JP6934737B2 - 炭素系フィラー−オレフィン系樹脂含有複合材用オレフィン系樹脂、当該オレフィン系樹脂を含む組成物、複合材、及び、自動車用材料 - Google Patents
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これまでに、炭素系フィラー強化オレフィン系樹脂の強度を向上させる手段として、例えば、炭素繊維、ポリオレフィン系樹脂、酸変性ポリオレフィン系樹脂、炭素繊維が有する反応性官能基及び酸変性ポリオレフィンが有する反応性官能基のそれぞれと反応しうる官能基を有する多官能性化合物を含む、ポリオレフィン系炭素繊維強化樹脂組成物が開示されている(例えば特許文献1)。
グラフト反応の方法は、大別して、溶剤を使用して反応させる、いわゆる溶液法と、混練押出機を使用して溶融状態で反応させる、いわゆる溶融法とがある。溶液法は、大量の溶剤を使用するのでコスト高となり、しかも、地球環境問題からも好ましくない。一方、溶融法は、そのような溶剤の使用がないので簡便的な方法として注目されている。
しかし、溶融法で製造した変性ポリオレフィンには、大量の未反応物(即ちグラフト反応しなかったビニル化合物あるいは不飽和カルボン酸等のエチレン性不飽和化合物)、オリゴマー(即ち、ビニル化合物あるいは不飽和カルボン酸等のエチレン性不飽和化合物の低分子量体)及びその他の副生物が存在しており、接着性、塗装性、印刷性の阻害因子となり、しかも、シート、フィルム等の成形体としたときに気泡を発生するという欠点があった(非特許文献1)。
しかし、溶解再沈法は、アセトン等の大量の溶剤を使用し操作が煩雑であるので、コスト高になるという欠点がある。また、加熱乾燥法は、未反応物の除去、特に上記不飽和化合物のオリゴマーの除去が不十分で、しかも、加熱乾燥する際に変性ポリオレフィン樹脂が着色するという欠点があった。また、温・熱水中で撹拌する方法においても、未反応物及びオリゴマーの除去や着色防止が未だ十分ではない。
即ち、本発明によれば、下記のごとき炭素系フィラー−オレフィン系樹脂間親和性向上剤、炭素系フィラー−オレフィン系樹脂含有複合材用オレフィン系樹脂組成物、炭素系フィラー−オレフィン系樹脂含有複合材、及び、自動車用材料が提供される。
本発明における第2の発明によれば、前記第1の発明において、前記オレフィン系ランダム共重合体のアリール基含有コモノマーが、直鎖状脂肪族α−オレフィンモノマーである、炭素系フィラー−オレフィン系樹脂間親和性向上剤が提供される。
本発明における第3の発明によれば、前記第1又は第2の発明において、前記アリール基含有コモノマーのアリール基がフェニル基である、炭素系フィラー−オレフィン系樹脂間親和性向上剤が提供される。
本発明における第4の発明によれば、前記第1〜第3のいずれかの発明において、前記オレフィン系ランダム共重合体のGPCで測定される分子量分布(Mw/Mn)が3.0以下である、炭素系フィラー−オレフィン系樹脂間親和性向上剤が提供される。
本発明における第5の発明によれば、前記第1〜第4のいずれかの発明において、前記オレフィン系ランダム共重合体の融点(Tm)が80℃以上である、炭素系フィラー−オレフィン系樹脂間親和性向上剤が提供される。
また、本発明における第6の発明によれば、前記第1〜第5のいずれかの発明において、前記オレフィン系ランダム共重合体がプロピレン系ランダム共重合体である、炭素系フィラー−オレフィン系樹脂間親和性向上剤が提供される。
本発明における第8の発明によれば、前記第7の発明において、炭素系フィラー、及び、前記第6の発明として特定される炭素系フィラー−オレフィン系樹脂間親和性向上剤、すなわちプロピレン系ランダム共重合体、を含む炭素系フィラー−オレフィン系樹脂含有複合材用オレフィン系樹脂組成物が提供される。
本発明における第9の発明によれば、前記第7又は第8の発明において、前記炭素系フィラーが炭素繊維である炭素系フィラー−オレフィン系樹脂含有複合材用オレフィン系樹脂組成物が提供される。
本発明における第11の発明によれば、前記第10の発明において、炭素系フィラー、前記第6の発明として特定される炭素系フィラー−オレフィン系樹脂間親和性向上剤、すなわちプロピレン系ランダム共重合体、及び、前記第1〜第6のいずれかの発明として特定される炭素系フィラー−オレフィン系樹脂間親和性向上剤以外のオレフィン系樹脂を含有する、炭素系フィラー−オレフィン系樹脂含有複合材が提供される。
本発明における第12の発明によれば、前記第10又は第11の発明において、前記第1〜第6のいずれかの発明として特定される炭素系フィラー−オレフィン系樹脂間親和性向上剤以外のオレフィン系樹脂が、プロピレン単独重合体及びプロピレン共重合体よりなる群から選ばれるプロピレン系樹脂である、炭素系フィラー−オレフィン系樹脂含有複合材が提供される。
本発明における第13の発明によれば、前記第10〜第12のいずれかの発明において、前記炭素系フィラーが炭素繊維である炭素系フィラー−オレフィン系樹脂含有複合材が提供される。
本発明における第14の発明によれば、炭素系フィラー、及び、置換基を有していてもよいアリール基を有する炭素数4以上20以下の脂肪族α−オレフィンモノマーよりなる群から選ばれるアリール基含有コモノマーに由来する構造単位を2.5mol%以上10mol%以下含み、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定される重量平均分子量が20,000以上200,000以下であるオレフィン系ランダム共重合体からなるオレフィン樹脂を含むことを特徴とする、炭素系フィラー−オレフィン系樹脂含有複合材が提供される。
本発明における第15の発明によれば、前記第14の発明において、前記オレフィン系ランダム共重合体のアリール基含有コモノマーが、直鎖状脂肪族α−オレフィンモノマーである炭素系フィラー−オレフィン系樹脂含有複合材が提供される。
本発明における第16の発明によれば、前記第14又は第15の発明において、前記アリール基含有コモノマーのアリール基がフェニル基である炭素系フィラー−オレフィン系樹脂含有複合材が提供される。
本発明における第17の発明によれば、前記第14〜16のいずれかの発明において、前記オレフィン系ランダム共重合体のGPCで測定される分子量分布(Mw/Mn)が3.0以下である炭素系フィラー−オレフィン系樹脂含有複合材が提供される。
本発明における第18の発明によれば、前記第14〜17のいずれかの発明において、前記オレフィン系ランダム共重合体の融点(Tm)が80℃以上である炭素系フィラー−オレフィン系樹脂含有複合材が提供される。
本発明における第19の発明によれば、前記第14〜18のいずれかの発明において、前記オレフィン系ランダム共重合体がプロピレン系ランダム共重合体である炭素系フィラー−オレフィン系樹脂含有複合材が提供される。
本発明における第20の発明によれば、前記第14〜19のいずれかの発明において、前記炭素系フィラーが炭素繊維である炭素系フィラー−オレフィン系樹脂含有複合材が提供される。
本発明の炭素系フィラー−オレフィン系樹脂含有複合材用オレフィン系樹脂は、置換基を有していてもよいアリール基を有する炭素数4以上20以下の脂肪族α−オレフィンモノマーよりなる群から選ばれるアリール基含有コモノマーに由来する構造単位を2.5mol%以上10mol%以下含むオレフィン系ランダム共重合体である。
本発明の炭素系フィラー−オレフィン系樹脂含有複合材用オレフィン系樹脂は、 オレフィン系ランダム共重合体に含まれる構造単位の大部分を主要なオレフィンモノマーに由来する構造単位が占めており、アリール基含有コモノマーに由来する構造単位の含有量は構造単位全体の2.5mol%以上10mol%以下であり、これらの構造単位が連結したポリマー構造を有している。置換基を有していてもよいアリール基は、ポリマーの主鎖上に存在している。
上記本発明のオレフィン系樹脂は、当該オレフィン系樹脂の高分子主鎖上に置換基を有していてもよいアリール基すなわち芳香環を有している。一方、炭素系フィラーは、炭素含有量が極めて高い無機化合物であり、典型的には炭素原子のみからなる同素体であり、炭素−炭素結合により構成される6員芳香環すなわちベンゼン環が縮合した化学構造を含んでいる。したがって、本発明のオレフィン系樹脂と炭素系フィラーは、どちらも芳香環を有している。
近年の分子軌道法を基にした分子間相互作用の理論計算から、2つの芳香環が接近すると強いπ−π相互作用が生じ、芳香環同士がスタッキング配置をとって安定化することが知られている(有機化学のための分子間力入門 西尾元宏 著 講談社 2008年 第2章)。
本発明のオレフィン系樹脂を炭素系フィラーに接触させると、本発明のオレフィン系樹脂の主鎖上に存在するアリール基と、炭素系フィラーの表面に存在する芳香環が、π−π相互作用によりスタッキング配置をとって安定化するため、炭素系フィラーと本発明のオレフィン系樹脂の間に優れた界面接着性を発現すると考えられる。
また、本発明の上記オレフィン系樹脂は、オレフィン系ランダム共重合体であって、オレフィン系マトリクス樹脂のポリマー骨格と共通又は類似するポリオレフィン系ポリマーの骨格を有しているので、オレフィン系マトリクス樹脂との親和性にも優れている。
従って、本発明のオレフィン系樹脂は、当該オレフィン系樹脂の高分子主鎖上に存在するアリール基の部分が炭素系フィラーに対する優れた界面接着性を発現し、ポリオレフィン系ポリマーの骨格部分がオレフィン系マトリクス樹脂に対する優れた親和性を有するので、オレフィン系マトリクス樹脂に炭素系フィラーを含有させた複合材中で、炭素系フィラーとオレフィン系マトリクス樹脂の間の親和性を改良することができる。すなわち本発明のオレフィン系樹脂は、炭素系フィラーとオレフィン系マトリクス樹脂の間の親和性向上剤として好適に用いられる。
また本発明のオレフィン系樹脂は、それ自体を炭素系フィラー含有複合材のマトリクス樹脂として用いてもよい。
さらに本発明の上記オレフィン系樹脂は、主要なオレフィンモノマーとアリール基含有コモノマーを共重合することにより合成できる。この共重合反応は、上述した従来の変性技術とは全く異なる反応スキームなので、本発明の上記オレフィン系樹脂を合成する際に、上記従来の変性技術に関わる欠点は生じない。
本発明において、置換基を有していてもよいアリール基を有する炭素数4以上20以下の脂肪族α−オレフィンモノマーに由来する構造単位の「炭素数4以上20以下」は、置換基を有していてもよいアリール基を除いた残部、すなわち脂肪族α−オレフィンモノマーの部分の炭素数を意味している。例えば、4−フェニル−1−ブテンは炭素数4である。
脂肪族α−オレフィンモノマーに結合している一つのアリール基に含まれる単環の芳香環または縮合環を構成する芳香環単位の数は、5以下であることが好ましく、3以下であることが好ましい。
また、アリール基は、脂肪族α−オレフィンモノマーの脂肪族鎖の、どの位置の炭素に結合していてもよいが、ω位置すなわち二重結合の位置から見て末端の炭素に位置していることが好ましい。また、アリール基が、脂肪族α−オレフィンモノマーの脂肪族鎖の途中、すなわちω位置以外の位置に結合する場合、アリール基が脂肪族α−オレフィンモノマーの脂肪族鎖に直接結合していても良いし、炭化水素鎖等のリンカーを介して結合していても良い。
また、脂肪族α−オレフィンモノマーの脂肪族鎖上に、2つ以上のアリール基が結合していても良い。例えば、脂肪族α−オレフィンモノマーの脂肪族鎖上のω位置にアリール基が直接結合し、かつ、同じ脂肪族鎖上のα位置付近に炭化水素鎖等のリンカーを介して、もう一つアリール基が結合していても良い。
アリール基が有していてもよい置換基は、特に制限されない。例えば、ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、アミノ基、カルボキシル基、炭素原子数1以上20以下(より好ましくは1以上10以下、さらに好ましくは1以上5以下)のアルキル基、炭素原子数1以上20以下(より好ましくは1以上10以下、さらに好ましくは1以上5以下)のアルコキシ基、炭素原子数1以上20以下(より好ましくは1以上10以下、さらに好ましくは1以上5以下)のアルキルチオ基、炭素原子数1以上20以下(より好ましくは1以上10以下、さらに好ましくは1以上5以下)の炭化水素基を有する置換アミノ基、炭素原子数1以上20以下(より好ましくは1以上10以下、さらに好ましくは1以上5以下)の炭化水素基を有するエステル基、または炭素原子数1以上20以下(より好ましくは1以上10以下、さらに好ましくは1以上5以下)の炭化水素基を有するアシルオキシ基等が挙げられる。アリール基上の置換基の数は特に制限されないが、1個以上3個以下が好ましい。
その理由は、次のように推測される。α−オレフィンモノマーの炭素数が小さい場合やα−オレフィンモノマーが分岐状の構造である場合には、アリール基と当該アリール基が結合するオレフィン鎖との相互作用が強くなることで、アリール基の回転自由度が拘束を受け、アリール基と炭素系フィラー表面とのπ−πスタッキングが生じにくくなり、結果として強いπ−π相互作用が生じにくくなると考えられる。一方、α−オレフィンモノマーの炭素数が大きくなると、アリール基の回転自由度の拘束が緩和し炭素系フィラー表面とのπ−πスタッキングが生じやすくなると考えられる。
しかし、オレフィン系ランダム共重合体に含まれる構造単位の大部分を占める主要なモノマーは、多くの場合、プロピレン、エチレンなどの炭素数が少ないモノマーであるため、α−オレフィンモノマーの炭素数が大きくなると、オレフィン系ランダム共重合体に含まれる異種構造単位間の炭素数の差が大きくなり、オレフィン系ランダム共重合体のガラス転移温度の低下を招く(高分子と複合材料の力学的性質 L.E.Nielsen著 (株)化学同人 1984年 第1章)ことで、複合材の耐熱性の悪化や樹脂自体の軟化により接着界面における応力伝達材としての役割が果たせなくなり、複合材の剛性の低下を招く恐れが懸念される。
従って、耐熱性、剛性を保持しつつ接着性を改良できるα−オレフィンモノマーの炭素数として4以上20以下が好ましく、より好ましくは4以上12以下、特に好ましくは4以上8以下である。
このようなα−オレフィンとしては、具体的には、1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセン、4,4ジメチル−1−ヘキセン、1−ノネン、1−オクテン、1−ヘプテン、1−ヘキセン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン等が挙げられる。
本発明のオレフィン系樹脂であるオレフィン系ランダム共重合体中の、アリール基含有コモノマーに由来する構造単位の含有量が小さすぎると、炭素系フィラーに対する十分な界面接着性が得られない。かかる観点から、アリール基含有コモノマーに由来する構造単位の含有量は、2.5mol%以上であることが望ましい。
また、当該アリール基含有コモノマーに由来する構造単位の量が大きすぎると、耐熱性が悪くなる。一般に、ポリプロピレン等のポリオレフィンの結晶性は異種モノマーを共重合することにより低下するため、オレフィン系ランダム共重合体中のアリール基含有コモノマーの量が大きくなりすぎると、オレフィン系ランダム共重合体の融点が低下し、複合材の耐熱性の悪化や、また樹脂自体の軟化により接着界面における応力伝達材としての役割が果たせなくなり、複合材の剛性の低下を招く恐れがある。オレフィン系ランダム共重合体の融点(Tm)が80℃以上であれば複合材の耐熱性に関して問題はない。かかる観点から、アリール基含有コモノマーに由来する構造単位の含有量は、10mol%以下であることが望ましい。
主要なオレフィンモノマーは、本発明のオレフィン系樹脂と組み合わせる複合材のマトリクス樹脂との親和性の高いものを選ぶことが好ましい。かかる観点から、複合材のマトリクス樹脂に含まれる主要な構造単位と同じ構造単位を生じさせるモノマーを用いることが好ましい。例えば、複合材のマトリクス樹脂がプロピレン系樹脂である場合には、主要なオレフィンモノマーとしてプロピレンを用いることが好ましい。
本発明のオレフィン系樹脂の分子量が前記範囲の上限値よりも大きいと、複合材としての流動性が不足し、薄肉成形品を成形する際に大きな型締め力のある成形機を必要とするか、或いは、成形温度を高くする必要性が生じるので、生産性に悪影響を及ぼす。一方、分子量が前記範囲の下限値未満であると、耐衝撃性等の機械特性が劣る。
一般にチーグラー・ナッタ触媒では活性点の不均一性から製造されるランダム共重合体中のモノマー組成分布が広くなりやすいため、剛性低下や、また広い分子量分布に起因した衝撃強度の低下が懸念される。
本発明のオレフィン系樹脂の分子量分布は、3.0以下であることが好ましく、2.5以下であることがさらに好ましい。メタロセン触媒を使用することで、分子量分布の狭いオレフィン系樹脂を容易に得ることができる。
ここでいうメタロセン触媒とは、(i)シクロペンタジエニル骨格を有する配位子を含む周期表第4族の遷移金属化合物(いわゆるメタロセン化合物)と、(ii)アルミニウムオキシ化合物、上記遷移金属化合物と反応してカチオンに変換することが可能なイオン性化合物またはルイス酸、固体酸微粒子、およびイオン交換性層状珪酸塩から成る化合物群の中から選ばれる少なくとも一種の助触媒と、必要により、(iii)有機アルミニウム化合物とからなる触媒であり、プロピレン系樹脂の製造が可能である公知の触媒は、いずれも使用できる。
上記において、ジルコニウムをハフニウムに置き換えた化合物も同様に使用できる。また、2種以上の錯体を使用することもできる。また、クロリドは他のハロゲン化合物、メチル、ベンジル等の炭化水素基、ジメチルアミド、ジエチルアミド等のアミド基、メトキシ基、フェノキシ基等のアルコキシド基、ヒドリド基等に置き換えることが出来る。
これらの内、2位と4位に置換基を有し、珪素あるいはゲルミル基で架橋したビスインデニル基あるいはアズレニル基を配位子とするメタロセン化合物が好ましい。
重合法としては、上記触媒の存在下に、不活性溶媒を用いたスラリー法、溶液法、実質的に溶媒を用いない気相法や、あるいは重合モノマーを溶媒とするバルク重合法等が挙げられる。所望の共重合α−オレフィンモノマー含量、メルトフローレートに制御するためには、例えば、重合温度、コモノマー量、水素添加量を調節することが出来る。
本発明の炭素系フィラー−オレフィン系樹脂含有複合材用オレフィン系樹脂組成物は、必須成分として、炭素系フィラー、及び、前記本発明の炭素系フィラー−オレフィン系樹脂含有複合材用オレフィン系樹脂を含有する組成物である。
本発明のオレフィン系樹脂組成物は、オレフィン系の成形用樹脂を炭素系フィラー強化するための添加剤として好適に用いられる。
本発明のオレフィン系樹脂組成物に用いられる炭素系フィラーとしては、芳香環構造を含む化学構造を有する炭素系フィラーを用いる。従来から知られている炭素系フィラーは通常、芳香環構造を含む化学構造を有しており、用いることができる。例えば、炭素繊維、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーン、グラファイト(黒鉛)等が挙げられる。
炭素系フィラーの炭素含有量は大きいことが望ましく、具体的には、80質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることが特に好ましい。
炭素繊維は、炭素−炭素結合ネットワーク構造を有する炭素同素体または炭素の含有率が大きい無機化合物からなる繊維であり、JIS規格では「有機繊維のプレカーサーを加熱炭素化処理して得られる、質量比で90%以上が炭素で構成される繊維」と定められている。
炭素繊維としては公知のものを用いることができる。例えば、ピッチ系、ポリアクリルニトリル系、レーヨン系、ポリビニルアルコール系、再生セルロース系等の炭素繊維が挙げられる。また、単繊維の炭素繊維を用いてもよいし、チョップドストランドのような集束の炭素繊維を用いてもよい。
炭素繊維のサイズは特に制限されないが、平均繊維径は、通常3μm以上30μm以下、好ましくは8μm以上20μm以下であり、平均繊維長は、通常0.05mm以上200mm以下、好ましくは0.2mm以上50mm以下、より好ましくは4mm以上20mm以下である。
また炭素繊維のアスペクト比(平均繊維長/平均繊維径)は、通常5以上6000以下、好ましくは10以上2000以下である。
例えば、オレフィン系マトリクス樹脂がプロピレン系樹脂である場合には、希釈用のオレフィン系樹脂は、プロピレン単独重合体またはプロピレン共重合体であることが好ましく、プロピレン単位の含有量は50mol%以上であることが好ましい。
溶融混練の工程は、例えばロールミル、バンバリーミキサー、ニーダー等で行うことができる。また、タンブラー式ブレンダー、ヘンシェルミキサー、リボンミキサー等で混合した後、一軸押出機、二軸押出機等で混練を行ってもよい。
炭素繊維として長炭素繊維を用いる場合には、長炭素繊維モノフィラメントの束を含浸ダイスに導入し、ダイス内で溶融状態の樹脂成分を含浸させた後、必要な長さに切断することにより、ペレット状の組成物が得られる。
本発明の炭素系フィラー−オレフィン系樹脂含有複合材は、必須成分として、炭素系フィラー、前記本発明のオレフィン系樹脂、及び、前記本発明のオレフィン系樹脂以外のオレフィン系樹脂を含有する組成物である。
本発明の複合材は、軽量で優れた力学特性を有するフィラー強化樹脂成形体の成形用樹脂材料として好適に用いられる。
なお、前記本発明の炭素系フィラー−オレフィン系樹脂含有複合材用オレフィン系樹脂は、炭素系フィラーとの界面接着性に優れたオレフィン系樹脂であるから、それ自体を複合材のマトリクス樹脂として用いてもよい。その場合には、必須成分として炭素系フィラー、及び、前記本発明のオレフィン系樹脂を含有するフィラー強化複合材を用いて成形体を製造することができる。
本発明の複合材は、複合材のオレフィン系マトリクス樹脂として、前記本発明のオレフィン系樹脂以外のオレフィン系樹脂を用いる。マトリクス樹脂としては、従来から成形用樹脂として用いられているオレフィン系樹脂を用いることができる。軽量性、経済性の観点では、プロピレン系樹脂がマトリクス樹脂として好適に用いられる。プロピレン系樹脂としては、プロピレン単独重合体、及び、プロピレン共重合体のいずれも用いてもよいが、プロピレン系樹脂の力学特性を十分に引き出す観点から、プロピレンモノマーの重合割合が大きいことが好ましく、具体的には、通常は、重合体中のプロピレンモノマーに由来する構造単位の含有割合が50mol%以上のプロピレン系樹脂が用いられる。
また、オレフィン系マトリクス樹脂と上記した本発明のオレフィン系樹脂組成物を混合することにより、本発明の複合材を製造してもよい。この場合、オレフィン系マトリクス樹脂のペレットと、本発明のオレフィン系樹脂組成物のペレットを混合することにより、本発明の複合材を製造してもよい。
本発明の複合材を用いて様々な分野の成形体を製造することができる。例えば、自動車用材料、自転車用部品、家具、住宅関連内装・外装材、工具その他の機械部品等を成形することができる。
自動車用材料としては、インストゥルメントパネル、ドアパネル、コンソールボックス等の内装部品、ラジエータグリル、スポイラー、サイドガーニッシュ、ランプカバー等の外装部品が挙げられる。自転車用部品としては、フレーム、ホイール等が挙げられる。家具としては椅子やテーブルの脚部、収納容器等が挙げられる。住宅関連内装・外装材としては、浴室部品、水回りのバルブ、トイレの便座等が挙げられる。工具その他の機械部品としては、電動工具部品、ホースジョイント、樹脂ボルト等が挙げられる。
特に、マトリクス樹脂としてプロピレン系樹脂を用いた複合材においては、アリール基含有コモノマー由来の構造単位を含む本発明のオレフィン系樹脂により炭素系フィラーとプロピレン系マトリクス樹脂との間に優れた接着性が付与されるため、プロピレン系マトリクス樹脂が本来備えている剛性、耐熱性、成形性などの物性を損なわず、且つ、複合材で通常問題となる接合界面の剥離による耐久性の低下が改良され、高度な物性バランスを持つことが期待できる。
とりわけ製品の大型化、薄肉軽量化、形状の多様化、リサイクル性、経済性等、高度な物性バランスが要求される自動車用材料の分野において、好適に用いることができる。
本発明のオレフィン系樹脂として、プロピレンと4−フェニル−1−ブテンのプロピレン系ランダム共重合体を合成した。
充分に窒素置換した30mLフラスコに、100μmolのrac−ジメチルシリレンビス(2−メチル−4−フェニルインデニル)ジルコニウムジクロリドを秤量し、脱水ヘプタン(10mL)を加えた。このヘプタン溶液に、日本アルキルアルミ(株)製のメチルアルミノキサントルエン溶液(メチルアルミノキサン(MAO)として10mmol)を加えて触媒溶液を調製した。
次に、内容積2.4Lの誘導撹拌機付ステンレス製オートクレーブ内に精製窒素雰囲気下でコモノマー濃度(4−フェニル−1−ブテン)が0.06mol/Lとなるように精製ヘプタン、4−フェニル−1−ブテンを導入し、プロピレン圧0.5MPa、70℃で安定化させた。先に調製した触媒溶液を添加し、重合を開始した。30分間の重合終了後、エタノール(10mL)を加え、圧力を解放し、窒素置換し、オートクレーブを室温まで冷却した。回収した重合スラリー液から、エタノール(1L)を用いて共重合体を再沈し、ろ過するにより共重合体を得た。共重合体を塩酸(2N、200mL)/エタノール(1L)溶液で洗浄した後、さらにエタノール(1L)を用いて洗浄した。70℃で6時間減圧乾燥後、最終的にプロピレン/4−フェニル−1−ブテン共重合体を回収した。収量は65.2g、Mw87,000、Mw/Mn2.0、4−フェニル−1−ブテン含量2.5mol%であった。
実施例2〜4、及び比較例1〜3では、実施例1の操作に準じて、表1の重合条件にてプロピレン系ランダム共重合体又はプロピレン単独重合体を製造した。比較例2では、4−フェニル−1−ブテンの代わりにアリルベンゼンを用いて製造した。得られた重合体の物性を、以下の方法で評価した。評価結果を表1に示す。
(1)分子量及び分子量分布(Mw、Mw/Mn値)
[測定条件]
使用機種:ウォーターズ社製150C
検出器:FOXBORO社製MIRAN1A・IR検出器(測定波長:3.42μm)
測定温度:140℃
溶媒:オルトジクロロベンゼン(ODCB)
カラム:昭和電工社製AD806M/S(3本)
流速:1.0mL/分
注入量:0.2mL
[試料の調製]
試料は、溶媒であるODCB(0.5mg/mLのBHT(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール)を含む)を用いて、濃度1mg/mLに調製し、140℃で約1時間かけて溶解させた。
[分子量の算出]
標準ポリスチレン法により行い、保持容量から分子量への換算は、予め作成しておいた標準ポリスチレンによる検量線を用いて行った。使用する標準ポリスチレンは何れも東ソー(株)製の銘柄であり、F380、F288、F128、F80、F40、F20、F10、F4、F1、A5000、A2500、A1000、である。標準ポリスチレンを0.5mg/mLとなるようにODCB(0.5mg/mLのBHTを含む)に溶解した各溶液を0.2mL注入して、較正曲線を作成した。較正曲線は最小二乗法で近似して得られる三次式を用いた。分子量への換算に使用する粘度式[η]=K×Mαは以下の数値を用いた。
PS:K=1.38×10−4、α=0.7
PP:K=1.03×10−4、α=0.78
Mn、Mwの定義は「高分子化学の基礎」(高分子学会編、東京化学同人、1978年)等、多くの参考書籍に記載されており、GPCによる分子量分布曲線から計算可能である。試料中の極めて低分子量のフラクションについては、溶出ピークが溶媒由来のゴーストと重なって不明瞭となる場合(上記条件では、分子量でおよそ400g/mol以下)があるが、その分子量以下の成分は計算から除外して平均分子量を求めた。
示差走査熱量測定(DSC)を用い、試料を一旦200℃まで温度を上げて熱履歴を消去した後、10℃/分の降温速度で40℃まで温度を降下させ、再び昇温速度10℃/分にて測定した際の、吸熱ピークトップの温度を融点として特定した。装置はTA Instruments社製Q2000を用い、サンプル量は約5mgとした。
MFRは、JIS K7210−1(2014)に準拠し、230℃、2.16kg荷重で測定した。
[試料の調製]
試料150〜200mgを重化テトラクロロエタンと共に内径10mmφのNMR試料管に入れて窒素置換した後に封管し、加熱溶解して均一な溶液としてNMR測定に供した。
[測定条件]
NMR測定は10mmφのクライオプローブを装着したブルカー・バイオスピン(株)のNMR装置AVANCEIII00を用いた。1H−NMRの測定条件は試料の温度120℃、パルス角4.5°、パルス間隔2秒、積算回数128回とした。化学シフトはテトラクロロエタンのプロトンのピークを5.96ppmとして設定し、他のプロトンによるピークの化学シフトはこれを基準とした。コモノマー含量は、1H−NMRスペクトルからコモノマーの帰属を特定し、そのシグナル強度に基づいて算出する。ブテニルベンゼンとアリルベンゼンに関しては下記の方法で求めた。
[コモノマー含量の算出方法]
1H−NMRスペクトルのシグナル強度を用い、以下の式からブテニルベンゼン総量およびアリルベンゼン総量を求めた。
ブテニルベンゼン総量(mol%)=I(Bz)×100/〔I(4b-Bz+P)〕
アリルベンゼン総量(mol%)=I(Bz)×100/〔I(allyl-Bz+P)〕
ここで、I(Bz)、I(4b-Bz+P)、I(allyl-Bz+P)はそれぞれ、以下の式で示される量である。
I(Bz)=I7.8〜6.6/5
I(4b-Bz+P)=I(Bz)+(I4.0〜0-I(Bz)×7)/6、
I(allyl-Bz+P)=I(Bz)+(I4.0〜0-I(Bz)×5)/6、
Iは積分強度を、Iの下つき添字の数値は化学シフトの範囲を示す。例えばI7.8〜6.6は7.8ppmと6.6ppmの間に検出した1Hシグナルの積分強度を示す。
試料である共重合体樹脂と炭素系フィラーとの接着性は、グラファイトシート(パナソニック社 PGSシリーズ品番 EYGA091210A)の表面上に試料をフィルム状に溶融圧着し、以下の方法で評価した。
(a)グラファイトシートを5cm×10cmの大きさに裁断し、両面テープでアルミシート上に貼付け、試料をグラファイトシート状に散布する。
(b)試料の上にテフロン(登録商標)シートとアルミシートを順に載せ、鏡面処理した厚さ5mmのステンレス製のプレス板ではさみ、試料をグラファイトシートにフィルム状に溶融圧着する。成形条件は210℃で3分間予熱後、10MPaの圧力で3分間加圧した後、10MPaの圧力にて常温で冷却加圧する。
(c)グラファイトシートに溶融圧着された試料の表面に、カッターナイフを用いて格子状(碁盤目状)に切り込みを入れ、各1mm×1mm寸法のマス目を、100マス作成する。切込みを入れる際には、定規(コーテック株式会社 JISクロスカットガイド CCJ1)を使用した。
(d)粘着テープを、試料表面の格子状の切り込み領域にむらなく圧着し手動で引き剥がし、試料である共重合体樹脂とグラファイトシートの接着の状態を、粘着テープ面内に付着したグラファイトシートの劈開量(剥離したマスの数)を目視で観察し、以下のように評価した。
×(不良):格子状マス目の全数100個に対し、マス目内に部分的又は全面的にグラファイトが付着したマス目の数の割合が25%未満 であり、グラファイトシートとの接着性を示さない。
△(やや不良):格子状マス目の全数100個に対し、マス目内に部分的又は全面的にグラファイトが付着したマス目の数の割合が25%を超えるが、50%を超えることはない。
〇(良好):格子状マス目の全数100個に対し、マス目内に部分的又は全面的にグラファイトが付着したマス目の数の割合が50%を超えるが、75%を超えることはない。
◎(優秀):付着の程度が上記を超え、グラファイトシートとの優れた接着性を示す。
本発明の炭素系フィラー−オレフィン系樹脂含有複合材は、軽量でかつ力学特性に優れた成形体を製造するために好適に利用できるので、広い分野で利用される。
特に、本発明の複合材から製造された成形体は、剛性、耐熱性、耐久性、成形性のバランスが良いため、自動車用材料として好適に用いることができる。
Claims (21)
- 置換基を有していてもよいアリール基を有する炭素数4以上20以下の脂肪族α−オレフィンモノマーよりなる群から選ばれるアリール基含有コモノマーに由来する構造単位を2.5mol%以上10mol%以下含み、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定される重量平均分子量が20,000以上200,000以下であるオレフィン系ランダム共重合体からなることを特徴とする、炭素系フィラー−オレフィン系樹脂間親和性向上剤。
- 前記オレフィン系ランダム共重合体のアリール基含有コモノマーが、直鎖状脂肪族α−オレフィンモノマーである、請求項1に記載の炭素系フィラー−オレフィン系樹脂間親和性向上剤。
- 前記アリール基含有コモノマーのアリール基がフェニル基である、請求項1又は2に記載の炭素系フィラー−オレフィン系樹脂間親和性向上剤。
- 前記オレフィン系ランダム共重合体のGPCで測定される分子量分布(Mw/Mn)が3.0以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の炭素系フィラー−オレフィン系樹脂間親和性向上剤。
- 前記オレフィン系ランダム共重合体の融点(Tm)が80℃以上である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の炭素系フィラー−オレフィン系樹脂間親和性向上剤。
- 前記オレフィン系ランダム共重合体がプロピレン系ランダム共重合体である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の炭素系フィラー−オレフィン系樹脂間親和性向上剤。
- 炭素系フィラー、及び、請求項1〜6のいずれか1項に記載の炭素系フィラー−オレフィン系樹脂間親和性向上剤を含むことを特徴とする、炭素系フィラー−オレフィン系樹脂含有複合材用オレフィン系樹脂組成物。
- 炭素系フィラー、及び、請求項6に記載の炭素系フィラー−オレフィン系樹脂間親和性向上剤を含むことを特徴とする、請求項7に記載の炭素系フィラー−オレフィン系樹脂含有複合材用オレフィン系樹脂組成物。
- 前記炭素系フィラーが炭素繊維である、請求項7又は8に記載の炭素系フィラー−オレフィン系樹脂含有複合材用オレフィン系樹脂組成物。
- 炭素系フィラー、請求項1〜6のいずれか1項に記載の炭素系フィラー−オレフィン系樹脂間親和性向上剤、及び、前記請求項1〜6のいずれか1項に記載の炭素系フィラー−オレフィン系樹脂間親和性向上剤以外のオレフィン系樹脂を含有することを特徴とする、炭素系フィラー−オレフィン系樹脂含有複合材。
- 炭素系フィラー、請求項6に記載の炭素系フィラー−オレフィン系樹脂間親和性向上剤、及び、前記請求項1〜6のいずれか1項に記載の炭素系フィラー−オレフィン系樹脂間親和性向上剤以外のオレフィン系樹脂を含有することを特徴とする、請求項10に記載の炭素系フィラー−オレフィン系樹脂含有複合材。
- 前記請求項1〜6のいずれか1項に記載の炭素系フィラー−オレフィン系樹脂間親和性向上剤以外のオレフィン系樹脂が、プロピレン単独重合体及びプロピレン共重合体よりなる群から選ばれるプロピレン系樹脂である、請求項10又は11に記載の炭素系フィラー−オレフィン系樹脂含有複合材。
- 前記炭素系フィラーが炭素繊維である、請求項10〜12のいずれか1項に記載の炭素系フィラー−オレフィン系樹脂含有複合材。
- 炭素系フィラー、及び、置換基を有していてもよいアリール基を有する炭素数4以上20以下の脂肪族α−オレフィンモノマーよりなる群から選ばれるアリール基含有コモノマーに由来する構造単位を2.5mol%以上10mol%以下含み、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定される重量平均分子量が20,000以上200,000以下であるオレフィン系ランダム共重合体からなるオレフィン樹脂を含むことを特徴とする、炭素系フィラー−オレフィン系樹脂含有複合材。
- 前記オレフィン系ランダム共重合体のアリール基含有コモノマーが、直鎖状脂肪族α−オレフィンモノマーである、請求項14に記載の炭素系フィラー−オレフィン系樹脂含有複合材。
- 前記アリール基含有コモノマーのアリール基がフェニル基である、請求項14又は15に記載の炭素系フィラー−オレフィン系樹脂含有複合材。
- 前記オレフィン系ランダム共重合体のGPCで測定される分子量分布(Mw/Mn)が3.0以下である、請求項14〜16のいずれか1項に記載の炭素系フィラー−オレフィン系樹脂含有複合材。
- 前記オレフィン系ランダム共重合体の融点(Tm)が80℃以上である、請求項14〜17のいずれか1項に記載の炭素系フィラー−オレフィン系樹脂含有複合材。
- 前記オレフィン系ランダム共重合体がプロピレン系ランダム共重合体である、請求項14〜18のいずれか1項に記載の炭素系フィラー−オレフィン系樹脂含有複合材。
- 前記炭素系フィラーが炭素繊維である、請求項14〜19のいずれか1項に記載の炭素系フィラー−オレフィン系樹脂含有複合材。
- 請求項10〜20のいずれか1項に記載の炭素系フィラー−オレフィン系樹脂含有複合材の成形体である自動車用材料。
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