JP6948655B1 - 慣性センサ、原子干渉計、原子線の速さと進路を調整する方法、原子線の速さと進路を調整する装置 - Google Patents

慣性センサ、原子干渉計、原子線の速さと進路を調整する方法、原子線の速さと進路を調整する装置 Download PDF

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Abstract

【課題】原子線に含まれる原子の速さを所定の速さに近づけ、且つ、当該原子線の進路を曲げる調整技術を提供する。【解決手段】調整装置500は、Mを3≦Mを満たす予め定められた整数として、M個のレーザー光を原子線131に同時に照射する。M個のレーザー光のそれぞれの進路は、原子線131の進入路と交差する。M個のレーザー光のそれぞれの輻射圧ベクトルの和の、原子線の進入路に垂直な方向における成分は非ゼロである。M個のレーザー光のそれぞれの輻射圧ベクトルの和の、原子線の進入路の方向における成分が、所定の速さよりも大きい速さを持つ原子に対して負であり、所定の速さよりも小さい速さを持つ前記原子に対して正である。【選択図】図1

Description

本発明は、原子線に含まれる原子の速さを所定の速さに近づけ、且つ、当該原子線の進路を曲げる調整技術と、当該調整技術を用いる原子干渉技術に関する。
近年、レーザー技術の進展に伴い、原子干渉計、原子干渉を利用した慣性センサなどの研究が進んでいる。原子干渉計として、例えば、マッハ-ツェンダー(Mach-Zehnder)型原子干渉計とラムゼー-ボーデ(Ramsey-Borde)型原子干渉計が知られている(例えば非特許文献1参照)。
マッハ-ツェンダー型原子干渉計の基本的なスキームでは、原子線が、それぞれπ/2パルスと呼ばれる2個の進行光定在波、および、πパルスと呼ばれる1個の進行光定在波で照射される。原子線と進行光定在波との相互作用によって、原子線は2個の原子線にスプリットし、さらに、2個の原子線は互いに交差する。この結果、2個の原子線の一方に対応する原子の状態とその他方に対応する原子の状態の重ね合わせ状態に応じた原子線が得られる。
マッハ-ツェンダー型原子干渉計に、例えば、2個の原子線を含む平面内の角速度が加わると、2個の原子線の間に位相差が生じ、この位相差が2個の原子線の一方に対応する原子の状態の存在確率とその他方に対応する原子の状態の存在確率に反映される。したがって、2個の原子線の一方に対応する原子の状態とその他方に対応する原子の状態の重ね合わせ状態に応じた原子線を観測することによって角速度を検出することができる。
また、マッハ-ツェンダー型原子干渉計に、例えば、2個の原子線を含む平面内の角速度と当該平面内において原子線の進行方向に概ね直交する方向の加速度が加わった場合に、角速度と加速度を個別に検出するために、対向伝播する2個の原子線に対して進行光定在波を照射する構成が知られている(例えば非特許文献2参照)。
T. L. Gustavson, P. Bouyer and M. A. Kasevich, "Precision Rotation Measurements with an Atom Interferometer Gyroscope," Phys. Rev. Lett.78, 2046-2049, Published 17 March 1997. T. Muller, M. Gilowski, M. Zaiser, T. Wendrich, W. Ertmer, and E. M. Rasel, "A compact dual atom interferometer gyroscope based on laser-cooled rubidium," Eur. Phys. J. D 53, 273-281, 2009.
進行光定在波で照射される原子線として、好ましくは、原子線の進行方向に低い速度を持ち、且つ、原子線の進行方向に垂直な方向に狭い速度広がりを持ち、且つ、高いフラックスを持つ冷却原子線が使用される。
冷却原子線について、一般に、冷却原子線の進行方向における原子の速さの分布が最頻値の20%程度の幅を持つことが知られており、例えば、この分布の最頻値が20m/sである場合、この分布は±2m/s程度の幅を持つ。
したがって、原子線に含まれる原子と進行光定在波とが相互作用する時間が、原子ごとに一定ではない。この相互作用時間のばらつきは、干渉に寄与する原子数の低下の原因となるので、原子干渉計から得られる原子の、2個の原子線の一方に対応する原子の状態とその他方に対応する原子の状態とのコントラストの低下の原因になる。
また、原子干渉計から得られる原子の、2個の原子線の一方に対応する原子の状態とその他方に対応する原子の状態とのポピュレーションの差は、原子の速さと原子干渉計に加わる角速度とに依存した位相の余弦関数を用いて表される。原子干渉計に加わる角速度が十分に大きい場合、原子の速さの分布の幅に含まれる様々な速さを持つ原子が様々な位相の余弦関数としてポピュレーションの差の変動に寄与するので、様々な位相の余弦関数が互いにキャンセルして、コントラストが低下する。つまり、原子の速さの分布の幅は、ダイナミックレンジの低下の原因になる。
したがって、冷却原子線の進行方向における原子の速さの分布の幅を低減することが望ましい。
また、対向伝播する2個の原子線に対して進行光定在波を照射する構成においては、対向伝播する2個の原子線が正反対に進むために、原子線の進路を微調整できることが望ましい。
よって、本発明は、原子線に含まれる原子の速さを所定の速さに近づけ、且つ、当該原子線の進路を曲げる調整技術と当該調整技術を用いた原子干渉計および慣性センサを提供することを目的とする。
ここで述べる技術事項は、特許請求の範囲に記載された発明を明示的にまたは黙示的に限定するためではなく、さらに、本発明によって利益を受ける者(例えば出願人と権利者である)以外の者によるそのような限定を容認する可能性の表明でもなく、単に、本発明の要点を容易に理解するために記載される。他の観点からの本発明の概要は、例えば、この特許出願の出願時の特許請求の範囲から理解できる。
ここに開示される調整技術によると、Mを3≦Mを満たす予め定められた整数として、M個のレーザー光を原子線に対して同時に照射する。M個のレーザー光のそれぞれの進路は、原子線の進入路と交差する。M個のレーザー光のそれぞれの輻射圧ベクトルの和の、原子線の進入路に垂直な方向における成分が非ゼロである。M個のレーザー光のそれぞれの輻射圧ベクトルの和の、原子線の進入路における成分が、所定の速さよりも大きい速さを持つ原子に対して負であり、所定の速さよりも小さい速さを持つ原子に対して正である。
原子干渉計および慣性センサはそれぞれこの調整技術を含む。
本発明の調整技術によれば、原子線に含まれる原子の速さが所定の速さに近づくと共に当該原子線の進路を曲げることができる。また、本発明の原子干渉計および慣性センサによれば、ダイナミックレンジが向上する。
調整装置を用いた原子干渉計の構成例。 図1に示す原子干渉計の構成例の部分詳細図。 図1に示す原子干渉計の構成例の部分詳細図。 調整装置の構成例。 調整装置の構成例。 調整装置の構成例。 調整装置の構成例。 干渉装置の光学的構成例。
図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。なお、図は実施形態の理解のためのものであり、図示される各構成要素の寸法は正確ではない。
図1,2,3に示す例示のマッハ-ツェンダー型原子干渉計800を含む慣性センサ900は、進行方向に垂直な方向に狭い速度広がりを持つ冷却原子線を連続生成する冷却原子線生成装置100a,100bと、冷却原子線に含まれる原子の速さを所定の速さに近づけると共に当該冷却原子線の進路を曲げる調整装置500a,500bと、3個の進行光定在波を生成する進行光定在波生成装置300と、調整装置500a,500bからの冷却原子線と3個の進行光定在波とが相互作用した結果の原子線を得る干渉装置200と、干渉装置200からの原子線を観測する観測装置400a,400bを含む。この実施形態では、冷却原子線生成装置100a,100bと調整装置500a,500bと干渉装置200と観測装置400a,400bは図示しない真空容器内に収容されている。マッハ-ツェンダー型原子干渉計800は、慣性センサ900から観測装置400a,400bを除去した構成を持つ。
冷却原子線生成装置100a,100bとして、例えば、参考文献1に開示されている装置を採用できる。冷却原子線生成装置100aと冷却原子線生成装置100bは同じ構成を持つ。冷却原子線生成装置100y(y∈{a,b})は、真空容器の一区画101y内に、気体原子を生成する原子源110yと、空間中でトラップされている気体原子の集団からプッシングレーザー光121yを利用して冷却原子線131yを生成する冷却原子線生成器130yと、冷却原子線131yの進路を曲げる原子線偏向器140yを含む(図2,3参照)。冷却原子線生成器130yは例えば2D+-MOT機構を持ち、原子線偏向器140yは例えば2D-MOT機構を持つ。
(参考文献1)日本国特開2020-20636号公報
原子源110yは気体原子を生成する。原子源110yは、固体が昇華する構成、もしくは、液体が蒸発または揮発する構成を持つ。固体または液体は、好ましくは、高純度の単一元素からなる。例えばストロンチウムまたはカルシウムを使用する場合、加熱装置が必要であるが、ルビジウムまたはセシウムを使用する場合、室温(人間の活動に適した温度)での飽和蒸気圧が高い(つまり、気化し易い)ので、加熱装置を用いずに十分な気体原子が得られる。
真空容器の一区画101y内に充満した気体原子(以下、単に原子と呼称する)は、2D+-MOT機構である冷却原子線生成器130yに自然供給される。2D+-MOT機構では、後述するとおり、コイル内の空間中でトラップされている冷却原子集団からプッシングレーザー光121yを利用して冷却原子線131yが生成され、且つ、プッシングレーザー光121yが冷却原子線131yの進行方向に漏れ出る。
なお、現在の技術水準で達成される冷却原子線131yのフラックスを考慮すると、真空容器の一区画101y内に充満した原子と冷却原子線131yとの単位時間単位体積当たりの総衝突数は十分に小さい(つまり、平均自由行程が長い)。
2D+-MOT機構は、その一例を簡単に述べると、2次元四重極磁場を形成するためのコイル(例えばヨッフェコイル(Ioffe coils))と、2次元四重極磁場の三つの対称軸に一致して配置される三つのレーザー光対と、で構成される。2D+-MOT機構は、三つのレーザー光対によって原子の速度に応じた減衰力を原子に与え(光モラセスの形成)、さらに、2次元四重極磁場による原子の位置に応じたゼーマンシフトとレーザー光対の遷移選択則とに起因するレーザー光対の輻射圧差によって原子の位置に応じた減衰力(2次元四重極磁場のゼロ磁場線に向かう力)を原子に与えることによって、原子を空間中にトラップして冷却原子集団を生成する。
三つのレーザー光対のうち二つのレーザー光対のそれぞれは、互いに対向して進み且つ同じ周波数(原子の共鳴周波数よりも少しだけ小さい周波数)を持つ円偏光σ+,σ-のペアである(σ+に対応するσ-は、σ+を1/4波長反射板で反射させることによって形成される)。当該二つのレーザー光対は互いに直交し(具体的に言えば、一方のレーザー光対における例えばσ+の進路と他方のレーザー光対における例えばσ+の進路が直交する)、さらに、当該二つのレーザー光対のそれぞれはコイルが形成する2次元四重極磁場のゼロ磁場線と直交する。当該二つのレーザー光対のそれぞれは、2D+-MOT機構内の空間に在る原子をゼロ磁場線と直交する方向にレーザー冷却する。
三つのレーザー光対のうち残りのレーザー光対は、2次元四重極磁場のゼロ磁場線上で互いに対向して進み且つ同じ周波数(原子の共鳴周波数よりも少しだけ小さい周波数)を持つ円偏光σ+,σ-のペアである。このレーザー光対は、2D+-MOT機構内の空間に在る原子をゼロ磁場線の方向にレーザー冷却する。ただし、このレーザー光対を構成する一方のレーザー光のビーム強度は他方のレーザー光のビーム強度よりも強く設定される。また、他方のレーザー光は、ゼロ磁場線の方向に対して45度の角度で配置された穴開き反射板を利用してコイル内の空間に導入されるので、他方のレーザー光は穴開き反射板の穴に対応する「ゼロ磁場線の方向の影(暗部)」を含む。したがって、ビーム強度の差と非対称な散乱率によって一方のレーザー光が実効的なプッシングレーザー光121yとして働き、ゼロ磁場線付近にトラップされている冷却原子集団から冷却原子線131yが穴開き反射板の穴を通して引き出される。また、上述したとおり、一方のレーザー光(実効的なプッシングレーザー光)は穴開き反射板の穴から冷却原子線131yと一緒に漏れ出る。
2D-MOT機構は、その一例を簡単に述べると、2D+-MOT機構から2次元四重極磁場のゼロ磁場線上の一つのレーザー光対を除外した構成を持つ。
このような冷却原子線生成装置100yでは、冷却原子線生成器130yからの冷却原子線131yの進路(この進路は、2次元四重極磁場のゼロ磁場線に一致する)は、プッシングレーザー光121y(つまり、2次元四重極磁場のゼロ磁場線上の一つのレーザー光対を構成する一方のレーザー光)の進路と一致する。
冷却原子線生成器130yと原子線偏向器140yは、原子線偏向器140yの2D-MOT機構における四重極磁場のゼロ磁場線が冷却原子線生成器130yからの冷却原子線131yの進路(つまり、2D+-MOT機構における2次元四重極磁場のゼロ磁場線)と交差する位置関係にある。2D-MOT機構における四重極磁場のゼロ磁場線の方向と2D+-MOT機構における2次元四重極磁場のゼロ磁場線の方向とがなす角度は、設計条件などに応じて決まるが、例えば、5度以上60度以下を満たす所定の角度に設定される。
冷却原子線131yおよび漏れ出たプッシングレーザー光121yは、2D-MOT機構を含む構成を持つ原子線偏向器140yに入る。冷却原子線生成器130yと原子線偏向器140yの上述の位置関係から、冷却原子線131yおよび漏れ出たプッシングレーザー光121yは、原子線偏向器140yの2D-MOT機構における四重極磁場のゼロ磁場線と斜めに交わる。そして、2D-MOT機構による原子の速度と位置に応じた減衰力によって、冷却原子線131yの進行方向は2D-MOT機構における四重極磁場のゼロ磁場線の方向に変更される。しかし、プッシングレーザー光121yは2D-MOT機構の影響を受けないので、プッシングレーザー光121yの進行方向は変更されない。したがって、原子線偏向器140yによって、冷却原子線131yはプッシングレーザー光121yの進行方向と異なる方向に進行する。
原子線偏向器140yからの冷却原子線131yは、原子線の進行方向に低い速度を持ち、且つ、原子線の進行方向に垂直な方向に狭い速度広がりを持ち、且つ、高いフラックスを持つ冷却原子線である。
原子線偏向器140yからの冷却原子線131yは、調整装置500yに入る。冷却原子線131yの進行方向と異なる方向に進むプッシングレーザー光121yは、適宜に終端処理され、調整装置500yに入らない。
調整装置500aと調整装置500bは同じ構成を持つ。ただし、調整装置500aに関する説明におけるMは、調整装置500bに関する説明におけるMと同じでも異なってもよい。また、調整装置500aに関する説明におけるvdは、調整装置500bに関する説明におけるvdと同じでも異なってもよい。
調整装置500y(y∈{a,b})は、複数のレーザー光の同時照射を利用して、冷却原子線131yに含まれる原子の速さを所定の速さに近づけるとともに、冷却原子線131yの進路を曲げる。調整装置500yは、M個のレーザー光511yを生成するレーザー光生成部501yを含む。ただし、Mは、3≦Mを満たす予め定められた整数である。レーザー光511yの総数Mは、レーザー光511yを照射される原子から見えるレーザー光511yの数であり、必ずしもレーザー光源の数とは一致しない。
レーザー光生成部501yは、次の条件を満たすM個のレーザー光511yを生成する。
(1)M個のレーザー光511yのそれぞれの進路503yが、調整装置500yへの冷却原子線131yの進入路505yと交差する。
(a)M個のレーザー光511yのそれぞれの輻射圧ベクトルの和の、調整装置500yへの冷却原子線131yの進入路505yに垂直な方向における成分が、非ゼロである。
(b)M個のレーザー光511yのそれぞれの輻射圧ベクトルの和の、調整装置500yへの冷却原子線131yの進路505yの方向における成分が、所定の速さvdよりも大きい速さを持つ原子に対して負であり、所定の速さvdよりも小さい速さを持つ原子に対して正である。
条件(1)は、M個のレーザー光511yのそれぞれの進路503yと冷却原子線131yの進路505yの位置関係が平行(ただし、「平行」は、両者が一致する場合を含む)でもねじれの位置でもないことと同じであり、調整装置500yで使用されるレーザー光511yが後述する干渉装置200の干渉系に悪影響を及ぼさないようにするため、および、レーザー光511yが冷却原子線131yに含まれる原子に作用するため、の条件である。なお、進路503yと進路505yは、それぞれ、両者が交差する直前の状況におけるレーザー光511yの進路と冷却原子線131yの進路である。条件(a)と(b)については後述する。
レーザー光生成部501yは、さらに次の条件を満たすM個のレーザー光511yを生成してもよい。
(2)M個のレーザー光511yが、冷却原子線131yが通過する予め定められた1個の空間領域にて互いに重なり合う。
条件(2)は、原子とM個のレーザー光511yとの相互作用を同時に誘起するための条件であり、小型の調整装置500yの実現に寄与する。
条件(a)と(b)について説明する。jが1≦j≦Mを満たす各整数を表すとし、j番目のレーザー光511yの波数ベクトルをkjとし、j番目のレーザー光511yの強度をIjとして、j番目のレーザー光511yが速度vで運動している原子に与える平均輻射圧ベクトルFjは式(1)で与えられる。ただし、レーザー光511yは平面波であり、hはプランク定数であり、Γは遷移の自然幅であり、Isatは遷移の飽和強度であり、δj-kj・vはドップラー効果を考慮した共鳴周波数f0からの離調であり、速さ|v|は光速cに比べて十分に小さい。
Figure 0006948655
(Ij/Isat)/(1+(δj-kj・v)2/(Γ2/4))が小さい場合、原子がM個のレーザー光511yから受ける輻射圧ベクトルFはM個の平均輻射圧ベクトルFjの総和として与えられるので、条件(a)と(b)はそれぞれ式(2)と(3)で表される。式(2)のベクトルbの大きさはゼロではなく、式(3)のaは正の定数であり、evは冷却原子線131yの進入路505yの方向、換言すれば、速度vで運動している原子の運動方向の単位方向ベクトルである。
Figure 0006948655
条件(a)は、M個のレーザー光511yの照射によって、冷却原子線131yの進入路505yとベクトルbを含む平面内で、冷却原子線131yの進路を曲げる、つまり冷却原子線131yの進行方向を変えるための条件である。条件(b)は、M個のレーザー光511yの照射によって、冷却原子線131yの進入路505yの方向において、所定の速さvdよりも大きい速さを持つ原子から運動量を奪い、所定の速さvdよりも小さい速さを持つ原子に運動量を与えるための条件である。
条件(a)と(b)、あるいは、式(2)と(3)は、レーザー光511yの強度Ijおよび、ドップラー効果を考慮した共鳴周波数f0からの離調δj-kj・vつまりレーザー光511yの進入路505yとレーザー光の周波数fjを適宜に設定することによって満たされる。
少なくとも条件(1)と(a)と(b)を満たす構成によって、冷却原子線131yの進入路505yの方向における原子の速さが所定の速さよりも大きい場合、原子は冷却原子線131yの進入路505yの方向において減速され、冷却原子線131yの進入路505yの方向における原子の速さが所定の速さよりも小さい場合、原子は冷却原子線131yの進入路505yの方向において加速され、且つ、冷却原子線131y中の原子がベクトルbの向きに力を受ける。冷却原子線131y中の原子がベクトルbの向きに力を受けることによって、調整装置500yからの冷却原子線131yの退出路507yの方向は、冷却原子線131yの進入路505yの方向と異なる。したがって、冷却原子線131yの進路における原子の速さは所定の速さに近づき、且つ、冷却原子線131aの進路が曲がる。
上述の条件(1)と(a)と(b)を満たす構成の一例を説明する。速さ|v|が光速cに比べて十分に小さく、つまり、各jについて、式(4)を仮定し、さらに微小量εの高次の項を無視することによって、式(1)の一次近似は式(5)で与えられる。
Figure 0006948655
したがって、任意のjについてδj=δ,Ij=Iである場合、式(6)が成立する。
Figure 0006948655
ここで、式(7)の条件が成立するとき、式(6)について式(8)と(9)が成立する。ejは、単位方向ベクトルevと波数ベクトルkjを含む平面において、単位方向ベクトルevに垂直な方向の単位方向ベクトルである。
Figure 0006948655
一例として、M=4N(ただし、Nは、1≦Nを満たす予め定められた整数)とし、n∈{1,…,N}とし、単位方向ベクトルevに垂直な方向の任意の単位方向ベクトルをen,1,en,2として、式(10)と(11)と(12)と(13)によって波数ベクトルk4n-3,k4n-2,k4n-1,k4nを定める。ただし、αn,βn,γn,ηnはそれぞれnに対応するゼロより大きい定数である(つまり、αn>0,βn>0,γn>0,ηn>0)。ただし、αn≠ηnである。βn≠0とγn≠0によって条件(1)が満たされる。
Figure 0006948655
式(10)と(11)と(12)と(13)によって定められる波数ベクトルk4n-3,k4n-2,k4n-1,k4nについて、式(14)と(15)と(16)が成立するので、式(7)と(2)が成立する。つまり、条件(a)が満たされる。
Figure 0006948655
さて、δ<0の条件の下、式(3)を参酌することによって、αn≠0,ηn≠0と式(16)を考慮した式(9)の右辺のvを(|v|−vd)evに置換すると、式(6)の左辺は式(17)のように書ける。
Figure 0006948655
したがって、波数ベクトルkjのレーザー光511yの周波数をfjとして、周波数f4n-3,f4n-2,f4n-1,f4nを式(18)と(19)と(20)と(21)を満たすように設定することによって、条件(b)を満たす構成が得られる。ただし、レーザー光511yの強度は互いに等しく、且つ、δ<0である。式(18)と(19)と(20)と(21)の波数ベクトルk4n-3,k4n-2,k4n-1,k4nはそれぞれ式(10)と(11)と(12)と(13)を満たす。
Figure 0006948655
冷却原子線131yの進入路505yつまり原子の運動方向evと波数ベクトルkjとがなす角度をθjとすると、αnn≠0とαnn≠0とβn≠0とγn≠0から、|θj|≠π/2且つ|θj|≠0である。ただし、角度の符号は、反時計回りを正とし、時計回りを負とする。原子の速さの調整におけるj番目のレーザー光511yの輻射圧の寄与を考慮すると、θjがcos(π/4)≦|cosθj|<1を満たすことが好ましく、さらに実装容易性も考慮すると、θjがcos(π/4)≦|cosθj|≦cos(π/10)を満たすことが好ましい。冷却原子線131yの進行方向を微調整する場合、ηnは微小な値に設定される。
真空中のレーザー光分散関係は|kj|=fj/cである。したがって、周波数f4n-3,f4n-2,f4n-1,f4nを、式(22)と(23)と(24)と(25)によって決めてよい。
Figure 0006948655
なお、式(14)の物理的考察から、4個のレーザー光511y(4n-3番目のレーザー光、4n-2番目のレーザー光、4n-1番目のレーザー光、4n番目のレーザー光)は、冷却原子線131yが通過する予め定められた1個の空間領域Snにて互いに重なり合うので、この構成例によると、各nについて条件(2)も満たされる。
具体例として、M=4の場合の構成例を図4に示す。特にen,1=en,2の場合の構成例を図5に示す。特にen,1=en,2且つβn=γnの場合の構成例を図6に示す。
他の例について説明する。M=3N(ただし、Nは、1≦Nを満たす予め定められた整数)とし、n∈{1,…,N}とし、単位方向ベクトルevに垂直な方向の任意の単位方向ベクトルをenとして、式(26)と(27)と(28)によって波数ベクトルk3n-2,k3n-1,k3nを定める。ただし、αn,βn,ηnはそれぞれnに対応するゼロより大きい定数である(つまり、αn>0,βn>0,ηn>0)。ただし、αn≠ηnである。βn≠0によって条件(1)が満たされる。
Figure 0006948655
式(26)と(27)と(28)によって定められる波数ベクトルk3n-2,k3n-1,k3nについて、式(29)と(30)と(31)が成立するので、式(7)と(2)が成立する。つまり、条件(a)が満たされる。
Figure 0006948655
さらに、δ<0の条件の下、M=4Nの例と同様に、式(3)を参酌することによって、式(6)の左辺は式(32)のように書ける。
Figure 0006948655
したがって、波数ベクトルkjのレーザー光511yの周波数をfjとして、周波数f3n-2,f3n-1,f3nを式(33)と(34)と(35)を満たすように設定することによって、条件(b)を満たす構成が得られる。ただし、レーザー光511yの強度は互いに等しく、且つ、δ<0である。式(33)と(34)と(35)の波数ベクトルk3n-2,k3n-1,k3nはそれぞれ式(26)と(27)と(28)を満たす。
Figure 0006948655
冷却原子線131yの進入路505yつまり原子の運動方向evと波数ベクトルkjとがなす角度をθjとすると、αnn≠0とαnn≠0とβn≠0とηn≠0から、|θj|≠π/2且つ|θj|≠0である。原子の速さの調整におけるj番目のレーザー光511yの輻射圧の寄与を考慮すると、θjがcos(π/4)≦|cosθj|<1を満たすことが好ましく、さらに実装容易性も考慮すると、θjがcos(π/4)≦|cosθj|≦cos(π/10)を満たすことが好ましい。冷却原子線131yの進行方向を微調整する場合、ηnは微小な値に設定される。
真空中のレーザー光の分散関係は|kj|=fj/cである。したがって、周波数f3n-2,f3n-1,f3nを、式(36)と(37)と(38)によって決めてよい。
Figure 0006948655
なお、M=4Nの例と同様に、3個のレーザー光511y(3n-2番目のレーザー光、3n-1番目のレーザー光、3n番目のレーザー光)は、冷却原子線131yが通過する予め定められた1個の空間領域Snにて互いに重なり合うので、この構成例によると、各nについて条件(2)も満たされる。
具体例として、M=3の場合の構成例を図7に示す。
図5,6の各構成において、単位方向ベクトルevと単位方向ベクトルen,1(en,2)に直交する方向で空間領域Snをレーザー冷却してもよい。図7の構成において、単位方向ベクトルevと単位方向ベクトルenに直交する方向で空間領域Snをレーザー冷却してもよい。
上述の構成例においてN>1であってもよいが、対向伝播する2個の冷却原子線131a,131bが正反対に進むために冷却原子線131a,131bのそれぞれの進行方向を変更する場合、N=1で十分である。
例えば、ルビジウム原子について、D2線(5S1/2→5P3/2遷移)の共鳴周波数f0は384.23THzであり、遷移の自然幅Γは6MHz程度であるので、δ= -Γ/2に設定し、原子線偏向器140yからの冷却原子線131yの進入路505yの方向における原子の速さの分布の最頻値が20m/sである場合にvd=20[m/s]に設定し、θ4n-3=π/4-Δ,θ4n-2= -π/4-Δ,θ4n-1=3π/4-Δ,θ4n= -3π/4-Δに設定し(ただし、Δは微小角である)、M=4に設定する場合、調整装置500yは、上記条件(1)と(2)と(a)と(b)を満たす構成を採用できる。
実施形態から明らかなように、調整装置500yの特徴は、レーザー光生成部501yのハードウェア構成ではなく、むしろ、M個のレーザー光511yの満たすべき諸条件に認められ、且つ、レーザー光511yの生成技術として既存のレーザー光生成技術を採用できるので、レーザー光生成部501yのハードウェア構成の詳細な説明を省略する。レーザー光生成部501yが上述の構成例のように進行光定在波を生成する場合、レーザー光生成部501yのハードウェア構成は、例えば、後述する進行光定在波生成装置300の光学的構成に倣い、レーザー光源、光ファイバー、AOM(acousto-optic modulator)、ビーム整形器などの組み合わせによって実現される。
調整装置500yからの冷却原子線131yに含まれる個々の原子は必要に応じて光ポンピングによって同じエネルギー準位に設定される。同じエネルギー準位の原子からなる冷却原子線131yは、干渉装置200に入る。
干渉装置200では、調整装置500aからの冷却原子線131aと調整装置500bからの冷却原子線131bのそれぞれが3個の進行光定在波200a,200b,200cを通過する。3個の進行光定在波200a,200b,200cのうち第1の進行光定在波200aおよび第3の進行光定在波200cは後述するπ/2パルスと呼ばれる性質を持ち、第2の進行光定在波200bは後述するπパルスと呼ばれる性質を持つ。各進行光定在波は、周波数が異なり且つ対向伝播する2個のレーザー光によって生成される。進行光定在波は、光の速さcに比べて十分に小さい速さでドリフトする。ただし、一方のレーザー光の波数と他方のレーザー光の波数の差は十分に小さい。
ここで、3個の進行光定在波200a,200b,200cを生成する進行光定在波生成装置300の光学的構成の一例(図8参照)を説明する。
進行光定在波生成装置300は、3個の進行光定在波200a,200b,200cに対応して3個の光学変調装置320a,320b,320cを持つ。光学変調装置320x(x∈{a,b,c})は、レーザー光が伝播する光ファイバー321x,324xと、光ファイバー321x,324xに接続されており且つ当該レーザー光の周波数をシフトする周波数シフター323xを含む。周波数シフター323xに限定は無いが、例えば、AOMまたはEOM(electro-optic modulator)である。
レーザー光源311からのレーザー光Lは、EOM312を通過することによって所定の周波数だけ周波数シフトされる。周波数シフトされたレーザー光Lは、光ファイバーカプラ313aによって等分配される。光ファイバーカプラ313aから出た2個のレーザー光Lのうちの一方は、光ファイバーカプラ313cによって等分配され、光ファイバーカプラ313aから出た2個のレーザー光Lのうちの他方は、光ファイバーカプラ313bによって等分配される。光ファイバーカプラ313bから出た2個のレーザー光Lのうちの一方は、光ファイバーカプラ313dによって等分配され、光ファイバーカプラ313bから出た2個のレーザー光Lのうちの他方は、光ファイバーカプラ313eによって等分配される。
光ファイバーカプラ313cから出た2個のレーザー光Lのうちの一方は、VOA(Variable Optical Attenuator;可変光減衰器)314aによって減衰され、さらに、例えばレンズとコリメーターなどで構成されるビーム整形器315aによって所望のビーム(例えば、ガウシアンビームである)に整形される。得られたビームLa,1は干渉装置200に入る。光ファイバーカプラ313cから出た2個のレーザー光Lのうちの他方は、図示しない光コネクタによって光ファイバーカプラ313cに一端が接続されている光ファイバー321aによって、原子線を横切ることなく、AOM323aに案内される。図8では、見易さを考慮して、光ファイバー321aの中間部分の図示を省略している。
光ファイバーカプラ313dから出た2個のレーザー光Lのうちの一方は、VOA314bによって減衰され、さらに、例えばレンズとコリメーターなどで構成されるビーム整形器315bによって所望のビーム(例えば、ガウシアンビームである)に整形される。得られたビームLb,1は干渉装置200に入る。光ファイバーカプラ313dから出た2個のレーザー光Lのうちの他方は、図示しない光コネクタによって光ファイバーカプラ313dに一端が接続されている光ファイバー321bによって、原子線を横切ることなく、AOM323bに案内される。図8では、見易さを考慮して、光ファイバー321bの中間部分の図示を省略している。
光ファイバーカプラ313eから出た2個のレーザー光Lのうちの一方は、VOA314cによって減衰され、さらに、例えばレンズとコリメーターなどで構成されるビーム整形器315cによって所望のビーム(例えば、ガウシアンビームである)に整形される。得られたビームLc,1は干渉装置200に入る。光ファイバーカプラ313eから出た2個のレーザー光Lのうちの他方は、図示しない光コネクタによって光ファイバーカプラ313eに一端が接続されている光ファイバー321cによって、原子線を横切ることなく、AOM323cに案内される。図8では、見易さを考慮して、光ファイバー321cの中間部分の図示を省略している。
光ファイバー321x(x∈{a,b,c})の他端は光コネクタによって周波数シフター323xに接続されており、レーザー光Lは周波数シフター323xに入る。レーザー光Lの周波数は、周波数シフター323xによってシフトされる。シフト量は、周波数シフター323xへの入力信号周波数fxに依存する。この結果、レーザー光Lは位相変調される。光ファイバー324xの一端が光コネクタによって周波数シフター323xに接続されており、周波数シフター323xから出たレーザー光Lは光ファイバー324xに入る。レーザー光Lは、光ファイバー324xの他端に取り付けられている光コネクタから出て、例えばレンズとコリメーターなどで構成されるビーム整形器316xによって所望のビーム(例えば、ガウシアンビームである)に整形される。得られたビームLx,2は干渉装置200に入る。
この結果、光学変調装置320xを経ていないレーザー光Lx,1および光学変調装置320xを経たレーザー光Lx,2が自由空間中を対向伝播し、進行光定在波200x(x∈{a,b,c})が得られる。
干渉装置200における原子干渉系では、光照射による原子の2準位間遷移が利用される。したがって、自然放出によるデコヒーレンスを避ける観点から、一般的に、寿命の長い2準位間遷移が利用される。例えば、原子線がアルカリ金属原子線である場合、基底状態の超微細構造に含まれる2準位の間の誘導ラマン遷移が利用される。超微細構造において、最も低いエネルギー準位を|g>とし、|g>よりも高いエネルギー準位を|e>とする。2準位間の誘導ラマン遷移は、一般的に、差周波数が|g>と|e>との共鳴周波数に概ね等しい2個のレーザー光の対向照射で形成される進行光定在波によって実現される。
以下、進行光定在波による2光子ラマン過程を利用した原子干渉について説明する。調整装置500aからの冷却原子線131aと3個の進行光定在波との相互作用について説明するが、冷却原子線131bに言及する場合を除き、下記の説明における「冷却原子線131a」を「冷却原子線131b」に読み替え、「第1の進行光定在波200a」を「第3の進行光定在波200c」に読み替え、「第3の進行光定在波200c」を「第1の進行光定在波200a」に読み替え、「冷却原子線131c」を「冷却原子線131d」に読み替えるだけで、調整装置500bからの冷却原子線131bと3個の進行光定在波との相互作用についての説明が得られる。
冷却原子線131aが第1の進行光定在波200aを通過すると、初期状態が|g, p>にある個々の原子の状態は|g, p>と|e, p+h(k1-k2)>との重ね合わせ状態に変化する。ただし、pは原子の運動量であり、k1は進行光定在波を生成する2個のレーザー光のうちの一方のレーザー光の波数であり、k2は他方のレーザー光の波数である(図2,3では、p0=p,p1=p+h(k1-k2)である)。例えば第1の進行光定在波200aの通過時間Δt(つまり、進行光定在波と原子との相互作用時間)を適切に設定すると、第1の進行光定在波200aを通過した直後の|g, p>の存在確率と|e, p+h(k1-k2)>の存在確率の比は1対1になる。原子は、対向して進む2光子の吸収・放出を通して、|g, p>から|e, p+h(k1-k2)>に遷移する際に光子2個分の運動量を得る。したがって、状態|e, p+h(k1-k2)>の原子の運動方向は、状態|g, p>の原子の運動方向からずれる。つまり、冷却原子線131aが第1の進行光定在波200aを通過すると、冷却原子線131aは、1対1の割合で、状態|g, p>の原子からなる原子線と状態|e, p+h(k1-k2)>の原子からなる原子線に分裂する。第1の進行光定在波200aは、π/2パルスと呼ばれ、冷却原子線131aに対してスプリッターとしての機能を持ち、冷却原子線131bに対して後述するコンバイナーとしての機能を持つ。
分裂後、状態|g, p>の原子からなる原子線と状態|e, p+h(k1-k2)>の原子からなる原子線は、第2の進行光定在波200bを通過する。このとき、例えば第2の進行光定在波200bの通過時間、つまり進行光定在波と原子との相互作用時間を2Δtに設定すると、第2の進行光定在波200bを通過することによって、状態|g, p>の原子からなる原子線は通過過程で状態|e, p+h(k1-k2)>の原子からなる原子線に反転し、状態|e, p+h(k1-k2)>の原子からなる原子線は通過過程で状態|g, p>の原子からなる原子線に反転する。このとき、前者については、|g, p>から|e, p+h(k1-k2)>に遷移した原子の進行方向は、上述のとおり、状態|g, p>の原子の運動方向からずれる。この結果、第2の進行光定在波200bを通過後の状態|e, p+h(k1-k2)>の原子からなる原子線の進行方向は、第1の進行光定在波200aを通過後の状態|e, p+h(k1-k2)>の原子からなる原子線の進行方向と平行になる。また、後者については、原子は、対向して進む2光子の吸収・放出を通して、|e, p+h(k1-k2)>から|g, p>に遷移する際に、2光子から得た運動量と同じ運動量を失う。つまり、|e, p+h(k1-k2)>から|g, p>に遷移した原子の運動方向は、遷移前の状態|e, p+h(k1-k2)>の原子の運動方向からずれる。この結果、第2の進行光定在波200bを通過後の状態|g, p>の原子からなる原子線の進行方向は、第1の進行光定在波200aを通過後の状態|g, p>の原子からなる原子線の進行方向と平行になる。第2の進行光定在波200bは、πパルスと呼ばれ、原子線のミラーとしての機能を持つ。
反転後、状態|g, p>の原子からなる原子線と状態|e, p+h(k1-k2)>の原子からなる原子線は、第3の進行光定在波200cを通過する。冷却原子線131aが第1の進行光定在波200aを通過する時刻をt1=Tとし、分裂後の2個の原子線が第2の進行光定在波200bを通過する時刻をt2=T+ΔTとすると、反転後の2個の原子線が第3の進行光定在波200cを通過する時刻はt3=T+2ΔTである。時刻t3にて、反転後の状態|g, p>の原子からなる原子線と反転後の状態|e, p+h(k1-k2)>の原子からなる原子線は互いに交差する。このとき、例えば第3の進行光定在波200cの通過時間、つまり進行光定在波と原子との相互作用時間を適切に設定すると―具体的には、第3の進行光定在波200cの通過時間を上記Δtに設定する―、状態|g, p>の原子からなる原子線と状態|e, p+h(k1-k2)>の原子からなる原子線との交差領域に含まれる個々の原子の|g, p>と|e, p+h(k1-k2)>との重ね合わせ状態に応じた冷却原子線131cが得られる。この冷却原子線131cが、干渉装置200の出力である。第3の進行光定在波200cは、π/2パルスと呼ばれ、冷却原子線131aに対してコンバイナーとしての機能を持ち、冷却原子線131bに対して前述したスプリッターとしての機能を持つ。
次に、観測装置400a,400bについて説明する。観測装置400aと観測装置400bは同じ構成を持つので、観測装置400aについてのみ説明する。観測装置400aに関する下記の説明における「冷却原子線131c」を「冷却原子線131d」に読み替え、「プローブ光408a」を「プローブ光408b」に読み替え、「光検出器409a」を「光検出器409b」に読み替え、「第3の進行光定在波200c」を「第1の進行光定在波200a」に読み替えるだけで観測装置400bについての説明が得られる。観測装置400aは、干渉装置200からの冷却原子線131cにプローブ光408aを照射して、状態|e, p+h(k1-k2)>の原子からの蛍光を光検出器409aによって検出する。光検出器409aとしては、光電子増倍管、蛍光フォトディテクタなどを例示できる。あるいは、光検出器409aとしてチャンネルトロンを用いる場合は、第3の進行光定在波200cを通過した後の2個の経路の一方の原子線を、プローブ光の替わりにレーザー等によってイオン化し、チャンネルトロンでイオンを検出してもよい。
マッハ-ツェンダー型原子干渉計800を慣性センサ900である原子ジャイロスコープに適用する場合、観測装置400a,400bが、励起状態の原子のポピュレーションから物理量として角速度および加速度を検出する処理を行ってもよい。マッハ-ツェンダー型原子干渉計800に、第1の進行光定在波200aの照射から第3の進行光定在波200cの照射までの原子線の2個の経路を含む平面内の角速度および加速度が加わると、第1の進行光定在波200aの照射から第3の進行光定在波200cの照射までの原子線の2個の経路に位相差が生じる。この位相差は、第3の進行光定在波200cを通過した個々の原子(これら原子は冷却原子線131cに含まれる)の状態|g>の存在確率と状態|e>の存在確率に反映され、さらに、第1の進行光定在波200aを通過した個々の原子(これら原子は冷却原子線131dに含まれる)の状態|g>の存在確率と状態|e>の存在確率にも反映される。したがって、観測装置400a,400bが、それぞれ、干渉装置200からの冷却原子線131c,131dを観測することによって、つまり、例えば励起状態|e>にある原子のポピュレーションを計測することによって、これらのポピュレーションから角速度および加速度を検出することができる。対向伝播する2個の原子線に対して進行光定在波を照射する構成において、励起状態の原子のポピュレーションから角速度および加速度を検出する処理は良く知られているので説明を省略する(例えば上記非特許文献2参照)。
<変形例>
例えば、上述の実施形態では、3個の進行光定在波を用いて、1回の分裂と1回の反転と1回の混合を行うマッハ-ツェンダー型原子干渉を利用しているが、このような実施形態に限定されず、本発明の原子干渉計は、例えば複数回の分裂と複数回の反転と複数回の混合を行う多段のマッハ-ツェンダー型原子干渉を利用した実施形態として実施することもできる。このような多段のマッハ-ツェンダー型原子干渉については、参考文献2を参照のこと。
(参考文献2)Takatoshi Aoki et al.,“High-finesse atomic multiple-beam interferometer comprised of copropagating stimulated Raman-pulse fields,”Phys. Rev. A 63, 063611 (2001) - Published 16 May 2001.
また、本発明の原子干渉計は、マッハ-ツェンダー型原子干渉計に限らず、例えばラムゼー-ボーデ型原子干渉計であってもよい。
上述の実施形態では、冷却原子線生成器130y(y∈{a,b})は2D+-MOT機構を含む構成を持つ。しかし、冷却原子線生成器130yはプッシングレーザー光を利用して、空間中でトラップされている原子から冷却原子線を生成すればよいので、2D+-MOT機構を含む構成に限定されず、例えば、LVIS機構を含む構成(例えば参考文献3)、2D-MOT機構を含む構成(例えば参考文献4)、2D-HP MOT機構を含む構成(例えば参考文献5)、あるいは、レーザー光とピラミッド型穴開き反射鏡を用いて冷却原子線を生成する構成(例えば参考文献6)を持ってもよい。
(参考文献3)Z. Lu, K. Corwin, M. Renn, M. Anderson, E. Cornell and C. Wieman: “Low-Velocity Intense Source of Atoms from a Magneto-optical Trap,” Phys. Rev. Lett., 77, 16, pp. 3331-3334 (1996).
(参考文献4)J. Schoser, A. Batar, R. Low, V. Schweikhard, A. Grabowski, Yu. B. Ovchinnikov, and T. Pfau, “Intense source of cold Rb atoms from a pure two-dimensional magneto-optical trap,” PHYSICAL REVIEW A, 66, 023410 2002.
(参考文献5)Jia-Qiang Huang, Xue-Shu Yan, Chen-Fei Wu, Jian-Wei Zhang, and Li-Jun Wang, “Intense source of cold cesium atoms based on a two-dimensional magneto-optical trap with independent axial cooling and pushing,” Chin. Phys. B Vol. 25, No. 6 063701 (2016).
(参考文献6)J. Arlt, O. Marago, S. Webster, S. Hopkins and C. Foot: “A pyramidal magnetooptical trap as a source of slow atoms,” Opt. Commun., December, pp. 303-309 (1998).
また、上述の実施形態では、原子線偏向器140yは2D-MOT機構を含む構成を持つ。しかし、原子線偏向器140yは冷却原子線生成器130yからの冷却原子線を偏向すればよいので、2D-MOT機構を含む構成に限定されず、例えば、ムービングモラセス機構を含む構成を持ってもよい。
ムービングモラセス機構は、その一例を簡単に述べると、少なくとも一つのレーザー光対を含む。レーザー光対は進行光定在波を形成する。進行光定在波はそのドリフト方向に原子に速度を与える。ムービングモラセス機構が二つのレーザー光対を含む場合、各レーザー光対は進行光定在波を形成する。二つの進行光定在波の交差領域に入った原子は、二つの進行光定在波のドリフト方向の合成方向に速度を与えられる。
原子線偏向器140yがムービングモラセス機構を含む構成を持つ場合、冷却原子線生成器130yと原子線偏向器140yは、ムービングモラセス機構における進行光定在波の進路が冷却原子線生成器からの冷却原子線の進路と交差する(好ましくは、直交する)位置関係にある。
冷却原子線131yおよび漏れ出たプッシングレーザー光121yは、ムービングモラセス機構を含む構成を持つ原子線偏向器140yに入る。冷却原子線生成器130yと原子線偏向器140yの上述の位置関係から、冷却原子線131yおよび漏れ出たプッシングレーザー光121yは、原子線偏向器140yのムービングモラセス機構における進行光定在波の進路と斜めに交わる。そして、ムービングモラセスの原理によって、冷却原子線131yの進行方向は変更される。しかし、プッシングレーザー光121yはムービングモラセス機構によって影響を受けないので、プッシングレーザー光121yの進行方向は変更されない。したがって、原子線偏向器140yによって、プッシングレーザー光121yの進行方向と異なる方向に冷却原子線131yは進行する。したがって、特許請求の範囲に記載された慣性センサと原子干渉計と調整装置の保護範囲が、レーザー光と原子線が存在する状況下のそれらに限らず、レーザー光と原子線が存在しない状況下のそれらにも及ぶことが意図される。
<補遺>
上述の条件(1)(2)(a)(b)について説明を加える。原子干渉計800を例えば生産または譲渡する場合、その時点では、原子干渉計800においてレーザー光511a,511bと原子線131a,131bは存在しない。しかし、例えばレーザー光出射口の向き或いはミラーの角度によってレーザー光511a,511bの進路503a,503bを特定できる。さらに、例えば冷却原子線生成装置100a,100bと調整装置500a,500bと干渉装置200の位置関係から、原子線131a,131bの進路505a,505bを特定できる。つまり、レーザー光511a,511bと原子線131a,131bが存在しない状況でも、条件(1)および(2)のそれぞれの成立を判断できる。さらに、レーザー光生成部501a,501bのハードウェア構成から、レーザー光生成部501a,501bが生成できるレーザー光511a,511bの強度と周波数などを特定できるので、レーザー光511a,511bと原子線131a,131bが存在しない状況でも、条件(a)および(b)のそれぞれの成立を判断できる。
例示的な実施形態を参照して本発明を説明したが、当業者は本発明の範囲から逸脱することなく、様々な変更を行い、その要素を均等物で置き換えることができることを理解するであろう。さらに、本発明の本質的な範囲から逸脱することなく、特定のシステム、デバイス、またはそのコンポーネントを本発明の教示に適合させるために、多くの修正を加えることができる。したがって、本発明は、本発明を実施するために開示された特定の実施形態に限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲に含まれるすべての実施形態を含むものとする。
さらに、「第1」、「第2」などの用語の使用は順序や重要性を示すものではなく、「第1」、「第2」などの用語は要素を区別するために使用される。本明細書で使用される用語は、実施形態を説明するためのものであり、本発明を限定することを意図するものでは決してない。用語「含む」とその語形変化は、本明細書および/または添付の特許請求の範囲で使用される場合、言及された特徴、ステップ、操作、要素、および/またはコンポーネントの存在を明らかにするが、1つまたは複数の他の特徴、ステップ、操作、要素、コンポーネント、および/またはそれらのグループの存在または追加を排除しない。「および/または」という用語は、それがもしあれば、関連するリストされた要素の1つまたは複数のありとあらゆる組み合わせを含む。特許請求の範囲および明細書において、特に明記しない限り、「接続」、「結合」、「接合」、「連結」、またはそれらの同義語、およびそのすべての語形は、例えば互いに「接続」または「結合」されているか互いに「連結」している二つの間の一つ以上の中間要素の存在を必ずしも否定しない。
特に断りが無い限り、本明細書で使用されるすべての用語(技術用語および科学用語を含む)は、本発明が属する分野の当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。さらに、一般的に使用される辞書で定義されている用語などの用語は、関連技術および本開示の文脈におけるそれらの意味と一致する意味を有すると解釈されるべきであり、明示的に定義されていない限り、理想的にまたは過度に形式的に解釈されるものではない。
本発明の説明において、多くの技法およびステップが開示されていることが理解されるであろう。これらのそれぞれには個別の利点があり、それぞれ他の開示された技法の一つ以上、または場合によってはすべてと組み合わせて使用することもできる。したがって、煩雑になることを避けるため、本明細書では、個々の技法またはステップのあらゆる可能な組み合わせを説明することを控える。それでも、明細書および請求項は、そのような組み合わせが完全に本発明および請求項の範囲内であることを理解して読まれるべきである。
以下の請求項において手段またはステップと結合したすべての機能的要素の対応する構造、材料、行為、および同等物は、それらがあるとすれば、他のクレームされた要素と組み合わせて機能を実行するための構造、材料、または行為を含むことを意図する。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更と変形が許される。選択され且つ説明された実施形態は、本発明の原理およびその実際的応用を解説するためのものである。本発明は様々な変更あるいは変形を伴って様々な実施形態として使用され、様々な変更あるいは変形は期待される用途に応じて決定される。そのような変更および変形のすべては、添付の特許請求の範囲によって規定される本発明の範囲に含まれることが意図されており、公平、適法および公正に与えられる広さに従って解釈される場合、同じ保護が与えられることが意図されている。
100a 冷却原子線生成装置
100b 冷却原子線生成装置
101a 区画
101b 区画
110a 原子源
110b 原子源
121a プッシングレーザー光
121b プッシングレーザー光
130a 冷却原子線生成器
130b 冷却原子線生成器
140a 原子線偏向器
140b 原子線偏向器
131a 冷却原子線
131b 冷却原子線
131c 冷却原子線
131d 冷却原子線
200 干渉装置
200a 第1の進行光定在波
200b 第2の進行光定在波
200c 第3の進行光定在波
300 進行光定在波生成装置
400a 観測装置
400b 観測装置
408a プローブ光
408b プローブ光
409a 光検出器
409b 光検出器
500a 調整装置
500b 調整装置
501a レーザー光生成部
501b レーザー光生成部
503a 進路
503b 進路
505a 進入路
505b 進入路
507a 退出路
507b 退出路
511a レーザー光
511b レーザー光
800 原子干渉計
900 慣性センサ
n 空間領域

Claims (12)

  1. 慣性センサであって、
    冷却された第1の原子線を連続生成する第1の冷却原子線生成装置と、
    冷却された第2の原子線を連続生成する第2の冷却原子線生成装置と、
    前記第1の原子線に含まれる第1の原子の速さを第1の所定の速さに近づけ、且つ、当該第1の原子線の進路を曲げる第1の調整装置と、
    前記第2の原子線に含まれる第2の原子の速さを第2の所定の速さに近づけ、且つ、当該第2の原子線の進路を曲げる第2の調整装置と、
    3個以上の進行光定在波を生成する進行光定在波生成装置と、
    前記第1の調整装置からの前記第1の原子線と前記3個以上の進行光定在波とが相互作用した結果の第3の原子線と、前記第2の調整装置からの前記第2の原子線と前記3個以上の進行光定在波とが相互作用した結果の第4の原子線を得る干渉装置と、
    前記干渉装置からの前記第3の原子線を観測する第1の観測装置と、
    前記干渉装置からの前記第4の原子線を観測する第2の観測装置と
    を含み、
    前記第1の調整装置は、
    1を3≦M1を満たす予め定められた整数として、下記条件(A),(B)および(C)を満たすM1個のレーザー光を生成するレーザー光生成部を含み、
    前記第2の調整装置は、
    2を3≦M2を満たす予め定められた整数として、下記条件(D),(E)および(F)を満たすM2個のレーザー光を生成するレーザー光生成部を含む
    慣性センサ。
    (A)前記M1個のレーザー光のそれぞれの進路は、前記第1の調整装置への前記第1の原子線の進入路と交差する。
    (B)前記M1個のレーザー光のそれぞれの輻射圧ベクトルの和の、前記第1の調整装置への前記第1の原子線の進入路に垂直な方向における成分が、非ゼロである。
    (C)前記M1個のレーザー光のそれぞれの輻射圧ベクトルの和の、前記第1の調整装置への前記第1の原子線の進入路の方向における成分が、前記第1の所定の速さよりも大きい速さを持つ前記第1の原子に対して負であり、前記第1の所定の速さよりも小さい速さを持つ前記第1の原子に対して正である。
    (D)前記M2個のレーザー光のそれぞれの進路は、前記第2の調整装置への前記第2の原子線の進入路と交差する。
    (E)前記M2個のレーザー光のそれぞれの輻射圧ベクトルの和の、前記第2の調整装置への前記第2の原子線の進入路に垂直な方向における成分が、非ゼロである。
    (F)前記M2個のレーザー光のそれぞれの輻射圧ベクトルの和の、前記第2の調整装置への前記第2の原子線の進入路の方向における成分が、前記第2の所定の速さよりも大きい速さを持つ前記第2の原子に対して負であり、前記第2の所定の速さよりも小さい速さを持つ前記第2の原子に対して正である。
  2. 原子干渉計であって、
    冷却された第1の原子線を連続生成する第1の冷却原子線生成装置と、
    冷却された第2の原子線を連続生成する第2の冷却原子線生成装置と、
    前記第1の原子線に含まれる第1の原子の速さを第1の所定の速さに近づけ、且つ、当該第1の原子線の進路を曲げる第1の調整装置と、
    前記第2の原子線に含まれる第2の原子の速さを第2の所定の速さに近づけ、且つ、当該第2の原子線の進路を曲げる第2の調整装置と、
    3個以上の進行光定在波を生成する進行光定在波生成装置と、
    前記第1の調整装置からの前記第1の原子線と前記3個以上の進行光定在波とが相互作用した結果の第3の原子線と、前記第2の調整装置からの前記第2の原子線と前記3個以上の進行光定在波とが相互作用した結果の第4の原子線を得る干渉装置と
    を含み、
    前記第1の調整装置は、
    1を3≦M1を満たす予め定められた整数として、下記条件(A),(B)および(C)を満たすM1個のレーザー光を生成するレーザー光生成部を含み、
    前記第2の調整装置は、
    2を3≦M2を満たす予め定められた整数として、下記条件(D),(E)および(F)を満たすM2個のレーザー光を生成するレーザー光生成部を含む
    原子干渉計。
    (A)前記M1個のレーザー光のそれぞれの進路は、前記第1の調整装置への前記第1の原子線の進入路と交差する。
    (B)前記M1個のレーザー光のそれぞれの輻射圧ベクトルの和の、前記第1の調整装置への前記第1の原子線の進入路に垂直な方向における成分が、非ゼロである。
    (C)前記M1個のレーザー光のそれぞれの輻射圧ベクトルの和の、前記第1の調整装置への前記第1の原子線の進入路の方向における成分が、前記第1の所定の速さよりも大きい速さを持つ前記第1の原子に対して負であり、前記第1の所定の速さよりも小さい速さを持つ前記第1の原子に対して正である。
    (D)前記M2個のレーザー光のそれぞれの進路は、前記第2の調整装置への前記第2の原子線の進入路と交差する。
    (E)前記M2個のレーザー光のそれぞれの輻射圧ベクトルの和の、前記第2の調整装置への前記第2の原子線の進入路に垂直な方向における成分が、非ゼロである。
    (F)前記M2個のレーザー光のそれぞれの輻射圧ベクトルの和の、前記第2の調整装置への前記第2の原子線の進入路の方向における成分が、前記第2の所定の速さよりも大きい速さを持つ前記第2の原子に対して負であり、前記第2の所定の速さよりも小さい速さを持つ前記第2の原子に対して正である。
  3. 請求項2に記載の原子干渉計において、
    前記第1の冷却原子線生成装置は、
    第1の原子源と、
    第1のプッシングレーザー光を利用して、空間中でトラップされている前記第1の原子源からの原子から前記第1の原子線を生成する第1の冷却原子線生成器と、
    前記第1の冷却原子線生成器からの前記第1の原子線が入る第1の原子線偏向器と
    を含み、
    前記第1の原子線偏向器は、2次元磁気光学トラップ機構またはムービングモラセス機構を含み、
    前記第1の冷却原子線生成器からの前記第1の原子線の進路は、前記第1のプッシングレーザー光の進路と一致し、
    前記第1の原子線偏向器が2次元磁気光学トラップ機構を含む場合、前記2次元磁気光学トラップ機構における四重極磁場のゼロ磁場線は、前記第1の冷却原子線生成器からの前記第1の原子線の進路と交差し、
    前記第1の原子線偏向器がムービングモラセス機構を含む場合、前記ムービングモラセス機構における光定在波の進路は、前記第1の冷却原子線生成器からの前記第1の原子線の進路と交差する
    ことを特徴とする原子干渉計。
  4. 請求項2または請求項3に記載の原子干渉計において、
    前記第2の冷却原子線生成装置は、
    第2の原子源と、
    第2のプッシングレーザー光を利用して、空間中でトラップされている前記第2の原子源からの原子から前記第2の原子線を生成する第2の冷却原子線生成器と、
    前記第2の冷却原子線生成器からの前記第2の原子線が入る第2の原子線偏向器と
    を含み、
    前記第2の原子線偏向器は、2次元磁気光学トラップ機構またはムービングモラセス機構を含み、
    前記第2の冷却原子線生成器からの前記第2の原子線の進路は、前記第2のプッシングレーザー光の進路と一致し、
    前記第2の原子線偏向器が2次元磁気光学トラップ機構を含む場合、前記2次元磁気光学トラップ機構における四重極磁場のゼロ磁場線は、前記第2の冷却原子線生成器からの前記第2の原子線の進路と交差し、
    前記第2の原子線偏向器がムービングモラセス機構を含む場合、前記ムービングモラセス機構における光定在波の進路は、前記第2の冷却原子線生成器からの前記第2の原子線の進路と交差する
    ことを特徴とする原子干渉計。
  5. 原子線に含まれる原子の速さを所定の速さに近づけ、且つ、当該原子線の進路を曲げる調整方法であって、
    Mを3≦Mを満たす予め定められた整数として、下記条件(A),(B)および(C)を満たすM個のレーザー光を前記原子線に対して同時に照射するステップを有する
    調整方法。
    (A)前記M個のレーザー光のそれぞれの進路は、前記原子線の進入路と交差する。
    (B)前記M個のレーザー光のそれぞれの輻射圧ベクトルの和の、前記原子線の進入路に垂直な方向における成分が非ゼロである。
    (C)前記M個のレーザー光のそれぞれの輻射圧ベクトルの和の、前記原子線の進入路における成分が、前記所定の速さよりも大きい速さを持つ前記原子に対して負であり、前記所定の速さよりも小さい速さを持つ前記原子に対して正である。
  6. 請求項5に記載の調整方法において、
    前記原子線は冷却原子線である、ただし、当該冷却原子線は、当該冷却原子線の進路に垂直な方向の速さが抑圧された原子からなる、
    ことを特徴とする調整方法。
  7. 原子線に含まれる原子の速さを所定の速さに近づけ、且つ、当該原子線の進路を曲げる調整装置であって、
    Mを3≦Mを満たす予め定められた整数として、下記条件(A),(B)および(C)を満たすM個のレーザー光を生成するレーザー光生成部を含む
    調整装置。
    (A)前記M個のレーザー光のそれぞれの進路は、前記原子線の進入路と交差する。
    (B)前記M個のレーザー光のそれぞれの輻射圧ベクトルの和の、前記原子線の進入路に垂直な方向における成分が、非ゼロである。
    (C)前記M個のレーザー光のそれぞれの輻射圧ベクトルの和の、前記原子線の進入路の方向における成分が、前記所定の速さよりも大きい速さを持つ前記原子に対して負であり、前記所定の速さよりも小さい速さを持つ前記原子に対して正である、
    調整装置。
  8. 請求項7に記載の調整装置において、
    M=4であり、
    4個の前記レーザー光の強度は互いに等しく、
    4個の前記レーザー光が、前記原子線が通過する予め定められた1個の空間領域にて互いに重なり合い、
    前記原子線の進入路の方向の単位方向ベクトルをevとし、前記単位方向ベクトルevに直交する方向の任意の単位方向ベクトルをe1,e2として、
    波数ベクトルk1,k2,k3,k4
    Figure 0006948655

    であり、ただし、α>0,β>0,γ>0,η>0であり、
    前記所定の速さをvdとし、前記波数ベクトルk1のレーザー光の周波数をf1とし、前記波数ベクトルk2のレーザー光の周波数をf2とし、前記波数ベクトルk3のレーザー光の周波数をf3とし、前記波数ベクトルk4のレーザー光の周波数をf4として、前記周波数f1,f2,f3,f4
    Figure 0006948655

    である、ただし、δ<0である、
    ことを特徴とする調整装置。
  9. 請求項8に記載の調整装置において、
    前記単位方向ベクトルevと前記波数ベクトルk1とがなす角度をθ1とし、前記単位方向ベクトルevと前記波数ベクトルk2とがなす角度をθ2とし、前記単位方向ベクトルevと前記波数ベクトルk3とがなす角度をθ3とし、前記単位方向ベクトルevと前記波数ベクトルk2とがなす角度をθ4として、cos(π/4)≦|cosθ1|<1,cos(π/4)≦|cosθ2|<1,cos(π/4)≦|cosθ3|<1,cos(π/4)≦|cosθ4|<1を満たす
    ことを特徴とする調整装置。
  10. 請求項7に記載の調整装置において、
    M=3であり、
    3個の前記レーザー光の強度は互いに等しく、
    3個の前記レーザー光が、前記原子線が通過する予め定められた1個の空間領域にて互いに重なり合い、
    前記原子線の進入路の方向の単位方向ベクトルをevとし、前記単位方向ベクトルevに直交する方向の任意の単位方向ベクトルをeとして、
    波数ベクトルk1,k2,k3
    Figure 0006948655

    であり、ただし、α>0,β>0,η>0であり、
    前記所定の速さをvdとし、前記波数ベクトルk1のレーザー光の周波数をf1とし、前記波数ベクトルk2のレーザー光の周波数をf2とし、前記波数ベクトルk3のレーザー光の周波数をf3として、前記周波数f1,f2,f3
    Figure 0006948655

    である、ただし、δ<0である、
    ことを特徴とする調整装置。
  11. 請求項10に記載の調整装置において、
    前記単位方向ベクトルevと前記波数ベクトルk2とがなす角度をθ2とし、前記単位方向ベクトルevと前記波数ベクトルk3とがなす角度をθ3として、cos(π/4)≦|cosθ2|<1,cos(π/4)≦|cosθ3|<1を満たす
    ことを特徴とする調整装置。
  12. 請求項7から請求項11のいずれかに記載の調整装置において、
    前記原子線は冷却原子線である、ただし、当該冷却原子線は、当該冷却原子線の進路に垂直な方向の速さが抑圧された原子からなる、
    ことを特徴とする調整装置。
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