JP6948929B2 - Seedling transplanter - Google Patents
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Description
本発明は、玉葱などの野菜苗を圃場に植付けるための苗移植機に関する。 The present invention relates to a seedling transplanting machine for planting vegetable seedlings such as onions in a field.
例えば特許文献1,2に開示されているように、左右の走行車輪を有する走行機体に苗供給装置と苗植付け装置とを備え付けた苗移植機が知られている。苗供給装置は、ポット苗をマトリックス状に配置した苗トレイが載置される苗載台を備える。苗植付け装置は、ポット苗を保持して圃場に移植するための移植用カップ(開孔器または苗植付爪と呼ばれることもある)を有する移植機構と、苗トレイからポット苗を苗取出爪で取出して移植用カップに移送する受継ぎ機構とを備える。
For example, as disclosed in
上記特許文献1,2に記載の苗移植機が備える移植機構では、第1ロータリケースの両先端部の側面に第2ロータリケースが装着され、その第2ロータリケースの各々に移植用カップが支持されている。この構成によれば、第1ロータリケースが一回転する間に、一対の移植用カップが単一条に沿った二箇所に苗を植付けるため、高速苗移植作業を実現できる。図9は、上記特許文献1,2に開示されている一対の移植用カップの回動静軌跡を示す。図9において、一対の移植用カップ150,150は、第2ロータリケース(図示せず)に設けられた支持軸184,184によって支持されており、上下方向に長い楕円形状の回動静軌跡Eを描く。
In the transplanting mechanism provided in the seedling transplanting machine described in
ところで、苗移植機においては、株間(植付間隔)を広げるために移植用カップ150,150の回動を一時停止させることがある。この場合、一対の移植用カップ150,150は、図9に示した回動静軌跡Eにおいて互いに略同じ高さとなる位置S1,S2で一時停止することになる。これは、一方の移植用カップ150を位置S1,S2よりも上方で停止させると、他方の移植用カップ150の停止位置が位置S1,S2よりも低くなり、圃場面に接近した移植用カップ150が引き摺られる心配があるためである。
By the way, in the seedling transplanting machine, the rotation of the
移植用カップ150に対する苗供給は、位置S1(位置S2でも可)の上方から受継ぎ機構の苗取出爪161がポット苗を落下させ、それを移植用カップ150で受け止めることにより行われる。苗供給の安定性を高めるには、なるべく苗取出爪161を移植用カップ150に近付ける(即ち、より下方に苗取出爪161を配置する)ことが望ましい。しかし、部材間干渉を避ける観点から回動静軌跡Eの内部に苗取出爪161を配置できないうえ、回動静軌跡Eが上方に向けて突出した形状であるため、苗取出爪161を移植用カップ150に近付けて配置することが困難であり、それ故、移植用カップ150に対する苗供給が不安定になる恐れがあった。
The seedling supply to the
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、高速苗移植作業を実現しながら苗供給の安定性を高められる苗移植機を提供することにある。 The present invention has been made in view of the above circumstances, and an object of the present invention is to provide a seedling transplanting machine capable of improving the stability of seedling supply while realizing high-speed seedling transplanting work.
本発明に係る苗移植機は、回転中心軸と、前記回転中心軸を中心に回転する第1ロータリケースと、前記第1ロータリケースの回転直径方向の両先端部の側面に設けられた回転支軸と、前記回転支軸を中心に回転する一対の第2ロータリケースと、前記回転支軸に対して偏位した位置に配置され、前記第2ロータリケースに対して回転可能に設けられた一対の相対回動支持中心軸と、前記相対回動支持中心軸に支持されており、前記第1ロータリケースの回転位相の如何に拘らず、常時下向きとなるように姿勢制御されている一対の移植用カップと、を備え、前記回転中心軸の軸方向から見た前記移植用カップの回動静軌跡が逆三角形状である。 The seedling transplanting machine according to the present invention has a rotation center axis, a first rotary case that rotates about the rotation center axis, and a rotation support provided on the side surfaces of both tip portions in the rotation diameter direction of the first rotary case. A shaft, a pair of second rotary cases that rotate around the rotary support shaft, and a pair that are arranged at positions deviated from the rotary support shaft and rotatably provided with respect to the second rotary case. A pair of transplants that are supported by the relative rotation support central axis and the relative rotation support central axis, and whose posture is controlled so as to always face downward regardless of the rotation phase of the first rotary case. A cup for transplantation is provided, and the static rotation locus of the transplantation cup as seen from the axial direction of the central axis of rotation is an inverted triangular shape.
この苗移植機では、第1ロータリケースの両先端部に装着された第2ロータリケースの各々に移植用カップが支持されているので、第1ロータリケースが一回転することにより単一条に沿った二箇所に苗が植付けられる。しかも、移植用カップの回動静軌跡が上方に向かって突出しない逆三角形状であるため、苗取出爪を移植用カップに近付けて配置することが容易になる。したがって、この苗移植機によれば、高速苗移植作業を実現しながら苗供給の安定性を高めることができる。 In this seedling transplanting machine, since the transplanting cup is supported in each of the second rotary cases attached to both tips of the first rotary case, the first rotary case rotates once to follow a single row. Seedlings are planted in two places. Moreover, since the rotational static locus of the transplanting cup has an inverted triangular shape that does not protrude upward, it becomes easy to arrange the seedling taking-out claws close to the transplanting cup. Therefore, according to this seedling transplanting machine, it is possible to improve the stability of seedling supply while realizing high-speed seedling transplanting work.
一対の前記移植用カップは、逆三角形状の回動静軌跡を描いて回動する際に、その回動静軌跡において水平状に延びる上方の底辺かその近傍 で一時停止することが好ましい。この構成によれば、上死点となる上方の底辺かその近傍で移植用カップを一時停止させるので、一対の移植用カップが圃場面から適度に離れた状態で一時停止され、苗供給の安定性を確実に高めることができる。 When the pair of transplant cups rotate in an inverted triangular rotating static locus, it is preferable to pause at or near the upper base extending horizontally in the rotating static locus. According to this configuration, the transplanting cups are suspended at or near the upper bottom, which is the top dead center, so that the pair of transplanting cups are suspended at an appropriate distance from the field scene, and the seedling supply is stable. The sex can be surely enhanced.
一対の前記移植用カップは、逆三角形状の回動静軌跡を描いて回動する際に、その回動静軌跡において水平状に延びる上方の底辺よりも下方で一時停止することが好ましい。この構成によれば、互いに回転位相を180度ずらした関係にある一対の移植用カップを、上死点となる上方の底辺の近傍で一時停止させるうえで都合がよく、苗供給の安定性を確実に高めるのに有用である。 When the pair of transplant cups rotate while drawing an inverted triangular rotating static locus, it is preferable to pause below the upper bottom extending horizontally in the rotating static locus. According to this configuration, it is convenient to suspend a pair of transplanting cups that are 180 degrees out of phase with each other near the upper bottom, which is the top dead center, and the stability of seedling supply is improved. Useful for surely enhancing.
前記第1ロータリケースが前記回転中心軸を中心に一回転する間に、前記第2ロータリケースが前記回転支軸を中心に二回転することが好ましい。この構成によれば、移植用カップの回動静軌跡が逆三角形状になるように第1及び第2ロータリケース内の伝動機構を構成するうえで都合がよい。 It is preferable that the second rotary case makes two rotations about the rotation support shaft while the first rotary case makes one rotation about the rotation center axis. According to this configuration, it is convenient to configure the transmission mechanism in the first and second rotary cases so that the rotational static locus of the transplant cup has an inverted triangular shape.
本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は、本実施形態の苗移植機100の左側面を示している。図中には、苗移植機100の前後方向及び上下方向を矢印で示している。
An embodiment of the present invention will be described with reference to the drawings. FIG. 1 shows the left side surface of the
図1は、玉葱などの野菜苗を圃場に植付けるための苗移植機100を示す。苗移植機100は、乗用型の苗移植機である。苗移植機100は、複数条(本実施形態では二条)の苗移植作業を同時に実行できるように構成されている。苗移植機100は、牽引車として機能する走行機体1と、その走行機体1の後方(図1の右方向)に配置された苗供給装置2と、その苗供給装置2の後方に配置された苗植付け装置3とを備える。
FIG. 1 shows a
走行機体1は、下部体11と、その下部体11の上方に設けられた上部体12とで構成されている。下部体11は、ミッションケース13とリヤアクスルケース14との間に連結フレーム15を介在させて形成されている。連結フレーム15は、断面四角形状のパイプ材により形成され、前後方向に直線状に延在している。連結フレーム15には、原動機としてのエンジン16がブラケットを介して搭載されている。エンジン16には、ミッションケース13が連動連結されている。ミッションケース13には、リヤアクスルケース14とフロントアクスルケース17が連動連結されている。
The
走行機体1を支持する走行車輪は、左右一対の前輪20,20と左右一対の後輪22,22とで構成されている。前輪20,20は、フロントアクスルケース17の端部に前車軸21を介して取り付けられている。フロントアクスルケース17は、ミッションケース13の側壁部から外側へ向けて延設された軸ケース18の外側の端部から下方に向けて延設されている。後輪22,22は、リヤアクスルケース14の左右方向の端部に後車軸23を介して取り付けられている。走行車輪は昇降揺動自在に設けられており、それによって走行路面が凹凸形状であっても追従することができる。
The traveling wheels that support the
上部体12の前方部には、ハンドルコラムの周囲を被覆するカバー体24と、そのハンドルコラムを介して支持されたハンドル25とが設けられている。上部体12の中央部には、オペレータが着席する運転席26が設けられている。オペレータは、運転席26にて苗移植機100を運転して圃場内を移動しながら、苗供給装置2及び苗植付け装置3を駆動させて、圃場に苗を植付ける苗移植作業を実行できる。ハンドル25の左右両側には、予備の苗トレイを載置するための予備苗台28が設けられている。上部体12の後方部には、オペレータが予備苗台28から苗供給装置2に苗トレイを移送するためのスペース27が形成されている。空の苗トレイは予備苗台28に収納される。
A
苗供給装置2は、昇降機構4を介して走行機体1に取り付けられている。昇降機構4は、前後方向に伸延するトップリンク片31と、左右一対のロワリンク片32と、後端部連結片33と、単動式の昇降シリンダ34とを有する。昇降機構4は、走行機体1の後方に設けられた昇降機構支持体19に上下回動自在に取り付けられている。圧油の供給により昇降シリンダ34を短縮させると、後端部連結片33が上昇し、それに伴って苗供給装置2及び苗植付け装置3が上昇する。一方、圧油の排出により昇降シリンダ34を伸長させると、苗供給装置2及び苗植付け装置3が自重によって下降する。
The
苗供給装置2の下方には、昇降センサローラ35が配置されている。昇降センサローラ35は、圃場の畝面の凹凸に沿って昇降動作する。この昇降センサローラ35の昇降動作に連動して昇降シリンダ34の油圧回路が切り替えられ、移植深さ(植付け深さ)が一定に維持されるように昇降機構4を作動させる。昇降センサローラ35の後方であって、後述する移植用カップ50の後方には、移植直後の苗に覆土するための覆土輪36が配置されている。
An elevating
図1,2に示すように、苗供給装置2は、ポット苗Nをマトリックス状に配置した苗トレイ41が載置される苗載台42を備える。苗トレイ41には、前後方向と左右方向とのマトリックス状に苗ポット部41aが設けられている。苗ポット部41aの各々には、移植すべきポット苗N(図1では図示せず)が収められている。苗載台42は、横送り機構によって左右方向に往復動可能に構成されている。また、苗載台42は、縦送り機構によって、横送りの終端位置で苗トレイ41を1ピッチ(苗ポット部41aの1つ分の長さ)ずつ間欠的に後方へ移動可能に構成されている。
As shown in FIGS. 1 and 2, the
上記の縦送り機構は、動力伝達系を介して駆動される駆動軸に取り付けられた大径スプロケット43と、従動軸に取り付けられた小径チェンスプロケット44と、それらに巻掛けられた左右一対の搬送チェン45とを含む。搬送チェン45に搭載された苗トレイ41は、この縦送り機構により図2の矢印C方向に沿って後方下方へと搬送される。苗トレイ41は、可撓性を有する材料(例えば、軟質合成樹脂材)によって形成されているので、搬送チェン45に搭載されて搬送される際に、大径スプロケット43の外周に沿って湾曲可能である。
The vertical feed mechanism includes a large-
図1に示すように、苗供給装置2には、左右方向に延在する動力取入れ軸37を介した伝達経路を経て動力が伝達される。苗植付け装置3についても、これと同様である。動力取入れ軸37は、一対の後輪22,22の間で前後方向に延びた伝動シャフト38を含む伝動機構を介してミッションケース13に連動連結されている。当該伝動機構の中途部に配設されたクラッチケースには、植付けクラッチを備えたクラッチ機構や株間調整機構などが内蔵されている(いずれも図示せず)。
As shown in FIG. 1, power is transmitted to the
図2に示すように、苗植付け装置3は、移植すべきポット苗Nを保持して圃場に移植するための移植用カップ50を有する移植機構5と、苗トレイ41の苗ポット部41aからポット苗Nを苗取出爪61で取出して移植用カップ50に移送する受継ぎ機構6とを備える。後述するように、本実施形態では、左右方向の四箇所に移植機構5が設けられており、それに対応して受継ぎ機構6も左右方向の四箇所に設けられている。
As shown in FIG. 2, the
受継ぎ機構6は、苗ポット部41aに収まっているポット苗Nを取り出し、そのポット苗Nを上方から移植機構5の移植用カップ50へ向けて落下させる苗取出爪61を有する。苗取出爪61は、先細り形状をなす左右一対の棒状部材で形成されている。この左右一対の棒状部材は、バネ(図示せず)によって常時閉じる方向に付勢されているが、カム板62の作用により、回動角度の一区間で付勢力に抗して開くように構成されている。苗取出爪61は、L字状に折り曲げられてリング状に形成された押出し部材60の先端部に挿通されている。
The inheritance mechanism 6 has a seedling taking-
苗取出爪61は、ガイド軸65を有する苗取出しアーム66に取り付けられている。ガイド軸65は、ガイド板67に形成されたガイド溝63に摺動自在に嵌合されている。動力伝達系を介して駆動されるロータリケース(図示せず)の回転により、苗取出爪61は、苗ポット部41aの内部に先端部を侵入させてポット苗Nを挟持する姿勢を経て、移植用カップ50の上方に戻る、という軌跡64を辿る。押出し部材60は、軌跡64を辿る苗取出爪61が移植用カップ50の上方に位置したときに、苗取出爪61に突き刺さっているポット苗Nを押し出して落下させる。落下したポット苗Nは移植用カップ50で受け止められ、移植用カップ50に対する苗供給が行われる。
The
上述した走行機体1や苗供給装置2、苗植付け装置3の受継ぎ機構6は、通常の苗移植機と同様に構成することが可能であり、従来公知の形状や材質、機構などは何れも本発明に採用することができる。
The inheritance mechanism 6 of the traveling
既述の通り、本実施形態では、二条の苗移植作業を同時に実行できるように構成されている。また、図3のように、苗植付け装置3では左右方向の四箇所に移植機構5が設けられており、単一条(一列の植付け条)に対して左右一組の移植機構5,5を並設している。この並設された左右一組の移植機構5,5においては、その左右に位置する移植用カップ50を前後方向から見て植付け条に対して左右対称に傾斜させて、それらの植付け位置を単一条に一致させるように構成されている。
As described above, in the present embodiment, the two-row seedling transplanting work can be performed at the same time. Further, as shown in FIG. 3, the
単一条に対して並設された左右一組の移植機構5,5のうち、少なくとも片方には複数の移植用カップ50を設けることができる。本実施形態では、その並設された左右一組の移植機構5,5のうち、一方が移植用カップ50を二つ有し、他方が移植用カップ50を一つ有する例を示す。便宜上、前者を移植機構5W、後者を移植機構5Sとして区別している。並設された左右一組の移植機構5,5(即ち、移植機構5Wと移植機構5S)が有する三つの移植用カップ50は、その植付け位置を単一条に一致させるように構成されている。
A plurality of transplant cups 50 can be provided in at least one of the left and right sets of
図3に示すように、移植機構5の入力軸となる伝動軸70には、スプロケット71,72に巻掛けられた伝動チェン73、及び、スプロケット74,75に巻掛けられた伝動チェン76を介して、動力取入れ軸37より動力が伝達される。入力部77は、中折れ自在且つ軸方向に伸縮自在の伝動シャフト78を介して、伝動軸70上に配置された出力部79に連動連結されている。回転中心軸80は、入力部77から左右方向に突出した出力軸である。第1ロータリケース81は、この回転中心軸80を中心にして回転する。
As shown in FIG. 3, the
図4は、右端に位置する移植機構5(5W)の概略断面図である。図3,4に示すように、移植機構5Wは、回転中心軸80と、回転中心軸80を中心に回転する第1ロータリケース81と、第1ロータリケース81の回転直径方向の両先端部の側面に設けられた回転支軸83と、回転支軸83を中心に回転する一対の第2ロータリケース82,82と、回転支軸83に対して偏位した位置に配置され、第2ロータリケース82に対して回転可能に設けられた相対回動支持中心軸84と、相対回動支持中心軸84に支持された一対の移植用カップ50,50と、を備える。一対の移植用カップ50,50は、第1ロータリケース81の回転位相の如何に拘らず、常時下向きとなるように姿勢制御されている。
FIG. 4 is a schematic cross-sectional view of the transplantation mechanism 5 (5W) located at the right end. As shown in FIGS. A
上記の構成を更に詳しく説明する。図4のように、回転中心軸80は、入力部77から左側へ向けて突出している。回転中心軸80は、入力部77から突出した筒部77pに対して相対回転可能に挿通されている。筒部77pは、入力部77に固定されているが、第1ロータリケース81に対しては相対回転可能に構成されている。回転中心軸80の先端部は、ボルトなどを介して第1ロータリケース81に固定されている。したがって、第1ロータリケース81は回転中心軸80と一体的に回転する。
The above configuration will be described in more detail. As shown in FIG. 4, the
第1ロータリケース81には、第1太陽歯車85と、第1ロータリケース81の両端に位置する一対の第1従動歯車86,86と、第1太陽歯車85と一対の第1従動歯車86,86との間で両者に噛み合う一対の第1中間歯車87,87とが内蔵されている。第1太陽歯車85は、筒部77pの外周に固定された固定ギヤであり、第1ロータリケース81が回転しても第1太陽歯車85は回転しない。第1太陽歯車85から第1従動歯車86までの減速比率(ギヤ比)は1/3(即ち、3倍速)であり、第1太陽歯車85の歯数Za1と第1従動歯車86の歯数Zc1との関係は、Za1:Zc1=3:1の式で表される。
The first
一対の第1従動歯車86,86には、それぞれ回転支軸83が固着されている。回転支軸83は、第1ロータリケース81から左側へ向けて突出している。回転支軸83は、第1ロータリケース81から突出した筒部81pに対して相対回転可能に挿通されている。筒部81pは、第1ロータリケース81に固定されているが、第2ロータリケース82に対しては相対回転可能に構成されている。回転支軸83の先端部は、ボルトなどを介して第2ロータリケース82に固定されている。したがって、第2ロータリケース82は回転支軸83と一体的に回転(自転)し、且つ、回転中心軸80を中心にして回動(公転)する。
A
第2ロータリケース82には、筒部81pの外周に固定された第2太陽歯車88と、相対回動支持中心軸84に固着された第2従動歯車89と、第2太陽歯車88と従動歯車89との間で両者に噛み合う第2中間歯車90とが内蔵されている。相対回動支持中心軸84は、第2ロータリケース82の回転支軸83に対して偏位した位置に配置されている。第2太陽歯車88から第2従動歯車89までの減速比率(ギヤ比)は3/2(即ち、2/3倍速)であり、第2太陽歯車88の歯数Za2と第2従動歯車89の歯数Zc2との関係は、Za2:Zc2=2:3の式で表される。
The second
第2従動歯車89には、相対回動支持中心軸84が固着されている。相対回動支持中心軸84は、第2ロータリケース82から左側へ向けて突出している。相対回動支持中心軸84は、第2ロータリケース82の左側面に設けられた筒部82pに対して相対回転可能に挿通されている。相対回動支持中心軸84及び筒部82pは、それぞれ第2ロータリケース82に対して相対回転可能に構成されている。移植用カップ50は、リンク機構95を介して相対回動支持中心軸84に支持されている。したがって、移植用カップ50は、第2ロータリケース82に対して相対回転可能に支持されている。
A relative rotation support
第2ロータリケース82には、更に、筒部81pの外周に固定された第3太陽歯車91と、筒部82pの外周に固定された第3従動歯車92と、第3太陽歯車91と第3従動歯車92との間で両者に噛み合う第3中間歯車93とが内蔵されている。第3太陽歯車91から第3従動歯車92までの減速比率(ギヤ比)は1であり、第3太陽歯車91の歯数Za3と第3従動歯車92の歯数Zc3との関係は、Za3:Zc3=1:1の式で表される。筒部82pは、第2ロータリケース82から左側へ向けて突出しており、その突出部分の外周にカム体94が固定されている。
The second
移植用カップ50は、リンク機構95を介して相対回動支持中心軸84に支持されている。移植用カップ50は、下向きに窄まる略円錐状部材を前後方向に半割りした一対のカップ体50a,50b(図3参照)により形成されている。一対のカップ体50a,50bは、図示しないバネによって常時閉じる方向に付勢されている。カム体94とリンク機構95とは、移植用カップ50が所定範囲内に位置するときに、一対のカップ体50a,50bの下端側をバネの付勢力に抗して開放するように連係されている。第3太陽歯車91から第3従動歯車92までの減速比率は1であり、回転中心軸80の一回転(即ち、第1ロータリケース81の一回転)に応じてカム体94も一回転する。
The
上記の所定範囲は、第1ロータリケース81の長手方向(一対の第2ロータリケース82,82が装着された側)が上下方向を指向し、後述する回動静軌跡Tの逆三角形状の頂点近傍となる範囲である。これにより、下方に位置する移植用カップ50の下端部が圃場面に突入した直後に、一対のカップ体50a,50bの下端側が開き、保持されていたポット苗が圃場に移植され、移植用カップ50の下端部が圃場面から抜き出た後に、移植された苗よりも上方で一対のカップ体50a,50bの下端側が閉じる、という移植用カップ50の開閉動作が行われる。
In the above predetermined range, the longitudinal direction of the first rotary case 81 (the side on which the pair of second
図5及び6は、それぞれ、図4に示した第1ロータリケース81と第2ロータリケース82を回転中心軸80の軸方向から見た概略側面図であり、当該ケースに内蔵されている幾つかの歯車を概略的に示している。図5では、第1ロータリケース81の長手方向が水平方向を指向した状態と、同じく上下方向を指向した状態とを重ねて示している。図6では、第1ロータリケース81の長手方向が前傾方向を指向した状態と、同じく後傾方向を指向した状態とを重ねて示している。
5 and 6 are schematic side views of the first
図5及び6において、回転中心軸80を介して第1ロータリケース81を矢印A方向(反時計周り方向)に回転(自転)させると、第1ロータリケース81の両先端部に設けられた回転支軸83は回動(公転)し、第2ロータリケース82も同方向に回動する。また、回転支軸83に固着された第1従動歯車86は、第1中間歯車87を介して第1太陽歯車85と噛み合っているので、図5及び6において時計周り方向に回転し、それに伴って第2ロータリケース82も同方向に回転する。このように、第1ロータリケース81が反時計周り方向に回転するのに対して、第2ロータリケース82は時計周り方向に回転する。即ち、第2ロータリケース82は、第1ロータリケース81の回転方向と逆方向に回転する。
In FIGS. 5 and 6, when the first
そして、第1ロータリケース81が回転中心軸80を中心に一回転する間に、第2ロータリケース82が回転支軸83を中心に二回転するように構成されている。回転支軸83は、第1ロータリケース81が一回転する間に、回転半径Rを有する円形状の回動静軌跡Mを描く。また、各第2ロータリケース82の第2太陽歯車88から、相対回動支持中心軸84が固着された第2従動歯車89までの減速比率を3/2とすることにより、第1ロータリケース81の回転位相の如何に拘らず、相対回動支持中心軸84に支持された移植用カップ50が常時下向きとなるように姿勢制御されている。
Then, while the first
図7は、回転中心軸80に対する第2ロータリケース82の変位を連続的に示している。図7のように、第1ロータリケース81に対する第2ロータリケース82の回動軌跡(即ち、回転支軸83の回動静軌跡M)と、その第2ロータリケース82に対する相対回動支持中心軸84の相対変位との関係から、相対回動支持中心軸84は、頂点が下向きで上方の底辺が水平状となる逆三角形状の回動静軌跡Tを描く。このことは、相対回動支持中心軸84に支持されている移植用カップ50においても同じである。図8では、回動静軌跡Tに加えて、移植用カップ50の下端部が辿る回動静軌跡Teも示しており、回動静軌跡Tと回動静軌跡Teとは互いに合同である。このように、回転中心軸80の軸方向から見た移植用カップ50の回動静軌跡T(及び回動静軌跡Te)は逆三角形状である。回動静軌跡は、苗移植機100(の走行機体1)が前進していない状態での回動軌跡である。
FIG. 7 continuously shows the displacement of the second
本実施形態では、このような逆三角形状の回動静軌跡Tを実現するうえで、図5のように、第1ロータリケース81が水平方向を指向するとき、第2ロータリケース82の回転支軸83より回転半径R外側の直上に相対回動支持中心軸84,84の各々が位置し、且つ、第1ロータリケース81が上下方向を指向するとき、上方に位置する第2ロータリケース82の回転支軸83より回転半径R内側の直下に相対回動支持中心軸84が位置するとともに、下方に位置する第2ロータリケース82の回転支軸83より回転半径R外側の直下に相対回動支持中心軸84が位置するようにする伝動機構が、第2ロータリケース82,82の各々の内部に設けられている。
In the present embodiment, in order to realize such an inverted triangular rotational static locus T, as shown in FIG. 5, when the first
移植用カップ50が、図8のような上方に向かって突出しない逆三角形状の回動静軌跡Tを描くことにより、苗取出爪61を回動静軌跡Tに近付けることが可能となり、延いては苗取出爪61を移植用カップ50に近付けて配置することが容易になり、苗供給の安定性が高められる。また、第1ロータリケース81の両先端部に装着された一対の第2ロータリケース82の各々に相対回動支持中心軸84を介して移植用カップ50が支持されているため、第1ロータリケース81が一回転することで単一条に沿った二箇所に苗を植付けることができて、高速苗移植作業を実現できる。したがって、この苗移植機100によれば、高速苗移植作業を実現しながら苗供給の安定性を高めることができる。
By drawing the inverted triangular rotating static locus T in which the transplanting
しかも、逆三角形状をなす回動静軌跡Tは、上方に向かって突出した形状をなす回動静軌跡(例えば、図9参照)と比べて、その上下方向の長さが小さくなるので、例えば苗供給装置2を接近させて配置することが可能となり、機械をコンパクトに構成するうえで有用である。更に、上死点における高さの変化が小さいため、複数の移植用カップ50を一時停止させる位置に関して、回動静軌跡の上方が円弧状である場合よりも自由度が高い。
Moreover, since the length of the rotating static locus T having an inverted triangular shape is smaller in the vertical direction than the rotating static locus T having a shape protruding upward (see, for example, FIG. 9), for example, seedling supply The
図8に示した位置P1,P2は、それぞれ株間(植付間隔)を広げるときなどに移植用カップ50の回動を一時停止するときの位置を示す。移植用カップ50が圃場面に接近して引き摺られる事態を避けるうえでは、このように互いに実質的に同じ高さとなる位置P1,P2で一対の移植用カップ50,50を一時停止することが好ましい。この位置P1(位置P2でも可)の上方から苗取出爪61がポット苗を落下させることで、移植用カップ50への苗供給が行われる。苗供給の安定性を高めるとともに、圃場面から適度に離れた高さで移植用カップ50,50を一時停止させる観点から、回動静軌跡Tは、水平状に延びた上方の底辺の両端から延びた二辺の長さが等しい二等辺三角形状であることが好ましく、正三角形状であることがより好ましい。
The positions P1 and P2 shown in FIG. 8 indicate the positions when the rotation of the
一対の移植用カップ50,50は、逆三角形状の回動静軌跡Tを描いて回動する際に、その回動静軌跡Tにおいて水平状に延びる上方の底辺かその近傍で一時停止することが好ましい。上死点となる上方の底辺かその近傍で移植用カップ50,50を一時停止させることにより、一対の移植用カップ50,50が圃場面から適度に離れた状態で一時停止され、苗供給の安定性を確実に高めることができる。本実施形態では、一対の移植用カップ50,50が上方の底辺の近傍(上方の底辺の両端部の近傍でもある)で一時停止する例を示す。
When the pair of transplanting
また、本実施形態では、一対の移植用カップ50,50が、逆三角形状の回動静軌跡Tを描いて回動する際に、その回動静軌跡において水平状に延びる上方の底辺よりも下方で一時停止している。この構成によれば、互いに回転位相を180度ずらした関係にある一対の移植用カップ50,50を、上死点となる上方の底辺の近傍で一時停止させるうえで都合がよい。更に言えば、本実施形態では、一対の移植用カップ50,50が一時停止したときに、第2ロータリケース82の回転支軸83より回転半径外側の直上に相対回動支持中心軸84の各々が位置している(図5の第1ロータリケース81が水平方向を指向した状態を参照)。
Further, in the present embodiment, when the pair of transplanting
図3において、左端に位置する移植機構5Wは、右端に位置する移植機構5Wを平面視で左右対称に配置したこと以外は同じ構成を有するため、重複した説明を省略する。
In FIG. 3, the
本発明は、上述のような第1ロータリケースの両先端部に装着された第2ロータリケースの各々に移植用カップが支持された移植機構に適用されるものであり、移植用カップ50を一つだけ有する移植機構5(即ち、移植機構5Wと対をなす移植機構5S)の構成は特に限定されない。また、そのような移植用カップ50を一つだけ有する移植機構5Sを具備しない構造でも構わない。
The present invention is applied to a transplantation mechanism in which a transplantation cup is supported in each of the second rotary cases attached to both tips of the first rotary case as described above, and the
本実施形態では、第1ロータリケース81内の伝動機構が歯車のみで構成されている例を示したが、これに限られず、スプロケットとそれに巻掛けたチェンとを含む構成にしても構わない。
In the present embodiment, an example in which the transmission mechanism in the first
本実施形態では、二条植えタイプの苗移植機を例示したが、これに限られず、一条植えタイプの苗移植機、または三条以上の複数条植えタイプの苗移植機であっても構わない。 In the present embodiment, a double-row planting type seedling transplanting machine has been exemplified, but the present invention is not limited to this, and a single-row planting type seedling transplanting machine or a multi-row planting type seedling transplanting machine having three or more rows may be used.
本実施形態では、乗用型の苗移植機の例を示したが、これに限られず、歩行型の苗移植機であってもよい。 In the present embodiment, an example of a riding type seedling transplanting machine is shown, but the present invention is not limited to this, and a walking type seedling transplanting machine may be used.
本発明は、上述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変更が可能である。 The present invention is not limited to the above-described embodiment, and various improvements and changes can be made without departing from the spirit of the present invention.
1 走行機体
2 苗供給装置
3 苗植付け装置
4 昇降機構
5 移植機構
6 受継ぎ機構
50 移植用カップ
80 回転中心軸
81 第1ロータリケース
82 第2ロータリケース
83 回転支軸
84 相対回動支持中心軸
100 苗移植機
1 Traveling
Claims (5)
前記回転中心軸を中心に回転する第1ロータリケースと、
前記第1ロータリケースの回転直径方向の両先端部の側面に設けられた回転支軸と、
前記回転支軸を中心に回転する一対の第2ロータリケースと、
前記回転支軸に対して偏位した位置に配置され、前記第2ロータリケースに対して回転可能に設けられた一対の相対回動支持中心軸と、
前記相対回動支持中心軸に支持されており、前記第1ロータリケースの回転位相の如何に拘らず、常時下向きとなるように姿勢制御されている一対の移植用カップと、を備え、
前記回転中心軸の軸方向から見た前記移植用カップの回動静軌跡が逆三角形状である苗移植機。 The central axis of rotation and
The first rotary case that rotates around the rotation center axis and
The rotary support shafts provided on the side surfaces of both tips in the rotational radial direction of the first rotary case, and
A pair of second rotary cases that rotate around the rotary support shaft, and
A pair of relative rotation support central shafts arranged at positions deviated from the rotation support shaft and rotatably provided with respect to the second rotary case.
A pair of transplant cups, which are supported by the relative rotation support central axis and whose posture is controlled so as to always face downward regardless of the rotation phase of the first rotary case, are provided.
A seedling transplanting machine in which the static rotation locus of the transplanting cup viewed from the axial direction of the center of rotation is an inverted triangle.
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