[1.パチンコ機の全体構造]
本発明の一実施形態であるパチンコ機1について、図面を参照して詳細に説明する。まず、図1乃至図12を参照して本実施形態のパチンコ機1の全体構成について説明する。図1は本発明の一実施形態であるパチンコ機の正面図である。図2はパチンコ機の右側面図であり、図3はパチンコ機の左側面図であり、図4はパチンコ機の背面図である。図5はパチンコ機を右前から見た斜視図であり、図6はパチンコ機を左前から見た斜視図であり、図7はパチンコ機を後ろから見た斜視図である。図8は演出操作ユニットの押圧操作部が上昇位置の時のパチンコ機の正面図であり、図9は演出操作ユニットの押圧操作部が上昇位置の時のパチンコ機を右前から見た斜視図である。また、図10は、本体枠から扉枠を開放させると共に、外枠から本体枠を開放させた状態で前から見たパチンコ機の斜視図である。図11はパチンコ機を扉枠、遊技盤、本体枠、及び外枠に分解して前から見た分解斜視図であり、図12はパチンコ機を扉枠、遊技盤、本体枠、及び外枠に分解して後ろから見た分解斜視図である。
本実施形態のパチンコ機1は、遊技ホールの島設備(図示しない)に設置される枠状の外枠2と、外枠2の前面を開閉可能に閉鎖する扉枠3と、扉枠3を開閉可能に支持していると共に外枠2に開閉可能に取付けられている本体枠4と、本体枠4に前側から着脱可能に取付けられると共に扉枠3を通して遊技者側から視認可能とされ遊技者によって遊技球B(図90を参照)が打込まれる遊技領域5aを有した遊技盤5と、を備えている。
外枠2は、正面視の形状が上下に延びた四角形の枠に形成されている。外枠2は、左右に離間しており上下に延びている外枠左組立体10及び外枠右組立体20と、外枠左組立体10及び外枠右組立体20の上端同士を連結している外枠上部材30と、外枠左組立体10及び外枠右組立体20の下端同士を連結している外枠下組立体40と、外枠上部材30の上面左端に取付けられている外枠上ヒンジ組立体50と、外枠左組立体10の右側面下部と外枠下組立体40の上面左端に取付けられている外枠下ヒンジ部材60と、を備えている。
外枠2は、パチンコ機1が設置される遊技ホールの島設備に取付けられ、外枠上ヒンジ組立体50と外枠下ヒンジ部材60とによって、本体枠4の本体枠上ヒンジ部材510と本体枠下ヒンジ組立体520とを同軸上で回転可能に支持して、本体枠4を正面視左側を中心にして前方へ開閉可能に取付けるためのものである。
また、扉枠2は、本体枠4を閉じた時に、外枠下組立体40が、本体枠4における基板ユニット620のスピーカユニット620aと協働して、本体枠スピーカ622のエンクロージャ624の一部を形成し、本体枠スピーカ622の後方へ出力されたサウンドを、位相反転させて前方へ放射することで、より重低音のサウンドを遊技者に聴かせることができるものである。
扉枠3は、遊技球Bが打込まれる遊技盤5の遊技領域5aを前側から視認可能に閉鎖し、遊技領域5a内に打込むための遊技球Bを貯留すると共に、貯留している遊技球Bを遊技領域5a内へ打込むために遊技者が操作するハンドル182を備えているものである。また、扉枠3は、パチンコ機1の前面全体を装飾するものである。
また、扉枠3は、ハンドル182とは別に遊技者が操作可能な演出操作部301を備えており、遊技者参加型演出が実行された際に、遊技者が演出操作部301を操作することで遊技者が演出に参加できるようになり、遊技球Bによる遊技に加えて、演出操作部301の操作によっても遊技者を楽しませることができるようにしている。
本体枠4は、後部が外枠2の枠内に挿入可能とされると共に遊技盤5の外周を支持可能とされた枠状の本体枠ベースユニット500と、本体枠4を外枠2に対して開閉可能に取付けると共に扉枠3を開閉可能に取付けるための本体枠上ヒンジ部材510及び本体枠下ヒンジ組立体520と、本体枠ベースユニット500を補強している本体枠補強フレーム530と、遊技盤5の遊技領域5a内に遊技球Bを打込むための球発射装置540と、遊技ホールの島設備から供給される遊技球Bを受取る払出ベースユニット550と、払出ベースユニット550で受取った遊技球Bを遊技者側へ払出すための払出ユニット560と、電源基板630や払出制御基板633を有している基板ユニット620と、本体枠ベース501に取付けられた遊技盤5の後側を覆う裏カバー640と、外枠2と本体枠4、及び扉枠3と本体枠4の間を施錠する施錠ユニット650と、を備えている。
本体枠4は、遊技球Bを打込むことで遊技が行われる遊技領域5aを有した遊技盤5を保持すると共に、遊技球Bを遊技者側へ払出したり、遊技に使用された遊技球Bをパチンコ機1の後方(遊技ホールの島設備側)へ排出したり、するためのものである。本体枠4は、前方が開放された箱状に形成されており、内部に前方から遊技盤5が着脱可能に収容される。また、本体枠4は、正面左辺側前端の上下において、遊技ホールの島設備に取付けられる枠状の外枠2に開閉可能に取付けられると共に、開放された前面側が閉鎖されるように扉枠3が開閉可能に取付けられる。
遊技盤5は、遊技者の操作によって遊技球Bが行われる遊技領域5aと、遊技領域5aの外周を区画し外形が正面視略四角形状とされた前構成部材1000と、前構成部材1000の後側に取付けられており遊技領域5aの後端を区画する板状の遊技パネル1100と、遊技パネル1100の後側下部に取付けられている基板ホルダ1200と、基板ホルダ1200の後面に取付けられており主制御基板1310を有している主制御ユニット1300と、主制御基板1310からの制御信号に基づいて遊技状況を表示する機能表示ユニット1400と、遊技パネル1100の後側に配置されている周辺制御ユニット1500と、正面視において遊技領域5aの中央に配置されており所定の演出画像を表示可能な演出表示装置1600と、遊技パネル1100の前面に取付けられる表ユニット2000と、遊技パネル1100の後面に取付けられる裏ユニット3000と、を備えている。裏ユニット3000には、遊技状態に応じて可動演出や発光演出を行うことが可能な各種の演出ユニットを備えている。
遊技盤5の遊技領域5a内には、遊技球Bと当接し所定のゲージ配列で植設されている複数の障害釘と、遊技球Bの受入れ又は通過により遊技者に対して所定の特典(例えば、所定数の遊技球Bの払出し)を付与する一般入賞口2001、第一始動口2002、ゲート部2003、第二始動口2004、第一大入賞口2005及び第二大入賞口2006と、を備えている。障害釘は、遊技パネル1100の前面に植設されている。一般入賞口2001、第一始動口2002、ゲート部2003、第二始動口2004、第一大入賞口2005及び第二大入賞口2006は、表ユニット2000に備えられている。
遊技盤5の遊技領域5a内には、遊技者がハンドルユニット180のハンドル182を操作することで、遊技球Bを打込むことができる。これにより、遊技球Bが、遊技領域5a内の一般入賞口2001、第一始動口2002、ゲート部2003、第二始動口2004、第一大入賞口2005及び第二大入賞口2006等に、受入れられたり通過したりするように、遊技者に対してハンドル182の打込操作を楽しませることができる。
また、遊技盤5は、遊技領域5a内に遊技球Bを打込むことで変化する遊技状態に応じて、演出表示装置1600に所定の演出画像を表示させたり、表演出ユニット2600、下部可動演出ユニット3100、上部後可動演出ユニット3200、及び上部前可動演出ユニット3300等により可動演出や発光演出を行わせたりして、遊技者を楽しませることができる。
[2.外枠の全体構成]
パチンコ機1の外枠2について、図13乃至図18を参照して説明する。図13はパチンコ機における外枠の正面図であり、図14は外枠の背面図であり、図15は外枠の右側面図である。また、図16は外枠を前から見た斜視図であり、図17は外枠を後ろから見た斜視図である。図18は、外枠を主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図である。外枠2は、遊技ホール等のパチンコ機1が設置される島設備(図示は省略)に取付けられるものである。外枠2は、正面視の形状が上下に延びた四角形の枠に形成されている。
外枠2は、図示するように、左右に離間しており上下に延びている外枠左組立体10及び外枠右組立体20と、外枠左組立体10及び外枠右組立体20の上端同士を連結している外枠上部材30と、外枠左組立体10及び外枠右組立体20の下端同士を連結している外枠下組立体40と、外枠上部材30の上面左端に取付けられている外枠上ヒンジ組立体50と、外枠左組立体10の右側面下部と外枠下組立体40の上面左端に取付けられている外枠下ヒンジ部材60と、を備えている。
外枠2は、本体枠4を閉じた時に、外枠下組立体40が、本体枠4における基板ユニット620のスピーカユニット620aと協働して、本体枠スピーカ622のエンクロージャ624の一部を形成していると共に、本体枠スピーカ622の後方へ出力されたサウンドを、位相反転させて前方へ放射することができるものである。
外枠2は、外枠上ヒンジ組立体50が、本体枠4の本体枠上ヒンジ部材510を着脱可能に支持することができる。外枠2は、外枠上ヒンジ組立体50と外枠下ヒンジ部材60とによって、本体枠4の本体枠上ヒンジ部材510と本体枠下ヒンジ組立体520とを同軸上で回転可能に支持することができ、本体枠4を正面視左側を中心にして前方へ開閉可能に取付けることができる。
[2−1.外枠左組立体及び外枠右組立体]
外枠2の外枠左組立体10及び外枠右組立体20について、主に図19を参照して詳細に説明する。図19は、外枠の外枠左組立体及び外枠右組立体を夫々分解して前から見た分解斜視図である。外枠2の外枠左組立体10及び外枠右組立体20は、夫々が上下に延びており、互いに左右に離間して配置されている。外枠左組立体10及び外枠右組立体20は、本体枠4の本体枠上ヒンジ部材510及び本体枠下ヒンジ組立体520を同軸上で回転可能に支持して、外枠2に対して本体枠4を開閉可能に取付けるためのものである。
まず、外枠左組立体10は、前後方向が一定の幅(奥行)で上下に延びている外枠左部材11と、外枠左部材11の右側面上端に取付けられている左上連結部材12と、外枠左部材11の右側面下端に取付けられている左下連結部材13と、を備えている。
外枠左部材11は、一定の断面形状で上下に延びており、アルミ合金の押出型材によって形成されている。外枠左部材11は、左側面における前後方向を三等分したうちの後側の部位において平坦状に右方へ窪んでいる凹部11aと、右側面における凹部11aとは反対側の部位から右方へ膨出している膨出部11bと、膨出部11bを上下に貫通している空洞部11cと、を備えている。外枠左部材11は、凹部11aや膨出部11bによって、強度・剛性が高められていると共に、空洞部11cによって、重量が軽減されている。
また、外枠左部材11は、左右両側面において、上下に延びた複数の溝が形成されている。左側面の複数の溝は、V字状に形成されており、右側面の複数の溝は、半円形状に形成されている。外枠左部材11は、後述する外枠右組立体20の外枠右部材21と左右対称形状に形成されている。
左上連結部材12は、外枠左部材11の上端と外枠上部材30の左端とを連結するためのものである。左上連結部材12は、水平に延びた平板状の水平固定部12aと、水平固定部12aの左辺における前後方向の中間から上方へ延出している平板状の上横固定部12bと、水平固定部12aの左辺における上横固定部12bの前後両側から下方へ延出している平板状の一対の下横固定部12cと、を備えている。左上連結部材12は、平板状の金属板を屈曲させて形成されている。
左上連結部材12は、後側の下横固定部12cを外枠左部材11の空洞部11c内に挿入させると共に、水平固定部12aを外枠左部材11の上端に当接させ、更に、前側及び後側の下横固定部12cを外枠左部材11の右側面に当接させた状態で、外枠左部材11の左側面の外側から下横固定部12cにビスを捩じ込むことで、外枠左部材11に取付けられる。また、左上連結部材12は、水平固定部12aを外枠上部材30の左端側の下面に当接させると共に、上横固定部12bを外枠上部材30の左側面の切欠部30a内に挿入させた状態で、水平固定部12a及び上横固定部12bを通して外枠上部材30にビスを捩じ込むことで、外枠上部材30に取付けられる。
左下連結部材13は、外枠左部材11の下端と外枠下組立体40(外枠下部材41)の左端とを連結するためのものである。左下連結部材13は、水平に延びた平板状の水平固定部13aと、水平固定部13aの左辺から上方へ延出していると共に水平固定部13aよりも後方へ延出している平板状の上横固定部13bと、上横固定部13bの下辺における水平固定部よりも後側の部位から下方へ延出している平板状の下横固定部13cと、上横固定部13bの後辺から右方へ短く延出している平板状の当接部13dと、を備えている。左下連結部材13は、平板状の金属板を屈曲させて形成されている。
左下連結部材13は、当接部13dの後面を外枠左部材11の膨出部11bの前面に当接させると共に、上横固定部13bの左側面を外枠左部材11の右側面に当接させ、水平固定部13aの下面を外枠左部材11の下端と一致させた状態で、外枠左部材11の左側面の外側から上横固定部13bにビスを捩じ込むことで、外枠左部材11に取付けられる。また、左下連結部材13は、水平固定部13aを外枠下部材41の左端側の上面に当接させると共に、下横固定部13cを外枠下部材41の左側面の切欠部41aに挿入させた状態で、水平固定部13a及び下横固定部13cを通して外枠下部材にビスを捩じ込むことで、外枠下部材41に取付けられる。
次に、外枠右組立体20は、前後方向が一定の幅(奥行)で上下に延びている外枠右部材21と、外枠右部材21の左側面上端に取付けられている右上連結部材22と、外枠右部材21の左側面下端に取付けられている右下連結部材23と、外枠右部材21の左側面上部に取付けられている上鉤掛部材24と、外枠右部材21の左側面下部に取付けられている下鉤掛部材25と、を備えている。
外枠右部材21は、一定の断面形状で上下に延びており、アルミ合金の押出型材によって形成されている。外枠右部材21は、右側面における前後方向を三等分したうちの後側の部位において平坦状に左方へ窪んでいる凹部21aと、左側面における凹部21aとは反対側の部位から左方へ膨出している膨出部21bと、膨出部21bを上下に貫通している空洞部21cと、を備えている。外枠右部材21は、凹部21aや膨出部21bによって、強度・剛性が高められていると共に、空洞部21cによって、重量が軽減されている。
また、外枠右部材21は、左右両側面において、上下に延びた複数の溝が形成されている。右側面の複数の溝は、V字状に形成されており、左側面の複数の溝は、半円形状に形成されている。外枠右部材21は、外枠左組立体10の外枠左部材11と左右対称形状に形成されている。
右上連結部材22は、外枠右部材21の上端と外枠上部材30の右端とを連結するためのものである。右上連結部材22は、水平に延びた平板状の水平固定部22aと、水平固定部22aの右辺における前後方向の中間から上方へ延出している平板状の上横固定部22bと、水平固定部22aの右辺における上横固定部22bの前後両側から下方へ延出している平板状の一対の下横固定部22cと、を備えている。右上連結部材22は、平板状の金属板を屈曲させて形成されている。
右上連結部材22は、後側の下横固定部22cを外枠右部材21の空洞部21c内に挿入させると共に、水平固定部22aを外枠右部材21の上端に当接させ、更に、前側及び後側の下横固定部22cを外枠右部材21の左側面に当接させた状態で、外枠右部材21の右側面の外側から下横固定部22cにビスを捩じ込むことで、外枠右部材21に取付けられる。また、右上連結部材22は、水平固定部22aを外枠上部材30の右端側の下面に当接させると共に、上横固定部22bを外枠上部材30の右側面の切欠部30a内に挿入させた状態で、水平固定部22a及び上横固定部22bを通して外枠上部材30にビスを捩じ込むことで、外枠上部材30に取付けられる。
右下連結部材23は、外枠右部材21の下端と外枠下組立体40(外枠下部材41)の右端とを連結するためのものである。右下連結部材23は、水平に延びた平板状の水平固定部23aと、水平固定部23aの右辺から上方へ延出していると共に水平固定部23aよりも後方へ延出している平板状の上横固定部23bと、上横固定部23bの下辺における水平固定部よりも後側の部位から下方へ延出している平板状の下横固定部23cと、上横固定部23bの後辺から左方へ短く延出している平板状の当接部23dと、を備えている。右下連結部材23は、平板状の金属板を屈曲させて形成されている。
右下連結部材23は、当接部23dの後面を外枠右部材21の膨出部21bの前面に当接させると共に、上横固定部23bの右側面を外枠右部材21の左側面に当接させ、水平固定部23aの下面を外枠右部材21の下端と一致させた状態で、外枠右部材21の右側面の外側から上横固定部23bにビスを捩じ込むことで、外枠右部材21に取付けられる。また、右下連結部材23は、水平固定部23aを外枠下部材41の右端側の上面に当接させると共に、下横固定部23cを外枠下部材41の右側面の切欠部41aに挿入させた状態で、水平固定部23a及び下横固定部23cを通して外枠下部材にビスを捩じ込むことで、外枠下部材41に取付けられる。
上鉤掛部材24及び下鉤掛部材25は、後述する本体枠4における施錠ユニット650の外枠用鉤653が掛止されるものである。上鉤掛部材24は、前後方向に一定の幅で上下に延びており外枠右部材21の左側面に取付けられる平板状の取付部24aと、取付部24aの前辺から左方へ延出しており上側の外枠用鉤653が掛止される平板状の掛止片部24bと、を備えている。
下鉤掛部材25は、前後方向に一定の幅で上下に延びており外枠右部材21の左側面に取付けられる平板状の取付部25aと、取付部25aの前辺から左方へ延出しており下側の外枠用鉤653が掛止される平板状の掛止片部25bと、掛止片部25bを前後に貫通しており下側の外枠用鉤653が挿通可能な挿通口25cと、を備えている。
[2−2.外枠上部材]
外枠2の外枠上部材30について、主に図18を参照して詳細に説明する。外枠上部材30は、左右に離間している外枠左組立体10及び外枠右組立体20の上端同士を連結するためのものである。外枠上部材30は、前後方向の幅が、外枠左部材11及び外枠右部材21の前後方向と略同じ幅で、上下方向の厚さが一定で、左右方向に延びており、木材によって形成されている。外枠上部材30は、左右方向の長さが、後述する外枠下組立体40の外枠下部材41の左右方向の長さと同じに形成されている。
外枠上部材30は、左右両側面における前後方向の中央において、上下に貫通した状態で左右方向中央側へ夫々窪んでいる切欠部30aを備えている。これら左右両端の切欠部30aには、左上連結部材12の上横固定部12b及び右上連結部材22の上横固定部22bが夫々挿入された状態で取付けられる。
また、外枠上部材30は、左側端部において、上面と前面が一般面よりも窪んだ取付段部30bを備えている。この取付段部30bには、後述する外枠上ヒンジ組立体50が取付けられる。
[2−3.外枠下組立体]
外枠2の外枠下組立体40について、主に図20を参照して詳細に説明する。図20は、外枠の外枠下組立体を分解して前から見た分解斜視図である。外枠下組立体40は、左右に離間している外枠左組立体10及び外枠右組立体20の下端同士を連結すると共に、パチンコ機1において扉枠3よりも下側を閉鎖して装飾するためのものである。
外枠下組立体40は、左右に離間している外枠左組立体10及び外枠右組立体20の下端同士を連結しており左右に延びている外枠下部材41と、外枠下部材41の前方に配置されており外枠下部材41に沿って左右に延びていると共に後方が開放されている箱状の幕板前部材42と、幕板前部材42の後側に取付けられていると共に外枠下部材41の上面に取付けられており前方が開放されている左右に延びた箱状の幕板後部材43と、幕板後部材43の上面における左端に形成されている球噛防止機構44と、を備えている。
外枠下部材41は、前後方向の幅が、外枠左部材11及び外枠右部材21の前後方向と略同じ幅で、上下方向の厚さが一定で、左右方向に延びており、木材によって形成されている。外枠下部材41は、左右方向の長さが、外枠上部材30の左右方向の長さと同じに形成されている。
外枠下部材41は、左右両側面における前後方向の中央において、上下に貫通した状態で左右方向中央側へ夫々窪んでいる切欠部41aを備えている。これら左右両端の切欠部41aには、左下連結部材13の下横固定部13c及び右下連結部材23の下横固定部23cが夫々挿入された状態で取付けられる。これにより、外枠左部材11及び外枠右部材21の下端同士を連結することができる。
また、外枠下部材41は、上面から凹んでおり、幕板後部材43の下部が挿入される凹部41bを備えている。凹部41bは、左右に延びていると共に、前後方向中央の後ろ寄りの位置から前端側へ抜けている。この凹部41bにより、幕板前部材42及び幕板後部材43により形成される幕板内部空間40aの容積を可及的に広くしている。
幕板前部材42は、左右方向の長さが外枠下部材41と同じ長さに延びており、高さに対して前後方向の奥行が短い横長の直方体状の箱状に形成されており、後側の全面が開放されている。幕板前部材42は、開放されている後側を、幕板後部材43によって閉鎖することで、幕板後部材43と協働して本体枠スピーカ622のエンクロージャ624の一部となる幕板内部空間40aを形成する。幕板前部材42は、右端付近の前面において、前後に貫通していると共に左右に延びている長孔状の開口部42aを備えている。
幕板後部材43は、左右方向の長さが外枠下部材41よりも若干短く延びており、前方が開放された箱状に形成されている。幕板後部材43は、前面に幕板前部材42を取付けることで、幕板前部材42と協働して本体枠スピーカ622のエンクロージャ624の一部となる幕板内部空間40aを形成する。幕板後部材43は、上面における左右方向中央部において、左右に延びていると共に上方へ突出しており幕板内部空間40aと連通している筒状の接続筒部43aを有している。接続筒部43aは、上端が、幕板後部材43の一般的な上面と一致している前端側から後方へ向かうほど上方へ位置するように傾斜している。本実施形態では、接続筒部43aの上端は、45度の角度で傾斜している。
この接続筒部43aは、左右方向の長さが、幕板後部材43全体の約1/3の長さに形成されていると共に、前後方向の奥行が、幕板後部材43全体の奥行よりも若干短く形成されている。接続筒部43a内には、前端側と後端側とを結ぶ複数のリブ43bが備えられている。この接続筒部43aの上端には、外枠2に対して本体枠4を閉じた時に、本体枠4における基板ユニット620のスピーカユニット620aにおけるスピーカカバー621の接続部621cが接続されて、スピーカユニット620aの内部空間と連通した状態となり、エンクロージャ624を形成する。
球噛防止機構44は、幕板後部材43の上面における左端において、外枠下ヒンジ部材60の部位に遊技球Bが滞留することで、外枠2と本体枠4との間に遊技球Bが挟まれるのを防止するためのものである。
球噛防止機構44は、幕板後部材43の上面における左端に形成されており、後述する外枠下ヒンジ部材60が際されるように平坦に形成された載置部44aと、載置部44aの左端において上方へ向かって開口している第一排出口44bと、載置部44aにおける第一排出口44bよりも右方で上方へ向かって開口している第二排出口44cと、載置部44aの後辺及び右辺から上方へ延出している立壁部44dと、立壁部44dの上端から前方へ突出していると共に上面が後方へ向かうに従って上方に位置するように傾斜している上端突出部44eと、を備えている。
第一排出口44bは、後述する外枠下ヒンジ部材60の排出孔60dと一致する位置に形成されている。第一排出口44b及び第二排出口44cは、遊技球Bが通過可能な大きさに形成されている。第一排出口44b及び第二排出口44cは、幕板内部空間40aとは連通しておらず、幕板後部材43の後面に開口している。従って、第一排出口44b及び第二排出口44cに進入した遊技球Bを、幕板後部材43の後方へ排出することができる。
この球噛防止機構44は、球噛防止機構44は、外枠下ヒンジ部材60と後述する本体枠下ヒンジ組立体520との間の隙間を通して、ピアノ線等の不正な工具が挿入された場合、載置部44aの後端から立上っている立壁部44dにより、不正な工具の侵入を阻止することができる。仮に、不正な工具の先端が立壁部44dに当接することで、上方へ曲がったとしても、立壁部44dの上端に備えられている前方へ突出した上端突出部44eに当接し、これ以上の侵入を阻止することができる。従って、外枠下ヒンジ部材60の部位を介して、不正行為が行われるのを防止することができる。
ところで、載置部44aの後端に立壁部44dを備えた場合、外枠2に対して本体枠4を開けた時に、何らかの理由により載置部44a上に落下した遊技球Bが、立壁部44dによって外枠2の後方への移動が阻止されるため、載置部44a上に遊技球Bが滞留し易くなる。そして、載置部44a上に遊技球Bが滞留していると、外枠2に対して本体枠4を閉じる際に、外枠2と本体枠4との間に遊技球Bが挟み込まれてしまい、本体枠4を閉じることができなくなる問題が発生する。
これに対して、本実施形態の球噛防止機構44では、外枠下ヒンジ部材60上や載置部44a上に落下した遊技球Bを、外枠下ヒンジ部材60の排出孔60dと第一排出口44bを通して、又は、第二排出口44cを通して、遊技球Bを幕板後部材43の後方(外枠2の後方)へ排出することができ、外枠2と本体枠4との間に遊技球Bが挟まれるのを防止することができる。
外枠下組立体40は、幕板前部材42及び幕板後部材43の上面に左右に離間して配置されている一対の案内部材45と、幕板前部材42の開口部42aを後側から閉鎖している平板状のグリル部材46と、グリル部材46を挟んで開口部42aを閉鎖するように幕板前部材42の内部に取付けられており前後に延びた二つの円筒を有したポート部材47と、幕板後部材43の接続筒部43aの上端に配置される枠状のシール部材48と、を備えている。
一対の案内部材45は、外枠2に対して本体枠4を閉じた時に、扉枠3の下端が当接するものである。案内部材45は、摩擦抵抗の低い低摩擦材料によって形成されており、本体枠4の下端を滑り易くして、開閉を容易にしている。
グリル部材46は、無数の小穴を有したパンチングメタルにより形成されている。ポート部材47は、二つの円筒により、グリル部材46を介して幕板内部空間40a(エンクロージャ624)と外枠2の前方とを連通させている。ポート部材47は、二つの円筒が、所定の内径で所定の長さに形成されており、ヘルムホルツ共鳴の原理により本体枠スピーカ622から後方(エンクロージャ624内)へ発せられた低音を共振・増幅させて、豊かな低音を外枠2の前方(遊技者側)へ放射することができる。つまり、本実施形態では、本体枠スピーカ622のエンクロージャ624がバスレフ型とされており、遊技者に対して重低音を聞かせることができる。
シール部材48は、外枠2に対して本体枠4を閉じた時に、接続筒部43aの上端と本体枠4におけるスピーカカバー621の接続部621cの下端との間に挟まれて圧縮されるものであり、接続筒部43aと接続部621cとの間からスピーカのエンクロージャ内の音が漏れるのを防止するものである。
[2−4.外枠上ヒンジ組立体]
外枠2の外枠上ヒンジ組立体50について、主に図21を参照して詳細に説明する。図21(a)は外枠2の外枠上ヒンジ組立体を分解して前上から見た分解斜視図であり、(b)は(a)を前下から見た分解斜視図である。外枠上ヒンジ組立体50は、外枠左組立体10の上端と外枠上部材30の左端に取付けられるものであり、外枠2に対して本体枠4をヒンジ回転可能に取付けるためのものである。外枠上ヒンジ組立体50は、外枠左部材11の凹部11aの上端と外枠上部材30の取付段部30bとに取付けられる外枠上ヒンジ部材51と、外枠上ヒンジ部材51に取付けられているロック部材52と、ロック部材52を外枠上ヒンジ部材51に取付けている取付ビス53と、を備えている。
外枠上ヒンジ部材51は、水平に延びた平板状で外枠上部材30の取付段部30bの上面に取付けられる上固定部51aと、上固定部51aの前辺から前方へ延出している平板状の前方延出部51bと、前方延出部51bの右辺の途中から前方へ向かうに従って前方延出部51bの左右中央へ延びており上下に貫通している軸受溝51cと、上固定部51aの左辺から下方へ延びている平板状の横固定部51dと、前方延出部51bの左辺から前辺を周って軸受溝51cが開口している部位までの端縁から下方へ延びており横固定部51dと連続している平板状の端縁壁部51eと、を備えている。外枠上ヒンジ部材51は、金属板をプレス成型により打抜き・屈曲させて形成されている。外枠上ヒンジ部材51は、軸受溝51c内において、本体枠上ヒンジ部材510の後述する本体枠上ヒンジピン512を回転可能に支持することができる。
ロック部材52は、前後に延びている帯板状のロック本体52aと、ロック本体52aの後端から右方へ突出している操作片52bと、ロック本体52aの後端から左方へ延びた後に斜め左前方へ延びている弾性変形可能な棒状の弾性部52cと、ロック本体52aの後端付近で上下に貫通している取付孔52dと、を備えている。ロック部材52は、合成樹脂によって形成されている。ロック部材52は、取付ビス53によって、外枠上ヒンジ部材51における前方延出部51bの下面で、軸受溝51cよりも後側の部位に回動可能に取付けられる。
ロック部材52は、外枠上ヒンジ部材51に取付けた状態で、ロック本体52aが、平面視で軸受溝51cを遮ることができると共に、前端付近の右側面が、外枠上ヒンジ部材51の端縁壁部51eにおける軸受溝51cの開口まで延びている部位と当接可能となるように前方へ延びている。また、ロック本体52aの後端から左方へ延びている弾性部52cの先端は、外枠上ヒンジ部材51における端縁壁部51eの内周面に当接している。このロック部材52は、弾性部52cの付勢力によって取付孔52dを中心に、前端が左方へ回動する方向に付勢されている。従って、通常の状態では、ロック部材52のロック本体52aの前端付近の右側面が、端縁壁部51eに当接している。この状態では、軸受溝51cにおけるロック本体52aよりも前側の部位に、本体枠上ヒンジ部材510の本体枠上ヒンジピン512を収容可能な空間が形成される。
このロック部材52は、操作片52bを操作することで、弾性部52cの付勢力に抗してロック本体52aを回動させることができる。そして、操作片52bの操作によって、ロック本体52aを、その前端が左方へ移動する方向へ回動させることで、平面視において軸受溝51cからロック本体52aを後退させることができ、軸受溝51cが全通している状態とすることができる。これにより、軸受溝51c内に本体枠上ヒンジピン512を挿入したり、軸受溝51c内から本体枠上ヒンジピン512を外したりすることができる。
[2−5.外枠下ヒンジ部材]
外枠2の外枠下ヒンジ部材60について、主に図18を参照して詳細に説明する。外枠下ヒンジ部材60は、水平に延びた平板状の水平部60aと、水平部60aの左辺において前後方向中央よりも後側の部位から上方へ立上っている平板状の立上部60bと、水平部60aの前端付近から上方へ突出している外枠下ヒンジピン60cと、水平部60aを上下に貫通しており遊技球Bが一つのみ通過可能な大きさの排出孔60dと、を備えている。この外枠下ヒンジ部材60は、金属板をプレス成型により打抜き・屈曲させて形成されている。
外枠下ヒンジ部材60の水平部60aは、平面視において、左辺を底辺とした台形に形成されている。外枠下ヒンジピン60cは、円柱状で、上下方向中央よりも上部が、上端が窄まった円錐台状に形成されている。この外枠下ヒンジピン60cは、水平部60aの前端付近における左寄りの位置に取付けられている。排出孔60dは、水平部60aにおいて、立上部60bの前後方向中央の部位と接し、水平部60aの左辺から右方へ逆U字状に延びるように形成されている。この排出孔60dは、外枠下組立体40における球噛防止機構44の第一排出口44bと、略同じ大きさに形成されている。
外枠下ヒンジ部材60は、外枠2に組立てた状態で、水平部60aの後部が、外枠下組立体40における幕板後部材43の載置部44a上に載置され、図示しないビスによって幕板後部材43に固定されている。また、立上部60bが、外枠左部材11の右側面における膨出部11bよりも前側の部位に、図示しないビスによって取付けられている。この外枠下ヒンジ部材60は、外枠下ヒンジピン60cを、本体枠4の本体枠下ヒンジ組立体520における外枠用下ヒンジ孔521aに挿通させることで、外枠上ヒンジ部材51と協働して本体枠4を開閉可能に取付けることができる。
また、外枠2を組立てた状態では、排出孔60dが、外枠下組立体40における球噛防止機構44の第一排出口44bと一致している。これにより、水平部60a上の遊技球Bを、排出孔60d及び第一排出口44bを通して、外枠2の後方へ落下(排出)させることができる。詳述すると、外枠2に対して本体枠4を閉じる時に、外枠2と本体枠4との間に落下した遊技球Bが、本体枠4が閉じられるのに従って、外枠2と本体枠4との間が徐々に狭くなることから、間隔が広い後方側へ転動とすることとなり、排出孔60dから排出させることができる。この際に、排出孔60dが、パチンコ機1に組立てた状態で、外枠2に対して本体枠4を閉じた時に、本体枠4の後端と略同じとなる位置に形成されているため、外枠2と本体枠4との間に落下した遊技球Bを、排出孔60dから排出させることで本体枠4よりも後側へ転動するのを阻止し易くすることができ、外枠下ヒンジ部材60の部位に遊技球Bが留まり難くすることができる。
[3.扉枠の全体構成]
パチンコ機1の扉枠3について、主に図22乃至図30を参照して詳細に説明する。図22はパチンコ機における扉枠の表面図であり、図23は扉枠の背面図であり、図24は扉枠の左側面図であり、図25は扉枠の右側面図である。図26は扉枠を右前から見た斜視図であり、図27は扉枠を左前から見た斜視図であり、図28は扉枠を後ろから見た斜視図である。図29は扉枠を主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図30は扉枠を主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。
扉枠3は、外枠2の枠内と略同じ大きさで正面視において上下に延びた四角形に形成されており、本体枠4を介して外枠2の枠内を前側から開閉可能に取付けられている。扉枠3は、遊技球Bが打込まれる遊技盤5の遊技領域5aを前側から視認可能に閉鎖し、遊技領域5a内に打込むための遊技球Bを貯留すると共に、貯留している遊技球Bを遊技領域5a内へ打込むために遊技者が操作するハンドル182を備えているものである。また、扉枠3は、パチンコ機1の前面全体を装飾するものである。
扉枠3は、正面視の外形が上下に延びた四角形で枠状の扉枠ベースユニット100と、扉枠ベースユニット100に着脱可能に取付けられており本体枠4に取付けられた遊技盤5の遊技領域5aを前方から視認可能に閉鎖しているガラスユニット160と、ガラスユニット160の下部を後側から覆うように扉枠ベースユニット100に取付けらている防犯カバー170と、扉枠ベースユニット100の前面右下隅に取付けられているハンドルユニット180と、扉枠ベースユニット100の前面下部に取付けられている皿ユニット200と、皿ユニット200の上側で扉枠ベースユニット100の前面左部に取付けられている扉枠左サイドユニット400と、皿ユニットの上側で扉枠ベースユニット100の前面右部に取付けられている扉枠右サイドユニット410と、扉枠左サイドユニット400及び扉枠右サイドユニット410の上側で扉枠ベースユニット100の前面上部に取付けられている扉枠トップユニット450と、を備えている。
扉枠ベースユニット100は、正面視の外形が上下に延びた四角形(長方形)に形成されており前後に貫通している扉窓101aを有した扉枠ベース101と、扉枠ベース101の前面右下に取付けられているハンドル取付部材102と、扉枠ベース101の後側で背面視右下隅に取付けられているスピーカダクト103と、扉枠ベース101の後側の下部における背面視右端付近に取付けられている扉枠主中継基板104と、扉枠主中継基板104の背面視左方に取付けられている扉枠副中継基板105と、扉枠副中継基板105の背面視左方に取付けられているハンドル後中継基板106と、扉枠主中継基板104と扉枠副中継基板105の一部とを後側から被覆する扉枠中継基板カバー107と、ハンドル後中継基板106を後側から被覆するハンドル後中継基板カバー108と、配線ケーブルを被覆するケーブルカバー109と、を備えている。
また、扉枠ベースユニット100は、扉枠ベース101の後側に取付けられている枠状の扉枠補強ユニット110と、扉枠補強ユニット110に取付けられている扉枠上ヒンジ組立体120及び扉枠下ヒンジ部材125と、扉枠補強ユニット110に取付けられている開閉用のシリンダ錠130と、扉枠ベース101の後側でハンドル後中継基板106の上方に取付けられている球送給ユニット140と、扉枠ベース101の後側の下部における背面視右側に取付けられているファールカバーユニット150と、を備えている。
扉枠補強ユニット110は、扉枠ベース101の後側に取付けられることで、扉枠ベース101を補強して剛性を付与するものである。扉枠上ヒンジ組立体120及び扉枠下ヒンジ部材125は、扉枠3を本体枠4に対して開閉可能に取付けるためのものである。シリンダ錠130は、本体枠4の施錠ユニット650と協働して、扉枠3と本体枠4との開閉、及び、外枠2と本体枠4との開閉施錠に使用されるものである。
また、球送給ユニット140は、上皿201内の遊技球Bを一つずつ本体枠4の球発射装置540へ供給するためのものである。ファールカバーユニット150は、球発射装置540により発射されて遊技盤5の遊技領域5a内に到達しなかった遊技球B(ファール球)を、下皿202に誘導すると共に、払出装置580から払出された遊技球Bを、上皿201又は下皿202に誘導するためのものである。
ガラスユニット160は、透明なガラス板162を有しており扉枠ベース101の扉窓101aを閉鎖している。防犯カバー170は、ガラスユニット160の下部を後方から覆うように扉枠ベース101に取付けられている。ハンドルユニット180は、遊技者が回転操作可能なハンドル182を備えており、ハンドル182を操作することで、上皿201内の遊技球Bを、球発射装置540によって遊技盤5の遊技領域5a内に打込む遊技を行うためのものである。
[3−1.扉枠ベースユニットの全体構成]
扉枠3の扉枠ベースユニット100について、主に図31乃至図33を参照して詳細に説明する。図31(a)は扉枠の扉枠ベースユニットを前から見た斜視図であり、(b)は扉枠ベースユニットを後ろから見た斜視図である。図32は扉枠ベースユニットを主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図33は扉枠ベースユニットを主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。
扉枠ベースユニット100は、正面視左辺側が本体枠4に対してヒンジ回転可能に取付けられ、本体枠4の前面を開閉可能に閉鎖していると共に、本体枠4に取付けられている遊技盤の遊技領域を前方から視認可能としている。扉枠ベースユニット100は、外形が上下に延びた四角形で平板状の扉枠ベース101と、扉枠ベース101の前面右下に取付けられておりハンドルユニット180を取付けるためのハンドル取付部材102と、扉枠ベース101の後側で背面視右下隅に取付けられているスピーカダクト103と、を備えている。
また、扉枠ベースユニット100は、扉枠ベース101の後側の下部における背面視右端付近に取付けられている扉枠主中継基板104と、扉枠ベース101の後側の下部における扉枠主中継基板104の背面視左方に取付けられている扉枠副中継基板105と、扉枠ベース101の後側の下部における扉枠副中継基板105の背面視左方に取付けられているハンドル後中継基板106と、扉枠ベース101の後側に取付けられており扉枠主中継基板104と扉枠副中継基板105の一部とを後側から被覆する扉枠中継基板カバー107と、扉枠ベース101の後側に取付けられておりハンドル後中継基板106を後側から被覆するハンドル後中継基板カバー108と、扉枠ベース101の後側に取付けられており配線ケーブルを被覆するケーブルカバー109と、を備えている。
更に、扉枠ベースユニット100は、扉枠ベース101の後側に取付けられている枠状の扉枠補強ユニット110と、扉枠補強ユニット110に取付けられている扉枠上ヒンジ組立体120及び扉枠下ヒンジ部材125と、扉枠補強ユニット110に取付けられている開閉用のシリンダ錠130と、扉枠ベース101の後側でハンドル後中継基板106の上方に取付けられている球送給ユニット140と、扉枠ベース101の後側の下部における背面視右側に取付けられているファールカバーユニット150と、を備えている。
この扉枠ベースユニット100には、前面下隅にハンドルユニット180が、扉窓101aの下側前面に皿ユニット200が、扉窓101aの左外側前面に扉枠左サイドユニット400が、扉窓101aの右外側前面に扉枠右サイドユニット410が、扉窓101aの上外側前面に扉枠トップユニット450が、夫々取付けられるものである。
また、扉枠ベースユニット100には、扉窓101aを後方から閉鎖するようにガラスユニット160が取付けられると共に、ガラスユニット160の下部を後方から覆うように透明な防犯カバー170が取付けられるものである。
[3−1a.扉枠ベース]
扉枠3における扉枠ベースユニット100の扉枠ベース101について、主に図31乃至図33を参照して詳細に説明する。扉枠ベース101は、正面視の外形が上下に延びた四角形(長方形)に形成されている。扉枠ベース101は、前後に貫通しており、正面視における内周形状が上下に延びた略四角形に形成された扉窓101aを備えている。扉窓101aは、内周を形成している上辺及び左右両辺が、扉枠ベース101の外周辺に夫々接近しており、内周を形成している下辺が、扉枠ベース101の下端から上下方向の約1/3の高さに位置している。このように、扉枠ベース101は、前後に貫通している扉窓101aにより全体が枠状に形成されている。この扉枠ベース101は、合成樹脂により一体成形されている。
扉枠ベース101は、前面における正面視右下隅に形成されており左端側が右端側よりも前方へやや突出するように傾斜しているハンドル取付座面101bと、ハンドル取付座面101bと扉窓101aとの間で正面視右端付近に後面から前方へ向かって窪み、扉枠補強ユニット110のシリンダ取付フレーム115が挿入される挿入凹部101cと、挿入凹部101cにおいて前後に貫通しておりシリンダ錠130のシリンダ本体131が挿通されるシリンダ挿通孔101dと、シリンダ挿通孔101d及びハンドル取付座面101bの正面視左側で前後に貫通しており球送給ユニット140の進入口141a及び球抜口141bを前方に臨ませるための球送給開口101eと、を備えている。
また、扉枠ベース101は、左右方向中央より左寄りで且つハンドル取付座面101bと略同じ高さで前後に貫通しておりファールカバーユニット150の球放出口150dを前方に臨ませる下皿用球通過口101fと、正面視左端付近で扉窓101aの下辺に隣接するように前後に貫通しておりファールカバーユニット150の貫通球通路150aを前方に臨ませる上皿用球通過口101gと、扉窓101aの内周に沿って後面から前方へ向かって窪み、ガラスユニット160のガラス枠161が挿入されるガラスユニット取付部101hと、を備えている。
また、扉枠ベース101は、正面視左下隅(上皿用球通過口101gの下方)に形成されており前後に貫通した縦長の複数のスリット101iを、備えている。複数のスリット101iの後側にスピーカダクト103が取付けられる。また、複数のスリット101iは、パチンコ機1を組立てた状態で、前方に皿ユニット200における皿ユニットベース211のスピーカ口211bが位置していると共に、後方に本体枠4のスピーカユニット620aにおける本体枠スピーカ622が位置しており、本体枠スピーカ622からの音を前方へ放射することができる。
更に、扉枠ベース101は、扉窓101aの下方でハンドル取付座面101bの上方において、前後に貫通している貫通孔101jを備えている。この貫通孔101jは、扉枠ベースユニット100側と皿ユニット200側とを接続する配線ケーブル(図示は省略)が挿通されるものであり、後述する扉枠補強ユニット110における中間補強フレーム114の貫通部114bと一致するように形成されている。
[3−1b.ハンドル取付部材]
扉枠ベースユニット100のハンドル取付部材102について、主に図31乃至図33を参照して詳細に説明する。ハンドル取付部材102は、扉枠ベース101の前面にハンドルユニットを取付けるためのものであり、扉枠ベース101の前面のハンドル取付座面101bに取付けられる。
ハンドル取付部材102は、前後方向へ延びた円筒状の筒部102aと、筒部102aの後端から筒部102aの軸に対して直角方向外方へ延びた円環状のフランジ部102bと、筒部102a内に突出していると共に筒部102aの軸方向全長に亘って延びており筒部102aの周方向に対して不等間隔に配置された複数(本例では三つ)の突条102cと、筒部102aの外周面とフランジ部102bの前面とを繋ぎ、筒部102aの周方向に対して複数配置された補強リブ102dと、を備えている。
ハンドル取付部材102は、フランジ部102bの後面を、扉枠ベース101におけるハンドル取付座面101bの前面に当接させた状態で、ビスによってハンドル取付座面101bに取付けられる。
筒部102aは、内径がハンドルユニット180におけるハンドルベース181の基部181aの外径よりも若干大きく形成されている。三つの突条102cは、一つが筒部102aの上部に備えられており、残り二つが筒部102aの下部に備えられている。これら三つの突条102cは、ハンドルベース181における三つの溝部181cと対応する位置に形成されている。従って、ハンドル取付部材102は、三つの突条102cと、ハンドルベース181の三つの溝部181cとを一致させた状態でのみ、筒部102a内にハンドルベース181の基部181aを挿入させることができ、扉枠ベース101に対してハンドルベース181(ハンドルユニット180)の回転位置を規制することができる。
なお、ハンドル取付部材102は、フランジ部102bの後面に対して、筒部102aの軸線が垂直に延びていることから、扉枠ベース101の傾斜しているハンドル取付座面101bに取付けることで、筒部102aの軸線が右前方へ延びるように傾いた状態となり、ハンドルユニット180を同様に傾いた状態で扉枠ベース101に取付けることができる。
[3−1c.スピーカダクト]
扉枠ベースユニット100のスピーカダクト103について、主に図31乃至図33を参照して詳細に説明する。このスピーカダクト103は、筒状に形成されており、扉枠ベース101の後側において複数のスリット101iが形成されている部位に取付けられる。スピーカダクト103は、パチンコ機1を組立てた状態で、筒状の部位の後端が、本体枠4の本体枠スピーカ622の前方に位置している。これにより、本体枠4の本体枠スピーカ622から放射(出力)された音(サウンド)を、拡散させることなく前方へ誘導することができ、扉枠ベース101の複数のスリット101i及び皿ユニット200の皿ユニットベース211におけるスピーカ口211bを通して、パチンコ機1の前方(遊技者側)へ良好に誘導することができる。
また、スピーカダクト103は、筒状の部位の下方の後面に、接続ケーブル503を保持するケーブルホルダ103aを備えている。ケーブルホルダ103aは、扉枠中継基板カバー107よりも正面視左方に配置されており、扉枠主中継基板104及び扉枠副中継基板105に接続されている接続ケーブル503を、扉枠3の左端側へ延びるように保持している。
[3−1d.扉枠主中継基板・扉枠副中継基板・ハンドル後中継基板]
扉枠ベースユニット100の扉枠主中継基板104、扉枠副中継基板105、ハンドル後中継基板106について、主に図32及び図33等を参照して説明する。扉枠主中継基板104は、外形が上下に延びた四角形に形成されており、扉枠ベース101の後側の下部における背面視右下隅に取付けられる。扉枠主中継基板104は、ハンドル後中継基板106と本体枠4の基板ユニット620におけるインターフェイス基板635との接続を中継するためのものであり、本体枠4から延びている接続ケーブル503(図83及び図84を参照)の一部が接続される。
扉枠副中継基板105は、外形が、上下に延びた四角形の上部の正面視右側に左右に延びた四角形が組み合された逆L字状に形成されており、上下に延びているが扉枠主中継基板104の背面視左方に隣接するように、扉枠ベース101の後側に取付けられている。扉枠副中継基板105は、ハンドルユニット180のハンドル装飾基板184、皿ユニット200の皿ユニット中継基板214、扉枠左サイドユニット400の扉枠左サイド装飾基板402、扉枠右サイドユニット410のサイド窓内装飾部装飾基板413及び扉枠右サイド装飾基板418、扉枠トップユニット450の扉枠トップ中継基板467等と、本体枠4のインターフェイス基板635との接続を中継するためのものであり、本体枠4から延びている接続ケーブル503の残りが接続される。
扉枠主中継基板104及び扉枠副中継基板105は、接続端子が後方へ向かって突出するように、扉枠ベース101に取付けられる。扉枠主中継基板104及び扉枠副中継基板105は、扉枠ベースユニット100を組立てた状態で、扉枠主中継基板104と扉枠副中継基板105の上下に延びている部位とが、扉枠中継基板カバー107によって後側が被覆された状態となり、扉枠副中継基板105の残りの部位が、ファールカバーユニット150によって後側が被覆された状態となる。
ハンドル後中継基板106は、外形が左右に延びた四角形に形成されており、扉枠ベース101の後側における球送給開口101eの下方でハンドル取付座面101bの後側に取付けられる。ハンドル後中継基板106は、扉枠主中継基板104とハンドルユニット180のハンドル回転検知センサ189、ハンドルタッチセンサ192、単発ボタン操作センサ194、及び球送給ユニット140の球送給ソレノイド145との接続を中継するためのものである。ハンドル後中継基板106は、扉枠ベースユニット100を組立てた状態で、ハンドル後中継基板カバー108によって後側が被覆された状態となる。
[3−1e.扉枠中継基板カバー・ハンドル後中継基板カバー・ケーブルカバー]
扉枠ベースユニット100の扉枠中継基板カバー107、ハンドル後中継基板カバー108、及びケーブルカバー109について、主に図31乃至図33を参照して説明する。扉枠中継基板カバー107は、扉枠ベース101の後側に取付けることで、扉枠主中継基板104と扉枠副中継基板の一部(逆L字状の上下に延びている部位)の後側を被覆するものである。扉枠中継基板カバー107は、前方及び正面視左方が開放された箱状に形成されている。扉枠ベースユニット100に組立てた状態では、後側を被覆している扉枠主中継基板104及び扉枠副中継基板105の接続端子が扉枠中継基板カバー107の内部に露出しており、開放されている左側から接続ケーブル503を内部に挿入して、それら端子に接続することができる。
ハンドル後中継基板カバー108は、ハンドル後中継基板106の後側を被覆するように扉枠ベース101の後側に取付けられるものである。ケーブルカバー109は、扉枠補強ユニット110における中間補強フレーム114の後側に取付けられ、扉枠主中継基板104と皿ユニット200の球貸操作ユニット220とを接続する配線ケーブル(図示は省略)を被覆するためのものである。ケーブルカバー109は、左右に延びた箱状に形成されており、前面の左端付近と下面の左右方向中央に、配線ケーブルを通すための開口が形成されている。
[3−1f.扉枠補強ユニット]
扉枠ベースユニット100の扉枠補強ユニット110について、主に図31乃至図33を参照して詳細に説明する。扉枠補強ユニット110は、扉枠ベース101の後側に取付けられることで、平板状の扉枠ベース101を補強して、扉枠ベースユニット100に剛性を付与している。扉枠補強ユニット110は、左右に離間して配置されている上下に延びた左補強フレーム111及び右補強フレーム112と、左補強フレーム111及び右補強フレーム112の上端同士を連結している左右に延びた上補強フレーム113と、左補強フレーム111の下端から上寄りの位置に左端側が取付けられており右補強フレーム112付近まで右方へ延びた中間補強フレーム114と、中間補強フレーム114の右端と右補強フレーム112とを連結しているシリンダ取付フレーム115と、右補強フレーム112の後側に上下に離間して複数取付けられており本体枠4の施錠ユニット650の扉枠用鉤652が掛止される鉤掛部材116と、を備えている。
左補強フレーム111及び右補強フレーム112は、左右方向が一定の幅で、扉枠ベース101の上下の高さと略同じ長さで上下に延びている。右補強フレーム112には、上下方向に離間しており、前後方向に貫通している複数の挿通孔が形成されている。これら挿通孔は、本体枠4に対して扉枠3を閉めた時に、施錠ユニット650の扉枠用鉤652の先端が挿通される。上補強フレーム113は、上下方向が一定の幅で、扉枠ベース101の左右の幅と略同じ長さで左右に延びている。
中間補強フレーム114は、上下方向が上補強フレーム113の上下の幅よりも広い幅で左右に延びている。中間補強フレーム114は、左端付近において上端から下方へ四角く切欠かれた切欠部114aと、右端付近において前後に貫通している貫通部114bと、を有している。切欠部114aは、扉枠ベース101の上皿用球通過口101gと、貫通部114bは、扉枠ベース101の貫通孔101jと、夫々一致する位置に形成されている。
シリンダ取付フレーム115は、左右に離間して配置されており正面視において上下に延びた四角形の平板状に形成されている一対の後片部と、一対の後片部の対面している夫々の辺から前方へ平板状に延出している一対の側片部と、一対の前方延出部の前端の辺同士を連結している平板状の前片部と、を備えている。このシリンダ取付フレーム115は、平面視の形状が前方へ突出した凸形状に形成されている。シリンダ取付フレーム115は、左側の後片部が中間補強フレーム114の右端に取付けられ、右側の後片部が右補強フレーム112に取付けられる。このシリンダ取付フレーム115は、前片部にシリンダ錠130が取付けられる。
鉤掛部材116は、右補強フレーム112の後側において、前後に貫通している挿通孔の部位に取付けられている。これら鉤掛部材116は、施錠ユニット650の扉枠用鉤652が掛止される。
扉枠補強ユニット110を構成している左補強フレーム111、右補強フレーム112、上補強フレーム113、中間補強フレーム114、シリンダ取付フレーム115、及び鉤掛部材116は、金属板をプレス成型によって打抜き・屈曲することで形成されている。これらは、リベットによって組立てられている。
扉枠補強ユニット110は、左補強フレーム111、右補強フレーム112、及び上補強フレーム113が、扉枠ベース101の左辺、右辺、及び上辺に沿うように組立てられていると共に、中間補強フレーム114が、扉枠ベース101の扉窓101aの下方に位置するように組立てられている。
扉枠補強ユニット110は、図示しない複数のビスにより扉枠ベース101の後側に取付けられる。この扉枠補強ユニット110は、扉枠ベース101に取付けた状態で、中間補強フレーム114の切欠部114a及び貫通部114bが、扉枠ベース101の上皿用球通過口101g及び貫通孔101jと一致した状態となると共に、シリンダ取付フレーム115が、扉枠ベース101の挿入凹部101c内に挿入された状態となる。
[3−1g.扉枠上ヒンジ組立体]
扉枠ベースユニット100の扉枠上ヒンジ組立体120について、主に図31乃至図33を参照して説明する。扉枠上ヒンジ組立体120は、扉枠補強ユニット110の正面視左上隅に取付けられる。扉枠上ヒンジ組立体120は、扉枠3を、扉枠下ヒンジ部材125と協働して本体枠4に対してヒンジ回転可能に取付けるためのものである。扉枠上ヒンジ組立体120は、扉枠補強ユニット110に取付けられるヒンジブラケット121と、ヒンジブラケット121に上下方向へ移動可能に取付けられる扉枠上ヒンジピン122と、扉枠上ヒンジピン122に取付けられる鍔部材123と、扉枠上ヒンジピン122を上方へ移動するように付勢しているロックバネ124と、を備えている。
ヒンジブラケット121は、正面視四角形の平板状の取付片121aと、取付片121aの上辺及び下辺から前方へ延出している平板状の突出片121bと、を備えている。ヒンジブラケット121は、取付片121aが扉枠補強ユニット110に取付けられる。ヒンジブラケット121は、金属板を屈曲させて形成されている。
扉枠上ヒンジピン122は、円柱状の金属棒をL字状に屈曲させたものである。扉枠上ヒンジピン122は、扉枠上ヒンジ組立体120に組立てた状態で、上下に延びている部位が、ヒンジブラケット121における一対の突出片121bの前端付近において下方から貫通し、上端が上側の突出片121bよりも上方へ延び出していると共に、水平に延びている部位が下側の突出片121bの下面に当接している。扉枠上ヒンジピン122は、上端が本体枠4の本体枠上ヒンジ部材510における上ヒンジ本体511の扉枠用上ヒンジ孔511aに回転可能に挿通される。
鍔部材123は、Eリングとされており、扉枠上ヒンジピン122における一対の突出片121bの間となる部位に取付けられている。ロックバネ124は、コイル状に形成されており、鍔部材123とヒンジブラケット121における下側の突出片121bとの間において扉枠上ヒンジピン122の上下に延びている部位の周りに被せられている。このロックバネ124により、鍔部材123を介して扉枠上ヒンジピン122が上方へ付勢されている。
扉枠上ヒンジ組立体120は、扉枠上ヒンジピン122がロックバネ124により上方へ付勢された状態となっており、扉枠上ヒンジピン122における下端の水平に延びている部位が下側の突出片121bの下面に当接することで、これ以上の上方への移動が規制されている。この状態では、扉枠上ヒンジピン122の上端が、上側の突出片121bの上面よりも所定量上方に突出している。
扉枠上ヒンジ組立体120は、扉枠上ヒンジピン122における下端の水平に延びている部位を、ロックバネ124の付勢力に抗してその部位を下方へ移動させると、扉枠上ヒンジピン122を全体的に下方へ移動させることができ、扉枠上ヒンジピン122の上端を、上側の突出片121bの上面よりも下方へ没入させることができる。従って、扉枠上ヒンジ組立体120は、扉枠上ヒンジピン122の上端を、本体枠上ヒンジ部材510の扉枠用上ヒンジ孔511aに対して下方から挿入させたり、下方へ抜いたりすることができる。これにより、扉枠上ヒンジピン122の上端を、本体枠上ヒンジ部材510の扉枠用上ヒンジ孔511aに挿入させることで、扉枠3の正面視上部左端を、本体枠4に対してヒンジ回転可能に支持させることができる。
また、扉枠上ヒンジ組立体120は、扉枠上ヒンジピン122における上下に延びている部位が、後述する扉枠下ヒンジ部材125の扉枠下ヒンジピン126と同軸上に位置している。これにより、扉枠上ヒンジピン122と扉枠下ヒンジピン126とによって、扉枠3を本体枠4に対して良好な状態でヒンジ回転させることができる。
[3−1h.扉枠下ヒンジ部材]
扉枠ベースユニット100の扉枠下ヒンジ部材125について、主に図31乃至図33を参照して説明する。扉枠下ヒンジ部材125は、扉枠補強ユニット110の正面視左下隅に取付けられる。扉枠下ヒンジ部材125は、扉枠3を、扉枠上ヒンジ組立体120と協働して本体枠4に対してヒンジ回転可能に取付けるためのものである。
扉枠下ヒンジ部材125は、扉枠補強ユニット110に取付けられ正面視四角形で平板状の取付片125aと、取付片125aの下辺から前方へ延出している平板状の突出片125bと、突出片125bの前端付近の下面から下方へ突出している扉枠下ヒンジピン126(図22等を参照)と、を備えている。
扉枠下ヒンジ部材125の取付片125a及び突出片125bは、金属板を屈曲させて形成されている。扉枠下ヒンジピン126は、円柱状の金属棒で、下端部の外周にテーパ状の面取りが施されている。この扉枠下ヒンジピン126は、扉枠ベースユニット100に組立てた状態で、突出片125bにおける扉枠上ヒンジ組立体120の扉枠上ヒンジピン122の上下に延びている部位と同軸上となる部位に取付けられている。
この扉枠下ヒンジ部材125は、扉枠下ヒンジピン126を本体枠側下ヒンジ部材の扉枠用ヒンジ孔に挿入することで、扉枠3を本体枠4に対してヒンジ回転可能に支持することができる。
[3−1i.シリンダ錠]
扉枠ベースユニット100のシリンダ錠130について、主に図31乃至図33を参照して詳細に説明する。シリンダ錠130は、扉枠補強ユニット110のシリンダ取付フレーム115に取付けられ、後述する施錠ユニット650と協働して、扉枠3と本体枠4との開閉、及び、外枠2と本体枠4との開閉施錠に使用されるものである。シリンダ錠130は、前後に延びた円柱状のシリンダ本体131と、シリンダ本体131の前端面に形成されている鍵穴132と、シリンダ本体131の後側に取付けられており鍵穴132に挿入され正規の鍵を回転させると一緒に回転する回転伝達部材133と、を備えている。
シリンダ錠130のシリンダ本体131は、シリンダ取付フレーム115の前片部を後方から貫通して後端が前片部に取付けられている。回転伝達部材133は、後方が開放された円筒状(詳しくは、後方へ向かうに従って直径が大きくなる円錐筒状)に形成されており、中心軸を挟んで対向した位置に後端から前方へ向かって切欠かれた一対の切欠部を有している。回転伝達部材133は、本体枠4における施錠ユニット650の伝達シリンダ654が後方から挿入されるように形成されており、伝達シリンダ654の一対の突起が一対の切欠部内に挿入されることで、回転伝達部材133(鍵穴132に挿入された鍵)の回転を、伝達シリンダ654に伝達させて回転させることができる。
シリンダ錠130は、扉枠3に組立てた状態で、シリンダ本体131の前端が皿ユニット200における皿ユニット本体252のシリンダ挿通口252hの前端と略一致した状態となる(図22等を参照)。
[3−1j.球送給ユニット]
扉枠ベースユニット100の球送給ユニット140について、主に図34及び図35を参照して詳細に説明する。図34(a)は扉枠ベースユニットの球送給ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は球送給ユニットを後ろから見た斜視図である。図35(a)は球送給ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、(b)は球送給ユニットの後ケースと不正防止部材を外して後から見た分解斜視図である。球送給ユニット140は、皿ユニット200の上皿201から供給される遊技球Bを一つずつ本体枠4の球発射装置540へ供給することができると共に、上皿201内に貯留された遊技球Bを、上皿球抜ボタン222の操作によって下皿202へ抜くことができるものである。
球送給ユニット140は、皿ユニット200の上皿201から遊技球Bが供給され前後方向に貫通している進入口141a、及び進入口141aの下側に開口する球抜口141bを有し後方が開放された箱状の前カバー141と、前カバー141の後端を閉鎖すると共に前方が開放された箱状で、前後方向に貫通している前カバー141の進入口141aから進入した遊技球Bを球発射装置540へ供給するための打球供給口142aを有した後カバー142と、後カバー142及び前カバー141の間で前後方向へ延びた軸周りに回動可能に軸支され前カバー141の後側で進入口141aと球抜口141bとの間を仕切る仕切部143aを有した球抜部材143と、球抜部材143の仕切部143a上の遊技球Bを一つずつ後カバー142の打球供給口142aへ送り、前カバー141と後カバー142との間で上下方向へ延びた軸周りに回動可能に支持された球送給部材144と、球送給部材144を回動させる球送給ソレノイド145と、を備えている。
この球送給ユニット140は、図示するように、正面視で、球送給部材144が進入口141aの右側に配置されており、球送給部材144の左側に球抜部材143が、球送給部材144の右側に球送給ソレノイド145が夫々配置されている。
球送給ユニット140の前カバー141は、正面視で球抜口141bの左側に、球抜部材143の回転中心に対して同心円状に形成された円弧状のスリット141cを備えており、このスリット141cから後述する球抜部材143の作動棹143cが前方へ延びだすようになっている。また、前カバー141は、進入口141aの上縁から上側が上方へ延びだしており、扉枠3を組立てた際に、上皿球抜後ユニット240における後ベース241の球送給誘導路241b及び球抜誘導路241cの上流端側の後方へ開放されている部位を後側から閉鎖するように形成されている。
球抜部材143は、進入口141aよりも下側で進入口141aと球抜口141bとの間を仕切り上面が球送給部材144の方向へ向かって低くなる仕切部143aと、仕切部143aの球送給部材144とは反対側の端部から下方へ延出すると共に上下方向の中間付近から球抜口141bの下側中央へ向かってく字状に屈曲し下端が前後方向へ延びた軸周りに回動可能に支持される回動棹部143bと、回動棹部143bの上端から前方へ向かって突出する棒状の作動棹143cと、作動棹143cよりも下側で回動棹部143bの側面から仕切部143aとは反対側へ突出した錘部143dと、を備えている。球抜部材143の作動棹143cは、前カバー141に形成された円弧状のスリット141cを通して前方へ突出するように形成されている(図34(a)を参照)。作動棹143cは、扉枠ベース101の球送給開口101eを介して皿ユニット200の上皿球抜ボタン222の押圧操作によって下方へ移動する上皿球抜スライダ242の作動伝達部242bの上端(上面)と当接する。
球送給部材144は、進入口141a及び球抜部材143の仕切部143aの方を向き上下方向へ延びた回転軸芯を中心とした平面視が扇状の遮断部144aと、遮断部144aの後端から回転軸芯側へ円弧状に窪んだ球保持部144bと、球保持部144bの後端から下方へ延出する棒状の棹部144cと、を備えている。球送給部材144における遮断部144aと球保持部144bは、夫々回転軸芯を中心とした約180゜の角度範囲内に隣接して形成されている。また、球送給部材144の球保持部144bは、一つの遊技球Bを保持可能な大きさとされている。球送給部材144は、球送給ソレノイド145の駆動によって回転軸芯と偏芯した位置に配置された棹部144cが左右方向へ移動させられることで、回転軸芯周りに回動する。
この球送給部材144は、遮断部144aが仕切部143aの方向を向くと同時に球保持部144bが打球供給口142aと連通した方向を向いた供給位置と、球保持部144bが仕切部143aの方向へ向いた保持位置との間で回動するようになっている。球送給部材144が供給位置の時には、球保持部144bに保持された遊技球Bが、打球供給口142aから球発射装置540へ供給されると共に、進入口141aから仕切部143a上に進入した遊技球Bが、遮断部144aによって球保持部144b(打球供給口142a)側への移動が遮断されて仕切部143a上に留まった状態となる。一方、球送給部材144が保持位置へ回動すると、球保持部144bが仕切部143aの方向を向くと共に、球保持部144bの棹部144c側の端部が打球供給口142aを閉鎖した状態となり、仕切部143a上の遊技球Bが一つだけ球保持部144b内に保持される。
また、球送給ユニット140は、球送給ソレノイド145の駆動(通電)によって先端が上下方向へ揺動する球送給作動桿146と、球送給作動桿146における上下方向へ揺動する先端の動きによって前後方向へ延びた軸周りに回動すると共に、球送給部材144を上下方向へ延びた軸周りに回動させる球送給クランク147と、を備えている。
球送給作動桿146は、球送給ソレノイド145の下方の部位に鉄板146aを備えている。球送給作動桿146は、左右に延びており、球送給クランク147とは反対側の端部(右端部)が前後に延びた軸周りに回転可能に前カバー141及び後カバー142に取付けられている。球送給作動桿146は、球送給ソレノイド145が駆動されると、発生する磁力によって鉄板146aが球送給ソレノイド145の方(上方)へ引寄せられ、右端部を中心にして球送給クランク147に近い左端部側が上方へ移動するように回動する。その後、球送給ソレノイド145の駆動が解除されると、磁力が消滅することによって鉄板146aの自重が作用して、右端部を中心にして球送給クランク147に近い左端部側が下方へ移動するように回動して初めの状態に復帰する。これにより、球送給作動桿146は、球送給ソレノイド145によって、球送給クランク147に近い左端部(先端)が上下方向に揺動することとなる。
球送給クランク147は、球送給作動桿146の上下動する先端と係合可能とされ左右方向へ延びた係合部147aと、係合部147aの球送給作動桿146と係合する側とは反対側に配置され前カバー141と後カバー142との間で前後方向へ延びた軸周りに回動可能に軸支される軸部147bと、軸部147bから上方へ延出しており、球送給部材144における回動中心に対して偏芯した位置から下方へ突出する棒状の棹部144c(図35(b)を参照)と係合する伝達部147cと、を備えている。
この球送給ユニット140は、球送給ソレノイド145の駆動により球送給作動桿146の先端(左端)を上方へ移動させることで、球送給作動桿146を介して球送給クランク147を前後に延びた軸周りに回動させることができる。
球送給ユニット140は、球送給ソレノイド145の非駆動時(通常時)では、球送給作動桿146が球送給ソレノイド145の下端から離れて先端が下方へ位置した状態となり、この状態では球送給部材144が供給位置に位置した状態となる。また、球送給ソレノイド145の駆動時では、球送給作動桿146が球送給ソレノイド145の下端に吸引されて先端(左端)が上方へ位置した状態となり、球送給部材144が保持位置へ回動する。つまり、球送給ソレノイド145が駆動される(ONの状態)と、球送給部材144が遊技球Bを一つ受入れ、球送給ソレノイド145の駆動が解除される(OFFの状態)と、球送給部材144が受入れた遊技球Bを球発射装置540側へ送る(供給する)ことができる。この球送給ユニット140における球送給ソレノイド145の駆動は、払出制御基板633の発射制御部633b(図117を参照)により発射ソレノイド542の駆動制御と同期して制御される。
また、球送給ユニット140は、回動可能に軸支されている球抜部材143か、錘部143dによって正面視反時計周りの方向へ回転するようなモーメントがかかるようになっている。しかしながら、球抜部材143の前方へ突出している作動棹143cが、皿ユニット200の上皿球抜ボタン222の押圧操作によって動作する上皿球抜スライダ242の作動伝達部242bの上端と当接することで、その回動が規制されているため、通常の状態では、球抜部材143の仕切部143aが進入口141aと球抜口141bとの間に位置して仕切っており、球抜口141b側へ遊技球Bが侵入することはない。
そして、遊技者が、皿ユニットの上皿球抜ボタンを下方へ押圧操作すると、上皿球抜スライダが作動伝達部と共に下方へスライドし、作動伝達部の下方への移動に伴って作動棹143cも相対的に下方へ移動することとなる。作動伝達部と共に作動棹143cが下方へ移動すると、球抜部材143が正面視反時計周りの方向へ回動し、仕切部143aが進入口141aと球抜口141bとの間から移動して仕切りが解除される。これにより、進入口141aから進入した遊技球Bが、球抜口141b側へ落下し、球抜口141bから皿ユニット200における上皿球抜後ユニット240の球抜誘導路241cへと排出され、下皿球供給口211cを介して下皿202へ排出(供給)させることができる。
なお、球抜部材143の作動棹143cが当接する作動伝達部242bが形成されている上皿球抜スライダ242は、バネ243によって上方へ付勢されているので、仕切部143a上に遊技球Bが勢い良く供給されても、その衝撃を、作動棹143cを介してバネ243によって吸収させることができ、球抜部材143等が破損するのを防止することができると共に、遊技球Bが仕切部143aで跳ね返るのを防止することができる。
また、球送給ユニット140は、後カバー142における打球供給口142aの背面視で右上に前方へ窪んだ矩形状の取付凹部142b(図35(b)等を参照)が形成されていると共に、その取付凹部142b内に不正防止部材148が取付けられている。球送給ユニット140の不正防止部材148は、工具鋼やステンレス等の硬質の金属板により形成されており、後カバー142の取付凹部142b内に対して後側から脱着可能に取付けられている。
不正防止部材148は、正面視の外形が左右に延びた長方形状に形成されており、右辺から左方へ所定距離の間において、上下方向略中央で上下に分離している上片部148a及び下片部148bと、上片部148a及び下片部148bの互いに対向している辺の先端側(正面視右端側)でC面取り状に夫々形成されている傾斜部148cと、を備えている。不正防止部材148の上片部148aは、不正防止部材148の一般面に対して、正面視右端が後方へ突出するように屈曲させられている。下片部148bは、不正防止部材148の一般面と同一面上に延びている。これにより、平面視において、上片部148aと下片部148bとによって、右方に向かうに従って広がるV字状の溝を形成している。
不正防止部材148は、後カバー142の取付凹部142bに取付けられることで、上片部148aと下片部148bとで形成されるV字状の溝が、打球供給口142a内と連通した状態となる。
この不正防止部材148によれば、紐を取付けた不正な遊技球Bを、上皿から球送給ユニット140を介して球発射装置540により遊技領域5a内に打込み、不正な遊技球Bに取付けられた紐を操作して、不正な遊技球Bを第一始動口等に出し入れさせるような不正行為が行われる際に、球発射装置540により発射(打球)された不正な遊技球Bの勢いによって、不正な遊技球Bに取付けられた紐を、上片部148aと下片部148bとの間に挿入させた上で、上片部148aと下片部148bとによって形成されたV字状の狭くなった部位により切断させることができ、紐を取付けた不正な遊技球Bを用いた不正行為が行われるのを防止することができる。
[3−1k.ファールカバーユニット]
扉枠ベースユニット100のファールカバーユニット150について、主に図36及び図37を参照して詳細に説明する。図36(a)は扉枠ベースユニットのファールカバーユニットを前から見た斜視図であり、(b)はファールカバーユニットを後ろから見た斜視図である。また、図37は、蓋部材を外した状態のファールカバーユニットの正面図である。ファールカバーユニット150は、扉枠ベース101の後側の下部における背面視右側に取付けられている。ファールカバーユニット150は、球発射装置540により発射されて遊技盤5の遊技領域5a内に到達しなかった遊技球B(ファール球)を、下皿202に誘導すると共に、払出装置580から払出された遊技球Bを、上皿201又は下皿202に誘導するためのものである。ファールカバーユニット150は、図示するように、扉枠ベース101の後側に取付けられ前側が開放された浅い箱状のユニット本体151と、ユニット本体151の前面に取付けられている平板状の蓋部材152と、を備えている。
ファールカバーユニット150は、正面視左上隅において前後に貫通しており本体枠4の下部満タン球経路ユニットの通常誘導路と皿ユニットの上皿球供給口とを連通させる貫通球通路150aと、貫通球通路150aの正面視右下側で後方へ向かって開口しており本体枠4の下部満タン球経路ユニットの満タン誘導路と連通可能な満タン球受口150bと、を備えている。
また、ファールカバーユニット150は、満タン球受口150bの正面視右側で上方へ向かって開口しており本体枠4の球発射装置により発射されにも関わらず遊技領域5a内へ到達しなかった遊技球B(ファール球)を受けるファール球受口150cと、正面視右下隅付近で前方へ向かって開口しており満タン球受口150b及びファール球受口150cに受入れられた遊技球Bを前方へ放出すると共に皿ユニットの下皿球供給口と連通する球放出口150dと、を備えている。
更に、ファールカバーユニット150は、ユニット本体151及び蓋部材152によって、満タン球受口150b及びファール球受口150cと球放出口150dとの間に形成されており所定量の遊技球Bを貯留可能な広さを有している貯留通路150eを、備えている。
貫通球通路150aは、ユニット本体151と蓋部材152の両方に跨って形成されている。満タン球受口150b及びファール球受口150cは、ユニット本体151に形成されている。球放出口150dは、蓋部材152に形成されている。貯留通路150eは、ユニット本体151と蓋部材152とで形成されている。
また、ファールカバーユニット150は、貯留通路150eの内壁の一部を構成しており下端が回動可能にユニット本体151及び蓋部材152に取付けられている平板状の可動片153と、可動片153の貯留通路150eから遠ざかる方向への回動を検知する満タン検知センサ154と、可動片153を貯留通路150e側へ付勢しているバネ155と、を備えている。
このファールカバーユニット150は、皿ユニット200の下皿202内が遊技球Bで一杯になって、球放出口150dから遊技球Bが下皿202側へ放出されなくなると、貯留通路150e内にある程度の数の遊技球Bを貯留することができる。そして、貯留通路150e内にある程度の数の遊技球Bが貯留されると、遊技球Bの重さによって可動片153の上端がバネ155の付勢力に抗して貯留通路150eから遠ざかる方向へ移動するように可動片153が回動し、その回動が満タン検知センサ154によって検知される。これにより、下皿202が遊技球Bで満タンになっていると判断することができるため、満タン検知センサ154により満タンが検知されると、これ以上の遊技球Bの払出しを停止させると共に、その旨を遊技者や遊技ホールの係員等に報知して、下皿202の満タンを解消させるように促すことができる。
また、ファールカバーユニット150は、ユニット本体151の後側で貫通球通路150aの下側に取付けられており、本体枠4の後述する払出ユニット560における下部満タン球経路ユニット610の払出通路開閉扉613の作動突部613aが当接可能な扉開閉当接部150fを備えている(図91を参照)。扉開閉当接部150fは、後面が下方へ向かうに従って前方へ移動するように傾斜している。この扉開閉当接部150fに払出通路開閉扉613の作動突部613aが当接することで、払出通路開閉扉613を回動させて下部通常払出通路610a及び下部満タン払出通路610bの下流端(前側開口)を開放させることができる。
[3−2.ガラスユニット]
扉枠3におけるガラスユニット160について、主に図29及び図30等を参照して詳細に説明する。ガラスユニット160は、扉枠ベースユニット100における扉枠ベース101の扉窓101aを閉鎖するように、後方からガラスユニット取付部101h内に挿入されて着脱可能に取付けられている。このガラスユニット160は、扉枠3を本体枠4に対して閉めた時に、本体枠4に取付けられている遊技盤5の遊技領域5aを遊技者側(前方)から視認可能とすると共に、遊技領域5aの前方を閉鎖するものである。
ガラスユニット160は、扉枠ベース101の扉窓101aの内周形状よりも大きくガラスユニット取付部101hに取付可能な枠状のガラス枠161と、ガラス枠161の枠内を閉鎖し外周がガラス枠161に取付けられている透明な二つのガラス板162と、扉枠ベースユニット100における扉枠ベース101の後側に回転可能に取付けられガラス枠161を扉枠ベース101に取付けるための一対のガラスユニット取付部材163と、を備えている。
ガラス枠161は、正面視左右上隅よりも下側の位置から外方へ平板状に延出している一対の取付片161aと、下端から下方へ突出していると共に下辺に沿って延びている帯板状の係止片161bと、を有している。ガラス枠161の取付片161aは、ガラスユニット取付部材163の突出部163bと当接可能とされている。係止片161bは、扉枠ベース101と扉枠補強ユニット110の中間補強フレーム114との間の空間内に挿入可能とされている(図97を参照)。二つのガラス板162は、ガラス枠161の前端側と後端側とに夫々取付けられており、互いの間に空間が形成されるように前後に離間している(図97を参照)。
ガラスユニット取付部材163は、扉枠ベース101の後側で前後に延びた軸線周りに対して回転可能に取付けられる円盤状の基部163aと、基部163aから回転軸線に対して直角方向へ棒状に突出している突出部163bと、を有している。ガラスユニット取付部材163は、扉枠ベース101の後面における扉窓101aの四隅のうち上側の二つの隅の外側に、夫々回転可能に取付けられる。
ガラスユニット160を扉枠ベース101に取付けるには、まず、扉枠ベース101に取付けられているガラスユニット取付部材163を、突出部163bが基部163aよりも上方に位置するように回転させた状態とする。そして、扉枠ベース101の後側から、ガラスユニット160のガラス枠161の係止片161bを、扉枠ベース101と扉枠補強ユニット110の中間補強フレーム114との間の隙間に上方から挿入した上で、ガラス枠161の前端を扉枠ベース101のガラスユニット取付部101hの後面に当接させる。その後、ガラスユニット取付部材163を、突出部163bが基部163aよりも下方に位置するように回転させて、突出部163bをガラス枠161の取付片161aの後面と当接させる。これにより、ガラスユニット160が扉枠ベース101に取付けられる。
ガラスユニット160を扉枠ベース101から取外す場合は、上記と逆の手順により、取外すことができる。これにより、ガラスユニット160は、扉枠ベース101(扉枠ベースユニット100)に対して着脱可能となっている。
なお、ガラスユニット160では、ガラスユニット取付部材163の突出部163bが、基部163aよりも下方に位置している回転位置の時に、突出部163bによりガラス枠161の後方への移動を規制しているため、ガラスユニット取付部材163に振動等が作用しても、突出部163bが基部163aよりも上方となるように位置へ回転することはない。従って、ガラス枠161の後方への移動の規制が自然に解除されることはなく、ガラスユニット160が扉枠ベース101から自然に外れることはない。
[3−3.防犯カバー]
扉枠3における防犯カバー170について、主に図29及び図30等を参照して詳細に説明する。防犯カバー170は、ガラスユニット160の後面下部を覆うように扉枠ベースユニット100の後側に取付けられ、透明な合成樹脂により形成されている。防犯カバー170は、外周が所定形状に形成された平板状の本体部171と、本体部171の外周縁に沿って後方へ短く突出した平板状の後方突片172と、左右に離間して配置され本体部171よりも前方に突出し、扉枠ベース101の後側に係止可能とされている一対の係止片173と、を備えている。
防犯カバー170の本体部171は、扉枠ベースユニット100に取付けた状態で下端がガラスユニット160の下端よりも下方へ突出するように形成されている。また、本体部171は、上端が、パチンコ機1に組立てた状態で、遊技盤5における遊技領域5aの下端に沿った形状に形成されている。詳述すると、本体部171の上端は、後述する前構成部材1000の内レール1002の一部、アウト誘導部1003、右下レール1004の一部、及び右レール1005に沿った形状に形成されており、パチンコ機1に組立てた状態で遊技領域5a内に突出しないように形成されている。
後方突片172は、本体部171の外周縁の略全周に亘って形成されている。従って、防犯カバー170は、本体部171と後方突片172とによって、後方へ開放された浅い箱状に形成されており、強度・剛性が高くなっている。また、後方突片172は、本体部171の外周縁とは異なる本体部171の後面の一部からも後方に突出している。この本体部171の後面の一部から後方に突出している後方突片172は、パチンコ機1に組立てた状態で遊技盤5の前構成部材1000における外レール1001の一部と沿うように形成されている。
なお、後方突片172は、パチンコ機1に組立てた状態で、遊技盤5における外レール1001と内レール1002との間に位置する部位には形成されていない。これにより、外レール1001と内レール1002との間を通る遊技球B(球発射装置540により発射された遊技球B)が、防犯カバー170の後方突片172に当接することはなく、遊技領域5a内への遊技球Bの打込みを阻害することはない。
一対の係止片173は、扉枠ベースユニット100(スピーカダクト103及びケーブルカバー109)の後側に弾性係止される。これにより、防犯カバー170は、扉枠ベースユニット100に対して容易に着脱することができる。
防犯カバー170は、パチンコ機1に組立てた状態で、本体部171の前面がガラスユニット160の後面(ガラス枠161の後端)と当接し、本体部171の下辺から後方へ突出している部位を除いた後方突片172が、前構成部材1000の防犯凹部1009内に挿入された状態となる。また、防犯カバー170は、本体部171の下辺から後方に突出している後方突片172が、前構成部材1000の下面と接するように前構成部材1000の前面よりも後方へ突出している状態となる。これにより、防犯カバー170と遊技盤5(前構成部材1000)との間が、防犯カバー170の後方突片172と前構成部材1000の防犯凹部1009とによって複雑に屈曲した状態となるため、遊技盤5の前面下方より防犯カバー170と前構成部材1000との間を通してピアノ線等の不正な工具を遊技領域5a内に侵入させようとしても、後方突片172や防犯凹部1009に阻まれることとなり、遊技領域5a内への不正な工具の侵入を阻止することができる。
[3−4.ハンドルユニット]
扉枠3におけるハンドルユニット180について、主に図38等を参照して詳細に説明する。図38(a)は扉枠におけるハンドルユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、(b)はハンドルユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。ハンドルユニット180は、扉枠ベースユニット100のハンドル取付部材102に取付けられ、遊技者が操作することで、上皿201内の遊技球Bを遊技盤5の遊技領域5a内に打込むことができるものである。
ハンドルユニット180は、扉枠ベースユニット100におけるハンドル取付部材102の筒部102aに取付けられるハンドルベース181と、ハンドルベース181の前端に回転可能に取付けられるハンドル182と、ハンドル182の前端側を覆うようにハンドルベース181に取付けられる円盤状のカバー台座183と、カバー台座183の前側に取付けられており前面に複数のLEDが実装されているハンドル装飾基板184と、ハンドル装飾基板184の前側を覆うようにカバー台座183に取付けられているハンドルカバー185と、を備えている。
また、ハンドルユニット180は、ハンドル182の後側でハンドルベース181の前面に取付けられるインナーベース186と、前端にハンドル182が取付けられると共にインナーベース186とハンドルベース181とによって回転可能に取付けられ外周に駆動ギア部187aを有している軸部材187と、軸部材187の駆動ギア部187aと噛合している伝達ギア188と、伝達ギア188と一体回転する検知軸189aを有しハンドルベース181とインナーベース186との間に挟持されているハンドル回転検知センサ189と、を備えている。
更に、ハンドルユニット180は、一端側がハンドルベース181に取付けられると共に他端側がハンドル182に取付けられハンドル182を初期回転位置(正面視で反時計周りの方向への回転端)へ復帰させるように付勢しているハンドル復帰バネ190と、一端側がインナーベース186に取付けられると共に他端側が伝達ギア188に取付けられ伝達ギア188を介してハンドル回転検知センサ189の検知軸189aを正面視で時計回りの方向へ付勢している補助バネ191と、を備えている。
また、ハンドルユニット180は、インナーベース186の後方でハンドルベース181に取付けられているハンドルタッチセンサ192と、先端側がハンドルベース181の前端外周面の正面視おける左側から外方に突出していると共に基端側がインナーベース186の後方でハンドルベース181に前後に延びた軸周りに回転可能に取付けられている単発ボタン193と、単発ボタン193の押圧操作を検知しハンドルベース181に取付けられている単発ボタン操作センサ194と、を備えている。
ハンドルユニット180のハンドルベース181は、前後に延びた円筒状の基部181aと、基部181aの前端から半径方向へ突出している円盤状の前端部181bと、円筒状の基部181aの外周面から窪んでいると共に軸方向に延びており周方向へ不等間隔で三つ形成されている溝部181cと、を備えている。ハンドルベース181の基部181aは、外径がハンドル取付部材102の筒部102aの内径よりも若干小さく形成されている。また、三つの溝部181cは、ハンドル取付部材102における筒部102aの三つの突条102cと対応した位置に形成されている。従って、三つの溝部181cを三つの突条102cと一致させた状態で、基部181aをハンドル取付部材102の筒部102a内に挿入させることができると共に、三つの溝部181c内に夫々突条102cが挿入されることで、ハンドルベース181がハンドル取付部材102に対して相対回転不能な状態となる。
ハンドル182は、外周面から周方向に離れて外方へ突出している四つの第一突起182a、第二突起182b、第三突起182c、及び第四突起182dと、回転軸(軸部材187)を中心として円弧状に延びていると共に前後方向に貫通している二つのスリット182eと、スリット182eよりも回転中心に対して内側の位置から後方に突出しておりハンドル復帰バネ190の他端側が係止される係止突部182fと、を備えている。
四つの第一突起182a、第二突起182b、第三突起182c、及び第四突起182dは、正面視において時計回りの方向に順番に備えられている。詳述すると、第一突起182aは、ハンドル182の一般外周面から最も突出した部位の正面視時計回りの方向の側面が、外側へ膨らむように膨出しており、反対側である反都決周りの方向の側面が、内側へ湾曲するように凹んでいる(抉れている)。第二突起182bは、ハンドル182の一般外周面から最も突出した部位が、第一突起182aの最も突出した部位から時計回りの方向へ約85度の回転角度で離れており、第一突起182aよりはやや低く突出している。この第二突起182bは、最も突出した部位の正面視時計回りの方向の側面が、外側へ膨らむように膨出しており、反対側である反時計周りの方向の側面が、内側へ湾曲するように凹んでおり、第一突起182aと相似した形状に形成されている。
第三突起182cは、ハンドル182の一般外周面から最も突出した部位が、第二突起182bの最も突出した部位から時計回りの方向へ約70度の回転角度で離れており、第一突起182aの約半分の高さで突出している。この第三突起182cは、両側の側面が略直線状に傾斜しており、時計回りの方向の側面が反対側である反時計回りの方向の側面よりもなだらかに傾斜している。第四突起182dは、ハンドル182の一般外周面から最も突出した部位が、第三突起182cの最も突出した部位から時計回りの方向へ約55度の回転角度で離れており、第一突起182aよりもやや高く突出している。この第四突起182dは、両側の側面が略直線状に傾斜しており、略二等辺三角形に形成されている。
カバー台座183は、円盤状に形成されており、後面から後方へ突出している三つの取付ボス183aを備えている。三つの取付ボス183aは、ハンドル182のスリット182eを前方から貫通してハンドルベース181の前面に取付けられる。ハンドルカバー185の取付ボス183aが、ハンドル182のスリット182eを貫通していることから、取付ボス183aがスリット182eの周方向端部に当接することとなり、ハンドル182の回転角度を規制している。本例では、ハンドル182を、約120度の回転角度の範囲内で回転させることができる。
ハンドルカバー185は、前面が前方へ丸く膨出しており、透光性を有している。ハンドルカバー185は、内部に、透明な部材で立体的に形成されたレンズ部材が備えられている。このハンドルカバー185は、ハンドル装飾基板184の前面のLEDを適宜発光させることで、発光装飾させられる。
このハンドルユニット180は、扉枠ベース101のハンドル取付座面101bに対して、ハンドル取付部材102を介して取付けられる。この扉枠ベース101のハンドル取付座面101bは、平面視において、右端側が左端側よりも後方に位置するように傾斜しており、外側(開放側)を向いているため、ハンドル取付部材102を介して取付けられるハンドルユニット180も平面視で外側に傾斜(換言すると、パチンコ機1の前面に直交する線に対してその先端部がパチンコ機1の外側に向かうように傾斜している。)して扉枠3に取付固定される。これにより、遊技者がハンドルユニット180のハンドル182が握り易く、違和感がなく回動操作を行わせることができる。
ハンドルユニット180のハンドル回転検知センサ189は、可変抵抗器とされており、ハンドル182を回転させると、軸部材187及び伝達ギア188を介してハンドル回転検知センサ189の検知軸189aが回転する。この検知軸189aの回転角度に応じてハンドル回転検知センサ189の内部抵抗が変化し、ハンドル回転検知センサ189の内部抵抗に応じて後述する球発射装置540における発射ソレノイド542の駆動力が変化して、ハンドル182の回転角度に応じた強さで遊技球Bが遊技領域5a内へ打込まれる。
ハンドルタッチセンサ192は、ハンドルユニット180に作用する静電気を検知するものであり、遊技者がハンドル182等に接触することで、遊技者から作用する静電気を検知し、遊技者のハンドル182等への接触を検出する。そして、ハンドルタッチセンサ192が遊技者の接触を検出している時に、ハンドル182を回動させると、ハンドル回転検知センサ189の検知が受付けられ、ハンドル182の回転角度に応じた強さで発射ソレノイド542の駆動が制御されて、遊技球Bを打込むことができる。つまり、遊技者がハンドル182に触れずに、何らかの方法でハンドル182を回転させて遊技球Bを遊技領域5a内に打込もうとしても、ハンドルタッチセンサ192が遊技者の接触を検知していないことから、発射ソレノイド542は駆動されず、遊技球Bを打込むことができないようになっている。これにより、遊技者が本来とは異なる方法でハンドル182を回転させて遊技が行われるのを防止することができ、パチンコ機1を設置する遊技ホールに係る負荷(負担)を軽減させることができる。
また、ハンドルユニット180は、遊技者がハンドル182を回転操作中に、単発ボタン193を押圧すると、単発ボタン操作センサ194が単発ボタン193の操作を検知し、払出制御基板633の発射制御部633bによって発射ソレノイド542の駆動が停止させられる。これにより、ハンドル182の回転操作を戻さなくても、遊技球Bの発射を一時的に停止させることができると共に、単発ボタン193の押圧操作を解除することで、単発ボタン193を操作する前の打込み強さで再び遊技球Bを遊技領域5a内に打込むことができる。
更に、ハンドルユニット180は、ハンドル182に、四つの第一突起182a、第二突起182b、第三突起182c、及び第四突起182dを備えており、ハンドル182を正面視時計回りの方向へ最も回転させて、遊技球Bを最も強く遊技領域5a内に打込むようにした(所謂、「右打ち」した)時に、第四突起182dが、ハンドル182を回転させていない時の第一突起182aの位置と、略同じ位置となるため、第四突起182dを第一突起182aとしてハンドル182を持ち替えることで、遊技者が楽な状態で「右打ち」の位置でハンドル182を維持させることができ、遊技者の疲労感を軽減させて遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
[3−5.皿ユニットの全体構成]
扉枠3における皿ユニット200について、主に図39乃至図42を参照して詳細に説明する。図39は扉枠の皿ユニットを見た斜視図であり、図40は皿ユニットを後ろから見た斜視図である。図41は皿ユニットを主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図42は皿ユニットを主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。皿ユニット200は、扉枠ベースユニット100の扉枠ベース101の前面における扉窓101aよりも下側の部位に取付けられる。皿ユニット200は、遊技領域5a内に打込むための遊技球Bを貯留する上皿201と、上皿201の下側に配置されており上皿201やファールカバーユニット150から供給される遊技球Bを貯留可能な下皿202と、を備えている。
皿ユニット200は、上皿201を有しており扉枠ベースユニット100の扉枠ベース101の前面に取付けられている皿ベースユニット210と、皿ベースユニット210の前面に取付けられており下皿202を有している皿装飾ユニット250と、皿装飾ユニット250及び皿ベースユニット210の前面に取付けられており遊技者が操作可能な演出操作ユニット300と、を備えている。
皿ベースユニット210は、左右に延びた平板状の皿ユニットベース211と、皿ユニットベース211の前面上部に取付けられ上皿201を有している上皿本体212と、上皿本体212の右方に取付けられており前方へ突出している取付ベース213と、取付ベース213の右方に取付けられている皿ユニット中継基板214と、取付ベース213の上面に取付けられている球貸操作ユニット220と、取付ベース213の下方に取付けられている上皿球抜前ユニット230と、上皿球抜前ユニット230の後方に取付けられている上皿球抜後ユニット240と、を備えている。
皿装飾ユニット250は、皿ユニットベース211の前面下部に取付けられており下皿202を有している下皿本体251と、下皿本体251の外周を覆うように皿ユニットベース211の前面に取付けられる皿ユニット本体252と、下皿本体251の下面に取付けられている下皿球抜ユニット260と、皿ユニット本体252の前面上部に左右に離間して夫々取付けられている皿左上装飾ユニット270及び皿右上装飾ユニット275と、皿左上装飾ユニット270及び皿右上装飾ユニット275の夫々の下方に取付けられている皿左下装飾ユニット280及び皿右下装飾ユニット285と、を備えている。
演出操作ユニット300は、遊技者が操作可能な演出操作部301として、遊技者が回転操作可能な回転操作部302と、遊技者が押圧操作可能な押圧操作部303と、を備えている。演出操作ユニット300は、皿装飾ユニット250の前面に取付けられる演出操作部カバーユニット310と、演出操作部カバーユニット310に内に収容される操作部ベース320と、操作部ベース320の上面に取付けられており回転操作部302を有している円環状の演出操作リング330と、回転操作部302を回転させる回転駆動ユニット340と、回転駆動ユニット340の回転を回転操作部302に伝達させる操作リング用伝達ギア350と、操作リング用伝達ギア350を回転可能に取付けているギア取付部材351と、を備えている。
また、演出操作ユニット300は、演出操作リング330を発光装飾させる演出操作リング装飾基板352と、演出操作リング装飾基板352の上側を覆う装飾基板カバー353と、操作部ベース320の下面に取付けられている振動スピーカ354と、演出操作リング330の環内に臨むように操作部ベース320に取付けられている演出操作ボタンユニット360と、操作部ベース320の後面に取付けられている操作部中継基板ユニット390と、を備えている。
皿ユニット200は、全体が前方へ膨出しており、左右方向中央において演出操作部301の上面が斜め上前方を向くように演出操作ユニット300が配置されており、上面における演出操作ユニット300の左側に上皿201が演出操作ユニット300の右側に球貸操作ユニット220が配置されていると共に、上皿201の下側で演出操作ユニット300の左側に下皿202が配置されている。
[3−5a.上皿]
皿ユニット200の上皿201について、主に図39乃至図42等を参照して詳細に説明する。上皿201は、皿ユニットベース211と上皿本体212とによって形成されており、正面視左右の中央より左側の方が大きく前方へ膨出し、上方へ開放された容器状に形成されている。上皿201(上皿本体212)は、扉枠3の左右方向の幅に対して左端から右方へ約1/3の部位が最も前方に膨出している。上皿201は、最も膨出した部位から正面視右方へ向かうに従って、前端が後方へ後退しており、前後方向の奥行が遊技球Bの外径よりも若干大きい誘導通路部201a(図46を参照)を有している。上皿201は、誘導通路部201aを含む底面の全体が、右端側が低くなるように傾斜しており、誘導通路部201aの正面視右端側が、球貸操作ユニット220の下方へ潜り込んでいる。
上皿201は、皿ユニット200に組立てた状態で、その底面が、皿ユニットベース211の上皿球供給口211aよりも下側の位置から上皿球送給口211eの上端に対して遊技球Bの外径よりも若干下側の位置へ向かって低くなるように傾斜している。これにより、上皿球供給口211aから前方へ放出された遊技球Bが、上皿201内に受けられて貯留させることができると共に、受けられた遊技球Bを誘導通路部201aの右端側から上皿球送給口211eを通って球送給ユニット140側へ供給させることができる。
なお、誘導通路部201aには、パチンコ機1において電気的に接地(アース)されている金属製のアース金具201bが備えられており、遊技球Bが接触(転動)することで、遊技球Bに帯電した静電気を除去させることができる。
[3−5b.下皿]
皿ユニット200の下皿202について、主に図39乃至図42等を参照して詳細に説明する。下皿202は、上皿201の下方で、正面視おいて皿ユニット200(扉枠3)の左右方向中央よりも左側に配置されている。下皿202は、下皿本体251と皿ユニットベース211とで形成されている。下皿202は、遊技球Bを貯留可能な容器状に形成されており、底壁に上下に貫通し遊技球Bを排出可能とされた下皿球抜孔202aを備えている。下皿202の下皿球抜孔202aは、下皿球抜ユニット260によって開閉可能に閉鎖されている。
下皿202は、平面視の形状が左右に延びた略四角形に形成されており、左右方向中央より左側の前端が右側よりも前方へ突出している。下皿202は、上下に貫通している下皿球抜孔202aが、右端付近の前端付近に配置されている。この下皿202は、底面が下皿球抜孔202aへ向かって低くなるように傾斜している。下皿202の下皿球抜孔202aは、皿ユニット200に組立てた状態で、下皿球供給口211cの前方で演出操作ユニット300の下方に位置している。
下皿202は、下皿球抜孔202aを閉鎖している状態で、下皿球供給口211cから前方へ放出された遊技球Bを貯留することができると共に、下皿球抜孔202aを開放することで貯留されている遊技球Bを皿ユニット200の下方(例えば、ドル箱)へ排出させることができる。また、下皿202の下皿球抜孔202aが開放されている状態では、下皿球抜孔202aが下皿球供給口211cの前方に配置されていることから、下皿球供給口211cから前方へ放出された遊技球Bを、最短距離の移動で速やかに下皿球抜孔202aから下方へ排出させることができる。
[3−5c.皿ベースユニット]
皿ユニット200における皿ベースユニット210について、主に図43乃至図46を参照して詳細に説明する。図43は皿ユニットにおける皿ベースユニットを前から見た斜視図であり、図44は皿ユニットにおける皿ベースユニットを後ろから見た斜視図である。また、図45は皿ベースユニットを主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図46は皿ベースユニットを主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。皿ベースユニット210は、扉枠ベースユニット100の扉枠ベース101の前面における扉窓101aの下方に取付けられると共に、前面に、皿装飾ユニット250及び演出操作ユニット300が取付けられるものである。
皿ベースユニット210は、扉枠ベースユニット100の前面下部に取付けられ左右に延びた平板状の皿ユニットベース211と、皿ユニットベース211の前面上部に取付けられ上皿201を有している上皿本体212と、皿ユニットベース211の前面上部における上皿本体212の右方に取付けられており前方へ突出している取付ベース213と、皿ユニットベース211の前面で取付ベース213の右方に取付けられている皿ユニット中継基板214と、を備えている。
また、皿ベースユニット210は、取付ベース213の上面に取付けられている球貸操作ユニット220と、取付ベース213の下方で皿ユニットベース211の前面に取付けられている上皿球抜前ユニット230と、上皿球抜前ユニット230の後方で皿ユニットベース211の後側に取付けられている上皿球抜後ユニット240と、を備えている。
[3−5c−1.皿ユニットベース]
皿ベースユニット210の皿ユニットベース211について、主に図45及び図46を参照して詳細に説明する。皿ユニットベース211は、扉枠ベースユニット100の扉枠ベース101の前面における扉窓101aの下方に取付けられ、扉枠ベース101の全幅に亘って左右に延びた平板状(後方が開放された浅い箱状)に形成されている。
皿ユニットベース211は、正面視左上隅付近で前後に貫通していると共に後方へ筒状に延びている上皿球供給口211aと、上皿球供給口211aの下方で前後に貫通しており前側にパンチングメタルが取付けられているスピーカ口211bと、正面視左右中央に対して左寄りの下部において前後に貫通していると共に後方へ筒状に延びている下皿球供給口211cと、下皿球供給口211cの後方へ筒状に延びている部位の右側壁において遊技球Bが通過可能な大きさに切欠かれている切欠部211dと、下皿球供給口211cの正面視右上側で前後に貫通していると共に上下に延びており上部が上皿本体212の右端に位置する上皿球送給口211eと、を備えている。
また、皿ユニットベース211は、上皿球送給口211eの右方で前方へ突出しており取付ベースが載置される載置突部211fと、上皿球送給口211eの左方で上皿本体の下方において前後に貫通しており上皿球抜後ユニット240における上皿球抜スライダ242の作動伝達部242bが挿通されるスライダ挿通口211gと、正面視右下隅で前後に貫通しており扉枠ベースユニット100のハンドル取付部材102の筒部102aが挿通されるハンドル挿通口211hと、正面視右隅付近で前後に貫通しておりシリンダ錠130のシリンダ本体131が挿通されるシリンダ挿通口211iと、を備えている。
皿ユニットベース211の上皿球供給口211aは、扉枠3に組立てた状態で、前端が上皿201の後壁に開口し、筒状の後端が扉枠ベース101の上皿用球通過口101gを前側から貫通してファールカバーユニット150の貫通球通路150aの前端と接続している。これにより、払出ユニット560の払出装置580から払出された遊技球Bが、上皿球供給口211aを通って上皿201内に供給(払出)される。
下皿球供給口211cは、扉枠3に組立てた状態で、前端が下皿202の後壁に開口し、筒状の後端が扉枠ベース101の下皿用球通過口101fを前側から貫通してファールカバーユニット150の球放出口150dの前端と接続している。これにより、ファールカバーユニット150の貯留通路150e内を流通する遊技球Bが、下皿球供給口211cを通って下皿202内に供給される。また、下皿球供給口211cの筒状に延びている部位に形成されている切欠部211dには、上皿球抜後ユニット240の後ベース241における球抜誘導路241cの下流端が接続されている。これにより、上皿201に貯留されている遊技球Bが、上皿球抜ボタン222の操作により、上皿球送給口211e、球送給ユニット140の進入口141a及び球抜口141b、上皿球抜後ユニット240の球送給誘導路241b及び球抜誘導路241c、及び切欠部211dを介して、下皿球供給口211cから下皿202内に排出される。
上皿球送給口211eは、皿ベースユニット210に組立てた状態で、上皿球抜後ユニット240における後ベース241の球受口241aの前方に位置しており、上皿201内の遊技球Bが、上皿球抜後ユニット240の球受口241aから球送給誘導路241bへ供給される。
[3−5c−2.上皿本体]
皿ベースユニット210の上皿本体212について、主に図45及び図46等を参照して詳細に説明する。上皿本体212は、皿ユニットベース211の前面に取付けられ、皿ユニットベース211と協働して上皿201を形成するものである。上皿本体212は、上方及び後方が開放された容器状(皿状)に形成されている。上皿本体212は、左右に延びており、正面視左右の中央より左側の方が大きく前方へ膨出している。上皿本体212は、最も前方へ膨出した部位から正面視右方へ向かうに従って、前端が後方へ後退しており、前後方向の奥行が遊技球Bの外径よりも若干大きい幅に形成されている。上皿本体212の底面は、右端が最も低くなるように傾斜している。上皿本体212は、右端付近の上方が閉鎖されている。
上皿本体212は、皿ユニット200に組立てた状態で、右端付近の上方が閉鎖されている部位が、球貸操作ユニット220の下方に潜り込むように取付けられている。また、上皿本体212は、上部における左右方向の中間部に、演出操作ユニット取付部212aが形成されており、この演出操作ユニット取付部212aに演出操作ユニット300の一部が取付けられる。
[3−5c−3.取付ベース]
皿ベースユニット210の取付ベース213について、主に図45及び図46を参照して詳細に説明する。取付ベース213は、皿ユニットベース211の載置突部211fの上面に載置された状態で皿ユニットベース211の前面に取付けられると共に、上側に球貸操作ユニット220が取付けられるものである。取付ベース213は、上方が開放された浅い箱状に形成されている。取付ベース213は、左端付近において上下に貫通している挿通口213aと、後端右隅において上下に貫通している貫通口213bと、を備えている。
取付ベース213の挿通口213aは、上皿球抜前ユニット230の前スライダ232が挿通されるものである。また、貫通口213bは、球貸操作ユニット220と扉枠主中継基板104とを接続するための配線ケーブルが挿通されるものである。
[3−5c−4.皿ユニット中継基板]
皿ベースユニット210の皿ユニット中継基板214は、扉枠ベースユニット100における扉枠副中継基板105と、皿左上装飾基板273、皿右上装飾基板278、皿左下装飾基板283、皿右下装飾基板288、及び操作部中継基板392との接続を中継するためのものである。皿ユニット中継基板214は、皿ユニットベース211の前面における載置突部211fより右側に取付けられる。この皿ユニット中継基板214は、皿ユニットベース211に取付けた状態では、後面が皿ユニットベース211の後側に臨んでいる。
[3−5c−5.球貸操作ユニット]
皿ベースユニット210の球貸操作ユニット220について、主に図39乃至図46等を参照して詳細に説明する。球貸操作ユニット220は、取付ベース213を介して皿ユニットベース211の前面に取付けられている。この球貸操作ユニット220は、上皿201に貯留されている遊技球Bを下皿202へ排出したり、パチンコ機1に隣接して設けられた球貸機(図示は省略)に対して現金やプリペイドカードを投入した上で、所定数の遊技球Bを皿ユニット200の上皿201内へ貸出したり、球貸機に投入された現金やプリペイドカードの残量を表示したり、球貸機に投入された現金やプリペイドカードを貸出された遊技球Bの分を差し引いて返却したり、するためのものである。
球貸操作ユニット220は、取付ベース213の上側に取付けられるベース部221と、ベース部221の上面の左端付近に配置されている上皿球抜ボタン222と、ベース部221の上面における上皿球抜ボタン222の右方に配置されており透光性を有した円盤状の球貸操作ベース223と、球貸操作ベース223の前部左側に配置されている球貸ボタン224と、球貸操作ベース223の前部右側に配置されている返却ボタン225と、球貸操作ベース223の後部下方に配置されている球貸表示部(図示は省略)と、を備えている。
上皿球抜ボタン222は、ベース部221の上面から円柱状に上方へ突出しており、遊技者が押圧操作することで下方へ移動することができる。球貸ボタン224は、円形状に形成されている。返却ボタン225は、三角形状に形成されている。球貸表示部は、三つの7セグメントLEDにより構成されており、発光している状態で透明な球貸操作ベース223を通して視認することができる。
球貸操作ユニット220は、上皿球抜ボタン222を押圧操作することで、上皿201に貯留されている遊技球Bを下皿へ排出することができる。また、球貸機に現金や残金のあるプリペイドカードを投入した上で、球貸ボタン224を押圧操作すると、所定数の遊技球Bが上皿201に供給される。返却ボタン225を押圧操作すると、球貸機に投入されている現金やプリペイドカードに対して、貸出された遊技球Bの分を差し引いて返却する。球貸表示部には、球貸機に投入されている現金やプリペイドカードの残量が表示される。また、球貸表示部には、球貸機が故障した時にエラーコードが表示される。
[3−5c−6.上皿球抜前ユニット及び上皿球抜後ユニット]
皿ベースユニット210における上皿球抜前ユニット230及び上皿球抜後ユニット240について、主に図45及び図46等を参照して詳細に説明する。上皿球抜前ユニット230及び上皿球抜後ユニット240は、球貸操作ユニット220の上皿球抜ボタン222が押圧操作された時に、球送給ユニット140と協働して、上皿201内に貯留されている遊技球Bを下皿202へ排出させるためのものである。
上皿球抜前ユニット230は、皿ユニットベース211の前面における載置突部211fの左方で球貸操作ユニット220の下方に取付けられる。上皿球抜後ユニット240は、皿ユニットベース211の後面における上皿球抜前ユニット230の後方となる部位に取付けられる。
上皿球抜前ユニット230は、皿ユニットベース211の前面に取付けられており上下に延びた筒状の前ベース231と、前ベース231の筒内に上下方向へ移動可能に挿入されている前スライダ232と、を備えている。前ベース231は、皿ユニットベース211の前面における上皿球送給口211e及びスライダ挿通口211gの前方付近に取付けられている。前スライダ232は、上下に延びており、上端が上皿球抜ボタン222の下端と当接していると共に、下端が上皿球抜後ユニット240の上皿球抜スライダ242の作動受部242aの上面と当接している。
上皿球抜後ユニット240は、上皿球送給口211e及びスライダ挿通口211gを後方から閉鎖するように皿ユニットベース211の後面に取付けられる後ベース241と、後ベース241の前面に上下方向へスライド可能に取付けられている上皿球抜スライダ242と、上皿球抜スライダ242を上方へ付勢しているバネ243と、後ベース241の後側に取付けられている後カバー244と、を備えている。
後ベース241は、上皿球抜スライダ242をスライド可能に取付ける部位から上方へ突出していると共に前方へ向かって開口しており遊技球Bが通過可能な球受口241aと、球受口241aに受入れられた遊技球Bを後ベース241の後面において下方へ誘導した後に後方へ誘導する球送給誘導路241bと、後ベース241の後面において球送給誘導路241bよりも下側の位置から遊技球Bを下方へ誘導した後に背面視右方へ誘導する球抜誘導路241cと、を備えている。
球受口241aは、皿ベースユニット210に組立てた状態で、上皿201の誘導通路部201a下流端(正面視右端)において、皿ユニットベース211の上皿球送給口211eを通して前方へ向かって開口する位置に形成されている。球送給誘導路241bは、扉枠3に組立てた状態で、下部の後方に球送給ユニット140の進入口141aが位置するように形成されている。これにより、上皿201に供給された遊技球Bが、球受口241a及び球送給誘導路241bを通って球送給ユニット140の進入口141aに進入するようになっている。
球抜誘導路241cの左右に延びている部位は、上皿球抜スライダ242をスライド可能に取付けている部位よりも背面視右方へ突出していると共に、背面視右端側が低くなるように傾斜しており、背面視右側面に開口している。球抜誘導路241cの左右に延びている部位は、後側が後カバー244によって閉鎖される。球抜誘導路241cは、扉枠3に組立てた状態で、球送給誘導路241bの下方で上下に延びている部位の上部が、球送給ユニット140の球抜口141bの前方に位置すると共に、左右に延びている部位の背面視右端が皿ユニットベース211における下皿球供給口211cの切欠部211dに接続されるように形成されている。これにより、球送給ユニット140の球抜口141bから排出された遊技球Bは、球抜誘導路241c及び切欠部211dを介して下皿球供給口211cから下皿202内へ放出される。
上皿球抜スライダ242は、正面視の形状が四角形に形成されており、左上隅から前方へ突出している作動受部242aと、作動受部242aの後側となる後面から後方へ突出している作動伝達部242bと、を備えている。作動受部242aは、上面が平坦に形成されている。また、作動伝達部242bは、上面が後方へ向かうに従って下方へ位置するように傾斜しており、上面の後端と繋がるように下面が水平に延びている。
上皿球抜スライダ242は、扉枠3に組立てた状態で、作動受部242aが、皿ユニットベース211のスライダ挿通口211gを後側から貫通して前方へ突出していると共に、作動受部242aの上面に上皿球抜前ユニット230の前スライダ232の下端が当接している。また、上皿球抜スライダ242は、扉枠3に組立てた状態で、作動伝達部242bが、後ベース241の後方に突出していると共に、上面に球送給ユニット140の球抜部材143における作動棹143cが当接している。
バネ243は、上端が後ベース241に取付けられていると共に、下端が上皿球抜スライダ242に取付けられており、上皿球抜スライダ242を上方へ付勢している。従って、上皿球抜スライダ242は、バネ243の付勢力により上方への移動端に位置しており、バネ243の付勢力に抗することで下方へ移動することができる。
上皿球抜前ユニット230及び上皿球抜後ユニット240は、バネ243の付勢力により、上皿球抜スライダ242が上方への移動端に位置させていると共に、上皿球抜スライダ242の作動受部242aの上面に当接している前スライダ232を介して上皿球抜ボタン222を上方へ移動端に位置させている。また、バネ243の付勢力により、上皿球抜スライダ242が上方への移動端に位置させていることから、作動伝達部242bの上面に当接している作動棹143cの下方への移動を阻止しており、球抜部材
143の仕切部143aを進入口141aと球抜口141bとの間に位置させて、両者の間を仕切っている。
従って、上皿球抜ボタン222を押圧していない状態では、球送給ユニット140において進入口141aと球抜口141bとの間が仕切られており、上皿201から球受口241aへ送られた遊技球Bを、進入口141a及び球送給部材144を介して打球供給口142aから球発射装置540側へ送ることができる。
一方、上皿球抜ボタン222を、バネ243の付勢力に抗して下方へ押圧すると、前スライダ232を介して上皿球抜スライダ242が下方へ移動し、上皿球抜スライダ242の作動伝達部242bの上面に当接している球抜部材143の作動棹143cが下方へ移動できるようになり、球抜部材143の錘部143dの荷重により球抜部材143が回動して仕切部143aが進入口141aと球抜口141bとの間から後退する。これにより、上皿201から球受口241a及び球送給誘導路241bを通って進入口141aに進入した遊技球Bが、進入口141aの下方に開口している球抜口141bから前方へ排出されることとなる。そして、球抜口141bから前方へ排出された遊技球Bは、球抜誘導路241cを通って切欠部211dから下皿球供給口211c内へ誘導された後に、下皿球供給口211cから下皿202内へ放出され、上皿201内の遊技球Bが下皿202内へ排出されることとなる。
上皿球抜ボタン222の下方への押圧を解除すると、バネ243の付勢力により上皿球抜スライダ242が上方へ移動し、作動受部242aと当接している前スライダ232を介して上皿球抜ボタン222が上昇すると共に、作動伝達部242bと当接している作動棹143cにより球抜部材143が回動して進入口141aと球抜口141bとの間に仕切部143aが位置して元の状態に復帰することとなる。
このように、上皿球抜前ユニット230及び上皿球抜後ユニット240によって、上皿201内の遊技球Bを、球送給ユニット140を介して球発射装置540側へ送給したり、下皿202側へ排出したりすることができる。
[3−5d.皿装飾ユニット]
皿ユニット200における皿装飾ユニット250について、主に図47乃至図50等を参照して詳細に説明する。図47は皿ユニットにおける皿装飾ユニットを前から見た斜視図であり、図48は皿装飾ユニットを後ろから見た斜視図である。また、図49は皿装飾ユニットを主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図50は皿装飾ユニットを主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。皿装飾ユニット250は、下皿202を有しており皿ベースユニット210の前面に取付けられると共に、左右方向中央に前方から演出操作ユニット300が取付けられるものである。皿装飾ユニット250は、皿ユニット200の略全体を装飾している。
皿装飾ユニット250は、皿ユニットベース211の前面下部に取付けられ皿ユニットベース211と協働して下皿202を形成する下皿本体251と、下皿本体251の外周を覆うように皿ユニットベース211の前面に取付けられる皿ユニット本体252と、下皿本体251の下面に取付けられている下皿球抜ユニット260と、皿ユニット本体252の前面上部に左右に離間して夫々取付けられている皿左上装飾ユニット270及び皿右上装飾ユニット275と、皿ユニット本体252の全面で皿左上装飾ユニット270及び皿右上装飾ユニット275の夫々の下方に取付けられている皿左下装飾ユニット280及び皿右下装飾ユニット285と、を備えている。
[3−5d−1.下皿本体]
皿装飾ユニット250における下皿本体251について、主に図47乃至図50等を参照して詳細に説明する。下皿本体251は、皿ベースユニット210の皿ユニットベース211と協働して下皿202を形成するものである。下皿本体251は、左右に延びていると共に、上方及び後方が開放された容器状(皿状)に形成されている。この下皿本体251は、皿ユニットベース211の前面下部における左右方向中央より左側の部位に、開放されている後方が閉鎖されるように取付けられる。
下皿本体251は、平面視の形状が左右に延びた略四角形に形成されており、左右方向中央より左側の前端が右側よりも前方へ突出している。下皿本体251には、平面視において、右端の前端付近において、上下に貫通している下皿球抜孔202aが形成されている。下皿本体251は、底面が、下皿球抜孔202aへ向かって低くなるように傾斜している。下皿球抜孔202aは、下皿球抜ユニット260の下皿球抜蓋265によって開閉可能に閉鎖される。
下皿本体251は、皿装飾ユニット250に組立てた状態で、外周と下面の一部とが皿ユニット本体252に覆われた状態となる。また、下皿本体は、皿ユニット200に組立てた状態で、底面が皿ユニットベース211の下皿球供給口211cよりも下方に位置していると共に、下皿球抜孔202aが下皿球供給口211cの前方に位置している。これにより、下皿球供給口211cから前方へ放出された遊技球Bを、貯留することができる。
[3−5d−2.皿ユニット本体]
皿装飾ユニット250における皿ユニット本体252について、主に図47乃至図50等を参照して詳細に説明する。皿ユニット本体252は、皿ベースユニット210における皿ユニットベース211の前面に取付けられ、皿ユニット200の前面を装飾するものである。皿ユニット本体252は、上部側では左右方向の中央が前方へ突出するように膨出しており、下部側では左右方向の左側が前方へ突出するように膨出している。また、皿ユニット本体252は、上面が、左右方向の中央が最も低くなるように湾曲している。皿ユニット本体252は、後方へ開放された箱状に形成されている。
皿ユニット本体252は、上部において左右両端から左右方向中央へ向かうに従って前方へ膨出していると共に下方へ延びており左右に離間している上部サイド膨出部252aと、下部において左右方向中央より左側が下皿本体251の外周を被覆するように前方へ膨出している下部前面装飾部252bと、下部前面装飾部252bの下端から後方へ平板状に延びている底板部252cと、を備えている。
左右の上部サイド膨出部252aは、後方が開放された箱状に形成されており、夫々の前面に皿左上装飾ユニット270及び皿左下装飾ユニット280と皿右上装飾ユニット275及び皿右下装飾ユニット285が取付けられる。左側の上部サイド膨出部252aは、下面の右端が下部前面装飾部252bと接続されている。また、右側の上部サイド膨出部252aは、下端が下部前面装飾部252bと接続されている。
皿ユニット本体252は、左側の上部サイド膨出部252aと下部前面装飾部252bとの間で前後に貫通している下皿開口部252dが形成されている。下皿開口部252dは、遊技者の手指が挿入可能な大きさで、左方へ向かうに従って上下が広くなるように形成されている。下皿開口部252dは、下皿本体251と左側の上部サイド膨出部252aの下面とによって、前後に延びた筒状に形成されている。
また、皿ユニット本体252は、下部前面装飾部252bにおける下皿本体251の外周を被覆している部位の前面下端から上方へ切欠かれている前面切欠部252eと、底板部252cにおける下皿本体251の下方となる部位において切欠かれている底面切欠部252fと、を備えている。前面切欠部252e及び底面切欠部252fには、下皿球抜ユニット260が挿入される。
更に、皿ユニット本体252は、下部前面装飾部252bの右下隅において前後に貫通しておりハンドル取付部材102の筒部102aが挿通されるハンドル挿通口252gと、ハンドル挿通口252gの上方で下部前面装飾部252bを前後に貫通しておりシリンダ錠130のシリンダ本体131が挿通されるシリンダ挿通口252hと、左右方向中央となる一対の上部サイド膨出部252aの間に形成されており演出操作ユニット300が取付けられる演出操作ユニット取付部252iと、を備えている。演出操作ユニット取付部252iは、皿ユニット本体252の左右方向の幅の約1/3の幅に形成されている。
皿ユニット本体252は、皿ユニット200に組立てた状態で、皿ベースユニット210の前面を全体的に覆うように形成されており、下皿開口部252dを通してスピーカ口211bが前方へ臨んだ状態となる。また、皿装飾ユニット250に組立てた状態では、前面切欠部252eから下皿球抜ユニット260の下皿球抜ボタン263が前方へ臨むと共に、下皿球抜ユニット260の下皿球抜ベース261が底面切欠部252fを閉鎖して下面同士が同一面上の状態となる。
[3−5d−3.下皿球抜ユニット]
皿装飾ユニット250における下皿球抜ユニット260について、主に図47乃至図50等を参照して詳細に説明する。下皿球抜ユニット260は、下皿本体251の下面に取付けられ、下皿球抜孔202aを開閉させることで、下皿202に遊技球Bを貯留させたり、下皿202から遊技球Bを排出させたりするためのものである。
下皿球抜ユニット260は、下皿本体251の下面に取付けられており平面視右前隅に上下に貫通している貫通孔を有した平板状の下皿球抜ベース261と、下皿球抜ベース261の上面側において前後へスライド可能に取付けられているスライダ262と、スライダ262の前端に取付けられている下皿球抜ボタン263と、スライダ262を前方へ付勢しているバネ264と、スライダ262の前後方向への移動によって貫通孔を開閉する下皿球抜蓋265と、スライダ262を介して下皿球抜蓋265を開状態に保持する保持機構266と、を備えている。
下皿球抜ベース261は、皿ユニット本体252の底面切欠部252fを閉鎖する大きさに形成されており、下皿202(下皿本体251)の下皿球抜孔202aと一致する位置に上下に貫通している貫通孔が形成されている。下皿球抜ベース261の貫通孔は、下皿球抜孔202aと同じ大きさに形成されている。スライダ262は、前後に延びた平板状に形成されており、下皿球抜ベース261における左右方向中央から左寄りの部位に、前後へスライド可能に取付けられている。スライダ262は、上方へ円柱状に突出している突ピンを備えている。
下皿球抜蓋265は、左端側が、スライダ262よりも左方の位置で、上下に延びた軸周りに対して回転可能に下皿球抜ベース261に取付けられており、右端側が、スライダ262を越えて右方へ延出しており右端側が貫通孔を閉鎖可能に形成されている。下皿球抜蓋265には、スライダ262の突ピンが摺動可能に挿入される左右に延びたスリットが形成されている。
下皿球抜ユニット260は、皿装飾ユニット250に組立てた状態で、下皿球抜ベース261が皿ユニット本体252の底面切欠部252fを閉鎖していると共に、下皿球抜ベース261の下面が底板部252cの下面と同一面上に位置している。また、下皿球抜ボタン263が、皿ユニット本体252の前面切欠部252eから前方に臨んでいる。下皿球抜ユニット260は、通常の状態では、スライダ262がバネ264の付勢力により前方側の移動端に位置していると共に、下皿球抜蓋265の右端側が貫通孔の直上に位置しており、貫通孔(下皿球抜孔202a)を閉鎖している。
この通常の状態では、下皿球抜孔202aが下皿球抜蓋265によって閉鎖されており、下皿202に遊技球Bを貯留させることができる。また、通常の状態では、下皿球抜ボタン263の前面が、下部前面装飾部252bの前面における前面切欠部252eの周囲の前面と略一致している。
通常の状態において、下皿球抜ボタン263を後方へ押圧して、バネ264の付勢力に抗して後方へ移動させると、下皿球抜ボタン263と伴にスライダ262が後方へ移動することとなる。このスライダ262が後方へ移動することで、スライダ262の突ピンがスリットを介して下皿球抜蓋265を後方へ押圧し、下皿球抜蓋265が左端側を中心にして右端側が後方へ移動する方向へ回動することとなる。そして、貫通孔の直上に位置していた下皿球抜蓋265の右端側が、貫通孔の位置から後方へ移動することで、貫通孔が開放されて下皿球抜孔202aが開いた状態となり、下皿球抜孔202aを通して下皿202内の遊技球Bを皿ユニット200の下方へ排出させることができる。
なお、下皿球抜ボタン263の押圧によりスライダ262を後方へ移動させると、スライダ262の後端が保持機構266によって保持されるようになっており、下皿球抜ボタン263の押圧を解除しても、スライダ262がバネ264の付勢力によって前方へ移動することはない。これにより、下皿球抜蓋265の右端側が後方へ回動したままの状態となり、下皿球抜孔202aが開放されたままの状態で維持され、下皿202内の遊技球Bを連続して下方へ排出させることができる。
この状態から下皿球抜孔202aを閉鎖するには、下部前面装飾部252bの前面よりも後退している下皿球抜ボタン263を後方へ押圧すると、保持機構266によるスライダ262の保持が解除される。そして、下皿球抜ボタン263の押圧を放すと、スライダ262がバネ264の付勢力により前方へ移動し、下皿球抜ボタン263の前面が下部前面装飾部252bの前面と一致した状態に復帰すると共に、下皿球抜蓋265が回動して右端側が貫通孔の直上に位置し、下皿球抜孔202aが下皿球抜蓋265により閉鎖された状態となる。これにより、下皿202内に遊技球Bを貯留させることができる。
[3−5d−4.皿左上装飾ユニット及び皿右上装飾ユニット]
皿装飾ユニット250における皿左上装飾ユニット270及び皿右上装飾ユニット275について、主に図47乃至図50等を参照して詳細に説明する。皿左上装飾ユニット270及び皿右上装飾ユニット275は、皿ユニット本体252の上部サイド膨出部252aにおける前面の上部に取付けられる。皿左上装飾ユニット270及び皿右上装飾ユニット275は、皿ユニット200の上部で演出操作ユニット300の左右両側を装飾するものである。
皿左上装飾ユニット270は、半円筒状で左右に延びており透光性を有している皿左上装飾体271と、皿左上装飾体271の後側に取付けられている皿左上リフレクタ272と、皿左上リフレクタ272の後側に取付けられており前面に複数のLEDが実装されている皿左上装飾基板273と、を備えている。
皿左上装飾体271は、左端から右端へ向かうに従って、前方へ移動すると共に下方へ移動するように曲線状に延びており、左側の上部サイド膨出部252aの上部に取付けられる。皿左上装飾体271は、前方へ膨出した半円弧が、左端では中心軸が斜め左上に延びていると共に、右端では中心軸が左右に延びており、半円筒が捩れているような形状に形成されている。この皿左上装飾体271は、乳白色に形成されている。
皿左上リフレクタ272は、皿左上装飾体271の内部に後方から挿入されており、皿左上装飾基板273のLEDと対応している部位に貫通孔が形成されている。皿左上装飾基板273に実装されている複数のLEDは、フルカラーLEDとされており、発光させることで、皿左上装飾体271を発光装飾させることができる。
皿左上装飾ユニット270は、扉枠3に組立てた状態で、左端が扉枠左サイドユニット400の下端と連続し、右端が演出操作ユニット300におけるユニット前カバー312の皿中央上装飾体312aの左端と連続している。皿左上装飾ユニット270は、皿左上装飾体271において長手方向の途中にリブを有していないことから、皿左上装飾基板273の複数のLEDを発光させると、皿左上装飾体271の前面全体を略均一に発光装飾させることができ、蛍光灯が埋め込まれているように見せることができる。
皿右上装飾ユニット275は、半円筒状で左右に延びており透光性を有している皿右上装飾体276と、皿右上装飾体276の後側に取付けられている皿右上リフレクタ277と、皿右上リフレクタ277の後側に取付けられており前面に複数のLEDが実装されている皿右上装飾基板278と、を備えている。
皿右上装飾体276は、右端から左端へ向かうに従って、前方へ移動すると共に下方へ移動するように曲線状に延びており、右側の上部サイド膨出部252aの上部に取付けられる。皿右上装飾体276は、前方へ膨出した半円弧が、右端では中心軸が斜め右上に延びていると共に、左端では中心軸が左右に延びており、半円筒が捩れているような形状に形成されている。この皿右上装飾体276は、乳白色に形成されている。
皿右上リフレクタ277は、皿右上装飾体276の内部に後方から挿入されており、皿右上装飾基板278のLEDと対応している部位に貫通孔が形成されている。皿右上装飾基板278に実装されている複数のLEDは、フルカラーLEDとされており、発光させることで、皿右上装飾体276を発光装飾させることができる。
皿右上装飾ユニット275は、扉枠3に組立てた状態で、右端が扉枠右サイドユニット410の下端と連続し、左端が演出操作ユニット300におけるユニット前カバー312の皿中央上装飾体312aの右端と連続している。皿右上装飾ユニット275は、皿右上装飾体276において長手方向の途中にリブを有していないことから、皿右上装飾基板278の複数のLEDを発光させると、皿右上装飾体276の前面全体を略均一に発光装飾させることができ、蛍光灯が埋め込まれているように見せることができる。
[3−5d−5.皿左下装飾ユニット及び皿右下装飾ユニット]
皿装飾ユニット250における皿左下装飾ユニット280及び皿右下装飾ユニット285について、主に図47乃至図50等を参照して詳細に説明する。皿左下装飾ユニット280及び皿右下装飾ユニット285は、皿左上装飾ユニット270及び皿右上装飾ユニット275に夫々沿って延びるように、皿ユニット本体252の上部サイド膨出部252aにおける前面の下部に取付けられる。皿左下装飾ユニット280及び皿右下装飾ユニット285は、皿左上装飾ユニット270及び皿右上装飾ユニット275と協働して、皿ユニット200の前面と演出操作ユニット300の左右両側を装飾するものである。
皿左下装飾ユニット280は、半円筒状で左右に延びており透光性を有している皿左下装飾体281と、皿左下装飾体281の後側に取付けられている皿左下リフレクタ282と、皿左下リフレクタ282の後側に取付けられており前面に複数のLEDが実装されている皿左下装飾基板283と、を備えている。
皿左下装飾体281は、左端から右端へ向かうに従って、前方へ移動すると共に下方へ移動するように曲線状に延びていると共に、平面視において後方に中心を有した円弧状に延びており、左側の上部サイド膨出部252aの下部に取付けられる。皿左下装飾体281は、皿左上装飾体271及び皿右上装飾体276よりも小さい半径で前方へ膨出した半円弧が、左端では中心軸がやや斜め左上後方に延びていると共に、右端では中心軸が左右に延びており、半円筒が曲げられているような形状に形成されている。皿左下装飾体281は、左端が球面状に形成されている。皿左下装飾体281は、左端側へ向かうに従って細くなるように半円弧の曲率が変化している。この皿左下装飾体281は、乳白色に形成されている。
皿左下リフレクタ282は、皿左下装飾体281の内部に後方から挿入されており、皿左下装飾基板283のLEDと対応している部位に貫通孔が形成されている。皿左下装飾基板283に実装されている複数のLEDは、フルカラーLEDとされており、発光させることで、皿左下装飾体281を発光装飾させることができる。
皿左下装飾ユニット280は、扉枠3に組立てた状態で、左端が皿左上装飾ユニット270の左端の下方に位置し、右端が演出操作ユニット300におけるユニット前カバー312の皿中央下装飾体312bの左端と連続している。皿左下装飾ユニット280は、皿左下装飾体281の左端が球面状に形成されていることから、左端が扉枠3内へ潜り込んでいるように見える。皿左下装飾ユニット280は、皿左下装飾体281において長手方向の途中にリブを有していないことから、皿左下装飾基板283の複数のLEDを発光させると、皿左下装飾体281の前面全体を略均一に発光装飾させることができ、蛍光灯が埋め込まれているように見せることができる。
皿右下装飾ユニット285は、半円筒状で左右に延びており透光性を有している皿右下装飾体286と、皿右下装飾体286の後側に取付けられている皿右下リフレクタ287と、皿右下リフレクタ287の後側に取付けられており前面に複数のLEDが実装されている皿右下装飾基板288と、を備えている。
皿右下装飾体286は、右端から左端へ向かうに従って、前方へ移動すると共に下方へ移動するように曲線状に延びていると共に、平面視において後方に中心を有した円弧状に延びており、右側の上部サイド膨出部252aの下部に取付けられる。皿右下装飾体286は、皿左上装飾体271及び皿右上装飾体276よりも小さい半径で前方へ膨出した半円弧が、右端では中心軸がやや斜め右上後方に延びていると共に、左端では中心軸が左右に延びており、半円筒が曲げられているような形状に形成されている。皿右下装飾体286は、右端が球面状に形成されている。皿右下装飾体286は、右端側へ向かうに従って細くなるように半円弧の曲率が変化している。この皿右下装飾体286は、乳白色に形成されている。
皿右下リフレクタ287は、皿右下装飾体286の内部に後方から挿入されており、皿右下装飾基板288のLEDと対応している部位に貫通孔が形成されている。皿右下装飾基板288に実装されている複数のLEDは、フルカラーLEDとされており、発光させることで、皿右下装飾体286を発光装飾させることができる。
皿右下装飾ユニット285は、扉枠3に組立てた状態で、右端が皿右上装飾ユニット275の右端の下方に位置し、左端が演出操作ユニット300におけるユニット前カバー312の皿中央下装飾体312bの右端と連続している。皿右下装飾ユニット285は、皿右下装飾体286の右端が球面状に形成されていることから、右端が扉枠3内へ潜り込んでいるように見える。皿右下装飾ユニット285は、皿右下装飾体286において長手方向の途中にリブを有していないことから、皿右下装飾基板288の複数のLEDを発光させると、皿右下装飾体286の前面全体を略均一に発光装飾させることができ、蛍光灯が埋め込まれているように見せることができる。
[3−5e.演出操作ユニットの全体構成]
皿ユニット200における演出操作ユニット300の全体構成について、主に図51乃至図54等を参照して詳細に説明する。図51は、皿ユニットにおける演出操作ユニットを演出操作ボタンの進退方向から見た平面図である。図52(a)は演出操作ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は演出操作ユニットを後ろから見た斜視図である。図53は演出操作ユニットを主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図54は演出操作ユニットを主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。演出操作ユニット300は、皿ユニット200における左右方向中央に備えられており、皿ユニット200を装飾していると共に、遊技者参加型演出が実行された際に遊技者が操作して演出に参加することができるものである。演出操作ユニット300は、皿ベースユニット210と皿装飾ユニット250とに取付けられている。
演出操作ユニット300は、遊技者が操作可能な演出操作部301を備えている。演出操作部301は、遊技者が回転操作可能な回転操作部302と、遊技者が押圧操作可能な押圧操作部303と、から構成されている。演出操作部301は、回転操作部302が、外径に対して約3/5の大きさの内径を有した円環状に形成されており、その環内に押圧操作部303が配置されている。押圧操作部303は、回転操作部302の中心に配置され、回転操作部302の内径の半分よりも若干大きい直径の中央押圧操作部303aと、中央押圧操作部303aの外周と回転操作部302の内周との間に配置されている円環状の外周押圧操作部303bとで構成されている。
演出操作ユニット300は、皿装飾ユニット250の前面に取付けられる演出操作部カバーユニット310と、演出操作部カバーユニット310に内に収容される操作部ベース320と、操作部ベース320の上面に取付けられており回転操作部302を有している円環状の演出操作リング330と、演出操作リング330の回転操作部302を回転させる回転駆動ユニット340と、回転駆動ユニット340と演出操作リング340の回転操作部302との間で回転を伝達させる操作リング用伝達ギア350と、操作リング用伝達ギア350を回転可能に操作部ベース320に取付けているギア取付部材351と、を備えている。
また、演出操作ユニット300は、演出操作リング330の下方で操作部ベース320の上面に取付けられており上面に複数のLEDが実装されている演出操作リング装飾基板352と、演出操作リング装飾基板352の上側を覆うように操作部ベース320に取付けられている装飾基板カバー353と、操作部ベース320の下面に取付けられている振動スピーカ354と、演出操作リング330の環内に臨むように操作部ベース320に取付けられている演出操作ボタンユニット360と、操作部ベース320の後面に取付けられている操作部中継基板ユニット390と、を備えている。
[3−5e−1.演出操作部カバーユニット]
演出操作ユニット300の演出操作部カバーユニット310について、主に図53及び図54等を参照して詳細に説明する。演出操作部カバーユニット310は、皿装飾ユニット250の皿ユニット本体252の演出操作ユニット取付部252iに取付けられ、皿ユニット200の左右方向中央で演出操作ユニット300の前面を装飾するものである。演出操作部カバーユニット310は、上方及び後方が開放された容器状に形成されている。
演出操作部カバーユニット310は、下方へ窪んだ半球状のユニット下カバー311と、ユニット下カバー311の前側上端に取付けられており前方へ膨出した半円環状のユニット前カバー312と、ユニット前カバー312の皿中央上装飾体312a内に後方から取付けられている皿中央上リフレクタ313と、皿中央上リフレクタ313に取付けられており前方へ向かって光を照射可能な複数のLEDが実装されている皿中央上装飾基板314と、ユニット前カバー312の皿中央下装飾体312b内に後方から取付けられている皿中央下リフレクタ315と、皿中央下リフレクタ315に取付けられており前方へ向かって光を照射可能な複数のLEDが実装されている皿中央下装飾基板316と、を備えている。
ユニット下カバー311は、ユニット下カバー311は、前後方向中央後寄りから前側が、下方へ膨出した半球面状に形成されており、これより後側が、皿ユニット本体252の演出操作ユニット取付部252iに、上方から載置されるように取付けられる。ユニット下カバー311は、前部の半円弧状に延びている上端縁に形成される仮想の平面に垂直な軸線が、上方へ向かうに従って前方へ位置するように、傾斜した状態で取付けられる。本実施形態では、鉛直線に対して約18度(18.65度)の角度で傾斜している。ユニット下カバー311は、皿ユニット200に組立てた時に、最も低くなる部位に複数の排水孔311aが形成されている。
ユニット前カバー312は、ユニット前カバー312は、平面視の形状がユニット下カバー311の前端に沿うように前方へ膨出した半円弧状に形成されており、ユニット下カバー311の前部上端に取付けられている。ユニット前カバー312は、前方へ膨出した半円弧がユニット下カバー311の前端に沿うように半円弧状に延びている皿中央上装飾体312aと、皿中央上装飾体312aの下方で前方へ膨出した半円弧がユニット下カバー311の前端に沿うように半円弧状に延びている皿中央下装飾体312bと、を備えている。ユニット前カバー312は、皿中央下装飾体312bの下端がユニット下カバー311に取付けられている。
ユニット前カバー312の皿中央上装飾体312aと皿中央下装飾体312bは、略同じ太さ(半径)の円筒を、半割にした上で割面を中心側へ向けて半円弧状に延びるように屈曲させた形状に形成されている。皿中央上装飾体312aに対して皿中央下装飾体312bは、大きい曲率で半円弧状に延びていると共に、皿中央上装飾体312aに対して皿中央下装飾体312bは、若干細い太さの半円筒状に形成されている。ユニット前カバー312は、皿ユニット200に組立てた状態で、皿中央上装飾体312aの前端が、皿中央下装飾体312bの前端よりも前方へ突出している。また、皿ユニット200に組立てた状態では、皿中央上装飾体312aの左右両端が、皿左上装飾ユニット270の右端及び皿右上装飾ユニット275の左端と夫々連続していると共に、皿中央下装飾体312bの左右両端が、皿左下装飾ユニット280の右端及び皿右下装飾ユニット285の左端と夫々連続している。ユニット前カバー312は、透光性を有し、乳白色に形成されている。
また、ユニット前カバー312は、扉枠3に組立てた状態で、その前端が扉枠3の前端となっており、扉枠ベース101の前面からユニット前カバー312の前端までの距離が、扉枠ベース101の左右方向の全幅の約1/2の距離となっている。
皿中央上リフレクタ313は、前方へ膨出した半円弧状に形成されており、ユニット前カバー312の皿中央上装飾体312a内に後方から挿入されて取付けられる。皿中央上リフレクタ313は、皿中央上装飾基板314に実装されているLEDからの光が、後方(内側)へ漏れるのを遮断している。皿中央上装飾基板314は、皿中央上装飾体312aに沿うように半円弧状に形成されており、上面に前方(外側)へ向かって光を照射可能な複数のLEDが実装されている。皿中央上装飾基板314の複数のLEDは、フルカラーLEDとされており、発光させることで皿中央上装飾体312aを発光装飾させることができる。
皿中央下リフレクタ315は、前方へ膨出した半円弧状に形成されており、ユニット前カバー312の皿中央下装飾体312b内に後方から挿入されて取付けられる。皿中央下リフレクタ315は、皿中央下装飾基板316に実装されているLEDからの光が、後方(内側)へ漏れるのを遮断している。皿中央下装飾基板316は、皿中央下装飾体312bに沿うように半円弧状に形成されており、上面に前方(外側)へ向かって光を照射可能な複数のLEDが実装されている。皿中央下装飾基板316の複数のLEDは、フルカラーLEDとされており、発光させることで皿中央下装飾体312bを発光装飾させることができる。
演出操作部カバーユニット310は、ユニット前カバー312の皿中央上装飾体312a及び皿中央下装飾体312bにおいて、半円弧状に延びている途中に補強用のリブを有していないことから、皿中央上装飾基板314のLED及び皿中央下装飾基板316のLEDを発光させると、夫々の全体を略均一に発光装飾させることができ、蛍光灯が埋め込まれているように見せることができる。
演出操作部カバーユニット310は、皿ユニット200に組立てた状態で、前端が、上皿201や下皿202よりも前方へ大きく突出している。また、演出操作部カバーユニット310は、皿中央上装飾体312aが皿左上装飾体271及び皿右上装飾体276と連続していると共に、皿中央下装飾体312bが皿左下装飾体281及び皿右下装飾体286と連続している。これにより、演出操作ユニット300を目立たせていると共に、一体的な装飾により見栄えを良くしている。
[3−5e−2.操作部ベース]
演出操作ユニット300の操作部ベース320について、主に図53及び図54等を参照して詳細に説明する。操作部ベース320は、演出操作部カバーユニット310内に上方から挿入され、下端が演出操作部カバーユニット310に取付けられると共に、上部後端が皿ベースユニット210における上皿本体212の演出操作ユニット取付部212aに取付けられる。操作部ベース320は、上方が開放された容器状に形成されている。
操作部ベース320は、外形が略立方体の箱状に形成されており上方が開放されている本体部321と、本体部321の上端から外方へ延出しており外周が円形状に形成されているフランジ部322と、本体部321の底面から下方へ突出している複数(ここでは四つ)の脚部323と、フランジ部322の後端に形成されており皿ベースユニット210に取付けられる上部取付部324と、本体部321の左外側でフランジ部322を貫通して上方に開口しており操作リング用伝達ギア350を回転可能に支持するためのギア軸受部325と、を備えている。
操作部ベース320は、本体部321が、内部に演出操作ボタンユニット360を収容可能な大きさに形成されている。本体部321は、底壁に下側から振動スピーカ354が取付けられると共に、下面における振動スピーカ354が取付けられる部位が平坦面に形成されている。本体部321の底壁は、振動スピーカ354からの振動に対して共振し易く形成されており、振動を増幅させることができると共に、振動を音声や音楽等のサウンドに変換して出力させることができる。
本体部321の底壁の上面には、演出操作ボタンユニット360におけるボタンユニットベース361の脚部361bが取付けられる。また、本体部321は、底壁の外周縁において、本体部321内に侵入した液体を排出させる貫通孔が形成されている。本体部321は、左側壁外側に回転駆動ユニット340が取付けられると共に、後側壁外側に操作部中継基板ユニット390が取付けられる。
フランジ部322は、外周がユニット前カバー312の皿中央上装飾体312aの内周と略一致する直径に形成されている。フランジ部322の上面には、演出操作リング装飾基板352及び装飾基板カバー353が取付けられると共に、演出操作リング330のリング取付ベース331が取付けられる。複数の脚部323は、下端が演出操作部カバーユニット310におけるユニット下カバー311の上面に取付けられる。
ギア軸受部325は、ギア取付部材と協働して操作リング用伝達ギアを、左右に延びた軸周りに対して回転可能に取付けることができる。ギア軸受部325に操作リング用伝達ギア350を取付けた状態では、操作リング用伝達ギア350の上部が上方へ突出した状態となると共に、操作リング用伝達ギア350の駆動側ギア部350bがフランジ部322の下方において外側に露出した状態となる。
操作部ベース320は、演出操作ユニット300に組立てた状態で、フランジ部322の上面が、ユニット前カバー312の皿中央上装飾体312aの上面よりも若干下方に位置している。また、演出操作ユニット300に組立てた状態では、本体部321の下面に振動スピーカ354が接した状態で取付けられている。
[3−5e−3.演出操作リング]
演出操作ユニット300の演出操作リング330について、主に図55及び図56等を参照して詳細に説明する。図55(a)は演出操作ユニットの演出操作リングを上前から見た斜視図であり、(b)は演出操作リングを下前から見た斜視図である。図56(a)は演出操作リングを分解して上前から見た分解斜視図であり、(b)は演出操作リングを分解して下前から見た分解斜視図である。演出操作リング330は、操作部ベース320におけるフランジ部322の上面に取付けられ、遊技者が回転操作可能な回転操作部302を有している。演出操作リング330(回転操作部302)は、直径(外径)が上皿201の前後方向の寸法の約2倍の大きさとされており、内径が外径の約3/5の大きさの円環状に形成されている。本実施形態では、演出操作リング330の外径が約13cmとされている。
演出操作リング330は、操作部ベース320のフランジ部322の上面に取付けられる円環状のリング取付ベース331と、リング取付ベース331に回転可能に載置される円環状の回転ベース332と、回転ベース332の外周面と当接しリング取付ベース331に上下に延びた軸周りに回転可能に取付けられている複数のブッシュ333と、リング取付ベース331に取付けられており回転ベース332の上方への移動を規制しているリング抜止部材334と、を備えている。
また、演出操作リング330は、回転ベース332の上面に取付けられており回転操作部302の一部を構成しているリング外上カバー335と、リング外上カバー335の下側に取付けられており回転操作部302の一部を構成しているリング外下カバー336と、リング外上カバー335の内周側で回転ベース332の上面に取付けられており回転操作部302の一部を構成しているリング内カバー337と、を備えている。リング外上カバー335、リング外下カバー336、及びリング内カバー337は、夫々透光性を有した円環状に形成されている。
リング取付ベース331は、外径が操作部ベース320のフランジ部322の外径よりも若干大きく、内径がフランジ部322の内径と略同じ大きさに形成されている。リング取付ベース331は、内周縁に沿った上面側に回転ベース332が周方向へ摺動可能に載置される載置部331aと、上面における載置部331aよりも外側で周方向へ離間して複数(ここでは四つ)の部位から上方へ円筒状に突出しておりブッシュ333を回転可能に取付けるためのボス部331bと、上面における載置部331aよりも外側で周方向へ間隔をあけて複数の部位において上下に貫通している貫通口331cと、を備えている。複数の貫通口331cは、演出操作リング装飾基板352のLEDと対応する位置に形成されている。
回転ベース332は、外径がリング取付ベース331の載置部331aの直径(外径)よりも若干小さく、内径がリング取付ベース331の内径よりも小さく形成されている。回転ベース332は、下面から下方へ突出していると共に周方向へ延びているリングギア332aを備えている。リングギア332aは、回転ベース332の中心側へ向かうに従って下方へ突出するように傘歯車に形成されている。リングギア332aは、リング取付ベース331の内径よりも外径が小さく形成されており、演出操作リング330に組立てた状態では、リング取付ベース331の内周側から下方へ臨んだ状態となる。このリングギア332aは、演出操作ユニット300に組立てた状態で、操作リング用伝達ギア350のリング側ギア部350aと噛合する。
リング外上カバー335は、円形における外部且つ上部を構成している円弧が円環状に延びている外上表面部335aと、外上表面部335aに立体的に形成されており周方向へ複数配置されている装飾部335bと、外上表面部335aの内周端から下方へ延出した後に中心側へ延出しており周方向へ複数配置されている外上カバー取付部335cと、を備えている。リング外上カバー335の外上表面部335aは、円の1/4の範囲の円弧が円環状に延びた形状に形成されている。装飾部335bは、外形が六角形に形成されている。外上カバー取付部335cは、外上表面部335aの下端よりも若干下方へ延出しており、回転ベース332の上面に取付けられるものである。
リング外下カバー336は、円形における外部且つ下部を構成している円弧が円環状に延びている外下表面部336aと、外下表面部336aの内側から上方且つ中心側へ突出しており周方向へ複数配置されている外下カバー取付部336bと、を備えている。リング外下カバー336の外下表面部336aは、円の1/8の範囲の円弧が円環状に延びた形状に形成されている。外下カバー取付部336bは、リング外上カバー335に取付けられるものである。
リング内カバー337は、円形における内部且つ上部を構成している円弧が円環状に延びている内表面部337aと、内表面部337aの内側端部から中心軸に平行に下方へ延びている筒状の筒表面部337bと、筒表面部337bの外周に形成されており周方向へ複数配置されている内カバー取付部337cと、を備えている。リング内カバー337の内表面部337aは、円の1/8の範囲の円弧が円環状に延びた形状に形成されている。筒表面部337bは、円筒状の内径が回転ベース332の内径と同じ大きさである。内カバー取付部337cは、回転ベース332の上面に取付けられるものである。
リング外上カバー335、リング外下カバー336、及びリング内カバー337は、演出操作リング330に組立てた状態で、外上表面部335a、外下表面部336a、及び内表面部337aが、連続するように形成されており、外上表面部335a、外下表面部336a、及び内表面部337aによって、円の1/2以上の範囲の部位を構成し、全体がドーナツ状となる。演出操作リング330は、演出操作リング装飾基板352によって発光装飾可能とされている。
[3−5e−4.回転駆動ユニット]
演出操作ユニット300における回転駆動ユニット340について、主に図57乃至図59等を参照して詳細に説明する。図57(a)は演出操作ユニットの回転駆動ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は回転駆動ユニットを後ろから見た斜視図である。図58は回転駆動ユニットを分解して右前から見た分解斜視図であり、図59は回転駆動ユニットを分解して左前から見た分解斜視図である。回転駆動ユニット340は、演出操作リング330の回転操作部302を回転駆動させたり、回転操作部302の回転操作を検知したりするためのものである。回転駆動ユニット340は、操作部ベース320の本体部321における左側面の外側に取付けられる。
回転駆動ユニット340は、操作部ベース320の本体部321に取付けられる回転駆動ベース341と、回転駆動ベース341の右側面後部に回転軸が左方へ突出するように取付けられる操作リング駆動モータ342と、操作リング駆動モータ342の回転軸に取付けられる駆動ギア343と、駆動ギア343により回転させられる変速ギア344と、変速ギア344により回転させられると共に操作リング用伝達ギア350を回転させる伝達検知ギア部材345と、変速ギア344及び伝達検知ギア部材345を回転駆動ベースを協働して回転可能に取付けていると共に駆動ギア343、変速ギア344及び伝達検知ギア部材345左方から被覆しているギアカバー346と、を備えている。
また、回転駆動ユニット340は、ギアカバー346に取付けられており伝達検知ギア部材345の回転位置を検知している第一回転検知センサ347及び第二回転検知センサ348と、第一回転検知センサ347及び第二回転検知センサ348を左方から覆うようにギアカバー346に取付けられているセンサカバー349と、を備えている。
回転駆動ベース341は、左右方向が短く前後方向へ長く延びており左方へ開放されている浅い箱状に形成されている。操作リング駆動モータ342は、ステッピングモータとされている。駆動ギア343は、平歯車とされている。変速ギア344は、駆動ギアと噛合する平歯車状の第一ギア344aと、第一ギア344aと一体回転すると共に大径に形成されている平歯車状の第二ギア344bと、から構成されている。変速ギア344の第二ギア344bは、伝達検知ギア部材345のギア部345aと噛合する。
伝達検知ギア部材345は、変速ギア344よりも大径(第二ギア344bの直径の2倍の大きさ)のギア部345aと、ギア部345aの左側面から左方へ突出しており周方向に一定の間隔で列設されている複数の検知片345bと、を備えている。ギア部345aは、変速ギア344の第二ギア344bと噛合すると共に、操作リング用伝達ギア350の駆動側ギア部350bと噛合する。複数の検知片345bは、周方向の長さが周方向へ離間している間隔と同じ長さとされている。本実施形態では、検知片345bは、45度の回転角度の間隔で、周方向に八つ配置されている。これら検知片345bは、第一回転検知センサ347及び第二回転検知センサ348によって検知される。
第一回転検知センサ347及び第二回転検知センサ348は、伝達検知ギア部材345の検知片345bを検知するものである。第一回転検知センサ347及び第二回転検知センサ348は、周方向へ列設されている検知片345bの間隔に対して、整数倍とは異なる間隔で周方向へ離間して配置されている。本実施形態では、第一回転検知センサ347及び第二回転検知センサ348は、101.25度の回転角度で離間している。これにより、伝達検知ギア部材345が回転した時に、第一回転検知センサ347及び第二回転検知センサ348が同じタイミングで検知片345bを検知することはなく、一方が先に検知片345bを検知するようになっている。これにより、伝達検知ギア部材345を介して演出操作リング330における回転操作部302の回転方向や回転速度を検知することができる。
回転駆動ユニット340は、組立てた状態で、伝達検知ギア部材345のギア部345aの上部が上方へ露出しており、ギア部345aの露出した部位が操作リング用伝達ギア350の駆動側ギア部350bと噛合する。また、回転駆動ユニット340は、演出操作ユニット300に組立てた状態で、全体が演出操作部カバーユニット310内に位置している。
回転駆動ユニット340は、操作リング駆動モータ342の駆動により、駆動ギア343、変速ギア344、伝達検知ギア部材345、及び操作リング用伝達ギアを介して、演出操作リング330の回転操作部302を任意の方向へ回転させることができる。また、回転駆動ユニット340は、操作リング駆動モータ342により駆動ギア343を、所定の回転角度の範囲で正転・逆転を繰返させることで、回転操作部302を往復回動させて振動させることができる。
また、回転駆動ユニット340は、遊技者により演出操作リング330の回転操作部302が回転させられると、操作リング用伝達ギア350を介して伝達検知ギア部材345が回転し、伝達検知ギア部材345の検知片345bが第一回転検知センサ347及び第二回転検知センサ348によって検知され、回転操作部302の回転操作を検知することができる。従って、回転操作部302の回転方向に応じて遊技者参加型演出の内容を変化させることができる。
また、回転駆動ユニット340では、第一回転検知センサ347及び第二回転検知センサ348によって回転操作部302の回転操作を検知することができるため、回転操作された回転方向と同じ方向へ操作リング駆動モータ342を駆動させることで、遊技者の回転操作をアシストすることができる。或いは、回転操作部302の回転方向とは反対の方向へ操作リング駆動モータ342を駆動させることで、遊技者の回転操作に負荷を与えることができる。従って、これらを適宜組合せることで、回転操作部302に、遊技者参加型演出の内容に応じた操作感を付与したり、クリック感を付与したりすることができる。
[3−5e−5.操作リング用伝達ギア]
演出操作ユニット300の操作リング用伝達ギア350について、主に図53及び図54等を参照して詳細に説明する。操作リング用伝達ギア350は、回転駆動ユニット340の伝達検知ギア部材345と演出操作リング340の回転操作部302の回転ベース332との間で回転を伝達させるものであり、操作部ベース320のギア軸受部325に回転可能に取付けられるものである。
操作リング用伝達ギア350は、演出操作リング340の回転ベース332におけるリングギア332aと噛合する傘歯車状のリング側ギア部350aと、リング側ギア部350aと一体回転し回転駆動ユニット340の伝達検知ギア部材345におけるギア部345aと噛合する平歯車状の駆動側ギア部350bと、を備えている。リング側ギア部350aと駆動側ギア部350bは、ピッチ円が同じ直径に形成されている。傘歯車状のリング側ギア部350aは、回転ベース332の回転軸の方向へ窄まっている。
操作リング用伝達ギア350は、回転軸が左右方向へ延びていると共に、演出操作リング340の回転ベース332の回転軸と交わるように、操作部ベース320に取付けられる。操作リング用伝達ギア350は、操作部ベース320のギア軸受部325に上方から挿入された上で、ギア取付部材351が操作部ベース320に取付けられることで、操作部ベース320に回転可能に取付けられる。
操作リング用伝達ギア350は、演出操作ユニット300に組立てられた状態で、リング側ギア部350aが演出操作リング330における回転ベース332のリングギア332aと噛合していると共に、駆動側ギア部350bが回転駆動ユニット340における伝達検知ギア部材345のギア部345aと噛合している。従って、操作リング用伝達ギア350は、演出操作リング330の回転操作部302の回転操作を回転駆動ユニット340側へ伝達させることができると共に、回転駆動ユニット340の操作リング駆動モータ342の回転駆動を演出操作リング330の回転操作部302に伝達させて回転させることができる。
[3−5e−6.演出操作リング装飾基板]
演出操作ユニット300における演出操作リング装飾基板352について、主に図53及び図54等を参照して説明する。演出操作リング装飾基板352は、操作部ベース320におけるフランジ部322の上面に取付けられ、上面に複数のLEDが実装されている。演出操作リング装飾基板352は、演出操作リング330の下方に取付けられており、複数のLEDを適宜発光させることで演出操作リング330(回転操作部302)を発光装飾させることができる。
演出操作リング装飾基板352は、円環を前後に分割したような形態に形成されており、前側の前装飾基板352aと、後側の後装飾基板352bとで構成されている。前装飾基板352a及び後装飾基板352bの上面の夫々に、複数のLEDが外周に沿って列設されている。演出操作リング装飾基板352の複数のLEDは、フルカラーLEDとされている。
演出操作リング装飾基板352は、演出操作ユニット300に組立てた状態で、演出操作リング330のリング取付ベース331の下方に位置している。演出操作リング装飾基板352は、上側が透明な装飾基板カバー353によって被覆されている。装飾基板カバー353は、演出操作リング装飾基板352と同様に、前後に分割された形態に形成されており、前装飾基板352aを上側から覆い操作部ベース320のフランジ部322に取付けられる前基板カバー353aと、後装飾基板352bを上側から覆い操作部ベース320のフランジ部322に取付けられる後基板カバー353bと、で構成されている。
演出操作リング装飾基板352は、上面に実装されている複数のLEDを発光させることで、装飾基板カバー353及びリング取付ベース331の貫通口331cを通して、回転操作部302を構成しているリング外上カバー335、リング外下カバー336、及びリング内カバー337を、内部から発光装飾させることができる。従って、回転操作部302内にLEDが備えられているような発光装飾を遊技者に見せることができる。
[3−5e−7.振動スピーカ]
演出操作ユニット300における振動スピーカ354について、主に図53及び図54等を参照して詳細に説明する。振動スピーカ354は、操作部ベース320における本体部321の下面に出力方向を上方へ向けて取付けられており、音声や音楽等のサウンドに加えて、多彩な周波数の振動を出力することができるものである。
振動スピーカ354は、操作部ベース320の底壁を振動板として振動させることで、音声や音楽等のサウンド(音)を出力することができる。また、振動スピーカ354は、操作部ベース320を介して演出操作ユニット300全体を振動させることができる。この振動スピーカ354は、偏芯させた錘をモータで回転させる振動装置と比較して、様々な周波数の振動を発生させることができ、より多彩な演出を遊技者に提示することができる。
[3−5e−8.演出操作ボタンユニット]
演出操作ユニット300における演出操作ボタンユニット360について、主に図60乃至図62等を参照して詳細に説明する。図60は演出操作ユニットの演出操作ボタンユニットを分解して前上から見た分解斜視図であり、図61は演出操作ボタンユニットを分解して前下から見た分解斜視図である。図62(a)は押圧操作部が下降位置の時の演出操作ボタンユニットの断面図であり、(b)押圧操作部が上昇位置の時の演出操作ボタンユニットの断面図である。演出操作ボタンユニット360は、演出操作リング330の環内に臨むように操作部ベース320に取付けられており、遊技者が押圧操作可能な押圧操作部303を有している。演出操作ボタンユニット360の押圧操作部303は、円柱状の中央押圧操作部303aと、中央押圧操作部303aの外周を覆うように形成されている円筒状の外周押圧操作部303bと、で構成されている。
演出操作ボタンユニット360は、外周が略円形状に形成されており操作部ベース320の本体部321内に取付けられるボタンユニットベース361と、ボタンユニットベース361の中心軸を境にして対象に配置されており上方へ円柱状に延出している一対のガイドシャフト362と、一対のガイドシャフト362の上端同士を連結しており外周がボタンユニットベース361よりも小さい円形状に形成されている円盤状の上部ベース363と、上部ベース363とボタンユニットベース361との間において一対のガイドシャフト362によって上下方向へ移動可能に取付けられており外周がボタンユニットベース361と略同じ大きさの円形状に形成されている円盤状の昇降ベース364と、一対のガイドシャフト362が夫々挿通されており昇降ベース364を上方へ付勢している一対の昇降バネ365と、を備えている。
また、演出操作ボタンユニット360は、ボタンユニットベース361の中心から上方へ円柱状に延出しており上端が上部ベース363に取付けられている中央シャフト366と、ボタンユニットベース361の下面に回転軸が上方へ突出するように取付けられている操作ボタン昇降駆動モータ367と、操作ボタン昇降駆動モータ367の回転軸に取付けられている平歯車状の昇降駆動ギア368と、昇降駆動ギア368と噛合しておりボタンユニットベース361の上側に回転可能に取付けられている平歯車状の従動ギア369と、従動ギア369により回転させられ中央シャフト366が挿通されて回転可能に取付けられている昇降カム駆動ギア部材370と、昇降カム駆動ギア部材370と下端が連結されていると共に中央シャフト366が挿通されて回転可能に取付けられており回転することで昇降ベース364を昇降させる昇降カム部材371と、昇降駆動ギア368、従動ギア369、及び昇降カム駆動ギア部材370を上方から覆うようにボタンユニットベース361の上側に取付けられている円盤状のギアカバー372と、を備えている。
更に、演出操作ボタンユニット360は、内径が上部ベースよりも大径で上下に延びた有底筒状に形成されており昇降ベース364より上側で一対のガイドシャフト362によって上下方向へ移動可能に取付けられている中央ボタン本体373と、中央ボタン本体373と昇降ベース364との間に配置されており中央ボタン本体373を上方へ付勢している一対のボタンバネ374と、中央ボタン本体373と略同じ径で上端側が閉鎖された有底筒状に形成されており上部ベース363の上方を覆うように中央ボタン本体373の上端に取付けられている中央ボタンカバー375と、上部ベース363の上面に取付けられており上方へ光を照射可能な複数のLEDが実装されている中央ボタン装飾基板376と、を備えている。演出操作ボタンユニット360は、中央ボタン本体373と中央ボタンカバー375とで中央押圧操作部303aを構成している。
また、演出操作ボタンユニット360は、昇降ベース364の上面における中央ボタン本体373よりも外側の部位に取付けられており上面に複数のLEDが実装されている円環状の外周ボタン装飾基板377と、外周ボタン装飾基板377の上側を覆うと共に中央ボタン本体373の外周を覆うように昇降ベース364に取付けられている外周基板カバー378と、外周基板カバー378における中央ボタン本体373の外周を覆っている部位の外周側で外周ボタン装飾基板377の上方に配置されており立体的な装飾が施された透光性を有する円筒状の外周装飾レンズ379と、外周装飾レンズ379の外周及び上面を覆うように昇降ベース364に取付けられており中央において中央ボタンカバー375が上方へ臨む透明な外周ボタンカバー380と、を備えている。演出操作ボタンユニット360は、外周基板カバー378と外周装飾レンズ379と外周ボタンカバー380とで、外周押圧操作部303bを構成している。
また、演出操作ボタンユニット360は、ボタンユニットベース361に取付けられており押圧操作部303の押圧操作を検知する押圧検知センサ381と、ボタンユニットベース361に取付けられており昇降カム駆動ギア部材370の回転位置を検知することで昇降ベース364の昇降を検知する昇降検知センサ382と、を備えている。
ボタンユニットベース361は、円盤状に形成されているベース本体361aと、ベース本体361aから下方へ突出している複数の脚部361bと、を備えている。ボタンユニットベース361のベース本体361aは、外径が、操作部ベース320における本体部321の内周径よりも若干小さい大きさに形成されている。このベース本体361aは、上面に、一対のガイドシャフト362、中央シャフト366、従動ギア369、昇降カム駆動ギア部材370、及びギアカバー372が取付けられ、下面に、押圧検知センサ381及び昇降検知センサ382が取付けられる。ボタンユニットベース361は、脚部361bの下端が操作部ベース320における本体部321の底壁に取付けられる。
一対のガイドシャフト362は、ボタンユニットベース361のベース本体361aの上面において、中心から前方及び後方へ、ベース本体361aの直径の半分の距離の位置に夫々取付けられている。一対のガイドシャフト362及び中央シャフト366は、金属棒によって形成されている。一対のガイドシャフト362は、中央シャフト366よりも太く形成されている。
上部ベース363は、外径がボタンユニットベース361のベース本体361aの外径の約1/2の大きさに形成されている。一対の昇降バネ365は、コイルスプリングとされており、下端がボタンユニットベース361のベース本体361aに当接していると共に、上端が昇降ベース364に当接している。昇降バネ365は、ボタンバネ374よりも付勢力の強いバネとされている。
昇降ベース364は、外径がボタンユニットベース361のベース本体361aの外径と略同じ大きさに形成されている。昇降ベース364は、一対のガイドシャフト362が夫々摺動可能に挿入される一対のガイド孔364aと、中央において昇降カム部材371が通過可能な大きさで上下に貫通している中央孔364bと、中央孔364bの周縁から上方へ円筒状に突出している立壁部364cと、立壁部364cの下端付近において中央孔364bの内へ互いに対向するように突出している一対の案内ピン364dと、を備えている。一対の案内ピン364dは、同一軸芯上で互いに対向していると共に、軸芯周りに回転可能に取付けられている。
昇降ベース364は、一対のガイド孔364aに一対のガイドシャフト362が挿通されることで、上下方向へ昇降可能に案内される。昇降ベース364は、立壁部364cの上端が上部ベース363に当接することで、上方への移動が規制されると共に、上部ベース363との間に中央ボタン本体373の底部373bが移動可能な空間を形成している。また、昇降ベース364は、一対の案内ピン364dが、昇降カム部材371のカム部371aに案内されることで、上下方向へ移動させられる。
昇降カム駆動ギア部材370は、従動ギア369と噛合する平歯車状のギア部370aと、ギア部370aから上方へ突出しており昇降カム部材371の下端が連結される連結部370bと、ギア部370aから下方へ筒状に突出していると共に対向している二箇所が切欠かれており昇降検知センサ382により検知される昇降検知片370cと、を備えている。昇降カム駆動ギア部材370は、ギア部370aの中心に中央シャフト366が挿入されることで、回転可能に取付けられる。
昇降カム部材371は、中心に中央シャフト366が挿通されることで、回転可能に取付けられる。昇降カム部材371は、円柱状の外周面において周方向へ180度離間しており、外方へ突出している一対のカム部371aを備えている。一対のカム部371aは、昇降ベース364の案内ピン364dを案内するものである。
カム部371aは、下端付近において軸芯に対して直角方向へ延びている第一カム371bと、第一カム371bの中間で上方へ窪んでいる係止部371cと、第一カム371bの一方の端部から軸芯と平行に上方へ延びている第二カム371dと、第一カム371bの第二カム371dとは反対側の端部から螺旋状に上方へ延びている第三カム371eと、を備えている(図62を参照)。第二カム371dと第三カム371eは、同じ高さまで上方へ延びており、隣接するカム部371a同士の間では、昇降ベース364の案内ピン364dの直径よりも小さい距離で離間している。
また、昇降カム部材371は、下端に昇降カム駆動ギア部材370の連結部370bと連結する被連結部371fを備えている。
昇降カム部材371は、カム部371aにおいて、第二カム371dが、昇降カム部材371を平面視において反時計回りの方向へ回転させた時に、第一カム371bの後端側から上方へ延出するように形成されている。昇降カム部材371は、回転することで、カム部371aにより昇降ベース364の案内ピン364dを案内して昇降ベース364を昇降させることができる。
中央ボタン本体373は、中央ボタン本体373は、上下に延びた円筒状の筒部373aと、筒部373aの下端側を閉鎖している底部373bと、底部373bを貫通しており一対のガイドシャフト362が摺動可能に挿入される一対のガイド孔373cと、底部373bの中央において昇降ベース364の立壁部364cの外径よりも大きい径で貫通している中央口373dと、底部373bから下方へ突出しており押圧検知センサ381により検知される押圧検知片373eと、底部373bから後方へ円柱状に突出しておりボタンバネ374に挿通される一対のガイドボス373fと、を備えている。
中央ボタン本体373は、筒部373aと底部373bとによって、有底筒状に形成されている。中央ボタン本体373は、底部373bが上部ベース363と昇降ベース364との間に配置されると共に、筒部373aの上端が上部ベース363よりも上方へ突出するように形成されている。中央口373dは、下方へ短く延びた円筒状に形成されており、下端が昇降ベース364の上面に当接することで、中央ボタン本体373の下方への移動が規制される。中央ボタン本体373の中央口373dを通って、昇降ベース364の立壁部364cの上端が上部ベース363に当接する。
中央ボタン本体373は、一対のガイドボス373fが挿通されている一対のボタンバネ374によって上方へ付勢されている。一対のガイドボス373fは、下端が昇降ベース364を貫通して下方へ延出するように形成されており、下端にワッシャが挿通されたビスが取付けられる。ガイドボス373fの下端に取付けられたワッシャが昇降ベース364の下面に当接することで、中央ボタン本体373の上方への移動が規制される。
中央ボタン本体373の押圧検知片373eは、一対のボタンバネ374の付勢力に抗して中央ボタン本体373の底部373b(中央口373dの下端)が昇降ベース364の上面に当接した時に、昇降ベース364を貫通して下方へ突出するように形成されている。この中央ボタン本体373は、不透明に形成されている。一対のボタンバネ374は、昇降バネ365よりも付勢力の弱いコイルバネとされている。
中央ボタンカバー375は、中央ボタン本体373の筒部373aと略同じ直径の円盤状の天板部375aと、天板部375aの外周から下方へ延出している筒状の周壁部375bと、を備えており、透光性を有するように形成されている。中央ボタンカバー375は、天板部375aと周壁部375bとによって有底筒状に形成されている。この中央ボタンカバー375は、周壁部375bの下端が中央ボタン本体373における筒部373aの上端に取付けられる。
中央ボタン装飾基板376は、上面に実装されている複数のLEDがフルカラーLEDとされている。中央ボタン装飾基板376は、複数のLEDを適宜発光させることで、中央ボタンカバー375を発光装飾させることができる。外周ボタン装飾基板377は、上面に実装されている複数のLEDがフルカラーLEDとされている。外周ボタン装飾基板377は、複数のLEDを適宜発光させることで、外周装飾レンズ379及び外周ボタンカバー380を発光装飾させることができる。
外周基板カバー378は、外周ボタン装飾基板377の上側を覆い昇降ベース364に取付けられる円環状の基板部378aと、基板部378aの内周から上方へ筒状に延出しており中央ボタン本体373の外周を覆う円筒部378bと、を備えている。外周基板カバー378は、透明に形成されている。
外周装飾レンズ379は、上方へ向かうに従って周方向へ移動するように延びている捩れた部位が、周方向に一定の間隔で列設されている。外周装飾レンズ379は、外周基板カバー378における基板部378aの上側に取付けられている。外周ボタンカバー380は、外周装飾レンズ379の外周を覆う円筒状の筒状部380aと、筒状部380aの上端から中心側へ延出している円環状の環状部380bと、を備えている。外周ボタンカバー380は、筒状部380aの下端が昇降ベース364に取付けられる。環状部380bは、内径が外周基板カバー378の円筒部378bと略同じ大きさに形成されている。
演出操作ボタンユニット360は、組立てた状態では、図62(a)に示すように、昇降ベース364が一対の昇降バネ365によって上方へ付勢された状態で、昇降ベース364の案内ピン364dが、昇降カム部材371のカム部371aにおける係止部371cに下方から挿入されている。この状態では、昇降ベース364が下方へ移動した下降位置の状態となっており、一対の昇降バネ365が圧縮されている。また、この状態では、中央ボタン本体373がボタンバネ374の付勢力により上方側への移動端に位置しており、中央ボタンカバー375の上面が、外周ボタンカバー380の上面よりも上方へ突出した状態となっている。
従って、演出操作ユニット300に組立てた状態では、外周ボタンカバー380の上面が演出操作リング330の上面よりも僅かに上方へ突出していると共に、中央ボタンカバー375の上面が外周ボタンカバー380の上面よりも上方へ突出している(図63等を参照)。
この状態(図62(a)の状態)で、中央ボタンカバー375(中央押圧操作部303a)を下方へ押圧して、ボタンバネ374の付勢力に抗して下方へ移動させると、中央ボタン本体373の押圧検知片373eが押圧検知センサ381により検知され、中央押圧操作部303aの押圧操作が検知される。中央押圧操作部303aを押圧操作した状態では、中央ボタンカバー375の上面が、外周ボタンカバー380の上面と略一致した高さとなっている(図65(c)を参照)。
また、この状態で、外周ボタンカバー380(外周押圧操作部303b)を下方へ押圧操作しても、外周ボタンカバー380は下方へ移動することはなく、中央ボタン本体373の押圧検知片373eが押圧検知センサ381に検知されることもない。つまり、押圧操作部303の押圧操作が検知されない。
この下降位置の状態で、操作ボタン昇降駆動モータ367により昇降駆動ギア368を平面視において反時計回りの方向へ回転させると、昇降駆動ギア368と噛合している従動ギア369を介して昇降カム駆動ギア部材370が平面視反時計回りの方向へ回転し、昇降カム駆動ギア部材370と連結されている昇降カム部材371も同じ方向へ回転することとなる。この昇降カム部材371が反時計回りの方向へ回転すると、図62において正面に見えているカム部371aが右方へ移動することとなり、昇降ベース364の案内ピン364dが、係止部371cから第一カム371bにおける係止部371cの左方の部位へ転動すると共に、案内ピン364dを介して昇降ベース364が昇降バネ365の付勢力に抗して下方へ移動する。
そして、昇降カム部材371の回転に伴って、第一カム371bに沿って相対的に左方へ転動する案内ピン364dが、第一カム371bの左端から第二カム371d側へ位置すると、第二カム371dが第一カム371bに対して垂直に上方へ延びていることから、昇降バネ365の付勢力により案内ピン364dが第二カム371dに沿って上方へ移動することとなり、案内ピン364dと一緒に昇降ベース364が上昇して上昇位置の状態となる。
上昇位置の状態では、図62(b)に示すように、昇降ベース364の案内ピン364dが、一方のカム部371aの第二カム371dと残りのカム部371aの第三カム371eとに接した状態となっている。この状態で、操作ボタン昇降駆動モータ367の駆動が一旦停止される。
上昇位置の状態では、昇降ベース364の立壁部364cの上端が上部ベース363の下面に当接しており、昇降ベース364のこれ以上の上方への移動が規制されている。また、上昇位置の状態では、下降位置の時の中央ボタンカバー375(中央押圧操作部303a)と外周ボタンカバー380(外周押圧操作部303b)との位置関係が保持されており、中央ボタンカバー375及び外周ボタンカバー380を含む押圧操作部303全体が上方へ移動していると共に、中央ボタンカバー375の上面が外周ボタンカバー380の上面よりも上方へ突出している。
演出操作ユニット300に組立てた状態で、上昇位置へ移動させると、中央ボタンカバー375及び外周ボタンカバー380が、演出操作リング330の上面よりも大きく突出した状態となる(図65(b)等を参照)。
この上昇位置の状態で、中央ボタンカバー375(中央押圧操作部303a)を、ボタンバネ374の付勢力よりも強い力で下方へ押圧した場合、中央ボタンカバー375及び中央ボタン本体373がボタンバネ374の付勢力に抗して下方へ移動し、中央ボタン本体373が昇降ベース364に当接することとなる。中央ボタン本体373が昇降ベース364に当接している状態では、中央ボタン本体373の押圧検知片373eが昇降ベース364よりも下方へ突出した状態となっているが、昇降ベース364がボタンユニットベース361から離れているため、押圧検知片373eが押圧検知センサ381によって検知されることはない。
中央ボタンカバー375(中央押圧操作部303a)を、昇降バネ365の付勢力よりも強い力で下方へ押圧した場合、中央ボタンカバー375及び中央ボタン本体373がボタンバネ374の付勢力に抗して、中央ボタン本体373が昇降ベース364に当接した上で、昇降ベース364が、昇降バネ365の付勢力に抗して下方へ移動し、昇降ベース364の下端がボタンユニットベース361に当接することとなる。昇降ベース364がボタンユニットベース361に当接することで、昇降ベース364が下降位置の状態となり、昇降ベース364と共に外周ボタンカバー380(外周押圧操作部303b)も下降位置の状態となる。
このように、中央ボタン本体373が昇降ベース364に当接した状態で、昇降ベース364がボタンユニットベース361に当接すると、昇降ベース364から下方へ突出している中央ボタン本体373の押圧検知片373eが、押圧検知センサ381に検知された状態となり、中央ボタンカバー375(中央押圧操作部303a)の押圧が検知される。
一方、上昇位置の状態で、外周ボタンカバー380(外周押圧操作部303b)を、昇降バネ365の付勢力よりも力で下方へ押圧した場合、外周ボタンカバー380を介して昇降ベース364が昇降バネ365の付勢力に抗して下方へ移動し、昇降ベース364の下端がボタンユニットベース361に当接することとなる。この状態では、昇降ベース364と共に外周ボタンカバー380が下降位置の状態となるが、中央ボタンカバー375(中央押圧操作部303a)がボタンバネ374の付勢力により上方へ突出していることから、中央ボタン本体373の押圧検知片373eが昇降ベース364から下方へ突出しておらず、押圧検知片373eが押圧検知センサ381により検知されない。
中央ボタンカバー375及び外周ボタンカバー380を(押圧操作部303を)、上昇位置から下降位置へ戻すには、操作ボタン昇降駆動モータ367により、昇降カム部材371を平面視反時計回りの方向へ回転させると、図62(b)において、昇降ベース364の案内ピン364dの左上と当接している第三カム371eが、右方(案内ピン364dの方向)へ移動することとなるため、第三カム371eによって案内ピン364dが下方へ押圧され、案内ピン364dを介して昇降ベース364が昇降バネ365の付勢力に抗して下方へ移動することとなる。
そして、昇降カム部材371の回転に伴って案内ピン364dが第三カム371eの下端から第一カム371b側へ移動すると、昇降ベース364の下方への移動が停止し、案内ピン364dが第一カム371bに沿って転動する。その後、案内ピン364dが第一カム371bの途中の係止部371cの位置に到達すると、昇降バネ365の付勢力により案内ピン364dが上方へ窪んだ係止部371c内に挿入されると共に、操作ボタン昇降駆動モータ367による昇降カム部材371の回転を停止させることで、元の下降位置の状態となる。
[3−5e−9.操作部中継基板ユニット]
演出操作ユニット300における操作部中継基板ユニット390について、主に図53及び図54等を参照して詳細に説明する。操作部中継基板ユニット390は、操作部ベース320の後面に取付けられている。操作部中継基板ユニット390は、操作部ベース320における本体部321の後面に取付けられる箱状の基板ボックス391と、基板ボックス391内に取付けられている操作部中継基板392と、を備えている。
基板ボックス391は、演出操作ユニット300に組立てた時に、回転駆動ユニット340の操作リング駆動モータ342を後側から覆うモータカバー部391aを有している。操作部中継基板392は、皿中央上装飾基板314、皿中央下装飾基板316、操作リング駆動モータ342、第一回転検知センサ347、第二回転検知センサ348、演出操作リング装飾基板352、振動スピーカ354、操作ボタン昇降駆動モータ367、中央ボタン装飾基板376、外周ボタン装飾基板377、押圧検知センサ381、及び昇降検知センサ382と、皿ベースユニット210の皿ユニット中継基板214との接続を中継している。
[3−5e−10.演出操作ユニットの作用]
次に、演出操作ユニット300の作用について、主に図63乃至図65等を参照して詳細に説明する。図63は、演出操作ユニットの左側面図において演出操作リングと回転駆動ユニットとの関係を示す説明図である。図64は、演出操作ユニットを押圧操作部の押圧方向から見た平面図において演出操作リングと演出操作リング装飾基板との関係を示す説明図である。図65(a)は通常の状態で示す皿ユニットの正面図であり、(b)は押圧操作部が上昇位置の時の皿ユニットの正面図であり、(c)は押圧操作部の中央押圧操作部を押圧した時の皿ユニットの正面図である。
演出操作ユニット300は、上面に遊技者が操作可能な演出操作部301を備えている。演出操作部301は、大きな円環状の回転操作部302と、回転操作部302の環内に配置されている押圧操作部303とで構成されている。押圧操作部303は、回転操作部302の中心に位置する円柱状の中央押圧操作部303aと、中央押圧操作部303aと回転操作部302との間に配置されている円環状の外周押圧操作部303bとで構成されている。
回転操作部302は、演出操作リング330のリング外上カバー335、リング外下カバー336、及びリング内カバー337によって形成されている。中央押圧操作部303aは、演出操作ボタンユニット360の中央ボタンカバー375及び中央ボタン本体373によって形成されており、外周押圧操作部303bは、外周ボタンカバー380及び外周基板カバー378によって形成されている。
演出操作ユニット300は、円環状の回転操作部302(演出操作リング330)の上面によって形成される仮想の平面の前方側が低くなるように傾斜した状態で皿ユニット200に組立てられる。従って、回転操作部302の環内に配置されている押圧操作部303の押圧方向が、下方へ向かうに従って後方へ移動する(換言すると、上方へ向かうに従って前方へ移動する)ように傾斜している。
演出操作ユニット300は、通常の状態では、回転操作部302の上面よりも押圧操作部303が僅かに上方へ突出した状態となっている。詳しくは、演出操作リング330の上面よりも外周ボタンカバー380の上面が僅かに上方へ突出していると共に、外周ボタンカバー380の上面よりも中央ボタンカバー375の上面が上方へ突出した状態となっている(図63等を参照)。
この通常の状態で、回転駆動ユニット340の操作リング駆動モータ342により、伝達検知ギア部材345を左側面視で時計回りの方向へ回転させると、操作リング用伝達ギア350を介して演出操作リング330の回転操作部302が、平面視において時計周りの方向へ回転する。一方、操作リング駆動モータ342により、伝達検知ギア部材345を左側面視で反時計周りの方向へ回転させると、演出操作リング330の回転操作部302が平面視において反時計回りの方向へ回転する。
操作リング駆動モータ342は、ステッピングモータとされており、所定の回転角度の範囲で正転・逆転を繰返させることで、回転操作部302を往復回動させて振動させることができる。この振動は、振動スピーカ354による振動とは異なり、回転操作部302のみが振動する。
演出操作リング330の回転操作部302は、操作リング駆動モータ342により回転させられるだけでなく、遊技者によっても回転させることができる。回転操作部302を平面視において時計回りの方向へ回転させると、操作リング用伝達ギア350を介して回転駆動ユニット340の伝達検知ギア部材345が左側面視において時計回りの方向へ回転し、回転操作部302を平面視において反時計回りの方向へ回転させると、伝達検知ギア部材345が左側面視において反時計回りの方向へ回転する。この伝達検知ギア部材345は、第一回転検知センサ347と第二回転検知センサ348の二つのセンサによって回転を検知している。
伝達検知ギア部材345の回転は、複数の検知片345bを第一回転検知センサ347及び第二回転検知センサ348によって検知することで、回転を検知している。詳述すると、周方向に等間隔で列設されている複数の検知片345bの間隔に対して、周方向に離間している第一回転検知センサ347と第二回転検知センサ348との間隔が、整数倍とならない間隔とされている。これにより、第一回転検知センサ347と第二回転検知センサ348とが、同じタイミングで検知片345bを検知しないように構成されている。
本実施形態では、伝達検知ギア部材345が左側面視において時計回りの方向へ回転すると、第二回転検知センサ348が検知片345bを検知してから第一回転検知センサ347が検知片345bを検知する。これに対して、伝達検知ギア部材345が左側面視において反時計回りの方向へ回転すると、第一回転検知センサ347が検知片345bを検知してから第二回転検知センサ348が検知片345bを検知する。従って、第一回転検知センサ347と第二回転検知センサ348とが、検知片345bを検知する順番によって、伝達検知ギア部材345(回転操作部302)の回転方向を検知することができる。また、第一回転検知センサ347及び第二回転検知センサ348における検知片345bの検知時間によって、伝達検知ギア部材345(回転操作部302)の回転速度を検知することができる。
このように、回転操作部302の回転操作を検知することができるため、回転操作部302の回転方向に応じて遊技者参加型演出の内容を変化させることができる。また、回転操作部302の回転操作を検知した時に、操作リング駆動モータ342により、回転操作部302を回転操作方向と同じ方向へ回転駆動させることで、回転操作を軽くしてアシストすることができる。或いは、操作リング駆動モータ342により、回転操作部302を回転操作方向と反対方向へ回転駆動させることで、回転操作を重くしたり、クリック感を付与したりすることができる。
演出操作リング330の回転操作部302は、リング外上カバー335、リング外下カバー336、及びリング内カバー337によって形成されており、円の半分以上の円弧が環状に延びている形状に形成されている。換言すると、回転操作部302がドーナツ状に形成されている。そして、回転操作部302は、図示するように、外周面、上面、及び内周面の一部、が露出した状態で取付けられているため、遊技者の手で掴み易い形状に形成されている。
これにより、回転操作部302に対して遊技者が様々な方向から触れることができるため、遊技者のやり易い思い思いの仕方で回転操作部302を回転操作させることができ、回転操作部302の操作性が高められている。また、回転操作部302は、押圧操作部303が下降位置又は上昇位置の何れの状態の時でも、回転操作することができる。なお、回転操作部302は、下面側が操作部ベース320に取付けられているため、自動車のハンドルのように握ることはできない。
演出操作ユニット300は、図64に示すように、演出操作リング330の下方に、複数のLEDが円環状に列設されている演出操作リング装飾基板352を備えている。これにより、演出操作リング装飾基板352のLEDを発光させることで、演出操作リング330の回転操作部302を発光装飾させることができる。また、演出操作リング装飾基板352では、複数のLEDを回転操作部302に沿って環状に列設しているため、回転操作部302の回転に合わせて、列設されている複数のLEDを順次発光させることで、回転している回転操作部302の特定の部位のみを発光装飾させることができる。これにより、回転する回転操作部302内に、LED(装飾基板)が備えられているように遊技者を錯覚させることができる。
演出操作ユニット300は、通常の状態では、図65(a)に示すように、回転操作部302の環内に配置されている押圧操作部303が、その上面が回転操作部302の上面よりも僅かに上方に突出した下降位置の状態となっている。この状態では、回転操作部302を回転させることができると共に、押圧操作部303における中央押圧操作部303aを押圧操作することができる。中央押圧操作部303aを下方へ押圧操作すると、中央押圧操作部303a(中央ボタンカバー375)の上面が、外周押圧操作部303b(外周ボタンカバー380)の上面と略同じ高さまで下降し、押圧検知センサ381により押圧が検知される。
この通常(下降位置)の状態では、押圧操作部303における外周押圧操作部303bを下方へ押圧しても、外周押圧操作部303b(外周ボタンカバー380)が下方へ移動することはなく、押圧検知センサ381により押圧が検知されることはない。
通常の状態で、操作ボタン昇降駆動モータ367により、昇降カム部材371を平面視において反時計回りの方向へ回転させると、昇降ベース364の案内ピン364dがカム部371a(第一カム371b)から外れて、一対の昇降バネ365の付勢力により、昇降ベース364と共に押圧操作部303が勢いよく上方へ突出して上昇位置の状態となる(図65(b)を参照)。この上昇位置の状態では、押圧操作部303の上面が回転操作部302の上面よりも大きく上方に位置している。換言すると、中央ボタンカバー375及び外周ボタンカバー380が、演出操作リング330の上面よりも大きく上方へ突出している。
押圧操作部303が上昇位置の状態で、中央押圧操作部303aを下方へ押圧すると、まず、ボタンバネ374の付勢力に抗して中央押圧操作部303aが下方へ移動し、中央押圧操作部303aの上面と外周押圧操作部303bの上面とが略同じ高さの状態となる。この状態では、押圧検知センサ381が押圧を検知しない。更に、昇降バネ365の付勢力に抗して中央押圧操作部303aが外周押圧操作部303bと一緒に下方へ移動し、中央押圧操作部303a及び外周押圧操作部303bの上面が回転操作部302の上面と略同じ高さの状態となる(図65(c)を参照)。この状態では、押圧検知センサ381が押圧を検知する。
また、押圧操作部303が上昇位置の状態で、外周押圧操作部303bを下方へ押圧すると、中央押圧操作部303aの上面が外周押圧操作部303bの上面よりも上方へ突出している状態のまま、外周押圧操作部303bと中央押圧操作部303aとが下方へ移動し、外周押圧操作部303bの上面が回転操作部302の上面と略同じ高さの状態となる(図65(a)を参照)。この状態では、押圧検知センサ381が押圧を検知しない。
このように、本実施形態の押圧操作部303は、下降位置或いは上昇位置に関わらず、中央押圧操作部303aを、下方への移動端まで押圧しないと、押圧検知センサ381により検知されないようになっている。従って、遊技者に対して、中央押圧操作部303aをしっかりと押圧操作させることを促すことが可能となるため、遊技者参加型演出において演出操作部301の操作に注意を引付けさせることができ、遊技者参加型演出をより楽しませることができる。
なお、押圧操作部303が上昇位置の状態でも、回転操作部302を回転させることができる。従って、押圧操作部303を上昇位置の状態とした時では、遊技者によっては、押圧操作部303を手がかりにして回転操作が楽になったり、押圧操作部303が邪魔になって回転操作がし難くなったりすることから、回転操作部302の操作性を変化させることができ、より多彩な操作を楽しませることができる。
[3−6.扉枠左サイドユニット]
扉枠3における扉枠左サイドユニット400について、主に図66乃至図68を参照して詳細に説明する。図66(a)は扉枠の扉枠左サイドユニットを前から見た斜視図であり、(b)は扉枠左サイドユニットを後ろから見た斜視図である。図67は扉枠左サイドユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図68は扉枠左サイドユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。扉枠左サイドユニット400は、皿ユニット200の上側で扉枠ベースユニット100の前面左部に取付けられており、正面視において遊技領域5aの左外側を装飾するものである。
扉枠左サイドユニット400は、扉枠ベースユニット100の扉枠ベース101の前面における扉窓101aの左外側に取付けられる扉枠左サイドベース401と、扉枠左サイドベース401の前面に取付けられており前面に複数のLEDが実装されている扉枠左サイド装飾基板402と、扉枠左サイド装飾基板402の前側を覆うように扉枠左サイドベース401に取付けられている左サイドリフレクタ403と、左サイドリフレクタ403の前側を覆うように扉枠左サイドベース401に取付けられている扉枠左サイド装飾体404と、を備えている。
扉枠左サイドベース401は、上下に延びており前方へ開放された箱状に形成されている。扉枠左サイド装飾基板402は、上下に延びた帯板状に形成されており、左サイド上装飾基板402aと左サイド下装飾基板402bとで構成されている。扉枠左サイド装飾基板402は、前面に実装されている複数のLEDが、フルカラーLEDとされている。扉枠左サイド装飾基板402は、複数のLEDを適宜発光させることで、扉枠左サイド装飾体404を発光装飾させることができる。
左サイドリフレクタ403は、扉枠左サイド装飾基板402に実装されているLEDと対応する位置に前後に貫通している貫通孔403aが形成されている。扉枠左サイド装飾体404は、透光性を有した乳白色に形成されている。扉枠左サイド装飾体404は、前方へ膨出した半円弧が上下に延びた形態に形成されている。これにより、扉枠左サイド装飾体404は、後方へ開放された半チューブ状に形成されている。
扉枠左サイドユニット400は、下端が皿ユニット200における皿左上装飾ユニット270の皿左上装飾体271の左端と連続するように形成されており、上端が扉枠トップユニット450扉枠トップ装飾体453の左側下端と連続するように形成されている。
扉枠左サイドユニット400は、左右方向の幅と前後方向の奥行が、略同じ距離に形成されている。扉枠左サイドユニット400は、扉枠3に組立てた状態で、扉枠ベース101の扉窓101aの左外側を装飾しており、円柱状の蛍光灯が埋め込まれているように見せている。
[3−7.扉枠右サイドユニット]
扉枠3における扉枠右サイドユニット410について、主に図69乃至図71を参照して詳細に説明する。図69(a)は扉枠の扉枠右サイドユニットを前から見た斜視図であり、(b)は扉枠右サイドユニットを後ろから見た斜視図である。図70は扉枠右サイドユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図71は扉枠右サイドユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。扉枠右サイドユニット410は、皿ユニット200の上側で扉枠ベースユニット100の前面右部に取付けられており、正面視において遊技領域5aの右外側を装飾するものである。
扉枠右サイドユニット410は、扉枠3の右辺から皿ユニット200の上皿201や下皿202と略同じ位置まで前方へ平板状に延出しており、左右方向へ貫通しているサイド窓410aと、サイド窓410a内に複数配置されている発光可能なサイド窓内装飾部410bと、を備えている。この扉枠右サイドユニット410は、パチンコ機1が設置された遊技ホール等において、右側に配置されているパチンコ機の遊技領域内を見え難くしたり、右側のパチンコ機で遊技している遊技者から本パチンコ機1の遊技領域5a内を見え難くしたりすることができ、遊技のプライバシーを保護するような遊技者のパーソナル空間を形成することができる。
扉枠右サイドユニット410は、扉枠ベースユニット100の扉枠ベース101の前面における扉窓101aの右外側に取付けられ上下に延びている扉枠右サイドベース411と、扉枠右サイドベース411の前面に取付けられており前方へ円筒状に延出し上下に列設されている複数のサイド窓内装飾部410bを有するサイド窓内装飾部材412と、前面におけるサイド窓内装飾部材412の複数のサイド窓内装飾部410bと対応する部位に複数のLEDが実装されており扉枠右サイドベース411の前側に取付けられているサイド窓内装飾部装飾基板413と、サイド窓内装飾部材412の複数のサイド窓内装飾部410bの内部に夫々挿入されている内部リフレクタ414と、を備えている。
また、扉枠右サイドユニット410は、サイド窓内装飾部材412の前端よりも前方に配置されており上下に延びている右サイドリフレクタ415と、扉枠右サイドベース411に取付けられており扉枠右サイドベース411と右サイドリフレクタ415の右側面を被覆するように上下方向及び前後方向へ平板状に延びていると共に左右方向へ貫通しサイド窓410aを構成する貫通口416aが形成されている扉枠右サイド外パネル416と、扉枠右サイドベース411及び右サイドリフレクタ415に取付けられており扉枠右サイドベース411と右サイドリフレクタ415の左側面を被覆するように上下方向及び前後方向へ平板状に延びていると共に左右方向へ貫通しサイド窓410aを構成する貫通口417aが形成されている扉枠右サイド内パネルと417と、を備えている。
更に、扉枠右サイドユニット410は、右サイドリフレクタ415の後面に取付けられており前面に複数のLEDが実装されている扉枠右サイド装飾基板418と、右サイドリフレクタ415の前側を覆うように右サイドリフレクタ415に取付けられている扉枠右サイド装飾体419と、を備えている。
扉枠右サイドベース411は、上下に延びており後方へ開放された箱状に形成されている。サイド窓内装飾部材412は、上下方向に列設されている複数(ここでは三つ)のサイド窓内装飾部410bの下端同士を連結している平板状の連結ベース412aを有している。サイド窓内装飾部材412のサイド窓内装飾部410bは、前端側が後端側よりも外径がやや小さくなった円錐台状の円筒に形成されていると共に、円筒の前端が半球状に形成されている。サイド窓内装飾部材412は、サイド窓内装飾部410bの前端が扉枠右サイド外パネル416に取付けられる。サイド窓内装飾部材412は、扉枠右サイドベース411の前面において、上下方向中央に対して下寄りの位置から上側の部位に取付けられる。サイド窓内装飾部材412は、透光性を有した乳白色に形成されている。
サイド窓内装飾部装飾基板413は、扉枠右サイドベース411の前面において、サイド窓内装飾部材412の連結ベース412aの後方となる部位に取付けられる。サイド窓内装飾部装飾基板413に備えられている複数のLEDは、フルカラーLEDとされている。サイド窓内装飾部装飾基板413は、複数のサイド窓内装飾部410bの夫々の後方となる部位に、四つのLEDがサイド窓内装飾部410bの軸芯を中心として上下左右の十字状に配置されている。
内部リフレクタ414は、正面視の形状がX状に形成されており、挿入されるサイド窓内装飾部410bの内面に沿うように前後方向に延びている。内部リフレクタ414は、サイド窓内装飾部410bの内部を、上下左右の四つに仕切っている。
右サイドリフレクタ415は、扉枠右サイドベース411と同じ高さで上下に延びており、前後方向の形状が、上端から下端へ向かうに従って、前方へ移動した後に後方へ移動するような波状に形成されている。右サイドリフレクタ415は、前後に貫通し、扉枠右サイド装飾基板418のLEDが前方へ臨む複数の貫通孔415aが形成されている。
扉枠右サイド外パネル416は、平板状で上下及び前後に延びており、後辺が鉛直に直線状に延びていると共に、前辺が右サイドリフレクタ415に沿って波状に延びている。扉枠右サイド外パネル416は、左右方向へ貫通している貫通口416aが、上下に延びた変楕円形状に形成されていると共に、サイド窓内装飾部材412の連結ベース412aの前側と扉枠右サイド装飾基板418(右サイドリフレクタ415)の後側とを被覆可能に形成されている。扉枠右サイド外パネル416は、不透光性に形成されている。
扉枠右サイド内パネル417は、平板状で上下及び前後に延びており、後辺が鉛直に直線状に延びていると共に、前辺が右サイドリフレクタ415に沿って波状に延びている。扉枠右サイド内パネル417は、左右方向へ貫通している貫通口417aが、上下に延びた変楕円形状に形成されていると共に、サイド窓内装飾部材412の連結ベース412aの前側と扉枠右サイド装飾基板418(右サイドリフレクタ415)の後側とを被覆可能に形成されている。扉枠右サイド内パネル417は、不透光性に形成されている。
扉枠右サイド装飾基板418は、上下に延びた帯板状に形成されており、右サイド上装飾基板418aと、右サイド下装飾基板418bとで構成されている。扉枠右サイド装飾基板418は、前面に実装されている複数のLEDが、フルカラーLEDとされている。扉枠右サイド装飾基板418は、複数のLEDを適宜発光させることで、扉枠右サイド装飾体419を発光装飾させることができる。
扉枠右サイド装飾体419は、透光性を有した乳白色に形成されている。扉枠右サイド装飾体419は、前方へ膨出した半円弧が、右サイドリフレクタ415に沿うように波状に上下に延びた形態に形成されている。これにより、扉枠右サイド装飾体419は、後方へ開放された半チューブ状に形成されている。
扉枠右サイドユニット410は、下端が皿ユニット200における皿右上装飾ユニット275の皿右上装飾体276の右端と連続するように形成されていると共に、上端が扉枠トップユニット450の扉枠トップ装飾体453の右側下端と連続するように形成されている。
扉枠右サイドユニット410は、扉枠3に組立てた状態で、扉枠ベース101の扉窓101aの右外側を装飾しており、扉枠右サイド装飾体419の部位が円柱状の蛍光灯が埋め込まれているように見える。扉枠右サイドユニット410は、上から1/4の部位が最も前方へ突出するように前端(前辺)が波状に前方へ延びており、衝立状に形成されている。扉枠右サイドユニット410は、左右方向へ貫通しているサイド窓410aを有しており、サイド窓410aを通して反対側を視認することができる。
扉枠右サイドユニット410は、サイド窓410a内に、前後に延びた円筒状(円柱状)のサイド窓内装飾部410bを備えており、サイド窓内装飾部装飾基板413のLEDを発光させることで、サイド窓内装飾部410bを発光装飾させることができる。そして、サイド窓内装飾部410bを発光装飾させることで、サイド窓410a内を眩しくすることができ、サイド窓410aを通して反対側を見え難くすることができる。
本実施形態の扉枠右サイドユニット410によれば、通常の状態では、複数のサイド窓内装飾部410bを発光装飾させるサイド窓内装飾部装飾基板413のLEDが消灯しているため、サイド窓410aにおける三つのサイド窓内装飾部410bの間を通して、本パチンコ機1の横(島設備の端)から遊技領域5a内を視認することができる。従って、遊技をするパチンコ機として本パチンコ機1(本遊技盤5)を探している遊技者が、島設備に沿って本パチンコ機1の前方まで移動しなくても、本パチンコ機1を簡単に見つけることができ、本パチンコ機1での遊技に対する期待感を高めさせて興趣の低下を抑制させることができる。
また、扉枠右サイドユニット410にサイド窓410aが貫通していてもサイド窓内装飾部410bを含むその他の部位によって、近隣に位置している遊技者の視線を遮ることができるため、他の遊技者から遊技領域5aの全体を見え辛くすることができ、他の遊技者から見られているような感じを受け難くすることで他の遊技者に気兼ねすることなく遊技を行わせることができる。
更に、サイド窓内装飾部装飾基板413のLEDにより三つのサイド窓内装飾部410bを発光させると、その光によりサイド窓410a内を眩しくすることができ、サイド窓410aを通した視認性を変化させる。この際に、三つのサイド窓内装飾部410bを、円柱状としていることから、光が帯状且つ放射状に放射されることとなるため、サイド窓内装飾部410bを眩しくさせて間から反対側を視認し難くすることができ、隣等の他の遊技者から遊技領域5a内を覗かれ難くすることができる。このように、遊技領域5a内を覗かれ難くすることができることから、他の遊技者が本パチンコ機1に注目するのを回避させることができるため、注目されることで他の遊技者が気になって遊技に専念できないことから不快感を覚えたり、ミスが誘発されることで損した気分になったりするのを防止することができ、遊技者を遊技に専念させることで遊技をより楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
[3−8.扉枠トップユニット]
扉枠3における扉枠トップユニット450について、主に図72乃至図74等を参照して詳細に説明する。図72(a)は扉枠における扉枠トップユニットを前から見た斜視図であり、(b)は扉枠トップユニットを後ろから見た斜視図であり、(c)はトップ下カバーを外した状態で示す扉枠トップユニットの底面図である。図73は扉枠トップユニットを分解して前上から見た分解斜視図であり、図74は扉枠トップユニットを分解して前下から見た分解斜視図である。扉枠トップユニット450は、扉枠左サイドユニット400及び扉枠右サイドユニット410の上側で扉枠ベースユニット100の前面上部に取付けられるものである。
扉枠トップユニット450は、扉枠ベースユニット100の扉枠ベース101の前面における扉窓101aよりも上側に取付けられる扉枠トップベース451と、扉枠トップベース451の左右両側と前面上部を覆うように扉枠トップベース451に取付けられているトップ上カバー452と、トップ上カバー452の前端に取付けられている扉枠トップ装飾体453と、扉枠トップ装飾体453の下端と扉枠トップベース451の下端とを連結している扉枠トップ底板454と、を添えている。
また、扉枠トップユニット450は、扉枠トップ装飾体453の後方でトップ上カバー452の前面中央に取付けられており前面に複数のLEDが実装されている扉枠トップ中央装飾基板455と、扉枠トップ装飾体453の後方でトップ上カバー452の前面における扉枠トップ中央装飾基板455の左方に取付けられており前面に複数のLEDが実装されている扉枠トップ左装飾基板456と、扉枠トップ装飾体453の後方でトップ上カバー452の前面における扉枠トップ中央装飾基板455の右方に取付けられており前面に複数のLEDが実装されている扉枠トップ右装飾基板457と、を備えている。
また、扉枠トップユニット450は、扉枠トップ装飾体453と扉枠トップ中央装飾基板455との間に配置されトップ上カバー452の前面に取付けられているトップ中央リフレクタ458と、扉枠トップ装飾体453と扉枠トップ左装飾基板456との間に配置されトップ上カバー452の前面に取付けられているトップ左リフレクタ459と、扉枠トップ装飾体453と扉枠トップ右装飾基板457との間に配置されトップ上カバー452の前面に取付けられているトップ右リフレクタ460と、を備えている。
更に、扉枠トップユニット450は、扉枠トップ底板454の上面中央に取付けられている中央スピーカボックス461と、中央スピーカボックス461に下方へ向けて取付けられている一対のトップ中央スピーカ462と、扉枠トップベース451の前面左右両端付近に取付けられている一対のスピーカブラケット463と、一対のスピーカブラケット463に夫々取付けられている一対のトップサイドスピーカ464と、扉枠トップ底板454を下方から覆うように扉枠トップ底板454に取付けられているトップ下カバー465と、トップ下カバー465の外周縁を下方から押圧するように扉枠トップ底板454に取付けられている下カバー枠466と、扉枠トップベース451の上部右端付近に取付けられている扉枠トップ中継基板467と、扉枠トップベース451の上方を覆うようにトップ上カバー452に取付けられている扉枠トップ天板468と、を備えている。
扉枠トップベース451は、扉枠ベースユニット100の扉枠ベース101の左右方向の幅と同じ長さで左右に延びている平板状の本体部451aと、本体部451aの前面における左右両端付近から前方へ突出している前方突出部451bと、を備えている。本体部451aは、下辺が、扉枠ベース101における扉窓101aの上縁と沿うように、左右方向の中央が上方へ位置するような湾曲状に形成されている。左右の前方突出部451bは、前端が下方へ向かうに従って後方へ移動するように傾斜しており、後方へ開放された箱状に形成されている。正面視右側の前方突出部451bは、上方にも開放されている。
トップ上カバー452は、正面視の形状が、扉枠トップベース451と略同じ形状に形成されている。トップ上カバー452は、扉枠トップベース451の左右の前方突出部451bの夫々の外側を覆うと共に、左右の前方突出部451bの前端上部の間を結ぶような形状に形成されている。トップ上カバー452の前端は、左右方向中央が前方へ最も突出しており、左右方向中央から左右方向両端へ向かうに従って、下方及び後方へ移動するように湾曲状に延びている。また、トップ上カバー452は、上面に後端から前方へ向かって大きく切欠かれた開口部452aを有している。この開口部452aは、扉枠トップ天板468によって閉鎖される。
扉枠トップ装飾体453は、透光性を有した乳白色に形成されている。扉枠トップ装飾体453は、前方へ膨出した半円弧が、左右両端から左右方向中央へ向かうに従って曲率が小さくなると共に、トップ上カバー452の前端に沿うように、左右方向へ延びた形態に形成されている。これにより、扉枠トップ装飾体453は、後方へ開放された半チューブ状に形成されている。扉枠トップ装飾体453は、左右方向の両端が下方へ延びるように向いており、扉枠左サイド装飾体404及び扉枠右サイド装飾体419の上端と夫々連続するように形成されている。
扉枠トップ底板454は、扉枠トップ装飾体453の下端と扉枠トップベース451の本体部451aの下端同士を連結するように前後方向へ延びていると共に、左右方向中央が上方へ膨出するように左右方向へ延びている。扉枠トップ底板454は、前後方向の中央が下方へ突出するように折れ曲がった形態に形成されている。扉枠トップ底板454は、左右方向へ離間しており前端と後端とを結ぶと共に上方へ平板状に延びている一対の補強リブ454aと、一対の補強リブ454aの間において上下に貫通しておりトップ中央スピーカ462が臨む一対の中央スピーカ口454bと、一対の補強リブ454aの夫々の左右方向外側において上下に貫通しておりトップサイドスピーカ464が臨む一対のサイドスピーカ口454cと、を有している。扉枠トップ底板454の上面における一対の補強リブ454aの間に中央スピーカボックス461が取付けられる。
扉枠トップ中央装飾基板455は、左右に延びた帯板状に形成されている。扉枠トップ中央装飾基板455は、前面に実装されている複数のLEDが、フルカラーLEDとされている。この扉枠トップ中央装飾基板455は、複数のLEDを適宜発光させることで、扉枠トップ装飾体453の中央部分を発光装飾させることができる。
扉枠トップ左装飾基板456は、左右に延びた帯板状に形成されている。扉枠トップ左装飾基板456は、前面に実装されている複数のLEDが、フルカラーLEDとされている。この扉枠トップ左装飾基板456は、複数のLEDを適宜発光させることで、扉枠トップ装飾体453の左部分を発光装飾させることができる。
扉枠トップ右装飾基板457は、左右に延びた帯板状に形成されている。扉枠トップ右装飾基板457は、前面に実装されている複数のLEDが、フルカラーLEDとされている。この扉枠トップ右装飾基板457は、複数のLEDを適宜発光させることで、扉枠トップ装飾体453の右部分を発光装飾させることができる。
トップ中央リフレクタ458、トップ左リフレクタ459、及びトップ右リフレクタ460は、夫々左右方向に延びており、扉枠トップ中央装飾基板455、扉枠トップ左装飾基板456、及び扉枠トップ右装飾基板457に夫々実装されているLEDと対応する位置に前後に貫通している貫通孔が形成されている。
中央スピーカボックス461は、左右に延びた箱状に形成され、一対のトップ中央スピーカ462が下前を向くように取付けられる。この中央スピーカボックス461は、扉枠トップ底板454の上面における一対の補強リブ454aの間に取付けられる。トップ中央スピーカ462は、フルレンジスピーカとされており、広い周波数帯域で音声や音楽等のサウンドを出力するものである。
スピーカブラケット463は、扉枠トップベース451における左右の前方突出部451bの下面に取付けられる。トップサイドスピーカ464は、ツイータとされており、音声や音楽等のサウンドの高音域を出力するものである。
トップ下カバー465は、無数の貫通孔を有した金属板からなるパンチングメタルによって形成されている。トップ下カバー465を通して、トップ中央スピーカ462やトップサイドスピーカ464から出力されたサウンドが、前方且つ下方へ向けて放射される。
扉枠トップ中継基板467は、扉枠トップ中央装飾基板455、扉枠トップ左装飾基板456、扉枠トップ右装飾基板457、トップ中央スピーカ462、及びトップサイドスピーカ464と、扉枠ベースユニット100の扉枠副中継基板105との接続を中継するためのものである。
扉枠トップ天板468は、トップ上カバー452の開口部452aを閉鎖するものであり、前端がトップ上カバー452に係止されると共に、後端が扉枠ベースユニット100に取付けられる。
扉枠トップユニット450は、扉枠3に組立てた状態で、扉枠ベース101の扉窓101aの上外側を装飾している。扉枠トップユニット450は、扉枠トップ装飾体453の左右両端が、扉枠左サイド装飾体404及び扉枠右サイド装飾体419の上端と夫々連続しており、一体的な装飾を形成している。また、扉枠トップユニット450は、一対のトップ中央スピーカ462及び一対のトップサイドスピーカ464によって、音声や音楽等のサウンドを遊技者側へ出力することができる。
[3−9.扉枠の装飾]
扉枠3における装飾について、主に図75等を参照して詳細に説明する。図75は、各装飾基板と共に示す扉枠の正面図である。扉枠3は、図示するように、正面視中央に、ガラスユニット160の透明なガラス板162によって閉鎖されている上下に延びた略四角形の扉窓101aを有している。扉枠3は、皿ユニット200の皿左上装飾体271、皿右上装飾体276、演出操作ユニット300の皿中央上装飾体312a、扉枠左サイドユニット400の扉枠左サイド装飾体404、扉枠右サイドユニット410の扉枠右サイド装飾体419、及び扉枠トップユニット450の扉枠トップ装飾体453によって、扉窓101aの外周が全周に亘って囲まれている。
扉窓101aの外周を囲っている皿左上装飾体271、皿右上装飾体276、皿中央上装飾体312a、扉枠左サイド装飾体404、扉枠右サイド装飾体419、及び扉枠トップ装飾体453は、半チューブ状に形成されているため、扉窓101aの全周が蛍光灯で囲まれているような装飾を遊技者に見せることができる。
扉枠3では、扉窓101aの外周を囲っている皿左上装飾体271、皿右上装飾体276、皿中央上装飾体312a、扉枠左サイド装飾体404、扉枠右サイド装飾体419、及び扉枠トップ装飾体453の後方に、皿左上装飾基板273、皿右上装飾基板278、皿中央上装飾基板314、扉枠左サイド装飾基板402、扉枠右サイド装飾基板418、扉枠トップ中央装飾基板455、扉枠トップ左装飾基板456、及び扉枠トップ右装飾基板457が配置されているため、それら装飾基板のLEDを適宜発光させることで、扉窓101aの外周全体を発光装飾させたり、扉窓101aの外周に沿って光が移動するように発光演出を遊技者に見せたり、することができる。
扉枠3の皿ユニット200では、上面に、上皿201の前後方向の距離よりも直径が大きい円環状でドーナツ形状の回転操作部302と、回転操作部302の環内に同軸状に配置された円筒状の外周押圧操作部303bと円柱状の中央押圧操作部303aとからなる押圧操作部303とが取付けられていると共に、回転操作部302の下方に回転操作部302と同じような半円弧のドーナツ形状(半円筒状、若しくは、半チューブ状)で直径の大きな二つの皿中央上装飾体312a及び皿中央下装飾体312bが上下に二つ離間して取付けられていると共に、皿中央上装飾体312a及び皿中央下装飾体312bの両端と連続するように同じような形状の扉枠左サイドユニット400の扉枠左サイド装飾体404、扉枠右サイドユニット410の扉枠右サイド装飾体419、及び扉枠トップユニット450の扉枠トップ装飾体453が遊技領域5aの外周を囲むように扉枠ベース101の扉窓101aの外側に取付けられている。
これにより、皿ユニット200において、回転操作部302と二つの皿中央上装飾体312a及び皿中央下装飾体312bとで三つのドーナツ形状の部材が上下に並んでいると共に、回転操作部302、外周押圧操作部303b、及び中央押圧操作部303aが同心円状に並んでいるため、見た目のインパクトを高めることができ、回転操作部302や押圧操作部303を目立たせることができる。
また、皿左上装飾体271、皿右上装飾体276、及び皿中央上装飾体312aの下方に配置されている皿左下装飾体281、皿右下装飾体286及び皿中央下装飾体312bを、半チューブ状のチューブの太さを若干細くしていると共に、皿中央下装飾体312bの下方に半球面状のユニット下カバー311を備えている。これにより、演出操作ユニット300では下端から上方へ向かうほど大きくなっているため、上下方向に対する遠近感を強調することが可能となり、上側に配置されている遊技者が操作可能な回転操作部302や押圧操作部303を大きく見せることができ、遊技者の関心を皿ユニット200の上面の演出操作ユニット300における回転操作部302や押圧操作部303へ強く引付けさせて興趣の低下を抑制させることができる。
更に、皿ユニット200の上面に、ドーナツ形状の回転操作部302を上方へ向かうに従って前方へ位置するように延びている軸周りに回転可能に取付けており、回転操作部302の上面が、前端側が低くなるように傾斜した状態となるため、回転操作部302や押圧操作部303の上面が本パチンコ機1の前方に着座した遊技者の頭(顔)の方向を向くこととなり、遊技者から回転操作部302や押圧操作部303の全容を見え易くすることができ、回転操作部302や押圧操作部303を大きく見せることができる。また、上述したように、回転操作部302や押圧操作部303の全容が判り易くなるため、遊技者に対して回転操作部302がドーナツ形状であることを認識させ易くすることができる。従って、遊技者に対して、ドーナツ形状の回転操作部302が回転操作するものであることを即座に認識させることができるため、遊技者参加型演出が実行された時に、即座に遊技者が回転操作部302を回転操作することができ、回転操作部302の操作により遊技者参加型演出を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、回転操作部302の直径を上皿201の前後方向の距離よりも大きくしていると共に、皿中央上装飾体312a及び皿中央下装飾体312bの直径を回転操作部302よりも大きくしており、パチンコ機1の皿ユニット200において、回転操作部302や皿中央上装飾体312a及び皿中央下装飾体312bの前端側が上皿201よりも前方へ大きく突出した状態となると共に、皿中央上装飾体312a及び皿中央下装飾体312bが回転操作部302の外周を装飾している状態となるため、回転操作部302や皿中央上装飾体312a及び皿中央下装飾体312bを大きく目立たせることができると同時に、皿中央上装飾体312a及び皿中央下装飾体312bによって回転操作部302周りの見栄えを良くすることができる。従って、遊技者に対して、一見して他のパチンコ機とは異なるパチンコ機1であることを認識させることができ、遊技者の関心を強く引付けさせることができると共に、遊技者に対する訴求力を高めることができ、遊技するパチンコ機として本パチンコ機1を選択させ易くすることができる。
[4.本体枠の全体構成]
パチンコ機1における本体枠4の全体構成について、主に図76乃至図82を参照して詳細に説明する。図76はパチンコ機における本体枠の正面図であり、図77はパチンコ機における本体枠の背面図である。図78は本体枠を右前から見た斜視図であり、図79は本体枠を左前から見た斜視図であり、図80は本体枠を後ろから見た斜視図である。図81は本体枠を主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図82は本体枠を主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。
本体枠4は、遊技球Bを打込むことで遊技が行われる遊技領域5aを有した遊技盤5を保持すると共に、遊技球Bを遊技者側へ払出したり、遊技に使用された遊技球Bをパチンコ機1の後方(遊技ホールの島設備側)へ排出したり、するためのものである。本体枠4は、図示するように、前方が開放された箱状に形成されており、内部に前方から遊技盤5が着脱可能に収容される。本体枠4は、正面左辺側前端の上下において、遊技ホールの島設備に取付けられる枠状の外枠2に開閉可能に取付けられると共に、開放された前面側が閉鎖されるように扉枠3が開閉可能に取付けられる。
本体枠4は、後部が外枠2の枠内に挿入可能とされると共に遊技盤5の外周を支持可能とされた枠状の本体枠ベースユニット500と、本体枠ベースユニット500の正面視左側の上端に取付けられ外枠2の外枠上ヒンジ組立体50に回転可能に取付けられると共に扉枠3の扉枠上ヒンジ組立体120が回転可能に取付けられる本体枠上ヒンジ部材510と、本体枠ベースユニット500の正面視左側の下端に取付けられ外枠2の外枠下ヒンジ部材60に回転可能に取付けられると共に扉枠3の扉枠下ヒンジ部材125が回転可能に取付けられる本体枠下ヒンジ組立体520と、を備えている。
また、本体枠4は、本体枠ベースユニット500の正面視左側面に取付けられる本体枠補強フレーム530と、本体枠ベースユニット500の前面下部に取付けられており遊技盤5の遊技領域5a内に遊技球Bを打込むための球発射装置540と、本体枠ベースユニット500の後側における正面視上辺及び左辺に沿って取付けられている逆L字状の払出ベースユニット550と、払出ベースユニット550の後側に取付けられており遊技者側へ遊技球Bを払出すための払出ユニット560と、本体枠ベースユニット500の後面下部に取付けられている基板ユニット620と、本体枠ベースユニット500の後側に開閉可能に取付けられ本体枠ベース501に取付けられた遊技盤5の後側を覆う裏カバー640と、本体枠ベースユニット500の正面視右側面に取付けられており外枠2と本体枠4、及び扉枠3と本体枠4の間を施錠する施錠ユニット650と、を備えている。
本体枠ベースユニット500は、正面視の形状が上下に延びた長方形の枠状に形成されている本体枠ベース501と、扉枠3側と接続するための接続ケーブル503を案内する接続ケーブル案内部材502と、遊技盤5を着脱可能に保持するための遊技盤ロック部材505と、を備えている。
払出ベースユニット550は、本体枠ベースユニット500の本体枠ベース501の後側に取付けられる払出ベース551と、払出ベース551に取付けられており左右に延びた箱状で上方へ開放されている球タンク552と、球タンク552の左側に取付けられており上方へ開放された溝状に左方へ延びているタンクレール553と、タンクレール553の上端に取付けられている第一レールカバー554と、第一レールカバー554から正面視左方に離間してタンクレール553の上端に取付けられている第二レールカバー555と、第一レールカバー554と第二レールカバー555の間の位置でタンクレール553の上端に取付けられている球整流部材556と、タンクレール553の下流側端に取付けられている球止部材557と、を備えている。
払出ユニット560は、タンクレール553からの遊技球Bを蛇行状に下方へ誘導する球誘導ユニット570と、球誘導ユニット570により誘導された遊技球Bを払出制御基板633からの指示に基づいて一つずつ払出す払出装置580と、払出装置580を通った遊技球Bを下方へ誘導する上部満タン球経路ユニット600と、上部満タン球経路ユニット600を通った遊技球Bを扉枠3側又は基板ユニット620側へ誘導する下部満タン球経路ユニット610と、を備えている。
基板ユニット620は、本体枠ベースユニット500の本体枠ベース501に取付けられるスピーカユニット620aと、本体枠ベース501の後面に取付けられるベースユニット620bと、ベースユニット620bの後側に取付けられている電源ユニット620cと、電源ユニット620cの後側に取付けられている払出制御ユニット620dと、スピーカユニット620aの後面に取付けられているインターフェイスユニット620eと、を備えている。
施錠ユニット650は、本体枠ベース501に取付けられるユニットベース651と、ユニットベース651から前方へ突出しており扉枠3と係止可能な複数の扉枠用鉤652と、ユニットベース651から後方へ突出しており外枠2と係止可能な複数の外枠用鉤653と、扉枠用鉤652又は外枠用鉤653を上下方向へ移動させる伝達シリンダ654と、扉枠用鉤652を下方へ付勢していると共に外枠用鉤653を上方へ付勢している錠バネ655と、外枠用鉤653を下方へ移動させる外枠用開錠レバー656と、を備えている。
[4−1.本体枠ベースユニット]
本体枠4における本体枠ベースユニット500について、主に図76乃至図84等を参照して詳細に説明する。図83(a)は本体枠における正面左下隅を示す拡大斜視図であり、(b)は本体枠に対して扉枠を開いた時の本体枠の正面左下隅を示す拡大斜視図である。図84は、本体枠に対する扉枠の開閉時における本体枠の接続ケーブル案内部材の動作を示す説明図である。本体枠ベースユニット500は、前方から後部が外枠2の枠内に挿入されると共に、前方から挿入された遊技盤5の外周を保持するものである。
本体枠ベースユニット500は、正面視の形状が上下に延びた長方形の枠状に形成されている本体枠ベース501と、本体枠ベース501の前面における左下隅に取付けられており接続ケーブル503を案内する接続ケーブル案内部材502と、本体枠ベース501の前面下部に前後に延びた軸周りに回転可能に取付けられており遊技盤5を着脱可能に保持するための遊技盤ロック部材505と、を備えている。
本体枠ベースユニット500の本体枠ベース501は、正面視の形状が上下に延びた長方形に形成されているベース本体501aと、ベース本体501aの上端よりやや下側の位置から全高の約3/4の高さの範囲で前後に貫通しており遊技盤5が前側から挿入される遊技盤挿入口501bと、遊技盤挿入口501bの下辺を形成しており遊技盤5が載置される遊技盤載置部501cと、遊技盤載置部501cの左右方向中央から上方へ突出しており遊技盤5の下端の左右及び後方への移動を規制する遊技盤規制部501dと、を備えている。
また、本体枠ベース501は、ベース本体501aの前面における遊技盤載置部501cの正面視右下側で後方へ窪んでおり球発射装置540を取付けるための発射装置取付部501eと、発射装置取付部501eの正面視右側で前後に貫通しており施錠ユニット650の伝達シリンダ654が挿通されるシリンダ挿通口501fと、遊技盤載置部501cの正面視左下側で前後に貫通しており基板ユニット620におけるスピーカユニット620aの本体枠スピーカ622を前方へ臨ませる円形状のスピーカ用開口部501gと、本体枠ベース501は、スピーカ用開口部501gの下方で後方へ窪んでいると共に左右に延びており接続ケーブル案内部材502が取付けられるケーブル取付凹部501hと、ケーブル取付凹部501hの正面視右端上部において前後に貫通しているケーブル挿通口501iと、を備えている。
更に、本体枠ベース501は、ベース本体501aにおける遊技盤挿入口501bの正面視右辺から後方へ板状に延出しており、右側面に施錠ユニット650が取付けられると共に、後端に裏カバー640が回動可能に取付けられる後方延出部501jと、ベース本体501aの後面における正面視左端の上下両端部付近に形成されており、本体枠上ヒンジ部材510及び本体枠下ヒンジ組立体520を取付けるための上ヒンジ取付部501k及び下ヒンジ取付部501lと、を備えている。
本体枠ベース501には、前面における遊技盤載置部501cの下方でスピーカ用開口部501gの右方の位置に、遊技盤ロック部材505が前後に延びた軸周りに回転可能に取付けられる。遊技盤ロック部材505は、遊技盤挿入口501bに挿通された遊技盤5の前方への移動を規制可能とすることで、遊技盤挿入口501bに挿入された遊技盤5を着脱可能としている。
本体枠ベース501のケーブル取付凹部501hは、下ヒンジ取付部501lの右端側からスピーカ用開口部501gよりも右方で遊技盤ロック部材505が取付けられ部位の下方の位置まで左右方向に延びている。ケーブル取付凹部501hは、接続ケーブル案内部材502を収容可能な大きさに形成されており、接続ケーブル案内部材502の右端側を上下に延びた軸周りに回転可能に取付けることができる。
本体枠ベースユニット500の接続ケーブル案内部材502は、左右に延びた平板状の案内本体502aと、案内本体502aの上下両辺において夫々前方へ突出していると共に案内本体502aの右端よりも右方へ延出している帯板状の一対の枠片502bと、一対の枠片502bの右端同士を連結している円柱状の取付軸502cと、案内本体502aの上下両端において前後に貫通していると共に左右方向へ列設されている複数の貫通孔502dと、を備えている。
接続ケーブル案内部材502は、左右方向の長さが、本体枠ベース501のケーブル取付凹部501hの左右方向の長さよりも若干短い長さとされており、ケーブル取付凹部501h内に収容可能な大きさに形成されている。接続ケーブル案内部材502は、取付軸502cが、ケーブル取付凹部501h内における右端付近において上下に延びた軸周りに回転可能に取付けられる。これにより、接続ケーブル案内部材502は、左端側が前方へ突出するように回動(ヒンジ回転)することができる。
この接続ケーブル案内部材502は、接続ケーブル503を案内するためのものである。接続ケーブル503は、複数の配線コードからなり、一方の端部が基板ユニット620のインターフェイス基板635に接続されると共に、反対側の端部が扉枠3の扉枠主中継基板104及び扉枠副中継基板105に接続される。
続いて、接続ケーブル案内部材502による作用効果について説明する。接続ケーブル案内部材502は、図84等に示すように、本体枠ベース501に対して、左右方向における扉枠3をヒンジ回転可能に取付ける側(左側)とは反対側の端部(右側端部)が、扉枠3のヒンジ軸と平行に延びた軸周りに回転可能に取付けられる。
そして、本体枠4のインターフェイス基板635と扉枠3の扉枠主中継基板104及び扉枠副中継基板105とを接続する接続ケーブル503は、インターフェイス基板635に接続されている側が、接続ケーブル案内部材502の案内本体502aの右方から左方へ延びるように案内本体502aの前面に当接させた状態で、案内本体502aの上下両端側に形成されている複数の貫通孔502dのうち左右方向が同じ位置の一組の貫通孔502dに挿通した結束バンド504により、案内本体502aと一緒に締付けられることで、案内本体502aに取付けられる。
本体枠4の接続ケーブル案内部材502は、パチンコ機1に組立て扉枠3を本体枠4に対して閉じた状態で、扉枠3の扉枠主中継基板104及び扉枠副中継基板105の後方に位置している(図84(a)を参照)。この状態では、接続ケーブル503が、接続ケーブル案内部材502から左方へ延び出した後、下ヒンジ取付部501lの前方で曲げ返されて扉枠3のケーブルホルダ103aを通って扉枠中継基板カバー107内へ延出している。扉枠3のケーブルホルダ103aは、接続ケーブル案内部材502の左端よりも左方に配置されている。
この状態で、扉枠3を本体枠4に対して開くようにヒンジ回転させると、接続ケーブル案内部材502の左端側が、接続ケーブル503における扉枠3に取付けられている側によって前方へ引っ張られ、接続ケーブル案内部材502が右端の取付軸502cを中心にして回動することとなる。この際に、本実施形態では、扉枠3の開角度αと、接続ケーブル案内部材502の開角度βとの関係が、 α/2≧β (望ましくは、α/3≧β) を満たすように形成されている(図84(b)を参照)。
接続ケーブル案内部材502の開角度βは、扉枠3が閉じている状態(扉枠3の開角度αが0度の状態)では、0度となっている。接続ケーブル案内部材502の開角度βは、扉枠3を開いて開角度αが大きくなるに従って、大きくなるが、開角度αがある程度(例えば、約90度)よりも大きくなると、増加が停止するように推移する。本実施形態では、開角度βの最大角度が、45度未満とされている。
このように、扉枠3を開けた時に、接続ケーブル案内部材502の左端側が、本体枠ベース501よりも前方へ移動するように接続ケーブル案内部材502が回動するため、接続ケーブル案内部材502に接続ケーブル503が案内されることで、扉枠3と本体枠4との間で接続ケーブル503が垂れ下がってしまうのを防止することができる。
開いた扉枠3を閉める時には、接続ケーブル503における扉枠3に取付けられている部位が相対的に後方へ移動することとなるため、接続ケーブル503によって接続ケーブル案内部材502の左端側が後方へ押圧され、接続ケーブル案内部材502が取付軸502cを中心にして左端側が後方へ移動するように回動することとなる。この際に、接続ケーブル案内部材502が、45度未満の開角度βで開いているため、接続ケーブル案内部材502が扉枠3の閉じる方向への移動を阻害することはなく、扉枠3をスムーズに閉めることができる。また、接続ケーブル503が接続ケーブル案内部材502に案内されているため、扉枠3を閉める際に、接続ケーブル503が扉枠3と本体枠4との間に挟まれることはなく、接続ケーブル503に不具合が生じるのを防止することができる。
また、本体枠4に対して扉枠3を閉じた時に、接続ケーブル案内部材502に案内されている接続ケーブル503を、180度折返していることから、接続ケーブル503の折返している部位に、折り癖を付けることができる。これにより、扉枠3を開くことで、接続ケーブル503の180度折返されている部位が開くように変化した時に、折り癖により接続ケーブル503に対して閉じようとする力が作用することとなるため、扉枠3を閉じる際に、その折り癖により接続ケーブル503(接続ケーブル案内部材502)が開く方向へ移動するのを阻止することができると共に、接続ケーブル503(接続ケーブル案内部材502)を閉じる方向へ誘導させることができ、扉枠3を円滑に閉じさせることができる。
更に、扉枠3側において、折返されている接続ケーブル503を接続ケーブル案内部材502の先端よりも扉枠上ヒンジピン122及び扉枠下ヒンジピン126の中心軸(軸芯)に近い位置でケーブルホルダ103aによって保持していることから、本体枠4に対して扉枠3を閉じる際に、ケーブルホルダ103aによって保持されている接続ケーブル503により、接続ケーブル案内部材502の先端側を扉枠上ヒンジピン122及び扉枠下ヒンジピン126の中心軸(軸芯)側へ引寄せることができる。
また、本実施形態では、接続ケーブル案内部材502の回転中心を通り、扉枠上ヒンジピン122及び扉枠下ヒンジピン126の中心軸(軸芯)を中心として、スピーカダクト103におけるケーブルホルダ103aよりも扉枠上ヒンジピン122及び扉枠下ヒンジピン126の中心軸(軸芯)側で後方へ突出している部位(押圧部)を通る円に接する接線と、本体枠4の前面と交差する角度が、45度以下となるように構成している。これにより、これにより、本体枠4に対して扉枠3を閉じる時に、押圧部が接続ケーブル503に当接することにより、接続ケーブル503を介して開いている接続ケーブル案内部材502の先端側を閉じる方向へ押圧することができるため、扉枠3の閉方向への移動に伴って接続ケーブル案内部材502をスムーズに閉じさせることができ、扉枠3を確実に閉じることができる。また、扉枠3の開閉に伴って回転(開閉)する接続ケーブル案内部材502の最大開角度βを、45度以下とすることができるため、扉枠3を閉じる際に、接続ケーブル案内部材502を閉じる方向へ確実に回転させることができ、上述と同様の作用効果を奏することができる。
[4−2.本体枠上ヒンジ部材]
本体枠4における本体枠上ヒンジ部材510について、主に図81及び図82等を参照して詳細に説明する。本体枠上ヒンジ部材510は、本体枠ベースユニット500の本体枠ベース501における上ヒンジ取付部501kに取付けられ、外枠2の外枠上ヒンジ組立体50に回転可能に取付けられると共に、扉枠3の扉枠上ヒンジ組立体120を回転可能に取付けるものである。
本体枠上ヒンジ部材510は、水平に延びた平板状の板材の後部が下方へL字状に折り曲げられている上ヒンジ本体511と、上ヒンジ本体511の前端から上方へ円柱状に突出しており外枠上ヒンジ組立体50に軸支される本体枠上ヒンジピン512と、を備えている。上ヒンジ本体511は、水平に延びた部位における本体枠上ヒンジピン512の正面視左側で上下方向に貫通しており扉枠上ヒンジ組立体120を軸支するための扉枠用上ヒンジ孔511aを備えている。
本体枠上ヒンジ部材510は、上ヒンジ本体511における下方へ折り曲げられて上下に延びている部位が、本体枠ベースユニット500の本体枠ベース501における上ヒンジ取付部501kに取付けられる。本体枠上ヒンジ部材510は、本体枠上ヒンジピン512が、外枠上ヒンジ組立体50における外枠上ヒンジ部材51の軸受溝51c内に挿入されて軸支される。上ヒンジ本体511の扉枠用上ヒンジ孔511aには、扉枠3の扉枠上ヒンジ組立体120における扉枠上ヒンジピン122が下方から回転可能に挿入される。
この本体枠上ヒンジ部材510は、本体枠下ヒンジ組立体520と協働して、本体枠4を外枠2に対してヒンジ回転可能に取付けることができると共に、本体枠4に対して扉枠3をヒンジ回転可能に取付けることができる。
[4−3.本体枠下ヒンジ組立体]
本体枠4における本体枠下ヒンジ組立体520について、主に図81及び図82等を参照して詳細に説明する。本体枠下ヒンジ組立体520は、本体枠ベースユニット500の本体枠ベース501における下ヒンジ取付部501lに取付けられ、外枠2の外枠下ヒンジ部材60に回転可能に取付けられると共に、扉枠3の扉枠下ヒンジ部材125が回転可能に取付けられる。
本体枠下ヒンジ組立体520は、水平に延びた平板状の板材の後部が上方へL字状に折り曲げられている下ヒンジ第一本体521と、下ヒンジ第一本体521の上側に配置されており水平に延びた平板状の板材の後部が上方へL字状に折り曲げられている下ヒンジ第二本体522と、を備えている。本体枠下ヒンジ組立体520は、下ヒンジ第一本体521の水平に延びている部位から上方へ間隔をあけて下ヒンジ第二本体522の水平に延びている部位が配置されていると共に、下ヒンジ第一本体521の垂直に延びている部位の前面に、下ヒンジ第二本体522の垂直に延びている部位が当接している。
下ヒンジ第一本体521は、水平に延びている部位の前端付近で上下に貫通しており外枠2の外枠下ヒンジ部材60における外枠下ヒンジピン60cが下方から挿入される外枠用下ヒンジ孔521aを有している。外枠用下ヒンジ孔521aは、本体枠上ヒンジ部材510の本体枠上ヒンジピン512と同軸上に形成されている。
下ヒンジ第二本体522は、水平に延びている部位の前端付近で上下に貫通しており扉枠3の扉枠下ヒンジ部材125の扉枠下ヒンジピン126が上方から挿入される扉枠用下ヒンジ孔522aと、水平に延びている部位の左辺における扉枠用下ヒンジ孔522aよりも後側の位置から上方へ延出しており扉枠3の回動範囲を規制するための規制片522bと、を備えている。扉枠用下ヒンジ孔522aは、本体枠上ヒンジ部材510の上ヒンジ本体511における扉枠用上ヒンジ孔511aと同軸上に形成されている。
本体枠下ヒンジ組立体520は、下ヒンジ第一本体521と下ヒンジ第二本体522とにおける垂直に延びている部位が、本体枠ベースユニット500の本体枠ベース501における下ヒンジ取付部501lに取付けられる。本体枠下ヒンジ組立体520は、本体枠上ヒンジ部材510と協働して、本体枠4を外枠2に対してヒンジ回転可能に取付けることができると共に、本体枠4に対して扉枠3をヒンジ回転可能に取付けることができる。
[4−4.本体枠補強フレーム]
本体枠4における本体枠補強フレーム530について、主に図81及び図82等を参照して詳細に説明する。本体枠補強フレーム530は、本体枠ベースユニット500における本体枠ベース501の左側面に取付けられる。本体枠補強フレーム530は、平面視の断面形状が、右側が開放されたコ字状に形成されており、一定の断面形状で上下に延びている。本実施形態では、本体枠補強フレーム530が、金属の押出型材によって形成されている。
本体枠補強フレーム530には、前端から右方へ延びている部位の後側に、本体枠ベース501の遊技盤挿入口501bに挿入された遊技盤5が前方及び上下に移動するのを規制する左位置規制部材531が、上下に離間して二つ取付けられている。
本体枠補強フレーム530は、本体枠ベースユニット500の本体枠ベース501の左側(ヒンジ側)を補強していると共に、外枠2と本体枠4の間を通した左側からの本体枠4内(遊技盤5)への不正な工具の差し込みを防止している。
[4−5.球発射装置]
本体枠4における球発射装置540について、主に図85等を参照して詳細に説明する。図85(a)は本体枠における球発射装置を前から見た斜視図であり、(b)は球発射装置を後ろから見た斜視図である。球発射装置540は、本体枠ベースユニット500の前面下部に取付けられており、扉枠3における皿ユニット200の上皿201に貯留されている遊技球Bを、本体枠4に取付けられた遊技盤5の遊技領域5a内に打込むためのものである。球発射装置540は、扉枠3の前面右下隅のハンドルユニット180のハンドル182の回動角度に応じた強さで遊技球Bを打込むことができる。
球発射装置540は、本体枠ベースユニット500における本体枠ベース501の発射装置取付部501eに取付けられる平板状の発射ベース541と、発射ベース541の正面視右部の後面に取付けられており回動軸が発射ベース541を貫通して前方へ延出しているロータリーソレノイドからなる発射ソレノイド542と、発射ソレノイド542の回転軸に基端が取付けられている打球槌543と、打球槌543の先端付近から左斜め上方へ延出するように発射ベース541の前面に取付けられており遊技球Bが転動可能な発射レール544と、を備えている。
球発射装置540は、扉枠3の球送給ユニット140から遊技球Bが発射レール544の上面右端に供給されるようになっており、発射レール544の上面右端に遊技球Bが供給されている状態で、ハンドル182を回動操作すると、その回動操作角度に応じた強さで発射ソレノイド542が駆動して、打球槌543により遊技球Bを打球する。そして、打球槌543により打たれた遊技球Bは、発射レール544を通って遊技盤5の外レール1001及び内レール1002に案内されて遊技領域5a内に打込まれる。
なお、遊技球Bの打込強さ等の関係で、打球した遊技球Bが遊技領域5a内に到達しなかった場合は、発射レール544と遊技盤5(外レール1001及び内レール1002)との間から、下方のファールカバーユニット150のファール球受口150cへ落下し、ファールカバーユニット150内を通って下皿202に排出される。
[4−6.払出ベースユニット]
本体枠4における払出ベースユニット550について、主に図86等を参照して詳細に説明する。図86(a)は本体枠の払出ベースユニットを前から見た斜視図であり、(b)は払出ベースユニットを後ろから見た斜視図である。払出ベースユニット550は、逆L字状に形成されており、本体枠ベースユニット500の後側に取付けられる。
払出ベースユニット550は、本体枠ベースユニット500における本体枠ベース501の後側に取付けられる払出ベース551を備えている。払出ベース551は、前後方向が略一定の幅で左右に延びている天板部551aと、天板部551aの正面視左辺から前後方向の幅が天板部と略同じ幅で下方へ長く延びている左側板部551bと、天板部551aの正面視右辺から前後方向の幅が天板部551aと略同じ幅で下方へ短く延びている右側板部551cと、天板部551aの後辺から右側板部551cの下辺と同じ位置まで下方へ延びている背板上部551dと、左側板部551bの後辺よりも前方寄りの位置から右方へ略一定の幅で下端付近まで延びている背板左部551eと、背板左部551eの右辺から後方へ左側板部551bの後辺と同じ位置まで延びている内側板部551fと、左側板部551bの下辺の前部から右方へ背板左部551eの右辺と略同じ位置まで延びている底板部551gと、底板部551gの右辺と内側板部551fの下辺とを連結している連結板部551hと、を備えている。払出ベース551は、正面視において逆L字状に形成されており、前方とL字の内方へ開放された箱状に形成されている。
払出ベース551は、天板部551aが本体枠ベース501の遊技盤挿入口501bの左右方向の幅と略同じ長さで左右に延びていると共に、左側板部551bが遊技盤挿入口501bの上下方向の高さと略同じ長さで上下に延びている。払出ベース551は、天板部551a、左側板部551b、及び右側板部551cの前端が本体枠ベース501の後側に取付けられる。
また、払出ベース551は、左側板部551b、背板左部551e、及び内側板部551fによって、後方へ開放されており上下に延びている浅い凹部状の部位を備えており、その部位に払出ユニット560が取付けられる。また、払出ベース551は、内側板部551fの正面視右側面の上部において右方へ突出しており、裏カバー640が取付けられる裏カバー取付部551iを有している。
払出ベースユニット550は、払出ベース551の天板部551aの上面に取付けられており左右に延びた箱状で上方へ開放されている球タンク552と、払出ベース551の左右に延びている部位の上側における球タンク552の左側に取付けられており上方へ開放された溝状に左方へ延びているタンクレール553と、を備えている。
また、払出ベースユニット550は、タンクレール553の上端における左右方向の途中に取付けられている第一レールカバー554と、第一レールカバー554から正面視左方に離間してタンクレール553の上端に取付けられておりタンクレール553の左端まで延びている第二レールカバー555と、第一レールカバー554と第二レールカバー555の間の位置でタンクレール553の上端に取付けられている球整流部材556と、タンクレール553の下端における正面視左端付近に取付けられている球止部材557と、を備えている。
球タンク552は、左右方向が払出ベース551の天板部551aの左右方向の幅の約半分の長さに形成されていると共に、前後方向が天板部551aの前後方向の奥行よりも短い長さに形成されている。球タンク552は、天板部551aの上面において、左右方向の右寄りの位置に取付けられている。球タンク552の底面は、左端側が低くなるように傾斜している。球タンク552は、左端側がタンクレール553と連通している。
タンクレール553は、払出ベース551の天板部551aの上面における左右方向中央より左側の後端付近に取付けられている。タンクレール553は、平面視の形状が、球タンク552と連通している右端から左方且つ後方へ斜めで前後方向の奥行が遊技球Bの外径の数倍の奥行から略一つ分の奥行になるように延びた後に、前後方向の奥行が遊技球Bの外径よりも若干大きい奥行で左方へ真直ぐに延びた形状に形成されている。タンクレール553は、左端側が低くなるように底面が傾斜しており、底面の左端が遊技球Bの外径よりも若干大きい大きさで下方へ向かって開口している。タンクレール553の底面の左端の開口が、払出ユニット560の球誘導ユニット570における誘導通路570aの上端開口と連通している。
また、タンクレール553は、左方へ真直ぐに延びている部位の上端が、左端側の高さが遊技球Bの外径よりも若干大きい高さとなるように、底面よりも水平に対して急な角度で左端側が低くなるように傾斜している。タンクレール553は、左方へ真直ぐに延びている部位の後端が、天板部551aの後辺と略一致するように天板部551aの上面に取付けられる。また、タンクレール553は、左方へ真直ぐ延びている部位の上端に、第一レールカバー554、第二レールカバー555、球整流部材556、及び球止部材557が取付けられる。
第一レールカバー554及び第二レールカバー555は、タンクレール553における左方へ真直ぐに延びている部位の上端に取付けられる。第一レールカバー554及び第二レールカバー555は、タンクレール553の上端の前後方向の奥行が、タンクレール553内の遊技球Bの圧力によって、広がったり、狭くなったりするのを防止するためのものである。
球整流部材556は、タンクレール553の上端における第一レールカバー554と第二レールカバー555との間に部位において、第一レールカバー554側の端部が前後方向に延びた軸周りに対して回転可能に取付けられている。球整流部材556は、タンクレール553内へ突出し左右方向に延びている整流片556aを備えている(図92を参照)。この整流片556aによって上下二段になって流通している遊技球Bの上段側の遊技球Bの流れを遅らせて、下流側では一段となって流れるように整流することで、タンクレール553内の高さが低くなっても球詰りしないようにしている。
球止部材557は、タンクレール553の下面における正面視左端付近において、左右方向へスライド可能に取付けられており、左方へスライドさせることで、タンクレール553の底面左端の開口を閉鎖して、タンクレール553から下流の払出ユニット側へ遊技球Bが流通しないようにすることができる。
更に、払出ベースユニット550は、払出ベース551の左右に延びている部位の上面における球タンク552の正面視左方に取付けられている外部端子板558を、更に備えている。外部端子板558は、パチンコ機1とパチンコ機1が設置される遊技ホールの島設備との間で電気的な接続を行うためのものである。外部端子板558は、図示は省略するが、本体枠ベース501の遊技盤挿入口501b側へ臨んだアース接続部を備えている。アース接続部には、遊技盤5側から延びたアース線が接続される。
[4−7.払出ユニットの全体構成]
本体枠4における払出ユニット560の全体構成について、主に図87及び図88等を参照して詳細に説明する。図87(a)は本体枠における払出ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は払出ユニットを後ろから見た斜視図である。図88(a)は払出ユニットを主な構成毎に分解して前から見た分解斜視図であり、(b)は払出ユニットを主な構成毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。払出ユニット560は、払出ベースユニット550の払出ベース551の背板左部551eの後面に取付けられるものである。
払出ユニット560は、タンクレール553からの遊技球Bを蛇行状に下方へ誘導する球誘導ユニット570と、球誘導ユニット570の下側に配置されており球誘導ユニット570により誘導された遊技球Bを払出制御基板633からの指示に基づいて一つずつ払出す払出装置580と、払出装置580を通った遊技球Bを下方へ誘導する上部満タン球経路ユニット600と、上部満タン球経路ユニット600を通った遊技球Bを扉枠3側又は基板ユニット620側へ誘導する下部満タン球経路ユニット610と、を備えている。
球誘導ユニット570は、タンクレール553により一列に整列された遊技球Bを、払出装置580へ供給する。払出装置580は、球誘導ユニット570から供給された遊技球Bが流通可能な払出通路580aと、払出通路580aの途中から分岐している球抜通路580bとを有しており、通常の状態では、払出制御基板633からの指示に基づいて払出通路580aから上部満タン球経路ユニット600側へ遊技球Bを放出し、球抜レバー593が操作される球抜通路580bから上部満タン球経路ユニット600側へ遊技球Bを放出するものである。
上部満タン球経路ユニット600は、払出装置580の払出通路580aから放出された遊技球Bと、球抜通路580bから放出された遊技球Bとを、分けて下方へ誘導するものである。下部満タン球経路ユニット610は、上部満タン球経路ユニット600を介して、払出装置580の払出通路580aから放出された遊技球Bを扉枠3側へ誘導し、球抜通路580bから放出された遊技球Bを基板ユニット620側へ誘導するものである。
[4−7a.球誘導ユニット]
払出ユニット560における球誘導ユニット570について、主に図87及び図88等を参照して詳細に説明する。球誘導ユニット570は、払出ベースユニット550における払出ベース551の背板左部551eの後面上部に後方から取付けられ、タンクレール553からの遊技球Bを受取って払出装置580側へ遊技球Bを誘導するためのものである。
球誘導ユニット570は、遊技球Bが流通可能な蛇行状に延びた誘導通路570aを有しており前方へ開放されている箱状の誘導ユニットベース571と、誘導ユニットベース571の前側を閉鎖している平板状の誘導通路前蓋572と、誘導通路570a内を流通する遊技球Bにより可動する可動片部材573と、可動片部材573の可動を検知することで誘導通路570a内の遊技球Bの有無を検知する球切検知センサ574と、を備えている(図92を参照)。
球誘導ユニット570は、誘導ユニットベース571及び誘導通路前蓋572の正面視の形状が、上下に延びた四角形に形成されている。誘導通路570aは、誘導ユニットベース571の上面の左端付近において上方へ開口しており、上端から誘導ユニットベース571の高さ方向中央付近まで垂直に下方へ延びた後に、右方へ屈曲し、誘導ユニットベース571の左右方向の幅の間で折返しを繰返しながら蛇行状に下方へ延びて、誘導ユニットベース571の下面の左端付近において下方へ開口している。
誘導通路570aは、遊技球Bが流通する流通方向に対して、前後右方の奥行と、左右方向の幅とが、遊技球Bの外径よりも若干大きく形成されており、遊技球Bを一列で誘導することができる。
球誘導ユニット570は、上部付近において、可動片部材573が誘導通路570a内へ進退可能に取付けられている。詳しくは、可動片部材573は、上部が誘導通路570aの正面視右外側の部位で前後に延びた軸周りに回転可能に取付けられており、自重により下端の一部が誘導通路570a内へ突出するように形成されている。この可動片部材573は、誘導通路570a内へ突出している部位に遊技球Bが当接することで、突出している部位が遊技球Bに押されて誘導通路570a内から後退して突出していない状態となる。
球切検知センサ574は、可動片部材573の一部が誘導通路570a内へ突出している時には、可動片部材573を検知せず、可動片部材573の一部が誘導通路570a内から後退して突出していない時には、可動片部材573を検知する。従って、球切検知センサ574は、誘導通路570a内に遊技球Bが存在している時には検知の状態となり、誘導通路570a内に遊技球Bが存在していない時には非検知の状態となる。
球誘導ユニット570は、本体枠4に組立てた状態で、誘導通路570aの上流端が、タンクレール553の下流端と連通していると共に、誘導通路570aの下流端が、払出装置580の払出通路580aの上流端と連通している。球誘導ユニット570は、遊技球Bを誘導する誘導通路570aが蛇行状に延びていることから、球誘導ユニット570の全高によりも誘導通路570aが長く延びており、誘導通路570a内に多くの遊技球Bを貯留することができる。また、球誘導ユニット570は、球切検知センサ574によって誘導通路570a内の遊技球Bの有無を検知することができるため、誘導通路570aを介して球タンク552内の遊技球Bの有無を検知することができる。
[4−7b.払出装置]
払出ユニット560における払出装置580について、主に図87乃至図90等を参照して詳細に説明する。図89は、払出ユニットの払出装置を払出羽根の前後方向中央で切断した背面断面図である。図90(a)は球抜可動片が開状態の時に払出装置を払出羽根の前後方向中央で切断した背面断面図であり、(b)は(a)におけるA−A線で切断した断面図である。払出装置580は、払出ベースユニット550の払出ベース551における背板左部551eの後面の球誘導ユニット570の下側に後方から着脱可能に取付けられる。
払出装置580は、後方へ開放された箱状で遊技球Bが流通可能な払出通路580a及び払出通路580aの途中から分岐している球抜通路580bを有している払出装置本体581と、払出装置本体581を後側から閉鎖している平板状の払出装置後蓋582と、払出装置本体581の前側に取付けられており後方へ開放された浅い箱状の払出装置前蓋583と、を備えている。
また、払出装置580は、払出装置本体581の後面に取付けられており回転軸が払出装置本体581と払出装置前蓋583との間に突出している払出モータ584と、払出モータ584の回転軸に取付けられている平歯車状の駆動ギア585と、駆動ギア585と噛合しており払出装置本体581と払出装置前蓋583とによって回転可能に取付けられている平歯車状の第一伝達ギア586と、第一伝達ギア586と噛合しており払出装置本体581と払出装置前蓋583とによって回転可能に取付けられている平歯車状の第二伝達ギア587と、第二伝達ギア587と噛合している平歯車状の払出ギア588a及び払出ギア588aよりも外方へ延出している複数の検知片588bを有し払出装置本体581と払出装置前蓋583との間で回転可能に取付けられている払出ギア部材588と、払出装置本体581と払出装置後蓋582との間で払出ギア部材588と一体回転し払出通路580a内に突出している複数の羽根片589aを有した払出羽根589と、払出装置本体581の後側に取付けられており払出ギア部材588の検知片588bを検知する羽根回転検知センサ590と、を備えている。
更に、払出装置580は、払出通路580aの下流端において払出装置本体581と払出装置後蓋582とによって取付けられており遊技球Bを検知する払出検知センサ591と、払出装置本体581と払出装置後蓋582とによって払出通路580aから分岐する部位で球抜通路580bを開閉可能に取付けられている球抜可動片592と、球抜可動片592が球抜通路580bを閉鎖している位置で保持可能とされており払出装置本体581と払出装置後蓋582とによって上下方向へスライド可能に取付けられている球抜レバー593と、を備えている。
払出装置580は、平面視の形状が上下に延びた四角形に形成されている。払出装置580は、左右方向の幅が、球誘導ユニット570の左右方向の幅よりも正面視右方へ大きく形成されている。
払出装置580の払出通路580aは、図89に示すように、背面視において、上流端が左右方向の中央から左寄りの位置で上方へ開口しており、下流端が左右方向の右端付近の位置で下方へ開口している。払出通路580aは、上流端から下方へ向かうに従って少しずつ左方へ移動するように上から全高の約1/3の高さほど下方へ斜めに延び、そこから右方やや斜め下へ折れ曲がった後に、左右の幅の約1/3のところで折れ曲がって払出羽根589の中心(回転軸)へ向かうように下方へ略垂直に延びている。そして、払出羽根589の中心よりも上側において、遊技球Bの外径よりも若干大きい幅で背面視右方へ折れ曲がった後に、払出羽根589の外周との間に遊技球Bよりも若干大きい隙間が形成されるように払出羽根589と同心円の円弧状に下方へ延びた上で、払出羽根589の中心よりも背面視右方の位置で下流端まで下方へ垂直に延びている。
払出通路580a内において、払出羽根589よりも下方で下流端の直上に払出検知センサ591が配置されている。
球抜通路580bは、払出通路580a内における上流端から斜め下方へ延びて右方へ折れ曲がっている部位で分岐して、背面視左辺に沿って下端まで垂直に延びており、底面の背面視における左端付近で下方へ開口している。
払出装置本体581及び払出装置後蓋582は、払出通路580aと球抜通路580bとが分岐している部位における球抜可動片592が取付けられている側において、互いに対向し遊技球Bの外径よりも狭い隙間を形成するように夫々から後方及び前方へ突出していると共に、夫々が払出通路580aと球抜通路580bの背面視における左側壁と連続するように形成されている本体側ガイド壁581a及び後蓋側ガイド壁582aを備えている。本体側ガイド壁581a及び後蓋側ガイド壁582aは、払出通路580aにおける球抜通路580bと分岐して上から約1/3の高さの位置で背面視右方へ延びている部位の背面視左方の位置に形成されている。本体側ガイド壁581a及び後蓋側ガイド壁582aは、背面視において左斜め上へ窪むように湾曲しており、主に球抜通路580bの側壁を構成するように形成されている。本体側ガイド壁581aと後蓋側ガイド壁582aとの間を通って球抜可動片592が回動する。
払出モータ584は、払出装置本体581における払出通路580aが上流端から斜め下方へ延びている部位の背面視右方に取付けられている。駆動ギア585、第一伝達ギア586、第二伝達ギア587、及び払出ギア部材588は、払出装置本体581の前方に配置されており、前側が払出装置前蓋583によって被覆されている。払出ギア部材588は、外方へ延出している平板状の検知片588bが、周方向へ120度の角度の間隔で三つ備えられている。
払出羽根589は、払出装置本体581と払出装置後蓋582との間に配置されている。払出羽根589は、外方へ平板状に延出している複数の羽根片589aが、周方向へ120度の角度の間隔で三つ備えられている。羽根片589aは、払出通路580a内における上方から回転軸に向かって延びた後に背面視右方へ延びている部位において、払出通路の側壁との間が遊技球Bの外径よりも狭くなるように、払出通路580a内へ突出している。払出羽根589は、三つの羽根片589aの間に、中心側へ遊技球Bの半径よりも若大きい半径の円弧で窪んだ球収容部589bを備えている。この球収容部589bには、遊技球Bを一つのみ収容可能とされている。これにより、払出羽根589は、羽根片589aによって払出通路580a内の遊技球Bが、払出羽根589よりも下流側へ移動するのを規制することができると共に、背面視時計回りの方向へ回転することで球収容部589bに収容された遊技球Bを下流側へ移動させることができる。
払出ギア部材588と払出羽根589は、払出装置後蓋582と払出装置前蓋583とによって同軸上で一体回転可能に取付けられている。羽根回転検知センサ590は、背面視において、払出ギア部材588の回転軸の背面視左方に配置されている。羽根回転検知センサ590は、払出羽根589と一体回転する払出ギア部材588の検知片588bを検知することで、払出羽根589の回転を検知するためのものである。
球抜可動片592は、上端が、本体側ガイド壁581a及び後蓋側ガイド壁582aの上端において前後に延びた軸周りに回転可能に取付けられている。球抜可動片592は、く字状に屈曲しており、窪んでいる側が払出通路580a内を向くように取付けられている。球抜可動片592は、前後方向の奥行が、本体側ガイド壁581aと後蓋側ガイド壁582aとの間の隙間よりも小さく形成されており、本体側ガイド壁581a及び後蓋側ガイド壁582aの間の隙間を通って、球抜通路580b内へ突出したり球抜通路580b外へ後退したりすることができる。
球抜レバー593は、球抜可動片592の上端付近の背面視左方において上下方向へスライド可能に、払出装置本体581及び払出装置後蓋582に取付けられている。球抜レバー593は、一部が払出装置後蓋582を貫通して後方へ突出しており、その突出している部位を操作することで、スライドさせることができる。球抜レバー593は、下降端に位置させることで、下部が球抜可動片592と当接可能となり、球抜可動片592の背面視時計回りの方向への回動を規制することができ、球抜可動片592によって球抜通路580bを閉鎖させることができる。また、球抜レバー593は、上昇端に位置させることで、球抜可動片592を球抜通路580bの外側へ回動できるようにすることができ、球抜通路580bを開くことができる(図90を参照)。
球抜レバー593を上昇させて球抜可動片592を回動可能な状態とすると、球抜可動片592の上流側で数珠繋ぎのような状態となっていた遊技球Bが、球抜可動片592を越えて球抜通路580b側へ流下することとなる。この際に、球抜通路580bが払出通路580aの上流側から真直ぐに直線状に延びているため、払出通路580aの上流から流下してきた遊技球Bが、真直ぐに球抜通路580b側へ流下すると共に、球抜通路580bの下流側が島設備側に連通していることから、払出羽根589のように遊技球Bの流れを抑制するようなものがないため、遊技球Bが払出通路580a側よりも早く流下することとなる。
このように、球抜可動片592を回動可能としている状態では、球抜通路580b内を遊技球Bが早い速度で流下することから、球抜通路580b内に突出している球抜可動片592の下端側に遊技球Bが勢い良く当接することとなるが、球抜可動片592が払出装置本体581の本体側ガイド壁581aと払出装置後蓋582の後蓋側ガイド壁582aとの間を通して球抜通路580bの内面よりも外側へ移動することができることから、その当接の力によって球抜可動片592が球抜通路580bの外側へ移動することとなるため、球抜可動片592が球抜通路580bの壁面と遊技球Bとの間に挟まれることはなく、遊技球Bにより球抜可動片592に強い力が作用しないようにすることができ、遊技球Bの衝突による球抜可動片592の耐久性の低下や破損を抑制させることができる。
このようなことから、球抜可動片592を破損し難くすることができることから、球抜通路580bの下流側の島設備側へより多くの遊技球Bをより早く排出させることができるため、パチンコ機1の交換やメンテナンス等にかかる時間の増加を抑制させることができ、遊技ホール側の負担を軽減させることができる。
また、球抜可動片592が回動可能な状態の時に、球抜可動片592が遊技球Bよりも狭い間隔の本体側ガイド壁581aと後蓋側ガイド壁582aとの間を通して球抜通路580bの外側へ移動するため、球抜通路580b内に突出している球抜可動片592に遊技球Bが当接することで球抜可動片592が本体側ガイド壁581aと後蓋側ガイド壁582aとの間を通して外側へ移動する際に、球抜可動片592と一緒に遊技球Bが本体側ガイド壁581aと後蓋側ガイド壁582aとの間側へ移動しても、遊技球Bよりも間隔の狭い本体側ガイド壁581aと後蓋側ガイド壁582aとの間により、遊技球Bのみが外側への移動を阻止することができる。
そして、本体側ガイド壁581aと後蓋側ガイド壁582aとの間によって遊技球Bの外側への移動が阻止されることで、球抜可動片592から遊技球Bが離れることとなり、その後の球抜可動片592の移動が慣性力によることとなるため、球抜可動片592に対して強い力が作用することはなく、球抜可動片592を破損し難くすることができると共に、本体側ガイド壁581aと後蓋側ガイド壁582aとの間から遊技球Bが球抜通路580bの外側へ飛び出すことはなく、遊技球Bを球抜通路580bの下流側へ確実に流通させることができる。
[4−7c.上部満タン球経路ユニット]
払出ユニット560における上部満タン球経路ユニット600について、主に図87及び図88等を参照して詳細に説明する。上部満タン球経路ユニット600は、払出ベースユニット550における払出ベース551の背板左部551eの後面下部で払出装置580の下側に後方から取付けられる。上部満タン球経路ユニット600は、払出装置580から下方へ放出され遊技球Bを、下部満タン球経路ユニット610へ誘導するためのものである。上部満タン球経路ユニット600は、正面視の形状が上下に延びた四角形に形成されている。
上部満タン球経路ユニット600は、払出ベース551に取付けられ後側が開放された箱状の上部満タンベース601と、上部満タンベース601の後側に取付けられており前側が開放された箱状の上部満タンカバー602と、上部満タンカバー602の上端付近に回転可能に取付けられており払出装置580を上方へ押圧可能な払出装置押圧部材603と、を備えている。上部満タンベース601は、正面視右辺から右方へ突出しており、裏カバーを取付けるための裏カバー取付部601aを備えている。
また、上部満タン球経路ユニット600は、上面における正面視左端付近において上方へ開口しており下から全高の約2/3の高さの位置まで左辺に沿って下方へ延出している上部払出球受通路600aと、上部払出球受通路600aと連通しており正面視右方へ全幅の約3/4ほど延びていると共に下から全高の約1/6の高さまで下方へ延出している上部球貯留通路600bと、上部球貯留通路600bの左右方向中央より正面視左側から下方へ延びており下面において下方へ開口している上部通常払出通路600cと、上部通常払出通路600cと隣接し上部球貯留通路600bの左右方向中央より正面視右側から下方へ延びており下面において下方へ開口している上部満タン払出通路600dと、上面における正面視右端付近において上方へ開口して下方へ略垂直に延びた後に下面の右端付近において下方へ開口している上部球抜通路600eと、を備えている(図92を参照)。
上部満タン球経路ユニット600は、下面において、正面視左側から、上部通常払出通路600c、上部満タン払出通路600d、及び上部球抜通路600eが、順に並んで下方へ開口している。上部満タン球経路ユニット600は、払出ユニット560に組立てた状態で、上部払出球受通路600aの上流端が、払出装置580における払出通路580aの下流端の直下で開口しており、上部球抜通路600eの上流端が、払出装置580における球抜通路580bの下流端の直下で開口している。これにより、払出装置580の払出通路580aから放出(払出)された遊技球Bは、上部払出球受通路600a及び上部球貯留通路600bを通って、上部通常払出通路600c又は上部満タン払出通路600dの何れかから下方へ放出される。また、払出装置580の球抜通路580bから下方へ放出された遊技球Bは、上部球抜通路600eを通って下方へ放出される。
[4−7d.下部満タン球経路ユニット]
払出ユニット560における下部満タン球経路ユニット610について、主に図87及び図88等を参照して詳細に説明する。下部満タン球経路ユニット610は、払出ベースユニット550における払出ベース551の底板部551gに載置されると共に、上部満タン球経路ユニット600の下部に取付けられる。下部満タン球経路ユニット610は、上部満タン球経路ユニット600から下方へ放出された遊技球Bを、扉枠3側へ誘導したり、基板ユニット620側へ誘導したりするものである。下部満タン球経路ユニット610は、前端側が低くなるように前後方向に延びていると共に、後端が上方へ延びている。
下部満タン球経路ユニット610は、下部通常払出通路610a、下部満タン払出通路610b、及び下部球抜通路610cを有しており前後方向に延びていると共に上方へ開放されている下部満タンベース611と、下部満タンベース611の上側に取付けられている下部満タンカバー612と、下部満タンベース611の前端に前後に延びた軸周りに回動可能に取付けられており下部通常払出通路610a及び下部満タン払出通路610bの下流端開口を開閉可能としている払出通路開閉扉613と、下部通常払出通路610a及び下部満タン払出通路610bの下流端開口を閉鎖する方向へ払出通路開閉扉613を付勢している閉鎖バネ614と、を備えている。
下部満タン球経路ユニット610は、後端の上方へ延びている部位の上面に、正面視左から順に、下部通常払出通路610a、下部満タン払出通路610b、及び下部球抜通路610cが並んだ状態で、夫々の上流端が上方へ向かって開口している。下部通常払出通路610a及び下部満タン払出通路610bは、左右に並んだ状態で前方へ延びた上で、下部満タン球経路ユニット610の前端において前方へ向かって開口している。下部満タン払出通路610bは、下部通常払出通路610aよりも若干低い状態で前方へ延びている。下部球抜通路610cは、下部満タン払出通路610bの正面視右側面に沿って前方へ延びており、前後方向の途中において右方へ向かって開口している。
払出通路開閉扉613は、下部通常払出通路610aと下部満タン払出通路610bとの夫々の前端開口の間の位置で回動可能に取付けられている。この払出通路開閉扉613は、閉鎖バネ614によって正面視時計回りの方向へ付勢されており、通常の状態では、下部通常払出通路610a及び下部満タン払出通路610bの夫々の前端開口(下流端開口)を閉鎖している。払出通路開閉扉613は、前方へ突出している作動突部613aを備えている。作動突部613aは、正面視の形状が、払出通路開閉扉613の回動中心を中心とした短い円弧状に形成されており、前端面が、反時計回りの方向の端部側へ近付くに従って前方へ突出するように傾斜している。この作動突部613aは、本体枠4に対して扉枠3を閉めた時に、扉枠3におけるファールカバーユニット150の扉開閉当接部150fと当接するように形成されている。
下部満タン球経路ユニット610は、払出ユニット560に組立てた状態で、後部上端において上方へ開口している下部通常払出通路610a、下部満タン払出通路610b、下部球抜通路610cが、夫々上部満タン球経路ユニット600の上部通常払出通路600c、上部満タン払出通路600d、及び上部球抜通路600eの下流端の直下に位置している。これにより、上部通常払出通路600cから下方へ放出された遊技球Bは、下部通常払出通路610aを流通し、上部満タン払出通路600dから下方へ放出された遊技球Bは下部満タン払出通路610bを流通し、上部球抜通路600eから下方へ放出された遊技球Bは下部球抜通路610cを流通することとなる。
また、下部満タン球経路ユニット610は、パチンコ機1に組立てた状態で、下部通常払出通路610a及び下部満タン払出通路610bの前端(下流端)が、扉枠3におけるファールカバーユニット150の貫通球通路150a及び満タン球受口150bの直後で開口している。また、下部球抜通路610cの下流端は、基板ユニット620のベースユニット620bにおける左方へ開口した球抜誘導部627と対向するように開口している。
下部満タン球経路ユニット610は、通常の状態(本体枠4に対して扉枠3を閉じている状態)では、払出通路開閉扉613の作動突部613aがファールカバーユニット150の扉開閉当接部150fと当接することで、閉鎖バネ614の付勢力に抗して正面視反時計回りの方向へ回動している。これにより、下部通常払出通路610a及び下部満タン払出通路610bの夫々の下流端の開口が開いた状態となっており、ファールカバーユニット150の貫通球通路150a及び満タン球受口150bと連通した状態となっている。
一方、本体枠4に対して扉枠3を開いた状態とすると、払出通路開閉扉613の作動突部613aがファールカバーユニット150の扉開閉当接部150fから離れることとなり、払出通路開閉扉613が閉鎖バネ614の付勢力によって正面視時計回りの方向へ回動し、下部通常払出通路610a及び下部満タン払出通路610bの夫々の下流端の開口が閉じられた状態となる。この状態では、下部通常払出通路610a及び下部満タン払出通路610b内の遊技球Bが、夫々の前端開口から前方へ移動することができなくなる。これにより、本体枠4に対して扉枠3を開けても、下部通常払出通路610a及び下部満タン払出通路610bから遊技球Bがこぼれることはない。
[4−7e.払出ユニットにおける遊技球の流れ]
続いて、払出ユニット560における遊技球Bの流れについて、主に図92を参照して詳細に説明する。払出ユニット560は、本体枠4に組立てた状態では、払出ベース551の後面に取付けられている。通常の状態では、払出装置580の球抜レバー593が下降端に位置しており、払出通路580aから分岐している球抜通路580bを分岐部分において閉鎖している。また、下部満タン球経路ユニット610では、払出通路開閉扉613が開状態となっている。
上方へ開放されている球タンク552には、パチンコ機1を設置している遊技ホール島設備から、例えば、球誘導ユニット570の球切検知センサ574による球切れの検知に基づいて、所定数の遊技球Bが供給される。球タンク552に供給・貯留された遊技球Bは、タンクレール553によって一列に整列された状態で、球誘導ユニット570の誘導通路570aを通って払出装置580の払出通路580a内へと送られる。払出モータ584が回転していない状態では、遊技球Bが払出羽根589よりも下流側へ移動(流下)することができず、払出羽根589よりも上流側に複数の遊技球Bが滞留した状態となる。
そして、球誘導ユニット570の誘導通路570a内の遊技球Bが可動片部材573を押圧し、球切検知センサ574が可動片部材573を検知することなる。これにより、少なくとも可動片部材573から払出羽根589までの間の通路内に遊技球Bが貯留されていることが判る。
この状態で、払出モータ584により払出羽根589が背面視時計周りの方向へ回転すると、球収容部589bに収容された遊技球Bが背面視時計回りの方向へ移動し、払出通路580aにおける払出羽根589よりも下流側へ放出される。そして、払出羽根589(球収容部589b)から放出された遊技球Bは、払出検知センサ591に検知された後に、上部満タン球経路ユニット600の上部払出球受通路600aへと送られる。
上部満タン球経路ユニット600の上部払出球受通路600aへ送られた遊技球Bは、通常の状態では、上部球貯留通路600bを通って、上部払出球受通路600aの直下に配置されている上部通常払出通路600cへと流下する。そして、上部通常払出通路600cへと流下した遊技球Bは、下部満タン球経路ユニット610の下部通常払出通路610a、扉枠3のファールカバーユニット150の貫通球通路150aを通って、皿ユニット200における皿ユニットベース211の上皿球供給口211aから上皿201内へ放出される。
払出装置580から多くの遊技球Bが払出されて、上皿201内が遊技球Bで一杯になると、上皿球供給口211aから前方へ遊技球Bを放出することができなくなるため、払出装置580から払出された遊技球Bが、下部満タン球経路ユニット610の下部通常払出通路610a内に滞留するようになり、更に遊技球Bが払出されると、下部通常払出通路610aと上流側で連通している上部満タン球経路ユニット600の上部通常払出通路600c内にも滞留することとなる。そして、上部通常払出通路600c内が遊技球Bで一杯になった状態で、更に遊技球Bが払出されると、上部通常払出通路600cの上流側で連通している上部球貯留通路600b内に遊技球Bが滞留し始める共に、遊技球Bが上部通常払出通路600cと隣接している上部満タン払出通路600d側へ流下し初める。
そして、上部満タン払出通路600d側へ流下した遊技球Bは、下部満タン球経路ユニット610の下部満タン払出通路610bを通って、扉枠3のファールカバーユニット150における満タン球受口150bに受けられる。その後、満タン球受口150bに受けられた遊技球Bは、貯留通路150e、球放出口150d、及び皿ユニットベース211の下皿球供給口211cを通って下皿202内へ放出される。これにより、上皿201が遊技球Bで満タンになった状態で、更に遊技球Bが払出された場合、遊技球Bを自動的に下皿202へ払出させることができる。
なお、下皿202が遊技球Bで一杯になって、下皿球供給口211cから前方へ遊技球Bを放出することができなくなった状態で、更に遊技球Bが払出されると、下皿球供給口211cの上流側のファールカバーユニット150の貯留通路150e内に遊技球Bが滞留して貯留されることとなる。そして、貯留通路150e内にある程度の数の遊技球Bが貯留されると、可動片153が可動して満タン検知センサ154に検知され、上皿201及び下皿202が遊技球Bで満杯(満タン)になっていることを遊技者に案内すると共に、払出装置580の払出モータ584を、満タン検知センサ154が非検知の状態となるまで一時的に停止させる。
パチンコ機1のメンテナンスや交換等の際に、球タンク552内に貯留されている遊技球Bをパチンコ機1から排出する場合は、払出装置580の球抜レバー593を下降端の位置から上方へスライドさせて上昇端の位置の状態とする。その後、球抜可動片592の下端側が遊技球Bに押されて、背面視時計回りの方向へ回動することとなり、球抜可動片592が本体側ガイド壁581aと後蓋側ガイド壁582aとの間を通って、球抜通路580bの外側へ押し出された状態となる。これにより、払出通路580aから分岐している球抜通路580bへ遊技球Bが進入可能となり、上流側の遊技球Bが球抜通路580bを通って下方へ放出される。
この際に、球抜可動片592の部位では、流下する遊技球Bが、球抜可動片592よりも本体側ガイド壁581a及び後蓋側ガイド壁582aに強く当接するため、球抜可動片592が破損し難くなっている。
そして、払出装置580の球抜通路580bから下方へ放出された遊技球Bは、上部満タン球経路ユニット600の上部球抜通路600e、及び下部満タン球経路ユニット610の下部球抜通路610cを通って、下部球抜通路610cの下流端開口から基板ユニット620の球抜誘導部627へ放出された後に、排出球受部628及び球排出口629を通ってパチンコ機1の後方外部(遊技ホールの島設備側)に排出される。
[4−8.基板ユニット]
本体枠4における基板ユニット620について、主に図93乃至図97等を参照して詳細に説明する。図93(a)は本体枠の基板ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は基板ユニットを後ろから見た斜視図である。図94は、基板ユニットを後ろ下から見た斜視図である。図95は基板ユニットを主な構成毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図96は基板ユニットを主な構成毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。図97は、左右方向中央で切断したパチンコ機の下部を示す拡大側面断面図である。基板ユニット620は、本体枠ベースユニット500の後面下部に取付けられている。
基板ユニット620は、本体枠ベースユニット500における本体枠ベース501の後面における遊技盤載置部501cよりも下側に取付けられるスピーカユニット620aと、スピーカユニット620aの一部を後方から覆うように本体枠ベース501の後面に取付けられるベースユニット620bと、ベースユニット620bの後側に取付けられている電源ユニット620cと、電源ユニット620cの後側に取付けられている払出制御ユニット620dと、払出制御ユニット620dの一部を後方から覆うようにスピーカユニット620aの後面に取付けられているインターフェイスユニット620eと、を備えている。
スピーカユニット620aは、本体枠ベースユニット500における本体枠ベース501の後面における遊技盤載置部501cよりも下側に取付けられるスピーカカバー621と、スピーカカバー621の後面における正面視左端付近において前方へ向けて取付けられている本体枠スピーカ622と、本体枠スピーカ622の後側を覆うようにスピーカカバー621の後側に取付けられており前方へ開放された容器状のスピーカボックス623と、を備えている。
スピーカカバー621は、左右方向へ延びており、正面視左端付近において前後に貫通しており上下に延びた複数のスリットにより構成されている円形状のスピーカ取付部621aと、スピーカ取付部621aの正面視右方側で後方から前方へ膨出するように窪んでいる空間用前凹部621bと、空間用前凹部621bの下面から下方へ突出していると共に左右方向へ延びており斜め下後へ向けて開口している接続部621cと、を備えている。
スピーカカバー621のスピーカ取付部621aに、後側から本体枠スピーカ622が前方へ向けて取付けられる。また、スピーカカバー621の接続部621cは、下端が外枠2の外枠下組立体40における幕板後部材43の接続筒部43aの上端と一致するように45度の角度で傾斜している。本体枠スピーカ622は、主に低音を出力するコーン型スピーカとされている
スピーカボックス623は、前方へ開放された容器状に形成されており、本体枠スピーカ622の後側となる部位が後方へ最も大きく突出しており、正面視右方へ向かうに従って、階段状に後方への突出が小さくなるように形成されている。これにより、スピーカボックス623の正面視中央より右側の後方の空間を十分に確保することができ、ベースユニット620bや電源ユニット620c等が配置できるようにしている。スピーカボックス623は、スピーカカバー621の接続部621cを除いた後面の全体を被覆する(閉じる)ように形成されている。
スピーカユニット620aは、スピーカカバー621とスピーカボックス623とで本体枠スピーカ622から後方へ出力されるサウンドを封じ込めるエンクロージャ624の一部を形成している。このエンクロージャ624は、スピーカカバー621においてスピーカ取付部621aの正面視右方に前方へ膨出した空間用前凹部621bが形成されていることから、スピーカボックス623が右方へ向かうに従って後方への突出量が小さくなるように階段状に形成されていても、本体枠スピーカ622よりも右方の空間を充分に広く確保されている。
スピーカユニット620aは、外枠2に対して本体枠4を閉じた状態とすると、スピーカカバー621の接続部621cがシール部材48を挟むように接続筒部43aに接続され、本体枠スピーカ622の後方の空間と、外枠2の幕板内部空間40aとが連通した状態となる。従って、本体枠スピーカ622の後側に、スピーカカバー621、スピーカボックス623、幕板前部材42、及び幕板後部材43によって、広い空間のエンクロージャ624を形成することができ、本体枠スピーカ622の後方へ出力されたサウンドを幕板前部材42の開口部42aから前方へ出力(放射)させることができる。
詳述すると、上述したように、スピーカユニット620aでは、本体枠スピーカ622の後方の空間(エンクロージャ624の一部)を、比較的広い奥行で正面視右方まで延出させて、接続部621c及び接続筒部43aを介して外枠下組立体40側へ連通させていることから、本体枠スピーカ622から後方へ出力されたサウンドにおいて、特に低音域を減衰させることなく、外枠下組立体40側へ伝達させることができると共に、伝達された低音域を二つのポート部材47を通すことで共振・増幅させて幕板前部材42の開口部42aから前方へ放射することができる。
この際に、幕板前部材42の開口部42aから前方へ放射されるサウンドは、位相が反転された状態で、放射されるようにしているため、本体枠スピーカ622の前面から出力されて皿ユニット200のスピーカ口211bから放射されたサウンドに対して、増幅させるように共振することとなり、本体枠スピーカ622の口径が小さくても重低音が響く大きなサウンドを出力することができる。
つまり、本実施形態では、本体枠スピーカ622のエンクロージャ624がバスレフ型とされており、遊技者に対して重低音を聞かせることができる。これにより、本体枠スピーカ622の前面から出力されて皿ユニット200のスピーカ口211bから放射されるサウンドと、本体枠スピーカ622の後面から出力されて外枠2のグリル部材46から放射されるサウンドとによって、豊かな低音を有したサウンドを遊技者に聴かせることができる。
また、スピーカユニット620aは、スピーカカバー621に、スピーカ取付部621aの下部と空間用前凹部621bとの間の位置で前後方向に貫通している貫通口621dが形成されていると共に、スピーカボックス623に、貫通口621dと連通して筒状に延びており前後に貫通している貫通筒623aが形成されている。スピーカユニット620aに組立てた状態では、貫通口621dと貫通筒623aが互いに連通し、エンクロージャ624とは独立した状態となる。これら貫通口621d及び貫通筒623aには、接続ケーブル503が挿通される。
基板ユニット620のベースユニット620bは、スピーカボックス623の一部を後方から覆うように本体枠ベース501の後面に取付けられる前ベース625と、前ベース625の後側に取付けられており後面に電源ユニット620cが取付けられる後ベース626と、を備えている。
また、ベースユニット620bは、前ベース625と後ベース626とで協働して形成しており、下部満タン球経路ユニット610の下部球抜通路610cから放出された遊技球Bを受取って正面視右方へ誘導する球抜誘導部627と、球抜誘導部627の下流側で正面視右方において上方へ開口しており遊技盤5から下方に排出された遊技球Bを受ける排出球受部628と、球抜誘導部627及び排出球受部628を通った遊技球Bを下方へ排出する球排出口629と、を備えている。
球抜誘導部627は、上流端が正面視において左側面の上部に左方へ向けて開口しており、下流端が排出球受部628の左端側に開口している。球抜誘導部627は、本体枠4に組立てた状態で、上流端の開口が、下部満タン球経路ユニット610の下部球抜通路610cの下流端開口と一致するように対向しており、下部球抜通路610cから放出された遊技球Bを受取って、排出球受部628へ誘導することができる。
排出球受部628は、上方へ開放されていると共に、左右に長く延びている。排出球受部628の底面は、正面視左端が球抜誘導部627の底面と連続しており、右方へ向かうに従って低くなるように傾斜している。
ベースユニット620bは、球タンク552から抜かれた遊技球Bや、遊技盤5から排出された遊技球Bを、球抜誘導部627や排出球受部628によって正面視右方へ誘導した後に、球排出口629から下方へ排出するようにしているため、正面視において左右方向中央より左側の空間を広く確保し易くすることができる。これにより、スピーカユニット620aのエンクロージャ624の空間を広くすることができ、従来のパチンコ機よりも豊かな低音を有したサウンドを遊技者に聴かせることができる。
基板ユニット620の電源ユニット620cは、ベースユニット620bの後ベース626の後側に取付けられている電源基板630と、電源基板630の後側を覆うように後ベース626に取付けられている電源基板カバー631と、を備えている。
払出制御ユニット620dは、電源ユニット620cにおける電源基板カバー631の後側に着脱可能に取付けられる箱状の払出制御基板ボックス632と、払出制御基板ボックス632内に収容されている払出制御基板633(図97を参照)と、を備えている。払出制御基板633は、皿ユニット200における球貸操作ユニット220の球貸ボタン224の押圧操作や、遊技盤5の主制御基板等からの払出コマンドに応じて、払出装置580の払出モータ584を制御して、指示された数の遊技球Bを遊技者側(上皿201又は下皿202)に払出すためのものである。払出制御基板ボックス632は、開閉の痕跡が残るように形成されている。これにより、払出制御基板633に対する不正な改造を察知することができ、不正行為に対する抑止力を高めている。
インターフェイスユニット620eは、スピーカユニット620aにおけるスピーカボックス623の後側に取付けられている基板ベース634と、基板ベース634の後面に取付けられているインターフェイス基板635と、インターフェイス基板635の後側を覆うように基板ベース634に取付けられているインターフェイス基板カバー636と、を備えている。
基板ベース634は、スピーカボックス623の後面における本体枠スピーカ622の後方となる後方へ最も突出している部位に取付けられている。インターフェイス基板635は、接続ケーブル503の一方(本体枠4側)の端部が接続されている。インターフェイス基板635は、電源基板630、払出制御基板633、主制御基板、周辺制御基板、等が接続されると共に、パチンコ機1の外部に設置されているCRユニットと接続される。インターフェイス基板カバー636は、払出制御ユニット620dの一部を覆うように基板ベース634(インターフェイス基板635)よりも正面視右方へ延出している。
[4−9.裏カバー]
本体枠4における裏カバー640について、主に図76乃至図82を参照して詳細に説明する。裏カバー640は、本体枠ベースユニット500の本体枠ベース501の遊技盤挿入口501b内に前方から挿入されて取付けられた遊技盤5の後側を覆うものである。裏カバー640は、正面視における右辺が、本体枠ベース501の後方延出部501jの上下に延びている後端に、上下に延びた軸周りに回転可能に取付けられ、左辺が、払出ベース551の裏カバー取付部551iと上部満タン球経路ユニット600の裏カバー取付部601aとに取付けられる。
裏カバー640は、上下左右に延びた平板の正面視右辺側が前方へ折り曲げられたような形状に形成されており、本体枠4に組立てた状態で、後面が払出ベース551の背板上部551dの後面と略同一面上に位置するように形成されている。裏カバー640は、前後に貫通し上下に延びている複数のスリット641が形成されている。本実施形態では、裏カバー640は、透明な合成樹脂によって形成されており、パチンコ機1の後側から本体枠4内を視認することができる。
[4−10.施錠ユニット]
本体枠4における施錠ユニット650について、主に図98を参照して詳細に説明する。図98(a)は本体枠の施錠ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は施錠ユニットを後ろから見た斜視図である。施錠ユニット650は、本体枠4の本体枠ベース501に取付けられ、本体枠4と扉枠3、本体枠4と外枠2、との間を施錠するものである。
施錠ユニット650は、本体枠ベース501の後方延出部501jの右側面に取付けられ上下に延びているユニットベース651と、ユニットベース651から前方へ突出しており扉枠3と係止可能な複数の扉枠用鉤652と、ユニットベース651から後方へ突出しており外枠2と係止可能な複数の外枠用鉤653と、ユニットベース651の前端下部から前方へ突出しており回転方向によって扉枠用鉤652又は外枠用鉤653を上下方向へ移動させる伝達シリンダ654と、を備えている。
また、施錠ユニット650は、扉枠用鉤652を下方へ付勢していると共に外枠用鉤653を上方へ付勢している錠バネ655と、ユニットベース651の前端における伝達シリンダ654よりも上方の位置から前方へ突出しており下方へスライドさせることで、外枠用鉤653を下方へ移動させる外枠用開錠レバー656と、を備えている。
施錠ユニット650は、本体枠4に組立てた状態で、複数(三つ)の扉枠用鉤652、伝達シリンダ654、及び外枠用開錠レバー656が、本体枠ベース501の前面よりも前方へ突出している。伝達シリンダ654は、本体枠ベース501のシリンダ挿通口501fを通って前方へ突出し、本体枠4に対して扉枠3を閉じた状態とすることで、前端が扉枠3のシリンダ錠130の回転伝達部材133と係合し、鍵穴132に挿入された鍵の回転が伝達されて回転する。
施錠ユニット650は、複数(三つ)の扉枠用鉤652が、扉枠3の扉枠ベースユニット100における扉枠補強ユニット110の鉤掛部材116に係止され、複数(二つ)の外枠用鉤653が、外枠2における外枠右組立体20の上鉤掛部材24と下鉤掛部材25とに係止される。
施錠ユニット650は、パチンコ機1に組立てた状態で、シリンダ錠130の鍵穴132に対応している鍵を差し込んで、正面視反時計回りの方向へ回転させると、伝達シリンダ654を介して複数の扉枠用鉤652が上方へ移動し、本体枠4に対して扉枠3が開錠される。一方、鍵を正面視時計回りの方向へ回転させると、伝達シリンダ654を介して複数の外枠用鉤653が下方へ移動し、外枠2に対して本体枠4が開錠される。本体枠4に対して扉枠3を開いた状態では、外枠用開錠レバー656を下方へスライドさせると、複数の外枠用鉤653が下方へ移動し、外枠2に対して本体枠4が開錠される。このようにして、本体枠4と扉枠3との間や、本体枠4と外枠2との間の施錠を、開錠することができる。
本体枠4と扉枠3との間や、本体枠4と外枠2との間を施錠する場合は、扉枠用鉤652及び外枠用鉤653の先端側が細くなるように傾斜しているため、本体枠4に対して扉枠3を閉じたり、外枠2に対して本体枠4を閉じたりすると、扉枠用鉤652や外枠用鉤653が、鉤掛部材116や上鉤掛部材24及び下鉤掛部材25を乗り越えるように下方や上方へ移動した後に、錠バネ655の付勢力によって施錠状態となる。
[5.遊技盤の全体構成]
パチンコ機1における遊技盤5の全体構成について、主に図99及び図100を参照して詳細に説明する。図99は、パチンコ機における遊技盤の正面図である。図100は、遊技盤における遊技球が流通する遊技領域内を示す正面図である。パチンコ機1の遊技盤5は、遊技者がハンドルユニット180のハンドル182を操作することで遊技球Bが打込まれる遊技領域5aを有している。遊技領域5aには、遊技球Bの受入れ又は通過により遊技者に対して所定の特典(例えば、所定数の遊技球Bの払出し)を付与する一般入賞口2001、第一始動口2002、ゲート部2003、第二始動口2004、第一大入賞口2005、及び第二大入賞口2006が備えられている(図100を参照)。従って、遊技盤5は、遊技球Bが、遊技領域5a内の一般入賞口2001、第一始動口2002、ゲート部2003、第二始動口2004、第一大入賞口2005、及び第二大入賞口2006等に、受入れられたり通過したりするように、ハンドル182の打込操作と遊技領域5a内での遊技球Bの流通とを楽しませる遊技を行うためのものである。
遊技盤5は、遊技領域5aの外周を区画し外形が正面視略四角形状とされた前構成部材1000と、前構成部材1000の後側に取付けられており遊技領域5aの後端を区画する板状の遊技パネル1100と、を備えている。遊技パネル1100の前面における遊技領域5a内となる部位には、遊技球Bと当接する複数の障害釘が所定のゲージ配列で植設されている(図100を参照)。また、遊技盤5は、遊技パネル1100の後側下部に取付けられている基板ホルダ1200と、基板ホルダ1200の後面に取付けられており遊技球Bを遊技領域5a内へ打込むことで行われる遊技内容を制御する主制御基板1310(図97及び図117等を参照)を有している主制御ユニット1300と、を備えている。
また、遊技盤5は、主制御基板1310からの制御信号に基づいて遊技状況を表示し前構成部材1000の左上隅に遊技者側へ視認可能に取付けられている機能表示ユニット1400と、遊技パネル1100の後側に配置されている周辺制御ユニット(図示は省略)と、正面視において遊技領域5aの中央に配置されており所定の演出画像を表示可能な演出表示装置1600と、遊技パネル1100の前面に取付けられる表ユニット2000と、遊技パネル1100の後面に取付けられる裏ユニット3000と、を更に備えている。裏ユニット3000の後面に演出表示装置1600が取付けられていると共に、演出表示装置1600の後面に周辺制御ユニットが取付けられている。
遊技パネル1100は、外周が枠状の前構成部材1000の内周よりもやや大きく形成されていると共に透明な平板状のパネル板1110と、パネル板1110の外周を保持しており前構成部材1000の後側に取付けられると共に後面に裏ユニット3000が取付けられる枠状のパネルホルダ(図示は省略)と、を備えている。
表ユニット2000は、遊技領域5a内に打込まれた遊技球Bを受入可能に常時開口している複数(ここでは四つ)の一般入賞口2001と、複数の一般入賞口2001とは遊技領域5a内の異なる位置で遊技球Bを受入可能に常時開口している第一始動口2002と、遊技領域5a内の所定位置に取付けられており遊技球Bの通過を検知するゲート部2003と、遊技球Bがゲート部2003を通過することにより抽選される普通抽選結果に応じて遊技球Bの受入れが可能となる第二始動口2004と、第一始動口2002又は第二始動口2004への遊技球Bの受入れにより抽選される第一特別抽選結果又は第二特別抽選結果に応じて何れかにおいて遊技球Bの受入れが可能となる第一大入賞口2005及び第二大入賞口2006と、を備えている。
また、表ユニット2000は、遊技領域5a内の左右方向中央で遊技領域5aの下端の直上に取付けられており第一始動口2002と一つの一般入賞口2001を有している始動口ユニット2100と、始動口ユニット2100の正面視左方で内レール1002に沿うように取付けられており二つの一般入賞口2001を有しているサイドユニット2200と、遊技領域5a内の正面視右端で上下方向中央に対して下寄りに取付けられておりゲート部2003を有しているゲートユニット2300と、遊技領域5a内の正面視略中央に取付けられており一つの一般入賞口2001、第二始動口2004、第一大入賞口2005、及び第二大入賞口2006を有している枠状のセンター役物2500と、を備えている。
裏ユニット3000は、遊技パネル1100(パネルホルダ)の後面に取付けられ前方が開放されている箱状で後壁に後側から演出表示装置1600が着脱可能に取付けられることで閉鎖される四角い開口部を有している裏箱(図示は省略)と、裏箱内に取付けられている下部可動演出ユニット3100、上部後可動演出ユニット3200、及び上部前可動演出ユニット3300と、を備えている。
[5−1.前構成部材]
遊技盤5における前構成部材1000について、主に図99及び図100を参照して詳細に説明する。前構成部材1000は、正面視の外形が略正方形とされ、内形が略円形状に前後方向へ貫通しており、内形の内周によって遊技領域5aの外周を区画している。この前構成部材1000は、正面視で左右方向中央から左寄りの下端から時計回りの周方向へ沿って円弧状に延び正面視左右方向中央上端を通り過ぎて右斜め上部まで延びた外レール1001と、外レール1001に略沿って前構成部材1000の内側に配置され正面視左右方向中央下部から正面視左斜め上部まで円弧状に延びた内レール1002と、内レール1002の下端の正面視右側で遊技領域5aの最も低くなった位置に形成されており後方へ向かって低くなるように傾斜しているアウト誘導部1003と、を備えている。
また、前構成部材1000は、アウト誘導部1003の正面視右端から前構成部材1000の右辺付近まで右端側が僅かに高くなるように直線状に傾斜している右下レール1004と、右下レール1004の右端から前構成部材1000の右辺に沿って外レール1001の上端の下側まで延びており上部が前構成部材1000の内側へ湾曲している右レール1005と、右レール1005の上端と外レール1001の上端とを繋いでおり外レール1001に沿って転動して来た遊技球Bが当接する衝止部1006と、を備えている。
また、前構成部材1000は、内レール1002の上端に回動可能に軸支され、外レール1001との間を閉鎖するように内レール1002の上端から上方へ延出した閉鎖位置と正面視時計回りの方向へ回動して外レール1001との間を開放した開放位置との間でのみ回動可能とされると共に閉鎖位置側へ復帰するように図示しないバネによって付勢された逆流防止部材1007を、備えている。
更に、前構成部材1000は、枠内における正面視左右方向中央下部で、アウト誘導部1003の後端において前後に貫通しているアウト口1008を備えている。アウト誘導部1003によって後方へ誘導された遊技球Bは、アウト口1008を通って前構成部材1000(遊技パネル1100)の後方へ排出される。
また、前構成部材1000は、外レール1001及び内レール1002における下端から略垂直に延びた付近の部位の外側、アウト誘導部1003及び右下レール1004の下側、及び右レール1005の外側、の夫々の部位において、前端から後方へ窪んだ防犯凹部1009を備えている。この防犯凹部1009は、遊技盤5を本体枠4に取付けて、本体枠4に対して扉枠3を閉じた状態とすると、扉枠3における防犯カバー170の後方へ突出した後方突片172が挿入された状態となる。これにより、防犯カバー170と遊技盤5(前構成部材1000)との間が、防犯カバー170の後方突片172と前構成部材1000の防犯凹部1009とによって複雑に屈曲した状態となるため、遊技盤5の前面下方より防犯カバー170と前構成部材1000との間を通してピアノ線等の不正な工具を遊技領域5a内に侵入させようとしても、後方突片172や防犯凹部1009に阻まれることとなり、遊技領域5a内への不正な工具の侵入を阻止することができる。
また、前構成部材1000は、正面視左下隅において下端から上方へ切欠かれている切欠部1010を備えている。この切欠部1010は、遊技パネル1100における図示しないパネルホルダの切欠部と一致しており、遊技盤5を本体枠4に取付けた時に、切欠部1010及び切欠部を貫通して下部満タン球経路ユニット610の下部通常払出通路610a及び下部満タン払出通路610bの前端開口が前方へ臨むようになっている。
[5−2.遊技パネル]
遊技盤5における遊技パネル1100について、主に図99及び100を参照して詳細に説明する。遊技パネル1100は、前構成部材1000の後面に取付けられており、表ユニット2000及び裏ユニット3000が取付けられるものである。遊技パネル1100は、外周が枠状の前構成部材1000の内周よりもやや大きく形成されていると共に透明な合成樹脂で形成されている平板状のパネル板1110と、パネル板1110の外周を保持しており前構成部材1000の後側に取付けられると共に後面に裏ユニット3000が取付けられる枠状のパネルホルダ(図示は省略)と、を備えている。
遊技パネル1100のパネル板1110は、アクリル樹脂、ポリカーボネイト樹脂、ポリアリレート樹脂、メタクリル樹脂等の合成樹脂板や、ガラスや金属等の無機質板により形成されている。このパネル板1110の板厚は、パネルホルダよりも薄く、障害釘を前面に植設したり表ユニット2000を取付けたりしても十分に保持可能な必要最低限の厚さ(8〜10mm)とされている。なお、本実施形態では、透明な合成樹脂板によってパネル板1110が形成されている。
パネル板1110は、図示は省略するが、遊技領域5a内において最も低い位置となり前構成部材1000のアウト口1008と対応した位置に下端から上方へ窪んだアウト凹部1111が形成されている。また、パネル板1110には、前後に貫通しており表ユニット2000を取付けるための開口部が複数形成されている。
遊技パネル1100のパネルホルダは、パネル板1110を包含する大きさで外形が略四角形状とされ、パネル板1110よりも厚く(本例では、約20mm)形成されている。パネルホルダは、合成樹脂(例えば、熱可塑性合成樹脂)により形成されている。このパネルホルダは、パネル板1110を着脱可能に保持し前面側から後方側に向かって凹んだ上で、内側が略遊技領域5aと同等の大きさで前後方向に貫通している貫通口を備えている。
また、パネルホルダは、正面視左下隅において下端から上方へ切欠かれている切欠部を備えている。この切欠部は、前構成部材1000の切欠部1010と一致するように形成されており、遊技盤5を本体枠4に取付けた時に、切欠部1010及び切欠部を貫通して下部満タン球経路ユニット610の下部通常払出通路610a及び下部満タン払出通路610bの前端開口が前方へ臨むようになっている。
[5−3.基板ホルダ]
遊技盤5における基板ホルダ1200について、主に図97を参照して詳細に説明する。基板ホルダ1200は、上方及び前方が開放された横長の箱状に形成されており、底面が左右方向中央へ向かって低くなるように傾斜している。基板ホルダ1200は、底面における左右方向中央において、前端から後方へ向かって切欠かれている排出部1201を有している。この基板ホルダ1200は、遊技盤5に組立てた状態で、遊技パネル1100の後側に取付けられている裏ユニット3000の下部を下側及び後側から覆っていると共に、後面に主制御ユニット1300の主制御基板ボックス1320が取付けられている。
基板ホルダ1200は、パチンコ機1に組立てた状態で、排出部1201が、本体枠4の基板ユニット620におけるベースユニット620bの排出球受部628の直上に位置している。これにより、アウト口1008を通って遊技パネル1100の後側へ排出された遊技球B、及び、表ユニット2000及び裏ユニット3000から下方へ排出された遊技球B、を全て受けることができ、底面に形成された排出部1201から下方の排出球受部628へ排出させることができる。
[5−4.主制御基板ユニット]
遊技盤5における主制御ユニット1300について、主に図97を参照して詳細に説明する。主制御ユニット1300は、基板ホルダ1200の後面に着脱可能に取付けられている。主制御ユニット1300は、遊技内容及び遊技球Bの払出し等を制御する主制御基板1310(図117を参照)と、主制御基板1310を収容しており基板ホルダ1200に取付けられる主制御基板ボックス1320と、を備えている。
主制御基板ボックス1320は、複数の封印機構を備えており、一つの封印機構を用いて主制御基板ボックス1320を閉じると、次に、主制御基板ボックス1320を開けるためにはその封印機構を破壊する必要があり、主制御基板ボックス1320の開閉の痕跡を残すことができる。従って、開閉の痕跡を見ることで、主制御基板ボックス1320の不正な開閉を発見することができ、主制御基板1310への不正行為に対する抑止力が高められている。
主制御ユニット1300の主制御基板1310は、インターフェイス基板635、及び周辺制御基板1510と、接続されている。また、主制御基板1310は、機能表示ユニット1400、ゲートセンサ2301、第二始動口センサ2511、第一カウントセンサ2512、第二カウントセンサ2513、特定領域センサ2512a、始動口ソレノイド2514、第一アタッカソレノイド2515、第二アタッカソレノイド2516、振分ソレノイド2111、一般入賞口センサ3001、第一始動口センサ3002、磁気センサ3003、と接続されている。
[5−5.機能表示ユニット]
遊技盤5における機能表示ユニット1400について、主に図99及び図100を参照して詳細に説明する。機能表示ユニット1400は、遊技領域5aの外側で前構成部材1000の左上隅に取付けられている。機能表示ユニット1400は、パチンコ機1に組立てた状態で、扉枠3の扉窓101aを通して前方(遊技者側)から視認することができる。この機能表示ユニット1400は、主制御基板1310からの制御信号に基づき複数のLEDを用いて、遊技状態(遊技状況)や、普通抽選結果や特別抽選結果等を表示するものである。
機能表示ユニット1400は、詳細な図示は省略脛が、遊技状態を表示する三つのLEDからなる状態表示器と、ゲート部2003に対する遊技球Bの通過により抽選される普通抽選結果を表示する二つのLEDからなる普通図柄表示器と、ゲート部2003に対する遊技球Bの通過に係る保留数を表示する二つのLEDからなる普通保留表示器と、を備えている。
また、機能表示ユニット1400は、第一始動口2002への遊技球Bの受入れにより抽選された第一特別抽選結果を表示する八つのLEDからなる第一特別図柄表示器と、第一始動口2002への遊技球Bの受入れに係る保留数(第一保留数)を表示する二つのLEDからなる第一特別保留数表示器と、第二始動口2004への遊技球Bの受入れにより抽選された第二特別抽選結果を表示する八つのLEDからなる第二特別図柄表示器と、第二始動口2004への遊技球Bの受入れに係る保留数(第二保留数)を表示する二つのLEDからなる第二特別保留数表示器と、を備えている。
更に、機能表示ユニット1400は、第一特別抽選結果又は第二特別抽選結果が「大当り」等の時に、第一大入賞口2005又は第二大入賞口2006の少なくとも一方の開閉パターンの繰返し回数(ラウンド数)を表示する五つのLEDからなるラウンド表示器、を備えている。
この機能表示ユニット1400では、備えられているLEDを、適宜、点灯、消灯、及び、点滅、等させることにより、保留数や図柄等を表示することができる。
[5−6.周辺制御ユニット]
遊技盤5における周辺制御ユニットについて、主に図117を参照して説明する。周辺制御ユニットは、裏ユニット3000の裏箱の後面に取付けられている演出表示装置1600の後側に取付けられている。周辺制御ユニットは、主制御基板1310からの制御信号に基づいて遊技者に提示する演出を制御する周辺制御基板1510と、周辺制御基板1510を収容している周辺制御基板ボックス(図示は省略)と、を備えている。周辺制御基板1510は、発光演出、サウンド演出、及び可動演出、等を制御するための周辺制御部1511と、演出画像を制御するための演出表示制御部1512と、を備えている。
周辺制御ユニットの周辺制御基板1510は、主制御基板1310、演出操作ユニット300、扉枠3側の各種装飾基板、演出表示装置1600、等と接続されている。
[5−7.演出表示装置]
遊技盤5における演出表示装置1600について説明する。演出表示装置1600は、正面視において遊技領域5aの中央に配置されており、遊技パネル1100の後側に、裏ユニット3000の裏箱を介して取付けられている。演出表示装置1600は、裏箱の後壁の略中央の後面に対して、着脱可能に取付けられている。演出表示装置1600は、遊技盤5を組立てた状態で、枠状のセンター役物2500の枠内を通して、前側(遊技者側)から視認することができる。演出表示装置1600は、白色LEDをバックライトとした19inchのフルカラーの液晶表示装置である。演出表示装置は、周辺制御基板1510に接続されており、所定の静止画像や動画を表示することができる。
[5−8.表ユニット]
遊技盤5における表ユニット2000について、主に図99及び図100を参照して詳細に説明する。表ユニット2000は、遊技パネル1100のパネル板1110に、前方から取付けられており、前端がパネル板1110の前面よりも前方へ突出していると共に、後端の一部がパネル板1110の開口部を貫通してパネル板1110の後面よりも後方へ突出している。
表ユニット2000は、遊技領域5a内に打込まれた遊技球Bを受入可能としており常時開口している複数(ここでは四つ)の一般入賞口2001と、複数の一般入賞口2001とは遊技領域5a内の異なる位置で遊技球Bを受入可能に常時開口している第一始動口2002と、遊技領域5a内の所定位置に取付けられており遊技球Bの通過を検知するゲート部2003と、遊技球Bがゲート部2003を通過することにより抽選される普通抽選結果に応じて遊技球Bの受入れが可能となる第二始動口2004と、第一始動口2002又は第二始動口2004への遊技球Bの受入れにより抽選される第一特別抽選結果又は第二特別抽選結果に応じて少なくとも一方において遊技球Bの受入れが可能となる第一大入賞口2005及び第二大入賞口2006と、を備えている。
複数(ここでは四つ)の一般入賞口2001は、遊技領域5a内の下部に配置されており、左右方向中央に対して左側に三つ、右側に一つ夫々配置されている。第一始動口2002は、遊技領域5a内の左右方向中央で最下端にあるアウト口1008の直上に配置されている。ゲート部2003は、遊技領域5a内における正面視右端付近で上下方向中央の下寄りに配置されている。ゲート部2003の直下に右側の一般入賞口2001が配置されている。第二始動口2004は、ゲート部2003の左下方で右側の一般入賞口2001よりも若干下方の高さに配置されている。第一大入賞口2005は、第二始動口2004の下方で第一始動口2002よりも若干下方の高さに配置されている。第二大入賞口2006は、第一大入賞口2005の左方で若干低い位置に配置されている。
表ユニット2000は、遊技領域5a内の左右方向中央でアウト口1008の直上に取付けられており一つの一般入賞口2001と第一始動口2002とを有している始動口ユニット2100と、始動口ユニット2100の正面視左方で内レール1002に沿うように取付けられており二つの一般入賞口2001を有しているサイドユニット2200と、遊技領域5a内の正面視右端で上下方向中央に対して下寄りに取付けられておりゲート部2003を有しているゲートユニット2300と、遊技領域5a内の正面視略中央やや上寄りに取付けられており一つの一般入賞口2001、第二始動口2004、第一大入賞口2005、及び第二大入賞口2006を有している枠状のセンター役物2500と、センター役物2500の枠内を閉鎖するように取付けられている透明な表演出ユニット2600と、を備えている。
表ユニット2000のゲートユニット2300は、遊技領域5a内の正面視右端で上下方向中央に対して下寄りに配置されており、遊技パネル1100のパネル板1110の前面に取付けられている。ゲートユニット2300は、上下方向へ遊技球Bが一つずつ常時通過可能に形成されているゲート部2003と、ゲート部2003を通過した遊技球Bを検知するゲートセンサ2301と、を備えている。
表ユニット2000において、一般入賞口2001に受入れられた遊技球Bは、遊技パネル1100の後側の裏ユニット3000へ送られて一般入賞口センサ3001により検知された上で、下方の基板ホルダ1200へ排出される。また、第一始動口2002に受入れられた遊技球Bは、遊技パネル1100の後側の裏ユニット3000へ送られて第一始動口センサ3002により検知された上で、下方の基板ホルダ1200へ排出される。
また、第二始動口2004に受入れられた遊技球Bは、第二始動口センサ2511に検知された後に、遊技パネル1100の後側へ送られて、下方の基板ホルダ1200へ排出される。第一大入賞口2005に受入れられた遊技球Bは、後述する振分部材によって特定領域に振り分けられると特定領域センサ2512aに検知された後に第一カウントセンサ2512に検知され、振分部材によって排出領域に振り分けられると特定領域センサ2512aに検知されることなく第一カウントセンサ2512に検知され、その後、遊技パネル1100の後側へ送られて、下方の基板ホルダ1200へ排出される。また、第二大入賞口2006に受入れられた遊技球Bは、第二カウントセンサ2513に検知された後に、遊技パネル1100の後側へ送られて、下方の基板ホルダ1200へ排出される。
[5−8a.センター役物]
表ユニット2000のセンター役物2500について、主に図99乃至図101を参照して詳細に説明する。図101は、遊技盤の表ユニットにおけるセンター役物と表演出ユニットの正面図である。表ユニット2000のセンター役物2500は、遊技領域5a内の正面視略中央に配置されており、遊技パネル1100のパネル板1110の前面に取付けられている。センター役物2500は、枠状に形成されており、枠内を通して遊技パネル1100の後方に配置された演出表示装置1600や裏ユニット3000に備えられている下部可動演出ユニット3100や上部前可動演出ユニット3300等を前方から視認することができる。枠状のセンター役物2500は、下辺を除いた全周が、遊技パネル1100のパネル板1110の前面よりも前方へ突出しており、遊技領域5a内に打込まれた遊技球Bが、枠内に侵入できないようになっている。
センター役物2500は、枠の外周における正面視右下隅に配置されている一つの一般入賞口2001と、一般入賞口2001の左方でやや下方の配置されている第二始動口2004と、第二始動口2004の下方に配置されている第一大入賞口2005と、第一大入賞口2005の左方でやや下方に配置されている第二大入賞口2006と、を有している。また、センター役物2500は、正面視左側の外周面に、遊技領域5a内の遊技球Bが進入可能に開口しているワープ入口2501と、ワープ入口2501に進入した遊技球Bを放出可能とされ枠内に開口しているワープ出口2502と、ワープ出口2502から放出された遊技球Bを左右方向に転動させた後に遊技領域5a内へ放出可能なステージ2503と、を備えている。
センター役物2500のステージ2503は、左右方向の中央側が窪んだ湾曲状で、始動口ユニット2100の第一始動口2002の直上と対応した位置、つまり、センター役物2500を遊技パネル1100(パネル板1110)に取付けた状態で左右方向の略中央の位置が、最も低くなるように形成されている。このステージ2503は、左右方向中央の最も低くなっている部位が、前方へ向かって低くなるように傾斜しており、この部位から遊技球Bを遊技領域5a内へ放出させることができる。センター役物2500は、ステージ2503の最も低くなっている部位の高さが、第二始動口2004と略同じ高さとなっている。
センター役物2500は、遊技盤5に組立てた状態で、ステージ2503の左右方向中央の高くなっている部位(頂部)が、始動口ユニット2100の第一始動口2002の直上に位置している。これにより、ステージ2503の中央から遊技球Bが放出されると、極めて高い確率で第一始動口2002に受入れられる。
また、センター役物2500は、第二始動口2004に受入れられた遊技球Bを検知する第二始動口センサ2511と、第一大入賞口2005に受入れられた遊技球Bを検知する第一カウントセンサ2512と、第一大入賞口2005に受入れられて振分部材によって特定領域に振り分けられた遊技球Bを検知する特定領域センサ2512aと、第二大入賞口2006に受入れられた遊技球Bを検知する第二カウントセンサ2513と、を備えている(図117を参照)。また、センター役物2500は、ゲート部2003の遊技球Bの通過により抽選される普通抽選結果に応じて第二始動口2004を開閉させる始動口ソレノイド2514と、第一始動口2002又は第二始動口2004への遊技球Bの受入れにより抽選される第一特別抽選結果又は第二特別抽選結果に応じて第一大入賞口2005を開閉させる第一アタッカソレノイド2515と、第一始動口2002又は第二始動口2004への遊技球Bの受入れにより抽選される第一特別抽選結果又は第二特別抽選結果に応じて第二大入賞口2006を開閉させる第二アタッカソレノイド2516と、第一大入賞口2005に入賞した遊技球を特定領域と排出領域とに振り分ける振分部材を動作させる振分ソレノイド2111と、を備えている。
センター役物2500は、遊技盤5に組立てた状態で、正面視において上面の左右方向中央より右側と、右側面の上部とが、遊技領域5aの外周(外レール1001及び右レール1005)との間に、遊技球Bの外径よりも若干大きい隙間を形成している。また、センター役物2500は、遊技盤5に組立てた状態では、正面視右下隅が、一般入賞口2001、第二始動口2004、第一大入賞口2005、及び第二大入賞口2006が配置されている正面視右下隅の部位が、遊技領域5a内の右下隅まで延出しており、右下隅の部位と右側面の上部の部位との間に空間を形成している。その空間に、ゲートユニット2300が配置されている。
従って、遊技球Bがセンター役物2500の右側を流通するように遊技領域5a内に打込む(所謂、右打ちする)と、高い確率でゲート部2003に対して遊技球Bを通過させることができると共に、高い確率で開放されている(開いている)第一大入賞口2005や第二大入賞口2006に対して遊技球Bを受入させることができる。
[5−8b.表演出ユニット]
表ユニット2000における表演出ユニット2600について、主に図101乃至図105等を参照して詳細に説明する。図102は、センター役物と共に表演出ユニットを左右方向中央で切断して右から見た側面断面図である。図103は、表演出ユニットにおけるLEDと表導光板の反射凹部との関係を模式的に示す説明図である。図104は、表導光板の発光態様を示す正面図である。図105は、表演出ユニットの表導光板を発光させた状態で示す遊技盤の正面図である。
表ユニット2000の表演出ユニット2600は、枠状のセンター役物2500に、センター役物2500の枠内を閉鎖するように取付けられている。表演出ユニット2600は、センター役物2500の枠内を閉鎖しており透明な平板状の表導光板2610と、表導光板2610の上辺に取付けられているリフレクタ2620と、リフレクタ2620の上面に取付けられており表導光板2610の上面に向かって光を照射する複数のLED2630が実装されている表導光板装飾基板2640と、表導光板装飾基板2640及びリフレクタ2620を前方から覆うようにセンター役物2500に取付けられている前カバー2650と、を備えている。
表演出ユニット2600の表導光板2610は、透明平板状の導光板本体2611と、導光板本体2611の裏面に形成されており導光板本体2611の上面における複数の特定入光部2612の何れかから入射された光を前方へ反射させる微細な複数の反射凹部2613と、を有している。表導光板2610の複数の特定入光部2612は、第一特定入光部2612a、第二特定入光部2612b、第三特定入光部2612c、第四特定入光部2612d、の四つから構成されている。第一特定入光部2612a、第二特定入光部2612b、第三特定入光部2612c、第四特定入光部2612dは、導光板本体2611の上面を長手方向(左右方向)へ8等分して、左から右へ順番に二巡(第四特定入光部2612dの次は初めに戻って第一特定入光部2612aとなるような順番)して配置されている。
反射凹部2613は、対応している特定入光部2612と結んだ直線に対して、直角方向へ延びていると共に導光板本体2611の後面に対して45度傾斜している平面を有している。反射凹部2613は、ペントルーフ状の三角形に凹んでいる。反射凹部2613は、対応している特定入光部2612から入射された光を、導光板本体2611の前面の垂直線に対して略平行な方向へ反射させることができる。また、反射凹部2613は、対応していない特定入光部2612から入射された光を、導光板本体2611の前面の垂直線に対して傾斜している方向へ反射させることができる。
これにより、図103において破線で示すように、対応している特定入光部2612から光が入射されると、反射凹部2613により導光板本体2611の前方正面(紙面に対して垂直方向)へ反射し、パチンコ機1の前方に着座している遊技者からは当該反射凹部2613が発光して見える。これに対して、図103において一点鎖線で示すように、対応していない特定入光部2612から光が入射されると、反射凹部2613により導光板本体2611の前方正面以外の方向へ反射し、パチンコ機1の前方に着座している遊技者からは当該反射凹部2613が発光していないように見える。
なお、本実施形態では、反射凹部2613として、三角形に凹んだ状態で、対応している特定入光部2612と結んだ直線に対して直角方向へ延びている形態のものを示したが、これに限定するものではなく、対応する特定入光部2612と結んだ直線に対して直角方向へ延びているものであれば良い。
複数の反射凹部2613は、複数の特定入光部2612の何れかに対応しており、第一特定入光部2612aに対応している複数の第一反射凹部2613a、第二特定入光部2612bに対応している複数の第二反射凹部2613b、第三特定入光部2612cに対応している複数の第三反射凹部2613c、第四特定入光部2612dに対応している複数の第四反射凹部2613d、とから構成されている。
また、表導光板2610は、複数の反射凹部2613のうちの特定の群の反射凹部2613が前方へ光を反射させることにより、互いな異なる態様に発光表示可能な複数の絵柄2614を有している。複数の絵柄2614は、複数の第一反射凹部2613aのみからなる第一絵柄2614aと、複数の第二反射凹部2613bのみからなる第二絵柄2614bと、複数の第三反射凹部2613cのみからなる第三絵柄2614cと、複数の第四反射凹部2613dのみからなる第四絵柄2614d、とから構成されている。
第一絵柄2614a、第二絵柄2614b、第三絵柄2614c、第四絵柄2614dは、図101及び図104等に示すように、同心円状で外側から中心へ順番に且つ巡回(第四絵柄2614dの次は初めに戻って第一絵柄2614aとなるような順番)するように配置されている。
リフレクタ2620は、表導光板2610の上端が挿入される固定凹部2621を有している。リフレクタ2620は、固定凹部2621内に、表導光板2610を挿入することで、表導光板2610の前面側と裏面側とを挟持することができ、表導光板2610がガタツクことなく位置決めすることができる。固定凹部2621の底面(上面)において、表導光板装飾基板2640に実装されている複数のLED2630と対応している部位に、上下に貫通している貫通孔2622が形成されている。
表導光板装飾基板2640は、左右に延びた帯板状で、下面におけるリフレクタ2620の固定凹部2621の直上となる部位に複数のLED2630が実装されている。複数のLED2630は、リフレクタ2620の複数の貫通孔2622と対応する部位に夫々実装され(取付けられ)ている。表導光板装飾基板2640は、リフレクタ2620の上面に取付けることにより、複数のLED2630が夫々貫通孔2622を通して下方へ臨むように形成されている。
複数のLED2630は、表導光板2610の複数の特定入光部2612と対応するように取付けられている。複数のLED2630は、第一特定入光部2612aと対応している第一LED群2630aと、第二特定入光部2612bと対応している第二LED群2630bと、第三特定入光部2612cと対応している第三LED群2630cと、第四特定入光部2612dと対応している第四LED群2630dと、から構成されている。第一LED群2630a、第二LED群2630b、第三LED群2630c、第四LED群2630dは、左右方向に列設されている複数のLED2630を、左右方向へ8等分して、左から右へ順番に二巡(第四LED群2630dの次は初めに戻って第一LED群2630aとなるような順番)して配置されている。本実施形態では、第一LED群2630a、第二LED群2630b、第三LED群2630c、第四LED群2630dには、夫々6個ずつLED2630を有している。
次に、本実施形態の表演出ユニット2600による発光演出について、詳細に説明する。表導光板装飾基板2640の第一LED群2630aを発光させると、導光板本体2611内に第一特定入光部2612aから光が入射され、第一反射凹部2613aでは正面へ反射され、残りの第二反射凹部2613b、第三反射凹部2613c、第四反射凹部2613dでは正面以外へ反射されるため、パチンコ機1の正面に着座した遊技者からは第一反射凹部2613aのみが光って見えることとなり、複数の第一反射凹部2613aから構成されている第一絵柄2614aを発光させることができる(図104(a)を参照)。
表導光板装飾基板2640の第二LED群2630bを発光させると、導光板本体2611内に第二特定入光部2612bから光が入射され、第二反射凹部2613bでは正面へ反射され、残りの第一反射凹部2613a、第三反射凹部2613c、第四反射凹部2613dでは正面以外へ反射されるため、パチンコ機1の正面に着座した遊技者からは第二反射凹部2613bのみが光って見えることとなり、複数の第二反射凹部2613bから構成されている第二絵柄2614bを発光させることができる(図104(b)を参照)。
表導光板装飾基板2640の第三LED群2630cを発光させると、導光板本体2611内に第三特定入光部2612cから光が入射され、第三反射凹部2613cでは正面へ反射され、残りの第一反射凹部2613a、第二反射凹部2613b、第四反射凹部2613dでは正面以外へ反射されるため、パチンコ機1の正面に着座した遊技者からは第三反射凹部2613cのみが光って見えることとなり、複数の第三反射凹部2613cから構成されている第三絵柄2614cを発光させることができる(図104(c)を参照)。
表導光板装飾基板2640の第四LED群2630dを発光させると、導光板本体2611内に第四特定入光部2612dから光が入射され、第四反射凹部2613dでは正面へ反射され、残りの第一反射凹部2613a、第二反射凹部2613b、第三反射凹部2613cでは正面以外へ反射されるため、パチンコ機1の正面に着座した遊技者からは第四反射凹部2613dのみが光って見えることとなり、複数の第四反射凹部2613dから構成されている第四絵柄2614dを発光させることができる(図104(d)を参照)。
上記のように、同心円状に配置されている複数の絵柄2614を夫々発光させることができるため、複数のLED2630を、第一LED群2630a、第二LED群2630b、第三LED群2630c、第四LED群2630dの順番に発光させると、第一絵柄2614a、第二絵柄2614b、第三絵柄2614c、第四絵柄2614dの順番に発光させることができ、中心から外側へ向かって広がるような動きのあるアニメーションのような発光演出を行うことができる。
一方、複数のLED2630を、第四LED群2630d、第三LED群2630c、第二LED群2630b、第一LED群2630a、の順番に発光させると、第四絵柄2614d、第三絵柄2614c、第二絵柄2614b、第一絵柄2614aの順番に発光させることができ、外側から中心へ向かって集中するような動きのあるアニメーションのような発光演出を行うことができる。
このように、表演出ユニット2600によれば、一枚の表導光板2610により、複数(3つ以上)の互いに異なる絵柄2614を発光させることができるため、アニメーション表示等をさせるために絵柄毎に複数の導光板を備える必要がなく、前後方向の厚さを可及的に薄くすることができる。また、表導光板2610をセンター役物2500に取付けているため、表導光板2610を遊技者側へ可及的に近付けた位置とすることができ、表導光板2610の後側に広いスペースを確保し易くすることができる。従って、表導光板2610の後側に広いスペースを確保することができるため、表導光板2610の後側に、下部可動演出ユニット3100、上部後可動演出ユニット3200、及び上部前可動演出ユニット3300等を配置することができ、それらにより遊技領域5a内の見栄えを良くして遊技者に対する訴求力の高いパチンコ機1とすることができると共に、絵柄2614の発光表示による演出に加えて、下部可動演出ユニット3100、上部後可動演出ユニット3200、及び上部前可動演出ユニット3300等による可動演出を行うことで遊技者に多彩な演出を提供することができ、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、表導光板2610により、図105に示すように、演出ユニットや装飾体、演出表示装置1600の前方において、複数の反射凹部2613の点状発光による半透明な複数の絵柄2614が浮かびあがってアニメーションのよう動く発光装飾を見せることができるため、従来の導光板を用いた発光演出に見慣れた遊技者に対して強いインパクトを与えることができ、遊技者を驚かせて楽しませることができると共に、遊技者に対して何か良いことがあるのではないかと思わせることができ、遊技者の遊技に対する期待感を高めさせて興趣の低下を抑制させることができる。
また、パチンコ機1の前方正面に着座している遊技者のみが表導光板2610による絵柄2614の発光表示を良好に見ることができるため、正面から離れている他の遊技者からは絵柄2614の発光表示が見辛くなり、他の遊技者に対して、表導光板2610を用いた演出が行われていることを気付かせ難くすることができ、他の遊技者が注目するのを抑制することができると共に、他の遊技者に気兼ねすことなく遊技を行うことができ、遊技を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、リフレクタ2620の固定凹部2621により挟むようにして表導光板2610を取付けているため、表導光板2610の上面に対して、表導光板装飾基板2640に取付けられている複数のLED2630を、確実に位置決めすることができる。これにより、表導光板2610の各特定入光部2612に対応した位置に、各LED2630(第一LED群2630a、第二LED群2630b、第三LED群2630c、第四LED群2630d)を配置することができるため、各LED2630からの光を対応する反射凹部2613で前方正面へ反射させることができ、対応する絵柄2614を確実に発光させることができる。
更に、正面視遊技領域5a内の中央にセンター役物2500を取付けられているセンター役物2500の枠内に表導光板2610を取付けているため、LED2630により絵柄2614を発光表示させても、発光表示されている絵柄2614が遊技領域5a内での遊技の妨げとなることはなく、実際に遊技が行われる領域を遊技者側から良好な状態で視認させることができ、遊技が見え辛くなることで遊技者に不信感を与えてしまうのを防止して良好な状態で遊技を楽しませることができる。
また、リフレクタ2620の固定凹部2621に表導光板2610の導光板本体2611を嵌め込むようにしているため、従来のように二つの部材で取付けるようにした場合と比較して、表導光板2610とリフレクタ2620との間のガタツキを無くすことができ、表導光板2610に対して複数のLED2630を所望の位置に確実に位置決めすることができる。従って、表導光板2610の特定入光部2612に対してLED2630を確実に位置決めできるため、LED2630からの光を対応する特定入光部2612へ確実に照射させることができ、意図した絵柄2614のみを確実に発光表示させることができる。
更に、複数の特定入光部2612を導光板本体2611の上辺にのみ配置することで、前カバー2650(リフレクタ2620や複数のLED2630)を導光板本体2611の上辺にのみ配置していることから、前カバー2650(リフレクタ2620や複数のLED2630)によって導光板本体2611の外周が囲まれることなく、導光板本体2611の全周に亘って前カバー(枠体)を備えた場合と比較して、後方に配置されている演出表示装置1600の演出画像や装飾体を仕切ってしまうのを回避させることができるため、遊技者側から演出画像等を見易くすることができ、遊技者に対して演出画像を良好な状態で楽しませて興趣の低下を抑制させることができると共に、正面視において遊技領域5a内に枠状の仕切りがないことで開放感のあるパチンコ機1とすることができ、遊技領域5a内の見栄えを良くして遊技者の関心を強く引付けられる訴求力のあるものとすることができる。
また、枠状のセンター役物2500に表導光板2610を取付けていることから、表導光板2610の周縁とセンター役物2500の枠とを一致させることで、表導光板2610の周縁(リフレクタ2620や複数のLED2630)を遊技者側から見え難くすることができ、遊技者に対して表導光板2610の存在に気付かせ難くすることができるため、絵柄2614を発光表示させた時に、表導光板2610が存在していないと思っていた遊技者に対して強いインパクトを与えて驚かせることができ、表導光板2610による複数の絵柄2614の発光表示を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
更に、前カバー2650によって複数のLED2630やリフレクタ2620を遊技者側から見えないようにしていることから、リフレクタ2620等が見えることで遊技領域5a内の見栄えが悪くなるのを防止することができるため、遊技領域5a内の見栄えを良くすることができ、遊技者に対する訴求力を高めさせることができると共に、遊技するパチンコ機として本パチンコ機1を選択させ易くすることができ、本パチンコ機1による遊技を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、前カバー2650により複数のLED2630を遊技者側から見えないようにしていることから、遊技者に対して複数のLED2630を用いる表導光板2610の存在に気付かせ難くすることができるため、LED2630により表導光板2610の絵柄2614を発光表示させるで、遊技者が予測していなかった発光表示により遊技者を大いに驚かせることができ、絵柄2614の発光表示を楽しませることができると共に、遊技者に対して何か良いことがあるのではないかと思わせることができ、遊技に対する期待感を高めさせて興趣の低下を抑制させることができる。
更に、表導光板2610の後方に演出画像を表示可能な演出表示装置1600を備えていることから、表導光板2610による互いに異なる複数の絵柄2614の発光表示と、演出表示装置1600による演出画像とを合わせた演出を遊技者に見せることができるため、それらを適宜組み合わせることで多様な演出を行うことができ、遊技者を飽きさせ難くすることができると共に、表導光板2610と演出表示装置1600とによる演出によって遊技者を楽しませることができ、遊技者の遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
また、表導光板2610の後方に演出表示装置1600を配置していることから、パチンコ機1の前方に着座した遊技者からの表導光板2610までの距離と、演出表示装置1600までの距離とが異なっているため、表導光板2610で発光表示される複数の絵柄2614と関連した演出画像を表示させることで、発光表示されている絵柄2614に奥行き感や立体感を付与させることが可能となり、遊技者の関心を強く引付けさせることが可能な演出(表示演出)を遊技者に見せることができ、遊技者を楽しませて遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
なお、上記の実施形態では、反射凹部2613として、断面が三角形で一定に延びているものを示したが、これに限定するものではなく、断面が半円弧状で一定に延びているもの、断面が多角形で一定に延びているもの、断面が曲線状で一定に延びているもの、等としても良い。
また、LED2630は、単色としても良いし、フルカラーとしても良い。また、複数の絵柄2614は、4つ以上としても良く、絵柄2614の数に合わせて、特定入光部、反射凹部、及びLED群の数を適宜選択することができる。
[5−9.裏ユニット]
遊技盤5における裏ユニット3000について、主に図106乃至図116を参照して説明する。図106は下部可動演出ユニットにおいて下部前中央装飾体を発光させた状態で示す遊技盤の正面図であり、図107は下部可動演出ユニットにおいて下部中央昇降ベースを上昇させて下部前中央装飾体及び下部後中央装飾体を発光させた状態で示す遊技盤の正面図であり、図108は下部可動演出ユニットにおいて下部中央昇降ベース、下部左サイド昇降ベース及び下部右サイド昇降ベースを上昇させて下部前中央装飾体、下部後中央装飾体、下部左サイド装飾体、及び下部右サイド装飾を発光させた状態で示す遊技盤の正面図である。図109は、遊技盤が図108の状態で演出操作ユニットの押圧操作部が上昇位置の時のパチンコ機の正面図である。また、図110は、下部可動演出ユニットにおける四つの回転装飾体、左サイド回転装飾体、左サブサイド回転装飾体、右サイド回転装飾体、右サブサイド回転装飾体を夫々展開して各面の装飾部の装飾を概略で示す説明図である。図111は、下部可動演出ユニットにおいて発光表示される矢印の種類(大きさ)を概略で示す説明図である。
また、図112は、上部後可動演出ユニットの上部後左装飾体及び上部後右装飾体を下降させた状態で示す遊技盤の正面図である。図113は、上部後可動演出ユニットの駆動機構を正面から概略で示す説明図である。図114は、上部後可動演出ユニットのクラッチ機構の構造を示す説明図である。図115は、上部前可動演出ユニットの上部前可動装飾体を下降させた状態で示す遊技盤の正面図である。図116は、上部前可動演出ユニットの上部前可動装飾体の動きを示す説明図である。
裏ユニット3000は、遊技パネル1100におけるパネルホルダの後面に取付けられており、後側に演出表示装置1600及び周辺制御ユニットが取付けられている。裏ユニット3000は、表ユニット2000の一般入賞口2001に受入れられた遊技球Bを検知する一般入賞口センサ3001と、第一始動口2002に受入れられた遊技球Bを検知する第一始動口センサ3002と、第一始動口2002付近に作用する磁気を検知する磁気センサ3003と、を備えている(図117を参照)。
裏ユニット3000は、パネルホルダの後面に取付けられ前方が開放されている箱状で後壁に演出表示装置1600が前方へ臨む四角い開口部を有している裏箱と、裏箱内の下部に取付けられている下部可動演出ユニット3100と、裏箱内の上部に取付けられている上部後可動演出ユニット3200と、裏箱内の上部で上部後可動演出ユニット3200の前方に取付けられている上部前可動演出ユニット3300と、を備えている。
[5−9a.下部可動演出ユニット]
裏ユニット3000における下部可動演出ユニット3100について、主に図106乃至図111等を参照して詳細に説明する。下部可動演出ユニット3100は、裏箱内の下部に取付けられており、一部が演出表示装置1600の下部の前方に位置している。下部可動演出ユニット3100は、演出表示装置1600よりも下方で裏箱の前端付近に取付けられている下部前中央装飾ユニット3110と、下部前中央装飾ユニット3110の後方に配置されている下部中央演出ユニット3120と、下部中央演出ユニット3120の左右両側に夫々配置されている下部左サイド演出ユニット3150及び下部右サイド演出ユニット3170と、を備えている。
下部前中央装飾ユニット3110は、下方へ窄まった台形状(頂点を平坦にした逆二等辺三角形状)で透光性を有する下部前中央装飾体3111を備えている。下部前中央装飾ユニット3110は、遊技盤5に組立てた状態で、センター役物2500のステージ2503及び始動口ユニット2100の第一始動口2002の後方に位置している。下部前中央装飾体3111は、下部中央演出ユニット3120の下部中央装飾基板によって発光装飾可能とされている。
下部中央演出ユニット3120は、下部前中央装飾ユニット3110の後方で裏箱内に昇降可能に取付けられている下部中央昇降ベース3121と、下部中央昇降ベース3121の前面に取付けられており透光性を有している下部後中央装飾体3122と、下部後中央装飾体3122の後側に配置されており前方へ向かって光を照射可能な複数のLEDが実装されている下部中央装飾基板(図示は省略)と、下部中央昇降ベース3121の上部に取付けられている中央可動ユニット3125と、を備えている。
また、下部中央演出ユニット3120は、図示は省略するが、裏箱に取付けられているユニットベースと、ユニットベースに取付けられており下部中央昇降ベースを上下方向へ案内する一対の昇降ガイドと、ユニットベースに基端が前後に延びた軸周りに回転可能に取付けられている棒状のアーム部材と、アーム部材の先端に取付けられ下部中央昇降ベース3121のスリットに挿入される摺動ピンと、アーム部材を回転させる下部中央昇降駆動モータと、を備えている。
下部中央昇降ベース3121は、図示は省略するが、左右に延びたスリットを有しており、このスリット内に、アーム部材の先端に取付けられている摺動ピンが摺動可能に挿入される。下部中央昇降ベース3121は、下部中央昇降駆動モータにより、全体が下部前中央装飾体3111の後方となる下降位置と、全体が下部前中央装飾体3111よりも上方となる上昇位置と、の間で昇降可能に取付けられている。
下部後中央装飾体3122は、横長の長方形に形成されていると共に、上下方向へ列設されている複数の発光領域3122aを有している。下部後中央装飾体3122は、下部中央装飾基板のLEDの発光により発光装飾することができる。下部中央装飾基板は、複数のLEDが、下部後中央装飾体3122の各発光領域3122aを、夫々独立して発光装飾させることができるように実装されていると共に、下部中央昇降ベース3121が上昇した時に、下方且つ前方となる下部前中央装飾体3111へ向かって光を照射可能に実装されている。
中央可動ユニット3125は、詳細に図示は省略するが、下部中央昇降ベース3121の上端に左右方向へ間隔をあけて取付けられており夫々が上方へ平板状に延出している複数の取付ベースと、複数の取付ベースに回転軸を左右方向へ向けた状態で夫々取付けられている複数の中央回転駆動モータと、各中央回転駆動モータの回転軸に取付けられており、夫々の中央回転駆動モータの外周を覆う立方体状の複数の回転装飾体3126と、を備えている。複数の回転装飾体3126は、中央回転駆動モータにより左右に延びた軸周りに回転可能とされており、夫々が左右方向へ同軸上に配置されている。また、各回転装飾体3126は、周方向の四つの面に互いに異なる装飾部3127が形成されている(図110を参照)。複数の回転装飾体3126は、夫々の中央回転駆動モータにより、夫々が独立して回転することができる。
また、中央可動ユニット3125は、図示は省略するが、下部中央昇降ベース3121の上面で各回転装飾体3126の下方に取付けられており、各回転装飾体3126へ向かって光を照射可能な複数のLEDが実装されている下部中央上面装飾基板を備えている。下部中央上面装飾基板のLEDを適宜発光させることで、各回転装飾体3126を発光装飾させることができる。
下部可動演出ユニット3100の下部左サイド演出ユニット3150は、詳細な図示は省略するが、水平に延びている平板状の下片部、下片部の左端から上方へ延出している平板状の側辺部、及び側辺部の上端から下片部の上方側へ下片部よりも短く右方へ延びている平板状の上辺部を有しており、下部中央演出ユニット3120のユニットベースの正面視左方において裏箱内に取付けられている左ユニットベースと、左ユニットベースの側辺部の右側付近で下端と上端が夫々下片部と上片部に取付けられている円柱状のガイドシャフトと、ガイドシャフトと平行に延びるように左ユニットベースの下片部と上片部によって上下に延びた軸周りに回転可能に取付けられており外周に雄ネジが形成されている棒状の雄ネジ部材と、雄ネジ部材に螺合されているナットを有しガイドシャフトに摺動可能に取付けられている下部左サイド昇降ベース3151と、左ユニットベースに取付けられており雄ネジ部材を回転させる下部左サイド昇降駆動モータと、下部左サイド昇降ベース3151の前面に取付けられており透光性を有する下部左サイド装飾体3152と、下部左サイド装飾体3152の右側面側に取付けられており左方へ向かって光を照射可能な複数のLEDが実装されている下部左サイド装飾基板と、を備えている。
下部左サイド装飾体3152は、上下方向へ列設されている複数の発光領域3152aを有しており、下部左サイド装飾基板に実装されている複数のLEDを適宜発光させることで、各発光領域3152aを夫々独立して発光装飾させることができる。
また、下部左サイド演出ユニット3150は、詳細な図示は省略するが、下部左サイド昇降ベース3151の上部に左右方向へスライド可能に取付けられており前後に延びたスリットを有しているスライダと、スライダの下方で回転軸が上方へ延出するように下部左サイド昇降ベース3151の後側に取付けられている下部左スライド駆動モータと、下部左スライド駆動モータの回転軸に基端側が取付けられており基端側から水平方向へ延出している先端側にスライダのスリット内に摺動可能に挿入されている円柱状の摺動ピンを有しているカム部材と、を備えている。
更に、下部左サイド演出ユニット3150は、詳細な図示は省略するが、スライダに取付けられており上方へ平板状に延出している取付ベースと、取付ベースに回転軸を左右方向へ向けた状態で取付けられている左サイド回転駆動モータと、左サイド回転駆動モータの回転軸に取付けられており、左サイド回転駆動モータの外周を覆う立方体状の左サイド回転装飾体3153と、を備えている。左サイド回転装飾体3153は、周方向の四つの面に互いに異なる装飾部3154が形成されている(図110を参照)。また、左サイド回転装飾体3153は、左サイド回転駆動モータにより、左右に延びた軸周りに回転可能とされている。
また、下部左サイド演出ユニット3150は、詳細な図示は省略するが、スライダの上面で左サイド回転装飾体3153の下方に取付けられており、左サイド回転装飾体3153へ向かって光を照射可能な複数のLEDが実装されている下部左サイド上面装飾基板を備えている。下部左サイド上面装飾基板のLEDを適宜発光させることで、左サイド回転装飾体3153を発光装飾させることができる。
更に、下部左サイド演出ユニット3150は、詳細な図示は省略するが、左ユニットベースにおける上片部の上面に取付けられており上方へ平板状に延出しているサブ取付ベースと、サブ取付ベースに回転軸を左右方向へ向けた状態で取付けられている左サブサイド回転駆動モータと、左サブサイド回転駆動モータの回転軸に取付けられており、左サブサイド回転駆動モータの外周を覆う立方体状の左サブサイド回転装飾体3155と、を備えている。左サブサイド回転装飾体3155は、周方向の四つの面に互いに異なる装飾部3156が形成されている(図110を参照)。また、左サブサイド回転装飾体3155は、左サブサイド回転駆動モータにより、左右に延びた軸周りに回転可能とされている。
また、下部左サイド演出ユニット3150は、詳細な図示は省略するが、左ユニットベースの上片部の上面で左サブサイド回転装飾体3155の下方に取付けられており、左サブサイド回転装飾体3155へ向かって光を照射可能な複数のLEDが実装されている下部左サブサイド上面装飾基板を備えている。下部左サブサイド上面装飾基板のLEDを適宜発光させることで、左サブサイド回転装飾体3155を発光装飾させることができる。
下部左サイド演出ユニット3150は、遊技盤5に組立てた状態で、左ユニットベースに取付けられている左サブサイド回転装飾体3155が、下方に左サイド回転装飾体3153が進入可能な高さで、下部中央演出ユニット3120の下部中央昇降ベース3121を上昇端へ位置(上昇)させた時の複数の回転装飾体3126と略同じ高さに配置されている。また、下部左サイド演出ユニット3150は、左サブサイド回転装飾体3155が、遊技盤5に組立てた時に、下部中央演出ユニット3120の最も左側の回転装飾体3126との間に、左サイド回転装飾体3153が進入可能な間隔が開けられている。
下部左サイド演出ユニット3150は、下部左サイド昇降駆動モータにより雄ネジ部材を回転させることにより、下部左サイド昇降ベース3151を介してスライダと一緒に左サイド回転装飾体3153を、下部中央演出ユニット3120の下部中央昇降ベース3121が下降位置の回転装飾体3126の高さよりも若干高い下降位置と、左サブサイド回転装飾体3155と同じ高さの上昇位置との間で、昇降させることができる。また、下部左サイド演出ユニット3150は、下部左スライド駆動モータによりカム部材を回転させることにより、スライダを介して左サイド回転装飾体3153を、下部中央演出ユニット3120に接近して隣接する出現位置と、下部中央演出ユニット3120から遠ざかって半分ほどが左サブサイド回転装飾体3155の下方に位置する退避位置と、の間で左右方向へスライドさせることができる。
下部可動演出ユニット3100の下部右サイド演出ユニット3170は、詳細な図示は省略するが、水平に延びている平板状の下片部、下片部の右端から上方へ延出している平板状の側辺部、及び側辺部の上端から下片部の上方側へ下片部よりも短く左方へ延びている平板状の上辺部を有しており、下部中央演出ユニット3120のユニットベースの正面視右方において裏箱内に取付けられている右ユニットベースと、右ユニットベースの側辺部の左側付近で下端と上端が夫々下片部と上片部に取付けられている円柱状のガイドシャフトと、ガイドシャフトと平行に延びるように右ユニットベースの下片部と上片部によって上下に延びた軸周りに回転可能に取付けられており外周に雄ネジが形成されている棒状の雄ネジ部材と、雄ネジ部材に螺合されているナットを有しガイドシャフトに摺動可能に取付けられている下部右サイド昇降ベース3171と、右ユニットベースに取付けられており雄ネジ部材を回転させる下部右サイド昇降駆動モータと、下部右サイド昇降ベース3171の前面に取付けられており透光性を有する下部右サイド装飾体3172と、下部右サイド装飾体3172の右側面側に取付けられており右方へ向かって光を照射可能な複数のLEDが実装されている下部右サイド装飾基板と、を備えている。
下部右サイド装飾体3172は、上下方向へ列設されている複数の発光領域3172aを有しており、下部右サイド装飾基板に実装されている複数のLEDを適宜発光させることで、各発光領域3172aを夫々独立して発光装飾させることができる。
また、下部右サイド演出ユニット3170は、詳細な図示は省略するが、下部右サイド昇降ベース3171の上部に左右方向へスライド可能に取付けられており前後に延びたスリットを有しているスライダと、スライダの下方で回転軸が上方へ延出するように下部右サイド昇降ベース3171の後側に取付けられている下部右スライド駆動モータと、下部右スライド駆動モータの回転軸に基端側が取付けられており基端側から水平方向へ延出している先端側にスライダのスリット内に摺動可能に挿入されている円柱状の摺動ピンを有しているカム部材と、を備えている。
更に、下部右サイド演出ユニット3170は、詳細な図示は省略するが、スライダに取付けられており上方へ平板状に延出している取付ベースと、取付ベースに回転軸を左右方向へ向けた状態で取付けられている右サイド回転駆動モータと、右サイド回転駆動モータの回転軸に取付けられており、右サイド回転駆動モータの外周を覆う立方体状の右サイド回転装飾体3173と、を備えている。右サイド回転装飾体3173は、周方向の四つの面に互いに異なる装飾部3174が形成されている(図110を参照)。また、右サイド回転装飾体3173は、右サイド回転駆動モータにより、左右に延びた軸周りに回転可能とされている。
また、下部右サイド演出ユニット3170は、詳細な図示は省略するが、スライダの上面で右サイド回転装飾体3173の下方に取付けられており、右サイド回転装飾体3173へ向かって光を照射可能な複数のLEDが実装されている下部右サイド上面装飾基板を備えている。下部右サイド上面装飾基板のLEDを適宜発光させることで、右サイド回転装飾体3173を発光装飾させることができる。
更に、下部右サイド演出ユニット3170は、詳細な図示は省略するが、右ユニットベースにおける上片部の上面に取付けられており上方へ平板状に延出しているサブ取付ベースと、サブ取付ベースに回転軸を左右方向へ向けた状態で取付けられている右サブサイド回転駆動モータと、右サブサイド回転駆動モータの回転軸に取付けられており、右サブサイド回転駆動モータの外周を覆う立方体状の右サブサイド回転装飾体3175と、を備えている。右サブサイド回転装飾体3175は、周方向の四つの面に互いに異なる装飾部3176が形成されている(図110を参照)。また、右サブサイド回転装飾体3175は、右サブサイド回転駆動モータにより、左右に延びた軸周りに回転可能とされている。
また、下部右サイド演出ユニット3170は、詳細な図示は省略するが、右ユニットベースの上片部の上面で右サブサイド回転装飾体3175の下方に取付けられており、右サブサイド回転装飾体3175へ向かって光を照射可能な複数のLEDが実装されている下部右サブサイド上面装飾基板を備えている。下部右サブサイド上面装飾基板のLEDを適宜発光させることで、右サブサイド回転装飾体3175を発光装飾させることができる。
下部右サイド演出ユニット3170は、遊技盤5に組立てた状態で、右ユニットベースに取付けられている右サブサイド回転装飾体3175が、下方に右サイド回転装飾体3173が進入可能な高さで、下部中央演出ユニット3120の下部中央昇降ベース3121を上昇端へ位置(上昇)させた時の複数の回転装飾体3126と略同じ高さに配置されている。また、下部右サイド演出ユニット3170は、右サブサイド回転装飾体3175が、遊技盤5に組立てた時に、下部中央演出ユニット3120の最も右側の回転装飾体3126との間に、右サイド回転装飾体3173が進入可能な間隔が開けられている。
下部右サイド演出ユニット3170は、下部右サイド昇降駆動モータにより雄ネジ部材を回転させることにより、下部右サイド昇降ベース3171を介してスライダと一緒に右サイド回転装飾体3173を、下部中央演出ユニット3120の下部中央昇降ベース3121が下降位置の回転装飾体3126の高さよりも若干高い下降位置と、右サブサイド回転装飾体3175と同じ高さの上昇位置との間で、昇降させることができる。また、下部右サイド演出ユニット3170は、下部右スライド駆動モータによりカム部材を回転させることにより、スライダを介して右サイド回転装飾体3173を、下部中央演出ユニット3120に接近して隣接する出現位置と、下部中央演出ユニット3120から遠ざかって半分ほどが右サブサイド回転装飾体3175の下方に位置する退避位置と、の間で左右方向へスライドさせることができる。
下部可動演出ユニット3100は、図110に示すように、四つの回転装飾体3126の夫々の装飾部3127、左サイド回転装飾体3153の装飾部3154、左サブサイド回転装飾体3155の装飾部3156、右サイド回転装飾体3173の装飾部3174、右サブサイド回転装飾体3175の装飾部3176に、夫々異なる装飾が形成されている。四つの回転装飾体3126、左サイド回転装飾体3153、左サブサイド回転装飾体3155、右サイド回転装飾体3173、右サブサイド回転装飾体3175は、夫々サイコロ状の立方体に形成されており、左右に延びた回転軸周りの第一面〜第四面に、互いに異なる装飾が形成されている。
四つの回転装飾体3126、左サイド回転装飾体3153、左サブサイド回転装飾体3155、右サイド回転装飾体3173、右サブサイド回転装飾体3175の夫々の第一面を正面へ向けた状態では、左から「凰」「一の目」「一の目」「二の目」「三の目」「四の目」「一の目」「凰」となっている。また、夫々の第二面を正面へ向けた状態では、左から「星」「超」「チ」「ャ」「ン」「ス」「!」「星」となっている。また、第三面を正面へ向けた状態では、左から「!」「凰」「ゲ」「キ」「ア」「ツ」「凰」「!」となっている。更に、第四面を正面へ向けた状態では、左から「祝」「!」「お」「め」「で」「と」「う」「!!」となっている。
このように、四つの回転装飾体3126、左サイド回転装飾体3153、左サブサイド回転装飾体3155、右サイド回転装飾体3173、右サブサイド回転装飾体3175を、夫々同じ番号の面を正面へ向けることで、所定のメッセージを遊技者に見せることができると共に、メッセージの内容により「大当り」となる期待値を表示することができる。
また、下部可動演出ユニット3100は、図111に示すように、下部前中央装飾体3111、下部後中央装飾体3122、下部左サイド装飾体3152、下部右サイド装飾体3172を適宜発光させることで、大きさの異なる「矢印」を発光表示させることができる。具体的には、下部前中央装飾体3111のみを発光させると、二等辺三角形の頂点が下方を向いた三角形の「小矢印」を発光表示させることができる(図106及び図111(a)を参照)。また、下部前中央装飾体3111と上昇させた下部後中央装飾体3122とを発光させると、「小矢印」よりも大きく上方へ延びる棒を有する下方を向いた「中矢印」を発光表示させることができる(図107及び図111(b)を参照)。更に、「中矢印」の状態で、下部左サイド装飾体3152及び下部右サイド装飾体3172を上昇させ、下部前中央装飾体3111、下部後中央装飾体3122、下部左サイド装飾体3152、下部右サイド装飾体3172を全て発光させると、「中矢印」よりも大きく下方を向いた矢印の上端が左右に広がっている「大矢印」を発光表示させることができる(図108及び図111(c)を参照)。
このように、「小矢印」「中矢印」「大矢印」の三つの大きさの異なった矢印を発光表示させることができるため、「小矢印」「中矢印」「大矢印」の順に「大当り」となる期待値が高いことを発光表示させることができる。
次に、下部可動演出ユニット3100を用いた演出について説明する。下部可動演出ユニット3100は、通常の状態では、図99等に示すように、下部中央演出ユニット3120において、下部中央昇降ベース3121が、下部前中央装飾ユニット3110の後方となり前方から視認不能な下降位置に位置しており、下部中央昇降ベース3121の上端に取付けられている四つの回転装飾体3126が、正面視において下部前中央装飾体3111の上端に接するように位置している。
また、通常の状態では、下部左サイド演出ユニット3150において、下部左サイド昇降ベース3151が下部前中央装飾ユニット3110の上端よりもやや上方で前方から殆ど視認不能な下降位置に位置していると共に、スライダを介して左サイド回転装飾体3153が下部中央演出ユニット3120から左方へ離れ半分ほどが左サブサイド回転装飾体3155の下方となる退避位置に位置しており、左サブサイド回転装飾体3155が遊技領域5a内の上下方向中央から下寄りの左端付近に位置している。
更に、通常の状態では、下部右サイド演出ユニット3170において、下部右サイド昇降ベース3171が下部前中央装飾ユニット3110の上端よりもやや上方で前方から殆ど視認不能な下降位置に位置していると共に、スライダを介して右サイド回転装飾体3173が下部中央演出ユニット3120から右方へ離れ半分ほどが右サブサイド回転装飾体3175の下方となる退避位置に位置しており、右サブサイド回転装飾体3175が遊技領域5a内の上下方向中央から下寄りの右端付近に位置している。
この通常の状態で、遊技者に提示する演出の一つとして、例えば、第一始動口2002や第二始動口2004への遊技球Bの受入れにより抽選された第一特別抽選結果又は第二特別抽選結果に応じて、四つの回転装飾体3126を回転させた上で、夫々の回転装飾体3126の回転を停止させ、回転停止した各回転装飾体3126において前方を向いている装飾部3127の組合せを遊技者に視認させる。これにより、遊技者が所望の組合せで四つの回転装飾体3126の回転が停止するか否かによって、ハラハラ・ドキドキさせることができ、四つの回転装飾体3126による可動演出を楽しませることができる。そして、回転停止した四つの回転装飾体3126の夫々の装飾部3127の組合せが、所定の条件を充足した場合、下部中央装飾基板により下部中央昇降ベース3121に取付けられている下部後中央装飾体3122を発光させて、前方に位置している下部前中央装飾ユニット3110の下部前中央装飾体3111を発光装飾させる。これにより、図106に示すように、下部前中央装飾体3111によって下向きの矢印が発光表示されることとなるため、この下向きの矢印の発光表示により、遊技者の視線を、遊技領域5aの下方に配置されている演出操作部301へ誘導させることができ、遊技者に対して演出操作部301の操作を促すことができると共に、演出操作部301を操作する遊技者参加型演出に参加させ易くすることができ、遊技者に遊技者参加型演出を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
或いは、通常の状態から、第一始動口2002や第二始動口2004への遊技球Bの受入れにより抽選された第一特別抽選結果又は第二特別抽選結果に応じて、下部中央昇降ベース3121を下降位置から上昇位置へ上昇させる。これにより、下部後中央装飾体3122と四つの回転装飾体3126とが、演出表示装置1600に表示されている演出画像の一部を遮るように正面視遊技領域5aの中央へ移動するため、遊技者を驚かせることができると共に、遊技者に何か良いことがあるのではないかと思わせることができ、遊技に対する期待感を高めさせることができる。その後、四つの回転装飾体3126を回転させた上で、夫々の回転装飾体3126の回転を停止させ、回転停止した各回転装飾体3126において前方を向いている装飾部3127の組合せを遊技者に視認させる。これにより、遊技者に対して四つの回転装飾体3126が所望の組合せで回転停止すると、「大当り」(遊技者が有利となる有利遊技状態が発生する抽選結果)に違いないと思わせることができ、所望の組合せで四つの回転装飾体3126の回転が停止するか否かによって遊技者をハラハラ・ドキドキさせて、抽選結果に対する期待感を高めさせることができる。そして、回転停止した四つの回転装飾体3126の夫々の装飾部3127の組合せが、所定の条件を充足した場合、上昇している下部中央昇降ベース3121に取付けられている下部中央装飾基板の複数のLEDを発光させ、前方に配置されている下部後中央装飾体3122と下方前方に配置されている下部前中央装飾体3111とを発光装飾させる。これにより、図107に示すように、下部後中央装飾体3122と下部前中央装飾体3111とによって下向きの大きな矢印が発光表示されることとなるため、この下向きの大きな矢印の発光表示により、遊技者の視線を、遊技領域5aの下方に配置されている演出操作部301へ誘導させて遊技者に演出操作部301の操作を促すことができると共に、大きな矢印の発光表示により演出操作部301を操作することで「大当り」になると思わせることができ、遊技者に演出操作部301を操作させて遊技者参加型演出を楽しませることができる。
更には、通常の状態から、第一始動口2002や第二始動口2004への遊技球Bの受入れにより抽選された第一特別抽選結果又は第二特別抽選結果に応じて、下部中央昇降ベース3121を下降位置から上昇位置へ上昇させる。これにより、下部後中央装飾体3122と四つの回転装飾体3126とが、演出表示装置1600に表示されている演出画像の一部を遮るように正面視遊技領域5aの中央へ移動するため、遊技者を驚かせることができると共に、遊技者に何か良いことがあるのではないかと思わせることができ、遊技に対する期待感を高めさせることができる。続いて、左右の左サイド回転装飾体3153及び右サイド回転装飾体3173を、中央側の出現位置へ夫々スライドさせた上で、夫々の下部左サイド昇降ベース3151及び下部右サイド昇降ベース3171を夫々上昇位置へ上昇させる(図108を参照)。これにより、左サブサイド回転装飾体3155、左サイド回転装飾体3153、四つの回転装飾体3126、右サイド回転装飾体3173、及び右サブサイド回転装飾体3175が、左右方向へ一直線に並んだ状態となるため、遊技者に対して強いインパクトを与えることができ、抽選結果が「大当り」ではないかと思わせて遊技に対する期待感を高めさせることができる。その後、左サブサイド回転装飾体3155、左サイド回転装飾体3153、四つの回転装飾体3126、右サイド回転装飾体3173、及び右サブサイド回転装飾体3175を回転させた上で、回転停止させて、左サブサイド回転装飾体3155の装飾部3156、左サイド回転装飾体3153の装飾部3154、四つの回転装飾体3126の夫々の装飾部3127、右サイド回転装飾体3173の装飾部3174、及び右サブサイド回転装飾体3175の装飾部3176、の組合せを遊技者に視認させる。この際に、複数の装飾部3127には、数字の装飾が施されている装飾部3127が含まれていることから、数字の装飾部3127が前方を向くように回転停止させることで、カウントダウンをしているような演出を行うことができ、カウントダウンの演出により遊技者に対して抽選結果が「大当り」に違いないと思わせて遊技に対する興趣を高めさせることができる。そして、左サブサイド回転装飾体3155、左サイド回転装飾体3153、四つの回転装飾体3126、右サイド回転装飾体3173、及び右サブサイド回転装飾体3175の回転が停止して、カウントダウンが終了した時に、下部前中央装飾体3111、下部後中央装飾体3122、下部左サイド装飾体3152、及び下部右サイド装飾体3172を、発光装飾させる。これにより、図108に示すように、更に大きな下向きの矢印(巨大な矢印)が発光表示されるため、遊技者に対して巨大な矢印の先に配置されている演出操作部301を操作することで抽選結果が「大当り」であると確信させることができ、遊技者に演出操作部301を確実に操作させることができる。この巨大な矢印を発光表示した時に、演出表示装置1600に演出操作部301を解説するメッセージを表示させた上で、演出操作部301の押圧操作部303を上昇させると共に、演出操作部301の回転操作部302を高速で回転させる(図109を参照)。これにより、回転操作部302が高速で回転することで、遊技者の興趣を高めさせることができるため、押圧操作部303を確実に押圧操作させることができ、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
下部可動演出ユニット3100を用いた演出として、図109では、演出表示装置1600に「下のボタンの回転が熱い!」の文字を表示して、回転操作部302に遊技者を注目させ、回転操作部302の回転速度が早いほど、「大当り」となる期待値が高いことを遊技者に知らせるようにしている。つまり、回転操作部302の回転速度により期待値を表しており、その期待値を遊技者に知らせる演出画像を演出表示装置1600に表示したものである。
一方、図109において、演出表示装置1600に表示される演出画像として、下部可動演出ユニット3100は、図111に示すように、下部前中央装飾体3111、下部後中央装飾体3122、下部左サイド装飾体3152、下部右サイド装飾体3172等により発光表示される「矢印」によって遊技者の操作が促される演出操作部301の操作方法を示唆する演出画像を表示させるようにしても良い。具体的には、「ボタンを押せ!」、「ダイヤルを回せ!」、「ダイヤルを左に回せ!」、「ダイヤルを右に回せ!」、等のような演出画像を表示する。これにより、演出操作部301での操作を的確に行うことができ、演出操作部301を操作する遊技者参加型演出を確実に楽しませることができる。
そして、遊技者が演出操作部301を操作することで、演出表示装置1600において、所定の演出画像が表示され、その演出画像によって「大当り」となる期待値を表示させるようにしても良いし、夫々がサイコロ状に形成されている四つの回転装飾体3126、左サイド回転装飾体3153、左サブサイド回転装飾体3155、右サイド回転装飾体3173、右サブサイド回転装飾体3175を用いて、期待値を表示させるようにしても良い。
サイコロ状に夫々形成されている四つの回転装飾体3126、左サイド回転装飾体3153、左サブサイド回転装飾体3155、右サイド回転装飾体3173、右サブサイド回転装飾体3175を用いた期待値の表示としては、夫々の回転&停止により正面を向いた各装飾部3127、装飾部3154、装飾部3156、装飾部3174、装飾部3176、の組合せにより、「大当り」となる期待値を表示する演出を行う。具体的には、中央にある下部中央演出ユニット3120の四つの回転装飾体3126のみを用いる場合、例えば、以下の三つのパターンがある。パターンa1は、四つの回転装飾体3126が回転停止した時に夫々正面を向いている装飾部3127の組合せが、遊技者が意味を読み取ることができないバラバラの組合せの状態で、期待値を表示していないパターン。パターンa2は、夫々の回転装飾体3126が第二面を正面に向けて回転停止して装飾部3127の組合せが「チ」「ャ」「ン」「ス」の状態で、期待値がある程度高いことを表示しているパターン。パターンa3は、夫々の回転装飾体3126が第三面を正面に向けて回転停止して装飾部3127の組合せが「ゲ」「キ」「ア」「ツ」の状態で、期待値が極めて高いことを表示しているパターン。このように、四つの回転装飾体3126の回転停止により表示されたパターンにより期待値を表示することができ、パターンa1、パターンa2、パターンa3の順に期待値が高くなる。
更に、下部可動演出ユニット3100を用いた演出として、四つの回転装飾体3126、左サイド回転装飾体3153、左サブサイド回転装飾体3155、右サイド回転装飾体3173、右サブサイド回転装飾体3175の全て(八つ)のサイコロ状の回転体を用いて、それらの装飾部3127、装飾部3154、装飾部3156、装飾部3174、装飾部3176、の組合せにより「大当り」となる期待値を表示する演出を行うようにしても良い。具体的には、以下の六つのパターンがある。パターンb1は、回転停止した装飾部3127、装飾部3154、装飾部3156、装飾部3174、装飾部3176の組合せがバラバラの組合せ(期待値の表示なし)。パターンb2は、左サブサイド回転装飾体3155が「凰」又は「星」、左サイド回転装飾体3153が「!」又は「凰」、中央の四つの回転装飾体3126が「チ」「ャ」「ン」「ス」、右サイド回転装飾体3173が「!」又は「凰」、右サブサイド回転装飾体3175が「凰」又は「星」の組合せ(チャンス表示)。パターンb3は、左サブサイド回転装飾体3155が「凰」又は「星」、左サイド回転装飾体3153が「!」又は「凰」、中央の四つの回転装飾体3126が「ゲ」「キ」「ア」「ツ」、右サイド回転装飾体3173が「!」又は「凰」、右サブサイド回転装飾体3175が「凰」又は「星」の組合せ(ゲキアツ表示)。パターンb4は、左サブサイド回転装飾体3155が「凰」又は「星」、左サイド回転装飾体3153が「超」、中央の四つの回転装飾体3126が「チ」「ャ」「ン」「ス」、右サイド回転装飾体3173が「!」、右サブサイド回転装飾体3175が「凰」又は「星」の組合せ(超チャンス表示)。パターンb5は、左サブサイド回転装飾体3155が「凰」又は「星」、左サイド回転装飾体3153が「超」、中央の四つの回転装飾体3126が「ゲ」「キ」「ア」「ツ」、右サイド回転装飾体3173が「!」、右サブサイド回転装飾体3175が「凰」又は「星」の組合せ(超ゲキアツ表示)。パターンb6は、左サブサイド回転装飾体3155が「祝」、左サイド回転装飾体3153が「!」、中央の四つの回転装飾体3126が「お」「め」「で」「と」、右サイド回転装飾体3173が「う」、右サブサイド回転装飾体3175が「!!」の組合せ(「大当り」確定)。このように、四つの回転装飾体3126、左サイド回転装飾体3153、左サブサイド回転装飾体3155、右サイド回転装飾体3173、右サブサイド回転装飾体3175、の八つの回転体の回転停止により表示されたパターンにより期待値を表示することができ、パターンb1、パターンb2、パターンb3、パターンb4、パターンb5、パターンb6、の順に期待値が高くなる。
なお、上記の演出では、演出操作部301の操作が促されてから、一定時間内に遊技者が演出操作部301を操作しなかった場合、上記のような期待値を表示する演出は行われず、「矢印」の発光表示も消灯する。一方、演出操作部301の操作が促されてから、一定時間内に遊技者が演出操作部301を操作した場合、残りの演出時間を使って上記のような期待値を表示するような演出を行い続け、演出時間が終了すると上記のような演出が終了すると共に「矢印」の発光表示も消灯して演出が終了する。
このように、下部可動演出ユニット3100によれば、通常の状態で、遊技領域5a内において遊技が行われることで遊技状態が変化すると(第一始動口2002又は第二始動口2004への遊技球Bの受入れにより抽選された第一特別抽選結果又は第二特別抽選結果に応じて)、下部前中央装飾体3111の上側で左右に並んでいる四つの回転装飾体3126が回転したり、下部中央昇降ベース3121により左右に並んでいる四つの回転装飾体3126が下部後中央装飾体3122と一緒に上昇したり、下部中央昇降ベース3121により上昇した四つの回転装飾体3126が回転したり、下部左サイド演出ユニット3150の下部左スライド駆動モータ及び下部右サイド演出ユニット3170の下部右スライド駆動モータ等(スライド機構)により一対の左サイド回転装飾体3153及び右サイド回転装飾体3173が左右方向へスライドしたり、左サイド回転装飾体3153や右サイド回転装飾体3173が回転したり、スライド機構と下部左サイド昇降ベース3151及び下部右サイド昇降ベース3171とにより左サイド回転装飾体3153及び右サイド回転装飾体3173が上昇している四つの回転装飾体3126や左サブサイド回転装飾体3155及び右サブサイド回転装飾体3175と左右方向に並んだり、左サブサイド回転装飾体3155や右サブサイド回転装飾体3175が回転したり、するような可動演出を遊技者に見せることができるため、遊技者を中央可動ユニット3125(四つの回転装飾体3126)、左サイド回転装飾体3153と右サイド回転装飾体3173、及び左サブサイド回転装飾体3155と右サブサイド回転装飾体3175等に注目させることができると共に、それらによる可動演出を楽しませることができる。
また、下部中央昇降ベース3121が下降端に位置している時に下部後中央装飾体3122を発光させて下部前中央装飾体3111を発光装飾させることにより下向きの矢印を発光表示したり、下部中央昇降ベース3121を上昇させて下部中央装飾基板の複数のLEDにより下部後中央装飾体3122と下部前中央装飾体3111とを発光させることにより大きな下向きの矢印を発光表示させたり、一対の下部左サイド昇降ベース3151及び下部右サイド昇降ベース3171を上昇させて夫々の下部左サイド装飾体3152及び下部右サイド装飾体3172を発光させることにより更に大きな下向きの矢印を発光表示させたりすることができるため、発光演出によっても遊技者を楽しませることができると共に、発光表示された下向きの矢印により遊技者の視線を下方の演出操作部301へ誘導させることができ、遊技者に対して演出操作部301の操作を促すことができる。そして、演出操作部301では、回転操作部302が回転したり、遊技者が回転操作部302を回転操作したり、押圧操作部303を押圧操作したり、することにより遊技者参加型演出に参加して楽しませることができる。
従って、上記のような多様な可動演出、発光演出、遊技者参加型演出を行うことができるため、それらを適宜組合せることにより、遊技者に対して多彩なパターンの演出を提示することができ、遊技者を飽きさせ難くすることができると共に、遊技者に対して演出パターンを予想させ難くすることができるため、予想外の演出が行われることで遊技者を驚かせることができ、遊技者を楽しませて遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
また、上述したように、下部前中央装飾体3111、下部後中央装飾体3122、下部左サイド装飾体3152、下部右サイド装飾体3172等により下向きの矢印を発光表示させて、遊技者に下方の演出操作部301の操作を促す時に、演出表示装置1600に、演出操作部301の操作を促す演出画像や、演出操作部301の操作を解説する演出画像や、遊技者が有利となる有利遊技状態の発生と演出操作部301との関係を示す演出画像、等を表示させることにより、遊技者に対して演出操作部301を操作する遊技者参加型演出への参加を強く促すことができると共に、演出操作部301を操作させ易くすることができ、遊技者参加型演出を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
[5−9b.上部後可動演出ユニット]
裏ユニット3000における上部後可動演出ユニット3200について、主に図112乃至図114等を参照して詳細に説明する。上部後可動演出ユニット3200は、演出表示装置1600よりも上方で裏箱内の上部に取付けられている。上部後可動演出ユニット3200は、裏箱内の左上隅に取付けられる上部後左ユニット3210と、裏箱内の右上隅に取付けられる上部後右ユニット3230と、を備えている。
上部後可動演出ユニット3200の上部後左ユニット3210は、詳細な図示は省略するが、裏箱内に取付けられる左ベース3211と、左ベース3211に左上から右下へ向かう斜め方向へスライド可能に取付けられている左スライダ3212と、左スライダ3212に取付けられている直線状のラックギア3213と、左ベース3211に回転軸を前後方向へ向けて取付けられている上部後左駆動モータ3214と、上部後左駆動モータ3214に取付けられており上部後左駆動モータ3214の回転軸が入力側に接続されているクラッチ機構3250と、クラッチ機構3250の出力側に接続されている平歯車状の駆動ギア3215と、駆動ギア3215と噛合しており左ベース3211に回転可能に取付けられている平歯車状の第一伝達ギア3216と、第一伝達ギア3216と噛合しており左ベース3211に回転可能に取付けられている平歯車状の第二伝達ギア3217と、第二伝達ギア3217と噛合しており左ベース3211に回転可能に取付けられている第三伝達ギア3218と、第三伝達ギア3218及びラックギア3213と夫々噛合しており左ベース3211に回転可能に取付けられている平歯車状のピニオンギア3219と、を備えている。
また、上部後左ユニット3210は、左スライダ3212の下端に取付けられており左右に延びている平板状の上部後左装飾体3220と、上部後左装飾体3220の後側に取付けられており前面に複数のLEDが実装されている上部後左装飾基板と、を備えている。上部後左装飾体3220は、上部後左装飾基板の複数のLEDを発光させることで発光装飾することができる。
上部後左ユニット3210は、上部後左駆動モータ3214を駆動することでラックギア3213を介して上部後左装飾体3220を昇降させることができる。
上部後可動演出ユニット3200の上部後右ユニット3230は、詳細な図示は省略するが、裏箱内に取付けられる右ベース3231と、右ベース3231に右上から左下へ向かう斜め方向へスライド可能に取付けられている右スライダ3232と、右スライダ3232に取付けられている直線状のラックギア3233と、右ベース3231に回転軸を前後方向へ向けて取付けられている上部後右駆動モータ3234と、上部後右駆動モータ3234に取付けられており上部後右駆動モータ3234の回転軸が入力側に接続されているクラッチ機構3250と、クラッチ機構3250の出力側に接続されている平歯車状の駆動ギア3235と、駆動ギア3235と噛合しており右ベース3231に回転可能に取付けられている平歯車状の第一伝達ギア3236と、第一伝達ギア3236と噛合しており右ベース3231に回転可能に取付けられている平歯車状の第二伝達ギア3237と、第二伝達ギア3237と噛合しており右ベース3231に回転可能に取付けられている第三伝達ギア3238と、第三伝達ギア3238及びラックギア3233と夫々噛合しており右ベース3231に回転可能に取付けられている平歯車状のピニオンギア3239と、を備えている。
また、上部後右ユニット3230は、右スライダ3232の下端に取付けられており左右に延びている平板状の上部後右装飾体3240と、上部後右装飾体3240の後側に取付けられており前面に複数のLEDが実装されている上部後右装飾基板と、を備えている。上部後右装飾体3240は、上部後右装飾基板の複数のLEDを発光させることで発光装飾することができる。
上部後右ユニット3230は、上部後右駆動モータ3234を駆動することでラックギア3233を介して上部後右装飾体3240を昇降させることができる。
クラッチ機構3250は、筒状の収容ケース3251と、収容ケース3251内において収容ケース3251の内面付近まで放射状に延出している複数の突出部3252aを有しており、上部後左駆動モータ3214又は上部後右駆動モータ3234の回転軸が取付けられる入力部材3252と、収容ケース3251内において入力部材3252の突出部3252aが周方向へ隙間を有した状態で挿入されている複数の伝達溝3253a、周方向へ入力部材3252の突出部3252aに接近するほど収容ケース3251の内面との間が狭くなるように形成されている複数のカム面3253b、及び収容ケース3251から突出しており駆動ギア3215又は駆動ギア3235が取付けられる出力軸3253c、を有している出力部材3253と、出力部材3253の複数のカム面3253bと収容ケース3251の内面との間に挿入されている複数のローラ3254と、収容ケース3251を外側から締付けている締付バネ3255と、収容ケース3251及び締付バネ3255を収容している収容凹部3256aを有しており、左ベース3211又は右ベース3231に取付けられる本体ハウジング3256と、本体ハウジング3256の収容凹部3256aを閉鎖しており出力部材3253の出力軸3253cが貫通している蓋部材3257と、蓋部材3257に取付けられており出力軸3253cが挿通されているベアリング3258と、を備えている(図114(a)〜(c)を参照)。
クラッチ機構3250は、上部後左駆動モータ3214又は上部後右駆動モータ3234により入力部材3252を回転させると、入力部材3252の複数の突出部3252aが出力部材3253の伝達溝3253aの周方向端部に当接し、出力部材3253が回転することとなり、出力部材3253の出力軸3253cに取付けられている駆動ギア3215又は駆動ギア3235が回転することとなる。つまり、クラッチ機構3250は、上部後左駆動モータ3214又は上部後右駆動モータ3234からの回転を、駆動ギア3215又は駆動ギア3235側へそのまま伝達させることができる。
また、クラッチ機構3250は、駆動ギア3215又は駆動ギア3235側から出力軸3253cを介して出力部材3253を回転させると、出力部材3253のカム面3253bが入力部材3252の突出部3252aの方向へ移動することとなるため、カム面3253bと収容ケース3251の内面との間が狭くなり、その間にローラ3254が噛み込まれる。これにより、出力部材3253の回転が阻止された状態となり、駆動ギア3215又は駆動ギア3235の回転がロックされると共に、駆動ギア3215又は駆動ギア3235側からの回転が入力部材3252を介して上部後左駆動モータ3214又は上部後右駆動モータ3234側へ伝達されることはない。従って、重力により上部後左装飾体3220や上部後右装飾体3240を下方へ移動させようとする力が作用しても、クラッチ機構3250により出力部材3253を介して駆動ギア3215又は駆動ギア3235の回転をロックしているため、上部後左装飾体3220や上部後右装飾体3240が勝手に下方へ移動することはなく、上部後左駆動モータ3214又は上部後右駆動モータ3234に負荷をかけることなく上部後左装飾体3220や上部後右装飾体3240を任意の位置に停止させたままとの状態とすることができる。
本実施形態のクラッチ機構3250では、収容ケース3251を外周側からコイルスプリングからなる締付バネ3255により締付けていると共に、締付バネ3255と収容ケース3251とを本体ハウジング3256の収容凹部3256a内に収容していることから、駆動ギア3215又は駆動ギア3235側から出力軸3253cを介して出力部材3253にかかる回転の負荷(トルク)が、所定以上大きくなると、締付バネ3255の締付力(付勢力)に抗して収容ケース3251が回転し、出力部材3253の伝達溝3253aの周方向端部が入力部材3252の突出部3252aに当接し、入力部材3252に回転が伝達される。これにより、出力側から出力部材3253を強い力で回転させようとすると、収容ケース3251を締付けている締付バネ3255と収容ケース3251との間に滑りが生じて、その回転力を上部後左駆動モータ3214側及び上部後右駆動モータ3234側へ伝達させて逃すことができるため、ローラ3254が強く噛み込んでロックを解除することができなくなったり、出力部材3253や収容ケース3251が破損したりするのを防止することができる。
更に、クラッチ機構3250は、図114(d)に示すように、収容ケース3251の内面とカム面3253bとの間で突出部3252a同士の間に二つのローラ3254を挿入すると共に、二つのローラ3254を夫々ロックバネ3260により夫々に近い突出部3252a側へ付勢するようにした構成としても良い。これにより、上部後左装飾体3220側及び上部後右装飾体3240側から出力部材3253を回転させようとする力が作用した時に、直ちにローラ3254を出力部材3253のカム面3253bと収容ケース3251の内面との間に噛み込ませることができ、上部後左装飾体3220側及び上部後右装飾体3240側からの回転が作用してからロックがかかるまでの出力部材3253の回転(回転角度)を可及的に少なくすることができる。
次に、上部後可動演出ユニット3200を用いた演出について説明する。上部後可動演出ユニット3200は、通常の状態では、図99等に示すように、演出表示装置1600の上方で、上部前可動演出ユニット3300の後方に位置しており、上部後左装飾体3220及び上部後右装飾体3240が遊技者側から視認不能な状態となっている。この通常の状態では、上部後左駆動モータ3214及び上部後右駆動モータ3234が夫々非駆動の状態となっているが、上述したように、上部後左駆動モータ3214及び上部後右駆動モータ3234と、上部後左装飾体3220及び上部後右装飾体3240との間に介装されているクラッチ機構3250により、出力部材3253を介して駆動ギア3215及び駆動ギア3235の回転がロックされており、上部後左装飾体3220及び上部後右装飾体3240が勝手に下方へ移動することはない。
これにより、上部後左装飾体3220及び上部後右装飾体3240の下方への移動を阻止するために、上部後左駆動モータ3214及び上部後右駆動モータ3234を駆動させ続けたり、下方への移動を阻止するための電気的なロック機構を備えたりする必要がなく、パチンコ機1に係る構成を簡略化することができる。また、クラッチ機構3250の存在により上部後左装飾体3220及び上部後右装飾体3240が勝手に移動するのを防止することができるため、遊技盤5を搬送中や遊技ホールの島設備への取付け等の際の振動や加速度が作用しても、上部後左装飾体3220及び上部後右装飾体3240が出荷時の原点の状態のままとなっており、不要な原点調整を行う必要がなく、遊技盤5の設置に係る手間を少なくすることができ、遊技ホール側の負担の増加を抑制させることができる。
この通常の状態で、第一始動口2002や第二始動口2004への遊技球Bの受入れにより抽選された第一特別抽選結果又は第二特別抽選結果に応じて、上部後左駆動モータ3214及び上部後右駆動モータ3234を駆動させると、夫々クラッチ機構3250を介して上部後左装飾体3220及び上部後右装飾体3240が中央寄りの斜め下方への移動することとなり、上部後左装飾体3220の右端と、上部後右装飾体3240の左端とが当接して、一つの大きな装飾体を形成する(図112を参照)。これにより、演出表示装置1600の前面上部に、左右に延びた大きな装飾体が出現するため、遊技者を驚かせることができ、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
このように、本実施形態の上部後可動演出ユニット3200によれば、上部後左駆動モータ3214及び上部後右駆動モータ3234と左スライダ3212及び右スライダ3232(上部後左装飾体3220及び上部後右装飾体3240)との間に夫々クラッチ機構3250を備えていることから、遊技者が操作可能な演出操作部301や他の可動装飾体等からの振動や、左スライダ3212及び右スライダ3232や上部後左装飾体3220及び上部後右装飾体3240に作用する重力等により、左スライダ3212及び右スライダ3232が下降しようとすることでクラッチ機構3250の出力側の出力部材3253が回転しようとしても、出力部材3253のカム面3253bによりローラ3254が収容ケース3251の内面へ押圧されて、収容ケース3251の内面とカム面3253bとの間にローラ3254が噛み込まれた状態となり、出力部材3253側(上部後左装飾体3220側及び上部後右装飾体3240側)から上部後左駆動モータ3214側及び上部後右駆動モータ3234側への回転の伝達が遮断されると共に出力部材3253の回転がロックされることとなるため、左スライダ3212及び右スライダ3232が勝手に下降するのを規制することができ、左スライダ3212及び右スライダ3232を介して上部後左装飾体3220及び上部後右装飾体3240が予期しない動き(落下)をするのを防止することができると共に、上部後左装飾体3220及び上部後右装飾体3240が意図しない動きをすることで遊技者に不信感を与えてしまうのを回避させることができ、遊技者に上部後左装飾体3220及び上部後右装飾体3240の動きを楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、上述したように、上部後左装飾体3220側及び上部後右装飾体3240側が下降しようとしてもクラッチ機構3250により出力部材3253の回転を規制してロックすることができることから、左スライダ3212及び右スライダ3232を介して任意の高さの位置に上部後左装飾体3220及び上部後右装飾体3240を停止させることができるため、上部後左装飾体3220及び上部後右装飾体3240が様々な位置で昇降停止する多彩な演出パターンを遊技者に見せることができ、上部後左装飾体3220及び上部後右装飾体3240の可動演出に対して遊技者を飽きさせ難くして興趣の低下を抑制させることができる。
また、クラッチ機構3250を備えているため、左スライダ3212及び右スライダ3232を介して上下方向の任意の位置に上部後左装飾体3220及び上部後右装飾体3240を停止させても、上部後左駆動モータ3214及び上部後右駆動モータ3234に負荷がかからないようにすることができ、過負荷による上部後左駆動モータ3214及び上部後右駆動モータ3234の早期の破損を防止することができると共に、上部後左駆動モータ3214及び上部後右駆動モータ3234の破損による遊技の中断を回避させて遊技者に不快感を与えてしまうのを防止することができ、遊技者の遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
更に、図114(d)に示すように、収容ケース3251の内面とカム面3253bとの間で突出部3252a同士の間に二つのローラ3254を挿入すると共に、二つのローラ3254を夫々ロックバネ3260により夫々に近い突出部3252a側へ付勢するようにした場合、上部後左装飾体3220側及び上部後右装飾体3240側から出力部材3253を回転させようとする力が作用した時に、直ちにローラ3254を出力部材3253のカム面3253bと収容ケース3251の内面との間に噛み込ませることができ、上部後左装飾体3220側及び上部後右装飾体3240側からの回転が作用してからロックがかかるまでの出力部材3253の回転を可及的に少なくすることができる。これにより、上部後左駆動モータ3214及び上部後右駆動モータ3234により左スライダ3212及び右スライダ3232を下方へ移動させる時に、左スライダ3212及び右スライダ3232がギクシャクすることなくスムーズに下降することとなるため、遊技者に対して上部後左装飾体3220及び上部後右装飾体3240の動きに違和感を与えることはなく、上部後左装飾体3220及び上部後右装飾体3240による可動演出を楽しませることができ、遊技者の遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
また、上部後左装飾体3220及び上部後右装飾体3240を夫々下方へ移動させて上部後左装飾体3220及び上部後右装飾体3240同士を当接させることで、上部後左装飾体3220及び上部後右装飾体3240同士を合体させて大きな装飾体を形成することができるため、合体して大きな装飾体が出現することで遊技者に対して強いインパクトを与えることができ、遊技者を楽しませることができると共に、大きな装飾体の出現により遊技者に対して遊技者が有利となる有利遊技状態(例えば、「大当り遊技」)が発生するのではないかと思わせることができ、遊技に対する期待感を高めさせて興趣の低下を抑制させることができる。上部後左装飾体3220及び上部後右装飾体3240が互いに当接して合体する際に、互いが当接することで相手側の上部後右装飾体3240又は上部後左装飾体3220を移動させようとする力が作用することとなるが、夫々にクラッチ機構3250を備えているため、上部後左装飾体3220及び上部後右装飾体3240を移動させようとする力(出力側から回転させようとする力)が作用しても、ローラ3254が出力部材3253のカム面3253bと収容ケース3251の内面との間に噛み込まれて上部後左装飾体3220及び上部後右装飾体3240の移動をロックすることができ、上部後左装飾体3220及び上部後右装飾体3240同士の当接により移動するのを防止することができると共に、当接の反動により上部後左装飾体3220及び上部後右装飾体3240が戻るのも防止することができ、上部後左装飾体3220及び上部後右装飾体3240が当接して合体する可動演出を確実に遊技者に楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、クラッチ機構3250において、収容ケース3251を締付バネ3255で締付けていると共に、締付バネ3255と収容ケース3251を本体ハウジング3256の収容凹部3256a内に収容しているため、出力側から出力部材3253を回転させて、出力部材3253のカム面3253bによりローラ3254を収容ケース3251の内面へ押圧して、収容ケース3251の内面と出力部材3253のカム面3253bとの間にローラ3254を噛み込ませることで、複数のローラ3254を介して収容ケース3251を回転させようとする力が作用した時に、収容ケース3251を回転させようとする力(トルク)が締付バネ3255の締付力による摩擦抵抗よりも大きいと、収容ケース3251と締付バネ3255との間に滑りが生じ、収容ケース3251が回転することとなる。そして、収容ケース3251が回転することで、複数のローラ3254を介して出力部材3253が回転し、出力部材3253の伝達溝3253aの周方向端部が入力部材3252の突出部3252aに当接して、入力部材3252に回転が伝達されることとなる。これにより、出力側から出力部材3253を強い力で回転させようとすると、収容ケース3251を締付けている締付バネ3255と収容ケース3251との間に滑りが生じて、その回転力を上部後左駆動モータ3214側及び上部後右駆動モータ3234側へ伝達させて逃すことができるため、ローラ3254が強く噛み込んでロックを解除することができなくなったり、出力部材3253や収容ケース3251が破損したりするのを防止することができ、上述した作用効果を確実に奏するパチンコ機1を具現化することができる。
[5−9c.上部前可動演出ユニット]
裏ユニット3000における上部前可動演出ユニット3300について、主に図115及び図116を参照して詳細に説明する。上部前可動演出ユニット3300は、演出表示装置1600よりも正面視において上方で裏箱内の上部における上部後可動演出ユニット3200の前側に取付けられている。上部前可動演出ユニット3300は、裏箱内の上部に取付けられる横長のユニットベース3301と、ユニットベース3301に取付けられている上部前駆動モータ3302と、ユニットベース3301に上下方向へ昇降可能に取付けられており上部前駆動モータ3302の駆動により昇降する上部前可動装飾体3350と、を備えている。
上部前可動装飾体3350は、ユニットベース3301の左右方向中央で上下方向へ(下方へ)昇降可能に取付けられている円形状の中央装飾体3351と、中央装飾体3351の左右両側に配置されている一対の第一突出装飾部3352a、及び一対の第一突出装飾部3352a同士を連結しており中央装飾体3351の後側に前後方向へ延びた軸周りに回転可能に取付けられている第一連結棒3352bを有している第一突出装飾体3352と、中央装飾体3351の左右両側に配置されている一対の第二突出装飾部3353a、及び一対の第二突出装飾部3353a同士を連結しており第一突出装飾体3352の第一連結棒3352bと同軸上で中央装飾体3351の後側に前後方向へ延びた軸周りに回転可能に取付けられている第二連結棒3353bを有している第二突出装飾体3353と、を備えている。
第一突出装飾体3352は、一対の第一突出装飾部3352aが、中央装飾体3351側を底辺とする長く突出した二等辺三角形状に形成されている。一対の第一突出装飾部3352aは、中央装飾体3351の右側の第一突出装飾部3352aが、左側の第一突出装飾部3352aよりも前後方向が後方に配置されている。また、第一突出装飾体3352は、右側の第一突出装飾部3352aの先端に、後述する右側の第二リンク棒3304の先端が回転可能に取付けられるリンク取付部3352cを有している。
第二突出装飾体3353は、一対の第二突出装飾部3353aが、中央装飾体3351側を底辺とする長く突出した二等辺三角形状に形成されている。一対の第二突出装飾部3353aは、中央装飾体3351の左側の第二突出装飾部3353aが、右側の第二突出装飾部3353aよりも前後方向が後方に配置されている。また、第二突出装飾体3353は、左側の第二突出装飾部3353aの先端に、後述する左側の第二リンク棒3304の先端が回転可能に取付けられるリンク取付部3353cを有している。
上部前可動装飾体3350は、第一突出装飾体3352の第一突出装飾部3352aと、第二突出装飾体3353の第二突出装飾部3353aとが、互いに同じ形状で同じ大きさに形成されている。上部前可動装飾体3350は、左側の第一突出装飾部3352aの後方に左側の第二突出装飾部3353aが、右側の第二突出装飾部3353aの後方に右側の第一突出装飾部3352aが夫々位置して、第一突出装飾体3352と第二突出装飾体3353とが前後方向に重なるように構成されている。
また、上部前可動装飾体3350は、図示は省略するが、中央装飾体3351、一対の第一突出装飾部3352a、及び一対の第二突出装飾部3353aの後側に、夫々前面に複数のLEDが実装されている上部前中央装飾基板、第一突出装飾部装飾基板、及び第二突出装飾部装飾基板を有しており、中央装飾体3351、一対の第一突出装飾部3352a、及び一対の第二突出装飾部3353aを夫々独立して発光装飾させることができる。
また、上部前可動演出ユニット3300は、ユニットベース3301に前面の左右方向中央を間にして対称となる位置に基端が前後に延びた軸周りに回転可能に取付けられており左右方向外方へ棒状に延出している一対の第一リンク棒3303と、一対の第一リンク棒3303の夫々の先端に基端側が前後に延びた軸周りに回転可能に取付けられていると共に先端側が第一突出装飾体3352のリンク取付部3352c及び第二突出装飾体3353のリンク取付部3353cに夫々前後に延びた軸周りに回転可能に取付けられている一対の第二リンク棒3304と、ユニットベース3301の前面から前方へ突出しており第一リンク棒3303の先端側の上方への回転を規制する上ストッパ3305と、第一リンク棒3303の先端側の下方への回転を規制する下ストッパ3306と、を備えている。
次に、上部前可動演出ユニット3300を用いた演出について説明する。上部前可動演出ユニット3300は、通常の状態では、図99等に示すように、上部前可動装飾体3350が上昇しており、中央装飾体3351が遊技領域5aの左右方向上端付近に位置していると共に、第一突出装飾体3352及び第二突出装飾体3353が水平に延びて互いが前後方向に重なった状態となっている(図116(a)を参照)。この通常の状態では、第一突出装飾体3352と第二突出装飾体3353とが互いに前後方向に重なっているため、遊技者に対して一つの装飾体であると認識させることができる。また、通常の状態では、一対の第一リンク棒3303が夫々上ストッパ3305に当接しており、先端側が上方へ移動する方向へのこれ以上の回転が阻止されている。
この通常の状態で、第一始動口2002や第二始動口2004への遊技球Bの受入れにより抽選された第一特別抽選結果又は第二特別抽選結果に応じて、上部前駆動モータ3302を駆動させると、中央装飾体3351が第一突出装飾体3352及び第二突出装飾体3353と一緒に上部前可動装飾体3350の全体が下方へ移動する。この際に、第一突出装飾体3352及び第二突出装飾体3353は、水平に延びた状態のままで下方へ移動する。これら第一突出装飾体3352及び第二突出装飾体3353が下方へ移動することで、右側の第一突出装飾部3352aのリンク取付部3352cに取付けられている右側の第二リンク棒3304と、左側の第二突出装飾部3353aのリンク取付部3353cに取付けられている左側の第二リンク棒3304とが、夫々下方へ移動することとなり、夫々先端に第二リンク棒3304が取付けられている一対の第一リンク棒3303が、夫々先端側が下方へ移動するように回転する。
そして、上部前可動装飾体3350(中央装飾体3351)の下方への移動に伴って回転する一対の第一リンク棒3303が、夫々下ストッパ3306に当接すると、これ以上の回転が阻止された状態となる(図116(b)を参照)。一対の第一リンク棒3303が夫々下ストッパ3306に当接した後に、更に、中央装飾体3351が下方へ移動すると、右側の第一突出装飾部3352aと左側の第二突出装飾部3353aとが、左右の第二リンク棒3304によって下方への移動が規制された状態となるため、第一突出装飾体3352及び第二突出装飾体3353が、第一連結棒3352b及び第二連結棒3353bの中央(中央装飾体3351の中央)を中心にして、夫々第二リンク棒3304が取付けられている側と反対側の第一突出装飾部3352a及び第二突出装飾部3353aが下方へ移動する方向へ回転することとなる(図116(c)を参照)。これにより、中央装飾体3351の左右両側に配置されている第一突出装飾部3352aと第二突出装飾部3353aとが、中央装飾体3351を中心にしてハサミが開くように夫々回動するため、上部前可動装飾体3350の全体を大きくすることができ、遊技者を驚かせて遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
このように、上部前可動演出ユニット3300によれば、通常の状態では、上部前可動装飾体3350の第一突出装飾体3352と第二突出装飾体3353とが前後に重なって一つの装飾体のように見せ、上部前可動装飾体3350を下降させると、重なっている第一突出装飾部3352aと第二突出装飾部3353aとが、先端同士が遠ざかるように回転して開いた状態となるため、一つの装飾体と認識していた遊技者を驚かせることができ、上部前可動装飾体3350の動きを楽しませることができる。
また、第一リンク棒3303及び第二リンク棒3304の作用により、上部前可動装飾体3350を下方へ移動させるだけで、第一突出装飾体3352及び第二突出装飾体3353を、中央装飾体3351を中心に互いに相反する方向へ回転させて開かせることができるため、第一突出装飾体3352及び第二突出装飾体3353を回転させるための駆動モータを別途備える必要がない。
[6.制御構成]
次に、パチンコ機1の各種制御を行う制御構成について、図117を参照して説明する。図117は、パチンコ機の制御構成を概略で示すブロック図である。パチンコ機1の主な制御構成は、図示するように、遊技盤5に取付けられる主制御基板1310及び周辺制御基板1510と、本体枠4に取付けられる払出制御基板633と、から構成されており、夫々の制御が分担されている。主制御基板1310は、遊技動作(遊技の進行)を制御する。周辺制御基板1510は、主制御基板1310からのコマンドに基づいて遊技中の各種演出を制御する周辺制御部1511と、周辺制御部1511からのコマンドに基づいて演出表示装置1600での演出画像の表示を制御する演出表示制御部1512と、を備えている。払出制御基板633は、遊技球Bの払出し等を制御する払出制御部633aと、ハンドル182の回転操作による遊技球Bの発射を制御する発射制御部633bと、を備えている。
[6−1.主制御基板]
遊技の進行を制御する主制御基板1310は、詳細な図示は省略するが、各種処理プログラムや各種コマンドを記憶するROMや一時的にデータを記憶するRAM等が内蔵されるマイクロプロセッサである主制御MPUと、入出力デバイス(I/Oデバイス)としての主制御I/Oポートと、各種検出スイッチからの検出信号が入力される主制御入力回路と、各種ソレノイドを駆動するための主制御ソレノイド駆動回路と、主制御MPUに内蔵されているRAMに記憶された情報を完全に消去するためのRAMクリアスイッチと、を備えている。主制御MPUは、その内蔵されたROMやRAMのほかに、その動作(システム)を監視するウォッチドックタイマや不正を防止するための機能等も内蔵されている。
主制御基板1310の主制御MPUは、第一始動口2002に受入れられた遊技球Bを検出する第一始動口センサ3002、第二始動口2004に受入れられた遊技球Bを検出する第二始動口センサ2511、一般入賞口2001に受入れられた遊技球Bを検出する一般入賞口センサ3001、ゲート部2003を通過した遊技球Bを検知するゲートセンサ2301、第一大入賞口2005に受入れられた遊技球Bを検知する第一カウントセンサ2512、第一大入賞口2005に受入れられて振分部材によって特定領域に振り分けられた遊技球Bを検知する特定領域センサ2512a、第二大入賞口2006に受入れられた遊技球Bを検知する第二カウントセンサ2513、及び遊技領域5a内における不正な磁気を検知する磁気センサ3003、等からの検出信号が夫々主制御I/Oポートを介して入力される。
主制御MPUは、これらの検出信号に基づいて、主制御I/Oポートから主制御ソレノイド駆動回路に制御信号を出力することにより、始動口ソレノイド2514、第一アタッカソレノイド2515、及び第二アタッカソレノイド2516、振分ソレノイド2111に駆動信号を出力したり、主制御I/Oポートから機能表示ユニット1400の状態表示器、普通図柄表示器、普通保留表示器、第一特別図柄表示器、第一特別保留数表示器、第二特別図柄表示器、第二特別保留数表示器、ラウンド表示器、等に駆動信号を出力したりする。
なお、本実施形態おいて、第一始動口センサ3002、第二始動口センサ2511、ゲートセンサ2301、第一カウントセンサ2512、特定領域センサ2512a、及び第二カウントセンサ2513には、非接触タイプの電磁式の近接スイッチを用いているのに対して、一般入賞口センサ3001には、接触タイプのON/OFF動作式のメカニカルスイッチを用いている。これは、遊技球Bが、第一始動口2002や第二始動口2004に頻繁に入球すると共に、ゲート部2003を頻繁に通過するため、第一始動口センサ3002、第二始動口センサ2511、及びゲートセンサ2301による遊技球Bの検出も頻繁に発生する。このため、第一始動口センサ3002、第二始動口センサ2511、及びゲートセンサ2301には、耐久性が高く寿命の長い近接スイッチを用いている。
また、遊技者にとって有利となる有利遊技状態(「大当り」遊技、等)が発生すると、第一大入賞口2005又は第二大入賞口2006が開放されて遊技球Bが頻繁に入球するため、第一カウントセンサ2512及び第二カウントセンサ2513による遊技球Bの検出も頻繁に発生する。このため、第一カウントセンサ2512及び第二カウントセンサ2513にも、耐久性が高く寿命の長い近接スイッチを用いている。また、特定領域センサ2512aも大当り遊技の発生に関わる重要(遊技者の利益に直結する)なセンサであるため、耐久性が高く寿命の長い近接スイッチを用いている。これに対して、遊技球Bが頻繁に入球しない一般入賞口2001には、一般入賞口センサ3001による検出も頻繁に発生しない。このため、一般入賞口センサ3001には、近接スイッチより寿命が短いメカニカルスイッチを用いている。
また、主制御MPUは、遊技に関する各種情報(遊技情報)及び払出しに関する各種コマンド等を払出制御基板633に送信したり、この払出制御基板633からのパチンコ機1の状態に関する各種コマンド等を受信したりする。更に、主制御MPUは、遊技演出の制御に関する各種コマンド及びパチンコ機1の状態に関する各種コマンドを、主制御I/Oポートを介して周辺制御基板1510の周辺制御部1511に送信したりする。なお、主制御MPUは、その詳細な説明は後述するが、払出制御基板633からパチンコ機1の状態に関する各種コマンドを受信すると、これらの各種コマンドを整形して周辺制御部1511に送信する。
主制御基板1310には、詳細な説明は後述するが、基板ユニット620の電源基板630から各種電圧が供給されている。この主制御基板1310に各種電圧を供給する電源基板630は、電源遮断時にでも所定時間、主制御基板1310に電力を供給するためのバックアップ電源としての電気二重層キャパシタ(以下、単に「キャパシタ」と記載する。)を備えている。このキャパシタにより主制御MPUは、電源遮断時にでも電源断時処理において各種情報をRAMに記憶することができる。この記憶した各種情報は、電源投入時に主制御基板1310のRAMクリアスイッチが操作されると、RAMから完全に消去(クリア)される。このRAMクリアスイッチの操作信号(検出信号)は、払出制御基板633にも出力される。
また、主制御基板1310には、停電監視回路が設けられている。この停電監視回路は、電源基板630から供給される各種電圧の低下を監視しており、それらの電圧が停電予告電圧以下となると、停電予告として停電予告信号を出力する。この停電予告信号は、主制御I/Oポートを介して主制御MPUに入力される他に、払出制御基板633等にも出力されている。
[6−2.払出制御基板]
遊技球Bの払出し等を制御する払出制御基板633は、払出しに関する各種制御を行う払出制御部633aと、発射ソレノイド542による発射制御を行うとともに、球送給ソレノイド145による球送給制御を行う発射制御部633bと、パチンコ機1の状態を表示するエラーLED表示器と、エラーLED表示器に表示されているエラーを解除するためのエラー解除スイッチと、メンテナンスの際に、球タンク552、タンクレール553、球誘導ユニット570、及び払出装置580内の遊技球Bを、パチンコ機1の外部(上皿201)へ排出して球抜き動作を開始するための球抜スイッチと、を備えている。
[6−2a.払出制御部]
払出制御基板633における払出しに関する各種制御を行う払出制御部633aは、詳細な図示は省略するが、各種処理プログラムや各種コマンドを記憶するROMや一時的にデータを記憶するRAM等が内蔵されるマイクロプロセッサである払出制御MPUと、I/Oデバイスとしての払出制御I/Oポートと、払出制御MPUが正常に動作しているか否かを監視するための外部WDT(外部ウォッチドックタイマ)と、払出装置580の払出モータ584に駆動信号を出力するための払出モータ駆動回路と、払出しに関する各種検出スイッチからの検出信号が入力される払出制御入力回路と、を備えている。払出制御MPUには、その内蔵されたROMやRAMのほかに、不正を防止するため機能等も内蔵されている。
払出制御部633aの払出制御MPUは、主制御基板1310からの遊技に関する各種情報(遊技情報)及び払い出しに関する各種コマンドを払出制御I/Oポートを介してシリアル方式で受信したり、主制御基板1310からのRAMクリアスイッチの操作信号(検出信号)が払出制御I/Oポートを介して入力されたりする他に、満タン検知センサ154からの検出信号が入力されたり、球切検知センサ574、払出検知センサ591、及び羽根回転検知センサ590からの検出信号が入力される。
球誘導ユニット570の球切検知センサ574、払出装置580の払出検知センサ591及び羽根回転検知センサ590からの検出信号は、払出制御入力回路に入力され、払出制御I/Oポートを介して払出制御MPUに入力される。
また、本体枠4に対する扉枠3の開放を検出する扉枠開放スイッチ、及び外枠2に対する本体枠4の開放を検出する本体枠開放スイッチからの検出信号は、払出制御入力回路に入力され、払出制御I/Oポートを介して払出制御MPUに入力される。
また、ファールカバーユニット150の満タン検知センサ154からの検出信号は、払出制御入力回路に入力され、払出制御I/Oポートを介して払出制御MPUに入力される。
払出制御MPUは、払出モータ584を駆動するための駆動信号を、払出制御I/Oを介して払出モータ584に出力したり、パチンコ機1の状態をエラーLED表示器に表示するための信号を、払出制御I/Oポートを介してエラーLED表示器に出力したり、パチンコ機1の状態を示すためのコマンドを、払出制御I/Oポートを介して主制御基板1310にシリアル方式で送信したり、実際に払出した遊技球Bの球数を払出制御I/Oポートを介して外部端子板558に出力したりする。この外部端子板558は、遊技ホール側に設置されたホールコンピュータに接続されている。このホールコンピュータは、パチンコ機1が払出した遊技球Bの球数やパチンコ機1の遊技情報等を把握することにより遊技者の遊技を監視している。
エラーLED表示器(図示は省略)は、セグメント表示器であり、英数字や図形等を表示してパチンコ機1の状態を表示している。エラーLED表示器が表示して報知する内容としては、次のようなものがある。例えば、図形「−」が表示されているときには「正常」である旨を報知し、数字「0」が表示されているときには「接続異常」である旨(具体的には、主制御基板1310と払出制御基板633との基板間の電気的な接続に異常が生じている旨)を報知し、数字「1」が表示されているときには「球切れ」である旨(具体的には、球切検知センサ574からの検出信号に基づいて払出装置580内に遊技球Bがない旨)を報知し、数字「2」が表示されているときには「球がみ」である旨(具体的には、羽根回転検知センサ590からの検出信号に基づいて払出装置580の払出通路580aと払出羽根589との間に遊技球Bがかみ込んで払出羽根589が回転困難となっている旨)を報知し、数字「3」が表示されているときには「計数スイッチエラー」である旨(具体的には、払出検知センサ591からの検出信号に基づいて払出検知センサ591に不具合が生じている旨)を報知し、数字「5」が表示されているときには「リトライエラー」である旨(具体的には、払出し動作のリトライ回数が予め設定された上限値に達した旨)を報知し、数字「6」が表示されているときには「満タン」である旨(具体的には、満タン検知センサ154からの検出信号に基づいてファールカバーユニット150内に貯留された遊技球Bで満タンである旨)を報知し、数字「7」が表示されているときには「CR未接続」である旨(払出制御基板633からCRユニットまでに亘るいずれかにおいて電気的な接続が切断されている旨)を報知し、数字「9」が表示されているときには「ストック中」である旨(具体的には、まだ払出していない遊技球Bの球数が予め定めた球数に達している旨)を報知している。
球貸ボタン224からの遊技球Bの球貸要求信号、及び返却ボタン225からのプリペイドカードの返却要求信号は、CRユニットに入力される。CRユニットは、球貸要求信号に従って貸し出す遊技球Bの球数を指定した信号を、払出制御基板633にシリアル方式で送信し、この信号が払出制御I/Oポートで受信されて払出制御MPUに入力される。またCRユニットは、貸出した遊技球Bの球数に応じて挿入されたプリペイドカードの残度を更新するとともに、その残度の表示信号を球貸操作ユニット220へ出力し、この信号が球貸操作ユニット220の球貸表示部に入力されて表示される。
[6−2b.発射制御部]
発射制御部633bは、発射ソレノイド542による発射制御と、球送給ソレノイド145による球送給制御と、を行う。発射制御部633bは、詳細に図示は省略するが、発射に関する各種検出スイッチからの検出信号が入力される発射制御入力回路と、定時間毎にクロック信号を出力する発振回路と、このクロック信号に基づいて遊技球Bを遊技領域5aに向かって打ち出すための発射基準パルスを出力する発射タイミング制御回路と、この発射基準パルスに基づいて発射ソレノイド542に駆動信号を出力する発射ソレノイド駆動回路と、発射基準パルスに基づいて球送給ソレノイド145に駆動信号を出力する球送給ソレノイド駆動回路と、を備えている。発射タイミング制御回路は、発振回路からのクロック信号に基づいて、1分当たり100個の遊技球Bが遊技領域5aに向かって打ち出されるよう発射基準パルスを生成して発射ソレノイド駆動回路に出力するとともに、発射基準パルスを所定数倍した球送基準パルスを生成して球送給ソレノイド駆動回路に出力する。
ハンドルユニット180の関係では、ハンドル182に手のひらや指が触れているか否かを検出するハンドルタッチセンサ192、及び遊技者の意志によって遊技球Bの打ち出しを強制的に停止するか否かを検出する単発ボタン操作センサ194からの検出信号は、発射制御入力回路に入力された後に、発射タイミング制御回路に入力される。またCRユニットとCRユニット接続端子板とが電気的に接続されると、CR接続信号として発射制御入力回路に入力され、発射タイミング制御回路に入力される。ハンドル182の回転位置に応じて遊技球Bを遊技領域5aに向かって打ち出す強度を電気的に調節するハンドル回転検知センサ189からの信号は、発射ソレノイド駆動回路に入力され。
この発射ソレノイド駆動回路は、ハンドル回転検知センサ189からの信号に基づいて、ハンドル182の回転位置に見合う打ち出し強度で遊技球Bを遊技領域5aに向かって打ち出すための駆動電流を、発射基準パルスが入力されたことを契機として、発射ソレノイド542に出力する。一方、球送給ソレノイド駆動回路は、球送基準パルスが入力されたことを契機として、球送給ソレノイド145に一定電流を出力することにより、皿ユニット200の上皿201に貯留された遊技球Bを球送給ユニット140内に1球受入れ、その球送基準パルスの入力が終了したことを契機として、その一定電流の出力を停止することにより受入れた遊技球Bを球発射装置540側へ送る。このように、発射ソレノイド駆動回路から発射ソレノイド542に出力される駆動電流は可変に制御されるのに対して、球送給ソレノイド駆動回路から球送給ソレノイド145に出力される駆動電流は一定に制御されている。
なお、払出制御基板633に各種電圧を供給する電源基板630は、電源遮断時にでも所定時間、主制御基板1310に電力を供給するためのバックアップ電源としてのキャパシタを備えている。このキャパシタにより払出制御MPUは、電源遮断時にでも電源断時処理において各種情報を払出制御基板633のRAMに記憶することができる。この記憶した各種情報は、電源投入時に主制御基板1310のRAMクリアスイッチが操作されると、払出制御基板633のRAMから完全に消去(クリア)される。
[6−3.周辺制御基板]
周辺制御基板1510は、図117に示すように、主制御基板1310からのコマンドに基づいて演出制御を行う周辺制御部1511と、この周辺制御部1511からの制御データに基づいて、演出表示装置1600の描画制御を行う演出表示制御部1512と、を備えている。
[6−3a.周辺制御部]
周辺制御基板1510における演出制御を行う周辺制御部1511は、詳細な図示は省略するが、マイクロプロセッサとしての周辺制御MPUと、各種処理プログラムや各種コマンドを記憶する周辺制御ROMと、高音質の演奏を行う音源ICと、この音源ICが参照する音楽、音声、及び効果音等の音情報が記憶されている音ROMと、を備えている。
周辺制御MPUは、パラレルI/Oポート、シリアルI/Oポート等を複数内蔵しており、主制御基板1310から各種コマンドを受信すると、この各種コマンドに基づいて、遊技盤5の各装飾基板に設けられたカラーLED等への点灯信号、点滅信号又は階調点灯信号を出力するための遊技盤側発光データをランプ駆動基板用シリアルI/Oポートから遊技盤5の各装飾基板に送信したり、遊技盤5に設けられた各種演出ユニットを作動させる駆動モータへの駆動信号を出力するための遊技盤側駆動データを遊技盤装飾駆動基板用シリアルI/Oポートから遊技盤5の駆動モータ或いは駆動ソレノイドに送信したり、扉枠3に設けられた操作リング駆動モータ342、及び操作ボタン昇降駆動モータ367等への駆動信号を出力するための扉側駆動データと、扉枠3の各装飾基板に設けられたカラーLED等への点灯信号、点滅信号又は階調点灯信号を出力するための扉側発光データと、から構成される扉側駆動発光データを枠装飾駆動基板用シリアルI/Oポートから扉枠3側に送信したり、演出表示装置1600に表示させる画面を示す制御データ(表示コマンド)を表示制御部用シリアルI/Oポートから演出表示制御部1512に送信したり、するほかに、音ROMから音情報を抽出するための制御信号(音コマンド)を音源ICに出力したりする。
遊技盤5に設けられた裏ユニット3000の下部可動演出ユニット3100、上部後可動演出ユニット3200、及び上部前可動演出ユニット3300において位置を検出するための各種検知センサからの検知信号は、周辺制御MPUに入力されている。また、扉枠3に設けられた演出操作ユニット300の押圧検知センサ381、第一回転検知センサ347及び第二回転検知センサ348からの検知信号は、周辺制御MPUに入力されている。
また周辺制御MPUは、演出表示制御部1512が正常に動作している旨を伝える信号(動作信号)が演出表示制御部1512から入力されており、この動作信号に基づいて演出表示制御部1512の動作を監視している。
音源ICは、周辺制御MPUからの制御データ(音コマンド)に基づいて音ROMから音情報を抽出し、扉枠3や本体枠4等に設けられた振動スピーカ354、トップ中央スピーカ462、トップサイドスピーカ464や、本体枠4の本体枠スピーカ622等から各種演出に合せた音楽及び効果音等のサウンドが流れるように制御を行う。なお、周辺制御基板1510が収容された周辺制御基板ボックスから後方へ突出しているボリュームを回転操作することで、音量を調整することができるようになっている。本実施形態では、扉枠3側のトップ中央スピーカ462、トップサイドスピーカ464と、本体枠4の低音用の本体枠スピーカ622とに、音情報としての音響信号(例えば、2chステレオ信号、4chステレオ信号、2.1chサラウンド信号、或いは、4.1chサラウンド信号、等)を送ることで、従来よりも臨場感のある音響効果(音響演出)を提示することができる。
なお、周辺制御部1511は、周辺制御MPUに内蔵された内蔵WDT(ウォッチドックタイマ)のほかに、図示しない、外部WDT(ウォッチドックタイマ)も備えており、周辺制御MPUは、内蔵WDTと外部WDTとを併用して自身のシステムが暴走しているか否かを診断している。
この周辺制御MPUから演出表示制御部1512に出力される表示コマンドはシリアル入出力ポートにより行われ、本実施形態では、ビットレート(単位時間あたりに送信できるデータの大きさ)として19.2キロ(k)ビーピーエス(bits per second、以下、「bps」と記載する)が設定されている。一方、周辺制御MPUから遊技盤5の演出駆動基板に出力される、初期データ、扉枠側点灯点滅コマンド、遊技盤側点灯点滅コマンド、可動体駆動コマンド等は、表示コマンドと異なる複数のシリアル入出力ポートにより行われ、本実施形態では、ビットレートとして250kbpsが設定されている。
演出駆動基板は、受信した扉枠側点灯点滅コマンドに基づいた点灯信号又は点滅信号を、扉枠3に備えられた各装飾基板のLEDに出力したり、受信した遊技盤側点灯点滅コマンドに基づいた点灯信号又は点滅信号を遊技盤5に備えられた各装飾基板のLEDに出力したりする。
また、演出駆動基板は、受信した駆動コマンドに基づいた駆動信号を、扉枠3に備えられた操作リング駆動モータ342及び操作ボタン昇降駆動モータ367や、遊技盤5に備えられた各駆動モータ等に出力したりする。
[6−3b.演出表示制御部]
演出表示制御部1512は、演出表示装置1600の描画制御を行うものである。演出表示制御部1512は、詳細な図示は省略するが、マイクロプロセッサとしての表示制御MPUと、各種処理プログラム、各種コマンド及び各種データを記憶する表示制御ROMと、演出表示装置1600を表示制御するVDP(Video Display Processorの略)と、演出表示装置1600に表示される画面の各種データを記憶する画像ROMと、この画像ROMに記憶されている各種データが転送されてコピーされる画像RAMと、を備えている。
この表示制御MPUは、パラレルI/Oポート、シリアルI/Oポート等を内蔵しており、周辺制御部1511からの制御データ(表示コマンド)に基づいてVDPを制御して演出表示装置1600の描画制御を行っている。なお、表示制御MPUは、正常に動作していると、その旨を伝える動作信号を周辺制御部1511に出力する。また表示制御MPUは、VDPから実行中信号が入力されており、この実行中信号の出力が16msごとに停止されたことを契機として、割り込み処理を行っている。
表示制御ROMは、演出表示装置1600に描画する画面を生成するための各種プログラムのほかに、周辺制御部1511からの制御データ(表示コマンド)と対応するスケジュールデータ、その制御データ(表示コマンド)と対応する非常駐領域転送スケジュールデータ等を複数記憶している。スケジュールデータは、画面の構成を規定する画面データが時系列に配列されて構成されており、演出表示装置1600に描画する画面の順序が規定されている。非常駐領域転送スケジュールデータは、画像ROMに記憶されている各種データを画像RAMの非常駐領域に転送する際に、その順序を規定する非常駐領域転送データが時系列に配列されて構成されている。この非常駐領域転送データは、スケジュールデータの進行に従って演出表示装置1600に描画される画面データを、前もって、画像ROMから画像RAMの非常駐領域に各種データを転送する順序が規定されている。
表示制御MPUは、周辺制御部1511からの制御データ(表示コマンド)と対応するスケジュールデータの先頭の画面データを表示制御ROMから抽出してVDPに出力した後に、先頭の画面データに続く画面データを表示制御ROMから抽出してVDPに出力する。このように、表示制御MPUは、スケジュールデータに時系列に配列された画面データを、先頭の画面データから1つずつ表示制御ROMから抽出してVDPに出力する。
VDPは、表示制御MPUから出力された画面データが入力されると、この入力された画面データに基づいて画像RAMからスプライトデータを抽出して演出表示装置1600に表示する描画データを生成し、この生成した描画データを、演出表示装置1600に出力する。またVDPは、演出表示装置1600が、表示制御MPUからの画面データを受入れないときに、その旨を伝える実行中信号を表示制御MPUに出力する。なお、VDPは、ラインバッファ方式が採用されている。この「ラインバッファ方式」とは、演出表示装置1600の左右方向を描画する1ライン分の描画データをラインバッファに保持し、このラインバッファに保持した1ライン分の描画データを、演出表示装置1600に出力する方式である。
画像ROMには、極めて多くのスプライトデータが記憶されており、その容量が大きくなっている。画像ROMの容量が大きくなると、つまり、演出表示装置1600に描画するスプライトの数が多くなると、画像ROMのアクセス速度が無視できなくなり、演出表示装置1600に描画する速度に影響することとなる。そこで、本実施形態では、アクセス速度の速い画像RAMに、画像ROMに記憶されているスプライトデータを転送してコピーし、この画像RAMからスプライトデータを抽出している。なお、スプライトデータは、スプライトをビットマップ形式に展開する前のデータである基データであり、圧縮された状態で画像ROMに記憶されている。
ここで、「スプライト」について説明すると、「スプライト」とは、演出表示装置1600に、纏まった単位として表示されるイメージである。例えば、演出表示装置1600に、種々の人物(キャラクタ)を表示させる場合には、夫々の人物を描くためのデータを「スプライト」と呼ぶ。これにより、演出表示装置1600に複数人の人物を表示させる場合には、複数のスプライトを用いることとなる。また人物のほかに、背景を構成する家、山、道路等もスプライトであり、背景全体を1つのスプライトとすることもできる。これらのスプライトは、画面に配置される位置やスプライト同士が重なる場合の上下関係(以下、「スプライトの重ね合わせの順序」と記載する。)が設定されて演出表示装置1600に描画される。
なお、スプライトは縦横それぞれ64画素の矩形領域を複数張り合わせて構成されている。この矩形領域を描くためのデータを「スプライトキャラクタ」と呼ぶ。小さなスプライトの場合には1つのスプライトキャラクタを用いて表現することができるし、人物など比較的大きいスプライトの場合には、例えば横2×縦3などで配置した合計6個のスプライトキャラクタを用いて表現することができる。背景のように更に大きいスプライトの場合には更に多数のスプライトキャラクタを用いて表現することができる。このように、スプライトキャラクタの数及び配置は、スプライトごとに任意に指定することができるようになっている。
演出表示装置1600は、その正面から見て左から右に向かって順次、画素に沿った一方向に画素ごとの表示状態を設定する主走査と、その一方向と交差する方向に主走査を繰り返し行う副走査と、によって駆動される。演出表示装置1600は、演出表示制御部1512から出力された1ライン分の描画データが入力されると、主走査として演出表示装置1600の正面から見て左から右に向かって順次、1ライン分の画素にそれぞれ出力する。そして1ライン分の出力が完了すると、演出表示装置1600は、副走査として直下のラインに移行し、同様に次ライン分の描画データが入力されると、この次ライン分の描画データに基づいて主走査として演出表示装置1600の正面から見て左から右に向かって順次、1ライン分の画素にそれぞれ出力する。
[7.遊技内容]
本実施形態のパチンコ機1による遊技内容について、図100等を参照して説明する。本実施形態のパチンコ機1は、扉枠3の前面右下隅に配置されたハンドルユニット180のハンドル182を遊技者が回転操作することで、皿ユニット200の上皿201に貯留された遊技球Bが、遊技盤5における外レール1001と内レール1002との間を通って遊技領域5a内の上部へと打ち込まれて、遊技球Bによる遊技が開始される。遊技領域5a内の上部へ打ち込まれた遊技球Bは、その打込強さによってセンター役物2500の左側、或いは、右側の何れかを流下する。なお、遊技球Bの打込み強さは、ハンドル182の回転量によって調整することができ、時計回りの方向へ回転させるほど強く打込むことができ、連続で一分間に最大100個の遊技球B、つまり、0.6秒間隔で遊技球Bを打込むことができる。
また、遊技領域5a内には、適宜位置に所定のゲージ配列で複数の障害釘が遊技パネル1100(パネル板1110)の前面に植設されており、遊技球Bが障害釘に当接することで、遊技球Bの流下速度が抑制されると共に、遊技球Bに様々な動きが付与されて、その動きを楽しませられるようになっている。また、遊技領域5a内には、障害釘の他に、遊技球Bの当接により回転する風車(図示は省略)が適宜位置に備えられている。
センター役物2500の上部へ打込まれた遊技球Bは、センター役物2500の外周面のうち、最も高くなった部位よりも正面視左側へ進入すると、複数の障害釘に当接しながら、センター役物2500よりも左側の領域を流下することとなる。そして、センター役物2500の左側の領域を流下する遊技球Bが、センター役物2500の外周面に開口しているワープ入口2501に進入すると、ワープ出口2502からステージ2503に供給される。
ステージ2503に供給された遊技球Bは、ステージ2503上を転動して左右に行ったり来たりして、左右方向中央から前方へ放出される。ステージ2503の中央から遊技球Bが遊技領域5a内に放出されると、その部位が第一始動口2002の直上に位置していることから、高い確率で第一始動口2002に受入れられる。この第一始動口2002に遊技球Bが受入れられると、主制御基板1310及び払出制御基板633を介して払出装置580から所定数(例えば、3個)の遊技球Bが、上皿201に払出される。
センター役物2500のステージ2503から遊技領域5a内に放出された遊技球Bは、始動口ユニット2100の第一始動口2002や一般入賞口2001に受入れられる可能性がある。
ところで、センター役物2500の左側へ流下した遊技球Bが、ワープ入口2501に進入しなかった場合、サイドユニット2200や障害釘により左右方向中央側へ寄せられ、サイドユニット2200の一般入賞口2001、或いは、始動口ユニット2100の第一始動口2002や一般入賞口2001等、に受入れられる可能性がある。そして、一般入賞口2001に遊技球Bが受入れられると、主制御基板1310及び払出制御基板633を介して払出装置580から所定数(例えば、10個)の遊技球Bが、上皿201に払出される。
一方、遊技領域5a内においてセンター役物2500の上部に打込まれた遊技球Bが、センター役物2500の外周面の最も高くなった部位よりも右側に進入する(所謂、右打ちする)と、センター役物2500の右側を通ってゲートユニット2300の上部へ放出される。この部位には、ゲートユニット2300のゲート部2003の他に、センター役物2500の第二始動口2004や一般入賞口2001が備えられており、ある程度の確率でゲート部2003を通過する。
そして、右打した遊技球Bが、ゲート部2003を通過すると、主制御基板1310において普通抽選が行われ、抽選された普通抽選結果が「普通当り」の場合、閉鎖されている第二始動口2004が所定時間(例えば、0.5〜15秒)の間、開状態となり、第二始動口2004への遊技球Bの受入れが可能となる。そして、第二始動口2004に遊技球Bが受入れられると、主制御基板1310及び払出制御基板633を介して払出装置580から所定数(例えば、4個)の遊技球Bが、上皿201に払出される。
本実施形態では、ゲート部2003を遊技球Bが通過することで行われる普通抽選において、普通抽選を開始してから普通抽選結果を示唆するまでにある程度の時間を設定している(例えば、0.08〜20秒、普通変動時間とも称す)。この普通抽選結果の示唆は、遊技盤5の機能表示ユニット1400に表示される。第二始動口2004では、普通変動時間の経過後に開状態となる。
なお、遊技球Bがゲート部2003を通過してから普通抽選結果が示唆されるまでの間に、遊技球Bがゲート部2003を通過すると、普通抽選結果の示唆を開始することができないため、普通抽選結果の示唆の開始を、先の普通抽選結果の示唆が終了するまで保留するようにしている。また、普通抽選結果の保留数は、4つまでを上限とし、それ以上については、ゲート部2003を遊技球Bが通過しても、保留せずに破棄している。これにより、保留が貯まることで遊技ホール側の負担の増加を抑制している。
本実施形態のパチンコ機1は、第一始動口2002及び第二始動口2004に遊技球Bが受入れられると、主制御基板1310において、遊技者に有利な有利遊技状態(例えば、「大当り」、「小当り」、「時間短縮(時短)当り」、を発生させる特別抽選結果の抽選が行われる。また、第一始動口2002及び第二始動口2004に遊技球Bが受入れられることで抽選される特別抽選結果で大当りに当選した場合、入球時に取得されている図柄乱数(以下、図柄乱数(第一特別図柄乱数、第二特別図柄乱数)とも言う)に基づいて大当り種別を判断し、該判断した種別の大当り(決定された大当り種別)に対応する遊技特典(大当り遊技や、大当り遊技後の遊技状態)が付与されるようになっている。同様に第一始動口2002及び第二始動口2004に遊技球Bが受入れられることで抽選される特別抽選結果で小当りに当選した場合、入球時に取得されている図柄乱数(以下、図柄乱数(第一特別図柄乱数、第二特別図柄乱数)とも言う)に基づいて小当り種別を判断し、該判断した種別の小当り(決定された小当り種別)に対応する遊技特典(小当り遊技や、小当り遊技で特定領域に進入した場合に実行される大当り遊技、大当り遊技後の遊技状態)が付与されるようになっている。そして、抽選された特別抽選結果を、所定時間(例えば、0.1〜360秒、特別変動時間とも称す)かけて遊技者に示唆する。なお、第一始動口2002及び第二始動口2004に遊技球Bが受入れられることで抽選される大当り種別には、「14R時短大当り(14R時短大当りA、14R時短大当りB)」、「5R時短大当り(5R時短大当りA、5R時短大当りB)」、等があり、小当り種別には、「5R小当り(V当り無し)(5R小当りA1、5R小当りB1)」、「5R小当り(V時短大当り)(5R小当りA2、5R小当りB2)」、「14R小当り(V時短大当り)(14R小当りA、14R小当りB)」、等がある。また、詳しくは後述するが、「5R小当りA2、B2」と「14R小当りA、B」については、特定領域への遊技球の進入を容易とされる小当りが設定されており、「5R小当りA1、B1」については、「5R小当りA2、B2」と「14R小当りA、B」に比べて特定領域への遊技球の進入を困難とされる小当りが設定されている。
第一始動口2002及び第二始動口2004への遊技球Bの受入れにより抽選された特別抽選結果(第一特別抽選結果及び第二特別抽選結果)が、有利遊技状態を発生させる特別抽選結果の場合、特別変動時間の経過後に、第一大入賞口2005又は第二大入賞口2006が所定の開閉パターンで遊技球Bの受入れが可能な状態となる。第一大入賞口2005又は第二大入賞口2006が開状態の時に、第一大入賞口2005又は第二大入賞口2006に遊技球Bが受入れられると、主制御基板1310及び払出制御基板633によって払出装置580から所定数(例えば、10個、又は、13個)の遊技球Bが、上皿201に払出される。従って、第一大入賞口2005又は第二大入賞口2006が遊技球Bを受入可能としている時に、第一大入賞口2005又は第二大入賞口2006に遊技球Bを受入れさせることで、多くの遊技球Bを払出させることができ、遊技者を楽しませることができる。
特別抽選結果が「小当り」の場合には、第一大入賞口2005が、所定の短時間(例えば、1.8秒の間)の間、遊技球Bを受入可能な開状態となってから閉鎖する開閉パターンを所定回数(本実施例では1回)実行する。一方、特別抽選結果が「大当り」の場合や、小当り遊技にて第一大入賞口2005に入賞した遊技球が特定領域に進入した場合には、第一大入賞口2005又は第二大入賞口2006が、遊技球Bを受入可能な開状態となった後に、所定の長時間(この例では、28.5秒)経過、或いは、第一大入賞口2005又は第二大入賞口2006への所定個数(例えば、10個)の遊技球Bの受入れ、の何れかの条件が充足すると、遊技球Bを受入不能な閉状態とする開閉パターン(一回の開閉パターンを1ラウンドと称す)を、所定回数(所定ラウンド数)繰返す。例えば、「5R大当り」であれば5ラウンド、「14R大当り」であれば14ラウンド、夫々繰返して、遊技者により賞が獲得可能とされることで遊技者に有利な有利遊技状態(大当り遊技)を発生させる。
本実施形態では、第一始動口2002及び第二始動口2004への遊技球Bの受入れにより抽選された特別抽選結果が示唆されるまでの間に、第一始動口2002及び第二始動口2004に遊技球Bが受入れられると、特別抽選結果の示唆を開始することができないため、先に抽選された特別抽選結果の示唆が完了するまで、特別抽選結果の示唆の開始が保留される。この保留される特別抽選結果の保留数は、第一始動口2002及び第二始動口2004に対して、夫々4つまでを上限とし、それ以上については、第一始動口2002及び第二始動口2004に遊技球Bが受入れられても特別抽選結果を保留せずに、破棄している。これにより、保留が貯まることで遊技ホール側の負担が増加することを抑制している。第一始動口2002及び第二始動口2004への遊技球Bの受入れにより抽選された特別抽選結果が示唆された場合に、この示唆された特別抽選結果が「大当り」及び「小当り」でなければ、次の特別抽選結果の抽選にかかる始動条件が満たされることとなり、主制御基板1310において、未実行の状態にて保留されている特別抽選結果があれば、消化順位の最も高い特別抽選結果から消化(実行)されることとなる。
この特別抽選結果の示唆(特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動表示)は、機能表示ユニット1400と演出表示装置1600とで行われる。機能表示ユニット1400では、主制御基板1310によって直接制御されて特別抽選結果の示唆が行われる。機能表示ユニット1400での特別抽選結果の示唆は、複数のLEDを、点灯・消灯を繰返して所定時間点滅させ、その後に、点灯しているLEDの組合せによって特別抽選結果を示唆する。例えば、特別抽選結果が「大当り」であれば大当り種別に応じた組合せでLEDを点灯させ(大当り図柄)、特別抽選結果が「小当り」であれば小当り種別に応じた組合せでLEDを点灯させ(小当り図柄)、特別抽選結果が「ハズレ」であれば大当り図柄及び小当り図柄とは異なる組合せでLEDを点灯させる(ハズレ図柄)ことによって特別抽選結果を示唆する。
一方、演出表示装置1600では、主制御基板1310からの制御信号に基づいて、周辺制御基板1510によって間接的に制御され演出画像として特別抽選結果の示唆が行われる。演出表示装置1600での特別抽選結果を示唆する演出画像は、複数の絵柄からなる絵柄列(装飾図柄)を、左右方向へ三つ並べて表示した状態で各絵柄列を変動させた後、変動表示されている絵柄列(装飾図柄)を順次停止表示させる。具体的には、第一始動口2002や第二始動口2004に遊技球Bが受け入れられると、複数の装飾図柄からなる図柄列を、左右方向へ三つ並べて表示した状態で各図柄列を変動させた後、変動表示されている図柄列を順次停止表示させる。このとき停止表示される三つの図柄列の装飾図柄が、特別抽選結果と対応した組合せとなるように夫々の図柄列が停止表示される。特別抽選結果が「ハズレ」以外の場合は、三つの図柄列が停止して各装飾図柄が停止表示された後に、特別抽選結果を示唆する確定画像が演出表示装置1600に表示されて、抽選された特別抽選結果に応じた有利遊技状態(例えば、小当り遊技、大当り遊技、等)が発生する。
また、演出表示装置1600では、遊技者側から見て左列→右列→中列の順に装飾図柄の変動表示が停止するようになっており、特定の2列(本実施形態では左右の2列)に同一の装飾図柄が先行するかたちで一旦停止表示された場合、リーチ状態が形成される。本実施形態では、複数の図柄列のうち左列が第1停止列、右列が第2停止列、中列が第3停止列となり、左列及び右列がリーチ状態を形成するリーチ形成列となる。
ここで、「一旦停止表示」とは、機能表示ユニット1400の第一特別図柄表示器または第二特別図柄表示器において特別図柄が変動状態を維持している期間中に現れ得るものであって、演出表示装置1600の表示領域内で特定の装飾図柄がゆれ変動状態で表示されている状態のことである。これに対し、「確定停止表示」とは、機能表示ユニット1400の第一特別図柄表示器または第二特別図柄表示器において特別図柄が停止されるとき、若しくはそれ以降に現れうるものであって、演出表示装置1600の表示領域内でいずれの装飾図柄もゆれ変動せずに停止している状態のことである。
なお、機能表示ユニット1400での特別抽選結果を示唆する時間(LEDの点滅時間(変動時間))と、演出表示装置1600での特別抽選結果を示唆する時間(絵柄列が変動して確定画像が表示されるまでの時間)とは、異なっており、機能表示ユニット1400の方が長い時間に設定されている。また、機能表示ユニット1400での特別抽選結果を示唆する時間(変動時間)が経過すると、主制御基板1310(主制御MPU)は後述する周辺制御基板1510に停止表示コマンドを送信する。周辺制御基板1510(周辺制御MPU)は主制御基板1310(主制御MPU)から停止表示コマンドを受信するまでは演出表示装置1600で特別抽選結果を示唆する演出を完全には停止させないようにし(例えば揺れ変動表示)、停止表示コマンドを受信したことに基づいて特別抽選結果を示唆する演出を停止(確定表示)させる。
また、周辺制御基板1510では、演出表示装置1600による特別抽選結果を示唆するための演出画像の表示の他に、抽選された特別抽選結果に応じて、扉枠3における演出操作ユニット300における演出操作部301の回転操作部302や押圧操作部303を操作させる遊技者参加型演出を行うことができる。遊技者参加型演出では、操作リング駆動モータ342により回転操作部302を回転させたり、振動させたり、回転操作をアシストしたり、回転操作を阻害したりすることができると共に、操作ボタン昇降駆動モータ367により押圧操作部303を上昇させて目立たせることができ、演出操作部301の操作により遊技者参加型演出を楽しませることができる。
また、周辺制御基板1510では、扉枠3に備えられている各装飾基板や、遊技盤5に備えられている各装飾基板及び表演出ユニット2600や裏ユニット3000の下部可動演出ユニット3100、上部後可動演出ユニット3200、及び上部前可動演出ユニット3300等を適宜用いて、発光演出や可動演出等を行うことが可能であり、各種の演出によっても遊技者を楽しませることができ、遊技者の遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、周辺制御基板1510では、回転操作部302や押圧操作部303を操作する遊技者参加型演出において、遊技者が操作すべき操作を間違えたり、行わなかったりした時に、正しい操作を行わせるように遊技者にその旨を告知する。具体的には、例えば、中央押圧操作部303aの押圧操作が要求されている時に、外周押圧操作部303bを押圧操作したり、回転操作部302を回転操作した場合、振動スピーカ354により振動させたり演出表示装置1600にその旨を表示させたりする。
また、周辺制御基板1510では、演出表示装置1600による特別抽選結果を示唆するための演出画像の表示の他に、抽選された特別抽選結果に応じて、遊技盤5における表ユニット2000の表演出ユニット2600、裏ユニット3000の下部可動演出ユニット3100、上部後可動演出ユニット3200、及び上部前可動演出ユニット3300等を適宜用いて、発光演出、可動演出、表示演出、等を行うことが可能であり、各種の演出によっても遊技者を楽しませることができ、遊技者の遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
上記したように特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)が大当り図柄で停止すると、主制御基板1310において、遊技者により賞が獲得可能とされる大当り遊技が行われる。大当り遊技の実行に際しては、まず、大当り遊技の開始を示すオープニング演出が行われるオープニング期間を発生させる。そして、このオープニング期間が終了すると、決定されている大当り種別に応じて予め定められている規定ラウンド数(本実施形態では14ラウンド)を上限として第一大入賞口2005や第二大入賞口2006が開放される(第一大入賞口2005や第二大入賞口2006が遊技球Bを受け入れ可能な状態にされる)ラウンド遊技が行われる。1回のラウンド遊技は、第一大入賞口2005や第二大入賞口2006の開閉が所定回数(本実施形態では1回)行われる迄であり、1回のラウンド遊技中に第一大入賞口2005又は第二大入賞口2006に、規定個数(入賞上限個数:この例では10球)の遊技球Bが入賞する迄の間、又は規定時間(ラウンド遊技時間:この例では28.5秒)が経過するまでの間、開放される。ラウンド遊技では、ラウンド演出が行われる。そして、規定ラウンド数のラウンド遊技が終了すると、大当り遊技の終了を示すエンディング演出が行われるエンディング期間(本実施形態では約5秒)を発生させ、該エンディング期間が終了すると、大当り遊技は終了される。
また、特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)が小当り図柄で停止すると、主制御基板1310において、遊技者により賞が獲得可能とされる小当り遊技が行われる。小当り遊技の実行に際しては、まず、小当り遊技の開始を示すオープニング演出が行われるオープニング期間を発生させる。そして、このオープニング期間が終了すると、第一大入賞口2005が開放される(第一大入賞口2005が遊技球Bを受け入れ可能な状態にされる)開放遊技が予め定めた規定開放回数(本実施形態では1回)を上限として行われる。1回の開放遊技中に第一大入賞口2005に、規定個数(入賞上限個数:この例では10球)の遊技球Bが入賞する迄の間、又は規定時間(開放遊技時間:この例では1.8秒)が経過するまでの間、開放される。開放遊技では、開放演出が行われる。そして、規定開放回数の開放遊技が終了すると、小当り遊技の終了を示すエンディング演出が行われるエンディング期間(本実施形態では約5秒)を発生させ、該エンディング期間が終了すると、小当り遊技は終了される。
また、この実施の形態にかかる主制御基板1310では、小当り遊技の終了後に、大当り遊技を継続して発生させる場合がある。図示しないが、第一大入賞口2005には第一大入賞口2005に入賞した遊技球を特定領域と排出領域とに振り分ける振分部材が設けられ、小当り遊技が開始されると振分ソレノイド2111によって所定の動作態様で動作するようになっている。そして、小当り遊技において第一大入賞口2005に遊技球Bが入賞し、且つ、その入賞した遊技球Bが振分部材によって内部の特定領域に振り分けられて特定領域センサ2512aによって検知されると、決定されている小当り種別に応じて予め定められている規定ラウンド数(本実施形態では15ラウンド)を上限として第二大入賞口2006が開放されるラウンド遊技が行われる。このため、上記した小当り遊技の終了時点でのエンディング演出では、小当り遊技の終了を示すだけでなく、振分部材によって振り分けられた遊技球Bが第一大入賞口2005の内部の特定領域センサ2512aによって検知されるか否か、すなわち小当り遊技から継続して大当り遊技が行われるか否かも示される。なお、小当り遊技の終了後に大当り遊技を継続して発生させる場合には第一大入賞口2005が開放される小当り遊技が1回のラウンドとなり、この1回のラウンドを含む数のラウンド遊技が規定ラウンド数に達するまでは(2ラウンド目から15ラウンド目までは)第二大入賞口2006が開放されるラウンド遊技が行われる。
また、この実施の形態にかかる主制御基板1310では、特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)が大当り図柄である場合の一部で、大当り遊技の終了後に、時短状態に制御する。また、特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)が小当り図柄である場合の一部で、小当り遊技中に振分部材によって振り分けられた遊技球Bが特定領域センサ2512aによって検知されたことに基づいて実行される大当り遊技の終了後に、時短状態に制御するようになっている。この時短状態では、時短状態が発生していない非時短状態(通常遊技状態など)と比較して、第二始動口2004に遊技球Bを入賞させ易くするか否かの普通判定の結果を導出する普通図柄変動の変動時間が短縮されるほか、普通判定において普図当りに当選した場合に非時短状態とは異なる開放パターンで第二始動口2004が開閉するようになっている(時短制御)。
本実施形態において、非時短状態で普図当りに当選する場合には、第二始動口2004が短開放態様(この例では0.05秒)で開閉する開放パターンAが行われる一方で、時短状態で普図当りに当選する場合には、第二始動口2004が長開放態様(この例では1.5秒)で開閉する開放パターンBが行われる。つまり、第二始動口2004は、時短状態では、非時短状態と比較して、1回の普図当りに対応する開閉時間が長く、遊技者にとって有利に動作するように設定されている。このため、時短状態では、非時短状態の場合と比較すると、第二始動口2004が開閉し易い入球率向上状態であり、右打ちを継続して行ったときに第二始動口2004に遊技球Bが受け入れられて普通判定に応じた普通図柄変動が行われ易くなる。なお、時短状態であるか否かの判断は、機能表示ユニット1400の普通図柄表示器で実行される普通図柄変動が停止したときを基準としてなされ、具体的には、普通図柄変動の停止時に非時短状態である場合には普通図柄変動の開始時に時短状態であったとしても第二始動口2004を短開放態様(この例では0.05秒)で開閉する開放パターンAが実行され、普通図柄変動の停止時に時短状態である場合には普通図柄変動の開始時に非時短状態であったとしても第二始動口2004を長開放態様(この例では1.5秒)で開閉する開放パターンBが実行される。
上記によれば、本例のパチンコ機1では、時短状態で普図当りに当選した場合に右打ちを継続して行っていれば、遊技球Bが第二始動口2004に受け入れられる可能性がある(遊技球Bが第二始動口2004に受け入られる蓋然性が高い)。一方、非時短状態で普図当りに当選した場合には、第二始動口2004に遊技球Bが受け入れられ難い。このため、非時短状態では主に第一始動口2002への遊技球Bの受け入れに基づく第一特別図柄の変動表示が実行され、時短状態では主に第二始動口2004への遊技球Bの受け入れに基づく第二特別図柄の変動表示が実行される。
また、この実施の形態にかかる時短状態には、14R時短大当りに当選した場合に実行される大当り遊技の終了後には第一特別図柄の図柄変動と第二特別図柄の図柄変動との合計が所定回数(この例では100回:時短回数)実行されたときに終了する時短状態Aと、5R時短大当りに当選した場合に実行される大当り遊技の終了後には第一特別図柄の図柄変動が所定回数(この例では5回:時短回数)実行されるか、第二特別図柄の図柄変動が所定回数(この例では1回:時短回数)実行されたときに終了する時短状態Bと、がある。また、5R小当り(V時短大当り)に当選した場合に実行される大当り遊技の終了後には時短状態Bに制御し、14R小当り(V時短大当り)に当選した場合に実行される大当り遊技の終了後には時短状態Aに制御するようになっている。
このように、非時短状態では主に第一始動口2002への遊技球Bの受け入れに基づく第一特別図柄の変動表示が実行され、時短状態では主に第二始動口2004への遊技球Bの受け入れに基づく第二特別図柄の変動表示が実行される。また、時短状態のうち5R時短大当りに当選した場合に実行される時短状態Bでは、当該時短状態B中に実行可能な図柄変動の回数(時短回数)として、第一特別図柄では5回に設定されているのに対し、第二特別図柄では1回に設定され、それぞれの回数(時短回数)を異ならせている。
また、本例のパチンコ機1では第一始動口2002への始動入賞に基づく第一特別図柄の変動表示が実行された場合よりも第二始動口2004への始動入賞に基づく第二特別図柄の変動表示が実行された場合に遊技者に有利な状態とされるようになっている。また、時短状態のうち5R時短大当りに当選した場合に実行される時短状態Bにおいて、第一特別抽選結果がハズレとなる第一特別図柄の変動表示が実行される場合には変動時間が7秒(保留短縮制御(保留数が3以上である場合に通常(7秒)よりも短い変動時間に設定する制御)を除く)に設定されるのに対し、第二特別抽選結果がハズレとなる第二特別図柄の変動表示が実行される場合には変動時間が16秒(時短状態のうち5R時短大当りに当選した場合に実行される時短状態Bにおいて第二特別図柄は保留短縮制御を行わない)に設定される。
また、本例のパチンコ機1では第一始動口2002への始動入賞に基づく第一保留数と第二始動口2004への始動入賞に基づく第二保留数との両方が存在する場合には、第二保留数に応じた第二特別図柄の変動表示を優先して実行する(第一保留数よりも第二保留数を優先的に消化する)ようになっている。上記したように、時短状態で普図当りに当選した場合に右打ちを継続して行っていれば、遊技球Bが第二始動口2004に受け入れられる蓋然性が高いため、時短状態のうち5R時短大当りに当選した場合に実行される時短状態Bは、殆どの場合には第二始動口2004への始動入賞が発生してこの始動入賞に基づく第二特別図柄の変動表示が実行されることにより終了する。
次に、本実施形態におけるパチンコ機1でのゲーム性を説明する。本実施形態におけるパチンコ機1の演出表示装置1600に表示される第一特別図柄に対応した装飾図柄としては[1]〜[8]の8種類の数字が採用されており、大当り図柄としては[111][222][333][444][555][666][777][888]が採用されている。また、第一特別図柄側及び第二特別図柄側の大当りの当選確率としては、2/270が規定されている。第一特別図柄側の小当りの当選確率としては、3/270、第二特別図柄側の小当りの当選確率としては、113/270がそれぞれ規定されている。普図当りの当選確率としては、251/251が規定されている。また、遊技球Bの賞球数としては、第一始動口2002に対して3個が、第二始動口2004に対して1個が、第一大入賞口2005及び第二大入賞口2006に対して15個がそれぞれ規定されている。また、第二始動口2004の開放パターンAとしては、第二始動口2004が開放状態になってから0.05秒が経過するまでその状態を維持する態様が規定されている。一方、第二始動口2004の開放パターンBとしては、第二始動口2004が開放状態になってから1.5秒が経過するまでその状態を維持する態様が規定されている。また、第二始動口2004が閉鎖状態となる条件である入賞上限個数としては、「1球」が規定されている。また、大当り遊技の各ラウンド遊技では、第一大入賞口2005及び第二大入賞口2006の開放回数として「1回」が、入賞上限個数として「10球」が、それぞれ設定されている。また、小当り遊技では、第一大入賞口2005の開放回数として「1回」が、入賞上限個数として「10球」が、それぞれ規定されている。
ところで、停止された特別図柄(第一特別図柄、若しくは第二特別図柄)が大当り図柄であれば、大当り遊技として、第一大入賞口2005又は第二大入賞口2006が開放状態となる。そして、第一大入賞口2005又は第二大入賞口2006が開放状態の時に、第一大入賞口2005又は第二大入賞口2006に遊技球Bが受入れられると、主制御基板1310及び払出制御基板633によって払出装置580から所定数の遊技球Bが、上皿201に払出される。従って、第一大入賞口2005又は第二大入賞口2006が開放状態の時に、第一大入賞口2005又は第二大入賞口2006に遊技球Bを受入れさせることで、多くの遊技球Bを払出させることができ、遊技者を楽しませることができる。
一方、停止された特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)が小当り図柄であれば、小当り遊技として、第一大入賞口2005が開放状態となる。そして、第一大入賞口2005が開放状態の時に、第一大入賞口2005に遊技球Bが受入れられると、主制御基板1310及び払出制御基板633によって払出装置580から所定数の遊技球Bが、上皿201に払出される。しかしながら、小当り遊技では、第一大入賞口2005の開放時間が短く、大当り遊技において第一大入賞口2005や第二大入賞口2006に受け入れられる遊技球Bの数よりも、第一大入賞口2005に受け入れられる数が大幅に少ない。このように、小当り遊技では、遊技者に払い出される遊技球Bの数が少ないが、小当り遊技中に第一大入賞口2005に入球して振分部材によって振り分けられた遊技球Bが特定領域センサ2512aによって検知されることで大当り遊技を発生させることができ、遊技者を楽しませることができる。
また、この実施の形態では、第一特別図柄側及び第二特別図柄側の大当りの当選確率としては、2/270が設定されており、第一特別図柄側で大当たりに当選した場合には、その多く(94%)が5R時短大当りとなるように構成されていることから、通常の遊技の進行過程(非時短状態)における第一特別図柄側での大当り(いわゆる初当り)は、5R時短大当りが発生する可能性が高く、その5R時短大当りに係る大当り遊技の終了後には、前述した時短状態Bが発生することとなる。そして、大当り遊技の終了後に時短状態Bに制御された場合には、特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)が変動表示されると、該変動表示中に第二始動口2004へ複数個の遊技球Bを入球させて小当り遊技実行に繋がる可能性の高い第二保留数を増加させ、該変動表示後に第二保留数に応じた変動表示が実行されて小当り遊技の実行に遊技社に期待を抱かせることとなる。言い換えると、大当り遊技の終了後に時短状態Bに制御された場合には特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)のいずれが変動表示されても、その変動表示時間を用いて、まず小当り遊技の実行権に繋がり易い第二保留数を増加させる(貯める)ストックゲームを実行し、該変動表示後にストックゲーム中に増加された(貯めた)第二保留数を消化して小当り遊技の実行権獲得を目指す消化ゲームを実行するという新規なゲーム性を実現でき、大当りの連続発生に関し、単に次の大当りを待つだけの従来のゲーム性に比して遊技興趣の低下を抑制することが可能となる。
また、上述のゲーム性をより好適に実現する上で、本実施形態では時短状態の進行制御を特異な形態で制御することとしている。具体的には、時短状態のうち5R時短大当りに当選した場合に実行される時短状態Bにおいて、第二始動口2004への始動入賞が発生して第二特別図柄の変動表示が実行された場合には、第二特別図柄の変動表示を1回だけ実行した後に時短状態Bを終了させることになるが、第二特別図柄の変動表示が16秒という長い変動時間で実行されるため、その間に第二始動口2004への複数の始動入賞が発生し、時短状態Bの終了後にこれら複数の始動入賞に基づく変動表示が実行される。即ち、時短状態のうち5R時短大当りに当選した場合に実行される時短状態Bにおいて、第二始動口2004への始動入賞が発生したことに基づいて実行される第二特別図柄の変動表示期間は、第二始動口2004の開閉を複数回実行可能な程度に長く設定されており、結果、第二始動口2004への複数の始動入賞を発生させる(第二保留数を増加させる)ための期間となっている。これにより、時短状態Bにて第二特別図柄の変動表示が実行された場合であっても、その時短状態Bの終了前後を用いて、上述した「第二特別図柄の保留数を貯めて消化するゲーム性」を実現でき、遊技興趣の低下を抑止できる。
また、本例のパチンコ機1では、時短状態のうち5R時短大当りに当選した場合に実行される時短状態Bにおいて、第二保留数がゼロであり(第二保留数が記憶されておらず)、且つ、第一保留数あるいは第一始動口2002への新たな始動入賞の発生に基づき第一特別図柄の変動表示が実行された場合には、その1回の第一特別図柄の変動表示で時短状態Bを終了させることなく、その1回の第一特別図柄の変動表示の後にも時短状態Bを継続させることとしており、第二特別図柄の変動表示が行われない時短状態Bで第一特別図柄の変動表示を最大5回実行した後に時短状態Bを終了させるように構成している。これにより、時短状態のうち5R時短大当りに当選した場合に実行される時短状態Bにおいて第二保留数がないことを理由として第二特別図柄の変動表示が実行された場合よりも不利な第一特別図柄の変動表示が1回だけしか実行されず、第二特別図柄の変動表示を経て時短状態Bを終了する場合に比べて遊技者にとって不利益(例えば、第二特別図柄は第一特別図柄よりも小当り当選し易いにもかかわらず、この第二特別図柄の抽選1回分の権利を遊技者が受けられない不利益など)が発生することを回避でき、このような不利益が発生することによる遊技興趣の低下を抑止できる。
また、本例のパチンコ機1では、第二特別図柄の変動表示が行われない時短状態Bで第一特別図柄の変動表示を最大5回実行した後に時短状態Bを終了させるように構成しているので、時短状態Bの開始後に、既に記憶されていた第一特別図柄の4個の保留数が全て消化されても時短状態Bが継続する。このため時短状態Bの開始後に離席しても上記ゲーム性を体感することが可能であるとともに、離席によって遊技者に不利益を与えないようにすることができる。
また、本例のパチンコ機1では、第二特別図柄の変動表示が1回行われると、第一特別図柄の変動表示が5回に達していなくとも、その1回の第二特別図柄の変動表示をもって時短状態Bが終了するように構成している。すなわち、時短状態Bでの第二特別図柄の1回の図柄変動は、第一特別図柄側で複数回の変動表示に亘り発生しうる時短状態Bを強制終了させる制限手段としても機能することとなり、不容易に時短状態Bが長くならず、遊技者に過度に有利となることを抑制できるため、上記ゲーム性をより好適に実現することが可能である。
なお、時短状態のうち5R時短大当りに当選した場合に実行される時短状態Bにおいて、当該時短状態Bを終了する条件(時短回数)は上記したものに限られるものではなく、少なくとも第二特別図柄の変動表示を実行し得るように構成すればよく、例えば第一特別図柄の時短回数として2回とし、第二特別図柄の時短回数として1回としてもよいし、第一特別図柄の時短回数として5回とし、第二特別図柄の変動回数として2回としてもよい。なお、上述したように、一方の特別図柄側で複数回の変動表示に亘り発生しうる時短状態を強制終了させる制限手段として、他方の特別図柄の変動表示を機能させる際には、その他方の特別図柄の変動回数を1回にしておくことが好ましい。
また、本例のパチンコ機1では、時短状態Bとして、大当り遊技の終了後に第一特別図柄の図柄変動が5回実行されるか、第二特別図柄の図柄変動が1回実行されたときに終了するように構成したが、加えて、大当り遊技の終了後に第一特別図柄と第二特別図柄の図柄変動の合算変動回数が5回実行されることで時短状態Bを終了させるようにプログラミングを設定しておくこととしてもよい。例えば、合算変動回数を加える場合には、時短状態Bの終了を判定する際には、第一特別図柄単体の変動回数、第二特別図柄単体の変動回数よりも後に、合算変動回数を参照するように構成することが例示できる。このように構成することで、第一、第二特別図柄で時短状態の終了契機が相違しない他の遊技機からのプログラミングの変更、あるいは、第一、第二特別図柄で時短状態の終了契機が相違しない他の遊技機へのプログラミングの変更時に、合算変動回数に係るプログラムデータの削除、追加等の大幅な変更を要さず共通化を図ることを可能としつつも、第二特別図柄の図柄変動が1回実行されたときに時短状態が終了する上述したゲーム性を実現することができる。
[8.主制御基板の制御処理]
次に、主制御基板1310(特に主制御MPU)で実行される制御処理の例について説明する。図118(a)は、当該パチンコ機1に電源が投入されたとき、上記主制御基板1310の主制御MPUによって行われる制御処理の手順を示すフローチャートである。
同図118(a)に示されるように、この実施の形態にかかる主制御基板1310はまず、主制御基板1310のRAMクリアスイッチが操作されていることを条件にステップS1の処理として、各種のレジスタや主制御MPUに内蔵されるRAM(以下主制御内蔵RAMと記載)に格納されているデータを初期化する。RAMクリアスイッチはパチンコ機1の背面側に設けられ、本体枠4が開放されなければ操作できないようになっている。また、RAMクリアスイッチは電源投入から所定期間(例えば1秒)が経過する以前の操作に応じてクリア信号を主制御基板1310に出力し、電源投入時に主制御MPUがクリア信号を入力されていると判断した場合に初期化処理(ステップS1)を実行して各種のレジスタや主制御内蔵RAMに格納されているデータを初期化するようになっている。
なお、図示していないがこの例では、パチンコ機1への電源を遮断するときには遊技の進行状況を示す情報(例えば各種フラグ等)を主制御内蔵RAMに保存するバックアップ処理を実行する。そしてパチンコ機1への電源を投入したときにRAMクリアスイッチが操作されていなければ、初期化処理(ステップS1)を実行することなくバックアップ処理で主制御内蔵RAMに保存された情報を参照し、該情報に応じた状態に復旧させる復旧処理を実行する。また、パチンコ機1への電源投入時にRAMクリアスイッチを操作した場合には、復旧処理を実行することなく初期化処理を実行してパチンコ機1を初期状態に設定するようになっている。また、初期化処理を実行した場合には遊技状態を非時短状態に制御することになる。
次いで、ステップS2の処理として、予め定められた数値範囲内で更新される数である乱数の更新を行う。すなわち、この実施の形態にかかる主制御基板1310では、上記特別図柄の変動表示停止時における表示態様についての抽選処理に供される特別乱数(第一特別乱数、第二特別乱数)、上記特別図柄の変動表示制御に要する所定の時間(変動時間)についての抽選処理に供される変動乱数、上記特別図柄の変動表示に対応して演出表示装置1600で実行される遊技演出としてリーチとするか否か(演出を実行するか否か)の抽選処理に供されるリーチ乱数、上記特別乱数に基づいて大当りとすると判定された場合に大当りの種類を決定するための抽選処理に供される図柄乱数(第一図柄乱数、第二図柄乱数)、上記第二始動口2004の開放契機となる当りの当落にかかる抽選処理に供される乱数(普通乱数))等々、といった乱数を保持する乱数カウンタを備えている。
なお、本例では第一特別図柄と第二特別図柄とで共通のリーチ乱数を用いるように、すなわち第一始動口2002に始動入賞した場合であっても、第二始動口2004に始動入賞した場合であっても、リーチ乱数を更新する同一のカウンタからリーチ乱数を取得するように構成しているが、リーチ乱数を更新する乱数の範囲が異なるカウンタから取得することによりリーチ演出の実行割合を異ならせるようにしてもよいし、取得したリーチ乱数と比較するリーチ判定テーブルとして第一特別図柄に対応する第一リーチ判定テーブルと、第二特別図柄と対応し、第一リーチ判定テーブルとは異なる判定値が設定される第二リーチ判定テーブルとを備えることによりリーチ演出の実行割合を異ならせるようにしてもよい。
このステップS2の処理では、これら乱数のうちの当落に関わらない乱数(変動乱数)のみが更新されるかたちで当該乱数カウンタのカウンタ操作が行われることとなる。なお、こうしてステップS1及びS2の処理が行われた後は、上記ステップS2の処理のみが基本的に繰り返し行われる。ただし、この実施の形態では、例えば4mS毎に以下のタイマ割込制御が行われる。
図118(b)は、上記主制御基板1310の主制御MPUによって定期的に行われるタイマ割込制御についてその処理手順を示すフローチャートである。
同図118(b)に示されるように、この割込制御ではまず、ステップS11の処理として、レジスタの退避処理が行われる。次いで、ステップS12の処理として、上記ゲートセンサ2301、上記第一始動口センサ3002、上記第二始動口センサ2511、上記第一カウントセンサ2512、上記第二カウントセンサ2513、上記一般入賞口センサ3001、上記磁気センサ3003、上記特定領域センサ2512aなど、各種のセンサからの検出信号が入力される。そして次に、ステップS13の処理として、上記乱数を発生させる乱数カウンタの値を更新するための乱数更新処理が行われる。なお、このステップS13の処理では、上記乱数のうち、上記特別図柄及び上記普通図柄の変動表示停止時における表示態様に関わる乱数(特別乱数、普通乱数)が更新されるかたちで上記乱数カウンタのカウンタ操作が行われる。
そして、こうして乱数の更新が行われた後、当該主制御基板1310の主制御MPUは、ステップS14の処理として、上記特別図柄の変動表示停止時における表示態様にかかる抽選処理を含む特別図柄プロセス処理を実行する。なお、この特別図柄プロセス処理については後述するが、ここでは、基本的に、上記主制御内蔵RAMに格納されている遊技の進行状況を示す特別図柄プロセスフラグ(第一特別図柄プロセスフラグ、第二特別図柄プロセスフラグ)に基づいて該当する処理が選択的に実行されることとなる。
そして次に、同主制御基板1310の主制御MPUは、ステップS15の処理として、上記第二始動口2004の開放契機となる当りの当落にかかる抽選処理を含む普通図柄プロセス処理を実行する。なお、この普通図柄プロセス処理でも、基本的に、遊技の進行状況を示す普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選択的に実行されることとなる。
また、上記特別図柄プロセス処理(ステップS14)及び普通図柄プロセス処理(ステップS15)が行われると、上記主制御基板1310の主制御MPUは、次にステップS16の処理として、同特別図柄プロセス処理にて主制御内蔵RAMの所定の領域に設定されたコマンドを上記周辺制御基板1510などに送信する処理を行う。次いで、ステップS17の処理として、上記普通図柄プロセス処理にて同じく主制御内蔵RAMの所定の領域に設定されたコマンドを例えば上記周辺制御基板1510などに送信する処理を行う。
また、同主制御基板1310の主制御MPUは、次にステップS18の処理として、例えばホール管理用コンピュータに供給される当り情報などのデータを出力する情報出力処理を行う。
そして次に、同主制御基板1310の主制御MPUは、ステップS19の処理として、上記第一始動口センサ3002、上記第二始動口センサ2511、上記第一カウントセンサ2512、上記第二カウントセンサ2513、上記一般入賞口センサ3001などの検出信号がオン状態にあるときは、それら信号に応じた賞球が遊技者に払い出されるよう上記払出制御基板633に払出制御コマンドを出力する賞球処理を実行する。これにより、上記払出制御基板633に搭載される払出制御MPUは、払出モータ584に駆動信号を出力し、遊技者に賞球を払い出すようになる。本例では上記第一始動口2002に遊技球Bが入賞して上記第一始動口センサ3002がオン状態になると「3球」、上記第二始動口2004に遊技球Bが入賞して上記第二始動口センサ2511がオン状態になると「1球」、上記第一大入賞口2005に遊技球Bが入賞して第一カウントセンサ2512がオン状態になると「15球」、上記第二大入賞口2006に遊技球Bが入賞して第二カウントセンサ2513がオン状態になると「15球」、上記一般入賞口2001に遊技球Bが入賞して一般入賞口センサ3001がオン状態になった場合には「8球」の賞球をそれぞれ遊技者に払い出すようになっている。
また、同主制御基板1310の主制御MPUは、次にステップS20の処理として、保留記憶数の増減をチェックする記憶処理を実行する。次いで、ステップS21の処理として、パチンコ機1の制御状態を遊技機外部で確認できるようにするための試験信号を出力する処理である試験端子処理を実行する。そしてその後、常時動作するアクチュエータの駆動制御を行うとともに(ステップS22)、上記レジスタの内容を復帰させ(ステップS23)、割込許可状態に設定した時点で(ステップS24)、この制御が終了することとなる。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は4mS毎に起動されることになる。なお、この実施の形態では、タイマによる割込処理によって遊技制御処理を実行することとしたが、当該割込処理では例えば割り込みが発生したことを示すフラグのセットのみを行うようにしてもよい。ただしこの場合、遊技制御処理をメイン処理にて実行することとなる。
図119は、上記特別図柄プロセス処理(ステップS14)についてその手順を示すフローチャートである。
いま、各種の抽選処理に供される乱数が更新されたとすると(ステップS13)、同図119に示されるように、この主制御基板1310の主制御MPUはまず、上記第一始動口センサ3002による検出信号がオン状態(第一始動口2002への入球あり)にあることを条件に(ステップS31)、第一特別図柄の第一特別乱数を上記乱数カウンタから取得してこれを主制御内蔵RAMの第一特別図柄保留記憶領域に格納するなどの第一始動口通過処理を実行する(ステップS32)。また、上記第二始動口センサ2511による検出信号がオン状態(第二始動口2004への入球あり)にあることを条件に(ステップS33)、第二特別図柄の第二特別乱数を上記乱数カウンタから取得してこれを主制御内蔵RAMの第二特別図柄保留記憶領域に格納するなどの第二始動口通過処理を実行する(ステップS34)。
次いで、主制御MPUは大当り遊技に制御している旨を示す大当り実行中フラグがセットされているか否かを判別し(ステップS35)、大当り実行中フラグがセットされていれば、大当り遊技の制御を行う大当り制御処理(ステップS40)を実行する。なお、大当り制御処理では、第一特別図柄又は第二特別図柄の変動表示停止時における表示態様についての抽選処理の結果(当り判定の結果と大当り種別の内容)が「15R大当り」を示唆する態様となったときに、第一大入賞口2005を長時間開放(例えば28.5秒)した後又は第一大入賞口2005に遊技球Bが10個入賞したことが上記第一カウントセンサ2512で検出されたときに閉鎖させる開閉パターンを15回繰り返す15R大当り遊技に制御する処理を実行する。
また、大当り制御処理では、このような第一大入賞口2005の開放制御を行った後、時短フラグのセット処理を実行する。時短フラグは、時短制御(時短状態で実行される制御)の実行中であることを示すフラグであり、大当り遊技終了後に時短制御する大当りに基づく大当り遊技を終了するときにセットされ、後述する図130に示す第一特別図柄停止処理又は後述する第二特別図柄プロセス処理の第二特別図柄停止処理でリセットされる。本例のパチンコ機1では第一特別図柄の変動表示を5回実行したか又は第二特別図柄の変動表示を1回実行したときに時短制御を終了するように時短回数が設定されている。即ち、大当り遊技終了後に時短制御を開始し、第一特別図柄の変動表示を5回実行するか、又は第二特別図柄の変動表示を1回実行するかのいずれかの条件が成立したときに時短制御を終了するようになっている。
また、主制御MPUは大当り実行中フラグがセットされていなければ、小当り遊技に制御している旨を示す小当り実行中フラグがセットされているか否かを判別し(ステップS36)、小当り実行中フラグがセットされていれば、小当り遊技の制御を行う小当り制御処理(ステップS41)を実行する。なお、小当り制御処理では、第二特別図柄の変動表示停止時における表示態様についての抽選処理の結果が「小当り」を示唆する態様となったときに、後述する第二大入賞口2006の開放パターンA又は開放パターンBに基づいて第二大入賞口2006を開放した後又は第二大入賞口2006に遊技球Bが10個入賞したことが上記第二カウントセンサ2513で検出されたときに閉鎖させる処理を実行する。また、第二大入賞口2006内に入賞して振分部材によって振り分けられた遊技球Bが特定領域に進入した場合には大当り遊技に制御して第一大入賞口2005を長時間開放(例えば28.5秒)した後又は第一大入賞口2005に遊技球Bが10個入賞したことが上記第一カウントセンサ2512で検出されたときに閉鎖させる開閉パターンを15回繰り返す15R大当り遊技に移行制御する。一方、第一大入賞口2005内に入賞して振分部材によって振り分けられた遊技球Bが特定領域に進入することなく、排出領域に進入した場合には大当り遊技に制御されることなく、小当り遊技の終了後に再び小当り遊技前の遊技状態(通常状態又は時短状態)に制御される。
また、主制御MPUは大当り実行中フラグと小当り実行中フラグとのいずれもセットされていなければ第二特別図柄保留記憶領域に記憶される第二特別乱数の個数を示す第二特別保留数カウンタの値が「0」であることを条件に(ステップS37)、第一特別図柄の変動表示停止時における表示態様にかかる抽選処理を含む第一特別図柄プロセス処理を実行し(ステップS38)、第二特別図柄保留記憶領域に記憶される第二特別乱数の個数を示す第二特別保留数カウンタの値が「0」でないことを条件に(ステップS37)、第二特別図柄の変動表示停止時における表示態様にかかる抽選処理を含む第二特別図柄プロセス処理を実行する(ステップS39)。
図120は、上記第一始動口通過処理(ステップS32)についてその手順を示すフローチャートである。
いま、上記ステップS31の処理において、上記第一始動口センサ3002がオン状態にあり、上記第一始動口2002への遊技球Bの入球があったと判断されたとすると、同図120に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPUは、ステップS41の処理として、まず、上記第一特別乱数、上記リーチ乱数、上記第一図柄乱数、上記変動乱数を上記乱数カウンタから取得する。
次いで上記主制御基板1310の主制御MPUは、第一特別図柄保留記憶領域に記憶される第一特別乱数の個数を示す第一特別保留数カウンタによるカウンタ値を主制御内蔵RAMから取得し、このカウンタ値に基づいて上記第一保留記憶数がその最大値(上限値)である「4」であるか否かの判断を行う(ステップS42)。このステップS42の処理において、上記第一保留記憶数がその最大値でないと判断された場合には、上記第一特別図柄の変動表示制御を新たに保留の状態とすべく、以下のステップS43〜S45の処理を行うこととなる。すなわち、まず、上記ステップS43の処理として、上記第一特別保留数カウンタをカウントアップ(1加算)する。次いで、ステップS44の処理として、上記ステップS41で取得された各乱数を、上記主制御内蔵RAMの記憶領域のうちの上記第一特別保留数カウンタによるカウンタ値に対応する第一特別図柄保留記憶領域に格納する。
また、主制御基板1310の主制御MPUは、ステップS41で取得した上記第一特別乱数、上記リーチ乱数、上記第一図柄乱数、上記変動乱数に基づいて、第一特別図柄の変動表示の表示結果を大当りとするか否か、大当りとなる場合には大当りの種類、大当りとならない場合には演出表示装置1600で実行される遊技演出としてリーチ演出を実行するか、実行する遊技演出の態様種別(変動パターンの種別)などの事前判定情報を、当該始動入賞に応じた変動表示を開始する以前に判定する演出事前判定処理を実行した後(ステップS45)、処理を終了する。
一方、上記ステップS42の処理において、上記第一保留記憶数がその最大値であると判断された場合には、上記第一特別図柄の変動表示制御は新たに保留されない。すなわち、ステップS43〜ステップS45の処理を実行することなく処理を終了することで、上記第一特別図柄の変動表示制御を新たに保留の状態としない。
また、第一始動口2002へ遊技球Bが入球したことに基づいて第一保留記憶数が変化すると機能表示ユニット1400における第一特別保留数表示器の二つのLEDの点灯状態を第一保留記憶数に対応するように更新するとともに、上記記憶処理(ステップS20)にて第一保留記憶数を指示するコマンド(第一保留数指定コマンド0〜4)をセットして周辺制御基板1510に送信するようになっている。なお、周辺制御基板1510の周辺制御MPUは第一保留数指定コマンド0〜4を受信したことに基づいて第一保留記憶数を演出表示装置1600に表示するようになっている。
図121は、上記演出事前判定処理(ステップS45)についてその手順を示すフローチャートである。主制御基板1310の主制御MPUは、演出事前判定処理を開始すると、図示しない事前判定テーブルと上記ステップS41で取得した乱数、具体的には第一特別乱数、第一図柄乱数、リーチ乱数、変動乱数とを比較することにより大当りとなるか否か、大当りとなる場合には大当りの種類、大当りとならない場合には演出表示装置1600で実行される遊技演出としてリーチ演出を実行するか、実行する遊技演出の態様種別、を特定する(ステップS61)。
そして、特定した事前判定情報(大当りとなるか否か、大当りとなる場合には大当りの種類、大当りとならない場合には演出表示装置1600で実行される遊技演出としてリーチ演出を実行するか、実行する遊技演出の態様種別など)と、取得した特別乱数の種別(第一特別乱数)と、取得した特別乱数に対応して記憶される保留記憶数(保留数カウンタの値)と、に応じた事前判定コマンドをセットする。例えば、第一始動口通過処理のステップS45で実行される第一特別図柄に関する演出事前判定処理では、特定した事前判定情報と、第一特別乱数を取得したことと、第一保留記憶数(第一特別保留数カウンタの値)と、に応じた第一特別図柄事前判定コマンドをセットする(ステップS62)。
そして、上記特別図柄コマンド制御処理(ステップS16)で主制御基板1310から周辺制御基板1510に事前判定コマンドが送信されることにより、始動入賞が発生した第一始動口2002に対応して記憶される保留記憶数に加え、発生した始動入賞に基づく特別図柄の変動表示の表示結果を大当りとするか否か、大当りとなる場合には大当りの種類、大当りとならない場合には演出表示装置1600で実行される遊技演出としてリーチ演出を実行するか、実行する遊技演出の態様種別などの事前判定情報を、当該始動入賞に応じた変動表示を開始する以前に周辺制御基板1510に搭載される周辺制御MPUが把握できるようになる。
なお、周辺制御基板1510に搭載される周辺制御MPUは主制御基板1310から事前判定コマンドを受信すると、受信した事前判定コマンドによって示される事前判定情報を記憶するようになっている。具体的には、周辺制御MPUの周辺制御RAMには、第一特別図柄の変動表示に関する事前判定情報を記憶する第一保留記憶領域が設けられている。
また、第一保留記憶領域は保留記憶数に対応する1〜4の記憶領域を有しており、周辺制御MPUは受信した事前判定コマンドによって示される事前判定情報を1番目(最先)の記憶領域から順に格納する。そして、n番目(n=1〜3)の記憶領域に事前判定情報が格納されている場合に事前判定コマンドを受信するとn+1番目(n=1〜3)の記憶領域に通知された事前判定情報を格納し、第一特別図柄の変動表示開始を通知する第一変動パターンコマンドを受信すると受信した第一変動パターンコマンドに応じて第一保留記憶領域の1番目の記憶領域に格納されている事前判定情報を破棄してN番目(N=2〜4)の記憶領域に格納されている事前判定情報をN−1番目(N=2〜4)番目の記憶領域に移動させる(保留記憶領域に格納されている事前判定情報をシフトする)。これにより、上記第一特別図柄の事前判定情報が、変動表示開始の保留が発生した順序を特定可能に記憶されるとともに最先の事前判定情報から順に破棄されるようになる。
このように変動表示制御が保留の状態とされた時点では、その変動表示制御を未実行の状態(保留状態)にて維持するにもかかわらず、その変動表示制御の大当り期待度(疑似当選確率)についてはこれを先行して、例えば、その保留表示の新規出力時や保留消化に応じた保留表示のシフト表示時などの予め定められたタイミングにて報知することが可能とされるようになる。
図122は、上記第二始動口通過処理(ステップS34)についてその手順を示すフローチャートである。
いま、上記ステップS33の処理において、上記第二始動口センサ2511がオン状態にあり、上記第二始動口2004への遊技球Bの入球があったと判断されたとすると、同図122に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPUは、ステップS51の処理として、まず、上記第二特別乱数、上記リーチ乱数、上記第二図柄乱数、上記変動乱数を上記乱数カウンタから取得する。
次いで上記主制御基板1310の主制御MPUは、上記第二特別保留数カウンタによるカウンタ値を主制御内蔵RAMから取得し、このカウンタ値に基づいて上記第二保留記憶数がその最大値(上限値)である「4」であるか否かの判断を行う(ステップS52)。このステップS52の処理において、上記第二保留記憶数がその最大値でないと判断された場合には、上記第二特別図柄の変動表示制御を新たに保留の状態とすべく、以下のステップS53〜S54の処理を行うこととなる。すなわち、まず、上記ステップS53の処理として、上記第二特別保留数カウンタをカウントアップ(1加算)する。次いで、ステップS54の処理として、上記ステップS51で取得された各乱数を、上記主制御内蔵RAMの記憶領域のうちの上記第二特別保留数カウンタによるカウンタ値に対応する第二特別図柄保留記憶領域に格納する。
一方、上記ステップS52の処理において、上記第二保留記憶数がその最大値であると判断された場合には、上記第二特別図柄の変動表示制御は新たに保留されない。すなわち、ステップS53〜ステップS54の処理を実行することなく処理を終了することで、上記第二特別図柄の変動表示制御を新たに保留の状態としない。
また、第二始動口2004へ遊技球Bが入球したことに基づいて第二保留記憶数が変化すると機能表示ユニット1400における第二特別保留数表示器の二つのLEDの点灯状態を第二保留記憶数に対応するように更新するとともに、上記記憶処理(ステップS20)にて第二保留記憶数を指示するコマンド(第二保留数指定コマンド0〜1)をセットして周辺制御基板4140に送信するようになっている。なお、周辺制御基板1510の周辺制御MPUは第二保留数指定コマンド0〜4を受信したことに基づいて第二保留記憶数を演出表示装置1600に表示するようになっている。
図123は、第一特別図柄プロセス処理(ステップS38)についてその手順を示すフローチャートである。なお、特別図柄プロセス処理のステップS38で実行される第一特別図柄プロセス処理と特別図柄プロセス処理のステップS39で実行される第二特別図柄プロセス処理とは同様のプログラムモジュールであり、判定に用いる乱数やテーブルが異なるだけであるため、ここでは特別図柄プロセス処理のステップS38で実行される第一特別図柄プロセス処理についてのみ説明する。第一特別図柄プロセス処理では、後述するインターバルタイマがタイムアウトしていることを条件に(ステップS85でYES)、上記第一特別図柄プロセスフラグに応じて、以下の5つのプロセス処理のうち1つを選択的に実行することとなる。なお、インターバルタイマがタイムアウトしていない場合には(ステップS85でNO)、以下のプロセスを実行することなく処理を終了する。
1.主制御内蔵RAMに格納されている第一特別乱数を読み出し、読み出した第一特別乱数に基づいて上記第一特別図柄の変動制御停止時における表示態様についての抽選処理などが行われる第一特別図柄通常処理(ステップS80)
2.第一特別図柄の変動制御停止時における表示態様についての抽選処理の結果に基づいて第一特別図柄の変動制御停止時の態様の決定処理などが行われる第一特別図柄停止図柄設定処理(ステップS81)
3.変動乱数に基づいて機能表示ユニット1400の第一特別図柄表示器に表示される第一特別図柄の変動態様や、上記演出表示装置1600に第一特別図柄に対応して実行される演出表示の変動態様についての抽選処理などが行われる第一変動パターン設定処理(ステップS82)
4.機能表示ユニット1400の第一特別図柄表示器における上記第一特別図柄の変動表示が停止されるまで待機する第一特別図柄変動処理(ステップS83)
5.第一特別図柄の変動制御停止時における表示態様についての抽選処理の結果に基づいて決定された第一特別図柄の変動制御停止時の態様が機能表示ユニット1400の第一特別図柄表示器に表示されるように上記第一特別図柄の変動表示を停止させる第一特別図柄停止処理(ステップS84)
なお、上記第一特別図柄プロセスフラグは、上記ステップS1の処理(図118参照)において、上記第一特別図柄通常処理(ステップS80)を行うべき旨を示すよう操作されている。
図124は、上記第一特別図柄通常処理(ステップS80)についてその手順を示すフローチャートである。
上記第一特別図柄プロセスフラグが当該第一特別図柄通常処理を行うべき旨を示しているときは、同図124に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPUは、まず、ステップS101の処理として、上記第一特別保留数カウンタによるカウンタ値に基づいて保留の状態にある第一特別図柄の変動表示制御があるか否かの判断を行う。この結果、保留の状態にある第一特別図柄の変動表示制御があると判断された場合には、次にステップS102の処理として、上記主制御内蔵RAMの第一特別図柄保留記憶領域に格納されている第一特別図柄の表示態様に関わる乱数(例えば、第一特別乱数、第一図柄乱数、リーチ乱数、変動乱数)のうちの最先の記憶領域に格納された乱数を同主制御内蔵RAMから読み出す。そして次に、ステップS103及びS104の処理として、上記第一特別保留数カウンタをカウントダウンするとともに、上記主制御内蔵RAMの第一特別図柄保留記憶領域の各記憶領域に格納されている上記第一特別図柄の変動表示停止時における表示態様に関わる乱数(第一特別乱数、第一図柄乱数、リーチ乱数、変動乱数)を先入れ先出し(First−In First−Out)の態様にてシフト操作する。
具体的には、第一特別図柄保留記憶領域は4つの記憶領域(第一特別図柄保留記憶領域a〜第一特別図柄保留記憶領域d)を有し、第一始動口2002への始動入賞の発生に応じて抽出した乱数を1番目(最先)の領域から順に記憶する。そして、n番目(n=1〜3)の記憶領域に乱数が記憶されている場合に始動入賞が発生するとn+1番目(n=1〜3)の記憶領域に抽出した乱数を記憶し、1番目の記憶領域に格納された乱数に基づく変動表示の開始条件が成立すると1番目の記憶領域に記憶されている各種乱数を読み出すとともにN番目(N=2〜4)の記憶領域に記憶されている各種乱数をN−1番目(N=2〜4)番目の記憶領域に移動させる。これにより、上記第一特別図柄の変動表示制御の保留が発生した順序を特定可能に記憶されるとともに最先の保留(最も先に発生した保留)から順に変動表示制御の保留が解除されるようになる。
そしてその後、ステップS105の処理として、上記読み出された第一特別図柄の第一特別乱数に基づいて上記大当りや小当りの当落についての抽選処理である当り判定処理を行う。その後、上記第一特別図柄停止図柄設定処理(ステップS81)にプロセス移行されるよう上記第一特別図柄プロセスフラグが更新された時点で(ステップS106)、この処理を終了する。
図125は、上記当り判定処理(ステップS105)についてその手順を示すフローチャートである。
上記主制御基板1310の主制御MPUは、図126(A)に示す当り判定テーブルと特別乱数(第一特別図柄通常処理を実行している場合にはステップS102で読み出した第一特別乱数、第二特別図柄通常処理を実行している場合には当該第二特別図柄通常処理で読みだした第二特別乱数)とを比較する(ステップS114)。
図126(A)に示すように当り判定テーブルは、上記主制御内蔵ROMに記憶され、特別乱数の種類毎(第一特別乱数、第二特別乱数)に備えている。そして、第一特別乱数と比較するために参照される当り判定テーブルでは、2種類の第一特別乱数が大当りに当選したことを示す大当り判定値と一致し、大当り判定値とは異なる3種類の第一特別乱数が小当りに当選したことを示す大当り判定値と一致し、265種類の第一特別乱数が上記ハズレであることを示すハズレ判定値と一致するように上記第一特別乱数がそれぞれ関連付けされている(大当り確率;135分の1、小当り確率;270分の3)。また、本例では特別図柄プロセス処理のステップS39で実行される第二特別図柄プロセス処理内において、第二特別乱数と比較するために参照される当り判定テーブルでは、2種類の第二特別乱数が大当りに当選したことを示す大当り判定値と一致し、大当り判定値とは異なる113種類の第二特別乱数が小当りに当選したことを示す小当り判定値と一致し、155種類の第二特別乱数が上記ハズレであることを示すハズレ判定値と一致するように上記第二特別乱数がそれぞれ関連付けされている(大当り確率;135分の1、小当り確率;270分の113)。即ち、第一特別乱数と比較するために参照される当り判定テーブルに比べて第二特別乱数と比較するために参照される判定テーブルでは、小当りと判定される確率が高くなるように構成され、第一始動口2002への始動入賞に基づく第一特別図柄の変動表示が実行された場合よりも第二始動口2004への始動入賞に基づく第二特別図柄の変動表示が実行された場合の方が遊技者に有利な状態とされるようになっている。
上記主制御基板1310の主制御MPUは、上記当り判定テーブルと特別乱数(第一特別図柄通常処理のステップS102で読み出した第一特別乱数、または第二特別図柄通常処理で読みだした第二特別乱数)との比較の結果、大当りとすると判定した場合には(ステップS115)、当該変動が大当りに当選していることを示す大当りフラグをセットし(ステップS116)、当り判定処理を終了する。
また、選択した当り判定テーブルと特別乱数(第一特別図柄通常処理のステップS102で読み出した第一特別乱数、または第二特別図柄通常処理で読みだした第二特別乱数)との比較の結果、小当りとすると判定した場合には(ステップS117)、当該変動が小当りに当選していることを示す小当りフラグをセットし(ステップS118)、当り判定処理を終了する。
一方、大当りと小当りとのいずれにも当選していない場合、即ちハズレとすると判定した場合には、リーチ判定テーブルとステップS102で読み出したリーチ乱数とを比較する(ステップS119)。
図示しないリーチ判定テーブルは、上記主制御内蔵ROMに記憶され、遊技状態が時短状態時の場合に使用する時短状態時のリーチ判定テーブルと、遊技状態が非時短状態時の場合に使用する非時短状態時のリーチ判定テーブルと、を備えている。そして、時短状態時のリーチ判定テーブルでは、1種類のリーチ乱数がリーチすることを示すリーチ判定値と一致し、71種類のリーチ乱数がリーチしないことを示すリーチ判定値と一致するように上記リーチ乱数がそれぞれ関連付けされている。
また、非時短状態時のリーチ判定テーブルでは、時短状態時のリーチ判定テーブルに設定されるリーチ乱数と同一のリーチ乱数を含む5種類のリーチ乱数がリーチすることを示すリーチ判定値と一致し、67種類のリーチ乱数がリーチしないことを示すリーチ判定値と一致するように上記リーチ乱数がそれぞれ関連付けされている。このように、この実施の形態では、非時短状態時では、リーチすることを示すリーチ判定値が時短状態時よりも高められる。
上記主制御基板1310の主制御MPUは、選択したリーチ判定テーブルとステップS102で読み出したリーチ乱数との比較の結果(ステップS119)、リーチハズレとすると判定した場合には(ステップS120)、当該変動がリーチとなることを示すリーチフラグをセットして処理を終了する(ステップS121)。
図127は、上記第一特別図柄停止図柄設定処理(ステップS81)についてその手順を示すフローチャートである。
上記第一特別図柄プロセスフラグが当該第一特別図柄停止図柄設定処理を行うべき旨を示しているときは、同図127に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPUは、まず、第一特別図柄の変動表示停止時における表示態様の抽選処理の結果、すなわち上記当り判定処理(ステップS105)の結果を判別する。抽選処理結果の判別は、大当りフラグがセットされているか否か(ステップS131)を判別することにより行う。
主制御MPUは、ステップS131で大当りフラグがセットされていれば、図126(B)に示す大当り図柄決定テーブルを選択して、第一特別図柄通常処理のステップS102で読み出した第一図柄乱数と選択した大当り図柄決定テーブルとを比較することにより第一特別図柄の変動制御停止時の態様(第一特別図柄の停止図柄)としての大当り図柄を決定する(ステップS132)。
図126(B)に示すように大当り図柄決定テーブルには、判定結果(14R時短大当り、5R時短大当り)に応じて各々図柄乱数(第一図柄乱数、第二図柄乱数)が関連付けされるかたちで記憶されている。主制御基板1310の主制御MPUでは、取得した図柄乱数に対応して関連付けされている判定結果を特定することにより、大当りの種類を決定する。
具体的には、
1.第一大入賞口2005を長時間開放(例えば28.5秒)した後又は第一大入賞口2005に遊技球Bが10個入賞したことが上記第一カウントセンサ2512で検出されたときに閉鎖させる開閉パターンを14回(14ラウンド)繰り返すことで遊技球Bが第一大入賞口2005に入球可能(容易)な14R大当り遊技に制御し、大当り遊技の終了後に、特別図柄の図柄変動が100回実行されるまでの間に次回の大当り遊技が発生しなければ状態終了される時短状態Aに制御する14R時短大当りA
2.第一大入賞口2005を長時間開放(例えば28.5秒)した後又は第一大入賞口2005に遊技球Bが10個入賞したことが上記第一カウントセンサ2512で検出されたときに閉鎖させ(1ラウンド)、その後に第二大入賞口2006を長時間開放(例えば28.5秒)した後又は第二大入賞口2006に遊技球Bが10個入賞したことが上記第二カウントセンサ2513で検出されたときに閉鎖させる開閉パターンを4回(4ラウンド)繰り返すことで遊技球Bが第一大入賞口2005及び第二大入賞口2006に入球可能(容易)な5R大当り遊技に制御し、大当り遊技の終了後に、第一特別図柄の変動表示が5回実行されるか、又は第二特別図柄の変動表示が1回実行されるまでの間に次回の大当り遊技が発生しなければ状態終了される時短状態Bに制御する5R時短大当りA
3.第二大入賞口2006を長時間開放(例えば28.5秒)した後又は第二大入賞口2006に遊技球Bが10個入賞したことが上記第二カウントセンサ2513で検出されたときに閉鎖させる開閉パターンを14回(14ラウンド)繰り返すことで遊技球Bが第二大入賞口2006に入球可能(容易)な14R大当り遊技に制御し、大当り遊技の終了後に、特別図柄の図柄変動が100回実行されるまでの間に次回の大当り遊技が発生しなければ状態終了される時短状態Aに制御する14R時短大当りB
4.第一大入賞口2005を長時間開放(例えば28.5秒)した後又は第一大入賞口2005に遊技球Bが10個入賞したことが上記第一カウントセンサ2512で検出されたときに閉鎖させ(1ラウンド)、その後に第二大入賞口2006を長時間開放(例えば28.5秒)した後又は第二大入賞口2006に遊技球Bが10個入賞したことが上記第二カウントセンサ2513で検出されたときに閉鎖させる開閉パターンを4回(4ラウンド)繰り返すことで遊技球Bが第一大入賞口2005及び第二大入賞口2006に入球可能(容易)な5R大当り遊技に制御し、大当り遊技の終了後に、第一特別図柄の変動表示が5回実行されるか、又は第二特別図柄の変動表示が1回実行されるまでの間に次回の大当り遊技が発生しなければ状態終了される時短状態Bに制御する5R時短大当りB
なお、第一図柄乱数と比較される大当り図柄決定テーブルは、14R時短大当りAとなる場合に6個の判定値が振り分けられ、5R時短大当りAとなる場合に94個の判定値が振り分けられている。即ち、第一特別乱数に基づく抽選により大当りとする抽選結果が得られた場合には6%の確率で14R時短大当りAとなり、94%の確率で5R時短大当りAとなる。同様に、第二図柄乱数と比較される大当り図柄決定テーブルは、14R時短大当りBとなる場合に58個の判定値が振り分けられ、5R時短大当りBとなる場合に42個の判定値が振り分けられている。即ち、第二特別乱数に基づく抽選により大当りとする抽選結果が得られた場合には58%の確率で14R時短大当りBとなり、42%の確率で5R時短大当りBとなる。このように、本例のパチンコ機1では第一図柄乱数と比較される大当り図柄決定テーブルに比べて第二図柄乱数と比較される大当り図柄決定テーブルでは、14R時短大当りと判定される確率が高くなるように構成され、第一始動口2002への始動入賞に基づく第一特別図柄の変動表示よりも第二始動口2004への始動入賞に基づく第二特別図柄の変動表示が実行された場合に遊技者に有利な状態となるようになっている。
また、大当りとする抽選結果が得られた場合には大当りの種類に応じて大当り遊技が終了した後の遊技状態が決定される。そして、大当り制御処理(ステップS40)では、大当り遊技の制御を行った後、その決定結果に基づいて時短フラグをセットする処理と大当りの種別に応じた時短回数を時短回数カウンタにセットする処理が実行される。
具体的には、「14R時短大当りA」及び「14R時短大当りB」の大当りが得られた旨を判断したときは、14ラウンド分の大当り遊技が実行された後に、特別図柄(第一特別図柄と第二特別図柄との合算)の図柄変動が100回実行されるまで時短状態に制御され、「5R時短大当りA」及び「5R時短大当りB」の大当りが得られた旨を判断したときは、5ラウンド分の大当り遊技が実行された後に、第一特別図柄の変動表示が5回実行されるまで、又は第二特別図柄の変動表示が1回実行されるまで時短状態に制御される。このように、第一特別乱数に基づく抽選により大当りとする抽選結果が得られた場合に大当り遊技の終了後に必ず時短状態に制御し、同様に第二特別乱数に基づく抽選により大当りとする抽選結果が得られた場合にも大当り遊技の終了後に必ず時短状態に制御するようになっている。ただし、「14R時短大当りA」及び「14R時短大当りB」の大当りが得られた場合には、「5R時短大当りA」及び「5R時短大当りB」の大当りが得られた場合よりも大当り遊技の実行後に長期間に亘って時短状態に制御されるようにしている。
また、14R時短大当りAに決定した場合には第一特別図柄の14R大当り図柄として14R時短大当りA図柄に決定し、5R時短大当りAに決定した場合には第一特別図柄の5R大当り図柄として5R時短大当りA図柄に決定する。また、第二特別図柄停止図柄設定処理で14R時短大当りBに決定した場合には第二特別図柄の14R大当り図柄として14R時短大当りB図柄に決定し、5R時短大当りBに決定した場合には第二特別図柄の5R大当り図柄として5R時短大当りB図柄に決定する。
また、主制御基板1310の主制御MPUは、大当りフラグがセットされていない場合にはハズレ図柄に決定する(ステップS136)。
そして、こうして停止図柄についての決定処理が行われた後は、主制御基板1310の主制御MPUは、ステップS137の処理として、上記抽選結果(大当りの種類、小当り、リーチハズレ、ハズレのいずれかを指示(第一特別図柄の停止図柄の態様を指示するものであってもよい))が上記周辺制御基板1510に送信されるよう抽選結果それぞれに応じた判定結果通知コマンドをセットする。そしてその後は、ステップS138の処理として、上記第一変動パターン設定処理(ステップS82)にプロセス移行されるよう上記第一特別図柄プロセスフラグを更新した時点で、この処理を終了する。
周辺制御MPUは、受信した判定結果通知コマンド及び変動パターンコマンドに基づいて演出表示装置1600を表示制御する。演出表示装置1600には、機能表示ユニット1400の第一特別図柄表示器での第一特別図柄に対応した装飾図柄が変動表示される。具体的には、周辺制御MPUは、装飾図柄の変動停止時の態様(停止図柄)として、受信した判定結果通知コマンドから大当りを特定した場合には大当り図柄(左・中・右の装飾図柄が[0]〜[8]の同一の図柄の組み合わせ)に決定し、リーチハズレを特定した場合にはリーチを伴ったハズレ図柄(左・右の装飾図柄が[0]〜[8]の同一の図柄の組み合わせであって中装飾図柄が異なる図柄の組み合わせ;リーチハズレ図柄)に決定し、ハズレを特定した場合には、リーチを伴わないハズレ図柄(左・中・右の装飾図柄のうち少なくとも左・右の装飾図柄が異なる図柄となる組合せ)に決定し、変動パターンコマンドから特定される変動時間の経過時(遊技演出の終了時)においてその決定された停止図柄を表示制御する。
図128は、上記第一変動パターン設定処理(ステップS82)についてその手順を示すフローチャートである。
上記第一特別図柄プロセスフラグが当該第一変動パターン設定処理を行うべき旨を示しているときは、同図128に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPUは、大当りフラグがセットされていれば(ステップS141)、第一特別図柄停止図柄設定処理のステップS132で決定した大当りの種類に応じた大当り時の変動パターンテーブル(図示しない)を選択し(ステップS142)、リーチフラグがセットされていれば(ステップS145)、リーチ時の変動パターンテーブル(図示しない)を選択し(ステップS146)、大当りフラグとリーチフラグとのいずれもセットされていない場合、すなわち通常のハズレ(リーチ演出を実行しないハズレ)となる場合には、ハズレ時の変動パターンテーブル(図示しない)を選択する(ステップS147)。
そして、選択した変動パターンテーブルと第一特別図柄通常処理のステップS102で読み出した変動乱数とを比較することにより実行する変動パターンを決定し(ステップS148)、決定した変動パターンを開始することを周辺制御基板1510に通知する変動パターンコマンドをセットして機能表示ユニット1400の第一特別図柄表示器に表示される第一特別図柄の変動表示を開始する(ステップS149)。また、主制御MPUは、変動パターンを決定すると決定した変動パターンに対応して設定されている変動時間を変動タイマに設定する(ステップS150)。これにより、こうして決定された変動時間だけ機能表示ユニット1400の第一特別図柄表示器にて第一特別図柄の変動表示制御が行われるとともに該特別図柄の変動表示に同期して上記演出表示装置1600にて演出制御が行われるようになる。
なお、本例の変動パターンテーブルは、特別乱数(第一特別乱数、第二特別乱数)及び図柄乱数(第一図柄乱数、第二図柄乱数)に基づく判定結果毎に複数種類設けられている。また、各変動パターンテーブルに設定される変動パターンには上記特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動表示制御に要する所定の時間(変動時間)を示す複数の変動時間情報が上記変動乱数にそれぞれ対応して関連付けされるかたちで記憶されている。しかして、主制御MPUは、特別乱数及び図柄乱数に基づく判定結果に応じた複数種類の変動パターンテーブルのうち、選択した変動パターンテーブルと第一特別図柄通常処理のステップS102で読み出した変動乱数とを比較し、上記読み出した変動乱数に関連付けされている変動時間情報をこのテーブルから取得することで、上記特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動パターンを決定する。これにより、上記特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動パターンについての抽選処理が行われるようになる。なお、上記変動パターンテーブルは、上記主制御内蔵ROMに記憶されている。
また、本例のリーチ時の変動パターンテーブルでは、いずれのリーチ演出を実行するかを示す判定値と変動乱数とを比較することにより実行するリーチ演出の態様種別を決定するように設定されている。例えば、241種類の変動乱数のうち164種類の変動乱数がノーマルリーチ演出のいずれかを実行することを示す判定値(0〜163)として設定され、59種類の変動乱数が大当り期待度の低いスーパーリーチ演出のいずれかを実行することを示す判定値(164〜222)として設定され、18種類の変動乱数が大当り期待度の高いスーパーリーチ演出のいずれかを実行することを示す判定値(223〜240)として設定される。なお、スーパーリーチ演出とは、ノーマルリーチ演出よりも大当り期待度が高く、大当り遊技の発生を望む遊技者に対してはスーパーリーチ演出が実行されたときに大当り遊技に対する遊技者の期待度が高まるようになっている。
また、本例の変動パターンテーブルでは、第一特別乱数に対応する変動時間として非時短状態では13〜60秒が設定され、時短状態では4〜60秒が設定され、同様に第二特別乱数に対応する変動時間として非時短状態では13〜60秒が設定され、時短状態では2〜60秒が設定されている。
第一特別図柄の変動表示制御が開始されると、次にステップS151の処理として、時短状態の継続回数がセットされる時短回数カウンタのカウンタ値が「0」であるか否かを判断する。そして、このカウンタ値が「0」でなければ、該時短回数カウンタをカウントダウンした後(ステップS152)、同時短回数カウンタのカウンタ値が「0」であるか否かをさらに判断する(ステップS153)。そしてこの結果、同カウンタ値が「0」であれば、上記時短制御を終了することを示す時短終了フラグをセットする(ステップS154)。
上記ステップS151の処理にて時短回数カウンタのカウンタ値が「0」であると判断された場合、上記ステップS153の処理にて時短回数カウンタが「0」でないと判断された場合には、その時点でステップS155の処理に移行する。そして、上記第一特別図柄変動処理(ステップS83)にプロセス移行されるよう上述の第一特別図柄プロセスフラグを更新した時点で(ステップS155)、この処理を終了する。
図129は、上記第一特別図柄変動処理(ステップS83)についてその手順を示すフローチャートである。
上記第一特別図柄プロセスフラグが当該第一特別図柄変動処理を行うべき旨を示しているときは、同図129に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPUは、まず、ステップS171の処理として、上記変動パターンについての抽選処理(ステップS82)で決定した変動パターンに応じた変動時間が設定される変動タイマを1減算する。そして、変動時間タイマが0、すなわち、上記抽選された変動時間が経過したと判断されると(ステップS172)、次にステップS173の処理に移行する。すなわち、このステップS173の処理において、上記第一特別図柄停止処理(ステップS84)にプロセス移行されるよう上記第一特別図柄プロセスフラグを更新した時点で、この処理を終了する。
図130は、上記第一特別図柄停止処理(ステップS84)についてその手順を示すフローチャートである。
上記第一特別図柄プロセスフラグが当該第一特別図柄停止処理を行うべき旨を示しているときは、同図130に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPUは、まず、ステップS181の処理として、上記第一特別図柄停止図柄設定処理にて決定された停止図柄を機能表示ユニット1400の第一特別図柄表示器に表示させるための表示制御を行うとともに、上記演出表示装置1600に第一特別図柄の停止図柄に応じた装飾図柄の表示結果の導出表示を指示する停止表示コマンドを上記周辺制御基板1510へのコマンドとしてセットする(ステップS182)。
次いで、主制御基板1310の主制御MPUは、上記時短終了フラグがセットされているときには(ステップS183)、時短終了フラグをリセットするとともに(ステップS184)、時短フラグをリセットする(ステップS185)。これにより特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の所定回数(本例では、100回、1回、5回のいずれか)の変動表示が実行されたときに時短制御を終了させて非時短状態の制御を開始するようになる。
また、上記主制御基板1310の主制御MPUは、上記大当りフラグがセットされているときは(ステップS186)、大当り遊技を開始することを示す大当り開始コマンドをセットし(ステップS187)、大当り遊技の開始までの待機時間(大当り遊技を開始する旨の表示等を行う時間)をインターバルタイマにセットする(ステップS188)。なお、図示しないがステップS188では大当りの種類に応じたラウンド数を、ラウンドの残り回数を示す大当り回数カウンタにセットする処理も実行される。大当り回数カウンタは後述する大当り制御処理においてラウンドの実行毎に1ずつ減算され、大当り回数カウンタが「0」になったときに主制御基板1310の主制御MPUが規定ラウンド数を実行したと判断して大当り遊技を終了させるように制御する。具体的には後述する大当り制御処理において大当り回数カウンタが「0」になるまでは大入賞口開放前処理(ステップS91)と大入賞口開放中処理(ステップS92)とを繰り返し実行し、大入賞口開放中処理(ステップS92)でラウンドを終了するときに大当り回数カウンタを1減算して「0」なったことに基づいて大入賞口開放後処理(ステップS93)に移行して大当り遊技を終了させる制御を実行する。
そして、大当り遊技の実行中であることを示す大当り実行中フラグをセットする(ステップS189)。なお、大当り開始コマンドは、周辺制御基板1510に送信されるコマンドであり、大当りの種類に応じて個々に用意されている。ステップS187では、大当りの種類(14R時短大当りA、5R時短大当りA)に応じた大当り開始コマンド(14R時短大当りA開始コマンド、5R時短大当りA開始コマンド)をセットする。これにより、大当り開始コマンドによって指示された大当りの種類に応じた大当り遊技の演出が演出表示装置1600、ランプ・LED及びスピーカ等により実行される。また、第二特別図柄プロセス処理の第二特別図柄停止処理では、大当りの種類(14R時短大当りB、5R時短大当りB)に応じた大当り開始コマンド(14R時短大当りB開始コマンド、5R時短大当りB開始コマンド)をセットするようになっている。
また、大当り遊技の実行中であることを示す大当り実行中フラグは、大当り遊技を終了するとき、具体的には大当り制御処理(ステップS40)の大入賞口開放後処理(ステップS93)で大当りの種類に応じた第一大入賞口2005の開閉制御(例えば第一大入賞口2005を長時間開放(例えば28.5秒)した後又は第一大入賞口2005に遊技球Bが10個入賞したことが上記第一カウントセンサ2512で検出されたときに閉鎖させる開閉パターンを14回又は5回繰り返す開閉制御)を終了したとき(大当り遊技で実行可能な全てのラウンド)にリセットされる。大当り実行中フラグがリセットされることにより特別図柄プロセス処理(ステップS14)のステップS35で大当り制御処理(ステップS40)を実行しないようにされる一方、機能表示ユニット1400の第一特別図柄表示器における第一特別図柄の変動表示及び機能表示ユニット1400の第二特別図柄表示器における第二特別図柄の変動表示を実行可能な状態になる。
また、大当りフラグがセットされていない場合に(ステップS186)、上記小当りフラグがセットされていれば(ステップS190)、主制御基板1310の主制御MPUは、小当り遊技を開始することを示す小当り開始コマンドをセットし(ステップS191)、小当り遊技の開始までの待機時間(小当り遊技を開始する旨の表示等を行う時間)をインターバルタイマにセットする(ステップS192)。そして、小当り遊技の実行中であることを示す小当り実行中フラグをセットする(ステップS193)。なお、小当り開始コマンドは、周辺制御基板1510に送信されるコマンドであり、小当りの種類に応じて個々に用意されている。ステップS191では、小当りの種類(5R小当りA1、5R小当りA2、14R小当りA))に応じた小当り開始コマンド(5R小当りA1開始コマンド、5R小当りA2開始コマンド、14R小当りA開始コマンド)をセットする。これにより、小当り開始コマンドによって指示された小当りの種類に応じた小当り遊技の演出が演出表示装置1600、ランプ・LED及びスピーカ等により実行される。また、第二特別図柄プロセス処理の第二特別図柄停止処理では、小当りの種類(5R小当りB1、5R小当りB2、14R小当りB))に応じた小当り開始コマンド(5R小当りB1開始コマンド、5R小当りB2開始コマンド、14R小当りB開始コマンド)をセットするようになっている。
また、小当り遊技の実行中であることを示す小当り実行中フラグは、小当り遊技を終了するとき、具体的には後述する小当り制御処理(ステップS41)の小当り中処理(ステップS401)で小当りの種類に応じた第一大入賞口2005の開閉制御(例えば第一大入賞口2005を開放(例えば1.8秒)した後又は第一大入賞口2005に遊技球Bが10個入賞したことが上記第一カウントセンサ2512で検出されたときに閉鎖させる開閉制御)を終了したときにリセットされる。小当り実行中フラグがリセットされることにより特別図柄プロセス処理(ステップS14)のステップS36で小当り制御処理(ステップS41)を実行しないようにされる一方、機能表示ユニット1400の第一特別図柄表示器における第一特別図柄の変動表示及び機能表示ユニット1400の第二特別図柄表示器における第二特別図柄の変動表示を実行可能な状態になる。
また、小当りフラグがセットされていない場合、即ちハズレとなるときには次回の特別図柄の変動表示を開始するまでの待機時間(特別図柄の停止図柄を表示している時間)をインターバルタイマにセットし(ステップS194)、ステップS195に移行する。
上記ステップS186〜ステップS194の処理を実行すると、上記主制御基板1310の主制御MPUは、第一特別図柄プロセスフラグを初期値である第一特別図柄通常処理にプロセス移行されるように更新した時点で(ステップS195)、この処理を終了する。
図131は、上記大当り制御処理(ステップS40)についてその手順を示すフローチャートである。大当り制御処理では、大当りプロセスフラグに応じて、以下の3つのプロセス処理のうち1つを選択的に実行することとなる。
1.特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動表示停止時の態様が大当り図柄となったことに基づいて上記大当り遊技に移行する旨などの遊技者への報知が上記周辺制御基板1510によって行われるまで待機したり、次のラウンドが開始されるまで待機する大入賞口開放前処理(ステップS91)
2.特別図柄の変動表示停止時の態様が大当り図柄となったことに基づいて第一大入賞口2005や第二大入賞口2006を開放状態に制御したり、次のラウンドが開始されることに基づいて第一大入賞口2005や第二大入賞口2006を開放状態に制御し、第一大入賞口2005や第二大入賞口2006を長時間開放(例えば28.5秒)した後又は第一大入賞口2005や第二大入賞口2006に遊技球Bが10個入賞したことが上記第一カウントセンサ2512又は第二カウントセンサ2513で検出されたときに閉鎖させる大入賞口開放中処理(ステップS92)
3.全てのラウンドを終了するときに大当り遊技が終了する旨の遊技者への報知が上記周辺制御基板1510によって行われるまで待機する大入賞口開放後処理(ステップS93)
なお、上記大当りプロセスフラグは、上記ステップS1の処理(図118参照)において、上記大入賞口開放前処理(ステップS91)を行うべき旨を示すよう操作されている。また、上記大入賞口開放中処理(ステップS92)では、第一大入賞口2005や第二大入賞口2006を開放状態に制御するラウンドの開始時に、そのラウンド数に応じた大当りラウンド開始コマンドをセットし、第一大入賞口2005や第二大入賞口2006を閉鎖状態に制御するラウンドの終了時に、そのラウンド数に応じた大当りラウンド終了コマンドをセットする。なお、大当りラウンド開始コマンド及び大当りラウンド終了コマンドは、周辺制御基板1510に送信されるコマンドであり、大当りラウンド開始コマンド及び大当りラウンド終了コマンドによって指示されたラウンド数に応じた大当り遊技の演出が演出表示装置1600、ランプ・LED及びスピーカ等により実行される。
図132は、上記小当り制御処理(ステップS41)についてその手順を示すフローチャートである。小当り処理では、小当りプロセスフラグに応じて、以下の2つのプロセス処理のうち1つを選択的に実行することとなる。
1.小当り遊技を開始するための設定処理を実行する小当り開始処理(ステップS400)
2.小当り遊技中の遊技球Bの入球や開放時間を監視する小当り中処理(ステップS401)
なお、上記小当りプロセスフラグは、上記ステップS1の処理(図118参照)において、上記小当り開始処理(ステップS400)を行うべき旨を示すよう操作されている。また、小当り中処理にて特定領域への遊技球Bの進入が検出されると、大当り実行中フラグをセットするとともに、小当りの種類に応じた大当り遊技で実行可能なラウンド数(5R小当りであれば4ラウンド、14R小当りであれば13ラウンド)を大当り回数カウンタにセットして処理を終了する。これにより、小当り遊技に引き続いて大当り遊技が開始されるようになる。
図133は、上記普通図柄プロセス処理(ステップS15)についてその手順を示すフローチャートである。
いま、ステップS801の処理において、上記ゲートセンサ2301による検出信号がオン状態にあり、上記ゲート部2003への遊技球Bの通過があったと判断されたとすると、同図133に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPUは、ステップS802の処理として、まず、普通図柄の普通乱数を上記乱数カウンタから取得してこれをRAMの普通図柄保留記憶領域に格納するなどのゲート部通過処理を実行する。
次いで、普通図柄プロセス処理では、普通図柄プロセスフラグに応じて、以下の5つのプロセス処理の1つを選択的に実行する。
1.主制御MPUのRAMに格納されている普通乱数を読み出し、読み出した普通乱数に基づいて上記普通図柄の変動制御停止時における表示態様についての抽選処理などが行われる普通図柄通常処理(ステップS803)
2.普図変動乱数に基づいて上記機能表示ユニット1400の普通図柄表示器に表示される普通図柄の変動態様(変動時間)についての抽選処理などが行われる普通図柄変動パターン決定処理(ステップS804)
3.機能表示ユニット1400の普通図柄表示器における上記普通図柄の変動表示が停止されるまで待機する普通図柄変動処理(ステップS805)
4.普通図柄の変動制御停止時における表示態様についての抽選処理の結果に基づいて決定された普通図柄の変動制御停止時の態様が上記機能表示ユニット1400の普通図柄表示器に表示されるように上記普通図柄の変動表示を停止させる普通図柄停止処理(ステップS806)
5.普通図柄の変動制御停止時の態様についての抽選処理の結果が「普図当り」を示唆する態様となったとき、上記第二始動口2004への遊技球Bの受入れを可能に制御する処理を実行する普通電動役物開放処理(ステップS807)
なお、上記普通図柄プロセスフラグは、上述のステップS1の処理(図118参照)において、上記普通図柄通常処理(ステップS803)を行うべき旨を示すよう操作されている。
図134は、上記ゲート部通過処理(ステップS802)についてその手順を示すフローチャートである。
いま、上記ステップS801の処理において、上記ゲートセンサ2301による検出信号がオン状態にあり、上記ゲート部2003への遊技球Bの通過があったと判断されたとすると、同図134に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPUは、ステップS811の処理として、まず、普通図柄保留記憶領域に記憶される普通乱数の個数を示す普通保留数カウンタによるカウンタ値を主制御MPUのRAMから取得する。そして、このカウンタ値に基づいて普通図柄の保留記憶数がその最大値である「4」であるか否かの判断を行う。
このステップS811の処理において、上記普通図柄の保留記憶数がその最大値でないと判断された場合には、上記普通図柄の変動表示制御を新たに保留の状態とすべく、以下のステップS812〜S814の処理を行うこととなる。すなわち、まず、上記ステップS812の処理として、上記普通保留数カウンタをカウントアップ(1加算)する。次いで、ステップS813の処理として、上記普通乱数、上記普図変動乱数を上記乱数カウンタから取得する。そして次に、ステップS814の処理として、こうして取得された各乱数を、上記主制御MPUのRAMの記憶領域のうちの上記普通保留数カウンタによるカウンタ値に対応する普通図柄保留記憶領域に格納する。
ただし、上記ステップS811の処理において、上記普通図柄の保留記憶数がその最大値であると判断された場合には、上記普通図柄の変動表示制御は新たに保留されない。すなわち、ステップS812〜ステップS814の処理を実行しない(上記普通乱数、上記普図変動乱数を上記乱数カウンタから取得しない)ことで、上記普通図柄の変動表示制御を新たに保留の状態としない。
なお、ゲート部通過処理(ステップS802)としては、以下に記載する別例のようにしても良い。例えば、いま、上記ゲートセンサ2301による検出信号がオン状態にあり、上記ゲート部2003への遊技球Bの通過があったと判断されたとすると、上記主制御基板1310の主制御MPUは、まず、上記普通乱数、上記普図変動乱数を上記乱数カウンタから取得し、暫定記憶領域に格納する。その後に、上記普通保留数カウンタによるカウンタ値を主制御MPUのRAMから取得し、このカウンタ値に基づいて普通図柄の保留記憶数がその最大値である「4」であるか否かの判断を行う。そして、上記普通図柄の保留記憶数がその最大値でないと判断された場合には、上記普通図柄の変動表示制御を新たに保留の状態とすべく、上記普通保留数カウンタをカウントアップ(1加算)し、次いで、先に取得された上記普通乱数、上記普図変動乱数(暫定記憶領域に記憶された上記普通乱数、上記普図変動乱数)を、上記主制御MPUのRAMの記憶領域のうちの上記普通保留数カウンタによるカウンタ値に対応する普通図柄保留記憶領域に格納する。一方、上記普通保留数カウンタによるカウンタ値を主制御MPUのRAMから取得した結果、このカウンタ値がその最大値である「4」であると判断された場合(上記普通図柄の保留記憶数がその最大値である場合)には、先に取得された上記普通乱数、上記普図変動乱数を、普通図柄保留記憶領域に格納することなく破棄し、上記取得した普通図柄の変動表示制御は新たに保留されないようにすることとしてもよい。
図135は、上記普通図柄通常処理(ステップS803)についてその手順を示すフローチャートである。
上記普通図柄プロセスフラグが当該普通図柄通常処理を行うべき旨を示しているときは、同図135に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPUは、まず、ステップS821の処理として、上記普通保留数カウンタによるカウンタ値に基づいて保留の状態にある普通図柄の変動表示制御があるか否かの判断を行う。この結果、保留の状態にある普通図柄の変動表示制御があると判断された場合には、次にステップS822の処理として、上記主制御MPUのRAMの普通図柄保留記憶領域に格納されている普通図柄の表示態様に関わる乱数(例えば、普通乱数、普図変動乱数)のうちの最先の記憶領域に格納された乱数を同RAMから読み出す。そして次に、ステップS823及びS824の処理として、上記普通保留数カウンタをカウントダウンするとともに、上記主制御MPUのRAMの普通保留記憶領域の各記憶領域に格納されている上記普通図柄の変動表示停止時における表示態様に関わる乱数(普通乱数、普図変動乱数)を先入れ先出し(First−In First−Out)の態様にてシフト操作する。
具体的には、普通図柄保留記憶領域は1〜4の4つの記憶領域を有し、上記ゲート部2003への遊技球Bの通過に応じて抽出した乱数を1番目(最先)の領域から順に記憶する。そして、n番目(n=1〜3)の記憶領域に乱数が記憶されている場合に上記ゲート部2003に遊技球Bが通過するとn+1番目(n=1〜3)の記憶領域に抽出した乱数を記憶し、1番目の記憶領域に格納された乱数に基づく変動表示の開始条件が成立すると1番目の記憶領域に記憶されている各種乱数を読み出すとともにN番目(N=2〜4)の記憶領域に記憶されている各種乱数をN−1番目(N=2〜4)番目の記憶領域に移動させる。これにより、上記普通図柄の変動表示制御の保留が発生した順序を特定可能に記憶されるとともに最先の保留(最も先に発生した保留)から順に変動表示制御の保留が解除されるようになる。
次いで、上記主制御基板1310の主制御MPUは、図136(A)に示す普図当り判定テーブルとステップS822で読み出した普通乱数とを比較する(ステップS828)。
図136(A)に示す普図当り判定テーブルは、上記主制御MPUのROMに記憶されている。そして、普通乱数と比較するために参照される普図当り判定テーブルでは、10種類の全ての普通乱数が普図当りに当選したことを示す普図当り判定値と一致するように上記普通乱数が関連付けされている。即ち、本例では、上記ゲート部2003に遊技球Bが通過した場合において、必ず普図当りに当選するようになっている。
上記主制御基板1310の主制御MPUは、普図当り判定テーブルと普通図柄通常処理のステップS822で読み出した普通乱数との比較の結果、普図当りとすると判定した場合には(ステップS829)、当該変動が普図当りに当選していることを示す普図当りフラグをセットし(ステップS830)、普通図柄の変動制御停止時の態様(普通図柄の停止図柄)として普図当り図柄に決定する(ステップS831)。一方、ステップS829で普図当りとしないと判定した場合には、普通図柄の変動制御停止時の態様(普通図柄の停止図柄)として普図ハズレ図柄に決定する(ステップS833)。
そして、こうして普通図柄についての抽選処理が行われた後は、ステップS834の処理として、これら抽選結果(普図当りとハズレとのいずれかを指示)が上記周辺制御基板1510に送信されるよう抽選結果それぞれに応じた普図判定結果通知コマンドをセットする。そしてその後は、ステップS835の処理として、上記普通図柄変動パターン決定処理(ステップS804)にプロセス移行されるよう上述の普通図柄プロセスフラグを更新した時点で、この処理を終了する。
図137は、上記普通図柄変動パターン決定処理(ステップS804)についてその手順を示すフローチャートである。上記普通図柄プロセスフラグが当該普通図柄変動パターン決定処理を行うべき旨を示しているときは、同図137に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPUは、時短フラグがセットされていれば(ステップS841)、時短時の普通図柄変動パターン決定テーブルを選択し(ステップS842)、時短フラグがセットされていれば(ステップS841)、非時短時の普通図柄変動パターン決定テーブルを選択する(ステップS843)。
そして、選択した普通図柄変動パターン決定テーブルと普通図柄通常処理のステップS822で読み出した普図変動乱数とを比較することにより実行する普通図柄の変動パターン(普図変動パターン)を決定し(ステップS844)、決定した普図変動パターンでの普通図柄変動の開始を周辺制御基板1510に通知する普図変動パターンコマンドをセットして機能表示ユニット1400の普通図柄表示器に表示される普通図柄の変動表示を開始する(ステップS845)。
また主制御MPUは、普図変動パターンを決定するとこの決定した普図変動パターンに応じた普図変動時間を普図変動タイマに設定する(ステップS846)。これにより、決定された普図変動パターンに応じた普図変動時間だけ機能表示ユニット1400の普通図柄表示器(における普通図柄の変動表示)にて演出制御が行われるようになる。
また、本例の非時短時の普通図柄変動パターン決定テーブルでは、普図変動時間として20秒が設定されている。一方、本例の時短時の普通図柄変動パターン決定テーブルでは、非時短時の普通図柄変動パターン決定テーブルと比べて普図変動時間が短時間となるように、普図変動時間として0.8秒が設定されている。なお、普通図柄変動パターン決定テーブルは、上記主制御MPUのROMに記憶されている。
また、普通図柄の変動表示制御が開始されると、次にステップS847の処理として、上記普通図柄変動処理(ステップS805)にプロセス移行されるよう上述の普通図柄プロセスフラグを更新した時点で、この処理を終了する。
図138は、上記普通図柄変動処理(ステップS805)についてその手順を示すフローチャートである。上記普通図柄プロセスフラグが当該普通図柄変動処理を行うべき旨を示しているときは、同図138に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPUは、まず、ステップS851の処理として、上記ステップS846で普図変動時間が設定された普図変動タイマを1減算する。そして、普図変動時間タイマが0、すなわち、上記普通図柄の変動時間が経過したと判断されると(ステップS852)、次にステップS853の処理に移行する。すなわち、このステップS853の処理において、上記第一特別図柄停止処理(ステップS806)にプロセス移行されるよう上記普通図柄プロセスフラグを更新した時点で、この処理を終了する。
図139は、上記普通図柄停止処理(ステップS806)についてその手順を示すフローチャートである。
上記普通図柄プロセスフラグが当該普通図柄停止処理を行うべき旨を示しているときは、同図139に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPUは、まず、ステップS861の処理として、上記普通図柄通常処理にて決定された普通図柄の停止図柄を上記機能表示ユニット1400の普通図柄表示器に表示させるための表示制御を行うとともに、その第一特別図柄の停止図柄の導出表示を通知する普図停止表示コマンドを上記周辺制御基板1510へのコマンドとしてセットする(ステップS862)。
そして次に、上記普図当りフラグがセットされているときは(ステップS863)、図136(B)に示す普図当り時開放パターンテーブルを用いて、現在の遊技状態に応じた第二始動口2004の開放パターンを設定する(ステップS864)。
具体的には、第二始動口2004の開放開始時に非時短状態に制御されていれば、第二始動口2004の開放パターンとして開放パターンAを設定する。即ち、第二始動口2004の開放開始時に非時短状態に制御されていれば、普通乱数に基づく抽選により普図当りとする抽選結果が得られた場合には、第二始動口2004を開閉させる始動口ソレノイド2514をオン状態にして第二始動口2004が短開放態様(この例では0.05秒)で開閉する開放パターンAを実行することとなる。これにより、第二始動口2004の開放パターンとして開放パターンAが実行された場合には、第二始動口2004が開放動作する時間が短く、第二始動口2004が開放状態にあるときに遊技球を入球させることが困難である。即ち、非時短状態時には第二始動口2004が開閉動作されたとしても遊技球が殆ど入球しないようになっている。
一方、第二始動口2004の開放開始時に時短状態に制御されていれば、第二始動口2004の開放パターンとして開放パターンBを設定する。即ち、第二始動口2004の開放開始時に非時短状態に制御されていれば、普通乱数に基づく抽選により普図当りとする抽選結果が得られた場合には、第二始動口2004を開閉させる始動口ソレノイド2514をオン状態にして第二始動口2004が長開放態様(この例では1.5秒)で開閉する開放パターンBを実行することとなる。これにより、第二始動口2004の開放パターンとして開放パターンBが実行された場合には、第二始動口2004が開放動作する時間が長く、第二始動口2004が開放状態にあるときに遊技球を入球し得るようになっている。
第二始動口2004の開放パターンが設定されると、次にステップS885の処理として、普図当り遊技を開始することを示す普図当り開始コマンドをセットし、普通図柄プロセスフラグを普通電動役物開放処理にプロセス移行されるように更新した時点で(ステップS866)、この処理を終了する。なお、普図当り開始コマンドは、周辺制御基板1510に送信されるコマンドであり、普図当り開始コマンドによって指示された普図当りの種類に応じた普図当り遊技の演出が演出表示装置1600、ランプ・LED及びスピーカ等により実行されうる。
また、主制御基板1310の主制御MPUは、ステップS864で上記普図当りフラグがセットされていない場合において、普通図柄プロセスフラグを初期値である普通図柄通常処理にプロセス移行されるように更新した時点で(ステップS868)、この処理を終了する。
図140は、上記普通電動役物開放処理(ステップS807)についてその手順を示すフローチャートである。
いま、ステップS871の処理において、第二始動口2004が開放状態にあると判断されるとすると、同図140に示されるように、同図140に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPUは、第二始動口2004を開放状態に制御してから所定時間(ステップS865で設定した開放パターンにおける第二始動口2004の開放時間)が経過していれば(ステップS872)、第二始動口2004を開閉させる始動口ソレノイド2514をオフ状態にして第二始動口2004を閉鎖状態に制御した時点で(ステップS873)、この処理を終了する。
また、ステップS871の処理において、第二始動口2004が閉鎖状態にあると判断されるとすると、同図140に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPUは、第二始動口2004を開放状態にするタイミングであれば(ステップS874)、第二始動口2004を開閉させる始動口ソレノイド2514をオン状態にして第二始動口2004を開放状態に制御した時点で(ステップS875)、この処理を終了する。
また、ステップS871の処理において、第二始動口2004を開放状態にするタイミングではなければ、同図140に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPUは、第二始動口2004の開放回数が所定回数(ステップS865で設定した開放パターンにおける第二始動口2004の開放回数)となったときに(ステップS876)、普図当り終了コマンドをセットする(ステップS877)。そして、普通図柄プロセスフラグを初期値である普通図柄通常処理にプロセス移行されるように更新した時点で(ステップS878)、この処理を終了する。なお、普図当り終了コマンドは周辺制御基板1510に送信され、周辺制御基板1510では普図当り終了コマンドを受信すると演出表示装置1600、ランプ・LED及びスピーカ等により実行中の普図当り遊技の演出を終了させ得る。
[9.周辺制御基板の制御処理]
次に、周辺制御基板1510に搭載される周辺制御MPUによって実行される処理について説明する。図141は、当該パチンコ機1に電源が投入されるとき、上記周辺制御基板1510に搭載される周辺制御MPUによって行われる制御についてその処理手順を示すフローチャートである。
図141に示すように、パチンコ機1への電力供給が開始されると、周辺制御MPUは、初期設定処理を行う(ステップS501)。この初期設定処理は、周辺制御基板1510に搭載される周辺制御MPUに内蔵されているRAMをクリアする処理等が行われる。なお、この初期設定処理中では割込禁止となっており、初期設定処理のあと割込許可となる。初期設定処理(ステップS501)が終了すると、16mS経過フラグTがセットされたか否かを監視するループ処理を開始する(ステップS502)。
この実施の形態では、周辺制御MPUは、2mS経過毎に割込を発生させ、2mS定常処理を実行する。2mS定常処理では、16mS経過監視カウンタをカウントアップする(16mS経過監視カウンタを1加算する)処理が実行され、16mS経過監視カウンタの値が8になったとき、すなわち、16mS経過したときに16mS経過フラグTをセットするとともに、16mS経過監視カウンタをリセット(0にする)処理が実行される。このように、16mS経過フラグTは、2mS定常処理にて16mS毎に「1」に設定(セット)され、通常は「0」に設定(リセット)されている。ステップS502で16mS経過フラグがセットされている(16mS経過フラグTが「1」)ときには、16mS経過フラグをリセットした後(ステップS503)、16mS定常処理を行う(ステップS504)。
この16mS定常処理では、主制御基板1310から受信したコマンドにもとづいて演出表示装置1600、ランプ・LED、スピーカ等を制御する処理が実行される。16mS定常処理を終了すると、再びステップS502に戻り、16mS経過フラグTがセットされる毎に、つまり16mS毎に上記したステップS503〜ステップS504を繰り返し行う。一方、ステップS502で16mS経過フラグTがセットされていない(16mS経過フラグTが「0」)ときには、16mS経過フラグTがセットされるまでループ処理を行う。
図142は、サブメイン処理にて16mS毎に実行される16mS定常処理の一例を示すフローチャートである。16mS定常処理において、周辺制御MPUは、ステップS601〜ステップS606の処理を実行する。ステップS601のコマンド解析処理では、主制御基板1310から受信したコマンドを解析する。ステップS602の演出制御処理では、変動パターン設定処理(第一変動パターン設定処理のステップS149、第二変動パターン設定処理のステップS149a)でセットされることにより送信された変動パターンコマンドを受信したことにもとづいて演出表示装置1600に関わる制御処理を実行する。
また、ステップS603の音制御処理では、パチンコ機1に設けられたスピーカに関わる制御処理を実行する。ステップS604のランプ制御処理では、パチンコ機1に設けられたランプ・LEDに関わる制御処理を実行する。ステップS605の情報出力処理では、各種装飾基板184,273等にランプ・LEDの点灯信号を送信する処理などを実行する。ステップS606の乱数更新処理では、演出制御処理(ステップS602)で各種設定に用いられる乱数を更新する処理を実行する。
なお、16mS定常処理におけるステップS601〜ステップS606の処理は16mS以内に終了する。仮に、16mS定常処理を開始してから当該16mS定常処理の終了までに16mS以上かかったとしても、16mS定常処理を開始してから16mS経過したときに直ぐに16mS定常処理を最初から(ステップS601のコマンド解析処理から)実行しない。すなわち、16mS定常処理の実行中に16mS経過したときには、16mS経過フラグのセットのみを行い、当該16mS定常処理の終了後にステップS502で16mS経過フラグがセットされていると判定されたときに16mS定常処理を開始する。
また、この実施の形態では、16mS定常処理にて乱数更新処理(ステップS606)を実行して各種乱数を更新するように構成しているが、各種乱数を更新する時期(タイミング)はこれに限られるものではない。例えば、サブメイン処理におけるループ処理および16mS定常処理のいずれか一方または両方にて各種乱数を更新するように構成してもよい。
図143は、演出制御処理(ステップS602)の一例を示すフローチャートである。
演出制御処理において、周辺制御MPUは上記周辺制御基板1510の周辺制御MPUに格納されている遊技の進行状況を示す演出プロセスフラグに応じて、以下の5つのプロセス処理の1つを選択的に実行することとなる。
1.上記コマンド解析処理にて解析された特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動パターンを指示する変動パターンコマンド(第一特別図柄の変動パターンを指示する第一変動パターンコマンド、第二特別図柄の変動パターンを指示する第二変動パターンコマンド)に基づいて演出表示装置1600、LED及びスピーカ等を制御する処理などを行った後、上記演出プロセスフラグを変動演出中処理に応じた値に変更する変動演出開始処理(ステップS711)
2.演出表示装置1600、LED及びスピーカ921等の制御を開始してからの経過時間を計測し、経過時間に応じて演出表示装置1600、LED及びスピーカ等を制御する処理などが行い、特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動パターンに応じた変動時間が経過したことに応じて上記演出プロセスフラグを変動終了処理に応じた値に変更する変動演出中処理(ステップS712)
3.特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動表示停止を指示する停止表示コマンドを受信したことに基づいて所定の表示結果を導出表示するための処理を行い、ハズレであれば上記演出プロセスフラグを変動演出開始処理に応じた値に変更し、大当りであれば大当り演出処理に応じた値に変更し、小当りであれば小当り演出処理に応じた値に変更する変動演出終了処理(ステップS713)
4.大当り遊技の開始を指示する大当り開始コマンドを受信したことに基づいて演出表示装置1600に大当り遊技中の表示制御を実行するための処理を行い、大当り遊技を終了するときに上記演出プロセスフラグを変動演出開始処理に応じた値に変更する大当り演出処理(ステップS714)
5.小当り遊技の開始を指示する小当り開始コマンドを受信したことに基づいて演出表示装置1600に小当り遊技中の表示制御を実行するための処理を行い、小当り遊技中に第二大入賞口2006に受け入れられた遊技球Bが特定領域に振り分けられていれば小当り遊技を終了するときに上記演出プロセスフラグを大当り演出開始処理に応じた値に変更し、遊技球Bが特定領域に振り分けられていなければ変動演出開始処理に応じた値に変更する小当り演出処理(ステップS715)
以上の処理によって特別図柄表示器(機能表示ユニット1400の第一特別図柄表示器、機能表示ユニット1400の第二特別図柄表示器)で実行される特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動表示に同期して演出表示装置1600で装飾図柄の変動表示が実行されるようになる。
[10.時短制御終了時の変動制御]
上記したように、時短状態では非時短状態とは異なる開放パターンで第二始動口2004を開閉制御するようになっている。即ち、機能表示ユニット1400の普通図柄表示器で実行される普通図柄変動が停止したときに時短状態であれば短開放態様(この例では0.05秒)の開放パターンAで第二始動口2004を開閉し、機能表示ユニット1400の普通図柄表示器で実行される普通図柄変動が停止したときに非時短状態であれば長開放態様(この例では1.5秒)の開放パターンBで第二始動口2004を開閉するようになっている。
このように、機能表示ユニット1400の普通図柄表示器で実行される普通図柄変動が停止したときを基準として第二始動口2004の開放パターンを変化させるため、時短状態が終了する直前(例えば時短回数が100回の時短状態Aの場合には時短状態での特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の100回目の変動表示が停止する直前等)に機能表示ユニット1400の普通図柄表示器で実行される普通図柄変動が停止して第二始動口2004を開閉させる場合には、時短状態として長開放態様(この例では1.5秒)の開放パターンBで第二始動口2004が開閉されることになる。また、第二始動口2004の開放後に時短状態が終了すると、時短状態が終了しているにもかかわらず時短状態における開放パターンが実行されていることで遊技者に違和感を与えるおそれがある。また、時短状態の終了後の非時短状態で図柄変動が開始された後などの想定外の時期に第二始動口2004への始動入賞が発生する場合もあり、これによって遊技設計者の意図しない挙動(非時短状態では主に第一特別図柄の変動表示が実行されて第二特別図柄の変動表示は殆ど実行されないものであるが、非時短状態であるにもかかわらず第二始動口2004への始動入賞が発生して第二特別図柄の変動表示が実行される)で遊技進行するとともに、その挙動から遊技者に違和感を与えてしまい、遊技興趣の低下を招くおそれがあった。
本例のパチンコ機1では、機能表示ユニット1400の特別図柄表示器(第一特別図柄表示器、第二特別図柄表示器)で変動表示される特別図柄をハズレ図柄で停止する場合に(例えば第一特別図柄停止処理のステップS194)、通常、次回の特別図柄の変動表示を開始するまでの待機時間(特別図柄の停止図柄を表示している時間)としてインターバルタイマに「0.5秒」をセットする。上記したようにインターバルタイマは第一特別図柄プロセス処理(ステップS28)及び第二特別図柄プロセス処理(ステップS39)で参照され、インターバルタイマがタイムアウトするまでは機能表示ユニット1400の特別図柄表示器(第一特別図柄表示器、第二特別図柄表示器)における特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動表示が開始されないように制御する。
また、時短状態を終了するとき、即ち大当り遊技後の特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の図柄変動が時短回数に達した場合であって、当該図柄変動が停止したとき(時短状態における最後の図柄変動が停止したとき)には、次回の特別図柄の変動表示を開始するまでの待機時間(特別図柄の停止図柄を表示している時間)としてインターバルタイマに「2秒」をセットする。上記したように時短状態では第二始動口2004を開放状態に変化させた後、1.5秒が経過したときに第二始動口2004を閉鎖状態に変化させる。そのため、時短状態における最後の図柄変動が停止して時短状態を終了するときにインターバルタイマに「2秒」をセットすることで、非時短状態での特別図柄の図柄変動が開始される以前に第二始動口2004を閉鎖状態に変化させることができ、これによって非時短状態での特別図柄の図柄変動が開始された後に第二始動口2004への始動入賞が発生することを抑制できる。
なお、時短状態における最後の図柄変動が停止して時短状態を終了するときにインターバルタイマにセットする期間は、少なくとも時短状態における第二大入賞口2006の開放時間と同等(この例では「1.5秒」)以上とすればよい。また、時短状態における最後の図柄変動が停止して時短状態を終了するときに第二大入賞口2006が開放状態に変化していなければ次回の特別図柄の変動表示を開始するまでの待機時間として通常と同様の時間(この例では「0.5秒」)をセットするようにしてもよい。
このように、時短状態における最後の特別抽選結果が導出された際(時短状態における最後の図柄変動が停止した際)に第一保留数と第二保留数との有無にかかわらず、所定期間に亘って次の特別抽選(当落判定)の実行を抑制することにより、時短状態における最後の特別抽選結果が導出された後(時短状態における最後の図柄変動が停止した後)に継続し得る時短制御を当該所定期間内に終了させ、時短制御の終了後に第二保留数が増加することを抑制できる。これにより、非時短状態であるにもかかわらず第二始動口2004への始動入賞が発生して第二特別図柄の変動表示が実行されるという遊技設計者の意図しない挙動で遊技進行することを防止でき、遊技設計者の意図する挙動での遊技進行(遊技設計者の意図するゲーム性)を好適に実現できるため、遊技者に違和感を与えないことで遊技興趣の低下を抑止することができる。
なお、上記した例では、時短状態であるか否かの判断(時短状態を終了するか否かの判断)を機能表示ユニット1400の普通図柄表示器で実行される普通図柄変動が停止したときを基準として行うものを示したが、時短状態であるか否かの判断を機能表示ユニット1400の普通図柄表示器で実行される普通図柄変動を開始するとき(例えば上記普通図柄通常処理(ステップS803)が実行されたときや、普通図柄変動パターン決定処理(S804)が実行されたとき)を基準として行うようにしてもよい。この場合には、少なくとも、時短状態中に機能表示ユニット1400の普通図柄表示で実行される普通図柄変動の変動時間(普図変動時間:この例では「0.8秒」)と、時短状態における第二大入賞口2006の開放時間(この例では「1.5秒」)と、を合算した期間と同等(この例では「2.3秒」)以上とすればよい。
[11.保留予告演出及び保留変化演出]
本実施形態では、主制御基板1310から送信される保留数指定コマンドに基づいて、演出表示装置1600に保留表示が表示されるが、その保留表示が消化されるまでの間、保留表示の表示態様を変化させることで、当該保留表示に基づいた装飾図柄の変動表示(特別図柄の変動表示)に対する大当り期待度を示唆する保留予告演出を実行可能としている。また、保留表示の表示期間中において、保留表示の表示態様が変化する可能性を示唆する保留変化演出を実行可能としている。
具体的には、第一始動口2002又は第二始動口2004に遊技球が入賞(始動条件が成立)したことに基づいて、主制御基板1310から保留数指定コマンド及び事前判定コマンドが送信される。そして、周辺制御基板1510では、ステップS601のコマンド解析処理において、保留数指定コマンド及び事前判定コマンドを受信すると、それらのコマンドに応じた保留予告決定テーブル、すなわち保留数指定コマンドから特定される保留数(保留記憶数)及び事前判定コマンドから特定される事前判定情報(大当り、小当り、リーチハズレ、ハズレのいずれか)に対応した保留予告決定テーブルを選択し、その保留予告決定テーブルに設定された判定値と読み出した保留予告決定用の乱数とを比較することで、保留予告決定テーブルに設定された保留予告パターンの種別を決定する。なお、保留予告決定テーブルでは、事前判定コマンドから特定される事前判定情報(大当り、小当り、リーチハズレ、ハズレのいずれか)ごとに、各々の保留予告パターンに対する判定値の振分けが異なり、各々の保留予告パターンの出現率が異なるようになっている。
また、第一始動口2002又は第二始動口2004に遊技球が入賞(始動条件が成立)したときには、保留数指定コマンドから特定される保留数(保留記憶数)が増加することで、演出表示装置1600に1つの保留表示を追加して表示する。一方、保留表示に基づいた装飾図柄の変動表示(特別図柄の変動表示)を開始(開始条件が成立)するときには、保留数指定コマンドから特定される保留数(保留記憶数)が減少することで、演出表示装置1600における当該保留表示を消去する。そして、演出表示装置1600に保留表示が表示されてから当該保留表示が消去されるまでの表示期間中には、保留予告パターンに基づいて保留表示の表示態様を表示するようにし、当該保留表示とは別の保留表示に基づいた装飾図柄の変動表示(特別図柄の変動表示)を開始(開始条件が成立)するごとに、保留表示の表示態様を変化可能としている。なお、本実施形態では、保留表示に基づいた装飾図柄の変動表示(特別図柄の変動表示)を開始(開始条件が成立)する時点で、当該保留表示を消去しているが、その装飾図柄の変動表示(特別図柄の変動表示)の開始後にも、当該保留表示を継続して表示するとともに、当該保留表示の表示態様を変化可能としてもよい。このような場合、保留表示に基づいた装飾図柄の変動表示(特別図柄の変動表示)の開始前後で、他の保留表示と同様に、演出表示装置1600に当該保留表示が表示される位置が移動するようにし、後述する保留変化演出(保留移動変化演出、もぐり保留変化演出、ビリヤード保留変化演出)の実行によって保留表示の表示態様が変化する可能性を示唆するようにしてもよい。
次に、保留数指定コマンドから特定される保留数(保留記憶数)ごとに複数種類の保留予告パターンが設定された保留予告決定テーブルについて、図144及び図145を参照して説明する。なお、保留予告決定テーブルは、周辺制御基板1510のROMに記憶されている。図144(A)は、保留1点灯時(保留数=1)に使用する保留予告決定テーブルであり、図144(B)は、保留2点灯時(保留数=2)に使用する保留予告決定テーブルであり、図144(C)は、保留3点灯時(保留数=3)に使用する保留予告決定テーブルであり、図145(D)は、保留4点灯時(保留数=4)に使用する保留予告決定テーブルである。
上記したように、保留数(保留記憶数)に対応した保留予告決定テーブルには、複数種類の保留予告パターンが設定されているが、これらの保留予告パターンには、入賞時の保留数(保留記憶数)の分だけ、保留記憶が消化されるごとに演出表示装置1600における保留表示の表示態様がどのように変化するのかが設定されている。具体的には、図144(A)に示すように、保留1点灯時(保留数=1)に使用する保留予告決定テーブルには、演出表示装置1600における保留表示の表示態様が変化することがなく(すなわち保留表示を消化するのみであり)、1回分の保留表示の表示態様のみが設定された保留予告パターンが関連付けされている。また、図144(B)に示すように、保留2点灯時(保留数=2)に使用する保留予告決定テーブルには、保留表示を消化するまでに保留表示の表示態様が1回変化可能であることから、2回分の保留表示の表示態様が設定された保留予告パターンが関連付けされている。また、図144(C)に示すように、保留3点灯時(保留数=3)に使用する保留予告決定テーブルには、保留表示を消化するまでに保留表示の表示態様が2回変化可能であることから、3回分の保留表示の表示態様が設定された保留予告パターンが関連付けされている。また、図145(D)に示すように、保留4点灯時(保留数=4)に使用する保留予告決定テーブルには、保留表示を消化するまでに保留表示の表示態様が3回変化可能であることから、4回分の保留表示の表示態様が設定された保留予告パターンが関連付けされている。
また、保留予告パターンに設定された演出表示装置1600における保留表示の表示態様としては、保留表示が白色(基本色)、青色、赤色、レインボー色のいずれかで表示されるように4個の表示態様が用意されている。そして、保留予告決定テーブルから保留予告パターンを決定する際には、保留表示の表示態様が最後まで変化した結果として、白色(基本色)→青色→赤色→レインボー色の順序で大当り期待度が高くなるように設定されている。つまり、事前判定情報として抽選結果が大当りと特定したときには、最終的な保留表示の表示態様として大当り期待度の高い表示態様(例えば、レインボー色)となる保留予告パターンを高い確率で決定し、事前判定情報として抽選結果がハズレ(ハズレ、リーチハズレ)と特定したときには、最終的な保留表示の表示態様として大当り期待度の低い表示態様(例えば、白色)となる保留予告パターンを高い確率で決定することから、大当り期待度の高い表示態様で最終的な保留表示の表示態様が表示されたときには、大当り遊技に対する遊技者の期待が高まるようになっている。
なお、保留予告パターンには、保留表示の表示態様が白色→青色→赤色→レインボー色の順序とは逆の順序で変化しないものであり、保留表示の消化時に保留表示の表示態様が維持されるか、又は次の表示態様が大当り期待度の高い表示態様となるように設定されている。このため、大当り期待度の低い表示態様で保留表示の表示態様が表示されたとしても、保留表示の消化時に大当り期待度の高い表示態様に変化する可能性が残されており、保留表示の表示態様を最後まで期待をもって注目させることができる。
また、保留予告パターンには、必ずしも保留表示の表示態様が白色(基本色)で表示された後に青色→赤色→レインボー色の順序で変化する必要はなく、白色(基本色)ではない途中の表示態様から開始(例えば、保留1点灯時の保留予告パターン番号4により突然、レインボー色で開始)することや、1つ以上の表示態様を飛ばして次の表示態様に変化(例えば、保留2点灯時の保留予告パターン番号7により白色(基本色)からレインボー色に変化)するようにも設定されている。このため、保留表示の表示態様が変化する機会(保留数)が少なかったとしても、大当り期待度の高い表示態様で保留表示の表示態様が表示されることを可能としている。また、大当り期待度の低い表示態様で保留表示の表示態様が表示されたとしても、次の表示態様がいずれの表示態様に変化するか予測することができず、保留表示の表示態様を最後まで期待をもって注目させることができる。
また、保留予告決定テーブルには、事前判定コマンドから事前判定情報として大当りを特定した場合のみ、最終的な保留表示の表示態様としてレインボー色となる保留予告パターン(保留1点灯時の保留予告パターン番号4、保留2点灯時の保留予告パターン番号4,7,9,10、保留3点灯時の保留予告パターン番号4,7など、保留4点灯時の保留予告パターン番号4,7など)を決定することが可能に設定されている。このため、保留表示の表示態様がレインボー色で表示された場合には、当該保留表示の消化時に抽選結果が大当りとなることが確定し、大当り遊技に対する遊技者の期待が高まるようになっている。
また、保留予告決定テーブルには、事前判定コマンドから事前判定情報としてハズレを特定した場合、最終的な保留表示の表示態様として白色(基本色)または青色となる保留予告パターン(保留1点灯時の保留予告パターン番号1,2、保留2点灯時の保留予告パターン番号1,2など、保留3点灯時の保留予告パターン番号1,2など、保留4点灯時の保留予告パターン番号1,2など)を決定するのに対し、事前判定コマンドから事前判定情報として大当り、小当り、リーチを特定した場合、最終的な保留表示の表示態様として赤色となる保留予告パターン(保留1点灯時の保留予告パターン番号3、保留2点灯時の保留予告パターン番号3,6,8、保留3点灯時の保留予告パターン番号3,6など、保留4点灯時の保留予告パターン番号3,6など)も決定することが可能に設定されている。このため、保留表示の表示態様が赤色で表示された場合には、当該保留表示の消化時に少なくともリーチとなってリーチ演出を実行することが確定し、大当り遊技や小当り遊技に対する遊技者の期待が高まるようになっている。
なお、本実施形態では、保留表示の表示開始時に保留予告パターンを決定することで、その保留表示が消化されるまでの間に保留表示の表示態様が変化する一連の内容を決定するようにしているが、その決定方法として、保留表示の表示開始時には、開始時における保留表示の表示態様と、最終的な保留表示の表示態様と、のみを決定するようにしてもよい。そして、開始時における保留表示の表示態様と、最終的な保留表示の表示態様と、が異なる場合には、少なくとも対象となる保留表示が消化されるよりも前に最終的な保留表示の表示態様が表示されるように、保留表示の表示態様が変化可能なタイミングが到来するごとに、保留表示の表示態様がどのように変化するかを決定するようにしてもよい。このような決定方法であっても、演出表示装置1600における保留表示が消化されるまでの間、保留表示の表示態様を順次変化させることができる。
次に、保留表示の表示期間中において、保留表示の表示態様が変化する可能性を示唆する保留変化演出について、以下に説明する。上記した保留予告演出では、保留表示の表示期間中において、装飾図柄の変動表示(特別図柄の変動表示)を開始(開始条件が成立)するごとに、保留表示の表示態様を変化可能としているが、その保留表示の表示態様が変化可能なタイミングにおいて、保留表示の表示態様が変化する可能性を示唆する保留変化演出を実行可能としている。
具体的には、周辺制御基板1510において、装飾図柄の変動表示(特別図柄の変動表示)を開始(開始条件が成立)する時点で、保留予告パターンに基づいて保留表示の表示態様が変化するか否かを判別し、その判別結果に対応した保留変化演出決定テーブルを選択し、その保留変化演出決定テーブルに設定された判定値と読み出した保留変化演出決定用の乱数とを比較することで、保留変化演出決定テーブルに設定された保留変化演出パターンの種別を決定する。すなわち、保留変化演出を実行するか否か、及び保留変化演出を実行する場合には保留変化演出の種別を決定する。
図146に示すように、保留変化演出決定テーブルには、複数種類の保留変化演出パターンが設定されるものであって、保留変化演出を実行しない保留変化演出パターン(保留変化演出パターン番号1)、保留変化演出として保留移動変化演出を実行する保留変化演出パターン(保留変化演出パターン番号2)、保留変化演出としてもぐり保留変化演出を実行する保留変化演出パターン(保留変化演出パターン番号3)、保留変化演出としてビリヤード保留変化演出を実行する保留変化演出パターン(保留変化演出パターン番号4)、が設定されている。なお、保留変化演出決定テーブルは、周辺制御基板1510のROMに記憶されている。また、保留変化演出決定テーブルでは、保留変化演出を実行する保留変化演出パターン(保留変化演出パターン番号2〜4)の各々に対する判定値の振分けが同程度であり、各々の保留変化演出の出現率を同程度としているが、判定値の振分けを異ならせ、各々の保留変化演出の出現率が異なるようにしてもよい。
また、保留表示の表示態様が変化すると判別した場合に用いられる保留変化演出決定テーブルでは、保留変化演出を実行する保留変化演出パターン(保留変化演出パターン番号2〜4)のみに判定値が振り分けられているのに対し、保留表示の表示態様が変化しないと判別した場合に用いられる保留変化演出決定テーブルでは、保留変化演出を実行しない保留変化演出パターン(保留変化演出パターン番号1)に大半の判定値が振り分けられている。このように、保留表示の表示態様が変化する場合には、必ず保留変化演出を実行するものであって、保留変化演出が実行された場合には、高い確率で保留表示の表示態様が変化することから、保留変化演出の実行によって保留表示の表示態様が変化するか否かに期待をもって注目させることができる。
本実施形態では、保留数(保留記憶数)として4つを上限としているが、その保留数に対応した個数の保留表示を、演出表示装置1600における長方形の表示領域の四隅に表示可能としている。具体的には、保留1(保留数=1)点灯時には、表示領域の左下方の位置に保留表示を表示し、保留2(保留数=2)点灯時には、表示領域の右下方の位置に保留表示を表示し、保留3(保留数=3)点灯時には、表示領域の右上方の位置に保留表示を表示し、保留4(保留数=4)点灯時には、表示領域の左上方の位置に保留表示を表示している。また、原則として、装飾図柄の変動表示(特別図柄の変動表示)を開始(開始条件が成立)する場合には、表示領域の左下方の位置に表示されている保留1の保留表示を消去するのに伴い、それ以外の保留2〜4の保留表示は、表示領域に表示したままで時計回りに移動するようになっている。
まず、保留変化演出を実行しない保留変化演出パターン(保留変化演出パターン番号1)では、演出表示装置1600の表示領域に表示されている保留表示が移動する際に、その移動前の位置から移動後の位置まで、直線的に最短距離で移動するようになっている。
また、保留変化演出として保留移動変化演出を実行する保留変化演出パターン(保留変化演出パターン番号2)では、演出表示装置1600の表示領域に表示されている保留表示が移動する際に、その移動前の位置から移動後の位置まで、保留変化演出を実行しない場合とは異なり、直線的ではない態様で移動するものであって、その移動中(移動後の位置に到達する以前)に、保留表示の表示態様を変化可能としている。また、保留移動変化演出を実行する場合には、保留表示が直線的に移動する場合(保留変化演出を実行しない場合)と比べて、保留表示が移動後の位置に到達するまでの期間に、保留表示の表示態様が変化する可能性が高くなっている。また、保留移動変化演出では、保留変化演出を実行しない場合とは保留表示が移動する態様を異ならせた複数種類の演出パターンが設けられ、保留表示が直線的に移動する場合(保留変化演出を実行しない場合)に比べてその移動する距離が長いほど、保留表示の表示態様が変化する可能性が高くなっている。なお、本実施形態では、保留表示が移動する距離が長いほど、保留表示の表示態様が変化する可能性を高くしているが、別例として、保留表示が移動する距離にかかわらず、一見して保留表示が移動する態様が複雑(例えば、保留表示の移動経路として交差する回数が多いなど)であるほど、保留表示の表示態様が変化する可能性が高くなるようにしてもよい。また、保留移動変化演出の別例として、保留表示が移動する距離が長いほど、保留表示の表示態様が大当り期待度の高い表示態様(例えば、レインボー色)に変化する可能性が高くなるように設定してもよい。
また、保留変化演出としてもぐり保留変化演出を実行する保留変化演出パターン(保留変化演出パターン番号3)では、演出表示装置1600の表示領域に表示されている保留表示が移動する際に、移動前の位置から表示領域外へ保留表示が移動することで一旦消去し、所定時間の経過後、表示領域に保留表示が復帰するとともに移動後の位置に到達するものであって、その保留表示の復帰時点で、保留表示の表示態様を変化可能としている。また、もぐり保留変化演出を実行する場合には、保留変化演出を実行しない場合(表示領域外へ保留表示が消去されず、直線的に移動する場合)と比べて、保留表示が移動後の位置に到達するまでの期間に、保留表示の表示態様が変化する可能性が高くなっている。また、もぐり保留変化演出では、表示領域外に保留表示が消去される時間を異ならせた複数種類の演出パターンが設けられ、その消去される時間が長いほど、保留表示の表示態様が変化する可能性が高くなっている。なお、もぐり保留変化演出の別例として、表示領域外に保留表示が消去される時間が長いほど、保留表示の表示態様が大当り期待度の高い表示態様(例えば、レインボー色)に変化する可能性が高くなるように設定してもよい。
また、保留変化演出としてビリヤード保留変化演出を実行する保留変化演出パターン(保留変化演出パターン番号4)では、演出表示装置1600の表示領域に表示されている保留表示が移動する際に、ビリヤード球に似せた球表示が所定の表示態様で出現し、その球表示が表示領域内で複数回バウンドした後、移動後の位置にある保留表示に対して球表示が衝突した場合には、その球表示が新たな保留表示となるものであって、その球表示が衝突するか否かによって、保留表示の表示態様を球表示の表示態様に変化可能としている。すなわち、ビリヤード保留変化演出を実行しない場合には、球表示が出現することがなく、保留表示が移動後の位置に到達した後に保留表示の表示態様が変化しないのに対し、ビリヤード保留変化演出を実行した場合には、球表示が出現し、保留表示が移動後の位置に到達した後に保留表示の表示態様が変化することを可能としている。また、ビリヤード保留変化演出を実行する場合には、保留変化演出を実行しない場合(保留表示が直線的に移動し、球表示も出現しない場合)と比べて、保留表示が移動する結果として、保留表示の表示態様が変化する可能性が高くなっている。なお、本実施形態では、演出表示装置1600の表示領域に表示されている保留表示とは別の演出表示(変動パターンに基づいた装飾図柄の変動表示を伴う演出表示)が変化する場合にも、ビリヤード保留変化演出と同等の演出を実行可能としている。具体的には、ビリヤード球に似せた球表示が所定の表示態様で出現し、その球表示が表示領域内で複数回バウンドした後、演出表示に対して球表示が衝突した場合には、その演出表示が変化するものとなっている。このため、保留表示に対して球表示が衝突しない場合であっても、演出表示に対する衝突によって演出表示が変化するか否かに期待をもって注目させることができる。
本実施形態では、保留予告演出および保留変化演出が、非時短状態時に行われる。非時短状態時には、第二始動口2004への遊技球の入球に基づいた第二特別図柄側の保留記憶が殆ど発生することがなく、第一始動口2002への遊技球の入球に基づいた第一特別図柄側の保留記憶が発生しうる状態であるため、演出表示装置1600の表示領域には、第一特別図柄側の保留記憶に基づいた保留表示のみが表示されている。また、非時短状態時には、演出表示装置1600の表示領域が、変動パターンに基づいた装飾図柄の変動表示を伴う演出表示が行われる図柄表示領域と、その図柄表示領域の周囲に設けられ、第一特別図柄側の保留記憶の個数に対応した保留表示が行われる保留表示領域と、に区分されている。具体的には、演出表示装置1600の表示領域のうち、80%程度に図柄表示領域が減少されている。このように、非時短状態時には、保留表示領域が区分して設けられることで、保留表示領域に表示される保留表示を目立たせることができ、保留予告演出の実行によって保留表示の表示態様が変化するか否かに注目しやすくしている。また、非時短状態時には、大当りや小当りに当選する確率が低く、図柄表示領域で行われる装飾図柄の変動表示や演出表示に対して期待し難いものとなっているが、保留表示領域に表示される保留表示を目立たせていることから、その保留表示の表示態様が変化するのではないかと期待することができ、遊技興趣の低下を抑止することができる。
また、本実施形態では、保留予告演出および保留変化演出が、装飾図柄の変動表示時にリーチ状態が形成されるか否かの段階である通常変動中に行われる。また、保留変化演出を実行しない場合には、表示領域の80%程度に図柄表示領域が減少した状態のままであるのに対し、保留変化演出を実行する場合には、さらに表示領域の60%程度にまで図柄表示領域が減少する。このように、表示領域の80%程度から60%程度に図柄表示領域が変化することを契機として、保留表示領域に表示される保留表示に対して保留変化演出が行われることから、図柄表示領域が減少した場合には、保留表示に対して保留変化演出が行われることに期待をもって注目させることができる。また、保留変化演出を実行する場合には、保留表示領域が広がることで、その保留表示領域に表示される保留表示に対する保留変化演出の演出内容を目立たせることができ、保留表示の表示態様がどのような過程で変化するのかに注目しやすくしている。なお、保留表示領域は、保留表示の待機や、保留表示に対して保留変化演出が実行されるか否かにかかわらずその保留表示の移動が行われる領域として設けられているが、保留変化演出の実行時の一部で、図柄表示領域にまたがって保留表示が移動することは許容されている。
また、本実施形態では、通常変動中に装飾図柄の変動表示としてリーチ状態が形成された場合には、保留表示領域が消去されるのに伴い、表示領域の100%に図柄表示領域が戻される。すなわち、リーチ状態が形成された後には、100%に戻された図柄表示領域を用いてリーチ演出が行われる。このように、リーチ演出を実行する場合には、図柄表示領域が広がることで、通常状態中に保留表示に注目しうる状態から変化し、図柄表示領域に表示される演出表示としてのリーチ演出に注目させることができる。
なお、本実施形態では、保留変化演出として保留移動変化演出、もぐり保留変化演出、ビリヤード保留変化演出のいずれを実行する場合にも、表示領域の60%程度に図柄表示領域を減少させているが、実行される保留変化演出の期待度(保留表示の表示態様が変化する可能性)に応じて図柄表示領域が減少する割合を異ならせてもよい。例えば、保留表示の表示態様が変化する可能性の高い保留変化演出を実行する場合には、図柄表示領域が減少する割合を高くするのに対し、保留表示の表示態様が変化する可能性の低い保留変化演出を実行する場合には、図柄表示領域が減少する割合を低くすればよい。これによれば、保留表示の表示態様が変化する可能性について、必ずしも保留変化演出の実行によって把握する必要がなく、図柄表示領域が減少する割合によっても把握することができる。
次に、保留変化演出の実行時における演出表示装置1600での具体的な演出例について、図147〜図149を参照して説明する。図147は、保留移動変化演出の実行時における演出表示装置1600での具体的な演出例であり、図148は、もぐり保留変化演出の実行時における演出表示装置1600での具体的な演出例であり、図149は、ビリヤード保留変化演出の実行時における演出表示装置1600での具体的な演出例である。
まず、保留移動変化演出の実行時における演出表示装置1600での具体的な演出例について説明する。図147(A)に示すように、非時短状態時には、演出表示装置1600の表示領域が、表示領域の80%程度を占有する図柄表示領域1600aと、その図柄表示領域1600aの周囲に設けられて表示領域の20%程度を占有する保留表示領域1600bと、に区分されている。この図柄表示領域1600aでは、変動パターンに基づいて装飾図柄1605a〜1605cの変動表示と、装飾図柄1605a〜1605cの周囲の図柄背景表示(図柄背景画像)とが含まれる演出表示が行われている。一方、保留表示領域1600bでは、第一特別図柄側の保留記憶の個数に対応した保留表示と、それら保留表示の周囲の保留背景表示(保留背景画像)とが行われるが、本演出例では、表示領域の左下方の位置に保留1の保留表示1601a、表示領域の右下方の位置に保留2の保留表示1601b、表示領域の右上方の位置に保留3の保留表示1601c、表示領域の左上方の位置に保留4の保留表示1601dが表示されており、それ以外の部分に保留背景表示が表示されている。この保留背景表示は、図柄背景表示と異なる態様(例えば、異なる背景色など)で表示されており、演出表示装置1600の表示領域が、図柄表示領域1600aと保留表示領域1600bとに区分されていることを容易に認識可能としている。また、保留1〜4の保留表示1601a〜1601dは、表示態様が白色である。また、保留4の保留表示1601dに対しては、その保留4の保留表示1601dの点灯時に、表示態様が白色→青色→赤色→レインボー色に変化する保留予告パターン(保留4点灯時の保留予告パターン番号18)が決定されている。
そして、図147(B)に示すように、保留1の保留表示1601aに基づいて装飾図柄1605a〜1605cの変動表示を開始する時点では、保留4の保留表示1601dに対して保留移動変化演出の実行が決定されることに基づいて、図柄表示領域1600aが60%程度に減少するとともに、保留表示領域1600bが40%程度に増加する。また、保留1の保留表示1601aを消去するのに伴い、それ以外の保留2〜4の保留表示1601b〜1601dは、表示領域に表示したままで時計回りに移動を開始する。また、保留2,3の保留表示1601b,1601cは、その保留2,3の保留表示1601b,1601cに対して保留変化演出を実行しないことが決定されることに基づいて、移動後の位置まで、直線的に最短距離で移動するのに対し、保留4の保留表示1601dは、その保留4の保留表示1601dに対して保留移動変化演出の実行が決定されることに基づいて、移動後の位置まで、蛇行しながら移動する。本演出例では、保留4の保留表示1601dの移動中に、その表示態様を白色→青色に変化させている。なお、保留表示の移動中における表示態様の変化としては、例えば、移動経路の中間地点を達するまでは移動開始時の色(本演出例では、白色)を保持して変化がないものの、中間地点に達したときから段階的に移動後の色(本演出例では、青色)に近づくグラデーション変化を行い、移動完了に伴い移動後の色(本演出例では、青色)への変化を完了させること等が例示できる。
また、図147(C)に示すように、所定時間の経過後には、装飾図柄1605a〜1605cの変動表示としてハズレ図柄を停止表示するが、所定時間が経過するよりも前に、保留2〜4の保留表示1601b〜1601dの移動をし終えている。この時点で、新たな保留1,2の保留表示1601a,1601bは、表示態様が白色であるのに対し、新たな保留3の保留表示1601cは、表示態様が青色である。
そして、図147(D)に示すように、再び保留1の保留表示1601aに基づいて装飾図柄1605a〜1605cの変動表示を開始する時点では、保留1の保留表示1601aを消去するのに伴い、それ以外の保留2,3の保留表示1601b,1601cは、表示領域に表示したままで時計回りに移動を開始する。また、保留2の保留表示1601bは、その保留2の保留表示1601bに対して保留変化演出を実行しないことが決定されることに基づいて、移動後の位置まで、直線的に最短距離で移動するのに対し、保留3の保留表示1601cは、その保留3の保留表示1601cに対して保留移動変化演出の実行が決定されることに基づいて、移動後の位置まで、蛇行しながら移動する。本演出例では、保留3の保留表示1601cの移動中に、その表示態様を青色→赤色に変化させている。
また、図147(E)に示すように、所定時間の経過後には、装飾図柄1605a〜1605cの変動表示としてハズレ図柄を停止表示するが、所定時間が経過するよりも前に、保留2,3の保留表示1601b,1601cの移動をし終えている。この時点で、新たな保留1の保留表示1601aは、表示態様が白色であるのに対し、新たな保留2の保留表示1601bは、表示態様が赤色である。
そして、図147(F)に示すように、再び保留1の保留表示1601aに基づいて装飾図柄1605a〜1605cの変動表示を開始する時点では、保留1の保留表示1601aを消去するのに伴い、それ以外の保留2の保留表示1601bは、表示領域に表示したままで時計回りに移動を開始する。また、保留2の保留表示1601bは、その保留2の保留表示1601bに対して保留移動変化演出の実行が決定されることに基づいて、移動後の位置まで、蛇行しながら移動する。本演出例では、保留表示の表示態様が白色→青色、青色→赤色に変化時において保留表示が移動した距離よりも長く、保留表示の表示態様が変化する可能性が高いことを認識することができる。また、保留2の保留表示1601bが移動する際には、図柄表示領域1600aの前側を横切るため、その表示態様が変化するか否かに注目しやすい。また、本演出例では、保留2の保留表示1601bの移動中に、その表示態様を青色→赤色に変化させている。
また、図147(G)に示すように、所定時間の経過後には、装飾図柄1605a〜1605cの変動表示としてハズレ図柄を停止表示するが、所定時間が経過するよりも前に、保留2の保留表示1601bの移動をし終える。この時点で、新たな保留1の保留表示1601aは、表示態様がレインボー色であるが、表示態様がレインボー色で表示された場合には、その保留1の保留表示1601aの消化時に抽選結果が大当りとなることが確定することから、大当り遊技に対する遊技者の期待を高めることができる。
次に、もぐり保留変化演出の実行時における演出表示装置1600での具体的な演出例について説明する。図148(A)に示すように、保留表示領域1600bでは、第一特別図柄側の保留記憶の個数に対応した保留表示が行われるが、本演出例では、表示領域の左下方の位置に保留1の保留表示1601a、表示領域の右下方の位置に保留2の保留表示1601b、が表示されている。また、保留1の保留表示1601a及び保留2の保留表示1601bは、表示態様が白色である。また、保留2の保留表示1601bに対しては、その保留2の保留表示1601bの点灯時に、表示態様が白色→赤色に変化する保留予告パターン(保留2点灯時の保留予告パターン番号6)が決定されている。
そして、図148(B)に示すように、保留1の保留表示1601aに基づいて装飾図柄1605a〜1605cの変動表示を開始する時点では、保留2の保留表示1601bに対してもぐり保留変化演出の実行が決定されることに基づいて、図柄表示領域1600aが60%程度に減少するとともに、保留表示領域1600bが40%程度に増加する。また、保留1の保留表示1601aを消去するのに伴い、保留2の保留表示1601bは、表示領域外へ移動させ、一旦消去する。
また、図148(C)及び(D)に示すように、保留2の保留表示1601bが表示領域外に移動した後には、移動後の位置に向けて、保留2の保留表示1601bが表示領域外を移動するのに伴ってその保留2の保留表示1601bから発せられる光が移動しているかのように、その光を表示領域内で移動させる。また、表示領域内での光の移動に伴い、「3」、「2」、「1」、「0」のカウントダウンを表示している。このカウントダウンは、保留2の保留表示1601bが消去される時間に対応し、その消去される時間が長いほど、カウントダウンが「0」に近づくようになっている。すなわち、消去される時間が長い場合には、カウントダウンが「0」に到達しうるのに対し、消去される時間が短い場合には、カウントダウンが「0」に到達することなく終了する。
そして、図148(E)に示すように、保留2の保留表示1601bが消去される時間の経過後には、その保留2の保留表示1601bが保留表示領域1600bに復帰するが、その復帰時点で、表示態様を赤色に変化させている。そしてその後、図148(F)に示すように、装飾図柄1605a〜1605cの変動表示が停止表示するよりも前に、保留2の保留表示1601bの移動をし終える。この時点で、新たな保留1の保留表示1601aは、表示態様が赤色であるが、表示態様が赤色で表示された場合には、その保留1の保留表示1601aの消化時に少なくともリーチとなってリーチ演出を実行することが確定することから、大当り遊技や小当り遊技に対する遊技者の期待を高めることができる。
次に、ビリヤード保留変化演出の実行時における演出表示装置1600での具体的な演出例について説明する。図149(A)に示すように、保留表示領域1600bでは、第一特別図柄側の保留記憶の個数に対応した保留表示が行われるが、本演出例では、表示領域の左下方の位置に保留1の保留表示1601a、表示領域の右下方の位置に保留2の保留表示1601b、が表示されている。また、保留1,2の保留表示は、表示態様が白色である。また、保留2の保留表示1601bに対しては、その保留2の保留表示1601bの点灯時に、表示態様が白色→赤色に変化する保留予告パターン(保留2点灯時の保留予告パターン番号6)が決定されている。
そして、図149(B)に示すように、保留1の保留表示1601aに基づいて装飾図柄1605a〜1605cの変動表示を開始する時点では、保留2の保留表示1601bに対してビリヤード保留変化演出の実行が決定されることに基づいて、図柄表示領域1600aが60%程度に減少するとともに、保留表示領域1600bが40%程度に増加する。また、保留1の保留表示1601aを消去するのに伴い、保留2の保留表示1601bは、その保留2の保留表示1601bに対してビリヤード保留変化演出の実行が決定されることに基づいて、まず、移動後の位置まで、表示態様が白色で維持された状態で、直線的に最短距離で移動する。また、保留2の保留表示1601bが移動する際には、ビリヤード球に似せた球表示1602が、保留表示領域1600bに赤色の表示態様で出現する。この時点で、球表示1602が赤色の表示態様で出現した場合には、ビリヤード保留変化演出の実行によって、新たな保留1の保留表示1601aが赤色の表示態様に変化する可能性があることから、遊技者の期待を高めることができる。
また、図149(C)に示すように、保留表示領域1600bに球表示1602が出現したときには、表示領域において、押圧操作部303における中央押圧操作部303aを模写した画像を表示し、その中央押圧操作部303aを遊技者が操作するように促している。そしてその後、図149(D)に示すように、所定時間内に、中央押圧操作部303aを遊技者が操作したときには、球表示1602を発射し、その球表示1602を表示領域内で複数回バウンドさせる。一方、所定時間内に、中央押圧操作部303aを遊技者が操作しなかった場合であっても、所定時間の経過後には、球表示1602を強制的に発射する。また、本演出例では、中央押圧操作部303aを遊技者が操作するか否かの操作演出が行われているが、現時点で装飾図柄1605a〜1605cが変動表示中である変動時間(変動パターンに設定された変動時間)が4秒以下である場合(中央押圧操作部303aを遊技者が操作するか否かの待機時間を設けることができない場合)には、その操作演出を行うことなく、球表示1602を発射する。なお、球表示1602が複数回バウンドする際には、図柄表示領域1600aの前側を横切るため、その球表示1602に注目しやすい。
そして、図149(E)及び(F)に示すように、球表示1602が複数回バウンドした後には、その球表示1602が保留1の保留表示1601aに衝突し、保留1の保留表示1601aが押し出されるかたちで、その球表示1602が新たな保留1の保留表示1601aとなる。これにより、保留1の保留表示1601aは、装飾図柄1605a〜1605cの変動表示が停止表示するよりも前に、球表示1602の表示態様であった赤色に表示態様が変化することとなる。この時点で、保留1の保留表示1601aは、表示態様が赤色であるが、表示態様が赤色で表示された場合には、その保留1の保留表示1601aの消化時に少なくともリーチとなってリーチ演出を実行することが確定することから、大当り遊技や小当り遊技に対する遊技者の期待を高めることができる。なお、本演出例では、球表示1602が複数回バウンドする時点で、保留1の保留表示1601aしか表示されておらず、球表示1602との衝突によって保留1の保留表示1601aが赤色の表示態様に変化する可能性しかないが、保留表示領域に2つ以上の保留表示が表示されている場合には、いずれの保留表示に球表示1602が衝突するか、すなわちいずれの保留表示が赤色の表示態様に変化する可能性があるのかを判別することができない。このため、保留表示領域に2つ以上の保留表示が表示されている場合には、球表示1602の衝突によっていずれかの保留表示が赤色の表示態様(球表示1602の表示態様)に変化することの期待をもちながら、球表示1602が進行する方向に注目させることができる。
また、本実施形態では、図柄表示領域1600aに表示されている演出表示が変化する場合にも、ビリヤード保留変化演出と同等の演出を実行可能としている。このような場合には、図149(E′)に示すように、球表示1602が複数回バウンドした後、その球表示1602が、図柄表示領域1600aに表示されている演出表示に衝突する。そしてその後、図149(F′)に示すように、図柄表示領域1600aに表示されている演出表示が変化し、新たな演出表示として「特殊モード」に突入する旨が通知される演出表示が出現するようになっている。このため、保留表示に対して球表示1602が衝突しない場合であっても、演出表示に対する衝突によって演出表示が変化するか否かに期待をもって注目させることができる。
なお、本実施形態では、保留変化演出を実行する場合に、保留表示の表示態様として色を変化させることとしているが、保留表示の表示態様が変化可能なタイミングで、色の変化に限らず、「保留表示に所定の付加装飾表示(キャラクタなど)を付加する」ようにしてもよい。このような場合、保留表示に付加される付加装飾表示の種別によって大当り期待度が異なるようにする。
また、上記した保留予告演出の構成に加え、保留変化演出として保留移動変化演出を実行する場合には、色の変化に限らず、保留表示が移動する過程で「保留表示に所定の付加装飾表示(キャラクタなど)を付加する」ようにしてもよい。例えば、保留移動変化演出の実行によって保留表示が移動する際に、移動の途中で付加装飾表示が表示領域に出現し、その付加装飾表示が保留表示に近づき、移動後の位置で保留表示に付加されるかどうか、の演出を実行するようにしてもよい。
また、上記した保留予告演出の構成に加え、保留変化演出としてもぐり保留変化演出を実行する場合には、色の変化に限らず、保留表示が表示領域外に移動した後、その保留表示が表示領域に復帰するときに「保留表示に所定の付加装飾表示(キャラクタなど)を付加する」ようにしてもよい。例えば、もぐり保留変化演出の実行によって保留表示が表示領域外に移動した後、付加装飾表示が表示領域に出現し、その付加装飾表示が保留表示と同様に表示領域外に移動し、保留表示が表示領域に復帰するときに付加装飾表示が付加されているかどうか、の演出を実行するようにしてもよい。
また、本実施形態では、保留変化演出の開始を契機として、図柄表示領域1600aを表示領域の80%程度から60%程度に減少させるのに対し、保留表示領域1600bを表示領域の20%程度から40%程度に増加させている。このように、保留変化演出では、保留表示領域1600bが拡大されるが、その拡大された保留表示領域1600bを用いて、保留変化演出を盛り上げる保留背景表示の演出も実行している。保留変化演出として背景移動変化演出を実行する場合には、例えば、保留表示領域1600bに表示される保留背景表示として、保留表示の移動中に「チャンス!」の文字群からなるものに差し替えるようにしてもよい。また、保留変化演出としてもぐり保留変化演出を実行する場合には、例えば、保留表示領域1600bに表示される保留背景表示として、表示領域外への保留表示の移動中(消去中)に「出てきたときに色が変わるとチャンス!」などの説明メッセージからなるものに差し替えるようにしてもよい。また、保留変化演出としてビリヤード保留変化演出を実行する場合には、例えば、保留表示領域1600bに表示される保留背景表示として、球表示1602が複数回バウンドする期間に「球を当てられたらチャンス!」などの説明メッセージからなるものに差し替えるようにしてもよい。
また、本実施形態では、図柄表示領域1600a及び保留表示領域1600bが設けられる表示領域として演出表示装置1600が用いられているが、2つの表示装置を設けるとともに、その2つの表示装置からなる表示領域が、図柄表示領域1600aと保留表示領域1600bとに区分されるようにし、保留変化演出の開始を契機として、図柄表示領域1600aを減少させるのに対し、保留表示領域1600bを増加させるようにしてもよい。例えば、2つの表示装置のうち、表示領域が大きい表示装置に図柄表示領域1600aを設けるとともに、表示領域が小さい表示装置に保留表示領域1600bを設けた場合において、保留変化演出の開始を契機として、図柄表示領域1600a及び保留表示領域1600bが設けられる表示装置を入れ替えるようにしてもよい。
[12.大当り遊技におけるオーバー入賞時演出]
本実施形態では、大当り遊技の実行に際して、大当り種別に応じて予め定められている規定ラウンド数(本実施形態では最大で14ラウンド)を上限として第一大入賞口2005や第二大入賞口2006が開放される(第一大入賞口2005や第二大入賞口2006が遊技球Bを受け入れ可能な状態にされる)ラウンド遊技が行われる。1回のラウンド遊技は、第一大入賞口2005や第二大入賞口2006の開閉が所定回数(本実施形態では1回)行われる迄であり、1回のラウンド遊技中に第一大入賞口2005又は第二大入賞口2006に、規定個数(入賞上限個数:この例では10球)の遊技球Bが入賞する迄の間、又は規定時間(ラウンド遊技時間:この例では28.5秒)が経過するまでの間、開放される。
上記した1回のラウンド遊技では、第一大入賞口2005又は第二大入賞口2006に規定個数(入賞上限個数:この例では10球)の遊技球Bが入賞したときに、その開放中である第一大入賞口2005又は第二大入賞口2006を閉鎖するものである。すなわち、第一大入賞口2005が開放中である場合には、第一カウントセンサ2512によって規定個数の遊技球Bが検出された時点で、第一大入賞口2005を閉鎖するように第一アタッカソレノイド2515を駆動制御するが、その時点で、既に第一大入賞口2005に規定個数を超えた遊技球Bの進入(オーバー入賞)が発生している場合があり、そのような場合には、第一大入賞口2005の閉鎖後に、第一カウントセンサ2512によって規定個数を超えた分の遊技球Bが検出される。同様に、第二大入賞口2006が開放中である場合、第二カウントセンサ2513によって規定個数の遊技球Bが検出された時点で、第二大入賞口2006を閉鎖するように第二アタッカソレノイド2516を駆動制御するが、その時点で、既に第二大入賞口2006に規定個数を超えた遊技球Bの進入(オーバー入賞)が発生している場合があり、そのような場合には、第二大入賞口2006の閉鎖後に、第二カウントセンサ2513によって規定個数を超えた分の遊技球Bが検出される。そして、オーバー入賞が発生した場合には、想定を超える遊技球Bの払出しを遊技者が獲得しえたことに対する特典として、ラウンド遊技に行われるラウンド演出とは別に、演出表示装置1600を用いた演出としてオーバー入賞時演出を実行している。
具体的には、大当り遊技におけるラウンド遊技を開始するごとに、主制御基板1310からラウンド遊技のラウンド数を指示するラウンド開始コマンドが送信される。また、第一大入賞口2005又は第二大入賞口2006に遊技球Bが入賞し、第一カウントセンサ2512や第二カウントセンサ2513によって遊技球Bが検出されたときには、主制御基板1310からその旨を通知する入賞時コマンドが送信される。そして、周辺制御基板1510では、ラウンド開始コマンド及び入賞時コマンドを受信したときに、ステップS714の大当り演出処理において、実行中のラウンド遊技のラウンド数や、第一大入賞口2005又は第二大入賞口2006に遊技球Bが入賞した個数に基づいた演出を、演出表示装置1600におけるラウンド演出として実行する。また、大当り遊技における各々のラウンド遊技中において、第一大入賞口2005又は第二大入賞口2006に規定個数の遊技球Bが入賞した後、さらに第一大入賞口2005又は第二大入賞口2006に遊技球Bが入賞したか否か、すなわちオーバー入賞が発生したか否かを判別し、オーバー入賞が発生した場合には、そのオーバー入賞が発生した回数を、大当り遊技の実行中にわたってカウントする。ただし、1回のラウンド遊技中に、2個以上のオーバー入賞が発生した場合であっても、オーバー入賞が発生した回数としては、1カウントとしている。
そして、オーバー入賞が発生した場合には、演出表示装置1600を用いた演出としてオーバー入賞時演出を実行しているが、上記したオーバー入賞が発生した回数に応じてオーバー入賞時演出の種別を異ならせている。具体的には、オーバー入賞が発生した回数が1、3、5、7回の奇数カウントである場合には、キャラクタA〜Eのうちいずれかを決定し、その決定したキャラクタを出現させる抽選演出を実行するのに対し、オーバー入賞が発生した回数が2、4、6回の偶数カウントである場合には、そのオーバー入賞が発生した回数に対応したキャラクタを出現させる固定演出を実行している。また、オーバー入賞が発生した回数が8回目以降のカウントである場合には、7回目までのカウントでは出現させることのないプレミア的な固定演出を実行している。
まず、オーバー入賞が発生した回数が1、3、5、7回の奇数カウントである場合には、図150(A)に示すオーバー入賞時演出決定テーブルを用いて、オーバー入賞時演出にキャラクタA〜Eのいずれを出現させるかを決定する。具体的には、オーバー入賞時演出決定テーブルに設定された判定値と読み出したオーバー入賞時演出決定用の乱数とを比較することで、オーバー入賞時演出決定テーブルに設定されたキャラクタの種別を決定する。このように、オーバー入賞が発生した回数が1、3、5、7回の奇数カウントである場合には、キャラクタA〜Eのいずれかのキャラクタが決定されることから、オーバー入賞が発生した際に、オーバー入賞時演出としていずれのキャラクタが出現するかに注目させることができる。
なお、オーバー入賞時演出決定テーブルは、周辺制御基板1510のROMに記憶されている。また、オーバー入賞時演出決定テーブルでは、キャラクタA〜Eのうち各々のキャラクタを出現させるパターンに対する判定値の振分けが同程度であり、各々のキャラクタの出現率を同程度としているが、判定値の振分けを異ならせ、各々のキャラクタの出現率が異なるようにしてもよい。
また、オーバー入賞が発生した回数が2回の偶数カウントである場合には、図150(B)に示すオーバー入賞時演出決定テーブルを用いて、オーバー入賞時演出にキャラクタFを出現させることを決定する。同様に、オーバー入賞が発生した回数が4回の偶数カウントである場合には、図150(C)に示すオーバー入賞時演出決定テーブルを用いて、オーバー入賞時演出にキャラクタGを出現させることを決定し、オーバー入賞が発生した回数が6回の偶数カウントである場合には、図150(D)に示すオーバー入賞時演出決定テーブルを用いて、オーバー入賞時演出にキャラクタHを出現させることを決定する。このように、オーバー入賞が発生した回数が2、4、6回の偶数カウントである場合には、オーバー入賞が発生した回数に対応して予め決められたキャラクタが決定されることから、オーバー入賞が発生した際に、そのキャラクタの出現によってオーバー入賞が発生した回数が何回目であるのかを認識することができる。
また、オーバー入賞が発生した回数が8回目以降のカウントである場合には、図150(E)に示すオーバー入賞時演出決定テーブルを用いて、オーバー入賞時演出にキャラクタA〜Hの全員を出現させることを決定する。このように、オーバー入賞が発生した回数が7回目までのカウントである場合には、オーバー入賞時演出にキャラクタが単独でしか出現しないのに対し、8回目以降のカウントである場合には、オーバー入賞時演出にキャラクタA〜Hの全員が出現することから、プレミア的な演出に注目しつつ、オーバー入賞が発生した回数が8回目を超えたことに対する達成感を得ることができる。
本実施形態では、オーバー入賞が発生した回数が1、3、5、7回の奇数カウントである場合には、キャラクタA〜Eのうちいずれかを決定し、その決定したキャラクタを出現させる抽選演出を実行するのに対し、オーバー入賞が発生した回数が2、4、6回の偶数カウントである場合には、そのオーバー入賞が発生した回数に対応したキャラクタを出現させる固定演出を実行している。これにより、オーバー入賞が発生した回数が1、3、5、7回の奇数カウントであるか、2、4、6回の偶数カウントであるかによって、オーバー入賞時演出に異なる楽しみを与えることができる。すなわち、オーバー入賞が発生した回数が2、4、6回の偶数カウントである場合には、キャラクタの出現によってオーバー入賞が発生した回数が何回目であるのかを認識しつつ、1、3、5、7回の奇数カウントである場合には、キャラクタA〜Eのいずれかのキャラクタが出現するかに注目させるという楽しみを与えることができる。
また、本実施形態では、1回のラウンド遊技中に、2個以上のオーバー入賞が発生した場合であっても、オーバー入賞が発生した回数としては、1カウントとしている。これにより、1回のラウンド遊技中に、オーバー入賞時演出を2回実行することがなく、オーバー入賞が発生したラウンド遊技ごとに、オーバー入賞時演出が認識しやすくなっている。また、例えば、2個のオーバー入賞が発生した場合に、オーバー入賞が発生した回数を2カウントとすると、抽選演出と固定演出とが順番に実行されない(例えば、抽選演出後のラウンド遊技中にオーバー入賞した場合にも抽選演出が実行され、抽選演出が連続する)ことから、遊技者が楽しみにしていた演出が実行されないこともあるが、本実施形態では、そのような事態を防止することができる。
次に、大当り遊技の実行時における演出表示装置1600での具体的な演出例について、図151を参照して説明する。
図151(A)に示すように、大当り遊技の実行中には、演出表示装置1600を用いたラウンド演出として、実行中のラウンド遊技のラウンド数や、第一大入賞口2005又は第二大入賞口2006への入賞に対する賞球の総獲得数(総払出数)などを表示する演出を実行している。この総獲得数の表示は、第一大入賞口2005又は第二大入賞口2006に遊技球Bが入賞したことに基づいて、その入賞数に準じた獲得数(払出数)が更新(加算表示)されるものであり、前述したオーバー入賞時演出とは異なり、1回のラウンド遊技中に、2個以上のオーバー入賞が発生した場合であっても、各々の入賞数に準じた獲得数(払出数)を全て反映するように加算される。すなわち、1回のラウンド遊技中に、2個以上のオーバー入賞が発生した場合には、オーバー入賞時演出の実行回数を制限する一方で、総獲得数表示の更新については制限しないこととしている。
また、図151(B)に示すように、各々のラウンド遊技中にオーバー入賞が発生した場合には、演出表示装置1600を用いた演出としてオーバー入賞時演出を開始し、まず、演出表示装置1600の右下方に設けられた第一大入賞口2005又は第二大入賞口2006から演出表示装置1600の中央部に向けて、光が集まるかのような演出表示を実行している。これにより、第一大入賞口2005又は第二大入賞口2006に規定個数を超えた遊技球Bが入賞した場合、すなわちオーバー入賞が発生した場合には、遊技者がその旨に気付きやすく、その後に出現するキャラクタに注目させることができる。
そして、図151(C)に示すように、オーバー入賞時演出では、上記したオーバー入賞が発生した回数に応じたキャラクタを出現させている。具体的には、オーバー入賞が発生した回数が1、3、5、7回の奇数カウントである場合には、キャラクタA〜Eのうちいずれかを出現させる抽選演出を実行するのに対し、オーバー入賞が発生した回数が2、4、6回の偶数カウントである場合には、そのオーバー入賞が発生した回数に対応したキャラクタを出現させる固定演出を実行している。また、オーバー入賞が発生した回数が8回目以降のカウントである場合には、キャラクタA〜Hの全員を出現させるプレミア的な固定演出を実行している。
また、上記したオーバー入賞時演出では、演出表示装置1600を用いてオーバー入賞が発生した回数に応じたキャラクタを出現させているが、ラウンド遊技中にオーバー入賞が発生した場合の次のラウンド遊技を開始する時点で、オーバー入賞時演出を終了し、その出現したキャラクタを消去するようにしている。そして、ラウンド遊技の開始時には、そのラウンド遊技のラウンド数に対応したラウンド演出を再開することで、第一大入賞口2005や第二大入賞口2006が開放されたことを見逃さないようにしている。なお、本演出例では、ラウンド遊技中にオーバー入賞が発生した場合の次のラウンド遊技を開始する時点で、オーバー入賞時演出を終了しているが、オーバー入賞が発生した時点から所定時間(例えば、4〜5秒)にわたってオーバー入賞時演出を実行するようにし、オーバー入賞の発生後に次のラウンド遊技を開始する場合であっても、所定時間が経過するまではオーバー入賞時演出を継続するようにしてもよい。このような場合には、オーバー入賞の発生によってオーバー入賞時演出が必ず所定時間実行されることから、そのオーバー入賞時演出をゆったりと楽しませることができる。
なお、上記したオーバー入賞時演出は、第一大入賞口2005又は第二大入賞口2006に規定個数を超えた遊技球Bの入球(オーバー入賞)が発生した場合に演出を行うこととしているが、内部に特定領域を有する第一大入賞口2005にオーバー入賞が発生した場合にはオーバー入賞時演出を行うことがなく、第二大入賞口2006にオーバー入賞が発生した場合に限りオーバー入賞時演出を行うようにしてもよい。本実施形態では、第一大入賞口2005の特定領域通過時に、大当り遊技の実行が確定することを示す大当り確定演出を行うこととしているが、上記した構成によれば、特定領域を通過させる特定の遊技タイミングで、偶発的なオーバー入賞の発生により大当り確定演出の実行が阻害されることを防止することができる。
また、上記したオーバー入賞時演出を実行可能に構成するのに加え、大当り遊技中に、第二大入賞口2006の近傍に設けられた右下フロック入賞口(例えば、演出表示装置1600の右下に設けられた一般入賞口2001)に遊技球が入賞した場合に、第二大入賞口2006への遊技球の入賞に対する賞球とは別のオマケ賞球の付与を示すオマケ演出を行うようにしてもよい。このような場合、オーバー入賞時演出とオマケ演出との重複を防ぐように、いずれか一方の実行を抑制するように制御することが例示できる。例えば、オーバー入賞時演出の実行中に右下フロック入賞口に遊技球が入賞した場合には、オマケ演出の実行を抑制するのに対し、オマケ演出の実行中にオーバー入賞が発生した場合には、オーバー入賞時演出の実行を抑制するといったように、実行中の演出を優先することが例示できる。ただし、オーバー入賞時演出とオマケ演出とのいずれの実行条件が成立した場合にも、賞球の払出があり、演出表示装置1600を用いたラウンド演出における賞球の総獲得数(総払出数)の表示に加算することとしている。
上記したように、オーバー入賞が発生しながらもオーバー入賞時演出を実行しない場合には、オーバー入賞が発生した回数としてカウントしないようになっている。これにより、次にオーバー入賞時演出を実行する場合には、既に実行済みのオーバー入賞時演出に対して、抽選演出と固定演出とが順番に実行されることとなり、遊技者に違和感を与えることを防止することができる。
なお、上記では、オマケ演出の実行中にオーバー入賞が発生した場合に、オーバー入賞時演出の実行を抑制しているが、オーバー入賞が発生した回数が8回目以降のカウントである場合に限り、オーバー入賞時演出(プレミア的な固定演出)に差し替えるようにしてもよい。このように、オーバー入賞が発生した回数が8回目以降のカウントである場合には、オーバー入賞時演出としてのプレミア的な演出を確実に実行することで、オーバー入賞が発生した回数が8回目以降のカウントでありながらも、プレミア的な演出を見られないといった損失感が遊技者に生じることを防止することができる。
[13.導光板の発光表示の変形例]
次に上記した表導光板装飾基板2640の発光表示の変形例について図152及び図153を参照して説明する。変形例のパチンコ機1では、演出操作部301の押圧操作部303が押圧操作されたことに応じて上記表導光板装飾基板2640の複数のLED2630を、第一LED群2630a、第二LED群2630b、第三LED群2630c、第四LED群2630dの順番に発光させて、第一絵柄2614a、第二絵柄2614b、第三絵柄2614c、第四絵柄2614dの順番に発光させ、表導光板2610の中心から外側へ向かって広がるような動きのあるアニメーションのような発光演出を行う。
具体的には、演出表示装置1600における装飾図柄の変動表示として左列と右列の装飾図柄が同一図柄(この例では「7」)で一旦停止表示されてリーチ状態が形成されると、全ての装飾図柄を演出表示装置1600の左下部に縮小表示するとともに、リーチ演出等として上記表導光板装飾基板2640の複数のLED2630のうち第一LED群2630aを発光させて導光板本体2611内に第一特定入光部2612aから光を入射させることにより、表導光板2610の中心付近を囲う第一絵柄2614aを発光させ、この第一絵柄2614aによって囲われる部分を通して視認可能となるように演出表示装置1600に「ボタンを押せ!」と表示する(図152(A))。
そして、遊技者が所定期間内(例えば5秒以内)に押圧操作部303を押圧操作すると、左列の装飾図柄を演出表示装置1600の左下部に縮小表示するとともに右列の装飾図柄を演出表示装置1600の右下部に縮小表示する一方、第一絵柄2614aによって囲われる部分を通して視認可能となるように演出表示装置1600の中央に中列の装飾図柄を表示した後、中列の装飾図柄を左列と右列の装飾図柄とは異なる図柄(この例では「6」)で一旦停止表示させる(図152(B))。
次いで、上記表導光板装飾基板2640の複数のLED2630を、第二LED群2630b、第三LED群2630c、第四LED群2630dの順番に発光させて、導光板本体2611内に第二特定入光部2612b、第三特定入光部2612c、第四特定入光部2612dから光を入射させることにより、第二絵柄2614b(図152(B))、第三絵柄2614c(図152(C))、第四絵柄2614d(図152(D))、の順番に発光させて、表導光板2610の中心から外側へ向かって広がるような動きのあるアニメーションのような発光演出を行う。
なお、本例の表演出ユニット2600には、表導光板2610の右辺の一部に取り付けられているリフレクタ(図示しない)と、リフレクタの上面に取付けられており表導光板2610の右面に向かって光を照射する複数のLED2660が実装されている表導光板装飾基板(図示しない)と、複数のLED2660の前方に設けられて複数のLED2660夫々から発せられる光を集光して光の強度を高める集光部材2670と、を備えている。また、導光板本体2611の裏面には、複数のLED2660から入射された光を前方へ反射させる微細な複数の反射凹部2616が形成されている。
そして、上記表導光板装飾基板2640の複数のLED2630を、第一LED群2630a、第二LED群2630b、第三LED群2630c、第四LED群2630dの順番に発光させることで、第一絵柄2614a、第二絵柄2614b、第三絵柄2614c、第四絵柄2614dの順番に発光させて、表導光板2610の中心から外側へ向かって広がるような動きのあるアニメーションのような発光演出を数回(1回でもよいし、複数回でも良い)行った後、上記表導光板装飾基板2640の複数のLED2630を、第一LED群2630a、第二LED群2630b、第三LED群2630c、及び第四LED群2630dのいずれかを発光させた状態で停止させるとともに、複数のLED2660を発光させて導光板本体2611の右側上部から導光板本体2611内に光を入射させることにより、絵柄2614(第一絵柄2614a〜第四絵柄2614d)の中央を通して視認可能とされる中列の装飾図柄を射抜いた態様の射抜き絵柄2615を発光させるとともに、この射抜き絵柄2615によって射抜かれることにより中列の装飾図柄にヒビが入った態様を演出表示装置1600に表示する(図152(D))。このとき、複数のLED2660の発光に同期して、導光板本体2611の背部に位置する演出表示装置1600に、表導光板2610の中心に向かって光の矢が放たれて絵柄2614の中央を射抜くような演出表示を行い、その後にこの画像を消失させることで射抜き絵柄2615を補助(補助表示)するようになっている。
具体的には、複数のLED2660の近傍から徐々に離れる方向に光が進んでいくように、射抜き絵柄2615の背部(少なくとも一部が被っていればよく、射抜き絵柄2615の背部以外の領域を含むものでもよい)に画像を徐々に表示して射抜き絵柄2615に重複する画像を完成させた後、この画像を消失させることで複数のLED2660から放たれた光の矢が絵柄2614(第一絵柄2614a〜第四絵柄2614d)の中央を射抜き、これによって第一絵柄2614a、第二絵柄2614b、第三絵柄2614c、第四絵柄2614dの順番に表導光板2610の中心から外側へ向かって広がるような動きのあるアニメーションのような発光演出が停止したような演出を行うようになっている。
また、射抜き絵柄2615は絵柄2614(第一絵柄2614a〜第四絵柄2614d)に対して上位レイヤに表示される部分と、下位レイヤに表示される部分と、を含んでいる。具体的には、射抜き絵柄2615のうち絵柄2614(第一絵柄2614a〜第四絵柄2614d)に刺さっている部分よりも手前側の絵柄2614(第一絵柄2614a〜第四絵柄2614d)の表面側であることを表している部分(左右に分断されて表示される射抜き絵柄2615のうち右側部分)については絵柄2614(第一絵柄2614a〜第四絵柄2614d)に対して上位レイヤに表示され、射抜き絵柄2615のうち絵柄2614(第一絵柄2614a〜第四絵柄2614d)に刺さって絵柄2614(第一絵柄2614a〜第四絵柄2614d)の背面側であることを表している部分(左右に分断されて表示される射抜き絵柄2615のうち左側部分)については絵柄2614(第一絵柄2614a〜第四絵柄2614d)に対して下位レイヤに表示されている。これにより、絵柄2614(第一絵柄2614a〜第四絵柄2614d)を基準とした遠近感を表現でき、複数のLED2660から放たれた光の矢が絵柄2614(第一絵柄2614a〜第四絵柄2614d)の中央を射抜く様をリアルに表現することができる。
また、上記したように射抜き絵柄2615を発光させる複数のLED2660の前方には集光部材2670が設けられてこれらの光を集光して光の強度を高めた状態で導光板本体2611に入光させる。一方、上記表導光板装飾基板2640の複数のLED2630には集光部材2670が設けられておらず、これらの光は拡散されて導光板本体2611に入光する。そのため、上記表導光板装飾基板2640の複数のLED2630によって発光される絵柄2614(第一絵柄2614a〜第四絵柄2614d)よりも強い光で射抜き絵柄2615を発光させることができる。ただし、射抜き絵柄2615は複数のLED2660から遠ざかるのにしたがってその光が徐々に弱まるようになっており(導光板本体2611の反射凹部2616が複数のLED2660から遠ざかるのにしたがって複数のLED2660から入射された光を前方へ反射させる割合を徐々に低下させることで導光板本体2611の前方から視認可能な光を徐々に弱める等)、射抜き絵柄2615の発光からも遠近感を表現するようになっている。
また、当該変動表示の結果、大当りとなる場合には導光板本体2611に射抜き絵柄2615を発光させて、中列の装飾図柄にヒビが入った態様を演出表示装置1600に表示した後、左列と右列の装飾図柄とは異なる図柄(この例では「6」)で一旦停止表示されている中列の装飾図柄が割れて(破壊されて)左列と右列の装飾図柄と同一図柄に変化させて大当り図柄を確定停止表示する(図153(F))。一方、当該変動表示の結果、ハズレとなる場合には導光板本体2611に射抜き絵柄2615を発光させて、中列の装飾図柄にヒビが入った態様を演出表示装置1600に表示した後、左列と右列の装飾図柄とは異なる図柄(この例では「6」)で一旦停止表示されている中列の装飾図柄が割れることなく(破壊されることなく)左列と右列の装飾図柄とは異なる図柄で維持されてハズレ図柄を確定停止表示する(図153(E))。
なお、装飾図柄を確定停止表示する場合に限らず、リーチ演出をスーパーリーチ演出などに発展させる場合、例えば図152(D)で左列と右列の装飾図柄とは異なる図柄一旦停止表示されている中列の装飾図柄を破壊した後にスーパーリーチ演出に発展させる場合にも上記した演出を実行可能である。また、リーチ演出として上記した演出を実行する場合には、大当りになるかリーチ演出をスーパーリーチ演出などに発展させる場合などに射抜き絵柄2615を発光させ、ハズレになる場合やリーチ演出をスーパーリーチ演出に発展させることなくハズレ図柄を導出させる場合などには射抜き絵柄2615を発光させることなく、第一絵柄2614a、第二絵柄2614b、第三絵柄2614c、第四絵柄2614dの順番に表導光板2610の中心から外側へ向かって広がるような動きのあるアニメーションのような発光演出を停止させた後、ハズレ図柄を確定停止表示するようにしてもよい。また、射抜き絵柄2615を発光させることなく、第一絵柄2614a、第二絵柄2614b、第三絵柄2614c、第四絵柄2614dの順番に表導光板2610の中心から外側へ向かって広がるような動きのあるアニメーションのような発光演出を停止させた後に射抜き絵柄2615を発光させて大当り図柄を導出させるかリーチ演出をスーパーリーチ演出などに発展させる逆転演出を実行するようにしてもよい。
このように、変形例の導光板の発光表示では、表導光板2610に絵柄2614(第一絵柄2614a、第二絵柄2614b、第三絵柄2614c、第四絵柄2614d)と射抜き絵柄2615との複数の絵柄を同一の導光板(表導光板2610)に発光させるものでありながら、遠近感をリアルに表現できるため、遊技者に驚きや意外性を与えることができ、遊技興趣の低下を抑止できる。
また、本実施形態のパチンコ機1によると、通常の状態では、裏ユニット3000の上部前可動演出ユニット3300における中央装飾体3351が正面視遊技領域5a内の上縁付近に上昇した退避位置に位置していると共に、二つの第一突出装飾体3352及び第二突出装飾体3353の夫々一対の第一突出装飾部3352a及び第二突出装飾部3353aが、中央装飾体3351の左右両側で夫々二つずつ互いに前後に重なった第一位置に位置している。ここで、中央装飾体3351の左側では第一突出装飾部3352aが、右側では第二突出装飾部3353aが、前側に配置されている。このようなことから、正面視遊技領域5a内の上縁付近に中央装飾体3351が見えると共に、中央装飾体3351の左右両側に夫々一つずつ第一突出装飾部3352a及び第二突出装飾部3353aが見え、中央装飾体3351と二つの第一突出装飾部3352a及び第二突出装飾部3353aとで遊技領域5a内を装飾してパチンコ機1の見栄えを良くしている。通常の状態では、第一位置に位置している二つの第一突出装飾部3352a及び第二突出装飾部3353aが、前後に重なっていることから、前側の第一突出装飾部3352a及び第二突出装飾部3353aのみしか前方(遊技者側)から見ることができないため、後側の第一突出装飾部3352a及び第二突出装飾部3353aの存在に気付かせ難くすることができ、中央装飾体3351と第一突出装飾部3352a及び第二突出装飾部3353aとが現在見えている数しかないと認識させることができる。通常の状態で、上部前中央装飾基板、第一突出装飾部装飾基板及び第二突出装飾部装飾基板に実装されているLEDを発光させると、中央装飾体3351、第一突出装飾部3352a及び第二突出装飾部3353aを発光装飾させることができるため、中央装飾体3351や第一突出装飾部3352a及び第二突出装飾部3353aによって、中央装飾体3351や第一突出装飾部3352a及び第二突出装飾部3353aを目立たせることができ、遊技者の関心を中央装飾体3351等の上部前可動装飾体3350に強く引付けさせることができる。また、通常の状態では、中央装飾体3351及び二つの第一突出装飾体3352及び第二突出装飾体3353が、正面視遊技領域5aの上縁付近の退避位置となっているため、正面視遊技領域5a内の中央に配置されている演出表示装置1600に表示されている演出画像が、中央装飾体3351等の上部前可動装飾体3350によって遮られることはなく、遊技者側から良好な状態で演出画像を視認することができ、遊技者に演出画像を楽しませることができる。
この通常の状態で、遊技領域5a内において遊技が行われることで変化する遊技状態に応じて上部前駆動モータ3302を駆動させて、中央装飾体3351を退避位置から下方の出現位置の方向へ下降させると、中央装飾体3351と二つの第一突出装飾体3352及び第二突出装飾体3353とが一緒に下降する。この際に、中央装飾体3351の左側では第二突出装飾体3353の第二突出装飾部3353aに、中央装飾体3351の右側では残りの第一突出装飾体3352の第一突出装飾部3352aに、左右に配置された第二リンク棒3304の下端部が夫々取付けられていると共に、左右夫々の第二リンク棒3304の上端部が、ユニットベース3301に所定範囲内で回動可能に夫々取付けられている第一リンク棒3303の先端に取付けられていることにより、中央装飾体3351の移動方向と同じ上下方向へスライド可能に夫々ユニットベース3301に取付けられているため、中央装飾体3351と一緒に下降する二つの第一突出装飾体3352及び第二突出装飾体3353(第一突出装飾部3352a及び第二突出装飾部3353a)により左右の第二リンク棒3304が夫々中央装飾体3351の移動方向と同じ下方へ引っ張られ、第二リンク棒3304の上端部がユニットベース3301に対して下方へスライドすることとなる。左右の第二リンク棒3304の上端部は、第一リンク棒3303によって、中央装飾体3351の移動距離(昇降距離)よりも短い範囲内で上下方向へスライド可能とされているため、中央装飾体3351が下降端の出現位置に到達する前に、左右の第二リンク棒3304の夫々の上端部がスライド方向の下端部に到達することとなる。そして、第二リンク棒3304の上端部がスライド方向の下端部に到達した後に、更に中央装飾体3351が下方の出現位置の方向へ移動すると、第二リンク棒3304の下端部がこれ以上出現位置の方向(下方)へ移動することができないため、左右の第二リンク棒3304により中央装飾体3351と一緒に下降しようとする二つの第一突出装飾体3352及び第二突出装飾体3353における右側の第一突出装飾部3352aと左側の第二突出装飾部3353aが上方のユニットベース3301側へ引っ張られることとなり、この力により二つの第一突出装飾体3352及び第二突出装飾体3353が、中央装飾体3351の後側に取付けられている第一連結棒3352b及び第二連結棒3353bにより、中央装飾体3351の中央を中心として前後に延びた軸周りに対して互いに異なる方向へ回転し、左右両側の第一突出装飾部3352a及び第二突出装飾部3353aが、前後に重なった第一位置から前後の重なりが解消されている第二位置へ移動することとなる。これにより、中央装飾体3351の左右両側で一つに見えていた第一突出装飾部3352a及び第二突出装飾部3353aが、二つになって扇が広がるように回転し、中央装飾体3351と中央装飾体3351を中心にして放射状に延びた四つの第一突出装飾部3352a及び第二突出装飾部3353aとで一つの大きな装飾を形成して遊技者に見せることができる。従って、遊技領域5aの中央に移動した中央装飾体3351の周りに全ての数の第一突出装飾部3352a及び第二突出装飾部3353aが現れることとなるため、第一突出装飾部3352a及び第二突出装飾部3353aの数が増えることで遊技者の意表を突くことができると共に、中央装飾体3351の周りの四つの第一突出装飾部3352a及び第二突出装飾部3353aが広がることで全体の装飾を大きくすることができ、遊技者に強いインパクトを与えて興趣の低下を抑制させることができる。
また、上述したように、上部前駆動モータ3302により中央装飾体3351を上昇端の退避位置から下降端の出現位置へ下降させると、左右の第二リンク棒3304の上端部がスライド方向の下端部(第一リンク棒3303における先端側の下方側への回動端)に到達するまでは、中央装飾体3351の左右両側の二つの第一突出装飾部3352a及び第二突出装飾部3353aが互いに重なった第一位置のままの状態で中央装飾体3351と一緒に下降し、第二リンク棒3304の上端部がスライド方向の下端部に到達した後は、中央装飾体3351が出現位置の方向(下方)へ移動しながら左右二つの第一突出装飾部3352a及び第二突出装飾部3353aが互いに重なった第一位置から重なりが解消された第二位置へ回転移動して中央装飾体3351の周りに放射状に広がることとなり、中央装飾体3351と二つの第一突出装飾体3352及び第二突出装飾体3353とにより二段階の動きをする可動演出を遊技者に見せることができるため、上部前駆動モータ3302を適宜制御することで、第一段階で移動(演出)を停止させたり、第二段階まで移動(演出)させたり、することが可能となり、中央装飾体3351と二つの第一突出装飾体3352及び第二突出装飾体3353とを用いた可動演出のバリエーションを増やすことができ、多彩な演出により遊技者を楽しませることができると共に、遊技者を飽きさせ難くすることができ、遊技者の遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
また、遊技状態に応じて上部前駆動モータ3302により中央装飾体3351を上昇端の退避位置から下降端の出現位置へ移動させることができるため、中央装飾体3351が退避位置の通常の状態において、遊技状態が変化した時に、中央装飾体3351が出現位置へ下降するか否かによって遊技者をハラハラ・ドキドキさせることができ、遊技者を楽しませることができる。そして、上部前駆動モータ3302により中央装飾体3351を退避位置から出現位置側へ下降させて、第一突出装飾体3352及び第二突出装飾体3353が回転移動しない第一段階まで移動させると、中央装飾体3351と二つの第一突出装飾体3352及び第二突出装飾体3353とが通常の状態のままで下方へ移動することから、遊技者に対して何か良いことがあるのではないかと思わせることができ、遊技に対する期待感を持たせることができる。更に、第二段階まで、つまり、中央装飾体3351を下降端の出現位置まで下降させると、中央装飾体3351の周りに四つの第一突出装飾部3352a及び第二突出装飾部3353aが放射状に広がって、中央装飾体3351と四つの第一突出装飾部3352a及び第二突出装飾部3353aとで大きな装飾を遊技者に見せることができると共に、中央装飾体3351と四つの第一突出装飾部3352a及び第二突出装飾部3353aとが下降してくることで遊技者に対して天からの掲示が与えられるような気分にさせることができるため、遊技者に対して遊技者が有利となる有利遊技状態が発生するのではないかと思わせることができ、遊技に対する期待感を高めさせることができると共に、遊技者を飽きさせ難くすることができ、遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
このように、中央装飾体3351を退避位置から出現位置へ下降させる際に、中央装飾体3351と二つの第一突出装飾体3352及び第二突出装飾体3353の動きを二段階で変化させることができるため、遊技者に対して、第一段階で停止した時と、第二段階で停止した時とで、遊技者が有利となる有利遊技状態の発生する可能性(期待値)が異なっていると認識させることが可能となり、第一段階よりも第二段階の方が、期待値が高いことを示唆させることができ、中央装飾体3351と二つの第一突出装飾体3352及び第二突出装飾体3353とで様々な期待値を遊技者に表示させることができる。
また、中央装飾体3351を正面視遊技領域5a内における中央付近の出現位置へ下降させるようにしており、中央装飾体3351が出現位置へ下降することで中央装飾体3351の周りにスペースを確保し易くなるため、出現位置の中央装飾体3351の周りで四つの第一突出装飾部3352a及び第二突出装飾部3353aを第一位置から第二位置へ移動させて放射状に広げることができ、中央装飾体3351と二つの第一突出装飾体3352及び第二突出装飾体3353とで可及的に大きな装飾を形成することができる。従って、遊技状態に応じて上部前駆動モータ3302により中央装飾体3351を出現位置へ下降させると、遊技領域5aの中央付近において、中央装飾体3351とその周りに放射状に広がった四つの第一突出装飾部3352a及び第二突出装飾部3353aとによる大きな装飾を遊技者に見せることができるため、遊技者を驚かせることができ、遊技領域5aの中央へ遊技者の関心を強く引付けさせることができると共に、中央装飾体3351と四つの第一突出装飾部3352a及び第二突出装飾部3353aとによる大きな装飾を楽しませることができ、遊技者の遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
更に、上部前駆動モータ3302により中央装飾体3351を退避位置から出現位置へ移動させると、中央装飾体3351の左右両側の二つの第一突出装飾部3352a及び第二突出装飾部3353aが第一位置から第二位置へ移動するようにしており、一つの上部前駆動モータ3302により中央装飾体3351と二つの第一突出装飾体3352及び第二突出装飾体3353とを移動させるようにしているため、中央装飾体3351と二つの第一突出装飾体3352及び第二突出装飾体3353とを用いた演出(可動演出)を行う際に、一つの上部前駆動モータ3302のみを制御すれば良く、演出にかかる負荷を低減させることができる。従って、中央装飾体3351と二つの第一突出装飾体3352及び第二突出装飾体3353とを用いた演出を行う際に、他の可動装飾体や発光装飾体等を用いた演出を同時に行っても、演出の制御にかかる負荷の増加を抑制させることができるため、過負荷により演出の制御が不安定になることで上部前駆動モータ3302により中央装飾体3351や二つの第一突出装飾体3352及び第二突出装飾体3353の動きがギクシャクするのを防止することができ、中央装飾体3351や二つの第一突出装飾体3352及び第二突出装飾体3353を用いた演出効果を確実に発揮させて上述した作用効果を奏するパチンコ機1とすることができる。
また、上述したように、中央装飾体3351が出現位置へ下降している途中から、中央装飾体3351の左右両側の二つの第一突出装飾部3352a及び第二突出装飾部3353aを第二位置へ移動させるようにしていることから、中央装飾体3351の移動速度に対して、第一突出装飾部3352a及び第二突出装飾部3353aが第二位置へ移動(回転)する速度が相対的に早くなるため、四つの第一突出装飾部3352a及び第二突出装飾部3353aが中央装飾体3351の周りに突然広がったような動きとすることができ、遊技者を驚かせて中央装飾体3351と二つの第一突出装飾体3352及び第二突出装飾体3353とを用いた演出を楽しませることができる。
更に、上述したように、中央装飾体3351が退避位置から出現位置の方向へある程度移動してから、中央装飾体3351の左右両側の第一突出装飾部3352a及び第二突出装飾部3353aを第一位置から第二位置へ移動させるようにしている。つまり、第一突出装飾部3352a及び第二突出装飾部3353aを、正面視遊技領域5aの上縁付近からある程度中央側へ移動させてから、中央装飾体3351の周りに放射状に広がるように第一位置から第二位置へ移動させるようにしているため、四つの第一突出装飾部3352a及び第二突出装飾部3353aが第二位置へ移動する際に、第一突出装飾部3352a及び第二突出装飾部3353aが他の部材に当接し難くすることができ、第一突出装飾部3352a及び第二突出装飾部3353aや他の部材の破損を防止することができる。
また、上部前中央装飾基板、第一突出装飾部装飾基板及び第二突出装飾部装飾基板に実装されている複数のLEDを発光させると、中央装飾体3351及び四つの第一突出装飾部3352a及び第二突出装飾部3353aを夫々独立して発光装飾させることができるため、中央装飾体3351や第一突出装飾部3352a及び第二突出装飾部3353aの発光装飾によって、中央装飾体3351や第一突出装飾部3352a及び第二突出装飾部3353aを目立たせることができ、遊技者の関心を中央装飾体3351等の上部前可動装飾体3350に強く引付けさせることができる。従って、上部前駆動モータ3302により中央装飾体3351及び二つの第一突出装飾体3352及び第二突出装飾体3353を退避位置から出現位置へ下降させる前に、上部前中央装飾基板、第一突出装飾部装飾基板及び第二突出装飾部装飾基板に実装されている複数のLEDにより中央装飾体3351及び左右両側の第一突出装飾部3352a及び第二突出装飾部3353aを発光装飾させることで、遊技者を中央装飾体3351等に注目させることができるため、上部前駆動モータ3302によって中央装飾体3351等が出現位置へ移動するか否かによって遊技者をハラハラ・ドキドキさせることができ、遊技者を楽しませることができる。そして、上部前駆動モータ3302により中央装飾体3351が遊技領域5aの中央側の出現位置へ下降して中央装飾体3351の周りに四つの第一突出装飾部3352a及び第二突出装飾部3353aが放射状に広がると、遊技者を驚かせて何か良いことがあるのではないかと思わせることができ、遊技者の遊技に対する期待感を高めさせることができる。中央装飾体3351を出現位置へ下降させた時に、上部前中央装飾基板、第一突出装飾部装飾基板及び第二突出装飾部装飾基板により中央装飾体3351及び四つの第一突出装飾部3352a及び第二突出装飾部3353aを発光装飾させると、遊技領域5aの中央で大きく輝く装飾を遊技者に見せることができるため、遊技者に対して遊技者が有利となる有利遊技状態(例えば、「大当り遊技」)が発生すると思わせることができ、有利遊技状態の発生に対する期待感を高めさせて興趣の低下を抑制させることができる。
また、正面視遊技領域5a内の中央に演出表示装置1600が配置されていることから、上部前駆動モータ3302により中央装飾体3351を遊技領域5a内の中央となる出現位置へ下降させると、中央装飾体3351や二つの第一突出装飾体3352及び第二突出装飾体3353により演出画像(の一部)が遮られるため、遊技者に中央装飾体3351等の下降に気付かせて注目させることができ、第一位置から第二位置へ移動して中央装飾体3351の周りで放射状に広がる四つの第一突出装飾部3352a及び第二突出装飾部3353aを見せることができる。従って、遊技領域5aの中央において、中央装飾体3351と四つの第一突出装飾部3352a及び第二突出装飾部3353aとによる大きな装飾を遊技者に対して確実に見せることができ、上述した作用効果を確実に奏するパチンコ機1とすることができる。
更に、本実施形態のパチンコ機1によると、正面視遊技領域5a内の中央に枠状のセンター役物2500が配置されており、センター役物2500の枠内を除いた領域内において遊技球Bが流通する遊技を行うことができる。このセンター役物2500には、枠内を閉鎖するように透明な一枚の表導光板2610を備えた表演出ユニット2600が取付けられており、その表導光板2610を通して後方に配置されている演出表示装置1600に表示されている演出画像を楽しむことができる。この状態で、遊技領域5a内において遊技が行われることで変化する遊技状態に応じて、表導光板2610の上側の周縁にリフレクタ2620を介して取付けられている複数のLED2630のうちの所定のLED2630(第一LED群2630a、第二LED群2630b、第三LED群2630c、第四LED群2630d、の何れか)を発光させると、当該LED2630と対応して表導光板2610の周面にある特定入光部2612(第一特定入光部2612a、第二特定入光部2612b、第三特定入光部2612c、第四特定入光部2612d、の何れか)に光が照射され、その特定入光部2612から表導光板2610内に入射された光により対応している絵柄2614(第一絵柄2614a、第二絵柄2614b、第三絵柄2614c、第四絵柄2614d、の何れか)が発光表示されることとなる。詳述すると、表導光板2610の導光板本体2611の周辺がリフレクタ2620の固定凹部2621に嵌め込まれていると共に、固定凹部2621を貫通している複数の貫通孔2622から特定入光部2612側へ臨むように複数のLEDが表導光板装飾基板2640を介してリフレクタ2620に取付けられているため、導光板本体2611の周面(特定入光部2612)にLED2630を可及的に接近させることができ、LED2630からの光を対応する特定入光部2612へ確実に照射させることができると共に、貫通孔2622によりLED2630からの光が拡散するのを阻止することができ、対応していない特定入光部2612へ光が照射されるのを防止することができる。
そして、特定入光部2612から導光板本体2611内に入射した光が、対応している反射凹部2613(第一反射凹部2613a、第二反射凹部2613b、第三反射凹部2613c、第四反射凹部2613d、の何れか)に照射されると、反射凹部2613において照射された光が所定の方向へ反射または屈折することとなる。この際に、反射凹部2613が対応している特定入光部2612と結んだ直線に対して直角方向へ延びていることから、反射凹部2613に照射されて反射又は屈折した光の所定方向に、導光板本体2611の面に対して垂直な方向が含まれることとなるため、遊技領域5a(導光板本体2611)の正面に着座している遊技者の目に、反射凹部2613により導光板本体2611の面に対して垂直な方向へ反射又は屈折した光が届くこととなり、当該反射凹部2613が光って見え、当該反射凹部2613で構成されている絵柄2614が発光表示されて見える。一方、特定入光部2612から導光板本体2611内に入射された光は、その特定入光部2612に対応していない反射凹部2613にも届くこととなるが、対応していない反射凹部2613は光が入射された特定入光部2612と結んだ直線に対して直角方向とは異なる方向へ延びているため、当該反射凹部2613で反射又は屈折する光の方向が、導光板本体2611の面に垂直な方向に対して傾いた方向となり、遊技領域5aの正面に着座している遊技者の目に届くことはなく、対応していない反射凹部2613が光って見えることはない。このように、LED2630により特定入光部2612へ光を照射させると、その特定入光部2612に対応した反射凹部2613のみが導光板本体2611の面に対して垂直な方向へ光を反射又は屈折させて、遊技領域5aの正面に着座している遊技者の目に届くこととなり、対応した反射凹部2613で構成されている絵柄2614のみが発光表示されているように遊技者に見せることができる。
従って、発光させるLED2630を適宜選択して光が照射される特定入光部2612を変更することで、表導光板2610において発光表示される絵柄2614を様々に変化させることができるため、様々な絵柄2614が発光表示されることで遊技者を驚かせて楽しませることができ、遊技者を飽きさせ難くして遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。この表導光板2610の複数の絵柄2614は、互いに順次関連するように形成されていることから、遊技状態に応じて複数のLED2630(第一LED群2630a、第二LED群2630b、第三LED群2630c、第四LED群2630d)を順次発光させると、表導光板2610において複数の絵柄(第一絵柄2614a、第二絵柄2614b、第三絵柄2614c、第四絵柄2614d)が順次発光表示されてアニメーションのように動きのある発光表示を遊技者に見せることができる。
具体的には、第一絵柄2614a、第二絵柄2614b、第三絵柄2614c、第四絵柄2614d、の順番に発光表示させ、最後の第四絵柄2614dの次は最初に戻って再び第一絵柄2614aから順番に発光表示させることを繰り返した場合、表導光板2610の複数の絵柄2614により外側から中心へ向かうように動き続ける発光表示を遊技者に見せることができるため、この動き続ける発光表示により遊技者に機運が集中しているように錯覚させることができ、何か良いことがあるのではないかと思わせて遊技に対する期待感を高めさせることができる。一方、上記とは逆に、第四絵柄2614d、第三絵柄2614c、第二絵柄2614b、第一絵柄2614a、の順番に発光表示させ、最後の第一絵柄2614aの次は最初に戻って再び第四絵柄2614dから順番に発光表示させることを繰り返した場合、導光板の複数の絵柄により中心から外側へ向かうように動き続ける発光表示を遊技者に見せることができるため、この動き続ける発光表示により遊技者に、中心から広がるように錯覚させたり前進しているように錯覚させたりすることができ、遊技者に対して遊技状態が変化することを予感させることができる。このように、アニメーションのように動きのある発光表示を遊技者に見せることができるため、これまでのパチンコ機1では見たこともないような表導光板2610による動く発光表示によって遊技者に強いインパクトを与えることができ、遊技者の関心を強く引付けさせることができると共に、遊技者に対して遊技者が有利となる有利遊技状態が発生するのではないかと思わせることができ、遊技に対する期待感を高めさせて興趣の低下を抑制させることができる。
また、正面視遊技領域5a内の中央にセンター役物2500を取付けられているセンター役物2500の枠内に表導光板2610を取付けているため、LED2630により絵柄2614を発光表示させても、発光表示されている絵柄2614が遊技領域5a内での遊技の妨げとなることはなく、実際に遊技が行われる領域を遊技者側から良好な状態で視認させることができ、遊技が見え辛くなることで遊技者に不信感を与えてしまうのを防止して良好な状態で遊技を楽しませることができる。
また、リフレクタ2620の固定凹部2621に表導光板2610の導光板本体2611を嵌め込むようにしているため、従来のように二つの部材で取付けるようにした場合と比較して、表導光板2610とリフレクタ2620との間のガタツキを無くすことができ、表導光板2610に対して複数のLED2630を所望の位置に確実に位置決めすることができる。従って、表導光板2610の特定入光部2612に対してLED2630を確実に位置決めできるため、LED2630からの光を対応する特定入光部2612へ確実に照射させることができ、意図した絵柄2614のみを確実に発光表示させることができる。
更に、特定入光部2612と結んだ直線に対して直角方向へ延びている複数の反射凹部2613により絵柄2614を構成するようにしているため、複数の特定入光部2612を導光板本体2611の周縁における特定の辺(ここでは上辺)に配置することができ、複数の特定入光部2612を導光板本体2611の上辺に配置することで、前カバー2650(リフレクタ2620や複数のLED2630)を導光板本体2611の上辺にのみ配置することができる。これにより、前カバー2650(リフレクタ2620や複数のLED2630)によって導光板本体2611の外周が囲まれることなく、導光板本体2611の全周に亘って前カバー(枠体)を備えた場合と比較して、後方に配置されている演出表示装置1600の演出画像や装飾体を仕切ってしまうのを回避させることができるため、遊技者側から演出画像等を見易くすることができ、遊技者に対して演出画像を良好な状態で楽しませて興趣の低下を抑制させることができると共に、正面視において遊技領域5a内に枠状の仕切りがないことで開放感のあるパチンコ機1とすることができ、遊技領域5a内の見栄えを良くして遊技者の関心を強く引付けられる訴求力のあるパチンコ機1とすることができる。
また、上記のように、一枚の表導光板2610で複数(ここでは四つ)の絵柄2614を発光表示させることができるため、従来のように複数の導光板を用いる必要がなく、複数の絵柄2614の発光表示にかかる前後方向の寸法を可及的に小さく(薄く)することができると共に、表導光板2610をセンター役物2500に取付けているため、表導光板2610を遊技者側へ可及的に近付けた位置とすることができ、表導光板2610の後側に広いスペースを確保し易くすることができる。従って、表導光板2610の後側に広いスペースを確保することができるため、表導光板2610の後側に、下部可動演出ユニット3100、上部後可動演出ユニット3200、及び上部前可動演出ユニット3300等を配置することができ、それらにより遊技領域5a内の見栄えを良くして遊技者に対する訴求力の高いパチンコ機1とすることができると共に、絵柄2614の発光表示による演出に加えて、下部可動演出ユニット3100、上部後可動演出ユニット3200、及び上部前可動演出ユニット3300等による可動演出を行うことで遊技者に多彩な演出を提供することができ、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、枠状のセンター役物2500に表導光板2610を取付けていることから、表導光板2610の周縁とセンター役物2500の枠とを一致させることで、表導光板2610の周縁(リフレクタ2620や複数のLED2630)を遊技者側から見え難くすることができ、遊技者に対して表導光板2610の存在に気付かせ難くすることができるため、絵柄2614を発光表示させた時に、表導光板2610が存在していないと思っていた遊技者に対して強いインパクトを与えて驚かせることができ、表導光板2610による複数の絵柄2614の発光表示を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
更に、前カバー2650によって複数のLED2630やリフレクタ2620を遊技者側から見えないようにしていることから、リフレクタ2620等が見えることで遊技領域5a内の見栄えが悪くなるのを防止することができるため、遊技領域5a内の見栄えを良くすることができ、遊技者に対する訴求力を高めさせることができると共に、遊技するパチンコ機として本パチンコ機1を選択させ易くすることができ、本パチンコ機1による遊技を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、前カバー2650により複数のLED2630を遊技者側から見えないようにしていることから、遊技者に対して複数のLED2630を用いる表導光板2610の存在に気付かせ難くすることができるため、LED2630により表導光板2610の絵柄2614を発光表示させることで、遊技者が予測していなかった発光表示により遊技者を大いに驚かせることができ、絵柄2614の発光表示を楽しませることができると共に、遊技者に対して何か良いことがあるのではないかと思わせることができ、遊技に対する期待感を高めさせて興趣の低下を抑制させることができる。
更に、表導光板2610の後方に演出画像を表示可能な演出表示装置1600を備えていることから、表導光板2610による互いに異なる複数の絵柄2614の発光表示と、演出表示装置1600による演出画像とを合わせた演出を遊技者に見せることができるため、それらを適宜組み合わせることで多様な演出を行うことができ、遊技者を飽きさせ難くすることができると共に、表導光板2610と演出表示装置1600とによる演出によって遊技者を楽しませることができ、遊技者の遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
また、表導光板2610の後方に演出表示装置1600を配置していることから、パチンコ機1の前方に着座した遊技者からの表導光板2610までの距離と、演出表示装置1600までの距離とが異なっているため、表導光板2610で発光表示される複数の絵柄2614と関連した演出画像を表示させることで、発光表示されている絵柄2614に奥行き感や立体感を付与させることが可能となり、遊技者の関心を強く引付けさせることが可能な演出(表示演出)を遊技者に見せることができ、遊技者を楽しませて遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
更に、本実施形態のパチンコ機1によると、遊技領域5aを有している遊技盤5には上下方向へ移動する左スライダ3212及び右スライダ3232に装飾が形成された上部後左装飾体3220及び上部後右装飾体3240と上部後左装飾体3220及び上部後右装飾体3240を発光装飾させるための複数のLEDが実装された上部後左装飾基板及び上部後右装飾基板とが取付けられていることから、左スライダ3212及び右スライダ3232にかかる重量が重くなっており、重力により左スライダ3212及び右スライダ3232を下方へ移動させようとする力が大きく作用した状態となっている。この状態で、パチンコ機1(遊技盤5)を運搬したりパチンコ機1(遊技盤5)を遊技ホールの島設備に設置したりする際に、パチンコ機1が傾けられたりパチンコ機1に振動が与えられたりして上部後左装飾体3220及び上部後右装飾体3240を移動させようとする力が更に作用した時に、上部後左駆動モータ3214及び上部後右駆動モータ3234と左スライダ3212及び右スライダ3232(上部後左装飾体3220及び上部後右装飾体3240)との間に夫々クラッチ機構3250を備えていることから、左スライダ3212及び右スライダ3232が下降しようとすることでクラッチ機構3250の出力側の出力部材3253が回転しようとしても、出力部材3253のカム面3253bによりローラ3254が収容ケース3251の内面へ押圧されて、収容ケース3251の内面とカム面3253bとの間にローラ3254が噛み込まれた状態となり、複数のローラ3254により収容ケース3251を回転させようとする力が作用することとなる。この際に、収容ケース3251の外周側が締付バネ3255によって締付けられているため、収容ケース3251と締付バネ3255との間に摩擦抵抗が発生することとなり、複数のローラ3254を介して収容ケース3251を回転させようとする力に、収容ケース3251と締付バネ3255との間に発生する摩擦抵抗が抗うことで、収容ケース3251が回転することはなく、出力部材3253の回転がロックされた状態となる。このように、出力部材3253側(上部後左装飾体3220側及び上部後右装飾体3240側)から上部後左駆動モータ3214側及び上部後右駆動モータ3234側への回転の負荷に応じて出力部材3253の回転がロックされることとなるため、左スライダ3212及び右スライダ3232が勝手に下降するのを規制することができる。従って、クラッチ機構3250により上部後左装飾体3220及び上部後右装飾体3240の移動をロックさせることができるため、運搬中や設置中に上部後左装飾体3220及び上部後右装飾体3240が勝手に移動することで、移動端において左スライダ3212及び右スライダ3232が他の部材に衝突して左スライダ3212及び右スライダ3232や他の部材が破損してしまうのを防止することができ、遊技者に上部後左装飾体3220及び上部後右装飾体3240による可動演出を確実に楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、製造工場においてパチンコ機1(遊技盤5)を出荷する際に、上部後左装飾体3220及び上部後右装飾体3240を原点位置の状態で出荷しても、クラッチ機構3250により上部後左装飾体3220及び上部後右装飾体3240が勝手に移動するのを防止することができるため、遊技ホールの島設備に設置した時に、上部後左装飾体3220及び上部後右装飾体3240の原点調整を行う必要がなく、パチンコ機1の設置にかかる手間を省くことができ、設置にかかる負担を軽減させることができる。
また、パチンコ機1(遊技盤5)を設置したりメンテナンスしたりする際に、何らかの理由により上部後左装飾体3220及び上部後右装飾体3240が正規の位置(原点位置)から移動している場合、作業者が手で上部後左装飾体3220及び上部後右装飾体3240を正規の位置へ移動させようとした時に、クラッチ機構3250では収容ケース3251の外周側をトルクリミッタとしての締付バネ3255により締付けることで回転の負荷に応じて出力側の回転をロックして上部後左装飾体3220及び上部後右装飾体3240が動かないようにしていることから、作業者が上部後左装飾体3220及び上部後右装飾体3240を動かそうとして更に強い力を上部後左装飾体3220及び上部後右装飾体3240にかけて(作用させて)、複数のローラ3254を介して収容ケース3251を回転させようとする力が、収容ケース3251と締付バネ3255との間に発生する摩擦抵抗よりも大きくなると、その摩擦抵抗に抗して収容ケース3251と締付バネ3255との間に滑りが発生し、収容ケース3251が回転することとなり、収容ケース3251と共に出力部材3253が回転してロックが解除された状態となって、出力部材3253の回転が入力部材3252を介して上部後左駆動モータ3214側及び上部後右駆動モータ3234側へ伝達されることとなるため、上部後左装飾体3220及び上部後右装飾体3240に作用する強い力を上部後左駆動モータ3214側及び上部後右駆動モータ3234側へ逃がすことができ、上部後左装飾体3220及び上部後右装飾体3240やクラッチ機構3250等が破損するのを防止することができる。
また、遊技領域5a内において遊技が行われることで変化する遊技状態に応じて、裏ユニット3000の上部後可動演出ユニット3200における上部後左ユニット3210の上部後左駆動モータ3214及び上部後右ユニット3230の上部後右駆動モータ3234が駆動されると、その回転がクラッチ機構3250を介して伝達されて左ベース3211及び右ベース3231に取付けられている左スライダ3212及び右スライダ3232が正面視遊技領域5a内の上部から下方へ移動し、左スライダ3212及び右スライダ3232に取付けられている上部後左装飾体3220及び上部後右装飾体3240が夫々下降することとなるため、上部後左装飾体3220及び上部後右装飾体3240の下降(出現)によって遊技者を驚かせることができ、遊技者を上部後左装飾体3220及び上部後右装飾体3240に注目させて上部後左装飾体3220及び上部後右装飾体3240の動きや装飾を楽しませることができると共に、上部後左装飾体3220及び上部後右装飾体3240が下降することで遊技者に対して何か良いことがあるのではないかと思わせることができ、遊技に対する期待感を高めさせて興趣の低下を抑制させることができる。
この際に、上部後左駆動モータ3214及び上部後右駆動モータ3234と左スライダ3212及び右スライダ3232(上部後左装飾体3220及び上部後右装飾体3240)との間に夫々クラッチ機構3250を備えていることから、遊技者が操作可能な演出操作部301や他の可動装飾体等からの振動や、左スライダ3212及び右スライダ3232や上部後左装飾体3220及び上部後右装飾体3240、上部後左装飾基板及び上部後右装飾基板に作用する重力等により、左スライダ3212及び右スライダ3232が下降しようとすることでクラッチ機構3250の出力側の出力部材3253が回転しようとしても、出力部材3253のカム面3253bによりローラ3254が収容ケース3251の内面へ押圧されて、収容ケース3251の内面とカム面3253bとの間にローラ3254が噛み込まれた状態となり、複数のローラ3254により収容ケース3251を回転させようとする力が作用することとなる。この際に、収容ケース3251の外周側が締付バネ3255によって締付けられているため、収容ケース3251と締付バネ3255との間に摩擦抵抗が発生することとなり、複数のローラ3254を介して収容ケース3251を回転させようとする力に、収容ケース3251と締付バネ3255との間に発生する摩擦抵抗が抗うことで、収容ケース3251が回転することはなく、出力部材3253の回転がロックされた状態となる。このように、出力部材3253側(上部後左装飾体3220側及び上部後右装飾体3240側)から上部後左駆動モータ3214側及び上部後右駆動モータ3234側への回転の負荷に応じて出力部材3253の回転がロックされることとなるため、左スライダ3212及び右スライダ3232が勝手に下降するのを規制することができ、左スライダ3212及び右スライダ3232を介して上部後左装飾体3220及び上部後右装飾体3240が予期しない動き(落下)をするのを防止することができると共に、上部後左装飾体3220及び上部後右装飾体3240が意図しない動きをすることで遊技者に不信感を与えてしまうのを回避させることができ、遊技者に上部後左装飾体3220及び上部後右装飾体3240の動きを楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
更に、上述したように、上部後左装飾体3220側及び上部後右装飾体3240側が下降しようとしてもクラッチ機構3250により出力部材3253の回転を規制してロックすることができることから、左スライダ3212及び右スライダ3232を介して任意の高さの位置に上部後左装飾体3220及び上部後右装飾体3240を停止させることができるため、上部後左装飾体3220及び上部後右装飾体3240が様々な位置で昇降停止する多彩な演出パターンを遊技者に見せることができ、上部後左装飾体3220及び上部後右装飾体3240の可動演出に対して遊技者を飽きさせ難くして興趣の低下を抑制させることができる。
また、クラッチ機構3250を備えているため、左スライダ3212及び右スライダ3232を介して上下方向の任意の位置に上部後左装飾体3220及び上部後右装飾体3240を停止させても、上部後左駆動モータ3214及び上部後右駆動モータ3234に負荷がかからないようにすることができ、過負荷による上部後左駆動モータ3214及び上部後右駆動モータ3234の早期の破損を防止することができると共に、上部後左駆動モータ3214及び上部後右駆動モータ3234の破損による遊技の中断を回避させて遊技者に不快感を与えてしまうのを防止することができ、遊技者の遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
更に、図114(d)に示すように、収容ケース3251の内面とカム面3253bとの間で突出部3252a同士の間に二つのローラ3254を挿入すると共に、二つのローラ3254を夫々ロックバネ3260により夫々に近い突出部3252a側へ付勢するようにした場合、上部後左装飾体3220側及び上部後右装飾体3240側から出力部材3253を回転させようとする力が作用した時に、直ちにローラ3254を出力部材3253のカム面3253bと収容ケース3251の内面との間に噛み込ませることができ、上部後左装飾体3220側及び上部後右装飾体3240側からの回転が作用してからロックがかかるまでの出力部材3253の回転を可及的に少なくすることができる。これにより、上部後左駆動モータ3214及び上部後右駆動モータ3234により左スライダ3212及び右スライダ3232を下方へ移動させる時に、左スライダ3212及び右スライダ3232がギクシャクすることなくスムーズに下降することとなるため、遊技者に対して上部後左装飾体3220及び上部後右装飾体3240の動きに違和感を与えることはなく、上部後左装飾体3220及び上部後右装飾体3240による可動演出を楽しませることができ、遊技者の遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
また、クラッチ機構3250を、収容ケース3251、入力部材3252、出力部材3253、複数のローラ3254、等を用いた比較的簡単な構成としていることから、クラッチ機構として二つの遊星ギア機構を備えたものと比較して、全体を小型化し易くすることができるため、クラッチ機構3250を小型化することで上部後左装飾体3220及び上部後右装飾体3240(或いは、他の部材)を配置するスペースを確保し易くすることが可能となり、相対的に上部後左装飾体3220及び上部後右装飾体3240を大型化して目立たせることができ、大きな上部後左装飾体3220及び上部後右装飾体3240により遊技者の関心を強く引付けさせて遊技者に対する訴求力の高いパチンコ機1とすることができる。
更に、夫々上部後左装飾体3220及び上部後右装飾体3240を備えた上部後左ユニット3210及び上部後右ユニット3230を備えているため、遊技状態に応じて夫々の上部後左装飾体3220及び上部後右装飾体3240を、夫々の左スライダ3212及び右スライダ3232を介して適宜昇降させることで、二つの上部後左装飾体3220及び上部後右装飾体3240による多彩なパターンの可動演出を遊技者に見せることができ、遊技者を飽きさせ難くして遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。この際に、夫々の上部後左ユニット3210及び上部後右ユニット3230では、夫々クラッチ機構3250を備えていることから、上述したように、夫々の上部後左装飾体3220及び上部後右装飾体3240がスムーズに移動するため、夫々の上部後左装飾体3220及び上部後右装飾体3240の動きを遊技者に楽しませることができ、遊技者の遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
また、遊技状態に応じて上部後左ユニット3210及び上部後右ユニット3230の夫々の上部後左装飾体3220及び上部後右装飾体3240を下方へ移動させた時に、上部後左装飾体3220及び上部後右装飾体3240同士を当接させることで、上部後左装飾体3220及び上部後右装飾体3240同士を合体させて大きな装飾体を形成することができるため、合体して大きな装飾体が出現することで遊技者に対して強いインパクトを与えることができ、遊技者を楽しませることができると共に、大きな装飾体の出現により遊技者に対して遊技者が有利となる有利遊技状態(例えば、「大当り遊技」)が発生するのではないかと思わせることができ、遊技に対する期待感を高めさせて興趣の低下を抑制させることができる。上部後左装飾体3220及び上部後右装飾体3240が互いに当接して合体する際に、互いが当接することで相手側の上部後右装飾体3240又は上部後左装飾体3220を移動させようとする力が作用することとなるが、夫々にクラッチ機構3250を備えているため、上述したように、上部後左装飾体3220及び上部後右装飾体3240を移動させようとする力(出力側から回転させようとする力)が作用しても、ローラ3254が出力部材3253のカム面3253bと収容ケース3251の内面との間に噛み込まれて上部後左装飾体3220及び上部後右装飾体3240の移動をロックすることができ、上部後左装飾体3220及び上部後右装飾体3240同士の当接により移動するのを防止することができると共に、当接の反動により上部後左装飾体3220及び上部後右装飾体3240が戻るのも防止することができ、上部後左装飾体3220及び上部後右装飾体3240が当接して合体する可動演出を確実に遊技者に楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、遊技状態に応じて上部後左装飾基板及び上部後右装飾基板に実装されている複数のLEDを発光させることで上部後左装飾体3220及び上部後右装飾体3240を発光装飾させることができるため、上部後左装飾体3220及び上部後右装飾体3240を目立たせて遊技者の関心を強く引付けさせることができ、上部後左装飾体3220及び上部後右装飾体3240の装飾や動きを楽しませることができると共に、上部後左装飾体3220及び上部後右装飾体3240が発光装飾されることで遊技者に対して何か良いことがあるのではないかと思わせることができ、遊技に対する期待感を高めさせて興趣の低下を抑制させることができる。また、上部後左装飾基板及び上部後右装飾基板を備えることで左ベース3211及び右ベース3231にかかわる重量が増加して、左ベース3211及び右ベース3231に作用する重力や慣性力が大きくなっても、上述したように、クラッチ機構3250を備えていることから、左ベース3211及び右ベース3231を介して上部後左装飾体3220及び上部後右装飾体3240を確実に停止させることができるため、上部後左装飾基板及び上部後右装飾基板により発光装飾可能な上部後左装飾体3220及び上部後右装飾体3240が意図しない動きをするのを防止することができ、上部後左装飾体3220及び上部後右装飾体3240に演出効果の高い所望の動きをさせることが可能となり、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、クラッチ機構3250において、収容ケース3251を締付バネ3255で締付けていると共に、締付バネ3255と収容ケース3251を本体ハウジング3256の収容凹部3256a内に収容しているため、出力側から出力部材3253を回転させて、出力部材3253のカム面3253bによりローラ3254を収容ケース3251の内面へ押圧して、収容ケース3251の内面と出力部材3253のカム面3253bとの間にローラ3254を噛み込ませることで、複数のローラ3254を介して収容ケース3251を回転させようとする力が作用した時に、収容ケース3251を回転させようとする力(トルク)が締付バネ3255の締付力による摩擦抵抗よりも大きいと、収容ケース3251と締付バネ3255との間に滑りが生じ、収容ケース3251が回転することとなる。そして、収容ケース3251が回転することで、複数のローラ3254を介して出力部材3253が回転し、出力部材3253の伝達溝3253aの周方向端部が入力部材3252の突出部3252aに当接して、入力部材3252に回転が伝達されることとなる。これにより、出力側から出力部材3253を強い力で回転させようとすると、収容ケース3251を締付けている締付バネ3255と収容ケース3251との間に滑りが生じて、その回転力を上部後左駆動モータ3214側及び上部後右駆動モータ3234側へ伝達させて逃すことができるため、ローラ3254が強く噛み込んでロックを解除することができなくなったり、上部後左装飾体3220及び上部後右装飾体3240、出力部材3253や収容ケース3251が破損したりするのを防止することができ、上述した作用効果を確実に奏するパチンコ機1を具現化することができる。
更に、本実施形態のパチンコ機1によると、通常の状態では、正面視遊技領域5a内において、下部中央昇降ベース3121及び下部中央昇降ベース3121の左右両側の下部左サイド昇降ベース3151と下部右サイド昇降ベース3171を夫々下降させた上で、夫々の下部左サイド昇降ベース3151及び下部右サイド昇降ベース3171に取付けられているスライダ等(スライド機構)により左サイド回転装飾体3153及び右サイド回転装飾体3173を左右方向外側へ夫々スライドさせると共に、遊技領域5aの下方の皿ユニット200の上面に取付けられている演出操作部301の押圧操作部303を下方へ後退させた状態とする。この通常の状態では、正面視遊技領域5aの中央に演出表示装置1600により表示された演出画像が見え、遊技領域5a内の下部で左右方向の中央に下部前中央装飾体3111(下部後中央装飾体3122)とその上部に取付けられている中央可動ユニット3125の左右方向に並んだ四つの回転装飾体3126が見えると共に、四つの回転装飾体3126の列の左右両端から左右方向両外側へ離れた位置に夫々下部左サイド演出ユニット3150及び下部右サイド演出ユニット3170の左サイド回転装飾体3153及び右サイド回転装飾体3173とその上方に左サブサイド回転装飾体3155及び右サブサイド回転装飾体3175とが見え、更に、遊技領域5aよりも下方の皿ユニット200の上面に遊技者が操作可能な演出操作部301として円環状の回転操作部302とその環内に配置されている押圧操作部303とが見えている。
この状態で、遊技領域5a内において遊技が行われることで遊技状態が変化すると(第一始動口2002又は第二始動口2004への遊技球Bの受入れにより抽選された第一特別抽選結果又は第二特別抽選結果に応じて)、下部前中央装飾体3111の上側で左右に並んでいる四つの回転装飾体3126が回転したり、下部中央昇降ベース3121により左右に並んでいる四つの回転装飾体3126が下部後中央装飾体3122と一緒に上昇したり、下部中央昇降ベース3121により上昇した四つの回転装飾体3126が回転したり、下部左サイド演出ユニット3150の下部左スライド駆動モータ及び下部右サイド演出ユニット3170の下部右スライド駆動モータ等(スライド機構)により一対の左サイド回転装飾体3153及び右サイド回転装飾体3173が左右方向へスライドしたり、左サイド回転装飾体3153や右サイド回転装飾体3173が回転したり、スライド機構と下部左サイド昇降ベース3151及び下部右サイド昇降ベース3171とにより左サイド回転装飾体3153及び右サイド回転装飾体3173が上昇している四つの回転装飾体3126や左サブサイド回転装飾体3155及び右サブサイド回転装飾体3175と左右方向に並んだり、左サブサイド回転装飾体3155や右サブサイド回転装飾体3175が回転したり、するような可動演出を遊技者に見せることができるため、遊技者を中央可動ユニット3125(四つの回転装飾体3126)、左サイド回転装飾体3153と右サイド回転装飾体3173、及び左サブサイド回転装飾体3155と右サブサイド回転装飾体3175等に注目させることができると共に、それらによる可動演出を楽しませることができる。
また、下部中央昇降ベース3121が下降端に位置している時に下部後中央装飾体3122を発光させて下部前中央装飾体3111を発光装飾させることにより下向きの矢印を発光表示したり、下部中央昇降ベース3121を上昇させて下部中央装飾基板の複数のLEDにより下部後中央装飾体3122と下部前中央装飾体3111とを発光させることにより大きな下向きの矢印を発光表示させたり、一対の下部左サイド昇降ベース3151及び下部右サイド昇降ベース3171を上昇させて夫々の下部左サイド装飾体3152及び下部右サイド装飾体3172を発光させることにより更に大きな下向きの矢印を発光表示させたりすることができるため、発光演出によっても遊技者を楽しませることができると共に、発光表示された下向きの矢印により遊技者の視線を下方の演出操作部301へ誘導させることができ、遊技者に対して演出操作部301の操作を促すことができる。そして、演出操作部301では、回転操作部302が回転したり、遊技者が回転操作部302を回転操作したり、押圧操作部303を押圧操作したり、することにより遊技者参加型演出に参加して楽しませることができる。
従って、上記のような多様な可動演出、発光演出、遊技者参加型演出を行うことができるため、それらを適宜組合せることにより、遊技者に対して多彩なパターンの演出を提示することができ、遊技者を飽きさせ難くすることができると共に、遊技者に対して演出パターンを予想させ難くすることができるため、予想外の演出が行われることで遊技者を驚かせることができ、遊技者を楽しませて遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
また、四つの回転装飾体3126、一対の左サイド回転装飾体3153及び右サイド回転装飾体3173、及び、一対の左サブサイド回転装飾体3155及び右サブサイド回転装飾体3175を、夫々左右方向へ延びた軸周りに夫々独立して回転するようにしていると共に、夫々周方向へ互いに異なる四つの装飾部3127、装飾部3154、装飾部3156を備えているため、それらを回転させると、遊技者側を向いた面(装飾部3127、装飾部3154、装飾部3156)を変化させることができ、遊技領域5a内の見栄え(装飾)を様々に変化させて遊技者を楽しませることができる。また、四つの回転装飾体3126、一対の左サイド回転装飾体3153及び右サイド回転装飾体3173、及び、一対の左サブサイド回転装飾体3155及び右サブサイド回転装飾体3175、を回転停止させた時に、遊技者側を向いている各装飾部3127、装飾部3154、装飾部3156の組合せが所定の組合せになるように、それらの回転を停止させることにより、遊技者に対して様々なメッセージを装飾として提示することができるため、回転停止している各装飾部3127、装飾部3154、装飾部3156の組合せにより、遊技者が有利となる有利遊技状態(例えば、「大当り遊技」)の発生する可能性(期待値)を表すようにすることで、遊技状態に応じて各四つの回転装飾体3126、一対の左サイド回転装飾体3153及び右サイド回転装飾体3173、及び、一対の左サブサイド回転装飾体3155及び右サブサイド回転装飾体3175を回転させると、より期待値の高い装飾部3127、装飾部3154、装飾部3156の組合せで回転停止するか否かによって、遊技者をワクワク・ドキドキさせることができ、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、下部後中央装飾体3122に、上下方向へ列設され夫々が独立して発光可能な複数の発光領域3122aを有しているため、複数の発光領域3122aを同時に発光させれば、一つの下向きの矢印を発光表示させることができ、複数の発光領域3122aを上から順番に発光させることを繰り返せば、上から下へ流れるような発光によって、遊技者の視線を下方の演出操作部301へ誘導させ易くすることができ、演出操作部301の操作をより促して、遊技者に演出操作部301を確実に操作させることができる。
更に、演出操作部301として円環状の回転操作部302と、その環内に配置されている押圧操作部303とを有するようにしていることから、遊技者に対して回転操作部302の回転操作や押圧操作部303の押圧操作を行わせることができるため、回転操作部302や押圧操作部303の操作を適宜組合せることにより遊技者参加型演出のパターンを多彩にすることができ、遊技者を飽きさせ難くして興趣の低下を抑制させることができる。
また、円環状の回転操作部302の環内に押圧操作部303を配置しており、押圧操作部303の周りを回転操作部302で囲むようにしているため、回転操作部302の直径を大きくすることができ、大きな回転操作部302により遊技者の関心を強く引付けさせることができる。従って、上述したように、下部後中央装飾体3122や下部前中央装飾体3111による下向きの矢印の発光表示により、遊技者の視線が下方へ誘導された時に、回転操作部302(押圧操作部303)の存在に容易に気付くことができるため、遊技者に対して回転操作部302や押圧操作部303の操作を強く促すことができ、回転操作部302や押圧操作部303の操作を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
更に、環状の回転操作部302の環内に押圧操作部303を配置していることから、上述したように、下部後中央装飾体3122や下部前中央装飾体3111による下向きの矢印の発光表示により遊技者が矢印の下方を見た時に、回転している回転操作部302と押圧操作部303とが見えるため、遊技者に対して回転操作部302の回転速度により有利遊技状態の発生する可能性を認識させることができると同時に、押圧操作部303の押圧操作を強く促すことができ、押圧操作部303を確実に押圧操作させることができると共に、遊技に対する期待感を高めさせることができ、遊技者の興趣の低下を抑制させることができる。
また、押圧操作部303を、下降している状態と上方へ突出している状態とすることができるため、押圧操作部303が突出している状態では押圧操作部303が大きく目立って見えることから、遊技者が有利となる有利遊技状態の発生する可能性が高いと遊技者に思わせることができる。一方、押圧操作部303が下降している状態では押圧操作部303が目立ち難くなっていることから、有利遊技状態の発生する可能性が低いと遊技者に思わせることができ、押圧操作部303の進退位置により、遊技者に対して有利遊技状態の発生する可能性(期待値)を示唆させることができる。
また、押圧操作部303の進退位置により、遊技者に対して有利遊技状態の発生する可能性(期待値)を示唆することができるため、上述したように、下部後中央装飾体3122や下部前中央装飾体3111等により下向きの矢印が発光表示された時に、押圧操作部303が突出するか否かによって遊技者をハラハラ・ドキドキさせることができ、遊技者の期待感を高めさせると共に、押圧操作部303の押圧操作を楽しませることができ、遊技者を飽きさせ難くして興趣の低下を抑制させることができる。
更に、正面視遊技領域5a内の中央に演出画像を表示可能な演出表示装置1600を備えているため、遊技領域5a内で行われる遊技に加えて、演出表示装置1600に表示される演出画像によっても遊技者を楽しませることができ、遊技者を飽きさせ難くして興趣の低下を抑制させることができる。
また、下部可動演出ユニット3100よりも後方で正面視遊技領域5a内の中央に演出表示装置1600を配置していることから、遊技状態に応じて下部中央昇降ベース3121により下部後中央装飾体3122と共に四つの回転装飾体3126を上昇させたり、下部左サイド昇降ベース3151及び下部右サイド昇降ベース3171により下部左サイド装飾体3152及び下部右サイド装飾体3172と共に左サイド回転装飾体3153及び右サイド回転装飾体3173を上昇させたりすると、四つの回転装飾体3126や左サイド回転装飾体3153及び右サイド回転装飾体3173等によって演出表示装置1600に表示されている演出画像の一部が遮られることとなり、遊技者に対して四つの回転装飾体3126や左サイド回転装飾体3153及び右サイド回転装飾体3173等の上昇に気付かせることができるため、それらを用いた演出を遊技者に確実に見せることができ、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、正面視遊技領域5a内の中央において演出画像を表示させることができることから、上述したように、下部前中央装飾体3111、下部後中央装飾体3122、下部左サイド装飾体3152、下部右サイド装飾体3172等により下向きの矢印を発光表示させて、遊技者に下方の演出操作部301の操作を促す時に、演出表示装置1600に、演出操作部301の操作を促す演出画像や、演出操作部301の操作を解説する演出画像や、遊技者が有利となる有利遊技状態の発生と演出操作部301との関係を示す演出画像、等を表示させることにより、遊技者に対して演出操作部301を操作する遊技者参加型演出への参加を強く促すことができると共に、演出操作部301を操作させ易くすることができ、遊技者参加型演出を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、上述したように、様々な組合せの演出を遊技者に見せることができるため、例えば、下部中央昇降ベース3121と下部左サイド昇降ベース3151及び下部右サイド昇降ベース3171が下降している通常の状態から、下部左スライド駆動モータ及び下部右スライド駆動モータ等のスライド機構により左右の左サイド回転装飾体3153及び右サイド回転装飾体3173を左右方向中央側へ移動させると、左右に並んでいる四つの回転装飾体3126の列の左右両側に左サイド回転装飾体3153及び右サイド回転装飾体3173が位置することとなり、四つの回転装飾体3126と一対の左サイド回転装飾体3153及び右サイド回転装飾体3173とが左右に並んだ状態となるため、遊技者を驚かせることができ、遊技者を楽しませることができる。この状態で、下部中央昇降ベース3121と下部左サイド昇降ベース3151及び下部右サイド昇降ベース3171により四つの回転装飾体3126と一対の左サイド回転装飾体3153及び右サイド回転装飾体3173とを上昇させると、四つの回転装飾体3126、一対の左サイド回転装飾体3153及び右サイド回転装飾体3173、及び、一対の左サブサイド回転装飾体3155及び右サブサイド回転装飾体3175が、左右方向に一列に並んだ状態となり、遊技領域5a内を横切るような横長の大きな装飾を遊技者に見せることができるため、遊技者に対して強いインパクトを与えることができ、何か良いことがあるのではないかと思わせて遊技に対する期待感を高めさせることができる。そして、四つの回転装飾体3126、一対の左サイド回転装飾体3153及び右サイド回転装飾体3173、及び、一対の左サブサイド回転装飾体3155及び右サブサイド回転装飾体3175が、適宜の組合せで左右に並んでいる状態で、それらを回転させた後に回転停止させる時に、各装飾部3127、装飾部3154、装飾部3156の組合せが、所望の組合せで回転停止するか否かによって遊技者をハラハラ・ドキドキさせることができ、四つの回転装飾体3126等の回転(可動演出)を楽しませることができると共に、各装飾部3127等が所望の組合せで回転停止されると、遊技者に対して有利遊技状態の発生を確信させることができ、有利遊技状態の発生に対する期待感を高めさせて興趣の低下を抑制させることができる。その後、下部後中央装飾体3122(下部前中央装飾体3111)や下部左サイド装飾体3152及び下部右サイド装飾体3172により下向きの矢印を発光表示させることで、遊技者の視線を下方の演出操作部301に誘導することができ、遊技者に対して演出操作部301の操作を促すことができる。この際に、発光表示される下向きの矢印の大きさによって有利遊技状態が発生する可能性(期待値)を示唆させることができることから、発光表示された矢印が小さい場合は遊技者に対して続く演出操作部301の操作により挽回できると思わせることができ、発光表示された矢印が小さい場合は有利遊技状態の発生を確信させることができるため、何れの場合でも遊技に対する期待感を高めさせることができ、続く演出操作部301の操作を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、上記の実施形態では、可動演出ユニットとして、左右に延びた軸周りに回転可能で周方向へ互いに異なる複数(四つ)の装飾部3127が形成されている回転装飾体3126を、左右方向へ同軸上に四つ備えたものを示したが、これに限定するものではなく、上下に延びた軸周りに回転可能で周方向へ互いに異なる複数の装飾部が形成されている回転装飾体を少なくとも一つ備えているもの、前後に延びた軸周りに回転可能な回転装飾体を少なくとも一つ備えているもの、左右方向へスライドする可動装飾体を少なくとも一つ備えたもの、等としても良い。
また、上記の実施形態では、クラッチ機構3250を、左スライダ3212及び右スライダ3232を介して昇降する上部後左装飾体3220及び上部後右装飾体3240に用いたものを示したが、これに限定するものではなく、左右方向へ移動する可動装飾体や、前後方向へ延びた軸周りに回転する可動装飾体等と、駆動モータとの間にクラッチ機構3250を備えるようにしても良い。
更に、上記の実施形態では、クラッチ機構3250として、収容ケース3251、入力部材3252、出力部材3253、及びローラ3254を備えたものを示したが、これに限定するものではなく、駆動モータからの回転を一旦減速させる減速部と、減速された回転を変速して出力側に伝達させる速度変換部とを備え、減速部を、駆動モータ側に連結された第一太陽ギア、第一遊星ギア及び回転不能の固定リングギアを有する第一遊星ギア機構と、第一太陽ギアに連結された第二太陽ギア、第二遊星ギア及び回転可能の回転リングギアを有する第二遊星ギア機構とで構成すると共に、第一遊星ギア機構と第二遊星ギア機構との間に、夫々を支持する支持軸を両側に設けたキャリアを配置し、且つ、第一遊星ギア機構と第二遊星ギア機構とにおいて、リングギアと太陽ギアとの少なくとも一方のギアの間に歯数差を設けて駆動モータからの回転を回転リングギアに減速して伝達されるように構成したものとしても良い。
[14.ストックタイム演出]
以下、本実施形態で実施されるストックタイム演出について説明する。
[14−1.パチンコ機の仕様]
まず、本章におけるパチンコ機1の仕様について説明する。図154は、大当り確率及び小当り確率の一例を示すテーブルである。
以下、第一特別図柄を特図1とも呼び、第二特別図柄を特図2とも呼ぶ。また、第一特別図柄と第二特別図柄を総称して、特別図柄とも呼ぶ。また、第一特別図柄変動と第二特別図柄変動を総称して、特別図柄変動、又は単に変動とも呼ぶ。特図1及び特図2における特別抽選結果は、大当りと小当りを含む。特図1の大当りは、「2R時短無図柄1」及び「6R時短有図柄1」を含む。
また、特図1における小当りは、「7R時短有図柄1」及び「7R時短有図柄2」を含む。詳細は後述するが、第一特別図柄抽選によって当選した小当り遊技中には第一大入賞口2005が開放し、所謂右打ちをして第一大入賞口2005に遊技球Bを打ち込むと、当該小当り遊技において所定の確率(例えば、1/3)で遊技球Bが、第一大入賞口2005内の特定領域に入球する。即ち、第一特別図柄抽選において小当りに当選することは、時短有りの大当りに1/3の確率で当選する機会を得ることと、実質的に等しい。
特定領域内に遊技球Bが入球し、当該小当りが終了すると、6ラウンドの大当り遊技(種別は「7R時短有図柄1」及び「7R時短有図柄2」であるが、小当り中の第一大入賞口2005の開放が1ラウンドとしてカウントされるため、大当り遊技は6ラウンドである)が開始し、当該大当り遊技が終了すると時短状態が開始する。なお、小当り遊技中に特定領域内に遊技球Bが入球しなかった場合は、大当り遊技は開始せず、時短も付与されない。
図154の例では、第一特別図柄抽選における「6R時短有図柄1」の大当り確率は極めて低い(205/65536×4/200)。また、第一特別図柄抽選において小当り経由の大当り当選率(600/65536×1/3)は、「6R時短有図柄1」の大当り確率よりはるかに高く、かつ小当り経由の大当り全てに時短状態が付与される。
また、非時短状態中には、第二始動口2004に遊技球Bが入球しない、又は極めて低い確率でしか入球しないため、第二特別図柄抽選は原則的に実行されない。従って、図154の例では、非時短状態(時短状態終了直後の所定回数の第二特別図柄変動を除く。詳細は後述する)から時短状態への突入契機の大半は、第一特別図柄抽選による小当り経由の大当りである。
特図2の大当りは、「4R時短有図柄1」及び「15R時短有図柄1」を含む。また、特図2における小当りは、「5R時短有図柄1」、「16R時短有図柄1」、及び「16R時短有図柄2」を含む。詳細は後述するが、第二特別図柄抽選によって当選した小当り遊技中には第一大入賞口2005が開放し、所謂右打ちをして第一大入賞口2005に遊技球Bを打ち込むと、当該小当り遊技において極めて高い確率(例えば1/1)で遊技球Bが、第一大入賞口2005内の特定領域に入球する。
特定領域内に遊技球Bが入球し、当該小当りが終了すると、当該小当りの種別が「5R時短有図柄1」である場合には4ラウンドの大当り遊技が、当該小当りの種別が「16R時短有図柄1」又は「16R時短有図柄2」である場合には15ラウンドの大当り遊技が開始し、当該大当り遊技が終了すると時短状態が開始する。即ち、第二特別図柄抽選において小当りに当選することは、実質的に時短有りの大当りに当選することに等しい。なお、小当り遊技中に特定領域内に遊技球Bが入球しなかった場合は、大当り遊技は開始せず、時短も付与されない。
なお、本章における、時短状態の終了契機は、時短状態が開始してから4回目の第二特別図柄変動の終了、時短状態が開始してから8回目の特別図柄変動(即ち、第一特別図柄変動と第二特別図柄変動の合計変動回数が8回)の終了、又は大当り遊技開始、のうち最先に到来したものである。なお、大当り遊技が開始したことにより時短状態が終了しても、当該大当りが時短有りの大当りであれば、当該大当り遊技の終了後に再度新たな時短状態に突入することは言うまでもない。
なお、詳細は後述するが、時短状態中の4回目の第二特別図柄変動中において、第二始動口2004へ遊技球Bを入球させることにより、当該変動が終了するまでに最大4つの第二特別図柄変動を保留できる。即ち、時短状態に突入後に最大で8回の第二特別図柄変動を実行させることができる。図154の例における大当り確率によれば、時短状態中に実行される4回の第二特別図柄抽選で大当り又は小当りに当選する確率は約54.9%であるが、時短状態中及び時短終了後に行われる合計8回の第二特別図柄抽選で大当り又は小当りに当選する確率は約79.7%まで上昇する。
つまり、時短中の4回目(時短の最後の変動)の第二特別図柄変動中における変動時間を、第二始動口2004へ遊技球Bを入球させるのに十分なほど長く(具体的な変動時間については後述する)することにより、5〜8回目の非時短状態で第二特別図柄変動が実行されるため、時短状態中の所謂引き戻し確率を上昇させることなく、出玉率を上昇させることができる。
なお、時短状態の終了契機に、「時短状態が開始してから8回目の特別図柄変動(即ち、第一特別図柄変動と第二特別図柄変動の合計変動回数が8回)の終了」という条件が含まれているのは以下の理由による。図示していないが、時短中においては、第一特別図柄抽選において「2R時短無図柄1」の大当りに当選した場合であっても、当該大当り遊技終了後に、時短が付与される。
仮に、当該条件が時短状態の終了契機に含まれないとすると、時短中に第二特別図柄変動を3回だけ実行させて、大当り又は小当りに当選しなかった場合に、第二特別図柄変動をあと5回実行するよりも、第一特別図柄変動を続けて実行し続けた方が、出玉率が上昇するという事態が起きてしまう。従って、このような攻略を防止するために、当該条件が時短状態の終了契機に含まれている。
また、当該条件(第一特別図柄変動と第二特別図柄変動の合計変動回数が8回)において、「8回」という回数が採用されているのは以下の理由による。前述した攻略を防止するためには、当該回数はなるべく少なく設定されている必要がある。
一方、仮に、当該回数が7回であるとすると、例えば、非時短状態の通常時において第一特別図柄変動の保留が4つ貯まっている状態で時短が付与される条件を満たした場合、遊技者は時短が付与されることに満足し、トイレ休憩や友達に報告するなど、遊技を停止してしまう可能性がある。このように遊技を停止して時短状態が開始した場合、第一特別図柄変動の保留4つが消化されてしまうため、当該時短状態において、第二特別図柄変動を最大3回しか実行することができず、遊技者にとって不利になってしまう。また、遊技者がこのような事態の発生を恐れて、第一特別図柄変動を保留させないように遊技した場合、遊技の進行を遅延させてしまうおそれがある。当該回数が6回以下である場合についても同様に、大当り当選時の第一特別図柄変動の保留数次第で、第二特別図柄変動を最大3回以下しか実行できない事態が発生する。従って、当該条件における回数は8回であることが望ましい。
前述したように、当該条件(第一特別図柄変動と第二特別図柄変動の合計変動回数が8回)が時短状態の終了契機に含まれているのは、前述した攻略を防止するためである。また、当該条件が時短状態の終了条件に含まれなかった場合にこのような攻略が可能となってしまうのは、時短状態中に限っては、第一特別図柄抽選において「2R時短無図柄1」の大当りに当選した場合であっても、当該大当り遊技終了後に時短状態が付与されることによる。従って、時短状態中に「2R時短無図柄1」の大当りに当選しても当該大当り遊技終了後に時短が付与されないのであれば、そもそもこのような攻略を行うことはできないため、この場合には、当該条件が時短状態の終了契機に含まれていなくてもよい。
図155は、大当り遊技又は小当り遊技の各ラウンドにおいて選択される、大入賞口の開放時間及び閉鎖時間のパターンの一例を示すテーブルである。パターンA及びBは、大当り遊技中に開閉動作が行われる第二大入賞口2006の開放時間及び閉鎖時間のパターンであり、いずれも長時間開放の後に閉鎖する動作を1回実行するパターンである。
パターンCは、第一特別図柄抽選で当選した小当り遊技中に開閉動作が行われる第一大入賞口2005の開放時間及び閉鎖時間のパターンであり、短時間開放の後に閉鎖する動作を複数回実行するパターンである。当該小当り遊技中において、第一大入賞口2005に入球した遊技球Bは、所定の確率(例えば、1/3)で特定領域に入球する振り分け部材(役物)に到達するため、遊技球Bが当該振り分け部材を経由するルートを役物ルートとも呼ぶ。
パターンDは、第二特別図柄抽選で当選した小当り遊技中に開閉動作が行われる第一大入賞口2005の開放時間及び閉鎖時間のパターンであり、短時間開放の後に閉鎖する動作を複数回実行するパターンである。第一大入賞口2005に入球した遊技球Bは、上述した振り分け部材に到達することなく、極めて高い確率(例えば、1/1)で特定領域に入球するため、遊技球Bが当該振り分け部材を経由することなく特定領域に入球するルートを直Vルートとも呼ぶ。
なお、各パターンにおいて、開放時間中に所定個数(例えば10個)の遊技球Bが開放中の大入賞口に入球した場合には、当該開放時間が終了していなくても、当該パターンが示す閉鎖期間へと移行する。具体的には、例えば、パターンAにおいて、第二大入賞口2006が開放してから29.000秒経過する前に、第二大入賞口2006に遊技球Bが10個入球した場合には、2.000秒の閉鎖期間が開始し、当該閉鎖期間の終了とともに当該ラウンドが終了する。
図156の(A)は当り開始演出(オープニング演出とも呼ぶ)の時間の一例を示すテーブルであり、(B)は最終当り演出(エンディング演出とも呼ぶ)の時間の一例を示すテーブルである。オープニング演出は、大当り遊技又は小当り遊技の開始から、当該大当り遊技又は小当り遊技の初回のラウンドが開始するまでの間に行われる演出である。エンディング演出は、大当り遊技又は小当り遊技の最終ラウンド終了時から、当該大当り遊技又は当該小当り遊技の終了時までの間に行われる演出である。図156の例では、各パターンについて、時短状態中及び非時短状態中に当選した当りそれぞれのオープニング演出時間及びエンディング演出時間が定義されている。
図157は、大当り遊技中の大入賞口の動作スケジュールの一例を示すテーブルである。図157のテーブルには、各大当たり種別における、オープニング演出の時間、各ラウンドの大入賞口の開放パターン、及びエンディング演出の時間が定義されている。
開始j欄には、オープニング演出の時間が図156(A)の識別子によって定義されている。各ラウンドを示す欄には、当該ラウンドにおける開放パターンが、図155が示す識別子によって定義されている。また、当該欄における「下」とは、当該ラウンドにおける開放時間において第二大入賞口2006が開放することを示す。最終y欄には、エンディング演出の時間が図156(B)の識別子によって定義されている。
なお、小当り経由の大当り(即ち、「特図1_7R時短有図柄1」、「特図1_7R時短有図柄2」、「特図2_5R時短有図柄1」、「特図2_16R時短有図柄1」、及び「特図2、16R時短有図柄2」)において、1ラウンド目の開放時間が定義されていないのは、当該小当り遊技中に1ラウンドの大入賞口の開放が存在し、これが1ラウンド目として扱われるためである。当該大当り遊技においては、オープニング演出が終了すると2ラウンド目に移行する。
なお、「特図2_16R時短有図柄2」の5ラウンド目のパターンはBである。パターンBは、その他のラウンドで選択されているパターンAと比較して、大入賞口の閉鎖時間が長い(パターンAは2.000秒、パターンBは9.000秒)。例えば、「特図2_16R時短有図柄2」に当選した第二特別図柄変動終了時には、あたかも「特図2_5R時短有図柄1」に当選したような告知を実行し(例えば、当該変動終了時に「特図2_5R時短有図柄1」に対応する装飾図柄を演出表示装置1600に停止させる)、5ラウンド目における長い閉鎖時間(9.000秒)において、当該大当りが「特図2_16R時短有図柄2」であったことを告知する昇格演出を実行してもよい。
これにより、変動終了時に5ラウンドの大当りに当選した告知が実行されても、遊技者は16ラウンドの大当りに当選しているのではないかと期待感を得ることができる。また、当該昇格演出を意識していない遊技者にとっては、当該昇格演出によって一気に高揚感を得ることができる。
図158は、小当り遊技中の大入賞口の動作スケジュールの一例を示すテーブルである。図158のテーブルには、各小当り種別における、オープニング演出の時間、各ラウンドの大入賞口の開放パターン、及びエンディング演出の時間が定義されている。図158の例において全ての小当りは、オープニング演出、1回のラウンド、及びエンディング演出で構成されている。
図157と同様に、開始j欄には、オープニング演出の時間が図156(A)の識別子によって定義されている。また、各ラウンドを示す欄には、当該ラウンドにおける開放パターンが、図155が示す識別子によって定義されている。また、当該欄における「右」とは、当該ラウンドにおける開放時間において第一大入賞口2005が開放することを示す。最終y欄には、エンディング演出の時間が図156(B)の識別子によって定義されている。なお、第一特別図柄抽選で当選した小当りのラウンドのパターンはC(役物ルート)であり、第二特別図柄抽選で当選した小当りのラウンドのパターンはD(直Vルート)である。
[14−2.小当り遊技]
以下、本章で実行される小当り遊技について説明する。まず、小当り遊技中の第一大入賞口2005内の各部の動作を説明する。図159は、第一大入賞口2005内の構成の概略の一例を示す拡大正面図である。なお、図159における各構成の形状、大きさ等は、説明の便宜のために誇張されている場合もあり、必ずしも他の図面とは一致していない。また、説明の便宜のため、図159には、第一大入賞口2005内及び第一大入賞口2005周辺に設けられている全ての部材が記載されているわけではない。
第一大入賞口2005内には、例えば、第一構造物2061、第二構造物2062、特定領域2063、側壁部2064、側壁部2065、及び振り分け部材2070が設けられている。第一構造物2061は、例えば、第一大入賞口2005の正面視における直下に配置されている。第一構造物2061は、例えば、遊技球Bを1つだけ保持可能な窪みを有する、球体である。なお新たに第一大入賞口2005内に入球した遊技球Bが、当該窪みに既に保持されている遊技球Bに衝突しても、当該遊技球Bが当該窪みから飛び出さないほどの深さを、当該窪みは有していることが望ましい。
また、第一構造物2061は、初期位置において当該窪みが第二構造物2062の方向を向いている可動体である。第一構造物2061は、その動作時には、当該窪みが正面視上方向を向くように、当該球体の中心を中心として正面視左方向に回転する。
従って、第一大入賞口2005の開放時かつ第一構造物2061の窪みが正面視上方向を向いている状態で、第二大入賞口2006に遊技球Bが入球すると、遊技球Bが1つだけ第一構造物2061の窪みに保持される。なお、遊技球Bが1つ第一構造物2061の窪みに保持された状態で、さらに第一大入賞口2005に遊技球Bが入球しても、当該遊技球Bは当該窪みに保持されずに第一構造物2061の左下の領域へ排出され、特定領域2063へと向かうことはない。同様に、第一構造物2061が初期位置の状態で、第一大入賞口2005に遊技球Bが入球しても、当該遊技球Bは当該窪みに保持されずに第一構造物2061の左下の領域へ排出され、特定領域2063へと向かうことはない。
また、遊技球Bが1つだけ第一構造物2061の窪みに保持された状態で、第一構造物2061が正面視右方向に回転して初期位置に戻ると、当該遊技球Bが第二構造物2062へと向かう。第二構造物2062は、開閉可能な部材である。第二構造物2062の開放中に遊技球Bが第二構造物2062に到達すると、遊技球Bは第二構造物2062の正面視下方向に落下し、最終的に特定領域2063に入球する。また、第二構造物2062の閉鎖中に遊技球Bが、第二構造物2062に到達すると、遊技球Bは第二構造物2062上を通過し、第二構造物2062の正面視右下方向に配置された振り分け部材2070へと向かう。
振り分け部材2070は、例えば、底部2071、前壁部2072、前壁部2073、及び回転部2074を含む。底部2071は、側壁部2064及び側壁部2065に正面視左右方向の両端を囲まれ、その形状は、例えば、円盤状である。
前壁部2072及び前壁部2073は、底部2071の正面視手前側の端部に左右に離間して配置されている。また、例えば、側壁部2064と前壁部2072との間に形成される第一開口部、前壁部2072と前壁部2073との間に形成される第二開口部、前壁部2073と側壁部2065との間に形成される第三開口部の大きさが略同一になる位置に、前壁部2072及び前壁部2073の正面視左右方向の位置が定められている。
回転部2074は、例えば、回転軸部と、回転軸部の側面に取り付けられた弾球部と、を有する。回転部2074は、回転軸部を中心に高速回転することにより、弾球部に衝突した遊技球Bを弾く。
振り分け部材2070に到達した遊技球Bは、前壁部2072、前壁部2073、側壁部2064、側壁部2065、回転部2074の弾球部、及び遊技領域5aの奥壁に衝突し、最終的には第一開口部、第二開口部、又は第三開口部を通過する。第一開口部を通過した遊技球Bは、特定領域2063に入球する。第二開口部及び第三開口部を通過した遊技球Bは、振り分け部材2070の下方の領域へと排出され、特定領域2063へと向かうことはない。
なお、振り分け部材2070に到達した遊技球Bが第一開口部、第二開口部、及び第三開口部に到達する確率がそれぞれ略同一となるように(1/3になるように)、振り分け部材2070内の各部の位置、形状、及び大きさ、並びに回転部2074の回転速度及び回転方向等が定められている。
図160は、小当り遊技中における第一大入賞口2005内の可動体の動作スケジュールを示すタイミングチャートである。図160のタイミングチャートの横軸は、小当り遊技開始からの経過時間を示す。また、図160のタイミングチャートにおける、第一大入賞口2005のON、OFF状態は、それぞれ開放状態、閉鎖状態を示し、第一構造物2061のON、OFF状態は、それぞれ動作後状態(第一構造物2061の窪みが正面視上方向を向く状態)、初期位置状態(第一構造物2061の窪みが第二構造物2062の方を向く状態)を示し、第二構造物2062のON、OFF状態は、それぞれ開放状態、閉鎖状態を示す。
まず、第一特別図柄抽選で当選した小当りにおける可動体の動作スケジュールについて説明する。第一特別図柄抽選で当選した小当りにおいて、第一大入賞口2005は、図160における「第一大入賞口(役物ルート)」が示すスケジュール(図158における「特図1_7R時短有図柄1」及び「特図1_7R時短有図柄1」が示すスケジュールと同一である)で動作する。
小当り遊技が開始すると、3000msのオープニング演出が実行され、その後、図155のパターンCが示すスケジュールで第一大入賞口2005が開放する。第一大入賞口2005が開放している期間においては(但し、1回目の開放を除く)、第一構造物2061がON状態である。これにより、当該期間に第一大入賞口2005に遊技球Bが入球すると、第一構造物2061の窪みに遊技球Bが保持される。
小当り遊技における第一大入賞口2005の最後の開放が終了してから所定時間経過後に、第一構造物2061はOFF状態になる。また、第一構造物2061がOFF状態へと切り替わる当該タイミングで、第二構造物2062はOFF状態である。これにより、第一構造物2061の窪みに遊技球Bが保持された遊技球Bが振り分け部材2070へと向かう。従って、小当り遊技中に第一大入賞口2005に遊技球Bを入球させた場合には、所定の確率(例えば1/3)で、1つの遊技球Bを特定領域2063に入球させることができる。
なお、第一大入賞口2005の1回目の開放と2回目の開放との間の閉鎖期間(19.364秒(図155のパターンC1))は長いため、1回目の開放の終了時にも第一構造物2061は一旦OFF状態になる。
続いて、第二特別図柄抽選で当選した小当り遊技中の可動体の動作スケジュールについて説明する。第二特別図柄抽選で当選した小当り遊技において、第一大入賞口2005は、図160における「第一大入賞口(直Vルート)」が示すスケジュール(図158における「特図2_5R時短有図柄1」、「特図2_16R時短有図柄1」、及び「特図2_16R時短有図柄2」が示すスケジュールと同一)で動作する。なお、第二特別図柄抽選で当選した小当り遊技においても、第一構造物2061及び第二構造物2062の双方が動作する。
小当り遊技が開始すると、3000msのオープニング演出が実行され、その後、図155のパターンDが示すスケジュールで第一大入賞口2005が開放する。第一大入賞口2005が開放している期間においては(但し、1回目の開放を除く)、第一構造物2061がON状態である。これにより、当該期間に第一大入賞口2005に遊技球Bが入球すると、第一構造物2061の窪みに遊技球Bが保持される。小当り遊技における第一大入賞口2005の最後の開放が終了してから所定時間経過後に、第一構造物2061はOFF状態になる。さらに第一構造物2061がOFF状態になった当該タイミングから所定時間の間は第二構造物がON状態とされ、さらに当該所定時間経過後に、第二構造物2062がOFF状態とされる。
これにより、第一構造物2061の窪みに遊技球Bが保持された遊技球Bが、第二構造物2062の開放中に第二構造物2062に到達し、特定領域2063に入球する。従って、小当り遊技中に第一大入賞口2005に遊技球Bを入球させた場合には、極めて高い確率(例えば1/1)で、1つの遊技球Bを特定領域2063に入球させることができる。つまり、第一構造物2061の窪みに遊技球Bが保持された遊技球Bが、第二構造物2062の開放中に第二構造物2062に到達するようなスケジュールで、第一構造物2061及び第二構造物2062が動作する。
なお、第一大入賞口2005の1回目の開放と2回目の開放との間の閉鎖期間(5.420秒(図155のパターンD1))は長いため、1回目の開放の終了時にも第一構造物2061は一旦OFF状態になる。
なお、例えば、第一特別図柄抽選で当選した小当り遊技、及び第二特別図柄抽選で当選した小当り遊技の双方において、小当り遊技の開始後から第一大入賞口2005の最後の開放が終了するまでの間に、演出表示装置1600等を用いて、所謂右打ちをして第一大入賞口2005への遊技球Bの入球を促す演出が実行される。
なお、図160の例において、小当り遊技が開始してから、第一大入賞口2005が短期間で連続して開放する期間(2回目以降の開放期間)が到来するまでの時間は、役物ルートより、直Vルートの方が短い。これは以下の理由による。
直Vルートは、第二特別抽選によって小当りに当選した場合にのみ選択され、かつ第二特別抽選によって小当りに当選した場合、極めて高い確率で大当りに当選可能な直Vルートが全て選択される。また、第二特別抽選は原則的に時短状態中又は時短状態終了直後にしか行われない。つまり、直Vルートが選択される小当りの当選は、大当りが連荘することと実質的に等しい。従って、大当りの連荘のスピード感を遊技者に感じさせるために、直Vルートが選択された小当り遊技が開始してから、第一大入賞口2005が短期間で連続して開放する期間(2回目以降の開放期間)、が到来するまでの時間は短く設定されている。
なお、仮に第二特別図柄抽選によって当選する小当り遊技についても、直Vルートではなく、役物ルートが選択される割合が高い場合については、小当り遊技が開始してから、第一大入賞口2005が短期間で連続して開放する期間(2回目以降の開放期間)、が到来するまでの時間は、役物ルートより直Vルートの方が長いことが望ましい。この場合においては、直Vルートが選択される割合が低い上に、直Vルートが選択された場合には極めて高い確率で大当りに当選させることができるため、直Vルートにおける当該時間を長くすることにより、遊技者に希少感及び高揚感を与えることができる。つまり、大当りの連荘のスピード感を遊技者に感じさせることを目的とするのか、役物ルートによって実質的な大当りが得られるか否かを遊技球の動きによって楽しませることを目的とするのか等の、目的に応じて適宜時間を設定すればよい。
以下、非時短状態において、第一特別図柄抽選において小当り遊技に当選した場合における、小当り遊技中の詳細な演出の一例について説明する。例えば、小当り遊技に当選する第一特別図柄変動中において、演出表示装置1600を用いたバトル演出が実行され、当該バトル演出で味方キャラが敗北する。続いて、新たな味方キャラが参戦する復活演出が行われる。当該復活演出において、当該新たな味方キャラが「俺と勝負しろ!」等の台詞を発し、当該第一特別図柄変動の図柄確定時に、演出表示装置1600に、当該味方新たな味方キャラによるバトル演出が実行されることが確定することを示す装飾図柄(即ち小当り確定図柄)を停止させる。なお、例えば、味方キャラが勝利して、「あとは己の力を信じろ!」等の台詞を演出表示装置1600等に表示する等のように、敗北を意味する表示を必ずしも行わなくてもよいことは言うまでもない。
続いて、例えば、小当り遊技のオープニング演出の開始と同時に、演出表示装置1600の右上に小さく、所謂右打ちを促す表示を行う。オープニング演出の終了と同時に、演出表示装置1600上で、味方キャラと敵キャラのバトル演出が開始し、味方キャラと敵キャラとの攻防が行われる。
続いて、例えば、1回目の第一大入賞口2005の閉鎖期間が開始してから所定時間経過後(例えば、15秒後)に、演出表示装置1600に大きく右打ちを促す表示を行う。なお、このときも味方キャラと敵キャラの攻防が続いている。また、大きい右打ち表示を行うと同時に小さい右打ち表示を削除してもよいし、これら2つの右打ち表示を同時に表示してもよい。なお、オープニング演出の終了と同時に、大きい右打ち表示が表示されるまでの残り時間を示すタイマが、演出表示装置1600に表示されてもよい。
1回目の第一大入賞口2005の閉鎖期間は19.364秒もあるため、小当り遊技開始時から演出表示装置1600上に大きい右打ち表示があると、遊技者はすぐに右打ちを開始するものの、第一大入賞口2005に遊技球Bを長時間入賞させられないという事態が発生するおそれがあり、ひいては出玉率が低下し、遊技者の遊技興趣が低下するおそれがある。そのため、前述したように、1回目の第一大入賞口2005の閉鎖期間が開始してから所定時間経過後に、演出表示装置1600に大きく右打ちを促す表示が行われている。つまり、右打ちを行っていても大入賞口に遊技球を入球させることが極めて困難な状態と容易な状態とで、「右打ちさせる」という目的は同じでありながら、表示態様を異ならせている。
続いて、振り分け部材2070に遊技球Bが向かうことが確定した場合(具体的には、例えば、第一大入賞口2005への遊技球Bが入球を検知するセンサ、又は第一構造物2061の窪みに遊技球Bが保持されたことを検知するセンサによる検知が行われた場合)、バトル演出において味方キャラがパワーアップした態様の表示を行う。また、このとき、演出表示装置1600上の右打ち表示を削除してもよいし、「右打ち完了!」等の右打ちを終了してもよいことを示す表示を演出表示装置1600上に表示してもよい。
続いて、振り分け部材2070に到達した遊技球Bが特定領域2063に到達した場合には、演出表示装置1600上において味方キャラがバトルに勝利した演出を実行し、振り分け部材2070に到達した遊技球Bが特定領域2063に到達できなかった場合(即ち、第二開口部又は第三開口部を通過した場合)には、演出表示装置1600上において味方キャラがバトルに敗北した演出を実行する。
なお、第二特別図柄抽選で当選した小当りにおいては、例えば、1回目の第一大入賞口2005の閉鎖期間(5.420秒)において、後述するストックタイム中での当選であればストック放出演出、後述するファイナルじゃんけん演出中の当選であれば、閉鎖期間の開始と同時に大きく右打ちを促す表示演出を行う。
[14−3.ストックタイム演出概要]
以下、ストックタイム演出の概要について説明する。図161乃至図163は、ストックタイム演出の概要の一例を示す説明図である。なお、図162及び図163は、ストックタイム演出においてストックを獲得できた場合の演出の概要の一例を示す。
図168は、時短状態が開始してから1〜5回目の第二特別図柄変動それぞれの変動時間の一例を示すテーブルである。1〜5変動目がハズレ変動である場合の変動時間は、それぞれ、205秒、1秒、1秒、15秒、1秒である。また、1〜5変動目が当り変動(即ち大当り又は小当り変動)である場合の変動時間は、それぞれ、215秒、10秒、10秒、10秒、10秒である。このように、当該特別図柄変動の当落に関わらず、1変動目には他の変動と比較して長い変動時間が選択される。
ストックタイム演出は時短有りの大当り遊技終了後に実行される演出である。図161(A)は時短有りの大当り遊技のエンディング演出が行われている状態である。図161の例では、当該大当り遊技の終了時に第一特別図柄変動及び第二特別図柄変動の保留がないものとする。また、当該大当りは、ストックタイム演出中及び後述するファイナルじゃんけん演出中の特別図柄抽選で当選した大当りでないものとする(つまり、非時短状態中における第一特別図柄抽選にて時短が付与される条件を満たした場合である)。
(B)において、大当り遊技のエンディング演出が終了し、時短状態が開始すると、右打ちを行って第二始動口2004に遊技球Bを打ち込むことを遊技者に促す表示(「右打ち!!」の表示、以下、単に右打ち表示とも呼ぶ)が、演出表示装置1600の下部及び右上部に表示される。なお、例えば、演出表示装置1600の下部の右打ち表示の方が、右上部の右打ち表示より、大きいサイズ(これに限らず、例えば、右打ち表示の数が多い、周囲と異なる色による表示、又は点滅表示等、遊技者にとって認識しやすい態様であればよい)で表示される。
(C)は、(B)の状態で遊技球Bが1つ第二始動口2004に入球し、大当り終了後の最初の特別図柄変動として、第二特別図柄変動が開始した状態である。第二特別図柄変動の開始と同時に、演出表示装置1600にはストックタイム演出がスタートしたことを示す表示がなされる。また、遊技者は右打ちを実行して、第二特別図柄変動の保留を貯めている。
(D)は、変動開始から5秒経過後の状態である。第二特別図柄変動の開始から5秒経過後から、演出表示装置1600に残り200秒を示すタイマが表示され、時間の経過とともにタイマの残り時間が減っていく。なお、タイマの表示と同時に(C)におけるストックタイム演出がスタートしたことを示す表示が消去される。ストックタイム演出がスタートしたことを示す表示が消去された後は、演出表示装置1600の、例えば左下部に、ストックタイム演出中であることを示す表示がされる。なお、(C)におけるストックタイム演出がスタートしたことを示す表示が消去されるタイミングは、タイマの表示から所定時間経過後(例えば5秒後)であってもよい。また、遊技者は右打ちを実行して、第二特別図柄変動の保留を貯めている。
(E)は、タイマの残り時間が185秒(即ち変動開始から20秒経過後)の状態であり、第二特別図柄変動の保留が4つ貯まった状態である。第二特別図柄変動の保留が4つ貯まると、演出表示装置1600の下部の右打ち表示が消去される。なお、右上部の右打ち表示は、例えば、時短状態中は常に表示されたままである。
また、第二特別図柄変動の開始と同時に装飾図柄が変動し、タイマの値の減少開始からの20秒間に、装飾図柄のダミー変動が行われる。装飾図柄のダミー変動とは、例えば、(E)の状態のように、装飾図柄があたかもハズレの組み合わせで停止したように見せかけ(具体的には、例えば、ハズレの組み合わせを完全には停止させず、小さく揺れている態様で表示する)、装飾図柄の変動を再度開始する、といった内容の演出を1回以上繰り返して行うことである。なお、ダミー変動において、装飾図柄のハズレの組み合わせの代わりに、ダミー変動用の所定の画像を停止したように見せかけてもよい。
(F)は、タイマの残り時間が180秒(即ち変動開始から25秒経過後)の状態である。装飾図柄のダミー変動が終了し、じゃんけん勝負演出が開始する。ダミー変動終了後において、装飾図柄は図柄確定時まで変動を続ける。
なお、詳細は後述するが、タイマの残り時間が180秒(即ち変動開始から25秒経過後)の時点で、周辺制御MPUは、主制御MPUから送信されている保留された特別図柄変動についての特別図柄事前判定コマンドを参照して、保留された特別図柄変動それぞれが当り変動(つまり大当り変動又は小当り変動)であるか否かを先読み判定する。
周辺制御MPUは、タイマの残り時間が180秒(即ち変動開始から25秒経過後)の時点で保留されている第二特別図柄変動と、実行中の第二特別図柄変動と、に含まれる(即ち、第一特別図柄変動については対象としない)当り変動の合計個数(以下、ストック数とも呼ぶ)に基づいて、変動開始から25秒経過後以降の演出を決定する。
なお、(F)の時点でタイマの残り時間が180秒であり、周辺制御MPUは、この残り180秒の演出を、15秒又は30秒の複数のじゃんけん勝負演出と、じゃんけん勝負演出に勝利した場合に続いて実行される15秒のストックアピール演出と、を用いて構成する。じゃんけん勝負演出で勝利するたびに、1つの当り変動(ストック)があることが報知される。詳細は後述するが、じゃんけん勝負の勝利演出(ストック成功演出とも呼ぶ)とストックアピール演出との組み合わせ演出(ストック演出とも呼ぶ)が実行される回数は、未報知のストック数以下である。
図162及び図163は、ストック数が2つである例を説明する。また、実行中の第二特別図柄変動はハズレ変動であり(即ち当該第二特別図柄変動の変動時間は205秒)、当り変動の1つは、実行中の第二特別図柄変動の次の第二特別図柄変動であるものとする。
(G)は、1回目のじゃんけん勝負演出が行われている状態である。(H)は、1回目のじゃんけん勝負で勝利した状態である。なお、以下の説明において、演出表示装置1600の左側に表示される手が味方キャラクタの手、右側に表示される手が敵キャラクタの手であるものとする。1回目のじゃんけん勝負演出は、タイマの残り時間が180秒から165秒までの15秒間を用いて実行されている。
(I)は、じゃんけん勝負演出の勝利演出後に行われるストックアピール演出が行われている状態である。演出表示装置1600に、1つ目のストックを獲得したことが報知される(図中の「ストックGET×1!!」という表示)。1回目のストックアピール演出は、タイマの残り時間が165秒から150秒までの15秒間を用いて実行されている。
(J)は、ストックアピール演出が終了し、2回目のじゃんけん勝負演出が開始する状態である。ストックアピール演出で報知済のストックがあることを示す表示(図中のST、以下ストック表示とも呼ぶ)は、例えば、演出表示装置1600左上に表示される。なお、ストック表示は、例えば、当該ストックに対応する特別図柄変動の終了時まで、又は当該ストックに対応する当り遊技の開始時若しくは終了時まで(当該ストックに対応する当りが小当りの場合は、当該小当りを契機として突入する大当り遊技の開始時又は終了時まで)であってもよい。
なお、例えば、ストックアピール演出において、「15R時短有図柄1」の大当り、「16R時短有図柄1」の小当り等の、得られる出玉の多い当りを報知する場合には、所定の割合でプレミアム演出を実行してもよい(例えば、プレミアム演出専用のキャラクタによる報知等)。この場合において、当該ストックアピール演出に対応する、演出表示装置1600左上のストック表示もプレミアム態様としてもよい(例えば、プレミアム演出専用のキャラクタが表示される等)。
(K)は、ストックタイムが終了した状態、即ち変動開始から205秒が経過し、ハズレ変動である第二特別図柄変動が終了した状態である。演出表示装置1600には、ハズレである装飾図柄の組み合わせが表示されている。前述した通りストック数が2つであるため、ストックタイム終了時までに、さらに1つのストックが報知され、当該変動終了時には、演出表示装置1600左上に2つのストック表示が表示されている。
なお、(K)の例では、ハズレの装飾図柄の組み合わせとして左装飾図柄が「5」、中装飾図柄が「2」、右装飾図柄が「4」で停止しているが、ストックが報知されている状態のハズレ変動においては、当りを想起させるような装飾図柄の専用の組み合わせ(例えば、左装飾図柄及び右が同一の数字であり、かつ中央装飾図柄が「V」)が停止してもよい。また、ストックタイムでストックが報知されなかったものの、保留内に当り変動に対応する保留が存在する場合にも、所定の割合で、当該専用の組み合わせが停止してもよい。
図163の(L)は、小当り変動である2変動目の第二特別図柄変動(変動時間は10秒、図168を参照)が開始した状態である。(M)において、小当りを示す装飾図柄の組み合わせが停止し、ストックが1つ放出されたことを示す演出(「ストック放出!!」という表示)が演出表示装置1600上で実行されている。(M)の例では、当該第二特別図柄変動終了時に、1つ目のストックに対応するストック表示が消去されている。なお、ストック表示がプレミアム態様である場合には、ストック放出演出もプレミアム態様であってもよい(例えば、プレミアム演出専用キャラクタによるストック放出の報知等)。
(N)は小当り遊技が開始した状態である。第一大入賞口2005内の特定領域2063に遊技球Bを入球させるために、演出表示装置1600の下部に大きな右打ち表示、及び「Vを狙え!!」等の、第一大入賞口2005内の特定領域を狙うことを促す表示をする。(O)は、小当り遊技中に特定領域2063に遊技球Bが入球したことにより、大当り遊技が開始した状態である。大当り遊技が開始しても、未放出のストックに対応するストック表示は消去されない。
なお、図162の例では、1回のストックアピール演出において1つのストックが報知されていたが、複数の未報知のストックがある場合には、1回のストックアピール演出において複数のストックを報知してもよい。ストックアピール演出において、複数のストックを報知する場合には、1つのストックを報知する場合と異なる演出を実行してもよい。例えば、複数のストック報知専用のキャラクタによる報知、専用の効果音、及び各種ランプによる専用の点灯パターン等によって複数のストックが報知されるとよい。
また、複数のストックを報知する場合に、通常のじゃんけん演出と異なるじゃんけん演出を実行してもよい。例えば、特殊な味方キャラクタ又は敵キャラクタが登場してじゃんけん演出に勝利した場合、所定の手の組み合わせでじゃんけんに勝利した場合(例えば、味方が「パー」で敵キャラクタが「グー」を出した場合)、又は味方が特殊な態様の手(例えば、小指と薬指を折りたたんでその他の指を伸ばした状態の手)を出した場合等には、複数のストックが確定するように演出パターンが定められていてもよい。
なお、図162及び図163の例では1変動目の第二特別図柄変動がハズレ変動である例を説明したが、1変動目の第二特別図柄変動が当り変動(変動時間は215秒)である場合には、ストックタイム終了後の10秒間を用いてストック放出が報知される。
図164、図165、図166、及び図167は、ストックタイム演出においてストックを1つも獲得できなかった場合、即ち保留された第二特別図柄変動と、実行中の第二特別図柄変動と、における当り変動(ストック)の合計個数が0個である場合、のストックタイム演出の概要の一例を示す。ストックが獲得できなかった場合においても、図161(A)〜(F)の演出は同じである。図161(F)に続いて、図164(G’)の状態に遷移する。
(G’)は、1回目のじゃんけん勝負演出が行われている状態である。(H’)は、1回目のじゃんけん勝負で敗北した状態である。1回目のじゃんけん勝負演出は、タイマの残り時間が180秒から165秒までの15秒間を用いて実行されている。じゃんけん勝負演出で敗北したため、ストックアピール演出は行われない。
(I’)は、2回目のじゃんけん勝負演出が開始した状態である。(J’)は、ストックタイムが終了した状態、即ち変動開始から205秒が経過し、ハズレ変動である第二特別図柄変動が終了した状態である。演出表示装置1600には、装飾図柄のハズレの組み合わせが表示されている。また、前述した通りストック数が0個であるため、当該変動終了時には、演出表示装置1600左上にストック表示はされていない。
(K’)は、ハズレ変動である2変動目の第二特別図柄変動が終了した状態である。演出表示装置1600に、ハズレの装飾図柄の組み合わせが停止している。また、演出表示装置1600のストックタイム終了の表示が残っている。
図165の(L’)は、ハズレ変動である3変動目の第二特別図柄変動が終了した状態である。演出表示装置1600に、ハズレの装飾図柄の組み合わせが停止している。また、演出表示装置1600のストックタイム終了の表示が残っている。
(M’)は、ハズレ変動である4変動目の第二特別図柄変動が開始した状態である。なお、前述した通り、ハズレ変動である2変動目及び3変動目の第二特別図柄変動の変動時間は短いが(1秒)、ハズレ変動である4変動目の第二特別図柄変動の変動時間はこれらと比較して長い(15秒)。この変動時間を用いて、保留チャージ演出が行われる。
例えば、当該第二特別図柄変動の開始と同時に保留チャージ演出が開始する。保留チャージ演出の開始時において、例えば、演出表示装置1600の下部に図161(B)と同様の右打ち表示が、中央部に保留チャージ演出が開始したことを示す保留チャージ開始表示が、表示され、遊技者に対して第二始動口2004への遊技球Bの入球を促す。保留チャージ開始表示は、例えば、保留チャージ演出開始から所定時間経過後、又は第二始動口2004に遊技球Bが所定数(例えば1つ、又は保留数が最大となる4つ)入球した時点で、消去される。
(N’)は、ハズレ変動である4変動目の第二特別図柄変動が終了した状態である。第二特別図柄変動の保留が4つ全て貯まったら、演出表示装置1600の中央部に、保留が全て貯まったことを示す表示(図中の「チャージ満タン!!」)が表示され、演出表示装置1600の下部に表示された右打ち表示が消去される。当該変動はハズレ変動であるため、ハズレの装飾図柄の組み合わせが表示されている。
(O’)はハズレ変動である5変動目(変動時間は1秒)が終了した状態である。演出表示装置1600に、ハズレの装飾図柄の組み合わせが停止している。当該ハズレ変動は非時短状態中の変動であり、後述するファイナルじゃんけん演出より前の演出は、4回の時短中の変動と、1回の時短中の変動と、で構成される。
なお、図164の例では、5変動目がハズレ変動である例を説明したが、1〜4変動目がハズレ変動であり、かつ5変動目が当り変動であった場合には、4変動目において保留チャージ演出は実行されない。この場合、2変動目から5変動目までに跨る専用演出が実行され、5変動目で当りが報知される。
従って、原則的に1〜5変動目の全てがハズレ変動である場合に、保留チャージ演出及び後述するファイナルじゃんけん演出が実行される。但し、5変動目に対応する入賞が2変動目の開始時より後に行われた場合、もしくは1変動目において先読み判定するタイミングよりも後に行われた場合は、5変動目が当り変動であっても保留チャージ演出は実行される。なお、5変動目に対応する入賞が2変動目の開始時以降、もしくは1変動目において先読み判定するタイミングよりも後に行われ、かつ、1〜4変動目がハズレ変動であり、かつ5変動目が当り変動であった場合には、専用演出は実行されず、5変動目において当りが突然報知される。
なお、この専用演出が行われる場合において、2変動目の変動時間が1秒、3変動目の変動時間が1秒、4変動目の変動時間が15秒、5変動目の変動時間が10秒である(図168を参照)。専用演出が行われている変動のうち、当り変動である5変動目の変動時間より、ハズレ変動である2〜4変動目の合計変動時間の方が長い。このように当り変動である5変動目の変動時間が短いため、2〜5変動目を用いた専用演出によって、演出を実行するための時間を長く確保でき、興趣に富んだ演出を実行することができる。
なお、詳細は後述するが、1変動目から4変動目に当り変動が存在する場合には1変動目の180秒のじゃんけん演出の間に必ずストック演出が発生する。また、前述のように、1〜4変動目がハズレで5変動目が当りの場合には2変動目から専用演出を行うとなっている。従って、1変動目においてストック演出が出現せず、かつ2変動目から専用演出も開始しない場合には、5変動目までの変動はハズレ確定である。保留チャージ演出が行われる4変動目以外の、2、3、5変動目がハズレ変動である場合には、短い変動時間(1秒)が選択され、4変動目では第二特別図柄変動の保留を最大まで貯めさせる時間が確保される長い時間(2、3、5変動目よりも長い時間)としている。
なお、ストックの有無をじゃんけん演出で報知する例を説明したが、じゃんけん演出とは異なる演出、例えば背景変化演出や、台詞演出などによってもストックの有無を報知するようにしてもよいことは言うまでもない。その場合においても、背景変化演出よりも台詞演出の方がストック演出としての期待が高いというよう、演出の種別ごとに期待に差がつくように設定してもよいことは言うまでもない。
以下、6変動目から8変動目の演出について説明する。4変動目に保留された変動である6変動目から8変動目を用いて実行されるファイナルじゃんけん演出が実行される。周辺制御MPUは、特別図柄事前判定コマンドに基づいて、6変動目から8変動目までに当り変動があると判定した場合、6変動目からそのうちの最も早い当り変動までに跨るファイナルじゃんけん演出を、連続演出として実行する(但し、6変動目が当り変動である場合には、6変動目のみを用いたファイナルじゃんけん演出を実行する)。
また、周辺制御MPUは、特別図柄事前判定コマンドに基づいて、6変動目から8変動目までに当り変動がないと判定した場合、6変動目から8変動目までに跨るファイナルじゃんけん演出を連続演出として実行する。
なお、周辺制御MPUが、特別図柄事前判定コマンドを参照して演出内容を決定するタイミングは、4、5変動目の実行中又は6変動目の開始時のいずれでもよい。周辺制御MPUは、例えば、保留チャージ演出を行う4変動目の所定のタイミング(例えば、変動開始から10秒後)に特別図柄事前判定コマンドを参照することにより、保留チャージ演出中に「ファイナルじゃんけん」等の文字を期待の高い態様(例えば、赤文字)で表示することができる。また、当該所定時間経過後であれば、6〜8変動目の保留が貯まっている可能性が高い。また、4変動目の変動時間は5変動目の変動時間より長いため、このような先読み演出を実行しやすい。
ファイナルじゃんけん演出が行われる各変動において、例えば、じゃんけん勝負が行われる。ファイナルじゃんけん演出において、当りを告知する変動においては、じゃんけん勝負に勝利し、ハズレを告知する変動においては、じゃんけん勝負において、あいこ又は敗北する。
但し、7変動目又は8変動目が最先の当り変動である場合、ファイナルじゃんけん演出における当該当り変動より前の変動であいこが選択される割合は、6〜8変動目まで全てハズレ変動の場合において6変動目又は7変動目であいこが選択される割合より高いものとする。即ち、ファイナルじゃんけん演出におけるあいこは、チャンスパターンである。なお、例えば、8変動目が最先の当り変動である場合にのみ、6変動目及び7変動目の双方であいこが選択されてもよい、即ち、6変動目及び7変動目の双方であいこだった場合は、8変動目が当り確定となるようにしてもよい。
以下、図165、図166、及び図167の例では、6変動目、及び7変動目がハズレ変動、8変動目が当り変動である、即ち、6変動目から8変動目までに跨るファイナルじゃんけん演出が連続演出として実行され、8変動目において当りが報知される。
図169は、時短状態が開始してから6〜8回目の第二特別図柄変動それぞれの変動時間の一例を示すテーブルである。6〜8変動目がハズレ変動である場合の変動時間は、それぞれ、225秒、160秒、375秒である。また、6〜8変動目が小当り変動である場合の変動時間は、それぞれ、370秒、305秒、380秒である。また、6〜8変動目が大当り変動である場合の変動時間は、それぞれ、425秒、360秒、440秒である。
図165の説明に戻る。(P’)は、ハズレ変動である6変動目(変動時間は225秒)が開始した状態である。演出表示装置1600に、ファイナルじゃんけん演出が開始したことを示す表示が表示されている。
(Q’)は、ハズレ変動である6変動目における(P’)の続きの状態である。ファイナルじゃんけん演出の1回目のじゃんけん勝負が開始することを示す表示(図中の「第1戦!!」)が、演出表示装置1600に表示されている。また、演出表示装置1600には、敵キャラクタの体力を示すゲージが表示されている。当りを報知するときには当該ゲージの値が0になり、また、チャンスパターン時(例えば、あいこの時)には、当該ゲージの値が減少する。
図166(R’)は、ハズレ変動である6変動目における(Q’)の続きの状態である。じゃんけん勝負に敗北する演出が実行されている。じゃんけん勝負に敗北したため、ゲージの値は減少していない。(S’)は、ハズレ変動である6変動目の終了時の状態である。ファイナルじゃんけん演出がまだ続くことを示す表示(図中の「まだまだ!!」)がされ、ハズレの装飾図柄の組み合わせが停止している。
(T’)は、ハズレ変動である7変動目(変動時間は160秒)が開始した状態である。ファイナルじゃんけん演出の2回目のじゃんけん勝負が開始することを示す表示(図中の「第2戦!!」)が、演出表示装置1600に表示されている。(U’)は、ハズレ変動である7変動目における(T’)の続きの状態である。じゃんけん勝負であいことなる演出が実行されている。前述したように、じゃんけん勝負におけるあいこは、チャンスパターンである。(U’)に示すように、例えば、あいこになった場合には、ゲージの値を減少させる。
(V’)は、ハズレ変動である7変動目の終了時の状態である。7変動目においてチャンスパターンであるあいこが実行されたため、ファイナルじゃんけん演出がまだ続くこと及び次の変動におけるじゃんけん勝負における勝利期待度が高いこと示す表示(図中の「次に出すお前の手は見切った!!」)が表示されている。また、装飾図柄のハズレの組み合わせが表示されている。
(W’)は、当り変動である8変動目(大当りであれば変動時間は440秒、小当りであれば変動時間は370秒又は385秒)が開始した状態である。ファイナルじゃんけん演出の、3回目、即ち最後のじゃんけん勝負が開始することを示す表示(図中の「最終戦!!」)が、演出表示装置1600に表示されている。
図167(X’)は、当り変動である8変動目における(W’)の続きの状態である。演出表示装置1600上において、中央押圧操作部303aの連打を遊技者に促す表示をする。このとき、「敵の手を見切れ!!」等のような、連打によって勝利演出が近づくことを示唆する表示がされてもよい。なお、このような連打演出は、例えば、当り期待度が所定値より高い場合には、6変動目及び/又は7変動目において実行されてもよい。また、8変動目については、例えば、当り期待度に関わらず、常に連打演出が実行されてもよい。
(Y’)は、当り変動である8変動目における(X’)の続きの状態である。中央押圧操作部303aの連打が促されてから(即ち、中央押圧操作部303aが有効状態になってから)、中央押圧操作部303aの所定回数の押圧、及び所定時間の経過、の一方が満たされた時点で(Y’)の状態に遷移する。なお、当該所定回数は、当り期待度が高いほど少なく、当り期待度が低いほど少なく設定されてもよい。(Y’)において、じゃんけん勝負に勝利する演出が実行されている。また、演出表示装置1600に表示されたゲージが示す値が0になっている。
(Z’)は、当り変動である8変動目の変動終了時の状態である。演出表示装置1600上で、装飾図柄の当りの組み合わせが停止し、当りであることを示すメッセージ(図中における「おめでとう!!」)が表示されている。
前述の通り、時短状態の変動及び非時短状態開始の最初の変動(前述の例では、時短状態開始から1〜5変動目まで)を用いてストックタイム及び保留チャージ演出からなる一連の演出が実行され、非時短状態の2変動目〜4変動目(前述の例では、時短状態開始から6〜8変動目まで、即ち最後の3回の第二特別図柄変動)を用いてファイナルじゃんけん演出が実行されている。また、前述の通り、ファイナルじゃんけん演出が実行される各変動の平均変動時間は、ハズレ変動であったとしても、当該一連の演出が実行される変動(時短状態開始から1〜5変動目までの変動)の平均変動時間より長い(図168及び図169を参照)。非時短状態突入後は、より当り確率が有利に設定されている第二特別図柄変動を最大でも4回しか実行することができないため、遊技者に期待感を維持させるように、このように変動時間が定められている。なお、図169における7変動目のハズレ変動における変動時間を215秒超にすることにより、ファイナルじゃんけん演出が実行される全ての変動時間が、当該一連の演出が実行される全ての変動時間(時短状態開始から1〜5変動目までの変動時間)より長く設定されていてもよい。
また、当該一連の演出とファイナルじゃんけん演出との分岐点(非時短状態の2変動目の開始時)が非時短状態中に到来するのは、以下の理由による。非時短状態に転落した直後には、当り確率がより高い第二特別図柄変動が最大4回実施される。そのうちの前半(前述した例では初回)の第二特別図柄変動がハズレ変動であった場合、後半の第二特別図柄変動において、当該ハズレ変動と同様の演出モードにおける演出が実行されてしまうと、遊技者は当りに対する期待感を得ることができない可能性がある。従って、このように非時短状態中に演出モードを変更することにより、遊技者の興趣を維持することができる。
なお、このように遊技者の興趣を維持するという観点においては、当該一連の演出の終了タイミングは、非時短開始後においてなるべく早い方が好ましい。即ち、当該終了タイミングは、非時短状態開始後3回目の変動終了時(即ち、ファイナルじゃんけん演出が非時短状態開始後4回目の変動で行われる)より、非時短状態開始後2回目の変動終了時(即ち、ファイナルじゃんけん演出が非時短状態開始後3〜4回目の変動で行われる)の方が好ましく、さらに非時短状態開始後2回目の変動終了時より、非時短状態開始後1回目の変動終了時(即ち、ファイナルじゃんけん演出が非時短状態開始後2〜4回目の変動で行われる)の方が好ましい。
なお、前述したように、周辺制御MPUは、例えば、保留チャージ演出を行う4変動目の所定のタイミングで特別図柄事前判定コマンドを参照して、6変動目以降のファイナルじゃんけん演出の結果を示唆するジャッジ演出を、4変動目において実行してもよい。例えば、ジャッジ演出テーブルが示す振り分けに従って行われる。
図174は、ジャッジ演出テーブルの一例である。ジャッジ演出テーブルは、ジャッジ演出において選択される手の画像の振り分けを、当該所定のタイミングにおける保留数ごとに、当該所定のタイミングまでに保留された変動に当り変動があるか否かによって、定義する。赤いオーラを纏った手、白いオーラを纏った手、オーラを纏っていない手の順に当り期待度が高くなるよう振り分けが決定されている。
ジャッジ演出の具体例について説明する。例えば、保留チャージ演出中の当該所定のタイミングより前において、保留が0個又は1個のときには演出表示装置1600上に手の画像が表示されず、保留が2個のときには演出表示装置1600上にオーラを纏っていない手の画像が表示され、保留が3個のときには演出表示装置1600上にオーラを纏っていない手、及び白いオーラを纏った手の画像が表示され、保留が4個のときには演出表示装置1600上にオーラを纏っていない手、白いオーラを纏った手、及び赤いオーラを纏った手の画像が表示される。
つまり、保留が1個から2個になると演出表示装置1600上にオーラを纏っていない手の画像が追加され、保留が2個から3個になると演出表示装置1600上に白いオーラを纏った手の画像が追加され、保留が3個から4個になると演出表示装置1600上に赤いオーラを纏った手の画像が追加される。なお、当該所定のタイミング以降に保留が追加されても、手の画像は追加されない。
当該所定のタイミングにおいて、周辺制御MPUは、ジャッジ演出テーブルを参照して、手を選択する。当該所定のタイミング以降において、ジャッジ演出が開始し、周辺制御MPUは、選択した手の画像を演出表示装置1600に表示する。
なお、図174の例では、保留数が2のときは、ジャッジ演出においてオーラを纏っていない手が選択される。保留数が3のときは、ジャッジ演出においてオーラを纏っていない手、又は白いオーラを纏った手が選択される。保留数が4のときは、ジャッジ演出においてオーラを纏っていない手、白いオーラを纏った手、又は赤いオーラを纏った手が選択される。
従って、ジャッジ演出で最終的に表示される手が、当該所定のタイミング到達時点において演出表示装置1600に表示されていた手に含まれるよう、ジャッジ演出テーブルの振り分けが定められている。そして、ファイナルじゃんけん演出において、味方キャラクタは選択された手でじゃんけん勝負を行う。例えば、赤いオーラを纏った手が選択された場合には、ファイナルじゃんけん演出における全てのじゃんけん勝負において、味方キャラクタの手は赤いオーラを纏っている。
なお、保留数が0又は1のときは、ジャッジ演出が実行されない(図174中の表示無し)。仮に、保留数が0又は1のまま保留チャージ演出が行われる変動が終了した場合には、ファイナルじゃんけん演出は実行されないためである。
なお、保留数2の当り変動において、「白オーラ」及び「赤オーラ」にも極めて小さい振り分けが設定されていてもよい。同様に、保留数3の当り変動において、「赤オーラ」にも極めて小さい振り分けが設定されていてもよい。具体的には、例えば、保留数2の当り変動における振り分けを、「表示無し」が0、「オーラ無し」が98、「白オーラ」が1、「赤オーラ」が1、かつ保留数3の当り変動における振り分けを、「表示無し」が0、「オーラ無し」が50、「白オーラ」が49、「赤オーラ」が1となるようにしてもよい。
振り分けをこのように設定することで、当該所定のタイミング到達時点において演出表示装置1600に表示されていた手に含まれない手が、ジャッジ演出で選択された場合には、当り変動があることが確定となる。また、このような確定演出が発生する振り分けを小さく設定しておくことで、プレミアム演出とすることができる。従って、このような演出の発生により、遊技者に高揚感を与えることができる。また、保留が4つある場合には、このような確定演出は出現しないため、隠し演出としての楽しみを遊技者に提供することができる。
[14−4.ストックタイム演出を実行するための情報]
以下、上述したストックタイム演出、及びファイナルじゃんけん演出を実行するために必要な情報を定義するテーブルについて説明する。本章においては、3つの変動パターンテーブル(テーブルA、テーブルB、及びテーブルC(いずれも不図示))が主制御基板1310のROMに格納されており、主制御MPUは、変動パターンを決定する際に、まず当該3つの変動パターンテーブルから1つの変動パターンテーブルを選択し、選択した変動パターンテーブルから変動パターンを選択する。
図170は、変動パターンテーブル選択テーブルの一例である。変動パターンテーブル選択テーブルは、上述した3つの変動パターンテーブルから1つの変動パターンテーブルを選択するためのテーブルであり、例えば、主制御基板1310内のROMに格納されている。
変動パターンテーブル選択テーブルは、例えば、直近の大当り(小当り経由の大当りの場合は、当該小当り)当選時の状態(時短状態又は非時短状態)、当該直近の大当り(小当り経由の大当りの場合は、当該小当り)の種別、変動パターンテーブルの選択対象の変動の当該直近の大当り終了時からの変動回数、現在の状態(時短状態又は非時短状態)、及び変動パターンテーブルの選択対象変動の種別(特図1又は特図2)ごとに、移行先のテーブルを定義する。
なお、変動パターンテーブル選択テーブルに当り種別ごとの付与時短回数が定義されているが、別のテーブルで管理されていてもよい。前述した通り、時短状態の終了契機は、時短状態が開始してから4回目の特図2の変動の終了、時短状態が開始してから8回目の特別図柄変動(即ち、特図1と特図2の合計変動回数が8回)の終了、又は大当り遊技開始のうち、最先に到来したものである。
図170の例において、直近の大当りが「特図1_6R時短有図柄1」の小当りを経由した大当りであり、当該小当りに非時短状態で当選し、現在の状態が非時短状態であり、当該大当り終了時からの6回目の変動である特図2の変動に、変動パターンテーブル選択テーブルにおいて対応するセルはセル1651である。従って、当該変動については、セル1651に対応するテーブルAから変動パターンが選択される。
また、例えば、直近の大当りが「特図2_16R時短有図柄1」の小当りを経由した大当りであり、当該小当りに時短状態で当選し、現在の状態が時短状態であり、当該大当り終了時からの2回目の変動である特図2の変動に、変動パターンテーブル選択テーブルにおいて対応するセルはセル1652である。従って、当該変動については、セル1652に対応するテーブルBから変動パターンが選択される。
図170の例では、直近の大当り種別や変動の種別を問わず、変動パターンテーブルの選択対象変動(以下、本章において単に対象変動とも呼ぶ)が9変動目以降の変動である場合(所謂通常時)、テーブルAが選択される。また、直近の大当りが時短有大当りであり、対象変動が特図2の変動であり、かつ対象変動が当該大当り終了後6〜8変動目である場合(この場合、非時短中である)に、テーブルAが選択される。
また、直近の大当りが時短有大当り、対象変動が特図1の変動であり、かつ対象変動が当該大当り終了後1〜8回目の変動(つまり時短状態中1〜8変動目)である場合、テーブルAが選択される。つまり、時短状態中の特図1の変動においては、必ずテーブルAが選択される。時短状態中の特図1の変動において、テーブルAが必ず選択される。また、直近の大当りが時短有大当り、対象変動が特図2の変動であり、かつ対象変動が当該大当り終了後1回目の変動(つまり時短状態中の1変動目)である場合、テーブルAが選択される。
例えば、テーブルAにおける時短状態中の1変動目の特図2の変動時間は、ハズレ変動の場合に205秒、当り変動の場合に215秒である。これにより、これにより、図168に示した1変動目(即ちストックタイム演出の1変動目)の変動時間が実現される。また、テーブルAにおける時短状態中の1変動目の特図1の変動時間も、特図2と同様に長いことが望ましい(ハズレ変動の場合に205秒、当り変動の場合に215秒)。仮に特図1の変動時間が短い場合には、時短状態中に特図1の変動を実行させてしまった場合に、第二始動口2004へ十分な数の遊技球Bを入球させられなくなる(第二特別図柄変動の回数が予定している回数よりも少なくなってしまう)おそれがあり、遊技者にとって不利となるからである。なお、このような長い変動時間を有する特図1変動においても、前述したストックタイム演出が行われる。
テーブルAにおける、6回目の変動が特図2である場合の変動時間は、ハズレ変動である場合に225秒、小当り変動である場合に370秒、大当り変動である場合に425秒である。また、テーブルAにおける、7回目の変動が特図2である場合の変動時間は、ハズレ変動である場合に160秒、小当り変動である場合に305秒、大当り変動である場合に360秒である。また、テーブルAにおける、8回目の変動が特図2である場合の変動時間は、ハズレ変動である場合に375秒、小当り変動である場合に370秒又は385、大当り変動である場合に440秒である。これにより、図169に示したファイナルじゃんけん演出中の変動時間が実現される。
また、図170の例では、直近の大当りが時短有大当り、対象変動が特図2の変動であり、かつ対象変動が当該大当り終了後5回目の変動である場合(この場合非時短状態中である)、テーブルBが選択される。また、直近の大当りが時短有大当り、対象変動が特図2の変動であり、かつ対象変動が当該大当り終了後2〜3回目の変動(つまり時短状態中の2〜3変動目)である場合、テーブルBが選択される。テーブルBにおける変動パターンにおける特図2の変動時間は、ハズレ変動の場合に1秒であり、当り変動の場合に10秒である。これにより、図168に示した2、3、5変動目(ストックタイム終了後であって保留チャージ演出開始前の変動、及び保留チャージ演出終了後であってファイナルじゃんけん演出開始前の変動)の変動時間が実現される。
また、図170の例では、直近の大当りが時短有大当り、対象変動が特図2の変動であり、かつ対象変動が当該大当り終了後4回目の変動(つまり時短状態中の4変動目)である場合、テーブルCが選択される。テーブルCにおける変動パターンにおける特図2の変動時間は、ハズレ変動の場合に15秒であり、当り変動の場合に10秒である。これにより、図168に示した4変動目(即ち保留チャージ演出の変動)の変動時間が実現される。なお、前述した通り、図170の例では、時短状態において、「特図1_2R時短無図柄1」の大当りに当選した場合は、時短状態が付与される。但し、保留チャージ演出が行われるのはハズレ変動の場合の15秒である。
図171は、ストックタイム演出ブロックテーブルの一例である。ストックタイム演出テーブルは、例えば、周辺制御ROMに格納されている。ストックタイム演出ブロックテーブルは、図161(F)の状態(タイマの残り時間180秒の時点、即ち変動開始から25秒経過時点)から、タイマの残り時間が0秒になるまでに実行される演出を定義するテーブルである。
ストックタイム演出ブロックテーブルは、未報知ストック数と、各演出ブロックの演出内容と、振り分けと、の対応を保持する。未報知ストック数とは、実行中の第二特別図柄変動と、保留された特別図柄変動と、における当り変動のうち、当該実行中の第二特別図柄変動以前のストックタイム演出において報知されていない当り変動の個数である。
具体的には、例えば、非時短中に保留が1つもない状態の特別図柄変動で時短有り大当りに当選し、当該大当り終了後に、特図2の変動を開始させ、当該変動の開始25秒経過後まで(上述した先読み判定を行うまで)に4つの特図2の変動の保留を貯めたとする。また、この合計5つの特図2の変動のうち、変動中の特図2の変動を含む3つの当り変動があるとする。この場合、当該ストックタイムにおいて、例えば、3つのストックが報知される。また、当該変動中の変動が終了すると大当りに突入し、当該大当り終了後に再度時短状態に突入する。この場合、遊技者には消化済の当りを除いた2つの当り変動の存在が告知されている。従って、例えば、この状態で大当り終了直後に開始する変動の開始25秒経過後までに、新たに特図2の保留を1つ貯めた場合、当該保留が当り変動の保留であれば未報知ストック数は1つであり、当該保留がハズレ変動の保留であれば未報知ストック数は0個である。
なお、タイマの残り時間が180秒から0秒になるまでの180秒間は、それぞれ15秒ずつの12個の演出ブロックに分割されて管理されている。つまり、ストックタイム演出ブロックテーブルの各レコードは、各演出ブロックの演出内容を定義することにより、180秒間の演出のスケジュールを定義する。
各演出ブロック欄(演出1〜演出12)に記載された、バツは15秒間のストック失敗演出(即ち、じゃんけん勝負で敗北又はあいこ)が実行されることを示す。また、黒三角は隣接する2つの演出ブロックからなる30秒間のストック失敗演出(例えば、じゃんけん勝負で敗北又はあいこが現出されたとしても一からじゃんけん演出を実行するのではなく、敗北又はあいこが表示されたあとに続けてキャラクタがこのまま終われるか!と叫んで再びじゃんけんを挑むが結局負けという、30秒を使った一連の演出)が実行されることを示す。また、黒丸は、15秒間又は隣接する2つの演出ブロックからなる30秒間のストック成功演出(即ち、じゃんけん勝負で勝利)が実行されることを示す。また、白丸は、ストック成功演出の直後の15秒間のストックアピール演出が実行されることを示す。以下、ストック成功演出と、当該ストック成功演出の直後に実行されるストックアピール演出と、の組み合わせをストック演出とも呼ぶ。
図171の例では、全ての演出スケジュールにおいて、最初及び最後の演出ブロック(演出1及び演出12)では、ストック演出が選択されていない。仮に、時短状態突入直後にストック演出が実行されると、慌ただしさを遊技者に感じさせてしまうおそれがあるため、最初の演出ブロックで必ずストック失敗演出が選択されている。また、最後の演出ブロックにおいて必ずストック失敗演出が選択されることにより、165秒まで(演出11までの)の演出スケジュールにおいて、ストックが1つも報知されなかった場合に、遊技者の気持ちを落ち着かせることができる。但し、演出12においてストックアピールに関しては、演出11においてストック演出が実行された場合に、実行される。また、全ての演出スケジュールにおいて、演出9ではストック失敗演出が選択される。これにより、最後の3つの演出ブロック(残り45秒の演出)を控えた遊技者の気持ちを一旦落ち着かせることができる。
また、ストック演出欄は、当該演出スケジュールにおいて、実行されるストック演出を特定する。「ストック演出なし」は、未報知ストック数が0個のときに選択される。「ストック演出1」及び「ストック演出2は」、未報知ストック数が1つのときに選択される。「ストック演出3」及び「ストック演出4」は、未報知ストック数が2つのときに選択される。「ストック演出5」及び「ストック演出6」は、未報知ストック数が3つのときに選択される。「ストック演出7」及び「ストック演出8」は、未報知ストック数が4つ又は5つのときに選択される。
図171において、具体的に説明する。例えば、未報知ストック数が1個の場合は、演出番号5〜16が振り分けられる。この場合、例えば演出番号5は64/256で選択され、演出番号9は16/256で選択される。例えば、演出番号5が選択された場合には、演出2(変動を開始してから40秒後に開始される演出)によってストック成功演出が行われる。
図172は、ストック演出特定テーブルの一例である。ストック演出特定テーブルは、各演出スケジュールにおいて実行されるストック演出を抽選するための当り演出抽選テーブルを特定する。周辺制御ROMには、例えば、30秒当り演出抽せんテーブル(不図示)及び45秒当り演出抽せんテーブル(不図示)が格納されている。
30秒当り演出抽せんテーブルは、それぞれが15秒のストック成功演出と15秒のストックアピール演出(合計30秒)とで構成された1以上のストック演出と、当該1以上のストック演出それぞれの振り分けと、を格納する。45秒当り演出抽せんテーブルは、それぞれが30秒のストック成功演出と15秒のストックアピール演出(合計45秒)とで構成された1以上のストック演出と、当該1以上のストック演出それぞれの振り分けと、を格納する。
つまり、例えば、周辺制御MPUは、ストックタイム演出ブロックテーブルのストック演出欄の値が「ストック演出4」の演出を選択した場合、ストック演出特定テーブルを参照して、1回目のストック演出については、その演出内容を30秒当り抽せんテーブルの振り分けに従って選択し、2回目のストック演出については、その演出内容を45秒当り抽せんテーブルの振り分けに従って選択する。
前述した通り、周辺制御MPUは、主制御MPUから送信された、保留された特別図柄変動についての特別図柄事前判定コマンドを参照して、タイマの残り時間180秒の時点、即ち変動開始から25秒経過時点において、保留された特別図柄変動それぞれが当り変動があるか否かを判定する。周辺制御MPUは、保留された特別図柄変動それぞれが当り変動があるか否かを判定する。
なお、例えば、主制御MPUは、保留済みの変動についての事前判定コマンドを送信済み、かつ当該変動の開始前に新たな始動入賞があった場合、当該始動入賞に対応する変動が当り変動の場合には事前判定コマンドを送信し、当該始動入賞に対応する変動がハズレ変動の場合には事前判定コマンドを送信しない、ようにしてもよい。
周辺制御MPUは、変動開始から25秒経過時に保留されている特別図柄変動と、実行中の特別図柄変動と、に含まれる当り変動の合計個数から、報知済のストック数を引いた数を、未報知ストック数として算出する。周辺制御MPUは、ストックタイム演出ブロックテーブルを参照して、未報知ストック数に対応する演出を振り分け欄が示す振り分けに従って選択することにより、演出を決定することで、前述したストックタイム演出を実現することができる。
なお、タイマの残り時間180秒の時点以降において、当り変動が保留された場合には、当該当り変動についてはストックとしての報知は実行されない。ストックとして報知されなかった当り変動については、例えば、当該当り変動の実行時に当りが報知される。
但し、周辺制御MPUが、タイマの残り時間180秒の時点以降の所定のタイミングで(例えば、各演出ブロックの終了時等。但し、1回のストック演出には最短で30秒を要するため、演出11及び演出12の終了時を除く。)、再度未報知のストック数を算出してもよい。この場合、例えば、周辺制御MPUは、選択済みの演出スケジュールのストック失敗演出の一部をストック演出に差し替えたり、未報知のストックを告知可能な演出スケジュールを再選択したりすることにより、演出スケジュールを途中で変更する。なお、再度未報知のストック数を算出して、算出結果に応じて演出スケジュールを変更するタイミングは、1回であってもよいし複数回であってもよい。
なお、例えば、初回のストック数算出タイミングより前に当り変動の保留があった場合には、原則的に、ストックタイムにおいて当該当り変動に対応するストック演出が告知される。この場合において、初回のストック数算出タイミング以降かつ2回目以降のストック数算出タイミング以前に、当り変動の保留の入賞があった場合には、当該ストックタイムにおいて当該当りに対応するストック演出を行うよう演出を変更してもよいし、次回のストックタイム(原則的に、初回のストック数算出タイミングより前の当り変動に対応する大当りには時短が付与され、再度ストックタイムに突入するため)で当該当り変動に対応するストック演出を行ってもよい。
また、初回のストック数算出タイミングより前に当り変動の保留がなく、かつ初回のストック数算出タイミング以降であって2回目以降のストック数算出タイミング以前に、当り変動の入賞があった場合には、当該ストックタイムにおいて当該当りに対応するストック演出が行われるように演出を変更してもよいし、当該ストックタイムにおける演出を変更せずに、突然に当り演出が実行されるようにしてもよい(例えば、当り変動において突然報知する)。
なお、ストックタイムにおいて当りの個数が報知されることを望まない遊技者のために、タイマ表示等により上記タイミングを予め報知してもよい。また、前述したように、未報知のストック数を算出するタイミングは1回のみ(タイマの残り時間180秒の時点のみ)とすることにより、当該タイミング以降に貯めた保留については当りの個数が報知されないサイレントなゲーム性を提供することができ、当該タイミング以前に貯めた保留については当該保留の期待度を含んだストックタイム演出を提供することができる。
なお、当該変動開始から当該1回のタイミングまでに、第二始動口2004に4つの遊技球Bを入球させるための十分な時間が確保できるように、当該1回のタイミングが定められていることが望ましい。
具体的には、例えば、遊技球Bが発射される間隔の時間をX、右打ちをした場合において発射された遊技球Bが第二始動口センサ2511に検出されるまでの平均時間をY、第二始動口2004開放時に右打ちをした場合において発射された遊技球Bが第二始動口2004に入球する確率をZとする。この場合、例えば、当該1回のタイミングは、変動開始から、Y+(4X/Z)+K(秒)後と定められる。但しKは、定数であり、例えば、遊技者がハンドルを握って遊技球Bを発射するまで等の時間のためのマージンである。
また、当該1回のタイミングは、変動時間の前半であることが望ましい。例えば、上述の例において、X=0.6、Y=5、Z=0.5、K=2であれば、当該1回のタイミングは、変動開始から、5+(4×0.6/0.5)+2=11.8秒後である。つまり、11.8秒が変動の前半となるように、(つまり23.6秒以上の)変動時間が選択されることが望ましい。
なお、保留チャージ演出についても、保留チャージ演出を行う変動の所定のタイミングで先読みが実行される場合には、当該所定のタイミングが同様に設定されていることが望ましい。但し、前述したように、保留チャージ演出については、ストックタイム演出において、第二特別図柄変動の保留を4つ貯めていれば、保留チャージ演出を実行する変動の開始時に第二特別図柄変動の保留が少なくとも1つ残っている状態であるため、この場合、当該変動開始から当該所定のタイミングまでに第二始動口2004に3つの遊技球Bを入球させることができればよい。即ち、当該所定のタイミングは、当該変動開始から、Y+(3X/Z)+K(秒)後と定められてもよい。また、保留チャージ演出において、第二特別図柄変動の保留を4つ貯めるために、保留チャージ演出が実行される変動における変動時間は、当該所定のタイミングが到来するまでの時間以上である必要がある。保留チャージ演出において先読み演出が実行されない場合においても同様である。
なお、図171の例では、未報知ストック数が5つの場合に、4回のストック演出が行われることとなっているが、5回のストック演出が行われてもよい。なお、未報知ストック数が5つのときに、4回のストック演出が行われ、かつ4つのストックが報知される場合、1〜4変動目に対応する当り変動が当該実行中の変動のストックタイム演出で報知され、5変動目に対応する当りが当該ストックタイム演出では報知されないものとする。これにより、ストックタイム演出で必ずしも全ての当りが報知されることはないため、2変動目以降についても遊技者の興趣が維持する。なお、1変動目のストック数を算出するタイミングにおいて、一部の記憶された当落情報(例えば、特図1の当落情報)に関しては、未報知ストックに含めない(即ちストックタイムにおいて報知されない)ものとしてもよい。
また、図171の例では、未報知ストック数が4つ以下の場合、未報知ストック数と同数のストック演出が行われる。つまり、図171の例では、1回のストック演出で1つのストックを報知するが、前述した通り、1回のストック演出で複数のストックを報知してもよい。逆に、未報知ストックの一部又は全部を当り変動の開始時まで報知しなくてもよい。この場合、例えば、当該当り変動において、逆転でじゃんけん勝負に勝利する態様の演出が実行されてもよい。
なお、1〜4変動目がハズレ変動であり、かつ5変動目が当り変動である場合には(但し、5変動目に対応する入賞が2変動目の開始時より前に行われている場合に限る)、未報知ストック数は1つであるが、周辺制御MPUは、ストックタイム演出ブロックテーブルを参照する際に、未報知ストック数が0個であるものとして扱う。この場合、前述したように、2変動目から5変動目までに跨る専用演出が実行され、5変動目で当りが報知される。
なお、前述した例では、ストックタイムの180秒間のじゃんけん演出は1〜5変動目の当落を示唆する演出であり、ファイナルじゃんけん演出は6〜8変動目の当落を示唆する演出であったが、この割合を変更してもよい。具体的には、例えば、ストックタイムの180秒間のじゃんけん演出は1〜4変動目の当落を示唆する演出であり、ファイナルじゃんけん演出は5〜8変動目の当落を示唆する演出としてもよい。ストックタイムの180秒間のじゃんけん演出における当り期待度と、ファイナルじゃんけん演出における当り期待度と、の比は、前者においては4:3程度であるが、後者においては4:4と同程度になる。
また、報知済みのストックがあり、かつ未報知ストック数(N個とする)と報知済みのストック数との合計が5つである場合、周辺制御MPUは、未報知ストック数をN−1個として、ストックタイム演出ブロックテーブルから演出スケジュールを選択してもよい。
[14−5.時短状態中の第一特別図柄変動での当り]
図173(A)は時短状態中の入賞に対応する第一特別図柄変動で小当りに当選した場合のタイムスケジュールを示す説明図であり、図173(B)は時短状態中の入賞に対応する第一特別図柄変動で大当りに当選した場合のタイムスケジュールを示す説明図である。時短状態中に当選した第一特別図柄抽選の当りについては、前述した通りストックタイムで告知されない。従って、時短状態中の第一特別図柄抽選で当りに当選した場合、例えば、対応する第一特別図柄変動において前述した演出とは異なる演出が実行される。
具体的には、例えば、時短状態中の第一特別図柄抽選で当選した当りに対応する、第一特別図柄変動の変動時間は、1000msである。従って、図170におけるテーブルAにおいて、当該変動時間が定義されている。つまり、当り変動において、1000ms間装飾図柄が変動する。この間、演出表示装置1600上で他の演出は実行されない。続いて、500ms間、当りの装飾図柄の組み合わせが停止する。
続いて、当り遊技が開始する。なお、当り遊技における各大入賞口及び大入賞口内の構造物の動作スケジュールは前述した通りである。なお、時短状態中の第一特別図柄抽選で当選した当り中に実行される演出は、例えば、時短状態中の第一特別図柄抽選で当選した当り中に実行される演出と同様である。
[14−6.複数種類の時短状態]
前述した例では、全ての時短有り図柄の時短状態の終了契機(即ち、時短付与回数)が同じであるが、当選図柄によって、終了契機が異なっていてもよい。例えば、「特図1_6R時短有図柄1」、「特図1_6R時短有図柄1」、「特図1_7R時短有図柄1」、「特図2_4R時短有図柄1」、「特図2_5R時短有図柄1」、及び「特図2_16R時短有図柄1」を有利状態付与図柄1と呼び、「特図1_7R時短有図柄2」、「特図2_15R時短有図柄1」、及び「特図2_16R時短有図柄2」を有利状態付与図柄2と呼ぶことにする。
また、有利状態付与図柄1によって付与される時短状態(以下、時短状態1とも呼ぶ)の終了契機は、例えば、前述の通り、時短状態が開始してから4回目の第二特別図柄変動の終了、時短状態が開始してから8回目の特別図柄変動(即ち、第一特別図柄変動と第二特別図柄変動の合計変動回数が8回)の終了、又は大当り遊技開始、のうち最先に到来したものとする。つまり、有利状態付与図柄1による時短付与回数は、第二特別図柄変動が4回、又は第一特別図柄変動と第二特別図柄変動の合計が8回、のうち少ない方である。
また、有利状態付与図柄2によって付与される時短状態(以下、時短状態2とも呼ぶ)の終了契機は、例えば、時短状態が開始してから100回目の第二特別図柄変動の終了、時短状態が開始してから104回目の特別図柄変動(即ち、第一特別図柄変動と第二特別図柄変動の合計変動回数が104回)の終了、又は大当り遊技開始のうち、最先に到来したものとする。つまり、時短状態2の付与回数は、第二特別図柄変動が100回、又は第一特別図柄変動と第二特別図柄変動の合計が104回、のうち少ない方である。
なお、図154の例によれば、時短状態中に容易に実行可能な第二特別図柄抽選において、当りに当選する確率は11878/65536(小当り確率11623/65536+大当り確率205/65536)であり、かつ時短状態2は、第二特別図柄変動が最大100回行われるまで継続するため、時短状態2においてほぼ確実に第二特別図柄抽選における当りに当選させることができる。即ち、時短状態2に突入すること(即ち、有利状態付与図柄2に当選する)ことは、大当りの連荘が継続することと実質的に等しい。
以下、時短状態1及び時短状態2それぞれにおける変動パターンについて説明する。例えば、時短状態1の変動パターンにおける変動時間は、当り変動時には40秒、ハズレ変動時には35秒となるように定められている。但し、時短状態1の最終変動(即ち、4回目の第二特別図柄変動と、8回目の変動(第一特別図柄変動と第二特別図柄変動との合計)と、のうち先に到来した変動)については、当り変動及びハズレ変動において、変動時間が100秒となるように定められている。
時短状態1の変動パターンにおける変動時間は、例えば、当り変動時には40秒、ハズレ変動時には35秒となるように定められている。但し、時短状態1の最終変動(即ち、4回目の第二特別図柄変動と、8回目の変動(第一特別図柄変動と第二特別図柄変動との合計)と、のうち先に到来した変動)については、当り変動及びハズレ変動において、変動時間が100秒となるように定められている。
また、時短状態2の変動パターンにおける変動時間は、例えば、当り変動時には2秒又は3秒、ハズレ変動時には2秒となるように定められている。但し、時短状態2の最終変動(即ち、100回目の第二特別図柄変動と、104回目の変動(第一特別図柄変動と第二特別図柄変動との合計)と、のうち先に到来した変動)については、時短状態1と同様に、当り変動及びハズレ変動において、変動時間が、100秒となるように定められている。
つまり、時短状態1と時短状態2における変動時間を比較すると、最終変動を除いた全ての変動において、時短状態2の方が時短状態1より短い変動時間が選択される。
時短状態2では、最終変動以外において、時短状態1と比較して変動時間が極めて短く設定されているため、早期に大当りを発生させることができる。これにより、大当りの連荘のスピード感を提供することができる。また、遊技者としても、時短状態2に突入したことが、大当りが実質的に継続することと等しいと理解している。仮に変動時間を長くとったところで、遊技者に期待感を抱かせることができず、むしろ遊技者を退屈させてしまうおそれがあるため、時短状態2においては、このような短い変動時間が採用されることが望ましい。
なお、時短状態2の当り変動において、2秒又は3秒の変動時間が選択されるとしたが、3秒の変動時間の選択率が低く、2秒の変動時間の選択率が高く設定されていることが望ましい。これにより、(時短状態2のハズレ変動では最終変動以外において必ず2秒の変動時間が選択されるものの)2秒の変動時間が選択されても当該変動における当りの期待を遊技者に抱かせることができ、また当りが確定する3秒の変動時間が選択された場合に遊技者に高揚感を抱かせることができる。
時短状態2においては、例えば、早期演出が実行される。例えば、時短状態2に移行する大当り遊技のエンディング演出が終了して、時短状態2に突入しても大当り遊技中と同様の背景が表示されている。
早期演出においては、例えば、演出表示装置1600上で当該背景が表示されたまま、装飾図柄の変動を行う。なお、このとき装飾図柄は演出表示装置1600上の目立たない領域(例えば、右上部等)に小さく表示されていることが望ましい。また、時短状態2においては、例えば、時短の残り回数を演出表示装置1600に表示しない。なお、例えば、時短の残り回数が所定回数以下(例えば、4回以下)の状態では、時短状態2であっても、時短の残り回数を演出表示装置1600に表示してもよい。
また、この早期演出は、例えば、次回の時短状態1の最初の変動開始時、又は時短状態2の最終変動の直前の変動まで継続する。また、時短状態2で時短状態2が付与されない大当り又は小当りに当選した場合には、当該大当り遊技中、又は当該小当り遊技中及び当該小当りを経由して当選した大当り遊技中にも、演出表示装置1600上で、当該早期演出を開始した時短状態2が付与された大当り遊技と同様の背景が表示され、早期演出が継続する。さらに、早期演出中に実行される大当り遊技のラウンド数は、当該早期演出を開始した時短状態2が付与された大当り遊技のラウンド数との合計として表示されるとよい。
従って、時短状態2では、保留可能な変動の最大数を超えて早期演出を実行することができる。また、これらの演出により、時短状態2に最初に突入した大当り遊技開始時から早期演出が終了するまでの間、当該大当り遊技が継続しているような態様の演出を実現することができる。また、時短状態2に移行する契機となる大当り遊技中に早期演出を実行し、当該大当り遊技のエンディング時間においても早期演出を継続して表示し、時短状態2に移行しても早期演出を継続して表示するというようにしてもよい。
なお、変動が途切れても早期演出は継続して表示する。変動が途切れて所定時間経過した場合には早期演出を終了させ、早期演出とは異なる演出(例えば、「今有利な状態です」のように、例えば現在の状態等を具体的に示す演出)を演出表示装置1600に表示してもよい。なお、このような異なる演出を現出させた場合であっても、右打ち表示は継続して行ったほうが好ましい。
なお、時短状態1及び時短状態2の双方において、当り変動及びハズレ変動において、変動時間が、100秒となるように定められているが、時短状態1及び時短状態2の双方において同一の演出を実行してもよい。例えば、前述した保留チャージ演出は当該同一の演出の一例である。
[14−7.ファイナルじゃんけん演出終了時の演出]
以下、ファイナルじゃんけん演出終了時に実行される演出について説明する。図175は、ファイナルじゃんけん演出の一例を示す説明図である。(X’)は、図166(W’)の続きの状態である。つまり、(X’)は、(時短開始から特図2の)8変動目の途中の状態である。但し、(X’)における変動は、はずれ変動であるものとする。図175(X’)は、図167(X’)と同様であるため、説明を省略する。
(Y’’)は、はずれ変動である特図2の8変動目の図175の(X’)の続き状態である。中央押圧操作部303aの連打が促されてから(即ち、中央押圧操作部303aが有効状態になってから)、中央押圧操作部303aの所定回数の押圧、及び所定時間の経過、の一方が満たされた時点で(Y’’)の状態に遷移する。(Y’’)において、じゃんけん勝負に敗北する演出が実行されている。また、演出表示装置1600に表示されたゲージの値が残っており、0になっていない。
(Z’’)は、はずれ変動である特図2の8変動目の変動終了時((Y’’)の続き)の状態である。演出表示装置1600上で、装飾図柄のはずれの組み合わせが停止し、ファイナルじゃんけん演出が終了したことを示すメッセージ(図中における「ファイナルじゃんけん終了・・・」)が表示されている。
(A’’’)は、はずれ変動である特図2の8変動目が終了した状態である。演出表示装置1600には、第一始動口2002を狙って遊技球Bを打ち出すこと(所謂左打ちの実行)を促すメッセージ(図中における「左打ちに戻して下さい」)と、左打ちの実行を促す矢印の絵柄と、が表示されている。特図2の4変動目が終了した時点で、時短状態は終了しているが、当該時点で初めてこれらの左打ちの実行を促す表示が演出表示装置1600に表示される。
つまり、特図2の5変動目から8変動目においては、時短状態は既に終了して通常状態に戻っているが、これらの変動においては左打ちの実行を促す表示が演出表示装置1600に表示されていない。特図2の変動であるこれらの変動は当り期待度の高い変動であるため、打ち方を指示する表示を演出表示装置1600に表示しないことにより、遊技者は遊技球Bの打ち出しを停止して期待度の高い演出に集中することができる。
但し、特図2の5変動から8変動目において右打ちが実行された場合、左打ちの実行を促す表示、又は右打ちの中止を促す表示を演出表示装置1600に表示してもよい。時短状態が継続していると勘違いしている遊技者に、右打ちを継続させてしまうと、出玉が減少してしまい、遊技者にとって不利だからである。なお、具体的には、例えば、遊技球Bがゲート部2003(又は右打ち時にのみ遊技球B入球し得る一般入賞口2001)を所定回数(例えば1回)通過した場合、又はハンドル182が所定角度以上回転した場合に、右打ちが実行されたと判定される。
なお、詳細は後述するが、特図2の4動目が終了したことによって時短状態が終了し、時短状態終了時の特図2の保留が2つ又は3つであり、かつ当該保留に対応する全ての変動がはずれ変動である場合、6変動目又は7変動目で当りに当選することなくファイナルじゃんけん演出が終了する。この場合についても同様に、ファイナルじゃんけん演出が終了する変動の終了後に左打ちの実行を促す表示が演出表示装置1600に表示される。
また、詳細は後述するが、特図2の4変動目が終了したことによって時短状態が終了し、特図2の4変動目終了時に特図2の保留がない、又は特図2の保留がはずれ変動の1つのみである場合、ファイナルじゃんけん演出が実行されることなく、ストックタイム演出が終了する。この場合については、ストックタイム演出が終了する変動(即ち特図2の保留がない場合には4変動目、特図2の保留がはずれ変動の1つのみである場合には5変動目)の終了後に左打ちの実行を促す表示が演出表示装置1600に表示される。
[14−8.大当り遊技中の演出]
図176及び図177は、大当り遊技中の演出の一例を示す説明図である。(A)において、大当り遊技が開始し、大当りのオープニング演出が開始する。(B)は、大当りオープニング演出中の状態である。(B)において、所謂右打ちをして、第二大入賞口2006に遊技球Bを入球させることを促す右打ち表示が(図中における「右打ち!!」と記載された大きな矢印、以下「右打ち表示(大)」とも呼ぶ)演出表示装置1600全体に表示されている。
(C)は大当りのオープニング演出が終了し、大当りの1ラウンド目が開始した状態である。右打ち表示(大)は、オープニング演出の終了時までに演出表示装置1600から消去される。(C)において、演出表示装置1600の下部には、第二大入賞口2006に遊技球Bを入球させることを促す右打ち表示が(図中において、それぞれに「右打ち!!」と記載され水平方向に並んだ複数の矢印、以下、この複数の矢印からなる表示を「右打ち表示(中)」とも呼ぶ)表示されている。
また、(C)において、演出表示装置1600の右上部には、第二大入賞口2006に遊技球Bを入球させることを促す右打ち表示が(図中において、「右打ち!!」と記載された1つの矢印、以下「右打ち表示(小)」とも呼ぶ)表示されている。なお、右打ち表示(大)、右打ち表示(中)、及び右打ち表示(小)の順に、演出表示装置1600における表示面積が大きいものとする。
なお、大当り遊技中、小当り遊技中、及び時短状態中等の、右打ちを実行して遊技を進行させる期間において、主制御MPUは、右打ち報知ランプを常時点灯させる。右打ち報知ランプは、例えば、機能表示ユニット1400内や、主制御基板1310からの制御信号に基づいて制御可能な基板の、遊技者から視認可能な位置に設けられている。
主制御MPUは、当該期間が開始すると、右打ち報知ランプを点灯させ、周辺制御MPUに当該期間が開始したことを示す制御信号を送信する。周辺制御MPUは、当該制御信号に従って、右打ち表示(例えば、右打ち表示(大)、右打ち表示(中)、及び右打ち表示(小)の少なくとも1つ)を演出表示装置1600に表示する。また、主制御MPUは、当該期間が終了すると、右打ち報知ランプの点灯を終了させ、周辺制御MPUに当該期間が終了したことを示す制御信号を送信する。周辺制御MPUは、当該制御信号に従って、全ての右打ち表示を演出表示装置1600から消去する。
つまり、当該期間においては、右打ち報知ランプが常時点灯し、かつ演出表示装置1600に少なくとも1つの右打ち表示が常時表示されている。また、例えば、周辺制御MPUは、当該期間において常時右打ち表示(小)を演出表示装置1600に表示させることにより、右打ち表示(小)を右打ち報知ランプと同期させてもよい。
(D)は、大当りの最終ラウンドが実行されている状態である。右打ち表示(中)及び右打ち表示(小)は、1ラウンド目の開始時から表示されたままである。最終ラウンド開始と同時に、ストックタイムチャレンジじゃんけん演出が開始し、ストックタイムチャレンジじゃんけん演出のオープニング演出が実行されている。ストックタイムチャレンジじゃんけん演出において、じゃんけん勝負に勝利すると、大当り終了後に時短状態に突入する、即ちストックタイム演出を実行可能な状態になる。一方、ストックタイムチャレンジじゃんけん演出において、じゃんけん勝負に敗北すると、大当たり終了後に通常状態に戻る、即ちストックタイム演出を実行不可能な状態になる。
つまり、ストックタイムじゃんけん演出は、実行中の大当りが時短有りの大当りか時短無しの大当りであるかを告知する演出である。なお、小当り経由の大当り、及び特図2で当選した大当りは全て時短有りの大当りであるため、ストックタイムじゃんけん演出は、特図1で当選した小当りを経由しない大当りにおいて行われることが望ましい。
(E)は、大当りの最終ラウンド中の(D)の続きの状態である。演出表示装置1600において、じゃんけん演出が行われ、味方キャラがじゃんけんで敗北する演出が表示されている。(F)は、大当りの最終ラウンド中の(E)の続きの状態である。味方キャラがじゃんけん演出で敗北したため、「残念・・・」という文字が演出表示装置1600に表示されている。つまり、実行中の大当りは時短無しの大当りであったことが告知された。
図177(G)は、大当りのエンディング演出が行われている状態である。大当りのエンディング演出において、演出表示装置1600から右打ち表示(中)が消去されているが、右打ち表示(小)については継続して表示されている。(H)は、大当りが終了して通常状態に戻り、保留されていた特図1の変動が開始した状態である。大当り終了後に、第一始動口2002に遊技球Bを打ち込むことを促す、左打ち表示(図中における「左打ち」と記載された2つの矢印、及び「左打ちに戻して下さい」の文字)が、演出表示装置1600に所定時間表示される。
[14−8.保留チャージ演出及びファイナルじゃんけん演出における特例]
以下、保留チャージ演出及びファイナルじゃんけん演出における特例について説明する。前述した通り保留チャージ演出において、特図2の保留数を最大(4つ)となるまで、第二始動口2004に遊技球Bを入球させることを促すが、遊技者の操作ミス等により、保留数を最大まで貯めることができない場合がある。以下、このような場合に実行される演出について説明する。
図178は、保留チャージ演出が実行される変動(時短状態開始後の4回目の特図2の変動)の終了時(即ち時短状態終了時)までに、1つも特図2の保留を貯めなかった場合の演出の一例を示す説明図である。なお、前述したように、保留チャージ演出が実行される変動は、はずれ変動である。(A)は、保留チャージ演出が開始した状態を示す。この状態において、特図2の保留は1つもない。また、右打ち表示(中)及び右打ち表示(小)が演出表示装置1600に表示されている。
(B)は、当該変動における所定時間経過後の状態を示す。当該変動中において、保留チャージ演出開始から所定時間が経過した時点で、特図2の保留が1つ以下である場合(即ち、時短状態開始から6回目の特図2の変動の保留がなく、ファイナルじゃんけん演出が実行できない場合)、図中における「チャージ失敗・・・」のように、特図2の保留を貯めることができなかったことを示す保留失敗表示が演出表示装置1600に表示される。時短状態の変動中であり、かつ特図2の保留が最大まで貯まっていないため、右打ち表示(中)及び右打ち表示(小)の双方が演出表示装置1600に表示されている。なお、前述したように、特図2の保留が最大まで貯まっている状態においては、時短状態中であっても演出表示装置1600から右打ち表示(中)が消去されてもよい。
(C)は、当該変動の終了時の状態を示す。はずれの装飾図柄の組み合わせが表示されている。なお、前述したように、保留チャージ演出は時短状態開始後の特図2の4変動目に実行される。さらに時短状態開始後に特図2の変動が4回実行されると時短状態が終了する。従って、全ての右打ち表示が演出表示装置1600から消去されている。(D)は、当該変動終了後の状態を示す。時短状態が終了し、通常状態に戻ったため、左打ち表示が、演出表示装置1600に所定時間表示される。
図179は、保留チャージ演出が実行される変動(時短状態開始後の4回目の特図2の変動)の終了直前(即ち時短状態終了直前)に、2つ目の特図2の保留が貯まった場合の演出の一例を示す説明図である。(A)は、保留チャージ演出が開始した状態を示す。この状態において、特図2の保留が1つだけある。また、右打ち表示(中)及び右打ち表示(小)が演出表示装置1600に表示されている。
(B)は、当該変動における所定時間経過後の状態を示す。当該変動中において、保留チャージ演出開始から所定時間が経過した時点で、特図2の保留が1つであるため、図178(B)と同様に、保留失敗表示が演出表示装置1600に表示される。その他の表示についても図178(B)と同様である。
(C’)は、当該変動中かつ、保留失敗表示が演出表示装置1600に表示された後に、遊技球Bが第二始動口2004に入球した状態を示す。当該入球は、時短状態開始後の6回目の特図2の変動に対応する入球である。(D’)は、当該変動の終了時の状態を示す。はずれの装飾図柄の組み合わせが表示されている。時短状態が終了したため、全ての右打ち表示が演出表示装置1600から消去されている。
(E’)は、はずれ変動である特図2の5変動目が終了した状態である。前述したように、特図2の5変動目がはずれ変動である場合には、変動時間は1秒であり、特別な演出が行われず、装飾図柄のはずれの組み合わせが演出表示装置1600に停止する。また、当該変動においても保留失敗表示は演出表示装置1600に表示されたままである。
(F’)は、特図2の6変動目が開始した状態である。このように、保留失敗表示が演出表示装置1600に表示された後に特図2の6変動目に対応する入球があった場合、6変動目の開始時に復活演出が実行される。(F’)の例では、「まだ終わってない!!」という台詞が演出表示装置1600に表示され、その後、図165(P’)と同様に、ファイナルじゃんけん演出が開始する。
なお、例えば、特図2の4変動目の終了間際の普通図柄抽選で当りに当選した場合、第二始動口2004の開放、及び第二始動口2004への遊技球Bの入球が、当該変動の終了間際、又は当該変動の終了直後(即ち時短状態の終了直後)に行われる可能性がある。
保留失敗表示が演出表示装置1600に表示された後、かつ特図2の5変動目の開始時まで、に第二始動口2004に遊技球Bが入球した場合には、特図2の5変動目において復活演出を実行し、特図2の6変動目の開始と同時にファイナルじゃんけん演出を開始してもよい。また、保留失敗表示が演出表示装置1600に表示された後、かつ特図2の4変動目の終了まで所定時間(例えば3秒)以上が残っている状態において、第二始動口2004に遊技球Bが入球した場合には、特図2の4変動目の終了時までに復活演出を実行し、特図2の5変動目は(E)と同様の演出を行い(但し、保留失敗表示は演出表示装置1600から消去されている)、特図2の6変動目の開始と同時にファイナルじゃんけん演出を開始してもよい。
また、保留失敗表示が演出表示装置1600に表示された後、かつ特図2の4変動目の終了まで所定時間(例えば3秒)以上が残っている状態において、特図2の保留が最大(4個)まで貯まった場合には、例えば、特図2の4変動目において、保留失敗表示及び右打ち表示(中)を演出表示装置1600から削除して、保留が最大まで貯まったことを示す表示(例えば図165(N’)と同様の表示)を表示してもよい。
図179の例では、特図2の6変動目の開始時点で特図2の変動の保留が1つもないため、特図2の6変動目のみを用いて、ファイナルじゃんけん演出が、行われる。即ち、特図2の6変動目に対応する特別図柄抽選の当落結果のみに基づいて、ファイナルじゃんけん演出におけるじゃんけん勝負の結果が決定される。特図2の6変動目のみを用いてファイナルじゃんけん演出が行われる場合、図165(Q’)のようなファイナルじゃんけん演出の1回目のじゃんけん勝負が開始することを示す表示(図中の「第1戦!!」)が演出表示装置1600に表示されてもよいが、特図2の保留が既にないため、保留チャージ演出に成功した場合における特2の8回目の変動で行われる表示、即ち図166(W’)のようにファイナルじゃんけん演出の最後のじゃんけん勝負が開始することを示す表示(「最終戦!!」)が、演出表示装置1600に表示される方が好ましい。
また、特図2の5変動目の終了時点で特図2の変動の保留が2つである場合には、特図2の6変動目及び7変動目を用いた連続演出として、ファイナルじゃんけん演出が行われる。即ち、特図2の6変動目及び7変動目に対応する特別図柄抽選の当落結果に基づいて、6変動目及び7変動目におけるファイナルじゃんけん演出におけるじゃんけん勝負の勝ち、負け、及びあいこが決定される。
特図2の6変動目及び7変動目を用いてファイナルじゃんけん演出が行われる場合、特図2の7変動目において図166(T’)のようなファイナルじゃんけん演出の1回目のじゃんけん勝負が開始することを示す表示(図中の「第2戦!!」)が演出表示装置1600に表示されてもよいが、特図2の保留が既にないため、保留チャージ演出に成功した場合における特2の8回目の変動で行われる表示、即ち図166(W’)のようにファイナルじゃんけん演出の最後のじゃんけん勝負が開始することを示す表示(「最終戦!!」)が、演出表示装置1600に表示される方が好ましい。
なお、時短状態の終了間際に普通図柄抽選に当りに当選した場合、時短状態の終了間際から第二始動口2004の開放が開始するが、第二始動口2004の最終開放の終了後に特図2の5変動目の変動が開始するよう、第二始動口2004の開放パターン及び図柄の停止時間が決定されていることが望ましい。特図2の5変動目の開始時以降に第二始動口2004が開放すると、時短状態開始から特図2の変動(前述したように特図2は小当り確率が高く設定されている)が9回以上実行される可能性があり、ホールへの負担が増大するおそれがあるからである。
具体的には、普通図柄抽選が時短中に行われ、普通抽選結果が第二始動口2004を開放させる結果(当り結果)であり、かつ当該普通抽選結果が得られた状態が時短状態ではなく通常状態であった場合、このときの開放パターンは、時短状態中に当り結果が得られたときに開放させる開放パターンではなく、通常状態に当り結果が得られたときの開放パターンを用いるほうが好ましい。
なお、通常状態おける当選確率が0に定められている(即ち、通常状態において普通図柄抽選を行っても絶対に当たらない)場合であっても、ホールの負担が増大するのを防ぐべく、著しく入賞が困難な開放パターンを予め用意しておく。普通図柄抽選が時短状態中に行われ、普通抽選結果が第二始動口2004を開放させる結果(当り結果)であり、かつ当該普通抽選結果が得られた状態が時短状態ではなく通常状態であった場合には、著しく入賞が困難な開放パターンを実行することで、時短状態開始から特図2の変動が9回以上実行されることを極力排除することが好ましい。なお、著しく入賞が困難な開放パターンとは、時短状態中に普通図柄抽選が行われ、時短状態中に当り結果が得られた場合の開放パターンより短い時間(例えば1秒未満であったり、0.008秒等)等である。
なお、本章では、特図2の4変動目までの特別抽選結果は、原則的に特図2の1変動目におけるストックタイム演出で告知されることとしたが、例えば、特図2の各変動において当該変動に対応する特別抽選結果が告知されてもよい。具体的には、例えば、特図2の各変動(1〜8変動目)において、じゃんけん勝負演出が行われ、勝負結果によって当該変動の特別抽選結果の当落を告知する。
この場合、例えば、特図2のN回目(Nは1以上8以下の整数)の変動におけるじゃんけん勝負演出の開始時において、特図2のN回目の変動であることを示す表示(例えば「第N戦!!」)が、演出表示装置1600に表示される。但し、5変動目以降の特図2の変動であって、当該変動開始時に特図2の保留がない変動、におけるじゃんけん勝負演出の開始時において、特図2の最終変動であることを示す表示(例えば「最終戦!!」)が、演出表示装置1600に表示されてもよい。
また、前述したように時短状態において特図2の変動は最大8回実行され得るため、特図2のN回目(Nは1以上8以下の整数)の変動におけるじゃんけん勝負演出の開始時において、じゃんけん勝負が残り(9−N)回あることを示す表示(例えば「第(9−N)戦!!」)が、演出表示装置1600に表示されてもよい。
なお、このような表示を行う場合において、時短状態終了時において特図2の保留が最大(4個)まで貯まらなかった場合、時短状態終了までの実際の特図2の残り変動数と、じゃんけん勝負の開始時に表示される「残り(9−N)戦!!」の表示と、の間で齟齬をきたす。
例えば、時短状態終了時までに特図2の保留が最大まで貯まらなかった場合、5変動目以降のじゃんけん勝負演出の開始時の表示を修正してもよい。具体的には、例えば、特図2の4変動目のじゃんけん勝負の開始時には「残り5戦!!」と表示されるが、時短状態終了時に特図2の保留が2個であった場合、特図2の5変動目のじゃんけん勝負演出の開始時には「残り2戦!!」、特図2の6変動目のじゃんけん勝負演出の開始時には「残り1戦!!」(「最終戦!!」でもよい)と、演出表示装置1600に表示される。
なお、この場合、特図2の5変動目のじゃんけん勝負演出の開始時に残りじゃんけん勝負数が消失する消失演出を実行してもよい。具体的には、例えば、上述した例では、特図2の変動が最大数より2回少ない回数しか実行されないため、当該消失演出において、演出表示装置1600に味方の2つの手の画像を一旦表示した後に、消去する。また、上述した例における消失演出において、「残り4戦!!」と演出表示装置1600に表示した直後に「残り2戦!!」を表示が修正される態様の演出を行ってもよい。この場合、例えば、「残り4戦!!」の表示を半透明状態にしたり、ぼやけさせたりしてもよい。
なお、消失演出と通常のじゃんけん勝負演出とを並行して実行してもよい。具体的には、例えば、消失演出又は通常のじゃんけん勝負演出の一方を半透明で表示したり、消失演出と通常演出の表示領域を重複しないように表示したりして、消失演出と通常演出の双方を視認可能にする。また、消失演出を実行してから、通常のじゃんけん勝負演出を実行してもよい。
また、例えば、時短状態終了時までに特図2の保留が最大まで貯まらなかった場合、特図2の最終変動のじゃんけん勝負演出の開始時の表示を修正してもよい。具体的には、例えば、特図2の4変動目のじゃんけん勝負演出の開始時には「残り5戦!!」と表示されるが、時短状態終了時に特図2の保留が2個であった場合、特図2の5変動目のじゃんけん勝負演出の開始時には「残り4戦!!」、特図2の6変動目のじゃんけん勝負演出の開始時には「残り1戦!!」(「最終戦!!」でもよい)と、演出表示装置1600に表示される。この場合、特図2の6変動目の開始時に上述した消失演出を実行してもよい。
また、例えば、時短状態終了時までに特図2の保留が最大まで貯まらなかった場合であっても、じゃんけん勝負演出の開始時の表示を修正しなくてもよい。具体的には、例えば、時短状態終了時に特図2の保留が2個であった場合、特図2の5変動目のじゃんけん勝負演出の開始時には「残り4戦!!」、特図2の6変動目のじゃんけん勝負演出の開始時には「残り3戦!!」と、演出表示装置1600に表示される。この場合、特図2の6変動目の終了時に上述した消失演出を実行して、全てのじゃんけん勝負演出が終了したことを示す表示を演出表示装置1600に表示してもよい。
なお、このように特図2の各変動において当該変動に対応する特別抽選結果を告知する場合は、時短状態中及び時短状態終了後の特図2の保留に対応する変動時間は、図169に示すような、はずれであっても小当りであっても大当りであっても比較的長い変動時間の変動パターンが選択されるようにすればよい。
[15.装飾図柄フリーズ演出]
本章では、装飾図柄のフリーズ演出について説明する。前述したように、主制御MPUは、変動終了時に、周辺制御基板1510に停止表示コマンドを送信する。また、周辺制御MPUは主制御MPUから停止表示コマンドを受信するまでは、演出表示装置1600において、停止する装飾図柄の組み合わせを示唆する状態であるものの装飾図柄を停止させないようにし(例えば、各装飾図柄全体が揺れる態様で表示される揺れ変動表示を含む仮停止状態)、停止表示コマンドを受信したことに基づいて装飾図柄を停止(確定表示)させる。
なお、確定表示においては、装飾図柄全体としての表示位置が移動しなければ、装飾図柄の一部が変化する態様(例えば装飾図柄内に表示されているキャラクタが纏うオーラが揺れる、及び当該キャラクタの手足が小さく動く等)で表示されていてもよい。
また、周辺制御MPUは、確定表示状態においては、大当り開始コマンド、小当り開始コマンド、又は次回の変動の判定結果通知コマンド(変動開始コマンド)のいずれかを主制御MPUから受信するまで、演出表示装置1600において装飾図柄を確定表示状態に保つ。但し、周辺制御MPUは、はずれ変動直後の確定表示状態において、次回の変動の保留がない場合には、ステップS194で指定された待機時間が経過するまで、演出表示装置1600において装飾図柄を完全に停止させた状態(前述した装飾図柄の一部の変化もない状態)に保ち、その後は、装飾図柄の位置は移動しないものの一装飾図柄の一部が変化する態様で表示してもよい。
装飾図柄フリーズ演出は、確定表示時間が通常より長くなる演出であり、先読み演出として実行される。また、装飾図柄フリーズ演出が実行される確定表示時間中に表導光板2160が、選択された発光スケジュールに従って発光する。なお、装飾図柄フリーズ図柄演出が実行されない通常の確定表示時間は500msであるものとする。
図180は、確定表示時間選択テーブルの一例である。確定表示時間選択テーブルは装飾図柄フリーズ演出を実現するための演出スケジュールを定義する。確定表示時間選択テーブルは、例えば、主制御基板1310のROMに格納されている。確定表示時間選択テーブルは、例えば、番号欄、確定表示時間欄、発光スケジュール欄、及び振り分け欄を含む。番号欄は、確定表示時間選択テーブルのレコードを一意に識別する番号を格納する。
確定表示時間欄は、確定表示時間を格納する。なお、大当り変動における確定表示時間は、ステップS182の停止表示コマンドのセット時から、ステップS187における大当り開始コマンドセット時までの時間である。また、小当り変動における確定表示時間は、ステップS182の停止表示コマンドのセット時から、ステップS191における小当り開始コマンドセット時までの時間である。また、はずれ変動における確定表示時間は、ステップS182の停止表示コマンドのセット時から、ステップS194における待機時間終了までの時間である。図180の例では、確定表示時間欄に格納された確定表示時間は、全て500ms(即ち装飾図柄フリーズ演出が実行されない通常の確定表示時間)より長く、1000ms、2000ms、又は5000msである。
発光スケジュール欄は、発光スケジュール、即ち確定表示時間中の各期間における表導光板2160の発光態様、を格納する。振り分け欄は、事前判定対象の変動の各当り種別ごとの確定表示時間及び発光スケジュールの振り分けを格納する。
主制御MPUは、例えば、事前判定処理のステップS62において所定の割合で、確定表示時間選択テーブルを用いた抽選を実行する。具体的には、例えば、先読み演出実行中で先読み演出を実行すると判定された保留を除いた保留(具体的には、例えば4つ目の保留入賞時に先読み演出を発生させることを決定した場合は、1つ目、2つ目、及び3つ目の保留)のいずれかに対応する変動で装飾図柄フリーズ演出が発生する確率(即ち、当該変動に対応するステップS62において確定表示時間選択テーブルを用いた抽選が実行される確率)は、先読み演出を実行すると判定された保留(上述した例の4つ目の保留)がはずれの場合は1/5、当りの場合は1/2等のように、装飾図柄フリーズ演出が実行されると当りの期待を高めるようにするほうが好ましい。
当該抽選において、主制御MPUは、当り種別と振り分けとに基づいて確定表示時間選択テーブルから確定表示時間及び発光スケジュールを選択する。また、主制御MPUは、実行中の変動及び保留中の変動(当該事前判定対象の変動を除く)から、装飾図柄フリーズ演出が実行される変動を決定する。また、主制御MPUは、選択した確定表示時間に基づいて、大当り開始コマンド若しくは小当り開始コマンドをセットするタイミング、又はステップS194における待機時間を決定する。
また、主制御MPUは、装飾図柄フリーズ演出が実行される変動を示す情報と、選択した発光スケジュールと、を事前判定コマンドに含めて周辺制御MPUに通知し、周辺制御MPUは通知された発光スケジュールに従って表導光板2610を発光させる。
なお、確定表示時間選択テーブルには、確定表示時間と、各当り種別ごとの確定表示時間の振り分けと、のみが格納されていてもよい。この場合、例えば、周辺制御基板1510のROMに確定表示時間ごとの発光スケジュールと、発光スケジュールの振り分けと、を示す情報が格納されている。つまり、この場合、主制御MPUは、装飾図柄フリーズ演出が実行される変動を示す情報と、選択した確定表示時間と、を周辺制御MPUに通知し、周辺制御MPUは通知された確定表示時間に基づいて、発光スケジュールを選択する。
なお、図180の例では、はずれ変動<小当り変動<大当り変動の順に長い確定表示時間が選択されやすくなるよう、振り分けが定められている。また、表導光板2160の発光態様として、期待度が青<緑<赤となるよう、また、発光回数が多いほど期待度が高くなるよう、発光スケジュール及び振り分けが定められている。つまり、例えば、はずれ変動より小当り変動の方が、小当り変動より大当り変動の方が、期待度の高い発光態様の選択率が高くなるよう、期待度の低い発光態様の選択率が低くなるよう、かつ発光回数が多くなるよう、発光スケジュール及び振り分けが定められている。
また、図180の例では、全ての発光スケジュールにおいて、確定表示開始から0〜500msの期間では表導光板2160が発光しないよう(発光無)定められている。一方、前述したように装飾図柄フリーズ演出が実行されない通常の確定表示時間は500msである。また、上述した例においては、先読み演出としての装飾図柄フリーズ演出は、装飾図柄変動中の演出に影響を与えないため、遊技者は装飾図柄フリーズ演出の発生を予期することができない。従って、遊技者は、確定表示時間が500msを超えた時点で初めて装飾図柄フリーズ演出が実行中であることを知ることができ、急激に期待感を高めることができる。
また、図180の確定表示時間選択テーブルの番号Nの発光スケジュールは、最初の500msにおいて発光無、500〜2000msにおいて青色、緑色、赤色の順の発光パターンで表導光板2160が発光し、2000ms〜3500msにおいて発光無し、3500ms〜5000msにおいて再度、当該発光パターンで表導光板2160が発光する。つまり、番号Nの発光スケジュールにおいて、同一の発光パターンによる表導光板2160の発光が、発光無の期間を挟んで、ループする。また、当該発光スケジュールは当り変動又は小当り変動に対応する装飾図柄フリーズ演出についてのみ選択される。これにより、規則性を有する特定の発光スケジュールで表導光板2160が発光した場合には、当りが確定するため、遊技者は高揚感を感じることができる。
なお、装飾図柄フリーズ演出の表導光板2160が発光し得る期間(即ち、確定表示開始後500ms以降)において、遊技者によって、表導光板2160の光量(発光の強さ)の調節が可能であることが望ましい。具体的には、例えば、当該期間において、回転操作部302を右方向に回転させると光量が上がり、回転操作部302を左方向に回転させると光量が下がる。この調節にあわせて、表導光板2160とは異なる発光体(例えば、扉枠3のような枠に備え付けられた発光体や、遊技パネル1100側の可動体等に備え付けられた発光体や、遊技球Bの転動面を発光させる発光体)の光量にも変化を与えるようにしてもよい。
また、このとき調節後の光量を示す指標が演出表示装置1600に表示されてもよい。これにより、装飾図柄フリーズ演出が行われていることを周りの遊技者へアピールしたい場合は光量を上げ、アピールしたくなければ光量を下げるという選択が可能となる。なお、緊張感を高めるために、装飾図柄フリーズ演出中には音を出力しない(無音)ことが望ましい。
なお、上述した例では、装飾図柄フリーズ演出が先読み演出として実行される例を説明したが、先読み演出以外の通常演出(即ち、実行中の変動に対応する特別抽選結果を示す演出)として装飾図柄フリーズ演出が実行されてもよい。
但し、この場合、周辺制御MPUは、装飾図柄フリーズ演出の確定表示期間において、大当り及び小当りの変動であっても、はずれであることを遊技者に想起させる装飾図柄(3つの装飾図柄のうち少なくとも1つが他の2つと異なる)を停止させ、確定表示期間の終了直前の所定期間(例えば500ms間)において、例えば、当り当選時にのみ発光するランプ(例えば確定ランプ)を発光させる、又は当りであることを示す台詞を各種スピーカから出力する等して、当りであることを告知する。一方、はずれ変動である場合には、確定表示期間において、はずれであることを遊技者に想起させる装飾図柄が停止し、かつ当り告知は行われない。先読み演出以外の通常演出において、装飾図柄フリーズ演出が実行されることにより、当該変動がはずれ変動だと思って落胆した遊技者に対して、当該変動が当り変動である可能性を示唆することができ、急激に高揚感を与えることができる。
なお、先読み演出以外の通常演出(即ち、実行中の変動に対応する特別抽選結果を示す演出)として装飾図柄フリーズ演出が実行される場合において、装飾図柄フリーズ演出が実行される変動において、特定の装飾図柄の組み合わせが停止する割合が、装飾図柄フリーズ演出が実行されない変動と比較して高く設定されていてもよい。当該特定の装飾図柄の組み合わせとして、例えば、装飾図柄の全てが奇数又は偶数である組み合わせ等がある。また、「フリーズ」と記載された専用の装飾図柄が停止してもよい。この場合、例えば、停止する3つの装飾図柄のうち、当該専用の装飾図柄の数が多いほど、装飾図柄フリーズ演出が発生する期待度が高くなるよう設定されていることが望ましい。これらのような装飾図柄の組み合わせを停止させることにより、遊技者は、はずれ変動の装飾図柄が停止したもののその後の装飾図柄フリーズ演出の発生を期待することができる。
なお、この場合、主制御MPUは、当り種別と振り分けとに基づいて確定表示時間選択テーブルから確定表示時間及び発光スケジュールを選択する。なお、当該選択処理は、ステップS131で大当りフラグがセットされていれば、例えば、ステップS132の直後に行われ、ステップS131で大当りフラグがセットされていなければ、例えば、ステップS136の直後に行われる。
また、主制御MPUは、選択した確定表示時間に基づいて、大当り開始コマンド若しくは小当り開始コマンドをセットするタイミング、又はステップS194における待機時間を決定する。また、主制御MPUは、確定表示時間選択テーブルから選択した発光スケジュールをステップS137における判定結果通知コマンドに含めて周辺制御MPUに通知し、周辺制御MPUは通知された発光スケジュールに従って表導光板2610を発光させる。
[16.ジャッジ演出]
[16−1.先指示演出]
以下、ジャッジ演出中に実行される先指示演出について説明する。ジャッジ演出とは、特別図柄変動中に実行される演出のうち、当該変動に対応する特別抽選結果を告知する演出である。図181は、先指示演出の一例を示す説明図である。以下、先指示演出は当りに当選する変動において実行されるものとして説明する。(A)は、大当り変動においてリーチがかかった状態である。(B)はリーチ演出が開始した状態である。なお、リーチ演出中にジャッジ演出であるじゃんけん勝負演出が行われ、当該変動が当り変動である場合にはじゃんけん演出で勝利し、当該変動がはずれ変動である場合にはじゃんけん演出で敗北する。
(C)は、リーチ演出中の状態である。演出表示装置1600には、リーチ演出中のジャッジ演出(図中の「じゃんけん・・・」)と並行して、所謂右打ちを実行することを促す右打ち表示が表示される。当該変動中は通常状態であるため第二大入賞口2006は開放していないが、大当り遊技中には第二大入賞口2006が開放するため右打ちを実行して遊技が行われる。従って、このように通常状態中の変動において先指示として右打ち表示を表示することにより、当該変動の後に大当り遊技が開始することを遊技者に連想させることができ、遊技者の大当りに対する期待感が高まる。
なお、先指示演出における右打ち表示は、大当り遊技、小当り遊技、及び時短状態において表示される右打ち表示(前述した右打ち表示(大)等)と異なる態様であることが望ましい。仮に、これらが同じ態様の表示であるとすると、遊技者が遊技状態を誤認して実際に右打ちを開始してしまう可能性が高くなり、ひいては出玉が減少し、遊技者にとって不利になる可能性が高くなるからである。
なお、先指示演出において、大当りを遊技者に強く連想させるために、右打ち表示とともに第二大入賞口2006の画像を演出表示装置1600に表示してもよい。また、先指示演出において、右打ち表示とともに第一大入賞口2005や第二始動口2004の画像を演出表示装置1600に表示してもよい。これにより、小当りや時短状態を遊技者に連想させることができる。
(D)は、(C)の続きのリーチ演出中の状態である。右打ち表示が表示されてから所定時間が経過すると、演出表示装置1600において、右打ち表示がより認識しやすい態様(図面においてはより大きく)で強調表示される。当該強調表示が行われると同時に、「何してる!?右打ちだ!」等の右打ちを促す音声がスピーカから出力されてもよい。なお、図181の例では、右打ち表示は、(C)における小さい右打ち表示と(D)における大きい右打ち表示との2段階の変化をしているが、3段階以上の変化を経て徐々に強調表示されてもよい。
(E)は、(D)の続きのリーチ演出中の状態である。味方キャラクタが敵キャラクタにじゃんけん勝負に勝利した状態である。(E)においても、強調表示された右打ち表示が演出表示装置1600に表示されている。なお、(C)〜(E)のように、先指示演出とジャッジ演出の演出画像は演出表示装置1600上において、双方を視認可能な位置(例えば、双方の演出画像の中心位置間の距離が所定値以上)に表示されることが望ましい。先指示演出及びジャッジ演出の演出画像が、演出表示装置1600において重なる位置に表示される場合には、先指示演出の演出画像をジャッジ演出の演出画像に優先して(例えば手前側に)表示することが望ましい。なお、(C)〜(E)において、各種導光板及び各種ランプの発光態様は、ジャッジ演出における発光態様ではなく、先指示演出に合わせた発光態様(例えば、遊技盤の右部に備えられたランプが点灯する等)であることが望ましい。
(F)は当該変動終了時の状態である。演出表示装置1600において大当りの装飾図柄の組み合わせが停止し、大当りに当選したことを示す表示(図中の「大当り!おめでとう!」)が表示されている。(F)のように、当該変動終了時には先指示演出における右打ち表示が演出表示装置1600から消去されていることが望ましい。
なお、当該変動の終了前であっても、例えば、遊技球Bがゲート部2003(又は右打ち時にのみ遊技球B入球し得る一般入賞口2001)を所定回数(例えば1回又は2回)通過した場合、ハンドル182が所定角度(例えばハンドル182の最大回転可能角度)以上回転した場合、又はハンドル182の単発ボタン193が押圧された場合には、先指示演出における右打ち表示が演出表示装置1600から消去されることが望ましい。
図181では、当り変動において先指示演出が実行される例を説明したが、はずれ変動においても先指示演出が実行されてもよい。但し、はずれ変動においても先指示演出が実行される場合には、先指示演出が発生した場合における当り期待度が高くなる(例えば50%以上)ように、当り変動及びはずれ変動における先指示演出の振り分けが決定されていることが望ましい。
また、はずれ変動における先指示演出は、時短状態においてのみ実行されることが望ましい。通常状態のはずれ変動における先指示演出に従って右打ちを実行した場合、第一始動口2002に遊技球Bが入球しづらい上に、当該変動がはずれ変動であるため、遊技者に不快感を与えてしまうからである。
但し、時短状態中であっても右打ちを継続すると、大当り中に比べて遊技球Bの増加速度は遅い、又は遊技球Bが減少するため、例えば、右打ち表示が演出表示装置1600に表示されてから所定時間(例えば、右打ち表示の表示から当該変動において図柄が確定するまでの時間よりも短い時間)経過した場合には、右打ち表示を演出表示装置1600から消去してもよい。また、右打ち表示が演出表示装置1600に表示されてから遊技球Bが所定数(例えば10発)発射された場合、又は特図2の保留が最大(4個)まで貯まった場合等に、右打ち表示を演出表示装置1600からら消去してもよい。このように、右打ち表示の表示時間にある程度の制約があることが望ましい。
また、例えば、変動の開始時又は変動の開始から所定時間経過後に特図2の保留数が最大まで貯まっていない場合に、先指示演出を行ってもよい。特図2の保留数が最大まで貯まっていない状態であれば、先指示演出における右打ち表示に従って右打ちをしても、第二始動口2004に遊技球Bに入賞することにより、遊技球Bの払い出しを受けるだけでなく特図2の特別抽選を受けることができるため、遊技者にとって不利な状況が発生しないからである。
[16−2.複数の操作部を用いたジャッジ演出]
以下、複数の操作部を用いたジャッジ演出について説明する。図182(A)は、演出操作レバーを搭載したパチンコ機1の簡略化された構成の一例を示す正面図であり、図182(B)は、演出操作レバーを搭載したパチンコ機1の簡略化された構成の一例を示す左側面図である。説明の便宜のため、演出操作レバーの説明に必要な構成以外については図示を省略している。また、図示されている構成についても、寸法及び形状について誇張及び簡略化されている。
本章において、パチンコ機1は演出操作レバー304、演出操作レバーセンサ305、及び確定ランプ306をさらに有する。演出操作レバー304は、例えば、皿装飾ユニット250及び皿ベースユニット210の前面かつ、演出操作ユニット300の左方に取付けられている。演出操作レバー304は、遊技者から見て手前側への傾倒操作が可能とされている。つまり、演出表示装置1600等に表示された指示に基づいて、演出操作レバー304を、遊技者が手前側に引くことによって進行する演出が実行可能となる。
演出操作レバーセンサ305は、例えば、皿装飾ユニット250及び皿ベースユニット210の前面に取り付けられている(演出操作レバー304に取り付けられている必要はない、即ち演出操作レバー304と異なる領域に配置されている)。さらに、演出操作レバーセンサ305は、演出操作レバー304の初期位置(レバーの先端が鉛直方向を向く状態)より手前側に位置し、演出操作レバー304が手前側に傾倒したことを検知する。なお、演出操作レバーセンサ305は、演出操作レバー304が所定角度(例えば20度)以上手前側に傾倒した場合にのみ検知を行うことができる位置に取り付けられている。
確定ランプ306は、例えば、遊技盤5の上方に取り付けられている。確定ランプ306は、例えば、実行中の変動又は保留中の変動に当り変動が含まれており、かつ所定の条件を満たした場合に点灯する。また、確定ランプ306は、例えば、点灯時に「確定」等の当りが確定したことを示す文字が良好に視認できる状態となる。
図183及び図184は、複数の操作部を用いたジャッジ演出の一例を示す説明図である。図183(A)、大当り変動においてリーチがかかった状態である。(B)はリーチ演出が開始した状態であり、ジャッジ演出のオープニング演出が開始した状態である。リーチ演出においてジャッジ演出であるじゃんけん勝負演出が行われ、当該変動が当り変動である場合にはじゃんけん演出で勝利し、当該変動がはずれ変動である場合にはじゃんけん演出で敗北する。
(C)は、リーチ演出中の状態であり、ジャッジ演出のオープニング演出が終了し、ジャッジ演出のメイン演出が開始した状態である。演出表示装置1600には、リーチ演出中のジャッジ演出(図中の「じゃんけん・・・」)が表示される。(D)は、(C)の続きのリーチ演出中の状態である。演出表示装置1600に、中央押圧操作部303aの押圧を促す画像と、演出操作レバー304の手前側への傾倒を促す画像と(即ち、異なる操作部に対する操作を促す画像)、が表示されている。
(E)は、(D)の続きのリーチ演出中の状態であり、中央押圧操作部303aが押圧された後の状態である。中央押圧操作部303aの押圧を促す表示が演出表示装置1600に表示された時から、中央押圧操作部303aの操作有効期間が開始する。当該操作有効期間の終期は、例えば、ジャッジ演出において当落が告知されるタイミング(味方キャラクタの手と敵キャラクタの手が表示されるタイミング)より前である。
当該操作有効期間中に、中央押圧操作部303aが押圧されると、例えば、演出表示装置1600において、中央押圧操作部303aの押圧を促す画像が消去され、味方キャラクタの手の画像と、「チャンス!」という文字と、がカットインする。また、当該操作有効期間が強制的に終了する。なお、当り期待度に応じて、カットインされた画像及び文字の色(例えば、青、緑、赤の順で当り期待度が高くなる)が異なる(図183においては、着色が省略されている)。つまり、ジャッジ演出において、当該操作有効期間中に中央押圧操作部303aが押圧されると、当該変動における当り期待度を示す情報が告知される。なお、当該操作有効期間中に、中央押圧操作部303aが押圧されなかった場合には、当該操作有効期間終了時に、中央押圧操作部303aの押圧を促す画像が、演出表示装置1600から消去される。
(F)は、(E)の続きのリーチ演出中の状態であり、演出操作レバー304が手前側に所定角度以上傾倒された後の状態である。演出操作レバー304の手前側への傾倒を促す表示が演出表示装置1600に表示された後に、演出操作レバー304が所定角度以上(即ち、演出操作レバーセンサ305が演出操作レバー304の傾倒を検知可能な角度以上)手前に傾倒されると、演出表示装置1600において、当該表示が削除される。さらに、当該変動が当り変動である場合にのみ確定ランプ306が点灯する。
つまり、演出操作レバー304の傾倒によって、当該変動における当落の完全告知演出が発生する。また、当該完全告知演出は、確定ランプ306によって行われ、ジャッジ演出における当落告知演出に影響を与えない。なお、演出操作レバー304の操作有効期間は定められていない(当該変動終了時まで有効)が、演出操作レバー304が手前側に傾倒されない場合であっても、当該変動の終了時までには、演出操作レバー304の手前側への傾倒を促す表示が演出表示装置1600から消去されることが望ましい。
なお、当り期待度を示す表示を見ることなく完全告知を楽しみたい遊技者もいるため、中央押圧操作部303aが押圧以外の条件が満たされた場合においても、中央押圧操作部303aの操作有効期間を強制的に終了し、中央押圧操作部303aの押圧を促す画像を演出表示装置1600から消去してもよい。当該条件として、例えば、中央押圧操作部303a及び演出操作レバー304以外の操作部に対する特定の操作(例えば、回転操作部302を右方向に2回転させた後に左方向に1回転等)、第一始動口2002への遊技球Bの入賞、第二始動口2004への遊技球Bの入賞、特図1の保留が最大(4個)まで貯まる、及び特図2の保留が最大(4個)まで貯まる、等がある。
一方、完全告知によらず当り期待度を示す演出のみによって変動の最後までジャッジ演出を楽しみたい遊技者もいるため、演出操作レバー304の手前側への傾倒以外の条件(例えば上述の条件と同様である)が満たされた場合においても、演出操作レバー304の操作を無効にし、演出操作レバー304の手前側への傾倒を促す画像を演出表示装置1600から消去してもよい。
なお、(D)では、操作部の操作を促す2つの画像が同時に表示されているが、操作有効期間が定められている中央押圧操作部303aの押圧を促す画像を先に演出表示装置1600に表示し、例えば、所定時間の経過した場合、又は中央押圧操作部303aが押圧された場合に、操作有効期間が定められていない演出操作レバー304の手前側への傾倒を促す画像を演出表示装置1600に表示してもよい。
逆に、操作有効期間が定められていない演出操作レバー304の手前側への傾倒を促す画像を先に演出表示装置1600に表示してもよい。但し、この場合には、完全告知を実行するための操作を促す演出が、期待度告知のための操作を促す演出より先に表示されることになる。完全告知を確認した後のチャンス演出にあまり興味を持てない遊技者もいるため、演出操作レバー304の手前側への傾倒を促す画像が表示されてから、中央押圧操作部303aの押圧を促す画像の表示までの時間は、例えば、ジャッジ演出のメイン演出(図183(C))が開始してから演出操作レバー304の手前側への傾倒を促す画像が表示されるまでの時間より短い(例えば3秒以内)ことが望ましい。また、同様の理由により、演出操作レバー304の手前側への傾倒が、中央押圧操作部303aの押圧を促す画像の表示のための必要条件でないことが望ましい。
なお、中央押圧操作部303aの操作を促す画像を表示する期間は、中央押圧操作部303aの操作有効期間と必ずしも一致していなくてもよい。但し、当該期間の始期は操作有効期間の始期以前であることが望ましく、当該期間の終期は操作有効期間の終期以降であることが望ましい。また、当該画像の表示期間の長さとして、例えば5秒以上確保されていることが望ましい。
また、演出操作レバー304の手前側への傾倒を促す画像の表示時間は、中央押圧操作部303aの操作を促す画像の表示時間より長くてもよいし、短くてもよい。また、当該表示時間は、長い方が当り期待度が高くなるように設定されていてもよいし、固定されて(即ち、当該表示時間は特別抽選結果に依存しない)いてもよい。なお、当該変動が当り変動の場合に、演出操作レバー304の手前側への傾倒を促す画像を表示せずに、演出操作レバー304が操作された場合に完全告知演出が実行されるよう、完全告知演出自体を隠し演出としてもよい。
なお、(D)では、操作部の操作を促す2つの画像が演出表示装置1600において重複しない位置に表示されているが、重複する位置に表示されてもよい。この場合、操作有効期間が定められている中央押圧操作部303aの押圧を促す画像より、操作有効期間が定められていない演出操作レバー304の手前側への傾倒を促す画像の、表示優先度を高くする(例えば手前側に表示する)とよい。
また、操作有効期間が定められていない演出操作レバー304の手前側への傾倒を促す画像については、特定の条件を満たす場合にのみ表示されてもよい。当該特定の条件として、特図1の保留が最大まで貯まっていない、及び特図2の保留が最大まで貯まっていない、等がある。特別図柄変動の保留が最大まで貯まっていない状態であれば、当該表示に従って演出操作レバー304を操作している最中に、遊技球Bを打ちっぱなしにしても、始動口へのオーバー入賞(特別図柄変動の保留が最大まで貯まっている状態における、当該特別図柄変動に対応する始動口への遊技球Bの入球)が発生するまで時間がかかるため、このような条件が設定されていることにより、遊技者が不利益を被る機会の発生を抑制することができる。
また、例えば、演出操作レバー304が操作されたことに基づいて達成可能とされる条件(演出操作レバーセンサ305による検知)が満たされた場合には、操作有効期間が定められていない演出操作レバー304の手前側への傾倒を促す画像を表示しなくてもよい。操作有効期間が定められていない演出操作レバー304の手前側への傾倒を促す画像の表示が予定されている当り変動において、当該画像の表示より前に、演出操作レバーセンサ305による検知が行われた場合、当該画像を表示することなく確定ランプ306を点灯させてもよい。
また、このように特別図柄変動の保留が貯まっている場合に、演出操作レバー304の手前側への傾倒を促す画像の表示演出が実行されないことを遊技者が認識すれば、遊技者はオーバー入賞を発生させないように遊技を進行させ、ひいては不利益を被る機会を減少させることができる。
また、特図1及び特図2の保留数によって、演出操作レバー304の手前側への傾倒を促す画像の表示タイミングが異なってもよい。具体的には、例えば、保留数が少ないほど、当該画像の表示開始タイミングが早くするとよい。また、演出操作レバー304の手前側への傾倒を促す画像は、有利状態(確変状態中、時短状態中)の変動中にのみ表示されるように設定されていてもよい。
なお、図183の例では、演出操作レバー304の画像が表示されているが、前述したように演出操作レバー304は、演出操作レバーセンサ305によって検知可能な角度以上、手前側に傾倒されなければ、当り変動であっても確定ランプ306は点灯しない。従って、演出操作レバー304をどこまで傾倒させればよいかを遊技者に理解させるために、演出操作レバー304の画像に代えて又は加えて、演出操作レバーセンサ305を搭載するユニットの画像(演出操作レバーセンサ305のみの画像を含む)を演出表示装置1600に表示してもよい。
なお、遊技者が実際に操作する操作手段(演出操作レバー304)そのものを表示するのではなく、操作手段が操作されたことに基づいて達成可能とされる条件(演出操作レバーセンサ305による検知)を表示する概念であるため、演出操作レバー304及びそのセンサに限らないことは言うまでもない。例えば、演出操作レバー304とは異なる遊技者が操作可能な操作媒体(例えば、中央押圧操作部303aやハンドル182など)に対して所定の操作が行われたことに基づいて達成可能とされる条件(中央押圧操作部303aであればどこまで押下すればよいのか、ハンドル182であればどこまで回せばよいのか又はどこを狙って打てばよいか等を示す表示)を表示するようにしてもよい。
図184(G)は、図183(F)の続きのリーチ演出中の状態である。味方キャラクタが敵キャラクタにじゃんけん勝負に勝利した状態である。(G)においても、確定ランプ306は点灯したままである。(H)は当該変動終了時の状態である。演出表示装置1600において大当りの装飾図柄の組み合わせが停止し、大当りに当選したことを示す表示(図中の「大当り!おめでとう!」)が表示されている。また、(H)においても、確定ランプ306は点灯したままである。なお、確定ランプ306は、図柄確定後かつ大当り遊技開始時までの所定タイミングで消灯する。
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
すなわち、上記の実施形態では、遊技機としてパチンコ機1に適用したものを示したが、これに限定するものではなく、パチスロ機や、パチンコ機とパチスロ機とを融合させてなる遊技機に、適用しても良く、この場合でも、上記と同様の作用効果を奏することができる。