d [W/m2] ・・・(4−2)
Q1 = A × q1 =Ak(T1−T2)/d [W] ・・・(5)
Q2 = A × q2 =Ak(T2−T4)/d [W] ・・・(6)
Q1 = S × (T1−T2)[W] ・・・(7)
Q2 = S × (T2−T4)[W] ・・・(8)
S = Q1/(T1−T2) = Q2/(T2−T4)
= Ak/d [W/K] ・・・(9)
本発明の実施形態に係る組電池100について説明する。組電池100は、例えば、電気自動車(EV、Electric Vehicle)、ハイブリッド電気自動車(HEV、Hybrid Electric Vehicle)、プラグインハイブリッド電気自動車(PHEV、Plug−in Hybrid Electric Vehicle)、電動重機、電動バイク、電動アシスト自転車、船舶、航空機、電車、無停電電源装置(UPS、Uninterruptible Power Supply)、家庭用蓄電システム、風力/太陽光/潮力/地熱等の再生可能エネルギーを利用した電力系統安定化用蓄電池システム等に搭載される電池パックに適用される。但し、組電池100は、上述のEV等以外の機器に電力を供給する電力源としても使用し得る。
図4は組電池100を構成する単電池200の一例を示す図であり、図5は図4に示した単電池200の正面図であり、図6は、単電池200の右側面図である。図4、図5及び図6に示す一例において、単電池200は、高さ方向(H)、幅方向(W)、厚み方向(D)を有する直方体状に形成されており、その上面に端子210、端子220が設けられている。単電池200は、例えば、リチウムイオンを吸蔵・放出可能な正極及び負極、並びに電解質を備えるリチウムイオン二次電池である。リチウムイオン二次電池以外に、リチウムイオン全固体電池、ニッケル水素電池、ニッケルカドミウム電池、鉛蓄電池等の二次電池を適用し得る。
図2及び図3において、組電池100は、筐体300と筐体300内に収容された複数の単電池200とを含む。複数の単電池200は、その厚み方向“D”(図2の左右方向)に一列に並べて配置され、単電池200の間に仕切り部材1が介装されている。筐体300は、配列された複数の単電池200の側方を囲むように設けられた側板300a、3
00b、300c及び300dを有する。側板300a及び側板300bには、図示しない治具などを用いて両者間の距離が縮まるように圧力がかけられ、側板300a及び側板300bに挟まれた各単電池200はその厚み方向に圧力(拘束圧)がかけられた状態で保持される。なお、図2及び図3では、一例として5個の単電池200が例示されているが、単電池の数は適宜選択可能である。また、図2及び図3の例では、組電池100は端子210及び端子220が上方を向くように配置される例を示しているが、組電池100は端子210及び端子220が側方を向くように配置されてもよい。
仕切り部材1は、図7に示すように、高さ方向(H)、幅方向(W)及び厚み方向(D)を有する平行平板状、或いはシート状の全体形状を有する。仕切り部材1は、その厚み方向(D)において、組電池100を構成する単電池200の間、又は単電池200と単電池200以外の部材とを仕切るために使用される。仕切り部材1は、断熱材110等で構成することができる。また、仕切り部材1の厚みは、単電池200の厚みがL[mm]である場合に、通常、L/50mm以上L/10mm以下 の範囲であり、好ましくは、L/30mm以上L/15mm以下の範囲である。
断熱材110は、多孔質体材料等で形成される。多孔質体は、例えば、繊維質(繊維状無機物ともいう)や粒子(粉状無機物ともいう)から形成されているものを例示することができる。断熱材110は、例えば、繊維質や粒子を押し固める等の所定の成型技術を用いて形成することができる。
図3に示すように、筐体300の底部には、冷却部材(冷却装置ともいう)400が配置されている。複数の単電池200の夫々の底面は、平行平板状の充填部材10の上面(面10a:第1の面に相当)と接触し、充填部材10の下面(面10b:第2の面に相当)の一部ないし全面は、冷却部材400と接している。各単電池200からの熱は、充填
部材10を介して冷却部材400へ伝達可能となっている。
ここで、組電池100における発熱及び熱移動について説明する。単電池200を構成する電極や電解液等を構成する化学物質の一部ないし全てが、単電池200内部で発熱を伴いながら分解反応を起こすことにより、単電池200の温度が上昇し、単電池200の一部ないし全領域が200℃以上になる場合がある。即ち、単電池200が異常発熱状態となる場合がある。
の最前線 シーエムシー出版、P.90)。
本実施形態に係る組電池100では、複数の単電池200のうちの一つの単電池200(例えば単電池200a(セル#1))が異常発熱状態になった場合に、セル#1から発せられる熱の一部は、充填部材10を介して冷却部材400に伝達される。
このため、実施形態に係る充填部材10は、一例として、図1に示した構成を備える。本実施形態では、充填部材10は、平行平板状に形成され、その厚み方向は、仕切り部材1の高さ方向(H)に配置され、充填部材10の面方向は、仕切り部材1の厚み方向(D)に配置されている。また、充填部材10は、その面方向に沿った第1の面に相当する面10a及び第2の面に相当する面10bを有する。充填部材10は、面10aにおいて、組電池100を構成する第1及び第2の単電池200a,200bと接触する。また、充填部材10は、面10bにおいて、第1及び第2の単電池200a,200bを冷却可能な冷却部材400と接触する。
次に実施例により本発明に係る充填部材の具体的態様を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。
充填部材10に熱伝導率2.0W/m・Kの材料を用い、膜厚は1mmとした。セル#1に異常が発生してから152秒後に、セル#2内部の最高温度が212.4℃に到達するものと推算された。この場合の充填部材10の熱移動感度Sは7.84W/Kであった。
充填部材10に熱伝導率1.0W/m・Kの材料を用い、膜厚は1mmとした。セル#1に異常が発生してから168秒後に、セル#2内部の最高温度が208.7℃に到達するものと推算された。この場合の充填部材10の熱移動感度Sは3.92W/Kであった。
充填部材10に熱伝導率0.8W/m・Kの材料を用い、膜厚は1mmとした。セル#1に異常が発生してから168秒後に、セル#2内部の最高温度が207.9℃に到達するものと推算された。この場合の充填部材10の熱移動感度Sは3.13W/Kであった。
充填部材10に熱伝導率0.6W/m・Kの材料を用い、膜厚は1mmとした。セル#1に異常が発生してから175秒後に、セル#2内部の最高温度が207.1℃に到達するものと推算された。この場合の充填部材10の熱移動感度Sbは2.35W/Kであった。
充填部材10に熱伝導率0.4W/m・Kの材料を用い、膜厚は1mmとした。セル#1に異常が発生してから188秒後に、セル#2内部の最高温度が207.3℃に到達するものと推算された。この場合の充填部材10の熱移動感度Sは1.57W/Kであった。
充填部材10に熱伝導率0.2W/m・Kの材料を用い、膜厚は1mmとした。セル#1に異常が発生してから179秒後に、セル#2内部の最高温度が208.1℃に到達するものと推算された。この場合の充填部材10の熱移動感度Sは0.78W/Kであった。
充填部材10に熱伝導率0.1W/m・Kの材料を用い、膜厚は1mmとした。セル#1に異常が発生してから208秒後に、セル#2内部の最高温度が211.0℃に到達するものと推算された。この場合の充填部材10の熱移動感度Sは0.39W/Kであった。
10 充填部材
10a、10b 面
100 組電池
110 断熱材
200 単電池
300 筐体
400 冷却部材
Claims (5)
- 厚み方向と前記厚み方向に直交する面方向とを有し、前記面方向に沿った第1の面と第2の面とを有し、前記第1の面において組電池を構成する複数の単電池と接触するとともに、前記第2の面において単電池を冷却可能な冷却部材と接触する充填部材であって、
組電池を構成する単電池のうちのいずれか一つを第1の単電池とした場合に、前記第1の単電池から発せられる熱が前記充填部材及び前記冷却部材を介して前記第1の単電池に隣接する第2の単電池へ移動する場合の前記充填部材の熱移動感度Sが以下の式1により定義され、
前記充填部材の熱移動感度S[W/K]=
前記充填部材の熱伝導率k[W/m・K]×前記充填部材と前記第1及び第2の単電池との接触面積A[m2]/前記充填部材の厚みd[m]・・・(式1)
前記第1の単電池の温度が異常発熱状態の温度以上となった場合における熱移動感度が以下の式2を満たす、
0.5 ≦ S ≦ 4.0 ・・・(式2)
ことを特徴とする充填部材。 - 前記充填部材の厚み方向における熱伝導率が2.0×10−2W/m・K以上50.0W/m・K以下である、請求項1に記載の充填部材。
- 前記充填部材の厚みが5.0×10−5m以上5.0×10−2m以下である、請求項1又は2に記載の充填部材。
- 請求項1から3のいずれか1項に記載の充填部材を含む組電池。
- 請求項1から3のいずれか1項に記載の充填部材の熱移動感度Sが前記式1を満たして前記第1の単電池から前記充填部材を介して伝わる熱量を抑制する
ことを含む熱伝達の制御方法。
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