JP6941354B2 - センサ付き締め付け工具およびこれを用いたシステム - Google Patents

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Description

この発明は、おねじ部材とめねじ部材を相対回転して締結する継手等を締め付けるセンサ付き締め付け工具およびこれを用いた締め付け確認用システムに関する。
互いに連通する流体通路を有している第1および第2の管状継手部材を備えている管継手において、継手部材同士は、適宜なねじ手段で締め付けられるが、このねじ手段として、第1および第2の継手部材のいずれか一方におねじ部が形成され、継手部材のおねじ部にねじ合わされた袋ナットによって、両継手部材が結合されるものや、第1および第2の継手部材がいずれもおねじ部が形成されていないスリーブとされ、別体とされたおねじ部材と袋ナットとによって、両継手部材が結合されるものが知られている(特許文献1)。
このような管継手は、配管を多く有する装置やプラントにおいては、非常に多く使用されており、管継手を適切に締め付ける作業は、設備製造やプラント現場で通常なされる。
これらの数多くの管継手を漏れなく定められた仕様に基づいて行う作業は、見た目で歴然と判別することが困難であるため、高い注意力を有する。
特開2010−96329号公報
適切に締め付けられているかを確認する作業については、数多くの管継手に対して一点ずつ行うことになり、労力を要するとともに、確認漏れが発生する可能性がある。
目視によって適切に継手の締め付けが行われているかどうかを、数多くの継手に対して一点ずつ締め付け後に行うことは、労力を要するとともに、確認漏れが発生する可能性がある。
この発明の目的は、数多くの管継手の締め付けが適切に行われていることの確認を漏れなく締め付けと同時に容易に行うことができるセンサ付き締め付け工具およびこれを用いた締め付け確認用システムを提供することである。
本発明(1)は、おねじ部材とめねじ部材を相対回転し、前記おねじ部材と前記めねじ部材との間にある隙間の間隔を所定の間隔に保持する締め付け工具であって、前記隙間の間隔を測定するセンサを有することを特徴とする締め付け工具である。
継手等を締結するためのおねじ部材とめねじ部材を相対回転すると、おねじ部材と対向するめねじ部材の間の距離は狭まり、ある一定値以下になると必要な締め付けが行われたと判定される。
このおねじ部材とめねじ部材の間の距離を計測できるセンサを締め付け工具に搭載し、締め付けと同時にこの距離を測定することによって、締め付け作業と同時に締め付け確認を行うことができる。
本発明(2)は、前記締め付け工具にさらに測定した前記隙間の間隔を表示する表示部を有することを特徴とする本発明(1)に記載の締め付け工具である。
隙間の間隔表示する表示部を締め付け工具に備えることによって、実際の隙間をリアルタイムで知ることができ、締め付けが適正範囲に入っているかどうかを作業者が、締め付け作業と同時に判定することができる。
本発明(3)は、前記センサは、レーザを用いた隙間センサであることを特徴とする本発明(1)または本発明(2)に記載の締め付け工具である。
センサの発光部からレーザを継手部分に走査発光し、その反射レーザをセンサの受光部で検知して、おねじ部材とめねじ部材との間にある隙間の間隔が計測される。
本発明(4)は、前記センサは、静電容量型隙間センサであることを特徴とする本発明(1)または本発明(2)に記載の締め付け工具である。
このセンサは、センサに取り付けられたプローブ先端の電極端子をおねじ部材とめねじ部材との間にある隙間に挿入し、電極端子とおねじ部材間および電極端子とめねじ部材間の距離を測定して、おねじ部材とめねじ部材との間にある隙間の距離を測定することができる。
本発明(5)は、本発明(1)〜本発明(4)に記載の締め付け工具と監視装置とを有する継手の締め付け確認用システムであって、前記監視装置は、前記センサからの信号を受信する通信部と、前記センサから受信した信号より合否を判定する判定部と、を有することを特徴とする締め付け確認用システムである。
締め付け工具に備えられたセンサからの信号を監視装置の受信部が受信し、締め付け合格か否かは、受信された信号によるおねじ部材とめねじ部材との間にある隙間が、所定の範囲内であるか否かを判定部で識別することによって容易に判別することができる。
判別された判定結果を設備やプラント全体の継手と照合することによって容易に漏れなく点検することができる。
本発明(6)は、前記継手が、前記継手を特定する情報を有し、前記情報を前記通信部に送信することが可能な電子タグを備え、前記監視装置は、前記継手を特定する情報と前記判定部で判定された結果とを紐付けして記憶する記憶部を備えることを特徴とする本発明(5)に記載の締め付け確認用システムである。
設備やプラント等に備えられている個々の継手が、継手を特定する情報を有し、その情報を通信部に送信することが可能な電子タグを備えておけば、センサからの信号および電子タグからの継手を特定する情報を同時に、通信部が取り込むことができるので、設備やプラント全体の継手との照合を自動で行うことができる。
本発明(7)は、継手の締め付けが不合格である場合、または締め付け確認漏れがある場合に警告を行うことを特徴とする本発明(5)または本発明(6)に記載の締め付け確認用システムである。
継手の締め付けが不合格である場合とは、おねじ部材とめねじ部材の間にある隙間の間隔が、所定の範囲外である場合、または、測定漏れがある場合が該当する。
したがって、本発明(7)のシステムによれば、センサからの信号を電子タグからの識別信号と紐づけし、どの継手の締め付けが不十分であるとの警告や、どの継手の締め付け確認が行われていない等の警告を容易に行うことができる。
この発明のセンサ付き締め付け工具によると、締め付け作業と同時に締め付けが適切に行われたかどうかの確認を容易にすることができる。
図1は、締め付け前の継手の状態を示す斜視図(A)と締め付け後の継手の状態を示す斜視図(B)である。 図2は、この発明によるセンサ付き締め付け工具を用いた実施例1の締め付け前の状態を示す斜視図である。 図3は、この発明によるセンサ付き締め付け工具を用いた実施例1の締め付け中の状態を示す斜視図である。 図4は、この発明によるセンサ付き締め付け工具を用いた実施例1の締め付け中の状態を示す正面図である。 図5は、この発明によるセンサ付き締め付け工具を用いた実施例2の締め付け前の状態を示す斜視図である。 図6は、この発明によるセンサ付き締め付け工具を用いた実施例2の締め付け中の状態を示す斜視図である。 図7は、この発明によるセンサ付き締め付け工具を用いた実施例2の締め付け中の状態を示す正面図である。 図8は、この発明による締め付け確認用システムの1実施形態を示す模式図である。
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施例を例示的に詳しく説明する。但し、この実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等および各種製造条件は特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例に過ぎない。また、便宜的に図面上での方向によって部材等の方向を上下左右と指称することがあるが、これらは本発明の実施あるいは使用の際の部材等の方向を限定するものではない。
図1は、管継手(1)の締め付け前の状態(図1(A))と締め付けた後の状態(図1(B))を示している。
管継手(1)は、第1継手部材(11)と、第2継手部材(12)と、これら継手部材を締結するおねじ部(13a)を有するおねじ部材(13)と、おねじ部(13a)とはめ合わせられるめねじ部材(14)とを有する。
おねじ部材(13)とめねじ部材(14)との間にある隙間の間隔は(G)で表され、締め付け前の間隔(G)に比べて締め付け後の間隔(G)は、より小さくなっている。
図2は、実施例1で、管継手(1)のナット部材(14)に、締め付けにセンサ付き締め付け工具(2)を嵌め合わせるときの状態を示している。
センサ付き締め付け工具(2)は、先端にナット部材(14)の面取りされた側面に嵌め合す先端部(21)および基端側に締め付け力を加えるハンドル部(25)を有する本体部(23)を有する。
本体部(23)の先端部(21)側に、隙間の間隔(G)を測定するセンサ(22)が備えられ、ハンドル部(25)側に隙間の間隔(G)の値をリアルタイムで表示する表示部(24)が備えられている。
図3は、締め付け中の状態を示しており、センサ(22)からレーザ(26)がおねじ部材(13)とめねじ部材(14)に向けて照射されている。センサ(22)は、この照射されたレーザ(26)の反射レーザを、受光部(図示せず)で検知することによって隙間の間隔(G)の値を計測することができる。
実際に測定された間隔(G)は、リアルタイムで表示部(24)に表示される。
図4は、実施例1において、管継手(1)のおねじ部材(13)とめねじ部材(14)の間の間隔(G)を、測定しながら締め付けている状態を正面から見た図である。
図5は、実施例2で、管継手(1)のナット部材(14)に、締め付けにセンサ付き締め付け工具(2)を嵌め合わせるときの状態を示している。
図6は、実施例2で、締め付け中の状態を示しており、端子電極(28)は、おねじ部材(13)とめねじ部材(14)の間の空間に挿入されている。
実施例2による締め付け工具(2)は、実施例1による締め付け工具(2)と、センサ(22)以外に関しては同じなので、センサ(22)以外についての説明は省略する。
実施例2によるセンサ(22)は、先端部(21)側に伸びるプローブ(27)を有し、その先端に端子電極(28)を有している。端子電極(28)は、上面側の電極と下面側の電極に分かれており(図示せず)、上面側電極とボルト部材(13)との間の間隔と、下面側電極とナット部材(14)との間の間隔は、静電容量の変化を検知することによって測定される。
測定された上面側電極とボルト部材(13)との間の間隔と、下面側電極とナット部材(14)との間の間隔と、端子電極(28)の厚みを合計したものは、隙間(G)として、表示部(24)に表示される。
図7は、実施例2において、管継手(1)のおねじ部材(13)とめねじ部材(14)の間の間隔(G)を測定しながら締め付けている状態を正面から見た図である。
図8は、センサ付き締め付け工具(1)を用いた締め付け確認用システムの1実施例を示す模式図である。
設備やプラントに備え付けられる数多くの管継手のうちの1つを図示しているが、図示した管継手には、その識別番号が書き込まれた電子タグの一つであるRFID(30)が取り付けられている。
このRFIDは電池を内蔵したアクティブタイプでもよく、電池を内蔵していないパッシブタイプでも良い。RFIDがパッシブタイプの場合は、監視装置(40)から電波でRFIDに電源供給を行ってRFIDの電力とすることができる。
RFID(30)から無線で監視装置(40)に向けて管継手(1)の識別番号が送られ、その識別番号は受信部(42)の受信アンテナ(41)で受信され、判定部(43)に一旦格納される。
次に、センサ付き締め付け工具(2)のセンサ(22)からの信号が信号線(符号なし)を経由して監視装置(40)の受信部(42)に入って、判定部(43)に送られる。有線の信号線を経由する信号伝達以外に、無線による信号伝達方法によっても良い。
判定部(43)では、センサ付き締め付け工具(2)からの信号が、合格信号なのか不合格信号なのか判定し、その判定結果と識別番号は対になって記憶部(44)に保存される。
この対となった情報は、監視装置(40)の表示部(図示せず)に表示させて確認することができる。
さらに、締め付け確認用システムは、この対となった情報を発信部(45)に送り、発信アンテナ(46)からインターネットネットワーク(47)に電波発信して、集中管理サーバ(48)に送ることができる。
集中管理サーバ(48)は、設備やプラントの全継手の識別管理が行われており、点検漏れや締め付けが適切でない継手を即座に発見して、警告を発することができる。
1 : 管継手
2 :センサ付き締め付け工具
11:第1継手部材
12:第2継手部材
13:おねじ部材
13a:おねじ部
14:めねじ部材
G :隙間
21:先端部
22:センサ
23:本体部
24:表示部
25:ハンドル部
26:レーザ
27:プローブ
28:端子電極
30:RFID
40:監視装置
41:受信アンテナ
42:受信部
43:判定部
44:記憶部
45:発信部
46:発信アンテナ
47:インターネットネットワーク
48:集中管理サーバ

Claims (7)

  1. おねじ部材とめねじ部材を相対回転し、前記おねじ部材と前記めねじ部材との間にある隙間の間隔を所定の間隔に保持するレンチ型の締め付け工具であって、
    当該締め付け工具は、前記おねじ部材及びめねじ部材のいずれか一つの、面取りされた側面に嵌め合わす先端部、基端側に締め付け力を加えるハンドル部、並びに、前記先端部及びハンドル部をつなぐ本体部を有し、
    前記隙間の間隔を測定するセンサを前記本体部に有することを特徴とするレンチ型の締め付け工具。
  2. 前記レンチ型の締め付け工具にさらに測定した前記隙間の間隔を表示する表示部を前記本体部に有することを特徴とする請求項1に記載のレンチ型の締め付け工具。
  3. 前記センサは、レーザを用いた隙間センサであり、レーザ発光部と受光部とが当該センサに備えられていることを特徴とする請求項1または2に記載のレンチ型の締め付け工具。
  4. 前記センサは、静電容量型隙間センサであり、当該静電容量型隙間センサは、前記隙間に挿入させられる前記隙間の間隔を測定するための端子電極を備えるプローブを有することを特徴とする請求項1または2に記載のレンチ型の締め付け工具。
  5. 請求項1〜4に記載のレンチ型の締め付け工具と監視装置とを有する継手の締め付け確認用システムであって、
    前記監視装置は、
    前記センサからの信号を受信する通信部と、
    前記センサから受信した信号より合否を判定する判定部と、
    を有することを特徴とする締め付け確認用システム。
  6. 前記継手が、前記継手を特定する情報を有し、前記情報を前記通信部に送信することが可能な電子タグを備え、前記監視装置は、前記継手を特定する情報と前記判定部で判定された結果とを紐付けして記憶する記憶部を備えることを特徴とする請求項5に記載の締め付け確認用システム。
  7. 継手の締め付けが不合格である場合、または締め付け確認漏れがある場合に警告を行うことを特徴とする請求項5または6に記載の締め付け確認用システム。
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