JP6950914B2 - 受光応答装置 - Google Patents

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Description

本発明は、受光の有無や強度を感知する光センサ、受光により作動するアクチュエータなどとして利用することが期待できる受光応答装置に関するものである。
生活や医療現場などにロボットが進出するにあたって、アクチュエータの小型化、ソフト化が求められている。人や生体に親和性のあるアクチュエータとして、液晶、高分子、ゲルなどのソフトマテリアルを用いた新規アクチュエータの開発が望まれている。
そのうち液晶を利用したものとしては、液晶の熱特性を用い、温度勾配のある基板上に液晶フィルムを設置した場合に、高温側から低温側へと液晶内で微小物体を駆動できる技術が報告されている(特許文献1,2、非特許文献1参照)。
特開2010−197685号公報 特開2012−071300号公報
Y.-K. Kim, B. Senyuk, O. D. Lavrentovich, Nature Comm., (2012) 3,1133.
従来技術において熱特性を用いた液晶中での微粒子駆動では、サーモプレート上に液晶フィルムを配置し、外部からの温度制御によって液晶フィルム内に温度勾配を生じさせ、温度勾配による密度の空間勾配を生じさせることで、微粒子を駆動していた。そのため、駆動には外部温度制御装置が必要であるため小型化することが出来ず、また装置によって規定される一方向にしか微粒子を駆動できなかった。さらに微小領域で密度勾配を生じさせることが難しいため(サーモプレートを用いるため大域的な温度勾配/密度勾配になるため)、微小な運動を取り出すのは難しかった。
本発明は、上述のような従来技術やその問題点を背景としてなされたものであり、受光の有無や強度を感知する光センサや受光により作動するアクチュエータなどとして利用が期待できる新奇な受光応答装置を提供することを課題とする。
本発明者は、上記の課題の下、種々の液晶装置について検討した結果、液晶材料収容部材と受光昇温部材とを組み合わせ、受光昇温部材に光照射することにより液晶材料中の粒子や液晶材料の液面を移動させることが可能であることなどを知見して、本発明を完成するに至った。
本発明は、上記のような知見に基づくものであり、この出願によれば、以下の発明が提供される。
<1>ネマチック状態の液晶材料を収容する液晶材料収容部材と、受光して昇温し隣接する液晶材料を昇温する受光昇温部材とを具備し、受光昇温部材が受光した際に液晶材料中に含まれる粒子及び/又は液晶材料の表面が移動する受光応答装置において、液晶材料収容部材が液晶材料を収容する主収容部と、主収容部と一端側が連通する細管と、細管内の液晶材料及び/又は粒子の主収容部側への移動を防ぐ逆方向移動防止手段を備える、受光応答装置。
<2>前記細管内の液晶材料表面と連動する物体を備える、<1>に記載の受光応答装置。
<3>前記収容部が略平行な2平面を含む平板状である<1>に記載の受光応答装置。
<4>前記受光昇温部材が前記液晶材料収容部材に設けられた受光昇温膜状物である、<1>に記載の受光応答装置。
<5>前記受光昇温部材が前記液晶材料収容部材の前記平面を形成する部材に設けられた受光昇温膜状物である<3>に記載の受光応答装置。
<6>前記受光昇温部材が前記液晶材料中に混合されたものである<1>に記載の受光応答装置。
<7><1>〜<6>のいずれか1項に記載の記載の受光応答装置を含み、前記受光昇温部材が受光した際に前記液晶材料中に含まれる粒子の移動及び/又は前記液晶材料の表面の移動により、受光の有無及び/又は受光強度を感知する光センサ。
本発明は、次のような態様を含むことができる。
<11>前記受光昇温膜状物がポリイミドフィルム又はITOである<6>又は<7>に記載の受光応答装置。
<12>前記液晶材料中に混合された受光昇温部材が色素、遷移金属窒化物ナノ粒子、炭素ナノ粒子、金属ナノ粒子等から選択されるものである<8>に記載の受光応答装置。
<13>前記細管の他端側は、大気と連通するか、又は、密封されている<3>又は<4>に記載の受光応答装置。
<14>前記逆方向移動防止手段は、逆止弁又は細管通路の細径部からなる<4>に記載の受光応答装置。
<15>前記液面と連動する物体が水銀及び/又は摺動固体である<5>に記載の受光応答装置。
<16>前記摺動固体は、細管内面との接触及び/又は摩擦により前記液晶材料収容部側への移動が防止されるものである<15>に記載の受光応答装置。
<17>前記摺動固体は磁性材料を含むものである<16>に記載の受光応答装置。
<18>前記摺動固体は、柱状、球状、長球状、又は、樽状等である<16>又は<17>に記載の受光応答装置。
本発明によって提供される受光応答装置は、液晶材料を収容する液晶材料収容部材と、受光して昇温し隣接する液晶材料を昇温する受光昇温部材とを具備し、前記受光昇温部材が受光した際に、前記液晶材料中に含まれる粒子及び/又は前記液晶材料の表面が移動するという応答性を示す新奇のものである。
本発明の受光応答装置は、受光の有無や強度を感知する光センサや受光により作動するアクチュエータなどとして利用が期待できるものである。
本発明の実施例1の受光応答装置例1(sample)において、水平の粒子移動を観察するためのセッティング概略図。 本発明の実施例1の受光応答装置例1の拡大図。上下の基板に挟まれた部分が液晶材料を示す。液晶材料中の粒子をわかりやすいようにスケールアップして描画している。 本発明の実施例2の受光応答装置例2において、液晶材料液面又は粒子の垂直の移動を観察するためのセッティング概略図。 本発明の実施例5の受光応答装置例4において、830nmの赤外光レーザーを照射した時の粒子の動きを1秒ごとのスナップショットとして上から下へ順に示す写真。上から1番目は照射開始直後を、上から6番目は照射停止直後を、それぞれ示す。スケールバーは10μm。
本発明の受光応答装置は、液晶材料を収容する液晶材料収容部材と、受光して昇温し隣接する液晶材料を昇温する受光昇温部材とを具備し、前記受光昇温部材が受光した際に、前記液晶材料中に含まれる粒子及び/又は前記液晶材料の表面が移動するという応答性を示す新奇のものである。
前記液晶材料中に含まれる粒子及び/又は前記液晶材料の表面が移動するという応答性を利用することにより、本発明の受光応答装置は、受光の有無や強度を感知する光センサや受光により作動するアクチュエータなどとして利用することが期待できる。
本発明の受光応答装置に用いる液晶材料は、作動時の環境温度においてネマチック(nematic)状態にあるものであれば良く、限定するものではないが、例えば、5CB(4-Cyano-4’-pentylbiphenyl)、MBBA(N-(4-Methoxybenzylidene)-4- butylaniline)、7CB(4-Cyano-4'-heptylbiphenyl)、5-OCB(4-Pentyloxy-[1,1'-biphenyl]-4'-carbonitrile)等を用いることができる。Weissら(S. Weiss, G. Ahlers, J. Fluid Mech. 2013, 737, 308-328.)の知見によれば、液晶材料は、熱による体積膨張率がネマチック−アイソトロピック転移点に向かって発散するような挙動を示すので、効果的な受光応答性を得るには、ネマチックーアイソトロピック転移点が作動時の環境温度より1〜30℃(好ましくは5〜20℃)程度高いものを選択するのが望ましい。液晶材料がネマチックである作動時の環境温度は、室温(10〜30度程度)であることが好ましいが、室温に限定されない。
なお、本発明において、「ネマチック状態の液晶材料」とは、ネマチック相が存在する液晶材料を意味する。そして、ネマチック状態である限り、パラレル配向、ランダム配向、垂直配向などに配向していても良い。また、本発明において、「ネマチック−アイソトロピック転移点」とは、ネマチック性が消失し液晶材料が全体的にアイソトロピック性となる温度を意味し、光学顕微鏡や示差走査熱量測定(DSC)、X線散乱等を用いてその温度を測定することができる。
本発明の受光応答装置において、受光により液晶材料中に含まれる粒子を移動させる場合には、分散、混合等の適宜の手段により粒子を液晶材料中に含ませる必要がある。粒子は、液晶材料中に均一に分散、混合しても良いが、一部の液晶材料中(例えば、細管内部の液晶材料中)にだけ分散、混合しても良い。粒子は、受光昇温部材の受光昇温による隣接する液晶材料の昇温に伴って移動可能で、かつ、液晶材料収容部材の外部から観察可能なものであれば良い。また、粒子は、重力作用下で液晶材料中を沈降や浮上しないように、使用する液晶材料と大きく比重が異ならないものが好ましい(液晶材料に対し比重の値が0.5〜3.5倍程度、より好ましくは0.8〜3倍程度のもの)。そのような粒子としては、限定するものではないが、直径が1〜50μm(好ましくは5〜30μm)程度の好ましくは球状で、シリカ、ポリエチレン等の無機材料、PDMS(dimethylpolysiloxane)等の樹脂材料、などの材料から形成されたものが挙げられる。
本発明の受光応答装置における液晶材料収容部材は、限定するものではないが、液晶材料収容部が略平行な2平面を含む平板状部を備えるもの、液晶材料を収容する主収容部と、前記主収容部と一端側が連通する細管とを備えるもの、などとすることができる。前記主収容部は、形状、構造が限定されず、円柱状、角柱状等の柱状、平板状などのどのような形状であっても良い。主収容部と一端側が連通する細管は、該細管内の液晶材料及び/又は粒子の主収容部側への移動を防ぐ逆方向移動防止手段を備えることもできる。そのような逆方向移動防止手段を備えることにより、受光を受けたことや受けた最大の受光強度を保存することが出来る。該逆方向移動防止手段としては、逆止弁、所定以下の圧力では液晶材料が通過できない細径部(留点)、液晶材料が通過可能で粒子が通過できない粒子止め細径部などとすることができる。該逆方向移動防止手段は、その防止機能を一時的に無効化して細管内の液晶材料及び/又は粒子が主収容部側へ戻るように構成することが繰り返し使用の点で望ましい。例えば、逆止弁や細径部(留点)を構成する材料を加熱変形性材料製(例えば、PNIPAAm(Poly(N-isopropylacrylamide))などの樹脂材料)とすることにより加熱時に一時的に弁を開放変形したり、細径部の径を拡大変形するようにしたりして細管内の液晶材料及び/又は粒子を主収容部側へ戻すように構成することができる。
また、細管内の液晶材料の表面と連動する物体の移動により受光の有無や強度を感知する場合、そのような物体としては、水銀及び/又は摺動固体が挙げられる。水銀と摺動固体を併用する場合、細管内壁と摺動固体周面との間に多少の間隙が存在しても、液晶材料と摺動固体の間の水銀は、液晶材料が摺動固体側へ移動するのを防止するとともに、液晶材料の表面とともに連動し、摺動固体を摺動、移動させることができる。
細管内の液晶材料表面と連動する物体として、水銀を用いずに摺動固体だけを用いる場合、液晶材料が細管内壁と摺動固体周面との間を通り抜けないような構造(例えば、周面にシール部を有するピストン状構造など)とする必要がある。
細管内の液晶材料が主収容部側へ戻る際、摺動固体が液晶材料の表面と連動して主収容部側へ戻らないように、細管内壁と摺動固体周面との接触乃至接触摩擦を設定することができる。その場合、細管内壁と摺動固体周面との接触乃至接触摩擦にも拘らず摺動固体を磁力等の外力で液晶材料の表面側へ移動させるようにすることもできる。磁力による外力で摺動固体を移動させる場合、摺動固体は磁性材料を含む構造とすることができる。
前記摺動個体は、その形状は限定されず、例えば、柱状、球状、長球状、樽状(バレル状)などとすることができる。
本発明の受光応答装置における受光して昇温し隣接する液晶材料を昇温する受光昇温部材は、所定の波長の光を吸収する光熱変換機能を有する材料を含む。そのような光熱変換機能を有する材料としては、限定するものではないが、紫外光を吸収するポリイミド、赤外光を吸収する酸化インジウムスズ(ITO)、遷移金属窒化物や炭素のナノ粒子、金属ナノ粒子などが挙げられる。受光昇温部材は、光熱変換機能を有する材料のみから形成されたものでも良いが、これらから選択される1種以上の材料を含む複合材料であっても良い。
前記受光昇温部材は、前記液晶収容部の前記平面を形成する部材などの液晶材料収容部材に設けられる膜状物、前記液晶材料中に分散した分散質(分散粒子)、等の形態とすることができる。上述のように、受光昇温膜状物の受光により液晶材料中の粒子を移動するよう構成する場合、該粒子の外部からの観察が容易となるように、受光昇温膜状物を透視可能な材料製とすることが望ましい。前記液晶収容部を平板状とし、その対面する両平面を一対の受光昇温膜状物で構成する場合、前記液晶材料と接する面を予めラビングしておいて、収容する液晶材料をパラレル配向状態とすることが効果的な粒子移動のために好ましい。
前記受光昇温部材としての前記分散質(分散粒子)は、液晶収容部材の外部から観察可能なものから選択すると、移動が観察される粒子として利用(兼用)することもできる。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。本発明の内容はこの実施例に限定されるものではない。
(実施例1:平板状の液晶材料収容部を備えた受光応答装置例1)
液晶材料としての5CB(4-Cyano-4’-pentylbiphenyl, ネマチック-アイソトロピック転移点は約35℃、和光純薬)中に粒子としての直径10μmのシリカ(SiO2)ビーズ(和光純薬)を混合し、これを自作液晶セルに挿入した。自作液晶セルの作製法は以下のとおりである。2枚のカバーガラス(22×40mm, Matsunami)のそれぞれの片面に、ポリアミック酸(Poly(pyromellitic dianhydride-co-4,4’-oxydianiline), シグマアルドリッチ)のNMP(N-methylpyrrolidone, シグマアルドリッチ)溶液をスピンコート(4000rpm, 90s)して、薄膜を形成した。次に、このガラスを180℃で3時間インキュベートし、ポリアミック酸を重合させて受光昇温膜状物としてのポリイミド膜とした。このようにしてできたポリイミド膜をラビングし、反平行(anti-parallel、ラビング処理方向が平行でかつ向きが反対)に上下に対面させて組み合わせ、厚さ80μmのスペーサーをはさんで固定した。
約25℃の室温下、この自作液晶セル(図1中においてsampleとして表示)に、粒子を混合した液晶材料を挿入し、デジタル顕微鏡(VW9000, キーエンス、図1中において、camera、lenseとして表示)を用いて観察した(図1参照)。観察光は光源(light source)からの可視光をデジタル顕微鏡と反対側から自作液晶セルに対しほぼ垂直に透過させ、この透過光によっては液晶材料内に分散した粒子が動かないことを確認した。次に、この液晶セルの斜め上方から波長が365nmのLED光(150mW/cm2, 浜松ホトニクス)を5秒間照射し、粒子の動きを上記デジタル顕微鏡(30fps)で観察した。その結果、図2に示すように、5秒間のLED光照射により粒子が矢印のようにLED光から遠ざかる方向へ並進移動したこと、光照射を停止すると元の位置に戻ろうとしたことが観察された(なお、粒子はわかりやすいようにスケールアップして描画している。)。また、粒子の移動距離は、LED光の光強度に比例して変化した。
(実施例2:液晶材料の主収容部に一端が連通した細管を備えた受光応答装置例2)
液晶材料主収容部を構成するものとしてのポリイミド大径チューブ(内径1mm, 長さ約3cm,古川電工)を用意し、その一端側に細管としてのポリイミド小径チューブ(内径0.2mm,長さ10cm, 古川電工)の一端を挿入し、接着剤で固定した。液晶材料5CB(4-Cyano-4’-pentylbiphenyl, 和光純薬)中に粒子としての直径10μmのシリカ(SiO2)ビーズ(和光純薬)を混合したものを、ポリイミド大径チューブに挿入した。その後、ポリイミド小径チューブが挿入されていない方のポリイミド大径チューブの端をPDMSと硬化剤を混合して作製したPDMSエラストマーに差し込んで固定して受光応答装置例2を作製した。用いたPDMSは、シルポット(ダウコーニング社)と硬化剤を10:1の比で混合したものである。
約25℃の室温下、真横から受光昇温部材としてのポリイミド大径チューブ部分に365nmのLED光(150mW/cm2, 浜松ホトニクス)を20秒照射し、ポリイミド小径チューブ部分を上昇してくる液晶/空気界面(液晶材料の表面)の動きを観察した。その結果、LED光照射によりポリイミド小径チューブ内の液晶/空気界面が上方へ約1cm移動したこと、光照射を停止すると元の位置に戻ろうとしたことが観察された。
(実施例3:異なる液晶材料を用いた受光応答装置例3)
実施例1で用いた5CBの代わりに、液晶材料としてMBBA(N-(4-Methoxybenzylidene)-4- butylaniline、ネマチック-アイソトロピック転移点は約45℃、)を用いて実験した。5CBの場合と同様に、MBBA中に粒子としての直径10μmのシリカ(SiO2)ビーズ(和光純薬)を混合し、これを市販の液晶セル(KSRP-50 / A107P1NSS, EHC)に挿入して、約25℃の室温下、実施例1と同様に波長が365nmのLED光を照射した際の粒子の移動を観察した。このセルでは、塗布により形成されたポリイミド膜は、液晶配向が平行配向となるようにラビングされている。また、表面に電極としてITOも塗布されている(ただし、このITOは今回の粒子運動には無関係である。実施例5参照)。その結果、5CBを用いた場合の平均移動距離は10.2 ± 2.7μmであったのに比べ、MBBAを用いた場合の平均移動距離は27.7 ± 5.3μmであり、MBBAを用いた場合の方が平均移動距離が長いことが分かった。
(実施例4: 異なる波長の光を照射した場合の受光応答装置例3における粒子の移動)
波長が365nmのLED光の代わりに、波長が385nmのLED光(150mW/cm2, 浜松ホトニクス)を用いた以外は実施例3と同様にして観察を行った。その結果、波長が365nmの光を用いた場合の平均移動距離は13.7 ± 5.0pixel、波長が385nmの光を用いた場合の平均移動距離は10.8 ± 3.4pixelであり、波長が365nmの光を用いた場合の方が、平均移動距離が長いことが分かった。
また、同程度の強度で、波長が470nm、525nm、590nm、625nm(いずれもHLV2-22-3W, CCS)の光を照射した場合には、粒子は動かなかった。
(実施例5:ITOを受光昇温膜状物として用いた受光応答装置例4)
液晶材料としての5CB(4-Cyano-4’-pentylbiphenyl, 和光純薬)中に粒子としての直径10μmのシリカ(SiO2)ビーズ(和光純薬)を混合し、これを実施例3と類似の市販の液晶セル(KSHH-50/A107N1NSS, EHC;ポリイミド膜を有さず、セチルトリメチルアンモニウム(CTAB)膜(ラビング無し)が形成され、電極としてITOも塗布されているもの)に挿入した。約25℃の室温下、このセルに実施例1と同じセッティングで波長が365nmのLED光の替わりに波長が830nmの赤外レーザー光を照射し、照射開始直後から照射停止1秒後まで粒子の動きを1秒ごとに撮影した。その結果を図4において上から下へ順に示す。照射開始後、粒子が液晶材料中で移動し、照射停止後、粒子が元の位置へ戻ろうとする様子を観察することが出来た。なお、実施例1で用いた自作液晶セル(ポリイミド膜のみ塗布)に波長が830nmの赤外レーザー光を照射しても微粒子が動かなかったことから、本実施例でみられた動きは、受光昇温膜状物としてのITOと波長が830nmの赤外レーザー光の組み合わせにより引き起こされたと考えられる。
(比較例1:アイソトロピック状態の液晶材料を用いる例)
環境温度を25℃の替わりに40℃とした以外は実施例1と同様にしたが、液晶材料が40℃のアイソトロピック状態では、波長が365nmのLED光を照射しても粒子移動は全く観察されなかった。
本発明の受光応答装置は、受光の有無や強度を感知する光センサや受光により作動するアクチュエータなどとして利用が期待できる。

Claims (7)

  1. ネマチック状態の液晶材料を収容する液晶材料収容部材と、受光して昇温し隣接する液晶材料を昇温する受光昇温部材とを具備し、受光昇温部材が受光した際に液晶材料中に含まれる粒子及び/又は液晶材料の表面が移動する受光応答装置において、液晶材料収容部材が液晶材料を収容する主収容部と、主収容部と一端側が連通する細管と、細管内の液晶材料及び/又は粒子の主収容部側への移動を防ぐ逆方向移動防止手段を備える、受光応答装置
  2. 前記細管内の液晶材料表面と連動する物体を備える請求項に記載の受光応答装置。
  3. 前記収容部が略平行な2平面を含む平板状である請求項1に記載の受光応答装置。
  4. 前記受光昇温部材が前記液晶材料収容部材に設けられた受光昇温膜状物である請求項1に記載の受光応答装置。
  5. 前記受光昇温部材が前記液晶材料収容部材の前記平面を形成する部材に設けられた受光昇温膜状物である請求項に記載の受光応答装置。
  6. 前記受光昇温部材が液晶材料中に混合されたものである請求項1に記載の受光応答装置。
  7. 請求項1〜のいずれか1項に記載の受光応答装置を含み、前記受光昇温部材が受光した際に前記液晶材料中に含まれる粒子の移動及び/又は前記液晶材料の表面の移動により受光の有無及び/又は受光強度を感知する光センサ。
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