JP6950490B2 - フィルタリング装置及びフィルタリング装置のテーブル作成方法 - Google Patents
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Description
以下、本発明に係るフィルタリング装置及びフィルタリング装置のテーブル作成方法の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。図1は、本実施の形態1に係るフィルタリング装置1を示すブロック図である。図1に示すように、フィルタリング装置1は、フィルタ処理部2と、フィルタ特性出力部3とを有している。フィルタ処理部2は、高速フーリエ変換を実施するFFT11、逆高速フーリエ変換を実施するIFFT12及び切り出し13の機能を有している。フィルタ特性出力部3は、遅延計算部21と、分解部22と、テーブル作成部23と、特性取得部24とを備えている。
遅延計算部21は、整相方位(θ,φ)、m番目センサのセンサ位置rm、音速cを入力として、m番目センサ出力に与える遅延時間τmを計算し、後段の分解部22に出力する。図1において、アレイを構成するセンサの位置及び音速は、別の手段によって計測されているとする。ある整相方位(θ,φ)に対するm番目のセンサ出力に与える遅延時間τmを、次の式で計算する。なお、座標系を図2に示す。
分解部22は、m番目センサ出力に与える遅延時間τmとサンプリング周波数fsとを入力とし、サンプル遅延数(サンプル遅延時間)qmと詳細遅延(詳細遅延時間)δtmとを出力する。分解部22は、(6)式で計算した、m番目のセンサ出力に与える遅延時間τmとサンプリング周波数fsを使用し、サンプル遅延数qmと詳細遅延δtmとに分解する。
テーブル作成部23は、詳細遅延δtmを入力とし、この詳細遅延δtmに対応するフィルタ周波数特性tblm(k)を、位相回転手段41において位相回転して出力する。ここでkは周波数ビン番号であり、k=0,1,・・・,N−1の複数の周波数ビンに対応するフィルタ特性が出力される。フィルタ周波数特性テーブルは、詳細遅延に対応するフィルタ周波数特性を格納したテーブルであり、詳細遅延δtmは、式(9)及び(10)の定義から、−1/2fs〜1/2fsの範囲の値を取る。
特性取得部24は、位相回転手段41を有する。位相回転手段41は、フィルタ周波数特性tblm(k)とサンプル遅延数qmを入力として、フィルタ周波数特性tblm(k)に対してサンプル遅延数qmで決まる位相回転を実施し、最終的なフィルタ周波数特性(最終フィルタ周波数特性)Wm(k)を求めて、フィルタ処理部2に出力する。位相回転手段41は、フィルタ周波数特性テーブルから取得したフィルタ周波数特性tblm(k)に対し、サンプル遅延数qmで決まる位相回転を実施し、m番目のセンサ出力に与えるフィルタ周波数特性Wm(k)を各周波数ビンk(k=0,1,・・・N−1)で計算する。
実施の形態1においては、遅延時間が時々刻々変化するが、フィルタ周波数特性の振幅特性は時不変であり、遅延時間の変化が処理する帯域に渡って同一な(直線位相特性を満たす)整相処理を対象とした。このような通常の整相処理に対して、周囲環境に応じてフィルタ周波数特性を動的に変化させることで、よりS/Nを改善することができる整相処理も広く使われている。この整相処理を適応整相処理と呼ぶ。
重み計算部121は、フィルタ処理部2のFFT35からの出力に基づいて適応重みWopt(k)を計算する。
平均部122は、m番目センサに与える適応重みWopt(k)に対して、周波数方向に平均化した適応重みWoptmeanm(l)を後段に出力する。ここで、lはフィルタバンク番号である。各フィルタバンクの振幅特性と位相特性とを補正するために、適応重みWopt(k)の周波数方向での平均処理を行い、各フィルタバンクの中心周波数の振幅と位相とを得る。フィルタバンク数はLである。ここで、平均化した適応重みWoptmeanm(l)は以下の式で計算する(ただしl=1,2,・・・L)。
補正量計算部123では、平均化した適応重みWoptmeanm(l)を入力として、振幅補正量Am(l)、サンプル遅延数qm(l)、詳細遅延δtm(l)が出力される。この処理では、平均部122で計算したWoptmeanm(l)を用いて、各フィルタバンクの振幅及び位相補正量を計算する。各フィルタバンクに対する位相補償量に基づいて詳細遅延δtm(l)とサンプル遅延数qm(l)とを計算するために、l番目のフィルタバンクに対応した平均化適応重みWoptmeanm(l)の位相phaseoptm(l)を計算する。
テーブル作成部124は、詳細遅延δtm(l)に応じたフィルタ周波数特性tblm(k,l)を位相回転手段41に送る。詳細遅延δtm(l)に相当するフィルタ周波数特性をテーブルから読み出す。実施の形態1と比較すると、テーブルをフィルタバンクごとに読み出す点が実施の形態1と異なる。ここで、詳細遅延δtm(l)のフィルタ周波数特性は1番目の周波数を中心としたバンドパスフィルタであり、Overlap−save法のために時間領域でゼロ詰めされたフィルタ係数をFFTしたものである。フィルタテーブル作成方法を図7に示す。変換手段32と、抽出手段33と、挿入手段34と、FFT35と、テーブル化手段36とは、それぞれ、実施の形態1の変換手段32と、抽出手段33と、挿入手段34と、FFT35と、テーブル化手段36と同様の処理であるので説明を省略する。
特性取得部125は、位相回転手段141と、振幅補正手段142と、加算手段143とを有する。位相回転手段41は、フィルタ周波数特性tblm(k,l)に対して、サンプル遅延数qm(l)で決まる、位相回転を行ったフィルタ周波数特性Pm(k,l)を振幅補正手段142に送る。詳細遅延δtm(l)に対応するフィルタ周波数特性tblm(k,l)に対してサンプル遅延数qm(l)に相当する位相回転を行い、位相回転したフィルタ周波数特性Pm(k,l)を得る。
振幅補正手段142は、位相回転を行ったフィルタ周波数特性Pm(k,l)に対して、振幅補正量Am(l)を掛け合わせた、l番目フィルタバンクで計算したフィルタ周波数特性Woptbandm(k,l)を加算手段143に送る。位相回転したフィルタ周波数特性Pm(k,l)に対して、(18)式で求めた振幅補正量Am(l)を掛け合わせて、l番目フィルタバンクのフィルタ周波数特性Woptbandm(k,l)を得る。
加算手段143は、各フィルタバンクで計算したフィルタ周波数特性Woptbandm(k,l)を加算することで、最終的にm番目センサ出力に与えるフィルタ周波数特性Woptolsm(k)をフィルタ処理部2に送る。フィルタバンクのフィルタ周波数特性は、各センサ出力に対してL個計算される。このL個のフィルタバンクのフィルタ周波数特性を加算することで、最終的にm番目センサ出力に与えるフィルタ周波数特性を得る。
次に、実施の形態2の動作について説明する。ここでは、例として、一つの整相方位を持った整相器における場合を述べる。
Claims (7)
- 複数のセンサからの出力に対するフィルタリング装置であって、
フィルタの位相特性に与える遅延時間として、遅延時間の範囲を複数の区間に分割し、分割された各区間において遅延時間に対応する位相特性を求め、所定の振幅を有するバンドパスフィルタを周波数領域上で構築する構築手段と、
前記構築手段によって構築されたバンドパスフィルタの周波数特性に基づいて時間領域上のインパルス応答を求める変換手段と、
前記変換手段によって求められた時間領域上のインパルス応答の主要部を抽出する抽出手段と、
前記抽出手段によって抽出されたインパルス応答の主要部の両端にゼロデータを挿入する挿入手段と、
前記挿入手段によってゼロデータが挿入されたインパルス応答に基づいて得られる周波数特性をテーブルとするテーブル化手段と、を有するテーブル作成部と、
前記周波数特性のテーブルに基づいて、フィルタの位相特性に与える遅延時間のうちサンプリング周波数以下の詳細遅延時間に対応する周波数特性を取得し、前記サンプリング周波数の整数倍のサンプル遅延時間に位相回転を実施して最終フィルタ周波数特性を求める特性取得部と、を備える
ことを特徴とするフィルタリング装置。 - 前記フィルタの位相特性に与える遅延時間を計算する遅延計算部と、
前記遅延計算部によって計算された遅延時間を、前記サンプル遅延時間と、前記詳細遅延時間とに分解する分解部と、を更に備え、
前記特性取得部は、
前記分解部によって分解された詳細遅延時間に対応する周波数特性を取得し、前記分解部によって分解されたサンプル遅延時間に位相回転を実施して最終フィルタ周波数特性を求める位相回転手段を有する
ことを特徴とする請求項1記載のフィルタリング装置。 - 複数のセンサからの出力に対するフィルタリング装置であって、
前記構築手段は、
周波数帯域内で複数に分割されたフィルタバンク毎に、フィルタの位相特性に与える遅延時間として、遅延時間の範囲を複数の区間に分割するものである
ことを特徴とする請求項1又は2記載のフィルタリング装置。 - 周波数領域で求められた重み係数を前記フィルタバンクに分割して、前記フィルタバンク内で重み係数の平均値を算出する平均部と、
前記平均部によって算出された重み係数の平均値に基づいて、振幅補正量と、前記サンプル遅延時間と、前記詳細遅延時間とを求める補正量計算部と、を更に備え、
前記特性取得部は、
前記補正量計算部によって求められた詳細遅延時間に対応する周波数特性を取得し、前記補正量計算部によって求められたサンプル遅延時間に位相回転を実施する位相回転手段と、
前記位相回転手段によって位相回転されたサンプル遅延時間と、前記補正量計算部によって求められた振幅補正量とに基づいて、前記フィルタバンクの重み係数を求める振幅補正手段と、
前記振幅補正手段によって求められた重み係数により重み付けされたフィルタバンクに基づいて最終フィルタ周波数特性を求める加算手段と、を有する
ことを特徴とする請求項3記載のフィルタリング装置。 - 前記挿入手段は、
前記インパルス応答の主要部の両端に、時間変化する位相応答の影響を抑える分のゼロデータを挿入し、
前記ゼロデータが挿入されたインパルス応答に対し、Overlap−save法又はOvelap−add法に必要なゼロデータを挿入する
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のフィルタリング装置。 - 複数のセンサからの出力に対するフィルタリング装置のテーブル作成方法であって、
フィルタの位相特性に与える遅延時間として、遅延時間の範囲を複数の区間に分割し、分割された各区間において遅延時間に対応する位相特性を求め、所定の振幅を有するバンドパスフィルタを周波数領域上で構築するステップと、
構築されたバンドパスフィルタの周波数特性に基づいて時間領域上のインパルス応答を求めるステップと、
求められた時間領域上のインパルス応答の主要部を抽出するステップと、
抽出されたインパルス応答の主要部の両端にゼロデータを挿入するステップと、
ゼロデータが挿入されたインパルス応答に基づいて得られる周波数特性をテーブルとするステップと、を有する
ことを特徴とするフィルタリング装置のテーブル作成方法。 - 複数のセンサからの出力に対するフィルタリング装置のテーブル作成方法であって、
周波数帯域内で複数に分割されたフィルタバンク毎に、フィルタの位相特性に与える遅延時間として、遅延時間の範囲を複数の区間に分割するステップを更に有する
ことを特徴とする請求項6記載のフィルタリング装置のテーブル作成方法。
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