JP6944481B2 - 可変容量型油圧ポンプシステム - Google Patents

可変容量型油圧ポンプシステム Download PDF

Info

Publication number
JP6944481B2
JP6944481B2 JP2019051913A JP2019051913A JP6944481B2 JP 6944481 B2 JP6944481 B2 JP 6944481B2 JP 2019051913 A JP2019051913 A JP 2019051913A JP 2019051913 A JP2019051913 A JP 2019051913A JP 6944481 B2 JP6944481 B2 JP 6944481B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tilt angle
hydraulic pump
angle sensor
servo piston
value
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2019051913A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2020153284A (ja
JP2020153284A5 (ja
Inventor
瑠璃子 守屋
瑠璃子 守屋
山田 剛史
剛史 山田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Construction Machinery Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Construction Machinery Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Construction Machinery Co Ltd filed Critical Hitachi Construction Machinery Co Ltd
Priority to JP2019051913A priority Critical patent/JP6944481B2/ja
Publication of JP2020153284A publication Critical patent/JP2020153284A/ja
Publication of JP2020153284A5 publication Critical patent/JP2020153284A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6944481B2 publication Critical patent/JP6944481B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Control Of Positive-Displacement Pumps (AREA)

Description

本発明は、例えば建設機械のアクチュエータを駆動する圧油を吐出する可変容量型油圧ポンプを含む可変容量型油圧ポンプシステムに関する。
建設機械においてエンジン等の原動機で駆動される可変容量型の油圧ポンプは、原動機の出力トルクの範囲内で入力トルクが制限されるように、傾転アクチュエータで傾転を調整して容量が制御される場合がある。この種の油圧ポンプでは、動作中にリンク等で傾転を制御装置(制御機構を含む)にフィードバックする機構が備えられる場合がある(特許文献1等参照)。
実公平3−32788号公報
油圧ポンプの可変容量機構や傾転アクチュエータ、フィードバック機構、傾転角センサに傾転角を入力するリンク機構等の可動部は経年摩耗する。この可動部の摩耗が進行すると、例えば傾転角センサで測定した傾転の実測値が同一でも実際の傾転が例えば建設機械の出荷当時から異なってくる。こうした傾転の測定誤差が拡大すると、油圧ポンプの容量制御の精度が低下してしまう。
本発明の目的は、傾転角をセンサに伝える部品の経年摩耗により傾転角の測定誤差が拡大しても精度良く容量を制御することができる可変容量型油圧ポンプシステムを提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は、本体としてのケーシングと、前記ケーシングに収容されたシリンダブロックと、前記シリンダブロックの複数のシリンダ室にそれぞれ摺動可能に挿入された複数のピストンと、前記シリンダ室に対する前記ピストンのストローク量を調整する傾転機構と、往復動作するサーボピストンにより前記傾転機構を駆動する傾転アクチュエータと、前記傾転アクチュエータを制御するレギュレータと、前記傾転機構の傾転角を測定する傾転角センサと、前記傾転機構と前記傾転角センサとを連結し前記傾転角センサに傾転角を入力するリンク機構と、前記傾転角センサの測定値を基に前記レギュレータをフィードバック制御するコントローラとを備えた可変容量型油圧ポンプシステムにおいて、前記サーボピストンの可動範囲における可動方向の少なくとも一端位置で前記サーボピストンを検出する傾転角較正用の接触センサを備え、前記コントローラは、前記接触センサから信号が入力された際の前記傾転角センサの測定値と予め記憶されたその基準値との偏差を演算し、その後の前記傾転角センサの測定値を前記偏差に基づいて補正することを特徴とする。
本発明によれば、可動範囲の端部でサーボピストンを接触センサで検出して、その際の傾転角センサの測定値と基準値との偏差を算出し、この偏差により傾転角センサの測定値を補正する。サーボピストンの可動範囲の端部位置はリンク機構等に生じた経年摩耗の影響を受けず普遍的であるため、サーボピストンの可動範囲の端部位置については例えば出荷当時と実質的に同一条件を再現することができる。そして、サーボピストンの位置が等しい条件で傾転角センサの測定値について現在の値を例えば出荷当時に得た基準値と比較することで、可動部品の経年摩耗による傾転角センサの測定値の変化を測ることができる。従って、経年摩耗による傾転角の測定誤差として上記偏差を測定することができ、この誤差を傾転角の測定値に反映させることで可動部品の経年摩耗により傾転角の測定誤差が拡大しても精度良く容量を制御することができる。
本発明の第1実施形態に係る可変容量型油圧ポンプシステムを構成する可変容量型油圧ポンプの断面図 図1中のII−II線による矢視断面図 本発明の第1実施形態に係る可変容量型油圧ポンプシステムを構成する傾転角測定装置の断面図 本発明の第1実施形態に係る可変容量型油圧ポンプシステムを構成する傾転角補正量検出装置(運転モード時)の断面図 本発明の第1実施形態に係る可変容量型油圧ポンプシステムを構成する傾転角補正量検出装置(較正モード時)の断面図 本発明の第1実施形態に係る可変容量型油圧ポンプシステムを構成する容量制御装置を模式的に表す回路図 本発明の第1実施形態に係る可変容量型油圧ポンプシステムにおける傾転角の制御手順を表すフローチャート 本発明の第1実施形態における傾転角の測定値の補正概念の説明図 本発明の第2実施形態に係る可変容量型油圧ポンプシステムを構成する可変容量型油圧ポンプの断面図 本発明の第2実施形態に係る可変容量型油圧ポンプシステムにおける傾転角の制御手順を表すフローチャート 本発明の第2実施形態における傾転角の測定値の補正概念の説明図
以下に図面を用いて本発明の実施の形態を説明する。
<第1実施形態>
−可変容量型油圧ポンプシステム−
本実施形態に係る可変容量型油圧ポンプシステムは、可変容量型油圧ポンプ10(図1及び図2)、傾転角測定装置20(図3)、傾転角補正量検出装置30(図4及び図5)、及び容量制御装置40(図6)を含んで構成されている。以下の説明において、可変容量型油圧ポンプシステムを「ポンプシステム」、可変容量型油圧ポンプを「油圧ポンプ」と適宜略称する。
−可変容量型油圧ポンプ−
図1は本発明の第1実施形態に係る可変容量型油圧ポンプシステムを構成する可変容量型油圧ポンプの断面図、図2は図1中のII−II線による矢視断面図である。油圧ポンプ10は、ケーシング11、シリンダブロック12、複数のピストン13、傾転機構14、傾転アクチュエータ15を含んで構成されている。本実施形態では斜軸式の油圧ポンプ10を例示しているが、斜軸式の油圧ポンプにも本発明は適用可能である。
ケーシング11は油圧ポンプの本体であり、メインケーシング11aとヘッドケーシング11bを含んで構成されている。メインケーシング11aはシリンダブロック12や回転軸16を収容する円筒状の部材である。回転軸16の先端(図1中の右端)はケーシング11から突出し、油圧ポンプ10を搭載する建設機械の原動機(エンジン或いは電動機)の出力軸に連結される。回転軸16の基端(図1中の左端)には円板状のドライブディスク16aが一体的に形成されている。回転軸16はメインケーシング11aに一方側の開口から挿し込まれ、シリンダブロック12にドライブディスク16aを対向させた姿勢で軸受16b,16cを介してメインケーシング11aに対し回転自在に支持されている。ヘッドケーシング11bはメインケーシング11aの他方側の開口を塞いでいる。
シリンダブロック12はメインケーシング11aの内部に収容されており、センタシャフト17(後述)を介してドライブディスク16aに連結されていて回転軸16と共に回転する。シリンダブロック12には、その軸方向に複数のシリンダ室12aが穿設されている。これらシリンダ室12aはシリンダブロック12の回転中心線を囲んで環状に配置されている。各シリンダ室12aの内部には、それぞれピストン13が往復摺動可能に挿入されている。各ピストン13の基端(図1中の右端)にはそれぞれコネクティングロッド13aが備わっている。各コネクティングロッド13aの先端はジョイントボール13bになっており、それぞれジョイントボール13bを介して各ピストン13がドライブディスク16aに揺動自在に連結されている。
傾転機構14はシリンダ室12aに対するピストン13のストローク量(ポンプ容量)を調整する機構であり、シリンドリカルレンズ型の摺動面14bを持つ弁板14aを含んで構成されている。弁板14aの中心にはセンタシャフト17と揺動ピン18が両側から挿し込まれている。センタシャフト17はシリンダブロック12の回転中心を貫通してドライブディスク16aに連結している。センタシャフト17とシリンダブロック12とは一体に回転する。弁板14aとシリンダブロック12との対向面は回転摺動面となっており、シリンダブロック12が弁板14aに対してセンタシャフト17を中心に回転摺動する。またセンタシャフト17の先端(図1中の右端)はジョイントボール17aになっており、このジョイントボール17aを介してセンタシャフト17がドライブディスク16aに対して揺動自在に連結されている。
弁板14aはヘッドケーシング11bに形成された円弧状の案内面に摺動面14bが摺動するようになっており、ジョイントボール17aの中心を通る揺動中心線Cを中心としてシリンダブロック12及び弁板14aが円弧軌道を描いて往復揺動する。また弁板14aには、シリンダブロック12の回転により各シリンダ室12aと間歇的に連通するポート14c,14d(図2)が設けられている。ポート14c,14dはヘッドケーシング11bに設けられた油通路11c,11dと弁板14aの位置に関わらず連通する。従って、回転軸16に対するセンタシャフト17の傾斜角(傾転角θ)が変化するとシリンダ室12aに対するピストン13のストローク量(ポンプ容量)が変化し、油通路11c,11dを介した作動油の給排量が変化する。
傾転アクチュエータ15はセクタ型の押し退け容量可変機構であり、ヘッドケーシング11bに形成したシリンダ室15aの内部で軸方向に往復動作するサーボピストン15bで傾転機構14を駆動し、上記案内面に沿って弁板14aを摺動させる。シリンダ室15aの内部はサーボピストン15bにより2つの受圧室15A,15Bに隔てられており、受圧室15Aにはパイロットポート15c(図1)が、受圧室15Bにはパイロットポート15d(図1)が接続している。受圧室15Aはパイロットポート15cを介して常に加圧されており、パイロットポート15dを介して受圧室15Bを加圧すればサーボピストン15bが図1中の上方向に移動し、受圧室15Bを減圧すればサーボピストン15bが図1中の下方向に移動する。サーボピストン15bには上記揺動ピン18を介して弁板14aが連結されており、サーボピストン15bを駆動することで傾転が変化する。
なお、サーボピストン15bの端部(図1中の下端)には外径の拡大した段差部15eが設けられており、サーボピストン15bの可動範囲の一端(同図中の上限)は段差部15eがシリンダ室15aの段差15fに当たる位置に制限されている。サーボピストン15bの可動範囲の他端(同図中の下限)はシリンダ室15aの端部(同図中の下端)にサーボピストン15bの端面(同図中の下端面)が当たる位置である。
−傾転角測定装置−
図3は傾転角測定装置20の断面図である。傾転角測定装置20は油圧ポンプ10の傾転角θを測定する装置であり、ケーシング21、傾転角センサ22、及びリンク機構23を含んで構成されている。
ケーシング21は傾転角測定装置20の外郭をなす円筒状の部材であり、油圧ポンプ10のメインケーシング11aの外周面に静的に固定されており、メインケーシング11aの外周面から突出して取り付けられている。ケーシング21の両端は開口しており、ケーシング21の中心線はシリンダブロック12の揺動中心線Cに設計的に一致している。
傾転角センサ22は、傾転機構14の傾転角θを測定する角度センサ(例えばポテンショメータ)であり、ケーシング21の先端開口を閉じるようにしてケーシング21に静的に固定されている。この傾転角センサ22はケーシング21の開口に嵌合部22aを嵌め合わせて取り付けられており、その入力軸22bの回転角を測定して電気的な検出信号としてコントローラ49(図6)に出力する。傾転角センサ22の入力軸22bの中心線はシリンダブロック12の揺動中心線Cに設計的に一致している。
リンク機構23は、傾転機構14と傾転角センサ22とを連結し傾転機構14の傾転角を傾転角センサ22に伝達し入力する機構であり、回転軸23a及び揺動レバー23bを含んで構成されている。回転軸23aは、円筒状の外筒23a1と、外筒23a1を貫通するシャフト23a2とを含んで構成されている。外筒23a1とシャフト23a2は互いに嵌合して固定されており、嵌合面間はOリング23a3でシールされている。回転軸23aはケーシング21に挿し込まれ、ケーシング21の内壁面に対して外筒23a1が軸受24a,24bを介して支持されており、外筒23a1とシャフト23a2とが一体に回転する。回転軸23aの外筒23a1とケーシング21の対向面間はシール部材27によりシールされている。回転軸23aの中心線はシリンダブロック12の揺動中心線Cに設計的に一致している。シャフト23a2の一端は、ケーシング21の内部でフレキシブルカップリング25を介して傾転角センサ22の入力軸22bに静的に連結されている。シャフト23a2と入力軸22bに製作誤差による軸ずれがあってもフレキシブルカップリング25で吸収される。シャフト23a2の他端は、油圧ポンプ10のメインケーシング11aの内部で揺動レバー23bの一端に対して位置決めネジ26により静的に連結されている。揺動レバー23bの他端は連結ピン28(図2)を介して弁板14aに回動自在に連結されている。
−傾転角補正量検出装置−
図4は傾転角補正量検出装置30の運転モード時の断面図、図5は較正モード時の断面図である。傾転角補正量検出装置30は、接触センサ31、ストライカ32及びアジャスタ36を含んで構成されている。
接触センサ31は傾転角較正用の(具体的には傾転角測定装置20で検出される傾転角θの補正値を演算するための)のセンサである。接触センサ31はサーボピストン15bの可動範囲における可動方向の少なくとも一端位置(本実施形態では図5の最小傾転位置Xmin)でサーボピストン15bを検出するように取り付けられている。接触センサ31には先端にはプッシュ式のプランジャ31aを有するプッシュプランジャ型のリミットスイッチを採用してあるが、採用可能な接触式センサであればセンサの種類は特に限定されない。本実施形態では、サーボピストン15bの可動範囲の一端(ヘッドケーシング11bの上部側)にのみ接触センサ31が設置されており、傾転機構14の最小傾転角θminが接触センサ31で検出される構成としてある。但し、これに代えて又は加えてサーボピストン15bの可動範囲の他端に接触センサ31を設置して最小傾転位置に代えて又は加えて最大傾転位置が検出できる構成としても良い。
なお、サーボピストン15bの可動範囲とは、構造的にサーボピストン15bが移動できる範囲(図5の最小傾転位置Xminから最大傾転位置Xmax)である。この可動範囲は、制御的に制限されたサーボピストン15bの動作範囲(図8の傾転位置X1から傾転位置X2)とは異なる。ここでは、最小傾転位置Xminをサーボピストン15bの位置Xの最小として、Xmin≦X≦Xmaxを可動範囲、X1≦X≦X2(Xmin<X1,X2≦Xmax)を動作範囲と規定できる。
ストライカ32は、ピストン容器33、ピストン34、コイルバネ35を含んで構成されている。
ピストン容器33は、フランジを備えた筒状の部材であり、ヘッドケーシング11bの上端にフランジを対向させてインロー構造で取り付けられている。ピストン容器33の内側は円柱状のピストン室33aになっている。ピストン室33aは段付き穴で形成されており、ヘッドケーシング11b側の部分の径が縮小している。ヘッドケーシング11bのシリンダ室15aとピストン容器33との摺動面はシール33bで封止されている。
ピストン34は段付き円柱状の部材であり、コイルバネ35に挿し込まれた状態でピストン室33aに収容されており、ピストン室33aの内部においてサーボピストン15bと同一方向(図4中の上下方向)に移動可能である。このピストン34は、外周部に設けた円環状の突起部34aがピストン室33aの段差に係り合って自己の可動範囲の下限(シリンダ室15aの側への移動位置の制限)が規定されている。ピストン容器33とピストン34の摺動面はシール34bで封止されている。ピストン室33aのサーボピストン15bと反対側の端部(上端)はアジャスタ36で塞がれている。ピストン室33aの内部で自然長L0のコイルバネ35が取り付け長さL2(<L0)に圧縮された状態でピストン34の突起部34aとアジャスタ36により拘束されている。ピストン34にサーボピストン15bが触れていない状態では、コイルバネ35の長さは取り付け長さL2であり、コイルバネ35の復元力(伸び方向)によりピストン34がサーボピストン15b側に(つまり下限に)押し付けられる。この状態においてピストン34の先端はシリンダ室15aに僅かに突出する(図4)。
アジャスタ36は、ストッパ37、取り付け板38、及び調整ナット39を含んで構成されている。ストッパ37は配管継ぎ手のブッシング状の部材であり、内ネジと外ネジを有している。取り付け板38は段付き穴を有する円盤状の部材である。ストッパ37は取り付け板38に対してピストン34側から挿し込まれ、外ネジに取り付けられたナット38aとの間に取り付け板38を挟み込むことで取り付け板38に固定されている。この取り付け板38をピストン容器33の上端面にボルトで固定することで、ピストン室33aにストッパ37が臨むようにストライカ32に対してアジャスタ36が取り付けられている。ピストン34にサーボピストン15bが触れていない状態では、ストッパ37とピストン34との間に距離L1(<L2)の隙間が介在する。ストッパ37の内ネジ部分には接触センサ31が捻じ込まれている。つまり接触センサ31には外周部に雄ネジ部が備わっており、この雄ネジ部に取り付けられた調整ナット39を締めこむことで接触センサ31がストッパ37に対して固定されている。接触センサ31は、先端のプランジャ31aがストッパ37からストライカ32のピストン室33aに僅かに設定距離Lp(<L1)だけ突出するように位置が調整されている。設定距離Lpはプランジャ31aの最大ストロークよりも短い距離であり、ストッパ37からの接触センサ31の突出量を設定距離Lpにすることで接触センサ31に余計な力が加わることを回避できる。
ここで、上記のストライカ32や傾転アクチュエータ15は、次の2つの条件を満たすように構成されている。
(a)サーボピストン15bがピストン34に触れていない状態(サーボピストン15bが最小傾転位置Xminから離れた状態)で次式が成立すること。
P2×S3<K×(L0−L2)
(b)サーボピストン15bにピストン34が押し込まれた状態(サーボピストン15bが最小傾転位置Xminに位置する状態)で次式が成立すること。
K×(L0−L2+L1)<P1×S1−P2×S2
但し、P1:受圧室15Aの圧力、
P2:受圧室15Bの圧力、
S1:サーボピストン15bの大径側受圧面(下端面)の面積、
S2:サーボピストン15bの小径側受圧面(上端面)の面積、
S3:ピストン34の受圧面(下端面)の面積、
L0:コイルバネ35の自然長
L1:ピストン34とストッパ37との間の距離
L2:コイルバネ35の取り付け長さ
K:コイルバネ35のバネ定数
である。
上記の条件を満たすように、出荷時において、ストッパ37の内ネジと調整ナット39によって接触センサ31のプランジャ31aがストッパ37から設定距離Lpだけ突出するように調整する。また、出荷時には、較正モード(後述)に切り換えた状態でサーボピストン15bを最小傾転位置Xminに移動させて接触センサ31の検出信号をコントローラ49に入力させる。そして、検出信号が入力された状態でストッパ37の外ネジを使ってピストン室33aに対するストッパ37の軸方向位置を調整することで、ピストン34及びサーボピストン15bを微動させてサーボピストン15bの最小傾転位置Xminを微調整する。これによりサーボピストン15bの可動範囲における最小傾転角θminで油圧ポンプ10から設定流量が吐出されるように調整し、その際に傾転角センサ22で測定された最小傾転角θminを基準値θminsとしてコントローラ49に予め記憶させておく。
上記構成の傾転角補正量検出装置30にあっては、サーボピストン15bが最小傾転位置Xmin(図5)に移動してピストン34に接触すると、ピストン34がサーボピストン15bに押し込まれる。サーボピストン15bに押し込まれたピストン34は、コイルバネ35のバネ力に抗して図4中の上方向に押されてストッパ37に当たる。その際に接触センサ31のプランジャ31aがピストン34に押され、接触センサ31から検出信号がコントローラ49に出力される。これによりサーボピストン15bが最小傾転位置Xminにあることがコントローラ49で検知される。
−容量制御装置−
図6は容量制御装置40を模式的に表す回路図である。同図に示したように、容量制御装置40は、レギュレータ41とコントローラ49とを含んで構成されている。
レギュレータ41は、傾転アクチュエータを制御する装置であり、ソレノイド(比例ソレノイド)42、スプール43,44、スプリング45、ピストン室46、及びドレン室47を含んで構成されている。レギュレータ41の入力ポート44a,44bには、油圧ポンプ10とは別個に建設機械に搭載された補助ポンプ(パイロットポンプ)APの吐出ラインが接続している。補助ポンプAPは例えばギヤポンプであり、レギュレータ41の入力ポート44a,44bの他、傾転アクチュエータ15の受圧室15Bにも接続している。レギュレータ41は、コントローラ49からソレノイド42に入力される指令信号(励磁電流)により駆動される。
例えばソレノイド42に入力される指令信号が強まると、スプール43がバネ力に抗して図中の下方向に移動し、補助ポンプAP(ポート44a)とピストン室46とを接続する油路の開口割合が増してスプール44がバネ力に抗して図中の上方向に移動する。これにより傾転アクチュエータ15の受圧室15AとタンクTとを接続する油路の開口割合が増し、サーボピストン15bが図中の上方向(図4では下方向)に移動して傾転角θが大きくなる(ポンプ容量が増加する)。傾転角θが大きくなると油圧ポンプ10からアクチュエータACに供給される圧油の流量が増す。アクチュエータACは建設機械の作業機等を駆動する油圧モータや油圧シリンダ等の油圧アクチュエータである。
反対にソレノイド42に入力される指令信号が弱まると、スプール43がバネ力により図中の上方向に移動する。するとピストン室46とドレン室47を接続する油路の開口割合が増加(ピストン室46と補助ポンプAPを接続する油路の開口割合が減少)し、スプール44がバネ力により図中の下方向に移動する。これにより傾転アクチュエータ15の受圧室15Aと補助ポンプAP(ポート44b)とを接続する油路の開口割合が増し、サーボピストン15bが図中の下方向(図4では上方向)に移動して傾転角θが小さくなる(ポンプ容量が減少する)。傾転角θが小さくなると油圧ポンプ10からアクチュエータACに供給される圧油の流量が減少する。
傾転角θの変化は傾転角測定装置20においてリンク機構23を介して傾転角センサ22に入力され、傾転角センサ22の測定値(傾転角θ又は傾転角θに応じた例えば電圧値)がコントローラ49に入力される。
コントローラ49は、RAM,ROM,HDD等の各種メモリやCPUを備えた制御用のコンピュータである。このコントローラ49には、操作装置OPからの操作信号の他、傾転角センサ22、接触センサ31、モードスイッチ48の信号が入力される。操作装置OPはアクチュエータACの操作用の操作レバー装置や操作ペダル装置等であり、油圧ポンプ10を搭載した建設機械の運転室(不図示)に設けられている。モードスイッチ48は運転モードと較正モードとを切り換える操作を行うためのスイッチであり、例えば油圧ポンプ10を搭載した建設機械の運転室(不図示)に設けられている。また、コントローラ49の信号出力先としては、レギュレータ41のソレノイド42の他、出力装置ODが備わっている。出力装置ODは警告出力をして油圧ポンプ10の異常等をオペレータに報知する機能を備えた装置であり、例えばモニタやランプ等の表示出力装置やスピーカやブザー等の音声出力装置である。この出力装置ODは油圧ポンプ10を搭載した建設機械の運転室(不図示)に設けられている。
レギュレータ41のソレノイド42に入力される指令信号は、オペレータの操作に伴って操作装置OPから出力される操作信号に応じてコントローラ49から出力される。その際、コントローラ49は、操作装置OPの操作量に応じたポンプ流量に対する油圧ポンプ10の実際のポンプ流量の誤差を小さくする制御を実行する。具体的には、コントローラ49は操作量に応じた目標傾転角θtに傾転角センサ22で測定された傾転角θを近付けるように、目標傾転角θtに対する傾転角θの大小関係に応じてレギュレータ41を駆動して油圧ポンプ10をフィードバック制御する。
なお、前述した通り、運転モード時にコントローラ49により制御的に制限されるサーボピストン15bの動作範囲は先に説明した構造的な可動範囲よりも狭く設定されている。本実施形態では、運転モード時にソレノイド42に出力される指令信号の最小値は0より大きく設定されており、運転モードが選択されている状態では無操作時でもサーボピストン15bが最小傾転位置Xminまで移動しないようになっている。運転モード時においては、サーボピストン15bがストライカ32のピストン34に触れることはなく、接触センサ31が入り状態になることがないように設計されている。較正モード時にのみ、ソレノイド42が消磁され、サーボピストン15bが可動範囲の最小傾転位置Xmin(図5)まで移動し、接触センサ31によりサーボピストン15bが検出される。なお、本願明細書においては、ソレノイド42に対する励磁電流の供給を停止することに限らず、サーボピストン15bが最小傾転位置Xminに移動する程度以下に励磁電流を弱めることを含めて「消磁」と呼ぶ。
そして、コントローラ49は、接触センサ31から信号が入力された際に傾転角センサ22で検出された最小傾転角θminと前述した基準値θminsとの偏差Δθminを演算する。コントローラ49には、こうして演算した偏差Δθminに基づいて傾転角センサ22で検出される傾転角θを補正する(言い換えれば同一の実傾転角に対して出荷当時に傾転角センサ22で測定されていた値に変換する)機能が備わっている。具体的には、コントローラ49は、モードスイッチ48で較正モードが選択されている間に演算された上記の偏差Δθmin(又はΔθminの演算の基礎となる傾転角センサ22の出力値)を補正値として記憶する。そして、運転モードに切り換わった後の傾転角センサ22の測定値(傾転角θ)に補正値を加算し、補正した測定値が操作に応じた目標傾転角に近付くように油圧ポンプ10をフィードバック制御する。
−基本動作−
油圧ポンプ10にあっては、原動機(不図示)により回転軸16が回転駆動されると、ドライブディスク16aとシリンダブロック12が回転し、これに伴って各ピストン13がシリンダ室12aの内部を順次往復摺動する。ピストン13がシリンダ室12aから引き出される際に、例えば油通路11cからポート14cを介してシリンダ室12aに作動油が吸入される。その後、ピストン13がシリンダ室12aに押し込まれる際に、シリンダ室12aの内部の作動油が加圧されてポート14dから油通路11dを介して吐出される。この吸入流量及び吐出流量が傾転角θにより変化する。前述した通り、油圧ポンプ10の傾転角θはコントローラ49によりレギュレータ41を介して制御される。
−傾転制御−
図7はコントローラ49による傾転角の制御手順を表すフローチャート、図8は傾転角θの測定値の補正概念の説明図である。コントローラ49は、油圧ポンプ10を搭載した建設機械の運転席でキースイッチがオンになって電源が入ると図7の手順を開始し、通電中は同手順を繰り返し実行する。手順の開始後、コントローラ49は、まずモードスイッチ48から信号を基に較正モードが選択されているかを判定する(ステップS1)。較正モードが選択されていれば、コントローラ49はソレノイド42を消磁して接触センサ31から検出信号が入力されたかを判定する(ステップS11)。接触センサ31から検出信号が入力されたかどうかは、接触センサ31の信号(出力電圧)が設定値V1[V]以上になったかで判定される(図8)。ソレノイド42を消磁してもサーボピストン15bが最小傾転位置Xminまで移動せず、設定時間内に接触センサ31からサーボピストン15bの検出信号が入力されない場合、コントローラ49は出力装置ODに警告出力を指令する(ステップS15)。
サーボピストン15bが最小傾転位置Xminに移動して接触センサ31から検出信号が入力されたら、コントローラ49はその際に傾転角センサ22で実測された最小傾転角θminを入力する。そして、出荷時に予め記憶された基準値θminsと最小傾転角θminとの偏差Δθminを演算する(ステップS12)。コントローラ49は、この偏差Δθminの絶対値が予めメモリに格納された異常判定用の設定値Δθ1未満に収まっているかを判定する(ステップS13)。偏差Δθminが設定値Δθ1以上であれば、コントローラ49は傾転角センサ22の測定値が異常である(例えばリンク機構23等の傾転角測定装置20に故障がある)と判定して警告を出力し、ステップS31に手順を移す(ステップS15)。偏差Δθminの絶対値が設定値Δθ1未満であれば、コントローラ49は偏差Δθminを補正値としてメモリに格納し、ステップS31に手順を移す(ステップS14)。更にコントローラ49は電源がオフ(例えば油圧ポンプ10を搭載した建設機械のキースイッチからの信号がオフ)になったかを判定し(ステップS31)、電源がオフになったら例えば遅延回路を用いて図7の手順の終了処理を実行する。電源オンの状態が継続していれば、コントローラ49はステップS1に手順を戻して図7の手順を継続して実行する。
その後、ステップS1に手順が戻ってモードスイッチ48の信号を基に選択モードが運転モードに切り換わったことが判定されると、コントローラ49は操作装置OPからの操作信号が入力されたかを判定する(ステップS21)。操作信号が入力されていない場合、コントローラ49はステップS31に手順を移す。操作信号が入力されていれば、コントローラ49は操作信号に応じた目標傾転角θtを演算し(ステップS22)、目標傾転角θtに応じた指令信号をソレノイド42に出力して油圧ポンプ10の傾転を制御する(ステップS23)。ソレノイド42に指令信号を出力したら、コントローラ49は傾転角センサ22で測定された傾転角θを入力し(ステップS24)、ステップS14で記憶した偏差Δθminを補正値として傾転角θを補正する(ステップS25)。本実施形態では、偏差Δθminを加算することで傾転角θを補正する。従って、偏差Δθminが正の値であれば(基準値θminsよりも較正モード時に実測された最小傾転角θminが小さければ)傾転角θは増加方向に補正される。反対に、偏差Δθminが負の値であれば(基準値θminsよりも較正モード時に実測された最小傾転角θminが大きければ)傾転角θは減少方向に補正される。傾転角θを補正したら、コントローラ49は補正した傾転角θと目標傾転角θtの偏差を演算し、その偏差の絶対値が予めメモリに記憶された設定値Δθs未満に収まっているかを判定する(ステップS26)。偏差が設定値Δθs以上であれば、コントローラ49はその偏差を小さくするように指令値を増減させ(ステップS27)、ステップS26の処理を再試行するフィードバック制御を実行する。偏差が設定値Δθs未満であれば、コントローラ49はステップS31に手順を移す。ステップS31の処理内容については前述した通りである。
−効果−
(1)本実施形態によれば、可動範囲の最小傾転側の端部でサーボピストン15bを接触センサ31で検出し、その際の傾転角センサ22の測定値と基準値θminsとの偏差Δθminを算出して、偏差Δθminにより傾転角センサ22の測定値θを補正する。サーボピストン15bの可動範囲の端部位置はリンク機構23等の経年摩耗の影響を受けず普遍的であるため、サーボピストン15bの可動範囲の端部位置については例えば出荷当時と実質的に同一条件を再現することができる。そして、サーボピストン15bの位置が等しい条件で傾転角センサ22の測定値について現在の値を例えば出荷当時に得た基準値と比較することで、リンク機構23等に生じた経年摩耗による傾転角センサ22の測定値の変化を測ることができる。従って、傾転角θを傾転角センサ22に伝えるリンク機構23等の部品の経年摩耗による傾転角θの測定誤差(偏差Δθmin)を測定することができる。測定した傾転角θにこの誤差を反映させることで、リンク機構23等の経年摩耗により傾転角θの測定誤差が拡大しても精度良く油圧ポンプ10の容量を制御することができる。また傾転角センサ22の測定値の経年変化からリンク機構23等の可動部品の摩耗の程度が推定できるため、可動部品の寿命診断に役立つ。
(2)サーボピストン15bが最小傾転位置Xminに移動したことを検知する限りにおいては、ストロークセンサを用いてサーボピストン15bの位置を常時検出可能な構成とすることもできる。しかし、この場合にはサーボピストン15bのストロークに応じた測定可能範囲を持つストロークセンサを要し、傾転角補正量検出装置30が必要以上に大型化する。多機能化が著しい近年の建設機械にあって、増加傾向にある車載機器を緻密にレイアウトする上で車載機器の無駄な大型化は望ましくない。
それに対し、本実施形態においてキャリブレーションのために新設した接触センサ31は、サーボピストン15bが最小傾転位置Xminに移動したことのみを検出するリミットスイッチである。従ってポンプシステムの大型化を抑制し、良好な車載性を確保することができる。
(3)較正モードと運転モードを分け、運転モード時つまり通常運転時には接触センサ31がサーボピストン15bに触れないように構成されているため、日頃の運転に伴って傾転角補正量検出装置30が受ける影響を抑制できる。但し、前述した可動範囲を動作範囲に一致させてモード切り換えを省略し、通常運転中に接触センサ31が作動した際に都度補正値を演算及び更新する構成とすることも考えられる。
(4)接触センサ31をサーボピストン15bの可動範囲における可動方向の一端位置にのみ設け、較正モード時に演算した偏差Δθminそのものを一定の補正値として扱う。そして測定された傾転角θを一律に偏差Δθminだけオフセット補正するので、補正処理に要する演算容量を抑えることができる。
(5)偏差Δθminが異常判定用の設定値Δθ1以上である場合に警告を出すことで、傾転角センサ22やリンク機構23等の傾転角測定装置20の故障を推定することができる。
(6)傾転角補正量検出装置30はシール33bやシール34bで適切に摺動面がシールされているので、接触センサ31が臨むピストン室33aへの油の侵入を抑制しピストン室33aの加圧を回避できる。従って過酷な環境下での使用に耐え得る特殊仕様のセンサを用いる必要がなく、通常仕様のセンサを接触センサ31として使用することができる。これにより傾転角補正量検出装置30の大型化に伴う油圧ポンプ10の車載性の低下や製造コストの高騰を抑制できる。
<第2実施形態>
図9は本発明の第2実施形態に係るポンプシステムを構成する油圧ポンプの断面図であり、第1実施形態の図1に対応する図である。本実施形態において第1実施形態と同様の又は対応する要素には適宜図1と同符号を付して説明を省略する。本実施形態が第1実施形態と相違する点は、接触センサ31がサーボピストン15bの可動範囲における可動方向の両端の位置に設けられている点である。本実施形態ではヘッドケーシング11bの受圧室15B側(上側)の端部と同様にして、受圧室15A側(下側)の端部にも傾転角補正量検出装置30が設置してある。受圧室15B側に設けた傾転角補正量検出装置30と受圧室15A側に設けたものとは同一構成であり、サーボピストン15bの最小傾転位置Xminに加えて最大傾転位置Xmaxが検出できるように構成されている。その他のハード構成については第1実施形態と同様である。
図10は本発明の第2実施形態に係るポンプシステムにおける傾転角の制御手順を表すフローチャートであり、第1実施形態の図7に対応する図である。図11は本実施形態における傾転角θの測定値の補正概念の説明図であり、第1実施形態の図8に対応する図である。本実施形態において、ステップS1,S15,S21−S24,S26,S27,S31の手順は、図7の同一番号の手順と同一の処理である。ステップS11’,S12’,S13’,S14’,S25’の手順は、図7のステップS11,S12,S13,S14,S25の手順に対応しているが一部異なる。第1実施形態と異なるステップS11’,S12’,S13’,S14’,S25’の手順について説明する。
本実施形態では、ステップS1で選択モードが較正モードであると判定した場合、コントローラ49はソレノイド42を消磁してサーボピストン15bを最小傾転位置Xminに移動させる。一方の接触センサ31から検出信号が入力されたら、コントローラ49はその際に傾転角センサ22で測定された最小傾転角θminを記憶し、ソレノイド42の励磁力を増大させてサーボピストン15bを最大傾転位置Xmaxに移動させる。これにより他方の接触センサ31から検出信号が入力されたら、コントローラ49はその際に傾転角センサ22で測定された最大傾転角θmaxを記憶する。コントローラ49は、θmin,θmaxを測定する一連の制御の過程で双方の接触センサ31から検出信号が設定時間内に入力されたかを判定する(ステップS11’)。双方の接触センサ31から検出信号が入力されたかどうかは、第1実施形態と同様に各接触センサ31の信号(出力電圧)が設定値V1[V]以上になったかで判定される(図11)。サーボピストン15bは最大傾転位置Xmaxを経由して最小傾転位置Xminに移動させても(θmax,θminの順に測定しても)良い。例えばサーボピストン15bが最小傾転位置Xmin及び最大傾転位置Xmaxに移動不能な状態で、少なくとも一方の接触センサ31からの検出信号の入力がない場合、コントローラ49はステップS15に手順を移して出力装置ODに警告出力を指令する。
θmin,θmaxの双方が測定されたら、コントローラ49は出荷時に予め記憶された基準値θmins,θmaxsとθmin,θmaxとの各偏差Δθmin,Δθmaxを演算する(ステップS12’)。基準値θmins、θmaxs例えば出荷時に最小傾転位置Xminと最大傾転位置Xmaxで得られた傾転角センサ22の測定値である。コントローラ49は、この偏差Δθmin,Δθmaxの各絶対値が予めメモリに格納された異常判定用の各設定値Δθ1,Δθ2未満に収まっているかを判定する(ステップS13’)。偏差Δθminが設定値Δθ1以上又は偏差Δθmaxが設定値Δθ2以上であれば、コントローラ49は出力装置ODに警告出力を指令する(ステップS15)。
偏差Δθminの絶対値が設定値Δθ1未満でかつ偏差Δθmaxの絶対値が設定値Δθ2未満であれば、コントローラ49は補正値の関数Δθ(x)を求めてメモリに格納し、ステップS31に手順を移す(ステップS14’)。補正値の関数Δθ(x)の算出手順は次の通りである。
例えば出荷時におけるサーボピストン15bの位置Xと傾転角θの相関である基準関数θs(x)は、次式のように求められる(図11)。
θs(x)={(θmaxs−θmins)(X−Xmin)/(Xmax−Xmin)}+θmins
基準関数θs(x)によれば、サーボピストン15bの任意の位置Xについて出荷当時の傾転角センサ22の傾転角θ(任意の位置Xについての基準値)が求められる。
また、経年後におけるサーボピストン15bの位置Xと傾転角θの相関である関数θ(x)は、経年後に最小傾転位置Xminで測定された最小傾転値θmin、最大傾転位置Xmaxで測定された最大傾転角θmaxから次式のように求められる(図11)。
θ(x)={(θmax−θmin)(X−Xmin)/(Xmax−Xmin)}+θmin
上記の補正値の関数Δθ(x)は、次式のように、予めメモリに格納された基準関数θs(x)と経年後に較正モードを用いて取得した関数θ(x)との差分として求められる。
Δθ(x)=θs(x)−θ(x)
この補正値の関数Δθ(x)によれば、サーボピストン15bの任意の位置Xについて現在の傾転角センサ22の傾転角θに加算すべき補正値が求められる。図11のように関数θs(x),θ(x)が平行であれば、関数Δθ(x)は一定値Δθとなるが、関数θs(x),θ(x)の差分が位置Xに応じて増減する場合には補正値は位置Xに応じて異なる値となる。
その後、選択モードが運転モードに切り換わったら、第1実施形態と同様にステップS21〜S24の処理を経て、運転中に測定された傾転角θに基づいて関数Δθ(x)から補正値を算出し、この補正値を加算することで傾転角θを補正する(ステップS25’)。具体的には、傾転角センサ22で測定された傾転角θに基づき関数θ(x)からサーボピストン15bの位置Xが算出できるので、算出した位置Xについて補正値の関数Δθ(x)から補正値を算出することができる。続くステップS26以降の手順は第1実施形態と同様である。
本実施形態のように補正値の関数Δθ(x)を用いても、第1実施形態と同様の効果が得られる。また、出荷当時との比較で経年後の傾転角センサ22の測定値の偏差がサーボピストン15bの位置Xにより異なる場合も考えられる。そのような場合には、本実施形態のように補正値の関数Δθ(x)を用いて位置Xに応じた補正値で傾転角θをオフセット補正することで、第1実施形態に対して補正精度の向上が期待できる。
11…ケーシング、12…シリンダブロック、12a…シリンダ室、13…ピストン、14…傾転機構、15…傾転アクチュエータ、15b…サーボピストン、22…傾転角センサ、23…リンク機構、31…接触センサ(リミットスイッチ)、41…レギュレータ、48…モードスイッチ、49…コントローラ、OD…出力装置、X1〜X2…動作範囲、Xmin〜Xmax…可動範囲、Xmin…最小傾転位置(可動範囲における可動方向の一端位置)、Xmax…最大傾転位置(可動範囲における可動方向の一端位置)、Δθmax…偏差、Δθmin…偏差、Δθ1,Δθ2…設定値、Δθ(x)…補正値の関数、θ…傾転角(傾転角センサの測定値)、θmax…最大傾転角(接触センサから信号が入力された際の傾転角センサの測定値)、θmaxs…基準値、θmin…最小傾転角(接触センサから信号が入力された際の傾転角センサの測定値)、θmins…基準値、θs(x)…関数(基準相関)、θ(x)…関数(サーボピストンの位置と傾転角センサの測定値との相関)

Claims (6)

  1. 本体としてのケーシングと、
    前記ケーシングに収容されたシリンダブロックと、
    前記シリンダブロックの複数のシリンダ室にそれぞれ摺動可能に挿入された複数のピストンと、
    前記シリンダ室に対する前記ピストンのストローク量を調整する傾転機構と、
    往復動作するサーボピストンにより前記傾転機構を駆動する傾転アクチュエータと、
    前記傾転アクチュエータを制御するレギュレータと、
    前記傾転機構の傾転角を測定する傾転角センサと、
    前記傾転機構と前記傾転角センサとを連結し前記傾転角センサに傾転角を入力するリンク機構と、
    前記傾転角センサの測定値を基に前記レギュレータをフィードバック制御するコントローラとを備えた可変容量型油圧ポンプシステムにおいて、
    前記サーボピストンの可動範囲における可動方向の少なくとも一端位置で前記サーボピストンを検出する傾転角較正用の接触センサを備え、
    前記コントローラは、前記接触センサから信号が入力された際の前記傾転角センサの測定値と予め記憶されたその基準値との偏差を演算し、その後の前記傾転角センサの測定値を前記偏差に基づいて補正することを特徴とする可変容量型油圧ポンプシステム。
  2. 請求項1に記載の可変容量型油圧ポンプシステムにおいて、前記接触センサはリミットスイッチであることを特徴とする可変容量型油圧ポンプシステム。
  3. 請求項1に記載の可変容量型油圧ポンプシステムにおいて、
    運転モードと較正モードとを切り換えるモードスイッチを備え、
    前記運転モードの下で前記コントローラにより制限される前記サーボピストンの動作範囲は前記可動範囲よりも狭く設定されており、前記較正モードが選択されている場合にのみ前記接触センサにより前記サーボピストンが検出可能に構成されており、
    前記コントローラは、前記較正モードで前記偏差を算出し、前記偏差を基に前記運転モードに切り換わった後の前記傾転角センサの測定値を補正することを特徴とする可変容量型油圧ポンプシステム。
  4. 請求項3に記載の可変容量型油圧ポンプシステムにおいて、
    前記接触センサは、前記サーボピストンの可動範囲における可動方向の一端位置にのみ設けられており、
    前記コントローラは、前記較正モードが選択されている場合に、前記接触センサから信号が入力された際の前記傾転角センサの測定値と前記基準値との偏差を補正値として演算し、
    前記コントローラは、前記運転モードが選択されている場合に、前記補正値を加算することにより前記傾転角センサの測定値を補正することを特徴とする可変容量型油圧ポンプシステム。
  5. 請求項3に記載の可変容量型油圧ポンプシステムにおいて、
    前記接触センサは、前記サーボピストンの可動範囲における可動方向の両端位置に設けられており、
    前記コントローラは、前記較正モードが選択されている場合に、双方の接触センサから信号が入力された際の前記傾転角センサの測定値から前記サーボピストンの位置と前記傾転角センサの測定値との相関を演算し、この相関と予め記憶された基準相関とから傾転角についての補正値の関数を求め、
    前記コントローラは、前記運転モードが選択されている場合に、前記傾転角センサの測定値に基づいて前記関数から算出した補正値を加算することにより前記傾転角センサの測定値を補正することを特徴とする可変容量型油圧ポンプシステム。
  6. 請求項3に記載の可変容量型油圧ポンプシステムにおいて、
    警告出力をする出力装置を備え、
    前記コントローラは、前記較正モードが選択されている場合に、前記接触センサから信号が入力された際の前記傾転角センサの測定値と前記基準値との偏差の絶対値が予め定められた設定値以上であれば、前記出力装置に警告出力を指令することを特徴とする可変容量型油圧ポンプシステム。
JP2019051913A 2019-03-19 2019-03-19 可変容量型油圧ポンプシステム Active JP6944481B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019051913A JP6944481B2 (ja) 2019-03-19 2019-03-19 可変容量型油圧ポンプシステム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019051913A JP6944481B2 (ja) 2019-03-19 2019-03-19 可変容量型油圧ポンプシステム

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2020153284A JP2020153284A (ja) 2020-09-24
JP2020153284A5 JP2020153284A5 (ja) 2020-12-17
JP6944481B2 true JP6944481B2 (ja) 2021-10-06

Family

ID=72558235

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019051913A Active JP6944481B2 (ja) 2019-03-19 2019-03-19 可変容量型油圧ポンプシステム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6944481B2 (ja)

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3497031B2 (ja) * 1995-03-07 2004-02-16 日立建機株式会社 油圧ポンプ制御装置
JPH1037849A (ja) * 1996-07-22 1998-02-13 Hitachi Constr Mach Co Ltd 可変容量型斜軸式液圧回転機
JP2005320912A (ja) * 2004-05-10 2005-11-17 Shin Caterpillar Mitsubishi Ltd 可変容量型油圧ポンプ

Also Published As

Publication number Publication date
JP2020153284A (ja) 2020-09-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2008303813A (ja) 可変容量型ポンプ制御装置
US7979229B2 (en) Displacement control signal correction method, displacement control device, construction machine and displacement control signal correction program
US7360513B2 (en) Internal combustion engine that uses a variable compression ratio device
KR100397516B1 (ko) 작업기의 제어방법 및 그 제어장치
US9158308B2 (en) Apparatus using electronically-controlled valves
WO2011145715A1 (ja) 作業車両及び作業車両の制御方法
US6298940B1 (en) Power steering system for motor vehicles
US11473698B2 (en) Spool valve device and spool valve
JP6998145B2 (ja) 液圧駆動装置
JP6944481B2 (ja) 可変容量型油圧ポンプシステム
JP2009197709A (ja) 斜板式可変容量型油圧ポンプ
JP2019049204A (ja) 油圧駆動装置
US20080202112A1 (en) Method and system for feedback pressure control
US11286647B2 (en) Electrohydraulic control device for construction machine and method thereof
JP6550297B2 (ja) 油圧駆動システム
JP5504871B2 (ja) 2重制御アクチュエータ装置
JPH11280705A (ja) 油圧弁操作装置
CN116134250A (zh) 用于校准枢转角度传感器的方法、控制机构和行驶-或作业机
WO2021171947A1 (ja) 操舵システム
JP2007177635A (ja) 傾転制御信号の補正方法、傾転制御装置、建設機械および傾転制御信号補正用プログラム
KR102559604B1 (ko) 유압 시스템
US20240151247A1 (en) Hydraulic system
JP3392975B2 (ja) 可変容量型斜軸式液圧回転機
JP2024065399A (ja) 液圧ポンプの性能低下検知システム
JPH09265324A (ja) 流体輸送用ブーム装置

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20201106

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20201106

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210825

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210831

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210910

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6944481

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150