JP6941776B2 - 電動工具 - Google Patents

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Description

本発明は、駆動軸の回転により生じるトルクを出力軸に伝達して先端工具を回転させる電動工具に関する。
特許文献1は、モータの回転軸に減速機構である遊星ギア機構が連結され、負荷トルクの増大に伴って遊星ギア機構におけるリングギアを空転させることで出力軸に至る動力伝達を遮断するトルククラッチ機構を備えた締め付け工具を開示する。また特許文献2は、駆動軸にカム機構を介してハンマが取り付けられ、出力軸に所定値以上の負荷がかかったときにハンマがアンビルに回転方向の打撃衝撃を与えて出力軸を回転させるインパクト回転工具を開示する。
特開2015−113944号公報 特開2005−118910号公報
従来の電動工具は、モータの回転トルクを機械的に出力軸に伝達する構造を採用するため、使用時に騒音が発生する。特にメカニカル方式のインパクト回転工具では、ハンマがアンビルを打撃することでインパクトトルクを発生させるため、衝撃音は非常に大きなものとなる。そのため従来より、インパクトトルクを維持しつつ、静音性に優れた電動工具の開発が望まれている。
本発明はこうした状況に鑑みなされたものであり、その目的は、伝達トルクを維持しつつ、静音性に優れた電動工具を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある態様の電動工具は、モータにより回転駆動される駆動軸と、先端工具を装着可能な出力軸と、駆動軸側に連結される駆動マグネット部材と出力軸側に連結される従動マグネット部材とを含むマグネットカップリングを有するトルク伝達機構であって、駆動マグネット部材側の慣性モーメントよりも従動マグネット部材側の慣性モーメントが大きいトルク伝達機構と、モータとトルク伝達機構の間に設けられるクラッチ機構とを備える。
本発明によれば、伝達トルクを維持しつつ、非接触で静音性に優れた電動工具を実現できる。
実施形態に係る電動工具の構成の一例を示す図である。 マグネットカップリングの内部構造の一例を示す図である。 マグネットカップリングの状態遷移を説明するための図である。 クラッチ機構の例を示す図である。 シミュレーション結果の一例を示す図である。 シミュレーション結果の別の例を示す図である。 シミュレーション結果のさらに別の例を示す図である。
図1は、本発明の実施形態に係る電動工具1の構成の一例を示す。電動工具1は、モータ2を駆動源とする回転工具であって、モータ2により回転駆動される駆動軸4と、先端工具を装着可能な出力軸6と、駆動軸4の回転により生じるトルクを出力軸6に伝達するトルク伝達機構5と、モータ2とトルク伝達機構5の間に設けられるクラッチ機構8とを備える。クラッチ機構8は、駆動軸4の回転により生じるトルクを連結軸9を介してトルク伝達機構5に伝達する一方で、連結軸9がトルク伝達機構5から受けるトルクを駆動軸4に伝達しない機械要素として構成されてよい。クラッチ機構8の作用については、後述する。
電動工具1において、電力はバッテリパックに内蔵されたバッテリ13により供給される。モータ2はモータ駆動部11により駆動され、モータ2の回転軸の回転は、減速機3によって減速されて駆動軸4に伝達される。クラッチ機構8は、駆動軸4の回転トルクを連結軸9を介してトルク伝達機構5に伝達する。
実施形態のトルク伝達機構5は、非接触のトルク伝達を可能とするマグネットカップリング20を有する。
図2は、マグネットカップリング20の内部構造の一例を示す図である。図2は、インナーロータおよびアウターロータを有するシリンダータイプのマグネットカップリング20の一部を切り欠いた斜視断面を示している。インナーロータの円筒外周面およびアウターロータの円筒内周面には、それぞれS極およびN極が周方向に交互に隣接して配置される。マグネットカップリング20は、駆動軸4の回転により生じるトルクを磁力により出力軸6に伝達することで、トルク伝達における優れた静音性を実現する。図2には8極タイプのマグネットカップリング20を示すが、この極数に限定されるものではない。
マグネットカップリング20は、駆動軸4側に連結される駆動マグネット部材21と、出力軸6側に連結される従動マグネット部材22と、駆動マグネット部材21および従動マグネット部材22の間に配置される隔壁23とを有する。実施形態のマグネットカップリング20では、駆動マグネット部材21がインナーロータであり、従動マグネット部材22がアウターロータであり、駆動マグネット部材21側の慣性モーメントよりも、従動マグネット部材22側の慣性モーメントが大きくなるように形成される。
インナーロータである駆動マグネット部材21の外周面は、S極磁石21aおよびN極磁石21bを交互に配置した磁石面21cを構成する。またアウターロータである従動マグネット部材22の内周面は、S極磁石22aおよびN極磁石22bを交互に配置した磁石面22cを構成する。磁石面21cおよび磁石面22cにおいて、磁極の配置ピッチ角度は等しく設定される。磁石面21cおよび磁石面22cにおいて、S極磁石およびN極磁石は、交互に隙間無く配置されることが好ましい。
駆動マグネット部材21および従動マグネット部材22は、磁石面21cおよび磁石面22cを対向させて同軸に配置される。対向方向においてS極磁石21aとN極磁石22b、N極磁石21bとS極磁石22aの吸引力が作用することで、駆動マグネット部材21および従動マグネット部材22の相対的な位置関係が定められる。
制御部10は、モータ2の回転を制御する機能を有する。操作スイッチ12はユーザにより操作されるトリガスイッチであって、制御部10は、操作スイッチ12の操作によりモータ2のオンオフを制御するとともに、操作スイッチ12の操作量に応じた駆動指示をモータ駆動部11に供給する。モータ駆動部11は、制御部10から供給される駆動指示によりモータ2の印加電圧を制御して、モータ回転数を調整する。
電動工具1は、マグネットカップリング20を採用することで、非接触のトルク伝達を行えるとともに、工具としての静音性を向上できる。また磁石面21cにおいてS極およびN極を交互に隣接して配置し、磁石面22cにおいてS極およびN極を交互に隣接して配置することで、S極およびN極を離間して配置する場合と比較すると、マグネットカップリング20は大きなトルクを伝達可能となる。
以下、電動工具1をインパクト回転工具として構成する場合について説明する。
インパクト回転工具は、締付対象であるボルト等のねじ部材に、回転方向の衝撃力を間欠的に付加する機能をもつ。そこで実施形態では、トルク伝達機構5を構成するマグネットカップリング20に、締付対象に間欠的な回転衝撃力を付加する機能をもたせる。マグネットカップリング20は、駆動マグネット部材21の磁石面21cと従動マグネット部材22の磁石面22cとの間に作用する磁力を変化させることで、出力軸6に装着された先端工具を介して、締付対象であるねじ部材に間欠的な回転衝撃力を付加する。
マグネットカップリング20では、伝達可能な最大トルク以上の負荷トルクが作用しなければ、駆動マグネット部材21と従動マグネット部材22は、回転方向の相対位置を実質的に維持して同期回転する。しかしながら、ねじ部材の締付が進み、マグネットカップリング20の伝達可能な最大トルクを超える負荷トルクが出力軸6側に作用すると、従動マグネット部材22が駆動マグネット部材21に追従できなくなる。この駆動マグネット部材21と従動マグネット部材22とが同期していない状態のことを「脱調」と呼ぶ。
図3は、マグネットカップリング20の状態遷移を説明するための図である。ここでは、出力軸6に装着した先端工具によりボルトの締付作業を行うときの状態遷移を示す。
図3には、6極タイプのマグネットカップリング20における駆動マグネット部材21と従動マグネット部材22の回転方向の位置関係が示されている。磁石S1、S2、S3、磁石N1、N2、N3は、駆動マグネット部材21におけるS極磁石21a、N極磁石21bであり、磁石S4、S5、S6、磁石N4、N5、N6は、従動マグネット部材22におけるS極磁石22a、N極磁石22bである。
状態ST1は、駆動マグネット部材21がモータ2により回転駆動されて、駆動マグネット部材21と従動マグネット部材22とが相対的な同期位置を維持して、一緒に回転している状態を示す。同期回転中、従動マグネット部材22は、駆動マグネット部材21の回転に追従して回転するため、従動マグネット部材22の位相は、駆動マグネット部材21の位相に対して僅かに遅れるが、状態ST1では、両者の位相関係を同位相として示す。なお両者の位相関係を分かりやすくするために、状態ST1で同位相の位置にある磁石N6の基準位置22dと磁石S1の基準位置21dとを定義する。
状態ST2は、従動マグネット部材22が駆動マグネット部材21に追従できなくなる直前の状態を示す。ボルトの締付作業中、マグネットカップリング20の伝達可能な最大トルクを超える負荷トルクが出力軸6にかかると、出力軸6側に連結された従動マグネット部材22の回転が停止し、駆動マグネット部材21が従動マグネット部材22に対して空転し始める。
状態ST3は、脱調状態にあって、駆動マグネット部材21と従動マグネット部材22の間に作用する反発磁力が最大となった状態を示す。状態ST2から状態ST3までの間、駆動マグネット部材21は駆動軸4により回転される。
状態ST4は、脱調状態にあって、駆動マグネット部材21と従動マグネット部材22とが、互いの磁石による反発力の影響を受けて、互いに逆向きとなる回転方向に動かされる状態を示す。ここではインナーロータである駆動マグネット部材21が、モータ2が駆動軸4を回転する速度よりも高速に回転するように加速され、一方で、従動マグネット部材22は、停止位置から逆方向に回転する。なお従動マグネット部材22は、出力軸6側に連結されているため、従動マグネット部材22の逆方向の回転は、締付対象であるボルトを緩める方向の回転となる。そのため状態ST4で、従動マグネット部材22の逆方向の最大回転角度は、先端工具の回転遊び角度よりも小さく制限されることが好ましい。なお先端工具の回転遊び角度は、先端工具と締付対象であるボルトとの間の遊び角度に、先端工具と出力軸6の間の遊び角度を加えた角度として定義されてよい。
このように状態ST3で脱調が開始すると、状態ST4で、駆動マグネット部材21および従動マグネット部材22が、互いに逆向きとなる回転方向に動く。
駆動マグネット部材21の動作について、磁石S1に注目すると、状態ST3で、磁石S1と磁石S4との間には、最大の反発磁力が作用している。状態ST3から、駆動マグネット部材21がさらに回転すると、磁石S1は、磁石S4の反発磁力により磁石S4から回転方向に押し出されるとともに、磁石N4の吸引磁力により回転方向に引き込まれる。駆動マグネット部材21における他の磁石S2〜S3、磁石N1〜N3も、磁石S1と同じように従動マグネット部材22から磁力を受ける。そのため状態ST4では、モータ2が駆動軸4を回転する速度よりも高速に回転する。
従動マグネット部材22の動作について、磁石S4に注目すると、状態ST3で、磁石S4と磁石S1との間には、最大の反発磁力が作用している。状態ST3から、駆動マグネット部材21がさらに回転すると、磁石S4は、磁石S1の反発磁力により磁石S1から逆回転方向に押し出されるとともに、磁石N3の吸引磁力により逆回転方向に引き込まれる。従動マグネット部材22における他の磁石S5〜S6、磁石N4〜N6も、磁石S4と同じように駆動マグネット部材21から磁力を受ける。そのため状態ST4では、従動マグネット部材22が、駆動マグネット部材21の回転方向とは逆方向に回転する。
状態ST5は、状態ST4で逆回転した従動マグネット部材22が、正方向、つまりは先端工具がボルトを締め付ける方向に回転する状態を示す。電動工具1において、駆動マグネット部材21はクラッチ機構8により逆回転せず、常に正回転する。従動マグネット部材22は、状態ST4で逆回転した後、正回転している駆動マグネット部材21の吸引磁力により、元の停止位置(ボルトの締付位置)に向けて正方向に回転する。
状態ST6は、従動マグネット部材22が、状態ST1に示す元の停止位置まで正回転してボルトに回転衝撃力が伝達された状態を示す。マグネットカップリング20は、状態ST2から状態ST6までの状態遷移を繰り返すことで、ボルトに間欠的な回転衝撃力を付加する。
以上のように実施形態のトルク伝達機構5は、マグネットカップリング20における脱調を利用することで、間欠的な回転衝撃力を発生させる。なお上記したように、状態ST4では、モータ2が駆動軸4を回転する速度よりも高速に駆動マグネット部材21が回転する。そのため仮に駆動マグネット部材21と駆動軸4とが自由度なしに連結されていると、駆動軸4が駆動マグネット部材21と一体回転することで、モータ2が発電機として動作し、結果として駆動マグネット部材21の回転を制動する、つまり回転速度を遅くするブレーキとして作用することになる。
そこで実施形態では、モータ2とトルク伝達機構5との間にクラッチ機構8を設けて、状態ST4で、駆動マグネット部材21がモータ2による回転速度よりも高速回転する際に、駆動軸4と駆動マグネット部材21との間のトルク伝達を遮断させるようにしている。
実施形態のクラッチ機構8は、駆動軸4の回転により生じるトルクを連結軸9を介して駆動マグネット部材21に伝達する一方で、駆動マグネット部材21が従動マグネット部材22から受けるトルク、つまり吸引磁力による進行方向の回転トルクを駆動軸4に伝達しない。クラッチ機構8は、入力側に与えられたトルクは出力側に伝達するが、出力側に与えられたトルク(逆入力トルク)は入力側に伝達しない機械要素であってよい。
クラッチ機構8は、ワンウェイクラッチを有してよい。ここでワンウェイクラッチは、モータ2が駆動軸4を正回転する速度よりも、駆動マグネット部材21が高速に正回転する際に、駆動マグネット部材21と駆動軸4との間のトルク伝達を遮断するように、モータ2とトルク伝達機構5の間に配置される。
図4(a)および(b)は、トルク伝達方向が互いに逆向きの一対のワンウェイクラッチを有して構成されるクラッチ機構8の例を示す。クラッチ機構8は、一対の第1ワンウェイクラッチ8a、第2ワンウェイクラッチ8bを有し、たとえば第1ワンウェイクラッチ8aはモータ2の正転方向のトルク伝達を行い、第2ワンウェイクラッチ8bはモータ2の逆転方向のトルク伝達を行う。切替機構8cは、一対の第1ワンウェイクラッチ8aまたは第2ワンウェイクラッチ8bのいずれか一方を、モータ2とトルク伝達機構5の間に配置する。
図4(a)は、切替機構8cにより第1ワンウェイクラッチ8aが駆動軸4に連結された状態を示す。ユーザは、ボルトの締付作業時、切替機構8cを操作して、第1ワンウェイクラッチ8aを駆動軸4に連結させる。
図4(b)は、切替機構8cにより第2ワンウェイクラッチ8bが駆動軸4に連結された状態を示す。ユーザは、ボルトの緩め作業時、切替機構8cを操作して、第2ワンウェイクラッチ8bを駆動軸4に連結させる。
このようにクラッチ機構8が、トルク伝達方向が互いに逆向きの一対のワンウェイクラッチを切替可能に有することで、ユーザは、電動工具1を、ねじ部材の締付作業および緩め作業の双方に利用できる。なおクラッチ機構8は、トルク伝達方向を切替可能なツーウェイクラッチを有して構成されてもよい。
なおクラッチ機構8は、駆動マグネット部材21が従動マグネット部材22から受けるトルクを駆動軸4に伝達しない逆入力遮断クラッチを有して構成されてもよい。逆入力遮断クラッチは、入力側に与えられたトルクは出力側に伝達するが、出力側に与えられたトルク(逆入力トルク)は回転方向によらず入力側に伝達しないように形成される。そのためクラッチ機構8が逆入力遮断クラッチを有することで、ユーザによるクラッチの切替操作なしに、電動工具1をねじ部材の締付作業および緩め作業の双方に利用できるようになる。
図3に戻り、電動工具1では、状態ST4で、従動マグネット部材22が、逆回転し、その後、状態ST5で、従動マグネット部材22が、正回転する駆動マグネット部材21により加速されて、状態ST6で、回転衝撃力を発生する。本発明者は、マグネットカップリング20の慣性モーメントに注目し、大きな回転衝撃力を発生させるための出力側慣性モーメントと入力側慣性モーメントの適切な比をシミュレーションによって解析した。
以下、シミュレーションによる解析結果を示す。図5〜図7に示すシミュレーション結果では、出力側である従動マグネット部材22側の慣性モーメントと、入力側である駆動マグネット部材21側の慣性モーメントの比を異ならせて、回転衝撃力としてボルトに付加されるトルク値を演算している。なおシミュレーション条件として、締付対象であるボルトは固定とし、出力軸には一定の弾性をもたせている。以下、駆動マグネット部材21側の慣性モーメントを「入力側慣性モーメント」、従動マグネット部材22側の慣性モーメントを「出力側慣性モーメント」と呼ぶ。なお出力側慣性モーメントは、出力軸6に装着される先端工具も含めて導出されてよい。
図5は、出力側慣性モーメントと入力側慣性モーメントとを等しくしたときのシミュレーション結果を示す。図5(a)は、モータ2の回転角度と駆動マグネット部材21の回転角度を示し、図5(b)は、従動マグネット部材22の回転角度を示し、図5(c)は、締付対象であるボルトに付与されるトルク値を示す。
時間t1まで、駆動マグネット部材21は、モータ2と一体に回転している。時間t1で、マグネットカップリング20は状態ST3(図3参照)となり、脱調を開始する。時間t1の後、駆動マグネット部材21と従動マグネット部材22は、互いの磁石による反発力により、互いに逆向きとなる回転方向に加速される。図5(a)には、駆動マグネット部材21の回転が加速され、モータ2よりも回転角度が大きくなる様子が示され、図5(b)には、従動マグネット部材22が逆方向に回転する様子が示される。駆動マグネット部材21は、磁石の反発力により加速された後、再び、時間t3までモータ2と一体に回転する。
図5(b)に示す例では、脱調開始後、従動マグネット部材22は約35度、逆方向に回転し、その後、正回転する駆動マグネット部材21により吸引されて、時間t2で逆回転前の角度に戻り(状態ST6)、先端工具がボルトに締付トルクを付与する。図5(c)は、時間t2で、10Nm未満の締付トルクが発生したことを示す。
マグネットカップリング20の脱調開始時、駆動マグネット部材21と従動マグネット部材22は、同一の大きさのトルクを、互いに逆向きに受ける。この逆向きのトルクにより、駆動マグネット部材21は正回転方向に、従動マグネット部材22は逆回転方向にそれぞれ回転する。理論上、相対的な回転角度がピッチ角度(60度)に略等しくなるまで、駆動マグネット部材21と従動マグネット部材22は、互いに逆向きに回転する。
シミュレーション条件において、入力側慣性モーメントの大きさと、出力側慣性モーメントの大きさが等しく設定されていれば、駆動マグネット部材21と従動マグネット部材22は、互いに逆方向に同じ角度だけ回転する。そのため駆動マグネット部材21は約30度正回転し、従動マグネット部材22は約30度逆回転する。なお、実際のシミュレーションでは、出力軸に一定の弾性をもたせていることで、従動マグネット部材22は、約35度、逆回転する挙動を示している(図5(b))。
そのため従動マグネット部材22が、時間t2で逆回転前の元の角度に戻ったときには、駆動マグネット部材21の回転に既に同期した状態となる。そのため時間t2で、従動マグネット部材22は、駆動マグネット部材21とともに、モータ回転速度で回転している状態となっており、ボルトに付与される締付トルクは大きくならない。
図6は、出力側慣性モーメントが入力側慣性モーメントの10倍であるときのシミュレーション結果を示す。図6(a)は、モータ2の回転角度と駆動マグネット部材21の回転角度を示し、図6(b)は、従動マグネット部材22の回転角度を示し、図6(c)は、締付対象であるボルトに付与されるトルク値を示す。
時間t11まで、駆動マグネット部材21は、モータ2と一体に回転している。時間t11で、マグネットカップリング20は状態ST3(図3参照)となり、脱調を開始する。時間t11の後、駆動マグネット部材21と従動マグネット部材22は、互いの磁石による反発力により、互いに逆向きとなる回転方向に加速される。図6(a)には、駆動マグネット部材21の回転が加速され、モータ2よりも回転角度が大きくなる様子が示され、図6(b)には、従動マグネット部材22が逆方向に回転する様子が示される。駆動マグネット部材21は、磁石の反発力により加速された後、再び、時間t13までモータ2と一体に回転する。
図6(b)に示す例では、脱調開始後、従動マグネット部材22は約12度、逆方向に回転し、その後、正回転する駆動マグネット部材21により吸引されて、時間t12で逆回転前の角度に戻り(状態ST6)、先端工具がボルトに締付トルクを付与する。図6(c)は、時間t12で、40Nmを超える締付トルクが発生したことを示す。図5(c)に示される締付トルクと比較して、出力側慣性モーメントを入力側慣性モーメントよりも大きくしたことで、締付トルクは増加している。
図6におけるシミュレーション条件では、入力側慣性モーメントよりも出力側慣性モーメントを大きくしたことで、脱調時に従動マグネット部材22が逆回転する角度を、駆動マグネット部材21が正回転する角度よりも小さくできる。逆回転した従動マグネット部材22は、その後、駆動マグネット部材21の磁石に吸引されて、正転方向に加速されるが、駆動マグネット部材21に同期する前、つまり正転加速中に、逆回転前の元の角度に戻ることで、大きな締付トルクを発生できる。このシミュレーション結果により、入力側慣性モーメントよりも出力側慣性モーメントを大きくすることで、マグネットカップリング20が、大きな締付トルクをボルトに伝達できることが示される。
図7は、出力側慣性モーメントが入力側慣性モーメントの100倍であるときのシミュレーション結果を示す。図6におけるシミュレーション条件よりも、出力側慣性モーメントと入力側慣性モーメントの比をさらに大きくしている。図7(a)は、モータ2の回転角度と駆動マグネット部材21の回転角度を示し、図7(b)は、従動マグネット部材22の回転角度を示し、図7(c)は、締付対象であるボルトに付与されるトルク値を示す。
時間t21まで、駆動マグネット部材21は、モータ2と一体に回転している。時間t21で、マグネットカップリング20は状態ST3(図3参照)となり、脱調を開始する。時間t21の後、駆動マグネット部材21と従動マグネット部材22は、互いの磁石による反発力により、互いに逆向きとなる回転方向に加速される。図7(a)には、駆動マグネット部材21の回転が加速され、モータ2よりも回転角度が大きくなる様子が示され、図7(b)には、従動マグネット部材22が逆方向に回転する様子が示される。駆動マグネット部材21は、磁石の反発力により加速された後、再び、時間t23までモータ2と一体に回転する。
図7(b)に示す例では、脱調開始後、従動マグネット部材22は約1.75度、逆方向に回転し、その後、正回転する駆動マグネット部材21により吸引されて、時間t22で逆回転前の角度に戻り(状態ST6)、先端工具がボルトに締付トルクを付与する。図7(c)は、時間t22で、20Nm未満の締付トルクが発生したことを示す。図5(c)に示される締付トルクと比較すると、出力側慣性モーメントを入力側慣性モーメントよりも大きくしたことで、締付トルクは増加している。これにより、入力側慣性モーメントよりも出力側慣性モーメントを大きく設定することで、締付トルクを大きくできることが証明される。
次に図7(c)と図6(c)に示される締付トルクを比較すると、慣性モーメント比(=出力側慣性モーメント/入力側慣性モーメント)が10であるときの方が、慣性モーメント比が100であるときよりも、締付トルクは高いことが示される。本発明者は、この要因を考察し、慣性モーメント比が大きくなるほど脱調時の従動マグネット部材22の逆回転角度が小さくなる点に注目した。脱調時の逆回転角度が小さいと、従動マグネット部材22が、逆回転前の元の角度に戻るまでのストロークが短いために、元の角度に戻ったときに、駆動マグネット部材21の吸引磁石により十分に加速されていない。そこで本発明者は、慣性モーメント比が1であるときよりは、締付トルクは高くなるが、慣性モーメント比が大きくなりすぎると、従動マグネット部材22が十分に加速できないことで、締付トルクが十分に大きくならないという知見を得た。
図5〜図7に示すシミュレーション結果により、本発明者は、慣性モーメント比を1よりも大きくすることで、慣性モーメント比が1である場合と比較して、より大きな締付トルクを得られることを確認した。さらに本発明者は、慣性モーメント比を100未満、つまり従動マグネット部材22側の慣性モーメントを、駆動マグネット部材21側の慣性モーメントの100倍未満と設定することで、高い締付トルクを実現できることを確認した。
なお実施形態では、マグネットカップリング20において、駆動マグネット部材21をインナーロータ、従動マグネット部材22をアウターロータとしている。従動マグネット部材22をインナーロータとする場合と比較すると、従動マグネット部材22をアウターロータとすることで、1よりも大きい慣性モーメント比をもつマグネットカップリング20の軽量化を実現できる。
以上、本発明を実施形態をもとに説明した。この実施形態は例示であり、それらの各構成要素あるいは各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
本発明の態様の概要は、次の通りである。
本発明のある態様の電動工具(1)は、モータ(2)により回転駆動される駆動軸(4)と、先端工具を装着可能な出力軸(6)と、駆動軸側に連結される駆動マグネット部材(21)と、出力軸側に連結される従動マグネット部材(22)とを有するマグネットカップリング(20)を有するトルク伝達機構(5)であって、駆動マグネット部材側の慣性モーメントよりも、従動マグネット部材側の慣性モーメントが大きいトルク伝達機構(5)と、モータ(2)とトルク伝達機構(5)の間に設けられるクラッチ機構(8)と、を備える。
従動マグネット部材側の慣性モーメントは、駆動マグネット部材側の慣性モーメントの100倍未満であることが好ましい。駆動マグネット部材(21)はインナーロータ、前記従動マグネット部材(22)はアウターロータであることが好ましい。
1・・・電動工具、2・・・モータ、4・・・駆動軸、5・・・トルク伝達機構、6・・・出力軸、8・・・クラッチ機構、10・・・制御部、20・・・マグネットカップリング、21・・・駆動マグネット部材、22・・・従動マグネット部材。

Claims (3)

  1. モータにより回転駆動される駆動軸と、
    先端工具を装着可能な出力軸と、
    前記駆動軸側に連結される駆動マグネット部材と、前記出力軸側に連結される従動マグネット部材とを含むマグネットカップリングを有するトルク伝達機構であって、前記駆動マグネット部材側の慣性モーメントよりも、前記従動マグネット部材側の慣性モーメントが大きいトルク伝達機構と、
    前記モータと前記トルク伝達機構の間に設けられるクラッチ機構と、
    を備えることを特徴とする電動工具。
  2. 前記従動マグネット部材側の慣性モーメントは、前記駆動マグネット部材側の慣性モーメントの100倍未満である、
    ことを特徴とする請求項1に記載の電動工具。
  3. 前記駆動マグネット部材はインナーロータ、前記従動マグネット部材はアウターロータである、
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の電動工具。
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